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2010年5月11日 第5回臓器移植に係る普及啓発に関する作業班議事録

健康局疾病対策課臓器移植対策室

○日時

平成22年5月11日(火)
15:00~


○場所

経済産業省別館1111号会議室


○議題

(1) 臓器提供意思表示カード等の様式変更について
(2) 臓器提供意思表示カード一体型リーフレット(案)について
(3) 今後の普及啓発方策について
(4) その他

○議事

○秋本補佐 ただいまより、第5回臓器移植に係る普及啓発に関する作業班を開催いたします。本日は黒田班員から、ご欠席の連絡をいただいています。あと小野先生から、若干遅れる旨の連絡が入っております。
 まず、資料の確認を行います。1頁の議事次第の中段に、〈配布資料〉と書いてあります。資料1が「『臓器提供意思表示カードの様式見直し(案)』の意見募集について」に対して寄せられたご意見等という3枚の資料です。資料1の(別紙)扱いとして、縦長の黄色い意思表示カードが載っている資料があります。資料2が「臓器提供意思表示カード一体型リーフレット(案)」というA4の2枚の資料です。資料3が「今後の普及啓発方策について(たたき台)」というA4の縦の6枚の資料です。
参考資料1が「臓器の移植に関する法律(現行法)と改正法との比較」という1枚の資料です。参考資料2が「主な普及啓発資材」というA4の2枚の資料です。参考資料3が「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正(案)」について(概要)というA4の縦の2枚の資料です。参考資料4が「臓器の移植に関する法律施行規則の一部を改正する省令(案)」について(概要)というA4の1枚の資料です。
 また、お手元に現行の法令やガイドラインをまとめた紙ファイルを置いておりますので、議論の際に参考にしていただければと思います。なお、この紙ファイルは次回以降も使用いたします。
 以降の進行は、篠崎班長にお願いいたします。報道のカメラの方はご退席をお願いします。
○篠崎班長 本作業班においては、これまで臓器移植提供意思表示カード、運転免許証並びに健康保険証等での意思表示方法、法改正後の普及啓発周知についての議論を進めてまいりました。本日は臓器提供意思表示カードの様式変更についてご報告いただいた後に、併せて配布するリーフレットについて、議論をしたいと思います。また、7月の改正法施行を視野に入れた今後の周知方策についても議論を進めたいと思いますので、本日はよろしくお願いいたします。
 はじめに、本作業班でも議論を重ねてきた臓器提供意思表示カードの様式変更について、事務局より報告をお願いしたいと思います。
○長岡補佐 それでは資料1をご覧ください。臓器提供意思表示カードの様式の見直し(案)については、前回、2月19日の作業班の場でご議論をいただき、その後、3月8日の第31回臓器移植委員会において、その結果をご報告して議論をいたしました。そして3月23日から4月21日までパブリックコメント、意見募集を行いました。これが別紙ということで、黄色いカードが付いています。この案で意見募集を行ったところ、19件のご意見・ご提案をいただき、4月28日の臓器移植委員会において、本日の資料と同じ資料で報告をいたしました。
 ここに挙げた個々のご意見をご紹介することは省略いたしますが、臓器移植委員会においてご報告申し上げたところ、全体を見た上で、様式の見直しについてはパブリックコメントに付した案で見直しは行わずにいってはどうか、というご意見をいただきました。
 また、いくつか但書きを入れてはどうか、誤解を生じるような所は丁寧に説明したらいいのではないか、といったご意見を何件かいただきました。それについては臓器移植委員会において、リーフレットに丁寧に説明書きを記載することで対応してはどうかというご提案をいただいたので、そのような形で対応したいと思っております。記載内容は、この作業班で検討いただきたいというご指摘もいただいているところです。
 また、このご意見の中で解釈上の疑義があり得るという話が出てきました。それについては順次検討していきます。意思表示に関する作業班がありますので、これは別途そちらで検討していただけたらどうかということで、臓器移植委員会においてご指摘いただいているところです。
 まとめますと様式の見直しについては、パブリックコメントを受けた見直しは特に行わず、提案した案でいくということです。それから、リーフレットに丁寧に説明を記載するというご意見を何点かいただいております。それについては普及啓発作業班の中で、どういう対応を取っていったらいいのかということについて、議論をいただくということでしたので、ご報告申し上げます。
○篠崎班長 報告事項ということですけれども、ただいまの説明に関して、何かご意見はありますか。とりあえず見直し案に関して、パブリックコメントで得られたところですね。いまの説明を聞いていますと、大体のところは説明をきっちりすべきであるということですね。最初のことが、いちばん大きな問題ではないかという気がするのです。いわゆる意思表示カードとドナーカードのあり方ですね。臓器提供をしたくないということも踏まえて、臓器提供の意思表示をするという日本で使われているタイプと、1番のご意見のような、いわゆるドナーカードへということです。いまの段階では現状のままというのが適切ではないかという気もしますが、何かご意見はありませんか。よろしいですか。
 それでは、今日の議案の1つにも入っていて、今回のパブリックコメントでもいちばんご指摘の多い、リーフレットに関する内容についてご議論をお願いしたいと思います。まず事務局より、資料の説明をお願いします。
○秋本補佐 資料2をご覧ください。リーフレットについては2月の作業班で、一度ご意見をいただきましたが、カードの内容が委員会で了承されましたので、今回のリーフレット作成(案)の主な内容を説明いたします。
 グリーンリボンのグリーンを基調とした3つ折りのリーフレットになります。破線に沿って切り取れる、臓器提供意思表示カードと一体となっているものです。真ん中の欄に臓器移植に関するQ&Aを設けております。その中で特にQ4の答えの所に、7月の施行後の新制度においても「今お持ちのカードも有効」と、混乱のないように明記するとともに、新制度施行の機会になるべく新カードに書き直し、ご家族に対しても自分の意思を伝えるように記載しております。
 その下の「脳死ってどんな状態ですか?」のスペースの2・3行目ですが、「脳死になると、どんな治療をしても回復することなく、心停止に至ります(心停止までに、長期間要する例も報告されています)。」という旨も説明しております。
 次の頁が、臓器提供の流れについての説明です。?@本人の意思表示や家族の申し出、?A家族の意思決定、?B脳死判定(脳死後の提供時のみ)、?C移植を受ける患者の選択、?D臓器の摘出と搬送という臓器提供の流れを記述説明しております。
 真ん中の欄の記入方法の説明については、STEP?@が意思の選択、STEP?Aが提供したくない臓器の選択、STEP?Bが特記欄への記載について、STEP?Cが署名など、意思表示を確実なものとするために、段階的にわかりやすく表現したものです。
 左側のいちばん上がカードの裏側です。その下の「親族への優先提供が行われる場合」については、親族優先が行われる3つの要件を掲げ、そのすべてを満たす必要がある旨を明示させていただいております。その下に、「親族優先提供についての留意事項」について明示しているという内容としております。
○篠崎班長 ただいまの説明についてご意見、ご質問等がありましたら、ご議論をお願いしたいと思います。
○相川班員 東邦大学の相川です。資料2のリーフレットの説明の「臓器提供の流れ」の?@、本人の意思表示や家族の申し出の2行目で、ご本人の意思が不明な場合に、ご家族から「臓器提供についての説明が聞きたい」との申し出があればという表現になっています。いま臓器移植ネットワークでも、もちろん家族からの申し出もありますが、現時点でもドクターからのオプション提示が約半数あります。これではご家族の申し出を待つという意味になってしまいかねない。特に意思表示が不明な場合に、ご家族からそれについての申し出があるということは、もうほとんどないことですので、この点については表現を少し考えたほうがよろしいと思います。いかがでしょうか。
○篠崎班長 この点についてご意見はありますか。
○辺見室長 ご指摘は以前にもお伺いいたしましたので検討しております。相川先生はオプション提供のお話をされましたけれども、現行のガイドラインの規定も、主治医から臓器移植についての説明をして、ご家族がコーディネーターの話を聞くことを承諾した場合には、コーディネーターが説明するという話ですので、「申し出」という言葉は使っていないことを踏まえて、ここは見直しをする必要があるかと思います。
 このタイトル自体、「本人の意思表示」と言っているときの意思というのは、臓器提供の意思表示で、「家族の申し出」と言っているのは、お話を聞くという申し出なので、ちょっと目的がずれているところもあります。ですから、このタイトルも「臓器提供についての説明」とするとか、「コーディネーターからの説明」としながら、文章の中身もそれに合わせる。「ご家族が承諾した場合」と言うと言葉が堅いので、「ご家族がコーディネーターの説明を聞くことを希望する場合には」とか、そういった言葉を使いながら、適当な表現がないか検討させていただければと考えております。
○篠崎班長 家族に万が一のことがあって、まず臓器提供のことを考えるというのは、通常、現場にいる我々としては常識としてあり得ないことだと思うのです。それを気付かせる行為というのが先生もおっしゃるように、いちばん大事だと思います。救急の先生方にはまたご負担をおかけして申し訳ないと思いますが、家族の状況も踏まえた上でお声がけをしていただかない限り、意思があっても気付かないというのが、ほとんどの例で見られるわけです。そういった国民の意思を把握する上で、非常に重要なことです。もちろん待つというニュアンスではないというご説明が今ありましたけれども、やはりその辺は文面でわかるようにしないと、こういった記載が誤解を生み、待っていればいいというように受け身でいると、意思のある方の意思を活かせないというのは、逆の意味で法律に触れることにもなりかねないですから、もう少しきっちり積極的にいくということでいかがでしょうか。
○有賀班員 実は、例の臓器移植関連学会協議会の提言に、いま辺見室長が言及されたような記述があるのです。いま相川先生は、半分ぐらいは該当のドナーになるかもしれない患者の主治医が云々と言われました。小野先生もたぶん、そう思っていると思います。そもそも主治医や主治医のチームが、今までやってきた救命のためのいろいろな作業の延長線上で、掌を返すように臓器移植の話ができるかという問題があるわけです。むしろ病院医療全体から見ると、主治医や主治医のチームは確かに先ほどまでは玉砕するまで頑張って、その延長線上に最初の「本人の意思表示や家族の申し出」というコマがどのように出てくるかという話があるわけです。
