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2014年1月24日 社会保障審議会障害者部会(第55回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成26年1月24日(金) 16:00~


○場所

厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○出席者

駒村康平部会長、阿由葉寛委員、石原康則委員、伊藤たてお委員、伊豫雅臣委員、大濱眞委員、小澤温委員、河崎建人委員、菊池馨実委員、久保厚子委員、小西慶一委員、佐藤進委員、竹下義樹委員、玉木幸則委員、藤堂栄子委員、中村耕三委員、葉梨之紀委員、日野博愛委員、広田和子委員、本條義和委員、久松三二参考人、星野雄一参考人、伊藤幸寛参考人、末吉孝徳参考人、黒飛栄治参考人

○議事

○駒村部会長 

ただいまから、第55回社会保障審議会障害者部会を開会いたします。委員の皆様におかれましては御多忙のところお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。また、本年最初の会議でございますので、今年もよろしくお願いいたします。

 議事に入る前に、質疑の時間について、今後の進め方について一言申し上げたいと思います。ここ数回やっており、前回も、最後で委員から、やはり十分な質疑の時間を確保しなければいけないという御意見がありました。私も、その御指摘ごもっとものことと思っております。事務局とも少し相談いたしまして、次のように進めさせていただきたいと思います。

 まず、事務局におかれましては十分な質疑の時間を確保していただくために、説明資料についてはできるだけ簡潔に、要点を押さえた説明になるようにしていただきたい。最初の事務局説明だけで、会議時間が3分の1を超えることがないように努力をしていただきたいと思います。議事の数によっては時間が長くなることも予想されるわけですから、もし、そういう場合においては、例えば時間を長めに取って2時間半のコースでやっていただくとか、あらかじめ決めていただいたほうがよろしいかと思います。

 一方、より多くの委員の方に同じ御発言の機会を保障していただきたいと思いますので、委員におかれましても、当事者の方で、支援も必要になっている方もいらっしゃるとは思いますが、おおよそ2分から3分程度の目安にしていただき、なるべく簡潔に御発言をいただきたいと思います。この方針でしばらくさせていただき、どうしてもまた長くなってしまうようなことがありましたら、私、大学から会議用のベルを持ってきてチリンチリンと、事務局にも鳴らすかもしれませんし、委員の皆さんにも鳴らすかもしれません。そうすると、とても横暴な嫌な部会長になりますので、そういうことはないように、まず当面そういう方針で御協力いただきたいと思います。それでは、事務局より、委員の出席状況並びに資料の確認について、お願いいたします。

 

○井上企画課長 

委員の出席状況ですが、本日は大原委員、中板委員、野澤委員、樋口委員から、御都合により欠席との御連絡をいただいております。石野委員の代理として久松参考人、君塚委員の代理として星野参考人、清原委員の代理として伊藤参考人、橘委員の代理として末吉参考人、湯崎委員の代理として黒飛参考人に御出席をいただいているところです。

 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。まず、資料1-1「平成27年度に向けた障害福祉計画に係る基本指針の見直し()(見え消し修正版)」です。資料1-2「基本指針への記述のポイント()(見え消し修正版)」です。資料2-1「平成27年度に向けた障害福祉計画に係る基本指針の見直し()」、修正文をとけ込ませたバージョンです。資料2-2「基本指針への記述のポイント()」、これも前回からの修正文をとけ込ませたバージョンです。資料3「基本指針の見直しに関する参考資料」、資料4「第四期障害福祉計画(基本指針)における成果目標の参考資料」、資料5「障害福祉計画に係る基本指針(現行)」、資料6「障害者総合支援法(障害福祉計画関係部分抜粋)」、資料7「平成26年度障害保健福祉部予算案の概要」です。以上、お手元にございますか。過不足等ございましたら、事務局にお申し付けください。

 

○駒村部会長 

本日の議題に入らせていただきます。まず、事務局から、議題1について、資料1-1、資料1-2等の説明をお願いいたします。

 

○井上企画課長 

資料1-1「平成27年度に向けた障害福祉計画に係る基本指針の見直し()」は、前回の御議論を踏まえて修正したもので、修正部分を見え消しで分かるように記述したものです。これをとけ込ませたバージョンが資料2-1ということで配られております。本日は、資料1-1に沿ってまず説明をいたします。私からは前回からの修正部分について、それから前回委員の方々から様々な御意見をいただきましたが、その意見に対する事務局としての考え方を中心にして説明をさせていただきます。

 資料1-11ページ目、1.(2)、一番下です。基本指針の第一の一の部分では、施策の推進にあたって各分野に共通する基本的理念をまとめているところです。新しい指針では、現行指針を踏襲した上で、次のような内容を追加することとしたい、と記述しております。

1障害種別によらない一元的な障害福祉サービスの実施の一環として、難病患者等について引き続き法に基づく給付の対象となっている旨の周知を図っていくこと、と記述していたところです。この部分について、幾つか御意見が前回あったところです。

 竹下委員から、成果目標や活動指標を評価するときに、障害種別が無視されるということは非常に危険ではないか。また、数値だけで見ると、例えば視覚障害者に対する障害福祉サービスが充実していなくても、成果目標は上がっているというようなこともあるのではないかという、障害種別の考慮についての御意見でした。この点については、成果目標自体を、障害種別ごとにするということは、一元的な障害福祉サービスというこれまでの施策の流れから言っても困難だと思いますが、計画のPDCAサイクルで分析や評価を行う際には、単に数字目標の数字が達成していたかという点だけではなく、その中身というか達成状況の具体的な内容を多面的に分析・評価することが大切ではないかと考えております。

 具体的な手法としては、協議会とか合議制の機関などの場で、サービス利用者などの多様な意見を聞くとか、そうした手法が考えられると思います。そうした形で聞いていくことが、大切だと考えているところです。協議会や合議制の機関のような場で、多様な意見を聞くという趣旨については、後ほど説明しますが、指針の中に盛り込んでいきたいと考えています。

 この関係で、伊藤委員から、今回障害種別によらない一元的な障害福祉サービスの実施の一環として難病患者等が入ったということであるが、この障害種別によらない一元的な障害福祉サービスということに期待をしているという御意見をいただいたところです。この点に関しては、これまでも障害種別にかかわらず、全国で必要とされるサービスを保障していく方向性を、基本指針の中で掲げているところです。今後も、そういう難病等も含めた、障害種別に関わらない一元的な障害福祉サービスを実施していく方向で進めていきたいと考えています。

 伊藤委員からもう1つ、成果目標が導入される中で、患者がついていけないというような懸念がある。病気を持ちながら、サービスを受ける場合の配慮が書かれていれば助かる、という御意見がございました。この点については、基本指針というよりは、むしろ実際にサービスが提供される現場で適切な対応がなされることが非常に重要だと思っております。そういう意味では、障害福祉サービス事業者の運営に関わる基準として、障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準が定められております。その中で、事業者は利用者の意向、適性、障害の特性、その他の事情を踏まえてサービスを提供することとか、利用者や障害児の保護者、医師及び人格を尊重するように努めること、といった原則が既に書かれているところです。こうした方針に沿った対応が現場できちんとなされることが重要と思っております。

 また、難病患者等については今回新たに福祉サービスの対象として加わったことで、特に症状が変化するなどの難病の方の特性に配慮するようにという周知を、自治体向けの事務連絡や、自治体の方が集まった会議などで周知を図っており、今後も難病患者等の特性を踏まえたきめ細やかな対応について周知をしていきたいと思います。

資料1-13ページ、(3)の一番下に、○成果目標とあります。ここで、都道府県市町村は、基本指針の規定に沿ってそれぞれの成果目標を設定し、少なくとも年に1回はその進捗状況を分析・評価した上で、必要な対応を行う、としております。前回、「分析」という言葉が入っておりませんでしたが、法律の規定でも分析・評価となっています。この資料のほかの部分でもそう書いておりますので、ここはそのような全体の並びで直したところです。

4ページの最初の○活動指標で、若干文章を修正しています。中身自体は前回と趣旨を変えているわけではなく、より趣旨が明確に伝わるような形で修正したところです。この活動指標については、その確保状況の進捗を定期的に分析・評価する。(成果目標と合わせて、少なくとも1年に1回は行うとともに、より頻回に行うことが望ましい)ということです。国として、最低限行っていただきたいというラインについては1年に1回です。更に、自治体の御判断で、より頻回に行っていただくことが望ましいという趣旨を明確に書いたところです。

 その下の2つ目の*で、各活動指標は、次のような3つの種類に分けることができる、としています。その1つ目で、「成果目標と実質的に同じだが、より頻回に定期的な分析を行うことができるよう、活動指標としても位置付けられるもの」と書いていますが、もともとは、「より頻回に定期的な分析・評価を行うために」と書いていました。「ために」というと、頻回に行うことが義務というか、上のほうで「望ましい」と書いてある所と整合性を取るために、「ことができるよう」という書き方に修文しております。

5ページの真中から少し上の辺りで、成果目標と活動指標との関係ということで、ざっと記述があります。その1つ目の(2)1で、施設入所者の地域生活への移行についての成果目標、活動指標が枠囲いの中にあります。その下に矢印があり、「都道府県市町村」において、計画最終年度の成果目標、各年度ごとの活動指標をそれぞれ定める。成果目標及び活動指標については、少なくとも1年に1回中間評価を行い、必要があると認めるときは障害福祉計画の変更や事業の見直し等の措置を講じるものとする。更に、活動指標についてはより頻回に状況を確認し、達成見込を含めた分析・評価を行うことが望ましい。ということで、ここも先ほどと同じように、前回と趣旨を変えているわけではなく、PDCAサイクルに関する法律の条文なども参考にして、より趣旨が明確になるように修文したところです。

 次の*は書き加えたところです。前回において清原委員、湯崎委員から、PDCAサイクルをやっていく中で非常に事務負担が大変にならないように配慮してほしい旨の御意見があったところです。

