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2014年6月16日 第7回再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会・第7回体内埋植型医療機器患者登録システムの在り方に関する検討会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成26年6月16日(月)16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第14会議室(22階)


○議題

1.患者登録システムの在り方に関する報告書について
2.その他

○議事

○事務局   定刻となりましたので、第 7 回再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会、第 7 回体内埋植型医療機器患者登録システムの在り方に関する検討会の合同検討会を開催いたします。本日は、再生医療製品に係る検討会構成員としまして、 10 名中 7 名、体内埋植型医療機器に係る検討会構成員からは 6 名中 4 名の先生方に御出席いただいておりまして、各検討会の開催要領を満たして、会議が成立していることをお知らせいたします。

  なお、永井先生は 15 分ほど遅れて到着されるとの御連絡をあらかじめいただいています。

  また、本日は参考人として、再生医療イノベーションフォーラムより、鮫島参考人に御出席いただいています。以降は議事に入りますので、カメラ撮り等をされておられる方はここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 以後の議事進行につきましては、座長にお願いしたいと思います。再生医療製品、体内埋植型医療機器の両検討会の合同開催ということで、全体の座長は、これまでと同様、再生医療製品に係る検討会座長の澤先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○澤座長   御指名ですので、座長を務めさせていただきます。今日も御多忙のところ、お集まりいただきましてありがとうございます。前年度にかなり議論をしていただきましたので、そろそろまとめということで、できれば今日ぐらいにまとめて、後ほどお話があるかと思いますけれども、次年度からまた実施していくということが非常に重要かと思っていますので、よろしくお願いいたします。

  まず、事務局から本日の配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局   議事次第の中段に配布資料が記載されています。まず、「議事次第」、次に「座席表」、資料 1 「患者登録システムの在り方に関する検討会報告書 ( ) 」、以下参考資料 1 、「再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会の構成員等名簿」、参考資料 2 、再生医療検討会の開催要領、参考資料 3 「体内埋植型医療機器患者登録システムの在り方に関する検討会の構成員等名簿」、参考資料 4 、同検討会の開催要領、参考資料 5 は前回の「第 6 回再生医療製品の在り方に関する検討会の議事録」です。なお、埋植型医療機器の検討会の前回議事録については、まだ未確定ですので、確定次第、ホームページに掲載させていただきたいと思っています。以上です。落丁等がありましたら事務局までお知らせください。

○澤座長   資料のほう、よろしいでしょうか。議事に移ります。最初に議題 1 、患者登録システムの在り方に関する検討会報告書 ( ) について、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局   本日の資料 1 、両検討会合同での報告書 ( ) という形で事務局にて案をまとめさせていただきました。

全体の構成としましては、 1 ページの表紙にありますように、「はじめに」、それから 1 3 という 3 つのパートに分けて「患者登録システムに共通する考え方」ということで、再生医療製品、体内埋植型医療機器の両方に共通にする事項として 1 をまとめ、 2 3 としてそれぞれ、再生医療等製品、体内埋植型医療機器に関してということで、各検討会での患者登録システムの在り方に関する検討結果をまとめています。別紙の 1 は構成員の名簿で、別紙の 2 はこれまでの、昨年 1 月から行ってきました検討会の開催状況となっています。

  2 ページ目、「はじめに」として、全体の背景的なところを記載しています。第 1 段落目と第 2 段落目が再生医療等製品に関連した記載で、先の薬事法の一部改正法案が成立し、「再生医療等製品」という定義が設けられました。期限付承認という新たな仕組が構築されていることなどが記載されています。中程の「また」からの段落については、医療機器に関しての記載です。最後の「こうした状況を踏まえ」から「ここに報告する」までが、両検討会で合同で検討を行ってこの報告書をまとめたというところです。

  1 患者登録システムに共通する考え方」では、まず最初に、患者登録システムの目的として記載しています。2ページ目の下 4 行です。基本的な目的として、「市販後の使用状況や患者の予後等のデータを収集し、これらを活用することで迅速な安全対策や新たな製品開発等を通じて、医療の向上に役立てることにある」としています。

 続いて 3 ページでは、「想定される患者登録システムとその課題」としまして、再生医療等製品、体内埋植型医療機器いずれについても「多種多様な製品が想定され、製品ごとの使用患者の数が必ずしも多数ではないことも踏まえると、従来のように製造販売業者が製品ごとに患者登録システムを構築するようなものではなく、医療機関、学会、製造販売業者及び行政が協力して、横断的な登録システムを構築し、利活用することが効率的である」としています。それに関連して、「再審査期間又はそれに準ずる期間における断面的な評価を主眼とするか、あるいはさらに長期に渡った評価を主眼とするかを考慮して構築する必要がある」とし、「情報収集する目的を考慮して、あるいは製品の特徴に応じて、期間や項目を設定するが、製品が施用されてから比較的短期の予後と長期に渡る予後についての性質の違いを考慮する必要がある」、と記載しています。

  続いてその後に、患者登録システムを構築することで、関連するステークホルダー ( 医療者・医療機関、学会・研究機関、国民・患者、製造販売業者・開発企業、行政 ) について、「それぞれ以下のようなメリットがもたらされることが期待される」として記載しています。

  4 ページに、「システムが円滑に運営されるために、それぞれのステークホルダーが積極的に協力することが重要であり、それぞれに対してメリットを含めた周知が必要である」ということで記載しています。

登録するデータの項目・取扱いにつきまして、 4 5 ページにかけて、「各ステークホルダーには、過度の負担がかからないよう、システムの肥大化・複雑化を回避する必要がある」としており、これに関して、「データの入力管理に係る労力・コストや収集されたデータの処理・提供の迅速性も勘案して、検討する必要がある」としています。

  また、その次の○では、「必須項目と任意項目を設けた上で、必須項目は必要最小限の項目に絞るべきである」、項目は「全ての製品に必須とする共通の基本項目と製品や製品群、診療領域ごとに、特有の項目を分けて設定すべきである」としています。加えて、登録システムの運営主体において、関係するステークホルダーが参画する「運営委員会」を設置して検討を行うということを記載しています。

データの入力及び送信については、「入力者の負担を最小限に抑える利便性の高いものとする」ということで、「安全管理等の措置を講じて、原則 Web 上で行うこととすることが適当である。また、可能な限り必要な電子カルテ上の入力情報から、必要な項目を抽出、データ転送できる仕組が利用できるよう、システムを構築」としています。

