ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 全国健康保険協会業績評価に関する検討会> 第22回全国健康保険協会業績評価に関する検討会(2018年9月28日)

 
 

2018年9月28日 第22回全国健康保険協会業績評価に関する検討会

保険局保険課全国健康保険協会管理室

○日時

平成30年9月28日(金) 10時00分~12時00分

 

○場所

千代田区平河町2-6-3 都道府県センター 401会議室

○議題

業績評価の議論(健康保険)
(1)保険運営の企画
(2)健康保険給付等
(3)保健事業

○議事

○深谷全国健康保険協会管理室長 皆さん、おはようございます。
定刻前でございますけれども、皆様おそろいですので、ただいまから第22回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。
皆様方におかれましては、御多忙のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
また、本日の構成員の皆様の御出席状況でございますけれども、本日は全員御出席いただいております。
また、全国健康保険協会からは、安藤理事長ほか、皆様、関係者の方に御出席いただいております。ありがとうございます。
それでは、土田座長、よろしくお願いいたします。
○土田座長 おはようございます。
それでは、早速ですけれども、議事に入りたいと思います。
最初に、きょうの議事内容及び資料につきまして、事務局より質問をお願いします。
○深谷全国健康保険協会管理室長 事務局から、本日の議事内容と資料についての御説明をさせていただきます。
まず、本日の議事内容でございますが、お配りしております上から2枚目の議事次第をごらんいただきたいと思います。
前回、7月でございますけれども、この検討会におきまして決定いたしました進め方に従いまして、本日と次回10月の2回に分けまして、29年度の業績につきまして協会の方から御説明いただいて、その後、質疑という形で進めていきたいと思います。1回目の本日でございますが、議事次第にありますとおり、健康保険関係のパートにつきまして、1つ目が「保険運営の企画」について、2つ目が「健康保険給付等」、3つ目が「保健事業」ということで、3つに分けまして協会の方から御説明をいたただきまして、その後、各構成員の皆様に質疑をお願いしたいと考えております。
進め方としましては、それぞれ3つの項目に分けまして、最初に15分程度で協会の方から御説明いただき、その後、皆様20分程度で質疑を行っていただく。このような方法で順次進めていただきたいと思います。
そして、資料の御確認をお願いしたいのですけれども、上から2枚が座席表と議事次第ですが、その後、横置きの資料になります。
資料1-1が、1つ目のテーマであります保険運営の企画についての業績評価のシートでございます。
資料1-2が、2つ目のテーマの健康保険給付等についてのシートでございます。
資料1-3が、保健事業についてのシートになります。
別冊になりますけれども、冊子として平成29年度事業報告書もありますので、御参照いただければと思います。
参考資料が1枚ついておりますけれども、これは前回7月に御審議いただいて決定した評価基準の資料としてお配りしております。
本日御用意した資料は以上でございます。不足などありましたら、お申しつけください。
以上です。
○土田座長 ありがとうございました。
それでは、最初、第1のテーマであります「保険運営の企画」に入りたいと思います。
全国健康保険協会から御説明ください。
○池上企画部長 企画部長の池上でございます。本日は、よろしくお願いいたします。
まず、私から第1のテーマについて御説明させていただきます。
お手元の資料1-1、テーマとしては、「I.健康保険」の「1.保険運営の企画」について御用意させていただきました。
1ページ目をごらんください。「(1)保険者機能の発揮による総合的な取組の推進」でございます。事業計画についての御説明は割愛させていただきます。自己評価でございますが、まず、1つ目の○ですが、29年度は「保険者機能強化アクションプラン(第3期)」の最終年度でしたので、各取り組みについてデータヘルス計画に基づくPDCAを意識した取り組みの実施や事業所における健康づくりを通じた健康増進、各種審議会での意見発信など、協会からさまざまな関係者の方に直接働きかけを行う業務について、さらなる強化に努めたところです。第3期のアクションプランに基づく取り組みの実施状況につきまして、「実施状況」、「アウトプット(結果)」、「アウトカム(成果)」の3段階に分けて検証を行いました。また、それを踏まえまして、さらに保険者機能の強化を図るためということで、第4期のアクションプランを策定し、取り組みの達成状況の見える化、PDCAサイクル明確化を図るために、3年後の重要業績評価指標、いわゆるKPIを定量的に設定し、取り組みを強化することとしています。3つ目の○ですが、29年度のパイロット事業・調査研究事業の応募件数は、各支部から応募していただくものですけれども、これにつきましては、39支部・103件と過去最大の応募となりました。実施につきましては、15支部・20件となっています。28年度に実施したパイロット事業のうち、効果の認められました「薬剤師会と連携した多受診者への取組」につきまして、新たに全国展開を行ったところです。4つ目の○ですが、保険者機能の強化に向けて、支部間の情報共有の充実ということで、昨年5月に、各支部の管理職クラスと分析担当者を本部に招集して、ジェネリックに関する意見交換を行ったところです。このように、29年度はさまざまな取り組み、計画を上回る成果を達成したことから、自己評価については「S」とさせていただいています。
4ページをごらんください。「(2)平成30年度に向けた意見発信」の項目でございます。ここでは、事業計画の中で検証指標として、都道府県医療費適正化計画に係る検討会への参加支部数が挙げられています。自己評価に関してですが、1つ目の○です。平成29年度は、30年度から実施される医療計画とか、介護保険事業計画、医療費適正化計画、診療報酬の改定など、さまざまな動きを見据えての準備を行う年となっておりました。したがいまして、それらの新たに策定される計画に保険者の意見が反映されるよう、支部においては医療計画・医療費適正化計画策定の場や国民健康保険運営協議会、本部におきましては、社会保障審議会の部会や分科会、中医協などの場を通じて、加入者や事業主を代表した立場で意見発信を行いました。また、本部におきましては、支部に対して意見発信の方針や発言例などを示すことで、各支部が協会としての統一した意見発信を行えるよう取り組んだところです。後ほど少し御説明いたします。3つ目の○ですが、審議会等への参画の状況ですけれども、1つ目のポツ、医療計画策定に関する審議会におきましては、30支部から33支部へ、医療費適正化に関しましては、31支部から38支部へ、国運協につきましては24支部から47支部へと参加数が拡大したところでございます。このように、意見発信の体制の確保、発言例などを示すことでの支部・本部一体となった意見発信に取り組んだことから、自己評価は「A」とさせていただいております。
5ページの参考資料を少しごらんいただければと思います。小見出しで<第3期医療費適正化計画>と書いてあるところに(視点の例)とありますけれども、ここに書いてあるようなものが、本部から支部に対して、都道府県と必要な協議を行えるようアドバイスをしたものです。例えば、2つ目の・ですけれども、計画を見るときには、算定式から算定される医療費の見込みを達成できるような取り組み内容がきちんと盛り込まれているかどうかという目で発言をするようにといったアドバイスも行っております。次の小見出し、国民健康保険の関係でございますけれども、そこでも(支部に示した意見発信のポイント)を挙げさせていただきました。例えば、1つ目の○にありますように、国保の運営方針の策定に当たっては、医療費適正化計画と整合性がとれた数値目標、それを達成するための具体的施策を記載すべきといったアドバイスを行ったところです。
7ページも参考資料ですが、本部におきましては、さまざまな場で意見発信を行っておりますけれども、7ページに挙げさせていただきましたのは30年度診療報酬改定に向けての要請書で、関係6団体の連名で厚労大臣宛ての要請書を提出するなどしたところでございます。
8ページをごらんください。「(3)地域の実情に応じた医療費適正化の総合的対策」です。自己評価の理由の1つ目の○ですが、支部ごとに医療費適正化の総合的な対策を各支部の事業計画に盛り込み、地域の実情に応じた事業を実施してまいりました。2つ目の○ですが、事業といたしましては、例えば、健康経営セミナーを開催したり、特定健診、がん検診を自治体と共同で実施したり、あるいは医療費情報などの分析を行うといったことで、自治体あるいは事業主団体などと連携して、幅広い医療費適正化に関する連携を進めたところです。3つ目の○ですが、関係団体との協定の締結状況です。表がありますので、そこをごらんいただければと思いますが、都道府県・市町村、これは行政ですが、ほぼ全ての支部で取り組みがなされております。次が医療関係団体ですが、ここにつきましては、医師会、歯科医師会、薬剤師会、それぞれ協定を締結した支部数が増加してございます。大学等との間では調査分析を共同で行ったりするわけですが、これについても13支部から18支部へと増加しています。事業主との連携でポイントになります経済団体につきましても、20支部から28支部へと増加が図られたところです。次の○です。インセンティブ制度は、支部ごとの加入者や事業主の取り組みに応じて報奨金を支払うという制度ですけれども、29年度上期のデータを用いた試行実施を行い、さまざまにシミュレーションを行いまして、運営委員会、支部評議会などの意見を丁寧に伺いながら議論を進めてまいりました。これについては、さまざまな御意見を関係の皆様から頂戴したところですけれども、最終的には12月の運営委員会で皆様に御了解いただけるような制度設計を御提案いたしまして、了解をいただいたところでございます。次の○です。広報につきましては、事業所向けのチラシ・リーフレットやホームページなどで、インセンティブ制度につきましてわかりやすく丁寧な広報に努めました。最後ですが、このように、各支部において地域の実情に応じた取り組み、総合的な対応を行いまして、計画を大幅に上回る成果を達成したことから、自己評価は「S」とさせていただいています。