 この点に関する記述で、活動指標についてはより頻回に、つまり年に1回よりも多くやることが望ましいと書いています。ただ、これも自治体の事務の負担増にならないように配慮してほしいということなのですが、実際に活動指標の分析・評価に使うデータについては、基本的には国保連が毎月自治体に提供しているデータの中で、障害福祉サービス等の利用実績が把握できますので、これを活用すればできるというような内容にしております。この頻回な活動指標の分析・評価が、自治体の多大な事務負担の増につながることはないものと考えているところです。

 やはり湯崎委員から、PDCAの関係で、成果目標を達成するために必ず財政負担の問題がある。状況も十分踏まえて、財政的な負担も配慮してほしいという御意見です。

 更に、PDCAに関して、「次年度の予算に反映させる」という表現が前回の資料ではあったわけですが、こういったことについて、国として何らかの財政的な支援を講じられるものと考えてよいかという財政負担についての御意見がありました。これについては、国においても、各地方自治体が計画達成できるような予算の確保に努力していきたいと考えているところです。各自治体においても、国の予算の状況や自治体の財政状況を踏まえ、自治体のPDCAサイクルでどのような見直しを行うのかといった判断をしていただくことになるのであろうと考えております。

6ページの2入院中の精神障害者の地域生活への移行のところです。成果目標としてabc3つ掲げております。3つ目の成果目標のところを、「在院期間1年以上の長期在院者の退院者数の増加」としておりましたが、今回、「長期在院者数の減少」と改めております。これについては、後ほど別の資料で詳しく説明申し上げます。

 その下の矢印と*のところは、1と同じ趣旨で直したものです。

7ページの3障害者の地域生活の支援の部分です。この部分の下の矢印のところも、12との並びで、同じ趣旨で修正したものです。

4福祉施設から一般就労への移行に関わる部分ですが、これも箱の下の矢印については、同様の趣旨での修正です。

 その下の*も、基本的には国保連のデータでということで一緒ですが、8ページの頭で、「及び労働局から提供されるデータ等活用」ということで、一般就労への移行の部分に関しては国保連データだけでなく、従来から都道府県労働局から自治体に関係データを提供しているところで、そういったものを活用していただくということです。

 次の活動指標の全体像については、「上記1から4並びに」と書いておりましたが、下の表の内容と平仄が合っておりませんでしたので、「障害福祉サービス」と直しております。

9ページの下のほうの3.(1)では、新しい指針では現行指針を踏襲した上で、次のような点を追記することとしたいということで、PDCAサイクル関係の記述の案を掲げているところです。これまで説明したとおり、前回の記述について、より趣旨が明確になるような修正をしております。

1点だけ内容を付け加えた点は、「成果目標及び活動指標については、少なくとも1年に1回その実績を把握し」の後ですが、「障害者施策や関連施策の動向も踏まえながら」ということで、自治体において成果目標、活動指標の分析・評価を行っていただく際には、計画を作った後で障害者施策や関連施策にいろいろな動きがあったときに、やはりそういった動向も踏まえて、検討していただくことが重要と考えますので、こういったフレーズを追加したところです。あとは、「必要があると認めているときは、計画の変更や事業の見直し等の措置を講じること」は、前の記述があったところと同じ内容です。

 その次の・が、「中間評価の際には、協議会や合議制の機関等の意見を聴くとともに、その結果について公表することが望ましい」、先ほど申し上げた内容を書いております。基本的に想定しているのは1年に1回、中間評価を行う際にということを考えております。活動指標については、より頻回に実績を把握し、設定した見込量の達成状況等の分析を行うことが望ましい、としています。

 次の(2)は、現行指針でも記載されており、今回も基本的に同様の形で記載したいことを列挙しております。一番最後に4として、各都道府県市町村の判断で定める内容を決めることができる事項として、例として「地域生活支援事業」を掲げております。

 地域支援事業に関して、前回、石野委員から、意思疎通支援事業など、様々な事業が組まれている、地域生活事業について、これは成果目標に含まれていないのかという御質問がありました。この地域生活支援事業については、御案内のとおり自治体の判断で、地域の実情に応じて柔軟に事業を実施するということなので、国が全国一律の考え方を示し、その事業について成果目標を定めるといったことは適当ではないのではないかということで、そうした形にはしておりません。ただし、地域生活支援事業については、これまでの基本指針においても、各年度における事業の種類ごとの実施に関する考え方、量の見込等について記載することにしており、今回も同様の記載をすることを考えているところです。資料1-1の関係については以上です。

 資料1-2について、担当課長から説明いたします。

 

○辺見障害福祉課長 

障害福祉課長です。資料1-2を御覧ください。まず、2の精神障害の関係を飛ばして1345を私から説明をさせていただきたいと思います。

1ページを御覧ください。修正部分を中心に説明させていただきます。1.第一、基本的事項に関するところの(2)です。こちらの障害者支援施設については、従来の基本指針においては定数などについての数に関する記載があったところですが、施設自体の役割とか方向性について記載したいところです。前回お示ししました案においては、質の向上の観点や地域との交流を記載していましたが、これまでの大きな議論も踏まえ、施設入所者の地域移行にも地域における関係機関との連携により取り組むこと自体も、当然この指針の考え方としての重要な事項と考え、追記をしたいところです。

2ページ、地域移行者数の目標値に関して、前回の資料ではペンディング「P」としていたところです。資料4にグラフを示しておりますので、併せて御参照ください。施設入所者の地域生活への移行に関しては、平成1710月の施設入所者数約146,000人ほどですが、これと比較して何パーセント地域生活に移行するかという形で、これまで目標を設定してきております。実績としては、平成24年度末で23.7%の方が地域生活移行になっており、平成26年度末には3割の地域生活への移行の達成となる見込です。

 こうしたことを踏まえ、今回の数値目標の設定にあたり、平成17年から平成24年度末までの平均的な伸び率の2.88%をベースとし、基準点は平成17年ではなく、平成25年度末をベースとし、より近いところに近付けた上で、これと比較し、平成29年度末時点で12%以上ということで設定したいということです。

 なお、先ほどの資料2ページに戻りますが、「P」としていた目標値を「12」に改めるとともに、その下の「ただし書き」のところは前回と同じで、各市町村都道府県において、現在の障害福祉計画で定めている平成26年度までのこれまでの目標が未達成の所と超えている所と、それぞれあると思います。未達成の所については、未達成部分も考慮した形で、この12%に加える形で、成果目標を設定することを基本としたいということです。

2施設入所者の削減率です。○の2つ目に数字があり、前回の資料ではPとしていたところです。先ほど同様、グラフのほう、資料44ページを御覧ください。こちらについても、従来の第三期計画までは基本となる数字は平成17101日時点としており、これをベースに何パーセント削減していくのかということで、目標を設定していました。実績としては、平成24年度末で8%減少ということで、おおむね目標に沿った形で進んできているところです。

 平成1710月からの平均削減率を計算しますと、「-1.1%」になります。平成25年度の数字から複利で平成29年度末まで計算しますと、4.3%と端数が出ますが、これを4%という形で目標値としたいということで、「P」を「4%」と変えたいというところです。こちらの目標値も、先ほどの地域移行と同様に、従来の計画において未達成である自治体においては、その未達成分も考慮した形で目標を設定していただきたいということです。

3の地域生活への移行に関する部分、9ページを御覧ください。修正部分はありません。御意見として、9ページの2.(2)地域生活の拠点ということについて、各市町村または各圏域に少なくとも1つということについて、佐藤委員から、より積極的な目標議論が必要という御意見をいただいているところです。指針の書きぶりとしては、少なくとも1つ以上の拠点ということですので、1つ以上作ることも含めての記載としております。実際には各市町村の実情もあると思いますので、そうしたことを踏まえ、御議論をしていただきたいと考えております。

 一方で、この指針の記載のみではなく、資料4の一番最後の7ページを御覧ください。既存の施設整備事業や地域生活支援事業なども組み合わせながら地域生活の拠点を整備する自治体について、支援できるように、このようなグループホームを拠点としたり、施設を拠点としたりした形で拠点を設ける場合、自治体もこれに対して緊急時の対応などで関与することを前提として、施設設備において優先的な採択を行うことも併せて示すことにより、支援をしていきたいと考えているところです。

11ページ、就労に関する部分です。こちらは基本的な考え方については修正はありません。

12ページで修正が入っておりますが、数値設定の考え方について、ちょっと分かりにくい部分がありましたので、直近の伸びを考慮しての設定であることが明確になるように書き直しております。

 この項目については阿由葉委員から、指針等の目標の取組に加えて、制度的な改善が必要だという御意見をいただいております。今回は指針の御議論ですので、今後報酬に関する検討、また就労の定着に関する検討なども行っていく必要があると思いますので、そうした中で検討を進めていきたいと考えております。

 支援の質の向上ということで14ページにまいります。内容的には修正はありません。

 橘委員から、虐待に関する取組について、強調してほしいという御意見をいただいております。全体的に指針に書かれているものの中で、強調はどういう表現がいいかというところですが、具体的な取組を示していくことが1つの形かと思います。

 前回もお示ししているところですが、(2)2にあるように、高齢者等の虐待防止との連携について記載するとか、上に遡りますが、研修の中で強度行動障害の支援者養成研修を実施することを書いております。これは虐待の防止にもつながると考えておりますので、こういったことを具体的に記載することにより取組を促していきたいと考えているところです。以上です。

 

○北島精神・障害保健課長 

続きまして精神障害保健課長北島です。5ページから説明を申し上げたいと思います。2のこの四角で囲ってある部分から、1の第一「基本的事項」において記載する事項については、前回の部会で説明いたしましたので省略いたします。

2の入院中の精神障害者の地域生活への移行の方向性等として、記載する事項の(1)成果目標について、新たに加筆した部分について説明いたします。

6ページを御覧ください。一番上の○、3つの成果目標の具体的な目標値は以下のとおりとする。1入院後3か月時点の退院率の上昇ということで、指針において、新たに入院する患者の早期退院を促進するため、急性期の患者に対し、手厚く密度の高い医療を提供するための機能を確保すること、とされている。これを踏まえ、全都道府県において、平成29年の調査時点、630調査ですが、これまでに入院後3か月の時点の退院率を、現在の上位5都道府県、これを以下(目標都道府県と言います)の平均値である64%以上とすることを成果目標とする。現状の全都道府県の平均値は58.4%となっております。なお、既に入院後3か月時点の退院率が64%以上達成している都道府県においては、その数値を維持または上昇させることを目標とすることもお聞きしたいと思います。