  データ入力につきましては、基本的には医療機関側で行うことになりますけれども、「製品情報については、企業で入力してもらう、あるいは製品のバーコードの読取りなど、簡易な入力方法を考慮することが望ましい」としています。「患者データは入力する医療機関においてカルテ情報と連結可能である以外、登録システムの運営主体においては対応表等を保有せず」、すみません、「連結不可能匿名化された状態となる」と記載していますが、ちょっとこれは用語の使い方が不正確ですので、単に「匿名化された状態となる」に訂正させていただきます。申し訳ありません。「匿名化された状態となることが前提であるが、あらかじめ患者側に対して了承を得る必要がある」ということで、その了承を得る方法として、「手術の同意書等に記載して、個々に説明・了承を得るやり方の他、施設内の掲示等によるやり方も考えられる」としています。了承が得られないなど、データ入力が困難な場合にあっても、最小限の登録が可能となるように、あらかじめ規定を整備しておく必要があるという旨を記載しています。

  続いて「登録システムの運営・機能」につきまして、運営主体には、事務局機能を設け、データ入力のサポートを行う旨。データ入力やデータが集積された時点において、各ステークホルダーのニーズに応え得る機能を備える必要がある旨を記載しており、入力に関するサポートその他登録のデータの利活用、これについては後ほど記載していますが、これに関する問合せの窓口として、事務局の下にヘルプデスクを設けることとしています。

  続いて「データの質の確保」に関しまして、そのためのチェックは運営主体の役割とし、データ登録を行う医療機関側の要件として、監査の受入れも含めることも考慮することとしています。システム全体の品質確保に関しても、運営委員会で具体的な品質確保の方策とか、監査を実施する場合の留意点などについて検討を行うことを基本としています。 5 ページの一番下に、データセンターのことが書いてありまして、次の 6 ページの 3 行もデータセンターのことが書かれており、内容的にやや冗長と言いますか、くり返しになっているところがございますので、すみません、事務局の不手際で申し訳ありませんが、 6 ページの上から 3 行については、 5 ページに記載をまとめる方向で整理させていただければと思います。データセンターについては、エラーのチェックや監査機能、解析データの公表や提供に関する機能を備えるとしています。

  6 ページに移りまして、データ入力者に対するガイダンス・教育などについて、入力者向けの定期的な情報発信やチュートリアル等を行う機関を設ける旨。また、製造販売業者に課せられる「使用成績調査」が活用できるように、その信頼性の要件を満たす必要がありますけれども、それに関して、 (GPSP 省令 ) との整合については、別途、私ども厚生労働省のほうにおいて整理することとしています。

  入力されたデータの集計その結果の公表として、これについても運営委員会で具体的な集計方法、結果の公開に当たっての留意点について検討を行うとしています。次に、登録率の確保ということで、一般的に登録率を高める必要がある旨。ただし、どの程度までのしっ皆性を追求するかについて、対象とする製品や調査の目的によって異なる旨。登録率確保のために、データの入力者に対してのインセンティブや一定の拘束力を設けることも考慮する必要がある旨。インセンティブとしては、学会の認定医・専門医制度・研修施設要件との連動とか、集積されたデータのフィードバックなどが考えられる旨を記載しています。一定の拘束力については、承認条件として付される製品に関して、製品納入の要件としてデータの登録を規定することなどが考えられます。また、保険診療における施設要件と連動をさせることも検討すべきとしています。一定の拘束力に関しては、安全対策上、必要な限りにおいて、製品の普及を妨げることのないように留意するという旨も記載しています。

  続いて「データの利活用」に関して、運営主体において、分析・評価を行い、定期的に公表する旨。 7 ページでは、その運営主体では、データ入力者やその他の研究者の求めに応じて、データの提供を行う旨を記載しており、そうした利活用について申請を受け付けて、運営主体において運営委員会等での検討を踏まえ、その適否を評価・決定することとするとしています。

  最後に、製造販売業者においては、自社製品に関するデータについて、運営主体が定めたルールの範囲において、自社製品に関するデータを入手して、使用成績調査等に活用できることとするのが適当としています。以上が 1 の共通する考え方のパートです。

  続いて、 7 ページの中ほどからの、「 2 再生医療等製品に関連する患者登録システムの在り方に関する検討」です。 1 で基本的に共通する部分について既に述べられていますので、 2 では、再生医療等製品に特に上乗せというか、特化して記載しています。まず、再生医療製品について、「患者登録システムの意義」として、記載しています。再生医療等製品は早期実用化に向けた国民の期待が高いということ。それと、条件・期限付承認制度の導入に伴って、比較的限られた有効性等の情報に基づき上市されることとなること。そのため、着実に市販後の有効性・安全性の情報を収集・評価することが求められていること。これらを支える公的基盤として、患者登録システムが重要であること。そうしたこともありまして、この再生医療等製品に関しては、登録システムの費用負担に関して、当面は公的基盤の整備として、運営に係る費用も含めて厚生労働省が負担することとして、 PMDA を運営主体として構築することが適当としています。その上で、製品に義務付けられる使用成績調査等への利用に応じて、その企業にシステムの運営に係る費用の一部を負担させる仕組みとするとしています。新たに承認された製品に随時対応していくためには、入力項目の追加設定など、フレキシブルに改修が行えるようにしていくという、システムを基本的に構築し、その改修費用について、当該製品の企業に負担をしてもらうことを基本としています。またそれ以外のステークホルダーにおいても、メリットを受けられることを前提に、応分の負担を検討する。登録範囲・期間については、対象となる患者の範囲として、まず、医薬品医療機器法に基づく再生医療等製品が施用された患者とし、条件・期限付承認の段階から登録対象とするのが適当としています。再生医療法に基づく再生医療については、別途患者登録の要否について検討されるべきであるという記述に留めています。

登録を継続する期間としましては、当面は、対象となる製品の適用後再審査期間又はそれに準ずる期間を念頭に置くこととし、それ以後については、改めて検討する必要があるとしています。登録するデータの項目等につきましては、製品の種類が様々なものが想定されますので、その特性に応じた項目を設定する必要があるということと、 1 つの製品が施用される診療領域が多岐に渡る可能性も考慮して、項目・内容を設定する必要があるとしています。

最後に、「登録率の確保」につきまして、「条件・期限付承認を受けた再生医療等製品については、一般的に全例調査が義務付けられることが多いと想定され、医療機関の要件として登録を求めるなどの対応が可能と考えられる」としています。

