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2010年9月30日 第6回審査支払機関の在り方に関する検討会議事録

○日時

平成22年9月30日(木)10:01~12:09


○場所

厚生労働省5階 共用第7会議室 


○出席者

粟生田委員、足利委員、飯山委員、岩田委員、遠藤委員、齋藤委員、高田委員、
高橋委員、田中委員、長谷川委員、森田委員(座長)、村岡委員、山本委員、横倉委員、
渡辺委員、高智オブザーバー、秋山ゲストスピーカー
(事務局)
外口保険局長、唐澤審議官、武田総務課長、吉田保険課長、伊藤国民健康保険課長、
佐藤医療課長、佐原保険システム高度化推進室長

○議事

○森田座長 時刻がまいりましたので、ただいまから、第6回「審査支払機関の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
 本日の委員の出席状況につきまして、事務局からご報告をお願いいたします。
○吉田保険課長 本日の委員の御出席の状況でございますが、足利委員から御欠席の御連絡を受け、代理として支払基金の田中経営企画部長の出席希望を頂戴しているところでございます。
 また、私ども、局長の外口、審議官の唐澤でございますが、急遽開催が決まりました保険医療機関の指導監査に関する会議、政務三役を交えて並行して行っております。終わり次第こちらにということでございますので、現在おりませんことをお許しいただきますようお願い申し上げます。
 以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
 ただいま、本日の委員の出席状況や代理出席について、事務局より報告がございましたが、本日欠席の足利委員の代理として支払基金の田中氏に御出席をいただいておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○森田座長 それでは、代理の方にはよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○吉田保険課長 改めましておはようございます。保険課長でございます。
 お手元の資料の山、一番上に、最後に御確認をいただきます「今後の日程」を委員の方々のみ配付させていただいております。
 それ以降、会議の資料といたしまして、座席表のあと、議事次第、右肩に書いてございますが、第6回として資料1と2。秋山ゲストスピーカーからのプレゼン資料のパワポが資料3。資料4-1、4-2、4-3という一連のものが支払基金からの提出資料。資料5が国保連からの提出資料。資料6及び資料7はそれぞれ協会けんぽ、あるいは健保連の方から御提出いただいた資料で、後ほどそれぞれ関係委員の方から御報告をいただくこととしております。
 その最後に2種類、横紙で第6回参考資料1という資料と参考資料2。このうち参考資料2につきましては、既に第4回に提出させていただいた資料の再掲でございますが、本日、コストの議論をしていただくに際して、実施体制の話題があろうかということで用意をさせていただいております。
 お手元に乱丁、落丁等ございましたら、御連絡いただきますようお願い申し上げます。
○森田座長 ありがとうございました。
 資料の方はよろしいでしょうか。
 それでは、早速、本日の議題に入りたいと思います。
 本日は、前回に引き続きまして、まず、ゲストスピーカーから御発言いただき、その後で質疑をお願いいたしたいと思います。
 本日、ゲストスピーカーとしてお願いいたしておりますのは、東京大学政策ビジョン研究センター教授で、日本医療情報学会理事の秋山昌範様でございます。
 秋山様は、諸外国、特に電子レセプトが進んだ国の審査につきましての御見識を持たれておられるということでお願いいたしました。
 それでは、早速ですが、秋山様、よろしくお願いいたします。
○秋山ゲストスピーカー 御紹介いただきました東京大学の秋山でございます。
 本日は、こういうところでお話しさせていただく機会を与えてくださいまして、ありがとうございます。
 時間も限られてございますので、早速ではございますが、御説明に入らせていただきたいと思います。
 これまでの検討会でも随分御議論が進んでいると伺っておりますが、今日、私の論点としては、なぜITを使った方がいいのかという論点、特に全数データという、審査支払の対象のレセプトというのが、国民全体のデータを扱うことの特殊性について、まず、少しお話をさせていただいて、そこでITを使うというトレンド、その自治体の導入したこと、最後に、もし時間が余りましたら、海外の事例などを御紹介できればと思っております。
(PP)
 まず、ここは皆様、十分御承知のことでございますが、全数のデータを扱うという解析の重要性に関しましては、従来にもまして高まっております。これは、高齢化社会ということだけではなく、高度に先進化した社会においては、分散値、ばらつきが大きくなりますので、ばらつきが大きくなったときに、人々がチェックするだけではなかなか難しい部分がございます。そこをチェックするという意味で、最近の特に21世紀からのトレンドとして、統計学の手法もピアソンの統計学からベイズの統計学というふうに変わりつつございます。それを最も推進しているのがアメリカでございます。
 特に、何にベイズの統計学を使うかといいますと、将来予測。これはマーケティングなんかの手法も含めて盛んに使われておりますし、その中で、予測の正当性を担保するためには、まず、公平性ということも当然なければいけない。もう一つ大事なことは、お金をかければ十分できるわけではございますが、人海戦術だけでは大変費用がかかってしまいますので、効率性ということが重要ですが、当然そこに最低限担保されるべき質というものがございます。
 もう一方、今回扱うデータは個人情報が多大に含まれていることもございまして、プライバシーに配慮する必要もございますし、何よりも全数データを扱う最大の意味は、サンプリングバイアスを排除するということにございます。というのは、単なる検討とか課題でありますと、そんなにサンプリングバイアスが関係しなくてもいい場合があるんですが、大きく制度を見直さなければいけない、大きくいろんな見直しをしなければいけない場合は、サンプリング抽出の過程でいろんなバイアスが入ってきます。それが意思決定を阻害する要因になりかねます。
(PP)
 次のスライドの絵を見ていただきたいんですが、母集団というものが通常あります。これが本来対象とすべき集団で、これはレセプト全体になりますが、レセプト全体にあるということのデータが全部取れるということは画期的なわけでございます。通常は、全部のきちんとしたチェックが難しいので、いわゆる抜取り調査というのをやるわけでございます。抜取り調査をするときには、統計学上、どうしても制限がございます。
(PP)
 次の絵で御説明いたしますと、標本抽出方法を誤ると、偏りが生じて、母集団を代表できない。代表性があるかどうかという、担保の検証が非常に重要になるわけでございまして、この辺は皆様重々御承知のとおり、ピアソンの統計学を中心とした統計学で、ここのサンプルに関しては従来から研究されてきたところでございます。
 ただ、もう一方、じゃ、どういう測定で有意差があるかどうかという抽出方法に関しても、2つ、いろいろな手法がございます。したがって、手法の採用の仕方によって二重の誤差が出る可能性があるということでございます。
(PP)
 次に挙げました表は、特に最近、諸外国で言われている統計手法でございますが、もともと全数調査というのは、本年、国勢調査の年に当たっておりますが、国勢調査に代表されるように、データの信頼性に少し問題があるのではないか。代表性に関してはだれも問題がないわけでありますが、精度の高い検査をしてしまいますと、費用がかかり過ぎるということで、信頼性は若干落ちるというのが今までの一般的な意見でございます。
 もう一つの全数調査の問題点として昨今話題になったのは、BSEの牛のチェックで全頭調査をしましょうというときに、どうしても費用とか制限、能力的な制限の問題があるということで話題になったのも記憶に新しいところでございます。
 それで、現在でもいろんな国、いろんな手法で使われるのは、サンプリング調査ということが比較的メリットが大きいということで、今まではこれがされておりました。特に20世紀は、ほぼすべてのところでこれが使われていたと言っても過言ではないと思います。
 しかしながら、20世紀の後半、最後になって、特にウォルマートとか、日本で言うセブンイレブンみたいな、POSという、ポイント・オブ・セールというバーコードを使ったような全数をチェックする仕組みを導入したことによって、ITを使えば両方のいいとこどりができるのではないかという学問が出てまいりました。特に21世紀になって保険医療分野でこれを積極的に導入しようとして考えたのが、アメリカのビル・ゲイツのビル・ゲイツ財団でございます。ゲイツ財団は、こういうことを使って、保険医療情報なんかも全数から分析をすることが可能になるのではないかということを10年ほど前に言い出して、諸外国でもここ5年ほどは、ITを使った全数把握ということがトレンドになってきているところでございます。
(PP)
 したがいまして、ITによる解析というのを見直した場合に、いろいろなメリット、デメリットがございますが、時間の関係で簡単にさせていただきますと、まず、作業効率がいいというのは、どなたも認めるところでございます。経費は、人間系の人海戦術に比べて圧倒的に少なくて済むと。
 もう一つ、昨今、ここ数年来、諸外国、特に言われているのは、人海戦術に比べて匿名化が容易であるということでございます。ここは昨今のIT技術の進歩、特に暗号化技術の進歩によって、相当数の時間と労力をかけないと本人が特定できないということが進んできました。暗号化の技術だけですと従来からあったわけでございますが、ここ昨今盛んに採用されるようになった理由は、紐付け可能な暗号化ができるということでございます。紐付け可能、要するに、紐付けしたり、しなかったりすること、比較的簡単に安価にできるようになった。これを代表した例が、イギリスのNICEと呼ばれるところのいろいろな機能評価。ここに個人情報とそれ以外の情報を紐付けするかどうかを電子的にやることによって、紐付けする、しないに関しての記録も全部電子記録として残してしまう。したがって、不正な紐付けをやった場合にはすぐにチェックできる仕組み、オーディットトレールの仕組みをちゃんと残しているということで、匿名化をしたり、しなかったりというところが人間系に比べて圧倒的に有利だと言われています。
 しかしながら、一方では、多くの方々が御指摘なさっておられるように、個々の特殊性を判断しにくい。どうしても既知の情報しかプログラムに埋め込むことができませんので、非常に微妙な症例であるとか、新しいことが起こったときの判断というのは、人間には劣ってしまう欠点がございます。
(PP)
 次にまいりまして、影響ということを考えた場合に、これは多くの方々が御指摘なさっていることでございますが、ITというのは個別に向かない部分が確かにあるのではないか。したがって、今後の方向性として、一般的にどの産業界でも採用されているのは、人的な審査とIT審査の組合せが適正なのではないかというのも、この検討会の大まかな方向性ではないかと伺っております。
 したがって、ある程度のふるい分け、ふるい分けをするところまでは機械でやって、最後の例外系に関して人的に処理するというのが、一般的なほかの産業界における、もしくは保険医療分野のほかの先進国における処理の仕方でございます。
(PP)
 ここで事例紹介について大きく2つ御紹介したいと思います。
 1つは、我が国の今まで全数が取れたデータが幾つかの病院でございます。その各病院の許可を得て分析させていただいておりますが、その結果を少し今から例示をして、機械による審査というのはこういうイメージになるのではないかということを御説明申し上げたいと思います。
(PP)
 まず、なぜ機械でやるかということに対しての、特にマーケティングとかコミュニケーション論の方から出てきた理論でございますが、一般的に、人間系でやるとどうしても偏りがあるのではないかというところがどうしても疑いを持たれてしまいます。そこで、根拠は何なんだろうかというのをまとめてみた場合に、そもそも事実があったとしても、普通の紙情報では、不都合な事実を記録しない限り、それが表に出てこない。
 したがって、例えばコンビニなんかでPOSが導入された一番大きなインセンティブというのは、最初は万引き防止だったそうですが、バーコードをチェックしない限り、物の出入りがないということに限定してしまった場合に、夜間に一人で店員さんがいるような場合、バーコードをチェックしないのに減ったということは、朝チェックしたら、その一人でいた間になぜこの1個が減ったのかということを即座に問い質すことができます。したがって、万引きはほぼゼロになる。万引きで最も多かったのは、実は店員さんによる万引きだったということがございまして、そういうのを予防することができるわけでございます。これは、学説としてもいろんなものとしてもビジネス界でも定着していることでございます。
 したがって、今すぐには当然無理でございます。十分な時間と修正をかけた上で、最終的なあるべき姿というのは、医療行為をすべて把握できる、今のレセプトに上がってこないような、場合によったら包括に上がってこないようなことまでも拾い上げられる可能性を秘めているのがITだということでございます。
(PP)
 ここで1つの例として注射の事例を挙げたいと思います。
 注射の事例を挙げた場合に、従来のきちんとデータが取れている部分というのは、発注、仕入れ、在庫とか、注射箋発行とか、調剤とか監査のところは、すべてデータとして上がってまいります。これは人間系でもIT系でも同じです。
 また、医師のところもちゃんと上がってまいりますが、今、伝票がないところというのは、注射を混ぜたり、注射を実施するというところの伝票はございません。したがって、ここの記録はほとんどないのが一般的でございます。
 しかし、ここにバーコードとリストバンド等を導入することによって、ここのデータをすべて扱うことができます。これは従来のオーダリングシステムとか、いわゆる薬剤のシステムとは別個の医療安全の観点から、導入システムによって、はっきりとした伝票がなかった部分の不正確なデータをきちんとしたデータとして把握するようになったわけでございます。
 その1つの事例が、印刷ではお配りしておりませんが、ちょっと微妙なデータなので、スライドだけにとどめさせていただきますが、全数の一番大きな特徴は、しなかったことが分かるわけでございます。今までは全部のデータが取れていなかったために、データがないということは、記録をしなかったのか、本当にしなかったのかが分からなかったわけでございますが、この機関ではすべてバーコードをスルーしてチェックすることができない。捕捉率が99.6%だと聞いておりますが、ほぼ100%のデータを取ることによって、調剤まではしたけれども、実際、注射しなかったということが分かるようになったわけでございます。ここが全数調査の大きなところであります。人間系では見つけることができません。
(PP)
 もう一つのポイントは、このスライドに挙げている1、2、3、4、5という5つのプロセスに関して、プロセスごとのチェックをしてみた場合に、全数のデータ解析をコンピュータプログラムによって行いました。そうすると、従来の報告と全く違う結果が出てまいりました。