2ですが、入院後1年時点の退院率の上昇です。在院期間の長期化に伴い、社会復帰が難しくなることを踏まえ、在院期間が1年未満で退院できるよう、退院に向けた取組を行いつつ、必要な医療を提供する機能を確保することとしていることを指針に記載しております。これを踏まえて、全都道府県において、平成29年の調査時点までに、入院後1年時点の退院率を、目標都道府県の平均値である91%以上とすることを成果目標としたいと考えております。現在の平均値は87.7%となっております。これについても、既に目標を達成している都道府県においては、その数値を維持または上昇させることを目標としたいと思います。

3在院期間1年以上の長期在院者数の減少についてです。指針において、既に1年以上の入院をしている重度かつ慢性の患者以外の長期在院者に対して、退院支援や生活支援等を通じて地域移行を推進し、併せて状態像に合わせた医療を提供する機能を確保することとしております。

 指針の実現に向け、第4期障害福祉計画においては、全国都道府県のうち退院促進に関し実績を上げている都道府県における長期在院者数に関する指標を勘案し、1年以上の長期在院者数を減少させることを成果目標とする予定です。

 なお、これについても、既に実績を上げている都道府県においてはその実績を維持または向上することを目標としたいと思います。

8ページを御覧ください。7ページの下の3.「その他」の続きです。○の1つ目、成果目標達成のための方策についてです。成果目標達成に向けた地域の受け皿作りの在り方の方策については、別途検討することを予定しております。各都道府県はその検討結果を始めとする障害者施策や、関連施策の動向も踏まえながら、必要があると認めるときは障害福祉計画の変更や、事業の見直し等の措置を講じることとすることについても、記載をしました。変更点は以上です。

 

○阿萬地域生活支援推進室長 

引き続きまして、最後に、地域生活支援推進室長の阿萬です。6の計画相談支援、及び7の障害児支援について、簡潔に御説明を申し上げます。

 まず、資料1-215ページを御覧ください。前回の議論の中で、小澤委員から、基本相談の位置付け、その他基幹相談支援センターなどについて、御指摘がありました。基本相談については、市町村固有の事業として一般財源化されている部分もあり、その方向性などについては、この基本指針に書き込むことはなかなか難しいものと考えております。一方、基幹相談支援センター及び協議会については、その整備を進めることは御指摘のとおり重要と認識しておりますので、15ページの3に、それらについて追記の記述を行っているところです。相談支援事業所の樹立のため、必要な施策を確保していかなければならないこと。また、これらの取組を効果的に進めるに当たっては、基幹相談支援センターや、協議会を有効に活用することと追記をしているところです。

 また本條委員から、利用者の立場に立った相談支援を行うべきという御指摘もいただいております。これについては、総合支援法上はサービス提供などに当たり、利用者の立場に立って、効果的に行うよう事業者に義務付けされているところで、実際の計画に明示するところはなかなか難しいところはあると考えております。いずれにせよ、事業者に対する周知徹底などについては行っていく必要あるものと考えております。また、同じ障害を持っている方や家族などが相談支援を行う場合については、利用者の方が希望されれば、いわゆるセルフプラン、サービス等利用計画の形で作成することもできるようになっているところです。計画相談支援については、以上です。

 障害児支援の19ページを御覧ください。内容的な変更は全くしておりません。

20ページ、(3)1について、原案では表題が、「児童発達支援センター等」となっていましたが、この「等」は障害児入所施設のつもりで書いております。そこを明確化するために、「等」ではなく、「障害児入所施設」ということで、明記しております。

 その1行下についても、同じように、障害児入所施設と書いておりましたので、そのつもりでいたのですが、少し明確化を図ったということです。

 前回の議論では、藤堂委員から、障害児支援について教育との連携を進めるべきとの御指摘もいただいております。これについては、基本指針でも教育との連携を明示し、今後強化していきたいと考えているところです。

 また、前回報告しました障害児支援の在り方についての検討会も、来週131日に第1回を開催いたします。その中でも主要な論点として、検討をお願いしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。

 

○駒村部会長 

ありがとうございました。お手元の資料1-1と資料1-2が今日の中心になります。これから皆さんから御質疑、御意見を頂きたいと思いますが、少し整理させていただいて、まず前半部分で資料1-1及び資料1-213の部分について御意見、御発言を頂き、そこで1度事務局から御回答いただいた上で、また後半の47に行きたいと思います。したがって、資料1-1から資料1-2のうちの13について、御質疑があれば挙手いただきたいと思います。できましたら同じテーマでつながっていったほうが1セットになると思いますので、どこからでも結構ですが、御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○日野委員 

身体障害者施設協議会の日野です。前回発言できなかったので、今日は挙手をさせていただきました。まず、障害福祉計画に関わる基本指針の見直しで、資料1-21ページに記述がありますが、身体障害者施設協議会としては、これまでも障害の種別にかかわらず、全ての障害者が住みたい所あるいは暮らしたい地域で、自分が利用したいサービスを適切に利用できるような制度の仕組みを求めてきたわけです。

 国の基本指針の障害者支援施設についても、新しいところが盛り込まれておりますが、地域における関係機関との連携により、施設入所者の地域移行に取り組むことと併せて、できるだけ入所者の生活の質の向上を図る観点から、一層の小規模化、個室化を進めること、及び地域との交流が確保されるとともに、地域の障害者に対する支援を行うといった指針の方向性は、私どもの考え方と一致しておりますので、これについては一定の評価はしているところです。

 ただ、基本指針で施設入所者の地域移行等について、数値目標等が示されているわけですが、地域移行を進めるに当たって必要なのは、地域の福祉基盤の整備を図るとともに、生活できる収入がなければ、なかなか難しいと思います。そういった意味で所得保障の問題ですが、現行の障害基礎年金で地域移行の例はありますが、十分な生活ができないということも聞いておりますので、この部会で検討することではないかもしれませんが、この障害者部会を通じて関係部局に働き掛けを行っていただければと思っております。以上です。

 

○駒村部会長 

小澤委員、佐藤委員、菊池委員という順番でお願いします。

 

○小澤委員 

資料1-1に関してです。2ページで、1点目は要望です。1-12ページの下で、自己決定という言葉を使っているのですが、相互支援法の見直しや、その他と勘案すると意思決定と統一したほうがいのではないかということです。

 それから、3ページの記載の幾つかの指針に加えるべきこととして、実はニーズをベースに計画を作るので、ニーズ把握に関して、以前の総合福祉部会でも、かなり議論があったのですが、私としては真のニーズを把握するための調査設計の検討を行うと。これがないと、いつもニーズがちゃんと取れているのだろうかというのがよく分からないまま計画を作っているというのが2点目です。

 資料1-1に関しては10ページの地域生活支援事業の扱いに関してで、先ほど資料1-2の最後に計画相談の話が出ましたが、例えば相談支援にしても、地域活動支援センターにしても、福祉ホームにしても、基本的には国がやるべきことと、市町村がやるべきことが、数値目標も含めて連動しているので、こんなに簡単に切り分けはできないだろうということが3点目です。

 資料1-2に関しては前半のみですが、1点質問です。6ページの精神の取組に関してですが、これは成果目標の導入の仕方で、6ページの上のほうを見ますと、5都道府県を目標値に置いたと書いてあるのですが、一般的にそう考えた場合は、5都道府県はなぜこういう数値ができるのかということを分析し、その背景や理由を検討した上で示さないと、それぞれ都道府県の実状が違っていたとしたら、乱暴に目標設定はできないと思いますので、背景分析を行ってほしいという、ここだけです。以上です。

 

○佐藤委員 

数値目標のことについて意見を述べたいと思います。まず入所施設からの地域移行に関して、現在入所されている方の12%が地域移行できるようにするということで、それを受けて施設入所者は4%以上削減するということは、単純な引き算でいえば現状の8%に該当する人たちが新規に入所するという意味だろうと理解してよろしいのですね。多分そうなのだろうと思います。この数字が妥当かどうかを、このように書いてしまうと、それぞれの市町村あるいは地域において、この程度でいいのかという話にもなってしまうので、この数値については、先ほど小澤さんから根拠を示せという指摘がありましたが、示す必要があるのではないかと思います。

 もう一点は、精神の長期在院者数の減少についてですが、3か月時点の退院あるいは1年時点の退院については、パーセンテージとして明記されているのですが、長期在院者数の減少については数字がありません。今はそれがなかなかうまく進まないということですが、少なくとも2割の35万人に対して7万人の退院を促進するということと、在院者数を減らすということとが余り明確に切り分けられなくて今日に至っていると思います。この点について、もし考えられている数字があれば出していただきたいと思います。

 いずれにしても施設も入院している方も地域移行を確実なものにするためには、課題3の地域の状況を変える、地域生活支援のいろいろな意味での基盤整備をきちんとすることが大切なことは何度も申し上げたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長 

日野先生はどちらかというと、全体論の所得保障の話でしたので、部会として所得保障の話でしたので、部会として所得保障政策としてどう訴えるかという話だったと思いますが、小澤先生、佐藤先生からの御指摘は数字に関わる話で、ほかの委員で数字に関わる話と限定しますと。河崎委員と竹下委員に先に、そのあとまた続きますので、数字に関する話でしたら、端的に御指摘いただければと思います。先に河崎委員、それから竹下委員にお願いします。

 

○河崎委員 

日精協の河崎です。資料2-12入院中の精神障害者の地域生活への移行で少し質問いたします。

 前回お示しの分と今回変わっていますのは、3の在院期間1年以上の長期在院者数の部分で、前回は長期在院者の退院者数の増加だったのが、今回は長期在院者数の減少と変わっています。事務局的に意味合いがどのように違うということで、このような表現の変化になったのか。単純に考えますと、在院期間1年以上の長期在院者数の減少ということになってきますと、明らかに12の入院後3か月時点の退院率の上昇や入院後1年時点の退院率の上昇と関連してくるのかと思ったりもするところですので、ここをもう少し説明いただければと思います。

