ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 障害児支援の在り方に関する検討会> 第10回障害児支援の在り方に関する検討会(議事録)(2014年7月9日)




2014年7月9日 第10回障害児支援の在り方に関する検討会(議事録)

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成26年7月9日(水)
15:00~17:00


○場所

中央労働委員会 講堂(7階)


○出席者

【構成員】

加藤構成員  宮田構成員  田中 齋構成員  朝貝構成員  岡田構成員  片桐構成員  田中 正博構成員  石橋構成員  高木構成員  市川構成員  柏女構成員  大塚構成員  佐藤構成員  辻井構成員  大濱構成員  大南構成員

○議題

・報告書案について 等

○議事

【障害児支援の在り方に関する検討会(第10回)】

○柏女座長 定刻になりましたので、ただいまより第 10 回「障害児支援の在り方に関する検討会」を開催します。

 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席をいただきまして誠にありがとうごうございます。人事異動の時期でもありますので、できれば予定としては今日を最終日とさせていただければと考えています。効率的な議論のために、皆様方の御協力をよろしくお願いします。

 最初に、事務局から本日の構成員の出欠状況、資料の確認をお願いします。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 本日の構成員の出欠ですが、柘植構成員、渡辺構成員から事前に御欠席の連絡を頂いています。また、田畑構成員は御出席の予定でしたが、台風のため飛行機の便が欠航で来られないという連絡を受けております。また、市川構成員は、少し遅れていらっしゃると思いますのでよろしくお願いします。当部の蒲原部長も少し遅れておりますので、よろしくお願いします。

 続きまして、資料の確認です。資料 1 ~資料 4 まであります。資料 1 「報告書本文 ( 見え消し版 ) 」、資料 2 「報告書案本文 ( とけこみ版 ) 」、資料 3 「報告書案参考資料」として参考資料 1 ~参考資料 6 を付けています。最後、資料 4 「報告書のポイント ( ) 」です。

 資料の不足がありましたら、事務局までお願いいたします

○柏女座長 よろしいでしょうか。それでは、早速ですが議事に入ります。今日の議事は大きく 2 つです。報告書案について、これには参考資料等も全て含めてです。今後に向けてということで、時間がありましたら、皆様方の御意見を賜りたいと考えています。効率的な議論のために、恐縮ですが、発言につきましては簡潔にお願いできればと思います。

 御発言いただくに当たっては、今日を最終日と念頭に置いていますので、まず文章の文言の修正が必要かどうかについて触れていただき、必要である場合には可能な限りで結構ですので、必要な具体的な修文案にもお触れいただければ幸いに思います。恐縮ですが、御依頼させていただければと思います。

 それでは、資料 1 の報告書案本文について議論をしていきたいと思います。前回と同様、前半部分と後半部分に分けて議論をします。まず、報告書の前半部分の 1. 2. について事務局から説明いただき、その後、 15 分程度の時間を取れるかと思いますので、もちろん長くなっても構いませんが、今日の予定としてはそのくらいの時間を考えていますが、御意見を頂戴できればと思っています。それでは、事務局から前半部分の 1. 2. について説明をお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 資料 1 の前半部分について説明をします。なお、単純な字句修正等を何箇所か行っておりますが、時間の関係もありますので説明は省略させていただきますので御了承いただければと思います。

 まず、資料 1 1 ページです。目次の所ですが、いくつかの項目の文言の修正をしています。こちらにつきましては、本文の修正の説明に併せて説明をしますので、この説明は省略します。

 続きまして、 3 ページです。「はじめに」です。 2 段落目で、障害者権利条約の批准を踏まえていることを明示したというところと、「インクルージョン」の注釈を下に設けています。「インクルージョン」の注釈については、権利条約の規定をそのまま引用しております。

 その下の「後方支援」については、前回の検討会において、分かりづらいといった御意見や、原則は子育て一般施策で守られた上で障害に対して専門的な支援の部分を上乗せするという立場を明確にすべきといった御意見を頂いておりましたので、その旨、修正しております。

4 ページです。こちらについては、平成 20 年の検討会報告書の基本的な障害児の位置付けを記載すべきといった御意見を頂いていますので、引用したものを記載しております。

5 ページです。平成 26 2 月時点の国保連データが公表されましたので、直近のデータに置き換えたものになっています。こちらは約で括っていますので、 1 月から 2 月に修正したのですが、そのままの数字となっています。下の (3) の所についても同様に直近のデータにアップデートしました。

 少し飛んで 9 ページです。4の障害福祉計画の所ですが、障害福祉計画に係る基本指針の正式名称を括弧書きで記載しています。

11 ページの2についてです。前回の検討会で示させていただいた報告書案においては、子育て支援におけるインクルージョンを推進するための後方支援という言い方をしていましたが、分かりにくいといった御意見がありましたので、冒頭の「はじめに」の記載と同じ趣旨の修正をしております。具体的には、「障害児の社会への参加・包容を子育て支援において推進するための「後方支援」としての専門的役割の発揮」といった形に書き換えているところです。

12 ページの4家族支援の重視です。前回の検討会で、レスパイトについて御議論いただきましたが、その中で、レスパイトについては様々な定義があるので「レスパイト」という言葉にこだわらなくてもよいのではないかといった御意見も頂きましたので、「レスパイト」という用語は使わずに、「保護者等の行うケアを一時的に代行する支援 ( 短期入所等 ) 」と修正させていただきました。

13 ページの 1 つ目の○です。こちらもレスパイトについて「一時的なケア代行」と修正しています。また、きょうだいについても、「しっかりと向き合える時間を作ること」としていたものを「十分なかかわりをもつ時間」と、適切な言いぶりに修正を併せてしています。

16 ページの5です。アセスメントについては、どのような適応状況にあるかが重要であるといった御意見を踏まえ、その旨を修正しているところです。また、注釈として、「 Vineland 適応行動評価尺度2」を、例として記載しています。6の項目については、連携先として「児童相談所等」と明記しております。前半部分の説明については以上です。

○柏女座長 それでは、この報告書の前半部分 1. 2. の部分について御質問、御意見がありましたら御発言をお願いします。

○辻井構成員 文言についてです。 16 ページの欄外の所で厚労科研のものを御紹介いただいていますが、尺度の名前が「 Vineland 適応行動評価尺度2」となっています。「 Vineland- 2適応行動評価尺度」というのが、一応、正式名称になりますのでお願いします。

○柏女座長 ありがとうございます。御指摘のとおりに修正させていただきます。ほかはいかがでしょうか。

○田中 ( ) 構成員 福祉協会の田中です。やはり「後方支援」という用語について、最終的にどのような取扱いをするかが大事と思います。一般的な子育て支援とその障害にかかわる支援の関係性の中で誤解のないような表現についてお願いした経緯があります。今回このような形で修文していただいて、おおむねこのようなことで良いと思いながら、なお、一般的な子育て支援施策をバックアップする後方支援となっているのですが、この点が誤解を招く恐れがあります。今回、子ども・子育て支援新制度がスタートしていく中で、利用者支援事業等が検討されている中で、子ども・子育て支援新制度を後方からバックアップをするような表現のほうがいいと思います。そういう意味で後方的な支援の問題について、戦後の知的障害の福祉のいろいろな流れを見てきたときに、糸賀一雄先生たちが言われた「この子らを世の光に」という理念というか、その方向性が今の日本の中で実現しているのかどうかと考えたときに、まだまだ障害のある子どもたちをきちんと支えていく社会システムというか、社会全体の中でまだまだ課題があるのではないか。そのような思いから、もう 1 回御検討をいただければと思います。併せて、 11 ページに出てくる「後方支援」の部分が、見出しになるので、この点何かいい文言がないのかということが 1 つです。

 もう 1 点です。 16 ページのグランドデザインの説明の1から6の中で、6だけがちょっと施設に限定しているような意味合いになっているので、社会的養護にかかわる支援の文言のほうが良いと話もさせてもらいましたが、障害児入所施設に関しては措置にかかわる制度と契約という 2 つの制度が混在しているという中で、契約に至る制度適用においては児童相談所の関与が、社会的養護に至る、また施設利用をしなければいけないような家庭の状況に対する相談、関わり合いがかなり希薄になってきていることから、入所施設に関しては措置と契約の 2 つの制度があることを踏まえて、この辺の文言を少し検討した方が良いと思います。6の標題ですと、「障害児入所施設の措置入所児支援の」となっていますが、むしろ措置、契約にかかわらず、施設への入所支援にかかわる相談所等との連携というように括り、この説明の文言の中で契約利用についてもきちんと対応をしていくのだということをお書きいただくと有難いと思います。1666

