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2018年7月13日 第21回全国健康保険協会業績評価に関する検討会

保険局保険課全国健康保険協会管理室

○日時

平成30年7月13日(金) 10時00分~12時00分

 

○場所

千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館20階 共用第8会議室

○議題

(1)平成29年度全国健康保険協会業績評価に関する検討会の進め方について
(2)全国健康保険協会の平成29年度業績評価に関する評価の基準について
(3)平成29年度全国健康保険協会事業計画について

○議事

 

○深谷全国健康保険協会管理室長 定刻になりましたので、ただいまから第21回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。
事務局をしております保険課の深谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
古井構成員が本日は御参加の予定なのですけれども、少しおくれておられますので、後ほど来られると思います。
今回は、全国健康保険協会が29年度に実施いたしました事業の実績に関する評価をしていただくに当たっての第1回目の検討会となります。
まず初めに、この検討会に初めて御出席いただく方を御紹介させていただきます。
被保険者の立場から構成員をお引き受けいただきました労働者福祉中央協議会の事務局長をされておられます花井圭子様でございます。
○花井構成員 花井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 また、昨年10月に全国健康保険協会の理事長に就任されました安藤伸樹様でございます。
○安藤理事長 安藤でございます。よろしくお願いいたします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 同じくシステム担当理事に就任されました松谷直哉様でございます。
○松谷理事 松谷でございます。よろしくお願いいたします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 そして、同じく10月に当課の課長に就任しております安藤課長でございます。
○安藤課長 安藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 次に、本日の構成員の方の出席状況でございますが、小西構成員が欠席となっております。
会議を開始するに当たりまして、御出席いただいております構成員の方々から、座長の選出をしたいと思います。座長につきましては、昨年度と同様に土田構成員にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○深谷全国健康保険協会管理室長 それでは、土田構成員に座長をお願いしたいと思います。以降の進行をよろしくお願いいたします。
○土田座長 土田でございます。どうぞよろしくお願いします。
この協会けんぽは財政的には安定してきておりますし、今までアクションプランが非常に成果をおさめてきたと理解をしておりますが、医療保険者としての充実というものも、最近非常に感じられるようになってまいりました。非常にうれしいことだと思っております。
また、今年度からいろいろと医療保険をめぐって新しい事業が展開されておりますけれども、それにあわせながら、さらに協会けんぽが伸びていくことを期待しております。ことしから新しいアクションプランが始まるわけですけれども、その前の29年度の事業につきまして、評価させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、検討会の開始に当たりまして、安藤保険課長から一言御挨拶をお願いいたします。
○安藤保険課長 保険課長の安藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私も昨年の9月末に現職のほうに着任いたしましたので、今回初めて会議に参加させていただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は本当に御多忙な中、御出席いただきましてありがとうございます。また、昨年度に引き続きまして御参画いただいたことに心より感謝を申し上げたいと思いますし、花井構成員におかれましては、新たな参画を快くお引き受けいただきまして、ありがとうございます。事業者代表として、ぜひ忌憚のない御意見を賜れればと考えているところでございます。
