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2010年7月29日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会議事録

食品安全部基準審査課

○日時

平成22年7月29日(火)14:00~15:15


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

<委 員>

明石真言、浅見真理、五十君靜信、井上達(座長代理)、大前和幸(座長)、香山不二雄、阪口雅弘、長野哲雄、松田りえ子、山内明子(敬称略)


<事務局>

俵木基準審査課長、入江課長補佐、内海係長

○議題

1 清涼飲料水の規格基準の一部改正について
2 即席めん類の酸価・過酸化物価試験法について
3 その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、薬事・食品衛生審議会 食品衛
生分科会 食品規格部会を開催いたします。
 本日は、御多忙のところ、御参集いただき、ありがとうございます。審議に入るまでの間、
私、基準審査課入江が議事を進行いたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日は、石田委員、小西委員、小沼委員、寺嶋委員が御欠席ですが、部会委員14名中10名の
委員に御出席いただいておりますので、当部会は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 また、本年5月28日付けで部会委員の改選が行われ、宮原委員、宮村委員に代わって、独立
行政法人放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター長の明石先生、国立感染症研究所
細菌第一部第一室長の寺嶋先生に御就任いただいておりますので、お知らせいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。大前部会長、よろしくお願いいたします。
○大前部会長 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 まず、最初に、配布資料の確認をよろしくお願いいたします。
○事務局 資料でございますが、
 資料1-1:清涼飲料水に係る部会審議の概要
 資料1-2:清涼飲料水の規格基準改正に係る基本的考え方について(案)
 資料1-3:清涼飲料水の規格基準改正の概念図
 資料1-4:清涼飲料水における残留農薬に係る規制について(案)
 資料2:即席めん類の酸価・過酸化物価試験法について(案)
 参考資料ですが、
 参考資料1:Codex Standard for Natural Mineral Waters(CODEX STAN 108-1981)
(日本ミネラルウォーター協会仮訳)
 参考資料2:General Standard for Bottled/Packaged Drinking Waters(Other than
Natural MineralWaters)(CODEX STAN 227-2001)(日本ミネラルウォーター協会仮訳)
 参考資料3:清涼飲料水の規格基準に関する改正等の経緯
 参考資料4:飲料水等に係る基準値の比較(残留農薬を除く)
 参考資料5:清涼飲料水の規格基準
 参考資料6:「飲用適の水」が準用されている規定
 参考資料7:食品、添加物等の規格基準の一部改正について(平成6年12月26日衛食第214号)
 参考資料8:酸価・過酸化物価に関する規定等
 以上です。
 過不足等ありましたら、事務局までお知らせください。
○大前部会長 資料はよろしゅうございますか。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 まず、審議事項の第1番目でございますけれども、清涼飲料水の規格基準の一部改正につき
まして、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1-1、1-2、1-3、それから、参考資料の1、2、3、4、
5、6、7を用いて御説明いたします。
 まず、既に清涼飲料水に関しましては、昨年度、二度この部会で御議論いただきましたので、
その内容を資料1-1にまとめております。
 平成21年6月2日の食品規格部会で、事務局より、清涼飲料水の規格基準の改正に係る経緯、
また、課題を御説明いたしました。
 主に「飲用適の水」、それから、原水基準の取扱いに関して御審議いただいておりまして、
「飲用適の水」の取扱いについては、以下のような方針を決定いただきました。
 まず、「飲用適の水」の定義を、食品一般の製造、加工及び調理基準において規定する。
 2つ目が、「飲用適の水」の規定内容については、清涼飲料水の規格基準の見直しの後、改
めて検討を行う。
 それから、(3)原水基準の取扱いに関してですが、まず、ミネラルウォーター類について
は、原水基準を廃止して、成分規格に統一すること。その成分規格は、暫定的に現行のミネラ
ルウォーター類の原水基準を準用すること。
 2つ目が、清涼飲料水の原水基準に、「飲用適の水」に加えて「ミネラルウォーター類」を
規定するとともに、原水とは「清涼飲料水の製造時に用いる原料水」であって、地下水等の泉
源を指すものではないことを明確にすること。
 以上が、6月2日の審議でした。
 7月23日には、全国清涼飲料工業会より、清涼飲料水業界の現状、特に原料水の取扱いにつ
いて御説明いただきました。
 また、健康局水道課から、水道法水質基準等の設定の考え方についても御説明をいただきま
した。
 以上を踏まえて、(3)ですが、7月の部会では、清涼飲料水中の化学物質等(農薬を除く)
に係る規格基準の設定方針について御議論をいただいたところです。
 このような二度の部会での方針を踏まえまして、1枚の紙にまとめたのが資料1-2です。
これは文章でまとめたものですが、なかなかわかりにくいところもあるので、資料1-3に概
念図をお示ししています。
 資料1-2の「I. 現状」及び「?U.改正の基本方針」の「1.規格の枠組の見直し」
「(1)分類の整理」ですが、ここは概念図の資料1-3の1枚目を見ていただければと思い
ます。現行の規格基準が上に書いてありまして、下が改正後となっております。
 まず、清涼飲料水が規格基準の中で、「食品の部」各条の中で、豆腐や寒天、冷凍食品とい
った食品の個別カテゴリーと並んで規定をされております。成分規格は、清涼飲料水に関して
は1つですが、製造基準が4つに分かれております。ミネラルウォーター類(「水のみを原料
とする清涼飲料水」と定義)についての製造基準。そして、冷凍果実飲料の製造基準、原料用
果汁の製造基準、その他の清涼飲料水の製造基準、このように、成分規格は1つですが、製造
基準は4つに分かれています。
 また、ミネラルウォーター類の製造基準の中で、通常、殺菌、除菌を行うこととなっている
のですが、殺菌または除菌を行わない場合という除外規定が設けられておりまして、これはコ
