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2014年7月15日 第2回 保健師に係る研修のあり方等に関する検討会 議事録

健康局

○日時

平成26年7月15日(火)15:00~17:00


○場所

中央合同庁舎第4号館12階共用1212会議室


○議題

1 新任期の研修のあり方等について
2 中堅期の研修のあり方等について
3 その他

○議事

○村嶋座長 ちょっと早いですが、始めさせていただいてもよろしゅうございますでしょうか。ただいまより「第2回保健師に係る研修のあり方等に関する検討会」を開催させていただきます。

 皆様方には、大変御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございます。

 失礼しました。佐藤構成員、高橋構成員、永江構成員からは、本日御欠席の旨、御連絡をいただいております。

 それでは、まず、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○保健指導専門官 保健指導室の柿澤です。よろしくお願いいたします。

 では、資料を確認させていただきます。

 お手元にまず議事次第がございます。

 裏面に座席表がございます。

 資料1。

 資料2が1枚のものの【論点(案)】としてお示ししたものがございます。

 資料3と本日御発表いただきます曽根構成員からの提出資料の資料4。

 田中構成員から提出いただきました資料で資料5。

 以上でございます。

 資料に不足、落丁等がございましたら、お申し出ください。

 大丈夫でしょうか。

 なお、7月11日付で事務局に異動がございました。紹介させていただきます。

 健康局長の新村和哉でございますが、本日は所用のため欠席させていただきます。

 続きまして、がん対策・健康増進課長が異動になりました。御挨拶いたします。

○がん対策・健康増進課長 先週の金曜日付でがん対策・健康増進課長を拝命しました正林でございます。

 直前は、結核感染症課長をしておりまして、かれこれ8年ばかり同じ課でずっと感染症の仕事をしていまして、今回、がん対策・健康増進課長で参りました。

 かつては、13年から15年にかけて、生活習慣病対策室というところがありまして、そこにもしばらくいて、健康づくりとか、がん対策とか、そういうものはかつてもやっておりました。

 今日も誠に申しわけありません。4時15分になったら、別の会議と重なってしまいましたので、ちょっと途中で中座させていただきます。

 よろしくお願いいたします。

○村嶋座長 ありがとうございました。

○保健指導専門官 続きまして、保健指導室長の島田でございます。

○保健指導室長 同じく、先週11日付で保健指導室長を拝命いたしました島田でございます。

 先生方にはたくさん御指導いただきたいと思います。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○保健指導専門官 マスコミの方は、以上をもちまして、カメラを収めていただきますよう、御協力をお願いいたします。

○村嶋座長 それでは、早速、本日の議事に入りたいと思います。

 まず、事務局より資料1と2について御説明をお願いいたします。

○保健指導専門官 では、事務局より資料1及び資料2を御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料1でございます。

 資料1は「前回の検討会における主な意見」ということで、事務局のほうで整理し、まとめさせていただきました。

 まず<系統的な研修体系の必要性>ということで御意見をいただきまして、体系的な研修であれば、組織側、本人側双方が出やすくなるとか、自治体における研修の体系化と継続化が課題であるというような御意見をいただきました。

 また<各期における課題等について>もさまざま御意見をいただきましたところでして(共通事項)としましては、研修プログラムは初任期、中堅期、管理期のレベル別に積み上げていくものがあるのではないかと御指摘いただいたところです。

 本日、御議論いただく予定としております(新任期)及び(中堅期)に関しては、新任期に関しては、新任期の年数の捉え方が地方公共団体によって異なっているということも御意見としていただきました。

 また、特に新人保健師において、本来は基礎教育と免許取得後の研修とが連動すべきであるということで「基礎教育で、このくらいは身につけておいてほしい」ということをこの検討会で出してはどうかという御意見もいただきました。

 中堅期に関しましては、企業の産休育休の取得状況等を参考にしながら、産休や育休を取得した保健師のキャリア継続支援を検討されたいというようなことがございました。

 また、将来のためには中堅期の人材をきちんと育てていくべきであるというようなところも御意見をいただいたところでございます。

 おめくりいただきまして(統括的な役割を担う保健師、管理期)のところでございます。

 まず、統括保健師の役割及び位置づけについて共通認識を持つため再整理が必要ではないかという御意見もいただきました。

 また、地域診断を基盤として、自治体の財政状況、社会資源から施策形成を行うことが保健師に求められている。また、そういった能力を形成するための研修内容が中堅期及び管理期に必要ではないかという御意見をいただきました。

 また<本検討会における検討内容等>としましては、ジョブローテーション等人材育成までが必要ではないかとか、あと業務別研修は、検討外としてよいのではないかという御意見をいただきました。

 また、<研修の実施体制、実施主体等について>は、自治体及び県立大学等、地元の大学との連携の方法ということで御意見をいただいたところです。

 また、国立保健医療科学院と大学との連携のあり方を検討されたいということで、国立保健医療科学院が全ての研修をブロック単位で実施するのが困難な状況であるということと、また、研修を受講した保健師が自治体へその結果を還元させるような自治体の体制整備も検討されたいというような御意見もいただきました。

 また、研修としまして、県の保健所と市町村で人事交流が行えるような体制を整備する必要があるのではないかという御意見としていただいているところです。

 また<研修への派遣等について>ということで、長期の派遣については、組織的合意が得にくいというような御意見ですとか、受けた研修に関して、メリットや、研修の全体像を、受けた保健師自身が十分に説明できないという課題があるということもございました。

 そのような長期研修の組織合意が出にくい中で、国立保健医療科学院の長期の受講者数が減少しているというようなことが御指摘いただいたところですけれども、3ページ目の御意見の中では、一定程度長期の研修も公衆衛生マインドを学ぶためには必要ではないかという御意見もいただいたところです。

 また<研修の実施方法等>に関しましては、OJTOFF-JTを組み合わせながら、人事交流、ジョブローテーション等の教育目的の配置換えも考えなければいけないという御意見をいただきました。

 <研修に求められる内容について>に関しましては、高橋構成員のほうから、前回、公衆衛生医師は年々減っており、劇的に増える見込みもないことから、保健師に必要な能力を身につけてもらい、同等の役割を担ってもらいたいというような御意見もいただいたところです。

 資料1に関しまして、雑駁ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

 では、続きまして、資料2の説明に移らせていただきます。

 こちらのほうは、今回の論点としまして、事務局で示した案になります。

 まず、1つ目のポツですけれども「保健師の研修の考え方について」ということで、地域保健従事者に求められる職種共通の専門能力を踏まえまして、各期の研修において保健師は、どの能力を重点的に獲得していく必要があるかということでございます。

 2ポツ目が「新任期の保健師の研修のあり方等について」ということで、1番としましては、地方公共団体によって「新任期」の捉え方が異なっている現状があるところですが、本検討会でいう「新任期」というのは、どのような考え方で整理するとよいかということです。

 2番としましては、新人看護職員研修ガイドライン~保健師編~については、この研修全体のあり方の検討を踏まえまして、どのように取り扱うか検討してはどうかということでございます。

 3ポツ目としましては「中堅期の保健師の研修のあり方等について」ということで、1番目としまして、国立保健医療科学院が実施している研修の課題を整理し、その対応について検討してはどうかということ。

 2番目としまして、新任期~中堅期の保健師に対する研修において県立大学等の教育機関と地方公共団体との連携は有効ではあるが、それぞれにどのような役割分担が考えられるかということでございます。

 3番目としましては、産休や育休を取得している保健師のキャリア継続支援について、どのように考えればいいかということでございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 ただいまの御説明について、御質問、御意見等ございますでしょうか。

○保健指導専門官 先生済みません。資料2で説明させていただきました議論につきましては、この後、曽根構成員と田中構成員のほうから説明していただいた後に行っていただきたいと思っております。

 失礼いたしました。

○村嶋座長 わかりました。では、資料2の論点に立った議論はヒアリングの後ということですね。

 今の時点で何か御質問、御意見等ございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 そしたら、ちょっと早いですが、先に資料3について御説明をいただいてもよろしゅうございますでしょうか。

○保健指導専門官 では、引き続きまして資料3について説明させていただきます。

 資料3についてということで「新任期及び中堅期の研修について」ということで説明させていただきます。

 2枚目の資料ですけれども、こちらのほうは「地域保健従事者に求められる職種共通の専門能力」ということで、厚生労働科学研究における橘先生のご研究になります。

 職種共通の専門能力としまして、1番から8番に書かれているように、1つは「企画・立案能力」であるとか「情報収集・調査研究能力」等、このようなカテゴリーに分けて職種共通の専門能力を分けているところでございます。

 このような考え方が1つの整理の方法ではないかということで、事務局のほうから御提示させていただきました。

 おめくりいただきまして、前回もこちらの資料を提示させていただいたところですが、佐伯先生のほうの研究の御成果ということで「保健師のキャリアラダーの例」ということです。

 今回は「新任期」というところに着目しまして、赤字で示しているところですけれども、新任期の職位の経験の目安としては、基本的な事例であるとか、基本的な保健事業の運営は自立して遂行するということ。あとは目安として、新任期を1と2と分けまして、1~2年、2~5年というような目安が示されているところです。

 「育成するコア能力」としては、個人家族への責任のある対応というあたりになっております。

 下の図も同じく新任期のキャリアラダーのところをお示しさせていただいております。

 その部分では「対人支援」に関しては、担当分野以外の基本的な事例への対応であるとか、あと「組織管理」の中ではメンバーシップとしてどう立ち振る舞うかというようなあたりが能力として示されているところでございます。

