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2014年5月15日 第11回中央訓練協議会議事録

職業能力開発局能力開発課

○日時

平成26年5月15日(木) 10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 19階 共用第8会議室


○議事

○今野座長 時間になりましたので、第11回中央訓練協議会を開催いたします。本日お集まりの方の紹介ですが、お手元に座席表と参考資料3に出席名簿がありますので、それを御覧いただければと思います。

 なお、本日御欠席の谷治委員の代理といたしまして、全産能連事務局長の坂口さんに御出席いただいております。

○谷治委員代理坂口氏 よろしくお願いいたします。

○今野座長 よろしくお願いします。それと、事務局に異動がありましたので紹介いたします。新たに、能力開発課に待鳥企画官、職業安定局総務課訓練受講者支援室に浅野室長が就任されました。

○待鳥企画官 よろしくお願いいたします。

○浅野職業安定局総務課訓練受講者支援室長 よろしくお願いいたします。

○今野座長 それでは議事に入りたいと思います。今回は、平成26年度の全国職業訓練実施計画案と平成27年度の公的職業訓練の実施規模を中心に意見を交換したいと考えております。まず、議題1「平成25年度の公的職業訓練の実施状況について」、事務局から報告をお願いします。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 能力開発課の青山でございます。資料1-1をお開きください。これは平成25年度の公共職業訓練、離職者訓練の実施状況です。

 受講者数全体が左上にありますが、約14万人です。内訳としましては、都道府県、特に委託訓練の人数が約10万人ということで一番多くなっております。高齢・障害・求職者雇用支援機構は施設内訓練が中心で約3万人となっております。就職率につきましては、機構の施設内訓練の就職率が85.5%、県につきましては68.8%などとなっております。昨年度よりは、それぞれ、就職率が若干上がっているものです。受講者数は、若干減少しているという傾向です。

2ページをお開きください。これを分野別に見ていただきますと、訓練の種類により多少違いますが、受講者で見てみますと、施設内訓練につきましては高齢・障害・求職者雇用支援機構の訓練を中心に製造系などで多くなっております。一番右の委託訓練においては、事務、介護といった分野などで多くなっております。就職率につきましては、機構の訓練等の製造系や介護の分野などで8割超や8割前後等で高くなっております。

3ページを御覧ください。これは昨年度の求職者支援訓練の実施状況です。受講者数は合計で74,972人、約75,000人でした。就職状況がその下の表ですが、基礎コース、実践コースとも82%を超えております。

4ページをお開きください。これを分野別に見ますと、真ん中の介護福祉の分野が人数も多く、就職率も87%と一番高くなっております。

 資料1-2をお開きください。これは本年度、こういう実績なども踏まえつつ措置された予算です。特に訓練規模のところで御覧いただきたいのですが、公共職業訓練(離職者訓練)163,000人で、昨年度よりは若干減少となっております。求職者支援訓練は7.7万人ということで、実績も踏まえ、昨年度より減少となっております。以上がデータ的なものです。

 資料1-3をお開きください。今回は各地域の現場での取組を少し明確にお示しできるよう、具体的な事例を用意してみました。「地域における特色のある求職者訓練の事例について」です。

1ページをお開きください。事例は3つ用意しておりますが、1つ目です。1ページは、右上に「福島県」とありますが、自治体と連携した求職者訓練(介護分野)の設定事例です。訓練分野としては介護分野ですので、これ自体が地理的にどうこうということにはなりませんが、経緯等を見ていただきますと、福島県内の町で介護施設の新設がありましたが、介護人材が不足するということで訓練の設定の必要があるということで取組が始まったものです。労働局の取組内容にありますとおり、町からの要望を受けた労働局でコースを作るべく、訓練機関に働きかけをするとともに町にも働きかけた。訓練機関には、その町には既存の訓練機関がなかったので、町で訓練の設定をしていただけそうな、ほかの町の訓練関係の企業にお願いした。下に「対町役場」とありますが、町役場には町の施設を低廉な価格で提供いただく等の要請をしまして、町の要請等を踏まえまして訓練機関に働きかけをしたということで、設定しやすくする配慮をしながらの働きかけであったということです。

 併せて、コースの周知広報にありますとおり、若年者を呼び込むために帰省時期などを活用した様々な媒体による広報にも努めたことによって、結果、下のほうにありますが、訓練設定ができ、実際に定員を上回る応募もあって、今月から訓練が行われているということです。このように地域の人材ニーズに対して、関係者が連携して積極的に取り組んだ事例として御覧いただけたらと思います。2ページは今の資料を詳細にしたものですので、御参照いただければと思います。

34ページをお開きください。2つ目の事例です。福島県神山町におけるイベントプランナー・コーディネーター養成科です。これは神山町という山間の町で、過疎であるということですが、地域活性化を担う人材を育成するためのコースを地元のNPOが設定した例です。訓練目標の所にありますとおり、イベントの企画・運営とか、マネジメント能力を有した地域の様々な企画を担う人材を目指して訓練をしたということです。4ページですが、そういう目的での訓練が行われ、4の実績ですが、受講者の多くが就職し、特に県内の地域情報発信関連企業とか地域活性化関連企業で働くことになったというように成果が出ております。5の地域貢献の最後のほうにIターン、Uターンとありますとおり、ほかの地域から訓練生を呼び込み、そこの地域で根付いて地域を支えるという人材を育成したということです。これも正に地域ぐるみで求職者支援訓練を活用して人材育成を図っている例ということかと思います。

5ページに船員になろうとする者の求職者訓練とあります。これは、後ほど国土交通省さんから御説明いただくことになっておりますので、私からの説明は省略させていただきます。以上が資料1-3です。

 資料1-4を御覧ください。これは、今、個別の事例を申し上げましたが、そのほかに我々で把握しています労働局による地域ニーズを踏まえた訓練の工夫事例です。恐縮ですが、文章が多いのでかいつまんでになります。

1ページ目の訓練ニーズの把握という塊などを見ていただきますと、要約しますと、求人サイド、求職者サイドのニーズをアンケートなどにより把握している事例が多いのですが、特に訓練ニーズの把握の塊の下から3つ目にありますように、県内の各自治体に産業動向や重点事業を聞くなどして、その訓練ニーズを把握している例などもあります。先ほどの事例は、それも1つの例だと思われます。

 次の塊、都道府県、機構センター等との連携、これは重要な話ですが、3ポツ目にありますように、県が行う公共訓練との時期の調整なども含めて様々な連携、調整がされております。1ページ目から2ページ目に地域ニーズへの対応の塊がありますが、例えば地場産業を踏まえて、繊維とか、1ページ目から2ページ目に農業コースとかができないかという検討とか、2ページ目ですが、先ほどの介護の事例とか、最後にあります建設技能者の不足に対応した訓練についての検討といった形で、様々な個別の分野等での訓練設定の検討が行われております。

1つ飛びますが、真ん中より下にありますが、訓練実施機関の開拓です。訓練機関や訓練の固定化を防ぐために様々な働きかけということで、公共訓練の委託の実績がある専門学校に、この求職者でのお願いをしたり、専門学校さんに、ほかの分野でのお願いをしたりという形で働きかけをしている事例もあります。

 最後の塊ですが、県内で地域格差などがある場合に、特定の地域で訓練が乏しいということにならないように、地域優先枠という形で配慮して設定しているという取組もあります。

 以上のように現場で各地域の実情や課題に応じた取組がなされております。それがきちんと成果にまで結び付いているかどうかは、これからのところも多いとは思うのですが、こういう取組をしているということで御紹介したものです。資料1関係は以上です。

