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2014年10月14日 第7回福祉人材確保対策検討会 議事録

社会・援護局 福祉基盤課 福祉人材確保対策室

○日時

平成26年10月14日(火)10:00~12:00
 

 

○場所

中央合同庁舎第5号館18階専用第22会議室

○議題

(1)とりまとめ案について
(2)その他

○議事

 

 

○関口室長補佐 皆さん、おはようございます。
定刻となりましたので、ただいまから第7回「福祉人材確保対策検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しいところ、また、台風で非常にお足もとの悪い中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
まず最初に、構成員の皆様の出欠状況でございますが、井上様、高橋様、堀田さまは御欠席との連絡をいただいております。
また、上野谷さまの代理として、潮谷様、佐藤様の代理として扇田様、田中愽一様の代理として小林さまが出席をされております。
また、事務局側ですが、西辻総務課長、岩井福祉基盤課長につきましては、公務のため欠席いたしておりますので、御了解を願います。
では、以降の進行は田中座長にお願いしたいと思います。
 
○田中座長 改めまして、おはようございます。
早速議事に入ります。
本日は、議事次第にありますとおり、本検討会の取りまとめを行うことになっています。
資料について、事務局から説明をお願いします。
 
○関口室長補佐 まず、報道の皆様におかれましては、撮影はここで一旦終了とさせていただきます。なお、撮影につきましては、最後の取りまとめの際に再度可能とさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
(報道関係者退室)
 
○関口室長補佐 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。
皆様のお手元には、資料1といたしまして「福祉人材確保対策検討会における議論の取りまとめ(案)」。
資料2といたしまして「(参考資料)福祉人材確保対策検討会で示された意見(案)」。
3つ目といたしまして、門野様より提出のありました資料を配付させていただいております。
資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただきますよう、お願いいたします。
以上でございます。
 
○田中座長 ありがとうございました。
では、議論を始めましょう。
これまで、本検討会は、介護分野を中心に、社会福祉士、障害福祉分野を含めた福祉人材確保のための論点と方向性について議論をいただきました。
これまでの議論を踏まえて、事前に構成員の皆さんにも御意見をいただいた上で、私と事務局でとりまとめ案を作成いたしました。本日は、これをもとに議論を進めてまいります。
武内室長より、資料の説明をお願いします。
 
