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2013年10月24日 第3回改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会 議事録

職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課

○日時

平成25年10月24日(木)
15時00分~17時00分


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

【委員】山川座長、阿部(一)委員、阿部(正)委員、市川委員、北野委員、栗原委員、小出委員、塩野委員、田中委員、富永委員、本郷委員、伊藤氏

【事務局】内田高齢・障害者雇用対策部長、藤枝障害者雇用対策課長、松永調査官、田窪主任障害者雇用専門官、境障害者雇用対策課長補佐、寺岡障害者雇用専門官

○議題

1. 関係者からのヒアリング
 ・社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会事務局長 宮武 秀信氏
 ・公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会施策委員 北野 誠一氏
 ・公益社団法人 日本てんかん協会常務理事 古屋 光人氏
 ・一般社団法人 日本発達障害ネットワーク理事長 市川 宏伸氏
 ・一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会副代表理事 森 幸子氏
2.その他

○議事

○山川座長

 ただいまから、「第3回改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会」を開催します。本日は、委員で本研究会に初参加となられる日本発達障害ネットワーク市川宏伸委員に御出席いただいています。どうぞよろしくお願いします。また、本日、欠席の委員は、武石委員です。

 前回、前々回と同様ですが、御発言の際には、手を挙げて、お名前を言っていただいて、それから発言するということでお願いします。本日も関係者からのヒアリングが予定されており、5団体の発表者の方にお越しいただいています。どうもありがとうございます。阿部正浩委員においては、所用で16時頃に御退席という予定になっています。

 本日の議題ですが、前回と同様、差別禁止や合理的配慮の在り方について、障害団体からのヒアリングと質疑を行いたいと思います。なお、NPO法人全国精神障害者団体連合会については、どうしても都合がつかないということで御欠席となっていて、資料のみを御提出いただいています。これについては、後ほど事務局から内容の説明をお願いします。

 本日の進行ですが、各団体から御発表を全ていただきまして、その後に質疑を行う流れにしたいと思います。各団体の皆様方には、時間の関係もありますので、御提出いただいた資料のうち特に強調したい部分を御発表いただくようにお願いします。今も申しましたが、時間の関係で、発表後の意見交換も重要だと思いますので、発表時間については、各団体で10分、最大でも15分でお願いします。場合によっては、私からお知らせすることもあるかもしれませんが、その折はよろしくお願いします。

 早速、ヒアリングに移りたいと思います。議事次第にありますように、社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会 事務局長 宮武秀信様より御発表をお願いします。

○宮武氏

 ただいま御紹介にあずかりました「全日本手をつなぐ育成会」の宮武です。早速、説明します。

 「差別禁止」の「指針の構成について」ですが、1つは、障害理解の促進を挙げました。知的、発達、精神障害など、目に見えない障害について、直接接する機会がないということで、非常に否定的な障害認識を持たれる方が多いと。教育も分離教育という形、あるいは卒業後、地域の作業場等に通うという背景もあるかと思うのですが、やはり知らないことで差別が生まれてくると。

 身体については、体験的な障害についての擬似体験ができると。ただ、目に見えない障害については、接することで共感が生まれて障害理解が進むと。そのような障害特性について、是非指針に盛り込んでいただきたいと。そのことが差別解消につながると思っています。

 第2の「差別の具体的な例」について、募集・採用ですが、1つは、自治体によって身体障害者限定の別枠採用を行っています。ほとんどの自治体では行っていると思います。これは障害別差別ではないかと。ちょうど25年前に身体障害雇用促進法から障害者雇用促進法になって、その当時、法定雇用ということで、身体障害者の別枠採用が行われてきた経過があるとは思うのですが、このことが障害についての差別の取扱禁止に当たるのではないかと思っています。私どもは知的障害雇用について、東京都とかに毎年お願いしているのですが、1つ、知的障害者の雇用義務化される前は、義務化になっていないからということを言われました。最近は、地方公務員法によって平等取扱いの原則と能力主義の原則があると。このことによって知的障害者の採用はできないと、そういう答えをしています。

 それと同時に、地方公務員法第161の欠格条項では、次の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができないとなっています。それに当たるのが、成年被後見人又は被保佐人です。ある市では、知的障害が競争試験を通り採用されています。ただ、御本人がこの条項によって後見人あるいは保佐人を付けることはできないと、そういう状況が生まれています。これは明確に差別だと思います。

 採用後ですが、賃金格差に格差が大変あります。御覧のように一般常用は26.4万円、身体が25.4万円、知的は僅か11.8万円です。こういう賃金格差も、理由が非常にあいまいであると思うのです。人事考課もきちんとされていないと。また、賃金向上に結び付く能力開発という視点から、業務遂行のための訓練、研修もされていないことが多いと思います。同様な取扱いが担保されなければ、これは差別に当たります。

 最低賃金の「減額措置制度」ですが、これはずっと適用除外という形で長い歴史があります。これも「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」ということが挙げられています。この手続が適正になされているかどうか。自立支援法によって就労継続A型ができましたが、これは厚労省が別途通知を出しています。ただ、その評価について、実態をきちんと把握して、適正に除外が行われているかどうか、これは是非進めていただきたいと。これも障害を理由とした差別的な取扱いの禁止という観点では、やはり問題であると。

 研修等の保障ですが、これも大手で事務系職種に随分知的障害の方も、あるいは厚労省をはじめ中央省庁のチャレンジ雇用で、働いている場が広がっています。ただ、人数が少ないこともありますが、知的障害の方は従事者を対象にした研修は、ほとんどなされていないのです。この点も、先ほどお話した能力開発という観点からもきちんと担保していただきたいと。

 丸の内界隈の大手企業で働いている知的障害の方、複数の企業で働いている方を対象に、就労支援センターが職務研修を行ったと。非常に好評を博して、是非、継続したいという状況もあります。

 これもずっと言われているのですが、雇用の普及制度が、助成金をもらって、奨励金とかの支給はありますが、これも支給期間が終わったら退社を余儀なくされていると。そういうことも各育成会から聞こえてまいります。この辺もきちんと実態把握をして、そういう事実としてあれば、厳正な対応が必要だと思います。法定雇用率の除外率制度についても、書いてあるよう改正されていますが、除外率制度自体が差別的な取扱いに当たるのではないかと考えます。このポツの「最低賃金」云々は削除していただきたい。

 「その他」に書いてありますが、今グループホームをつくるときに地域の反対が非常に強いのです。そのことで差別解消法によっては地域住民の同意が必要ないと謳われましたが、実際に建設については非常に困難な状況は変わっていません。そのことによって開設を断念すると。企業も地域を構成する一員ですから、企業で働くことは、障害の理解を進めることにも大きな、あるいは地域住民の方の啓発にもつながっています。

 今、都市部で、知的障害の方の就労先は、3割ずつ事務、小売・サービス・流通、清掃が3割ぐらいなのです。特にユニクロ、スターバックスなども、先進的に知的障害者雇用を進めていて、実は私どもは「働くの教科書」を最近編集し、これを是非、特別支援学校で使ってほしいということで出版したのですが、この中でスターバックスの北参道店で知的障害の女性の方が働いていて、これにも紹介したのですが、2日に1度、地域の高齢の方がコーヒーを飲みに来てくれると。彼女のファンということを自称していて、セリタさんというのですが、せりちゃん、せりちゃんと。知的障害の方が地域の中で目に見える形で働いている姿を通して共感が生まれ、障害理解が進むと。そう考えているので、是非こういう点も整理の中に入れていただきたいと思います。

 「合理的配慮」ですが、項目に通勤支援、通院休暇、余暇支援を是非入れていただきたい。それと、募集・採用及び採用後に関して、本社の人事と現場との温度差があるので、人事で進めようとしても現場の受け入れ体制ができていないことが非常に大きな問題としてあります。ですから、「社内事前研修」「雇用専門部門整備」等が、是非とも必要だと。

 次のページですが、知的障害の雇用の場合は、身体障害と違って、やってみなければ分からないということがあるのです。とにかく事前に仕事を創出する。そのためには就労支援センターとか、そういう所へお願いして、仕事の切り出しをするのです。それで1日の仕事量を確保する。タイムスケジュールを作って、仕事をしやすいようにすると。そういうことがミスマッチを防ぐことで重要だと思います。列記していますので、読んでいただければと思います。

 この中には、今まで就労支援センターなり就労支援施設がいろいろな形で就労支援しているので、いろいろな蓄積はあるのです。だから、どういう形だったら仕事が覚えやすいかとか、その辺のマニュアル化とか、それは是非お願いしたいと。

 採用後については、身体障害者は、適「工程」と言われるのですが、知的障害の場合は、適「職場」なのです。その職場に馴染めるかどうかが非常に大きなポイントになります。仕事ができるかどうかよりも、周りの人間関係とうまくいくかどうか、職場自体に馴染むことができるかどうかが、障害特性としてあると思います。その点も指針の中に生かしていただきたいと思います。また、上司が代わると、非常に不安定になると。その点を十分に配慮していただきたいと思います。

 義務化になって「就業・生活支援事業」ができましたが、生活支援に一体的な提供がなければ、知的障害の方の職場定着は進まないことは言えるので、この点も連絡帳とか、そういうことも利用して、生活支援と同時にやっていく意識が必要だと思います。