 この病院におきましては、エラーの原因を見つけるというグラフにおいて、右軸が1年間にならしたときの30分間の注射の総本数を表しています。例えば、2万であれば、9時から9時半までに2万本注射したということです。その2万本注射したときの平均のアラーム率。アラーム率というのは、患者さんを間違えただけではなくて、混ぜ忘れをしたとか、冷所保存の薬が混ぜられていない、そういうことも含めて全部アラームが鳴るわけで、事故の確率ではございません。あくまでうっかりミスみたいなことの確率を見てみた場合に、従来は、多忙性による、忙しいからミスが多いというふうに論文はされていました。これはすべて観察研究によるところでございます。人間系ですね。
 しかしながら、コンピュータによる全数検査をしたところ、むしろこれは逆相関、負の相関になる。忙しい時間の方がアラームは低くて、暇な時間の方がアラームが高いということは、従来の観察研究とは逆の結果が出てございます。
(PP)
 一方、次のグラフを御説明申し上げますが、時間の関係で簡単な説明になってしまうことをお許しください。
 1日に3回、アラームの高い時間帯がある。これは何かといいますと、事故の起こりやすい時間帯ということでございます。事故の起こりやすい時間帯は1日3回ピークがあるということも一つの特徴です。これは実はハンドオーバー、シフトオーバー、要するに、勤務交代の時間帯に非常に近い。
 もう一つは、棒グラフは注射の総本数ですが、ピンクのカードがアラームだとすると、これもアラーム率が高いところは本数が低い傾向にあることが一目瞭然でお分かりになるだろうと思います。
 一方、この次の9つのグラフは非常に分かりにくいので簡単に右上だけにとどめさせていただきますが、これはPDAという携帯端末、バーコードでチェックする端末を持っているコンピュータを持っている看護婦さんが何時間連続勤務をしているかを横軸にとったものでございます。
 これで見てお分かりのように、6時間以上勤務すると、突然アラーム率が高くなることが分かってまいります。ということは、疲れてくると注意力が落ちてくるのではないかという仮説が立ちます。
 一方、それだけで説明がつかないのが朝でございます。右の一番上のグラフを見ていただくと分かるように、朝一番のアラームがなぜか非常に高い。これは夜間とかには生じない現象でございます。
(PP)
 この原因分析をするために、次のグラフを見てみますと、これも全数のデータをとったところ、その看護師さんにとって何本目の注射かというのが横軸でございます。縦軸には総アラーム件数を出しておりますが、いずれも、1本目、2本目の注射のアラームは非常に高い有意差でアラーム率が高くなることが分かってまいります。
(PP)
 これを更に分析をしてみたところ、その次の絵に出てまいりますが、印刷で白くなっている線の所、分かりにくくて恐縮ですが、実は最もアラーム率が高いのは10時前後でございます。ここはドクターの中止変更オーダーが最も高いところでございます。これは何かというと、臨床をよく御存じの方は御存じのように、朝9時から10時にかけては大体病棟回診というのをします。病棟回診をして、朝の緊急検査である患者さんの容体を見て、指示変更するタイミングでございますが、ここの申し送りをした直後、朝でバタバタしている時間帯にこういう申し送りを大体口頭でするわけでございます。ここはコンピュータを使わずに、急変したりする場合は口頭でやるわけですが、どうしてもここのところは行き違いが多くなるのではないかということが示唆されるわけでございまして、この辺のところのコミュニケーションギャップということを発見できるのも、人間系の研究では一度も出てこなかった。これは私たちの論文がノイエスとして初めてレビュージャーナルに採用された論文でございまして、こういうことを発見できたのもITの力でございます。
 言い換えれば、最も多忙な時間でなくて、比較的注射の本数がそうはないのに、ここにアラームが高いというのは、指示変更が最も多い。もう一つ、昨今の新しい研究で分かってきたことは、指示の種類が多いと非常にアラーム率が高いことが分かってまいりました。
(PP)
 この次のスライドは、病院のプライバシーを含みますのでお配りしませんでした。スライドには病院長の許可を得て出させていただきましたが、別の病院で同じような調査をした研究、これもITのデータ収集でございます。今回、こちらの方のデータは、看護師さんのすべての業務をバーコードを使ってやっています。例えば、シーツ交換をするとか、そういうことも「シーツ交換」というバーコードをポケットの中に入れておいて、患者さんのリストバンドとシーツ交換をすることによって、シーツ交換したということも記録されるわけでございます。
 その中で1,500万ものデータを分析できたわけであります。1,500万の看護師さんの業務量に対して客観的なデータ分析をしたのはこれが初めてでございまして、アメリカの医学図書館にも収載された、レビュージャーナルに載った論文の引用でございますが、観察が圧倒的に70%と多い。それから、ケアというのが13%。合わせて85%近くが看護師さんが主たる業務でありますが、御存じのように、ヒヤリハット報告で最も多い注射というのは、大体40~50%ですけれども、看護師さんの業務量の中で4%に満たないわけでございます。4%に満たないところでそんなにヒヤリハットが起こっているということは、いかに注射業務の看護師さんに与える負荷が大きいかということが分かります。このデータ分析をした結果を簡単にお示しします。
 これで分かったことは、このシステム導入当初は、12%近くのアラーム率が上がったのに対して、学習曲線というのが存在して、ほぼ6%で、1~2年で落ち着いているところでございます。この6%こそが実はコミュニケーションギャップで、うっかりミスではないところであるんですが、その次のグラフを見ていただくとお分かりのように、先ほどの病院とほぼ同じように、1日3回やはりピークがある。これはよく議論が出てくる、病院ごとに違うじゃないか、バックグラウンドが違うんじゃないか。患者さんを持っている背景も違うから、違う振る舞いになるのではないかというのが多くの研究者とか医療機関の方々から御指摘をいただくことでございます。確かにピークは前の病院に出てきたのとは違って、6時、10時、午後5時というピークであって、前の病院では午後5時ではなくて午後11時だったわけでありますが、ただ、三方性になる。3つのピークがあるという形そのものは同じなわけであります。これは実は介入研究をして中に入り込んでいくと、看護師さんの勤務の割り当て方、シフトの割り当て方が違うので、これを反映していたので、今日、時間の関係で省略いたしますが、三方性になるということは同じなんですが、バックグラウンドの違いがデータに反映されていることがきれいにわかります。したがって、全数調査によって、なぜこの三方性の時間軸が違うかというところまでは分からない。ここはヒアリングという人間系に調査が必要ですが、しかしながら、三方性になることは瞬時にコンピュータ解析で分かってくるわけでございます。
 今日は時間の関係で省略いたしますが、ほかにも2つの病院をこういうふうに分析しておりますが、もう一つの病院もやはり同じような三方性。もう一つの病院は二方性になっています。それは実は二方性の病院の看護師さんのシフトの具合がほかの3病院と違うことによって二方性になってきておりまして、これも観察研究と並行することで、その説明がつく結果が出てございます。
(PP)
 一方、これもよく言われることでございます。次のグラフに移らせていただきますが、PDAというのは携帯端末で、最近のスマートフォン、アイフォンみたいなものでございますが、これをワイヤレスの無線LANを使った状態で、1人1台看護師さんに持たせて業務をさせております。1人1台の理由は、先ほどお話ししたように、注射だけではなくて、シーツ交換とか、清拭とか、いろんなお声かけとか、励ましとか、指導とか、説明、そういうことも含めて、医療行為として記録している関係で、PDAの稼働台数というのは、どれぐらい看護師さんが働いているかの人数を表しているわけでございます。
 時間当たりの人数を表したところ、一目瞭然でございますが、日勤の時間帯は夜間に比べてほぼ倍。2点数倍。2.3倍ぐらいの稼働台数があるということは、やはり日勤の作業業務が圧倒的に多いですし、いわゆる朝一番と夕方、朝と夕方の勤務が悪いことも一目瞭然で出てくるわけでございます。
(PP)
 更に、ここを詳しく注射に関してだけ時間ごとに見てみたところをお示しいたします。
 このグラフも同じように、青色の棒グラフが縦に入ってあります。これは、この機関の総注射本数。例えば9万本とか10万本とかいう本数でございますが、9時から10時までの間の総本数。それから、青い折れ線グラフは、この間の注射をするタイミング。実際に看護師さんが針を刺すタイミング、もしくは点滴をつなぎ替えるタイミングでどれぐらいアラームが鳴ったかというのが青い折れ線グラフでございます。最高値は10.5%、最低値は4.2%という時間ごとに大きなばらつきがあることが分かります。
 一方で、緑の折れ線グラフが示しているのは、混ぜる、混注と呼ばれる、病棟で看護師さんがボトルの中に注射薬を入れるタイミングでアラームが鳴るか、入れるタイミングでアラームが鳴るかどうかのほぼすべてのケースは、医師の指示変更がこの間にあった。注射箋発行から混ぜるまでに医師の指示変更があったこと。もう一つは、冷所保存と呼ばれているお薬をうっかり混ぜ忘れて、そのまま注射しようとするとアラームが鳴ります。
 このように、冷蔵庫の中に入れておきますと、机の中に置いてあったものだけを混ぜたら、バーコードでチェックしたところ、忘れていますよというアラームが鳴りますので、それもアラームとして出ているわけでございます。
 この関係を見ていただくと、先ほどの病院と同じようなことがお分かりになるかと思います。注射の総本数の最も多いところは、下向きの矢印で3カ所チェックをしております。これに比べて、そのときのアラームは1日で最低のところが多い。しかしながら、注射の本数が低いところのアラームというのは、やはり高くなっている。ということで、先ほどの病院と同じトレンドが出ている。これは、今まで報告されているピアレビュージャーナルを文献検索をかけたところ、このような報告はまだ1つもございませんでした。今回、我々の研究が初めて指摘していたところでございまして、なぜこのようなことが起こるのかを先ほどの病院と併せて研究してみた結果をお示しいたします。
(PP)
 次のグラフ、一部英語で恐縮でございます。申し訳ございません。簡単に説明いたしますと、これも先ほどの病院と同じように、注射指示でのワーニングの警告数に対して、横軸は、30分当たりの注射の総本数を表しておりますが、これもやはり先ほどの病院と同じように、負の相関。要するに、注射の本数が時間当たり多いほど、ワーニング率は下がる。注射の総本数が少ないほど警告数は上がってしまうという、きれいな逆相関になっています。この逆相関も先ほどの病院と同じように、5%以下の危険率、有意な関係として出ておりまして、いずれも負の相関となっていることが証明されたわけでございます。
(PP)
 その一方、次のスライドを説明させていただきますと、注射の総本数と警告頻度も、やはり同じように負の相関になってございます。要するに、総本数が多い方が少ない。これは、時間の関係で資料は省かせていただきましたが、この原因を介入研究をして調べさせていただきましたところ、何が分かったかといいますと、この時間帯というのは、総本数は少ないんですが、指示が最も多い時間帯でございます。要するに、指示の多さというよりは、指示の種類の多さ。ほかの例えば9時、10時というのは、注射以外の業務がたくさん発生しています。注射以外の業務がたくさん発生している時間というのは、ミスがどうしても多くなりがちである。このグラフで言うと、ここですね。ところが、朝一番というのは、注射にほぼ専念しておりますので、1日の中の警告数で言うとボトムになります。これは4つの病院ともほぼ同じ傾向になっておりまして、注射の総本数が多くて、これはまだ深夜の時間帯ですから、深夜の看護師さんは2人ないし3人しかいないんですが、アラーム率は非常に低いわけでございます。
 これを見ると、指示の種類が少ないと、忙しいからといってミスは誘発しない。指示の種類が多いと、たくさん人がいたとしても見落としが多くなってしまう。これはどういうことを言えるかといいますと、要するに、レセプトの審査で非常にシンプルな審査というのは、人間系でもできる可能性が高い。しかしながら、複雑な審査になった方がむしろ人間系では見落とす可能性が高いという人間の行動パターンを表していることになるのではないかと我々は考えております。
(PP)
 それを最後にお示しいたしますが、これが最後のお配りした資料でございます。これは、実は病棟ごとに看護師さんの出来不出来があるのではないかという病院の御指摘に応じて分析させていただいたものでございまして、1台当たりのアラーム数が極端に低い病棟がございます。いわゆる外れ値でございます。これは従来の観察研究では指摘できなかったところでございまして、ほぼ同じではないかと言われていたんですが、いとも簡単に明らかな外れ値が分かりました。ここから先の研究はまだこれからでございまして、今やっているところでございますが、ここから先に関してもコンピュータが役に立つかもしれませんが、ここから先は、我々は今のところ人間系で調査をしてみたいというふうに考えてございます。
 言い換えれば、上のほぼ大多数のところはコンピュータである程度チェックできますが、一部の外れ値のところに関しては、人間系でやることが望ましいのではないかという一つの事例になっているのではないかと思います。
(PP)
 時間の関係でこれで最後にいたしますが、お配りできなかった1つの資料をお示しして、私のまとめに代えさせていただきます。
 従来の人間系による調査というのは、見た目に依存されることが多くて、関係として幾つかの関係を発見することが人間の目でも可能だというふうに数学の世界では考えられています。しかしながら、コンピュータによる、ビル・ゲイツ等が提唱している、ITによる全数解析の最大のメリットは、ミッシングリンクと呼ばれておりますが、従来のチェック系では見つけることができなかった陰の相関、陰の関係というのを見つけることができるのが最近のテクノロジーでございます。したがいまして、従来の外れ値と呼ばれるものがこの中で見つかった場合に、ひょっとするとこっちをやると、更にもっと詳細な、分からなかった関係が見つかる可能性がある。
 これでよく皆様が御存じかと思いますのは、ウォルマートでやられた、紙おむつとビールを一緒に買うお客さんが非常に多いというのは、まさにこのミッシングリンクの代表でございます。御存じかとは思いますが、念のために最後に御説明させていただきますと、ウォルマートは、バーコードを使ったPOSレジの全ストアの導入によって、レシートごとにどういうものを一緒に買うかということを分析を可能にしました。それまでは、1日のどの時間帯にどういうものが売れるのか、どのお店がどういうものが売れるのかという、マスとしてのデータ解析は十分できていたわけでございますが、レシートごとの単位、これはバスケット分析と言いますが、バスケット、いわゆる買い物かごごとにどういうものを買うかの組合せに関しては分析ができなかったわけでございますが、調べてみると、紙おむつとビールを一緒に買うレシートが非常に多い。そのバックグラウンドを調べてみたところ、若い夫婦が一緒に買い物に来て、週末に旦那さんを連れて、大きな紙おむつを車で買いに来たところ、旦那さんはビールが欲しいので、ビールも一緒に買って帰ることが多かった。これが分かったので、ウォルマートは何をしたかというと、従来離れていた所に置いてあった紙おむつとビール売り場を隣に併せたところ、売上が格段に増えた。要するに、ついで買いが増えたという事例がございます。
 このように、産業界では、ミッシングリンクというのを随分前から活用しておりまして、このような、今まで医学では発見できなかったようなことも発見できる可能性があるということを申し添えて、私からのプレゼンとさせていただきます。