さて、この検討会でございますけれども、平成20年10月に設立されました全国健康保険協会の業績評価について、毎年度構成員の御意見を踏まえまして、最終的には、これをもとに厚生労働大臣が業績評価を行うというたてつけになっているものでございます。
協会けんぽでございますが、冒頭に座長のほうからもございましたけれども、協会、理事長以下、皆様方の御努力もございまして、現時点、足元では事業運営は安定しているのではないかと考えているところでございますが、ただ、中長期的なことを考えますと、必ずしも楽観できる状況にはないのではないかというところも、一方で思っているところでございまして、今後は保険給付の適正な実施はもとより、データヘルス計画の着実な実施ですとか、あるいはジェネリック医薬品の使用促進などによって保険者機能をさらに発揮していっていただくということが必要ではないかと考えているところでございます。そのためにも構成員の皆様からいただく御意見、御指摘を事業運営のほうに積極的に活用していくことが必要ではないかと考えておりますので、ぜひ構成員の皆様から忌憚のない御意見をいただければと考えているところでございます。
以上、簡単でございますけれども、私のほうからの冒頭の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○土田座長 どうもありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。
具体的な内容に入る前に、平成29年度の業績実績に関する評価の基準につきまして、検討を行いたいと思います。最初に事務局から説明をお願いいたします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 それでは、まず本日の議事内容と配付資料の確認をさせていただきます。座席図の下にあります議事次第の1枚ものの資料がございますが、こちらをごらんください。本日の議事は2番のところですけれども、3点ございます。
1点目が「平成29年度全国健康保険協会業績に関する検討会」、これの進め方についてでございます。
2点目が29年度実績評価に関する評価の基準についてでございます。
この2つにつきましては、これから業績評価をしていただくわけですけれども、そのスケジュールでありますとか、評価の基準などを決めていただくものでございます。
そして、3点目が平成29年度の協会の事業計画についてでございます。こちらは29年度の事業計画を中心として、全国健康保険協会から御説明をいただきたいと思います。本日の議事については以上でございます。
次に資料の確認をお願いいたします。その次から資料をお配りしております。
資料1が「全国健康保険協会業績評価に関する検討会について」の保険局長の伺い定めの1枚紙でございます。
資料2が「業績評価に関する検討会の進め方について(案)」でございます。
資料3が「平成29年度業績評価に関する評価の基準(案)」でございます。
資料4が平成29年度の協会の事業計画及び予算でございます。
資料5が平成29年度事業計画と28年度の事業計画との新旧対照でございます。
資料6が27年度の業績評価の指摘事項に関する29年度への関連部分でございます。
そして、資料7からは30年度以降の資料になりますけれども、資料7が保険者機能のアクションプラン(第4期)でございますが、これの概要です。
資料8がその本体部分でございます。
最後に資料9が30年度の協会の事業計画と予算の資料でございます。
本日の資料は以上でございます。
○土田座長 ありがとうございました。
お手元にございますでしょうか。なかったら御連絡ください。
それでは次に、議事に入りたいと思います。
最初の議題は今後の業績評価の検討会の進め方についてでございます。最初に事務局より、その進め方につきまして案を説明してください。
○深谷全国健康保険協会管理室長 それでは、お手元の資料2をごらんください。
今年度の検討会の進め方についての案でございます。本年度につきましても、昨年28年度分と同様に3回のこの検討会の開催を予定してございます。
まず、本日の検討会におきまして、先ほど申しましたけれども、評価の基準を決めていただく形にしております。その後、協会におきまして決められた内容に従いまして、業績評価の項目ごとに評価シートを作成いただきます。
そして、その作成いただいた内容につきまして、次回9月、そして10月にかけての2回に分けてこの検討会を開催いたしまして、その中において御説明と質疑を行っていただく予定にしてございます。
そして、第3回目の検討会が終了いたしました後に、各構成員の皆様から評価を記入したシートを御提出いただきます。そして、私どもの事務局におきまして、最終的な案ということで取りまとめをし、構成員の皆様にも御確認をいただいた上で確定していきたいということでございます。
