ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(科学技術部会遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会)> 第8回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会議事録(2014年8月29日)




2014年8月29日 第8回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会議事録

厚生労働省大臣官房厚生科学課

○日時

平成26年8月29日(金) 14:00~16:00


○場所

厚生労働省 共用第9会議室(19階)


○出席者

(委員)

山口委員長 谷委員長代理
位田委員 伊藤委員 今村委員 梅澤委員 小野寺委員
中畑委員 中村委員 那須委員 本田委員

(事務局)

厚生労働省:中山研究企画官  許斐室長補佐 佐藤主査 藤井専門官
文部科学省:御厩安全対策官

○議題

1. 前回(第7回)委員会での主な議論について
2. 遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直し案について
3. 通知への記載事項について

○配布資料

資料1-1 これまでの専門委員会での討論のまとめ
資料1-2 遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直し案と他指針の対応表
資料2-1 サブグループでの議論の概要について
資料2-2 通知に記載する別表の内容について
資料2-3 品質・安全の評価項目の詳細について
参考資料1 遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直し案
参考資料2 新しい審査体制について

○議事

○中山研究企画官 

「第8回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会」を開催させていただきます。

 本日は、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。本日は、辰井委員から御欠席の御連絡を頂いているのと、本田委員が遅れています。参考人として、今日は島田先生と内田先生の御出席をお願いしていますことを御報告いたします。

 次に、配布資料ですが、議事次第、座席表、委員名簿のほかに、資料1-11-22-12-3、参考資料12となっています。足りないもの等がありましたらお声掛けを頂きたいと思います。

 それでは、山口委員長、お願いいたします。

○山口委員長 

ありがとうございます。本日は、夏休み最後の金曜日になりますけれども、本委員会に御出席いただきましてありがとうございます。早速、議事に入りたいと思います。議題1の遺伝子治療指針見直し案の確認につきまして、今まで長く指針の見直し案を作ってやってきたわけですけれども、それにつきまして事務局より説明をお願いいたします。

○佐藤主査 

資料1-11-2について説明させていただきます。資料1-1は、これまでの委員会での議論のまとめとなっていて、検討事項1から16までのまとめとなっています。資料1-2では、左に見直し指針()を記載してあり、黒字は現行指針の文言、改正点を赤で記載してあります。その指針()から右へ順に統合指針、ヒト幹指針、再生医療新法が並べてあります。左の指針()の黄色のマーカーで示してある所が、これまでの検討事項に該当している所で、資料1-1と照らし合わせて御覧ください。オレンジのマーカーの所に関しては現行指針から削除した箇所や、今回、新たに追加したものであり、コメントの所に削除した理由、追加した理由などが記載してあります。

 第一章、総則に関して説明させていただきます。第二、定義の一で黄色のマーカーの所ですが、検討事項1-2に該当し、資料1-11ページに該当しています。現行指針においては治療のみが対象となり、予防という概念は含まれていませんでしたが、委員会の議論で、DNAワクチンの投与等を含めた一次予防等も定義に含めてはどうかとなり、含めることになりました。ここで、記載では「遺伝子治療等」と記載し対応してあります。また、コメントにありますが、in vivo遺伝子治療、ex vivo遺伝子治療の取扱いに関しては、今後、検討が必要と考えているところであります。それらの審査体制につきましては参考資料2で後ほど説明させていただきます。また委員の意見で、この部分で最近行われるようになってきたゲノム編集という技術が補われているかということがありまして、そちらについても御意見を頂けたらと思っています。1ページの下に「遺伝子標識」とありますが、こちらは現行指針から、現在行われていないということで削除させていただいています。

2ページ、二の「被験者」に関してはヒト幹指針及び統合指針との整合性を図り、今回、新たに定義させていただいています。

3ページ、五の「総括責任者」は検討事項7に当たります。資料1-14ページを御覧ください。検討事項7では、これまで多施設共同研究といった複数の研究機関で共同研究を行う場合に、それらを総括するものについての規定がありませんでした。そこで新たに定義及び責務を設けるという方向で検討を行いました。ここに五として、ヒト幹指針の規定を参考に総括責任者として定義してあります。また、それらの責務に関しては後ほど資料1-241ページ、第十七「総括責任者の責務」の所で総括責任者の責務については記載してあります。

3ページの六ですが、「研究者等」ということが新しく定義され、これはヒト幹指針と統合指針に定義されているものですので、他指針との整合性を図り新たに記載しました。

4ページ、七に「研究機関」の定義を行いました。現行指針では、これらに関しては「実施施設」と、その下の「研究を行う機関」の2つが規定されていましたが、他指針との整合性を図り、本指針でも「研究機関」という用語にして定義させていただいています。

5ページ、上のオレンジの所ですが、九の「共同研究機関」という用語を新たに定義させていただき、こちらは統合指針のほうを参考に規定させていただきました。十の「倫理審査委員会」、十一の「インフォームド・コンセント」、十二の「代諾者」に関しては、ヒト幹指針、統合指針の両方に記載されている定義であり、今回、新たに整合性を図り定義させていただきました。

7ページ、十三の「インフォームド・アセント」は検討事項13に該当していて、資料1-19ページを御覧ください。委員会の議論において、統合指針で新たにインフォームド・アセントという用語が定義されるということで、こちらの指針でもそれらの概念を入れるということで、ここに新たに用語の定義をさせていただきました。それらのインフォームド・アセントの手続きなどにつきましては、資料1-223ページ、第十二の中に規定させていただき、そこは統合指針を準用する形で対応させていただいています。

7ページ、「最終産物」という用語を新たに定義させていただきました。これはヒト幹指針に定義されている「最終調整物」を参考に定義しています。

8ページ、十六、「個人情報等」というものを統合指針に合わせ新たに定義しています。「個人情報」というのは十五に現行指針で定義されているのですが、統合指針では死者の情報も踏まえるということで、個人情報等というのが定義されています。こちらに定義させていただきました。その下に「保有する個人情報」というのがあり、削除させていただいたのですが、本見直し指針においては、個人情報に関するところは統合指針を準用するという考えですので、個人情報に関するこの記載は削除させていただいています。

10ページで、第十七「モニタリング」、第十八「監査」、こちらはヒト幹指針に記載はないのですが、今回、統合指針と同様に本指針でもモニタリング、監査を行うことになりましたので、ここに用語として規定させていただいています。文言も統合指針のとおりに記載しました。

11ページ、第三「適用範囲」についてです。現行指針ではこの項目はありませんでしたが、ほかの指針との構成の整合性をとるという意味で、ここに適用範囲を明確化しました。現行指針第7章に「適用除外」という項目があるのですが、それをこちらに移動して、治験は対象としないということを付け加えてあります。ここでは検討事項1-1が該当していて、資料1-11ページを御覧ください。これまで遺伝子治療の定義の解釈として、遺伝子組換えを行っているものが本指針の対象として扱われていました。そこで遺伝子組換えを行っていない自然変異型腫瘍溶解性ウイルスを、この指針の対象とするかという議論が行われましたが、結論としては、従来のとおりこれらを指針の対象とはしないことにしますが、倫理審査委員会の要請があれば、国での審査を行うことを可能とするということになりました。指針本文には記載しませんが、資料1-1にあるような文言を通知又はガイダンス等に記載して対応するとさせていただきました。

 資料1-212ページにいきます。第四「対象疾患等」、ここは検討事項2が該当していて、資料1-12ページを御覧ください。遺伝子治療開始後20年ほど経過し、遺伝子治療の有効性、安全性についての情報量が増えてきたということで、対象疾患の規定を緩めることが可能ではないかという観点で議論が行われました。現行指針の要件1については、「重篤な遺伝性疾患、がん、後天性免疫不全症候群、その他生命を脅かす疾患又は身体の機能を著しく損なう疾患であること」というのが入っていましたが、慢性疾患への対応等も考慮して要件1は削除することとなりました。要件2に関しては、「遺伝子治療等臨床研究による治療・予防効果が、現在可能な他の方法と比較して同等以上であることが十分に予測されるものである」に変更になっています。要件3においては、治療については「被験者にとって遺伝子治療等臨床研究により得られる利益が、不利益を上回ることが十分予測されるものであること。また、予防については利益が不利益を大きく上回ることが十分予測されるものであること」という記載になっています。

13ページに、遺伝子標識臨床研究というのがありますが、これは先ほどと同様の理由で削除してあります。

14ページで、第五「有効性及び安全性」、第六「品質等の確認」、これは検討事項456に該当していて、資料1-13ページを御覧ください。検討事項456では遺伝子治療等臨床研究に関する指針の品質・安全性の基準をどこまで記載するか、どのように定めるかについて話合いが行われました。そちらでは、現行指針の有効性及び安全性、品質等の確認については見直し案でも変更せず規定し、その具体的な項目についてはサブグループを設置し議論を行いました。具体的な項目については、資料1-271ページ、第二十二の「研究計画書の記載事項」の所に記載してありますが、こちらではサブグルーブでの話合いの報告として、資料2-12-22-3で後ほど説明させていただきます。

 資料1-2に戻って、16ページ、第十のところです。こちらは現行指針第七章から移動して情報の公開というのを規定してあります。こちらは検討事項10に該当し、資料1-17ページ、8ページを御覧ください。遺伝子治療等臨床研究は侵襲性を有する介入研究であり、情報公開につきましては臨床研究に関する倫理指針の規定に沿って、これまでと同様に登録が必要となりますが、それをこちらで明記させていただきました。具体的なデータベース等については資料1-270ページ、第二十一の中に規定することとなっています。黄色の所の中に含まれていますので、そちらに具体的なデータベースについては記載されています。

 第二章まで説明させていただきます。17ページ、第二章は「被験者の人権保護」ということで、インフォームド・コンセントなどについての記載が主となっています。第十二に関しては、現行指針では「被験者の同意」という用語になっていましたが、ほかの指針との整合性を図り、「インフォームド・コンセント」という用語に変更させていただきました。また、この中には新たに代諾者からのインフォームド・コンセントについての記載を、統合指針と整合性を図って18ページの二から記載してあります。その中で19ページに、代諾者からインフォームド・コンセントを受ける場合の手続きに関して規定していますが、そちらは統合指針を準用するということで対応させていただきました。また、23ページに、先ほど定義したインフォームド・アセントを得る場合の手続きの記載がありますが、こちらは統合指針を準用する形で対応させていただきました。

25ページ、第十三「被験者に対する説明事項」に関しても、統合指針を準用する形で対応させていただいています。説明は第二章で1回終わらせていただきます。

○山口委員長 

長い説明をしていただき、ありがとうございます。一章、二章についてかなり細かく御説明いただきました。幾つかポイントがあったかと思いますけれども、例えばゲノム編集のこと、あるいは対象疾患の問題、更には情報公開等のことについて、これまでも議論してきたことですが、さらに今、説明していただいた中でコメント等がございましたらお願いしたいと思います。