 続きまして、新任研修の受講経験ということで、こちらのほうは22年度の日本看護協会による基礎調査報告書からの抜粋結果になります。

 これを見ていただきますと「新任研修の受講経験(年齢別)」ということで、おおよそ20代ぐらいの方の8割ぐらいは受けたということがわかるかと思います。

 下の表は「新任期にプリセプターの指導を受けた経験(年齢別)」ということで、24歳以下ですと、7割ぐらいがプリセプターの指導を受けたというようなことになっております。年齢が上がるごとにプリセプターの指導を受けた経験は少なくなっておりますが、最近の方は割と受けていらっしゃる傾向が見てとれるかと思います。

 おめくりいただきまして、7番と8番ですけれども、こちらのほうは平成23年2月にお示しさせていただきました【新人看護職員研修ガイドライン~保健師編~】です。

 「理念」としましては、専門職業人として成長する上で、生涯にわたり自己研鑽を積む基本姿勢を育成することが重要であるということと、この新人期の研修は、保健師活動の基本的視点を形成するための基礎となる研修であるということ。

 3番目としては、新人保健師を支えるために、組織文化の醸成が重要であるということが理念としてうたわれているところです。

 「特徴」としましては、新人保健師の到達目標として、1年以内に経験し修得を目指す項目と、その到達の目安を示しているということです。

 また、あわせまして、研修方法等は例としてお示しさせていただいておりまして、それが下の図ということで「人材育成の中核となる保健所」を県に設置して、そこに研修体系等の中核となる保健所や大学が、市町村等の人材育成を担うというような例をお示しさせていただいているところです。

 済みません、駆け足ですが、続きまして「『新人看護職員研修ガイドライン~保健師編~』を踏まえての各自治体の取り組み状況」ということで、平成26年の5月から6月に、都道府県と政令指定都市、中核市、政令市、特別区の保健師にアンケート調査を行った結果でございます。

 下の表ですが「新人保健師ガイドラインの作成状況」でございます。

 新人向けに単独で作成というのが水色のところになっておりまして、新任期から管理期までを包括的に作成というのが赤いところになっておりますので、都道府県においては、ほぼガイドラインが作成されているような状況になっております。

 政令市はちょっとnが少ないのですが、約半数が作成しているというような状況になっているところです。

11枚目のものですけれども「新人保健師の研修実施機関について」ということで、中核機関の有無ということをお聞きしているところです。

 都道府県、指定都市に関しては、ほぼ100%設置されているということですが、政令市も数が少ないのですが、6割ぐらいは設置されているということです。

 中核機関をどこに置いているかといいますと、都道府県のほうでは本庁、あとは中核市においては保健所ということで、ちょっと特徴があるかなと思います。

 下が「新人保健師研修対象者について」ということで「研修対象者の所属先」ということですが、都道府県においては、自治体の職員のみではなくて、他自治体職員も対象ということですので、市町村職員の方も対象に新人保健師の研修をしているというような実情がわかるかなと思います。

 下は「研修対象者の経験年数」ということで、都道府県は大体3年ぐらいまでを対象にしているということ。指定都市もそのような形になっておりますが、政令市、特別区に関しては、1年目ぐらいを対象としているというような実態があるかと思います。

 続きまして、13枚目ですけれども、こちらは「研修責任者の配置状況」ということで、各自治体において、研修責任者が配置されている状況がわかるかと思います。

 同じく「教育担当者の配置状況」ということですけれども、こちらも都道府県、指定都市、特別区においては、8割程度設置されている状況になっております。

 おめくりいただきまして、自由記載からの抜粋になりますけれども「新人保健師の育成に関する課題についての意見」ということで抜粋したものを載せさせていただいております。

 家庭訪問の実際や専門領域における基本的な知識・技術、地区活動の展開の仕方について研修をしていく必要があるということですとか、新人保健師に対してはということは、1年目の保健師に対しては、周囲の職員も指導に配慮することができるけれども、2年目以降の保健師の研修・指導がままならない状況であるということ。

 あと、学問として高い教育はされてきていても、コミュニケーション能力に弱さを感じるというような課題も書かれていました。

 また、分散配置によって1人配置になっている保健師に対する指導が難しいということと、あと実地指導者の不足及び資質の向上が課題であるということが御意見としてあったところです。

 そのような中で「実地指導者(プリセプター等)の配置状況」ですけれども、こちらのほうも、政令市は6割なのですが、ほぼ設置されているような状況になっているところです。

17枚目ですが「実地指導者(プリセプター等)の育成状況」ということで、プリセプター向けの研修の有無を聞いたものになっております。

 都道府県、指定都市、中核市においては7割程度このような研修を実施しているということがございました。

 また、自由記載より抜粋させていただきました「新人保健師の実地指導者(プリセプター等)の育成に関する課題についての意見」でございます。

 実地指導者としての指導基準が統一されていないため、個々の経験や考えをもとに指導しているということ。

 また、実地指導者を担う中堅期の保健師の研修機会が十分に確保されていないということ。

 分散配置に加えて、新人の採用数の増加により実地指導者の確保が困難であるということ。

 事務の細分化、多様化、複雑化が進む中で、組織全体で育てる、育ち合う意識の醸成というものが課題であるということが上がってきております。

 また、中堅前期の職員が産休や育休等により少なくて、経験年数の少ないあるいはかなり年齢の離れた管理期の保健師さんが担うという実情があるということでございます。

 あと、都道府県による実施指導者育成のための支援がないということですとか、あと採用が少ないので、実地指導者としての経験を積む機会そのものが少ないというような御意見もあったところでございます。

 「新人看護職員ガイドライン~保健師編~の見直しについて」について、必要性の有無をお聞きしましたところ、約6割の御意見としては、見直しの必要性はないということでございました。

 「あり」の方に関しての見直しの時期についての御意見ですけれども、時期の目安はなしということが5割でして、3年以内、5年以内ということで、約4割の方が御回答いただいた状況になっています。

 以上で、新任期の課題等について事務局からまとめさせていただいたものになります。

 引き続きまして、中堅期ということですけれども、21枚目になります。

 こちらも、同じく日本看護協会で実施された調査の報告書をもとに作成しております。

 「中堅研修の受講経験(年齢別)」ということで、こちらは過去に受けた経験も含めて聞いているものと思います。

 そうしますと、大体3539歳ぐらい以上になると、5割以上の方が受けていらっしゃるということになります。しかし3割ぐらいは受けていないという状況があるかと思います。

 それを、所属別に見ますと、市町村の方に関して受けていないという方が、ほかの自治体と比べますと、やや多いような傾向があるかと思います。

 「中堅研修未受講の理由(年齢別)」ですけれども、おおよそ中堅期の対象になるかと思われる年齢のところを見ていただきますと、3034歳から4044歳ぐらいまでのところかなと思うのですが、まず、研修を受けるべき立場ではないというような御意見もあるのですが、あとはその研修自体がないですとか、あと研修参加者に指名されなかったということ等に加えまして、業務が多忙で参加できないというような理由が挙げられているところです。

24枚目ですが、こちらは、論点の1とも関係しますけれども「保健師として身につけたい能力」について職位別でどのような能力を身につけたいかと考えているかということでございます。

 職位別でかなり状況が異なっておりまして「所長もしくはそれと同等」というところを見ていただきますと、やはり企画・立案能力であるとか、また事業の評価能力あと健康危機管理能力というところが挙げられているところです。

 その下の「部長もしくはそれと同等」では、人材育成能力を身につけたいということになっております。

 課長の職位になりますと、人材育成能力に加えまして、事業評価能力であるとか、そのあたりのことが挙げられているということで、職位別に見ても、身につけたい能力に差があるということがわかるかと思います。

 資料3に関しては、以上をもって説明を終わらせていただきます。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 ただいまの資料3について、御質問いかがでしょうか。

 これを見ると県と市町村で本当に違うのだなというのがありますね。

○座間構成員 すみません。

○村嶋座長 どうぞ。

○座間構成員 質問でいいですか。

○村嶋座長 はい。

○座間構成員  12ページのところの「研修対象者の所属先」の都道府県のところの「他自治体職員も対象」という表現になっていますが、これはどう理解すればよいか教えてもらえますか。

○保健指導専門官 都道府県の役割として、管下の市町村に属される保健師の研修も役割として担っているという実情がございまして、「自自治体職員のみ」というのが、自のところが県の職員のことを指しておりまして、この他自治体職員というのは、管下の市町村の職員と理解していただければと。

○座間構成員 自治体というのは県ということを前提に話していらっしゃるということですか。

○保健指導専門官 はい。

○座間構成員 わかりました。

○村嶋座長 よろしいでしょうか。そうですね。だから、他市町村や産業もということになるのですね。

○座間構成員 下と重なっているところがあるということですよね。

○保健指導専門官 そうですね。はい。

○座間構成員 ここだけデータが違うけれども、基本的には広くやられているという理解でいいですか。

○保健指導専門官 はい。そのように理解していただければと思います。

○村嶋座長 ほかにいかがでしょうか。

 特に、資料3について御質問はございませんでしょうか。御質問、御意見。

 どうぞ。

○曽根構成員 8枚目のスライドですけれども、これは私も十分理解していないのですが、これは人材育成の中核となる保健所が、一般の保健所とは別に存在するという意味でしょうか。それとも、一般的に保健所が人材育成の中核になるということなのでしょうか。

○保健指導専門官 この書きぶりだと、確かに人材育成の中核となる保健所を県ごとに設置しているという意味と、人材育成の中核となる保健所としての機能を持っているという、多分、先生、両方の事柄をお聞きいただいたかと思うのですが、私の理解としては、はい。