ーデックスのナチュラルミネラルウォーターの定義に、また、その製造基準に準じる形で規定
をされております。
 それから、「その他の清涼飲料水」及び「ミネラルウォーター類」の製造基準の中には、原
水基準がありまして、それぞれ水道水を用いる、もしくは、そこに掲げられている26項目もし
くは18項目の基準に合致するものを原料水として用いることとされております。
 もう一点、この図で御説明したいのは、「飲用適の水」ですけれども、これは参考資料6を
見てください。参考資料6に、太文字で「飲用適の水」を示していますが、真ん中辺り、「各
条」の「清涼飲料水の製造基準」の「原水は」というところです。「原水は、飲用適の水でな
ければならない」ということで、「飲用適の水」の水の具体的な内容が、水道法もしくは、こ
の26項目に合致するもの、と規定されています。
 この「飲用適の水」が、参考資料6の「第1 食品」Bのところにも引かれていまして、こ
ちらは食品一般の製造加工及び調理基準ですが、そちらに「飲用適の水」の定義がまた出てき
ます。ただ、そこには具体的な内容は、「食品の部 各条の清涼飲料水」のところを見てくだ
さいというような定義の仕方になっております。
 また、この「飲用適の水」という表現は、あちこちの個別の食品の製造基準に出てきている
ということがご覧いただけるかと思います。
 資料1-3に戻っていただきまして、
 以上が現状ですけれども、これを改正後ということで、下の方にお示ししていますが、まず、
この「飲用適の水」については、「食品一般の製造、加工及び調理基準」のところで定義をし
て、清涼飲料水の原水のところでは定義をしない。食品一般で「飲用適の水」とはこのような
ものですと定義する。その中身については、現行のものを持っていくことを考えています。
 こうすることで、食品の製造に用いられる水、これは、洗うときの流し水だったり、冷却用
の水だったりするわけですが、そのものを飲むわけではない、食品製造用水ですから、飲用を
目的とする清涼飲料水の議論とは完全に分離をして考えたいと思っております。
 以上が、「飲用適の水」の説明です。
 では、清涼飲料水の規格基準はどのようになるかと申しますと、まず、成分規格はこれまで
1つでしたけれども、これを「飲料水」「ナチュラルミネラルウォーター」「その他の清涼飲
料水」というカテゴリーそれぞれに成分規格を設けることにしたいと考えています。
 「飲料水」は、定義としては、水のみを原料とするというところでは、これまでのミネラル
ウォーター類も同じですが、殺菌または除菌を行わない、このコーデックス規格に合致してい
る部分は、独立に「ナチュラルミネラルウォーター」として、カテゴリーとして設定したいと
思っています。ですので、「飲料水」は水のみを原料とするもののうち「ナチュラルミネラル
ウォーター」を除く、つまり、殺菌、除菌をするものになります。また、昨年の部会の方針で、
「ミネラルウォーター類」については、原水の基準を廃止して、成分規格に統一ということで
したので、「飲料水」「ナチュラルミネラルウォーター」については、原水基準はなく、成分
規格で規定をすることにしたいと考えています。
 「その他の清涼飲料水」つまり、お茶やジュース、コーヒー等ですけれども、これについて
は、原料として用いる水の基準、これまでは26項目の表がありましたけれども、それについて
は、水道水はこれまでどおり用いてもいいのですが、「飲料水」「ナチュラルミネラルウォー
ター」の成分規格に適合するものも使用してよいと規定したいと考えています。
 また、原料として用いる水が、これまでは原水と称していましたが、取水した時点の泉源の
水という誤解を招くこともありますので、処理をした上で、実際に製造に用いる時点での水だ
ということを明確にするために、「原料水」という呼び名にしてはどうかと思っております。
 今、「飲料水」あるいは「ナチュラルミネラルウォーター」「原料水」というような語を用
いましたが、これはあくまで仮称です。
 以上が、資料1-2の「I. 現状」、それから、II. 1.(1)分類の整理というところ
になります。
 資料1-2の2ページ目に行っていただきまして、「(2)原水基準の設定の考え方の整理」
ということでまとめております。これも資料1-3の図と併せて見ていただきたいのですが、
資料1-3の2ページを開いてください。ここには、ちょっと見づらい図で申しわけないので
すが、具体的な規格基準の中身を書き出しております。上が現行、下が改正後。それから、こ
の図では、冷凍果実飲料、原料用果汁は省略をしております。
 現行の成分規格の構成要素としては、1~6まで並んでおりまして、1.2.混濁、沈殿物
といった性状に関する規定、それから、重金属類、カドミウム、鉛、ヒ素については不検出、
スズについては150.0ppmを超えるものであってはならないといった規定があります。
 そして、大腸菌群は陰性。また、これは「ミネラルウォーター類」のうち殺菌、除菌を行わ
ない、つまり「ナチュラルミネラルウォーター」に関しての規格ですが、腸球菌及び緑膿菌が
陰性。また、パツリン、これはかび毒ですけれども、リンゴジュースに関しては、パツリンが
0.050ppmという基準が設けられています。
 この成分規格は、すべての清涼飲料水に共通の規格となっています。
 その下の製造基準については、先ほどの1ページの図でもお示ししましたように、2つあり
まして、「ミネラルウォーター類の製造基準」と「その他の清涼飲料水の製造基準」で示して
おります。基本的な構成は似ているのですけれども、ジュース等の「その他の清涼飲料水」に
ついては、水以外の原料の鮮度や洗浄に関する規定があり、また、紙の栓による打栓に関する
規定があります。一方、「ミネラルウォーター類」の製造基準については、通常、殺菌または
除菌を行うこととなっているのですが、その除外規定、並列の規定として、殺菌、除菌を行わ
ない場合という製造基準が設けられています。
 それから、原水基準が一番大きく違う点で、「その他の清涼飲料水」の原水基準は、水道水
に加えて26項目挙げられている基準がありまして、その中身は、微生物、化学物質、重金属類、
それと、味や色、臭気といった性状があります。一方「ミネラルウォーター類」の原水基準に
ついては18項目で、微生物、化学物質、重金属類 —この中身も「その他の清涼飲料水」の原
水基準とは若干違っておりますが—ありまして、性状については特に規定がないということに
なっています。
 これがどうしてこのように違うかと申しますと、参考資料3に経緯を掲げておりますけれど
も、「その他の清涼飲料水」の原水基準は、平成5年当時の水道法の水質基準をもとに作成さ
れたものです。「ミネラルウォーター類」の原水基準は、平成6年当時のコーデックス委員会
のヨーロッパ地域のナチュラルミネラルウォーターの規格を参考に作成されたものです。よっ
て、それぞれ由来が異なりますので、似てはいますけれども、その内容が異なるということに
なっています。
 それが「現状」なわけですが、その下の「改正後」を見ていただきたいのですが、1枚目の
