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2014年3月20日 第20回政策評価に関する有識者会議

○日時

平成26年3月20日(木)9:56~12:08


○場所

厚生労働省専用第23会議室(6階)


○出席者

高橋座長、井部委員、菊池委員、篠原委員、阿部委員、安永委員、山田委員

○議事

(以下、議事録)

 

○高橋座長

 定刻少し前ですが、第20回「政策評価に関する有識者会議」を開催いたします。大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

 本日は渥美委員、梅田委員、河北委員、高橋委員、野川委員、堀田委員、本田委員、森田委員が御欠席でございます。

 それでは、今日の議事についてよろしくお願いいたします。

 

○政策評価官

 おはようございます。政策評価官の原口です。本日の議事ですが、お手元に配布してある議事次第のとおりです。大きく分けると2点あります。1つは、「平成26年度の厚生労働省における基本計画、実施要領及び実施計画()」について、今回改正を行ったので、その点について当方より説明した後に御意見を頂戴したいと考えています。2点目は、今日のメインの議事です。平成26年度に実施する施策についての事前分析表()については、実際は平成27年、来年の夏に皆様方の属する各ワーキンググループにおいて再度御議論をいただく実績報告書中の実施目標になるというものでして、そちらについて担当部局に御質問、御意見等を頂ければと考えています。事務局からは以上です。   

 

○高橋座長

 それでは、議事に入ります。事前分析表()については、担当課がヒアリング対象として対応していただくことになっているので、時間のことは少し厳格にというか、どうしてもヒアリングをやると長くなりますが、何とか全体として12時には終わりたいと思っていますので、御協力をよろしくお願いします。

 それでは、議事1、「平成26年度の厚生労働省における基本計画、実施要領及び実施計画()」について説明をお願いします。

 

○政策評価官

 先程申し上げましたが、本日、当方より御説明します事項は、まず、平成26年度における厚生労働省の基本計画()、それを実施するに当たっての実施要領()と実施計画()、この3つについての修正等の内容の御説明となります。

 まず、1点目は基本計画()についてです。資料1-1に修正の変更点等について新旧対照表を付けていますので、そちらを御覧ください。なお、厚生労働省の政策を体系化したものでして、政策体系の一部改正を行う必要が生じたことによるものです。この政策体系は、資料1-2の厚生労働省の政策評価に関する基本計画の一部となっていますので、この基本計画の一部改正についての説明をいたします。

2点目です。委員の皆様には、事業年度開始前、平成26年度については本日が該当するわけですが、翌年度の事前分析表を、夏には前年度の事業の事後評価として実績評価書に対して御意見をいただくと、先ほど御説明したとおりです。実は、昨年末において、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の政策評価分科会というのがあって、そちらで各施策の分析に当たり、一層の評価の重点化、標準化を図るべきとの御意見がありました。その御意見に対応するため、参考資料2として添付してありますが、事前分析表と実績評価書を一部改正することとなりました。その結果、それらの様式を定めている厚生労働省の政策評価実施要領等を変更することとなりましたので、その御説明となります。

3点目は、厚生労働省の政策評価に関する基本計画に基づいて、政策評価実施要領に従い政策評価を実施していくこととなりますが、平成26年度における実績評価となる期間等を、資料2-3の「厚生労働省における事後評価の実施に関する計画()」に定めることとなっています。なお、当該計画案の修正については、平成25年度を平成26年度に変更する、つまり、計画期間を1年ずらすなどの形式的な修正による改正ですので、こちらの御説明については割愛させていただきます。

 それでは、資料1-2にある、厚生労働省の政策評価に関する基本計画の改正について御説明します。厚生労働省における政策評価に関する基本計画(3)です。平成24330日に、平成2428年度までの5か年間について政策体系を整理し決定したものです。昨年度の有識者会議においては政策の変更等がなかったため議題にはなりませんでしたが、本年度は計画を修正することとなっています。改正箇所については資料1-1にまとめてあり、改正する政策目標を新旧対照の形で整理していますので、こちらで説明します。

3つありまして、1つ目の○で削除する施策目標として、「災害に際し応急的な支援を実施すること」とあります。これは、少し経緯を御説明しますと、平成24731日の中央防災会議防災対策推進検討会議においての、被災者支援の総合的な実施の観点から、災害救助法を所管する厚生労働省から災害対策基本法や災害者生活再建支援法を所管する内閣府に業務を移管することを検討すべきという御指摘を踏まえて、災害対策基本法の一部を改正する法律の施行に伴いまして、厚生労働省が所管していた災害対策救助法や災害弔慰金、災害障害見舞金及び災害援護資金等の関係業務については、平成25101日より内閣府に移管されました。このように業務が内閣府に移管されたために、厚生労働省の政策評価の対象から外れることになりましたので、政策体系7-3-1の「災害に際し応急的な支援を実施すること」を削除することになっています。

2つ目の○です。名称等を変更する施策の目標として、「戦没者遺骨収集帰還事業等を行うことにより、戦没者遺族を慰藉すること」については、事業名称を変更したことに伴い、形式的な文言修正を行っているところです。

3つ目です。新設する施策として、「社会保障・税番号制度について、国民の理解を得ながら、その着実な導入を図るとともに、社会保障・税番号制度の利活用を推進し、国民の利便性の向上を図ること」を新設しています。こちらは、皆様御承知のとおり、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、世の中では、いわゆるマイナンバー法といわれているものが、平成25531日に成立して、平成2710月に導入されることを受けて新設されたものですので、追加するものとして整理しています。

 次に、平成26年度政策評価実施要領、実施計画の改正について御説明します。資料2-1を御覧ください。こちらは、平成26年度政策評価実施要領及び計画の改正案の概要となっています。政策評価・独立行政法人評価委員会政策評価分科会における、政策の重点化及び評価基準の標準化を図る必要があるとの御意見を踏まえて、去年の1220日に「目標管理型の政策評価の実施に関するガイドライン」というものが定められ、各省共通の事前分析表及び様式を変更するということになりました。それに伴って、当省の事前分析表、実績評価書等に所要の改正を行っていますので、その改正点について今から御説明します。

 資料の別添1にあるA3で横長に折り込んであるものと、A3で折り込んで縦になるものの2種類がありますが、横に広げて見るものが事前分析表となり、縦に開くものが実績評価書様式になります。事前分析表の変更については、これまで施策目標の達成に向けた事業の進捗状況等を把握するために、毎年夏に皆様に当会議において御意見を頂く実績評価書のほか、残る施策については、モニタリングという数字を追う形で整理をするというモニタリング結果報告様式というのを作成していました。しかしながら、今回、事前分析表の作成に当たり、過去の実績等を踏まえて適正な指標の設定を行うことを目的として、事前分析表よりも比較的情報量が多く記載されていた、56段になっている予算の表ですが、こちらの表は、モニタリング結果報告様式に記載されていたものでして、5か年度分の予算の執行状況等を今回より事前分析表に記載するとともに、毎年度の目標等についても、これまでの事前分析表に記載していた、2年度分ではなく、計画期間である平成2428年度の5年度分など、多くの情報を記載することとします。また、この事前分析表の充実化の改正を行うわけですが、実績等について把握することができるようになるので、モニタリング報告様式を作成することが、重複する形になるので、現在使われているモニタリング結果報告書様式は廃止することとします。様式の変更部分については、別添1の事前分析表様式の新旧のA3の横に開くものを御覧ください。具体的に4か所ほど御説明します。

 まず、一番上です。改正前の予算書との関係というのが右にありますが、当該施策に係る予算額と執行状況の推移を確認できるよう、左側の施策の予算額・執行額の欄に変更して、これまで以上に詳細な情報をより分析できるよう5年度分の実績を記載することになります。

2点目です。右側の関連施策の欄は、政府の重要施策との関連を明確にして施策の重要性について分かりやすくするため、左側にあるとおり、特に施政方針演説等ですが、施策に関する内閣の重要施策の欄に変更して、関連する施政方針演説等の名称や時期、その概要等を記載することで、重点化を分かりやすくするものです。

3点目です。改正前の年度ごとの目標値の欄です。そちらの欄は、基本計画期間中における目標の達成状況や全体的な進捗状況を把握できるよう、5年度分、平成2428年度目標値及び実績値を記載することとして、情報をこれまで以上にもたせることとなります。なお、定量的な目標設定が困難な場合においても、計画性をもたせるために、測定指標(定性的)という欄の所に、5年度分の計画的な進捗状況について目標及び実績を記載する形で整理しています。

4点目です。改正前の達成手段の概要の所には、これまで、達成手段の目標、施策目標達成への寄与の内容という欄など3か所がありましたが、これまで、当方でいろいろと事前分析表の該当箇所を見てみたのですが、それぞれの欄に類似する内容を担当課も書いている所があるので、今回は一括りにして、左側になりますが、達成手段の概要という欄に統合して記載することとしたいと考えています。

 次に、実績評価書の様式です。今度は、後ろにある縦に開くA3の紙を御覧ください。実績評価書については、国民に対する説明責任を徹底するため、各行政機関間の評価実績書の統一性とか一覧性の確保を図ることが重要ということです。こちらも、総務省との取りまとめによるものであり、記載内容としても統一的に整備しないと意味がなくなりますので、それを明確にするものです。そのため、実績評価書の様式において、各省の評価項目と評価基準により実施することとなりますが、厚生労働省の施策の中には、数値化による設定とか把握が困難であったり、国民生活に直結し、かつ社会情勢の変化等外部環境の影響を受けることもありえることから、独自の判断基準も合わせて上乗せで設定して、最低限、各省の統一の様式内容にプラスして上乗せの評価基準を設けています。様式の変更部分については、先ほどと同じように、別添2の縦に開くものの実績様式の新旧表を御覧ください。右側が改正前、今まで使われてきた様式であり、左側が今回改正する新たな実績評価書様式となります。こちらについても何点か御説明しますが、変更点については先ほどと同様、黄色のハイライトを付けています。

1点目です。改正前の予算書との関係・関連税制の欄については、施策をやっていくに当たっては、予算と税制というのが大きな施策のツールですが、左側にあるとおり、予算の所は今回詳細な形になり、重複した部分が大きくなるので、そちらに統合して、独立的な政策のツールである税制だけは別途記載する形にしています。

 次に、中段になりますが、測定指標のうち、主要な指標の判断基準の部分についてはア、イ、ウと3つあります。今から申し上げるのは、資料2-1に概要として記載していますが、そちらの2の実績評価様式の(2)の一番下の所の囲みにあるとおりとなります。まず、主要な判断区分として、ア、イ、ウの3つを設けました。

 一つ目のアとして、当該指標の達成に向けて多くの予算・人員等が投入されているもの。当然、そういう予算・人員が投入されるものというのは、主たる施策として判断しやすいものがあります。

