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2014年8月8日 第1回「乳幼児栄養調査企画・評価研究会」

雇用均等・児童家庭局母子保健課

○日時

平成26年8月8日(金)15:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第17会議室


○出席者

委員

吉池委員(座長)
阿部委員
石川委員
尾島委員
堤委員
清水委員

事務局

桑島母子保健課長
木下母子保健課長補佐
杉原母子保健課長補佐
米倉栄養専門官

○議題

1.開会
2.議題
(1)平成27年度乳幼児栄養調査の方針について
(2)調査の枠組み(案)及び調査項目(案)について
(3)その他

○議事

○木下母子保健課長補佐 

それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回「乳幼児栄養調査企画・評価研究会」を開催いたします。

 本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 私は、母子保健課の課長補佐の木下でございます。座長選出までの間、議事進行役を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、研究会の開会に当たりまして、母子保健課長の桑島より御挨拶申し上げます。

 

○桑島母子保健課長 

乳幼児栄養調査企画・評価研究会ということで、大変お忙しい中、また非常にお暑い中お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。委員の皆様方におかれましては、日ごろから母子保健事業、さまざまな御支援を賜っていることを、まずこの場をおかりしまして御礼を申し上げたいと思っております。

 さて、この調査でございますけれども、先生方に釈迦に説法ですが、母乳育児の推進ですとか、あるいは妊産婦さん、乳幼児さんの食生活に関するさまざまなガイドラインを国でいろいろと動かしているわけですけれども、そのベースになるところの調査、10年に1回の調査でございます。昭和60年が第1回目でございまして、その後、平成7年、17年と、そして来年の27年ということで、10年ごとの調査でございますけれども、非常に貴重なデータをとることになるわけでございます。

 一方で、私どもは先生方にいろいろとお力をいただく中で「健やか親子21」という事業も展開してございまして、来年度から第2次の健やか親子が展開されてまいります。また政府のいろんな事業も子どもに対する支援が非常に注目をされてございます。そういう意味で、こうしたお子さん、それからお母さん、妊産婦さんのいろんなベースとなるデータというのはこれからも大いに活用されるものだと思ってございます。

 今回のこの研究会においては、来年の調査についてさまざまな先生方の御意見をいただきますが、例えば平成17年のときから社会情勢は変わっておりますので、そういう意味で今ある調査項目をどう変えていくのか、あるいはどういう聞き方に変えるのかというようなことをぜひ先生方のお知恵をいただきながら、今日、ある程度まとめていきたいと思ってございます。

 全体で3回程度この会議をやらせていただきたいと思ってございますので、何とぞ忌憚のない御意見をいただきましていい調査になるように私どもは努力してまいりますので、御協力のほどをお願い申し上げて御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 

○木下母子保健課長補佐 

カメラの撮影につきましては、ここまでとさせていただきます。

 続きまして、本日、初回となりますので、構成員の先生方を五十音順に御紹介させていただきます。お手元の資料1、開催要綱の別紙に名簿を添付させていただいておりますので、御参照ください。

 順に、国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部部長、阿部彩構成員です。阿部構成員につきましては、5~10分程度遅れるとの御連絡をいただいております。

 国立保健医療科学院生涯健康研究部上席主任研究官、石川みどり構成員です。

 ただいま阿部先生がいらっしゃいましたので、紹介が今終わったところで失礼いたしました。

 浜松医科大学健康社会医学講座教授の尾島俊之構成員です。

 順天堂大学大学院医学研究科小児思春期発達・病態学講座主任教授の清水俊明構成員です。

 相模女子大学栄養科学部健康栄養学科教授の堤ちはる構成員です。

 青森県立保健大学健康科学部教授の吉池信男構成員です。

 続きまして、事務局を御紹介いたします。

 先ほど御挨拶いたしましたが、母子保健課長の桑島でございます。

 母子保健課課長補佐の杉原です。

 母子保健課栄養専門官の米倉です。

 続きまして、本日配付しております資料の確認をさせていただきます。

 配付資料といたしまして、議事次第、座席表のほかに、資料といたしまして9点、そのほかに参考資料として6点ございます。

 お手元の資料を御確認いただきまして、資料の欠落等ございましたら、事務局までお申しつけください。

 続きまして、本研究会の運営についてですが、資料1の開催要綱をごらんください。

 「4.運営」にありますように、本研究会は原則として公開となっております。議事録や資料についても原則公開となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入る前に座長の選任を行わせていただきたいと思います。

 本研究会では、資料1「『乳幼児栄養調査企画・評価研究会』開催要綱」の「2.構成」にありますとおり、座長は構成員の互選により定めることとしております。そこで、座長に推薦したいという方を御推挙いただきたいと思いますが、どなたかいらっしゃいますでしょうか。

 堤委員、どうぞ。

 

○堤委員

 吉池構成員を推薦いたします。

 吉池構成員は前回の乳幼児栄養調査の委員であり、その後、継続的に母子保健施策にも深くかかわっていらっしゃいますので、前回の検討の経過なども踏まえて検討していけるのではないかと思います。

 

○木下母子保健課長補佐

ありがとうございました。

 ただいま堤構成員より、吉池構成員の御推薦がございましたが、他の委員の皆様、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

 

○木下母子保健課長補佐

 ありがとうございました。

 それでは、本研究会の座長は吉池構成員にお願いしたいと思います。

 以降の議事の進行につきまして、吉池先生に御挨拶とともに進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○吉池座長

進行の方をこれから務めさせていただきます。大切な議論をたくさんしなければいけないということなので、長い挨拶は抜きにして、早速議事のほうに入らせていただきたいと思います。

 本日も先生方から参考となるような資料の御紹介をいただき、その後、具体的な議論を進めていくということですので、進行の御協力をお願いしたいと思います。

 それでは、早速、来年度の乳幼児栄養調査についての調査の方針と調査の枠組みの(案)及び調査項目(案)について、事務局で資料を用意いただいていますので、検討していきたいと思います。

 まず、事務局から調査概要について御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○米倉栄養専門官

 それでは、資料2と資料3で乳幼児栄養調査の現状につきまして説明させていただきます。

 まず、資料2をごらんください。

 「1 調査の目的」ですが、本調査は、全国の乳幼児の栄養方法及び食事の状況等の実態を調査し、母乳育児の推進や乳幼児の食生活の改善のための基礎資料を得ることを目的としております。

 調査の対象と客体につきましては、前回調査ベースですと、調査年次と同年の国民生活基礎調査において設定されております単位区から無作為抽出した2,000単位区内の4歳未満の子どものいる約3,000世帯を対象といたしまして、その世帯員である4歳未満のお子さん、約3,500人を客体といたしました。

 平成17年度調査における解析対象者数は2,305世帯、2,722人であり、各年次の人数は「3 調査客体の概要」の対象児の状況にお示しするとおりでございます。

 また、大変申しわけございませんが、1点訂正がございます。この状況のところの左から3枠目「1歳~1歳未満」と誤記がございました「6か月~1歳未満」と改めさせていただきます。

 続きまして「4 調査の時期」のところに移ります。

 調査は、調査年の9月に実施することとなっておりまして、調査員が被調査世帯を訪問し、子どもの母親、もしくは子どもに食事提供を行っている養育者に対して調査票を記入していただき後日回収するという留め置き方式で調査を実施をしております。

 それでは、「5 調査の項目」につきましては、資料3で説明をさせていただきます。

 資料3は、乳幼児栄養調査の調査項目の枠組みをお示ししたものでございます。

 まず、表側についてです。真ん中の調査項目というところがございますが、こちらに各年次の調査項目を全て書き出しました。また、これをある程度、同様のくくりでまとめたものを中項目、大項目という形で分類させていただいております。この結果、この本調査におきましては、属性のほかに「就労・出産の実態」、「母乳育児の実態」、そして、2ページに進みますが、「離乳食の実態」、「幼児食の実態」、また3ページ目に進みまして、「子どもの実態」、「親の状況」を尋ねております。

 また、1ページ目にお戻りください。今度は表頭の右の欄の御説明をさせていただきます。

 これまで昭和60年の第1回調査から平成7年の第2回調査、そして平成17年の第3回調査でどのような調査項目を尋ねてきたのかということを○印でお示ししております。この○印につきましては、設問があるものは○、調査項目としては存在しますけれども、前回の調査方法と聞き方を変えたというようなものは●をしております。また、設問自体を削除した場合については×を示しております。

 なお、本調査におきましては30年続くという調査で、推移を把握できる貴重な資料、調査です。そこで、今後継続して把握する必要性のある項目を確認していきたいということから、備考欄に、脚注にもお示ししておりますとおり、過去3回の調査で設定されている項目や、第2回調査以降、継続的に現在まで調査をしている項目に☆印のマークをつけさせていただきました。具体的な項目については後ほどごらんいただければと思いますが、属性を除きますと、これまで何らか継続された調査項目は15問ということになります。

 ちなみに、これまで本調査において、どのような調査項目をどのようにとってきたかという内容につきましては、お手元の参考資料3に詳細版をお示ししております。今後、検討の際に参考になさっていただければと思います。

