ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会)> 第3回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録(2014年3月18日)




2014年3月18日 第3回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録

○日時

平成26年3月18日(火)13:56~14:40


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)


○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長) 清水惠一郎
高橋直人 池上秀樹 糸井克己(代理)
仲野彌和 杉田久雄 時任基清 竹下義樹
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 竹林保険医療企画調査室長他

○議題

あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定について

○議事

13時56分 開会


○遠藤座長

 まだ定刻には少し時間がございますけれども、委員の皆様がもう御着席でございますので、これより審議会を開催したいと思います。ただいまより「第3回社会保障審議会医療保険部会あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。

 ほぼ1年ぶりの開催でございます。皆様、お忙しい中、御参集いただきまして、どうもありがとうございます。

 まず、委員の交代について御報告をいたします。伊藤弥志長委員にかわりまして佐久間雅之委員が専門委員として発令されております。

 次に、委員の本日の出欠状況について御報告をいたします。本日は、江口委員、笠木委員、嘉数委員、村岡委員、佐久間委員、飯山委員が御欠席でございます。飯山委員の代理としまして国民健康保険中央会審議役の糸井克己様に御出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定について」を議題といたします。

 事務局から資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○保険医療企画調査室長

 保険医療企画調査室長でございます。

 本日用意させていただいた資料でございますけれども、あ-1、あ-2、それから参考資料でございます。私から、資料あ-1とあ-2を通しで説明をさせていただきたいと存じます。

 まず最初のあ-1でございます。こちらは「平成24年度頻度調査について」ということで、私どもが頻度調査と呼んでおります調査、すなわち、協会健保さん、国保、後期高齢者医療制度における毎年10月請求分の療養費支給申請書を一定の割合で抽出いたしまして、その内容から施術の動向を分析しているものでございますが、その直近の状況、すなわち、2410月分の頻度調査から得られた情報を御説明、御紹介するものでございます。

 1ページ目の中段の表でございますが、先ほど申し上げました3つの制度ごとの抽出率を説明しておりまして、中段の「あん摩マッサージ指圧療養費」につきましては、全国健康保険協会管掌健康保険については1分の1、国民健康保険については5分の1、後期高齢者医療制度については10分の1、「はり・きゅう療養費」については、協会健保6分の1、国民健康保険10分の1、後期高齢者医療制度10分の1という形になっております。

 続きまして、2ページ目から6ページ目でございますけれども、それぞれのページにおきまして、上段に2410月の状況、下段に2310月の状況を示しておりまして、上下で比較ができるようにしております。ただ、御留意いただきたいのは、前回の療養費の改定は25年5月施行でございまして、2510月のデータはまだちょっとできておりません。お示ししている2つの時点の間には改定が挟まっておりませんので、改定の影響につきましてはこの上下の比較では見てはとれないという点について御留意いただければと思います。

 それでは、簡単に資料を説明いたします。

 まず2ページ目でございますが、あん摩マッサージ指圧療養費の往療回数月16回以上の請求書枚数割合ということで、都道府県ごとの数字、それから、真ん中やや右寄りに全国平均値が示されておりますけれども、全体の傾向に大きな変化は見られないというところでございます。

 続きまして、3ページ目、はり・きゅう療養費の同じように往療回数月16回以上の請求書枚数割合でございますが、こちらのほうも全国平均で見た場合にはさほど大きな変化は見られないという状況でございます。繰り返しになりますけれども、改定が挟まっておりませんので、そのあたりの効果が出てはこないということでございます。

 4ページ目でございます。あん摩マッサージ、はり・きゅうの療養費に占める往療料の割合でございます。あん摩マッサージが表の中ほどにございますけれども、従来から全体に占める往療料の比率が高いということがデータで示されてきております。2310月との対比でいきますと、あん摩マッサージのほうは64.6%から63.1%ということでやや減少しております。他方、はり・きゅうのほうにつきましては、19.2%が22.8%ということでやや増加をしているという状況でございます。

 5ページ目でございます。こちらはあん摩マッサージ指圧療養費の往療回数の構成割合で、10月1カ月間の間に、0回、1~4回、5~8回といった回数区分ごとにどの程度の構成割合になっているかということでございます。ここでは、上の右側「0回」のところを見ていただきますと、要は、往療を伴わない施術になりますけれども、その構成比率が前年同月比で増加をしているという状況がございます。