 提言の中では、「院内コーディネーター」という言葉が出てきます。院内コーディネーターという職種がいるかどうかは別にしても、病院医療として別立てのスタッフ、ないし別立ての組織が患者さんのご家族に、そういう選択肢があり得ることを知らせる。そこら辺がたぶん病院医療のいちばんの眼目の部分です。特に今まではドナーカードというか、「このカードがありましたのでお願いします」と言って、どちらかというと救急側の医療現場はパッシブなのです。平たく言うと、面倒くさいことが出てきてしまったという言い方が、いちばん分かりやすいでしょうか。
 そういうことからすると病院側が患者さんのご家族に、こういうような流れがありますということを、どういうように知ってもらうかという話が重要です。そこは私は多分、院内コーディネーターの機能をここでどう発揮するかという話になると思います。ですから「本人の意思表示や家族の申し出」という題名のままでもいいと思いますが、この中の文章を辺見室長が言われるように、病院医療が患者さんのご家族にそういうことがあることを組織立って言えるようなものが、何となく行間で読めるような文章ができればいいというのがあります。「今すぐ作れ」と言われても困りますが。
○篠崎班長 非常に重大なご指摘だと思います。これには2つの意味があると思うのです。まず「院内コーディネーター」とおっしゃいましたけれども、いまの研究班の研究事業でも、そういうトライをやっています。しかし、これが結局仕組みとなって、救急現場の先生方が掌を返すというのは、大変難しいことだと思いますし、そういった忙しい中でたまたま出来るときにチャンスでやるということでは、本来あるべきではないはずなのです。ヨーロッパのモデルなどを見ても、救急現場で働いてはいるけれど、もともと移植側の教育を受けた方が、逆に救急を手伝っているということがあります。それは公的な負担でやってもらっていて、その方がプロとして話をするとなれば、いま先生がおっしゃったような話から一歩進んだ形になると思うのです。その辺も踏まえた上で議論をしていく中で、こういった文言の一つひとつが積み重なって、そういった社会をつくっていくのだろうと思います。その辺の全体的な背景も踏まえた上で、非常に貴重なご意見を賜ったと認識しています。
○大久保班員 家族の脳死についての理解の状況等を踏まえて、臓器提供の機会があること及び承諾や手続に関して主治医以外の者、要するにコーディネーターに連絡を調整させる方法によって、説明を受けるかどうかを口頭もしくは書面によって告げることというのが、ガイドラインにきっちり書かれていますので、当然そういう方向で書き直さなければいけないと私は思います。
 もう1つは、救急の先生に伺わなければいけないことです。今回のこれもそうですし、ガイドライン全体もそうですけれども、やはり脳死というものが全面に出てきています。ただ、実際には脳死を経ない心停止での提供というのはないのですか。最初の「臓器提供について」も、全部脳死で書いてあります。これだと脳死を経ない心停止での臓器提供はないような感じで書かれているのです。その辺のところで、救急の先生はどうなのでしょうか。脳死を経ない心臓停止での臓器提供というのはあり得ないのですか。
○有賀班員 いや、今までもあったわけです。ただ救急側の議論は心停止前の臓器提供、つまり従前であれば腎臓についてカニュレーションをするとか、腎臓を保つための液を入れたりするでしょう。そういうインベージブなことをやる場合には、患者さんが脳死状態にあることを一応確認しておきましょうというのが、いわば作法になっているというように私たちは理解しています。ですから脳死が臓器提供の話の全面に出ているというのは、全くそのとおりかもしれません。心停止で別のものを作っても構いませんが、そこにおいてもやはり患者さんの脳死を確認してというのが多分あるだろうと思いますので、そこはメリハリよくやるしかないのではないでしょうか。これだと、いま大久保班員が言われたように、全部それかという誤解を受けるという話は、確かにそうかもしれません。
○大久保班員 ですから私もそれが少し。救急の先生に聞くと、全く脳死を経ないで心停止での臓器提供もあり得ると伺ったものですから。
○有賀班員 それは現にあるではないですか。
○篠崎班長 その点についてはどうですか。今回、特に新しく表示を変えるということには、未来永劫の普及啓発ということもありますけれども、早急に変更点を国民に正しく広く周知できる可能な限り最大限の方策をというところもあると思うのです。ですから、いくつかの変更点については間違いのないように。特に今回は書式も変わったというのが、改正点の大きなポイントになっているのではないかと思っていますので、そういった見方からして時期的なところ、あるいは有賀班員からも出ましたように、心停止下のものも別立てで作るなり、あるいは、それは従前と変わっていないというところで。
 ただ、変わった点が出ると、どうしてもメディアとしてもそちらのほうが先に出るでしょう。そうすると、やはり臓器移植法が最初にできたときのように、心停止下での移植が衰退する可能性はなきにしもあらずかという、大久保班員の意見もわかると思いますので、それに関して何かありますか。これはこれで行くということで、ご理解いただいてよろしいでしょうか。
○有賀班員 もう理解はそれでいいと思うのですけれども、いまの「本人の意思表示や家族の申し出」で、もしたたき台を示すとすれば、本人の臓器提供を保証する意思表示があるか、本人の意思が不明な場合に。いまの大久保班員のお話は、臓器提供の流れについての説明を受けたご家族が云々ということですよね。
○大久保班員 そうです。
○相川班員 今回のガイドラインの脳死の所に、新たにレシピエントの項目が設けられていて、そこで臓器提供の説明をするという項目がもう既にできています。大久保班員も言いましたように、是非そこの部分を重視して、救急側の先生方にあまり負担がかからないような形にする。折角レシピエントの項目を設けてガイドラインを作っているわけですから、それに沿った形で文面を考えていただければと思います。これだと従来のものをそのまま移行しただけなので、やはり非常に受動的というように解釈されてしまいますから、表現を変えていただきたいと思います。
○篠崎班長 その辺のメリハリは非常に重要だと思うのです。これは臓器提供を推進するという形ではなく、臓器提供の意思を積極的に確認していく作業が必要です。それは大久保班員の言われたガイドラインの5条でしたか。
○大久保班員 ガイドラインの。
○辺見室長 いま、改正案の前が載っている参考資料3の4頁に第5というのがあり、そこに標準的な手順が載っております。実は大久保班員がご指摘になられた部分についての流れ、主治医からの説明があって承諾があってという流れは、いまの流れと一緒です。そう言っていますと、いまも申し出ではないと思っているかもしれません。
○篠崎班長 そうですね。ガイドラインの改正についても単に言葉の順番が変わっただけではなく、やはり意味として、医療側として積極的に国民意思を確認する作業が必要です。それは黙っていて申し出があるのを待つということでは決してないということも、非常に明確なメッセージだと思いますので、その辺がわかるように作成する必要があると思います。これは事務局のほうで検討していただくということでよろしいですか。
○辺見室長 はい。案を作成して、場合によってはまたメール等で作成させていただきたいと思います。ただ、方向性としてはご指摘いただいた方向性で修正させていただきたいと思います。
○篠崎班長 資料2のパンフレットの大きさは枠がないのか。実物の予定としては、この大きさになるのですね。
○長岡補佐 はい。A4に拡大されます。
○篠崎班長 もうちょっと字が大きい。
○長岡補佐 ここの所がA4です。これは印刷ですので、7割ぐらいに小さくなっています。
○篠崎班長 移植関係のものはすべて字が小さいというクレームを、あちらこちらでお聞きしますので是非。もうちょっと細かい所で申し訳ありません。例えば2枚目の真ん中のSTEP?A、臓器提供をしたくない臓器の選択という場合も、1か2に○を付け、したくないものには×をということですが、こういう○や×はもうちょっと太字にするとか、ちょっとした工夫というものが。何が×で何が○かと思います。ちょっと見たときに見落としがちなので、一般の方が目を引くような細かい配慮をすると、もう少し読みやすくなるのではないかと思いますので、その辺も気を付けてやっていただけたらいいのではないかと思います。裏側のいちばん上に記入例がありますよね。STEP?@の1、2、3の数字の周りにうっすら見えるのは、私の錯覚ですか。番号1、2、3の周りに何かありますよね。何か薄い○が付いているようです。
○有賀班員 破線の○が付いているのではないですか。
○篠崎班長 それは記入例として皆さん、どうでしょうか。
○雁瀬班員 実際は数字の周りに破線の○と、臓器の所に破線の×がうっすら付いています。そこは、ここに○をする、×をしたい人はこういう形で×をするという解説になっています。○をする位置、×をする位置というのが解説のほうだけに付いているのです。
○篠崎班長 解説のほうだけで、実際のカードにはないということですね。了解です。
○大久保班員 解説のほうもですが、臓器の所にも×が付いています。
○篠崎班長 全く見えないですね。
○雁瀬班員 たぶん実際にはもっと見えるものですが、資料としてはちょっと。
○篠崎班長 小さいということと、プリントなのでこういうことだと思いますので、そこは実際はよく見やすいものだと信じて。
○大久保班員 それはやはり点線を付けておいたほうがいいということですか。
○雁瀬班員 ×をしたい人は、こういうように×をするという場所や位置ですよね。
○岩田班員 特に臓器の所は○を付ける人が多そうな気がするので、×の点線があるといいかもしれません。
○篠崎班長 そうですね。臓器提供をしたくないものに○を付けられた場合の混乱をというのが、パブリックコメントにもあったので、×は有効だと思うのです。サンプルであればもうちょっと濃くてもいい。しかし駄目か。
○雁瀬班員 実際の出力は、ちゃんと調整させていただきます。
○篠崎班長 見えるように。後ろの×の色は何色ですか。
○雁瀬班員 たぶん薄いグレーだと思います。破線です。
○有賀班員 これは薄い緑ではないですか。
○雁瀬班員 緑かもしれません。ごめんなさい。
○篠崎班長 ほかに何かお気付きの点やご指摘はありませんか。
○岩田班員 この意思表示カードの裏面の文面については、脳死の提供はいいけれど心停止後の提供は嫌だという方はいないだろうという前提のカードだと思うのですが、周りにいろいろ聞いたら、やはり脳死のほうが大変だろうから、脳死がOKな人は心停止のほうがOKだろうと。しかしごく稀に、そういう方がいらっしゃったのは事実なのです。それでもよしとしてこのカードにするのであれば、そういった方の問合せが今後各バンクにきたときに、どういう対応をすればいいのですか。いわば意思表示方法としては完璧でないところが絶対にあると思うのです。脳死はいいけれども心停止は嫌だという場合はどう表示したらいいかという問合せがあったときに、どう対応したらいいかというのが疑問点です。
