ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護保険部会)> 第31回社会保障審議会介護保険部会議事録
2010年9月6日 第31回社会保障審議会介護保険部会 議事録
老健局総務課
○日時
平成22年9月6日(月) 15:58~18:15
○場所
灘尾ホール
○出席者
山崎、岩村、貝塚、石川(代理:榎本参考人)、井部、小方(代理:天神参考人)、勝田、 |
川合、河原、北村、木村、葛原、久保田、小西、木間、小林(代理:貝谷参考人)、 |
齊藤(秀)、齊藤(正)、田中、土居、野呂(代理:青木参考人)、藤原(代理:久保参考人)、 |
桝田、三上、結城、吉田(代理:伊藤参考人)の各委員 |
櫻井、橋本委員は欠席 |
○議題
給付と負担の在り方について
○議事
○大澤総務課長 それでは、定刻よりやや早いですが、皆さんおそろいでございますので、ただ
いまから、第31回社会保障審議会介護保険部会を開催させていただきます。
なお、本日は、櫻井委員、橋本委員が御都合により御欠席との連絡をいただいております。
それでは、山崎部会長、議事進行方よろしくお願いいたします。
○山崎部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
本日は「給付と負担の在り方」について御議論いただきます。
それでは、事務局より、資料の御説明をお願いいたします。
○三上委員 済みません、議事が始まる前に少し事務局の方にお伺いしたいんですが、前回のこ
の部会におきまして、デイサービスに関する泊まり機能の付与についての議論をさせていただい
たと思います。多くの委員、木間委員始め、私申し上げましたけれども、デイサービスへの泊ま
り機能の付与については、質の問題等で非常に問題があるということで、全員がこれを反対する
という形の議論があったと思うんですが、そのすぐ数日後に、厚生労働省の方の予算要求の中で、
お泊まりデイサービスということで100億円の予算が計上されたと。こういうことは、この部会で
の議論というのは何だったのかと思いますし、そのことについて少し事務局の方から御説明をい
ただいたらと思います。
○山崎部会長 事務局の方から簡単に説明をお願いいたします。
○大澤総務課長 来年度の概算要求につきましては、大臣を始め政務三役とこれまで一定期間、
相談・協議をした上で、厚生労働省案として民主党の部門会議の御了承を得て、8月31日に要求
をさせていただいたという経緯を経ております。
一方、この介護保険部会につきましては、冒頭、再開後最初のこの会合でも申し上げましたよ
うに、今後の介護保険制度につきまして、皆様方の意見を拝聴したいということでこの部会を開
催させていただきまして、言ってみれば、来年どうこうというよりも、むしろ平成24年度、第5
期に向けましての制度見直しの必要性の部分も含めて御準備いただくということでお願いをして
きているものでございます。
概算要求はあくまでも概算要求ということで、これから年末の予算編成過程を経て、正式な予
算案、政府案ということになるわけでございますけれども、その過程におきまして、この介護保
険部会での御議論その他、財務省との調整もございますが、そういう過程を経て正式な政府案と
して最終的な決定を見るものでございまして、厚生労働省の案といたしましては、概算要求とい
う形でああいう形で提案をさせていただいたということでございますので、この介護保険部会で
の御意見も正式な案、あるいは、もし必要であれば法律改正ということになるわけですけれども、
その過程におきまして、十分ここでの御議論を踏まえた上で成案とさせていただきたいと思いま
すので、御理解をいただければと存じます。
○三上委員 わかりました。この中では、基本的にはレスパイトが大事だということは前回もお
話が出たということで合意されているわけですけれども、そのためには、デイサービスに泊まり
機能をつけるというよりは、現在のショートステイの利用の仕方について、緊急ショートステイ
が利用できるように、もう少し柔軟に対応してもらったらどうですかという話が中心だったと思
うので、この意見が固まれば、概算要求の中身も少し変えていただいて、そちらの方に予算を分
配できるということも可能だと理解していいでしょうか。
○大澤総務課長 今の時点で何とも申し上げようがございませんが、いずれにいたしましても、
この介護保険部会の御議論をよく拝聴した上で考えさせていただきたいと思います。
○山崎部会長 それでは、事務局より本日の資料の御説明をお願いいたします。
○古川介護保険計画課長 お手元に「給付と負担の在り方について」という資料をお届けしてお
ります。コンパクトにポイントのみを説明させていただきます。
まず、2ページの「介護保険制度の仕組み」ですが、原則として、保険者は市町村、被保険者
は40歳以上の方。要介護や要支援の認定を受けた方は、費用の1割を自己負担して、介護サービ
スを利用するという仕組みを、改めて説明させていただいております。
3ページをお開きいただきたいと思います。「介護保険制度の財源構成」です。保険料50%、公
費50%という仕組みで制度が運営されております。
4ページ「第1号保険料の:仕組み」は、保険者(市町村)は3年を1期といたしまして、給
付費の20%を賄うために保険料を設定していただいているということです。保険料段階は、原則
6段階の設定ということであり、第4期の全国平均は月4,160円ということになっております。
5ページは「第2号保険料の仕組み」です。各医療保険者が、保険料を被保険者の数に応じま
して徴収をしていただき、社会保険診療報酬支払基金を介して、必要額を各保険者に交付すると
いう仕組みになっております。
6ページは「調整交付金の仕組み」です。介護給付金の5%相当部分を財源といたしまして、
市町村の責めによらない保険料の収入不足と給付費の増を調整する仕組みということです。具体
的には、75歳以上の高齢者の人口構成や被保険者の所得水準を勘案しているということです。
7ページの「財政安定化基金の仕組み」については2番目の○にありますように、事業計画に
おける見込みを上回るような給付費増や保険料の収納不足があって、市町村の介護保険特別会計
に不足が生じることになった場合、一般財源から財政補てんをする必要がないよう、資金を交付・
貸し付けを行うために、各都道府県に基金を置いているものです。
※のところに記載されておりますが、現時点で総額として約2,700億円程度安定化基金が全国で
積み上がっており、会計検査院からも、この効率的な活用を考えたらどうか、との指摘を受けて
いるところです。
8ページの「保険給付と利用者の自己負担」です。制度の仕組みを説明したものですけれども、
真ん中が予防給付・介護給付。そして、その左側の部分は、支給限度基準額を超えた場合は、そ
の費用を自己負担していただくということ、それから、1割負担、居住費・滞在費、食費、日用
生活費などにつきましても自己負担をしていただくということ。しかし、その1割負担の下の部
分につきましては、高額介護サービス費、居住費・滞在費、食費の下の部分は補足給付であり、
介護保険給付から支給がされる仕組みであるということです。
9ページ、10ページは「高額介護サービス費」、それから「高額医療合算介護サービス費」の制
度の御紹介です。それぞれ所得に応じまして、利用者の負担が過剰にならないよう、その限度額
を定めているということです。左側、9ページが介護のみ、10ページが医療と介護の合算という
ことです。
11ページをお開きいただきたいと思います。いわゆる補足給付の制度の説明です。施設等を利
用する際の食費や居住費の負担を軽減するという観点から設けられているものです。例えば、左
上の絵は、個室ユニットを利用する場合の居住費に関する補足給付ですけれども、第1段階、第
2段階ということであれば、負担限度額、それぞれ利用者にお支払いいただく金額は2.5万円、基
準費用額が6万円であり、その差額の3.5万円を補足給付という形で支給させていただくというこ
とです。
12ページは介護保険施設に入所された際の負担額ということですけれども、それぞれユニット
型個室に入られた場合、多床室に入られた場合の1割負担と食費、居住費などを合計した御負担
いただく額を示させていただいているところです。
13ページの「グループホームにおける負担額」は、28回の部会に既に出させていただいている
資料を再掲させていただいております。グループホームは補足給付の対象になっておりませんの
で、一定の食材料費や家賃、光熱水費などをお支払いいただくことになっております。相対的に
低所得者にとって負担が重くなっております。全国平均が左側に書いてありますけれども、10万
円を超えるというのが平均的な御負担額ということ、また、地域間で少し格差があるということ
が特徴かと思います。
14ページです。今回御議論いただくテーマとして軽度者への支援というのも一つ論点とさせて
いただいておりますので、以降は再掲資料ですけれども、改めて載せております。サービスを受
給されている要支援の方は約80万人、要支援者向けの介護費の合計額は約4,000億円となっている
という状況であります。
15ページは「要支援・要介護別の受給者数及び費用額の伸び」ですけれども、いずれも要支援
者の伸びが大きくなっており、このことを踏まえて、要支援者に対する取り組みを今後どのよう
に考えていくべきかということであります。
16ページ、17ページは、そうした軽度者のサービスの利用状況や時間を見てみたということで
すけれども、16ページでは、軽度者ほど生活援助を利用されている割合が高いということが見て
とれますし、17ページは、サービス提供時間に着目しても、軽度者の方は生活援助に充てられる
時間が多くなっているところです。
18ページは「地域支援事業の内容」です。本日、介護予防事業の在り方も論点ということです
ので、介護予防事業は地域支援事業で実施されているので、その地域支援事業の在り方について、
資料を添付させていただいたものです。左側に地域支援事業の内容が書いてありますけれども、
今申し上げた介護予防事業、そのほかに包括的支援事業や任意事業が行われております。介護予
防事業につきましては、居宅給付費と同じ財源構成ということになっておりますし、包括的支援
事業等につきましては、地域の工夫でお取り組みいただくという観点から2号保険料は入ってい
ないという整理になっております。
20ページは「介護保険の総費用と保険料の動向」です。制度創設以来、介護保険制度の総費用
は3.6兆円から着実に伸び、平成22年度当初予算ベースで7.9兆円に達しているところです。これを
保険料で見ると、2,911円から、第4期では4,160円になっているところです。
21ページです。「都道府県毎の介護保険料と給付費の相関」を見てみますと、縦軸が1人あたり
の給付費額、横軸が保険料額です。当然ではありますけれども、給付費が伸びていくことになり
ますと保険料額も伸びていくという、正の相関が見られるということです。
22ページは「第5期の介護保険料」がどの程度になるかということです。今の時点では、さま
ざまな未確定な要素がありますので具体的に申し上げるのは難しいのですけれども、4期にあっ
ては、先ほどから4,160円と申し上げておりますが、これは準備基金、各保険者がそれぞれ余裕を
持って保険料を集めていただいた分を取り崩していただいたこと、それから、介護従事者処遇改
善臨時特例交付金、いわゆる3%改定に伴う保険料の上昇を抑制するために公費を入れたという
ことなどがあり、いわばマイナスの下駄を履いているがゆえに4,160円ということですので、実力
ベースは4期にあっては4,500円程度ということです。したがいまして、5期の保険料を考えるに
当たりましては、この4,500円を発射台といたしまして、自然増、16万人の緊急基盤整備の影響、
更に介護職員処遇改善交付金、給付改善など、さまざまな要素を勘案して保険料が定まっていく
ということであり、具体的には申し上げられませんけれども、場合によっては5,000円を上回りか
ねないような状況にあるのではないかと思っているところです。
23ページですが、これは先ほど申し上げました21年度の3%改正に伴う保険料アップを抑える
ために公費を入れたという取り組みですけれども、5期は、基本的にはこのようなものはなくな
るということです。
24ページは「介護職員処遇改善交付金」ですけれども、21年10月から23年度末までの2.5か年間、
約3,975億円が計上されておりますが、こうしたものをどのように5期以降取り扱っていくのかと
いうことです。
また、25ページの施設整備に関しましても、3年間で当初12万人分整備ということでしたが、
緊急基盤整備ということで4万人分を上乗せしているため、それに伴う給付の増に対応すること
が必要になるということです。
26ページは「介護保険の給付費の伸びの見込み」です。いわゆる自然増をそのまま伸ばしてい
きますと下のブルーの曲線になるわけですけれども、仮に、処遇改善交付金を介護報酬で見込む