○柏女座長 ありがとうございます。 2 点の御意見がありましたが、後方支援は後で御意見をほかにもお伺いするとして、 16 ページですが、「6障害児入所施設の措置入所児支援のための児童相談所等との連携」、これの「措置」を取ってしまってもいいですか。つまり、「障害児入所施設の入所児支援のための」という形にし、中の 2 行目の「措置により」も削除して、その上で契約関係のことが入れられれば入れる。

○田中 ( ) 構成員 標題の所の「措置」を取って入所児支援として、前段の「措置により入所している障害児も多い」はこのまま生かした上で、次の所で「障害児入所施設に措置により入所した」という所を取っていただき、契約や措置により入所した児童の支援についてとして、契約で入所しても子どもの最善の利益に合わせた支援をきちんと児童相談所も担保するという理解があれば良いと思いました。

○柏女座長 そうすると、前段のほうの 2 行目の措置によりは生かして、後半の措置は削除し、あとは標題の所の措置を削除する形で考えていきたいと思います。ありがとうございます。

 もう 1 つ、 3 ページや 11 ぺージの後方支援の所はこの委員会でも疑問を持ちながら議論をしてきたところもございます。 3 ページを御覧いただくと、「障害児支援を、施設・事業所等自らが障害児に対して行う支援に加えて」という形で、従来から障害児支援本体の所を充実させるのだということをまず前段に置いた上で、「一般的な子育て支援施策をバックアップする「後方支援」として位置付け」という言い方をしています。これでも難しいでしょうか。他の委員の方の御意見を伺いたいと思いますが。もし、子ども・子育て支援新制度の趣旨を入れるとすれば、 3 ページの「そして」の次の行の「専門的な知識・経験に基づき、子ども・子育て支援新制度その他の一般的な子育て支援施策をバックアップする後方支援」というような形で生かしていく手もあると思います。いかがでしようか、よろしいでしょうか。それでは、そのような形で少し修文をさせていただくということでよろしいでしょうか。ほかの委員の方々は「後方支援」という文言についてはよろしいでしょうか。

 特に御意見がなければ次の論点でも結構です。意見がありましたらお願いしたいと思います。

○加藤構成員 今の田中構成員の 2 番目の視点で、私も前から気になっていたのですが、なぜ児童相談所等との連携が入所施設だけなのかという。もちろん法的にはそういうことなのでしょうけれど、しかし地域の中では子どもの育ち関係に関して、色々な形で児相に相談を持ちかけたり、色々な情報を求めたりということが日常茶飯事に起きているし、行われている。そういう意味で、入所と児相の連携ということをあえてここで主張するということの意味が、確かに入所をしたら児相は手を引いてしまっているような状況というのは昔からあり、問題視はされていて、それがここに表現されているということなのでしょうけれども。こうして書くと、児相との連携は入所だけみたいな話で捉えられがちになりますが、その辺の懸念はないのですか。

○柏女座長 そうすると、在宅サービスのほうについてもそれを入れたほうがいいということになるのでしょうか。

○加藤構成員 6のタイトルあるいは中身の文章に少し膨らみを設けていただければ済むかとも思います。虐待の問題にしろ、いろいろありますので、特に昨今だと、うちでも昨日起ったことですが、母親が東南アジア出身でお父さんが日本人で、その間にいろいろトラブルがあり、地域の関係者と掛け合ってというようなことが起きているのですが、そのときには当然、児相も入ってきますので、そういう意味では入所と児相という関係だけで完結しているような表現はいかがなものかという気がしています。そのような懸念があるということで、それはまた座長と事務局で少し検討していただき、お任せします。

○柏女座長 前の所の 14 ページの2において、全体的なことは述べていまして、そして特に6では入所の方たちという形になるので。入所の方以外のものはについては2の所で「保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等とも連携した地域支援体制の確立」という形で、横の連携をしっかり述べているということではいかがでしょうか。

○加藤構成員 ここに児相も入っていると。

○柏女座長 福祉の機関ですので。少し検討をさせてもらって、工夫の余地があるかどか確認させていただきたいと思います。

 ほかにはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。また、後半の具体的な提言に絡んで前に戻っていただいても結構ですので、前半部分については一応これで切りたいと思います。

 それでは、この具体的な修正の内容については、今、私のほうで具体的な修文を出させていただきましたが、それ以外の加藤さんからお話された件も含めて、私と事務局に修文についてはお任せいただくということでよろしいですか。

                                   (異議なし)

○柏女座長 ありがとうございます。それでは、続きまして報告書の後半部分の 3. 4. について事務局から説明をお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 では、後半について御説明します。 17 ページから御覧ください。 17 ページの一番下の○です。児童発達支援センターの基本的機能として、通所支援ではなく、子ども・子育て支援の後方支援へと移行すべきといった御意見を前回頂きましたので、その旨の記載を追記しています。

18 ページにまいりまして、 1 つ目の○です。相談支援については、基幹相談支援センターとの連携が重要との意見がありましたので、その旨の修正をさせていただいています。その下、 2 つ目の○です。保育所等訪問支援の体制整備が進んでいない理由を分析した上で、体制整備を進めるべきといった御意見を頂きましたので、その理由として、訪問先の理解が進んでおらず連携が不十分であること、また、個別給付の形をとっているため、障害児等療育支援事業と比べ柔軟性がないこと等の理由を記載したところです。

 次の 19 ページの2の 2 つ目の○です。有期有目的の施設入所につきまして、肢体不自由児に対する障害の軽減の機能を記載すべきといった御意見を踏まえまして、その旨を記載させていただいたところです。

 続いて 21 ページの 1 つ目の○です。エビデンスのある研修会や、評価手法を設定すべきとの御意見を踏まえまして、標準化されたアセスメント手法やエビデンスのある支援手法の活用といった文言を追加、その旨の修正を行っています。

22 ページにまいりまして、 1 つ目の○です。「サポートファイル」につきまして、国として共通の標準化されたアセスメントを位置付けるべきといった御意見を踏まえまして、「標準化されたアセスメント」と、修正させていただいているところです。

23 ページにまいりまして、 (2) 「縦横連携」の1、 1 つ目と 2 つ目の○です。前回の検討会におきまして、支援者の気づきから保護者の気づきへの丁寧な支援という視点は重要であるといった御意見を踏まえまして、 1 つ目の○においては「「気づき」を促すための支援」、 2 つ目の○においては「保護者の「気づき」やそれ以降の具体的な支援」といった修正をさせていただいています。

24 ページにまいりまして、2の 3 つ目の○です。就学先の決定のプロセスについて、より丁寧な文章に修正させていただいています。

25 ページにまいりまして、○の 3 つ目です。前回の検討会におきまして、児童発達支援センターの対象とする年齢を、就学前児童から引き上げるべきと記載をしていましたが、事務局のほうで再度ヒアリングにあった意見を確認させていただきました。確認した結果、センターの通所支援の対象年齢の引き上げといった御意見ではなくて、保育所等訪問支援といった支援についての年齢引き上げの御意見でしたので、その趣旨の修正をさせていただきました。大変失礼しました。

 一番下の 4 つ目の○ですが、デイサービスの利用過多について、前回議論をいただいたところですが、子どものニーズよりも保護者の都合が優先されているようなケースがあるのではないかといった御意見、また、サービスの利用過多については、利用計画、またはモニタリングで調整されるべきといった御意見を頂きましたので、その旨、修正させていただいています。

26 ページにまいりまして、4の 1 つ目の○です。こちらにつきましては、情報の引継ぎといったところにおいて、「各学校から関係事業所等への」といったところを明記したということ。その後、最後の「また」以降の所ですが、障害福祉サービスの利用を想定して、特定相談支援事業所との連携といったことを、御意見を踏まえて書き加えたところです。

 続いて 30 ページの3です。こちらについては、レスパイト支援の拡充という形で記載していたところですが、前半部分の家族支援の方法と同様に、「レスパイト」を「保護者等の行うケアを一時的に代行する支援」という形に修正させていただき、単独型の短期入所の推進を進めていくべきといった御意見がありましたので、それを書き加えているところです。 30 ページの下の5については、家族の活動の活性化として方向性を示すべきといった御意見を頂きましたので、その旨、修正させていただいています。

