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2014年3月7日 第7回日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 議事録
健康局がん対策・健康増進課栄養指導室
○日時
平成26年3月7日(金)
10:00~12:00
○場所
全国都市会館 第2会議室
○出席者
構成員<五十音順・敬称略>
宇野 薫 (株式会社タニタヘルスケア/ネットサービス推進部 管理栄養士) |
江頭 文江 (地域栄養ケアPEACH厚木 代表) |
大竹 美登利 (東京学芸大学 理事・副学長) |
岡村 智教 (慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学 教授) |
佐々木 敏 (東京大学大学院 医学系研究科 教授) |
幣 憲一郎 (京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部 副疾患栄養治療部長) |
生源寺 眞一 (名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授) |
鈴木 一十三 (株式会社ローソン マーケティングステーション 部長) |
高田 和子 (独立行政法人 国立健康・栄養研究所 栄養教育研究部 栄養ケア・マネジメント研究室長) |
高戸 良之 (シダックス株式会社 総合研究所 課長) |
武見 ゆかり (女子栄養大学 食生態学研究室 教授) |
田中 啓二 (公益財団法人 東京都医学総合研究所 所長) |
田中 延子 (公益財団法人 学校給食研究改善協会 理事) |
田村 隆 (つきぢ田村 代表取締役社長) |
中村 丁次 (神奈川県立保健福祉大学 学長) |
原田 信男 (国士舘大学 21世紀アジア学部 教授) |
藤島 廣二 (東京農業大学 国際食料情報学部 教授) |
藤谷 順子 (独立行政法人 国立国際医療研究センター病院 リハビリテーション科 医長) |
八幡 則子 (パルシステム生活協同組合連合 事業広報部 商品企画課 主任) |
渡邊 智子 (千葉県立保健医療大学 健康科学部 栄養学科 教授) |
事務局
佐藤 敏信 (健康局長) |
椎葉 茂樹 (がん対策・健康増進課長) |
河野 美穂 (栄養指導室長) |
芳賀 めぐみ (栄養指導室長補佐) |
○議題
1.開会
2.議題
(1)日本人の長寿を支える「健康な食事」の定義について
(2)その他
3.閉会
○議事
○河野栄養指導室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第7回「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方には御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、伏木構成員が御都合により御欠席です。
また、岡村委員、佐々木委員におかれましては、おくれての出席となります。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
お手元の議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、
資料1が「議論の進め方(案)」
資料2-1が「日本人の食事をめぐる状況の変遷について」
資料2-2が「日本人の栄養・健康状態の変遷について」
資料3が「日本人の長寿を支える『健康な食事』に関わる様々な要素(案)」
資料4が「ライフステージごとの『健康な食事』のあり方の例(案)」ということで、(参考)として「ライフステージごとの『健康な食事』に関わる特徴(案)」がついております。
資料5といたしまして「『健康な食事』の定義(案)」
資料6といたしまして「『健康な食事』の認証に向けた基準の考え方について(案)」となっております。
以上が資料でございます。
机上配付のフラットファイルは、検討会終了後、回収させていただきますが、これまでの検討会での資料が入ってございます。
これ以降の進行につきましては、中村座長にお願いいたします。
○中村座長 皆様、おはようございます。
それでは、本日は、「健康な食事」の定義と認証に向けた基準の考え方について議論を行います。
まず、本日の議論の進め方について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○芳賀栄養指導室長補佐 それでは、資料1をごらんください。
本日の議論の進め方ですが、大きく2つございます。まず1点目が「健康な食事」の定義と構成要素についての議論、2点目が「健康な食事」の認証に向けた基準の考え方についての議論です。
1点目の「『健康な食事』の定義と構成要素について」の議論ですが、まず初めに「健康な食事」の定義を考える上で、背景となるデータや「健康な食事」に関わる様々な要素(案)を踏まえて、日本人の長寿を支える「健康な食事」の目指す姿を共有すること。
次のステップといたしまして、「健康な食事」の目指す姿に近づくよう、定義についての検討においては、留意していただきたい点を事務局案として3つお示ししてございます。
まず1点目が、「健康な食事」は、健康を維持・増進し、健康寿命の延伸につながる。
2点目は、「健康な食事」は、単にモノではなく、“食べる”“つくる”“伝えあう”のつながりを持って成り立っていることが捉えられる。
3点目は、「健康な食事」は、誰もが生涯にわたって続けられる。
この3つの目指す姿の条件に留意いただき、検討することといたしてはいかがかと考えます。
大きな議論の2点目である「健康な食事」の認証に向けた基準の考え方については、上記の定義を踏まえまして、「健康な食事」の認証に向けた基準の考え方を整理し、次回の検討会以降、具体的な議論を行うこととするということで、本日は、「健康な食事」の定義と構成要素について、さらには「健康な食事」の認証に向けた基準の考え方の具体的な議論に向けた考え方の整理までを御議論いただければと考えます。
以上です。
○中村座長 ありがとうございます。
それでは、「健康な食事」の定義と構成要素について、議論を進めてまいります。
まず、資料2-1と2-2として「健康な食事」の定義を検討する上で、背景となるデータ、資料3としてこれまでの議論や構成員の方々に事前に御意見を伺って再整理しました「『健康な食事』に関わる様々な要素」、さらに資料4として「ライフステージごとの『健康な食事』のあり方の例」、資料5として「『健康な食事』の定義(案)」について、事務局より御説明をお願いいたします。
○芳賀栄養指導室長補佐 それでは、きょう御議論いただきます背景となる資料について、事務局より説明いたします。
まず、資料2-1と2-2に関しましては、前回の検討会でお示ししたデータに関して頂いたご意見をふまえ、再整理してございます。
資料2-1では、(4)の死因別死亡率に関して、年齢調整死亡率のデータを加えてございます。粗死亡率とあわせて変遷のデータを見ていただけるよう加えました。
次に(5)の推計患者数についてです。こちらについては介護予防の観点から認知症高齢者数、平成12年と22年のデータになりますが、最近の変遷ということで、データを加えてございます。
「3 栄養」の(3)食塩に関してですが、平均摂取量に関しては、ごらんいただいているとおりの推移ですが、こちらにエネルギー摂取量当たりのということで、1,000キロカロリー当たりの食塩摂取量に関してのデータを加えております。
平成22年、直近のデータですと、1,000キロカロリー当たりの食塩摂取量は5.5グラムという状況になっております。総量での変化とあわせて参考にしていただければと思います。
その他のデータについては、前回検討会でお示ししたとおりでございます。
次に、資料2-2についてです。
こちらにつきましては、前回の資料では、栄養課題に関して、栄養不良を中心とした身体症候が課題だった時代から、やせ、肥満の増加を念頭に入れた適正体重を維持することが課題となる時代への変遷ということで、具体的なデータをお示ししておりましたが、その特徴については、タイトルの下2段目のところに文言として整理をし、現在80歳代の方が20歳代だった時代以降、それから現代の手前、現在40歳代の方が20歳代だった時代以降と大きく分けて2つの特性があるということで、文言での特性の表記に変更してございます。
栄養素と摂取量の大きな動きに関しては、前回お示ししたとおりですが、これらの内訳が時代の変遷とともに理解できるよう、食品群別摂取量に関して、棒グラフで、特にダイナミックに変化がある点を中心にデータをお示ししております。
棒グラフの昭和25年のデータのところをご覧ください。こちらについては今回穀類エネルギー比率が時代とともにかなり下がってきてございますので、その中でも主要な米類を中心とした穀類に関するデータを加えています。
昭和25年の穀類に関しては、右下の注釈にございますとおり、「小麦」に関しては除いた形にしておりますので、ここでお示ししている穀類は、内訳の「(339)」というところが「米」の摂取量になっており、それ以外の白抜きのところのデータが「大麦」や「雑穀その他」です。昭和25年については、「米」「雑穀その他」「大麦」の摂取総量が、乾物量で408gありました。そのうち339gが米の摂取量を、残りが「大麦」や「雑穀その他」ということで、穀類エネルギー比率77%の背景にある食品群別の摂取量の特性となります。
昭和45年、平成2年、平成22年以降中心となるのが米類になりますので、こちらの雑穀、大麦等の摂取というのは、グラフにするとほとんど見えない程度に減っています。これが、食品群別摂取量の大きな変遷で見たときの特性の1つになろうかと存じます。
たんぱく質の摂取源の動物性に関して、肉類と魚類について、それぞれ摂取量の変遷というのをお示ししてございます。
野菜類と果実類に関しましては、前回検討会で他の供給から見たデータに比べて、少しデータのトレンドが違うという御指摘、御質問を受けまして、もう一度出典元である国民栄養調査、並びに国民健康・栄養調査のデータで野菜類としている食品群の範囲等を精査した結果、野菜類に関しましては、注釈の右下の3にございますとおり、同じ分類での比較が一部難しくなっておりまして、昭和25年と45年については、キノコ類を含む形で集計をしてございます。
全ての年で漬物は野菜の中に含まれておりまして、野菜ジュースに関しても、近年データを野菜類ということでとっておりますが、そちらのデータは抜いた形での総摂取量という示し方に変えております。
果実類に関しましては、昭和25年の段階では、果実類に「トマト」の摂取量が含まれております。トマトの摂取量については、昭和45年は25.3グラム、平成2年は12.5グラム、22年は13.2グラムという状況でして、「果汁・果汁飲料」「ジャム」については、全ての年の野菜摂取量から抜いた総量としてお示ししております。
あわせて、これらの食品群別摂取量と関係が深いと考えられる当時の調査対象者の年齢構成比率について、<参考>として左下の表にあらわしております。
食事調査に関連して対象者の年齢構成比率が示せるのは昭和47年以降となりますので、昭和45年から2年ずれますが、昭和45年前後の時代として昭和47年の調査対象者の年齢構成比率、平成2年、平成22年の調査対象者の年齢構成比率をお示ししております。