ということになりますと、8兆円が8.2兆円といったことになるということです。これにどう対応
していくかということだと思います。
27ページをごらんいただきたいと思います。これは結城委員から給付費と投入されている全て
の公費の関係を示した資料との御指示ございましたので作成したものです。基本的には、保険料
が50%、公費が50%ということですけれども、そのほかに、処遇改善交付金が22年度であれば1,600
億円相当入っておりますし、20年度補正予算の処遇改善臨時特例交付金が、22年度には385億円相
当入っているということです。
そのほか、2号被保険者につきましては、負担能力を勘案して、一部負担軽減を国と都道府県
で行っており、それが480億円ということです。
これを全部合わせて考えますと、既に制度としてビルトインされているものだけで考えまして
も、介護給付費分の公費が56.7%、それから補正予算で計上された言わば臨時的なものも含める
と、全体に占める公費の比率は58.1%になっております。
28ページの「第5期介護保険財政において考慮すべき事項」は、第5期介護保険財政におきま
して、仮に現行の1.5万円の介護職員処遇改善交付金に相当する額を介護報酬に反映するとし、更
に地域包括ケアの体制の実現に向けて、給付改善を実施する場合について、これらに要する費用
は、保険料、公費、本人一部負担で賄う以外にはないということです。
その際、御考慮いただきたい点として、財政運営戦略、これは6月22日に閣議決定されたもの
ですが「歳出増又は歳入減を伴う施策の新たな導入・拡充を行う際は、原則として、恒久的な歳
出削減又は恒久的な歳入確保財源措置により、それに見合う安定的な財源を確保するものとする
『ペイアズユーゴー原則』が定められている」と書かせていただきました。要は、何らか施策を
拡充するということであれば、新たな財源を自前で確保するということですけれども、現時点で
新たな財源というものが見えない中では、介護保険制度の中で収支相償わせることが必要になっ
ているということが、基本的な考え方だと思っております。
続きまして、30ページ以降ですが、最近の高齢者を取り巻く状況について、一つの側面という
ことですけれども、ごらんいただきたいと思います。
30ページは「保険料6段階の構成割合」ということであり、被保険者の割合は、ごらんのとお
りの構成になっているということです。
31ページの「世帯主の年齢ごとの総所得に占める介護保険料の割合」は、世帯主の年齢ごとに、
その世帯の所得に占める介護保険料の割合がどのようになっているかということですが、65歳の
ところを見ていただきますと、平成17年から21年にかけて所得に占める介護保険料の割合が高く
なっているということが見てとれるかと思います。
32ページですけれども「高齢者のいる世帯の貯蓄額の変化」です。全く貯蓄がないという非常
に厳しい状況に置かれている方は、平成13年度から19年度の推移を見ましても12.5%から14.2%と
増えております。
他方、3,000万円以上という貯蓄が多い方につきましても増えているという状況にもありまして、
これだけで何かを断定することはできませんけれども、いわゆる「多様な高齢者像」ということ
が見てとれるのではないかと思われます。
33ページをごらんください。32ページは、言わばストックの部分でしたけれども、こちらは、
年間収入の部分であり、いわゆるジニ係数というものです。上の方ほど所得格差が大きいことを
示すものですけれども、再分配後でありましても、高齢世代につきましては、若年世代に比べま
して所得格差が大きいことがここからも見てとれるということです。
34ページ「介護保険の被保険者が属する世帯の所得分布」です。1号被保険者、2号被保険者
の分布を見ますと、2号被保険者の方に比べますと1号被保険者の方は低所得に寄っていること
が見てとれます。
36ページ以降は「その他」と書かせていただきましたけれども、幾つかの論点について資料を
つけさせていただきました。
36ページは「被保険者範囲の拡大」です。「高齢者の介護保険」の枠組みを今のまま維持すべき
だという考え方と、「介護保険制度の普遍化を図る」という考え方、2つございます。これは、平
成19年の介護保険制度の被保険者、受給者範囲に関する有識者会議の中間報告ですけれども、維
持するという考えとしては、40歳未満の若年者の納得を得ることが難しい。結果として、保険料
の滞納・未納が増えるのではないかという御指摘。?A若年者が要介護状態になる確率は低い。?B
重度障害者については、保険料拠出を求めることが現実的でない、などなどの御意見がありまし
た。
一方、普遍化を図るという考えとしては、年齢で制度を区分する合理性は見出しがたいこと、
40歳から64歳までの方も、特定疾病に限らず保険給付を受けることが可能となるなどなど意見が
あったということです。
37ページ、38ページは「保険料方式について」です。38ページの図を一緒にごらんいただきた
いと思いますけれども、今の介護保険制度の保険料方式は、冒頭ごらんいただきましたとおり段
階型となっております。これを医療保険と同じように、傾きを一直線とし、個人単位にして保険
料を徴収した方が、より収入の変動による保険料額の変動が少なくなるのではないかという御指
摘です。そうしたメリットは勿論あると思います。同時に、介護保険は、御本人の所得とは別に
世帯で課税をされている方がいる場合については、御本人がたとえ2段階、3段階の所得であっ
ても、少し高い保険料を4段階ということでいただいており、これを個人単位にいたしますと、
左側の第4段階負担減というところがありますけれども、この分、保険料に穴があいてしまうと
いうことです。財政中立ということを考えれば、この部分を所得の高い方の負担により調整しな
ければならないということであり、徴収の仕組みや考え方が大きく変わることをどのように考え
るか。また、このようなシステムを開発するためには相当な経費がかかるという話も伺っている
ところでありまして、その点も含めていろいろ論点はあろうかと思っております。
39ページは、それに加えまして資産割も導入する場合についての考え方ですけれども、資産を
正確に捕捉できれば、確かに収入が少なくても多くの資産を保有している被保険者の方に応分の
負担を求めることができるようになるということですが、逆に、例えば固定資産の課税情報のみ
に基づいて資産割を課す場合については、どこまで正確に捕捉できるのか、また事務負担をどの
ように考えるかということも必要な考慮すべき論点だと思っております。
40ページ、41ページは、それぞれ関係者の方からさまざまな指摘をいただいているということ
であり、最後42ページ「給付と負担の在り方に関する論点」は、負担の在り方として、高齢化に
よる自然増に加えて、さまざまな要素があるという中で、制度を持続可能なものとしていくため
に、その1号保険料、2号保険料の在り方、公費負担の割合、利用料負担の在り方、財政安定基
金の見直しなどなどについて御議論いただきたいということで論点として整理させていただいて
おります。
また、給付と負担のバランスということで、軽度者への支援、介護予防事業、補足給付などに
ついても、その在り方について御検討いただきたいということで再掲させていただいております。
説明は以上です。
○山崎部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、各委員から
御意見をお願いいたします。岩村委員、お願いいたします。
○岩村委員 議論の前提になると思われる点を、1点だけちょっと事務局に質問させていただき
たいと思います。
今日お配りしていただいた資料の28ページで、第5期介護保険財政において考慮すべき事項と
いうことの2番目の○のところで、いわゆる「ペイアズユーゴー原則」が定められているとなっ
ております。ここで言っている「歳出増又は歳入減を伴う施策の新たな導入・拡充を行う際は」
のうちこの施策の新たな導入・拡充というものには、現在期限つきで行われている介護従業者処
遇改善交付金などを恒久化するものも含まれるという理解でいいのかどうかを教えていただきた
いと思います。
○古川介護保険計画課長 補正予算というのはいわば暫定的な中2階の制度だと言えると思いま
すので、それを恒久化するということであれば、このペイアズユーゴー原則にのっとってそれを
どうするかを検討いただくことになるのだろうと思っております。
○岩村委員 ありがとうございました。以上です。
○山崎部会長 それでは、小西委員、早目に退出されるということですので、最初にお願いいた
します。
○小西委員 ありがとうございます。最初に発言するほどの内容かどうかよくわかりませんけれ
ども、モノクロで結構ですと申し上げたんですが、カラーで印刷いただきましてありがとうござ
います。カラーで印刷いただくほどのものではなかったかもしれませんが。
これを読み上げても仕方ございませんので、幾つかのポイントだけ申し上げますが、国保と違
いまして、介護保険は、後発の仕組みな分だけ、介護保険財政としてはまあまあ今のところは保
険財政として健全性が保たれるという状況にはなっています。国保のように非常に大きな赤字を
抱えた団体があるとか、そういうふうにはなっていない。なっていないということは、2番目、
すなわち自動的に介護保険料の引き上げがビルトインされている仕組みになっているということ
でございます。勿論、保険料を源泉徴収等で徴収するようなこともあるということも含めてなん
ですけれども。ただ、これは、介護保険料の引き上げに自動的につながるということは、公費負
担率を一定にするということは、公費負担額も同時に自動的に引き上がるということであります。
ですから、介護サービスの質量ともの改善をしていくと、当然、介護需要が高まりますので、そ
れは公費の率を一定にしても、公費の額と、それから保険料の引き上げに自動的につながるよう
な仕組みになっていると。
今日の資料では、短い期間でどうなるかということでしたが、2025年というところからいくと
7.9兆円から、充実ケースで23兆円。そうなると保険料が、先ほどの資料では、短い期間で5,000
円ぐらいに行く可能性がありますというような御指摘でしたが、2025年ぐらいを考えると、どう
見ても2倍以上にはなると。
そこで、3番目ですけれども、強い社会保障ということが言われている中で、幾つか今日も論
点がありますが、基本的に、2号保険者の年齢を引き下げるとか、保険事業の対象サービスを限
定するというようなことは全くあり得ないとは思いませんが、ロング引いてで考えたときにはち
ょっと考えにくくて、やはり保険料の引き上げと公費負担の割合をどう考えるかではないかと思
いますが、この3つ目の「・」の一番下から2行目のところに書いていますように「中長期的に
は」と書いていますので、これは来年どうするとか、5期をどうするかというレベルではなくて、
2つ目のところに「2025年をにらんだ場合に」というのがありますので、公費負担率の引き上げ
というのは、来年の予算編成とか、それぐらいのスパンの問題ではなくて、もう少し長いところ
で、介護保険制度そのものの中長期の重要性にかんがみた税負担の在り方というようなところを
セットに考えざるを得ないのではないかと。今日一番申し上げたいところは、そこであります。
4番目ですが、現政権になってというか、民主党を中心とする政権に政権交代してからですけ
れども、現金給付は国が受け持ち、現物給付は地方が受け持つというのは、原口総務大臣が非常
に強くおっしゃっておられて、これが内閣としての全体のコンセンサスにどの程度なっているの
かというのは議論あるところですが、介護保険財政は自治体が支えている制度ということから言
えば、大臣がそうおっしゃっておられるということを重要視すべきだと思うんですね。
そうすると、現物給付を地方が受け持つと。じゃ、どんなもんですかと。介護サービスという
のは、現物給付の、最もわかりやすい現物給付のサービスの一つで、ここの公費負担を中長期的
に高めるというときに、だから地方消費税ですよという論理展開は、税負担の引き上げに賛成を
する、賛同していただくのは非常に難しいんですが、現物給付とのサービスのセットとしての負
担増という説明が、逆進的な負担を説得する上で一番説得力があるというのは経験的に言えると
思うんです。どうして貧しい方ほどたくさん負担しなければいけないんだというときに、これは
負担率の話をしているわけですね。ですけど、介護保険は別に所得と関係なく現物とお金が行き
ますので、負担額と給付額のバランスから言うと、消費税への負担増へは何とかそこで説得して
いくしかないと。要するに、ネットで見たときには負担していただく金額よりも受けているサー
ビスの方が、比較的所得水準の低い方の方が、受益と負担のバランスから言うと受益が上回ると
いうことが言えるから負担してください、これが辛うじて言えるのがこの論理だということから
考えると、介護保険、地方消費税、消費税、とりわけ地方消費税、現物給付だから地方消費税、
この論理を皆さん、この中でどれぐらい受けとめていただけますでしょうかということでありま
す。