 次の 31 ページにまいりまして、 (5) の1、 1 つ目の○です。一元化に合わせて、必要な人員配置などの検討を行うべきといった御意見を踏まえて、その旨、修正させていただいています。次の 32 ページにまいりまして、2の 3 つ目の○です。こちらについても、児童相談所との連携といったものを明示したという修正をさせていただいています。

33 ページにまいりまして、 4 の「まとめ」の所、 2 つ目の○です。前回の検討会におきまして、保育園のアレルギー加算や保育所への AED 無償配布などといった障害児支援の対象となっていない部分があるということ、一般施策から障害児支援を除くことがないようにすべきといった御意見を踏まえまして、「さらに、保育所等と児童発達支援の所管部局が異なるために、様々な関連施策の進展に差異が生じているという御意見があった」ということを、記載させていただいているところです。後半の説明については以上になります。

○柏女座長 後半の 3. 4. の部分について、修正点を中心に説明をしていただきました。我々の意見を丁寧に今回も拾ってくださって、修文を行っていただいています。御意見、御質問等がありましたらお願いします。これを 15 分ぐらい時間が取れればと考えています。

○加藤構成員  30 ページの「短期入所等の充実」という所の表現、文言ですが、これはたしか前回の議論で、岡田先生の御指摘で、「レスパイト」についてはということで、それをこの「短期入所等の」という言葉に置き換えられたのだと思うのですが、私的な感覚で言いますと、「短期入所」と言うと、ここで問題になっている中身とは何か違うような気がするのです。

 一方では、今ちまたでレスパイトと言われている事業の内容というか、サービスの必要性というものが依然としてあるわけで、そのレスパイトという言葉を、赤字で書かれているような言葉に表現されたとするならば、短期入所というか、過去からずっとあるそういう表現をするよりは、少し長くはなりますが、そっくりそのままレスパイトということを置き換えた文言を使われたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。

○柏女座長 ということは、言葉として、「保護者等の行うケアを一時的に代行する支援」としてしまって、それを充実させるということにしたらどうかという御意見ですが、よろしいでしょうか。そのほうが短期入所という狭い意味の所よりは広がるし、レスパイトの意味、言葉に代わるものとして、今のような私が申し上げた言葉を使っているので、そのほうが分かりやすいかなとは思いましたが、よろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○柏女座長 ありがとうございます。それでは、そのようにここは修文をさせていただければと思います。ほかには、はねないですね。はねる所がもしあれば、そこも合わせて修正させていただきます。ほかは、いかがでしょうか。

○田中 ( ) 構成員 日本知的障害者福祉協会の田中です。短期入所の、「特に、単独型の短期入所」という所で、単独型でここを括るのがいいか、現実的に年少の子どもたちを預かる事業所が非常に少ないこともあって、むしろ障害の子どもたちを安心して預かれるというか、ケアできる事業所を育成していくというか、増やしていくということのほうが、単独型に装飾をつけるか、子どもを中心とした単独型の短期入所というような、そういうところを入れたほうが良いと感じていたのですが。

○柏女座長 これは前回、どなたかの御意見を踏まえて、修文されたものだと思います。どなたが指摘をしたのか覚えていないのですが、事務局のほうで何か分かりますか。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 佐藤構成員の御意見です。

○柏女座長 そうですか。今の田中さんの御意見に対しては、いかがでしょうか。

○佐藤構成員 今の提案のようにしていただいても特に問題はないと思っていますが、単独型の短期入所が極めて少ないというのは実際ですので、これは落としてほしくないのですが、例えば全体の小見出しの部分など、あるいは単独型の短期入所を含めて、周辺の充実ということに触れるならば、更に良いかと思います。

 ただ、現状はどこの入所型施設でもほとんど大人ばかりで、年少の子どもが入ると、それだけでも子どもの負担になる。親もまたそういう所を使わせたくないということで我慢をするという状況があって、なおかつ今の入所施設の併設機能としての短期入所は、大人の人たちでいつもいっぱいということがありますので、あえて単独型の短期入所を、もっと多くの事業者が積極的に取り組むような仕掛けを作るべきだという趣旨で、この間発言をしました。

○柏女座長 では、その趣旨を生かしていただいて、一部を修文する。「単独型の短期入所について積極的に推進していくべきである」、そこの上に少し修飾語を付けていく。例えば「子どもを中心とする」とか、そういう形で考えていきたいと思いますが、そんな方向でよろしいでしょうか。

○田中 ( ) 構成員 今の流れで整理すると、単独型の短期入所は、泊を伴う、泊まりが必要な前提になりますので、日帰りの支援という形で、ただ、これは個別給付になっていなくて、地域生活支援という形の日中一時支援になっていますので、その辺の意味合いを盛り込んで、身近な所で受けられるようにするということが書かれているのですが、もう少し一時的な代行に当たるところのきめ細かさが、泊を伴うというだけではないところを、多分、田中さんのほうでも伝えたかったところではないかと思いますので、そこを盛り込んでいただくと、明確になると思います。

○柏女座長 分かりました。貴重な御助言、ありがとうございました。今の意を汲んで、少し修文をさせていただきたいと思います。ほかはいかがでしょうか。

○佐藤構成員 今の一連の議論のつながりにもなろうかと思いますが、 25 ページの「放課後等デイサービス」のことです。今更ですが、ずっと気になっていつつ、その都度見逃してきたのですが、更に利用に当たって、子どものニーズよりも保護者の都合が優先されているようなケースがうんぬんということがありますが、そもそも「放課後等デイサービス」も、先ほどのケアの一時的な代行というのが常態化しているということで、そもそもそこに子どもの発達支援という期待を込めること自体が、無理があると思うのです。

 そういう発達支援の機能を果たしてくれるということよりも、むしろあまり良くない環境の中で、子どもたちがスポイルされるということを心配すべきで、文脈的には、これはそうだと思うのです。「子どものニーズよりも保護者の都合が優先されている」ということで、しかし保護者がいろいろな事情で、例えば就労ということもあるでしょうし、例えば介護疲れというか、子どもの養育疲れということもあるでしょうし、いろいろな要素がこの中にはあると思うのですが、このように「保護者の都合」と括ってしまうと、先ほどの議論のつながりでいっても、日中の一時支援というようなものが、もっと子どもさんにとって使いやすく、今のように雨後の竹の子のごとく出てくる「放課後デイサービス」に子どもを任せるのではなくて、それなりの経験や知識のある所が、それを受け止めることができるようなという、まさに、そういう整備が必要だろうと思うのですが、あれやこれやいっぱい言っても仕方ないと思うので、とりあえずここの部分の、「子どものニーズよりも保護者の都合が優先されているようなケースがあるのではないか」、確かに表現的にはそうかもしれませんが、ちょっと括りすぎではないかと思いまして、これをそっくり省いてしまうと、日本語にならないということもあるので、短い時間で具体的にこのように変えたらいいのではないかという提案が、今はできないでいるのですが、趣旨としてはそういうことを踏まえた書きぶりにする必要があるのではないかと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。やや、このニュアンスを緩める、そして、誤解のない書き方にするという点では、提案ですが、「さらに、その利用に当たって、子どものニーズ」、「よりも」とするか、「とともに」とするか、また検討させていただくことにして、「保護者の都合が」という所ですね、今、佐藤さんがおっしゃったことを受けて、「ニーズよりも仕事や介護疲れなど、保護者の事情が配慮されているようなケースもある」とか、「保護者の事情が優先されているケースがあるという意見もあった」と。こういう意見があったということですので、これをみんなの総意としているわけではない書きぶりにはしていますが、そのような形で考えていってよろしいでしょうか。

○佐藤構成員 そうですね。「都合」というのを「事情」に置き換えるだけでも、ニュアンスががらっと変わる。

○柏女座長 そして、「保護者の都合」をもう少し分かりやすいように、「仕事や介護疲れ等」という形で具体例を入れて、続けて「事情」という形で整理するということでは、いかがでしょうか。

○加藤構成員 基本的にはそれでよろしいかと思います。この「都合」という言葉の中に、ある意味では大事なポジティブな意味合いと、子どもの育ちにとってネガティブな意味合いと、多分抱き合わせで「都合」と言ってしまっているのです。だから、そういう意味で佐藤さんがおっしゃるようなことになっていると思うのです。ですから、その辺を少し、ここに「都合」の中身を、先生がおっしゃるように例示をするということだと思います。

