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2010年9月7日 第51回 先進医療専門家会議議事録

○日時

平成22年9月7日(火)10:00~12:00


○議事

第51回先進医療専門家会議 議事録
(1)開催日 平成22年9月7日(火)
(2)場所  中央合同庁舎第5号館 専用第15~16会議室(12階)
(3)出席者 猿田座長、吉田座長代理、飯島構成員、加藤構成員、金子構成員、
       笹子構成員、田中(憲)構成員、田中(良)構成員、谷川原構成員、
       坪田構成員、樋口構成員
       事務局:医療課長、医療課企画官、歯科医療管理官、薬剤管理官、
       医療指導監査室長、井原課長補佐、他
(4)議題  ○先進医療の届出状況(8月受付分)について(先-1)
       ○先進医療の科学的評価(6・7月受付分)について(先-2)
(5)議事内容
午前10時03分 開会
○猿田座長
 それでは、時間が参りましたので、第51回先進医療専門家会議を始めさせていただきます。
 本日は、大変暑い中、またお忙しいところ、特に新学期、新しい体制が始まったということで、先生方お忙しくて、今日欠席の方が多いです。本日の会の出席状況ですけれども、赤川構成員、新井構成員、北村構成員、北村構成員には書類での参加をいただいております。それから、辻構成員、戸山構成員、中川構成員、永井構成員、福井構成員、渡邊構成員が欠席ということで、あと坪田委員が少し遅れて出席ということで、ぎりぎりの数で成立ということにさせていただきます。
 それでは、まず事務局の交代がございましたので、事務局のほうから御紹介をお願いいたします。

○事務局
 今回の会議より担当させていただきます井原でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、7月30日付の異動がございましたので御紹介させていただきます。
 鈴木康裕保険局医療課長でございます。

○事務局(医療課長)
 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局
 木曽啓介保険局医療課医療指導監査室長でございます。

○事務局(医療指導監査室長)
 木曽でございます。

○事務局
 鳥山佳則保険局歯科医療管理官でございます。

○事務局(歯科医療管理官)
 鳥山でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局
 吉田易範保険局医療課薬剤管理官でございます。

○事務局(薬剤管理官)
 吉田でございます。

○事務局
 どうぞよろしくお願いいたします。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。

○事務局 事務局でございます。
 それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
 座席表をおめくりいただきまして、議事次第、そして構成員名簿、続きましてA4横で先-1、第2項先進医療の新規届出技術について(届出状況/8月受付分)1枚になります。続きまして、資料は先-2、第2項先進医療として届出のあった新規技術に対する事前評価等について(6月受付分)が1枚、続きまして(7月受付分)が1枚です。
 以降、別紙1、2、3につきましては、今回御議論いただきます資料になりますが、両面印刷でそれぞれ2枚ずつになっております。
 また、北村構成員より御意見をいただきましたので、1枚その紙を追加で配らせていただいております。
 資料は以上になります。乱丁等ございましたら事務局までお申しつけください。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 資料が幾つかありますけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、あと今回の検討対象となる技術に関しまして特別に関与するような事例は、事前にも調査はしていただきましたけれども、特にございませんね。よろしいですね。ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。まず先進医療の届出状況で8月の受付について、事務局のほうから御説明をお願いします。

○事務局
 それでは、まず先-1につきまして御説明をさせていただきます。こちらは、第2項先進医療の新規届出技術状況ということで、8月に受付をした技術を並べております。全部で4件提出されております。
 整理番号222番は、根治的前立腺全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援ということでございます。こちらに関しましては、本日御議論いただきます議題と重複してございます。
 続きまして223番は、和温療法、心不全に対する治療法ということで提出されております。
 続きまして224番、こちらは大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術ということで、現在既に行われている78番の適応症拡大と書いてございますが、精査したところ、ほぼ同等の技術ということで、申請機関とやりとりを継続したいと思っております。
 続きまして225番が、食道アカラシアに対する経口内視鏡的筋層切開術ということになってございます。
 以上4件が8月受付分でございますが、2件に関しましては少し事務局で精査した上で、先生方に御評価をお願いさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。8月はこの4件ということです。今、御説明があったとおり、2つに関しては精査していくと。よろしいですね。
 それでは、続きまして先進医療科学的評価の6、7月受付分につきまして、まず事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○事務局
 それでは、第2項先進医療として届出のあった新規技術事前評価等につきまして御説明させていただきます。
 まずは6月受付分ですが、こちらは3つの技術が受付をいたしました。整理番号の順に御説明いたします。
 整理番号216番、根治的前立腺全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援ということで、こちらは吉田先生に事前に御評価をいただきまして、総評は「適」というふうになっております。詳細につきましては別紙1をごらんください。
 続きまして整理番号217番、内視鏡手術支援ロボットによる胃手術ということで、こちらは笹子構成員に事前に評価をいただきまして、総評は「否」となっております。詳細は別紙2にございます。
 続きまして218番、腰椎椎間板ヘルニアに対する椎間板内加圧注射療法ということですが、こちらに関しましては、椎間板造影とほぼ同等の技術ということで、先進ではなくて医療技術評価分科会のほうで要望していただき議論をするということを医療機関側とお話をしまして、取り下げという形になっております。
 ということで、6月分に関しては2つの課題について御検討いただければと思っております。
 続きまして、2枚目の7月受付分のほうに移らさせていただきます。こちらに関しましては3課題が申請受付をしております。
 整理番号219番、炭素11標識メチオニンによるPET診断ということで、こちらは事前に田中構成員に御検討いただき、総評として「適」となっております。詳細につきましては別紙の3をごらんください。
 続きまして整理番号220番、自家培養真皮を用いた糖尿病性潰瘍に対する創床形成療法ということなんですが、今回こちらの技術に用いる人工皮膚の使用方法に関しまして、薬事承認法の適用外ということでございましたので返戻ということで、必要に応じて第3項への申請等を御検討いただくということにしております。
 続きまして221番、内視鏡手術支援ロボットによる食道手術ということでございます。こちらに関しましては、申請医療機関側のほうで食道手術以外の腹部の手術に関してもいろいろ申請を御検討ということですので、あわせて新たに適応症に含めたい部分を明確にした上で一括して審査を行いたいということで、追加書類待ちということで返戻となっております。
 今回、6月分について2課題、7月分について1課題、御検討いただければというふうに思っております。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今、御説明がありましたように、6月受付分に関しては216、前立腺のほうのda Vinciを使った手術、それから217のやはりda Vinciを使った胃のほうの手術、それからあと7月分の受付に関しましては、炭素11標識メチオニンによるPET診断、この3つということで、それぞれ担当いただいた方から御説明いただきながら進めていきたいと思います。
 それでは、まず最初に前立腺のほうに関して吉田先生に見ていただきました。