特徴としては、調査対象者の中で高齢者の占める割合がふえてきており、平成22年においては70歳以上の占める割合が19.2%です。こうした年齢構成比率の特性を踏まえて、摂取量の変遷を見ていただければと思います。
以上、説明させていただいた資料2-1と2-2が、この後、御議論いただく「健康な食事」の定義を考える上で時代の変遷として捉えていただきたいデータになります。
資料3は、前回事務局案としてお示しさせていただいた「健康な食事」に関わる様々な要素に関して、あらわし方そのもの、フレームに関しても御意見をいただきましたので、様子をがらりと変えて、再整理いたしました。
まだ案の段階でございますが、こちらの要素の整理が、資料3の左下にございます、この後、御議論いただく「健康な食事」の定義案と整合がとれるよう、行ったり来たりしながら、この要素の図と「健康な食事」の定義の文章について、先生方の意見をもとに事務局で整理しました。
図全体の構成ですが、「『健康な食事』の実現」に向かって、その前段階である「健康」の実現、さらにはそれに関連する食にまつわるさまざまな要素を区別なく、近い位置づけから順に相互の関連を踏まえて整理をしてみました。
「『健康な食事』の実現」の手前にある「健康」の実現のところに関して、左側に「心と身体」の状態、右側に「栄養バランス」として、<料理の組合せ><食品の種類・組合せ><栄養素摂取>、それぞれの段階での必要な要素と考えられること。
それから、これらをつなぐものとして「食べる楽しみ」「おいしさ」ということで、楽しく食事を続けられるおいしさ等に関する要素。
さらには、これらと関連する「調理」に関する要素。
さらには、「食材」の要素。左側には「食べ方・食の場面」に関する要素。
さらには、それらの基盤または背景となっている「生活・暮らし」、食に関する営みの部分になろうかと思いますが、こういった場面での「健康な食事」にかかわる要素。
さらには、これらの実現の背景にある「食物へのアクセス」として、多様な食品を選択できる環境とか、入手しやすい適切な価格とか、そういった点。
さらには、情報、教育に関する要素ということで、「教育・体験」「情報提供・共有」ということで、食をめぐる基本情報の共有や、食料、食品をめぐる情報のギャップの解消など、「『健康な食事』の実現」にかかわる重要な要素と考えられる要素を置いております。
さらには、これらとつながり、これらの持続可能性にかかわる部分として、「食文化」「地域性」「食料生産」「流通」という大きな視点での要素をまとめております。
図には矢印を示してございませんが、これらの要素が向かう先は「健康」というオレンジの濃い部分、さらには「『健康な食事』の実現」に向けてということで、特段区分をせずに、それぞれがそれぞれの要素同士つながり合いながら「健康な食事」の状態に必要な要素ということで整理しております。
これらに関連する要素として右上に「社会・経済」「自然」「文化」という要素を置いております。
こういった「健康な食事」に関わる様々な要素の展開、具体として次の資料4になりますが、資料3の要素の位置づけ、内容をイメージしつつ、実際の「ライフステージごとの『健康な食事』のあり方の例」というものを整理してみました。
この「あり方の例」を整理するに当たって参考にした時代背景、実際のデータというものを、ホチキスどめの2枚目<参考>ということで、ライフステージごとの特徴として入手したデータから見える特徴を記載しております。
先に<参考>のデータを見ていただければと思います。
子ども、成人、高齢者それぞれのライフステージごとの健康にかかわる主な特徴といたしまして、子どもについては、肥満傾向児の出現率が男子、女子で示したとおりとなっておりまして、痩身傾向児の出現率についても2%を超えている状態です。
成人になりますと、肥満者の割合が男性では30%を超えており、やせに関しては、女性では20%を超えている状況です。
さらには、生活習慣病の関連として、収縮期血圧や総コレステロールの値を特徴として示しております。
高齢期になりますと、低栄養傾向者の課題ですとか、要介護認定者数、介護が必要となった主な原因ということで、ライフステージごとの健康にかかわる、特に食事との関連が深い特徴ということで、子ども、成人、高齢者の特徴を挙げております。
特に高齢者に関しては、低栄養傾向の者の割合が、70歳以上の女性では20%を超えているという特徴がございまして、あわせて要介護(要支援)認定者数、その原因となった内訳が特徴として挙げられると思います。
さらに、前回図の案でお示しさせていただいた「健康な食事」の目指す姿を、「食べる」「つくる」「伝えあう」の、3つのつながり、相互の連動ということで、丸を3つお示ししながら整理いたしましたが、それらの考え方、ライフステージごとの「健康な食事」にかかわる特徴として関連するデータを整理してみました。
「食べる」に関しては、子どもの部分ですと、望ましい食習慣の定着に関しての要素とか、成人に関しては、「なにをどれだけ食べたら良いかを、『知っている』者」の割合、「体重コントロールのために食事の量を調整することを、『心がけている者』」の割合、「主食・主菜・副菜を3つそろえて食べることが1日に2回以上あるのが、『ほとんど毎日』の者」の割合ということで、特徴を見ております。
こちらの特徴では、成人については男女差というのがはっきりしている状況です。
高齢者になりますと、「なにをどれだけ食べたら良いかを、『知っている』者」と「『心がけている』者」というのは、男女ともに率が上がってきています。
あわせて、「主食・主菜・副菜を3つそろえて食べることが1日に2回以上あるのが、『ほとんど毎日』の者」の割合に関しても高くなっている状況です。
次に、「つくる」要素についてです。
子どもに関しては、「自分だけで料理を作ることができる」という項目について、男子と女子のデータを示しております。
あわせて、「家でする食事の手伝い」に関して、「買い物」「料理の手伝い」ということで、2点挙げております。
さらに、成人のときに、「自分で調理し食事をつくることが、『ほとんど毎日』の者」というのは、特に20歳代についてはかなり低い値という特徴がございましたので、こちらのデータを示しております。
また、ふだんの外食の頻度に関しても、20歳代の特徴ということで、括弧の中ですが、20~60歳代に比べてどういった違いがあるかという点に着目してデータを示しております。
「食事をつくる」に関しては、20~60歳代全体で見ますと、女性は76.1%ですが、これを20歳代に限定しますと34%ということで、低い値になっています。
栄養成分表示を参考にしている行動に関してのデータも示しております。
高齢期になると、つくる行動に関しては、「今後、仮に、自分で食事の用意が出来なくなった場合、利用したいサービス」については「民間による配食サービス」「公的な配食サービスについてが、およそ3割というデータです。
「夕食において、外食・弁当・給食サービスを週1回以上利用する60歳以上の者」の割合は10%。これが単身世帯になると20%強という状況です。
3つの要素の最後の「伝えあう」については、「朝食を一人で食べる」、「家族や友人と食卓を囲む」、共食に関する部分、郷土料理等、食文化に関する部分ということで、世代ごとの特性が見えるようにそれぞれデータを示しております。
また、その他、背景になるデータとして、主に経済的な部分に関するデータを見ていただいく必要があると考えたことから、「その他」のところに「子どもの貧困率の変化」や、世帯構成、「世帯主の年齢別に見た単独世帯の割合」、「1世帯当たりの平均所得金額と、世帯人員1人当たりの平均所得金額」のデータを示しております。こちらについては、特に高齢者世帯、母子世帯ということで、特徴が出ている部分をお示しする形にしております。
「65歳以上の者のいる世帯における、単独世帯の割合の変化」に関してですが、昭和60年は12%でしたが、平成24年はおよそ2倍の23.3%にふえていました。
こういった特徴を踏まえて、資料4に「健康な食事」のあり方をライフステージごとの例として整理してみました。
表のつくりは、先ほどごらんいただいた<参考>の資料とほぼ同じフレームで、ライフステージごとに健康課題等の背景、「健康な食事」の目指す姿として「食べる」「つくる」「伝えあう」、それぞれの部分に関してのライフステージごとの特徴ということで整理しています。
子どもの時代に関して、体験の積み重ねで食べる力を養う点や、「つくる」に関しては、食卓をととのえたりする力を養うこと、さらには「伝えあう」の場面では、食に主体的にかかわる力を養うということを整理してみました。
成人については、生活習慣病の発症予防や重症化予防を図ること。
さらに、「つくる」行為では、多様なライフスタイルに合わせた食材や調理法や食べ方、食の場面を工夫できるということが、健康な心身の維持・増進に必要な食生活というのを無理なく続けることでにつながると考えられますので、そういった点の要素を整理しています。
さらに、「伝えあう」場面では、成人については、社会基盤の中心世代となりますので、健康・栄養から食料生産・食文化に至るさまざまな情報について、家庭や職場、地域など、さまざまなつながりの中で発信者でもあり、共有者、受け手でもあるということで整理しています。
これが高齢者になりますと、「食べる」に関しては、心と体に合った必要な栄養バランスの確保のために食生活を無理なく続けられるかという視点になり、「食べる」行為の目的の1つに、加齢による虚弱を予防し、質の高い生活をより長く続けるための「健康な食事」の実現ということになります。
「つくる」に関しては、心身の状態に合った食生活というのをいろいろな条件のもとで続けていけるかという視点ですので、例えば簡便な食事づくりや食べ方を工夫できるということが必要であろうと考えました。
「伝えあう」に関しては、健康・栄養から食料生産・食文化に至るこれまでに積み重ねてきた経験や知恵というのを身近な人々に伝え、共有するということ。
以上の通り、子ども、成人、高齢者に関して、「健康な食事」の目指す姿を、それぞれの背景も踏まえた特徴を、あり方という形で整理してみました。
そして「健康な食事」の実現については、無理なく続けるためには社会環境の整備が必要というまとめで、子どもについては「様々な食に関する体験を積み重ねることができる」、成人については「健康な心身を維持・増進する生活を続けることができる」、高齢者については「満足のいく生活をより長く続けることができる」ということで整理してみました。
こういったことも踏まえました、「『健康な食事』の定義(案)」が、資料5に示した内容になります。
「健康な食事」の定義については、資料3でお示しした要素に関する内容と連動、すなわち、「健康な食事」の定義の背景にある要素を整理したものとつなげながら御検討いただければと考え、資料3の左下にも資料5の定義案を記載しております。
これは、先生方から御提出いただいた定義に関する案をもとに、事務局のほうでこれまでの議論も踏まえて整理させていただいた案になります。
定義案について読み上げます。
