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2014年2月20日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成26年2月20日(木)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、延東委員、佐藤委員、高橋委員、永山委員、根本委員、山内委員、鰐渕委員

事務局

長谷部基準審査課長、横田課長補佐、大田課長補佐、中西課長補佐、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松専門官、 畜水産安全管理課 山木専門官

○議題

(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
・動物用医薬品フルニキシン
・農薬及び動物用医薬品オキソリニック酸
・農薬プロパルギット
・農薬オキシン銅
・農薬メトコナゾール
・農薬アゾキシストロビン
・農薬等29品目について

(2)その他

○議事

○事務局 それでは、少し早いですけれども、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。

 本日は、石井委員、尾崎委員、斉藤委員、宮井委員、由田委員、吉成委員より御欠席されるとの御連絡を頂いておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中8名の御出席をいただいており、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。

 また、利益相反に関しまして、本日の部会で御審議をいただくこととしております品目において、今回確認を必要とするものの申請者との利害関係について各委員に対し事前の確認を行ったところ、該当される委員はいらっしゃらなかったこともあわせて御報告させていただきます。

 それでは、以後の進行は大野部会長にお願いいたします。

○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。

 初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。

 本日お配りしました資料は、まず議事次第と配付資料一覧、さらに委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけた資料がございます。その後ろに座席表がございます。

 その後ろに本日御審議いただきます品目につきまして、それぞれ資料1-1、資料2-1というふうに報告書(案)を資料7まで配付させていただいております。

 その後に資料1-2、資料2-2というように食品安全委員会の評価書等についても同様に資料7まで配付させていただいております。

 その後ろに資料8としまして「暴露評価に用いる食品摂取量の切り替えについて」とその別添資料が2部、資料9としまして「乳の暴露評価における国産/輸入の割合の考慮について」とその別添資料が1部ございます。

 さらに委員及び事務局のみに資料8及び資料9に関連する参考資料をそれぞれ2部ずつと、食品衛生分科会における確認事項の横1枚紙を配付しております。

 不足している資料等がございましたら事務局までお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございます。

 皆さん、資料はよろしいでしょうか。

 それでは、審議に入りたいと思います。

 本日は、平成251122日と平成2618日及び26217日付で薬事・食品衛生審議会へ諮問された動物用医薬品1剤、農薬及び動物用医薬品1剤、農薬4剤、農薬等29品目の一括削除についての御審議をいただきます。

 なお、報告書の作成に当たりましては、関係委員の皆様にあらかじめ資料を送らせていただきまして、いろいろコメントを頂いております。どうもありがとうございました。

 それでは、議題1の食品中の残留農薬等の基準値設定について御審議をしていただきます。品目は動物用医薬品のフルニキシンでございます。

 では、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、フルニキシンについて説明させていただきます。資料1-1を御覧ください。

 フルニキシンにつきましては、薬事法における製造販売の承認申請がなされたこと及びそれに伴う使用基準の設定について、農林水産省から意見聴取があったことから、今回御審議いただくものです。

 フルニキシンの審議につきましては、今回が4回目となります。

 概要の(2)用途でございます。

フルニキシンは非ステロイド性抗炎症薬で、通常はメグルミン塩の状態で使用されております。生体のアラキドン酸カスケード中のシクロオキシゲナーゼを阻害し、炎症メディエーターであるプロスタグランジン類やトロンボキサン類の産生を抑制することにより、鎮痛・抗炎症作用を発揮するとされております。

化学名及び構造式等につきましては記載のとおりです。

ページをめくっていただきまして、「(5)使用方法及び用量」についてです。

表中に四角囲みにしてお示ししておりますが、今回意見聴取がなされた使用基準は、フルニキシンメグルミン塩を有効成分とする馬の強制経口投与剤で、休薬期間が5日というものになっております。

その他の使用方法につきましては、前回御審議いただいた内容から変更はございません。

ページを進んでいただきまして、3ページ目の下「2.対象動物における分布、代謝」についてです。

これらの試験結果につきましては前回の部会報告書でも記載しておりましたが、今回御審議いただくに当たり、一部記載を変更いたしましたので、簡単に説明させていただきます。

ページをまたいでしまうのですが、「(1)ウシにおける分布、代謝」の記載の最後のパラグラフを御覧ください。

4 ページ目の構造式の上のパラグラフの部分は、前回の部会報告書でも記載していた部分で、乳牛に 14 C標識フルニキシンを投与し、乳中に残留する総放射活性に対する5-ヒドロキシフルニキシン及びフルニキシンの残留比を記載しております。

総残留に対するフルニキシンの残留比は、乳の情報しか記載しておりませんでしたが、今回、ウシ、ブタ、ウマの食用組織についても、EUで評価された内容を踏まえ、その情報を追記いたしました。

ウシにつきましては、4ページ3行目からのパラグラフに記載しております。最終投与後2日後におけるフルニキシンの総残留比は、筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓でそれぞれ30%、25%、30%及び10%となっております。

ブタにつきましては、4ページ目一番下のパラグラフにありますが、最終投与後4日後におけるフルニキシン総残留比は、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓でそれぞれ25%、10%、35%、7%となっております。

ウマにつきましては、次の5ページ目になりますが、最終投与1日後におけるフルニキシンの総残留比は、筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓でそれぞれ41%、26%、8%及び24%となっております。

続きまして、「3.対象動物における残留試験」についてです。

分析対象の化合物は、フルニキシン、5-ヒドロキシフルニキシンで、分析法の概要につきましては、その下に記載したとおりです。

残留試験結果につきましては6ページから記載しておりますが、1から8の試験につきましては、前回までに御審議いただいた試験結果となっております。

今回の承認申請に当たり新たに提出された試験につきましては、11ページの9からの試験となります。

9 ウマにフルニキシンメグルミン製剤を5日間強制経口投与後、フルニキシン及び5-ヒドロキシフルニキシン濃度について測定されております。

フルニキシンの残留濃度は、最終投与後5日目までにいずれの検体も定量限界未満となっております。

5-ヒドロキシフルニキシンの残留濃度は表中に記載しておりますが、最終投与後2日後までの腎臓中から検出されたのみで、それ以降はいずれの検体でも定量下限未満となっております。

12ページに進んでいただきまして、10の試験です。こちらにつきましても、ウマに5日間経口投与後、フルニキシン及び5-ヒドロキシフルニキシン濃度について測定しております。

一番下の文書にも記載しておりますが、表11の肝臓、腎臓及び小腸を御覧いただきますと、最終投与後123日後、いずれの地点でもフルニキシンの残留濃度が測定できていることから、統計学的解析を行い、フルニキシンの残留濃度が現行基準以下となる日を算出しております。

その結果、肝臓及び腎臓においては最終投与後5日、小腸においては、最終投与後4日目に現行の基準以下の残留量となることが確認されております。

5- ヒドロキシフルニキシンの残留は、最終投与2日後までに肝臓及び腎臓中から検出されたのみで、それ以降はいずれの検体も定量限界未満となっております。

続きまして、「4ADIの評価」についてです。

食品安全委員会により設定されたADIは、前回から変更はなく、0.0098mgkg体重/dayとなっております。

5.諸外国における状況」につきましては、JECFAにおいて評価はされておらず、国際基準も設定されておりません。5カ国地域においては、米国、カナダ、EU、オーストラリアにおいて基準が設定されております。

続きまして、「6.基準値の取扱い」についてです。代謝試験及び残留試験において、フルニキシンと比較して同等以上の5-ヒドロキシフルニキシンが乳に残留すること、また、EU及び米国における乳の規制対象は5-ヒドロキシフルニキシンとされていることから、前回と同様、乳の規制対象はフルニキシン及び5-ヒドロキシフルニキシンとして、その他の食品の規制対象はフルニキシンのみとしました。

2)の基準値の取扱いにつきまして、今回承認申請に当たり実施された残留試験結果によりますと、農林水産省において設定される予定の使用禁止期間内にフルニキシン残留量が現行基準の範囲内まで減少することが確認できたため、現行の基準は変更しない案としております。

ページをめくっていただきまして、14ページ「(3)暴露評価」につきまして、前回部会では通常農薬で行うTMDI試算を行っておりました。つまり、基準値案掛ける各食品の摂取量の合計で試算を行っておりましたが、今回、暴露評価の記載を修正しております。

動物用医薬品の暴露評価においては、代謝物は親化合物と同等の毒性を持つと仮定して行うことが国際的に推奨されている方法であり、今回暴露評価に用いる値は、その考えにのっとって、基準値割る総残留比の値へと変更しております。

食用組織及び乳の総残留比につきましては、「2.代謝試験」のところで説明させていただきました結果を用いております。

これらの方法により試算したところ、幼小児におけるADI比は44.0%となりました。

最後のページが答申(案)となります。

事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 これについては、審議が4回目ということです。今回はウマの経口投与剤を加えたということのみです。

ただ、何か問題があったかどうか確認したいと思います。

まず、薬理とか化学構造、その辺で尾崎先生と吉成先生から御意見はございましたでしょうか。

○事務局 特にコメントは頂いておりません。

○大野部会長 代謝の面でもそういうことでないと思いますけれども、測定対象物質についても以前審議していただきましたが、EUとかアメリカでは5-ヒドロキシフルニキシンだけを規制対象としておりますけれども、乳の中にも親化合物が若干入ってきますし、そういうことで、日本ではフルニキシン及び5-ヒドロキシフルニキシンを測定対象物質としている。一方、その他の組織で残留するものは親化合物が中心ですので、親化合物だけでいいということで、以前の判断について特に変えるところはないと思っています。

今までのところで先生方から何かございますでしょうか。

では、安全性の面で何か新たに気がついたところはございますでしょうか。

○鰐渕委員 特にございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

分析法と分析結果について、新たに気がついたところはございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りではいかがでしょうか。よろしいですか。

それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。

それでは、特に御意見はないということで、この部会としての答申(案)をこの部会としての答申とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目、農薬及び動物用医薬品としてのオキソリニック酸の審議に入りたいと思います。

事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、2剤目、オキソリニック酸でございます。資料2-1を御覧ください。

 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。

なお、前回は平成2411月の部会で審議が行われており、今回の部会で3回目の審議でございます。

1.概要」でございます。本来はキノリン骨格を有する殺菌剤で、DNAジャイレースに結合し、DNAの複製を阻害することにより効果を示すと考えられております。

動物用医薬品としましては、畜水産物に関しまして、記載のとおりの細菌性疾患に対し効果を有することが確認されております。

化学名及び構造式等につきましては記載のとおりでございます。

ページをめくっていただきまして、「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。

今回適用拡大申請がなされたズッキーニ、ピーマンについて、3ページの表に四角で囲んで示しております。

6 ページ目「3.対象動物における分布・代謝」でございます。これに関しましては、前回御審議いただいた内容と変更ございません。

4.作物残留試験」でございます。分析対象をオキソリニック酸とし、分析法の概要は記載のとおりでございます。

国内で実施されました作物残留試験結果につきましては、別紙1-1に記載してございます。

5.乳牛における残留試験」につきましては、前回御審議いただいた内容と変更ございません。

6.動物用医薬品の対象動物における残留試験」でございます。分析対象をオキソリニック酸とし、分析法の概要は記載のとおりでございます。

結果につきましては、20ページの別紙1-2に記載してございます。

7 の食品安全委員会によるADI評価でございます。ADI0.021mgkg体重/dayという評価となっております。この値は、前回の部会で御審議いただいたときと変更はございません。

8.諸外国における状況」でございますが、JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。

また、EUにおいて畜水産物に基準が設定されております。

これらを踏まえまして、基準値案でございます。

残留の規制対象をオキソリニック酸とする案をとっております。

食品安全委員会におきましても、農産物、畜産物及び魚介類中の暴露評価対象物質をオキソリニック酸と評価しており、これらの内容につきましても前回御審議いただいた内容と変更はございません。

続きまして、基準値案でございますが、36ページの別紙2を御覧ください。

今回申請のありましたピーマンにつきましては、ピーマンの作物残留試験結果に基づき基準値を設定しております。

一方、ズッキーニにつきましては、食品分類上はカボチャに含まれるのですが、その形状の類似性からきゅうりの作物残留試験結果に基づいて基準値を設定しております。

これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが37ページの別紙3でございます。

TMDI 試算によりますと、一番高い幼小児で46.8%のADI占有率となっております。

最後のページが答申(案)となります。

事務局からの説明は以上です。御審議のほどお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

これも2回ほど審議していただきまして、今回は3回目ということでございます。

これについて、何か問題があったら指摘していただきたいと思います。用途、薬理作用、化学名、構造、その辺りで何か御意見ございましたでしょうか。延東先生、お願いします。

○延東委員 2つほどあるのですけれども、1つはお願いといいますか、魚のデータがいっぱい出ているのですが、変温動物を扱う者にとっては、温度が書いていないと、読んでいてとても不安なのです。極端に言いますと、水温が10度違うと代謝量が2倍違ってくるので、この前のときもそれを読み間違えたのです。

例えばブリと言われても、普通18度ぐらいのところにすんでいるのです。それを想定してしまうのですけれども、しかし、この前のお話だと、水温25度というような数字なのですね。養殖魚だと成長を早くしたいので、高い温度で飼ってしまうのです。だから、排泄がとても早くて、こんなに早いかななどと思ったのです。それは18度のときを想定していたものですから。

変温動物を扱う者にとっては、これを読んでいてとても不安に思いますので、ぜひここに。

読んでみますと、ニジマスのデータなどだと、水温が18度と5度とかいうようなデータも出ているのですが、ほかのやつについては全然ないのです。例えばコイなどは、0度ぐらいのときから30度を超えるような温度まですみますので、どの温度帯でやった実験なのかというのを、この表の一番下にただし書きでもいいので、25度でやった実験ですとか、5度でやった実験ですとかというのを書いていただいたほうがよろしいかなということ。

もう一件は、資料2-16ページ目「(2)動物用医薬品としての使用方法」と書いてあるのですが、対象動物の一番下のところに「ウナギ」とあります。その上に「ウナギ目魚類」と書いてあるのですけれども、これは対象の魚は何を考えて「ウナギ目魚類」とされているのか。

ウナギ目魚類の中で日本人が食べるのはウナギなのです。それ以外にもオオウナギとか、違うウナギもいますが、ニホンウナギはウナギというもの。「ウナギ目魚類」と「ウナギ」と書かれると、ウナギ目魚類は一体何を対象に考えているのだろう。食用になっていなくて、ただすんでおるというだけのものなのか。たくさんいるのですけれども、食用になっているものとして考えるのであれば、「ウナギ」でよろしいのではないかなと思ったのです。

○大野部会長 「ウナギ目魚類」の中にウナギは入っていないのですかね。

○延東委員 例えば「スズキ目魚類」というのがその上のほうにあるのですが、スズキ目魚類であればスズキとかブリとか、サケ科魚類であればニジマスとかアユとかサケとかあるのですけれども、その目の中に食用となる魚がたくさんあるのですが、ウナギ目魚類の中で対象となっている魚は多分ウナギしかないのではないかと思うのです。下手に「ウナギ目魚類」と書いてしまうと、一体どこまで対象範囲を広げて考えているのかが見当がつかないのですけれども、違いを明確にされてつくられたのかどうかというのがちょっと心配だったのです。

 事務局、いかがですか。まず最初に、養殖のときの温度については、前も御指摘ございましたが、報告書には書いてあるはずだと思いますので、それをこちらのほうにも入れてもらわないと、読んだときに判断ができないということだと思うのです。

○事務局 前回以降に御審議いただいて、承認いただいた内容に関しましては、後で確認しまして可能性な限り報告書に反映させていただきます。

○大野部会長 可能な限りというか、養殖の魚で試験をやったとき、温度が書いていなかったら、そのデータは信用できないということですね。

○延東委員 極論するとそうですね。高い温度で飼っているのと排泄速度が全然違うので、多分こういうデータは、私たちだけではなくて、いろんな方のところで目に触れると思うのです。そのときに、変温動物、魚とかをやっておられる方はとても読みにくいデータになっています。今後もいろんなところで出てくると思いますので、ぜひ温度をいただきたいなというのが希望です。1つのお願いです。

○大野部会長 それについては、農水のほうでも試験の結果を御覧になるときにその辺。それは多分指導していると思うのですけれども、もし欠けているのがあったら、記載してくれるようにちょっと指導してもらえればありがたいと思います。

○農林水産省 それは注意して見るようにいたします。

○大野部会長 それでは、その資料をもとにこちらにも温度を入れるということでお願いします。

○農林水産省 前回の部会のときにも同様のお話をさせていただきましたが、基本的に臨床試験については、魚種ごとに推奨される温度というものがありますので、そのあたりを注意しながら試験の設定と試験の結果の確認を行っていきたいと思います。

○大野部会長 よろしくお願いいたします。

 それでは、ウナギ目魚類については、いかがでしょうか。これはどういうものが含まれるのかということですけれども。

○延東委員 多分これはウナギだけの話だと思います。

○農林水産省 私も今、正確なことは言えないのですが、ここに記載されているのは、対象動物と使用方法ですが、飼料添加のほうは、コイ目とかスズキ目とか、ほかの魚類と合わせて何とか目魚類というふうに承認申請されていたのではないかと。そこは想像になってしまうのですが。通常ウナギ目魚類に関して想定しているのは、養殖しているのはウナギかと思いますので、意味としてはウナギということなのだと思っております。

○延東委員 今、ちょっと思ったのですけれども、ウナギ目魚類というのは、今、ヨーロッパウナギとかアメリカウナギが入ってきているのですが、そのことを言っているのでしょうか。

○農林水産省 すみません、正確なところが。

○延東委員 ニホンウナギだと「ウナギ」でいいのですけれども、養殖は最近、ヨーロッパとかアメリカのウナギを使ったりしている例があるので、そのことを言っているのでしょうか。

○農林水産省 ヨーロッパウナギも国内で養殖されていますか。

○延東委員 最近、しているところもあるのです。

○大野部会長 ヨーロッパウナギの場合には、簡単に「ウナギ」とは言えないということですか。

○延東委員 アンギラアンギラで、日本のウナギはアンギラジャポニカです。

 だから、「ウナギ目魚類」というふうにしたのは、そういうものを想定したということなのでしょうか。

○農林水産省 担当のほうで詳細は確認させていただきたいと思いますが、多分承認された時期も関係があるのだと思います。今、委員がおっしゃられたように、魚の種類がいろいろ細かく分かれていて、一つ一つ承認というのも使用場面でなかなか難しい面がありますので、最近は何とか目魚類というような承認の仕方をしています。もしかすると、「ウナギ」と単独になっているのは少し古いものなのかもしれません。そこを担当のほうで確認して御連絡させていただきたいと思います。

○大野部会長 では、確認してくださるようお願いいたします。

○延東委員 「ウナギ」とするよりも、「ウナギ目魚類」で統一されたほうが皆さんにとっては分かりやすいのではないかなと思うのです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 延東先生、これは後で確認していただくということだけでよろしいですか。

○延東委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、用途と化学名、構造については特に意見がなかったということで、代謝についても吉成先生のほうから御意見がなかったと思います。

