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2014年5月22日 第17回先進医療技術審査部会
第17回先進医療技術審査部会
(1) 日 時:平成26年5月22日(木) 16:00~17:05
(2) 場 所:中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号TEL:03-5253-1111)
(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、一色構成員、伊藤構成員、
柴田構成員、関原構成員、大門構成員、田島構成員、
直江構成員、藤原構成員、山中構成員、松山技術委員
(事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 再生医療研究推進室長補佐
保険局医療課 企画官
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐
議 題:
1. 新規申請技術の評価結果について
2. 試験実施計画の変更について
3. 協力医療機関の追加について
4. 先進医療の取り下げについて
5. 先進医療会議の審査結果について(報告事項)
6. その他
○猿田座長
定刻となりましたので、第17回「先進医療技術審査部会」を始めさせていただきます。先生方におかれましては、お忙しいところをお集まりいただき、どうもありがとうございます。
まず、本日の構成員の出欠状況ですが、石川構成員、佐藤構成員、竹内構成員、山本構成員から御欠席の連絡をいただいておりますので、12名の構成員の方にお集まりいただいていることになります。
本日は技術に関し、松山技術委員にも御出席いただいています。松山先生、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の配布資料と案件等について事務局から確認をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料について確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿。「新規申請技術の評価について」として、資料1-1から資料1-10。「試験実施計画について」として資料2-1、2-2。「協力医療機関の追加について」として資料3-1、3-2。「先進医療の取り下げについて」として資料4。「先進医療会議の審査結果について」として資料5。最後に参考資料1、2となります。配布資料の最終ページは162ページになります。また、8ページからなります机上配布資料をホチキス止めで配布しております。本日の資料は以上です。乱丁・落丁等ございましたら事務局までお知らせください。
それから、利益相反についてです。申請医療機関との関係や対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1、11ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して事前に確認をさせていただいています。一色構成員、伊藤構成員、直江構成員、藤原構成員、山口座長代理より、11ページの技術及び申請医療機関との関係について利益相反の届出がございました。参考資料1、157ページにお付けしている「先進医療会議における利益相反の対応について」を適用いたします。一色構成員におかれましては、整理番号030に関する検討において意見を述べることができますが、議事の取りまとめには加わらないとさせていただきます。藤原構成員、山口座長代理におかれましては、整理番号030に関する検討において議事の取りまとめに加わっていただきます。伊藤構成員、直江構成員におかれましては整理番号030に関する検討において「自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術」でありますので、議事の取りまとめを含む、当該技術に関する検討には加わらないとさせていただきます。なお、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。
(確認)
それでは、該当なしということで進めさせていただきます。また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、又はタブレットの何ページと予め御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長
よろしいでしょうか。特に問題がなければ、早速、議事に入らせていただきます。新規の申請技術の評価結果について、事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局より説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
資料1-1、11ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして評価していただく技術は、整理番号029、「炭素11標識メチオニン-PET診断による放射線治療後の再発の検出」です。適応症は脳腫瘍(放射線治療後の再発の検出)となっております。申請医療機関は北海道大学病院です。審査担当構成員として、主担当が伊藤構成員、副担当として柴田構成員、田島構成員です。
資料1-5、31ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より説明させていただきます。まず、「1.実施責任医師の要件」として考えられるものです。診療科は要、放射線科又は核医学診療科。資格は要で、日本核医学会専門医が必要。当該診療科の経験年数は3年以上必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数も不要。その他、従来機器で製造された炭素11標識メチオニン-PET薬剤を用いたPET診断の経験を有することが要件として求められています。
「2.医療機関の要件」です。診療科は放射線科又は核医学診療科が要。実施診療科の医師数は、日本核医学会専門医1名以上必要。他診療科の医師数は要、これは針刺しに伴う迷走神経反射に対応可能な内科医を1名必要としています。その他の医療従事者の配置として、薬剤師及び診療放射線科技師各1名以上を必要としています。緊急手術の実施体制、院内検査、他の医療機関との連携体制はいずれも不要としています。医療機関の要件の「その他」として、日本核医学会の炭素11標識メチオニン-PET薬剤製造施設認証済みの医療機関であること、という施設要件が求められています。
