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2013年7月31日 第7回がん検診のあり方に関する検討会議事録

健康局

○日時

平成25年7月31日(水)
17:00~19:00


○場所

厚生労働省 18階 第22会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

がん検診の受診率向上施策、精度管理について

○議事

○岡田がん対策推進官 それでは、お時間となりましたので、ただいまより第7回「がん検診のあり方に関する検討会」を開催いたします。

 まず、本日でございますけれども、参考人としまして国立がん研究センター検診・研究部の濱島ちさと参考人にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、構成員の皆様方の出席状況でございますけれども、本日は構成員の皆様方、全員おそろいという状況でございます。

 それでは、次に資料の確認をさせていただきたいと思います。

 お手元にお配りしております資料1「がん検診提供体制が受診率に及ぼす影響要因について」、こちらは濱島参考人からの御提出資料でございます。

 資料2「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書(案)~がん検診の精度管理・事業評価及び受診率向上施策のあり方について~」でございます。

 また、参考資料1「平成25年度 市区町村におけるがん検診の実施状況調査 集計結果」をお配りしております。

 また、構成員、参考人の皆様方には机上配付資料といたしまして、第4回から第6回までの検討会の資料をとじたファイルを置かせていただいております。適宜御参考いただければと思います。資料に不足・乱丁等ございましたら、事務局までお申出ください。よろしいでしょうか。

 それでは、撮影のほうはここまでとさせていただきます。

 この後の進行は、大内座長どうぞよろしくお願いいたします。

○大内座長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。がん検診の受診率向上施策及び精度管理についてです。

 前回は、がん検診の受診率向上施策について、日本対がん協会の小西参考人よりお話をいただき、事務局が提示した論点をもとに議論を行いました。その中で、受診率向上に当たっては、地域・職域連携の重要性の議論がありましたことを踏まえまして、本日は濱島参考人から受診率向上に成功している韓国の背景等についてお話しいただこうと思います。日本と韓国との間には医療制度の違い等さまざま留意すべき点はありますが、参考になる点もあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。なお、御発表につきましては1015分程度でお願いいたします。

 では、濱島先生、よろしくお願いいたします。

○濱島参考人 国立がん研究センターの濱島です。よろしくお願いいたします。

 私は、がん検診の提供体制につきまして、受診率に及ぼす影響についてお話をさせていただきます。

 パワーポイント資料の2枚目で受診率対策の比較としまして、クーポンが配付される以前に行われていた対策をがん検診横並びで人口別に比べたものです。そうしますと、やはり受診勧奨対策がいずれのがんにおいても人口の多寡にかかわらず、非常に効果的であるということが示されています。

 次をめくっていただきまして3枚目のスライドになりますが、こちらはOECD諸国と韓国、日本の受診率の比較ですが、子宮頸がん・乳がんでお示ししておりますけれども、日本は韓国の受診率の約半分から3分の1という状況です。

 次に、フリークーポンの効果は前回の会議でも御検討があったところですけれども、フリークーポンを配付することによって、受診率は上向きになったものの、劇的に増加しているという状況とは言えないことが確認されております。

 次に、韓国のがん検診受診率の推移を20042012年まで見ております。5がん、いずれも韓国でのナショナルプログラムで行われている検診は、どんどん伸びている状況です。同じようなフリークーポンのような受診勧奨、そして無料配付ということを一部の年齢に行いました日本では、韓国ほどの受診率向上の影響がなかったことにつきまして、医療制度の点からもう一度見直すということで検討いたしました。

 本日お示しします内容につきましては、6枚目にありますように、6月に行われました国際ヘルステクノロジーアセスメントでパネルとしまして日韓合同で行った結果についてお話しすることになります。

 7枚目は、大まかに日韓の保険システムの比較を行ったところです。日本と韓国は民間の医療機関を中心に医療サービスを提供していることと、社会保険制度に基づいているということ。そして、国民皆保険であるといったところで、非常に類似したところがありますが、例えば、保険者は日本では3,500に対して、韓国は2003年来一元化されております。診療報酬につきましては国レベルで統一されていますが、混合診療を韓国では認めている、日本では認めていないといった違いがあります。

 その結果、最後の欄にありますけれども、保険料支出のうち自己負担が韓国では日本の倍という状況になっております。

 次が、日韓の健康保険の歴史ですけれども、健康保険の地盤となる健康保険制度は日本では戦前に既に準備が始まっていて、61年に皆保険が完成しているのに対して韓国では、80年代になってようやく国民皆保険が完成したという状況にあります。

 次に、日韓の検診の比較です。どちらでも対策型検診として行われているもの、あとは任意型検診で大まかに分かれるかと思います。ただ、任意型検診につきましては、個別に受診できる個別型のものと、職域などで日本で行っております集団型の任意型検診に分かれております。ただ、これからお話ししますように、韓国の場合は集団型の任意型検診が非常に少ないという特徴があります。

 次に、韓国の検診プログラムですけれども、こちらは5つのがんについて検診プログラムが用意されております。日本の肺がんがなくて、肝がんがハイリスクグループにあるというところがちょっと違いますけれども、こういったプログラムが設定されて、コール・リコールシステムが一元的に保険公団から行われておりまして、右上にあります受診券が対象者全員に配られるというシステムになっております。

 次に、韓国の対策型検診というのは三段組みになっている状況です。実は、このシステムが違うというのは主に保険料、収入をベースにしてシステムが違っていますが、中身に関して受診者にとっては、ほぼ同じシステムになっております。

 一番下の部分はいわゆる生活保護と同等ですので、こちらにつきましては税金がすべてを負担するというシステムになっております。収入が50%以下、下位50%につきましては保険料から90%の検診の負担が出まして、残りの10%が税からの負担ということで、無料の検診が提供されております。一方、50%以上の保険料を払っている人たちには、保険料からの支出は同様にありますけれども、10%の自己負担を払って検診を受けるという形のシステムになっております。

 次に、全体の運営ですけれども、基本的な概念、システムといったものは保健福祉部を中心にしまして、国立がんセンターなどの運営評価委員会で決められていくわけですけれども、実際に受診のためのキーパーソンとなるのは、国民保険公団というところで、こちらが対象者に受診券を送り、そういったデータのとりまとめから支払いといったものの中心になっているというのが特徴です。

 こういうシステムが10年ほど続いておりますので、13枚目の検診の動機を見ますと、当初は体に異常があって受けることが受診動機になっておりましたけれども、現在では定期的に検診を受けるようにということで受診券が配付されている効果もありまして、そういった検診の通知が受診のきっかけになっております。

 実際に受診している人たちの中身を見たのが次のスライドになりますけれども、手厚い保護ということで無料の検診を受けている人だけがふえているかといいますと、実は低所得者は対策型検診がふえているとともに、任意型検診が減っているという傾向にあります。要するに、低所得者は任意型から対策型に移行している。それより上の中高所得者はどうかといいますと、任意型は余り変わらず、対策型の受診がふえているという特徴があります。

 ですから、すべての層に対して対策型への勧奨が非常に進んでいる状況で、現在受診率の中で7割が対策型検診、3割が民間の検診という割合になっております。

 こういった受診の背景としまして、受診者の観点、医療機関の観点から見ていきますと、15枚目ですが、がん検診受診の背景要因としまして、受診者のインセンティブとしまして保険診療の守備範囲が狭く、そして、自己負担が大きいという問題があります。

 次を見ていただきますと、韓国の自己負担というのは例えば、入院・外来によっても違いますし、外来でも行き先によって自己負担が違ってまいります。一方、日本は高齢者は10%となっておりますが、一律30%という特徴があります。

 次に、がん検診の財源のところで全体像をお示ししておりますけれども、この中で実際に受診者の負担というのは、低所得者は全くありませんし、先ほどお話ししましたように保険料の上位50%が10%の自己負担を払うというような非常に少ない負担で検診が受けられるということが特徴です。

 そのまとめが18ページで、日本と韓国を比べますと、日本では診療の負担が少ないということもありますが、一方、対策型検診の自己負担というのは地域差があったり、年齢差があったり差があります。いずれにしろ、自己負担があるということで、診療と検診の自己負担の差が小さいという特徴がありますが、韓国では一般の診療での自己負担の割合に非常に幅がありますので、それに比べまして対策型検診の自己負担は0~10%という非常に低い自己負担で検診が受けられるという特徴がございます。

 次に、19ページにいきまして、そのほかの特徴としまして、受診者のインセンティブとしましては、がん検診を受診することによって医療費の軽減を図ることができるというのが特徴です。

 具体的には20ページにお示ししたところですけれども、子宮がん、乳がんを除きまして、大腸がん、胃がんといったものに関しましては精検費用も無料になっておりますし、そういったがんが検診で見つかった場合には、治療費にも援助が出るところが特徴です。

 今までの経済的なインセンティブについてまとめたものが21ページになりますけれども、韓国の医療保険制度というのは日本に比べまして一定レベルの医療を保障するというよりは、医療費の割引制度のような役割を果たしています。その結果として、自己負担が多く、混合診療なども認められているという特徴があります。ですから、検診を受けて精密検査や治療費に補助があることについては、医療費の負担も軽減することに役立っていることになります。

 最後に受診者のインセンティブとしては、がん検診の受診機会を拡大しているという特徴があります。この受診機関というのは、がんセンターが中心になりまして、最終的には保健福祉部が検診機関を認定しているという状況ですけれども、受診率の増加に伴いまして受診できるような検診機関を増加させている、認定を増加しているという傾向がありまして、最近ではすごく診療所の参加が増えているという特徴があります。