  13 ページには、「各検討会の提言(まとめ)」として、ただ今、説明いたしました内容を 5 行ほどに要約して記載しています。くり返しになりますけれども、再生医療等製品に係る患者登録システムについて当面は厚生労働省が負担し、 PMDA を運営主体として構築し、条件・期限付承認の段階から再審査期間又はそれに準ずる期間、基本的に全例登録とすることが適当である旨。システムの具体的な内容・運営等については、運営主体である PMDA において、関係する学会や企業、厚生労働省等が参画する運営委員会を設置し、検討を行った上で決定するということを基本とする旨でまとめています。

○事務局 続きまして 8 ページの一番下ですが、「3 体内埋植型医療機器に係る患者登録システムの在り方に関する検討」について説明いたします。

 まず、背景・現状として医療機器の市販後調査としては、新医療機器として承認されている機器については、現状の薬事法の制度として再審査制度により使用成績調査が課され、個別の製品ごとに有効性及び安全性に関する調査が行われています。

 今後、デバイスラグの解消が進めば、世界的にも使用経験の少ない医療機器が早期に国内に導入されることが想定され、適正使用や市販後の調査において関係学会と製造販売業者のますますの連携が望まれているところかと思います。

 新医療機器以外の医療機器については、製造販売業者による自主的な市販後調査が行われるケースもありますが、通常は製造販売後安全管理、いわゆる (GVP) に基づいて情報収集が行われており、その活動の一環として行政への不具合報告がなされています。

 不具合報告制度では、既知 / 未知に関わらず重篤な不具合が発生した場合に、各製造販売業者から行政への報告が義務付けられていますが、医療機器の使用者、医療従事者が「不具合」だと認識をすることで成り立つ制度ですので、不具合と認識されない場合などは報告がなされないことが想定され、不具合報告制度のみでは不具合の実態が把握しにくい部分があることを記載しております。

 体内埋植型医療機器には、後ほど説明いたしますが、様々な種類があり、全ての医療機器について患者登録システムが整備されている状況ではなく、補助人工心臓レジストリ (J-MACS) を除いて学会等で独自に構築しているものが多い状況です。以下、患者登録システムについて、在り方を検討しておりますので説明いたします。

3.2 は患者登録システムを用いた情報収集に関して記載しております。患者登録システムの基本的な目的は前述のとおりですが、この検討会では患者登録システムを用いた評価手法として以下の 2 つのパターンのマル1とマル2を想定して検討を行いました。マル1は調査の症例数や施設を絞り、小規模で単一の製品や代表される製品について経時的にしっかりとフォローアップをしていくことに重点を置く手法。マル2は評価項目を主要なものに絞った上で、できるだけ多くの症例や幅広い施設、幅広い製品について、一定の網羅性が確保された調査を実施するという 2 点を想定して検討しました。

 患者登録システムの構築に当たっては、対象とする埋植型医療機器の特徴を踏まえた上で得られるアウトプットを考慮して、マル1かマル2のどちらを用いるべきかを検討する必要があります。また、それぞれの製品の特徴に基づいて考慮すべき点の違いから、これから新たに承認されてくる新規性の高い医療機器の場合と、また、既に承認されて多くの製品が広く使用されている製品群の場合に分けて、在り方を検討する必要があります。

 まず、新規性の高い医療機器に関する患者登録システムについてです。現状の課題と目的ですが、新医療機器として承認される医療機器については、国内での使用経験が少ないことから市販後に予期せぬ不具合等が発生する可能性があり、市販後に有効性や安全性について情報をしっかり収集していく必要があります。今年の秋の薬事法の改正により施行される医薬品医療機器等法に基づく使用成績評価という制度は、現状まだ詳細については検討中ですが、医薬品医療機器総合機構での審査において、市販後に使用成績、有効性や安全性の評価が必要と認められたものが対象となりますが、その調査を行う際の手法として患者登録システムの活用が考えられます。

 新規性の高い医療機器に関する患者登録システムの構築については、関係学会、製造販売業者の効果的な連携によって、市販後の情報収集を行う際の推奨事項として以下に考え方を整理いたしました。まず、対象範囲ですが、今後新医療機器として承認されてくる埋植型医療機器のうち以下の項目を総合的に考慮して、患者登録システムを構築することが最善の手段であるかを検討して判断します。まず医薬品医療機器等法に基づく使用成績評価の対象となっているもの、あるいは生命維持の目的で使用されるリスクの高いもの、国内に初めて導入される医療機器であって、国内での使用経験の少ないもの、市販前の臨床データが限られているもの、患者登録システムの構築が他の調査手法よりも有益であると判断されるもの、あるいは関係学会の協力が得られるものなど、ここに挙げた項目を総合的に考慮して患者登録システムの構築の対象とするか否かを判断します。

 患者登録システムの構築の所ですが、承認に当たりまして厚生労働省から関係学会等に依頼して、市販後の使用のための施設要件等を定めるということを行っておりまして、その要件の中に患者登録システムのデータの登録が課されるケースを想定しております。主に関係学会等で運営される既存のレジストリを活用することを想定しておりますが、関係学会等でも活用できるレジストリがない場合は、新規に構築することも想定されると思います。関係学会と製造販売業者が連携して患者登録システムの構築を行うに当たり、行政は承認審査の段階から効果的な連携のための必要なサポートを行う必要があります。

 主な調査項目及び調査期間ですが、関係学会等と連携の上、使用成績評価に必要な項目も含めて、以下の調査項目を選定することが基本です。使用成績評価で求められる有効性、安全に関する項目、あるいは新規性の高い医療機器が臨床現場に導入される際に、学会等で追加的に必要とされる項目などを調査項目として選定します。

 調査項目は、主に医療現場になりますが、入力者の負担も考慮して最低限の項目に限られる、あるいは海外でのレジストリや調査がありましたら、整合性を考慮します。調査の対象となる医療機関ごとに調査目的、調査項目に応じて、必要な調査期間を設定する。使用成績評価が課せられる医療機器については、基本的に期間経過後は調査項目を絞った上での調査継続、あるいは調査の終了などを改めて、その際検討します。

 運営体制、運営資金等については、主に関係学会が中心となり患者登録システムの運営を行うことを基本と考えております。データベースの構築に当たっては、調査項目等の設定や運営に当たっての事務局機能、監査機能、収集されたデータの公開機能などを備える必要があります。主として、新医療機器の製造販売業者による費用負担が想定されますが、使用成績評価のための項目以外に関係学会等で設定された項目がある場合には、関係学会による応分の負担も想定されます。製造販売業者独自に使用成績評価のためのシステムの構築を行うということよりも、連携してシステムを構築したほうが安価かつ効率的なシステムにする必要があります。