○今野座長 ありがとうございました。それでは、先ほど少しお話があった船員訓練の事例について、国土交通省海事局の佐藤さんのお話を伺えればと思います。

(国土交通省)佐藤海事局船員政策課雇用対策室長 国土交通省海事局の佐藤です。よろしくお願いいたします。

 資料1-35ページに、「船員になろうとする者の求職者支援訓練の概要について」という横長の資料と、その後ろのほうに訓練施設と訓練風景の写真を参考として机上配布しております。

5ページの資料をご覧ください。船員になろうとする者を対象とした求職者支援訓練につきましては、昨年度、「一般財団法人尾道海技学院」の船員養成科が実践コースとして認定を受け、船員分野では初めて求職者支援訓練を実施しております。この訓練の目標ですが、船員として就職に必要な航海当直に係る資格を取得し、内航船舶において、船舶を運航する航海士や航海当直部員として安全な航海に必要な当直の職務や船舶の保守管理の職務ができるようになることを目標としております。内航船舶に乗り組む船員として求められる「六級海技士(航海)」という資格の取得につきましては、通常は2年間の乗船履歴と国家試験の合格が必要となっております。また、航海の当直に立てる航海当直部員の資格取得につきましては、通常、6か月の乗船履歴が必要となっております。

 当訓練の特徴としましては、全6か月の訓練期間のうち4か月を尾道市の本校において座学及び実習を行い、残りの2か月を貨物船やタンカーなど実際の商船に乗船して実習を行いまして、卒業時に航海の当直に立てる航海当直部員の資格を取得できるというのが1つあります。それに加えて、卒業後、就職先の船舶において6か月の乗船をすることにより「六級海技士(航海)」の資格の取得が可能となっております。また、現場で船員としての貴重な実務キャリアを習得し、資格取得もしますので就職におけるミスマッチを解消することができます。

 今回のコースは訓練生18名で実施しておりまして、修了まで6か月という長丁場でしたが、訓練生全員が資格取得という所期の目的を達成して無事に修了しております。18名中17名が船員として内航船社に就職しております。内航海運の特殊性から、乗船実習期間における指定来所日等については、天候等の影響により運航スケジュールが度々変更になり、来所日や来所場所の変更が生じ、運輸局の職業安定窓口、乗船実習を行っている船舶、訓練施設、訓練生ともに、通常、経験のできないような負担があったと聞いております。しかしながら、それぞれが連携することによりすべての訓練生が期日内に来所し、就職支援等の対応を実施することができました。

 現在、アベノミクスによる経済効果、震災復興需要、公共投資の増加等により内航船の有効求人倍率も右肩上がりで上昇しており、内航船員不足が顕著化している状況にあります。即戦力として必要な資格が取得できるというこの訓練は、内航船員不足という状況下において、新たな労働力の確保、また、求人者及び求職者のミスマッチを解消する有効な手段となっております。今年度も、引き続き求職者支援訓練を実施するために尾道海技学院が認定申請を行ったと聞いております。簡単ではございますが、船員になろうとする者の求職者支援訓練の説明を終わります。

○今野座長 ありがとうございました。ちなみに、航海当直とは何ですか。

(国土交通省)佐藤海事局船員政策課雇用対策室長 航海当直とは、一般的に「操船と見張り」をいいます。操船とは、船が安全に進むように舵を操作することです。見張りとは、船の周囲の見張りをすることです。

○今野座長 ありがとうございました。今日、ここのメンバーに訓練実施機関の方もいらっしゃっていますので、訓練状況についてお話いただいて参考にしたいと思います。まず全産能連の坂口さん、お願いできますか。

○谷治委員代理坂口氏 はい。おはようございます。一般社団法人全国産業人能力開発団体連合会の坂口でございます。今日はよろしくお願いいたします。

 参考資料1を御覧ください。まず、こちらの御案内に先立ち、弊会の簡単な御案内を載せておりますので、御確認いただければと思います。

2ページを御覧ください。我々は産業人の能力開発を促進する民間教育団体を結集して設立した、一般社団法人として活動しております。活動内容としては、優良講座の認定、民間教育訓練サービスの周知普及事業、ISO29990や厚労省のガイドラインの普及定着事業、こういったものの支援事業等を行っている団体となります。

3ページを御覧ください。今回、求職者支援訓練の取組につきまして、実際、我々民間教育訓練機関がどのような活動をしているかを取り上げております。本資料で取り上げる内容としましては、大きく4つの領域に分けて事例を御紹介しております。1つ目は職業ニーズの明確化です。就職希望者や市場とのミスマッチが起きないように、どのような工夫をしているかといった点を御紹介しております。2つ目は受講者の受講継続の意欲向上に関する取組です。受講者が途中離脱せず、受講修了できるようにどのような工夫をしているか、といった点について御紹介しているものです。3つ目は訓練内容の改善です。受講者が学習目標を達成するために、どのような工夫をしているかについて御紹介しております。最後、4つ目は就職率の向上です。就職率向上のために、どのような工夫を行っているかといったところを御紹介しております。

 当方の会員企業にヒアリング、アンケートを行いまして、今回まとめております。では御紹介してまいります。4ページ以降、事例を御紹介しております。かなりボリュームがありますので細かい内容は割愛させていただきまして、アウトラインの御紹介を中心に行っていきたいと思います。

1つ目は職業ニーズの明確化についての御案内です。いろいろと行っておりますが、まとめていきますと、受講生やハローワーク等からの情報収集のほか、求人の多い企業等へのヒアリングも行っています。例えば、ポツの3つ目ですが、求人元である企業や医療関連施設などの担当者から理想の人材スキルのヒアリング等を行うことで職業ニーズの明確化を行う。これは医療事務の例ですが、こういった活動も行っています。

5ページを御覧ください。受講者の受講継続の意欲向上に関する御紹介です。1つ目が「講師からのコミュニケーションや教室内の人間関係構築・場づくり等を行うことにより、受講継続意欲の向上を図っています」ということです。求職者の方は、仕事をしたいという意欲がありつつも、3か月という長い期間の中で途中でくじけたりということがあります。そういったことが起きないように、講師からのコミュニケーション、あるいはポツの3つ目にありますとおり、グループワークを行って受講生同士で励まし合うような関係を作る。こういった関係づくりを非常に大事にしているといったところがあります。

6ページをご覧下さい。「実務との関連性の高い訓練を行うことで、実践的技術の習得に加え修了後のイメージ喚起によるモチベーションUPにつなげています」とあります。例えば、ポツの1つ目ですが、社内の事業部門の支店長・課長・マネージャー・現場スタッフが、直接、業務内容や体験談を話したり、グループワークで受講生から質問対応できる機会を設けることで、就業に対する具体的イメージを喚起するようにしているということです。教育部門のほかに現業部門、例えば医療事務の仕事をしている部門や介護の仕事をしている部門を持っている企業もありますので、そういった所に関しては、その事業部門の者が実際に直接来て具体的なお話をするといったことでモチベーションUPにつなげているといった事例もあります。

7ページを御覧ください。訓練内容の改善に関してです。「アンケートやキャリア・コンサルティング、受講成績や習熟度合いをもとに、訓練内容の見直しを定期的あるいはその都度図っています」とあります。ポツの1つ目にありますとおり、カリキュラム途中でアンケートを実施して行うケースとか、ポツの2つ目にありますとおり、アンケートを行いながら、直接、講師や事務局に言いづらいようなことを、いかに定期的にピックアップしていくかといったところの工夫もしているというところです。