 次に、6ページ目でございます。はり・きゅう療養費につきましては、往療を伴う施術の比率のほうが逆にふえております。0回が88.2%から85.3%と減少しておりますので、往療を伴う施術の比率は増加しているという状況でございます。

 それから、あ-1の資料の最後7ページ目でございますけれども、柔道整復、はり・きゅう、マッサージの療養費の経年推移をお示ししております。はり・きゅう、マッサージにつきましては、平成23年度は22年度に対して、それぞれ11.7%、8.5%ということで、引き続き高い伸び率を示しているというのが療養費の推移でございます。

 以上が、私どもでデータを把握している限りにおいての直近のデータ、施術の動向でございます。

 続きまして、あ-2の資料でございます。こちらのほうが、本日、主として御議論いただきたい資料でございます。

 まず、改定率でございます。この改定率につきましては、実は今回、前回の療養費改定のときと段取りが少し違いまして、この資料にも下線を引いておりますけれども、改定率は既に政府において決定したものという形で本日公表させていただいているということでございます。そのような段取りにさせていただいた趣旨でございますけれども、前回の改定のときは具体的には0.0%というようなことで事務局案を提示させていただきまして御議論をいただきましたが、施術者側、保険者側で折り合わなかった。このような改定率について両側で折り合うというのはなかなか難しい状況がございます。

 また、そもそも診療報酬に関しましては、改定率は年末に政府で決めるということで、その改定率の範囲内で個別の診療報酬項目をどうするかというのを中医協で御議論いただいておるわけでございまして、中医協のほうでも改定率は決めておられないということを踏まえまして、今回はこのような対応にさせていただいたものでございます。

 それで、私どもとしてお示しさせていただいている改定率として0.68%ということでございます。その考え方は、改定率の数字の下にございますとおり、平成26年度におけるあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定率につきましては、本年4月に予定されている消費税率の8%の引き上げに伴いまして、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう施術所における経費の増加が見込まれることから、診療報酬における消費税対応分の改定率なども踏まえまして政府において決定させていただいたということでございます。

 では、なぜ0.68%なのかという考え方について具体的に御説明申し上げたいと思います。1枚おめくりいただきまして2ページ目でございます。こちらのほうが診療報酬改定についての改定率でございまして、括弧内の数字が消費税対応の改定率になります。それで「1.診療報酬本体」の部分についてはプラス0.63%、「2.薬価改定等」ということで、薬価、材料価格の部分というのがプラス0.73%、全体で1.36%という形で診療報酬では消費税対応をしているということでございます。

 それで、これを踏まえてということでございますが、そもそも今申し上げました診療報酬改定におきます消費税対応というのは、医療経済実態調査という調査において医療機関等における消費税課税経費の割合をデータとして把握した上で設定しておりまして、本来的にはそのような形で設定すべきわけでございますが、この療養費の分野は、柔道整復、あん摩、はり・きゅうの分野ではそのような公的な調査もございませんので、一定の割り切りといったことを過去の経緯を踏まえて考えなければいけないということがございまして、これから説明するようなことで設定をしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、診療報酬の全体の改定率は1.36%でございます。

 過去の消費税対応ということでございます。柔道整復療養費の改定率を参考に挙げておりますけれども、消費税が導入された平成元年、それから、3%から5%に引き上げられた平成9年、2回、過去において対応があるわけでございます。平成元年におきましては、診療報酬の全体改定率0.76%に対しまして、柔整療養費の改定率が0.35%ということで、診療報酬の全体改定率に対する比率としては、表の右端に「○2/○1」という形でお示ししておりますけれども、46.1%でございました。同じ数字を平成9年に関して申し上げますと55.8%でございまして、それぞれ半分前後といった状況でございます。このようなことを踏まえまして、診療報酬の全体改定率の1.36%の半分、0.68%に設定をさせていただいたというのが基本的な考え方でございます。

 1ページ目にちょっとお戻りいただければと思います。以上が私どもで決定をさせていただきました改定率でございますが、本日、主として御議論いただきたいのは「改定の内容(案)」という部分でございます。要は、消費税対応というのは、この0.68%という改定率について、この財源をどういった項目に乗せていくのかということでございます。対応の考え方としては、そこに書かせていただいておりますとおり、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の前回の改定の方向性も踏まえ、消費税対応として基本的な施術料を中心とする上乗せを行うことでいかがでしょうかということでございます。