 測定対象物質に関係することでは、以前の審議で、水稲とか、はくさいとか、だいこんとか、そういったところでの代謝試験をやっていたけれども、残るものは親化合物だけ、それもほとんど検出限界以下ということでしたので、親化合物だけであるという前回の判断でよろしいかと思います。

 今までのところでほかに御意見ございますでしょうか。

それでは、安全性の面で何か追加ございますでしょうか。

○鰐渕委員 前回もお話ししましたように、この書きぶりで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ちょっと先生に聞きたいところがあったのですけれども、遺伝毒性、変異原性試験で陽性が出ますね。 in vitro で。

○鰐渕委員  in vitro で出ても、 in vivo でネガティブであれば、今回の使用に関して遺伝毒性のメカニズムでないというふうに考えられていますので、ADIを設定できるというこの書き方でいいのではないかなと思います。

○大野部会長 遺伝毒性の発現メカニズムとして、説明の中にDNAジャイレースの阻害による遺伝毒性だと。そんなふうに食品安全委員会のほうに書いてあったのですけれども、それは特に問題ないのですか。僕はその辺があまり頭に入っていなかったので、その説明でいいのだろうかと。

 「変異原性のメカニズムは、本薬の抗菌活性であるDNAジャイレース阻害に起因した間接的なものと考えられるので、DNAと直接作用しているものではないと考えた」というふうな表現ですけれども、それはよろしいですか。

○鰐渕委員 これも前回きっちり見ましたが、この書き方でいいと思います。

○大野部会長 分かりました。ありがとうございます。

それから、今日の資料の15ページの上から4行目「なお、評価に供された遺伝毒性試験の in vitro 試験の一部で陽性の結果が得られたが」と書いてあるのですが、これは一部ではないのですね。大部分だったと思うのですね。4例。

○鰐渕委員 Amesだけが陽性だったのではないのかな。

○大野部会長 ほかのでも何か。

○鰐渕委員 UDS試験は肝臓でマイナスですし、あと、S9 mixtureが関与していないものではチャイニーズハムスターで陰性ですので、それ以外のものは陽性なのですけれども。

○大野部会長 これは、「一部」と言っていいのかと思ったのです。6件やっていて、そのうちの3例は陽性が出ているから。S9はプラスでもマイナスでも出ているというのがあるので、「一部」だけ除けばいいのかなと思ったのですけどね。

○鰐渕委員 そうですね。そんなに大きな問題ではないかもしれない。

○大野部会長 大きな問題ではないのだけれども。

○鰐渕委員 座長が抜いたほうがいいと思われるのでしたら、それでもいいかなと思います。

○大野部会長 それでは、15ページの4行目の「 in vitro 試験の一部で陽性の結果」の「一部で」というところを削除してくださるようお願いいたします。

ほかに御意見ございますでしょうか。

○鰐渕委員 先生、やはり全部が陽性であれば「陽性」と言えるのですけれども、陰性のものもあるときに、「陽性」と断定してしまうというのも何となく気になるなと。

○大野部会長 でも、「一部」というところのニュアンスなのですけどね。「一部」というのは、僕が読むと、例えば復帰突然変異試験をいろんな細菌でやって、その一部だけで出たというふうに感じてしまうのです。

○鰐渕委員 そういうふうに感じられる人がいるようであれば、抜いたほうがいいかなと思いますけれども。

○大野部会長 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。どうぞ。

○事務局 今の記述の問題で、「 in vitro の試験で陽性の結果が得られたものもあったが」という記述にしてみるのはいかがでしょうか。

○大野部会長 でも、「得られたものもあったが」というのも、ごく一部という感じですね。「 in vitro 試験で陽性」というふうに僕は思うのですけどね。それとも「DNA修復試験、復帰突然変異試験、染色体異常試験」。詳しく書くと、また煩わしいですけどね。

○鰐渕委員 でも、 in vitro の遺伝毒性で陽性であっても、必ずしもそれが全部遺伝毒性とはなっていないですので、抜いてしまったほうがすっきりするということであれば、それで結構かと思います。

○大野部会長 では、ここのところは「 in vitro 試験で陽性の結果が得られたが」ということでお願いします。

○事務局 はい。

○大野部会長 それでは、分析法と分析結果、その辺りについて新たに何か気がついたところはございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについてはいかがでしょうか。TMDI比で最大で46.8%ということで、特に問題ないかなと思いますけれども。

全体を通して御意見ございますでしょうか。

それでは、先ほど延東先生から御指摘があった温度について記入できたら記入するということでお願いします。それから私が指摘したところの一部修正ということ。

それをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目、農薬のプロパルギットの審議をお願いいたします。

 事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、3剤目のプロパルギットでございます。

まず、資料の訂正を述べさせていただきます。

5 ページ目の「(2)推定残留量」の部分ですが、(2)を(3)に訂正させていただきます。

それでは、報告いたします。

今般の残留基準の検討については、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定及び魚介類への基準値設定依頼が農林水産省からなされたことに加えまして、ポジティブリスト制度導入時に設定された暫定基準の見直しについても御審議いただくものです。

本剤は、国内で農薬登録がなされており、暫定基準が設定されております。今回が初めての部会報告となります。

1.概要」につきまして。本剤は亜硫酸エステル系の殺虫剤です。ミトコンドリアのATPaceを阻害及びモノアミン酸化酵素阻害をすることにより殺虫作用を示すものと考えられております。

化学名、構造式及び物性につきましては記載のとおりでございます。

ページをめくっていただきまして、「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。

 今回適用拡大申請がなされたりんごにつきまして四角で囲んでございます。

続きまして、「3.作物残留試験」でございます。

分析対象の化合物としてプロパルギットについて分析が行われております。

結果につきましては、8ページからの別紙1に記載しております。

続きまして、「4.魚介類への推定残留量」でございます。

本剤については水系を通じた魚介類への残留が想定されていることから、農林水産省から魚介類に関する個別の残留基準の設定が要請されております。水産動植物被害予測濃度0.044ppbBCF775に係数5を乗じて推定残留量0.1705ppmを算定しております。

5.畜産物への推定残留量」につきましては、分析対象プロパルギット、代謝物B及びCとする結果を4ページ以降にあります表1及び2に記載してございます。

分析の概要は記載のとおりです。

1 乳牛及び2産卵鶏における残留試験結果を踏まえまして、その結果が表3-1に及び3-2にございます。

6 、食品安全委員会におけるADI評価に関しましては、ADI0.0098mgkg体重/dayとなっております。

7.諸外国における状況」でございますが、JMPRにおいて毒性評価がなされており、ADIが設定されております。

国際基準は、トマト、りんご等に設定されております。

米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドにつきましても記載のとおり基準値が設定されております。

これらを踏まえまして、「8.基準値案」でございます。

残留の規制対象を親化合物のプロパルギットのみとする案としております。

JMPR の評価書におきましても、農作物、畜産物における規制対象をプロパルギットとしております。

なお、食品安全委員会における食品健康影響評価においても、農産物及び魚介類中の暴露評価対象物質をプロパルギットのみと設定しております。

次に、基準値案でございますが、9ページからの別紙2を御覧ください。

今回申請のありましたりんごにつきましては、国内の作物残留試験成績に基づき基準値を設定しております。

同じく申請のありました魚介類につきましては、3ページでお示しした推定残留量に基づき基準値を設定しております。

コーデックス基準を準用することのできないその他の作物につきましては、暫定基準が削除されることとなります。

これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが12ページの別紙3でございます。EDI試算によりまして、一番高い幼小児で43.1%のADI占有率となっております。

最後のページが答申(案)となります。

事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

これは、この部会での審議は初めてということですね。

○事務局 はい。

○大野部会長 それでは、順々に御審議をお願いいたします。

 薬理作用とか用途、その辺りでコメントございましたでしょうか。尾崎先生からございませんか。

○事務局 尾崎先生からコメントは頂いておりません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかの先生、よろしいでしょうか。

 それでは、化学名、化学構造、物性、その辺りで吉成先生から御意見ございましたでしょうか。

○事務局 吉成先生から化学構造については頂いておりません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、代謝のところではいかがでしょうか。吉成先生から代謝のところで何か御意見ございましたか。

○事務局 本日欠席の吉成先生からプロパルギットに関して、代謝と代謝物の毒性に関するコメントを頂いておるのですが、今、御報告させていただいてよろしいですか。

○大野部会長 お願いいたします。

○事務局 まず1点目が、プロパルギットの薬理作用は、1ページ目の構造式を見ていただくと分かるのですが、右側のプロパルギル基と左側の亜硫酸エステルの部分が必要であると推測されることから、それを加水分解で消失した代謝物B及びCに関しては、毒性が低下していると推測されるというのがまず1点でございます。

 それらに生じた代謝物B及びC、それ以降の代謝物に関しましては、水酸化が繰り返し修飾されていくことから代謝がされやすくなるということで、毒性及び残留性が低いという推測のもと、今回規制対象物を親のみとする案にさせていただきました。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これは私も同じ意見です。これは、サルファイトの部分、SOの間が切れて、まず最初の代謝がいって、それからシクロヘキサン環のところが水酸化されて、それから tert -ブチル基のところのメチル基が1個水酸化された代謝物がある。そういった代謝物が植物で出ています。

植物での代謝試験では、りんごの果実で代謝物のBCEという、SOの間が切れて、それから水酸化を受けたものができて、それが10%以上あるのですが、果皮のところではほとんどが親化合物です。

これは分析のときには果皮と果実を合わせて測定するのですか。

○事務局 りんごに関しましては、皮はついております。芯と果梗の基部と花落ち部分を削除したものを測定の検体としておりますので、皮はついている状態ではかっております。

○大野部会長 果皮を削除したものですか。りんごの残留をはかるときに、果皮の部分と、果実の部分と、中身と、皮をむいたやつということで、皮がついたままはかるのか、それとも。