 登録率の確保ですが、承認条件として関係学会等と連携して施設要件を定める際に、患者登録システムへのデータの登録要件として盛り込むことによりまして、高い登録率を確保することが可能と思います。

 既に承認されて広く使用されている製品群の、患者登録システムについての考え方です。まず、課題と目的ですが、既に承認された製品群については患者登録システムの構築において、新医療機器の場合とかなり共通する部分もありますが、多くの製品が多くの医療機関で使われている現状から、システム構築の困難さや別に考慮するべき点があります。また、既存の体内埋植型医療機器は承認時には特段の新規性は認めないものの、市販後に想定されなかった不具合が発生する場合については、現状の不具合報告制度では十分に把握しきれないことも想定されます。

 行政としては、市販後の安全対策措置として以下の 2 点が挙げられます。把握した不具合状況に関する医療現場等への情報提供、あるいは製品に特化した場合にその製品に対する何らかの措置です。このような措置を行うための情報収集の手段として、特に学会、製造販売業者、行政が一体となり積極的に関与するべき国レベルの患者登録システムの在り方について以下の検討を行っています。

 対象範囲ですが、学会、企業、行政が一体となって積極的に関与すべきという患者登録システムとして、対象とすべき体内埋植型医療機器については、以下の要件を満たす必要があります。医療現場への正確かつ早期の注意喚起・情報提供が必要な医療機器、また、製品バリエーションが多種多様で使用症例数、使用施設数も多く網羅性の確保が困難なもの、大規模なレジストリが必要となってくるもの、施設基準や実施基準が整備されていないもの、学会としてコントロールしにくい医療機関などにおいても幅広く使用されているものを対象範囲として挙げています。

 体内埋植型医療機器には多種多様なものが存在しますが、 19 ページに参考として体内埋植型医療機器の類型を示しております。樹形図のような形で記載しておりますが、埋殖型医療機器は能動型、非能動型に大きく分類されます。動力源を持つもの持たないものがあり、能動型としてはクラス IV 、リスクの高いものとしてはペースメーカーや人工心臓など。クラス III としては人工内耳など。非能動型は体内に留置し固定するものとしてクラス IV で、冠動脈ステント。クラス III として消化管ステント、整形プレート等。機能型は、動力源は持たないのですが、機能的に可動する部分、意図的に可動する部分を持つということで人工関節を分類として挙げています。

12 ページに戻ります。患者登録システムの構築を想定しますと、能動型と医用電気機器の場合、定期的なメンテナンスの必要性などからフォローアップが比較的行いやすいものが多いのではないか。また、何らかの不具合の発生時にもアラーム機能を有するものもあり、不具合の検知が比較的容易な場合もあります。医療機器自体のリスクとしては、クラス IV ・能動型医療機器と比べて、クラス III ・非能動型医療機器というリスクは相対的には低いと思われますが、不具合が把握しにくい場合も多いということが想定されます。

 具体的な検討として、多種多様な埋植型の医療機器がある中で、人工関節については近年メタルオンメタルの人工股関節の問題も発生しておりまして、下記の特徴を持つことから、通常の不具合報告制度では不具合発生の全体像の把握が困難であって、患者登録システムの構築による網羅的な情報収集が望まれる医療機器であると考えられます。

 具体的な検討の詳細については、 15 ページから人工関節を事例として具体的な検討を行った結果を記載しております。その概要をまとめたものが 13 ページにあり、人工関節の特徴として一般的にリスクの高い能動型の機器というわけではないのですが、意図的な可動部分を持つ非能動型で耐久性等が、より重要なものになっています。

 製品種類が実に豊富で形状、材質、表面処理など、様々な改良がなされて異なる製品で組み合わせて使用されることが存在し、大小様々な医療機関で使用されています。また、製品の不具合と手術手技の影響の切り分けが難しいということで、不具合報告がなされないケースも想定さます。現在、一般社団法人日本人工関節学会で「日本人工関節登録制度」というレジストリが運営されておりますが、登録率が現状約 20 %程度と低迷しておりまして、そのデータを安全対策等に使うためには十分な登録率ではありません。

 安全対策に必要な情報収集を行うための登録率の向上を図るなどの対策が必要であると考えられるとまとめております。当面の方針として、日本人工関節学会が運営する日本人工関節登録制度をベースとして、学会、製造販売業者、行政が連携して登録率の確保、安定的な運営体制の強化等の方策について検討を進めまして確実な情報収集体制を構築する必要があります。

 最後にまとめですが、 14 ページです。体内埋植型医療機器としては新規性の高い医療機器については、承認される際に市販後に求められる調査の内容を踏まえ、効率的かつ質の高い情報収集を行うため、関係学会と製造販売業者との連携による患者登録システムの構築を行うことが適切であるか検討すべきである。既に承認された製品群については、他の体内埋植型医療機器とは異なる特徴を有する人工関節をモデルケースとして、学会で運営する「日本人工関節登録制度」をベースに学会、製造販売業者、行政が連携して登録率の確保、安定的な運営体制の強化等の方策について検討を進め、確実な情報収集体制を構築する必要があるとまとめております。報告書としては、おわりにとして、まとめを記載しております。説明は以上です。

○澤座長 ありがとうございました。パートが 3 つありますので、パート 1 つごとに議論していただきます。 3 の埋植型医療機器に関しては永井先生に御進行いただきたいと思います。

 まず最初の、患者登録システムに共通する考え方の部分、 7 ページの上段までで御意見、御議論はありますか。

○祖父江構成員  6 ページの「登録率の確保」という所がありますが、登録率をどうやって計算するのかについて、結構難しいところではあると思うのです。その登録システム自体からは件数というか分母の部分が出てこないので、その分母をどうやって計測するかについて何らか議論があったのか。何か議論をすべきではないか。あるいは記述をすべきではないかと思います。

 登録システム自体からそれは出てこないので、結局、いろいろな医療機器の企業側の製造販売件数や、あるいはレセプトの中で対応する処置の件数など、そういう違う情報源から分母を計測しないと、登録率は計算できないと思うのですが、その辺りはどうするのかという点を疑問に思いました。

○澤座長 大変重要なポイントだと思います。いかがですか。

○事務局 分母としては、基本的には製造販売業者のほうから情報を頂くという形になると思います。それを、登録率を計算する場合にはそこが分母で、登録されている件数が分子という形で登録率を出す形になると思います。