○中板構成員 これは教育保健所をイメージした図だと思います。

○曽根構成員 以前そのようなお話があったことは承知しておりますが、それが今どうなっているのでしょうか。

○中板構成員 教育保健所というものを1つ設定して、そこが教育企画を立てていくということのこれは例なのですけれども、例えば、大分などは教育保健所を設置しています。

 幾つかの県が実施していると思います。

○村嶋座長 はい、東部保健所が教育保健所として位置づけられ、研修企画をしています。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○中板構成員 スライドの1718なのですけれども、プリセプター向けの研修の有無ということで、都道府県が7割、政令市も7割、中核市も7割ということなのですが、下の自由意見などを見ると、指導基準が統一されていないため、個々の考えや経験に基づいて指導しているのが実態であるというあたりも出てきていて、このプリセプター向けの研修の7割というのは、実態としてどのような、プログラムみたいなものというのをいただいたりしているのですかね。どのようなことをプリセプターと位置づけて研修のコアにしているのですかね。

○保健指導専門官 アンケートだけなので、「ありますか」としか聞いていなくて、プログラムまでは出ていません。回答していただいている自治体はわかるので、プログラムを取り寄せることは可能かと思います。

○村嶋座長 何でプリセプターなのか。

 どうぞ。

○藤原構成員 実際、プリセプター向けの研修といっても、どのレベルの中身を提供すべきかといった研究内容のフレームはないので、現実忙しい業務の中では、指導者に集まっていただくこと自体、非常に大変なので、半日ぐらいのプログラムの中で、現在の入ってくる新人さんの層に合わせて、どういう教育を今の人は受けている、といった簡単なオリエンテーション等、基本的には最近の新人の状況を踏まえて、こういうところを具体的にこのレベルまで押さえてくださいといった、要はハウツー的に実務の中でプリセプターにやっていただきたいプリセプター業務の解説研修のような形にならざるを得ないような状況があります。

 ですので、教育年代、入ってくる人たちが例えば新卒ばかりといった、割と均質化していればいいのですけれども、それでも、大学によってかなり教育の差があるので、どの程度基礎教育で押さえられているかによって、同じようなプログラムを提供しても、消化の度合いなどを相手に合わせてプリセプターに見てもらわなければいけないところもありますし、あと、私どものような業務分担制になっていると、体験させられる業務辞退が違うので、セクションごとに何を題材としてどこまで押さえるかというのは、プリセプターに工夫をしてもらわないといけないという事情がありますので、ある程度概論的な根本の考え方としてこう提供してくださいといったことと、そのためのお互いの持っているプリセプターになるレベルの職員が持っている知恵を出し合って、こういうような材料を提供して、こういう押さえ方をしようといったことを検討して持って帰ってもらうプログラムに現状ではなっているような感じがします。

 北九州市さん、いかがでしょうか。

○清田構成員 北九州市では、集まっての研修は行っていないのですが、新人が1年間に亘って各月でどのレベルの修得をしていくかという目標を示している材料をもとに、プリセプターと研修の責任者である係長と本人が三者で定期的に話し合いながら、振り返りを行っています。そしてプリセプターとしての姿勢も書いてあるので、それを確認し、OJTをやっているのが本市の状況です。

○村嶋座長 いかがでしょう。

○田中構成員 宮崎はプリセプターとしてのプログラムではないのですけれども、今、現任教育で新任期とそのフォロー期、それから中堅期とそのフォロー期、リーダー期として、取り組んでいます。中堅期は、今まで中堅期の研修がなかったので、5年から20年と現段階ではかなり幅広いのですけれども、その中堅期の中身がプリセプター教育にもつながっています。その中で工夫していることが、中堅保健師と新任保健師の合同研修で、新任保健師の指導をするような立場を研修の中で合同で開催して、中堅保健師の役割として新任に対してどう対応するかというところを盛り込んだプログラムにしています。

○村嶋座長 プリセプターになるのは中堅の人ですね。

○田中構成員 実際は、もうちょっと若い人です。今、どんどん新人が入ってきていますので、3年目から5年目ぐらいの人が実際はなっているのですけれども、新任期の中では、その新任期を育てるというところが中心のプログラムですので、プリセプターとしてのプログラムにはなっていないです。

 だから、中堅期が5年からの若手からにしていますので、早い時期に受けた人、それからある程度の年齢に、10年、20年になっている人もその役割を果たしていくようにということでプログラムの中に組んでいる形になります。

○中板構成員 ということなので、プリセプターの育成というよりも、プリセプターが何をするかという研修をしているというのが多分正しいのかなと全国を見ていると思うところです。

 なので、プリセプターとして、実際には、本当に年齢構成にかなりばらつきがありますので、どうなのかというのはありますけれども、プリセプターとしてどのぐらいのことを達成しなければならないかという、そもそものプリセプターとしての達成目標みたいなことを記したものは、多分、ないのではないかなと思っています。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 そうすると、逆に言えば、プリセプターとしての機能とか、プリセプターとして何をどう教えないといけないかとか、達成目標をどのぐらいに本人の力を見ながらしていくかとか、そういうことは全然まだ未着手だという感じでしょうか。個人差があるけれども、そこら辺もある程度、この検討会の対象と言っていいのだと思うのですけれども、研修について考えるのでしたら検討の対象だということでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 ほかに。どうぞ、曽根先生。

○曽根構成員 23枚目の「中堅研修未受講の理由」ですけれども、これは日本看護協会の調査からだと思うのですけれども、受けるべき立場にないとか、研修自体がないとか、指名されなかったというのはわかるのですけれども、業務が多忙で参加できないとか、職場の理解が得られないというのは、そもそも研修というのは業務ではないのかというところで、研修というものに対する意識というか、位置づけが自治体によって若干違うのかというところが気になりました。あるいは私費で受講のために費用を出せないとか、あるいは勤務時間外や休暇や休日を利用して受講しなければいけない。もちろんそういうものもあるのかもしれませんけれども、何か研修が業務とは別ものだという意識や実態が見られるような気がするのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

○村嶋座長 いかがでしょう。

 中板委員でもいいですし、それ以外の。

 どうぞ。

○清田構成員 私が現在、研修について考えているのが、本来、人材育成の一環である研修は、業務の実践と、その後の業務評価につながるものでないと本来いけないということです。けれども、研修が業務実践、そして、その人自身の人事評価までつながるものとして、研修を捉えているかと問われたら、そうではなかったなと反省しているところです。

 それで改めて考えてみると、研修については、責任を持って研修のあり方を捉えないといけないと考えています。研修をその自治体として受講することを職員に照会した場合は、それはしっかりと業務につながって、そのとおり遂行すれば、評価にもつながるよというところまで示さなければいけないのではないか。それが弱かったなということを、この結果を見ながらも感じたところでした。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 研修の業務における位置づけという問題も出てまいりました。

 ほかによろしゅうございますでしょうか。

○座間構成員 もう一点いいですか。

○村嶋座長 どうぞ。

○座間構成員 ちょっと確認なのですけれども、15ページで新人保健師の育成に関する課題というところでまとめていただいているのですが、多分、これからの議論になっていくのだと思うのですけれども、この中で、仕組みや研修する側の課題というのはある程度抽出されていると思う一方新人自身の課題というのは、コミュニケーション能力の弱さのところに集中していますが、新人保健師の課題やどういう問題意識があるのかというまとめもあるといいと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 今のものに関して、ちゃんと受ける側の能力や課題、覚悟を含めてだと思いますが、トレーニング状況を踏まえて、この検討会として取り上げるべきではないかというような問題提起だと考えてよろしいでしょうか。

 それに関してはいかがでしょうか。

 今のものは取り上げるべきだという御意見だと承りました。

 それはここの検討会でこれから柱といいますか、落してはならないものとして入れていくということでよろしいでしょうか。確かに言われましたとおり、従来、保健師は3年間の看護学校プラス1年が多かったのですが、大学がどんどんふえて、今、1万7,000人ぐらい1学年で大学で教育されておりますが、ついこの2、3年前まで、全部の大卒者が保健師と看護師を統合カリキュラムで全員が国家試験受験資格を持っていた。

 ところが、今、選択制になる大学、それから上乗せにしていく大学が増えていきまして、修士課程でやっているところが、今、5校あるのですが、これからも増えていく。

 そうすると、3年プラス1年の教育から、4年間で保健師も看護師も同時に取得するところから、4年間の看護師にプラス2年の修士課程で取得していく人からもともとの免許のとり方に非常に差が出てきて、これからもっともっとそれが多様化していくというところがございます。ですから、どういう人を採用するか、採用できるか、そういうことを含めて、研修を受ける側の課題も一つ重要なこととして取り上げていくということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○村嶋座長 ありがとうございます。

 ほかにはございますか。

 どうぞ。

○田中構成員 済みません。新任保健師の実態ということで、後で説明させていただくのですけれども、宮崎県の資料の5枚目。

○村嶋座長 では。そのときでいいですかね。

○田中構成員 わかりました。

○村嶋座長 では、次に行かせていただきたいと思います。

 本日は、議事に関連して国立保健医療科学院で実施していらっしゃる研修の現状について曽根構成員から、また、県立看護大学等との宮崎県の取り組みを田中構成員からそれぞれ御発表いただきたいと思います。

 質疑は、お2人の発表が終わった後にまとめてお伺いいたします。

 まず、曽根先生、お願いいたします。

○曽根構成員 それでは、資料4をもとに説明いたします。

 国立保健医療科学院の企画調整主幹の曽根です。国立保健医療科学院は、現在の場所にきたのは12年ほど前ですが、歴史としては、戦前にさかのぼります。

 まず、昭和12年に公衆衛生技術者の訓練実施のために、いわゆるモデル保健所が2カ所設置されました。1つは東京の京橋に都市保健館、もう一つは埼玉県の所沢に農村保健館ということで2つできました。そこを実習場所にしながら公衆衛生技術者を養成する機関として、旧国立公衆衛生院、当院の前身の一つが設立されまして、これは戦前というこの時期にもかかわらず、アメリカのロックフェラー財団の資金援助によってつくられたものです。

