ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会)> 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第165回議事録(2014年5月28日)
2014年5月28日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第165回議事録
○日時
平成26年5月28日(水)8:59~9:52
○場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
○出席者
森田朗小委員長 印南一路委員 松原由美委員 田辺国昭委員 西村万里子委員 野口晴子委員 |
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員 榊原純夫委員 |
鈴木邦彦委員 中川俊男委員 万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員 |
<事務局> |
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官 |
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他 |
○議題
○ DPC制度の今後の検討方針・スケジュール等について
○議事
○森田小委員長
おはようございます。おそろいになりましたので、少し早いんですが、ただいまより第165回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。
まず委員の出席状況について御報告いたします。本日は福井専門委員が御欠席です。
それでは、早速ですが、議事に入らせていただきます。
本日は「○ DPC制度の今後の検討方針・スケジュール等について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
中医協診—1、中医協診—1参考○1という100ページぐらいのもの、中医協診—1参考○2を用いまして、「DPC/PDPSに係る今後の検討方針・スケジュール等について(案)」について御説明を申し上げます。
平成26年改定での対応と附帯意見及びDPC評価分科会における4月18日、5月14日での検討と整理を受けまして、本日御説明するような検討方針・スケジュール等の案を作成いたしました。今後のDPC評価分科会及び中医協、基本小委において、DPC制度に関する検討をこの案の通り実施してはどうかをご審議いただくものでございます。
1につきましては、附帯意見の抜粋でございまして、DPC制度について、医療機関群、機能評価係数IIの見直し等を含め、引き続き調査・検証し、そのあり方を引き続き検討することとされております。
「2.検討課題の整理(案)」でございます。
「(1)『診断群分類点数表』に係る検討課題」でございます。
「(ア)ICD-10(2013年度版)に係る対応について」でございます。
中医協診-1参考○1の28ページをごらんいただけますでしょうか。DPCの制度に関しましては、傷病名については、ICD-10、国際疾病分類を用いておりまして、これは2003年改訂版を活用しているところでございます。
今年度中にICD-10の2013年度版が告示される見込みとなっておりまして、DPC制度における対応について、検討が必要ではないかというのが1つ目でございます。
「(イ)重症度を考慮した評価手法(CCPマトリックス)について」でございます。
これは関連する資料といたしまして、中医協診-1参考○2として「CCP Matrixについて」という1枚ものを御用意しております。御参照いただければと思います。
調整係数が、平成30年に向けて廃止をしていくということでございますが、その流れの中で、より正確に医療資源必要量を反映させるために、診断群分類の精緻化を目指して、研究されてきているものでございます。
中医協診-1参考○2の裏面でございます。3ページでございますが、現在の診断群分類につきましては、樹形図であらわされておりまして、傷病名を選択し、手術、処置、副傷病名、で支払分類を選択していくという形式になっております。これは、作成方法に制限があることなどから、精緻化という意味では、さらなる取り組みが必要でございます。
4ページでございますけれども、手術、処置と副傷病名等の組み合わせに基づく医療資源必要度分類、枝分かれ構造に捉われずに、医療資源必要度が類似したグループをまとめるとなっておりまして、これはあくまでも仮の案でございますが、現状では9区分になっているものを3つの段階に圧縮して、分類数を減らすことができるということでございます。