○吉田座長代理
 それじゃ、別紙の1のほうを御説明します。
 これは、旧da Vinciは、以前この先進医療でもって認可されまして、今3施設でやっていますが、新しくda Vinci S、これが薬事法を通りましてアームがもう一個ふえたんです。旧da Vinciよりもさらに安全性があるということで申請が出ました。御存じのように前立腺というのは、男性で小骨盤腔で非常に深いんです。それで、腹腔鏡手術のときに例の事故がございましたように、非常に出血がしやすいので、腹腔鏡手術に準じたロボット、da Vinciを使ったほうが拡大が10倍になりますので、血管とか神経、特に勃起神経の温存等に非常に有用なわけです。それから、これが関節が約360度回りますので、深いところの止血、それから一番深い尿道と膀胱の再吻合のときには、手でやりますと非常にぎこちないんですけれども、ロボットを使うと非常に簡単にいくと。しかも、拡大していますので確実に尿道断端と膀胱とが再吻合できるということで、大分有用性が高い。今現在3施設ぐらいでやっているんですが、すべて自費でやっております。それで、実際我々も見学に行ったし、それから実は旧da Vinciについて厚労省のほうからも希望があって見学に行ってもらいました。確かに非常に有用性があるということで今回も出ました。1人当たり今87万円ということですが、これは実は後で出ますように、da Vinci Sの値段が約3億円、ただ補修料というか維持料が年間2,500万円から3,000万円かかるんです。非常に高いということで、後で胃の手術で問題になると思うんですけれども、前立腺に関しましてはda Vinci Sを使ったほうが若手の教育にも非常にいいんです。アームが1個ふえまして臓器を押さえる技術ができたものですから、非常に視野がよくなってできるということで一応検討してみました。
 その結果ですけれども、次の裏にありますように、技術の名称は前立腺がんに限っていいだろう。ただ、これは限局性のがんじゃないと意味がありませんので限局性の前立腺がんです。適応症については妥当であると。有効性は従来の技術、オープンの手術、あれに比べて非常に有効であると。それから安全性についても、もう既に3施設でやっていますので、もう五十数例やっていますから問題がないと。それから、技術的には一応Bにしました。ある程度、経験を積んだ医師、今もある大学では8名おりますので、彼らがあっちこっち飛んで回って今指導していますけれども、そういう人たちの指導があれがすぐできると。それから、倫理的にも問題ございません。それから、現時点、普及性は一応B、ある程度しかまだ普及していません。高いものですから、なかなか一般の大学では買えないということで、ある程度普及しているBにしました。それから、効率性は大幅に効率的と。将来の保険収載については、やっぱりいずれ保険収載にしていただきたいということで、総合判定は「適」にしました。
 ただ、この保険適応のとき、やっぱりいろいろ学会の委員会で問題になりまして、非常に高過ぎるのでどうしようかという話が出ました。それで、実は十数年前にESWLが出ましたよね。あのときにも、あれが6億円の機械で保険導入のときにいろいろもめまして、結局6億円なんて保険でつけられませんから、一応いずれ機械が普及するだろうということで、当時6億円の機械が、これが保険導入されてあっという間に3億円になって、今は何千万円なんです。だから、業者側は多分努力しますので、今現在は3億円ですけれども、保険導入されるとどんどん普及しますと、ESWLみたいに下がってくるのかなと思います。それで、だからあの当時も6億円という点数をつけられませんので、従来に見合った点数だけしかとっていません。そうしますと、当然、業者のほうは売りたいものですから、どんどん値段を下げてくるんですね。そういう効果があるのかなと思うので、一応、前立腺でまずやってみましょうと。今現在、大体五、六十の施設でもって、これが申請があれば購入して使いたいということで、実際、業者が来まして、五、六十件で使ってくれるんだったら値段を下げましょうともう既に言っているんです。それからあと、維持費についても2,500万円以下にしなさいと。ESWLのときにも最初3,000万円と言われたんですが、だんだん各施設で買っているうちに、維持費を1,000万円ぐらいに落としたんですね。そういう現実でありますので、前立腺についてはこういうことで一応通していただきたいと思います。
 それから、次の第2号ですが、診療科は泌尿器科、それから資格はやっぱり泌尿器科の専門医がいいだろうと。それから、当該診療科の経験年数も専門医ですから5年以上です。この技術を一応2年としたんですが、もう既に前立腺腹腔鏡手術が相当普及していまして、それよりちょっと簡単になるので1年でもいいのかなと思うんですけれども、ほかの技術を見習って一応2年としました。それから、当該技術の経験症例数、これは認可されますと、腹腔鏡手術とほぼ一緒ですので、これも2例ぐらいでいいのかなと思うんですけれども、前の医療課長からだめだと言われて一応5年にしました。ただ、術者としてやらないと意味がありません。助手では意味がないので術者として5例以上としました。これは後で御検討いただきたいと思います。それから、医療機関の要件としては、診療科は当然泌尿器科です。それから、実施診療科の医師数、これはやっぱり何名か必要です。それから、他診療科の医師については、一応麻酔をかけますので、麻酔科標榜医がいるだろうと。これは特に専任じゃなくてもいいと思います。別に麻酔科標榜医がいるということを条件にしたい。それから臨床工学士、非常に細かいコンピューターを使った技術ですので、臨床工学士が必要だろうと。それから、病床数は一応有床診療所よりもやっぱり病院のほうがいいんじゃないかということで20床以上にしました。これも後で御検討いただいて、有床診療所でもけっこう腹腔鏡をやっているんですよね。有床診療所で10床ぐらいしかない病院でも専従にやった人がいまして、それが実際やってきて学会のほうに有床診療所でもやらせてほしいという意見があるんですが、先進医療ですので、一応20床以上で病院としておきました。これも御検討いただければいいと思います。看護配置は当然必要です。それから、当直体制も必要、それから緊急手術も当然必要です。院内検査も必要です。他医療機関と連携については特に不要でございます。専門医がおりますので不要です。それから、医療機器の保守管理も、当然、臨床工学士がいますので要、倫理委員会についてはもう既に腹腔鏡で認可されていますので不要と。医療安全管理委員会については当然要です。当該医療機関としての実施症例数を一応5症例としました。これも前の5症例と一緒に先生方にいろいろ御議論いただきたいと。というのは当然、腹腔鏡手術は相当普及していますので、それにアームが1個ふえただけですので、ほとんど教育する必要がないんです。ちょっとなれればすぐできますので、本当に5例でいいのか3例ぐらいでいいのか御検討いただきたいと思います。あと、頻回の実績報告については不要としました。
 以上でございます。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今、御説明いただきましたように、前立腺に関しては、今までの内視鏡的な手術よりも、さらに安全に細かく手術ができるということの利点が大きいということです。既に3施設で行われて50例以上の経験があられるということでございます。そういったことで、保険の問題がありますけれども、前立腺としては認めていいのではないかということです。それから、施設に関しましても、今、御説明ありましたが、術者としての経験が5例以上あればよろしいんじゃないか。あと、大きな問題がないということでございます。
 それでは、委員の方々、御意見いただけますでしょうか。
 どうぞ、田中憲一先生。

○田中(憲)構成員
 これは、前立腺の場合は臨床進行期によって難易度が違うとか、そういうことはないんですか。

○吉田座長代理
 特に限局性ですので、手術はステージBまでしかやりません。ですから、転移を起こしちゃうと全然意味がないんですけれども、それはオープンでも一緒です。ですから、ステージB以下ということになっていますので、ほぼ同じような病状です。
 1つ追加しますと、例のda Vinciのときに、産婦人科関係であっちこっちで子宮筋腫もけっこうやっていらっしゃるんです。それも非常にオープンよりも傷が小さいし、若い女性の子宮筋腫には非常に有用だという意見をうちの婦人科の助教授が言っていましたけれども、そうなんですかね。

○猿田座長
 かなり高い機器ですが、だんだん普及してきたということかと思います。ほかにございますでしょうか。
 どうぞ、笹子先生。

○笹子構成員
 後でまた一緒のお話で議論しないといけないところがあると思うんですけれども、今、da Vinciを持っていらっしゃるところでは年間どれぐらいの数をされているんですか。