そして、11月には最終的な評価を公表する運びということで考えてございます。
進め方としましては、事務局の案は以上でございます。
○土田座長 ありがとうございました。
ただいま説明のありました今後の進め方につきまして、事務局案はいかがでございましょうか。御意見等ございましたら、お願いいたします。
よろしいですか。どうもありがとうございました。
それでは、そういう形で進めるということで御了解いただいたということにしたいと思います。
次の議題に移ります。次は平成29年度業務業績に関する評価の基準につきまして、検討したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 それでは、続きましてお手元の資料3をごらんください。29年度の業績評価に関する評価の基準についての案でございます。こちらの基準(案)につきましても、基本的には前年度の28年度の評価を行ったものと同様の内容として案を作成してございます。
まず、1ページの2のところでございますけれども、平成29年度につきましても、事業計画に掲げられています各項目ごとに行います個別的な評価と、全体を見た総合的な評価の2つをあわせて行うこととしております。
まず、個別的な評価につきましては、29年度事業計画の各項目そのものを評価するということで、項目の実施状況を確認の上、それぞれの項目ごとに評価を行っていただきます。具体的な評価の項目につきましては、一番下にございますSからDまでの5段階、昨年と同様と考えてございます。
そして、おめくりいただいて2ページでございますけれども、マル3のところに留意点ということで幾つか記載してございますが、こちらも基本的には昨年と同様のものを記載してございます。業務実績の数値目標がある場合についてはその達成度合い、また、定性的な目標の場合には具体的な業務実績を把握して評価をするということです。そして、業務実績につきましては、数量だけで判断するのではなくて、その質でありますとか、予期せぬ事情の変化なども考慮しながら評価をしていくということです。そして、業務実績と計画に乖離が生じたような場合につきましては、その理由を把握して妥当性などについても評価をしていくというようなことが、留意点として記載させていただいております。
そして、総合的な評価でございますけれども、こちらは個別的な評価の結果を踏まえまして、まとめ的な評価ということで位置づけてございます。
以上の流れで評価をしていくわけですけれども、最後に次のページに評価シートの書式を記載してございます。こちらも28年度に使ったものと基本は同じでございますけれども、事業計画の項目ごと、この例で言いますと(1)の「保険者機能の発揮による総合的な取り組みの推進」という項目でありますけれども、この項目ごとにシートを作成いただきまして、まず協会におきまして、事業計画のポイントでありますとか、実績、自己評価などを記載いただきます。記載いただいたものにつきまして、先ほど申しました次回以降の検討会で質疑等を行いまして、その内容を踏まえて構成員の皆様に評価を行っていただくという流れでございます。なお、その際には私ども厚労省からも評価に当たっての視点ないしポイントみたいなものを、あらかじめお示ししたいと考えてございます。
評価の基準についての御説明は以上になります。
○土田座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から説明がございましたけれども、この説明につきまして何か御意見、御質問がございましたら、どうぞお願いします。
よろしいですか。
基本的には昨年と同じですので、異議なしということで進めたいと思います。
それでは、最後の議題となりますが、平成29年度事業計画につきまして、これは協会けんぽのほうから説明をお願いいたします。
○安藤理事長 それでは、まず始めに私のほうから一言御挨拶と同時に御説明をさせていただきたいと思います。
本日は、私が就任後初めての業績評価検討会となります。平成29年10月1日付で協会けんぽの理事長に就任いたしました安藤でございます。改めまして、よろしくお願いいたします。
昨年は協会発足以来初めての理事長交代となりましたが、これまで小林前理事長が取り組んでおられました財政基盤の安定化と、保険者機能の発揮という取り組みを引き継ぎまして、さらに発展させていく所存でございます。委員の皆様方には協会の事業運営に関しまして、引き続き貴重な御意見を賜りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