○梅澤委員

1ページ、第二の定義の一で、「この指針において『遺伝子治療等』とは、疾病の治療や予防を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与することをいう」、このオレンジ色の所ですが、これはex vivoの遺伝子治療になりますので、今の安全性確保法に重なっているところがあります。そう読めると思います。あちらは法律ですので罰則を伴った法律です。一方、こちらの指針はそのような罰則等がないということから、指針ですので、一般的に厚生労働省から発出されるものに関して、異なる法令のレベルで、違う形で規制をかけるというのは、私の理解では法令としての体をなしていないように感じるということです。これは法令の専門家である辰井聡子委員が今日はいらっしゃらないですけれども、そこが1点目ということです。

2点目が、これは私が欠席したときに入れたのかもしれないですけれども、もしそうだとしたら申し訳ありませんでした。

 もう1つ、逆に良い点は、このガイドラインの適用範囲を決めたということです。11ページ、第三「適用範囲」でオレンジ色の所です。「この指針は、第四に規定する対象疾患等に関するものであって、遺伝子治療等を目的として行う臨床研究を対象とする。ただし、医薬品、医療機器等」うんぬんと。これは他の指針、例えば臨床研究指針やゲノム指針等でも必ず適用範囲が入っていて、このような他の法令の部分と重なる部分については除外する。いわゆる一本化するということです。デマケをはっきりさせているということで、私はここの「ただし」の項目の中に医薬品医療機器等法とともに、再生医療新法、安全性確保法等もここに入れておくことによって、安全性確保法で対象とならないようなものがあったとしたら、私は思い付きませんが、対象にならなくてここの指針に相当するようなものがあった場合、想像がつかないのに言うのは実効性がないかもしれませんが、定義の部分は今のままでも残すことができると考えています。御意見を頂ければと思います。

○山口委員長

 多分、最初のところの法令との関係というのは、事務局で整理していただけると有り難いです。

○中山研究企画官

 おっしゃるとおりで、そもそも遺伝子治療の臨床研究に関する指針については、法律上の位置付けがあってやっているということではなく、一応、厚生労働省と文科省が一緒にやるということで、告示レベルでいろいろな指針を定め、それによって臨床研究をやる人に対してはこういったデータを出してもらい、厚労大臣の確認手続を経てくださいということで、この指針が出たという位置付けになっているわけです。その後、御指摘のとおり再生医療新法ができて、いわゆるex vivoについては、法律として位置付けられた再生医療新法のほうで扱うという形になっていますので、この指針を根拠とする確認手続を求めるという形は、ex vivoに関しては除外されなければいけないという整理になります。

 ただ、今後、ex vivoにしてもin vivoにしても、どういった資料をもって安全性なり有効性を確認していかなければいけないかを示した指針としては、この指針は、引き続き生き続けるという形をとることにしていて、そういった位置付けになるということかと思います。ですから、適用対象という意味での法令上の書き方と、安全性、有効性、品質を評価するための指針という位置付けとしては、両方に共通するものであるという文言上の整理はしなければいけないと思っています。

○山口委員長

 確認ですが、結局、ex vivo遺伝子治療に当たるものは法律上は、今度新しくできる委員会のほうに出さないといけない。それは罰則規定を含めた手続を取らないといけないという。

○中山研究企画官

 それは、そういう形になります。

○山口委員長

 そのところで審査をするときに、どういうデータが必要かということがこの資料の中から明示されれば、それを使って審査をすることができると、そういう整理ですか。

○中山研究企画官

 それは再生新法のほうも、今までのガイドラインでやってきたin vivoのほうも共通ということで、整理してはどうかと考えているということです。

○山口委員長

 ありがとうございます。梅澤先生、どうぞ。

○梅澤委員

 もしそうであるとして、私が中山企画官の御説明を完全に理解できているかどうか分からないのですが、安全性確保法の中で品質、安全性、有効性に関して、どちらかというと遺伝子治療指針のほうが歴史もあり、いろいろなレベルというか、科学的なレベルについて深く議論もされてきたという経緯があるので、科学的レベルはこちらのほうが高いのかなと、言い方がいいかどうかは別として私はそう思っています。一方、安全性確保法のほうでそれが必要であれば、安全性確保法の下部の法令でそういったものを担保するような条項を入れるべきであって、こちらに残すというのは法令の立て付けとして不自然な感じがしています。

○中山研究企画官

 順番としては、おっしゃるとおりだと思います。ですから、再生医療新法のほうの下部にある省令や通知をこれから定めると思いますが、そういったところで法令で根拠となる部分を具体化していったときに、その評価の指針として参照すべきものは、この遺伝子治療指針ですよというつながりを、きちっと作ってもらわないと駄目だと思います。それは私からというより研発課が持っていますので、そういった方向で法令上の整備はされるということかと私は理解しています。

○梅澤委員

 申し上げたかったことは、そういうことになります。そうしませんと、全く異なる法令が併存してしまいますので、そこのつながりについて明示できれば解決できることかなと思います。ですから、適用範囲に関しては繰り返しになりますが、安全性確保法等は除外していただくことが現実的かなと思います。

○山口委員長

 ですから、ここで作ったものが、例えば、今作られているようないろいろな法令や施行で位置付けがはっきりすれば、それによって全部整理が付くという理解でよろしいわけですね。

○中山研究企画官

 そうです。

○梅澤委員

 そのとおりです。ですから、適用範囲の中は安全性確保法は対象としないということになります。

○中山研究企画官

 そうです。私は厚生科学課ですが、厚生科学課の立場でいくと、これはin vivoの対象でしかないと言い切れるのです。ただ、引き続き、ex vivoについてもこれまでと同様の審査内容は維持しますという立場を、新法に移行してもするということになっていますので、そういった意味で言えば新法のほうから法令上つなげて、この指針レベルの申請資料は求めますよということで、法令上のつながりはしっかり付けてもらうことになっているということかと思います。

○位田委員

 だから今、梅澤さんがおっしゃったように適用範囲のところで当然、再生医療新法に当てはまるものはこの指針から外す。その指針の内容は新法のほうの通知若しくはガイダンスなどで書かれればいい話であって、法律のほうがこれにリファーするというのは、やり方としてはおかしいのではないか。そういう話だと思います。

○梅澤委員

 私も、別の指針に従うよりも、こう言っては何ですが、同じような条項を入れて通知として出したほうが自然な感じがいたします。今の法律の体系と言うのでしょうか、そんな感覚です。

○島田特任教授

 私も、その点が一番気になっていたので、基本的に梅澤さんの考えでいくしかしようがないのかなと思います。文句を言えば、法律を作るときに遺伝子治療のそういうことの議論がどこまで行われていたのかが実は問題で、歴史的に見ても、遺伝子治療というのはex vivoの遺伝子治療が世界で最初に行われたわけです。これが遺伝子治療の中でいかにも特殊なものと分類されてしまうのは、とてもまずいし、世界的に見てもそんな国はどこにもないわけです。遺伝子治療というのは、ex vivoin vivoと両方あるという位置付けですからね。その辺は法律のことですから、うまく文章でやってもらうというのがひとつですけれども、もう1つ心配なのは、このやり方でやってしまうと今度は審査のときに、再生新法の審査委員会とin vivoで行われる審査委員会が、今のこれを見ていると全然別の委員会になってしまって、なるべくそれをオーバーラップするようにというのは前から言っていたのですが、なかなかそれが具体的にできないような仕組みになっているのではないですか。

○中山研究企画官

 そこは、今日の一番最後の話題として。

○島田特任教授

 では、また。

○中山研究企画官

 今やってもいいのですが、これで今日は多分、話題が。

○山口委員長

 そうですね。

○島田特任教授

 分かりました。

○中山研究企画官

 同等になるように検討はしていますという御報告というか、あとで御意見を伺いますけれども、させていただきたいと思います。

○梅澤委員

 後ろに長い議論が控えているのに、たくさん喋って申し訳ありません。恐縮です。なぜ、これの指針をリファーしてほしくないかというと、この指針自体が法律に裏付けられた形になると、リファーした場合、裏付けられた形になりますので、そうした場合にこの指針に違反すると懲罰が付くのです。3年以上のどうのこうの、1,000万円以下の罰金という形の懲罰が法律に裏付けられる。これは非常に問題で、この指針で逮捕することができてしまう指針内容で、逮捕されることですらあるということになりますから、そこはきちっと明文化して、立法原則と言うのですか、そこについては法律がきちっとしないと逮捕されたりということがありますので、きちっとしていただきたいということです。よろしくお願いいたします。

○山口委員長

 ありがとうございます。多分、カルタヘナ法でも逮捕とかあるので、結局、日々、審査をしているときでも結構矛盾を感じつつやっているところがあり、そこは事務局でうまく整理していただくしかないような気がします。

○中山研究企画官

 再生医療新法のほうで、そういった厳しい罰則を設けたというのはまた別な視点があって、再生医療というのがいろいろな形で実施されている現状から、質の高いものからいろいろなものまであり、そこで厳しい規定を設けたということがあります。恐らく心配されている逮捕という話とは趣旨が違うと思いますが、そこはちゃんと趣旨を踏まえた上での法の運用を考えることが大事ですので、そこはやってもらうということになると思います。

○山口委員長

 ありがとうございます。大事な御指摘ですので、その辺は事務局のほうできちんと整理していただくようお願いします。

○許斐室長補佐

 いろいろと御意見、ありがとうございます。今までヒト幹のほうの法律を作ってくる中で、今のような切り分けのことというのは、恐らくあまり話題になってこなかったというのが背景にあります。現在、省令については30日までパブコメをしていただいていますので、その辺については御相談させていただきたいと思います。

○山口委員長

 ありがとうございます。ex vivoのその辺の議論を最後にする機会もありますので、その辺は後でということにして、この一章、二章に関してほかの点も御確認いただければと思います。先ほど議論になった、例えばゲノム編集のような技術についても、ゲノム編集は入れる、入れないという議論をここで簡単に結論できるものではないように思われます。すなわち、遺伝子治療に含めるかどうかという話に関して、まだ世界でも決まっていないところがあるかと思います。ただ、御意見がございましたらお願いしておいたほうがいいのかなという気がします。いかがでしょうか。多分、変異がある遺伝子をゲノム編集で正常化したときに、遺伝子治療に含めるかどうかとか、なかなか。

○谷委員長代理

 そうですね。現在のex vivoの遺伝子治療の定義としては、多分、再生医療

新法においても、「遺伝子治療を目的として、人の細胞に導入して使用するもの」という表現になっていたと思いますが、実際は遺伝子を改変して正常に戻すのと同時に、遺伝子をノックダウンする方法もあって、その場合は厳密には「導入して使用するもの」には当てはまらないことになってしまいますので、ここでの規制外になることも懸念されますがin vitroでの処理としては侵襲性は高いと思います。現在、CCR5遺伝子のノックダウン自家CD4T細胞を用いたHIVに対する遺伝子治療臨床試験が、ex vivo遺伝子治療としてSangamo社から提供され米国内で行われていますので、日本にも早晩入って来る可能性はあると思います。

○山口委員長

 ありがとうございます。

○位田委員

 何度か休んでいますので追い着くのが大変だったのですが、参考資料1の指針案というのが、この分厚いのをまとめたものと理解してよろしいですね。1つは、先ほども何度か出てきたのですが、統合指針、いわゆる人に対する医学系研究の倫理指針を準用するという書き方をしてありますけれども、恐らく現場の先生はこれしか見ないので、2つ両手に持って、ここで「準用し」と書いてあるから、こっちも見ないといけないというと現場が非常にやりにくくなる。法令の作り方としては間違っていると思いませんが、この指針をこれだけで見る場合のほうが恐らく多いので、そうであるとすると、準用した分は全部ここに書き込むというのが、本来の使い方としてはいいのだろうと思うのです。法令はよくこういう書き方をしますけれども、これは指針ですから全部書き込んでおいてあげれば、これを見れば全部分かると、それが本来だと思います。それが1点です。