○吉田座長代理
 結局、旧da Vinciを持っている医療機関が大学病院で3施設なんです。ところが、阪大と九大は機械が壊れちゃって動かないということで、今、東京医大だけなんです。それで、新da Vinciについては東京医大がそうですけれども、東京近辺のある個人病院、それと藤田保健衛生が持って今やっています。ですので、大体、東京都内の個人病院でもう既に80例ぐらいda Vinci Sでやっているんです。東京医大でも100例以上やっています。

○笹子構成員
 問題は、1回こういうものを買っちゃうと効率よく使うという必要があるわけで、どれぐらい今買っていらっしゃるところが客を集めてやれているのかなというようなことをちょっと……。

○猿田座長
 あと一つ気になったのは、吉田先生がおっしゃったみたいに安くなるんですか。

○吉田座長代理
 それに関連して、ですから多分da Vinci Sを導入すると、外科系でも、あるいは産婦人科系でも利用したいという科はけっこうあるんです。うちも以前、旧da Vinciを買おうというときに外科系の教授が集まって相談したら、7つの科でやっぱり使いたいと。胸部外科もそうですね。da Vinciを使ったほうが安全にいくので、その7つの教授の共同要望で理事会に出した経緯があるんです。多分、だから高いですけれども、胃についてはちょっと異論があるみたいですけれども、ある程度の科でできるんじゃないかな。特に、さっき言った産婦人科です。やはり千葉の病院でも既に何百例とやっているんだそうです。若い女性の子宮筋腫に対しては非常にいいし、それから不妊に関する子宮温存という意味でも非常に有用だという意見を言っていました。もう五百数例やっているんだそうです。

○笹子構成員
 先生のおっしゃるとおりで、後でしゃべる機会があるから後で言ってもいいんですけれども、一たん買うと、ある意味何にでも使えるんです。あったほうが便利というターニングポイントがあって、1時間で腹腔鏡で簡単に終わっちゃうような胆嚢の手術は、多分このセッティングにかかる時間とかを考えたり費用効果が余りにも悪くて、だれも余りやろうとは思わないと。ところが、胃がんの手術とか直腸がんの手術とか、それから子宮の手術とか、いろんなものが、あるんなら使いたいということで、先ほどの食道がんの申請が出ているというか、結局お腹のいろんな手術が全部出てきます。それでどうするのかということを、つまり前立腺がんの場合は、非常に狭い中で、従来の腹腔鏡の道具はすべてストレートな機械で、直線的にアクセスできないとうまくできないという致命的な欠点があって、男性の骨盤腹腔というのは非常に狭いもので非常に高度な手技を要する、あるいはちょっと難しいというか、多分、個人によっては、術者によっても患者によっても限界があると言わざるを得ない手術だと思うんです。ところが、ほかの胃とか直腸とかその辺の手術の中で、今、腹腔鏡でやれているものに関しては実際はやれちゃう。やれるけれども、あったほうが便利というものとロボットを導入することのメリットの大きさ、インパクトというのがかなり違ってくるんです。それで、どこまでいいことにするかというのは、先ほどのみんなが買えば安くなるからという議論、それで試算しても、現在のままの価格ですと、年間250例毎日使うと、何かの手術で毎日使って250例やっても、今の値段が3億円を5年の減価償却ですと6,000万円で、維持費が3,000万円で9,000万円、さらに毎日使うとなると、恐らくMEの技師を1人新たに雇うという人件費400万円、それぐらいは負担がふえる。それを250例で割ると36万円とか、人件費の分まで入れたら40万円近く、38万円ぐらいになってしまう。
 あと、もう一つは、それが半額になるだろうということは、企業側の努力としてある程度予想される範囲だとしても、やっぱり20万円ぐらいはしてしまうと。だから、今、言ったような非常にポピュラーなおなかのいろんな手術が全部20万円高くなることに支払いの機構が同意したのかということです。そういう議論も含めてしていかないといけない問題だと思うんです。

○猿田座長
 おっしゃるとおり、そこが、これだけの値段となると少し問題です。この先進医療は保険へ持っていかなきゃいけないということがありますからね。そこのところはやっぱり非常に重要だと思います。

○笹子構成員
 逆に言うと、前立腺がんだけで普及するというのは、全国のいろんな病院にda Vinciが入っても前立腺がんばかり250件やるということはないわけで、そうするとまず前立腺でスタートするならスタートするで、全国の何カ所に全部患者を集めて、泌尿器科がそういう中での合意をとって実績をつくることで、da Vinciが何台入ってどうでというようなことで、それがほかに、どうしてもda Vinciのメリットが大きいということが分かっているところに拡大して少し数もふやしというようなスタイルしか、多分買ったところはペイしない。

○猿田座長
 ありがとうございました。
 実は、内科系だと手術の細かいところが分からないので、この機器と手術法に関して最後のページに図をつけてくださってあります。
 前立腺に関しては今、吉田先生がよろしいのではないかということですけれども、御議論いただいて、またこれから胃のほうの議論をさせていただきますけれども、ともかく前立腺の方はよろしいでしょうか。
 それでは、吉田先生、どうもありがとうございました。前立腺のほうは認めていただいたということにさせていただきます。
 では、続きまして整理番号の217でございます。胃のほうに関しまして、笹子先生のほうからよろしくお願いいたします。

