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2014年3月19日 平成25年度 第3回重症心身障害児者の地域生活モデル事業検討委員会議事録

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成26年3月19日(水)
9:30~12:30


○場所

厚生労働省(合同庁舎5号館)専用第22会議室


○出席者

【検討委員】

岩城委員   大塚委員   田中委員   田村和宏委員   田村正徳委員  中川委員   福岡委員   松葉佐委員   米山委員

【厚生労働省】

辺見課長(障害福祉課長)   阿萬室長 (障害児・発達障害者支援室長)   川島補佐 (障害児・発達障害者支援室長補佐)   大西専門官 (障害児支援専門官)    田中専門官 (障害福祉専門官)

【実施団体】

社会福祉法人北海道療育園   社会福祉法人びわこ学園   社会福祉法人愛徳福祉会   社会福祉法人三篠会   社会福祉法人旭川荘 

○議題

・平成25年度重症心身障害児者の地域生活モデル事業にかかる最終報告 等

○議事

【平成25年度 第3回重症心身障害児者の地域生活モデル事業検討委員会議事録】

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから「平成 25 年度第 3 回重症心身障害児者の地域生活モデル事業検討委員会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、午前中の早い時間からの開催になりまして誠に申し訳ございません。

 本日は、本事業の実施団体である 5 団体から提出があった実施状況の最終報告書に対するヒアリング等を予定しております。 12 時半までの予定としており、長丁場になりますがよろしくお願い申し上げます。

 委員の出席の状況ですが、 9 名の委員の皆様に御出席いただいております。全国特別支援学校肢体不自由教育校長会会長の杉野学委員、全国児童発達支援協議会副会長の宮田広善委員におかれましては、御欠席の御連絡を頂いております。委員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、会議に先立ちまして、座長に御挨拶を頂き、これからの進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○座長 皆さん、おはようございます。第 3 回の地域生活モデル事業検討委員会ということになりました。モデル事業は 2 年目ということもあり、この間、重症心身障害児者の方たちの地域生活が全国で進んでいるということを聞いております。今回、 2 年目のモデル事業をまとめるに当たり、皆さんの活発なアドバイスを団体の方にしていただき、その報告書が良いものになって、質の高いものになり、全国に普及することによって、重症心身障害児者の方たちの地域生活がもっともっと進むように願っておりますので、本日はよろしくお願いいたします。

 それでは早速、議事に入りたいと思います。本日の資料について、事務局から御説明をお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 本日、御用意させていただいた資料については、議事次第、資料 1 「各事業団体からの最終報告案」、こちらについては、クリップ留めした別添ファイルがあります。資料 2 モデル事業の実施団体名簿、資料 3 検討委員会の開催要綱、資料 4 座席表となっております。また、 2 冊のピンク色と水色の冊子ですが、大阪発達障害総合療育センターからの資料になりますが、「在宅支援、入院、小児在宅支援プログラムを受けて」というものと、「第 1 回ショートステイ連絡協議会」の冊子になります。最後に 2 枚紙になりますが、南愛媛療育センターからの「重障心身障害児者の地域生活モデル事業概要」の資料になります。資料等の不足がございましたら、事務局までお願いいたします。

○座長 では、議事の 2 「平成 25 年度事業実施団体からの最終報告案に対するヒアリング」に入りたいと思います。実施団体の方に入室をお願いいたします。

                               ( 事業実施団体入室 )

○座長 それでは、よろしいですか。各団体の皆様におかれましては、第 3 回重症心身障害児者の地域生活モデル事業検討委員会に、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。今回は最後の検討委員会ですので、よろしくお願いいたします。

 前回のように各団体の皆様から提出された最終報告案が私の手元にあります。前回同様、これについて皆様から説明を頂き、委員の方からいろいろなアドバイスをコメントしていただきます。これを参考にして、報告書にまとめていただきたいと思っております。再度御提出していただいた報告書を踏まえて、検討委員会としてはこれを取りまとめて公表する予定ですので、各団体の皆様がこれまで実践された内容が地域により広がって普及していくものだと思っております。 3 時間近くて長いのですが、どうぞ本日はよろしくお願いいたします。

 それでは、最終報告案に対するヒアリングの方法について、再度、事務局から説明をお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 ヒアリングの方法でございますが、最初に 1 団体ごとに 15 分間で説明いただき、その後、各委員から団体の説明内容に関して疑義等がございましたら、 5 分程度の時間で御質問と実施団体から御回答をお願いしたいと思っております。各団体からの報告書案の説明時間の残り時間 1 分前、また、質疑時間の終了間際にベルで合図させていただきますので、円滑な議事の進行に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。 5 つの団体全て実施した後に、休憩を挟み、委員の皆様方から報告書案に対するコメントを各団体ごとに 5 分程度でお願いしたいと考えております。以上です。

○座長 早速ですが、団体から説明をお願いしたいと思います。最初に社会福祉法人北海道療育園から説明をお願いいたします。

○北海道療育園 ( 社会福祉法人 )  よろしくお願いいたします。北海道療育園のハヤシです。それでは、この報告書を提出した後なのですが、用語の用い方であるとかモデル事業の評価について再度検討したところ、若干の訂正がありますので、その都度、申し述べたいと思います。

 「事業目的」について、私たち昨年度のモデル事業を経験し、その協議会の活動であるとか、モデル事業の活動が自立支援協議会や自治体、福祉サービス事業所の目を在宅重症児者に向けさせて、在宅重症児者の支援につながっていくということを経験いたしました。そこで今年度は、これを遠隔過疎地にある市町村にまで広げようと取り組みました。また、昨年度の事業の反省点を踏まえて、今年度のモデル事業、すなわち「資源の再資源化」をより実効性あるものとすることを目指して取り組ませていただきました。

 「地域の現状と課題」ですが、対象の背景人口 65 万人に 163 名の重症児者が点在して居住していることを昨年度の調査で明らかにしておりました。それを地図上に見える化したものが参考資料 1 6 ですが、今年はそれに地域サービス資源の調査をし、その結果を加え、より一層の資料の充実を図りました。地図は自治体や事業所に配布し、在宅重症児者の支援に今後活用していただく予定にしております。

 地域のサービス資源の調査結果について御報告いたします。今年度は福祉サービス資源の問題点について調査いたしました。すなわち自治体や福祉サービス事業所、訪問看護ステーション、医療機関などの福祉サービス資源はなぜ重症児者を受け入れられないのか、また、受け入れるために必要とする支援は何かを明らかにし、その上で、我々重症児者施設が何をすればよいのかということを考える資料といたしました。

 「対象と調査内容」は資料のとおりですので、割愛させていただきますが、膨大なデータを得ることができました。ここでは全部紹介することができませんので、一部、紹介することにとどめたいと思います。自治体に関しては、重症児者に対する障害福祉政策の状況について調査いたしました。在宅重症児者がいると回答があった 37 市町村に調査し、ほとんどの自治体から回答がありました。

 聞き取り調査をやっている施設については、半数の市町村がやっておりました。地域に重症児者を受け入れる事業所があるかどうかということを確認していますが、地域に「重症児者」となっておりますが、「重症児」の間違いで、重症児が通える通園事業所があるかどうかを確認したところ、 9 市町村があると答えております。また、地域に「重症者」の間違いで、「重症者」が日中利用できる事業所について尋ねたところ、 13 市町村があると答えております。また、地域に重症児者の居宅介護事業所があるかどうかについては、 20 市町村があると答えており、地域に重症児者の短期入所を行う事業所については、 3 市町村があると答えております。

 また、「老人保健施設」と記載しておりますが、「介護老人福祉施設」の誤りで、介護老人福祉施設について、重症児者が利用できる施設があるかどうかを確認したところ、 5 市町村 6 施設があると回答しております。実際に介護老人福祉施設に関しては 3 名の重症児者を受け入れており、多くの市町村では、唯一の福祉資源である老人介護福祉施設で何とか対応しようと努力している様子がうかがえました。したがって、重症児の受け皿拡大には介護老人福祉施設、あるいは老健施設への支援が有効と考えられました。

 自立支援協議会などの話合いの場については、 30 市町村が話合いの場があると回答していますが、実際に重症児者支援について話し合われたのは 3 市町村( 8.3 %)のみで、なかなか厳しい状況でした。ただ、話し合われた 3 市町村の重症児者に関しては、何らかの支援につながっておりますので、話し合いの場、すなわち協議会は、在宅重症児者支援にとって必要であり、かつ有用というように考えられます。

3 ページについては、福祉サービス事業所の重症児者への福祉サービス提供状況の確認をしました。 310 の事業所に対して、 246 事業所から回答がありました。重症児者に対してサービスを提供している事業所は 17.1 %、 42 事業所にとどまりました。どうして重症児者を受け入れられないのかという理由を確認したところ、医療的ケアに対応できない、重症児者は未経験である、人員配置ができない等が理由として挙げられました。ただ、これらの施設は、我々、重症児者施設との連携を希望しており、研修会や施設見学、実技指導、あるいは我々の様な施設スタッフ派遣といったことを希望しております。

5 ページは、訪問看護ステーションの重症児者の訪問看護状況を確認しました。旭川市内の訪問看護ステーションと旭川市以外の訪問看護ステーションに調査を行いました。提供されている内容を見ると、旭川市以外では状態観擦とか療養相談が中心で、地域に福祉サービス事業所がほとんどない所では、訪問看護ステーションが福祉サービス事業所としての役割を担っているということが分かりました。

 また、訪問看護を提供している現場からの意見を自由記載で得たところ、 6 ページになりますが、 2 番目に、訪問看護は現在「居宅」が前提となっているため、修学の場所に支援することができないといったもどかしさを訴えており、「自宅」や「居宅」ではなく「生活の場」に訪問することができればもっと動けるのにといったような回答が得られました。この結果から見えてくるところですが、地域によっては、訪問看護ステーション以外に福祉サービス資源がないので、訪問看護ステーションを有効に活用することが重症児者の受け皿を増やすのに重要と考えられました。

7 ページの4については、医療機関に対して短期入所に関する実態調査をいたしました。重症児者に対する短期入所を実施している病院は僅か 5 病院で、そのうち医療型短期入所事業所として実施しているのは 1 病院しかありませんでした。どうしてできていないのかという理由については、医師・看護師不足、あるいは病床がないことに加えて、利用したいという要望がないとか、あるいは病気ではないのに病床を提供できないということ。あるいは医療収入よりも減収になるということが理由として挙げられていました。

8 ページについては、この結果ですが、地域基幹病院の中で医療型短期入所事業を受けている施設は 1 つもありませんでした。そこを何とかしていかないといけないというところと、家族の声が医療機関に届いていないという実態も明らかになり、コーディネーターであるとか自立支援協議会が機能していないという可能性も示唆されました。それから、病気ではないのに病床を提供する必要はないという回答に関しては、医療機関が福祉サービスを提供することの難しさを痛感しており、ここについて何とか我々が取り組んでいかなければいけないということを痛感しております。また、福祉サービスの報酬単価が低いということについては、医療機関の心意気であるとか、自治体や国によるバックアップが必要と考えております。

9 ページについては、 1) 協議会に関してですが、我々、活動 2 年目になりまして、連携の効果を実感しております。詳細については後ほど述べさせていただきます。

10 ページについては、 2) コーディネーターの配置に関してです。私たちは調整役、ケアマネージャー的な役割を個人ではなく協議会という組織で担うということを提案いたしました。実際には個別事例の検討が中心になりましたが、自治体を含めた福祉サービス資源につないでいくことができました。協議会として、自治体や関係団体に働きかけをさせていただきました。

 協議会の効果については予想以上であったと考えております。実際に重症児者に対する認識が明らかによくなったことや問題を挙げることで、何が問題になるかということを明確にし、かつ共有することができました。また、コーディネーターを組織で担うことについても、個人による精神的、心理的負担を軽減できたことや、相談支援専門員が充足して周知されるまでのつなぎとなり得ると判断しています。

 ただ、どうしても相談支援専門員を確保できないという地域には、地域の保健師さん、あるいはメディカルソーシャルワーカーが担うことが適当と考えます。協議会がコーディネート業務を担うことも可能なのですが、そのような地域の保健師さんがコーディネート業務を兼務し、協議会がそれをバックアップ、補完をするという方法もよいのではないかと考えております。

 協議会活動に対する今後のことですが、是非、モデル事業で終わらせるのではなく、本格的な事業として格上げするということを要望します。

 報告書では、費用対効果として、今年度の協議会の運営費と在宅重症児者が施設入所を回避されたことを比較したのですが、その後、我々のほうで検討しましたが、こういう福祉施策を費用対効果で検討することは無理があるだろうということで、それに変わる評価としては、この協議会の効果として、それまで施設入所しか選択肢がなかった重症児者の生活の場に対して、在宅という選択肢の後押しができたということ。それから、今回のモデル事業で在宅支援の体制を充実させることができたということが大きな効果と考えています。

12 ページですが、 1)ICT の顔の見える相談支援システムについては、今年度はタブレット型 PC とスマートフォンを導入し、利用環境を整えてユキビタスに活用するということを目指しました。

 実績については、 13 14 ページを見ていただくと、 Skype による交信で、随分、利用効果や回数が上がりました。また、参考資料 8 番目に載せておりますが、実際にテレビ電話システムを用いた「おしゃべり広場」を 5 回、あるいは相談については 10 回、病気についての相談が 8 回あり、よかったと思われます。市立稚内病院との接続も可能とし、 11 1 日から運用していますが、 1 30 日までに 6 回の交信がありました。また、タブレット型 PC 、スマートフォンを活用することで接続回数が格段に増加しましたが、これらの操作性の向上によることが大きいと考えております。また、 Skype の利用がきっかけになって 1 つの家庭は通園事業所と接続し、 Skype を介して日中活動に参加するようになり、我々が検討しているグリット形の運用も今後展開することができるかと思います。

 「課題」としては、中間報告で個人情報保護への配慮が必要との指摘を受けましたが、実際のところ、同意を得られた場合のみとしたり、あるいは映像や個人名は公表しないとか、公表する場合には許可を得たり、個人が特定されないような処置を行うというような配慮をしております。