 それと入院3か月時点の退院率の上昇及び入院後1年時点の退院率の上昇のところですが、正しく小澤委員がおっしゃられたように、今回、上位5都道府県、つまり目標都道府県の平均値ということになっていますが、この平均値の取り方が、例えば630調査の数値を使っていると思いますが、単年度の数値をそのまま用いているのか、あるいは3か年なら3か年の数値を平均として用いているのか、その辺りの少し細かなことをお教え願えればと思います。以上です。

 

○駒村部分長 

竹下委員、数値に関わるところだと思いますので、お願いします。

 

○竹下委員 

数値の部分だけに限定します。佐藤委員の質問とほぼ重なるのですが、障害者施設からの地域移行のとろで12%の目標の設定、そのものには異論はありません。ただ、その場合に気になるのは、平成17年と25年との経緯を踏まえたときに、目標達成を平均23%よりも上については12%で矛盾はないと思います。ところが、平成1725年にかけての地域移行が平均よりずっと下回っている所も平成25年度の数字を基礎にして12%というのは、いかがなものかと思うので、この点の矛盾はどう解消するのかです。

 もう一点は、入所者の定数の4%削減が理解できないのです。そのままで行くのなら2つのことが考えられ、現在のまま満室が基本となっていれば12%削減すれば、そのまま空室になるのか、新たな入所者を迎えることが前提になっているのか。その場合は待機者がどれだけあるかが前提にならなければ、4%の削減目標に矛盾が生じるのではないかと思われるので、この点の説明をお願いします。以上です。

 

○駒村部会長 

ほかに数値に関わる話としてはありますか。今の数値の質問については事務局にまとめてお答えいただきます。菊池委員をお待せしましたので、菊池委員からお願いします。

 

○菊池委員 

全然違う視点で質問というか感想あるいはお願いに近いかもしれませんが、1つお聞きしたいことがあります。PDCAサイクルの導入に関してですが、医療法上の医療計画にも同趣旨の規定が置かれたかと思います。なぜPDCAかというと、政策の質の向上あるいは政策形成能力の向上などを狙いとしているもので、やはり時代の流れだろうと思います。今後、他の行政計画にも波及する可能性があると思います。どうなるか分かりませんが、地域福祉計画とか介護保険事業計画とか、それは基本的には望ましい面があると思います。

 なぜなら、こうした手法の導入というのは、利用者あるいは国民の側から、この政策形成過程を自主的に透明化してチェックできるという手法の1つであるわけです。最近の流れとしては、当事者参加というのが、かなり進んできましたが、このPDCAというのも、そのチェックする1つの手法になると思いますので、私は積極的に評価しているところです。

 そこで1つ、当局にお願いしたいのは、PDCAというのは政策評価と共通性を持っております。最近はどこの所管庁も政策評価をやらなければいけないことになっていますが、政策評価というのは必要性、効率性、公平性などの観点から、公費が適切に使われているかをチェックするものです。今回PDCAサイクルを導入することで、厚労省レベルでは基本指針の策定と全国的な取りまとめ、あるいは自治体のレベルではこのサイクルの導入をすることによって、国レベルと自治体レベルの双方で政策評価の取組の充実につなげるという視点を、是非視野に入れていただきたいとお願いしたいと思います。

1点質問というか確認ですが、最初に述べましたように、医療法上の医療計画に同趣旨の規定が置かれたこととの関係で、医療計画との関係は資料1-23を超えてしまいますが、8ページで医療計画との関係が書かれております。これはこれでいいのだろうと思いますが、もし両方の新しい手法を導入したこととの関連で、何か関連性を持たせる、あるいは有機的に関連があれば、1-28ページ辺りに「関連施策の動向も踏まえながら」と書いているので、これでいいかとは思いますが、もし何か新しい手法を導入したという限りで何かがあれば、そこを少し書くという手はあるのかなと思います。そこは確認させていただきたいと思います。

 

○駒村部会長 

ほかの委員はいかがですか。伊藤参考人お願いします。

 

○伊藤()参考人 

全国市長会の清原三鷹市長の代理で出席しております参考人の伊藤です。活動指標の分析評価の頻度について、前回は、「四半期ごと」という表現でしたが、「より頻回に」ということに改めていただきました。また、先ほどちょっと気になったところは、冒頭の御説明の中で、例えば国保連のデータを使えば事務負担はないというお話でしたが、発言の意図としては、分析評価の必要性は認識しておりますが、「四半期ごと」と言いますと3か月に1度ですから、結果を分析・評価して、それを事業に反映するには「四半期ごと」というのは期間として短いのではないか。そもそも事務負担と申しましたのはそのような意図ですので、そこはそのように御理解いただければと思います。修正文案としては「より頻回に」という表現でよろしいかと思います。

 もう一点、次年度の予算等に反映させるという部分です。これは評価結果の反映のところですが、この点については財政的な負担についても、先ほど「国も予算の確保に努力する」という表現だったでしょうか、そういった御発言もありました。繰り返しになるところはありますが、事業をするに当たって、給付費も増えていますし、地域生活支援事業も充実させなければならない。そういう中で自治体の財政負担も増えておりますので、是非、この点は重ねてお願いしたいと思います。

 

 

○駒村部会長 

ほかの委員はいかがですか。大濱委員、玉木委員、黒飛参考人の順番で、大濱委員からお願いします。

 

○大濱委員 

精神障害者に関する論点で前回からの確認ですが、病棟転換型居住系施設について、また1年間検討するとお聞きしました。これに対して、この議論に精神障害者の委員を増やすべきだと要望しましたが、これについて具体的に検討されているのか、当事者委員を増やす方向で来年度は考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。

 あと、基本指針での施設入所者の地域移行について、これまでの実績は都道府県で相当ばらつきがあるという辺見課長からのご説明でした。そうなると、施設の数が多いにもかかわらず、入所者数がなかなか減っていない地域もあると思います。これについて、国から都道府県に対して、もっと目標値を上げなさいとか、もっと実績を出しなさいとか、そういう働き掛けを行う予定はないのか。それと同時に、都道府県又は市町村ごとの実績の分析は行っていないのか。その2点をお願いします。

 

 

○玉木委員 

日本相談支援専門員協会の玉木です。資料1-23の障害者の地域生活支援の2番の地域生活支援の機能強化のための体制整備ですが、資料4の最後に出ている拠点施設整備に対するモデルは具体的に書かれていると思います。(1)2番目のポツで、拠点だけではなく、面的な機能整備によることも可能であると書いてあるのですが、拠点施設整備も出るだけを提示すると、県とか市町村に拠点をまず作ればいいだろうみたいな発想にも陥りやすいかと思うので、1つは面的な機能整備というのはどういうことを指すのかを、具体的な例示をもって提示していただけると、もっと分かりやすくなるのではないか。

10ページには、それぞれ市町村の計画と、県の計画と連携しながらと書いてあるのですが、これも先ほどのところに書かれているように、圏域又は市町村ごとに整備をするとなってくると、ちょっと乱暴な言い方をすると、責任の擦り合いで、県は市町村が勝手にやってくださいと言ってしまうし、市町村は、うちは基本が弱いから、県が率先してやってくださいということも言いかねないので、その辺の県とか市の計画との連動性をもう少し具体化していただけると有り難いかなと思います。

 

○黒飛参考人 

参考人として出席しております黒飛です。全国知事会の立場で何点か意見を述べさせていただきます。1点目、2点目については、PDCAサイクルの導入に係るものです。前回市長会、知事会の委員からいろいろ御意見が出た結果、今回のような言い回しで修正されたというお話がありました。趣旨は変わらないが、文面の修正をしましたということでしたので、ちょっと念押し的になるかと思いますが、意見的なものを述べさせていただきます。

1 点目はPDCAサイクル導入に伴う活動指標による確認・分析の頻度についてです。成果目標と活動指標が実質的に同じもの、例えば成果目標が施設入所者の削減での活動指標が施設入所支援の利用者数というものであれば、都道府県としても年に頻回に成果目標の達成に向けての進捗状況を確認することは可能かと思っております。ただ、成果目標の数値を勘案して、活動指標として見込み値を立てるものとか、日中活動系サービスの中で成果目標との密接な関係がなく、全体的な基盤整備の方向性に沿って拡充の方向で見込み値を立てるものについては市町村において個別に内容を検討・確認した上で、都道府県で集計することになります。

 活動指標の分析・評価は国保連から提供されるデータを活用するとしています。ほとんどこういったデータは活用できると思いますが、一部については国保連データを活用できない,例えば福祉施設からの一般就労への移行での活動指標である就労移行事業所等からの一般就労への移行者数については、移行事業所等に照会し報告を求めなければいけないということもあります。活動指標が多岐にわたっておりますし、頻回に評価・分析を行うことを基本指針とされますと、評価・分析に時間を使い,各地方自治体において障害福祉施策の推進や成果目標の達成に向けた取組を進めるマンパワーの面で支障が出てくるのではないかという危惧を持っております。そのため、活動指標の分析・評価の頻度については、こうしたことを踏まえたものになりますよう、御検討、御配慮いただきたいということが1点です。

2点目は国の財政的な支援についてです。成果目標に施設から、又は精神科病院からの地域生活への移行、地域生活支援拠点等の整備が掲げられております。次期基本計画期間ではこれまで以上にグループホームや短期入所のための施設整備が見込まれると思われます。国が設定された成果目標の達成に向けて地方自治体が必要な施策を実施するものであることから、国におかれても、例えば全国で計画される施設整備等への取組に要する補助金等、地方自治体に対して十分な財源的な措置が講じられるよう、予算確保に努めていただきたいというのが2点目です。

3点目は障害者の地域生活の支援に関しての質問です。成果目標として障害者の地域生活を支援する機能、例示として相談、体験の機会・場、緊急時の受入れ・対応、専門性、地域の体制づくりなどの集約等を行って拠点化するとあります。更に平成29年度末までに各市町村又は各圏域に少なくとも1個の拠点を作っていくという目標を掲げています。