 それから、先ほどインフォームド・コンセントに統一したという話でしたが、時々、「同意」と「インフォームト・コンセント」という言葉が両方出てくるので、その辺、どうされるのか。「同意」と書いてあるところは結局はインフォームド・コンセントですし、インフォームド・コンセントというのは基本的にはコンセント、つまり同意なので、もし統一するのだったら完全に統一するか、分けるのだったら、インフォームの部分と同意の部分と2つ分かれています、ということが分かれば、それはそれでいいと思います。その辺の統一が必ずしもちゃんと取れていないのではないかと思っています。

 それと、第一章、第一の目的の所で「医療上の有用性及び倫理性を確保し」という言葉が出てきて、第一章の第五では「有効性及び安全性」という言葉が出てきて、どこかに「効力」という言葉も出てきますので、それぞれ違う意味なのでしょうか。「効力」というのは、大分後ろですけれども、例えば第四章の第二十二の一の9、非臨床における安全性及び効力の評価です。よく似た言葉がいろいろな所に出てきていて、統一するべきなのか、若しくはそれぞれ別々のことを示しているので別々に書かなければいけないのか。そのあたりがよく分かりません。

 特に私が問題にしたいのは、第一の目的の所の有用性及び倫理性で、安全性という言葉が入っていないのが気になっています。安全性と言うと、ほかの所は「安全性及び有効性」という言葉が出てきますし、でもここは有用性で役に立つということだけですから、安全性は必ずしも含んでいない。役に立つけど有効かどうかはまた違うかもしれませんし、効力というのは、パワーというのは何なのだろうかと思います。言葉がばらばらになっているので統一できるところは統一しておかないと、それぞれ意味が異なってしまいます。

○中山研究企画官

 そこはきちっと整理をしたいと思います。通常、医薬品の世界ですと有効性、安全性、品質ということを言って、医療の世界で言うと有用性、倫理といった感じかなという気がします。物としての有効性、安全性、品質というタイプと、あと効力という言葉は山口先生と相談ですけれども、そういった安全性、有効性を評価するときの言葉の使い方として何かそういう使い方があり得るのかどうか。その辺は、最終的にきちっとチェックして統一的な言葉の使い方としてやりたいと思います。

○山口委員長

  効力と使っているときは、ちょっと意味が違うかもしれませんね。

○中山研究企画官

 物理学的な何かあれですかね、よく分かりませんが、動力学的というか。

○山口委員長

 意義も含まれてくるような気もします。それは整理させていただいたほうがいいかなという気がします。

○中山研究企画官

 最初の御指摘のほうは、一通り書いて全て書くべきものは書いたということにして、またそれでそろえる。あと法律とか法令上の表への出し方というルールもあると思うので、そこでここは全く同じなのだから準用すると言うほうが、法令上のルールでいくと正しいという考え方もあり得ると思うので、もしそうなったら、それは正式な文書として出すものの、別添にフルで全部書いてある文章を参考資料として付けるというやり方もあるかなと思います。

○山口委員長

 まとめていただいたのを見ていて、ほかの資料を引っ張ってくるために文章上、違和感がある所もあったのです。そういう意味では法令の話の整理と、エンドユーザーに非常に優しい書き方と、この辺を少し検討していただけるといいのかなという気がします。

○位田委員

 ちょっと付け加えますと、準用すると言ったときに、そのまま読んで本当にそのまま、この遺伝子治療臨床研究がスパッと当てはまるかどうかはちょっと分からないので、書いてみないと分からないと思います。

○中山研究企画官

 そうですね。

○島田特任教授

 簡単に1つ、エディティングの話は現在のレベルではなかなか難しいと思います。ノックダウンぐらいはすぐ実用化されると思いますが、それ以上のものがどこまでこれからいくのか分からないから、当面はケース・バイ・ケースで、事前審査なりでやっていくほうが、全体として入れるとか入れないという議論は難しいのではないか。

 それと、今の準用するということについて、古いほうの遺伝子治療で失敗したと思っているのは、個人情報保護法が出てきたときに、入れたほうがいいというので全部入れてしまったのです。そしたらあの指針は遺伝子治療の指針を見ているのか、個人情報の指針を見ているのか分からなくなって、3分の2ぐらい個人情報のことばかり書いてあるのです。だから、あの形はエンドユーザーが本当に使いやすいかどうかというのは、ちょっとまた別だと思います。その辺は是非、整理して考えてほしいと思います。

○位田委員

 そこは、ほかの指針でも同じことが言えて、要するに個人情報保護法というのは適用範囲がある意味で限られていますから、それを全ての臨床研究なり基礎研究も全部を含めて個人情報が関わるところについては全部書き込んで、当時、上澄み横出しと言っていました。ですから、どの指針も個人情報保護法の関係の条文が、そのままかなりたくさん入って読みにくくなっていると思います。けれども、今回は大分整理されていますよね。だから今回はまだいいと思います。

○山口委員長

 ありがとうございます。先ほどのゲノム編集の件ですが、今、島田先生に御意見を頂きましたように、あらかじめ定義をするのはあまり得策ではないような気がしていて、むしろ定義は時代とともに変わっていく可能性もありますので、むしろ定義をあまりせずに、ケース・バイ・ケースで判断していくとしておいたほうがいいのかなという気がします。それをこの中に書き込むかは別にして、今の時点ではそういうふうに認識しておいたほうがいいような気がしているのですが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 幾つか取り込むときの取込み方も、先ほど事務局に説明していただいたようにいろいろ検討いただき、例えばこの中で気になるのは、個人情報のことで「死者の特定の」と死者についてのことが書かれていたりするのですが、意外と遺伝子治療では当てはまらないような雰囲気のところもありますので、その辺を整理していただけると有り難いかなと思います。

○位田委員

 細かいところですけれども、第二章の第十三に被験者に対する説明事項というのがあります。研究責任者は説明しなければならないとなっていますけれども、これだけだと必ず研究責任者が説明しないといけないことになるので、本当にそれでいいのだろうか。現実には研究責任者又は研究責任者が指名する者で、むしろ後者のほうが多いと思います。このままですと研究責任者が必ず説明しないといけない。

○山口委員長

 それは書きぶりの問題かなと思いますので、少し広く取れるほうがよろしいのかなという気がします。ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。一章、二章については、先ほどまとめていただきましたように法令との関係を整理していただく。その辺は事務局にお願いするとして、さらに臨床研究指針のほうを引用している部分について、どのような書き方をするか。より深く書いたほうがいいのか、法令との関係もございますので、その辺についても整理をしていただく。あとゲノム編集などについては初めから定義はしないで、ケース・バイ・ケースでやっていく。そういう方針でよろしいのかなと思います。よろしくお願いいたします。次は三章です。

○佐藤主査

 第三章を説明します。29ページからです。第三章は、「研究及び審査の体制」で、研究者の責務等について説明した章となっております。第十四「研究者の責務」は現行指針どおりとなっておりまして、第十五「研究者等の責務」は、新しく統合指針を準用して、研究者等を定義しましたので、こちらに責務を定めました。それは統合指針第4を準用するということで対応いたしました。

33ページの第十六に「研究責任者の責務」を定めてあります。1の「研究計画の作成、研究者等に対する遵守徹底は」、統合指針第5の一部を準用します。この中には34ページにありますように、現行指針の2は、そちらの準用部分に同様の記載があるため削除。4も準用部分で対応可能と考え、現行指針から削除いたしました。

 告示案に記載する事項で検討事項に該当するものは35ページになりますが、検討事項10の情報の公開の部分で、登録や公開の部分に該当します。こちらは統合指針を準用することで対応できると考えております。

35ページの2ですが、研究の進捗状況の管理・監督及び有害事象等の把握・報告に関しては、統合指針を準用するとしています。この中に記載する項目としては、検討事項9が該当しておりまして、資料1-16ページを御覧ください。

 検討事項9に関しては、厚生労働大臣の各種報告についてです。質及び安全性の担保のために、研究機関の長は研究責任者より定期的に報告を受け、必要に応じ、厚生労働大臣に報告することを規定しました。また、それと同時に、研究責任者は研究の進捗状況について、少なくとも年1回、研究機関の長及び倫理審査委員会に文書で報告することを規定しました。こちらは研究責任者の責務ですので、進捗状況を少なくとも年1回報告するというのが当てはまり、36ページで、それはただし書に少なくとも年1回と書きましたが、統合指針ではどのように対応するかというと、38ページの(6)です。こちらが進捗状況を長や倫理審査機関に報告とありますが、こちらには、少なくとも年1回という項目が書いてありませんので、準用すると書いた下に、先ほどのように「少なくとも年1回」との記載をしております。

 年1回というのはどこからきたかと言いますと、38ページの黄色の部分の横を見ますと、ヒト幹指針のほうに、少なくとも年1回報告するというのがあって、そちらを参考にさせていただいております。

39ページの3の「研究実施後の被験者への対応」という項目に関しては、統合指針を準用するのですが、ほかに記載する事項として、検討事項14が該当します。資料1-111ページを見ますと、検討事項14は、研究終了後の追跡調査等に関してで、遺伝子治療等臨床研究終了後においても、安全性及び有効性の確保の観点から、効果及び副作用についての適当な期間の追跡調査が必要ではないかということで、こちらにヒト幹指針を参考に規定いたしました。この際、適当な期間ということに関しては、用いるベクターの種類のリスクによって配慮することになり、それはガイダンスや通知等で記載させてもらうこととなっております。

41ページ、第十七「総括責任者の責務」です。こちらは、先ほど検討事項7で総括責任者を規定しました。その責務についてですが、ヒト幹指針と同様の文言としてあります。

43ページ、第十八「研究機関」についてです。ここは検討事項16に該当し、資料1-113ページを見ますと、検討事項16ですが、現行指針の要件では、3番に、施設内に倫理審査委員会を置くという必須の要件になっておりましたが、今回の指針見直しの際もそれを設置することを要件とするかという議論が持たれました。現状としては、今回、統合指針や再生医療新法では、施設内倫理委員会の設置が必須の要件とはなっていません。前回の議論では、遺伝子治療の特殊性を考えると、施設内の倫理委員会は必須ではないかという結論になっていたのですが、その後、ほかの委員からの意見等もありました。どういう意見かというと、遺伝子治療の開始から大分年月がたって、今回の見直しにおいても、対象疾患の規制が緩くなったなど、範囲が広くなってきていることで、今後、小規模の機関でそういう研究をやる場合に、この施設内倫理委員会の設置は研究開始の妨げにならないかということや、海外の動向を見ますと、倫理委員会の機関内設置という義務はなくなってきている流れがあるので、今回、要件から外すのが良いのではないかという意見もありましたので、もう一度ここについては、本当に3番の要件が必要かどうか、意見を頂きたいと思っております。