ところでもお示ししたように、カテゴリーとしては3つに分かれます。「ナチュラルミネラル
ウォーター」そして、「飲料水」、そして、「その他の清涼飲料水」、この3つのカテゴリー
に分かれます。その具体的な内容ですけれども、まず、「ナチュラルミネラルウォーター」の
ところですが、化学物質、重金属類に関するもの、微生物に関する規定としては、現在の「ミ
ネラルウォーター類」の原水の基準(平成6年当時のコーデックスのナチュラルミネラルウォ
ーターの規格)を持ってくることとしたいと思っています。微生物に関しては、殺菌、除菌を
しませんので、一般細菌、大腸菌群の規定に加えて、腸球菌、緑膿菌、それから、芽胞形成亜
硫酸還元嫌気性菌についても、陰性という規定を設けることになります。また、「ナチュラル
ミネラルウォーター」に関しては、泉源の規定が重要でして、これに関しては、参考資料1と
7をお手元に御準備ください。
 平成6年当時、「ミネラルウォーター類」の原水基準として、ヨーロッパ地域のナチュラル
ミネラルウォーターの規格を参照した際に、同時に、参考資料7ですが、通知で泉源の管理を
示しています。「1 泉源の衛生管理」として、「原水は、汚染を防止するため、泉源地及び
採水地点の環境保全を含め、その衛生確保には十分配慮するよう必要に応じ指導されたい」と
されています。なぜ、このような泉源の規定があるかと申しますと、そもそも、化学物質に関
する、コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの規格は、WHOの飲料水水質ガイドラ
インと比べまして、項目は非常に限定的となっています。また、勿論ナチュラルミネラルウォ
ーターについては、除菌、殺菌を要しない。その理由はなぜかと申しますと、泉源の管理がき
ちんとされているからということになっています。
 よって、参考資料1のコーデックスのDESCRIPTIONのところですけれども、さらに、b)のと
ころに、”avoid any pollution of ,or external influence on,”ということで、この「汚
染のないこと」というのがナチュラルミネラルウォーターのまさに定義として掲げられており
ます。このようにきちんと管理をされた泉源から取水されて製造される水であるがゆえにナチ
ュラルミネラルウォーターについてはある意味、緩い規格となっておりますし、殺菌、除菌も
必要ないということになっています。
 なお、我々が知る範囲では、国産のものは基本的に除菌、殺菌を行っているということです
ので、この「ナチュラルミネラルウォーター」のカテゴリーには入らないと考えています。
 では、「飲料水」のカテゴリーを見ていただきたいのですけれども、ここに関しては、現在
の「その他の清涼飲料水」の原水基準に含まれている微生物、化学物質、重金属類、それから、
性状の項目を成分規格として持ってくる予定です。製造基準については、大きな変更はありま
せん。
 その他ジュース等については、1枚目でお示ししたとおり、原料として用いる水、成分規格
の2つの構成になっていまして、原料として用いる水については、水道水に加えて「飲料水」
と「ナチュラルミネラルウォーター」の成分規格に適合するものを用いてもよいということに
なります。
 今の部分が資料1-2の「原水基準の設定の考え方の整理」というところになります。
 一度ここで説明を区切って、御質問等をお願いいたします。
○大前部会長 今、説明していただきましたところまでにつきまして、何か御意見あるいは御
質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
 前に二度、清涼飲料水の話はありまして、そして、一度工場見学に行ったのもこのシリーズ
だと思います。
 いかがでしょうか。改正という提案をされておりますが。
 よろしゅうございますか。「原水」という言葉はもう使わないというようなこととか、ある
いは「ナチュラルミネラルウォーター」が新しく一つの区分とされたということ。
○井上委員 単なる「ミネラルウォーター」の方は残るんですか。それもなくなるのですか。
 つまり「ナチュラルミネラルウォーター」が新しくできますね。それで、そういう御説明が
あったわけですけれど、従来使っていたのと違った意味か、同じ意味か。本質的には違ってく
るけれども、「ミネラルウォーター」という言葉は残るんですか、残らないのですか。
○事務局 資料1-3の概念図の下にありますとおり、改正後のカテゴリーの中では残らない
ということで、「飲料水」もしくは「ナチュラルミネラルウォーター」ということになります。
○井上委員 皆さんお使いになるでしょうかね。
○事務局 これまでも、国内では、実はコーデックスのナチュラルミネラルウォーターとは異
なる定義によるナチュラルミネラルウォーターとか、ナチュラルウォーターとか、ミネラルウ
ォーターというものは存在してきたのです。これは、農水省の「品質表示ガイドライン」に基
づいておりまして、これに基づく名称は、今後も、「飲料水」の中になりますけれど、ナチュ
ラルウォーターとか、ミネラルウォーターというのは、「飲料水」のさらに細かいカテゴリー
として、そのあたりは業界の基準としてつくっていくのかわかりませんが、残るということに
なります。ただ、「ナチュラルミネラルウォーター」という言葉は、食品衛生法で定義をしま
すと、これまで、農水省のガイドラインに則って使ってきたナチュラルミネラルウォーターと
いう言葉は使えなくなります。
○大前部会長 そのほか、いかがですか。
○五十君委員 参考資料2にいただいたものを見ますと、コーデックスではGENERAL STANDARD
FOR BOTTLED/PACKAGED DRINKING WATERSという分類があります。こちらが、恐らくナチュラ
ルミネラルウォーター以外の瓶詰めのものだと思うのですけれども、この基準との位置関係は
どのようになるのでしょうか。
○事務局 恐らくここのGENERAL STANDARDの方が「飲料水」に相当するものだと思っていただ
ければよくて、GENERAL STANDARDの中にも実は2種類ありまして、Waters defined by origin
というものとPrepared watersの2種類があります。Prepared watersはかなり手を加えていい
ものでして、水道水に近いものです。Waters defined by originの場合は、originというのは、
これはどちらかというと自然の水。ただし、このGENERAL STANDARDの中では、殺菌も認められ
ていますので、日本のこれまでの天然水とか自然水とか、それはこちらの中に含まれていると
考えられます。ですので、新しい改正後の「飲料水」のカテゴリーに合致するのではないかと
思います。
○大前部会長 そのほか、御質問・御意見はいかがでしょうか。
 現実的には、日本では「ナチュラルミネラルウォーター」は売ってないというお話でしたけ
れども。
 よろしゅうございますか、このような改正をするということで。
○香山委員 商品名として、例えば「ナチュラルミネラルウォーター」とついているものを変
