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2014年6月25日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録
○日時
平成26年6月25日(水)14:00~17:00
○場所
厚生労働省 専用第23会議室
○出席者
委員
大野委員(部会長)、石井委員、延東委員、尾崎委員、佐藤委員、高橋委員、根本委員、宮井委員、山内委員、吉成委員、鰐渕委員 |
事務局
長谷部基準審査課長、横田課長補佐、大田課長補佐、黒羽補佐、小川専門官 |
関係省庁
農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松専門官、 畜水産安全管理課 山木専門官 |
○議題
(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
・動物用医薬品及び飼料添加物ビコザマイシン
・動物用医薬品モキシデクチン
・動物用医薬品リンコマイシン
・農薬エトキシスルフロン
・農薬エトベンザニド
・農薬ハロスルフロンメチル
(2)その他
○議事
○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。
本日は、斉藤委員、永山委員、由田委員より御欠席されるとの御連絡をいただいておりますけれども、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中11名の御出席をいただいておりますことを御報告いたします。
また、利益相反に関しまして、本日の部会で御審議いただく品目で、申請者との利害関係に関して各委員に対し事前の確認を行いましたが、該当される委員はいらっしゃらなかったことも併せて御報告させていただきます。
御連絡ですが、机上に配付しております資料の委員必要事項連絡票については、お帰りまでに御確認をお願いします。
それでは、以後の進行は、大野部会長にお願いいたします。
○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきます。
初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。
本日お配りしました資料は、まず、議事次第と配付資料一覧、さらに委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけた資料がございます。その後ろに座席表となっております。その後ろに、本日御審議いただきます品目につきまして、それぞれ、資料1-1、資料2-1というように報告書を資料6まで配付させていただいております。
その後ろに資料1-2、2-2というように、食品安全委員会の評価書についても同様に資料6まで配付させていただいております。
不足している資料等がございましたら、事務局までお願いします。
○大野部会長 皆さん、よろしいでしょうか。
それでは、審議に入りたいと思います。
本日は、平成26年6月12日付で薬事・食品衛生審議会へ諮問された動物用医薬品及び飼料添加剤1剤、動物用医薬品2剤並びに農薬3剤、それらについて審議いただきます。
なお、報告書の作成に当たりましては、関係の先生方に資料について事前に点検していただいて、いろいろコメントをいただいて、修正させていただいたところです。
どうもありがとうございました。
それでは、議題1の食品中の残留農薬等の基準値設定に入りたいと思います。
まず、動物用医薬品及び飼料添加物ビコザマイシンでございます。
それでは、それについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは1剤目のビコザマイシンでございます。
資料1-1を御覧ください。
本剤の残留基準の検討については、ポジティブリスト制度導入時に設定されたいわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものでございます。
本剤は、既存の抗生物質のいずれのグループにも属さない抗生物質でありまして、抗菌活性はグラム陰性菌に限られ、中でも大腸菌及びサルモネラ菌に有効とされております。
作用は殺菌的で、細胞膜のタンパク質合成を阻害すると考えられております。
国内では、動物用医薬品として、子牛や豚の細菌性下痢症治療用経口投与剤として用いられております。
また、安息香酸ビコザマイシンがすずき目魚類において用いられております。そのほかに飼料添加物として豚や鶏において用いられております。
化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
次のページに移りまして、2ページに適用方法及び用量について記載しております。
国内の使用方法は記載のとおりでございます。
3ページ目の対象動物における残留試験については、分析対象の化合物はビコザマイシン及び安息香酸ビコザマイシンとなっております。
分析の方法については、記載のとおりでございます。
これに基づく残留試験成績は、3ページ下以降に記載しております。
3ページの表1は牛の単回投与後の残留試験でございます。
次のページに移りまして、表2は豚の単回投与後の残留試験の結果を示しております。
5ページの表3については、豚の13週間混餌投与後の残留試験、6~7ページの表4、表5は、鶏の8週間混餌投与後の残留試験についてでございます。
8~9ページの表6、表7は、ブリに安息香酸ビコザマイシンを5日間混餌投与した際の残留試験成績を記載しております。
続きまして、10ページのADIの評価についてですが、まず、毒性学的ADIについては、ウサギの発生毒性試験の無毒性量を基に、安全係数1000を除しまして、0.074mg/kg体重/dayと評価されております。
続いて、微生物学的ADIにつきましては、VICHガイドラインに基づいて、0.12mg/kg体重/dayと評価されております。
最終的なADIの設定につきましては、微生物学的ADIと比較し、毒性学的ADIのほうが小さいということから、ビコザマイシンのADIを0.074mg/kg体重/dayと評価されております。
続きまして、諸外国における状況でございますが、JECFAで毒性評価がなされておらず、5カ国地域いずれにおいても、基準値が設定されておりません。
これらを踏まえました基準値案といたしまして、残留の規制対象をビコザマイシンと設定する案としております。
食品安全委員会におきましても、食品中の暴露評価対象物質をビコザマイシンと設定されております。
基準値案につきましては、別紙1に記載したとおりでございます。
暴露評価につきましては、TMDI試算を行った結果、一番高い幼小児で0.5%のADI占有率となっております。
(4)になりますが、本剤は抗生物質になりますので、暫定基準の見直し後、基準値が設定されていない食品につきましては、食品一般の成分規格の1に示す「食品は、抗生物質又は化学的合成品たる抗菌性物質を含有してはならない」が適用されることになります。
最後のページが答申(案)でございます。
事務局からの説明は以上でございます。
御審議のほどをよろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
これは1回目の審議ですね。ありがとうございます。
それでは、順々に御審議していただきたいと思います。
それでは、まず、化学名、化学構造、そのあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 細かいのですけれども、ビコザマイシンと安息香酸ビコザマイシンの両方について、1行目の真ん中あたりに「1S,2S」という立体をあらわすものがあります。これは今まで、イタリックにしていたと思いますので、下の方にほうは「1S,2R」になりますけれども、それを変更していただきたいということと、それから、これもちょっと非常に細かいですけれども、図の気にならないかもしれないですけれども、N、Hの書き方がちょっと離れているかなと感じましたので、最初のいただいた案とはちょっと構造の書き方が変わっていたので、もし直せるようでしたら、ちょっと直していただければなと思います。
○大野部会長 このNとHの間。
○吉成委員 何かちょっと無駄なスペースがあるかなと。
○大野部会長 これは以前いただいたものと随分形を変えてくださいましたね。これはケムドローか何かで変えているのですか。
○事務局 これは、資料をコピーペーストしたものでございます。
○大野部会長 ああそうですか。もし、NとHのところ、もうちょっと近づけられたらそのようにしてほしいと。
○事務局 分かりました。
○大野部会長 皆さん、よろしいでしょうか。
それでは、適用方法と薬理作用、そのあたりについて、尾崎先生、いかがでしょうか。
よろしいですか。
宮井先生、いかがでしょうか。
○宮井委員 よろしいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、引き続きまして、体内動態と代謝物、そのあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 ビコザマイシンと安息香酸ビコザマイシンの両方がありますけれども、安息香酸のほうは生体内で速やかに加水分解されてビコザマイシンになるということと、ビコザマイシンそのもの自身はほとんど代謝を受けない、実際には吸収されないということもありますので、11ページの基準値案のところにありますように、(1)のところに規制対象ビコザマイシンとするということで、そこの説明文もありますので、それでよろしいのかなと思います。
○大野部会長 済みません。10ページのどこを。
○吉成委員 済みません。11ページの(1)でビコザマイシンとするという下に2行に渡って安息香酸のほうは対象としないという文章がありますし、いいのかなと。その文章を入れていただけると、より分かりやすいのでいいのかなと思います。