こういった御提案が昨年のDPC評価分科会でも行われておりまして、中医協診-1に戻っていただきますと、現在、厚生科学研究班で研究が行われておりますけれども、活用できるかどうかということについて、検討を行ってはどうかとしているところでございます。
「(ウ)点数設定方式Dのあり方」でございます。
点数設定方式に関しましては、4つございます。中医協診-1参考○1で申しますと、32ページにDPC点数表の設定方法4種類、A、B、C、Dとなっておるところでございます。
診断群分類Dにつきましては、詳細は94ページ、95ページにございますけれども、化学療法等高額な薬剤を用いる診断群分類に対して、入院初日に入院料以外の費用が支払われる方式でございます。
これに関しては、24年改定から導入されておりますが、95ページにございますとおり、26年改定で、22の分類から、一部の検査等も含めて、27の診断群分類に適用しておるところでございます。これに関して、よりふさわしい分類があるかどうかについて検討してはどうかというのが(ウ)でございます。
「(エ)短期滞在手術等基本料3との整合性」でございます。
こちらは中医協診-1参考○1の54ページにございます。短期滞在手術等入院料3について、DPC/PDPSにおいては、表に記載しております手術を行って、これを算定する患者さんはDPCの包括対象外とさせていただいておりますけれども、今後の適用範囲の拡大の議論もあわせまして、DPCでどういうふうに捉えていくかというのが(エ)でございます。
「○2 DPC検討ワーキンググループ(WG)における検討について」でございます。
こちらは中医協診-1参考○1の93ページを見ていただきますと、診断群分類を作成するに当たって、主要診断群(MDC)が設定されておりまして、93ページの表にありますように、神経系疾患からその他まで、18のMDCが設定されております。MDCごとに関係学会の専門家によります作業班を持っておりまして、傷病名や診断群分類を診療実態にあわせてより適正なものとなるよう議論していただいております。これに関しても、次期改定に向けまして、従来通り、検討するべきではないかというのが、1つ目のポツでございます。
2つ目の診断群分類の見直しにあわせたコーディングテキストの件に関しましては、中医協診-1参考○1の102ページ、103ページに書いておりますけれども、適切なコーディングということで、傷病名、診断群分類を適切に選択していただくために、各DPC病院の適切なコーディングに関する委員会の参考資料として活用いただくためのテキストを作成いたしております。これに関しまして、、今後、この内容も必要に応じて見直していこうというものでございます。
2ページに移っていただきまして、今、申し上げたような内容につきまして、適切な診断群分類に関する検討作業を行う前に、診断群分類の基本骨格となる部分について、一定の方針を検討し、その後で、従来どおりの個別の作業とコーディングテキストの見直しなどを行ってはどうかというのが(1)でございます。
「(2)『医療機関別係数』に係る検討課題」でございます。
基本方針について、まずは、適切な医療機関群のあり方に関する検討でございます。
中医協診-1参考○1でいいますと、64ページに各医療機関群につきましての記載がございます。I群は大学病院本院、II群は大学病院本院に準じる病院、III群はI・II群以外としておりますけれども、I群そのものにもいろんな病院があるのではないかという意見もございますし、II群の設定方法、III群のあり方についても議論をしてはどうかというのが1つ目の○です。
2つ目の調整係数の置きかえ完了に向けた枠組みは、中医協診-1参考○1の61ページでございますけれども、平成24年改定から、平成30年に向けて調整係数を段階的に廃止していくという流れの中で、今回26年改定では50%分の置きかえの対応をしたところでございます。次期改定では75%分を置き換える予定とされておりますので、それに向けました検討を行うのが2つ目の○でございます。
激変緩和措置のあり方でございます。
関連するのは、中医協診-1参考○1の60ページでございますが、一番下の○2のところに、制度全体の移行措置に伴う個別の医療機関別係数の変動について、激変緩和の観点から2%を超えて変動しない範囲となるよう調整をするという措置を、平成24年改定、26年改定で行っておりますが、こういった考え方について、平成30年度に向けてどのようにしていくかというのが、3つ目の○でございます。
「○2 各係数の見直し」でございます。
これは中医協診-1参考○1で申しますと、74ページに全体像が載っておりますけれども、改定前はデータ提出指数から地域医療指数など6つの指数でありましたが、今般、後発医薬品指数を新設し、データ提出指数に関しては保険診療指数として内容の見直しに対応して名称を変更し、救急医療指数、地域医療指数も必要な見直しを行っております。こういった見直しの影響、さらなる追加改良に向けまして、検討したらどうかというのが○2でございます。
