ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会)> 第7回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録(2014年1月20日)
2014年1月20日 第7回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録
雇用均等・児童家庭局
○日時
平成26年1月20日(月)13:00~15:00
○場所
厚生労働省(中央合同庁舎第5号館)9階 省議室
○出席者
委員
小杉委員長 (労働政策研究・研修機構特任フェロー) |
海野委員 (全国母子寡婦福祉団体協議会理事) |
大塩委員 (全国母子生活支援施設協議会会長) |
兼子委員 (浜松市こども家庭部長) |
島崎委員 (政策研究大学院大学教授) |
新保委員 (神奈川県立保健福祉大学教授) |
杉澤委員 (山形県子育て推進部子ども家庭課長) |
中田委員 (全国母子自立支援員連絡協議会会長) |
三木委員 (戸田市こども青少年部長) |
参加人
新川参加人 (NPO法人WINK理事) |
赤石参加人 (NPO法人しんぐるまざあずふぉーらむ理事長) |
片山参加人 (NPO法人全国父子家庭支援連絡会代表理事) |
佐藤参加人 (ハンドインハンドの会主任研究員) |
事務局
石井雇用均等・児童家庭局長 |
鈴木大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭担当) |
定塚雇用均等・児童家庭局総務課長 |
小野家庭福祉課長 |
高松家庭福祉課母子家庭等自立支援推進官 |
度会家庭福祉課課長補佐 |
○議題
ひとり親家庭への支援施策の在り方について
○配布資料
資料1 ひとり親家庭への支援施策の見直しの全体像について | |
資料2 ひとり親家庭への総合的な支援体制の強化について | |
資料3 ひとり親家庭への支援施策の見直しに伴う税制上の所要の措置について | |
資料4 ひとり親家庭への支援施策の見直しにおける法改正事項(案)について | |
参考資料1 ひとり親家庭への支援施策の在り方について(中間まとめ) | |
参考資料2 ひとり親家庭への支援施策の在り方について(中間まとめ)の概要 | |
参考資料3 平成26年度母子寡婦等福祉対策関係予算案の概要 |
○議事
○小野家庭福祉課長
定刻より 1 分ぐらい早いのですが、皆さまおそろいでございますので、会議を開催させていただきたいと思います。
ただ今から「第 7 回ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。本日は、委員全員にご出席いただいております。委員の皆さま方には、お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
それでは、議事に移りたいと思います。小杉委員長、よろしくお願いいたします。
○小杉委員長
では早速ですが、お手元にお配りしております資料の確認を、事務局よりお願いいたします。
○小野家庭福祉課長
最初に、資料の確認をさせていただきます。配布資料は議事次第のほか、資料が 4 点、参考資料が 3 点ございます。資料番号は右上でございますが、資料 1 は「ひとり親家庭への支援施策の見直しの全体像について」、資料 2 は「ひとり親家庭への総合的な支援体制の強化について」、資料 3 は「ひとり親家庭への支援施策の見直しに伴う税制上の所要の措置について」、資料 4 は「ひとり親家庭への支援施策の見直しにおける法改正事項 ( 案 ) について」。
参考資料 1 は「ひとり親家庭への支援施策の在り方について ( 中間まとめ ) 」、参考資料 2 は「ひとり親家庭への支援施策の在り方について ( 中間まとめ ) の概要」、参考資料 3 は「平成 26 年度母子寡婦等福祉対策関係予算案の概要」でございます。
○小杉委員長
それでは次に、参加人の参加についてです。本日は、 NPO 法人ウインクから新川てるえ理事、 NPO 法人しんぐるまざあず・ふぉーらむから赤石千衣子理事長、 NPO 法人全国父子家庭支援連絡会から片山知行代表理事、ハンド・イン・ハンドの会から佐藤俊恵主任研究員の参加を求めますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○小杉委員長
ありがとうございます。
次に、本日の進め方です。本日の会議の趣旨は、昨年 8 月に取りまとめました「中間まとめ」を踏まえた、その後の検討・対応について事務局からの報告を聴取し、本委員会として対応を確認するものです。
事務局からの報告を踏まえて質疑を行いますので、円滑な議事運営にご協力をお願いいたします。
それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小野家庭福祉課長
よろしくお願いいたします。それでは、資料 1 から説明させていただきたいと思います。資料 1 は「ひとり親家庭への支援施策の見直しの全体像について」でございます。まず左側の方で、「中間まとめ」でまとめていただきました指摘をご紹介して、右側の方でそれについてそれぞれどのような対応をするかということを説明させていただきたいと思っております。