○柏女座長 分かりました、ありがとうございます。少しここは今の趣旨で、修文をさせてください。

○大塚構成員 「保護者の都合」という言葉ですが、いろいろ解釈があって、子どもの最善の利益を守るという観点から、保護者に対してもいろいろな支援が必要だということがあるのかもしれませんが、私は「保護者の都合が優先されているようなケース」というのは、保護者を批判しているような印象を受けます。親として、こういうものは、こういう場において入れるべきではないと思います。もう少し違う、子どもの支援が適切に行われるようにされるべきだという、肯定的な面で言ったほうがいいと思います。それは皆さんの捉え方で何とも言えないのですが、しばしばそういう言葉が出てきます。それは、親にとってはなかなか厳しい言葉だと思っています。これは私の印象です。

○柏女座長 いかがでしょうか。この部分の結論を出したいと思いますが、そんなにみんなの意見が大きく違っているとは思えないので、ここを、保護者を批判するメッセージを送らないような修文にするか、あるいは削除してしまうということだと思いますが、いかがでしょうか。

○市川構成員 私も佐藤先生と同じ考え方で、恐らく「放課後等デイサービス」ということも言われているわけで、そのものが悪いのではなくて、そこに参入してくる業者の中に、変なのが入ってしまっているので、非常に真面目にやっている所は、非常に大変な状態もあるし、様子を見れない所があるという、確かに保護者の事情か都合か分かりませんが、という見方をできるものがあるかもしれません。

 逆に学校で毎学年変わっていく、あるいは小学校から中学校へ変わっていく間に、ずっと同じ所で見ているので、子どもが落ち着くという良い面もあるのですよね。ですから、そういう点でいえば、それは別に親の都合とかいうことではなくて、本人のほうも、そのほうがいい点もあるので、あまり親の部分に着目しないほうが、あるいは、それはどこかにあるのかもしれないけれど、文章に書くようなことではないと思います。

○田中 ( ) 構成員 今の大塚さん、市川さんの文脈と、私も同意なのですが、佐藤さんが言われた意味も含めて、やはり学校に代わる教育の場となりすぎるような要素が、発達支援ということに強調されすぎると、あると思いますので、赤字で書いてある所については、お子さんのポジティブな場としてという位置付けを、いわゆる児童館的な機能に求めて、「社会参加と健全育成」という表現で、「子どもの育ちの社会参加と健全育成に向けて、今後」という形でつなげていったらどうかと思います。

○柏女座長 いかがでしょうか。とすると、この赤字の所は削除した上で、ということですか。

○田中 ( ) 構成員 そうです。

○柏女座長 そうしますと修文案ですが、「さらに」から「意見もあった」までは削除して、かつ、「今後、放課後等デイサービス等の障害児通所支援では、子どもの社会参加、健全育成も含めて、どのような発達支援や、あるいは保護者の事情の配慮が行われるべきかという点もガイドライン等で明確にし」という形で、保護者の視点も入れていくということではいかがでしょうか。そういう書きぶりにするということで、いかがでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○柏女座長 では、まだ文章のつながりが悪いので、そこはまた事務局と詰めることにして、そのような形にさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。ほぼよろしいでしょうか。

 それでは、修正意見はいくつか出ましたが、いただいた御意見を踏まえて、ほぼ修文案が出されて、一定の合意を得ておりますので、あとの具体的な修正の内容については、座長である私と事務局のほうに御一任いただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、次は資料 3 の報告書案参考資料について、事務局から説明していただいた上で、御意見を賜りたいと思います。よろしくお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 資料 3 です。参考資料 1-1 、参考資料 1-2 についてですが、平成 26 2 月の直近のデータが出ましたので、アップデートしたものです。参考資料 2 、参考資料 3 については、前回お示ししたものから修正はありません。参考資料 4 についても、前回との修正はありません。

 参考資料 5 です。前回は、ヒアリングさせていただいた団体から確認が済んでおりませんでしたので、暫定版ということでお示しておりましたが、全ての団体から御確認いただきましたので、最終版としてお示ししています。参考資料 6 についても、前回と同様です。報告書案の参考資料については以上です。

○柏女座長 参考資料 1 から参考資料 6 について、御質問、御意見等がありましたら、御発言をお願いします。

○加藤構成員 参考資料 4 の、子ども・子育て支援新制度利用者支援事業との関係を強調したポンチ絵だと思うのですが、読み方として、左下の「子育て中の親子など」から事が基本的に始まっていって、いろいろな関わりができてという流れになっているのですが、パッと見た人が、それが読み取れるかどうかということを考えますと、私自身が途中からそのことに気づいたこともあるのですが、すごろくではないのですが、ここが振出しだというような、色とか形とか、もう少し分かりやすくできたらいいと思います。

 それから、この絵の味噌は、真ん中の長楕円のトラックのような、ここだと思うのです。子ども・子育て支援新制度と障害児支援施策とが、ここで重なり合って、双方のサービスが活用できて、子どもの育ちに資するものになるという話ですが、ポンチ絵の外枠が、四角になっていて、中にトラックの長楕円が乗っている感じに見て取れてしまうのです。

 そういう意味では、左側の子ども・子育て支援新制度の四角と、障害児支援の四角とが、長楕円の所で交差しているという表現だと思うのですが、それが非常に分かりにくいので、重なりの部分を強調するという意味では、外枠を同じような大きさの四角ではなくて、楕円形であれして、重なりの部分が分かりやすくなるという、ここが読み取れないと意味がないわけですので、そういう意味では、そのような表現上の工夫をしていただくとポンチ絵の意味が分かりやすくなるのではないかと思いました。

○柏女座長 私はデザイン力がゼロですので、事務局で何かありますか。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 加藤構成員の御意見は事前に頂いていたこともありまして、代案ということで準備しているものがありますので、配布させていただきます。

                                   ( 資料配布 )

○柏女座長 説明していただけますか。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 加藤構成員から御指摘があった形で、真ん中の「療育支援が必要な場合」という所が、 2 つのカテゴリーの重なりであることを分かりやすくするということで、元は四角になっていましたが、丸にすると重なりになっているのが分かりやすいと思っております。

 出発点の所を明示するということで、原案と比べると、左下の「子育て中の親子など」の所を二重線にしてみました。これをベースに、またコメントを頂ければと思います。

○柏女座長 参考資料 4 の修正案はいかがでしょうか。分かりやすくなっている気はします。加藤さん、いかがですか。

○加藤構成員 このほうがはるかにいいと思います。外枠が 1 本になってしまっているから、分かりにくかったのですよね。

○柏女座長 ありがとうございます。これでいきたいと思います。ほかはいかがでしょうか。先ほどの加藤さんの御質問、御意見ですが、縦横連携のイメージのところで、参考資料 3 の右上に児童相談所が明記されておりますので、よろしいでしょうかね。これで御了解いただければと思います。

○田中 ( ) 構成員 日本知的障害者福祉協会の田中です。参考資料 2 の図ですが、「後方支援」について赤が入っているからよけいに目立つと言ったら怒られてしまうのですが、この図の中にあえてこの形で後方支援を入れなくてもいいのではないかと気になりました。

○柏女座長 これはいかがでしょうか。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 今の後方支援の話は、字を赤ではなく黒にするとか、そういう御指示でしょうか。それとも、そもそもこれは要らないという御指示でしょうか。

○田中 ( ) 構成員 この図ですと、「後方支援」という用語はなくてもいいのではないかと感じます。だとすると、全体としてこの「障害児支援」がもう少し大きくなったものにするという。この図の中で、この位置で、このような後方支援を載せる必要はないのかなと。だとすれば、全体を支えていくということを含めて後方でというような意味合いだと、「障害児支援」が、「学校等」や「保育所等」よりも大きく比重がかかってくるのかなというイメージでしたので、あえて必要なのかなという。矢印が入るから後方ということですよね。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 我々としましては、今回の報告書でも「後方支援」ということは 1 つのコンセプト、キーワードになっているということで入れておりますが、この検討会でそこまでしないでいいというお話があるのであれば。ただ、矢印は入れておいたほうがいいのではないかと思いますが、「後方支援」という言葉そのものを省くことは、 1 つのオプションとしてはあろうかと思います。