8ページを御覧ください。就職率の向上1です。「研修期間を通した就職への意識付けを、研修内の様々な場面で行えるように工夫をしています」ということです。ポツの3つ目ですが、就職支援科目です。職業能力基礎講習等では、一方的な講義形式ではなくて、訓練生参加型のロールプレイングを中心に意識啓発を高める努力をしているということです。単なる講義形式ではなくて、ロールプレイ等を入れながら、いかに就職への意識付けをしていくかということを日々、現場でも工夫しながら行っているという事例です。

9ページを御覧ください。就職率の向上2です。「キャリア・コンサルティングの他、求人企業を集めての説明会など、社内外のネットワークを活用した支援を行っています」という事例です。ポツの下から2つ目ですが、昼休み等を活用して、求人企業のミニ説明会を開催しているケースもあります。求人企業様と受講生の接点を作ることで、多くの就職実績を残す。こちらから働きかけをしていかないと、どうしても就職活動そのものに気後れしてしまう方も多いと聞いておりますので、そういったことがないように、できるだけ就職活動を熱心にしていただくような工夫を様々な形で行っています。

 最後、その他です。「施設面、心理面への配慮を広く行い、前向きに受講ができるよう工夫をしています」というケースです。最後にありますとおり、訓練修了式の中で、訓練生から訓練の感想等を聞いているのですが、「良かった」という言葉や感謝の言葉が出ている。中には、本当に今まで3か月あるいは6か月、頑張ってきて良かったとか、涙される方もいるということです。実際、現場の方にも聞いたところ、通常の教育訓練とはまた違った、本当に仕事をしたいという、すごく熱意のある方々がたくさん集まってくる訓練になりますので、いつもより、教える側としてもモチベーションにつながる、非常にやりがいのある訓練になっているという話も聞いております。簡単ではございますが、御紹介いたしました。ありがとうございます。

○今野座長 ありがとうございました。もう1つ、全専各連の関口さんお願いします。

○関口委員 全専各連の関口です。今回こういうお尋ねということで、認定コースを有す専門学校に対しての調査を簡単に行いました。それを踏まえて御説明します。

 専門学校については、教育訓練の給付金の内容が変わるということで、いわゆる正課といいますか、本科のほうが2年課程、3年課程ということで対応できる。また、職業実践専門課程も2年のほうは指定していただくということとあいまって、雇用訓練へのミッションを強く感じ出してきているところです。そういう中で、求職者訓練については、基金訓練からの流れの中で御協力をさせていただいています。専門学校全般の傾向としては、正課のほうは3年課程、4年課程の在籍者が全専門学校生のうちの4割ぐらいという状況で、ますます長期化、高度化の傾向が強くなってきております。

 また、職業実践専門課程において、企業、業界との関係性、連携性を強くうたわれていることからも、就職をさせるだけではなく、その後のキャリア形成につながる教育内容であるかということも問われているということで、卒業生の調査や支援が、自己点検、自己評価のガイドラインの項目の中にも入ってきている状況です。

 そういう流れの中では、求職者訓練について大都市の学校、全国の各都市の有力校が、求職者訓練について積極的に取り組んでいるという状況ではありません。ただ、地域によっては、県の訓練コースの3割程度を占めているという地域もあります。具体的には、秋田県が全コースの21.5%、山口県が30.4%、長崎が34.8%等々と比較的多い数字になっています。今は、全体として専門学校の学生数が横ばいか、やや増えている状況ですが、そういう中でも少し苦しい地方については、教室の空きがあるとか、教員の余裕があるという場合に、また、有力な全産能連さん傘下の全国展開をしている学校でも、教室がないというエリアでも、専門学校を展開しているケースがありますので、そういうところでコースを設定させてもらっているという状況です。

 平成24年度は全体で受入数が2,900人でしたが、平成25年度については2,100人ということで、全体として1割弱ぐらいのコース、人数等々を見直させていただいているということです。

 今後については、大きな正課、本科の流れは流れとして、現実に地方において求職訓練を担当させていただいている学校もあります。そこの課題は定員数の充足にあります。この点は、大きな広報費を学校単独では掛けられないことと、最終的な就職をどれぐらいイメージできるかというところにポイントがありますので、今、御紹介いただいたケースを参考にして、地域の行政や、公的な職業に関わる機関と連携して、広報的な意味でも、そういう窓口を使って告示させていただく。あるいはその結果として、どういうところに具体的な就職先が待っているのかということについても、地域の連携の中である程度示していく、入口と出口について、地域の諸団体との連携を強化することによって、定員数の充足を図っていく必要があります。全体の温度差はある中で、現状維持を更に定足数の充実という方向で全専各連としては進めていきたいと考えています。以上です。

○今野座長 これまで説明をいろいろしていただきましたので、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。いかがですか。

○新谷委員 御説明ありがとうございました。今、様々な御報告を頂きましたが、資料1-3と資料1-4に関連しての御報告で、要望を申し上げたいと思います。今回、地域における取組事例の御報告を頂き、非常に素晴らしい取組をされていると拝見をしました。ハローワークのような職業安定行政の皆さんが、こういった訓練に積極的に関与していただく事例。しかも、地場の雇用を踏まえた取組をされていることは、非常に結構なことなので、これは全国的に是非横の展開をしていただきたいという要望が1つです。

 もう1つ、資料1-3の福島の事例では、要するに町内に新しい介護施設ができるので、そこに新たな雇用が生まれ、人材が足りないということです。正しく地域の雇用対策と訓練が連結した一体型の取組をされている点で非常によろしいと思います。

 これは5月からスタートされたということですが、是非、良い訓練をしていただいて、介護施設の就職が関連就職としてつながるように、アフターフォローを含めて取組をしていただきたいと思います。

 次の徳島の事例は非常に面白い訓練をされていますが、実はこの訓練に関連して、地域の雇用対策として、今、厚労省でやられていた実践型地域雇用創造事業や、戦略産業雇用創造プロジェクト(通称BIC)という、本省からエントリー方式で、いろいろな地方からのプロジェクトに対して、お金を流し込んで、地域の自発的な取組をサポートするという取組がありますが、そこで一番足りないのが、徳島でやられているイベントプランナーやコーディネーターのような、実際にそういったプロジェクトを推進する人材が足りないといつも言われているのです。縦割り行政にならないよう、厚労省の地域雇用対策で流し込んでいるお金は、同じ都道府県労働局が処理すると思いますので、正しく地域雇用のプロジェクトと訓練が連携するよう、関係部局同士で企画をして、職業能力開発行政も地域雇用対策に対してリンクする形での取組を是非推進していただきたいと思います。私からの要望は以上です。

○今野座長 ほかにいかがでしょうか。先ほど関口さんから専門学校のお話が出ましたが、有力校というのはやってくれないのですか。

○関口委員 少し乱暴な言い方をしますと、教室が空いていればむしろ本科で定員を取って、2年課程や3年課程に力を入れるという流れを取っていくということです。

○今野座長 職業訓練にすごく近いような事業を別枠で設けるとか、そういうことはやらないのですか。

○関口委員 そうですね。

○今野座長 リスクが大き過ぎるのですか。

○関口委員 自分たちの学校の卒業生に対する支援という気運は強くあります。今、文部科学省で中核的専門人材の育成というのがあります。業界も含め連携して、1つのモジュール的なものを作っていくプロジェクトです。そちらのほうが少し先進的というか、そういうものに向けてのエネルギーを引き出すことになるので、どうしても余力があればそちらのほうに行きたいということになってしまいます。

○今野座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○小林委員 資料1-4の裏面に、建設技能者の不足が懸念されるということが4つ目の黒ポツに出ていますが、よくいろいろな政府の会議でも、建設技能者が足りないとか、若年者の建設労働者が足りないということが言われています。私ども傘下の建設業の組合からも、建設の人材が足りないというのはよく言われているのです。求職者支援制度も含めて、結構、若年者の方が研修を受けるケースが多いので、この辺は専修学校、専門学校等で分野が限られているので、建設業界の支援をやった所は限られているとは思うのですが、取り組もうという動きはないのですか。