あと、もう簡単に申し上げます。保険料の格差がまだありますので、国保ほどではありません
けれども、広域化。広域化の取り組みも国保よりは随分進んでいると思います。
それから最後、先ほどの御指摘ありました介護従事者の報酬を上げるのは一時的な措置でしか
ありませんので、それを充実させないと、結局、総理がおっしゃる一にも二にも三にも雇用とい
うところにはなかなかつながらないというところがあると思いますので、ここは恒久策が必要だ
と。
以上でございます。ありがとうございました。
○山崎部会長 ありがとうございました。
続いていかがでしょうか。河原委員、お願いいたします。
○河原委員 クラフトユニオンの河原でございます。給付と負担のことにつきまして、私どもの
意見を述べさせていただきます。
給付と負担の在り方の議論は、私たち日本人に社会福祉の在り方について意識改革を迫る問題
だと受けとめております。高福祉のためには、高福祉を確保しようなのか、中負担で中福祉ぐら
いでいいのか、基本的な青写真をどう描くのかといったような大切な問題を根底にはらんでいる
と私は思います。
それはそれとしまして、私どもが4月に提出しました提言書では、人材の処遇改善のためには、
介護報酬の引き上げは是非必要である。しかし、保険料やサービス利用者の自己負担は現状を維
持してほしい。そのためには、公費負担を60%とした上で、徐々にその率を増やし財政基盤を強
化すべきではないのかとしました。
直接の介護保険料ではなく、歳入の分配である公費の負担を増やしていくことにつきましては、
介護保険制度の理念である「社会が支える」ということに合致しており、国民の理解が得やすい
のではないかと思います。しかし、公費増加分をどこから持ってくるかということは、現政権が
子ども手当政策を最重要としている限り、介護保険財政に持ってくることは大変厳しい現実だと
思います。事業仕分けによる財源も限界が見え始めており、何よりも恒久的・安定的財源ではご
ざいません。
私は、今こそ、被保険者範囲につきまして拡大することを前提に真剣に議論すべきではないか
と思います。被保険者範囲の拡大は、制度の理念の実現と普遍化を図る大きなスタートになるの
ではないかと思います。同時に、それは日本人の意識改革の試金石であるとも思います。
利用者負担の在り方については、私は、公平な徴収という観点から、支払い能力に応じた所得
割方式をプラスする方式がいいように思います。ちなみに、労働組合の組合費も、公平性の観点
から定率性を採用している組合がほとんどでございます。
ただ、最後の資産割の導入につきましては、感触で大変申し訳ないのですけれども、重箱の隅
をのぞいているようで、国民の支持はされにくいのではないかと思います。
以上でございます。
○山崎部会長 ほかに。では、齊藤秀樹委員、お願いいたします。
○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。簡単なペーパーを出させていただいております。負
担の在り方について幾つかお話をいたします。
公費の5割負担に関してでありますけれども、3%引き上げのときもそうでありましたが、言
わば急激な保険料負担をしたくないというのが公費を入れた基本的な考えでありまして、私は、
今日この介護保険制度を安定的に下支えするという観点からすると、公費50%にこだわっていら
れないのではないかと思っております。恒常的な公費負担の導入が必要ではないかという考え方
であります。
それから、今日の資料にもありましたように、これはいろいろなお考えや何かはあるんだろう
と思いますが、人材確保、処遇改善等の雇用対策については公費の導入が図られたわけでありま
して、少なくとも資料で56%、58%とありますように、5%ないし10%程度の負担増というもの
は現実的に行っているわけでありますし、今後もそれは引き続き必要なものではないかと思いま
す。
保険料についてでありますが、医療保険と比べましたときに、介護保険制度は、やはり低所得
者につらい保険料負担になっていると思います。国保でも後期高齢者医療制度でもそうでありま
すが、所得の低い方々には保険料を軽減するために公費を入れているわけでありますから、介護
保険にはそれが入っていないというのは、少しこれは考える余地のあるところではないかと思い
ます。
利用料についてであります。区分支給限度額がおおむね5割をちょっと超えた段階でサービス
が利用されているという実態がありますが、これは利用料が、やはり1割負担があるということ
が、そのようなことに影響しているものと考えられますので、この利用料負担を更にプラスする、
負担割合を増やすということは、利用抑制が過度に働き過ぎる結果、介護の社会化という考え方
に逆行することになるのではないかと考えております。
また、軽度者の扱いについて2割負担としてはどうかという考えもあるわけでありますが、私
は、重度化への進行を予防するという観点から考えると、これは得策ではないと考えます。また、
低所得者の利用料につきましても軽減策を講じるべきではないかと考えております。
今現在、医療保険料、介護保険料、これを支払う側の財布は一つでありますので1万円近くま
で来ております。しかし、これは先ほど事務局の御説明がありましたように、保険料の上昇を抑
えるために、余剰金でありますとか積立金を取り崩した結果でありまして、もう既にこの保険料
の平均的な月額は1万円を超えるレベルに達していると思っております。したがって、応能負担
というものは私は当然と思っておりますが、制度の持続可能性を議論するときに、やはりこの負
担の持続可能性ということもあわせて議論する必要があるわけでありまして、これから先を考え
ますときに、応能負担の限界を見きわめる段階に近づいているのではないかと思います。
この負担と給付という関係は、社会保険方式においてはいろいろな言い方をされますが、利用
者にとってわかりやすいのは「負担の限界は給付の限界」、こういうふうに言うとよくわかるわけ
であります。私は、広く国民的な合意を得ていくときに、どのレベルでどれだけ負担できるか、
こういった話は極めて地域レベルで語っていかなければいけない問題でありますから、保険者が
このことに関して、保険料を払っている多くの方々にこういう話を常々していただいていきませ
んと、審議会レベルで話しただけでは、国民は理解できないと思っております。
よく社会保険方式か税方式か言われるわけでありますが、国民からいたしますと、社会保険方
式がいいか、税方式がいいか、これを選択したという自覚は実はないわけであります。そもそも
社会保険方式でスタートしたという自覚しかないわけでありますから、社会保険方式は5割以上
の公費を投入しては、問題があるなどをいうような考え方は、そもそも国民の中には薄い認識と
思っております。
そういうことも含めて、日本の社会保障の在り方、とりわけ社会保険方式における在り方のプ
ラス・マイナスというものが、必ずしも国民に十分に浸透されていない、理解を得られていると
思いませんので、よくよく現場の具体的な事例として議論を喚起する、そういう時期に来ている
と思います。これは第5期だけの議論ではなくて、今後の日本の社会保障制度全体を考える上で
極めて重要な問題を提起されていると思いますから、是非そういう中期的な展望も踏まえて国民
に議論を喚起するような素材を提供していただきますよう保険者の方々には、特段のお願いを申
し上げたいと思います。
以上であります。
○山崎部会長 では、吉田委員の代理の今日は伊藤参考人です。
○吉田委員(代理 伊藤参考人) 委員にかわって意見を述べさせていただきます。
今日は意見書を出させていただきました。読み上げることはいたしませんので、若干の説明を
させていただきたいと思います。
ここにもありますように、自然増、そして介護ニーズの高まりが見込まれる中で、給付をカッ
トするということになれば、要介護者の暮らしを不安に陥れるということが懸念されます。そう
すると財源の確保が急務となるわけですが、現下の経済社会的状況を踏まえますと、保険料や利
用者負担を引き上げることも極めて難しいと考えております。本来であれば、この下に掲げさせ
ていただいたような認識に基づきまして、介護保険制度の普遍化の議論をすべきだと考えており
ます。しかし、今回の改定に向けて、この短期間で十分な議論を行うことはなかなか難しいとも
考えております。被保険者、受給者の範囲については、介護保険制度の当初からの、発足時から
の課題でありますし、改正法の附則にも明記されておることでありますので、結論を先送りする
ことなく引き続きの検討課題とするよう、この場で銘記されたいと考えております。さまざまな
意見や考え方があるとは思いますが、避けて通れない課題だと考えております。
なお、連合といたしましての発言でございますが、この普遍化を連合として、ずっと主張して
きておるのですが、これは、1.の3つ目の○にもありますが、若年要介護者への介護ニーズに
対して、給付を保障するという必要性を考えまして、給付上の制度の普遍化をする必要があると
いう考えに基づいております。社会保険の給付と負担という表裏の関係からしまして、負担をメ
インの議題とした今日のテーマにおいて提案させていただいたものであります。
また、この普遍化についての検討を行うに当たっては、今、障害者自立支援法にかわります新
たな総合的な福祉法制の検討が当事者参加のもとで行われておりますので、この検討を踏まえた
検討が必要だというように認識しております。
以上でございます。
○山崎部会長 ありがとうございました。
続きまして、石川委員の代理の榎本参考人お願いいたします。
○石川委員(代理 榎本参考人) それでは、まず、前回、結城委員から御質問を受けています
ので、その御質問についてお答えさせていただきます。
内容は、現在の要介護認定の区分を簡素化したとしても、事務負担の軽減につながらないのは
なぜかというものでございます。
要介護認定に係る事務手続は、1次判定において認定調査員が申請者のもとを訪問して、心身
や生活全体の調査を行い、その調査結果をもとにコンピューター判定を行い、また主治医の作成
する主治医意見書を併せてお願いしています。更に、これらをもとに、2次判定において、保健・
医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会を開催し、最終的な要介護度を決定する仕組み
になっています。
稲城市では、年間2,200件の認定調査と審査判定を行っており、これに約2,400万円の事務費を要
しています。要介護認定の区分を簡素化したとしても、このような要介護度を決定するプロセス
は変わらないため、こうした事務負担及び費用の軽減にはつながらないと考えております。この
ことは、市の職員からも、区分の簡素化ではほとんど軽減にはつながらないのではという意見を
確認しております。
保険者としての意見でございますが、仮に要介護認定制度を廃止すれば、サービスの公平な配
分ができなくなり、被保険者に保険料を支払うことについての理解が得られなくなるおそれがあ
ることから、保険者としては、要介護認定制度の廃止には反対でございます。
要介護認定制度をよりよくするための議論は重要でありますが、拙速な制度の見直しは、現場
を混乱させるだけであり、その検討に当たっては、現場の市町村の意見を聞いていただいた上で、
十分に慎重な議論を重ねていただきたいと考えます。
次に、給付と負担の在り方でございます。この件につきましても保険者として強く申し伝えさ
せていただくものでございます。制度を利用する者、制度を支える者、制度を運営する者も含め
たすべての関係者が、介護保険制度に対する信頼と期待を持てるような制度見直しでなければな
らないと考えます。その観点から、給付と負担の在り方を考えれば、給付改善はその裏打ちとし
ての保険料であれ、税であれ、負担増が伴うものであることは言うまでもなく、その負担につい
ても、それぞれ納得ができるものでなければなりません。今回、制度の見直しでは、現実的かつ
着実な見直しの機会とすることが大事であり、そうした着実な見直しの積み重ねこそが制度の信
頼に結びついていくものと思います。
更に、以前、石川委員が主張させていただいたとおり、低所得者に対する介護保険料や利用料
の軽減措置を講じることや調整交付金を別枠化することについて、論点に加えていただきたいと
するものでございます。
以上でございます。
○山崎部会長 では、結城委員、お願いいたします。
○結城委員 稲城市の方、どうもありがとうございました。勉強になりました。ありがとうござ
います。
あと、事務局の方、資料をありがとうございました。私の方で意見を述べさせていただきたい
と思いますが、今日はペーパーを用意していますので、ごらんいただければと思います。
まず、第1点目でございますが、負担の在り方でございます。
27ページ、資料の方を出していただいたんですが、実質50%を私は超えているように理解させ
ていただきましたので、基本的には、財源構成は、法律の方で50%以上、現行制度を参考に、私
は公費の負担割合を上げるべきだと思います。
もし現行のように3年置きに時限的公費を持続するということは、正直申し上げると、制度の