15 ページについては、 (2) 地域における支援の取組として、今回のメイン企画ですが、名寄市や周辺の市町村に対して、支援を広げていこうということを取り組みました。実際のところ、名寄市、士別市、美深町のそれぞれに重症児者の課題について話し合う協議会が設置されました。 10 月にその周辺地域の協議会を開きましたが、その後、各自治体がそれぞれの自治体で協議会が設置されました。家族を含めて福祉、保健、医療などの関係団体の実務者が集まって支援体制が整いつつあります。

16 ページ 2) については、地域の福祉サービス事業所へ我々で職員を派遣し、出前で研修することについて取り組みました。今年度は士別市の R 事業所、これは就労継続支援 B 型の事業所ですが、それと、枝幸町の就労継続支援 B M 事業所に対して支援を行いました。 R 事業所に関しては延べ 10 回、看護師 11 名、 PT1 名、 OT3 名、 ST1 名、通園保育士 1 名を派遣いたしました。実際に事業所を利用することになる士別市在住の在宅重症児の 3 名の方に対して、一緒にケアを実践することで、技術の修得に努めていただきました。

 結果についてですが、 R 事業所に関しては、日中活動の on the job training を自分の事業所で行うことができるので、これが大きいことだったと思います。ほぼ独自で運営、ケアの提供ができるようになりましたので、今後ここは生活介護事業所の指定を受ける予定ですが、市内に在宅重症児者の受け皿を確保することができたと思います。

 この課題としては財政基盤の確立が今後重要だと思います。報告書には、 2 名を 10 日間派遣した場合に 10 万円を試算しましたが、実は、職員の専門職としての報酬を加えておりませんでした。北海道の派遣事業を我々は担っているのですが、そこでは PT 1 2 5,000 円の報酬を受けているので、これを加える必要があるかと思っています。

3) の交換研修についても今年度継続して実施し、我々の所からリハ工学係長とか、作業療法士を派遣したことに加えて、病棟看護師を家庭に派遣することをやりました。また、名寄市、稚内市からそれぞれ看護師、 PT をうちに受け入れて、写真の資料 11 にあるような研修を行っていただきました。そのことで、稚内市立病院に関しては親の付き添いなしの入院が可能になり、事実上のレスパイト入院ができるようになりました。市立稚内病院は医療型短期入所サービス事業所の受諾を目指して、市とともに病院と一緒に動きが始まっており、受け皿の拡大につながっているかと思います。

 最後に 5 番目の「今後の展開」を提言として挙げさせていただきました。人材育成と協議会のような組織連継により、「資源を再資源化」することによって受け皿を確実に増やすことが可能かということを、今回のモデル事業で確認させていただきました。我々が外へ出て行って出前研修することで、事業所が受け皿となっていく可能性も確認できたかと思います。今後、事業所対象研修プログラムを作成し、ここまではできていてほしいという到達点も明確にしようと考えています。そうすることで事業所における重症児者の受入れの標準というか、スタンダードもできるかと考えています。

 時間も限られておりますのでここの辺りにしたいと思いますが、モデル事業に関しては、我々が外へ出て行って持っているものを提供することで、資源の再資源化ということが十分図られてきたのではないかと考えており、有用であったと結論付けております。以上です。

○座長 どうもありがとうございました。療育園さんは 2 年目ということで、地域の資源の課題などについても報告されましたが、ただいまの説明内容について御質問等ありましたら、回答も含めて 5 分間で大変短い時間ですがお願いいたします。委員の方、いかがですか。福岡さんいかがですか。コーディネーターの話も出ていましたが。

○福岡委員 後の感想のところで述べようと思っていた点が 3 つほどあるのですが、非常に優れていると思ったもので、加えてほしいことが 2 3 点あり、それは後でと思っております。

○座長 後でお願いします。その他はよろしいですか。

○田村 ( ) 委員 在宅支援のための短期入所を実践するに当たって、単価が低いとおっしゃいましたが、私は全く同感だと思うのです。今の短期入所の場合の単価については、これからどういう工夫を。ただ上げろというよりも、私の意見は、今の短期入所の場合は長期の場合と違って、年齢が 3 歳未満であっても、人工呼吸器を付けていてもほとんど変わらないということで、重症で小さい赤ちゃんを受けるということが非常に難しい、そのような状況になっているのではないかと思いますが、それについて先生、御意見いただけますか。

○北海道療育園 一律に上げるということではなく、患者の重症度に合わせて軽重を付けるということはいいことだと思っております。また、補足しますと、自治体で特に北海道では、参考資料 7 に載せましたが、病院の減収分に関して補填をすることをしてくれています。診療報酬として、医療としてやってくれるのが有り難いとは思いますが、なかなか厳しく、福祉の事業としてこれをやっていくことが筋かと思いますが、そのためには何らかのバックアップが必要と考えています。

○座長 短期入所の内容の吟味も必要ですね。ほかにいかがですか。

○松葉佐委員 北海道療育園さんでは ICT を利用した療育相談とか、そういうことが非常に進んでいると思います。これは今、技術的にはどこでもやれることなのですが、なかなか普及していないんですね。北海道や長野県のようなニーズの高い所は恐らくうまくいくだろうと。しかし、ほかの所もやればそれだけのメリットがあると思うのですが。何かそれを促進できるようなことを提案していただけると有り難い。これは大事なことだと。

○北海道療育園 おっしゃるとおりだと思っています。当初、昨年度取り組んで十分に利用回数が伸びなかったのは、 1 つはやってみるまでその良さが、使った人が実感できていなかったということがあるのと、固定式のデバイスだとなかなか難しかったのが、タブレット型 PC になって非常に使い勝手が良くなったということも挙げられるかと思います。それと、対応で医療者側が拘束されることがあり、市立稚内病院は曜日の午後と決めて、よほど緊急性がない限りは受け側も拘束されないような工夫をして取り組んでいるということがありますので、そのような工夫が必要だと思います。

○座長 ありがとうございます。また、もう一度アドバイスを頂く機会がありますので、お願いいたします。

 次に移らせていただきます。社会福祉法人びわこ学園からお願いいたします。

○びわこ学園 ( 社会福祉法人 )  資料 47 ページからです。びわこ学園からは前回と同様に、重症児者ケアマネージメント支援事業と、ケアホームということで報告いたします。私からはケアマネージメント支援事業、重心ケアマネ事業について、 48 ページからの「モデル事業の実施内容と結果」に沿って報告させていただきます。

 まず2の実施内容の 1 (1) 、重症児者ケアマネージメント支援事業を看護師起用により取り組んだことと、それで効果があったことを報告します。これは事業全体に対して影響したことです。地域で実施するケアマネージメントの支援のほかに、地域ケアシステムの構築がとても大きな課題であったことに対して、特に看護師にしたことで医療との連携拡大と強化、他職種連携の強化を図ることに重点を置き取り組みました。その結果、看護師であることで病態や看護名での視点介入ができ、医療者の受入れを得やすくなるなど、基幹病院や地域開業医関係者との連携の構築が図れました。しかし、医療と福祉の専門性をシームレスに出し、共有・検討するためには、看護師が福祉の現場で支援活動を行うことのできる環境設定が最も必要であると思われました。相談がいいかと思ったので、現在、私もその立場でしております。

 次が 49 ページ (2) からの県内の実態把握です。今年度、実施主体が県から市町に移ったことで、滋賀県ではますます実態の把握が困難になってきているという現状の中で、これから県が重症児者のデータ把握を行う上で必要なデータ内容や、同時にびわこ学園の入所待機者に関しても把握できるように、県や自家相やショウコウソウとの協議の場を設け、毎年 4 月時点で市町が情報を整理し、県で集約していただけるようになりました。

 その集計結果です。平成 10 年からびわこ学園と自家相などで集計をしていたわけですが、今年度県で上げていただいたものを比較していきますと、平成 10 年から 25 年までで、総数で 1.5 倍の 808 名に増え、在宅数は 1.6 倍の 538 名に増えています。入所に関しては少し増えましたが、 270 名です。今後も、地域生活への支援がますます重要となることが明らかとなりました。また、圏域でも実態調査をしています。湖東や東近江圏域で行った実態調査からも、将来は自宅あるいはケアホームなど、地域で暮らしたいという希望が多いことが明らかとなっています。

53 ページの (3) びわこ学園の入所調整に関する支援です。平成 25 年度より県を事務局として、新入所調整会議を実施しました。重心ケアマネはその特徴を生かし、市町から上がった候補者の情報を一定整理し、施設状況や地域の資源状況などの情報も含めて、委員に説明するという役割を担わせていただきました。そのことで調整会議では多くの待機者状況と、びわこ学園あるいは地域資源の状況などの共有ができ、今後の協議の場の必要性も県で確認されました。

54 ページからの (4) 医療と福祉の連携についての 1 つ目です。地域にかかりつけ医をつなぐ支援を行いました。滋賀では、主に重症児者の医療を担う小児保健医療センターがあるのですけれども、 18 歳以上の重症児者があふれる中で、小さい頃から主治医を変えることなく過ごしている対象者が多く、地域に診療を委ねるきっかけを持つこともできずに経過しているという現状があります。今回、重心ケアマネとしては、まず小児保健センターの地域部門を担う保健指導部の看護師とメディカルソーシャルワーカーとの連携を図り、地域での 1 診療所 1 障害児者の定着を目指しました。

 本人や家族の希望を伺う中で、かかりつけ医をつなぐ際に、主治医に提供書などの協力のお願いをしたり、家族とともに地域のかかりつけ医となる開業医へ依頼訪問に同行したりしました。これは看護師だけではなく、相談という立場がありましたので、ともに動くことができたのが大きかったのかなと思っています。

 そういうものを進める中で、結果としては訪問診療では小児科、内科をつなぐことができましたし、専門診療としては訪問歯科を重心に来ていただくことができるようになりました。また、地域病院への専門診療科受診として、小児科であった子たちを脳神経内科、成人以降の治療に移行された方もおられますし、婦人科受診という形で、地域病院を使うようになった方もおられます。併せて災害時も含めて、近くにある地域病院で治療を行うとともに、レスパイトを受け入れてもらえる方向性を少し作っていったケースもあります。災害時にはそこへ行ける、お母さんが倒れたらそこへ行けるというつながりが持てるように、少し動きました。

57 ページからの (5) です。 2 つ目として、地域における支援機関連携づくりに取り組みました。ここでは開業医ができる地域医療支援と地域病院でのレスパイト入院について、各圏域の重心部会などへ参画しながら実践を行いました。湖南圏域では、湖南医療ネットワーク会議を湖南 4 市の医師会主催で開催していただきました。その中に重心ケアマネとして参画して、開業医へのアンケート実施のほか、医療連携フォーラムなどで参画させていただいています。

 湖東圏域では湖東圏域レスパイト協議という会議を持ち、入院施設のある湖東の主な 4 病院と保健所行政を交えて、病院の中でできるレスパイト入院への協力に関して、今協議を進めている段階です。

 湖北圏域では重心部会で「医療情報シート」を作成し、圏域での運用を既に始めているとともに、県内のほかの圏域にもその情報を広げて使う方向になってきています。また、先日は医療連携フォーラムを開催しました。医療との連携において、まず医療関係者を協議の場に引き出すためには、医療にも福祉にも精通するものが必要です。それには福祉、看護師、ケアマネが最も有効ではないかと考えます。

60 ページの (6) 地域住民に関する啓発です。 2013 年度、滋賀では「糸賀一雄生誕 100 周年記念事業」が県内各所で行われたことで、 7 福祉圏域での催しや講演などに参画させていただいたほかに、県の自立支援協議会でも医療連携のフォーラムが開催され、パネラーとして参加しました。県内では今年だけでも 4 回ほど、医療連携フォーラムをしました。この事業をきっかけに、「生きることが光になる」「誰もが暮らしやすい福祉滋賀づくり」をコンセプトに、それぞれの地域で多くの方に、福祉を見直す啓発実践ができたのではないかと考えています。

○びわこ学園 続いて、ケアホームのほうを御報告させていただきます。ケアホームが平成 23 9 月に開設しました。その際に地域から 3 人、重症児施設から 3 人の入居者を迎えました。ケアホームでは、健康面における状態観察や対応に昼夜当たっていますが、健康上の問題や課題が生じた際に職員だけでの判断や対応が難しいことから、すぐに相談に応じられる訪問看護ステーションとの連携や、地域の病院との連携を行っていきました。また、夜間も含めた十分な職員体制を確保するための工夫や取組も行ってきました。

 大きな (1) 入所施設からケアホームへの移行プロセスです。図 10 を参照してください。 62 ページの入所施設からケアホームに入る際の A さんの事例からです。前回も報告いたしましたが、重症児のケアホームは通常のケアホームよりも介護体制を手厚くしなければ、なかなか介護体制が成り立たない状況です。そのため、滋賀県と大津市単独の補助金を受けて介護体制を手厚くしているのですが、 A さんは他県出身のためにその制度が利用できない状況にありました。そこで個別調整会議を実施し、重度訪問介護サービスの利用につなげました。

(2) 地域生活からケアホームへの移行プロセスは、図 11 を参照してください。

(3) のケアホームの運営についてです。ホームの職員体制は常勤換算で 12.6 人体制で、夜間は男女各 1 名の計 2 人の夜勤者で対応しています。朝夕は 4 人体制で利用者の対応を行い、夜間は 2 人体制で見守りを行っています。表と 69 ページの業務の流れを御参照ください。「業務内容」として、日常生活全般の介助は全ての職員が行っていますが、正規職員又は嘱託職員は支援計画、金銭管理等、健康管理、利用者のサービス利用の調整、各関係機関との調整や連携、医療との調整や連携なども行っています。「支援するためのツール作成」ですが、利用者自身が主体性を持った生活づくりを行えるように、支援計画に基づく面談を年に 3 回行っています。そこで話された本人の希望や意見を改めて確認し、内容に応じて介助マニュアルや金銭プランに反映しています。また、日々の状態・状況把握や細かなケアを継続・維持するために、情報版の活用を行い、バイタルや排泄などの情報共有や申し送りを行っています。

( ) ケアホームにおける生活の充実に向けて取り組んだことです。1本人主体の生活をつくるということで、先ほど事例で紹介した A さんの生活は、これまでは入所施設の職員による予防的な支援によって、大きな健康的な崩れはなく安定したのですが、その分、自分の時間を制限されていたところはあったと思います。だからこそ「自分のしたいような生活をしてみたい」という願いから、ケアホームでの暮らしを選択されました。今回、ケアホームでの生活になることで AKB のコンサートに行ったり、 USJ に行ったりと、自分の余暇の時間がその体制により決まるのではなくて、自分なりに考えたりボランティアを募ったりしながら、僅かばかりではありますが自分の時間を持つことができました。