 また、あわせまして、参考資料としておつけしております参考資料1と2についても説明をさせていただきます。

 参考資料1は、直近調査である平成17年度の乳幼児栄養調査の調査票をおつけしました。また、参考資料2には、平成17年度の調査結果の概要をおつけしております。

 この調査結果の概要につきまして、平成17年度の調査結果公表時に特に取り上げられた事項といたしましては、9ページにお示ししております「ベビーフードの使用状況について」、14ページ・16ページに示しております「授乳や子どもの食事について不安な時期や内容について」、 そして、3点目としては、19ページにございます「親と子どもの朝食習慣について」などが、当時の私どもの概要発表やその後のマスコミ等において取り上げられていた内容でございます。

 以上が乳幼児栄養調査の概要になります。

 

○吉池座長

 御説明ありがとうございます。

 過去3回の大枠に関して御説明をいただいたのですが、今さらっとだけ資料の確認をし、参考資料1をごらんいただいてイメージ共有したいと思います。基本的に、10年前の前回の調査票を参考としながら、必要なものは積極的に変えていくということです。また、先ほど資料3の御説明にあったように、過去からの流れの中で継続的に把握すべきものはおさえていくということです。従って、継続的に把握すべきところと、少し姿を変えて継続的に見ていくところと、完全に入れかえる事項についての議論を、参考資料1の10年前の質問票を見ながら、これから考えていくことになります。

 詳細についての御質問等については、後段で具体的な質問項目の検討に入ったときにいただければと思いますが、大枠について御説明いただいた範囲で御質問がありましたら、今、受けさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、先生方から大事な事項について御説明をいただくことが前半のメインとなりますので、御発表をお願いします。

 特に、最近の母子保健施策の状況あるいは社会情勢なども変化していますので、新たな課題について、ディスカッションを深めていきたいと思っております。

 3人の先生方には大変恐縮ですが、質疑応答を含めてお一人15分程度ということでお願いします。

 最初に、尾島先生から御説明いただきます。

 「健やか親子21」については、関係者、関係機関・団体が一丸となって推進している国民運動計画ということで継続されており、概要については参考資料4にも示されております。昨年、最終評価が行われ、今年5月に第2次の報告書がまとめられているという状況を踏まえて、尾島先生が関わられた「健やか親子21」の最終評価及び第2次の計画から見えてきた課題と実態把握が必要な項目について御説明いただきます。資料4をごらんいただければと思います。

 それでは、尾島先生、よろしくお願いいたします。

 

○尾島委員

 それでは、資料4に沿いまして御説明をさせていただきます。

 今、吉池先生からお話のありましたように「健やか親子21」の基礎データをつくる研究会に関わらせていただきまして、その経験に基づいて今回の調査に御提案したいと思っております。

 まず健やか親子についてですが、21世紀の母子保健の主要な取り組みを提示したビジョンということになっておりまして、こちらに書いてございます4つの主要課題を掲げてやってまいりました。平成13年にスタートしまして今年度までということになっております。昨年度から、昨年の7月から検討会を重ねて実施されておりまして、11月に最終評価ということでこれまでの取り組みの評価を行ったということになっております。

 この4つの課題について最終評価しました結果、8割の項目で一定の改善が見られました。今回の調査に関連します食に関連することとしましては、朝食を欠食する子どもの割合という指標が1つございますが、これが性別や年齢によって改善した層と、かえって悪化した層とございまして、男女、また各年齢層で傾向が異なって、総合的には評価できないという結果になっております。

 一方で、ともあれ今後も欠食する子どもの割合がさらに減少するように取り組む必要がありまして、子どもや親の生活習慣や、また親の欠食の状況などについても検討する必要があると思います。

 また、健やか親子の第2次の検討も行われておりまして、資料の後ろのほうにございます参考資料4というところに「健やか親子21」の概要がございます。それの2ページをごらんいただきますと、第2次の次期計画の枠組みが書いてございます。先ほどの従来版は4つの課題だったのですが、新しい第2次の計画については、基盤課題A、B、Cというものと重点課題1、2という枠組みで考えようということで一部バージョンアップしております。基盤課題Aが「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」、基盤課題Bが「学童期・思春期から成人期に向けた保健対策」、基盤課題Cが「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」ということで、人と人とのつながりなども考慮してやっていく必要があるという考え方になっています。

 重点課題として、「育てにくさを感じる親に寄り添う支援」ですとか、「妊娠期からの児童虐待防止対策」という柱を立てて作っております。

 また、資料4に戻っていただきまして、こういう子どもの心身の健康に影響を与えます身体活動や睡眠などについても取り組みが必要ですし、また、インターネットの活用など時代の変化によりまして新たな健康課題も明らかになっておりまして、こういう幼児からの生活環境や生活習慣についても、今後、実態把握や調査研究を進めることが必要だということで進めております。

 以上のようなことで健やか親子は進めているのですが、その中から今回の調査について、こんな考え方をしてはどうでしょうかということで幾つか御提案したいと思います。

 2ページに移っていただきまして、子どもの発育、発達や小児期からの生活習慣病対策として重要と考える項目について、前回の平成17年度調査で入っていないのだけれども、これから考えていくべきではないかという項目について追加をすべきものがないかということを検討してみました。

 基本的にはナショナルデータとして継続的に推移を把握する必要性が高い項目があればそれをぜひ入れていただければと思いますし、また一部、他の調査項目との関連性を検討する意義が高いものがあれば、そういうものも入れていただけると良いのではないかなと思っております。

 この調査は全国の大きな調査ですので、新しい調査の項目をぱっと入れるというよりは、既に何かの調査で行われている項目を優先して入れるということで考えております。

 直接的な食に関するもの以外で身体活動、睡眠、歯、テレビやゲームなどに関するものですとか、家庭環境・親の生活習慣に関する項目を御提案できればと思っております。

 以下、9項目御提案させていただいております。1つが身体活動に関する設問として、下に書いてございますように文部科学省の体力向上の基礎のための幼児期における実践活動のあり方に関する調査研究報告書というもので調査されている項目でして、こちらはモデル事業を行っています幼稚園とそうでない幼稚園と幾つかの幼稚園で調査を行っているものです。お子様の遊びは室内と室外とどちらが多いですかとか、お子様が外遊びをする時間はどのぐらいですかとか、あとは先ほど申し上げました人と人とのつながりなどにも関連しますが、お子様がよく一緒に遊ぶ友達は何人ぐらいですかとか、こういう項目が入っておりまして、このあたりは検討する価値があるのではないかと思っております。

 3ページをごらんいただきますと、睡眠に関する質問についてです。これは平成17年の調査票で問21ということで、子どもさんの起床時間と就寝時間を聞いています。子どもさんの睡眠リズムと親の睡眠リズムにも影響される部分も非常に大きいと思われますので、子どもさんについての質問に加えて、母親の起床時刻、就寝時刻を聞く意義も大きいのではないかということで、それを提案したいと思っております。

 なお、ほかの調査では、この選択肢がもう少し細かい単位で聞いているものも多いのですが、過去からの継続性ということを考えると現行の選択肢で、親の場合、選択肢の時間帯を少しずらす程度の修正がいいのかなと思っております。

 3ページの下半分は歯に関する質問です。17年度の調査では、虫歯の本数について聞いておりました。この調査全体的には生活習慣を聞いておりますので、歯に関する生活習慣をもう少し聞けるといいかなと思っております。

 歯については、歯磨きとフッ化物の利用と甘いものの摂取、そういう3つが非常に影響するのではないかなと思っております。食べるものについてはほかの項目でいろいろ聞いてございますので、歯磨きということで仕上げ磨きについてと、あとフッ化物については、今、歯磨き剤はほとんどフッ化物が入っておりますので、あまりフッ化物という聞き方ではなくて歯磨き剤を使用しているかどうかという聞き方はどうかなと思っております。これらの項目について、それぞれ21世紀出生児縦断調査ですとか、あと平成21年の国民健康・栄養調査などで聞いているものを若干簡略化して入れてはどうかなと思っております。

 最後、4ページですが、健やか親子の第2次でもインターネットの活用など時代の変化に関する子どもの生活習慣の変化もこれからの課題だということがございまして、テレビやゲーム、またそういうインターネットなどの媒体の使用ということも調査する意義があるのではないかと思っております。1つは、1日にどのくらいテレビを見ますかということを聞いてはどうかと思っております。こちらは文部科学省のほうで、小学生、中学生に聞いている調査がございまして、乳幼児に継続的に日本全体の代表サンプルに聞いているのはなさそうですので、こういうものを把握する必要はあるかなと思います。

 あと、もう一つは細かい質問になってしまうのですが、NHKが東京から50km圏に住む4か月から就学前の幼児に対して1,000人ぐらいの規模で調査しているものがございまして、このうちお子さんが自分で使っているものを幾つでも答えてくださいということで、いろんなテレビゲームですとかパソコンとかスマートフォンとかそういうのを聞いております。結果に驚いたのですが、3歳前半でスマートフォンを子どもが自分で使っているという子が16%いたりとか、パソコンを自分で使っている子が5%いたりという状況がありまして、このあたりも日本全体でどうなのかというのを把握していくのも意義があるのではないかなと思っています。