 その翌年の昭和13年に厚生省が内務省から独立し設置されています。

 次のページ、3枚目ですが、これは単なる御紹介ですけれども、右下が都市型保健所の発祥の地ということで、現東京の中央区保健所の入り口の手すりの下にこのような銘板がございます。

 所沢保健所は、数年前に整理統合でなくなってしまいましたが、保健所発祥の地の碑が残っています。

 右の上が旧国立公衆衛生院で、現在もこの建物は港区の白金台に残っていまして、建物を見ておわかりのように、東大をつくられた建築家と同じ方の作品です。

 (旧)国立医療・病院管理研究所は、戦後、GHQの命令によって、日本の病院管理・経営の近代化のためにつくられた研究所で、今の国立感染症研究所と同じ建物の中に入っていました。

 それが、平成14年に国立医療・病院管理研究所、旧国立公衆衛生院、それから国立感染症研究所の口腔科学部が統合されて発足したのが現在の国立保健医療科学院です。

 現在の写真を載せるのを忘れてしまったのですけれども、こういう建物で、現在、埼玉県の和光市にございます。

 平成23年に内部組織の再編がございまして、現在は部長級の9統括研究官、それから7研究部・センター、総務部で総勢100人強の職員で運営していまして、うち研究職が76名、行政職、事務職が約30名です。

 6ページをご覧ください。当院のミッションは2つございまして、1つは養成訓練です。保健医療事業、生活衛生、社会福祉事業に関係する職員の養成訓練ということで、主として自治体職員の卒後研修を行っています。

 それからそれに関連した調査研究がミッションの二つ目です。

 7枚目ですが、特に保健師関連の研修に焦点を当てますと、大きな研修はここに書いてあるとおりです。

 長期のものにつきましては、ここに「専門課程2 地域保健福祉分野」とありますが、これは1年のコースです。

 それから「専門課程3 地域保健福祉専攻科」というのは3か月のコースです。

 短期のもので特に保健師のみ対象のものは、公衆衛生看護管理者研修 実務管理編、10日間と公衆衛生看護管理者研修 人材管理編3日間の二つがあります。

 長期と短期、全てトータルしますと、大体年間120130名の修了生を出しています。

 長期の専門課程2地域保健福祉分野、これは1年の研修ですが、その目的は8ページ等に書かれているように、指導的立場で実践活動を総合的に推進するために必要な能力を養成するということです。期間は1年間で、基本的に自治体の職員を対象としています。

 9ページに修了者数の推移を示していますが、研修の名前はそれぞれ時期によって変わっていますが、私が平成9年に旧国立公衆衛生院に入ったころは、20名を超える研修生がおりました。その後、徐々に減ってきていまして、現在は数名です。

 その下の10枚目が派遣元の一覧ですが、現在のところ東京都と近隣の県が幾つかという形になっています。

11ページですが、1年コースはさすがに派遣が難しくなってきたのではないかということで、3カ月のコースを平成18年度から開設しまして、4月から7月ということで、一部1年コースと同じカリキュラムで実施しています。

12ページに3ヶ月コースの修了者数を書いていますが、大体5、6人というところで、これもそれほど多くない、期間を短くすれば増えるかと思いましたけれども、なかなかそうはいかなかったというところです。派遣元別に見ますと、西のほうが少ないかなという印象です。

 カリキュラムが、14枚目です。

 これは専門課程2と3の共通の科目で、4月から7月にかけてのプログラムです。

 これは、研修の内容です。4月の開講当初1週間、導入的な講義がございまして、その後、約1か月半が当院の保健所長の養成研修もと共通の必修科目です。公衆衛生総論、社会保障論、社会調査法、疫学概論、保健統計概論や環境保健概論を学びます。それから、浄水場、検疫所等に実地見学に行くという機会があります。

 これが終わりましてから、残りの1か月半が地域保健福祉分野に特有の必修科目でして、公衆衛生看護管理、地域保健活動論、地区組織・連携活動論などの科目が含まれています。

 この三か月の課程が大体7月の中旬、今年ですと今週末終了することになっています。

15ページに示していますが、1年コースはそれ以降も研修が続いていまして、必修科目として各論的なもの、つまり疫学各論をはじめ、行動科学、母子保健、産業保健、精神保健等の各論的なものを必修科目として履修します。またその後選択科目が幾つかあります。

 さらに、7月から10月にかけて合同臨地訓練といいまして、これはフィールド実習ですが、多職種でチームを組んで、自治体に出向いて調査研究を実施して、そのプロセスも含めて報告書にまとめるということをしています。これは大変歴史のあるフィールド実習です。

 さらに、それが終わりますと、今度は個人の研究がございまして、個人で各自関心のあるテーマで調査研究を実施して報告書にまとめて発表するというものです。後半は特に各論科目とフィールド実習、それから個人の研究を中心に実施して、前半と合わせて1年間、みっちり勉強していただくという内容になっています。

16ページは、フォローアップ調査といって、修了生と派遣元に対して現場に戻ってから意見調査を実施した結果です。ここに示したのは平成21年度から23年度の修了生に対して、平成24年度に調査したものです。

 若干回答者数が少ないので、パーセントには示しておりませんが、基本的には本人・派遣元ともも、研修が現在大変役に立っているという御意見をいただいています。

 以上が長期の研修です。

 短期のものにつきましては、17ページに「公衆衛生看護管理者研修 実務管理」それから同人材管理の内容、目的等について、書いています。

 実務管理のほうは、前期・後期に分けまして、5月に7日間の前期研修があります。後期は翌年1月に3日間ということで、その間に遠隔教育システムを使ったり、あるいは実際に前半の研修で習ったことを実践して評価してもらい、それを1月の後半に発表するという実務を挟んだ研修にしています。

 人材管理のほうは、もう少し人材育成に特化した内容の研修になっています。

 実際の人数の推移を19枚目に示しました。それぞれおかげさまで、実務管理は大体7080名、人材管理のほうも3040名の受講者で毎年推移しています。

20枚目に受講者の保健師経験年数を示しましたが、全体数が若干違うので直接比較は難しいのですが、ぱっと見ますと、実務管理のほうが若干若い人が多い傾向があります人材管理のほうが、若干経験年数が多い人が多い印象ですけれども、両方大体2630歳ぐらいにピークがあるような形です。

 これら2つの研修につきましても、現場に戻ってからのフォローアップ調査を行っておりまして、平成24年度に22年度、23年度修了生に対して行いました。

21枚目がフォローアップ調査における実務管理の評価です。青が「大変役に立っている」を表しています。1年後あるいは2年後に振り返ってみて、大変役に立っている、役に立っているという方は、本人、派遣元とも90%以上になっています。

 人材管理についても同じく、大多数から役に立っているとの回答をいただいています。

 具体的ないろいろなコメントもいただいています。当院もインターネットによる遠隔教育システムを導入していますが、こういうものを使って研修期間の短縮化を図る。あるいは実際に来ていただく期間の短縮化を図るのはいかがでしょうかということを聞いておりますが、その結果を23枚目に示しました。今より参加しやすくなると回答した受講生の方、これはフォローアップ調査ですので、自分はもう研修自体は経験しているわけですけれども、座学的なものはなるべく少なくしたほうが参加しやすくなるとか、いろいろな面で助かる。それから、講義形式のものは遠隔教育でいいのではないか、インターネットを活用することにより、研修を受ける方が増える、という御意見もいただきました。

 一方、どちらとも言えないあるいは判断できないと回答いただいた受講生の理由としては、就業時間内では、インターネットの遠隔授業を受けるのは時間的に難しいとか、交通費の問題が大きいので、期間よりも行く回数のほうが影響がある、という意見がありました。

 また、事後フォロー的な学びを深めるという目的であれば、意味があるかもしれませんが、研修期間が短縮化されると参加しやすくなる半面、学びの多いグループワークの時間が短くなるので、単純に短くすればいいとは言えないという御意見もいただいています。

 最後のスライドですが、全般的な御意見ということで、派遣元からは、実際に携わる業務を課題として取り上げて、思考過程と実践を組み合わせた内容でとても有意義である。あるいは市町村保健師を支援する県型保健所保健師の資質向上のための研修を充実してほしい。長期派遣は予算の関係上難しいため、短期研修を継続してほしい。遠方の自治体のために出張研修があるとよい、などの様々なご意見をいただきました。

 受講生の方からは、科学院の先生方や全国の専門の先生を講師に迎え、非常に勉強になる。遠隔の地方職員にも参加が可能な方法を検討していただきたい。あるいはある程度同じテーマで継続的に研修をしていただけるとありがたいという御意見をいただいております。

 以上です。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 では、引き続き、田中さん、お願いいたします。

○田中構成員 資料5になります。

 「宮崎県における研修体系及び保健師の研修に関する県立看護大学等との連携~それぞれの役割、取組とその効果~」というところで、看護大学との連携にポイントを置いて紹介させていただきます。

 表紙にちょっと宮崎県のゆるキャラを紹介させていただいたのですけれども、これはイヌです。宮崎犬と書いて「みやざき犬」で、宮崎は「ひむかの国」ですので、左から「ひぃ、むぅ、かぁ」という名前がついています。

 宮崎県の特産、日向夏を御存じでしょうか。日向夏のひぃくん、それからフェニックスのむぅちゃん、地鶏のかぁくんの3人の夏バージョンになります。お見知りおきください。

 では、続いて、宮崎県の概況から説明させていただきます。

 人口が約113万人、約47万世帯を有して南北に長い形をしています。市町村数は中核市である宮崎市を含む26市町村からなって、保健所設置数は県8カ所と宮崎市保健所の全9カ所。行政保健師数は25年4月末現在で県が94名、市町村が308名です。