えなくてはいけないということになるのですか。カテゴリーの中はそう書き直すとは思うので
すけれども、商標みたいに使っているものはあるのですか。それは変えないといけないという
ことですね。
○事務局 少なくとも「ナチュラルミネラルウォーター」という用語については変える必要が
出てくるかと思います。ただ、天然水とか、そういったことについては、品質の観点での話で
して、公衆衛生上の危害防止という食品衛生の観点とは若干違うことかなと思っております。
○香山委員 現状から考えれば、日本製「ナチュラルミネラルウォーター」はなくなるという
ことですね。
○大前部会長 よろしゅうございますか。何か、そのほか、御意見・御質問。
 特にございませんようでしたら、「清涼飲料水の規格基準の一部改正」の考え方につきまし
ては、御了承いただけたものとしてよろしゅうございますか。
 では、そうしましたら、次の御説明をお願いします。
○事務局 今、資料1-2の基本的な枠組について御了承をいただきましたので、続けて、2.
の「規制対象項目についての考え方」について御説明いたします。
 資料1-3で言いますと、2ページ目の細かい各パーツのさらにその内容ということで、化
学物質、重金属類、微生物、農薬について掲げております。できればこちらを見ていただいた
方がわかりやすいかと思うので、参考資料4をご覧ください。この資料では、水道法に基づく
水質基準・水質管理目標、そして、現行の食品衛生法の「清涼飲料水の成分規格」、そして、
原水基準が2つありまして、「ミネラルウォーター類」と「その他の清涼飲料水」の原水基準。
そして、コーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格、WHOの飲料水水質ガイドライン、
これを網羅しているものです。このうち、黄色い色がついているところについては、これは食
品安全委員会で食品健康影響評価が終了し、それを踏まえて水道法の方で逐次の改正が行われ、
その見直しが検討されたものです。
 見ていただくと、まず、現在の「その他清涼飲料水」の原水基準を水道法の水質基準やWHO
の「飲料水水質ガイドライン」と比べますと、かなり項目が抜けているところがあるというこ
とで、今回の改正では、この抜けているところ、特に黄色についてはもう既に食品安全委員会
の評価も終了しているということですから、ここについて値を入れていく。また、値の改正が
あったものについては改正していくという作業が必要だと考えております。この「その他の清
涼飲料水」の原水基準=改正後の「飲料水」の成分規格ということになります
 一方、原水基準の「ミネラルウォーター類」は、改正後の「ナチュラルミネラルウォーター」
の成分規格になるわけですが、これについては、コーデックスのナチュラルミネラルウォータ
ーの規格とそもそもそれと合わせるわけですから、それを参照しながら、現在、実は食品安全
委員会の評価が終了しているものはカドミウムしかないのですけれども、評価が終了次第、必
要なものについては値を変えていくということになると考えております。
 ちょっと細かいことですけれども、その見直しを行っていくに当たって、水道法の中で「評
価の位置づけ」という項目があって、「性状/健康」と書いてあります。水道法では、健康の
観点だけではなくて、泡立ちとか、臭いとか、着色といった性状の観点で基準が置かれている
ものがあります。ただ、我々が食品衛生法上で基準値を考える際には、基本的には「健康」の
観点で値を見ていくのだろうと思います。例えば「銅」ですと、「性状/健康」と両方の値が
あって、結局は「性状」の方が低いので、1.0が基準値になっていたりしますけれども、こう
いった点は、基本的に「健康」の指標を置いていくというような考えで基準値の改正を行って
いくと思っております。
 以上でございます。
○大前部会長 この細かいその他の化学物質の水質等に関する整合性をこれからとっていくと
いうお話ですけれども、いかがでしょうか。当然、この黄色い部分とか、あるいは、今おっし
ゃった「ナチュラルミネラルウォーター」のコーデックスと対応してないところについては見
ていかなければいけない。あるいは、要らないというのもあるのでしょうけれども、いずれに
しても、そういう細かい検討をしていかなければいけないということがこれからの作業になる
ようでございますけれども、何か御質問あるいは御意見はいかがでしょうか。
○浅見委員 すみません、先ほどまでの御説明にもちょっと関連するのですけれども、「ナチ
ュラルミネラルウォーター」の成分規格の中で泉源の定義を決められるというお話だったので
すが、その中で、人工的なものとか、周辺からの影響については、そういうものが見られない
ものということは、どのような形で記載されるのかということと。
 あと、「ミネラルウォーター類」の今度の「ナチュラルミネラルウォーター」の基準の中に
は、四塩化炭素とか、テトラクロロエチレンとか、そういった溶媒類などについてはどういう
形で入ることになるのかというのを教えていただければと思います。
○事務局 基本的に、告示の中の成分規格で泉源を規定するに当たっては、参考資料7の通知
にあるような表現で「原水は、汚染を防止するため、」というところですけれど、「十分な環
境保全を含め、衛生確保のされた泉源から採水されたもの」というような、ある程度ジェネラ
ルな書きぶりになるかと思います。ただ、その泉源の衛生管理をどう担保するかということに
ついては、恐らく通知等で細かく、ここの通知でも、界面活性剤、フェノール類、農薬、PCB
類、鉱油、それからPAHが汚染の指標として挙げられていますけれども、こういったものが検出
されないことということは、通知で示す必要があるとは思っています。
 また、コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの参考資料1の中では、資料の2ペー
ジから3ページにかけてですけれども、界面活性剤、農薬、PCB類、ミネラルオイル、それから、
PAHについては、これは定量限界未満というふうにコーデックスのスタンダードとされています
ので、この物質ぐらいは例示として挙げて、そういった汚染の指標がないことを、泉源の定義
の指標とするのではないかと思います。
 また、以上のような泉源の範囲で規定をしますので、成分規格の中に具体的に汚染の指標の
有機物、四塩化炭素とか、テトラクロロエチレンというものは、規格としては挙げないという
ことになります。
○大前部会長 よろしゅうございますか。泉源の管理でチェックをして、成分規格には入れな
いというようなお考えです。
 今の検出限界はいつも気になるのですけれども、時代が進むと、どんどん検出限界が下がっ
ていくのですね。これはどこかで何らかのことをしておかないといけないと思うのですけれど
も。
○事務局 それはコーデックスの場でも、実はこのスタンダードでも下の注を見ていただく
と”Temporarily endorsed pending elaboration of appropriate method(s) of analysis.”