 一方、日本ではマンモグラフィを見ますと、都道府県格差がありまして、やはり施設が整っているところで受診率が高いという特徴がありますが、なかなかこの差が是正されていないということがあります。

25ページですが、医療機関のインセンティブとしてはどうかということですが、26ページの保健支払いのシステムを見ていただきますと、支払いシステムは日本とほとんど同じなのですが、韓国では審査の機関が非常に厳しいということがあります。電子化されたデータを提出して、傾向調査をして必要に応じて現地調査をするという厳しい審査を行っておりますので、検診相当行為を実際の診療で行いますと、それがはねられて医療機関が負担するという問題がありますので、そういったリスクを冒すよりも、きちんと検診に参加することがインセンティブになっています。

27ページに入りまして、日韓の比較を表でお示ししておりますが、28ページにありますように、韓国のがん検診の提供体制の背景としましては、法的な整備が整っていて、財源がきちんと確保されている。このために国が保険者として一元化されておりますので、一元的な提供をしまして、科学的な根拠に基づくがん検診が行いやすい環境が整っており、また、コール・リコール体制、検診情報の収集なども行いやすいような環境が整っております。

 一方、医療保険制度の側から見ますと、法的な保険がカバーする範囲が狭いということありまして、受診者のがん検診の動機づけをしやすい、また、医療機関にとっては診療と検診の役割分担が明確なので、医療機関にとっても検診に参加することがむしろメリットであるという特徴があります。

 一方29ページに我が国の検診の特徴、対策型検診と任意型検診という2つの検診が主体ですけれども、実際には現在、診療の中に検査が入り込んでいるという状況があります。こういった受診者のイメージをまとめたものが、30ページの受診者の構成というスライドになっておりますが、対策型検診、集合型の任意型検診のほかにも個人で受けられるものもありますが、ちょっと黒くなっておりますように、診療の中の検査も紛れ込んでおります。

 実際に検診の体制を見たのが次のページになりまして、がん検診の提供体制の現状ということでまとめておりますが、対策型検診のほかにも任意型検診にも健康保険からの提供、それから、事業所からの提供ということで、さまざまな機関がいろいろな形で検診を提供していることになります。こういった状況で、それぞれの健保組合、職域が独自で提供しておりますので、なかなか検診に対する基本的な概念が共有しづらく、そういったことが科学的な根拠に基づくがん検診を推進する上で一つの問題になっているかと思います。

 にもかかわらず、実際に保険種別の受診率を比べてみますと、やはり健康保険の種類によって格差が生じてまいります。こちらでは大腸がん、乳がん、子宮がんでお示ししておりますが、比較的手厚い検診等のサービスを行える共済組合、それから組合健保での受診率が高いという傾向を示しておりますが、協会健保を初めといたしまして、その他の費用者保険あるいは扶養者となりますと、検診の受診率が落ちていくという傾向にありまして、市町村国保では非常に低い割合となっております。

 次に、そういったことが起きる原因としまして、33ページを見ていただきたいのですけれども、3,500の健保組合があるわけですが、韓国のように一元化されていない健康保険という状況では、生涯にわたって同じ健康保険に加入するということがなくて、20歳前後の就職前の場合は被扶養者として親の保険に入り、それ以降、自ら就職することによって、各企業が入る組合健保ないしは共済組合に入っていくわけですけれども、これも職場が変わると変わっていくと。最終的に退職して、市町村国保に行くというスケジュールをとることになります。そうしますと、同一保険に加入しないことで長期的な改善プランが不十分ということになります。

 一方で、職域での提供というのは結構格差があります。がん検診を実施した事業所を比べますと、大手の企業では実施しておりますが、300人未満の小さい事業所では30%、40%以下というような状況になります。

 しかし、この切りかえが、退職になりまして市町村国保に切りかえた場合に、その切りかえに伴いがん検診がどうなるかといったことについても、情報が必ずしも提供されていないことがありますし、国保では人間ドックを提供していない市町村も半分ありますので、そういったことから国保に移行する段階で、また受診する機会を失っていくということがあります。

 次に、保険者アンケートを見ますと、実際に保険者間でも必ずしも一律の提供をしているわけではなく、人間ドックの提供など手厚く行っているところも多いのですけれども、実際には何もしていないところもありまして、それが10%弱存在するということになります。

 それをまとめたのが35ページですけれども、非常に大まかな例ですが、非常に大きな組合健保といったところに入っている、大企業に勤めている方は、保険者からも職域からも検診が提供されて、むしろどれを受けるか選べるというようなことがありますけれども、実際には小さい組合健保などに入っている方の中には、検診を受けたくても受けられないという方もいますし、職域検診の機会もないということもありまして、実際には検診の機会を提供されていても行けないというような方、また、保険者や職場からも提供がなく、退職者、被扶養者、非正規雇用者など、本来は住民検診を上手に利用すればいい方たちは、情報がないので受けられないというような問題がございます。

 こういった問題を解決する対策として、次に受診率対策全体を見ている中で、個別検診が特に都市部で有効に働いていることが示されております。

37ページを見ていただきますと、対策型検診の中で個別検診が増加しております。個別検診の増加している地域が受診率が高いという傾向があります。日本におけるがん検診等日常診療は同じ設備を使っておりますし、そういった意味では受診者にとっても、医療機関にとっても、区別がよくわからないというような状況になっております。

 ただ、これは悪い面ばかりではなく、次を見ていただきますと、がん検診を受けない理由の中でいつも必ず上がってくるように、必要なときに医療機関で診てもらえるという手厚いサービスがかえって、がん検診を受診しないでかかりつけ医に診てもらうというような状況をつくっているかと思います。

 下のスライドは国民生活基礎調査の説明になっておりますけれども、国民生活基礎調査の中で通院あり・自覚症状ありといった方たちの中には、実際には必ずしも対策型検診ではなくて、受診料の中で検査を受けている方もいらっしゃる可能性もあるかと思います。

41ページですが、先ほどの韓国との比較で保険者からの提供というプランがあることをお示ししましたが、保険者からの提供は韓国ではなく、アメリカを初めドイツといったところでも保険者からの検診の提供というのがございます。

 そういった場合、42ページですが、現在行われている対策型検診と、集合型の任意型検診を統合していくという形になるかと思います。

43ページですが、こういった統合をされた場合、保険者によってがん検診提供していくことの利点と問題点があるかと思います。利点としましては、保険者ベースで安定した財源の上で受診者数を把握し、そして、受診率対策を行っていくことができるという利点がありますけれども、ただ、保険者の財源というのは財政状況には差がございますので、保険者の負担がふえることや、保険者・事業所の調整、そして、受診機会の公平性を図るために被保険者、扶養者、非正規雇用者といったところの調整が必要かと思います。

 あとは検討課題としまして、先ほどもお話ししましたように、たくさんの保険者がありますので、こういった中で同じコンセプトを共有できるかどうか、保険のルールで検診方法が決定される可能性がある上では、科学的根拠に基づくがん検診が推進できるかどうかという問題があるかと思います。また、保険者には精度管理を行う機能はありませんので、このためには第三者機関が必要となります。韓国の場合は、この機能を国立がんセンターで担っております。

44ページは、年齢によっていろいろ必要なものが提供されていなかったり、欠けていたりというような問題があります。例えば、ちょうど雇用されている2060代の中で3040代に必要な子宮頸がん・乳がんについては非正規雇用の女性がなかなか適切なサービスが受けられない。一方で、それほど必要ではない胃がん、大腸がん、肺がんが濃厚に提供されている。実際に退職した場合には、そういったサービスが受けられないというようなアンバランスが生じております。

 こういったこともありますので、今後がん検診の提供につきましては、がん検診だけではなく医療制度全体で考えて検討する必要があるかと思います。受診サポートについてはコール・リコールシステムが非常に有効ではありますけれども、かかりつけ医の検診受診勧奨という機能をもう少し利用してもよろしいかと思いますし、そういった中ではかかりつけ医に検診の受診を促進することとか、現在、診療と検診の役割を明確にすることいったことも必要かと思います。保険者への統合を図る上では、さまざまな可能性についても今後、検討する必要があるかと思います。

 以上でございます。

○大内座長 ありがとうございました。

 ただいま濱島参考人から、がん検診提供体制が受診率に及ぼす影響要因について説明をいただきました。後ほど事務局から中間報告書の案が提示されますが、その前に濱島参考人から説明がありました資料につきまして、質疑等がありましたら伺いたく思います。いかがでしょうか。

 松田構成員どうぞ。

○松田構成員 濱島先生ありがとうございました。韓国と日本では、韓国では保険が一本化されているというさまざまな違いがあろうかと思いますが、きょう問題になる職域におけるがん検診ということに関して言うと、職域の規模等によって受診の機会があるかないかとか、受けやすい状況にあるかどうかが非常に違っていると思いますけれども、韓国では、例えば働いている人は勤務時間中に受けられるとか、どういった形で受診が容易にできるような手だてが講じられているのでしょうか。

○濱島参考人 韓国は実際には職域での受診というのは現在のところなくなりました。といいますのは、2000年に国家プログラムが始まる以前には、共済組合や大手企業の一部では職域検診に付加してやっていたのですけれども、国家プログラムに統合されることによって職域での受診機会はなくなり、受診クーポンを送られてきた本人が地域で認定された検診機関を受診するということになりました。

 ただ、一部の大企業の中で、福利厚生として人間ドックのようなものをまだ提供している部分がありますけれども、それはごくごく一部です。職域で受けるというのは、やはり受けやすいという利便性がありまして、これがなくなったことが問題ではないかという議論もあると伺っております。

