ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業能力開発分科会)> 第78回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録について(2014年3月28日)




2014年3月28日 第78回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録について

職業能力開発局

○日時

平成26年3月28日(金)10:00~14:00


○場所

厚生労働省専用第18・19・20会議室(17階)


○議題

(1)職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱について(諮問)
(2)職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3)雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(4)職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(5)2013年度の年度目標の中間評価について
(6)その他

○議事

○小杉分科会長 若干早いのですが、定足数に達しておりますので、ただいまから第 78 回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催いたします。本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。本日は原委員、水町委員、三村委員、大野委員、河本委員、諏訪委員が御欠席です。また、諏訪委員の代理として高山さんに御出席いただいております。

 それでは、議事に移ります。議事次第にありますとおり、本日の議題は、職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱について ( 諮問 ) 、職業能力開発促進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について ( 諮問 ) 、雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について ( 諮問 ) 、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について ( 諮問 ) 2013 年度の年度目標の中間評価について、その他の 6 件です。まず最初に、職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱について ( 諮問 ) です。本日付で厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛に諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会において審議を行うものです。内容について事務局から説明をお願いします。

 

○伊藤能力評価課長 能力評価課です。それでは、議題 (1) 「職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱について」、御説明いたします。配布資料の 1-2 「政令案の概要資料」をお開きください。今回の政令案は、技能検定制度において指定試験機関方式で実施をすることができる対象職種として、「機械保全」という職種を追加させていただきたいといった内容です。趣旨にありますように、技能検定制度は昭和 34 年から運用されています。当初は都道府県が主体となった方式、いわゆる都道府県方式ということで、ものづくり分野を中心に多くの技能職種で展開をしてきたところですが、平成 13 年の職業能力開発促進法の改正により、一定の基準を満たした民間機関が指定試験機関として技能検定の実施を担うことができるという制度整備がなされたところです。更にその後、平成 17 年閣議決定による行政改革の重要方針により、既存の職種について、民間の指定試験機関への移行促進をするといった方針が示されたところです。

 こうした方針の下での現行の指定試験機関制度の概要は、次のページにお示しをしています。現在、技能検定として、 128 の職種でこの検定の運営がなされていますが、 128 の職種のうち、この資料の下の表にあります 14 の職種が、現在この指定試験機関方式によって運用されています。厚生労働省としては、今ほど申し上げた政府方針を踏まえ、現在都道府県方式で実施されている職種も含め、技能検定実施が可能と考えられる関係業界団体と、幅広く調整をしてきたところです。

 そうした中で、今般諮問させていただきます機械保全という職種に関し、現在、この分野での民間検定を運営をしている団体について、この指定試験機関による検定実施をする旨の要望があり、この指定試験機関としての基準を満たすかどうかといったことについて、事前に調整・確認を図る中で、指定試験機関方式による基準を満たし得るというように判断をして、今回この政令案の諮問をさせていただくものです。

 この機械保全職種ですが、資料の 2 にありますように、工場あるいは生産ラインに設置をされている機械設備全体の故障・劣化の予防、あるいは維持・保全に関わる業務、こうした分野のオペレーターの技能職種、プラントメンテナンスといった言い方をされることがあります。

 概要については更に 1 ページ後の「機械保全職種について」という資料でお示しをしていますので、御参照いただければと考えております。私どもとしては、今ほど申し上げたように、機械保全職種に関わる技能検定に関して、想定をしている民間機関において、今後とも安定的、継続的な運営が図られ、また、試験の質、受検者の利便性についても、一定確保可能という見込みの下で、今回この政令案を諮問させていただくものです。本日御了解いただけましたら、今後 1 年の準備期間、今ほど申し上げましたような観点からの様々な具体的な確認・調整、手数料、その他様々な確認手続を取り、平成 27 年度当初から機械保全職種に関して、指定試験機関方式による実施に移行したいと考えております。

 具体的な政令案要綱については、 1-1 の裏面にございます。指定試験機関に行わせることができる技能検定を行う職種について、機械保全を追加をすること、というものです。何とぞよろしくお願いします。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御質問、御意見はありますでしょうか。

 

○豊島委員 労働側としては今回諮問された政令案要綱の内容について異論はないので、了承したいと思っておりますが、今の御説明の中で、受検者にとっても利便性が生じるようなコメントがありましたが、具体的にはどういうメリットがあるということですか。

 

○伊藤能力評価課長 補足して説明いたします。試験の内容、質が確保されること、受検の頻度、会場は、毎年全都道府県でこの試験が確実に実施をされるといったことは、特に基本的な事項として確認しているところです。また、受検機会という観点からいいますと、受検手数料の水準が 1 つのポイントになってくると思っております。現行の都道府県方式による受検料、また学生・生徒に関しましては、それぞれの都道府県の財政措置等も踏まえ、いわゆる減免措置が講じられている都道府県が多くございます。そういった現行の従業員、学生・生徒に関わる受検料水準に照らし、指定試験機関移行後、現行の水準よりも若干安価な受検料で受検をいただけるという方向で、最終的な調整を進めています。また、若干細か目の話ではありますが、受検の申請手続についても、こういった時代ですので、多様な手続が認められるほうが望ましいということで、一般的にも要望が寄せられている電子申請の導入を計画しています。この指定試験機関方式への移行に合わせて、申請手続の利便性の向上といった観点についても、しっかり措置を図ってまいりたいと考えています。

 

○豊島委員 了解しました。安定的・継続的に実施できるということは大事なことなのですが、それは民間機関が安心して手を挙げられるということではなくて、受検者とか、受検者を送り出す事業者にとって利便性が増すということでなければならないし、そういう意味で率直に言って心配しておりましたのは、指定機関が、言葉は悪いですが、いいとこ取りをして、大変なところは県の能開業界に逆委託するようなことがあってはならないなという心配をしておりましたので、質問させていただきました。ありがとうございました。よろしくお願いします。

 

○小杉分科会長 ほかにございますでしょうか。

 