 「相談支援体制の整備」は、読んでいただければと思います。

 最後に、「その他」です。私は「すきっぷ」という所で就労支援をやっていたのですが、最初に雇用主が心配するのは、余り知的障害に理解をお持ちでない方が多いので、教育訓練をどうするのかと。実際に、作業の効率がどうなのだと。そういう意欲、態度はどうかということを非常に心配されるのです。

 ただ、採用後にアンケートを取ると、8割の方が戦力になっているということで、非常に肯定的なお答えが多うございました。その背景には、就労移行支援事業を中心にやっていますが、やはり丁寧な面接の支援、実習の支援、アフターケア、それを丁寧にやっていると。そのことによって定着が進んだと。

 知的障害者雇用を全て企業サイドでお願いするということではなくて、地域で就労支援期間等を含めて、行政、学行も含めた良いネットワークをつくると。そのことが企業にとっても障害者の雇用が成功するポイントになろうかと思います。そのことで単に雇うことで孤立するのではなくて、企業間で知恵を出し合って協同で研修をやるとか、そういうネットワークなども必要だと思います。地域で働いて地域で暮らすことが一番大事な点だと思いますので、そういう点も含んでいただければ幸いかと思っています。少し時間をオーバーしましたが、以上です。

○山川座長

 ありがとうございました。続いて、公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会 施策委員 北野誠一委員よりお願いします。

○北野委員

 全国精神保健福祉会連合会 施策委員の北野です。各会員の方の御意見を入れて、まとめましたので、少しまとまりが悪い分があるかもしれませんが、お話します。

 最初の「指針の構成」ですが、基本的な考え方の中で「対象となる障害者の範囲」ですが、もちろん今回精神障害者が法定雇用率に加算されることになり、3障害が法の対象となりました。3障害の共通性を踏まえて、それぞれの特性を尊重し、障害種別の格差を生まないように、平等・公正な雇用促進が実施されるべきことを明記していただきたいと思います。

 障害者の雇用・就労の拡大ですが、制度の谷間等で公的支援を受けられないために、雇用・就労の可能性があるのに、それが困難になっている人たち、例えばニートの方であるとか、引きこもりの方々とか、そういう方々の実態も検討するための基礎調査をしていただきたいと思っています。

2つ目の「禁止される差別の具体例」ですが、募集や採用における禁止されるべき差別についてです。障害者の採用については、精神障害以外の人材からの採用を優先することが行われていると聞いています。面接はしたけれども断われた人が圧倒的に多いようです。

 ハローワークで精神障害と言った途端に差別的な対応を受けることがあります。担当者によっては、精神障害のことを分かっていない故に対応がまちまちです。御本人の中には、一度で懲りてしまってハローワークへ二度と行きたくないという方も多く出てきています。全てのハローワークに、精神障害のことをよく分かった理解のある担当者を配置していただきたいと思います。

 精神障害の方の発症は、10代の後半から20代の前半が多く、高校・大学中退者も多いものですから、学歴差別が起こらないように配慮していただきたいと思います。

 採用後における禁止すべき差別ですが、精神障害の症状は様々であり、環境条件の変化等で、採用後に時には症状が悪化する場合もあります。また、定期的な通院が必要な場合もあります。このような精神障害者特有の問題を踏まえて、必要な合理的配慮が受けられるように体制づくりをお願いしたいと思います。

 雇用主の労務担当者から、配属された職場の上司・同僚に、障害者のあることがきちんと伝わっていないために、暴言を吐かれたり、のろいとかをガンガン言われたりして、心理的な圧迫を受けて、緊張感で精神的にまいってしまうことがあります。就労が進まないことにもつながります。企業側(雇用主)には、偏見、差別を無くす、精神特性を理解していただく「社員教育」に一番力を入れてほしいと思っています。

 「その他」ですが、企業は、就労環境が悪化すると人員整理が始まり、真っ先に障害者が解雇の対象になってしまうと聞いています。また、遠距離通勤となる職場への配置転換等を命じ退職に追い込むこともあるようです。リストラがきっかけとなって引きこもりになったりする方も多く出ており、そのようなことが起こらないように公平な対応をお願いします。

 精神障害者に対する事業者の差別・偏見をなくすための各種の啓蒙・啓発活動を広く広げていただいて、精神障害者の方が我が国の重要な社会の活力となるように、そういう社会をつくっていくために、一緒にいろいろとやっていただきたいと思います。

 障害者の短時間労働は、その福祉的就労から一般就労への移行のための段階的な就労形態として重要であり、障害者雇用を促進する上で必要な就労形態でもありますので、検討課題として挙げてください。

 我が国の中小企業は、雇用の大きな受け皿であり、障害者雇用を促進する上で重要でありますので、中小企業には、障害者雇用を促進するための格段の必要な各種の助成を展開していただきたいと思います。

 エレベーター等のバリアフリー施策が、結局、一部の身体障害の方だけではなくて、多くの市民にとって募らしやすいまちづくりに貢献したように、一部の精神障害者に対する合理的配慮や柔軟な雇用・就労環境体制づくりが、高齢者や女性や外国人労働者等の多くの多様多彩な労働能力の活用・活性化に展開していける可能性を、国・産業界・労働者/障害者の3者で切り開いていけるように、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 合理的配慮の部分ですが、合理的配慮についての指針の構成については、「障害者権利条約」や「障害者差別解消法」との整合性が取れた雇用における合理的配慮の一般的な定義をお願いしたいと思います。

 「合理的配慮の具体例」ですが、採用・募集時における合理的配慮ですが、ハローワークからの事業主への紹介は、住所・名前と基本的な情報のみで、多くは丸投げ状態であり、本人がどういう障害か、どれぐらいの方か、どういうことが困難かとか、そういう情報が少ないために、事業主も精神障害者の採用には慎重にならざるを得ないと聞いています。改善策をよろしくお願いします。

 採用後における具体的配慮ですが、精神障害者にとっての合理的配慮は、当然、人的配慮が一番大切です。困ったとき、すぐに相談できる人がそばにいることが大切です。大企業では、2号ジョブコーチを置いて対処することは可能ですが、中小企業においてもそれが可能となるような方策を講じていただければと思います。

 採用後の使用者との話合いにおいて、話合いをより有効にするために、「支援者」の仕組みをつくっていただければと思っています。また、労働組合がある場には、その支援を活用できる方法も検討していただければと思います。

 精神障害者は職場定着率が低いと言われていますが、定着するためには、精神障害者特有の状況に合わせた次のような施策が必要であると考えています。1つは、新しい仕事に慣れるまでは、常に緊張状態でいることが多いために、心身ともに疲れやすい状態です。一定慣れるまでは、休息の回数を工夫していただいたり、労働時間に配慮していただければと思っています。

 次に精神障害者の障害特性としては、症状に波があり、その時々の状態に応じた持続的配慮が必要と思われます。主治医への確認だけでなく、会社の事業特性に通じた産業医の関与や職場の仲間全体で対応する体制が望まれます。さらに症状が悪化したときには、勤務時間の変更とか、有給休暇等の合理的配慮を求めます。また就職した統合失調症の人が一番つらかったことは、仕事ではなくて昼休みの時間に一人ぼっちであったことだそうです。企業の偏見をなくして、精神障害の方への理解を深め、孤立させない配慮が必要です。

 これも支援員のお願いですが、採用後もその精神障害の特質性に合った職場の環境を整え、コミュニケーションや同僚との人間関係の調整とか、仕事の相談に応じる支援員を置く制度を導入していただけたらと考えています。

 「相談支援体制の整備」ですが、相談支援体制としては、本人を支援している地域での就労支援体制の充実が重要です。企業内部での相談者・支援者という相談支援の体制と地域の就労支援の体制が、困ったときに連携して問題を解決していける体制づくりを進めて、充実していただければと思います。もちろん、プライバシーの保護とか、合理的配慮に関する相談についての不利益取扱いはしないことを記載していただくことは必要だと思います。

 「その他」ですが、過度な負担の部分ですが、この判断を当事者間に委ねるだけではなくて、過度な負担については、公正を保障するための国のガイドラインの策定は必要だと考えています。

 最後に、中小企業において、中小企業で就労される精神障害の方は多いものですから、障害者雇用のノウハウもなく、資金力も乏しい所では障害者を雇用することは非常に大変です。それを推進する方法の1つとして、「事業協同組合等の算定特例」があります。幾つかの中小企業が事業協同組合等を活用して協同事業を行い、実雇用率を通算することができる仕組みです。現在、東京都中野区のシティビルメン共同組合が、区の清掃管理業務の一部の委託を受けていますが、今後このような事業協同組合の仕組みが各地で展開されることを期待します。

○山川座長

 ありがとうございました。続きまして、公益社団法人 日本てんかん協会 常務理事 古屋光人様よりお願いいたします。

○古屋氏

 今日、この機会を与えていただき、まずお礼を申し上げたいと思います。日本てんかん協会として、お手元の4枚の資料に沿って御説明をさせていただきます。日本で、てんかんのある人は、約100万人いると推定されており、決して少ない数ではありません。薬物治療や外科療法などを適切に行うことで、発作のコントロールが可能な病気であり、多くのてんかんのある人が就労など積極的な社会生活を送っておられます。

