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2010年7月27日 薬事分科会審議参加規程評価委員会議事録

医薬食品局

○日時

平成22年7月27日(火)14:00~


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

(委員:五十音順、敬省略)(6名)

神 山 美 智 子、  桐 野 高 明、  杉 浦 幸 雄、

花 井 十 伍、 ◎樋 口 範 雄、  日 比 野 守 男

 (注) ◎座長

(行政機関出席者)

高 井 康 行、 (医薬食品局長)

熊 本 宣 晴、 (総務課長)

成 田 昌 稔、 (審査管理課長)

○議事

○総務課長補佐 傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、既に御案内
しております注意事項をお守りいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 
 また、本日はクールビズということで、事務局は軽装で失礼させていただいております。
上着をお召しになられている方も適宜お脱ぎいただくなど御対応ください。
 ただ今から平成22年度第1回「薬事分科会審議参加規程評価委員会」を開催いたしま
す。本日、先生方におかれましては、御多忙のところ、また、大変お暑い中御出席いただ
きまして誠にありがとうございます。今回この会議といたしましては、初回になりますの
で、まず始めに、高井医薬食品局長からごあいさつを申し上げます。
○医薬食品局長 医薬食品局長の高井でございます。先生方には日ごろから大変お世話に
なっております。お礼を申し上げます。さらに今回、この薬事分科会審議参加規程評価委
員会を開催することで、構成員をお引き受けいただきましたことに、厚く御礼を申し上げ
る次第でございます。先生方に申し上げるまでもなく、平成20年、薬事分科会の申し合
わせである審議参加に関する遵守事項について、必要な改善方策を検討するための委員会
の構成員として、何度も御議論をいただいたことを感謝しております。
 平成20年12月に報告書を取りまとめていただきまして、その内容を踏まえて薬事分科
会におきまして、審議参加規程が整備されて、平成21年1月から分科会及び各部会にお
いて運用されてきているところです。その審議参加規定第19条におきまして、薬事分科
会から独立し、委員の過半数が外部有識者等で構成される評価委員会を設置し、少なくと
も年1回、特例的な取扱いを含めた運用状況の評価及び必要な改善方策の検討を継続的に
行うこととされておりますので、本委員会を開催することといたしたところです。
 申すまでもなく、国の行政機関である審議会については、中立性・公平性が求められて
おりますので、これを確保するための適切なルールが必要であることは、言うまでもない
ところでございます。本日は、幅広い観点から忌憚のない御意見、御議論をお願いしたい
と思っております。よろしくお願いいたします。
○総務課長補佐 続きまして、本日第1回目の会議でございますので、事務局より御出席
の委員の方々を御紹介させていただきます。神山美智子委員でございます。桐野高明委員
でございます。杉浦幸雄委員でございます。花井十伍委員でございます。日比野守男委員
でございます。樋口範雄委員でございます。
 引き続き事務局の紹介をさせていただこうと存じます。先ほどごあいさつを申し上げた
医薬食品局長の高井でございます。大臣官房審議官の岸田でございますが、本日、急な所
用のため欠席させていただいております。御容赦いただければと存じます。医薬食品局総
務課長の熊本でございます。同じく審査管理課長の成田でございます。薬事企画官の山本
ですが、少し遅れてまいります。申し訳ございません。総務課長補佐の近藤でございます。
私、同じく総務課長補佐の高江でございます。以上よろしくお願い申し上げます。
 まず最初に資料の確認をさせていただきます。お手元に資料を配付させていただいてお
ります。まず、座席表がありまして、次に評価委員会の議事次第があります。議事次第の
下段に資料NO.1、NO.2、NO.3、参考資料としましてNO.1、NO.2、NO.3、それぞれ
三つずつございます。まず資料ですが、資料NO.1が「薬事分科会審議参加規程評価委員
会開催要項」、資料NO.2が本委員会の「構成員名簿」、資料NO.3が「医薬品第一部会
及び医薬品第二部会等における審議参加の状況について」です。以上が資料です。
 参考資料ですが、参考資料NO.1-1として、「薬事分科会審議参加規程」の概要。参考
資料NO.1-2として、「薬事分科会審議参加規程」、参考資料NO.2として、「審議参加
に関する確認事項」。参考資料NO.3として、「審議参加に関する遵守事項の検証・検討
委員会報告書」。資料につきましては以上です。何か過不足等があれば挙手をいただけれ
ばと存じます。
 まず議事に入ります前に、座長の選出をお願いしたいと存じます。資料NO.1ですが、
本評価委員会の開催要項ですが、3の「構成」におきまして、委員会は、構成員のうち1
人を座長として選出するとございます。どなたか委員から御推薦があれば、そのようにさ
せていただければと存じますが、どなたか御推薦いただけないでしょうか。
○神山委員 樋口委員にやっていただければと思います。
○総務課長補佐 今、神山委員から樋口先生を推挙する旨の御発言がございましたが、い
かがでしょうか。
 ありがとうございます。それでは樋口委員に座長をお願いしたいと思いますので、お手
数ですけれども座長席までお越しいただければと思います。この後の議事進行は、樋口座
長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○樋口座長 それでは、私が座長という形でこの会議を進めさせていただきたいと思いま
す。前もそうだったかもしれませんが、何があるか分らないということもありますので、
代理の方をお願いしておきたいと思います。新たに発足した会なので、以前のこととは関
係ないかもしれませんが、花井委員に座長代理をお願いしたいと思いますが、よろしいで
しょうか。 
 以前との継続性は本当はないのですね。ただ、今日の資料の最後の所に付いている報告
書を作ったときの委員会の委員が、たまたま、今回集まっていただいた委員と重なってお
りまして、参考資料NO.3の報告書は、平成20年12月15日付けですが、この8ページ
目の所に、この報告書で薬事分科会への提言として、この問題の評価・検討を継続的にや
っていかないといけないのではないだろうかということを提言もし、それでこういう評価
委員会ができているのだと思います。
 実際にこの評価委員会として、一体何が課題になるか。アジェンダという言葉が最近の
流行言葉の一つでもありますが、アジェンダとしては、一応この利益相反の問題について、
薬事分科会審議に関する利益相反についての一定のルールを作り上げてやっているわけ
ですから、それがどのような形で運用され、実際にやってみるとどういう問題点が出てき
ているか、いないのかという継続的な評価と、それに基づいて何か我々でもさらに提案を
するとか、提言するというようなことがあれば、それもまた考えていきたいということが、
我々の二つのアジェンダだと思っております。
 そこで、審議参加規程の運用がなされているわけですけれども、その報告をまず今日は
いただいてということになると思いますが、この段階で事務局の方から、これは我々の利
益相反の話もあるからということですね。よろしくお願いいたします。 
○総務課長補佐 今回この委員会自体は、薬事分科会から独立しているという位置付けで
ございますので、本来この薬事分科会審議参加規程そのものを、この委員会の対象ではな
いということですが、李下に冠を正さずということで、今回、各委員から製薬企業等から
の過去3年度における寄附金等の受取状況について、お伺いしておりますので、その内容
について、御報告をさせていただきたいと思います。
 樋口座長から受取実績があるとの御報告をいただいておりますが、本委員会の議題につ
きましては、これも審議参加規程の準用ですが、個別の医薬品等の承認審査や安全対策に
係る審議ではないということから、受領の有無にかかわらず、すべての委員が審議及び議
決に参加できるということを、冒頭に御報告させていただきます。なお、この結果、いた
だいた申告書の内容につきましては、ほかの部会や分科会の取扱いと同様に、速やかに厚
生労働省のホームページに掲載させていただこうと考えております。以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。それでは報告書をまとめて、そんなに時日は経っ
ていないような気もしますが、その間もいろいろなことが委員の方々にもあったと思いま