 ここで「前回の改定の方向性」と書いてございます。前回の改定につきましては参考資料の最後のページ2枚で御紹介させていただいておりますけれども、要は、往療料の基本額を削減するということと同時に、その財源を基本的な技術料の引き上げという形でバランスをとったという改定をしてございます。そうしたことから、今回も往療料以外の基本的な施術の部分に上乗せをしてはどうかというのが事務方からの提案でございます。

 具体的に申し上げますと、マッサージ、現行1局所当たり270円のところを5円引き上げて275円にする。それから、変形徒手矯正術が1肢555円のところを10円引き上げて565円とする。それから、温罨法のみ行う場合の料金は現在75円でございますけれども、これを5円引き上げまして80円とする。これがあん摩マッサージ指圧の療養費の改正の案でございます。

 続きまして、はり・きゅうに関しましては、まず初検料。はり・きゅうどちらか1術のみ行う場合の初検料を、今、1,510円になっているのを100円引き上げまして1,610円とする。それから、はり・きゅう両方を行う場合の初検料を、1,560円からやはり100円引き上げまして1,660円とする。それから、施術料。これも1術のみの施術料を1,230円から40円引き上げて1,270円とする。最後に、はり・きゅう両方行う場合の施術料につきまして、現行1,500円でございますのを10円引き上げて1,510円にする。このような形で行わせていただくこととしてはどうかということでございます。

 最初に申し上げておきますと、このマッサージにせよ、はり・きゅうにせよ、診療報酬のように料金の項目がたくさんございませんので、改定率との兼ね合いでなかなか自由度のない状況、選択肢がない状況ではございますけれども、0.68%という改定率との兼ね合いでこのような提案をさせていただいているところでございます。

 それから「3.施行日」でございます。これにつきましては、通常というか、慣例的には療養費の改定というのは診療報酬から2カ月おくれて6月改定の場合が多いわけでございますが、今回は消費税率引き上げによる経費の増加に対応するという趣旨もございますので、消費税率が引き上がる本年4月1日に同じタイミングで療養費の引き上げをするということでございます。

 最後に「4.今後の議論について(案)」という部分でございます。今回は、前回の改定からまだ1年もたたないという状況も踏まえまして、今、申し上げました消費税対応ということでシンプルな料金の上乗せをするという案を示させていただいておりますけれども、より抜本的な療養費改定。これは具体的にここに書いておりませんけれども、例えば施術者団体のほうからは定期的・計画的な訪問施術を認めてほしいというような御要望もいただいておりますし、逆に保険者さんのほうからは、回数でありますとか、施術の期間に上限を設けるべきだといったような御意見もいただいております。こういったもっと抜本的な療養費改定につきましては、施術側、保険者側の意見を踏まえて今後引き続き議論をするということを前提としての今回の提示ということをまず確認させていただく趣旨での1つ目の○でございます。

 あと、2つ目の○でございます。今回、先ほど申し上げたような形で、診療報酬の全体改定率を参考としまして0.68%という形で決めさせていただいておりますけれども、冒頭申し上げましたように、施術所における課税経費の割合をできる限り正確に把握をして料金改定率を設定するというのが本来のあるべき姿だと思いますので、2710月に予定されている消費税率10%への引き上げ時に今回と同じような療養費の改定によって対応する場合には、施術所における経費の実態調査を実施することとしてはどうかというのが提案でございます。

 事務局としての資料の説明は以上でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 御説明がありましたように、改定率につきましては、診療報酬と同様に政府が決定をしたということでございます。その結果が0.68%ということです。本日御議論いただくのは、それを前提にしまして、この改定の内容でございます。それについて御審議いただきたい。それから、施行日、あるいは今後の議論についてということも事務局が提案されておりますので、これについてもまた御意見をいただければと思います。

 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等があればいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、池上委員、お願いいたします。

○池上委員

 最初に、今、御説明のあった内容で幾つか確認をさせていただきたいのです。

 「改定率 0.68%」のところの本文の下に「(参考)」ということで「今回の診療報酬の全体改定率 1.36%」という表記になっているのですけれども、今回、薬価の引き下げ分と消費税対応の率が一緒だったこともあって非常に理解しにくい数字の並びだったのです。通常「診療報酬の全体改定率」というような言い方をしているのは、今回で言えば、薬価の引き下げ分がマイナス0.63%、消費税対応分を含め本体の引上げ分がプラス0.73%、結果としてプラス0.1%ということで、全体改定率といったときには、診療報酬を担当されている方は「0.1%」という言い方を比較的しているわけですけれども、そこでこういう書き方をされると非常にわかりにくいというのが1つあるのです。そういう関係で、今回の0.68%というのは、消費税対応に限った引き上げ率を政府において決定をしたという事務局のお話なのか、今回のあん摩、はり・きゅう療養費の全体改定率として0.68%の引き上げですという御提案なのか、そこを確認させていただきたい。