○辺見室長 たぶんご質問になられる方の状況に応じた回答が必要だと思います。私もこのポジションに就いて、話をする機会がありました。「実は私、カード持ってるのよ」という人がいらっしゃって、「1番だけに○をしてるんです」と言われて、「どういうことなんでしょう」というお話を聞くと、その後に「人は死ぬときに必ず脳死が先にくるんじゃないの」とおっしゃったのです。そういう方に関しては多分、どういう形で死亡に至るかというのはそれぞれなのだというところから話をしないと、お話にならないと思うのです。そういったことも含めて、相手の状況に合わせてご相談するというのが、第一に大切なことだと思います。そういったものをすべて理解した上でも、「自分はどういう形で処遇されるかわからないけれど脳死下です」とおっしゃる場合というのは、結構特別な意思表示だと思います。どうしたらいいかというと、このカードでは難しいですという話になるかもしれませんけれども、その表示を。
○大久保班員 脳死、心停止というので消したり。
○辺見室長 消したらいいのかという話が確かにありますよね。
○相川班員 ただ脳死下で提供をご希望されて、脳死下の臓器提供が間に合わなくて心停止下の臓器提供になることもありますよね。そういう場合に大体ご家族の方は、「もう脳死じゃないと絶対に嫌だ」と言う方は、普通はいらっしゃらなくて、「心停止下でも使える臓器はお願いしたいです」と言う家族のほうが多いのではないかと私は思うのです。
○岩田班員 そうですね。その場合は両方とお話をして、両方の承諾を取るケースになったりするのです。実際に現場ではそうですが、一般的な意思表示のスタンダードな方法としては、その方法がないというのが事実の部分です。そこに対してそれはそれでよしとしても、どう対応していいのかというのが疑問なところです。
○篠崎班長 ネットワークのホームページのほうでは、サンプルみたいなもので、脳死下で臓器提供をしたときに○みたいなものが前にありましたよね。あれは載っていないのですか。
○雁瀬班員 今は載っていないです。
○篠崎班長 新しくなりますが、それを載せる予定はありますか。
○雁瀬班員 載せることはできますが、これと並行して準備をしているということではないです。ただ、紙面的には1つのサンプルだけになってしまいます。サンプルとしては、やはりいろいろなケースを載せる。そうするには、ホームページならできると思います。
○篠崎班長 できればそういう、たぶん今お話しているのは、2つの逆のパターンですよね。みんな脳死を経由すると思っていて、1番しか付けていないパターンもあるかもしれないし、逆に否定的な積極ノーの方もいらっしゃるかもしれないのです。個々の症例全部を説明するのはナンセンスだと思います。ただ、ある程度ご理解いただくための記入例として、こういう場合はこういうようにと、いくつか目立ったメジャーなパターンだけでも。臓器提供の意思がない場合はこうですというようなことで、前に3パターンぐらい拝見した記憶があったのです。
○辺見室長 誤記載もしくは記載不備の場合の解釈というのは、いずれにしても新しいカードを出した後に行わなければいけないと思っております。脳死は○で心停止のほうについては意思が決まっていない人と、絶対に嫌だという人との区別というのが、本当はあるはずです。そういったところまで含めてどう考えるかというと、すぐお答えしにくいところがあります。実際にどういった形で意思表示がされるのかということは、実際の記載不備かどうかは分からないのですけれども、いずれにしてもそういった事例を集めた上で、合理的な解釈を法律家の先生方のご意見も聞きながらやっていくという作業をしないといけないと考えております。ですから逐一、いまの段階ではこれについてはこうというようにはお答えできませんけれども、課題として取り組んでいきたいと考えております。
○有賀班員 今のように、ご家族なりご本人なりが疑問に思ったとします。そうすると意思表示カードの表の真ん中の下に、「臓器移植に関するご質問、お問い合わせは」とありますよね。ここに電話をすると出てくれた人は、それなりにお返事をしてくださるというように理解していいのですか。
○篠崎班長 ここは、どう見ても臓器移植ネットワークの電話番号ですよね。
○雁瀬班員 はい。
○篠崎班長 今、どのような対応になっていますか。
○雁瀬班員 その方その方で皆さん、質問が微妙に違っていますので、状況をお聞きして、私たちがお答えできる範囲でお答えします。医学的な部分で、個々の例についてはお話できませんけれども、記載例などについてはお答えしています。あと、メールでのお問い合わせも、いまは多くなってきています。
○有賀班員 これが出来上がったときにどうなっているかは分からないのですけれども、資料2の最初の頁の真ん中にこれがあるのと同じように、ほかの所でも頭の中にクエスチョンマークが浮かんだら、パッと目につくような所にそれがあればよい。医学的なことは分からないとおっしゃっていますが、その程度のことは分かっていただかないと、コーディネーターの資質の問題になってくると思います。やはりその程度は分かっているような方に電話に出ていただくというのが筋だと私は思います。
○雁瀬班員 そういうものは、そのほうに回したりして対応しています。
○有賀班員 意地悪な医師が電話してくるのは知りませんがね。
○篠崎班長 たぶん雁瀬さんがおっしゃっているのは、ここにかけると、広報とか言うのがですね。
○雁瀬班員 広報や総務などの本部で電話を受けます。移植の登録をしている方からの問い合わせとか、さまざまな立場がありますので、専門の者にすぐに回します。
○有賀班員 それだったらいいのではないですか。
○篠崎班長 そうですよね。そうであれば有賀班員の言われるように、この場合もそうですが、この番号をもうちょっと積極的に使うと。大変になって負担が増えるかもしれませんが、やはりこういう時期ですし、ちゃんとした正しい知識を理解していただき、誤解なきようにというのはすごく大事だと思います。誤記載に関しては過去10何年、我々も非常に苦い経験を持っているわけです。ご意思があるのではないかと思われるところでも記載ミスというのは、本当に取り消しのつかないことが多いので、今後は絶対にこういうことがないように、みんなで協力して国民に広く正しく知っていただけるようにしていければと思います。
○大久保班員 Q&Aの所だけではなくて、こちらの頁の記入をする説明の所にも、「記入に関するご質問は」ということで、同じ番号を書いているはずです。
○篠崎班長 いちばん下でも構いませんよね。欄外に「ご質問は」という。
○大久保班員 そうです。「記入に対するご質問は」というように書いておいて、もう1つ番号を書いておけば。
○篠崎班長 あるいはホームページに書いておいてご覧いただく、もしくは電話というような記載があっても親切かもしれませんね。それも先ほど室長からあったように、記載方法に関しても今後検討するということなので、それに並行して。それは施行後になるのですか。実例を踏まえてというニュアンスに聞き取れたのですが、そういうことではなくて。
○辺見室長 質問実例を書いたほうがいいかという話もありますので、とにかく情報を幅広に集めて、その上でできるだけ早めに対応するように心がけていきたいと思います。
○篠崎班長 ただスペースの関係で、ここに書くのはQ&Aもこれ以上は難しいと思うのです。
○辺見室長 今回、ここに書き切るのは、すみません。
○篠崎班長 やはりそれに並行して、広報活動として厚労省のホームページなり日本臓器移植ネットワークなりに。厚労省のホームページにQ&Aというのは、ちょっと大変になるかもしれませんが、特にネットワークなどでは、その辺も対応していただけるようにしてはと思います。リーフレットに関して、ほかに何かありませんか。よろしいですか。では先ほど意見が出たところを踏まえて、事務局でまとめていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○有賀班員 2枚目のSTEP?Cに、署名等というのがありますね。この最後に「そのことの確認の為に署名してください」のこの「為」というのは、たぶん形式名詞ということで平仮名ではないですか。違いますか。「こと」とか「ため」とか「ところが」とか、日本の文法にはいろいろあるのではないですか。
○長岡補佐 そうですね。行政用語の場合は平仮名を使っていることが多いかと思いますので、確認の上でそこは対応します。
○有賀班員 この間、診療情報管理学会の委員会があったのです。
○相川班員 カード自身が。
○大久保班員 「移植のために臓器を提供します」は平仮名になっていますね。カード自身の「ため」は。
○有賀班員 「ために」が困りますね。結構ありますね。
○相川班員 カード自体が「為に」になってしまっています。これで10何年やってきたのですね。
○有賀班員 いいけれども、折角新しく作るのならということで。
○篠崎班長 事務局はよろしいですか。
○長岡補佐 はい。正直言って漢字も平仮名も意味は変わらないと思いますので、少し実例などを確認して、必要があれば対応します。いま即答はできません。
○有賀班員 ものすごくたくさんの人が読んでいるけれども、こういうことが起こるのですね。
○岩田班員 紙質は、これぐらいの厚みで作るのですか。あまり薄いとペラペラで、多分すぐに破棄されるかと思ったのです。いまのカードのあれでは無理ですよね。薄くペラペラになりますよね。
○雁瀬班員 そうですね。いまのカードとは加工状況が違うので、若干は薄くなるかもしれません。剥がす所にセロハンが付いているというか、プラスチックのものが付いているので、いまより厚くなるということはないです。ただ常識的な範囲でやっています。もし難しければ、今後紙質を選んでいくことはできますので、最初は常識的な範囲で始めて何か。
○岩田班員 ペラペラではないものですね。
○雁瀬班員 はい。
○篠崎班長 ほかにお気付きのところはありますか。それでは本日いただいたご意見等を踏まえて、一部文言を見直していただいて、厚生労働省と臓器移植ネットワークにおいて、発行に向けた準備を進めていただきたいと思います。具体的な修正に関しては、私と事務局にご一任いただきますようお願いいたします。よろしいでしょうか。
                 (異議なし)

○篠崎班長 ありがとうございます。それでは次の議案に移ります。改正法の施行が7月に迫ってきておりますので、それに向けた周知方策についてご議論いただきたいと思います。まず事務局より、資料の説明をお願いします。