持続・安定という側面から私は適していないと考えます。これでは、3年ごとの予算編成によっ
て介護保険制度が非常に安定しないという考えでございます。公費負担割合がどうしても50%以
上を法定化できないのであれば、きちっとした保険料50%あるいは公費50%とすべきだと思いま
す。ただし、27ページの480億円と4,404億円は、私は、これは医療保険の中の公費ですので、こ
れは除外して考えるべきであって、ある意味、この385億円と1,600億円のところを論点として挙
げたいと思います。
?Aは、利用者自己負担1割の堅持のところでございます。現行の介護保険サービスは、予防給
付であろうと介護給付であろうと、利用者自己負担1割は、これは必ず堅持していただきたいと
思っております。
今後、将来にわたって介護報酬は段階的に引き上がることが予想されます。そうであれば、低
所得者に対しては、介護報酬が上がるたびに自己負担も若干上がっていきますので、その意味で
は1割は堅持していくべきだと思います。
いずれ介護報酬が上がった場合、低所得者に関しては、現行では「社会福祉法人による生計困
難者に対する利用者負担軽減」という、これは1割自己負担ではありません。こういうような制
度も参考に、今後考えていくべきだと思っています。ただし、現行のこの制度は、財源フレーム
などの見直しは今後議論していくべきだと思います。
?Bとしては、第1号被保険者の保険料算定は、現在、収入ベースのみですけれども、今後は資
産も含めて議論すべきことだと私は考えています。例えば、参考に、先ほど申し上げた社会福祉
法人の生計困難者にやるのは、一応、収入だけではなくて、例えば預金通帳などもたしか参考に
してこういうものをやっていると思いますので、そういうものを参考にしながら、こういう議論
は、現行の制度であっても僕はできると思います。もし保険料が無理であれば、補足給付から始
めるということも私はできるのでないかと思っております。
?Cの被保険者の範囲拡大については、これは給付といった場合、障害者福祉制度の動向を考え
ると、現状ではなかなか難しいのではないかと思います。
給付と負担のバランスですけれども、介護保険制度は、やはり医療保険とは違って、なかなか
利用する人が普遍性という点では問題があります。今後、具体的には40歳以上の方もある程度利
用できるようなサービスを拡充していかないと、第2号被保険者の保険料を徴収する意味ではな
かなか難しくなっていくのではないかと私は考えていますので、その点は地域支援事業なども活
用して考えていくべきだと思っています。
なお、私の方から事務局に2つほど質問をさせていただきます。1点目、26ページの見込みの
額でございますが、これは、例えば処遇改善の8.2兆円を見込んだ場合、8.5兆円、8.9兆円を見込
んだ場合とがありますが、これを仮に1%報酬を上げた場合は、これに800億円を足せばいいとい
う理解でよろしいのでしょうか、それが1点目。
もう一つは、27ページの処遇改善交付金1,600億円が、これは少し上の方の欄外に出ております
が、本来、この1,600億円は職員に対する賃金でありますので、純粋な給付費に入れるべきであっ
て、この公費の50%の四角の中に入れるべきだと私は考えております。この処遇改善交付金は、
助成金やそういうものではなくて、本来交付金に入れるべきですけれども、事務局の見解をお伺
いしたいと思います。
以上でございます。
○山崎部会長 後でまとめてお答えいただくことにしまして、まだ御発言が。勝田委員、お願い
します。
○勝田委員 前回、私どもは家族の会として2012年の介護保険改正についての提言を出させてい
ただきました。その中で、給付と負担の在り方については、基本的な考え方として、高福祉を応
分の負担でという考え方をしております。
先ほども河原委員がおっしゃいましたが、高福祉・高負担か、低福祉・低負担か、中福祉・中
負担かではなくて、高福祉・応分の負担の社会保障制度であること、心にゆとりを持って安心し
て生活することができ、その人にとって過分でも過小でもない国民の負担である、そういう観点
に立って、私どもは、具体的な提言の中でも1割負担を堅持するとしています。なぜならば、軽
度の人を介護保険から外すとか、要支援とか要介護1の利用料を2割負担にするという案が出て
おりますので、私どもとしては、本来ならば、もっと低所得者対策も含めたここを軽減したいの
ですが、現段階では1割負担を堅持したいと思います。
今回の介護保険料1号被保険者の保険料の基準額対象者というのは、世帯のだれかに住民税が
課税されているが、本人は住民税非課税の場合、これが基本になっております。そもそもこれが
おかしいのではないかと思います。やはり私たちは、全体の中では介護保険料だけを払っている
わけではありません。例えば、医療保険の国保であれば平均で14万円ぐらい、今、65歳以上の方
は負担されておりますので、合わせますと、やはり平均で65歳以上の介護保険料が5万円とする
ならば20万円近い負担になります。そして、例えばこの負担割合については、5割から6割と今、
結城委員がおっしゃった公費負担割合を私どもも引き上げるべきだと思います。なぜならば、や
はり医療の場合は、財政が不足分については一般会計から取り入れることができます。ところが、
介護保険は入れることがありません。全体として上がっていけば、そのまま利用料にはね上がる
仕組みになっています。このシステムそのものに、介護給付金の適正化事業ということで給付抑
制せざるを得ないそのものにシステムがなっている、そういうことが考えられます。
それから、私たちは、予防というのは介護給付では行うべきではなく、本来の公衆衛生行政の
一環として行うべきと考えています。また現在、補足給付についても、グループホームなどは適
用されていませんが、本来これは入れた上で、公費で別建てでやるべきだと考えています。
利用者の立場から言いますと、先ほど齊藤(秀)委員もおっしゃいましたが、実際問題、現在
介護サービスを使っているのは50%から55%です。これは、使いたくても使えないという現状が
あります。1割負担を2割負担などというのはとんでもないことです。軽度のときこそしっかり
したケアをするべきだと考えています。
以上です。
○山崎部会長 では、貝塚先生、お願いいたします。
○貝塚委員 私は、前の介護保険部会でしたのですが、あとは私の感想ですが、日本は、社会保
険方式と言いながら国庫負担が随分入っているんですね。ですから私は、厳密に言えば混合方式
だと思うんですね。例えばドイツなんかはほとんど100%保険料で賄っていますね。ですから、日
本の場合、元来が国の税金の部分が相当入っているということですので、やや変則的ではないか、
混合方式ではないかと思います。したがって、その問題が起きるということは、実を言うと厚生
労働省だけでは意思決定できないという部分があるわけですね。一般会計からどれだけ入れるか
という話になって。ですから、成り立ち上、そういうことになってしまったというのが現状でも
そのまま来て、5割負担ということになれば、この5割負担をもって社会保険方式と胸を張って
言えるかと言ったら、言えないというのが私の個人的な。
したがって、そういう問題がもともとあって、これは年金もそうなんですね。年金も国庫から
随分お金が入っておりまして。そうなってくると、今の総理の御発言ではないけれども、消費税
の話とどうしても連動してくるんです。要するに財源がどうしても必要になってくるわけですね。
社会保障の元来の保険の財源以外にどうしても必要になってくる、そういうかなり複雑な構図に
なっているのが現状であって、だから、日本の社会保険というのは、財源的にいくと相当複雑な
形になっていて、それがやはり問題をかなり複雑にしていることは否定できない。これは私の全
く個人的な意見ですが。
○山崎部会長 川合委員、お願いいたします。
○川合委員 今、貝塚先生から明快なお答えといいますか、私が質問しようと思っていたことの
お答えをいただきまして、そもそも介護保険というのであるならば、何割、何割ということ自体
がおかしいのであって、保険であるならば100%保険というのをすべき。その出発点で公費を入れ
ている、そうしたら混合方式でありますから、混合方式の議論をしておられるのであるなら「あ
あ、なるほどな」とは思うのでありますけれども、社会保険としての存続するか、存続しないか
という議論は、そもそも成り立っていないわけでありますから、これは、ここでの議論をもう一
度原点に戻して、我々は混合方式を議論しているんだ、社会保険でないと。でないと、もしも50%
を超えて70%、80%、そこまで行かんでしょうけれども、なるのであるならば、当然のこととし
て、国家公務員か地方公務員か知りませんが、またぞろ裁量行政が始まってしまいます。そうい
う点において、我々は、混合方式で裁量方式をできるだけ少なくしていくんだという議論をして
いただきたいなと思うのが一つ。
もう一つは、そもそも介護職員処遇改善金、これは一昨年、昨年と出したと思いますが、ここ
には「など」という言葉を入れていただいて、現場に、我々に裁量権をいただかないことには、
こういうふうな1万5,000円ということがやはり出てしまうんですね。これは政治のたまものだと
思います。やはり昨年、一昨年の10月30日に時の内閣総理大臣が3%上げるんだと議論されたと
きに、基本的に基本療養費で上がるものだと思っておったのが、全額加算方式、お手当方式で上
がってしまったというところに、原則論で申し訳ないですが、我々の自由裁量権がなくなってし
まいました。そうしたら、また表現がまずいかもわかりませんが、1万5,000円を介護職員だけに
あげなさいということになってくると、当然、現場ではいろいろな職種でふぐあいが生じてきま
す。そこは我々、現場の事業者に御信頼をいただきにくいかもわからないけれども、そこをあえ
て御信頼いただいて、現場に自由裁量権をいただきたい。
そもそも、やはりこれは混合方式ですから、今、貝塚先生からおっしゃっていただいてはっき
りわかりました。混合方式ですから、それは自由裁量権と行政の裁量権、そのせめぎ合いの議論
の場だと思います。その上で保険と称するのであるならば、行政の裁量行政と我々の自由裁量権
をどのように整合性を持っていくのかということで、総論だけを述べさせていただきました。
ちょっと追加で1つ、一番初めに三上先生がおっしゃったように、これは何のための審議会だ
ということです。2年前のことをデジャブー感覚になってしまいます。2年前も介護給付費分科
会で2人が主張いたしましたが、一体どこでどういうリンケージがあるのかと。今日議論すべき
はずのものが土曜日にもう抜かれて報道されている。意識的に抜かれたのか何かわかりませんけ
れども、これをミスリードされるのか、リードされるのか、だれが抜かれたのか、だれが情報を
漏らされたのでしょう。明確に私のところに他の新聞社から来ましたから「先生がリークしたん
ですか」と問い合わせがありました。そういうリーケージする仲間がおるということは私は非常
に悲しい。
以上であります。
○山崎部会長 北村委員、お願いいたします。
○北村委員 私の方から給付と自己負担について、11ページの特定入所者介護サービス費、いわ
ゆる補足給付の件でございますが、前々回、28回、7月30日の資料にもありましたとおり、現状、
特養入所者のうち、第3段階までの市町村民税の非課税の方が約8割、そして老人保健施設につ
いては約5割、療養型については5割という報告がされております。これは御案内のとおり補足
給付ができた経緯の中で、居住費及び食費を保険対象外とした、17年10月の結果でございますが、
当然ながら在宅分野のサービスでも、食費、それから居住費は自己負担となっております。
逆に、このことが、特養入所の待機者に起因しているということはないかという疑問もありま
すが、それよりも是非お願いしたいのは、在宅分野であっても、この補足給付のような必要な低
所得者に対してのカバーを何とかしていただきたいと切に願う次第です。
単純計算しましても、当然、在宅分野では施設入所者の3~4倍量の方がいらっしゃいます。
保険料の計算の試算にもありましたが、そういった中で、この分野に対して補足給付または必要
な補助をするということは、当然必要ではないかと思います。在宅重視、そしてまた在宅推進と
いう方針を一部提唱いただいておりますけれども、是非、在宅分野とのバランスを考えていただ
きたいと要望いたします。逆にこれでアンバランスを生んでいるということもありますので、費
用の、財源の問題は確かにありますが、是非そういったところの補助とか補足給付の方法を検討
すべきだと思っております。
その方法としましては、逆に、9ページにありますような高額介護サービス費の世帯上限1万
5,000円、ここをもう少しずっと下げていくとか、それから、高額医療の合算サービス費、在宅分
野の運用を優遇するとか、そこはなかなか難しいかもしれませんが、そういった方法をとるとい
うこともあると思います。
13ページにグループホームの負担額の部分がありますけれども、このように、東京都と青森県