○澤座長 業者が言うのでいいのかどうかというところですかね。客観性をもっと持たせる。

○祖父江構成員 いや、そうではなく。

○澤座長 そうではなくて、業者が言ったものでいい。

○祖父江構成員 分母のほうは大体アバウトな件数でいいと思います。登録システムとは独立したところでの情報源が必要だというところが重要で、アバウトな件数でもいいから、そういうものがあって、そのうちのどれぐらいが登録されているということが把握できたらいいと思います。

○澤座長 分かりました。それは、基本的には従来より把握はできているのですか。

○事務局 従来、製造販売業者のほうから必ずしも製造販売総数という情報を頂いているわけではないのですが、この患者登録システムの運営をするに当たって、現状の数値を製造販売業者のほうから情報提供を頂くといった形で対応する形になるかと思います。

○澤座長 それは何か拘束力というか、これからこういうデータの登録システムができると、ある程度きっちりと出してもらう方向で企業の方にも納得してもらうような形になるのですか。

○事務局 承認条件として全数把握ということが製造販売企業に義務付けられている場合は、基本的には出荷数量というか、そちらのほうで母数として把握します。全数調査ということなので、出荷した先での症例を情報収集していただく形になるかと思います。

○澤座長 この前も議論があったと思いますが、 PMS をできるだけこういうレジストリ型 PMS にしたほうが、国民目線的にも非常にデータとしてしっかり出てきて有用であろうという観点からも、やはりその点は推し進めるべきではないかというのが前回意見であったと思います。これは検討会ですので、意見としてまとめれば、今後そのような方向でということでしょうが、これも PMDA のほうで是非御検討いただけたらと思います。

○安全使用推進室長 今の「登録率の確保」の 6 ページの一番目の○にもあるように、登録するレジストリのものによって、それぞれでどの程度までしっ皆性を追求するか、ここが少し変わってくる。ここは共通部分ですので医療機器と再生医療といろいろ幅広い部分がありますので、やはりしっ皆性を追求するものについてはきちんと承認条件で全例を義務付けるようなもので、きちんと全てが登録できるような仕組みをきちんとやっていく必要があるのではないかと思っております。

○澤座長 ありがとうございます。「しっ皆性を追求するかは」と書いていますが、製品ごとでそこがポイントになる。それは PMDA のほうできっちりやっていただくことになるかということですね。ほかはいかがでしょうか。

 前回、運営委員会の設置等についても議論がありましたし、このヘルプデスクのことや、それぞれもうポイントは前回議論をされて大体書き込んでいただいているかとは思いますので、かなりブラッシュアップしていただいていると思います。何か追加はありませんか。

 もしよろしければ、また後ほどお気付きの点があれば御議論いただけたらということで、次に 7 ページの 2 「再生医療等製品に係る患者登録システムの在り方に関する検討」の項目について何か御議論はありますか。

○戸口田構成員 戻ってしまいますが、共通のところで 5 ページにデータセンターのことがありますが、「運営主体が設置するデータセンター」という表現があります。すなわち、データセンターを運営主体が設置するということで、埋植型のほうは、それぞれのいろいろな学会等にデータセンターが設置されるわけですが、再生医療のほうは全て PMDA にデータセンターが設置されるという理解でよろしいのでしょうか。

○事務局 再生医療等製品につきましては、 7 ページに記載しているように「 PMDA を運営主体として」ということでまとめておりますので、 5 ページの再生医療等製品についての運営主体が設置するデータセンターというのは、 PMDA において設置されることとなります。

○戸口田構成員 そうすると、その場合はデータにアクセスしようとすると、 PMDA の中の運営委員会等で承認等がされるというプロセスになるのでしょうか。今後それぞれデータアクセスをしたいという場合に、「申請の後の運営委員会での審査・承認」という表現がありました。そうすると、運営委員会も PMDA の中に全部あるということですか。

○事務局 再生医療製品については PMDA を運営主体としますので、データの利活用に関して、例えば研究者の方が登録システムの登録データを研究用に使いたいということで申請いただく先としても PMDA にということになります。

○戸口田構成員 基本的には、それは 1 つのアイテムごとに運営委員会があるということですか。例えば iPS 細胞を用いた関節軟骨治療などというものが進んできた場合に、要するにいろいろなタイプのものも全部同じ運営委員会で審査されるという認識でよろしいのですか。これはこの間も出たと思うのですが。

○事務局 製品ごとにそれぞれステークホルダーの構成が変わってくるようであれば、運営委員会としてもそれぞれにある程度カテゴライズして、製品グループごとに運営委員会が置かれるということは考えられます。

○戸口田構成員 ありがとうございました。

○大須賀構成員 再生医療製品等のところで、 7 ページの一番下のポツです。新たに承認された製品について既存のシステムを活用する場合うんぬんという所です。このイメージが、この議論の中で私もちょっとイメージできていなくて、少し心配しているのが、再生医療製品の場合に市場のマーケットの数が小さい、患者さんの数が少ない場合に、例えばこういったデータベースの改修費用を企業が負担するといったときに、絶対数が少なくて、こういったデータベースの改修費用がやたらと大きくなった場合、実際に自社で調査した方が費用が安いというようなことが起こるのではないか。私も専門ではないので、このデータベースがどのくらいお金がかかるか分からないのですが、このような場合に、使うところがその費用を払うのは当然だと言われると、原則そうなのでしょうが、費用負担が過剰になると、ちょっと辛いところがあると思うのです。この辺りは費用の大小によってはまた考慮していただけたらと思います。

○事務局 基本システムのほうをフレキシブルに拡張できるように仕様を組んで、改修が多大な費用が発生するような形には極力ならないよう、あらかじめ、そうした拡張性を考慮したシステムで構築することによって、企業負担のほうもさほど大きな負担にならないようにしていければと考えています。

○西田構成員 これも 5 ページに戻ります。上から 2 つ目の○です。実際の患者様に対して「データの活用の目的や方法、公開方法等を明示し、了承を得る必要がある」という所ですが、この使用、利活用の目的によって了解を得るところのやり方というか、それがかなり異なるように思うのです。これはどのようなイメージでしょうか。

○事務局 基本的に事前に了承を得る内容ということですが、患者登録システムに登録されて、安全対策や今後の医療の向上のために役立てていきますという、具体的な詳細というよりも、全体としての、そのシステムに登録される目的・方法についての説明ということで考えています。