12ページをごらんください。「(4)ジェネリック医薬品の更なる使用促進」です。ここでは、事業計画の中で、目標指標としてジェネリック医薬品の使用割合、検証指標として都道府県ジェネリック使用促進協議会への参加支部数が掲げられています。自己評価に参ります。1つ目の○です。29年度、加入者に対して、ジェネリック医薬品に切りかえた場合にどれだけ窓口負担が減るかをお知らせするジェネリック医薬品軽減額通知を、過去最大となる約703万件送付いたしました。28年度は、約609万件でございました。医療機関・調剤薬局に対しましても、各支部で重点的に訪問すべき医療機関・調剤薬局を選定して、個々のそれぞれの医療機関、薬局でどのようにジェネリック医薬品が使われているか、その使用割合などを見える化したツールを配布し、効果的な働きかけを行いました。その結果、年度末時点のジェネリック医薬品の使用割合は75%になり、目標指標である72.1%を達成することができたところです。また、支部間格差是正のために、各支部の状況の整理を行いまして、ジェネリック使用促進の阻害要因を見える化した、「ジェネリックカルテ」と呼んでおりますけれども、そのような資料を作成・活用することにより、支部ごとに優先順位をつけて取り組みを進めてまいりました。それから、各都道府県のジェネリック使用促進協議会などの場で、エビデンスに基づく意見発信を行ってまいりました。なお、協会けんぽの45支部で各都道府県のジェネリック医薬品の使用割合を上回る結果となってございます。このように、29年度は計画を大幅に上回る成果を上げたことから、自己評価は「S」とさせていただいております。
15ページを参考にごらんいただければと思います。下半分ですが、医療機関や薬局に対する使用促進の働きかけを少し詳しく御説明いたします。見える化ツールのイメージで図が載っておりますけれども、ここに書いてありますように、薬局向けには薬効分類別で処方割合を見える化した資料を提示しております。これをごらんいただきますと、自分のところでよく出ている医薬品がどれなのか、左側のほうによく出ている医薬品が出てくるわけですが、それからジェネリックの割合が地域内のほかの薬局などと比べてどうなっているかということを、簡易に明確にわかることができる資料です。右側のほうは、医療機関向けのツールでございますけれども、自分の病院、診療所で処方したその結果の調剤がどれだけジェネリックが使用されているかなどが記載されているもの、それから、地域内でほかの医療機関と比較して一般名処方はどれだけ多いのか、また、ジェネリック医薬品はどれだけ処方されているのかといったことがわかるような図もお付けして、働きかけを行っております。○の2つ目のところに書いてありますけれども、医療機関や調剤薬局からは「今後一般名処方への変更を早急に検討する」、「どのような薬剤がジェネリック医薬品への変更を行いやすいかの参考となる」など、好意的な御意見をいただいているところです。
もう一つ参考ですが、16ページをごらんください。こちらは都道府県格差の是正とさらなる使用促進に向けた新たな施策です。先ほど少し御紹介いたしましたジェネリックカルテは、28年度に地域ごとの阻害要因を見える化するための資料として作成したものですけれども、これを見て支部ごとに対策の優先順位をつけて取り組みを進めてきたところです。ジェネリックカルテ自体は、右側の図でありますように、院内処方・院外処方でジェネリックの割合がどうなっているのか、あるいは病院・診療所で詳しく見ていくとどうなっているのかなどがわかるような資料となっています。
17ページ、「(5)地域医療への関与」です。これについては、まず、自己評価の1つ目の○ですが、都道府県医療審議会、地域医療構想調整会議、都道府県保険者協議会等において、さまざまな意見発信を行っております。また、本部からは、先ほどと同様に、支部が積極的に意見発信が行えるよう、意見発信の方針や発言例などを示して、協会として統一した意見発信が行えるよう取り組みました。3つ目の○ですが、加えて、診療行為別に各地域で標準と比べてどれだけ特定のレセプトが出現するかといったデータを支部に提供しまして、エビデンスに基づく意見発信が行えるように取り組みを行いました。なお、支部におきましても参画数の拡大に努めておりまして、都道府県全域の地域医療構想に関しましては、35支部が36支部へ、構想区域ごとにつきましては、181区域が184区域へ増加しているところです。なお、括弧内は被用者保険としての参画数です。このような取り組みを進めてきたことから、自己評価については「A」とさせていただいております。
20ページをごらんください。「(6)調査研究の推進等」です。自己評価につきまして、1つ目の○ですが、第2期データヘルス計画策定に向けて、健診・保健指導・レセプトデータをもとに支部別・業態別の健康課題の分析などを行いました。それから、支部の職員への研修の関係でございますが、統計分析研修は支部からの参加の要望が非常に強かったため、29年度につきましては、当初の計画よりも研修の回数をふやして実施を行いました。2つ目の○ですが、改正個人情報保護法の施行に伴いまして、協会の保有しているデータの第三者提供に関するガイドラインを策定し運用を開始しました。これによりまして、協会と自治体等との連携や共同分析の取り組みを推進する道筋をつくることができたところです。3つ目の○ですが、本部が支部の調査研究を支援する事業につきまして、28年度は3支部が対象となりましたが、29年度は6支部で取り組むことができました。本部においては、データ抽出やアドバイザーの調整などの支援を行いました。それから、分析結果を発信するための調査研究フォーラムの開催、報告書の発行なども行っております。学会発表につきましては、28年度は13件でしたが、29年度は24件と大幅に件数が増加したところです。GISにつきましても、もともとパイロット事業で始まったものですが、44支部への展開が完了し、また、勉強会なども開催しております。こうした取り組みを踏まえまして、自己評価は「A」とさせていただいております。
参考で、23ページをごらんください。こちらは、本部における研究の一つでございますけれども、特定保健指導対象者の1人当たり医療費と体重の変化がどうなっているかというものを、3年経過後まで含めて見たものです。2行目に書いてありますけれども、学会で発表したほか、この成果については全国紙にも掲載されたところです。
24ページは、学会で発表したテーマの一覧です。
26ページにお進みください。「(7)広報の推進」です。ここでは、目標指標としてメールマガジンの新規登録件数1万3000件、検証指標としてホームページへのアクセス件数と利用目的達成度が挙げられています。自己評価ですが、ホームページの1日当たり平均アクセス数は、前年度に比べまして大幅な増加となっております。平日が9万件超、休日が3万件超となっています。高額医療費についても、加入者にとってメリットのある限度額認定証の利用について周知・広報を積極的に行っております。メールマガジンにつきましては、新規登録件数が目標指標を大幅に上回る3万件余りとなってございます。4つ目の○ですが、29年度の新たな試みとして、加入者の方、事業主の方などが制度の理解をどれだけされているかということで、理解度調査を実施いたしました。これを踏まえまして、30年度の広報計画を策定したところでございます。こうした取り組みを踏まえまして、自己評価については「S」とさせていただいております。
29ページをごらんください。最後の項目「(8)的確な財政運営」です。1つ目の○ですが、30年度保険料率の決定に当たりまして、さまざまな論点、データについて吟味しつつ、4回にわたる運営委員会での精力的な御議論をいただいて、あわせて支部評議会からの意見聴取などを行い、十分に議論を尽くした上で、中長期的に安定した財政運営を図る観点から平均保険料率10%を維持したところです。財政運営主体としての責任を的確に果たしているものと考えております。繰り返しになりますが、社会保障審議会の部会・分科会、中医協などにつきまして、保険者の立場、制度全体を見回した立場から積極的に意見発信を行ってまいりました。したがいまして、自己評価は「A」とさせていただいております。
多少説明が長くなってしまって申しわけございませんでした。以上で説明を終わります。
○土田座長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明及び業績評価シートに記載された内容などにつきまして、御質問、御意見がございましたら、どうぞお願いします。
○森下構成員 森下でございます。御説明ありがとうございました。
今、御説明いただいた中でちょっとだけ御質問したい部分があるのですが、まず、資料の2ページ目で、真ん中の項ですが、3年ごとに重要業績の評価指標、KPIを定量的に設定したということで出されておるのですが、これについては、かなり重要な事項だと思うのですけれども、この辺の今後の見通しというか、実際にやられていてどういう方向に変わっていきそうなのかという御説明をひとついただきたい。
それと、そのすぐ下にあるパイロット事業の件でございますけれども、各県の支部から、いろいろとそういうパイロット事業の応募があったということで、この2ページの表を見ますと、21年度から始められて、当初は応募件数が20件あって実施も20件あった。年次が変わるごとに随分ふえてきて広まっているということだと思うのですが、たまたま29年度は103件の応募があったということでございますけれども、そのうち実施したのは20件。この数字のギャップは、例えば、重複したそういう応募があったのか、それともなかなか実施するには値しないような事例であって、実際には103件の応募に対して20件しかやらなかったということなのか、その辺の御説明が不足していたような気がしたので、そこもお伺いしたいと思っているところです。