○柏女座長 いかがでしょうか。

○大塚構成員 「後方支援」という言葉はいろいろこだわったのですが、私としては、この委員会で後方支援ということを決めて、単に後ろに下がって何か物資を運ぶだけの意味ではなくて、しっかりと専門的見地からバックアップし、積極的にやっていくのだという認識でまとまったと思うのです。そういう意味では、「後方支援」を入れるべきだと思います。そういう認識で考えているのではないでしょうか。

○柏女座長 専門的後方支援、バックアップ支援、という意味合いを強く持つ言葉として、今回は入れたほうがいいのではないかということで、本文中にも入っていますので、ここでも入れたほうがいいのではないかということですが、田中さん、いかがでしょうか。赤は変えるかもしれません。

○田中 ( ) 構成員 はい。

○柏女座長 それでは、色は検討させてください。ほかはいかがでしょうか。よろしければ、色の修正等については、一任いただいてもよろしいでしょうか。

                                  ( 異議なし )

○柏女座長 ありがとうございます。

 次に、報告書案のポイントについて事務局から説明をお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 資料 4 です。前回から若干修正した箇所があります。 2 ページの「報告書提言の主な内容 (1) 」の1の○の 3 つ目、障害児相談支援の役割の拡充ですが、前回は「相談支援の業務負担の評価」としていましたが、検討会では評価というより相談支援の役割と拡充を議論してきたので変更すべきだという御意見を頂きましたので、「障害児相談支援の役割の拡充」と修正しております。

3 ページです。4の家族支援の充実の○の 1 つ目です。最後の所に「短期入所等の充実」と記載していますが、先ほどのレスパイトのところの議論を踏まえて、ここは修正させていただきたいと思っております。それ以外の所には修正はありません。

○柏女座長 この報告書のポイントについてはいかがでしょうか。

○大塚構成員 最初のページの「今後の障害児支援の在り方について」の「基本理念」から始まるところです。真ん中の「地域における縦横連携の推進」ということで、どうしても本文との関係ですので拘泥はしませんが、本文を変えることになってしまうので。というのは、ライフステージに応じた切れ目のない支援の縦と、保健、医療、福祉等の横の連携と、その次にくる四角が 4 つあるのですが、この位置付けというのは、私のイメージだと、「相談支援の推進」が中でも重要な位置付けであり主要なものであって、この 4 つの中だったら最初にくるものであって、特に全体をつなぐ人を保障するということを書いてあるので、相談支援というのは、この中のキーワードになってくるのではないか。

 そうすると、「支援者の専門性の向上等」というのは最後のほうにくるべきものであって、最初にくるというのはバランスが悪いので。ただ、本文が変わってしまうので、それはお任せいたします。特に、「相談支援の推進」をもう少し強調してもいいのではないかと思います。

○柏女座長 本文の順番を変えるというのは、かなりつながりは変になりますか。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 大塚構成員の御指摘については、資料 1 をベースに申し上げますと、 13 ページからの流れになります。全体の総括的なところが1の縦の連携、2の横の連携ということで、あとについては、事務局の整理でこういう順番に並べさせていただいているということです。

 例えば「支援者の専門性の向上等」と障害児の「相談支援の推進」を入れ替えるという話を含めて、順番の入れ替え自体は、つながりはまた我々で整理いたしますので、それは可能だと思います。

○柏女座長 順番の入れ替え、それに伴う接続詞等の修文は必要になるかもしれないけれども、内容そのものを変える必要は全くなくて、順番を変えるということですが、そのようにしたほうがいいかということです。御意見を頂戴したいと思います。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 今の大塚構成員のお話でいうと、「相談支援の推進」と「支援者の専門性の向上等」を入れ替えればいいのではないかという御指摘でよろしいでしょうか。それとも、そもそも全体をガラガラポンでという話だとすると、もう少し議論が必要かなとも思います。

○大塚構成員 「専門性の向上」は最後でもいいのかなと思います。相談支援、情報共有、連携、専門性向上というのが、流れができるのかなという。イメージなので拘泥しません。

○佐藤構成員 賛成です。

○柏女座長 今の話は本文全体に影響してきますか。本文はいじらないで、ここに書いてあるという手もありますよね。そうしましょうか。それは事務局としてはまずいですか。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 大丈夫です。

○大塚構成員 訴え方だと思うので、何が大切だということをイメージ付けながら、相談支援は、今後の発展とか推進を考えるとここで一番最初に持ってくる。

○柏女座長 おっしゃるとおりだと思います。資料 4 の報告書のポイントについてのみ修正させていただいて、順番については、「相談支援の推進」を一番左側、次は「支援に関する情報の共有化」、「児童相談所等との連携」、そして「支援者の専門性の向上等」という形でいきたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、この「報告書のポイント」につきましても、頂いた御意見を踏まえて修正しますが、具体的な修正の内容等については、ただいま頂いた御意見のとおりにさせていただいて、また「短期入所等」の言葉を修文することにさせていただきます。内容については、私と事務局に一任ということで、よろしいですか。

                                  ( 異議なし )

○柏女座長 ありがとうございます。

 大きく 4 つの議論をし、ほぼ修正点についても合意を頂いたかと思います。今後に向けてですが、今日の構成員の方々の御意見を踏まえ、最終的な修正を行い、もう 1 つ加えてですが、昨日までに構成員の皆様から内容に大きな影響はない字句修正等のコメントも頂戴していると事務局から報告をもらっています。それらを含めて、今後の具体的な文章の修正の内容について、私と事務局に整理をお任せいただいた上で、本検討会の報告書としてまとめさせていただくということで、全体について御了解いただけますでしょうか。

                                  ( 異議なし )

○柏女座長 ありがとうございました。早急に事務局と詰めて、報告書を確定させたいと思います。報告書全体について、何かございますか。特によろしいでしょうか。

 それでは、検討会は今日が最後になります。皆様方におかれましては、それぞれのお立場で、今後とも障害児支援あるいは子育て支援、障害児教育等の推進に御尽力を頂くことになるかと思います。最後に、今後に向けての皆様方の思いを一言ずつ頂戴できればと思います。検討会は今日で終わりますが、子どもたちへの支援は、明日からも今日からも、ずっと続いていくことになりますし、今日のこの報告書を受けて、今後、厚生労働省で様々な議論が行われ、制度改正に結び付けていく作業も行われていきますので、次のステップに向けた御遺言と言いますか、議事録に残していただくべき言葉を、是非残していただければと思います。 50 分ほど時間がありまして、 15 人ぐらいでしょうか、 1 2 分程度とさせていただきます。

○朝貝構成員 全国肢体不自由児施設運営協議会の朝貝です。私からは、少子高齢化が進んできて、肢体不自由児など、少ない障害児へのきめ細かな対応というのを、今後ともしっかりとやっていかなくてはいけないというのが 1 つです。

 もう 1 つは、肢体不自由の場合は、障害程度を軽減する地域生活支援のための有期有目的入所をしっかりと充実していかなくてはいけないということを考えています。このことに関してはヒアリングでも申し上げましたが、肢体不自由児自体が運動機能が相当重度化してきて、運動機能の面では重症心身障害児とオーバーラッピングしているというような状況になってきています。

 今回、医療型障害児入所施設ということで、この流れは非常に有意義な流れだと考えておりますが、旧来の肢体不自由児の給付費という面と、有期間入所のベッドの稼働率が悪いという問題から、なかなか肢体不自由児を入所させることが困難になってきているということがありますので、今回の障害児支援の在り方に関する検討会で、是非改善させていただきたい重要課題だと考えております。

○石橋構成員 一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋です。この報告書の作成に当たった内容も含めて、市町村にきちんと届くようなことをお願いしたいと思います。三障害一元化といっても、肢体不自由児の受入れというのは、非常に現場では厳しくて、川崎市の例ですが、放課後デイについては 3 分の 1 しか、肢体不自由児の方々の利用が制限されていると。ここに医療的ケアの必要なお子さんはというと、もっと門が狭くなっているのが現状です。

 ここで議論されたことは私自身も参考にもなりましたが、この内容は、この報告書の文字面だけが伝わるのではなく、そこに至ったこともきちんと伝わるようなことを、厚生労働省でお考えになっていただければ幸いです。ありがとうございました

○市川構成員 一般社団法人日本発達障害ネットワークの市川です。今回も参加させていただきまして、全部出席できずに申し訳なかった部分もあるのですが、御存じのように発達障害というのは、非常に注目を浴びているようなところもありまして、法律ができてから 10 年の間に注目を浴びている一方で、きちんと理解していただけているかどうかというのは難しい、不十分である、我々の努力が足りないところがあるなと思っております。