 しかし、いつ発作が起こるか分からないという不安感や、治療に長期の服薬を余儀なくされることなどから、てんかんのある人、あるいはその家族のQOLは決して高いとは言えません。てんかんのある人の約80%は小児期に発症する疾患であると言われておりますが、その治療薬の選択肢が少ない、あるいは、てんかん専門医が少なく適切な医療にも地域格差があるなど、様々な課題を抱えております。

 御存じのとおり、2011年のクレーン車事故を契機に、てんかんのある人の自動車運転が社会問題化し、ついには法制度の見直しがされるまでに至りました。これらの影響から、全国のてんかんのある人が、特に働く場面で不利益を被るという報告、ないしは相談が協会に多く寄せられました。また、事業主側からも照会や相談が寄せられております。

 例えば、てんかんがあるというだけで雇用契約更新に条件が付加した、あるいは自宅待機を命じられた、そして事業主も、管理責任を負うことになるのであれば雇用したくない。辞めてもらいたいが病気を理由にできるか、そして健康調査で、てんかんをその項目に入れられるか、あるいは脳ドッグを義務化してもよいのかというような内容であります。てんかんを理由に、社会から特別視されることは、徒に偏見あるいは誤解が助長されることになっていくと危惧しております。

 今回、御説明しているのですが、最近の研究等では、てんかんが誰でもかかる可能性のある疾患だということが言われております。加齢に伴って、てんかんを発症する事例も少なくないと言われております。そして、この病の対応に苦慮するのは、それぞれが異なった症状、いわゆる多様な症状を示すということであります。決して「てんかん」と一括りでは扱われず、個々人の症状や職業能力から、それぞれの雇用の在り方について取り扱われるべきというのは基本姿勢であります。この姿勢を簡明に申し上げますと、一番下の行にあるとおり、「てんかんがあっても、理解と支援があれば働ける」ということです。以上の見解を基に、個々の項目について御説明をさせていただきます。

 まず、「差別禁止」の「指針の構成について」ですが、差別を禁止する事項をとりまとめるのではなくて、どうすることで差別にならないような取組が可能になるか、主な内容・項目についての対処法や事例を具体的に示したほうが、事業主にとっても障害者雇用を促進する良い資料となると考えております。例えば、第3の「差別の禁止」の項目に、付記というような形で、差別防止のための具体的な対応方法を設けるだけでもよいと考えております。

 次に、「禁止される差別の具体例」です。募集・採用のところですが、てんかんのタイプや発作型、症状や介助法を確認せず、「てんかん」と一括りに取り扱い採用の可否を行うことです。また、従事する業務や部署に関わらず、全員に免許や資格の有無を問うことです。

 次に、「採用後」ですが、病気や障害に対する正しい啓発活動に取り組まず、職場内での病気、障害への理解が伴わず、クレーム等により働きづらくなること。そして、症状の悪化などにより当初配属された業務・部署での就労継続が困難となった場合に、他の業務・部署への配置転換等を検討せずに退職を勧奨することです。

 「その他」です。障害者雇用促進法の差別禁止指針は、主に事業者側に対する制限がまとめられています。これに加えて、職業紹介や、労働者に向けた内容も触れられる必要を感じています。当協会で行っている電話相談に寄せられる事例では、事業主ばかりではなく、ハローワーク職員の対応や、職場内での非常勤労働者等によるいじめなども、決して少なくないのです。

 次に、「合理的配慮の指針の構成」についてです。相談体制の整備等に含まれる内容かと思いますが、てんかんのように病気を基本とする障害のある人については、主治医や家族、その他支援者等との定期的な状態の確認を行う機会を設けられることが望ましいと思います。

 こういった配慮を行うことで、雇用の継続や、事故の防止につながることにもなります。相談体制と関連ネットワークの構築は、労働者側と使用者側の双方の安心・安全につながる重要なポイントと考えております。

 「合理的配慮の具体例」です。募集・採用については、求人業務に必要としない「免許・資格」の申告や、届出を強要しないことです。採用後については、てんかんについて告知をして採用された場合には、職場内で病気の基礎知識や介助と観察などについて、従業員に対して適切な啓発活動を行うということです。また、業務限定で採用した場合で、病気や障害の状況から、その業務での継続が困難となった場合、他部署への配置転換の検討とともに、退職を勧める場合でも転職探しについてハローワーク等と連携して支援を行うということです。

 次に、「過剰な負担の判断要素」についてです。てんかんのある人の場合であれば、1日のうちに意識を失ったり倒れるタイプの発作が頻発したり、発作前後に長時間のもうろう状態や睡眠を伴うような状況の人は、就業以前に病気の安定を図ることが優先されます。こういった状態にある従業員に対しては、適切な医療機関の受診を勧めることで、雇用あるいは雇用の継続対象者として捉えなくてもよいと判断します。ただし、この場合でも、専門性のある関連ネットワーク等を活用し、判断の確認をしておく必要があると考えます。

 「相談体制の整備」についてです。私どもは、具体的にいろいろ検討しましたけれども、基本的にはこれでよいと考えます。ただし、前述のとおり、使用者側のサポートすることも意識した関連ネットワーク構築といった観点も含めておくことが望ましいと考えております。

 「その他」ですが、募集・採用に際する環境整備を明示することが重要と考えます。具体的な例示としては、運転免許証を安易に身分証明書として採用しない配慮、募集・従業職種に限定した必須免許・資格のみを記入する履歴書の導入、病気や障害を名称だけで取り扱わず、個々人の状態により就労の可否を判断することです。以上です。

○山川座長

 ありがとうございました。続きまして、一般社団法人 日本発達障害ネットワーク理事長の市川宏伸委員、お願いいたします。

○市川委員

 日本発達障害ネットワークでございます。私は、前の2回を欠席いたしまして、別の者が出席してくれていましたが、誠に申し訳ございませんでした。

 恐らく発達障害というのは、この中で一番新しい障害の概念ではないかと思います。平成17年に「発達障害者支援法」ができてから、いろいろなところで分かるように、知られるようになってきたと言ってもいいのかもしれません。先ほどもお話ございましたけれども、この数がどれくらいかは、なかなか厚労省段階で調べるのは難しいのかもしれませんが、文科省のレベルで調べたものによれば、人口の8%ぐらいだろうということです。簡単に計算しますと、1,000万近いだろうという話なのです。発達障害の人全員に支援が必要ということではなく、この何分の1かが支援の対象となるだろうということです。特に、ほかの障害と比べて、非常に似たところがあると伺っておりましたが、違うところもあります。そうでないものと、発達障害のものの境界が、はっきりしないということです。スペクトラムとか、あるいはグラディエントというような言葉を使いますが、きれいにクリアカットに分けることにはいかないということです。それから、置かれている状況や対応などによって、表に出てくる問題点が変わる、あるいは無くなることもあります。発達障害と一言でいいましても、状態像は非常に様々であり、なかなか一括りに説明し難いところがあるかと思います。

 こちらに用意させていただきました資料ですが、これは傘下の団体に、一応こういうのを出して、そこから出てきたものですので、まとまってなくて申し訳ないところもございますが、ある意味で、極めて具体的に書かせていただいたところもございます。「指針の構成」につきましては、ここに書いたようなことをお願いできればと思っております。

 それから、「禁止される差別の具体例」としては、例えば、暗算や読み書きが困難であるというのは学習障害的な側面を持っている者を指しております。音声言語コミュニケーション、これはコミュニケーションの苦手な者がいることをいっております。簡単にいいますと、知的水準とは関係なく、そういうものを持っている者が一定数いることが最近分かってきています。直接の業務に関係の薄い障害特性を理由に採用を無しにするようなことはやめてほしいということを書いております。同じように、障害者枠の制限の中にまだ知られていないところがありまして、発達障害が抜けている場合もあるのではないかということを申し上げています。これは、最近、精神障害の中に(発達障害を含む)というような法律上の括りをされているところだと思います。

 採用後については、聴覚過敏という場合もあります。私が経験した極端な例では、いろいろコンピュータがたくさん入っている所は、隣りの部屋から電源を取ってきているのでしょうけれども、ネズミが入ってコードをかじるといけないということで、超音波を流している部屋が隣にあるのだそうです。普通はそんな超音波なんか人間には聞こえないはずなのですが、発達障害の中には超音波が聞こえてしまうOLがおりまして、勤務がつらくてしようがないことをいくら訴えても誰にも理解してもらえないなんていうことも言っておりました。直接対応について、緊張してうまくいかない人もいるでしょう。それから、職場の中での休憩のとり方は、先ほどから別の知的障害や精神障害でもございましたが、その方に合ったような対応をしていただきたいということです。賃金の問題につきましては、ほかの障害からも、いくつか話があったのと同じようなことだろうと思います。

 基本的に言えば、雇用されている者がどういうことが得意で、どういうことが苦手かを理解していただければ非常にありがたいと思います。外見的に、明らかにどういう障害のある発達障害者だというのはなかなか分からないということです。分からないということは良い面もあるのでしょうけれど、逆にいうと、周りから見ると、困ったやつだとか、怠け者だとか、反抗しているのではないかというような誤解を受けてしまうことになると思います。実際問題、上司が代わっただけで、元気が出て働き出す者から、辞めたくなる者までいます。同僚に理解する人がいれば、勤務が続くということも、よく経験するところです。

 「その他」の中の相談機能については、やはり自分がうまくいかないことをうまく訴えられない。これはどういうことかというと、要するに、生まれてからずっとそういうようにきておりますので、自分だけがそういうハンディを持っていることに気がついていないことがよくあるのです。そういうことで、自分はいつも非難されて、駄目な人間だというように、ずっと考えて育ってきた者がかなりいるのではないかと思います。