もう一点だけ、これはたまたまタイムリーなお話で、きのう、たしかマスコミの情報の中で、NHKさんだったと思うのですが、全体の運営にかかわる問題、最後の話になるかと思うのですけれども、健康保険組合が5年間で30組合の廃止をされたということで、その健康保険組合をやめられた方々が協会けんぽに基本的には入ってこられる。こっちの本文の報告書の中にもありますけれども、加入者は3894万人になって、前年度に比べて85万人増加している。下の説明の中に、日本年金機構の未適用事業所に対する適用促進によって増加したという部分と、健康保険組合から動かれてきたという方々の人数もかなりふえているのかなと思うわけですけれども、将来的な予算というか、財政運営の見通しというものも、こういう人数の増加、こういう社会的な環境の変化によるシミュレーションというものを、この報告の財政の中ではまだ加味されていないような気がしているのですけれども、もしかすると、こういう非常に多くの方々が、場合によっては健康保険組合から協会けんぽに移られた場合には、分母が大きくなることはいいにしても、その分、国庫補助というものもふやさなければいけない。非常に将来的に厳しい運営も予測されるということで、この辺についても見解を教えていただくといいと思って、質問させていただきました。
幾つか御質問して、済みません。ありがとうございます。
○土田座長 ありがとうございました。
3点が出ておりますが、どうぞ。
○池上企画部長 お答え申し上げます。
まず、2ページのKPIに関して、御指摘のとおり、このKPIの設定は非常に大きな第4期アクションプランの特徴だろうと考えています。これをいかに達成していくかということになるわけですけれども、今年度の事業計画、30年度の事業計画から、このアクションプランのKPIと連動した形での事業計画を設定するようにいたしまして、アクションプラン自体は3年間で取り組みを進めていくものでございますけれども、それを見据えて、毎年具体的には各支部でどこまでの到達を目指せばいいのかということをクリアにいたしました。現在、各支部でそれを目標にしっかり取り組みを進めておりまして、ただ、分野によって進むところ、進まないところがあろうかと思いますので、そういった進捗も踏まえながらさらにPDCAをしっかりと確認して取り組みを進めていきたいと考えてございます。
それから、パイロット事業についても御質問いただきました。応募件数が29年度は103件ということで非常に多くございました。これは、各支部が具体的に新たなことを考えて提案していくという風土が広がってきている一つのあらわれではないかと考えています。採用されたものが20件ということで、そこまでの件数にはなっていませんけれども、これは過去の取り組みに類似したようなものですとか、あるいは、実際に事業を行ってみて、それがどのような効果があるかということを確認しないといけないわけですけれども、その確認ができるような設計になっていなかったりというものもございます。その意味では、よりいいものが出てくれば、より多く実施をしていただきたいと思っていまして、本部としてもしっかりサポートをしていきたいと考えてございます。
それから、健保組合の解散について、昨日、NHKでもかなり時間を割いて報道されたと伺っております。参考資料2が事業報告書なのですけれども、その8ページをごらんいただきますと、ここ10年程度の間で協会と健保組合との間でどれだけ事業所が異動したかということが書いてあります。これは、具体的には、上の段は協会から健保組合等への異動ということで、新たに健保組合を設立して、協会から出て行った事業所についての統計、下半分が組合から協会への異動ということで、解散のケースがほとんどかと思いますが、組合から協会に異動するという統計です。総計の数字がないのでわかりにくくて恐縮ですが、私の手元で計算したところ、過去10年間で申しますと、平成26年度を除いては協会から組合への異動のほうが多い数字となっています。具体的には、平成28年度で申しますと、協会から出て行った方、協会に入ってきた方、差し引きいたしますと、協会から出て行った方が16万人、29年度は数が少なくなっておりますが、差し引きで1万人が出て行ったという格好になっております。
今、報道されておりますのは、50万人規模の組合で、トータルで見ると恐らく相当程度の加入増になろうかと思います。それへの財政影響ですが、具体的に数字をはじくところまではいっておりませんけれども、短期的には現在国庫補助がほぼない状態で平均保険料が9.7%でありますので、国庫補助がある形での加入になると、少し財政としては楽になろうかと思いますが、ただ、人材派遣健保も、将来的な高齢者の医療費の増加、あるいは組合自体の加入者の高齢化といったことも懸案材料に挙げておりますので、予断を許さない状況と考えてございます。
以上です。
○土田座長 ありがとうございました。
よろしいですか。
どうぞ。
○髙橋理事 今、最後の点、8ページの表を御説明申し上げましたが、昨日のNHKは私も見ていましたが、健保組合との間では出て行く方が多いのですね。それでは、全体で増えているのは何故かというと、これは厚生年金の適用促進とか短期雇用者への適用拡大等の要因もあり、また、今の景気拡大の下で、国保から入ってくる方が多いのですけれども、そうすると、一般的には小さい事業者が多いのです。過去の10年を見ますと、8ページの表でのバックグラウンドは全部数字を把握しているわけではございませんが、21、22、23年でかなり出て行きましたが、これは私どもが保険料を上げていったときです。8.2%から3回連続で10%に引き上げましたけれども、このときにかなり出て行っています。
また最近は、景気がよくなってきたので、私どもの200万事業所の中でもいいところは、自分で組合をつくるところもあります。健保組合は、解散ばかり言っていましたけれども、申請もありますので、協会から出て新設するところがあるということです。それから、多分総合健保のほうですが、誘われて総合健保のほうに編入になっているところもかなり見受けられます。
○土田座長 ありがとうございました。
6ページを見れば、国保から移ってきている分、全体として見れば、協会けんぽの被保険者数は上がっていっていますよね。ですから、その辺のバランスが幾つか変わっております。
よろしいですか。
○森下構成員 結構でございます。
NHKなどが放送しますとインパクトが非常に大きくて、しかも我々素人がそういう話を画面だけで見たり耳だけで聞くと、一般の方はそうなのだなと。特にその要因の一番に挙げられているものが、先ほどお話に出た高齢者の医療費の増加という、そこばかりがキーワードとして使われてしまって、実際に高齢者は、我々の世代もそうなのですが、それなりに若い時代には健康保険料をずっと40年くらい累積して納めているわけで、簡単に言えば、それを取り返すという言い方はおかしいのですけれども、それを多少でも使わせていただいて自分の医療に使うという意識は皆さんもお持ちだと思うので、そういう偏向した報道というか、一般の人に与えるインパクトが大きいと思って、質問させていただきました。
ありがとうございます。
○土田座長 どうぞ。
○花井構成員 花井と申します。
最近、医療保険から離れていて、もしかしたらちょっととんちんかんな質問になるかもわかりませんが、幾つか質問と意見を述べさせていただきたいと思います。まず、4ページの自己評価のところで、その支部において都道府県の審議会等への参加がありまして、これがふえているということ自体は評価できるものなのですが、全県に入っていない理由はどんなふうに捉えられているのでしょうか。
協会けんぽは医療保険財政を担っているところで、医療提供体制のあり方によって相当財政に大きな影響を及ぼすのではないかと思っておりまして、当然被用者保険の最大の保険者である協会けんぽが全ての県の医療計画あるいは医療費適正化計画等々の中に入っている、参加すべきだと思うのですが、この入れられていない県はどういった理由からそういうことが起こっているのかということが1つです。
少しページが飛びまして、インセンティブのところです。ページ数がよく見えないのですけれども、9ページかと思うのですけれども、このインセンティブの制度を導入するときに、運営委員会でさまざまな慎重な意見が出されたと聞いておりますし、ここにも記載されております。今年度から本格実施ということのようなのですが、下のほうにチラシ・リーフレットやホームページ等々で広報を行っているという大変努力されている姿が見えるのですが、広報・周知は非常に重要な活動だと思っておりまして、ホームページなどですとアクセス件数が見えるのですが、それはどんなふうになっているのかということと、意見としては、丁寧な対応をぜひお願いしたいということを述べさせていただきたいと思います。
それから、このジェネリックのところなのですが、都道府県の差が20%あると、これもずっと従来の課題だと思うのですが、さまざまな工夫をされて指標もつくって促進しておりまして、使用率も非常に高まっているということは大変評価すべき点かと思うのですが、この20%の差もあるという事実と、低いところは大体どういう県かという想像はつくのですけれども、何が最大の要因なのか、そのあたりをどんなふうに捉えられているのかということを教えていただければと思います。
それから、17ページもやはり同じように、これも審議会ですね。地域医療構想に関する審議会も全ての県に参画できていないという、この地域医療構想調整会議は今後に向けて大変重要な審議会ではないかと思うのですが、そのあたりの理由もどのように把握されているのか、教えていただければと思います。