とこんな格差があります。今の補足給付のような形で全国一律でなくて、当然、地方のバランス
を見てということが必要になってくると思います。そうしますと、当然報酬の話にもなりますが、
地域係数、地域区分の単価に配慮をしつつ、こういったものをどういうふうにバランスをとるか
というところが出てくると思っております。やはり全体の適切な配分ということを考えながら、
先ほど来出ておりますけれども、超高齢社会に向かって、全体的な給付バランスとか全国の地域
バランスをきちんと配慮して、適切に介護保険のサービスを推進すべきだろう、そういった大き
なグランドデザインが常々必要だと思っている次第でございます。
それから、第5期の介護保険料のアップということで、22ページ辺りに当然今後アップと記さ
れております。先ほど5,000円を超えると、細かい数字はなかなか試算しづらいというお話があり
ましたけれども、まだまだ介護職員、それから、介護従事者の給与は、一般的な産業の推計額に
全然届いておりません。以前、5月31日の25回の資料にもありましたけれども、その部分では今、
実際に一般的な産業計の結果と対比しましても100万円ぐらいの年収差があります。それを全部埋
めるというのはなかなか難しいですが、今回の給付金・交付金、それから3%アップ、そうしま
しても9,500円とか1万5,000円、2万4,000円ぐらいと、まだまだ10万円の月差額に届かないとい
うことで、当然そこの部分もカバーしていかなくてはいけないということでございます。
当然ですが、川合委員の指摘がありましたとおり、介護職員でなくて介護従事者全体を考える
ということも必要でございますし、そういった安心して介護保険制度が使えていく、制度が継続
されてというところを、是非考えなければいけないと思っている次第でございます。
以上です。
○山崎部会長 久保田委員、お願いします。
○久保田委員 ありがとうございます。今、いろいろ負担の問題が皆さんから出ておりますけれ
ども、高齢化の進展だとか、それから要介護者の増加や重度化の進行ということで給付費が増加
していくことは、これはもう当然のことでございまして、他方、生産年齢人口が減少していくこ
とを考えますと、やはり国民全体で広く支えるために、私どもは消費税を含むと言っていますけ
れども、消費税を中心とする歳入改革というもので財源を確保して、公費負担を拡充すべきと考
えております。
他方、なかなかこの公費負担というのも非常に難しい問題もありますので、併せてここの給付
の在り方も考えていく必要があると考えております。高齢者すべてが低所得者というわけではな
いこと、あるいは現役世代についても、介護以外にも高齢者医療、年金の負担というのは重くの
しかかっておりまして、このままでは現役世代の意欲や活力がそがれることが懸念されるなか、
高齢者の自己負担のあり方を見直していくことも必要ではないかと思います。また、保険料引き
上げには限界がありますので、社会保険として賄うべき給付サービスを改めて検証して、重度者
への対応など、必要不可欠なサービスに給付を重点化するということも必要ではないかと考えて
おります。
また、税と保険料の役割分担を考慮した上での適正化を進めていくべきということでございま
して、地域支援事業や、補足給付等は、保険の枠組みで賄うのではなくて、税で対応すべきと考
えております。
いずれにしましても、この介護保険部会でいろいろ介護サービスの充実に関する意見が皆様か
ら出されまして、それはそれで十分理解できるところでございますけれども、他方、負担という
面では、これからますますサービスを充実させていくのであれば、さらなる負担増に必ずはね返
ってくるということで、私どもとしては、この介護保険部会の範囲を超えるかもしれませんけれ
ども、税・財政・社会保障を一体的にとらえて、国民が納得して費用負担できる制度設計という
ものが必要ではないかと考えております。
以上です。
○山崎部会長 木間委員、お願いします。
○木間委員 私どもは公費負担を6割に増やすことという要望のほかに、財源に関して次の点も
求めております。介護保険の歳出入をわかりやすく公表し予算の無駄を排除する。消費税率を含
め、税制など財源の在り方を検討する。介護貧乏・介護破産という言葉が生まれている高負担低
福祉の低所得者層へ配慮をという点です。
42ページの給付と負担の在り方に関する論点について4点申し上げます。
まず、補足給付についてです。補足給付は、介護保険外の公費負担とするよう見直しを求めま
す。とりわけ、生活保護者を含む低所得者がユニット型個室を利用できるよう、補足給付の拡大
や家賃助成などの対策を講じることが必要です。
私どもは、公費負担の割合を6割にすることを求めておりますが、ペイアズユーゴー原則のこ
ともありますし、それから、補足給付が介護保険外の公費負担となり、また低所得者層への負担
軽減策が講じられるなら、公費の割合は5割でもよいかということを話し合っておるところです。
2つ目は、保険料についてです。石川委員が以前御発言なさいましたが、低所得者に対する保
険料や利用料の軽減策は、国の責任について講じるべきですが、均等割とか所得割の導入を検討
する前に、応能負担に近づけている自治体の例を検討なさってよろしいのではないかと思います。
ある自治体の場合、第1段階は、月に1,350円であります。第1段階の中も幾つも分かれておりま
して、生活保護を受けていない方の保険料は半額を支給しています。第9段階は、合計所得金額
が1,500万円以上の方ですが、保険料は月9,500円です。この自治体は、第2・第3段階は、介護保
険料個別減額制度もあります。今、私は9段階と言いましたが、それぞれの段階が更に細かく分
かれておりまして16段階制となっており、所得に応じたきめ細かな料率の設定が行われておりま
す。勿論、利用料もきめ細かな軽減策がとられています。
3つ目は、被保険者の範囲についてです。これからは、1号被保険者は増加して、負担割合が
大きくなります。逆に、2号被保険者は次第に減少し、負担割合は小さくなります。被保険者の
範囲の拡大については、再度検討する必要があると思っております。
4つ目は、地域支援事業についてです。デンマークにおいても、介護や治療が必要になる前に、
健康促進、予防を実施しています。ただし、大人も子どもも対象としています。皆様よく御存じ
のように、高齢者がトレーニングセンターにおいて、身体機能の回復や維持のための訓練も行っ
ています。こうしたことは、我が国も既に実施していることです。市民みずから、行政の保護な
どなしに各地で体操などさまざまな取り組みを行っています。介護保険の財源は介護のために使
うべきであって、地域支援事業は介護保険給付の枠組みから外した方がよいと思っております。
以上です。
○山崎部会長 小林委員の代理人の貝谷参考人お願いします。
○小林委員(代理 貝谷参考人) ありがとうございます。私からは2点を申し上げたいと思い
ます。
まず、本日の給付と負担の関係ということでございますし、また介護保険部会での議論という
ことを考えますと、私ども医療保険者の立場からは、制度的に費用を負担しているわけですので、
やはり財政的にある程度安定したといいますか、持続可能な制度の運営を第一に考えていただき
たいと思っております。これは先ほど来出されている議論かと思います。
そういう意味で考えますと、公費の負担割合を上げるという議論もございました。これも当然、
政府全体の議論としては非常に大きな議論かと思います。ただ、この介護保険部会の議論として、
先ほど来説明がございましたペイアズユーゴー原則ということも考えますと、当面、この部会で
の議論としてやはり考えなければいけないのは、限られた財源ということの中で何ができるのか
ということも併せて考えていく必要があるのではないかと思います。
そういう意味で、私どもは選択と集中という考え方、これは医療保険でもそういう原則でぎり
ぎりの制度改正をやっておりますが、介護保険の世界でも保険料の限界ということが議論されて
おりますので、是非そういった考え方を今後の議論の中でも考えていただきたいと思っておりま
す。
特に、前回の議論でもそうですが、重度者の方への対応、特に在宅でも頑張っていらっしゃる
方が相当いらっしゃるという前回の御説明でしたので、そういった方々への対策を考えますと、
今、木間委員からもございましたが、相対的に軽い方々へのサービス、これは日本の介護保険制
度の中では非常にすぐれた点だと評価されておりますが、やはり費用の全体の配分を考えますと、
私どもとしては、重度の方への対応ということに重きを置かざるを得ないのではないかと。限ら
れた全体の財源の中では、そちらの方にシフトしていくべきではないかと考えております。
また、もう一点でありますが、今日の資料の18ページ、地域支援事業というお話がございまし
た。この点で、私どもも医療保険の立場から、18ページの地域支援事業のうちの介護予防事業、
これも大変意義の大きな事業だと思いますが、この中の費用負担をごらんいただきますと、全体
で705億円ございますが、2号保険料として医療保険者が、すなわち現役の人たちが全体として700
億円を超えるうちの3割を負担しているということでございます。地域のいろいろな弾力性とい
いますか実情に応じた運用を行うという制度の趣旨を考えますと、ここの2号保険料ということ
が、本当に今後とも維持できるのかどうかということは、今後検討すべきではないかと考えてお
ります。
以上です。
○山崎部会長 木間委員、お願いいたします。
○木間委員 済みません、私の発言が誤解されてしまいましたので。私どもは、軽度者、要支援、
要介護1を切ってはならないということを主張しており、今言いましたのは、地域支援事業の介
護予防事業のことです。済みません。
○山崎部会長 では、今日は野呂委員の代理の青木参考人お願いいたします。
○野呂委員(代理 青木参考人) それでは、まず、第1号保険料と第2号保険料の在り方につ
いてでございます。
1号保険料につきましては、月額平均5,000円を限界とする意見が多く、三重県内の市町の約7
割がこういった意見であるということからしましても、これ以上の負担の引き上げには慎重な姿
勢で臨む必要があると考えております。
2号保険料につきましては、被保険者の範囲の拡大について十分な理解が進んでいるとは言い
がたいというような状況でございますので、この点につきましては、引き続き議論が必要と考え
ております。
次に、公費負担の割合についてでございます。都道府県負担金につきましては、三重県の場合
を見てみますと、平成21年度実績では年間給付額1,095億円に対しまして年間県負担金は160億円
に上っておりまして、現行のこの県負担率のままで行きましても毎年約10億円程度の増加が見込
まれており、県財政にとりましても大きなウエートを占めております。また、市町村負担金につ
きましても、財政状況の厳しい市町村や財政規模の小さい市町村におきましては、大きな負担と
なっていると聞いております。したがいまして、都道府県や市町村に係ります公費の負担割合の
変更に際しましては、地方公共団体の財政状況も十分に考慮して議論いただく必要があると考え
ております。
なお、国からの調整交付金につきましては、今後、給付費の増加が見込まれる中で、被保険者
が負担いたします保険料の増嵩を抑制するためにも、本来の国庫負担でございます25%を確実に
配分していただいた上で、別枠といたしまして調整交付金を交付していただくというような方法
なども検討していく必要があるのではないかと考えております。
それから、財政安定化基金の見直しの点でございます。
各都道府県に設置しております介護保険財政安定化基金につきましては、都道府県が市町村の
介護保険財政の財源に不足が生じた場合に資金の貸し付けや交付を行うものでございまして、保
険財政の収支のバランスを確保する最終手段といたしまして、制度の安定的な運営のためには、
これは必要なものであると考えてございます。
三重県の場合、平成21年度末の基金保有残高は48億円でございまして、制度が始まりました第
1期及び第2期の計画期間中には、この基金からの貸し付けや交付を行いましたが、幸い第3期、
平成18年度から20年度の間でございますが、貸し付け等の実績はございませんでした。
しかしながら、今後、給付費の伸び等に伴いまして介護保険財政はますます厳しさを増すこと
が予想されますので、基金からの貸し付け等が利用される機会も増えるのではないかと思われま
す。このような場合に備えまして、都道府県や市町村の厳しい財政状況も考慮しつつ、どの程度
の基金の需要を見込み、適正な基金規模としていくのかについて検討していく必要があると考え
てございます。
それから、給付と負担のバランスの点でございます。
軽度者の支援といたしまして、要支援者等の軽度者への介護予防サービス等につきましては、
真に予防的な側面で利用されているのか等々の検討は重要であると考えております。介護保険給
付外とするのであれば、現在支援しているサービスを整理した上で、地域支援事業や一般高齢者
施策の充実につなげる必要があると考えております。要支援者等の軽度者に関しましては、一般