 「差別禁止」についても、「募集・採用における合理的配慮の具体例」としていくつか書いてありますが、これについても、1人ひとり少しずつ違うところがあります。資格書きの問題、就職試験において個別の受験室を準備してほしいと書いてありますが、多分これは御存じのように、センター試験においての別室受験、あるいは試験時間の延長、あるいは特別な答案の配付が認められると、許可されておりまして現実に実行されております。多分その延長上として、こういうところに書かれているのではないかと思います。これは、私たちもそのとおりだと思っているところです。

 「採用後の合理的配慮の具体例」としては、同一社内では、同じルールにしてほしい。勤務する所で違っていると混乱しやすい、いわゆる要領が悪いというか、杓子定規である、融通が効かないということで言えるかもしれません。そういうのを持っている方々だろうと思います。

 例えば、音に過敏である場合は、イヤーマフや耳栓等の使用を認めてほしいということも書いております。指示が一挙にたくさん来ますと処理し切れなくなってしまうというようなことです。手順も分かりやすくしていただいたほうが、うまくいくだろうということもあります。

 次のページにいきますと、視覚的に情報が入りやすい者が多いので、フローチャートを使用した視覚的な対応をお願いできないかということです。手帳はメモが取りにくいところがあるのでボイスレコーダーや携帯電話などの許可をお願いしたいということです。聞いたことをメモに取ることができない人がいるのです。一方で、書いてあることは写せるというような、皆1人ひとりが違うのですが、そういうのを特別に持っている者の場合には、それを考慮していただきたいという意味で書いてあると思います。余りにも具体的なことなのですが、随分、人によって得手、不得手がはっきりしており、その辺りのところを理解していただけるとありがたいということです。

 雇用についても、1つは就労の問題でつまずく者が多いのです。就労のときの面接が苦手で、挨拶が下手で、書類の書き込みが下手であるというのが特徴です。こんな汚らしい書類を書いたら、きっと会社がびっくりするだろうというようなことを平気でやってしまうことがあります。

 定着についても、やはり問題があります。私が知っている限りでは、知られていないせいもあるのでしょうけれども、職場の中の異質分子ということで、半強制的に退職を求められているケースが随分あります。本来、雇われ側の立場に立つべき産業医まで会社と一緒になって退職を求めているケースなども現在あり、ちょっと困ったなと思っております。

 それから、つまずいた後のリワークの問題です。発達障害のほうは、鬱病など、やっと最近取り組まれているのですが、実際に、鬱だと思ってリワークをやっていたら、発達障害だった。つまり、もともと発達障害があるために鬱になる、あるいは他の精神科的な問題を抱える方もあると思います。そういうことがございますので、こちらのほうは、まだこれからだろうと思います。何が得手で、何が不得手かということをきちんと配慮していただいて適切な職場に配置していただきますと、頑張れる方も随分いるのです。

 私の個人的印象ですが、平成19年に教育のほうで、特別支援教育が始まりました。これは、発達障害の方を頭に描いてスタートいたしました。スタートした時点では、教育現場で、どうやったら発達障害を教育の中に入れられるだろうかということを考えている方もいたのですが、この6年間で大きく変わってきております。現在、雇用の問題についての発達障害者への対応は、恐らく10数年前の教育の対応に近い状況だと思います。どうやって辞めさせられるかを考えるのではなくて、経団連の方とか商工会議所の方に、そうではなくて、私の言い方では、どうやれば給料分あるいはそれ以上に働くかということを考えてほしい。ある会社からは、思わぬところで才能を発揮して、会社を建て直してくれたということも聞いております。ですから、そういうようなところが重要なのではないかと思っております。以上で私の話を終わりとします。

○山川座長

 ありがとうございました。続きまして、一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 副代表理事の森幸子様より、お願いいたします。

○森氏

 ありがとうございます。日本難病・疾病団体協議会の森と申します。よろしくお願いいたします。

 私どもは77団体、約30万人で構成いたしております団体で、希少難病から長期慢性疾患までの患者会を含んでおります。私自身、30年前に膠原病という、自己免疫性疾患を発病いたしまして、その中の全身性エリテマトーデスという診断が下されました。原因が分からずに、治療法もない病気で、発病当時は5年生存率が約50%といわれていました。その後、医学の進歩により早期診断・早期治療が可能となり、今では5年生存率は95%以上となりました。私も発病以来、病気の活動を抑えるためのステロイド剤や免疫抑制剤を毎日服用し、症状が悪くならないように気をつけながら日常生活を送っております。生きられるようにはなりましたが、病気が治ったわけではありませんので、きちんと定期的な検査や治療を続け、心身ともに無理をしない自己管理が最も大切です。

 私は、日常生活の中に仕事を組み入れ、発病前と同じ職場で勤務を続けています。難病患者の多くは、就労を希望しても、難病というだけで面接にもこぎつけられないという現状があります。難病であることを告げると就職できないので、隠して働かざるを得ない。その結果が、周囲の理解も配慮も得られず、無理を重ねてしまい、病気が悪化して、仕事を続けることができなくなるという事態を招くことになってしまいます。働きたいという希望も意欲もあり能力もある人が、職を失っていくのは残念です。就労は生活を営むための収入を得るという経済的なためにも重要ですが、難病を抱えても自信を持って生きていく、社会に貢献できる自分でいたい、趣味や強みをいかして、より良く生きたいと、望んでいます。そのためには適切な仕事とのマッチング、職場の理解や配慮を必要としています。

ヒアリング項目につきまして、「差別禁止への意見」の「指針の構成について」は、難病は、自覚症状が出てから疾病名が確定するまでにかなりの時間を要します。既に企業で働いておられる方々で、症状が出ていて、いろいろな病院を回り、なかなか診断がつかないという方もおられます。ある程度診断がついて、治療方針が固まってくれば落ち着いて仕事にも集中できますけれども、それまでの間に職場での上司や同僚との関係がぎくしゃくしたり、その職を辞めざるを得ないということもあります。

 また、身体の症状が絶えず変動し、本人にも、医師にも予想がつかないことも、特色の1つです。仕事を途中で中断せざるを得なくなったり、あるいは無理をして仕事を続けるうちに倒れてしまい入院で長期に静養せざるを得なくなることもあります。

 「対象となる障害者の範囲について」は、障害者基本法第2条における障害の定義に基づき、疾患という状態で働く上で何らかの支障がある人を全て対象とするべきと考えます。

 「禁止される差別の具体例」については、高額な医療費が継続してかかる患者につきまして、健康保険財政面等から事業主負担を圧迫しますので、面接時に「医療費はどのぐらいかかるのか」という質問をされる例がありました。最近では難病の治療も大変治療効果の高い薬が開発されておりますが、薬が高額となるために、同じような理由で、職場から敬遠されるケースも今後危惧されています。

 体調の変化が本人も医師も予想できないとなると、特性がなかなか理解されずに、面接などで、「病気が治ってから」「病気が落ち着いていれば」などの条件を提示されたということもあります。

 採用後における差別について、様々な例はありますけれども、通院や投薬などの時間が職務上、保障されない。また、疾患の特性を理解せずに、休憩所やトイレまでの移動に時間がかかる職場への配置がされたなど、職務内容で、休息時間にトイレや食事などが十分にとれない場合などもあります。

 「その他」としまして、難病といってもたくさんの種類があり、その領域ごとに特性が異なります。同じ疾患名であっても、それぞれの症状や、また薬の副作用等も違う場合があります。差別禁止の指針づくりに当たっては、主な疾患の特性や、日常生活、社会生活上における生活の困難さなどを、事業主や同僚の皆さんに知っていただくための丁寧なパンフレットなどの普及・啓発が欠かせないと思います。

 「合理的配慮の指針」ですけれども、難病はその確率は低いものの、国民の誰にでも発症する可能性がある。難病は、生物としての多様性を持つ人類にとっての必然であるというように、難病対策委員会のほうでも提言がなされています。合理的配慮の対象とする障害の範囲につきましては、障害者基本法の規定、国の医療費助成を受けている難病患者はもちろん、研究対象となっている500余の疾患や、がん患者も含めて、疾患を持ちながら働いている全ての人たちを対象とすべきと考えます。それは事業主にとってもメリットとなり、誰もがなり得る難病という観点からも、対象を制限することは、患者、事業主の双方にとって良いことではないと考えます。その上で、難病については事業主や職場の仲間に医学的側面と社会的側面の両方からの特性を、疾患別に理解してもらわなくてはなりませんので、その点での特別の支援策を行うことが必要と考えます。

 「合理的配慮の具体例」については、これも疾患の種類や、個々により様々ですので、一部を挙げております。事業主や職場の労働者は、疾患名を聞くだけでは、どのような配慮が必要なのか分かりません。その労働者の疾患の説明と必要な配慮を個々によく聞いた上で、公正に判断していただきたいと思います。