○大内座長 ほかにはございますか。

 斎藤構成員どうぞ。

○斎藤構成員 今のプレゼンテーションは主に受診率向上との関連、それから、対象者にきちんと提供するということだと思いますが、それ以外の観点で1つ質問したいと思います。

 今のお話だと、韓国がいいことずくめに聞こえるのですが、確かに非常にすぐれた制度ではあると思いますが、プレゼンの中で科学的根拠に沿ってやりやすいシステムになっているということですが、御存じのように10年足らずで甲状腺がんは世界記録で9倍ふえたと。これはどのパスでそういう過剰診断というか、要は直接には科学的根拠に基づかない、つまり推奨されていない超音波による乳がん検診からそういうものが出てくるわけですが、どこでそういうものが発生しているのですか。

○濱島参考人 いいことずくめという部分は、むしろ日本は医療制度がいいことずくめのためにがん検診にひずみが来ていると。韓国の場合は、どちらかというと医療制度が日本に比べて未成熟なために、がん検診との分離がしっかりしているというところがありますので、全体から見るとお手本という状況ではありません。

 科学的根拠に基づく検診を行いやすい環境というのは、検診に関しましては、まず一つはきちんと法的な整備ができていて、それが決して努力義務ではなくて、検診を行うべしということで一元的な提供が義務化されているということが一番大きいところだと思います。日本に関しましては、市町村が実施主体ということになりますので、そこが大きな違いかと思います。

 一方で、そういった国家的なプログラムに関しましては、きちんとルール化しているという反面、実際には任意型検診に関しては全くの野放しという、そこは日本に似ている部分がありますので、そういった中でわずかに自由裁量ができる部分、特に乳がんに対しては精密検査の費用を出しておりませんので、そういったところで精密検査を受けるときにある程度のチャンスがあるといいますか、そういったところで超音波検査をするチャンスがあるということが一つ。

 あとは、非常に割合としては少ないですけれども、市町村、職域といったところでも自由裁量で行われている検診の中には、ほとんど必ず超音波検診が入ってくると。比較的行いやすくて、安価であるということもありまして、そういったところに入っているところが、割と乳がん検診の付加する超音波検診が行いやすい環境、ほかのものについては行いやすい環境にあるかと思います。

 それに関しまして日本では、精密検査はすべて保険で行われることが原則になっておりますけれども、乳房の超音波をしたときに甲状腺検査をしても点数が付加できないという状況もありますので、その辺の抑制がきいているということもある程度影響しているかもしれません。

○斎藤構成員 そうすると、主に国家検診以外のところで発生しているということですね。

○濱島参考人 国家検診と医療の部分ということです。

○大内座長 菅野構成員どうぞ。

○菅野構成員 そうすると、今聞いたお話では、日本においては自治体が提供するものと、それから、今まで職域とくくっていましたけれども、保険者と職場が提供するものであったと思いますが、それが保険者に一本化されているということはわかったのですが、ここで疑問なのが、日本においても特定健診が保険者に一本化されているわけですが、そこではある程度、医療費軽減効果が見込まれているからやっているというか、医療費対策という面があると思うのですけれども、韓国においてがん検診を受けた場合には医療費が少し減りますよとか、メリットがあるという考え方でやられているようにも聞こえたのですが、そういうとらえ方をしているのでしょうか。

○濱島参考人 それは受診者の側からの質問でしょうか。受診者としましては、今お話ししましたように、検診を受けることによって検診で見つかった精密検査が必要になった場合、それから、がんが見つかった場合には医療費の補助が受けられるというメリットがあります。ですけれども、自分で例えばどこか悪くて病院に行った場合は、規定の自己負担を払わなければなりませんので、そういったところで経済的にきちんと受けることにインセンティブがあるかと思います。

○菅野構成員 保険者のメリット、要するに、保険者がここまで負担してまでやるというのは、医療費軽減効果がなくてもやっているのでしょうか

○濱島参考人 保険者ががん検診が始まる前に、既に国で一元化されているわけです。それまでは日本と同じように幾つかの保険者があったわけですけれども、そういった保険者を統合して、保険医療を一元的に国で管理するという方針になりましたので、そういった法律の整備をして法的な整備をして提供の整備をしてということですので、保険者のメリットという観点からではないということです。保険者=国ですから、国のポリシーとして保険政策の一環としてやっているということです。

○菅野構成員 それによって財源論も一緒に整理されているということですね。

○濱島参考人 そうです。

○大内座長 私からも補足になるかと思いますが、8ページの「日韓:がん検診と健康保険」の年度ごとの表の中に、2003年に韓国でがん管理法制定とあります。これは日本で言えば、がん対策基本法とかなり似ている法律で、日本よりも3年早く定めていまして、この制度と連動して保険者を一元化しているという事実がございます。

 それから、このときにがん管理体系、具体的には例えば、がん登録制度も韓国では整備しているのです。さらに2006年にはがん管理法が改定されていまして、ここに検診機関の精度管理の法的根拠ということも記載されているように、かなり欧米の制度にも倣って韓国が進んできたという経緯もあったと思います。

 実は、ウォン・チェンリーさんはカトリック大学の公衆衛生の教授ですけれども、彼は日本に何度も見えていまして国立がんセンターとも交流があると思いますが、私も彼とは何度も議論を深めていまして、2000年に日本で乳がん検診にマンモグラフィを導入した後に韓国でも導入したいということで、実際に情報提供して2002年から韓国でもマンモグラフィ検診が入ったわけですが、今、斎藤構成員から御意見があったように、受診率向上についてかなりの実績は韓国で認められますが、精度管理そのものについては私自身は疑問を持っています。といいますのは、最近1~2年ほどですけれども、マンモグラフィ検診が導入されて両国とも10年以上経過するわけですが、日本のマンモグラフィ検診による乳がんの発見率が平均で0.22%ですが、韓国は0.1%程度で約半分です。その原因についていろいろ検討させてもらったところ、例えば、日本においては第三者機関であるNPOマンモグラフィ検診精度管理中央委員会での撮影・読影講習会受講の条件等を付しています。任意ではありますけれども、そういったことが韓国ではまだ整備されていないところがあると思っています。

 それと、一部超音波による甲状腺がん検診も含めて、必ずしも我々が基本とする死亡率減少効果のある科学的根拠を持ったがん検診が具体に実施されているというわけではありません。ただ、本日濱島参考人からは、受診率向上施策としての韓国の体制について皆様に情報を提供したいという意向でございましたので、御理解のほどお願いいたします。よろしいでしょうか。

 福田構成員どうぞ。

○福田構成員 非常に参考になるお話、ありがとうございました。お隣の国で保険制度が比較的近いと思いますので、非常におもしろいお話だったと思います。

 一方で、濱島参考人御指摘のとおり、日本になじまないところとして21ページに経済的インセンティブというのがありますけれども、診療のところで自己負担が大きいので検診に行くということでした。日本ももしかすると、診療の自己負担を上げれば検診が進むかもしれないですが、それはとるべき手ではないと思いますので、このあたりは制度の違いがあるのかなと思います。

 2点御質問させていただきたいのですが、1点は、先ほどの御質問にもあったのですが、同じ21ページの一番下に、がん検診受診により医療費の負担が軽減するとありますが、これは確認ですが、あくまでも受診者から見たときに負担が減るということであって、トータルの医療費としては必ずしも減るということはないという理解でよろしいですか。

○濱島参考人 そうです。

○福田構成員 ありがとうございます。

 もう一点が、最後の45ページの今後の検討課題のところで、確かに個別検診でかかりつけ医の受診を促進したりとか、あるいは保険者による検診提供の可能性は今後検討すべきだと思いますが、もし、それで逆に韓国と違って日本の制度が診療での受診と検診としての受診が交換できるというか、負担もそれほど変わらないし、かかりつけ医での受診を推進していくことを考えるのであれば、むしろ診療と検診の役割分担をしなくてもいいのではないかと思ったりするのですが、これはやはり必要なことですか。

○濱島参考人 日本の手厚い医療制度が検診のような役割をしている、その部分が結構明確に診療と検診が分けられないという問題点はありますけれども、先生がおっしゃるように、そういったことがむしろ手厚い、そして、かかりつけ医ベースにきめ細やかな医療を提供しているということも事実なので、そういった部分をうまく生かしていくことも必要だと思います。実際に今現在、個別検診が急激にふえているという背景も、日本では集団的な受診よりもいろいろなサービスを受けながらかかりつけ医の検診を受けたいという要望があるからだと思います。これからむしろ、こういった流れを逆行するよりは利用していくことがまず一つ考えるべきことかと思います。

 ここを分離するかどうかということに関しましては、かなりいろいろな保険制度全体の見直しも含めて考える必要があるかと思いますけれども、保険制度の中で検診の類似行為をどんどん認めていきますと、検診のルールは必ずしも科学的根拠に基づいているとばかりも言えない部分もありますので、現在、対策型検診で行われている科学的根拠に基づかない検診も増加していく可能性もあるかと思います。そういったことが増加していくということは、逆にそれに伴う健康被害を生むこともありますので、効率化の妨げになることから、医療保険制度全体にも悪影響を及ぼすところがあるかと思います。そういうことも含めますと、保険が何らかの形で検診を提供するということを考える場合は、診療と検診を曖昧にしたままというよりは、その辺を何らかの形で切り分けられる、もちろん切り分けられないところも残ってくると思いますけれども、そういった整理はある程度必要かと考えております。