高齢者施策を充実させることで対応ができるのではないかと考えております。制度の持続可能性
の確保から、保険給付につきましては、より介護の必要な方に特化することも必要であると考え
ております。
介護予防事業についてでございますが、生活習慣病予防から一般高齢者施策、それから特定高
齢者施策等の一連の途切れのない支援をすることが、介護予防には必要であると考えております。
より効果的な在り方を検討するとともに、健康づくり分野の施策との連携が重要になると考えて
おります。
それから、補足給付につきましては、介護給付費の一層の増加が見込まれる中、介護保険制度
を維持可能なものとしていくためには、低所得者への配慮は公費負担化することも含め検討して
いくことが必要と考えております。
以上でございます。
○山崎部会長 では、三上委員、お願いいたします。
○三上委員 我が国の介護保険制度が公費と社会保険料の混合型であるというのは、医療保険制
度と同じように非常にうまくいっているというんですか、費用全体を適切に抑えていくのには非
常に有効な形なんだろうと思います。その中で、ペイアズユーゴー原則の中で、歳入と歳出のバ
ランスをとる、財政中立で考えるということは必要だと思いますけれども、私は当然、消費税論
議ということで歳入を増やすような、そういう施策を考えてもらう一方で、我々、今現在ある中
で、本来介護保険の財源を使わなくてもいいようなものに介護保険の費用が使われているのでは
ないかということを洗い出す必要があると。
その一つは、先ほど5%の調整交付金の話がありました。国が25%持つところを20%にしてい
ると。本来100のところが95からスタートするということで、その分はきっちり25%を出してもら
って、別枠として5%やっていただくことが必要ですし、補足給付の問題も先ほどから幾つか出
ておりますが、本来はこれ、食費、居住費は、在宅の方も支払っているので別にしようではない
かということで外に出たと。それを今度、介護保険からまた補足給付として出すということは全
く筋が違うことで、これは介護給付費分科会でも何度も出ておりまして、これはやはりおかしい
のではないか、筋がおかしいではないかということは、皆さん一致した意見だと思います。
それを生活扶助という形になれば、先ほど木間委員が言われたように、個室ユニット型の特養
にも、生活保護の方が、生活扶助としていれば受けることができるので入ることが可能なのでは
ないかと思いますし、その分を介護保険から外すということになりますと、2,000億円ぐらいの予
算が出るということで、それを我々が給付を充実させたいという費用に充てることも可能ではな
いかと思います。
それ以外に財源としては、例えば介護予防事業の中でも、一般高齢者というか、いわゆるポピ
ュレーションアプローチの一次予防事業に関しては、やはり介護保険事業としては少し適切では
ないのではないかと思いますが、額的に小さいので、こちらの方はまた別に考えていただければ
と思います。
以上です。
○山崎部会長 小方委員の代理人の天神参考人、お願いします。
○小方委員(代理 天神参考人) 医療保険者として意見を述べさせていただきたいと思います。
少子高齢社会の急速な進展の中、介護保険を含めて、我が国の社会保障制度を持続可能なもの
としていくためには、財源問題は先送りできない課題であると考えております。
第5期の介護保険料については、自然増に加えて、介護職員の処遇改善交付金の反映とか、あ
るいは緊急基盤整備の影響などにより、大幅な引き上げが必要だという見通しが示されておりま
すが、消費税を含む税制政改革による介護保険財源の手当てができるまでの間、先ほどペイアズ
ユーゴー原則の対象になるというお話がございましたが、介護職員改善交付金については、公費
による継続交付となるような検討をお願いしたいということでございます。
また、財政安定化基金の残額の2,700億円についても、大変厳しい財政状況ということを考える
と、基金としての必要額を十分検証した上で、超過する部分については有効活用を図ることを検
討すべきであると考えております。
それから、第2号被保険者の範囲を40歳未満の若年者へ拡大することにつきましては、単純
に年齢を引き下げるだけでは、実態として介護保険のメリットを全く享受していない方々が、保
険料だけを負担するということとなりまして、近年の経済あるいは雇用の情勢からも若年者の納
得を得ることは難しいのではないかと考えます。これにつきましては、短期間で結論を出せる問
題ではないので、関係者の意見を十分に伺った上で慎重に検討することが必要だと考えます。
以上でございます。
○山崎部会長 桝田委員、お願いします。
○桝田委員 公費負担の割合の50%の問題で、60%にしてください云々という意見はあるんです
けれども、少し、やはり公費の問題という部分をどう考えていくかという議論の中で、今、50%
の公費の中で調整交付金の扱いという部分は、枠外でプラスで出していただくのが一番すっきり
する形になるのではないかと。それで公費の方の50%という分はきちんと出すと。
その中で一つ問題点というのは、いわゆる施設の場合の、トータルの50%は同じなんですけれ
ども、いわゆる都道府県と国との負担割合が施設の場合だけ5%違う問題、それによって今まで
施設が、いわゆる特養等をつくるのを抑制する結果となって、この特養の大きな待機者を生み出
していると。その是正も一つ必要なのではないかと。
先ほどもう一つ、今、三上先生の方からお話がありました補足給付の問題、それから高額介護
サービス費の問題、ここらの部分、やはり利用者負担1割分に対する内容について、それから、
本人負担の食費であったり、居住費の問題を介護保険から出すのはおかしいという一つの理由が
ありますよね。でも、これの部分を、逆に介護保険の制度の中で運用はしていくけれども、費用
面において、公費負担を別枠で出していくという形をつくると、いわゆる保険料50%、公費負担
50%、プラス別枠の考え方を持っていって、ある意味では保険料負担を抑える、上がる分は、自
然増は見なければいけないけれども、それ以外は抑えていくという形にしていく部分と、やはり
利用者負担の1割分というのを堅持していく部分。
それともう一つは、やはり費用の問題がございますので、地域支援事業をどうしていくのかと
いうのも一つの観点、いわゆる財源があればここで入れるけれども、財源がないのであれば考え
直さなければいけないという一つの岐路に今立っているのではないかと。ただ、一つのすっきり
した形にするためには、いわゆる調整交付金、それから補足給付その他の分について別枠の扱い
ができるかどうか、それが一番すっきりするのではないか、そういう意見です。
○山崎部会長 藤原委員の代理の久保参考人お願いいたします。
○藤原委員(代理 久保参考人) 介護保険制度が創設されから10年がたったところです。この
介護保険制度の果たしてきた役割が大変大きいということは、もう皆さん衆目の一致するところ
ですが、この介護保険制度を今後どのように維持・発展させていくのかというまさにこの点が、
大変重要な点かと思うわけです。
今、この介護保険を必要とする高齢者はますます増加してますし、また、そうした高齢者のう
ち、夫婦のみや1人で生活をされるようになっていく方が増えていく、こういう現状を考えたら、
地域社会でいかにこの高齢者を支える体制を整えていくことが重要かというこの視点は、大変重
要であると考えるところです。
将来にわたって、住民一人一人がこの制度を信頼し、納得して保険料を御負担し、また利用も
していく、このような制度にしていくことが重要であると考えています。そうした観点から申し
ますと、高齢者の中には、勿論、裕福な方もいますけれども、相当数の方は、決して生活に余裕
があるというわけではありません。必要な給付の改善を行うことも大事ですけれども、同時に、
少ない年金や貯金を取り崩しつつ生活費を賄っている高齢者も多数いるわけでして、例えば10円、
20円といった金額の保険料を上げていくことをこの住民の方々に説明していく、この負担増の御
理解をいただくという、保険者の苦労がいかに大変であるかということも是非、御理解を賜りた
いと思うところです。
現在、新たな恒久財源の目途が立っているわけではありません。また、昨今の高齢者が直面し
ておる情勢というのは大変厳しいものがあるわけでして、このことを併せ考えれば、給付を単純
に拡大し続けるという議論、だれもそんなこと言っていないとおっしゃるかもわかりませんが、
おのずと一定の制約があってしかるべきだろう、このように考えるところです。
将来に向けて目指すべき介護保険の給付の在り方を議論することは大変重要ですし、それを具
体化させるというその際には、必ず費用を負担する者が相応の納得ができる、そういったものに
しておく必要性があると考えるわけです。幅広の議論をした後といいますか、また今般の見直し
のときの条件のもとで優先して実施すべきことの整理や、優先すべき事項に的を絞るとともに、
これまでの介護給付についても見直すべきところは見直していく、こういう姿勢が必要なのでは
ないでしょうか。そういうことが、結果としてサービスを利用していく者、また費用を負担する
者双方から理解を得やすくなると考えるところです。
最後ですけれども、先ほど来話が出ております調整交付金の問題です。調整交付金5%は、私
どもも別枠でということをかねてからお願いしてきているところです。是非それを検討課題に上
げるとともに、今後の議論としていただきたいと存じます。
以上でございます。
○山崎部会長 木村委員、お願いいたします。
○木村委員 私は、地域支援事業について少し話をしたいと思います。
18ページの左上の図をごらんいただきたいと思いますが、給付の伸びということで、この第5
期のところにはなかなか効果が見えないと思いますが、中長期的なことを考えますと、先ほど来
評判の悪い地域支援事業の話で、私は逆でして、この左上の図で、非該当者が現在、65歳以上の
方の85%いるわけですね。右の要支援者と要介護者は、65歳以上の15%がそれぞれ要介護認定を
受けて給付サービスを受けているということであります。1回でも1カ月でも長く非該当者にい
ることが非常に大事だと思います。
そこで、4年前にこの地域支援事業を始めたわけですけれども、ここで何度も出てきている地
域包括支援センターが、本当の意味の機能を果たしていなかったということで効果が見えなかっ
たということもあるかもしれませんが、しっかりやっていた市町村があるんだと思います。です
から、地域支援事業の効果というか、そういうことを次回でも出していただきたいと思います。
それから、この地域支援事業にもっと力を入れるべく、政令で多分定められていると思います
が、この右側の図に上限3.0%とありますけれども、これを5%とか、もっと伸ばしてやって、柔
軟な財源運用が必要です。繰り返しますけれども、予防給付、それから介護給付の方に行かない
形にすることも非常に大事だと思います。
また、4年前、記憶にありますが、この当時、市町村に財源がなく、こういう一次予防とか二
次予防の事業ができないというようなことがあり、保険料を入れて、また公費も入れてこういう
組み立てをしたという経緯があったと思います。ですから、地域支援事業の充実を図って、給付
の伸びを抑えていくことを今もしっかりやっていかなければいけないんだと思います。
当然、重度者の方のサポートはしなければいけませんが、介護保険が長く続くためには、その
水際作戦を本当の意味できっちりここで決めてやっていただきたいと思います。
以上です。
○山崎部会長 葛原委員、お願いいたします。
○葛原委員 私は2点お話しさせていただきます。一つは、36ページの下の段に、介護保険制度
の普遍化を図る考え方というところにございますけれども、介護の給付をだれにするかというこ
とで、現在65歳以上の方になっているわけですが、特定の16疾患に関しては40歳以上でも受けら
れる。これは加齢性の病気ということで脳血管障害とか、あるいは認知症というのが入っている
わけですが、これは介護保険ができるときにどれだけ強く主張したかによって決まっていること
であって、そんなに大した理由があるわけではないと、経緯から言うとそういうことだと思うん
ですね。ですから、私は当然、保険料を40歳以上の方は払っているわけですから、65歳という形
に限定する、あるいは特定の病気でなければ介護保険を受けられないというのではなくて、病気
の種類ではなくて、障害があるかどうかということで介護保険の給付の対象にするべきであるの
で、この年齢制限と病気の種類の制限というのは外して、40歳以上全体の方にこれは給付すべき
だと思います。これが第1点です。
もう一つは、在宅の方と、それから施設利用の方というのが時々話題になっておりますけれど
も、ある神経難病でレスピレーターをつけた方の費用の調査があるんですが、施設に入ると100
万円近く全体ではかかるんですが、自己負担はゼロなんですね。ところが、在宅でやると70万円
ぐらいで済んでいるのに自己負担が7万5,000円ぐらいあるということで、在宅の方が安いにもか