 あわせて、今、私の質問との関係ですけれども、参考として示されています3ページの<過去の消費税対応>のところに、平成元年0.76%、平成9年0.77%とあります。この数字はこのときのいわゆる消費税対応の薬価、今回でいうと、薬価ではプラス0.73%、本体のほうでプラス0.63%という数字がありますけれども、それが合わさって1.36%なのですが、これと全く同じ位置づけの数字という理解でよろしいのですね。

○遠藤座長

 それでは、事務局、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 ただいまの御質問についてお答え申し上げます。

 今回の0.68%という改定率につきましては、26年度の療養費改定の全体の改定率という趣旨ではございます。ただし、先ほども申し上げましたように、前回の適正化を含めた療養費改定から1年もたたないタイミングでございますので、今回は消費税対応をするということでございます。0.68という数字につきましては消費税対応という発想で設定させていただいたというのは、先ほど御説明をさせていただいたとおりでございます。

 それから、2つ目の御質問でございます。あ-2の資料の3ページ目の平成元年0.76%、平成9年0.77%というのは、今回でいえば、消費税対応の全体の改定率と同じ、本体のみならず、薬価・材料分も含めた改定率でございます。なので、私も全体改定率、全体改定率と申し上げておりますけれども、これはあくまで消費税対応として、本体だけではなくて薬や材料も含めた全体改定率という意味で申し上げたところでございます。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 池上委員、よろしゅうございますか。

○池上委員

 はい。

○遠藤座長

 それでは、ほかに御意見、御質問いかがでございましょうか。

 では、高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 確認だけです。

 この0.68の引き上げは、例えばあん摩マッサージ指圧の場合ですと、あん摩マッサージ指圧全体にかかっている医療費の中で、マッサージと変形徒手矯正術と温罨法の医療費を取り出して、その部分だけ単価をそれぞれ上げる。それを全体のあん摩マッサージ指圧の医療費で割り戻すと0.68だと、そういうことですね。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 はい、そのようなことでございます。

○遠藤座長

 それでは、ほかにございますか。御意見どうぞ。

 では、池上委員、どうぞ。

○池上委員

 今の御質問と全く同じ質問になってしまうのですけれども、ここで今回引き上げをされようとしている項目について、事務局で押さえられている直近のもので構わないのですが、場合によっては、対象範囲の限られたデータかもしれないのですけれども、ここで示されている項目の療養費が全体の療養費に占める比率がわかれば、あん摩マッサージだけではなくて、はり・きゅうのほうも含めて御回答いただきたいと思うのです。

 この質問の趣旨は、特にはり・きゅうの方ですけれども、それぞれ引き上げ幅を見てみますと、初検料が大体6.6%とか、施術料の1術のところは3.25%なのですけれども、2術以上だと0.67%、要するに0.68%を引き上げるときに、この項目を単独で見たときに6%以上という約10倍の水準の引き上げ率になっているわけです。逆のことを言うと、今回、引き上げようとされている項目を積算したときは、全体の療養費の10分の1以下でないと、そういう計算になっていますという裏づけにならないわけですけれども、直感的に本当にこの項目がそんなに少ないのかというところが気になっております。信頼しろと言われればそれまでなのですが、お手元の資料で何かあれば、公の場できちんと数字を言っていただけるとありがたいということで、ぜひお願いしたいのです。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 事務局、いかがでしょう。対応可能でしょうか。

○保険医療企画調査室長

 数字を申し上げたいと思います。

 まず、あん摩マッサージのほうでございますが、私どもの手元の数字で申し上げますと、マッサージという料金項目が全体に占める比率は28.5%でございます。変形徒手矯正術7.2%、温罨法のみ0.4%というのが今回の引き上げの対象になっているものの構成比率でございます。