○笹子構成員
 別紙2でございます。表側には申請してきた施設でいろいろ書いています。メリットがあるのはあるんですけれども、胃の場合には若干いろいろな問題があるというふうなことで、私は、一応「否」「不適」ということにいたしました。後でまた理由は述べたいと思いますが、とりあえず第1号の用紙の説明をいたします。
 適応症に関しては妥当というのは、ロボットがなくても実際に年に数千例、腹腔鏡での手術が、安全性に関しては殊に問題を生ぜずにやられていると、そういうことがございます。それから、有効性に関してはやや有効だろうと。これのことも後で韓国の実情から御説明したいと思います。安全性は問題ございません。それから、技術的成熟度って、全くやったことがない人がすぐできるわけではありませんのでBというふうにしていますが、むしろ今の通常の腹腔鏡よりはいろんな面でメリットがある分、訓練の期間は逆に短くていいかもしれないという特性はあるとは思います。倫理的問題はございません。罹患率が非常に高い病気ですけれども、今使っているのは藤田保健衛生だけであります。それから効率性は、結局、韓国の現状を見ると同程度と。つまり、先ほどちょっと説明しましたように、手術での通常の腹腔鏡手技はもう達人にしかできないとか、易しいケースしかできないというような側面が若干あると思うんですが、胃がんの場合はほとんどどこでもやられているということがあって、技術認定制度とかもあって、それで相当数の人がその認定を取ってやっておりますので、メリットの上乗せ分というのは余りはっきりしておりません。先ほど言いましたこれらの理由と経済的な理由から、これはもう政治的判断、あってみんなが使えて少なくとも五、六万円の差しかないんだったら、僕も「適」にしてもいいかもしれませんけれども、ただ皆さんの医療費というのはもう決まっていますから、その中でこの技術に殊さらお金を費やすことが国民の要望かどうかということを考えますと、多分ノーであろうと、つまりなくてもできているということです。
 次のページにロボットの胃がんについてのことを若干解説しております。2つ目の段落のところに書いてありますが、通常の腹腔鏡下手術、これは直線的道具を使って。一般の方にda Vinciとどこが違うのかって分かりにくいと思うんですけれども、一番大きな違いは、関節がたくさんあって曲がった狭いところにくにゅくにゅと入っていってやれるということと、小さな管同士を吻合するという細い血管同士の吻合、脳外科とかでは顕微鏡を使います。そういうのと同じような拡大視、そういったものができるということが2つ大きなda Vinciのメリットなんです。
 先ほど前立腺で出てきましたように、膀胱・尿道吻合というのは、狭い中で三、四ミリですか、ぐらいの管同士をつなぐという、かなり肉眼でやるには熟練を要するものでありますが、2倍、3倍に見えるだけでもう全く違う世界になると、これはよく分かるんです。ところが、胃のほうの手術は、縫い合わせるものは2センチ口径あるいは3センチ口径のもの同士を縫うということでありまして、拡大視のメリットはほとんどございません。それから、臓器のある場所の特性からいって、曲がった関節がある道具がないとできないかというと、今の直線的な道具を使う腹腔鏡でも十分やれております。現在それが非常に普及してきているんですけれども、では、がんの手術として本当に同じだけ治るのかということに関する保証は全くございませんで、今、厚労省の科研費で第3相臨床試験、つまり開腹で行われる胃がん手術と通常の腹腔鏡下の手術が非劣勢であると、つまり劣らないということを検証する1,000例規模の試験が行われております。この試験は韓国でも行われまして、韓国のほうは集積をようやく終えたと。日本は今現在、急ピッチに集積が進んでいるというところであります。だから、この2つの臨床試験で、腹腔鏡の通常手術はやっぱり開腹に負けましたと、つまり非劣勢じゃないことが証明できなかったとなりますと、やはり今の技術を上回る何がしかの、da Vinciがどこまで上回れるかも分かりませんけれども、そういうことが必要なんじゃないかというふうな手順が正当な手順であろうというふうに私自身は思っております。
 それから、あと韓国の現状をその次の段落で書いていますが、韓国は多分da Vinciが二十数台入っていまして、年間数百例から1,000例ぐらい胃がんの手術をやっている施設が6つ、7つ韓国にはあります。全国から全部ソウルに集まるんです。その人たちの中で、殊にお金持ちの患者さんはヨンセイ大学に集中していまして、そこではほぼ毎日da Vinciで胃がんの手術をやっております。それ以外のソウル大学とかサン・メディカルとかサムソンとか、たくさんやっている施設はあるんですけれども、そこらでは持ってはいてもたまにしかしないと。どうしてと聞くと、韓国の医療制度は、すべてにおいて混合診療は、保険の適用、要するに保険局が薬事で承認されたものは使っていいけれども、保険償還があるのは別の話になっていて、ですから薬事で通ったものは使っていいけれども、このロボットのようなものは全部個人負担で、通常何でもそういうスタイルで混合診療ができる医療制度です。そのために、お金持ちの多いヨンセイでは使うけれども、ほかの施設ではほとんど使わないと。たまにどうしてもロボットがあるなら使ってほしいという患者がいて使うという程度であるというふうに、これは幾つかの施設から同じことを聞いております。だから、結局なくてもできている部分のほうが大きいのかなというふうに思われます。
 あとは、次の段落で書いてあるのは、結局、コストベネフィットの問題が非常に大きくて、買った以上、何でも使いたいというふうに医療施設は言ってきますから、非常に安くなったとしても、大腸がんは簡単な部分は多分使いたがらないかもしれませんが、ちょっと難しい大腸がん、直腸がん、肝臓がん、膵臓がん、食道がんというふうなものが全部一律で20万円高くなります。これはもう最低で見込んで20万円だと思うんですけれども、それが本当に国民皆保険の現在の日本の医療に合うのかどうかという、こんな問題が出てくると、やっぱり選定医療というものの中の幅をもう少し広げる必要があるんではないかというような根本的な議論も保険局でしていただく必要があるんじゃないかというふうに感じております。
 以上です。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。非常に詳細にお話しいただきました。どうもありがとうございました。
 今日は前立腺へのda vinciを使用した手術と、胃への手術ということでしたので、実はこの先進医療は専門家はそんなに多くないものですから、外科系の先生ということで、心臓の方が専門であられますが、北村先生のご意見をいただいております。お手元に配布されているかと思いますけれども、それを見ていただきたいと思います。北村先生も、今、笹子先生がおっしゃったのと同じようなことをおっしゃっています。ちょっと読ませていただきますと、「以下の二点の観点から、適否に関する意見を述べたいと思います。
 一つ目は、手術支援ロボットを腹部の手術に用いることの医学的な意義です。当該手術支援ロボットは、腹部領域においては治験を経ずに薬事承認を得たという経緯もあり、また諸外国においても、腹部の手術において利用されております。一般に広く普及している腹腔鏡補助下の手術と同様かそれ以上に安全か低侵襲であると云えるならば、腹腔鏡補助下の適応となる疾患を対象に、手術支援ロボットを用いて胃手術を行うことを不適当とする根拠は無いと考えます。
 一方で、手術に係る医療費等の問題があります。現在、腹腔鏡下の胃切除術は保険診療で評価されており、単純切除術では30,000点、悪性腫瘍術では62,360点となっております。今回の手術支援ロボットを使用した場合、患者さんが負担する先進医療に係る費用は約100万円となっています。これは、医学的にはほぼ同等と考えられる腹腔鏡補助下の手術を受ける場合と比べ高額といえます。また、先進医療では、“保険給付の対象とすべきものであるか否か”について評価を行うことから考えると、医療経済的にも、今回の手技を適とすることについては疑念が呈されます。
 これらを踏まえて総合的に考えれば、今回の手技そのものを先進医療の対象とすることは妥当と考えますが(否とする理由はないと考えますが)、その後の保険適応という観点も踏まえ、適応症・適応状態を従来の内視鏡手術に比較して手術支援ロボットの使用により、より安全・確実に行いうる胃手術の適応状況に限定してもらうことが考えられます」というのが北村先生のご意見です。
 笹子先生、意見は大体同じですよね。

○笹子構成員
 1点だけちょっと、一般の方には理解が多分されていないところがあると思いまして、通常は手術というのは外科の先生、泌尿器科もそうだと思いますが、二、三人のドクターがチームでやります。ロボットを使う手術はソロサージェリーといいまして1人でやります。それで、通常の手術というのは、助手をしながら学んでいくというスタイルでだんだん上手になる、経験を踏まえていくということがあるわけですけれども、ロボットの場合は、見ている段階からいきなりもう自分でやるしかないということになります。それでも、通常の腹腔鏡の手術である程度トレーニングを受けてあれば、やること自体は問題ないかもしれないんですけれども、ソロサージェリーをやれるドクターが結局1人ですから、今後その患者さんを受け持っている何人かでやって、自分たちで患者さんを診ていくという感じよりも、大学であれば教授がソロサージェリーをやり、あるいは准教授、講師ぐらいの人までがやって、若い人たちは自分が参加したという感覚はほとんどない。テクニシャンと同じような形でセッティングを手伝って、あとは見ているだけになっちゃうんです。だから、そういう意味で、現在、外科医がどんどん減ってきている現状があって、学会の努力で年間千二、三百人ぐらいずつ入っていたのが、1回800人そこそこまでいったのをちょっと900人近くまで盛り返してはいますけれども、こういうものがほとんどすべての腹部の手術で行われるようになると、ますます若い人は、もうオタクみたいな、こういうのが好きで好きでという人以外は来なくなってしまう。かといって、全国にあまねくこういう機械が行き渡るかというとそうじゃないとしますと、外科の将来を考えたときにも、そういう問題があるということを頭の中に入れておく必要があるなというふうに思います。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 貴重な御意見をいただきましたけれども、それでは、委員の先生方、今いろんな角度からお話しいただき、あるいは書類を読ませていただきましたけれども、御意見があったらいただけませんでしょうか。これは非常に難しい問題で、どうぞ、金子先生。