すので、議事に入る前というのか、実際に議事に入ってからということでもあると思いま
すが、この資料を含めて今までの経緯、それから先ほど簡単に私が「二つのアジェンダ」
ということを申しましたが、それを確認する意味でもまず事務局から説明を伺いたいと思
います。よろしくお願いいたします。
○総務課長補佐 それでは報告書をおまとめいただいてから、1年半程度時間が経ってお
りますので、釈迦に説法ではございますが、審議参加規程が定められるまでの経緯につい
て、簡単に御説明いたします。
 参考資料のNO.1~NO.3を用いて御説明いたします。まず経時的にいきますと、参考
資料NO.3、「審議参加に関する遵守事項の検証・検討委員会の報告書」を御覧ください。
1ページの「はじめに」から簡単に御説明をいたします。
 この委員会につきましては、薬事・食品衛生審議会薬事分科会におきまして、分科会運
営の中立性、公平性及び透明性の確保を図るという観点から、「申し合わせ」を「審議参
加に関する遵守事項」という形で決定して、運用開始をしていたところですが、この申し
合わせの検証と必要な改善方策の検討を、この委員会では行っていただいたところです。
 前回、この遵守事項の検証・検討委員会における基本的論点(1)ですが、製薬企業から
教授・研究者等が寄附金・契約金等を受けることを、教授・研究者等が所属している組織
としてどのように評価するかということではなく、寄附金・契約金等を受けた教授・研究
者等が、合議体である国の機関である薬事分科会に委員として参画する、実際には審議、
議決することを、どのように評価するかということが論点で、また、その評価の基準とい
たしまして、審議参加、不参加の基準や、そういったものをどのように考えるかというこ
とでした。
 1ページ目の下、2の(2)ですが、審議不参加等の基準や運用状況の評価について、検
証を行っていただきました。
 2ページ目ですが、その検証結果といたしまして、部会等における審議参加状況という
ことで、開催回数が比較的多い、医薬品第一部会及び第二部会について、検証・検討委員
会では検証をしていただいております。それらの結果をここに示しておりますが、ある程
度、出席委員の関係上、議題順の変更を行った事例等もあったということです。現行の申
し合わせの前に、暫定版の申し合わせというものがありましたが、新たに競合企業も申告
対象として追加したことによって、審議不参加等の基準に該当する委員数は増加していた
という状況でした。
 また、申し合わせの内容を踏まえた寄附金ですとか、契約金の実態につきましては、当
時、国立医薬品・食品衛生研究所にいらっしゃいました長谷川先生にお願いして、厚生労
働科学研究におきまして、全国の医学部・薬学部の教授等を対象とするアンケート調査を
行って、暫定版で出てきたものですが、その集計結果、500万円を超える額を受領した教
授が1人、50万を超えて500万円以下の額を受領した教授は61人、50万円以下の額を受
領した教授が21人、受領なしが24人。これは回答のあった107人中ですが、そのような
事例が明らかになっておりました。
 また、諸外国の基準として、米国、欧州の基準についても、内容について調査の上、御
紹介をさせていただきました。これらの一連の情報を基に御議論をいただいた結果、3ペ
ージの3、ですが、現時点における考え方として、申し合わせは分科会運営の中立性・公平
性の確保のために一定の機能を果たしている。ただし、退出した委員数や、出席委員数と
定足数の関係から見て、部会等の運営が困難な事例が見られたことも踏まえ、今後も運用
状況を注意深く見守る必要がある。また、申し合わせの運用開始から1年を経過しない短
期間で検証が行われたということで、今後も引き続き運用状況の評価を行っていくことが
適当ということで、結論づけられております。
(3)残された課題としまして、大きく5つに分けて課題が出ていました。まず一つ目が対
象とする寄附金・契約金等の範囲です。こちらについては4ページの一番上ですが、奨学
寄附金の位置付け等から見て、他の受託研究費と同列に取り扱うべきかと。主に奨学寄附
金の取扱いをどのようにするかという観点から、御議論をいただいたところです。これも
前出の厚生労働科学研究(長谷川班)におきまして、奨学寄附金の制度的な位置付けや取扱
い、他の契約金との区別の有無等について、アンケート調査を行いました。アンケートの
暫定集計結果の1)~8)まで書いてありますが、国公立と、私立との違いですとか、また、
その大学の規程の有無、また制度的な位置付けについても、かなりバラつきが見られた結
果でした。
 5ページの一番上です。これらの暫定集計結果によると、奨学寄附金の経理方法に関す
る規程や管理の状況から見て、奨学寄附金の大学内における制度的な位置付けや取扱いが
定まっていると言える状況にはない。また、申告対象とされている寄附金・契約金等の中
に占める奨学寄附金の割合は、決して少なくないということ。また、実際の部会における
運用状況ですが、退出した委員数が2名であった議題が一つありましたが、ほかの議題に
ついては、退出委員はすべて1名以下であったということ、これは議事の運営という観点
も勘案いたしますと、奨学寄附金は引続き「寄附金・契約金等」に合算して含めることが、
適当であるという結論をお出しいただいたところです。
 2)組織の取扱いですが、例えば学部長等が本人名義であっても、学部や施設などの組
織に対する寄附金を受け取っている場合について、それが明確な場合には、それは申告の
対象から外して運用をしていましたけれども、組織に対する寄附金・契約金等をも何らか
の意味で対象とすべきだという御意見もあったことから、論点として御議論をいただいた
ところです。
 これにつきまして、5ページの2、報告された調査等の内容ですが、欧米における状況
といたしましては、この組織の寄附金も対象だけれども、申告対象とすべき寄附金・契約
金等は、個別品目ベースで取扱いをしている。一方、我が国の当時の申し合わせにおきま
しては、個別品目ではなく、およそどのような審議対象であれ、関連する企業からの寄附
金・契約金等の金額をすべて申告対象としているというところに、大きな違いがございま
す。
 また、前出の厚生労働科学研究によりますと、医学部・薬学部の教授は、学部、大学な
ど組織に対する寄附金の受領について、半数以上が把握していない。他方、講座内の近い
関係者の寄附金・契約金等の受領については、9割の方が把握していたという結果が出て
います。
 このことから6ページの3、現時点における考え方ですが、機関経理される場合の寄附
金・契約金等の名宛人は、学部長・学長等の組織の長とすることが通例であるけれども、
これらについてはすべてが、この学部長・学長等個人の判断で使用されるものではないの
で、他の教授の方の取扱いと同様、実質的に個人宛のものを申告対象としているところで
す。これについては、組織への寄附金・契約金等も知りうる立場にある以上、実質的に個
人宛に限るのではなく、純然たる組織への寄附金・契約金等も申告対象とすべきではない
かという御意見がございました。
 また、学部長以外の研究者等につきましては、そもそも学部等組織やほかの講座の関係
者に対する寄附金・契約金等について、その額を把握することができる制度的裏付け、若
しくは実態がなかったということですが、それだけで組織への寄附金・契約金等を申告対
象に含まなくてもよいという結論を導くことができるかには議論がございました。
 また、講座内の関係者宛への寄附金・契約金等については、実際にその額を把握してい
る者も多いということで、申告対象に加えるべきという指摘もございました。そういった
いろいろな御指摘がございましたが、学校教育法の改正によりまして、助教授を廃止して
「准教授」を、また助手のうち主として教育研究を行う者を「助教」と、それぞれ設けて、
教授から独立させて、研究者としての独立性を高めて役割を明確化したというところもあ
りまして、これら若手研究者を独立した研究者とする方向が示されておりますので、同じ
講座とはいえ、准教授・助教等に対する寄附金・契約金等までを対象とするのは適当では
なかろうという御指摘もございました。
 以上、いろいろな御指摘をいただきましたけれども、実質的に現時点で何か取扱いを見
直す必要はないのではないか。ただ、引続き運用状況の検証を行いながら、論点について
検討をしていくことは必要であろうという御結論をいただいたところです。
 3)は申告の方法です。参考資料NO.2です。「審議参加に関する確認事項」を御覧い
ただければと思います。一番最後のページですが、FAX回答表(例)とあります。これが
実際に、部会等の委員の先生方に御申告していただいているフォーマットで、企業名なり
申請企業と競合企業の名前が出て、そこから受領がないのか、50万円以下なのか、50万
円~500万円以下なのか、500万円超なのかをチェック形式でチェックしていただいて、