となっておりまして。実は、これが改定されたのは2008年ですが、ずっとペンディングになっ
ておりました。ただ、今年度、CCMASというコーデックスの中でも分析法を担当する部会にお
きまして、各項目についてこのような分析法でやってくださいということがコーデックスの場
では示されています。
○大前部会長 多分、これらが日本でも準用されるであろうという感じなんですね。
 そのほか、何か御質問はいかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。
○事務局 続けて、資料1-2の最後の「重金属類」と「微生物」「農薬」のところを御説明
させていただきます。
 重金属類に関しましては、ヒ素、鉛、カドミウムが成分規格で不検出だと申しました。今回、
改正後、「飲料水」及び「ナチュラルミネラルウォーター」については、原水基準から成分規
格に統一するわけですが、これら重金属類については、これまで原水基準の中で値が置かれて
きたものです。今回の見直しで、WHOの「飲料水水質ガイドライン」あるいは、水質基準、そし
て、コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの規格を参考に基準値を置いていくことを
考えております。
 一方、「その他の清涼飲料水」これはジュース等ですけれども、これは水のみではなくて、
野菜、果実等も原料として使用しますし、また、その摂取量も、飲料水のように2Lを摂取す
るというものではありません。国民健康栄養調査の結果では0.6Lぐらいだと言われております。
そういったこと、また、定量限界も水のみのものとは違ってきますので、こういった観点を考
慮して適切な基準値を成分規格で置いていくことを考えております。
 また、スズについては、150.0ppmを超えるものであってはならないという基準ですけれども、
コーデックスでも、これは缶入りの飲料について置かれている規定ですので、缶入りのものに
限って適用をしたいと考えています。
 それから「(3)微生物」ですけれども、一般細菌、大腸菌群といった微生物の規格があり
ますが、これはコーデックスにおいても微生物規格の改定作業が進んでいること、また、食品
全体の微生物規格のあり方について厚生労働科学研究の方で検討を進めているところですので、
そちらについては、それらの成果も踏まえて別途検討を行うこととしたいと考えております。
 「農薬」については、後ほど、資料1-4で御説明をしたいと思います。
 以上のような内容で基準値の見直し、改定作業を進めていければと考えております。
 以上でございます。
○大前部会長 よろしゅうございますか。ジュースなども、いろいろなジュースがあるわけで
すけれども、そうすると、そのジュースごとに原料に含まれている様々な物質を考慮して基準
値が決まってくるという、そういうことになるわけですか。
○事務局 各個別のということでは規定をしないで、「その他の清涼飲料水」の成分規格とし
てということです。
○大前部会長 個々にではなくてですか。
○事務局 資料1-3の図で言いますと、改正後の「その他の清涼飲料水」の成分規格の重金
属類というここで規定をする。
○大前部会長 すみません。誤解があるかもしれませんが。ここの成分規格は、あくまでも例
えば下の様々な果汁飲料とか、あるいはコーヒー類とか、そういうものをつくるための水の成
分規格ですか。あるいは、その製品の成分規格ですか。
○事務局 製品に対する成分規格で、つくるときに用いる水としては、具体的な今のような表
はなくて、「水道水」もしくは「飲料水」「ナチュラルミネラルウォーター」の成分規格に適
合するものを用いるということだと思います。
○大前部会長 これは、ある先生が日本じゅうのカドミウムの汚染を調べるのにニンジンがい
いんだと。ニンジンというのは、その土地の土壌のカドミウムをわりと反映するということに
なると、野菜ジュースなどはどうなるのかなと思ったのですけれども。そういういわゆる果実
のものと根菜類が入ったジュースはいっぱいありますね。それは一緒に考えられるのかなとい
うのを今ふと思った疑問です。
○事務局 そういったこともありますので、実は実態調査といいますか、日本の国内で売られ
ている清涼飲料水、ジュース等のカドミウム等の重金属類の濃度についての調査を現在してお
ります。その結果も踏まえてと考えております。
○大前部会長 そのほか、何か御質問はございますか。
○五十君委員 今回、「ナチュラルミネラルウォーター」の成分規格のところで、ここを見ま
すと、コーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格に準拠するものと書いてあるのです
けれども、このコーデックスの参考資料1、特に和訳の方を見ていくとわかりやすいと思うの
ですけれども、11ページ辺りを見てまいりますと、「源泉の場所及び源泉の名称を明示する」
とか、製品の性格を成す分析組成値をラベル上に記入しろとか書いてあるのですけれども、こ
れも成分規格の中に入れてくることになるのでしょうか。
○事務局 成分規格ということではなくて、恐らく表示の観点で、表示の基準でどう考えるか
ということになるかと思います。
○五十君委員 ここでは、こういったものは除外したものだけが成分規格になるという理解で
いいですか。
○事務局 はい。
○大前部会長 そのほかはいかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、こういう個々の化学物質等の基準値の設定につきましては、ここの委員会で決め
るわけにはいかないですので、別途、小委員会のようなものをつくってやらざるを得ないと思
うのですけれども、そういう形でよろしゅうございますか。
 それでは、既に事務局の方から、小委員会の委員の先生の案が出ておりまして、それを今申
し上げますので、御了解をいただきたいと思います。
 まず、水道法に基づく基準との整合性の観点から浅見先生、それから、物質の毒性評価の観
点から井上先生、それから、重金属類の健康影響という観点から香山先生、それから、物質の
分析法という観点から松田先生のこの4人の先生に小グループに参画いただきたいと思います
けれども、やっていただけますでしょうか。よろしゅうございますか。