○西田構成員 これをどこで公開するか、発表するかなど、そういうやり方によってインフォームドコンセントの取り方がかなり異なるように思うのです。ですので、そこの部分についての詳しいことは、また詰めたほうがいいのではないかと思います。

○澤座長 そうですね。

○事務局 再生医療等製品につきましては、先ほど御説明いたしましたように PMDA を運営主体とするということで、公開に当たっても PMDA からの公開ということが前提となります。ですので、システムの運営主体から公開する場合については、その運営主体のほうでその方法・内容を運営委員会で検討して決定することとなると考えております。個々の製品や診療領域などによって、特に検討すべき事項が個別に発生すると思いますので、それについても個々に詳細を詰めていければと思います。

○澤座長 よろしいですか。確かに個々によるでしょうし、ただ、あらかじめ治療前に IC を取っておかないといけませんね。

○西田構成員 公開をするかどうかによって、公開する情報か、あるいは公開しなければそれほど気にする必要がないかもしれませんが、それを公開することで、そこはかなり倫理の問題などが入ってくると思います。特に患者の数が少ないときに、自分のが入っているのがある程度患者様に分かる可能性があるので、公開情報になるときには少し注意が必要ではないかとは思います。

○澤座長 当然、レジストリは基本は公開前提ですよね。そうではないのですか。

○事務局  6 ページの一番下に記載しておりますように、登録されたデータについて分析・評価を行って、結果を定期的に公表するということを考えております。ですので、個々の患者さんの登録データそのものが公表されるわけではなくて、集計・分析を行ったもので公開することを前提としています。

○澤座長 その辺りは IC を取るときに慎重に。

○西田構成員 そうですね。

○澤座長 個人の情報は出ないのは当然で、個人も同定されないので、確かに N 数が少ないと微妙なところはありますので、 IC を取るときに慎重にということでしょうけれども、基本、レジストリですので公開であるということですよね。ほかはいかがでしょうか。

○鮫島参考人 今のデータの取扱いにも関係するのですが、このデータベースの恒久性をどうやっていつまで維持するのか、また、そのデータの公開をいつまでするのか、費用負担をいつまでするのか等は、運営委員会で議論されるのであれば、そう記述しておいたほうがいいのではないかという気がしました。

○澤座長 そうですね。いかがでしょうか。

○事務局 再生医療等製品に関して申し上げれば、 8 ページに「システムの登録範囲・期間」ということで、当面は「適用後の再審査期間又はそれに準ずる期間」ということで登録して、それ以後も登録数をどんどん追加していくかどうかについては、また別途の検討ということにしております。この検討についても、先ほど運営主体、再生医療等製品については PMDA における検討ということになります。

○澤座長 あと、費用負担もですね。

○事務局 はい。再生医療製品については、費用のほうも、システムの改修等を伴わないのであれば、ランニングコストということで、基本的には国が負担して PMDA に交付するということです。

○澤座長 その辺りは、 PMS との連動で費用負担が推移するということは、再生医療製品の場合は余り考えなくていいのですか。要するに、企業負担をどの程度考えておくべきなのか、もう PMDA 、国のお金でずっと維持されるようなイメージに聞こえたのですが。

○事務局 新たな製品が承認されたときのシステムの改修の費用については基本的に企業に出していただきます。 7 ページにありますが、その当該企業に、運営にかかる費用の一部についても負担させる仕組みということです。また、その利活用に応じて負担ということで、使用成績調査に使う部分についての運営コスト、ランニングコストを一部負担いただくという形です。

○澤座長 それも個々の製品に応じて議論するということですね。

○事務局 そうです。

○澤座長 それがしっかり PMS に、ということであれば、そこは負担額もそこで検討される。基本、維持は国が中心になって維持していただくというような大くくりな考え方でよろしいのですか。

○事務局 はい。

○澤座長 ほかはいかがでしょうか。 1 つだけ私から伺います。 8 ページの「患者登録システムの登録範囲・期間」という所の大きな○の次の、臨床研究についてです。これはこの前、高戸先生がいろいろ質問されていたと記憶しているのですが、臨床研究についても、「別途、患者登録の要否について検討されるべきである」と書いていただいているということで、これは一瀬さんがいらっしゃいますが、今後、医政局マターになるのではないかと思うのです。この辺りは、こういう表現でいいとは思うのですが、臨床研究での登録で、研究としてレジストリがあるかどうかです。

○研究開発振興課長 臨床研究のというか、再生医療新法にかかる分に関しては、当然、再生医療新法の中での整理になります。今回の場合は改正薬事法の話ですので。

○澤座長 もちろんそうです。そうなのですが、要するに、連続性というものがあるのではないかと。例えば、私の例で言うと心臓も、心臓で研究でやっている場合もレジストリはあって、それが治験に移行するときに、完全に一緒かどうかは少なからず、生存曲線や有害事象なども、ほとんど酷似したものとして取り扱うべきです。臨床研究だからといって安全性を重視する必要はないという議論はないと思うのです。

 そうした場合に、今回は、もちろんここは薬事の範囲内での議論ですが、そのシステムがこちらでできたときに、それを援用して、例えばですが、今度新しく出てくるような心臓の新規の再生医療の案件に関しては、そういうレジストリをやるかどうかという議論があるかというのは、前にあったと思うのです。その辺りについての表現が、こういうふうに書いていただいているのかなと思ってお聞きしたのです。

○研究開発振興課長 再生医療新法では特段そういうものを求めていません。ですので、再生医療新法からでここまで書くというのはできないと思います。法律から求めておりませんので。

○澤座長 高戸先生よろしいですか。前におっしゃっていましたよね。

○事務局 薬事サイドの観点から申し上げても、この登録システムは、基本的に条件付き・期限付きで承認された後ということで、まだ治験段階のものを登録ということまでを前提とした形ではないのです。

○澤座長 もちろんそうです。それはもちろん分かっているのです。ですから、分かっている上での質問をしているということで、これは医政局側の話になってくるとは思うのですが。ここに書いていただいているのが、「別途、患者登録の要否について検討されるべきである」とわざわざ書いていただいているので、その内容について少し確認をしただけなのです。これは関係ないと言われると、この文章を削らないといけないのではないかと思っています。

○高戸構成員 ここは不要かもしれません。

○澤座長 今の話であれば不要かもしれないのですが、書いておいてもらうほうがつながるのではないかと思ったりもしますし、どうするかなというところですね。これは確かに、この前の議論があって入れてくださっているのですよね。それは私も記憶しています。