○浅井委員 日本の製造現場の研究をずっとしてきたものですから、この分野は思い入れが強いのですが、この機械保全の分野というのは、日本のものづくりを今後支えていく上で、極めて重要な分野かと思います。そして現に、ここにも数字としてデータが表われていますように、累計 62 万人、そして平成 24 年度単年においても 3.3 万人という、極めて日本にとって重要な分野かと思われます。今後、日本のものづくりを発展させるためにも、是非皆さんが一致団結して、協力して良い結果が出るといいと思うのです。 1 つ心配しているのは、こうした部分の民間機関といいますのは、法人として経産省の管轄にある機関も非常に多いのではないかと思います。今後、日本のものづくりのためにも、経産省、厚生労働省が協力して、風通しよく話し合いをしながら、日本の発展のためにいい結果が出ると良いと願っております。

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。御意見ということで承ってよろしいですね。ほかにございませんでしょうか。それでは、当分科会としては、職業能力開発促進法施行令一部を改正する省令案要綱については妥当と認める旨の報告を私から労働政策審議会会長宛行うこととしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは、事務局から報告文の配布をお願いいたします。

 

( 報告文 ( ) 配布 )

 

○小杉分科会長 では、お手元の案でよろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 次に「職業能力開発促進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」について ( 諮問 ) です。本日付で厚生労働大臣から労働政策審議会長宛に諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会において審議を行うものです。内容につきまして、事務局から説明をお願いします。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 資料 2-2 に従って説明させていただきます。改正内容としては、 1 枚目にあります 2 点です。いわゆる公共の分野における職業訓練基準の見直しと、小平の総合大学校の訓練課程が再編されることを踏まえた、検定 1 級の受検資格の見直しです。まず、訓練基準の見直しですが、毎年こういった形でやっていまして、 4 つに分野を分け、 4 年をワンサイクルで見直しを行うということをやっております。今回、改正を予定している分野は、普通課程の普通職業訓練としましては、金属、機械・メカ、自動車、情報・通信です。専門課程及び応用課程の高度職業訓練につきましては、電気・電子・情報分野ということです。

 中身については次ページです。普通課程の金属分野ですが、そこにありますように、鋳造科、めっき科、それぞれ訓練時間を延長するということが 1 つです。それから、他の分野については、やや形式的ではありますが、昨今の実態に合わせ、科目の名称を改めるといったようなことが今回の改正内容です。専門・応用課程ですが、これも科目に新たに電力関連のものを 2 つ追加するということです。内容としては以上ですが、やや形式的なことを申し上げますと、今回の職業訓練基準の見直しが、いわゆる職業訓練指導員試験の科目のほうにもはねるということで、形式的な改正も合わせて実施するということです。

 続きまして、小平のカリキュラム再編成を踏まえた検定 1 級の受検資格についてです。 5 ページの表を御覧いただきたいのですが、小平の長期課程の 4 1 日からの再編内容が示されております。現在までは高卒者を対象に 4 年の長期課程を経て指導員課程を回していますが、 4 月以降はそれを 2 つに分けるということにした上、かつ入ってくる人たちのレベルを、今までは高卒者であったところを、より高度なものにするということで、 1 つが、工科系大学の 4 年制の卒業者、あるいは同じく小平で新たに設けられる総合課程の 4 年制を修了したものについて、 2 年という長期の課程を 1 つ設けると。もう 1 つは、既に民間でいろいろ経験されている方々については、その態様の実態に則して 1 か月から 1 年の短期の課程を設ける。 2 種類のコースで指導員養成を図っていくというように再編されます。そのようにいたしますと、従来高卒プラス 4 年で修了というようになっていたところが、高卒プラス更に大卒 4 年、更に長期養成課程ということになるわけで、そういった高卒プラス 4 年の人たちが、今度は 1 級技能検定を受検する際に更に求められていた実務経験というものが、必ずしも必要ないのではないかということで、その部分を今後は実務経験なしということでやらせていただけないかということです。実際に試験を受ける立場の人間からすると、これだけやってきているので、更なる実務経験がやや過剰ではないかというような観点から、こういった見直しをさせていただこうと思っております。施行期日としましては、平成 26 年の 4 1 日を予定しております。

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。ただいまの説明について、御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 

○新谷委員 諮問案件ですので、労働側として意見を申し上げたいと思います。先ほどの御説明の中で、見直しは 4 年ごとのサイクルで行うとお聞きをしましたが、産業によっては非常に技術革新の激しい分野もあります。もちろんきちんと見直しておられると思いますが、産業動向の変化や、労働市場における求職者のニーズの変化などを見据えて、不断の見直しを是非お願いするという意見を付けまして、諮問された内容について異論はございませんので、了承したいと思います。以上です。

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。御意見として承っておきます。ほかにはございますか。それでは、当分科会としては、職業能力開発促進法施行規則等の一部を改正する省令案要綱については妥当と認める旨を、私から労働政策審議会会長宛に行うこととしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文案の配布をお願いいたします。

( 報告文 ( ) 配布 )

○小杉分科会長 お手元の文案でよろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。そのように報告させていただきます。

 次に、雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について ( 諮問 ) です。本年 3 20 日付で厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛に諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会で審議を行うものです。内容について事務局から説明をお願いいたします。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 議題 (3) 「改正省令案」について、説明させていただきます。資料は、 3-1 3-2 です。改正省令案の概要の 3-2 3 ページを御覧ください。最初はキャリアアップ助成金関係です。この改正ですが、事業主が非正規雇用労働者に訓練を実施した場合に支給いたします助成金の人材育成コースに、新たに派遣事業主活用型のメニューを追加するものです。

 具体的には、派遣先事業主が紹介予定派遣で受け入れる派遣労働者を、訓練終了後に自社の正規雇用労働者として雇用することを目的に、派遣先と派遣元事業主が共同いたしまして訓練実施計画を作成し、派遣先事業所内での実習、いわゆる OJT 、これと座学等、いわゆる off-JT を組み合わせた訓練を実施する場合に、派遣先と派遣元事業主に要した訓練の一部を助成するものです。