 それから、もともと私は医療で、今も外来を週 5 日ぐらいはやっていますが、あと障害児施設の職員もやっていたこともあったりして、今回どなたか構成員の方がおっしゃっていましたが、重心の問題になると医療と福祉が非常に連携しているのに、知的障害もそうかもしれませんが、発達障害の部分になると、なぜか医療と福祉が断絶されていた歴史があるように思って、こんなおかしな話はないなといつも思っておりまして、この部分が今後充実していけばいいなと思います。正しく、その延長上に強度行動障害などの問題が出てきて、話題になっているのかなと思います。

 それから、子どもさんを見ていると、どうしても背後にいる保護者、親御さんの存在を無視できないわけで、その存在そのものも変わってきている部分は、子どもさんへの影響も非常に多いと思いますので、今後もその視点を忘れずにしていかないと、障害児支援というのはうまくいかなくなってしまうのではないかと感じています。参加させていただきまして、どうもありがとうございました。

○大塚構成員 上智大学の大塚です。障害児支援の在り方の検討会に参加させていただきまして、ありがとうございます。今後、これを通して、障害のある子どもさんが地域の支援体制、そういう中で安心して生活できるように、支援体制の構築が大切かなと思っています。

 今回、児童発達支援センターを中心とした重層的な支援体制ということで、今後はこういうものが中心になっていくと思うのですが、具体的なイメージは、今後全国津々浦々の地域で作っていかなければならないわけです。その意味では、事業者、私たち研究者、行政の方も協力しながら、地域で支援体制を構築していくことが非常に重要だと思っております。それでの役割があると思っていますので、責任はみんな取らなければならないと思っています。

 それだけではなく、必ずしもその地域の支援体制だとか、児童発達支援センターの機能のイメージが共有されているわけではないと思いますので、是非、できればモデル的な地域支援センター推進事業などのような形において、これがやはり地域の支援センターの 1 つのイメージだというのを幾つかのパターンにおいてモデルを示していただいて、それに続くものが地域の支援体制を構築するときに参考にできるようなものを作っていただければ有り難いと思っています。よろしくお願いいたします。

○大濱構成員 湖南市の発達支援室の大濱です。湖南市の取組として、切れ目のない支援、また教育と福祉をつなぐシステムということで、今回も紹介させていただきました。

 湖南市の場合は、個のケースをつなぐ利点というだけではなく、教育と福祉がつながっていることで、教育から見えてくることを福祉につなげることができる、福祉に私が関わることで教育の支援につなげることができる、こういった利点があります。

 例えば私は高校生以上の支援に関わっているのですが、高校へ行きづらくなっている、大学へ行きづらくなっている、保護者とともに相談にこられる、そのケースに共通したことがあるのです。子どもと保護者の意思疎通ができない、難しいということがあります。その家族支援の中身について、義務教育の段階で、またそれまでの段階で、どのようなことをしていけるのかを、投げ掛けています。また、成人以上の方を見ていると、もっと幼少期にも社会的な自立という観点で、子どもを見ていかないといけないといったことも見えてくるわけです。

 湖南市は、先ほども「相談支援の推進が一番だ」というお話もありましたが、相談支援の中身を充実させていきたいと考えております。ありがとうございました。

○大南構成員 全国特別支援教育推進連盟の大南です。この会議の構成員として参加でき、更には推進連盟にヒアリングをしていただきまして、加盟団体から意見がこの会に述べられたということはすごく有り難いことだと思っております。

 報告書の 24 ページの2に 3 つの○がありますが、この内容が実現することによって、就学前の保育、特に保育機関、保育所等を中心とした幼児の保育の状況が、特別支援学校の小学部にうまく伝わっていくことが、学校で作成している個別の教育支援計画の作成に非常に大きな資料になると思います。

 ですから、 24 ページの○ 3 つの内容が具体化され、実現することを願っておりますし、私どもも今後そのための努力を続けていきたいと思っております。どうもありがとうございました。

○岡田構成員 日本重症心身障害福祉協会の岡田と申します。検討会に参加して、多くのことを勉強させて頂きました。私としては、検討会の取り組みを十分に理解し得なかった点があったかも知れません。そのため、個人的に分からないこと、伺っておきたいことが幾つかあります。

 例えば第 1 回の検討会で、私が「児童相談所の位置付け」について尋ねたとき、事務局からは「この度、法律制度が変わって、その主体は市町村に移りました」というようなお答えを頂きました。その関係からか、 2 回目の検討会では、児童相談所の役割その他についての資料として、法令関係のコピーが配布されました。その中身は、児童相談所が障害児について少なからぬ役割を担っていることを示すものでしたが、事務局からは特段の説明はありませんでした。私としては、児童相談所の位置づけについて、今なお戸惑っております。

 それから、「縦横の連携を密にする」ことが強調されました。これは間違いなく大事なことだと思いますが、「縦というのは、子どものライフステージに沿った連携である」との説明がありました。子どものライフステージとは、分かりきったことなのかも知れませんが、その標準型は何を想定したらよいのでしょうか。御存じのように、障害をもつ子どもたちは、それぞれが固有の発達段階にあります。一人ひとりのライフステージをどのようにとらえるかを明らかにしたいものだと思います。

 それから、知的障害については、従来から、療育(あるいは愛護)手帳というものがあります。身体障害者には身体障害者手帳、精神障害者には精神保健福祉手帳があります。後者二つの手帳は、それぞれの法律に規定があります。しかし、療育手帳は、次官通知によって定められた手帳で、法律上の位置づけはありません。知的障害児(者)にとって、今日なお療育手帳というものがどのような意味をもつものかと素朴な疑問を他の障害者手帳との整合性考えたいと思っております。

 もう 1 つは、知的障害には法的な定義がありません。 20 30 年前からの懸案事項ですが、いまだに放置されたままになっています。わが国の場合、すでに国際的には死語となっていた 「精神薄弱」 という用語と概念を半世紀以上にわたって採用し続けましたが、平成 11 年度から、名称のみ知的障害に変更されたままになっています。

 いずれにしても、この会議に参加して、勉強しなければいけないことをたくさん知ることができました。今後自分なりに努力していきたいと思います。ありがとうございました。

○片桐構成員 全国地域生活支援ネットワーク事務局の片桐です。この度はありがとうございました。

 印象に残ったことが 2 つありまして、 1 つは「レスパイト」という言葉を巡って、かなり深い議論があったというところで、全国地域生活支援ネットワークは、多くの団体がレスパイトという言葉を追いかけて、どのようにすれば彼らや御家族の生活は豊かになるのだろうということを追い求めてきたところがあります。

 その中で、レスパイトという言葉が、今回あえて報告書の中から削除というか、あえて使わずにいったということは、レスパイトという言葉を巡って、新しい定義なり、定義するのがいいのか分かりませんが、時代が 1 つ変わったのかなという思いを持ちながら、議論に参加させていただきました。

 それから、放課後等デイサービスの利用については、たくさん事業所が出来過ぎてしまっていて、なかなか質の担保が保てないというところも印象的な議論だと思いました。たくさんできている中で、何らかの形で規制というか、何か考えなければいけないということも思いつつ、余り家族の都合とか、そういったものを前面に出していくことで抑止していくということについても、慎重に対応しなければいけないという意見もあって、その辺りは私たちも共感できるところがありました。

 抑止しなければいけないところもありつつも、ともすれば生活を支えるためのサービスがお行儀よく困っている人しか使えないというような文脈になってはいけないのだろうと思いながら、議論に参加させていただきました。

 私も一番若輩で参加させていただいた中で、勉強になったこともたくさんありました。また何か機会がございましたら参加させていただけたら光栄に思います。ありがとうございました。

○柏女座長 私は最後に言わせていただきます。

○加藤構成員 一般社団法人全国児童発達支援協議会の会長を仰せ付かっています加藤と申します。今回、この障害児支援の在り方に関する検討会は平成 20 年から 2 回目になるということで、本当にタイムリーというか時宜を得た形で、こうして組み立てていただいて、蒲原部長以下所管の皆様には、心から感謝を申し上げたいと思います。私自身も、この世界で 40 年近くやってきたのですが、今回の議論を通して、私が強く願い思い続けてきたことの芽出しをいろいろな形でしていただけたと思っています。そういう意味で、本当にうれしく思っております。