 2の介護体制の確保です。 A さんの事例でも述べたように、今の重心のケアホームは、一般的なケアホームよりも手厚い人員配置が必要となります。しかし、現在のケアホームの介護報酬では、十分な職員配置をすることができません。ですから今はケアホームの報酬のほかに、行政による補助と、個人単位でヘルパーを利用するという金銭面での上乗せと、人的な横出しによって何とか介護体制を維持しています。

 3ケアホームにおける医療との連携です。先ほどの A さんの事例から紹介すると、 A さんの生活は充実した生活の一途をたどっていたわけではありません。今までは入所施設で、看護師によって支援されていた健康管理部分が弱くなったことで、したいことと自分の身体のコントロールを本人もしなければならなくなりました。そのことがなかなか難しく、胃潰瘍で入院されたり導尿が必要な状況になっています。それでも A さんは、ホームでの生活の継続を希望されています。本人主体とともに健康管理をどう充実させるかが、今のケアホームの課題でもあります。そのために、今から述べることに取り組んでいます。

1) が「医療相談によるバックアップ機関との定期的連携」です。医療体制加算を使って、月 2 回の医療相談訪問により、継続した情報把握が可能となりました。

2) が「個々の医療ニーズに合わせた訪問看護の契約と訪問実施」です。相談日と合わせて、連続訪問を可能としました。緊急時相談体制や特別看護指示書などにより、必要最低限のケア体制がホームでもとれる体制を随時検討しています。 73 ページの訪問看護計画書も御参照ください。

3) が「重層的な医療機関との連携体制」です。医療機関との連携として、びわこ学園でのバックアップと、地域一般病院での緊急を受け入れる病院の連携構築を図っています。図 12 も参照してください。

(5) 苦労した点としては、職員体制の安定確保と育成、体調不良時の利用者の日中対応です。前回も述べたのですが、今の職員体制では、なかなか十分なケアが行えない状況であったり、人員育成なども行えていません。常勤職員の人数確保が必要です。現在は 4 人ですが、少なくとも半数は常勤職員体制が必要であると思っています。

(6) で今後の課題、1です。ケアホーム入居後は、主にホーム職員が日々の生活の支援を行うと同時に、他機関との連携も行っています。そのため、各関係機関と十分に話し合う時間が取れず、利用者全体の生活に関してのモニタリングが行えていない状況です。そこで相談員との連携を行って、利用者全体の生活の課題や状態を検討していくことが必要と見ています。あとは2日常的な医療支援です。現在は月 2 回の訪問相談日を設けていますが、今後は常時看護師の配置が必要となってきている状況です。

(7) 結果として、ケアホームという小規模な暮らしの場では、様々な関係機関が連携してその人の暮らしを支えることにより、自己選択や自己決定をより大切にしながら、一つ一つ実現に向けていくことができると思っています。ただ、現在の制度では十分なケアが整えられない状況です。重度の方のホームを充実させるには、……の利用や補助金など、まだまだ検討が必要だと感じています。

○座長 どうもありがとうございました。御質問等がありましたらお願いします。

○福岡委員 ケアホームの実践は優れていると思ったのですが、課題にも書いてありますように、この時期であるにもかかわらず、指定特定の相談支援事業所が真ん中になって、サービス等利用計画をこしらえるという風景でないのがちょっと残念に思ったのです。ここには本来サービス等利用計画があって、そこに個別支援計画というものが整った形だというのは、よくよく御存じだと思うのです。その辺まで巻き込めなかった事情があれば。相談には委託の事業所しか入れられなかったという、その辺はいかがだったのでしょうか。

○びわこ学園 ケアホームの相談員に限らず、相談員の数が十分いない所では、こちらからもなかなか十分な連携が働きかけられなかったのです。細かいことを言いますと、実は私がケアホームに入るときに相談員を担当して、その後にケアホームの職員になったのですけれども、入るときだけという会議しか十分に行えていなかった。ごめんなさい。今のことに対して十分な回答ではないかもしれないのですけれども。

○田村 ( ) 委員  50 ページにありますように、 15 年間で在宅者が 1.6 倍に増えているということですね。ただ、その年齢の分布を見ると、二十歳代の方が非常に増えています。私自身は最近の動向からいくと、 NICU の長期入院児が今はどんどん在宅に帰ってきているという我々の行った全国調査の結果もあるので、就学前の辺り、若しくは小学校ぐらいの子供が増えているのかと思ったのです。これを見ると、その辺りは余り増えていなくて、二十歳代がボーンと増えているのです。これには地域的な事情や背景があるのでしょうか。

○びわこ学園 低年齢層も高齢の方も、倍率としてはすごく増えているのです。 50 代以上の方は 17 倍などとなっています。これで見ると 20 代の方がすごく多いように感じるのですけれども、最近増えているのは低年齢層と高齢の方がとても多い。滋賀の南部に流入してこられる方もおります。その方たちは低年齢層だけとは限らない部分があります。結構、滋賀県に流れて来ているというか。それが小児保健であったり、びわこ学園であったり、信楽学園であったりを頼って来られている方もあるので、全体的に見るとこういう形になるのかなと思うのですが、私たちの印象としては、年齢の低い方と高い方の増加率がすごく高いと思っているのです。

○田村 ( ) 委員 特に低年齢層のところで、医療的ケアの内容そのものが 15 年前とでは大分変わってきていませんか。つまり、人工呼吸器を付けたまま帰っているような子供が増えているのではないかと思うのですが、そういう傾向は出ていますか。

○びわこ学園 もちろん出ています。基幹病院の小児医療保健センターでも、人工呼吸器などの統計をずっと出しているのですが、呼吸器だけでもやはり 5 倍、 6 倍ぐらいに増えています。ただ、 NIPPV などが増えているので、早期に呼吸器を導入してあげる傾向もあるとは言われていました。

○米山委員 ケアホームで見られる児者の方々の、今回の利用者の医療的ケアのニーズ度はどうだったのか。やはり職員配置とか、夜間も含めて医療的ケアが常時必要だと、今後いろいろイメージをしたときに、どういう方々がこういう形で利用できるのかというところをお聞きしたいのです。

○びわこ学園 現時点では、常時医療的ケアが必要な方はおられないのですが、体調に応じて喀痰などは喀痰研修を受けた職員を 2 人配置しています。今、看護師が常時いない所では、喀痰研修を受けた職員以外は喀痰ができないということでは、常に医療ケアが行える状態ではないので、今後、看護師などの配置が行えれば、もう少し医療的ケアがある方でも対応は可能だと思っています。ただ、今後のところではまだまだ訪問看護体制などと検討していかないと、どこまで医療ケアのある方に対応できているかというのは検討しているところです。

○米山委員 それと、先ほどのサービスといいますか、個別の支援計画という中では、医療と日常のケアとの合わせはすごく難しいと思うのです。利用者によるとは思うのですけれども、やはり計画の中ではその辺のニーズによって結構難しさがあるのですか。結局、夜などは訪看を入れるような形で、何とかそういう体制を作られていったと思うのです。今回のケアホームの体制では、現状のシステムの中では、そういう形をとらざるを得ないということですか。

○びわこ学園 はい。夜間に関しては緊急時に連絡をして、看護師に来ていただくということも何回かありましたが、常時対応できるという体制は、十分に整えられていない現状です。

○座長 ありがとうございます。次は、社会福祉法人愛徳福祉会さんからお願いします。

○愛徳福祉会 ( 社会福祉法人 )  事業の目的は、 NICU の長期入院児に対する後方支援システムの構築に焦点を当てました。それから NMCS( 新生児医療相互援助システム ) 28 病院と、大阪府の小児在宅医療協議会、その他療育施設と協力して検討することを目的としました。

 「地域現状と課題」です。前回も報告しましたように、大阪府のデータに基づき、大阪府では 7,916 名の重心児者がおられます。そのうち在宅しているのが 7,257 名、施設に入られているのが 659 名ということで 8 %に過ぎません。圧倒的多数が地域で暮らしておられ、その半数ぐらいが医療的ケアを必要だと言われております。

 そこで、まず私たちが力を入れた今回の事業、 1) 協議の場の設置、コーディネートする者の配置ということでショートステイに焦点を当てて、ショートステイ連絡協議会を立ち上げました。表 1 にそのメンバーがあります。その背景は何かというと、在宅で暮らしている重心児者の一番のニーズが、ショートステイであることが第 1 です。私たちの施設を利用してショートステイを利用し、出産したお母さんが 47 名もおられたことが第 2 点です。 3 番目は、 2013 年度から大阪市で病院ショートステイ事業が始まりましたので、是非そういう施設と一緒になって、これからショートステイをどうするかを協議したいという形で立ち上げました。

 今までに 3 回やっており、次のページに第 1 回目から第 3 回目の内容が書いてあり、その間にアンケートを行っております。これに参加していただいた 11 施設でアンケートをした結果、 3 ページの一番上にありますように、次子出産した利用者の人数が 71 名あることが分かりました。前回委員から宿題がありましたので調査をしたところ、 71 名でした。恐らく全国にすると、ものすごい数があるのではないかと思われます。

 それにより「効果があった点」は、毎回 80 名前後の病院・福祉関係者、行政関係者が集まり、ショートステイの現状と課題について検討でき、問題を共有することができました。療育施設と病院のショートステイ事業所が一緒に集まり、お互いの現状や限界についても話し合うことができました。その協議会を通じ、在宅障害児者を支援するショートステイの大切さが認識され、次年度からの大阪府の病院ショートステイの事業の予算化につながっているということです。

 「苦労をした点」は、単年度の事業であったため、医療型障害児入所施設又は大阪市の病院ショートステイ事業の発表が中心になり、他の多機能型や福祉型施設の中での医療的ケアに対応している施設の発表までにはつながりませんでした。時間的な制約もあり、会場での十分な意見を吸い上げることができなかったということです。

 「課題」としては、将来的には家族だけのレスパイトだけでなく、子供にとって楽しい快適なレスパイトにつながるような研究開発を必要とします。在宅レスパイトなど、利用者や家族が望む他のレスパイトケアの形も検討し、行政施策にも反映できるように検討することです。ショートステイの量的な受け皿の充実だけでなく、利用者・家族との信頼関係の上で質の向上の研究にもつながるような、ショートステイ連絡協議会の組織化と継続化につなげることが今回の結果です。

 それから、 2) 重症心身障害者や家族に対する支援です。 NMCS は、 2007 年には 6 か月以上の長期入院児が 115 名だったのが、 2011 年には 43 名まで減少しました。こうした協議会の動きの中で、だんだん減少しております。ところが家族は、在宅での生活実感や十分な地域の支援体制を受けずに、在宅移行をしているという現状があります。そこで、当センターでは「小児の在宅医療移行支援プログラム」を作成し、多職種で支えるプログラムにしました。昨年 12 月までに 15 病院 29 件の問合せがあり、 17 名の在宅移行プログラムの利用がありました。今は 11 名で、今年度中に 3 名が在宅移行の予定になっております。

 この「効果があった点」としては、ご家族の印象として、まず病院よりも生活のイメージがしやすくなった、生活の場面に合ったアドバイスをリハビリの先生から受けたことは、実生活の中でもすぐに役立つ、病院の中で過ごすのではなく「社会」の中で生きるために必要なことを学んだ、子とともに過ごすことでケアの練習もたくさんできるし、何よりも病院とは違った密接なスキンシップを取ることができた、こういう印象を頂いております。また、利用者の情報を当センターと病院で共有することにより、病院との連携がより近密になったということもあります。

 「苦労した点」は、現在の療育施設は 18 歳を超えた障害者が多く、当センターでは約 80 %で、最初は介護職員が小さな重症児への受入れに対して不安が非常に強かったとか、いろいろな問題がありました。

 「課題」としては、特に重症児が地域に移行した場合、在宅支援をする人材や環境が不十分な状態に置かれています。大阪府が作成した地域連携移行シートを利用して、直接連携につながるような支援を、他の関係機関と協力して行うことが必要であるとしました。

 それから、 3) 地域における支援の取組みには 2 点あります。まず、全体で「大阪小児在宅医療連携協議会」が立ち上がって、「大阪小児在宅医療を考える会」を年に 1 回開催し、ここでいろいろな検討がされております。それと、小児在宅生活支援地域連携シートです。私たちのセンターで支援を受けた 9 名をフォローアップしたところ、かかりつけ医やショートステイや訪問看護は比較的つながっていたのですが、 80 ページにありますように、一番つながらなかったのが相談支援事業です。これが 22 %で、我々が努力をしても相談支援事業にはなかなかつながらなかった。すなわち絶対数が少ないことと、単価も安く、参入する人が非常に少ないことがよく分かりました。

 今後はこうした高度な小児在宅医療を支援する人材が不足し、小児に対応できる地域のかかりつけ医・訪問診療医・訪問看護師・訪問リハ療法士が少なく、地域での在宅支援につながりにくいということと、医療的ケアに対応できる訪問ヘルパーなど、居宅(訪問)介護事業の育成が緊急の課題であるとしました。

 最後に、 4) 地域住民に対する啓発です。この事業が始まるまで、私たちの施設は地区自治会の人たちとの触れ合いが余りなかったのですけれども、これを機会に、地区自治会で行う「ふれあい喫茶」への当センター職員の参加とか、地区自治会の消防・防災訓練への積極的な参加を行いました。地域活動協議会主催の防災訓練にも職員が参加し、最終的に地域の方と当センターとで災害時の応援協定の協定書を今年 1 月に締結しました。そして次年度に予定している防災訓練に、地域の住民にも参加していただくことも計画しております。

 これを通して「効果があった点」は、地区自治会との交流が広がり、災害時に相互援助を行う応援協定書の締結につながったことです。

 「苦労をした点」は、事業として遅れたために地区自治会との交流が十分でなく、協定締結までとなり、合同防災訓練まではできなかったということです。また、花火大会などの当センターへのイベントの住民参加は、一部は来てくださるのですけれども、呼びかけるところまではいかなかったと思います。