○事務局 皮はついています。

○大野部会長 分かりました。

 そういうことで、実際にはかった結果だと、果皮のほうにかなり多くて、果実のほうには全体の1%ぐらいしか分布していません。ということは、ほとんどが果皮におろしていって、それで果皮の部分の代謝物は少なくて、ほとんどが親化合物である。全体ではかると、BCの残留量がかなり少なくなってしまうということがございます。

 吉成先生の御意見と、また、りんご全体としてはかると、代謝物の含量が1%以下で少ないということで、測定対象物質としては親化合物だけでいいのではないかと私も思いました。

今までのところで御意見ございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、安全性のところで、鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 この剤、高用量から低用量までラットで空腸の未分化肉腫というのが出ているのですけれども、そういう意味で、NOAELがとれていないというところなのです。それで、食品安全委員会では安全係数3を加えて300にしているという形で決定しているのですが、3というのがいいのかというのは、僕自身としては若干難しいところかなとは思います。

○大野部会長 最低用量でも空腸未分化肉腫というのが出ているのですか。

○鰐渕委員 1例ではありますけれども出ているので、NOAELが設定できていないということですね。最低。

○大野部会長 ただ、遺伝毒性がネガティブだから、ADIを設定できると。

○鰐渕委員 ADIが設定できるのですけれども、その。

○大野部会長 300がいいかどうかということですね。

○鰐渕委員 そうなのです。今回の最小毒性量が2.95。ここでがんが出ているので、安全係数、3倍を加えたということなのですね。

○大野部会長 今まで食品安全委員会のほうでは、最低用量でがんが出ているというのはなかったですね。

○鰐渕委員 そうですね。あまり。

○大野部会長 がんが出ても、NOAELのところで安全係数100でやっているのが多かったと思うのですけれども。

○鰐渕委員 それは遺伝毒性でないからいわゆる閾値を設定できると。無毒性量自身がほかのところでとれているのですね。

でも、この試験で発がん性のところで無毒性量がとれていないので、最低用量としてこれだと。

ほかのも見ていくと、多分これが一番低いのだと思うのです。

○大野部会長 記憶が古いのですけれども、僕が昔、調べたのだと、JMPRとかそういうところで発がん性とか催奇形とか、そういうのが出るところだと、安全係数を大きく見ていたのですが、最近、ちょっとわからないです。食品安全委員会は大体100とっているので、変わったのかなと思ったのです。

 もしこれを100とすると、その右のページにある幼小児でのEDI比が3倍になってしまうのですかね。そうすると、80を超してしまいますね。

○鰐渕委員 いや、僕が言っているのは、3を加えているのですけれども、3でいいのか。安全寄りに寄って、3でなくて10にする。低い形にしたほうがより安全かなという印象を少し持ったものですから。

○大野部会長 そうすると、全体としての安全係数が1,000になってしまいますね。

○鰐渕委員 そうです。

○大野部会長 EDI比で今、45.6%となっていますが、安全係数を1,000にとると、ADI3倍以下になるわけですね。そうすると、これはオーバーしてしまいますね。

○鰐渕委員 そうですね。オーバーしてしまう。だから、3なのか。

○大野部会長 そうすると、これについて、食品安全委員会でこういう意見が出たのだけれども、どうなのだろうという意見を求めたらどうですか。今までがんの場合には安全係数は100ということでもないのではないか。特にこの場合にはNOAELは設定されていないので、それに3を掛けたとしても300で、これは何と聞いたらいいですか。

○事務局 この件につきましては、食品安全委員会のほうにこちらから確認させていただきまして、また次回の部会のときに。

○鰐渕委員 そうですね。ちょっと確認をしておいたほうがいいとは思います。

○大野部会長 では、それはお願いします。どういう考え方で300というふうになったのか、確認してくださるようお願いいたします。

どうぞ。

○山内委員 安全委員会の評価書(案)の39ページのところにADIの設定値がありますが、その下に「暴露量については、当評価結果を踏まえて暫定基準値の見直しを行う際に確認することとする」と書いてあります。この意味というのは、安全委員会ではこれで定めるけれども、暴露の状況をよく見なさいというような意味で書いてあると思えばいいのですか。

○大野部会長 そうですね。

○山内委員 では、今のような論議が大切だと。

○大野部会長 そういうことですね。

 食品安全委員会で300というふうに安全係数をとってこれを設定したのだけれども、このまま計算すれば問題ないわけですね。ただ、それで本当にいいのかどうかというのは、食品安全委員会で基本的な考え方を確認してくださるようお願いいたします。

どうもありがとうございました。

今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。

 それでは、次の分析方法、分析結果、その辺りについて御意見ございますでしょうか。永山先生、お願いします。

○永山委員 書きぶりだけなのですけれども、例えば2ページの3の(1)の2のところで「溶媒留去後」という言葉が入っているのですが、これは実はほかの報告や何かでは全部省略させていただいていると思うのです。ですから、それと合わせるということからしますとこの言葉を削除して、3ページの畜産物の分析のほうでも「溶媒留去後」が全部入っていますので、「溶媒留去後」という言葉は削除されたほうが、ほかとの整合性、統一がとれるのではないかと思います。

あと、3ページ「2分析法の概要」の2行目「または」は、たしか漢字で。非常に細かい話で恐縮なのですが、「又」にして、「は」の後ろの点は削除でよろしいのではないかと思うのです。

すみません。書きぶりだけの非常に細かい話で恐縮です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ちょっと素人で申しわけないのですけれども、アセトンで抽出して溶媒留去したら、シリカゲルカラムの上に乗っけて、別の溶媒で流して精製するということですね。

○永山委員 はい。実際にはもともとの溶媒を飛ばした後、ほかの溶媒を入れて、それでカラムに付加するという操作が入るのですけれども、実はその辺りは全部省略した形の書きぶりに報告書ではしているものですから。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかの先生、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

では、そのように修正をお願いいたします。

 ほかに分析方法、分析結果について御意見ございますでしょうか。

ありがとうございます。

 では、基準値と国際的整合性、その辺りで御意見ございますでしょうか。

 それでは、全体を通して今まで以外の御意見ございますでしょうか。ありがとうございます。

それでは、先ほどの食品安全委員会に御意見を伺って、それからもう一度再審議ということになると思いますので、よろしくお願いいたします。

安全性以外の部分については、皆さん、合意していただいたということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、これでプロパルギットについては審議を終了とさせていただきます。

 次の品目、農薬のオキシン銅についての御審議をお願いいたします。

では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、4剤目のオキシン銅でございます。資料4-1を御覧ください。

 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたこと、及びポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものでございます。

まず、「概要」でございます。

本剤は、有機銅系の殺菌剤であり、病害菌の呼吸における脱水素酵素阻害作用により抗菌活性を示すものと考えられております。

化学名及び構造式等につきましては記載のとおりでございます。

2ページ目から15ページにかけまして「適用の範囲及び使用方法」について記載しております。申請がありました使用方法につきまして四角で囲んでお示ししております。

16ページの「作物残留試験」でございます。

分析対象の化合物としてオキシン銅について分析が行われております。

分析方法につきましては記載しているとおりでございます。

結果につきましては、18ページからの別紙1に記載しております。

16ページに戻っていただきまして、「4ADIの評価」でございます。ADIは、0.01mgkg体重/dayという評価となっております。

なお、17ページですが、評価に供された遺伝毒性試験の in vitro 試験の一部で陽性の結果が得られておりますが、小核試験をはじめ in vivo 試験では陰性の結果が得られておりますので、オキシン銅は生体にとって問題となる遺伝毒性はないと食品安全委員会において結論されています。

5.諸外国における状況」でございます。JMPRにおける毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。

また、諸外国におきましても、記載のとおり、いずれの国、地域におきましても基準値が設定されていない状況でございます。

6.基準値案」でございますが、規制の対象をオキシン銅(親化合物のみ)とする案としております。

食品安全委員会による食品健康影響評価におきましても、農産物中の暴露評価対象物質としてオキシン銅(親化合物のみ)を設定しております。

次に、具体的な基準値案でございますが、32ページからの別紙2を御覧ください。

国内の作物残留試験成績に基づき基準値を設定しております。

その他の食品につきましては基準値を削除する案としております。

これらの基準値案及び残留試験データを用いて暴露評価を行いましたものが34ページの別紙3でございます。

EDI試算によりまして、一番高い幼小児で69.0%のADI占有率となっております。

最後のページが答申(案)となります。

事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 これも初回審議ということです。

それでは、用途、薬理作用、その辺りで尾崎先生からコメントございましたでしょうか。

○事務局 特に頂いておりません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかの先生、よろしいでしょうか。

それでは、化学名、化学構造、物性、その辺りで吉成先生から御意見ございましたでしょうか。

○事務局 特に頂いておりません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 先生方、よろしいでしょうか。

それでは、代謝のところで吉成先生から御意見ございましたでしょうか。

○事務局 特に頂いておりません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 適用方法、その辺りで宮井先生から何か御意見ございましたか。

○事務局 細かい微修正を頂いたのですが、それは報告書に反映させております。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、代謝のところと測定対象物質に関係するところについて、私が見たところでは、代謝試験はりんごとレタスしか行っていないのですけれども、残留するものはほとんど親化合物です。Bは若干見られるのですが、わずかであるということ。そういうことで、測定対象物質としては親のみでよろしいというふうに思いました。

今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。お願いいたします。

○鰐渕委員 適用方法の11ページのカラムの下から3つ目の四角で囲んであるところです。収穫前日まで使うということになっているのですけれども、この領域は全くの素人ですが、前日まで使っていて大丈夫なのかなと。