 次に説明に戻ります。44ページ、第十九「研究機関の長の責務」についてです。一、二、三はそれぞれ統合指針を準用いたしました。49ページの四の「大臣への報告等」では、3の部分が検討事項9に該当します。資料1-16ページを御覧ください。重篤な有害事象等については、ほかの指針等との整合性を図りつつ、現行指針と同様に、速やかに厚生労働大臣に報告することになりました。これに関する記載としては「研究機関の長の責務に記載、あとは新たに制定した99102ページの第七章「重篤な有害事象への対応」という項目がありますが、そこにもこれらについては記載することになります。第七章においては、ここに書いた規定に従うという記載をしております。また、現状では審査の過程で、研究計画書に72時間以内に第一報を行うようにという記載がありますが、「速やかに」という具体的な報告期限については記載はありませんでした。そこで再生医療新法との整合性を図り、通知やガイダンスに、資料1-1に書いてあるような具体的な記述を記載するようにしております。

50ページの4には、文部科学大臣へ写し等の提出などの規定がされていますが、こちらに関しては、文部科学大臣に提出するかどうかは、文科省と調整中となっておりますので、変更になる可能性があります。

52ページ、第二十「倫理審査委員会」についてです。一は、統合指針の準用となっています。

53ページの「倫理審査委員会の設置者の責務」では、統合指針の準用としますが、審査資料の保存に関しては、再生医療新法等に合わせて、統合指針では5年になっていますが、研究終了後10年とさせていただきました。

 現行指針の一番下の5は、5455ページに書いてある(3)が該当するということで削除いたしました。また、この中に記載する要件としては、検討事項8-1が該当しており、資料1-15ページを見ますと、8-1の検討では、倫理審査委員会の質を担保するために、委員の教育・研修については、委員の負担も考慮して規定することになりました。

 倫理審査委員会の設置者は、教育・研修を受けることを確保するための必要な措置を講じなければならないということで、こちらに記載することになったのですが、これは準用した統合指針の部分、55ページの(4)の黄色の部分に規定してありますので、対応可能となっております。

55ページの三の「倫理審査委員会の役割・責務及び構成」も統合指針を準用いたします。こちらに関する記載事項としては、58ページの黄色の部分ですが、こちらが検討事項、先ほどの8-1に該当しており、資料1-15ページに書いてありますように、倫理審査委員会の委員及びその事務に従事する者は、審査及び関連する業務に先立ち、教育・研修を受けなければならない。そして、継続して適宜教育・研修を受けるということを記載することになりますが、こちらも準用した統合指針の(6)で対応しております。

 三の2の「倫理審査委員会の構成」については、現行指針を基としますが、統合指針と比較して不足していた5人以上であるといったことなどは追加させていただきました。

63ページの「迅速審査」、64ページの「他の研究機関が実施する研究に関する審査」に関しては、統合指針を準用するということで対応いたしました。

○山口委員長

 この部分は統合指針をかなり引用している部分がありますし、ポイントとなる部分が厚生労働大臣への報告が年に1回とか、あるいは施設内臨時審査委員会の設置の必要性を義務付けるのか、必ずしも施設内でなくてもいいのではないか。この辺は是非御意見を頂ければと思っております。あとは長期フォローアップの問題、審査資料は、答申では5年と書いてあるのを、ヒト幹と合わせて資料保存は10年とするということですが、御意見等はありますか。

○小野寺委員

 それもあとで出てくるex vivoin vivo遺伝子治療の話になってくると思いますが、ex vivoであれば直接、特定認定再生医療等委員会での審議になるわけですよね。

○山口委員長

 そうですね。

○小野寺委員

 ですから、そこでまず1つ齟齬が出るということと。もう1点はex vivo遺伝子に限定すると、仮に軽微な変更(新規性)でも特定認定再生医療等委員会での審査が必要になる可能性があること。また、倫理性に関していえば、学内のIRBの方がより深い議論をできる可能性がなどがあることかと思います。○佐藤主査

 私が先生から受けた意見ですが、それは必ずすぐ上にというわけではなくて、ほかの大学が持っているようなIRBに一旦掛けて、意見を伺ったのを上げるという形はどうかということで、施設内に倫理委員会がなくて、まず初めにという意見を伺っていました。

○山口委員長

 新制度での一番リスクの高いのを審査をするときには、法律上は直接来るという図に多分なっていると思うのですが、そこは今のような整理ということですか。学内に遺伝子臨床研究のIRBがなくても、別の委員会でということですか。

○中山研究企画官

 それは特定認定の話ですか。

○山口委員長

 そうです。

○許斐室長補佐

 特定認定再生医療等委員会については、法律の中では院内の施設のIRBについては特に規定を求めていないというところです。

○山口委員長

 今までの遺伝子治療の臨床研究ですと、新規性のないものはそこで判断がされた上であれば、新規性のないものは30日以内に返して「審査の必要なし」と返せるのですが、もしそこを経ていないと、逆にいうと返せなくなってしまう可能性はあるのかなと。要するに、施設内でIRBを見ていないとすると、直接来てしまうという意味なのですが、その辺の整理はどうなっているのですか。今までは臨床研究だと、ex vivo遺伝子治療のときなどは特にそうだと思うのですが、かなりの試験がすでに実施されているというか、例えば対象疾患がほんの少し変わるだけ、あるいは患者数を増やすだけとか、いろいろなケースがあると思います。それで来たときには新規性がなければ、それで30日以内に「新規性なし」という回答ができるわけですね。

○中山研究企画官

 これは今までの指針のやり方ですよね。ですから、再生新法のほうでそういうものをどう扱うかというのは、私は知りません。

○山口委員長

 要するに、下に倫理委員会がないときに返せるのかどうか。「もうそれでいいですよ」と新規性なしで返せるのかです。

○許斐室長補佐

 返すというよりも、まず計画の変更ということになるのかどうかということです。軽微な変更になる場合には届けるだけになりますが、軽微ではない研究計画そのものの変更とか、そういったものに関しては、もう一度新たに提供の変更届を出していただいて、それを特定の場合ですと、特定認定再生等委員会にまず出していただき、それの意見を経て、また、最終的には大臣のほうに出すという形になっております。

○山口委員長

 変更の場合はそれでいいのですが、A大学でやっているのと全く同じものをB大学でやるときなどは、場合によっては新規性なしで返せるのです。そこで倫理委員会を経ていないと、新規性なしとして返したときに、学内では倫理委員会を経ていないということになりますね。

○島田特任教授

 倫理審査ということよりも、今の日本の医学部というか、大学の制度を考えると、私は建設的ではないような気がするのです。というのは、ある研究室でこういう研究をやろうと言ったときに、学内の審査委員会を通さないで、特別何とか委員会に出すということは、大学としては全然責任を持てないということになってしまうわけです。IRBがちゃんと機能しているとは私も思いませんが、あれは少なくともスクリーニングの役目を果たしているわけです。だから、手に負えないという判断もあるかもしれませんが、そこの窓口がないと情報がどちら向きにも行かないのではないかという気がするのです。

○許斐室長補佐

 要は、学内のIRBをやってはいけないということではないので、必要があれば当然やっていただくという方向でいいのかと思います。

○山口委員長

 例えば、この見直し委員会で、遺伝子治療に関しては学内のIRBを経てくるべきだとすれば、ちょっと法律のところとは違う判断をここで出すことになるかと思いますが、学内IRBを求めてはいないのだけれども、こちらでは求めたほうがいいということかなと。

○島田特任教授

 アメリカのがいいかどうかは分かりませんが、前から言っているように、アメリカのRACは遺伝子治療は見ないようにしようと、最終的に決まったのではないがと言っているのですが、あれはIRBで、アメリカの場合のIRBというのは、大学内でもいいし、幾つかの大学で持っている……、そこで審査ができているから、ほとんどのものがRACで見なくてもいいという話ですよね。その話と再生の話と、日本では同一に議論してはいけないのかもしれませんが、そういう形にしておかないと、ワンステップないと。

○谷委員長代理

 先生がおっしゃったことに関して、後者は治験における中央IRBの考え方ですね。

○島田特任教授

 中央IRBね。それでもいいのです。中でもいいし、中央IRBでもいいのですが、今の再生のあの委員会がそれに当たるのかどうか。

○谷委員長代理

 多分そういう想定がなされているのだろうと思います。ただ、その前提としては、学内等のIRBでちゃんと議論したうえでだと思います。これらは細則等で詳しく決めるという方法もあるとは思います。

○島田特任教授

 今の日本の医学部というか、それが中心になると思いますが、そこで大学の何かを。

○谷委員長代理

 中央IRBに掛かっている治験なども、必ず大規模施設ではその施設内の審査委員会において現実的には議論がなされていると思いますが、その機能のない小規模施設の場合には中央IRBにおいて議論されていれば問題とはならないのが現状だと思います。 それと、学内に、小さな施設も入ってきますので、そこは倫理委員会を持てないので、中央IRBで。

○島田特任教授

 それは今までもそれをやっていたのでしょう。

○谷委員長代理

 一般の治験においてはそのように理解しています。

○位田委員

 法律の中に入ってしまう分については、それ以上の規制を掛けるというのは理由がないと思います。各大学で自分の所の規則で、必ず自分の所のIRBか中央倫理委員会を通って、それから認定再生医療等委員会に持っていかなければならない、と定めるのは自由で、どちらでもいいのですが、この指針の中で法律以上の規制を掛けるのは基本的にはできないと思います。in vivoは別です。

○中山研究企画官

 適用は、ex vivoは除外するという立場のこの指針は立つということで御意見を頂いていたと思っているので、飽くまでこの指針の中で決めることは、中央IRB的なものをin vivoでもやってもいいとするかどうかというところだけだと思います。

○山口委員長

in vivoの場合に、中央IRBというか、小さな施設、例えば近畿地方ぐらいの所で中央IRBを作って、そこで審査をした上で、こちらに出してくるという想定なのか、中央IRBが遺伝子治療の臨床研究のところをIRBにしてしまうのかというのは違うのかと思うのですが。

○中山研究企画官

 そこは違うと思いますが。

○山口委員長

 一応それを確認した上で、大学の中になくても中央IRBみたいなものを経た上で出してきてもらうということであれば、それはそれで構わないような気がするのです。一番気になるのはin vivoの遺伝子の場合には、30日で返せるという制度がありますよね。それもちゃんと担保しようと思うと、学内あるいは中央IRBで審査をしたもので申請してきたときに返せるとしておいたほうが筋は通りやすいかと思います。

○中山研究企画官

 そこはそうですね。それは施設内でやっても、中央IRBはやるべきであっても、どちらでもということですね。

○山口委員長

 もう1つは、先ほど御意見があった学内の責任体制というか、それは学内の問題なのかなという気がしてはいるのですが、中央IRBでやったものを学内が承認をするという話なら、それはそれで構わないのかなと思います。

○中山研究企画官 だから、今の規定でいくと、必ず施設内にという話になっているので、それでいいかと。施設内でやってもいいが、中央IRBみたいなものもいいという立場に立つかと。

○小野寺委員

 中央IRBというか、今回、in vivo遺伝子治療に限定すると、仮に学内のIRBがなくなると、全ての案件は直接、遺伝子治療臨床研究審査委員会に掛かることになりますか。○中山研究企画官