 派遣元事業主が派遣労働者に訓練を行う場合の助成については、現行のキャリアアップ助成金においても助成対象としており、今回の改正では派遣先の事業主への助成を新たに設ける点が拡充する部分となります。また、 off-JT の助成額ですが、派遣元と派遣先の事業主の要した経費が経費の上限を超えた場合には、上限額を派遣元と派遣先の事業主の要した経費の割合で按分した額としております。なお、資料には記載しておりませんが、派遣先事業主が労働者を正規雇用労働者として雇用した場合には、訓練費用の助成に加えましてキャリアアップ助成金、正規雇用等転換コースによる助成を受けることができます。

4 ページを御覧ください。認定訓練助成費補助金及びキャリア形成促進助成金についてです。上段のほうですが、認定訓練助成金については、東日本大震災により被災した認定職業訓練施設の復旧に係る施設・設備の補助率について、通常よりも引き上げるなどの特例措置を平成 25 年度末まで実施することとしておりますが、被災地の復興状況を勘案し、平成 26 年度末まで延長するものです。

 下のほうですが、また、キャリア形成促進助成金については、被災地の事業主に対する訓練経費や訓練中の賃金への助成率について、通常よりも引き上げるなどの特例措置を平成 25 年度末まで実施することとしておりますが、こちらも同様に被災地の復興状況を勘案し、平成 26 年度末まで延長することとしております。なお、各種能開関係の助成金等の周知については、机の上にパンフレットを配布させていただいておりますが、各助成金の改正事項などについては、様々な媒体を活用し、積極的に広報・周知を行ってまいりたいと考えております。以上です。よろしくお願いいたします。

 

○小杉分科会長 ただいまの御説明について、御質問、御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

 

○高倉委員 諮問内容については、労働側としては了承したいと思いますが、その上で確認と要望を若干申し上げさせていただきたいと思います。確認は 1 点です。キャリア助成金ですが、現行制度での利用実績、件数とか支出額を確認させていただきたいと思います。

 要望ですが、 2 点あります。 1 つは、キャリアアップ助成金ですが、今回、派遣元と派遣先で共同していろいろ訓練を行っていくということですが、特に off-JT は派遣先と派遣元の両方で行うわけですから、内容については当然共同で作成するわけですから、重複や無駄のないような効果的な訓練実習ができる形で、是非指導していただきたいと思っています。震災復興特例ですが、今後も被災地の復興状況等を調べられた上で、必要に応じて再延長するなど、今後も柔軟に対応していただきたいと思います。

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。確認ということで、お願いします。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 最初のキャリアアップ助成金の実績ですが、これについては平成 25 年度の累計、平成 26 2 月末現在で 227 名といった数字が出ております。ただ、これは計画のほうでして、経費のほうについては、かなりの部分が今後という形になるかと思います。

 

○高倉委員 支出額とかは、分かるのですか。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 支出額は、今から、終了後の支出になりますので。

 

○高倉委員 現時点では支出がまだ発生していないということですか。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 はい、ほとんどそうなります。

 

○大久保委員 キャリアアップ助成金の人材育成コースの確認をさせていただきたいのですが、現状、キャリアアップ助成金は幾つかのコースがありますよね。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 はい。

 

○大久保委員 今回、紹介予定派遣を対象に人材育成についての助成をする案になっていますが、これで就職が決まった場合については、そのときは別のコースの所で助成金が出ると。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 はい。

 

○大久保委員 つまり、それを全部足すと、最大、 1 人に幾らの助成金が出る形になってくるのか、確認をさせていただきたいのですが。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 正規転換等コースですが、有期から正規に変わった場合で、中小企業は 50 万円、大企業は 40 万円になります。これと合わせまして、先ほどの訓練関係の助成金が加わる額になるかと思います。

 

○大久保委員 確認ですが、そうすると、例えば、今回、新しい制度が成り立つと、 off-JT を派遣元の事業主がやったと。その場合に賃金助成も受けられるし、経費助成も受けられる。さらに、派遣先が OJT をやったと。それはそれで、また賃金助成も受けられるし、経費助成も受けられると。さらに決まった場合については、 1 50 万円出ると。そうすると、もしマックスで中小企業が使うとすると、 1 人当たり全体、 100 万円を超える金額が 1 人の正社員転換に使われることになるのですか。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 私どもとしては、まず紹介予定派遣という前提で派遣先に送って、そこで OJT をする分について、今回新たな助成をするという考え方でして、それを受けて正社員転換していただくと。正社員転換ということは、派先で雇用するということですが、そうすると、派先が正社員転換のコースの支援を別途受けられるというところで、それぞれ人材助成のところで人材育成の支援が受けられた上で、更に正社員転換の支援が受けられる。

 そこまででキャリアアップ助成金としての支援は、一応完結した形を考えています。派遣先において既に正社員として採用されてしまっているものですから、正社員についての人材育成については、この助成金の対象外になりますので、基本的には、今言ったコースを 2 つ組み合わせたところで支援としては終わるという考え方だと思っております。

 

○小杉分科会長 ということは、合わせて 100 万円を超える形にはならないと理解してよろしいですか。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 紹介予定派遣をやって、めでたく正社員転換した場合については、 2 つのコースの合計で 90 万円が上限になることだと理解しています。

 

○大久保委員 上限は 90 万円なのですね。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長  90 万円と理解しています。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 近い額ですが、正確には時間数等を計算しないといけないのですが。

 

○大久保委員 別に反対しているわけではないのですが、基本的に 1 人の非正規労働者が正規に転換するために、様々な支援がいろいろな制度を使って行われると。それは重複して使える場合については、横断的に 1 人の正社員転換にどのぐらい経費をかけることに合理性があるのかについては、見ておいていただきたいという気持があるので、それはきちんと把握して、計画を立てていただきたいと、これはむしろ要望としてお願いしたいと思います。