 それから、はり・きゅうに関していいますと、初検料(1術のみ)というのが0.1%、初検料(2術)というのが0.8%、施術料(1術のみ)が4.5%、施術料(2術)が71.4%でございまして、かなりの部分が施術料(2術)の場合の71.4%ですので、実は財政的には、はり・きゅうでいえば、1,500円を10円上げているところが今回の改定率のほとんどを占めているという状況でございます。

○遠藤座長

 池上委員、いかがでしょうか。

○池上委員

 わかりました。

○遠藤座長

 よろしゅうございますか。

 ほかにいかがでございましょうか。

 池上委員、どうぞ。

○池上委員

 私ばかりで申しわけないのですけれども、今回、いわゆる診療報酬のような調査結果がない中で改定率を決めなければいけないという事務局の御苦労はわかっているつもりですが、その御苦労をわかりつつ、あえて質問です。

 私自身がはり・きゅう、あん摩マッサージさんのお世話になった経験がないものですから、物事をイメージで考えているところがあって、今回の改定率の0.68%は水準的にはいわゆる診療報酬の医科本体に非常に近い水準の数値になっているわけですけれども、医療機関などですと、例えば生化学検査の結果を外部に委託したりするときの委託料であったり、いろいろな医療機器の購入というか、設備投資といいますか、そういった領域に、確かに消費税がかかって、補填しないと医療機関がその分全部自分たちで何とかしなければいけないことになるのという感覚的なものがあるのです。むしろこれは事務局がいいのか、団体の方がいいのかわからないのですけれども、はり・きゅう、あん摩で、こういうところに消費税のかかる支出が相当あるというところがあれば、勉強のためということでちょっと教えていただけるとありがたいと思うのです。

○遠藤座長

 それでは、まずはどうしますか。事務局から、それとも団体の方から。

○池上委員

 決して数字は要らないので。

○遠藤座長

 では、とりあえず事務局から。計算は一応しているわけですので、それも含めて。

○保険医療企画調査室長

 今、座長から、計算しているのでということがございましたが、実態面の数字はオフィシャルなものはございませんので、やや定性的な、やや感覚的なとも言えるかもしれませんが、私どもの理解を申し上げます。

 医療機関との対比でいきますと、例えば薬を使わない、あるいは高額な医療機器を使わないということがございますので、どうしても診療報酬に比べると改定率が低くて済むだろうというような感覚をお持ちになる方が多いと思うのですけれども、さはさりながら、施術所を持っておられれば賃料がかかったり、維持するための経費、あるいは水道光熱費でございますがとか、こういったあたりに着実に消費税がかかってまいります。

 ただ、絶対額でいけば、医療機関と比べればそれは小さなものなのだろうと感覚的には思いますけれども、これは経費に占める率の問題でございますので、例えば課税経費の割合を考えるときに、逆に非課税の経費というのはどういうものがあるのかと考えるわけでございます。非課税の経費の最たるものというのは人件費でございまして、このあたり、療養費の対象となるようなあん摩マッサージ指圧師の方、はり・きゅう師の方の人件費と、お医者様とか歯科医師の方を含む医療機関の人件費とではやはりある程度の差異があるということを含めて考えると、どちらが高いというのはなかなかうまく言いがたいところがございます。

 そういうこともあって、本来であれば調査をすべきだということもあります。もちろん、これは役所のほうでどんどん勝手に進めるということではなくて、手法についても関係の皆様方の御理解を得ながらということでございますけれども、そのような方向で進めていければということが私どもの提案でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 団体のほうで何かコメントございますか。

 では、仲野委員、お願いします。

○仲野委員

 つけ加えて申し上げれば、最近ははりなどは全て使い捨てでございますから、それなりのものがかかってくるだろうし、衛生面だとかいろいろなものも同じように上がってきますから、その辺も上がる。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 池上委員、よろしゅうございますか。

 ほかに何か御意見、御質問ございますか。

 では、特段ないということであれば、事務局から御説明いただいたこの事務局提案につきまして、これをお認めするというような対応でよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、事務局案のとおりにさせていただきたいと思いますので、療養費の改定については、事務局案に沿って事務局は対応していただければと思います。よろしくお願いいたします。

○清水委員

 ちょっとよろしいでしょうか。

○遠藤座長

 清水委員、どうぞ。

○清水委員

 私、公益の清水です。

 ただいまお話がありましたように、今回は消費税対応ということで終始して、大体、1つ方向性が出ていると思うのです。「今後の議論について(案)」のところに消費税云々もあるのですが、最初のデータを見せていただいて、例えば2ページのグラフ、3ページのグラフ、それぞれについて事務局から、傾向に大きな変化はないのだというお話をいただいております。

