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2009年3月26日 第11回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会

医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室

○日時

平成21年3月26日(木)16時~18時


○場所

全国町村会館 ホール


○議事

○北村座長 それでは、定刻になりましたので、第11回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、年度末の大変御多忙な中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、出席確認と配付資料確認を事務局からお願いいたします。
○事務局 まず最初に、本委員会の委員でございました田野委員が、本年1月31日に急逝されました。御冥福をお祈りいたしますとともに、慎んで御報告を申し上げます。
 続きまして、本日、本検討会の委員といたしまして眼科領域の専門家として御出席をいただいております委員の御紹介をさせていただきます。
 日本大学医学部附属板橋病院院長、澤充様でございます。
 続きまして、本日御欠席の委員について御報告申し上げます。本日は加納委員、四宮委員、中谷委員、平岡委員、吉田純委員、渡辺委員が御欠席でございます。
 なお、釘宮委員、笠貫委員が若干遅れて御到着とお聞きしております。
 本日、飯沼委員、梅田委員、澤委員は所用がございますため、途中で御退席されるとお伺いしております。
 続きまして、本日の検討会に合わせまして、ワーキンググループの専門家として2名の先生に参考人として御出席いただいておりますので、御紹介させていただきます。
 オリンピア眼科病院顧問の前田利根様でございます。
 国立がんセンター中央病院放射線診断部長、荒井保明様でございます。
 続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
(配付資料確認)
 なお、本日は前回の議事録をお席に御用意させていただく予定でございましたけれども、事務局の手違いがございまして、本日は御用意できておりません、申し訳ございません。
 配布資料につきまして過不足等ございますれば、事務局まで御連絡いただければと思います。
 以上でございます。
○北村座長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは早速、本日の議事に入りたいと思います。本日は早期導入の検討対象医療機器についてとなっておりますが、内容につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○医療機器審査管理室長 それでは、御検討に先立ちまして、利害関係の確認の御報告をさせていただきたいと思います。
 この検討会におきましては、検討会の委員は検討品目に対して関与または特別の利害関係を有する場合は、検討会の座長に申し出ることとし、関与等がある場合には当該品目について発言することができないと一番初めの会議で取り決めをしていただいております。今回御検討いただきます緑内障のインプラント、消化管用のステントでございますが、委員の先生方に事前に利害関係がおありになるかどうか確認をさせていただきましたが、利害関係等があるという御報告はありませんでしたので、御報告をさせていただきます。
 以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、本日2品目についての審議に入らせていただきますが、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○事務局 御説明申し上げます。本日の御審議でございますが、今年度選定いただきました8品目のうち、緑内障インプラント及び消化管ステントの2品目の御審議をお願い申し上げます。
 本日、審議予定の緑内障インプラントでございますけれども、主担当をオンリピア眼科病院顧問の前田委員に、副担当を日本大学医学部附属板橋院長、澤委員にお願いいたしまして、ワーキング報告書を作成いただいております。本日は前田委員より内容につきまして御報告をお願いしております。
 また、消化管ステントにつきましては、主担当を国立がんセンター中央病院放射線診断部長、荒井保明委員に、副担当を青森県立中央病院長の吉田委員にお願いいたしまして、ワーキング報告書を作成いただいております。本日は、荒井委員より内容につきまして、御報告いただく予定でございます。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。それでは、まず、緑内障インプラントの検討に入らせていただきたいと思います。
 主担当の前田利根参考人よりワーキンググループリポートの説明をお願いしたいと思いますので、前田先生お願いいたします。
○前田参考人 それでは、資料5「WG報告書」、緑内障インプラントを御報告いたします。
 中段の対象医療機器の概要から説明を始めさせていただきたいと思います。
(資料5「WG報告書」「対象疾患医療機器の概要」朗読)
 これに関しましては、具体的にお手元にあります白い緑内障用インプラントの説明の別添1の参考文献の2ページ目にフィギュア1がありますが、3種類のデバイスがこのようにあります。大きいものから小さいものまであるというわけでございます。
 資料5に戻らせていただきますが、対象疾患について説明いたします。
(「対象疾患について」以降朗読)
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 事務局から何か補足事項はございますか。
○医療機器審査管理室長 特にございません。
○北村座長 それでは、ただいま前田参考人から説明をいただきました緑内障に伴う房水のドレナージをする眼内埋込みの装置でございますが、日本には導入されていない、いろいろ問題もあるようですが、今度は澤先生からの御意見もちょうだいしたいと思います。
○澤委員 この難治性の緑内障に対するインプラントということでございますが、難治性の緑内障とは今、御説明があったような現在行われている薬物・手術療法に対して無効な事例で、眼圧がコントロールできないために視機能として重要な視力がどんどん失われていくという状況でございます。そのためまず、眼圧のコントロールをしてやる必要があるということで、このインプラントの出番があるということになりますが、この難治性の状況はいろいろな手術を受けた後に生じる病態ですので、非常に複雑になっている病態に手術をしてインプラントを留置しなければいけないという状況になります。したがって、現在までの報告としてはインプラントを留置する手術野である結膜の状態が正常でない、強膜も正常ではないためにチューブとかインプラントが露出するリスクが約3割近くあるということがあります。露出した場合は眼内炎などの感染症、眼圧コントロール不良などの続発的な不具合のリスクもあるということを考えますと、十分な症例選択と術後の管理が必要であると考えます。
 2点目、人種差についての言及がございましたが、眼球が存在する眼窩ですが、この大きさは欧米人に比して日本人は少し狭いということがあります。したがって、インプラント本体は眼球の眼窩の大きさにある程度合わせた日本人特有の一番小さいサイズが適応になるようです。一方で、小さいサイズはそれだけ眼圧を下降させる力が弱いですから、小さくても眼圧の下降をさせる能力の高いデバイスができるのか、もしくは現在ある一番小さいデバイスでいいのかというようなことでの設計の考慮も必要かと思っております。
 一方で、現在、難治性緑内障の大部分を占めるものに血管新生が眼の中に起きてしまって起きる緑内障がございますが、これに対しては現在、抗VEGF抗体(血管内皮細胞増殖因子を抑制する薬物)を眼内に入れて、緑内障の状態を少しでもよくするという方法が検討されて、その結果もある程度よいと報告されつつあります。要するに、このインプラントでなくても治療の効果が上がる可能性が出てきているというのも実際上ありますので、そうした報告も視野に入れながら、インプラントの評価をしていく必要があるのかと思っております。
 早期導入の実現性に関しましては、既に我が国でも未承認でありますけれども、やむを得ない症例に対しては使われて、文献報告もなされておりますので、十分導入の可能性は高いと判断しております。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 それでは、委員の方々から御質問あるいは御意見をいただきたいと思います。
 私から前田先生にお聞きしたいのは、3種類のサイズがありますと御説明いただきまして、今も拝見いたしておりましたが、日本人は確かに大きなものは入れにくいとか、実際に先生は最小のものを使うことがほとんどであるとか、日本人特有の傾向というのはございますか。
○前田参考人 やはり市販されているサイズの中で一番小さいものを使うことが多いと思います。今、澤先生が言われましたように、既に結膜に瘢痕等々がありますと、縫合したときの難しさというのがありまして、デバイスそのものが大きいと結膜の切開線も大きくなる、縫合不全も来しやすいということがありまして、製品の大きさは小さいものを選択されることが最も多いように感じております。
○北村座長 そのときに、小さければそれだけドレナージのチューブも細くなるので閉塞しやすいとか手技的には問題が起こりやすい、あるいは詰まってしまって取り出す必要があるといった合併症等もありますか。