○大野部会長 先生がいろいろ御意見を伺っていて、違うことが出てくるかなと思ったのですけれども、私が見たところ、ブリで安息香酸ビコザマイシンが検出されていますね。結構残っていますね。8ページの表6ですね。それから9ページのところの表7、6と7ですね。それで筋肉のところで、安息香酸ビコザマイシンがビコザマイシンより結構多く残っていますよね。
○吉成委員 これは1日目ですので、あと2ページにあるように、休薬期間もありますので、私は、初日だけ出ているというのは問題ないかなという判断だったのです。
○大野部会長 あと、はかっていればいいのですけれども、その後はかっていないのですよね。安息香酸のほう。18、21のところが。それが気になったのですけれども、そのあたりでも少なければいいなと思ったのです。
ほかの先生で、そのあたりいかがですかね。
山内先生、お願いします。
○山内委員 食品安全委員会の評価書の14ページに、ブリの安息香酸ビコザマイシンの動態試験の結果として、2のところに書いてあるのですが、この2段落目に「ぶりの血液及び組織中分解率は、血液及び血漿でそれぞれ15.8及び36.6でほかの内臓の組織ではほとんど分解が見られなかった」ということはこの安息香酸ビコザマイシンのまま残っていると読めたのですけれども、そんなところもあって、大野先生のおっしゃるように、残留規制対象をビコザマイシンとするということのままでよいのかなと思いました。
特に魚についてはどう考えればいいのか御論議ください。
○大野部会長 ありがとうございます。
もう一つ、ほかと私が見たところでもっと気になったのは、親化合物がビコザマイシンよりも、安息香酸ビコザマイシンのほうが吸収が随分いいのですね。当然、吸収をよくするためにそうしたのですけれども、それが10倍ぐらいよかったかなと思ったのですけれども、毒性も安息香酸も急性毒性は強く出るのではないかと思ったのですけれども。
○吉成委員 済みません。実験動物レベルでは、食品安全委員会の資料の10ページにもありますけれども、げっ歯動物等では、こういうエステル体は非常に速やかに加水分解酵素によって加水分解されますので、私は魚で毒性試験をやるのかどうかということはちょっとわからないですけれども、動物での暴露は、実際には安息香酸を大量投与しても、暴露をされているのはほとんど加水分解されたビコザマイシンになるのかなと思っていますので、どちらが毒性が強いかということは、分かりかねますけれども、暴露の試験結果は、私たちが魚を摂取するときには、食べた後はビコザマイシンとして暴露されるでしょうけれども、血液に入ってから。
○大野部会長 ただ、入るときには、安息香酸のままだと、ビコザマイシンになったものと、両方がブリを食べたときには入るのではないかと思うのですね。
そうすると、それで安息香酸のエステルですか、そちらのほう、吸収も早いということになると、少なくともブリについては安息香酸エステルを投与しているわけなので、残留数は安息香酸のエステルのほうが多いということになると、安息香酸エステルとビコザマイシンと両方を対象物質としておいたほうがいいのかなと思ったのです。
ちょっとペンディングにさせていただいて、また議論したいと思います。
安全性の面で鰐渕先生、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 記載のところに、安全係数1000とだけ書いてあるので、何で1000なのかということを食品安全委員会の評価書の中には書いてありますので、その1行を入れていただいたらいいのかなという気がしました。
すなわち、種差10、個体差10及び慢性毒性、発がん性がないための10という形で1000だということを入れておいたほうが分かりやすいかなという気がしました。
○大野部会長 ありがとうございます。
事務局よろしいでしょうか。
ではお願いいたします。
それでは、次に、今までのところで、安全性のところで皆さんよろしいですか。
薬理とか、測定対象物質については、また後で議論していただきますけれども、それ以外のところではよろしいでしょうか。
それでは、分析法と分析結果、そのあたりについてはいかがでしょうか。
よろしいですか。
それから、ADIの設定について、今回は微生物学的ADIをとらなくて、毒性学的ADIをとっていますが、その理由としては、そちらのほうが低い値だということですけれども、この点については鰐渕先生、よろしいですか。
○鰐渕委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
皆様、よろしいでしょうか。
今まで、抗生物質と微生物学的なADIがほとんどだったのですけれども。
○鰐渕委員 そうです。今回、安全係数を1000にしているから、その分、下がったのだと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、基準値に行く前に、もう一度先ほどの安息香酸エステル体、部位の測定対象物質について、加えるかどうかという、それについて、もう一度議論をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○吉成委員 気づかなかったというか、今、気づきました。
食品安全委員会の評価書のほうの13~14ページで、吸収及び分布というもので、ブリで安息香酸エステルとビコザマイシンそのものの動態を比較している試験があるのですけれども、14ページの上の3段落目ですか、1の最後の段ですけれども、安息香酸ビコザマイシン及びビコザマイシンの血液及び組織中濃度の推移を比較すると、安息香酸ビコザマイシンのほうが速やかにCmaxに達し、その後、比較的短時間で消失する傾向を示したという文言がありますので、これはただ、比較的短時間というのが、本当に比較しているのかどうかという、これだけだとちょっと分かりませんけれども、この文章を素直に読みますと、安息香酸エステル体のほうが、吸収も早いし消失も早いようには読めるのですけれども、それで先ほどの18日ぐらいの試験がないところですけれども、安息香酸ではない親化合物のほうが、18日ぐらいで若干残っていますけれども、もし、実際に本当により速やかに消失するのであれば、試験が行われていないですけれども、安息香酸自体も、18日ぐらいではもう既に消失しているのではないかとは考えていいかと思うのですけれども。
ただ、ここの評価書の14ページの組織中というものが、どの臓器かというのは、ちょっと分かりませんので、先生の指摘されている筋肉が比較的残留しやすいというところがありましたので、そこも本当にこの文章のとおりになっているかどうかというのは、ちょっと疑問が残るところではもちろんあります。
○大野部会長 そうですね。おっしゃるように、この安息香酸ビコザマイシンが血中に入ると、1日目では多かったと。その後、すぐにビコザマイシンに変わってしまっている。それで残留するのはビコザマイシンだということになれば、ビコザマイシンだけでもいいということになりますね。
その辺の確認、安息香酸ビコザマイシンの半減期はどのぐらいなのですかね。
特に書いていないですね。
どうしましょうかね。それは何らかで確認できたら、安息香酸ビコザマイシンを測定対象物質として加えなくて、ビコザマイシンだけにすると。もし、確認できなくて、5日目、7日目とか、そういうところで場合によっては安息香酸ビコザマイシンが親化合物がビコザマイシンそのものより多かったら、多いと思われるようなことだったら、それも加えるということでいかがですかね。
○吉成委員 もし事務局にこちらの元データか何かがあれば、中身を見させていただいて、確認させていただくということが可能だと思いますけれども、これは通常、文献みたいに参照4とかその下にあるように書いているのですけれども、ここの部分の参考文献といいますか、どこから引用しているのかというのは、ちょっと分かりませんので、ちょっとそのデータがあれば、確認させていただいて、先生が言われたようにそのデータ次第でもう一回御相談させていただくということがいいのかなと思います。
○大野部会長 分かりました。
では、安息香酸ビコザマイシンが残っているということだったら、それを入れるということでよろしいですか、もし、代謝が早くてあまり残っていないのだということだったら、ビコザマイシンだけとして、その確認は、元の資料に当たってチェックするということでよろしいでしょうか。
それでは、その確認はちょっとチェックしていただけますか。
それで、吉成先生も見ていただけますでしょうか。
私にもいただければありがたいと思います。
では、そういうことにいたしたいと思います。
基準値についてはいかがでしょうか。
この安息香酸を入れるとしても、入れないとしてもそれほど変わりはないかと思いますけれども。
このままでよろしいでしょうか。
それでは、国際的整合性、その他全体を通して、先生方御意見ございますでしょうか。
それでは、測定対象物質について、吉成先生と事務局とそれから私のほうで検討させていただいて、そのことに基づいて、ブリについて、場合によっては安息香酸、エステルを加えるということでまとめさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、次の品目ですけれども、動物用医薬品のモキシデクチンについての御審議をお願いいたします。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料2-1を御覧ください。
モキシデクチンについて説明いたします。
今般の残留基準の検討については、薬事法に基づく動物用医薬品の承認事項の変更の承認申請がなされ、使用基準を変更することについて農水大臣から意見聴取があったこと、また、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された暫定基準の見直しを含め、今回、部会で御審議いただくものです。