いろいろありまして、済みません。26ページのところなのですが、目標数字が、メールマガジンの新規登録件数が1万3000件となっておりまして、大幅な増加が見られたということで、それはそれで大変努力されているということはよくわかるのですが、そもそもの目標の立て方が、どうしてこんなに少なかったのだろうかと素朴に思ったものですから、済みませんが、そのあたりも教えていただければと思います。
以上です。
○土田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○池上企画部長 ただいまいただきました御質問について、お答えさせていただきます。
まず、4ページの審議会への参加のところでございます。御指摘のとおりで、全都道府県が入れていないという状況は実際にございます。特にこの医療計画策定のところが医療提供体制に大きく絡むところですが、県に働きかけを進めているところですけれども、なかなか県のほうでの了解を取りつけられていないということが現状です。
それから、医療費適正化に関する審議会につきましては、これはそもそも医療費適正化計画について、審議会を設けずに、保険者協議会から意見を聞くという形でやっているところが非常に多くあって、実際に意見を言う場自体はあるのですが、数字としては低く見えてしまっているというところがございます。国運協については全部入れているということで、医療提供体制について保険者が意見を言ってくることが大事なことかと思いますので、引き続きしっかりと参画に向けての努力を進めていきたいと思います。
8ページ、インセンティブの関係、見にくくて恐縮です。自己評価の下から3つ目の○のところで書かせていただいております。ただいま、ホームページでインセンティブのページのアクセス件数を持ち合わせておりませんので、そこはわからないのですが、参考にインセンティブ制度についての広報の実施状況ということで御紹介させていただきます。さまざまな手段を用いてわかりやすく広報をするようにということで、これは運営委員の皆様からも御指導いただいている部分ですので、各支部においては、ここにもあるように、納入告知書同封チラシの実施をしているものが41支部、メールマガジンでの周知を行っているところも37支部がございます。それ以外にも健康保険委員を通じての周知、新規適用事業所に対する説明などがありますけれども、そういった事務説明会での周知、関係機関に御協力いただいて広報していただいているというケースも44支部でございます。それから、新聞への掲載を行ったりということも行っておりまして、このインセンティブ制度の趣旨を、加入者の皆様、事業主の皆様に御理解いただいて、しっかりと着実に運営できるようにしてまいりたいと考えています。
16ページをごらんいただきますと、グラフを1つ載せております。左側のグラフになりますけれども、各支部ごとにジェネリック使用割合がどうなっているかということで、左のほうが一番高くて沖縄県、一番右が一番低くて徳島県となっております。ちなみに、この都道府県格差ですが、29年度末は18.1%です。その1年前がどうだったかと申しますと、28年度末で21.8%ですので、その意味では4%ほど格差自体は縮小しているところではございます。ただ、これは協会けんぽに限らずですけれども、どうしても地域によってなかなかジェネリックが進んでいないということで、要因を分析して、支部では取り組みをしております。
例えばということで申し上げると、徳島県では、加入者のジェネリックへの抵抗感はなるべくなくしてもらおうということで、これは昨年のこの業績評価検討会にも資料でお出しさせていただきましたけれども、インパクトのある「全国最下位です」というようなキャッチフレーズで加入者の方に、バスの広告を使ったり、駅の広告を使ったりして呼びかけるということをしています。その徳島の隣の山梨県は、ここもジェネリック使用割合は低いのですけれども、今は、各病院、特に処方・調剤に大きな影響を与える大きな病院をピックアップして、支部長などが直接訪問してジェネリック使用促進に向けて一般名処方を勧めるとか、これは医療機関サイドのアプローチを進めております。進まない要因はいろいろあるかと思いますけれども、支部ごとでどういった要因があるかというのを分析して取り組みを進めていただいているところでございます。
続きまして、17ページ、地域医療構想調整会議も、参画したいということで、都道府県に働きかけをしておりまして、なかなか御了解いただけないところもあるのですけれども、粘り強く働きかけを進めていきたいと思います。
それから、メールマガジンの目標値についての御質問をいただきました。26ページのところでございます。新規登録件数1万3000件ということで設定しております。これは、過去のメールマガジンの登録の実績をベースに策定したものです。インターネットの外部との不審通信事案ということがございまして、協会では1年ほどインターネット遮断を行っておりました。その関係で、メールマガジンの登録自体も一時期ほぼストップしたということがありますので、その前の実績になるのですけれども、平成26年度に約1万2000件増加していたという実績がございましたので、それをもとにこの計画を立てているところです。
回答は以上になります。
○土田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○髙橋理事 1点だけ。インセンティブのときにどんな話があったかというお話が先ほど出ていたかと思うのですけれども、何でこんなにPRをこんなにやるようにと言われているのかということですが、事業報告書の72ページと73ページで、インセンティブについて私どもで導入した制度設計の考え方が書いてございます。72ページの頭のほうに書いてありますが、この高齢者医療制度への支援金の加減算はもともと法律に書いてありますので、根っこにインセンティブを実施するという方針が元々あるわけですが、最初の5カ年は初めて導入するので、加減算は実施しないで、1期目の状況を見て2期目から加減算を入れるとなっていたのです。
今は、3期目ですけれども、2期目のときに全部横に並べて、いい保険者、悪い保険者に対して、少しペナルティー・加算・あるいは減算ということになったのですが、その1期目、2期目の議論の中で、幾つか実施に当たって国全体の中でも議論がありまして、まず、共済や健保組合は一つの会社なりあるいはまとまりのある事業所の中での組合ですから一体性があって、そういうところで保険者の間を比較するというのはできるだろうと。片や、一方の国民健康保険は、大きいところで横浜、名古屋、大阪みたいなところから、村の規模のところまでいっぱいありますので、これを全部同じに並べると、大体大きいところは大変なのですね。これはなかなか難しそうだと。それから、協会はその中で特にまた特殊でありまして、これは私どもの中でもいろいろ評議会レベルでは最初のころは議論が出ていたのですが、協会の中では何々支部の事業所は、お互いに関係がありません。
例えば、ある企業グループで健保組合をつくれば、親会社と子会社の関係ですので、そこに入っている従業員集団と会社は、同一体、同一事業体の関係ですね。一方、私どもに加入している事業所は、全然お互いに関係がない人たちですから、例えば、一番出ていた声は、俺の事業所は真面目に健診を受けているのに、他の事業所が健診にあまり取り組んでいなかったら俺の事業所の保険料は上がるのか、それはおかしい、何で俺が人から足を引っ張られるのだと、こういう議論が最初から出ていたのです。
それは1期目から私どもは国の検討会のいろいろな場面で申し上げていまして、そこは確かにそうだろうということで2期目の制度実施の基準策定では配慮されており、結局、3期目で、協会は健保組合と比べると、非常に難しいということで、協会は協会独自でということになりました。協会になったものの、今度は、保険者間の競争ではなく、支部間での競争ということになり、結局、支部別にやっても中の事業所は相変わらず他人の関係ですから、何でうちの支部は健診がダメで保険料率が上がるんだ、私は真面目にやっているのに何で人のせいで私の負担が上がるんだと、こういう不満は消えないのです。
運営委員会で議論があったのは、こうした点が加入者・事業所の理解が得られるか、訴訟に耐えられるのかという議論があったのです。そういった意味で、逆に、73ページの図に、今のインセンティブのイメージを書きましたけれども、見える負担としては、各支部から一律の負担を求める。ですから、事業者の間で真面目にやっていたとか、やっていないとか、そういう話で保険料率の格差はつかないで、そこは報奨金として戻すという格好にしております。この点はいろいろな議論があって、その辺の感じをよくPRしてくださいと。ですから、真面目にやれば、お金、報奨金はもらえるのだというような感じで、よく説得をしてくれということを運営委員会から言われたということでございます。
ちなみに、国民健康保険は、72ページの図の一番下の右側ですけれども、国民健康保険は補助金なのですね。やっていれば補助金がもらえて、補助金の財源は国庫です。外の財源です。私どもの場合の財源は保険料を結局中で回しているだけですけれども、そこは違うのですが、いいところ、悪いところで、保険料の負担関係がおかしくなるということは避けた。そのような議論があって、PRをちゃんとするように言われたということでございます。
○土田座長 よろしいでしょうか。
ほかに、御質問、御意見がございましたら。
それでは、小西構成員。
○小西構成員 小西です。
大小4つぐらいあるのですけれども、一通り申し上げまして、御説明をいただければと思います。
まず、8ページの事業計画の1行目です。これの中ほどに、支部の独自性を生かした企業がございますが、この独自性はどういったところに着目するのか、着眼点はどういうものかということを教えていただければと思います。
次は、12ページです。これはジェネリック医薬品に係ることですけれども、これは提案的に確認をするという趣旨で申し上げますけれども、このジェネリックについては、協会けんぽは他の保険者に先行して成果を上げているという事実が明らかであります。この協会で、今までにここまで成果を上げてきたノウハウなり経験なり、そういったものをほかの保険者に提供して普及していくといったこと、そういったことは何かおやりになっているのでしょうか。あるいはそういうことをしたらいいのではないかという思いで質問をするところです。