まず左側の方でございますが、 8 月の「中間まとめ」で指摘いただきました点には支援施策全体の話と個別の支援分野の話がそれぞれあったかと思います。「支援策全体の現状と課題」ということでいいますと、家庭ごとの課題を把握・整理して、適切な支援メニューにつなげる相談支援体制が不十分ではないか。地域により支援メニューにばらつきがあるのではないか。支援施策が知られず、利用が低調なのではないか。経済的に厳しい父子家庭も存在しているのではないか。
「個別の支援分野の現状と課題」ということでいきますと、1の「就業支援」でございますが、非正規雇用者が多く、稼働所得が低い。就業を希望しても就職できない者も多数いる。就業・転職には資格取得が有効。他方で、訓練と子育てとの両立が困難といったところをご指摘いただきました。
2の「子育て・生活支援、子どもへの支援」でございますが、同じく、就業・訓練と子育てとの両立が困難であるということ。また、子どもへの影響 ( 貧困の連鎖など ) も懸念されるというご指摘をいただきました。
3の「養育費確保」、 4 点目の「経済的支援」のところでございますが、養育費等の取決め・履行は十分に進んでいない。また、児童扶養手当の公的年金との併給制限の見直しや、母子福祉資金貸付の父子家庭への対象拡大が検討課題である等のご指摘をいただきました。
こうしたご指摘を踏まえまして、私どもは今まで予算編成、税制改正あるいは法律案の検討ということで対応を考えてございます。右側の方に対応内容を書いておりますが、【予】とありますのは平成 26 年度予算案で確保したもので、【税】と書いていますのは平成 26 年度税制改正が認められたものでございまして、政府としての意思決定が既に済んでいるものでございます。【法】は法律改正事項となるもので、法律改正につきましては現在、政府としての案を検討中でございまして、この 2 月の閣議決定を目指して作業を進めている段階でございます。後ほど、予算・税制・法律のそれぞれについて説明いたしますが、この紙では全体像をご説明いたします。
1「相談支援体制の構築」ということでございますけれども、メニューとして四つ書いております。一つ目は予算案の中で支援メニューを組み合わせて総合的・包括的な支援を行うワンストップの相談窓口の構築ということでございます。また、予算案と法案の中にも書き込んでおりますけれども、支援施策の広報啓発活動の強化。三つ目は、ニーズを踏まえた自治体での支援メニューの計画的な整備。また、父子家庭への支援の推進、施策の周知徹底ということを予算・法律で検討しているところでございます。
2は「支援メニューの充実」ということでございます。就業支援に関連いたしまして左側の指摘事項を踏まえまして、例えば新たに就業支援専門員を配置した上で、ワンストップの相談窓口による関係機関と連携した就業支援をしていくということ。また、就業支援の関連の事業ということで、講習会や相談関係職員の研修、自立支援プログラム策定等の拡充といったことを考えております。また、資格取得のための給付金の非課税化も税制と法律で対応していこうというところでございます。
2の「子育て・生活支援、子どもへの支援」というところでございますが、就職活動等の際の保育サービス ( 日常生活支援事業 ) の拡充等を目指しております。また、ホームフレンドといわれるものですが児童訪問援助員の派遣、学習支援ボランティア事業の拡充ということを子どもへの影響ということで対応しようと考えております。
3「養育費確保」、4「経済的支援」のところでございますが、養育費、面会交流に関する周知啓発、連携した相談体制を予算で確保するということ。児童扶養手当につきましては公的年金との差額支給。母子福祉資金貸付の父子家庭への対象拡大につきましては予算措置を予算の中で盛り込んでおりまして、法律改正の中でも検討していこうというところでございます。
次のページ、資料 2 でございます。予算の中で「ひとり親家庭への総合的な支援体制の強化について」ということでございますが、予算全般につきましては、後ほど参考資料 3 で全体像をご覧いただければと思っております。母子寡婦等福祉対策関係予算でいきますと、 2,200 億円程度の予算が組まれているわけでございますが、この本年度予算の中で新規に措置したもの、拡充したものの中で、特に総合的な支援体制の強化ということで今回の「中間まとめ」でご指摘いただいたことに対応する予算案について、ここではご説明申し上げます。
このメニュー中で大きく二つございます。上の四角の (1) でございますが、まずは総合的な支援のための相談窓口を整備するということ。これはワンストップの相談窓口をつくりまして、その上で、好事例を全国展開していくというものでございます。
(2) が支援施策の充実強化ということで、1にありますような転職・キャリアアップ支援等の就業支援関連事業等の充実強化、2にあります子どもに対するピア・サポートを伴う学習支援の推進。それぞれの分野を充実強化していこうということでございます。
左側に書いてあることは既にご指摘いただいたところでございます。1相談支援体制が不十分であるということ。2地域により支援メニューの実施状況にばらつきがある。3支援施策が知られていない。4多くが非正規雇用で働いており、個別の状況に応じた就業支援が必要。5は、特にこの会議でご指摘いただいたところでございますけれども、子育て・生活支援の充実というものが不可欠であるということ。6は子どもへの支援でございますけれども、親との離別経験や将来への不安、親への気遣いなど特有の悩みを持つ子どもへの支援が必要であるということ。7は、いわゆる子どもの貧困という問題で、貧困率の改善が求められているということです。