 難病は、一般に体調が変動することが特徴で、その変化は本人でも予想することが困難な場合も多いです。朝は調子が良くても職場で仕事をしているうちに痛みやしびれ、倦怠感などに襲われて体調を崩す場合もあります。職場の上司や同僚にも、そういう特色をあらかじめ知ってもらうことが、継続して働く上で重要です。本人からは言い出せずに我慢して無理をして、そして倒れてしまう場合もありますので、日頃から体調管理ができるように十分に話し合える雰囲気づくり、環境づくりが大切と考えます。また、一度体調を崩して入院をしてしまうと、医学的には職場復帰することに問題がなくても、本人が働くことへの自信をなくしてしまう場合もあります。その場合、自主退職というようなことになる場合も考えられます。職場復帰へのフォローアップのために、一定期間ジョブコーチによる指導をしてもらうとか、職種によっては、フレックスや休養時間を多くとるなどの配慮も有効と考えます。

 疾病の特色として、仕事を覚えることが遅く手間がかかっても、根気強く教われば理解できる場合があります。また、薬の副作用に関する知識がなく、「太ったね」などの心ない言葉に傷つく患者もいます。職場の就労の場や、福祉の窓口でも、疾患や薬などについての正しい知識を広めていくことも配慮の1つであると考えています。

 「過重な負担の判断要素について」は、ノルマのある仕事や、何時間も同じ姿勢のままの仕事、そして健常者と同じような仕事量等を課せられる場合は負担になる。疾患の理解が足りないため、時々休んだり、トイレや食事に長くかかったり、重たい物が持てなくなるなど、いろいろな怠けているように見られることが実態としてはあります。大企業では入院中でもフォローができることもあるでしょうし、中小企業では配置転換等によっても、仕事が続けられることもあると思います。すぐにできないと判断するのではなく、やってみる時間を十分に設けてから判断していただきたいと思います。

 「相談体制の整備」について、職場で何かあっても、遠慮せずに相談ができる所が必要と考えます。相談したことが上司に分かり不利益を被るのではないかという心配が、実際に患者にはあります。障害者が、何かあったときに相談に行くだけではなくて、援助者が定期的に職場に赴き、一定時間、相談のできる体制を作ることが必要と考えています。

 「その他」ですが、難病は、種類も多く、その特性も様々で、共通点も多いのですが、疾患ごとの特異的な特色もあり、今後、疾患ごとの理解と合理的配慮の具体的な指針も必要となります。同じ疾患でも、症状の現れ方は様々で、波があり、その波がいつ来るかは予想しづらい場合も多いです。一度重篤になり長期入院など職場を離れると、状態が安定しても、生活のリズムを取り戻して働き続けることへの自信につなげることは相当厳しいハードルになります。そのために、社会に出るためのリハビリから、将来的に安定した仕事に就くためのトライアル雇用につなげていくための支援が欲しいと思っています。その経験が、今後、疾患ごとの合理的配慮事例の蓄積にもつながると思います。

 皆様のお手元に、こちらの難病患者等の日常生活と福祉ニーズに関するアンケート調査というものを配布していただいております。これは大変大規模な調査で、この中にも19ページからになりますが、就労状況についてのアンケートも入っております。これらの中で、離職した理由とか、配慮すべきこととか、様々な内容について聞いて、回答が得られておりますので、これらも是非参考にしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山川座長

 最後になりますが、本日、御都合のつかなかった、NPO法人 全国精神障害者団体連合会の配布資料があります。事務局から説明をお願いします。

○障害者雇用対策課長補佐

 事務局です。NPO法人 全国成人障害者団体連合会から御提出いただきましたヒアリング資料について、代わって御説明いたします。

 まず、「第1 指針の構成について」。別添資料差別禁止指針の構成については、おおむね同意である。しかしながら本来、差別とは間違った知識から起こるものであり、間違った知識が社会に影響を与えることが問題である。上記指針においては、事業主に対するペナルティー要素が強くなっており、精神疾患に対する正しい知識を普及する考えとは、必ずしも同義ではない。事業主が、精神障害者に対する正しい知識と理解をより深めることを義務付けていただきたい。

 「第2 禁止される差別の具体例について」。募集要項について。ハローワークにて精神障害者が障害者雇用枠で探している場合、障害者窓口では身体・知的障害を対象としていることが多く、雇用はおろか面接すらさせてもらえないケースが多い。具体的にどの障害を募集という明記もなければ、そもそも三障害で統一されているはずにも関わらず、障害者窓口若しくは雇用主側で障害の区別をされ、ハローワークの就労相談の段階で断わられているという事例が発生している。これは障害の中の差別であり、また、就労先を探す精神障害者にとって多大な不利益となっていると考えられる。採用後、採用前に提示されていた仕事内容とは違うことが多々ある。例えば金銭の管理(会計、経理関係)の場合、本来は出納帳の作成等を行うために雇用されたはずが、障害者だという理由で、全く別の仕事に変えられてしまうケースがある。本来の募集要項の仕事内容を障害により変えてしまい差別してしまうケースが見受けられるのが問題であると考えられる。

 「第3 その他」。各企業における障害者雇用についての意見交換や勉強会等の促進の義務化。企業における相談員、及び産業カウンセラーの設置の義務化。ハローワークにおける募集企業の増加促進と、その目標値の明確化。精神障害者の個人個人に適した配置の処遇。最低賃金の保証厳守。みなし雇用の廃止。

 続いて、「合理的配慮」についてです。「第1 指針の構成について」職業力開発校の増設。みなし雇用の廃止。ハローワークへの募集企業の増加促進の目標値を明確化。最低賃金の厳守。

 「第2 合理的配慮の具体例について」ただ単に法定雇用率という数字の上だけの障害者の雇用を義務付けるのではなく、管理職若しくは同僚の立場から精神障害者への理解、対処を促すための教育等が職場内のどこにおいても必要となる。適切な情報と接し方を以って上司や同僚が接していれば理解がある職場になっていくのではないかと考えられる。

 採用後について。精神障害者を雇用した後、企業全体としての理解はあったとしても、社内の一般雇用で働いている同僚、上司等が精神障害者について理解できていないケースがある。それにより、無自覚な差別や障害に適さない質量の仕事を与えてしまうケースがある。以上の理由から、これを解消するために、行政主導の下において、管理職レベルの会社員の障害者雇用に関する勉強会の促進、職場内において、専門職相談員や産業カウンセラーの設置義務化が必須であり、また実際に現状で精神障害者を雇用している雇用主との意見交換会などを、各企業に薦めていただきたい。

 「第3 過重な負担の判断要素について」。就労時間、残業時間、休日出勤、休憩時間等。主治医の提示した意見書若しくは診断書、又は本人の希望時間を大幅に超えての就労時間の設定や残業。体調管理は社会人の基本ではあるが、どんなに体調を整えても急激に悪くなっていくのが精神障害の特徴で、それを避けるために、過度な疲れを自分に与えないように主治医や当事者自身で気をつけているため、企業判断で過度な労働を強いることは、障害そのものに対して過重な負担をかけているにほかならない。また、勤務時間内での休憩時間が全くない場合も上記と同様になる。精神障害の症状には、休む、きちんと薬を飲む、寝る等、基本的にくつろいで精神をリフレッシュすることが重要なため、上記のような配慮が重要と考えられる。

 「第4 相談体制の整備等」について、ジョブコーチの育成と増加、精神障害者に適した職種の開発研究を個人個人の適性に合った配置の研究。ピアサポートの事業の充実と地方自治体における配置の義務化。障害者をサポートできる人材を育成しなければ根本的な問題は解決しない。そのために、ピアサポーター、ジョブコーチ、専門職等の障害当事者に適した支援を考え、適正に配置することが重要になると考えられる。それに伴い、企業の所在地である地方自治体の協力も必要不可欠である。企業内で上記の設置をできるように政策等を整備していただきたい。

 また、当事者のプライバシーの保護は最優先されるべきものである。相談体制については、当事者が中心となり、主治医又は産業医、カウンセラー、雇用主等のサポートの下で行い、守秘義務を原則とすることが望ましい。ただし、当事者にとって不利益となる場合を除いて、あるいは周知したほうが当事者にとって働きやすい環境となる場合、周知を記載することもあって良いと考えている。この場合、当事者の主体的な意思の下での開示でなくてはならないと考えている。上記の理由から、各企業等における社内の啓蒙啓発の一環として、不利益取扱いの禁止という制度について周知したほうがよいと考える。

 「第5 その他」。現在、厚生労働省で働いている精神障害者の方々からも意見を聞いていただきたい。ヒアリング以前の制度研究会の段階から、当事者会を参画させていただきたい。以上です。

○山川座長

 これで予定されていました6団体からの発表が終わりました。各団体の皆様方には、時間の制約に御配慮いただきまして大変ありがとうございました。これまでの発表につきまして質疑を行いたいと思います。どのような順番でも結構ですので、お名前をおっしゃった上で、質問、コメント等をお願いいたします。

○富永委員

 富永です。今回、ヒアリングを伺って大変勉強になりました。ありがとうございました。幾つか質問をさせていただきたいと思います。日本難病・疾病団体協議会の森幸子様から、合理的配慮の具体例について、ヒアリング項目の資料の3ページの「募集・採用における合理的配慮の具体例をお聞かせください」の所で、疾患名を聞くだけではどういう配慮が必要なのか分からない、疾患の説明と必要な配慮をよく聞いた上で、という御提言がありました。また一般社団法人日本発達障害ネットワークの市川理事長様からも、何が得手で何が不得手かを把握するのが大事だ、例えば挨拶・面接や書類記入は苦手だけれど仕事はよくできるとか、その逆だったりなど、いろいろとあるので、それを把握しなければいけない、というようなことを伺いました。ほかの団体の方も類似のことをおっしゃっていて、個別に、面接などにいらっしゃった方の情報をどう得るかということが重要なのではないかと思います。