部会報告は初回です。
「概要」です。
モキシデクチンは寄生虫駆除剤で、ある種の Streptomyces 属細菌の自然発酵産物であるネマデクチンを化学的に修飾することで生産される半合成のマクロサイクリックラクトンです。
作業機序として、グルタミン酸開口型Cl- イオンチャンネルに作用して、Cl- の膜透過性を増加させ、神経細胞や筋肉細胞の膜を過分極させるものと考えられています。
国内では、動物用医薬品として、搾乳牛を除く牛へのポアオン投与による内部寄生虫及び外部寄生虫駆除剤として承認されています。
海外においては、牛及び羊では、経口又は皮下投与により、泌乳牛では、単回ポアオン投与により、馬では単回経口投与により使用されており、ヒト用医薬品としての承認はございません。
化学名、構造式、物性は記載のとおりでございます。
2ページの(5)に国内と海外の適用方法及び用量を示してございます。
今回、薬事法に基づく承認事項の変更があった箇所は、四角で囲ってあるところでございます。
ページを進みまして、対象動物における残留試験です。
分析対象の化合物をモキシデクチン親化合物としており、分析法の概要は、食用組織、乳、それぞれ記載のとおりでございます。
これらの分析法で残留試験を実施したのが、(2)以下の1から6ページの8までのデータです。
6ページの8については[承認申請に当たり実施された試験」です。
これについては、残留試験の統計学的解析の結果、休薬期間の168時間経過後において、乳中のモキシデクチンの残留濃度が現行の基準値である0.04ppm以下となることが確認されております。
3番「ADIの評価」でございます。
食品安全委員会は、ADIを0.003mg/kg体重/dayと評価しております。
諸外国における状況です。JECFAにおいて評価されており、ADIも設定されております。
主要5カ国地域においても、いずれの国及び地域において、基準値が設定されています。
5番の基準値案です。
残留の規制対象をモキシデクチン親化合物のみとする案としてございます。
基準値案は、9ページの別紙1のとおりでございます。
暴露評価を行いましたのが、10ページの別紙2でございます。
モキシデクチンは牛、羊とも代謝物が比較的多く残留しているので、推定摂取量の計算には、乳以外はJECFAで示されている総残留を用いました。
また、乳については企業より提出されたデータの未変化体の割合から、総残留を推定し、計算に当てはめてございます。
総残留での暴露評価の結果、適正使用される限りにおいては、ADIの範囲に入るので、規制対象もコーデックスや諸外国と同じく、親化合物とすることといたしました。
そして、暴露評価の結果ですが、一番高い幼小児でTMDIで53.3%のADI占有率となっております。
本剤については、暫定基準が定められていますが、今回の残留基準の見直しを行うことに伴い、暫定基準は削除されます。
また、今般の承認事項変更に当たり実施された試験の結果によると、農林水産省において、設定される予定の使用禁止期間内に残留量が現行基準の範囲内まで減少することから、乳の基準を変更する必要はございません。
そして、12ページが答申案でございます。
事務局からの説明は以上です。
御審議をよろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
ちょっと申しわけないのですけれども、測定対象物質をモキシデクチン親化合物だけとしたところの理由について、もう一度読んでいただけますか。
○事務局 暴露評価は、総残留で実施しているのですけれども、肝臓など特に、総残留を用いて試算したのですが、適正使用される限りにおいては、ADIの範囲に入るので、規制対象は親化合物のみとしても、運用上、問題はないと判断しました。
○大野部会長 総残留量というのは、代謝物も含めて、測った量ですか。
○事務局 はいそうです。
○大野部会長 ありがとうございました。
それでは、御審議お願いいたします。
まず、最初に化学名、化学構造、そのあたりについて、吉成先生いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないです。
○大野部会長 ありがとうございます。
薬理作用、使用、適用方法、用量、そのあたりについて、いかがでしょうか。
よろしいですか。
宮井先生、お願いします。
○宮井委員 1ページの一番下の用途でなくて、ポアオン投与ですが、この説明のところで「殺虫剤を」となっていますけれども、これは正確には寄生虫駆除剤ですので、「寄生虫駆除剤を」と直したほうがよろしいかと思いますので。
○事務局 はい。修正いたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
ちょっと気になったというか、わからなかったところが1つございまして、それがこの用途のところで、その第2パラグラフのところで「国内では」で始まるところですね。
そこで、動物用医薬品として牛、搾乳牛を除くと書いてありますね。3行目では、泌乳牛では何とかと書いてあって、搾乳牛と泌乳牛とどう違うのだろうかと思ったのですけれども、その辺何か先生方、ちょっと同じではないかなと思って。赤ちゃんを育てているのが泌乳なのかなと思ったりしたのですけれども、その辺いかがでしょうか。
農水のほうで済みませんが、御説明いただければありがたいのです。
○農林水産省 国内の動物用医薬品の使用方法としましては、食用出荷用に乳を絞っているものを搾乳牛と言っておりまして、それも含めた一般的にその乳を出している状態の牛は一般的な用語として泌乳牛という言葉を使い分けております。
○大野部会長 泌乳牛の方が、範囲としては広いということですね。
○農林水産省 そうですね。
○大野部会長 そうなると、実験的にやるときには、実験しているときにとった乳は、乳は採るけれども、売らないわけですね。そういうものと泌乳といったほうが正確なのですか。
○農林水産省 泌乳牛を使って試験をするという言い方はします。
○大野部会長 分かりました。中の泌乳牛を使ってどうのこうのというのもあったので、それは全部搾乳牛で統一できるのかなと思ったのですけれども、そうするとできないわけです。
先生方、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、体内動態、代謝物、その他について、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 ほとんど代謝を受けないということで、問題ないと思うのですけれども、私もちょっと先ほど大野先生が質問されたところの理由がちょっとよくわからなかったのですけれども、総残留というのは、どの試験データを使われて暴露評価しているのでしょうか。総残留に含まれる可能性があるものが同定されているのかどうかというのを、私もちょっと言われてわからなかったのです。
○大野部会長 いかがですかね。
○事務局 どのデータといいますか、JECFAの評価書に基準値とともに、総残留量の記載がありまして、それをそのまま用いております。
○吉成委員 それは放射性標識一体のいわゆる抽出物の放射活性だけではかっていて、複数含まれているかどうかまでは調べていないから総残留ということの理解でよろしいのですか。
○事務局 はい。そうですね。そこまでの記載はございません。
○大野部会長 別紙1の国際基準を設定したときの根拠が総残留量だったということですね。
○事務局 はい。そうです。
○大野部会長 吉成先生、よろしいですかね。
○吉成委員 実験動物レベルでは、ほとんどが代謝されないですので、多分、恐らく問題ないとは思います。
○大野部会長 分かりました。牛でも羊でもほとんどが親化合物として残留していて、一部がメチル体で残りますけれども、10%を超えるのはごくたまにかなと思ったのですけれども、私も親化合物でいいかなと思いましたけれども、山内先生、何か御意見ございますでしょうか。
○山内委員 食品安全委員会の評価書の15ページに表がありまして、表7のほうなのですが、それによりますと、モキシデクチン以外にC-14ヒドロキシメチル代謝物と次のページのC-29/C-30の数値が入っているので、ここのあたりも考えたほうがいいのかなと思いましたが、今、おっしゃったトータルレジデューというのは、多分、こういうものも含めて考えているということで理解していいですよね。
○大野部会長 そうですね。
測定対象物としては、モキシデクチンだけでもということで、山内先生よろしいでしょうか。
ほかの先生はいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、安全性の面で鰐渕先生いかがでしょうか。
○鰐渕委員 記載のとおりで結構です。
○大野部会長 ありがとうございます。
先ほど鰐渕先生がおっしゃったことで、先ほど1000の安全係数の理由を書いたほうがいいのではないかということでしたね。
今回は90日間のイヌの亜急性毒性実験の結果に基づいて、安全係数を100で設定していますよね。
○鰐渕委員 はい。
○大野部会長 ちょっと違いますよね。普通と。
慢性毒性試験の場合には100ですけれども、90日間の亜急性毒性実験の場合には、安全係数をもうちょっと大きくしますよね。
○鰐渕委員 いや、これは全ての試験の中で一番低い無毒性量がこの0.3、試験の内容として亜急性毒性試験なので、これはこれでいいと思います。
○大野部会長 その理由について、ここに一言書かないでよろしいですかね。ここではイヌでの52日間の試験のNOAELや何とか神経毒性試験であらわれたNOAELよりも低いのだということですね。
○鰐渕委員 そうですね。基本的には一番低い無毒性量をここに書きますので、それは言わずもがなかなと思うのです。
○大野部会長 そうですか。
分かりました。ありがとうございます。
