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2024年3月26日 第23回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会 議事録

○日時

令和6年3月26日(火) 15:00~

 

○場所

厚生労働省 専用14会議室(12階)
対面及びZoomを利用したWeb会議

○議事

○衞藤座長 皆様、こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより、第23回「薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会」を開催いたします。
 皆様には、お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
 今年度は、対面とオンラインでのハイブリッド開催とさせていただきます。
 会場で御参加の委員としては、勝村委員、栗原委員、後藤委員、高町委員、それに、座長を務めます衞藤でございます。花井委員はまだ御到着ではないですけれども、間もなく御到着だと思います。
 オンラインで御参加の委員を御紹介申し上げますと、坂本委員、高橋寛委員、高橋浩之委員、館委員、樋口委員でございます。
 望月委員におかれましては、参加の予定でございましたが、体調不良ということで、急遽、欠席になりました。
 前回の検討会から事務局に人事異動がございましたので、事務局から報告をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 事務局でございます。事務局の人事異動について御報告させていただきます。
 医薬局長の城でございます。

○医薬局長 城でございます。よろしくお願いします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 医薬品副作用被害対策室長の谷でございます。

○医薬品副作用被害対策室長 谷でございます。よろしくお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 私、室長補佐の江口でございます。よろしくお願いいたします。
 それから、主査の小関となります。
 なお、公務の関係で、大臣官房審議官(医薬担当)の吉田が遅れて参加となりますので、あらかじめ御了承いただければと思います。
 それでは、冒頭、城局長より一言御挨拶申し上げます。

○医薬局長 医薬局長の城でございます。開会に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。
 本日はお忙しいところ、衞藤座長をはじめといたしまして、委員の皆様方、お時間をいただきましてどうもありがとうございます。
 本検討会は、若年層が医薬品に関する基本的知識を習得し、薬害事件を学ぶことにより、医薬品に関する理解を深め、健康被害の防止等に資するよう、有識者の皆様に御参集いただき、文科省の御協力もいただきながら開催してまいりました。
 高等学校学習指導要領の見直しを踏まえまして、令和4年度から「薬害を学ぼう」の配布を高校1年生に切替えをいたしました。アンケートやモデル授業も再開しており、後ほど実践状況を御紹介いたします。昨年度の検討会で御指摘いただいた事項や指導要領の内容等を踏まえ、薬害教育教材の改訂(案)について御議論いただければと存じます。
 他方、社会の変化に対応するため、薬害教育以外にも様々な教育分野が増加している中で、学校における働き方改革が進んでおります。より一層、薬害教育の浸透を図るためには、学校現場で取り上げてもらいやすい環境をいかに整えるかが課題であると認識しております。委員の皆様の御知見をお借りしながら、厚生労働省としても引き続き努力してまいりたいと考えております。
 また、薬害資料の収集・公開等についても、新しい一般社団法人の設立等を踏まえた動きがございましたので、これも御報告させていただければと考えております。
 本日は限られた時間ではありますが、活発な御議論を賜りますよう、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

○衞藤座長 また、本日は、薬害教育教材に関する議題がございますので、前回に引き続き、文部科学省の方にも御参加いただいております。事務局から御紹介をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 それでは、文部科学省からの御出席者について報告をさせていただきます。
 初等中等教育局教育課程課課長補佐の山本様に御出席いただいております。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐 よろしくお願いします。

○衞藤座長 次に、事務局から本日の進行方法の説明をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 それでは、会議の進行方法について御説明いたします。
 議題内容について質疑応答の時間を設けさせていただく予定ですが、御発言をされたい場合、オンライン参加の委員におかれましては、御自身のお名前と発言したい旨をチャット、あとは手を挙げていただくなどをしていただければと思います。会場参加の委員の方におかれましては、挙手をいただければと思います。その後、座長から順に発言者を指名させていただきまして、また、オンラインの方で御発言いただく際には、マイクがミュートになっていないことを確認の上、御発言いただければと思います。
 なお、少し分かりづらいですが、本日、会場にも傍聴人の方、あと、オンラインでも傍聴の方がいらっしゃいますので、御報告いたします。

○衞藤座長 それでは、本日の検討会の議題と資料について、事務局から御説明をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 まず、本日の検討会の議題についてでございます。
 お手元の議事次第にありますとおり、4つ、
 1 これまでの取組と今年度・次年度の取組について
 2 薬害教育教材の改訂について
 3 中学校・高等学校における薬害教育について(報告)
 4 その他
の4点とさせていただいております。
 資料につきましては、
 議事次第、座席表、検討会の開催要綱
 それから、議題1~3に沿いまして、
 資料1 これまでの取組と今年度・次年度の取組について
 資料2 薬害教育教材の改訂(案)について
 資料3 薬害教育教材に関するアンケート調査(令和5年度)の結果について
 資料4 中学校・高等学校における薬害教育について
を御用意しております。
 また、参考資料といたしまして、
 参考資料1 現在の「薬害を学ぼう」パンフレット
 参考資料2 現在の「薬害を学ぼう 指導の手引き」
 参考資料3 「指導の手引き 改訂案」全体版
 それから、最後に1枚、A4で参考資料4として、来年度のアンケート調査の調査票(案)を御用意しておりまして、合計11点を御用意しております。
 オンライン参加の委員もおられますので、事前にメールで送付させていただいております。
 また、昨年度の検討会での御指摘を踏まえまして、高等学校の公共、政治・経済、保健体育の教科書を事前送付させていただきましたが、著作権の関係で広く一般に公開することができませんので、委員限りの参考資料とさせていただければと思いますので、適宜、御参照いただきながら御議論いただければと存じます。
 不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 次に、開催要綱の改正について御報告させていただきます。昨年の組織再編によりまして、局名が変更になったことに伴いまして、お手元の開催要綱中の「医薬・生活衛生局長」または「医薬・生活衛生局」の記載を「医薬局長」「医薬局」にそれぞれ改正させていただきました。
 以上でございます。