以上のような課題につきまして、○1の基本方針を固めた上で、各係数の見直しをしてはどうかというのが(2)でございます。
「(3)『算定ルール』等に係る検討課題」でございます。
「○1 検討すべき課題」に関しまして、同一傷病による7日以内再入院でございます。
これは中医協診-1参考○1でいいますと、98ページに関連部分がございますが、従来は3日以内の再入院を一連として取り扱うとしておったものを、7日以内と見直しをしたものでございます。この影響等の検討をしてはどうかというのが1つ目でございます。
2つ目が持参薬使用に関するルールということで、中医協診-1参考○1で申しますと、100ページでございます。これに関しまして、次期改定に向けては、少しルール化と申しますか、考え方を整理していくが必要ではないかという議論でございます。
DICでコーディングの際の症状詳記の添付に関しては、中医協診-1参考○1の101ページでございます。こちらは播種性血管内凝固症候群に関して、それを算定する医療機関や患者さんの件数が増加しており、資源投入量が減少しているところから、診断群分類を算定する際のルールにつきまして、見直しをしたところでございます。その影響とその他同様の分野がないかどうかの検討という意味でございます。
特定入院期間越えの化学療法に係る算定方法と申しますのは、中医協診-1参考○1の31ページを見ていただきますと、DPCの点数表における1日当たりの点数の設定方法がございます。第I日、第II日ということでございまして、第III日が平均在院日数プラス2SDの日でございますが、それ以降に関しましては、出来高にするというルールになっています。出来高の期間で化学療法を実施するケースも見受けられますので、そういったことに対する対応が必要なのではないかというものでございます。
これらの個別な課題についても、全体的な検討を行ってはどうかというのが(3)でございます。
3ページをお願いいたします。「(4)『DPC導入の影響評価に係る調査(退院患者調査)』に係る検討課題」でございます。
○1は平成25年度、26年度退院患者調査の取りまとめであります。
中医協診-1参考○1で申しますと、48ページ、49ページでございますけれども、退院患者調査に関しましては、48ページにありますような、様式1と言われるカルテのサマリーのようなものから、外来EF統合ファイルまでデータを出していただいておりまして、そのデータを分析しまして、49ページにありますとおり、年に1回、10月1日時点での状況を踏まえて、報告をさせていただいているところでございます。
報告内容については、施設基準の届け出から病床数まで、いろんなものがございますけれども、こういったものを定例で報告していただいております。
こういったデータを踏まえた、退院患者調査でございますけれども、これは例年どおりやらせていただきたいと思っております。
調査項目ですが、今、48ページにありました、さまざまな様式、医療機関に出していただいているデータに関して、見直しをしようということがありまして、中医協診-1参考○1で申しますと、107ページからでございますが、今回、様式1、簡易診療録情報に関して、入院経路から認知症による介護の必要性の有無も含めて、改良なり新設した項目がございます。これはDPCのデータとして有用なものでございますけれども、医療機関の負担もありますので、こういった新設をしていくものと、不必要といいますか、活用されていないものについては、簡素化をしてはどうかというところについての議論であります。
これに関しまして、検討の上、中医協に御報告するという内容が(4)でございます。
「(5)その他、中長期的な検討課題」でございます。
これは参考資料には記載がない内容ではございますけれども「○1 特定入院料の差額加算のあり方について」ということで、特定入院料は包括入院の点数でございます。これに関しまして、平成22年度以降、中身の個別の診療行為等について、EFファイルとして出していただいておりまして、その結果が活用できるような状況になってきておりますので、それを活用し、より精緻化というのが○1でございます。
「○2 DPCデータの質の向上について」ということで、記載内容の確認なり、評価方法の検討、各病院が独自に指標を作成し公表することに関する検討が、質の向上という点で議論に挙がっております。
「○3 請求の仕組みについて」でございます。
DPCの請求の仕組みの簡素化、適切なレセプト請求の実現に向けて、差額調整の仕組みが必要でございます。診断群分類では、月またぎで変わるというケースに対する対応です。
特定入院期間越えの出来高算定ルールは、先ほど御説明しましたが、出来高になる期間について、どういう点数設定にするか。