それから、16ページに、先ほど来、御説明いただいた右側の表がありますけれども、このジェネリックのこういったデータは、これは一つの例なのですけれども、私の印象としても、ここ何年かこの検討会に参加させていただいておりますが、印象として、ここへ来て手持ちの複数のデータを組み合わせて使うとか、そういったことが以前よりもいろいろ行われているのかなという印象を持ちました。それは、私は以前気がついていなかったのかもしれないのですけれども、そういうふうに思っておりまして、今の時代でありますから、いわゆるビッグデータの利用・活用などもありますけれども、これはなかなかいい方向性だなと思っておりまして、これが将来的にはいわゆるAIというところへ発展的に使えるのではないかと思っております。
私がこのような印象を受けたのは、先年の情報システムの大幅な入れかえがありましたけれども、そういった効果なのか、あるいはこれはもちろんアイデアがあってのことですので、いろいろアイデアを思いついたということだろうと思いますけれども、何かその辺のアイデアなり同行なり、特徴的なところがありましたら教えていただければと思います。
4つ目ですけれども、28ページです。この全体の一番最後の行なのですが、ここで「重点的な広報を行うことなどを盛り込んだ」。これは、30年度の事業計画をきちんと読めば、あるいは理解できるのかもしれないのですが、この重点的な広報は内容としてはどんなことを意識していらっしゃるのか、あるいは取り上げていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
以上でございます。
○土田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○池上企画部長 お答えいたします。
まず、1つ目の8ページの支部ごとの着眼点というところです。そこにも書いてありますけれども、レセプト点検、ジェネリック医薬品の使用促進、現金給付の審査強化等、ジェネリックが進んでいないところであれば、そこに力を入れていくということになりますし、あるいは、大阪などでは柔整の医療費がほかと比べて非常に高いという特徴もありますので、そこへの取り組みを強化したりしています。したがいまして、どの分野にほかと比べて無駄と思われる部分があって、どの程度のコストをかければ成果が上がるか、その費用対効果も見て取り組みをやっていただいているところでございます。それ以外にも、事業所調査をしっかりやっていこうというところもありますし、糖尿病の罹患率が高いということであれば、糖尿病の、重症化予防をしっかりするといった取り組みもございます。こういった取り組みについては、パイロット事業なども活用して取り組んでいるところです。
12ページ、ジェネリック医薬品の普及に向けたノウハウの他の保険者への提供ですけれども、これは私どももいろいろ他の保険者から聞かれることもございますし、国の会議、都道府県の会議でジェネリック促進をしていこうという会議はそれぞれございますけれども、協会の取り組みは積極的に紹介させていただいております。ここで挙げたようなツールについても、実際にこのようなものを使って取り組みをしているんだよということをお知らせして、ほかのところでも使えるように貢献できればいいなと、地域全体で盛り上がっていかないとどうしても効果が上がらないという部分もありますので、そこも力を入れている部分でございます。
16ページの資料に関しても、御指摘いたただきました。複数のデータの組み合わせを以前よりもしているのではないかということですけれども、まさに、15ページをごらんいただきますと、医療機関や薬局に対する見える化ツールのイメージということで挙げていますが、医療機関向けに提供しているデータは、医療機関のレセプトだけではなくて、そこで出された処方箋をもとに、調剤を行っている薬局のデータと結びつけを行っております。これまではなかなかレセプトが分かれているとそれを結びつけるのは難しかったのですけれども、システム化が進むことによってそういうこともできるようになっているということで、医療機関で行った医療行為がその後どうなっているかということまで含めて、情報提供はできているのではないかと思っておりまして、どんどん機能も進化していきますので、いいアイデアを持ち寄って取り組みを進めていきたいと思います。
28ページ、広報についての御質問をいただきました。優先度の高い分野に重点的な広報を行うという部分でございます。これは加入者がどういった部分についてどの程度御理解いただいているかという調査を行っておりまして、それを見ますと、例えば、現金給付の申請手続について詳しく知りたいというニーズがありました。あるいは、保健事業の関係ですと、健診についてはある程度認知がされているけれども、保健指導の認知はまだまだされていないということもございました。そういったことを踏まえての取り組みを進めていきたいと考えております。
○小西構成員 ありがとうございました。
○土田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○安藤理事長 ジェネリックのノウハウをほかに知らせたほうがいいということで、今年度の調査研究フォーラムで、ジェネリック医薬品についての特集といいますか、そういうものをやらせていただきました。これは、いろいろな保険者の方たちも、一般の方も参加していただいたというところです。
あと、先月の末なのですけれども、日本健康会議でも健康宣言の中の8番目がジェネリックの促進ということで、その場で私から、ジェネリックについてこういう形で推進して、このような結果となっていますという部分を発表させていただいております。
これは、各経済団体も医療団体も全て日本健康会議に参加していらっしゃる方たちが参加した場でお話しさせていただいておりますので、そのようなこともやらせていただいております。
つけ足しでございます。御報告させていただきます。
○土田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○古井構成員 御説明いただきまして、ありがとうございます。
私から、3点御質問させていただきます。
まず最初に、2ページ目、先ほど森下先生からも御指摘がありましたが、パイロット事業のところで、昨年度103件という非常に支部さんが積極的だなという中で、報告書の59~62ページの中で、この20件に関しては内訳が記載されていまして、ジェネリックも成果につながっているものだと思いますし、受診の勧奨といったものも非常に強いのかな。このパイロット事業の選定の基準というか、こんなテーマをことしはということがもしありましたら教えていただきたいことが1点目でございます。
2点目が、15ページ目の先ほど先生方からお話もありましたが、このジェネリック医薬品の見える化ツールは非常に興味深いというか、すばらしいと思って拝見しました。これは今後の医療機関との連携のための素材にもなると思うのですけれども、これは各医療機関とか調剤薬局だけではなくて、例えば、都道府県医師会とか、郡市レベルの医師会とか、その辺と連携とか協力があるのかということを伺いたいことが2点目です。
最後の26ページ目、先ほど花井からもコメントがあった広報のところなのですけれども、メールマガジンが1万3000件増ということで、たしか、健康保険委員という方が10万人を超えていて、健康保険委員会がいる事業所様は健診の実施率も高いと伺っています。例えば、この健康保険委員の方を今後の保健所に関しても核にして、健康保険委員の研修とか、あるいは新規に就業されるときにこのメルマガを一緒にお勧めするというか、何かセットにするとか、そんなこともあるのかなと、これは感想でございます。
以上です。
○土田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○池上企画部長 まず、2ページのパイロット事業の選定基準でございます。これについては、年ごとに具体的な分野のテーマを設けるというよりは、幅広い分野で御提案いただきまして、それが実際に医療費適正化や保健事業の推進につながるかという、実効性とか、あるいは費用対効果の面、将来的に全国展開につながるような、固有の地域事情に拘束されるようなものでないかどうかといった視点で、選定を行っているところでございます。
○土田座長 これは本部内で決めるわけですか。あるいは、委員会か何かがあって決めるのですか。
○池上企画部長 本部で判定のための会議を持ちまして、そこで判定をしているところでございます。
それから、ジェネリックの見える化ツールについて、医師会との関係でございますけれども、各支部によって取り組みはやや異なってまいりますけれども、支部によっては事前に医師会に御説明に上がって、こういうようなことで医療機関と直接話をさせていただきますよということをお話しするようなケースも多々ございます。その意味では、医師会あるいは薬剤師会もですけれども、支部ごとに取り組みが異なってはまいりますけれども、協力をいただいているところがあるのも事実でございます。
メルマガについては、大変貴重な御示唆をいただきましたので、よく検討させていただこうと思います。
○土田座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
続きまして、議題2「健康保険給付等」に移りたいと思います。
最初に、御説明をお願いいたします。
○池上企画部長 同じく、私、池上から資料1-2を御説明いたします。時間の関係もございますので、できるだけ手短に御紹介したいと思います。