 イとして、当該指標について、国民の関心が高く、行政上も課題となっているもの。多くの予算ではない、人員を多く割かないとしても、国民的な視点による評価というのも重視されるべきだと思っておりますので、そのようなものが1つメルクマールとしてあるのではないか。

 ウとして、その他目標達成に向けて重要性が高いと判断するものを設けました。こちらは、新政策であったり、今後、将来的に厚生労働省の行政を考えていくに当たって、どうしても行政としては重点的に推し進めていくべきではないかということがあるかと思いますので、こちらのア、イ、ウの欄の所に、主要な目標として担当部署が○を記載することとなります。なお、この主要指標の判断基準については、ここのメルクマールについて総務省に確認をしたのですが、総務省からは、こちらについては各省独自の判断として結構ということでしたので、ア、イ、ウと3つのメルクマールを設けました。なお、こちらのア、イ、ウについては、昨年の夏の実績評価を行うワーキンググループで、本日御欠席の梅田委員からこのような観点で整理すべきではないかという御発言がありましたので、そちらを汲んで試行的に入れてみたらどうかということです。

 次が、右側の欄です。設明としては資料2-1の裏側に移ります。各測定指標ごとに達成欄を設けて、目標を達成した場合は○、一部達成は△、未達成の場合は×、実績値がなく判定が不能というものもありますので、そちらの場合は-を付けるという4区分により達成状況を記載することになります。

 最後に、各測定指標の達成状況としての、○と△の数と主要な測定指標についての達成状況について、目標達成の度合いの結果の欄に(1)(5)があります。資料2-1の裏面の(4)になります。(1)(5)は、大きく分けると2つになります。(1)(2)が全ての指標が達成された場合、(3)(4)(5)は一部又は全部の指標が達成されなかった場合になります。

(1)が、全ての指標が達成されて、かつ主要な指標が目標を大幅に上回って達成したもの。

(2)は、同じく達成されたのですが、主要な指標がもともとの目標を大幅に上回っていないもの。これは達成したことが前提になります。

(3)が、一部又は全部の測定指標で達成されなかったが、主要な測定指標はおおむね目標に近いということになりますが、相当な期間を要さずに目標達成が可能という形で、現状より若干の時間があれば施策が達成できるのではないかというもの。

(4)については、若干、目標を達成するには時間がかかるということで、今の(3)よりもベクトルがもう少しゆるやかな感じのイメージの達成状況です。

(5)については、目標に向かって逆のベクトルというか、下のほうに向かっている形のものになります。

(1)(5)については、目標達成の度合いの測定値というところに記載されます。

 次に、目標値が低くて、大幅に達成し過ぎたものはもともとの目標がおかしかったのではないかということもあるので、そのように達成した場合については、ハイライトの一番下になりますが、施策及び測定指標の見直しの所に記載する形になります。今の上の段で、黄色のハイライト、総合判定の所があります。こちらは、先程申し上げたとおり、厚生労働省としては数値では目標を判断できないものもありますので、そちらについては、判断結果として、厚生労働省としてどのように考えているかという判断をし、なぜそれができないのかについては、その判定理由という所に記載し、PDCAをしっかり回していく形を考えています。そこについては、厚生労働省独自の評価として整理したいと考えています。

 以上、資料12の概要版を中心に御説明しましたが、この変更点については全省庁統一、標準化するのが主たる目的として改正になっているので、御意見を頂戴することは構わないのですが、反映させるのは実は難しいので、今後、これを試行的に導入するに当たって注意すべき点等があれば御意見を頂きたいと思っています。また、この変更点について、資料1-2の厚生労働省における政策評価に関する基本計画()、資料2-2の厚生労働省における政策評価実施要領()及び資料2-3の厚生労働省における事後評価の実施に関する計画()に文言として記載していますので、そちらの説明は割愛いたします。少し冗長になりましたが、ただいま説明した内容について御意見を頂ければと思います。事務局からは以上です。  

 

○高橋座長

 基本的には、施策の動向、法律制度の関係の削除、追加、それから、総務省の省庁間の様式の整理、一部独自のものがあるとのことですが、何か御質問があれば、ご発言をお願いします。

 

○篠原委員

 削除した災害に関することで、当然、厚生労働省は、内閣府とかほかの省庁と同様、政策と言わないでもやっていると思うのです。政策、施策、実施は内閣府に落ちるのかもしれないけれども、これが削除されてしまうと、厚生労働省では、公式にそれを評価するものがなくなる。当然、災害において厚生労働省が担当するものがあるわけですよね、それはこの中に入るのですか。例えば、消費者庁の担当しているのもここがありますね、そういう部分が政策評価に載っていますかということです。

2番目が、我々、これをかなりの年限やっていて、非常に空しさを感じるのは、例えば、内部評価をやっていますと、我々、当然チェックできません。独法の場合は1日かけてやっている所もあります。私もいくつかやっているのですが、それでも大変です。だから、それは政策評価に関する法律にはやれと書いていないからやっていないけれども、この辺が、ほかの省庁はこういうものについてどの程度、やっている所もあるのか、全然やっていないのか。ある厚生労働省管轄の独法で契約監視委員会というのもあるのですが、そこではかなり細かくやっている。そうすると、本省と各部の差を感じるのですが、それはどう考えているのでしょうか。この2つ、すみませんが、余り時間がなさそうなので簡潔に言っていただければ。難しかったら結構です。いわゆる、答えづらい質問だと私は分かっていますから。

 

○政策評価官

 まず、1点目の防災に関してですが、予算等業務が全て内閣府に移管されるということで厚生労働省から外れますが、内閣府の評価委員会で当然評価される形になります。業務としては全部出て行っていますので、残るものはないという形です。

 

○篠原委員

 一切関係なくなってしまうのですか。

 

○政策評価官

 なくなります。

 

○高橋座長

 あれは、基本的に社会・援護局の所管で、それがそのままスポッと向こうへ行ってしまったということなのです。

 

○篠原委員

 一切、業務なしで。

 

○政策評価官

 なしです。

 

○高橋座長

 法律で所管が変わってしまったから。

 

○篠原委員

 では、ちょっとその関係で、すみません。私は、他の省庁の独法で放射線関係の専門の所をやっているのですが、どうもここは何もやっていないと、それも移ってしまったということですか。というのは、もっと具体的に言えば、労働者に対する健康はここが所管だったのですよね。そうすると、その辺が見えないのです。向こうは、そちらは住民に対する放射線、こちらは労働者に対する放射線ということも頭にあって、先ほどの質問をいたしました。

 

○政策評価官

 分かりやすい具体例をおっしゃっていただきました。政策については、各省にまたがっているものもあり、法律に基づいて、先ほどの労働者の健康については労働基準局の所管になりますが、法律に基づいて厚生労働省が所管する法として施策を実施している限りにおいては、一部は厚生労働省の施策の評価になるという形になります。今回は、先ほど座長から言われたように、業務等全てが移管されていますので、厚生労働省に残存する業務がなくなるために政策評価から外すということです。

2点目は、政策評価について、本日1日で御審議いただくのですが、他省庁はどのような形でやっているのかですが、申し訳ございませんが、明確に調べ上げたことがないので、調べて今後の運営について検討した上で御報告したいと考えます。以上です。

 

○高橋座長

 ありがとうございました。

 

○政策評価審議官

 ちなみに、財務省なども1日で大体やっているので、それほど何日もかけてという所は少ないのではないかと思います。それから、施策について言うと、行政組織法上、全ての施策をどこかに必ず重複なく、ここは重要なのですが、重複なく割り振っていて、ただ、現実には、確かに重複というか、両方から見ている所もあると思います。その意味で言うと、災害について、業務は向こうに移管したが、例えば、事実上災害者に対してやるという業務は残っているので、それは、例えば、生活保護の観点から災害者に対してやることになれば、生活保護の観点から我々は見るということで、評価がなくなるわけではないと、ただ、今言ったように、災害という業務については向こうに移管したので、ここからは落ちている形になると思います。

 

○篠原委員

 私は会計士なので、ちょっと本業と違う所からの委員会が多いのですが、いわゆるパワハラだ、セクハラだ、情報公開だ、個人情報保護とか、今回の契約なども、意外と契約ということは外れてしまう。あるいは、今、問題になっている論文などの質の確保なども、当然中に含まれる政策等が出ていない。そういうものはかなり重要で、その辺の、いわゆる間接業務というか、本来業務から外れたところの重点が、こういう政策評価と掲げないので、やはり少し軽くなるのか無視されるのかなという気もして、その辺の簡単な感想で結構ですが。

 

○政策評価官

 御指摘の内容については、間接的となる会計、人事、総務というものは別になります。また、論文のそういう審査の状況がどうかということですが、なかなか予算とか施策と連動させて分析するのは難しいのが実状ではないかと考えます。先程来、72の施策があると説明しておりますが、ほかにも人事とかにも目標はありますが、そちらは目標をそもそも立てづらいというところがあるので、外した形で、純粋に予算、税制、いろいろな政策ツールと目標について御意見をいただくという整理にしています。

 

○高橋座長

 なかなか難しい。一言、はい。

 

○阿部委員

 時間がタイトの中ですみません。事前分析表の所ですが、改正前と改正後で変わった所で、一番下の欄の達成手段の概要の所が、以前は達成手段の概要だけではなくて手段の目標、それから寄与の内容という形で、それを集約しましょうということ、それはそれでいいと思うのですが、しかし、多分、もともと手段の目標とか寄与の内容をわざわざ欄を設けていたということは、非常に大事なポイントになっていると思うのです。それを、改正後になると何を書いていいのかというのが見えにくくなるのではないかという危惧があります。それで、資料2-2の実施要領の案を見ると、明確に、達成手段の目標、それから寄与の内容という欄を書いていないような気がするのです。具体的に言うと、この案の分析指標の例示別紙1-2がありますが、その中には、この達成手段の目標とか寄与の内容は必ずしも表れていないように思われますので、この辺り、記載をどういうふうにしていくかを、もしかしたらマニュアル等でお示しになることもあるかと思うのです。ついでに言うと、実績評価書にはかなり詳しい記載マニュアルがあるのですが、事前分析表には何かここには付いていなかったので、そういう記載要領を丁寧に示すことは大事なのではないかと思いました。

 

○政策評価官

 今の阿部委員の御指摘ですが、御指摘のとおりであると思います。今回この様式を省内の担当部署に配布するに当たっては、実施要領中に、今御指摘のあった点は書き込んだ上で配布したいと考えます。ありがとうございました。

 