「3.その他の要件」として、頻回の実績報告は不要とされています。以上です。
○猿田座長
この施設の要件に関しましては、今御説明いただいた形でよろしいですか。特に問題がないようでしたら、お認めいただいたということで進めます。それでは、主担当の伊藤先生、よろしくお願いします。
○伊藤構成員
メチオニン-PETの技術についての評価をさせていただきました。サイクロトロンのある施設では、このメチオニン-PETというのは既に実施経験があって長年使われているものだと思います。再発をMRIなどの技術で見ようと思うと大変難しいところを、PETですと組織がviableかどうかを見ることができる。通常行われていますFDG-PETですと糖の動きを見ますので、大脳そのものにも通常取り込まれてしまうので、再発の検出シグナルを取るのが難しいところを、大脳は基本的に蛋白合成をしていないので、蛋白合成をしている腫瘍細胞の所だけに取り込まれるという意味では理論的にも大変有望だと考えられますし、過去の臨床試験の成績上も有効性が認められる。この技術をFDG-PETと比較するということだろうと思います。
したがって、技術そのものに関しては有効性が多く期待できるし、実績もあると認識しています。今回、申請が出ている施設も、過去からやられている施設でもありますし、特に問題がないと思います。
ただ、一方、各施設ごとに11Cのメチオニンを作らなければいけないという意味で、各施設ごとにGMPの基準というか、人に投与しても大丈夫な製剤が作られることが大切なのだろうと思います。
この技術に関しては日本核医学会が大変バックアップしているように見え、今年の2月4日版という形で、日本核医学会院内製造PET薬剤基準というものを、この技術のために新たに整備されたと認識しております。したがって、当然、この技術として申請を出された北海道大学はきちんと要件を満たしているものと思慮いたしますが、申請の時期よりも後に院内製造のPET薬剤基準が出ておりますので、それを満たしているということは、確認していただきたいと思ったところです。
それ以外につきましては、幾つか問題点を田島先生、柴田先生から指摘していただいておりますので、その点についてまず御説明いただきたいと思います。
○猿田座長
今、概要を説明いただきました。それでは、まず田島先生から、倫理的な面からの説明をお願いいたします。
○田島構成員
「同意に係る手続、同意文書」についての評価ですが、説明文書の内容が分かりにくく不適切ですので「不適」の評価とさせていただいています。具体的な問題点を申し上げますと、「2.あなたの病気について」の説明の項目ではわずか1行半の説明で、簡略過ぎて不十分ですので、脳の病気について具体的に説明し、病気の再発が疑われる病変についても、脳腫瘍の再発と放射線治療の副作用として起こる壊死の2つの可能性があることを説明する必要があると考えます。
「3.研究の目的」についてですが、これは先進医療の実施計画や試験実施計画書に記載されている「研究の目的」と記載内容が一致しておりませんので、本臨床試験は、医療機器の薬事承認を前提としたものであることが分かるように記載を加えていただきたいと思います。また、メチオニン-PET(検査)や炭素11標識メチオニンについて分かりやすく説明しないと、一般の方には理解できないと考えますし、全体としてこの項目も説明が抽象的かつ簡略過ぎて分かりにくいものになっております。この項目で、臨床研究の全体像が理解できるように、FDG-PET検査との対比も含めて丁寧に説明していただきたいと思います。
「4.研究で使用する薬剤について」の項目ですが、ここもやはり全体的に説明内容が分かりにくくなっております。特に*1の記載内容が理解できませんので、何を説明しようとしているのか、一読して分かるように記載していただきたいと思います。また、本臨床試験では、薬剤のほかに医療機器についても説明を加えていただきたいと思います。
「5.研究の方法」についてです。(1)「対象となる患者」については、選択基準と除外基準についても、より丁寧で詳しい説明を加えていただきたいと思います。(2)「検査方法」については、PET-CTについての説明と、1人の患者がメチオニン-PET検査とFDG-PET検査の両方を受けなければならないことの説明が必要です。また、FDG-PET検査についても検査全体の所要時間を記載するほうが分かりやすく、対比ができると思います。FDG-PET検査の場合、注射の前に血糖値の測定を行うことの説明が漏れております。(3)「検査及び監察項目」ですが、(2)でメチオニン-PET検査の前後に行うことを説明したバイタルサイン等の検査項目と、ここで説明する検査項目が同じものであることが分かるように記載しないと、数多くの検査をするのではないかという誤解を生むと思います。また、メチオニン-PET検査後に外科的・放射線治療を選択する場合と内科的治療を選択する場合の使い分け、ふるい分けの方法と理由の記載もしていただきたいと思います。それから(5)「FDG-PET検査で予想される副作用」ですが、被ばく線量がおよそ3.5ミリシーベルトであるのは炭素11標識メチオニンではなく、FDGのはずですので、この部分の訂正をしていただきたいと思います。また、メチオニン-PET検査においては内科医1名を必要としておりますが、FDG-PETでは必要としていないとされている理由が分かりませんので、それを説明していただきたいと思います。
「6.予想される利益と不利益」です。(1)「予想される利益」については、診断精度のみならず、それによる診断後の病気治療に関わる利益、病気の再発の治療の場合と放射線治療による副作用の壊死の場合とで異なりますので、そのことも追記していただいたほうが臨床試験参加の誘因になると思います。
「7.他の検査方法等について」ですが、これも記述が簡略過ぎますので、それぞれもっと丁寧に説明していただきたいと思います。
「15.費用負担、研究資金などについて」の項目について、6万2,000円を研究者が負担すると記載されていますけれども、これでは個人の拠出金と誤解を受けかねませんので、公的資金で賄われると説明していただきたいと思います。なお、「研究担当者と連絡先(相談窓口)」については、担当者以外の病院の患者側の窓口も記載する必要があります。
これらの問題点が全て解消された場合には、「適」の評価にしても差し支えないと考えます。なお、「補償内容」につきましては、必要な補償が付されることとされておりますので「適」の評価としています。以上です。