○前田参考人 小さいときの問題点は、プレートが小さいので瘢痕形成が逆に早まるのではないかと。要するに、房水が出てくるアウトレットのところのお皿の面積が大きければ大きいほど、長い間じわじわ水が漏れるのではないかと。小さいとあっという間にその周りが瘢痕形成されてしまって、濾過効率が短期で終わってしまう。勿論そうなった場合はもう一度結膜を開けまして、デバイスの周りを覆っている結合織をもう一回取り除いて、また結膜を結んでということをするわけですけれども、そういう意味では反復して手術はやれるという効率がありますが、小さい方が手術成績が悪いかもしれないという仮説はあります。
○北村座長 委員の先生方、御質問・御意見ございますか。
 必要性についてはあるだろうと。いつでもこの委員会で問題になりますように、そうすればどれくらいの技術と、どれくらい手術に習熟した人が行うといい結果が出やすいのかとかそういうことも含めまして、御意見をいただきたいと思いますが。
○梅田委員 この方式は、正常圧緑内障に対しては適応が全くないんでしょうか。という理由は、正常圧緑内障に関しては、患者に対してプロスタグランジン系統とかアルファブロッカー等が更に圧を下げるためと称して一般的に使われていますね。この場合には眼圧が高いものだけが適応なのか、それとも正常圧の場合でも適応があるのか、それを伺いたいんですけれども。
○前田参考人 正常眼圧緑内障にも使おうと思ったら勿論使えるデバイスだとは思いますが、普通は薬剤治療、レーザー治療等々で眼圧が下がらないで、もっと眼圧を下げたい場合に正常眼圧緑内障にやるとすれば、従来から行われていた繊維柱帯切除術というものが選択されると思います。やはり2回、3回手術をやってだめだった場合にこのような術式が選択されることが多くて、最初から正常眼圧緑内障にこれを入れると考える日本の眼科医はいないのではないかと思います。
○梅田委員 ということは、この方法は正常眼圧緑内障には適応がほとんどないという意味ですか、それとも適応はこれから出てくる可能性があるということですか。
○前田参考人 適応がないと思います。やはり難治性緑内障といって、ありとあらゆる外科的治療に抵抗する場合にだけ適応が出てくると考えます。
○千葉委員 ただいまのお話で、アメリカでは1991年にFDAで承認している。今のお話からしますと、2004年から去年まで3万個アメリカで販売していると。1991年にアメリカでFDAで製造承認して販売もお受けになって、2004年からの販売個数だけが今お話があったわけですけれども、かなり長い年月、10年以上FDA承認以降、一切使われていなかったのがアメリカでの状況だったんでしょうか。そうだとすれば、その理由は何かあったんでしょうか。
○前田参考人 これは数の調査がメディケアのデータがとれなかったというだけの問題で、メディケアで何例使っていたかのデータがとれたのが2年にわたってだけなので、1991年の承認からその間の数字に関しては私は存じ上げません。
○千葉委員 もう一つは、露出率が30%とおっしゃっておられましたね。こういう場合にインプラントを取り替える再手術といいますか、そういうことはこの手技は十分にできるものでしょうか。つまり、安全弁として。
○前田参考人 この30%というのは報告者によって違うと思います。報告施設、報告のレポーターによって違うと思います。少ないところですと2~3%と言っているところがありますが、多いところは30%と言っているところもあると思います。
 何度もやれるかという話ですけれども、実際に何度もやれると思います。本当に結膜組織が完全に瘢痕化した場合は、例えば、いろいろ反対側から結膜を移植する等々いろいろなことをやりながら実際にやられていると思います。
○千葉委員 それでは、もう一つ最後に。平均17.3か月の追跡結果の発表がありますけれども、今まで御存じの範囲で一番長い追跡期間といいますか、症例報告はどれくらい使われているものがあるのでしょうか。そして、それで問題といいますか、何か聞いておられるでしょうか。
○前田参考人 私の知る限りなので個人的な意見で申し訳ないですけれども、95年から現在に至るまで入っている眼というのがあります。問題は、術直後は勿論結膜が開いてしまう、本器が露出するというのが術直後の合併症であると思いますけれども、問題は長期間しておりますと、水の流れがチューブの中で詰まるということはないんですが、チューブの出口でさっきお話ししたように線維芽細胞等が増殖してきて、チューブの出口に瘢痕をつくってしまって水が流れなくなると。その場合、もう一度結膜を開けて、デバイスの上を覆った結合織をとって、また水が流れてきますから、製品そのものは入れ替える必要はないんですね。製品の周りの結合織をとって、また結膜を閉じると。でも、患者さんにとってみれば再手術と言えば再手術に近い処置があるんですけれども、そちらのチャンスの方が多いんじゃないかと思います。
○千葉委員 インプラントの手術費用と従来の手術費用は、コストはどれくらい違うものでしょうか。
○前田参考人 海外ですか。済みません、ちょっと存じ上げません。
○千葉委員 高くなることはなさそうですか。
○前田参考人 価格は余り詳しくないんですけれども、デバイスは500ドル、800ドルぐらいしているんじゃないかと思うんですが、500ドルでは買えていないかもしれませんね、もっと高いかもしれませんね。ただ、ほかに選択肢がないものですから、仕方なくこれを使うという形だと思います。
○千葉委員 ありがとうございました。
○北村座長 ほかに御意見ございますか。
○事務局 事務局から補足の御説明でございますが、先ほど千葉委員から御質問のございました累積の販売数ですが、実は企業が作成した資料の内容を見ますと、今回エイエムオー社が申請しているのですが、この品目をそもそも所有していたファーマシアという会社の2004年からのデータをこの報告書に書いてきております。従いまして、それ以前のものについてはエイエムオー社としても把握していないという点から、先生に御記載いただいていると思います。
○北村座長 ほかに御意見ございますか。
○笠貫委員 先ほどの千葉委員の御質問に対する回答についてですが、露出物が報告者によって2~3%から30%という回答でしたが、そうだとすると、それだけ施設によって違うのか、あるいは術者の経験年数なのか、その分析の結果は、これからの施設基準あるいは医師の研修、そのガイドラインづくりに影響すると思います。そこについて何か分析というのはあるんでしょうか。
○澤委員 合併症の率を見る場合、まず期間があります。私が挙げた30%は我が国で一番多くなされている医療機関でのものです。ただ、全体数がそこでも三十何眼のうちでの12眼というリポートになっております。
 あと、難治性とはいっても、どのような結膜の状態のときに手術を行ったかによって、この露出率はかなり違ってくると思います。これは日本のデータでは高かったんですが、やはりすべてのことをやり尽くしてほかに方法がないということで、手術野の状態が極めて悪い状態に慎重に行ってきたと考えられます。ですから、非常に術後の経過もフォローアップも厳しくやってきておられるので、こういうデータが出ているのだと思います。低いところはほとんど外国のデータですが、そこのところはどうも低く出てしまうんじゃないかと思います。ただ、先生のおっしゃるとおり、術後の経過を十分に見られる施設でないとだめだろうとは思っております。
○北村座長 適応等は外国の比較試験が行われた結果が出ていますが、こういう基準適応対象、つまり、トラベクレクトミーがやられた後コントロール不能なものと我が国でもしてよろしいのか、日本の場合は外国のような適応とは随分違う形になるのか、その辺はどうお考えですか。つまり、そういった既存の手術方法をせずに、どんどんこれを入れてしまった方が簡単だとか、合併症は割に少なくて同等の効果なんだからというような形でやるのか、あるいはやはりトラベクレクトミーが効果がないという、あとのものとして位置付けるのか、その辺は。
○前田参考人 幸い、日本の眼科手術医は分野を超えて乗り越える人がいなくて、緑内障手術医は緑内障手術医、いろいろなことをすべてやる手術医というのはやはり少ないと思います。緑内障手術医は比較的良識のあるサージャンが多いと私は思っていまして、それは私のことではないですけれども、ですから、いきなりこれを最初からやろうと思う緑内障手術医はいないんじゃないかと思います。
○北村座長 そういう面では、かなり適応症に制限を加えて導入してもよいというお考えでいらっしゃいますか。
○前田参考人 そうだと思いますし、逆に言えば、制限を加えなくても緑内障手術をする医者であれば、そんなことは言われなくてもわかっているさと。最初からこんなのを入れる医者がいるわけがないと。彼らはそう判断するのではないかと私は思っています。
○北村座長 それは医者の判断に任せてほしいというところがありますか。
○前田参考人 いえ、それはどちらでもいいんじゃないかと思います。
○笠貫委員 露出率は、ほかのものをやっても全部だめで入れたときに30%になってしまい、少し早めにすると3%だというお話になると、どの時点でやるかは、専門委員の先生方が評価するならば、この対象の縛りを少し緩めてもいいのではないかという考え方が出てくると思うのですが、そこについてはどうでしょうか。縛り過ぎると、逆にさっき言ったような露出率が高くなり、余り縛り過ぎない方がいいかもしれません。その縛りをどの程度まで緩めることができるのか、今の縛りでいいのかというところについてはいかがですか。