○高橋座長

 それでは、申し訳ございませんが、次の相当時間のかかりそうなテーマが待っていますので、この議案については、こういうことで実施をしていただきたいということで整理したいと思います。御指摘の所は踏まえて、より改善の努力はしていただくことになると思います。

 それでは、次の、「平成26年度実施施策に係る政策評価の事前分析表について」という議事について審議をしたいと思います。議事の進め方について説明をお願いします。

 

○政策評価官

 資料3-1を御覧ください。昨年の当会議でもお配りしていますが、政策評価の実施の予定ローテーション表です。5か年の基本計画期間中の評価実績時期を表したものでして、実績と記載された年度に実施目標の実績評価書を作成して、夏に開催される各ワーキンググループにてご意見を頂戴する段取りになっています。そのため、平成26年度の実施施策の事前分析表のうち、平成27年の夏に、平成26年度として分析されるものについて、本日、御意見を賜りたいと考えています。具体的には、資料3-1の表に赤枠で囲ってある15の施策を各ワーキンググループごとに区切って、労働・子育て、医療・衛生、福祉・年金の順番でグループごとに担当部局の入替にて対応したいと思います。1グループごとの時間ですが、おおむね30分程度として、目標の達成度合いを測るため、施策目標ごとに設定している測定指標の妥当性等を中心に御議論いただければと思っていますので、よろしくお願いします。事務局からは以上です。

 

○高橋座長

 それでは、今、事務局から説明されたとおりのやり方でやりたいと思います。所管部局がメインテーブルに着席をします。少しお待ちください。初めは、労働・子育てワーキンググループです。

(所管部局入室)

 

○高橋座長

 それでは所管部局の皆さんがテーブルに着席していただいたようですので、事前分析表の労働・子育てワーキンググループに関連する施策について質疑を行います。皆さんのお手元にございます資料3-2、対象の施策目標は、3-3-1「迅速かつ適正な労災保険給付を行い、被災労働者等の保護を図ること」、3-8-1「労働保険適用促進及び労働保険料等の適正徴収を図ること」4-4-1「雇用保険の安定的かつ適正な運営及び求職活動を容易にするための保障等を図ること」、5-3-1「技能継承・振興のための施策を推進すること」、6-2-1「地域における子育て支援施策の推進を図ること」、6-2-3「保育所の受入児童数を拡大するとともに、多様なニーズに対応できる保育サービスを確保すること」の以上6つの施策目標です。それぞれのデータを御覧いただいて、何か御質問等があれば、お受けいただくという形でやらせていただきます。

 

○菊池委員

 まとめてでよろしいのでしょうか。

 

○高橋座長

 結構です。

 

○菊池委員

 気の付いたところで、4点お聞きしたいと思います。まず、1枚目の3-3-1、指標として脳・心臓疾患、精神障害が挙がっているのは認定が難しいのでよく分かるのですが、最近裁判例を見ていると、アスベスト関係の裁判例が非常にここ数年多くなっていて、多くは民事訴訟なので、労災認定に係る事案はそれほど相対的には多くないかもしれませんが、ただ裁判になっているというのは、かなり争いがあるというか、問題になっているということで、例えば労災認定に係るアスベスト関係の事案で、もし認定の場面で難しさがあるのであれば、そういったものを取り上げるという可能性はないのかどうかという辺りを、お聞きしたいと思います。

2つ目は次の3-8-1ですが、労働保険の保険料の徴収に関しては、会計検査で結構指摘がなされていると思います。私は会計検査の仕事も少しして、会計検査と政策評価は無関係ではないと思っていまして、そういう意味で会計検査の指摘に関わる観点から、何らかの制度的な問題が指摘されているのか、それに対して、ここで対応していく必要はないのかという辺りをお聞きしたいと思います。

3つ目は4-4-1ですが、これは質問ではなく感想ですが、いわゆる二事業の所で様々な事業が入っていて、しかも基本的に全部が単年度なのです。単年度ごとに政策効果を測りながら続ける続けないという形で判断されていると思うので、なかなか直接この政策評価に載ってこないのですが、逆に単年度事業でやっている不安定性というか継続性、そこは非常に気になっていまして、例えば就労支援を含めて、様々な施策が行われていますが、例えばそこでコーディネーターや、様々な専門家を雇っていろいろなサービスをやっている中で、全部単年度契約なので、様々なサービスを困窮者に対して行う専門家の雇用上の地位自体も不安定な部分を感じていて、それがこの政策評価には載ってこないのですが、方向性として順次法定化していくという方向性にあるのかどうか、補助事業から法定化された事業へという、何かそういう流れがあるのかどうかという点につき、何かコメントがあればお聞きしたいと思います。

 最後の2枚ですが、これはよく言われることと思いますが、様々な数値、保育所受入れ何万人という、今はもうとにかく人員を確保する、枠を確保するので、大変なのだろうと思うのですが、どうしても質の問題というのは二の次になってしまうという、これも政策評価という難しさですが、そういう量的な確保とともに、質的な保障みたいな、その辺を政策目標、評価の中に取り込んでいくというのは難しいというのは重々承知していますが、しかしそういう取り込んでいく努力は必要でないかと思うのですが、いかがでしょうか。いろいろ述べましたが以上です。

 

○高橋座長

 まとめて質問を頂いて、それぞれお答えいいただくというようにして、記憶を失わないように記録をしていただいて。ほかに何か。

 

○安永委員

 資料3-25ページに記載の施策目標4-4-1についてですが、定量的な測定指標の一つである「雇用保険受給者の早期再就職割合」については、その目標値について「決定次第記載予定」とされております。雇用保険制度については今国会で雇用保険法改正法案が提出されて、現在審議中と承知しております。その中には、就業促進手当(再就職手当)の拡充として、様々な条件がありますが、現行の給付に加えて、早期に再就職した雇用保険受給者が、離職前の賃金と比べて再就職した後の賃金が低下した場合には、6か月間職場に定着することを条件に、基本手当の支給残日数の40%を上限として、低下した賃金の6か月分を一時金として追加的に給付するということが盛り込まれておりまして、今年の41日から施行が予定されていると承知しています。目標値については、それらで見込まれる効果も十分織り込んで設定していただいて、この制度を活用して効果を高めていただきたいと思っておりますので、要望としてお願いします。

 

○高橋座長

 それではよろしゅうございましょうか。それでは御質問について所管の部局から順にお答えいただきましょうか。まず、3-3-1についてお願いします。

 

○岩瀬補佐(基準局補償課)

  労災補償部の補償課です。菊池先生から御質問いただきました3-3-1についてお答えします。こちらの測定指標、定量的なものについては労災の中でもやはり一定の審査に時間のかかる疾病、その中でも特に時間を要する脳・心臓疾患、精神疾患、そして御指摘のとおり、アスベストの関係が大変時間がかかるものです。この3つが私どもも当初対象として考えられるものと思ったところです。そういう中で全て認定基準、制度的に行う認定基準というものは当然定めているわけですが、アスベストについては御案内のとおり中皮腫のようなものであれば、認定基準に沿ってすぐに認定できるわけですが、どうしても肺がんであるとか、そういったものが多うございまして、主治医の判断と、労働局に上がってからの専門医の判断の結論がなかなか出ませんで、その上の中央における確定診断というものにかけ、最終的に中央での検討会で結論が出るというものがかなり多うございます。ですから、なかなかここに数字的にアスベストが、確かに件数としては今1,000件からの請求がきておりますのでまとまりはあるのですが、なかなか定量的に数字を表すのは難しいかなと。余りにもばく露の状況の問題もありますが、疾病についても時間のかかるものとかからないものと、はっきりしすぎているかなと考えておりまして、今回はこのようにさせていただいたところです。

 

○高橋座長

 引き続き2番目はどなたですか。よろしくお願いいたします。

 

○千谷補佐(基準局労働保険徴収課)

3-8-1の関係でお答えさせていただきます。労働基準局の労働保険徴収課です。菊池委員から御質問がありました会計検査院での指摘について、何らかの制度的な問題が指摘されていて、それにどう対応しているのかという御質問でしたが、会計検査院からは過誤徴収している点などが指摘されてはいるのですが、労働保険については事業主の自主申告制度であるというものですので、なかなかその点制度を変えるというのはちょっと難しい点もあろうかと思います。過誤徴収については各労働局で是正などをしているところです。

 

○高橋座長

 よろしいでしょうか。それでは引き続き。

 

○菊池委員

 それは会計検査院の指摘がちょっと無理と、そういうことですか。

 

○千谷補佐(基準局労働保険徴収課)

 そうですね。制度的に自主申告制を採っているということで、事業主で概算で保険料を申告していただきまして納付をしていただいていますので、全て過誤がないかどうかについて、労働局で全てを確認することは難しい状況になっています。

 

○高島補佐(安定局雇用保険課)

 今の関係で雇用保険課の者ですが、先ほどの菊池委員からの御指摘の中で、おそらく労働保険となると労災もありますし、雇用保険もあるかと思います。会計検査院の指摘のところで具体的にということではないのですが、こちらの行政担当者としてよく留意しておかなくてはいけない話としては、やはり雇用保険の適用の基準がここ数年拡大されてきているということはあると思います。週の所定労働時間が20時間以上であることを前提として、雇用見込みの期間が平成21年には6カ月以上に変わり、平成22年には31日以上に変わりました。それによって厚生労働省としては当然非正規労働者の方の適用も当然進んでいくだろうと期待していますし、そのつもりで制度を変えているわけですが、やはり現場で見ていくと、雇用形態が様々であるので、そこをきちんとつかまえていかなければいけないということは制度上の課題であると思っています。

 要するに非正規の労働者の方ももちろんそうですし、特に難しいのは派遣労働者の方々の適用です。当然雇用保険は派遣労働者であるからといって当然排除などはしていなくて、所定労働時間、雇用の契約の期間を踏まえて適用はしているわけですが、やはり現場での典型的に判断が難しいケースとしてはそういう部分があります。雇用保険担当には、その辺り派遣は特に留意点ありと業務の要領についてはきちんと書き込んで周知はしています。また毎年度事業所の方々には、これだけ今雇用保険の被保険者の方がいらっしゃいます、基準はこうなっていますが、適用忘れなどありませんかということは周知を図っていっていますので、そういったことを含めて、制度の理解を図っていくことは、会計検査院の指摘に限らずということであると思いますが、やらなくてはいけないことだろうと思っているところです。

 

○高橋座長

 よろしいですか。それでは引き続き雇用保険の関係で安永委員からの御指摘も含めてお願いします。

 

○高島補佐(安定局雇用保険課)

 分かりました。菊池委員からの御指摘、特に雇用保険二事業について頂きまして、こちらは今日、ちょうど資料でお出しさせていただいたものは、どちらかというと失業者等給付、労働者向けの給付に関する目標ですが、雇用保険制度の中で、雇用保険二事業は当然運営しています。