 では、大変恐れ入りますけれども、お忙しいところを申しわけございませんけれども、4人
の先生方でよろしくお願いいたします。
 事務局におかれましては、小グループの委員会の開催に向けまして、必要な作業をお願いし
たいと思いますので、よろしくお願いします。
 それから、この4人の先生方以外に、何か専門的な先生方が必要だという場合には、参画い
ただくこともあろうと思いますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、資料1-2の最後にありました「農薬」につきまして、事務局から説明をよろ
しくお願いいたします。
○事務局 資料1-4で御説明をいたします。
 農薬につきましては、平成15年7月1日食品安全委員会が発足したのですけれども、この日
付で食品安全委員会に対し、清涼飲料水の規格基準改正に係る食品健康影響評価として、93農
薬の評価を依頼しております。具体的な93農薬は、別紙1で2ページ目、3ページ目に挙げて
おります。これは1~33までは、WHOの飲料水水質ガイドラインに含まれる農薬、34~93まで
は、その当時の水道法の水質管理目標に含まれていた農薬でございます。
 1ページに戻っていただきまして。その後、平成18年5月29日から食品中に残留する農薬等
に係るポジティブリスト制度が導入されています。このように状況が変わっておりますので、
以下のとおり対応することとしたいと考えています。
 「規制のあり方」の(1)ですけれども、ポジティブリスト制度というのは、食品一般の成
分規格であり、今回改正後の「飲料水」「ナチュラルミネラルウォーター」「その他の清涼飲
料水」に対しても、当然適用されるものですので、これらの食品についての個別の残留農薬に
関する規定は必要ないのではないかと考えています。
 また、「飲料水」「ナチュラルミネラルウォーター」に関しては、別紙1を見ていただきた
いのですが、「ミネラルウォーター類の基準値」ということで、1~33までは基準値が並んで
おります。これはポジティブリスト制度導入時に、暫定基準値が置かれております。
 それから、今のは、「ミネラルウォーター類」に関する暫定基準ですけれども、最後のペー
ジ、別紙2には、ポジティブリスト制度導入時にコーデックスの加工食品の規格に基づいて暫
定基準が設定された農薬、それの基準値が書かれています。トマトジュース等につきまして、
一部の農薬について、基準値が置かれております。
 これらの暫定基準については、1ページ目に戻っていただきまして、(2)ですけれども、
順次、食品安全委員会に対して食品健康影響評価を依頼し評価が行われ、その結果を踏まえて、
本基準に置き直していくという作業が進められているところです。
 また、WHOの飲料水水質ガイドラインやコーデックスの加工食品の規格を参考に暫定基準が
置かれているので、我が国特有の使用実態のある農薬については漏れているのではないかとい
う懸念につきましては、水道法の方で農薬の使用量、また、その検出状況等を踏まえて適宜検
討がされておりまして、必要に応じて、水道法の検討状況を踏まえながら、必要であれば、ポ
ジティブリスト制度の中で残留農薬基準として取り入れることとしてはどうかと考えておりま
す。なお、現時点では、水道法に基づいた水質基準で残留農薬基準が置かれているものはござ
いません。
 「対応」のところですけれども、以上のとおり、清涼飲料水に限って特に残留農薬に関する
規定を設ける必要はないということで、食品安全委員会に評価を依頼しました93農薬のうち、
評価結果を受理していない72農薬、これは評価結果を受理したものを別紙1で※印でお示しし
ていますけれども、これを除く72農薬については、評価依頼を取り下げることとしたいと考え
ております。
 以上でございます。
○大前部会長 農薬については、ポジティブリスト制度を活用して、取り立てて清涼飲料水に
関しては新たな規制をつくらないということだと思いますが、御意見いかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。
○浅見委員 すみません、大筋としてはそういうことなのではないかなと思うのですけれども、
ポジティブリスト制度の中で、食品ごとに設けられている基準値があるものがあるかと思うの
ですけれども、特に水系で出やすい農薬等に関しては、水道法で検出されているもので、特に
ポジティブリスト制度0.01ppmを下回ったADI等が設定されている農薬が検出事例が多い場合に
は、そういったものは個別に対応をしていただくことになりますでしょうか。
○事務局 そのような対応で、「規制のあり方」の(3)に書いてありますとおり、そういっ
た水道法の方で検討をされている中での検出状況等も勘案をして、必要に応じてやっていくと
いうことでございます。
○大前部会長 そのほか、御意見はよろしゅうございますか。
○松田委員 ポジティブリスト制度ですと、加工食品の場合、もとの原料である食品ですね、
例えばニンジンならニンジンとします。それが適合しているものを使わなくてはならないとい
うことになります。それが一律基準だった場合は、すごい低い、例えば10%入っているもので
あれば、もとが一律基準だと、今度は1ppbまで成分規格まで落ちてしまうのですけれども、そ
ういうことになるのですか。もしくは、加工食品であっても、食品であるから一律基準を適用
するということになるのでしょうか。
○俵木課長 例えばジュースみたいなものとか、果汁飲料みたいなものについては加工食品で
すので、先生がおっしゃるとおり、加工食品については、原材料となる農作物が基準に適合し
ているのであれば、そこから来ていると合理的に考えられる残留については合法的なものにな
るということです。先生の御質問は、例えばニンジンの基準値が0.01ppmだとすると、というこ
とですが、そこからどのぐらい、それを原材料として最終的な清涼飲料水がつくられるかによ
って違ってきます。ニンジンからジュースが100%でつくられるのか、あと何が入ってくるかに
もよりますので、原材料をどのぐらいずつ使って加工食品にするかによって、どのぐらいの残
留量であれば適合するのかはかなり複雑なことになって、その原料が何だったのか、その配合
割合がどのくらいなのかということを勘案して、最終的には適否を判断せざるを得ないという、
大変難しいことになるのだろうというふうに理解をしているところでございます。