○猿田座長
今、御説明いただいたように、ここの施設は割と慣れているはずなのですが、今回の説明が少しおかしかったですね。いろいろなところに色々と問題点がある。それほど難しいことではないので、しっかり直していただければという御説明でした。
続きまして、実施計画書等の評価のことで、柴田先生からよろしくお願いいたします。
○柴田構成員
「試験実験計画書等の評価」を担当いたしました。評価表の15ページを御覧ください。6.から16.まで拝見しましたが、10.の「有効性及び安全性の評価方法」の所に「不適」を付けさせていただきました。「不適」としてはおりますが、この医療技術を臨床試験の下で先進医療Bとして実施すること自体には問題ないと考えておりますので、適切に改訂していただければ問題は解決すると考えております。
かいつまんでコメントを申し上げます。本試験では、Met-PETもFDG-PETも、いずれの場合も結果として得られる感度の数字が真の感度の数字より高く出てきてしまいます。それは実際、現実に全ての患者から生検をすることができない以上、やむを得ないことなのですが、そのために、この2つの検査のどちらが良いかという評価をすることはできる指標であるけれども、出てきた数字が検査の診断性能をそのままダイレクトに反映した数字でないことには注意が必要です。
もう1つ、Met-PET検査とFDG-PET検査の性能に仮に大差がないような場合であっても、生検される患者の選び方によってはMet-PETの性能を過大評価してしまう可能性があります。その2つの点に注意をする必要があるというのが試験デザイン上のポイントになっていると思います。そのために、primary endpointで統計学的に有意な差が得られた場合であっても、内科的治療を選択された被験者の患者の中で外科的治療や放射線治療に変更となった方の割合が想定より大きくなっていないかとか、主たる解析から除外される患者における2つの検査の陽性・陰性の構成が、想定している状況から大きく外れていないかなどを確認した上で、このものの有効性を評価する必要があると思います。
ただし、以上の点に留意した上で結果がまとめられるのであれば、現在のデザインでの実施は許容すべき範囲に収まっていると考えます。デザイン面では現在の計画でやむを得ないことは十分理解できるところです。
16ページを御覧ください。以上については問題ないと思いますが、臨床試験実施計画の計画書の中には幾つか修正していただくべき点があります。マルの1マルの2マルの3と大きなところを挙げていますが、この辺を詰めておかないと結果の解釈が混乱するですとか、実際に臨床試験に参加される担当医の先生方が、どのようにアクションを取っていいかが明確にならないために、混乱が生じることが予想されるところがありますので、こちらは改訂していただいた上で実施するべきであろうと考えます。以上の問題点については、適切に改訂されれば「適」とし得ると考えますので、本申請そのものの意義を否定するものではありません。以上です。
○猿田座長
今、計画等について柴田先生から御説明いただきました。どなたか御質問はありますか。根本的には大きな問題はないけれども、今、お話があったようなところを直していただければということでした。よろしいでしょうか。
もしよろしければ、もう1回、総括的に伊藤先生からお願いします。
○伊藤構成員
田島先生と柴田先生におかれましては、大変細かく見ていただいたと思っております。先ほどもお話があったとおり、適切に修正されれば、この技術そのものをここの委員会として承認することに関してはほぼ問題がないのではないかと思います。以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。総括的には、今、田島先生と柴田先生から御指摘いただいた部分を中心に、あと伊藤先生の御指摘いただいたところを直せばよろしいだろうという形になります。どなたか、御意見ありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
事務局です。伊藤構成員から御指摘のあった施設追加に当たっては、11C-METの製造について、2014年の日本核医学会院内製造基準を満たしている施設で実施することとのこと。先ほど31ページ、資料1-5でお示ししましたように、下の方に「その他」という記載がございます。この項で、「日本核医学会の炭素11標識メチオニン-PET薬剤製造施設認証済みの医療機関であること」という設定を設けていますので、今後、協力医療機関として追加が予定されている大阪大学医学部附属病院から申請がございましたら、事務局でその辺りを確認させていただきたいと思います。
○猿田座長
よろしいですか。何かございますか。
○伊藤構成員
ここに申請されているよりも後の日付で、日本核医学会からガイドラインが出ていますので、そこの整合性は確認していただきたいと思います。
○猿田座長
ほかにどなたか御質問はございますでしょうか。今のところ、施設としては大阪大学とここだけですよね。
○医政局研究開発振興課専門官
協力医療機関の追加は大阪大学のみです。その大阪大学はまだ受け付けていないという整理で、北海道大学のみの申請として審議いただいています。
○山口座長代理
最初の説明を聞いていると非常に画期的でいいなと思ったのです。ところが、コントロールの対照にFDG-PETがあるというのはちょっとよく分からなくて、むしろそれなしで、普通のCTやMRIと組み合わせたら高い確率で診断ができるという形にはなかなか持っていけないものなのでしょうか。
○伊藤構成員
個人的にはそうだと思うのですが、先ほど柴田先生がお話になったようにprimary endpoint、この人は再発である、この人は再発ではないというものを評価するのが難しいので、surrogateとしてFDG-PETを立てましたというところだろうと思います。逆にprimary endpointを評価にしろと言われると、多分、再発かどうかを見極めるのに1年とか2年追いかけて、初めてprimary endpointが確定して評価をするという話なので、時間が余計かかるのではないか。その代わりのものとしてFDG-PETを評価対照に置いたという意味では仕方ないのではないか。
もう1つ、メチオニンの合成が、半減期が20分なので、自分の所でサイクロトロンを持っている所でないとできないので、それほど急速に広がる技術とも思いにくいので、これでも良しなのかなと思いました。
○猿田座長