かわらず非常に自己負担が増える、施設に入ればとってもお金がかかるけれども自己負担はない。
こういうことが続けば、絶対在宅介護は進まないと思いますから、在宅の方をもう少し手厚くす
るような措置を考えるべきだと思います。
その2点です。以上です。
○山崎部会長 齊藤(正)委員、お願いします。
○齊藤(正)委員 まず、地域支援事業のことですが、木村委員からもお話がありましたが、ち
ょっと視点が違うんですが、有効な事業なのかどうか、そこのところを評価するのには、まだ少
し早いのではないか。まだできたばかりというか、そんなに年数もたっていないので、しっかり
した地域支援事業自身の評価がまだ決定されていない段階で、何かまたころころ変わるのは不満
ですし、その理由というのは、地域リハビリテーション支援体制整備検討事業でしたか、それが
何年か前に行われて、各都道府県に予算が与えられ、そういう体制を整備していくことになった
のが5年ほどでしょうか。それで、予算がなくなり、結果的に今どうなっているのかというと、
全くそういう活動のない都道府県もあったり、一生懸命やっているところは、ほぼ手弁当でやっ
ている。そういう状況になって、その真っただ中に自分がいるものですから、非常に苦労してい
るというか、そういうことがまた、介護保険の中で賄うかどうかという議論よりも、地域支援事
業というものをもう少しじっくりやっていきながら、それで初めて評価していくべきことなので、
地域支援事業が同じような轍を踏んでしまうのが不安だというか心配というのが1点です。です
から、地域支援事業は、これからも一生懸命やっていくべきではないかと思います。
もう一つ、交付金のことに関しては、結城委員が言われる時限的公費みたいな、そういう形と
いうのは、私は経営者ですから、経営者の立場から言うと、さっき川合委員も言っていらっしゃ
いましたが、非常に不安な状況で、つくか消えるかわからないお金というのが一番不安です。な
おかつ、今、私の立場で言えば、診療報酬と介護報酬は、ほぼ毎年改定がありますので、3年先
がどうなるかわからないような状況で、でもスタッフには少しでも処遇がよくなってもらうよう
にということを考えていくと、もうとても夢というか未来が見られない状況になりますから、こ
ういう部分だけでもしっかり恒久化していただくことを私は望んでいます。
以上です。
○山崎部会長 木村委員、お願いいたします。
○木村委員 私が言葉足らずだったと思いますが、全国の地域支援事業全体の評価をしてほしい
と言ったのではなくて、うまくいっているところのデータを出してほしいということを言いまし
たので、よろしくお願いします。
○山崎部会長 では、土居委員、お願いいたします。
○土居委員 配付資料として介護保険の財源確保についてという資料を出させていただきました。
これに沿いまして私見を述べさせていただきたいと思います。
先ほど事務局から資料で、28ページに財政運営戦略という閣議決定、これは民主党を中心とし
た連立内閣で閣議決定という非常に重い決定がなされ、特に今後3年間にわたって基礎的財政収
支対象経費と呼ばれるものの歳出の枠を、71兆円でその枠をはめるという決定をなさったという
ことであります。ちなみに、基礎的財政収支対象経費は、3ページにも図解をしておりますけれ
ども、その中に当然ながら社会保障関係費が入っております。
それで、事務局も先ほどペイアズユーゴー原則というものも、これがあることを踏まえるとい
うお話でありまして、この中で介護給付の拡充をどうやって図っていくのかという方程式をこの
部会では解くということが求められているのだと私は思っております。
4ページに移りまして、もしこの財政運営戦略で書かれていることを無視するとどうなるかと
いうことであります。私が知っている限りで、予算編成過程における国会の先例を見ますと、国
費増の財源が確保できないで国費増の法案を提出する場合には、予算案と同一の国会で提出する
必要があるということになっているようであります。つまり今この部会でなされている議論は、
平成24年度からの国費増を伴うかもしれない話を、平成23年の通常国会で改正法案を出すべく議
論をしているということでありますが、もし財源が確保できなければ、平成23年の通常国会に、
その我々が予定している改正法案が出せないかもしれない、そういう可能性があることを指摘し
ておきたいと思います。
そういう意味では、勿論ペイアズユーゴー原則というものもありますけれども、私が知る限り
においては、国会の先例に従えば、国費増になってしまうような取り組みが明記された介護保険
法改正法案を来年の通常国会に出そうとすると、それはひょっとすると野党から、国費増なのに
財源がないというのでは、これは審議に応じられないと審議拒否に遭うかもしれないとか、そう
いう懸念があるということであります。
現に、今年の通常国会において厚生労働省が提出するということに予定していた求職者支援制
度の恒久化については、結局、国費増を伴うということになりまして、予算案よりも先行して今
年の国会に出す予定でありましたけれども、断念せざるを得なかったという経緯があることは踏
まえるべきことだと思います。そういう意味では、いかに国費で財政中立とするかということを
きちんと考えて議論を組み立てていかなければ、せっかく給付の拡充を図ろうとしても、なかな
かそれは具体化しにくい問題になってしまうのではないかと考えております。
そういう意味で言いますと、自然増分を除いて政策増分だけの話として、給付増を今の負担割
合で負担増を求めるということも、これは、国費が純粋に増えるという意味ではペイアズユーゴ
ー原則に反することになりますし、国費割合を引き上げることをこの第5期から取り組もうとす
ると、当然、国費の負担増ということになりますから、これもペイアズユーゴー原則が満たされ
ない、ないしは、もし国会で改正法案を出そうとすると、予算案と同一、つまり平成24年の通常
国会で出さなければいけないというようなことになってしまうおそれがありますし、更には、保
険料を抑制するべく国庫負担をするというようなことになっても、これもまた同様のことになり
ます。
そういう意味で言いますと、4番目の給付増と、また別途、いわゆる給付のめり張りをつける
といいましょうか、ある部分の給付を削減するというようなことで、結局は給付費は中立にする
ということだと、これはできると言えばできますが、これはどうもここの部会での議論としては
そういう方向ではなさそうだと。
5番目のシナリオとしては、保険料を軽減するために支出している国庫負担を削減するという
ことであれば、別途国費増をするということであれば、それは財源が賄えれば提出可能になると。
つまり平成23年の通常国会に改正法案が提出できるということになりますし、その4番目と5番
目の折衷みたいなものですけれども、確かに給付のところでもめり張りづけを若干しながらも、
国費の負担を抑制していくということであれば、国費の財政中立が実現するという意味では、平
成23年の通常国会で給付の拡充を図った改正法案が提出できるというようなところになってくる
のではないかと思っております。
6ページ以下、私が重要だと思う論点を記させていただいておりますが、今、6ページで申し
上げたところは、口頭で申し上げたとおりでありまして、平成23年の通常国会に改正法を出すと
いうことを考えるならば、国費増をいかにうまく抑制して中立を図るかということが求められる
わけでありまして、そういう現状、今の政権の財政運営のスタンスを考えれば、国費割合を引き
上げることは、逆に給付の拡充のための改正法案が出せないかもしれない。そういう意味では、
今、国費の負担増を考えるべき時期ではないのではないかと思います。
更に、次の7ページですけれども、国費としてその財源をいかに確保するか、つまり国費増を
純増にならないようにするためには、保険料軽減のための国庫負担の抑制ということが一つ考え
られるかもしれません。例としては、例えば介護納付金の総報酬割を導入する。金額にいたしま
すと1,100億円の財源がそこで捻出でき、ほかの給付拡充などに充てることも可能になってくると
いうことかと思います。
次に、8ページですけれども、そうすると国費を抑制することになりますから、当然、保険料
の増収も図らなければならないということはあるかと思います。既に事務局からも、36ページで
説明された同じ中間報告ですけれども、その中でも、介護保険制度の普遍化を図るということが
一つのポイントになってくるかと思います。
それから、各委員からのお話の中でもありましたけれども、第1号被保険者の保険料に関して
は、今、平均基準額で5,000円になるかもしれない。そういうことはなかなか考えにくいというや
の話もありましたが、私が思うのは、平均は確かにそうかもしれないけれども、もっとより高所
得の方々から保険料を取る、つまり低所得の方の1号被保険者の保険料は余り引き上げないけれ
ども、第5段階、第6段階で全被保険者の38%もいらっしゃるわけですから、そのあたりの所得
の方々の被保険者の保険料を引き上げるという形で、平均は確かに5,000円を超えるかもしれない
けれども、そういう負担能力に着目した負担の求め方もできるかもしれません。それから、資産
割も選択的に導入すると。国保では既に導入されておりますけれども、そういうものも検討する
必要があるのではないか。
保険料でなくて公費で負担割合を増やすことになりますと、公費というのは、税金で負担して
いるということでありますから、税金というのは、例えば所得税に関して言えば、公的年金と控
除があって、残念ながら高齢者の方には所得税は余り御負担いただいていないという現状を踏ま
えれば、事実上、税金で負担を求めることは、勤労者に対して負担を求めることになるというこ
とは十分に踏まえるべきでありまして、公費で負担させれば保険料が軽くなってよしという単純
な話ではなくて、そうすれば、むしろ世代間の格差を助長することになるかもしれないという点
は含んでおくべきだと思います。
9ページには、給付範囲の見直しというのを、これは併せて必要になってこようかと思います。
特に要介護1から2、それから要支援の方々を対象としている生活援助に関しては、見直しの対
象とすることはあり得るのではないかと思っております。
今、私が申し上げたことは、各委員の皆様にお怒りを買うようなことをあえて申し上げたこと
になるかもしれません。しかし、給付の拡充のために負担増から利己的に逃げていれば、給付拡
充すら実現できないかもしれない、そういうことを考えますと、やはりあえて申し上げさせてい
ただくしかないかなと思った次第であります。
以上です。
○山崎部会長 川合委員、簡潔にお願いいたします。
○川合委員 今の土居先生にちょっと教えていただきたいんですけれども、後段でおっしゃった、
5・6段階の方々から選択的により多く負担していただくということは、技術的に、あるいは政
策・政治的に可能なことなんですか。
○土居委員 少なくとも私は、つまり、例えばこの事務局の資料で4ページに示されているわけ
ですけれども、こうしたところでもう少し倍率を高めるとか、保険料負担をもう少ししていただ
くことは、基本的には可能ではないかと思っています。ただ、勿論、政治的に、当然保険者の方々、
つまり市町村が、現にお住まいになっておられる方に直面して負担増をお願いするということを
言わなければいけないのは、私ではなくてむしろ市町村の方々なので、私ができると言ったから
といって直ちにできるかどうかというのは、それは当然ながら、できればそういう方向で御検討
をお願いしたいというところまでが私が申し上げられる範囲かと思います。
○山崎部会長 ありがとうございます。
岩村委員、お願いします。
○岩村委員 私も基本的には土居委員のおっしゃったことに大体同じ意見であります。何点かご
く簡単に申し上げたいと思います。
社会保険の意味について、先ほど貝塚委員がおっしゃいました。私も、混合方式と言うかどう
かはともかくとして、日本の社会保険というのは、とりわけ国民健康保険、国民年金、それから
介護保険がそうですけれども、国庫の負担あるいは公費負担が大きく入っているというのが非常
に特色で、ある意味で日本的な社会保険だとは思っています。ただ、制度のつくりとしては、公
費負担が入ってはいますけれども、やはり社会保険という枠から外れていないので、そこのとこ
ろははっきり確認しておく必要があると思います。
それとの関係で、まことにこれも言いづらいことなんですが、保険という仕組みを転用してい
ること等に由来するんですけれども、保険料というのは、基本的には、やはりこれは掛け捨てな
んですね。ややもすると我が国の場合、どうも保険と言った場合に、皆さん満期返戻金がついて
いる生命保険を思い浮かべられるんですが、そうではないんですね。やはり保険というのは、基
本的には、発生しないかもしれないけれども、発生するかもしれないというリスクのために保険
料を払うので、結局リスクが発生しなければ、掛けたお金は戻ってこないというもので、それが
制度の基本にあるということは、是非、御理解をいただきたいと思います。
もう一つは、やはりそういう意味で、社会保険というのは、保険料を払っていただくことによ