○武内室長 それでは、本日、資料1及び資料2につきまして、御説明申し上げます。
これまで、本日を含めて7回にわたって本検討会で議論を進めてまいりました。その中では、介護人材、社会福祉士及び障害福祉分野の人材確保ということで、大きく議論を進めてまいりました。
本検討会では、人材確保に関する論点の整理及び基本的な方向性ということで、議論の取りまとめをまとめさせていただいております。
資料1をごらんください。
1ページに、本検討会での議論の全体像を整理しております。大きく分けて本検討会では3つのテーマ、介護人材、社会福祉士及び障害福祉分野の人材ということで、議論を進めてまいりました。
こちらの全体構成の関係性を示しているのをごらんいただきますと、最初の介護人材については2ページ、3ページにわたって「介護人材確保11の方向性」というのを取りまとめました。そして、その中で、7番につきましては4ページにあります「介護福祉士資格取得方法見直しに向けた取組の方向性」ということで整理をしております。
ここまでが第1回から第4回までの議論でございました。
その後、第5回においては、介護福祉士の資格取得方法の中期的な対応の議論をする前提としまして「2025年の介護人材の全体像と介護福祉士の担うべき機能の方向性」ということで、この内容を5ページから6ページにかけて整理をしております。
また、第6回で議論をしました社会福祉士及び障害福祉分野の人材確保については、緑色及び黄色の部分ということで、7ページに整理をいたしております。
こういう全体構造になっております。
その上で「介護人材確保の方向性」ということで、2ページから4ページまでは、8月26日に最終的に公表させていただきました中間整理メモの内容をそのまま踏襲しております。これは第4回までの議論をそのまま反映したという意味合いでそういたしております。
新しく加わった委員の皆様もいらっしゃいますので、ごく簡単にポイントだけ、もう一度おさらいも兼ねて御説明いたします。
2ページから3ページにかけて介護人材の確保に関しまして「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」という3本の柱での方向性を打ち出しております。
2ページ目の「参入促進」においては、3つの魅力~「深さ」と「楽しさ」と「広さ」~という、介護の本来的に持つ魅力あるいは拡張性のある魅力、これらを社会全体に発信していく、学生、保護者も含めて伝えていくということを打ち出しております。
それから、2番では、介護業界が「若者に選ばれる業界」になるよう、経営者の意識改革、経営力・採用力の向上を図っていこうという方向性。
3番では、女性や中高年齢者層の活用、参画を図っていこうということを打ち出しています。
4番では、他業界に負けない採用戦略ということで、経営理念の「見える化」や給与体系の整備など「他業界並み」の採用戦略を持つようにしていこうということ。それから、求人・求職のマッチングを強化していこうということを盛り込んでおります。
3ページ、5番から8番については「資質の向上」に関してのものです。
5番では、多様な働き方や機能に応じたキャリアアップの実現ということで、これまで介護人材が、ともすれば一律に捉えられていたという見方を改め、介護人材について、働き方や求められる機能に応じた類型化を進める。それに応じたキャリアパスの整備、キャリアアップを図れる環境を実現しようということです。
6番と7番については、介護福祉士の専門性と社会的評価の向上及び資格取得方法についてです。
こちらについては、まず6番で、介護福祉士については、地域包括ケアに対応し、社会的評価が向上するよう、専門性を継続的に高め、中核的な役割を担う存在として明確に位置づけていく。あるいは、潜在介護福祉士の活用といった観点を盛り込んでいます。
7番では、資格取得方法の見直しに向けた取り組みということで、この部分は詳細に4ページに記載をしてありますように、資格取得方法に関しましては「中期的対応」及び「当面の対応」と2つの時間軸を設定し「中期的対応」という観点からは、地域包括ケアに対応し、社会的評価の向上につながるような教育体系の確立、役割と位置づけのあり方について、総合的な検討を進めるということを前提として、置かせていただきました。
その上で「当面の対応」ということで、養成施設ルート、実務経験ルート、福祉系高校ルートそれぞれについて、養成施設ルートの国家試験の義務づけの延期、実務者研修の受講の義務づけなどを28年度から行うといった内容。それに関する教育機会、環境整備といったものの方向性について打ち出しております。
もう一度3ページに戻っていただきますと、8番では、小規模事業所の共同による人材育成支援ということで、介護業界の特性である小規模事業所が多いという点、この部分を魅力として生かしつつ、共同による研修体制の構築、人事交流などの支援といった環境整備を行うという方向性です。
9番では「労働環境・処遇の改善」ということで、マネジメント能力・人材育成力の向上という観点から、求職者に「選ばれる」あるいは就業者が「安心して働き続けられる」事業所となるような努力あるいは技術革新の積極的な導入を促していく。そのための事業者への評価・認証などを推進するといった方向性を打ち出しております。
最後に、10番、11番では、この全体、3本の柱に基づく取り組みを進める上でのプロセス論として、10番では学校・企業などあらゆる主体と連携する場を創設し、地域ぐるみで人づくりをしていくという観点。この部分では、介護人材を地域全体で育み、支える環境を整備する。そのために地方自治体、介護事業者を初め、関係セクターが共同して議論、取り組みをしていくための「場」を設けるということを打ち出しております。
そして、11番では「グランドデザインの構築」というタイトルで、国は関係者の参画のもと、10年間を念頭に置いた介護人材にかかるグランドデザインを描く。そして、それをもとに地域の関係者が同じ方向感を持って、役割に応じた取り組みを主体的に進めるという、実行論しての内容が含まれております。
この4ページまでの内容は、繰り返しとなりますが、8月26日に公表した中間整理メモに至る過程で合意した内容をまとめたものでございますので、こちらは修正をしておりません。
5ページに参ります。これらの介護人材に係る方向性を支える土台として、2025年の介護人材の全体像、それを踏まえた上での介護福祉士の担うべき機能の方向性という第5回の議論を踏まえまして、5ページ、6ページにわたって記載をしております。
5ページの「基本的考え方」の部分で、改めて確認としまして、2025年に向けては、社会経済状況の変化の中での、人材の量的確保と質的確保の両立という観点に立つという前提に立った上で、限られた人材を有効活用するため、介護人材を一律に捉えてきたこれまでの見方を改め、人材層を類型化するために機能分化をし、専門性の高い人材を中核的な職務に重点化していくということ。そして、具体的な時間軸、取り組みの手順を含めた方向性を定める、こういった基本的な考え方を整理しております。