それでは、今までのところ、先生方いかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、分析方法、分析結果、そのあたりについていかがでしょうか。
もう既に先生方からいろいろコメントをいただいて、修正されたものが今日御審議していただいていますけれども、特に追加はございませんか。
ありがとうございます。
山内先生、お願いします。
○山内委員 先ほどの説明との関係で言いますと、部会報告書案の10ページの表の下に先ほどの暴露評価に用いるときは、総残留量で計算したということは分かるのですけれども、本文のほうに書いていないのですよね。
8ページの(3)暴露評価。報告書として分かりやすくするのでしたら、この暴露評価のときに、先ほど説明いただいたような対象物質はモキシデクチンだけれども、こういう理由があって、総残留量を参照して暴露評価を行ったというのが書いてあったほうがいいのではないかと思ったのです。
○大野部会長 いかがでしょうか。
○事務局 では、別紙2の注釈で書いてあるようなことを本文にも記載すればよろしいでしょうかね。
○山内委員 いいと思います。
○事務局 では、追記させていただきます。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
分析法のところについては、よろしいでしょうか。
それでは、基準値と国際的整合性についてはいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。
宮井先生、お願いします。
○宮井委員 細かいところなのですけれども、7ページの表の下の注)の統計学的解析のところで「直線回帰分布を用いて」となっていますけれども、これは直線回帰分析の間違いではないかと思うので、訂正をしてくださいますでしょうか。
○事務局 はい。そうですね。直線回帰式を求めてから乳中のモキシデクチンの濃度を求めているので、修文いたします。
○宮井委員 直線回帰分析でよろしいかと思いますので。
○事務局 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
根本先生、お願いします。
○根本委員 細かいことで大変恐縮なのですけれども、3ページの表1の濃度の単位にμg eqというのがあるのですが、eqは要らないのではないかなと思ったのですが。
定量限界のほうはeqが入っていないので、統一したほうがいいかなと思いました。
○事務局 修正させていただきます。
○根本委員 それと筋肉で49日目が4未満ということになっているのですが、恐らく検出限界未満のことなのだろうなと思いますので、それは検出限界が例えば4㎍/kgであるようなことを記載していただいたほうが誤解がないのかなと思いました。
同じようなことが表8にもございまして、12時間0.1未満というのがありますので、定量限界よりかなり低い値です。これも恐らく検出限界の数字だと思いますので、検出限界が0.1だろうと思います。そのことを書いておいたほうが誤解がないかなと思いました。
○事務局 検出限界についても併記させていただきます。
○根本委員 あともう一つよろしいですか。済みません。
10ページでアスタリスクの3のところで、各部位のうち、基準値が最も高い脂肪の値を用いたということなのですが、その他陸棲哺乳類に属する動物の脂肪の暴露評価に用いたモキシデクチン相当量が0.065ということで、むしろ一番低い数値なので、ちょっと間違いではないでしょうか。
○事務局 大変失礼しました。こちらそうですね。0.665になりますので。再計算してまた御報告します。
○根本委員 あともう一点申し上げます。
先ほど来、総残留量ということで出てきているのですけれども、アスタリスクの1番で、乳の場合に、総残留における未変化体の割合ということで、71.4という数字を用いているのですが、いただいた資料ですと、71.4~80.2%で幅がある数字が出ているのですけれども、この場合、どの数字を用いるかということについて何か約束ごとがあるのでしょうか。
○事務局 一番厳しい値を用いて計算した結果です。
○根本委員 厳しい、逆のような気がします。
未変化体の割合が一番多いのが。
○事務局 ああそうですね。未変化体の割合が一番多いのが71.4ですので、そちらで算出いたしました。
○根本委員 未変化体が一番多い数値が80.2%が一番多い量になると思ったのですが、この表記の仕方がちょっと逆に読んでいるのかな。そうすると80.2を使うのかなと思ったのです。
○大野部会長 いかがでしょうかね。
ちょっと。
○根本委員 一番厳しくなる値ということでよろしいですね。であれば結構です。
○大野部会長 ちょっと落ち着いて、あとで見直してみて。
○事務局 はい。申しわけありません。
○大野部会長 小川さんが言われた一番厳しい値でセットしたということが71.4でいいかどうかを確認していただいて。
もし、厳しいとした場合には、80だということになったら、ちょっと計算を変更していただけますでしょうか。
○事務局 承知しました。
○農林水産省 済みません。よろしいですか。こちらから。
この計算だと分母が小さくなるほうが計算後の値が大きくなるので、未変化体の量を少な目に見積もったほうが暴露量が多く計算されるので厳しいという意味ではないでしょうか。
多分、そういう意図で一番未変化体の量が少ないほうを計算に用いられているということだと思います。
○大野部会長 暴露評価という意味では、値が大きくなるということですか。
ちょっとこれは勘違いすることがありますので。
後でもう一度確認してください。
○事務局 御報告いたします。
○大野部会長 お願いいたします。
ほかのところはいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、幾つか修正をしていただきました。
確認をしなければいけないところが1つございました。
その上で確認してこうだという結論が出た場合には、それに変更するということで、そうしたものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
この確認は終わるまでにできますよね。
○事務局 はい。確認いたします。
○大野部会長 では、お願いいたします。
それでは、次の品目ですけれども、リンコマイシン、これは動物用医薬品ですか。それについて御審議をお願いいたします。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料3-1を御覧ください。
リンコマイシンについて御説明いたします。
今般の残留基準の検討については、暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。部会では初回です。
「概要」です。
リンコマイシンは Streptomyces lincolnensis 由来の抗生物質で、ピルリマイシン及びクリンダマイシンと同じリンコマイシン系抗生物質に属します。
主としてグラム陽性菌に対して有効で、作用機序は、細菌のリボソームの50Sサブユニットに作用することにより、タンパク質合成を阻害するものと考えられています。
国内では、動物用医薬品として、リンコマイシン塩酸塩を有効成分とする注射剤、飼料添加剤及び飲水添加剤が承認されております。
海外では、動物用医薬品として、単剤またはスペクチノマイシン、スルファジミジン、ゲンタマイシンのような他の抗菌剤との配合剤として、牛、羊、豚及び家きんを対象に使用されています。
ヒト用医薬品としても、国内外で使用されているものです。
化学名、構造式及び物性は記載のとおりです。
2ページと3ページに、国内と海外の使用方法及び用量を記載してございます。
4ページに進みまして、対象動物における残留試験です。
分析対象の化合物を親化合物のリンコマイシンとし、ガスクロマトグラフ分析法や微生物学的定量法で記載のとおり分析を実施しております。
これらの分析法を基に試験を実施した結果が(2)からの残留試験結果になっております。
1から9まで、試験結果がございます。
ページを進みまして、9ページのADIの評価です。毒性学的データから導かれたADI0.3mg/kg体重/dayと微生物学的データから導かれたADIの0.0032を比較して、微生物学的データから導かれた値のほうが小さくなることから、リンコマイシンの残留基準を設定するに際してのADIは0.0032mg/kg体重/dayと設定するのが適当と考えられました。
続きまして、4の諸外国における状況です。
JECFAにおいて評価されており、ADIも設定されております。
主要5カ国地域においても、いずれの国及び地域においても基準値が設定されています。
5、基準値案です。
残留の規制対象を親化合物であるリンコマイシンとする案としてございます。
肝臓、腎臓及び牛の乳中などでリンコマイシン代謝物の抗菌活性が報告されているのですけれども、抗菌活性を有するほとんど全てが未変化体のリンコマイシンであったため、親化合物のみを規制対象とする案としてございます。
基準値案が12ページの別紙1でございます。豚の腎臓や豚の食用部位、乳については、1.5と0.15を今回採用する案としてございますが、海外のMRLより基準を参照する場合は、桁数の取扱いとして、通常であれば、1.5は2に、0.15は0.2と一桁に設定するところですが、今回はそのまま採用することといたしました。
理由としては、ADIが80%を超えてまで、四捨五入してまで2と0.2の残留基準を設定するべきではないということ。また、1の場合、一桁にまとめるとその差が大きくなるので、このように取り扱うことといたしました。
これらを基に、暴露評価を行いましたのが、別紙2、13ページでございます。
乳については、国産と輸入の割合を考慮した暴露評価にならい、国内では牛の承認がないことから、国内推定残留量を0として、暴露評価に用いる値を0.045として算出いたしました。
その結果、一番高い幼小児でも、TMDIで59.3%のADI占有率となってございます。