そこで、全日本手をつなぐ育成会の宮武事務局長様から、面接担当者の知識不足から、例えば本人のプライドを傷つけることを平気で本人に聞いたりする、ということがあるとのご指摘もありました。本人の状態を把握するのがとても大事だと思うのですが、それをうまく引き出すためにどういう工夫があればいいのかということを、もしあれば教えていただきたいと思います。宮武事務局長様からは、支援者の同行ということが1つの御提言だったと思います。そのほかに、うまい合理的配慮と言いますか、やり方があれば教えていただきたいと思います。

○山川座長

 座長です。幾つかの団体の方々に、本人の状態の把握をどのように行ったらいいのかという点について、御意見又は追加的な御発言でも結構ですということで質問がありました。どなたか何かございましたらお願いいたします。

○森氏

 御質問ありがとうございます。私ども難病の場合は、保健所や難病相談支援センターといった所でも就労の問題について支援をしています。また、難病対策委員会でも就労の問題は大きな課題となっていますが、そちらでもハローワークにサポーターを置くという形で、ハローワークと難病相談支援センターの連携も非常に大事だとして、1つの事業として進められています。これらの中で、例えばハローワークの職員は仕事に関しては非常に詳しくプロなのですが、個々の難病の疾病に関してはなかなか難しい面がたくさんあると思います。保健所や難病相談支援センターでは、難病にずっと関わっている支援員がおります。保健師であったり看護職であったりしますし、また、同じような難病を抱えながら働いている相談員の「ピアサポート」というものもあります。それらをうまく連携して使っていただき、情報を得ていただけるとよいと思います。基本的な疾患の理解については、難病情報センターというホームページや、就労支援のための疾患を説明するパンフレット等も必要だと考えています。

○山川座長

 ほかにございませんでしょうか。

○市川委員

 発達障害の立場から言いますと、会社の中にそういうことを分かっていらっしゃる方が1人でもいていただけると有り難いと思います。仮に会社の中にいなくても、メンタルを支援してくださる団体があって、会社と契約しているものもありますので、ジョブコーチとかケアサポーターに近いような専門的な知識のある方がいらっしゃればいいと思います。発達障害の場合は、薬を飲めばどうなるという問題でもありませんので、発達障害であるとか、この人は学習障害であると言ったからといって、恐らく同僚の方は何が何だかよく分からないだけなので、具体的に、このようにすればうまくいくのだと言っていただくほうが良いと思います。これは、この7年間、教育でも全く同じことが起きていますので、疾患名だけ言って、これは特別な人だとただ言われても何も意味がありません。どういうことが得意かということを専門の方に助言していただけると有り難いと思います。

○宮武氏

 育成会の宮武です。障害者の合同面接会というのがよくありますが、体育館にダーッと並んで、そのこと自体でもう緊張しているのです。まして、この例のように「どこが悪いのですか」というような言い方をする面接官も実際にいた。その面接官自身が、面接に当たる以前に、知的障害の方たちが働いている所や学校など、どういう場でどのように生活されているのか、そういう知識さえ持っていれば、こういう質問はおのずから出ないと思うのです。面接官が大人としてきちんと話をするということです。知的障害の方は親御さんが代わりにやってしまってなどということで、自信のない方が多いのです。就労支援のトレーニングでも、皆さん、希望としては働きたい、「I hope」なのです。就労移行支援事業は「I will」なのです。絶対働くということで、かなり大きな差がありまして、それが企業に送り出す就労トレーニングの基本とでも言えるのです。知的障害者雇用をお考えであれば、面接官自身が事前に、先ほどお話したように、共感できるような勉強を是非していただきたいと思います。

○北野委員

 これは採用前のときにどのようにするかという問題と、採用後とでは、かなり状況が違うと思います。採用前の場合は、はっきり言いますと、精神の場合にはカミングアウトする必要があるかどうかということ。カミングアウトすることは大変な問題です。カミングアウトしたときの不利益に対して、より大きな利益があるということがなければ、精神の場合はなかなかカミングアウトして就職に臨むことは難しいのです。国で合理的配慮のガイドラインを作られて、どの程度の企業ならどの程度の合理的配慮がなされるかということがある程度明確になってきますと、それに基づいて、私の場合はカミングアウトしたら不利益よりも利益があるであろうと、つまり、このぐらいの企業であればこの程度の合理的配慮が可能であるとすれば、このような合理的配慮をしてもらえれば、ここまでの仕事はこなせる、やれますというところで、明確にそのことを言えると思うのです。

 採用後の場合もそうですが、説明するときに、精神の場合には、病名はいろいろと付いています。統合失調症であるとか気分障害であるとかいう名前は付いていますが、実はこの病名だけでは支援との関係ではほとんど意味を成さないと思ってもらって結構です。統合失調症の場合では、11人の状況は本当に違っていますし、気分障害の場合でも、躁と鬱が繰り返される方と鬱状態だけの方の場合でも違いますし、鬱のレベルは様々です。障害というのは御本人と環境との関係から生まれてくるのです。環境を配慮していただいたときに、このぐらいの状態ならばここまでのことは可能であるということですから、環境と本人との関係の中で、どういう説明をどのぐらいするのかということが生まれてくる。そういう点を、雇用される方が、私たちの対応の仕方によって、この人たちの能力の発揮する状況は違ってくるのだということを認識していただくことが一番大切だと思っています。

○山川座長

 ほかに何かございませんでしょうか。

○栗原委員

 栗原です。いろいろとお話を伺いまして、知らないことも多々ありましたので、非常に勉強になりました。ありがとうございます。

 私ども中小企業として、大企業ではできるけれども中小企業ではできないということは、当然、多々あると思うのです。ですから、差別は別として、今回のような配慮義務については、できる、できないというのがかなり幅広いものになるのではないかと思っています。特に身体・知的の方はもう長い歴史がありますので、皆さん方は、どのような状態になればどうこうということが大体分かると思うのです。ところが、精神の方はこれからがスタートになるわけです。先ほども、精神の方は何となく嫌だというような言われ方がされていますが、それは何もない状態で、ぽんとやられても、なかなかこれは難しい。企業に対する啓発など、やはりそういう時期が必要であって、簡単に今日言ったから明日分かるというものではなく、常々、勉強会なりいろいろなものを通じて、接し方や行動などを企業に分かっていただくようなことをやっていかないとまずいのではないかと思います。

 それと同時に、企業側として、雇用する場合には情報開示が非常に必要だと思います。てんかんの例を出して申し訳ありませんが、例えば、薬を飲まなくて、あるいは、薬を飲んで眠くなりますね。以前、私どもの会社でも、夜に残業がありまして、食事の後に薬を飲んでいて、眠くなって、機械に挟まれてしまったという例もありました。後で聞くと、実は薬を飲んでいましたというようなことがありました。そういうことは、分かっていれば企業としてはそういうことはやらせない。それが分からないために、このようになったということもあります。できれば、そのような前もって分かるようなことについては、企業のほうに開示をしていただけるほうがいいと思います。

 もう1つ、これは宮武さんにお伺いしたいことです。グループホームを作るときに地域の反対が多いということは、私もよく聞いています。グループホームは地方でも都会でもあちこちにあるものですが、都会のほうが反対が多いのかと思うと、地方でも意外と多いのです。そうしますと、グループホーム等がないと、地方から、働きたくても働く場に行く場所がない。そういうことで、働ける人が働けないという現状があるのです。そのときに、グループホームをもっと公に作れるような方法にはどういうものがあるのかをお伺いしたいと思います。

○宮武氏

 こちらが教えていただきたいのですが。本当に知らないと言いますか、不安感と言いますか。今はネット時代で、「知的障害者の犯罪」と打つといろいろな例が出てくるのです。大阪でこういう事件があったとか、そういうことで、余計に不安感を持たれてしまう。先ほどお話したように、とにかく接する機会がないのです。そういうことで多いのです。私どもは、たくさん作ってきましたが、民間のを別に改修とか、公的な助成金を受けずに、入る場合は、居住の権利があるわけですから、マンションを幾つか借りて黙って入るのです。これが公的助成金を受けて改造するなどということになると、住民に説明してくださいということになって、そこがネックなのです。周辺の方に、こういうことでよろしくお願いしますというところから始まるのです。ですから、今は障害者差別解消法で同意が必要ないと言いますか、同意は必要ありません。今は説明することで、そういうことが起きています。皆さんも障害を理由に反対するというのではないのです。なぜ公的な税金が説明なしに使われるのかとか、真正面から知的障害だから反対ということは一言も言いません。やはり根っこには、障害の方が目に見える形で働いている姿など、そういうことがあれば随分と地域理解は進むと思います。地域住民の方は皆さん企業の方ですから、会社の中でも同じようなことだと思います。先ほど、スターバックスやユニクロなど、働くことによって随分理解が進んだとは思っています。やはり苦慮しています。