コーディングデータ、出していただいているEFファイルのデータの取り扱いであるとか、外れ値のようなものの取り扱い、このようなものも議論したらどうかと思っております。
「○4 その他(DPC制度のあり方等)」でございますが、小規模病院や単科専門病院など、多様な施設がDPC制度に参加していることを踏まえ、医療提供体制全体の見直しの方針との整合性を踏まえて、DPC制度の検討を行ってはどうか。そういう提案でございます。
今後の検討方針と考え方としては適宜検討の機会を設けたらどうかとなっております。
以上、全体の各項目について、最後5ページでございますけれども「3.今後のスケジュール(案)」として、おつけしております。
「検討課題」の「(1)診断群分類に関する検討課題」のうち、先ほど申し上げたICD-10への対応であるとか、CCP Matrixなど、4つの項目については、本年10月までに基本的な方針を議論していただき、そうした基本的な骨格を固めた上で、各作業班に診療実態の反映という作業に入っていただくのが(1)でございます。
「(2)医療機関別係数に関する検討課題」として、医療機関群のあり方、先ほどのI群、II群、III群の問題等々でありますが、これは今年度中を目途に基本的な考え方を整理し、それを踏まえて、各係数、機能評価係数IIなどを、来年度から改定に向けて議論していく。
「(3)算定ルール等に関する検討課題」ですが、先ほど同一傷病による7日以内再入院、持参薬などにつきましては、26年度の診療のデータを踏まえつつということがございますので、来年の4月以降の検討としてはどうか。
「(4)退院患者調査にかかる検討課題」のうち「○5定例報告」は従来どおりの時期にやらせていただいて、先ほどの調査項目の追加、簡素化に関しては、適宜議論をしていってはどうか。
その他、DPC制度のあり方とか、請求方法、質の向上などは、個別にDPC評価分科会の議論がある程度終わった段階で、中医協に報告し、取り扱いを決めていただく。
以上のような形で、DPC評価分科会や中医協におけるDPC制度の議論をしていただいてはどうかというものでございます。
説明は以上でございます。
○森田小委員長
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問がありましたら、どうぞ。
鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
全体的な今後の検討方針・スケジュール等については、よろしいと思いますが、幾つか質問や意見をさせていただきたいと思います。
中医協診-1の1ページの(1)○1の(エ)短期滞在手術等基本3というところですが、今回はDRG的な形が導入されたということですが、現場では、例えば白内障の手術などで、その取り扱いについてまだ混乱があり、厚生局によって見解が異なっているような状況もあるようですので、整合性を見る前に、まず現状の確認と整理をする必要があると思います。これは意見でございます。
今回、短期滞在手術等基本料が入り、これはDRGに近いものということで、一方(ウ)の点数設定方式Dの説明では、DRGに近い方式だと書いてあり、今回この拡大を検討するということですが、こういう方向性を考えますと、今、DPC/PDPSということでやっているわけですが、将来DRGのような方向にさらに進めていく意向というのはあるのかどうか。これはDPCの生みの親とも言われる松田先生は、DPCとDRGは基本的に同じであるということで、DPC/PDPSでいいんだとおっしゃっているわけですが、今は、分科会からも外れていらっしゃるようですので、そういった方針に変更があるのかどうか。DPC/PDPSの方向性について、長期的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。これは質問でございます。
2ページ目に入りまして(2)の「今後の検討方針と考え方」についてです。一番下の行にかけて「医療圏別の評価のあり方や医療の標準化等の観点も含め検討を行う」とありますが、医療圏別の評価のあり方とはどういうこと0なのか。医療圏というのは、二次医療圏を指しているのかどうか。医療圏別に評価をするというのは、どういう意味なのかということです。
それと、医療の標準化の観点ということですが、DPC/PDPSも医療の標準化ということで行われていると思うのですが、さらにそれを標準化するということは、どういう意味があるのか。この点について、御説明をいただきたいと思います。これは質問でございます。