○前田参考人 確かに先生のおっしゃるとおりで、例えば、極端に若年者に対して緑内障濾過手術をやった場合は、若年者の場合線維芽細胞の増殖が非常にアクティブですから、瘢痕形成が早い。そうすると、普通の手術ではとても無理だろうと思われる症例があるのも事実です。従来そういう人たちにはマイトマイシンC等の抑制薬、線維芽細胞の増殖抑制薬を併用して緑内障の手術をしていたわけですけれども、そういう明らかに術後のサクセスレートが低いだろうという症例に、このデバイスが使われる可能性があるとは思います。その場合は、確かに結膜が離開して露出するというようなチャンスは少ないと思います。ですから、確かに明らかに予後が悪いと予想される症例に2回も3回も普通の手術をやってからやるよりは、最初からこれをやろうと考える緑内障専門サージャンが出てくる可能性はあると思います。その方がいいようにも少し思います。
○北村座長 ほかに御意見ございますか。
○吉田(茂)座長代理 いろいろと討議の中で対象疾患が見えてきましたけれども、治験に関する動きというのはどうなっているんですか。例えば、日本でこの治験をやろうという機運は既にあるのかないのか、もし治験をやるとすると、それに対応するグループがあるのかないのか、その辺はいかがですか。
○前田参考人 私が聞いた限りでは、これも随分前に米国では認可されているデバイスですから、なぜ入らないのかという話をいろいろな人に聞いた限りは、治験をやると余りにも高額にお金がかかってしまって、やっていられないと。米国、EUでは認可されているわけですから、わざわざ日本でもう一回同じことをやるのに高額なお金を払うと、業者さんが言うには、うまくお金の面でやってられないという噂を聞いたことがあります。
○吉田(茂)座長代理 そうすると、早期導入というのは治験なしで認めてほしいということですね。外国データがあるので、それを外挿して承認という方向にいってもらえれば、そればいいと。
○前田参考人 私はそう理解しているんですけれども、違うんでしょうか。
○医療機器審査管理室長 先生にまとめていただいたレポートにも、事務局の理解ですけれども、3ページの一番下から、導入に際しては、海外・本邦での緑内障の現状、治療の現状と治療方法が同じなのか、違うのかというようなこととか、瘢痕形成の人種による差といったものを考慮して、海外で実施されている臨床試験データを活用できるか検討することが望ましいということで、基本的には臨床試験データ、外国での治験データを活用できるかをまず優先的に検討するということで御意見をいただいたものだと理解しておりまして、本品について行われております臨床データを基に、瘢痕形成の人種差等、またサイズの問題もあるようでございますが、勘案しながら、また、適応対象をどのくらい絞るかとか、また、市販後の安全対策をどうするかということを加味しながら、外国臨床データだけでいけるかどうか、それを最優先というか第一選択として検討していくのかなと思っています。
○吉田(茂)座長代理 どこでやるんですか。
○医療機器審査管理室長 検討自体はPMDAで、もう少し細かいアメリカ等で行われた臨床データとかサイズの問題も含め、外部の先生のコメントもいただきながら、PMDAで個別に治験相談といいますか、開発相談を受けていただくことになるかと思っています。
○北村座長 それでは、大体御議論いただいたと思いますが、本デバイスを眼科の難治性緑内障治療の手段として早期導入してくれという眼科の御意見・御要望に対して、当検討会としては早期導入への方向性で検討に入ってもらうということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 あと実際的に、日本ではどの企業がこれを取り扱うことになるのかは今からの問題でして、全くないということになりますと、また、できないということもあり得ますけれども、そのときの条件に関係してくるでしょうね。ですから、先ほど申されたように、日本人の眼球の大きさとしてこの3種を同時にするのか、中と小でいいのか、あるいは日本人の適性を、先生の御論文はございますけれども、10例、数例でも成績を出してくれというのか、あるいは市販後の追跡データをしっかり出してくれというのか、その辺は総合機構の方と個別企業との判断において、その中で誰がどのような適応に対してすれば最もいい効果を提供できるのかということ、ガイドラインの作成が必要であれば、それには良識あるグラコーマ・サージャンが集まって提出していただくという形になると思うので、それでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 それでは、この検討会としては早期導入の必要性を認めまして、企業、その他個別の懸案についての作業に厚生労働省並びにPMDAで進めていただくということにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次に、2つ目の早期導入の要望のございました消化管用ステントの検討に入らせていただきたいと思います。それでは、主担当である荒井保明参考人より、ワーキンググループのリポート説明をお願いしたいと思います。
○荒井参考人 消化管用ステントのワーキンググループの御報告をさせていただきます。
 対象疾患、主要目的は、悪性腫瘍による大腸及び胃十二指腸の閉塞部位の開存に用いるというものです。
 品目が多いため、別紙として横長の大きいものにしてありますが、そちらをごらんいただければと思います。
 その前に、今更ステントということについての御説明は不要かもしれませんけれども、もしあれでしたら、何社かの資料がありますが、その一番上にUltraflex十二指腸用ステントとありますが、その2ページ目にカラーの写真が載っております。これは幽門から十二指腸に分けて置いたステントの広がった姿ですけれども、こういったものを想像していただければよろしいかと思います。デリバリーのシステムには最初細い状態で入っていって、目的部位で拡張してこういった形になります。
 この絵で右手がちょっと膨らんでおりますが、これは通常我々がフレアーと呼んでいる部分で、こういった膨らみを持った場所に関しては膨らみを持たせて、ステントが移動しないような工夫をするということがあります。例えば、これが大腸になりますと逆に直腸膨大部というのがおしりに近い方が広がっておりますので、逆向きに入れるといったようなことで、かなり消化管の状況によって入れ方が変わってくる。形としてはこういう編み目状のもので、メッシュ状のもので広がるという構造です。
 すべての製品をまとめた表に戻らせていただきますけれども、先に機器の概要について触れておきますが、すべてのものが原材料はナイチノールでできています。今申し上げましたように、フレアーという膨らんだ部分があるもの、ないもの、あるいはカバーがあるもの、ないものといったことで、総じて十二指腸、大腸用と分けてありますけれども、実際にはその中に更にいろいろな種類がありまして、すべての種類を申し上げるとかなりの数になります。
 基本的には非常に類似しておりまして、それぞれの場所に合わせられるようにフレアーがあったり、なかったりということと、あとはデリバリーのシステムが大体10フレンチ、3~4?o径のものに収めて入れて、入れ終わるとそれが20?o前後まで膨らむという形で御理解いただければよろしいかと思います。
 今のところ今回出てきておりますのは、ボストン・サイエンティフィックの十二指腸・大腸用ステント、これはWallFlexと呼ばれております。それから、センチュリーメディカルのNiti-S、それから、パイオラックスのEnterella、そして、ソリュウションのHANAROSTENTがあります。最後のものを除きますとごらんのように同じような構造で十二指腸にも大腸にも使われる訳で、乱暴な言い方かもしれませんが、消化管自体がそれぞれの場所で太さも多少違いますが、基本的な構造は非常に類似しています。このため状況に合わせて対象部位を区別していると御理解いただければよろしいかと思います。
 では、ワーキンググループの検討結果を、順を追って御説明させていただきます。
 対象疾患は、消化管の狭窄ですので、原発巣としては胃がん、十二指腸あるいは膵がんなどが多いのですが、実際にはその他のがん腫、腹膜播種を来すようながん腫であれば、どのようながんであっても十二指腸あるいは大腸の狭窄が起こりますので、これが対象になります。消化管の閉塞ですので、まずは食べ物が通らない、すなわち経口摂取ができない、排便ができないということがあります、それ以外にいわゆるイレウスと呼ばれる病態が生じますので、これによって腸内細菌叢が変化して、敗血症や、肝機能障害、時には腸が拡張し過ぎて破裂するなど、かなり重篤な合併症が生じます。このため、治療としては、このような狭窄を一時的にでも解除するということが臨床上危急の課題となってまいります。
 一方、これに対する治療法は、基本的には外科治療以外は今のところないと申し上げてよろしいかと思います。化学療法あるいは放射線治療が行われる場合もありますが、これはごく稀な非常に感受性の高い腫瘍の場合であり、化学療法が効いても1回狭窄して瘢痕化した消化管がまた開いて食物が通る状況になることは極めて難しいため、実際には外科治療以外はほとんどありません。
 しかし、特に十二指腸の狭窄ですと、外科手術というのは膵頭十二指腸切除という大規模な手術になりますので、通常できない方が多く、結局は消化管減圧ということでチューブを入れて中身を抜いて、膨らんだ腸管の圧力をただ下げるという対症療法に終始します。一番典型的なものが鼻から入れるチューブで、場合によってはおしりから入れることもあります。また、時には胃瘻とか空腸瘻をつくって入れる場合もあります。