本日は時間も限られておりますので、私からは平成29年度の主な取り組みと、平成30年度の協会運営の方針につきまして、一言述べさせていただきます。
まず、平成29年度の主な取り組みでございますが、私ども協会けんぽでは保険者機能の一層の発揮に向けまして、事業運営の3カ年計画であります保険者機能強化アクションプランを平成20年12月から策定しております。また、このアクションプランに基づきまして毎年度の事業計画において、重点事業と目標を定め、それに基づいて着実に取り組みを進めております。平成29年度は第3期保険者機能強化アクションプランの最終年度であったことから、これまでの取り組みの総仕上げを着実に進めるとともに、委員の皆様方の貴重な御意見も踏まえまして、次期アクションプランなどの策定に取り組んでまいりました。
また、近年は地域の実情に応じた効率的な医療、介護サービスの実現を目指し、医療提供体制等のあり方にも関与を進め、地域医療構想に基づく具体的な取り組みの検討や、平成30年度からの新たな医療計画の策定、診療報酬、介護報酬の同時改定など、社会保障の持続可能性も見据えた働きかけ、意見発信を進めてまいりました。
次に平成30年度の協会運営の方針でございますが、平成30年度はこの10月で協会の発足から10年がたち、次の10年間という新たな時代を見据え、設立本来の目的である保険者機能の発揮により一層進めていくことが重要であると考えております。このため、平成30年度からの3年間の行動計画となる第4期保険者機能強化アクションプランには、3年後の到達目標として重要業績評価指標、いわゆるKPIを可能な限り定量的に設定することで、達成状況の見える化であるとか、PDCAサイクルの明確化を図っております。また、平成30年度の事業計画におきましては、アクションプランに連動する形で、基盤的保険者機能、戦略的保険者機能、そして組織体制の強化、この3本柱に基づきまして、重点事業と目標を定めております。具体的には基盤的保険者機能としまして、年金給付等の業務の標準化、簡素化、効率化の徹底や、日々の業務量の多寡や優先度に応じた柔軟な業務処理体制の構築によりまして、業務の生産性の向上を目指します。
次に戦略的保険者機能としましては、ジェネリック医薬品にかかるデータ分析であるとか、特定健診受診率等が低迷している支部の底上げを図るための要因分析、支部ごとの加入者の健康、医療データをまとめた支部版スコアリングレポート等、ビッグデータの活用による外部への発信力の強化に努めてまいります。また、地域医療構想調整会議におきまして、客観的データに基づく効果的な意見発信を行う等、医療提供体制のあり方へのさらなる関与を進めてまいります。さらにこうした保険者機能の発揮や日々の業務を支えるのは、申し上げるまでもございませんが、職員一人一人であるため、組織体制の強化としまして、人材育成による組織力の強化であるとか、人的資源の最適配分など、組織基盤をさらに強化してまいります。
今後ともたゆまぬ努力を続け、この先も協会設立の本来の目的であります保険者機能の強化、発揮を一層進めてまいる所存でございますので、委員の皆様におかれましては、引き続き御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
それでは、これから具体的に細かく企画部長のほうから説明させていただきます。
○稼農企画部長 企画部長をしております稼農です。座って説明させていただきます。
まずは、29年度の事業計画につきまして、御説明をさせていただきます。資料は、資料4が計画本体で、資料5が新旧対照表、資料6が御指摘をいただいた項目を一覧にしたものになっております。本日は資料5の28年度事業計画との比較を用いて、ポイントを説明させていただければと思います。
資料5、横紙のものをお開きください。
まず、基本方針でございますが、1ページの中ほど、左側が29年度でございます。「第一に」というところがございます。今、理事長からも御説明がありましたけれども、「第一に」とありますが、29年度が第3期アクションプランの最終年度でございましたため、その評価、検証結果を次期、第4期になりますが、保険者機能アクションプランに生かすことにより、PDCAサイクルの強化を図るというのを第一に掲げております。
2つ目の柱のところでございますが、「第一に」の下のところです。同時にとございますけれども、加入者の健康保持増進を図るための重要な柱であります「データヘルス計画」につきましても、その柱、3本柱がございますが、これを実施するとともに、こちらのほうも29年度が第1期の「データヘルス計画」の最終年度でございましたので、30年度からの次期「データヘルス計画」、第2期になりますが、これにつなげていくということを掲げてございました。