職名とお名前をお書きいただいて、提出していただくという申告の方法です。
 これがどうあるべきか、また、その基準となる金額、50万円、500万円で切っておりま
すが、これはどうかということについて、検討を行ったところです。これにつきましては、
実際の薬事分科会の委員を対象にアンケート調査をさせていただきまして、それの結果に
よりますと、申告書の記入にどれぐらい日数を要するかということですが、これは1日以
内とされる委員が大半でした。また、記入内容についても「評価できる」と「やむを得な
い」という回答を合わせて、9割が肯定的な回答であったということで、こういったこと
を勘案しますと、現行の申告の方法を見直す必要はないのではないかという結論をいただ
いたところです。
 4)の申し合わせという位置付けです。この位置付けは従前は「審議参加に関する遵守
事項」という「申し合わせ」の形で決定されていましたが、この薬事分科会が審議ルール
の一つとして、「申し合わせ」を行うという位置付けで良いかどうかについても、御議論
をいただきました。考え方としましては、もう「申し合わせ」という位置付けや名称では、
外部の方から見た場合、あいまいな印象を与えることは否めないということで、国民への
説明責任を果たすという観点から、より規範性の高いものとして位置付けることが適当で
あろう。名称も「審議参加規程」などに改めることが適当であるとされたところです。
 5)ですが、本ルールのマネジメントの在り方について御意見があったところです。国
立大学法人の例などを参考に、利益相反マネジメントの実務を行う第三者的な組織を新た
に設置する必要があるのではないかという御指摘がございました。
 一方、御意見として、現行のルールは簡単明瞭で、運用における裁量性はほとんど無い
ということですとか、また、審議会は非常勤の委員が対象であることを考慮すると、マネ
ジメントの実務を担う組織を設けるのではなくて、特例的な取扱いを含めた運用状況の検
証ですとか、必要な改善方策の検討等を定期的に行う第三者的な組織を設けるべきだとい
う御指摘がございました。
 先ほど樋口座長からも御紹介がございましたが、3「薬事分科会への提言」という形で
(1)としては、この遵守事項の位置付けということで、国民への説明責任を果たすという
観点から、より規範性の高いものとして位置付ける。名称も「審議参加規程」に改めると
いう御提言をいただいております。
 (2)として、評価・検討の継続的な実施が重要だということで、運用や残された課題に
係る検討の結果から見ると、直ちに見直す必要はないけれども、少なくとも年1回、特例
的な取扱いを含めた運用状況の評価や必要な改善方策の検討を継続的に行っていくこと
が適当だということです。また、これらの評価・検討に当たっても、分科会の下のワーキ
ンググループではなく、委員の過半数が外部有識者等で構成される、分科会から独立した
評価委員会を設置することが適当である。また、この委員の選定に当たりましては、医薬
品等によって健康を害した者を含め、幅広い国民の意見を反映できるよう留意することが
適当というまとめをいただいております。
 4「おわりに」として、薬事分科会においては、運営の一層の中立性、公平性及び透明
性の確保に努めてほしい。また、薬事分科会の中立性、公平性及び透明性を高める不断の
努力を継続することを期待したい。また、アンケート調査におきまして、奨学寄附金の大
学内の取扱い、また制度的な位置付けが定まっているとは言えない。また、奨学寄附金の
受領に関する情報公開について、国公立・私立の別ですとか、大学ごとにかなり対応に違
いが見られたということがありましたので、情報公開の範囲について、個人情報の保護等
様々な観点に留意する必要があると考えられるが、奨学寄附金の位置付けの明確性、また、
情報公開の透明性が一層高まる方向での検討が進められることを望みたい、という形で報
告書を結んでいただき、平成20年12月15日に報告書の形で、おまとめいただいたとこ
ろです。
 その後、薬事分科会の方は、平成20年12月19日ですが、参考資料NO.1-1で内容を簡
単に御説明したいと思います。薬事分科会でこの報告書の御提言を踏まえまして、御議論
をいただいた結果、薬事分科会審議参加規程というものを新たに作ったということです。
これが12月19日の薬事分科会で決定されたものですが、その内容の概要をここに示して
おります。
 「適用対象審議」としても、個別の医薬品の承認審査や安全対策のほか、厚生労働大臣
から諮問された案件等すべての議決を要する審議に適用。「適用対象委員等」も、委員、
臨時委員、専門委員及び参考人も適用する。「申請資料作成関与者の取扱い」、これは申
請資料を作るのに関与された方ですが、この方は審議会場から退出。利用資料作成関与者
は申請者からの依頼ではないので、先生が書かれた論文が、これは申請に使えるというこ
とで、申請資料として上がってきた場合の取扱いですが、この委員に関しましては発言が
できない形にさせていただいています。
 また、「審議不参加・議決不参加の基準」、これは寄附金・契約金等の額に基づいて決
められておりますが、委員本人又はその家族につきまして、過去3年度に審議品目の製造
販売業者、若しくはその競合企業、これは3社までですが、この寄附金・契約金等の受領
が、1年度でも500万円を超えた場合には、審議には不参加。1年度でも50万円を超え
た場合、これは500万円以下ですが、その場合には意見を述べることはできるが、議決に
は不参加という形になっています。「情報の公開」ですが、参加の可否等につきましては、
分科会、部会で報告の上、議事録に記録する。また、提出された申告書につきましては、
分科会等が終了後、速やかに厚生労働省ホームページで公開することにされております。
 最後、「評価委員会の設置」とありますが、これが今回改正させていただきます評価委
員会の設置で、これがいわゆるアジェンダですが、この評価委員会は、分科会から独立し
て、委員の過半数が外部有識者等で構成される評価委員会を設置し、少なくとも年1回、
特例的な取扱いを含めた運用状況の評価及び必要な改善方策の検討を継続的に実施する
とされています。この委員会といたしましては、運用状況の評価をしていただくことがま
ず一つ。また、必要な改善方策の検討をしていただくことが一つ、これらを継続的にして
いただくという位置付けの委員会です。こちらは12月19日の薬事分科会で決定されまし
て、この審議参加規程そのものは、平成21年1月1日から施行という形で、現在、薬事
分科会また関係する部会において運用はなされているという状況です。長くなりました
が、以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。参考資料三つを使ってこれまでの経緯を説明いた
だきました。ここまでの御説明について何かコメント、質問等がありましたら伺いたいと
思います。
 よろしいですね。それでは実際に、昨年1月1日から参加規程が施行され1年半が経っ
ているわけです。その間の状況についての御説明を今日の資料を使ってまた伺いたいと思
います。議題1の「薬事分科会審議参加規程の運用状況について」に入ります。まず最初
の部分から、続けて事務局からお願いします。
○総務課長補佐 審議参加規程の運用状況を御説明いたします。資料NO.3を用いて御報
告いたします。医薬品第一部会、医薬品第二部会等における審議参加の状況についてとい
うことで、前回、検証検討委員会では医薬品第一部会と医薬品第二部会だけでしたが、今
回は適用されるすべての分科会、部会について状況を御報告します。平成21年1月から
平成22年6月までに開催された分科会及び各部会における個別議題ごとの審議参加の状
況について取りまとめたものです。
 まず、1番目として医薬品第一部会です。医薬品第一部会は定足数は10名です。網掛
けの部分ですが、平成21年1月30日開催。これは部会の開催日時で、総委員数が19名
です。この1月30日に開催のときに議題は1、2、3、4ということで議決を要する議
題が四つあったということを意味しています。隣のカラムは出席委員数で15となってい
ますが、これは総員数19名に対して、15名の方が部会に御出席されているということで
す。その横が申告状況です。これは委員からの申告についてその状況を取りまとめたもの
です。申告状況として、その下申請企業と競合企業とに分けております。申請企業関係で
退出、議決不参加とありますが、これは申告の状況ですので、退出の所に1と書いてあり
ますが、この1は申請企業から500万円以上受領があったという申告をなされた方が1人
いらしたとお読みいただければと思います。申請企業関係で議決不参加が2人、1人、0、
0となっておりますが、ここは申請企業から寄附金等を50万円~500万円の範囲で受け
たとチェックを出されてきた方が、それぞれ議題ごとに2人いらした、1人いらした、だ