 ただ、ここで疾患の特徴として申し上げておかなければいけないのは、ほとんどの患者さんががんの終末期の患者さんですので、鼻から入れたチューブというのは、事実上患者さんが亡くなるまで絶対に抜くことができないという状況で入れられるチューブであるという点です。このため、クオリティ・オブ・ライフに関しては極めて不良な要因となることを付言させていただきます。
 こういった患者さんがどのくらいおられるかというおおむねの予測、内容はそこに書いてあります。かいつまんで申しますと、恐らく上部十二指腸狭窄につきましては年間約5,000例ぐらい、大腸につきましては、ストーマ、いわゆる人工肛門を比較的小さな侵襲でつくることができます。これをどこまで選ぶかによって変わってまいりますけれども、全体としてはこちらの方が多くて、年間で最大で2万例ぐらいと考えております。
 さっき申し上げましたが、これはあくまで胃がんと大腸がんから類推した数字ですので、実際には先ほど申し上げましたような胃がん、大腸がん以外の播種性の腹膜転移によって起こるようながんでも同じことが起こってまいりますので、そういった数もかなり加算されてくるものと思います。
 次に、医療上の有用性について御報告させていただきます。
 実はこれだけ製品があるんですけれども、この中できちんとしたと言っては語弊があるかもしれませんが、いわゆる前向きとしてデータが集められて、それが実質上FDAなどで評価されたものは、実はWallFlexの十二指腸用のものだけです。その内容、概略を御紹介しますと、43例が登録されて、24週後の経口摂取がよくなったかどうかということで評価しております。ただし、こういった患者さんが24週後に生きておられる確率は非常に低いものですから、この辺は試験デザイン自体がむしろ問題ではないかと思います。結果としましては半数が評価されて有効率50%でしたが、残りの12例中11例は既に亡くなっておられて、その時点で24週後がなかったということで成績の足を引っ張っております。
 ステント留置1か月後ですと86.4%が液体摂取が可能ということで、いわゆるステントを入れたことでQOLが改善しているということは報告されておりますので、理解としてはそちらをとった方がいいのではないかと認識しています。
 もう一つ、大腸狭窄につきましては、国内でJIVROSGという多施設の共同試験組織がありまして、国内で食道用のUltraflexステント、今回は製品としては挙がっておりませんが、この食道用のステントを用いて外科適応のない大腸狭窄に対して治療が行われています。こちらの試験では2週間以上継続する症状の改善を評価しておりまして、有効率が81%、ステントがちゃんと置けたものが33例中32例でした。痛みで1例ではステントを抜かざるを得なかった等々の幾つかの合併症が報告されておりますが、極端に重篤なものは出ておりません。
 ここでも、さっき申しましたように、国内で行われた大腸狭窄に対する試験では、生存期間の中央値がわずか91日ということで、対象となる患者さんの予後が極めて短いということが指摘できるかと思います。
 もう一つ、ここには書いておりませんが、先ほど申し上げた表の中で言いますとNiti-Sというステントに属します十二指腸ステント、大腸ステントにつきましては、資料の中では企業の方から国内で行われた臨床試験が報告されております。概略だけ申しますと、こちらのかなり分厚いセンチュリーメディカルという会社が出しているものの29ページに概要が書いております。ただ、これにつきましては詳細を見ましても、どの時点で評価を行ったかという細かなことがありませんので、あえてここでは試験の結果として取り上げてはおりませんが、結果だけを抜粋しますと、29ページを見ていただきますとおわかりいただけると思うんですが、とてつもなくいい結果というか、臨床的には症状が改善したということが触れられております。
 まとめますと、この消化管のステントというのは消化管の狭窄部位の拡張に用いられ、狭窄した消化管が広げられるということは結果としては患者さんのQOL、すなわち摂食、排泄、それから、本来それに伴って起こってくる種々の合併症が回避できるということで、QOL向上に著しく貢献すると言えると思われます。勿論患者さん、御家族にとっても有用なものと思われます。
 諸外国における使用状況に移らせていただきます。こちらは最初に申し上げました別紙に書いてありますが、ごらんのように左の2つ、WallFlexの大腸用と十二指腸用が米国で承認を受けておりまして、そのほかは米国では未承認。それから、欧州では一番右端のソリュウションを除きますと承認を受けているという状況です。それぞれ適用につきましては、先ほど申し上げましたとおりです。
 それから、使用状況も下段に書いておりますが、左から2種類が多くて、真ん中はまだ数的には余り多くない、要するに2万というオーダーと2,000というオーダー。それから、一番右が6,000本で、その手前のEnterellaにつきましては、500本単位というぐらいの使用状況ではあります。
 次に、我が国における開発状況ですけれども、これまで本邦においては消化管の悪性腫瘍による狭窄部位の拡張を目的とした製品の開発自体は行われてはおりません。
 検討結果に移らせていただきます。まず、十二指腸、大腸の狭窄がいかに具合の悪いものかということは冒頭で申し上げましたけれども、ステントはこれを治療するという点で、患者さんの症状の改善並びにQOLの向上には大きな効力を発揮するものと言ってよろしいと思います。
 また「すでに国際的にも患者QOLの観点から標準的治療としてのコンセンサスが得られており」という表現をいたしましたが、これは文献を引用することができないんですが、今年行われたASCO-GIシンポジウムという腫瘍学に関しては世界最大の学会ですが、そこで症例についてのミーティングがありました。そこで、参加者がイエス・ノーでボタンを押すとパーセンテージが出るような仕掛けで、実際に大腸狭窄の患者さんにまずどういう治療を行うかたずねたところ、文句なしに直腸ステントが選ばれる。すなわちメディカルオンコージストが参加する学会で既にこういう答が出るということから見ても、欧米ではステンを入れて狭窄を解除するというのがスタンダードとして認知されているということが言えると思います。
 ただ、実際には提出された資料から、先ほど申し上げましたように、最初のWallFlex、ここに書いておりませんが、Niti-Sの国内のデータを除きますと、あとは論文による評価のみであって、抄録等に近いものもありますので、どの製品を使ったかがなかなかわからない、同定できないものもあります。ということで、ともかくこの製品群が末期がん患者さんにとって非常に危急に必要とされている物品であるということを考えますと、まず、早い導入は必要であろうと。そして、臨床データという点から申しますと、一番強いのは先ほど申しましたWallFlex、これはFDAで通っていますので、そのデータは何とか使っていただけるのではないか。それから、国内で前向きの試験を行っているNiti-Sに関しましても、これに近い考え方で導入を図っていただければいいのではないかと考えております。
 それでは、その他の臨床データがまだ十分でないステントはどう考えているかについても、少し言及させていただきたいと思います。
 まず、金属ステントと申しましても、同じステントでもこれは例えば心臓の冠動脈によるステント、あるいは四肢の血管でもそうですが、血管に入れるものと消化管ステントでは根本的に環境が違っております。乱暴な言い方をすれば、口からおしりまでというのは体の中でもありますが、実は体外でもあります。血管内に留置するものに要求されるものとはかなり条件が違うということを御理解いただきたいと思います。
 それと、それぞれのステントの形は類似しておりまして、構造も極めて似通ったものです。そういう点を考えますと、それぞれのタイプにバリエーションがありますけれども、ステントについて個々に非常に厳しく評価していただくよりは、似たようなステント同士の使えるデータをなるべく有用に使っていただいて、勿論製品の特徴性には配慮していただかなければいけませんけれども、そういった点もおおむね似通ったデータを極力有効に利用していただいて評価していただければと考えております。
 最後に、本製品が今後導入された場合の対応ですけれども、実は国内では既に先ほど申し上げました食道用ステントを十二指腸、直腸に使うということは、臨床の現場では努力されて実際に非常に使われております。ということですので、いわゆる使い方が下手だから大きな合併症を起こすということに関しては、国内については余り考える必要がないのではないかということで、実施施設について特段の基準を設ける必要はないと考えております。
 ただ、今後使用が拡大してきますと当然のことながら、こういった新しいデバイスが広まるにつれて、これまで知られていなかったような重篤な不具合あるいは技術が未熟なために生じる不具合等が出てくる可能性もありますので、承認後一定期間、市販後調査を行う必要があると考えております。
 以上です。
○北村座長 ありがとうございました。
 事務局より追加はございますか。
○医療機器審査管理室長 報告書の一番最後のページで「臨床試験データがあるWallFlexの導入をまず図ることが」となっていますけれども、臨床試験データがあるWallFlexとNiti-SについてもFDAの評価は勿論受けておりませんが、前向きの臨床試験があるということで、ここに書き込むということで修文をさせていただければと思います。
○北村座長 どこですか。
○医療機器審査管理室長 「臨床試験データがあるWallFlex及びNiti-Sの導入をまず図ることが適当であると考える。その他の臨床データのない」という。
○北村座長 最後の検討結果のところですね。わかりました。