 以上、このあたりも御検討いただければと思っております。

 

○吉池座長

 大変重要な御提案、ありがとうございます。

 本調査にどのよう取り入れていくかの議論はまだ後段で行いたいと思います。まず、御説明いただいたことに対する質問がございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 お願いします。

 

○清水委員

 生活習慣病対策ということで、どういう項目がそれと関係するかということでいろいろ項目を挙げていただいたかと思います。実際、この項目と生活習慣病、将来の生活習慣病、あるいは生活習慣病までいかないまでも肥満とか、その辺のところの関連性がエビデンスとしてある項目であるのかどうかということをお伺いしたいと思います。

 

○尾島委員

 正直申し上げますと、きちんと文献の検索はしておりません。特に今回御提案しました質問項目自体は国のほうで断面的に調査で使われている項目ですので、多分全く同じ設問との関連性という研究はもしかしたらないかもしれないと思います。一方で、例えば最初の身体活動については、従来の色々な研究で身体活動と生活習慣病というのは関連があることは明らかだと思いますし、次の睡眠につきましては若干微妙ではございますが、最後のメディアの利用については、うろ覚えでそういう報告があったようには記憶しております。またこの項目でまだエビデンスがない場合にも、概念としては生活習慣病に関連するような重要な領域ではないかなと思っています。

 

○清水委員

 どうもありがとうございました。

 

○吉池座長

 ほかにございますでしょうか。

 それでは、検討については後ほど行います。続きまして、石川構成員から情報提供をいただきたいと思います。石川先生は参考資料5にあります研究班の中で、乳幼児期の栄養に関する指導内容について平成24年に調査をされております。その結果を踏まえて見えてきた子どもの食に関する心配事やフォローに関する課題など、御説明いただきます。資料5をごらんください。

 それでは、石川先生、よろしくお願いします。

 

○石川委員

 よろしくお願いいたします。私は調査項目の提案はまだできないのですけれども、先ほど御説明がありました厚生労働科学研究費補助金「乳幼児健康診査 の実施と評価ならびに多職種連携による母子保健指導のあり方に関する研究(研究代表者:山崎嘉久) において実施しました調査の結果から参考にしていただける内容があるのではないかと思い、資料をつけさせていただきました。

この研究班では、乳幼児健診における母子保健・栄養指導の手引を作成することを最終目標としているのですが、分担研究 栄養学から見た妊婦・乳幼児健診における母子保健指導のモデル開発に関する研究 」において、乳幼児健診時にどのような栄養指導が行われているかについて、市町村の栄養指導に関わる担当者を対象にした全国調査を実施いたしました。

 資料5をごらんください。乳幼児期の栄養指導についての国の指針、ガイドラインがいろいろ出ていますけれども、それらの中で、どのように乳幼児期に重要な栄養指導のポイントが示されているかを整理しました。そして、市町村の現場では、実際にそれらの栄養指導が行われているかについて、全国市町村を対象に調査をいたしました。その結果につきまして、資料5の次のページ、表1、表2にあります。

  表1は、乳児期の栄養指導についてです。表頭にお示ししてありますように、国から「母子健康手帳」、「授乳・離乳の支援ガイド」、「楽しく食べる子どもに」という3つの指針、ガイドラインが出ております。表側をごらんください。

 「健康日本21」の第1次の枠組みに基づいて、QOL、健康・栄養状態、食事内容、食生活習慣、ソーシャルサポートに分類し、それぞれにおいて乳幼児期に必要な栄養指導として示されている項目を整理いたしました。

 表2も同様に幼児期の栄養指導についてです。「母子健康手帳」、「母性及び乳幼児に対する健康診査及び栄養保健指導の実施について」、「楽しく食べる子どもに」、「保育所における食育に関する指針」がありますので、それらの中でどのような栄養指導に関する内容が示されているかを整理したものになります。

 これら項目に基づき調査枠組みを作成し、 市区町村の母子保健事業の栄養担当者を対象に 栄養指導の状況を調査いたしました。その調査項目のひとつに「あなたの関わる乳児期の子ども、もしくは幼児期の子どもには、どのような心配事が多いですか。また、そのようなケースについてどのようにフォローしていますか。多いケースを1~3つ程度教えてください」という自由記述の設問を設けました。その結果を示します。

987 市町村から回答がありました。自由記述の分析方法は、KJ法を用いて複数名でカテゴリー化しました。それらをさらに分類したカテゴリーとしたものをQOL、健康・栄養状態、食事内容、食生活習慣、ソーシャルサポートからなる枠組みに位置づけ整理したものが表4の結果になります。

 乳児期の栄養指導における心配事として、QOLでは育児不安がありました。健康・栄養状態では食物アレルギーがありました。また、体重の増加不良と過多も出てきました。成長曲線や母乳・ミルクの回数、時間、離乳食の内容、量を確認するという内容もありました。

 食事内容、食生活習慣では、離乳食の固さ、適量、離乳食の進め方、つくり方などの心配事があがっておりました。

 幼児期の栄養指導に関しては、健康・栄養状態では主な心配事として、肥満、体重増加とがありました。その他に、貧血、便秘、虫歯、食物アレルギー、精神発達に関する心配事があがっておりました。

 食事内容では小食、野菜についてあがっております。また、間食についてもあがりました。

 食生活習慣については、咀嚼、嚥下について、また、偏食・好き嫌い、むら食い、遊び食べがありました。

 表3をみていただきますと、心配事に対し現場ではどのようにフォローしているかの事例を記載しております。多かった記載としては、食物アレルギー、発育、発達、また離乳食の進め方について食べ方などがありました。

 幼児期については表4になります。アレルギー、食事量、間食、偏食などが記述としては多くあげられておりました。

ただし、本調査は子どもや家庭を対象とした調査ではなく、市町村の栄養指導を行っている担当者に対する調査ですので、専門家から見た住民の皆様に多い心配事ということになります。

 以上です。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。

 それでは、石川先生の御説明に対して御質問をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。清水先生、よろしくお願いします。

 

○清水委員

 大変詳細にフォロー例ということで挙げていただいたのですけれども、実際にガイドラインを3つ挙げていただいているのですが、これでうまくフォローできなかったのかどうかというところが知りたいところなのです。

 

○石川委員

 これ以外の項目で何か挙がってきたかということでしょうか。

 

○清水委員

 一応こういうふうな指導をするということはあるのでしょうけれども、そのガイドラインでうまくそれについて記述がなかったとか、書いていなかった、ガイドラインをうまく利用できないようなことがあったかどうかというところだと思うのです。

 

○石川委員

 表3と表4を見ていただくとわかるのですけれども、心配事として挙げられたカテゴリーと、その真ん中にフォロー例がありまして、一番右にガイドラインでの位置づけと書いてあります。こちらに、例えば一番上ですと母子健康手帳のこのページに書かれているようなことを参考にしているということがあるのですが、反対に何も書かれていないところというのは、今のところガイドラインには明確に示されていないけれども、実際に現場でフォローしているという項目になります。

 

○清水委員

 そこをちょっとお伺いしたくて、対応をうまくできていないのであれば、この辺のところをうまく対応していかなければいけないという結果なのかなと思いました。

 

○石川委員

 ありがとうございます。これは親自身の心配事ですが、経済的な心配などもあがってきております。

 

○吉池座長

 今の事に関連して、私のほうから質問させていただきます。

 フォローして大丈夫だったという例もあれば、そうでない例もあると思われます。

大丈夫ではない場合、それが専門家個人の範囲ではなかなか難しい場合には、何らかの積極的な対策が必要であると言ったような、施策提言につながるようなことは何か見えてきたのか。その辺、教えていただけたらと思います。いかがでしょうか。

 

○石川委員

自由記述を見ていますと、食事の心配事もありますけれども、生活の中での食事というのが大切であること、また、栄養指導の中でも育児不安や経済的不安など生活全般の内容が出てきたりします。そういう意味では食事を含めた生活の視野が重要であり、研究班のテーマでもある他の職種とどのように連携を進めていくかというところが課題になるかなと思っています。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。

 ほかに先生方、何か御質問はありますか。よろしいでしょうか。

 それでは、情報提供の最後として、阿部構成員から情報提供していただきます。阿部先生におかれましては、これまでも子どもの貧困について数多くの研究を進めてこられております。子どもの貧困は子どもの食生活や健康問題にまで影響を及ぼすのではと言われております。社会経済的要因などについて、現在わかっていることなどを御説明いただきます。資料6をごらんください。

 では、先生、よろしくお願いします。

 

○阿部委員

 御紹介ありがとうございました。私は本当に栄養面や医学面では全くの門外漢でございまして、今、御紹介に上がりましたように貧困のことをメインに研究しております。

 私もこの調査に関しての御要望というのをこれから詳しく話し合っていきますけれども、特に心配されるような食生活をなさっているお子さんたちはどのような御家庭に属しているのか、また、それを支援するためにはどのようなことが必要なのかを解明できるような説明変数を加えさせていただきたいなというのが私からの要望です。