「健康な食事」とは、各自の健康な心身の維持・増進に必要とされる栄養バランスを基本とする食生活が無理なく持続している状態を意味する。「健康な食事」の持続性には、おいしさを構成する食材や調理法や食べ方・食の場面が大切であり、「健康な食事」が広く社会に定着するためには、健康・栄養から食料生産・食文化に至る食をめぐる基本情報が共有されるとともに、嗜好にあったメニューにアクセクセスできる社会的・経済的な条件が整っていなければならない。
ということで、定義案の前段の部分「健康な食事」とはどういった状態かということで、ここでは「健康な食事」を物ではなく、状態として捉えるという捉え方で定義案を整理しております。
状態として捉えた場合、それらが無理なく持続している状態、いわゆる持続性を構成する要素、条件というものを2行目以降に整理させていただきました。
こちらの定義案に関して、この後、御議論をお願いいたします。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○中村座長 ありがとうございました。
最終的には、前半の課題として定義をしなければいけないのですが、一つずつ作業を片づけていきたいと思います。
まず、資料2-1に関してですが、背景となるデータ、そして食事、栄養、食生活という編成についてデータをまとめたのですが、まず資料2に関して御質疑をしたいと思いますが、御意見ございますか。前回幾つか御意見が出て、それをもとに直したのですが、資料2に関してはどうでしょうか。ございませんか。どうぞ。
○藤島構成員 資料2-1「4 生産・流通」の「食の外部化」のところで、特に加工品のことは考慮しなくてもよろしいのでしょうかというのが1つございます。
もうひとつは、必ずしも資料2だけに関することではないのですが、「健康な食事」の定義を考える場合、資料1のほうでも「食べる」「つくる」「伝えあう」の3点を重視されていることから考えて、中食、外食、加工をどのように捉えたらよいのか。
中食、外食、加工のことは、資料3でも必ずしも触れていらっしゃらないかと思うのですが、その辺をどのように捉えていったらよろしいのかという点について、お考えをお聞かせいただければと思います。
○中村座長 どうぞ。
○芳賀栄養指導室長補佐 今、御指摘の点、事務局もどういった形で見えるかということでデータを探したのですが、こちらが探した範囲では見つけられませんでした。むしろこういった内容がわかるデータを御提供いただければ、議論の素材になろうかと思います。
○中村座長 どうぞ。
○藤島構成員 食の外部化、加工とか中食、外食のことに関しては、農林水産省のほうで産業連関表の形で整理されておりまして、たしか2007年だったかと思うのですが、そのときの整理では、生鮮での購入が食料全体の18%程度で、それ以外が加工食品並びに外食ということになっているのです。加工食品の中に中食も入っていたのですけれども、いずれにしろ、加工・外食関係が8割を超えているということで、比率としては非常に高いということが農林水産省のデータで出ているものですから、その辺が気になったところです。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○武見構成員 今のことに関連してなのですけれども、加工食品はすごく大事だと思うのですが、一方で、多分今の8割の中には一次加工品、例えば小麦粉も加工品になると思いますし、普通の食パンも加工品になると思うので、そういうものも全部含まれていると思うのです。
そうすると、先生が御指摘の加工食品というのはどこを捉えるのかということがすごく大事で、例えば海外などでは、最近、そこを加工度別に捉えるような、例えばunprocessed foodとprocessed foodと、一番加工品の高いところをultra-processed foodというような表現で捉える考え方があり、いわゆる総菜とか、そのまま食べられるものはultra-processed foodとなります。そういう分類をした上で整理しないと、なかなか難しいのかなと。非常に大事な指摘だとは思うのですけれども、ちょっと気になったのでコメントさせていただきます。
○中村座長 どうぞ。
○河野栄養指導室長 先ほどの藤島構成員からのお話なのですが、該当のデータについては、過去の変遷もわかるデータとしてあるのかというところも御教示いただければと思います。今回、食の外部化に関するものとして、1980年以降外食産業市場規模と料理品小売業市場規模にとどまらせていただいた背景には、こちらで先生方の御発表の資料も確認させていただいた上で、経年変化が長いスパンで見られるものについて確認していくと、このデータにしかあたることができなかったというところですので、先ほどの農林水産省のデータが、過去のデータも含めてあるのかどうかというところも、後ほどで構いませんので、あわせて教えていただければと思います。
○中村座長 よろしくお願いします。
どうぞ。
○生源寺構成員 今のデータは2005年の産業連関表をもとに計算されたものです。74兆円の支出です。その5年前がたしか80兆円で、生鮮、加工、外食別の内訳はあったと思います。多分もう15年ぐらいまではさかのぼることができたのではないかと思います。ただ、武見構成員がおっしゃったように、定義の問題で、例えばカットした野菜がどちらに入っていたか、ちょっと記憶があれなのですけれども、そこがきちんと一貫しているかどうかを確認したうえで時系列の変化を見ることには意味があると思います。
それから、ちょっと別の点ですが、「社会・経済」の「経済基盤」の「1人当たり実質GDP」は、恐らく厳密な意味で接続するものは、国民経済計算の方式が途中で変わっていることがあり、それからデフレーターの選択は結構面倒なことなので、厳密なデータは難しいかもしれませんけれども、ラフなものであれば、実質の1人当たりの所得は計算できると思います。多分内閣府の昔の経済企画庁経済研究所の系列のところでやっているのではないかと思いますので、これは何とかなるのではないかというのが私の印象です。
○中村座長 どうもありがとうございました。
資料2に関して、ほかにございませんか。ないでしょうか。
なければ、次に、資料5に示しました定義案について、事前に構成員の先生方から案を御提出いただき、整理したものでございます。資料5をあけていただきたいと思います。
本日は、最大の課題は資料5を定義づけたいと考えています。
資料3「日本人の長寿を支える『健康な食事』に関わる様々な要素」も皆さん方の御意見をいただき、整理したものであります。資料5の定義との整合性を図る観点からも、ここで改めてちょっと見直していただきたいと考えます。
そして、資料4「ライフステージごとの『健康な食事』のあり方の例」に関しては、「健康な食事」に関連するさまざまな要因から、さらに具体的に「健康な食事」を目指すイメージを見えるようにライフステージごとに整理したということでございます。
それらを踏まえまして、これから30分近く議論をして、多くの意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○原田構成員 資料3ですけれども、これは前回、前々回でしたか、大分議論して、非常にすっきりした形になって、よくできている図だとは思うのです。
ただ、この図で不満なところは、右上にある「社会・経済」「自然」「文化」という3つの部分がちょっとつけ足し風にしか見えないわけですね。食というのは、基本的には自然界を含めた中で、我々が食をどう摂取し、それを供給しているかという1つの宇宙観というか、世界観というか、そういうものが食育とか食の問題を考える場合に必要だと思うので、それが見えるようにするためには、むしろ「社会・経済」「自然」「文化」というものを一番頭の上に横並びに置いて、その下に関連して丸の説明があって、「『健康な食事』の実現」という形に導けるような形にしていただいたほうが、まさに世界観的な意味でのあれがあらわれると思うのです。
そうしますと、どういう形になるかというと、恐らく丸の上に「社会・経済」「自然」「文化」というのが来るような形になると思うのですが、その際、一番左に来るのが「自然」だと思います。自然の中から食を得ているというような意味合い。そして真ん中に「社会・経済」というものがあって、その一つの反映として一番右側に「文化」というものが来る。この三者の絡み合いの中で我々は食生活を営んでいるのだというのを提示する。
そうしますと、丸の部分のところは非常によくできていると思うのですが、上と整合性をつけるために、右側と左側を入れかえていただきたい。つまり、真ん中の「社会・経済」の左側のほうに「食料生産」「流通」の問題が入って、右側の「文化」の下に「食文化」「地域性」、その下に「情報提供・共有」「食べ方・食の場面」「心と身体」と。
左側が物的なもの、右側は心的なもの、そういう形でやって、なおかつその根源が「自然」とか我々の営んでいる「社会・経済」「文化」というものと関連するのだという形にすれば、1つの食の世界観として示し得るのではないかというふうに提案したいと思います。
○中村座長 とてもいい御意見ありがとうございました。
ほかにございますか。どうぞ。
○生源寺構成員 私も今の原田構成員の御発言に非常に賛同するところがあるのですが、ほとんど思いつきで恐縮なのですけれども、この図は上から下におりる形になっています。これをむしろ逆にして、今、おっしゃった3つがベースにあって、それをだんだん積み上げていって、最後に「健康」が来るような、そういう構成のほうがいいのではないか。これは趣味の問題ですけれども。思いつきで済みません。
○中村座長 全体としてひっくり返したほうがいいですか。
どうぞ。
○大竹構成員 この間は富士山のような形で、下に「社会・経済」とか「自然」というのを土台にして、最終的に「健康な食事」に向かっていくというふうになっていたかと思いますが、それが上下みたいなイメージで、皆さんから御意見が出ていたと思うのですね。今度、丸にしていただいたことで、そういういろんな要素が最終的には「健康」というところに集約するというイメージがすごくできて、整理されてよかったなと思うのですけれども、ただ、それが先ほどおっしゃったように逆転されてしまっていることと、それから「自然」とか「社会・経済」というのをどう捉えるかといったときに、ある部分から行くという意味でなくて、この間は土台としてあった。あれはすごくよかったなと思うので、それをそのまま使いながら、土台になって、その上にこの丸が乗っていて、できれば最終的に「健康」というのを上に持っていったほうが、私のイメージには合うなという意見です。
皆さんそれぞれ思いが違うので、御意見が違うかなと思いながら意見を述べさせていただきました。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○藤谷構成員 上下のことではない意見を申し上げます。
もともと「健康な食事」の定義案のほうでは、「健康な食事」自体に持続している状態である意味を持たせているのに、図では「『健康な食事』の実現」となっているのは、整合性が悪いと思います。
それから、この丸の中にさらに丸い「健康」という言葉がある必要があるかなと思うのですが。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○幣構成員 皆さんがイメージで今までずっとお話をされているので、私もイメージでの表現なのですが、今、土台から積み上げるということを考えますと、「社会・経済」「自然」「文化」という全体のものがこの下に大きな受け皿としてあった上に、今、話題になっている各文言が乗って、立体的かつ垂直的に考えますと、「健康」が一番上にあるのかなと。前回の「富士山」のご提案、前回のお話にもありましたが、こういう土台から支えるという形をイメージ化するというのは非常に大事かと思うのです。私自身は、立体的なイメージをちょっと持ったもので、御意見させていただきました。