○医療機器審査管理室長 今、先生から御報告がありましたように、その他の臨床試験データのないものについても、ステントの特性を考えて、どういう形で評価できるかについては検討が必要だということで理解をいたしました。
○北村座長 それでは、委員の方からの御審議に入りたいと思いますが、まさしく今の問題が、前にも同じようなケースがあったんですけれども、4種類が出てきたときに臨床データあるいは治験、諸外国の状況を踏まえて、どれをどのように選択するのかというような問題があるわけですが、ちょっと確認したいのは、一番最後のソリュウションというところのHANAROSTENTは、欧州は取得日不明と書いてありますが、これは取得されているんですね。されているけれども、日にちがわからないということで。
○荒井参考人 企業に確認いたしましたところ、確実に認証されておるということは聞いております。
○北村座長 認可されているんですね。そうしますと、先ほど荒井参考人からは2つ目、3つ目、4つ目の2つ目という意見がちょっとありましたけれども、この3つに関しては条件は一緒なんですか。あと論文の数が違うとか何かあるのか。
 それともう一つは、最初のWallFlexとNiti-Sというのはカバードステントではないのですか。カバードステントはあとのEnterellaというものとHANAROSTENTというのもしかないんですか。ステントのカバーがあるかないかということが、どのくらい消化器の外科の先生にとって意味があって重要性があるのかというのが、ちょっと知りたいところなんですけれども。
○荒井参考人 私の今回出させていただいた資料からの理解では、カバーをつけているのは右側の3列です。
○医療機器審査管理室長 Niti-Sもカバーがあるものがあるということでよろしいですか。
○北村座長 Niti-Sはカバーがありますか。
○医療機器審査管理室長 Niti-Sもカバードがあります。カバードがないのは一番左側のWallFlexです。
○荒井参考人 失礼しました。
○北村座長 Niti-Sは7ページではカバードがありますね。シリコンカバードハードステントと書いてあります。それとPTFEのカバードステントがありますね。そして、WallFlexというのはないんですか。これはカバーはないわけですね。わかりました。
 カバードとカバーがないのと両方要るのかどうか、消化器の専門の先生、梅田先生、吉田先生、何か御意見ありますか。
○梅田委員 今のステントに関しましては、一般的にはカバーのないものを使っているんじゃないでしょうか。
○荒井参考人 通常はおっしゃるとおりカバーがないものが第一選択になります。これは血管ステントと結構似ておりまして、外から外圧性のもの、腫瘍が比較的固くて、網目状の単位で広げることによってもメッシュのすき間から食い込んでこないものについては通常カバーなしでいけます。逆に、非常に柔らかい腫瘍で、広げても編み目の間からどんどん中に入って、結局内腔として細くなってしまうようなものにつきまして、あるいはいわゆる穿孔の危険性があって、カバーをすることで内腔と腸管の外側をきちんと隔てたいという意図がある場合にはカバーを使う場合があります。
○梅田委員 胆管ステントの場合はどうでしたか。
○荒井参考人 現在、胆管も結構議論があるところですが、両方使われておりますけれども、最近の趨勢としましてはデリバリーがカバーの場合、太くなるので使いにくいんですが、特に胆管が1本にまとまってから以下の部分につきましては、カバーを使った方が閉塞までの期間が延びる傾向があるとされています。これは実はエビデンスはないんですけれども。
○梅田委員 胆管は確かに狭くなるので、いろいろ浸潤してすぐ詰まってしまうものですから、胆管には使ってもいいのかなと思うんですが、消化管に関して言えば、やらないとクオリティ・オブ・ライフが極めて悪いんですね、いろいろな意味で。それで、使わざるを得ないというのが現状でありまして、是非これを早急に十二指腸や大腸では認められておりませんので認めていただいて、一般用に使えるようにしていただきたいと思います。
○笠貫委員 基本的には半緊急避難的なので、これは早期導入という結論で私も賛成です。そこで先ほど御指摘のあったように、機種が4つ出てきたときどうするか、差別化を図るのかどうかという問題で、先ほど事務局から欧米のデータでNiti-Sは前向き研究もあるということですね。あとの2つはどうするかというところで、EUとアメリカで承認されているかどうかというのは1つ大きなポイントだと思います。アメリカとヨーロッパの承認の厳しさというのは違いがありますが、Niti-Sはアメリカではまだ未承認ですね。前向きで許可するとなると、あと2社の違いはヨーロッパでの承認時期ぐらいで、根本的な問題ではなくなります。そうすると、そこに4機種の差別化を図る必要があるのかどうか、ちょっと疑問に思います。原材料、形状が同じだとしたら、同等に扱ってもいいんじゃないかという感じがします。そのときの条件として、アメリカでなぜNiti-Sを含めてほかの3種類が未承認なのか、申請して検討中なのかどうかについてデータとして全部そろえるべきだと思います。海外の臨床研究データは少ないにしても、文献等を含めてすべて評価をするという条件にして、私は4機種は余り差別化はないのではないかという感じがします。
 そのときに、先ほどの承認後の一定期間市販後調査ということに厳しい条件をつけた方がいいんじゃないか。やはり全症例登録をすることにして、一定期間でいいと思うんですけれども、そうすると、日本での前向きコホート研究になると思うんです。そういう意味で既に半緊急避難的に使われている全症例をこの4機種についてすべて登録するということで評価が可能かと思いますので、承認後の条件は厳しくしていただきたいというお願いと、もう一つ、なぜアメリカで未承認なのかという、3機種についての御説明を加えていただきたいと思います。
○北村座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますか。
○吉田(茂)座長代理 今の笠貫先生の御指摘なんですけれども、実に難しいのは海外未承認、ニーズの高い医療機器という対象は機器ですよね、術ではないんですよね。消化管にステントを入れるという術を認めるか認めないかではなくて、それに使う機器を認めるか認めないかの話のはずなんだけれども、材質も同じだし、似たようなものであるからということで、一気にそれも全部実は欧米で未承認だけれども、日本としては導入するんだということでやっていいのかどうかというのは、私はちょっと判断できないんですよ。この検討会でやるべきことというのは、別に欧米未承認であっても、どこかで承認されていれば、類薬というか類製品も併せて早期導入を図るべきだと結論できるのでしょうか。
○笠貫委員 アメリカとヨーロッパの違いは、今度の場合には最初のWallFlexはアメリカとヨーロッパで承認され、ほかの3機種についてはヨーロッパで承認されていて、アメリカで承認されていません。アメリカとヨーロッパの承認基準は違いますから、その問題はクリアしないといけないですよね。その理由がどうかという現状を明らかにしてからでないといけないのではないでしょうか。そうすると、Niti-Sを承認するのだとしたら、ほかの2種も差別化はできなくなり、4種類一緒になるんじゃないですかという考え方もあります。
○北村座長 そこが一番冒頭に申し上げましたように、頭の痛いところですね。こういう器具で材質はナイチノールと、最近ほとんどの医療用機材でこういう合金が使われていますけれども、今のような承認の状況が違う中で当検討会として、これは早期導入に推薦したいが、これは抑えるというような判断できるかどうか、そこが一番難しいところなんですが。残念なことに厳格にしましてFDAの審査を最も重視するという形での早期導入を考えるのであれば、1つだけになってしまうわけですけれども、これはアンカバードしかないと。カバードはほかのものを導入しなければいけないとなると、この3つの中でどれがOKでどれがだめというのは私も笠貫先生と同じように難しかろうと思われますし、これをPMDAに丸投げしてやれと言ってもどうされるのかわかりません。その中でいい方法があれば御意見を伺ってPMDAに投げかけたいとは思いますが、まず、どういう形にしろ我が国では食道ステントというのが認可されておりますので、それが適用外使用という現状があるんですね。それを改善するためにも早期導入する必要があるということでは皆さんの御意見は一致しておるのではないかと思います。それはよろしいですね。
○吉田(茂)座長代理 それで、1つだけ確かめたいんですけれども、これは胃がんと大腸がんで出していますよね。食道が抜けているから、WallFlexは食道には使わないという前提なんですね。食道はUltraflexで、他の消化管はこちらを使うと。
○医療機器審査管理室長 はい、そのように理解しています。
○吉田(茂)座長代理 逆に言うと、これは食道に使えないということですか。
○医療機器審査管理室長 そのように理解しています。もしかすると、デリバリーの違いなのかもしませんけれども。