 現在、特に乳幼児については、食生活についてのデータは私もほとんど存じ上げておりません。子どもの小学校、中学校のものを幾つか持ってきたので、それをもとにお願いさせていただきたいと思っております。

 1ページ目のところは、真ん中にSESとありますが、これが社会経済階層とした場合、そこはただ単に金銭的な余裕ということだけではなくて、例えば、時間的な余裕、また知識の欠如、生活習慣、これは何遍も語られているところだと思いますけれども、地理的なアクセスの状況や、また親御さんの意欲といったようなところが非常に影響されているというのはほかのデータからもわかってきております。特に親の健康状況として、例えば鬱の状況ですとかといったようなものもありますので、そうすると、お子さんのお食事をつくるような状況もないというようなことがありますので、このような幾つもののSESの影響の中で、どのようなところが特にお子さんの食生活に影響しているかということをピンポイントでわかるようになればいいのではないかなと思います。

 1ページめくっていただいて、これは皆様御承知おきのことかと思いますけれども、相対的貧困率、つい先ほど、平成25年度の数値が発表されました。子どもの貧困率は16.3%ということで、6人に1人という数値になっております。

 また、下のところは、これは私の研究所が出した2012年の調査ですけれども、これは一般世帯、子どもがある世帯だけではなくて全ての世帯の集計ですが、ここでは、例えば過去1年間の間に金銭的な理由で家族が必要な食料が変えなかった経験がありますかと聞きますと「よくあった」「ときどきあった」「まれにあった」まで含めますと約15%の御家庭があったと答えていらっしゃいます。

 この同じデータを世帯類型別に見たものがスライドの4となります。特に子どもがある世帯についてを囲ってありますのでごらんいただきますと、やはり貧困率も非常に高いのですけれども、ひとり親世帯が非常に高い状況にありまして、ここではひとり親世帯3世代というのは、ひとり親の親御さん、多くの場合は母親ですけれども、その親と同居している3世代の世帯ということになります。

 2世帯というのがひとり親とお子さんのみの世帯ですけれども、一番状況が厳しいひとり親世帯、2世帯になりますと、「まれにあった」まで含めると4割近い方が食料が買えなかったと答えていらっしゃいます。

 このような御家庭というのは、そのほかにももちろん色々な経済的な制約というのを抱えておりまして、その下の表は、過去1年間の間に電気料金、ガス料金、電話料金、家賃、その他債務を払えなかったことがあるか、金銭的な理由から払えなかったことがあるかということを聞くのですけれども、これもひとり親世帯であれば大体もう10%以上、1516%が払えなかったと言っておりますし、親世帯であっても5%ぐらいが払えないことがあったと言います。

 家計のほうの調査からは、やはり電気料金やガス料金というのは比較的に固定的に必要経費として出ていくものだということがありまして、その前に家計の中で一番圧縮されるのが食費です。食費は圧縮することが可能ですので、この状況の前にかなりの食費の圧迫というのがあったのかなと思います。

 その次のページが、所得階級別で見ると、これは非常に相関があるということを申したものです。

 そのスライドの7からは、2010年に大阪市の教育委員会から御協力を得まして、小中学生のそれぞれ3,200名を対象に行った調査です。お子さんと保護者の方々に答えてもらっているのですけれども、まず、この中で朝食の欠食ですとか、誰と食べるかといったようなもの、朝食と夕食、平日と休日というのは別々に見ておりますけれども、やはり貧困層とそうではない層では統計的に有意な差があるということを申しております。そこら辺は皆さん御存じのデータだと思いますので、飛ばさせていただきます。

 最後に、スライドの11になりますけれども、これは厚労省の21世紀出生児縦断調査で7歳時点のウェーブで、それまでに何回貧困であった年数があったかというのを説明変数としています。

 それで見ますと、身長、体重でも差が出てきておりまして、特に一番気になるところは、やはり肥満率が貧困経験が多いほど、年数が多いほど多いといったようなことも見られております。ですので、実質的にも既に乳幼児であっても、かなり健康のところで格差というのが生じているのではないかと思っています。

 また、その次の12ページのところですけれども、これは今ちょうど子どもの貧困対策法の大綱が今週、来週にでも発表されるというような状況なのですけれども、その中で子どもの貧困の指標というのを国として定めていこうと言われております。

 その中で、食の項目は今のところ検討されてもいないという状況ですけれども、例えばEUでは相対的貧困率に加えて相対的な剥奪指標というのを使っておりまして、それを公式な貧困指標として定めているのです。そのうちの子どもの剥奪指標の中では18項目のうち、食に関する項目は2項目あります。

 1つめが、新鮮なフルーツか野菜を毎日食べることができるか、できないか。

 2つめが、肉、鶏肉、魚を毎日食べることができるのかといったものです。

 1日3食は統計的な妥当性に欠けるということで削除されております。ですので、日本も子どもの貧困指標と考えたときに、食の観点から指標というのをぜひ検討するべきだと私は思っておりますし、そのためにどういった項目が重要なのかということをこの調査から得ることができればいいなと思っております。

 つい2~3日前ですけれども、村山伸子先生のプロジェクトで小学校の子どもの食の調査では、インスタントラーメンとかカップラーメンを食べる割合が多いといったようなものが統計的に出ております。これから村山先生がさらに詳しい栄養の栄養価の分析をなさると聞いておりますけれども、そのような調査の結果も使いながらそういうことができればと思いました。

 私からは以上です。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。

 御質問はありますでしょうか。

 尾島先生、どうぞ。

 

○尾島委員

 こういう方々に調査をしたときに、回収率が低くなりがちだと思うのですけれども、こういう方々の実態をうまく把握できるために何かこれまでの調査で工夫されているものとか、そういうものはありますでしょうか。

 

○阿部委員

 確かに回収率が下がることはあるのですけれども、一般的なものに比べまして、これは国民生活基礎調査の後続調査ですね。保健所から派遣される調査員がなさるという恐らく枠組みだと思うのですけれども、私どもの調査でも全く同じように後続調査でやっておりますので、一般の大学がやる調査ですとか、民間の調査会社に委託するような調査に比べて、低所得層は比較的きちんと把握されるのではないかと私は思っています。

 また、訪問調査であるということと、あと子どもについて聞くというのは比較的に答えてくださるのです。御自分の状況ということをなかなか話さなくても子どものことについては答えてくださる。心配なことは、所得ですとかSESをきちんととることができるかといったところですけれども、そこはいろいろ工夫しながらやっていけるのではないかと思います。

 

○尾島委員

 ありがとうございます。

 

○吉池座長

 ほかにございますでしょうか。

 私のほうから、スライド11に関してお聞きします。縦断調査ですので、貧困経験年数、何回そういう形で貧困という状況を経験したかということと、肥満率との関連が見られたということでした。これは7歳の時点ですが、もう少し低い年齢においても、貧困があり、食事の質が十分保たれていないと肥満が多いということについては、海外などでは言われているという理解でよろしいでしょうか。

 

○阿部委員

 4歳、5歳であらわれているというのは、きちんと私も確認しておりません。もう少し大きい年齢のお子さんであればきちんととれているかと思いますけれども、年齢効果というのもあるので、何歳の時点でというのはあるかと思います。これは7歳の時点で、6歳のときまでのことを聞いており、この調査は6歳までなので、かぶっている部分は多いのではないかなと思います。

 もしかして、肥満度以外の健康のところが出てくるかもしれないのですが、もし国民生活基礎調査の後続調査なのであれば、健康票とマッチングすることができると思います。ですので、子どもの健康状況をより詳しく見ることができるのではないかなとは期待しております。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。

 1つの仮説としては、肥満の側に寄る方とやせの側ということがあるので、現状の調査では、調査時点の身長、体重データが得られないので、その情報を積極的に得ていく必要があるかどうかという議論に結びつくかなと思って伺いました。ほかに先生方ございますでしょうか。

 それでは、具体的に平成27年度の調査をどうしていくかという議論のほうに入っていきたいと思います。

 まず、方針についてと調査の枠組み(案)及び調査項目について、事務局のほうで案をつくっていただいております。事務局から資料7、8について御説明をお願いいたします。

 

○米倉栄養専門官

 それでは、資料7と資料8を使いまして、平成27年度の乳幼児栄養調査の方針(案)につきまして説明させていただきます。

 まず「1 調査のねらい」についてです。

 本調査は、全国の乳幼児の栄養方法や食事の状況等の実態を明らかにすることにより、母乳育児の推進、また乳幼児の健康を目指した生活習慣や食生活の改善等につながるようなデータを収集し、解析することとしております。

 また、本年5月に取りまとめました「健やか親子21」の第2次の指標、また取組の推進に必要な項目であって、特に乳幼児について把握できる項目については、本調査で実態を把握することと考えております。

 続きまして「2 調査の企画の考え方」に移ります。

 先ほど尾島委員からも御説明いただきましたが、昨年「健やか親子21」の最終評価を行いまして、今後10年を見据えた課題への対応についてお示しをしたところでございます。