○金子構成員
 ちょっと基本的なことなのですけれども、私、これは初めてda Vinci Sが薬事承認を通ったのを知ったのですけれども、適応の範囲というのはどういう範囲なんですか。腹部臓器と書いてありますけれども、片や前立腺ですよね。腹部からアプローチできるものすべてとか、そういうことなんでしょうか。
 といいますのは、日本では薬事承認を通ると、半ば自動的に保険収載というような感覚がありますよね。みんな押しかけてきたら大変なことになるなという気がするのですけれども。

○猿田座長
 事務局のほうでありますか。

○事務局
 da Vinci Sの薬事承認または認証上の適応ということになりますと、一般消化器外科、それから頭部外科(心臓外科を除く)、泌尿器科及び婦人科の各領域における術者の内視鏡手術器具操作を支援ということで通っております。

○笹子構成員
 逆に言えば、特別な上乗せを要求しないんだったら、もう今何に使ってもいいということですよね。

○金子構成員
 内視鏡器具操作を支援というのは、da Vinciにある器具を支援すると、そういうような……。

○笹子構成員
 da Vinciそのものを支援すること。

○金子構成員
 ということですよね。

○猿田座長
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 どうぞ、吉田先生。

○吉田座長代理
 皆さん、コストの面を非常に心配なさっているのはよく分かるんです。それで、ちょうどさっき言いましたようにESWL、あのときが、あれは結石破砕装置、胆石とか腎結石、そのときにあれが6億円したんです。それで、実際これと同じように3億円じゃなく6億円して、なおかつ維持費が最初5,000万円と言った。それでも結局、患者の希望からいって、傷をつけずに体外破砕しますので、ところが胆石で最初、外科が申請したんですが、胆石の場合には破砕しても尿路みたいに流れないんです。結局、衰退しちゃって、すべて尿路系の破砕装置になったんです。ですから、今ほとんど日本ではそれはオーバーぐらいな機械が入っていますけれども、台湾の人口に対して日本の人口に比べると相当多いんだそうです。それも結果的に10年たっているうちに6億円が今2,000万円ぐらいになっちゃったんです。2,000万円ぐらいになっちゃって、最初我々は、余り高いので東北大学の工学部と共同して、爆弾を使った装置を2,000万円ぐらいで開発したんです。ところが、それが当時の通産省ですかね、それから認可しないというのは、ドル減らしの政治的要素があって絶対認可しないと言われちゃったので、今は認可されて使っていますけれども、その当時、6億円なんて高いので買えないからというので自分たちで開発しようとしてやったんですが、政治的な判断でできなかったと。実際6億円の破砕装置が今、既に同じような効率があって1,000万円ぐらいになっているんです。そういう経緯になるのかなと思うんですけれども、その辺いかがですか。

○猿田座長
 これ、da Vinciの機器が安くなるかどうかはちょっとまだ難しいでしょうね。

○笹子構成員
 恐らく前立腺のように本当に欲しい科は絶対使い続ける。さっきの胆石と腎臓の石と同じようなことはいろんなところで起こってきて、人を余計に1人雇って、その割に使う頻度が限られているとかになると、本当に使うところと使わないところというのは出てくる。2台目を買いますかというときに、5年たって減価償却、渋る、考えちゃうところも出てくると思うんですけれども、泌尿器科だけ認可というかこれで認めると、その病院は買っちゃっても困ることになって、藤田保健衛生のように何でも出したくなるということです。だから、問題はそういうスタイルでやっていくのがいいのか、あるいはやっぱり泌尿器科の手術で、これに通っているやつだけで、とりあえず本当にメリットが今既に明らかになっているやつだけで毎日使うぐらい患者さんをお集めいただいて、そこでほかのやつでのエビデンスを待つ。例えば胃がんであれば、通常の腹腔鏡が開腹に劣るということが分かった時点で、泌尿器科を目的に入れられた施設の外科の先生たちで多施設共同の臨床試験なりをやってもらって、ちゃんと開腹に対して非劣勢ということがロボットなら言えるということでゴーにするというのがやっぱり筋道じゃないか。
 欧米では、欧米といってもアメリカとヨーロッパは全然違う。ヨーロッパは、基本的に医療制度は社会保障の国ですから、薬事で承認されても保険で承認していないものというか、ほかの国で使えていても保険でカバーしないものとか、制限が非常に国策で決まっています。それで、多分ロボットなんかも非常に限られた範囲での承認になってやっぱりセンター化して、泌尿器科ではメリットがあるのなら、そこへ全部前立腺を毎日ロボットが遊ぶことなくやるようなスタイルをつくっていくというようなスタイルになるんじゃないかと思います。でも、これを今の日本の医療制度のような形で前立腺がオーケーだからどこでも買ってやってくださいと言うと、いろんなものに使いたくなって、いろんなもので出てきて、結局さっき言ったような議論になってしまう。それで、やっぱり安くなるにしても恐らく限界があります、破砕装置よりも原理だとかいろんなものがもうちょっとやっぱりアップデートのテクノロジーだと思いますので。

○猿田座長
 ありがとうございます。
 先ほどの先-2の書類を見ても、前立腺の場合には先進医療としては保険給付にならないですね。それから、胃のほうは100万円、かなり高額ですね。
 ほかに御意見をいただけませんでしょうか。田中先生、どうぞ。

○田中(憲)構成員
 申請書に書いてあります膵液瘻とか縫合不の合併症なんか、この辺の副作用についてはどれぐらいの差があるんでしょうか。

○笹子構成員
 それは、これは1施設のデータですので、実際のところ、膵液瘻に関しては、現在やっている第3相試験の通常の腹腔鏡手術を今、開腹と比較している第3相をやる前に200例ぐらいの第2相をやって、膵液瘻はほとんど発生していません。ですので、多分、申請してこられた施設で自分たちの経験の最も昔の時代のデータと比べればという最初の40例とロボットの最初の40例を比べれば、こんな差があるぐらいの話だと思います。

○猿田座長
 ですから、今やっている第3相試験が非常に重要ですね。ありがとうございます。
 これまでの議論で状況がよくお分かりいただいたと思いますが、事務局のほうとしてはどうお考えになるか、御意見をいただけませんでしょうか。