れもいらっしゃらなかったというのが2つとお読みください。競合企業関係も同様で、競
合企業関係の退出1、0、0、0とあるのはこの1は競合企業から寄附金、契約金等を
500万円を超えて受領していたという申告を1人の方がなされていたということです。議
決不参加について3、4、0、0とありますが、これは同じく競合企業から50万円を超
えて500万円以下の寄附金の受取りがあったという申告をなされた方がそれぞれ3件、4
件あったということです。
 この申告状況を踏まえて、次のカラムの対応状況が実際にその部会の議決なり、議論の
場で取られた対応となっています。この対応状況を見ていただくと、退出の所が1、0、
1、0となっていますが、これは議題1で1人退出された。議題3でも1人退出されたこ
とを示しています。議決不参加の所が3、5、0、0となっていますが、これは議題1で
議決に不参加の方が3名いらした。また議題2で議決不参加の方が5名いらしたというこ
とを示しています。この申告状況と対応状況の関係は、※1の注を御覧ください。同一議
題において重複して申告されている委員の先生がいらっしゃる。例えば申請企業は50万
円~500万円だったと。ただ競合企業は500万円以上だったなど、そういう形で重複して
申告されている委員もいらっしゃるので、対応状況としては、申告された件数の総和とは
異なってきます。そこを御留意いただければと思います。その対応状況の右側のカラム、
直接議決に参加した委員数で11、10、14、15とありますが、これは出席委員から退出、
議決不参加の方を引いた委員数になります。例えば議題1では、出席委員が15名です。
対応状況を御覧いただくと、退出が1人、議決不参加が3人いらっしゃるので、15-1-
3=11です。議題2については、出席委員が15、議決不参加の方が5名で15-5=10で、
この方が退出もせず議決不参加もせずということで、実際に議決に参加された委員の数と
なっております。
 その右のカラム、議決権を行使した委員数です。こちらは注の※2を御覧いただくと、
議決不参加の場合には、当該委員は部会等に出席したものとみなし、当該委員の議決権は、
議決に加わった委員等の可否に関する議決結果にしたがって部会長により行使されたも
のとなる形で、この審議参加規程第14条議決権の行使としての定めです。この議決権を
行使した委員数は、基本的に議決不参加だった方の人数と同じ人数がここに入っておりま
す。
 一番右のカラムの議決に参加した委員数は、直接議決に参加した委員数+議決権を行使
した委員数となっており、定足数は10ですので、10以上必要だという形になります。1
月30日開催についてはそのような状況で、その後2月27日開催の出席委員数が14名い
らして、対応状況を御覧いただくと、退出2名のところが1か所、1名のところが2議題
あります。議決不参加は5名不参加の議題が一つ、4名不参加の所が二つ、3名不参加の
所が二つ、2名不参加の所が一つの状況です。議決に参加した委員数を見ていただくと、
12~14という形です。4月24日開催の部会では、出席委員数は15名いらして、対応状
況を見ると退出1名の議題が三つあります。議決不参加についても0名~6名までという
状況で、議決に参加した委員数が14名~15名になっています。
 その他ほとんど同じような御説明になりますが、2ページ目の一番下、平成21年10月
21日開催ですが、このときは出席委員数が10名、11名と少ない状況があり、対応状況を
見ていただくと、一番下の所で退出が1名議決不参加が1人で、退出される方がいらっし
ゃることもあり、※3に書いてありますが、遅れて来られた委員がおり、退出委員数を勘
案すると定足数を割る恐れがあったため、審議の順番を変更したということで、これは以
前の検証検討委員会でも同様の事例がありましたが、議題1を一番後回しにして、遅れて
いらした委員の先生を待って何とか審議ができたというような事例も見受けられます。
 3ページ、出席委員数が15名ぐらいのところはいいのですが、下から二つ目で平成22
年4月23日開催のときには、出席委員数が10名です。この4月23日開催のときは委員
の改選等の関係がありまして、総委員数が17名で、このときだけ定足数が9名です。一
番右側の欄に議決に参加した委員数が9名という所がありますが、ここは定足数に何とか
達している状況です。
 4ページ、医薬品第一部会は該当の期間に12回開催されておりますが、出席委員に対
する直接議決に参加した委員の割合を示したものです。これで見ると60%以上の割合で
直接議決に参加した委員がいらっしゃる部会が9割ほどで、50~59%が7.3%、50%未満
が1.2%で議題によっては、かなり少なくなっているところもあるのが見受けられます。
 5ページ、これは議題ごとに先ほど申し上げたパーセンテージを模式化したものです。
平成21年度はある程度、委員の割合の開きが大きいように見受けられますが、平成22年
度以降はそれが収束してきているのかなと思いますが、ただこれだけでは何とも言えませ
んが、そういう状況です。以上が第一部会です。
 6ページからは医薬品第二部会です。こちらは定足数は9名で、総委員数17名の部会
です。平成21年1月29日開催の場合は出席委員数が15名で、一つの議題で3名が退出
という事例がありましたが、そのときは議決不参加の方が1名いらしたということです。
最終的に議決に参加した委員数から見て、定足数には達している状況です。対応状況を御
覧いただくと、退出が多かったのは1月29日の議題2の3名と、次のページの下から二
つ目の4月26日開催の議題1の2名の事例があります。ただ第一部会に比べて、退出さ
れる委員の数、また議決不参加の委員の数は少ない状況です。
 8ページ、これが出席委員に対する直接議決に参加した委員の割合ということで、先ほ
どの第一部会と同じような表を作成していますが、これを御覧いただいても先ほど6割ぐ
らいのところで90%ぐらいかというところでしたが、33議題中8割以上は90%弱ですが、
カバーできているのかなということです。9ページは同様に表を付けています。やはり第
一部会に比べると第二部会の方が定足数の観点からすると余裕があるのかなというとこ
ろです。
 10ページ以降で各分科会、部会についてグラフは付けていませんが、状況を御説明し
ます。まず薬事分科会です。薬事分科会は定足数12名、総委員数23名で開催しています。
対応状況を御覧いただくと、一番上の3月30日開催の議題1において退出委員が1名い
らしたほかには、退出された委員はいらっしゃいません。議決不参加についても、医薬品
第一部会、第二部会に比べると頻度は少なめの状況でした。
 11ページは医療機器・体外診断薬部会で、総委員数が17名、定足数9名の部会です。
こちらも対応状況を御覧ください。退出された委員はいらっしゃいません。議決不参加の
委員が1名いた議題が二つある状況です。続いて12ページ、一般用医薬品部会、いわゆ
る大衆薬(OTC)の審議をしている部会です。総委員数が16名で定足数は9名の部会で
す。こちらの対応状況は退出された委員はいらっしゃいません。議決不参加の委員が1名、
2名はいらっしゃる状況でした。続いて13ページ、化粧品・医薬部外品部会です。総委
員数が12名、定足数7名の部会です。今回5月に開催した1回限りですが、出席委員数
が9名と少々少なかったこともあり、議決不参加の方が2名いらっしゃるときに定足数ギ
リギリになった議題が一つありました。
 14ページ、医薬品等安全対策部会です。総委員数が22名、定足数は12名の部会です。
少し分かりづらいのですが、平成21年5月8日開催の議題1に影響を受ける企業(3社)
とあります。こちらの医薬品の安全対策、個別の医薬品に限らず幅広く医薬品の安全対策
を議論して議決していただく場合は、それによって影響を受けると考えられる企業を上位
3社を選び、それについて申告をしていただく。ただ個別の医薬品の承認審査・安全対策
でない場合は、申告内容を御報告いただき、ホームページで公開することによって、審議、
議決どちらも可能という取扱いになっておりますので、議決不参加は50万円を超えて500
万円以下の受領が3名いらっしゃるという申告がありましたが、対応状況を御覧いただく
と、その規定に基づいて議決不参加の方はいらっしゃらない形で運用をしているというの
がこの表の読み方です。それが平成21年11月6日開催の議題でも議決不参加の方が2名
いらっしゃいましたが、対応状況としては議決にも参加していただきました。
 次に15ページ、生物由来技術部会、総委員数15名、定足数8名の部会です。一つの議
題で議決不参加の方が1名いらした状況です。最後に16ページ、血液事業部会、総委員
数が21名、定足数が11名の部会です。対応状況はどなたも申告はなく、対応もなかった
状況になっています。
 以上、この審議参加規程が適用されている分科会、部会について実際の運用状況につい