2ページのところであります。2つ目の柱でございます。「第二に」とありますところ、第2パラグラフの「特に」でございますが、平成29年度におきましては、医療計画、医療費適正化計画、介護保険事業支援計画の見直し、国民健康保険制度改革、診療報酬・介護報酬の同時改定など、平成30年度から開始される各種制度、計画の見直しに関して、30年度以降のあるべき姿を見据えた効果的な意見発信を行うということを掲げてございます。
おめくりください。3ページでございます。もう一つ、制度的な検討というところがございました。中ほどに支部間インセンティブ制度等の活用によりという記述がございます。29年度におきましては、協会けんぽにおけるインセンティブ制度の検討を進める年でございましたので、これに触れてございます。
また、第4の柱、3ページのところですが、このプランを達成していくためには、言うまでもなく、「人材育成等による組織力の強化」「調査研究」、あと「加入者・事業者との双方向のコミュニケーション」「外部有識者との協力連携」など、基盤強化を行うということを書いてございます。
続きまして、7ページをお開きください。ここからが重点事項ということになります。まず、保険運営の企画でございます。8ページの下のところに(2)とございますが、30年度に向けた意見発信ということで、29年度は区切りの30年度に向けたところでの準備の段階で、非常に重要な時期でございましたので、30年度に向けた意見発信を他の保険者と連携しながら発信していくということを、新たに項を設けて記述をしたところでございます。それが8ページから9ページにかけてでございます。
また、10ページのところをごらんください。(4)ジェネリックの部分でございますが、これにつきましては、ここに冒頭下線が引っ張ってありますけれども、30年度から32年度までのなるべく早い時期に80%以上を目指すという国の目標が定められておりますので、これについて明記をしたということでございます。
続きまして、おめくりいただきまして、12ページをごらんください。(6)調査研究の推進でございます。私どもはビッグデータ等を活用して、なるだけできる分析をやって発信していこうということをやってございます。特に12ページの一番下でございますが、最近、28年度から導入したGIS(地理情報システム)の活用推進等によりまして、加入者・事業主、関係機関等への視覚的にもわかりやすい分析結果を提供する等、各種事業の推進に活用していこうということを書いてございます。
その下の(7)広報でございますが、こちらも毎回、この検討会でも広報は非常に重要であるというような御指摘をいただいておりまして、地域ごとの医療提供体制、健診受診率等を「見える化」して、わかりやすくタイムリーに伝えていくことをやっていこうということを書いてございます。
14ページの下、(8)的確な財政運営でございますが、保険財政は非常に重要な基盤でございますので、引き続き的確な財政に努めるということを書いてございます。
続きまして、15ページをお開きください。ここからが重点事項の2番目、健康保険給付等でございます。これにつきましては、基盤的な保険者機能で、非常に重要なところでございますので、(1)にありますようにサービス向上のための取り組み、あるいは(2)限度額適用認定証の利用促進、(3)窓口サービスの展開、(4)被扶養者資格の再確認、17ページに行きまして、医療費適正化関係でございますが、(5)柔道整復費、療養費の照会業務の強化、あるいは(6)傷病手当、出産手当金の審査の強化、(7)海外療養費支給申請における重点審査、(8)効果的なレセプト点検の推進等を掲げております。
また昨今、19ページでございますが、(9)資格喪失後受診等による債権の発生防止のための保険証の回収の強化に力を入れております。また、(10)ですが、積極的な債権管理・回収業務の推進ということ等を掲げているところでございます。
続きまして、21ページをお開きください。先ほど申しました保健事業につきましては、21ページの左側の下線を引いているところでございますが、データに基づいた保健事業の推進ということで、中ほどにありますが「データヘルス計画」につきましては、第1期の最終年度であることから、これまでの各施策の進捗状況の確認、結果の検証等、PDCAを十分に意識して実行し目標達成に努める。また、あわせて経過の検証と各情報の分析結果をもとに第2期の計画につなげていくということを目標として、計画に掲げております。この関連で、各個別事項につきましては22ページから(1)のところで、特定健康診査の推進、事業者健診データの取得の促進について記述をしております。