 「課題」は次のページにありますように、重症児が地域へ移行した場合、在宅支援をする人材や環境が不十分な状態に置かれているということです。 81 ページですが、今後、当センターの利用者とともに行うイベントへの地域住民の参加促進、又はバザーなど合同開催の企画作成、オープンハウスや公開講演会を開いて、地域住民や他の住民の重症心身障害児者の現状や医療についての啓発、地域の通常学校の生徒たちと利用者たちの交流会の機会の提供。ボランティアの積極的参加による日常活動の活性化などを、今考えております。

 それから「追加資料」です。検討委員会のメンバーの先生方から頂いたコメントへの回答として、まず 1. 出産は先ほども言いましたように、ショートステイ連絡協議会では 71 名の出産の報告がありました。 2.NICUU から移行する際の両親の心理的ケアについては、臨床心理士が両親と面談した結果を下の文章に書いていますので、後で読んでいただければと思います。

3. 在宅生活連携シートについては、先ほど述べました。参考資料の 2 89 ページに、一部だけコピーしております。こういう所と連携するというのが大阪府で作られたもので、ほとんどを網羅している連携シートです。先ほども報告しましたように、相談支援事業が 22 %しかなかったことが一番大きな結果でした。

4. 療育施設におけるホスピタル・プレイ・スペシャリストの役割についてです。これは 91 ページの参考資料 3 「療育施設におけるホスピタル・プレイ・スペシャリストの役割」を、当センターのホスピタル・プレイ・スペシャリストに書いてもらいました。参考資料 4 には、「おうちで障害を持つ子どもの遊びの心を探ろう」ということで、訪問看護をやっている HPS iPad mini の使用の試みを報告しておりますので、それを参考資料として付けました。

 最後 5. に、これは田村委員だったと思うのですけれども、「療育施設におけるとくに医学生の全人医療教育の一幹としての研修受入れ」、 Early exposure についてです。これは医学研修ではなくて、医学生を対象に介護研修をやっていただいています。実際に介護に携わっていただいて、医学生たちに勉強だけしていただくのではなく、自分で経験をして医学に対して真剣に学んでいただく一環としてやらせていただきました。今回 2 回目をやりました。第 1 回目の受入れ報告を第 39 回の日本重症心身障害学会の学習会で報告させていただきました。抄録ですけれども、「医療型障害児施設における医学生の全人医療教育」という形で発表させていただきました。今、ショートステイ連絡協議会の記録集 3 回目をまとめているところです。

○座長 どうもありがとうございました。それでは、御質問がありましたらどうぞ。

○田中委員  79 ページの c 、「結果」の小児在宅生活支援地域連携シートの利用についてのくだりです。保健師の訪問が 5 名で 56 %となっておられます。私の印象としては、少ないというイメージを抱いたのです。現実的に相談支援事業員の数が非常に少なく、それを少し代替的に代われるのが保健師と言われている中で、少ないところについてはどのようなお考えですか。

○愛徳福祉会 私もこれを取ったときに、少ないなと思ったのです。実は NICU に関しては、必ず保健師に来ていただいているのです。小児病棟で長期になった子も引き受けていますので、その場合は保健師を通していないことが多いです。ですから多分、そのせいかと思います。大阪は一応、地域のコーディネーターとして保健師がやることが決まっていますので、連絡さえいけば必ず保健師に連絡が行っているのです。しかし、保健師なしでも進んでしまったということだと思います。

○田村 ( ) 委員  1 つコメントです。 78 ページでは、 2011 年には NICU の長期入院児が年々減っているということですが、これはデータが古いです。我々が去年の末に行った調査では、全国的には 2010 年の出生児から再び NICU の長期入院児が増えています。それと同時に、人工呼吸器を付けたまま退院する子は更に増えているので、全国的にはこの事業が必要だと思うのです。

○愛徳福祉会 そうですね。大阪府ではその翌年、 54 名ぐらいまでに増えています。

○田村 ( ) 委員 それが全国的傾向ですので、表現を確認していただきたい。

○愛徳福祉会 すみません。変更のところまでしか書いていませんでした。

○田村 ( ) 委員 私の質問は、先生はいろいろうまくいったけれども、相談支援事業の連携がうまくいかなかったとおっしゃったと思うのです。それはどういう内容のことなのでしょうか。

○愛徳福祉会 相談支援事業というのは、医療的ケアが必要な人たちの相談支援ができる人が少ないということです。数はあるのですけれども、なかなか手を挙げてくれないということと、まだ今のところ、我々も絶対に相談支援事業を通さないと福祉サービスが受けられないという状況ではありませんので、そこを通っているとは限らないということです。まだ目に見えないということだと思います。

○田村 ( ) 委員 分かりました。

○福岡委員 今気になった点です。確かサービス等利用計画を作る相談支援専門員の配置というのは、全国でも本当に格差が激しいのです。数字が間違っていれば訂正をお願いしたいのですが、大阪府は確か 14 %で全国 47 位だったような気がします。そこから見ると、これは体制整備をする市町村の責任ですから、今は重心の方に対する専門性と言うより相談支援専門員の数自体、その体制が決定的に不足しているという表現をしていただいたほうがいいように思います。

○愛徳福祉会 そうですね。

○座長 次に、社会福祉法人の三篠会さんからお願いします。

○三篠会 ( 社会福祉法人 )  おはようございます。社会福祉法人三篠会重症児・者福祉医療施設鈴が峰です。資料の 103 ページからとなります。鈴が峰の地域生活モデル事業では、重症児者の実態調査を中心に取り組んでまいりました。協議会の立上げ、アンケート調査、巡回療育相談、介護教室、講演会などを通して、重症児者の実態を今回知ることができたかと思います。

 鈴が峰は、人口 118 万人の政令指定都市の広島市内で唯一の重症児者の施設です。 3. モデル事業の取組として、重症児者地域生活支援協議会を立ち上げておりました。協議会においては、特に地域で生活する医療的ケアが必要な超重症児者の支援体制の在り方を協議することを目的としました。各病院における地域移行の具体例や訪問診療、訪問看護等のケース事例を基に現在の社会資源の共有と評価を行い、当事者や家族ニーズに応じた必要な支援体制に対する地域課題を整理しました。

 委員の構成は、重症児者を地域で支えることを考え、当事者家族、市内の基幹病院の医師・医療ソーシャルワーカー、特別支援学校、福祉サービス事業所などの各職種から 8 区ある広い市内に偏りがないように人選を配慮しました。第 2 回、第 3 回は小児科医会の会長や保健師、在宅当事者家族を委員として召集しました。 10 月に第 1 回を開催しました。 2 か月に 1 度のペースで開催し、地域で生活するために重症児者が抱える課題を探りました。

 主な課題としては、レスパイトの問題、医療ケアが必要なために短期入所できる施設が少ない。緊急時に利用できるレスパイト先がない。呼吸器などを付けた超重症児者がレスパイトできる福祉施設が市内にはないというところです。そういったところから病院が行うメディカルレスパイトを望む声が上がっております。

 訪問診療、ちょっとしたことでも診てもらえるかかりつけの先生が、地域の医療が先生を見付けることができないなど、どのようにしたらいいのかといところもあります。また、広い広島市内ではあるのですが、地域差があるということでした。それと超重症児のヘルパーの支給量が不足しているという声も上がっておりました。

 医療的ケアを提供できる居宅介護、ヘルパーの不足、特定の痰吸引なども少ないのですが、不特定の場合にも更にヘルパーが少ない。これに対して研修時間数も多く費用も多額ということで、県や市に補助等を望む声も出ておりました。

 それと母親の孤立を防ぐということで、当事者の家族のつながりが非常に弱くなってきているのではないかという声も上がっております。当事者のお母さん方の話を聞く中では、そのつながりとして、孤立しないようにフェースブックなども利用しているという当事者の母親の意見もありました。あとは母親の孤立を防ぐということで、行政窓口に行っても必要なサービスにマッチングできていないという意見もあります。

 「効果があった点」は、重症児者に焦点を当てた協議会が今までなかったために、医療、福祉、教育の関係者が集まる機会がなかったので、参加する委員は意欲的に協議会に参加していただき、各分野で抱える問題を共有できました。基幹病院の医療ソーシャルワーカーや福祉サービス事業所の管理者、子ども療育センターの指導員など、現場レベルの人に多く参加してもらえたので、具体的な問題点を挙げることができました。

 「苦労した点、うまくいかなかった点」については、医療と福祉の課題は多く取り上げることができましたが、教育分野については、関連分野まで含めた話合いが余り至りませんでした。

 「課題」は十分抽出できたと思いますが、具体的な解決策を検討するまでには至りませんでした。これについては、そのまま終わってしまうのはもったいないということで、来年度は広島市と共同して任意の協議会を立ち上げる予定です。来年度以降には課題解決の施策を検討していく予定です。

 続きまして、 2) 重症心身障害児者や家族に対する支援です。背景については、広島市内の在宅で生活している重症児者のニーズ・実態は把握し切れていないということで、必要な支援体制を構築するための資料を作成するために実態調査と巡回療育相談を実施する必要がありました。母親などの介護支援の一環として介護教室を開催し、市内唯一の重症児者福祉医療施設の専門職が講師となり、医療・介護などの知識や技術の伝達と情報提供を行いました。

 実施内容ですが、在宅の重症児者、重症心身障害児者に関する実態アンケート調査を行いました。こちらについては広島市と共同で調査票を作成しました。鈴が峰の外来受診者、サービス利用者と広島市の公設デイサービス利用者、広島県立及び広島市立の特別支援学校の生徒、広島市内の重症児者の保護者を対象に実態調査を行い、 130 件の回答を得ることができました。実態調査から見えてきた課題を書いていますが、特に言えることは、圧倒的にお母さん方への介護負担等が集中している。これは協議会の中でも出た内容でもあります。

 巡回療育相談も実施しました。実態調査に回答していただいた保護者の中で、巡回療育相談の希望者は 33 名ありました。当事者家族の自宅を訪問して、相談員が自宅で生活や困りことなど伺ってきました。相談員だけではなく、必要に応じて看護師や理学療法などの専門職と一緒に訪問し、相談を受けたこともあります。利用しているサービス、困りことやサービスの希望、ほかのお母さん方とのネットワーク、将来のことを中心に聞きました。

 巡回療育相談については希望は 33 名あったのですが、実際に訪問できているのは、体調不良等で延期延期で、現時点でも 14 件となっています。 1 件当たりの相談時間は 1 2 時間となっています。お母さん方も話を聞いてもらいたいという期待も非常に多く、結構時間が掛かってしまった家もあります。

 家族介護教室を実施しました。実態調査に回答した保護者の中で希望者に教室案内を送付して、受講者を募りました。受講中は希望があれば子供を施設で預かり、教室に参加しやすいように配慮しました。また保護者が忙しいことを考慮して、講義を選択して受講できるようにしました。内容は理学療法士の講義が 1 つ、看護師の看護についての話が 1 つ、嚥下等を中心に言語聴覚士の話とか、栄養について管理栄養士の話ということで、各回 10 名程度のお母さん方に参加していただいております。

 お母さん方が参加していることについては、こういった教室は今まではなかったということもあるのですが、非常に勉強にもなったということと、併せてお母さん方の交流する場がないということで、こういった家族介護教室は是非続けてもらいたいということでした。

3) 地域における支援の取組ですが、背景として、社会資源として重症児者への在宅サービスに対応できる事業者がどのぐらいあるのかという実態が不明でした。また、当事者家族からも、どこの事業所に連絡をすればサービスを受け入れてもらえるのかという戸惑いも多くありました。サービス事業所に幅広く重症児者を理解してもらい、重症児者に対応できる事業所を増やし、支援する上で必要なネットワークを拡充していくことを目的に、事業所アンケートと事業者教室も開催しました。

 広島市内では重症児者の計画相談支援が余り進んでおりません。広島市から話を聞くと、現時点では 2 3 割程度だそうです。重症児者とその家族のニーズを適切に理解し、計画相談の推進を図るとともに、相談支援事業所間のネットワークを構築するために、相談支援専門員の教室を開催しました。

 実施内容については、重症児者の支援に関する調査ということで、事業所アンケートをやっております。結果については、相談支援事業所については送付数は 27 件で、回答数が 19 件、実際にしている所が 5 件です。これは夏頃のアンケートなので増えているのではないかと思います。訪問看護についても、全市内にある事業 88 件で、サービスを提供している所は僅か 15 件。居宅介護も送付したのが 266 件ありますが、サービスを提供している事業所は 37 件で、その中で医療ケアを提供できる所は僅か 7 件です。

 事業者教室については、平成 25 11 29 日に第 1 回を行い、第 3 回は相談支援専門員のほうになるので、第 2 回、第 4 回という形にはなっていますが、主にヘルパーを中心に教室を開きました。第 3 回は相談支援専門員 10 名を対象に行っております。こちらは講師についても、実際に在宅のお母さんをお招きしてお話を聞かせていただきました。重症児者をより良く知ってもらうということで、アセスメント等も取らせていただいております。それと実際に相談支援専門員も顔を合わせて話をする機会もなかったということで、非常にいい研修になったのではないかと考えております。

4) に地域住民に対する啓発です。背景は、保護者アンケートからも、重度の人が外出してもジロジロ見られたくないぐらいに普通になってほしいとか、他人と触れ合う機会を増やしてほしい。外出が大好きなので行きやすい遊び場や散歩場所ができてほしい。障害者は障害者、介護者という世界でしか活動ができておらず、健常者と交わることができないなどの意見もありました。これについては地域住民への啓発活動は不可欠ということで、専門家から当事者家族に話を聞く機会を設け、地域住民の中で重症児者の理解を深めてもらうということで、「重症児者地域生活支援講演会」を 1 28 日に行っております。

 内容は啓発研修ということで、ベルベさかいの児玉先生にお話していただいたり、広島市の自立支援課長にお話していただいたり、シンポジウムということで 3 人のお母さん方、未就学児・就学児・成人のお母さん方に実際にお話を聞かせていただいて、いろいろな課題、困っていることもお話していただき、非常に成果があった内容かと思われます。

5. 今後の展開についてですが、今回、取り組んだ生活モデル事業は今年度限りで終わってしまっては意味のないものになってしまいますので、地域生活支援協議会を広島市と共同で行います。巡回療育相談も相談支援事業所などと協力し、引き続き訪問相談を行います。あとは事業者教室、相談支援事業所と居宅介護事業所・訪問看護事業所のネットワークを作る非常に有用なツールということが分かりましたので、実施していきます。家族教室については単に知識や技術を提供するだけではなく、お母さん方のつながりという意味でも非常に大切だということなので、こちらについても継続していく。講演会についても来年度も是非行っていこうかと思います。あとは協議会でも話があったのですが、お母さん方が孤立しないようなもの、巡回療育相談やお母さん方が集まれる機会を来年度は提供できたらいいかと考えています。以上です。