 雇用保険二事業をどのように評価、運営しているかということですが、制度上雇用保険二事業については、使用者の方、企業の方から保険料を頂いてそれを原資として運営していますので、別途企業の方々にも御意見を頂きながら、また審議会などにも御報告をしながら、PDCAサイクルを運営しているところです。

 特に目標の部分で、単年度では測り切れない部分があるだろうという御指摘はおっしゃるとおりでして、今、目標も若干多様化しておりまして、例えば政府で中長期のプロジェクトになっているようなもの、ジョブ・カードはそうなのですが、成長戦略で何年度までに何人普及するというのがありますので、そこであまり年度年度で区切っていっても難しいところはありますので、そこはある程度時期を合わせた目標にしていったりとか、あとはそのほか単年度ですぐに目標が成果で出にくいようなものは、複数年度の目標を設定するなどして、少しスパンを変えながら、事業の性格を見ながら目標の運営をしているところです。

 どうしても予算になると、単年度ごとの要求になってしまうので、そこによって影響が出てしまう部分はあるのですが、できるだけ目標設定、目標管理をしていく中で、その辺りの事業の特性は踏まえてやっていきたいと考えています。

 もう1つ、安永委員から御指摘を頂いた早期再就職割合についてです。早期再就職割合については、要素として大きく目標設定に当たり2つ要素があるだろうと考えていまして、ハローワーク全体の就職率と同じように、そのときの経済情勢がどうなっているか、雇用の見込みがどのようになるだろうかという要素と、もう1つは制度上の部分になるだろうと思います。制度上の部分については、正に御指摘のとおり、今回の雇用保険法改正で、再就職手当の見直しを行いました。まだ、国会で成立はしていないので、外に言いにくい部分ではあるのですが、厚生労働省としてはそれが成立いただけたら、すぐに施行されることを前提として、ハローワークの現場職員などについて、雇用保険の受給の説明会できちんと説明をして、周知をして、効果を高めていくとか、そういった方針などは現在示そうとしているところです。目標設定については、最終的にこれからきちんとセットするところですが、雇用情勢ですとか、そういった制度のところ、全体を踏まえて考えていきたいと思っている次第です。雇用保険からは以上です。

 

○高橋座長

 それでは最後は雇用均等・児童家庭局、子育てから、最近はいろいろとかまびすしいので。

 

○堀補佐(雇用均等・児童家庭局保育課)

 子育て支援の関係で、質の確保ということで御指摘を頂いております。例えば保育であれば待機児童解消加速化プランで、2年で約20万人分、5年で約40万人分の保育の受け皿を増やしていくこととしておりますが、やはりその中でも当然質の確保された保育の受け皿を増やしていくというのが非常に重要な観点だと思っております。待機児童解消加速化プランの中でも、保育士の確保ですとか、認可外保育施設を認可保育所に移行させていくとか、質を確保するという観点から実施していますし、平成27年度施行予定の子ども・子育て支援新制度においても量の拡充と質の確保の両方を消費税等の財源も確保しながらやっていくということで、進めているところです。

 それをどう政策評価の中で取り込んでいくかというのは、なかなか難しく、答えを持ち合わせているものではありませんが、ここに掲げられている施策についても、例えば保育所であれば基本的に認可を受けた、基準を守った保育所を増やしていくとか、その他の施設、サービスについても一定の基準を守って実施をしていただく。それを量として増やしていくという意味では、量を増やしていく中で質の確保も図られているという考え方はできるのではないかと思っています。

 

○高橋座長

 よろしいでしょうか。

 

○菊池委員

 難しいとは思うのですが、何箇所というようなことでは、意味がよく分からない。増えるのは悪いことではないですね。介護関係だと各中学校区にとか、そういうのだとある程度イメージしやすいですが。だから、今問題になっているネットで預けるみたいな、ああいうニーズがあって、そういうのをカバーしていくには一時預かり何箇所というのとどうつながるのかよく分からない。例えば各拠点があって、そういう所に整備していきますよというほうが、何か分かりやすいような気がしますが、感想です。

 

○堀補佐(雇用均等・児童家庭局保育課)

 目標値の設定の仕方としては、例えば子ども・子育てビジョンで自治体がアンケート調査をして、どのぐらいのニーズかあるかというのを把握して、このぐらいの施設なりサービスなりを整備していきましょうということで、設定されているものが基本になっているかと思います。今度の子ども・子育て支援新制度においても、自治体において地域のニーズを調査していただいて、それを基にどのぐらいのサービスが必要とされているかを、もちろん全てのニーズを満たすというのはなかなか難しいところではありますが、それを基に計画を作っていただいて、その計画に従ってサービスを整備していくということになっています。

 

○菊池委員

 つまり、計画の中でそういうPDCAサイクルを回しなさいというのを自治体に示して、その指標も示していくという。そして関接的な形で具体的には自治体にやってもらうと、そういうことですか。

 

○篠原委員

 去年、私が事業仕分けをやっていて、そこは待機がないのです。調べたらば、無認可というのがすごく多くて、びっくりしたのはものすごく規模が大きくて、認可よりも人数が多いのではないかというぐらい。通常私などが見ていると、無認可というのは5人とか10人と制限されて、その辺の制限はないのですか。先ほど質と言われたけど、やはり30人、40人で無認可というと疑問を感じるのですが、その辺はどうしているのですか。

 

○堀補佐(雇用均等・児童家庭局保育課)

 いわゆる認可外、あるいは無認可保育施設ということだと思います。全体的な数からいえば当然認可保育所に通っているお子さんのほうが多いわけですが、やはり認可外保育施設に通っていらっしゃるお子さんもいらっしゃるということだと思います。人数の制限というのはないといえばないのですが、6人以上の子どもを預かる場合には、都道府県に届出をして指導監督を受ける。もちろん6人未満の所も指導監督は受けることになるのですが、事前把握としては6人以上の所は届出をする必要があるということになります。保育士の割合とか、そういったものにも一定の指導監督基準があって、それに従って指導監督をするということになっています。

 

○高橋座長

 なかなかこれは難問の話でして。はい、どうぞ。

 

○阿部委員

 これは評価官室にお聞きする質問ではないかと思うのですが、今回労災保険の給付費と雇用保険の給付費が達成手段の欄に記入されているのです。達成手段というのは、多分、これぐらいの資源をインプットするほうで、インプットして結果としてアウトカムが出てくる、アウトプットが出てくると思うのですが、給付費はどちらかというと、アウトカム指標、あるいはアウトプット指標ではないかと思うのです。つまり、労災が起きたから支払わなければならない義務経費ですし、雇用保険も失業したから払わなければいけない義務経費ですから、達成手段の欄に入れるのはちょっと違和感があるのですが、この辺りを少し整理されたほうがいいのかと思いました。

 

○政策評価官

 御指摘を踏まえて検討いたしまして、修正できるものは修正いたします。

 

○高橋座長

 よろしいでしょうか。非常に大事な御指摘、あるいはいろいろな技術的に改善できるものも含めまして、本質的な指摘もございましたが、これらの御議論を踏まえまして、今の阿部委員の御指摘は正しくそういうことだと思うのです。必要に応じて、事業の追加、変更等をやっていただくと、大変より良い評価ということですので、よろしくお願いいたします。それではこのセッションはこれで終わらせていただき、次にいきたいと思います。どうも御苦労様でした。

(メインテーブル入替)

 

○高橋座長

 よろしいですか。それでは、資料3-3、医療・衛生ワーキンググループです。施策目標は1-3-1「医療情報化の体制整備の普及に関すること」、これは医政局と政策統括管室が担当です。「原子爆弾被爆者等を援護すること」、これは健康局の総務課の所管です。「健康な献血者の確保を図り、血液製剤の国内自給、使用適正化を推進し、安全性の向上を図ること」、これは医薬食品局の所管です。「新医薬品・医療器機の開発を推進するとともに、医薬品産業等の振興を図ること」、これは医政局の経済課、研究開発振興課の所管です。「安全で質が高く、災害に強い持続的な水道を確保すること」、これは健康局の水道課の所管の事業です。以上ですが、これらの施策目標について御意見、御質問を委員のほうからお寄せいただいて、質疑応答とさせていただきます。何かありますか。

 

○山田委員

 慶應大学の山田です。資料3-3を拝見すると、測定指標の選定理由及び目標値が、必ずしも明確でないところがあります。そこが気になったので、もう少し、どのように目標値を設定するのかという根拠を書き込まれたほうがいいのではないかと思います。

 具体的には、例えば1-3-1で、統合系医療情報システムの普及率が39.3%となっていますが、この39.3%というのが一体どういうふうに設定されているのか。もちろん、可能であれば100%にすべきというところで、その100%の目標が何年になるのかというところから、本来であったら逆算して39.3%を設定されているのかどうかということです。

1-5-4に関しても、受診率の72%という設定根拠がちょっとよく分からないということです。さらに、1-8-1という指標については、これも件数のパーセンテージが書いてありますが、一体どういう理由でこの数値になったかが、情報が公開されたときに国民の目から見て、やはりどうしてこの設定値になるのかが分からないので、その辺りはもう少し書き込んでいただかないと分からないと思います。

 

○高橋座長

 それぞれ関係部局における目標数値の設定についての御質問が出ましたので、それぞれでお答えください。

 

○大竹補佐(医政局研究開発振興課)

1-3-1です。目標値が39.3%となっているのですが、これは分析表にもあるとおり、3年に1度の調査で医療施設調査を行っていて、オーダリングシステムの普及率が39.3%となっています。正直、こういった数値を出しているものがなかなかありませんので、この数値を使っております。先ほどおっしゃったように、100%からというのがあるのですが、当然、経費の問題などもあって、設定値100%というのはなかなか難しい部分もあるのです。先生がおっしゃったように、その部分ももう少し考慮してみたいと思っています。

 基本的に今は、平成23年度が39.3%で、その次の平成26年度の目標で39.3%以上となっているので、目標値的にも確かに少し乱暴な感じもしているのも事実です。ただ、目標としてそういったものを推進していくことは、こちらとしても非常に重要なことだと思っているのですが、医療機関や地域の実情によって、入れる、入れないも含めてなのですが、そこは必要に応じて、必要な所は入れるという感じでもあるので、数値で100%だ60%だ50%だと設定するのがなかなか難しい。全て電子化を図るというよりも、その地域の実情に応じてやっていただいている部分もあり、なかなか難しい部分もあるのですが、そこは少し検討させていただきたいと思っています。

 