まず、1ページ、「(1)サービス向上のための取組」です。ここでは、目標指標として、健康保険給付の受け付けから振り込みまでの日数の目標10営業日の達成率、受け付けから振り込みまでの日数10営業日以内ということで掲げられております。検証指標としては、インターネットによる医療費通知の利用件数、任継の口座振替利用率、お客様満足度、お客様からの苦情・意見・お礼の受付件数となっています。○の1つ目です。28年度に調査を行っておりますけれども、それを踏まえて支部別にどういう課題がお客様との関係であるかということを把握いたしまして、その解決に取り組んでいます。窓口サービス全体としての満足度は97.6%と高い水準を維持しています。それから、目標指標であります10営業日以内の振り込みというサービススタンダードですけれども、達成率は99.99%、年間100%を達成した支部数は39支部へと2支部増加しています。振り込みまでの平均所要日数は8.03日と前年度よりも0.08日短縮したところです。こうした取り組みを踏まえまして、自己評価は「A」評価とさせていただいております。
3ページをごらんいただければと思います。こちらでは、先ほど掲げられておりました検証指標に関する数値を記載しております。表の左上にあるものがお客様満足度でございます。内容は先ほど申し上げたとおりです。その右側がお客様の声ということで、苦情をいただいた件数につきましては、434件から311件へと123件減少しています。左下のサービススタンダードについては、御説明したので、省略いたします。右下の口座振替率については、一番下のところに口座振替率がございます。28年度が36.2%、29年度が34.5%で、ほぼ横ばいとなっています。恐縮ですが、4つの表の上のところ、2つ目の○をごらんいただきたいと思います。インターネットによる医療費の情報提供サービスの利用件数は、1万2500件となってございます。
4ページ、「(2)限度額適用認定証の利用促進」です。限度額認定証につきましては、医療機関に提示すると、高額医療費が現金給付化され、窓口負担が軽減されるという効果があります。協会にとっても高額療養費の請求件数が減少するというメリットがあります。こうしたことからこの利用促進を行っておりまして、1つ目の○ですけれども、取り組みの例といたしましては、医療機関への直接訪問で申請書の設置を依頼するなどの取り組みを行っております。2番目の○ですが、また、事業所に対しまして、チラシ・リーフレットの送付、健康保険委員研修会などでの周知、加入者に対しましても、現金給付の支給決定通知の裏面に利用案内を記載するなどの取り組みをしています。その結果といたしまして、○の3つ目ですが、認定証の発行件数は前年度比6.2%増加しております。利用件数につきましても、4.9%増加しております。4つ目の○ですが、高額療養費の未申請者に対する申請の勧奨手続についても、前年度比8%増ということで着実に取り組みを進めておりまして、自己評価については「S」とさせていただいております。
6ページ、「(3)窓口サービスの展開」、検証指標は、申請・届出の郵送化率となってございます。○の2つ目ですが、年金事務所に開設している協会の相談窓口体制の見直しを行っております。それに際しましては、関係団体への丁寧な説明を行った上で、32カ所の窓口を廃止してございます。一方で、お客様に窓口にお越しいただかなくても申請手続ができるように、郵送による申請を促進しておりまして、郵送化率は86.7%、前年より3.3ポイント上昇してございます。自己評価は「A」とさせていただいております。
8ページ、「(4)被扶養者資格の再確認」です。○の1つ目ですが、29年度は6月から7月にかけて対象となる事業所にリストを送付して再確認を行っていただいております。確認結果の提出率は前年度よりも増加して86.6%となっておりまして、7万6000人の被扶養者資格が解除となっています。この効果で、前期高齢者の納付金が減少するという効果がございます。自己評価についても「A」とさせていただいております。
9ページのところに表がございますので、参考で少し申し上げます。先ほど、前期高齢者納付金の負担を軽減したということで御説明いたしました。表の一番下の2段をごらんいただければと思います。高齢者医療制度への支援金等における負担軽減額ということで、前期高齢者納付金負担額は前年よりも4億円増加しています。一方で、一番下の段は、後期高齢者支援金負担軽減額が、前年8.4億円あったものがゼロ円になっておりますけれども、これは制度の変更がございまして、負担能力のない被扶養者については、高齢者支援金が課されなくなった効果によるものです。取り組みとしては、削除された被扶養者数は増加しておりまして、一定の効果を上げているところと見ています。
10ページ、「(5)柔道整復施術療養費の照会業務の強化」です。自己評価の1つ目ですが、多部位かつ頻回受診の申請を中心として抽出を行いまして、文書による照会を行っております。その照会件数は前年度比6万件余り増加いたしまして、33万件ほど行ったところです。照会の結果、疑わしいものにつきましては、施術者に照会を行いまして、60件については地方厚生局に情報提供を行ったところです。○の4つ目ですが、さまざまな取り組みを行いまして、多部位かつ頻回受診の申請数につきましては、前年度比2万6000件程度減少して20万4000件となったところです。自己評価は「A」とさせていただいております。
12ページ、「(6)傷病手当金・出産手当金の審査の強化」です。○の1つ目ですが、標準報酬月額が83万円以上ある申請について、労務の可否について内容の精査を徹底し重点的な審査を行いました。それから、各支部で保険給付適正化プロジェクトチーム会議で不正請求の疑義のある事案について議論を行って、日本年金機構と合同で立入調査を全支部で合計231件実施いたしました。その結果、15件を不適正と判断し、不支給決定を行っています。それから、本部におきましても、また別の角度から資格取得の不正が疑われる事案について、データ抽出、支部への提供を行いまして、支部による事後調査の強化を行っております。こうした取り組みを踏まえまして、自己評価は「A」とさせていただいております。
14ページ、「(7)海外療養費支給申請における重点審査」です。自己評価ですが、海外療養費における審査強化として、パスポートやビザなどの渡航期間の確認できる書類の添付の徹底など、重点的な審査を行いまして、不正請求の防止に努めました。その結果、不支給件数は前年度比45件増の68件と大幅に増加しています。その金額の効果といたしましては、前年度比1300万円の増加となっています。これについて、自己評価は「A」とさせていただいております。
16ページ、「(8)効果的なレセプト点検の推進」です。目標指標といたしましては、加入者1人当たり診療内容等査定効果額143円以上、検証指標として、加入者1人当たりの資格点検、外傷点検、内容点検、それぞれの効果額を挙げております。自己評価です。まず、内容点検について、各支部における進捗をしっかり管理するということで会議の定例化を図り、課題の検証と解決策の検討など、PDCAサイクルの徹底を図りました。2つ目ですが、点検スキルに応じた実務研修や外部講師等による支部研修の実施を行っております。それから、レセプトの一部の外注化を行っております。これについては、支部の内容点検の充実、点検業者のノウハウの吸収といった目的も兼ね備えるものです。4番目ですが、結果といたしまして、査定効果額は144円、前年度比+1円で目標を達成したところです。資格点検につきましては、支払基金で点検の高度化を行っておりまして、支払基金と合わせた効果額は、前年度比+143円となっています。外傷点検につきましては、前年度比+4円の221円となっています。前年実績を上回る成果を得ていることから、自己評価は「A」としています。
20ページに参りまして、「(9)資格喪失後受診等による債権の発生防止のための保険証の回収強化」です。○の1つ目ですが、資格喪失後、早期に取り組みを行うことが確実な保険証の回収につながるということで、資格喪失後、処理後2週間以内の早期の文書催告、電話催告を実施してまいりました。その結果、資格喪失後、1カ月以内の保険証回収率は92.8%で前年度比+2.6ポイントとなっています。○の2つ目ですが、結果的に資格喪失後受診レセプトの発生割合は、前年度比で-0.02ポイントとなっています。事業主への協力をいただくための措置も講じています。前年実績を上回る結果となったことから、自己評価は「A」としています。
23ページ、「(10)積極的な債権管理・回収業務の推進」です。1つ目の○ですが、発生から6カ月以内の早期回収が有効であるということで、早期に取り組みができるよう、催告状の送付の作成、発送をアウトソース化し、業務の効率化を図っています。納付金拒否者に対しましては、法的手続を積極的に実施し、実施件数は前年度を630件上回る3,010件となっています。保険者間調整の実施も拡大しております。アウトソース化して、早期解消に結びつけるということで、それによる債権回収件数も1,700件、前年よりも上回っております。債権回収額についても1.8億円、前年よりも上回っている状況です。その他、研修の実施、進捗会議の定例化による課題の検証などを行っております。下から2つ目の○ですが、これらの取り組みの結果、現年度発生債権について重点的に回収の強化を図っておりまして、現年度発生債権全体の回収率は、前年度を3.3ポイント上回る81.5%となっています。こうした取り組みを踏まえ、自己評価は「S」とさせていただいております。
最後、27ページ、「(11)健康保険委員の活動強化と委嘱者数拡大」です。自己評価のところですが、活動の活性化、活発化ということで、セミナーの開催について、前年度比+72回、これは20%程度の増加です。定期的な情報誌等の発行は前年度比+69件、これは35%程度の増加ですが、こういった活動の強化を図っています。先ほども古井先生から御指摘いただきましたけれども、特定健診の実施の取り組み強化を依頼しておりまして、健康保険委員がいない事業所と比較すると、特定健康診査の実施率が4.7ポイント高いという結果になっています。下から2つ目の○ですが、委嘱者数拡大に向けて取り組みを進めておりまして、前年度比で2万人余り増加し、13万9000人程度の委嘱を行っています。委員のいる事業所の被保険者数は全体の被保険者数の35%となっています。こうしたことから、自己評価については「A」とさせていただいています。