○衞藤座長 それでは、本日の議題に入ります。
 最初の議題は「これまでの取組と今年度・次年度の取組について」です。事務局から資料について説明をしてください。

○医薬品副作用被害対策室長 それでは、まず、資料1について御説明をさせていただきます。
 スライドの1ページ目でございます。「これまでの取組と今年度・次年度の取組について」で、これは例年お示しをさせていただいている全体像をお示しした図で、まず、一番上の学校教育関係の教材関係につきましては、例年の取組を継続ということではございますけれども、先ほどお話もあったとおり、令和4年度から学習指導要領の改訂もございましたので、パンフレットとかアンケートの実施、また、動画、視聴覚教材の配布・配信を高等学校に対して行っておりまして、それを引き続き、今年度・来年度も続けていくところでございます。併せて、次の議題2にも関係しますが、来年度はパンフレット、指導の手引きについて改訂をしたいと考えております。
 その下に書いていますけれども、今年度の取組として、日本薬剤師会の「くすり教育検討会」、主に学校薬剤師の皆様が集まるところでこの薬害教育の取組を御説明させていただいたというのがありますので、併せて紹介をさせていただきます。
 また、その下の授業関係でございますけれども、モデル授業の実施とか、それに伴った実践事例集の作成を引き続き実施をさせていただくという形で考えております。
 その次、薬害資料の収集・公開等の関係でございますけれども、令和6年度の案としまして、一番上に書いておりますが、新法人が立ち上がったということがありますので、それの活動支援を予定しているというのが一つでございます。また、厚生労働科学研究で主にアーカイブズの研究をしていただいていますけれども、令和4年度から3か年の計画で実施をしておりますので、今年度・来年度も引き続き、研究として実施をしていく予定としております。その他、PMDAで薬害の歴史展示室を開設しておりますが、そちらについて、順次、動画を公開していくとか、また、新たにヤコブ病のパネルを追加したというものが今月からしておりますので、そちらについても併せて報告をさせていただくところです。
 次に、スライドの2ページ目でございますけれども、学校教育関係における次年度の取組(案)ということでまとめさせていただきました。
 先ほどの説明と少し重複する部分もありますけれども、まず一番上の継続する取組につきましては、全高等学校等の高校1年生人数分、また、全中学校へ各1部の教材配布を実施する。例年どおり6月に発送する予定にしております。そのほか、高等学校へのアンケート調査の実施とか、モデル授業の募集を引き続き取組として取り組んでいくということでございます。
 その次が2番目の教材関係の改訂ですけれども、こちらは議題2で御議論いただきますが、前回検討会における指摘、また、令和4年度から高校1年生への配布となったこと等を踏まえまして、パンフレット及び指導の手引きの改訂を行いたいと考えております。また、モデル授業の内容を踏まえて、実践事例集に事例も追加していきたいと考えております。
 3番目のその他でございますけれども、教材の認知度とかアンケート回収率の向上等を目指すために、学校配布時の案内を少し工夫させていただきたいなと思っております。また、厚生労働省に薬害教育に係るホームページがございますけれども、そちらの見やすさの改善とか、そういったことを進めていきたいと思いますし、また、視聴覚教材についても、十分に活用されていないところもありますので、改善をしていきたいと考えているところです。
 以下は参考資料ですけれども、簡単に御説明をしますと、スライドの4ページ目ですが、こちらは薬害資料管理等法人活動支援事業です。
 先ほどのスライド1で少し御紹介しましたけれども、新法人への活動支援というところで、薬害研究資料館に関して、今年度、薬被連の皆さんが主体となって、薬害資料の管理・活用等を行う法人として設立することになりましたので、そこに対して活動を補助することによって、これまで着手できていなかった資料の収集とか保管の機能を実現して推進していくというふうに考えておりますが、まだこちらは予算が成立しておりませんので、一応、まだ来年度の予算案ということでございます。
 その次のスライド5ですけれども、こちらはPMDAの展示室にヤコブ病のパネルを新たに設置して展示ができるようにしておりますという御紹介です。
 最後のスライド6ですけれども、先ほど少し御説明しましたが、教材の認知度とかアンケート回収の向上等を目指すために、教材を配布するときに、このリーフレットも併せて配布をさせていただいて、より活用していただくようにしたいと考えているところです。
 資料1については以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 ただいま御説明がありましたとおり、議題1の薬害教育教材関係の内容については議題2と関わるものですので、質疑応答につきましては議題2の意見交換の中で合わせて行いたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○衞藤座長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきたいと思います。
 それでは、2つ目の議題「薬害教育教材の改訂について」に移ります。事務局から資料についての御説明をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長 続きまして、資料2について御説明をさせていただきます。「薬害教育教材の改訂(案)について」でございます。
 この薬害教育教材は、パンフレットとその教本であります指導の手引きというものが大きく2つございますけれども、その双方について改訂をしたいと考えております。
 スライドの2枚目ですけれども、まず、パンフレットの改訂でございます。
 こちらは昨年の検討会で委員から御指摘をいただいた点で、製薬会社、国、医療従事者、国民の4者の関わりがこのパンフレットの中に記載がございますけれども、そこの中に第三者的な委員会であります医薬品等行政評価・監視委員会についても加えてはどうかという御指摘があったかと思います。
 そちらにつきましては、4者の関わりを詳述した部分がございますけれども、この吹き出しに記載させていただいているとおり、この医薬品等行政評価・監視委員会についての解説文を追記してはどうかと考えているところでございます。
 続きまして、スライド3ですけれども、こちらもパンフレットの改訂です。
 このパンフレットの中に薬害の年表があるのですけれども、これをよく見ていただくと、各被害の発生年代の記載が必ずしも年表のスケールと一致していないところがありまして、ここについて、混乱のないように整理すべきではないかという御意見をいただいているところです。
 具体的には、例えばこの右下、少し小さくて見にくいのですけれども、陣痛促進剤の記載がございますが、こちらは1970年代頃からという形で書いているのですけれども、実際にある場所は1990年代付近にありますので、あまり合っていないというところが一例としてあったりするので、こちらの対応方針(案)としては、少し全体のレイアウトにも関わりますので、事務局で可能なところはいろいろ工夫させていただいて調整をさせていただきたいと考えておりますが、完全に一致させるのは少し難しいので、調整はさせていただきますけれども、注釈として赤囲みの部分に、吹き出しで赤字で書かせていただいておりますが「紙面の都合上、年表の目盛と説明の位置に一部ずれが生じている場合があります」という注意書きを記載した上で改訂をさせていただいてはどうかと考えております。
 次の4ページ目でございますけれども、こちらもパンフレットです。
 こちらもレイアウトの件なのですけれども、このパンフレットについて、当然、パンフレット自体を見ていただく場合もあるのですが、電子媒体も公開しておりまして、その電子媒体をパソコンの画面とかA4で印刷する。また、学校現場ではタブレットもよく使われておりますので、タブレットで見る場合に、この両開きを前提としたレイアウトであると、別ページになってしまうところがあって見づらいという御意見もいただいておりますので、少しレイアウトを変更させていただいて、今の資料でお示ししているものでは、要は両開きで、左右で記載をさせていただいていますけれども、それを少し上下でトピックごとに記載をさせていただく形にして、A4のサイズでも見られるような形にさせていただいてはどうかと考えております。
 ただ、なお書きで書かせていただいていますけれども、先ほどの年表のページについては、紙面のスペースの関係上、入替えではできない部分がありますので、そのままにさせていただければと思っております。
 続いて、スライド5ですけれども、こちらもパンフレットの改訂(案)です。
 こちらは、アンケートの結果はこの後にまた御説明しますけれども、視聴覚教材の存在が生徒に必ずしも伝わっていない現状があることも御意見としていただいていますので、何か活用しやすい仕掛けが必要ではないかというところで、パンフレットの空いているスペース等がありますので、対応するパート別の動画のQRコードを追加して、授業とか自習等で生徒が活用しやすくしてはどうかと考えております。
 続いて、指導の手引きの改訂になります。スライドの7枚目です。
 指導の手引きのところで、まず、解説文があるのですけれども、そこの指導の手引きに関する解説文が読みにくいとか、また、薬物乱用教育についても記載をさせていただいているのですが、それとこの薬害教育との異同について、違いについての文章が分かりづらいという意見とか、また、実際の学校現場では、高校の公共の教科だけではなくて、中学校の社会とか、高校の政治・経済、または保健体育でも実践されているところですけれども、現状、学習指導要領の公共のみの記載となっているので、幅広い教科で参考にしづらいという御意見をいただいているところです。
 それに対して、吹き出しで変更点を書かせていただいていますけれども、まず「テキストのねらい」のところを少し改行するなり、また、番号を振るなりして少し見やすくするとか、また、強調すべき点に下線を引いて見やすくするなどというところで、記載を少し整備させていただきました。「解説と補足」の使い方についても、四角囲いにするとか、見やすいものに変えさせていただければどうかと考えております。また、薬物乱用教育との違い、異同については、赤字のとおり、少し追記をさせていただいて、より違いが明確になるような記載にさせていただきたいと考えております。学習指導要領の記載は、次に御説明する授業の流れというものがありますので、そこに合わせて記載をさせていただければどうかと考えております。
 次のスライド8ですけれども、こちらも指導の手引きです。
 先ほど御説明したパンフレットには、最終ページに関連サイトとか、そういったものの案内があるのですけれども、教員の皆さんが使われる指導の手引きには記載がないとか、また、講師派遣の案内等は、事務連絡を別途出していますが、そちらに記載があるのみというところもありますので、対応方針(案)として、実際の授業を行う先生方に確実に情報が伝わるように、関連サイトの紹介とかQRコード、また、講師派遣が可能であること等を解説したページを追加させていただいてはどうかと考えているところです。
 続いて、スライド9です。
 修正点として、先ほど来、御説明をしておりますけれども、中学生から高校1年生への配布に切り替えたことを踏まえ、令和5年度配布分の指導の手引きでは、中学校の学習指導要領から高等学校学習指導要領(公共)の該当部分への引用に差し替えたところはあったのですが、中学校の社会とか、高校の政治・経済や保健体育にも薬害教育に関する記載があり、実際に授業の実践も行われているところでありますけれども、指導の手引きに掲載がないので、参考にしづらいという意見とか、また、授業の流れの例を記載していたのですが、こちらが中学校に配布していたものと内容が変わっていなかったことがございます。
 その対応方針(案)としまして、まず、中学校にも参考配布ということで、各校1部ずつは引き続き配布をしておりますので、引き続き、中学校社会科の授業の流れの例は掲載をしつつ、新たに高等学校用の授業実践がやりやすいように、公民科の公共/政治・経済の授業の流れの例を新設させていただいてはどうかと考えております。また、高等学校の保健体育でも実践をされている例もございますので、そちらについては、補足として学習指導要領を抜粋しつつ、留意事項として、医薬品の適正使用について指導する際に、薬害教育の趣旨・目的・背景を意識して授業を実施する旨を記載してはどうかと考えております。
 具体的には、次のスライドの10ページのとおり、保健体育の記載をこのようにしてはどうかと考えているところです。
 そして最後に、11ページになりますけれども、こちらも指導の手引きのほうです。
 解説と補足がございますけれども、その中で、これまで「学習のねらい」「学習のポイント」「指導上のポイント」「プラス情報」といった、いろいろ情報を入れているのですが、いろいろ混在していて、それぞれの用語の関連性がやや分かりにくいとか、また「解答例」という言葉があったのですけれども、そちらは何か問題を解いて答えを出すことを想起させるのですが、主体的な考察を促す点には用語としては不適なのではないかという御意見をいただいたところですので、この吹き出しに書かせていただいているとおり、整理として【目的】【学習のポイント】【指導上のポイント】、また【考察結果の例】、そして、これまで「プラス情報」と記載していたものを【補足】という形で分類をさせていただいたという形で記載を整理させていただいて、より活用しやすい、見やすいような形に変えさせていただいてはどうかと考えているところでございます。
 資料2については以上です。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 続きまして、資料3「薬害教育教材に関するアンケート調査(令和5年度)結果」について御説明させていただきます。
 1ページを御覧いただければと思います。
 ここ数年、新型コロナウイルスの対応における現場負担の影響を考慮しましてアンケートの実施を控えておりましたけれども、高校1年生への配布に切り替えた後では今回が初めてのアンケート調査になります。全国5,867か所の高校に対しまして調査を実施しまして、アンケートの見やすさ、難易度、それから、参考の程度とか、使用状況、使用しなかった理由などの回答をいただいたところです。
 なお、調査方法につきましては、本年度のアンケート調査よりURLやQRコードを用いたWebフォーム形式での実施とさせていただきました。
 2ページ目を御覧ください。
 回収率についてですが、5,867か所中200か所、3.4%という結果でした。なお、同一の学校で複数人の教員の方に御回答いただいたところもありましたので、206人の方から御回答いただいております。さらなる回答率向上を目指すために、先ほど資料1でも御説明しましたリーフレットを活用するなど、分かりやすく周知をしたいと考えております。
 回答属性といたしましては、国公立、私立、ともに全日制が大半ではございますけれども、一部、定時制や通信制の学校からの御回答をいただいたところです。また、回答された教員の担当科目としては、地理・歴史・公民などの地歴公民が110人、次いで、保健体育が47人ということで大宗を占めております。回答は、パソコンのほか、タブレットやスマートフォンなど、多様な手段で御回答いただいたところです。
 次の3ページを御覧ください。
 パンフレットについては、難易度、見やすさ、それから、指導の手引きと実践事例集につきましては参考の程度を聞いております。いずれも高い評価をいただいたところです。
 一部、自由記述もいただいたところでございまして、右側に記載がありますけれども、教材の必要性についてとか、授業で取り上げるに当たって考慮してほしいことなどの御要望のようなものが記載されたところでございます。
 次に、4ページを御覧ください。
 パンフレットと視聴覚教材についてですけれども、その使用状況を尋ねたところです。パンフレットについては約8割が使用または配布をしていただいたところですが、視聴覚教材については約半数が使用したりURLの共有を予定していないということでございました。さらにクロス集計してみますと、パンフレットを実際に使用・使用予定としていただいた学校では視聴覚教材も併せて御利用いただいている一方で、パンフレットは使用したり配布の予定がない、あるいは配布するのみである学校については視聴覚教材がほとんど生徒の元に共有されていないという回答をいただきました。こうしたことから、先ほど資料2でお示しをいたしましたとおり、パンフレットの中にQRコードを入れ込むなど、生徒に視聴覚教材についても存在が届く工夫が必要ではないかと考えております。
 実際に教材を使用・配布・共有していただいた科目については、学習指導要領に記載のある公民科(公共)が最も多く、保健体育や政治・経済での使用も見られましたけれども、それ以外にも、ホームルームや薬物乱用教室などをはじめ、様々な授業や行事などで工夫して取り入れていただいていることが分かります。
 次の5ページを御覧ください。
 パンフレットと視聴覚教材を使用しなかった理由についてお尋ねをしたものです。パンフレットについては、他のテーマとの兼ね合いで時間が取れないという回答が約6割超となりました。また、自由記述にも同じような、授業の実施回数が限られる、時間的余裕がないといった御回答をいただいたところです。
 また、視聴覚教材についても、視聴覚教材以外の内容を優先したという回答が多く、パンフレットが優先されているという傾向にございますけれども、自由記述欄や他の選択肢でも、パンフレットと同様に、時間の確保が難しいといった回答も目立ったところでございます。
 次の6ページとその次の7ページには、全体を通じた自由記述の回答を掲載しております。詳細については御覧いただければと思いますけれども、教材について好意的な御意見、先ほどと同様に、学校現場における授業時間の確保とか、いわゆる「○○教育」が多くある中での御苦労などの回答も多く見受けられたところです。また、教材活用での工夫についても様々、示唆に富む現場での生の声をいただいたと思っております。
 冒頭、局長からの御挨拶にもありましたけれども、薬物教育以外の多様な教育分野が増加している中で、高校生が既にデジタルネイティブ世代であることなども鑑みますと、より一層、薬害教育の浸透を図るためには、教材の内容の質の向上に加えて、学校現場の実態に即して、いかに使っていただきやすい教材やコンテンツが提供できるかが課題ではないかと考えているところです。
 アンケートについては以上ですけれども、参考といたしまして、次の8ページ、視聴覚教材をYouTubeでも公開している関係で、動画投稿者だけが閲覧できる分析ツールを用いまして、実際に動画の視聴動向がどうなっているのかを確認したデータを載せております。
 なお、学校関係者に限ったものではなくて、動画を閲覧した視聴者全てのデータであることについて御留意いただければと思いますけれども、8ページでは各視聴覚教材の視聴回数と平均視聴時間を載せております。特に平均視聴時間については、動画の長さと比較していただきますと半分以下となっているところが非常に多くて、せっかく御視聴いただいても途中で視聴の離脱が生じてしまっているという可能性が示唆されるものです。
 また、パーツごとの動画では視聴回数にばらつきがございまして、例えばパート別の2とかですと4万5000回ですけれども、最後のパート別の6ですと9,200回ということで、大きく開きがございます。これは動画名なども御覧いただきますと、各パーツの動画が薬害教育の視聴覚教材であることが分からないとか、それがシリーズ物の一つであることがぱっと見ただけで分からない仕様となってしまっておりまして、関連動画など、次の動画の視聴につながるような機会を逸してしまっているという可能性がございますので、こうした点も含めて、工夫できるものは事務局でも工夫したいと考えております。
 次の9ページです。各視聴覚教材にどのようなルートでたどり着いたのかを分析したものですけれども、多くは外部ページ、恐らく厚生労働省のホームページのリンクなどからの視聴が多いのですが、それ以外にも、例えばYouTube内での検索や関連動画などで視聴機会に結びついているものがございました。
 特にパート別の3の被害者の声、被害者の方々に実際に出ていただいてお声をいただいているものですけれども、こちらは50%以上がYouTubeで自ら検索されて視聴につながっているということでございます。様々なルートで視聴機会にたどり着くことができておりますので、URLやQRコードを掲載するのはもちろんのことですが、例えばYouTubeやネット検索などの検索エンジンから視聴にたどり着きやすいためのいわゆるSEO対策なども重要であるということで、事務局としてもできる限りの工夫を行いたいと考えております。
 なお、参考資料4として来年度のアンケート調査票(案)をおつけしておりますけれども、内容はあまり変わっておりませんで、形式面といたしまして、パンフレット、視聴覚教材の使用教科の問いについて、使用予定が抜けておりましたので、そこを追加することと、あと、学校名について略称ではなく正式名称を記入していただきたいということを追記する形式的な修正を加えております。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、資料1から3までにつきまして御質問や御意見があればお願いいたします。
 いかがでしょうか。
 勝村委員、お願いいたします。