○関口委員 こういうことを申し上げていいのかどうか、3か月とか6か月で、学卒未就労者が勉強して、正規雇用に結び付くことが、専門学校で2年、3年、あるいは4年で勉強させて、業界との関係の中で、就職をさせていくという活動を主としてやっている立場から言うと、非常に難しく感じる。3か月で正規雇用に結び付けるというのは難しいという感覚を我々のほうは持っているわけです。個別的な技術を何か、短い期間で教えたからといって、それが職業人としてそのまま受け入れられるのかということについても率直に言って懸念を持っています。

 ただ、そこで学卒未就労者が学習することによって、こういう世界があるということを知ったり、更にステップアップして、こういう勉強をしていけばいいのかなと、その期間で動機付けられていく、直ぐ様の正規雇用ではないとしても、1年先、2年先で結び付く可能性は非常にあるのではないか。これはどの分野についても同じです。おっしゃるように、目の前に採用ニーズがあるのは分かっているのですが。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 事務局から。確かに、今、求職者訓練で建設分野というのは、大体CADの習得という3か月~6か月のコースが多いかと思います。確かにかっちりしたものはもっとかかるというので、この制度ではなかなかやり切れないのですが、建設重機みたいなものは、逆に被災地だけで短いコースでやっていたり、多分、いろいろな技術や技能が建設ではあって、こちらも不勉強で、もっと研究しなければいけないと反省しております。やはり、今、どういう技術や技能が足りなくて、この制度で何がどうできるのか。逆に短く、すぐに取れてしまう資格だけなら、それを組み合わせてやるとか、それで3か月で仕上げるとか、多分いろいろな工夫ができ得るのですが、そこはなかなか求職者支援制度としても、地域も含めて十分に建設の人材不足に応え切れていない反省はあります。地域でもそこは課題となっているという議論まではしていますので、今のお話も参考に、人材不足の分野ですので、公共職業訓練も含めての対応ですが、考えていきたいと思います。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 彼女が言っていることに補足ですが、政府全体、与党を含めて、今、小林部長がおっしゃったようなお話がある中で、省としても、特に建設を中心とした人手不足分野については、人材確保育成のためのチームを作っていろいろ検討をしています。そういう中で、当然、職業安定局、職業能力開発局等々と連携して何ができるか考えています。能開局としては、訓練ツールとして求職者支援訓練、公共職業訓練、施設内訓練、委託訓練、それぞれの持ち味を考えつつ、何ができるか今、検討して徐々に来年度に向けていろいろなパッケージを仕込んでいこうと考えておりますので、また御意見に沿った対応がどれだけできるか考えていきたいと思います。

○今野座長 一般論で言うと、人材が欲しいほうは、長期的な観点で人材が欲しいという場合と、今欲しいという場合があります。

 働くほうも長期的にキャリアを考えていく場合と、とにかく今、働かないと困るという場合があります。両方とも長期、短期がありますので、組合せは4パターンになります。それぞれのボックスにどういう所が、どういう役割を果たすかということだと思います。

 先ほど関口さんが言われた有力校は、長期・長期の所でないとなかなか難しいというお話ですし、坂口さんの話は、いや、短期・短期の所でもやる分はありますよというお話だったのですが、何かそういう仕分けがあるのでしょうね。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 また、やや余計な補足かもしれませんが、産業競争力会議の中でも、訓練を産業界のニーズに沿って効果的にやってくれというお話があります。我々としては当然産業界のニーズだけではなく、求職者をちゃんと安定雇用につなげるということもセットなわけですが、今、正に座長がおっしゃったような、両者のニーズのベストミックスみたいな形で、どういう訓練の在り方が一番効果的かということを考えろというお題を頂いておりますので、積極的にそういうことを考えていくために、これから頑張っていきたいと思います。

○小林委員 建設業界の場合、左官や塗装も含めていろいろな業界がありますが、かなり高齢化していて、職人さん自体が6070代になっているという状況で、若年者がいない、後継者がいない部分も含めて、大変な問題になっていると伺っています。長期的な観点で、そういう業界自体も、人件費をかなり引き上げて人材を雇いたいということも言っていますので、外の作業で辛い側面があるのは否めないのですが、魅力的な事業であることを積極的に御紹介していただきたいのが1つです。

 もう1点は関係ないかもしれませんが、資料1-2の求職者支援制度の平成26年度の予算で、従前、訓練規模は139,000人でしたが、77,000人と実績に合うような形にしているのです。求職者支援制度は、事業主団体も労働団体もそうだと思うのですが、雇用保険のお金が入っているので、縮小してほしいというのはあるのですが、現実、去年の実績が資料1に出ていますが、かなりギリギリになってしまっているのです。予算の関係でいろいろ今後の話があって、この数字になっていると思うのです。伺いたいのは、受入れコース設定自体は77,000人より多いコースが設定されるわけです。現実、景気が良くなって、求職の状況が良いということで、求職者支援訓練を受ける方は減ってきてはいるのですが、実際、例えば10か月ぐらいたって77,000人を超えた場合、訓練施設では充足率を懸念しているわけです。一生懸命努力して一杯になってしまった。あと3か月コースはあるのですが、受入れの募集作業をやって、訓練を始めようとしたら、いや、予算がなくなってしまった。そういうとき、その訓練コースは運営できなくなってしまうのですか。その辺を伺いたいのです。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 そうなっては本当はいけないので、そうならないように計画的にやっているのですが、確かに初めにおっしゃったように、残念ながら求職者支援制度の充足率は高くなく、実は6割ぐらいです。それもあって、77,000人というのは実数ですので、それより少し割り戻して、少しそれを増やして計画を定め、増やした数で認定をしております。確かにそういう意味では認定定員としては多いのですが、実績の充足率にありますとおり、これまでは足りなかったことはありません。

 仮に、認定は1年に一遍ではなくて、毎月とか3か月ごとにやっているので、多分、最後微調整するしかないかと思いますが、それはあってはいけないことなので、今回は本当に予算がぎりぎりになってしまったのですが、なるべく充足率の動向を見ながら、うまくそこは運営していきたいと思います。

○小林委員 運用面で、これからの計画の話になると思うのですが、実際、毎月毎月しっかり見ていただいて、どのぐらいの充足状況にあるのか、どのぐらい予算を使うのか、精査しながら事業を進めていただくよう努めていただきたいと思います。

○今野座長 最初は御意見がなくて困ったのですが、御意見が出だしたら止まらなくなったので止めなければいけない。2つ目の議題は、「平成26年度全国職業訓練実施計画()について」です。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 資料2-1、平成26年度の全国職業訓練実施計画です。これは求職者支援法に基づく訓練をやるための計画ということで、求職者支援訓練のほか、公共も特定訓練を受けられる場合もあり、公共も含めた計画になっております。この内容については、昨年11月の本求職者訓練協議会で、本年度、当時で言うと翌年度の訓練の分野などの論点について御議論を頂きましたので、それを踏まえて作成しているものです。全体の文章になっておりますが、昨年度からの変更点を下線にしていますで、そこを中心に御説明します。

1ページ、2の状況については、雇用情勢のリヴァイズ、同じように「一部に厳しさが見られるものの改善が進んでいる」ということで、やはり改善が進んできております。残りの下線部、人数等がありますが、受講者数は先ほどのデータと同じですが、全体の傾向は雇用情勢の改善も受けて、受講者数は減少傾向。就職率は少しずつ上がっている状況です。率も先ほど御説明したものなので省略します。