最後に中医協診-1参考○2のCCP Matrixについてでございます。これは説明の紙が1枚のみなので、詳しい内容はわからないのですが、表の下の真ん中辺りに「大学病院と中小病院では、同じDPC分類の肺炎患者でも病態の違いがあると考えられる」と書かれてありますが、実際には同じ病態の患者が大学病院と中小病院に入院するという場合もあり得るわけです。ですから、病態に違いがあるということを前提に組み立てますと、同じ病態の患者が大病院に入院すると、過剰に医療資源を投入されて、高い報酬が設定されるということにもなりかねませんが、そういったものがCCP Matrixでは切り分けられる仕組みなのかどうか。これについても教えていただきたいと思います。これは質問でございます。
以上です。
○森田小委員長
企画官、お願いします。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
質問を3点いただいたと思っております。
中医協診-1の(1)の(ウ)(エ)の関係、要するに点数設定方式Dや短期滞在手術等基本料とDPCの関係でございます。まさに鈴木委員に御指摘いただいたような課題について、DPC評価分科会でも議論されており、こういうまとめになっております。報酬が特に変わっているということではありませんで、適切な支払いの制度をつくっていこうということで、短期滞在手術に関しては、出来高点数の議論の中で、いわゆる全体的な外来とか入院などの議論ですので、まさに基本小委本体で議論いただくものだと思っております。
また、点数設定方式Dについても、適切なものがあれば、適用していこうという議論でございまして、先ほどのDRGとDPCの違いで申しますと、中医協診-1参考○1の14ページに1入院当たり包括評価と1日当たり包括評価の比較をつけさせていただいておりますが、これは右と左のプロットしたものは同じ分布なんですけれども、1入院当たりの包括になりますと、在院日数に関係なく支払うということになります。在院日数を短くする強いインセンティブは存在しますけれども、患者さんによっては、現状では非常にばらつきがあって、差額が出てしまう。そういった状態から、1日当たり包括であれば、そういった差額が生じない、ばらつきに対する対応もある程度できるということで、おのおの1入院当たりの包括評価と1日当たり包括評価のメリット・デメリットがございます。こういったことも、今後、全体的に中医協で議論いただきながら、どういう形で進めていくかということを、また御議論いただければと考えているところでございます。
2つ目でございますけれども、中医協診-1の2ページ目(2)の「今後の検討方針と考え方」のところで「医療圏別の評価のあり方や医療標準化等の観点も含め検討を行う」と書いている意味合いでございます。これはDPC評価分科会で、現在、機能評価係数IIというもので、例えば地域医療指数、救急の取り組み、がんや心臓疾患、脳卒中などへの取り組みということで、個々の病院の機能を評価するような点数設定を行っているところでありますけれども、医療圏ごとに病院数やどういったタイプの病院があるかというのは異なっています。
医療圏の中では、ほかの医療圏であれば、普通の病院というぐらいかもしれないけれども、その医療圏にとっては、非常に重要な役割を担っているものもあるので、医療圏の設定との関係で何か議論する必要があるのではないかという御意見がありましたので、入れさせていただいています。どういう形で反映するかということは、今、具体的なアイデアがあるわけではありませんので、そういう視点も含めて、今後、議論をさせていただいて、その結果については、中医協にまた御報告したいと思います。
また、医療の標準化というのは、先ほどのDRGの議論とも関係してきますけれども、標準化が進んでくれば、DRGのように一入院包括であっても、どの病院でも、治療方針や入院期間等が変わらないということになりますので、標準化を進めていく視点での係数設定も議論してはどうかということで、記載しているところでございます。
もう一点は、CCP Matrixに関してでございますけれども、これは中医協診-1参考○2の2ページ目の真ん中ぐらいに、大病院と中小病院では、同じ肺炎患者さんでも病態が違うことが考えられるとございます。この資料は、以前DPC分科会委員であった松田委員の資料です。同じ診断名であっても、手術とか、処置とか、副傷病名で枝分かれにすると、患者さんの個々の病態を十分に反映し切れない場合もあるのではないかという意味でございまして、そのために、4ページにありますとおり、さまざまな組み合わせで重みづけをするということです。別に病院ごとに重みづけを変えるということではなくて、患者さんの病態に合った形で、診断群分類を見直すという視点でのことでございます。
以上でございます。
○森田小委員長
鈴木委員、よろしゅうございますか。
○鈴木委員
わかりました。
方向性としては、DRGの方向に徐々に進んでいると理解してよろしいということですか。大病院向けのセミナーなどに顔を出すと、今後はDRGになるようなことを言っているのです。その辺について、お考えを教えていただけますか。
○森田小委員長