て議題ごとにまとめた結果について御報告いたしました。以上です。
○樋口座長 今の御説明を伺って、何か質問、コメント等をお願いします。
○神山委員 少し細かい質問ですが、例えば1ページの表に、※2について議決権を行使
した委員数12とあります。これは議決不参加の場合には、部会長に一任するという注だ
と思うのですが。それから後の表に同じように、※2が付いているのが、例えば15ペー
ジの直接議決に参加した委員数に、この注2が付いているなど、この注がどこかに書いて
あるのなら分かるのですが、それがないので。
○総務課長補佐 申し訳ございません。今、委員から御指摘があった直接議決に参加した
委員数の※2は不要です。
○神山委員 要らないですよね。
○総務課長補佐 10ページ以降ですが、直接議決に参加した委員数の※は不要です。失
礼しました。
○神山委員 ついでに同じことですが、審議参加規程の第14条の議決権の行使、今の議
決に加わらない場合に「あらかじめ議決権の行使を部会長に一任する旨の書状を提出する
ことにより分科会などに出席したものとみなし、議決に加わった委員等の可否に関する議
決結果に従って部会長により行使されたものとする」と書いてあるのですが、こういう一
任する旨の書状を議題ごとに提出していただいているということですか。
○総務課長補佐 提出していただいています。
○日比野委員 第一と第二を比べると第一の方が退出、議決不参加が多いのですが、これ
はどうしてでしょうか。それからもう一つ、議題によって退出、議決不参加が多かったり
少なかったりするのですが、例えば多いのは一般的にどういう議題なのか、どういう医薬
品なのか、あるいはどういう分野のものなのか。何か傾向のようなものは見られるのでし
ょうか。
○総務課長補佐 今、日比野委員から御指摘があった点ですが、基本的には分野別により
退出、議決不参加の委員の多寡があるというよりは、どこの企業が申請してきたかという
要因とか、競合企業としてどこの企業が上がってきたかという要因の方が大きいかと思い
ます。例えが悪いですが、小さな会社が申請してきていても、大きなメガファーマが競合
企業として3社が上がった場合には、そのメガファーマから契約金、寄附金が流れている
先生は当然退出されたり、議決不参加になるということがありますので、こちらで特定の
対象疾患ごとに分析などはしておりませんが、要因としてはどこの企業が競合企業なり、
申請企業であるかという要因の方が大きくなると理解しております。
 第一部会、第二部会の対応状況の差も、なかなか一概には言えない部分があります。医
薬品第二部会については、抗菌薬や化学療法剤、抗がん剤、血液製剤、生物学的製剤につ
いて議論を行っていただきます。それ以外の分野については医薬品第一部会で御議論をし
ていただくということで、どちらかというと第一部会の方がブロードなイメージでとらえ
ていただけるかと思うのです。何となく考えた場合、ブロードの方が退出、議決不参加が
少なくなるのではないかという考え方もできるところですが、実際上、第一部会の方がち
ょっと多くなっているということがあります。どうも分野によって何かあるというより、
やはり申請企業なり競合企業の関係で、こういった傾向が出てきているのではないかとい
うのが事務局の見解です。
○杉浦委員 今の話と関係しているのですけれども、第一部会の出席状況を見ますと、大
体7、8割ということで、おおむねたくさんの方が出席されていると思うのです。ただし
1件だけ、50%未満というのがありますよね。これはどういう品目を承認されたのですか。
○総務課長補佐 特定の品目の審議状況については公開しておりませんので、具体的な名
前について今、手元に確認できるものがありません。申し訳ございません。これも先ほど
申し上げたように、品目というより、申請した企業と競合企業の関係によるものなのかと
考えております。
○樋口座長 ほかにいかがでしょうか。
○花井委員 基本的なことですが、14ページの医薬品等安全対策部会の議決不参加の方
が3になっている5月8日開催部分で、対応状況が、直接議決に全員参加になっています。
これはどういうことですか。
○総務課長補佐 これについては参考資料NO.1-2に、薬事分科会の審議参加規程を出し
ております。この6ページの第18条を御覧いただけますか。一番下に「その他」第18条
とあります。こちらは個別の医薬品の安全対策の審議ではなくて、全般的な安全対策をど
のようにするかという審議です。第18条で申し上げているのは、個別の医薬品等の承認
審査や安全対策に係る審議以外の審議においては、これは全般的なものと理解していただ
ければと思いますが、第12条から第14条まで及び第16条の規定は適用せずとなってお
ります。
 この第12条というのが、5ページから始まる「審議不参加の基準」です。第13条が「議
決不参加の基準」、第14条が「議決権の行使」、第16条が「特例」です。「この50万
・500万ルールを適用せず、当該審議により影響を受ける企業について、企業ごとに、申
告対象期間中で委員等又はその家族の最も受取額の多い年度における寄附金・契約金等の
受取額を自己申告することとし、その申告書を分科会終了後速やかに厚生労働省ホームペ
ージ上で公開することをもって、当該委員等は審議及び議決に加わることができるものと
する。当該議題により影響を受ける企業の数が3社を超える場合には、影響の大きい上位
3社について自己申告する」という形になっています。個別の医薬品の安全対策ではなく
て、添付文書をどのような形にするかとか、そういう全体の枠組みの審議については、影
響を受ける企業3社についての申告は受けるけれども、対応としては審議も議決もできる
という規定になっております。
○花井委員 今の並びでいくと第16条に、必要に応じて「特例」が決まっていますよね。
この特例が使われた例は1例もなかったということですか。
○総務課長補佐 ないです。
○花井委員 近年、FDAでは特例が増えているので、それを一定比率下げるという新し
いルールが作られているようですが、特例で審議に参加したということは全然なくていけ
たということですか。
○総務課長補佐 我が国ではございません。
○日比野委員 先ほどの説明ですけれども、申請企業が多いから退出や議決不参加が絡む
ということは、議題になった医薬品については一般的に製造や何かにかかわっているメー
カーが多いということですか。そう理解していますか。つまり、個々の議題で取り扱って
いるいろいろな医薬品や何かでかかわっている企業が多いものが、第一部会の方に集中し
ているということなのでしょうか。そういう理解でいいですか。
○審査管理課長 一般的にそういう分野ごとでの分析はしておりませんので、そう結論づ
けはできないのですけれども、先ほど事務局が説明してきましたように、第二部会という
のは抗菌薬、がん、生物製剤、ワクチンということで、かなりスペシフィックな分野です。
それ以外を第一部会が担当しています。そういう意味では広く生活習慣病とか、一般的に
はメガファーマが参入していることが多いということがあろうかと思います。ただ、実際
には抗がん剤であってもメガファーマも関係いたしますので、やはり個別の品目で競合品
目の企業がどうだったかというところになってしまうのではないかと思います。
○日比野委員 別に批判しているのではないのです。第一部会と第二部会とこれだけ差が
あるというのは、何か違いがあるのではないですか。偶然の開きではないような気がしま
す。何かもっとはっきりしたものがあるのではないですか。
○審査管理課長 がんの分野は別ですけれども、がん以外の血液製剤とかワクチンとか抗
菌薬を実際に扱っている会社は限られていると思います。がんは最近は大手でもかなり参
入してきてはおりますけれども、そういう事情はあるのかもしれません。
○樋口座長 ほかにいかがでしょうか。
○花井委員 おおむね何とか運用できているということでいいと思うのですけれども、日
比野委員がおっしゃった話は、本当にこれで公正に保たれているのか、この資料だけでは
直感的に分からない部分もあるということだと思うのです。例えば、どういう資料があれ
ばいいのかというのは、すぐには思いつかないのですが、恐らく第一部会に申請若しくは
競合企業の対象となって届けられた企業と下の企業、若しくは届け出ている企業の規模を
ズラッと並べて比較すれば、多分相当差が出てくるのではないかと思います。要するに、
大きな規模の企業が大きな影響力を行使しているということだと思うのです。ここの問題
は、大きな影響力を行使できる企業が不公正に影響力を行使されないように、どのように
ルールを定めるかというのが目的なので、そこが見えるような資料ができればいいのでし
ょう。今度はそういうものを工夫していただけたらと思います。
○総務課長補佐 ただ今の花井委員の御指摘、又は日比野委員の御指摘も踏まえて、実名
を出すのはともかく、企業側の切り口で影響力というものを資本金で見ればいいのか、こ