○大前部会長 よろしゅうございますか。
○松田委員 ちょっと実際にどうなるのかちょっと心配なところがあるものですから。
○俵木課長 実際になかなか難しいなというふうにいつも思っているのですけれども。
○大前部会長 そのほか、この件で御意見はございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、残留農薬につきましては、基本的にはポジティブリスト制度によるということで、
この委員会は了承ということでよろしゅうございますか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、今後の予定につきまして、よろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の最後の「対応」にありますとおり、食品安全委員会に諮問した93
農薬のうち、評価結果を受理していない72農薬に係る食品健康影響評価については、評価依頼
を取り下げることとしたいと思います。
○大前部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、きょうの審議事項の最初の清涼飲料水の規格基準につきましては、これで終了に
なります。
 それでは、2つ目のテーマでございますが、「即席めん類の酸価・過酸化物価試験法」につ
きまして、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、資料2と、それから、参考資料8を適宜御参照いただければと思います。
 まず、資料2の「背景」の部分でございますけれども、酸価、それから過酸化物価、これら
は食品に含まれます油脂の変敗による衛生上の危害発生の防止の観点から、油脂の劣化の指標
として用いられています。まず、酸化の方ですけれども、油脂の古さ、使用歴等を示す指標で
して、「油脂1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウム量のmg数」、
それから、過酸化物価は、油脂の酸化変質の過程で生成する過酸化物の量を示す指標でして、
「油脂1kg中の過酸化物によりヨウ化カリウムから遊離されるヨウ素量のmg数」として、それ
ぞれ表されています。
 食品衛生法の規格基準におきましては、各条において、即席めん類(めんを油脂で処理した
ものに限る)の成分規格として、「油脂の酸価が3を超え、または過酸化物価が30を超えるも
のであってはならない」と規定されています。また、それぞれ酸価及び過酸化物価の試験法が
告示において規定をされている状況です。
 また、「菓子指導要領」、それから、参考資料8の2ページ、3ページにございますが、弁当
及びそうざいの衛生規範、洋生菓子の衛生規範、これらについても、いずれも通知になります
が、そこで使用される油脂の酸価及び過酸化物価の基準が示されておりまして、この告示の試
験法が準用されている状況となっています。
 資料2に戻りまして、「問題点と対応」ですけれども、現行の告示で示している試験法には、
有害試薬であります精製エーテル、それからクロロホルムを使用するものとなっておりますこ
とから、これらの試薬を使用しない、あるいは低減を図るべく、国立医薬品食品衛生研究所食
品部の松田先生のところで、代替法の検討を行っていただいた結果、これらを石油エーテル、
イソオクタンで代替をしました改良法を現行法と同等の性能を有するということで御報告をい
ただいているところです。また、即席めん類に限らず、菓子等への適用も可能であるというこ
とも確認をいただいております。
 つきましては、現行の告示の試験法を見直すとともに、日々進歩する分析技術に迅速に対応
し、適宜試験法の修正を行うことを可能にするという意味でも、改良法を通知で示すというの
が適当ではないかと考えておるところでございます。
 別紙で、改良法をお示しをしているところですけれども、本件について御審議をいただけれ
ばと思っております。
 以上です。
○大前部会長 ありがとうございました。
 この2つの酸価・過酸化物価の測定法で使っておりました試薬が有害であるから、それを変
えたいというのが主だと思いますが、いかがでしょうか。
 ちょっと用語でわからないのですが、精製エーテルと石油エーテルとどう違うのですか。
○松田委員 精製エーテルはジエチルエーテルです。石油エーテルは炭化水素で、大体エーテ
ルぐらいの沸点になる炭化水素の混合物です。
○大前部会長 石油エーテルの方は、蒸溜するときに出てくる特定の部位のところで、精製エ
ーテルはジエチルエーテルという。
○松田委員 そうです。
○大前部会長 わかりました。そういうことだそうです。
○香山委員 石油エーテルには、エーテルは含まれてないのですね。
○松田委員 石油エーテルは炭化水素ですので、エーテルはないのです。
○大前部会長 エーテルと言いながら、エーテルは入ってないのですか。
○松田委員 エーテルぐらいの沸点というものを石油エーテルと呼んでいるのですね。
○大前部会長 石油エーテルと言われるものの成分の中には、例えばベンゼンとかトルエンと
か、ああいうものは入ってないですか。
○松田委員 ペンタンとか、ヘキサンとかぐらいではないかと思います。
○大前部会長 ヘキサンぐらいまで。どのぐらい入っているのですか。
○松田委員 どのぐらいの分量になっているか、ちょっとはっきり見たことはないのですけれ
ども。単一の炭化水素ではなくて、混合物です。
○大前部会長 ジエチルエーテルは、毒性といいましても、麻酔作用ぐらいしかないですよね。
○松田委員 あと、衛生ではないのですけれども、危害防止的にはいろいろと。火事になりや
すいとかあるのです。
○大前部会長 引火性は強いですよね。
 今のお話で、石油エーテルの中にヘキサンが入っているとしたら、そんなに安全ではないの
ではないかという。勿論、含有割合にもよるのでしょうけど、そんなに安全ではないのではな
いかというような気が今したのですが。
○松田委員 比較の問題ですので、ジエチルエーテルよりはいいかなというところと。イソオ
クタン、クロロホルムに比べればはるかに安全ということです。
○大前部会長 クロロホルム、イソオクタンよりはずっといいと思います。これはいいと思う
のですが、石油エーテルは大丈夫かなというのがちょっと気になるのですけれども。