本剤については、暫定基準が定められていますが、今般、残留基準の見直しを行うことに伴い、暫定基準は削除されます。なお、本剤については、基準値を設定しない食品に関して、食品添加物等の比較基準、第1食品の部A、食品一般の成分皮革の項1に示す食品は抗生物質または化学的合成品たる抗菌性物質を含有してはならないが適用されます。
15ページが答申(案)となっております。
事務局からの説明は以上です。
御審議のほどをよろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
それでは、また順を追って審議をお願いいたします。化学名、化学構造の値について、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 1点だけ非常に細かくて申しわけないのですけれども、(4)の構造式及び物性のところで、下に分子式があるのですけれども、Sだけ離れてしまっていますので、スペースを削除していただければと思います。
以上です。
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、薬理作用、それから適用方法、そのあたりについて、いかがでしょうか。
よろしいですか。
○宮井委員 よろしいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、体内動態、残留代謝物ですか、そのあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 実験動物あるいは豚で幾つか代謝物ができて、ちょっと豚で親化合物よりも代謝物が多いのは少し気にはなるのですけれども、十分検出できるレベルの親化合物が残留しているということで、10ページにあるような規制対象を親化合物とするという案で問題ないのかなと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
私も同様に親化合物のみを規制対象物にするということで特にいいかなと思いました。
今までのところで先生方、御意見ございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、安全性の面で、鰐渕先生、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 記載のとおりで結構だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、分析法、分析結果、そのあたりについて、いかがでしょうか。
根本先生、お願いします。
○根本委員 事務局にお願いなのですが、4ページの分析法なのですが、飼料から有機溶媒で抽出とか、あと固相抽出カラムを用いてということで、非常に具体的な記載がないので、できましたら、もう少し具体的な方法を記載していただけたらなと思うのです。
○大野部会長 有機溶媒のところを具体的な溶媒に書くということでよろしいのですかね。
○根本委員 ええ。これですと、ほとんど情報としてあまり意味がないと思いますので。
○大野部会長 固相カラムについても、具体的に名前を入れてほしいと。
○根本委員 ええ。
○大野部会長 よろしいでしょうか。
○事務局 はい。調べて書ける範囲で記載させていただきます。
○大野部会長 お願いいたします。
ほかの先生、いかがでしょうか。
吉成先生。
○吉成委員 あまり文章がよくわからなかったので、教えていただきたいのですけれども、この今の分析方法のところの「微生物学的定量法」のところで「試料を3.5mol/L及び1.0mol/水酸化ナトリウム溶液でpH8.5とし」というのは、これはどういう意味なのですか。
2つの濃度の水酸化ナトリウム溶液をあえて使う必要があるのでしょうかということなのですけれども、何か意味がある方法なのでしょうか。
私、よくわからないのですけれども。あるいはですか。
○事務局 あるいはという意味だと思います。
pHを8.5にすることが目的なので、修正させていただきます。
○大野部会長 それでよろしいですか、吉成先生。
○吉成委員 それで。
○大野部会長 ほかにございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについて御意見ございますでしょうか。
それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。
○鰐渕委員 済みません。ちょっとわからないところがあるので。
別紙2の推定摂取量のところで、4つ目の豚の腎臓というのが一応暴露評価に用いた数値が0.5なのですけれども、具体的に国民平均とか、幼小児を含めて全部0になっているのですけれども、どういうところから0になっているのかなという、そのあれがもう一つよくわからなくて、あるいはその下の鶏の腎臓というところも全部0になっているのですけれども、これは食べないということですか。
○事務局 食べないというか、もっと低い値で、小数第2位、第3位まであるので、ここに表記していません。
○鰐渕委員 分かりました。
○大野部会長 ありがとうございます。
小数点第2位以下は切り捨てと。
○事務局 はい。
○大野部会長 四捨五入ですかね。
○事務局 確認いたします。
○大野部会長 ほかにございますでしょうか。
宮井委員、お願いします。
○宮井委員 7ページの表8と次の8ページの表9ですが、検体数を平均値でプラスマイナスの標準偏差の後に括弧をつけて入れておかなければいけないのですけれども、ちょっとこれは抜けているのではないかと思いますので、入れておいてください。
○事務局 はい。そうですね。
○宮井委員 それでほかの表と同じように「数値が分析値プラスマイナス標準偏差で示し」という記述も統一して書いておいたほうがよろしいかと思います。
○事務局 はい。
○大野部会長 表8と表9の数値が出ているところだけ、ベースがないという。
○宮井委員 そうですね。定量限界未満のところは検体数5と書いてあるのですけれども、ほかのところはちょっと抜けてしまっていると思いますので。
○大野部会長 ありがとうございます。
ちょっと表5のところは、6ページですね。そこは例数がここに入っていませんけれども。
○宮井委員 これは全部「4試行数」と書いてありますので。
○大野部会長 書いてありますか。ああそうですね。分かりました。
では、よろしいですね。
では、そこのところの修正をお願いいたします。
ほかにございますでしょうか。
それでは、これについては修正がございましたけれども、特に問題となるような修正はなかったと思います。
修正したものをもって、この部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
では、そのようにさせていただきます、
それでは、次の品目ですけれども、農薬のエトキシスルフロン、それについての審議をお願いいたします。
それでは、事務局から説明をお願いします。
○事務局 4剤目のエトキシスルフロンでございます。
資料4-1を御覧ください。
今般の残留基準の検討につきましては、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。
まず、概要ですが、本剤はスルホニルウレア系除草剤でございます。
化学名及び構造式につきましては、記載のとおりでございます。
2ページ目ですが、適用の範囲及び使用方法でございます。
国内において、水田への使用方法がございます。
海外においては、オーストラリアにおいて、さとうきびに使用がございます。
3ページの作物残留試験についてですが、エトキシスルフロンには代謝物としてXがございますので、その分析法についても記載しております。
次に、ADIの評価についてですが、イヌの亜急性毒性試験にて、0.065mg/kg体重/dayと評価されております。
諸外国での状況ですが、JMPRの評価や国際基準の設置はなされておりません。
オーストラリアにおいて、さとうきびに基準値が設定されています。
次に、基準値案です。
8ページを御覧ください。
先ほど、代謝別Xが存在することをお話ししましたが、作物残留試験において、このXについて分析を行った結果、定量限界未満であったことから、規制対象としては含めず、親化合物のみを規制対象としました。
食品安全委員会での評価でも、親化合物のみを対象としております。
基準値案についてですが、国内の作物残留試験結果より、米の基準値を0.02ppmに設定し、オーストラリアのデータよりさとうきびに基準値を設定しました。
また、暫定基準においては、牛、豚、その他陸棲哺乳類に属する動物及び乳に基準値が設定されていましたが、これらに根拠となる残留試験結果が確認できなかったため、今回、基準値を削除しております。
暴露評価についてですが、TMDI試算において、最も高い幼少時において、0.3%のADI占有率となっております。
エトキシスルフロンの御説明は以上となります。
御審議のほどよろしくお願いします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
それでは、これについて、また化学名と化学構造、そのあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 見た目だけの問題で恐縮なのですけれども、構造式の原子と原子をつなぐ結合の線の書き方をできれば見やすくしていただければなと思います。
先ほど、何かの剤にありましたように、NとHが離れていたりとか、例えば、SとOの、炭素と酸素の二重結合が左側のほうにありますけれども、両方の書き方が違っていたということで、統一した書き方にしていただければより見やすいかなと思います。
構造式と化学名とほかのところは問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございました。
事務局よろしいですか。