2ページ、訓練の実施方針。冒頭の10数行ある文章もほぼ方針は踏襲しておりますが、概要を申し上げますと、1パラにあるように成長分野に重点を置く。2パラにあるように地域の関係者が連携・協議しながら進める。3パラ目には、被災者への配慮等も書いております。具体的には(1)以降、公共、離職者と書いてありますが、公共職業訓練の、実施規模等については、先ほどの予算上の定員を入れております。2パラ以降、これも成長分野に重点を置くことや、3ポツ目、公共施設については、ものづくりが特徴ですので書いております。委託訓練のほうは、介護などの成長分野や新たな雇用創出が期待される分野等の取組をすることが書いてあります。

 昨年度と違うのは、「これらにより」のポツですが、就職率目標は施設内訓練80%、委託訓練70%と書いております。実は昨年度までの委託訓練の目標が65%でした。今、訓練の実績は70%弱、69%というレベルですが、引き続き就職率の引き上げを努力していただくべく目標を上げたいと思っております。

 2以降は就職支援ということで、これは従来どおり頑張るということで、公共職業安定所におけるキャリア・コンサルティングをはじめ、訓練機関におけるキャリア・コンサルティングという形で、訓練機関と安定所、ハローワークが連携した求職支援に引き続き努めていきたいと思います。

3ページ、(2)求職者支援訓練について、1実施規模等の1ポツ目、正に先ほど小林委員からお話を頂いた定員の問題については、予算定員、実数としては77,000人ですが、そこで実際受けていただくために、充足率を見込んで、認定規模はそれを少し膨らませた118,500人を上限として認定したいと思います。3ポツ目は分野等ですが、成長分野とか、被災者、未就職の新卒者、生活困窮者など、特性にも応じた訓練を設定することを書いております。

 イ、ロのあるポツですが、これは昨年11月の訓練協議会での御議論を踏まえて措置しております。基礎コース、実践コースの規模の割合が30%対70%。これは、そういうふうにやりましょうという前回の協議会の議論を踏まえております。実践の中の各分野ごとの割合ですが、介護は25%程度、医療事務、情報は10%程度というものも、前年どおりですが、協議会の議論を踏まえております。

 残りがその他ですが、その関係で、次のポツに下線をずっと引いております。これは今年度、力を入れようと思っている部分です。先ほど議題1の関係で、地域の取組などを御紹介しましたが、正にその他の分野を使いまして、成長分野、基幹産業でより横断的に活用できる技能の習得や安定した就職の実現に資するように、地域の状況や工夫に応じて主体的に独自の訓練分野や、特定の対象者を念頭に置いた訓練等を設定する地域ニーズ枠の設定を推進したいと思います。事実上、地域で工夫されている部分があるので、そういうことを実行でやっている地域もあるのですが、本年度は可能な限り取り組みつつ、来年度は全てできちんとやってもらうということを推進したいと思います。

 新規参入枠という、新規参入を認める上限は4ページの上のほうにありますが、これは前年どおりです。これも前回の協議会の議論を踏まえておりますが、1点変えているのが、細かい注2のハの下線部です。特に下線部の「ただし」以降ですが、先ほど地域の特徴で、努力してやってもらう地域ニーズ枠については、全て新規参入枠とすることも可能ということで、様々な新しい分野や取組が想定されますので、このように柔軟化しております。

 2の上のポツに下線が引いてありますが、4月以降の訓練から雇用保険適用就職率は基礎コースで55%、実践コースで60%と書いてあります。これは昨年度までは雇用保険適用とは限らない全部の就職率を捉えて60%、70%と書いておりました。実績は、実際8割を超えておりますが、これは制度見直しをした労政審の議論のほうで、ごく短期の雇用などを促す傾向はよくないということで、雇用保険適用のある就職を目指して、それを評価するべきだということで捉え直そうという議論を頂きましたので、それを踏まえて目標もこのように絞っております。どうしても就職者の全員が雇用保険適用ではないのが実態なので、率の目標は55%目標、60%という形になっております。

 2の就職支援については、これも同じように、公共職業安定所におけるキャリコンでの支援。訓練機関におけるキャリコンといった形で、両者が連携した就職支援をするなどのことを書いており、これは引き続き取り組んでいただきたいと思います。詳細は省略します。

5ページ、(3)推進体制です。上のほうは前年同様ですが、簡単に御紹介しますと、関係者が協力して取り組むことが重要ということを書いておりますが、中央での協議会のように、各地域でも訓練協議会を開催し連携して、地域で必要な訓練の推進をしていただくということを書いております。2つのポツに下線がありますが、労政審の報告を踏まえた制度見直しのことを書いております。後ほど内容を御説明します。そういう見直しをしていますので、必要な訓練の質・量の確保、より安定した就職の実現に向けた取組を更に推進していきたいと思います。

 次のポツは、御懸念いただいた訓練規模については、多少実績を踏まえて減っておりますので、大事にその訓練規模を使うという意味で、安定した就職の実現に資する分野での訓練がより設定されるよう努めるということを書いております。計画は以上です。

 次の計画に付いている資料は参考ですので、御参照いただければと思います。基礎と実践、実践の中での分野割りの計画や実績の比較ですが、大体同じような傾向ですので、これまでの実績等を踏まえて同じように設定しております。

 最後のA3の紙は、昨年度の各地域の計画、各地域ごとに定員の枠を決め、分野やコースごとにやっているという御紹介です。資料2-1は以上です。

 資料2-2、これは昨年の秋冬の地域訓練協議会、本中央訓練協議会を昨年11月にやった後に行われた地域での協議の意見の概要です。これは非常に文が多いので、これもかい摘んで御説明いたします。

 各地域でもそれぞれ地域に根差した議論や悩みがあるということの御紹介のために作っております。1ページ、制度の周知についての意見です。まとめて言うと、受講者がなかなか集まっていないという認識のある下、あらゆる手段と場所でもっと制度の周知を行うべき。これは雇用保険が適用されていない方の訓練ですので、いろいろな所で受講者のニーズをつかんで、訓練に来ていただくということを努力すべきだという御注文を多々頂いていることを書いております。

2ページ、2.コース、分野ごとの訓練設定。中央訓練協議会でも議論している基礎コース、実践コース、介護、情報といった分野についての議論です。いろいろな分野があるのですが、例えば3以降ずっと情報系についての意見を並べております。これは地域がそれぞれ違うので、各地域で情報系についてはいろいろ議論があるということだと思いますが、地域により課題は様々で、求人があるのかないのかとか、レベルについて、難しいのか、受講者のレベルをそろえたほうがいいのかなどの意見が多様で、女性向けにPRするという意見も含めて、訓練の内容、受講者の属性との組合せが、情報系についてはいろいろな議論があるということを実感させるものです。

3ページ、3は地域の特性を踏まえた地域独自の訓練設定の関係の議論の御紹介です。例えば農業、2以降、幾つか農業系についての訓練が地域においてもっとできないか等の議論。「旅行観光」についても、もっと工夫できないかという議論。環境といった議論。各個別の分野的なものについても、個々に地域で議論が行われています。こういう動きは、やはり地域ニーズ枠を推進する中で、一層地域として必要な分野、内容を議論し、取り組んでいただくことを、我々本省としても期待しているところです。

3ページの下、4です。先ほどの議題で御議論、御意見を頂いた正に人材不足分野の建設については、自治体からは訓練をもっとやっていくべきだという御意見が当然ある一方で、訓練機関がないという労働局の意見もあります。「訓練機関がない」というのは、多分「ない」ということではなく、恐らく求職者訓練として仕組む仕方がまだ成熟していないというか、そういうこととしてやっていただくまでの状況になっていないという意味かと思います。4ページ、建設、保育、介護についても人材不足を踏まえて議論があります。