 いや、必ずしも特定認定に行かなければいけないということではなくて。

○小野寺委員

in vivo遺伝子治療の話ですが、今、この指針でin vivo遺伝子治療とするときの学内のIRBが要らないというのは、ここが要らなくなるのですね。

○中山研究企画官

 施設外ではやるということです。ここまでは当然やるのです。

○小野寺委員

 それはin vivo遺伝子治療ですか。

○中山研究企画官

 ええ。

○小野寺委員

 それはどこでやるのですか。

○谷委員長代理

Ex vivo遺伝子治療の場合には特定認定再生医療等委員会で、in vivo遺伝子治療の場合には臨床研究審査委員会で従来通り議論することになると理解しています。

○小野寺委員

 それは今ある。それはここで。

○谷委員長代理

 通常は先ずは各施設内IRBで議論されるはずですが。

○小野寺委員

 どこのIRBのどこでやるのですか。

○許斐室長補佐

 今の小野寺先生の御質問については、要は自分の施設内でやるのか、今言っているのはin vivoに関してですが、それを施設内でやらなければいけないのか、それとも外のどこかの倫理審査委員会でできるようにするか。必ずしも自分の施設内でなくてもいいのではないかということで、IRBを消してしまうという話ではないと。

○中山研究企画官

 違いますよ。ABCで共同でやっていて、A1つやれば、BCもやったということで、その施設がよければこうしてもいいとかという話ですね。

○許斐室長補佐

 直接、今やっている遺伝子の審査会に上がってくるのはなくて、ワンステップ経る倫理審査委員会がどこにあるのかという話です。

○位田委員

 そのときに企画官がおっしゃったABCとあってという話ではなくて、もちろんそれも含めてですが、ABIRBでお願いしてもいいという話です。

その点から言うと、例えば、先ほど倫理審査委員会を置かなければいけないという規定がありましたが、他方で、第三章の最後の「他の研究機関が実施する研究に関する審査」では、ほかの研究機関の審査をやってもいいという話ですから、矛盾していますよね。一方で倫理審査委員会を各機関は置かなければいけないと書いてあるわけですよね。第三章の第十八「研究機関」で「倫理審査委員会が置かれているものであること」というのがあります。分かりますか。

 それに対して、第二十の五では「他の研究機関が実施する研究に関する審査」で、どこかほかの機関から審査をしてくださいと頼まれているときは、他の審査をしてもいいという話ですから、自分の所に置かれていれば、こういうことはやらなくてもいいはずです。だから、ここは既に矛盾しているのです。それから、先ほど企画官がおっしゃったABCの場合はどうするか。ABCの場合であっても、IRBを置かなければいけないというと、そこを通したらいいではないかという話になるので、そこは整合性がうまく取れていないのです。

○中山研究企画官

 これは今の段階で第二十の五で「他の研究機関が実施する研究に関する審査」をやっていいという規定ですが、これを入れてあるのが、今の段階でも間違いですね。

○位田委員

 だから、どちらかにするという話なのだと思うのです。

○中山研究企画官

 まずは第十八の三の所を「置かれているものであること」という規定にするかどうかの話がないと、第二十に行かないわけですね。

○位田委員

 行かないです。

○山口委員長

 ……の御意見だと、必ずしもなくても、ほかの機関でもいいのではないかという御意見が多いような気がしたのですが。

○中山研究企画官

 そうすれば、第十八の三を。

○山口委員長

 例えば原則とするとか、あるいは必要に応じてとかという話になりますよね。それが第三者に委託してもいいということと矛盾しないようなことにしていただけるといいのかなと思います。

○小野寺委員

 そうなると、やはりin vivoex vivo遺伝子治療で審査の方法が異なってくると考える訳です。つまり、in vivo遺伝子ではまずどこかのIRBを通して遺伝子治療臨床研究審査委員会に入るわけです。ただ、ex vivo遺伝子治療の場合は、直接、特定認定再生医療等委員会での審議になる。

○中山研究企画官

ex vivoでは、IRBに相当するものが特定認定だということです。

○山口委員長

 ですから、多分ex vivo遺伝子治療というか、特定認定は二重システムを取ってもいいのだけれども、取らなくてもいいということですよね。特定認定委員会のところのラインというか、申請ラインというのは、二重審査システム、既設ないしは施設が持っている……。

○谷委員長代理

 場合によってはハードルが低くなる可能性がありますね。

○小野寺委員

 低くなりますね。そういう意味でin vivoex vivoで体制というか、審査のステップが違っていいのかなと思うわけです。もし、in vivo遺伝子治療とex vivo遺伝子治療が同じ審査ステップを採るとすると、ex vivoにおける特定認定再生医療等委員会がin vivo遺伝子治療の各IRBとなり、ex vivoではそのあと国の審議会に掛かるのですから、in vivo遺伝子治療における遺伝子治療臨床研究審査委員会は要らないわけです。○谷委員長代理

 そこがまさに問題だと思います。多分これはあとの議論になりますが、将来的には見直しの案、今の再生医療新案が35年目に見直しの時期があると思われますので、その際に遺伝子治療についても再検討を行い、in vivo遺伝子治療も含めてしまうというのも1つの考え方だと思います。

○島田特任教授

 それは、in vivoも法律のほうに持っていってしまおうというのですか。

○谷委員長代理

in vivoについて法律まで持っていくかどうか分かりませんが、特定認定再生医療等委員会の機能の中に含めるということだと思います。

○島田特任教授

 それは、だけど法律で規定されている委員会なのでしょう。

○谷委員長代理

 そうですね。

○島田特任教授

 そこにわざわざハードルを入れてしまうのかという話になってしまいますね。中央IRBという考えは、今の統合指針に入っているわけでしょう。

○中山研究企画官

 入っています。

○島田特任教授

 日本はまだ基本的にそのようになっていないのだよね。

○中山研究企画官

 実態がまだ……なってないということです。

○島田特任教授

 そういうことが日本でもできてくれば、そんなに議論にならないで続けられるような気がするのですが、現実を考えると、小さい病院だったらともかく、医学部レベルでほかへ頼むということがあるかな。逆にその大学で臨床研究を全部やるのだという流れに日本の今の研究体制というのはなってしまっているのではないですかね。中央の委員会が実際に機能するのか、どうかはどうなのですかね。それはかなり具体的になりそうなのですか。

○那須委員

 今の臨床研究中核病院事業とか、ああいった中では、きちっとした倫理性を持った審査が中核病院と名前が付いた病院ではできることということです。そこでは中央IRBを治験ではなくて、臨床研究も中央IRBとしての機能を発揮しなさいということの要件がありますから、将来、場合によっては大学同士が5つぐらいでやるときも、個々の大学がやらなくても1つの病院がやるというのが、今、国が目指している方向だと思いますので、私はこれは十分あり得る話だと思います。

○山口委員長

 恐らく法律で特定認定のルールというのが、議論が窮するところになってしまうのですが、ここだけはあとでしておいたほうがいいと思います。

○中山研究企画官

 そうですね。もう1回整理しますと、今までの遺伝子治療臨床研究の場合は、まず施設内でIRBを通して、それを国で審査する。国で審査するのですが、科学技術部会で審査していたところを、具体的には専門家の方々に集まっていただいた審査委員会を通すことによって、国の部会を通すという流れだったのです。

 再生医療の新法の考え方としては、部会の下の委員会をやめて、基本的には部会に一元化してしまっているのです。施設内のIRBというものを外に出し、かつそれを特定認定委員会という形で審査させたものを再生医療の国の部会に報告させるというルートにしているので、確かに小野寺先生がおっしゃったように、話の手続の流れがちょっと違って、IRBとして外に出したものであるが、ある意味、今まで国でやっていた審査委員会での審査部分も特定認定医療部会でやるという役割を担わせていると思います。かつ、国に来たときも実質の審議の部分は、今までは下の委員会でやって、部会に上がったものを、国としてはここの評価部会で一括してやるということなので、この部会としての審査内容としても厚みを持たせるということで構成していると思います。その辺はやり方が確かに違うので、少し分かりにくかったと思います。

○山口委員長

 こちらのほうは法律で決まったルートになってしまっているのが現実問題で、今までの遺伝子治療臨床研究での審査でやられていた、割と慣れている部分に混乱が起きるのだろうと思います。この部分についてはやむを得ない部分はあるかと思います。

 ただ、ここで議論して確認だけさせていただきたいのは、施設内IRBは必ずしも必要かどうかという点について、今までの議論で必ずしも施設内でなくても、中央IRBでも構わないのではないか。それが一応施設としての承認された形であれば、特にin vivoですが、臨床研究の審査のほうに来て、簡易であれば返せるという体制がとれているのではないかと思いますが、それでよろしいでしょうか。

○位田委員

 「中央の」という言葉が誤解を生むのではないかと思います。国という意味ではありませんので、どこか他の機関のIRB、若しくはIRBだけを独立して作っている場合もあり得るわけですよね。生殖医療などではクリニックが一緒になって、JISARTという所ですが、そこで倫理審査委員会を置いているのですが、これは倫理審査委員会だけなのです。これは中央のIRBでも何でもないので、他のIRBにやってもらうという話だと思います。

○山口委員長

 その辺は結論的には施設内で必ずしも持たなくてもいいのではないかということで、位田先生がおっしゃったように、他のIRBでも、中身が担保できるのであればOKと整理させていただければと思います。

○谷委員長代理

 臨床試験参加機関における「中央」という意味ですよね。

○山口委員長

 第三章で議論すべき点は大体そのぐらいでよかったかと思います。それでは、第四~第九章ぐらいまでをまとめてお願いします。

○佐藤主佐

 検討事項に関することも少なくなってきましたので、第四章から最後までいかせていただきます。65ページ第四章「研究実施の手続」に関してです。第二十一は「研究の開始の手続」で、一は統合指針を準用させていただきます。現行指針の一は準用部分で対応ができるので削除させていただきます。

66ページの二の「倫理審査委員会の付議」も統合指針の準用とさせていただき、この中に記載する項目としては、検討事項15が該当しておりますので、資料1-112ページを御覧ください。検討事項15は前回議論された所で、多施設共同研究における審査に関してです。現行指針では多施設共同研究においては、「1つの倫理審査委員会による一括した審査が可能である」という記載はありませんでしたが、前回の議論では、統合指針との整合性を図るということになり、統合指針と同様に、多施設共同研究の場合は1つの倫理審査委員会による一括した審査を可能とさせていただきました。また、その時に「厚生労働大臣への意見も一括に申請することが可能である」とさせていただき、その際、最終的な責任は研究機関の長が持つこととなります。そちらに関しても、準用したものが68ページの(3)の統合指針に、「一つの倫理審査委員会による一括した審査を求める」と記載してあり、対応となっております。

 三の「研究機関の長による許可」の所にただし書きで、「大臣への一括した審査を求めることが可能」と記載しております。

 四の「研究に関する登録・公表」は、先ほどの検討事項10で、具体的なデータベースを記載すると言いましたが、そちらがここに該当し、統合指針の第9を準用させていただくと、69ページから70ページに書いてあるように、国立大学附属病院長会議等公開すべきデータベースの記載がありますので、そちらで対応させていただいております。