○大内座長 ありがとうございました。

 ただいまの福田構成員の御質問というのは、今後、被用者保険の保険者や事業者のいわゆる寄与すべき点、あるいは連携を図るべき点ということで、当然議論されることになると思います。

 本検討会の中間報告書、これから事務局から説明していただきますけれども、先ほどの議論も含めて記述されることになろうかと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、ここで濱島参考人からの御意見についての質疑は一旦終了いたしまして、事務局から資料2に基づきまして、本検討会の中間報告書案について説明いただきます。

○事務局 資料2をごらんください。検討会の2月から前回までの議論を踏まえてとりまとめた案です。

 まず「1.はじめに」ということで導入がありまして、「2.がん検診の精度管理及び事業評価について」、「3.がん検診の受診率向上施策について」、「4.おわりに」ということで4部構成でまとめています。それでは、1ページ目から順に御説明してまいります。

 まず「1.はじめに」といたしまして、1パラグラフ目では、がん検診の歴史であるとか、健康増進法に基づく市町村事業のほかに、保険者や事業者が実施するがん検診ですとか、個人でがん検診を受診する場合があるといったことを御説明しています。

 2パラグラフ目では、昨年6月のがん対策推進基本計画の目標を提示するとともに、都道府県が策定するがん対策推進計画においても、精度管理や受診率の目標が記載されていて、国・都道府県ともにこれらに取り組む必要があるといったことを記載しております。

 3パラグラフですが済みません、修正をしていただきたいのですけれども、「本検討会では、平成25年2月から」と「3月」を「2月」に修正いただきまして、2月からこれらについて4回の検討を行い、とりまとめを行ったということで記載してございます。

 2からは、がん検診の精度管理及び事業評価についてまとめています。

 まず「()現状及び考え方について」ということでまとめていますが、1つ目の「○」では、平成20年3月に厚生労働省「がん検診の事業評価に関する委員会」がとりまとめた報告書について御紹介しています。その報告書がとりまとめられ、その内容が、がん検診実施のための指針であるとか、健康診査管理指導等事業実施のための指針に反映されたということを説明しています。

 2ページの1つ目の「●」ですけれども、平成20年の報告書の内容をごく簡単に御説明していまして、まず、平成20年の報告書の内容として、精度管理を3つの段階に整理して、まずそれらの指標を設定して指標のモニタリングを行うことにより改善を目指すことを示していることを記載しています。

 2つ目の「●」ですが、指標についてやや詳しく説明しているパラグラフですけれども、目標と標準の設定に用いる指標として、技術・体制的指標、プロセス指標、アウトカム指標が整理され、失礼しました、こちらも文字が抜けておりますが、がん検診の事業評価は一義的にはアウトカム指標としての死亡率減少により行われるべきであるが、相当の時間を要するということで、技術・体制的指標とプロセス指標による評価を徹底し、結果として死亡率減少を目指すことが適当とされたことを説明しています。

 各指標についてですが、プロセス指標については許容値もしくは目標値が示されたということ、また、技術・体制的指標としては、事業評価のためのチェックリストであるとか、仕様書に明記すべき最低限度の精度管理項目が示されたことを記載しております。ただし、これらの指標が双方ともに主に集団検診を念頭に置いて策定されたものであったということを御説明しています。

 次の「●」ですけれども、これらの技術・体制的指標ですとかプロセス指標の推移について説明するとともに、これらの都道府県が策定したがん対策推進計画においては、精度管理について実効性があると考えられる記述を行っている計画が少ないとの指摘があって、これらの指標の向上の達成を目指すに当たっては、精度管理の重要性の周知と具体的な方策の方法について情報提供を行うことが必要であることを記載しています。

 小さな「●」が2つパラグラフをつくっていますけれども、1つ目は、チェックリストの主な項目を充足している市区町村の推移を研究班のデータから記載しています。

 2つ目の小さな「●」のパラグラフは、プロセス指標について精密検査受診率を代表として挙げまして、平成1922年までの推移を示し、改善傾向であるものの、まだ許容値を下回っていることを記載しております。

 次の「○」ですが、検診の提供体制について記載していまして、濱島参考人からもお話があったとおり、検診の提供体制には集団検診と個別検診があるということで、個別検診の受診者の割合が、おおむね平成1923年度にかけて増加しているといったことをデータを用いて説明しています。

 そして、個別検診が受診者の利便性だけではなくて、かかりつけ医のサポートのもとに検診受診の必要性を判断するなど、きめ細やかな配慮を行うことが可能な検診の実施形態である旨を説明しています。

 また、一方で、先ほども記載していたとおり、平成20年度の報告書に提示された技術・体制的指標が集団検診を念頭に置いたものであったために、個別検診により適した精度管理の枠組みの整備と向上に向けた取り組みが求められる旨、また、集団検診と同様に、検診機関、精密検査を実施する医療機関など、その後の診療までかかわる各機関の連携体制を地区医師会の協力を得るなどして構築することの重要性といったことを記載しています。

 次の「○」は、保険者や事業者が実施するがん検診について記載していまして、実施主体に着目すると、がん検診を受診している者の4~5割が被用者保険の保険者や事業者が実施するがん検診を受診していると推計されていて、これらが重要な役割を担っているといったこと。しかし、これらの検診の種類やその精度管理の状況が網羅的に把握できていないという課題を挙げています。

()からは、これらの現状を踏まえた上で「今後の精度管理に向けた取り組みについて」ということで主に4点まとめています。

 まず、1つ目ですけれども、がん検診の精度管理の向上を目指すに当たっては、各市区町村が指標を測定して、それらの向上に向けた取り組みを実施するほか、都道府県が生活習慣病検診等管理指導協議会などが市区町村の指標達成状況を勘案して指導を行うことが必要であると。これらの事業評価を推進するためには、精度管理指標の周知・教育であるとか、実施に当たっての支援などが必要であるといった旨を記載しています。

 2つ目といたしまして、がん検診の十分な効果を得るためには、特に受診率を向上させるとともに、精検受診率を向上させることが不可欠であると記載しています。精密検査の受診状況の把握方法としては、今年度市町村に御協力いただいたアンケートの調査結果から、精密検査実施機関から直接情報を受けている市区町村ですとか、検診機関を通じて情報提供を受けている市区町村、もしくは受診者御本人から状況を確認している市区町村がありまして、それぞれの割合を個別検診、集団検診ごとに記載しています。こういう方法があるといったことを記載しておりますが、ただ、精密検査の受診状況の把握は十分ではないといったことを記載しています。そして、平成20年度の報告書でも指摘されているとおり、精密検査実施機関から情報提供を得ることは重要であることから、各市区町村の実情に合わせた精密検査実施機関等からの協力を得て、それらの状況を把握して精検受診率の向上に取り組む必要があるとまとめております。

 3つ目ですけれども、検診機関に着目した向上策ということで記載しています。個別検診については、技術・体制的指標を初めとした精度管理指標の策定に加えて、県医師会や地区医師会等による研修会の実施や各機関の精度の分析・評価が求められる。また、必要に応じて検診機関の精度管理状況を公開することなどにより、個々の検診機関の精度管理を向上させるための取り組みも重要であるとまとめております。

 4つ目ですけれども、今度は被用者保険の保険者や事業者によって実施されているがん検診についてまとめております。また失礼しました、1行目の「保険者や事業者が実施する」というのが二重になっておりますので、後半部分の削除をお願いいたします。

 これらの重要性を踏まえると、科学的根拠に基づくがん検診が実施され、その精度管理も市区町村によるがん検診の手法を参考にするなどして適切に実施されることが重要である。また、死亡率減少効果が明らかでない検診が提供される場合は、そのメリット・デメリット等について受診者に十分な情報提供を行うことが必要である。そのためには、国には精度管理の手法や死亡率減少効果が明らかでない検診についても、そのメリットとデメリットについて研究を行い、保険者や事業者に対して情報提供を行うよう努めることが求められるということでまとめてあります。

 「()その他」としましては、前回、斎藤構成員からお話しいただいた事業評価のためのチェックリストについては、今後改定を行うことが必要であること。また、プロセス指標の目標値、許容値についても、運用後5年たっておりますので、その状況を分析して、基準値の見直しを行うことが必要である旨を記載しています。

 以上までが精度管理と事業評価についての報告書の案です。

 「3.がん検診の受診率向上施策について」まとめています。検討に当たった前提を記載していますけれども、がん検診の受診率の向上が本来は精度管理の一環として重要な事項ですけれども、高い受診率を達成しなければ十分な効果が望めない。受診率向上施策は国民を巻き込んで取り組む必要があるため、検討会としても近年の取り組み等も踏まえながら重点的に検討を行ったということで始めています。

 「()現状及び考え方について」ということで、最初の「○」は、がん対策推進基本計画にて目標値が設定された旨と、平成22年度の段階ではこちらに記載されているとおり、まだ受診率が2~3割台であるといった旨を記載しています。そのことから平成24年度に変更されたがん対策推進基本計画でも引き続き50%、胃と肺と大腸は当面40%を目標に掲げ、受診率向上施策に取り組むこととしていること。また、受診率の算定に当たっては、4069歳、子宮頸がんは2069歳までを対象とすることとしている旨を記載しています。

 2つ目の「○」ですが、受診率向上に当たっての考え方ということで、既に平成20年度の報告書において示された事項を記載しております。対象者個人に対する個別受診勧奨を初め、利便性向上に向けた取り組み、PR活動などを組み合わせることが重要とされていると記載しています。ただ、前回4月、5月に市区町村に御協力いただいたアンケート調査の結果では、平成24年時点で何かしらの形で個別受診勧奨を実施している市区町村は5~6割程度であり、再勧奨を実施している市区町村は4割程度であった旨を記載しています。