○山田委員

 もちろん地域の実情に応じて、なかなか入れられない所や入れられる所があるのは、私もよく分かっております。ただ、39.3%が前の年度で、39.3%以上と言うと、0.1%だったら目標がきちんと達成されたのか、10%ならどうか、それは、やはり原局から御覧になった地域の実情を勘案した上で、何らかの目標を設定されないと、結局、最終的にこの実績を評価するときに、達成がどれだけできたのかが、これだと全く見えないと思うので、その辺りはもう一度、やはり難しいことはよく分かるのですが、地域の実情も踏まえてご精査いただき、適切な数値を設定されたほうがよろしいのではないか、説明が外部的にもつくのではないかと考えております。

 

○大竹補佐(医政局研究開発振興課)

 分かりました。実際、ほかの数値がないかというところもあるのですが、そこはまた、IT戦略本部を中心に閣議決定をして、昨年6月にIT戦略が出て、その工程表等々、詳細も、今、詰めているところなので、そういったものの内容も踏まえて、こういう数値目標などに反映できるものがあれば、そういったものも使っていこうかと思っております。

 

○高橋座長

 なかなか難しい、悩ましい領域の目標設定かと思いますが、補足の根拠の所でその辺りを補足していただくことも必要ではないかと思いながら伺いました。

 原子爆弾被爆者の援護は、まだ担当者がお越しでないので、医政局のほうにも同じ目標値について質問が投げかけられましたので、よろしくお願いいたします。

 

 

 

○小川専門官(医政局研究開発振興課)

 医政局です。「新医薬品・医療機器の開発を促進するとともに、医薬品産業等の振興を図ること」として目標値を立てております。少し色合いの違う目標値にはなっていますが、やはり、医薬品・医療機器の開発の促進の指標であったり、産業の振興の指標というのは、一概にどこまでを目指すのだというところもなかなか難しいのです。ただ、そうは言っても、日本においてどれぐらいの研究がなされているのか、特に厚生労働省では2012年に「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」を策定しまして、日本発の革新的医薬品・医療機器を創出するために、医師主導治験や質の高い臨床研究を推進することを掲げて、いろいろな取組を実施しているところです。

 したがって、1つの指標として、医師主導治験についてはどんどん増やしていきたいという思いがあります。ただ、どこまでいけばそれが達成されるものなのかは、先ほどのところと同じで、なかなか難しいところもあります。少なくとも前年度よりは増やしていこうということで、前年度の数字を目標値として置かせていただきました。少しここも乱暴な議論になるのかもしれません。

 また、国際共同治験についてですが、ドラッグラグ、デバイスラグは、日本において後から開発されるので、導入が遅れてしまう。そのため、企業の戦略もありますが、最初から国際共同治験という形で開発時点から日本が開発に関わるようにすれば、承認申請も同時にできる可能性が高くなるということで、国際共同治験も増やしていきたいところです。全てが国際共同治験で実施する必要があるものではないので、例えば、日本の固有の風土病などもありますし、そういったものの研究についてはあえて国際共同でやる必要もない。そういう事情もあり、どこまでを目指せばいいのかがなかなか難しいところです。

 少なくとも、現時点の20数%でいいのかというと、もう少し増やしたほうがいいのではないかと。ここも非常に曖昧で、これまで、どこまでいけばいいのかを余り明確に議論してきたわけではないのです。ただ少なくとも、諸外国と比べてまだ少ないところもありますので、前年度の数値を目標と掲げているところです。

 一方、EUなどであれば、イギリスとフランスとか、EU内での複数か国での治験を国際共同治験と言うのかどうか、それをカウントできるのかどうかなど、やはり欧米とそのまま数字を比較していいのかというところもありますので、ちょっとここについては、今後もう少し、業界等も含めて議論が必要ではないかとは考えているところです。

 

○高橋座長

 健康局がいらっしゃいました。質問の趣旨はお伝えいただきましたか。目標数値の設定の仕方の考え方について質問が出ています。もう少し置いてからのほうがいいですか。

 

○黒木補佐(健康局原子爆弾被爆者援護対策室)

 はい、すみません。

 

○高橋座長

 事務局で質問の趣旨を説明して、後でお答えいただくことにします。

 

○黒木補佐(健康局原子爆弾被爆者援護対策室)

 申し訳ございません。

 

○高橋座長

 ほかに何か質問はありますか。

 

○篠原委員

1-3-1も、今の1-8-1もそうなのですが、目標設定というのは当然、利害関係者とやると、今言ったような曖昧な答えになると思います。ですから、これはやはり、ある意味で、第三者を入れてやらないと推進しない。というのは、1-3-1は、我々の監査では、もう10年以上前から全員パソコンでやる。これは当然、我々は定年が65歳ですから、それまで全部教育してやるのです。いろいろな事情があることは分かりますが、コンピュータ化したら、いろいろな分析など、得る利益もすごく大きいです。

 そういう意味では、ここを見ていると、補助金を出してでも、何で強力にやらないのかなと。先ほどの説明は、事情は分かるけれどもと。ここの局長をやった方の1月のシンポジウムでジェネリックのことを聞いたら、ヨーロッパは70%、アメリカは90何%、アメリカはどうも特殊事情です。日本は50%弱ですよね。そうすると、医療費を減らすのであれば、強力に進めなければいけないと思うのです。今の話を聞いていると、医療費の拡大は全然意識していないのではないか。

 実は、昨日、ものすごくかかる医療機械、これは普及させようとしているけれども、誰が反対しているかとメーカーの人に聞いて、「厚生労働省だろう」と言ったら、外科医だと。当然想像できると思いますが。そういうように、そちらの事情も分かるけれども、目標というのは、第三者と国でどういう方向に行くのだという設定が必要なのではないかと何となく思います。

1-5-4です。これは「原子爆弾被爆者」と書いてありますが、このタイトルは変なのではないか。今は放射線か何かのタイトルのほうがいいような気がします。これはずっと法律に基づいて「原子爆弾」となるわけですか。それとも「放射線被ばく」という、そろそろそういう考えもあるのではないか。その辺りはどうなっているのでしょうか。ちょっと難しい質問ばかりですが。

 

○高橋座長

 難しい質問2つですが、医政局から今の御質問にお答えいただき、まとめて健康局からということにします。

 

○小川専門官(医政局研究開発振興課)

1-8-1です。前段の14の指標について、まずは説明いたします。ジェネリックの説明はこれから経済課からするところだったのですが、14についても今の御指摘はごもっともだと思います。国としても、今、新独法を作ってそこで医療分野の研究開発について、政府として1つの戦略を持って各省連携してやっていくような取組を実施することとしております。その中で、今、文部科学省と厚生労働省でそれぞれ拠点の整備という、臨床研究・治験の臨床研究中核病院や橋渡し研究拠点の整備を共同でやっていきましょうという話があります。これまでも連携してやっていたところですが、更に連携を強化するということです。そこにおいて、医師主導治験の件数の目標値、2015年までに幾つにするなどを掲げておりますので、そこの数値も含めた形でここの数字を改めて検討させていただきたいと考えております。

 

○谷補佐(医政局経済課)

 先ほど委員のほうからジェネリック医薬品の御指摘がありましたので、こちらの事前分析表の1-8-15にも、後発医薬品の目標を立てております。この目標を立てた理由としては2つあります。1つとしては、当然、医薬品産業の活性・振興という意味で、ジェネリックについても振興していくというのが1点です。

 もう1点としては、後発医薬品を適切に推進していくことによって、要はそこで特許が切れて後発品に適正に切り替わることによって、一方で新薬の開発も促進されるという側面があると思います。この後発医薬品を推進することが、後発品そもそもの振興もあり、一方で、新薬の開発も振興するという側面があると思いますので、ここの施策目標の目標に掲げさせていただいたということです。

 そもそもの目標の考え方として、こちらの目標では平成303月末に60%というものを掲げましたが、当然、御指摘のとおり、関係者からいろいろお話を聞いていくと、賛成、反対というのはあると思います。厚生労働省としては、先ほど医療財源のお話もありましたので、当然、新薬の開発は進めていかなければいけないけれども、医療財政のことも考えて、その両面のバランスをしっかり取っていくことが必要だと考えています。

 この60%というのも「目標の根拠」にも書いていますが、別途、後発品促進のためのロードマップというもの、こちらは少し中期的に見て5年間の目標を昨年作りました。それの60%という目標と整合を取る形で、こちらの政策評価の目標にも掲げております。

 この目標の考え方についても、まずは一番理想なのは100%なのですが、あまり非現実的な目標を掲げても仕方がないというのがあり、欧米等、各国の状況を見ながら、まずはそこの60%を目指していこうと。当然、このロードマップの中にも書いておりますが、毎年モニタリングをして、当然、必要があれば目標を上方修正する。下方修正はないと考えていますが、上方修正することがあれば、不断に見直しをする形で進めたいと考えております。

 

○篠原委員

 今、フロントビューとバックビューとがあって、役所というのは当然、前年幾つだからプラスにしていくのは非常に現実的だけれども、今の日本は大展開しなければ。バックビューという、10年後、20年後、どういう方向に持っていくという意味で目標を作っていかないと、ITのスピードやいろいろなものでちょっと遅れてしまうのではないか。私の事業仕分けで、ある所にABCDを付けたのです。それは積み上げでは文句がないのですが、やはり全然違った面から見ないと、という部分です。何となくこの目標は積み上げ方式だから、もうそろそろ見直してもいいのではないか。積み上げもものすごく重要だけれども、やはり今何をやるべきかがものすごく重要だと私は思うのです。そういう面から検討して、実現の可能性はとやっていただかないと、ちょっと遅れてしまうのではないかという気がします。

 

○高橋座長

 政策評価法上の目標と、ナショナルプロジェクトの目標という、これはいつもここの議論で大文字の政策評価と小文字の政策評価と比喩的に申し上げているのですが、実は、現実にはそういう大文字の政策評価やナショナルポリシーから帰納して、事業評価がうまく連結するような評価にしてほしいという願いでの委員からの御指摘かと思って受けとめていただきたいと思います。

 それでは、質問を直接聞かないで又聞きで恐縮ですが、2つ質問が出ていますので健康局からお願いします。

 

○黒木補佐(健康局原子爆弾被爆者援護対策室)

 かいつまんで申し上げます。2つの御質問をまとめてお答えさせていただきます。まず、後のほうの質問からです。いわゆる原子爆弾被爆者の施策という名前については、要は放射線の被ばくという話との関連付けでの御質問だったと承知しています。もともと、この施策の目標は、昭和20年に投下された原子爆弾被爆で被害を受けた原子爆弾の被爆者に対する援護ということで、それは当然、放射線による被害をベースにして健康被害に対する援護をしているところです。これについては、当然、保健、健康診断、医療費、介護等の福祉施策を総合的にやっている施策です。そういうことで、例えば医療被ばくや職業被ばくなど、ほかの施策の放射線被ばくとは一線を画しているところがあります。