○中村座長 ありがとうございます。ほかにございますか。佐々木先生、どうぞ。
○佐々木構成員 前回と今回で上下が入れかわったわけですけれども、それと実現か、状態というのは非常に重要な話だと思いました。それを総合的に考えると、この図は極めてよくできていると思います。上、下もこれがよいのではないか。そして、一番すばらしいと思ったのは、濃淡で表現していることである。すなわち、状態であれば、「現在を維持」なわけです。そしてサステーナブルという言葉もまさに維持だと思います。維持であれば、方向性というものが必ずしも時間軸を伴わない。そう考えると、この濃淡でどのようにそれぞれの要素が連関しているのかということを表現する。そういうことを恐らく考えられたのであろうと理解をしました。
そうしますと、私が考えたのは、原田構成員がおっしゃったように、外にある3つを上に持っていっていただきたい。
一番下にある「『健康な食事』の実現」というのは、「実現」を削除した上で、一番下の濃い丸の「健康」を「健康な食事」としてはいかがですか。そして下を取る。それで全体の要素、左と右の軸が構成され、うまくつながっていくというところができれば、私は極めてよくできている図だというふうに感じました。
○中村座長 どうぞ。
○原田構成員 私もこの上下の問題について、今、御意見を伺いながら考えていたのですが、濃淡を重視するということになれば、下はこのままのほうがいいと思います。
「社会・経済」「自然」「文化」については、土台と考えるか、前提と考えるかということだと思うのです。そうすると、我々、生きている中にはいろんな前提があって、その中にこういう問題で絞り込んでいったところに「健康」があるよという形、しかも、濃淡の問題を考えれば、こちらのほうがいいかなと。
そして、丸を「健康な食事」とするか、「健康な状態」とするか、そこの整合性を考えれば、これでよろしいのではないかという感じはいたしております。最終的にはどこかの判断に委ねますが。
○中村座長 わかりました。
では、武見先生。
○武見構成員 まず、後でもう一度議論する左の「『健康な食事』の定義(案)」にかかわることなのですが、「健康な食事」というのは、何となく物というイメージがある。今回それは状態なのだと。状態として提案するというのはすごく大きなことだと思うのです。
そういう意味で言うと、一番下に示したかったのは、状態としての「健康な食事」。だから、鍵括弧つきだと思うのですが、それの実現だと捉えれば、ここに「実現」があっても矛盾はしないかなと思います。
先ほどの佐々木先生の御意見、中に「健康な食事」を入れてしまうのがいいかどうかは、ちょっと迷うところだなという感じがします。こういう要素がたくさんある中でということがはっきり出てくる。ただ、下に矢印が向いていると、別物のようになってしまうあたりの表現をもう少し工夫していただけると、尚よくなるのかなという感じはいたしました。
○中村座長 どうぞ。
○佐々木構成員 武見先生のほうに補足なのですけれども、「健康」と書いてしまいますと、食事はそのパーツになってしまう。全体は食事の話をしているのですよ。その中の丸の中に食事をパーツとする「健康」というワードが入るのは、定義上、合わないだろうというのが私の感じたところなのです。なので、この中の「健康」という一番濃い丸のところにどうしても「食事」という言葉を入れざるを得ないだろうということです。
○中村座長 では、江頭先生、どうぞ。
○江頭構成員 私もそれに関連して、見させていただいたときに、真ん中に「健康」があるというのはすごく違和感があったということ。あと、その下に矢印が1つあることでどうしても方向性がつくられてしまう。せっかく丸で、前回とは違う形になっていて、すごくよくなっているにもかかわらず、矢印が入ってくることで何となく上から下に流れるとか、ベクトルが見えてしまう。「健康」なのか、「健康な食事」なのかというところで、佐々木先生の御意見等あるのですけれども、丸だけで完結したほうがいいのかなと思いました。
○中村座長 ほかにまだ発言されていない先生、どうぞ。
○渡邊構成員 先ほどの「自然」と「社会・経済」と「文化」というのは、土台を支えるというよりは、全体にかかわっているのではないかと思ったので、外側にもう一つ円があるというか、半分ぐらいかぶっていてそれを支えると。常にいろいろなことが「自然」とか「文化」とか「社会・経済」に関係しているので、下だけというわけではないのではないかなと思いました。
○中村座長 ありがとうございました。
では、田村先生。
○田村構成員 済みません、きょうは7回目なのですけれども、毎回出させていただいておりますが、僕はこういう会自体が初めてなもので、皆さんの言っていることが、私としては何を言っているのかなというのが正直なところでございます。
上だの、下だの、三角だの、丸だの、富士山だのというのは、僕は一料理人として、別にけちをつけるわけではないのですが、正直言ってどうでもいいことだと思うのですよ。それを言ってしまうと、では、おまえ、出ていけということになってしまうので、そこまで言うとあれなのですけれども、要は、佐々木先生のおっしゃいました「健康」という字の中に「健康な食事」を入れるというのはすごく大賛成です。
それとともに、料理の盛りつけもそうなのですが、丸い器の中のどこから食べていくのとお客様から質問があったりするときに、どうぞお好きなところから召し上がってくださいと。左から食べなければいけないのですか、右から食べなければいけないのですか、あるいはワサビをおしょうゆに入れたほうがいいのですか、それともワサビを魚につけて食べたほうがいいのですかと聞かれますが、お好きなようになさってくださいと僕はいつも説明しているのです。
もし円のこういう器の中にこれを入れるとするならば、上下関係がどうだとか、二重にするとか、色がどうだとか、点線にしなければいけないとか、括弧にしなければいけないとか、そんなことはともかくとして、ここに書いてあることは、常に食育の授業とか、講演活動とか、料理学校とか、そういう場所でやっているものなので、皆さんとは違う感覚でこれを捉えていてで、大変失礼だったら本当に申しわけないと思うのですが、紙の上でぐじゃぐじゃ言ったところで、結局、食べないやつは食べないし、食べるやつは食べるわけです。
もっと言うと、愛情を持ってつくりましたと言っても、まずいものはまずいのです。ですから、そういう一つ一つのことを考えていくと、もっとざっくばらんに、余りかたく考えずに、ど真ん中に「健康な食事」がばーんとあって、その周りにだーといろんなのがあって、時計の針のように「情報」があったり、「体験」があったり、何があって、それがぐるぐる回っているような、そういう表でいいのではないかなという気はしなくはないのです。
先ほど私のイメージでという皆さんの一言があったので、僕のイメージはそんなことでございます。ですから、上下とか、これが上だの、下だのと言う方は、そういうふうに見られればそれでいいのですけれども、料理人としての立場から一言言わせていただきました。大変申しわけございません。
○中村座長 ありがとうございました。
ほかに御意見ございませんか。田中さん。
○田中(延)構成員 下のほうにある「健康」の丸の関係なのですが、「食べる楽しみ」とか、さまざまなパーツも重要なのですけれども、この中で「健康」というのはすごく重要なことだと思うのです。健康でなければ何を食べてもおいしさを感じられないとか、そういうことで、「健康」のこの丸は重要だと思うのです。その横に「心と身体」の健康のことを述べていますが、ここがどうしてもひっかかってしまうところで、「心と身体」と「健康」というのを合体して示すと、余りこの「健康」自体が違和感なくて、重要なポイントになるのではないかなと思います。
田村先生のおっしゃることもよくわかるのですけれども、「健康な食事」を実現するには濃淡が必要だと思うので、この形自体に関してはよくできているなと感じました。
以上です。
○中村座長 ありがとうございました。
では、ほかにございますか。
最終的には事務局と相談して最終決定したいと思うのですが、全体的にはよくできていると。皆さん、納得していただけましたか。
(「はい」と声あり)
○中村座長 あとは、この図のタイトルが「関わる様々な要素」ということで、要素とか要因を示したので、実現のための方向性を示しているわけでもないので、その辺は先生方からあった議論などを考えながら、最終的には整理させてもらいたいと思います。いいでしょうか。どうぞ。
○高戸構成員 今、要素というお話があったので、これは「食べる」「つくる」「伝えあう」という話になっているのですけれども、外食で基準をつくっていく等々、今後の議論になってくると、選ぶということは非常に重要になってくると思うのですが、ここの全ての要素が選ぶということに絡んでくると思うのですが、そこをどういうふうに理解したらいいのか。今、急に思いついてしまったので、できればちょっと。
○中村座長 急に思いつかれたのですか。3要因以外にもう一つ柱を立てろということですか。
○高戸構成員 多分「つくる」というところと「選ぶ」というところは一緒になってくると思われます。例えば給食など食事を提供する場面では、我々はつくる側ですけれども、召し上がっていただく方には選んでいただかなければいけないということも出てくるものですから、同じ次元に入ってくるのかなと思うのです。
○中村座長 どうぞ。
○藤谷構成員 選ぶのが大事だというのは私も賛成ですが、おそらくそれはこの中では「食べる」の中に含まれているのだと思うのです。「食べる」というのは、ここでは、単に口で食べるだけでなくて、選んで食べるところまでが入っているように見えます。でもわかりにくいので、ここの「食べる」が、ただ出されたものを食べるというのではなくて、もっと主体的に選んで食べるみたいな意味であるということが「食べる」のほうに文章的に含まれれば、「選ぶ」の問題は解決されると思うのです。
確かに子供には選び方を教えるわけだし、中年にも選び方を教えるわけだし、高齢者にも適切な宅配サービスの使い方とか選び方、利用してもらうので、多分「食べる」のほうに入るのではないかなと思います。
○中村座長 最後にしたいと思うのですが、どうぞ。
○高田構成員 「食べる」「つくる」「伝えあう」というので、「つくる」という言葉が非常に大きくイメージされてしまうと、この後、中食とかいろんな話に行ったときに、そこが矛盾するなという感じがします。
ただ、藤谷先生が言われるように、「食べる」に入るというよりは、資料4の「つくる」の中の言葉を見ると、「食べ方を工夫できる」とか、「食卓をととのえたりする力を養う」という言葉が入っているので、説明としては「つくる」というほうに近くて、だけど、ここで「つくる」と言われてしまうと、やはりつくらなければいけなくて、中食をうまく利用しましょうとか、配食をうまく利用しましょうというイメージに合わないので、準備するのか、ととのえるのか、ここはもしかしたら言葉を変えたほうがいいのではないかなと思いました。
