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2010年9月10日 第3回安心生活創造事業推進検討会議事録

社会・援護局地域福祉課

○日時

平成22年9月10日(金)14:00~16:30


○場所

三田共用会議所 大会議室(C~E)


○出席者

委員

小田切 徳美 (明治大学農学部教授)
土屋 幸巳 (富士宮市福祉総合相談課参事)
中村 美安子 (神奈川県立保健福祉大学社会福祉学科准教授)
永田 久美子 ((福)浴風会 認知症介護研究・研修東京センター研究部副部長)
野中 博 (医療法人社団博腎会野中医院院長)
林 芳繁 (全国地域包括・在宅介護支援センター協議会会長)
宮城 孝 (法政大学現代福祉学部教授)
村田 幸子 (福祉ジャーナリスト)
森 貞述 (介護相談・地域づくり連絡会代表)
和田 敏明 (ルーテル学院大学大学院教授)

発表者

武井 佐代里 (国土交通省住宅局住宅総合整備課)
戸矢崎 悦子 (横浜市健康福祉局福祉保健課)

○議題

・地域福祉推進市町村連絡会議(平成22年7月26日、27日)報告
・賃貸集合住宅における拠点整備等に関する取組について
・「集合住宅・ニュータウン型」地域福祉推進市町村における取組と課題について