 このため、過去の本調査により明らかになった乳幼児の栄養状況等を把握しつつ、現在の母子保健施策の実態や方向性も踏まえまして調査項目を設定していく必要があるのではないかと思っております。ただし、本調査の調査項目数は大体問いとして30問程度、またA4サイズで8ページ分と限られております。

 なお、調査項目の在り方については、1ページ目、2ページ目にお示ししたように、3つの観点で検討してはどうかと考えております。

 3つの観点と申し上げますのが、(1)継続して把握する項目、(2)見直しを検討する項目、(3)削除する項目という3つになります。

 まず、1ページ目、中段あたりにございます(1)継続して把握する項目についてですが、本調査の目的のために必要な項目であって、尾島構成員からもお話が若干出ましたけれども、ナショナルデータとして扱われている項目、あとは継続的な変化を評価する必要がある項目というものは大事かと思いますので、引き続き継続して把握する必要があるのではないと考えています。

 具体的に申し上げますと、ナショナルデータとして利用されているものとしては、母乳、人工乳、離乳食といった乳児期の栄養方法の割合等がございます。また、継続的な変化の評価につきましては、先ほど資料3でお示しいたしましたが、資料3の備考欄に☆印をつけさせていただいたものがこれにあたります。

 続きまして、1ページ目の下(2)見直しを検討する項目についてですけれども、こちらは大きく考え方としては3点ございます。

 まず、1点目としまして、1)「健やか親子21」の最終評価において、子どもだけでなく、子どもや保護者の生活習慣についても検討する必要があるということが示されました。しかし、本調査におきましては、朝食のとり方以外、子どもや保護者の生活習慣などを把握できてはおりません。

 また「健やか親子21」の第2次で参考とする指標として取り上げております誰かと食事を共にするという共食でございますが、この共食状況についてもこれまで調査されておりませんので、見直しを検討してはどうかと考えております。

 次に、2ページ目に移ります。先ほど石川構成員からも御説明いただきました授乳・離乳や子どもの食事に関する困りごとにつきましては、※印に書かせていただいておりますように、平成17年度調査においてはまだ把握できていなかった乳幼児期の新たな食事に関する心配事やフォローが研究班で把握されておりますので、こういったことも踏まえて検討の参考にしていってはどうかと考えております。

 続きまして、2ページ目のところの2)に移ります。

 本調査では、これまでの調査結果と比較検討できるようにすることが重要ではないかと考えておりますが、前回調査以降、例えば「健康日本21」ですとか、「食育推進基本計画」が改定されており、今回の調査で、追加が必要だと考えられる項目として、再度検討し直す必要があるかと考えております。

 また、子どもの食事の状況に関する調査項目でいいますと、例えば朝食欠食の状況などにつきましては、財団法人スポーツ振興センターから「児童生徒の食生活実態調査」が出されております。ここでは、小中学生や保護者の方々に朝食のとり方などを聞いた大規模な調査でございます。このような調査を活用することができれば、子どもの実態を継続的に比較検討ができるのではないかとも考えまして、関係府省庁等の他の調査方法についても参考にしながら、必要があれば調査内容の見直しを検討してはどうかとも考えております。

 続きまして、3)に移ります。

 今回「健やか親子21」の第2次におきましては、10年後に目指す姿を見据えて示させていただきましたが、その中で1.地域間での健康格差の解消が必要であるということ、

 また、2.個人や家庭環境の違いや多様性を認識した母子保健サービスの展開が重要であるということ、が示されたところでございます。

 しかし、本調査は前回調査結果で申し上げますと、2,305世帯、2,722人ということで、本調査ではどうしても都道府県格差を示すことは統計上難しい状況でございます。また、特に乳幼児におきましては、阿部構成員からも御説明いただきましたが、社会経済的要因により子どもの健康状態や食事の状況が影響を受ける可能性も指摘されておりますので、ここで世帯収入や世帯構成、また保護者の学歴等、社会経済的要因や対象特性を踏まえた、より丁寧なデータ収集の解析をできるよう検討してはどうかと考えております。

 以上が(2)見直しを検討する項目というものになります。

 そして最後に(3)削除する項目でございます。

 こちらは、前回調査で重点項目として取り上げておりましたベビーフードの使用状況や認識がこれにあたります。また、今後10年を見据えた課題として考えると、現時点においては既に優先度が低くなったのではないかと考えられるものにつきましては、調査項目が限られているということもございますので、削除を検討してはどうかとも考えております。

 なお、このあたりを整理するに当たりまして、資料8を用意させていただきました。この資料8は、先ほど紹介させていただきました資料3と同様の枠組みでまとめております。また、脚注にお示ししましたとおり、過去3回の調査で設定されている項目、もしくは平成7年以降、引き続き設定されている項目をピックアップしております。

 また、継続はされていないのですけれども、前回調査で新規に設定された項目については、継続の是非が現時点では不明ですので、あえてこの表に◇として加えさせていただきました。

 このほか、今回の方針(案)に基づきまして検討が必要と考えられる項目には下線を引きまして、その理由も別途右欄に「検討が必要な理由」として記載させていただいております。

 具体的に申し上げますと、1ページ目の属性については、「子どもの身長や体重」、また「保護者の学歴等」、「世帯収入」や「世帯構成」についてです。

 2ページ目の幼児食の実態につきましては、「食事の質」について、 3ページ目の子どもの実態につきましては、「共食の頻度」、「子ども身体活動の状況」や「子どものインターネット等の利用実態」、「虫歯予防のために必要な健康行動の実施状況」などについても新規追加の理由を記載させていただいております。

 最後に保護者の状況につきましては、「保護者の生活習慣」ということで、今は現時点では取り上げさせていただきました。

 なお、小項目の欄に新たに事務局で加筆をしている項目で下線が引かれていないものがございます。これは問番号を増やすということではなく、なるべく現在ある調査項目の質問項目を一部変更するというような対応をしながら、問数を大きく変えないように工夫できるのではないかということで下線をあえて引いてはおりません。この表につきましても、先生方の御見識も含めて、「継続する項目」、「見直しをする項目」、「削除する項目」など精査していただければと思っております。

 そして、最後に資料7の2ページ目に再度お戻りいただけますでしょうか。

 一番下にございます「3 実態を踏まえた施策展開に向けて」でございます。調査結果の利活用及び研究を推進する観点から、集計結果等につきましては、引き続きe-stat等においてエクセルデータで公表することとしたいと思っております。

 また、本調査は現在10年に1回の周期で実施しておりますが、これまで以上に、本調査の施策推進にあたって有効な実態把握となるようにするためには、母子保健政策や各種関連施策及び調査などの実施状況を踏まえ、本調査の実施年や実施期間、実施間隔が現在の進め方で有効なのかどうか、このあたりも検討していただければと思っております。

 さらに、資料にはお示しできておりませんが、母子保健法におきましては、就学前のお子さんを対象に、乳幼児の健康の保持増進に努めることというようなことになっているのですが、現在は対象が4歳未満となっております。これまで特に幼児に関する実態把握が十分にできていない部分もございますので、そういう意味も含めまして、多少年次を拡大するということにつきましても、今後の有効な施策展開に向けては必要かと思います。このあたりもぜひ御意見を賜ればと思います。よろしくお願いいたします。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。

 きょう、残された時間で資料8の「対応」という欄を全部埋めていくという作業がありますが、今の事務局の説明について、何か質問はありますでしょうか。

 では、進めさせていただきますが、まず、最後に御説明いただいた前回調査の現状について、平成17年度調査が4歳未満の子どもということでした。国際的には「アンダー5」を使うわけですし、母子保健上は、就学前の子どもにつながるとよりいいのではないか、今回検討に上ったようなことというのも恐らく5歳児ぐらい中心として重要なことがあるだろうと思います。まず、年齢範囲を4歳未満から就学前に広げるということについて、御意見をいただければと思います。その前提に立って項目を考えていきたいと思います。いかがでしょうか。

 

○阿部委員

 ぜひ増やしていただきたいと思います。

 

○吉池座長

 恐らく反対はないと思いますので、これまでの項目が乳児期、母乳・離乳等にかなり重点を置いていたものから年代を拡大し、阿部先生が御説明いただいたような社会的な課題も含めて施策につながるような調査をぜひともすべきであるということを、委員の総意として確認させていただきたいと思います。

 次に調査の間隔についてはいろいろな縛りがあるかと思いますが、例えばこういう項目を入れるに当たっては、やはり10年に一度では足りないのでという御意見があれば、後ほどいただければと思います。

 それでは、資料8をごらんいただきながら、平成17年度の調査票、参考資料1とあわせてごらんいただきたいと思います。

 まず、参考資料1の1ページ目のところが基本属性、フェイスシートの状況で、そこのところで下線が引いてある項目を追加してはどうかということになるかと思います。具体的には子どもの調査時点での身長と体重の自己申告ということになりますが、これを加える。学歴等、どのように尋ねるかについては、またさまざまな角度からの検討が要るのかもしれません。また世帯の収入、構成ということですが、どのように尋ねるかは置いておきまして、これらの下線部を加えるということについて先生方から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 阿部先生、お願いします。

 