 前回の部会の資料、今回の部会でも資料としてイメージ図がありますが、都道府県として具体的に何を指すのか、若干イメージが湧きづらいかなという声が上がっています。都道府県と市町村が協議の上で拠点等の整備に関する具体的な計画を定めるとされていることから、例示された機能、例えば相談については、既存の委託相談や指定相談支援事業所との役割分担、専門性については何を求められるのか、具体的な要件、地域の体制づくりについては既存の協議会等との関係等々、拠点の詳細の姿がイメージできなければ市町村と協議に入れないのかということも考えられます。

 更に、現状において、相談支援事業などのマンパワーが非常に不足しております。障害者自立支援特別対策基金も廃止されたところですし、整備や運営に要する費用の助成制度が今後どうなるのか。そういう中で24時間相談受付、体験機会の提供、緊急時受入れ機能を有する拠点整備を推進していくということは、なかなか容易ではないのではないかと思っています。この拠点の整備や運営に対する補助等、国の財政的支援をどう考えているのかといったことも伺いたいと思います。

 最後に、重度障害者に対するサービス提供量の確保につながる何らかのインセンティブが働く制度設計についての要望です。重度の身体障害者や重度行動障害を有する知的障害者等に対するグループホームや日中支援サービスの確保では,施設整備に係る法人負担や医療ケア、日中・夜間支援体制の確保のための人的負担が大きいとよく言われており、提供量がなかなか増えない状況があります。地域生活への移行の受け皿を大幅に整備することとなる次期計画期間においても、重度障害者に係るサービス提供量の確保は大きな課題であり,全国的な見地から何らかの誘導策、整備に関する誘導策が必要ではないかと思います。

 そこで要望になりますが、例えば次期報酬改定において、これらのサービス基盤の整備の推進につながるインセンティブが働くような改定となるようお願いしたいと思います。これは別途の機会に検討していただくこととなると思いますが、よろしくお願いします。以上です。

 

○駒村部会長 

前半部分に関しては、一当りしたという感じでよろしいでしょうか。

 

○竹下委員 

点字の資料の数字の付け方が、皆さんの言っているのと全く違っていたので、混乱して質問が今になることをお許し願います。PDCAそのものはいいし、かつ私の前回の質問に対する答えとして分析・評価のところで「多面的」という言葉で説明されたことについては了解です。その場合における多面的というのは、正に障害の種類だったり、程度だったり、地域の実状を考慮した分析がされたうえでの評価がされると受け止めていいのかどうかが1点目です。

2点目は、分析・評価について合議体あるいは協議機関を通じてと言われているわけですが、これまでも分析・評価がされてきているわけですが、それらが十分我々に見えてこない。それは先ほどの質問にも重なるかと思いますが、どういう人たちがそれを評価しているのかということに関わってくるだろうと思います。その点で、当事者ないし当事者団体の参加した所での分析・評価が、現に市町村、自治体において行われているのかについて、質問させていただきます。

 

○駒村部会長 

前半部分について、いろいろ御意見がありましたので、事務局からお答えいただたいと思います。

 

○辺見障害福祉課長 

それでは、担当分野ごとになるかと思いますが、お答えいたします。まず目標数値に係るところです。竹下委員から御指摘のあった4%なり12%なりと全国的に設定した上で、一方、平成26年度第3期までの実績が従来の目標値を下回るような場合については、下回った状態から4%、若しくは12%ということでよいのかという御指摘です。この点については我々も検討事項だと思っておりまして、資料1-22ページの3段落目と、2の下にある施設入所者の削減率の3つ目の○は両方とも同じ趣旨ですが、従来の計画において目標が達成できていない場合には、そこの部分を加味した形で、更にまた4%なり12%を考慮した目標設定をしてほしいと記載していますのは、正に委員御指摘の問題意識からの記載と受け止めていただければと思います。

 次に佐藤委員から御指摘があった12%の地域移行に対して4%の定員削減で、差し引き8%の入所者があると考えるべきかということについてですが、実際は地域移行及び定数の削減それぞれの要因があります。この数字は単純に差し引きして入所者が出るということではなくて、多少分かりやすく申し上げると、例えば死亡する方もおられますし、病院等に行かれる方もおられます。死亡される方は、最近の統計では、年間2,000人ぐらい、別の施設にという方も1,0002,000人ぐらいの間で推移します。そうした方と地域移行の方が対象で、定員との差額分で新規入所分ということになろうかと思います。

 そうした状況について、多いのか少ないのかという評価もあるかと思います。竹下委員から御指摘がありましたように、待機者について精査をする必要があるのではないかということも1つのポイントかと思いますが、待機者自体を把握するデータが必ずしもないので、1つの切り口として資料45ページと6ページに、現在の施設入所者の年齢構成とか程度区分の推移を記載しております。若干申し訳ないのが平成24年の前後で施設体系が変わっていたりして、程度区分の扱いなどに問題がありますので、本当はもう少し長期で取れるといいのですが、同じ土俵での比較は、平成244月からだと思っています。その1つ前の平成234月から取っておりますが、年齢においては65歳以上の方が占める割合が15%から18%に上昇し、区分に関しても、平成23年度4月以降では区分6の方が増える形で、年齢と重度化については、このような状況になっています。基本的に4%、12%というこれまでのトレンドをベースにした目標設定ですので、同様の形で進めていくということで、状況を見ながら、次のサイクルの段階では考える必要もあるかと思いますが、これまでのトレンドをベースとした目標設定が適当ではないかと考えています。

 玉木委員と黒飛参考人からの御指摘は若干共通する部分があるかと思います。拠点整備について、具体的な例示を、若しくはその地域に求められる機能について、より具体的な内容をということです。基本的には指針段階では、重要性のところで大切なことをポイントとして押さえつつ、それ以上の枠を余りきつく締めてしまうと、同じような形のものになる一方で、地域の実状にはそぐわないといったことも出てくるかと思いますので、ポイントを押さえつつ、地域での議論を促すような形を考えております。

 しかしながら、どういう形がいいのかについて議論する上で、モデル的なものも必要だという御意見もあろうかと思います。これは今後、この指針の方向性でよいということであれば、そういったことも踏まえてモデル的なものを、各地でお伺いしながら示していくことも考えたいと思っています。

 玉木委員から御指摘があった県と市との位置付けですが、資料1-210ページの市町村計画における整備と、都道府県における整備の書き方です。ここは趣旨として必ずしも通じないところがあるのかもしれませんが、基本的には市町村において整備をしていただくと。都道府県の役割としてはそれに対して必要な支援を行うということで書いてありますので、なすり付け合いがないようにしなければいけないという御主張は、ごもっともですので、私どもはこういったことを説明する際にしっかりと考えながら行っていきたいと思っております。

 あとは黒飛参考人から、こうした体制づくりに当たっての予算面や報酬面の御指摘がありました。報酬面の話に関しては、平成27年度の報酬改定がありますので、これからまた実状を踏まえた検討をしていきたいと思っております。

 一方、予算面に関しては、ハードの整備としての施設整備の側面と、人材の確保等は運営に係る予算のところがあるかと思います。ここ数年、毎年1割ぐらいの国の予算が障害福祉サービス費用としてアップしております。都道府県、市町村においても同じ割合で増えてきていることもあろうかと思いますので、こうしたところを、いかに有効に活用していくのかという観点からも、しっかりと地域の実状を把握した形で機能を付けていくことが必要かと考えています。以上です。

 

○北島精神・障害保健課長 

それでは、精神の部分についてお答えします。まず、小澤委員から、5都道府県を使用したことの背景分析を行ってほしいという御意見でした。この上位になっている都道府県の取組などを、これからこの目標を実行していく上でも、この取組、背景分析を行うことは、大変重要なことだと考えております。上位5県を使うという手法については、これまでの指針の策定においても、こういった手法を使わせていただいており、退院率等については47都道府県、大変格差が大きいということで、上位5県を使うというのは、その他の県にとっては大変厳しい指標になっています。そういうことで背景分析を行いながら、この厳しい指標ですが、上位の頑張っている県の数字を使っていきたいと考えています。

 長期在院者数の減少について、佐藤委員から、今考えている数字があるのかという御質問については、1年以上の在院者の退院率の実績等を踏まえて数字を積算していきたいと考えています。

 河崎委員から、長期退院者数の減少という表現を使ったのはなぜかという御指摘がありました。退院者数を増加させても、また新たに1年以上の在院に移行してくる人が増えてしまうと、地域移行が進んだと言えないという面もありますので、1年未満の退院率が影響する点は御指摘のとおりですが、全体として地域に移行する方が増えるようにという観点から在院者数の減少を目標にしてはどうかという提案です。それから、上位5県の平均値の取り方は、平成21年度から平成23年度の平均値を使っています。

 菊池委員からの御指摘は医療計画との関係等です。現在、医政局で地域医療ビジョンの策定も視野に入れていると聞いておりまして、精神障害者に対する医療も他の医療と同様に、こういった大きな流れを踏まえながら、今後検討してまいりたいと考えております。この地域医療ビジョンや医療計画については、今後の大きな要素となってまいりますので、8ページにある記載のとおり、こういった状況を踏まえて都道府県で見直しを行っていただければと考えております。

 大濱委員の居住系の施設の検討に障害者の委員を増やすことを考えているのかという御指摘ですが、検討の体制については、まだ具体的な検討に入っておらず、今はお答えできません。指針の検討会においては、医療の指針の検討会の下で開催するということで、構成員の皆様にはお伝えしているところです。私からは以上です。

 

○駒村部会長 

事務局から追加があますか。

 

○井上企画課長 

まず小澤委員から、自己決定という文言について、意思決定と統一したほうがいいのではないかという御指摘でした。自己決定という言葉は、大臣の告示の中で、一種の法令用語として使われているものですので、これを見直すためにはそれなりの理由とか、ほかのれ法令でもそういう言葉が定着しているとか、そういった状況を踏まえる必要があると思います。今、変えるのは難しいかなと思っておりますが、告示案をこれから作成していく中で、そういったことも含めて検討させていただきたいと思います。

 自治体のニーズ把握のための調査設計についての御意見が小澤委員からありましたが、これに関しては、今年度の国の委託事業でPDCAサイクルのマニュアルづくりというか、今でもある程度PDCAサイクルは頑張っている自治体が幾つかありますので、そういった事例を集めて、できるだけ普遍化した形で、自治体に参考にしていただけるようなものを作る取組をしております。そうした中で、ニーズ把握の仕方についても、こういうやり方があるのではないかとか、自治体の参考になるものをお示しすることができればと、現在検討しているところです。