○勝村委員 どうも、御説明ありがとうございました。本当に多岐にわたり、いろいろと工夫なりアンケートの分析をしていただいて感謝申し上げます。あと、全て方向性とか、やろうとしていただいていることには非常に同意するというか、納得できるものであると思います。
 そこでなのですけれども、幾つか質問なのですが、このアンケート調査の資料3の6ページの自由記述欄の点なのですけれども、まず、中学校にパンフレットを送っているときもなかなかアンケートの結果が芳しくなかったことがありましたが、この回答率3.4%は中学校のいろいろな段階と比べて、中学校もこの程度だったのでしょうか。より悪いのでしょうか。その辺り、どうでしたか。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 ありがとうございます。
 すみません。先ほど説明を少し飛ばしてしまったのですけれども、同じ資料3の2ページを御覧いただければと思います。
 回答率を記載させていただいているところですが、こちらに参考としまして中学校の比較も載せさせていただいています。そういう意味でいきますと、3.4%は低い水準になると。

○勝村委員 すみません。書いていただいていましたね。ありがとうございます。
 続けて申し上げてよろしいでしょうか。

○衞藤座長 どうぞ。

○勝村委員 ここに書いてあることは、私も高校で勤めていますので、非常に一定理解できるのですけれども、中学校の場合は、やはり教科書に載っていなかったという段階だったのですが、今は一応、公共という教科書に載っているということ、そして、それを補助する形だということで、僕は一層より進むのではないかと思ったのですけれども、現場の感覚が、これを見ていると、やはり授業とか教科書と関係のないものが送られてきていて、それを授業の中で使えと言われているかのような理解がされているものが幾つかあるのではないかと思うのですよ。
 特に、下から5つ目に「教育課程にも含まれていないものだから」とか、さらに下から9つ目では「入試に出題されることではないから、共通テストで公共を利用する生徒にこんな薬害などを教えていられない」とかということが書かれていますが、これでは、教科書に載せてもらっている、そして、学習指導要領に薬害が載った。だから、ぜひこういう資料を活用してやってほしいとお願いしている話と合わないと思うのです。私たち、御存じのとおり、この薬害について、教科書に、特に公共に載せてほしいと言ってきた理由は、私たち薬被連が結成される頃よりもう少し前は、水俣病とか4大公害訴訟が1ページあれば、その隣のページに1ページかけて、スモン、サリドマイドという薬害が公民の教科書で載っていたわけです。それは、スモンの最近亡くなられてしまったような方々が、そういうことが載っていたのが、いつの間にか公害が残って、薬害がなくなってしまっていることを当時から問題視されていたこともあって、やはり公共の授業で、公害は人間の体を環境のほうからということですけれども、薬害というものは内側から直接ということで、どちらも経済成長とか、より便利にというメリットがある反面、そういう副反応が出てきて、副作用も出てきますと。そういう副作用が危ないと分かってもすぐに対応できなかったときにやはりこういうことが起こるので、被害が拡大してしまうという歴史があるので、そういうことを気をつけましょうみたいな形で教えられていた。
 そういうこともあって、文部科学省の方に教えていただきたいのは、教育課程に含まれていないという下から5つ目の表現などはどう理解したらいいのですか。どうすれば、これが共通テストなどにも出るかもしれないと現場の方に思ってもらえるのか。学習指導要領の新しい改訂の中で薬害などを教えることを書いていただきましたし、教科書にも載せてもらったので、教科書に載っていなくてテストにも出ないものを、時間があったら教えてください、という形でパンフレットが配られているというのとは違っていると思っているのですが、その辺りの僕の認識と、ここに書かれていることを読まれたこととをどう整理すべきなのかみたいなものを文部科学省の立場の方からレクチャーしていただければと思うのですが、いかがでしょうか。

○衞藤座長 では、文部科学省の方からお願いいたします。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐 文部科学省の山本と申します。
 アンケートでの自由記述でございますので、その方の個人的な意見が掲載されているのかなと思います。実際に学習指導要領でも、もう御案内だと思いますけれども、公共と政治・経済とか、あとは保健体育とか、そういったところで記載されておりますので、基本的にはこの内容については全て指導していただくことになっております。
 加えて言いますと、大学共通テストのために学習をするということではないわけでございまして、指導要領に記載されている内容をしっかりと指導していただくために、それに基づいて教科書もつくっていただいているわけでございます。その教科書も使用義務がかかっております。ただ、どこまでその学校に微に入り細に入り国が、あるいは教育委員会が見るというところまではなかなか言えないところもあるため、ある程度はやはり学校に裁量を持って指導や各種授業をやっていただくことにはなっておりますので、そういったところのずれが出てきているのかなとは考えております。