○阿部委員

 これは分析の手法にも関わってくるのだと思いますけれども、実際に報告書を作る段階では、概要版を出しますね。それをどこかに委託するのか、それともこの検討委員会のところで実際に私たちがデータを回してやるのかといったところもあると思うのです。なぜそれが重要になってくるかといいますと、1つが、保護者については例えば母親の学歴というのは非常に重要だと思います。

 もう一つ、就労状況という必要があるかと思うのですが、こういったものは国民生活基礎調査の中に項目としてあるのです。なので、国民生活基礎調査とマッチングすれば、わざわざこちらで聞かなくてもいいはずです。また、総務省が申請の段階で国民生活と同じことを同じ世帯に2回聞くことになってしまいますので、それはやめてくれと言ってくる可能性もあります。そうすると、学歴等もとれなくなってしまって、マッチングしないとこの分析ができないといった状況になってしまうのです。ですので、まず実際にどのような形で分析なさるのか、またはそのような詳しい分析は結果の概要が出た後に、二次利用分析をして、またこちらの検討会を作っていただいて、二次利用申請をして、そこでまた別の報告書を作るというやり方もあるかなと思うのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。

 

○米倉栄養専門官

 まず、前回ベースで考えますと、基本的に分析はどこか委託をする予定です。そして来年、27年9月に調査を行いますが、すぐにデータを回収いたしまして、その年度中になるべく公表できるようにするという形になります。以上より、今の考えですと、阿部先生がおっしゃっていた次々年度に、何らか検討の場を持たせていただき、その後、必要があれば二次利用するというような形で進めていくほうが現実的ではないかと考えております。

 

○吉池座長

 どうぞ。

 

○阿部委員

 それを確実にやるのであれば、国民生活のほうでとれることになりますので、無理にこの中に保護者等を入れる必要はなくなってきます。ただ、結果の概要は、1年以内に出さなければいけないため、その中には出てこなくなります。1年以内に出すとなると、向こう側が出せるようになるまで、二次利用申請できるようになるまで国民生活も1年かかるので、マッチングさせる分析は、その分析を調査の実施から1年以上たたないと始められないのです。ただ、確実にそれをやるというようなことがあれば、無理にここの中に入れなくてもいいのだと思います。そこら辺は確約いただけるのでしょうか。

 

○米倉栄養専門官

 世帯票については、同じ対象者に同じ質問をしてはだめだと言われているとのことです。

 

○阿部委員

 恐らく所得票はだめでしょうが、世帯票は全員分入るのでしょう。

 

○事務局

 所得票はだめです。

 

○阿部委員

 所得票はだめとのことです、だから、所得はとれないのです。ただ、世帯票の中には、各世帯員の就業状況など、どれぐらい働いているかということがありますし、乳幼児の保育の状況も入っています。なので、そこからそういった情報をとることはできます。

 

○米倉栄養専門官

 現時点でどうするのかということについては、今この場で判断することは難しいのですが、できれば今回、優先順位として幾つか必要な質問項目をいただいておいて、次回、第2回の調査のときまでに、どのような方法でスケジュール設定をしていくかについて、答えさせていただきたいと思うのですが宜しいでしょうか。まず検討会後にこのあたりをどういうふうに概要発表していくか、どういう形でいつ結果を出していくかというところを検討させていただきたいと思います。

 

○阿部委員

 所得票はないので、所得はこちらでとらなければいけないですね。ですので、マッチングさせなくてもその分析をここに最初の結果の概要に入れることができるのです。そのほかの就労状況とかというところの最初の結果の概要の中に入れたいと思うのであれば、ここの中にまた独自にとっていく必要があるかなと思います。

 

○吉池座長

 どのようにデータリンケージするのか、できるのかはまず一旦置いておいて、これら新たに調べる項目については、本調査をこれから生かしていくためには極めて大事であるという御意見ということでよろしいでしょうか。

 技術的にデータリンケージがどのようにするのかということについて、また公表のタイミング等をどうするかについては、事務局のほうで詰めていただくということで、基本的にはベースとなっている国民生活基礎調査の情報を生かすことも選択肢として考えるということで進めてよろしいでしょうか。

 身長、体重について、現時点での属性としてとるということについても、特に御異論はありませんか。よろしいですか。

 それでは、次に、「就労・出産の実態」ということで、☆マークがついています。平成17年度の調査票の2ページ目になります。詳細については参考資料3もあわせてごらんください。

 「就労実態も妊娠満20カ月以降働いていましたか」、「産後1歳未満に働いていましたか」、「いつから働き出しましたか」ということで、これは現時点でのものではなく、あくまでの妊娠中、出産後の状況を振り返って聞いていただく。逆にこの辺の情報が今までは4歳未満児のお母さんだったのが、5歳児のお母さんに5年前を振り返ってというと、多少記憶が心もとなくなるかもしれないけれども、就労実態については継続項目ということで御提案いただいています。これは全て継続していくということでよろしいでしょうか。

 

○米倉栄養専門官

 まずは、基本的にA4、8ページ、30問程度というのが前提ですので、どうしても必要な質問項目だという場合には、そこも含めて優先度が検討されると思います。ご指摘の項目を確実にとるかどうかは、本当に重要なものであればとるということになりますが、これが確実かどうかというのは全体の問数との兼ね合いもあわせて考える必要は出てくるかと思います。

 

○吉池座長

 どうぞ。

 

○阿部委員

 これは出産後当時ということですが、今の就労状況も恐らく特に年齢が高い子については、今のお母さんがどういうふうに働いているかというのがすごく効いてくるかと思いますので、それはぜひ何らかの形でとっていきたいと思うのですけれども、私が先生方にお聞きしたいのは、当時に例えば母乳だったかどうかということが今の5歳児とか4歳児の健康にどれぐらい効いてくるのかということです。過去にさかのぼってでも、現在、授乳しているような年齢のお母さんに聞くのならわかりますが、過去にさかのぼって、3年前にどうでしたかと聞くのがどれぐらい重要なのか。それと、今どういう状況なのかというのと、どちらのほうがという、もし選択を迫られるのであればそこら辺はぜひ教えていただきたいと思います。

 

○吉池座長

 横断的な調査の中で、過去の状況と現在の状況についてレトロスペクティブに見るというより、あくまでもその時点での調査だけれども、古いことをさかのぼると解釈も難しくなります。1つの考え方として、妊娠期、授乳期、離乳期のことにフォーカスを置く年齢層と、もう少し上のところでのサブカテゴリーをつくって、質問項目を切りかえることが可能かどうかは検討する必要があるかもしれません。もし、妊娠、授乳期の状況把握というのは、現状を表すものとして重要であるならば、比較的直近のデータを収集する。御検討いただきたいのが、例えば丸1ページ分が小さな子どものサブグループ用とし、比較的年齢が上のグループは、こちらのページとし、質問紙全体が結果的に1枚増えますが、対象者への負担は同じになります。このようなことが可能かどうかも御検討いただくのかと思います。優先順位をつけて限られたスペースに納めなければいけないので、課題にさせていただきたいと思います。

 次が「母乳育児の状況」ということで、基本的に母乳、人工乳等の授乳状況というのは大事なデータなのですが、これは乳幼児身体発育調査の中でもとっていますね。ナショナルデータとしての扱いはどういう状況でしたか。御説明いただければと思います。

 

○米倉栄養専門官

 基本的には乳幼児栄養調査を主軸にしておりまして、今は10年ごとにとっております。しかし、昭和60年よりも前については、乳幼児身体発育調査のほうでとっていたので、同じ聞き方ではないのですが、日本のデータとしては昭和35年から10年ごとというような形で実は継続的に見ているというデータでございます。

 乳幼児身体発育調査は今も10年ごとの調査でデータを取っておりますので、乳幼児身体発育調査とあわせると、日本としては5年に1回、母乳や人工乳等の授乳状況がある程度追えるというような形になっております。

 

○吉池座長

 乳児期の栄養方法について、清水先生、堤先生、いかがでしょうか。

 

○清水委員

 母乳を推進していく上において非常に大切なデータでいつも使わせていただいて、母乳率が非常に上がっているということを言わせていただいているのですけれども、ただ、これは人工栄養児と混合栄養児と母乳栄養児と出てくるのですけれども、その辺の定義が非常に曖昧なのです。恐らくこのデータからいくと、母乳も人工乳も飲んでいる場合に混合にして、母乳だけついている場合は母乳としていると思うのです。その辺が実は母乳栄養は、例えば10%あるいは全体の20%飲んでいても母乳栄養とするという考えもありますし、完全母乳栄養はもちろん母乳だけだと思いますけれども、これは追加の質問になってしまうのかもしれないのですが、その辺でもし割合がわかると、よりいいのかなと思いました。母乳と人工乳を両方飲んでいても人工乳をほとんど飲んでいない子は母乳栄養としていいだろうと言えるので、例えば何か月の時点で母乳対人工乳が何対何であったというところが聞ければそれが出せるのかなとも思っていますけれども、それで項目が増えてしまうのではまた問題かと思います。

 