 

○塚本実習併用職業訓練推進室長 はい、もちろんです。

 

○小杉分科会長 ということで受け止めてください。ほかに御質問、御意見はありますか。特にないようでしたら、当分科会としては職業能力開発促進法施行規則令の一部を改正する政令案要綱については、妥当と認める旨の報告を私から労働政策審議会会長宛てに行うことにしたいと考えますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。事務局から、報告文 ( ) の配布をお願いします。

 

( 報告文 ( ) 配布 )

 

○小杉分科会長 お手元の案でよろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは、そのように報告させていただきます。

4 件目の諮問です。職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について ( 諮問 ) です。本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会において審議を行うものです。内容について、事務局から御説明をお願いします。

 

○青山能力開発課企画官 資料は、資料 4-1 と資料 4-2 です。これは昨年の 12 27 日に取りまとめていただきました、当分科会の報告書で盛り込まれた求職者支援訓練の見直しについての内容について、省令改正を行うものでして、諮問をさせていただくものです。具体的には、資料 4-2 の省令案の概要を御覧ください。省令案、施行付則全体となっておりまして、実はポンチ絵の中の 2. の職業訓練受講給付金は、雇用保険部会で議論した内容に基づくものですので、当分科会は 1. 関係ということで、 1. について説明させていただきます。

1. (1) の「認定基準の改正」です。マル1については、過去に行った認定職業訓練の就職率実績に関する基準です。これについては、 1 ポツ目ですが、就職率について、雇用保険の適用をされる就職により算定するという見直しを行うことです。 2 つ目のポツについては、就職率実績を見る対象範囲を、これまで全国でありましたが、同一都道府県内で行われたものに限る見直しです。 3 つ目は、就職率の基準として必要な水準ですが、 1 回で不認定とする基準ではなく、過去 3 年間で 2 回以上下回ると不認定となる水準というふうにやり方を変えた上で、就職率の内容を雇用保険適用に限ることに伴う水準の見直しを行うものです。基礎コース 30 、実践コース 35 というのは、現行より水準を下げております。

 マル2の欠格事由です。これは、すなわち、不正行為などが行われた場合に、今後認定をしないとか、認定を取り消すといったルールに関するものになります。これは報告書でもまとめていただきましたように、不正行為の事前抑制の効果を維持する必要はありますが、不正行為の重大性とか、組織的な関与の有無に応じて、処分内容やその効果が及ぶ範囲などをきめ細かく設定する見直しです。現在、全国的かつ永年の欠格事由になっていますが、重大な不正行為の場合には永年、それ以外は 5 年ということとか、組織的な関与の有無によって都道府県の範囲に限るということでの見直しを行うものです。

(2) が「認定職業訓練実施奨励金の見直し」です。 1 ポツ目は、必要となる出席要件について、一部出席の場合のカウント方法の見直しです。現行は、 1 時間でも欠席すると、その日 1 日欠席扱いでしたが、今回は 2 分の 1 以上受講した日については、 2 分の 1 日受講したものというふうに扱いを変えるものです。

2 つ目は、とても細かいのですが、基本奨励金を算定する範囲として 1 か月というふうに、よりきめ細かく算定することできめ細かな支給ができるようにするものです。

3 つ目の付加奨励金でありますが、これは雇用保険が適用される就職の率に応じて付加的に払っているインセンティブ奨励金ですが、そのインセンティブ奨励金が 1 万円、 2 万円と払われるボーダーが、今までは 40 %と 55 %だったのですが、そのボーダーを 35 %、 60 %と変える見直しです。これは下のほうのボーダーは引き下げ、上のほうのボーダーは上げるという形で、インセンティブ強化、かつ、安定的な運営の両方を期するものです。

 最後の 4 つ目、 5 つ目のポツをまとめて申し上げますが、先ほど説明しました (1) のマル2の欠格事由と同様の内容を、奨励金の不支給とか、返還という形でのペナルティーにも及ぼす見直しです。

 省令案の内容は以上ですが、 1 つ参考で、その裏を御覧ください。昨年の分科会報告でおまとめいただいたもので、省令以外で見直す運用上の事項の分もありますので、主なものを簡単に紹介いたします。 1 つ目が受講者募集のルールの見直しということで、訓練機関が受講者募集を行うまでのルールの中で、今、無料受講、給付支給、資格の強調については、不適切なものとしていたのですが、今後は制度の趣旨などについて正しく説明されていることを条件に強調を認めると、ルールの明確化の見直しをするものです。

2 つ目が、下のほうにある「コースの認定」でして、これはコースを予算上の枠まで選ばなくてはいけないときに、良いものから選んでいくのですが、その選ぶための判断要素として、これまで就職率が中心だったのですが、それについて就職率の定義を雇用保険適用に見直すとともに、就職率以外の訓練の内容をはじめとした様々な要素も加味して、総合的に見るというふうに見直しを行いたいというものです。あと、訓練の質の向上という趣旨で、「民間訓練機関によるサービスガイドライン」の研修を受けることが望ましいということも、認定基準に定めて推奨したいと思っております。以上です。

 

○小杉分科会長 ただいまの御説明について、御質問、御意見を受けたいと思います。いかがですか。

 

○新谷委員 今、御説明いただいた資料 4-2 の表側の省令案の見直しについては、この分科会でも随分論議してきた内容ですので、特に異論はありません。裏側にある「省令改正以外の見直し事項」の真ん中の表については、求職者支援法が成立した後に、施行に当たって、受講者募集上の留意事項をこの分科会でも論議した際に申し上げた点ですが、例えば、今、資料 4-2 の裏側の表には見直し前と見直し後が書いてありまして、見直し後を見ると、若干要件を緩めたように見えるのです。いずれにしても何がアウトで何がセーフか、具体的には全く分かりません。

 これはこの分科会でも、大久保委員も御発言されて、私も発言をしましたが、具体的なアウトの事例を周知して、こういうケースだと駄目ですという事例がないと、多分、厚労省の担当者が代わったら、また判断基準が当然変わってくると思うのです。