○辺見室長 資料3「今後の普及啓発方策について(たたき台)」をご覧ください。1で「目的(テーマ)及び実施時期」としております。3頁で「今後の普及啓発スケジュール(案)」ということで、横長の時系列の表に整理しております。前回の会議にも提出させていただいたものに、より詳細化を進めているものです。大きく目的という点からすると、「新しい制度の普及」と「普及啓発の充実」という2つの観点から進めていきます。時期的に「新しい制度の普及」というのは、7月17日の施行を1つのポイントとして、その前に省令・ガイドラインの改正を踏まえ、これを集中していくことに取り組んでいます。「普及啓発の充実」というのは、より長期継続的な取組みを行っていく必要があると考えております。
 7月以降、だんだん普及啓発の色が濃くなるような青い矢印が描いてあります。10月に「臓器移植普及推進月間」とあります。今年度の臓器移植普及推進月間については、当然「普及啓発の充実」という大きな枠組みの中での取組みが必要ですけれども、新制度発足の初年度ということでもありますので、そういったことも加味した取組みを行っていく必要があろうと考えているところです。資料の1頁に戻ってください。1の「目的(テーマ)及び実施時期」というのは、いま私が申し上げたことを整理して記載したものです。
 2は「対象者別の周知方策」です。こちらは?@の医療従事者から?Dの保険者まで書いてあります。まず医療従事者の皆様です。新しい制度の普及にウェイトを置いたアプローチが必要であろうということです。例えば、小児が対象になることによる部分とか、家族同意によって移植が可能となるといった、制度の改正に絡むことにウェイトを置く必要があります。
 このため、7月に3回場所を変え、提供施設への説明会を予定しております。ついこの間やったばかりですが、毎年度、臓器移植ネットワークを通じて1月、2月、3月ぐらいに行ったところです。それを今回の部分は7月に行っていこうと。別のルートとしては、現場のドクターの皆様に直接知っていただくための方策も必要になってくるわけです。その1つとして、1月の施行のときにもご協力いただいている関係学間に、ホームページを通じた周知などをご協力いただきたいということを要請してまいりたいと思います。これは主として7月までの取組みです。こういった取組みを行う中で、質問等が寄せられることは当然あり得ます。そのような場合にはQ&Aを作成するなど、必要な情報を随時行ってまいりたいと思います。
 ?Aは15歳未満の小児とその保護者又は教育関係者です。こちらは施行までというより、より長期継続的に啓発普及に重きを置いたアプローチを行っていく必要があります。手段としては既に作成いただいているインターネット上のキッズページ、日本臓器移植ネットワークのホームページを活用した周知、又は学校現場で配布するためのパンフレットです。これまでにも中学生向けのパンフレットを作成してきているところですけれども、こういったものを引き続き、さらに有効にご活用いただけるようにしていきたいということです。3番目のポツは方策と言うよりも、お知恵をいただきたいということで書いてあります。教育現場や家庭で実際に活用していただくために、どのような工夫が考えられるかということで、お知恵があれば教えていただければということです。
 ?Bが一般の方々、より広い啓発です。こちらも当然、長期継続的な取組みですが、インターネット、紙媒体(広報紙、ポスター等)などを使って、臓器移植に関する知識や改正制度内容などについての情報収集をしていきます。また、先ほどご議論いただいたリーフレットを使って、初めて目にする方に臓器移植について関心を持っていただくほかに、もうちょっと詳しい情報を、リーフレットをご覧いただくことによって提供するようにしております。さらに臓器移植に関する関心の程度に応じて、効果的な情報提供を行います。これも従来からお配りしている資料ですけれども、既存のツールとして参考資料2を用意しております。臓器移植ネットワークで配布している資料です。入手方法も併せて書いてあります。詳しい情報をという方については、「日本の移植事情」を入手していただくといったことで、関心レベルに応じた情報提供を行っていく必要があろうと考えているところです。
 次の頁の?Cが行政機関です。こちらは?@の医療機関と似たところがあります。新しい制度の普及にウェイトを置いたアプローチということで、こちらについても7月に説明会を開催する予定です。また、同様にQ&Aなどを作成して、随時情報提供を行ってまいりたいということです。
 ?Dは先ほどご議論いただいた配布型の臓器提供の意思表示カードとは別に、運転免許証の裏面や健康保険証の裏面などに様式を入れ込んでいただくというか、意思表示欄を設けていただくことになっております。それぞれ所要の省令改正を行うこととなっております。運転免許証などは免許証を取ったときや更新のたびなので、一気に変わるわけではなく、順次変わっていくことになります。健康保険証も同様です。こういった場合に併せてリーフレットも配布してもらえるように保険者とか、運転免許証ですと公安委員会にお願いしてまいりたいということです。
 3頁のスケジュールの右隅の「臓器移植普及月間」の下に、(別紙)と小さく書いてあったことにお気付きになられた方もいらっしゃるかと思います。その別紙が4頁の「臓器移植普及推進月間」についてです。例年行っています。今年10月に向けて現在検討中の活動内容として、下のようにリストアップしております。メニュー的には必ずしも新しいわけではないのかもしれません。例えば広報誌を活用するにしても、制度改正を踏まえた内容にするといった工夫をして、なるべく多くの方に臓器移植についての理解を深めていただくような取組みをしていきたいと考えているところです。ただ、いま検討中という状況ですので、ご提案等があればお聞かせいただければと考えております。5頁・6頁は平成21年度の要綱ですので、ご参考までにということです。
○篠崎班長 ただいまの説明についてご意見、ご質問などがありましたらお願いいたします。
○石川班員 今回、法が改正されて施行されるということですが、いちばん気になるのが運転免許証です。いままでの普及啓発の考え方というのは、関心のある人に情報を得てもらって意思表示をしてもらうということで、かなり自由意思にもとづく自発性を前提にしていたと思うのです。しかし運転免許証というのは、自分の関心のあるなしにかかわらず、有無を言わさず自動的に来てしまいます。そうすると、それに対応する告知をしなければいけないということになると思うのです。
 対応するというのは、これについて実際の医療現場で知るべき人は誰かということで、一般国民の側は、自動的に運転免許証に意思表示が求められるような格好になるわけですから、そうすると、そういう事態が起こっているということを、実際の医療現場では誰が知っておかなければいけないのか。それに対して医療現場の方々がどう反応するかは、またいろいろ問題があるとは思うけれども、先ほど有賀先生は、例えば医師がずっと治療に当たっているのに、掌を返すという表現をされました。そういう事情があるとすれば、コーディネーターがオプション提示をするというお話を伺いました。そうすると一体、医療側は誰がこの改正について周知徹底を受けなければいけないのか。それを考えたときに、医療従事者に対する情報提供というのは、説明会をやってホームページへの掲載をするわけですが、基本的には説明会の開催は、こちらから出向いて情報提供をするのでプッシュ型になっていますが、ホームページというのは関心がないと来てくれませんから、これを見てくれるかどうかは甚だ不完全なわけです。そうすると、説明会だけで知っておくべき人に全員知ってもらえるか、というのがまず疑問の1点です。
 知っておくべき人は誰なのだろう、対象者は誰なのか。普及啓発をやるときにいちばん問題になるのは対象者で、その対象者の特定をしたほうがいいのではないかと思ったのです。ホームページの活用が悪いと言っているのではないのです。それはやって然るべきだろうと思っていますが、もし対象者が特定できたら、その対象者の方々のところには情報が行かなければいけないと思うのです。ホームページに掲載するだけではなくて、持っていかなければいけないということになると思うのですが、いかがなのでしょうか。
○篠崎班長 この点についてご意見はいかがですか。
○大久保班員 結局、基本的には救急医ですよね、提供の現場だと。救急医に情報をどう提供するかですから、先生のほうもおそらく学会単位でやられると思うのです。
○有賀班員 知識として、この度千円札がこのように変わりましたみたいな感じで知っててくれという話は、救急の現場のそれぞれの人たちに従前と同じように情報が行くという意味においては、日本臓器移植ネットワークが年に1回とか2回とかやっているようなあのようなところに来てくれと言って話をしますよね。ただ、本質論的にこの手の話を誰に知っていてもらわなければいけないかというようなことでいきますと、先ほどからお話しているように、これは現場の救急医または医療チームですね、そのナースたちも含めて、だから治療の延長線上で、こうなったから、じゃあ、こっちの話よねと言って、先ほどの話だと、こういうふうになるかというところにかなり無理があるだろうと。
 ある病院の院長先生、理事長先生が看護部長に、このような形でルールが変わるので変わっても困らないようにうまくやってくれ、という指示をした。救急の現場に行って、救急医または脳神経外科の部長などに話をする。しかし、自分たちの仕事ぶりから考えて、何をどうやればいいのか全然わからない。つまり、いまやっている仕事の延長線上で、例えば、もう少し積極的に病理解剖をして病理の所見を勉強できるようなCPCの場をもっと豊かにして研修医と勉強できるようにしようではないか、という話がもしあれば、現場の救急医なり脳外科のドクターたちは、確かにそれはそうだね、いままでより、もうちょっと病理解剖を一生懸命にやるのは大事なことだね、と仕事の延長線上にそのことがそのまま展開するわけです。しかし、臓器移植に関しては、仕事の延長線上にそのまま展開するというようなからくりにはなっていないのです。それで、先ほど私がお話したように、小野先生が従前から言われているように、病院医療として、それをどのようにするかという話になるわけです。そうなると、誰かという話は、これは言わずと知れた院長です。院長か担当副院長というようなことになるのでしょう。ですから、そのような病院の要たる大事な部分に病院医療をこういうふうな形でやってもらわないとうまくいきませんよ、というようなことをきちんと説明できるというような形での広報がこの周知方策に関する医療従事者の要だと私は思うのです。
 ドクターにしてもナースにしても、現場にいる人は馬鹿ではありませんから、こうなりましたよと言って読み物なり何なりを渡せば、おそらくそれなりの水準に行くと思うのです。いままでもそのようなことをやってきたわけですから。ですから、それがこうなったよということは、ああ、そうかと。じゃあ、私たちはどうしたらいいのだろうと言ったときに、仕事の延長線上でそれが展開するかと言ったら、そうなっていないので、いま話したように、院長なり副院長なりというようなところで周知徹底を図って新しい病院のルールを作ってもらいましょうと。ですから、救急医とか現場のナースを呼んできて話をするところは、たぶん知識としてはいいと思うのです。ただ、病院の知識なり人やいろいろなハードウェアを使ってどうするかというそのプロセスの部分に関して言えば、私は病院が組織を挙げてやらないと駄目なのではないかと思いますから、院長だと思うのです。