 5~7ページにかけて「がん検診の推進事業について」まとめています。

 まず最初に、がん検診推進事業の概要を説明しておりまして、6ページをおめくりいただきますと、国で把握できるような統計をもとに、がん検診推進事業前後の受診者数などのデータをまとめています。

 一番上の「●」は、無料クーポンの利用率といったデータをまとめています。

 2つ目の「●」は、がん検診推進事業開始前後の市区町村のがん検診の受診者数を地域保険健康増進事業報告から記載しています。概要ですが、子宮頸がん検診と乳がん検診では、平成2021年度にかけて事業対象年齢を含んだ年齢階級において、例えば、子宮頸がんであれば130200万人台、乳がんであれば120200万人台と大きく受診者数の増加が認められたこと。ただ、これは平成22年度以降は同様の増加が認められなくて、必ずしも平成21年度検診受診者の2年後の継続受診につながっていないことが推測されるといったことを記載しています。

 大腸がんについては、平成2223年にかけて子宮頸がん・乳がんと同様に受診者数の増加が認められたことを記載しています。

 3つ目の「●」としましては、国民基礎調査についての記載で、開始前の平成19年と比較して、平成22年で受診率が上昇傾向であることを記載しています。

 「○」としましては、以上からがん検診推進事業は、事業の対象となった者の当該年度の受診を促す効果は一定程度あったものと考えられるが、次回のがん検診の対象となった際の継続受診にはつながっていないことが推測される。一方で、市町村のがん検診の受診者数の把握が5歳階級であることや、無料クーポンを利用した者のうち前回まで保険者や事業者が実施するがん検診を受診していた者や、子宮頸がん・乳がんについては、2年連続受診をした者がどの程度含まれるか不明であることなどから、全国的に詳細な評価を実施するには課題があるとまとめております。

 次の「○」ですけれども、今度は自治体や研究による治験をまとめています。その報告からは、がん検診推進事業の効果として、自己負担の軽減によるものと個別受診勧奨によるものがそれぞれ考えられるが、個別受診勧奨には大きな効果があり、自己負担の軽減にも一定の効果があるものと推測されると記載しています。

 その具体例といたしまして、最初の「●」としては、キャンサースキャンの福吉参考人から御紹介いただいた事例を記載しています。従来から乳がん検診の自己負担を500円で実施していた自治体において、無料クーポンを配付した方と、自己負担が500円で受けられると明記した受診券を配付した方に分けたところ、何も配付していない方の受診率12%に比べて、無料クーポン券を配付した方では22.2%、500円受診券を配付したグループでは20%に上昇したといった報告を記載しています。

 2つ目の「●」しましては、渋谷参考人から御紹介いただいた事例ですが、従来からがん検診を無料で実施していて、乳がん検診の受診率が70%と高い受診率であった自治体において、がん検診推進事業の対象の方に無料クーポン券と検診手帳を配付したところ、乳がん検診は事業開始後さらに数パーセント上昇して、子宮頸がんについては2030代、特に20代の受診率が著明に上昇したといった御報告をいただいていましたので、そちらを記載しています。

 7ページの最初の「○」は、菅野構成員からの御報告と小西参考人からの御報告についてまとめて記載しています。それらの報告からは無料クーポン券及び検診手帳の配付による受診者数の増加を継続して維持もしくはさらに増加させるためには、一層の取り組みが必要であると考えられるとまとめています。

 具体的な内容につきましては、1つ目の「●」としまして、菅野構成員から八王子市の状況を御紹介いただきましたけれども、無料クーポンを配付した年度の対象年齢において、受診率が子宮頸がん検診で5%台から23%台に、乳がん検診では4%台から20%台に増加したと。ただ、無料クーポンの対象となった方が再び検診の対象となる2年後においては、過去に無料クーポン券を利用した方においても、特段の個別受診勧奨をしない段階では予約を行った方が16.9%であるとか、24.0%という値であったと。そこに個別受診勧奨を加えることにより予約率が向上したといったことを記載しています。

 2つ目の「●」としましては、対がん協会の小西参考人から御発表があった件ですけれども、がん検診推進事業対象年齢に限って見ると、事業開始年度には著明な受診者数の増加が認められたものの、その後は増加幅が鈍化もしくは減少傾向になっているといったことを記載しています。

 2つ目の「○」は、実務面の課題を御指摘いただきましたので、その点について記載しています。子宮頸がん・乳がん検診は2年に一度受診するとされているところ、がん検診推進事業が5歳刻みの対象年齢の方を全員対象としていることから、前年度受診した方にも無料クーポンが配付されたために、検診現場に混乱を招いたことが課題として指摘されていると。

 最後の「○」としましては、事業の副次的効果について記載しています。これは、がん検診推進事業が市区町村が一定年齢の住民全員に対して無料クーポンを配付したことによって、対象年齢の住民の網羅的な台帳やデータベースが整備されるとともに、クーポンを利用した方については、その受診状況が台帳やデータベースに登録される体制が整いつつあるとの指摘もあるということでまとめています。

 7ページの下からは、がん検診推進事業以外の点について2点まとめています。

 1点目は、ソーシャルマーケティングの手法を用いた個別受診勧奨の事例を何点か御紹介いただいていますので、その重要性を記載しています。具体的な事例といたしまして、渋谷参考人から御紹介いただいた立川市の事例を用いて説明しています。事例といたしましては、50代の乳がん検診を受診してない女性に対して、質問票にて受診意図があるグループであるとか、受診意図はないけれども乳がんが心配なグループ、受診意図もなく乳がんも心配でないグループに分けて、各グループが共感するメッセージをテーラーメードで開発して実施したところ、従来から用いているリーフレットと比べて受診率が対照群か5.8%であったところ、介入群では19.9%になったことを記載しています。今後はこうした研究から得られた知見をどのように普及させていくかが課題であるといったことを記載しています。

 また、誤字で失礼いたします。今のパラグラフの下から3行目「対照群」が「対象群」となっておりました、失礼いたしました。

 2つ目ですけれども、厚生労働省が取り組んでいるがん検診企業アクションについて紹介しています。こちらの事業は平成21年度からがん検診推進企業連携事業、平成23年度からはがん対策推進企業連携事業という名称になっていますが、保険者や事業者の協力を得て普及・啓発活動を実施している。今年5月現在では900以上の企業や保険者などか推進パートナーとなっていて、シンポジウムの開催であるとか、好事例の共有などを行っているといったことを御紹介しています。

()からは、これらを踏まえて「今後のさらなる受診率向上施策について」ということでまとめています。まず、具体的な対応に移る前に6点まとめています。

 最初の「○」としましては、がん検診は継続的に受診することにより本来の効果が期待できるものであり、向上に向けた取り組みについては、長期的視点に立った検討が重要である旨記載しています。

 2つ目は、がん検診推進事業により、全住民を対象とした台帳やシステムの整備、無料クーポンを使用した方の状況把握はなされてきたものの、無料クーポンを使用しなかった7~8割程度の方については、その状況を把握できていないといった課題があると。今後、受診率向上施策を実施するに当たっては、対象者の状況を把握した上で、その特性に応じた対応が必要であると記載しています。

 3点目ですけれども、その対応に当たっては、被用者保険の保険者や事業者が実施するがん検診との連携が不可欠である旨を記載しています。市区町村が実施するがん検診は、全住民を対象としているものではありますが、国全体で受診率向上を目指していくに当たっては、保険者や事業者が実施するがん検診もあわせて推進するとともに、それらの受診状況を把握していくことが必要である。

 4点目といたしましては、具体的な勧奨の手段といたしまして、平成20年度の報告やがん検診推進事業からの知見のほかに、CDCのレビューによっても、がん検診受診率の向上には個別の受診勧奨・再勧奨(コール・リコール)が有効であると指摘されていて、今後はそのコール・リコールに対象者の特性に応じた普及・啓発等を組み合わせて実施することが重要であると記載しています。

 次は自己負担額の軽減について記載しています。無料とするといったことは一定程度受診率向上効果があったものと推測されるが、自己負担額は高額ではないといったことを周知することなどにより受診を促すことができるものと推測される。市区町村にはがん検診に対する一定の財源が措置されているが、公的に受診率向上施策を実施する際には、限られた財源の中で最も効果的に多くの対象者の受診を促すことができる施策を実施することが重要であると記載しております。

 最後に、年齢階級別罹患率や死亡率、もしくは利益と不利益のバランス、目標となる受診率の設定範囲等を踏まえて、重点的に受診勧奨すべき対象者についても検討する必要があるといったことを記載しています。

 次のページにかけまして、考えられる具体的な対応について点線の中にまとめています。これについては前回、論点として出した図と類似のものです。

 最初に1といたしまして、今後初めてがん検診の対象となる方や、これまでがん検診推進事業の対象となっていなかった方に対しては、図のA、先生方の資料では水色の「新たにがん検診の対象となる者」に当たります。この方に対しては、検診対象となる最初の年度等の費用を減免することも含め、まずはがん検診を受診する機会を促すことが必要と記載しています。

 2点目といたしまして、無料クーポン券及び検診手帳は、配付した年度の対象者については効果をもたらすものの、事業の対象者に継続的な検診受診を促すためにはさらなる取り組みが必要があると考えられることから、一度がん検診を受けた方、図のBに当たりますが、この方に対しては継続した受診を促すよう、継続的なコール・リコールを行うことが必要と記載しています。

 3点目といたしまして、がん検診推進事業の対象となっても、約7~8割の方が無料クーポンを利用していない。その内訳としては以下が考えられるということで、図のC、D、Eについて場合分けをしています。