○吉池座長

 具体的には、17年度の調査票を1枚めくっていただくと、問6の表がその前の年より少し形が変わったのです。たしか5年前の乳幼児身体発育調査の検討の際に、母乳栄養児の把握方法に関して議論がありながらも、前回と同じにするという形になっていたと思います。基礎的なデータとして重要なわけですが、積極的に、今日は時間の関係であまり議論はできないと思うのですが、課題として上げるかどうかについて方向性を確認したいのですが、いかがでしょうか。

 

○米倉栄養専門官

 実は参考資料2の2ページ目に、母乳栄養等の栄養方法の推移については結果が出ております。また、「健やか親子21」の中でも母乳栄養に関してお示ししておりまして、この10年間で非常に推進状況はよくなったという結果にはなっています。一方で、都道府県格差がかなりあるというようなことから、私どもとしては、授乳期も含めた栄養方法の推移は今後も追っていく必要があると考えております。ただ、どう取っていくかということについては、少し先生方の御意見を踏まえて、必要があれば修正、変更等をしていく必要があるのかなと考えているところです。

 

○吉池座長

 清水先生、お願いします。

 

○清水委員

 繰り返しになってしまうのですけれども、せっかく4歳ぐらいの身長、体重、肥満の程度がわかるようになるわけですので、母乳は生活習慣病、肥満を予防できる、防止できるということで推進しているわけなので、この母乳栄養、混合栄養、人工栄養だけですと、それがあまりはっきり言えないのです。ですから、母乳率、母乳がどのぐらいパーセントとしていっているかどうかというのがわかると非常に使えるデータになるのではないかと思うので、もしそれができるのであればお願いしたいと思います。

 

○吉池座長

 次回の検討課題としてしっかり押さえるべきところなので、改めて検討していきたいと思います。

 資料8の「母乳育児の実態」で◇がついている「授乳中の子どもの接し方とか困りごと」については、平成17年度調査での新規設定項目ということで、少し優先度が下がるかもしれませんが、「健やか親子(第2次)」での重要事項にも関わります。従って、この時期の困りごとについては要検討となりますが、問7、問8、問9と、丸々1ページ使っているところについて、問10で母乳と人工乳のどちらがいいですかという知識的なことについて問うています。この辺についてはある程度縮小していくけれども、必要な項目については残していくということで方向性としてはよろしいでしょうか。

 問8については、授乳期の支援といったことではある程度必要になるかと思います。

 清水先生、どうぞ。

 

○清水委員

 ぜひこの辺は続けていってもらいたいとは思いますけれども、さらに何が必要かということは今何とも言えないところです。

 あと1つ、話が変わるのですけれども、授乳に関してもアレルギーのことが出てこないのかどうかというのは1つ思いました。

 

○吉池座長

 この辺のところは、先ほど石川先生のほうから御説明いただいたようなことも踏まえて、項目の精査をしていくことになるかと思います。問8については引き続きある程度把握していくことで整理させていただきたいと思います。

 それでは、資料8の「離乳食の実態」になります。

 最初☆印が3つついております、「離乳食の提供状況」、「ベビーフードの使用状況」でありますが、これは特にベビーフードの使用状況については、前回調査で重点項目としていたということですが、今回は削除という提案になっています。

 また、先ほどは授乳期ですが、離乳食の困りごと、食物等アレルギーについてはより積極的にデータ収集をしていかなければいけないだろうと思います。また、離乳食に関する支援ということにつきましては、やはり施策的にどのような支援が必要との視点から、見直しながら、よりよいものにしていくという考え方がこの表に示されています。問1112131415あたり、先生方、御意見いただければと思います。

 

○阿部委員

 問15の意識については、そういうふうに思っている人がベビーフードを使って、こういうふうに思っている人は手づくりだということがわかる以外あるのか。意識を聞いていて、それも過去の意識の場合もありますね。なので、実態を把握するのはわかるのですけれども、意識を聞く必要はあるのかなと思って、私もあまり必要性を感じません。

 

○吉池座長

 そこについては、ベビーフードのほうは削除という方向で進むのかと思っています。

 離乳食の進め方については、問13が支援、問12が困ったことがあるかということと、離乳食そのものがいつの時点というのが、問6、開始月数、完了月数というようなところ、それは押さえていくことになると思います。これについていかがでしょうか。石川先生、先ほどの調査の関係も含めて。

 

○石川委員

この調査は市町村における乳幼児健康診査時の栄養指導についての調査だったのですけれども、回答者から栄養指導は保育所と保健センターの共同で進めているという回答が多くありました。従って、保護者の就労状況とも関わるのかもしれませんが、栄養指導の現場では保健センターと保育所が協働で実施していることがあることもわかりました。そこで、調査項目についてですが、離乳食の進め方について、例えば保育所というのは前回の調査の選択肢にはないのですけれども、選択肢に含めることは重要かと思いました。

 

○吉池座長

 清水先生、この離乳期についてはいかがでしょうか。

 

○清水委員

 これは継続ということでよろしいのではないかなと思います。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。

 堤先生はいかがでしょうか。

 

○堤委員

 問13につきまして、確かに学ぶ機会があったかどうかを聞くことも大事ですが、私が、保育所の先生方や親御さんなどといろいろ接触したときに感じることは、学ぶ機会があっても具体的なことがよくわからなかったという人が多いということです。ですから、学ぶ機会があったかどうかということだけではなくて、「内容は満足のいくものでしたか」のように、支援内容の満足度について、踏み込んで聞けたらばより良いのではないかと思います。形式的なこと、一般論は教わったけれども、実際にわが子の離乳食をどのように作るのか、食べさせるのかというところでつまずいている人が多いのです。そのために保育所で具体的なところを教える必要があるという声もよく耳にしますので、学んだ内容の満足度やニーズに合致していたのかについて、聞くことが可能であれば、今後の支援に、より活用できるのではないかと思います。

 

○吉池座長

 問13をベースにすると、それぞれのデータソースがあり、それぞれについて比較的役に立ったとか、あまり役に立たないとかを、それぞれに対応した形で何か聞けたらよいという御提案でよろしいでしょうか。

 問11、問12、問13については、基本的にはこのような内容については聞いていくことが望ましい。また個々の項目については精査をする。また、問14、問15は削除でよろしいでしょうか。

 また戻りますが、3ページ目の問10も問15と同じ投げかけ方で言うと、これはなくてもよいかなと思います。さらにさかのぼると、2ページ目の問9についても削除という方向ですね。

 問8の項目は精査するとして残すとして、問7はいかがでしょうか。これは堤先生、いつごろ不安だったかという分析等もされていると思うのですが。

 

○堤委員

 これは残したほうがいいと思います。その理由は、どの時期に、また、どのような問題について不安であったのかということが後の項目との絡みでわかるといいと思うからです。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。

 それでは、今度は少し年齢が上になって、「幼児食の実態」。

 どうぞ。

 

○阿部委員

 問1213ですけれども、選択肢は全く変えられないのですか。

 

○吉池座長

 ここの項目は精査していくということで、変えていくという前提で検討したいと思います。

 

○阿部委員

 気になるのが、9番の「作るのが苦痛、面倒」というので、作らなかったらあなたは悪い母親だみたいなメッセージが込められているような気がするのですけれども、実際に作れないとか、時間的な制約ですとか、例えば夜働いている方もいっぱいいらっしゃるので、作れなかったと読んだり、それができなかったことによって罪の意識を感じられることがないような形にしていただければと思いました。

 

○吉池座長

 ありがとうございます。非常に大事な御指摘で、この辺の設問についての考え方が、きょう石川先生に御発表いただいた、具体的にどういうフォローができるのかということを踏まえる必要があると思います。フォローのしようがないものについて聞くよりは、社会全体で何とかしようという視点から、項目をもう一度見直していけば、阿部先生がおっしゃったようなことにはならないかと思っています。今日は時間の関係で、細かいことは飛ばさせていただいて、後で先生方に御意見いただくという形で先に進めさせていただきます。

 それでは、次の幼児食ですが、問16については落とすということも1つの提案としてあると思うのですが、いかがでしょうか。

 

○阿部委員

 先ほど御説明したEUの指標などでも、これで子どもの貧困指標をつくっています。なので、全部とは言わないのですけれども、幾つか、魚、肉、卵、大豆、果物は残していただけたらと思います。

 

○吉池座長

 この辺については、過去の調査結果の分布等も見ながら、御飯とかパンはみんな毎日食べているのであれば、積極的に聞かなくてもよいのかもしれないし、逆に先ほど御説明があったような野菜、果物といったようなものについては、積極的に把握が必要かもしれません。歯の健康との関係から言うと、果汁などとなっていますが、甘味料等を把握する必要があるかもしれません。その辺について御意見があればいただければと思います。

 どうぞ。

 

○尾島委員

 乳幼児栄養調査ということで、乳幼児がどんなものを食べているかということを把握するのが一番の主眼だと思いますので、何らかの方法で聞く必要はあると思います。個別に何を何グラム食べたか聞くとかという方法もあるかとは思うのですが、それに比べるとはるかに簡便な方法ですので、このような何らかの方法ではこのことを聞く必要はあるかと思います。

 