その上で「1.介護人材の全体像」についての整理でございます。
こちらでは、介護人材の機能分化を進めるに当たり、ここに掲げてあります3つの視点を基本に据えつつ、検討を進めるということを打ち出しています。
この3つの視点につきましては、6ページに図が書いてありますので、こちらとあわせてごらんいただければと思います。
この3つの視点とは、左上の「人材の構造」すなわち人材層をどう考えるかという構造の問題。それから、右上に「人材の類型・体系」とありますが、人材層の中で、それぞれの層がどうキャリアパスをたどっていくのかというキャリアパスの問題。それから、下の段にあります能力の問題。それぞれの人材層において求められる能力について整理をしており、この3つの視点を整理させていただいております。
この中では、5ページに書いてありますように、介護を担う人材層は連続的でありますが、おおむね3つの人材層に大別することができるということ。
それから、2つ目、それぞれの人材層ごとに「専門性の向上」を促す、すなわち、図で言えば、山を高くしていくという方向性。それとともに「すそ野の拡大」をしていく。山でいいますと、下のほうにあります裾野を広くしていく。この2つの方向性で広げていくことが必要であるということを述べております。それによって、介護人材の全体の厚みと広がりを増していくことが必要である。
3つ目、それぞれにおいて、各人材層が担うべき機能を裏づける能力の明確化が必要である。こういったことを整理させていただいております。
そしてこれらを具体的に、どのような形で方向づけていくかということに関しましては、2つ目の○にありますように、この検討に当たっては、まず、現場の実態を十分に検証し、具体的な検討を行うことが必要であるということが、第5回の検討会での1つの合意点であったかと思います。
人材の区分については、さまざまな切り口があります。職責、職階、業務内容など、さまざまな切り口を踏まえて検討すること。
2つ目の、キャリアパスの整備については、サービス種別や現場の実情等に留意する必要があるということ。
3つ目の、必要な能力については、利用者の能力を引き出す力、観察力を含む業務遂行力、他業種との連携力、指導力などなど、さまざまな能力が定義づけられるということを整理しております。
ちなみに、6ページをごらんいただきますと、図の左上の部分、これが第5回にお示しした資料からの変更点のみお伝え申し上げますと、左上の「C 基本的な知識・技能を有する者」という部分、ここは第5回の資料では「知識・技能のみの者」ということでありましたが、よりポジティブ、より正確な表現ということで、このような表現にさせていただくとともに、下の段の役割を裏づける能力の部分に関しましては、これまで◎、○、△という書き方でありましたが、やや意味合いが不明確だということで、その程度、度合いということで、+の数で表現をするという形にさせていただいております。
たびたび恐縮ですが、5ページにもう一度戻っていただきまして「2.介護福祉士が担うべき機能の在り方」の中では、介護福祉士は、介護現場での中核的な機能を担うということを改めて確認した上で、2025年までに介護人材の5割を占めることを目指すということで、具体的な時間軸を示しております。その際、潜在介護福祉士の活用を進めるための具体的対応の必要性についても言及しております。
また、介護福祉士の専門性をより一層高めるための養成・教育、それに伴う能力や機能の評価の向上のあり方など、資格のあり方全体について、中期的な視点に立った検討を進めるといった方向性についても整理をさせていただいております。
7ページ、第6回で議論をさせていただいた、社会福祉士及び障害福祉分野の人材確保についてです。
「基本的な考え方」として社会福祉士については、多様化・複雑化する地域の福祉課題に対応できるという社会福祉士の能力をさらに開発し、活用していくということを出発点とします。
その上で、3つの要素をここでは整理をしております。
1つ目が「社会福祉士のさらなる活躍の場の創出」です。さまざまな福祉ニーズに対応するために必要なソーシャルワーク技術を持つ社会福祉士を、重要な社会資源と捉え、任用拡大を含めた活用促進を図っていこうという方向性です。
2つ目は「専門性の高い社会福祉士の養成」です。より一層多様化・複雑化する課題に対応できる能力を社会福祉士がより磨いていくために、実践を重視した教育内容の充実について、さらなる検討を進め、確立していく。あわせて、継続的に資質を向上させていくシステムの普及・推進を図るという方向性を打ち出しています。
3つ目は「社会福祉士に対する理解促進」です。職能団体、事業者団体などが連携し、行政の必要な協力を得た上で、このような社会福祉士が持っている能力、役割についての理解促進を図る必要性を打ち出しております。
次に「障害福祉分野」です。
「基本的な考え方」については、障害福祉分野の人材確保についても「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」といった取り組みのほか、多様な障害特性に対応できる専門性あるいは障害者自身の参画ということを基本に据えております。
具体的には、以下に書いてあります3つであります。
1つ目が「専門性の向上」。多様な障害特性に応じた支援、重度化への対応が可能となるような現場での実践力、それを高めるための研修体系の構築を進めるということ。それから、精神保健福祉士の活用促進を図るということです。
2つ目は「障害福祉分野の理解促進と多様な人材の参入促進」です。障害福祉分野への理解を促進するとともに、商品開発や経営戦略など幅広い資質を持った人材の参入を図っていくことが重要であろうということを打ち出しております。
3つ目が「障害者の福祉・介護分野への参画促進」です。障害者雇用納付金制度の見直しも踏まえつつ、障害者自身の福祉分野への就労支援及び受け入れ施設などの障害者への理解促進などを行うといった方向性を整理させていただいております。
以上、資料1については、改めてとなりますが、この検討会で論点の整理及び基本的な方向性の整理をさせていただき、今後の社会保障審議会などでの議論の素材として活用していくという観点で整理をさせていただきました。
なお、資料2においては、資料1でこの検討会の合意として盛り込むに至らなかった事項であっても、各委員の皆様からいただいた御意見については、参考資料として検討会で示された意見ということで、こちらのほうには多様な論点、多岐にわたる御意見についても整理をさせていただいて、これら2つをまとめまして、この検討会の議論の取りまとめとさせていただきたいと考えております。
以上です。
 