 ここ数年、団塊世代の退職や保健師の専門性の期待の高まりに伴って、県では6名から7名、退職者以上の新任保健師が採用されています。

 3枚目ですけれども、これは行政保健師の年齢構成をあらわしたものです。

 ブルーが県保健師、3年未満の新任保健師数は全体の2割、保健所平均2.3名が配置されています。

 年齢別で見ますと、20代、50代が多く、30代後半から40歳代前半が少ない状況にあります。

 ピンクは市町村保健師で、県とは逆で、中堅層、3040歳代が6割以上を占めています。

 宮崎県としては、県、市町村ともに、10年後を見据えた後輩育成が重要な課題となっております。

 次の資料が、まず人材育成の取り組みの経緯について御紹介したいと思います。

 本件は、平成10年に作成された段階別の保健師研修体制のもとに、新任保健師研修は、保健所を持ち回りで開催してきましたが、系統立った現任教育体制には至っていませんでした。そこで、平成21年に、新任保健師の実態を把握するために、新任保健師の実践力向上と継続教育のニーズ調査を行いました。

 5枚目になりますけれども、これがニーズ調査から見えた「新任保健師の実態」です。

 地域の実践活動に魅力や目的意識を持って、就職していますが、地域集団を捉えて活動することや、社会資源を活用しながら援助していくことに自信が持てない状況が見えてきました。

 これらのことから、課題を新任保健師が専門職として実践力を高め、自信を持って保健師活動が行えるような現任教育のあり方を考えることとしました。

 6枚目の資料は、平成22年度、これは看護大学のほうからプログラム作成の段階から協力させてほしいという要望があって、担当保健所を持ち回りでしていますので、担当保健所と協働で、ニーズを踏まえた研修プログラム試案を考案して研修に取り組みました。

 プログラム試案は、実践能力を獲得して、保健師としての社会的責任を理解することを目的とし、アクションプランの実践、実践する過程での上司、先輩とのディスカッション、PDCAを可視化し、報告することによる仲間との育ち合い、自己の成長過程を客観視できるよう工夫しました。

 研修評価によって、新任保健師が目的を持った保健師活動や評価の重要性を実感できて、実践力の向上に一定の効果が確認できました。

 地域活動でも、個別援助においても、主体的に保健師活動に取り組んで評価し、保健師活動の手応えを得ることが保健師としての成長を促すことを実感しました。

 また、新たに、フォローアップ研修の必要性やプリセプターとなり得る中堅保健師の研修を一体的に行うことが必要であること。それから、体系化したプログラムや現任教育マニュアルの作成が喫緊の課題であることが明らかになりました。

 平成23年度以降、どう進めていくかということなのですけれども、7枚目の資料になります。

 現任教育取り組みに当たって、まずは予算の確保ですが、県の一般財源は非常に厳しい状況でした。それで平成22年度末に、この時期に何と新たな基金として、医師、看護師等の育成確保活用基金が確保されましたので、その基金を財源として県立看護大学地域貢献等研究推進事業を立ち上げました。

 ここに書いてある表は「地域貢献等研究推進事業」の一部です。

 3段目の「官学連携事業」の1つとして、平成23年度から25年度までの3か年事業として「保健師の力育成事業」を開始しました。

 8枚目は「保健師の力育成事業」の概要です。

 目的は、新任・中堅・リーダー保健師と、段階に応じた現任教育研修の企画・実施・評価を行いながら現任教育プログラムの開発と教育体制を整備すること。さらに事業成果に基づく保健師現任教育マニュアルを作成し、保健師の人材育成能力、実践力向上を目指しました。

 この事業の特徴としては、3つ挙げております。

 1看護大学、行政機関、看護協会の保健師職能等が協働し現任教育に取り組んでいること。

 2展開方法は、日本看護協会の中堅保健師コンサルテーションプログラムを参考にし、コンサルタントとして、現場からと教育機関からの2名体制をとっていること。

 3PDCAサイクルの考え方を基盤にした実践型研修としていることの3つを挙げています。

 9枚目は、この3年間の取り組みで得た最終アウトカムです。

 段階別保健師研修体系の構築、各研修の標準プログラムの開発、これらアウトカムを得る過程で、幾つかの現任教育を推進するためのヒントを得ることができましたので、それを盛り込んだ宮崎県保健師現任教育マニュアルを作成したところです。

 その次、10枚目が「保健師の力育成事業」の評価を踏まえて、OFF-JTとして整備できた本県の新たな段階別保健師研修体系になります。

 目指す保健師像に近づくために、新任保健師、中堅保健師、リーダー保健師と成長していく過程の節目ごとに体系化された研修を主体的に受講することとして、保健師の専門性の向上を目指していきます。

 新任、中堅保健師研修に1と2がありますが、2はフォローアップ研修の位置づけです。

11枚目「事業推進に向けての役割と取組」です。

 県、看護大学、看護協会ほか、それぞれの立場のスタッフがそれぞれできる役割を担っています。

 まず「宮崎県医療薬務課」。ここは事業実施に向けたリーダーシップを担って、国庫補助の活用であるとか、保健所長会への協力依頼、特に市町村保健師が所属する部署の上司に理解と協力を得て、職務の一環として研修参加ができるよう、県が主催する課長会議等で事業説明とか研修参加の依頼等を実施しております。

12枚目が「宮崎県立看護大学」です。

 県立大学は、研究的取り組みのリーダーとして、研究事業計画の立案、マニュアル検討委員会及び各段階の研修の企画から評価まで、中心的運営を担っていただきました。

 また、ゆくゆくは、保健所を中心とした現任教育につなぐために、現任教育従事者への面接調査を実施したり、保健所等の現場での教育をより充実させるために「保健師の力育成事業」にかかわっている指導者の研修会を開催したりしています。

 それから、教育機関からのコンサルタント等を行っています。

 これが昨年度のアクションプランの実践及び研究報告集になります。

 それぞれ受講生が自分の取り組んだことを他者に納得させる表現力の指導とか助言、それから受講者の学会発表支援にも力を入れていただいているところです。

13枚目が「保健所」の役割、保健所は研修会、特に新任保健師研修会になるのですけれども、企画・運営、講師を務めるほか、市町村からの研修参加に向けての働きかけを行っています。

 保健所のマニュアル検討委員には、現場からのコンサルをお願いしています。

 「宮崎県保健師長会」とは、随時連絡体制をとって、全面協力体制をとっていただきました。

14枚目が「宮崎県看護協会保健師職能」です。

 ここは職能委員が6名いらっしゃるのですけれども、全員にマニュアル検討委員になっていただいて、事業を県内に浸透させていく取り組みのリーダーシップを担っていただいています。

15枚目に「協働できた背景」について整理しています。

 保健師育成の必要性の共通認識と課題共有ができていて、それぞれの立場でできる役割を明確にし、常に情報交換しながら取り組んでいること。または看護大学が地域貢献の役割を担う県立大学として、リーダーシップやコーディネート力を発揮していただいたこと。事業予算の確保ができていたことが大きいと感じています。

 詳細は御参照ください。

16枚目には「保健師の力育成事業」の特徴を上げています。

 先ほど簡単に説明させていただきました。

 1つ目は、みんなで後輩を育てるという支援体制づくりに努めています。

 それと17枚目、2つ目ですけれども、PDCAサイクルの考え方を基盤にした実践型研修として実践の中から出てくる保健師としての問題意識を大切にして取り組んでいます。

 3点目が保健師の力育成事業で行う現任教育、これはOFF-JTですが、保健師の実践力を高めていくためには、学んだことを実施に移して、確認していくことが必要になりますので、職場で研修を受けながら、実践していくOJTが不可欠となります。

 そこで、OFF-JTOJTの連携がとれるように意図的に取り組んでおります。

19枚目はOFF-JTOJTの連携を示したものです。

 特に、アクションプランの企画・実践・評価を中心に行っていますので、その取り組みはOJTとしての要素が大きくなっています。OJTの結果をOFF-JTの場の研修の場に持ち込んで、他者を納得させる表現力を鍛え、ディスカッションによる気づき、学びを深めることで、自分の行った保健師活動を客観視する力を高めていきます。

 中堅リーダー保健師研修では、その主な役割を看護大学のほうに担っていただきました。

 次が事業の効果を3点挙げてみました。

 まず「実践力の向上」においては、参加者の自己評価、指導者評価をそこに抜粋していますが、PDCAサイクルの展開を体験したことで「業務をこなす」から「保健師活動を展開する」という姿勢へ変化したことが考えられます。「職場環境の変化」としては、現場の声にもありますように、保健師活動について、語り合う機会が増えた、後輩のアクションプランを指導することで、先輩も育っているなど、ともに育ち合おうとする職場の風土づくりができつつあると感じています。

 3点目が保健所と市町村のつながり。受講生同士のつながりの深まり、そして看護大学が地域の保健師にとって、身近で気軽に相談できる存在となってきていることを実感しているところです。

23枚目になります。

 最後に、今年度からの推進体制について示しています。

 中央のピンクの宮崎県保健師現任教育推進委員会を中心にした体制をとりました。

 推進委員会のメンバーは、これまで参画いただいた関係機関に加えて市町村保健師、退職保健師の力をお借りする形態をとっています。

 現任教育は、県内3ブロックに分けて、保健所持ち回りで開催していきます。

 一番下の段になるのですけれども、担当保健所が3つあるかと思いますけれども、保健所が新任1、新任2、中堅は1、2を合同で開催していきます。

 これは市町村が3年に1回は身近な保健所で受講できること。研修担当者も委員会のメンバーに加わりますので、保健所保健師の人材育成能力の強化を意図しているところです。

 リーダー保健師研修については、施策化や調査研究能力の向上、コンサルとしての育成を目標としているため、研究教育機能を持つ看護大学が継続していく予定です。

 標準化した研修プログラムをつくりましたので、それと地域の実情にあわせて、研修プログラムを作成し、推進委員の合意を得て各段階の研修を実施していく予定です。

 最後の資料ですけれども、今年度から3年間の取り組みを示しています。

 これまでに培った良さを生かしながら、さらに現任教育を推進していく予定です。

 市町村保健師の受講を促す取り組み、また、研修コンサルタントとして退職保健師の登録制度の創設。つくりました現任教育マニュアルの見直しを計画しているところです。

 以上、御報告させていただきました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 こういう県でトータルでおやりになっているのはすごいなと思いました。