 例えば私どもの施策の中で、原爆症認定というものがあります。これは、放射線にかかっているか、かかっていないかが分からない段階の広いところでまず1段目のカバーを掛けて、医療費なり福祉の施策をやる。その上で、放射線による影響があると、それもかなり広目に取っているのですが、その方に対しては原爆症認定をした上で更に手厚い援護をするという仕組みを執っています。そういう意味で、医療被ばくなどからすればかなり特殊な部分で、基準においてもなかなか合わないところがあり、名称も含めて違った区分での対応とさせていただいています。

 もう1つの目標の数値の設定のことです。なぜ72%なのかということです。これは、今申し上げた中で、被爆者に対する健康診断というのをやっています。これは毎年2回、一般健康診断とがん検診と、必要な方には精密検査をやっております。これは一般検診での数値なのですが、毎年大体70%ぐらいの方にお受けいただいています。先ほども申しましたが、被爆者の援護施策の中においては、既に健康診断のみならず医療費の負担は自己負担なしという形でやっています。介護等手当も対応して、介護保険に対する負担も出しています。そういったことで、ほかの検診と若干、性格が違っており、私どもとしては引き続き被爆者の方には健康診断という形できちんと受けていただきたいというのがあります。それが低くなるとまずいと思いますが、毎年同程度のきちんとした健康診断を受けていただくということで、そのレベルで被爆者の方が自分の健康管理をしていただいているのではないかということで、この数字を引き続き設定させていただいているということです。

 

○山田委員

 それでしたら、やはり1-5-4の「設定の根拠」には、一般の検診の比率と同じく設定したという説明があったほうが分かりやすいのではないかという気がしました。ご説明ありがとうございました。

 

○黒木補佐(健康局原子爆弾被爆者援護対策室)

 分かりました。ありがとうございます。

 

○高橋座長

 ほかに何かありますか。それでは、井部先生、菊池先生、篠原先生の順でお願いします。

 

○井部委員

 医療情報化に関する、1-3-1に関しての質問です。先ほどの測定指標で39.3%の根拠について質問がありましたが、この定量的測定指標と、その裏に書いてある達成手段との関係を伺いたいと思います。これらの達成手段を達成することによって、この1枚目の測定指標の普及率を見ようと考えていらっしゃるのかどうかということです。

 というのは、この上に書いてある「世界最先端IT国家創造宣言」などで、確か何パーセントは電子カルテの普及をするなどというような目標値が示されていたように思うのですが、39.3%というのは余り増加していない割合で、私が申し上げたいのは、医療の現場からすると統合的医療情報システムを導入したくない理由が幾つかあると思うのです。お金がかかるとか、開発に非常に手間が掛かるとか、それから、オーダリングはまだしも、電子カルテになると、またちょっと性質が違って、なかなか使いにくいというか、医療の効率化には必ずしも貢献しない部分もあって、問題があるので、なかなか普及しないのではないかと思っております。その問題を、達成手段の1から10までありますが、これらによって解決していこうと考えられているのかなという節もあるのですが、そのお考えを聞かせていただきたいことが1点です。

 それから、統合系医療情報システム、特に統合的電子カルテという点からいけば、政策評価の視点ですから、この電子カルテを導入した医療機関で患者の視点から見る。あのような電子カルテが患者の視点から見て果たしてどうなのかということを、少なくとも定性的には見ておいたほうがいいのではないか。今、患者の苦情の1つに、PCの画面だけ見て患者を見ないというような批判があるわけで、政策評価の1つとしては、受益者側の視点も盛り込んだらいいのではないか。以上2点について、お考えを伺いたいと思います。

 

○高橋座長

 菊池先生と篠原先生はこの事案に関する御質問ではないですね。関係があれば続けてお願いします。

 

○菊池委員

 先ほどのお話の続きです。

 

○高橋座長

 では、今の井部委員の御質問にお答えください。

 

○大竹補佐(医政局研究開発振興課)

 今の御質問ですが、1-3-1ですが、おっしゃったように、電子カルテの導入に関しては、経費の問題などもあるのはこちらも承知しています。達成手段のそれぞれの施策に関しては、単純に電子カルテ導入というよりは、地域医療という観点での、患者さんの情報を共有化して、それぞれの医療機関で共有できるような形を目指して、今、施策を進めています。

 先ほどお話がありましたが「世界最先端IT国家創造宣言」ということで、明確に何パーセントというのはないのですが、今言ったように、どちらかというと医療情報連携のネットワークを普及・展開していくという、情報を共有していくところです。災害などのときでも情報がどこでも見られるような形を目指して、今、施策をやっています。

 基本的に電子カルテは、それぞれ様々なベンダーの電子カルテがあるものを、標準的な形式で共有する。新たに電子カルテのシステムなどを導入しなくて、今のシステムでも共有できるような標準的な形式で保存などができるような形で、標準化を目指しつつ、ネットワークの普及・展開という形を目指しており、それによって、医療の質の向上等につながるような施策を図っているところです。

 受益者側の目線からというのも、ごもっともというところですので、そういったところも検討しながら考えて目標などを考えていきたいと思っております。

 

○井部委員

 そうすると、この測定指標は普及率だけではないほうがいいのではないかと思いました。

 

○大竹補佐(医政局研究開発振興課)

 そうですね。実際、先生がおっしゃっているように、達成手段の施策の中は、今、実際の電子カルテの導入経費自体は余り見ていなくて、それはおっしゃるとおり地域の実情によって入れない所もあったりしますので、今導入している所などの連携といったものの経費を中心に施策をやっているところです。そういったところも含めて検討したいと思っております。

 

○高橋座長

 それでは、菊池先生お願いします。

 

○菊池委員

 先ほどの委員の皆様の繰り返しになって申し訳ないのですが、やはり私も、この前年度以上というのがずらっと並んでいるのが非常に違和感を覚えて、これは政策評価官室の方にも伺いたいのですが、施策目標があって、予算の制約はあるのだけれども、そこに測定指標を立てて、それで我々が評価しましょうというスキームになっています。前年度以上というのは合理的であることもあると思いますが、では、なぜその指標を選んでいるのかということがあります。地域性もあるし、様々な関わっている業界もあるし、医療の専門性という特殊性もあるし、それは分かりますが、私はやはり、順序が逆ではないかと思います。それがあって、指標を立てましたという、そこはそれでいいのかという問題が1つあると思います。いや、こうならざるを得ないというのであれば、そもそもこの施策目標を評価するための指標として適切なのかを検証しなくてはいけません。

 もう1つは、原局から上がってきたものを、そのまま形式チェックだけで出されているのか、その中身まで検証というか、やり取りした上で出しておられるのか、前年度以上だとしても、そこである意味、立証責任は原局にあると。そこで、合理性がある基本的な理由があれば分かったと。そういう形になっているのか、そうでないのかという辺りは確認したいと思います。

 

○政策評価官

 後者のほうの、この数字について政策評価官室はどのように関与しているかということですが、確かにおっしゃるとおりで、前年度以上であるとか、幾つかおかしいなと考えるところについては、説明を求めています。政策評価官室が説明を聞いて、なるほどなと思うものはそのままにしていますし、難しいところについては、原課のほうから御説明くださいという形にしています。

 前者については、積み上げ方式で、それをどのようにやっていくかというのを目標として立てることは、確かに考え方として正しいと思うのですが、指標の取り方がなかなかできないなどという、指標作成の制約上の条件や限界もありますので、それを全てに当てはめるのはなかなか難しいのではないかということで、総じて気になったところについては原課のほうに確認をしたりしていますが、そういう難しい面があることだけは御理解いただければと思います。

 

○高橋座長

 これは別途議論をしなければいけない、いつも再確認しながら議論をしていくということになります。また、厚労省の場合は領域が多様、複雑怪奇ですので、一本の基準も難しいしという、なかなか悩ましいようですが。篠原先生はよろしいですか。

 

○篠原委員

 結構です。

 

○高橋座長

 時間もまいりました。一部、質問がなかった部局もありましたが、今のセッションの議論は、やはり施策目標、これも政策評価のα(アルファ)でω(オメガ)みたいなところがあるテーマですが、いろいろな改善の御指摘については具体的に受けとめていただきながら対応していただくことと、かなり深めなければいけないテーマの御指摘もあったと思いますが、第2グループ、医療・衛生ワーキンググループについてはこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

(メインテーブル入替)

 

○高橋座長

 それでは、第3グループですが、福祉・年金のワーキンググループで、資料3-4です。施策は4つありまして、「社会福祉に関する事業に従事する人材の養成確保を推進すること等により、より質の高い福祉サービスを提供する」、これは、社会・援護局の福祉基盤課です。それから、「中国残留邦人等の円滑な帰国を促進するとともに、永住帰国者の自立を支援すること」、施策目標ですが、これは社会・援護局の援護企画課のテーマです。それから、「企業年金の適正な運営を図ること」。これは、年金局の企業年金国民年金基金課の所管です。4番目は、「高齢者の介護予防・健康づくりを推進するとともに、生きがいづくり、及び社会参加を推進すること」、これは、老健局総務課でよろしいのですか。

 

○遠藤補佐(老健局振興課)

 振興課と老人保健課です。

 

○高橋座長

 共同所管になるわけですね。了解いたしました。この4件の事前分析表について、委員の皆様から御質問、御意見をお願いします。

 

○山田委員

 慶應大学の山田です。よろしくお願いいたします。私からは、まず事前分析表の7-3-1について、ここで年度ごとの目標値がプラス6.8万人ずつ増えていくということなのですが、少なくとも私が理解するところによれば、いわゆる必要な介護、介護を必要とされる方、要するに必要なサービス量はこんなに線形で伸びていくのかどうかが疑問があります。このような線形で、要するに6.8万人ずつ毎年伸ばしていく形でよろしいのかどうかということですね。更に、それと関連して、要するにプロジェクションでどれぐらい必要かというのがあると思いますので、それに対応してどれぐらいの年度年度について必要な介護サービスに対応するものとして、職員数がどれぐらい産み出されたと考えたほうがいいのではないか。若しくは、そうではないとすれば、それはどういう理由でこの線形な6.8万人ずつ増やすという設定になるのかどうかについて教えていただきたいです。

 次は、事前分析表の9-1-4ですが、こちらは受給権者に占める未請求者の割合が、平成24年度、25年度で徐々に減っていくと。要するに減っていくというのは、毎年毎年未請求者を発掘する割合が減っていくことになるので、そういうことになると思うのです。そうすると、国民としてはこれを完全に未請求の割合がなくなるまでやってくれと思われるのでしょうが、一方で未請求者を探し出すコストがあると思います。そのバランスで、やはりどのように目標値を定めるかということなのですが、ここですと前年度以下、前年度以下ということで、その目標値が分からないということですので、それをどのように勘案するかをやはり設定の根拠に書き込むべきではないのかということです。