○大野部会長 前日まで使ったところで作物残留試験をやっているのではないかと思うのですけれども、いかがですか。

22 ページ目から23ページ目にきゅうりとトマトが書いてありますね。

○事務局 まず、基準値案なのですが、例えばきゅうりを御覧いただきたいのですが、32ページになります。こちらは3ppmという基準値を設定する案としておりますけれども、「作物残留試験成績等」という一番右のカラムを見ていただきたいのですが、この結果が1.06及び1.30という作物残留試験結果になっておりますけれども、23ページの下から9つ目のカラムの右から2列目の経過日数が「1日」となっておりますが、これが前日までの試験結果になりますので、この残留試験結果をもとに基準値を設定しております。この場合でもADIの範囲内に入っているということで、安全性という面では問題ないかと思います。

○大野部会長 今、御説明があった「1」のところに下線が引いてありますけれども、これは下線が引いてあるところのデータだという意味ですか。

○事務局 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 鰐渕先生、そういうことで、1日目でも大丈夫だということです。

○鰐渕委員 了解しました。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかに先生方から御意見ございますでしょうか。

 それでは、安全性の面ではいかがでしょうか。

○鰐渕委員 この剤に関しては、この書きぶりでいいのかなというふうに思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

この場合も「 in vitro の試験の一部で」というのですけれども、これは本当に一部なので、よろしいかと思います。

それでは、次の分析方法、分析結果についていかがでしょうか。特にございませんでしょうか。

それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについてはいかがでしょうか。よろしいですか。

それでは、全体を通していかがでしょうか。これについては修正すべきところはなかったかと思いますけれども。

それでは、この部会報告(案)をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目、農薬のメトコナゾールについての御審議をお願いいたします。

では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、5剤目のメトコナゾールです。資料5-1、部会報告書(案)を御覧ください。

メトコナゾールについては、農薬取締法に基づく適用拡大申請並びに関連企業からインポートトレランスの設定要請がなされたことに伴う基準値設定について御審議いただくもので、今回が3回目の審議になります。

改めて「概要」ですが、本剤はトリアゾール系殺菌剤であり、菌類のエルゴステロール生合成経路中の14位の炭素原子の脱メチル化を阻害することにより殺菌効果を示すものと考えられております。

化学名、構造式等については記載のとおりです。

2 ページ「適用の範囲及び使用方法」です。今回適用拡大申請された作物について四角で囲んでおります。2ページから4ページです。

続いて、6ページの「作物残留試験」です。メトコナゾール、代謝物M11M21及びM30を分析対象化合物として分析が行われております。

分析の方法については7ページに記載のとおりです。

なお、提出された作物残留試験の結果につきましては、10ページから13ページの別紙1に記載しております。

続いて、7ページ「4ADIの評価」については、前回の評価結果から変更はございません。

続いて、8ページの「諸外国における状況」です。JMPRにおける毒性評価は行われておらず、国際基準も設定されておりません。

なお、米国においてはバナナ、大麦等、カナダにおいては大麦、なたね等、EUにおいては麦類、なたね等に基準値が設定されております。

6.基準値案」です。まず、残留の規制対象については前回から変更はありません。親化合物であるメトコナゾールのみと設定しております。

なお、今回インポートトレランス申請がありました米国の基準におきましても規制対象はメトコナゾールのみと設定されております。

続いて、基準値案ですが、14ページの別紙2を御覧いただければと思います。新たに提出された作物残留試験成績に基づき基準値を設定しております。

インポートトレランス申請のあったものには、登録の有無の欄に「IT」という文字を記載させていただいております。

これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが15ページの別紙3でございます。TMDI試算により、一番高い幼小児で29.2%のADI占有率となっております。

最後の18ページが答申(案)となります。

事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 これは3回目ということですけれども、一応御審議をお願いいたします。

 用途、薬理作用、化学構造、化学名、その辺で尾崎先生、吉成先生から御意見ございましたでしょうか。

○事務局 特に指摘等ございませんでした。

○大野部会長 ありがとうございました。

代謝の面でもよろしいですか。

○事務局 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 測定対象物質のところについても今までどおりで、残留試験をやってM112130について測定しましたけれども、代謝物はいずれでも定量限界以下だったということで、測定対象物質は親化合物だけでいいという前回の判断で特に問題ないと思いました。

 今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。

それでは、安全性の面ですが、鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 これに関しては、この書きぶりでよろしいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 私のほうから、8ページの一番上のところで、ADI設定の根拠になった毒性実験が「発生毒性試験」となっておりまして、そこでどんな毒性が出たのかなと見ましたら、水頭症という頭がぼこっと膨れてしまうやつ、そういう奇形がウサギで出ていたということでした。ウサギだけで出ていたのかな、ウサギだけの場合には特に問題ないのかなと思いましたら、用量は高いのですけれども、ラットでも出ていました。

そうすると、僕が思ったのは、ここは安全係数100でやっていますが、一番最初のNOAELのところの根拠になった毒性が催奇形性なのですね。その場合には安全係数をもうちょっと多くしてもいいのではないかなと思ったのです。その後、いろいろ見てみましたら、このものが無人ヘリコプターで散布するとなっているのです。

3ページのところを見ていただきたいのですけれども、麦で赤かび病のときに、9%のメトコナゾール乳剤を58倍に希釈したものをまくというのです。まいているときの濃度は12%ぐらいになってしまうのです。そうすると、そばにいる人がそれを0.1ccでも吸引したら、場合によってはこのADIと同じか、それを超えてしまう可能性があると思いました。

それで、ちょっと心配になったのですが、催奇形性試験は反復投与で何日間か投与してやりますけれども、1回きりの投与でもちょうどクリティカルな期間に当たれば奇形になる場合もございます。そんなに毎日まくものではないということですが、だからといって安全とは言い切れないところがございます。

実際にどういう形で使っているのか、その規制はどうなっているか、それがちょっと気になったのですね。それで、農水の方にその辺のことをお聞きしたいのですけれども、いかがでしょうか。

○農林水産省 御質問の無人ヘリの使用なのですけれども、まず基本的に農薬の使用については、この資料に書かれているとおり登録の使用方法というのが決まっておりまして、製剤ごとに使い方とか剤型が違いますので、それぞれ注意事項というのもさらに別に付しております。この資料には書いておりませんけれども。

無人ヘリの場合、特に散布者が一番近くにいるわけで、そういう注意事項も書いてあるのですが、それとは別に、無人ヘリで散布する場合の一般的な指針というのを農水省のほうから出しておりまして、それに従ってそういう影響が出ないように適切に使用していただくように指導させていただいております。

内容としては、当然散布者は暴露を受ける可能性がありますので、その農薬の毒性とか使用方法によって適切な防護装備をするということを指導しております。

一方、周辺の方というのはそういうのがございませんので、こういう農薬をいつまきますよということをお知らせして、基本的にそういう農薬の暴露を受けないように皆さんに注意をしていただくということで、実際に現場で使用されています。

○大野部会長 それは実効性があるというふうに考えてよろしいのですか。

○農林水産省 そうですね。無人ヘリというのは、個人の方でやるようなことはできませんし、1人でラジコンを操作してやるわけにもいかない。何人かでやります。狭いところでヘリコプターを飛ばしてやるというのは逆に効率が悪いものですから、ある程度業者とかがやっていますので、十分その指導はいっているのかなと考えています。

○大野部会長 大きなヘリだったら、きちんとした業者がやるようなイメージですが、無人ヘリというと、小さなラジコンヘリコプターみたいなやつで個人的にやってしまうのではないかなというイメージがあるのですが、その辺はいかがですか。

○農林水産省 ラジコンヘリといいましても、その辺に売っているようなラジコンヘリでなくて、全重量100キロぐらいの大きさのもの、ふだん我々が見るようなラジコンヘリに比べるとずっと大きいものを使っていますので、大体業者さんのほうで使用計画、いついつこういうところで、こういう防除のためにまきますよということを決めてしっかりやっていますので、その地域によって違うとは思いますが、事前にいろんな媒体を使ってお知らせをするようにしております。

○大野部会長 それにしても最終的に1%か2%というのはちょっと高いなと。僕が計算すると、体重50キロの妊婦が0.1cc吸うとADIになってしまうのです。つまり、超えてしまう可能性がある。ふっと吸っただけでそれぐらいになってしまうのではないかというイメージがあるのですけれども、いかがですか。

○農林水産省 確かに目の前まで来て散布しているとそういう可能性もあると思うのですが、そういうお知らせをしてその使用区域内に入らないようにお願いしております。実際まく側も、幾ら防護装備をしているといっても、ヘリが目の前まで来てまくわけではなくて、大体20メートルぐらい向こうまでしか近寄らないようにと。複数でやるというのは、例えば反対側にも人がいて、ヘリが外に出てしまわないようにチェックして、ここまでだよというのを反対側から示せるようにしてやっております。もともと農薬というのは農作物を守るために使いたいものですので、外でまくということは必要ないのですけれども、こういう無人ヘリに関しては、少し上からやっていることもあって、そういったことを別途指導させていただいております。

○大野部会長 ラベルはどうなっているのですか。無人ヘリコプター用の乳剤について、催奇形性があるから特に気をつけろとか、そういうふうになっているのですか。

○農林水産省 ラベルにそこまでは書いていないのですが、毒性に応じて実際どういう装備をしなければいけないというのはランク分けをされておりまして、今、お話しした無人ヘリの注意事項については、一般的に作業者もそうですし、周辺の方もそうですけれども、そもそも暴露しないようにということで、無人ヘリの場合は全てについて一律で指導をしているものです。