○衞藤座長 どうぞ。

○勝村委員 ありがとうございます。
 それで確認なのですけれども、ここに書かれているように、つまり、共通テストで公共を利用する生徒が多い学校、つまり、大学入試を、推薦入試ではなくて、本当に共通テストを受験する生徒が多いところでは、こういう薬害などを扱う時間はないのだというふうに書かれているのは、やはりそれは誤解ではないかと思っていいのですか。
 だから、共通テストに薬害は出るとか出ないとかは、テスト問題ですからしゅつだいされるまではわからないのですが、このアンケートに答えた人は明らかに公共の共通テストには絶対出ない内容だというふうに思っておられる。薬害を教えることができるのは大学受験をしない生徒が多いところではできるけれども、大学受験を実際に共通テストを受ける生徒が多いところではやはりこういう公共の中で薬害を教えるよゆうはなく、教えることはかなり優先順位が下がって難しいというふうに書かれているけれども、出るとか出ないとかの予想の話ではないですけれども、十分、今の状況からすると共通テストに薬害について出題される可能性があるのではないかと思うのですが、そういう理解でいいのですか。その辺りを整理していただければと思うのです。

○衞藤座長 もう一度、お願いいたします。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐 実際、この公共の部分で共通テストもあるわけなのですけれども、どの分野が出るというのはなかなか分かりませんが、学習指導要領の範囲内から出題することは決まっておるわけでございますので、極端な言い方で、出ないのだからとか出ないことが決まっているみたいな言い方は間違いです。そこは確実に言えると思います。
 ただ、これが必ず出るかとか、そういうことも他方では言えないところでございますけれども、私どもは、繰り返しになりますが、共通テストで出るからここを勉強しないといけないというのはまた本末転倒な話になっていきますので、そういったところはしっかりと指導要領をまず読んでいただいて、学習指導要領に表れていることを学習していただくことがまず本来やっていただくべきことでございますので、そこはしっかり私どもも、文部科学省もこういったことを留意しながら、この教材など、薬害に関する教育をする方々に周知する際には気をつけて、留意して周知していきたいと思います。

○勝村委員 ありがとうございます。
 だとすれば、最後にもう一つ、僕は昨年の夏頃、6月でしたか。このパンフレットを配布していただいているときに同封していただいている文書なども見せてもらいましたけれども、やはり学習指導要領にも掲載された旨もよく見れば書いてあるのですが、もう少しそこが分かりやすく、つまり、教科書に載っていないことを公共の授業の中でこれを使って追加で教えてくれ、と書かれていると誤解されないように。
 つまり、絶対、大学入試には出る可能性がない、ゼロであるものを教えてくれと言われていると誤解されないように。例えば中学校の場合は、教科書に載っていないから、ほぼそれに近かったかもしれません。ただ、今は教科書に載っている。でも、急に薬害を教えてくれとなっても、今まで20年間ぐらい公民の教科書に載っていなかったわけで、それ以前は載っていましたけれども、だから、やはり先生方も教えにくいこともあって、資料として教科書にも掲載されている薬害を教える参考に、教えやすくするために送っているのだという旨がもう少し伝わるようにしていただければと思います。このようにプラスアルファで、一番上のところもそうなのですが、薬害の他にもいろいろなパンフレットが送られてくる。
 現場では、実際にそうなのですけれども、その中には、教科書には出ていないことだから、人権学習とか総合学習でしか使えないね、授業の中では活用しにくいねというのは、確かにいっぱい送られてきて、それがいっぱいあるので、そんなに時間はないという気持ちは分かるのですが、これに関しては、公共の授業の中で、今日は消費者問題をやるから、このパンフレットも読んで、薬害を教えるために使ってもらえると思って高校に送ってもらっている趣旨がもう少し現場の教員の先生方に伝われば、こういうアンケートの回答がなくなっていく方向にいければありがたいのかなと思います。お願いできればと思います。

○衞藤座長 どうぞ。お願いします。

○医薬品副作用被害対策室長 ありがとうございます。
 御指摘いただいた点については、教育課程との関係は、先ほど文科省さんから御回答いただきましたので、その認識のとおりだと思いますが、繰り返しですけれども、あくまで、この自由記述はそれぞれ個人的な見解をいただいたものなので、学校現場で全てこういうふうに受け止められているわけではないのかなとは思います。
 ただ一方で、こういう声もあることも事実ですので、それもありますし、また、アンケートの回答状況とか実際の授業が行われている状況を考えると、やはり実際、認知度が低いのも事実ですし、この薬害教育はなぜやらなければいけないかのそもそもの目的のところをもう少しお伝えしなければいけないと思いますし、当然、学習指導要領にも記載されていること。これは前回も記載させていただきましたけれども、その辺り、どこまで明確に言えるかは、事実は事実としてお伝えしつつ、しっかりこの薬害教育の意義も併せて配布をする。また、実際にやりやすいようにこれまでも取組をしておりますが、いろいろな工夫をして、学校現場で活用をよりできるように厚労省としても取り組んでいきたいと考えております。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 そのほか、資料1から3までの御意見はございますでしょうか。
 では、花井委員、どうぞ。お願いします。

○花井委員 すみません。資料2の改訂(案)と資料3の件なのですけれども、資料3の6ページの下側に「薬害を学ぼう」の表紙の写真を見せることに抵抗があるという意見が出ていて、これは驚いて見ていたのですが、保護者等も見ることを考えると使えないとおっしゃっていて、これはどういう理由なのかなというものを考えるのですが、こういう一人の方の意見なのですが、こういう提起をいただいて、ふっと我に返ってこの表紙を見ると、ある種、僕らとしても薬害という表象を被害者の典型的な写真で表象している。しかも、障害は様々あるけれども、よくあるように、車椅子と結びつけて、障害者ですと車椅子とか松葉づえ、または典型的にサリドマイドの被害者像が描いてあって、これはこういう表象の使い方で現在でもいいか問題は論点かなと、今、思いました。
 一つは、提案としては、この特別支援学校等々で教えている先生方にそういう抵抗感はどういうコンテクストでおっしゃられているかを一回聞いてほしいのと、あと、ここからは私の意見ですけれども、考えてみると、こういう表象の使い方はやはり古くさい表現なのかなという気もしてきていて、例えば表紙には、今、学んでいる若い人たちが学んでいる風景みたいな、つまり、学ぶ主役の人たちの写真を載せたほうがいいのかもしれないなと、今、思いつきで発言しているので、それが理想とは思わないのですが、まず、取りあえず1つ目は、支援学級で本当にこの表象において傷つく人がいるのかとか、そこは一回聞いてみてほしいかなと。そうだとすると、ちょっと考えなければいけない。
 それから、もう一つは、そうではないとしても、これでいいのかというときに、やはり表紙の主役は、今、学んでいる若い人のほうがいいかなという気がしたりするのですけれども、これは今後の、今回採用するかどうかはともかくとして、一つの課題として御意見を申し上げました。
 以上です。
 これは何か分かりますか。支援学級でという、一人の方の意見なのですが。

○衞藤座長 では、もし分かりましたらお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 この抵抗感のところは恐らくサリドマイドの写真とかを意識されたのだと思っていまして、というのも、恐らく同じ方から別途、こちらにも直接同じような御意見をアンケート以外でもいただいたので、恐らくそういうことかなとは思います。

○医薬品副作用被害対策室長 そういう声があることも分かっているので、その背景とかがもう少し我々としても聞ける部分があれば聞かせていただきたいと思いますし、あとは、ちょうど花井委員から御指摘もありましたので、我々としても検討は御意見を踏まえてしたいと思いますが、もしよろしければ委員の皆様も何か、この点について、今回、資料でもお出しをしていませんでしたので、参考意見としてもしあれば御意見をいただければ、こちらの参考になるので、もしあればよろしくお願いしたいと思います。

○衞藤座長 いかがでしょうか。表紙の表象の仕方に関して、改めて現時点でのお考えがもしあれば聞かせていただきたいと思います。
 では、栗原委員、お願いいたします。

○栗原委員 いや、私の意見ではなくて、このパンフレット、教材が、初版といいますか、最初の時点の表紙は全く違ったのですね。この一番大きな写真についてはかなり当事者団体のこだわりがあったような記憶があるのですが、どなたか、その経緯を思い出してお話しいただけたらと思うのですが。

○衞藤座長 では、勝村委員、お願いします。

○勝村委員 ありがとうございます。
 今、詳細を全て思い出すわけではないのですけれども、ちょうど数日前にサリドマイドの「いしずえ」の佐藤さんとお話をする機会があって、そのときにちょうどこの話になり「薬害を学ぼう」のパンフレットを改訂するそうだねというのを第三者委員会で聞かれて話をしていたのですが、そのときの話題としても、最初は「薬害とは何だろう」というようなタイトルで、文字だけの表紙で、やはりインパクトが弱くて、もうちょっと薬害を身近に考えなければいけない問題だと分かってもらうために、実際にこういう腕が、指がという状況の中で生きてきている人たちがいることから考えてもらおうということでそういうふうになったねみたいな話はしていました。
 だから、そのことに関して、今、新たな、いろいろな議論をしていくことは全然、皆、やぶさかではないと思っていますけれども、やはり表紙の問題で両面から丁寧に議論する必要があるのかなとは思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 では、改めて、いかがでしょうか。表紙の在り方といいますか、今後に向けて何か御意見があればぜひ聞かせていただきたいと思います。
 勝村委員、お願いいたします。