○座長 御質問等があればお願いします。

○福岡委員 このモデル事業は焦点が何なのか分からなくて、勘違いしたことを聞いているかもしれませんが、 103 ページの目的では「相談支援事業所によるサービス等利用計画の作成を促進させ、個々に応じた相談支援体制を充実させること」が目的となっているので、もしそうだとすれば、当然モデル事業の実施主体が、重症心身障害者のサービス等利用計画を促進するための基幹型センターの役割をどう果たすかという取組になって当然だと思ったのですが、実施されていることは 117 ページにあるいわゆる勉強会というか計画相談説明会、あとはアンケート調査はあって、さてさてと思ったのです。

 普通ですと、基幹型相談センター的な役割で、本当に重心の方たちに対してサービス等利用客の計画を促進するのだと考えれば、例えば広島市内の行政と一体になって、どのような方たちが、どのように障害……が切れるのか、どの段階でサービス等利用計画を作成を必要としているのかということをベースにしながら、進捗管理のような提案をし、その中でサービス等利用計画に対して、重心の方に対する作成の専門性というところで、悩ましい場合に作成のモデルを示すとか、そういうワーキングをするみたいな中で促進と体制だと思うのです。そもそものスタートとして、私は 2 回目は出ていなかったので、今更こんなことは申し訳ないのですが、この目的にかなうための取組として私が見落としているところがあるのかどうかです。

○三篠会 実際に広島市と共同してということであれば、先ほどの先生のお話には全然まだ達していないと思いますが、公設デイサービスの保護者会に向けての説明会とか、そういったことにはなるのです。

○中川委員 説明の最初に教育との問題ということを発言されて、特別支援学校も少し述べられて、唯一その辺り発言されたと思いますが、具体的に特別支援学校と教育でどういう問題があるかというデータを何かお持ちですか。

○三篠会 今回、教育現場の先生にも出てもらったというのが、在宅の重症児者を支える機関の 1 つとして、もちろん在宅で生活されている学齢児も多くいらっしゃるものですから、学校側として地域の事業所等々とどのように連携をしていけるかを模索するために、教育現場の方に参加していただいたということがありますので、教育の立場からのデータは今回は取ってはおりません。

○中川委員 教育を受ける教育の現場での福祉的な、あるいは医療的な問題というのは必ずあるわけですが、そういった点はいかがですか。

○三篠会 今回、協議会に参加していただいた学校については、かなり医療ケアが必要な児童・生徒も通学できて、看護師の体制をかなりとっているところでしたので、市立の特別支援学校だったのですが、学校での医療ケアはできた、では地域に帰った後に学校側と地域で医療が必要な方の生活をどのように支えていくか、というところまで突き詰めることができなかったということです。

○座長 それでは、最後にまいりたいと思います。最後に社会福祉法人旭川荘からお願いします。

○旭川荘 ( 社会福祉法人 )  それでは、南愛媛療育センターの発表をいたします。 159 ページからとなりますが、本日別紙で 2 枚紙をお渡ししましたので、そちらを使って説明したいと思います。

 まず、 179 180 ページを見ますと、南愛媛療育センターは、愛媛県南部、南予地域と呼ばれる鬼北町にあります。この南予地域ですが、過疎・高齢化の進む典型的な中山間地域となっております。その平均高齢化率は 34.1 %です。地形は平野部が少なく大半が山間部、海岸線もリアス式海岸となっており複雑な地形をしております。そのため、決して道路事情は良いとは言えない所です。面積はおおよそ東京都よりも一周り大きなサイズとなっております。東京都の場合は、 2,500 3,000 人の重症心身障害児者が在宅生活を送っているだろうと言われていますが、南予においては、東京都よりも一周り大きな面積の中で周辺部も含めて、約 50 名が点在するような形で在宅生活を送っています。この南予では、重症心身障害児者を主な対象とする施設は 2 つのみとなっています。 1 つは、通園サービスのみの所、もう 1 つが当センターとなっております。

 当センターは、入所の施設、ショートステイ、相談支援事業所、そして通園サービスを行っております。この通園サービスですが、巡回型通園として愛南町と八幡浜市に週 1 回ずつ、それぞれ訪れております。

 このようなアクセスの問題を抱えており施設も少ない所ですので、地域の在宅生活者は、重症児者を主な対象とする施設だけではなくて、地域にある障害者施設を頼りとし、地域にある障害施設もできる限りそれに応えようとしているのが現状です。このような中山間地域において、どのような在宅支援を行えば重症児者とその家族の QOL の向上が図れるのか、財政基盤の小さな自治体の中での取組を考えてみました。

 別紙の 1 枚目と 195 ページを御覧ください。今回、当センターではモデル事業で全部で 15 の取組を実施しました。その中で次の 2 点を重点的に行いました。 1 つは実態調査です。重症児者とその家族の現在の生活状況、あるいは現在抱えているニーズの把握とか課題の把握に努めました。というのは、この実態調査で現状やニーズを把握することこそ、今後の在宅支援についての基礎となり、土台になると考えたからです。

2 つ目が相談支援事業所です。障害者総合支援法に代わり、今後大きな役割を基待されているのが相談支援事業所ではないかと思います。南予地域には、当センターの相談支援事業所をはじめ、全部で 21 か所の相談支援事業所があります。この 21 か所の相談支援事業所が重症児者に関する相談に乗ることができれば、つまり、身近な地域にある相談支援事業所で相談ができる体制が作れないかという実態調査と、この相談支援事業所を重点的に実施しました。

 具体的に取組を幾つか説明します。 162 ページを見ますと、まず協議会です。今回、愛媛県の障害福祉課をはじめ、重症児者の医療機関、福祉機関、南予の行政機関、守る会、社協等、少し幅広く声を掛け連絡協議会として開催しました。そしてモデル事業への意見を求めると同時に協力を要請し、連携を図るようにしました。そして、協議会の中で実態調査を行い、 38 名から回答を頂きました。 196 204 ページがその回答です。

 その中で 1 つ述べさせていただくと、愛媛の南予地域においては、主たる介護者 ( ほとんどが母親 ) が健康であり、本人の状態が安定しているならば、サービスを利用しながら、家族の協力を得ながら在宅生活を続けていきたいと考えている方がほとんどでした。都市部の場合は、入所したくてもベッドが空いていないから、やむを得ず在宅生活を送っている方もいらっしゃると思いますが、南予地域の場合は子供と一緒にいたいという思いから、在宅生活を続けていきたい。そのためにはサービスの充実を図ってほしい。あるいは地域の人々に子供のことをもっとよく知ってもらいたいという要望を持っていることが分かりました。それ以外にもいろいろ分かったことがありますが、飛ばさせていただきます。

 続いて 186 192 ページは、相談支援事業所のアンケートの結果を載せています。愛媛県下には 80 か所の相談支援事業所があります。今回、県の障害福祉課の協力を得て、この 80 か所に重症児者に関するアンケートを実施しました。 65 か所から回答を得たのですが、その中で半数近くが、これまでに重症心身障害児者に関する相談を受けたことがあることが分かりました。また、ない所もその多くが、もしあれば受ける、取り組んでいく意向があることか分かりました。ただ、ない所に関しては、重症心身障害児者に関する知識を身に付けなければならないと思っていることが分かりました。

 また、相談を受けた事業所とかサービス等利用計画書も立てた所で、苦労したこと、困っていること、現在の課題を挙げてもらったところ、 1 つは知識や技術の向上。それ以外に医療、福祉あるいは教育の連携。そしてサービス資源の不足、サービスがないがために計画が立てられないとか、家族の要望に沿えないということが書かれていました。また相談を受けていく中で、家族支援の必要性を強く感じたことが述べられています。また地域の連携、地域の中での理解が必要ではないかということが書かれていました。

 アンケートの実施後、当センターで重症心身障害児者セミナーを開催しました。南予を中心に、県下の相談支援事業所、訪問看護ステーションあるいはサービス事業所に参加していただき、 2 つの講義を実施しました。 1 つは、重症心身障害児者の定義から歴史、そして現状までを解説する講義。もう 1 つが、サービス利用計画書から見る重症児者の生活という講義を行いました。参加者は日常的に重症児者に関わっている方から、これまで重症児者に関わったことのない相談員まで参加していただき、それぞれに理解を深めてもらうと同時に、再確認をしていただき、意見交換などを行ってもらいました。

 それ以外に実施した内容として、本人と家族の支援として療育キャンプを開催しております。家族交流を目的として実施しましたが、これを実施することによりセンター側も家族支援の必要性を改めて感じております。また、巡回相談を愛南町と八幡浜市の 2 か所で療育相談として開催しました。当センターには、これまで関わりのなかった人にも参加していただき、いろいろな話を聞かせていただきました。これが 1 つのアウトリーチの方法になったのではないかと思っております。

 地域における支援として、摂食研修を行いました。特別支援学校に、当センターから作業療法士、言語聴覚士、看護師などを派遣し、それぞれの立場から摂食についての講義を行ってもらうと同時に、実技指導を行ってもらいました。

 地域住民に対する啓発としては、地域セミナーを開催しております。今回は震災と障害者をテーマに講演会とパネルディスカッションを実施し、約 350 名に参加してもらっております。また、重症児者に関する『普通に生きる』という映画の上映会を実施し、約 60 名に参加してもらっております。

 この 2 つのセミナーと映画会で、地域の住民に対して重症心身障害者を知ってもらうきっかけにはなったのではないかと思っております。またセミナー、映画会には障害を持つ家族も来られて、エンパワーメントの引き出しができたのではないかと思います。そして、相談支援事業の方、サービス提供機関の方にも来てもらいましたので、重症児者に対する関心を高めるきっかけになったのではないかと思っております。

 別紙の 2 枚目です。モデル事業を通じて 15 の取組を実施してきたわけですが、それらを通じていろいろなことが見えてきました。在宅生活における課題として先ほども少し述べましたが、医療ケアの課題、医療・福祉・教育の連携の課題、資源開発・サービスの充実の課題、家族支援の課題、地域内の理解、地域の連携などの課題など、本人や家族が安心して暮らしていくためには、様々な分野における課題があるということが分かりました。これを相談支援専門員や地域生活コーディネーターが 1 人では解決することは不可能です。ただし、中山間地域で人材不足の中にも、地域には様々な技術や経験を持った専門家がいらっしゃいます。この人たちとの連携が今後必要ではないかと思われます。

 その連携も横の連携と縦の連携があります。 1 つは自立支援協議会とか南予の 21 か所の相談支援事業所が集まる連絡会がありますが、今回この中で重症心身障害者のモデル事業の説明とか実施状況等を説明することによって、重症児者の課題を共有していただいています。今後これを継続することができれば、何らかの課題解決につながっていくのではないかと思います。

 そして縦の連携ですが、今回協議会で行政、医療、福祉施設、社会福祉法人、 NPO 法人等、違う立場の人に参加していただいて、重症児者の課題の共有をしていただきました。例えば、療育キャンプの開催のときには社協を通じて大学のゼミの先生を紹介していただき、ボランティアに来ていただきました。また、実態調査では、守る会の方から同じく大学教授を紹介していただき、アドバイスや分析の協力を頂きました。そして、当センターと関わりのない人たちと様々な機関の人がつなぎ役となっていただきました。セミナーでは、社会福祉協議会と共催し、また行政機関に広報やホームページで宣伝をしていただきました。このように違う立場の方々と連携し、協働することによって課題の解決は図られてくるのではないかと思われます。

 最後に、モデル事業を通じて重症心身障害児者と家族が欲するもの、あるいは相談支援事業所やサービス提供機関が欲するものというのは、南愛媛療育センターにそれらの資源の多くが既にあることが分かりました。その資源とは、人であり物であり、ことです。

 南愛媛療育センターは、南予地域に来て 10 年という月日が経ちますが、その 10 年間で養ってきた経験が、今、地域の施設や人々が求めていることが分かりました。今後それらをいかにセンター側から地域へ開放していくのかが問われているのではないかと思われました。

 あと南予地域で感じたのは、中山間地域ですので、まだ地域のつながりが残っている所もあります。今後、この地域のつながりを活かしたインフォーマルな支援などを充実させていけば、より良い生活につながっていくのではないかと思われます。以上で南愛媛療育センターの発表を終わります。ありがとうございました。

○座長 どうもありがとうございました。御質問があればお願いします。

○田村 ( ) 委員 主な事業の 1 つに相談支援事業所を取り上げておられて、お配りいただいた追加の資料の 2 枚目の「重症心身障害児者の在宅支援イメージ」にも相談支援専門員を書いていますが、この図にあるとおり、現状では多くの相談支援専門員が福祉についてはいろいろ詳しいが、今どんどん増えていてなかなか重心施設にレスパイト入院させてもらえないような、人工呼吸器を付けている高度な医療ケアを必要とするような患者の御家族に対しては、十分ケアマネージメントできていないと思いますが、それはどのようにして解決するという方向でお考えなのでしょうか?