○中村座長 「つくる」という言葉自体をですか。
○高田構成員 はい。もちろん、手づくりの大切さを伝える部分もあるとは思うのですけれども、「つくる」という言葉がこの3つの言葉として出てしまうと、やはりつくらなければいけない、皆さん、自分でつくりましょうというのがメッセージになってしまいそうな気がするのですね。そうすると、後の認証みたいなところで中食とか加工食品をうまく利用しましょうというほうにつながらないし、つくれないのはちょっと悪いのではないかというほうになりがちなので、すぐにいい言葉が出ませんけれども、「ととのえる」とか「準備する」というほうに近い単語。「食べる」は、本当に口の中に入れるほうですが、ここは目の前に食事を用意するみたいなことを示す言葉になったほうがいいのではないかなと思います。
○中村座長 しかし、これは「つくる」という概念がちょっと違っているのではないですか。
○武見構成員 そのことに関連して、今の高田先生の御意見に全く賛成なのですけれども、ただ、言葉を変えるというよりは、ここで言っている「つくる」の概念が、いわゆる調理というところではないということをもっとはっきり示していくことが必要かなと思います。
食文化の石毛先生が、人間の特徴というのは、食物を栽培して、調理してつくっていく、そして一緒に食べるということだと言っていらっしゃる。そういう概念でいくと、先ほどの「選ぶ」は、できたものを選ぶというのもあるけれども、食材を選ぶというのもあると思うのです。そう考えれば、ここではそのニュアンスを考えて「つくる」というのが平仮名になっているのかなという気もしています。そういう意見です。
○中村座長 具体的な項目を見ていただければいいのですが、例えば「食卓をととのえたりする力」とかと書いてありますので、必ずしもクッキングとか物をつくるという意味ではなくて、食卓をつくるとか、食生活をつくり上げるとか、いわゆるクリエーティブな人間の行動を言っているのだろうと私は理解しています。だから、あえて平仮名で「つくる」と言っている。
どうぞ。
○佐々木構成員 資料3を議論していたと理解しているのですけれども、いつから別の資料に移行したのですか。まず、資料3をきちんと押さえて、そしてデザインとか用語の話をして締めて、それから順にほかの資料に行ったほうが議論が早く進むと思うのですけれども。
○中村座長 では、とりあえず資料3に関しては、先ほどの3つの要件を上に持っていくというふうな形、大きな傘に持っていくという形にして。どうぞ。
○高田構成員 先ほどの田村先生の御意見もごもっともで、方向性をすごく出すと。今の先生のまとめの「社会・経済」を上にというのは、そちらの関係性が非常にあって、皆さんのイメージと田村先生の料理という感じからいくと、「社会・経済」「自然」「文化」のほうは、食文化にだけかかわるのではなくて、丸の中にある全てのパーツにかかわる感じがするので、上からだーっと来るという感じにするよりは、1つ大きな円なのか、お盆みたいな四角になるのか、何かのほうが全部を支えているという感じには近いのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○中村座長 どうぞ。
○佐々木構成員 これは極めてよいと言ったのですけれども、先ほど高田先生がお盆のと言ったのですが、まさしく私はそれを考えていまして、自分がここに座っていて、食卓の上にこれがお膳としてあって、そしてそれぞれが御飯であり、おみそ汁であり、お漬物であり、お魚でありというようなイメージで見ていたのです。
自分がここにいると、一番近いところは比較的個に近い部分で、遠いところは社会や自然や環境の部分である。これはその距離感まで出してくれている。これを自分のおうちの食卓に見立てて見ていると、うまくつながるのかなというふうな感じを受けました。そういう意味でも、この濃淡が距離感、個と環境、自然との距離感もあらわしているというふうに感じたところです。
○中村座長 どうぞ。
○原田構成員 そのところは非常に重要だと思うのです。我々が食べ物というものをどう考えるか。ここは方向性を出すというよりは、そこを考えてほしいというような形の図にしておいたほうがいいわけです。
そうなってくると、今の「つくる」も非常に重要なキーワードだと思うのですが、確かにこれだけ中食とか外食が盛んになってくれば、実際には買う、選ぶというケースのほうが多くなるかもしれないけれども、では、人間はもう料理をしなくていいのかという問題ではなくて、つくる、つくらないはそれぞれの人の自由だし、いろんな選択に任せるけれども、いわゆる食育の理想としては、つくれないよりはつくれたほうがいいというニュアンスは絶対あると思うので、その意味では「つくる」という部分を残しておいて、そこの中につくったものを買ってくるとかいうことも含めて、「つくる」という言葉を残したほうがよろしいかと思います。
○中村座長 どうぞ。
○河野栄養指導室長 資料3と資料4の「食べる」「つくる」「伝えあう」についてなのですが、資料4の「食べる」「つくる」「伝えあう」は、この図としてお示しするということでそれぞれ分けて書いてありますけれども、矢印がそれぞれついていますように、「健康な食事」という観点から言うと、これらは混在している状態で存在していることになります。
したがって、資料3で見たときには、先ほど「つくる」が「食べる」のほうに入るのではないかというのは、例えば「食べ方・食の場面」では多様なライフスタイルに合わせた食べ方ということで、目的や対象に合わせた食べ方だとすると、その方のライフスタイルによって外食なのか、中食なのかというのは違ってきますので、つくるや選択するという要素も入っています。
また、それが調理とか食材とどう組み合わさってくるかということで考えると、これまで「食べる」「つくる」「伝えあう」というのは、別々の要素というふうにイメージされていたかと思うのですが、それは混在となったものとして存在しているがゆえに、こちらのほうのさまざまな要素についても、一つ一つに意味があるというよりは、それをどう組み合わせて「健康な食事」に成り立たせていくのか。それが個人によっても違えば、置かれている状況でも違って、先ほど言った個人なのか、あるいは提供する側なのかという立ち位置によっても違うということですので、むしろ明確に区切っているということではなくて、それぞれ混在している要素として代表的なものを整理したときに、ある一面から見れば「食べる」とも、「つくる」とも、「伝えあう」とも捉えられますし、全体の像としては資料3の像だというふうに御理解をいただければ、この中身の見え方も違ってくると思いますので、その点については、そういった観点でごらんいただければと思います。
○中村座長 では、資料3に関しては、大体合意が得られたと考えていいですね。
では、資料5の定義、この文章に関して御意見をお伺いしたいと思います。どうぞ。
○幣構成員 この「定義」を読ませていただいて、非常に簡潔にまとめていただいて、大事なところは全て網羅されていると思うのですが、今までの資料の中で、例えば資料4の背景のところに肥満や低栄養ということで、「疾病予防」という観点は全く文言として入っていなくて、例えば「健康な心身の維持・増進、疾病予防に必要とされるような栄養素をちゃんと摂取しておきましょう」というような文言が必要ではないのかということを御議論いただければと思います。絶対必要とは言いがたいのですが、何か抜けているような気もしましたので、御意見させていただきました。
○中村座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○八幡構成員 生協では組合員とともに健康を維持するための食というのはどんなものかという学習会などを行っています。今回この定義を拝見して、さすがだな、と感心しました。ただ一般的に、「健康な食事」という定義を広めていくためにどこまで言葉を平板化するかということがすごく大事かなと思いました。
私たちが読んですんなりと入ってくるかというところで言うと、ちょっと難しくて、かたくて、結局どうすればいいのかしらというふうになってしまうかもしれないという気がしたので、どういうふうに翻訳していくかも大切だと思います。
○中村座長 どうぞ。
○藤島構成員 今の関連です。私もこの定義は非常によくできていると思っているのですが、ただ、具体的にどうなのかというときに、ちょっとわかりにくい点もあるので、そのあたりの注釈といいますか、それをお願いしたい。
例えば「栄養バランスを基本とする」というのは、確かにそのとおりでしょうし、必要なのは間違いないのですけれども、では、具体的に「栄養バランス」というのはどういうことなのだろうか、年代による違いなどはないのだろうかとか、もちろん体重によっても違うのだろうと思うのですが、そういったことを考えていったときに、少なくとも年代に応じた栄養バランスみたいなものがわかっていると、非常に理解しやすいなと思うのです。栄養バランスがいいというのは全くそのとおりで、これは何の問題もないのですけれども、また言葉として書かれるときにはこのとおりになるかとは思いますが、さらに注釈みたいなものがあると、こちらとしては大変理解しやすいなということです。
○中村座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○武見構成員 多分この資料5だけを見ると、すごくわかりにくいというか、抽象的な感じになると思うのですけれども、資料3は、この図と定義が一緒にあることによってこの意味というのが具体的にわかるような気がすると思いますので、定義としては簡潔なこういう形がいいのではないかなと思います。
その上で、幾つか気になる点があるのです。
1つは、資料5で言うと、最後から2行目「嗜好にあったメニューにアクセスできる」の「メニュー」という言葉なのです。でき上がった食事をイメージさせてしまう言葉のような気がして、資料3のほうと合わせれば、「嗜好にあった食物」。それは材料であったり、でき上がった中食であったり、総菜だったり、いろいろだと思うのですけれども、むしろ「嗜好にあった食物にアクセスできる」としたほうがいいのかなと思いました。
もう一点は、少し前なのですけれども、「食をめぐる基本情報が共有されるとともに」ということで、これは誰が共有するのかということを明確にしたほうが、誰に対しての定義、メッセージかということがわかるように思います。
簡単に言えば、「人々」とか「国民」だと思うのですが、資料4の参考資料を見ると、ライフステージによってかなり違うということと、男女の違いというのもすごく大きいということですから、長くなっていいのであれば、「全てのライフステージの男女に」とか、はっきり男も関係しているのだということを訴えるようなものにしてはと思います。それは注釈でもいいかもしれないのですが、今回出していく大事なポイントかなという気がいたしました。
○中村座長 全ての男女のライフステージの。
○武見構成員 「全てのライフステージの男女」と長いのですけれども、注釈でもいいのですが、食事のことは女性とかつくり手とかの問題である、ということから脱皮することがはっきり出るといいなと思っています。
○中村座長 いかがですか。どうぞ。
○藤谷構成員 武見先生の御意見に賛成もありますが、違う話をします。
2番目の文章だけがもうちょっと何とかならないかなと思っていました。