おめくりいただきますと23ページでございますが、(2)特定保健指導の推進ということを、ここでも第2期計画の最終年度であることを踏まえて、向上に最大限努力する旨を記載しております。また、これまでかなり保健事業がかなり多岐にわたっておりまして、なかなか整理が難しいところがあったので、今回29年度の計画では、項目をできるだけわかりやすく分解して書きまして、24ページですが(3)重症化予防対策の推進も大きな柱になってきておりますので、項目を分けて新設して記述をしております。また、事業主とのコラボヘルスにつきましても、項を起こして明確化したところでございます。そのほか、各種事業の展開を25ページにわたって書いてございます。
4番目の柱ですが、組織運営及び業務改革でございます。組織運営にとって、やはり人の育成等が非常に重要になってまいりますので、そこの点について触れております。特に26ページのマル3のところに下線が引いてございますが、28年度に導入しました新たな人事制度の運用・活用を通じまして、協会を支える人材を育成すること等によりまして、加入者本位、主体性と実行性の重視、自由闊達な気風と創意工夫に富んだ組織風土・文化のさらなる定着を図るという記述をしております。
27ページに参りますとリスク管理、また(2)では、繰り返しになりますが、人材育成の推進等々を記載しているところでございます。これが健康保険事業でございます。
続きまして、ちょっと飛びますが37ページをお開きください。簡単に「船員保険事業」につきましても、触れさせていただければと思います。基本方針のところをかいつまんで説明いたします。事業運営の基本方針ですが、37ページの左側でございます。
「第一に」とありますが、船員労働の特殊性に応じた事業ニーズを十分踏まえた事業運営に努めるというようなことを、まず第一に掲げております。そのためには積極的な情報提供等を行うということでございます。
第二の柱でございますが、この保険事業等につきましては、船員保険データヘルス計画も第1期最終年度でございましたので、その取り組みを着実かつ効果的に実施することを通じてやっていくということでございまして、その結果検証を踏まえて第2期計画を策定するということでございます。
38ページに参りまして、下のほうに「第三に」とございますが、ここにつきましては医療保険同様、中期的な財政見通し、医療保険制度等の影響を踏まえ、保険者としての健全な財政運営に努めるという旨を記載しております。
40ページからは重点事項をそれぞれ書いておりますが、説明は省略させていただきます。
ここまでが29年度の、今回評価をしていただく事業計画でございましたが、30年度に私どもはアクションプランを新しく作成しておりますので、それについて若干御説明をさせていただければと思います。
資料の7を準備いただければと思います。保険者機能強化アクションプラン(第4期)の概要でございます。これを用いまして概要を説明させていただきます。これまで御説明しましたとおり、また、冒頭に座長のほうから協会けんぽアクションプランに沿って事業を進めてきているということをおっしゃっていただきました。29年度が3期プランの最終年度でありました。昨年度におきましては、運営委員会のほうでも議論を重ねていただきまして、30年度から3年間の第4期プランを作成しました。これが第4期でございます。
まず、基本的な枠組み等について御説明をいたします。資料につきましては3~4ページを先に御説明させていただければと思います。ポンチ絵みたいなところでございます。第4期のアクションプランにおける協会けんぽ運営の基本方針の参考1というところでございます。基本的考え方でございますが、協会けんぽの役割等につきまして、整理を行いましてマル1基盤的保険者機能、マル2戦略的保険者機能、マル3組織体制の強化ということで、3つに機能、役割を大きく分解いたしまして、分類した上でそれぞれの目的・目標を定めるという形で整理をいたしております。その上で、各分野ごとに具体的取り組みを定めるとともに、定量的なKPIを設定して進捗状況を評価するというような形に作成をしたところでございます。
具体的に言いますと参考2です。4ページのところをごらんいただくと、アクションプランと各事業年度の各年度計画との関係をここで整理をしております。上の枠のところに文書で書いておりますが、協会けんぽでは、これまでも保険者機能強化アクションプランや、事業計画に基づく事業運営を行ってまいりました。その評価を次のアクションプラン、事業計画に反映させてきましたが、必ずしも双方の関係性、リンクが不明確なところも正直言ってございました。今回、第4期を新たにつくるに当たりまして、ここをきっちり整理をしようということで作成をしました。「このため」とありますが、平成30年度以降は以下のとおり、保険者機能強化アクションプランを3年間の中期計画と明確に位置づけて、3年後を見据えたKPIをアクションプランで定めるということを、まずしました。それを踏まえた事業計画の策定や評価を通じた改善を行うことによって、PDCAサイクルを強化するというようなことで整理をさせていただいたところでございます。