○議事

○中島地域福祉専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第3回「安心生活創造事業推進検討会」を開催させていただきます。
 本日お越しの皆様におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、開会に当たりまして、宮本地域福祉課長よりあいさつ申し上げます。
○宮本地域福祉課長 本日はお暑い中、お忙しい中、先生方にはお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 7月末の人事異動によりまして、前任の寺尾課長に引き続きまして、地域福祉課長となりました宮本と申します。ここに着任いたしまして、およそ1か月半が過ぎようしとておりますけれども、まだまだ勉強中ということもありますので、恐縮ではございますが、先生方の皆様にはさまざまな現場の声あるいはこれまでの研究された成果などいろいろと御意見をいただければ幸いだと思っております。
 最近、着任いたしました後、テレビなどでも報道されておりますように、いわゆる不在高齢者問題といった問題がございまして、主体は厚生労働省の中でどこがということもないわけですが、一応高齢者ということもありますので、老健局が今のところ中心となっております。そこの対応につきましては、さまざまな問題を考えてまいりますと、やはりどこの局でも突き当たる問題といたしまして、地域社会をどうとらえ直すのかといった問題に必ず私どもの仕事はぶち当たっているというのが現状だと思っております。今度は担当の課長ということになりましたので、それにつきまして困ったということでは済まされないという立場になりましたので、まずはいろいろな御意見などをいただきながら、事実関係の把握、それに基づく今後の方向性につきまして、大臣ほか政務三役とも御相談させていただきながら、世の中に対してどういったものを打ち出していくかという知恵袋的なことに是非とも先生方の御意見などを参考にさせていただきたいと思っております。
 御案内のとおり、安心生活創造事業という形で地域福祉計画を肉付けする形で、それぞれの地域におけるさまざまな取組みを現在は実施しておりますので、それを抽出する形でメリット、デメリットがございます。デメリットというとちょっと語弊がありますけれども、課題といったものも先生方に抽出していただき、それをどういう形で世の中に対して訴えていくのかということを考えるのは我々の仕事だと思っております。
 本日は高齢団地といいますか、かつてのニュータウン的なところが現在高齢化してという中での優れた取組みの御報告をいただける予定になっておりますので、本日はその議論を踏まえながら、またいろいろな御意見をいただき、論点抽出につきましても御配慮いただければありがたいと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○中島地域福祉専門官 それでは、カメラ撮りはここまでにしていただきたいと思います。
(報道関係者退室)
○中島地域福祉専門官 ここからの進行は座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○和田座長 皆さん、こんにちは。
 それでは、第3回を始めさせていただきますが、初めに今回より出席のオブザーバーの方の御紹介を事務局よりお願いいたします。
○中島地域福祉専門官 それでは、本日よりオブザーバーで御出席をいただきました方々を御紹介いたします。
 厚生労働省老健局振興課の懸上課長補佐でございます。申し訳ございません。遅れての参加ということです。
 続きまして、同じく社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域移行支援係の新宅係員でございます。
 続きまして、本検討会におきましては、各回のテーマによって随時オブザーバーに御協力いただくことになっております。今回新たに御参加いただく方々を御紹介させていただきます。
 国土交通省住宅局住宅総合整備課住環境整備室企画専門官の武井様でございます。
○国土交通省 武井と申します。よろしくお願いいたします。
○中島地域福祉専門官 武井様には、本日、国交省の取組みにつきまして、御報告をお願いすることになっております。
 続きまして、本日、地域福祉推進市町村の取組みとして事例報告をしていただく方を御紹介いたします。
 横浜市健康福祉局福祉保健課、担当係長の戸矢崎様でございます。
○横浜市 戸矢崎と申します。よろしくお願いいたします。
○中島地域福祉専門官 以上でございます。
○和田座長 続きまして、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○中島地域福祉専門官 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、座席表が1枚表裏の紙になっております。
 資料1が、安心生活創造事業推進検討会メンバー構成についてという紙でございます。
 資料2が、地域福祉推進市町村連絡会議の報告も1枚のものになります。
 資料3が、国土交通省資料でございます。
 資料4が、横浜市の資料でございます。
 その2つがホチキスでとまっている分厚い資料になります。
 資料5が、論点整理ということで、集合住宅・ニュータウン型の課題についてまとめた1枚紙の資料でございます。
 ここまでよろしいでしょうか。
 なお、参考資料としまして、次の資料を付けております。
 参考資料1が、安心生活創造事業の概要という資料です。
 参考資料2が、地域福祉課長通知、8月13日に発出しました市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画の策定及び見直し等についてという通知が資料として付いております。
 資料については以上でございます。
○和田座長 ありがとうございました。
 続きまして、7月26日、27日に行われました地域福祉推進市町村連絡会議の報告を事務局からお願いいたします。
○中島地域福祉専門官 それでは、私から引き続いて説明をさせていただきます。
 資料2をご覧ください。日程表が付いているかと思いますけれども、先般より御案内いたしましたように、当日は1日目と2日目に分けて行いましたけれども、7月26日の1日目は行政説明があった後、「安心生活を生涯継続するために」というテーマでパネルディスカッションを行いました。座長の和田先生をコーディネーターに,湯沢市の佐藤さん、豊中市社協の勝部さん、横浜市の公田町団地自治会の大野さん、ヤマト運輸の佐藤さんということでパネルディスカッションを行っていただきました。
 そのほか関係省庁や関係団体の皆様から御報告いただきました。
 夜には情報交換会を行いまして、さまざまな情報の意見交換をさせていただいたところでございます。
 2日目については、テーマ別分科会ということで、今まで地域福祉推進市町村を6つのテーマに類型化させていただいていたかと思いますけれども、それを参考にしながらテーマ別に分科会を行わせていただきました。推進市町村の参加者が各テーマごとに発表まで行って、最後は中村先生に総括をしていただいたということでございます。
 裏面をご覧ください。裏面はまとめの部分を整理させていただいたところでございます。
 パネルディスカッションでの和田先生のまとめとしましては、安心生活創造事業が対象者の掘り起こしになっていること。そして、有償の仕組みを導入することによって、新しい利用者あるいは新しい担い手を掘り起こしているということ。更にはこの事業が創造的な事業であって、利用者のニーズに基づいて取り組む事業であること。そして、それぞれの立場で力を生かし合って取り組む事業であるというまとめをいただいたところでございます。
 続きまして、総括コメントとして、最後のまとめの中村先生からの整理でございますけれども、地域福祉の関係者の関心というのは、担い手の育成あるいは仕組みづくりに重点が置かれやすいということがあるので、利用者について丁寧に把握する視点が弱くなってしまうのではないか。そういった意味で、必要な基盤支援をしっかり提供できるように利用者の視点を大事にして、更には地域のサポートを再構築しようとする事業を大事にしてもらいたいということでございます。更には利用者をよく知ること、利用者像を豊かに持てるようにすることが重要で、担当者は自ら利用者を訪問する機会を持つなど、常に利用者のニーズに敏感に反応できるようになっていただきたいというエールを送っていただいたというところでございます。
 私からは以上でございますけれども、両先生から何か補足がございましたら、お願いいたします。
○和田座長 中村委員ありますか。
○中村委員 特にありません。
○和田座長 私もありません。
○中島地域福祉専門官 それでは、座長よろしくお願いいたします。
○和田座長 それでは、早速最初の報告に入りたいと思いますが、国土交通省住宅局から「賃貸集合住宅における拠点整備等に関する取組について」御報告をいただきます。よろしくお願いします。
○国土交通省 改めまして、国土交通省の武井と申します。本日はこのような場で説明をさせていただく機会を与えていただき、ありがとうございます。私は国土交通省の住宅局というところで高齢者住宅関係の施策ですとか、また公的賃貸住宅団地の整備などの部署におりまして、その中で地域の福祉拠点をどういうふうに組み込んでいくかといったような仕事に携わっている者でございます。
 本日は安心生活創造事業推進検討会で、集合住宅やニュータウンをテーマとしてディスカッションされるというお話を伺っておりますので、国土交通省で今やっております取組みにつきまして御説明をし、またさまざまな御意見をいただいて、我々の政策にも是非反映させていただきたいと思っておりますので、しばらくお付き合いをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 お手元に資料3という資料がございます。それと同じ内容を使いまして、中心は正面のスライドで御説明をさせていただきます。
 まず表紙をめくっていただきますと「公的賃貸住宅団地ストックを活用したPPPによる『高齢者の住まい』の整備」という表紙が出ております。
 PPPというのは皆さんお聞き慣れされない言葉だと思うんですけれども、プライベート・パブリック・パートナーシップと言っておりまして、民間の方と公とがパートナーシップを組んでいろんなプロジェクトに取り組んでいこうということでございますが、公的賃貸住宅団地の供給主体は都道府県ですとか市町村の公営住宅です。またURの賃貸住宅団地など多くの公的賃貸住宅団地が各地に整備されておりますけれども、その中にまさに高齢者の住宅ですとか、また地域の方々が御利用になるような、例えば高齢者向けのデイサービスセンター、また子育て支援施設、障害者の方への支援施設、そういったものをいかに民間の方々の知見、ノウハウを活用して誘致、整備していくかといったようなことが大きな課題になっております。そういった取組みをどんどん進めていきたいということで、今このような資料もつくりながら普及に努めているところでございます。
 改めて公的賃貸住宅団地におけるPPPというものがどういうものかということを整理しているものなんですが、公的賃貸住宅につきましては、昭和40年代の高度経済成長期に特に大都市圏に就労、就職のためにたくさんの人が来られた。そういった方々がお暮らしになる住宅も併せて公的な賃貸事業者、URですとか公営住宅の供給者が大きな団地、ニュータウンとして整備したということがございます。
 そういったところにお暮らし、お住まいになった方々が、どんどんお子さんが成長されて外へ行かれて、また当時世帯主であった方々が一斉に高齢化されているといったようなことがございます。併せて住宅自身、建物自身の老朽化も進んでおりまして、そういったものの建替ですとか、また高齢化された方々の孤独死といった問題にも焦点が当たってきているところでございます。
 そこで、公的賃貸住宅の建替と併せて、医療や福祉、住宅事業者の方がその団地の中でノウハウですとか資金などを活用して、是非拠点を整備していただきたいということで、徐々に取組みが始まりつつあります。
 この資料の下でAタイプ、Bタイプと分けておりますけれども、既存の住棟の再生や改修をするタイプ。古いながらも手を入れれば継続して使っていけるようなものもございますので、そういったものを大事に使いながら、その中で高齢者の方々の住宅ですとか医療・福祉拠点を整備するといったものが今こちらの資料ではAタイプとして整理しております。
 Bタイプという右側のものは、建替事業によって建物自身も新しくするんですけれども、エレベーターのないいわゆる階段型の4階建て、5階建ての建物が昭和40年代の団地にはたくさんございますので、そういった建物を建替に併せて集約して、エレベーター付きの中高層のマンションをつくりながら、余るといったら語弊があるんですけれども、そこで生み出された土地を活用して、新たにそこに福祉の拠点を誘導するタイプ、その大きな2つがあると思っております。
 取組みが徐々に始まりつつあると申し上げましたが、その例を3つほど御紹介させていただきます。
 1つ、こちらでご覧いただいていますのは、UR住棟ルネッサンス事業ということで、UR都市機構がモデルプロジェクトとして開始しているものでございます。多摩平という東京の日野市にある団地で、既に事業者の方の選定も終わって、進みつつあるプロジェクトでございます。居住者の方がお引っ越しになってお住まいにならない住棟、住棟を空っぽにするというんでしょうか、もうお住まいにならない状態にした上で、事業者の方にこの住棟を使ってどういう福祉拠点の整備ができますかというアイデア募集をしまして、そのアイデアが選定されたものについて、ここを是非使ってください、安い住棟使用料で活用してくださいということで、提案を募ったものでございます。既に多摩平では選定された事業者の方が取組みを進められつつあるということで、まだ工事が始まっていない状態、まだ物ができ上がるのは先になるんですが、こういったイメージで整備が進められていくと聞いております。
 2つ目の事例でございますけれども、こちらは建替によりまして生み出された土地を事業者の方に売却をして、福祉拠点を整備するといった性格のものでございます。こちらは千葉県船橋市アートヒル高根台という団地で整備されているものでございます。ちょっと図面が見にくいんですが、管理戸数は2,800戸でかなり大規模な団地なんですが、そこで建替に併せて建物を集約いたしまして、正面のスライドの左側の図面でいうと、緑色の部分に施設を誘致しております。
 一般に民間の方がもし土地を処分する場合には、できるだけ高い値段で売れた方がお得なんですけれども、ここはやはりUR都市機構という公的な機関であるという社会的使命から、この土地を公募する際に要件を付けました。その要件というのは、高齢者向けの住宅を整備すること、また高齢者の方々へのデイサービスなどのサービスを提供すること、グループホームの整備ですとか地域の方々がお使いになれるような食堂の整備といったものも公募の要件としてなされています。
 要件設定に当たっては、団地の自治会の方との話し合いを重ねまして、そういったプロセスを経て公募要件を設定し、提案してきた事業者の方に整備をしていただいて、土地は事業者の方にURが売却したんですけれども、その場合、事業者の方々見るとその土地を買って、高齢者住宅ですとかデイサービスセンター、地域に開放された食堂などを整備されております。既に物ができ上がっていて、昨年6月から開設されておりまして、住宅の部分についてもほぼ満室だということでお伺いしております。
 もう一つは公営住宅団地を活用したものなんですが、こちらはかなり有名な事例ですので、私より皆さんの方が御承知の部分があるかと思いますが、熊本の県営住宅団地の建替に併せまして、1階部分にこの図面にありますような子育て、障害者、高齢の方々へのサービスの拠点となるような施設を整備し、こちらを運営する事業者の方を公募で選定しました。また、選定されたNPO法人と地域住民の方がパートナーシップを組んで運営されているという事例となっております。
 こういったプロジェクトを既にやっていらっしゃるわけなんですが、国土交通省としましては、整備費などについてお手伝いできることがあれば是非やっていきたいということで、本年度から高齢者等居住安定化推進事業という補助制度を開始しておりますので、その御紹介させていただきます。
 「高齢者等」という名前がどうかという話もありましたので、私どもも考え直さないといけないのかもしれないんですが、高齢者、障害をお持ちの方、子育て世帯の方々の居住の安定を確保するための先導的な取組みについて公募をいたしまして、選定された事業者の方に国が直接助成を行うという事業でございます。