○田中座長 ありがとうございました。
では、この取りまとめ案について、皆様の御意見を頂戴します。どうぞお願いいたします。
では、順番にいきましょうか。潮谷さん、平川さんの順番で。
 
○上野谷構成員(代理) 失礼いたします。社会福祉士養成校協会上野谷会長の代理で出ております、潮谷でございます。
取りまとめ案につきまして、前回の議論を踏まえまして、多くを反映していただいたこと、深く感謝申し上げます。
つきまして、それに加えまして、7ページに社会福祉士の養成に関するポイント等がまとめてございますけれども、それにつきまして1点だけお願いを申し上げたいと考えております。
2番目の柱になっております「専門性の高い社会福祉士の養成」という部分でございますけれども、ここで「養成施設・大学等と職能団体の連携」と記載されておりますけれども、社会福祉士の養成にあたりましては、福祉現場の協力といいますか、特に実践力を担保するという意味におきましては、実習教育が非常に重要な役割を担っております。そのような観点から、ここにおきましては、下の理解促進と同様に、事業者団体との連携というものを一言加えさせていただけたらとお願い申し上げたいと思います。
 
○田中座長 事務局、何かお答えになりますか。
 
○武内室長 こちら、事業者団体との連携という観点で入れ込むことについて、こちらで特段御異論がなければ、そのような形で整理をさせていただきたいと思います。
 
○田中座長 平川さん、どうぞ。
 
○平川構成員 ありがとうございます。
4点ほど御意見を述べさせていただきたいと思います。
取りまとめの内容につきましては、この方向性でいいのではないかと考えておりますけれども、この取りまとめが現場でどのように実践されていくのかという課題は大きいのかなと考えているところであります。
1つ目は、そういった意味で、福祉人材ということでありますが、私ども連合としましては、福祉労働者ということです。基本的には労働者であるということを再確認させていただきたいと考えているところであります。
なぜこれを言うかといいますと、以前、かつて短時間労働者の社会保険適用の拡大の検討会におきまして、とある介護関係の事業者団体の方から、訪問介護で働く方は労働者というよりもボランティアで働いているのだというような趣旨の発言があったということでございます。その団体につきましては、当然、短時間労働者の社会保険適用拡大については反対という方向で発言されていたと考えているところでありますが、基本的には介護人材、介護労働者というのはあくまで労働者であるということでございますので、これらの人材確保に当たりましては、労働法令の遵守は当然でございますけれども、ボランティアとは違うという位置づけで対応していただければと考えているところであります。
2つ目に、社会的地位の向上でございます。この中で、さまざまな議論がございました。やはり介護福祉士の社会的な地位をどのように向上させていくのかということはさまざまなポイントがあったかと思います。国家試験の導入をどうしていくのかということもございますけれども、例えば専門性のことに関していいますと、何をもって専門性として捉えていくのかというのがこれからさらに議論を深めていく必要があるのではないかと考えています。
具体的に言いますと、例えば維持期のリハビリを介護福祉士がさらに担っていけるようにしていくかということや、これからますますふえていきます、精神病院から退院されます精神の障害を持った方々に対する支援をどうしていくのか。もしくは、経管栄養とか喀痰吸引とか医療行為も業務独占という形で一部できるようになっておりますので、それをどう評価していくのかという課題があるのかなと思っています。
そういった意味で、中核的という言葉が出されているところでありますけれども、その中身をどう議論して、現場の労働に反映させていくのかというのが大変大きな課題かなと考えておりますので、さらに議論が必要かと思っています。
3点目に、社会福祉士の課題であります。前回1回しか議論をされておりませんので、個人的にはまだもうちょっと議論をすべき課題ではないかと思っています。前回も発言をさせていただきましたけれども、やはりこれから困窮者支援であるとか、パーソナルサポートであるとか、そういう観点からの人材というのは大変重要だと考えているところでありますが、地方自治体におきます、特に福祉事務所において社会福祉士の配置が大変少ないという課題をどう解決していくのかというのもさらに議論していくべきかなと思っています。
地方自治体における採用については、任用でございますので、地方自治体の任用と配置はなかなかマッチしづらいということでありますけれども、それをどう調整を図っていくかというのをさらに議論を深めていく必要があるかなと思っています。
それから、今回の議論になっておりませんけれども、日本再興戦略の中で、介護分野に対して技能実習制度に基づく人材をさらに拡大していくのだという方向で議論がされておりますが、連合としましては、技能実習制度に基づく介護分野への外国人労働者の導入というのは基本的には反対だと申し上げておきたいと考えているところであります。技能実習制度、そもそも運用について大きな課題がございますし、それをさらに専門性の高い介護分野に導入するというのはなじまないと考えておりますので、これについては意見を表明させていただきたいと考えているところであります。
以上です。
 
○田中座長 ありがとうございます。報告書の読み方や今後の課題について、御意見をいただいたということでよろしいですね。
小林さん、お願いします。
 
○田中構成員(代理) 私はきょうは田中副会長の代理として出席させていただいている者です。
今回のこの取りまとめに関しては、大変ある意味ではバランスよくまとめていただいたと思って、感謝をしております。
特に、今回、介護職に関して、機能分化ということをきちっと明示していただいたのは非常に進歩していると私は思うわけであります。
ただ、機能分化ということについては大きく2つ考えられるわけで、介護職全体の機能分化の問題と、専門職としての介護福祉士の機能分化をどうするかという問題があるわけであります。
当然でありますけれども、現在、介護の現場では、高齢者あるいは障害者の方々の多様な特性に応じた介護支援や介護サービスが求められているというのは周知のとおりであります。例えば専門職の中で、医師は30万人、看護職も百何十万人いるわけでありますが、専門性による機能分化がまさに進められて、それぞれ専門職としてきちっと評価されてきているということであります。
一方、介護福祉士は、百十万人以上今、出ているわけでありますが、今まで専門性による機能分化が進められなかったのはそういう体制があったのかなと思うのです。これがいわば専門職としての介護福祉士が魅力をきちっと確立できなかった、あるいは魅力が乏しい原因の1つであったと思うわけであります。
そういう観点から、これはお願いでありますが、できればこの介護のほうの5ページの「2.介護福祉士が担うべき機能の在り方」というところを、もう少し具体的に表現していただくことができればありがたいと思うわけです。
1つは、例えば障害形態別ケアとかあるいは医療的ケア、あるいは認知症ケアなどの多様な高度化する介護ニーズに対応する介護の専門性を科学的に実証し、効果を検証し、社会的な理解、評価を得られるような体制に整備すべきだということが1点。
2点目は、同じく多様化、高度化する介護サービスに対応した、専門性の高い介護福祉士の育成を、養成校と職能団体並びに、老施協や老健協等々と連携し、行政の支援のもとにこれを育成すべきというようなことを付加していただくことができればありがたいと思うわけであります。
今までの議論の中で、例えば認定介護福祉士の育成、これは職能団体を中心に進められているものであります。それから、我々介養協としては管理介護福祉士という仮称の提案も、この議論の中でさせていただいてきたところであります。そして、さらには、キャリア段位制度などの重要性ということもうたわれてきましたし、あるいはユニットケアのチェック体制の重要性もうたわれてきたというところであります。
そういったことを含めて、個別的な、よい専門性を高める取り組みがされている、そういうことを評価すべきだということを、この中に書き込んでいただければ大変ありがたい。介護職の向上と魅力出しにもつながる。そしてまた、現場におけるサービスの向上にもつながると思うわけであります。
以上であります。
 
○田中座長 どこまで書き込めるか、事務局としてはほかの項目とのバランスをとって考えることになるのですけれども、それでよろしいですか。全部おっしゃったとおり入れられるかどうかはほかの項目とのバランスの上で決めさせていただきます。
 
○田中構成員(代理) それから、もう一点確認をさせていただきたいのですが、6番目の富士山型の絵の上層部にある「資格の高度化等」ということを示していただいているのですが、この資格の高度化の中に我々が提案している管理介護福祉士とか、あるいは職能団体と一緒に進めている認定介護福祉士などが入ると理解してよろしいかどうかの確認で
ございますが、いかがでしょうか。
 
○武内室長 その部分は、さまざま山の高さを高くしていくという方向性の議論あるいは御提案というのは、この検討会でもいただいておりますので、それらを踏まえての記載となっております。
 