 中板構成員も昨年度はこういうところに行っていらっしゃったのですか。

○田中構成員 そうです。当初から講師としてもかかわっていただいていますし、ご助言もいただいています。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 ただいまの2つの御発表に対して、御質問、御意見はいかがでしょうか。

 この宮崎の取り組みは、もともとのきっかけは保健師の力育成事業をやらないといけないという実態を見てということなのですか。

○田中構成員 そうです。新任保健師の実態、それぞれの職場で新任を育てる上で新任が何を求めているのかというところがつかめない状況でした。新任保健師研修の担当保健所が、持ち回りで研修の担当になったから、新任保健師研修を受け持つという体制でしていましたので、企画内容が本当に新任保健師の実態に合っているのかどうかというところも疑問に持っており、実態調査した結果をみて取組の必要性を感じたというところから始まっています。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○中板構成員 宮崎県は、多分、私がかかわったのは、私が国立保健医療科学院にいるときなので、平成21年度あたりの公衆衛生看護管理者研修、先ほど曽根先生から御紹介いただいた公衆衛生看護管理者研修を受講された保健師が、宮崎県が新人のことでかなりいろいろやらなければならないというような状況があるということを公衆衛生看護管理者研修の中で精査されて、それを持ち帰って、その後、私が何年間か入るという形になって、そのときに、宮崎県の大学もちょうど地域貢献という形で事業を実施するということで、非常にタイミングよくいろいろな研修が実を結んでいったという感じではないかと思います。また、その宮崎県の県立大学が、教育的というよりは、非常にパートナーシップをお持ちの先生方で、どこの保健師でもできるかというと、多分、そうではなくて、非常に現場に近い感覚を持ちながら、パートナーシップを発揮される大学であったということ。あと県の保健師たちが、1人代表で企画に入るということではなくて、やはりその保健所単位で出席されたということも、促進要因だったのかなと思っていました。

 ここまで発展してさらにすごいなと思いました。

○村嶋座長 保健医療科学院での受講生の発案が契機だったということでございます。

 曽根先生、先ほど御発表なさって、各県から何人かいらしている方が戻られて、こう発展したというような実例みたいなものは御存じでしょうか。

○曽根構成員 私は直接担当しておりませんが、でも、よく見ておりますと、その受講生の方々が研修で講義に来た外来講師とか、あるいは当院の職員と顔見知りになって、それで自分たちの研修体制に関する相談をしたりとか、あるいは実際に研修にお招きいただいたりということは、これは大変頻繁にあることなので、そういう意味では宮崎県のようにここまで体系的にきちんとというわけではありませんが、それぞれの自治体において、当院の研修を1つの契機としていろいろな影響力を及ぼしているのかなということは感じています。

○村嶋座長 すごいなと思いました。

 全国的な状況と。どこでもいいのですけれども。

○藤原構成員 済みません。ちょっと質問なのですが、宮崎県で取り組まれて、当面国庫補助金を活用して、26年度~28年度やっていかれるということなのですけれども、この後は、最初御説明の中で、一般財源の中で予算化するのは難しいとおっしゃっていたと思うのですが、その後の見通しとかは何か決まっていらっしゃるのですか。

○田中構成員 この事業、基金が当面の予算で言えば、10年はもつだろう。だから、今、2期で4年目に入っているのですけれども、ずっともつわけではない。今は予算がありますので、保健医療科学院の先生とか、いろいろな大学の先生とか、現場で活動している人とか、そういう方に入っていただいているのですけれども、そういう予算は減っていくだろうな。その間、現場の人が育っていけば、現場の実践を踏まえての教育体制もできるのではないかというところを期待しているところです。

○村嶋座長 楽しみですね。この国庫補助金の地域保健従事者現任教育推進事業費というのは、厚労省の補助金で、県や市が申請なさって、これは10分の10ではないですよね。

○田中構成員 そうです。半分を出していただく。

○村嶋座長 そうすると、宮崎県が半分を出され、そして申請をなさるということで。

○田中構成員 ここの枠が決まっていますので、研修の体系をつくっていくとか、そのための予算になります。資質向上の研修実施については対象外になりますので、それを基金で使って計画していく。あとは、保健医療科学院の先生は、問題等があって、ここをお願いしたいと言うと、講師料がなくて、旅費のみで来ていただけますので、そこはとても大きいところです。

○村嶋座長 保健医療科学院は公衆衛生のリソースでございますので、大変ありがたいと思っております。

 この地域保健従事者現任教育推進事業費をとって、自分の県で半分出しても、こういうことをやってみようという県が全国的に、今、どのぐらいあるかというのは、後でまた教えてください。保健医療科学院での研修がきっかけでこういうようなふうにどんどん進んでいったという実例だと思います。

 ありがとうございます。

 ほかに御質問、コメントいかがでしょうか。

 では、お願いします。

○藤原構成員 済みません。今のことに絡んでいるのですけれども、こういう県と地元の大学が連携したような非常にいい取り組みをモデルケースとして、これを一般化していって、全国の都道府県でこういう形にしていこうという方向で、保健指導室的にも考えていらっしゃるのか、その辺のことをちょっと伺いたいのと、要はこういうトライアルはそれぞれ自治体なりで、多かれ少なかれやっていて、結構いい取り組みもあるけれども、そのときの取り組みがなかなか長続きせず、予算的な裏づけであるとか、事業的なところにいかない、それがやはりすごく課題ではないかなと思っております。例えば、私どもの自治体では、保健医療科学院でやっている福祉事務所長研修みたいなものは、行かなければいけないものと認識をされていますので、そういう職位になったものは、当然のごとく出すわけなのですけれども、例えば、公衆衛生看護管理と言われて、誰の仕事だと、なぜこの人が行くのかということの説明をつけるのが結構大変だったりしまして、保健政策、保健施策、衛生行政をやっていくために、保健師のこういう職位の人はこの研修を受けるべきだといったものが、まだ市民権を得ていない現状です。この仕事をするために、この研修を受けることが必要だといった前提がセットになっていないと、なかなか難しいのかなと思っております。

 例えば、それがもうちょっと打ち出しができるのであれば、自治体で統括的な役割をする保健師はこの研修とこの研修とこの研修を受けているのが当然であるといったことが整理をされてくるですとか。新人の育成をする立場になる人たちは、例えば新人指導の初任者研修みたいなものを必ず受けに行く。それが例えば自治体の中で何%は必ずキープをしなさいといったことがある程度標準化して基準が出されるですとか、業務と結びついた研修みたいなことがしっかり自治体側にもイメージができてこないと、仕事が忙しくてなぜ出せないのか。研修は業務ではないのかとおっしゃられて、まさにそのとおりなのですけれども、自治体の感覚からすると、研修に行ってなくてもできる人がいるのだとすると、なぜ全員を出さなければいけないのか、定期的に出さなければいけないのか、行っていなくてもできる人がいるのだったら、その人にやってもらえればいいではないかという考え方もあるので、例えば、一級建築士のような捉え方で、この研修を受けて、この状態にならないとこの仕事ができませんよといった結びつきが、まだまだ整理ができていないと思いますので、そういう観点である程度整理をしていって、例えば、新人の研修、中堅の研修、管理職の研修で、構造的にどう考えていくかということを少し整理する必要があるのではないかなとちょっとお話を伺っていて思いました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 今は、検討会の議論でございますので、保健指導室がどう考えられるということよりも、私たちとして、こう研修というものを組んでほしいということがこの検討会で出されればいいのだと思います。

 研修が業務であるというのは、とても重いというか、基本のところでございまして、保健医療科学院のかつての公衆衛生院の1年課程の専門課程2の研修は、そもそも保健師学校の教員になるために、これが必要だったと。そうすると、各県は、保健師学校を維持するために、つまり、自分の自治体の保健師の育成のために、どうしてもここに出さないといけなかった。そこで出された人たちは、次の教育を担う人、一定の中堅の中の優秀な層が出されて、そこで全国ネットができて、それがその後のキャリアにとても生きたというようなことがございましたので、そういうことも含めて、何らかの保健医療科学院で行う研修にこのマストというか、絶対行かないといけないのだというような、そういう雰囲気をつくっていくというのですか、要請を出していくというのもとても大事なことなのかなとお伺いをいたしました。

 ほかに、今の御質問。

 どうぞ。

○清田構成員 田中構成員の内容がとてもすばらしいと思いました。そして、この内容を研修部門と現場部門とあとは人事部門とが共有することによって、その人自身の業務評価につながっていくと思います。各自治体や県の人事部門にこのアクションプランを提示してつなげていくなど、そういうような動きはあるのでしょうか。

○田中構成員 そこに配置することによって、ごめんなさい。

○清田構成員 もう少しつけ加えると、各自治体、県も市町村も人材育成というのが、人事部門が本来担当しているところだと考えています。そういう意味では、せっかくここまで育つ素地をつくったのであれば、それを各自治体の人材育成の担当部署に保健師はこんなふうに立派に育っているのだと、それを評価して、その人のキャリアとして認めてくださいと言えるいい材料になるのではないかと思いました。そういうつながり、動きがあるのかなと思ったところです。

○田中構成員 まだそこまでは動いてないですね。

 でも、こういう取り組みをしているというところは、この事業の主管課で県立看護大学を管轄している医療薬務課のほうから、保健所の主管課へは伝わっています。ご意見を踏まえて、では今後の人材配置にどうつなげていくか、ということをまた考えて、働きかけは必要かなと思います。