企画官、再度、お願いいたします。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
DRGに向かっているということが決まっているということではありません。今後、医療の標準化とか、さまざまなデータなどを見ていただきながら、DRG的な取り扱いがふさわしい分野もあるでしょうし、ばらつきがあるようなところについては、そうもいかないと思います。そういったことを総合的に中医協で議論いただいて、取り扱いを決めていただくという状況だと理解しています。
○鈴木委員
わかりました。
はっきりおっしゃるのは、なかなか難しいでしょうが、DRG的な評価の部分をふやしつつ、検討していくということですね。全体としては、DPCを維持しつつということで、理解してよろしいですね。
○森田小委員長
よろしいですね。
○佐々木医療課企画官
今後、御議論いただければと思います。
○森田小委員長
ほかにいかがでしょうか。白川委員、どうぞ。
○白川委員
DPC評価分科会の御提案ですが、全体としては、今後のこと、あるいは4月の改定の評価も含めて、検討すべき内容については、全て検討項目として掲げていただいており、また、スケジュールにつきましても、この案でよろしいと考えております。
その上で、質問が2つあります。
1つは、中医協診-1の1ページ目の2.の(1)「○1 基本方針について」の(ア)の部分です。26年度中にICD-10の改定版が告示されるという記載ですが、これはどれぐらいの規模の改定になるのか。実際にこれを適用して、システムを回すのはいつぐらいというスケジュール感なのか。これはDPCだけの話ではなくて、全医療機関、全保険者にかかわる大変な改定だと思いますので、わかっている範囲で、現状について、御説明をいただきたいというのが1点目の質問です。
2つ目は、2ページ目の中段「(2)『医療機関別係数』にかかる検討課題」の○1の最初の行ですが「○ 適切な医療機関群のあり方に関する検討」とあります。I群、II群、III群で、特にIII群はI群、II群以外という定義になっていますので、さまざまなタイプの医療機関が1,000以上存在しているということは、認識をしております。
それから、現在、国会で審議されております、医療法絡みの法改正等も若干にらみながら、医療機関の区分、機能を分けていかなければいけないという大きな流れも理解をしておりますが、I群、II群、III群をつくるときにも、私は意見として申し上げたのですが、余りに区分が多過ぎると、それによって当然医療機関別係数、入院料が変わってくる話になりますし、今、患者さんはどの区分の病院に行っているかよくわからないというのが実態だと思います。大学病院とか、大学病院に準ずる大病院であれば、ある程度割り切りはできますが、III群について、我々としては、余り細分化すべきではないという意見です。
質問は、III群について、どういう検討をされるおつもりなのか。その考え方について、御説明をいただきたいというのが、2点目の質問です。
○森田小委員長
企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
1点目の御質問は、中医協診-1の1ページ目(1)○1(ア)ICD-10の改定への対応でございます。今後のスケジュールとしては、今年度中に新しいものを告示し、例えばそれを死亡診断書等の病名の記載に用いるということまでは、決定をしていると聞いているところでございます。診療報酬請求での病名ということでは、今、DPCでは、先ほど申し上げたとおり、2003年度版を用いているところでございます。
その影響でございますけれども、この見直し自体は、以前、ICD-9からICD-10に変えたときは、項目数が相当ふえたり、組みかえということで、大規模なものでございましたが、これはあくまでもICD-10の基本骨格の中で、より詳細なとり方をするということが、主たるものと聞いております。腫瘍などの一部の部分について、取り扱いの見直しをしていると聞いておりますが、骨格が大きく変わるものではないようです。
ただし、御指摘のとおり、請求病名が1対1対応という形で、どの程度できるのかということについては、専門家、もしくはデータを提供する業者、医療情報の関係者などとも協議しながら、具体的にどうしていくのかという検討が必要だと思っておりますので、そこはDPC評価分科会で検討させていただきます。御指摘のとおり、診療報酬の全体の議論とも少し関係がありますので、この部分については、追加で御説明する必要があれば、DPC評価分科会全体の御報告とは別に、タイミングを見て、状況の御説明はさせていただこうと考えているところでございます。
2つ目の御質問、2ページ目の(2)の医療機関群のあり方の検討のところでございます。先ほど少し触れさせていただきましたが、4月、5月と2回、DPC評価分科会で議論をいただいた中で、I群を大学病院本院としておりますが、いろんな病院が入っているのではないかという意見がございました。