○篠崎班長 院長へのツールというと。
○小野班員 いま石川班員から言われた言葉には現場の者としましてはグサッとくるのですが、大久保班員が言われたとおり、救急医や脳外科医だと、それは、答は間違っていません。しかし、有賀先生がおっしゃったように、私はこれまでの何十年間か、ひたすらドナーカードを発見し意思確認せよということを救急医1単位ごとに求められた時代が随分長かったと思います。そうなると、やはり救急医の負担はとても多いので、いま有賀先生が言われたとおり、やはり病院単位で、病院がすべき姿として展開すべきですので、私は、石川さんのお話はよくわかりますが、誰が、どのように、何を、どういう形で病院で展開すべきかが大事なことで、私どもの病院では、救急医を含めて職員全員にそれを展開すると考えております。
○相川班員 小野先生の病院では事務職の人もこれには関係していると思うのですが、まず現場の救急医とか脳外科の先生が保険証を見たり運転免許証を直接見るという機会は、私はあまりないように思いますけれども。
○有賀班員 意識障害で運ばれてきた人たちの身元を見るためにお財布の中などを開けることがありますから、そういう意味ではあります。ただ、目的が違いますから。
○相川班員 目的が違う。
○有賀班員 はい。
○小野班員 おっしゃるとおりです。我々の病院では、まず、事務員の方々は保険証を中心に見ます。医療ですから保険証をまず見る。つまり、うちの病院では保険証の表と裏を必ずコピーしてチェックをする。ドライバーズライセンス等のチェックはたぶんナースたちが現場でチェックしますから、いわゆるチェックする人たちがちょっと違ってくるのが病院の実情かもしれません。
○篠崎班長 ですから、そういった意思を誰が把握しても、例えばすべてが電子カルテに載っていればいいとしても、そうはいかないと思いますので、その辺のところの。以前も国立病院などでいわゆるアナムネのときに入院したときに看護師さんが患者さんにお尋ねする欄のリビング・ウィルとか喫煙する・しない、アルコールを飲む・飲まないの延長に意思表示カードをお持ちかというのがあって、かなり展開して、それを国立病院でも始めたというのを使って、私の病院でもそれを使って、国立でもやっているのだから、うちもやりましょうということで、全症例をやりましょうという、すべての入院患者にというのはやったことがあるのですが。やはりもう少し病院の院長先生の、あるいは救急のといったら、確かに全くおっしゃるとおりです。ただ、もう少しくだいて、そのしっかりしたツールをいくつか用意していくということが必要なのだろうと思うのです。
 前回、親族優先のときにある場合には救急関係の学会には随分ご尽力いただいて、いままであのような形で移植の法律が変わるというようなこと、どんなことがあるかということで救急側の学会がこういった形でご協力いただくというのはなかなか難しいような時期もあったのではないかと思うのですが、今や、これは積極的にやるべきだとなっています。そういった医療側の風潮というのもきちんと理解して、ご負担がかかっているのは、それは本当に申し訳ないと言わざるを得ないですが、国の体制・整備というのもだんだんついてくる時期が来ると思うので、それについてツールとしてもう少し具体的に皆さんに今のようなお話でピンポイントで行けるような。例えば院長先生のツールと先ほど言われたのですが、院長先生のツールとパッと言われて頭を巡らせてみたのですが、あまりピッと来るものがなくて、そういったものもご存じの何か、病院協会とか、いろいろな連絡もあるでしょうし、そういったものにアプローチをかけるというところも含めて、逆にネットワークの広報活動にも随分影響を与えると思いますので、委員の先生方あるいはほかの情報源を使って、こういった場で議論するのは非常に重要だと思うものですから、その辺についてもう少し深めた議論をもう一言お願いできたらありがたいです。
○有賀班員 確たる信念を持って言うわけではないのですが、私が病院長だと言ったのは、病院の組織的な医療を展開するその要たるポジションは院長だからそのように言ったわけで、院長たちを例えば集めたとします。そうしたら、小野先生のところでこんなふうにやっていますよと、これが病院の組織ですよという言い方で病院長の、うちで言えば飯島院長ですが、飯島組の組員がそれぞれどのような役割を持ってこれに対応できるかということを考えろ、という話になるのだと思うのです。ですから、何も院長を集めてこの紙を読ませるとかそういう問題ではなくて、こういう事例がありますよという話だったのです。
 もう少し私も確信のないことを言いますと、先ほど私がお話した、院長はやれと言ったと、総婦長が困って私に相談が来たと。一番の困ったその最初のきっかけは取り付く島がないと。現場のナースも現場のドクターも、つまり救急の現場のドクターも取り付く島がないと。要するに、総婦長が言っても、そんなことをやっている暇があるのかという話になってしまって取り付く島がないと、先生、どうしたらいいのですか、というのがある。ですから、たまたま私はその病院に行く機会もありますので、取り付く島がないような脳外科や救急のドクターたちに、この手の話が聞くべき話なのかという話はしていかなくてはいけないと思うのです。例えば私たちが救急で診ている患者さんが脳死になってしまったと。そのときにその脳死になってしまった患者さんにこの手の話をしなくてはいけない、その理論的な背景は一体何なのかというようなことをやはり議論していかなくてはいけないのだと思うのです。
 ですから、これは慶応の法学部のある教授から言われたのですが、厳密に考えると脳死の患者さんはまだ死んでいないということを前提にしているのだとは思うのですが、その患者さんが持っている病気そのものについての説明だから、脳死になった経緯とその後の臓器などが使われることについてはその人の問題なのだからその人に話せと。それで、その人に話していることがわからないのだから代わりに家族に話しなさい、というのが話の筋だと。その筋は、救急医から見れば、別に患者さんの家族のために何かやっているわけではなくて、本人のためにやっているということの延長線になりますよね。これはその教授が言ったことを言っているだけなので、私がそのように信念から思っているかどうかは別にしても。ですから、なぜそこで救急医なり脳外科の医者がそのようなことに関わらなくてはいけないのか、というようなことについての議論はやはりしなくてはいけないと思います。これは、ただ単に相川先生が臓器をよこせと喋るという話ではないのです。
○篠崎班長 これは非常に重要なことで、救急の先生方は、本当に私もずっと自分自身も含めて、申し訳ない、申し訳ないと言いつつ、もう10有余年来ていまして、それに対する整備というものがなかなか浸透していかない、あるいは医療体制としても確立していかない。したがって、研究班も長々と続いてしまっているような状況です。いろいろなモデルは海外にもありますし、我々も随分研究しているつもりなのですが、やはりこれはそれこそ予算の問題、あるいは人の教育の問題であると思うのですが、それもきちんと総力を挙げて救急の先生方もかなりご協力いただいて進んでいるとは思うのですが、有賀先生がおっしゃるように、そろそろ救急医という、いわば救急医療の中で、これをなぜするのか。法律が変わったからとか何とかということ以前に、少し言いすぎかもしれませんが、医の哲学と言いますか。
その延長上に何があるのかという話は1回きちんとしておかないと、やはり先生方の行動原理を、ここで原理を変えるのではなくて、行動原理の中に入れるという話だと思うのです。ですから、それがなぜ含まれるのかという辺りは、この場が相応しいかどうかと言うと私は疑問ですが、あるいはこういったところで提言させていただいて逆に先生方の救急の中でいろいろな議論、法的な側面も踏まえ、倫理的なところも踏まえた上で、実例も踏まえてそろそろ議論していただくのも非常にいいのかな。
 あと、一般の人がやはりそこを理解しておかないと。先ほどの質問はそこだと思うのです。患者側の立場として病院の誰が知るべきなのかということを我々は知らないというところがポイントだと思いますから、そういった議論を表に出していただくことによって、どなたが知るべき人なのかということを知ることも、我々にとっても啓発なのかなという気がするのです。先生、そういった議論を進めるプロセスとしてはどうでしょう。
○有賀班員 周知方策、医療従事者とあります。だから、要は手練手管の問題ではないのです。やはり、医療倫理に照らしてこの手のことを救急医なり脳外科医なりが、一定の水準で関わることに必然性があるというようなことを、どのように説明できていくかという話だと私は思います。確かに人類愛とかさまざまなことがあるのでしょう。だから、どういう形であれ、持ってくる理屈はたぶんいろいろあるのかもしれませんが、少なくとも、現場の医療者は患者のためにのみ働いているのです。家族のために働いているわけではないのです。だから、これはその患者のためにやっているという、その延長線上にどう考えるのかな、というところをもう一度きちんとしていきたいというのがやはり救急側の大変な思いなのです。だから、先ほどお話した、そもそもそういうものなのだと井田先生が言われたものが頭にこびりついているのはそういうことなのです、例えばとして。
○小野班員 私も有賀先生と同じで、本当に医療倫理の1つの流れだなと思います。我々も救急にいてこういう終末期と脳死の状況においては、有賀先生もおっしゃっていますが、家族と共同して目標に向かって一緒に医療を進めていくのは大前提ですので、その中でこういう意思表示を得るということは間違っていないと思いますが、どうも救急医たちが現場でご家族に説明するときに、「臓器提供に興味はありますか」とか「カードを持っていますか」と言うこと自体が、気持的には自分がなぜか普及啓発をしなくてはいけないという思いにかられることが多いのです。その辺はやはり病院として担保してあげるというか、先ほど有賀先生もおっしゃったように、病院組織として展開しないと負担になると思います。
○石川班員 医療の現場の大きな課題をいま感じさせていただいています。ただ、この施行が行われることによって、先ほど大久保さんが読み上げられていたように、ガイドラインで何らかの形でそのオプションを提示する必要があるわけですよね、その必要があるという言い方はちょっときついかもしれませんが、一般の人が読むパンフレットについてはこうやって、表現までチェックをして、それでいま整えているわけです。では、そのオプション提示をするに当たって例えば書面なのか何なのか、パンフレットを作るのか何なのか、そういうものは今ここにはないわけですよね。しかし、本当はそれもセットであったほうがいいわけですね、本来は。それを誰がどういうタイミングでどの責任でどういう倫理観で渡すかというのはなかなか難しい問題だとは思いますが、少なくとも、ツールとしてはなければいけないわけですよね。