○事務局(医療課企画官)
 医療課企画官でございますが、この件、御審議、今、大体、論点を幾つかお示しをいただいて、一つの判断として評価療養の適用するかしないかを最終的には御議論いただく必要があると思います。事務局といたしまして、今の時点で若干気になるといいますか、質問という形で、結論に至るまでにこの辺を教えていただきたいという点があるのは2点ございまして、同じ話なんですが、先ほど笹子構成員のほうから御紹介いただいた、それから御提出いただいたコメントの中で、例えば韓国の事例でヨンセイ大学、実際にやられているということだろうというふうに理解しています。教えていただきたいのは、直視下あるいは腹腔鏡で十分実施ができていて、da Vinciで行うというのは主に費用の面での御議論が続いていると思うんですが、医学的な部分で本当に全く同等あるいは全くメリットがないのかなというのが少し分かりにくいように思います。といいますのは、現に費用負担をしてでもヨンセイ大学ではやられているということになりますと、何かメリットがあるからこそ費用負担をしてやられているんだろうなと思いますので、そのあたりをひとつ教えていただきたいのが1点と、それから北村構成員のほうから書面で出されている内容の後ろのほうに書いてありますけれども、より安全・確実に行い得る胃の手術の適応症とか、あるいは適応状態というものを少し限定するようなことも考えられるというふうな御示唆をいただいているんですけれども、この点について特に笹子構成員のほうで具体的に医学的な、医療的な観点から考え得るのか考えにくいのか、そのあたりも御議論あるいは御紹介いただけると我々の理解が行いやすいと思うのでよろしくお願いいたします。

○笹子構成員
 メリットは医者側にあるということだと思います。つまり、3Dで見やすいと。小さな吻合はございませんので、先ほどの泌尿器科の議論は胃ではありません。したがって、結局、なれた先生たちにとってはもうメリットというのは余りないだろうと。ただ、あったらあったで、恐らく医者の疲れとかストレス度とか、いろんなものをはかれば、それは科学的に評価することは可能だろうと思います。ただ、そのぐらいで、患者さんに対しての実際のメリットというのは数字で出ているようなものは私は見たことはありません。
 それから、あとロボットがあってこそ確実に行われる、より安全性が増すかどうかという議論は、残念ながら胃がんの手術の中で、今、腹腔鏡でやられる手術の問題は、同じだけがんの手術として治るかどうかがきちっとした評価がされていないということがあるのと、非常に視野が狭いために、例えば胃をとった後に腸を使ってつなぎ直したりするような操作は逆に視野が狭いためにしにくい部分があるんです。それで、そこで通常の開腹のときならこうするんだけれども、妥協してこういうふうにしてしまっていますみたいな施設が多いと。これは多分da Vinciに変えても視野が広くなるわけじゃないので同じだろうと思われますので、胃の場合は、こういうやつだけに適応を絞ればda Vinciのメリットが出るんじゃないですかというのは今のところはないと思います。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 どうぞ。

○事務局(医療課企画官)
 ありがとうございました。
 そういたしますと、もう一点、今度、医学的、医療的な話の論点と、それから後段、主に御議論いただいたと思いますけれども、今回ここで御議論いただいておりますのは、健康保険上の規定がございますいわゆる評価療養です。つまり、保険の給付の対象とすべきであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うということを認めるかどうかと、こういうことでございますので、恐らくステップとして将来、保険の適応をするかしないかの議論はもちろん別途あるという前提で、その手前のところで評価を行うことが必要か適当かと、そのことをこの会議で御議論いただいて結論をいただくということになります。したがいまして、吉田座長代理、それから笹子構成員のほうで、費用のいろんな御懸念、恐らく医療保険財源の御議論もしていただいていると思いますが、費用対効果の点については当然勘案した上で、評価療養として適当かどうかという議論はしていただかなければいけないんですが、最終的な保険適応は別途の議論であるということも踏まえた上で、つまり今回これをいわゆる保険併用で行って評価をして、その後、将来的に保険適応を認めるか認めないか、すべきかすべきでないか議論をするために、むしろ評価のためにこの枠組みとして認めるかどうか、ちょっとややこしい説明になっているように思いますが、そういった視点で御議論をいただくということを前提として確認させていただいて、引き続き御議論いただいて結論をいただければというふうに思っております。

○猿田座長
 ありがとうございます。
 この先進医療の会の一番の目的は、本当に患者さんのために必要であって、役立つ医療であれば、許可していかなければならない。苦しんでいる患者さんにいかにいい医療を届けるか、お金の問題じゃありません。実際に、これまでに大変高価ですが重粒子線や陽子線は先進医療として認められています。これらの治療では本当にうまくいった場合にはがんが治るということで、大変役立っていると思います。しかしながら高価なので使われている施設は非常に少ないです。ですから、保険の問題はまだまだですが、必要な技術だから先進医療として認められています。今度の場合も、今お話がありましたように、前立腺の場合、特にメリットが大きいので認めてよいであろう。それから、胃の場合には、確かにある特殊な胃がんに対しては効果的である一方、da Vinciを使わないですむ症例もあるとのことです。
今特に笹子先生がおっしゃったように、今までの内視鏡的な手術ですむ症例とda Vinciを使うことがよい症例とをどう分けていくかです。
そこをどう考えるか、私が言うことはそれだけで、あとは当局の方で判断していただきたいと思います

 笹子先生、何か意見ありませんか。私はそう考えます。

○笹子構成員
 これはもう僕は、政治的なというか、国民の医療費をどう考えるかということで、例えば今やっている第3相試験なんていうのが本当に認可実施されてから最終的に腹腔鏡の手術も保険に上ってくるというのが、ヨーロッパなんかでは全部そういうスタイルで研究費を支給して、何年間で何百例その手術をやって評価した上で保険にいくかどうかを決めるというようなことをやっていますので、そういうスタイルが本来的なんだろうと思いますが、日本は保険に収載されるされないは全然別のシステムで動いているので、だけどいろいろこういうものが出てくると、やっぱりエビデンスをきちっとしていくということ以外、何か見ていく方法はないんじゃないかなと。メリットが明らかな、ほかでは極めて難しい手術というのはいいとは思うんですけれども、胃がんの場合はやっぱりちゃんと評価しないと、メリット自体が全然分からないような差なんです。そうなると、さっき言ったように、臨床試験が1個終わって、その結果で非劣勢が証明されないということになると、やっぱりロボットじゃなきゃだめじゃないかという話が出てきて、そうなるとその時点では泌尿器科のためにda Vinciが日本じゅうでもうちょっとふえていますからできるだろうと思います。

○猿田座長
 ありがとうございました。
 どうぞ。

○事務局(医療課企画官)
 先ほどの御指摘、それから今、笹子先生のお話も踏まえまして、今度は事務局からの御提案ですけれども、幾つかの論点が指摘をされましたので、改めまして、例えば申請者のほうで今回こういった形で申請されておりますけれども、今の御議論とかみ合っている部分もありますが、幾つか例えば数字的な問題とかメリット・デメリットについては確認を要するのかなという理解がございます。
 それから、保険適応の関係につきましても、改めまして費用の問題とか、それから幾つか事例の御紹介もありましたので、そのあたりも少し精査をしまして、少し結論をいただくに当たって論点を絞って、改めて御議論いただいたほうが適切なのかなというふうに感じております。
 ですから、今回追加のやりとりをさせていただいた上で改めて継続して御審議いただいたらいかがかなというふうに事務局としては考えております。

○猿田座長
 ありがとうございます。
 笹子先生には本当に細かく調べていただいて、ありがとうございました。あとは国のほうがどういう政策をとっていかれるかということで、おまかせしたいと思います。

○笹子構成員
 それとあとは、若い先生たちがそれが入ってくるとどうかという。やっぱりそこに行って、たくさん毎日毎日やっているところに行けば、多分、見た後、自分たちもやらせてもらえてということになるでしょうけれども、今の日本の制度からいくと、もうこれでda Vinciで胃がんができるということになると、もうばっと泌尿器科と一緒に入るけれども、結局そこでやっているのは年に数十例の手術ですからもう上の先生しかやれないと。自分たちは技師さんと同じ立場で手術に立ち会うということになる。