 最後までどうもありがとうございました。
○森田座長 どうもありがとうございました。
 最先端のIT技術を医療に応用した場合に、どのようなことが可能であるかというようなお話であったと思います。審査支払の審査に関しましても、どういうことが可能なのかということの示唆を得られたのではないかと思いますが、それでは、ただいまのゲストスピーカーのスピーチにつきまして、ご質問、ご意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。時間の関係で省略されたところもあるようです。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 大変興味深い詳細な解析、ありがとうございました。
 一、二教えていただきたいことがあるんですが、配付していただいた資料の中でパネル9ですね。「医療に対する「安心=Trust」を向上させるためには、医療行為「全て」を記録する必要がある」と。これは、医療情報のすべては必ずしも知る必要はないわけだ。そういうことですね。
○秋山ゲストスピーカー はい、そうです。
○齋藤委員 だから、決められたことがやれたかどうかと、そういうことを判断する上でと。
○秋山ゲストスピーカー はい。
○齋藤委員 後でずっと教えていただいた警告の発生数も、これは、指示事項から外れたかどうかと、そういうことですよね。だから、指示そのものが揺らいでいるときには、こういうスタディはまた別の視点が必要なんだと、そういうことですね。
○秋山ゲストスピーカー はい。
○齋藤委員 ありがとうございました。
○秋山ゲストスピーカー 指示の変更の後、オーディットトレールをかけて、指示の変更がきちんと行き渡ったかどうかという分析をさせていただきました。
○齋藤委員 保険審査の場合にこれを当てはめて考えますと、保険審査の指示といいますか、土台というか、医療情報というか、それがかなりファジーな面があって、揺らぎの中にあると。そこがここで言うエラー、見落としとか、誤判断とか、そういうことの判定の難しさを内包しているのかなというふうに感ずるのですが、その辺、先生、いかがお考えでしょうか。
○秋山ゲストスピーカー ありがとうございます。私のお話しできなかったことの重要な指摘をいただきました。
 先ほどのグラフでもお示ししましたように、幾つかの病院によってパターンがございます。そのパターンというのは、指示伝達系統の仕組みが病院ごとに違いますし、先ほどの最後のPDAでもお話ししましたように、病棟ごとに若干仕組みが違うんですね。そうすると、実はああやってみると、今までいいと思われていた指示伝達の仕組みが、実はほかの病棟の指示伝達の仕組みはよかったなどということがございまして、要するに、ファジーな部分の指示伝達こそが実は医療安全上非常に重要だということが分かってきました。
 実は、今月のBMJ系の雑誌で、WHOの仕事でさせていただいた仕事で出版されたんですが、そこにもインペリアル・カレッジの先生とか、ジョンズ・ホプキンスの先生たちと一緒にまとめさせていただきましたけれども、同じ指摘がされていまして、要するに、今、齋藤先生御指摘の、要するにファジーなところこそが実はヒヤリハット、いわゆる危ないところであり、審査支払の多分揺らぎ、審査の揺らぎになるところであるだろう。それをコンピュータを使っていくと、最後のこのスライドのことを表しているんですが、従来、揺らぎと呼ばれていたものが幾つかのクラスタ、幾つかの群に水面下ではまとめられているらしい、こういうふうな指示伝達をすると、こういうことが、表面上は違うように見えるんだけれども、起こっているらしい、みたいなことが分かるようになってきたのが最近の最新のIT技術でございます。まさに、従来のベテランの審査委員の先生方の勘とかノウハウと呼ばれるものを可視化することができるようになるのがIT技術でございます。もちろん一足飛びにすぐに完璧な人間と同じものをコンピュータはできませんが、昨今のドッグイヤーと呼ばれるIT技術の進歩によって、かなりなことができるようになってございますので、今、欧米の先進国では、ここの研究が非常に盛んになってきております。そういうところで、審査支払にすぐに活かせるかどうかというのは議論の余地があろうかと思いますが、ITの進歩としては十分に活かされるようになりつつあるということはまさに齋藤先生の御指摘のとおりでございます。
○齋藤委員 ありがとうございました。
○森田座長 ほかにいかがでございましょうか。高橋委員。
○高橋委員 先ほど18ページですか、時間ごとの注射の警告数、そのときのお話で、注射の本数が多いときはアラームの鳴る頻度が少なくて、むしろ注射の本数が少ない方がアラームが鳴る頻度が高い。その御説明は、本数が多いときは、大体注射に専念していると。はっきり言って、指示がシンプル、ということですか。
○秋山ゲストスピーカー そうですね。
○高橋委員 むしろ注射の本数が少ないときというのは、ほかの指示が結構多くて、それは多様だということですね。だから、その中でかえって注意が拡散するから、かえってこういったミス、ミスというか、警告が鳴るようなことが多いと、こういうことですか。
○秋山ゲストスピーカー そうです。
○高橋委員 そうすると、これは看護師さんはいろんな業務を行っていますが、その看護師さんの業務全体の中の注射という行為だけに着目して、その注射の中でアラームが鳴るケースを拾うと、こういうことになるわけですね。
○秋山ゲストスピーカー いや、全体の数は、こちらの1,500万という注射以外のすべての医療行為。たまたま今回解析した部分の抽出の仕方が、4%ぐらいのところの注射だけでございますが、検討そのものは全部の業務の中でやっておりますので、全数というのは1,500万になります。したがって、1,500万を人間系で解析したら、とても我々の小さな研究室で研究できる分析ではございませんから、これはコンピュータプログラムがあったから2~3人で解析できたわけでございまして、恐らく1,500万という数字は、先生方の方が私よりも実感をもって相当大変な審査ということがお分かりになるかと思います。むしろ、本数が多い、総行為数が多いからこそ、逆にコンピュータ解析に向いたんですね。少なければ人間系でチェックしてしまって、人間の思い込みでやったら、ひょっとしたら今みたいなのは見落としていたかもしれません。これは、今日、時間の関係で大幅に省略してしまって申し訳なかったんですが、まさにあの時間帯にほかの業務が集中しているんです。したがって、注射のアラーム数が低かった状態に、ほかの観察とか指導とかケアの業務がバーッと上がるわけですね。そういうことを踏まえて申し上げて、あのグラフだけですと、注射だけ抽出しましたので、分かりにくかったかと思いますが、まさに今御指摘いただきましたように、あの時間帯にほかの業務、ほかの70~80%の業務が集中しているわけでございます。
○高橋委員 ですから、いろんな業務の中で、解析の対象になっているのは注射の4%でしたか。
○秋山ゲストスピーカー これで言うと約60万件ですね。
○高橋委員 それで、ほかにもいろんな業務があって、一番多いのはもちろん観察とケアということですけれども、そうすると、業務総体で見ると、それはある時間帯によって、注射という行為に伴ってアラームが鳴るケースだけ見られていますけれども、業務全体をもし観察できれば、そのときにはそうすると、時間帯に関係なく、何か指示と違うような行為が発生する頻度は本当は同じかもしれないという推測はあり得るのではないですか。
○秋山ゲストスピーカー おっしゃるとおりで、この絵で、先ほどの観察とか処置というのは、ここがピークになるんですね。その分析もしておりますが。ここがガーッとピークになってきます。そこのところは当然のことながら、多いので、物理的に注射できなくなっているんですね。昼間に比べると全体の作業量は、先ほどお話ししたように、こういうふうにほぼなっていますので、これが総数1,500万ですから、1,500万に対してもお昼休みのときは少し下がりますけれども、こことここにピークが来ます。こことこのピークというのは、重ね合わせて考えると、こことここにピークが来るわけですね。したがって、このピークのところは実は少ないですよと。昼休みを除いて。そういうふうになりますので、当然のことながら、1,500万全部解析すると、もっといろんなことが分かりますが、あくまで、今日は時間の関係もありまして、これは学術研究なので、非常に有用性が高い、クオリティ・アンド・ペーシャント・セーフティという分野においての研究でございますから、医療の質と安全の評価という研究の中においては、特に今、注射が着目されておりますので、どこの国でも40%ぐらい注射によるインシデント、アクシデントが起こってございます。そこに注力した研究でございまして、すぐにこれがそのまま、今、高橋委員御指摘のような、審査にそのまますぐにこのまま適用できるかどうかは別として、今のコンピュータ技術というのはここまで進んでいるんだということをお示しした。特に1,500万という数字はかなりの数字で、従来の研究者ではとても処理できなかった数字でございます。それをパソコンレベルで解析できるようになったということが大きなことかと思います。
○森田座長 よろしいですか。
 ほかにいかがでございましょうか。では、横倉委員。
○横倉委員 秋山先生、どうもありがとうございました。
 本当に医療行為の数の多さということを現実に1,500万という数で示していただいたわけですね。保険審査の中では、この中から抽出というんですか、請求できる項目をまたドーンと出してくるということになるわけで、その中でどういうところに食い違いがあるか。一般的に、前回の報告、議事録を読むと、大体99%近くは余り差異がない。1%ぐらいにいろいろ審査員によってのいろんな意見があるんだという御報告がありました。そうすると、いろんな医療行為がたくさんあるレセプトの中で、行為が多いと、当然そこにはアラームといいますか、一つの違いが出てくるということは当然だということの結論が出ると思うんですね。そこのところの差異をいかに少なくしてくるかということについてになると思いますが、コンピュータ、IT解析で相当数はそう差異は出ない。では、差異のあるものについて人的資源をたくさん投入すれば、その部分はより解決に近づいてくるよということでよろしゅうございますか。
○秋山ゲストスピーカー 補足していただいてありがとうございます。
 実は、今、ばらつきがあるというのが、バックにまだ見つかっていない、ミッシングで、裏に要因があるんだと。ところが、人間系の従来の研究だと、1,500万とか何千万となると、とてもじゃないけど、ここまでチェックする労力も疲れてしまいます。できません。したがって、従来の分かっている既知の知識に基づいてこういうふうに分類をするわけでございますが、従来の分類は、決して間違ってはいないんですが、前回までの議事録も私、読ませていただきましたけれども、結局、最近の高齢化社会において、がんと脳卒中と一緒にあるような患者さんであるとか、降圧剤と抗がん剤を一緒に飲んでいるような患者さんに対する処置というのは、当然このカテゴリーの上のカテゴリーの中に入ってきませんので、そういう患者さんが特別に抽出できて見た場合には、両方の差異というものが、ばらつきはむしろ客観的に説明できる可能性がる。私はそのばらつきが多いのは、医学の進歩によるものだと思っておりますが、医学の進歩によるものという客観的な分析はまだ医学研究として追いついていないのではないか。今日お示ししたのは、そこを医学研究として客観的に追いつける。したがって、私が今研究しているフィールドはクオリティ・アンド・ペーシャント・セーフティ。クオリティが最初にきておりまして、イギリスが言い出したこととジョンズ・ホプキンスが言い出したことですが、クオリティをはかる上で、その一部としてペーシャント・セーフティという概念があると。したがって、研究としては、医療の質の評価ということをやっているわけでございまして、今までのばらつきと呼ばれる中のかなり客観的に質の評価ができるようになってきたのではないかというのが、私どもが今やり始めている研究でございます。
○森田座長 よろしゅうございますか。
 それでは、渡辺委員、どうぞ。
○渡辺委員 今の関連で手短に。素朴な疑問として、今おっしゃったばらつき、特に医療の裁量権、あるいは、先生は先ほど医者の勘という言葉をお使いになりましたが、そういったものをレセプト、ITで処理というか、審査の場合、医師の裁量権といったものが常につきまとうわけですね。それは究極的にはどういうふうに判断すればいいのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○秋山ゲストスピーカー 実はもう一つスライドを用意していたんですが、済みません、私、時間の関係で省いてしまったんですが、今、この上の2層が既知だと思っていただければいいと思います。一番上は一般の方に説明する、2番目が専門家が知っている。ほぼこれは同じようじゃないとうまく説明がつきません。
 しかし、更にスペシャリストの分野に入ってきて、特に総合医の本当の総合医、例えば糖尿病性腎症があって、透析をして、胃がんの胃全摘をやって、それに更にケモまでやりました。多分相当の専門医じゃないとできません。そういうのって、どこかのカテゴリーに入るわけですね。特に最近この分析が難しくなっているのは、先生方も御存じのように、経口の抗がん剤がかなり多くなってきましたので、従来の注射の処方箋だけ分析したのでは、医学研究をできなくなってきた。したがって、TS-1とかUFTみたいな経口抗がん剤を使ったような場合と、なおかつ、5フルオロウラシル系なんかと併せてやろうとすると、従来のデータですと、一見2つの所にあるように見えるわけですね。注射の処方箋と経口薬、2つのデータ別に今はなっていますから。そこを紐付けしたら、実はどっちもフルオロウラシル系じゃないかということになるわけでございまして、そういうような分析というのは、一見レセだけ見ていると分からなかったりする場合もあります。
 そういうことをいろいろ見つけていくと、実は、糖尿病の薬でも最近のアカルボス以降なんかの糖尿病なんかにするのか、昔のいわゆる古いレガシーな糖尿病の薬を使っているか、分析は全然違ってきますが、今は糖尿病ということしか分からないわけですね。そういうふうに新しいタイプの経口糖尿病薬を使っている、インシュリンが要らなくなったら糖尿病薬を使っているのか、そうじゃなくて従来のやり方なのか。それとがんの組合せ、もっと複雑になってきます。複雑になると処理し切れないので、今までのプログラムは3つぐらいにしていたわけですね。それをビル・ゲイツが言った、全部できるようになったというのは、確かに1つはネットワークの強み。1つのコンピュータで処理できないものが、10個のコンピュータを仮想的に1つのコンピュータみたいに処理できるようになった。これが最近のはやり言葉で「クラウドコンピューティング」であります。
 先々週、オーストラリアへ行ってまいりましたが、オーストラリアは州政府ごとにデータベースがあるんですが、実は、中央政府、連邦政府から見ると1個になるように見えている。物理的には州政府ごとに分かれているんですが、連邦政府から見て1個に見える仕組みは、この3カ月動いております。なんと、ここでお話ししていいかどうかわかりませんが、EヘルスのID、アイデントファイヤーが97%の国民に付いておりまして、何の問題にもなっていないということで、世界で初めて先進国としてすべての統一番号が医療に関してくくられたという事例でございますが、そういうときにこういう技術が使われています。したがって、これは決して絵空事ではなくて、幾つかの先進国でこういうことが実際に国の制度として行われるようになってきておりまして、今御指摘いただいたようなことが一部は現実化しています。