○大野部会長 全然ラベルがないと、もっと希釈したものを使うのと同じようなイメージで使われてしまうと大変なことになってしまうなと思ったのですね。ほかの100倍とか1,000倍とか、そのくらいで希釈して使うものと同じようなイメージで使われてしまったら、非常に困るなと思ったのですね。ちょっと吸っただけでADIを超えてしまう可能性のあるようなものを1,000倍、2,000倍希釈して使うものと同じような意識で使われてしまうと、非常に困るなと思うのです。ラベルできちっと書いておいてもらわないと、非常に危ないのではないかと思うのです。

○農林水産省 ラベルに催奇形性がとか、そこまではないのですけれども、当然濃度が濃くなりますので、別途注意事項があり、無人ヘリの場合は、先ほどお話しした使用者側の防護装備も、評価の結果、毒性があれば変わってまいります。使用者側はそれで段階をつけて、無人ヘリの場合はこういうことに注意しなさいという注意をさせていただいています。

一方、使用者以外の方は、そういうラベルに書いたとしても伝わるわけではありませんので、無人ヘリ一律で。

○大野部会長 書いてあれば、使う人は十分気をつけて、誰か入ってきたらすぐにとめるようなことをすると思うのです。水頭症というのは大変な奇形ですからね。

○農林水産省 そうですね。そういうことはもちろん業者のほうに十分指導して、基本的に圃場から出ないような使い方をしなさいという形、一律でとめてしまうということで、そういうものを扱っているのだよということは十分指導していきたいと思います。

○大野部会長 そういう指導はやっているということですね。

○農林水産省 担当の部署がございますので、以前からそちらから通知をしております。あと、操作するオペレーターの方も、こういう航空散布の普及とかをしている団体がございますので、そういったところで研修を受けたりして、誰でも彼でもやっているというわけではございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 鰐渕先生、いかがですか。

○鰐渕委員 先生がおっしゃるように、こういう重篤な奇形が出るときに、これまでの食品安全委員会の評価の中で、がんの場合は、遺伝毒性であれば一々設定できないという形になるのですけれども、こういう発生毒性などが出たときに、余分の安全係数を加えたということはないのでしょうか。今のところ記憶がないので、わからないのですけれども。

○大野部会長 データを見ると、安全係数を決めるときに、無毒性量が2mgになっていますけれども、2mgのときには有意差は出ていないのです。その上の用量で有意差が出ている。5回ぐらい試験をやって同じ奇形が出ているのですが、そのうちの1回で水頭症が出ているのですね。

○鰐渕委員 2mgでも出ているのですか。

○大野部会長 ごめんなさい。2mgの上の4mgだった。

○鰐渕委員 そうですね。

○大野部会長 そういうことで判断したのかもしれませんけれども。

 山内先生、何か御意見ございますでしょうか。

○山内委員 先生方の御議論をお願いしたいと思います。

○農林水産省 今、お話があったように、当然NOAELがとれているということでありまして、もしそういうのがとれていなければ、十分防護したとしても、そもそも作業者が安全かという問題もありますので、当然そういったことも加味して、そういう毒性について、懸念がある、人を守れないということであれば、その使用方法を登録するのは難しいという判断を我々のほうでもさせていただくことになろうかと思います。

今回はNOAELもとれているということもありまして、ただ、これは無人ヘリですので、近くにいる方には例えばマスクをしなさいとか、肌に触れないようにしなさいという注意事項がついています。

先ほどお話ししたように、一般の方が暴露しないようにという管理で十分健康影響が生じないようにしていけるのではないかと農水省のほうでは考えて、こちらのほうまで御審議をお願いしているところでございます。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ちょっと懸念があって、できればもう一度安全係数が100でいいのかというところ。生殖毒性で水頭症という結構重篤な奇形が出ているので、安全係数について、食品安全委員会のほうで、こういう懸念が出たけれども、よろしいでしょうかということを確認していただけないでしょうか。

○事務局 分かりました。

○大野部会長 場合によっては、暴露してリスクが生じるのではないかという懸念もあるということで。確認してから、農水のほうでそういう対応をきちっととっているということでしたら進めるということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

 では、次の分析方法と分析結果、そのあたりについてはいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性のところはいかがでしょうか。

それでは、全体を通して今までの議論以外のところで何か御意見ございますでしょうか。

それでは、これについては、安全性に関することで食品安全委員会のほうから御意見を伺って、もう一度審議するということ。それ以外のところでは合意が得られたと判断してよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、食品安全委員会のほうから御意見が出たときに、また御審議をお願いいたします。

 それでは、次の品目、アゾキシストロビンについて御審議をお願いいたします。

では、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料6-1を御覧ください。

 アゾキシストロビンについて、報告させていただきます。

 アゾキシストロビンは、今回で5回目の報告で、前回は平成246月に部会報告を行っております。

今般の残留基準の検討については、農薬取締法に基づくしょうがに対する適用拡大申請に伴い基準値設定依頼がなされ、当部会で御審議いただくものです。

「概要」です。

アゾキシストロビンは、ストロビルリン系の殺菌剤です。ミトコンドリアのチトクムームbc1 複合体のQo部位に結合することで電子伝達系を阻害し、菌の呼吸を阻害することにより抗菌作用を示すと考えられております。

化学名、構造式及び物性は記載のとおりです。

ページを進んでいただきまして、「2.適用の範囲及び使用方法」の一覧でございます。

いっぱいあるのですけれども、今回適用拡大申請がありましたのは、11ページの中段ぐらいに四角で囲ってある「葉しょうが」でございます。

続きまして、13ページの「3.作物残留試験」です。

分析対象化合物をアゾキシストロビンとし、記載の方法で分析を実施しております。

得られた作物残留試験結果は、17ページからの別紙1-1と、22ページからの別紙1-2を御参照ください。

また、28ページからの別紙1-3は、いわゆるポストハーベストとしての試験結果です。こちらについては添加物の部会の報告書の内容を記載しております。前回246月から今回の報告までの間、添加物での審議はなかったので、前回の報告のままでございます。

続きまして、「4.魚介類への推定残留量」と14ページの「5.畜産物への推定残留量」は、前回と一緒の報告でございますが、15ページの「(3)推定残留量」は今回の審議対象ではないのですけれども、他の部会報告に合わせて今回追記いたしました。

続きまして、「6ADIの評価」です。0.18mgkg体重/dayと食品安全委員会は評価をしており、これは前回の報告と同じ値でございます。

毒性については、ADIの下のところに記載しているのですが、 in vitro 試験の一部で陽性の結果が得られましたが、小核試験をはじめ in vivo 試験では陰性の結果が得られたので、アゾキシストロビンは生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されています。

7.諸外国における状況」です。

2008 年にJMPRにおける毒性評価が行われ、ADIが設定されております。国際基準はバナナ、ぶどう等に設定されております。

米国、カナダ、欧州、オーストラリア及びニュージーランドについての調査結果は、記載のとおりでございます。

続きまして、「8.基準値案」です。

残留の規制対象をアゾキシストロビン(親化合物)とする案としてございます。こちらも前回と同じでございます。

これらを踏まえました基準値案が33ページからの別紙2でございます。

今回申請のあったしょうがのところに「申」という字が入っております。

また、34ページの「その他の果実」のところは、コーデックス基準を採用したので、太枠で囲ってあります。

ページを戻っていただきまして、暴露評価の結果です。この基準値案に基づき暴露評価を行ったところ、353637ページの別紙3で、一番高い幼小児でTMDI75.2%のADI占有率となっております。

40 ページからが答申(案)となっております。

事務局からは以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これはたしか6回目ですね。

○事務局 今日で5回目です。

○大野部会長 5回目ですか。ありがとうございます。

 一応、先生方から御意見を伺いたいと思います。

それでは、用途、薬理作用、化学名、構造、物性、その辺りについて、尾崎先生、吉成先生から御意見ございましたでしょうか。

○事務局 特に頂いておりません。

○大野部会長 ありがとうございます。

代謝のところはいかがでしょうか。

○事務局 そちらに関してもコメントは頂いておりません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 測定対象物質についても前回御審議したとおりで、特に問題になるところはありませんでした。親化合物だけでよいというところでよろしいかと思います。

 今までのところの先生方から御意見ございますでしょうか。

 それでは、安全性のところで新たに気がついたところはございますでしょうか。

○鰐渕委員 この剤自身、あまり重篤な毒性が出ていない。体重増加抑制ぐらいですので、この書きぶりで結構かと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 皆さん、よろしいでしょうか。

それでは、分析法、分析結果、その辺りについて新たに気がついたところはございますでしょうか。よろしいですか。

魚介類への推定残留量について、前回と同じということですけれども、佐藤先生、これもよろしいでしょうか。

○佐藤委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについて、いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、全体を通していかがでしょうか。

特にないようですので、これについて修正は特になかったということで、この事務局案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、個別の審議については終了いたしました。どうもありがとうございました。

 次に、農薬等29品目についての審議に入りたいと思います。

では、これについての説明を事務局からお願いいたします。

○事務局 それでは、資料7-1を御覧ください。農薬等29品目の一括削除について説明させていただきます。

今般の残留基準の検討については、ポジリス制度導入時に新たに設定された暫定基準の見直しについて、食品安全委員会において健康影響評価がなされたことを踏まえ、当部会において報告を行うものです。

「経緯」です。

2006 年より食品に残留する農薬等に関し、ポジリス制度を導入しているところですが、制度を開始する際に円滑な施行を図るために、758品目にコーデックス基準やデータの提供等について協力を申し出た5カ国地域の基準値などを参考にして暫定的に残留基準を定めました。

制度開始から8年近く経過して、改めて暫定基準を確認したところ、29品目において国内の食用の登録・承認がない、暫定基準を設定する際に参照とした国において基準値が削除されているなど、現状に即していないことがあるものが確認できました。