 地域生活支援事業について、国がやることと市町村がやることが連動しているので切り離せないということで、国でもう少し明確に示したほうがいいのではないかという御意見も頂きましたが、地活事業については法律上も各自治体が地域の実状に応じて柔軟に実施する事業として位置付けられておりまして、国のほうで全て統一的な方針を示してやっていくのはなかなか難しいかと思っております。ただ、そうした中でも、今日の説明でも申し上げましたが、事業の種類ごとの実施に関する考え方とか、量の見込み等について記載するようにという考え方は基本指針の中に示していくようにしたいと考えております。

 黒飛参考人から頂いた御意見ですが、PDCAサイクルの関係で、中には国保連からのデータが活用できないような事業などもあるのではないかと。頻回に評価・分析と言っても、なかなかマンパワー的に難しい面もあるということでしたが、私どもとしては成果目標、活動指標を調査し、評価・分析については、まず年に1回はやっていただきたいと。これは自治体で予算の検討をするタイミングなどの中で、年に1回そういった検討をすることは可能ではないかと思っていますが、それ以上の頻回の部分については、飽くまで頻回に行うことが望ましいということでして、それぞれの自治体の事情も踏まえながら、またそういうデータがどのように取れるかとか、そういった事情も踏まえながら、それぞれの自治体でどうするかということです。最低ラインとしては年に1回やっていただきたい。2回以上やるかどうか、どのぐらいやるかに関しては、それぞれの自治体が実状に応じて判断していただきたいという書きぶりにしておりますので、自治体に過度な事務負担を負わせようという内容にはなっていないものと考えております。

 国の財政的な支援については、先ほど申し上げましたが、各自治体の目標達成に必要な予算の確保に向けて、毎年度の予算編成、補正予算とか、そういうタイミングが合えば、そういうことも含めて、いろいろな形で努力していきたいと考えております。

 竹下委員からの御質問に関してです。PDCAサイクルの分析・評価で、多面的な分析・評価について、その中には障害種別ごとの状況とか地域の実状なども入るのかという話でしたが、これは当然成果目標とか活動指標の数字が数字的に達成できているかということのみならず、多面的にという中には、そういったことも当然分析・評価対象として入り得るものだと考えております。

 合議体とか協議機関について十分見えていないという話がありましたが、特に協議会については、障害者総合支援法の中で置くように努めなければならないと書いてあって、構成員として、その中に障害者及びその家族も関係団体、関係機関と併せて書かれています。実際に都道府県については、全ての都道府県にそのような協議会が設けられています。市町村レベルですと95%の市町村で設けられているということで、100%にはなっていないのですが、ほとんどの市町村で設置されているという状況です。

 どのぐらいの頻度で、どういう内容の検討が行われているかというところまでは国レベルで詳細に把握できていませんが、設置状況はそのような状況になっており、我々としても、こういう協議会の場での関係者を交えての検討が深められていくことが重要と考えております。以上です。

 

○駒村部会長 

また時間が危なくなっておりますが、まだ資料1-2の後半部分が残っております。一当り、一応の御回答はあったと思うのですが、上位5県の話については、このことによってハードルは高いわけだということです。ただ、そのばらつきの分析については、今後の課題ということで進めさせていただきます。時間もないので、大変申し訳ありませんが、後半の資料1-247について御議論を進めさせていただきます。

 

○阿由葉委員 

4 の福祉施設から一般就労への移行について、先ほど辺見障害福祉課長から今後は定着に関する検討を進めるというお話を頂きましたので、私どもの考えをお話したいと思います。

 一般就労への移行者の割合や、事業所ごとの就労移行率の増加に係る成果目標については、ただ一般就労に移行させて数値をクリアすれば良いということではないのは当然だと思います。一般就労してもすぐに退職してしまう、特定求職者雇用開発助成金の支給対象期間である2年を過ぎたら退職者が急増するといったような状況があり、就職後の定着が十分に果たされていないことに大きな問題があります。

 本来であれば、就職後の定着率に係る成果目標こそが盛り込まれるべきではないでしょうか。しかし、実態が十分に把握されていないという状況がありますので、一般就労移行後の定着者数について、例えば1年後、2年後、5年後の定着者数といったものを活動指標の中に盛り込むなどし、実態把握を進めていただきたいと思います。また、基本指針のPDCAサイクルを回す中でも、しっかりと検証していただきたいと思います。

 第3次障害者基本計画の中でも、ジョブコーチ支援終了後の定着率を80%以上にすることが目標値で示されておりますので、非常に重要な点ではないかと思います。厚労省の平成24年度障害者総合福祉推進事業の調査結果を見ますと、精神障害者の定着率は、時間の経過によって下っていくということで、就職6年後には約20%という数値も示されています。精神障害者の定着支援について困難さが伴うことが分かる数値であるとともに、一般就労への移行のみではなく就職後の定着にこそ力を注ぐことが必要であることを示す良い例ではないかと思います。

あわせて、成果目標の達成状況の把握だけではなく、現行の運用を含めた施策の充実を進めていただく中で、特に現行制度における定着のための基準期間である6か月を、更に延長していただくのが良いのではないかと考えます。また、定着支援に専念できる職員を配置できるような配置基準、報酬体系の見直し等を考えていくべきではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○石原委員 

全国就労移行支援事業所連絡協議会の石原です。今、御発言された点とダブるところがあるかも分かりません。4の福祉施設から一般就労への移行の部分です。前回から意見書の形で、皆様方のお手元に配布されております。本日提起された御提案も、こういった意見書の趣旨を受け止めていただいていると理解しており、感謝申し上げたいと思います。

 福祉施設から一般就労への移行については、共生社会実現のための重要な成果目標と認識しております。特に平成30年度の法定雇用率の算定基礎の対象に、精神障害者が加わることを踏まえれば、一般就労への移行を成果目標として設定することは極めて意義のあることと思います。しかし、これも先ほど辺見課長からコメントがありましたが、それに関連して、具体的な支援策が伴わなければ、目標、指標の設定の意味が失われると思います。現在、事業所数や利用者数の増加に伴って、事業所間の格差や、サービス内容の適正化が課題となっております。PDCAサイクルが導入される障害福祉計画におきましても、設定した指標の達成にしっかりとした内実を与えるため、予算配分や制度運用の評価と見直しも従前に行っていただきたいと思います。

 もう1点は、活動指標におきまして、いわゆる福祉領域のものと、労働領域のものが含まれているように、今日、福祉と労働の連携はより強化されるべきという声が現場から強く上がっております。障害者総合支援法と雇用促進法のそれぞれの事業の連携を一層図っていただいて、計画達成に向けてアクセルを踏んでいただきたいということを申し上げて、私の発言といたします。ありがとうございました。

 

○玉木委員 

15 ページの6の計画相談支援のことですが、御説明いただいたように、地域生活支援事業における相談支援事業が一般財源化されたということで、具体的な提示は難しい中で、基本的事項を提示していただいていることは有り難いことかと思います。

 その中でも、1-(1)2「地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを設置することが望ましいこと」という記述については、やはり、まだ基幹相談支援センターという看板を上げればいいみたいな風潮も一部あって、基幹相談支援センターが、いわゆる計画相談を進めていこうとしているところも、若干見えてくる中で、基幹相談支援センターは地域生活支援事業の相談支援事業を強化するという位置付けをもう少し明確に打ち出していただいたほうがいいのではないか。いわゆる地域生活支援事業における相談支援事業が強化されることによって、計画相談も、指定特定相談支援事業所がやっていけるということを私は考えています。その辺のことは少し強めに書いていただけると有り難いと思います。以上です。

 

○本條委員 

みんなねっとの精神の家族会の本條です。関連して、15ページについてお話したいと思います。計画相談支援123では、障害者及びその家族と当事者の参画が言われております。これ自体は非常に参与を示すところですが、協議会等におけるものは、障害福祉計画に変更とか、そういうものに関する議論が中心になると思われます。しかし、障害者、また家族等にとって大事なことは、一人一人異なる本人固有の利用計画であり、サービス提供事業者が作成するであろう個別支援計画、あるいは実際の個別支援ではないかと思われます。そこに御本人の意向はもとより、同じ体系を有するピュアサポーターや障害者支援相談員への関与が必要ではないかと思っております。なお、障害者相談員制度については、精神障害者だけ相談員制度がありませんので、その検討もお願いしたいと思います。

 もう1点、2ページの「基本的理念」の下から3行目、「社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念、その他一切のものの除去に資することを旨とする」と「基本理念」にうたっているように、やはり、障害というものは個人因子だけではなく、環境も大きく左右されるのではないか。そういうものが少し欠けているようにも思います。

 例えば観念を社会通念といいますか、社会常識の意識を変えていくものはやはり教育ではないかと思いますので、その辺も今回の指針はどうこうとは言いませんが、今後に向けて御検討を頂きたいと思っております。以上です。

 

○駒村部会長 

この後半部分について、ほかの委員からいかがでしょうか。

 

○伊藤委員 

16 ページ、折角この協議会での連携のところで、医療機関とか保健所との連携、発達障害者支援センターとの連携と書いてあるのであれば、もう1つ、今はまだ法律ではありませんので、任意の設置ですが、各都道府県にある難病相談支援センターも連携の中に入るのかどうかお聞きしておきたいと思います。

 就労についての相談については、ハローワークから、今年度はまだ15県ですが、難病就職サポーターを配置することになっており、いずれ全県にということです。就労関係でも難病に関しては、難病就職サポーターとの連携もあるかと。いちいちそういうものを書くかどうかというのはあるのですが、折角ここに書いてあるので、そのことについてお聞きしました。

 例えば発達に関して言えば、障害者の雇用開発助成金についても、発達と難病を併せて「発難金」という、とんでもない略語でハローワークでは言っております。そんなところもあるわけですから、是非同等に取り上げていただきたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長 