 公募方法につきましては、大きく2つ分かれます。一般部門と特定部門というものがございますが、一般部門というのは幅広くアイデア募集的な要素を含んでおりまして、提案されてきたアイデアについて評価委員会の学識経験者の方々が個別に審査をしてくださって、そり評価結果に基づいて国がそのプロジェクトを補助対象とするかどうかを選定するという仕組みのものです。
 またBというのは、ある程度要件を定型化できるものについては一定の要件をクリアすれば選定できますというルールで選定しようというものでして、この中に3種類あるんですが、今日のテーマとの関連でいいますと、B-3の公的賃貸住宅団地地域福祉拠点化部門というものでございまして、こういったプロジェクトについて支援をするものでございます。
 公的賃貸住宅団地地域福祉拠点化部門の要件といたしまして、イメージ図で前段で御説明いたしました建替に併せて生み出された土地というものを余剰地という表現にしておりますけれども、余剰地のところに整備される高齢者、障害者、子育て生活支援施設が整備される場合、新築時には全体の工事費の10分の1ですとか、改修で行われる場合には3分の1で助成を行うという仕組みでございます。
 今、御説明いたしました一般部門と公的賃貸住宅団地地域福祉拠点化部門につきまして、選定された事例を幾つか御紹介させていただいて、私のプレゼンテーションは一旦終えさせていただきます。
 1つ目は、海浜ニュータウンという千葉市の美浜区にあります大きなニュータウン団地における提案事例でございます。こちらは一般部門でアイデア提案という形で提案されて選定されているものでして、ちば地域再生リサーチというNPO法人が提案されたものです。40年代に供給された賃貸住宅団地というのは、バリアフリー、ユニバーサルデザインといったような概念がなく整備されているところもありますので、いわゆる高齢期を迎えられた方々が決して暮らしやすい間取りになっていなかったり、手すりの設置などに配慮されていなかったりということがございますので、それについてリフォームをなさる。リフォームも単に改修をされるわけではなくて、きちんと相談に応じたり、住宅関連の講座を行って利用者の方々に丁寧に対応するといった取組みを併せて実施されるということで、この提案が選定されたわけでございます。
 次の事例は泉北ほっとけないネットワーク・新近隣住区というものでございます。大阪府の堺市でこちらもかなり大規模な団地になるんですが、ここもほかのニュータウンと同じように高齢化、単身の高齢者の方の見守りといったことが課題になっていたところでございます。そこで、NPO法人が団地だけではなくて、周辺の地域住民の方々も対象とした配食センターですとか24時間の見守りサービスを提供する拠点を団地内の空き店舗、住区を改修して提供するという提案でございまして、そちらの空き店舗や住区の改修費に対して我々の補助事業で支援させてもらっているという内容になります。
 もう一つ団地関連の提案です。こちらも一般部門です。東久留米市の団地になるんですが、こちらも高齢者の方だけではなくて、やはり子育ての部分の支援も重要だということで、あんしんつながりの家という団地の寺子屋という位置づけで、団地内の集会所を改修して団地の中の見守りや助け合いの拠点整備をしましょうということでございます。配食サービスですとか、こちらは子育て支援ということも念頭に置いていらっしゃいますので、現代の寺子屋ということで、そこで子どもさんに勉強を教えられる。教える主体というのは、地域の団地内に住んでいらっしゃる高齢者の方で、助けてもらうだけではなくて助ける人としての活躍も非常に期待していらっしゃる。そういった意味で、多世代の方々が対等に交流し合えるということをねらった提案ですという内容になっております。
 こちらは後ほど横浜市の方から御紹介があるかと思いますが、公田町団地という団地内の助け合いですとか見守りについて非常に先進的な取組みをなされている団地で、こちらは都市再生機構がその団地内のNPO法人の方が実施される見守りサービスを手助けするように、住区内の見守りセンサーを設置するということでございまして、見守りセンサーの設置につきまして、高齢者等居住安定化推進事業で応援しているというものでございます。これはURがこういうセンサーを整備するからということで単に選定しているわけではなくて、団地内の自治会をベースとしたNPO法人の方々との連携がきちんと図られている。そういう観点から選定されているプロジェクトになっております。
 最後の事例です。まだ公的賃貸住宅団地の部門での応募というのが1件しかなくて、その事例だけの御紹介になってしまうんですけれども、兵庫県の伊丹市にあります県営住宅団地です。兵庫県が運営している住宅団地のうち、4戸を改修して障害者向けグループホームとして活用されるということで、今年度工事に着手して運営されていくと聞いております。
 国土交通省は、住宅という分野ではある意味ハード整備を得意とする省庁でございますけれども、公的賃貸住宅団地や住宅そのものの場というのがハード整備だけではなく、むしろ生活の場であるということから、生活支援サービスとのつながりというのがこれからますます重要になってくると思っております。ですので、厚生労働省さんとは日ごろから非常に連携をさせていだたいて取組みを進めておりますが、引き続き、そういった視点を持ちながら取組みを進めてまいりたいと思います。
 一旦、私のお話は終了させていただきます。御清聴どうもありがとうございました。
○和田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、何か御質問がございましたら、お願いいたします。村田委員、どうぞ。
○村田委員 シルバーハウジングがありますね。生活支援、見守りをする人を配置するというのは、建設省のときからつくっておりますね。それはそれで進めていくんですか。
 もう一つは、新しい団地の建替や何かで医療や福祉サービスを一体化したものを組み込むときに、視点として看取りといいますか、生涯そこで暮らしていて死ねるという考えも入っているものなんでしょうか。
 この2点です。
○和田座長 お願いします。
○国土交通省 シルバーハウジングにつきまして、今日面的な団地ととらえてしまいまして、資料の中には入れておらなかったんですが、昭和62年度からシルバーハウジングという取組みを進めてきておりまして、主に公営住宅団地で国土交通省側といいますか、住宅の部門では公営住宅を整備した上で、市の福祉部局からライフサポートアドバイザーという生活サポートをなさる方々が派遣されているといった取組みでございます。
 今、全国に2万3,000戸ほど整備されておりまして、実際に2万3,000戸についてはきちんと見守りサービスで提供されているという状態でございます。勿論、引き続きそういったシルバーハウジングの取組みを続けていただけるように我々もサポートはしていきたいんですが、一方で、自治体の財政難的な観点から数が余り増えていっていないというのが現状としてございます。かなり横ばいの状態でございますが、シルバーハウジングという制度だけの取組みではなくて、公営住宅の団地ではさまざまな工夫をなさっている事例もございます。
 例えば大阪府の公営住宅団地などでは、団地の中に自治会の方が喫茶店をなさっていて、ある意味そこでおうちに閉じこもらないで、その喫茶店に集まりましょうといったよう緩やかな見守りを期待したような拠点の整備ですとか、そういったことがなされている事例がございますが、シルバーハウジングのライフサポートアドバイザーの派遣という部分に行政コストがかかるということもあって、数が増えていっていないというのが現状としてはございます。
 先生の2つ目の御質問のみとりの部分でございますが、我々高齢者住宅の供給の支援に当たりましても、やはり一旦高齢者住宅に住み替えられる場合には、住み替えられた先でついの住み家としての期待にどう応えられていくのかというのは非常に重要なテーマだと思っているんですけれども、一方で必ずみとりまでしなければならないということになると、人員の配置ですとか、サービスの部分に非常にコストがかかります。利用者の方に負担がかかってしまうといったような課題もあるかと思います。ですので、今の高齢者住宅に関連しては、少なくとも見守りのような、シルバーハウジングでいうところのライフサポートアドバイザーの方のような方々のサービスというのは是非付けていただきたいというスタンスにはあるんですけれども、後の介護の付き方とかですとか医療サービスの付き方、そういった部分につきましては、住宅ですので、積極的な情報開示によってそこへ移ることについて、入居者の方がきちんと理解、納得した上で移り住むということを是非やっていただきたいということで、いろんな方々への御説明などを心がけているところでございます。
○和田座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○森委員 建替等を含めまして、当然従来から住んでいらっしゃる方、要するに住み慣れた地域社会の中で自分の老いを迎えて、そして、ついの住み家としていきたい。そうすると、先ほど来の一般部門の中で、例えば一定の割合で従前の住居者という枠を設けておられるというか、そういう考え方というのは提案の中に織り込んでいらっしゃるのかどうか。
 御案内のように、例えば阪神の震災の場合でもそうだったんですけれども、新たなところへ行くところによって、先ほど孤立死の問題もお話されましたが、地域社会のきずなみたいなものがなくなると老いの迎え方が全然違ってくる。そういう点でのハードルとして、一定の割合でそこに住んでいらっしゃる方が新しく建替になったところに住むことができるかどうか。そういうことを要件の中に入れていらっしゃるんですか。
○和田座長 お願いします。
○国土交通省 公的な賃貸住宅の管理者はUR都市機構ですとか、あるいは県であったり、市町村であったり、そういった自治体になるわけなんですけれども、建替に当たりましてはかなり戻って来られる。業界用語的には戻り入居と呼ぶんですけれども、戻ってくるという希望をお持ちの方は基本的に戻って来られるという前提でプロジェクトを進めるということがございます。
 どうしても建替で新しくなると家賃が上がったりします。住宅の経営という観点もありますので、将来的には建替に要した費用などを勘案した家賃をいただくんですが、段階的に新しい家賃そこへすりつけていくような経過措置などもいろいろ考えて、従前お住まいになっていた方々の配慮をした上でプロジェクトを進めるというのが、普通の建替事業自体で組み込まれている要素でございますので、改めてこちらを支援するに当たってどうこうという要件は付けていないんですが、一般的な公的賃貸住宅団地の建替に当たっては、かなり従前の居住者の方に配慮したプロジェクトの進め方をしているところでございます。
○和田座長 ほかによろしいですか。どうぞ。
○小田切委員 どうもありがとうございました。高齢者等居住安定化推進事業は大変面白く聞かせていただいたんですが、特に事業の仕組みが面白いと思いました。多分この仕組みであれば、恐らく地方のもう少し規模が小さい団地であっても適用可能だと思うんですが、御紹介いただいたのは大規模団地ばかりだということで、ここに規模要件があるのかどうかということと、もう一つはこれを地方部に適用させようとするときには、市町村との連携というのが大変重要になると思います。とりわけこういう直轄事業といいましょうか、市町村を飛び越してしまうことによって、特に福祉部門の場合にはその連携が重要にもかかわらず連携がとれないということが出てくると思うんですが、その辺についてはどのような仕組みがありますでしょうか。
○和田座長 お願いします。
○国土交通省 一般部門ですとアイデア提案ですので、団地の規模といったような要件は全くございません。幅広く提案は受け付けております。今まさにおっしゃったように、市町村との連携というのが我々もすごく重要だと思っておりまして、提案書の中に地方公共団体とどのように連携をとっていらっしゃるかということの記述もしていただいて、その内容も評価委員会のメンバーの方々は注目して御判断になっていますので、そういったことはおっしゃっているように大事なことだと思います。
 特に先生がおっしゃったように、どうしても公的賃貸住宅団地というとらえ方をしてしまうと、このような大規模団地での取組みの御紹介が中心になってしまったんですが、規模に関わらず公的な賃貸住宅の建替に当たってうまくこういった事業を活用していただきたいということがございますし、また団地の居住者の方のためだけではなくて、地域の方々にも役立つような取組みを是非進めていただければと担当者としては希望を持っております。
○和田座長 どうぞ。
○宮城委員 大変興味深く聞かせていただきました。私も多摩の大学の周辺の3つぐらいの団地の居住者の方に最近アンケートをとりました。特に東京ですので都営住宅ですけれども、非常に高齢化率が高くなっています。UR等は建設の年月などによって大分違うかと思うんですけれども、URでも40%を超えている団地もあるというのは私も知っております。特に私がデータからびっくりしたのは、多摩の町田周辺なんですけれども、居住している方の4割が23区から転居してきているんです。つまり、23区の中で住めなくなった方が非常に不便なところに来ている。優先枠の状況などがあって、先ほどもありましたけれども、高齢者の方がなるべく住み慣れた地域で安心して暮らせるという居住環境をどうやってこれからつくっていくかということは、大変重要ではないかと思います。
 この前、国交省さんが高齢者住宅を10年間でたしか60万戸整備するということがありましたけれども、民生部局と連携をとりながら、地域の中での高齢者の住宅ニーズ、何が課題なのかをしっかり把握してグランドデザインをつくっていただきたいと思います。住宅マスタープランは余り十分に機能していないのではないかと思うんです。私は素人ですけれども、そういうものをしていかないと根本的に偏在する。現在も偏在していると思いますけれども、国交省と厚労省が連携する体制というのはますますこれから私は重要になってくるのではないかと思います。御意見ということで申し上げました。
○和田座長 お願いします。
○国土交通省 貴重な御指摘どうもありがとうございました。まさにおっしゃいますように、高齢者というのは住宅政策でひとくくりで受け止めるといのうは非常に乱暴だと思っております。いろんな切り口があるかと思うんですが、先ほど先生がおっしゃったように、これから新聞記事に大量に供給していきますというような記事が出ておりましたけれども、あそこもそこだけに焦点が当たられていたんですが、我々が思っておりますのは、高齢者の方々の身体や心身の虚弱の割合や程度、または所得の程度によってやっていくべき住宅政策の中身が違うべきであろうと思っております。
 数が圧倒的に足りないと思っておりますのは、厚生年金を月々きちんと受給できるであろう中堅所得層の方々が御夫婦とも高齢の方であったり、もしくは単身でお住まいになったり、将来的に体の不調などもお感じになって暮らしに不安を抱えていらっしゃる方々が移り住みたいとお考えになるような居住環境もキープされている高齢者住宅というのが、まだ数的には不足しているのではないかというとらえ方をしておりまして、民間の事業者の方々がそういった見守りサービスを提供されるような、ちゃんと人が張り付いた上で見守りサービスを提供されるようなものは、数としては民間事業者主体によって増やしていく必要があると思っております。
 一方で、低所得の方々で国民年金しか所得が得られないという方々もまだまだいらっしゃいますので、そういった方々につきましては、公営住宅を中心に住宅政策は展開していくべきであろう。そのときに村田先生からもお話がありましたシルバーハウジングで提供されているような生活のサポートを低所得の高齢者の方々にどう提供していくことができるのかというのは非常に課題だと思っておりますので、厚生労働省と一緒に取組みを考えて進めていきたいと思っております。
○和田座長 よろしいでしょうか。どうぞ。
○村田委員 公的な賃貸住宅を建替ていく、そして、住まいを供給するという方向性はとてもいいとは思うんですが、例えばつどいの家などを取材してみますと、まだできて1年ぐらいのせいもあるのかもしれませんけれども、どちらかというと、このままでいくと施設化してしまうのではないかという危惧を感じるんです。医療も福祉もあって安心の住まいがあって、見守りしてくれる人もいる。そこに入っている人に対してはとても手厚いサービスを提供されるかもしれませんけれども、それが地域に広がっていかない。地域交流スペースがあっても、食堂に食べに来ている人がいるかというとそうはいないし、地域にどれだけこういうものを広げていけるかというのが1つ大きなかぎになると思うんですけれども、それは具体的にどういうことを考えていったらいいと思われますか。余り施設化しないでね。この住まいが何か施設化してしまうのではないかという気がするんです。