○田中構成員(代理) ありがとうございます。
 
○田中座長 西條さん、川井さんの順でお願いします。
 
○西條構成員 全体的に大変よくまとまっていると思っております。
その中で、確認という意味で発言させていただきたいのですけれども、3ページの「介護人材確保の方向性」の10番「学校・企業などあらゆる主体と連携する『場』の創設」の中で、我々としても、地域包括ケアシステムをこれからつくっていく上で大変重要な視点だと考えておりますが、具体的にどのような場をイメージされているのか。この場で共通認識を持ちたいということもありますので、その辺の御確認を1つお願いしたいと思っております。
もう一点ですが、平川さんからも御発言がございました、外国人人材の活用なのですが、私ども知事会としても、単に技能実習制度を利用してという議論ではなくて、私どもが提案させていただいているのは、単に短期的な労働力確保という意味ではなくても、継続的な就労を可能とする、都市部において外国人人材も含めて人材確保というのは非常に喫緊の課題でございますので、そうした継続的な就労を可能とする仕組みづくりを、人材育成という視点で提案させていただいております。
この点、今後どのような議論がなされていくのか。多分、厚労省のこの検討会等においては非常にナーバスな議論になると思いますので、現在、国における検討状況等々を教えていただければありがたいなと思っております。
 
○田中座長 2点お尋ねがありましたので、お答えください。
 
○武内室長 お答えします。
まず1点目の、10番の場のイメージにつきましては、こちらはこの検討会でもさまざまな議論がありましたが、地域の実情あるいは地域に関係するステークホルダーの皆様のお考えによってさまざまな形での設置あるいはたてつけというものがあり得ると考えておりますので、一律にこういう場でなければならない、こういう形のものに集約されるという考えを持っているわけではございません。ただし、何らかのプラットフォームが必要だという考え方をまとめたものでございます。
2点目の外国人につきましては、外国人の導入の議論は、日本再興戦略の中で技能実習や外国人留学生有資格者の活用ということがうたわれ、ことしの年末までに結論あるいは制度設計を行うことになっております。
この介護人材の確保との関係においては、介護人材及び福祉人材の確保という意味においては、どういう形で総合的に捉えていくかという議論をこの場、検討会で論点を整理させていただきました。
他方、外国人については、技能実習については技能の移転、有資格者、留学生については高度人材の活用という、それぞれの観点に立った制度の趣旨がありますので、その観点に立った検討を行っていく必要があると考えております。
今後、年末、再興戦略に沿った対応をしていくに当たっては、これらの観点に基づいて、どのように介護分野で外国人を活用していくことができるのかということについて、また別途検討の場を設けるなどして、必要な検討を進めていきたいと考えております。
 
○西條構成員 ありがとうございました。
 
○川井構成員 皆さんと同じで、とてもよく取りまとめていただきまして、ありがとうございます。
これまで介護職としてその全てが語られていた中で、A層、B層、C層という形で、Aが介護福祉士、B、Cという形の見える化ができて非常にいいのではないかと思っています。
その上で、A層の上に「資格の高度化等」というのがあります。先ほど小林会長からもお話がありましたけれども、4ページの「中期的対応」のところに「地域包括ケアに対応し、継続的に専門性を高めていくことのできる教育体系の確立」という文言が入っております。やはり、さらなる高度化といったときに、介護実践の場で現象を理論化するというか、ともに理論を検証する能力というか、研究を主体的に推し進めていく能力、そういうものが専門職には求められるのではないかと思っています。
、A層の介護福祉士が、資格取得方法は色々ですが、さらなる高みを目指して学びを進めていく、研究をしていくなり、現場で体験してこられたものを、研究の場でもう一度振り返りをしていくという場を構築していくということを考えますと、このA層の上にさらにS層なりができると、良いのではないかと思います。
S層の「「求められる役割」としては実践とか教育、相談、研究、調整、高い倫理性、が考えられます。
必要な能力としては、例えば「指導力」であれば教育、相談。改革・改善力としたら、政策立案、研究というものがこういうところに入ってきて、それからマネジメント能力のところには調整とか倫理、こういうものが求められるようになるのではないかと考えています。
今回、ここに入れ込むというよりこれからの話になるのかもしれませんが、そういうA層の上ができることによって、潜在的な人たちも含めて、今、150万人の方々やこれから資格を取得しようとする若い層が高みを目指して学んでいける場になるのではないかなと思っています。
 
○田中座長 ありがとうございます。本検討会のさらにその先どういう視点があるかを言っていただいたのだと思います。ありがとうございました。
鎌倉さん、お願いします。
 
○鎌倉構成員 失礼します。
社会福祉士について記されております7ページのところでありますけれども「基本的な考え方」で示されております「役割の明確化」という部分ですが、記述がありますが、社会福祉士の役割は、ジェネリックな資格として3つの役割に整理されるというのは前回出ていたと思いますけれども、改めてこの役割の明確化というのは、個別の事業おのおのについて、社会福祉士の具体的な役割を明確化するという意味で捉えられると思います。
そうであれば、この「役割の明確化」の前のところに「個別具体的な」という文言を入れていただいたほうが誤解を与えないと考えます。これが1つ目です。
もう一つ、社会福祉士の人材確保の課題は、社会福祉士の役割や機能を活用すべき事業に対して、自治体や法人等の理解不足により、本来活用されるべき事業に対して社会福祉士が配置されていないこと、その一方で、社会福祉士に限定したものではありませんが、社会福祉士等の募集をかけても、社会福祉士が集まりにくいという状況が一部見られているということだと思います。
この配置されていないことにつきまして「3.社会福祉士に対する理解促進」で方向性が示されておりますが、後の部分ですが、社会福祉士が集まりにくいというところにつきまして、社会福祉士がその事業で働きたいと思う、意欲を持てる環境整備、常勤採用とか、専門性が重視される採用、こういうものが必要だと思います。
そこで、3番目の項目の文章の最後に「社会福祉士の雇用促進に向けた環境整備を推進する」という文章を加えていただければと提案させていただきます。
 
○田中座長 室長、ただいまの御意見に対する対応はいかがですか。
 
○武内室長 ありがとうございます。
2点御意見をいただきまして、1点目、役割の明確化に関しまして「個別具体的な」という部分について、これは御趣旨としては理解いたしました。特段の御意見がなければそのような方向で修正いたしたいと思います。
それから、2点目が、社会福祉士の雇用促進に関しての雇う側の認識あるいは取り組みについての問題意識を入れてはどうかというところでございますが、この点についてもさまざまな見方があるかと思いますが、特段の意見がなければそのような方向性で整理をさせていただきたいと思います。
 