 ただ、今の日本がすぐここまで行けるか。もちろん私はそう思っているわけじゃございませんので、プラン・ドゥー・チェック・アクション、ぐるぐる開発と見直しの繰返しで、DNAのらせんのように、だんだんブラッシュアップしていくことが必要かと思いますが、代表的な審査委員の先生方が気がついていらっしゃるようなことは、多分47都道府県どこにもあると思います。それを一つ一つまとめていって、共通部分を1個でも増やしていこうということが、このIT技術を使えば可能になってくるのではないかと考えてございます。
○森田座長 よろしいですか。
 ほかにいかがでしょうか。長谷川委員。
○長谷川委員 非常に参考になるお話、ありがとうございます。我々は、審査支払ということをどう考えるかというのがこの検討会の一番の課題なので、その観点から先生の御意見をお伺いしたいと思うんですが、実際、全数のデータを得られるというのは、ITの最大の価値であるし、日本全国、いろんなデータベースがあるんですが、恐らく最大規模というのはクレームですね。レセプトデータだと思うんですね。もちろん、個別事例になると、医師の裁量権もあるし、患者さんの病態が非常に複雑であるということもある。ただ、全部それを公費でお払いするかどうかというのは、これはどこかで多分基準は必要だと思うんですが、そのあたりは一つの議論のポイントだと思うんです。
 もう一つは、こういった全数のデータを公開すると。非常に大きな資源なので、公開するかどうかというのは非常に大きな議論で、しかも、更に、それに支払についての一定のルールがもしあるとすると、それも公開するかどうかというのもまた一つの論点だと思うんですね。
 したがって、私が先生の御意見としてお聞きしたいのは、こういったデータを公開するということが、質改善につながるか、あるいは、一定の医療行為で、今現在はいろんな思いがあって、いろんな治療法をされていると思うんですが、それが収束というか、どこかの範囲におさまるような形に動いていくのかどうかという、もし公開に踏み切った場合、どんな影響が考えられて、先生の御意見としてどんなふうにお考えなのかということを教えていただくとありがたいと思いますが。
○秋山ゲストスピーカー 大変難しい質問だと思うんですが、基本的にメリット、デメリット、やはり両方あるだろうと思います。メリットとして、これは既に論文になっておりますので、かいつまんで御説明いたしますが、ここの病院で、実は、2年前ですか、三重県のある診療所で、菌血症をたくさん起こして亡くなったり、敗血症で亡くなったりした、いわゆる混注が、余りにも早く混ぜ過ぎて亡くなった例がございました。ここの病院でガイドラインとして、3時間以内じゃないと混注してはいけませんと。クリーンベンチは別にしてですね。というのを決めていたんですが、どうも時々見ると、もっと早くから混ぜていくのではないかというふうなことがございました。そこを調べてくれと。私が介入研究させていただいたんですが、そのときに現場は、実はこのグラフで言うと、この辺でたくさん混ぜていたんですね。昼間はほぼ守られていました。夜間の深夜帯の時間帯に、1時からずっと混注が続いている。なぜかというと、ここがピークなので、2人夜勤でここから混ぜていかないと間に合わないんだそうです。
 しかしながら、ルールでよく現場を知らない人が3時間と決めてしまって、日本全体のルールだったんじゃないかと思いますが、ここで混ぜないで、3時間以内に混ぜると、人員をあと倍に増やさないと回らないと。しかしながら、昨今のこの情勢で人員を増やすことはできないので、現場が創意工夫でここで一生懸命混ぜていた。一例も事故は起こっていないということがありまして、実際にやったところ、実は、ここは正しいことをしていて、むしろ、病院のルールを変えたんですね。病院の幹部の方がルールが間違っていた。それが正しいなら、そっちの方がいいということが分かった。全数を見せることによって、今まで見えなかったことが見えることになって、むしろ業務の改善につながったという例がございます。
 一方では、別の病院なんですが、全数を見せることによって、表現がちょっとあれですけれども、ちょっとゆっくりしていたり、手を抜いたりしたことが、これはアメリカの例なんですけれども、ばれたのがありまして、そうするとコンフリクトが起こってしまいますので、そこのマネジメントの仕方を失敗すると、かえってネガティブな行動変容を起こしてしまう場合がありますので、両者の違いというのは、日本とアメリカの違いもあるかもしれませんが、管理者のデータの評価の仕方というか、要するに、頑張っていた。最初の日本の例でも、これはルールを守っていないじゃないかとしゃくし定規に叱りつけることもできたと思うんですけれども、むしろほめてあげて、やはりうちの病院の看護婦さんは優秀だというふうに幹部が思ったわけですね。後者の場合は、しゃくし定規のルールで言ったら、だめじゃないかと頭ごなしにやると、むしろ反発してしまうというのがあるので、見せるというのは、最後はマネジメントの仕方、要するに管理者の方のデータの扱い方に非常に影響するのではないか。
 したがって、コンピュータ審査をした場合でも、支払基金とか国保連合会の方々がどういう解釈でその結果を判断するかということに大きく結果が依存するのではないかと思います。したがって、結果に反映するかどうかは、コンピュータ解析をするかどうかが問題、もしくは、データを見せるかどうかが問題ではなくて、上がってきたデータをいかに納得していただけるような御説明ができるかどうかということに依存するのではないかと私は考えております。むしろ、いい説明ができた場合は、プラスの効果の方が大きいのではないかと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
 大分時間がたちましたので、これくらいにさせていただきたいと思いますけれども、ちょっと私もコンピュータの方の専門ではないので、最後に確認をさせていただきたいんですけれども、今まで審査をする場合には、個々のケース、患者さんそれぞれ、お医者さんそれぞれでいろいろ診察があって、そこに非常に裁量の幅が広いということが問題になってきたと思うんですけれども、特に最後のスライドでお示しいだたいたところによりますと、そうしたものもこうした全数のコンピュータ解析によって、実は裁量と言われるものについても一定のパターンなり、そういうものについてかなり解析できるということですね。技術的には将来的に可能であると。それでも外れ値が出た場合には、最後のもう一つ前のグラフにありましたけれども、人間系でもってそこをチェックすると。そうしたことをすることによって、周りにいます人間系のチェックの対象というものをかなり絞り込むことができると、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○秋山ゲストスピーカー そういうことだと考えております。
○森田座長 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間が予定よりも過ぎておりますので、次の議題に入らせていただきたいと思います。
 本日の論点は、システム電子化とも絡むものがございますので、秋山様には申し訳ございませんけれども、引き続き御参加をいただきたいと思っております。
 それでは、本日は審査の3回目ということで、審査手数料、コストと審査の効率化について議論をお願いしたいと思います。
 事務局から提出いただいている資料について、まず御説明をお願いいたします。
○吉田保険課長 お手元の資料1、2、及び、後ろの方に付いてございます参考資料1が事務局から用意をさせていただいております。一括してポイントを絞って御説明を申し上げます。なお、事前に委員の皆様方にごらんいただいたものとは若干変わっているところがございますが、大筋変わってございません。
 まず、資料1は、毎回出しております第1回から第4回の議論の論点ということで、これまで御議論いただきましたものを積み重ねてまいりました。特に本日、資料2として用意をさせていただきましたものは、資料1の7ページから9ページにかけて、ロとして審査手数料、ハとして電子化、オンラインによる効率性、あるいは9ページ、組織の形態についてというところで、これまで御議論をいただいたものをベースに論点化したものでございます。
 その上で資料2でございますが、大きく柱として「効率化の話」と「手数料の話」を整理させていただいております。
 1つ目の効率化についても、小項目で3つございまして、資料2の(1)にございますように「電子化に対応した強化、効率化」という意味で、電子化に対応したものを今後どのように取り組んでいくかという方向性の問題と、そのために必要なコスト、あるいはシステムというものをどのように確保していくかという問題意識でございます。
 資料2の2ページ目につきましては、「(2)電子化に対応したシステムの整備」ということで、この流れからはどのようなものが今後考えられるか。具体的にはこれまでプレゼンがございましたように、国保連中央会の方は23年5月から、支払基金においては24年度からということで、既に実務的なプロジェクトは進んでおるかと思いますが、よりその先を見越して、このメンバーの皆様からのいろんな御意見というものをいただくべくと思っております。時間及び流れの関係上、これについては、次回の会議において、関係資料なども用意をしたいと思っております。
 2ページ目の下の方、「(3)統合又は競争の視点からの効率性」ということにつきましては、これまで毎回この会議で申しております、統合あるいは競争促進という視点からの問題意識でございます。
 また、資料の4ページ目「手数料に関する論点」という大きな柱の2つ目につきましては、4ページ目の(1)にございますように、「審査体制の効率化と水準」について、もっと下げられるのではないか。それが競争促進もしくは統合という観点からどのように考えられるかということを挙げさせていただいておりますし、5ページ目は「コスト構造、支部単位、あるいは業務内容別」について、これまでも御指摘いただきました。例えば、業務内容としては、審査、あるいは支払、決済、あるいは組織そのものの運営、そして審査品質の向上のための次なる投資というような区分も念頭に置きながら、もう少し見やすくするべきではないかというのは、これまでいただいた御意見であり、こういう形を論点化して御議論いただいてはという形でまとめております。
 また、5ページ目の?Aは、国保連につきましては、支払基金と保険者代行機能という意味で違うという御指摘もございましたが、それを踏まえた論点を1項目挙げてございます。
 最後、6ページでございますが、これは当初から申し上げております、刷新会議などでの指摘でございますけれども、「手数料と査定率の連動」という論点を挙げさせていただいております。
 続いて、参考資料1について、事務局提出資料ということで御報告することをお許しいただきたいと思います。
 前回、この会議においてゲストスピーカーからの御指摘、また、それを踏まえての高田委員からのご質問ということで、具体的には、参考資料1ページ目と2ページ目。1ページ目につきましては、現在、支払基金及び国保連における再審査の申出の期間の原則6カ月というものを表した通知の生き死にの問題、あるいは今後の問題をまとめておりますし、参考資料の2ページ目には、調剤報酬に関しての1,500点以上という形のルールについて、現在あります通知が生きているのか死んでいるのかという御質問を踏まえての整理でございます。
 経緯については、1ページ目、2ページ目、それぞれの通知について書かせていただいております。具体的には、6カ月という再審査期間の問題につきましては、経緯の3つ目の○に前回も類したご発言があったかと思いますが、紳士協定的なものという形になっているという現状がございます。私ども、これからこの会議での御議論も十分踏まえた上で関係者と調整をさせていただこうと思いますが、この6カ月という話につきましては、1ページ目の左の下の所にありますように、今後、縦覧点検というものが行われる中で、この状況にあわせて通知の取扱いについても検討してまいりたいと思っております。
2ページ目、1,500点以上というものにつきましては、今後、23年4月から電子化されていく突合審査というものがまいりますので、これに伴ってこの通知は廃止の方向というふうに考えております。
 ただ一方で、紙レセの場合はどうするかなどなど、ほかにもこれに派生する議論がございますので、このような方向で今日のところは検討するという事務局としての考え方を申し上げ、また、この場での御意見や、あるいは関係方面との調整を踏まえて対応してまいりたいと思っております。
 事務局から用意させていただきましたのは3種類です。
○森田座長 ありがとうございました。
 では、続きまして、支払基金から新しい業務効率化計画の提出があるということでございますが、これについて御説明をいただきたいと思います。なるべく簡潔にお願いいたします。
○足利委員(代理:田中部長) 支払基金経営企画部長の田中でございます。
 こちらのスライドを見ながらお聞きいただきたいと思います。
(PP)
 今般、新しく支払基金サービス向上計画の原案を策定いたしました。この新計画案につきましては、今後、保険者代表や診療者代表を含む四者構成の理事会での協議を経て決定されることになります。しかしながら、先般、厚生労働省省内事業仕分けを踏まえまして、厚生労働省から本検討会での公開の議論にも供するよう要請を受けましたので、本検討会で提出する次第でございまして、現時点では未定稿の段階であるということを含みおきいただきたいと存じます。
(PP)
 まず、新計画案策定の背景について御説明申し上げます。
 平成22年度の手数料は、現行の手数料適正化の見通しに盛り込まれました平成23年度の目標を1年前倒しで達成する水準となりました。が、それをめぐる保険者団体との間での協議の過程におきましては、平成23年度以降も引き続きコストの削減に取り組むよう強く求められております。
 加えまして、行政刷新会議の事業仕分けや厚生労働省省内事業仕分けにおきましても、手数料の引き下げ、組織のスリム化など、支払基金をめぐる様々な議論が展開されております。
 また、平成27年度以降引き続き、若干の紙レセプトが残存いたしますけれども、平成27年度にはレセプトの電子化がおおむね完了するものと見込まれます。
 こういったことを踏まえまして、23年度から27年度までを対象期間とする新計画案を策定させていただいた次第でございます。
(PP)
 次に、新計画案の全体像を御説明いたします。
 支払基金は、現在、レセプトの電子化に対応すべき歴史的な転換期にあると考えております。すなわち、新計画案の対象期間は、レセプトの電子化がおおむね完了するという中で、それに対応した業務処理体制が本格的に稼働する段階に移行いたします。いわば、「ITを導入して補助的に活用する仕組み」から、「確立したITを最大限活用する仕組み」に転換するというふうに考えております。このような中で、支払基金といたしましては、社会の要請に応える良質なサービスを提供という観点、もう一つ、コスト意識を持った効率的な事業運営という観点から、より良いサービスをより安く提供するということを目指してまいりたいと考えております。
(PP)
 第1に、良質なサービスの提供については、審査の充実等を図ってまいります。すなわち、支払基金におきましては、平成11年度以降、4次にわたり審査充実計画を策定しまして、それぞれ当時の状況に応じた数値目標を設定してまいりました。今般の新計画案では、まず、コンピュータチェックの充実を図ることとし、原審査査定点数のうち、コンピュータチェックを契機とする部分の比率につきまして、現在4割程度となっておりますが、7割程度へおおむね倍増するということを目指します。