下の図にございますが、アクションプランの第4期は32年度までの3年間の計画ということで、一番右の32年度の箱のところにプラン終了時(3年後)を見据えたKPIを設定と書いてございます。これは資料8という冊子がございますが、これがアクションプランの本体でございます。これの29ページをごらんいただければと思います。細かくは説明は省略させていただきますが、アクションプランの中で文章にもそれぞれKPIを設定しているのですけれども、それぞれ基盤的保険者機能、戦略的保険者機能につきまして、具体的施策でKPIを設定するということで、3年後の目標値をまずアクションプランで設定するということをいたしたところでございます。
ポンチ絵のほうに戻りますけれども、こちらのほうで3年後を見据えたKPI設定と、各年度の事業計画ではいわばそれを3分の1ずつ積み上げていくような年度の事業計画をつくっていって、最終的に3年後にプランを達成するというようなつくり込みをしております。各年度、事業を終えるごとにKPIの達成状況について検証しまして、次の年度の計画に生かしていくということを今後やっていき、最終的に3年後には次のアクションプランに向けた全体的な評価、検証を踏まえて次期プランにつなげていきたいというようなことを考えてございます。新たなアクションプランに基づきまして、協会一丸となって取り組んでいきたいと思っておりますので、今後とも御指導どうぞよろしくお願いいたします。
私のほうからの説明は以上でございます。
○土田座長 ありがとうございました。
ただいま、協会のほうから説明がございましたけれども、平成29年度の事業計画、それからアクションプランがつけ加わっております。それらにつきまして御質問などございましたら、どうぞお願いいたします。
森下構成員、どうぞ。
○森下構成員 森下でございます。
いろいろと御説明ありがとうございました。私も今回で3回目になりますので、大分、今の事業の内容とか、いろいろなアクションプランの実施状況をある程度、自分なりに把握はできていると思います。
今回の委員会では今まで29年度までの、第3期ですか、そこまでの評価ということでございますが、今御説明いただいた第4期、ここについては今言ったようにKPIという手法で、新しい数字的な部分でかなり深く、さらに向上するというような方向で動いてらっしゃるので、大変結構だと思いますけれども、第3期目の評価をするに当たって、やはり我々的には以前の1期、2期、積み上げてきていただいているので、そういう古いデータから第3期にはどのくらい進捗しているのかというような資料も、もし出せるようでしたら、また見せていただく。
さらに私が一番心配しているのは、事業主の立場としては、先ほど保険課長からも御説明があったように、現況ではそこそこ運営が差し支えなくいっているというお話でございますが、やはり長期的、あと数年後になると非常に厳しい状況も考えられるという背景もございますので、なるべくというよりは、さらなる保険料の負担というのは、事業主の立場としては、大変厳しいところがございますので、経済的な効果、要するに効率的な金銭的な部分での運用が、どのような部分で一番効果的な部分になるのか、また、その辺も資料として御検討して、いろいろとまた提出していただけるといいのかなと思っております。
非常に4期は新しい手法でやられると思いますが、3期までにつきましては、いろいろとまた私のほうも見させていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
以上でございます。
○土田座長 よろしいでしょうか。
○稼農企画部長 ありがとうございます。
私どもとしましても、3期の最終年度につきまして、それまでの目標もございましたものですから、そこがどの程度達成したかということにつきまして、できれば定量的なところをなるだけお示しして、またお諮りしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○土田座長 どうもありがとうございます。
ほかにございますか。
古井構成員、どうぞ。
○古井構成員 御説明いただきまして、ありがとうございました。
私のほうからは、2点コメントをさせていただきます。最後の参考1のアクションプラン第4期の3つに役割を分けて基盤的とか、戦略的保険者機能と非常にわかりやすい分け方かなと感じました。