○勝村委員 何度も申し訳ありません。
 加えて、こういう機会もあまりないかと思いますので、感じたことをそのままお話しさせていただきたいのですけれども、一つはやはり宛先の問題で、これは非常に難しい、実際に悩ましいところだと思うのですが、公共だけではなくて政治・経済でもやってもらっている、また、もちろん、保健体育でもやってもらっている。それから、理科の先生方でも科学と倫理の問題とか、「科学と人間生活」とか、そういう形でもそういう科目などではこういうことが非常に取り上げられやすいような教科書になっていることもあって、いろいろなことに使えるから使ってもらいたいなと。もちろん、人権教育でもいいし、総合的な探究の時間とかでもいいしとかとなってくるのですけれども、結果としてそれはすごくそのとおりなのですが、技術論的にそういう形の雰囲気を出してしまうと逆にどこにも使ってもらえないことは非常に経験的に感じていて、それは中学校でも結局、そういう点はあったかと思います。
 去年もお話ししたかもしれませんが、私の勤める高校でも、届いているはずだと自分が思うのだけれども、届いていないことになっていて、実は事務の方が「薬」という漢字が入っていたから箱を保健体育科の先生が集まっている部屋に持っていって置かれていた。それはどうせあまり使わないかもしれないけれども、そっちにも保管しておいた。それで保健体育科の先生がたまたま気づいて「薬」と書いているから、それを養護教諭がいる保健室のところに一応運んでいた。そういう扱いになっていたことがあって、実はそれは僕としては公共の先生に見てほしいのだということを、僕としてはたまたま届いているはずだと思っていたからということで、探し当ててということがあったりしました。
 なので、送り先は、やはりピンポイントにしておいて、学校でこれはそっちで使った方がいいのではないのかという判断は学校で意外と逆にできると思うので、取りあえず、公共担当の教員、公民科の先生、しかも教科書で新たに載ったので、これまで教えた授業の中には先生方が、これまで現代社会という科目が公共の前にあったわけで、そこでは薬害については確かに教えておられなかったかもしれないけれども、これからは教えてほしいということをきっかけにこれを配っているのだという趣旨で、まず、公共の授業で教えてもらう。さらにもちろん、保健体育でも政治・経済でも触れていくということがあるけれども、取りあえず、基本的に公共で基本が教えられて、さらに保健体育や、実際的に教えてもらうのだったらより突っ込んだというか、より何か掘り下げた教育をしていってもらってももちろんいいという立てつけだと思いますので、まずは、宛先を絞って出すほうが、僕はアンケートの集計にしても、配布にしても、責任の所在がはっきりしていいのではないかなと思っています。それは非常に大事な最初の入り口の工夫なのかなと思うのですが、どこか知らないところで保管されていることがアンケート結果の回収率が悪いことの一つになっている可能性はあるのではないかなと思うので、御検討いただけたらと思います。
 もう一つは、これは直近で、悪くなるということではないのですけれども、やはりビデオをいろいろ使ってもらって、僕は大阪の方で色々な先生からも聞くのですが、ビデオの内容は非常によいのですが、生徒が見るに眠たくならないかという感じで言うと、大事な内容だから眠たくなるなとか、全ての授業は寝ないで聞けと言いたいわけですけれども、何か寝てしまう授業と、寝ないでずっと集中できる授業があるとしたら、それは先生のうまさなのだけれども、同じようにビデオも上手に編集するということで、すごく25分間、集中して見てしまうと、やはり間の取り方だったり音楽の使い方だったりということがあると、何か定番のものを新たに幾つもつくるのは、今、いろいろな情報をネットでできるからというので、何か定番の基本のビデオを改めて一つ、中長期的なことかもしれませんが、これだけ毎年配ってもらっている中で、これはいいね、これだったら生徒に割といいねというビデオにも挑戦してもらえたらありがたいかなということがお願いです。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 では、お願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長 ありがとうございます。
 御指摘にそのままお答えできているかどうかはありますが、一応、資料1で用意させていただいたスライド2の「3 その他」で、おっしゃるとおり、そもそもの認知度もありますし、学校の中で、送ってはいるけれども、どこに渡っているのかが分からない事例もあるのも我々は把握していますので、例えば一例として、このスライド2の「3 その他」の左側に書かせていただいていますが、その下に、特に渡していただきたい担当の教員を明示するという、6ページに緑のリーフレットを出させていただいていますけれども、そこの上に、特に公民科、保健体育の先生の方々にということを例えば書かせていただくとか、また、どこまで書けるかはありますが、同時に送付する事務連絡のところでしっかり明記を、先ほど勝村委員から御指摘いただいた趣旨のことを記載させていただいた上で、特に見ていただきたい教科の先生を明示するなりして少し工夫をさせていただきたいと思いますし、他方で、学校によっていろいろな取組もされておられるので、そういったところも柔軟に見ていただけるような仕組みも併せてやる必要があるのかなとは思っています。
 動画についても、先ほどの資料1の2ページの右側に書いておりますけれども、例えば途中で寝てしまうみたいなエピソードがありましたが、先ほどのアンケートの動画の解析の資料にもございましたけれども、やはり最後まで見てもらえないとか、動画一つを取っても最後まで全部見てもらえないとかがあるので、例えば短縮版をつくってまずは見ていただくとか、見ても最後、一応、そこで完結をしているような短いバージョンでまず知ってもらって、そこを入り口にするとか、できる工夫は我々としてもやっていきたいなとは思っております。

○衞藤座長 そのほか、いかがですか。
 勝村委員、どうぞ。

○勝村委員 何度もすみません。本当に資料を改めて見て、きちんといろいろなことを対応していただいていて、ありがとうございました。
 もう一つ思うことは、いいことではないのだろうけれども、実際は、現実はダンボールがそもそも開けられないというケースも多いのだと思うのですよ。つまり、僕は、去年も言ったかもしれないけれども、ダンボールが送られてきた、そのダンボールの上の宛先のところにどう書いてあるかがすごく大事で、それが校長宛てであったり、中に「薬害を学ぼう」が入っていると書いてあったりしたら、校長には全然行かなくて「薬害を学ぼう」となっているから、保健室とか体育とかになってしまうので、中を開けることはないので、何かそこの工夫でもいきなり公民科主任とか書いて、公民科主任のところへ行ったら公民科は開けざるを得ないけれども、開けたら、中を見たら、保健体育でもいいということが書いてあるから保健体育科と相談するとか、やはりどこかにちゃんと行って段ボールを開けてもらうという工夫が、すごくマニアックな話だけれども、すごく大事かなと。段ボールが開けられないまま、たらい回しになっていくことがかなりあるのかなと思いました。

○衞藤座長 ありがとうございました。学校には非常に多数の資料が送られている中で、どのようにこの内容に目を留めてもらうかという視点で、とても大事な御指摘だったと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 後藤委員、お願いいたします。今、マイクをお持ちします。

○後藤委員 また「薬害を学ぼう」の表紙の話に少し戻しますというか、これは私の意見なのですが、それぞれの薬害のイメージ的な写真で、これはこれでいいのかなとは思うのですが、先ほど花井委員も御指摘があったように、やはり現代的ではないかなというところも率直に思うところで、少しこういう教材とか資料は、取ってもらって、見てもらって何ぼなところはあるので、我々の思いというか、被害者としてのこういうことを知ってもらいたいという思いはもちろん尊重してもらわなければいけないのですけれども、それを踏まえた上で実際活用していただくにはどうしたらいいかは、本当にユーザーの方というか、それこそ先生方とか、あるいは実際に手に取る学生さんとかの意見というか、そこをしっかりと反映してもらってつくったほうがいいかなというのが私の見解というか、意見なのです。
 そういう形で、どういうものがいいかをいろいろなところでまた聞いてというか、調べていただいた上でどんなものにするかを決めていただければと思いますし、同じように動画とかも、我々のレベルでつくるとなかなか見てもらえるものにならないのが率直なところなので、こういうことこそ学生さんとか、こういったことを広げるためにはどんな動画をつくるのがいいでしょうみたいなことをテーマにしてもらって取り組んでもらって、それでいいものを採用していくみたいな形で少し、年寄りだけで考えていってもなかなかうまくいかないところかなと思うので、そういった取組をしていただければありがたいかなと思います。
 よろしくお願いいたします。

○衞藤座長 ユーザーの目線でということで、改めて資料の、特に表紙とか入り口の部分を検討する。その場合にはユーザー自身からも意見を聞くということも必要ではないか。そういった貴重な御意見だったと思います。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 では、花井委員、どうぞ。

○花井委員 後藤委員が応援してくれたので、全く同意見なので、仮にアイデアその1は、イラストはどうか問題です。それから、アイデアその2は、今、授業展開しているので、理想授業をやっていると、この風景で同意を得て、若い人が授業を受けているし、写真とかで、それがどっちがいいか。
 厚労省も、アニメの『薬屋のひとりごと』とかを使って、結構受けがいい。ああいうキャラクター物は必要ないと思うのですが、イラストが一つあるかなと思います。だから、イラストではいろいろな、うまく微妙に描けるので、被害の実態を何となく反映しているのだけれども、明るいムードというか、そういうバランスが取れるので、それが一つの案。
 あとは、やはりそういう写真です。これが一案なので、ユーザー側の、調査もあれだから、何か現場の人たちに話を聞いて、どんなものが今の若い高校生たちに、受け入れやすいのかは若干調べてもらってやっていただけたらと。
 色遣いとか、もうちょっと明るくてもいいかなという、何となくそういうものは思うので、よろしくお願いいたします。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 オンラインで御参加の委員の方々も、御意見がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。