こ最近のもので見ればいいのか、そこは事務局でも議論をさせていただき、取りあえず何
らかの指標で、対象となった企業の切り口でみてみる。また、その企業ごとに実際に退出
なり審議不参加がどういうことなのか。それぞれの個別企業の寄附金・契約金でこういう
状況になったとか、その辺りが見えてくるような資料を、第一部会と第二部会の比較も含
めて検討して、次回の委員会に提出させていただければと思います。
○花井委員 生々しいのですけれども、結局そういう問題を議論している場だと思うので
す。上場企業であれば、恐らく売上高は出ていますね。マーケティングファンドは出てい
るのではないかと思います。そうすると、その企業を並べるだけで相当なものかなと思い
ます。
○樋口座長 私からも素朴な質問があります。例えば2ページです。先ほど杉浦委員がお
っしゃったことと、私は関係していると思いますけれども、一番最後で、たまたま出席委
員が少なくて、ギリギリだった日がありますね。そこで議題2が突出しているというか。
もう一つぐらい後の方でもあるのです。この結果、議決不参加が5人おられますね。です
から直接の議決は5人です。こういう部会はどういう議決の仕方をするのか、本当は私な
ども入ったことがないから分からないのですけれども、理屈の上では多分、きっと全会一
致だろうと思うのです。これが2対3ということもあり得るわけですよね。部会長一任で
5人の票を2に加えれば、理屈の上では7対3になるということなのでしょうか。
○総務課長補佐 理屈の上では座長がおっしゃるとおりです。
○樋口座長 しかし他方で、5人だから議決できないということにすると、全然動かなく
なるし、出席はされているから、これは議決のための定足数がこういう形で満たされるよ
うにという工夫ですよね。
○総務課長補佐 そうです。実際に議決不参加の先生についても、議論には参加できます。
議決不参加の先生は議決のときには下がっていただきますけれども、基本的に部会で意見
が割れるときには、多数決を採ります。当然、医薬品の安全性・有効性を見ている部会で
すので、多数決で採ることはせずに、全会一致を原則として部会を運営しておりますので、
2対3で5を7にくっつけてという話はないです。
○樋口座長 あくまでも理屈の上だけの話であるということですね。
○総務課長補佐 実態上、そういうことはないということです。
○樋口座長 何かありますか。
○審査管理課長 今、御説明させていただいたように、実際の議論は医薬品の有効性・安
全性の議論ですので、イエスかノーか、承認するしないというギリギリの話ではなくて、
何が問題かという議論をします。その問題についてどうすればいいかということになりま
すので、御指摘いただいた問題について、どう対応するかということで議論が進んでまい
ります。ですから基本的には全会一致という形に通常なっております。
○樋口座長 ほかにはいかがでしょうか。
○神山委員 今、座長がおっしゃった2ページの10月21日の議題2についてです。競合
企業で議決不参加が9人で、実際の直接議決に参加した委員が、対応状況で5人です。こ
れに重複があるというのは、競合企業が幾つもあってという趣旨ですか。
○総務課長補佐 競合企業は基本的に3社までです。
○神山委員 3社が書いてあって、その3つにチェックが付いてしまうから、9人になっ
てしまうというカウントですか。
○総務課長補佐 そういうことです。延べ人数になります。
○樋口座長 ほかにはいかがでしょうか。
○日比野委員 14ページの医薬品等安全対策部会では、安全対策というわりと一般的な
話を扱う部会で「影響を受ける企業」というのはどういうことですか。一般的な話で不参
加というのは、なぜ起きるのですか。何が絡むのですか。
○総務課長補佐 例示としては、一般用医薬品のリスク分類を変える場合に、当然その成
分を使っている企業はすべて影響を受けます。そういった場合においては、影響を受ける
と考えられる企業の売上高上位3社をピックアップして、その企業から寄附金・契約金を
もらっているかどうかについてのチェックをしていただきます。売上高上位3社から50
万円を超えて、500万円までもらっていた件数が3件あったということになります。しか
し、これは寄附金等をもらっていましたということをホームページ等で公開することをも
って、審議議決には出られるという一連の取扱いになっております。
○樋口座長 今のことに関連しますが、結局、先ほど説明いただいた規定の第18条です
よね。個別の医薬品等の承認審査の話から、こういう会議が始まっているわけですよね。
しかし、こういう審議会ではそれ以外のことも、もちろん議論するのだから、そちらの方
は関係ないのかという話があって、やはりできるだけ対象を広げようという話が、一方で
あったわけですよね。それでこの第18条ができたと思います。個別の医薬品等の承認審
査や、安全対策に係る審議以外の審議ということですよね。そうすると、そのときに影響
を受ける企業3社ルールというのが出てくるのです。そういう議論は、一般論として言え
ばどの部会でもあり得るけれども、たまたま今回、医薬品等安全対策部会と最後の生物由
来技術部会で、そういう議題があったという理解ですね。
○総務課長補佐 そういう形です。
○樋口座長 医薬品等安全対策部会なのであれですが、とにかくこれは安全対策にかかわ
る審議以外ですよね。
○総務課長補佐 しかし個別の医薬品等の安全対策とあります。
○樋口座長 これはそこを読むのですか。
○総務課長補佐 そうです。個別か個別でないかということになります。
○樋口座長 個別の医薬品等ではないけれども、今の御説明だと何かの成分だと。それは
どんな医薬品にもあるけれども、それが安全かどうかという話になると、それを一番多く
売り上げていたり、その成分を使っているような薬を販売している所が影響を受けるとい
うところで出てくるだろうということですかね。
○総務課長補佐 その成分を使っている企業の全体の売上高です。
○樋口座長 では、そちらはディスクロージャー・ルールでやってみようということにな
るのですね。
○総務課長補佐 そうです。
○桐野委員 この「医薬品等」の中に、企業も入るのですね。
○総務課長補佐 入ります。
○樋口座長 先ほど花井さんからも出たように、今日の説明を伺った限り、この資料も貴
重な資料だとは思うのですけれども、ここから何が分かるかというのはなかなか難しいの
です。しかし、こういう資料があると。そしてもう一つのこの資料に関する説明を伺って、
ある程度理解できたと思われるところです。その上で何か提言や改善に資するようなこと
が、この段階であり得るだろうかということで、もう少し幅広に御意見を伺いたいと思い
ます。
○神山委員 この前の「おわりに」では、奨学寄附金についての希望的なことで終わって
いるのですけれども、その後、奨学寄附金はどうなっているかという調査は行われている
のでしょうか。
○総務課長補佐 申し訳ございません。行われておりません。
○樋口座長 いかがでしょうか。これはやはりアジェンダの理解の仕方によると思うので
す。我々に一体どこまでの能力と権限があるかということでもあり得るけれども、薬事分
科会という場での審議の在り方について、先ほど花井さんもおっしゃったように、変な企
業が変な影響力を行使することがあってはいけないのではないか、それは正に国民の健康
・安全にかかわることだから、というところから出発しているわけです。そういうことが
あってはいけないので、できるだけ透明化を図ろうということで、こういうルールができ
ました。それで一定の機能を果たしているというように、この前は評価されているわけで
す。今回はどういうことになるかというのは、またこれからの問題です。
 先ほど花井さんがおっしゃったように、例えばアメリカ等だと一定ルールは決めるけれ
ども、利益相反についてはルールが完璧ということはないし、個別の事案によってはルー
ルを破っても審議に参加してもらったり、議決に参加してもらったりした方がいい例もな
くはないということで、特例を使っているようなケースがあると私も聞いています。しか
し、我が国においては特例を使うこともない。きちんとルールが決められると、きちんと
やっているということで、こうやって資料が出てきて、結局それでいいのかということで
すよね。それはもちろんいいことなのです。立派なことなのです。
 しかし翻って一番元へ戻ってくると、一つのルールを定めてきちんとやっていくこと自
体、インフラを作ってやっている人たちがいるという努力のおかげであることは間違いな
いのです。それと、並んで一番難しい問題が解決されたわけではないのです。一番難しい
問題は、神山委員が今おっしゃったような奨学寄附金とか、一方では産学連携とか、医薬
品の開発については、良い影響力と悪い影響力というように○×で言えればいいけれど
も、それがなかなか難しいということです。
 今は図式的に言うと、片一方は企業ベースで、片一方は研究ベースでやっていることを、