○事務局 はい。かしこまりました。
○吉成委員 済みません。ついでに言うと、もしそちらでも直していただけるのであれば、3ページの代謝物、Xだと思うのですけれども、同様に直していただければと思います。これもCH2 とCH3 のところなのですけれども、その書き方が違っていたりとか、ちょっと統一感がないですので、1ページと3ページを同じような形式で見やすいように直していただければと思います。
○大野部会長 では、よろしくお願いいたします。
それでは、用途、薬理作用、適用方法、そのあたりについていかがでしょうか。
お願いします。
○宮井委員 用途のところで除草活性と書かれているのだけれども、こういう言い方は確かにあるのですけれども、除草というと、どうしても圃場レベルでの話になってくるので、こういう作用機作のときには、除草ではなくて草を殺す殺草活性と書いたほうが適切ではないかと思うので、修正をお願いできますでしょうか。
○大野部会長 ほかの先生、よろしいでしょうか。
それでは、そのように修正をお願いいたします。
尾崎先生、よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、代謝物、そのあたりについて、また吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 動物では、未変化体が主で、X以外の代謝物も幾つかできるのですけれども、未変化体は親化合物があるということと、植物では今回測定されている代謝物Xというのも、それなりにできるような植物もあるのですけれども、作残試験の結果にありますように、ほとんど検出されていないということから、規制対象が親化合物のみという案でよろしいのかなと思います。
○大野部会長 ありがとうございました。
私も同じように考えました。今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。
それでは、安全性の面で鰐渕先生、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 この記載のとおりで結構かと思います。
発がん性試験でがんはできているのですけれども、遺伝毒性ではないということが下のほうに書いてありますので、これで結構だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
ほかの先生、よろしいでしょうか。
それでは、分析方法、分析結果、そのあたりについて、いかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、基準値の設定と国際的整合性、そのあたりについて、御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、全体を通して何かございますでしょうか。
特にないようでしたら、先ほど1点修正が出ましたけれども、その修正したものをもってこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
では、そのようにさせていただきます。
それでは、次の品目ですけれども、農薬のエトベンザニドについて、御審議をお願いいたします。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、5剤目のエトベンザニドでございます。
資料5-1を御覧ください。
本剤は、魚介類に対する基準値の設定依頼がなされたものでありまして、今回の部会が初回となります。
本剤は、酸アミド系除草剤でございまして、植物固有のタンパク質合成阻害により殺草活性を示し、水田雑草のうち、ノビエ以外の植物には、ほとんど活性を示さないと考えられております。化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
2ページに移りまして、適用の範囲及び使用方法について記載してございます。国内の使用方法については記載のとおりでございます。
続きまして、3ページの作物残留試験でございますが、分析対象の化合物として、エトベンザニド、代謝物E及び代謝物Fについて分析が行われております。
分析の方法については記載のとおりでございます。
これに基づく作物残留試験成績は、7ページの別紙1を御覧ください。
3ページに戻っていただきまして、4番の魚介類への推定残留量についてです。
本剤については、水系を通じた魚介類への残留が想定されることから、農林水産省から魚介類に関する個別の残留基準値の設定について、要請されております。これにより、水産動植物被害予測濃度、0.087ppbと4ページの生物濃縮係数の26を基に推定残留量を算出し、0.011ppmという結果となっております。
続いて、5番のADIの評価については、食品安全委員会により0.044mg/kg体重/dayと評価されております。マウスの発がん性試験において、肝細胞腺腫と肝細胞癌の発生頻度の増加は認められましたが、これらの発生機序については、遺伝毒性によるものとは考えがたく、評価に当たり、閾値を設定することは可能であると考えられたと食品安全委員会のほうで評価されております。
続きまして、諸外国における状況でございます。
5ページ目の諸外国における状況については、JMPRにおける毒性評価がなされておらず、国際基準も設定されておりません。アメリカ、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドについて調査した結果、いずれの国及び地域においても、基準値は設定されておりません。
これらを踏まえました基準値案といたしまして、残留の規制対象をエトベンザニドと設定する案としております。食品安全委員会におきましても、食品中の暴露評価対象物質をエトベンザニドと設定されております。
基準値案でございますが、8ページの別紙2を御覧ください。
これらの基準値案により、暴露評価を行い、結果を9ページの別紙3に示しております。
TMDI試算により、最も高い幼小児のADI占有率は、1.3%となっております。
11ページが答申案となります。
事務局からの説明は以上です。
御審議のほどをよろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
それでは、また順々に審議をお願いいたします。
まず、化学名、化学構造、物性、そのあたりについて、吉成先生いかがでしょうか。
○吉成委員 特に問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、薬理作用、用途、そのあたりについて、尾崎先生よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
宮井先生、いい。
お願いします。
○宮井委員 用途の3行目の一番最後のほうの「と考えられている」というのは必要ないと思いますので、これは削除してもらえますか。
2行目の「考えられている」はよろしいと思いますけれども、こちらのほうは、ほとんど確かめられたことですので削除してください。
○大野部会長 ありがとうございました。
ほかの先生、よろしいでしょうか。
それでは、事務局、お願いいたします。
それから、ちょっと、私、ノビエというのは、一般的なこういうところに使う言葉でよろしいのでしょうか。
○宮井委員 構いません。
○大野部会長 ああそうですか。何か調べたら、ノビエというのは、辞書ではイヌビエの別称と書いてあったので。
○宮井委員 ノビエはヒエ属の野生種の総称です。
○大野部会長 ノビエのほうがよろしいのですかね。
○宮井委員 除草剤の適用一覧表にこういう形で書かれていますので、ノビエで構いません。
○大野部会長 ああそうですか。分かりました。ありがとうございました。
それでは、代謝物のあたりについて、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 動物あるいは稲、植物で加水分解を受けて、今回測定されている代謝物Eと代謝物Iというものになるのですけれども、それほど問題になるような代謝物でもないと思います。残留量も作残試験で検出できないということから、規制対象が親化合物のみということで問題ないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございました。
私も同じように考えました。
安全性の面で鰐渕先生、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 記載のとおりで結構だと思います。
○大野部会長 1つその関係の記載のところで、ちょっと細かいことですけれども、ここにあったのが、5ページの2行目「小核試験をはじめin vivoの試験では、陰性の結果が得られたので」、ここのところ、今回、ちょっと表現の問題なのですけれども、これだけ見ると、小核試験以外にもやっているようなふうに読めませんか。in vivo試験は。やっているのはin vivoの小核試験だけなので、in vivo小核試験では、陰性の結果が得られていたわけで、それで鰐渕先生いかがですかね。
○鰐渕委員 そのほうが。
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、皆さんよろしいでしょうか。
それでは、そのように修正をお願いいたします。
今までのところで、先生方、御意見ございますでしょうか。
それでは、分析方法、分析結果、そのあたりについていかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについて御意見ございますでしょうか。
魚介類への推定残留量も設定してありますけれども、そのあたりについてよろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。
ありがとうございました。