○国土交通省 住宅と施設というのは求めるものが違うというんでしょうか、提供するサービスとか入居者されている方々が求めるサービスの手厚さですとか、物のハードのつくりも異なってくる部分がありますので、非常に難しい御指摘ではあるかと思います。
 住宅と施設は何が違うのかというのは、かなり理念的な部分にはなるかと思うんですけれども、住宅というのはある意味自分で決めるというんでしょうか、入居するのも退去するのも自分で決める。生活のリズムを始めとして、いつ御飯を食べるのかというのも基本的に自分で決めるというのが住宅だと思います。施設はどうしても施設側で介護なり医療的なサービスを提供するということが前提となるので、施設側での管理という要素が強くなってくる。ならざるを得ないでしょうし、そうすることできちんと入居者の方の安全や生活が守られている部分もありますので、そういったことだと思っています。
 私も高根台つどいの家を拝見していまして、あそこも自立型と介護型に分かれていまして、自立型の部分は一般の賃貸マンションみたいな雰囲気ではあるんですけれども、一方で介護型の部分は高齢者向けの住宅ですと言われればそうなのかもしれない。でも、有料老人ホームとほとんど同じではないかと見える部分もありまして、境目が非常に難しいような感じがあると思っています。ただ、そうとはいっても、どうしても高齢者の住宅の方に見守りサービスを提供するとなると、ある程度まとまって集住的な形態で物をつくらないと、ライフサポートアドバイザー的なサービスを提供するに当たって非効率な部分が出てくるということもございますので、そこは我々も施策をやっていて難しいというのがあります。
 私がやっていて思いますのは、これから高齢期を迎えられた方が住み替えを考えられるに当たって、いろんな選択肢を用意したいという気持ちで政策をやっている部分があります。今まではどうしても持ち家での在宅かあるいは施設かという二元的な選択肢だったところを、もう一度高齢者住宅という住宅的な要素も持ちながら安心して暮らすことができるものとしての選択肢を増やしていきたい。どれがいいというのは、利用される方の御判断になってきます。ただ、選択肢を用意することと併せて選びやすい環境を提供することで、選択肢を用意したいと思いながら施策を進めています。
 先生の御指摘にきちんと答えられていないというのは、私の能力不足で大変申し訳ないんですけれども、またいろいろ御指摘いただきながら、私も考えていきたいと思います。済みません。
○和田座長 中村委員、どうぞ。
○中村委員 ありがとうございました。こういう取組みが進むと安心だと思いました。
 少し外れるかもしれないんですけれども、1点だけございます。恐らく住まいの中のことや周辺だけで考えると施設化していく。中で全部パッケージにして住まわせていくということになりがちだと思うんですけれども、恐らく住まいは立地との関係がすごく大きくて、みすぼらしく、多少使いにくくてもそばに大きなショッピングセンターがあるので、大いに自分で暮らせるということがあり、地方などに行きますと、駅のそばよりもよほど大きなショッピングセンターのそばに住んでいる方の方が潤っているという現状を目にしますと、国交省としてというのは難しいのかもしれませんけれども、この取組みと立地との関係について少しお話いただければと思います。
○国土交通省 ありがとうございました。まさに立地という観点も国土交通省の施策の1つの要素ではありまして、都市計画という分野も持っておりますので、こういった高齢者の方々の暮らしと立地との関係というのは非常に重要なテーマだと思っております。ともすれば事業を手がけられる方々からすれば、安いコストで土地を購入して安く物を建てたいというふうにいきがちな部分がどうしてもあるかと思いますので、そうではなくて、高齢者の方々の暮らしを考えればどこにこういう住宅を建てるかというのが非常に重要な要素だと思います。
 公的賃貸住宅団地でこういった住宅を供給するというテーマになりますと、ある意味人がそこに暮らしているので、生活を支える買い物の拠点なども併せて整備されるというのも非常に大事な要素だと思っております。ので、団地の建替に当たりましては、地域の福祉の拠点だけを整備するという観点ではなくて、お暮らしになっている方々の利便性も併せて供給することで、そういった施設も要素として入れることでこそ初めてトータルの暮らしが成立するんだという観点は公的賃貸住宅団地の管理者に是非持ってほしい視点だと思っております。
 UR都市機構もこれからこういったプロジェクトを進めていきたいと考えていますので、我々も一緒に意見交換しながら、生活をトータルでとらえられるような取組みを進めていこうということでやっていきたいと思います。
○和田座長 永田委員、どうぞ。
○永田委員 貴重な情報提供もありがとうございました。
 今の中村委員と同じような観点で御質問させていただきたいと思ったんですけれども、私は90年代と2000年代の前半ぐらいに全国のグループホームの立ち上げの支援といいますか、職員や運営者と一緒にやった経験があるんですけれども、そのときに今の立地の問題を相当丁寧に検討して立ち上げていかないと、どんなに立派なハードをつくり人手を手厚く考えたり、地域とのつながりも考えたとしても、立地が悪いと本人と職員もこもってしまったりとか、どこに行くにも移動の確保が必要になって、これだけ立派なものをコストを投下してつくるのはそもそも適切なのかというところの見極めが重要だという論点として出てきたんです。
 建替ということを重視しながら、今まであったものよりもいいものにしていくという面ではとてもすばらしい計画だと思うんですけれども、そもそもそこの場所は高齢者が住むために本当に立地として適切なのかというところは結構厳しい話かもしれませんが、これをつくると何十年もそこに人が住み、つくれば人が入ってくると思うので、孤立した立地条件の中で本当にこういうものが適切な場なのかというか、同じ建替にしてももう少し稼働力とか自分たちで移動能力を持っている世代向けの建替プランを誘導する方がいい賃貸住宅になるのではないか。とにかく建替時期がきたから、こういういいプランがあるから入れればいいというよりも、やはりそこのそもそもの条件の見極めで何をしたらいいかみたいな、タイプ別の建替計画みたいなものは持って展開されているのかお聞きしたいと思います。
○国土交通省 まだまだこういった取組みは少ない部分がありますので、我々もモデル的にスタートしているという点がございます。立地についてはおっしゃるとおりでございまして、これから人口もどんどん減ってきますし、空き家もかなり出てくる。既に全国の住宅の13%は空き家であるといった状況の中で、まちづくり全体もコンパクトにしていくべきというのは、住宅政策以外にもまちづくり政策の中で議論されているところでございます。高齢者の方々がお暮らしになる暮らしの拠点ももっと駅に近いようなところですとか、少なくとも公共の交通機関が確保されているようなところへの誘導というのは、まちづくり政策の中でも非常に重要なポイントだと思っております。
 あとは、URなど公的賃貸住宅管理者がこういったプロジェクトを手がけるに当たりましても、やはり自治体の方といろんな話や協議を重ねてやります。そういった中の要素として、団地自身が市の全体の政策の中でどういった位置づけを持つのかということも重要な協議内容の中に入ってくるかと思いますので、全体のいろんな切り口、軸があると思いますが、高齢者の方の暮らしということを考えた場合、買い物の利便性もありますし、移動の利便性ということもあると思います。家族の方がそこへ行かれるという意味でも、移動の利便性は非常に重要な要素かと思いますので、そういった観点を持ちながら、どの団地でもってこういったプロジェクトを展開していくのかというのが団地の選定に当たっても重要な要素であるということはURとも協議しながら進めていきたいと思いますし、自治体の方々にも声かけをしていきたいと思います。
○和田座長 まだ御質問があるかと思いますが、今日はもう一つありますので「賃貸住宅における拠点整備等に関する取組について」は、ここで終了させていただきたいと思います。
 いずれにしても、安心生活創造ということを考えますと、安心して暮らせる住まいというのが一番基本になると思いますので、。特に既存の建物ところに福祉を持ち込んでいくとか、あるいは建替のときに新しい機能を取り入れていくという取組みが始まっているということは大変心強いんのですが、ちょっと心配なのは、先ほどからご意見が出ているように、割に採算に合いそうなところは進むんですが、ちょっとへんぴなところにあるような集合住宅というのは何も手をつけられない。URに聞いても採算に合わないところはやりにくいというお話も聞きますので、ここはそうなると自治体との関係が非常に重要です。森元市長もいらっしゃいますが、自治体で福祉計画をつくるときに、こういう集合住宅問題を自治体が自分たちの問題として取り入れて計画をつくるというのことはなかなかしないのんです。ここはここというふうになってしまうので、そこら辺のつながりがしっかりできていくと、もう少しちょっと変わってくる可能性があると思っています。が、いずれにしても、国土交通省として大変すばらしい取組みをしていらっしゃいますので、またそういう専門官がいらっしゃるということもよくわかりましたので、今後大いに進めていただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、次に移らせていただきたいと思いますが、続きまして、地域福祉推進市町村の事例報告に移ります。今度は集合住宅・ニュータウン型の地域での取組みを御報告いただきます。横浜市の戸矢崎さんお願いいたします。
○横浜市 初めまして。横浜市健康福祉局福祉保健課の戸矢崎と申します。今日は座らせていただきながら、お話をさせていただきたいと思います。
 本日のお手元の資料は、資料4というものと、当日ですみませんが、1枚A4のものです。後で御紹介いたします公田町のお互いさまねっといこいの取組みの内容をまとめたものを準備させていただきましたので、そちらを用いながら御紹介したいと思います。
 様子が分かるように、本日のパワーポイントは写真なども一緒に入れさせていただきましたので、そちらを御紹介しながらお話をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私はこちらの安心生活創造事業と横浜市の地域福祉保健計画を所管している部署におります。なので、地域福祉計画、横浜の場合は「保健」が入りまして、地域福祉保健計画も一緒にこちらの事業と連動しながら考えているところがあります。
 横浜の計画のことも踏まえながら、簡単に御紹介しながらこの事業の説明をさせていただければと思いますが、横浜の特徴といたしまして、23区の方とか東京都の方とお話したことがあるんですが、思いのほか地縁のコミュニティーがまだあるねと言われたことがありました。自治会の加入率なども今回調べてみたのんですが、昨年度は77.6%、これが17年度ですと85.1%ということで、やはりどこでも下がっているというお話がありますが、下がっております。ただ、都市部にしてはまだある方ではないかと感じております。
 2点目なんですが、テーマ型のコミュニティー、NPO法人を始め市民活動団体がさまざまなジャンルで活動している。やはりこれは人口規模の大きさということもあると思いますけれども、そういった市民活動と共同で行政が一緒に取り組める可能性があるところではないかと言われました。
 多分地縁のコミュニティーとテーマのコミュニティーが融合するようなことをこれから考えなければいけないと感じております。
 そういったところを踏まえまして、横浜市については、地域福祉保健計画を18区別で17年から策定、推進に取り組んでおります。更に今年度は区の中でも連合町内会と福祉保健の活動拠点ということで、地域ケアプラザという施設がございます。包括支援センターの機能も置いてある施設なんですが、そちらの担当エリアごとに福祉保健の計画を立てるということで、今、取組みをさせていただいております。
 先ほど住まいのことのお話もありましたが、ソフト面での住まいの課題とかみんなで支え合うようなことはどうしていったらいいのか。その中からまちづくりということで、ハード面の方にもお話をするようなことを、今、考えているという状況でございます。
 そのような動きもある中で、今回、安心生活創造事業のモデルということで、今2地区取組みをさせていただいております。
 本日の説明内容ですが、3つの柱に沿ってお話したいと思います。
 1つ目は、原則1の方で基盤支援候補世帯名簿の作成ということで、候補者のリストアップを行政サイドで取り組んだ物がありますので、そこから見えてきた課題などを御紹介させていただければと思います。
 2つ目は、実際のモデル地区の取組みの状況です。
 3つ目は、2つのモデル地区の原則の差になりますが、地域の自主財源の確保の難しさというところも御紹介したいと思っています。一番最後の個人情報の取扱いというところで、地域の見守り、支え合いのところで課題として出てきたところもありましたので、御紹介したいと思います。
 まず基盤支援候補世帯の名簿の作成というところで、原則1のこちらの支援を必要とする人々のニーズを把握するために、その候補者のリストアップをさせていただいております。
 住民票の情報と連動した2つのシステムというのは、横浜市独自のものです。横浜市は多分母数が多くかったりとか、さまざまな法律の改正でシステムが独立している状態でございます。すべてが1つということになっていないがために、システムの運用面の不具合ということを今回感じております。
 現在2つのシステムを使わせていただいたんですが、福祉5法システムです。5法といいながら6法なんですが、老人福祉法、児童福祉法、母子及び寡婦、身体障害、知的障害、精神保健福祉法、さまざまな事業がございますが、48事業のサービスや利用の状況などが入力されている情報であります。
 2つ目ですが、介護保険システムということになっています。これは認定調査とか介護保険の番号などが入っています。このシステムに実は2というものが存在していまして、実際にどこの居宅介護支援事業者、ケアマネージャーであるかとか、サービスの実際というものはもう一つのシステムになっていることが状況としてございます。
 所管課に今回の事業でこちらの個人情報を活用したいということで説明に上がり、候補者の絞り込みをさせていただいたということがあります。
 あと、タイミングが非常に悪くて、この2つのシステムは簡単に抽出を回せばいいかというと、ちょっと外部にお願いしてシステムを連動させて対象者の候補の絞り込みをするというところで、外部に発注したということがあります。子ども手当の時期と重なってしまいましたったんです。それで3か月を要したのんですが、多分来年同じ時期にやったときには1か月ぐらいでできるのではないかと思っています。
 対象者の考え方に沿って条件とか情報項目は異なりますが、やはり高齢者だけではなくて孤立しやすい傾向のある、特に40代、50代の男性などのお話もあります。
 あと、多くの場合はうつ病とか精神疾患のある方なので、20代、30代の方でもそういった単身の形で、精神保健福祉手帳の交付の事実のあるような方をリストアップしてみました。
 あとは40歳以上ということで、世帯が1人もしくは御夫婦ということを考えまして2人です。
 情報項目としては、介護保険、障害手帳の交付なども入れさせていただいたというところです。
 旭北地区というところと栄区の公田町が私どものモデル地区になっています。後でそれぞれの地区を御紹介いたしますが、この条件で合致した方を抽出すると、旭北の場合は全体の対象者の28.7%が対象として抽出されてしまったということがあります。かなりの数でした。そのうち、高齢者を見ますと、やはり半分ぐらいというところがあります。
 同じように公田町の団地は1,061人になります。もともと公田町の方が高齢化率が高いです。
 それと、築40年以上経っていますので、圧倒的にお住まいとして高齢者の世帯の割合が高いということでは、旭北地区と公田町は背景が違いますので、抽出全体のパーセンテージも異なってくると思います。
 実はこの数だけどのぐらい出てくるかというのは想像できなかったんですが、まず対象者の方に連絡するとか、訪問するなりで生活の状況や今回の事業の対象者であるかどうか、NPO法人などに皆様の情報をお知らせして訪問してもよろしいでしょうかという同意確認を行政サイドで取らなければいけないということがあります。