○市川委員

 日本発達障害ネットワークの市川です。私も、かつて知的障害の入所施設を作るときの説明会をやったことがあります。皆さん、きれいごとをおっしゃっていますが、正直に言って障害が嫌なのです。私にはそうとしか思えませんでした。そういう説明会をやりますと、うちの子が障害者を見たらうちの子も障害者になってしまうとか、あり得ないことを平気でおっしゃるので、これは啓発がまだ足りないとしか思えないです。ですから、1つはこれをやっていくということ。それから、先ほど宮武さんもおっしゃっていましたが、行政もそれをバックアップしていただかないと、反対する者もうちの地域の住民だとか何とか言い出してしまうと、もう全然収拾つかなくなってしまうのです。その辺のところはあると思います。まだ時間が掛かるかもしれませんが、これを地道にやっていくしかない。逆に、うまくやっている人を世の中にきちんと知らしめていっていただきたい。発達障害で言うと、これは俗説でよく分かりませんが、偉大な発明家からノーベル賞を取る人までいる。逆に、社会でつまづいて、雇用がうまくいかなかったり、司法のお世話になってしまう人までいるわけです。これは、置かれる環境など、そういうものが大きく関与しているところだと思うのです。障害だから何とかであるというのは非常におかしい。障害の中にもいろいろなものがあるのだというふうに考えが変わっていっていただけると有り難いと思っています。

○北野委員

 先ほど、採用された方がてんかん症状を持っていらっしゃって、残業のときにお薬の関係でという話がありました。今回、精神障害の当事者の方からも、団体連合会の資料の中に幾つか書かれています。私はカナダにしばらくおりまして、カナダの精神障害者の当事者の会や、てんかん協会にも一緒に研修に行かせていただいて、よく分かったことがあります。カナダのブリティッシュコロンビア州では、就労されるときに、就労する企業の方と雇用される方との関係者の方が集まって、てんかんならてんかん、精神障害なら精神障害についての、いろいろな学習のプログラムやマニュアルやビデオができていますので、それを関係者が一緒に勉強し合って、理解して、その後、一般的な就労につなげる。精神障害の当事者の方々や家族会、協会の方々と企業と州の関係者が合同して勉強するというような仕組みをしています。日本でも理解が進んでくれば、そういう形で学び合っていけるような仕組みができればと考えています。

○古屋氏

 日本てんかん協会です。先ほど事例が出て、情報公開という話が出ましたが、そのとおりだと思います。多分、雇ってくださる側への告知の問題と、先ほどの事故の背景としては、事前に主治医の先生にどう説明されているのかということも少し気になりました。昨日、メディアセミナーということで、マスコミの方々を中心として、勉強会も兼ねて体験発表などをさせていただきました。その中には、これから雇用する雇用主の方も見えていまして、新たにいろいろなことを知ったということでお帰りいただきました。今の情報公開の話も踏まえて、私どもとしてもいろいろと取り組んでいるところです。ただ、先ほど事故の話もありましたが、てんかんは怖いと、私から見ると時代が遡ってしまったのかという感を抱いてしまいました。そういうことのないように協会としても取り組んでいくつもりですので、私どもが先ほど申し上げた意見を是非御検討していただいて、一緒に取り組んでいきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

○水谷氏

 日本難病・疾病団体協議会の事務局長の水谷です。皆さんと同じですが、私からも一言。難病といっても疾患名だけでは分かりませんし、そういう意味では、高齢障害者雇用支援などで、難病のある人の就労支援のためになど、また、他の部局ですが、社会援護局の障害保健福祉部では、障害程度区分の関係で難病に対する認定調査員マニュアルなど、難病に配慮して、どういう特性があるのかということを行政にもやっていただいています。行政サイドも縦割りかもしれませんが、他の部署でやっているようなものも含めて、イメージだと思うのです。難病者が働いているイメージが分かれば雇用主の方の理解も進むと思います。是非そこをやっていただいて、全体の障害者の雇用が進むように配慮していただきたいと思います。

 やはり発想が大事なのではないかと思います。グループホームの問題についても、地域にどういう障害の人がいるのか分からないような地域に、グループホームがあれば逆に安心だという発想で地域が考えれば、障害者が地域に住む生活も進むのではないかと思います。雇用の面でも発想を変えていただいて、イメージを示して、その人の意欲を活かしていただいて、雇用が進むように努力していただけるのではないかと思います。是非よろしくお願いいたします。

○山川座長

 非常に貴重な御意見をいろいろとお伺いしていますが、更に何かございませんでしょうか。

○富永委員

 富永です。大変勉強になることを伺いました。ありがとうございます。障害をお持ちの方が職場にどんどん進出していかれると、職場での理解なども進むようになると思います。ただ、法律が施行されて、特に最初のうちはまだ不慣れな事業主の方もいらっしゃると思いますので、そういう方が指針を見て、何をすればいいのか、何がいけないのかということをまず知ってもらうことが大切ではないかと思います。先ほどの例だと、聞き方を工夫するなど、情報の取り方を工夫するということでしょうか。たとえば、先ほどの話で、難病相談支援センターの方に就労支援の関係でご協力を仰ぐことも有効と伺いました。そこでお聞きしたいのですが、場合によっては採用のときにも支援センターの方からお話などを聞かれるのでしょうか。難病をお持ちの方が採用面接にいらっしゃったときに、どのように気を付けたらいいのかということを事業主の方が(支援センターに)聞くこともよくありますか。そういったことがうまく行った事例はあるのでしょうか。

それから、直接ご本人に訊く場合の聞き方について。特に、まだよく職場では理解が進んでいない場合は、どういう状態なのかを使用者が知りたいと思い、そこで悪気なく本人に向かって、「どこが悪いのか?」ということを言ってしまったりすることがあると思います。これは本当はどういう聞き方をすればうまく情報を引き出せて、うまくいくのかということは何かあるのでしょうか。もしあれば補足的に教えていただきたいと思います。

○山川座長

 今の話は、状況と言いますか、障害の中身についての情報の共有、把握を、採用等のときに具体的にどのようにしていくことが工夫として考えられるかという点につき、実例があればという御質問です。どなたでもということですが、何かございますか。

○宮武氏

 先ほども同じようなお話でした。例えば知的障害の方と面接をするときに、得意なことを聞くというか、どういうことが得意ですかとか、趣味など、何が好きなのかという、そういう肯定的な形でお話すると大体の輪郭が分かってくるのです。何ができて何ができないかというような、数字を幾つ計算できますかなど、そういうことではなくて、その辺からリラックスさせながら、どういう仕事をしてみたいかなど、そういうことです。ただ、知的障害の方は自分自身の障害理解というのはなかなか難しいのです。知的障害の方にとっては、「障害者」という言葉のイメージは身体障害の方で、自分は障害者だという障害認識というのは持ちづらい障害でもあります。何が自分にできて苦手なところは何なのか、こういうところを手伝ってもらえればできるというぐらいまで自己認識ができれば、御本人がかなり社会に参加しやすいという認識を持っています。

○栗原委員

 栗原です。今のお話のとおりだと思います。障害を持たれた方が面接に来られると、初めての方との相対ですから、これは難しいのです。判断するほうも難しいと思います。最初に会ったときの状況で判断されるより、ある程度働いてもらうと、その子の状況がよく分かります。やってみると、見た目と少し違う、意外とできるというようなことも多々あると思います。障害を持たれている方にはトライアルを大いに掛けていただきたい。これは精神だけではなく、全ての障害を持たれた方に。何もお金がほしいと言っているのではなく、トライアルの制度を使わせていただきたいとお願いしているのです。そうすると、3か月なり半年やっていただくと、大体その子の働く場、経験を見れば、もう少しいけそうだなどの判断ができるわけです。最初の第一印象でこの子は駄目というのではかわいそうだと思います。そういうためにも、大いにトライアルの活用を増やしていただきたいと思っています。

○市川委員

 栗原委員がおっしゃったとおりです。その人の良いところ、悪い所を自分でうまく説明できない。知的に問題があろうとなかろうと、特に発達障害の者などはできないところがあります。トライアルは非常に有効だろうと思います。現在、高校3年生ぐらいでトライアルをして就労に結び付いている方も随分います。

 それから、言葉が言葉としての意味を成していない場合があります。それを気を付けないと誤解してしまう。その人の言葉の意味が我々の持っている言葉の意味と違っているということがあって、後から気が付くことがあります。そういうことも含めて、慣れるといろいろと分かってくるところがあるので、重要だと思います。

○北野委員

 北野です。栗原委員がおっしゃったとおりです。中小企業は当然そうですし、大きな企業でも同じなのですが、日本の場合には、採用の前に仕事内容としてこういうエッセンシャルなファンクションがあるということがアメリカのように明確になっている仕組みではないというのが、日本の一般的な労働の雇用慣行だと思います。そこにはメリットとデメリットがあります。これができる方でないとだめ、という形でものすごくリジットに、一本化した関係で採用ということではなくて、中小企業の場合は全体として採用していただくということです。採用していただいて、いろいろな所で御本人の特性とうまく合った働き方のトライアルをしていただいて、経験を積んでいただいて、彼・彼女らの可能性や個性をうまく見つけ出していただく。そこで良い雇用が生まれてくるというチャンスも日本の特に中小企業は持っていらっしゃいますので、是非ともそういうトライアルをしていただきたい。本人の障害というのは本人と環境との間に生まれてくるものなので、環境の中でいろいろな経験をしている中で、環境の変化があれば、御本人がいろいろな可能性や能力を発揮していただけます。そういうところで、うまいチャンスを提供していただくために、トライアルなど、いろいろな実習的なものがどんどんできる仕組みを創出していただきたいと思っています。