○篠崎班長 岩田委員からちょっと。何度か申し上げたいと思っていたのは、福岡県で始まったことについてもう一度ご説明いただけますか。
○岩田班員 いまオプション提示という言葉が出てきたので。臓器提供というのが、要は終末期に陥った患者さんの本人自体のそのあとにとり得る選択肢のうちの1つと。要は、積極的に治療をするか消極的に保存的になるか、そういった選択肢のある中でもう1つ臓器提供というオプションがあるだろうということで、オプションを提示するというように使われていると思うのです。
 通常、口頭でオプション提示をしていただくように私たちのほうも病院のほうに働きかけてはきているのです。それは、やはり顔と顔を合わせて話すのがいちばんベストだとは思っています。ただ、実際問題、患者さんのご家族に接して治療に携わっている立場の先生が臓器提供といういわゆる治療と相反するワードを出すことによっていろいろな拒否反応を示されたり。そういったことを見て主治医の先生も、もうしたくないとその気持がだんだん萎えてくるケースも多いように感じています。ですから、ここはシフトして、口頭でしていただく先生はそれがベストだという前提は変えずに、それがもしできないのであれば、書面としてペーパーで渡していただくだけでいいようなペーパーを作って。それで家族としては、それを見て関心があれば主治医の先生に聞いてくるし、関心がなければそれは捨てていただいて結構です。そういう、言い方は悪いのですが、どちらかと言うとちょっと事務的な方法でいま同時に進めているところではあります。
 先ほどもいろいろ話で上がってきていたのですが、結局、病院に普及啓発するときに、例えば院長先生の理解はやはりいちばん大きいと思うのです。それで済むかと言うと、次は現場の先生がその理念をきちんと納得しないとやってくれないと。では、納得したからやるかと言うと、「それ、いいね」「やろうね」となっても、いざ、やはり忙しいのでやっていただけないことが多いのです。具体的に「オプション提示してください」と言うよりも、抽象的な言葉を言うよりも、「このパンフレットを渡してください」というような言い方のほうが現場ではわりと受け入れられやすいというような感覚をちょっと感じているところです。
○篠崎班長 いま既に先生方はご存じだと思いますが、岩田班員が行ったパンフレットは、行政の福岡県という形でお尋ねするということでやっているわけです。そうすると、ここにも出てくるのですが、今回、この変更点をどう周知するかという話にまたすぐに戻りますが、ただ変更点だけは伝えるというので今回お集まりでなくて、できればもう一歩進んだところまでお伝えできるせっかくのメディアを使うわけですから、それを使えると非常にいいかなと思って実は話を振ったわけです。その辺も踏まえた上で、今回の変更点をどこにどう伝えるのかというところをいろいろ考えていけたらいいと思います。
 もう1回議論をちょっと戻させていただいて。時間の都合もありますので、今後のその普及啓発のたたき台として行う場合。いま聞いたのはそのやり方云々の問題プラス、有賀先生がおっしゃったようにその中身も考えて、あるいはそれもちょっと議論を深めてからやったほうがいいのではないかといろいろなことが出てきたので、これは、この回も含めてたぶんまだ続くと思いますし、いまやれること、やらなくてはいけないことからやるに際し徐々に理解を深める、議論を深めていくという方向で考えていきたいと思いますので、今後とも、その辺を念頭に置いた議論でお願いしたいと思うのです。
 当座はこの変更をどう伝えるかですが。このホームページですが、有賀先生、前回の1月施行のときに先生にはご協力いただきましたよね、救急のほうの関連学会で。
○有賀班員 いくつかの学会にお願いしたのですが。同じようにやっていいのではないですか。
○篠崎班長 あのときは事務局からお願いしたのでしたか。そうですか。
○辺見室長 はい、厚生労働省からお願いをして、書類も出しまして、ご協力をいただいたという経緯がございます。
○篠崎班長 なるほど。
○有賀班員 あのとき日本救急学会と。
○辺見室長 はい、たしか6学会だったと思います。
○有賀班員 そうですね、救急医学会と集中治療学会と臨床救急学会と救急看護学会と、あとは何ですか。
○辺見室長 あと2つです。
○有賀班員 だから、同じように言えばやってくれるのではないですか。
○辺見室長 はい。
○有賀班員 脳外科も入っていましたか。
○小野班員 入っていました。
○有賀班員 では、それと同じようにやればいいのではないですか。
○篠崎班長 わかりました、はい。
○辺見室長 そこはまた、はい。
○篠崎班長 あとはその関連学会ということ。
○大久保班員 ガイドラインが今度、パブコメと言っていますよね。あのガイドラインは本当にすごく変わっていますから、救急の先生もびっくりするぐらい変わっていますから、あの辺のところをどうやれ。ガイドラインが正確に決まるのは6月中旬ぐらいですよね、そのあとたった1ヶ月しかないのですが、そこをきちんと救急側の先生に伝えないと。
○有賀班員 だから、ホームページに当たったら見られるようにしておけばいいのでしょう。
○篠崎班長 そうですね。
○有賀班員 そうですよね。
○大久保班員 だから、あとは説明会ですよね。
○有賀班員 とにかく、見ろ、見ろと言い続けるしかないですから。
○大久保班員 本当にすごく変わっていますから、先生のおっしゃったとおりに。
○相川班員 議論を変えてよろしいですか。
○篠崎班長 ちょっと待ってください。説明会ですが、これは施行前後でどの程度予定されていますか。
○辺見室長 7月にほとんど予定しております。一部、「後」というのがありますが、基本的には施行前に。
○篠崎班長 施行前に基本的にあって。
○辺見室長 はい、やりたいと。
○篠崎班長 その中では当然ガイドラインの説明等も入るということですよね。
○辺見室長 はい、それを中心に。
○有賀班員 そのことを辺見室長が壇の上で説明されて私たちが下のほうで聞いていると、そういう形式のことを言っているのですか。
○辺見室長 そういう形式かなとは思っているのですが。
○有賀班員 そうすると、結構、全国行脚をしなくてはいけないのですね。
○辺見室長 そうですね、というか、すみません、全国で3ヶ所なので行脚と言うにはちょっとあれですけれども。
○有賀班員 いや、大変だなと思ったので。
○辺見室長 ただ、せっかくお集まりいただく機会ですので、そればかりではなくて何か併せてというのも当然考えられると思いますが、その辺りはまた考えさせていただければと。
○大久保班員 先ほど出ていた話で、オプション提示自体は口頭か書面のどちらでもいいというようにガイドラインに出ています。だから、いま、おそらく作られている福岡県とか、何県かああいう会のオプション提示用のペーパーがあると思うのですが、これは大幅に変わるわけですよね。中側が全部変わって、全部、使えなくなりますよね。だから、できれば国として1つ作って、それを全国的に使えるようにするほうが、文言も含めて、とても大事だと思うのです、オプション提示のための書類というのが。それはやはりパンフレット、リーフレットと言うのかな、リーフレットはやはりこちらのほうで作ったほうがいいと思うのです。
○有賀班員 ひな型。
○大久保班員 ひな型を、全国統一にするために。今回、文言が微妙なところがたくさんありますので、変に誤解を生まないためにもやはりきちんと見るべきだと思うのです。
○篠崎班長 もうその議論はよろしいですか。
○有賀班員 篠崎先生、作ってしまえばいい。
○篠崎班長 私が。いいですが、私が作っても権威に欠けますので、それは事務局にご検討いただいて。
○相川班員 しかし、そのリーフレットは非常に有効なツールに。実際、九州ではもうエビデンスもある程度出てしまっていますので、非常に有効なツールとして働いています。救急医の先生にも負担をかけない、家族は理解する、その上で臓器提供をするというのがきちんとした形で出来ていますので、これは啓発のツールとして使わない手はないと私は思います。
○篠崎班長 是非、いま研究班でも動いていますが、もう少しこのエビデンスが欲しいかなというのもあるので、できれば。私どもの病院も全死亡患者様の情報をいただいてアイバンクで出るようにしたのですが、これは、日本語はいいのがないのでルーティン・リファーラーと言いますが。
 海外のデータを見ると、どこの国でやっても、発展途上国でも先進国でも11%前後と書いてあるのですが、日本でやってみると、驚くべきことに大体18%ぐらいの方がご献眼されるのです。これ、私も非常に驚愕しております。かなり低いのだろうと思って、実際にやってみるとそうでもなくて、我々、医療側としてちょっと誤解していた面があったのかなという気はします。ですから、ああいったお渡し方でも、もう少しきちんとエビデンスを取れるようにしてあげることによって、救急の先生方、情報として、もう少しいいやり方、うまくなかったやり方、いろいろあると思うのです。ですから、そういうものの家族の拒否率というのも。スペインなどではすべての家族による拒否というものをどうやって下げるかという国家プロジェクトがあるぐらいですから、これはやはり、誤解なり知識不足なり、あるいは何か変えられる点があるかないかということは常に模索すべきで、拒否するのは当然でいいのですよで済ませない。なぜかというところにもう一歩いくのがやはりサイエンスだと思いますので。できれば、そういったところも協力いただければと思います。何か先ほど。
○相川班員 話題を変えてよろしいですか。
○篠崎班長 どうぞ。
○相川班員 ?Aの15歳未満の小児とその保護者及び教育関係者のところですが、「学校の現場で配付するパンフレットを作成・配付する」と書いてあります。従来、我々が小学校で臓器提供・移植に関して普及啓発をやろうとすると、多くの教育委員会で、いや、それは偏った考え方なのでどうかということで、あまり受け入れていただけないのが現状なのです。そういう現状の中でいきなり臓器移植とか臓器提供というような形でのパンフレットを作ると、あまり有効ではないような気がします。いちばんの問題は、文科省の教育指導要綱に臓器提供とか移植というものが入っていないのです。命の尊さとか、そういうものは入っているのです、小学校でも道徳の授業の中に入っているのですが。だから、そういうものと同等な何か、またそのものの1つの例として臓器提供や移植を考えていただけるというような内容のものにしないと、これは、一般の方へのものと同じような形でいくと結構難しいことになるのではないかというような懸念があります。