71ページの第二十二「研究計画書の記載事項」ですが、こちらは検討事項456に該当しますが、サブグループでの話合いの内容になりますので、資料2で後ほど説明させていただきます。

79ページの第二十三「研究の終了の手続」に関してです。80ページで、こちらに関して現行指針に統合指針から、研究機関の長は、研究が終了したときに、終了の旨や結果等を倫理審査委員会に報告するということを、統合指針に合わせて記載を追加しております。

80ページの第五章「厚生労働大臣の意見等」について、82ページを御覧ください。こちらが、検討事項8-2に該当していて、資料1-15ページを御覧ください。検討事項8-2に関しては、遺伝子治療等臨床研究の新規性の判断についての規定を変更するかということで議論が行われました。議論の結果、新規性の項目の見直しは行わない方針となりましたので、そのままの記載となっています。定義で「予防」を含むということとなりましたので、その辺は対応をさせていただいております。

84ページの第二十七「文部科学大臣への連絡」とありますが、こちらも文部科学大臣に書面の写し等を送るかということは、文部科学省と今検討中となっておりますので、今は検討事項となっております。

84ページからは第6章「個人情報等の保護」になります。こちらは検討事項12に該当していて、資料1-19ページを御覧ください。ここでの検討において、遺伝子治療と臨床研究は臨床研究の一分野であり、現行指針では個人情報の保護に関する所に関しては、疫学研究に関する倫理指針とほぼ同様の記載がされており、遺伝子治療に特有の規定はありません。そこで、見直し後は統合指針の文言と同様にすることになりましたので、統合指針第6章をそのまま準用させていただくこととなりました。

99ページを御覧ください。98ページから99ページですが、第七章「重篤な有害事象への対応」となっております。こちらも統合指針第7章の規定を準用することとしました。ただし、研究機関から厚生労働大臣への報告の所に関しては、先ほど、上で規定した第十九「研究機関の長の責務」の規定に従うこととさせていただきます。

 第8章ですが、104ページを御覧ください。第8章も、統合指針の準用となりますが、104ページの第三十三「研究に係る試料及び情報等の保管」の所が、検討事項11に該当しておりますので、資料1-18ページを御覧ください。検討事項11は、記録の保存についてです。遺伝子治療等臨床研究においては、治療後、長期間経過してから有害事象が発症することを想定して、現行指針では「5年間」という規定になっていますが、それ以上に記録を保存すべきではないかということで議論が持たれました。その結果、ヒト幹指針のほうと合わせて、最終産物の一定期間の保管を規定する。そして、試料や情報や記録等の保存に関しては、ヒト幹指針に倣い、基本「10年間」と記載させていただきました。しかし議論の中では、研究に用いるベクターの性質の違いなどによって、この10年間というのは審査の中で考慮していくことになっております。

 第九章「雑則」に関しては109ページを御覧ください。現行指針第一「記録の保存」に関しては、第8章に移動しておりますので削除しております。現行指針第二「秘密の保護」に関しては、研究者等や倫理審査委員会の委員の責務等に記載してありますので削除しております。第三「情報の公開」に関しては、第一章に移動したので削除しました。第五「適用除外」も第一章に移動したため削除しました。第六「細則」に関しても、今回細則は使用する予定がないということで削除しました。以上、資料1-2に関する説明を終わります。

○山口委員長

 サブグループのものも一緒にやってしまいましょう。

○佐藤主佐

 資料2-1から資料2-3までの説明をさせていただきます。検討事項456では、品質・安全性の部分についての議論が持たれました。その内容に関しては専門的な内容にもなるということで、サブグループを設置し、これまで計3回の議論を行い、品質・安全性の評価項目についてまとめてまいりました。今回、品質・安全性の評価項目についてのまとめが出ましたのでお知らせいたします。

 まず、資料2-1の説明ですが、品質・安全性に関する項目に関して、サブグループでどのような観点で話し合ったかについて示してあります。1つ目の議論は、治験の指針、遺伝子治療薬指針を引用し、そのまま項目を決定したらどうかという意見が出ました。これに対しては、現在その指針が見直し作業中であり、こちらの遺伝子治療臨床研究の指針の改正よりも後になるということで、現行の遺伝子治療薬指針を引用しても駄目であるので、こちらの指針できっちり内容を決めるようにしましょうということでした。

2つ目は、基準についてどこまで詳細に記載するかということです。遺伝子治療臨床研究指針は告示であることを考えると、余り具体的な内容を記載せずに、考慮すべき事項を列挙する程度でよいのではないか。その詳細に関しては下の通知等で記載するのでよいのではないかという意見もありました。ただし、現行指針のように項目だけをただ列挙するだけでは、今から研究を始めようとする研究者にとっては分かりにくいことだったりするので、現行指針よりは少し細かく書こうという話になりました。

 こういう意見を踏まえ、サブグループのまとめとして、見直し中の遺伝子治療薬指針や海外との整合性を踏まえ、品質・安全の評価項目については決定していく。現行指針に近い項目のみ記載するのではなく、少し細かくした1段階細かいところまで指針本体に書き込むことにする。指針本体には余り詳細までは記載せず、その詳細については別紙通知の形で記載するということで話がまとまりました。

 次は資料2-2の説明です。現在、「研究計画書」の具体的内容は通知に別表という形で示してあります。今回の見直しのときも同様に研究計画書の具体的な記載内容については別表の形で通知に載せることとさせていただきます。別表1が通知に載せる研究計画書の詳細となり、左の事項の部分に指針本体、先ほどの研究計画書の記載事項にある内容が左の事項に記載されていて、右の内容の部分が詳細部分となっております。

 網掛けされております6から9までの部分を中心に、サブグループで議論を行っております。そちらの詳細内容については右側に記載しましたが、こちらの別表1の記載内容だけではまだはっきりしないこともあるということが議論になり、更に69の部分に関しては、資料2-3になりますが、別添という形で更に細かい添付してほしいものや、書いてほしいものなどを記載しております。これは、通知等で更に下に載せようと検討している所です。別表2は、資料2-2の最後にあります。別表2は、研究計画書に添付する資料の詳細となります。こちらも同様に左のほうに見直し指針に記載する項目、右が詳細内容となっております。こちらは山口先生、内田先生から、審査の際に必要と考えられる項目を整理していただき、作成していただきました。

 これらの研究計画書に関しては、再生医療新法のほうに出す書類の関係もあり、どのような計画書になるか、また整理が少し必要かと思っておりますので、御意見等があればよろしくお願いたします。資料2-3の詳細に関しては、山口先生から少し説明していただきたいと思います。

○山口委員長

 資料2-2までは項目だけを並べているのですけれども、その中身についてはこの項目だけではどのようなことを求めているか具体的には分かりにくいということで、海外のガイドラインなどでも、具体的に求めているところは資料2-3に書いた程度の話は書かれています。その辺のレベルに合わせることを考えました。先ほど説明がありましたが、例えば増殖ウイルスに関する試験の感度とか精度とか、その辺の具体的なことまでは求めない、すなわち具体的な数値のようなものは書かない。それは、科学的にはどんどん変わっていく可能性があるので、基本的な考え方を資料2-3では書くようにしました。

 資料2-3に当たる所は、品質・安全性という、遺伝子治療ベクター、あるいはプラスミドベクターも含め、そういうベクターの品質特性解析とか、ヒトに投与する最終製品の試験の在り方、あとは非臨床で求められる試験の内容、このような試験を申請に当たっては出してほしいという具体的な形での記載にしました。

 最初に「開発の経緯」ということで、ここは重複するような表現なのですけれども、品質・安全性に関するベクター等の開発の経緯、どのような遺伝子を導入しようとしているか、その遺伝子をどのようなウイルスベクター、あるいはプラスミドベクターに乗せようとしているのか、その辺のことを書いていただいた上に、全体の構成としてはウイルスベクターとプラスミドベクター、あるいはプラスミドをリポゾームのキャリアとして用いるようなケース。それから、先ほどから議論になっているex vivo遺伝子治療で求められるような基本的な考え方、その時のそれぞれのウイルス安全性や、各種感染因子の安全性確保の考え方などを書いております。

 最初のほうに、それぞれのベクターごとにどのような情報を出してほしいかという構造などを、製造方法まで含めて3ページまで、ウイルスベクター以外の場合が3ページ以降に書かれています。ウイルスベクター、非ウイルスベクターの特性解析、品質試験が5ページから8ページまでになります。8ページ以降からは、一部は必ずしも最終試験ではないのですけれども、最終試験でやられるような試験をかなり書いております。例えば無菌試験、マイコプラズマ否定試験、あるいはその純度、細胞の生存率、これは細胞の場合ですけれども、生物活性等に関する記載をしております。

10ページに非臨床安全性試験ということで、いわばヒトに投与するまでにどのような非臨床安全性試験と、有効性を……するような試験のデータを求めておくべきかということについて、その最後のほうまで書いております。

 一番最後の12ページに、非臨床試験の総括として、その非臨床試験のデータを用いて、治験を行うに当たる、少なくとも臨床研究を安全に実施できるとした根拠等をまとめて書いていただく構成になっております。

 以上が、指針本体の改正の第五章から最後の章までと、それから計画書を書くときの計画書の構成、どんな構成で出したらいいか。特に計画書の中の品質と安全性に書く所だけは更にそのサブというか、ガイドライン的に書かせていただいた部分を添付するような構成になっております。この辺について御意見を頂ければ有り難いです。かなり多岐な内容にわたっておりますものを、急にこういう所で読んでいただいて申し訳ございません。

 品質・安全性のほうの項は最初に説明がありましたが、実際に臨床研究から、いわゆる治験というか医薬品開発のほうに移行する場合にも、このようなことをやっていることによって、治験というか医薬品としての開発もシームレスに進むのではないかという想定の下に作らせていただいているという趣旨があります。

○梅澤委員

 安全性に関しては、医師法も薬事法も同じ感覚でいくというのは、感覚的には合理的な感じがいたしますので、委員長のおっしゃるとおりだと思います。

○山口委員長

 ありがとうございます。臨床研究で特殊な所があるので、それだけ説明させていただきます。資料2-2の最後の表の所です。ここの添付資料というのは、一般的に今までは遺伝子治療臨床研究の審査を行った後、科技部会で公表されます。かなりのデータが公表されるのですけれども、添付資料になった所は大概公表されない部分に該当しています。医薬品の申請でいけば、一番細かい実際にだされたデータに当たる部分なのです。これは、審査をするときにどういうデータ、例えばここの部分については2つに分かれていて、その大学あるいは研究機関が独自に開発してきたベクターの場合などは、動物を用いた試験を研究機関でやられていて、かつ公開論文として出されているケースがあります。そのような場合は、それを添付資料として付けていただいたり、一般には公開できないのだけれども、資料としてはその実際にだされたデータを出していただく。

 場合によってはその機関が独自にやったのではなくて、海外のスノーケタリングの大学からそのベクターをもらった場合には、その大学でやられたデータをここの添付資料として出していただく。そうすることによって、どのような根拠になるデータが出されているかが分かるようになります。この部分が、前の公開されている部分と、ここは公開されていない部分と分けて考えることができると思います。