○飯島構成員
 観点を変えて、笹子先生が御指摘の文章の中の第3段落に「富裕層患者の多いYonsei大学でのみ日常的に」ということは、これは患者側の視点からして、これにどういうメリット・デメリットがあって、すなわちこれはお金を払ってもという場合に患者側には何かあるんでしょうか、この書き方に。

○笹子構成員
 恐らく韓国は、けっこう医療技術に関しても何でもそうですけれども、はやりがあるんです。それで、最先端ということでどうですかみたいなだと思います。実際のところ、ほかのところでは払いたくても払えない、払えと言えないとみんなが感じているぐらいの差だろうと思うので、だから新しいものはいいだろうとか、ロボットは確かにやる先生たちは3Dですから見やすいとか、そういうメリットはあるんですけれども、じゃ胃に関して言えば、例えば腹腔鏡自体が3Dになる時代が、多分もう一、二年のうちに来ちゃうところですね。そうなると、余り3Dのメリットがないとなると、やっぱり細かい吻合をするような手技に限定するほうがいいんじゃないかなという気がしますけれども。

○飯島構成員
 そうしますと、結局、医学的な観点からのみでよろしいということでいいわけですね。ありがとうございました。

○猿田座長
 いろいろ御意見をいただきまして、特に笹子先生には細かく御議論いただきまして調べていただいてありがとうございました。最終的には事務局側にお任せする形ですが、どうぞよろしくお願い致します。

○笹子構成員
 だから、政策としてどう考えるかということをやっぱり明確にしていただくということでしょうね。

○猿田座長
 そこがポイントですね。
 どうもありがとうございました。

○事務局(医療課企画官)
 したがいまして、確認ですけれども、今幾つか論点、それから御指摘もいただきましたので、改めまして整理をさせていただいて、かつ政策的なというお話もございましたので、この2つ目の評価療養と枠組みに仮になじむような形で行うとしたらこういう形が可能かなというようなことも含めて整理をさせていただいて、改めて次回、結論をいただければと思っております。

○猿田座長
 大体議論しつくしたかと思いますので、あとは事務局のほうへお願いしてよろしいでしょうか。

○審議官
 笹子先生から詳しい御説明をいただきましたので、その論点を整理した上で、そしてもう一回ここで御議論をさせていただきたいと思っております。

○猿田座長
 笹子先生、どうもありがとうございました。
 それでは、時間をとってしまいましたけれども、次の整理番号の219番、田中良明先生、よろしくお願いします。

○田中(良)構成員
 それでは、炭素11標識メチオニンによるPET診断について説明させていただきます。
 これは、画像診断の中でもアイソトープを用いたPET診断で、現在はFDGという化合物でPET診断を行っております。これは2002年には保険収載されておりまして、現在、がんの診断に非常に役立っているわけですけれども、FDGそのものがグルコースの糖代謝を指標としているということで、もちろん糖代謝が、非常に活発な組織、病変のところには集まるということで画像化できるわけですけれども、それのみではいろいろな限界があるということで、今度はアミノ酸代謝を応用して画像化したらどうかということで、メチオニンという必須アミノ酸でございますけれども、それに炭素11というアイソトープをラベルして、それを患者さんに投与して、その投与したアイソトープが集まった状態を画像化して、それで診断するということでありますので、一つまた新しい方法がふえたということであります。
 先進性はそういうわけで、次に概要でございますが、これはサイクロトロンという加速器で炭素11を製造して、それに自動合成装置でメチオニンに標識するわけでございます。ここで問題なのは、炭素11というアイソトープの物理的半減期が20分なんです。今日の資料の一番最後の参考資料というところに色刷りで書いてございますが、そこにも触れてございます。
 ということで、FDGの場合には半減期が110分ぐらいですので、これは院内で合成が望ましいんですけれども、それ以外にも外部の専門業者から配達していただければ、ある程度の距離のところでは、いわゆるデリバリーと言っていますけれども、それを用いて、あとPETの撮影装置があればできたわけですけれども、今回の場合にはいかんせん半減期が20分ということですので、どうしても院内で合成して、それで使用せざるを得ないということであります。
 合成してつくった炭素11のメチオニンを患者さんに投与すると、実際には、裏の参考資料にも書いてございますけれども、投与した後10分後から20分後ぐらいのところで撮像するのですが、PET-CTは現在既にある既存のPET-CTの撮影装置でできるわけでございます。
 それでは、どういう点で画像診断でメリットが出てくるかということですけれども、まずFDGと比べて、一つは脳腫瘍に対しては非常に診断の精度が上がると。というのは、FDGというのはグルコースの代謝を利用していますので、正常な脳組織にも相当集積があるわけです。したがって、脳腫瘍に特異的に集まるという意味では、どうしても特異性が劣るというんですが、今度のメチオニンの場合には、正常な脳組織のメチオニンの代謝と、それから腫瘍細胞の持っているメチオニンの代謝作用は質的に異なるということもありまして、それで診断ができやすくなると。特に低悪性度のグリオーマについては、部位的診断と、それから質的診断の点で有用であるということが報告されております。
 それからもう一つは、炎症組織の集積が低いということが利点であります。したがって、脳腫瘍に対しては例えば放射線治療を行ったとき、放射線照射後に脳壊死が起こることがあるんですが、その脳壊死と、それから腫瘍再発との鑑別がMRIとか、それからFDG-PETの場合に非常に紛らわしくて判断に困ったわけですけれども、メチオニンを用いると炎症性の病巣にはなかなか集まりにくいということですので、そういう脳壊死と再発との鑑別に有利であるということが言えます。
 そのほかには、腫瘍としては多発性骨髄腫とか副甲状腺腺腫などでは、メチオニンのたんぱく合成、そういうものが特異的であるということで、従来の画像診断よりも診断精度がすぐれていると、そういうふうな報告があります。ということで、先進的な技術的な内容と機能画像診断という医学的にすぐれた利点があるというわけです。
 効果のほうも、今のようなところを踏まえて、メチオニンPETでより精度の高い機能画像診断を提供して、それで診断精度を高めたいということであります。
 先進医療にかかわる費用は、薬剤の製造にかかわる費用とPET-CTの減価償却、人件費等を換算して6万4,400円となっております。
 それで、次の評価用紙の結果でございますけれども、第1号用紙に技術の名称、これは炭素11標識メチオニンPET診断ということであります。適応症は妥当であるとしました。適応症としては、多発性骨髄腫、副甲状腺腺腫、それから肺がん、脳腫瘍、頭頸部がんが挙がっております。有効性はBが妥当ではないかなと、やや有効と。それから安全性は、これはほとんど問題ありませんのでA。それから技術的な成熟度は、これはそういう核医学分野を専門としている経験を積んだ医師であればできると。そういう医師の指導下であればできるということでAで、それから社会的な倫理性とかいうことには問題はないのでAと。それから現時点での普及性、これはちょっと迷ったんですが、答申のときには、罹患率、有病率から勘案して普及していないとしましたが、先ほどのda Vinciのことも議論になりましたけれども、申請者のほうでは国内で20施設ぐらいはもう既にやっているということですので、ある程度普及しているということでは、Bにしてもいいかなというふうにも思っております。それから効率性は、今までの保険導入されている技術に対してやや効率的ということでBと。それから、将来の保険収載に関してですが、Aということで将来的には保険収載が妥当ではないかと思っております。ただ、FDG-PETに比べて診断精度の向上にどれぐらい寄与するかということに関しては、エビデンスをもとにしたデータで評価したほうがいいということで、特に有効な適応疾患を、今この申請書にも書いてありますけれども、もう少し絞ってもらえればより明確になるのではないかなと思っております。総合判定は一応「適」といたしました。
 続いて、第2号の医療機関の要件なんですが、これはまずI番の実施責任医師の要件は、これは診療科としては放射線科または核医学診療科ということです。資格は、それぞれの学会の専門医、日本医学放射線学会専門医または核医学会専門医ということです。それから、当該診療科の経験年数は要で3年以上と。それから、当該技術の経験年数も、この技術については1年以上あればできるということにしました。それから、当該技術の経験症例数ですが、実施者として10例以上ということにしました。下のほうの「助手又は術者として」云々は、これは特に要らないのではないかなと思っております。
 それから、次のII番の医療機関の要件は、診療科が要、これは放射線科または核医学診療科、それから実施診療科の医師数は、これも要です。具体的内容としては、当該技術の経験を1年以上有する常勤の日本医学放射線学会専門医または日本核医学会専門医ということであります。それから、他の診療科の医師数は特に要りません。それから、その他の医療従事者の配置ですが、これは要で薬剤師、これは薬剤を合成する関係で必要です。それから、もう一つは診療放射線技師の1名、これは必要であると。それから病床数は、これ自体に関しては要りません、不要。看護配置も不要、当直体制も不要と。それから、緊急手術の実施体制も不要、院内検査も不要、それから他の医療機関との連携も不要ということです。それから、医療機器の保守管理体制は、これは要としました。それから、倫理委員会による審査体制も要で必要時に開催すると。医療安全管理委員会の設置が要と。それから、医療機関としての当該技術の実施件数は10例以上、要としました。そのほかにコメントとしまして、炭素11標識メチオニンの院内製造と管理体制及びこれに関するガイドラインの制定が必要ではないかなと思っております。ちなみに、FDG-PETの場合には、日本核医学会のほうでもFDG-PETを行う施設に関するガイドラインが既に制定されております。それから、その他の要件としては頻回の実績報告は不要であろうということであります。
 以上です。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 FDGに比べて特異性があるということですね。腫瘍と炎症、その他との鑑別ができるということで、かなり有用性が高いように思えます。それから短時間、約20分ぐらいでできることも利点です。現在ではもう20施設ぐらいでやられているということでございます。
 どなたか御意見ございますでしょうか。