 先ほどの吉田先生の御指摘は、もしかして理解が不十分なのかもしれないんですが、先生がおっしゃったように、技術ではなくて医療機器の導入ということではあるんですけれども、一番初めに検討会でそんな御議論があったと思うんですが、欧米で技術としてやられているけれども、日本ではそういう技術がそれに使う医療機器がないためにできない。そういう医療技術に対してできるようにするために、医療機器を早期導入するべきものがあるかどうかということで、例えば、今回のような欧米での承認が両方そろっていないとだめということではなくて、欧米で技術としてどちらでもいい。ただ、両方ないということは、両方でも標準的な治療法ではないので、片一方だけで承認をとられていてもいいし、人口心臓のときに御議論があったんですけれども、例えば、人口心臓というもの自体は世界にあって治療法としてもあるけれども、日本にはない。そのときに、欧米で両方で承認をとっていないものもあるし、片一方だけで承認をとっているものもあるし、両方でとっているものもあるけれども、それは多分差別なくこの場でも御議論されて、大きさの違い等からすみ分けなりが必要かもしれないということで、たしか4品種を選定していただいたということで、今回も欧米の承認状況については基本的には両方なければだめだということではないと事務局としては理解していまして、問題なのは技術として消化管に入れるステントを導入しよう、そのときに一番導入の可能性の高いものを選定しようということだと思うんです。
 前回か前々回の御議論だったと思いますが、臨床試験がない、これから開発ですという品目が1品目だけあって、あと5~6品目は臨床試験があるような品目があったんですが、そのときは治験がそもそもこの品目については必要で、なのに治験が行われていない品目はさすがに治験が終わった品目と比べると、余りに導入の時間に差があるだろうということで、その品目はたしか選定から落とされたと思います。
 今回の場合は、そもそも先ほどの荒井先生の御指摘ですと、治験が要るか要らないかも非臨床、または動物実験のデータである程度評価できる部分もあるかもしれないということであれば、この4つを確かに差別する理由はないのではないかというのが御議論を聞いていての事務局の理解でございます。
○吉田(茂)座長代理 私の誤解だったようです。未承認薬の方は両方そろっていないとだめだということになっているんですけれども、機械の方はどちらかでも構わないということなんですね。
○医療機器審査管理室長 医療技術としては基本的には両方で、欧米で標準的な治療として行われていると。
○吉田(茂)座長代理 だから、承認は関係ない。要するに、使われているぞということと、両方とも承認をとっていなければだめだということではないということですね。
○医療機器審査管理室長 はい、そのようにやってきております。
○吉田(茂)座長代理 薬と違うということですね。済みませんでした。
○北村座長 ただ、一番最初のときには、やはり米国とヨーロッパの治験の承認の仕方が違いますので、どちらかといえばFDA承認が確実性が高いのではないかという判断資料ということは再三申されていましたね。
○医療機器審査管理室長 FDAで承認になっていれば、非常に事務局としても心強いのではありますが、といってEUがだめなのかというわけにもいきませんし、そこはEUで認証をとられたデータがサイエンスとして評価できるのかどうか。アメリカで承認になったものがサイエンスとして評価できるのかどうかでやっていくしかないのかなと思っております。
○北村座長 逆に言うと、ほかの後半3つのステントは米国が未承認である以上、米国では使われていないということですね。
○医療機器審査管理室長 そう思います。
○北村座長 米国の外科医は、カバードステントは要らないという考えになっているわけですか。
○医療機器審査管理室長 そうか、もしかすると他者でカバードが市場にはあるけれども、日本の導入には手を挙げてきてくれていないのかもしれませなん。済みません、ちょっとそこまで調べ切れていないんですけれども。
○北村座長 わかりました。
○千葉委員 私もカバードステントの3つのどれかを選べということは、この表から見る限りはできないんじゃないかと思います。
 それはそれとして、最後に荒井先生からお話があった実施施設について特段の基準を設ける必要はないという点に関しては、どうなのかなというのが正直な考えでありまして、4つの種類をどこでも使うんだと初めからしていいのか私はわからないので、これはどうなんでしょうか。
○北村座長 そこが難しい問題ですよね。
○千葉委員 ある程度の経験がある病院を選ぶ方が、勿論緊急避難的ですから、使うべきことは間違いないですけれども。
○北村座長 これは実際にやっているのは消化器内科の医師ですか、外科ですか。混在していますね。
○荒井参考人 やっているのは消化器内科、それも内視鏡を使う消化器内科か消化器外科、あとは放射線、いわゆるIVRをやっているところです。ただ、さっきの眼科の先生のお話にもありましたけれども、こういう消化管を広げてステントを入れることまでやる人間というのは極めて限られていると認識してよろしいかと思います。ほかの今までの品目などに比べて、市場に出たからといって野放し状態でやったこともない人がいきなりこれを使うということは想定しにくい臨床の状況ではないかと考えております。
○笠貫委員 私が先ほど言った全症例登録というのは、千葉先生の言われた歯止めにしたいということです。施設基準の場合にかなり技術として高度でないと、すべて施設基準で縛るというのは難しいのではないかと思います。そうすると、例えば今度の場合は、全症例登録での前向き調査が日本に導入する条件とすれば、全症例登録できるような施設で、全症例を自分の施設以外にきちんと報告することになり、それが歯止めになり、今の御心配は一応解決可能かなと思います。施設基準と施設基準あるなしというだけではなく、これは新しい考え方かなと思ったのですが、これは御議論いただいたらと思います。
○千葉委員 私は施設で決めるということは確かに難しいと思いますけれども、例えば学会で消化器内科の認定を取っているとか、そういう方がいるいないということはあっていいかなという気はしております。
○吉田(茂)座長代理 全数調査ですけれども、これは物すごく体力が要るんですよ。相当大手の薬屋さんでも全数調査をやれと言うと音を上げるぐらいですので、ボストン・サイエンティフィックとかこういう小さな機器屋さんがそれをやるというのは恐らく無理だと思います。そういう意味で、例えば研究会をつくるとか、千葉先生が言われるように認定を持っている人に決めてしまって、例えば3,000例なら3,000例、100例なら100例でもいいんですけれども、そうやって報告してほしいという方が、むしろ現実的にはやりやすいのだろうと思うんです。
 全数調査は、予後調査も相当ありますし、合併症もありますし、病院をいろいろ飛び歩かなければいけないということになると、支店や営業所がたくさんあるところでないと、とても対応できないと思います。
○笠貫委員 今の問題をここで検討していただきたいなと思っていたのは、体力がある会社でなければ、こうした早期導入の機械は余り扱わない方がいいという1つの考え方です。これから会社として導入に関して経済的にも、人的にも十分な努力をしないで、早期導入に加わるという歯止めをどこでするかということで、治験なしで導入したときの予後について、その努力をするという条件もあった方がいいかなと思います。これはどこで縛るか非常に難しい議論で、そういう意味での検討も必要かなと思います。
○千葉委員 全数調査というのは私もわかりますけれども、それで緊急避難的にこれを使うんだという向きを少し阻害することが仮に起きるとすれば、全数調査にこだわってはいけないんじゃないかという印象を私は持っております。
○北村座長 よろしいですか。議論をいただきましたけれども、こうせよというような方向性を明確にこの検討会で決められるわけではないのだろうと思いますが、この委員会としては消化管ステントの早期導入を図るべきということでは一致したように思います。現状にあるような、いわゆる適応外使用でしのいでいる医療者側の問題を解決してやるということで、あと、適応を例えば食道ステントは悪性腫瘍に日本では限っていないようですね。例えば、いわゆる薬物というかび爛性の液体によるとか何かあるんですか。
○事務局 日本の適応でございますが情報が錯綜しておりまして、失礼しました。実は、悪性腫瘍も含むという形で、食道用ステントは適応を限っておりません。
○北村座長 含むでしょう。だから、含まないものもいけるわけだから、食道はアルコール性あるいは腐食性の薬物を飲んだときに起こるので、ステントは役に立ちます。そういうものが入っているかもしれませんけれども、その他の部位ではすべてがんでよろしいですね。がんの以外に良性の疾患でこれを使うことはまずないでしょう。
 そうしますと、病態によってカバードが欲しいというのは外科医の意見にあるそうです。ですので、まずボストン・サイエンティフィックジャパンのWallFlexというのは、両審査を通って一番信頼性のある治験のデータがそろっていますので、これを第1選択として、あとの3つは差がつけにくい、けれども米国から未承認ステントを今後承認する動きがあるのか、ないのかも調査していただいて、なければこの3つステントをどのような形でまめとて日本で認可の方向に入るか。
 例えば、先ほどありましたように市販後の調査、生存年が先ほどの荒井参考人の御報告では3か月ぐらいの患者さんに使われている場合が多いようですけれども、直接的な不具合事象等々を含めた調査ができるのかどうか。3つの会社とも相談していただきまして、それが確実に行えますという条件であれば、我が国のデータなしで導入するのか、余りを日本人での具合を数例でも見てくださいというようなことを行うのかは、PMDAに任さなければしようがないところがあります。