 また、平成23年4月から、単月審査のほか、かねてから懸案となっておりました突合審査、縦覧審査につきまして、従前、保険者による申出、再審査請求にゆだねられていたわけでございますけれども、新たに支払基金の原審査の段階で実施することとし、そのための数値目標を設定したいと考えております。
 これらの取組みを通じまして、原審査の充実を図る結果として、保険者の再審査請求件数をおおむね半減し、レセプト点検を実施する保険者の事務処理負担を軽減してまいりたいと考えております。
(PP)
 第2に、効率的な事業運営につきましては、全国組織としての一体性というものを発揮いたしまして、電子レセプトについての職員の審査事務、紙レセプトについての請求支払業務等につきまして、ブロック中核支部を中心として業務を集約してまいります。
 これらも踏まえまして、職員定員について、平成27年度には、ピーク時の平成13年度と比較いたしまして、3割以上下回る水準となるよう段階的に削減してまいります。また、厚生労働省の要請を受けまして、いわゆるラスパイレス指数を平成21年度の106からおおむね100へ引き下げるため、職員の給与も見直してまいります。更に、コンピュータシステム関連経費を縮減してまいります。
(PP)
 このように、人件費、物件費の両面にわたる総コストの徹底的な削減に取り組むことによりまして、全レセプトの平均手数料について、平成27年度にはピーク時の平成9年度決算と比較いたしまして、25%以上下回る水準に相当する80円となるよう、段階的に引き下げてまいります。
(PP)
 そのほか、支払基金は、厚生労働省の要請を受けまして、かねてよりレセプト電算処理システムの開発、運用や、電子点数表の構築につきまして主導的な役割を果たしてまいりました。
 あわせて、2年ごとの診療報酬改定を始めとする頻繁な医療保険制度改正に際しましても、その施行に間に合うようレセプト電算処理システムの基盤となるデータベース等を更新し、国保中央会等に提供してきたところでございます。
 加えまして、今般、約3万5,000カ所の医療機関の電子レセプトにつきまして、平成22年の診療報酬改定の影響を診療項目別等に分析した結果を初めて公表いたしました。これにつきましては、御参考として資料4-3ということで付けさせていただいています。
 今後ともこのような役割を果たしていくことによりまして、医療保険制度に貢献してまいりたいと考えております。
(PP)
 最後に、審査支払制度の見直しに関する論点について御説明いたします。
 審査請求支払の業務は、健康保険法、支払基金法等で規定された制度的な枠組みの中で実施されています。このため、支払基金として策定する新計画案というのは、あくまでも現行の審査支払制度の枠組みを前提とするものでございます。したがって、このような制度的な枠組みを超えまして支払基金の改革を進めるというためには、厚生労働省のほか、関係者におきまして、本検討会等を通じて審査支払制度の見直しに関する成案を得ていただく必要があると認識しております。
 これを踏まえまして、新計画案の中におきましては、平成23年度から27年度までの支払基金としての取組みを記述した上で、これからの審査支払に向けまして、本検討会等を通じて関係者間で検討されるべき審査支払制度の見直しに関する論点も提起させていただいております。
(PP)
 例えば、現行では、都道府県単位で設立された審査委員会は、各都道府県の圏域内に所在する医療機関のレセプトにつきまして、原審査のほか、再審査、再々審査も含めまして、それぞれ独立して審査の決定をする権限を有するという仕組みになっております。
 審査の不合理な差異の解消が求められているといったことを踏まえますと、将来的には、例えば本部に設置された特別審査委員会等が決めた審査取決め事項が各支部の審査委員会に対して一定の拘束力を持つ仕組みとか、ブロック中核支部に設置された審査委員会等が再審査を、本部に設置された特別審査委員会等が再々審査を実施する仕組み等々、考えていただく必要があるのではないかということであります。
(PP)
 また、現行では、審査以外では、保険者が負担していただく手数料につきましては、レセプト件数を基準として設定するという仕組みとなっております。しかしながら、手数料体系をめぐりましては様々な指摘がございます。こういったことを踏まえますと、将来的には、審査支払機関が保険者の委託を受けて審査支払業務を実施するために必要な事務費について、審査支払機関が総額いくらという形態で請け負い、保険者がその協議に基づいて分担するという仕組みも考えられるのではないかという点でございます。
 それから、現行では、審査支払機関による受託の対象となる審査請求支払の業務というものは、療養の給付等に係るものに限定されております。支払基金と国保連合会との間で公正な競争条件を確保するという観点に立ちますと、将来的には、支払基金が国保連合会と同様に、例えば出産育児一時金の直接支払、柔道整復療養費の代理受領等を受託できる仕組みというのを考えていただきたいと考えております。
 いずれにせよ、支払基金は、レセプトの電子化に対応した歴史的な変革期にあると考えております。今後とも支払基金の事業運営に対する皆様の御理解、御支援の程をお願い申し上げて、説明を終わらせていただきます。
 以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、国保中央会東京都国保連から御説明をお願いいたします。
○飯山委員 それでは、資料5をお願いいたします。
 表紙をめくっていただきまして、レセプトの電子化に対応した審査についてということで、何点か申し述べたいと思っています。
 現状につきましては、3ページにございますように、今、基金さんもおっしゃいましたけれども、紙レセプトから電子レセプトへの業務の流れの変化、まさにその転換点にあるというところで、電子レセプトを対象といたしましたシステムチェックの充実ということが我々としても大きな課題となっています。
 その中で、一次審査における縦覧・横覧、突合、これらの審査を行っていきたい。横覧については、後ほど御説明を申し上げたいと思います。
 めくっていただきまして、4ページでございますけれども、これは、紙レセプトの処理から電子レセプトの処理に移った場合、どうなるかということを簡単に図で示したものでございます。
 一番下のところにありますように、一次審査における縦覧・横覧審査、突合審査というものを、現在、来年23年5月審査分から稼働させようとしている新システムで行っていきたいということで努力をしている最中でございます。
 5ページにございますように、電子レセプトに対するシステムチェックの実施ということで、そこに書いてございますように、1番として、算定ルールのチェックに当たりましては、点数表の中にある算定ルールのチェックをすべて行うことを目的として、現在、2,000項目行っているものを22年度末には4,000項目に拡大したいということでございます。基金さんと共同で開発・運用しているレセプト事務点検において、形式的な点数の対象となっている単純な算定ルールのチェックは除くということでございます。
 2番目、審査支援ということで、例えば、審査委員会が定めた医薬品の用量、投与日数等の基準に適合しているかどうかといったことのチェックにつきまして、審査委員会から要望に対応いたしまして、現在5,000項目で行っているものを今年度末には1万項目まで拡大をしていきたいというふうにしているところでございます。
 それから、一次審査における縦覧・横覧、突合でございますけれども、紙レセプトでは物理的にほとんど困難でありました縦覧・横覧、突合、これを電子レセプトでは、現在と過去のレセプト間の紐付け等が容易に行われることから、23年5月審査から、国保連合会の一次審査において、国保の二画面システムを用いた審査ということで実施をしていきたいと思います。
 一次審査における縦覧審査と突合審査の流れは、7ページに記載のとおりですので、ごらんをいただきたいと思います。
 めくっていただきまして、8ページは、例えば縦覧審査。3カ月に1回の縦覧審査の例でございます。
 右下の箱にありますように、例えば、3カ月に1回しか請求できないルールを例にとりますと、3カ月間で2回請求されていれば、請求されているレセプトは二画面システムの画面にそれぞれのレセプトを表示して審査するということでございます。
 先ほど、後ほど御説明すると申し上げました横覧審査でありますが、9ページにございますように、医療機関番号、被保険者証番号、生年月日、性別等を用いまして、同じ医療機関から請求される入院レセプトと外来レセプトを突き合わせて審査するものでございます。
 突き合わされました同月の入院レセプトと外来レセプトについて、例えば同じ診療項目を同時に入院と外来に請求してはいけない算定ルールがあった場合に、これが守られているかどうかの審査を行うというようなものでございます。
 めくっていただきまして、10ページ、突合審査でございます。
 適応のない医薬品が処方されていないかどうかを見るために突合審査を行います。調剤レセプトの医療機関番号、被保険者証番号、生年月日、性別等を用いて、医科レセプトと調剤レセプトを突合いたします。
 下の方にございますように、突合されました医科レセプトと調剤レセプトについて、医科レセプトの傷病名と調剤レセプトに処方されている医薬品の適応傷病名をコンピュータ上で照合し、お互いの傷病名が合っているかどうかの審査を行ってまいります。
 こういったことをよりよく行うために、画面システムの開発に力を入れてまいりまして、先般の視察のときでもごらんいただきました二画面システムを今実用化しているところでございます。
 12ページに、これは前と同じ資料でございますが、二画面システムとはどういうものかということで記載してございます。
 13ページには、現在使っている二画面システムはこういったものでございますということで記載しております。これも現実に見ていただいていらっしゃいますので、説明は省略したいと存じます。
 次に、国保連合会の業務実施体制についてでございます。
 15ページと16ページに職員の数が出ております。
 15ページは、全体の職員でございます。平成16年度からとってございますけれども、5,737人でありましたものが、全国で5,313人に7.4%の減をしております。
 次の16ページには、そのうちの審査支払担当職員についてでございます。同じく16年度は3,651名だったものが、22年度は3,026名。これは12%の減でございます。全体の減と審査支払職員の減の差の部分につきましては、例えば障害者のための仕事とか、新たに増えた業務にその分を振り向けていると。職員数全体を減らす中で、新しい業務に対応しているということでございます。
 17ページは業務実施体制です。これは、全国の数字でございますが、全国の5,313人というものがおおむねどういう部門に配属されているかということで記載してございます。具体的な数字は別にしまして、総務部門に11%、企画部門に9%、審査部門に57%、システム部門に9.5%、介護部門に7.2%、後期高齢者部門に4.7%、その他の部門に1.6%。
 この下の箱内に書いてあります課の名称は、それぞれの連合会がこういう課の名称を作っているということで、必ずしも、例えば総務部門にすべての連合会で総務課、人事課、財務課、会計課があるというわけではございません。これは、連合会の状況によって、どういうようなものを使っているかということでございます。
 例えば、小規模なところですと、次にございますように、総務課において会計から何からすべて行っているということもございます。
 18ページと19ページに、大規模の連合会と小規模の連合会のそれぞれの業務体制を比較できるように表にまとめてございます。大規模のところでは、これはトータルで451人の職員がこのように配属されておりますし、小規模のところでは、69人の職員がこのように配属されています。大規模のところですと、部制をとりまして、部の下に課があるという状況で組織を作っております。小規模のところは、部はなくて、課の下に係ということでございます。これも子細に説明すると長くなりますので、おおむねこういうふうな組織体制でそれぞれの47連合会が規模に合わせて組織を作っているということで御理解をいただければと思っています。
 非常に簡単ですけれども、私どもの電子レセプトに対応した審査と業務体制について御説明申し上げました。
○森田座長 ありがとうございました。
 また、健保組合に対する審査支払機関についてのアンケートの集計がなされたということでございますので、本日、資料として提出されておりますので、これにつきましては、高田委員の方から御紹介をお願いいたします。
○高田委員 資料に基づきまして、簡単に御説明させていただきます。
 今回の調査につきましては、全健保組合と協会けんぽが共同で、8月から9月にかけて実施いたしました。
 加入者ベースで見ますと、健保組合の加入者が約3,000万、協会けんぽが約3,500万ということで、支払基金に審査支払を委託していますユーザーの8割以上を対象に今回はアンケートを行いました。ちなみに、このようなアンケートは初めてでございます。
 回答状況といたしましては、先ほどの対象の中から85%という高い回答率を得ました。
 主な調査項目は2ページのとおりでございます。
 次の3ページ目にまいります。次からが実際のアンケートの内容でございます。
 その前に注を加えておきますけれども、健保組合は、1健保組合ずつが1保険者ということでございますが、協会けんぽは全体で1保険者ということもありまして、設問によりまして、本部・支部が回答していただいています。これは、設問ごとにグラフの中にアスタリスクで注記をさせていただいております。
 まず、設問1でございます。支払基金の審査支払業務全般に関する満足度。
 これを見ていただきますと、非常に不満、やや不満を合わせますと、7割以上の保険者が業務全般について不満を持っているということが読み取れます。
 4ページの設問2で、全般で不満とした理由、要は、不満と答えた保険者に対して、複数回答で理由を聞いてみました。これは、特に1.の事務費単価が高い、2.の単価の算定根拠が明らかにされていない、4.の審査に支部間格差がある。これにつきましては、不満とある保険者の中の5割以上、回答によっては6割ぐらいの不満が多いと。それから、原審査、再審査が不十分であるとか、再審査結果に対する説明が不十分である等々理由がございます。
 それから、5ページの設問3になりますけれども、事務費単価のコストパフォーマンス、費用対効果に対する満足度でございます。これにつきましても、満足しているところよりも、8割弱の保険者が不満と思っております。
 それから、6ページの設問4と5は、原審査、再審査に関する満足度でございます。それぞれ6割以上が満足していないというか、不満を持っております。特に、再審査の方が原審査よりも満足度が低いということが読み取れると思います。
 7ページの設問6にまいりますけれども、審査における支部間の差異の是正に向けた対応への満足度ということでございまして、これにつきましても8割弱の方が不満を持っているということでございます。
 それから、8ページの設問7と8にまいりまして、これは、満足度というよりは、審査の在り方について問うたところでございますけれども、レセプトの電子化に伴う審査の在り方につきましては、保険者といたしましては、システム審査の充実を図るということにつきましては、96%が図るべきだということでございますが、その中で一番多いのは、63%の保険者は、費用対効果を検証した上でやるべきだと。ですから、充実するためにお金をガンガンかければいいということではないということが読み取れます。