○田中座長 松本さん、叶さんの順でお願いします。
 
○松本構成員 議論の取りまとめ、本当にありがとうございました。
福祉分野に関する人材の確保、育成は本当に国家的な課題だと思っています。今回の検討会で取りまとめられた意見を、意見集約にとどまらずに、いかに具体化していくか、これからがスタートだと思っています。
事業者側としても、今まで以上に人材の確保、育成に取り組み、若い人たちや介護分野を選んでくれた方々の期待を裏切らないように努力してまいりたいと思っています。
国としても、各都道府県や市町村での浸透状況、また、進歩状況を集約し、より一層効果を広げていくための公益的な手段も必要ではないかと思っています。また、いろんな関係者の方々がいろんな場で連携をとれるように、オールジャパンでこの人材確保について検討する仕組みをつくっていけたらどうかなと思います。
以上です。
 
○田中座長 同じく、この検討会の後、これで終わってはいけないという強い御意志でした。ありがとうございました。
叶さん、それから、石橋さん、お願いします。
 
○叶構成員 社会就労センター協会の叶です。
障害者福祉関係ですけれども、私のほうから2点意見を述べさせていただきたいと思います。
参考資料のほうの13ページの1つ目の箱の一番下のところに「給与水準・賃金水準というのは基本的な課題であり、まずは、その改善が求められる」ということで、示された意見の中で書かれているのですけれども、現場の状況としては、なかなかヘルパーさんであったりとか、グループホームの世話人さんであったりとかを募集しても集まってこないという切実な課題があって、でも、多くは時間給であったりとか、パートであったりとか、登録であったりとか、そういう状況の中で、福祉というのは安いというイメージがついているというのは、本質的な1つの大きな原因だと思っているのです。
もちろん、ここでまとめられている介護の魅力であったりとか、深さ、楽しさ、広さとか、そういうことはとても大事だと思うのですけれども、もう一つは、他産業と比較して見劣りのしない給与水準という部分はもう少し強調してもいいのかなと率直に思ったので、意見として出させていただきました。
もう一つは、参考資料の20ページの真ん中の箱のところに少し書いてありますが「求職者にとって、これまで障害児・者との接点が少なく」という部分ですね。どうしても幼少時から出会う機会がなくて、そもそもスタートの段階から不安があって、選択肢に入っていかないという部分もやはりあるのかなと思います。
そもそもの我々の理念というか、ことし批准された障害者権利条約の中でもありますように、インクルーシブというか、共生というか、ともに生きていくという理念のもとでというのが根本にあるというところら辺も少し盛り込んだほうがいいのかなと。だから、幼少時からの障害者と過ごす機会とか、そういう部分とかも本質的な部分として1つあるのかなと思って、意見しました。
その2点です。
 
○田中座長 いかがですか。
 
○武内室長 ありがとうございます。
まず、2点ございました。1点目の給与水準に関しましては、介護あるいは福祉全体に関する問題意識として、本検討会でも問題提起があったところです。こちらについては、介護のほうの2ページ目の「基本的な考え方」のところでも、給与水準についての議論がございましたので、その問題意識を提示したほか、あるいは「介護人材の確保の方向性」の中で「賃金水準の改善」ということで、3ページの9ポツにも記載させていただいたところでございます。
この部分については、こういった形で問題提起なされたものを記載しておりますが、どのように具体的に書くのかということについては、青の主な意見の取りまとめとの関係を整理しつつ、あるいはほかの関係する審議会や検討の場との関係も踏まえたうえで、整理をしていきたいと思っています。
2点目のインクルーシブな部分につきまして、問題意識ということで、この部分についても、この取りまとめ案の中で理解の促進ということで、書き込ませていただいたという趣旨でございますが、どのようにより具体的に書き得るのかということ、この部分についても青い意見取りまとめとの関係も見ながら、どう工夫ができるかを考えてみたいと思います。
 
○田中座長 石橋さん、お待たせしました。
 
○石橋構成員 まずは、この検討会の議論の取りまとめの内容につきましては、非常によくできているなと思っています。ただ、皆さんおっしゃるように、この取りまとめが絵に描いた餅になるのではなく、具体的に実現できるような今後の議論をまた期待したいというか、お願いしたいと思っております。
それから、5ページの「基本的な考え方」の○の2つ目のところに書いてありますように「限られた人材を有効活用するため、介護人材を一律に捉えてきたこれまでの見方を改め、様々な人材層を類型化するとともに、機能分化を進め、専門性の高い人材を中核的な職務に重点化することが重要」。
まさしくこれはそのとおりであり、特に介護福祉士についても、介護の分野というのは非常に幅が広くなってきている中において、介護福祉士の役割をこの機会に明確化する。その介護福祉士になるためには、役割を担うためにはどのような教育、研修体系が必要なのか、もう一度検討する必要性があるのではないかということとあわせて、介護福祉士の上の資格の高度化ということが示されておりますけれども、今後、介護ニーズがさらに高まっていく中において、介護福祉士でおさまるということではなく、成長できるように、キャリアアップできるような資格の高度化がぜひ必要なことであり、日本介護士会としては、そのために認定介護福祉士というモデル事業等も行っていますので、そういうものをぜひ活用していただければありがたいと思っております。
以上です。
 