 Cが、保険者や事業者が実施するがん検診を受診したため無料クーポンを使用しなかった者。Dは、保険者や事業者が実施するがん検診の受診機会はあったものの、がん検診の受診をしておらず無料クーポンも利用していない者。Eは、保険者や事業者が実施するがん検診を受診する機会がなく、無料クーポンも使用していない者です。

 それぞれのグループに対して必要と考えられる対応は以下のとおりであるということでまとめています。1はCの方についての対応ですけれども、既に被用者保険の保険者や事業者が実施するがん検診を受診しているため、引き続き保険者や事業者、もしくはこれらから検診を受託している検診機関等からの普及・啓発が必要。2については、DとEの方について記載しています。無料クーポン・検診手帳といった画一的な受診勧奨を実施しても受診に結びつきにくい層であると考えられるため、市区町村と保険者や事業者、もくしは保険者や事業者から委託を受けている検診機関等との連携による受診勧奨のほか、ソーシャルマーケティングの手法を踏まえた各自治体に適したコール・リコールや普及啓発が必要。

 なお、D、Eの方については、子宮頸がん・乳がん検診の無料クーポンを利用しなかった方は、前年度検診を受けたために当該年度に受けなかった方も想定されるため、各市区町村は前年度受診の状況を把握し、それらの方に対して上記の対応を行うことが必要であるといったことも追記してございます。

 4点目ですけれども、市区町村が2を効果的に実施するためにも、保険者や事業者、検診機関等が連携し、都道府県ごとにこれらが情報共有する場を設けたり、地域・職域連携推進協議会を活用するなどして、市区町村、被用者保険の保険者や事業者でがん検診を受診した住民を把握する取り組みが求められる。取り組みに当たっては、現行の制度のもと個人情報の管理に留意しつつ、可能な部分から情報の共有を図っていくことが求められる。

 なお、2をより効率的に実施するためには、本来Dに当たる住民とEに当たる住民を区分することが求められるが、被用者保険の保険者や事業者が実施するがん検診を受診しなかった方を市区町村がこれらとの連携によって把握することは現状の精度では困難であると考えられるといった旨を記載しています。

 5点目といたしまして、市区町村がソーシャルマーケティングの手法を踏まえた効果的な受診勧奨を実施するため、その手法について教育・普及が必要であるといったことを記載しています。

 最後の「○」ですが、さらに、対象者個人に対する受診勧奨の場合分けや、受診勧奨について今まで記載してきたわけですが、これらの受診勧奨は既にPR活動等でがん検診についてある程度普及・啓発がなされている状態で実施されると効果的であると考えられることから、PR活動についても引き続き推進することが必要であるとまとめています。

 「4.おわりに」といたしまして、今までのまとめですけれども、がん検診の精度管理及び受診率の向上は、がん検診の効果を十分に得るために不可欠である。これらの向上に当たっては、市区町村・都道府県と被用者保険の保険者や事業者との連携の重要性は以前から指摘されたところであるが、がん検診推進事業の実施によってその重要性が改めて明らかになった。今後は具体的な取り組みとして、可能な地域からそれらの情報共有を開始するとともに、今後、受診者にとって利便性が高く、より効率的・効果的ながん検診が制度として永続的に実施できるよう、その提供主体のあり方も含め、継続して検討していくことが求められるということで報告書をまとめています。

 大変長くなりまして失礼いたしました。以上でございます。

○大内座長 ただいま事務局から、がん検診の精度管理・事業評価及び受診率向上施策のあり方についての本検討会の中間報告書の案をお話しいただきました。4部構成になっておりまして、2として精度管理及び事業評価が4ページの下まで続きます。3からがん検診の受診率向上施策についてということで後半部分の多くを占めておりますので、議論を整理するために前段の1~4ページの精度管理・事業評価について、まず議論を行いたいと思いますが、よろしいですか。

 それでは、ただいま説明がありました件に関しまして、精度管理・事業評価についての御意見を各構成員からいただきたいと思います。松田構成員どうぞ。

○松田構成員 4ページの上段ですけれども、精密検診実施機関あるいは直接精密検診機関から情報提供を受けているか、あるいは検診機関から、それが集団検診は直接精密検査機関からは50.6%で、あとは検診機関から62.7%、これは市や町によって随分状況が違っているのだと思います。ですから、この数字だけ見ると、多くの市や町が精検結果を把握していないように見えるのですが、実はそうではなくて、専ら検診機関から情報提供を受けている機関と、あとは直接精検機関から受けている機関があると思うので、どちらかあるいはいずれからも受けていないとか、その辺りの標記が必要なのではないかと思うんです。ですから、半数が全く検診の結果を受けていないととられるような表記は余り好ましくないかと思います。ですから、検診機関あるいは直接精密検診機関から情報提供を受けているかどうか、あるいはそれを全く受けていないかどうかと書かれたほうがいいのかなと感じました。

○大内座長 これは大事な記載ですね。約半数で精検施設からの情報提供を受けていないということになりますが、これは参考人からの報告の中にもありましたけれども、全体を反映しているわけではないと考えられます。ただいまの松田構成員のような表記に書きかえることは可能ですか。

○事務局 こちらの記載は参考資料とお配りしていますアンケート調査から数字を持ってきたものですが、横長の資料の3ページの上の表をごらんいただきますと、こちらの値は複数選択ということで回答いただいたもので、50%の市町村がこれらの方法を行っていますので重複があるということで、全く精密検査の受診状況を把握していないと回答があった市区町村は、集団検診では0.6%、個別検診では4.6%ですので、この部分を整理して記載し直したいと思います。

○大内座長 まさにそのとおりですね。この資料を見ますと、集団検診において全く把握されていないものがわずか0.6%、個別受診においては4.6%ありますので、この記載が必要かと思います。

 ほかにいかがですか。祖父江構成員どうぞ。

○祖父江構成員 2ページのプロセス指標としてモニタリングをするものが幾つか挙げられていますが、文章の中にもあるように、死亡率減少効果を達成するためのものということで、利益を意識したものではあるのですけれども、やはり利益だけではなくて不利益の部分もきちんとモニタリングすべきと思います。プロセス指標の中の要精検率というのはある意味、偽陽性の代替指標でもあるので不利益の指標ではあるのですけれども、もう少し直接的にがん検診に伴うような合併症だや偶発症というものも、こうしたモニタリングの中に含めておいたほうがいいような気がします。

 現にそれはやってはいるんですよね。ただ、この記述の中にないので、そういったものを入れて、特にそうしたものが問題になるのは高齢者ががん検診を受けた場合に、どうしてもそういう頻度が多くなり、実質個人レベルで見ても利益が不利益を上回らないことが判断されるような状況にもなるので、そうした実態をこれらの中から把握することが必要かと思います。

○大内座長 これは事務局で恐らく平成20年3月に出したときの事業評価における指標をそのまま転記したと思います。事情は変わってきましたので、不利益についての御指摘はごもっともです。斎藤構成員、この修正も含めて意見をお願いいたします。

○斎藤構成員 実はちょっと記憶に頼った話ですが、平成20年までの検討会のときに、海外の指標を言及したことがあります。例えば、検診後1カ月以内か2カ月か忘れましたが、死亡や、前回のプレゼンテーション、前回資料の4にもありますとおり、精検までの期間というのも入れたらどうかという話もたしか出たのではないかと思います。ただ、現状とギャップが大きいのでという理由で、それは結局採用されなかったと思いますが、今の祖父江構成員の御指摘と座長のコメントを踏まえると、新たにそういう検討をするということだと思います。

 現状でアベイラブルなデータというのは、偶発症に関する報告が事業報告に入っているのですが、これはルーチンではなくて任意の報告になっていますので、網羅的な正確さの高い指標にはなっていません。ただ、最低そういうものを入れるということはあるかと思います。

○大内座長 この報告書においてはどのようにしますか。ただし書きとして平成20年3月報告に基づくとか書けばいいのですけれども、改めてこれを本検討会として記載するのであれば、プロセス指標の中に不利益となる項目を追記すべきだと思いますが、いかがですか。

○祖父江構成員 検討会の報告書としては追記したほうがいいように思います。

○大内座長 いかがでしょうか。5年前のデータをそのままここで転記するよりは、踏み込んで昨今のUSPSタスクフォース等の報告、それから、我が国においても不利益の観点からの調査も出ておりますので、このがん検診事業評価に用いる指標、特に、プロセス指標に関しましては、私からの提案ですけれども、斎藤構成員に案をいただいて事務局と私とで判断させていただくということでいかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大内座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。斎藤構成員どうぞ。

○斎藤構成員 先ほどの報告書は非常によくまとめていただいたと思います。ありがとうございます。この中で問題点、そして次に向けての取り組みが明らかになったと思いますが、1つは、健康増進事業全体としても精度管理が十分ではないということがありましたが、もう一つその中で重要なことは、個別検診が5がんとも非常にふえていると。その中で、精検受診率が全体としても十分ではないわけですが、とりわけ個別検診で低いということは前回の私の資料の中でも明示しています。ですから、ここで個別検診と集団検診の精検受診率についてきちんと記述して、個別検診の精度管理の枠組みもつくるべきだとせっかく書いていますから、その具体的なデータを書き込むことが一つあると思います。具体的には3ページの上の「○」あたりに書いていただくということがあると思います。

 それと連動して、今後の取り組みのところあるいはその他ところに今後やることを書いていますから、個別検診の指標をつくるべきだということを具体的に書いたほうがいいのかなということです。これは前回もプレゼンテーションの中で言及いたしましたので、唐突な話ではないかと思います。