手を携えて今までにない、より安全でより効果的な薬ができるに越したことはないわけで
す。ただ単に、研究をストップさせるために、こういうルールを作っているわけではあり
ません。そういう良い連携を作るために何ができるかというところでの工夫は、このルー
ルをきちんと守っているだけでは出てきません。ですから、逆にこのルールを形式的に守
っているだけでは、もしかしたら人によっては、先ほど言ったような、変な影響力の行使
を本当に完全に防げているのだろうか、という疑いを持っている人ももちろんいると思う
のです。その両方です。これは、形式的とは言わないまでも、相当一定の透明化は図られ
ているとは思いますが、何であれ、どんなルールにも限界はあります。そのルールだけ守
っていれば、それで大丈夫ということはないのです。そうすると、これにプラスアルファ
か、ルールの改善というのがアジェンダの中なのかもしれません。
 本当は今言ったようなことが、結局一番難しいわけですよね。これだって難しいことだ
けれども、きちんとやっておられるからきちんとやれるということを、事務当局が見せて
くれているわけです。ですから、もう一つのところも何らかの形で工夫していくような、
今すぐ私にアイデアがあるわけではありませんが、そういう話を、この評価委員会ではな
いのかもしれないけれども、やはりどこかでやっていく必要はあるのではないでしょう
か。一番いい例は、奨学寄附金をもっといいものにしていくような話を、継続してやらな
いといけないのではないだろうかというのが、神山委員のお話だったと私は理解したので
す。
○桐野委員 先生が言われた特例が行使された例は、1例もないのですね。一応定めては
あるけれども、使われなかったということですか。こういう判定というのは、常勤で1年
中、薬事のことを審議しているプロフェッショナルで、かつ実際に企業に直接関与してい
ない方々が、かなりの情報の蓄積の下に判断される場合と、非常勤で出てきた資料をよく
読まれるだろうと思いますが、その上で、過去に行われたPMDAなどのいろいろな審査
を信頼して、大体いいだろうということでされる場合とは随分違うのです。私は、もちろ
ん外形標準でやらざるを得ないとは思うのです。しかし今、樋口先生が言われたように明
らかに利益相反状態にある、つまり外形標準上500万円以上の何がしかのお金の流れがあ
るけれども、その状況をオープンにした上で意見を聴取する場合もあり得ると思うので
す。1例もないというのは、逆に大丈夫かなという感じがします。
○審査管理課長 補足いたします。今申し上げたとおり、委員として特例を使ったことは、
実際にはないと思います。ただ、この前にワクチンの特例承認をさせていただきました。
その場合の参考人として、実際に治験をやられた先生などに来ていただいて、御意見をい
ただきました。参考人についても規定を準用させていただいております。参考人に関して
は治験を実際にやられた先生ですので、試験の実施ということになるのですけれども、こ
こで委員の発言が特に必要だということで、分科会の方で認めていただいて御参加してい
ただいた事例はあります。
○花井委員 特に日本の場合は、実際にはPMDAの方で審査をして、形式とは言いませ
んが、ここに挙がってきたのは最後の段階ですよね。PMDAは恐らくこのルールに準じ
て、向こうも「やります」とおっしゃっているようなので、こちらは厳密に運用して、特
例についても1件もないと。私も調べてこなかったのですけれども、向こうは特例につい
て、1件もないということはないのではないかと思います。多分PMDAは外部有識者委
員について、これに準じたルールを用いてやるということでやっていると思うのです。そ
の場合に特例がどの程度あるかというのは向こうの問題だけれども、こちらは特例でもな
く厳密にやっているというところで、ここをきちんとやっているというのは、全体として
非常に大事だというのが一つあるのです。これだけの問題ではないということだと思いま
す。
 もう一つは、私も麻痺しているかも知れませんが、逆に考えれば、第一部会の表を見て
も、多くの議題で40%ぐらいの人、50万円以上500万円をもらった人が、その企業の商
品について議論をしているという感覚は、一般国民からすれば「そんなものは」という感
じの話だと思うのです。議決しないにしても、50万円~500万円というのはすごく大きな
お金ですよね。そういう人たちは実際には議決に参加していないけれども、議論には参加
するということ、委員としていること自体、一般の市民感覚から言えば相当侵食されてい
るのではないかと思われるような話です。ここは感覚を麻痺させずに、むしろこのデータ
がこういうように公開されることによって分かることなので、たとえ利益相反があって
も、薬事分科会が公正に運用できることを示さなければいけない話だと思うのです。そこ
を理解した上で、より透明度を上げる努力が要ると思います。
 今度FDAで採用した、いわゆる特例の上限を定めたルールは、なければいいとも言え
るのですけれども、PMDAでどの程度あるかというのが気になるところではあります。
恐らく一般市民感覚から言えば、これでも、そんなに厳しいとは思えないと思うのです。
ですから、それを踏まえて、ここまで定足数ギリギリのところで、逆に言えば、多くのと
ころは日程調整でクリアできる話です。事務方としては、一番大変な仕事は日程調整だと
思うので、日程調整で正当性を維持できるのであれば、大変な負担であるとは思うけれど
も、議決権を行使できる委員がより多い日程を何とかやることで、運用していただけたら
と思います。
○神山委員 委員からのFAXの回答表が、そのままホームページに載っているというこ
とで、この間、事務局に、これに対するアクセス数は分かりますかと伺ったのですが、分
かりますか。
○総務課長補佐 すみません。御意見をいただいてから時間が足りなかったため、ごくご
く一部しか調べられなかったので、次回にまとめて出します。1例だけですが、年度末な
どは多少の増減はあるものの、厚生労働省のホームページのトップページのアクセス数が
3,000万件ぐらいです。それに比べると、例えば平成21年1月30日の第一部会ですが、
議事録へのアクセスが4,189件です。その隣に資料や申告書が並んでいますが、資料は
2,792件、申告書にアクセスされた方は1,190件ということで、議事録を読まれた方の4
分の1強は、申告書も開いて御覧になられているという状況です。ただ、PDFで開いて
しまうので、どこまできちんと見られるかは分かりません。アクセスとしてはそのような
状況です。
 もう一つ、8月の部会も調べました。議事録が2,857件、資料が2,602件、申告書が
737件ですので、議事録を開いた人の4分の1ぐらいの方は、「何だべな」と言って御覧
になられているという状況かと思います。ただ、その2か所しか調べられなかったので、
次回はもう少したくさん調べてみようと思います。
○日比野委員 話が飛びますが、前に示された長谷川先生のアンケートの中で、国公立は
わりとしっかり規程などを設けてやっているけれども、私学は一般的にあいまいだという
ことが、あのときによく分かったのですが、その後、それを何か改善するような動きや方
策、あるいは厚労省から何か働きかけなどはないのでしょうか。
○総務課長補佐 こちらの件は基本的に大学の中のお話になってしまいますので、所管は
文科省です。文科省の担当課にはこの報告書をお持ちして、こういう懸念がある旨をお伝
えしております。ただ、先ほど神山委員からも御指摘があったとおり、その後に厚生労働
省として何か動いたり調べたりしたかというと、申し訳ございませんが、そこのところは
チェックしていないという状況です。あと、全国医学部長会議というものが文科省主催で
開かれておりますので、そこでお時間をいただいております。これは全国の大学の医学部
長が一堂に会する会議で、そこでも利益相反の話とその報告の御提言の内容、きちんとし
てほしい旨の発言はしているところです。
○樋口座長 そのほかにいかがでしょうか。
○日比野委員 仮に奨学寄附金のルールをある程度見直すとしても、しっかりやっている
所と駄目な所がある限り、緩めたら駄目な所が増えるから、やはり緩められない。そうい
うジレンマですね。きちんとやっている所にすれば、きつすぎるということで不満がある
し、かといってそこを緩めたら駄目なところが増えてしまう。もう少し厚労省から積極的
な働きかけがあってもいいような気がするのです。やはり文科省の領域まで口が出せない
ということですか。それが一番大きいですか。
○総務課長補佐 一番大きいです。
○樋口座長 これは以前の会議でも申し上げたことかもしれません。そう簡単に実現する
話ではないと思うのですが、もちろん縄張りというか、他人のジュリスディクションはジ
ュリスディクションとしてあって、こちらには権限がないから要望するしかできないこと