 実は 2011 7 1 日に開催された第 64 回職業能力開発分科会で私が同じ指摘をした際に、当時の担当者の松本企画官から私に対して、基金訓練時代からの事例の蓄積があるので、ホームページ等への掲載について工夫をする方向で検討してまいりたいという趣旨の答弁をしていただいているのですが、今ではかなり事例が蓄積されていると思うので、そういった事例の公開に対して、今どういったお考えをお持ちなのか、確認させていただきたいと思います。

 

○青山能力開発課企画官 確かに訓練機関にとっても、あと、指導する各労働機関にとっても、明確なアウトがいいのかは必要だと思っていますので、事例はいろいろ相談とかも多々来ていまして、労働局でもいろいろ悩んだり、困ったりするのがあるみたいなので、こちらもまだきれいには整理して世の中にお示しはできていないのが実情ですが、施行後、年月も多少たってきましたので、労働局とかにも事例とかを聞きながら、改めて明らかに駄目な事例などを集めて、お示しすることを積極的に検討したいと思っております。

 

○小杉分科会長 大事な点ですので、よろしくお願いします。

 

○大久保委員 今のところについて重ねて確認をしたいのですが、裏面の今の話です。見直し前と見直し後で分かりやすくなった感じがあまりなくて、確認は、就職の実現を目的とした公的な訓練制度であるとの制度趣旨の説明は、必ずするのでしたか。これは強調しなければ説明しなくてもいいと読めるのですが、それでいいのかということと、もともと「強調」という言葉が分かりにくいと。赤くしたら駄目とか、太くしたら駄目だとかいう話になってきて、窓口の判断がぶれるのは混乱するのでよくないというのが、もともと言いたかったことですが、何かそこについての透明性はあまり担保されていない気がするのですが、これはどういうルールに統一されたというふうに理解すればいいのか、もう 1 度御説明していただけますか。

 

○青山能力開発課企画官  1 点目は、制度趣旨の説明は広告すること自体の中で必ず必要ということよりは、これは正に「べからず集」ですので、こういう給付支給とか、無料事項を強調するのであれば、きちんと併せて、これは就職を目的とした公的な訓練制度とか、そういう趣旨を必ず分かるようにしようというつもりです。

 もう 1 点、「強調」ですが、現行は強調すること自体が駄目みたいなルールに見えますので、今、赤字にしただけで駄目とかにしているのですが、今後は全ての場合に赤字強調とか、ゴシック強調が駄目とかではなくて、赤字強調とかにする場合には、併せて御趣旨の説明とかが分かるような広告にしろという趣旨ですので、今後は強調自体が全部駄目とかということにはならないことかと思います。

 

○大久保委員 「強調」というのがどういうことを言っているのか。強調しているか、していないかと、すごく主観的な判断だと思うので、そこをもう 1 度聞きたいのですが。

 

○青山能力開発課企画官 そこは、確かに逆に分かりにくくなっている部分があります。現行で強調で駄目と言っているのは、先ほどまでに言った赤字にするとか、大きな字にするとか、そういうのを駄目と言っていたのです。ただ、そこも確かにルールとして不明瞭かもしれませんので、先ほど新谷委員の御示唆もありましたように、事例については、今後、もう少し整理して、世の中にお示しをしていきたいと思っております。

 

○小杉分科会長 赤字、ゴシック、太字だけではなくて、分かる事例を是非よろしくお願いします。ということで、ほかに御意見はありますか。それでは、当分科会としては、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について、諮問は妥当であると認める旨の報告を、私から労働政策審議会会長宛てに行うということにしてよろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。事務局から、報告文 ( ) の配布をお願いします。

 

( 報告文 ( ) 配布 )

 

○小杉分科会長 お手元の案でよろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは、そのように報告させていただきます。

 次に、「 2013 年度の年度目標の中間評価について」です。内容について、事務局から御説明をお願いします。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 資料 5 ですが、目標管理について 2013 年度の中間評価を御議論いただければと思っております。当分科会では、能開行政の関連では 5 つの数値目標が立っており、 1 2 ページにマル1からマル5まで、それぞれ今回の中間評価の考え方を示しております。

 今回、中間評価に当たってたたき台にしていただく具体的な数字としては、 3 ページの表の 2013 年度実績の 4 10 月を御覧ください。マル1からマル5までありますが、自己啓発に関しては、まだ現時点で指標がどの程度達成されているかはデータがないので、今回はマル1~マル4について新たな中間的なデータを基に御議論いただくことになります。

 「ニートの縮減」、いわゆるサポステの進路決定者ですが、 1 1,858 人で、前々年度、前年度と比べて伸びております。年間の目標が 2 万人ですので、ほぼ順調に推移していると言えます。

 「ジョブ・カード」ですが、 11.8 万人で、 2013 年度は前年度に比べて目標設定をやや下方に修正して現実的なものにしたということで、 19.7 万人の目標ですが、それと比べると何とか達成できそうな感じです。ただ、 11.8 万人の内訳を見ると、若者チャレンジ奨励金でかなりの数を稼いでおります。それを除くと、やや前年度より下がっている部分もあり、その辺りが今後更なる強化が必要な部分だろうと思っております。その点については、本来のジョブ・カードのコンセプトに沿った交付をハローワークでより一層促進することが必要ではないかということを、 1 ページに書き込んでおります。

3 つ目は「公共職業訓練」ですが、施設内訓練と委託訓練に分け、それぞれ 81.1 66.3 です。目標値は 80 65 で、それぞれ現時点でクリアしているわけですが、ポリテク中心にした施設内訓練が堅調であることは例年どおりで、課題になっている委託訓練がやや上昇基調にあります。 66.3 という上半期の数字ですが、更に下半期に伸びが期待できそうな気配です。そういったことも、我々も都道府県に対する指導・助言などを強化しているといったこともややあるかと、景気の動向等もありますが、そういった要素もあるかと思っております。そういったことも踏まえて、 2014 年度の目標設定に当たっては、その辺りも含めた見直しがあり得てもいいのではないかということを、 1 ページに書き込んでおります。