よろしいですか。ちょっと面白いやり方ですが、北海道大学はこの点はよくやっている所なのです。ほかにどなたか御質問はありませんでしょうか。もし、特に御意見がなければ、そうすると「条件付き適」ということで、今のところを修正していただくことでよろしいでしょうか。
よろしければ、それでは「条件付き適」でお認めいただいたということにいたします。どうもありがとうございました。
続きまして2つ目の新規案件は整理番号030です。これに関して事務局から御説明をお願いいたします。
(伊藤、直江両構成員退出)
○医政局研究開発振興課専門官
資料1-1、11ページを御覧ください。2つ目の新規案件は整理番号030、「2-3A期非小細胞肺がん完全切除症例を対象とするNKT細胞を用いた免疫療法」です。適応症は非小細胞肺がん完全切除例で、病期2-3A期、シスプラチン+ビノレルビンによる術後補助療法後です。申請医療機関は国立病院機構名古屋医療センターです。審査担当構成員は主担当が藤原構成員、副担当が大門構成員、佐藤構成員です。また、松山技術員にも事前評価をお願いしております。伊藤構成員、直江構成員におかれましては利益相反の対応に基づき、一旦、御退席をお願いいたします。
本件の審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明いたします。資料1-10、57ページを御覧ください。「1.実施責任医師の要件」。診療科は、呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍内科のいずれかが必要。資格としては、がん治療認定医・暫定教育医、がん薬物療法専門医・指導医・暫定指導医のいずれかを有することが必要。当該診療科の経験年数は5年以上が必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数は不要としています。
「2.医療機関の要件」です。診療科は、呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍内科のいずれかが必要。実施診療科の医師数は、具体的内容として3人以上が必要。他診療科の医師数は不要。その他医療従事者の配置として、薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師が必要。当直体制は要ですが、緊急手術の実施体制は求めておりません。24時間体制の院内検査は必要で、他の医療機関との連携体制は不要としています。
その他の要件としては、アフェレーシスが院内にあり、細胞培養が適切に実施できることを施設要件として求めております。頻回の実績報告は不要とされております。以上です。御審議をお願いします。
○猿田座長
今、施設要件を説明していただきましたが、この場合のポイントは呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍内科です。ここはよろしいですね。ほかに問題はありませんか。
それでは施設要件はこういう形で良いということで、早速、藤原委員から全体的なことを御説明いただけますか。
○藤原構成員
お手元の資料1-6、33ページからが今回のものです。申請されている技術については、53ページの1-8のポンチ絵を御覧いただきながら、少し解説を聞いて頂ければと思います。NKT細胞という細胞を、手術の後に、しかも抗がん剤による術後の補助療法が終わった、非小細胞肺がんの方々に投与し、手術後の抗がん剤治療にアドオンし、こういう免疫療法が再発の予防や、更に延命することにつながるかどうかを検討する技術です。
当該技術であるNKT療法は、高度医療の頃だったと思いますけれども、平成23年の千葉大からの申請で、既に関わっております。その当時は術後の患者ではなく、転移や再発のある肺がん患者を対象にしたものでしたけれども、今回は術後の補助療法としての申請です。このポンチ絵にもありますように、抗がん剤治療をシスプラチンとナベルビンで行った後、大体抗がん剤が終了して4~16週間の間に、NKT細胞を調整して、患者から採血して、成分輸血のような形で細胞を調整し、それを患者に戻すという群と、現行の、世の中ではそういうように観察しているだけですが、こういう細胞療法を何もせずに、無治療で観察する群とを、ランダム化比較試験のなかで比較するという中身です。
33ページに戻ってください。これは細胞の調整、細胞療法の所ですので、松山構成員に詳しく評価していただいております。34ページのIC文書等の倫理的観点は、佐藤構成員がコメントしていらっしゃいます。また、今日は御欠席ですので、佐藤構成員からのいろいろなやり取りを受けての最終判断が、資料の後ろのほうにつづってあると思います。大門構成員にはプロトコール等の評価をしていただいております。ですから、まず皆さん方からそれぞれの審査の概要を御説明いただければと思います。
○猿田座長
それでは、技術面と実施体制の評価を含めて、松山先生からよろしくお願いいたします。
○松山技術委員
私のほうでは主に細胞調整の部分と、調整施設に関して見させていただきました。文章の中で幾つか課題はあったのですけれども、今回御指摘させていただいて、きっちりと誠実にお答えいただいていると思います。ただ、こういう細胞治療というのは、施設があって、ドクターがいらっしゃって、必ずできるものではなく、きっちり作れるかどうかというのは、やはり経験がかなりものを言うところがあります。それを考えると、1例は実施されているので、おおむね問題はないだろうと思うのですが、念のために2、3例程度、千葉大学から細胞培養技術者の派遣を頂いて、実際にチェックというか、見ていただきながら経験を積んでいただければ、より安全で効果的な治療法につながるのではないかということで、このようなコメントをさせていただきました。
○猿田座長
では、千葉大学のほうは後ほどにしますか。
○医政局研究開発振興課専門官
確認させていただきたいと思います。松山構成員が記載している指摘事項を、申請医療機関にお伝えしたいと思います。
○猿田座長
それでは、先へ進ませていただきます。見ていただきたいのは、今日はお見えになっておりませんけれども、倫理的な観点ということで佐藤先生からのコメントが、34ページの上に書いてあります。佐藤先生としては、ここに書いてあるとおりのことで、きっちり直していただいて、両方とも「適」にさせていただけるということです。藤原先生、もし何かあれば言っていただければと思いますが、これはいいですね。
○藤原構成員