 トータルで全国平均でいうと差はないのですが、地区によって非常に大きな格差があります。特に23年度10月と2410月で細かくそれぞれ見てみますと、例えば2ページの下の右から6番目の京都府が大体9.4。それが次の年には3.5ということで減少を見ております。下の左から7番目の徳島は、2.4ぐらいのところから、逆に次の年度には8%ぐらいのところに上がる。全体のグラフとしては変わらないのですが、地域性が変わっているというところの評価が多分必要ではないかと思います。

 おっしゃったように、抽出ということで、その年によっての違いがあるかと思うのですが、1年間でこれだけドラスティックに実態が変わるということは、まず、患者さんが増えるとか、それぞれの施術が増えるとか、逆にいうと、患者さんが減るとか、施術を提供する方が減るとかいうことともまた違うと思います。

 今度は同じ3ページを見ていただきますと、トータルとしまして、全体に大きな変化はないとは見られているのですが、これはベースが少し上がっています。その中で、今、私が全く同じような議論を述べますと、和歌山はともかくとして、右から2番目の高知県が7.4ぐらいなのが、今度は、青の線が上に出てきません。こういう状況になります。全く同じで、山形がやはり1.9ぐらいのところから、次の年は全く出てこない。逆に、左から5番目の栃木県が、次は2%以上。こういう差が出ているわけです。

 ということは、地域の施療が何か変わっているのか変わっていないのか。あるいは、抽出に問題があるのか。こういうデータを見ながら我々はこれから評価していくわけなので、その辺のところ、何か精緻化をしていくことはございますでしょうか。その辺を一つ御提案したいと思います。

○遠藤座長

 非常に重要な御提案だったと思います。これについて、事務局、何かコメントはございますでしょうか。

○保険医療企画調査室長

 ただいま清水先生から御指摘がございましたとおり、都道府県ごとに見てまいりますと、どうしても抽出調査ということもございまして、特に国民健康保険のレセプトというか、申請書の抽出の仕方というのが、都道府県ごとに人口の5分の1を占めるような形で市町村をピックアップして抽出するということでございますので、想像するに、たまたま施術所が多い市町村が当たった場合とそうでない場合とで差異が出てくることがございます。したがいまして、都道府県ごとに見た場合に、経年変化を追うことになりますと、今の抽出の仕方ではやや限界があるということでございます。

 ただ、全体として見た場合、平均値を見た場合、このような場合につきましては、先ほど申し上げたような形で、改定がないときにはそんな大きな差はないということでございます。全体として見た場合にこの調査というのはそれほど信頼度に問題ないと思いますけれども、地域性みたいなものを見ていくという観点におきましては、もう少し抽出率を上げるとか、そういったことも必要になってこようかと思います。

 この調査をするに当たりましては、レセプトに書いてある項目を業者に委託して入力させて、そこから分析をするということでございますので、当然、数がふえれば経費もふえるということでございます。そのあたり、いろいろな制約がある中でどういった対応ができるかということを、今の御指摘も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。

○遠藤座長

 清水委員、どうぞ。

○清水委員

 お答えありがとうございました。

 ただ、私が言いたいのは、2ページ目のグラフですが、京都の9.4が次の年には3.5に下がるということに関しては、何か地区で努力があったのか。例えば、これは多分、保険者の方が非常に興味あることだと思うのですが、こういう形でそれぞれのところを、逆に大きな変化のあったところは事務局から振り返って、下がったところには努力があったのか、逆に上がったところに関しては、明らかに開業がふえたとか、そのようなデータを拾っていただかないと、全国的には変わらないというと、多分、毎年変わらないデータになってしまいます。ですから、その辺の特異点を少し見ていただく。ということは、たくさんとらなくてもわかるわけですから、それを中の情報に入れていただく。地区の努力ですとか、逆に、地区が余り考慮されていなかったとか、そういうところを含めて情報を入れていただきますと、この会はまだ回数が少ないものですから、一つ一つ精緻化しながら、お互いに議論できる項目、内容にしていただかないと。