○大内座長 ただいまの斎藤構成員からの御指摘は、個別検診の受診率が上がっていることをかんがみて、この数値・データ等を3ページの「○」の1つ目に記載すべきであろうということと、今後の取り組みについては4ページの上の「○」に、実は「個別検診については、技術・体制的指標をはじめとした精度管理指標の策定に加え」といった項目が出ていますので、ここをもう少し強調するということでいかがですか。

○斎藤構成員 そうですね。

 もう一点は職域についてです。一つの大きな問題点としては、職域が議論になったわけで、ここにもまとめられています。ただ、健康増進事業と違って職域を整備するというのはまだ遠い話なので、健康増進事業と同じようなレベルで書くのは無理かもしれませんが、職域でも精検受診率が非常に低いと。それも私の前回資料の15ページにありますが、例えば、大腸で学会の全国集計250万人で70%対30%という数字が出ていますが、これは5がんについて必ずしもあるわけではないですが、胃と大腸についてはこんなものかなというのがありまして、これもやはり低い実態はデータとして利用できるものは書いたほうがいいと思います。

○大内座長 では、その観点から修正をお願いいたします。

 菅野構成員どうぞ。

○菅野構成員 今まで織り込み済みのこととして余り発言しなかったかもしれませんが、4ページの上段のところで、精検機関から協力を得て精密検査の実施状況を把握しとあるのですが、この前提として個人情報保護法の医療・介護従事者のガイドラインで例外として提供することがOKだと、外されているということを言ったほうがいいのではないかということと、それから、自治体は実は個人情報保護法の対象ではなくて、それぞれの市区町村が本人同意を得るか、また個人情報保護審議会等を通して受け入れているということがありますので、そのような体制を整備して、しっかり精度管理ができるというようなことを盛り込んだほうがいいのではないかと思います。

○大内座長 この点は可能ですね。

○斎藤構成員 その件は、平成20年の報告書にも明記されていますから、それを引用すればいいと思います。

○大内座長 道永構成員どうぞ。

○道永構成員 大したことではないのですけれども、4ページの真ん中の「また、検診機関に着目した向上策」というところで、「県医師会」となっているところを「都道府県医師会」としていただきたいと思います。

○大内座長 恐らく事務局的にもかなり誤字とか繰り返しの文言があったりしておりまして、私も事前に目を通せばよかったのですが、多々ございますので直させていただきます。

 特に3ページをごらんいただきたいのですが「()今後の精度管理に向けた取組について」の最初の「○」の文言です。「がん検診の精度管理の向上をめざすにあたっては、各市区町村が」云々とありますが、「都道府県の生活習慣病検診等管理指導協議会等が」の文言が、実は次の行まで含めてほとんど同じ文言が繰り返されています。ここを私なりに考えますと、4行目の「適当な指導を行うことが必要である。」で切って、そのためには、つまりこの事業評価の推進に当たっては、都道府県生活習慣病検診等管理指導協議会等が指導・支援を行う必要があるといった形にしないといけないのではないかと思います。全体の文言についてはほかにもあるかと思いますが、修正させていただきたいと思います。

 ほかにございますか。祖父江構成員どうぞ。

○祖父江構成員 今のところとも関連するのですけれども、問題意識として職域というか保険者・事業者が行うがん検診の精度管理が今手つかずになっている、それを何とかしたいという記述が4ページの真ん中「被用者保険の保険者や事業者によって実施されているがん検診についても」云々と、ここに書かれているのだと思いますが、これはだれがどうするのか、国が主体で何かしますみたいなことを書いていますけれども、むしろ都道府県の生活習慣病検診等管理指導協議会がその県の検診機関等をカバーする形で、市町村が行うがん検診で行われているような精度管理を行うというようなことを具体的に指示したほうがいいような気がするんです。ここは、だれが何をするのかよくわからないというところがあります。だけれども、そこまで具体的に書いていいのかどうかよくわからないので、ちょっと検討が必要だと思います。

○大内座長 前段にも都道府県医師会等も書いてありますので、やはり主語は明記したほうがよろしいかと思います。今、祖父江構成員が指摘された事項に関しましては、恐らくは都道府県に設置されている生活習慣病検診等管理指導協議会等が該当すると思います。よろしいですか。

○岡田がん対策推進官 済みません、事務局から1点教えていただきたいのですが、先ほどの個別検診、集団検診の精検受診率の話で、違いというか、対象者が受診されて要精検と言われて精密検査を受けに行ったかどうかというのが、検診実施機関ごとで違いがあるというのは、その原因というのはどういうことなのでしょうか。前回もお話しいただいたのですが、十分理解ができていなかったので。

○斎藤構成員 前回資料の14ページにありますけれども、要は、従来の健康増進事業が集団検診型と個別検診型の提供のところで2つ分かれますね。前者は検診機関、対がん協会等が担っているわけです。従来からデータを回収するための仕組みがもうできていることが多いんです。例えば、精検機関リストができていて、場合によっては指定して、恐らく松田構成員のところは全部それをやっていると思うのですが、そして、ルーチンで定期的に精検結果が来るようになっていて、来ないときには多分、年度末にアクティブに調査をかけて回収するという仕組みが普通あります。

 一方、個別検診は、まだそういう基盤がないままにやっていますので、診療の延長でやっているということで精検結果を回収する仕組みがないんですね。この差で受けていないものと把握していないものと両方の合算ですけれども、結果そういうことになっているのだと思います。

 その他、精検を受けるべきことの情報提供等々についても多分差があるのですが、明らかな違いは精検結果を回収する仕組みが既に整備されているか、されていないかということで説明できると思います。

○大内座長 よろしいでしょうか。

 それでは、時間の都合もございますので、後半部分の4ページ下「3.がん検診の受診率向上施策について」の記載に入ります。かなり細かなデータになっておりますのは、参考人に提供いただいた情報等が盛り込まれていることもございますし、事務局としてはできるだけ多くの意見を取り入れるということが背景にあったと思います。この受診率向上施策についての記載に関しまして、御意見いただきたいと思います。

 斎藤構成員どうぞ。

○斎藤構成員 このコール・リコールというのが報告書の中にも随分たくさん出てきていて、それから、各参考人のプレゼンテーションも実際の取り組みのデータだと思います。ただ、コール・リコールというのは実はよく考えてみると、基盤の仕組みとしては台帳整備が始まっているんですね。ここでプレゼンテーションされたのは主にインビテーションをどうするかとか、啓発、きっかけづくりということで、実はその一番基盤の台帳整備についてはここに書いてはありますが、台帳整備すべしということが書いていないんです。実際にこのデータを見ると、参考資料で自治体が83%名簿をそろえているというデータが出ていますが、100%ではない。さらに、我々の研究班でもう少し詳しいエラーを排除するような内容の調査をやりますと、これより結構低いんです。ですから、なお自治体で台帳整備がきちんと行われているところは低くなります。

 私のプレゼンでも出しましたが、EUのガイドラインなどで例えば、これは大腸がんですけれども、受診勧奨の対象者カバー率、つまり対象者にどのくらいリーチすべきかというところが目標値最低95%になっているんです。これを達成するには基本は台帳が整備されていないといけないということなので、インビテーションするだけではなくて、コールするだけではなくて、その前に台帳整備をすべしということを記述したほうがいいと思います。

○大内座長 多くの方から無料クーポン事業は台帳整備にとても役に立ったと。7ページの上から3つ目の「○」に「事業の副次的効果としては」と書いてあるのですが、副次的効果ではないような気がします。これをやはり強調すべきではないでしょうか。

○斎藤構成員 実はこれはチェックリストの一番最初の項目なんですね。

○大内座長 事業評価の観点からしますと、チェックリストの最初にあるのがこの台帳整備です。5歳階級での対象者数、受診者数がございますので、今回多くの参考人の意見の中にもありましたように、クーポン事業によりまして受診者の整備ができたということは事実ですので、ここをもっと前に記載するということでいかがでしょうか。

○松田構成員 先生御指摘のとおりだと思います。今回、クーポン券を全員に配ることによって台帳をデータベース化できた。きょうの議論の中でもいわゆる、きょうは職域という言葉は余り使われていませんが、事業者や保険者が提供するがん検診があるということはわかっていますけれども、ただ、その実態がなかなかわからない、どれだけ行われているのかもわからないとすると、無料クーポン券と同じようにすべての市民に対するがん検診の提供義務は市区町村が負っていると明記すべきなのではないかと思うんです。健康増進法にはそう書いてあるので。ですから、明らかに職域で受けられる人を除いてとは書いてありますが、ただ、職域におけるがん検診は前回も指摘したと思いますけれども、例えば、企業の業績が悪くなればことし受けられなくなる企業があってもちっともおかしくないので、全員に対するがん検診は市や町が負うと。例外的に保険者が行う検診もあると書くか、あるいは将来的には保険者に義務づける、そういうことでもいいのかもしれませんが、そこまで踏み込めないとすると、無料クーポン券と同じように、すべての人のがん検診は市区町村がというような文言が必要なのかなと思います。

○大内座長 今の件はどこに書き込みますか。

○松田構成員 最後のほうがいいのかなと思いますが、データベースができたと7ページに書いてあるので、ですから、網羅的な受診勧奨を市区町村が行うというようなことをどこかに書き込んでいただいたらいいかなと思います。その手だてというか、それはできたわけです。ですから、ことしはクーポン券を配ったけれども、来年は受診対象ではないということが仮に行われているとすると、実は私たちのところでもそうなのですけれども、それは非常に問題ではないかと思います。前進しないと思うので指摘させていただきました。