○高橋(寛)委員 高橋ですけれども、よろしいでしょうか。

○衞藤座長 高橋寛委員、お願いいたします。

○高橋(寛)委員 高橋寛です。説明ありがとうございました。僕も各委員の先生が言ったことに賛成です。
 だから、もしかすれば、やはり受け手の方が時代が変わってしまってというのはあると思いますし、もう一つは、基本的にパンフレットを授業で使うことを考えているのですけれども、パンフレットを生徒さんたちに配って、今、探求学習とか、いろいろな研究的な授業もありますので、自分で調べて深掘りしていけるような教材も考えていただけないでしょうか。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがですか。
 勝村委員、どうぞ。

○勝村委員 何度もすみません。
 今、後藤委員がおっしゃったことで、いいなと思ったのですけれども、生徒たちに調べ学習して発表させているときに、パワーポイントなどもすぐアニメーションになりますから、高校では情報という授業もあるのですが、そういうところでアニメーションをつくるとかという授業もあったりするので、確かに生徒たちがつくる、そういうものを生徒たちにつくってもらえないかという、勉強してくれて、パイロット的に実際に使ってくれている高校などでそういう、自分たちでパンフレットの表紙をつくってくれないかとか、または自分たちで動画をつくってくれないかとかと言ってつくってもらったら本当にいいものができる可能性があると思って、そういう取組は、上から教えるばかりではなくて、みんなで勉強しているという感じなので、発表だけさせてもらって、それが活用されていくのは本当にいいものが出てきそうでいいかなと思います。
 本当に探求活動とかでやってもらうのも理想なのですけれども、実際、例えばそういう時間で、特に人権学習で薬物乱用はかなり時間をかけてどこでも必ずやっていますが、そこは本当に目一杯でぱんぱんというのが僕の印象で、きっと恐らく中学校もそれはぱんぱんで、新たなものを入れていくのは相当ハードルが高いと思うので、僕は、まずはやはり公共の授業の消費者教育をするところで先生方に活用してもらうことができれば一番基本系で、だけれども、もちろん、それ以外で使っていけないわけではなくて、それに加えていろいろなところで使ってもらうというアイデアを持ってくれている人にもつながる形に進んでいくのが一番、多くのこれからの子供たちというか、みんなに知ってもらうためにいい形なのかなと思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。この資料がどのように目に留まるかとか、実際に利用する教員の方、あるいは生徒さんといった目で見て親しみやすいものになるかとか、いろいろな観点で現状を少し変更して、しかも高等学校の公共での消費者の権利と責任とか、そういったところで使っていただくことに、早くそこに結びつくようなという視点も必要かと思いますけれども、そういった観点はとても大事な御意見だったと思いますので、ぜひまたそれは少し事務局で検討していただければと思います。
 お時間はまだ少しあるのですけれども、資料1から3について、表紙のこと以外でも結構でございます。何か今後に向けての御意見があったら、ぜひ聞かせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋(寛)委員 高橋ですけれども、よろしいでしょうか。

○衞藤座長 高橋寛委員、お願いいたします。

○高橋(寛)委員 この次のところで出てくると思うのですけれども、授業をやったところの生徒さんたちの声は何かアンケートとかで取られているのでしょうか。

○衞藤座長 もし分かりましたらお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、次の資料4で御説明をするところでしたけれども、当然、最後に生徒の皆さんにもアンケートを取らせていただいていて、そこの中で授業の感想とかもそれぞれ基本的にはいただいているような形になりますので、これまでいただいているいろいろな意見、やはり教員の方々もそうですが、実際に授業を受ける生徒さんの意見が一番重要かなと思いますので、そちらも取らせていただいていますし、それを参考にいろいろ我々としても工夫をさせていただければなと考えております。

○高橋(寛)委員 ありがとうございます。
 恐らく、今、現場が結構忙しい状態なので、何を送ってもなかなか難しいと思うのですけれども、教える教材というよりも、こういう教育で子供たちはこんな変化がありましたというところをアピールするのはどんなものでしょうか。

○衞藤座長 お願いします。

○医薬品副作用被害対策室長 ありがとうございます。
 実際、モデル授業をやらせていただいていて、指導の手引きとかもつくらせていただいていますけれども、冒頭の資料1でも御説明しましたが、別途、実践事例集みたいな、これまでの授業を実施した例も、いわゆる好事例みたいなことを出させていただいていますけれども、そこでも併せて生徒さんの声も、こういう形でどう変わったとか、そこは生徒さんの主観もありますし、担当した教員がどのように思ったかということも併せて記載させていただいていますので、方向性としては高橋委員がおっしゃったような形では考えているところですが、そこをもう少し、やはり活用いただけるような形でもうちょっと工夫ができればしていきたいなとは思っております。

○高橋(寛)委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 そのほか、資料1から3を通じて何か御意見、御質問等はございますか。
 では、栗原委員、お願いいたします。

○栗原委員 資料1の1ページ、今年度・次年度の取組についての右下ですけれども、先日、新たにPMDAの展示室のパネル、ヤコブが制作されて、既に展示・公開されているわけですが、当初スタートした時点での4つに加えて5つ目が出来上がったということなのですが、今後の計画、複数の年度にまたがった作成の計画みたいなものはあるのでしょうかというのが一点。
 それと、資料管理と法人事業云々という、これとの関係ですが、関係あるのだろうと思いますが、研究班、厚生労働科学研究。これは今後の継続の見通しとかがどうなのかということと、新法人の活動支援という、その支援事業は期限があるのでしょうかとか、そういったことを、いろいろ雑多ですが。

○衞藤座長 では、事務局からお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長 事務局です。ありがとうございます。
 明確な答えになっているかはあれですけれども、まず、PMDAの「薬害の歴史展示室」については、御紹介させていただいたとおり、ヤコブ病のパネルを新たに追加させていただいたところです。その後、どういう計画があるのかなのですが、併せて質問をいただいた資料館の動きがどうなるか、研究班の動きはどうなるか、あとはPMDAの展示室の物理的なスペースも実はあったりとか、また、全体の動きとしてどう考えるかがあるので、端的に申し上げると、歴史展示室を複数年にわたってどうしていくかという明確なものは、今、お示しできるものはありませんので、そこは御意見を伺いつつ、あとは実際にどれぐらいできるかという作業の状況等を踏まえて充実させていきたいというのは方向性としてはございますけれども、具体的に来年度どうする、再来年度どうするというのは、今、明確にお答えできるものが、申し訳ございませんが、ありません。
 その上で、研究班は、資料1で書かせていただいていますとおり、当面、令和4年度からの3か年計画ということでアーカイブの関係の研究はさせていただいています。令和4年度、令和5年度、令和6年度なので、来年度まではこれは確実に実施します。その上でですけれども、我々の気持ちとしては当然、そこで全てが終わりというわけではないので、さらに引き続きやっていただきたいという気持ちはありますが、そこは全体の研究班の中の予算の関係とかが、ほかの全体の予算があるので、明確なお約束はできませんけれども、我々の事務局としての立場としては引き続き、資料館の問題とか展示の話、併せて、この研究班をまだ継続してやっていきたいとは考えております。
 新法人の活動の支援についても、まだ実は始まっていないので何とも言いようはないのですけれども、当然、来年度でやって何か形になるわけでは恐らくないと思いますので、そちらについても必要な限りは継続的に支援は続けていきたいとは思いますが、最終的にどういう形で、PMDAの展示室との関係もそうですし、科学研究との関係もありますので、いつまでというものはありませんし、あくまで予算は単年度主義なので、来年、再来年度も必ずやりますとは申し上げることはできないのですけれども、当然、それは単年度で終わるものではなくて、役割が果たせるまで継続的にやっていく姿勢は我々としては持っているところです。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。
 では、栗原委員、どうぞ。

○栗原委員 ありがとうございます。
 そのPMDAの展示室の件ですが、これはオープンが2020年3月30日でしたか。その後のコロナの期間がかぶってしまっているからあれなのですけれども、利用者参観というか、その状況など、あるいは見に来られた方の感想がどうであるかとか、そういったものは記録とか集計とか、そういうことが意図されているのかどうかですが、いかがでしょう。

○衞藤座長 では、お願いします。

○医薬品副作用被害対策室長 もちろん、来ていただいた方々、どれだけ来ていただいたとか、それに関するどういう感想をお持ちかは、我々として当然、把握した上でというところなのですけれども、すみません。本日は手元に資料がないのでお示しすることはできませんが、どういった属性の方が何人来られて、どういう目的で来られたというのは我々としても把握はさせていただいているところです。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。
 どうぞ。

○栗原委員 例えば次回のこの会議にそういった辺りのデータが提供可能でしたら示していただけたらと思いますが、あるいは別の形で、別の場でも何でも結構なので。
 以上です。

○衞藤座長 では、よろしくお願いします。

○医薬品副作用被害対策室長 承知しました。PMDAとも相談して、個人情報に係るところは当然出せませんけれども、もちろん、隠すものではありませんので、出せる形でお出しさせていただきたいと思います。

○衞藤座長 議題2につきまして、そのほかに御意見はございますか。

○樋口委員 樋口ですけれども、よろしいでしょうか。

○衞藤座長 どうぞ。お願いします。

○樋口委員 すみません。動画のQRコード、二次元コードをくっつけて視聴を促進させるところがあったと思うのですけれども、二次元コードから飛ぶ先は動画一覧があるサイトだと認識しているのですが、それでよろしかったですね。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 事務局の江口でございます。
 幾つかあるのですけれども、今、考えておりますのは「薬害を学ぼう」のパンフレットにQRコードを載せる場合は、この「薬害を学ぼう」の冊子の各ページに対応する形で動画を切った、パーツごとの動画が実際にありますので、QRコードを読み込んだらすぐに動画そのものに飛べるような形で入れてはどうかと思っております。
 あと、それ以外に、例えば指導の手引きの中とか事務連絡とか、そういったところで、こういったものもあるので活用を、という形で御紹介するときには、パーツごとというよりは全体が見えるほうがいいかなと思いますので、その動画のリンクが貼ってある厚生労働省のホームページをお示しするような形でQRコードを載せさせていただいてはどうかなと。実際に使う方が一番アクセスしやすいものにアクセスできるような形でQRコードをお示ししてはどうかなと考えているところです。