4 つ目は「求職者支援制度」です。数値は去年とほぼ同じで、基礎コース 79.9 、実践コース 78.3 です。これについては先ほど御了解いただきましたが、省令案も含めて昨年の分科会報告に沿った運用の見直しをやっていくということですので、そういった内容のことを中間評価でも書き込んでおります。自己啓発については、前回同様の記述をそのまま置いております。以上です。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御質問、御意見はいかがでしょうか。

 

○冨高委員 ニートの縮減については、今、御説明いただいたように、比較的順調に推移しているということで、資料 5 7 ページの「今後の方針」でも、目標を達成するために引き続き実施していくと書いてあります。前回の分科会の中で労働側から指摘したように、サポステ事業を実施していくための費用が、来年度の本予算ではなく、今年度の補正予算で計上されたことに対して、サポステがある所の地方連合会から持続可能性についての不安の声が寄せられております。是非、事務局におかれましては、再来年度以降は再び本予算できちんと計上していただけるよう、引き続き努力をしていただきたいということを重ねてお願いいたします。

 

○澤田委員 公共職業訓練の就職率の目標値の見直しの件に触れられたので、先ほど説明のあった 3 ページの表にもありますように、委託訓練の就職率の目標値は施設内訓練に比べて低い 65 %とされています。先ほど、近年の状況なり今年の下半期の状況を踏まえて見直したいという話がありましたので、そのことについては評価をしたいと思います。是非、高い就職率を保っている施設内訓練におけるノウハウを委託先についても反映できるように、更に一層の努力をお願いしたいと思います。

 

○豊島委員 マル5に関して、自己啓発を行っている労働者の割合についてはデータがないので、中間評価における現状分析は困難であるということですが、その後に続けて今後の方針が記載されています。教育訓練給付制度、あるいはキャリア形成促進助成金といった経済的支援を推進していくということですが、教育訓練給付制度については雇用保険法の改正法案に中長期的なキャリア形成支援措置としてその拡充が盛り込まれており、今後、教育訓練を受ける機会が正規労働者と比べて少ない非正規労働者に対して手当がされるということだと思います。そういう意味で、自己啓発を行う非正規労働者の割合が向上していくことが期待されると思っております。

 この措置は、施行日が今年の 10 1 日ということになっており、施行に向けた準備期間があと半年ほどしか残されていません。この措置で必要な知識やスキルを持ったキャリア・コンサルタントの養成・確保や、この措置の対象とする教育訓練の指定基準の速やかな策定、更には現行よりも厳格なチェック体制にすることが必要なので、施行に向けた体制を 1 日も早く整備するように重ねてお願いしたいと思います。

 

○小杉分科会長 大事な御意見だと思います。

 

○大久保委員 公共職業訓練の就職率の目標に関して確認をします。施設内訓練が 80 %で、委託訓練が 65 %という目標は、これまで何年も同じ目標を掲げ続けてきていると思いますが、この 2 つの数字の意味は若干違いがあるような感じがしています。施設内訓練の 80 %というのは、かなり優れた高い数字なので、その 80 %という就職率を維持していく、確保していく。委託訓練の 65 %は、 65 %というのは必ずしも期待どおりの十分な数字ではなくて、むしろそれをクリアしつつ改善をしていくべき数字なのだと、私はそのような理解をしています。つまり、委託訓練で 65 %を達成したら、もう 1 %でも 2 %でも上を目指していくとい性格のものだと思っていたのですが、その辺りの理解を確認したいと思います。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 端的に言うと、私も大久保委員と同じ認識に立っております。 65 という数字がそのままでいいとは思っておりませんし、そういったことを踏まえて次回は見直しをしたい、有り体に言えば上方修正を検討しているということです。

 

○高山氏 ( 諏訪委員代理 )  ニートの縮減についてですが、ニート全体の数はサポステ事業のお蔭で減っているのかどうかということと、 2011 年度、 2012 年度とやってきておりますが、定着率の数字があるかどうか。それから、例えば 2011 年度に進路を決定して、 2013 年度に 1 回職を離れて、また 2013 年度にこの事業を使うような例があるのかどうか、その辺りを教えてください。

 

○浅野キャリア形成支援室長 サポステ事業の実施によってニート全体の数が減っているかどうかは、減らす効果自体はあるとは思っておりますが、具体的にどの部分の方がどうなのかといったことまでは分析できない状況です。

 おっしゃったような定着の話ですが、非常に重要なことだと考えております。平成 26 年度からは、サポステ事業の本体のこれまでの事業の中で就職等進路決定を支援するだけではなくて、その後、その若者たちを定着させ、更にキャリアアップさせることを支援するということで、「サポステ卒業者ステップアップ事業」も実施しようと考えております。

 また、過去に定着の状況について把握をしたことがあるかということですが、一度だけそれについて調べたことはあります。ただ、そのときにできる範囲内で調べたということで、平成 24 年度 4 月に就職等進路決定した若者に対して、 8 月はどうなっているかという 4 か月後の状況でしたが、そのときはそのまま何らかの形で働いているとか、あるいは更にステップアップに向けて勉強しているといった形になっている人が 8 割ぐらいでしたので、非常に限られた数字ではありますが、そう悪くもなかったのかなと思っております。ただ、これは非常に限られた数字で、おっしゃったように、一度サポステの支援を経て就職はしたけれども、またサポステに来てしまった人たちについては、そこでは 4 か月でしたので、数としては非常に少ない数で、余り把握はできていない状況です。現場の話を聞くと、一度サポステを経て就職をした若者であっても、また来てしまう若者も中にはいるし、更にそこまででなくても、そこでもう一度励ましたりしないと、なかなか続かない若者もいるということですので、平成 26 年度から実施するサポステ卒業者ステップアップ事業などを通じて、しっかり支援をしていきたいと考えております。