 最後の質問です。9-3-1です。これも、保育サービス等と似ているところがあるのですが、介護予防に資する住民の自主活動の実施会場数ということで、平成24年度は36,599か所ということで、前年度以上でできればいいということで、この目標値を定められたと思います。一方で、このような機能回復訓練を必要とする推定対象者がいて、その推定対象者に対してどれぐらい設置箇所を設けて、設置箇所というのはまだ情報としては足りなくて、何を対象とするのかが重要になってくると思うのですね。そうしたものを書き込む余地はないのかということです。この36,599か所がこれで十分なのか、十分ではないのか、一般的な国民から見た場合に、全く足りているのか足りていないのかは分からないわけですね。そうしますと、やはり設定の根拠も、分かりやすくするために設定する必要があるのではないかと思い、そちらの可能性についてお伺いしたいと思います。以上です。

 

○関口補佐(社会・援護局福祉人材確保対策室)

1点目の質問について回答いたします。社会・援護局の福祉人材確保対策室の関口と申します。よろしくお願いいたします。先生から質問のありました介護人材の将来見込みですが、線形でよいのかということと、利用者数そのものがどう加味されているかという質問と理解しております。まず、この目標値ですが、これについては事前分析表の中の施策の背景・枠組みとありますが、ここにも記載しておりますとおり、これは税と一体改革のときに政府として提出した数値になっているわけです。ここにありますように、2015年には167万人から176万人、2025年には237万人から249万人の介護職員が必要と推計されていると単純に書いております。実は、この推計自体が今後サービスがどのぐらい伸びて、利用者がどのぐらい伸びて、それに対して職員をどのぐらい必要とするかという段取りで推計をしている数値になっております。基本的には、この数値自体がサービスの伸びを加味した数値になっているということで、御理解をいただければと思っております。

 先生がおっしゃるとおり、これは線形でいいのかというのはあります。我々も問題意識をもっているところで、結論から申しますと、まだそこまで分析が十分できていないと。実は、今申し上げた税と一体改革の数値というのは、国マクロの数値だけで捉えていて、この間の議論としては、労働力がこれから不足をしてくるという要因もありますが、もう1つは都市と田舎によっても大きな差があるのではないか。特に東京都などは、これから一気に高齢化が進むという話もある関係から、我々は来年度に向けて取り組みたいと思っているのは、国の1本のマクロの推計だけではなく、各都道府県に一定のルールを示し、各都道府県需給供給のそれぞれの推計をしていただいて、どのぐらい今後2025年に向けて、都道府県ではどのように見込んで、需要は自然に出てくると思いますが、介護保険事業支援計画、介護保険事業計画、市町村が作った数字を基にして、需要の推計をしていただき、それに対して各都道府県がどのぐらい人材を供給できるかを来年度に向けて見込んでいただいて、それを国は集計をして精査をして、更により制度の高い数値を求めていきたいと考えているところです。

 逆に言うと、今の段階では、過去のトレンドを見ても、ある程度線形だということがありますので、これから大きく変わってくるのだという前提はあるかと思いますので、その辺りは先ほど申し上げました都道府県の推計や労働力人口の推移なども加味しながら、もう少し精度を今後高めていきたいと考えているところです。

 

○渡辺補佐(年金局企業年金国民年金基金課)

 年金局企業年金国民年金基金課の渡辺と申します。よろしくお願いいたします。未請求者を掘り出すためのコストと、目標の設定についてお尋ねがありました。まず、未請求者を発掘するためのやり方なのですが、未請求者の大半を占めているのは企業年金連合会という所です。そちらではどのようにしているかと申し上げますと、受給年齢が達した方に対して、あらかじめ必要事項を記載した裁定請求書をお送りしまして、それを送り返していただくことによって年金の裁定が行われると。いわゆる、ターンアラウンド方式というやり方をやっていますが、それで裁定請求書をお送りしています。そういった受給者の管理をしておりますので、未請求者の発掘についてそれほど大きなコストはかかっていないのが、今の実態です。

 それから、目標の設定の仕方ですが、年金の支払いというのは、年金保険者の基本的かつ最も重要な責務だと考えております。年金の受給権がありながら、年金を受け取らない方をつくり出すということは、それはやはり制度の根幹を揺るがしかねないような問題だという認識です。そういった意味で、私どもの取組としては、例えば日本年金機構から住所情報をもらったり、あるいは住基ネットを使い住所情報を活用したりして住所を見つけたりして、年金の裁定請求書がまずは確実に届くような取組を進めているところです。こういった取組をそれぞれ進めていくことが必要だと考えており、目標の設定についても前年度を下回るという目標の設定をしているところです。

 

○鶴田補佐(老健局老人保健課)

 老人保健課の鶴田と申します。介護予防に関しては、平成18年に介護保険制度の中に介護予防事業等を位置付け、これまで虚弱高齢者というか、生活機能が低下してきた高齢者を対象に、二次予防事業として運動機能向上や、機能回復訓練といった事業を実施してきたわけです。これまで問題点として指摘されてきたのは、介護予防自体は大事なのだけれども、そのやり方として実際に今までのやり方ですと、参加者が0.8%ぐらいしかいなかったと。それで、費用対効果が悪いのではないかといったいろいろな御指摘を受けていました。

 そういった指摘も踏まえながら、今回介護保険部会でも議論させていただき、今後は虚弱高齢者と元気な高齢者を分けるのではなく、そういう人たちを地域の中で一体的に介護予防に資する活動を住民主体で展開していくと。もう少し簡単に言うと、体操教室や住民の皆さんが10人ぐらいで集まって体操を週に1回やるとか、そういった活動を地域の中にたくさん展開していったほうが、閉じこもりの高齢者であったとしても、地域の中に皆さん出ていく環境を整備することのほうが、むしろ効果的、効率的であるといった形で、考え方ややり方を少し軌道修正を図って今回整理し、次年度以降は都道府県と連携しながら、市町村がそういった取組ができるように、技術的にもしっかりと支援していきたいと思っているところです。

 ここに書いてある数字なのですが、これは数字でいうと今はまだまだ不足しており、これをしっかりと伸ばしていかなければいけないというように問題意識をもっております。具体的に先生からも、少しこれだと分かりにくいのではないかという指摘もあるわけですが、そこは次年度以降都道府県とともに実態を変えていこうと思っていますので、そういった取組をしながらより適切な指標、施策目標があるのかは考えさせていただきたいと思います。

 

○高橋座長

 よろしいですか。

 

○山田委員

 今のお答え、ありがとうございました。9-1-4に戻りますが、やはり受給権者に占める未請求者の割合は、各コーホートの人口規模によって変動していくわけですよね。未請求者の割合は、一定に減っていくので、前年度以下、前年度以下、前年度以下なのですが、それですとやや目標として人口規模が動いたか、要するに受給権者が大量に発生したからそういうことが起きたのか、また受給権者がだんだん少なくなっていくからパーセンテージとしては落ちていくのか、その辺りがよく分からないので、やはりその辺りは人口規模をコントロールした上でこういう設定をしないと、国民は一体何で減ったのかが分からないということで、もう少しその辺りは工夫の余地があるのではないかというのが、お答えを聞いて追加のコメントです。

 それから、介護予防に資する住民の自主活動の実施会場数は、繰り返しになりますが、今は指標を作っている最中だというお答えと理解しました。それだと今おっしゃったことはこれだと評価できないと。要するに、測定理由、測定目標としてなかなかこれで評価をするのは難しいとおっしゃっているようにも聞こえますので、やはりそれは平成26年度中に間に合うようにやっていただければというのが、追加のコメントです。

 

○高橋座長

 何かお答えはありますか。

 

○渡辺補佐(年金局企業年金国民年金基金課)

 今、目標の設定の仕方についてお話がありました。確かに、一時的に年金の請求者が多くなると、率が高くなったり、あるいは請求の数が少なくなれば、未請求者が少なくなるということは御指摘のとおりだと思います。一応、私どもの目標の設定の仕方としては、本来受給権があるべき者が何人いるかを分母にして、分子のほうで未請求者を上げておりますので、一定の団体の事業の運営を見る指標としては、そういった見方もあるのかなとは思っております。

 

○山田委員

 変更はしない。

 

○渡辺補佐(年金局企業年金国民年金基金課)

 今のところ、実は指標がこれしかないところもあるものですから、今の先生の御指摘も踏まえて少し検討していきたいと思います。

 

○山田委員

 例えば、新規受給権者から5年数えて、そのうちの実際に明らかになった件数というような組み換えは、やはり難しいのでしょうか。

 

○渡辺補佐(年金局企業年金国民年金基金課)

 今ここに挙げているのは、これまでの累計で何人受給権が発生した者がいて、これまでの累計の中で何人未請求者がいるかという数字でやっていますので、先生が御指摘のように、例えば年度を区切ってということはできないことではないとは思います。

 

○鶴田補佐(老健局老人保健課)

 介護予防に資する活動の住民主体の場をきちんとモニタリングして、それを増やしていくことは、この政策を進める上では指標としては妥当だと思っています。ただ、委員から御指摘があったのは、もう少し分かりやすい指標が何かないのかということなのかなと受け止めており、それはそれで引き続き検討したいと思います。

 

○山田委員

 さもないと、要するに増やせば増やすほどいいという、非常に単純な。要するに、限界費用が逓増していくならば、何か効率的なところは必ずあるわけですよね。そうではなくて、増やせばいいというのは、経済学的には非常に奇妙な指数のように思えるということで、もう一度コメントを差し上げた次第ですので、改善を検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○高橋座長

 どうしても、苦し紛れというか、多々益々弁ず型になって、対前年比より上げろ、これは普及100%を目指すと、正に限界、今のこの提言、このような普及カーブのようなものがあっての対前年なのか、その辺りが目標設定論でいつも話題になるけれども、やはり取り分け施策の内容によっては、実際のアクターは都道府県、市町村で、それを集約するのが国という関係と、国が直接コントロールできるものともそれぞれ多分あるのかなと思いつつ、いつも伺っております。しかし、政策評価の1つの目標は、関心のある国民の皆さんが分かっていただけるような、分かりやすくこのように事業が進んでいるのだなと理解していただける、これが評価のもう1つの目標ですから、それを配慮した目標設定をしていただきたいというお願いという理解をしていただければと思います。ほかに何かありますか。

 