それから、II群の設定のあり方に関しては、今、大学病院の本院を1つの参考として、手術とか、医師の数などと比較しておりますが、医療法の改正によります、各地域での医療機関の役割分担を踏まえて、II群の設定を検討するべきではないかという議論になっております。
そして、最後III群でございますが、これに関しては、今回の中医協診-1の3ページ目の一番下の○4その他のところに「小規模病院や単科専門病院等、多様な施設がDPC制度に参加している」と書いてあります。III群病院の中に多様な病院が入っておりますので、その病院を一律の群という設定でいいのかどうかというところで、何か検討してみようということでございますが、現状で具体的にこういう形ではどうかというところまではいっておりませんで、いろいろデータを見たり、ヒアリングなどをしながら、III群のあり方も検討していくということです。今、具体的により細分化するであるとか、どうこうということを、一定の考えを持って議論していこうというよりは、まずはいろんな実情をよく考えて、データ等を見ながら検討してみて、その中で、機能的に分類すべきものがあるのかという視点で、今後、議論していく段階でございます。必要があれば、適宜検討状況も御報告しながら、分科会の検討を進めていただくということだと考えております。
以上でございます。
○森田小委員長
白川委員、よろしゅうございますか。
○白川委員
了解いたしました。
確かに今回は検討方針、検討課題を列記したものですので、検討自体がこれからということは、承知をしておりますが、何度も申し上げているとおり、III群の話は、もし細分化するという方向性が出ましたら、そのときにはまた議論をさせていただきたいし、患者さんが納得できるような、明確な基準が絶対条件だということだけは、今回あえて申し上げておきたいと思います。
○森田小委員長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。中川委員、どうぞ。
○中川委員
今のお話と近いのですが、中医協診-1参考○1の64ページです。I群、II群、III群のあり方です。中医協診-1にもありますが、今、白川さんもおっしゃって、企画官もお答えになったところで「小規模病院や単科専門病院等、多様な施設がDPC制度に参加していることを踏まえ、医療提供体制全体の見直しの方針との整合性も踏まえつつ」とあります。これは非常に大事なことで、私もこれはそのとおりだと思います。
その上で申し上げたいんですが、第6次医療計画から2018年度第7次医療計画に向けて、二次医療圏ごとに地域医療ビジョンを策定して、今年度から病床機能報告制度が始まります。各二次医療圏ごとに病床の必要量の目安をつくるという作業も始まりますので、それとこのDPCのあり方は、整合性を保っていかなければならないと思います。
64ページのII群のところで、大学病院本院に準じる病院というのは、そろそろ見直してはどうかと思います。医療法の改正に関連して、特定機能病院の要件の見直しが行われました。間もなくそれは始まると思いますが、大学病院本院とそれ以外の病院は、本質的に違うのだろうと思います。その最大のことは、医学部の教育です。要件には入りませんけれども、それが大前提の病院とそうでない病院は、準ずるというふうに、近いという考え方は見直す時期に来ているのではないかと思います。
それから、III群に1,400以上の施設があるわけですけれども、小規模の医療機関、単科専門病院、病床の規模に応じて評価するのではなくて、規模が小さくても、ある意味非常に専門性の高い高度な医療レベル、高い医療の質を持った医療機関もありますし、診療の科目数が多ければ、レベルが高いということでもないですし、そういうことも含めて、見直していくべきだろうと思います。
これは要望なのですが、中医協診-1の3ページ(5)で「中長期的な検討課題」というタイトルになっていますが、少なくとも「中期的な検討課題」にしていただきたい。長期と言わず、これは第7次医療計画にも間に合うような検討という位置づけにしていただきたいと思います。
以上です。
○森田小委員長
ありがとうございました。
これは御意見ということで、よろしいですか。
○中川委員
はい。
○森田小委員長
万代委員、どうぞ。
○万代委員
私も意見に基づく要望を幾つか申し上げたいと思います。
順番に申し上げますと、中医協診-1の1ページ2.(1)の(エ)の短期滞在手術の件でございますが、ここには大幅に拡大されたとありますが、拡大により、現場で混乱が見られるというのは、先ほど鈴木委員が言われたとおりだと思います。