それでちょっと私のほうから保険事業、データヘルスに関してコメントなのですが、支部間の比較というのが先ほど3期のほうも出ていまして、私のほうは先般から第2期の「データヘルス計画」の支部研修会のほうに参加をさせていただいて、勉強させていただいているのです。その中で本当に思うのは、支部間の比較をしますと各支部のよさだけではなくて、弱いところとか非常に構造的に協会さんが苦労されるところがあぶり出されて、非常におもしろいなと、非常にいい取り組みだと思っています。そういう中でけんぽさんのほうが、1,400けんぽが今、平成28年度の第1期の「データヘルス計画」のデータではあるのですけれども、これを今、東大のポータルのほうでパターンを見たところ、特定保健指導の実施率が6割を超えた事業所はメタボの改善率が、がくっと上がるというのがありまして、これは恐らく事業所の雰囲気、環境もよくなっている。あとは保健師さんが入っていくことというのは、非常に事業所にとって大きいのかなと感じています。なので、これが例えば30人ぐらいの規模の事業所ですと、6~7人メタボの方がいて、そうすると4~5人のおっちゃんたちが、要はプログラム、保健師さんの指導を受けると職場自体が変わっていくというか、そういうことがわかってきましたので、先ほどのビッグデータの分析はもちろん必要だと思うのですが、事業所単位の、つまり、例えば健康宣言をした事業所ですとか、あるいは健康保険委員がいらっしゃる事業所が、実はどのぐらい特定健診とか、保健指導の実施率があるかというのを見ると、非常に違いがわかるのではないか。
先ほど、先生からもあったのですが、本当に協会けんぽの皆さんに聞くと、病気になって初めて保険のありがたみを感じたと、東大病院でよく300~400万かかる方が本当に7万で済むとか、そういうことで初めて気がつくのです。実は健康宣言事業所で保健師さんが入っていくと、本当にこういうことが、保険料を払っているからではあるのですが、ちゃんと指導してもらえて、熱中症対策の講演までしてくれたと、非常にお金的な効果だけではなくて、多分その福利厚生的な本当に従業員の雇用につながるような、事業主がまさに従業員に寄り添うための健康ソリューションとして協会けんぽのデータヘルスというのは多分使えると思いますので、この辺のデータをもって、他の事業所の方に示していくということできずなも強まって、うちもサービスを使ってみようかなということがあるのではないかなと感じています。
それから、2つ目は特定健診、保健指導も第3期に入って、厚労省の検討の本当にいいなと思うのは、健診機関が当日に声がけをできるとなってきましたので、特に協会さんの場合に別の、2カ月後、3カ月後に別に特定保健所でやるというのは非常に大変だと思います。なので、各支部一つずつでもいいと思いますので、当日の面談をしっかりやっていただいて、我々も3年前の静岡の研究のほうでは、健診機関で当日、よく来てくれましたね、本当に血圧と腹囲だけでもいいので、その場で返していただくと、翌年度の健診の継続実施率というのが15%上がるというのがわかりましたので、ぜひ協会さんだけの資源ではなくて、地域の医療機関をうまくデータヘルスに乗っけていく、そのように健診機関の教育も含めてやっていただくとありがたいなと感じています。
以上でございます。
○土田座長 どうもありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
今、古井さんのほうから話がありましたけれども、医療に関しては、これから地域の役割が非常に強くなっていきますし、協会けんぽは各都道府県ごとに支部ができておりますので、今までもやってこられたと思いますけれども、さらにその辺の力を強化していただきたいと思います。
それでは、この項目につきましては以上でよろしいでしょうか。一応、予定されました議題は全て終了いたしました。
次回以降のスケジュールについて、説明をお願いいたします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 それでは私から、次回の日程でございますが、22回の検討会ですけれども、9月28日金曜日午前10時からを予定してございます。そしてその次の次々回につきましては、10月の前半を予定しておりますが、こちらのほうはまだ日程が調整中でございますので、決まり次第御連絡させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○土田座長 ありがとうございました。
ちょっと確認したいのですが、9月28日の10時ですか。
○深谷全国健康保険協会管理室長 午前10時からでございます。
○土田座長 わかりました。どうもありがとうございます。

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