ほかの委員からはいかがでしょうか。よろしいですか。先ほど事務局から数値について御説明があったわけですが、これは限定的ですが、事務局の説明について何かありましたらお願いします。先ほど数値に対してお話があったのは河崎委員、小澤委員、佐藤委員だったかと思いますが、もしあれば、ここに一緒に加えて御質問を頂ければと思います。河崎委員、お願いします。

 

○河崎委員 

先ほどの精神のところの数値目標の平成21年~平成23年で平均値を取ってということはよく理解させていただきました。

 多分、小澤委員がおっしゃった背景分析の件に関しては、特に1入院後3か月時点の退院率の上昇等については、この部分と退院率の上昇と直接各活動指標の間に、どういう関係があるのか、しっかりと分析をしておいていただかないと、各都道府県で活動指標を設定していくときに、そのことが余り関係なく3か月時点の退院率が非常に高いという県があるやも分かりません。そういう部分で、徐々に背景分析をしていくことになるのだろうとは思いますが、できるだけ速やかにその辺りの検討も同時に、並行的にやっていただきたい。そういうことをお願いしたいと思います。

 

○小澤委員 

数字でない部分の回答も頂いたのですが、私は意外だったのが、例の自己決定の言葉の変更が、それなりに困難であると。そうなってくると、障害者総合支援法が、はっきり言いますと、3年間かけて検討する事項ということで、「意思決定支援の在り方」と書いてあるので、それはどうされるのか、よく分からない話でした。

 もう1点は、先ほどのPDCAサイクルでモデル的な自治体に、既にある種のモデルを抽出するということですが、それは早めに頂きたい。というのは、私も幾つか市町村に関わっているのですが、これからニーズ調査を始めますという相談を受けているのです。そうすると、モデル的な所のノウハウを使わせていただきたいというのが思っていることです。以上です。

 

○佐藤委員 

先ほど数字のことで説明を頂きましたが、私はうっかり、全体として高齢化が進んでいるわけですから、これから亡くなる方がどんどん増えてくるだろうと。これは余り進まないかもしれませんが、例えば特養などへの施設が変わるなどを入れると、それだけで4%というのは非常に消極的な数字のようにしか思えないという感想を持ちました。

 亡くなる方も、平成25年度末から平成29年度末まで入れれば、これは不謹慎な話ですが、恐らく1万人ぐらいにはなるだろうと思います。それは、13万人の中で言うと、それこそ4%と言ってもいいのではないかと思いますが、印象としてはそういうことを改めて感じて、数字を掲げるならば、もう少し積極的な数字を掲げるべきではないかと思います。以上です。

 

○駒村部会長 

それでは事務局から、今の後半に関わるところを中心にして、追加の点についても結構ですが、まず、網羅的に御回答を頂ければと思います。お願いします。

 

○辺見障害福祉課長 

まず、就労関係については、阿由羽委員、石原委員から御指摘を頂いたところです。阿由羽委員御指摘のように、定着の必要性というものは異論がないところです。

 一方において、その後3年間の計画のための指針という位置付けもありますので、平成18年に就労移行支援ができてから、取組が徐々に進んできている現状を踏まえて、次の3年間でどうしていくかという中で、まず今回の指針の中では、就労移行について数的に増やしつつ、質も上げていくことが、この3年間の重要なところかと思っております。

 より長期的な支援を考えたときに、定着の支援が重要であるということについては、基本的には異論はありませんが、そういったような観点からの設定ということです。

 一方、5年周期の定着となった場合は、なかなか5年間のデータの取り方というのは、事業者若しくは利用者本人の協力等も、体制づくりなども必要ですので、課題としては受け止めさせていただきますが、現時点では難しいところかと思っております。いずれにしても、病院からも御指摘があったような、様々な施策面での工夫が必要ということについては消極的行為だと思いますので考えていきたいと思います。

 佐藤委員から御指摘があった4%の評価については、従来、ここ1年と現在に至るまでのトレンドと、基本的には同じトレンドでもっておりますので、自立支援法施行以降、現在に至るまでの取組について、これがどのような評価がされるのかというのは、それぞれ立場があろうかと思います。ただ、実際には現に施設に入所されている方をグループホーム、若しくはアパート等の地域生活ということで促しながら、地域生活を拡大していったということと、これまでのトレンドと同じということは、最低言えると考えております。

 さらに竹下委員からのお話も同じように、取組が少し遅れているところについては上乗せということも考えておりますので、評価の仕方は様々ですが、必ずしも消極的ではないかなと思いながら設定させていただいております。私からは以上です。

 

○北島精神・障害保健課長 

河崎委員から、入院後3か月の退院率と活動指標との関連性については、これから精神障害者の地域生活の移行に向けた地域の受皿づくりというところを検討していく予定ですので、こういった関連性や分析は大変重要だと考えております。私どもとしても、頑張っている都道府県の背景分析などについても実施していきたいと考えております。

 

○阿萬地域生活支援推進室長 

それでは、計画相談の関係で頂いたコメントについて少しお話をいたします。まず玉木委員から御指摘のあった、基本相談をきちんと重視すべきであるということ。そして、基幹相談支援センター、協議会などについても、特に基幹相談支援センターを形式的に作ればいいという風潮があるという御指摘もありました。何のために基幹相談支援センターなどを作る必要があるのかということについては、我々も形式的に作ればいいということではなく、やはり地域の中で関係者の方々がネットワークを作って、地域の障害者の方を支援していくというところを、まずきちんとやるために基幹相談支援センターが必要であるという認識は十分持っております。

 具体的な指針の最終的な文面の中で、それがどれだけもう少し強調できるかということについては、少し検討させていただければと思います。本條委員から、協議会の役割とピュアカウンセリングなどについての御指摘がありました。協議会そのものについては、協議会の総会的なところは、確かに計画について審議するとか、そういうことが大きな業務にはなろうかと思います。実際には、協議会の下で、例えばいろいろ部会を設置するとか、後は特に力を入れてやっている所になりますと、その下に個別の援助に関する会合を持つとか、そういう形で協議会の下で個別のケース、または個々の課題に対応する形での検討をするという所もかなりあります。正にそういう関係者の方々が、地域でネットワークを作っていくと、そこのコアになる所が個別事例に対する対応なども含めて、協議会がコアになる所だと思っております。

 先ほど玉木委員からの御指摘も同じことになりますが、設置を進めなければいけない趣旨について、もう少し強調できるところがあるかどうか検討していきたいと思います。伊藤委員から、難病相談支援センターの関係については、実際に個別の地域の事例では、それぞれ相談支援専門員がいる事業所と難病相談支援センターが連携しているケースもありますし、御指摘のところについては、文言をどうするかという話はありますが、何らかの形で発達障害者支援センターだけではなく、難病の関係も例示できるかどうか少し検討させていただきたいと思います。以上です。

 

○井上企画課長 

小澤委員から「基本指針」の中の「自己決定」の文言を「意思決定」と変えられないのかと。特に総合支援法の附則で、意思決定支援が入った関係でどうしてできないのかというお話がありました。

 この「自己決定」という文言は、「基本指針」に大臣の告示という形で定められておりまして、「障害者の自己決定」も、ひとつの定着した言い方としてあるということで、告示の中で使われたということもあり、これを変える場合には、それなりの背景事情がないと、なかなか難しいと思います。告示を検討していく中で検討させていただきますが、なかなか現時点では難しいという感じを持っております。ただ一方で、総合支援法の附則で、意思決定支援ということが入ったことを踏まえて、意思決定支援というものをいかに充実させていくか、進めていくか。これは本当に重要な課題と認識しております。そこの中身というのは、今後更に充実に向けて検討していきたいと考えているところです。

 

○駒村部会長 

小澤委員からの「意思決定」の文言については、今のような解説が事務局からあったことを踏まえて、この福祉計画自体は、平成27年度からスタートしなければいけなくて、なるべく早く国の基本指針を示す必要はあるかと思います。

 議論としては、おおむね今日で出尽くしているのではないかと思いますので、本部会としては、精査しなければいけない数字というのは、先ほどの話としてまだあるわけですが、本部会としては、本日出された運用面、長期的な課題に関する意見、特に障害福祉計画を作成・実施する自治体関係委員の御意見について、事務局から今後の運営などで適切に考慮することとした上で、本日説明のあった見直し案に従って、告示案を作成し、パブリックコメント等、告示の公布に向けた作業を進めるということで了承したいと思います。広田委員、お願いします。

 

○広田委員 

私は前回泣いて、途中で、自分が鬱になると思って外へ出て行ったりして、戻ってきたのですが。「その他」のところで、今の中身を後で言おうと思ったのですが、いいですか。

 

○駒村部会長 

ただ簡潔にお願いします、広田委員、どうぞ。

 

○広田委員 

「厚労省の審議会というのは国の施策を決める所だから、頑張って」と広島の素敵な女性学長に何年も前に言われましたが、正直言って全然違っているなと感じています。社会の実態とかけ離れているということです。日本の中に南北問題で多くの女性が来ています。前回話してますが、いわゆるストーカー法で日本の女性に男性が声をかけられない。外国の女性と日本の男性が結婚することが多い。「DV法で別れる。永住権が欲しい。子供も欲しい。そして本国から好きな男を呼んで、場合によっては生活保護。日本政府はこれでいいのか、おかしいでしょ!」と、ある東南アジアの女性に何度も詰め寄られました。私は「日本はみんなマスコミを向いているから、マスコミが動かないとダメな国なのよ」と答えました。なぜここで言っているのか。そういう女性たちがオーバーステイにするのか、精神科病院へ行くのか、という話が昔からあります。

昨今は、いわゆるDV法、ストーカー法というカードで捨てられた男性が、こころ病み、時には自死を選択決行していますが、これは精神科医療というより、今や社会問題だと私は捉えています。

 そういう問題が一方にあって、いわゆるDV法、加害者と言われる男性にも、加害するいろいろな理由があります。暴れるには、暴れるなりの理由もたくさん聞いています。ところが、男性をかえるプログラムがあるそうです。私は、「女性もでしょ」と発言していますが、そこは端折ります。