○笹子構成員
 よろしいですか。

○猿田座長
 どうぞ。

○笹子構成員
 先進医療としてやること自体は構わないと思うんですけれども、コメントに書かれていますように、総評のちょっと前のところのFDG-PETと比べての精度の評価というところです。きちっとした臨床試験で、見てみますと6万円ですから、300例やっても科研費レベルで楽々やれちゃうものです。だから、どっちかと言えば、そういう方向で、先進医療もいいですけれども、研究費でもやれる。きちっと精度曲線とか感度とか、いろいろFDG-PETと2核種を使って評価してどうだというようなことになると、これは研究ですから、だからそういう意味できちっと研究に乗せてもらってやらないと、保険にいけるかどうかというようなことも、ちゃんとしたデータが果たして今までのスタイルの先進医療でいいですよというのでは出てこないんじゃないかという気がします。しかも、研究をすること自体がそんなに難しくない。手術というと技術の問題も絡むので、相当、施設をいろいろ検討する必要がありますが、この内容ですと科研費で年間3,000万円お取りになれば十分やれる。ちょっと今回関係ありませんけれども、ハーセプチンを胃がんで使うのにアジュバントをどうやっていこうかというような議論もあるときは、あっちは数億かかるので、科研費ではとてもやれないということになってというような話もあったりするので、このようなものは先進医療で別途患者さんから払ってもらうのもいいですけれども、研究費でカバーして、高度医療と同じような形になりますけれども、研究費で進めるほうが、むしろちゃんとしたいい結果というか、保険診療へきちっと最短距離で近づくような気がしますが、いかがでしょう。

○猿田座長
 御意見ございますか。

○田中(良)構成員
 確かに臨床研究という形で予算、研究費を獲得して、それでやれれば何百例のオーダーでもいっぺんにできると思うんですが、そういう臨床研究にこの先進医療の制度を該当させるというのもある程度許されるというふうに理解しているんですけれども、いかがなんでしょうか。

○笹子構成員
 そうです。患者さんに払ってもらってもいいし、ただ漫然と何でもありにしちゃうよりは、施設も今の高度医療と同じような枠組みで、こっちはプロトコルとかもきちっと審査してもらうようなやつのほうがなじむんじゃないかなという気がしました。

○猿田座長
 確かに評価ということではおっしゃるとおりですね。吉田先生の御意見、どうですか。

○吉田座長代理
 保険との関係で言えば、6万4,000円ととにかく安いですから、だからある程度、笹子先生がおっしゃるみたいに実験的なことをやって、保険はどうしても2年後にしなきゃいかんということではありませんので、2年置きに保険改定がありますので、数年間様子を見て、症例を見てまた判断するということも、以前もそういう事例がありますので、それでいいと思いますけれども。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 事務局、何かございます。

○事務局(医療課企画官)
 笹子構成員がご指摘された従来の先進医療のやり方について、例えばプロトコルとか評価のポイントを明確にしていくべきだという点は、最近特に御指摘を多々いただいております。そういった視点で、例えば様式とか、それから2年ごとの改定に評価をしていただく際にも、もう少し何を明確にすべきかとか期限を区切ってとかということを運用上、工夫はさせていただいているんですが、さらに御指摘を踏まえてどういった工夫はできるかというのは、従来から、例えば施設限定で先進医療の役目を実施すべきだということは、北村構成員はじめ、随分御指摘をいただいておりますので、幾つか課題を集積して今後議論する、あるいは検討する中で、ぜひ事務局の宿題として検討を継続させていただきたいなというふうに考えております。

○猿田座長
 ありがとうございます。
 特に高度医療のほうは、今、生物統計の専門家が入っておられ、かなりしっかりとしたプロトコルの指導をして下さっています。そういったことも生かしていただくということですね。
 とりあえず、今日はこの案件をお認めいただくということで大きなは問題ないですか。よろしいですね。
 それでは、炭素11標識メチオニンによるPET診断に関してはお認めいただくということにさせていただきます。
 今日はいろいろ議論いただきましてありがとうございました。これで本日予定しました議論はすべて終わったと思うんですけれども、事務局のほうから今後のことに関しましてお願いします。

○事務局 次回以降の日程につきましては、また正式に決まり次第、追って御連絡をさせていただきます。お忙しいところ大変恐縮ではございますが、日程調整に御協力をいただければと思います。
 また、今回御議論いただきました整理番号217番のda Vinciの件に関しましては、少し論点を整理した上で、申請機関とも調整をしながら、次回また継続して御議論いただければというふうに思っております。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今お話がありましたように、胃癌手術へのda vinciの適応に関しては、国の政策によると思いますので、そこはお任せするということで、よろしくお願い致します。
 課長さん、何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、ちょっと時間が早いですけれども、これで終わりたいと思います。御協力どうもありがとうございました。

午前11時26分 閉会


【照会先】
厚生労働省保険局医療課医療係
代表 03-5253-1111(内線3276)


(了)

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