5.受講者属性などを踏まえた議論です。ニートなどをはじめ、学卒の未就職者の人、生活保護受給者といった様々な属性を捉えて、対応についてどうかという意見などが出ております。

6の充足率については、先ほども御意見、御意向を頂きましたが、充足率が低いという問題は、地域はより切実に考えておりまして、公共との競合もあるようですが、そこについての対応で悩んでいる様子がうかがえます。

5ページ、7.訓練の実施機関については、地方では必ずしも訓練ができていないので、もっと地方でも訓練を呼び込みたいという御意見や、逆に、充足率の低さも手伝って、訓練機関の経営としては非常に苦しいという正直な状況も話されて、もう少し何とかならないかという御意見も含めて出ております。これは全体としてそのような御意見だと思われます。

 残りの56ページは制度見直しや、その他ですので省略します。制度見直しは後ほど御説明します。このように各地域でも、まだいろいろ悩みというか、課題をぶつけ合いやっていますので、こういう意見も拾い上げながら中央でも引き続き考えていきたいと思います。以上です。

○今野座長 ありがとうございました。ただいまの説明について御質問、御意見をお願いします。

○関口委員 資料2-13ページ、(2)3つ目のポツの最後、「対象者の特性・訓練に応じた職業訓練の設定」というお話でした。直接は「東日本大震災」うんぬんという所に掛かるのですが、広く対象者の特性ということについて、資料2-2でも4ページの5番目に「受講者属性等を踏まえた訓練設定について」ということがあります。前回、更にその前にお尋ねしたのは、例えば学卒未就労者の受講者に占める割合や、プロフィールごとのデータはどうなのかということでした。対象者の、学卒未就労という括りか、高齢者という括りか、どういう括りになるか分かりませんが、どういう対象群に対してどういう講座が有効だ、ということが浮かび上がってきていないように思うのです。訓練機関は面接をして受講者を入れているわけです。その時点で受講者のプロフィールは把握できているわけですから、そういうものを集計して、こういうプロフィール群に対して、講座上生じてくる問題、訓練上生じてくる問題、就職上の問題はこうなのかと、分けて分析していくことが必要ではないかと思うのです。

 資料2-25の「受講者属性等を踏まえた訓練設定について」の最初の御意見に、ニートや引きこもり等の求職者を対象とした訓練コースみたいなお話があるのですが、そもそも学校から社会への橋渡しというところで生じてきた問題を、求職者訓練が全て引き受けなければいけないのか。私は、それは間違いだと思うのです。学卒未就労という領域であれば、文部行政の、学校から社会への橋渡しという課題とどう連携するのかという話が前提でないといけない。何もかも、この求職者訓練でそういう人たちを救わなければいけないという話ではないと思うのです。そのためにも、こういうプロフィールのこういう講座は非常に高い実績を上げているよという具体性があって、そういうところに絞っていこう、全体としては縮小してしまうかもしれないけれども、こういうところは非常に有効だから、もっと増やしていこうよ、というような方向性が大事だと思うのです。こうした点から対象者群ごとの分析という方向に踏み出していただけたら有り難いと思います。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 非常に貴重な御指摘、ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思っています。我々も、これまで学卒未就労者向けに局の判断で特別なコースを作ってもらったりしているのですが、それをもっと敷衍して、この制度のターゲットとしてどういうカテゴリーの人たちがいて、それぞれにどういう形のどういう訓練がいいのかという整理は、できていないというのが正直なところだと思います。もちろん形式的なデータは、ないわけではありません。受講者の男女比、生活保護、学卒ぐらいのデータはあるのですが、訓練と組合せのプロフィールは、まだまだ分析できていません。我々本省の反省として、これまで地域の議論に任せていたということがあります。もちろん地域での議論は重要なので、それは引き続きやりつつ、本省で、もう少しそれを拾い上げながら、我々の制度のターゲット、何をやるべきかということは、今の御指摘を参考にしながら考えていきたいと思います。

 学卒ひとつを取っても、確かに学卒の就職が厳しい時代もあったので、政府全体、省全体で学卒対策をやる中で、もちろん就職そのものの支援は安定局で一生懸命やると同時に、訓練というメニューも合わせて用意してやっています。訓練でも、数百人というレベルで求職者をやっているだけなので、それが全てということはないと思いますが、すぐに就職できない人で、技能を身に付ければ就職の可能性が高まるという余地はあるので設定しているのですが、そこは、もう少し実施状況を見ながら、どこまでこの制度でできるかということも、引き続き検討していきたいと思っています。

 実は、地域でも、学卒未就労者訓練を大事にやっている所と、やっていない所があります。ハローワークでの取組との組合せでやっていると思いますので、そういうことも聞きながら研究し、考えていきたいと思っています。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 先ほど申し上げましたが、訓練の在り方というのは、求職者支援訓練だけでどうということではなくて、公的訓練というだけでも、公共職業訓練、施設内訓練、委託訓練などがありますし、事業主の方々にやっていただく認定職業訓練もありますし、いろいろな助成金で後押ししている企業内の訓練、雇用型訓練など、いろいろなジャンルがある。先ほど新谷委員から言及のあった地域室がやっているいろいろな事業の中でも訓練をやっているわけです。それから、教育訓練給付で推しているようなものも含めて、いろいろな訓練がある。これからは、それぞれのプロフィールや産業界のニーズにとってどういう訓練をやることが一番いいのかという絵を、うまく描いていかなければいけないと思っています。

 特に人手不足分野について早く結果を求められているのだと思いますが、今後の能開行政の中でそれは大きなテーマ、課題だと思っています。そういう認識を持っているということをお話して、取りあえず御説明とさせていただきたいと思っています。

○今野座長 少なくとも、どうやってカテゴライズするかはいろいろ考え方があるとしても、そういう業務統計のようなものはないのですか。男女別はあるということですか。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 男女別も、大きく男女だけはあるのですが、例えばそれを年齢別でマトリックスを取れと言われると駄目なのです。実は、これは、小平の総合大学やJILPTなど、外でいろいろと調査研究をやってくれているところがありますので、新年度以降、そういうところに積極的に協力してほしいとお願いをしているところです。サンプリング調査のようなことから始まるのだと思いますが、データはこれから取れるようにしていくということで、御了解いただければと思います。

○今野座長 ほかに、いかがでしょうか。

○間部委員 建設技能労働者の関係で、確認の意味の質問があります。4月に建設分野での外国人活用の緊急措置が出たときに、国内人材確保の施策パッケージということで、厚労省の部分で、建設分野の公共職業訓練の充実ということが入っていたと思います。文言として、平成26年度から拡充ということが入っていたような記憶があるのですが、先ほど、今、仕込みをしているというようなお話があったかと思います。具体的には、次年度以降ぐらいのイメージで動いていくという理解でよろしいのでしょうか。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 これから詰めはしていきますが、まず公共職業訓練では、建設関係の訓練コースの何らかの拡充は検討していきたいと思っています。それも見ながら、求職者訓練も、何ができるか検討しようと思っていたところでした。おっしゃるとおりで、方向としてはそのように考えていますが、詳細は、頑張って詰めていきたいと思っています。

○間部委員 検討を進めることによって、平成26年度の計画に何か影響を及ぼすということはあるのですか。これはこれで変わらないのですか。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 公共は平成26年度からいろいろ取り組んでいますが、公共の計画の中で包含されていますので、大丈夫です。実際は、その中で取り組んでいきたいと思っています。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 補足します。4月の外国人材の話の中で、国内人材についての言及があり、平成26年度からやっていくということでした。できることは平成26年度からやっていくということなのですが、それだけで満足するのではなく、更に来年度に向けて、予算要求も含めて何ができるかということを引き続き考えていく。そういう理解です。