○小野寺委員

 先ほどの話に戻ってしまうのですけれども、結局この中でex vivo遺伝子治療の話が書かれているわけです。ですから、その辺の整合性だけは合わせないと、資料2-34ページに、「体外で目的細胞に遺伝子を導入するときの場合」とありますので、この辺は向こうとしっかり合わせていかないと駄目かと思います。

○山口委員長

 そうですね。この辺は最初に梅澤先生から御提案があったように、事務局のほうでうまく整理をしていただく。要するに関連付けをきちんとしておいていただければいいのかという気がするのです。法律の中からこちらをどのように実際には使うような形にするのかということなのかという気がいたします。先ほど位田先生がおっしゃいましたように、法律を超えた規制はできないというのは当然そうだと思いますので、その範囲の中でという話になります。

○谷委員長代理

 そうなりますと、ex vivo遺伝子治療に関連したルールというのは、現在の再生医療新法の下に同様な指針が重複して作られるということにならざるを得ないのでしょうか。

○島田特任教授

 あれは、そんな具体的なことは何も書いてあるわけではないから。

○谷委員長代理

 ええ、今から省令等で実際的な内容が加わるとは思いますが。

○島田特任教授

 その時に書いたから、これがどういう位置付けになるのか。あれはあれでしようがないと思うのだけれども。

○山口委員長

 それは、研究開発課のほうできちっと。

○許斐室長補佐

 本日の御意見を踏まえ、どのようにきちっと整理させていただくか。ただし、こちらに書いてある内容で基本的にex vivoのほうは、技術的なことに関してはこれの内容でやっていただくというイメージだと思いますので、その辺についてどのように書き分けられるかを検討させていただきます。

○島田特任教授

 技術的なことを言えば、多分この委員会なりが日本の中で一番分かっているメンバーなので、これ以上のことはどこでやっても出てこないよね。その問題と、先ほどから出ている審査の経路の問題、ここを何とかやってほしいということです。

○中山研究企画官

 話題が出たので、やってもいいですか。

○山口委員長

 後で戻るというか、もし何かありましたら今の議論の所に戻るとして、審査の経路について説明していただいて、多分その最後のところまで使ってそれは議論してもいいのかなという気がいたします。

○許斐室長補佐

 参考資料2を御覧ください。再生医療等安全性確保法施行後の遺伝子治療臨床研究の申請及び審査イメージとして作らせていただきました。先生方御存じの如く、再生医療等安全性確保法の対象に、今回ex vivo遺伝子治療を含めます。その手続についてはこちらの図のように整理するところです。青い線がin vivo、赤い線がex vivoの流れになっています。具体的には二重審査とならないよう、またその審査の質がin vivoと同等となるよう、ex vivoについては1)の所で、特定認定再生医療等委員会となっておりますけれども、これまでの2)の遺伝子治療臨床研究審査委員会と同等の審査ができるような特定認定再生医療等委員会を設置する予定です。また、1)の委員会の委員については、2)の委員と重複する予定で、これによって審査の質を担保したいと存じます。

 これまでの科学技術部会にかかっていたものについては、今回、再生医療等評価部会の中において、in vivoex vivoの両者を上げることにいたしました。カルタヘナ法についてはこれまでどおりの流れになります。以上です。

○山口委員長

 今最後におっしゃった、カルタヘナ法が、今まで臨床研究の所は審査を1つにしようとして、そのような審査体制ができたのです。今回は法律ができてしまったので、カルタヘナ法も法としてはそれを遵守していかなければいけない部分があるので、一応そこはスプリットしてしまうというのはやむを得ないところです。これからまだ作られていく部分があると思うので、どのような担保の仕方をしていただければ、従前どおりの適切な評価ができるかということかと思いますので、もし御意見等がありましたらお願いいたします。

○小野寺委員

 意見というよりも質問です。今おっしゃられるように、特定認定再生医療等委員会というものと遺伝子治療臨床研究審査委員会の委員を重複すると考えたときに、基本的にこれは1つの委員会しかできないということ。つまり、再生医療の場合は何箇所もできるみたいなことが書いてありますので、例えばある大学が、自分のところで行う遺伝子治療を自分のところの特定認定再生医療等委員会で審査したいと言った場合、それを排除できると考えていいのですか。

○許斐室長補佐

 その辺はなかなか難しいところで、完全排除ということを書くのはなかなか難しいのかと思うのです。ある特定の、特に今回の遺伝子治療のようなもののことを十分できるような委員会において審査をするような書きぶりにしていけたらと考えて、そういう内容で何とか書こうとしています。

 一方、実際にその審査を受ける側、審査の依頼があったときにそれを受けるかどうかに関しては、これは一応契約のような関係になるので、そこでうちは遺伝子では見られませんのでと言ってお断りいただくことは可能です。

○小野寺委員

 もう1点ですが、特定認定再生医療等委員会は基本的に国の機関ではないわけですよね。そうなると、だれがどこにこの委員会をつくるのか。学会とか。

○許斐室長補佐

 その辺はそういう方向で今話を進めています。

○今村委員

1)の特定認定再生医療等委員会と、2)の遺伝子治療臨床研究審査委員会が同等の質を担保できるような委員会で、構成としても大体似たようなことを考えているということであれば、もう1つ再生医療等評価部会と科学技術部会との関係はどういうことになるのですか。

○許斐室長補佐

 今の科学技術部会は、in vivoex vivoを見ていたということです。どちらも、片方が科学技術部会、片方が再生医療等評価部会となることがないように、今回に関しては再生医療等評価部会のほうに寄せることで進めています。

○今村委員

 科学技術部会の審査事項から、再生医療と遺伝子治療を削除すると考えていいのですか。

○許斐室長補佐

 削除するというか、新たなこのような部会を立てることで、そちらで見ることになります。

○今村委員

 構成はどのように、まだ重複することもあるわけですか。

○許斐室長補佐

 委員の選任については今調整中です。

○中山研究企画官

 答の一部ですけれども、科学技術部会には山口先生がここの委員長として入っていただきました。その……にされる方は、こちらの再生医療等評価部会になった場合には、そちらに入っていただく形になります。他の委員をどう整合させるかという話はまだ検討しているところです。

○中畑委員

iPSの扱い方ということで最初の頃に議論して、遺伝子治療、遺伝子導入も伴いますので、遺伝子治療のラインでいくか、あるいは再生医療のラインでいくかと。一応再生のラインで、そこに遺伝子医療の専門家が参加してその審査をする。今回だと、特定認定再生医療等委員会のほうにどちらのトラックから回ったとしてもそちらに行くわけです。その中でどういう形で審査をされるか。その審査委員の構成メンバーにも関係すると思うのですが、その辺はどういうスキームで今後考えていくのか。その辺について具体的なものがありますか。再生医療の委員会では、単なる再生だけの事案がいっぱいここに来るわけですね。それと、この遺伝子治療に関係するような事案も入ってくるし、またiPSも入ってくるので、それをどう整理していくのか、その辺についてはどうなっているのですか。

○許斐室長補佐

 今お話いただきましたように、再生医療等評価部会については、もともとありましたヒト幹のほうの審査委員会の部分も重複していくところもあります。あるいは今回の遺伝子を扱うということがありますので、その遺伝子治療の分かる委員も当然含めてその部会のメンバーを構成していきます。

○山口委員長

 対象としては、iPSESex vivo遺伝子治療、新規の体性幹細胞、要するに新規性のある体性幹細胞をやるときにはという、それが特定認定になると理解していいですか。

○許斐室長補佐

 はい。

○中畑委員

 特定認定のこの委員会にも、固定のメンバーとして遺伝子治療の専門家も入るし、iPSの専門家も、ESの専門家も入るし、あるいは体性幹細胞の専門家も入ると。既に固定のメンバーとして遺伝子治療に関しても誰か委員が選定されるという解釈ですか。

 現行では、ヒト幹の委員会は固定メンバーでいて、そこに遺伝子治療に関係するような案件であれば遺伝子治療の専門家がオブザーバーという形でそこに参加して議論をするという形で今は運用されているのですけれども、固定メンバーとしてそういうそれぞれの分野の専門家が入るような形で構成されるのか、それによってこの遺伝子治療の専門家がその中に12人しかいなくて、他の再生関係のメンバーがメインになるとすると、そこで実際にex vivo遺伝子治療の案件が審査されるというのはバランスが悪いような気がするのですけれども、そこはどうなっているのでしょうか。

○許斐室長補佐

 特に遺伝子治療のことに関しては、先ほどお話したような、任意の委員がメンバーになるように委員を構成して、それについてはほぼそこの委員会で審査をしていただくことになると思います。逆にこれまでiPSのようなヒト幹でやってきたものについては、逆に言うと、遺伝子治療専門のメンバーだけというわけにはいかないので、そういうところで特定認定再生医療等委員会がかかりつつ、最終的なところでは、今回新たに再生医療等評価部会があります。こちらの中には、先ほどこちらからもありましたように、山口先生と、まだ確定はしておりませんけれども入っていただくということで、ある程度今までと同様の質を担保していくところと考えております。

○位田委員

 今の説明だと、特定認定再生医療等委員会のほうが、遺伝子治療についてはほとんどスキップしてしまう形になるという御懸念ですよね。技術委員が置けるようになっているので、固定のメンバーでなくても、それ以外に技術委員を置いて、それで遺伝子治療だったら遺伝子治療の専門家に技術委員として入っていただいて意見を聞くという形になっていると思います。

○許斐室長補佐

 特定のほうはそうなっています。

○中山研究企画官

 特定認定再生医療等委員会というのは全国に20か所か30か所かあるのでしょうか、複数あって、その中で遺伝子治療の審査を行うためのある特定の特定認定委員会を設けて、そこには遺伝子治療の審査委員会の委員の方々がドサッと入って遺伝子治療の審査をやるという特別な委員会を作ろうとしているというイメージです。

○山口委員長

 それでESのところであればもうESになるけれども、iPSの中だと両方またがるので、合体させたような審査。先ほど位田先生がおっしゃった技術委員みたいな形で入って審査ができれば、今までの体制と同じだと。

○許斐室長補佐

 第一章の特定認定再生医療等委員会については、先ほど位田先生からお話がありましたように、技術専門委員を加えることで、その道に関したものを随時、固定の委員ではなくて呼んで審査していただけることになっていますので、そこはそういう方法で担保できるのではないかと考えております。

○小野寺委員

 先ほど山口先生が言われたカルタヘナ法なのですが、申請は別というように考えるのですか。

○中山研究企画官

 それはそうせざるを得なくて、カルタヘナについては特定認定ルートのスキームではないものですから、そこはやむを得ずということになります。

○山口委員長

 カルタヘナに関しては、厚生労働省が本省ではなくて環境省ですので、厚生労働省でもどうしようもないところかと思います。

○小野寺委員

 例えば、同時審査みたいなことになるのですか。

○中山研究企画官

 結果として再生医療等評価部会に通るのは、カルタヘナのほうが遅れているから遅らせるというようなことは絶対にできないと思っているので、そこはきちっと滞りなく流れるように審査を進めるということだと思います。