以上で説明を終わります。
○土田座長 ありがとうございました。
ただいまの説明及び評価シートにつきまして、御質問、意見などございましたら、どうぞお願いします。
森下構成員、どうぞ。
○森下構成員 教えていただきたいのですが、今の御説明があった中で、まず、8ページの部分ですね。被扶養者の資格の再確認ということで、非常に前年に比較して、従前から問題になっているので、非常に厳しく事業主の協力を得るという方向が見えていると思うのですが、ただ、提出率が86.6%とありますが、逆に未提出が13.4%あるということで、こういうケースの場合のほうが悪質といいますか、もっと不正につながる事例がこういう13.4%のほうに多く見受けられるのではないかということが考えられるので、その対策について、できればまた考えていただきたいなと。
同時に、12ページの傷病手当金とか出産手当金の審査の強化のところでございますが、聞くところによりますと、日本も外国人の労働者の方を徐々にふやしていくという国の方針もあるようでございますけれども、そういう方の御家族、扶養者としての認定等を、不正にそういう医療を受けるような事例が幾つも発生しているというお話を伺っておりますので、その辺の審査の厳しさ、後で請求をするような事例をつくるよりは、事前に審査の制度そのものを法的に少し厳しく審査するような仕組みもつくることが、これから肝要になるのかなということを感じているところでございますので、その辺の見解を聞かせていただければと思っています。
ほかの方も御質問があるかもしれませんけれども、16ページでございますが、レセプト点検の推進ということで、非常に力を入れてやられていると思いますけれども、今、既にコンピューターの審査も含めていろいろな工夫をされているように伺ってはいますが、まだ人的な部分が多いというお話でございます。ただ、これからデータベース化をされる、また、AI化されるという世の中で、さらに効率的なソフトウエアの開発によって、レセプトの内容のチェックが効率的にできるのかなということで、その辺も教えていただけたらと思っております。ほかにも幾つかありますけれども、私からはそれだけお伺いしたかったです。
○土田座長 ありがとうございました。
こちらのほうの被扶養者資格をお願いします。
○片平業務部長 業務部長でございます。
今、御質問いただいた件、お答えいたします。
まず、8ページを御指摘いただきました。提出率は上がっているというところだけ、一喜一憂することではなくて、御指摘のように確かに提出なさらないところはその中に本来被扶養者でない方が含まれている可能性がより高いというところはあろうかと思います。とりあえず、今は数字を持ってございませんけれども、実際に未提出というよりも未送達といいますか、送達そのものができないというところで提出に至らないという部分もございますし、そのあたりにつきましては、改めて正しい事業所の所在地等々を確認した上で送達し、なおかつ一応このときにも7月末を期限として提出を求めていたところではございますけれども、その後にはさらなる提出勧奨も実施しておりますので、より適正な対応に努めていきたいと考えております。
次の12ページの傷病手当、出産手当、外国人に対するというところでございますけれども、御指摘の部分は、給付が出る前に、扶養家族として入ることそのものを制限できないだろうかという趣旨かとは思うのですけれども、ここにつきましては、厚生労働省から扶養認定に係る取り扱いの厳格化というものが示されておりまして、それに基づいて、この業務そのものは日本年金機構さんでなさるところではございますけれども、実際には収入に係るものの実際の仕送りをしているかどうかとか、送金の事実とか、その辺も確認した上で扶養認定をすることになっておりますので、さらにそのあたりも厳格化が図られていくものと考えてございます。
3点目のレセプト点検の推進でございますけれども、御指摘のように、システムを有効活用、従来からも進めているところではございますけれども、ここをさらに進めていく必要性はあろうかと考えてございます。また、今、1次審査をしております支払基金さんと審査の効率化・高度化をまさに進めておりまして、平成32年度には、全レセプトの9割をシステムチェックで終了させるという方向性が示されておりまして、そこの動向にも、保険者における審査の中身、実施審査も寄ってくるのかなとは考えてはおります。引き続き、効率的な点検には努めてまいりたいと考えております。
○土田座長 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。
どうぞ。
○花井構成員 1つ目が、10ページのところの柔整の関係なのですが、これは質問なのですが、3部位以上かつ頻回が月15日以上とありますが、この月15日以上という数字というのは、どういう根拠でそういう数字の日にちが設定されているのか、教えていただきたいと思います。それから、先ほどの現金給付で傷病手当金、出産手当金の不正というか、それが随分改善されてきているというものは資料から見てとれるのですが、そういうことをする業種みたいな傾向はあるのでしょうか。
かつて適用逃れというものがあって、5人以上の従業員を雇っているにもかかわらず社会保険に加入させないとか、そういうものが一時期相当話題になったときに、どちらかというと運送関係とか、非常に業種的な傾向があったと記憶しているのですが、ここに出ているような、こういう不正は絶対に認めるべきではないと思っていますし、そういう意味で何か特徴があるのかどうか。そんな分析をされているのかどうかということを教えていただければと思います。
もう一つ、健康保険委員ですが、先ほども出されておりましたけれども、協会けんぽは物すごい被保険者・被扶養者も入れたら大変な数になりまして、個々人までなかなか情報が届かないというものが大きな保険者の悩みだと思うのですけれども、そんな中で健康保険委員というものは、被保険者と保険者をつなぐパイプになる人ではないかなと。こういう人がいると知らなかったのですね。私も、今、小さな事業所なのですけれども、担当している人に聞いたら全く知らないという話なのですが、健康保険委員を選出している、例えば、事業主が何名以上とか、そういうものがあるのか。あるいは、協会けんぽは非常に中小・零細企業の事業所が多いのですが、10人以下の事業者側からも選出されているのか。そのあたりはどうなっているのか。
これから後で出てくる特定健診の問題とか、現金給付の手続の問題、高額療養費、さまざまな被保険者にとって非常に権利発生上重要な問題をきちんと伝えられるというのは、もしかしてこの人の役割というものはこれから大きくなるのかなという印象を受けたものですから、どういう選出をされているのか、あるいは周知の仕方、もっとこの人の数がふえて、役割が発揮されたら、もう少し特定健診なんかもふえてくるのかなという思いがあったものですから、幾つか質問をよろしくお願いいたします。
○土田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○片平業務部長 まず、1点目、10ページの柔道整復施術療養費の照会業務について、これは平成24年3月に厚生労働省から適正化に向けて示されたところが3部位以上と、その際には、10日から15日といわゆる頻回は示されたところであるのですけれども、そのころから申請傾向等々から15日以上ということで、各支部で実施をしているところでございますけれども、実際は11ページに照会件数と申請件数の表を載せてございますけれども、徐々に頻回受診の申請件数が少なくなっているという現実もございますので、現実にはその割合がどれぐらいかというところまではつかんでございませんけれども、実際上は15日に限らず10日以上という部分につきましても照会対象にしているというところはございます。15日以上しかやっていないというところにはなってございません。
12ページ、不正請求等の事業所の業種の傾向でございますけれども、正直、そういった形での分析はまだしておりませんので、どういった業態に多いかというところは明確には申し上げられない状況でございます。
健康保険委員、委嘱の条件がございましたけれども、27ページですね。まず、何人以上被保険者がいないと選出できない、委嘱ができないという決めはございません。1人の方であっても、1人の事業所であっても、手を挙げていただければ委嘱の対象にはなっていくというところで、御指摘のように、こちらにも記載しておりますけれども、非常に被保険者と私ども協会をつなぐパイプ役として重要な役割を担っていただいておりますし、制度周知、また、健診の勧奨等々、非常に有効な形になっておりますので、制度そのもの、健保委員そのものを御存じないという方はまだまだいらっしゃるとは思いますので、引き続き広報等を心がけながら、委嘱勧奨を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○土田座長 どうぞ。
○花井構成員 先ほどの15日の話なのですが、10日から15日という通知だったと伺ったのですけれども、マッサージのお店と言ったら怒られますけれども、物すごくふえてきている印象があって、競争も激しくなって、倒産というか、取りやめたりというのも、私が住んでいるところも駅から家に帰る途中まででも4つぐらいあるのですね。そこが倒産したのか、お店を閉めたり、また新しくできたりとか、そのふえ方が目に見える形で感じが出ているということと、10日か15日という幅があるとすれば、その幅の中で何日にしているかというのは支部ごとに違うということでしょうか。それだったら10日であってもいいわけだと思うのですけれども、そのあたりは支部の判断に任せているということでよろしいのですか。
○春山参与 参与でございます。