なのです。当然のことながら、我々の縄張りでやれることはやれというのはありますよね。
それが間接的に向こうに影響を及ぼすこともあるかもしれないけれども、それは間接的な
影響ですよと。そういう形でその問題をクリアするということがあり得るのです。
 「例えば」と言っても、いいアイデアでもないのかもしれませんが、国立であれ私立で
あれ、きちんとマネジメントのある大学で奨学寄附金の規程を、紙の上だけではなくてで
きていて、組織としてきちんと管理している所からの委員については、このルールを一部
外すという形で誘導することは、こちらのルールを外すだけの話ですから、ディスクロー
ジャールールで十分なので審議にも参加していただくとか、そういう形ではっきり色づけ
ができて、なぜ同じ委員なのにA委員だけはそういう扱いになって、B委員の方はできて
いないのかというときに、B委員が悪いのではなくて、B委員が属している組織が悪いの
です。それは極端だけれども、全員がそろってからスタートというのは、実際にはできな
いですよね。また、罰則みたいな形で規制を強めれば、みんなうまくいくかというとそう
ではなくて、こういうことをすれば、こういうように正当に取り扱いますという形で、個
別取扱いで最後はいい方向への統一をという話に持っていくという手も、方策としてはあ
るのではないかと思ったりもします。
○桐野委員 私も、それはおやりになっていいのではないかと思うのです。第11条にい
ろいろなお金の種類が書いてありますね。その中には個人のポケットに入るものから、大
学の機関に入るものまで全部並べてあるわけです。この性格はものすごく違って、個人の
ポケットに入って、かつ、確定申告できちんとやるものについては、それはそういうもの
です。ただ、大学に入るものについては、大学がきちんと機関経理をしていて、主として
大学の非常勤の方の人件費だとか、いろいろな研究用の機材の購入などに使われている場
合もあれば、今から30年ぐらい前の感じで言えば、国立大学でもそれが研究者の通帳に
入って、監査もないという状況さえあったわけです。
 今は、おしなべてすべての大学で、そういうことがないかどうか、私には分かりません。
後者のような使い方であれば、個人のポケットに入ったというところまでは言わないにし
ても、かなり不明瞭なのです。ですから、今はもう奨学寄附金というか、機関に入ってく
るお金については、そこから機関の経理の費用が発生して、その経理の費用を支払ってで
も機関経理をきちんとやるというのが、基本的には常識だと思うのです。私立大学だから
しなくてもいいなどというのは通らないと思います。そういうことをやっているのが条件
だというようにされても、私はいいと思うのです。それで何ら不都合なことはありますか。
いろいろなほかの研究なども研究費を出す場合に、「機関経理がなされている機関に限
る」とか、「その研究費の種類は、機関経理がされていることが条件である」と書いてあ
る研究費の募集は幾らでもありますよ。
○神山委員 結局、第11条のただし書に該当するとしたら、機関経理がなされていなけ
れば、ただし書で明らかなものにはならないですよね。そういう意味で、一応教授なら教
授宛に来ているけれども、学部長や施設長などの立場で、学部や施設などの組織に対する
寄附金としてきちんと機関経理がされていて、自分個人のお金ではないということが明ら
かなものは除く、という程度のことでよろしいのではないかと思います。
○樋口座長 このただし書は学部長や施設長だけの話なので、一般的な医学部教授のこと
は、ここでは想定していないわけですね。
 今日は「審議参加の状況について」の資料を使って御説明を伺い、現状の把握が相当程
度できたと思います。この「今後の方向性」というのは、どういうように考えていったら
いいわけですか。先ほど私も言ったのですけれども、この委員会で余りジュリスディクシ
ョンというか、自分たちのアジェンダが何だかんだというのは、アジェンダというのはあ
いまいなところがあって、結局、薬事分科会における審議の在り方が透明性を増すことと
いう方向性に関連するもので、わりに広く取っていいということであれば、今日のような
御報告を伺って、この数字を基にした話だけ議論をするというのでは、やはり本当は狭い
気がするのです。
 結局のところ、こういうことを一体何のためにやっているのかという話ですよね。そこ
に関係するような話で、ここで議論をすればすぐに何かがまとまって、何かが出てくると
いうことでもないかもしれませんが、少し幅広に議論をしていくと。そうすると、そのた
めの資料は一体どういうものになるのかということもありますね。これが一番基本的な資
料で大事なことなので、運用状況についてお知らせいただくというのは大切なことですけ
れども、常に長谷川班をつくって、「毎年やってくれ」と言うわけにもいかないのかもし
れません。
 いろいろありますね。先ほどのFDAのお話などは厚生労働省としても、あるいは担当
部局の方も前にやったように、ヨーロッパの動きであれアメリカの動きであれ継続して、
こういう規程ができたから、もう見ることはないということは、きっとないはずですね。
花井委員は花井委員のルートで、いろいろな情報が入ってくるかもしれませんし。ですか
ら我が国の問題だけでもないので、外の状況とか外的な資料などの関連資料をいろいろ含
めて議論の糧にして、何かアイデアを出していくということでよろしいでしょうか。
○総務課長補佐 座長がおっしゃられるとおり、この数字だけ見て、これについての御議
論だけしていただくということでは、必要な改善方策の検討というところが全く抜けてし
まいます。議論そのものについて、何か制約をするものではないと考えております。私ど
もの力不足でどこまでできるかという問題はありますが、議論の中で出てきた結果とし
て、審議会の審議の透明性なり中立性を高めるという形で、この審議参加規程があります
ので、それに連動して、関連する事象はいろいろとあると思います。
 今日いただいた御指摘の資料に加えて、例えば今、EUではちょうどマネジメントボー
ドで、利益相反ルールの改訂を進めており、今年の秋に改訂版が出るという話もあります。
アメリカは2008年に作ったルールが変わっていないのですが、花井委員からもありまし
たとおり、FDAの改革法の中で利益相反があるけれども、特例的に審議に参加できる委
員の全体のパーセンテージを減らしていく、という目標を持って取り組んでおります。そ
ういった諸外国の状況とか、昨今の報道記事によりますけれども、日本医学会でアンケー
トを取られて、学会が利益相反のルールを持っている所が少ないというお話があって、そ
れにどんどん取り組んでいこうという記事がありました。そういったところでの関連情報
を事務局でいろいろと集めて、それを委員の皆様方に提供しつつ、審議会の審議の公平性、
中立性、透明性を高めるために、よりあるべき姿も含めて御議論していただきたいと思い
ます。
 今回は初回ということで、いろいろな宿題をいただきました。これらも含めて、次回に
そのような資料を事務局で用意できる部分だけ、まずは用意させていただきます。さらに
追加で御要望があればそのときにいただいて、対応できる方策をこちらの方で検討させて
いただければと考えております。
○神山委員 先ほど花井さんのおっしゃった機構の方にも、こういったルールのようなも
のはあるのですか。
○総務課長補佐 あります。機構にもこれと同じようなルールを、内部の規程として定め
ております。
○神山委員 それを参考として出していただくことは可能ですか。
○総務課長補佐 出せます。
○樋口座長 それでは、それもお願いしたいと思います。ほぼ時間になってきました。議
題としては「その他」というのがもう一つありますけれども、何かありますか。
○総務課長補佐 「その他」については特段ありません。本日は活発に御議論いただいて、
また、いろいろと示唆に富む御指摘をいただいて、誠にありがとうございます。本日いた
だいた指摘や御提案については、事務局でいろいろと考えてみて、次回の資料をどうする
かというところも含めて、まずは事務局で検討して、それを次回の委員会に出させていた
だければと考えております。なお、その資料や次の委員会をいつにするかということにつ
いては、少なくとも年1回という形にされておりますので、状況を見ながら今後、座長と
御相談しながら調整等をさせていただければと考えております。
○樋口座長 そのほかに委員の方から何か御意見はおありでしょうか。よろしいですか。
それでは、今日の委員会はここまでにしたいと思います。長時間にわたってどうもありが
とうございました。


(了)

備考
 本委員会は公開で開催された。

連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 高林(内線2714)

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