今日、佐藤構成員は55ページのほうに文書で意見を述べていらっしゃいますけれども、内容は、最終的に問題ないということだと思います。
○猿田座長
それでは大門先生から、特に実施計画等に関してお願いします。
○大門構成員
資料1-7、39~45ページにわたり、申請者への私からの確認事項とその回答が示されております。特に統計学的な考察と有害事象の報告手順については、当初の実施計画書では不明瞭な点がありましたので、その点を指摘させていただきました。その結果、ここに示されているとおり、回答と共に計画書、届出書の修正が適切になされましたので、「適」とさせていただいております。ただ、1点気になったのが資金源についてです。「本試験に必要な資金は、千葉大学、国立病院機構、理化学研究所の協議により支出を行う」と記述していただいているのですが、どのような資金源が使用されるかについては、やはり不明瞭なので、可能であれば具体的に記載していただいたほうがより良いのではないかと思いました。
○猿田座長
今のはその点だけですね。そうしますともう1回、全体的に藤原先生からまとめをお願いできますか。
○藤原構成員
最初にも申し上げたように、転移・再発のある方には千葉大学で、既に先進医療として実施されていましたから、その結果も踏まえて、術後の補助化学療法後の人ですので、転移・再発のある人に比べて比較的元気な方が対象になりますので、投与自体には問題がないかもしれないけれども、千葉大の現状を確認したいということで、今日の机上配布の資料、第3項の先進医療、「NKT細胞を用いた免疫療法」で、千葉大のNKT細胞療法を用いたこれまでの経過というか、安全性のデータを用意していただきました。
これまで既に23例の患者が、NKT細胞による治療を受けられています。1ページ目がこれまでに起きている有害事象ですが、非常に重篤なものはなく、目立つのはカリウム高値です。カリウムがグレード2に上がるという症例が3例ぐらいあるのと、グレード1が3例あるということです。その詳細が2ページ以降に書いてあります。溶血や、シスプラチンという術後の補助療法に使う抗がん剤には、腎臓に対する毒性が結構ありますので、その腎障害を引きずったために、少しカリウムが高くなっている症例がある程度で、先行する千葉大の事例で、試験治療の実施に大きな問題となるようなものは出ていないので、療法としては安全かと判断しております。
それ以外は、薬事戦略相談等でICH-GCPに対応したものであることが望ましいと言われていたのですが、モニタリングや監査のところも、申請資料では適切に書かれていると判断しますし、大門構成員、佐藤構成員においても、いろいろなやり取りの中でプロトコールとIC文書も適切に訂正されましたので、最終的には先ほど松山構成員がおっしゃったところが、ちゃんと押さえられていることが承認には大事になるかと。
もう1点、少し気になるとすればタブレットの366ページ、届出書の22ページです。松山構成員もおっしゃっていましたけれども、国立名古屋医療センターでの当該治療の実績が、これまで1例だけというところです。国立名古屋医療センターは臨床研究中核病院ですので、かなり前の先進医療技術審査部会あるいは高度医療評価検討の会議で、先行する数例の実績を求めないといけないという申合せをし、それを少し減らす際には、申請をしていただいて、みんなで討議をしようという議論がありました。そこは今日の皆さん方の御意見を踏まえて、決めていただければと思います。
○猿田座長
千葉大学に23例の経験があるので、その成績をということで御紹介いただいたのが、この別紙です。やはり問題は、血液化学上では高カリウム血症はそんなにひどくなく、6未満ですけれども、これだけの例数が出ていたということです。使われている薬にも腎障害のものもありますし、病態自体との関係で腎障害が起きてくれば、高カリウム血症が起こるかもしれない。この程度だったら松山先生、どうですか。5.7か5.8ぐらいだったら、注意すればいいですよね。
○藤原構成員
ここは当然、ちゃんとマネージされると思いますので、大丈夫だと思います。
○猿田座長
慢性にきていれば、このくらいの状況であれば、そんなに大きな問題はないということです。一番問題なのは、名古屋のほうは去年から中核拠点に入っているので、今言った形で、1例だけの経験ではあるけれども、それでいいだろうかということです。あるいは、長期の見通しでは、そういうことがなくても、中核拠点でしっかりやっていればいいだろうということですが、その辺りについて事務局から何か御意見はありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
藤原構成員から御指摘のあった点を、詳細に説明させていただきたいと思います。先進医療の申請に際しては、ルールがあります。「先進医療の実施」という、参考資料2の161ページの上段の四角に記載していますように、これは通知を抜粋したものです。「未承認若しくは適応外の医薬品又は医療機器を用いる医療技術に係る留意事項」として、「関連する法令又は指針の遵守の下で行われた当該施設において数例以上の臨床使用実績があること及びその1症例ごとに十分な検討がなされていることが必要である」とあります。すなわち、先進医療の申請をしていただく際には、実施施設で数例以上の使用経験を積んでほしいということを求めています。
一方、「申請された個々の医療技術の特性に応じて、早期・探索的臨床試験拠点、臨床研究中核病院等の高度で質の高い臨床研究を実施することができる医療機関において、当該医療技術を有効かつ安全に実施できることが明らかである場合は、この限りでない」と規定しております。すなわち名古屋医療センターは、下の四角で囲んでおりますように、臨床研究中核病院整備事業の対象病院になっておりますので、数例の実績、使用経験というのは免除されるかと思います。
そこで、皆様方に質問させていただきます。名古屋医療センターの実施経験は資料1-8、54ページのロードマップの左の臨床研究の所にありますように、被験者数、これまでに実施した症例数が4例で、実薬、すなわちNKTを投与したのが1名、標準治療3名とあります。すなわち、名古屋医療センターでこの細胞治療が行われたのは1例です。この1例をもって数例の実績ありと判断するのか、それとも、1例の実施をもってのみでは数例の実績ありとは言えないと判断し、名古屋医療センターからの申請を中核病院からの申請と位置づけて、数例の実績を免除するとして取り扱うか。このどちらで対応するかを御議論いただきたいのです。