○田中座長 ありがとうございます。
どうぞ。
 
○白江構成員 白江と申します。
まず、今後の課題というか、報告書自体は非常によくまとまっていて、私としては読みやすくて、わかりやすくて、いいかなと思うのですが、先ほど来お話も出ていましたけれども、専門性とは一体何なのかというところ。指導力であるとか、倫理性であるとか、判断力であるとか、ケアロードにおいてはこういったことは知識や技術と同じぐらい重要な要素として私は位置づけておりまして、そういう意味でいうと、資格イコール専門性みたいになってしまうのだけは避けないといけないのではないか。現場での危うさというものを非常に感じます。
資格、高みを目指していくことは非常に重要ですし、私はそれについては反対しているわけではないのですけれども、現場、いわゆる底辺の底上げという、6ページの青い部分の底上げ、継続的な研修とかいろいろ書かれておりますが、これは非常に重要なところで、ここをどう拡充していくのか。そのためには、労働環境といいますか、働く現場、給料だけではなく人員配置の問題であるとか、あるいは研修や、改めて学校に行って学び直すといったことが十分できる、あるいは学校が現場に来てともに学んでいくとか、いろいろなことが考えられると思うのですけれども、そういった取り組みも不可欠ではないかと感じておりまして、その辺は今後のキャリアパスとの関係でも非常に重要な役割があるのかなと感じました。
以上です。
 
○田中座長 御意見ありがとうございます。
大嶋さん、お願いします。
 
○大嶋構成員 きれいにまとめていただき、ありがとうございました。
先週、案を御提示いただきまして、お隣の社養協さん、上野谷副会長さんと学校連盟のほうで意見書を出させていただきました。その多くも取り入れていただきまして、どうもありがとうございました。
その中で、1つ確認でございますけれども、先ほど平川構成員からもございましたが、社会福祉士の問題を1回で議論するというのは十分ではないと思っておりまして、そのことにつきまして、今後の検討に資するための議論を6回目に出させていただいて、取りまとめをさせていただいた。別途改めて検討する場を設けるということを意見書として出させていただきました。
7ページの取りまとめ案のところで「基本的な考え方」のなかに「再検証等が必要」と書いてございます。また、2項目めのところに「さらなる検討を進め確立していく」と書いてありますが、ここの読み取り方というのでしょうか、解釈というのでしょうか、意見書に書かせていただいた内容を意識して書いていただいたものと思うのですが、そのあたりの確認をさせていただければと思います。
 
○田中座長 お答えください。
 
○武内室長 ありがとうございます。
御指摘を事前に、あるいはこの検討会でいただいた内容を踏まえて、今回、このような形で論点の整理、検討会の役割に即したものでありますが、それを行った上で、さらにこの問題については具体的な検討を深めていく、検討を進め、具体的な姿に導いていくということを念頭に置きまして、このように記載をさせていただきました。
今後、どのような形で必要な検討を行うことができるのか、その進め方についてもまた考えてまいりたいと考えております。
 
○田中座長 山田さん、お願いします。
 
○山田構成員 6ページの山の図なのですか、ここで事務局のほうから、山を高くする方向性という御説明の表現があったのですが、戻っていただきまして4ページの、先ほど来、読み上げられておりますけれども「1.中期的対応」に「地域包括ケアに対応し、また、社会的評価の向上につながるよう、継続的に専門性を高めていくことのできる教育体系の確立」もう一つは「専門性に応じた役割と位置付けのあり方等」という表現をしていただいています。
この「教育体系の確立」と「専門性に応じた役割と位置付けのあり方」について、具体的に次の5ページのところの御説明かなと思って聞いていました。
1つは、5ページの「1.介護人材の全体像」の2つ目の○で「以下の観点を含め、まず現場の実態を十分に検証し」という表現と、黒ポツの1つ目で「人材層の区分については、職責や職階、業務内容、対象とする利用者などの様々な切り口が考えられること」。
申し上げたいことは、山を高くするというのは、1つは社会的評価、イコール待遇、給与、こういう問題が1つあるかと思います。もう一つは専門性、これをきっちりと何ができる人かということをはっきりさせていくという専門性の問題と、待遇、給与等の問題と。
特に先ほども給与の問題が出ておりましたが、今の5ページの「対象とする利用者像」、ここを御検討いただきたいのは、大きなポイントだと思っていまして、特にこれから在宅での要介護3、4、5の方を支えていこうと思うと、小規模多機能も訪問を強化しないといけないと言われています。
それから、定期・随時訪問介護については入浴や食事介助の問題が課題になっていますが、このように在宅で重度の方、要するに、認知症と身体障害の複合障害の方が多分9割前後あると思います。そういう方に1人で対応していくことに対しての介護報酬と職員配置は非常に重要な検討課題になると私は思います。そこをしっかりしないと給与に反映しないということで、できましたら、対象とする利用者像の切り口を独立して書いていただけたらどうかなと思いました。ここのポイントをはっきりさせないと、待遇、給与に結びつかないと考えています。
教育につきましては、5ページの下から2行目に「養成・教育の在り方」と書かれておりまして、方向性としては先ほどの対象とする利用者像を含めまして、こういう表現をいただいているということで、しっかりとこれが実現していけばいいなと思いますが、養成・教育のあり方も、6ページの山のA層あるいは川井先生のおっしゃるS層あたりについては、将来像としては養成校で長期の実習を含めてきちっと教育を受けた方が、先ほど言った認知症と身体介護の複合障害を持った方に対して対応するようにしないと、現場におりますと、初任者研修の資格を持っているが経験がないという方ではなかなか1人で向き合うのは難しいと思っています。
ですから、今からますます高齢化あるいは重度化が進むと思われますので、教育につきましても、そのあたりの養成校を、今の2年から4年にということを含めて、そこまでは書き込めないと思いますが、何らかの形でそういう学校教育を終えた方がA層のところについては原則とするような方向も、何か表現できないかなとか思ったりしておりました。
以上です。
 
○田中座長 検討会の報告書を超えた将来のあり方についても言っていただきましたが、事務局は今の点、いかがでしょうか。
 
○武内室長 ありがとうございます。
今、介護現場での構造的な変化を踏まえて、種々御提案をいただいたと理解をしております。
山を高くするためには社会的評価と専門性の両者が両輪となってやっていく必要があるということ。それから、2点目の対象とする利用者像について、報酬、職員の配置などについての問題提起でございましたが、これらについても、こちらの中で具体的にどのように書けるか工夫をしてみたいと思いますし、いずれにしても関係する検討の場などに対しても、しっかりとこの取りまとめとして報告をしていくということにしていきたいと思います。
また、対象とする利用者像について、教育との関連でしっかりと書いていくことにつきましては、全体の記述、既に区分についても対象とする利用者像について言及をしておりますので、そこと整合を合わせながら、どのように書けるか工夫をさせていただきたいと思います。
 