 この2つの地区は、実は社会福祉士と保健師1名ずつで2名の担当市職員が担当していますなんです。公田町の方はそれでも少しめどがついてきたのんですが、旭北地区についてはもともとの業務をしながら、この人数というところが対応しき切れず、なくて苦慮しているという状況です。情報としては非常に大切な情報だと思うんですが、体制的に行政サイドで弱い点があると思っています。
 モデル地区の場所としては、一番初めに御紹介いたします旭北地区については、横浜市の西部になります。公田町については、横浜市の南部ということで、旧ニュータウン型、集合住宅型ということで分類されています。
 この地区については、こちらの事業前から地区の見守り体制づくりというものを行政と一緒に取り組んできたという背景があります。やはりベースがあってこの事業ということで、進みの方ができていると思っているところがあります。ただ、先進的とか参考にしてくださいとは言えない内容だと思いますので、その部分も含めながら聞いていただければと思います。
 旭北地区になりますが、横浜から30分から40分ぐらい電車とバスを乗り継いでということになります。
 比較的バスの本数は出ていると思います。
 バス停はこの地区内に点在しておりまして、大体徒歩10分ぐらいでお住まいに着くという状況でございます。
 人口は1万8,000人、約2万人。
 世帯数が7,600世帯。
 昨年9月でございますが、高齢化率が22%。横浜市はこの時点で19%ぐらいでしたので、若干高目になります。
 この地区は多いか少ないかはわからないんですが、横浜の場合、連合自治体を1つの地区として考えるんですが、24の自治体があるという状況でございます。
 あとは推定でございますが、世帯の方を見ていただければと思います。
写真をご覧いただきながらということで、 写真見せながらということで、旧ニュータウン型ですので、敷地の規模が比較的大きな住宅地もこの中にあります。30年ぐらい大きなディベロッパーの方が造成したところで、今でいうミニ住宅が3軒ぐらい建つようなエリアもあります。
 建替をして2軒ぐらい売り出しをしたようなところも中にはありました。
 大きな社宅とか独身寮がこの中にもあったんです。結果的には、今、大規模マンションということで、子育て世帯の方が転入されてきたということで、地域の人のつながりみたいなところも大きく変わったり、もともと住んでいらっしゃった方とのつながりということも一緒に考えなければいけないような地区であります。
 2世帯住宅もやはり増えてきています。
 横浜といえば坂です。ここも本当にそうなんですが、計画された住宅以外に非常に細いところに小さな住宅がどんどん建っているというミニ開発が頻繁になっています。
 高低差も非常に激しくて、ちょっと写真がぶれているんですが、丘の上に家があります。うちがあるんですが、車で行けないようなところが横浜は本当に多いです。行き止まりというところもあったりするので、車の運転も恐いです。
 地区内は起伏に富んでいまして、高低差が見られるようなところです。
 一部市街化調整区域もあるようなところで、緑もある環境面もとてもいいようなところです。
 住宅の造成に伴いまして、公園も結構点在しておりまして、グラウンドゴルフなども盛んになっています。小さな子どもさんが遊ぶような姿もありますし、自治会のパトロールの拠点としてもあるという状況です。
 あと、これは地域の方々の力でプロムナードということで、小川の整備をきれいにされたようなところがあります。活動も非常に盛んということで、もともとの地縁のコミュニティーもあるような地区になっています。
 道沿いにはこういった大きなスーパーがございます。
 これは一戸建ての奥の方にあったものです。ストアの方が減ってしまった。新しくお店が増えてきたということで、閉店してしまったということで、この周辺の人は非常に困りました。新しいお店が引き続き開業したというところもあります。
 これは工場跡地にかなり大きな複合施設ができたという地域になっています。
 中央にありますもともとの商店街は、シャッターが下りているようなところが横浜市内でも増えてきております。
 中には定評のあるようなお店が頑張っておりまして、ショッピングセンター的なところ、月に1回朝市ということで商店街も頑張っています。
 このようなものが旭北地区の状況でございます。
 今回の事業については、NPO法人たちばな福祉会というところが横浜市から委託をされて事業を展開しています。こちらの法人ですが、16年から地域に根差した助け合い活動ということで、実は自治会長とか民生委員さんがこの法人の主要なメンバーになっています。この自治会長さんは介護保険の事業所、株式会社を自分で立ち上げて運営されていまして、最初NPO法人でもケアマネージャーのケアプランをやっていたということもあったりします。ただ、今回の事業で介護保険事業とこの事業がわかりにくいというところがありましたので、介護保険事業については株式会社に移行したということがあります。
 この法人として独自に持っているのは、会員に対して送迎のサービス、あと助け合いということでヘルパー的な日常の困りごとに対応することもあります。
 理事長なんですが、連合町内会と地区社協の会長も務めていらっしゃるということでは、地域の地縁コミュニティーにもスムーズにきやすいというところがあります。
 拠点としては商店街の一角なんです。NPOたちばな生活サポートセンターというものを設けていらっしゃいます。この中では子育てのサロンなども一緒に行っているのと、相談に主に対応していますが、やはり事務所機能も一緒やつています。こちらの安心生活創造事業の拠点としても、今こちらのサポートセンターを機能させているということでございます。
 場所はショッピングセンターの中です。
 現在なんですが、民生委員さんがNPO法人の中にもいらっしゃるということで、協力をいただきながら、民生委員さんが把握する対象者の訪問をNPO法人に雇用された社会福祉職が一緒に訪問させていただきまして、御相談に応じながらに乗ったりとか継続的な対応をするべき対象者かどうかという確認をとらせていただいています。4月から7月末までで、大体160件ほどアプローチをしたと報告をいただいております。
 中にはNPO法人といってもわからない、あなたは何者なんだということで受けていただけなかったというお話とか、逆にお金がかからないで社会福祉職の方の訪問を継続的にするところでは、お金をとってもらった方がいいという発言もいただいたと聞いております。
 原則2なんですが、漏れなくカバーされるような体制をつくるということでは、調査、訪問をさせていただいております。
 あと、買い物支援の部分については、NPOを中心に実施したいということで今アプローチをさせていただいています。ただ、先ほど御紹介したように、スーパーとか複合施設がこの地域に結構点在してます。いるんです。商店街もあったりというところでは、困っているような方というのはごく一部というところがあります。なので、買い物支援のニーズというのは、今の160件の中ではなかなか出てこないと聞いております。
 あと、物の配達ではなくて、買い物のできるところまで連れていってほしいというお話もあったようで、NPO法人としては送迎サービスをやっておりますので、そちらを御紹介するようなこともされていると聞いています。
 後で御紹介いたします公田町の取組みのような青空市は、既に商店街の方でやっているので、その取組みについてはこの法人として取り組めていないところがあります。
 お買い物の場所に連れていくだけではなくて、配達というところではほかのNPO法人とか事業者でもやっているものがありますので、そこも含めて今後ニーズがあった場合は御紹介をしていきたいと聞いております。
 公田町の団地です。公田町は今年4月にいこいというものができたこともありまして『読売新聞』を始め、先ほどのURの取組みということで安心センターのセンサーのお話で注目を浴びてしまって、NPO法人も対応に非常に苦慮している状況でございます。
 公田町はJR大船駅からバスを利用されるというところです。横浜からは40分ぐらいかかると思います。
 団地の中にはバス停が2か所。
 丘陵地一帯が団地になっているという地区になっています。随所に坂だらけという状況でございます。
 人口は大体2,000人。
 世帯数は1,100です。
 高齢化率は27.5%ということで、やはり高いです。
 一人暮らしの方については183世帯の方ということで、これは国勢調査から把握しております。
 団地ですが、33棟で1,160戸あると伺っています。築40年余りでエレベーターがない建物になっています。
 簡単で済みません。団地の地図をカメラに収めてきました。ちょうど丘のところに団地ができているということで、赤い丸をつけておりますが、バス停が2か所あります。降車側と乗車側でちょっと場所が違っておりますが、それぞれ2か所ございます。
 団地内はこういった形で5階建ての建物がありまして、平らなところがなくて坂だらけです。
 本当に緑豊かな閑静な団地になっています。
 公田町団地はNPO法人お互いさまねっと公田町団地というところが委託をされて、今、運営をしています。ここは平成20年から地域の見守り、つながりをテーマに住民の方と行政の方がやはり考えた方がいいということで、ちょっと仕掛けをしていったというところが背景としてあります。
 自治会によるアンケート調査で、今、何に困っていて、何に悩んでいらっしゃいますかということの実態調査を20年に出しました。その中の断トツの悩みといたしましては、中にスーパーとかコンビニがあったんですが、それが撤退されたということで、お買い物が思いのほか多かったということがありました。
 それと、今は元気なんだけれども、これからというところで、高齢者ならではの悩みがありました。相談ができたりとか、自分が困ったときに声をかけられる、そんなところのニーズもありました。
 なので、20年度から集会所をお借りいたしまして、地域ケアプラザの社会福祉士が出張いたしまして相談をしたり、1週間に1回集会所のスーパーの目の前の広場をお借りいたしまして、青空市というものに取り組んでいたということがあります。
 昨年9月ですが、法人格を有してしっかりと地域としての事業を展開していこうということで、このNPO法人ができました。現在、会員は130名です。こちらの法人の理事長はやはり自治会の会長さんです。理事の中には民生委員、児童委員の方も何人か構成メンバーとしております。なので、依頼がスムーズということがあります。
 地域の身近な福祉保健の拠点として、地域ケアプラザというものが横浜にありますが、そこの所長も監事としてこの法人に関わっているという状況でございます。
 後で写真を御紹介しながら、本日1枚ものでお配りしましたいこいの活動状況を踏まえまして御紹介させていただければと思います。
 今年3月末にオープンいたしまして、実際4月1日から多目的交流拠点としてお互いさまねっといこいというものがオープンしています。
 その中では手元のA4の簡単なチラシを見ていただければと思いますが、常時見守りとか交流ということでサロン、お茶が飲めるようなスペースがあります。これは工夫だと思ったんですが、新聞や雑誌を読めるように置いてありますので、男性が1人ふらっと来て新聞を読んでいかれたりったりということがありまするんです。私も何回が実際に足を運びましたんだんですが、男性の姿も見られるというのは見えるというのは工夫されていると思いました。
 2つ目です。注目された買い物支援があります。常にお米とトイレットペーパー、洗剤、カップ麺といったものは置いてあります。近隣のスーパーと同額の金額で置いています。やはり高いと売れないというところがあります。
あと、火曜日は青空市というものをやっています。これは1人とか2人だと消費ができないというところで、小分けをして販売しているというところが生活の実態に合わせた形でされていると思います。
 ミニ食堂ということで、5月ごろからオープンして頑張っていますが、大体1日50食、1食300円ぐらいなんですが、丼物とかカレーといったものを提供して、お昼だけですけれども、そういったものを楽しみに来ているような方もいらっしゃいます。
 見守り、支えていというところでは、安心センターという事務所を中に構えています。この中にケアプラザの社会福祉職の方が常駐するような形で相談などに乗っています。実際にサロンとかミニ食堂などを使っている方に声をかけたり、何か気になることとか行政サービスの相談があったときに対応するようなスタイルをとっています。必要時訪問するようなことも対応するということで、こちらにいらっしゃいます。
 この中で社会福祉職はチーフということになっていますが、見守り支援員さんという方が8名おります。33棟を8人で、大体3棟から4棟ぐらい担当いたしまして、日々の見守りとか実際に訪問したり、地域の民生委員さんと一緒に活動するよう、情報共有をしたりというような動きもしています。
 もともと自治会としても見守りを希望されるような方のリストをつくっていたということがありまして、NPO法人としても、そのリストの同意をいただいた方の情報を共有しているようなところがございます。
 あとは先ほどお話がありましたが、センサーによる見守りというところで、人による見守りを一部補完するようなものです。機械だけでは見守りというものは進まないと思っています。地域の方もそういうふうに思っているんです。今モデル的にURの方が頑張られていますが、現在10戸設置したと聞いております。秋口までに合計80戸で、来年までに全部につけたいというお話も聞いておりますが、センサーのシステム、働きが高齢者の方にとってはわかりにくくて、デモルームというものを同じ団地の中に設置をしていると聞いています。実際に見て体験しないとだめだというところがあるようです。
 このような機能を持ちました多目的な拠点を月曜日から日曜日、木曜日だけはお休みということで、午前10時から5時まで開店しています。
 いこいはバス停の降車用の近くのところです。ここはもともとスーパーマーケット、コンビニが入っていたような跡地を活用させていただいております。
 ちょうど青空市準備中のときにお邪魔いたしましたが、このような形で広場が目の前にありますので、中と外で青空市に取り組んでいるところです。毎週火曜日の10時半から大体2時ごろまで取り組んでいらっしゃいます。
 後で買い物支援の状況の写真も見せたいと思いますが、NPO法人として、取得以前の自治会の方で持っていた情報に再度御同意をいただく作業に、今、取り組んでおります。もともと140人ぐらいリストの方があったのんですが、そのうち63名の方から再度御了解をいただいたということです。
 あとは、ケアプラの社会福祉職の方の相談のお話もさせていただいておりますが、月に1回区役所の地区担当の保健師と社会福祉職で定例会を持たせていただいているということで、必要な専門的な支援については一緒に共有するような動きをさせていただいております。
 原則2のカバーというところでは、買い物支援については先ほど御紹介したとおりです。
 買い物支援の写真ですが、野菜です。実際に小分けというのか、ちょうど1つ70円と書いてあるトマトとか、これはサヤエンドウだと思いますうんですが、実際に小分けをして売っています。これはJAが近くにありましたので、そちらから実際に法人が買ってきて、その場で売っているというやり方です。野菜だけではないんですけれども、どうも大体1回当たり2万ぐらい買い取りをして、小分けにして売っていると聞いています。
 このような形です。
 中には野菜だけではなくて、お惣菜的なものとかお菓子的なものも一緒に販売させていただいております。
 これは日常の物ということでいつも売っているものなんですが、男性の方からの声でトイレットペーパーなどを置かせていただいたようです。バスに乗ればスーパーには行けるんですけれども、トイレットペーパーを持ってバスに乗るのがとても恥ずかしいというお話があったそうなんです。なので、重たいだけではなくて、そういった気持ちみたいなところもくみ取って、日常生活の用品をリストとしてアップさせていただいているというお話がありました。
 あと、お米とかこのようなものも売っています。
 あとは本当に1人分のお惣菜みたいなものも、実際に青空市のときには売り出しております。
 中には子育て世代の方もこうやって買いに来ている様子などもありました。
 長くなって申し訳ありません。2地区のモデルの活動から、気づいたことということで2点ほど挙げさせていただいておりますが、どうしても最初に対象者の候補をリストアップするときに、私たち行政というのは対象者の絞り込みに動いてしまうんです。地域の方はそうではなくて、気になる人はすべて対象なんです。