 ただ問題は、このあと具体化するというステップが残っているわけです。例えば、報告書の文面を見ましても、文末が、何々すべきだ、重要である、必要である、期待される、望ましい、求められるというような様々な表現で括られています。この表現の中には、当然ステージの違いのようなものの思いが込められていると思うのですね。ですから、今回芽出しをしていただいたもの全てが一斉に同時に検討されることはあり得ないだろうと思いますが、そういう意味では、是非この芽出しをされたものの一つ一つが、一刻も早くスピード感をもって、しっかり検討していただいて、具体的に地域の中で生まれ育って生きている子どもとその家族がもっと安心して育ち、育てというような地域ができていくことを願っております。その辺りの後詰めを是非お願いしたいと思っております。本当にありがとうございました。

○佐藤構成員 佐藤です。この問題の一番大きな関心事は、最近、特に発達障害者支援法以来、それを前後してですが、いわゆる通園、通所の障害児の通所事業に対して利用者がどんどん増えている、あるいは特別支援学校の在席児童がどんどん増えているというようなことが、一番懸念しているところです。今回の今後の支援の在り方についての基本理念、社会への参加・包容の推進と合理的配慮、そしてそれを進めていくために子育て支援における後方支援としての役割を、再度、確認されなければならないだろうと思っています。副次的な経験ですが、その当時は必要だと思って、今でいう発達支援センター、当時は障害児通園施設ですが、それを立ち上げて、仕事をいろいろと展開する中で、逆に、それをこの地域に必要のないものにしていく地域を目指すべきだということで、その施設を整理して閉鎖をして、その当時はノーマライゼーションという掛け声でしたが、しかしそれは自分たちの勘違いだったのかと思うほど、近年の変わり方でした。しかし、今、再びそういう方向に時あたかも障害者の権利条約が批准された年に、もう一度こういうスタンスで今後の障害児支援の在り方を考えていこうと変わってきた、あるいは変わろうとしていることに関しては、非常に感慨深いものがあります。

1 つだけ、どうしても議論の中で気になったのは、いわゆる専門性ということなのですが、何をすることが専門性なのか、どのレベルのスキルや知識が専門性なのかということが何の定義もなく、障害児を処遇したことがあるということだけが担保になるような専門性という言葉で、いろいろなものが塗られていくのは、今回のインクルージョンの推進や合理的配慮、あるいは後方支援などと必ずしも結び付かない、むしろ、そういうものを遠ざける言葉になる可能性があると思い、議論に参加しつつ、そういう感想を持っていました。以上です。ありがとうございました。

○高木構成員  社会福祉法人全国重症心身障害児 ( ) を守る会の高木です。重度の肢体不自由と重度の知的障害を併せ持つ重症心身障害児という人たちは、障害児の中でも数的には非常に少ないのですが、今回の検討会においても各委員の先生方から命の大切さ、あるいは医療的ケアの必要性等をいろいろと前向きに意見を述べていただきましてありがとうございました。お陰様で、これらの意見が反映され、医療と福祉の大切さが非常にうたわれております。特に、重症心身障害児者の地域支援のコーディネート機能を持つ機関の検討等もありますが、是非、この検討が前向きになるようにお願いしておきたいと思います。

 今回のこの検討委員会に地域のほうから参加いたしましたが、今後は、重症心身障害者を持つ 1 人の親として、地域のほうから、行政、病院、各施設等関係機関と連携しながら、この報告書が実行できますよう前向きにいろいろ頑張っていきたいと思っております。その中には、障害の種類や障害の軽重を問わず、やはり最も弱い人たちがどのようにすれば守られていくかを基本に、多くの人たちと手を携えていきたいと思っております。ありがとうございました。

○田中 ( ) 構成員 公益財団法人日本知的障害者福祉協会の田中です。今回の検討会に参加させていただいて、いろいろ意見を言わせて頂き感謝を申し上げたいと思います。また、いろいろな視点で報告書の中に組み込んでいただけたことに感謝を申し上げたいと思います。

 私どもの協会は、通所系の支援の事業と、入所系の団体ということで、通所系の障害児支援については、いろいろな角度でいろいろな団体からもお話をいただいておりますので、ここでは福祉型の入所施設のこれからのことを含めて話をしたいと思います。子どもの権利条約で言われるように、子どもは家族とともに地域の中できちんと育てられていくという社会をきちんと作っていくことが基本であり、そういう中で図らずも家庭で生活をできなくなった、家庭で生活することを奪われた子どもたちが入所型施設で暮らしていくという、入所型施設の在り方そのものを根本から見直していかなければいけない。児童養護施設等の一般施策の中で、社会的養護の仕組みの中で、施設養護から家庭養護、家庭的養護にシフトしている。障害児施設においても、そういった基本的な方向で、子どもが安心して育っていく、そういう環境をどう作っていくのかということが福祉型施設の 1 つの大きな課題があると思っています。

 そういう意味で、肢体不自由児養護施設、盲ろうあ施設、そして私どもの旧の知的障害児施設、それぞれの障害特性に応じて、一元化されたあとのいろいろな課題を抱えながら、それぞれの種別で今、最善の努力をしているところです。そういう意味で、これまで作られてきた施設そのものの構造改革を、児童養護施設等の後追いになるかもしれませんが、障害児施設においても、より家庭に近い環境の中で子どもが育っていく、そんな施設づくりに進んでいける努力を、今後とも続けていきたいと思っているところです。今回の検討会に参加させていただいて、本当に感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

○田中 ( ) 構成員 育成会の田中です。この検討会の始まりと同時期に、母体となる団体の仕組みを基本から改めるという作業が重なり今回同時に取り組ませていただきました。名称も改めて、「全国手をつなぐ育成会連合会」となりました数年前から会員の減少が大きな課題となっておりました。今回の返上を行き詰まりという形ではなく、新たな運動の展開の転機にしたいと思って進めてまいりました。今回、この検討会において、育成会運動が親の会の立場で本人の教育を受ける権利から始まったことを振り返ると、新たな時代に対して、今後、特に福祉と教育の連携を強めていくことが検討課題の中軸になったことは、これから先に運動を進めていく上でも示唆するものが多かったかなと思っています。

 個人的にも 30 年前に、国際障害者年の始まりと同時でしたが、一時支援の事業所と放課後デイサービスの走りのような事業を立ち上げ、それが今、全国的に制度として、障害者総合支援法で更にどの地域でも使えるようになっている前提が作られたわけですが、なかなか事業が進展しない地域も現実としてありますので、今回この検討会の場で、充実した活用ができることを前提に様々な議論ができたことに、委員として参加させていただいたということで、思いは感無量です。今回のこの報告書が実効性のあるものにならないと、また絵に描いた餅が積み重ねられることになります。特に、福祉と教育の連携においては、課題が多いとされながらも、幾つか具体策を、特に放課後デイサービスを巡って議論が進んでいくのだろうと思いますので、報告書が、実効力をもって課題に向けて少しでも解決していくために、報告書作成が目的ではなく、報告書によって状況を変えていくことが大事だということを肝に銘じながら、とりあえず委員としての役割を終えたいと思います。ありがとうございました。

○辻井構成員 中京大学の辻井です。歴史的な検討会に参加させていただき、ありがとうございました。どういう意味で歴史的かというと、障害児の支援が障害という診断をもらった障害の子たちのための支援ということから、今回は要するに子どもたちの子育て支援の中で、障害を持っているような子については更に丁寧な支援をいかに実現するのかというような形で、位置付けを大きく変えていったという意味では、これは本当に歴史的な、時代の中での大きな進歩と言っていいのではないかと思っています。

 そういう意味で、「気づき」からの支援は非常に重要なことで、今までいろいろな支援を提供しようと思っても、結局誰がどう担えるのかが、診断をもらうためには、親御さんが診断を受けに行ってもらえないために診断はもらえないという、非常に支援の必要な人ほど支援がもらえないというような、妙な仕組みがそこにはありました。子育て支援では、全ての子どもが支援を受けるのだという前提の中で、特に支援の必要な人たちに手厚く支援を与える仕組みは何なのかという形に転換していこうというようなことが、この報告書を切っ掛けとしてできるのであれば、それは本当に次世代に向けて大きな財産を残したと言えるのではないかと思います。もちろん、それが実現できるかどうかは非常に大きなことですが。