 それから、突合審査のところは設問8でございますけれども、これにつきましては、ほとんど9割の保険者が突合審査を実施すべきであるし、そういう方向であるというふうにも聞いていますが、85%の保険者は、単価も値上げせずに当然やるべきだという意見でございます。
 次に、9ページの設問9でございますが、今のレセプト様式に関する見解といいますか、意見でございます。
 これにつきましては、1.のレセプト様式、今の記載要領等を見直す必要があると考えている保険者が約8割弱という結果が出ております。
 それから、設問10で追加の質問として、見直しの内容としてはどういうことが必要なのかということを問うてみたところ、傷病名の統一、いわゆるワープロ病名を廃止するなど、傷病名と診療行為のリンク付け、今の電子レセプトでは診療日ごとに傷病名に対する治療内容が分かりませんので、そこを分かるような仕組みに改める。これら3つにつきまして、すべて7割以上の保険者がそう望んでおります。
 それから、10ページの設問11では、今の基金に対する行政の指導ということにつきまして問うてみたところ、6割ぐらいのところがもう少しやってほしいなという意味で不満を持っているということでございます。
 設問12で、支払基金に期待することといたしましては、見てのとおりでございますが、レセプト電子化に伴う業務の効率化によりまして、事務費単価を引き下げてほしい。同じく、縦覧・突合審査の実現など審査を充実してほしい。支部間差異の解消をしてほしい。特に最初の2つにつきましては9割の保険者が望んでおりますし、支部間差異の解消につきましても6割5分ぐらいの保険者が望んでおります。
 最後の11ページの設問13で、今回の在り方検討会に関する内容のところなんですけれども、支払基金の支部及び審査委員会の在り方につきまして尋ねてみたところ、1番目として、レセプトの電子化にあわせて、支部及び審査委員会を統廃合する。例えば、広域化といいますか、ブロック化すべきであるという意見もかなり出ておりますし、あと2つは、薬剤師とか看護師を審査委員に任命できる環境を整備すべき。それから、審査委員会の学識の中に、厚生局の技官とかも参画させるべきだという意見がかなりの数を占めております。
 それから、最後の設問14で、国保連に実務上仕組みが整って委託することが可能となった場合に、国保連に委託するかということについて尋ねたところ、約4割弱のところが、条件によっては委託するというところ。ただし、この条件は、今のところ、まだそういう整備が整っていないので、示されていないので、どちらともと言えないというのが一番大きいというところでございます。
 全般を通しましてまとめてみますと、前回、ゲストスピーカーの方から、多くの保険者が支払基金の業務、審査、事務手数料等々に満足していないというお話がありましたが、今回のアンケートをやってみて、はからずも、これは感覚ではなくて、データでそれが証明されたという形になりました。
 これらの項目におきましては、すべて7割以上が不満であるということを支払基金は非常に重く受け止めていただく必要があると考えます。一般のビジネスでありましたら、委託先に不満があれば、当然委託先を変更しますけれども、審査支払におきましては、現実にはできない仕組みになっています。言い換えますと、支払基金は、多くの保険者から必ずしも現状では選ばれているということではないということではないかと考えます。
 今後、基金として、なくてはならない、選ばれる支払基金となっていただくためには、先ほどのサービス向上計画だけにとどまらず、もっと抜本的な見直しを行っていただき、その運営を最大限見える化、つまりガラス張りの運営を行って、委託元であります保険者が納得できるようにしていただくことが絶対に必要であると、我々保険者の方は考えております。
 以上でございます。
○森田座長 ありがとうございました。
 予定よりも10分ほど遅れておりますけれども、残された時間を質疑に充てたいと思います。
 それでは、これまでの説明につきまして、一括して御質問、御意見をお願いいたします。いかがでございましょう。齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 最初の支払基金の御説明に関連して、ちょっと質問させていただきたいんですが、資料、お配りいただいたものの3ページに、コンピュータチェックの寄与率を4割から7割程度に増やすということで、そこまでやれれば非常によいのですが、それに関連して2つ見解をお伺いしたいんですが、1つは、審査のときに『日本医薬品集』という数百ページの分厚いものをいつも審査委員は手元に置いて、それに合っているかどうか、病名が合っているか、あるいは配合禁忌がないかとか、見ているわけなんですが、そういう数百ページの書物の中身が、コンピュータチェックの基盤に読み込まれる見込みがあるのかどうかと。つまり、『日本医薬品集』の基準に照らして不適切だという判断をコンピュータがしてくれるような仕組みが可能なのかどうかということが1つですね。
 それに関連して、平成15年にDPCの制度が導入されまして、DPCは非常にIT化の進んだ領域なんですが、それが3~4年たったときに、中医協のDPC評価分科会で多く出されたのは、ITの情報だけでは本当にこの病気があるのかどうか分からないと。アップコーディングという、高い方に値段をシフトする主義があるわけなのですが、これはアップコーディングじゃないかという指摘が非常にあって、その中で、結局、症状詳記という文章羅列を付けないことには判定できないという意見がかなり出たんですよね。症状詳記は、保険審査、過去50年間ずっと、付けては読み、付けては読みということになっていたんですが、そういう症状詳記から離脱するという方向がIT化によって可能なのかどうか、その2点を教えていただきたいんです。『日本医薬品集』の情報がどのぐらい採用されるかということと、症状詳記から脱却できるのかどうかと。症状詳記があると、やっぱりお医者さんがたくさん読まないとにっちもさっちもいかないという状況があるわけですね。その辺、見解ないし見込みを教えていただきたいんです。
○森田座長 じゃ、お答えいただけますか。
○足利委員(代理:田中部長) まず、医薬品のチェックについてでございますけれども、資料4-2、本文の13ページを御覧頂きたいと思います。平成22年2月から医薬品チェックというのを行っております。現在は、傷病名と適応、用量との関係をチェックするということで、まず、例えば適用外使用などはすべてチェックが付いて、それを一つ一つ人が見るという形になっています。こういったチェックマスターを使った審査というのは、まずコンピュータが1枚残らず審査をし、その後、人がチェックするというふうに、コンピュータの使い方が大きく変わったということだと思います。これを、ここにございますとおり、医薬品の禁忌とか、処置、手術の検査の適応、保険医療材料の適応など、できるものはできる限りやるということでやっていきたいと思っています。
 1つ付言しますと、先ほどのコンピュータチェックを契機とする7割というのは、あくまでコンピュータだけで完結するという意味ではございません。コンピュータで印を付けて、結果、それを人がチェックするということになる分が7割ということであります。
 それから、もう一つ、DPCの関係でございますが、20ページを御覧頂きたいと思います。DPCのレセプトにどんな情報を入れていただくかというのは、制度論の問題として是非検討していただきたいと思いますけれども、現在は、DPCレセプトにコーディングデータというものを添付していただいています。審査の中では、まさにコーディングデータを見て、診断群分類が適切かどうかというのを審査するというのは、かなり力を入れてやっております。
 ですから、20ページにございますとおり、これは、もし問題があれば返戻になるということで査定に現れない部分でございますので、今回から、審査返戻率というものを把握し、公表していきたいと考えております。
○齋藤委員 そこの部分はコンピュータ化がかなり可能なんですか。それとも、医者が、審査委員が一々見ていかないといけないのかな。コーディングデータの処理。
○足利委員(代理:田中部長) コーディングデータはもちろん電子的に出していただくというのは可能だと思いますけれども、それを見て判断するのは、やはり人の目ということになるかと思います。
○齋藤委員 ありがとうございました。
○森田座長 ほかにいかがでしょうか。高田委員、どうぞ。
○高田委員 ちょっと単純な御質問ですけれども、6月の第4回の検討会の中で、最後に私の方から支払基金さんの方に資料を3点お願いしております。これは、業務実施体制の一覧、人員とか、業務工数、レセプト電子化に伴う業務フロー、それから、21年度でいいので、事務手数料をはじいたときの算定根拠の考え方とその具体的な数字、それから、決算を終わった後の数字、それから、支払基金で支部ごとで、もし事務手数料をはじいたらどうなるかという、この3点の資料をお願いしたと思うんですが、これは、議事録にも公式にも残っておりますけれども、今回、私が今いろいろ見ている資料を目を凝らして見てもないんですが、その辺はどういう感じなんでしょうか。
○足利委員(代理:田中部長) 今回、時間が限られていることがございましたが、我々としては、新計画のフレームについて御理解頂きたいということで、これに集中して説明させていただくということにさせていただきました。
 まず、業務フローの問題につきましては、本文、資料4-2を見ていただきまして、27ページから29ページまでにかけまして、業務フローの見直しについて書かれておりまして、更に詳細な資料、56ページでございますけれども、参考8ということでお付けさせていただいております。
 それから、手数料の算定根拠ということにつきましては、今回、27年度の見込みを立てるというところにおきまして、31ページ以降でございますが、まず、業務量の見通し、業務量推計をし、それから、様々な方策を折り込んで、36ページ、37ページでございますが、支出を見込み、そして、参考11というところになりますが、事務費収入以外の収入も見込み、それによって手数料として負担をお願いするものがいくらということを38ページに出しまして、そして、全手数料の平均手数料ということでお示しさせていただいております。
 更に、どういった業務の分でどれだけ手数料が反映されているのかというのを見える化するということで、今回初めての試みでございますけれども、39ページから40ページにかけまして、一定の区分を設定して、その区分ごとにどれだけコストがかかり、それが手数料単価にどれだけ反映するかということを出させていただいたということであります。
 これについては、23年度以降、手数料を設定するに当たっては、予算の段階ほか決算の段階でも可能となると考えておりまして、対応してまいりたいと考えております。
 ただし、支部別の手数料ということでございますけれども、御理解頂きたいのは、よく国保連と支払基金ということで、2つの審査機関という言われ方をしますが、正確には、国保連は都道府県単位で独立した47か所の組織、47法人であります。支払基金は、もちろん本部、支部という構成はございますけれども、単一の全国組織ということになっています。
 それから、第2回の検討会でも御説明しましたが、我々、被用者保険を主として扱っておりますけれども、地域保険と比較いたしますと、これは保険者と医療機関の所在地は一致しないということで、いわゆる他県分のレセプトというのが非常に多数に上っております。このような被用者保険の構造に対応して、我々、審査・請求支払というものをやっている訳でございます。
 こういった組織形態とか業務実態を考えますと、支部別の手数料の試算というのは、できないことはないと思いますけれども、これが組織形態とか業務実態に照らして、コスト構造を正確に示すものになるかというと、我々としては、一体どういう意味があるのかなということを非常に疑問に思っているということでございます。もし支払基金と国保連のコスト構造を比較するという御趣旨であれば、我々もいろいろ資料作りでお願いしたいのは、各国保連によって設定されている手数料の算定根拠、積算根拠というものを明らかにしていただけないかと考えています。特に、単純に手数料の数字だけ比較するわけにできないという事情がございまして、支払基金は、まさに審査支払の専門機関ということになるわけでございますけれども、国保連は審査支払以外に保険者業務を行っているということがございます。
 それから、先ほどいろいろ職員の構成とか資料がございましたけれども、国保連合会だけでなくて、国保中央会も審査支払に関連する業務を行っているというふうに承知しております。特別審査委員会とか、システム開発運用とか、診療報酬の全国決済といったことがございます。そういったことを考えますと、全体のコンピュータシステム関連経費とか、職員の人件費がどれだけあって、それを審査支払業務と保険者業務にどう割り振って、どこまでが手数料の算定基礎になっているのかということを是非見せていただいて、同じベースかどうかというのを検証して比較する必要があるのではないかというふうに我々としてはお願いしたいと思っております。
○森田座長 よろしいですか。
○高田委員 サービス向上計画は向上計画で、それはそれでいいんですけれども、やはりお願いした資料については、まず、具体的な数字を出していただきたい。今まで私ども、毎年11月頃に、支払基金と翌年度の事務費の単価の交渉をしております。そのときもいろいろお願いするんですが、お願いする資料は、ほとんどと言っていいほど出てこないということが現状です。それで、私どももこれが適正なのかどうか、判断するのに困っているというのが一番の実態でございます。そういった意味を含めて、こういう検討会の中できちっと公式に出していただけるというのが、一番の支払基金としてやっていく必要があるのじゃないかなという思いも含めましてお願いしていますので、次回で結構ですので、是非出していただきたいと思います。
○足利委員(代理:田中部長) 我々、出せるもの、出すべきものは出すという姿勢で情報公開を進めておりますので、そのように対応させていただきたいと思います。今回は、新計画の説明に集中したということで御理解いただきたいと思います。
○森田座長 横倉委員。
○横倉委員 支払基金に対する満足度アンケートの結果概要の御説明を今日いただきました。これを見させていただくと、結局、審査支払業務全般に不満とした理由というのは、大きく分けると、いわゆる事務コストが高いということが1つと、それと、審査の支払側から見ると、信頼性が少しないんじゃないかということの2つかと思うんですが、この中で、特に再審査への満足度が原審査より低いという部分がありますね。これは多分、再審査をして、当然査定されるべきであろうと保険者の方は御理解されるけれども、再審査で出しても、それが原審どおりになってしまう。そこには理由があるんですが、そこは納得しにくいということであろうかと思うんですが、そこら辺はいかがですか。
○高田委員 まず、再審査に対する原審査よりも満足度が低いというのは、前回のゲストスピーカーの話にありましたように、歯科は原審査よりも再審査の査定の方が率が高いというのが1点あるのと、あと、保険者から再審査を請求して、原審どおりで返ってくるものが結構あります。それについて、もう少し具体的に言うと、原審どおりの場合、「その他99」というコードだけで返ってきました。何のことか分からないんです。あと、「症状症例から見て妥当と判断しました」というコードが返ってくることがあります。しかし、その中身が分からない。ですから、私どもは、削りたいわけじゃないので、そこが納得できる説明があれば、もちろんそれは受け入れて、理解します。ただ、今の状態ではそういう辺りまで、正直余りできていないということが申し上げたいということでございます。