2.概要」です。

構造式と物性は品目数が多いので、省略させていただいております。

29 品目のうち、農薬が25品目、農薬かつ動物用医薬品が1品目、動物用医薬品が3つの合計29品目でございます。

ページを進んでいただきまして、「3.食品健康影響評価」です。

食品安全委員会からはゴシック体の記載のとおりに答申を頂いておりまして、使用されている可能性が低いのであれば、人の健康に及ぼす影響がない。よって、評価は要らないという内容の答申になっております。

4.諸外国における状況」です。

国際基準は設定されていません。

米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドの状況については、4ページの別紙1を御覧ください。

別紙11点訂正があります。この表の一番下のところに「29」というセルが2つあるので、「29 モノリニュロン」は「25 モノリニュロン」のことですので、最終報告には反映させないように削除させていただきます。

これらの状況なのですけれども、まず、a)が海外主要国で基準値が設定されていないもの。b)が海外主要国で分析法の定量下限値を残留基準としているもの。すなわち、作物残留試験成績に基づかないで基準を置いているもの。c)が海外主要国で定量下限以外の残留基準が設定されているものと分かれます。

特にc)については、別紙1の注2のところにもあるのですが、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(4-エチルフェニル)エタンはEUにおいて、ジフェナミド及びブロモホスはカナダにおいて基準値はあるものの現在農薬登録はされていないこと、アザコナゾール、ナプタラム、ホラムスルフロンは基準があり、かつ農薬登録はあるものの、対象農産物の対日輸出がないことを確認しております。

また、今回の基準の見直しについては、輸入食品円滑化推進会議参加国52カ国地域に加え、OECD加盟国や台湾、エクアドル等を加えた61カ国地域に対して調査を行っておりますが、基準を保留する要望はありませんでした。

続きまして、「5.基準値案」です。

5 ページの別紙2-1から別紙2-29のとおり、食品中の残留基準を設定しないこととする案としております。

ちょっと重複するのですが、調査の結果、これらの29品目については、まず国内の登録・承認がない、または失効しており、今後も申請される予定がないこと、国外において一部の食品に残留基準が設定されておりますが、登録自体がされていないことや、対象食品が対日輸出されていない、また、JMPRJECFAにおいても毒性評価はされている成分はあるもののコーデックス基準もなく、今後設定も見込めないこと等が確認できております。

そして、過去10年間のこれら29品目について、輸入時の検査においても食品衛生法の違反はなく検出事例もありませんでした。

これらを踏まえ、日本国内において当該29品目が残留する食品が流通する可能性は非常に低いと考えられ、基準値を削除して支障はないと判断できることから、基準を維持し続けることは不要であると考えられました。

なお、抗生物質及び化学的合成品たる抗菌性物質は、「含有してはならない」の規定が適用され、ここの場合はミロキサシンという動物用医薬品なのですが、そのほかについては一律基準の0.01ppmが適用されることになります。

71 ページが答申(案)となります。

事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 いかがでしょうか。先生方から御質問、御意見ございますでしょうか。どうぞ。

○永山委員 1点だけ。1ページ「経緯」の下から3行目「29品目において国内の食用の登録・承認がない」と記載されているのですが、29品目というのは、農薬等が29品目だとすると、「農薬等の食用の登録」というのは若干分かりにくいと思うのです。意図としては、要するに、食用の農産物というか、これに対する登録・承認がないということかなと思うのですけれども。

○事務局 御理解のとおりですが、あえて入れる必要はないでしょうか。

○永山委員 そうですね。逆に後ろのほうの表記のように切ってしまえばすっきりするかもしれませんし、入れるとすれば、農薬とか動物用医薬品は「食用」ではない。「食用」という形だと、食品と非常に紛らわしく感じてしまうものですから、ちょっと表現を変えるか、どちらかのほうがよろしいかと思うのですが、いかがでしょうか。

○事務局 そうですね。消したほうがすっきりすると思いますので、表記について検討して、また皆様に相談させていただきます。

○大野部会長 お願いします。

 ほかにございますでしょうか。山内先生、お願いします。

○山内委員 提案については賛成です。

教えていただきたいのですが、この結果、当初暫定基準が設定されたものに対し、今まで7年間かけてきちんとした基準値が設定されたものと、残りはどれぐらいになっているか教えてください。

○事務局 残りというのは、あとどれぐらい暫定基準が残っているかということですね。

○山内委員 はい。

○事務局 正確な数値は今、控えていないのですが、大体180品目弱です。今の180弱というのは、これから食品安全委員会に諮問を行おうと思っている暫定基準のある品目の数ということです。

あと、食品安全委員会で今、審議中のものもまた別にありますので。

○大野部会長 よろしいでしょうか。

 お願いします。

○基準審査課長 もう少し正確な数を今日の審議の終わりまでに確かめまして、また御報告させていただければと思います。

○大野部会長 お願いします。食品安全委員会もこちらも大変な努力をして資料を集めてやっているので、どのぐらい進んだかなというのが気になりますので、お願いします。

 中国はOECDに加盟しているのでしたっけ。

○事務局 OECD加盟国ではないのですが、連絡は中国大使館にも行っております。

○大野部会長 分かりました。「OECD加盟国、台湾、エクアドル等」と書いてあるので、

中国からの輸入が随分多いので、ちょっと気になった。

 ほかにございますでしょうか。

それでは、先ほど永山先生からの御指摘で若干表現を変えるというところがございましたけれども、基本的にこういった内容で御了承いただけますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、若干修正したものの確認は大きなことではないので、私と永山先生が確認するということでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 では、そうさせていただいたものをこの部会の報告とさせていただきます。

 それでは、本日審議をいろいろしていただきましたけれども、それの結果の食品安全委員会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 平成2233日に了解されました食品衛生分科会における確認事項に基づきまして、本日の部会で御審議いただきました品目について、食品衛生分科会での審議または報告の取扱いにつきまして原案を用意させていただいております。こちらの横1枚紙のほうを御覧ください。

 先ほど御審議いただいた中で、プロパルギットとメトコナゾールにつきましては、次回の部会で御審議いただくことにしますので、この案からは削除ということになります。

 まず、本日御審議いただきました品目のうち、オキシン銅につきましては、既に設定されている残留基準の一部改正に該当することから区分3とする案といたします。

 アゾキシストロビン、オキソリニック酸、フルニキシンにつきましては、いずれも食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから区分4とする案といたしました。

また、農薬等29品目につきましては、使用実態がないことによる残留基準の削除であることから区分6とする案としております。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 ただいま御説明していただきました分科会での取扱い原案について、御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいですか。

特にないようでありますれば、当部会としてそのような取扱い案で分科会長の承認を得たいと思います。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、事務局から今後の手続につきまして説明をお願いいたします。

○事務局 本日御審議いただきました動物用医薬品1剤、農薬及び動物用医薬品1剤、農薬2剤、農薬等29品目の一括削除につきましては、食品安全委員会からの通知を受けておりますことから、何品目か修正が必要なものがございますが、御確認いただいた修正版をもって部会報告書とさせていただきます。

今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等、必要な手続を進める予定としております。

○大野部会長 ありがとうございます。

そのほか報告事項はございますでしょうか。

○事務局 2件報告させていただきたいと思います。資料8及び資料9を元に御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料8「暴露評価に用いる食品摂取量の切り替えについて(案)」です。現在、農薬等の残留基準設定に当たりましては、国民栄養調査結果における各食品の摂取量に基づいて暴露量の評価を行っているところでございますけれども、現在使用している摂取量は平成1012年の11月、年1回のデータによるものですので、食品摂取頻度の低い食品ですとか、季節ごとに摂取量が大きく異なる食品につきましては、年間を通じた平均的な摂取量を適切に反映しておりませんでした。

そのため、今後は委託事業「食品摂取頻度・摂取量調査の特別集計業務」における平成1719年度の4季節のそれぞれ3日間、計12日間の摂取量集計結果、これを以下「新摂取量」と言いますが、こちらを新たに暴露量の評価に用いることといたします。詳細につきましては、資料8の別添12を御覧いただければと思います。

また、先生方には、現在使用している摂取量との比較表も机上に配付させていただいております。

また、新摂取量への切り替えに伴い、ADI占有率が80%を超える品目につきましても調査・検討を行いましたことから、あわせてその結果についても報告させていただきたいと思います。

経緯でございます。平成1719年に食品摂取頻度・摂取量調査を国立健康・栄養研究所へ委託しまして、平成22年度にその調査結果を基に、各食品の農薬等の残留基準設定のための各食品グループの摂取量を集計し直しております。

平成2311月からは、新摂取量を暴露評価に用いるために、その当時、既に本基準となっていた品目につきまして、新摂取量への移行によりADI占有率が80%を超過する品目の調査を行うとともに、平成2311月以降に基準設定を行う品目につきましては、新摂取量による暴露評価を随時確認してきたところでございます。

その結果、ADI占有率を超過する品目が認められましたけれども、基準削除等の対応に先立ちまして、従来の日本の暴露評価の方法では、国際的な方法と比較して、より過大な暴露量が推定されていましたことから、平成1087日付食調第57号の意見具申やFAOマニュアル、国際的な基準などを参考に、暴露評価の精緻化について検討してきました。

その一環としまして、農薬の使用方法が同一である場合は、作物残留試験を実施した作物のデータを同一グループの他の作物にも適用し、暴露評価の精緻化を図ることを平成25723日の当部会で報告させていただきました。また、本部会におきましても、国産品と輸入品の割合を考慮した暴露評価についても報告させていただくことといたします。

ここで、資料9「乳の暴露評価における国産/輸入の割合の考慮について(案)」を先に説明させていただきたいと思います。

人が摂取している乳は、飲用乳とバター、チーズ、クリーム等の加工品に分けられますが、飲用乳としての乳は国内生産乳に限定されておりまして、乳製品全体の国産/輸入の割合は過去10年間で大きな変動はないということが農林水産省の食料需給表より確認できます。