 例えばケアマネージャーさんとか介護保険の利用になると、ケアマネージャーさんが見守ってくれているから私たちは大丈夫だ、地域の人を見守らなくてもいいと思うんですが、やはり1住民で一緒の地域で暮らしているんだから、たとえケアマネージャーさんが関わっていたとしても、ケアマネージャーがずっといるわけではないから、自分たちの方がずっと関わっている頻度も時間の共有も違うというところでは、一度把握したらずっと見守る対象者だと思うという言葉を聞かせていただきました。私たちの姿勢も見直さなければいけないと思ったところがありました。なので、負担感を持たせずに、そういった気持ちを維持するための関わりというところを、行政とはここでは地域ケアプラザが関わっているのんですが、私たちはそういったところを応援しながら、困難なものとか専門性の高いものについては、即対応できるような支援体制も同時にしていかなければいけないと思っています。
 あと、見守りは気持ちがあればだれでもできるんだという言葉とか、自分たちのできる見守りの限界もこの事業に取り組んでいる中では皆さん気づいていらっしゃいます。孤独死がやはり防げないということもはっきり言っています。ただ、孤立した状態を予防したり、そこから改善すること、ひょっとしたら亡くなっているようなこともあると思うんですが、長期間の放置を防ぐことはできるのではないかとおっしゃっていました。
 買い物支援のところで、ニーズがあれば即検討ということがあります。利用者の声からすぐ考えるというところは柔軟性があります。ただ、食品などの衛生面は許可申請といったところもきちんと見なければいけない。思いだけではできないところがあります。そういった部署が福祉保健センターの中にございますので、そちらの方々に御相談させていただきながら、やはりできる方法を模索して青空市については運営させていただいている。そういった支援の方法もあるのではないかと感じております。
 一番最後に「3 課題」というところで、市町村の皆さんとの情報交換のときにこういう話が出ました。非常に難しいと思っています。この事業を運営するために人的にも必要ですし、例えばいこいのところでは家賃も必要だったりいたしますので、やはり年間数百万単位の事業費をかけております。なので、継続的な財源というのは自主的には見つかりにくいというところがあります。小銭的なものは、今、一生懸命模索しているという状況でございます。
 取組み例といたしまして、NPO法人の会費収入、企業さんなどの賛助会費があります。ただ、企業は横浜市という広域なものについては非常にメリットを感じるようで、買い物支援についてこういった取組みを横浜市と一緒にできないかということで、今年4月から4社、5社ぐらいから話をいただきました。ただ、1つの地区という形では、お話としてはなかなか進行しないところがあります。なので、企業としてメリットと感じるようなものは何なんだろうというところも、今、考えている状況です。
 あと、物販とかスペースを貸し出したり、お茶とか自動販売機もこの拠点のところに2機設置しました。
 頻々に来る取材についても、資料なども含めて1件500円ぐらいでいただけないかということで検討し始めました。いこいだけではなくて、横浜市内のNPO法人の活動で有名なところは、こういった取材の対応も有料で対応しているような場合があります。あと、学生さんの研究などでいらっしゃる場合も対応をしている話も聞いています。
 募金箱の設置なども最近始めました。
 地区社協の会費で何とかということもあったのんですが、実情といたしましては、自治会費から社協分ということで世帯からお金をいただくようなことをしているんですが、加入率がどんどん低下してきているので、会費の回収というところはどんどん減ってきているというのが状況としてあります。
 共同募金ということで、私も昨年まで区の社会福祉協議会と一緒に仕事をするような部署におりまして、共同募金の話もよく聞かせていただいておりましたが、既に地域の既存活動の財源になってしまっているということもあります。
 あと、配分委員会というところで予算配分を決めていますので、1団体とか1つのエリアに多額の還元というのは非常に難しいということを共同募金のところでは感じました。これについては、区の社会福祉協議会の方ともお話をしたことがあるんですが、同意見だといただいたことがあります。
 1つの地区の社会福祉協議会の平均の収入のデータなどもありましたので、今日は一緒に載せておりますが、これは20年度分になります。前年度比較からするとやはり若干減ってきているという状況がございます。なので、実財源については、いろんなことを考えていかなければいけないと思っています。
 この事業だけではなくて個人情報の取扱いというところで、あくまで本人の同意が前提で、この活動のNPO法人にも情報を提供できるということで、非常に困っているという状況でもございます。
 既存の活動で一人暮らしの高齢者の世帯に民生委員さんとか老人クラブの有志の方、健康づくりの地域の活動員さんの3者で訪問するようなことを横浜市は平成7年から地域で取り組んでおります。ただ、平成7年に比べると高齢者の数が急激に増加しています。あと、訪問以外の手法で見守りの活動もたくさん出てきたといういい点ございます。
 個人情報の法律ができたということで、昔は敬老祝い金などもやっていたということで、民生委員さんが高齢者の方の情報を別のルートで把握して、ちょっと気になる人の訪問に生かしていたんですが、目的用途で使いにくくなってきたというところもあります。
 それと、介護保険が施行されるようになりまして、そういった方が民生委員さんを通じてということではなくて、ダイレクトに行政のサービスに提供されてしまうというところでは、そういった方がサービスを利用されているということが地域の方にはキャッチできないようなところもあると聞いております。
 訪問自体を嫌がる高齢者の存在もありまして、この事業自体のやり方をどうしようかというところで、今どこの地区も悩んでいるという状況です。
 公田町も旭北の方でもあるのんですが、地域の人は本当にさりげない見守りができる可能性がたくさんあるかと思います。あいさつなどの声かけもありますし、勿論サロンでも見守りもあるんですが、外出する姿を見かけなくなっているがんだけれども、大丈夫でしょうかとか、ポストという話もあったりします。実際に公田町の見守り支援員さんもさりげない見守りというところで、団地などではポストを見たり、ベランダ側に回って電気がついているかついていないか、洗濯物についてはどうかということを毎日見ていらっしゃると聞いています。そういったところもうまくつなげながら、見守り、支え合いができないかと思うところもあります。
 都市部ならではなのかもしれませんが、最近、利便性の高いマンションとかアパートに引っ越される方もいらっしゃって、今までの人のつながりがない形での生活、新しい住まいを設けるような形もいらっしゃいます。近隣の方が単身の高齢者の方がお隣に住んでいるということを知らないことも出てきています。なので、そういった高齢者の方がいらっしゃるという情報を何らかの形で地域の方々に渡せないかと思うところがあります。
 最近の行方不明高齢者の話もありまして、本人の同意、不同意に関わらず、そういった情報を渡せるような何らかの動きを横浜市でも考えていきたいということで、内部では話になっているという状況でございます。
 この事業とか地域福祉保健計画を推進してきて非常に思うのは、地域の方々と一緒に生活のことを考えるということでは、行政の方も事業も意味のあるものとか、生活に即したものを一緒に考えることができるようになってきたと思うところがあります。
 あと、地域の方もそれをきっかけに自分の知らない人に対しての関心を持ったりとか、つながりみたいなことを意識するということで人づくり、建物の関係とか住まいにもなると思うんですけれども、まちづくりみたいなところも一緒に考えるようなきっかけにもなってきたということでは、課題はたくさんあるんですが、この事業のおかけで気づかせていただいたところもたくさんあったと思っております。
 長くなりましたが、御報告は以上でございます。
○和田座長 どうもありがとうございました。
 意見交換は後で行いますので、今の御報告について御質問がありましたら、お受けしたいと思います。どうぞ。
○林委員 多目的交流拠点いこいということで、我々もいろいろ参画しておりまして、大変勉強になりました。ありがとうございました。
 安心生活創造事業の基本理念の悲惨な孤立死を発生させない地域づくりということに関しましても、いわゆる孤立死は東京都区内などでは2,700人ぐらいの方が出ており、特に男性単身者が多いという形です。なので、いこいの安心センターのセンサーによる見守りというのは大変興味深く聞かせていただきましたが、これはどういうシステムをとられているのか。いわゆる一軒家をつないでいるのか、集合住宅としての中身なのか。あるいはまた見守りのセンサーに対して1日2回ということでございますが、それに携わっている方はボランティアの方なのか。またこれは夜などはどういうふうにされているのか。始められてまだ1か月でいろいろな事例は出ておらないかもしれませんが、もし何かそういうことがあれば参考にさせていただきたいと思うので、よろしくお願いします。
○和田座長 お願いします。
○横浜市 センサーの実施についてはURの方の事業で、私も説明を受けただけで、詳細の部分については、申し訳ありませんが、述べることが難しいかもしれません。聞いている中では、やはり人感センサーということで、例えば玄関に付けたり、トイレのところとか水回りがあるそうです。たしか2か所ぐらい付けるようなお話も聞いております。一応1時間ごとにこのセンサーの方は感知いたしまして、個々のお住まいのところにセンサーがありまして、安心センターにパソコンがあるので、そこでセンサーを感知したところの情報が届くような形になります。異常な場合については連絡とか、実際におうちに訪問するというやり方をしています。ただ、1時間ごとに見ているわけではありませんので、時間を決めて1日に2回という形になっています。
 いこいの見守りの支援員さんがスタッフという形でそのパソコンをチェックしている状況ですので、見守りがオープンしている10時から5時までの日中ということになります。なので、夜間の対応は現在できていないということと、木曜日はお休みですので、木曜日は1日できていないというところが課題としてあります。なので、センサーだけで見守りはパーフェクトにできるものではないと感じております。
○和田座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。森委員、どうぞ。
○森委員 大変興味深く聞かせていただきました。ありがとうございました。
 前段と後段で一番関心を持ちましたのは、最終的に持続可能な財源の問題のところです。後ろの公田町の方は今いろいろ出していただきましたけれども、前の旭北のNPO法人たちばなの状況というのは、例えば防災とか防犯とかいろんなことである面では市とか区からの委託の費用が入ってくると思うんですけれども、その辺の財源的なものは比較対象してどうなのかということを教えていただければと思います。
○横浜市 公田町団地の関係はこちらの事業すべてがの方が丸々活動費になっているという状況でございます。
 旭北地区のサポートセンターの方は、子育ての関係のサロンの補助金を活用して家賃などにしているということがあります。防災とか自治会の活動も一緒にやっているので、若干自治会費もその中は入っていらっしゃるのではないかと思います。なので、公田町に比べるとサポートセンターの面積の方も非常に小さな規模でいものだったりいたしますので、3分の1ぐらいだと思います。
 詳しくわかっているわけではないんですが、どちらの法人さんもいろんな補助や委託費をうまく活用しながら、地域の活動をしているという状況でもあると思います。なので、自己債権だけでこの活動をするという難しさが現状としてはあるのではないかと感じるところはあります。
○和田座長 ほかにございますか。どうぞ。
○土屋委員 非常に興味深いお話をありがとうございました。
 NPOたちばな福祉会もお互いさまねっと公田町団地もどちらも理事長が町内会長をやっているということで、そういった意味もあって自治会が非常に機能していると見受けられたんですけれども、実際に私たちの市などでは自治会長とか民生委員はどんどん仕事がくるので、とても忙しくてやっていられなくて大変だという声を聞くんですが、その辺で実際に自治会の住民の協力の度合いはどうなのかということが1点です。
 それから、自治意識が非常に高いと感じたんですけれども、そのようになってきた要因は何だったのか。
 最後のもう一点は、自治会と地区社協が出てきておりますけれども、あとは市社協です。今の報告の中で市社協の動きというのは余り見えなかったですけれども、その辺の連携というか関係です。
 この3点について、ちょっとお願いしたいと思います。
○横浜市 自治意識という部分が2点目だったと思っていますが、一番初めは自治会のことですか。申し訳ございません。もう一度教えていただけますか。
○土屋委員 要するに住民の協力度合いが非常に高いと思うんですが、その辺はどうなんですか。
○横浜市 どこの自治会も一般的に班長とか順番で回ってくるものについては協力しますがするんですけれども、それ以上に継続するということはなかなか難しいという声があったりします。ただ、単位町内会とか連合町内会の会長さんは、比較的継続されるような方がいらっしゃる地区もあると思います。なので、私が以前勤務したいた区では、良いいい意味でも悪い意味でも20年ぐらい連合町内会の会長さんをされている方もいらっしゃったりしました。多分加入率からすると、比較的自治会組織というのがまだ機能している。そういった会長さんの役割も大変ですが、なんだけれども、役割を果たしていただいている地域の方もいらっしゃると思ったりします。
 自治意識というところは千差万別です。ただ、孤独死とか孤立死というような地域の方でショッキングなことが起きますと、皆さん団結すると思うところがあります。
 それと、前段にお話しました地域福祉保健計画を地区ごとに是非一緒に立てていきましょうということで、最初はまたお節介なこととか、また何かやらせるのかという反応がありましたがあったんですが、中身が自分の生活につながっているということに気づかれると、それも1つのきっかけになるということと、自分たちの計画という意識を持っていただいた例もあります。それも1つ自治意識につながっているのではないかと思います。
 市社協との関係では、横浜市は横浜市社協、それぞれ18区の区社協、それぞれの地区ごとの地区社協ということで3層の構造になっております。なので、小地域の活動については基本的には区の社会福祉協議会の方が対応することになっています。ですので、区社協の助成金の制度とか地域のボランティア活動みたいな役割を市社協が分担しているという状況でございますので、若干ほかの市町村とは動きが異なるのではないかと考えております。
○和田座長 よろしいですか。
○土屋委員 ありがとうございます。
○和田座長 ほかにいかがですか。
 それでは、ほかの御意見はまた後の意見交換の中で出していただいてもいいかと思いますので、これから議論するに当たっての論点整理の資料について事務局から説明をいただきたいと思います。お願いします。
○中島地域福祉専門官 それでは、資料5をご覧いただけますでしょうか。1枚紙になります。
 「第3回推進検討会論点整理」というものでございますけれども「○『集合住宅・ニュータウン』型の課題」ということで、まず5点ほど整理しております。
 1点目は「(1)集合住宅・ニュータウンにおける対象者把握の方法」。今日の横浜市の御発表でもありましたけれども、今後この点をどういうふうに考えていったらいいのかということでございます。
 2点目は「(2)集合住宅・ニュータウンにおける買い物支援の仕組み(商店街の活性化と地元商店による宅配サービス等)」といったものとの関係をどういうふうに考えていくのかということでございます。
 3点目は、今日の話題にもありました「(3)個人情報の共有化と見守り支援活動(専門職間の個人情報共有と地域住民との連携)」でございます。専門職間の個人情報の共有というのは守秘義務がございますけれども、地域住民にまで情報を提供していく場合にかなり難しいことがございます。こういったところの議論があるかと思います。
 更には「(4)見守り支援活動における担い手確保策」でございます。今回、横浜市さんはかなり自治会活動が活発でございましたけれども、そういったことの議論があるかと思います。
 最後の5点目は「(5)地域の自主財源確保策」というのが、今日も課題として挙がっていたかと思います。