○横倉委員 ありがとうございました。
 それで、実は、突合をやりますと、特に調剤レセプト、以下、国保中央会の方もそういう御発表がありましたが、結構突合をやった場合の保険者の再審査される方たちは、完璧に病名だけで。そうすると、原審査の場合は、ひょっとするとこれはこういう理由で少し適応から外れるけれども、薬効で認めるよというようなものがあるわけですね。国保の場合は、結構それを縦覧でやって、6カ月分とか、長いのは10カ月分ぐらい返戻があるといって、私ども開業医療機関は非常に不満を持たれるわけですが、そういう場合の取扱いということについても、何らかのヒューマンファクターが必ず要るんだということをひとつ認識していただきたいのと、それと、保険者の方で、再審査に人が要るわけですね。この経費が相当かかるのかなという心配をしているんですが、そういうデータはございますでしょうか。
○高田委員 再審査につきましては、健保組合でも自前、いわゆる直営でやっているところと、委託しているところがございますので、なかなか一概にコストが幾らというのは難しいところはありますが、ただ、今の電子レセプトでは、コストが、基金の審査支払と比べると大分低いなというところもあります。
○横倉委員 もう一ついいですか。実は私、福岡なんですが、福岡県の市町村が結構再審査に、いわゆる外部委託をされる。その数は相当多いわけですが、そこは歩合制がかなり入っているという話があるわけですね。それで、過剰に指摘をして再審査に上がってくるものですから、審査委員会の方では相当に厳しい状況になっているという話をよく聞くので、そういうことも含めてお願いをと思いますが。
○高田委員 国全体の仕組みですので、そこら辺はお互いにもっと対話を重ねて、例えば、たしか神奈川支部なんかですと、前は、審査委員の先生方と保険者側と、あと、審査を委託している業者さんも含めて、その事例を持ち寄って、年2回ぐらい話し合いをするとか。福岡支部は、私も支部監査で行かせていただいて、よくいろいろそういうのをやられているのを知っているんですけれども、そういう取組みもどんどん進めていただいて、お互いの理解が進めば、先ほどのような問題ももっともっと減っていくので、そういうことを支払基金は率先して全国でやっていく必要があると考えております。
○森田座長 よろしいですか。
 では、渡辺委員。
○渡辺委員 2点。1点は、今の支払基金の方で足利委員の代理の人の説明を聞いていると、違和感を覚えたんだけど、要するに、サービス向上計画というのは、事業仕分けを受けて、支払基金が反省して、サービス向上しますと。そこのタイトルにあるとおり、「よりよいサービスをより安く」と言っておられるでしょう。先ほどあなたの説明を聞いていると、国保連との比較においていろいろ違うから、単純に比較してほしくないと。要するに、趣旨としては、印象論として言うと、安くするということはできないというふうに受け止められる。あなたの言い方はね。どういうための改善計画を出したのかという趣旨がよく分からない。後で聞きます。
 もう一つ、高田委員の方のアンケートで、最後のページ、11ページで、要するに、設問14、国保連に委託することは可能となった場合に委託しますかという場合、このとおりなので、この読み方なんですが、どちらとも言えない、よく分からないということなんだと思うんだけれども、これはどういう意味なのか。要するに、国保連の方がよりいいから、手数料も安いから云々というベクトルと見るべきなのかということが1つ。もう一点は、更に、国保連でもない、支払基金でもない、第三者というものが仮に支払機関としてあった場合に、そういうような意向というのはくみ取れないのか。以上、2つお伺いします。
○森田座長 最初に、田中さん、お答えください。
○足利委員(代理:田中部長) まず、手数料についてでございますけれども、計画本文38ページ、ごらんいただきたいと思いますけれども、我々、これまでも平成9年度をピークにいたしまして、22年度までに累計15%以上手数料を下げてきております。更に今後1割以上削減しまして80円にするということで、一貫してコストの削減、手数料の引下げに取り組んできているということで御理解頂きたいと思います。
 先ほど申し上げた問題は、まさにコスト構造の比較ということが論点に挙げられていましたので、そのときに、単に見かけ上の手数料を比べるということだけじゃなくて、そこにどういう費用が含まれているのかというのをお互いに見せて、我々、いくらでも情報公開しますので、比較していただきたいと、ベースをそろえて見ていただきたいと、そういう趣旨でございます。
○森田座長 では、高田委員。
○高田委員 2点御質問いただいた最初のところでございますが、条件によっては委託するというところも18ぐらいありますけれども、これは、具体的にはそこを確認していないので、私見にはなりますけれども、それぞれ保険者は、今、医療費の支払にさえ四苦八苦している状態でございますので、この審査支払の部分にはできるだけコストを抑えたい。そういう観点から見たときに、査定が国保連と基金で若干率が違うというのは小さい話でございますので、その中でコストがより低くなるのであれば、その条件次第によっては委託したいという意向がある程度あるのかなというふうに読んでおります。
 それから、もう一点、現行の2審査支払機関だけではなくて、同じぐらいのレベルが確保されるのであれば、例えば民間の方に出せるという道があるのであれば、当然そこも視野に入ってくると、大体そういう感覚を得ております。
 以上です。
○森田座長 よろしゅうございますか。
○山本委員 私も渡辺委員と同じ感想を持ったのですけれども、この会議ではかなりロジカルな議論をしているはずで、支払基金と国保連合会のバトルの場というのではないと私は理解しております。それぞれのお立場があってお話しになっておられるんでしょうけれども、例えば、調剤であれば支払基金と国保連合会双方へ請求をしますが、両者がバトルをしていては、審査される方からすると、一体どうなるんだという、極めて不安な思いになりますので、ここでの議論が正確に進むように是非していただきたいと思います。
 それと、高田さんにお願いしたいのは、支払基金が悪いかいいかという議論は、もちろんあると思うのですが、保険者の方々が皆さんが国保へ行きたいなら、法律を変えろというムーブメントがあってもいいはずですが、それが出てこなくて、ただ単に不満だ、不満だというお話は、我々としても大変聞きづらい感じがいたします。是非そのあたりにご配慮をお願いします。
 その上で、先ほど秋山先生のお話の中で、全体のものを見ながら、潜っている部分を探してくるために、1つの方法としてITが要るのだというご指摘と理解しています。これは、必ずしも効率化という視点ではなしに、必要なものは探してきて、ミッシングリンクが見つかれば、そこは一定の基準になるだろう。ただ、中には外れ値があるので、そういったものを拾い出す上では、非常にうまくいくはずだという視点は、今、国で考えている審査の方法等もあるかもしれませんし、診療のガイドラインのようなものへきっと移行すると思うので、ITがそういう使い方ならよろしいかと思います。しかし、齋藤先生もおっしゃったように、単に医薬品集と突き合わせてという、ただそれだけの理屈でITを使われますと、よくよく言われるのは、使う相手がそれぞれ変わる、それを単純にスパッと切ってしまうだけの方法論として、こうしたものを導入するのがいいのかと問われれば、やはり当初御説明があったように、一定のデータを集めた上で、階層ができて、明らかにミッシングリンクが見つかったところで初めて導入するというのが本来的な方法ではないかと思います。余りIT化だけに進められてしまっても、少々、現場の医療は生きているという意味では、患者さんが困ってしまう。本来、国民に提供する医療が提供できないという問題もあるような気がいたします。そのあたりは注意深く進めていただきたいと思います。
 それから、もう一点、支払基金さんが百何円の手数料を80円に下げる努力をした。その事は、偉いと思うのですけれども、そうすると、片方で保険者の方からも御意見があったように、医科・歯科だけではなくて薬剤師も審査の場に加えて欲しいという意見がある中で、更に手数料が下がっていって、効率化をして、しかも質を上げて、まだほかに人が雇えるのか、財源は恐らく審査手数料からそうしたものを捻出するんだろうと思いますので、そうなると、おっしゃっているサービスの向上というのはどこに対するサービスの向上だろうか、何が問題なのか、相変わらず医薬品だけ悪いというスタンスでのサービスの向上なのか、あるいはそうではないのか、さらには、そもそも80円に下げてもまだ人が雇えるというのであれば、現在の価格が高過ぎるということにもなりかねません。あるいは、国保の方がなぜ80円台でやっているのか、その理由も説明は必要だと思いますけれども、皆さんから責められて、一生懸命やっておられる、それはよく分かりますけれども、この数字だけ見ると、本当に必要なサービスのための人員なり委員なりがセットできるのかどうかというのがいささか疑問なんですが、その辺はいかがでしょうか。
○森田座長 じゃ、お答えいただきましょうか。
○足利委員(代理:田中部長) 済みません。まず、初めに、おっしゃいましたように、バトルというつもりは全くありませんで、私は冷静な議論をしているつもりなので、データに基づいて同じレベルで比較していただきたいと、そういう趣旨だということを申し上げます。
 今、最後の点でございますけれども、我々、今回、先ほど申し上げましたとおり、例えば31ページをごらんいただきたいと思いますが、きちんと業務量の見通しも示しまして、その上でコスト計算をするという手順できちんとデータを積み上げております。この31ページの絵、それから、32ページ以降、具体的に説明を書いてありますけれども、具体的には、我々、審査以外に請求支払という業務がございます。主として業務量が減っていくのは請求支払でございます。審査の分については、請求支払のような形にはいかないということで、その理由も説明させていただいておりますので、審査を非常に脆弱にするとか、そういう話ではないというふうに御理解いただきたいと思います。
○森田座長 よろしいですか。
○山本委員 審査の方については、決して甘くするわけではなくて、従来どおりのスタンスをとるということは、今の状態を続けるわけですから、甘いまま進むということになるんでしょうか。
○足利委員(代理:田中部長) 済みません。1つ補足させてください。
 42ページ、ごらんいただきたいと思います。42ページの?Bのところでございますけれども、新計画の中でも、今後、突合・縦覧審査を開始することによりまして、医科・歯科レセプトのみならず調剤レセプトもまさに実質的な審査の対象となるということも明記させていただいているということを御紹介させていただきたいと思います。
○山本委員 調査対象になるということは、人も入るという前提で考えておられるわけですね。そうすると、今の状態からすると、現状は医科・歯科しかいませんから、人は増えないわけで、その部分はどういうふうに参入するんですか。
○足利委員(代理:田中部長) これは前回にも申し上げましたけれども、まさに審査委員の構成をどうするかというのは制度論でございますので、これは、例えば現行の審査委員会を構成する医科・歯科の立場の御意見とか、費用を負担することとなる保険者の意見も踏まえまして、是非こういった場で成案を得ていただければ、それに従いたいというふうに考えております。ということで御理解いただきたいと思います。
○森田座長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 アンケートについて、ちょっとお伺いしたいんですが、大変不満度の高いシステムであって、特に、この支部間格差の対応への満足度、これは8割が不満足であると。恐らく医療機関に同じアンケートをしても、医療機関も8割程度不満だというような異常な制度になっているのかなと思うのですが、例えば支部間格差に絞って、いろんな問題がありますが、自由記載なんかで、格差があるとなぜ不満なのかとか、その格差を是正するにはこうしたらよいかとか、もうちょっと建設的な意見とか、そういうものがあったでしょうか。
○高田委員 アンケートをとってみて初めてこういうデータが出たということで、私どももどうなるかなと見ていましたら、全体がこうなった。ですから、不満が多いという前提でやっているのではもちろんないということでご理解いただき、もし御不快な感情を持たれた方がおられましたら、それについてはおわびいたします。
 それから、支部間差異につきましては、自由な意見も求めておりますので、その辺は次回でも御紹介させていただきたいと思いますし、我々保険者は、別に支払基金が不満があるからということだけ言いたいわけじゃなくて、要は、不満を解消して、この仕組みというのは、国民の99.9%は、関係者以外知りませんし、我々は国民の代理人として、その辺の保険料という公共の財を使ってやるものですから、しかも医療費がこれだけ上がってくると、この部分はなるべくコンパクトにしなくちゃいけない。そういった中でどうできるかという踏み込み方といいますか、そこを今回、この在り方の中でもっと踏み込んでいくべきだと思っていますので、今は、現状が多分ご存じない委員の方もおられるでしょうから、そういう面を含めて、初めてこういうアンケートをとってみました。今後は、もっと前向きな、保険者から見た審査支払の見直しとか、そういうものももちろん出したいと考えております。
○齋藤委員 前回までの議論を伺っていると、当初、第1回目あたり、支部間格差というのを非常に問題視されたんですが、支部間格差というのは、ある程度必然として発生している部分があって、例えば、非常に判断が難しいところは、地元の医学部の教授に来ていただいて意見を聞くんですというような意見が前回あたり出ているわけですよね。そうすると、当然それぞれの人のジャッジが分かれてくる場合もあるので、どういうことに由来する支部間格差が問題なのかとか、少しきめの細かな議論が必要ではないかなと思っています。
○森田座長 山本委員、先ほど御発言をちょっと遮ってしまいましたが、どうですか。
○山本委員 自分で感情的になるなと言っていて、感情的な議論になりました。結構です。ありがとうございました。
○森田座長 ほかにいかがでしょう。遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 今の議論とちょっと離れるかもしれませんけれども、今回のテーマの中のIT化の中で、縦覧、突合、そういった審査が更に進んでくるわけですけれども、従来、単月審査でやられていた中で、算定ルールそのものが縦覧にうまく適合しているのかなという疑問を実際に感じているんですね。
 先ほど高田委員の方から、歯科の再審査の率の高さについてご指摘があったのですが、実は歯科について一番高いのは、縦覧で戻ってくる場合なのです。審査会はもともと単月審査ですので、縦覧で合わなければ保険者からの再審査で査定になるわけです。しかしながらこの点については、今までは単月の審査の中である程度処理されていたものが、今度、縦覧をIT化の中で全数チェックという形になりますと、実際の医療の現場と合わないような算定ルールというのは結構あるような気がするんですね。そういったものも併せて一緒に改善していただかないと、なかなか現場は困ると思います。特に歯科の場合は、1初診1回という項目が結構あるんですね。ところが、これは何年通院されていても1初診ですから、そうすると、ちょっとどうなのかなということがあります。従来は、単月審査の中で余り表沙汰にならないというか、問題にならなかったものが、いろいろ表に出てくると思うんですね。そういったものは、ルールの中で現状にあわせていただかないと困るというふうに思っております。