また、最大理論的飼料由来負荷や平均的な飼料由来負荷など、飼料中の残留濃度が各国で異なりますので、国内と海外の畜産品で残留量に差があることから、国内生産乳による暴露評価と輸入乳による暴露評価というのを区別して評価することは可能であると考えます。

先ほどの意見具申におきましても、国産と輸入の割合につきましては、経時的に大きく変動しないことなどを示す明確なデータがある場合に限り、そういったことについても考慮することとされております。

また、国際的にも、暴露評価において各国レベルで考慮可能とされている項目として、「国産農作物と輸入農作物の割合」が提言されております。

ここで、精緻化する際に用いる代表値の具体的な計算式でございますけれども、下に記載しておりますとおり、輸入割合を国産と輸入物ということで、国内の推定残留量に0.7を掛けたもの、海外の乳の推定残留量に対して0.3を掛けたものをそれぞれ足しあわせた数値を暴露評価の代表値として用いることとさせていただきます。

2 ページ目は具体的な対応例です。

これまで検討してきました精緻化におきましても、新摂取量を用いた暴露評価で80%に収まらなかった品目につきまして、輸入の割合を考慮して精緻化を行いましたところ、ケトプロフェン(動物用医薬品)及びヘキサジノン(農薬)について、それぞれ80%以内に収まることが確認できました。

この検討結果の詳細につきまして、もう少し詳しく資料9の別添として御説明させていただきますので、「精緻化に当たり考慮した試算の詳細について(案)」を御確認いただきたいと思います。

動物用医薬品ケトプロフェンは消炎剤でありまして、平成2264日の当部会で審議されております。

当時の部会報告書につきましては、参考資料として委員の先生方の机上に配付させていただいております。

当時、この剤は、泌乳牛の残留試験では乳への残留は認められず、定量下限値0.05ppmを基準値としております。この基準値によりTMDI試算を行いますと、幼小児でADI占有率は104%となります。

ただ、国内登録はイヌ・ネコのみであることが確認されておりますので、下記計算式の国内の食用の推定残留量を0として計算しております。そうした計算を行ったところ、ケトプロフェンの推定残留量は0.015ppmとなりまして、ADI占有率は33.1%に低下します。

同様に、農薬のヘキサジノンについても検討いたしました。こちらは除草剤でありまして、平成23914日の当部会で審議いただいております。

同じく部会報告書を参考資料として机上に配付させていただいております。

新摂取量のEDI試算によりまして、幼小児のADI占有率が124%となっております。

本剤は国内登録されていないのですが、動物用医薬品の場合と違いまして、海外からの輸入飼料にヘキサジノンが残留している可能性がありますので、輸入飼料の摂取に由来する乳へのヘキサジノンの移行についても検討を行いました。

まず、国内で消費される乾牧草の飼料の割合については、農林水産省の作物統計とか財務省の貿易統計などから、輸入品の割合はいずれの年も50%未満であることが確認されております。

なお、海外では米国のみに飼料作物(乾牧草)への残留基準が設定されており、国内で給餌される乾牧草飼料のうち米国産は35%程度ということが分かっております。

輸入乾牧草の割合は、50%未満であるということから、国内において摂取される農薬量が最も大きい乾牧草の給与量の約半分が輸入量と仮定しまして、最大理論的飼料由来負荷(MTDB)10.24mgkgと算出しております。

このMTDBと前回の部会報告書に記載しております残留試験結果から国内の推定残留量を0.24と算出しております。

以上を踏まえ、下記計算式によりまして乳におけるヘキサジノンの推定残留量を算出したところ、1.07ppmとなりまして、ADI占有率は45.3%に低下する結果となりました。

資料81ページ目の一番下に戻っていただきたいと思います。

この精緻化の結果、ADI占有率が80%を超える品目はフェンスルホチオン(農薬)1剤となります。

フェンスルホチオンにつきましては、残留基準は、とうもろこし、トマト等について平成4年に設定されておりますけれども、JMPRADIに対しまして、基準値を用いたTMDI試算によりADI占有率を求めますと、幼小児では278.9%となります。

しかし、本剤につきましては国内での使用が認められておらず、輸入時のモニタリング検査におきましても検出事例がないことから、実際にはほとんど暴露はされていないと考えられます。

また、現在、コーデックス基準も設定されておらず、米国、EU、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドにおきましても残留基準が設定されていないことから、日本の残留基準につきましても削除を検討しております。

これらを踏まえまして、食品摂取量データの切り替えですが、次回部会から御審議いただく品目より、平成1719年度に実施された「食品摂取頻度・摂取量調査」における新摂取量に基づき暴露評価を行っていくこととさせていただきます。

また、国民の食品摂取量の実態が基準設定に適切に反映されるように、摂取量データの更新頻度などについても検討していくこととさせていただきたいと思います。

以上です。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 食品摂取量の切り替えによってADI占有率が80%超過したのは、ケトプロフェン、ヘキサジノン、フェンスルホチオン、この3件だったということですね。

○事務局 はい。

○大野部会長 それについて詳細に検討していただきましたら、今のところ問題になるところはなかったと。そういう結果ですけれども、先生方から御質問、御意見ございますでしょうか。佐藤先生、お願いします。

○佐藤委員 1つだけ確認したいのですけれども、この例で挙がっているケトプロフェンは、乳で精緻化を行ったということで、表1にはTMDIのままでほかのものが書いてあるのですが、これは自動的に実際はEDIに移行するという理解でよろしいのですね。TMDIで乳の精緻化を行うということはなくて、その時点でEDIということですね。確認なのですけれども。

○大野部会長 それは今までの資料を修正するという意味合いですか。

○事務局 確認させていただきたいのですけれども、推定残留量を入れていわゆるEDI試算を行うということでございますが、今回、ケトプロフェンにつきましては、基準値が全て定量下限値で設定されておりますので、基準値を用いてやったのですけれども、残留試験結果と基準値というものが同じなのでこういった分かりにくいような表現になっているのですが、実際は残留量をもとにこういった国産の割合と輸入の割合を考慮して代表値を求めるのでEDI試算ということでございます。

○事務局 先生の御質問というのは、ケトプロフェンの前回の部会資料がTMDIで計算されているので、この表が今回のものに自動的に変わるのかという御質問ですね。

○佐藤委員 今回はTMDIで計算されていますね。こういう例がありましたということで、乳が0.015になったと思うのですが、つまり、ケトプロフェンに関しては、新しい摂取量表では100%を超えてしまいますので、実際はEDI試算になるのですねという質問です。

○事務局 とりあえずは現状において新しい摂取量表を用いても問題になる品目はないという確認ができましたという状態です。

 ケトプロフェンのこの表をどうするかというのは、我々、想定の中に入っていませんでしたので。

○佐藤委員 私が聞いているのはここのケトプロフェン自体ではなくて、一般論です。この例の整合性、その辺がわからなかったものですから。一般論として、当たり前ですけれども、100%を超えているのでEDI試算になりますので、ケトプロフェン、このような例があった場合は、当然EDI試算として表示されるという理解でよろしいですか。

○事務局 仮に次回ケトプロフェンが審議にかかったときには、先生がおっしゃるとおり100を超えていますので、その際にはEDIで改めて計算をし直すという形になると思われます。

○大野部会長 EDIで計算して、それでも80を超えるような場合には、乳でのさらに精緻化したこの計算でやると。

○事務局 精緻化するのか、ほかの基準値を下げるのか、いずれにしましても80を超えない基準値を設定するということになると思います。

○大野部会長 過去に評価したものについては、新しい摂取量で計算しても農薬の摂取量的として当面問題ない。それは確認した。でも、過去の報告書は今、変えないということですね。過去のデータに基づいて計算しているけれども、変えないと。

 そんなところですけれども、佐藤先生、よろしいですか。

○佐藤委員 はい。

○大野部会長 ほかの先生、いかがでしょうか。よろしいですか。

では、どうもありがとうございました。

それでは、新しい食物の摂取量に基づいてこれから計算するということ、そして場合によってさらに精緻化した評価を行うということの御説明について御理解いただけたと思います。

では、ほかに議事はございますでしょうか。

○基準審査課長 先ほど御質問のありました暫定基準の見直しの状況でございますが、大体今年の1月ぐらいの状況ということで、手持ちの資料なので数字は精査していないので、およそのものということでお考えいただければと思います。

18 年の暫定基準の設定時は、御存じのとおり、758の農薬について設定しておりまして、そのときは本基準が41ございました。今年の1月時点で本基準に見直したものが215程度。暫定基準で残っていたものが541程度。今回の29の農薬と同じように既に削除したものが45。平成18年以降今までに新規に登録された農薬が46という状況でございまして、暫定基準の見直しが終わったのが200強、まだ残っているのが500強という感じでございます。

残っているものについては、食品安全委員会に未諮問のものがございますし、食品安全委員会で評価中、あるいは食品安全委員会から返ってきて、部会にかける前のものというのがまざってございます。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 いかがでしょう。何か質問ございますでしょうか。よろしいですか。お願いします。

○山内委員 整理されましたら、もう一回表か何かでいただけるとうれしい。年度で確定したときで構いません。

○基準審査課長 切りがいいときに正確に計算したものを配付したいと思います。

○大野部会長 では、お願いいたします。

ほかによろしいですか。

では、次回の予定について、お願いいたします。

○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成26318日火曜日の午後を予定しております。出欠につきましては後日確認させていただきます。詳細につきましても追って御連絡を申し上げます。

○大野部会長 ありがとうございました。

それでは、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。どうも御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921

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