○事務局 論点整理で御議論いただいて、そこで取りまとめの方向ということで御確認いただいたので、一応、この報告書にも盛り込んではおりますが、最終的な報告書に盛り込むほどでもないという御判断でしたら、このポツのパラグラフは、報告書上は落としておき、ただ、この検討会の議事録などでは記録として残るという形は可能かと思います。

○大須賀構成員 このことに関して、前々回でしたか、 2 3 つ前に私がかなり質問させていただいたところだと思うのですが、要は、承認された製品の市販後調査をやる、これは当たり前と。ただ、医師法下で、安全性がよく分からない、有効性もましてや分からないものが世に出ているという中で、一方は製造販売承認されたから安全性を中心に市販後調査をやり、一方は安全性の調査すら無いというのは問題だろうということで、どうなるのですかと質問させていただいた。その答えとしては、担当している局が違うので、この委員会では議論できないというか、ちょっと違うところなのでここまでですという話だったのです。

 そうは言っても、一応、そういう要望があったということでここに入れてもらったと私は理解しているのです。ですから、要は、担当するところが違うにしても、非常に重要な内容なので、できれば医政局さんのほうに持って行ってでも、やはり使用成績調査は基本的には何らかの形でやるようにしないといけないのではないかという気はするのですが。

○研究開発振興課長 お手元に第 6 回の議事録があると思うのですが、その 12 ページの再生医療研究推進室長のところに、先ほど私が答えたものと同じ答えを前の室長がしているのです。法律上の立て付けとしては義務付けることは難しいということを申し上げております。アカデミア等、自主的にそれぞれでやられる分であれば、というお話はしてありますので、法律上は再生医療新法としては難しいというお答えになります。

○澤座長 この議論は、多分、ここでの議論ではないと思いますので、またどこかでやるべきではないかとは思います。座長が言っていいかどうか、個人的な意見としては、大須賀さんがおっしゃったとおりのことをするほうが、再生医療全体の仕組みの中では大変重要で、臨床研究と治験の連続性という意味からも、そういう前段階からレジストリを作るべきというのは学会での意見ですので、またそこは別途、議論させていただくということでお願いしたいと思います。

 その上で、この文章は置いておいていいのか、削るべきかというと、どうですか。意見が出たというぐらいの書き方で、検討しないといけないとは書いていないので、そのレベルで、議論はこれぐらいにということでよろしいでしょうか。

○高戸構成員 ここの文言は、少しイメージが違うのではないかとも思います。例えばがん免疫療法を考えたときに、それぞれのクリニックで今後、委員会等が立ち上がって、登録がなされると思います。しかしその場合は製品とは違うので、どこまで表現として含めていいのかを考える必要があるかもしれません。また、新法律が施行された場合に、美容の領域などでも届出等が必要になってきますが、そうしたいわゆる第二種、三種というところに関しても、製品イメージとは若干違うところがあると思います。混乱するかもしれないので、このポツは入れなくてもいいのではないかと思います。もちろん、あえて省く必要もないかもしれません。

○澤座長 そうですね。皆さん恐らくそれぐらいのイメージだと思いますので、一種から三種まで「リスクに応じた」と表現されているので、高戸先生がおっしゃったようなことも含めて、そういうことが必要かどうかを検討するということなので、この表現は、リスクが低くて要らないという意見もあるでしょうし、という意味でしょうか。

○事務局 では報告書では「検討が必要との意見があった」という記載に留めるということにさせていただければと思います。

○澤座長 そうですね。「検討されるべき」というのは少しきついかもしれません。

○事務局 はい。

○澤座長 ではそういうことでお願いします。ほかはいかがでしょうか。ないようでしたら、次は 3 番の体内埋植型のほうです。永井先生よろしくお願いいたします。

○永井座長 では 3 の「埋植型医療機器に係る患者登録システムの在り方に関する検討」の部分です。 13 ページ上段までと別添について御意見、御質問をいただきたいと思います。

 この埋植型についてはいろいろな意見があったのですが、アプローチとしては、しっ皆調査的に断面的に見ていくという方法と、もう 1 つは、少し施設を限って断面ではなくて、フォローアップスタディをきちんと行う方法があります。双方それぞれ一長一短がありますが、今回、別添のほうにありますが、人工関節を事例とした具体的検討を始めようということになりました。

 現在、人工関節の登録率が、日本が 20 %ぐらいなのだそうで、世界的には 80 %ないと評価されないということで、 80 %を目指して、学会の協力を得るということ。特に専門医の研修指定施設でしたか、その条件に学会が協力するということと、行政の指導によって、できるだけ登録率を上げるということで、人工関節を取り上げることにいたしました。行政指導は、どういうふうに進めるのでしょうか。

○事務局 現状の案としては、不具合報告制度の中で、不具合の発生率、再置換率などを告示として定め、それは一定の発生率を超えたものについて、企業のほうに報告してもらうという制度があります。そことの連動というか、そこで連携ができないかということを検討したいと思っております。

○永井座長 全ての医療機器ではないけれども、大臣が指定したものについては、不具合の発生率を報告するようにという規定があるのだということですね。それを使おうという。

○事務局 そうです。今そういう枠組みが存在していて、そこに特定の医療機器と、その不具合の発生率を指定する形で報告を受けるという形を考えています。

○永井座長 その仕組みをうまく使えば、市販後調査よりはかなりきちんとした不具合率が出てくるということですね。それを使うと、登録率が一気に上がるのではないかということを議論したわけです。既に人工関節学会が、これまで相当努力されてデータベースを作ってこられたのですが、ただ、それはまだ 20 %ぐらいの登録率です。そこに、日本整形外科学会が専門医認定施設の条件に加えていくということで、正に行政と学会が連動して登録率を高めるという形で、この制度を進めようということになりました。

○事務局 少し補足させていただくと、登録率の不具合報告との連動については、レジストリを活用して不具合発生率を把握するということになると、この不具合報告制度との連動で登録率が上がるというよりは、ある程度登録率が上がってきた段階で、不具合報告制度と連動させることによって更に登録率を高めるという効果というほうが正確ではないかと思います。低い段階でそれを指定してしまうと、レジストリを利用して発生率を把握することはできないことになってしまうので、学会との取組と連携して、登録率を高めつつという形になるかと思います。

○永井座長 実際、入れ換えを行ったときに始めて分かる仕組みになるわけです。ですから、少し時間がかかります。数年で結果が出てくるわけではないと思いますが、長期間続けていけば必ずよいシステムになっていくだろうということです。いかがでしょうか。秋山先生、何か追加はありますか。