○今野座長 ほかに、いかがですか。

○高橋委員 資料2-1の実施計画なのですが、当然のことながら、これまでのところに上書きするような形で書かれています。就職率がとても大事な指標であることは論を俟たないのですが、他方で、本来望ましい在り方というのは、訓練あるいは訓練コースの内容に関連した就職率を高めていくということだと思うのです。平成25年度の実績分については既に関連就職率は分かっているわけですから、そうした参考データも資料2-1に付記していくことが望ましいと思います。平成26年度の目標就職率についても、参考目標的に関連就職率も併せて付記していくことが望ましいのではないかと思います。

○今野座長 何かございますか。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 関連就職率というのは、就職した本人が報告を上げる中で、訓練内容に関連した業種又は職種の就職であるということを、本人申告してもらっています。確かに、そういう数はデータにも出ています。実績として数自体はあるので、それは上げられると思うのですが、何をもって関連かというのは、こちらも、それ以上の細かい定義や整理もせずにいますので、本人申告でふわっと取った関連就職で、具体的にそれを目標を変えて別にするかというのは、よく考えなければいけないと思います。引き続きウオッチをしていくということはそのとおりですので、データは取りつつ、関連就職という取り方も含めて、今後検討したいと思います。

○今野座長 関連の定義が非常に曖昧だから、目標にするのは難しいかもしれないですね。極端なことを言うと、目標にしてしまうと、みんな関連で書いてしまうかもしれない。定義が曖昧だという問題があるから、目標にするのは難しいかもしれない。参考情報としていつもウオッチしている、というぐらいならいいかと思いますが。

○関口委員 ただ、例えば資料1-1の最後のページのIT関係を見ますと、就職率が80%で、80%のうちの62%が関連就職ということですよね。そうすると、5割ぐらいということでしょうね。3か月とか6か月のITの学習をして、ITの分野での就職を果たす人が5割ぐらいというように、すっきり見えるわけですね。

○今野座長 でも、これは私の解釈ですが、ITはベーシックスキルだから、どこの分野でも使えなければいけないと考えて、何でもいいのですが、営業に行きましたというときに、営業でいろいろなときにITスキルが要りますから、そこに行ったときに、「関連ない」に丸を付ける可能性もあるし、あるいは「関連ある」に丸を付けるかもしれない。ですから、これは難しいと思います。本当にこれを管理目標にするのなら、「関連」というものの定義をしないと難しいのではないですかね。

○関口委員 学んだ専門分野のことを活かす職というか。

○今野座長 活かすとしてしまうと、営業、販売、事務を勉強しました。そこで仕事の進め方を勉強したので製造に行っても使えますということがありえる。これは活かすになってしまいます。難しいですよね。

○関口委員 でも、指標の取り方はともかくとして、重要な数値だと思います。

○今野座長 そうですね。管理目標に使うのは難しいから、傾向的に増えているとか減っているという参考情報に使うという程度にしておいたほうがいいかな、というのが私の意見ですが。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 全く座長にお助けいただいているとおりで、非常に難しい問題があると思っているのですが、問題提起としては当然といいますか、全くそのとおりということで、どうすればいいのか。訓練全体に関わる話として考えなければいけないと思います。

○今野座長 乱暴なことを言うと、大学の文系は全部、関連でない業務に行っていますからね。関連就職割合ゼロパーセントとかになる。

○関口委員 参考になるかどうか分かりませんが、専門学校の場合は、求職者に対する就職率と、卒業生全体に対する就職率と、それから専門分野への就職率というように取るのです。この場合の専門分野というのは、人材像に基づいているので、学科が、こういう分野のこういう人材、職種になっていきますよということをゴールに定めているので、そのゴールに沿った就職という定義の仕方なのです。今のようにITの技術だけだったら、非常に広範な人材像ということになってしまうかもしれないので、1つの技術とか知識ということだと、なかなか難しいのかなと思います。

○今野座長 特に、比較的長いといっても短期ですから、スキルの教育が中心になります。極端なことを言うと、そのスキルはどの分野でも使えるかもしれないので、おっしゃられたような、こういう分野の人材像でという捉え方は、なかなか難しいところがあるのではないかと思います。ほかにございますか。

○新谷委員 この計画の中にも入っていて、資料2-2でも報告を頂いている地域の訓練協議会との関係なのですが、実際に訓練を実施されるのは地域になりますので、ここの強化が大事だと思っていますし、中央と地域との連携を取るという意味からも、有益な意見が出されているわけです。この有益な意見について、お願いをしたいのは、周知の在り方など、ある地域の訓練協議会で出たものが他の地域でも展開できることがあるので、出た意見を是非フィードバックしていただきたい。もう1つは、地域訓練協議会の中で完結できる話と、中央でないと完結できない話が混在しているので、返すときに、本省としての見解というか、出た意見を本省が今後どう扱うかということも含めて返さないと、言いっ放し、聞きっ放しになりかねないので、そういった対応を是非お願いしたいと思います。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 今日、受講者支援室長も来ていますが、新しくできたこのポストの意義は、私が言うのもあれですが、正に今おっしゃったようなことを全国展開するため、能開局と地方を結ぶためにこういうポストができたということもありますので、連携して、積極的にやらせていただきたいと思います。

○今野座長 この資料2-2は大変貴重な資料ですが、我々読み手からすると、例えば1ページの「制度の周知について」がダーッと並んでいる。グルーピングして、このグループはこんな感じというようにしていただくと、フレンドリーですよね。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 次回以降は、きちんとしたいと思います。申し訳ありません。

○今野座長 ほかにございますか。どうでしょうか。それでは、いろいろ御意見、御要望を頂きましたが、ここのメインテーマである平成26年度における全国職業訓練実施計画については、これでよろしいでしょうか。では、そういうことにさせていただきます。それでは、3つ目の議題、「求職者支援制度の見直し内容について(報告)」をお願いします。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 資料3-1を御覧ください。これは、昨年8月から12月まで労働政策審議会能力開発分科会等で御議論いただき、12月に報告をまとめていただいた見直しに関する資料です。制度の見直しについては、多くは施行規則の改正という形で実現できます。それが実現しましたので、改正する省令の概要という形で付けさせていただいています。

 制度見直しに当たっては、より訓練の質・量が確保されるようにという思いや、安定就職に向けた支援になるようにという趣旨で議論いただきました。1の認定基準等の改正については、主に訓練がきちんと質・量ともに確保されるという趣旨で改正をしたものです。(1)の1の1行目は、それもありますが、安定した就職という趣旨も踏まえた改正でして、先ほど就職率目標の変更のところで御説明しましたが、就職率というものを雇用保険適用の就職を対象とするように捉え直しましょう、という見直しをしました。詳細までは説明は省略しますが、1、2辺りの認定基準の改正については、認定基準で一定の実績を求めたりはしているのですが、実績を求める際の実績の見方について、これまでは画一的で、1回下回ると永久に不認定という厳しい基準等でやっていましたが、その趣旨は踏まえつつ、一部そこは合理的な範囲で変更して、真に必要な訓練はきちんと認定できるようにという趣旨の改正をしています。

 もう1点、1(2)2に共通の話なのですが、受講者の出席率が8割以上でないとその分の奨励金が出ないことになっています。その出席の数え方について、これまでは、1日の一部だけ欠席した場合や遅刻でも全て欠席になっていたのですが、遅刻はいいことではないのですが、1日の2分の1以上出ていれば2分の1のカウントはするということで、多少見直しをさせていただいています。残りの時間を出てもらうインセンティブということを目指して改正したものです。