 もう一点、6ページの上ですが、「無料クーポン券の利用率」という言葉が出てきまして、これがまた非常に誤解を生むのだと思います。これは前回も指摘させていただきましたが、いわゆる職域等で受けられる人は使わないとか、受けていた人がことしは無料クーポン券を使ったということが、この効果は何で見るかというと、3つ目の「●」に書いてあるように、国民生活基礎調査で見ると書き込めばいいのだと思います。乳がんと子宮頸がんは平成19年に比較して平成22年で上昇傾向と書かずに、これはしっかり数字を入れればいいのではないかと思うのですけれども、余り目に見えた効果がないからこういう形になっているのかもしれないですが。ですから、利用率というのは余りにも曖昧で、受診率を何も反映していないので、例えば1つ目の「○」で、それは今後も国民生活基礎調査でその効果を見ていくと書くなりしていただきたいなと思います。

○大内座長 ただいまの2点目の御意見ですが、いかがですか。事務局として対応は可能ですよね。

○岡田がん対策推進官 今2点目に御指摘いただいたことについては、そういう他意があって上昇傾向と書いているのではなくて、一応数値は5ページに掲げさせていただいているということがございます。

○松田構成員 わかりました、失礼しました。ありがとうございました。

○大内座長 具体にも書いてよろしいかと思いますので、国民生活基礎調査で把握しているということです。この調査そのものにも問題点はございますけれども。

 ほかに御意見ありますか。菅野委員どうぞ。

○菅野構成員 2点ございます。1点が10ページの点線の中の4番目で、「取組にあたっては、現行制度の下、個人情報の管理に留意しつつ」と保険者や事業者のことが書いてあるのですが、改めてですが、これは保険者や事業者も医療従事者のガイドラインに従って提供していいものなのかどうかという整理がはっきりわからないのですが、情報に管理しつつというだけやるととかく出てこないと思いますけれども、この提供が解除されているという解釈であれば、できたらそのような書き込みをいただけるといいのかなと思いました。

○大内座長 いかがですか。

○岡田がん対策推進官 今御指摘いただいた、保険者・事業者から直接市町村が提供いただく形にすると、もちろん保険者・事業者が保有する個人情報込みの情報を対外的に出してよいのかどうかという論点が浮上してくると思うのですけれども、それぞれが費用助成をする個人が受診した情報を個人の本人同意をとった上で市町村に行くという場合に必要かどうかということについては若干状況が違うかなと思いますので、そこを整理して記載するようにしたいと思います。

○大内座長 では、もう一点どうぞ。

○菅野構成員 もう一点が、今の1つ前の話にもかかわるのですが、しつこいようですが財源論です。例えば、受診率向上策などについては、それが効果的だみたいな意味では表現が適当かわからないですが、リニアモーターカーみたいなところがあると思います。というのは、リニアモーターカーをつくる技術論は、受診率を延ばす技術論的にはかなりしっかりしているのだけれども、財源がないからやり切れないというような部分があると思うんです。永続的に実施できるよという言葉の中に入っていると言えばそうなのかもしれないですが、その財源や提供の主体のあり方も含めという形とか、きょう濱島参考人からも1つヒントをいただいたと思いますが、保険者への統一とかそういうものもあると思いますが、やはり財源のあり方も含めて継続して検討という記述が必要ではないかと思います。

○大内座長 ただいまの菅野構成員からの御質問については、「おわりに」の最後の2行にある程度明記されているかと思います。具体には、ここで初めて「被用者保険の保険者や事業者との情報共有を開始するとともに、今後」云々とあって、「より効率的・効果的ながん検診が制度として永続的に実施できるよう、その提供の主体のあり方も含め、継続して検討していく」。この程度かなと。ただ、もう少し踏み込んで書けるかということですか。

○菅野構成員 「提供の主体のあり方」と書いてありますが、これに財源も加えてはいかがかと思います。

○大内座長 検討会で財源のことまで議論するのは厳しいですね。

 椎葉課長、何か御意見ありますか。

○椎葉がん対策・健康増進課長 御指名ですので。結局、市町村で今までのようにやるのか、保険者にするのか二者択一ではないかと思いますが、例えば、諸外国の状況を踏まえとか、実際に濱島先生の議論にもありましたので、そういう議論があったのは事実ですから入れてもよろしいのではないかと思いますが、書き方については御相談させていただきたいと思います。

○大内座長 本検討会でかなり踏み込んだことで、私は物すごい前進だと思っております。ありがとうございました。

 道永構成員どうぞ。

○道永構成員 10ページの点線の中の4ですが、最後から4行目なお書きの後ですけれども、ここの部分はこれからの具体的な対応というところで非常に否定的な文章になっています。「現状の制度では困難である」。これは困難であるからどうするかということを記入しないと、これは前に大分出ているので、逆にこれは入れないほうがいいのかなと思います。あくまでこれからの具体的な対応ですから。

○大内座長 ただいま道永構成員から大変重要な指摘をいただきましたが、確かにこの文言はあっても違和感があるだけですね。検討させていただきます。よろしいですか。

 ほかにいかがでしょうか。濱島参考人どうぞ。

○濱島参考人 本日お話しした分はこの中にいろいろ取り込まれておりますが、1つ欠けているところで御検討いただければと思います。それは、個別検診の点ですけれども、個別検診が増加しているということは前回も斎藤構成員から御指摘がありましたし、私もお話ししたところですけれども、個別検診が実際に増加していることは事実で、また、これによって受診機会がふえていることも事実です。国際的にも医療サービスに受診者、患者のバリューを入れていくことは非常に大きな課題になっておりますので、そういった流れにも対応できるということで、個別検診を活用するということは今後検討されていいかと思います。

 ただ、個別検診自体が先ほど御指摘がありましたように、精検受診率が低いですとか、検診と診療がグレーな部分があるとか、医師会の先生方にも御協力を得ていろいろな検討をしていく必要があるかと思いますけれども、こういった個別検診によって、かかりつけ医が受診勧奨するということは受診率向上に非常に大きな対策になると思いますので、個別検診につきまして条件つきでということでも結構ですので、何らかの形で今後の受診率向上対策の中に一つ組み込んでいただければと思います。

○大内座長 個別検診に関しましては、前段の精度管理・事業評価等では何度か記載されているところです。4ページの上の段にもございますが、受診率向上施策においてもこの個別検診、実態では増加しておりますので、その部分を整理して追記されてはということですがいかがですか。この点はよろしいですね。

(「はい」と声あり)

○大内座長 ありがとうございました。

 それでは、「おわりに」とありますけれども、これは先ほど申しましたように、まだ案ではありますが、相当踏み込んだ内容にはなってきたかと思います。きょうは議論の尽くせないところもあるかと思いますが、現時点で御意見があればお伺いします。

 斎藤構成員どうぞ。

○斎藤構成員 ちょっと戻って申し訳ありません。1点だけ4ページの一番下の「3.がん検診の受診率向上施策について」の頭のところに、「がん検診受診率の向上は、本来、精度管理の一環としても重要であり、高い受診率を達成しなければがん検診の十分な効果も望めない」、ここに精度管理の上でということを入れていただきたいんです。というのは、今なお基本計画の理解も個別目標が受診率と精度管理、科学的根拠という3つがバラバラで、受診率についての自治体の意識が非常に高いんです。ですから、この間のプレゼンテーションでも言いましたが、47都道府県の実施策を見ますと、受診率対策はちゃんと書いてあるんです。ただ、ほかの2つが書いていないんです。そもそも受診率というのは精度管理の一環でもあるということですから言わずもがななのですけれども、冗長さを恐れずにそういった理解の現状を踏まえると、ここに例えば、精度管理の一環としても重要であり、質の高い検診を確保した上で、高い受診率を達成しなければという記述とか、ここでちょっと強調していただきたいなと考えます。

○大内座長 精度管理を担保した上でといったような文言を付記してはいかがかということです。当然のことですけれども、あえて書いたらいかがかということですけれども、文言については事務局と相談させていただきます。

 ほかにございますか。祖父江構成員どうぞ。

○祖父江構成員 5ページの一番上のパラグラフの最後に、「受診率の算定にあたっては、40歳から69歳(子宮頸がんは20歳から69歳)」となっています。これは保険計画で入った画期的な案だと私は思いますけれども、こう言うからには受診率の向上施策というのは、この年齢を優先的に行うということをどこかに明記したほうがいいのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。

○大内座長 国のがん対策基本計画が昨年見直されまして、がん検診の受診率50%以上というのは、このように69歳までを対象とすると規定されているところです。したがいまして、本検討会においてもそのことは明記すべきだろうという御意見ですが、皆さん同意ですね。では、そのような形で盛り込むようにさせていただきます。

 ほかにございますか。では、皆様からいただきました意見等につきましては、事務局と関係者、私、座長としての責務も果たしながらまとめさせていただきます。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大内座長 ありがとうございます。

 それでは、事務局から連絡事項をお願いします。

○岡田がん対策推進官 長時間にわたる御議論どうもありがとうございました。先ほど大内座長から御指示いただきましたように、本日いただいた御意見を踏まえて報告書案を修正させていただいて、また皆様に御確認いただきたいと思います。その際はどうぞよろしくお願いいたします。

 また、次回本検討会の日程等につきましては、改めて御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○大内座長 それでは、本日の検討会をこれで終了したいと思います。構成員、濱島参考人におかれましては、まことにありがとうございました。

 


(了)

健康局がん対策・健康増進課

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