○山川座長

 ほかに何かございますか。

○森氏

 難病相談支援センターで私も相談を受けています。やはり事業主からの相談もありまして、応募があったらその病気について質問があるときもありますし、実際に企業に勤めておられる方で発病された方がおられて、その病気がどのようなものであるのか、どのような配慮をすれば、どのような所に配置転換すればうまく勤務を続けることができるのかといったような相談もあります。また、発病しますと、できること、できないことというのが、発病当時には本人にも分かりづらいということもあります。病気によっては、できるけれども病気を悪くしないためにしてはいけないことがあります。例えば関節の炎症であれば、拭き掃除をするときに、手首の関節を保護するために肘全体で拭くことは可能ですが、手首だけで動かすことをできるだけしないほうが良いことになります。そこは工夫して、本人がしっかりと病気のことを知っていればその仕事も可能ですが、雑巾を絞ることはどうしても関節を動かさないとできません。本人としては、やればできるのだけれども、それを続けていると病気が悪化するという事例もあります。本人も自分自身の病気のことを十分に理解し、それをうまく伝える、そして相談することがとても大事だと思います。

 先ほどからトライアル雇用が出ていますが、難病の場合もそのことがとても大事です。どれだけの時間、どれだけの仕事量がこなせるのか、本人もやってみないと分からない。それによって、生活のリズムをどのように付けて、より良い状況で療養生活とともに仕事ができるのかということを言えますので、その辺りは是非お願いしたいと思います。

 また、事務職で内勤という条件で勤務された非常に優秀な方で、どんどん仕事を任され、外回りまですることになってしまったことから、疲れがあったり、日光に余り当たってはいけない疾患などでは具合が悪くなったという例もあります。勤務を続ける時点でも、できるからといって、どんどんいろいろな職種を課してしまうことは、病状が悪くなる原因にもなると思います。その辺りも配慮をお願いしたいところです。

○宮武氏

 宮武です。書いてはありますが、説明ができなかった点です。1つは、就職した後の「たまり場」についてです。作業所などに行っている分には、いろいろな行事があったり旅行があったり仲間がいるということで、御家族も福祉的就労のほうが安心だという面もあるのです。確かに工賃が1万円ぐらいしかもらえないということはありますが。企業就労をしますと、家と会社の往復だけになってしまうのです。まして、会社に仲間もいないということになると、弧立感で、ちょっとしたことで辞めたくなってしまう。家族の負担も大きくなるわけです。就労支援センターでも各地で取組をされていますが、帰りがけにちょっと寄ってお茶を飲むような場所、そういう、仲間とおしゃべりしたりする場、世田谷の小田急線の祖師ヶ谷大蔵のガード下で便が良い所に、「たまり場」があるのです。そこにちょっと顔を出して仲間と会ったりする。ここに書いていますが、職員に愚痴をこぼすことで、今日は怒られたというようなことを話すだけで、ストレス解消になるのです。そういう気持ちの切替えもできます。一緒に飲み会をやったり日帰り旅行を計画したり、本人たちの会ができたりする。そういうことが職場の安定を得る非常に大きな要因になっています。

 もう1つは、さかんに言われているトライアルについてです。知的障害が義務化になったときにお願いしたと言いますか、町工場で職場開拓して、「じゃあ1週間ぐらい来てみたら」というところから始まるのです。ところが、助成金を使うことになると、それは事前雇用になってしまうのです。職安を通して紹介されていないと、事前雇用で助成金は使えませんということになる。それなら職安に先に求人票を出してくださいと、社長に言うと、そんな面倒くさいことはいいということで、その辺があって要望したという経緯があります。それが今は若年トライアル雇用ということで焼き直しになって、障害を持っていない若い人たちがトライアル雇用を使っている。今議論されている内容は若い方たちの、若年貧困層とかニートと言われる人たちの支援策なのです。ですから、非常にユニバーサルなものです。どなたかのお話にもありましたが、実は我々は先取りしているのです。こういう制度が社会の役に立つということで、そういうアプローチの仕方は大事だと思います。ガイドラインを作るというのは、そういうことを念頭に置いて、そういう整理の仕方をしていただきたいと思います。

○北野委員

 もう1つだけです。精神障害者団体連合会の資料1-62ページに書いていただいていますが、日本の場合は、採用されるときのこういう業務であるということが、採用されてから内容が違うことがある。精神の場合や、発達障害の場合も同じなのですが、配置転換があったりなど業務が変わるときには、やはり慣れるまで、慣れるためにじっくり時間を掛けていただいて、それに必要な支援のプログラムをきちんとお願いしたいと思います。

 それから、大きな問題がもう1つあります。就労した最初の時点では関係者が集まって、この方はこういう方ですという形で、そのときには上司の方も周りの方も皆に御理解していただいているのですが、ほかの職員にも配置転換はありますので、採用されて一定の時間がたつと、よく分かってくださっている上司の方も関係者もいなくなってしまうのです。そこで環境として、労働内容は変わっていないけれども、関係者が変わってしまうことによって本人が非常に不安定になるということは多いのです。これが私たちの相談で多いのです。本人が安定できるような支援をいろいろな関係者に分かってもらえる引継ぎを上手にやっていただきたいと希望しています。よろしくお願いいたします。

○阿部()委員

 日身連の阿部です。先ほどの森さんのお話の中で、1ページの「禁止される差別の具体例」についてです。継続して高額な医療費がかかる患者さんの場合は、その方を雇用している事業主に負担が掛かるのですか。それとも、そういうことを言っていることが問題なのですか。もし掛かるのであればそれは是正すべきだと思います。実態的なことについて教えていただきたいと思います。

○水谷氏

 人工透析などは、御承知のように、年間医療費がたくさん掛かるわけです。健保組合など組合の健保財政の関係で、つまり、1人雇用すると健康保険の事業主負担が掛かってくるわけです、使う医療費がたくさん掛かりますから。ですから、そのことで直接は言えませんが、あなたはどのぐらい医療費が掛かるのですかという形で言われたことが、かつてあったということなのです。

○阿部()委員

 阿部です。それは直接雇用している方に負担が掛かるものなのかどうなのかということです。かつて言われたということですが、現状はどうなのか。こういうことはあってはならないと思うので確認させていただきました。その辺についても、厚生労働省からも、直接の部局ではないかもしれませんが、そういうものの実態がどうあるのか、後から検討する中で資料などを頂きたいと思います。

○山川座長

 恐らく社会保険の事業主負担の問題なので、ここは労働部局ですが、その点について御説明することがあれば、今回でなくてもよいと思いますが、よろしくお願いいたします。

○小出委員

 先ほど、身体と知的は長い間の雇用の歴史があるということを言われていました。我が子の成長をずっと見ていますと、10年前と現在、知的障害のある人たちの重度の方々も企業で雇用されるようになりました。十年一昔と言いますが、障害についての科学的根拠に基づいた対応が、この10年間で非常に進んでいます。10年前は養護学校と言われ、それから、特別支援教育となりまして、その後つい最近、インクルーシブとなった。別個に特別な場所で隔離されたような状態で成長していたものが、最近は、皆さんの目に触れることが顕著化してきたと私たちも実感しています。知識的には知ることができなくても、私どもは触れ合うことで理解が進むということです。科学的根拠に基づいた対応、それから、触れ合うことによって理解できる。実際問題、企業の方々、雇用主の方というのは、暗黙知で昔の概念で対応することがあります。その辺については是非改めて研修をしていただいて、より多くの障害種別の方々にも同じような対応を力を入れてやっていただくことを心掛けていただきたいと思います。

○古屋氏

 科学的という話が出ましたので述べさせていただきます。先ほど事故の話をしましたが、御存じのとおり、あれはきちんと服薬をしていなかった、あるいは治療を受けていなかった例です。ところが、先ほど申し上げたとおり、きちんと治療を受けて就労している人たちまでが不利益を被るような事態が起きている。その背景に、当初マスコミの方々も「てんかん」という診断名と「てんかん発作」という症状を混同されていた。協会としても日本てんかん学会とも協力しまして、その辺の誤解を何とかしようと取り組んできたのです。改善をしてきているのではないかと思うのですが、まだ誤解や偏見が払拭したとは思っていません。これからも私たちは発信しますし、行政側の力も借りながら取り組んでいきたいと思っていますが、是非、「てんかん」という診断名と「てんかん発作」という症状の違いというか、混同しないことを、科学的という話が出ましたので、皆さんに改めてお伝えしたかったのです。是非よろしくお願いしたいと思います。

○山川座長

 申し訳ありませんが、時間になってしまいました。非常に充実した質疑応答を頂いたと思っています。座長の不手際で時間のコントロールがうまくできませんでしたが、特にどうしてもということがなければ、本日はこの辺りで終了させていただきたいと思います。御発表いただいた皆様方、どうもありがとうございました。

 次回も関係の皆様方からのヒアリングを行います。事務局から日程等の説明をお願いします。

○障害者雇用対策課長補佐

 事務局です。次回は117()1315時を予定しています。引き続き、関係者からのヒアリングを予定しています。ヒアリング団体は、一般社団法人 日本経済団体連合会、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会の予定です。

○山川座長

 これをもちまして、本日の研究会は終了いたします。お忙しい中をどうもありがとうございました。


(了)

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