 それから、ストーカー規制法の、いわゆる加害者とされる男性が見ず知らずの女性を追いかけた本来のストーカーではなくて、男女の別れ話、または後日話。逗子だったら無理心中と古い人間の私は思いますが、それも神奈川新聞によれば、いわゆる治療の対象と。それに対して、厚生労働省が何もしていないという記事が載っていました。先ほど事前説明で伺ったら、精神の所管課はそういうことを何も知らないということでしたが。

 私はDV法とかストーカー規制法で、精神疾患だということにして、精神科医療が乗り出すことに反対です。男性も女性もいろいろな人のお話を伺っています。当然ですが、いろいろな御事情があります。精神科医療が乗り出すことに大反対です。すぐそういう形にしたがる。それで前回お話しています。

 それから、自殺と生活保護の話をしています。例えば行政が行った調査では、人間関係、特に家族とのことで恨んでいたという自殺未遂者の回答も多い。その場合、世帯分離と思いますが、それは端折ります。精神科の総合病院が安過ぎるという話も前回しました。そして精神科救急医療が未整備のために、今晩も警察の保護室に、警察の取り調べ室、そしてロビーに精神科の医療を必要としている人がいる。神奈川県警察の現場を、私は16年間回っていますが、この間警察にいた時、非常に問題なケースがありましたから、昨日横浜市の委員会で発言しておきました。ここも端折らせていただきます。

 そういうような問題が委員会などで全く出ないで、一方で、みんなねっとさんがどう考えるか分かりませんが、神奈川県の家族会、横浜市の家族会は、神奈川県の予算に、重度医療費助成費制度を精神に適用してくれと。本音は入院しておいてもらいたいという家族の思いがある。それが悪いとは言いません。なぜなんだというところを、こういう公のところできちんと論議しないと、施策が本物の施策にならない。よく皆さん、議員の所へ行ってお願いしています。昨日、横浜市の課長が言ってました。あることで、「議員の先生方が、この問題に関して関心が深いのです」と。ですから、是非、ここで現実をもっと具体的に発言しないと。世界は激動しています、日本は世界の中の日本であり、アジアの中の日本であり、そして、ここで論議しているのは日本社会の障害者施策です。その障害者施策が、いわゆるコロニーのような感じになってはいけない。

 私は昨年11月、アメリカのワシントンで10日間ホームステイして、5歳のリョウ君から学んだのは、シェアとヘルプでした。シェア、分ける、分ち合う、シェアハウスとか、いろいろありますが、朝食を分けるところから始まりました。

 そして、ヘルプは、「広田さん、ヘルプして」と言ったとき、遊ぶ道具を取ってということもヘルプです。私は15年前に母校のY校で、「いじめで困っているから」ということで講演に招かれました。そのときのタイトルは「人の幸せを喜べる人が、心の豊かさ」とつけました。すると大顰蹙のリアクションペーパーを高校3年生からいただきました。その時も言いましたが、「何でも話せる信頼関係を作ることが大事」と。厚労省の仲間とか、家族とか、恋人、近隣、職場、学校、そういう所の友情とか、愛を大事にして、そういう人に気軽に話をすればいいものを、全部相談支援と特化しているのが、昨今のいわゆる障害者施策だと思います。

 それでは、お金が幾らあっても足りないし、インクルージョン(共生)の生活にはならない。アメリカはインクルージョンで統合教育でした。日本の教育の中で精神疾患を学ばせたらとんでもない。「妄想だ」「幻聴だ」とラベリングされるだけ。前回私の発言は長かったかもしれませんが、私は画期的な発言だと自負しています。

それと、今日、私の資料が出ています。是非、見ていただきたい。私は必ず自分の事例を書くときに、この事例をまねて仕事にしないで、国及び地方自治体は、専門家のハローワークだからと書いています。それから、ここです。「母の日とその後の私の人生」。200168日に大阪池田小学校児童殺傷事件が起きた時、私は母のお通夜の打合せをしているところ、11のマスコミから取材攻勢を受けた後で書いたものです。ここの加筆の部分をよく読んでください。大濱委員が、「精神の当事者を増やしてくれ」というのは有り難いけれど、関係者が結局、自分たちの思いどおりに囲い込もうとしたり、オルグして、思い通りならない患者、私のような人は「厚生労働省に行って、『何で広田委員を入れているんだ』ということを言った」そうです。このとき、PSW2人と家族も2人行かれた。

 それが思いどおり厚労省が追い出さないと、今度は、いろいろな形で「引けよ」とかなっていますが、そういう子供じみたヤクザ的な感じがなくならない限り、どんな当事者が出てきても潰されるか、結局は、その専門家集団とか、家族集団とか、いろいろな関係集団にオルグされて、当事者性を発揮できない、または、発揮できている人と対峙させられたり、競わされてしまう。

 着物姿の私が、内閣府の総合福祉部会で対峙した、元千葉県知事の堂本暁子さんと昨年11月、渡米2日前に彼女の講演会で再会したら、「その着物を着て行けば、アメリカに」と言うから、「それは彼と一緒に行くとき」と言ったら、「惜しい」と。彼女とその日も若い女性の考え方について意見は対峙していたけれど、私のように、これだけ公にも発言する、それを「惜しい」と言ったのです。そういうふうな、どんどん異論を出せるような雰囲気にならないと。

 それから、鬱予防大作戦、認知症予防大作戦を打たないと、国家が破滅です。日本のどの職域も、ずっと課題は鬱ですから。田村さんという厚生労働大臣に、この間、ホテルオークラの賀詞交歓会で肩をたたいて、「5兆円の予防大作戦でなくて、田村さん、20兆円にして鬱と認知症もよ」と。「それで、消費税1%下げるのよ」と言ったら、田村さんは「消費税は」と口ごもったけれど、たぶん予防大作戦は、「俺もそう思っているけれど、官僚が堅くて、それでできない」と言っていましたから、官僚の方、よろしくお願いします。違ったら言ってください。田村さんに出会えたときにまた言わなければいけないから。

 それから、「日精協が変わらなければ、日本の精神科医療は変わらない」と多くの関係者からずっと聞いていて、会長の山崎先生に依頼され、日精協のアドバイザリーボードに入ると、「囲い込まれている」とか、「取り込まれている」とか、日精協の中の人には「獅子身中の虫」とか本当にいろいろ言われていますが、26日に、私が出ているラジオNIKKEIのインターネットラジオ「こころのボイスマガジン・きっと元気に2/15放送分」で、山崎先生と収録のための対談をします。是非、お聞きください。以上です。ありがとうございました。このように、元気になりました。皆さん、発言する人を孤立させないように。ただ、私が尊敬している曽野綾子さんは、講演を前に二人きりだった横浜市鶴見区公会堂の楽屋で、「精神障害者の犯罪なんて、社会で孤立している人が起こすの」と言った私に、曽野さんは「孤立していない人間なんかいません!」と私に大声で言ったから、「あら、曽野さんも孤立されているの」と言ったら、「私も立派な孤立です」と言って、以来、私は孤立に強くなれば、少しは自殺が止まるのかなと思っています。先日は私も孤立してました。今日は、日本女性として心意気を示すために着物を着てきました。これは上下合わせて2,100円です。以上です。皆さんも、どうぞ。

 

○駒村部会長 

また時間がオーバーして申し訳ありませんが、最後に予算案について、事務局から情報提供があります。先ほど途中までお話されましたが、本日、事務局から御提案があった見直し案については、基本的に両方了承して告示案を作成し、パブリックコメント等、告示の公布に向けた作業に入りたいと思います。よろしいですか。

 

○広田委員 

先ほどの協議会が95%できているというのですが、後の5%は何が何でも作らせないでくださいね。地方自治体はお金がなくて、市役所の中に施設をつくっている所も日本国内にありますから。ですから、「協議会等」にしたほうがいいと思います。以上です。国がやることを全部押し付けてもやれない時代です。

 

○駒村部会長 

広田委員、ありがとうございます。それでは、最後資料7について、簡潔に事務局からお願いします。

 

○井上企画課長 

資料7に沿って、平成26年度の障害保健福祉部予算案の概要について御説明します。

 ちょうど今日、国会に提出された予算案の内容です。平成26年度予算案、15,019億円で、対前年度1,037億円の増。割合で7.4%の増ということです。これは基本的に障害福祉サービスなど義務的経費の伸びを反映したものです。

 障害福祉サービス関係費ということで、福祉サービスの個別給付である自立支援給付と、地域生活支援事業の合計で見ますと、これが大層を占めるわけですが、9,534億円、9.7%の増となっております。障害福祉サービスの増加分の内容というのは、主に利用者の伸びによる自然増分ですが、今年度は特殊事情がありまして、今年の4月から消費税5%から8%に引き上げられますが、それに伴う影響分への対応ということです。これは前回、どのような対応をするか御説明しました。具体的な改定率として、障害福祉サービスと障害児福祉サービスの両方を併せて、全体で0.69%の増という形で、その分が含まれているという内容になっております。それについては、2ページの1(1)(2)の最後の行に(0.69)と付記しております。

 今日も話題になった地域生活支援事業については、1ページの枠囲いの1つ目の四角の2つ目のポツです。462億円ということで、対前年度2億円の増ということで、裁量的経費などでなかなか厳しい状況でしたが、増額になっております。

 施設整備費の関係は3つ目の四角で、障害福祉サービス提供体制の整備、22億円減の30億円になっておりますが、今回の予算案と同時に提出している補正予算の中で、防火対策の推進等を含む施設整備費148億円を計上しており、合わせて178億円ということで、これで地域の要望に対応していくことにしております。予算については以上です。

 

○駒村部会長 

申し訳ありません。今回も時間をオーバーして、大変恐縮です。時間もないので、これだけは聞いておきたいという御質問が1点か2点御発言いただきたいと思いますが、予算案についていかがでしょうか。よろしいでしょうか。最後に、事務局から今後の予定についてお話を頂ければと思います。

 

○井上企画課長 

本日は御多忙の中、御議論を頂きましてありがとうございました。次回の部会の開催日時等については、追って御連絡をさせていただきます。

 

○駒村部会長 

それでは、本日はこれで閉会させていただきます。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

【社会保障審議会障害者部会事務局】
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係
TEL: 03-5253-1111(内線3022)

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