○吉池座長

 全体的な制約や、データの解釈、調査結果をどのように活用するかという観点から考えると、なかなか悩ましいのですが、例えば乳幼児健診などでの現場でうまく聞いている質問紙はあるのでしょうか。

 石川先生、どうぞ。

 

○石川委員

市町村の調査において多くあがった内容には、子どもが食べている食事の量が多いのか、少ないのかの判断ができないという相談が多くありました。また、どんな種類の食物を食べればよいのか、という食事の質の相談もあります。従って、食事の量と質、その両方がわかる設問があると、調査結果が現場の栄養指導の際にとても参考になるのではないか、と思います。

 ただ、そのことをどのように表現するか、どのような指標がよいのか、についての検討が必要ではないかと思います。

 

○吉池座長

 検討し出すととても長い話になるので、主に管理栄養士の先生方お二人で、次回に向けて検討していただければと思います。

 問17は幼児期での食事のことで気をつけていることですね。また、問23については、1歳以上のお子さんで食事での困りごとについてですが、食事中の子どもの様子とか、保護者の配慮していることとか、あるいは健康状態とかいろいろなことがここにあるのですが、あと排便状況ですね。この辺についていかがでしょうか。

 特に石川先生、何をどう把握すると今後に役に立つのかという。問1720ぐらいのところですか。

 

○石川委員

質問の内容としては実際に現場でも困っていることが載っているので、市町村の方々が現場の方々に役に立つ調査内容であるとは思います。ただし、問18ですとか問17もそうですけれども、いろいろな種類の選択肢にあがっているので、このままでいいかどうかはわかりません。

 

○吉池座長

 石川先生が整理されているデータにとても期待しています。今後、そのデータなども活用して検討していければと思います。問19の排便の頻度、これも非常に大事な指標だと思うのですが、清水先生、いかがでしょうか。

 

○清水委員

 快眠、快食、快便ですか。この辺は非常に大切なところだと思いますし、ぜひこれはもう少し聞き方を変えたほうがいいかなと思うのですけれども、これは残していただければと思います。

 あと18の現在の健康状態、虫歯も含めて、これも大切だと思いますけれども、この聞き方ですと全部を網羅できていないですし、その辺はもう一回検討の余地があるかなと思います。ですから、1819はぜひ残していただいて、内容をもう一回検討ということではないかなと思います。

 

○阿部委員

 ただ、両方ともお母さんがどう思っているかですね。17はお母さんの意識を聞くものだと思うので、これはそれでだと思いますけれども、栄養バランスに気をつけると丸つけたからって本当に気をつけているかどうかはわからないと思いますが、18については、例えば体重、身長も既に聞いているわけですから、お母さんがそれを太り過ぎと思っているかどうかというのは回答にかなりバイアスがかかります。なので、そこら辺ですとか、虫歯の本数というのは比較的答えられるかもしれませんけれども、実のところ、ここら辺は恐らく国民生活基礎調査の健康評価からとることができると思うのです。実際にどれぐらい入院したかどうかだとか、何の疾病で入院したのか、通院したのがどれぐらいかというのがわかるので、実態のほうが意識よりもより重要な指標なのではないかなと思います。場合によっては、これは消しても大丈夫なのかなと。

 

○吉池座長

 ここも検討させていただきます。

 あと問20は少し優先度が下がりそうな感じには思いますが、そのような扱いでよろしいでしょうか。問21は尾島先生からも御提案があった生活リズムのところは非常に重要ですし、朝食の欠食の指標として、現状では問20のようになっているので、そのままでいくかどうかはもう少し精査はいるかもしれませんけれども、大事な指標であると考えます。

 問23については、先ほど同じように、石川先生のデータなどに基づいて、もう一度個々の項目の見直しをしたいと思います。

 問24については、外食の頻度も大事かもしれませんが、少し優先順位が下がるのか、あるいは社会経済的な指標から外食というのは大事なのか、その辺はいかがでしょうか。

 

○阿部委員

 大人の貧困指標では、外食するかどうかは貧困指標の中にも国際的にも認められています。ただ、子どもでそれが必要かどうかというのは疑問を示す方もいると思います。

 

○吉池座長

 ここは要検討ですね。

 

○阿部委員

 はい。

 

○吉池座長

 「あなた自身」ということで、母親についての問252627、この辺はいかがでしょうか。保護者の状況。これは先ほどの資料8によると、保護者の食事や生活習慣についても把握する必要があるので、ある程度の把握は必要だということですが、いかがでしょうか。

 朝食の欠食について母親と子どもとの関連のクロス表は、以前も大事なデータとして扱われていたと思うので、問25は必要であろうと思われます。問262728は、何らか保護者のことについて聞いていくことは必要だけれども、項目としてはもう少し検討が必要ということで、本日はさせていただきます。

 そして、資料8のほうを見ていただくと、新たな項目として共食の頻度、身体活動の状況、インターネット、歯科、虫歯予防ということで、尾島先生に御提案していただいたことについては、全体のボリューム的なことはありますが、基本的にどれも重要なことなので、新規追加の方向で進めていくということで、いかがでしょうか。また具体的な項目については全体調整をさせていただきたいと思います。

 それでは、具体的に変更する項目の議論まではできませんでしたが、ほぼ全体について、どのように大枠として修正するかということについては確認ができたと思います。

 また、調査頻度について、10年ではなく5年に一度ということについては、我々としては反対する理由はないと思います。積極的に5年でなければいけないという御発言があるとより進めやすいのかと思うのですが、いかがでしょうか。特に尾島先生、よろしくお願いします。

 

○尾島委員

 今の現代社会は、昔に比べるといろいろなものの変化のスピードが速くなっていますので、昔は10年に1回追っていけば大体の結果がわかっているようなもので、最近短期間に変化するということもありますから、総論的にはぜひ短い間隔でやっていただければと思います。

 

○吉池座長

 そろそろ事務局のほうにお返ししなければいけないところですが、今日の整理とこれからについてです。一部の先生方には宿題事項として既にお願いいたしましたが、特に個々の項目について細部の検討ということにつきましては、本日の議論の中身を一旦整理した上で、事務局と私のほうで確認し、先生方に特にこの点について具体的な御提案をいただくという形で御連絡をさせていただきたいと思います。

 それらのやりとりをさせていただいた後、第2回の本研究会では、具体的にこういう構成で、変更する項目はこういう形という提案をできるように進めたいので、よろしくお願いいたします。

 あと先生方から何かございますでしょうか。

 どうぞ。

 

○阿部委員

 1点、平成17年度の調査票では回答者の属性を書くところがどこにもないかなと思いますので、今回はとる必要があるのかなと思います。そうでないと、誰が答えているかわからないので。

 

○吉池座長

 ほかにありますでしょうか。

 尾島先生、どうぞ。

 

○尾島委員

 ついでに2点ですが、1つが先ほど現在の身長、体重ということがありましたが、いつの身長・体重なのか、母子手帳を見て1年前のを書いたりということもあるかもしれませんので、いつの時点の身長・体重かという項目もあったらいいかなと思います。もう一つ、国民生活基礎調査の世帯票に1カ月の家計支出総額というのがありまして、それと所得とが多少ずれましてもパラレルになるようでしたら、その辺を使うということはできないかと思いました。

 

○阿部委員

 あまり国民生活の家計支出総額は使われないですね。

 

○吉池座長

 今、国民生活基礎調査の話が出ましたが、リンケージできると子どもが保育所に通っている、幼稚園に通っているというのはわかるわけですね。

 

○阿部委員

 主な養育者が誰かがわかります。

 

○吉池座長

 上の子どもになってくると、給食をどこで食べているとかというのが必要かもしれないなと思っております。

 先生方、ほかに何かありますか。

 それでは、ありがとうございました。今後の予定について、事務局から御説明をお願いいたします。

 

○木下母子保健課長補佐

 構成員の先生方、活発な御議論、大変ありがとうございました。

 それでは、今後の進め方につきまして御説明いたしたいと思います。お手元に資料9を御用意ください。

 本日、8月8日が第1回目の本研究会になっております。本日御議論いただいた内容を整理いたしまして、第2回を今年の秋ごろ、11月から12月ごろに予定しております。そこで調査の枠組みについては確定いただきまして、その後、第3回、年明けになりますが、1~2月の予定で、その先にあります解析の方法についても、この研究会で御議論いただいて決定して、その先にもう一回やりたいと思っております。その後は事務的な手続になりますが3~4月に総務省へ申請いたしまして、年度がかわりまして5月~自治体へ通知、6月には担当の方への御説明、7月から実際の調査票の送付で、冒頭申し上げましたが、27年9月に次回の乳幼児栄養調査を実施するという流れになっております。次年度中に結果の公表まで進みたいというようなスケジュールで今後を考えております。

 具体的な次回、第2回の開催に当たりましては、日程につきましては調整の上、また御連絡させていただければと思います。

 以上になります。

 

○吉池座長

 ただいまのスケジュールについて、何か御質問はありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日の検討会をこれで閉会とさせていただきます。

 御出席の皆様、お忙しい中どうもありがとうございました。また引き続きよろしくお願いいたします。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局母子保健課予算係
電話:03-5253-1111(内7936)

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