○旭川荘 御質問ありがとうございます。まず、私どもが目指したのが、愛媛県という、こういう広い地域で在宅で点在して生活しておられますので、地元で一番利用しやすい形で、身近なサービスとして相談支援事業所に窓口になっていただくということを考えました。

 田村先生が御指摘のとおり、確かにレスピレーターを付けたまま在宅生活をする方々は、医療的なケアも含めて、非常に対応が難しい専門的な知識が必要とされるわけです。こういう方々だから、うちの相談支援事業所では手に負えませんということではなくて、そうしたら、まずお話を聞きましょうと。どうもこれは難しそうだから、その地域地域の、南予でしたら私どもの南愛媛療育センターになるのですが、そこに少し相談をして、こういう問題を抱えているようだから、レスパイトの制度については、こういうことが利用できる。社会的な資源が乏しいということもあるのですが、ひょっとしたら近くの地域の高齢者の施設でも受けていただけるかも分からないということを、その地域の情報に関しては相談支援事業所が持っていますので、活用の可能性を少しずつ開いていく。その窓口として相談支援事業所に受けていただけないかということを、今、模索している状態です。

 先生が御指摘のように、少し系統的にそういうレベルアップというかスキルを向上させることも必要になってくるかと思います。もちろん相談支援事業所は重症児者ばかりではなくて、地域の障害者に対応しておられ、その中に私どもがどのように入っていくか。重症児者に対する認識をどのように深めていただくかということに取り掛かった状態ということが言えるかと思います。

○福岡委員 たびたびで恐縮です。今回のこの目的でいきますと、いわゆる点在する中山間地域で、どのような支援と援助かというところで、モデル事業の目指したポイントとしては、 1 つは身近な相談体制と 24 時間で、もう 1 つがアクセス、もう 1 つは普及・啓発がポイントなのだろうと思って見ていたのです。現実的な事業としては、1の実態調査の域なのだろうと思ったのです。

 実際にこれで見られる形は、こういった所ではどのような手法とか工夫があれば実現するのだということを興味を持って読むわけです。 24 時間相談体制の要綱を作られたと書いてありますが、要綱というのは作るのは簡単ですが、それをいかに実施し、どのようにつなげるかの手法のほうが興味があります。要綱作成に基づいて次の展開がこの中で余り見えてこないので、その辺についてはどうなのか、実績などを含めてお聞きしたいのです。

○旭川荘 おっしゃるとおりです。まず、こういう窓口を作ったということを周知徹底する必要があるわけです。せっかく 24 時間体制を築いても、アクセスしていただけなければ意味がありません。まず、当センターの利用者を対象に、実情をよく存じ上げている方々を対象に、 24 時間対応をスタートさせました。これをもっと普遍的に広げていかなければいけないわけですが、それに対しては、まだ私どもも十分なスタッフの数とか、まず相談を受けた場合にその方のプロフィールをどこまで把握しているかという問題があります。

 まずこういうことをやりますということを宣言して、実態調査も少し進めたわけですので、これを困ったときに、例えばこういう症状が出て、今すぐショートを利用したいのだけれども、どうしたらいいだろうかといったことにつなげていく。当センターの利用者については、そういう相談は日常受けているわけですが、関わりのない方々についてもそういうことが機敏に対応できるようにしていかなければいけません。これはまだできているとは言えず、今後の課題です。

○座長 ありがとうございます。それでは、よろしいですか。いろいろ御質問があるかとは思いますが、もう 1 クール皆さんのアドバイスを頂くことになっておりますので、よろしくお願いします。それでは、今から後半に行くために休憩を取りたいと思います。 35 分から再開をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

                                      ( 休憩 )

○座長 では、後半に移りたいと思います。各団体の御説明を受けて、委員の皆様からアドバイスやコメントを頂きたいと思っています。 1 団体 4 5 分ということで、検討したいこともあるので、手短にポイントだけでいいですので、長々となりそうなのでよろしくお願いします。

 最初に、北海道療育園の報告書案についてのコメント、アドバイスをお願いします。

○中川委員 非常に詳しく書かれていて、よく出来ていると思うのです。 1 つ気になるというか、 IT 利用、いわゆるパソコンとか iPad とかいろいろ利用したとき、これは非常に効果はあると思うのですが、将来的なことを考えると、例えば、少し述べられたのですが、医療従事者が拘束されるという問題点があると思うのです。これを本当に進めようと思ったら、今、医療の分野では待機だけでも、要するに待機料を出せとかを言われている時代なので、割と、医療従事者の拘束は将来的にどうするかという問題は広がってくると必ず出てくると思うのです。

 例えば、小児医療だと電話相談だとか、成人も最近電話相談というのをやっていますが、何かそういう方向に進めるのか、そういうのがまた可能なのかとか。あるいは医療従事者の拘束をどうするのかというふうな、ちょっとその辺りを書き加えてくれたら少し現実味を帯びると思うのです。

○座長 何かお考えはありますか。何かありましたら先に。 

○北海道療育園 全くないです。

○座長 まだまだ早い。

○北海道療育園 はい。小児科の電話相談では、 1 件当たり数千円というようなことを昔していたことがありますので、ちょっと参考にしたいと思います。

○座長 今のところそれをどう報酬を付けるとか、全然そこまで行かなくて、こういうことを利用してというところまでで、これの使い方については今後の課題かもしれません。

○福岡委員 すみません。私、いろいろ生意気なことを喋っていて申し訳ないと思っています。半年間の中でどれだけできるのかというのはそもそも論なので、それを踏まえてですが、北海道療育園さんはもう 2 年目なので、そういう意味ではとても進化したのだと思うのですが、できれば加えてほしいこととして、北海道のような点在地域の場合には、固有名詞として必要な何々さんを真ん中に重心協議会等をベースにして、いわゆる何というか、資源と再資源化を図ることが最も有効だみたいな 1 つのモデルを出してほしいと思うのです。

A さんに関しては、どこどこ社協の次長さんと、どこどこ病院の市長さんに入ってもらいつつ、重心協議会の中で、どうする、どうしてやることが資源化につながっていくのだというようなことがここに書いてあるように思うのです。そういう意味では、できれば、実は協議会のところに、もう最初からショートステイを受けていただけそうな近くの病院の師長さんとか、あるいは、高齢のデイサービスの入浴の機械浴等を応援してくれるような、社協ベースでいいですから、そういう社協の事業所も入ってもらうみたいなところもあればよかったのではないか、みたいなことも加えていただければうれとしいと思うのです。

○座長 多分、具体的な手続、事例を通して手続上のことを、よく方法論を書いてもらうとそれが普遍化できるということなので、ああ、こういうふうにすればいいのかなという、その辺を少し意識して書いていただきたいと思います。

○田村 ( ) 委員 これは北海道だけの問題ではなくて、ほかの事業所からもいろいろ出ていましたが、今の短期入所が、特に今回問題になっているような、 NICU 上がりで人工呼吸器を付けているような重い在宅乳幼児を助けるための短期入所が、今の報酬では非常に不十分で、結局は市町村若しくは県の補助金をあてにしなければいけない。これがほかの事業所でも共通しているということは、国として考えるべきだということを、そういう問題を抱えている所が是非明記していただきたいと私は思います。

○座長 ほとんどの団体、特に大阪はショートステイということもあったので、書くところがある所についてはお願いします。あとはよろしいですか、アドバイスをどうぞ。

○米山委員 今のことに関係してでよろしいですか。

○座長 どうぞ。

○米山委員 大阪のほうだと病院ショートステイという方と、広島のほうがメディカルレスパイトでしたか、そういう言葉を使っていて。今、医療のほうだと、やはりレスパイトとか、ショートステイあるいは短期入所を使うと、もう福祉という扱いでレセプトとかに引っかかるという面、そういう名前が入っているともう駄目という話になっているのです。もう一方で、先ほどのアンケートで、障害だけれども病気ではないので入院を扱わないという 2 件の病院のアンケートの結果があったと思うのです。

 そういうことで、呼吸器を付けている方が、病気、要は医療で入院できないか、できるかとか、そういうところがすごく大きな課題として、病院レスパイトなりを使うときに当たっては、病院の意識として、これは診療報酬に請求できるのだというところのコンセンサスがなかなかなくて。ですから、そういう意味では、やはり是非ともそこは、そういう一般病院を使わないとやっていけないと思うので、その課題は大きく、大きくと言いますか、しっかり書いていただくことが必要だと思います。

○座長 実状からのことについては、きちんと提案等をしていただければと思いますので、よろしく。あと、北海道療育園さんに対してあればどうぞ。

○松葉佐委員  ICT を用いた遠隔診療については、もう診療報酬を提案する時期にあるのではないかと。先進地域として、それを提案なさったらいいのではないかと思います。そうでないとなかなか定着しないと感じています。

○座長 ありがとうございます。では、次にいきたいと思います。次は、びわこ学園さんに対する報告書案を含めて、コメントやアドバイスをお願いします。

○福岡委員 私、 2 年間やらせていただいて、このモデル事業の目的は、重症心身障害者の方たちのケアマネージャーなのかコーディネーターなのか、それを、やはり汎化していっていただきたいことのモデル事業だと思っていて。そういう意味では、びわこ学園さんのほうでやられている、いわゆる重症心身障害者ケアマネという表現でしたが、そういうものが必要であることと、そのときに看護師さんと言っていましたが、どのような立場のどのようなつながりのもてる人が、どのような所属の中で、どのような役割と業務を果たすことが効果的かみたいなことを、ちょっとお手数ですが、やはり示していただくことが大事だと思うので、御苦労ですがお願いしたいと思います。

○座長 重心ケアマネをこれからどのように作っていくかの基本になるところですので、実践から得られたことをできるだけたくさん書いていただき、まとめていただければと思います。

○中川委員 よろしいですか。先ほど質問が既にニシだったのですが、 50 ページの所で、重症児者数というグラフを出されているのですが、これは、滋賀県がこういう詳しいデータを長年にわたって取っているのは理解した上での話なのですが、どの県でもデータを出すとこういう形になると思うのです。ただ、周産期とか小児医療をしている医者というか医療従事者からくる意見は、では、自分たちが今までやってきたのは何だったのかと言ったらおかしいのですが、間違っているのかとか、悪かったのかとかいうふうな発言をされる人が出てくるのです。

 要するに、 10 年間で重症児者がこれだけ 1.5 倍も増えるというのは何なのだという議論が出てくるので、これは原因がはっきり分かっているわけですから。登録していなかった人がしてきたのはもちろん一方ではあるのですが、いろいろな形でこういう形で増えてきているというのは少し加筆して、医療従事者に誤解を与えないような形で少し文章を足していただけたらと思います。よろしくお願いします。

○座長 その他についてはいかがですか。

○田村 ( ) 委員  1 つのポイントは、こういう NICU 上がりのような重症な患者さんに関しては、やはり今の相談支援専門員の方だけでは、福祉はよく分かっているけれど、そういう高度な医療とか病院との関係は乏しいという弱点があります。そこで、重心のケアマネ的な役割を看護師さんと相談支援専門員の方がセットでするのがよいのではにでしょうか?。やはりどちらかだけでは私はかなり偏ったことしか、一部の患者さんしかカバーできないと思うので、セットで対応することも大事だということを是非強調していただければと思います。

 それから、もう 1 つはそれとも関わるのですが、いろいろな取組の中で医師会との連携というのが出てきますが、やはりこれは非常に大事です。医師会も相手は小児科医師だけではなくて、在宅医療支援診療所で大人を普段診ているような方にも診てもらわないと間に合いません。正直言って、今の小児科の開業の先生方は、今ワクチンバブルでそれだけで忙しくて、とても 2 時間、 3 時間かけて在宅医療児を訪問してくれるような方は非常に少ないですから。そういう医師会との連携ということも是非、中で述べていますが、強調していただければよろしいのではないかと思います。

○座長 重心ケアマネのセットの話は、むしろもう少し拡大すると北海道療育園さんの協議会などにおいてという、そちらのほうにまで行くわけですので、その辺も含めてあると思います。あと、多分、ケアホームについては、もう少し生々しく人材をきちんと配置するとか。特に保健師さんのことだとか、いろいろ課題はあると思うのですが、さっと書かれているので、もう少し生々しく、これがあれば実現できると。やはり、この今の単価ということにおいては不可能だということをもう少し証明していただいて、このようにすればできるということまで含めてあるといいかと思います。

○中川委員 これは、余り言わないでおこうかと思ったのですが、実際に 9 名に対して 12.6 名必要だということとか、夜勤が 9 名に対して 2 名必要だと、実際これだけ必要なのでしょうが。例えば、経営的とか、お金のバランスからいうと、これは小児入院医療管理料という、小児で一番重症な病棟はどういう体制で診ているかというと、 9 人に対して看護師 1 人なのです。それから、 NICU 3 名に 1 人なのです。 ICU 2 人に 1 人とか、 HCU 4 人に確か 1 人だったと思います。それぐらいのバランスで医療をやっている中で、ケアホームが、もちろん職種は違うのですが、 9 名に対して 2 名をずっと置くというのは、本当にどういう理由で必要かというのと、もう 1 つは、恐らくパート主体だから今もっているのでしょうが、将来的には必ず質の問題がくると思うので、そういうところも兼ねて多分問題点は将来必ず出てくると思います。

○座長 ありがとうございます。あとは。

○米山委員 先ほどの田村委員に少し関連するのですが、やはり、今、重症児者ということで考えたときに子供はまだ小児だとか。ケアホームをイメージしたときに、ほとんど成人になってきているので、そうした場合に成人のバックのベッドと言いますか、その確保が都心でもすごく難しい状況がある。だから、やはりそこの地域と考えたときに、小児に視点をもちろん当てるのですが、その後のキャリーオーバーした方、そこをどうするかというと、やはりそこは医師会、あるいは本当に地域の病院と連携が強くないと難しいので、そこの成人の所を見据えた緊急時のところも、アンケートでもあったとは思うのですが、書いていただけるといいなと思います。

○座長 福祉ですか。では、先生最後で。

○松葉佐委員 ケアホームのことは、率直に言って立地が一番大事だと思うのです。近くに医療機関があるとか、あるいは施設の敷地内とか。多分少し離れていてとても苦労をされていると思うのですが、むしろそのほうがモデルとしていいと思います。立地のことも少し書かれたほうがいいのではないかと思いました。

○座長 ありがとうございます。続いて、愛徳福祉会の報告書案についてアドバイスやコメントをお願いします。

○田村 ( ) 委員 ショートステイに一応特化したことでいくと、やはり、私たちが心配するのは、ショートステイは非常にお母さんにとってはいいことなのだけれど、短期間だけお預かりするということで、環境が変わって子供がショートステイの間に急変するなどということがよくあると伺っています。実際、うちからお願いしたらちょっとおかしくなって病院へ帰ってきたというようなこともあります。だから、そういう意味では、先ほど先生が言われた、子供にとって楽しいショートステイとすることが大切です。要するに親御さんを楽にさせるだけではなくて、子供のケアという点からもショートステイをいかに充実させるかと、それが何が大事かということを具体的に明記して、報告書を作成していただければと思います。