その理由は、後続の医療機関の申請手続が異なるからです。本試験は今後、九州がんセンターが協力医療機関として参加する予定ですが、実施経験ありとみなすと、九州がんセンターでのIRBの承認が得られれば、先進医療技術審査部会に申請できます。もし、この技術を数例の実績が足りずに、臨床研究中核病院として取り扱うと、名古屋医療センターではあと2、3例程度実施していただいて、効果安全評価委員会で試験の継続を諮った上で、その結果をこの部会に上申し、審議してOKであれば九州がんセンターからの申請が可能となる。そういう複雑な経路をたどることになりますので、1例の実施をもって数例の実績ありと判断するのか、あるいは臨床研究中核病院ルールで申請してきたことにするかというのを、御議論いただきたいと思います。
○猿田座長
こういったことは、それぞれの案件によっても技術によっても随分違うと思うのです。山口先生、どうですか。
○山口座長代理
確かに技術によって違うので、原則はあるでしょうけれども、やはり個々に判断していくより仕方がないと思います。これはそれほど難しい技術ではないように私は思うのです。それでいいのではないかと思います。
○猿田座長
藤原先生あるいは松山先生はどうですか。
○藤原構成員
外科の手技などが伴うものだと、かなり用心しないといけませんが、これは外で調整した細胞を単に点滴で入れるだけです。千葉大での経験もしっかりあって、手技的にも大きな経験数というのはなく、ほかの経過を見るというのは普通の医療の中でも皆さんやっているところですので、臨床研究中核病院としての医療の担保はできています。
○猿田座長
しかも1例やったということで。
○藤原構成員
ですから、いいのではないかと私は思っております。
○猿田座長
松山先生はどうですか。
○松山技術委員
藤原先生と同じで構わないと思います。ただ細胞培養に関してだけは、通常の医療技術の中でも若干違うところがありますし、実際に作られるのは臨床検査技師とか、MDの指導の下で医療有資格者が行うことを考えると、そこのところは同列に論じつつも、やはり技術移転はしっかりしていただきたいという形で、お願いできればと思います。
○猿田座長
そうですね。名古屋はこういうことは割と慣れている所ですけれども、九州が出てきたときにですね。大門先生、何かありますか。
○大門構成員
藤原先生、松山先生が言われたとおりだと思います。特に千葉大での数例の経験におけるレジメンとそれほど変わらないこと、本試験では特に効きそうな患者が選択されているので良いかと思います。ただ、本案件もそうですし、以前の埼玉医科大学国際医療センターでの案件でもそうだったのですが、当該試験内で数例の実績を積んでいただいてもいいのではないかとも感じました。また、臨床研究中核病院、早期・探索的臨床試験拠点は数例実績を免除されるわけですが、例えばそこが申請医療機関になったとしますと、他の参加医療機関での登録も可能となってしまう問題点があろうかと思います。この案件のもともとの研究代表者は、実施計画書上、九州医療センターだったわけですが、上記の問題点を意識して、申請医療機関の名古屋医療センターへ統一して頂いた経緯がございます。
○猿田座長
そうすると、1例でもやっていただいているということで、そういう方向でいったらどうだろうかということですね。そういう形でいいですか。細胞の混ぜ方の問題はあるけれども、そんなに難しいものでもない。ほかに先生方、どなたか御意見はございますか。これがもう少し進んで、中核拠点病院の法律化がもっとしっかりしてくれば、もっと堂々といろいろなことが言えると思うのです。しかし、ちょうどその過渡期にあるというか、これからその辺りの法律的なことが決まってきますので、今の時点では、今の技術とこういった施設の問題等も考えて、今日担当してくださった先生方とすれば、1例でも実績と見なしていくほうがいいだろうという御意見ですね。もしよろしければ、そういう形で実績として見なすということでよろしくお願いいたします。結論的には藤原先生、「条件付き適」という形で持っていってよろしいでしょうか。
○藤原構成員
はい。
○猿田座長
先生方もそれでよろしければ、1例でも実績として認めるということと、御指摘いただいた所を直していただくということで、「条件付き適」にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。それではお入りください。
(伊藤、直江両構成員入室)
○猿田座長
先生方、どうもありがとうございました。直江先生のは、一応「条件付き適」ということにさせていただきましたので、直しだけはしていただきたいと思います。
それでは次の議題、資料2です。次は、実施計画の変更についてということで、事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料2-1、59ページを御覧ください。「先進医療Bの試験実施計画の変更について」ということで、2件の申請がありました。1件目が大臣告示番号31、「食道がんの根治的治療がなされた後の難治性の良性食道狭窄に対する生分解性ステント留置術」についてです。予定症例数は20例とされており、現在のところ60ページの上段の表にありますように、8例の実施が終了しております。主な変更内容はマルの1安全性情報の更新、マルの2ステント評価及び有害事象評価終了時期の修正、マルの3ステント留置後の同意撤回への対応を明記、マルの4研究期間の延長、マルの5マルの6がそれぞれ記載しているとおりです。
このうち、マルの1とマルの4について説明いたします。まず、マルの1安全性情報の更新についてです。試験機器提供者である企業より、ステント留置による死亡例として、食道穿孔1例、食道出血1例、食道大動脈瘻による出血1例に関する情報を入手したために、説明同意文書に追記いたしました。また、本臨床試験で発生した重篤な有害事象の、軟部組織炎、骨髄炎についても、説明同意文書に追記しました。マルの4です。step2の登録開始後、7か月で8例登録されましたけれども、残り10例の登録には約12か月必要と考えたために、登録期間の10か月の延長をお願いしたいということです。本件については、新規申請の際に御審議いただいた大門構成員、山本構成員、田島構成員、北川技術委員に事前の御確認を頂いているところです。それでは御審議、お願いいたします。
○猿田座長
いま御説明いただいたところ、特にポイントである変更内容のマルの1からマルの6までの特に問題になっているマルの3とか。マルの4は問題ないですね。実施者の変更の辺りで、何か御意見はありますか。
○関原構成員
質問です。死亡例として穿孔など、8件の中でこれだけのことが起こっているということですか。