 続いて、議論を進めていくに当たってですけれども、集合住宅・ニュータウン型の課題がいろいろ指摘されておりますが、強みを生かした取組みも重要ではないかと考えていまして、例えば集会所等の拠点があるということですとか、自治会活動が活発である。あるいは地域課題を地域住民も理解している。先ほどの孤独死等のこともございました。それから、課題を比較的地域住民と共有化しやすい。あるいは保健、医療、介護等の専門的サービスや商店等の活用できる社会資源があるといった強みということも踏まえながら議論していく必要があるのではないかと考えております。
 最後になりますけれども、取組み例ということで横浜市公田町団地ですとか、松戸市の常盤平団地におけるまつど孤独死予防センターですとか、新宿の戸山団地といった取組みの例を少し述べさせていただいております。
 以上でございます。
○和田座長 ありがとうございました。
 今お話をいただいた論点整理を参考にしながら、これから意見交換に入りたいと思います。
 今日は大変貴重なお話をいただいたんですがきましたので、それを基にしてここ論点整理にありますような課題などに触れながら御意見をいただければと思います。
 対象者把握というところは、都市型になればなるほど大変だと思います。先ほどのお話の中の数だけを見ましても、物すごい数ですね。行政間での連携の仕組みをつくってり、必要性のあるところは全部回っていらっしゃってり、合意を取り付けるということと実態の把握をかねてやっていらっしゃるということですが、。一旦は把握できても恐らく変化がどんどん起こるでしょうから、継続的にそれをどういうふうな把握をどのように進めていくのか、。住民の方々の協力を得て行う対象者把握の問題とどういうふうどのように結び付けていくのか等々いろいろあるかと思いますが、この辺のところについて何か御意見はございますでしょうか。どうぞ。
○宮城委員 個人情報の問題というのは、前回までも含めて安心生活創造事業の1つの大きなポイントになると思うんですけれども、私もある地域で実験的に提案して取り組んでいるところもあるんですが、今、座長からもありましたように、特に都市部、大都市部でコミュニティー意識が希薄な地域が強まっていると思います。少し整理をしていく必要があると思います。
 まず1つは、民生委員、児童委員の方たちにどのような情報を提供するかということは、個人情報保護法が施行されてから自治体によって大分違いが出てきているんです。一人暮らしの高齢者の名簿を民生委員さんに出さない地域もかなりあると聞いています。その一方で、生活保護に関してのケースも地域別に渡している。かなり負担に感じている民生委員さんがいらっしゃると私は直接聞いています。今年一斉改選になりますけれども、なり手は少なくなっているのではないか。世界でも独特な制度的なボランティアとして、日本の中では非常に貴重な人的なマンパワーだったと思いますし、こういう時代において非常に重要だと思うので、もう少し負担を軽くしてサポートするシステムをつくっていくということが非常に重要ではないかと思います。これからのことを含めて、超高齢社会になったときに民生委員さんをどう保っていくかというのは重要な論点になるので、まずそこを整理されたらいいのではないかと思います。
 その上で、行政がどういう情報を収集して、どこにどのように提供していくか。地域包括支援センターに独居とか高齢者のみ世帯を通知で出したというのは聞いたんですけれども、それ以外にどうなのか。段階的には日本の状況に応じた形で整理をしていくことを是非お考えいただければと考えております。
○和田座長 ありがとうございました。大事な論点の1つだと思います。
 ほかにいかがでしょうか。中村委員、どうぞ。
○中村委員 ありがとうございました。とてもわかりやすい御説明をいただきまして、そこの地域に行ったことがないんですけれども、随分イメージできました。
 1つ質問と意見が混じっていますけれども、確かに地域福祉の中で見えにくい問題に気がつく、掘り起こすということを私自身もいろんなところで強調してきましたし、地域福祉のとても重要な柱だと思うんですが、そちらに余りいき過ぎますと、逆に住民の方から寄りついてもらうための手法が弱くなる面もあると思いまして、安心生活創造事業で幾つかの地域のお話を伺うにつけ、どんどんPRをして、やっています、やりますということを打ち出すことによって、遠く離れる娘さんが自分の親の住んでいる地域でこういうことが始まったんだということがわかるという形で、すぐには結果が出なくても、正式な相談ということだけではなくて、寄りついてくるための土壌づくりというか、そういうことをもう少ししてもいいと思ったりしたことがあるものですから、その点について皆様方の意見も含め、横浜市さんではどんなことを今やっていらっしゃるのか、考えていらっしゃるのかということをお聞かせいただければと思います。
○和田座長 横浜市の戸矢崎さんからまずお願いします。
○横浜市 PRというところではなかなか取り組めていないところですが、あれです。公田町の場合はいこいができたことで、全世帯にいこいのPR、安心センターに事前登録で見守りすることもできますということで全世帯に置いたそうです。それを見た方からの問い合わせとか、それを家族の方が覚えていらっしゃったようで、いこいに遠方の御親族からお電話がかかってきて、ちょっと気になる様子だったので見てきてほしいという御相談が1件入ったというお話も聞いています。なので、地道に回覧とか全世帯にチラシをつくるとか、画期的なものではないかもしれないんですが、昔ならではの方法としてのPRではやはり効果があるというところがあります。
 あと、地域の中での一番は口コミです。多分いこいを使った方とか青空市を使った方がよかったとか、今度行ってみないかというようなところがあると聞いていますので、生活している身近なところではそういう動きがあるんですが、遠方へのPRでは身近な小地域エリアの活動のPRのしにくさはあるかと思っています。
 お答えになっていないかもしれません。申し訳ありません。
○和田座長 ありがとうございました。
○中村委員 例えば一人暮らしの方を通して、離れていらっしゃるお子さんにPRするということもあると思うんですけれども、そういう新しい工夫、この事業をやっている、このことを支える資金が必要なんだ、このことを支える人々の参加が必要なんだという形で、この事業を目的として共有できるような取組みがないといけないと思います。
 私が危惧するのは、これまでの地域福祉の取組みは密かにみんなで温めて見守るという側が強くなっていく。本人はさておき、周りがそれで結束して見守る活動がより強く活発化していくけれども、本人は見守られているだけで、自分がメンバーとして、利用者として参加する、あるいはいずれ利用する住民としてそのことを知っているという関係がどうしても薄くなりやすいということがあるように思いますので、横浜市さんがという意味ではなく、この事業を通してお金も人も参加することを促進するのはそういう意味で、利用者も受け手も境目がなく、担う側が優越感を持つようなというと語弊があるのかもれませんけれども、そういう見守りを促進するのではないと言えばいいんでしょうか、そういうことを思います。そういう意味で、PRというのがこの事業でもかなり大きな取組みになるのではないかと思いましたものですから、意見として言わせていただきたいと思います。
○和田座長 ありがとうございました。御本人の持っていらっしゃる、言わば隠れた資源もエンパワーメントしていくことで、御本人もそういう活動そのものに参加したり、支えている。そこにもつながっていくような考え方が大事だということですね。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○森委員 先日、総理が芦屋へ行かれたときに、孤立化していく単身高齢あるいは高齢者夫婦の施策は、ある意味では根本的に変えていかないといけないということを含めておっしゃっていました。
 先ほど来のお話は、都市部における集合住宅とかニュータウンです。以前、村田先生が山口県のお話をされていらっしゃいました。過去にそのように高齢化をした、あるいは単身で地域に根付いていらっしゃるところがどういうふうにして地域を支えていたかということは、都市部においても1つのヒントがあるのではないだろうか。
 今年は国調があります。恐らく国調でもなかなか入り切れない問題というのは、現場から挙がると思います。先ほどの宮城先生のお話のように、民生委員さんでもなかなか入りにくい。だけれども、例えば過去にそういう経験を積んできた、いわゆる中山間地を含んだ過疎のところで体験的なことやあるいは知見が集積されておれば、そういうものを都市部に持ってくることはヒントとしてあるのではないかと感じました。
○和田座長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。どうぞ。
○さわやか福祉財団 横浜の住民です。お隣の港南区に住んでいて、ちょっと関心がありますので、聞かせていただきたいんですけれども、私どもの住んでいるところでも高齢化がどんどん進んでいるから、隣の区の問題は人ごとではない。そういうところは全国至るところにあると思うんですが、あちこちで自治会長さんがNPOのリーダーを引き受けてくれると、非常に面白い自治会の次の展開が期待できるように思います。我々のところはまだそこまでいっていないんですけれども、自治会長さんは喜んで引き受けてくれたんでしょうか。それとも言われて渋々なんしょうか。その次の方はこれからどういうふうな展望があるんだろうか。人材の問題をお聞きしたいと思います。
 もう一点、見守り支援員は有給で8人ほどやっていらっしゃるんですね。これはあと3年、5年と続けていった場合にどうなるんだろうか。その展望です。
 以上の2点について聞かせてください。
○和田座長 お願いします。
○横浜市 NPO法人の代表者の方は、お二人とも基本的には快くだったと思います。嫌々ということではなさそうだとお会いして思ったところがあります。
 やはり共通するところは、2つの法人とも、代表者の方だけではなくてサポートしてくれる理事の方、第二、第三の方がいらっしゃるのが垣間見えまするんです。大野さんのことはなどはよく御存じだと思いますがうんですが、会長さんはお二人とも非常に御高齢です。だから、次の方を考えると継続性というところもあると思います。なので、支えてくれるところでないとなかなか代表には皆さんならないと思いますので、そういった人のつながりもあるのではないかと思います。
 あと、見守り支援員さんについては、民生委員さんの経験のある方が圧倒的になっていらっしゃいます。若干お金を支給しているようなこともあったりしますので、今後、民生委員さんのOBの方が交代で歴任していただくような流れになると、見守りというところの考え方とか関わり方のノウハウも蓄積されて、地域にも還元できるのではないかと思うところがありますので、そういったことも法人さんと一緒に考えていけるといいと思っています。
 以上でございます。
○さわやか福祉財団 ありがとうございました。
○和田座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○さわやか福祉財団 先ほどの国交省さんのお話を聞いていて、集合団地の移動の話が出ましたけれども、大変気になっているんです。私どもの住まいのところでも、これから先の足の問題が大きなテーマになっていまして、以前に国交省さんと厚労省さんで道路運送法の改正が実現したわけですけれども、もっと柔軟なボランティアの移動ができるようにしてもらえると、ああいう高層団地の不便なところも生きてくると思います。是非これは御検討いただけるとありがたいと思います。横浜などの山坂の多いところに住んでいて思います。
○和田座長 どうぞ。
○国土交通省 いわゆる役所の役割分担、マスコミ的に言うと縦割りもありまして、1つの事柄を解決するには1つの施策分野だけではなかなかできない側面はまさにおっしゃるとおりです。今、私は団地の中での高齢化の問題ですとか、そういったことに携わることができる部署におりますので、住宅ということだけではなくて、先ほどお話に出ましたような立地の問題ですとか移動の問題ですとか、そういったことも複合的な視点に取り組んでいけるように心がけて、実際にも何らかの課題が出てきたときに政策として、制度としてどう受け止めることができるかというのは考えていきたいと思いますので、またいろいろと御意見をお聞かせください。
○和田座長 どうぞ。
○小田切委員 前の前の発言で森委員から農村部に学ぶべきではないかという御意見がありましたので、私から少し情報を提供させていただきます。農村部におけるコミュニティーの立ち上げのコツは、先ほど横浜市から御報告いただいたり、あるいは中村委員から御解説があったものとほぼ共通していると思います。
 1つは、何よりも地域の住民が当事者意識を持つようなアクションをNPOなり行政、外部の者が刺激を与えるといいましょうか、そのことによって地域住民の当事者意識、自分たちの問題なんだということをまず醸成していくということだと思います。
 2番目は、活動が始まったときには小さな成功を積み上げていく。どんな地域なものでも成功体験を積み上げていくことが必要だと言われています。
 3番目は、成功体験を見える成功にしていく。単なる成功ではなく、外に向かって見える成功にしていく。これも大変重要なポイントだろうと思います。例えば先ほどの横浜の例でいえば、青空市というのはまさに外から見える成功でありまして、そういう意味では私が3番目に申し上げたことを体現体験していると思います。
 4番目には、こうした見える成功を更に外に広げていくということで、農村部におけるコミュニティー活動でかなり重要なのは広報活動です。どんなコミュニティーでも、最初の段階といいましょうか、成功のベースには広報誌があります。立派かどうかはともかくして、手づくりで広報誌をつくって、それを都市に出ていった子どもたちに配るような活動はごく一般的に行われておりまして、そのことによって外からの支援も受け入れる。恐らくこういう流れがあると思っておりまして、その点ではかなり共通しているという認識を持っております。
 ただ、今日、横浜のお話を聞いて改めて決定的に違うと思ったのは、農村部では高齢者にモビリティーはほとんどありません。つまり、高齢者がこれだけのスピードで出入りをするということはほとんどないわけでありまして、先ほどのお話でいえば、この出入りが言わば見えない高齢者を生んでいるという実態認識を強く持ちました。ここが決定的に違うとすれば、恐らく動き、モビリティーというところで高齢者を押えるしかないのではないか。そういう意味では、住民票の異動があったときに高齢者をつかむような仕組みをつくるような、そこが恐らく農村と都市との違いから見える何か1つのヒントではないかということを今日お話を聞いて考えました。
 以上でございます。
○和田座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○野中委員 発表どうもありがとうございました。非常に興味深く聞かせていただきました。
 この事業で一番大事なこと、特に私が一番興味のあることは、対象者の把握ということが大事だと思います。対象者の把握は本人が同意してくれないとなかなかできないということはあると思います。私は診療所ですけれども、診療所に体調が悪くなると来られます。その中で患者さんの生活などのお話を聞いて、例えば地域包括支援センター等に連絡をしていくのが本来の理想的な姿だと思いますが、地域包括支援センターがまだまだ知られていないとか、こういう援助を求める人たちはどこに相談したらいいのかということが理解されていないということもあります。同意をするか、しないかの問題もありますけれども、どこに相談したらいいのかということがわからないというのが一番あるのではないだろうかと思います。確かに都会の中では他人と関わりたくないということで今まできた方が、体調が悪いとか、何か困ったときにどこへ相談したらいいのかということがわからない。そのこともきちっと対象者の把握の中の視点に入れることが必要だろうと思います。
 今日、聞きもらしたかもしれないんですけれども、横浜市の中で2つの地区で対象者となる人が3,444名と545名という報告がありましたが、この方の中で同意を得られた方はおのおの何名ずつなんですか。
○横浜市 申し訳ありません。今そのリストの中から、生活保護の受給者の方の情報を手作業で突き合わせをしている状況で、旭北地区の方は数が多いので、その作業をしている段階です。
 逆に栄区の公田町については、もともと地元の方で持っている名簿があります。本当は目的が違うのかもしれませんけれども、そちらの方を見せていただきまして、大体120人ぐらいまで絞り込みをさせていただいたので、郵送によってこういった取組みや一度アプローチしてもいいかというところの確認をこれからやろうということで、今、話し合いをさせていただいている状況でございます。