○山口委員長

 実質的には審査を担保していただければ、スプリットした形でなくてやれれば、運用の問題として解決していただくようにお願いしたいと思います。

○島田特任教授

 今作っている指針、ガイドラインの中にカルタヘナという言葉は入っていますか。

○中山研究企画官

 指針の中には入っていません。これは、例の……だけです。

○島田特任教授

 その扱いが、これでどうなっているのかというのをどこかに書いておかないと。

○中山研究企画官

 書いてないですか。

○島田特任教授

 カルタヘナなのだけれども、結局はあれが今カバーしているのは、ウイルスベクターの安全性とか、もちろん生物多様性の問題とか、そういうことでこの後でいろいろな議論になるのだろうけれども、例えばアメリカとかヨーロッパと扱いが違うということが一部で問題になっているわけです。それを、全くここで触れていないというのは、逆にそのほうがいいのか。

○中山研究企画官

 そこはまた別の話になってしまうと思うのです。議定書で決まっているところから始まっていて。

○島田特任教授

 だからどうなったというのを、この遺伝子治療の指針に一言も書いてないと。

○中山研究企画官

 だからどう。

○島田特任教授

 だって、この中に例えば安全性の問題とか、公衆衛生上の問題とか、それに関係する……だってあるでしょう。だから、ここでは扱わないとか何か書いておいたほうがいいような気がするのですが、どうですか。

○中山研究企画官

 島田先生がおっしゃることはそのとおりだと思うのですけれども、法律が上の法律になってしまっているので、こちらからは余り、要するにこの指針の中にカルタヘナについて書くというのは、先ほどの。

○島田特任教授

 別にここでカルタヘナのことを転記したりなどする必要はないのだけれども、例えばシェリングの問題とか、そういうものは、日本の場合はカルタヘナという上の法律でコントロールされているということを書いてやらないと。

○中山研究企画官

 分かりました。この指針の中で書くのかどうかというのはあると思うのですけれども。

○島田特任教授

 指針の中でカルタヘナの議論をしないのならしないでいいのだけれども。

○中山研究企画官

 だから、指針を出すときに、表紙の所で、例えばこの指針の位置付けはこういうもので、カルタヘナというものに関しては別の役割があってというようなことで全体像がありますという話は付けられると思います。

○島田特任教授

 何かそういう全体像が分かるようなものが必要だと思います。

○中山研究企画官

 分かりました。それはあるのではないかな。

○山口委員長

 あるので、その辺はちょっと周知していただくことはお願いしておきます。

○谷委員長代理

 先ほどの各法律の適用範囲に関しては、担当省・課間での時宜を得た調整が必要でしょうね。

○中山研究企画官

 はい。

○山口委員長

 最後の参考資料2については正直申しまして、今までは遺伝子治療といっても、臨床研究をやっていた先生方はかなり不安もあると思うのです。ただし、その実質的な運用として、今までの審査、あるいは迅速な判断というのが担保されていくように、研究開発課のほうでよろしくお願いいたします。多分そのような御質問が多かったのだろうと思います。

○許斐室長補佐

 第一章に入り込んでいる、今度は90日の制限があります。逆に言うと、その90日の制限にかからないように、特定の所でしっかり審査していただくことになると思います。もう1つ変更についても、軽微な変更であれば10日以内という形になっていますので、軽微な変更になるかどうかというところはきちっと見ていただかなければいけないのですけれども、そういう形になりますので、その辺のところでかえって遅れてしまうということには多分ならないと想定しております。

○山口委員長

 逆に言うと、非常に忙しいことになる。もし定期的に開催されるとすると、委員の確保が結構大変ではないかという気がいたします。参考資料のこれからの再生医療等の施行に伴う審査体制について説明していただきましたけれども、今お願いしたように、実質的な運用をきちんとしていたただければと思います。ただ、カルタヘナについてだけは2つの法律ができてしまっていることになりますので、どうしてもスプリットせざるを得ないです。制度の点ではそうなのですけれども、実質的な審査をうまく運用していただくことによって、重複した2つの委員会でやらなくても済むような体制ができると一番望ましいかという気がいたします。

○許斐室長補佐

 先ほど10日以内と言いましたけれども、変更の日から10日以内に出してくださいということです。私の言い方は、10日以内で返しますという意味ではなくて、軽微なものはただの届出になります。すみません、間違えました。

○山口委員長

 あとの、品質・安全性の部分については詳細な記載をさせていただきました。これが、かなり大きく変わったところかと思います。5年前でしたか、島田先生の研究班でやっていただいた成果をできるだけ取り込むような形で作らせていただいたと思います。これについて、先ほど梅田先生から言っていただいたように、臨床研究も遺伝子治療薬も他の製品もそうですけれども、品質・安全性に関しては同等の担保をしていくのが指針の筋だろうということで、そのとおりの御指摘かと思います。もしなければ、幾つかこの辺の詳細な書き方の変更については、事務局と委員長で最後はまとめさせていただくようにしたいと思いますが、それで了解いただけますか。

○位田委員

3点ほどお願いします。1つは、前に戻って申し訳ないのですけれども、第三章の研究責任者の責務と、総括責任者の責務ということがあります。総括責任者の責務の一の4の所の最後の文章の「また」とあります。「総括責任者は、研究機関の長の指示を受ける前に、必要に応じ、遺伝子治療等臨床研究の中止又は暫定的な措置を講ずることができる」と。総括責任者はできるのですけれども、研究責任者ができるとは書いてないのです。ということは、多施設共同研究であれば、総括責任者がこの研究機関の長の指示を受ける前に中止若しくは暫定的な措置を講ずることができるけれども、個別の遺伝子治療臨床研究の場合には、研究責任者はそれはできなくて、研究機関の長しかできないという形になっているのは少し齟齬があるかと思います。そこのところは検討していただければと思います。

○山口委員長

 はい、分かりました。

○位田委員

 問題があったときに、研究責任者がすぐに止めるということです。

それから、2点目は、研究の終了の手続のところです。第4章の23研究の終了の手続の所で、その2に「研究機関の長は終了の報告を倫理審査委員会に」出すということなのですが、研究開始のときには登録の制度で、登録しないといけないのですけれども、終了のときにも終了をして、その結果も登録するほうがいいのではないかと思うのですが、その辺りはいかがですか。

○山口委員長

 この辺はどうなっていましたか。NIHのトライアルでも、終了した結果のあれは登録を義務付けるとするというか、義務ではないのかもしれませんけれども。

○位田委員

 臨床研究は基本的に全部登録されることになっています。それが終わったかどうかというのは分からないのです。

○山口委員長

 そうですね。

○位田委員

 しかも、それが成功したのか、若しくは失敗したのか。同じような臨床研究を失敗したのに、また誰かほかの人がやるというのは大いにあり得るわけです。ですから、何らかの形で終了というか、その臨床研究の結果を公表するということは今後非常に必要になってくると思うのです。

○中山研究企画官

 そこは一般的な臨床研究ということですよね。

○山口委員長

 そうです。

○中山研究企画官

 ここでどうしますというのもなかなか言いにくいところがあります。

○山口委員長

 それは、公開すべきだと、前の議論でもさせていただいたと思うのですけれども、どのように書き込むかについては課題数を含めて考えていかないと。

○中山研究企画官

 統合指針はうちもやっていますので、そこでどう考えるかというところについては。

○山口委員長

 今の件については検討していただければと思います。

○位田委員

 もう1点は資料2-3ですが、バンクの話が出てきます。セルバンク、ウイルスバンクという話が出てきます。特に定義はされていないのですけれども、それは大丈夫なのでしょうか。というのは、ゲノムの指針の今回の見直しのときに、私は入っていないのですけれども、要するにバンクというのを定義するのはものすごく難しいので、資料・情報の収集・保管・分譲する機関という言い方にしかなっていないのですが、この遺伝子治療指針の場合には大丈夫なのですか。

○山口委員長

 いわゆる臍帯血バンクと、ベクターを作るときのバンクというのはちょっと違って、それはいつも議論が交錯してしまう要因になっております。その辺は書きぶりを考えさせていただきます。てにをはの問題だと思います。

○位田委員

 転記すると何か抜け落ちたり、要らぬものが入ってきたりするので、その辺の書きぶりを少し。

○山口委員長

 単に転記しただけでは説明が不十分になってしまうところもあるのですけれども、梅澤先生のほうがこの辺は。

○梅澤委員

 あちらも、かなり薬事法の中でギシッと決まっていますので、決まっているものに対して書き換えていくというのはちょっと難しいと思います。

○位田委員

 私は、必ず定義をしろと申し上げているわけではなくて、これでいいのかという念押しの意見です。

○山口委員長

 はい、ちょっと検討させていただければと思います。

○位田委員

 もう1点、この指針の見直し規定は置かないのでしょうか。再生医療新法は5年ごとに見直しなのですけれども、これは見直しの期間が書いてないのです。

○中山研究企画官

 再生医療の場合は最初ということもあったと思うのです。今のところ見直しの規定を置くことは考えていないです。

○山口委員長

 海外の規制当局、規制当局というのは医薬品のほうなのですけれども、規制当局でガイドラインの見直しの規定は余り決めていなくて、むしろ様々な専門的なガイダンスとかディフレクションペーパーというのを出していってフォローするような形態が多いので、必ずしも見直しの期間を決めておかなくてもいいのかと思うのですが、いかがでしょうか。

○中山研究企画官

 必要であれば、随時という形を採るということかと思います。

○山口委員長

 貴重な御意見をありがとうございます。幾つか対応を考えさせていただく必要のあるところもあったと思います。一応この改正と、細かい所も含めてなのですけれども、特に細則の一番細かい所は、本来今の時点でなくても最終化するのはいいのかもしれないのです。基本方針はそれほど御異論はなかったのかという気がいたします。先ほど頂いた御意見も含めて整理させていたただければいいのかと思っておりますが、よろしいでしょうか。これで基本的な、本日議論すべき所は終わったのかと思います。最後は事務局からお願します。

○中山研究企画官

 皆様どうもありがとうございました。本日の議事録はまた作らせていたただいて、後日確認の上、公開させていただきます。まだ、この指針についての今後の予定は明確ではないのですが、今頂いた御指摘などを踏まえ、文言等の整理を行い、法令的な文言も整理をして、そういう手続を経た上でパブリックコメントを行い、その後またこの委員会で確認して部会に上げるという手続になると思います。そのパブリックコメントの時期については、統合指針のほうを踏まえた形でこれもできるようにしたいので、その時期次第でまだ予定を明確にはできない状況です。いずれにしろパブリックコメントをする前には、こういう形でパブリックコメントを出しますということを一度先生方にお知らせしたいと思います。

○山口委員長

1点確認させていただきます。この会は公開でやられているので、内容は公開されていると理解しているのですが。

○中山研究企画官

 公開です。

○山口委員長

 遺伝子治療学会の会長の金田先生からも言われたのですけれども、大体まとまったところで遺伝子治療学会にも教えてほしいというお話がありました。これが非公開であれば、そういうことはなかなか難しいのですけれども、公開されているので、パブリックコメントの前に遺伝子治療学会に出していただけると有り難いと思いました。

○中山研究企画官

 はい。

○山口委員長

 本日は長いこと御議論をありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。


(了)
<問い合わせ先>

 厚生労働省大臣官房厚生科学課
 担当:情報企画係(内線3808)
 電話:(代表)03-5253-1111
     (直通)03-3595-2171

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