○医政局研究開発振興課専門官
8件ではなく、これは海外企業が有しているものですので、海外でこのような3例の死亡例が起こったと御理解ください。
○関原構成員
では、これは上とは関係のない説明ですか。
○医政局研究開発振興課専門官
そうです。マルの1の後半で、本臨床試験で発生した重篤な有害事象として、左の前胸部に軟部組織炎と骨髄炎を発症したという有害事象が1件届いております。ですから国内では1例、海外では3例の有害事象がそれぞれ起こっていると御理解いただければと思います。
○猿田座長
ちょうど真ん中に書いてある所、1例の所ですね。よろしいですか。
○関原構成員
これを見ると国内で起こったように。上に説明があって、こういうことをやりました、その結果こういうことが起こったと私は見たものですから。分かりました。
○医政局研究開発振興課専門官
59ページを御覧いただき、「医薬品・医療機器情報」というのが、下から3つ目の括弧にあります。製造販売業者が、ELLA-CS社という海外の企業なのです。国内でこのデバイスを使っているのは、この臨床試験のみです。記載がわかりずらく、今後は気を付けたいと思います。死亡例が起こったのは海外であるということです。
○山口座長代理
海外のものは良性のではなく、悪性のものも入っているのではないですか。進行した食道がんは、最後は大動脈に穿破して亡くなりますから。良性の場合は起きないことだと思います。もし良性で起きるようであれば、非常に重篤なものですけれども、通常の食道がんの経過の中の1つだと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
その辺りを私は、海外のほうが手術が雑だからと思っていました。一応、申請医療機関にお尋ねして、情報共有させていただくことにします。
○猿田座長
日本のほうは良性の食道狭窄ということになっていますね。そこは念のため、一応確認しておくということで、関原さん、それでよろしいですか。
○関原構成員
はい、結構です。
○猿田座長
ほかにどなたか、御意見はありませんか。これに関しては大門先生、山本先生、田島先生、北川先生に頑張っていただきました。
ありがとうございました。それでは、こういう形でお認めいただいたということにさせていただき、2番目の「先進医療Bの試験実施計画の変更について」に移ります。これは比較的新しい案件です。事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料2-2、61ページを御覧ください。2件目、大臣告示番号41、「アルテプラーゼ静脈内投与による血栓溶解療法」です。これは先日の先進医療技術審査部会、あるいは先進医療会議で御承認いただいた案件です。62ページにありますように、現在始まったところですので、予定症例300例に対し、登録例は0例です。変更内容です。いつも施設要件を事務局から説明しておりますが、その施設要件を変更してほしい、少し緩和したいという申出です。
これまで先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものとして、「当直体制」を、脳血管内科、脳神経内科若しくは脳神経外科1名以上と申請しましたけれども、それを「脳血管内科、脳神経内科若しくは脳神経外科1名以上が在院又は自宅待機」に修正したいということです。変更理由は、本試験参加予定である協力医療機関は、夜間・休日等に脳血管内科、脳神経内科若しくは脳神経外科1名以上がオンコール待機をして、救急部や病院当直などからの連絡に合わせて出勤・初動する体制をとっている。同意取得及び被験薬の投与の際は試験実施医師の到着後に行うことから、安全面、倫理面において、この体制でも本試験の遂行に問題ないため、変更していただきたいという申請です。これについても新規申請の際に御審議いただいた山中構成員、伊藤構成員、佐藤構成員に事前に御確認を頂いております。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
これはまだ症例が進んでいないわけですけれども、少しでも安全性を考えて、こういった体制をとってやっていきたいということです。少しでも安全性をしっかりやっていこうということですので、これもよろしいですね。先生方、御意見はございますか。お認めいただくということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは告示番号41も、試験計画の変更を認めるということにさせていただきます。続いて「先進医療Bの協力医療機関の追加について」です。これも事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料3-1、63ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている7つの技術について、協力医療機関の追加申請がありました。資料3-1、63ページに先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載しております。資料3-2、65~71ページは、様式9号の施設要件等を記載したものです。事務局において、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認した結果、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと思います。特に御意見がなければ、追加の手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
63、64ページにかけての追加機関ですが、どなたか御意見はございますか。見ていただきますと、追加の所もちゃんとしっかりした所ですし、施設に関しても事務局から御確認いただいているということです。少しでも症例をこなし、早く進めてくれというのが、今一番の国からの条件ですので、この追加機関をお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
特に御意見がなければ、これを全てお認めいただくことにいたします。どうもありがとうございました。追加機関が終わりますと、後は先進医療の取下げの問題になりますか。
○医政局研究開発振興課専門官