○福岡委員 今回のコーディネート業務の部分の中で、例えば、障害のある方の入所施設とか、精神病院に長く入られている長期入院の方たちの退院促進とか、地域移行とのコーディネート業務というのはとても重要だということで、既にもう廃止されていますが、まだ県単位では残している所もあります。今度は、それが地域移行、地域定着で相談指定一般の個別給付になりましたが、今度はまた矯正施設までとなっています。意外に重症心身障害児の、いわゆる入院されている方々が地域に移行するときの手法の中で、私はどこにお願いするのがいいかと思ったのですが、移行支援プログラムというのを手掛けているので、実はこの分野にも地域移行のためのコーディネート業務が必要なのだということを提案していただきたいと思うのです。そういう意味で、今回のモデル事業の中でのいわゆるケアマネージメント、コーディネート、拠点的な役割の 1 つの柱を立ててほしいと思っているのです。

○愛徳福祉会 具体的には、長期入所されている方の地域移行のことですか。

○福岡委員 いわゆる、既になかなか退院とか地域移行ができない方たちがたくさんいて、これまでは障害者の施設とか精神病院でしたが、もう 1 つ、重症児の方たちが地域に戻るときに、やはり移行プログラムに基づいてコーディネートするという体制整備が要るのだということを、打ち上げてほしいということなのです。

○愛徳福祉会 今やっていることでいいのですね。

○福岡委員 はい。

○愛徳福祉会 分かりました。

○座長 いろいろな分野があるということ、重症心身障害の方の施設から地域へというような分野があって専門性がある、手法があることをきちんと明らかにしていただきたいということ。

○愛徳福祉会 分かりました。

○田村 ( ) 委員 それに近いのですが、この報告の中でも、相談支援事業者のところのつながりが、とても展開が不十分だということの裏返しになるわけです。それは相談支援事業者が少ないだけではなくて、どうそこをバックアップするようなシステムがやはり要るのかみたいなことがないと、多分、地域移行のプログラムに沿って地域移行ができた後に、誰がそこを支えていくのかにつながっていかないということなので、単に業者を決定すればいいというだけではなくて、重心の地域移行のところはそれだけでは済まない部分をどう相談支援を育てるのか、みたいなことの仕組みのような提起もあったほうがいいかと思っています。

○座長 相談支援のほうで地域移行、地域定着となっていますが、それは重心の方の地域定着とは何かみたいなところはあるかもしれません。

○愛徳福祉会 これに関して、ちょっと愚痴になるのですが、大阪府の研修会の回数も非常に少ないですね。なかなかうちも手を挙げてもいけないとか、そういうことがありますので、当センターの取組みだけではどうしようもない部分があります。

○座長 それを提案していただければ、是非、こうすればうまくいくのではないかと。

○愛徳福祉会 はい、分かりました。

○座長 では、次に行きたいと思います。次には、三篠会さんの報告書案について、コメント、アドバイスをどうぞ。

○松葉佐委員  106 ページと 114 ページに同じことが書いてあります。医療的ケアを提供できる居宅介護は少ない。ヘルパーさん等で吸引の研修を受ける人は結構いると思うのですが、実際にやってくれる所は少ないと。全国的にもそうみたいですから、それに対するコメントを。どうしたらいいかとか、その辺に触れていただいたらいいと思います。

○座長 感じたことなのですが、どちらかというと、これをやったということの羅列になっているので、もう一歩進めて考察みたいな観点から、自分たちが苦労してこういうふうにしたらちょっとうまくいったことだとか、少し全国に学べるようなことを入れていただいたほうがいいかと思っています。

○福岡委員 そういう観点では、本当に短い期間の取組なので大変だったと思いますが、三篠会さんのような拠点の所が、指定特定の計画相談をされる方たちに、どのようなバックアップをすることが質の良いサービスにつながるかみたいなことを、少し考察で入れてもらえるととても有り難いと思うのです。

○米山委員 鈴が峰さんも南愛媛のほうも一緒だと思うのですが、やはり今回、巡回事業がされていると思うのです。そういう意味では、今、誤解もあったのですが、例えば、児童発達支援事業とか児童発達支援センターなども、やはり医療的ケアだとか、そういう専門をなかなか持っていないで、障害区分の一元化ということで重度の方も受け入れるといったときに、その相談の計画というのはなかなか立てられないし手も出せないという状況だと、やはり地域柄も含めると、巡回とかやっていれば、そこで相談計画をそこのスーパーバイズなりが具体的に作って、こんな感じだということがきっとできるのだと思うのです。そういう意味では、重層的に領域施設の専門性というのを持っているわけですので、その手前の相談をしているそこのスーパーバイズというか、そういうことは愛媛でも、多分、地域の連携をすればそこのスーパーバイズはきっとできると思うので、何かそこをうまい具合に重層と言いますか、つなげられるようなことは巡回ではきっと提案できると思うので、そこが入るとつながるかと思いました。

○座長 今おっしゃった重心の巡回とかについては、多分、児童発達支援センターの保育所等訪問のそういうアウトリーチの部分をどう活用していくか、あるいはその中に重心用のものを作っていただければどうかとか、そういうことの提案も含めてやっていただくと、よく関係が分かったりこれからの発展があるかと思います。あとはいかがですか。

○田村 ( ) 委員 この実態調査の結果なのですが、訪問診療とかヘルパーさんとかに頼みたくないとか、必要ないとかという回答が随分多くて、これでは非常に誤解を与えかねない結果になると思うのです。

 その背景にある、なぜそうなのかを明確に調査していただきたい。そういうことを利用したことがないのでとか。一方では、実際に介護している方は、精神的にも肉体的にも経済的にも大変だとおっしゃっているにもかかわらず、そういうものを利用する必要がないと考えていることの内容を、例えば、中にも個別に書いてありましたが、「1遍頼んだことがあるけれど、とても見ていられないので、もうこれは自分がやったほうがいいのだと言って、お母さんが止めてしまったのだ。」とか。そういうふうなことであれば、逆に言うと、訪問ケアの内容そのものをレベルアップすることを考えないといけないことになる。それから、「そういうことを一度も利用したことがないので、そういうサービスを受けられること自体をよく御存じないのだ。」とか、「それに係る経済的な負担を非常に心配しているのだ。」とか、という理由も考えられます。そういう背景をしっかり調べていただいて報告書を作成していただければと思います。

○座長 ありがとうございます。それでは最後に、旭川荘さんの報告書案についてコメントやアドバイスがあったらお願いします。

○田村 ( ) 委員 これは無理なお願いかもしれないのですが、山間部の所の課題というのは過疎高齢化との共通課題もあるという出だしから始まっていて、であるならば、いわゆる山間部の高齢者の医療支援みたいな形は、地域医療がどういうふうにされているのかということと重心の医療支援みたいなことがリンクできないのか。そこのコーディネートを南愛媛療育センターが介入をしながらできないのかみたいなことなどを思ったりもするので、地域の今の医療の状況の地域診断みたいなことが、もし冒頭で出せるのであれば出していただけると有り難いなと思います。

○米山委員 前回のときに旭川荘でしたか、ちょっと忘れたのですが、今日、杉野委員が欠席なのですが、教育との連携ということで。鈴が峰のほうにも少し書いてあって、協議会には学級特別支援課というのが参加されているのです。何が言いたいかというと、特別支援教育の中での個別指導計画あるいは個別支援計画書を見ると、私の個人的ですが、都内の何か所かの頂いている主治医をやっているケースを見ると、医療的ケアのことも含めてかなり支援計画が密になっているのです。そういう意味では、とても参考になる。

 移行支援ということで言うと、学齢期を終えた方々についてもそういうものがすごく参考になるので、就学前の移行もですが、やはり、そこはその地域柄、より連携していくことで、当然義務教育で学校はあるわけですので、そこの連携ということで、今の計画だとか、より実際的な、お子さんにとっても、あるいは家族にとってもそこそこの計画というのはうまく作れるのではないかと思うので。より過疎という地域であればそういう連携を強めることで、スタッフはやはりいろいろ専門性をもっている方もいるので、是非そこを強めていただくようなものができたらいいと思いました。

○座長 それでは最後にもう 1 回ありますので、回ってきますので、よろしいですか。では、これで各団体に対するアドバイスを終わりにしたいと思います。最後になりますが、フリートーキングということで、もう 1 回回ってきます。各団体に対する最終報告案のヒアリングは終了しましたので、最後に、平成 25 年度事業のまとめで、個別に言い足りなかったことや、あるいは全体を通しての感想的なものでも構いませんが、少しフリートーキングをしたいと思います。

 そこで先ほど福岡さんからの、このモデル事業の 1 つの亀毛というところで、今日もコーディネートするということ、あるいは重心ケアマネ、ケアマネージャーという発想もあったので、同じようなことを言っていると思っているのですが、一般の相談支援、これがどこまで行っているかということを余り言うと福岡さんに怒られてしまいますが、あるのですが、やはりそことの差違において、重心の方たちへのコーディネートの機能であるとか、あるいはマネージメントの機能というのは、やはり一般とは異なることも含めてちょっと最初に議論していただいて。ほかのことについても言いたいと思いますが、どのように皆さんお考えですか。福岡さんは、まず重心のコーディネート機能とは何ぞやということで言われれば、どのような考えをお持ちですか。

○福岡委員 私は全ての親御さんがそうだと思いますが、親御さんたちの我が子に対する思いは非常に要求度が高いと思うのです。 99 %満足だが 1 %の不満というのは、例えば胃瘻の落ち方の秒単位の問題とか温度の問題、様々な環境の問題 1 つ取っても我が子を託すことができないというのが重心の子供さんの親御さんの思いですから。そこに応えるとなると少なくともとなってくると、いわゆるどこにも当てはまる病院から地域に移行するときの体制整備というところはどこも共通すると思うのですが、問題は、受け止める側の技術的な専門性とか、用語 1 つ知らないとか、様々あるのです。そうなると一番大切なのは、地元の医療機関と拠点の医療機関が非常に密になって、地域の支援機関とか相談支援専門員等とのレベルの高い情報共有がほかとはちょっと違うのかなと思っています。

○座長 それについて、もし御意見があれば。

○田中委員 地域の医療者ということであると、やはり訪問看護ステーションの看護師の活用は非常に有効ではないかと思います。ただ、全国的にも訪問看護ステーションが、 35 %から 37 %ぐらいしか訪問看護を受けていないという現状を踏まえますと、全てがそれができるとは限らないですが、やっている所は各自治体に必ずあるはずで、そこを必ず巻き込んでいくという体制を作っていくというのがいいのではないかと思います。

○座長 訪問看護師さんからコーディネート機能を持ちながらそういう仕事を積極的な、保健師さんなどの話もありますが、どうお考えですか。訪問看護師さんが中心になっても別にいいではないかと、そういう考えですか。

○田中委員 そうですね、実際におうちにお伺いして、人工呼吸器を付けていらっしゃる重症のお子さんとか、そうでないお子さんも含めて、その場で生活自体を見ているのは看護師なのです。そういう意味で言うと、コーディネートは非常にしやすいし、コーディネートも的確になるかなと私は考えます。

○座長 ほかには御意見は。

○田村 ( ) 委員 正におっしゃるとおりで、私は、基本的には福祉に詳しい相談支援専門員の方と、ある意味高度医療に詳しい看護師さんのペアが望ましいと思います。地域によっては、特に行政が積極的に在宅を推進するような場合は、看護師さんではなくて保健師さんでもいいかもしれません。中核病院での高度医療をきちんと勉強していただければ、保健師さんも 1 つの候補になり得ると思うのです。いずれにしても、医療側と福祉側と、その両方に精通するということはなかなか難しいと思うので、ペアで推進するということを基本方針にすべきではないかと私は思っています。

 先ほど福岡委員のおっしゃったことは、実は半分は送り出し側の NICU の医者たちの責任でもあるのではないかと思います。結局、親御さんたちに「 NICU 若しくは PICU でやっていたような高度医療をそのままおうちでも続けるのが一番だ。」というような形で指導している医者が今でも少なくないです。我々はそういう医者の意識を代える必要があると思います。つまり「在宅医療というのは生活なのだ。」と、「だから病院の医療をそのままおうちに持っていくというのは、お母さんにとっても混乱を起こす、負担を増すだけだ。」という意識を、送り出す側の拠点病院の医者にもしっかり持たせることが大事だと思っています。

○座長 あとはいいですか。

○田村 ( ) 委員 地域のところで、福祉職と看護職のコーディネートによる重心の地域生活支援の利用計画等が立てられていくことはすごく大事なことですが、数的に見てもあるいはそれを推進していくためにも、なかなかそういう人材がそんなにいないというのが今の現実なので、今の時点では、一次圏域にそのような相談支援事業所を作っていくための二次機能を持つような所を置いていく、あるいは県なり府の政策として置いていくみたいなことが、呼び水的なことがないとなかなか下支えできないというのが現実ではないかと思っています。そういう意味では、圏域ごとなのかどうなのかは少し議論があるところかとは思うのですが、一次圏域を下支えするような、何かそういう専門に特化したようなセンターが要るのではないかと思います。

○座長 重心の方たちの数のこともあって、やはり構造的にしないと。全ての一番身近な所でというところと、それを支えるというところも含めて、他の多くの障害の方とはまた少し違う構造を作る必要があるかもしれません。あとはよろしいですか。それでは、これも含めて、どうしても言い足りなかったこととか、何か提案とか、あるいはアドバイスがあればどうぞお願いいたします。

○岩城委員 どうもありがとうございました。私もここに 2 年参画させていただきまして、重症心身障害をまず、それは厚労省、そしてまた北海道療育園は 2 年続いておりますが、全部で 9 つの組織の皆さんがこのことに取り組んでくださったことに本当に感謝しております。それで 1 年目のときも今年もやはり感じましたのは、まず、行政でも重症心身障害への理解がなかった、それから、病院、施設でも薄かったというところも見えてきた。でも、これをしてくださったことによって非常に理解が、非常にまではいかないかもしれませんが、かなり進んできているのではないか、そのことでは大変感謝しております。是非これがモデル事業ではなくて、実際に取り組んでいただく事業になってくださったら私たちも申し分のないところで、感謝しております。

 今年、私が幾つか感じましたことで。私は母親の立場ですので、皆さんにコメントとか、そういうことではなくて、感想めいたことで聞いていただきたいと思います。

 まず、重症心身障害のケアホームにつきましては、前回も、一応びわこ学園がバックだからちょっと期待するところもありましたが、やはり私どもは、本当の重症心身障害というのはケアホームで生きていくのは大変無理があると考えておりました。ですからその辺で、決してこれができないというのではなくて、いいほうの試みなら、またこれは皆さんに訴えるところも大きいのではないか、そんな気がいたします。ただ、軽々に重心でもケアホームで生活ができるのだと思ってしまうようになると、これも今の段階ではちょっと怖いかなという気がいたしました。