 

○上原委員 これは仕組みの問題なのだろうと思いますが、中間評価でそれぞれおおむね達成できそうだということで、それは良いことだと思います。ただ、時期的に今は期末なわけですから、本来はもう少し早めにこういうものがあるべきなのか、あちこちからデータを取るので、最低でも 4 5 か月掛かるのか。 PDCA ですから、次の施策に活かすわけです。次の計画の方向も書いてあり、実態の数字が、 10 月以降のものも分かっているので、実現可能ということでコメントが書かれているのだろうと思いますが、その辺りのスピード感が現状どうなっているのか教えていただけると参考になると思います。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 やや正面からのお答えではないかもしれませんが、目標管理については年 2 回議論する場が設けられていて、大体 3 月と 9 月、あるいは 2 月と 8 月といった感じです。しかし、時期を決めているのは能開分科会だからということではなく、労働政策審議会の分科会の全て横並びで、大体同じような時期になっているという慣例になっています。その慣例のベースになっているのは、恐らく上半期の数値のデータが正確に確定する時期を、 10 月から少し間を置いて 2 月や 3 月と見ているからだろうと思うのですが、確かに御指摘のとおり、先ほどの公共職業訓練の次の目標値についての議論をここでしたいとか、 3 月・ 9 月、あるいは 2 月・ 8 月といった時期がサイクルとしてうまい案配になっているかどうかは、我々もものを書いている中で完全にはまり切る部分ばかりではないと思っております。そういったことも考えながら、どうしたらより実質的な御議論をいただけるかということで、今回も少し前倒しのようなことを入れたということです。

 

○上原委員 実際、データはもう少し早めに把握されていて、 10 月以降の数字も、現状として把握されているのでしょうか。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 確定値ではなくて、傾向値のようなものはある程度集計している段階で分かってきますので、先ほどの委託訓練もそうですが、確定しないとこういう所へ出せないという制約があって、こうなっているということは御了解いただければと思います。

 

○上原委員 分かりました。

 

○小杉分科会長 ほかにございますか。

 それでは、当分科会としては、 2013 年度の年度目標の中間評価については案のとおりで了承したいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。この議題についてはここまでといたします。

 「その他」に入ります。その他として、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案について」「職業訓練実施計画 ( 平成 26 年度 ) について」の 2 つについて、事務局から報告があります。内容について事務局から説明をお願いします。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 資料 6 に従って、地方分権関係の法案について御説明します。

 地方分権については、省庁横断的な法案を随時出してきたわけですが、今回が第 4 次になります。現在、国会に提出されております。施行期日は、平成 27 4 1 日が基本です。内容としては、国から自治体への権限移譲、自治体の中で都道府県から指定都市への権限移譲が主たる内容です。

 能開行政の関連では、公共職業能力開発施設の設置に関する規定を、今回改めたいということです。表にありますように、国・都道府県・指定都市・市町村といった設置主体別に「必置規定」や「できる」規定が設けられております。今般は都道府県と指定都市の関係で、従来、都道府県にのみ設置できることとされていた 4 つのカテゴリーの訓練校について、指定都市でも設置できるようにすることを行いたいというものです。指定都市でもこういった施設を運営できることになると、私どもとしては、地域においていろいろな運営主体が、その地域の人材ニーズに応えて適切な訓練コースを設定する、ある意味競い合いのようなところも生まれて、より効率的な、充実した訓練が提供できるようになるのではないかという期待感もあり、こういった改正をするということです。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について御質問、御意見はございますか。

 

○豊島委員 了解するところですが、競い合いということで、それはそれでプラスの面が出てくることもあると思いますが、いつの議論だったか、これから各県の中で自治体とポリテクセンターや地域で連携し合って、協力し合って能力開発を充実したものにしていくという連携協力体制の構築とか、そのために予算を何か付けたようなこともあったと思います。今の話は、そのようにたくさんメニューが増えると理解してよろしいのですか。それとも、同じものが競争できるという話ですか。

 

○杉浦職業能力開発局長 昨年来、議論をいただいてきたポリテクセンターの都道府県の移管に関する問題は、国と都道府県との役割分担、先ほどの表で言うと●で書いてある所の施設について、国と都道府県の責任ないし役割分担をどうするかという議論だったわけです。今回は、都道府県の中で指定都市が自主的に自分の所もこういった施設を作ってやりたいということがあった場合に、法律上の規定でそれがまだ明確に書いていなかったので、そういうこともできるということで書いたわけで、今回の改正によって国と県との役割分担について変更させるものではありません。そういった議論が出るのではないかということは、我々も懸念しましたが、今回の場合には正に指定都市が自主的にそういうことをやるという、県の中での配分の関係になろうかと思っております。

 

○小杉分科会長 ほかに、この件について御質問、御意見はございますか。ないようでしたら、「職業訓練実施計画について」の説明をお願いします。

 

○尾形総務課長 ( ) 能力開発課長 資料 7 を御覧ください。職業訓練実施計画を平成 26 年度についても定めていきたいと思っております。国が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練についての計画ということで、ポリテクセンター、ポリテクカレッジ、あるいは委託訓練を対象に、訓練規模、訓練の内容について記述しております。

3 ページ以降に、訓練のカテゴリーごとにそういったことが書いてあります。離職者訓練 14 8,500 人、在職者訓練 5 7,000 人、学卒者訓練 5,900 人、障害者 1 900 人といった内容です。基本的に平成 25 年度とほかの記述については同じですが、やや加筆した部分があります。例えば、離職者訓練の中で「定住外国人」という記述を入れたり、障害者の訓練の所で今般の障対法の改正を踏まえた内容にしたり、新卒のコミュニケーションギャップによって苦労している人たちに対するサポートのようなことを入れたりといったことが、若干加筆されております。以上です。

 

○小杉分科会長 それでは、これについて皆様から御質問、御意見を受けたいと思います。いかがでしょうか。特にないようでしたら、この議題についてはここまでといたします。その他、委員の皆様から何かございますか。