26年改定に向けて、事務局が出された資料につきましては、包括化に向けてのデータとして、患者さんの8割程度がそこに収まるという形で、データが出されたものについて、拡大されたわけでございますが、そのときに申し上げましたように、それ以外、それから外れる患者さんもいる。全ての患者さんに対応できるという制度は難しいとは思いますが、今回、調査が行われると思いますので、包括化から外れるような病態の患者さんについても、いろいろな形で制度が設計されていると思いますけれども、調査に基づくデータを出していただきたいと思います。
具体的に申し上げますと、白内障の手術におきましては、患者さんのことを考えれば、1入院で両眼を手術するのが望ましいという中で、片方の目であっても、両方の目であっても、全部包括化されたということがあります。そういったことにつきましても、患者さんにとって何が一番いいのかということも含めた視点からの調査結果の検証をしていただきたいと思っております。
2つ目は、2ページの(2)医療機関別係数でございます。これは、今、中川委員が言われたとおりでございまして、私も平成24年の改定の議論の途中におきまして、II群、III群の分け方がいいのかということを主張してまいりました。
さらに今回の改定におきまして、II群とIII群の間の病院の入れかわりがある。それなりの数の入れかわりがございました。II群をどういう形に設定するかですが、現在のところ、高度急性期という形で、大学病院本院に準じる病院という形で定義されておりますが、個々の病院にとりましては、高度急性期の機能を整備しなければなりませんので、整備してII群になったものが、またIII群になってしまうという形になりますと、現場としては、運営に相当支障を来すことにもなりかねないと思います。そういうことなので、基本的な制度設計、II群、III群の分け方も検討いただくと同時に、中川委員が言われるように、本当にII群とIII群に分けるのがいいのか、あるいはII群の機能をどうするのかということを考えていくような形の議論をしていただきたいと考えております。
例えばII群とIII群を分けないで、機能係数でその病院の機能をはかるといったことも、考え方としては成り立つと考えておりますし、それについては、従来の主張のとおりでございます。
それから、同じところの3つ目の○、激変緩和措置のあり方ということで、いよいよ平成30年が迫ってまいりました。今のところ、ここ2回の改定で、2%の変動に収まるという激変緩和がとられていますが、最終年度に向けて、最後のところは、激変緩和がとりにくいという形になることも恐れているわけでございまして、平成30年に向けての段階的な激変緩和、さらに調整係数が廃止されるときに、そこで突然激変にならないという形の設計、あるいは検討をしていただきたいと考えております。
最後ですけれども、3ページの(4)「○2 調査項目について」ということで、簡素化と新規の追加項目の中で、企画官が言われるように、個々の病院に負担にならないということも考えつつ、こういった方向性だということでございますが、おっしゃるように、調査が必要だと思いますし、協力もしたいと考えておりますが、できるだけ病院の負担が少なくなるようなことも、調査項目ということで、検討いただければと思っております。
意見は以上でございますが、全体の方向性としては、皆様がおっしゃったとおりでございます。
以上です。
○森田小委員長
御意見ということですが、コメントはよろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、他に御意見等もないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとさせていただきます。
ただいまいただきました、さまざまな御意見も含めまして、本日の総会に報告させていただきたいと思いますが、よろしいですね。
(「異議なし」と声あり)
○森田小委員長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
本日の基本問題小委員会の議題は以上でございます。
それでは、次回の日程につきまして、事務局からお願いいたします。医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
医療課長でございます。
次回の日程は未定でございます。決まり次第、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○森田小委員長
ありがとうございました。
それでは、本日の「診療報酬基本問題小委員会」はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
この後、資料の準備等が整いましたら、費用対効果評価専門部会が開催されます。
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