特にないようですので、先ほど若干修正していただきましたけれども、それから用途のところでも修正がございましたけれども、その修正したものをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、今日の最後の品目かなと思いますけれども、農薬のハロスルフロンメチルについての御審議をお願いいたします。
事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 では、資料6-1を御覧ください。
ハロスルフロンメチルについて、御説明させていただきます。
ハロスルフロンメチルは、今回、2回目の審議でございまして、前回部会は、平成20年5月に行われております。
今回は、米国の基準を基にベリー類について、インポートトレランス申請があり、基準設定について、御審議をお願いするものでございます。
まず、概要ですが、ハロスルフロンメチルは、スルホニルウレア系の除草剤でございます。
アセトラクテートシンターゼの阻害により、成長を停止させ、枯死させると考えられております。
化学名、構造式及び物性については、ごらんのとおりであります。
ページをめくっていただきまして、適用の範囲及び使用方法を記載しております。
今回、申請のありましたベリー類については、5ページに追記しております。
作物残留試験につきましては、分析対象化合物をハロスルフロンメチルとしまして、分析法の概要は記載のとおりでございます。
この5ページ下にございます。海外の分析法を追記しております。
また、国内の分析法につきましても、書きぶりを修正しておりまして、それからさらに永山先生よりも御意見をいただきまして、修正がございます。
こちらの報告書のほうに反映されておりませんので、口頭で御説明させていただきますと、まず、2行目の「アルカリ性水溶液」の部分ですけれども、こちら、アルカリ性水溶液をさらに詳しく、0.5%リン酸水素ナトリウム水溶液及びメタノールの9:1の混液ということでございますので、その旨を追記させていただきたいと思います。
それから、3行目の真ん中あたりに、QMAカラムとございますけれども、QMAの説明をつけ加えまして、強塩基性陰イオン交換体(QMA)でカラムということにさせていただきたいと思います。
それからもう一点。そのQMAカラムの後ろですけれども「または、抽出後」となっておりますけれども、この抽出後の前に、アセトニトリルでという言葉を追記させていただきたいと思います。
作物残留試験の結果は、別紙1-1、別紙1-2に示しておりますけれども、今回、申請のありましたベリー類は13ページに記載しております。いずれも定量限界以下の結果となってございます。
6ページに戻っていただきまして、動物飼養試験でございます。こちらは前回部会と残留試験データに変更はありませんが、基準を参照していました米国の評価書を基に、分析対象化合物の書きぶりを変更しております。
次に、7ページのADIの評価ですが、こちらも前回の食品安全委員会の評価と内容に変更はございません。ADIを0.1mg/kg体重/dayということに評価いただいております。
続きまして、8ページの諸外国における状況につきましては、JMPRでは評価はされておらず、国際基準は設定されておりません。
アメリカ、オーストラリア等において、基準が記載のとおり設定されております。
基準値案につきましては、規制対象をハロスルフロンメチルとしております。
この規制対象についてなのですけれども、前回部会では、特に詳しい説明、議論等はなされていないのですけれども、農作物につきましては、代謝試験において、代謝物Lが比較的多く検出されておりますけれども、代謝物Lにつきましては、発生毒性試験や遺伝毒性試験が実施されておりまして、親化合物よりもかなり毒性が低いことから、親化合物を規制対象としたと考えられます。
それから、畜産物につきましては、基準を参照したアメリカと規制対象が異なりますけれども、これについての議論は特に見当たらないのですが、ヤギの代謝試験におきまして、肝臓、腎臓での主な残留物が親化合物であり、また速やかに排泄されること、それからADI占有率も非常に低いことから、規制対象を親化合物のみにすることに安全性の問題は特にないものと考えまして、前回の部会の規制対象と同じ規制対象とする案とさせていただきました。
また、現在、暫定基準の見直しを優先するために、基準設定の依頼がない場合、安全性に係る問題がなければ、本基準の見直しを行っていませんので、その理由もありまして、規制対象は畜産物についても変更はしておりません。
基準値案は、14ページの別紙2を御覧ください。
これらの基準値案によりまして、暴露評価を行い、結果を別紙3に示しております。
TMDI試算によりまして、最も高い幼少時のADI占有率は1.4%となっております。
最後のページが答申(案)となります。
事務局からの説明は以上でございます。
御審議のほどをよろしくお願いします。
○大野部会長 ありがとうございます。
これについては、2回目の審議ということでございます。
では、順を追って御審議をお願いいたします。
化学名、化学構造、物性、そのあたりについて、新たに気が付いたところはございますでしょうか。
○吉成委員 特にありません。
○大野部会長 ありがとうございます。
用途、薬理作用、そのあたりについていかがでしょうか。
よろしいですか。
○宮井委員 よろしいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
ちょっと私、一つあれと思ったところがあったのですけれども、ここの3ページ目の「使用方法」のところで「原液湛水散布又は無人ヘリコプターによる滴下」と書いてあるのですけれども、これは具体的にどういうことなのですか。峯戸松さん、説明していただけますかね。
○農林水産省 本当に滴下ですね。
霧のような状態でまくのではなくて、滴下です。普通にイメージされる霧のような感じ、噴霧するようなものは散布と書かれていますが、これは本当の少量散布ですね。飛びながら滴を落としていくようなもの。ちょっとイメージつきづらいかもしれないですが。
○大野部会長 そうですね。3ページ目は滴下で4ページ目が散布になっているので、どこか間違えているのかなと思って。そういうことではないのですね。
○農林水産省 そうですね。ちょっと私も、今、登録票の現物を持っていないのですけれども、多分、厚生労働省さんが確認していただいていると思いますので、これで間違いないと思います。
○宮井委員 登録はそのような記述になっているのですね。
○農林水産省 そのはずです。
済みません。通常、液体でまくものの散布と滴下というものが両方ありまして、3ページ、4ページのものは粒をまくので、これは散布しかできない。
滴下というのは、粒は滴下できないので。散布ということもありますが、このような用途というのも実際に存在します。
○大野部会長 ありがとうございます。
ほかの先生、よろしいでしょうか。
それでは、代謝と代謝物それから測定対象物も含めて、御意見、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 先ほど説明があったので、親化合物のみということでいいのかと思ったのですけれども、ちょっと事務局にも事前にお尋ねしたのですけれども、親化合物のみ、特に動物のほうですけれども、分析が親化合物をはかる際に、6ページにありますように、3-クロロスルホンアミド酸に変換して多分測定されていると思うのですけれども、そうすると、そこの記載にあるように、これになる全ての代謝物を含んで測定しているあたりかと思います。
そういうときに、規制対象物質をその親化合物のみとしていいのかというところ、毒性学的とか代謝動態的には、親化合物のみで何ら問題ないと思うのですけれども、現状、採用した試験の方法がこういう方法であったときに、親化合物のみと書いていいのかどうかというところだけ、ちょっと私、わからなかったので、先生方の御意見をいただければと思っています。
○大野部会長 事務局からそれについて説明してもらえますか。
○事務局 先ほど吉成先生からおっしゃっていただいたように、実際、基準値を決めるための基になった残留試験というのは、代謝物も含まれているというところでございます。
もちろん、代謝物を含めた規制対象とするのが理想ではございますけれども、本基準を変更するということになりますと、また改めてこの畜産物に関するデータを集めて確認をしなければいけないということがございますので、今のところ、この件だけに限らず、暫定基準の見直しを優先させるために、本基準の見直しというものを安全性上問題がなければ、行っていないところでございます。
ですので、もし、次に本基準を見直すというようなことになるときには、当然、勘案すべきことだとは思うのですけれども、現時点では、安全性上重大な問題がないということで、このままの基準でいければと思っておりますけれども、ただ、規制対象をここでアメリカとそろえておくべきということであれば、そちらも検討いたしますので、御意見いただければと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
私もちょっと気になったのは、親化合物だけとするのはいいかと思ったのです。というのは、先ほど説明にございましたけれども、代謝物として出てくるもの、Lだとか、発生毒性試験とか、遺伝毒性試験とか、90日間の反復投与毒性実験をやっていて、親化合物より弱いのですね。ですから、それを特に入れなくてもいいのかと思いました。
もう一つ気になったのが、欧米では、分解としてクロロスルホンアミド酸にすると、それではかっておりますけれども、これは分析法のほうで聞いたほうがよかったかもしれませんけれども、国内での分析法でも、途中で親化合物が消えていってしまうのではないかと思ったのです。こういうところを、ちょっと先走ってしまって申しわけありません。
それはその後として。
