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1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンに関する有害性調査指示について

平成22年9月3日(金)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会
化学物質安全対策部会

化学物質審議会安全対策部会

中央環境審議会環境保健部会
化学物質審査小委員会


 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化審法」という。)に基づき、平成16年9月22日に第一種監視化学物質に指定された1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン(以下「HBCD」という)について、ニホンウズラを用いた繁殖照明条件下6週間投与による鳥類繁殖毒性試験(以下「6週間鳥類繁殖毒性試験」という。)を実施したところ、無影響濃度5ppmという結果が得られた。
HBCDの無影響濃度5ppmという結果は、第一種特定化学物質であるディルドリンより大きいものの、TBTOと同等の値であり、DDTよりも小さい結果となっている。これらの結果から、6週鳥類繁殖毒性試験と新規化学物質等に係る試験の方法について(平成15年11月21日薬食発第1121002号厚生労働省医薬食品局長、平成15・11・13製局第2号経済産業省製造産業局長、環保企発第031121002号環境省総合環境政策局長連名通知)により定められた20週間投与による鳥類繁殖毒性試験の結果が同様になると仮定した場合、HBCDは、鳥類に対する長期毒性について、第一種特定化学物質相当と疑うに足りる理由があると認められる。
 また、HBCDは環境中への放出の可能性がある用途で相当量の製造・輸入数量があり、高蓄積性であることから、HBCDの長期毒性が第一種特定化学物質相当であれば、環境汚染が生ずるおそれがあると見込まれる。
 さらに、複数の地点において、環境中の特に高次の生物に残留している実態が確認されており、簡易リスク評価を行ったところ、猛禽類等の鳥類に懸念があるとの結果が得られた。製造・輸入数量等に基づく簡易リスク評価においても、6週鳥類繁殖毒性試験結果に基づくと、魚介類を介した暴露経路を通じて生息に悪影響を及ぼす可能性が示唆された。
 以上のことから、HBCDについて、化審法第5条の4第1項に基づき高次捕食動物の長期毒性に関する有害性調査を指示することが適当である。


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