柔整の照会は、先ほど申しましたように、平成24年度から、まず、頻回・多部位を中心にやれということでやっております。ただ、こればかりやっても、初年度はかなり効果があったのですけれども、先ほど部長が説明しましたように、頻回からはだんだん薄くなっていくとか、頻回はなくなったけれども数少ないところで枚数がふえるということもあるのですけれども、それが全て不正とは思いませんけれども、そういう傾向がございます。多部位につきましても、3部位は減りましたけれども、2部位、1部位がふえているので、今、フンコロガシと呼んでおりますけれども、そういうところにシフトしているという点は見受けられます。
それが全部不正とは申しませんけれども、照会の方法は、今、申しましたようなところもありまして、申請に応じて支部でいろいろ工夫しております。今、構成員がおっしゃったように、支部によっては、新規の施術所には、しょっぱなは全件照会をかけるとか、あるいは、多部位にしても、頻回にしても、10日を5日に落とすという、月半ばで試しているので、いろいろ支部の特性といいますか、申請状況を見て、効果的な勧奨といいますか、照会をやるということをやっています。
以上でございます。
○土田座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
ほかに御意見はございますでしょうか。
どうぞ。
○小西構成員 小西です。
3つございます。
まず、1ページ目です。これは参考のためにお聞きするのですけれども、このサービススタンダード、10日に対して8.03日を達成しているというところですけれども、10日でここまで実際には実現しているので、次は目標を8日にしようではないかとか、そんな議論があるのか。これは目標を達成したからそのハードルを上げるというのは、ムービングゴールみたいなことを申し上げるわけではありません。現場の勧奨、皆さんの勧奨の実感ということもあると思いますし、それから、拙速というような業務・事務の品質という問題にかかわってまいりますから、そんな議論があるのかないのか。これは参考のためでございます。
2つ目は、5ページの表、一番下の行ですね。高額医療費申請勧奨件数ですけれども、この数字の増加をどういうふうに読んだらいいのかな、どういうふうに評価したらいいのかなということを迷っております。これは、一般論として言えば、こういったデータというものは、母集団がふえたのか、あるいは施策の努力によってふえたのか。大ざっぱに言えばそういった2つの観点だと思うのですけれども、その辺はどんな実情なのか、あるいは見ていらっしゃるのかということを教えていただければと思います。
3つ目ですけれども、これは23ページです。自己評価の最後の行の結論の部分ですけれども、前年実績を上回ることになったことから自己評価は「S」、このSレベルがいい悪いという議論ではありません。上回る結果となったという、ここの捉え方について、次の24ページ、ここの折れ線グラフを見ますと、これは現年度発生分ではありますけれども、前年は水準が落ちているのですよね。押しなべていって、そこでまた今年度はレベルが上がっている。これは明らかに上昇でありますけれども、これは回復させたのかなといった、ごめんなさいね、これは言葉が適当でないか。言葉が選び切れませんが、なぜこういうことを思ったかといいますと、昨年の前年度の評価については、今回のこの表の26ページですけれども、こういったデータをもとに実績が右肩上がりということで、高い評価をしております。これは自己評価も高いですし、評価結果も最終結果も高いとなっております。そうしたことからすると、24ページの折れ線グラフがちょっと目につくなという思いがあります。そこで、今、私は思い出したのですけれども、何年か前に、現年度発生分と過年度発生分、つまり、持ち越してきている部分とこれの内訳で、そうして合計が幾らといったデータを説明いただいたようなこともありまして、そういった観点から見るとどうなのかなと、あるいは追加的に情報がいただけるとありがたいなと、こんなふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○土田座長 どうもありがとうございます。
これはいかがでしょうか。
どうぞ。
○片平業務部長 ありがとうございます。
まず、1ページのサービススタンダードでございますけれども、今、並行して業務の効率化を進めておりまして、現状では、これは29年度で8.03でございますけれども、8日を全国平均でも割っている状況にございます。確かに恒常的に8日を割るのであれば10日を8日にしてもということはあろうかとは思うのですけれども、まだ正式にお客様へのお約束であるところのサービススタンダードの日数を下げようというところには、現状では内部的にはなってございません。ただ、それにこだわらず、より早期にお支払いができるよう対応は進めていっているところでございます。
次に、5ページですね。高額療養費のいわゆる勧奨の申請件数でございますけれども、御指摘のように、実際分母がふえたというところもあろうかとは思います。それと、こちらにあります表で、27年度が極端に低く、28、29とふえてはいるところなのですけれども、正直に申し上げると、27年度のあたりは、今、全ての支部が受診月から6カ月、金額で1,000円以上というもので実証しているのですが、そのあたりが、以前は1年であったり、また、金額が5,000円、支部によっては1万円というところも、不統一なところもございました。そこを全国同じ形で進めようというところで、そういう意味では施策のあらわれの部分もあるかもしれませんけれども、引き続きより多くの御案内をするように努めてまいりたいと考えます。
最後の債権の関係について、評価の結果のことについては、私のほうから申し上げるところはあれなのですけれども、今、数字としての過年度と現年度を合算してという部分は、申しわけございません。今、現年度を中心に取り組みを進めているところがございまして、別に過年度を隠しているわけではないのですけれども、お示しできるものはございませんけれども、中身として、鉄は熱いうちに打てというわけではないのですけれども、より早期に働きかけをすること、勧奨を進めることによって、結果的に現年度が上がっていけば過年度もその分だけ下がっていくということで、力点をそちらに置いているというところは施策として実施している部分でございます。28年度で若干落ちたというところはございますけれども、今年度はより上がっていくような形で進めていきたいと考えております。
○土田座長 どうぞ。
○小西構成員 ありがとうございます。
補足させていただきます。
ただいまの債権回収について、現年度発生分を優先していく。このお考えあるいはそれを実行していらっしゃる。これはごもっともと考えております。それから、最初の件の10日か8日か、これは利用者の私自身が感触的に考えると、これは個人差のあることですけれども、申請してお金が入るというか、そこで決着がつく。これはスムーズにいっているという実感ではないかということはあると思います。個人の感触としては思っておりますけれども、そんなこともつけ加えはいたします。ありがとうございました。
○土田座長 どうもありがとうございました。
よろしいですか。
どうぞ。
○古井構成員 1点だけコメントをさせていただきます。
3ページ目の図表のお客様の声というところで、平成27年度から一番上の苦情件数とお礼の件数が、もちろん全体的に件数は減っているのですけれども、苦情が100件多かったのが平成29年度は逆転していて、お礼のほうが100件多い。事業報告書の111ページを拝見しますと、その割に円グラフの内訳のところが苦情のことばかりで、お礼のところは高額療養費だけしか書かれてはいないのですが、そういうことが多いのかなと思いながら、きょうの資料のその前の2ページ目のところです。「(1)サービス向上のための取組」の欄の中なのですけれども、この中の上から大きな2つ目の○で、取り組みの例の一部の最後の・のところなのですが、最後に一言、ほかに御不明な点はありませんかという声がけを徹底するという事例が載っています。これはすごくいいなと思ったのと、例えば、ここでこれは本当に保険給付とか、そっちのほうの業務ではあるのですが、例えば、35歳以上っぽい方であれば、協会の健診を受けられましたかとか、そういう声かけみたいなものも一緒にやる。これは、東大病院のほうでも、職員で違う部署のことを周知徹底するということをやった時期がありまして、もちろん保険給付の業務の方だと思うのですが、そういうことももしかして声がけの中にはあってもいいのかなと感じました。
全般的には、こういうことは本当に職員の方の頑張りなので、特に3ページ目のお礼の件数が逆転したというのは、やられているかもしれませんが、ぜひ職員の皆さんに周知をされているのかなと思いました。
以上でございます。
○土田座長 どうもありがとうございました。
ただいまのものは、特に質問というわけではないのですが、御意見を承りました。これにつきまして、どなたか。
よろしいですか。
どうもありがとうございました。
きょうは、3つ目まで進む予定だったのですが、時間が来てしまいました。私自身の不始末でもあったかと思いますが、残りました「保健事業」は、次回に持ち越しとしたいと思います。次回は、まだ船員保険も残っておりますので、それをまとめて次回に審議をするということにしたいと思います。「保健事業」については、まだ説明していただいておりません。これの説明を受けまして、次回、残りをまとめて行いたいということで御了解を得たいと思います。
きょうはどうも大変ありがとうございました。
○深谷全国健康保険協会管理室長 事務局から、次回の日程について、御報告いたします。
次回の日程でございますけれども、10月9日、火曜日、14時から、厚生労働省17階専用21会議室で開催する予定でございます。内容につきましては、今、座長からありました保健事業と船員保険、組織運営と業務改革、3つのテーマについて御議論いただく予定でございます。
○土田座長 ありがとうございました。

 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 全国健康保険協会業績評価に関する検討会> 第22回全国健康保険協会業績評価に関する検討会(2018年9月28日)

ページの先頭へ戻る