○森田座長 高田委員。
○高田委員 先ほど事務局から説明がありました、保険者の再審査に関しての通知に関する内容で1点だけ。
 2点目のところの調剤の突合の1,500点以上のものというところにつきましては、来年度以降見直していただける方向だということで、非常にありがたく思っています。
 最初のところの、いわゆる6カ月の紳士協定というところでございますけれども、通知の経緯の?A番目のところですね。長期間経過したものが再審査で申出された場合、診療報酬点数とか薬価基準の改正があり、審査委員会が再び取り上げることが現実的に困難であることを踏まえ、保険者に対しどうこうというのがありますけれども、この間の話にあったように、保険者の方は民法上で10年のところが、紳士協定で6年、もう少し広いところもありますけれども、診療側は3年のところを3年で、法的な3年のところを3年でやって、やっぱりこの部分の点数表とか薬価基準の改正というのは、当然診療側も同じ話でございますので、その辺を踏まえまして、今のような、少し、例えば不平等なところを、より公平になるように見直す方向で是非検討をお願いしたいと思います。
○森田座長 高橋委員。
○高橋委員 当事者の機関の方がお二人いらっしゃるので、当事者の話を幾らここでやっても、先ほど当事者いじめをやっているという話が出ましたが、そんなふうな感じになってしまうので、本来この場所は、2つの今の現状を見て、それぞれがどうこうとやるんじゃなくて、全体としてどうするかという場のはずですから、そこは事務局の方が資料か何か誘導をお考えいただきたいと思います。話がどうも生産的じゃない感じがします。
 それから、今日、高田委員がお出しになった資料で、私どもの方も参画していますが、そこで不満だという話が出てきますが、不満というのは、先ほど齋藤委員もおっしゃっていましたけれども、思い通りにならなければ不満は残るので、不満かと聞かれたら不満なんですね。じゃ、おまえら、離婚してどこかへ行くか、と言われれば、まあ、そこまでじゃないよ、というような話なんだろうと思います。
 ただ、基本的には、手数料の話は別にして、前々から出ている47、支払基金の方は47の支部、はっきり言えば、審査委員会がそれぞれ独立していて、それぞれのルールを持っていると。そうすると、同じような話がA県では通って、B県ではなかなかうまくいかない。ここが問題のはずなんですね。ですから、それは、今日、そこの話は支払基金から幾ら話を聞いてもしようがないので、というのは、それは制度の話ですから、支払基金の計画の中にも、そういう話は今回の計画には関係ないというか、それは除くと書いてある。それは当然ですね。ですから、そこは幾ら支払基金から話を聞いてもしようがないので、むしろこの場はそういう話をしていただきたい。私どもとしては、今の47の審査委員会が独立して、完全に最終決定権限を持っていて、何度も言っていますが、再審査請求しても、再々をやっても全部そこでいつもキャッチボールというのはちょっとおかしいと。そういう意味で、47は組織体としては1つなんですから、しかも、今、電子レセですから、レセは幾らでもどこでも飛んでいきますから、例えば福岡のレセプトを北海道で審査できるわけですから、昔のような紙だったら、物すごい郵送料がかかりますから、それはそれぞれの地元の支部でという話になるかもしれませんけれども、今の時代、輸送コストは一切かからないわけですから、47の審査委員会で独立で分けてしないとだめという必然性は全くないと思うんですね。そういった意味で、きちっと、支払基金は支払基金で統一していただくことが必要と考えます。
 ただ、場所をどこにするかは別ですよ。全部東京でやっちゃったらパンクするでしょうから、場所は分散するのは構わないですが、判断は最後のところは1つという形を是非作っていただきたいというのが私どもの気持ちです。
○森田座長 オブザーバー、手を挙げていらっしゃいました。どうぞ。
○高智オブザーバー 今、手数料の話云々というお話もあったわけでございますけれども、私ども健保組合全体の動向ですけれども、支払基金さんに委託して全部見ていただくと同時に、健保組合それぞれでもちろん見ているわけでございます。それは保険者の義務であります。それから更にアウトソーシングをしている組合が、全組合のおよそ7割前後にも達しております。今日、支払基金からお出しいただいた本資料の37ページの27年度における一般会計の支出見込みで、現状825億円から737億円に下げていただく、そういう方向性が示されましたこと、それ自体は評価させていただきたいと思いますが、更にこの場におきましても、いろいろな御意見あった中で、例えば韓国のHIRA(健康保険審査評価院)の動向について、私から既にご紹介申し上げましたけれども、看護師さんが半数程度という割合で対応している。審査の根本が違う。そこで、何かしら行政当局としても、これらをつまみ食い、インポートする要素、あるいはムーブメントにつなげる御認識があるのかどうか、その辺、議事録にも収載されておりますので、また私も言い出しっぺの関係もございますので、是非お伺いしたいと思います。
 HIRAは、御承知のとおり、コリアテレコムという、社会全体で最も大きなインフラを利用しているというふうに聞いております。これらにつきましても、併せてコラボレーションがどのようにとれていくのか、緊密な連携をとることによって、我が国のシステムの安定化、効率化につなげることができるのではないかと考えますので、是非、厚生労働省の現在のお考えを、お聞かせいただければありがたいと思います。
○森田座長 それでは、事務局の方に一言お願いします。
○吉田保険課長 非常に大きな設問ですので、適切に答えられるかどうか。というよりも、思いということでお聞きいただければと思います。
この検討会をお願い申し上げたとき、冒頭から申し上げましたように、もちろんきっかけは、刷新会議でありますとか、省内仕分けでありますとか、規制改革会議という形でいただいた御意見というものもございますが、この検討会を通じて、関係者の方々それぞれからいただいております現行のシステムに対するいろいろなご意見を、こういう形で公開の場で一堂に会していただいて、お互いに深めていただくことにより、次に向かえることが、我々行政を預かる者として必要ではないかという認識がまず基本であります。
 そういう意味では、HIRAの例、あるいは審査は看護師がやっているというやり方、審査体制のメンバーの問題、あるいは、もとになりますインフラとしてのシステムの問題など、個別に数点お取り上げいただきましたが、オブザーバー自身おっしゃっていただいておりますように、これまで積み重ねていただいております論点、そういうものは入っておりますから、今後、この論点を深めていく更なる議論の中で、御意見をよくよく伺いながら、我々としても、それぞれ一つ一つについて、最終的には行政としての判断を、政務三役も含めて御相談しながら、また改めて御報告し、進めていくというのが基本であろうかと思います。
 ただ、1点、HIRAだけに限りませんが、私どもが悩ましいと思っておりますのは、インフラの問題にしましても、あるいは審査委員会の組織体制の問題にしましても、あるいは医療間職種の問題につきましても、保険制度の問題、あるいは支払制度の問題、審査支払のお互いに組み合っております。より大きな制度の位置づけの中で、我が国において、どういうふうにやり得るかということも念頭に置きながら、それに躊躇することなく改革を進めるというのが基本であろうと思っておりますので、各委員の方々からの御意見を伺いながら、私どもも事務局としての案、少しずつ、また、各論であれ、全体像であれ、御相談しながら進めたいと思っております。
○森田座長 もう時間がまいっておりますので、最後ということでお願いできますか。
○横倉委員 今、韓国の審査体制の話がありました。実は韓国は、国民皆保険制度は持っているけれども、ある意味で混合診療なんですね。ですから、日本の今のユニバーサルインシュアランスの中にあの制度をそっくり持ち込むと、相当また医療制度全体にひずみが生じる可能性があるということがあろうかと思いますので、よく研究して、また御議論させていただきたいと思います。
○森田座長 では、簡潔にお願いします。
○足利委員(代理:田中部長) 保険者の満足度についてございましたけれども、我々、保険者、医療機関の指摘に対して、迅速かつ懇切丁寧に対応するということは重要だと考えておりまして、これまで苦情相談というのはどうも支部限りで対応するという形になっていましたけれども、本年度から、本部のレベルにおきまして、審査についての苦情等相談窓口を設けるとか、業務処理全般について、サービス推進課というのを設けて、本部でも苦情を受け付けるということで対応しています。どしどしお寄せいただきたいと思います。
 それから、再審査の対応の件でございますけれども、この間の指摘も踏まえまして、各支部の取扱いを念のため確認しましたが、すべての支部におきまして、再審査の受付や処理を半年に限っているというところはございません。大体3年程度にわたって対応しています。これは保険者、医療機関の区別を問いません。もしこれに反する事例がございましたら、是非個別にお知らせいただきたいと思っております。
○森田座長 時間がまいりましたので、そろそろ本日の議論を終わらせていただきたいと思います。
 本日は、盛りだくさんの内容で御議論いただきたいと思っておりますし、まだ今日の論点でありますところの審査の効率化、手数料についての論点について議論が尽きたとは思っておりませんが、ちょっと私の感想を述べさせていただきますと、この検討会の場といいますのは、あくまでも制度そのものを見直すということを射程に置いて議論をいただきたいと思っておりますので、現行制度のもとでどのように改善するか、どこまで可能であるか、どう対応するかという話よりも、もう少し大きな観点から根本的な問題について御議論いただければと思っております。ここで決めたからといって、変えられるものについては提言を出すということでございますけれども、大きな保険制度そのものの枠組みについて、ここでの提言なり意見というものがそのまますぐに改革に結び付くかどうかについては、もっと長いプロセスもあると思います。ただ、そうした根本的なことについて少し議論をしておく場がありませんと、これまでなかったものですから、それをきちっとやっていただきたい。そのような場であるということを認識の上で、これからも議論を続けていっていただきたいと思います。
 少し具体的なことを申し上げますと、制度につきまして、都道府県ごとに、支部間ごとに差があるという問題、これをどう対応していくのかということもあると思いますし、私が正しく理解できたかどうか知りませんけれども、秋山先生の手法を使いますと、なぜ差が生じるかということの解析というのも、今は可能になっているんじゃないかと思いますし、レセプトがオンライン化されますと、そのデータをそういう形で活用するという方法も検討されていいのではないかなと思っております。
 それと、2系統の審査機関があるということについても、それでいいのかどうか。そもそも審査の基準、審査の仕方をどうするかという話と、だれがその審査をするか。ルールの決め方の話と、ルールを適用して判断するというのはまた少し別な話かと思っておりまして、ちょっと今日は私の進行がまずかったところもございまして、いろいろな御意見が出て、必ずしも整理はできなかったかと思いますけれども、これにつきましては、また事務局と相談させていただきますけれども、一度これまでの議論を整理し、まだ議論が尽きていないと思われるところにつきましては、また機会を設けるということで、次回以降、説明させていただければと思っております。
 それでは、事務局から、次回からの日程等につきましてお願いいたします。
○吉田保険課長 私ども事務局といたしましては、次回につきましては、各委員に御案内申し上げております10月26日に、当初、委員の皆様方からいただきました論点の全体像の中で、審査から支払という形で少しテーマを変えまして、支払関係議論、そして法人運営に関する議論、この中にはシステムという話も含めて御議論いただくことが必要ではないかと思っております。
 ここまでまいりますと、議論の進め方として、当初頭出しをいたしました項目につきまして、一わたり御議論をいただいた、あるいは資料として現状について御説明をさせていただいた形になります。これまでの御議論の中である程度コンセンサスという形があるとすれば、それを確認的に、また、まだ非常に論争的になっているとすれば、そこをより深めていただく。あるいは、毎回毎回、論点の整理という形でお示しはしておりますものの、議論の流れ、あるいは時間の関係でまだそこが、私ども事務局から見てもう少し委員の皆様方の御意見をいただきたいなというところは、そこを埋めるがごとくという形での議論を、次々回、第8回、具体的には11月4日、そして、11月はあと2回、9回を11月11日、第10回を11月25日という形で、今、各委員の御予定を調整させていただいておりますので、11月4日、11月11日、11月25日の3回において深めていただければと思っております。
 それに差し当たっては、先ほど座長の方からも御指示ございましたので、少し私ども事務方も整理をさせていただいて、全体の議論の中で、積み残しという言い方がいいのか、整理をさせていただいたものを11月の回にお示しをした上で、11月からの議論を深めていただければということを考えております。また御意見をいただければ、座長を含めて御相談させていただきますが、事務局としては以上のような腹案を持っているということを御報告申し上げます。
○森田座長 いろいろと議論が出てまいりましたので、少しペースを上げて御審議をいただきたいということでございます。
 事務局にお願いですけれども、今の形で整理をされるときに、制度の基本的な制度と具体的な基準の話と、そして運用上の話とか、少しその辺の階層を明確にしていただければと思っておりまして、できるだけ限られた時間は根本的な制度の話に議論をして集中させていただければというふうに思っております。
○渡辺委員 今、吉田課長から議論の進め方の御説明がありましたけれども、結論を先に言いますと、次回10月26日、約1カ月後ですね。議論を深めるのは大変結構なんですが、どうも私の印象、これまで6回というのは、大変重要な問題提起もあったけれども、ややもすると言いっぱなしという部分があったし、悪く言うと堂々巡りなところがあったから、そろそろ議論を深めながら、一方でもかなりこれまでの議論の中でも改革すべき点、改善すべき点の問題点も大分分かってきたので、並行して、改革の具体的な案づくりに向けての論点整理というのか、フレームワークづくりというのか、それをなるべくなら早めに着手してもらいたいと思うんですが。
○森田座長 という御意見が出ましたけれども、それもよろしゅうございますか。
 では、事務局の方はそういう形で御配慮いただければと思います。
 それでは、少し時間を過ぎましたけれども、本日はこれで終わりとさせていただきます。本日はゲストスピーカーにお忙しい中御出席いただきまして、また、議論にも御参加いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、次回は10月26日、午後2時からと。ペースを上げると言ったわりには、少しあくのかもしれませんけれども、その間十分に勉強していただければと思っています。
 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<事務局>
厚生労働省保険局保険課: 03-5253-1111(内線3249)
厚生労働省保険局国民健康保険課: 03-5253-1111(内線3265)

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