○秋山構成員 ないです。

○祖父江構成員 前回欠席してしまったので周回遅れの発言で申し訳ないのですが、 9 ページに 3.2 として、患者登録システムとして 2 つ大きな考え方があります。施設等を絞った形で経時的にしっかりとフォローアップするというやり方と、項目を絞って網羅性を確保した上で登録するというやり方の 2 つが考え方としてあることが紹介されています。それで、次のページの 3.3 として新規性の高い登録システム、 3.4 として、既に承認された患者登録システム、この 2 つに対して、 2 つのパターンがどう適用されるのかというところが余りきちんと明示されていないような気がするのです。新規性の高い医療機器については、どちらを選ぶというよりは、しっ皆性も高く、更にきちんとフォローアップもすると、マル1マル2を兼ね備えたような形で行うのが理想は理想ですよね。

○永井座長 そこは大分議論したのです。今、既に人工関節学会のほうでしっ皆性を目指しているのがあって、そして、登録率が非常に低いという課題がある。それを何とか乗り越えられる見込みがあるということで、まずはそちらをやってみようと。例えば、人工心臓などはフォローアップしているわけですから、マル2の体制でやっているので、医療機器によるのだろうと思います。

○祖父江構成員 そのチャプターとして、新規性の高いということと既に承認されたということが分けられているので、後半の既に承認されたものに関しては、製品によってこのマル1マル2を使い分けるということでしょうけれども、新しい医療機器の患者登録システムに関しては、できるだけしっ皆性の高い、更に継続性のある経年的な仕組みを考えるというようなことを提示してはいかがだろうかと思ったわけです。

○永井座長 いかがですか。それは、実際はかなり違う登録システムになるのです。ですから、相当よく考えてデザインしないといけないと思うのですが、事務局はいかがでしょうか。

○事務局 新医療機器の場合も、その後、承認された後にどれぐらい販売数量が出るか、どれぐらいの期間の調査が必要かなど、ものによって様々変わってくると思いますので、先生がおっしゃっていただいたように、ものによってマル1をやるべきか、マル2をやるべきか、あるいはマル1マル2を組み合わせたような形をやるべきか、それは様々なケースがあり得ると思います。その承認の際に、どういった手法を採るかを検討されるという形になるかと思います。

○祖父江構成員 ですから、そうすると 3.3 3.4 で余り区別をしないということですね。

○事務局 そうですね。その点に関しては、簡単に言ってしまえば「ものによって」ということになるので、明確な区別はないかもしれないです。

○祖父江構成員 そういう考え方であれば、それでいいと思います。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。よろしければ、最後のまとめを澤座長にお願いしたいと思います。

○澤座長 最後の 13 ページの「各検討会の提言 まとめ」という所に、今までの提言について半ページに渡ってそれぞれ再生医療製品と体内埋植型医療機器でまとめられていて、ここにほとんど集約されているのではないかと感じますが、これも含めて全体に、本日の議論の中での御意見等がまだあれば頂けたらと思います。

 特に再生医療等製品については、 1 つ目の○の真ん中辺りから、「条件・期限付き承認の段階から再審査期間又はそれに準ずる期間、基本的に全例登録とすることが適当である」ということが明記されています。これは、「条件・期限付き承認」という言葉の意味のエビデンスとしてこのような、全例登録によるレジストリを構築することが大変重要だということが各方面で、特に学会では議論されてきましたので、このように書いていただいているのかとは思います。

 体内埋植型機器のほうについても、今の議論もありましたが、関係学会と製造販売業者との連携による患者登録システムの構築を行うことが適切であると。これももちろん、承認品目にもよるという議論もあり、このことが明記されているのは非常に重要ではないかと思います。

 その他、御意見などいかがでしょうか。このまとめでよろしいでしょうか。これでよろしいようでしたら、議論も大体出尽くしてきたかとは思います。この形で今回の検討会、今回でまとめさせていただくということでよろしいでしょうか。特にないようですので、本日皆様から頂いた御意見を踏まえて、事務局で適宜修正していただき、報告書をまとめていただきたいと思います。修正内容については、また永井先生と一緒に確認させていただいて、皆様に御報告申し上げたいと思います。

 最後の議題「その他」ですが、その他、追加等ありませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議論を終了させていただきます。最後に事務局から御報告いただけますでしょうか。

○事務局 本日はお忙しい中、御出席、また、御議論いただきましてどうもありがとうございました。本日の議事録については、出来上がり次第、構成員の皆様にお送りいたしまして、御確認、修正を経て、厚生労働省のホームページに掲載する予定としています。

 報告書についても、先ほど澤先生から御案内いただいたように、本日の議論を踏まえて、若干の修正箇所がありましたが、そちらを反映して両座長の先生方に御確認いただいて、他の構成員の皆様にもお送りさせていただいて、ホームページのほうで最終的に公表する予定としております。

 なお、次回以降の開催予定については、現在のところ、両検討会とも予定がありませんが、今後、患者登録システムなどについて特段の検討事項が生じた際には、検討会の先生方に御意見を伺いたいと考えております。

 最後に、今回、報告書取りまとめとなりましたので、今別府医薬食品局長より御挨拶させていただければと思います。

○医薬食品局長 医薬食品局長の今別府でございます。本日は報告書を取りまとめいただきましてありがとうございました。再生医療製品のほうが昨年の 1 月から、それから、体内埋植型のほうが 7 月から、それぞれ合同会議を含めて 7 回ずつの御議論をいただきました。私も昨年の 7 月に着任早々で一度お邪魔をしただけで、本日やっとまた出てまいりましたが、その間、この報告書の初めには法律が通ったところから書いてありますが、法律を通すところと、それから、同じ時期に医薬品のネット販売の法律もやっておりまして、それの施行が先週やっと、ということですので、今度はこちらの 11 月に向けて、この関係の法律の施行が控えておりますので、ますます準備を加速させなければならないと考えております。

 本日は、報告書を頂きましたので、これを基に具体化をする責任が、また我々に生じたということですので、責任を持って具体化を進めてまいりたいと考えております。ただ、本日、久しぶりに参加をして議論を聞いておりますと、まだまだ個別にお願いをして御意見を承ったほうがよさそうだというところが、個人的にも幾つかありました。先ほど事務局のほうで申しましたが、また個別に、ということになるのだろうとは思いますが、具体化に向けてお知恵を拝借したいと思います。お礼とお願いということで御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○事務局 それでは、本日の検討会は以上でございます。どうもありがとうございました。


(了)

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