 ただ、今の現実としては、研修をまだまだ体系的に始めたばかりですので、例えば、新人期から中堅までを保健所で、今、主体的に開催するようになっているのですけれども、研修の担当になった保健所の健康管理担当のリーダーが研修責任者として企画していく。そこで求められているものをこなしていく。その人がリーダー研修を終えていれば、その力が発揮できるというところを期待しています。計画性があるといったら、そういうところはないけれども、それなりに努力をしている段階です。

 ありがとうございます。

○清田構成員 ありがとうございます。

○村嶋座長 逆に言えば、そういう研修が、人材とか人事のローテーションとドッキングをしていくことが必要というか、望ましいということが言えるのではないかな。

 いかがでしょうか。御質問。

○座間構成員 曽根構成員の資料と田中構成員の資料で拝見させてもらうと、それぞれの市町村、都道府県の現場で、問題を解決する力をやはり高めていかなければいけないときに、専門的な力や知識がある、一方、宮崎県の例で言うと、その上に実践力を加えて研修していくことで、新任の人は不安が除去され、やりがいになっているのだと思います。新任としての実践力を身につけ、中堅期から上に行けば行くほど、起きる問題や解決する問題が大きくなるので、このPDCAと表現されているレベルをどうより高めていくか考え、体系化していけば、その実践力のアップというところにつながっていくと思います。

 保健師の資格という点では、一定なのだと思いますが、会社で例えると、資格が上がっていくことによって、対応すべき課題が変わってくるわけですから、その課題の大きさに伴った問題解決力を身につけていかないと、仕事へのやりがいを感じられないし、本人自身が求められる期待に対応できなくなる。この実践力というのを少し階層でみてみると何かできるのではないかと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

曽根先生、いかがですか。ではどうぞ。

○中板構成員 論点のところに戻っていいのでしょうか。

○村嶋座長 はい。いいですか。もう。ほかには。この2つの。

 では。

○曽根構成員 私どもの研修もそうですし、宮崎県さんの取り組みもそうですけれども、この先にあるものということで、ではその保健師としての実践力がこういうシステムをつくることによって上がった。それが県民や国民の健康水準に対して具体的にどうプラスの影響が出てくるのかということも中期的には問われてくるのではないかと思います。

 保健師の実践能力が上がったことによって、具体的にこういう新しい事業が開発されて出てきて、それで、こういう人たちが恩恵を被るようになった。あるいは国が定めたいろいろな事業が他の都道府県よりもこんなにうまくできるようになって、こんなに成果が上がるようになったとか、そういうところも中期的には問われると思いますし、国立保健医療科学院の研修も、そういうことが問われるようになってきているのかなと感じております。

○村嶋座長 大変重要な御指摘ありがとうございます。

 何かdoしてストラクチャーが変わって、それが次のプロセスとアウトプット、アウトカムにどう響いて成果が上がったかというような、それを踏まえてちゃんと研修の位置づけをするようにという御指摘だと思います。

 では、2つの御発表に関しては、これでとりあえず閉めさせていただいて、課題のほうに戻りたいと思います。

 資料2の論点に関してです。よろしいですか。

 お願いいたします。

○中板構成員 この論点の案という状況だと思うのですけれども、○が3点あって、この全部を検討していくということなのか、どれかなのかというのはちょっと疑問なのですけれども、前回の話からすると、この一番上の保健師の研修の考え方として、どの能力を重点的に獲得していく必要があるかということはもちろんなのですけれども、ただ、これまでかなりここ10年ぐらい、保健指導室がリーダーシップをとっていただいて、能力の到達度という関連の報告書というのはたくさん出てきたかなと思っております。一歩進めるとなると、やはり、今、お話にあったような要するにキャリアラダーをしっかりと資料を出していただいているのですけれども、佐伯先生の資料を出していただいているのですが、この3番のスライドにあるような、ちゃんとキャッチアップできるはしごをしっかりと整える。その中に、今、座間構成員がおっしゃっていただいたようないろいろなレベルの、個別レベル、それから集団レベルあるいは地域レベルのPDCAサイクルがあって、それぞれのアウトカムをしっかりと表現できるようになっていくという、この辺がラダーなのだろうけれども、それとあわせた形で、やはり実際には、その先に何があるのかというやはりキャリアパスというものがこれまで示されてこなかったというのがありますので、どうしても人事と位置づかないということですとか、組織的に研修が業務の中に位置づかないというものがやはりあったのかなと思うと、宮崎県の事例、あるいはいろいろな事例があると思うのですけれども、それも、なかなか人事と結びつかないというのは、まず保健師全体が、自分たちのキャリアラダーが上がった先にどういう種類のパスが用意されているのかということを、現場の保健師がまずしっかりとそういうことを意識化するということから始めないと、個人個人とか、一つの県レベルではなかなか難しいかなと考えます。

 この検討会の中では、ぜひキャリアラダー、達成能力、達成目標はこれまでかなりしっかりと出てきていると思いますので、それらをうまく使って、ラダー、はしごをしっかりかけていくということと、その先にパスというものを、どのようなパスが用意できるのかということを、ぜひ検討していただくと、それに見合った新任期の保健師の研修のあり方、それに見合った中堅期の保健師のプログラムというものが出てくるのかなと思いましたので、この丸が3つあるものの大きさを少し整理していただけると、論点がもう少しはっきりしてくるかなとちょっと思いました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 中板理事としては、大きさの最初の1の保健師の研修の考え方の後に2ぐらいがあるのではないかというような御意見でしょうか。

○中板構成員 それはそうですね。保健師の研修の全体の考え方、フレームワークをしっかりとまずつくる。その中に今までの到達目標、出されてきたものを当てはめていくことで結果的にそうなるためには、中堅期がどのような研修の必要性があるのかという、それはどこが担えるのかということかな。

 新人に関しては、日本看護協会でもいろいろ調査させていただいていますけれども、今のレベルですと、新任期に関しては自治体がほとんどほぼ100%実施されておりますので、それを踏襲した上で、その次の中堅期というのが、なかなかシステマティックになっていないので、どちらかというと、保健師の研修のあり方のフレームワークをしっかりつくり、その中では中堅が要だと思いますので、中堅期の研修のあり方で、そこがあると、当然、管理期、統括というあたりのことも見えてはくるのかな。

 それで、新任期については、もう既にできている分を当てはめれば、余り大きく新任期を変える必要性はない。年限はちょっと検討が必要かなと思いますけれどもという感じかなと思います。

○村嶋座長 先ほど、きょうの議論の最初のころに、受ける側の能力や受ける側の課題というのは、議論しなくてもいいのかという御意見がございました。確かに、入っていくときに多様性がものすごく出てきているというお話だと御説明いたしました。

 新任期を経て、それが中堅期に行くときに、その能力は新任期の研修を受けたから収斂していくのか、それとも中堅に入るときに拡大していくのかという問題も、多分、あるのだと思います。中堅に入っていくときに、かなり能力が拡大していっているのかもしれない。

そうすると、ある程度能力の伸びによって、マップみたいなものを書いて、こういう公衆衛生看護の能力、保健師の能力をやっていく事業は多様でしょうし、勤めるところも県と市町村と産業等によって違うのでしょうけれども、何かその能力のラダーをきちんとつくっていかないといけないし、むしろ受ける側のある程度のアセスメントもやっていかないといけないのではなかろうかということかなと思います。

 それからもう一つは、この検討会が最初に言われたときに、このところ結構課長や部長になる保健師が出てきていて、そういう統括も含めて、そういう管理職になっていくときに、どういう能力を身につけておけばいいのかという、そこを含めたキャリアパスというものが随分言われたように思うのですが、そこら辺の現場でごらんになっていて、藤原構成員とかいかがでしょうか。この検討会がどこら辺に重点を置いてやればいいかという。

 1年間とそれから回数も限られておりますので、全部をすることはできないのだと思うのです。

○藤原構成員 中板委員がおっしゃっていたように、その全体的なフレームをまずしっかり決めるということがやはり大事かなと思っております。

 新任期の話は、前回も申し上げたのですけれども、やはり基礎教育のばらつきがすごくある中で、標準的にやはり学校教育でここまでやってほしいといったことも、ある程度検討会であるべき方向は出す必要があるのではないかと思っております。

 管理期に関しては、本当に組織の形態が違ったり、職位が違ったりする中で、さまざまなところに、今、確かに課長級、部長級がすごく増えている中で、組織の管理職としての能力、プラスやはり専門職である管理職は、やはりそれぞれの自治体の政策であるとか、それを総合して日本全体のいろいろな新しい施策、政策のトライアルや、企画などに出て行くような、やはりこの分野を進ませていくような、やはりリーダーとなるような管理職をどう育てるかもあるかと思います。そこに関しては、前回、申し上げましたけれども、勉強する場がほとんどないので、どういう形でそういう人たちを育成するようなメニューが工夫できるか、この検討会では検討していただく必要があるのではないかなと思っています。

 新人の研修は、先ほど中板構成員がどの自治体でもやっていると。多分、そうだと思います。やらなければならないので、各自治体でやっているかと思いますけれども、その中である程度質の標準化みたいなものですとか、あとはそれに関して活用できる資源みたいなものを例えばどう用意していけるかは、この検討会の中で少し意見を出していって、案として提示していくことはできるのではないかなと思っております。

○村嶋座長 全体のフレーム、多分、保健師の研修の考え方についてで、2番をつくって、1番の研修の考え方のところには、2を立てて、到達目標やこの検討会全体のフレームワーク等をもっとしっかりつくるようにという御意見だと承りました。