○樋口委員 ありがとうございます。
 だったら分かるのですけれども、サイトに飛んで選んでもらうとなると、時間がない中で使うのを促進するとなると、なかなか全部見て選ぶというのを、指導者側もそんな時間を割いてくれるのだろうかという疑念があったもので伺った次第です。
 ダイレクトにその動画に飛ぶのだったらよく理解できます。ありがとうございます。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 そのほか、ございますでしょうか。
 それでは、議題2については、一応、ここまでとしたいと思います。事務局におかれましては、各委員からいただいた御意見を踏まえて、教材の改訂(案)の修正等をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、資料4についての御説明ということで、3番目の議題の「中学校・高等学校における薬害教育について(報告)」ということで、資料4に基づいて御説明をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございます。資料4について御説明をさせていただきます。「中学校・高等学校における薬害教育について」というスライドです。今回はモデル授業として実施をさせていただいた4事例について御紹介をさせていただければと思います。
 まず、スライドの1枚目でございます。こちらは大阪府にあります定時制の高等学校で実施したところで、高校2年生の理科(科学と人間生活)という教科の授業で実施していただいたものでございます。
 この点線の囲いの中に書いておりますけれども、これを理科の授業で実施した理由が書いております。この科目は「科学技術と人間生活」の適切な関係性について考えを深めるという目的がありまして、科学技術の発展の歴史として医薬品の発展を勉強した生徒の皆さんが、この授業を通じまして、将来自分にとってより安全性の高い医薬品を選択する力とか、医薬品の安全性を担保するための制度を理解して、活用していく力を養うことは重要かつその目的に合致するものであると担当教員の方が判断して実施されたところでございます。
 具体的には、薬害が起きる原因について考えて、科学技術と社会の関係を見直して科学技術のリスクとベネフィットを個人として適切に判断するという力を養うこととともに、具体的に薬害エイズの事例を掘り下げたということでございますけれども、そういったことを理解するところで、科学技術が人々の幸福のために役立ち続けるためにはどのような工夫や制度が社会に必要かを考えることを狙いとして授業として実施したというふうに理由として記載させていただいております。
 授業の流れについては、ここのスライドの画像にもございますけれども、厚労省から作成した「薬害を学ぼう」のパンフレットとか、また、学校で作成したワークシートを配布した上で、その前に、1学期のときに「微生物と医療」という単元があるということで、そこの中で、人間生活に大きく役立った医薬品として「抗生物質」(ペニシリンなど)を学習して、医薬品が人間社会に恩恵をもたらしたことをもう一度復習する。そういった上で、医薬品の主作用・副作用の違いについて学ぶとともに、薬害についても学習することを提示したところです。
 その上で、実際の薬害の基礎知識のインプットとかアウトプットをした上で、ワークシートを用いて解説したり、そこの中で感じたこと、考えたことを生徒の皆さんに記載していただいたという流れで授業を実施していただいたところです。
 生徒の感想については、ここに記載しているとおり、いろいろ印象に残ったこととか、また、授業でよかった点を記載させていただいたところです。
 次のスライド3ですけれども、こちらが2例目です。こちらも高等学校ですが、これは通信制の課程で実施していただいたところです。
 先ほどみたいな直接教わるわけではないですけれども、薬害について、担当の教員の方に動画を作成いただいて、それを視聴するとか、また、実際に「薬害を学ぼう」のウェブ上の資料、または冊子を読む。また、YouTubeに載せている視聴覚教材も視聴いただいた上で、発展問題の回答をする。
 そういう課程を各自実施していただくということで、下に生徒の授業の感想を書いておりますけれども、いわゆる通信制の課程でもこういった形で工夫することで実施できる事例の一つになるのではないかと考えております。
 続いて、スライド4の3事例目ですけれども、こちらは中学校で、中学3年生の社会科の授業で取り扱っていただいたところでございます。
 この授業の特徴は、このスライドにもありますとおり、幾つかのグループ、薬害ごとに、具体的には8つのグループをつくっていただいて、それにそれぞれ各薬害の被害者の方から講師を招いて、オンライン形式でグループになって、それぞれ8グループでいろいろお話を聞いたりして議論するという、いわゆるグループワークみたいなことをしていただいたというのがまず前提としてあります。
 その上で、次のスライド5になりますけれども、それぞれ薬害が起こる原因とか、薬害を防ぐにはどうすればよかったかを、講師の方にヒントをいただきながら、具体的には生徒を中心に話をしていただいた上で、感想を発表する。その中で、ほかのグループの発表等を聞くことによって、幅広い様々な薬害の知識とか、それぞれの考えについて知ることができるという授業を実施していただいたという形になっています。
 生徒の感想も、印象に残ったものはこういうことであるとか、授業でよかった点も以下のとおりに記載させていただいております。
 最後に4例目ですけれども、こちらも中学校で実施いただきましたが、これは人権学習の中で実施していただきました。
 スライドの写真にもあるとおり、体育館というか、アリーナみたいな、講堂みたいなところに集まっていただいて、いわゆる全体授業みたいな形をしていただいておりますけれども、2時限にわたって実施したということですが、まずは「薬害を学ぼう」の動画を視聴して、その中で薬の副作用とか薬害の違いについて学習するとともに、次の2時限目で、実際、薬害の被害者の方に直接お話を聞く、いわゆる講演をしていただいて、それを聞くということをしていただく。
 それを踏まえて、スライドの7ページ目ですけれども、まず動画を見て、その上で実際に講演を聞く。その上で感想もそれぞれ生徒の皆さんに取りまとめていただくという形で実施していただいたところで、いろいろな形で、今回は4例御紹介させていただきましたが、いろいろな教科、また、いろいろな形式で実施をいただけるという形の一つの紹介になるかなと思いますので、これもこれまで取りまとめさせていただいている実践事例集、好事例集がありますので、そちらにも記載させていただいて周知することによって幅広く、いろいろな教科、また、いろいろな学校で実施していっていただきたいと考えているところでございます。
 資料については以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 では、ただいまの御説明、御報告でございますけれども、御質問か御意見がございましたらよろしくお願いいたします。
 いかがでしょうか。
 花井委員、お願いします。

○花井委員 御紹介いただいた事例、中学生も含めて、かなり時間を取ってやっていただいて、かなりいい例かなと思うのですけれども、しかも全部、公立高校・中学ですね。私も何か所か行ったことはあるのですが、中・高一貫の私立附属系が割とゆったりとできたりとかという例があって、私立で大学まであるところだと、ある種メンターで大学から人が来てやったりとかもできることをやっているところもあるようなので、今後、そういう私立系でも何か事例があれば御紹介いただけたらと思いました。
 ありがとうございます。

○衞藤座長 ありがとうございました。では、御検討をお願いいたしたいと思います。
 高橋浩之委員、どうぞ。

○高橋(浩)委員 すみません。ありがとうございます。
 特に生徒の感想を見たところ、本当にみずみずしいというか、すばらしいもので、やはり教材とか指導案もそれなりによくできているのではないかなという感触を得ています。
 そこではたと思ったのですけれども、我々はこの教材をつくって、こういうことを伝えたいとか、学校にはこれを教えてほしいとかという気持ちがやはり先行して、それは当然なのですが、先ほども議論が出てきたように、子供の受け止めはどうなのかとか、ユーザーの目線というものが、今は遅いのかもしれないのですけれども、あまり考えていなかった。
 例えば薬害に関して、教材がない段階でどのぐらいの子が知っているのかとか、どんな捉え方をしているのだろう。特に薬害と副作用が区別できているかとか、ましてや薬物乱用の被害みたいなものとの差とか、あるいは薬害についてのイメージとか、そういうものを、学校を限ってでも調べられないのか。そこで得たデータは授業という面でも、それから、教材の改訂という面でも役に立つのではないかなと思ったものでコメントさせていただきました。
 ありがとうございます。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 そのほか、ございますか。
 坂本委員、手をお挙げのようですけれども、いかがでしょうか。

○坂本委員 ありがとうございます。
 私も、生徒さんたちの声がすばらしいと思って拝読していました。ほかの委員も先ほどおっしゃっておられましたが、ぜひ、この声を、今後の薬害教育を広めていくにあたって、何らかの形で活用していければ、とてもいいのではないかと考えます。
 以上です。
 
○衞藤座長 ありがとうございました。
 そのほか、ございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、議題3につきましては以上としたいと思います。
 議題4のその他ですけれども、事務局からは、その他に議論が必要な事項はございますでしょうか。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 事務局からは特段ございません。

○衞藤座長 それでは、各委員から全体を通じて、御質問や御意見がありましたらお願いいたします。
 いかがでしょうか。
 勝村委員、どうぞ。

○勝村委員 すみません。会議が終わってから教えてもらおうかなと思ったのですけれども、少し時間があるようですので、文科省の方に、教えていただければと思います。
 先ほどの最初の話なのですけれども、一応、僕らはやはりスモンの方々が、昔は公害と薬害は公民で一緒に教えていたという話をされていて、そこを考えるときに現在、学習指導要領の解説の中で、読めば分かるのかもしれないですが、公害と薬害は何か扱いが違うのですか。割と表現は違うかもしれないけれども、公害は教えるが薬害は教えない時代になってしまったからスモンの人たちが、要は昔のように戻さないと、だから、薬害がまた繰り返されてしまうのだみたいなことになってしまっていたわけです。薬害を学校で教えなくなったから薬害が繰り返されたという話も聞いていたのですが、その因果関係が、事実があるかどうかは別にして、そういう意味で、今、教科書にまた載せてもらうことができて、公共で教えてもらえるような形になったと理解はしているのですが、急な質問なのであれですけれども、公害と薬害は同じように教える時代に戻ったという認識でいいのかどうかとか、もし教えていただければと思います。