って制度が成り立っているので、是非、勿論、皆さん一生懸命保険料を払いましょうねという方
向で議論をしていただきたいと思っております。
それから、公費負担ですけれども、確かに50%から60%に上げるということは、上げたときに
は一見すると保険料が下がるというか、下がることはないにしても、保険料が抑えられるように
見えますが、その後には、やはり給付の支出が増えていけば、結局保険料の負担増というのは抑
えられないんですね。結局のところ公費負担を上げたとしても、ただ単に保険料の上昇のスピー
ドが遅くなるだけの話です。ですから、公費負担増というのは、やはり根本的な問題の解決には
ならないというように思います。そういう意味では、給付の部分についての一定の見直しという
のは、どうしても避けられないと私は思っています。
生活援助の話が出ていますが、生活援助は私も必要な場合が、特に軽度者であってもあるとは
思います。ただ、現状の生活援助がそのままでいいかどうかというのは、これはまた別の問題で、
やはりできれば必要な範囲を絞り込んだ上でやるとか、何かの形での議論というのが必要ではな
いかと思います。
それから、補足給付も、やはりこれはどうしても、さっきの説明から言うと保険には非常に入
りにくいので、私は、介護保険からは外して別の枠組みでやることとし、その上で、預貯金なり
資産なりも考慮した上で受給対象者を決めるというふうにやる方がいいとは思っています。ただ、
実際には額を見ると、どうも余り費用の節減にはならないかなという気はいたします。
あと2~3点ですが、先ほど土居委員も触れられましたけれども、介護納付金についての保険
者間での負担のあり方のところは、特に被用者保険については、やはり総報酬制というのを考え
るべきだと思っています。国民健康保険についてもそうですし、それから高齢者の医療制度につ
いても総報酬制という方向で動いています。今のままの人数割でやりますと、特に協会健保と、
それから健康保険組合との間での格差が非常に大き過ぎて、言わば負担の差が大き過ぎるという
点で問題が大きいと思っています。
それから、もう一点、公費負担についてですが、公費負担というのはもう一つ問題があって、
これは、毎年常に財政当局と折衝が必要になる。したがって、毎年、財政当局の方から給付を何
とかせよということを言われるというもう一つの問題があって、その意味で、毎年、厚生労働省
の方がいつも苦労されることになる。そういう意味では、公費に大きく頼るというのは、それだ
け財政当局の圧力が強くなることでもあり、その点も制度の設計においては考えるべきだと思っ
ています。
最後ですが、処遇改善交付金ですけれども、私自身は、勿論、介護に携わる労働者の方々の処
遇の改善は必要だと思いますが、現在の処遇改善交付金のような形で、国が直接介入して何らか
の一定の額を引き上げろというような形での政策をするのは好ましくないと思っています。そう
いう意味では、もしこの交付金のような額を残すのであれば、それは純粋に給付金に繰り込む方
がより妥当だろうと思います。国が一定の形で関与してしまうと、やはりどうしても労働市場に
ひずみが生じるので、それは好ましくないと思います。
やるとすれば、これも日本では非常に難しいのですが、例えば連合でもいいんですけれども、
労働組合の代表と介護保険関係の事業者の各種団体との間で話し合いをしてもらって、スキーム
の枠組みをつくり、そして、それに乗っかる事業者に対して、国なり何なりが一定の交付金を出
すとか、何かそういう仕組みにして、国が直接的に労働条件をどうするかというところに関与し
ないような形の仕組みにする方がよりいいのではないかというようには思います。ただ、なかな
か日本の労使関係の枠組みでは、それは難しいだろうと思っています。
長くなりましたけれども、以上です。
○山崎部会長 一通り御意見をいただいたと思います。一部質問がありました、結城委員からの
質問がありましたけれども、あと、川合委員から新聞報道について、これはよろしいですね。
あと、そのほか、土居委員は、来年の法案を出すことについて、いろいろ条件があるのではな
いかというようなことだったのですが、ちょっと私も、それについては事務局の回答をいただき
たいと思います。
以上です。
○古川介護保険計画課長 まず、結城委員からいただきました御質問は、処遇改善交付金を乗せ
た場合の差額分は介護報酬ではどのくらいかということですが、24年度の介護給付費を8兆円だ
とすれば、その1%は800億円ということになるわけですけれども、この差額分は0.2兆円と示し
ていますが、丸めてありますので、この約0.2兆円を800億円で割るということになると、介護報
酬は単純に計算すれば2%台ということになると思います。
それから、もう一点、処遇改善交付金を介護給付と一体のものとして取り扱うべきだという御
指摘でしたけれども、処遇改善交付金は補正予算において計上した時限の施策であるということ
ですので、介護報酬本体とは性格を異にするものと思っております。このため、それを本体に組
み込むということには単純にはならないだろうと思っております。
それから、法案の関係でございますけれども、これは、なかなか事務方が明確に申し上げるの
は難しいところですが、例えばいろいろな施行のための準備が1年以上かかるということもあり
ますので、法案を23年の通常国会に提出すること自体は、すべてが24年度から動き出すとしても、
それは論理的にはあり得ることだろうと思っております。ただし、土居委員おっしゃったとおり、
そのような給付増を含む内容であるとすれば財政当局も含めてなるほどと思っていただくには、
相当な理由が必要となることは間違いないと思っております。
○山崎部会長 そのほか、各委員からいただいた御意見について、事務局から補足することはご
ざいますか。
○古川介護保険計画課長 多くの御意見をちょうだいいたしました。介護職員の処遇改善につい
ては、恒久化をせよという御指摘もございました。この点については、長妻大臣も、この処遇改
善交付金の制度が終わったとしても、処遇改善を続けていくことは重要だということは再三申し
ているところです。ただ、それを具体的にどのような手法で行うかというのは、これから23年度
末までに考えるということであり、まだ結論は出ていないという状況だろうと思います。
それから、公費負担を増やして財政基盤を強化せよというお話ですけれども、確かに公費負担
のアップには良い点もありますが、同時に、先ほど土居委員、岩村委員などからも御指摘があり
ましたとおり、考慮すべき点もいろいろあろうかと思います。また、その公費負担自体は、まさ
に閣議決定されたペイアズユーゴー原則との見合いがありますので今の時点では難しいと申し上
げざるを得ないと思っております。
それから、被保険者範囲の拡大につきましては、これもいろいろな御意見がございましたけれ
ども、申し上げたとおりの両論があり、直ちに結論が出るという問題ではないと思っており、今
後引き続き検討すべき課題であろうと思っております。
保険料方式の見直しも、先ほど資料説明の際に申し上げたさまざまなプラス面、マイナス面あ
る中で、どのように考えるかということであり、直ちに結論が出るような問題ではないのではな
いかと思っているところであります。
補足給付につきまして、外枠化、それからグループホームを対象にせよという御指摘も頂きま
した。補足給付につきましても意見が分かれているところでございまして、仮に補足給付を外枠
化するということになりますと、単純に今、2,400億円ほどの給付が行われておりますので、その
半分の1,200億円が保険給付、これを公費で賄うことになります。これもまた新たな施策というこ
とになりますので、ペイアズユーゴー原則ばかり申しておりますけれども、その関係で直ちには
難しいのかなと思っているところです。
また、グループホームを対象にするということに関しては、施設のみならず住まいまで、低所
得者の方の生活を支援するために給付対象を広げるという話になりますので、ここはより大きな
議論をしていただかざるを得ない話だと思います。
調整交付金の別枠の話は、国費25%とは完全に別にするという話でございますので、これもに
わかには難しいと思っております。
担当としては非常にお答えするのが難しいというか悩ましいことばかりですが、現実的に今す
ぐできる、次期改正において確実に対応できる話というのは、今の時点ではなかなかないという
ことは正直に申し上げさせていただきます。
以上でございます。
○山崎部会長 どうもありがとうございました。
ほぼ御意見をいただきましたが、どうしてもという方。結城委員、お願いいたします。
○結城委員 ありがとうございます。1点、介護保険の公費の議論をしたいのですが、確かに従
来の社会保険では、公費に依存してしまうと、財政当局の非常に大きな影響力があるというのは
通説で言われているのですが、私が今、仮説としてちょっと研究しているのは、介護保険の場合
は、果たして本当にそれが言えるのかどうか。実は、介護保険の場合は、市町村で決めて、しか
も、国保と違って純粋に一般財源を投入できないので、介護保険料は安いということが、実は介
護サービスがいいというインセンティブも、地域の政治力のところで働く可能性があって、給付
費を上げるとなると、住民との政治というところが働いてしまうと私は考えます。
多分、ですから昨今、5,000円が超えられないとか、いろいろ議論が出ているので、その点も加
味して、本当に介護保険というほかに比べると市町村単位でやって、しかも一般財源がなかなか
できないという面も加味すると、本当に保険制度をどんどんやっていって、確かに財政当局の抑
制は動かないんだけれども、今度は、地域住民という面でどういうインセンティブが働くかとい
うことは、僕は、やはり考えていかなければいけないかと思います。
以上でございます。
○山崎部会長 そのほか。田中委員、お願いいたします。
○田中委員 先ほど給付範囲の見直しということで、資料にもありますし、また、先ほど土居委
員の方からもお話があったのですが、別途給付減ということならばということで、例示として生
活援助についてお話がありました。そういう意味では生活援助のあり方がまな板の上に上がって
いるのかなと思っていますが、一律に生活援助だけを切り離して考える、給付減の対象見直しと
いう形でするのはいかがかと思います。
自立支援あるいは尊厳の保持、そしてまた、何よりも介護予防という観点からも、むしろ生活
援助というものは大変重要なサービスです。むしろ考えるならば、訪問介護サービスの在り方を
そもそも検討すべきではないでしょうか。現行の時間単位のサービス提供のあり方が、そもそも
現在の利用者の方々の自立にとって本当にそれが寄与しているかという観点から見直しをすべき
ではないでしょうか。
また、ケアマネージメントの在り方についても議論すべきであって、給付範囲の見直しという
ことで軽度者の生活援助の切り離しといった議論をすべきではないと思います。
○山崎部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局の方から。
○古川介護保険計画課長 補足をさせていただきます。
先ほど、厳しいと申し上げましたけれども、あくまでこれは現状の所与の条件のもとで事務的
に考えると難しい要素が多いということを申し上げているのでありまして、さまざまな御議論あ
るいはいろいろな情勢の変化によっては、あり得るということは申し上げさせていただきたいと
思います。
○山崎部会長 簡潔に。
○勝田委員 追加で。2012年は医療と介護の同時改定になりますが、やはり介護保険の中に、医
療であるべきものが結構入っているのではないか。その見直しをどこでやるのか。私たちの論議
の中には余り入っていないと思いますが、そのことについて事務方はどのようにお考えなんでし
ょうか。
○山崎部会長 お願いします。
○大澤総務課長 勿論、医療と介護の連携について、介護側からこうすべきだ、どうすべきだと
いう御意見がもしあれば、この介護保険部会で御議論いただければよろしいかと思いますし、逆
に医療サイドからの何がしかの問題提起もあるでしょうし、この介護保険部会でもし必要があれ
ば御議論いただければよろしいかと思いますが。
○山崎部会長 それでは、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。
次回は「保険者が果たすべき役割について」、事務局に資料を御用意いただき、議論したいと思
います。
このほか、事務局から何かございますでしょうか。
○大澤総務課長 本日はどうもありがとうございました。
次回は来週の金曜日になりますが、9月17日の朝9時から、飯田橋のホテルメトロポリタンエ
ドモントで開催する予定でございます。なお、文書で御意見を提出していただく場合には、これ
までと同様、事前に事務局まで御登録をお願いいたします。
以上です。
○山崎部会長 それでは、本日の部会をこれで終了いたします。どうもありがとうございました。
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