 ただ、この検討会として、先ほど御意見いただきましたような我が国で使えない、外国で使えているものを早期導入しようという趣旨からすれば、3つとも同じことになってしまうわけですけれども、医薬食品局としては外国の認可のレベルというものもやはり重視せざるを得ないと思いますので、第1選択としてはWallFlexをまず進めていただいて、あとの3つについては各社の対応がどの程度市販後調査ができるのか、そして、外科医とか内科医のカバードステントの要求度があるそうですから、それも踏まえて各社との個別の対応において優先度をつけていかざるを得ないと思います。皆、3つともできるのであればPMDAはそうされたらよろしい。しかし、やはり市販後のフォローの問題とか、あるいは対応の問題とか、そういったものにおいて大きな差が生じるというのであれば、PMDAは第2の選択をしなくてはしようがない。あるいは日本のデータを見てくださいと言わざるを得ない。あるいは10例までの報告はしてくださいとか、そういう条件付けをしてもらうにはここの検討会ではできませんので、個別の対応においてPMDAがそれを行うという形でいかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○北村座長 それでは、当検討会としてはステントの早期導入という方向性を確認させていただき、今のような対応をPMDAにお願いすると。まずは、基本にのってWallFlexの導入は第一に進めていただきたいステントであるという形でお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、事務局からの報告事項に入らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○事務局 御報告申し上げます。これから資料7、資料8、資料9を基に御説明させていただきます。まず、資料7でございますが、対象品目の現状につきまして御報告申し上げます。
 これまで当検討会で御検討いただきまして、25品目選定いただいております。そのうちの9品目につきましては既に承認を得た状況でございまして、前回御報告させていただきました内容と変更がございますのが、一番最後のページの平成20年度選定品目一覧表でございます。こちらで先ほど来から御議論いただきました消化管用ステントでございますけれども、ボストン・サイエンティフィックジャパンより十二指腸用ステントの申請がございました。その他につきましては前回御報告申し上げた内容から変更はございませんことを御報告申し上げます。
 続きまして、資料8、資料9をごらんいただければと思います。これまで各学会から御要望を受け付けいたしまして、本検討会にお諮りをさせていただいて御議論いただいているところでございますけれども、平成22年度におきましても、また学会から御要望を受け付けるという対応をいたしたいと思っております。その件につきまして御説明申し上げさせていただければと思います。
 本来であれば、研究開発振興課が本件を担当しているんですけれども、本日は所用のため担当者が出席できないということから、代わりとして私から御説明申し上げます。
 まず、前後して申し訳ございませんが資料9をごらんいただければと思います。これは今回ホームページに掲載する予定の文書でございます。御参考までにごらんいただければと思います。
 資料8でございますけれども、学会から御提出いただく要望書のフォーマットになりますが、実は前回のものより、項目自体を結構変更させていただいております。理由といたしましては、選定ワーキングの御検討時におきまして、要望機器の概要の具体的な情報が少し少ないのではないか、臨床上の有用性の判断についてももう少し詳細なデータが欲しいという御意見がございました。また、提出されました要望書の内容に関する意見が出されたんですけれども、選定後の開発企業の公募に対しまして、先ほどの資料7にもございましたが、参加企業がなかったということもございまして、今回の様式には参加企業の有無等の記載をお願いできればと考えております。
 また、これまで薬事の承認がない品目と適用外の品目というのが、前回の要望書のフォーマットでは一緒になっておりました。今回様式2という形で薬事承認がある適応外の品目用と、一番最初のページ、薬事承認がない品目用と2つのフォーマットに分けさせていただいております。
 各項目でございますが、各選定ワーキングの先生方に御評価いただいている評価ワーキングレポートの各項目に即した内容で項目を設定させていただいておりまして、事務局の考えといたしましては、これらデータも評価ワーキングレポートの作成時に活用させていただきたいという形で考えております。
 なお、前回の要望書の内容は、学会の先生方に御記載いただくのは、かなり御負担の部分もございましたようにお聞きしておりまして、今回作成させていただいております内容はかなり簡素にお書きいただける部分もございますので、御負担も減るのではないかと思っております。
 調査に関しましては、4月上旬から約2か月の期間を設定させていただこうかと思っております。先ほど申し上げましたとおり、対応につきましては研究開発課の担当者が各学会に御連絡を申し上げて、この要望書をお送りさせていただく等の手続をさせていただければと思っております。
 以上でございます。
○北村座長 ありがとうございました。
 今の御説明のとおり、4月から新たな要望を各学会に医政局からまた出していただくという形の中で、各学会が希望品目を出す項目について少し変更したいという形で資料8で御説明いただきましたが、先ほど事前に申しておりました、薬事承認があるが適応外の品目用というのは、今まではあったんですか。
○事務局 前回のフォーマットの中には、1つにまとまっておりました。それを分離したということでございます。
○北村座長 このときに、今日のような例えば、現在、保険点数がついている食道ステントを十二指腸に使わせろというのが出てきたら、どう扱うんですか。新しい十二指腸ステントが今日出ましたよね。しかし、後半の部分を利用して適応外の品目として食道ステント、何でかというと点数がついてしまっているわけですよ。しかし、ほかのものは今から点数がつくまで、まだ時間がかかりますよね。点数も取れたらどこの病院でも欲しいですから、こっちの方が早いんだったら食道ステントを使って結果もいいよと。そっちから出てきたときと、新たに十二指腸用ステントとしてストレートに出てきたものはどうやっていくんですか。
○医療機器審査管理室長 これは、導入したい品目が先生方に具体的にあって、それがアメリカでもヨーロッパでもいいんですけれども、両方でなければならないということではなくて、それがどこかで承認を取っていて、そのものが日本にはない場合には1枚目を出してもらうということです。向こうでは例えば、食道用と十二指腸用に同じステントが適応を持っている。ところが、同じものが日本にもあるんだけれども、日本は食道しかない場合には、この品目をアメリカと同じように、食道、十二指腸というふうに適応を拡大してほしいという場合には、2枚目を出していただきます。
 ただ、今の食道と十二指腸の関係で言えば、アメリカも食道用のステントは食道の適応しか持っていなくて、多分デリバリーが違うし、ステントも少し違うのかもしれませんけれども、十二指腸用は十二指腸用で製品が別であるというのであれば、今入れたいのが十二指腸のステントだとすると、そのもの自体は日本で承認を取っておりませんので、1枚目の要望書を出していただくということになろうかと思います。ですから、ほとんど例が1枚目の要望になるのかなとは思います。
○北村座長 先ほどちょっと事前に御相談させていただいたように、後半の適応外の品目については、米国、ヨーロッパの適応があるにもかかわらず、日本ではその一部にしか承認されていないものについてのみという形をとっていただかないと、例えば、末梢血管のステントを頸動脈にどんどん入れざるを得ないという事情が我が国にはあったわけですけれども、そこに使ってもよいという米国製品であればということで、米国側の適応がないものを日本だけで承認せよということではないということを明確にしておいていただきたいと思います。
○医療機器審査管理室長 注をつけて様式を明確にしたいと思います。
○北村座長 そうでないと、多くの人は別のところのものをこっちに持ってきて、という形は結構日本はあると思いますよ。
○医療機器審査管理室長 わかりました。
 それから、済みません、事務局の方の修正ですが、今御指摘があった適応外の品目用の方なんですけれども、今申し上げましたように、これは我が国で既に何らかの形で適応を取っていて、それ以外の適応にも使いたいんだけれども、日本には適応がない。けれども、アメリカで同じ品目に新しい適応が取れているという場合ですので、このページの一番下に日本でとっている承認番号、それから、日本で承認されている適応を書いていただく予定でございますが、その下に例えば、アメリカで適応外にどういう承認をいつFDAの510kなりPMAを取ったのか。その適用の範囲の表現がどういう表現になっているのかという1枚目の未承認のものについて、外国での承認取得状況を書いていただくようになっていますが、その情報は済みません、欄を入れ忘れておりまして、修正をさせていただきたいと思います。申し訳ございません。
○北村座長 ほかに御質問ございますか。今の点で。
○荒井参考人 私も質問させていただいてよろしいでしょうか。立場が参考人なものですから。
○北村座長 いいということですので、どうぞ。
○荒井参考人 各学会の方から以前に出して取り上げてもらえなかったものについて、やはり欲しいから今度出したいけれども、これはどういう扱いかという質問を受けることがあるんですが、もし一定の決まりがあるのであれば、教えていただければと思います。
○北村座長 それは佐藤先生の方のワーキンググループで先行条件に合わなくてB、Cというカテゴリーに入ってしまったものは残っているのがあります。今度出されたときに再びCであったというときにはどうするかですね。ほかに新たなA、Bのカテゴリーが終了してきた時点ではどうなのか、何かお考えはありますか。