○衞藤座長 いかがでしょうか。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐 すみません。少なくとも、今、手元にある資料で確認できる範囲ですけれども、中学校の学習指導要領では、この薬害の問題につきましては消費者の保護という観点で記載されておりまして、消費者の保護ということでつらつらと解説で書いてある部分と、それとは別に、公害の防止というところは別のところで書いてあるので、基本的に同じものだということを明示的に言っているわけではありません。
 基本的には、御存知のとおり、これまでの経緯もありまして、しっかりと経済活動と個人の尊重とか、そういったところの文脈で薬害の問題を公共でしっかり扱っていく。その上で、政治・経済の中でも同じように、消費者に関する問題ということで薬害問題などを扱い、政府・企業の責任に触れるようにすることも学習指導要領の解説にも明示的に書いておりますので、そういう意味で、全て公害と同じような形で取り扱うことには現時点ではなっておりません。

○衞藤座長 勝村委員、よろしいでしょうか。

○勝村委員 もちろん、同じように扱うとなっているとは思っていないのですけれども、先生方からしたら、自分が教えたいこと、教えたくないことは、先生方も人間なので、個人でそれぞれあると思いますが、そういうものを超えて、やはりこれは教えなければいけないこと、これは教えなくてもいいことがある。それで、大学受験があるので、教えなくていいことまで扱っていられないという声が先ほどのアンケートでもあったりするのですけれども、そういう観点で言って同列なのか、何か差があるのか。その辺は絶対教えなければいけないとかということではなくて、教科書に載っていることを全部教えられている授業などなかなかないとは思いますし、それはそうなのですが、今、僕の質問はうまく伝わらないかもしれないのですけれども、一点、学習指導要領に載ったのだから、載っていなかった時代と比べたら、公共の授業で薬害について教えてくださいというのは、公害についても教えておられるでしょう、薬害についても教えてくださいという感じで、現場感覚的に公共を教える先生にそう話をしていいものなのですか。
 いや、公害と薬害は全く違うのか。あくまでも現代社会から新たに公共という科目ができたことに関して、公共の授業を教える人に対して、公共という授業が始まったばかりで、今、先生方もどうしていくか。シラバスをつくり始めて、1年目、2年目という段階で、公害はきっと何か教えると思うのですけれども、薬害も同じように入れてくださいというのは言い過ぎなのですか。

○文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐 言っていくことに対しては言い過ぎではないというのは当然だと思います。つまり、私どもの立場としましては、学習指導要領にしっかり消費者の保護とか、取っかかりのところはあるわけでございます。もともと、そういう意味ではできたわけでございますけれども、やはり踏み込んで、学習指導要領の解説の中でしっかり薬害問題を扱って、そういった内容に触れるようにするところまで書く。そうすると、学習指導要領の解説に書くということは、それが教科書に掲載されるということでつながっていきますので、現にこういった教科書ができているわけです。
 私ども、かなり学校現場とやり取りしたり、現場の方々と意見を聞くと、とにかくやはり教科書を教えないといけないのだという話にどうしてもなっていくので、まずは教科書に掲載され、そこから学んでいただく。そういう意味で、こういう現状は一歩進んでいるのかなとは思っております。
 それに加えて、私どもは厚労省と一緒に連携させていただいて、この副教材をつくったり、あるいは動画教材とか指導書とか、そこまでやって先生をサポートして薬害に関する教育をやってくださいというところまで一緒に言っているわけです。様々な教育内容をまとめた案内・周知の中で何か隅っこに出てくるということではなくて、この「薬害を学ぼう」の話だけで周知をさせていただいているわけですので、かつ、個別に年間2回もやっているわけですので、これは政府のメッセージとして、しっかりこれを学校現場で取り扱ってくださいということを言っているわけでございますので、これは当然、先生がおっしゃるとおり、公共の中でやってくださいということは言っていただいても結構ですし、我々としても今までどおり周知していきたいと思っております。

○勝村委員 どうもありがとうございました。よく分かりました。

○衞藤座長 では、その他という議題で何か御発言がある方はいらっしゃいますか。
 オンラインの委員の方々でもいらっしゃいますか。
 ありますか。栗原委員、どうぞ。

○栗原委員 教材についてお尋ねですが、ひょっとして大学薬学部辺りから教材の提供を求めるような連絡は入ったりしませんか。

○衞藤座長 どちらに御質問ですか。

○栗原委員 対策室です。

○医薬品副作用被害対策室長 今、具体的に薬学部からあったという話は聞きませんが、当然、コアカリキュラムの中に薬害も含まれているので、もちろん、申出があれば拒むものではないですが、今、具体的に把握している限りでは、直接はないです。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。
 そのほか、ございますか。
 後藤委員、どうぞ。

○後藤委員 すみません。次年度の取組で、先ほど栗原さんからもありましたけれども、今回、一般社団法人の新法人ができてというところで、そこへの活動支援も取り組んでいただくことで予算案と出ているというところで、逆に言うと、もう少し出してあげてもいいのかなというふうには率直には思うところなのです。
 そもそも、我々、薬害の資料館ということで国にやっていただきたいということでずっとそれぞれの団体が求めていたところで、我々もHIVの原告団もずっと求めてきていたところで、紆余曲折あって、研究班であったり、こういった検討会であったり、あるいはPMDAの展示室であったりという、いろいろな形で実現してきている中ではありますが、やはり何かそれぞれがばらばらなような気がしていて、研究班は研究班でやっている、PMDAに展示室がある、今度、また新しい法人ができるという形ではあるので、これはどこかで、薬害資料館はこういうものなのだというところの統一見解というか、国としてこういうふうにやっていくのだというところをまとめていただきたいと思う。
 それの受け皿になるのがこの新しくできた法人だと私は思っているところなのですが、そういう形で、率直にこうやって分かれているというところで、PMDAの展示室についても被害者の証言映像も撮っていただいていて、昨年度、今年度と我々も2名か3名ぐらいずつ御協力させていただいているのですが、率直にPMDAの展示室で自分の証言した映像が流れていると思って見に行ったら流れていなかったということもあったりして、少しこうやって分かれていることで多分、どこかでコミュニケーションエラーがあったのだとは思うのですけれども、そういったことも起こりやすくなってくるというところもあって、そこはやはりどこか一つ、薬害資料館の決定版につなげていただきたいと思うし、今回、新法人をつくっていただいたことがそれの、本当は国がやってもらうのが一番いいのですが、そういった形で進めていくのかなと思っているので、ぜひ、この新法人は今回、来年度から支援事業も始めていただけそうだと思います。
 また、これをどう集約していくか。研究班の取組とか、その成果をどう1つにまとめていくのかというところも含めて、ぜひ国からも今後の、まだ決まっていないというか、これからの御相談はあるのでしょうけれども、御方針をお聞かせいただきたいし、新法人もその意図というか、そういう意気込みでやっているのだろうなというところを踏まえて、ぜひそういった今後の方針というか、取組方をお聞かせいただければと思うのですが、いかがでしょうか。

○医薬品副作用被害対策室長 ありがとうございます。事務局です。
 薬害資料の収集・公開については、ちょうどここの資料にも出ていますけれども、一定の国の方向性は平成24年に検討会の中で取りまとめをさせていただいたので、基本的にはそこで、どういったものが収集・公開について必要なものかという必要な機能を取りまとめさせていただいて、それをベースに我々としては進めているところは、基本線はそこで変わりありませんが、それを実際に進める中でいろいろ、例えば資料の所有権の話とか、具体的にその展示をどうするかとか、また、集めたはいいけれども、どう公開すればいいのか。それぞれ課題がありましたので、もちろん、それぞれのこの資料の収集の公開の関係をやっているのは医薬品副作用被害対策室なので、方向性は基本的には一貫しているとは思いますが、おっしゃるとおり、それぞれ取組をばらばらにしているというふうに見える中で統一感が見えないのは当然あろうかと思います。
 昨年の、C型肝炎の大臣協議の中で大臣からもコメントがあったとおり、委託か補助かどうかという話の文脈の中ではありましたが、実際、国としてのスタンスはもちろんありますけれども、その上で実際、被害者の方々がどういう形で公開したいかという思いも当然あると思いますので、そういったところは、どれだけの費用が必要かとか、どういう仕上がりをイメージしているのかはよく情報交換しながらよりよいものをつくっていきたいというのが基本的なスタンスかなと思いますので、我々としては一応、それぞれが今、ばらばらに見えているところもあるのですが、今回、新法人もできましたので、そういったところも中心にして、それに合わせて、この厚生科学研究も当然、それを応用して、活用して公開・収集を進めていくと思いますし、薬害の歴史展示室も、今はこういう形でありますけれども、その在り方も含めて、検討させていただければなとは考えておりますので、一応、一貫性を持った形では進めていきたいと考えております。

○後藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 そのほか、御意見はございますか。
 それでは、議題4についてはここまでにしたいと思います。事務局におかれましては、議題4についてもいただいた御意見を踏まえて、また今後の調整等を進めていただければと思います。
 以上で、少し時間を残しておりますけれども、本日の議題は全て終了いたしました。
 次回の日程等について、事務局からお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室室長補佐 本日は、長時間にわたりまして御議論ありがとうございました。
 次回につきましては、事務局より追って御連絡さしあげます。よろしくお願いいたします。

○衞藤座長 それでは、本日はこれで検討会を終了いたします。長時間にわたり、お疲れさまでございました。ありがとうございます。
 

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