 もう1つは、これはガイドラインでもそうなのですが、小児の臓器提供の反対の意思も尊重すると。これは年齢に関わりなく尊重するということになっていますので、小児といえども、やはりそのような。臓器提供がいいとか悪いとか、そういうことではなくて、臓器提供はどういうものなのか、移植とはどういうものなのか、自分で考えるような機会をつくっていただくような授業をそれなりにしていただかないと、子どもは子どもでも、その意思を反対とか示すことがなかなかできないと思うのです。だから、その辺の小学校に対する教育、そういうものを考えていただければと。教育といっても、何も強制的に臓器を提供するとか、臓器提供がいいとか、移植がいいとか、そういうことではなくて、自分はどう考えるのかというような形でやっていただければいいと思うのです。そういう機会をつくってあげないと子どもはやはり判断できない、と私は思います。せっかく子どもの意思を尊重するようにとガイドラインで謳っているのに、その意思を尊重するものをやっていないですから、当然、それはわからないということになってしまうと思います。だから、この点についても少しお考えいただくといいと思います。
 それから、中学校、高校のある一部のところでは保健体育の先生または道徳の先生が、命の大切さとか、その中のまた生徒しかとか、その中の項目として授業で扱われている学校もあります。だから、そういう形で臓器提供・移植を生徒たちが考える。それは無理矢理そのように持っていくのではなくて考えるきっかけにしていただけるような、そういう項目をなるべく厚労省として組んでいただきたい。ただ、これは文科省のものなのであまり。そこの関連性はいかがなのでしょうか。
○篠崎班長 何かありますか、私はいいポイントだと思うのですが。いきなり文科省だ、今日は残念なことに黒田班員もご欠席なのでこの次回、次々回で話ができればと思いますが。逆に、教育というのは教育する側とされる側とがあるわけで、先ほどお話の中にもあったように、教育する側も、先生方としてもこの情報に豊富にばく露されている状況にあるのかと。あるいは、逆に言うと、先生方はいま大変なストレスの中におられると思いますので、教育の中でマテリアルを探すという作業はあると思うのです。そこで、こういったものがすぐに出てくるような状況にあるかということだと思うのです。ですから、先ほどの資料はあっても、ちょっと見ると、入手方法、ホームページの閲覧というようなものがありますが、ツールがダウンロードできるのかどうかとか、あるいは、例えば小学校の低学年・高学年、中高生用とか、ある程度基本的なところで先生が使えるようなものを提供するとか、そういうところから始めて徐々に広げていくと。10年ほど前に当時の文部省と研究班を組んで、教育ツールが出来ないかというので副読本を作ったというのを思い出しました。せっかく副読本を作ってみたのですが、作ってみたら、使うか使わないかは学校の裁量だということで、あまりお使いいただけなかったというのが記憶にあります。
 ですから、いろいろな難しい問題がありますので、やはりそういったしっかり理論が整っているもの、偏っていないものをきちんと作り、例えばネットワークのホームページであるとか、先生方がダウンロードして使えると。それも印刷ばかりとは限らないと思うのです。いまどき、やはりパワーポイントだったりとか何なりということになると思うので。そういったものもある程度進めていくということは必要なのではないかと思って今の皆さんのご意見を勝手に集約させてもらったのですが、何かその辺のところで方向性としては。
○相川班員 実はこれは漫画のテキストです、私が監修したのですが、去年の4月に全国の高校で漫画の教科書を使った臓器移植、臓器提供についての授業をやっています。これは、毎月テーマが決まっているのです。4月は臓器提供・臓器移植ということで、わかりやすい漫画で日本の現状を描いてあるものです。これでも、全国の高校で実は授業が行われたわけです。そのようなきっかけをつくっていただけると非常にありがたいと思います。こういうものは生徒たちにも受け入れられるのです。それから、私は必ずしも偏った内容ではないと思っていますが、学校で随分認可をしていただいて、全国、かなり多い高校、万単位だったと思いますが、そのぐらいの高校でその授業をしていただいているというのが現状です。こういうツールを使っていただければ、ということですね。
 それから雁瀬さん、この小冊子、中学生レベルの一般の方を対象にした解説書というのがあるのですが。
○雁瀬班員 これは、もともとネットワークで一般向けに小冊子を作っていて、前にもご紹介があったと思いますが、いま厚労省から全国の中学3年生に毎年厚生労働省と臓器移植ネットワークの連名で配付されていて、たぶん3年ぐらい前から文科省の通知部分も一緒に付くようになっているという経緯があります。これは今もずっと継続されているものです。
○相川班員 では、これは実際にもう動いているものなのですね。
○雁瀬班員 これは、非常に長い間作られ続けています。
○相川班員 これはインターネットでダウンロードできますか。
○雁瀬班員 見ることができるので、出力はできます。
○篠崎班長 ただ、今日議論していますのはこの法改正があって変わるということを踏まえた意味での臓器提供、臓器移植をご理解いただくためとなってくると、内容的にはちょっと変更を迫られる。
○雁瀬班員 内容は変更しなくてはいけないですね。
○篠崎班長 なるほど。
○辺見室長 毎年編集しています。
○篠崎班長 毎年やっているのですか。
○辺見室長 ええ。
○篠崎班長 なるほど。これ、次回はいつやるのですか。
○辺見室長 今年度中、早めに。
○篠崎班長 なるほど。こういうことも活かしていただくということと、こういうものだけだと非常に、先ほどの相川委員のああいったものは受け入れやすいのかなと。ただ、コストがちょっと気になるところではありますが。もう少しいろいろな角度でですね。今日の議論も、実は配付への工夫というところは重要だと思います。内容もそうで、偏りがないとかというのは重要だと思いますが、その工夫としてホームページだけではなくて。ホームページにしても、マテリアルとしてダウンロードしやすいものとか教員が使いやすいものというのも、黒田班員がいらっしゃってからでいいと思うのですが、もう少し聴取りをしてしっかり決めて、使いやすい携帯での配付をするとかということだと思うのです。ほかにご意見としては何かありますか。
○小野班員 先生、今の周知対策のところで全体的でよろしいですか。
○篠崎班長 どうぞ。
○小野班員 1つ目は、グリーン色のカードが7月から配付されるのですが、いままで使っていたカードはどうされるか、確認したいのです。当然配付、推進していないはずですよね、という確認です。余った物は廃棄するのですよね、という確認です。
 それから、提供側への病院へのこういった資料については、ほとんどがここに書いてあるとおり、カードとシールしか配られていないのが現状なのです。ネットワークはカードとシールのみしか配っていないのです。これはやはり問題があって、臓器提供施設にきちんと配付するのであれば、もっとやさしくてわかりやすい、いわゆるリーフレット型のものを新しく刷っていただいて配付していただきたいと思います。
 それから、各病院でいろいろ違うと思いますが、当院では総合の受付の所にテレビが流れると言いますか、お知らせが流れるようなことが病院の中で入っています。そこに、DVDではありませんが、臓器提供、法改正があって、これからカードの形態が変わります、というような周知を病院としてはしてもいいのではないかとは当院では考えていて、もしそういったものが国レベルで配付していただけるのだったら、病院としてはより扱いやすいのではないかと思います。
○篠崎班長 機会があったらどこかでお見せできればと思うのですが、私、アメリカでUNOSが作った60秒。これはテレビ用、ラジオ用、まず2種類あります。それが英語、スペイン語にまず分かれています。ラジオ用が、すみません、正確に覚えていないのですが、10秒と20秒とか。テレビコマーシャル用が、たしかその30秒と60秒とか。これは、実はダウンロードしていつでも自由に流していいですということです。特に地方局などが、ちょっと一瞬空くときに使えるようにダウンロードしておいて使ってくれるというのがあるんですね。非常に感銘を受けまして、実はUNOSから全部いただいてきていま持っているのですが。ああいったものも、おっしゃるとおりで、あれば何かのときにちょっと使えたり。私たちはイベントにも使います。ただ、気質がいいのです。なので、誰がどこでどう作ったのか存じ上げないのです。そういったところも今後普及啓発のアイディアとして皆さんから出していただけると、ネットワークなり国が考えていく中でいけるのではないかと思うのです。
○小野班員 前回いただいた資料の中に内閣府が出した、全国の国民の方が臓器提供に対してどういう心配を持っているかということ。例えば安全性とか何とかというデータが確かあったと思うのです。どうもやはり地域差があるのではないかと私は常々思っています。県コーディネーター、県の行政でもいいと思うのですが、各地域でのいわゆる臓器提供に対する意識調査とかというものはやはりどこかの団体もしくは誰かが研究として1つやらなくてはいけなくて、そこに対してどういうボトルネックがあるかということを考えないと。例えば、福岡県ではいっぱい臓器提供が出ているけれども、神奈川、東京は出ていない、それはなぜかということは、やはりわかりづらいのではないかと私は思っているので、その辺、いかがかなと思っています。
○篠崎班長 何かご意見はありますか。
○大久保班員 それでも、中学生向けのパンフレットはわりとよく出来ています。
○篠崎班長 なるほど。わかりやすい。
○大久保班員 ええ、うちの人間がいままでの中でいちばんわかりやすいと、中学生向けだけれども、みんな普通の人間が読んでいちばんわかりやすかったという話になりましたから。
○篠崎班長 あと、先ほど意見の出た救急の先生方が使えるような、このぐらいちょっと覚えておけ、見ておけよと言えるような内容も、これで主体が誰なのかというのはちょっと問題があるかもしれませんが、是非救急の先生方に、例えばネットワークで作る場合もせっかくこうやって委員の先生が発言してくださっているので、そういったことも参考にしながら作っていただくと、意味のある有効な資源になっていくのではないかと思います。
○辺見室長 小野先生のお話について簡単に。グリーンカードというか、この新カード配付後は、基本的に旧カードは配らないということで、その扱いをどうするかはあれですが、旧カードは配らないという前提で進めます。
○小野班員 まだ7月までは配るのですか、本当に。
○辺見室長 7月までこのカードはまだ。7月以降有効になりますので、7月にカードボックスが空になっているというのはあまりよろしくないと思いますが、ある限りは入れていただいて。
○小野班員 では、きっと古いカードを一度返して新しくカードをもらってとか、そのような方法で。
○辺見室長 という形にするか、そこの切替えの手続はまた改めてですが。
○小野班員 わかりました。
○辺見室長 7月以降はこちらのカードということです。それとDVDの話は、YouTubeを前回の1月分を作りましたので、それがDVDのあれに入るかどうかはよくわかりませんが、篠崎先生がおっしゃったような時間的にいろいろバリエーションはちょっと難しいかもしれませんが、一応、素材としては作りたいとは思っております。