○野中委員 なぜお聞きしたかというのは、個人情報の問題が課題が問題になっているというわけでが、すけれども、それは確かに想像できるんですが、実際にはその課題の影響によってことによって把握がどれだけの比率になるのか大きな問題と想いますどうかということです。各地域によって違うと思いますがうんですけれども、そのことを知らないと個人情報の影響によってがあっても同意が得られないのであれば、してくれないから、やはりこの事業に取り組んでも仕方がないとのいう視点も生まれてくるのではないだろうかと想いますいうことがあるので、どの様なこういう方法があったら、把握した数字が本来の形に近づくのでしょうか。けたということがあると思います。
 前回御報告いただいた秋田県の湯沢市などは、やはりその中状況ではこれだけの人が見つけられたいという視点で取り組まれています。るので、私としてはそれが100%ではなくても、もう少し把握できる数字を上げられればちょっと見つけられたらと思っておりいますので、ちょっとお聞きしました。やはり助けが必要なそういう人たちはまずどこに相談したらいいのかということで、この相談場所を知らない理解していないということも大きいがあると思います。し、そのため、にはやはり地域包括支援センターに期待をしているところなんですがけれども、この地域包括支援センターという部分が世の中にあまり知られていないということもが大きいので、是非市町村や地域包括支援センターとかそういう部分の中はでも広報等を通じてとか活動するをやっていく取組みが今後これからも必要だと思っています。
 どうもありがとうございました。
○和田座長 どうぞ。
○土屋委員 今、お話のありました実態把握のことなんですけれども、やはり富士宮市でも個人情報保護法ができたから高齢者の名簿を民生委員に渡していないという状況が3年続きまして、条例の中で目的がないと渡せないということがありました。
 今年は民生委員の皆さんに協力していただいて、独居高齢者と高齢者世帯の実態場合調査をやりました。8,000世帯ぐらいの中の4,400人ぐらいに、実際に対面方式で聞き取りのアンケート調査をしていただきました。その中でクロス集計をかけて、常時一人暮らしで地域との関係性がほとんどなくて、なおかつ病気になったときに支援をしてくれる人がいないというデータを12の生活圏域ごとに全部絞り込んでいきました。そうすると、ある地域では20人とか、ある地域では40人というふうに出てきました。これは聞き取りですので、その人数がだれだということがはっきりわかるような仕組みをつくりましたので、そのデータを民生委員に戻しました。
 あと、ある地域では包括支援センターが把握している20人と、そのデータで出た20人にどれぐらいのずれがあるのかということで、民生委員と包括支援センターのスタッフで共有しましたところ、九十数パーセント一致していたという地域があります。そうなってくると、そこで把握していない部分を再度把握するという動きをとっています。だから、こういったやり方だと、とりあえず個人情報保護をクリアーしながらできるという1つの手法として、そういう取組みをやってみました。郵送アンケートをやっても全然わかりませんので、実際に民生委員には大変苦労もかけたと思うんですけれども、そういう結果を各民生委員の地区民協にフィードバックしていって、まだ把握していない部分はもう一度訪問してくださいというやり方をやっています。
 1つの例として報告させていただきます。
○和田座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○野中委員 今、お聞きして私も思ったんですがけれども、やはり何パーセントかという数字よりも、地域の中で生活機能の低下したそういう人たちを根気よく探していくという作業こそ実は把握の方法として最も適切なこといいんだということが今お聞きしてよくわかりました。
 それから、先ほど言い忘れましたがたんですけれども、地域包括支援センターの周りには運営協議会があります。その運営協議会こには民生委員の方とさまざまな関係者の方が参加しています入る。しかしこの、運営委員会の活動状況が活性化というのが厚労省からの報告を見てもいまいちわかりません。運営協議会がの本来当の目的とするが何なのかということはではなくて、決して経営がうまくいっている事の監視かということばかりではなく、あるいは本来はそこに医療や介護や福祉の関係多職種の人が参加しが入っているということは、そこの中でのおのおのの役割を分担してしようとことで、横の連携することが期待されています。も、特に民生委員と地域包括支援センターの関係が大切と考えます。方々とか、そういうところの関わりも実は大事だと思います。しかし、これはまたこれからの課題だと思っています。し、その様に地域包括支援センターに期待しているところなんですけれども、そういうふうに思いました。
 どうもありがとうございました。
○和田座長 それでは、時間が短くなってきたので、短い時間で発言をお願いします。
○林委員 中身で引っかかったことがあります。「(4)見守り支援活動における担い手確保策」ということなんですけれども、今いろいろおっしゃっていただいた民生委員のOBさんとかボランティアの方々も含めて見守り支援活動には参画していただいていると思うんですが、この事業ができたときに社会福祉士を主任として、生活介護支援サポーター等、ホームヘルパーも出ておりました。
 今日、老健局の振興課の方が来られていると思うんですが、昨年、全国の市町村で生活介護支援サポーターの養成研修が行われまして、これは20時間の研修で、住民が住民に対してサービスを行うということで生まれた1つの委託事業なんですけれども、今年も実は内示がありまして、105の市区町村で決定をしておるところでございます。昨年あるいは今年の養成もかなりの人数の方が養成で出られていると思うんですけれども、そういう方を中心に老健局ともいろいろ情報の中身をやっていただきまして、是非こういう介護支援サポーターの参画も必要なのではなかろうかと思っております。
 また、先ほど地域包括支援センターのことでいろいろおっしゃっていただきましたが、今年8月23日の社保審の介護部会でも地域包括支援センターのことに関しては議論が出てございました。次の10月の時期には地域包括支援センターに関する地域包括ケアを含めた中身の議論がなされることだと思っております。
 以上です。
○和田座長 永田委員、どうぞ。
○永田委員 認知症の方たちを地域で支えるネットワークづくりの取組みが認知症対策室を中心にやられている中での各地の取組みの参考例として、実態把握で大事なのは、1つはやはり顔の見える関係の人たちで、信頼関係があると登録や名簿を両方出すことについても合意が得やすいということで、普段から該当者になりそうな方たちが地域でどこを動いているかという当事者の目線に立って、町のどこに行っているんだろうか、一人暮らしの方こそ逆にライフラインを保つために必ず町に出てだれかに出会っているはずなので、本人が動く場所での人たちに行政の方などが依頼協力を求めていきながら、そこの方たちにチラシを渡していただくとか、場合によってはその方からこういうことがあるんだけれども、登録する意向はあるかということをお話していただけるような協力求めていくような動きをとったところは、非常に網の目が濃くなりました。
 例えばよく行く薬局でそういう声をかけてもらったから包括連絡が入ったとか、いきなり行政、包括ではなく、生活の中で出会っている人たちを取組みの大事なパートナーに行政や包括がされていかれたらいいのではないかと思います。そういう方たちは結構町にいらっしゃると思いますので、参考までに申し上げておきます。
○和田座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○宮城委員 安心生活創造事業の中で、対象者の方の把握の仕方というのはこれからも論点になるかと思いますので、かいつまんでお話します。対象者を漏れなくということもあるんですが、私はハイリスクな方を把握して迅速に対応していくことが大事だと思います。例えば精神障害の方が親御さんと同居しているとか、認知症で一人暮らしの方などもいるんです。その辺りの把握の仕方と対応の仕方は、リスク度を漏れなくしていくということは大変重要ではないか。
 今の介護保険ですと、要介護者を把握していますけれども、介護者の方は制度的にも余り把握していないんです。これが1つあるんですが、別の視点でいいますと、安全生活創造事業の興味深いところは、担い手とかサービスを新しく事業化といいましょうか、余りにボランティアに過剰に期待をすると、日本社会は余裕がないのではないか。先ほど運転の問題がありましたけれども、基本的には運転はボランティアでやるべきではないと思います。非常にリスクが高い事業ですので、これはなるべくプロ、タクシー事業者に事業化としていくというのが、これからの時代のニーズだと思います。
 善意も勿論結構なんですけれども、そういう意味では、例えば団塊の世代の方たちがこれから定年退職で地域に帰っていきますので、そういう方たちにある程度の謝金も払いながら事業化していく。先週、沖ノ島に行きましたけれども、Iターンの方が多いので、ここの安心生活と総務省のICTのモデル事業になっていますが、Iターンで来た男性の方たちの奥さん、妻の方をそういう見守り支援で活用できないかと地元から意見が出ました。そういう新しい担い手とか事業の創出みたいな視点は大事ではないかということを考えています。
○和田座長 ありがとうございました。
 残りわずかになったので、一応今日の意見交換はこれで終了したいと思いますが、今まで出た意見を若干まとめさせていただきたいと思います。
 こういう第1は、集合住宅・ニュータウンでの対象者把握は、大都市部ということに基本的になるわけですが、1つは行政の中で、特に都市部の行政はそれぞれセクションが独立していてなかなか連携はとりにくいと思うんのですが、行政の中で介護と福祉も含めたものをちゃんと横につないで、新しい情報が常に共有化できるような仕組みを考えていくというのが今後の課題になってきているというのが1つことです。
 それから、第2は、個人情報保護法があるんですけれども、そういうことがあっても必要な情報を収集するかということです。、先ほどお話がございましたが、富士宮市の例のように、最近各自治体が民生委員、児童委員さんに聞き取り調査をお願いして、実際にそこで調査を通じて把握をしていただくというやり方方法をとっやっています。こういう方法などを含めて、壁があるからやらないのではなくて、どうやったらできるかということで積極的に進めていく必要がある。更に民生委員さんも気がつかないような人たちが地域には結構いらしていて、そこのところは御近所とかあるいは活動している人が気がついているものを。それをいかに有効に連携が取れるような仕組みをどうすつくるかということが課題になるのが1つです。
 今日、第3は非常に特徴的でしたのは、国交省さんのお話も横浜市さんのお話もNPOとの連携というのがポイントになっていたと思います。URとかそういうところですと、自治会がかなりしっかりしているところもあるんですけれどもりますが、基本的に多くのところでは自治会への参加率もはどんどん悪くなさがっています。最近の傾向は、そういう自治会とか自治会連合の範囲で活動するボランティア組織を自治会が意識的に支援したり、活動を組織化を組織化するところが増えています。にお作りになるというのが増えています。NPOになっているところもあれば、ボランティア組織としてやっ活動しているところもあるんですけれどもりますが、これが相当有効性を発揮しているのではないかと思います。自治会の仕事は1年か2年で交代で、あるいは会長さんは10年ぐらいおやりになるということがあるんですが、普通の住民はなかなか自治会の活動を継続しておやりになる方はいらっしゃらないんですが、ボランティア組織であれば、協力しようということになればずっと継続していただけるのでます。、実はそれがかなりの人数を抱えたボランティア組織があってで、かつ余り広域で活動していますと、比較的決めた目的に向かって限定した活動を進められる傾向がありますが、おやりになるんですが、こういう住んでいる地域で活動する地域型のボランティア組織というのは、地域のニーズにこたえて何でもおやりになるんです傾向があります。そういう意味では、こういうもの自治会とボランタリーな活動の協働がすごく大事だということが今日わかりました。ったということが1つあるのではないかと思います。
 第4は、拠点があるかどうかというのはすごく大事です。特に都市部は拠点がないとなかなか活動できない。それもみんなが集まって過ごせるような拠点が大事だということが、今日のお話の中で出ました。身近で拠点で相談活動をおやりになる。もしかしたら、民生委員さんもここに来られて相談をやるすると、自宅に来られるので民生委員をやりたくないという人が随分いらっしゃるんですけれども、そういうことも解決するのではないか。含めたことをこれから考えていくということが必要だと思います。拠点と相談の仕組みを身近なところに置くことが今日出てきて、こういうことが非常に大事だと思いました。
 あと、第5は、NPOが中心になっている場合もが多いんのですがけれども、市民生活にとって必要な買い物支援や青空市なども含めたの事業をおやりになっています。市民型の事業も活動を定着させたり、実際の生活を安心できるようにするためにも非常に大事なの活動ではないかと思います。ここだったらこのような活動、事業であれば、いろんな多くの人が参加できるのではないかというお話もありましたし、また見えるということも大事だというお話がございましたけれども、そういうこと視点も大事なことなのではないかと思いました。
 第6は、横浜の例では、両方とも専門職を雇用していらっしゃいます。これを継続することは補助金が消えた後は難しいので、問題をいろいろと抱えていらっしゃると思うんのですが、やはりこれだけのことをやろしようとすると、そういう人たち専門職がいないと住民だけではとてもできない。ここを行政が支えるのか、あるいはみんな皆がどうやって力を出し合うのか。半分ずつ支えるのかいろいろあると思うんのですけれどもが、そういう専門職の方が個別にずっと訪問を続けていらっしゃるとか、あるいは相談の仕事をやっしていらっしゃる。そういうところが大事なところなのではないかと思いました。
 第7は、農村で成功したことを都市部にというお話があってりました。、例えば住民の懇談会のようなことは都市部ではとてもできないと言われたのが、今、計画づくりで都市部でみんなもやる実施するようになってきましたから、そういう点では小さい地域でできていたことを都市部でもできる可能性があるのではないかということでを、ここは小田切先生にまとめていただきましたことも大いに参考にしながら、今後考えていく必要があるのではないかと思いました。
 今日は大変貴重な御意見をいろいろといただきまして、集合住宅・ニュータウンというのは市民の活動の部分と行政の取組み、特に集合住宅の場合は集合住宅の経営をしていらっしゃる主体との連携をしっかり強めていくことで、新しい展望ができる可能性があるのではないか。あるいは意外に住民の方々が力を発揮してくださる可能性を持っているということも明らかになったのではないかと思います。
 ありがとうございました。
 最後に何か発言したいことがあれば、御発言いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 なければ「5.その他」に移りたいと思いますが、事務局から何かありますでしょうか。
○中島地域福祉専門官 それでは、次回の会議の日程についてですけれども、11月9日火曜日の10時からを皆様の御都合を伺いまして考えたいと思いますが、いかがでしょうか。11月9日火曜日10時からでございます。会場につきましては、改めて御案内をさせていただきいと思います。
○和田座長 これは2時間半ということになりますか。
○中島地域福祉専門官 できましたら、2時間でお願いしたいと思います。
○和田座長 12時までということですね。
○中島地域福祉専門官 12時までということで考えたいと思います。
○和田座長 どうもありがとうございました。予定しておりました議事はすべて終了しました。今日の会議は終了させていただきます。どうもお疲れ様でした。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局地域福祉課

地域福祉・ボランティア係: 03-5253-1111(内線2872)

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