 そのことと非常に関連して、やはりそれを実現するためには、一定の専門性の中でも、具体的にそれは経験の蓄積という意味で、経験しないとできないよというのは経験した人しかできないわけですから、そうではなくて、一定の標準化されたアセスメントのツールであったり、標準化されたエビデンスからの支援、守護であったりというような、そうした具体的なものを一つ一つきちんと実際に現場で働く人たちが身に付けていただければ、ちゃんと支援の質が進歩していくのだということを、今回の中では幾つか盛り込んでいただけたのは大変有り難いことだと思いますし、それが実現できれば本当に支援の質が上がってくるのだと思います。

 経験は本当に重要なものなのですが、もう 1 歩先を行こうと思うと、やはり皆が共通の何かをきちんと持てないと、先には行けないところがあります。特にアセスメントの問題については、 1 つの責任は心理職領域で心理の国家資格がなかった部分はやはり大きくて、これで公認心理師がきちんと位置付けられて、福祉の現場の中で大きな力を発揮できれば、アセスメント部分に関してきちんとした役割が果たせるのではないかと思っています。

 最後に、例えば児童養護施設にいて、あとで発達障害と分かったり、その間にたくさん虐待を受けたりという、支援から一番遠かった子たちに、本当にこれで支援が届くようになったのかどうかに関しては、やはりまだ課題があるのだろうと思っています。それに向けて、やはりきちんと支援をしながら課題を出していく作業をここからまたスタートしていくのかなと思いました。ありがとうございました。

○宮田構成員 一般社団法人全国児童発達支援協議会の宮田です。私は、前回の見直し検討会に参加させていただいたときは、私は全国肢体不自由児通園施設連絡協議会の立場で参加させていただきました。今回、通所支援の統合体である協議会で参加させていただいております。この 6 年間の私の立場の変化を考えるだけでも、非常に大きな障害児支援の変化があったのだと感慨深いものがあります。平成 20 年の「障害児支援の見直しに関する検討会」の報告書が、平成 24 年度の障害児支援の大改革につながったことを踏まえて、今回の報告書が更に障害のある子どもたちの支援の前進につながることを祈念しております。

 我々の仕事というのは、障害のある子どもの当たり前を当たり前にする仕事なのではないかといつも思っています。どんなに障害が重くても、子どもたちは家庭で育てられるべきだし、親が働いていれば保育所に行くべきだし、学校では地域の友達たちと同じクラスで勉強するべきだし、そして大人になれば家から出て地域で暮らしていくのが当たり前だと思います。その当たり前を当たり前にするために、我々の仕事があるのであって、そういった意味で、後方支援であろうが、バックアップであろうが、我々の立場を前面に立てるのではなく、しっかりと脇を支えて後方から支援するという立場で、我々の営みが展開されればいいなと。今回の報告書は、そのような方向で展開できるように心から祈っております。皆さん御苦労さまでした。そして、ありがとうございました。

○柏女座長 委員の皆様方から御意見を頂戴いたしました。私も個人的なことも含めて、少し感想、思いを述べさせていただきたいと思います。今、宮田さんから話がありましたが、今から 6 年前の「障害児支援の見直しに関する検討会」が、私の知る限りでは政府が障害児の問題を初めて正面から取り上げた最初の検討会だと思っています。子どもの分野にずっと携わりながら、障害児の問題というのは子ども全体から見ても少数派ですし、障害者全体から見ても少数派ですし、そこの障害児というところを顧みたデスカッションがなされることがほとんどなかった中で、そこを取り上げてくださった蒲原さんが、また今回次のステップを取り上げてくださったことに、心から感謝を申し上げたいと思います。

 不出来ではありましたが、この 2 回とも座長をさせていただきました。座長をしながら、児童相談所で 10 年の臨床経験を持ちましたが、その中でのいわば原風景がいつも背中にありました。週 1 回でしたが、障害を持った子どもたちの療育に携わったり、あるいは重症心身障害の子どもさんを目の前にして施設入所の判定をしながら、一体自分に何ができているのだろうと煩悶した思いや、親御さんから、仕事がしたかったという率直な思い、あるいは健常児と一緒に暮らさせてあげたい、そんないろいろな思いを背中に持ちながら、少しでも 1 歩でも前に進めればなという思いで進めておりました。岡田さんもおっしゃられたように、残された課題もたっぷりあると思っています。そうはいっても、皆様とともに 1 歩前進できたことはよかったなと思います。平成 20 年の報告を大改正に結び付けていただいたように、今回の報告書も大きな前進に結び付けてくださることを信じておりますし、また御期待申し上げたいと思います。

 今回の座長の責任を果たせるのだろうかと、とても不安に思っておりましたが、皆様方から支えていただき、あるいは教えていただき、そして真摯な取組について御披露いただき、また 20 団体近い団体の方々からの意見も勉強させていただき、この間を取り仕切ってくださった事務局には、本当に心より御礼を申し上げたいと思います。

 今、障害福祉計画が来年度から始まろうとし、また子ども・子育て支援事業計画も同じ時期に始まるときに、この障害を持った子どもたちの well-being 、あるいは子育てをしている親の well-being を更に進めていくための計画を作っていくわけですので、そこにどういう関わりをしたらいいかという、いわば羅針盤がこの報告書だと思いますので、是非、委員一人一人がメッセージを発していただくことが大事ではないかと思っています。私も、ささやかではありますが、来週の火曜日に大学院の授業でこの報告書を取り上げて議論をすることにしておりますが、それぞれのお立場で是非また発信をお願いできればと思っております。いずれにしましても、たくさんのことを学ばせていただき、曲がりなりにも報告書をほぼまとめることができたことを、皆様方に心より感謝したいと思います。

 最後に、ずっと傍聴してくださった皆様方にも、心より感謝を申し上げたいと思います。やはり、こうした検討会は多くの方に開かれてこそ意味を持つものだと思います。報告書ができて、皆様方の御遺言も揃ったところで、この会議を終わらせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 本日は、皆様お忙しいところ、熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。先ほど座長からもありましたように、本日頂きました意見などを座長とも相談しながら、最終の報告書として確定して整理をさせていただいた上で、再度皆様方に御報告させていただければと思っております。また併せて、今月の 30 日に社会保障審議会障害者部会が予定されております。そこにおいて、この検討会の報告書についても、座長にも御出席いただいた上で御報告させていただく予定としておりますので、よろしくお願いいたします。最後に、蒲原障害保健福祉部長より御礼の御挨拶をさせていただきます。

○蒲原障害保健福祉部長  10 回にわたり、この検討会でいろいろな意見をお聞かせいただきましたし、最終的に報告書がまとまるということで、本当にありがとうございました。今後の話ですが、各先生方からありましたとおり、こういう報告書は作ることが目的ではなく、やはり実現していくことが目的だと思っています。今後、 1 つは、報酬改定の動きがあります。更にはその 1 年後になると思いますが、 3 年後の見直しがあります。そうしたものに向けて、具体化をしていき、それぞれ盛り込むべきことは盛り込んでいきたいと思いますし、併せてガイドラインの策定にも取り組んでいきたいと思っております。先生方からいろいろな話がありましたが、これは私どもの局、私どもの部だけではなく、関係部局、関係省庁と関係しています。そういった意味ではそうした所との連携や具体的な協議を積極的に行いたいと思います。取り分け、子どもの施策を担当しております雇用均等・児童家庭局とは、連携を超えて、言ってみればこの報告書の理念でありますインクルージョンあるいはそれを後方から支援する役割があります。その意味で言いますと、実は障害側が頑張れば頑張るほど何か向こうがこうなるのではなく、一緒に頑張ろうというメッセージをそうした子育て支援全体をやっている部局、あるいは子育て支援全体をやっている人たちにメッセージを出すことが非常に大事なことだと思っていますので、そうしたことを一生懸命やっていきますし、そのためには PR も大事ですし、先生方の協力を得ながらいろいろなメッセージを出していきたいと思っています。先生方、これまで本当にどうもありがとうございました。また頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 本当に先生方、 10 回にわたり熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。蒲原も申し上げましたとおり、我々もこれが終わりだとは決して思っておりませんので、正にこれが始まりですので、この内容を踏まえながら、できるだけ早い段階で 1 つでも 2 つでも実施に向けていけるように頑張っていきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

○柏女座長 それでは、ほぼ時間になりましたので、以上で「障害児支援の在り方に関する検討会」を閉会とさせていただきたいと思います。構成員の皆様におかれましては、長時間、長期間にわたり誠にありがとうございました。これにて終了とさせていただきます。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3037)
FAX: 03-3591-8914

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