まず、1番目が「健康な食事」は状態であるということなのですけれども、2番目の文章は、1番目の文章が栄養バランスとか栄養素とか健康とか、医学的なほうに偏りそうなところで、ここでおいしさとか、食事をともにすることとか、共食の大事さとか、そういうところの重要性を示している文で、「持続性には」でなくて、「健康な食事」そのものに大事なのだと思うのです。しかも、「であり」でそのまま後ろにだらだらと続いてしまっています。むしろ1番目の文章を「栄養バランスだけでなく、おいしさを構成する食材や調理法や食べ方・食の場面が大切である」としてしまったほうがいいと思います。
もともと持続している状態が定義なのに、2番目の文で「『健康な食事』の持続性」とするのは日本語として変なので、そこで切って、栄養素だけでなくて、おいしさ、場面というのがまず定義でばんばんと出て、それは個人の努力だけでなくて社会の支えが必要であるよというので結ぶ感じ。
だから、2番目の項目が後ろに妙に入っているのだけが気になります。
○中村座長 いかがですか。どうぞ。
○岡村構成員 今、時差ぼけでこちらが頭が回っていないからなのかもしれませんけれども、定義の案がぱっと頭に入ってこなくて、もうちょっとシンプルにならないかなと。
簡単なのを例えば二、三行で書いて、あと注釈みたいなのをつけるぐらいにしたほうがよいかもしれません。結局、みんな簡単なものしか読まなくて、興味を持った人がもうちょっと詳しく見ようかというのが多そうな気がするので。そこのところはどうかなというのが少し気になりました。
それから、栄養バランスのところですけれども、先ほど治療というか、もうちょっと踏み込んだところを考えたらバランスだけでないときもあるので、ここは「心身の維持・増進に必要とされる食生活」だけでもいいような気がしないでもないのです。
○中村座長 ほかにどうぞ。田中さん。
○田中(延)構成員 私がちょっとひっかかっているのは、先ほど武見先生がおっしゃったところなのですけれども、「嗜好にあったメニューにアクセスできる社会的・経済的な条件」ということですが、ここは「嗜好にあったメニュー」なのでしょうか。ちょっと疑問なのです。現状は、嗜好に偏り過ぎて健康な食生活を行えない人々が多い中で、ここは「嗜好にあったメニュー」でないほうがいいのではないかなと思いました。
○中村座長 嗜好そのものに問題点がある人がいるという意味ですね。
○田中(延)構成員 はい。
○中村座長 それはそうだけど。
どうぞ。
○藤谷構成員 使いたくない言葉ではありますけれども、ここは「適切なメニュー」と。「メニュー」という言葉のよしあしはまた別として、上で定義した個々の栄養バランスもおいしさもあるものにみんながアクセスできることですね。
○中村座長 どうぞ。
○武見構成員 今の件に関して、「嗜好にあった」というのは、私も大分考えたのですよ。嗜好に合わせてしまっていいのかなみたいな感じで。ただ、それは上に「心身の維持・増進に必要とされる栄養バランスを基本とする食生活の維持」というのがあって、それを実現する上では、それを自分の嗜好に合わせてやれるようにするという意味で「嗜好にあった」が入っているのかなと解釈したのですけれども、一方で、そこまで深読みできるかということを考えると、表現は、先ほどから先生方から出ているように考える必要があるかなとは思いました。
○中村座長 原田先生。
○原田構成員 確かにこういう定義というのはなかなか難しいし、余りくどくなってもいけないところがあるわけです。でも、前段では栄養バランスを含めた健康等の関連、後段ではそれにおいしさとか食べ方とか食の場面とか、そういう楽しみ方、この2つのところが一番メーンだと思うので、これはもう少しすっきりするような気もいたします。
例えば状態を意味する「さらに」とか「そして」とかで「おいしさを構成する食材や」という形につなげていってしまえばいい。
最後のところの「嗜好にあった」をどう表現するかというのは、もうちょっと工夫していただきたいのですが、定義ですからなるべく簡潔にしていただいて、「注釈」という言葉が何人かの先生から出てきておりますけれども、これは定義だけではわかりにくいので、これの解釈というか、要約というか、具体的に説明したものをこの2~3倍ぐらいのもので定義の後につけて、こういうことを言いたいのだよという解説を。どうせこれだけを出すわけではないでしょう。
○中村座長 はい。
○原田構成員 ですから、その後のところの解説で今、出ているような御意見をうまく勘案しながら取り入れて、この2~3倍程度の解説を読んでいただければわかっていただくと。定義そのものは簡潔なほうがよろしいかと思います。
○中村座長 どうぞ。
○大竹構成員 私も定義は簡潔なほうがいいかなと思います。特に最初の1文の中の「栄養バランスを基本とする」ということで、やはり「栄養バランス」が強調され過ぎているかなという気はします。せっかく要素をこういうふうにさまざまにつくっていたのに、ここが「栄養バランス」になってしまっているので、先ほど御提案がありましたけれども、ここのところをカットするという御提案はいいなと思ったのです。
なので、「『健康な食事』とは、各自の健康な心身の維持・増進に必要とされる食生活が無理なく持続している状態を意味する」というのを基本的な定義とし、そしてその後いろいろ説明しているのが1文になってすごく長いので、まさに「各自の健康な心身の維持・増進に必要とされる食生活」という要素が何なのかというところを念頭に置きながら、例えば栄養バランスが非常に重要な要素であったときに、そこに先ほどライフステージとか何かとありますが、その辺をちゃんと含めた栄養バランスであるとか、ここの要素の中では、食べる楽しみとかおいしさがあるとか、心と身体の健康かなと思うのですが、そういうものがあるとかというのを要素に分けて、少しずつその中身を具体的に説明する。私はどちらかというと素人のほうなので、素人だと、そういうふうに説明されたほうがわかるかなと思いました。
そういう中で、先ほど疾病のない状態とかとつけ加えたほうがいいおっしゃいましたので、例えば「健康」というのは、病気でない状況を「健康」と言うのかなと思いますので、例えば「健康」というのはそういう状況であるとか、いろいろ説明するのを文に分けて、一つ一つの要素を1つの文で区切りながら、説明が次に入っていくと、素人はわかりやすいなと思っています。
以上です。
○中村座長 どうぞ。
○渡邊構成員 私は、「栄養バランス」はあっていいと思うのですけれども、「無理なく」という言葉は、丸の中にもなくて、初めてここで出てくるのです。だから、「無理なく」ではなくて、「楽しく」とか「楽しみながら」とか、そういう文章が円の中にありますので、「栄養バランスを基本とする食生活を楽しみながら」とか、「楽しく持続している」というふうにしたほうがわかりやすいというか、食生活に生かせるかなと思いました。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○田中(延)構成員 定義を考えなさいと言われたので、「健康な食事」というのは、要するに、自分の今の状態を維持・増進できることであると。そういうことは恐らく誰でもわかってしまうことで、そんな簡単なことでいいのだろうかと思ったのです。
ですので、「栄養バランス」を取ってしまうと、今回わざわざ定義する必要のないような定義になってしまいますので、「栄養バランス」を入れるということに関しては、ここは必要だと思います。
○中村座長 ほかに。どうぞ。
○宇野構成員 私もその御意見に賛成で、この後、基準をつくっていくのに、栄養バランスの細かい指標を入れていくことになると思うので、この中から外してしまうのはどうなのかなと思いました。
先ほど出た栄養とおいしさが大事という両方をまずばんと出すというのは、国民の皆様にこの定義を「健康な食事」についてより理解を深めていただくという目的で出すのであれば、まず一番初めに言いたいことを言うというのは大事だと思うので、1文目にそちらを入れて、後で解説を加えるという御意見に賛成したいと思います。
○中村座長 高田先生、どうぞ。
○高田構成員 きちんと伝えるために解説とかは必要なのですけれども、私どもの研究所に来る問い合わせ等を考えていると、多くの方は下まで読まなくて、1文目で判断して、こういうものなのですかという質問が多数来るのです。そうすると、最初の数文で今回のこの定義で伝えたいことがなければいけないと思うのです。
そうすると、健康を維持するための食生活はバランスが大切なのだというのは当たり前過ぎるので、そういう食事を維持している状態を意味するというのは確かに新しい概念で、その状態を維持することが大切なのだと。そのときに、今までだと栄養バランスだけがすごく重視されたのだけれども、今回はおいしさとか、それを実現するのが個人の努力だけでなくて、周りの支えが必要なのだということ、その3ポイントぐらいが最初の1文で。栄養バランスだけと言っているのではないのだとか、食事一つを指しているのではないのだということが最初の1文しか読まない人にも伝わってほしいと思う。「バランス」とか細かい言葉は全部削除してしまって、重要な3単語とか4単語が入っているだけの文章を1個目に出していただきたいなと思います。
○中村座長 どうぞ。
○原田構成員 定義というのは非常に重要な問題なので、それを読む人がいるかいないかという問題ではなく、定義は定義できちんと入れるべきことは入れなければいかぬと思っています。
だから、逆に解説をつけたほうがいい。解説を読む、読まないはまたいろんな問題があるでしょうが。
栄養バランスの問題については、入れるべきだと思うのです。
なぜかというと、先ほどのデータを見ていて、かなり塩分を減らしたり、油分を減らしたりというのは、全体的な流れの中でそういう方向に行っている。これは今までのそういった指導というか、日本人自体が学習している。
ところが、全体ではそうなっているけれども、特に若い人たちとかの嗜好を見ていますと、栄養バランスをどこまで考えているかなというのは、一面で非常に危惧されるところがあるわけです。
したがって、確かに今まで食生活、「健康な食事」と言うと、栄養バランスだけで来たけれども、これはいろんなステージの問題とか状況の問題がありますが、栄養バランスを保ちながら、なおかつ楽しく、おいしく、適正な食事のあり方、それを持続させるための社会的な全体的なサポートがきちんと入っているような定義にしていただきたいと思います。
○中村座長 佐々木先生。
○佐々木構成員 定義というものは、これから私たちが伝えねばならない、伝えたいと思うキーワードが入っていること。それ以外はできるだけ排除されていること。キーワードとキーワードの間のつながりが明確であり、二通りとか複数の読み方がされないこと。これが重要だと私は思います。
それを考えますと、「『健康な食事』とは」で始まって、「各自の」ではなく、厚生労働省が出すのであれば、「全ての国民の」とか。そうすると、女性、男性、片方だけに偏るとか、大人や子供や高齢者、どちらかにウエートが置かれるとかいうことはないだろう。
「健康な心身の維持・増進」で疾病の予防や治療も含むと考えてよろしいのではないかと思います。
「栄養バランス」は、資料3を見ても、ここには入れておきたい。もしもここからそれを取ると、次の「とする食生活」の「食」の字を取らなければならなくなるのではないかという危惧があり、ここは「栄養バランス」という言葉を残したほうがよいのではないかと思います。