安全性の面で鰐渕先生、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 記載のとおりで結構かと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
代謝物について、毒性実験をやっていて、親化合物より毒性が低いというような御説明がありましたけれども、それはよろしいですか。
○鰐淵委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
今までのところでいかがでしょうか。
分析法のところで、御意見を伺いたいと思ったのですけれども、国内のほうでは、先ほど説明がありましたけれども、その中でリン酸酸性下で抽出する。また、途中で塩酸酸性としてから酢酸エチルに転用するとか、そういうことで、アルカリ性溶液でも抽出することもありますし、酸とかアルカリで処置しているわけですね。
ところが、食品安全委員会の報告で、14ページに2行目から人工胃液では、添加直後に未変化のハロスルフロンメチルが98.5%TRR、Kが1%検出され、添加4時間後に未変化のハロスルフロンメチルが73.0%、Kは26.4%検出されたと書かれているのですね。
これから見たら、酸性で分解したのかと思ったのですけれども、この辺、分析の先生方、いかがでしょうか。
お願いします。
○根本委員 提出していただいた資料には、そういった情報が全くないので、私としては判断できないので、申請者なりに確認いただいたほうがいいのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
ほかの先生、いかがでしょうか。
石井先生、いかがですか。
○石井委員 短時間のうちに、酸性、アルカリ性で振って抽出をしているので、恐らくはそんなに簡単には壊れていないとは思うのですけれども、ただ、根本先生がおっしゃったように裏づける資料がないので、断言はできないとは思います。
○大野部会長 確認したほうがよろしいという、根本先生の御意見でよろしいですか。
ほかの分析の先生、よろしいでしょうか。
場合によっては、そこのところがかなり分解されてしまうとすると、親化合物だけを測定するとなったときに暴露評価を低く見積もってしまう可能性があると思ったのです。
逆に乳牛においては、代謝物も含めて、残留基準を設定していますけれども、これについてはオーバーエスティメートになるということで、どちらかというと、コンサバティブな形になるから、それはとりあえず今の状況から考えれば、特にやむを得ないかと思ったのですけれども、吉成先生、その辺よろしいですか。
○吉成委員 ちょっと先ほど事務局ともお話しさせていただいたのですけれども、この乳牛とか家畜の試験のほうも、植物と同じような方法で親化合物をダイレクトに定量できるのであれば、何ら問題ないとは思うのですけれども、それができるのかどうかというのは、私、わからなかったので。
○大野部会長 いかがでしょうか。分析のほうの先生方。どちらかというと、もしそういう方法があるのだったら、全部一括して親化合物を測定してしまったほうが楽なのかと思ったのです。
石井先生、その辺いかがですか。
○石井委員 済みません。今の御意見は分解して一括して、その加水分解したものを図ったほうがいいという御意見ですか。
○大野部会長 もし、親化合物について、単独で分析が牛乳でも可能だったら、そちらのほうがいいのではないかという御意見だったと思ったのですけれども、よろしいですか。
○石井委員 親化合物だけをはかったほうがいいという御意見ですね。
このハロスルフロンメチルというのは、実は分析法の検討委員会で私が担当してやったものなのですけれども、やはり酸とかアルカリで振っても、それほどこの分析上の短時間な条件では、壊れることはなかったのですね。
なので、親化合物だけを見ることは可能だと感じています。
○大野部会長 ありがとうございます。
乳でも抽出できるわけですね。
○石井委員 できます。
○大野部会長 ありがとうございます。
では、先ほどの件でも、特に資料を見なくても、石井先生が検討会で確認したということですので。
○石井委員 ただ、今回のこの作物残留試験では分解していないというデータはないということです。
○大野部会長 そういうことですか。
では、それを確認していただくということでよろしいですね。
では、確認してくださるようお願いいたします。
ちょっともしわからないようでしたら、石井先生なり、根本先生なりに資料を見ていただいて、分解している状況かどうかということをチェックしてくださるようお願いいたします。
それでは、分析結果のあたりについて、先生方御意見ございますでしょうか。
分析方法についても、今までのところでよろしいでしょうか。
それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。
それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。
特にないようですので、先ほど事務局からの御指摘で修正がございました。
それから、後で分析の先生に確認していただくところがございますけれども、確認した上のものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、今日の予定しておりました農薬・動物医薬についての御審議が終わりました。
それでは、本日の今までの審議結果の食品衛生分科会についての取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 済みません。その取扱いの御説明の前に、先ほどのモキシデクチンの件について、ちょっと報告させていただきます。
○大野部会長 お願いいたします。
○事務局 では、御報告いたします。
総残留量における未変化体の割合が企業からのデータですと、71.4から80.2%という報告を受けまして、71.4%というのは132時間後、80.2は180時間後となっております。
申請内容は168時間ですので、一番厳しい未変化体が少ない71.4%で再度計算させていただきましたところ、国民平均で16.0、幼小児で53.4%、妊婦で21.2%、高齢者で11.8%と0.1%ずつ上がる結果となっております。
また、この算出については、その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪を0.665として計算しております。
○大野部会長 ありがとうございます。
この別紙2の数値が若干変わるということでよろしいですか。
○事務局 そうです。修正させていただきます。
○大野部会長 ありがとうございます。
そういうことで、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、そのように修正させていただきます。
ほかにございますでしょうか。
では、食品衛生分科会での扱いについて説明をお願いいたします。
○事務局 こちらの横1枚紙のほうを御覧ください。
平成22年3月3日に了承されました食品衛生分科会における確認事項に基づきまして、本日の部会で御審議いただきました動物用医薬品及び飼料添加物1剤、それから動物用医薬品2剤並びに農薬3剤についての食品衛生分科会での審議または報告の取扱いにつきまして、御説明させていただきます。
本日、御審議いただいた品目のうち、エトキシスルフロン、エトベンザニド、ビコザマイシン、モキシデクチン及びリンコマイシンにつきましては、既に設定されている残留基準の一部改正に該当しますことから、区分3とする案とさせていただきました。
また、ハロスルフロンメチルにつきましては、食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4とさせていただいております。
以上でございます。
○大野部会長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。先生方。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 それでは、そういう取扱いについて、分科会長の御意見を伺いたいと思います。
それでは、事務局から今後の手続について、説明をお願いいたします。
○事務局 本日、御審議いただきました品目につきましては、食品安全委員会からの通知を受けていますことから、何品目か修正が必要なものがございますが、御確認いただいた修正版をもって部会報告書とさせていただきます。
今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、それから消費者庁協議等、必要な手続を進める予定としております。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
ほかに報告事項はございますでしょうか。
○事務局 ほかに議事はございません。
○大野部会長 ありがとうございます。
先生方、よろしいですか。
それでは、次回の予定についてお願いいたします。
○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成26年7月31日木曜日の午後を予定しております。出欠につきましては、後日御確認させていただきます。詳細につきましても、追って御連絡申し上げます。
冒頭でお伝えしましたが、机上に配付しております委員必要事項連絡票は、会議終了後に係の者が回収いたしますので、机上に置いたままでお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させていただきます。
どうも御協力ありがとうございました。
<照会先>
厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921
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