 それから短期入所ですが、これは全国的に不足しております。その中で、それぞれの地域の事情が違いますので、老健とかそういう施設に対して、老人の施設と提携して行政も巻き込んで受け入れたところが、重症心身障害の者がそこを利用することが全くなかった。こういうことを聞きまして、私ども親たちの姿勢も大変問われる気がいたしました。確かに足りないけれども、報酬の問題とか、基本的になぜ任せられないのか、その辺りもまた少し煮詰める必要があるのではないかと。

 それからかかりつけ医ということで、今、東京都でもモデル事業として守る会が受けてやっております。これもやはり重症心身障害であるがために、親たちは遠隔地であっても生まれた所、初期にお世話になった先生を頼っていくものですから、地域のかかりつけ医というのがないのです。それで、これでは駄目だと、今の時代にやはり地域の生活する所にかかりつけ医を作っていくように、今、私どももそういう指導を受けてやっておりますが、この辺りもなかなか。私たち親たちも、やはり自分たちで本当に考えていかなければならない。特に先ほどの話の中に、災害のときに近くにかかりつけ医を持つことによって、ここに弱い者がいるということを分かってくださると。そのときに一番困るのは医療的ケアのあるものです。電源をはじめ薬の問題が様々ありますが、これらも私は伺っていて大変いい示唆を頂きました。

 今 1 つ問題としたコーディネーターとかケアマネージャー、これらはやはり、重心の者は障害が重いがゆえに、今まで本当に、このことに関しては A のほうへ、このことに関しては B のほうへと、いつもばらばらに対応してまいりました。これらが本当に 1 つになったら生きていくのに大変有り難いと。

 最後に、恐れ入りますが、先ほどどちらかのおっしゃった東京都の重症心身障害の数ですが、私ども親としては 4,000 人台をずっとつかんでおります。それから、今年、東京都の課長のお話で 6,000 人台というお話が出てまいりました。特に私は東京都の会長を受けておりまして、守る会の全国の会員の 1 2,000 人弱、その 1 割が在宅なのです。東京都は 760 人の会員で、 6 割弱が在宅なのです。ですから私どもは、特に在宅生活ということに深い関心を持って今まで取り組んでまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○座長 ありがとうございます。団体さんからはどうですか、フリートーキングなのでもし御意見等があれば。

○北海道療育園  2 点ですが、 1 つは先ほどのコーディネートの件です。重症児を専門にする相談支援専門員が少ないというのは現実問題としてあるので、それに対応して組織、つまり協議会がそれをバックアップする必要が有効ではないかということを我々は考えています。というのも、同じ相談支援専門員が何人か協議会に参加してくださっているのですが、 1 人は重症児の専門、 1 人は精神から相談支援専門員になってくれている方で、相談支援専門員の中で「このケースはお願い」というようなやり取りができています。そういう意味では組織で対応していくことが重要だと思っています。自立支援協議会だと、参加している委員が偉い方たちが多くて機動性に欠けると思っているのです。ですので今回、我々がモデル事業で検討した協議会には実務者を中心に集まってもらったのです。そうすると非常に動きがとれるので、そういった組織によるバックアップが重要かと思っています。

 もう 1 つ、短期入所の件です。医療機関がいわゆる社会的入院としてレスパイト入院をやるのは診療報酬上も結構問題があると思っていますので、医療機関に正規の、つまり医療型の短期入所事業所になってもらうのが筋だと思うのです。ただ、それには非常に福祉担当部署と医療担当部署など、同じ自治体の中でも縦割りでうまくいかないところがあるので、その辺りを何とか第三者である我々が関わるとか、あるいはもう少し上の自治体が、例えば北海道でいうと市の上の道がアドバイスするとか、そういったことが必要かなと思っています。

○座長 ほかには。

○愛徳福祉会 短期入所のことです、先ほど田村先生が言ってくださいましたので。実は、新潟は病院に入院したら小児管理を大体 1 4 万円ぐらい入るのです。療育施設だったら 3 万円なのです。それだけの差が出るということで大阪市も大阪府も、入院で医療型短期入所として病院に登録していただいて、そして 1 万円を補助するというような形にしているのです。ところが、まずその手続がややこしいことと、大阪市の場合はベッド確保料として入っていたら 4 万円を出すということで、一応それだけのメリットがあるということで短期入所は手を挙げてくれるのですが、大阪府の場合はそのお金がないということで、入ったときに 1 万円プラスするしかないと。そうしたら余りメリットがないということで、手を挙げる所が少ないというのが現状なのです。

 だから、松葉佐先生が言ってくださったように、母子センターなどでは「医療評価入院」というような名前で、一応、人工呼吸器を付けているというのは医療と関係していますので、ある程度在宅での医療の評価をしなければならないということで入院でやられていると思うのです。そういう概念を入れるのがいいのではないかと私自身も考えているのですが、また検討していただきたいと思います。

○座長 ありがとうございます。ほかに御意見は。

○米山委員 診療報酬のことで申します。先ほど 4 万円と言いましたが、それは多分、病院規模のことで 4 万円で、ほかの中小のほうだともっと少なくなってしまうのです。 2 万円とか、そのぐらいになってしまうので、やはりそこの部分の差が大きいというところがあると思うのです。それとインテンシブな感じのモニタリングとか、そういうことが必要なのでということで。やはり、その差額が大きいので抵抗感があるというのがあると思います。

 それと、今の医療評価という意味ではとても大事で、例えばてんかんがあればてんかん評価でもありますし、ということなのです。そういった場合にその方々が重心と考えたときの大島の 4 までの分類でというと、どこをイメージしているかで随分違うと思うのです。いずれにしても、一般病院に入院ということで診療ということで言うと、診療費がもう少し上がらないといけないのと、もう一方で、今、医療的ケアということは、超重心、重心のスコアなどがあるものですから、そういったものを使うとこういう方々は医療評価入院に該当するみたいな、何かその辺の基準がきっと必要になってくるでしょうし、何かそこが整備できるときっといいのではないかと 1 点思いました。

 それともう 1 点だけ。今日、フェニックスさんから頂いた「在宅支援プログラム」を見せていただいて改めていいなと思ったのは、いわゆる医療型の障害児の入所施設などで親子入園、「母子入園」と言わなくなって「親子入園」と言いますが、そういったときのプログラムにすごく合っているわけです。そういう意味では在宅移行という場合に障害児入所施設も、今、親子入所の施設は減っているかと思うのですが、移行をしていくことを担う機関といいますか、一般病院からさっとというのはなかなか難しいので、そういった所の利用ができたらいいなと、これはとても役立つなと改めて思いました。ありがとうございました。

○愛徳福祉会 保険のことで。小児科学会から病院であろうと療育施設であろうと、そういうレスパイトを受け入れた場合は 6,000 点という要求をしたのですが、これは結局、厚生労働省には受け入れられなくてボツになってしまったのです。やっていることは同じで、療育のほうは非常に手厚くやっている。どうして病院だったらお金が高くて、やはりこういうことに関しては同じように払っていただくような。どうしても在宅を維持しようとしたらショートステイは大切ですので、厚労省としてももう少し認識してほしいという気持ちはあります。

○座長 あとはよろしいですか、最後に話しておかないと帰れないという人は。大丈夫ですか。

○松葉佐委員  NICU コーディネーターに相当する人たちが今どのぐらい配置されているのか正確には知りませんが、増えてきつつあると思います。その職種は非常に有効だと思うのです。田村先生がおっしゃっていたように NICU から生活に行くのだと。実際私の身近なコーディネーターさんもとても頑張っています。これはもっと増えるべきだと。

○座長 そうですね、地域移行を考えるとき、 NICU コーディネーターとの関係も考えないといけないですね、その仕事の内容も含めて。どうですか、よろしいですか。では、ほかに発言がなければこれでヒアリングを終了したいと思います。長時間にわたり、どうもありがとうございました。

 ヒアリングの内容については、今後まとめさせていただいて、報告書案についても、また事務局でまとめて公表という形になりますので、皆さんも、最後の修正をということでお願いいたします。

 最後となりましたが、重心の地域移行という、余り言うと怒られてしまうので激しくは言えないですが、適切な住まいの場があって、きちんとした医療的ケアも含めて確保されればまだまだ地域で生活できる方、あるいは在宅でいらっしゃる方についても、ずっとそこということではないので次のことを考えなければならないです。もちろん病院あるいは施設から地域もありますし、在宅から地域というか、一人での独立した生活と言ったほうがいいのかな、自立した生活かな。重心の方だからこそ、そういうことの道をきちんと作っていきたいと私は個人的には非常に思っていて、重い障害のある方だからこそ地域生活ができるということを、もっともっと発展させていきたいと思っております。これからも皆さんの御協力の下でやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 さて、私からのお話は終わりで、事務局に進行管理をお返ししますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございました。閉会に当たりまして、厚生労働省障害福祉課長の辺見から皆様に御挨拶を申し上げます。

○辺見障害福祉課長 障害福祉課長の辺見でございます。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。今年度のモデル事業につきましては、 3 回にわたり熱心に御議論をいただきました。誠にありがとうございます。重ねて御礼申し上げます。

 各団体におかれましては、当初、中間、最終の 3 回の検討会において御報告いただいたところですが、それぞれ工夫のある取組をいただきまして感謝申し上げます。また、検討委員の先生方におかれましては、最終報告案、またモデル事業の構築に当たっても様々御助言を頂きました。ありがとうございます。お陰様でモデル事業の質が高いものになったと考えております。

 本日の御議論を踏まえまして、各団体の事業報告書については、昨年と同様取りまとめをした形でホームページに掲載し、その普及を図っていきたいと考えております。また、この後の展開としましては、平成 27 年度の予算要求の準備や平成 26 年度もこのモデル事業の継続を予定しておりますので、これの実施の企画とか、また、平成 27 年度には障害福祉の報酬改定がありますのでそれに向けた準備、こういったものを進めていく必要があります。

 そうした中で、このモデル事業の中から得られたものをしっかりと参考にしていかなければいけないと考えているところです。特に、あるセミナーにおいて、ある議員の先生から言われた話ですが、これからの課題として、精神障害、発達障害の問題と重心の問題があるという御指摘を受けたことがございます。その心はというところまでは共有してはいないのですが、私なりの受け止めとしては、この 3 つの分野の医療と福祉に跨ることでもありますし、教育の話などもございましたが、教育だったり雇用だったりするような、要は、他分野に跨る分野で他分野又は他職種の連携が必要となってくる分野だと思っております。

 そうした中で相談支援をしっかり進めていくというのが私どもの目下の課題ではあるのですが、相談支援専門員は、この 3 分野、更に難病も入りましたという中で、全部についてものすごい専門知識を持っていたらすごい人なわけです。なかなかこれは難しいかなとは思っております。しっかりとした質の高い相談支援を行っていくためには相談支援専門員の、個人の方が言っていることが分からなくてはしょうがないので、ベースとしての専門知識をしっかりと上げていただく一方で、今回、北海道療育園さんの御指摘の中で協議会を活用してというのはとても示唆的だと思うのですが、地域として相談支援の専門力をしっかりと共有していくような形が必要なのかなと思っております。

 これは何も相談支援ばかりの話ではなくて、事業所の提供するサービスのノウハウについても同様で、療育園さんのほうであった出前研修とか、広島のほうですと事業者教室ですか、着眼点としてはもしかしたら似ているところがあるのかなと思っております。重心の問題は、今の 3 つの中でも特に数の問題、大塚先生が御指摘されていましたが、数の問題とか地域資源の分布の問題などを考えると、しっかりと知見を共有していく仕組みを作っていく必要もあるのかなと思っているところです。

 もう 1 つ、報酬とか補助金の額の話をいろいろと御指摘いただきました。我々もこれまでの経緯を見ると、確かに病院の入院の費用との差額というところは論点だとは思っているのですが、入院と同じだけでないと病院が受けてくれないのですというのではとてもいかないと。恐らく御主張されているのはそこだけではないと思っておりまして、対象者としてこういう人が必要なのですといったところ等について、細かに分析をした上で行っていく必要があると思っています。

 よく報酬が低いという話はあるのですが、報酬が低いから質が高いサービスは提供されない、これはもしかしたらあり得ると思うのですが、逆に、報酬を上げたら質の高いサービスが提供されるかというと、これは逆が必ずしも真でないところがあって、そこをしっかりと担保するような形で検討していかなくてはいけないし、財政当局もそういうところは突っ込んできますので、我々もしっかり準備をしていかなくてはいけないと思っているところです。少し長くなりましたが、要は、これまでの 2 年間のモデル事業の成果をこういった我々の今後の検討に生かしていきたいと考えているところです。

 雑駁ではありますが、今年度のモデル事業の終わりに当たっての私の御挨拶とさせていただきます。 1 年間、どうもありがとうございました。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 続きまして、事務局から何点か事務連絡があります。 1 点目は事業報告書の提出の件です。各団体の皆様におかれましては、補助金交付要綱に基づく事業実施報告書については先日御連絡しておりますが、 3 31 日までに事務局まで御提出をお願いしたいと思います。また、報告書につきましては、本日、委員からのコメント等を踏まえまして記載内容の追加、修正等をしていただきまして、 4 11 日までに事務局まで御提出いただければと思います。今後は御提出いただいた報告書を基にして検討委員会の報告書としてまとめていくことになりますが、取りまとめに当たりまして、事務局から各委員、各団体の皆様に内容の確認等をお願いすることもございますので、その際には御協力、よろしくお願いいたします。

 次に、平成 26 年度の予算案に関してです。重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業、本事業につきましては事業の効率化・重点化を図るという観点から、「発達障害者支援開発事業」という発達障害者関係の予算事業があるのですが、そちらと統合いたしまして、新たに「発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業」として引き続き実施する予定としております。事業の具体的な進め方などにつきましては、今、平成 26 年度予算案につきまして国会で審議しているところですが、国会で予算が成立した後、どのような形で実施するのかということを検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。連絡事項につきましては以上になります。

 それでは、これをもちまして平成 25 年度第 3 回重症心身障害児者の地域生活モデル事業検討委員会を閉会いたします。本日はお忙しい中御出席いただき、ありがとうございました。


(了)
<紹介先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3037)
FAX: 03-3591-8914

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