そして、状態を意味するということが恐らくこの定義の一番の目玉であって、この1文で締めるというのは重要だと思いました。
その後は、補足的な文章をもう一文、これを半分または3分の2ぐらいにしたいなと思いました。そうすると、「健康な食事」というのは、「その」でつなげる。「その」で上を確実に受けるのでよい。
「持続性」は、持続できていない人もいるので、「持続と実現」。
「おいしさ」は省いてもよいかなと。
そして、食材、調理法、食べ方、食の場面というものが大切であるということ。
それから、「『健康な食事』が広く社会に定着するためには」というのは、必要性は低いだろうと思います。
次の「健康・栄養から食料生産」ではなくて、逆で、「食料生産・食文化から健康・栄養に至る食をめぐる基本情報が共有されること」。
最後は、「嗜好」ではなく「適した」ということだと思うのです。そうすると、ここは「個々人に適した」かなと。それは集団ということを含める表現にしたいなと考えますが、まだ名案がありません。
そして、「メニュー」ではなく「食事」。
「アクセス」というのは、若干考えた言葉なのですけれども、これは仕方がないかなと思って、最後の1文はこのままでいってもよいかなという感じにしました。
これで3分の2ぐらいの長さになりつつ、キーワードは残せたかなと思うのですが、もう一度一つずつ見ながら議論を続けていただければなと思います。
済みません、長くなりました。以上です。
○中村座長 どうぞ。これで最後にしたい。
○鈴木構成員 最後にふさわしい表現かどうかわからないのですけれども、今、聞いていて、「栄養バランス」という言葉もすごく大事だと思いますし、栄養バランスが整っていてもおいしくないと選ばないかもしれないので、「おいしさ」という表現も要るなと。
「無理なく」というのは、無理ないというのは何だっけと思って、「楽しんで」とか、「健康」という丸があるかどうかあれですけれども、その周りにあるものがしっかり入っているような1文がしっくりくるなと感じました。
資料3の「健康」というのもすごい気になったのです。例えば自分が健康状態であれば健康と思うのですが、実際に高血圧とか、もう病気になってしまっている人がこれを読んだときにもしっくりくるような表現にしたほうがいいと思うので、その意味で多分「各自の」と書いてあると思うのですね。それを「それぞれにとって」とか、わかりやすいような表現にする。
「健康な」と言ってしまうと、六十何万人、二十八万人もいらっしゃる疾病患者の方々が私は違うのだと思ってしまわないように、「それぞれに合った」とか。病気になっていてもそれぞれに合った健康な食事というのがあると思うので、あなたも含むのだよということとか、まだ病気になっていない人、若い人たちにも伝わるような表現にしてほしいなと思いました。
以上です。
○中村座長 わかりました。
本当にたくさんの意見、ありがとうございました。
今、ここですぐまとめるのは作業的に無理なので、私と事務局でもう一回皆さん方の話を整理して文章をつくります。そして1回メールをさせていただいて、最終的に意見を求めて、それを最終案とします。これでいいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○中村座長 どうもありがとうございました。
では、最後にもう一つ、認証制度のことがあるのですが、事務局のほうから提案していただけますか。
○芳賀栄養指導室長補佐 御議論ありがとうございます。
本日の議論の進め方(案)の2が、「『健康な食事』の認証に向けた基準の考え方」となっています。ただいま御議論いただきました定義の最終案はこの後、整理させていただいて、またメール等でお諮りしますが、これまでの議論を踏まえまして、「健康な食事」の認証に向けた基準の考え方というのをある程度この場で整理していただき、次回の検討会以降、具体的な議論に入らせていただきたいと考えております。
資料6をごらんください。
認証に向けた具体的な議論の際に、例えば必要な作業や検証を行う部分についてある程度明確にする必要があるであろうということを念頭に置きまして、資料6「『健康な食事』の認証に向けた基準の考え方について(案)」を作成しております。
こちらについては大きく4点ございます。
まず1点目が「基準は、客観的に評価できるものであること」ということで、具体的に数値で評価できるもの。
2点目が「望ましい食パタンに合致すること」ということで、こちらは、科学的根拠を踏まえ、栄養素、食品、料理を複合的に組み合わせた望ましい食パタンの検討が必要。
望ましい食パタンに関しては、ただいま改定作業中の「食事摂取基準(2015年版)」を踏まえつつ検証する必要があるだろうということです。
3点目が「基準は、企業が商品化しやすい実践可能なものであること」ということで、関係する企業に幅広く意見聴取が必要であろうと考えてございます。
最後に、4点目「『健康な食事』を無理なく続けるための条件について配慮されていること」ということで、先ほど御議論いただいている定義案の中で大事になっている持続性、それらを構成する条件です。
例えばということで、「おいしさ」「旬の食材や地場産物の使用」「目的や対象に合わせた調理法」「多様なライフスタイルに合わせた食べ方」というのをお示ししております。
御議論よろしくお願いいたします。
○中村座長 では、認証制度に関して、御意見。どうぞ。
○藤谷構成員 まず、最後の例のところにぜひ「価格」というのも入れていただきたい。
それから、「望ましい食パタン」というのが、私が現在、改定作業中の食事摂取基準を存じ上げていないのでわからないのですけれども、多様なライフスタイルも含めてなのだと思うのです。1食買う人でなくて、主食は買わないけれども、おかずは買うとか、そういうものも含めたある意味の食パタン選びであろうと思うので、そうすると、最後のほうに「多様なライフスタイル」は今さら要らないかなとも思ったりします。
最後に、価格のほかに、「わかりやすい情報提供」ということも、無理なく高齢者、有病者が続けるためには必要だと思うので、例にそれも挙げていただければと思います。
○中村座長 これは表示のことも含めてですか。
○藤谷構成員 ええ。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○岡村構成員 認証についてですが、これは外食のメニューとか、何か売っている商品についての認証ですか。どこまで定義するのかというのが、これだけ見るといまいちわかりません。個々の食材だと、多分この流れだと難しい。すると、メニューとか売っているパッケージの商品みたいなものに対してということになるのですけれども、そういう理解でよろしいのですか。
○中村座長 事務局、どうぞ。
○芳賀栄養指導室長補佐 おっしゃるとおり、「健康な食事」そのものがパッケージ、組み合わせということですので、単独の食品や食材のサイズなどを念頭には置いておりません。こちらでお示ししている食パタンというのが、食パタンの構成要素が栄養素レベルであったり、食品のレベルであったり、料理であったり、いろんなものを組み合わせた考え方というのが「健康な食事」のあり方に関係するであろうと考えております。ですので、単独の食品とか、さらには栄養素ということを訴求するという考え方はございません。
ただ一方で、それらの条件を栄養バランスということに照らしたときに、「日本人の摂取基準」でお示しする内容と合っていることという意味でございます。
○中村座長 どうぞ。
○岡村構成員 ですから、どういう場面でその認証が活用されているのかというのがぱっと出てこなくて、例えばこの社員食堂は1年を通じてこういうバランスに配慮されているから適マークを与えますというのは、理解できるのです。
またレストランでの1食とか、例えば店頭で売っている商品の1種類についてということまでいくと、物によってかなり定義を絞り込んでいかないと総体として見られないということになるので、何に対して認証を与えるかによって、少し基準を変えないといけないのかなという気がしないでもないのですけれども。
○中村座長 どうぞ。
○河野栄養指導室長 その対象につきましては、今回は、外食は想定しておりません。もともとコンビニ、スーパー、宅配と言っているのは、基本的に中食として提供される食事を想定しているというのと、ここで「食パタン」とお示ししているのは、お弁当みたいないわゆるパッケージ化されたものだけを認証するわけではないので、例えば副菜として野菜を中心としたものについて、それを組み合わせたら食パタンとして成り立つというもの、要は、部分的でも評価できるところまでは見据えたいなというのが今回の趣旨です。
○中村座長 どうぞ。
○武見構成員 この検討会の1回目のときに、「健康な食事」の概念というのを1日とか1食とか、どのように定義するのかということで、私は、アメリカの今のフードガイド「My Plates」をお示ししたと思うのですけれども、あれは、要するに、人々が食事を選ぶときとか食べるときというのは、その食事その食事を考えるから、あれは1食でイメージできる具体的なものということで今回つくられたというふうな解説があるのです。
そういう意味で言うと、1食というものの中で、その全体であったり、あるいはパーツ、副菜とかということを認証していく、そういう理解でいいわけでしょうか。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○藤島構成員 認証されるときに、例えばお弁当であれ、お総菜であれ、どういう栄養素があるかというのも検査しなければいけないかと思うのですが、そうなったときのコストはどこが持つということになるのでしょうか。そのあたり、実際の企業の方にとっては非常に大きな問題だろうと思っているのですけれども。
○中村座長 どうぞ。
○河野栄養指導室長 これは義務化するものではありませんし、栄養の成分の話ではないので、先ほどから出ている食パタンをどういった整理にするかということで、例えば野菜が何百グラムということであれば、それは当然製造過程でわかる情報ということになります。したがって、食パタンをどういうふうに捉えていくかということによって、認証する中身が決まってくるということになり、詳細な成分の分析も求められることは想定していません。
○中村座長 ほかにございますか。
これは企業にとっては大きなことなので、企業のほうからの御意見をお聞きしたいのですが。どうぞ。
○高戸構成員 その前に、先ほど外食が含まれないという御発言のようですが、食事とパッケージされたものだけを前提にされていないともおっしゃっていました。給食というのは、どちら側のイメージをお持ちになっているのかというのを先にお伺いできればと。
○河野栄養指導室長 基本的に認証の詳細な部分はこれから詰めていかなければいけないと思っているのですが、給食については、いわゆる外食料理の栄養表示といったシステムも動いていますので、今回はそういったシステムがまだ機能していない部分ということで、中食を想定していました。
○高戸構成員
私どもの会社でも給食事業の中でも、持ち帰りの弁当を販売することが多々あるのですけれども、給食で献立をつくっている部分と弁当でつくる場合とでは、中身がかなり変わってきまして、例えばポーションの大きさや内容を相当工夫しないと難しい。多分、栄養価の基準を決めていく上では非常にハードルが高くなるだろうなという印象です。