 内閣府のデータは、地域集計ができるかどうかについては検討してみますが、今の状況からすると、地域差というよりも年齢差とか、何かそういうところにも着目しながらやっていかなくてはいけないという面もあると思いますので、長期的に検討させていただきたいと思います。
○篠崎班長 普及・周知の方策について、ほかに何かご意見はありますか。
○岩田班員 いま、このグリーンカードは携帯用だと思うのですが、いま九州、沖縄で、去年、臓対室に相談させていただいて、そのときはノーだったのでできなかったのでネットワークの名前だけでしか作れなかったのですが、自宅保管用のカードを作りました。要は、見開きすると、数人分の意思表示カードがバッと書いてあって、そして、お父さんとか、お母さんとか、自分とか、妹とか、そのように振り分けて、意思表示が一覧として記入できる物を作ったのです。携帯のメリットはメリットであるのですが、現場で家族にお話すると、本人は書いていたようだけれども、どこにいっているかわからないというのが非常に多いのです。時間的にも非常に早急なものだったら携帯してその現場でないといけない物なのですが、実際は1日、2日、3日と猶予がある中で家族が考えたりするので、自宅に帰られたりしたときに、家族保管用がどこかにあれば、いつでもそれがなくさずにあるということと、あとはそういうツールがあることで話し合ってみようかな、というきっかけになるのかなということで、そういった物をいま作っているのです。
 去年、公立の高校にそれを全部送らせていただいて、学校の先生からも非常に評判がよくて。それがあると、学校の授業の中でそれを生徒たちに配って自宅でお父さん、お母さんと話し合えるきっかけになる道具になるということになるので、そういったツールとしても検討していただけたらと思っておりました。
○石川班員 1つだけいいですか。
○篠崎班長 どうぞ。
○石川班員 亡くなられた方のご家族が亡くなってしまった家族の臓器の移植をするかどうか、今度は検討するわけですよね。本人の意思表示がない場合であっても。だから、その家族に何かを渡すというのはやはり必須で、しかも、やはり表現は非常にデリケートだと思います。
 というのは、今回改正の大きなポイントはそこですよね。本人の意思表示がなくても遺族が決められるということですよね。しかも、それは15歳未満の子どもでもそうなのですよね。だから、残された遺族に何を伝えるべきなのかということが非常に大きいポイントだと思うのです。いままでは本人の意思の確認がいちばん重要であって。しかし、今後は本人の意思の確認だけではなく、残された家族が、言ってみれば自分の責任で決断が下せるということですから、そこは本質がまるで変わっていると思うのです、言うべきことの。だからそれに関しては、何を渡すべきかというのはやはりここできちんと見るべきなのだろうなと思います。先ほど既に大久保さんがおっしゃっていることをもう一度繰り返しているだけなのですが、本質があまりにも違うということを。
○篠崎班長 それはたぶんネットビジネス、特にコーディネーター教育のほうで。いま、その辺をかなり集中してやっている最中だと思うのです。これは、子どもさんということに関してはたぶん未経験の部分に我々も行っていく部分もあるし、あるいは精神科学的にはある程度理解できる、科学的にわかっている部分もありますので、その辺のところのツールを活かしながら今後。これもできれば、救急側の先生なりあるいはコーディネーターの方々の教育というのはかなり頑張っていかないと、ご家族あるいはご遺族の方々のストレスを軽減するというのは難しいかもしれませんが、課題にしていかないと、余計重荷にしないための社会的な理解・コンセンサスは非常に重要だと思いますので、非常にありがたい意見ですし、できれば、おたくのほうからも積極的にそういった教育方法なり材料を出していただくというのはすごく大事だと思います。
 すみません、時間がそろそろ迫っていますので総括させていただきます。周知の方法として、この7月までのところに関しましては、施行まではこういった媒体を使うこと。あと、先ほど出た意見としましては、特に教育の現場でやる場合にも、一ひねりというかアイディアを、もう少し使いやすいものという概念でやる、あるいは媒体的にも使いやすいものでやる。漫画的なものという使いやすさもあればダウンローダブル、先生が教材に使いやすいというようなところが必要だということが出たと思います。
 あと、医療従事者ですが、救急の先生方へはさらに学会等を利用させていただいて。特に、今のは救急の話ばかりなのですが、それ以外の関連学会等もあれば、是非事務局にお伝えいただいて。1人でも多くの先生方にも正しい知識をご理解いただくということは重要だと思います。
○有賀班員 そういう意味では、小児科学会は先回のときには入っていませんでしたよね、きっと。集中治療医学会とか脳外科とか救急は入っていましたが。だから、小児科学会または小児救急学会というところは、おそらくホームページなり何なりでやっていただかなければいけない非常に重要な部分でしょうね。
○篠崎班長 そうでしょうね。
○有賀班員 忘れないでいていただければとは思います。
○篠崎班長 そうですね、すごく大事だと思います。そちらのほうも依頼をしていただくというような方向で検討していただければと思います。
 ということで、すみません、不手際でだんだん時間が押してきてしまいましたが。この議論に関しましては、まだ施行に関するところが1つと。あとは、ご意見があれば皆さんに後々でもいただきたいのですが、10月を臓器移植推進月間としますので、ここに、資料にあったいくつかの、イベント等がありましたが、これ以外でも何か移植関係の企画等があるようであればお知らせいただきたいのが第1点と。第2点としまして、可能であれば、少なくとも例えば厚生労働省の後援名義が取り付けられるようなものであれば、逆に今度は厚生労働省にお願いしてそういった一連のイベントを何か、例えば1枚のポスターにするなり、という形にするだけで力が随分上がるのではないかと。インパクト、みんなが同じポスターをする、あるいは、例えばグリーンリボンがみんな付いた形で1つのブランディングをするというような概念を入れていくという、プロモーション的にもみんなにもう少し知っていただく努力というのが、違った切り口で必要なのではないかと考えていたものですから、それに関してもご意見がありましたら是非、次回といわず、どうぞ事務局にお伝えいただき、事務局としても今日出た意見をまとめて、是非普及啓発のほうに力を注いでいただければと思います。
○大久保班員 1つだけいいですか。
○篠崎班長 どうぞ。
○大久保班員 今日、このあとのことがもう少し議論になるかなと思っていて置いていたのですが、実はこの前の関連学会協議会、それから、篠崎先生が一緒にやった、いわゆる普及啓発の組織を別につくろうという話の動きで、一応基本的には、今年中にはNPOを立ち上げようと思っていますので。基本的に任意団体として6月ごろに立ち上げて、グリーンリボン協会みたいな形で立ち上げて、そこを中心に一般普及啓発をやりたいと思っています。ですから、そういう方向でいま私、私が中心なのですが。その中で常に、9月とか10月とか11月のイベント自体は既に企画が進んでいますので。それでは、詳しいものをまた。
○篠崎班長 ええ、是非。コンセプトとして、これはあくまで国が普及啓発、一般的に知らしめるということです。一部、例えば我々が考えているような民間レベルで推進みたいなところもありますので、その辺の住み分けも。あまり一緒くたにすると国民に混乱を与える可能性もありますので、それも少し協議しつつ、進めていく作業にちょっと気を遣わないといけない部分がしばらく続くのかなと思っています。その辺も、少し注意しつつ進めていきたいと思います。
○有賀班員 臓器移植の普及の推進月間という、そのようなものは国民運動をやろうというわけですよね。従来からときどき思うのですが、宗教の方たちは、本件に関してこのようなときに何らかのアクセスをするということはないのでしょうか。やはり人が死ぬなり、生き続けるなり、救われるなり、そうですね。ですから、このことに関して全く寡黙でずっとい続ける宗教というのは一体何なのだろうか、というのがもともとの私の気持ちなのです。
 例えば、天理よろづ相談所病院というのがありましたよね。あそこなどは、私たちは天理教の考え方に従ってこういう医療を展開していますと出ていますよね。そういう意味では別に、ドーンと押し寄せてこいとは言いませんが、何らかのそのような宗教的な背景を持って世の中に尽くそうとしているというような人たちがこのようなときに何らかの形で参加できるような、そのようなことはあっていいのではないかと私は思うのです。これは、どこかの宗教とつるむと、ほかの宗教はどうなのかとか、その昔、国家神道があったみたいな話があって、触らぬ神に祟りなしみたいなところがあるのかもしれませんが、別に厚労省にああしろ、こうしろとかは全く言うつもりがないので、国民の1人として、宗教の方たちもやはり何らかの形でコミットできるような、そういう道を開くようなことを是非班長先生には考えていただきたいというのがあります。
○篠崎班長 それはすごく重要だと思います。ただ、こちらから宗教にアプローチするとかそういう問題ではなくて、これは普及啓発のいちばん大事なところで、宗教に限らず、メディアに限らず、いろいろな方がアクセスできて、自分たちがものを考える。勉強していないから考えていないというのがたぶん、いままではそれほど知られていなかったのだと思うのです。ですから、先ほど言った哲学的な意味でも、我々がもうちょっと深まって、理論が深まったときにたぶん皆さんが船に乗ってこられる話だったと思うのです。それは、やはり我々がもう少しプロフェッショナルなところの、各救急であったり移植の先生であったりが議論を進める中で、おそらくそういったところに話を聞きに来たり、勉強に来たりということになると思うのです。それを我々は深めていくということがたぶんいちばん大事な普及啓発の原点なのではないかと思います。ということで、ごめんなさい、時間がないので、以上で事務局に渡したいと思います。
○秋本補佐 本日は活発なご議論をいただき、ありがとうございました。いただいたご意見を踏まえまして、7月の法改正の施行に向けた周知を進めていきたいと考えております。その際には、具体的な内容等について各先生方にもご相談することがあると思いますので、その際には、何卒よろしくお願い申し上げます。
 次回の日程につきましては、各先生方の日程を調整させていただき、文書にてご連絡を差し上げます。先生方におかれましては日程の確保等、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
○篠崎班長 では、ご苦労さまでした。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室
 代表 : 03(5253)1111
 内線 : 2366 ・ 2365

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