資料4、73ページを御覧ください。「先進医療Bの取下げについて」ということで、事務局より説明いたします。告示番号2、「胎児尿路・羊水腔シャント術」についてです。申請医療機関は国立循環器病研究センター。取下げ理由は、本試験の登録基準が狭く、症例登録に難渋している現状を鑑み、一旦取下げの上、試験計画を見直し、先進医療に再申請することを考慮したいということです。具体的には、平成19年以前から本試験はスタートしており、臨床使用確認試験を経て高度医療、先進医療として現在実施されていますが、予定症例17例に対して現在、まだ11例の登録にとどまっています。登録基準が狭く、登録に難渋していることも鑑みて、一旦取り下げた上でプロトコールを再考した上で、再申請を考慮したいという申出でした。それが1点目です。
2点目は告示番号16、「神経症状を呈する脳放射線壊死に対する核医学診断及びベバシズマブ静脈内投与療法」についてです。申請医療機関は大阪医科大学附属病院です。取下げ理由は、本試験が終了し、登録も終わり、フォローアップも終了したために取下げをしたいということです。今後は総括報告書が出てくるものと思われます。以上です。
○猿田座長
まず上のほうに関しては、ちょっと古いものです。非常に重要なテクニックですけれども、この基準でいくと症例がまだ11例で進みが悪く、もう1回プロトコールを作り直したいということでの取下げです。16番のほうに関しては、いろいろな協力施設が書いてありますが、大体症例が全部こなせたので終了ということでの取下げです。どなたか御意見はありますか。特になければ、この2つはこういう形でお認めいただくということでよろしいでしょうか。
○山口座長代理
最初の古いものですけれども、こういうものが適応になるのは、極めてまれだと思うのです。今後も何かやろうとしてもまれなのです。たくさん集まらないのに、今まで11例やられていたと。その評価はどのようになっているのか。つまり、そういう症例を無駄にしないで、何か結論が出たら、良い技術であればやれるようにしてあげたほうがいいのではないかと思いお伺いしました。
○医政局研究開発振興課専門官
御指摘ありがとうございます。11例の登録があったと申し上げましたが、これは先日の国立循環器病研究センターとの面談で、そのようなことが判明しました。今後は、まず総括報告書をお出しいただき、その総括報告書をこちらで御審議いただき、そのデータの品質保障等を御確認していただいた上で、薬事承認の参考資料等で活用できるようであれば、その辺りを助言したいと思います。
○猿田座長
これは循環器病研究センターから出ている非常に難しいテクニックですし、症例が限られるものですから、私はできるだけ多くの実施可能な施設が組んだほうがいいということで、成育センターと組んでやってもらう形に持っていったのです。その後は確か筑波もやってくれたのですが、やはり症例が少ないのです。そういったことで、もう少ししっかり連携を取って。11例来ていますから、もうちょっとだけ頑張っていただければということです。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
では、こういう形での取下げになりますが、一応お認めいただいたことにさせていただきます。どうもありがとうございました。後はこの間の先進医療会議の結果です。事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
資料5、75ページを御覧ください。先週の5月16日に開催された先進医療会議において、先進医療Bから上申した2つの案件が、いずれも「適」との御判断を頂きましたので、御報告させていただきます。整理番号061、「初発中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する照射前大量メトトレキサート療法後のテモゾロミド併用放射線治療+テモゾロミド維持療法」です。これは埼玉医科大学国際医療センターからの申請でした。それと整理番号062、「FDG-PET/CTの不明熱診断への応用」です。これは国立国際医療研究センターからの申請でした。これらがいずれも先進医療会議で審議されて「適」でした。来月以降の告示をもって、先進医療が開始されるものと思われます。以上です。
○猿田座長
先日行われた先進医療会議のほうで、この2つが認められたということです。どなたか御質問はありますか。今日皆様にお諮りすることは一応全てです。どなたか特別な御意見などはありますか。
○山口座長代理
いつも協力医療機関の追加がありますね。そういうことも要請されていますし、これはスピードアップのために大変いいと思います。一方で、最初に1年間に20例登録すると言っていた施設で、出ていない所もあると思うのです。そういう所はむしろ外しなさいというような圧力を掛けないと、みんながなかなかスピーディーにやってくれないと思うのです。先進医療をやっていますというタイトルをもらっただけで満足している所がそうならないように、取り下げさせるということも是非圧力を掛けていただければと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
御指摘の件を我々で把握できるのが、1年に1回の年次報告で、各施設の実施件数が分かります。件数からは、登録が少なくて実際に登録できないのか、症例があってもやる気のなさというか、モチベーションの低下から登録が少ないのかの判断がつかないのです。面談等を含めて、しっかりやってくださいということはお伝えしていこうと思います。御指摘、ありがとうございました。
○山口座長代理
これがなかなか進まないと、この委員会がモタモタしていると思われるといけないので、是非お願いします。
○猿田座長
大切な御意見です。本当に早く進めなければいけないというのが一番です。こちらとすれば特に追加施設の場合は、機関の資格だけは厳重に見ていただくということで、山口先生がおっしゃったことはもう1回確認してやっていただくことだと思います。ほかに御意見がなければ、次の予定を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
最後に、次回の日程です。6月の開催は12日の木曜日、16~18時とさせていただきます。場所については別途御連絡いたします。また、本日の議事録については昨成次第、先生方に御確認をお願いし、その後に公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長
先生方から特に御意見がなければ、これで終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
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