コストの問題も、それを全て検証していくとなると、コストはどうしてもふえていってしまうなというところはあります。
また、表示の問題が出てきます。ラベルでたくさんのものを追加していかなければいけなくなるのか、シールを1枚張ればいいのかというところで、その辺のところも当然出てくるだろうと思っています。
○中村座長 どうぞ。
○生源寺構成員 私もこれがカバーする領域について、まだ確定的な情報を持っていないような感じなのですけれども、今のお話から言いますと、既にある表示、それから食品表示法で今、整理されている状況があるわけです。そのほかの地域認証とか、食をめぐる認証なり表示なりがいろいろありますので、それを整理した上で、これがどういう位置づけになるのかというあたりをお示しいただいたほうがいいのではないかという感じがいたします。
いろんな形でダブってしまうようなところがあれば、これはこれで非常にロスだと思います。ちょっとイメージがはっきりしないところがありまので、その辺をきちんと提示していただけると考えやすいかと思います。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○武見構成員 事務局への質問なのですけれども、この4つの丸のうちで、1番目に「客観的に評価できるもの」とあります。一番最後の「無理なく続けるための条件について配慮されていること」の例というのは、なかなか客観的にできないものがたくさん並んでいると思うのですが、4番目の丸も基準の中ですか、それとも基準に伴うものですか。その整理がよくわからないのですけれども。
○河野栄養指導室長 基準に伴うものというふうに理解いただければと思います。基準については、当然それぞれの企業で取り組んでいただくので、一定の目安がなければいけない。ただ、一定の目安だけにしてしまうと、これまで議論していただいた「健康な食事」で、特に「無理なく続ける」というところの条件が整ってこないということになるので、4番目については、「配慮されていること」ということで、ここは基準の中身ではなくて、そういったことにも配慮いただきたいという情報もあわせてパッケージしたものにしていければなということで整理させていただいています。
○中村座長 ほかにございますか。どうぞ。
○藤谷構成員 どこまでを基準にするのかということをもう少し明示していただきたいと思います。特別用途食品のときもそうだったのですけれども、大企業で正確に作ったようなものしか認められないようなものになってしまうのでしょうか?例えばコンビニさんとかで全国的に出るものは出せるかもしれないけれども、生協のある地域で、のところで今月はこれを出すというものなどは、一々全部栄養素を測れなかったりするのではないかと思います。小さな地元のスーパーとか、例えばJAとかがつくった弁当とかはどうなるのかとか、大企業が事前に申請しなければいけないものかとか、そういう感じのイメージがちょっと湧かないです。
○中村座長 ほかにございますか。今回は、ローソンさんとパルシステムさんとタニタさんとシダックスさんの企業から代表が出ていただいているのですが、御意見はありますか。
○八幡構成員 今、藤谷さんのほうからもありましたが、例えば中小のメーカーさんや地元のスーパーなど、地元の人々の健康に配慮してお弁当をつくろうとしたとします。その場合厚生労働省の認証があれば利用する側も販売する側にとっても非常によいと思うのですけれども、認証を得るために非常に労力や時間が必要であるということになりますと、難しいのかなと思います。今後、認証の方法については整理されるということなのですが、そこのところも配慮が必要かなと思いました。
○中村座長 ローソンさん、どうぞ。
○鈴木構成員 この基準の考え方とか認証になった途端、せっかく先ほどまですごくいい議論になって、これにかかわる要素がいっぱいあるねという話をしていて、そこからそぎ落としていって、何とかというのが何グラム以上入っているとか、何グラム以下であることという感じになってしまうと思うので、企業としてはこれに取り組みたいなと思うのですけれども、それが「健康な食事」というところにちゃんと結びついていかないといけない、ちゃんとつなげたいなというところはすごく悩んでしまう。
例えば我々は糖質何グラム以下というのをやっていますが、それはこれの中の本当に点のところでしかなくて、そこから伝わるいろんなことはあると思うのですが、それにまつわるいろんなものを加味した基準というのは何なのだろうなというのが、私たちとしてはすごく悩ましくて、何グラム以下でやってとか、何グラム以上でやろうとかいうのは、多分できるとは思うのですけれども、それを買って食べる人がちゃんと理解しながら食べられるようにするにはどうしたらいいのだろうというのを今、すごく悩ましく捉えています。
こちらのほうがわかりやすいというか、基準を設けるということに関しては、すごく具体なので、実際つくるほうとしてはとてもありがたいのですが、それをやるとこちらにつながるのだというところがすごく難しく感じています。
そこを、いろんな先生方の御意見を聞きながら、これとこれが重要なのだというふうにわかりやすくする、それとのバランスというところがすごく重要だなと感じています。
○中村座長 イメージとして「健康な食事」とはという壮大な議論をしておいて、具体的には弁当のつくり方だったのかという話にならないようにしないといけないということですな。
どうぞ。
○宇野構成員 先ほどまで「健康な食事」の定義を議論して、せっかく決めて、これはきっと国民の皆さんに周知されて、では、私たちはどうしたらいいのと皆さんが思ったときに、選べる状態にしておかなければいけないのだなという責任を感じるとともに、ローソンさんもパルシステムさんも言われているように、私たちが率先垂範してというか、積極的に取り組めるような認証基準、もちろんエビデンスもしっかりあって、お墨つきをいただけるのであれば大変ありがたいとも思いますし、お示しいただいたものに沿ったものにできるようにしたいなとも思います。
あとは、いかに普及させるかというところも大事だと思うので、私たちだけでなく、いろいろな企業さんが取り組みやすいような実現可能なものというのは本当に大事なところだと思います。
○中村座長 どうぞ。
○田中(延)構成員 私のイメージとしては、すごくシビアなものでなくて、例えば野菜が全体のうちの何%ぐらい入っていて、そのうちの緑黄色野菜が何割ぐらいとか、海草が入っているとか、どうなるかわかりませんけれども、例えばお肉よりも魚とか、雑穀が入っているものとか、そんな大ざっぱなものになっていてくれて、それが例えばコンビニとかスーパーとかで売られて、そこに認証マークがついていることによって、一般の方々はそれを3食食べているわけではないので、それを参考にして、野菜はこの程度入っているのが「健康な食事」なのだということがわかって、それが実践されるようになるような基準になってくれると、すごくいいなと思うのです。
ですので、余りシビアに考えないで、国民が健康を維持するための最低限の要素というものが盛り込まれたものがいいなと思います。
○中村座長 ほかに御意見ございますか。どうぞ。
○佐々木構成員 確かに概念的な議論から具体的な話になると急になんですけれども、非常に重要なところで、3点あると思いました。
1点目は、望ましい食パタンが十分に科学的根拠に基づいていて、万人が納得できるものであること。
2つ目は、認証をいただくのが非常に難しいということではなく、中小企業さんと大企業さんに有利、不利が生じないようなものであるということ。
最後は、「健康な食事」の認証ですので、どうぞ不健全には運用しないようにお願いをしたいということであります。
○中村座長 どうもありがとうございました。
田村先生、どうぞ。
○田村構成員 以前、ローソンさんの御意見で、減塩のお弁当をつくったら売り上げが激減したというお話がありました。それは徐々に減塩をしていったという補足がついていたのですけれども、私たちが毎日ローソンのお弁当を食べているわけでもなく、いろんなお客様が常に料理屋の料理を食べているわけでもなく、一つずつを考えてみると、タニタ食堂さんの何々とか、本も出ておりますし、どこどこの何々といろいろありますが、それを一つずつ解釈していくと、認証というのは、宇宙の中から何かをとりにいくようなイメージにしか思えなかったのですね。
なので、もしローソンさんなり誰なりが、今、田中先生がおっしゃったみたいに、こんな感じが健康にいいのだよという1つのパタンを示す例として売っているというような意味合いがあるとするならば、すごくいいのではないかなと思います。
だから、最初にお話ししたように、売れなくなってしまったからもとへ戻しましたというのは、不健康な弁当をつくったということになるわけですよ。そうではないのだろうけれども、少しずつ少しずつ減らしていったということですが、毎日食べていると、少しずつがわからないのです。少しずつ少しずつでなくて、ここを食べている人が突然ここを食べたら、あら、随分味が薄くなってしまったじゃないというふうな錯覚を起こしてしまって、がくっと減ってしまうということもありますので、その辺も非常に難しい。点と線を結びつけるのはとても難しいのではないかと思います。
○中村座長 ありがとうございました。
もう時間がないので、お二人を最後にします。どうぞ。
○藤谷構成員 2点あります。
1つは、一番上の定義が、先ほどは「健康な食事」は状態を指したので、認証するものは違いますね。認証するものは持続状態ではないので、認証制度自体の正式な名称はちょっと考えていただきたいと思いました。というのが1つ。
今回は、初めからそういうものを認証する予定だったというのがあるのですけれども、 先ほど皆さんがおっしゃったように、このレストランはそういうことを考えているとか、情報提供しているとか、いい店認証みたいなものも大事なのではないかなと思います。
○中村座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○八幡構成員 私も外食が対象外というのはひっかかる点です。子供を連れてファミリーレストランへ行くこともありますが、そんなときにもし認証例がお店で示されていれば、子供とこれが「健康な食事」の1食分のパタンなのだねという会話ができます。そういうことも考えると、外食を除くというところはひっかかったというところだけ意見として。お願いします。
○中村座長 時間が予定より2~3分過ぎているのですが、どうしてもという人はいらっしゃいませんか。大丈夫ですか。
これで終わりにしたいと思います。
では、事務局のほうからスケジュールをお話しします。
○河野栄養指導室長 それでは、本日、認証についてさまざまな御意見をいただきまして、仕組み等の整理も必要かと思いますので、若干日にちがあきますが、次回は5月13日火曜日10時から12時を予定しております。場所等の詳細については、決まりましたら改めて御連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○中村座長 定義に関しては、またメールが行くと思いますので、チェックのほどよろしくお願いしたいと思います。
では、本日はありがとうございました。
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