(2)2ポツ目以降などは、訓練機関に支払う奨励金について、合理的に支給されるような見直し等々を行いまして、一部、インセンティブを引き上げながらも、より支援がされるような趣旨での改正もしています。訓練の質・量を確保するということをやっていきたいと思っています。

 資料3-1の裏は、募集をする際のルールについて、ちょっと画一的なところがあったので、ルールを明確化するということをしています。コースの認定にありますとおり、就職率が高いコースから選んで認定していますが、就職率は引き続き重要なのですが、何でもいいから就職ということだと、短期雇用などを生んでしまいますので、雇用保険適用就職に限定して評価すると。就職率以外の、訓練の内容、質等も含めた多面的な評価をすることで、真に質がいい訓練を選べるような見直しも提言されていますので、これも措置していきたいと思っています。

 資料3-2は、前提となった能力開発分科会報告書の概要等ですので、後ほど御参照いただければと思います。

 その関連で、1点だけ参考資料を御紹介したいと思います。参考資料2は、労働政策研究・研修機構の研究成果の概要です。これは、見直しの議論でも一部活用したのですが、JILPTで求職者支援訓練をやる実施機関に対してヒアリングやアンケートを行った調査の結果がほぼまとまりましたので、御紹介するものです。詳細は省略しますが、訓練機関の様々な取組、先ほどの訓練機関の紹介にありましたとおり、様々な取組をしていただいているのですが、2ページ、3ページにありますとおり、キャリア・コンサルタントの専門性の向上、労働市場についての情報の提供といった部分を積極的にやっていただくと、実績に結び付く。当然かもしれませんが、そういう訓練機関の取組というのは非常に意味があるということが、アンケート等でも分かっています。インプリケーションが出ていますので、これも参考に、今後、求職者支援訓練のより効果的な実施を考えていきたいと思っています。

○今野座長 ありがとうございました。何か御質問はございますか。この調査で、先ほど関口委員が言われたようなデータは取れていないのですか。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 この調査は、訓練機関相手です。他方、JILPTは受講者相手の調査も並行してやっています。今、その取りまとめはこちらほどできていないのですが、今おっしゃったことに全てかなうほどの内容で出せるかどうか自信はありませんが、JILPTが並行してやっている受講者向け調査は、結果をフォローして、次回などにお示しできたらと思っています。

○今野座長 いかがですか。よろしいでしょうか。それでは、「平成27年度の公的職業訓練の実施規模について」、お願いします。

○青山職業能力開発局職業能力形成システム企画官 資料4を御覧ください。来年度の訓練規模を検討する際の、参考となる資料を用意させていただいています。実績は先ほども御説明しましたが、資料4では、数年間のトレンドとしてお示ししています。1ページは、公共職業訓練のトレンドです。予算上の計画は、平成23年度は20万以上あったところが、今は16万まで減っていますが、実際の受講者数を見ると、15万人だったのが平成25年度以降は14万人ということで少しずつ減ってきています。就職率については、先ほど言いましたように、事業目標を上回る一定のレベルを維持しています。雇用情勢の改善を反映して減ってきていると思っています。

2ページは、求職者支援訓練の実施状況です。これは制度創設からまだ日も浅いのですが、平成23年度等から見ますと、予算上の定員も減っていますし、受講者数も減ってきています。就職率は、先ほどの質の問題はあるのですが、数値としては上がってきているという状況です。トレンドとしては、公共と同じようなものかと思っています。

3ページは、求職者支援訓練の毎月の受講者数の推移です。昨年度の平均を取りますと、月平均6,200人ということで、6,000人程度の人が受けているというデータとなっています。これも、前の年は8,200人ぐらいいましたので、やはり減少傾向にあるということが分かります。

4ページは、新規求職者数と公的職業訓練です。このページは公共ですが、受講者の状況です。公共職業訓練は、予算上の定員と実際の受講者数の関係も踏まえ、応募倍率は1倍超、定員充足率は約8割となっています。少しずつ下がっていますが、そのような状況です。このグラフについては、濃い色が受講者数、薄い色が新規求職者の中の雇用保険受給者です。この制度のターゲットになる人の全体数です。両者の比率を折れ線グラフで示しています。右の目盛りが数値ですが、求職者の中の78%程度の人が訓練受講に回っているという推移となっています。

5ページは、求職者訓練の同じような数字です。求職者訓練は、予算と実数の乖離が公共よりありまして、応募倍率も1倍未満、定員充足率は6割となっています。新規求職者に占める受講者についても、両方減ってはいるのですが、公共の78%に対してこちらは23%ということで、受け入れる度合いは数で見ると低くなっています。

6ページは、新規求職者の数です。今のデータのバックデータ的なものということです。上の全国を見ていただきたいと思います。全国の中の上の欄が雇用保険受給者ということで、公共職業訓練のターゲットとなる人の毎月の推移、下が雇用保険受給者以外ということで、求職者訓練のターゲットになる人の推移ということです。ばらつきはありますが、上は10万人~20万人、下は20万人ぐらいの推移をしています。トレンドとしては、昨年度より1割前後減っているということがありまして、雇用情勢の改善を反映しているものと思われます。

 来年度の規模について、この時点で具体的に何万人ということではないのですが、今のようなデータも踏まえますと、受講者数自体は減少傾向にあるのは事実で、これは、雇用情勢が、一部厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでいるということが影響しているものと考えられます。他方、先ほど御説明したとおり、労政審の報告も踏まえて制度の見直しを施行していまして、必要な訓練の質・量の確保、より安定した就職の実現を更に推進したいと思っています。

 労政審の報告書には、制度そのものの見直しに加え、訓練への制度の周知、訓練への適切なあっせん、訓練機関の安定した運営、育成、質の向上、就職支援の充実といった、更に検討すべき課題も書かれています。これらも踏まえますと、制度見直しの効果が最大限に発揮されるためにも、こうした制度の運用面についても一層の強化を図っていきたいと思っています。

 特に、地域訓練協議会でも様々な指摘がなされていて、先ほど皆さんにも議論していただいたことですが、地域ニーズに即した訓練の設定の促進をはじめ、こうした制度の運用に当たっての取組を強化していきたいと考えているところです。

○今野座長 ありがとうございました。御意見、御質問ございますか。提案の趣旨は、労働市場の状況を考えると受講者数は減少傾向にあるが、制度的な見直しや運用上の見直しがあって、増える方向の要因もある。労働市場は下げ要因で、制度改革と運用の見直しは上げ要因。両方あるので、全体としては、平成27年度の職業訓練の規模については、これまでの訓練実施を踏まえた規模でいったらどうかという提案だったと思います。いかがでしょうか。そういうことで訓練協議会の意見をまとめたということで、よろしいですか。

○小林委員 現実的にはそうだと思います。訓練の受講者は下がっているところではあるのですが、訓練施設は、県の施設も含めて、かなり老朽化していたりする。施設面での質を維持するための措置も十分に考えていかなければいけないと思います。そちらに力点を置いて、景気というのは循環するものですから、今の時期に、しっかりした形の訓練施設の整備を重点的に考えていただければと思います。よろしくお願いします。

○今野座長 お金が必要ですね。

○尾形職業能力開発局総務課長()能力開発課長 新年度予算をこれからいろいろ議論していきますので、その中で。

○今野座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、私が先ほどまとめたような方向で意見をまとめたということにさせていただきます。今日いろいろ御意見を頂きましたので、そういう意見も踏まえて、公的職業訓練の規模について、平成27年度の概算要求、予算編成に当たっていただくよう、事務局にはお願いいたします。今日はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。


(了)

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