 いつも医療のほうのデータを持ってきて比例対照する話になりますが、医療とは基本的に違うと私は思います。何が違うかといいますと、自費部分が非常に多い。そうなると、多分、経費も違うと思うのですが、ここは今回は議論しません。そういうことで、きちっと議論ができて解析できるデータをなるべくお出しいただきたい。経費がかかるということは確かなのですが、ぜひ次回以降よろしくお願いしたいと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、まずはそのようなことでありますので、事務局としては対応できる範囲でできるだけ対応していただきたいということであります。

 では、関連ということで、池上委員、どうぞ。

○池上委員

 今日の議題ではないのですが、今の先生の発言にも関連するのですけれども、もともとこの専門委員会が設置されたのは、療養費の改定率の議論ももちろん大事な議論ではあるのですが、それ以上に療養費のあり方についての制度論の議論をするための委員会と記憶しているのです。そのことに関して、結果としてこの1年間はそういう議論に入っていないわけですけれども、事務局として制度論の本来の議論に対する今後の日程、方向性、その辺について、今日何か言えることがあれば御回答いただければありがたいと思うのです。

○遠藤座長

 それでは、事務局、お願いいたします。

○保険医療企画調査室長

 御指摘のとおり、この委員会というのは、療養費の改定に加えまして中長期の課題を議論する場として設けられたということがございます。中長期の課題につきましては、例えば、あん摩、はり・きゅうの関係でいけば、今、おっしゃられたような療養費の算定基準の根本的な部分、先ほどもちょっと例として申し上げましたけれども、定期的、訪問的な施術でありますとか、回数制限、期間制限といったようなこと、もっと大きな枠組みとしての療養費の支給のやり方といった部分がこれまでお伺いしてきた御要望の中からはうかがい知れるところでございます。

 できる限り早く、何らかの形で議論に着手したいと考えておりますけれども、具体的にどういう議論から始めるかということにつきましては、関係者の皆様方ともちょっと相談をしながらテーマ設定していきまして、できるだけ共通認識を得やすい、建設的な議論ができやすいような部分、あるいは、もしかすると法律の改正が必要だということであれば、そういった部分は優先順位としては高くなるということだと思いますので、そういったことも踏まえまして順序とかタイミングといったことを相談させていただければと考えております。

○遠藤座長

 池上委員、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 ほかに何かございますか。

 では、杉田委員、どうぞ。

○杉田委員

 このばらつきということについては、どうしても保険者によって、特に今回は受療抑制をしようではないかと思われるようなことがあると、当然そこに、減ってくるということがあるのですね。そういうことではなくて、全国どこへ行っても同じようなものができるということであれば、これほどの差が出てくるはずがないのだろうと思うのです。できればそういうことも話し合いの中に加えていただきたい。

 要するに、どう見てもこんなに差があるのは変だろうと思います。ですから、こういう差が出てこないようにするためには、もっと適切な方法があるはずだ、それをみんなで議論できたらありがたいなと思っています。

○遠藤座長

 実態はこんなに差はないということですか。

○杉田委員

 だと思います。

○遠藤座長

 ですから、これは統計調査の問題ではなかろうかということ。

○杉田委員

 そればかりではなくて、いろいろシステムの問題もある。支払いの側のあれもあるだろうと。

○遠藤座長

 了解いたしました。

 それでは、基本的にはここで改定の内容につきましては御承認いただいたということでありましたけれども、それ以外に附帯的な事柄として、1つは、エビデンスベースで議論していくわけでありますが、そのときの統計のあり方、統計の方法、それから解釈についてはまだ検討する余地が多々あるということで、事務局に宿題をお願いしたということが1点。

 もう一点につきましては、当初より中長期的な課題を議論するということになっておりますので、これについてもしかるべきタイミングで皆様の御意見を聞きながら着手したいということが事務局のお答えだったので、そのような対応でしていただくということだと理解しておりますけれども、事務局、そういう理解でよろしいですか。

 皆様、よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、そのような宿題含みではありますけれども、事務局提案については御承認いただくことにさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 それでは、本日の議題は以上でございます。

 事務局、次回の日程などは決まっているのでしょうか。事務局、何かお答えいただけますか。

○保険医療企画調査室長

 次回の日程は未定でございまして、また後日、相談、御連絡をさせていただきたいと存じます。

○遠藤座長

 よろしくお願いいたします。

 それでは、これをもちまして、第3回「社会保障審議会医療保険部会あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を終了したいと思います。

 本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。




 14時40分 閉会


(了)

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