○松田委員 石油エーテルか精製エーテルか、どっちがすごく安全かということの差があるか
どうかはちょっとよくわかりません。ただ、取扱いとしては、石油エーテルの方が楽というこ
とで、メーカーさんとかでは結構な試験量なんですね。毎日抽出しているわけですので、そう
すると、石油エーテルの方が少し安全かなと考えられます。
○大前部会長 そのほか、御意見いかがでしょうか。
 今のこれ以外の測定で、今までどおり変化はないわけですね。今の物質を変えること以外に
関しては、変化はないわけですね。
○松田委員 規定は規定です。
○大前部会長 はい。
 いかがでしょうか。
 すみません。しつこくてあれですけれども、大量に使うとしたら、ヘキサンは含有量によっ
てはそんなに安全だという気はしないのですけれども。
○香山委員 局所排気装置とか設置してやっているのでしょうね。
○松田委員 農薬の方はやっていますね。
○事務局 必ずしも健康影響のみではなくて、引火性とか、取扱いの点でも、石油エーテルの
方が扱いやすいだろうという観点もあるということを補足しておきます。
○大前部会長 それは間違いないと思うのですね。ジエチルエーテルは引火性が結構あるので、
これは相当扱いにくいですよね。
 以前に問題になったのは、ダイオキシンを測定するときに、やたらヘキサンをたくさん使う
ということで問題になったことがあるんですね。すごい量のヘキサンで抽出するんでしたっけ。
○香山委員 そうですね。
○大前部会長 だから、あれは健康影響上大丈夫かという議論が結構あったものですから。し
かも、ヘキサンは非常に有名な神経毒、特有の神経障害を起こすものなので、そこが若干不安
なんですけれどもね。
○香山委員 だから、測定の付記事項に、局排装置とか、安全とは言いながらも、有機溶剤と
して吸入しないようにというような付記事項でも付けていただくと、安全になったから、もっ
と簡単にできるんだと思われたら困るというのが、産業保健をやっている人間としてはちょっ
と思いますね。
○大前部会長 それから、こういうものを使い出すと、今度は有機溶剤中毒予防規則にかかり
ますか。労働安全衛生法の中に有機溶剤中毒予防規則があるのですけれども、それにはこれは
ひっかからないのですか。測定の義務がかかるとか、有機溶剤作業者を選任しなくてはいけな
いとか、いろいろな別の規制がかかってくると思うのですけれども。
○事務局 申しわけございません。今ここではちょっと確認しかねるものですから、わかりま
したら、後ほど御連絡をいたします。
○大前部会長 そのほか、御意見はいかがでしょうか。
 基本的な考え方は、とにかく有害なものをできるだけ避けようと。それから、引火性のある
危ないものはできるだけ避けようということで、同一性能のもので代替しようという、そうい
う考え方、これは全く問題ないと思います。
 そうしましたら、クロロホルムをイソオクタンに替える件については、これは恐らく問題な
いと。イソオクタンは構造式から言っても、そんなに毒性は、有機溶剤は毒性がありますけれ
ども、特有なものはないと思います。これは恐らく問題ないと思うのですが、エーテルを石油
エーテルに替える分に関しては、もう少し情報が欲しいなといいますか、検討をしていただき
たいなという気がするのですけれども。
○事務局 事務局の方で、確認をさせていただきまして、後ほど。
○大前部会長 よろしくお願いします。
 そのほか、御意見はいかがですか。
 そうしましたら、きょうの段階では、過酸化物価の測定に関してはよろしいと。それから、
酸価の測定に関しては、少し情報を集めていただいて、事務局の方で少し検討をしていただく
ということでよろしゅうございますか。
 何か不都合がございますか。例えば急がないといけないとか、何らかのということとはない
ですか。
 それから、石油エーテルの中の今言ったヘキサンの成分の量はよく知りませんので、そこら
へんをまず見ていただいて、結構入っているようだったら考えなくてはいけないと思いますし、
大したことなければ、あんまり考える必要はないとは思いますけれども。
 そうしましたら、試験法の告示については、どんな扱いになるのでしょうか。
○事務局 今、御指摘いただいた点につきましては、事務局の方で確認をさせていただきまし
て、後ほど改めて御報告をさせていただきます。
 先の話ではありますけれども、あらかじめこちらで御説明申し上げておきますと、告示の試
験法を変えるに当たりましては、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼をしなければいけ
ないという決まり事になっております。ただし、今回の見直しを行うに当たっては、基準値を
変えるというものではなく、あくまで試験法の見直しということですから、場合によっては食
品安全委員会において評価を行う必要がないという判断もあり得るかと思います。そういった
手続が今後あり得るということで、とりあえず御報告をしておきます。
○香山委員 測定法としては全然いいと思うので、石油エーテルの毒性に関して部会長が問題
ないと判断すれば、決定は部会長に一任していただいた方がよろしいのではないかと思うので
すが、いかがでしょうか。
○大前部会長 皆様、いかがでございましょうか。
 そうしましたら、事務局の方から少し情報をいただきまして、それで、相当まずそうだった
ら、ひょっとしたらちょっと待ってということになるかもしれませんけれども、あまり問題が
なさそうでしたら、僕の方の判断でよろしゅうございますか。
○香山委員 はい、結構です。
○大前部会長 では、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、そのほかに何か御質問・御意見はございますか。
 なければ、2番目の酸価・過酸化物価の試験法について、審議を終了したいと思います。
 議事で「その他」とございますが、何か事務局の方でございますか。
○事務局 特にございません。
○大前部会長 それでは、きょうの審議はこれで終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
 規格基準係 TEL:03-5253-1111(内線4280)

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