○田中座長 門野さん、お願いします。
 
○門野構成員 明るい話をと思いまして、調査資料を提出させて頂きました。取りまとめて頂いている11項目の一番目「3つの魅力」というところに関連する話でございます。
まずご覧頂きたいのは提出資料3ページの一番上「1)『介護サービス業』への就・転職意向」というところです。IT・情報・通信が22.7%、観光・ホテル業が22.8%で、外食産業が22.6%に対して、介護サービス業は16.4%という低い結果になっています。しかし、一番最後の11ページ、表の右側にあります「『介護サービス業の仕事』の事実」、例えば「1年以内の離職率10%の企業が約6割」、3番「介護業界の50%の企業が実は残業がない」、9番「資格の有無にかかわらず未経験からでもスタートできる」を含む12の事実を同じアンケート対象に対して伝えたところ、11ページの一番上の行「介護サービス業の仕事への就業意識」が16.4%から29.8%と13ポイント上がりました。先ほど申し上げましたIT・外食・ホテルよりも、こういった事実を伝えることによって就業意識が高まるという事です。今回の約2500人の調査結果から、介護福祉業界の事実をきちっと伝えることによって、職業選択の1つに入ってくるということが判明しましたので、希望や勇気をもって今後の活動に生かして頂ければと思っております。以上でございます。
 
○田中座長 大変明るい情報をありがとうございました。
単に介護は神聖な職であると言っているだけではなくて、もう少し実務的な情報を伝えると、求職者の率に影響があることがわかるようですね。ありがとうございます。
どうぞ、菊地さん、お願いします。
 
○菊地構成員 障害分野の7ページの2番のところですが「障害福祉分野についての理解を促進するとともに」ということに文章的になっているわけですけれども、地域福祉計画とか、あるいは障害者福祉計画とか、そういったさまざまなものに促進をするというのはよく書かれていて、昔から書かれているわけです。しかし、なかなか促進が進まないという現実があるわけですが、それに関して、ここでもう少し、促進だけではなく、具体化するとか、もう少し踏み込んだ内容にしたほうがいいのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
 
○武内室長 今、おっしゃっていただいたような問題、意識について、この場で皆様共有されるという、特段の御意見がなければ、そのような視点でどう書けるか考えたいと思います。
 
○田中座長 平田さん、どうぞ。
 
○平田構成員 第2回目でも意見を述べましたが、再度述べさせていただきます。3ページの全体的な視点の中の11番目のグランドデザインの構築についてですが、この具体論が福祉部会の人材の専門委員会に持ち上げられると思うのですが、10年間を見通して具体論をつくり、PDCAを図ると書かれています。一旦施策、具体論をつくられても、PDCAのチェックがなかなかできない部分が多いと思いますし、10年間というと皆様異動されます。システムのチェックの時期、方法論等を今回、人材の専門委員会等でチェックができるような具体論をぜひお示しいただければと、一応要望です。よろしくお願いいたします。
 
○田中座長 次の委員会への課題ですね。ありがとうございました。
ほかはよろしゅうございますか。一当たり御意見を伺ったことになりますかね。
取りまとめの案に対して、いろいろと意見を頂戴いたしました。検討会の報告そのものへの意見もあるし、これを踏まえて、この先どうするか、どのように読むかという外側の、この先のことを言っていただいた方もおられました。
文言に対する修正意見については、取り扱いは私に御一任いただきます。修正した場合、後日、その修正版を皆様にお送りし、確認をいただいた上で、厚生労働省のホームページ上で公表することになります。
皆様、その方向でよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
 
○田中座長 ありがとうございます。
ちょっと早いですが、一当たり御意見を伺いました。よろしいですか。
活発な御議論をもとに、事務局にも作業をいただいて、報告書の原案作成ありがとうございました。
6月の立ち上げから時間も限られていて、4カ月半という非常に短い間に7回も開催いたしました。社会福祉士や障害福祉分野は確かに1回しか議論できませんでしたが、時間が限られておりますので、今後も議論を進めることは、事務局からも答えられています。
差し当たり、この検討会としては、今後の方向性について、皆様の御協力により、何とかまとめることができました。改めて御礼を申し上げます。
ここで、鈴木局長から御挨拶をお願いいたします。
 
○鈴木局長 社会・援護局長でございます。
田中座長を初め、構成員の先生方には、この4カ月間にわたりまして、大変に精力的に御検討いただきました。
本日、幅広い分野の介護・福祉人材の確保の方向性につきまして、お示しをいただくことができまして、本当にありがとうございました。
この検討会でおまとめいただきました論点あるいは方向性につきましては、先ほどもお話が出ておりましたが、社会保障審議会の福祉部会に設置をされております福祉人材確保専門委員会、ここにまず御報告をさせていただきたいと思っております。その上で、この専門委員会におきましては、介護人材等の確保につきまして、予算上の措置あるいは法制上の措置を含めました、総合的な確保方策を打ち出してまいりたいと考えております。
改めまして、田中座長初め、構成員の先生方に御尽力いただきましたことに、重ねて御礼を申し上げたいと思います。それと同時に、今後とも御支援のほど、引き続きお願い申し上げまして、挨拶にかえさせていただきます。まことにありがとうございました。
 
○田中座長 局長、ありがとうございました。
今の局長の御挨拶にもありましたように、社会保障審議会福祉部会のもとに設置される、福祉人材確保専門委員会で、より政策に近づけた議論を続けていきます。そこに我々の報告書が活用され、具体的な議論が進むように大いに期待しております。
では、これにて閉会いたします。皆様、どうもありがとうございました。

 

 

(了)

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