 それで、そこには最後に戻ることにして、新任期に関しては、新任期の考え方の整理と、それからガイドラインで研修センターのあり方の検討を踏まえて、どのように取り扱うか検討してはどうかということが論点として出されておりますが、確かに、前回のことを踏まえますと、入ってくる前に、免許をとるときに、ここまで免許をとった後でもいいですが、自治体として入ってくるときに、保健師として就職するときに、ここまではやってほしいというのをむしろ能力として求めたいということです。そこのアセスメントもして、そこから新任期の研修の組み立てをしたらいいのではなかろうかというようなことが、前回も出ておりましたし、今回も出されたように思います。

 それについてはよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○保健指導室長 前回の検討会でも、私、済みません。直接はお聞きしてはいないのですけれども、御意見を読みますと、新任期にそもそも入ってこられる時点で、どういった力を身につけていただいておくことが必要なのかといったことも論じたほうがいいのではないか、今日と同じような御意見をいただいたということなのですけれども、今回の検討会で御議論いただきたいこととしましては、現場に出られた後の研修のあり方というものを主たる検討課題ということでお願いしたいと思っているところでございますが、当然、どういう力をお持ちなので、こういう研修が必要という事項は大きな要因ですし、表裏一体のことだと思っておりますけれども、ここの主たる検討課題ではないということと、それから、厚生労働省の中で、保健師の卒前教育について、担当している部局がございますので、そちらのほうでも、今後、保健師を含め、看護職員のいわゆる基礎教育のあり方について議論するという場が設けられることかと思いますので、ここで御指摘いただいた現状、こういった力がないので、もう少しこういった力を免許取得前の段階で身につけてほしいといったような御意見をいただきましたら、そちらの担当のほうに伝えて、しっかりとそうした卒前教育のあり方について検討する場に反映していただくように内部で伝えていきたいと思っているところでございます。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○中板構成員 今、島田室長がおっしゃったとおりだと思うのです。

 まず、新任期が例えば3年ないし5年の中で、どこまで到達しなければならないのか、そうでないと、やはり現場として、責任を国民に対して果たしていけないという、そういう観点から考えると、少なくともここまでは到達してもらいたい。到達してもらうためにはということを、今度は基礎教育の中で、それを見た上で、やはりそこまで新任期3年間の中でそこまで到達させるためには、では基礎としてはどう考えるかというのは、またちょっと別のところで、過去をさかのぼって考えていただけるその1つになればいいかなと私も思っています。

 やはり、大事なのは、本当に市町村全体的に課長職をとる、あるいは部長職まで行けるという保健師も少なからず増えてきている状況の中で、管理職になってから管理能力ということを身につけるというのは、非常に難しくて、しかもそれは組織的にいい役割を果たすことはできない。組織の中で認めてもらいながら、その職務を果たしていくということにならないことを考えると、やはり中堅期のころから、1つのパスとして、管理者になっていくというパスを用意し、それに見合った研修を中堅期のころからいろいろマネジメント力を高めるためのパスということを用意していくということが一つ、組織として役割を果たしていくためには必要なのかなと思っています。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○曽根構成員 今のことに関連するのですけれども、中堅期について一つ難しい点は、初任者はみんなスタート時点が同じで、引き上げるべき水準というのはある程度わかるのですけれども、中堅期の場合は、多様性が出てくるという、これは一般的な企業でも同じだと思うのですけれども、要するに現場で一生懸命住民の方と接触しながら活動する方と、もう少し職位的に上を目指す方とか、あるいはそういう方向に引っ張ってもらえる方とか、その辺で研修のあり方が少しずつ違ってくるわけです。あるいはその中で、産休育休があったり、いろいろなライフイベントがあったりという時期なので、その辺は本当に多様性が出てきて、全員が全員その管理者の上のほうを目指すわけではなくて、そこは適性や本人の意欲なども含めていろいろなことが絡んでくると思うので、そのあたりをどう整理したらいいのか、今すぐには私も答えがないし、むしろ座間構成員のほうがお答えというか、御経験があるかと思うのですけれども、その辺も一つの議論のポイントではないかと感じています。

○村嶋座長 どうぞ。

○座間構成員 まず、議論の最初として、全体の体系をきちんと整理するということは賛成ですし、しなければいけないと思います。どの時期が重要なのかというのは、非常に難しいです。企業においても、それぞれ重要であります。新任期では、仕事をしっかり実行していくことに加えて、行動姿勢や価値観など、いわゆる自分が自律して自己成長していくための基盤というものが必ずあります。それは絶対20代で身につけておかないと、30代であなたは違うからこういう考え方で仕事しなさいと言っても対応し難いため、新任期にやはり何をきちんと身につけて行くかが重要です。その上で、その基盤に何を上乗せしていって、中堅期、管理期へと成長していくかです。木で例えると、根っこの部分は新任期で、枝葉に分かれていくところが中堅期以降で、多分、中堅期になると、いろいろな枝葉に分かれていくので、どこを重点的に議論するかが大切だと私は感じます。

 まず、共通の新任期の基盤も、県によってばらばらとか、地域によってばらばらではなくて、保健師としての行動姿勢、価値観とか考え方だけはきちんと整理したほうがいいのではないかと思います。

○中板構成員 企業におられる座間構成員にまともな答えを言っていただきまして、全くもってそのとおりだと思います。新任期に保健師が保健師たるものとして、行政の中でしっかりと役割を果たすということがどういうことなのかという、その意味づけをしっかりと新任期に持ち、中堅期になれば、おっしゃったとおり、いろいろな枝葉があって、曽根先生もおっしゃったのですけれども、その管理者というか、自分のマネジメント力を生かしたいという方向性もあれば、いわゆる本当に保健師として住民と常に接してという保健師の実践、まさにプロフェッショナルを目指すのか、あるいは、例えば、教育の領域に行きたいと思うのか、それはいろいろなキャリアデザインがあるのだろうなと思うので、そのキャリアデザインをやはりある一定ぐらいの時期になったときに描きながら、それに見合ったパスに向かっての研修が受けていけるような仕組みをつくっていくというのが、何年先かわかりませんけれども、そういう方向性を見据えた上での、やはり研修体系というものをつくっていかないと非常に人材をよりいい形で活用するという、より個ごとに人材を活用するという形になりにくいのかなと思っております。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。清田委員とか、田中委員とか。

○清田構成員 保健師の職種として共通に研修のあり方を重く意識しなければ、いい研修体系はできないなと感じています。今、段階別の研修の必要性を言われて、そのとおりだとは思うのですが、各自治体に準備されている職位に応じた研修体系との整理が必要です。そこにおいても、職員から、係長、課長、部長、局長となるにおいて、それぞれの果たす内容に応じての研修体系があるわけです。

 けれども、それだけでは保健師としての果たすべき内容が学習できないし、OJTを実行できないので、職位として果たす内容プラス保健師職能として、どのような段階に応じた研修を組むかという考え方があります。

 例えば課長職であれば、その課全体の組織としての目標設定とか、目標達成というあたりのところは、一般職ももちろん行うですが、保健師が課長の場合、目標達成、目標設定を事務職とは違う観点でできると思うし、それを意識しなければならないと思います。その違いを学習できて、会得できるような、研修をしないといけない。

 係長になると、やはり係員とは違って、企画・立案・実行と。そして部下の業務遂行の指導というようなことも、やはり保健師としてやっていかなければいけない。

 そういう意味では、体系的ということは賛成ですし、また各自治体の一般職研修にプラスアルファの保健師としての研修体系ということで、組んでいくというのが現実的で求めたい内容だと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 田中構成員のほうで何かつけ加えることはございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 もう53分になりまして、この論点の資料2がどの程度深まったかというのは、私として心もとないところではあるのですが、でもいろいろな御意見をいただきました。まず、保健師の研修の考え方については、全体のフレームワークをきちんとつけるように。

 それから、新任期は、いろいろなところでやっていることがあるので、それを整理しながら、新任期にどこまでが最初に求められるかということは、他の領域ではあっても、ちゃんとある程度はこちらの検討会で出したほうがいいのではないか。

 一方で、新任期にきちんと身につけるべき根っこ、保健師としての根っこのようなものは、きちんと新任期に身につけなければいけないので、そこのところだけは明確にするように。

 一方で、中堅期に関しては、多様なキャリアデザインがあるけれども、その職位が上がっていくということと、一方で、保健師としてその職位が上がっていくというところのそれに見合ったキャリアパスを考えて、仕事としての研修体系を組んでいくのではなかろうか。それに保健医療科学院や宮崎県立大学のすばらしい事例がございましたが、それで、各地域のリソースをどんなふうに組んでいけばいいだろうか。そこら辺をしっかり出すように。特に、従来になかった課長や部長等のことを含めて、きちんとこの検討会では出すようにというようなことが、今日討議されたかなと思います。

 今のものに加えて何かこういうところをやるようにというようなことがございましたら、御追加いただけるとありがたいです。

 よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○村嶋座長 では、まだ2回目でございます。

 これから、順次重ねていく中で、今の保健師の、それから国民のために公衆衛生看護をやっていく職種としてのその力が発揮できるような形でこの検討会が進められますように願っておりますし、また、私たちも力を尽くしていきたいと思います。

 では、これでマイクをそちらにお返しいたします。

 事務局のほう、どうぞよろしくお願いします。

○保健指導専門官 どうもありがとうございました。

 事務局から御連絡いたします。

 次回の開催については、今、調整させていただいておりますので、別途御連絡させていただきたいと思います。

 事務局からは以上です。

○村嶋座長 では、第2回の検討会は、これをもちまして終了とさせていただきます。

 本日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。

 また、大変暑いので、気をつけてお過ごしくださいませ。

 室長さんが新しくなられまして、大変期待をしております。

 どうぞよろしくお願いいたします。


(了)
<照会先>

健康局がん対策・健康増進課 保健指導室
代表:03-5253-1111
内線:2392

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