 

○新谷委員 その他で 1 点確認したい点があります。お聞きしにくい点ではありますが、今年度の補正予算で創設をされた短期集中特別訓練事業について、 1 点確認します。この事業は、就職困難者にとって非常に重要な就労支援の施策だと思っておりますが、残念ながら入札を巡る問題等があって、いまだにこの訓練事業の受託者が決まっていないという現状にあろうかと思います。この事業は全国で展開をしなければいけないのですが、入札を巡る問題についてここで論議するつもりは全くありません。ただ、この事業が今後どのように展開をしていくのか。私たち労働側としては早期にこの事業を立ち上げていただきたいと思っておりますので、そういった趣旨で質問をしたいと思います。

 

○杉浦職業能力開発局長 短期集中特別訓練事業の件ですが、 3 6 日に最初の新聞の報道がなされました。今、御発言があったように補正予算で付けていただいた事業でして、内容的にはなかなか通常の期間の訓練がしにくい方々に短期の訓練を行って、できるだけ早期の就労を目指すというものでして、大体の訓練の事業の流れとしては、現在行っている求職者支援訓練の枠組みに類するような形でやろうと考えていたわけです。ただ、財源的には中央職業能力開発協会に 20 億円程度基金を積んで、実際に訓練を行うのは民間の職業訓練機関ですが、職業訓練機関が訓練コースを作って、それが実際に適正なものであるかを審査して認定するといった事柄、あるいは実際の訓練が適切に行われていくように支援をするといった中継ぎ、コーディネート的な業務も含めて、能力開発協会ではなく、一定の専門的なことができる団体に再委託という形でやろうと。それは企画競争の形で公募をして、決定していこうという枠組みで実施をするということでした。

 新聞報道でもあったように、現在分かっている段階で大きな問題点としてあるのは、公示に係る決裁手続が非常に不適切なものであったのではないかという点と、公示の前に高齢・障害・求職者支援機構に事前に職員が出向いて、その説明をしているということで、結果的に最初行った入札では高齢・障害・求職者支援機構が応募を掛けてきて、審査委員会で決定をしたということでしたが、そういった不適切な事象もあった関係で、現在は 1 回目の入札をやり直すということです。これは大臣の指示もあって、 1 回ホームページに載ったものを削除して、更に要件を変えて出したという手続があったので、今回は最初にホームページに出した入札の条件で公示をしようということで、 25 ( ) から再公示をホームページに載せております。

 高齢・障害・求職者支援機構は、国会の答弁などでも理事長からこの事業にはこういった経緯もあったことから、今回は応募しないということになっておりますので、当面、再入札の様子を見ながら、その状況を見て判断したいと考えております。ただ、高齢・障害・求職者支援機構が応募しない場合に、他の所が出てきてそこで決定すればいいのですが、もし他の団体からの応募がなかった場合にどうするかについては、更に要件を変えて、他の団体も応募しやすいような形にしていかなければいけないのかということを、今、検討しております。

 いずれにしても、補正予算で付けていただいた事業ですので、早期に実施をしなければいけないというのが最重要課題ですので、結果的に手続が遅れていることに対しては非常に申し訳ないと思っておりますし、職員がそういったことで、いろいろ不適切な行為があったということで、皆様方にも御心配、御迷惑をお掛けしていることに対してはお詫び申し上げたいと思います。

 後半の部分については、今、大臣官房で調査をしており、そちらの調査結果を待っての判断になろうかと思いますが、 3 19 日付けで担当の課長と企画官と補佐が人事異動し、総務課長が能力開発課長を併任しております。いずれにしても、新谷委員がおっしゃったように大変重要な事業だと思っておりますので、できるだけ早く手続をして、施行に移したいと考えておりますので、御理解をいただければと思います。

 

○新谷委員 入札を巡る問題については、残念ではありますが、ここで論議するつもりはありません。申し上げたかったのは、能開行政を全国展開するに当たって、今、行政の第一線の機関が能開局についてはないわけです。基金訓練も求職者支援制度もそうでしたが、短期集中特別訓練事業を全国で均質なサービスとして提供するに際して、全国展開をし得る団体が関与しないといけないと思っています。これは正しく認定業務ですので、地域によって認定の濃淡があってもいけないし、実際に運営するに当たっても、巡回指導等で不正がないか、きちんと訓練が実施されているかといったこともメンテナンスをしなければいけないわけで、それを遂行し得る団体がほかにあるのかということも非常に気になります。この事件は非常に不幸な事案だと思いますが、それを乗り越えて、この重要な事業を全国展開できるような体制の立上げを、是非お願いしたいと思っております。

 

○豊島委員 新谷委員の意見に関連して発言します。もともと、一般競争入札や企画競争入札とか総合評価落札方式とかいろいろな形があります。これらは、もともと談合や随意契約といったことで、行政がやることが不透明でおかしいのではないかというところから始まっていると思っていますが、何でもかんでも一般競争入札でやることが良いのかという議論が最近起きています。大事なのは国民の納得性や、事業をその機関がやることに対する納得性、あるいはそのコストの合理性だと思いますので、そういう観点から、今、確かに談合は良くないが、随意契約が絶対に悪いということでもないと思いますし、もう少し良い意味で効率的に、かつ国民にとってプラスになる方向で、しかもやっている担当の人たちも余計な手間を掛けなくてもいいようにすることのほうが、むしろ行政に期待されることだと思いますので、応援する意味で発言させていただきました。

 

○小杉分科会長 大事な御意見ですので、 Take note していただきたいと思います。

 ほかにないようでしたら、本日の議論は以上といたします。以降の日程等については、改めて事務局から連絡いたします。本日の署名委員は、労働者側は新谷委員、使用者側は大隈委員にそれぞれお願いします。

 それでは、本日はこれで終了させていただきます。御協力ありがとうございました。

 


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業能力開発分科会)> 第78回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録について(2014年3月28日)

ページの先頭へ戻る