○安永委員

 施策目標7-3-1の「介護職員数」の測定指標についてお聞きします。新たに人材の育成や確保をすることも必要なことだと思いますが、特に介護や先ほどの保育の職場もそうですが、早期に離職してしまう人が多いという問題もあると思っています。それは、処遇の問題や職場環境の問題など、様々な課題があると思っていますが、この施策目標の中に早期離職をどうにか防止していくということが読み取れないところが気になっています。施策目標には、早期離職を防止していくことが含まれていないのか、それとも表現されていないだけなのかというところを、質問させてください。

 

○関口補佐(社会・援護局福祉人材確保対策室)

 具体的な施策については、次のページにも若干この間講じている施策などもお書きしているところです。特に具体的には、次のページの達成手段の中の(2)に、緊急雇用創出事業臨時特例交付金という中に、達成手段の概要の中の一番最後の括弧書きで、「福祉・介護人材確保緊急支援事業」という、従来から福祉人材センターという都道府県に設置したセンターなどによって適切なマッチングなどもやってきたわけですが、それに更に上乗せをする形で事業を強化するようなものを、緊急支援事業ということで昨年度から講じているところです。

 先生が御指摘のように、いかに離職を防止していくかは大変重要な視点だと我々も考えておりまして、この事業の主眼の1つは正に離職をいかに減らしていくか。ですから、いろいろとお話を聞きますと、離職理由を見ていくと、実は入職時に何でそこの事業所を選んだかという理由と、離職時の理由を比較すると、実は入職時は心意気や何となく選んだということが多かったりするのですが、辞めた理由になると上位にランクされるのが、その事業所の理念と自分の考えが合わなかったといったものが上位にランクしてくるのです。それは、事業所からの情報提供、公表が十分でないことがあると思いますので、そういった公表も広めていく必要があります。

 もう1つは、やはりマッチングが十分ではなかったということがありますので、先ほど申し上げた事業の中では、より丁寧にマッチング強化事業もこの中に入れ込んでおりますが、そういったことによって離職を少しでも減らしていきたいと考えているところです。御参考までに、今日の資料にはありませんが、そういった事業を講じてきたことの効果も若干あろうかと思っていますが、離職についてはこの間少しずつではありますが、減ってきているところです。介護職は20%を超えていた時期がありましたが、直近のデータでは17%まで下がってきています。

 

○高橋座長

 介護人材問題は、これもナショナルプロジェクトでなければいけないと。そういう意味では、介護のコンテンツは老健局の仕事ですが、福祉基盤課と密接な協力をしていただくような大変大事なテーマかなと思います。ほかに、何かありますか。

 

○井部委員

9-3-1の高齢者の介護予防・健康づくりの推進なのですが、この測定指標が介護予防に資する住民の自主活動の実施会場数と、老人クラブの活動実績事業数なのですが、この施策の目標を見ますと、生きがいづくりや社会参加を推進するという施策の目標になっているにも関わらず、測定の指標が余りにも具象的といいますか、これが増えたら生きがいづくりや社会参加を推進したことにつながるのかどうかが十分分かりにくいのですが、どのような意向で測定指標を決められたのでしょうか。

 

○鶴田補佐(老健局老人保健課)

 先ほどの説明とほとんど繰り返しになってしまうのですが、介護予防自体、今までやり方が非効率だったということをいろいろと指摘を受けていまして、そういう中で地域の中で住民主体の活動をなるべく多く展開し、自治体によっては地域の中で歩いて通えるような15分圏内ぐらいの場所にそういった活動を展開することによって、結果として要介護認定率の伸びを少しでも緩やかにしていったりという実績を上げている市町村もあります。ですので、住民主体の活動を地域の中でたくさん増やしていくことが、現状とても少ないという認識ですので、そこをしっかりとやらないといけないという意味で、この目標を設定させていただいています。先ほどの山田先生の御指摘に戻りますが、どこが一番目標として妥当な数字なのかは、これから取組を全国に展開していく中で見ていかないといけないのかと思っておりますので、まだ引き続き考えさせていただきたいと思います。

 

○井部委員

 そうだとすれば、介護予防の認定率などとしたほうがいいのでしょうか。

 

○鶴田(老健局老人保健課)

 認定率は、なかなか数字として因果関係を含めて出すのは難しいところがありますので、まずはプロセスとして何をやらないといけないかを明確にした上で、そこをなるべく増やすことを努力していかないといけないかと思っております。

 

○山田委員

 先生のご質問は、最終的な目標としては生きがいづくりや社会参加ですから、多分実施会場数を幾ら設置しても、それから老人クラブ活動実績事業数を増やしたとしても、必ずしもそれが地域の生きがいづくり、社会参加を推進していると、直に結び付くことはないと。どうしてかというと、その生きがいづくり、社会参加などを評価する指標がなければ、事業数が多かった、会場数が多かったからといって、必ずしもそこが上昇したとはいえないでしょう、と。ですから、そこのリンクは、多分どうされるのですかという質問だと思うのですが。そこが、多分測定指標の定量的指標のほうに、生きがいなどはなかなか定量的に把握できないのは私も分かっていて申し上げているのですが。

 

○川部補佐(老健局振興課)

 解があってないような答えになるのですが、実は生きがいづくりや社会参加というのは、究極的に行政サービスを広げていくためには何が必要かというと、一般的に社会的に言われているのは、エリアサービス、プログラムサービスで、究極のサービスがマンサービスであると。このサービスが充実することによって、それぞれの施策の広がりと出てくるのですね。題目にあります施策の目標としては、生きがいづくりと社会参加ということで、これに着眼して見ていくと、まず活動の場である自主参加の実施会場数を伸ばすことが指標の中であり、それを支える老人クラブは正に生きがいづくりの中核となる人たちなので、この人たちを支えるマンサービスに直接結び付く所ということで、着眼点としてはエリアサービスとマンサービスの部分を指標としてもってきたという考え方で、この指標になっていると考えています。

 

○高橋座長

 アウトカム、アウトプット、プロセス、ストラクチャーという評価論の話でいつも話題になりますが、やはりこれはどうしても質的な評価を入れざるを得ない。しかし、量的な指標でそれをどう表現するか。これもかなり原理的な問題でもあるけれども、それはある意味では分かりやすさをどう確保するかという話にもなるのかなと思っております。第3グループは、目標に関していろいろな議論が行われましたが、改善すべき点については、取り分け分かりやすく、何か同じものがズラズラと並んでいることについてはいろいろ違和感を感じることもあり、いろいろな表現上の工夫も含めたことが必要ではないかという示唆でもあったかと思いますので、これはよろしく対応していただきたいと思います。それでは、福祉・年金ワーキンググループのヒアリングを終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

(所管部局退室)

 

○高橋座長

 篠原委員から御指摘があります。

 

○篠原委員

 政策評価官室への要望なのですが、やはり今日聞いていると、もう少し強力に指導していただきたいと思います。というのは、私はある最先端の技術をやっている所で業務管理をやっているのですが、技術の博士の発表を聞いていたのですね。私はいろいろとコメントを書いたのです。やはり中身は言わないですが、管理はいろいろなことを言えるなと。そういう意味では、私も公認会計士にいましたから、専門家集団というのは、全部俺だってやっているという主張が多いと思うのです。やはり管理の面では、当然言えるのではないのかと。その部分を遠慮しているなと。今、論文でいろいろと問題になっていることも、結局任せきりではないですか。それは、明らかにこういう所で言えるのだから、その部分を言っていないなと。もう少し、ここの文化の話かなという気もしますが、今後その部分がもっと強くないと、やはりいろいろな問題が出てきてしまうという要望です。これは、なかなか大変だと思っています。

 

○高橋座長

 評価の文化という、やたらに成果主義の短期的評価がものすごく、それこそ風土を壊しているところもあり、それをどういう形で、しかし説明責任は非常に厳しく問われる時代になっていますので、そういうことを含めた試行錯誤はこれから続けながら、政策評価法の趣旨を体現しつつ、国民の理解を頂けるような制度に育て上げていただきたいということだろうと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○政策評価審議官

 本日の会議の終了に当たり、一言御挨拶いたします。今日は、皆さん貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。特に、今日の御指摘の中で気になったのは、多分測定指標の所だと思います。お話の中を受けますと、まず測定指標自体がどうかというのも一部ありましたが、それとともに今までなかった所として、目標の根拠の話が新たに極めて重要視していかなければいけないということがあったと思います。それから、どうしてその数字を出しているのかという書き方の問題と、数字はいいけれども書き方の問題、また数字自体がどうしてそういう目標を立てているのか。それから、最終的にもう1つは測定指標の中に質をどのように考えるか。やはり、量が今まで中心になったものを、質をどうするのか。その辺りは、極めて重要な話だと思います。

 ものによって、対応できるもの、できないものはあるとは思います。ただ1つは、今日3回に分けてやっておりますので、例えばほかの所の人たちは聞いていないという形にならないように、先ほどの御指摘も踏まえ、できるだけ各所で言われたことをできるだけフィードバックをして、もう一度見直しをしてもらう形で修正等を行い、最終的には資料を皆さんのお手元にお配りする形にしたいと思います。

 それから、次回ですが、今年の7月頃に行います。その際は今日の議論ではなく、資料3-1にあります赤い枠で囲まれている1つ前の昨年議論いただいたものになりますので、御出席のほどよろしくお願いいたします。また、適切に評価していただくには、日頃からそれぞれの項目について少し関心をもっていただければと思います。特に、厚生労働省は広く業務を扱っておりますので、そのようないろいろな機会を通じて情報を収集していただければと思います。

 

○井部委員

1つ御意見を伺いたいのですが、高齢社会になりまして、隣は何をしている人ぞということではなくなってきて、いろいろな情報が、例えば民生委員の方が地域をつくるに当たっても、個人情報保護法が立ちはだかっていて、なかなか情報が得られないことを、私は中央区の介護認定をやっていてよく聞きます。個人情報保護法がネックになっていて困ることがあるのではないかと思いますが、ここで言うことではないかもしれませんが、どこかで個人情報の見直しをしたらいいのではないかと思っております。

 

○政策評価審議官

 個人情報保護法については、別途そういう見直しの検討も、むしろビックデータとしてどう使うかという見直しのほうが中心にはなっていますが、そういうこともあります。関係部署には、その話も伝えておきます。ただ、なかなか難しいところ、特に医療は機微な情報を扱うものですので、医療、介護の辺りは個人の中でも極めて重要な機微にわたる情報になっておりますので、その辺りの話はさせていただきますが、できるだけいい社会になっていくように考えていけるようにしていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。

 

○高橋座長

 今日は、ありがとうございました。法律があって人が駄目になるのは困ることですから、今の話は正にそういうことですが、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。


(了)

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