○医療機器審査管理室長 勿論、それを改めて要望することはだめですと言うつもりはないです。これは、前回も2回目のときも集めさせていただきまして、同じだと考えております。
 ただ、AA、とかBAになるものが基本的には優先度が高いということで、ある程度処理能力のことも勘案いただいてAA、BAを選んでいただいておりまして、BBとかCBとかBCになるものについてはこれまでも第1段としてされてきておりませんので、選定される可能性は低いかもしれませんということですが、出してもらっては困りますということはないです。ただ、AAとかBAというものはほとんどなくなってきているとすると、1回目に要望を集めたものは追加ということでBBのものを一度御選定いただきましたので、そういう形でやっていくことは要望の状況によってはあり得るのかなと思っておりますので、これまでに要望したもので漏れたものについても再度要望いただくことは差し支えないのかなと思っております。
○吉田(茂)座長代理 質問いいですか。ワーキンググループの結果は申請者に行っているんですね。例えば、申請者は自分がCCだというのは一応わかっているわけですね。
○医療機器審査管理室長 一覧表をお送りしているはずでございます。2回目のときに1回目の結果の大きな表がございまして、それをお返ししています。今回も同じように、それをお戻ししてやりたと思っております。
○北村座長 ほかに何か御質問ございますか。
○笠貫委員 今の問題は非常に大きな問題で、臨床現場のニーズというのはAA、BAに限らないんです。それが患者さんにとって非常に不利益を伴っていることは多々あります。ですから、この検討会あるいは厚生労働省、PMDAの受け入れられる体制のキャパシティの問題は勿論あるのですけれども、私は徐々にここで取り入れられる枠がどこまで広がるかについては常に流動的に前向きで、検討会なり最初はワーキンググループでもいいと思うのですが、そことPMDA、厚生労働省で検討していただいて、その枠組みについては前向きでフレキシブルに検討していただくことをお願いしたいと思います。
○北村座長 PMDAも予定ではあと数年間で104人体制にするといって、審査数が増える可能性はありますけれども、この検討会としては医薬食品局はここでも打ち切るということは今は考えておられないですね。継続してやっていく必要があればやり続けるという形ですか。
○医療機器審査管理室長 はい。
○北村座長 余りここの検討会が強くて、何でもここを通せばとなると、PMDAとしてもそこがまた頭が痛いところですよね。ここで早期、早期と言われたら、本当の治験がなくなってしまったとか空洞化の穴が大きくなってしまっているよというようなことも起こり得る可能性もありますね。特に、大会社がどんどんこのシステムを使って早期導入してくると、本当に国民のために必要なものはこれでやっているわけですけれども、それ以外の機械を、本来日本で治験すべきものであるという判断がなされるものをここを通した方が簡単だと企業は考えますよね。そこが大変難しいなと私も感じます。それは医薬食品局並びに規制をやる方で、我々は医療側の意見も聞いて適正かどうか、早期導入が必要かという意見をここで出しているわけです。どこかに縛りをつけるかということはやらないと。日本から外国機器の治験がなくなる可能性はあるかなと思いますが、一方薬と違って機器では治験は要らないという意見も確かにあるんですけれど。その辺の判断は大変複雑だと思います。
 もう5分間だけ時間がありますから。
○土屋委員 そういう意味では、例えば、BBとかCCでもそういうもので承認申請が出たものがあるのかどうか。そういう状況がわかると、要するに、ここのルートだけが1つではなくて、そもそももともと通常のルートがあるわけですから、そういうものがもしあれば、そういうものを出すことによって、ここにかける話か、ここにかけてそれを待っているよりも、ちゃんとやっていた方が早いよということもあるのか、そういうことも示していくことも仕組みとしては必要なのかなと思います。
○北村座長 薬の方は確かにそれはしっかりやられているのだと思います。日本人の解毒系も酵素系も随分違うみたいですけれども、機械でその必要があるのかということは大変大きな別の問題としてありますよね。
○医療機器審査管理室長 BBになって選定されなかったものについても申請してきてくださっているものがありまして、それは事務局としても学会からの要望があったものだということで、勿論優先審査になることは難しいんですけれども、どういう進捗であるのかは特に気をつけてフォローはさせていただいております。
○北村座長 ほかに御意見ございますか。
○千葉委員 時間がないと思いますので手短に。PMDAとの関係というのは、これまでもいろいろな議論があったと思いますけれども、例えば、この会合自体にPMDAの方に、どんな形かわかりませんけれども、御参加いただいて、なるべく有機的なものに初めからしていくという発想はあってもよろしいのかと思っていたんですが、いかがでしょうか
○医療機器審査管理室長 オブザーバーとしてはいつも出席をお願いしておりまして、検討する品目に応じて担当分野の審査員の方に出席をお願いしておりますので、今日の御議論なり、これまでの御議論もPMDAにもフィードバックされて活用されているといいますか。
○吉田(茂)座長代理 千葉先生が言っているのはそういう意味ではないと思います。意見を言ってほしいんです。PMDAとしてはこういうことが問題になると思いますとか、この点はいかがでしょうかという話をしてもらえれば、こういうところが審査上問題になるんだねというのがわかるので、そういうことをしてもらえないかと。
○千葉先生 つまり、ここで終わった後PMDAで個別相談という過程をなるべく短縮してもよろしいのではないかと。そういう方法が考えられてもいいのではないかと思っただけなんですけれども。
○医療機器審査管理室長 実際にはデータをどこまでこの段階で見られて、PMDAとして発言できるかというと難しいのかなと思いますし、基本的にはもう少し掘り下げたデータで個別に御相談を正式にいただいて進めていくのが、恐らく誤解もなく、より適切なのだろうと思われますので、ここでPMDAの見解としてはこうですということを議論するのは、ちょっと難しいと思います。
○吉田(茂)座長代理 こういうことが問題になるかもしれないとか、こういうところが問題でしょうという個人的な意見として。
○医療機器審査管理室長 それは実際問題としては先生方にお書きいただくレポートの内容について会議の事前にPMDAにも意見を求めて、こういう方向についてはどうか、どこに更に問題があると思うかということについては意見をいただき、場合によっては先生方にもそれをフィードバックして、この中に盛り込んでいただいたり、事務局としてはここでのディスカッションにフィードバックさせていただいてきているつもりではありまして、ここの議論がPMDAの認識と大きく違っているということはないようにしてきているつもりでございます。
○千葉委員 それは私も理解しています。ただ、もっと顔の見えるようにできないかということなんですよ。
○北村座長 おっしゃりたいことは、ここの委員としてPMDAを1人入れてはどうかということだと思うんですけれども、PMDAが企業の方々の傍聴の前で意見を言うのは大変難しいと思います。例えば、ここにあるこういう資料はどこが出してきているんですか。
○事務局 企業から御提出いただいたものです。
○北村座長 企業から医薬食品局に出してきているわけですね。ですから、この資料が出てくる段階ではPMDAは正式には関与していないわけですよね。それで、この資料の詳細を検討せずして「あとの3社は同一ですね」「これは同じようにしましょうか」なんてとても言えない。熟慮しないとだめだと思いますから、各会社の状況をよく聞いて、相談料が幾らまで検討した上でのいろいろな総合的判断もあるし、どのくらいのお金を市販後調査に使ってくれるのか。それは私もいつも言っているんですが、早期導入で安く認められた場合は、企業はそのお金を市販後調査に使えと。ちゃんとどんなものかをやってほしいということを言ってきたんですけれども、そういうことも含めてPMDAが詳細に各企業と対応して、しっかりやる企業もあるかもしれないけれども、必ずしもそうではない場合もあり得るかもしれませんね。ただ、ここですぐ意見を述べよというのは確かに難しいだろうなとは思うんですね。ですから、やはり医薬食品局を通してPMDAにここの意見を反映してもらって、また、結果が出ればこちらからの質問に回答してもらうという形で、この会議のスタートをオブザーバーという形でやってきているんですけれどもね。オブザーバーの方、何か言いたいことが特別にあれば。よろしいですか。
 それでは、大体時間が来ましたので、あと事務局より日程調整等の報告をお願いします。
○事務局 長時間御議論ありがとうございました。次回の日程でございますけれども、各委員の先生方には事務局より日程調整の御連絡を申し上げまして、日程が確定次第、開催場所も含めまして御連絡を申し上げます。
 また、本日の議事録につきましては、作成次第御確認をお願いいたしまして、その後公表させていただきますので、併せてよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
○北村座長 それでは、以上をもちまして、第11回の本検討会を終了させていただきます。ありがとうございました。


(了)
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江原・田中: 03-5253-1111
内線 2787

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