「具体的な施策」といたしまして、この予算案の中では大きな二つの柱がございます。一つ目は、先ほど申し上げました相談窓口の構築ということで、新規で 2.9 億円と書いてある部分でございますけれども、総合的な支援のための相談窓口の整備として母子自立支援員に加えて新たに就業支援専門員を配置しようということで、キャリアカウンセリングといった部分について専門性を有している方を想定しています。ワンストップの相談窓口で適切なメニューを組み合わせることで支援を実施していく。全国 109 か所と書いておりますけれども、まずはこの個所数の予算を組んでおりまして、来年度以降この個所数でやっていく。その上で、好事例をゆくゆくは全国展開していくということで考えております。二つ目の話といたしまして広報啓発活動を強化していくということ。三つ目は国による地方自治体への支援ということで、まずは 109 か所で行った上で全国展開していくための国の経費というものを予算措置しているところでございます。
大きな二つ目の柱は「支援施策の充実強化」ということです。その一つ目ですが、就業支援関連事業の充実強化ということで、これは今やっています事業を強化していくということでございまして、就業支援講習会の拡充や相談関係職員の研修等を充実していくということ。また、自立支援プログラムの策定の拡充や生活援助や保育サービスの提供等の拡充をしていくということでございます。
二つ目として「子どもへの支援の推進」ということで、児童訪問援助員 ( ホームフレンド ) の派遣の拡充。また、ピア・サポートも行いながら、学習意欲の喚起や教科指導等を行います学習支援ボランティア事業の拡充もしてまいりたいと考えております。
裏のページにありますのはイメージ図でございますけれども、今は母子自立支援員さんが総合的な支援のための窓口ということで頑張っていらっしゃる。とはいっても、大変お忙しい中で全てについて 100% やるということは難しいところもあるということでございます。例えばキャリアカウンセリングなど特定のスキルが必要な分野について新たに就業支援専門員を配置して、この二つのスキルの体制で適切な支援メニューを組み合わせて、右側にあります個々の就業支援、子育て・生活支援、子どもへの支援、養育費確保・経済的支援というところにつなげていこうということでございます。【新規】と書いてあるところが新規でございまして、右側の【拡充】と書いてあるところは、予算額を今回特に増やしている分野でございます。これにつきまして、就業支援員の下のところに書いておりますけれども、支援施策の広報啓発活動も拡充していくということ。こういったことでうまく進めておられる自治体のやり方等につきまして全国展開を目指していくことを考えております。
次の資料 3 でございますが、税制上の措置についての説明でございます。上の欄に「平成 26 年度税制改正の大綱」とございます。これは昨年 12 月に与党の方でまとめていらっしゃるものでございます。その中で、このように書かれております。「ひとり親の雇用の安定及び就職の促進を図るための給付金である高等職業訓練促進給付金等を非課税とする措置を請ずるほか、児童扶養手当と公的年金給付との併給制限の見直し等の制度見直しに伴う税制上の所要の措置を講ずるなど、ひとり親家庭への支援施策の見直しに伴う税制上の所要の措置を講ずる」としております。少しややこしい言葉遣いになっておりますが、具体的には下に書いてあります 3 点がございます。
一つ目は、高等職業訓練促進給付金等について非課税措置といたします。高等職業訓練促進給付金 ( 月額 10 万円、上限 2 年、所得制限あり ) は、看護師等になるために修業する場合に、その期間中の生活を支援するものでございます。もう一つの「自立支援教育訓練給付金」は、上限 10 万円で経費の 2 割相当額を支援するものですが、これら二つの給付金について現時点では所得税課税になっておりますけれども、これを非課税にするという措置を講じるということがまとめられました。
もう一つは、児童扶養手当と公的年金等との併給制限の件でございます。公的年金給付との差額分について児童扶養手当を支給できるように法律改正を予定しております。その差額分を支給する場合でも、児童扶養手当についても非課税にしてくださいというものでございまして、その要望が認められたということでございます。
三つ目は、「その他所要の改正」ということで、条文上の整備でございます。見直しに係る条文の整備等がございます。
次の資料 4 は法改正事項でございます。今、説明いたしました予算と税制については、それぞれ先ほど申し上げましたが政府は一応それでやるということで意思決定がなされたものでございますが、こちらの法改正事項につきましては、まだ検討中のものでございます。これにつきまして、このような中身で今、考えているというご紹介をさせていただければと思っております。
法律でございますが、大きく分けて「母子及び寡婦福祉法」と「児童扶養手当法」の二つの改正を考えております。母子及び寡婦福祉法でございますけれども、大きな柱が三つあります。一つ目の柱が「ひとり親家庭への支援体制の強化」ということでございます。二つ目の柱は「就業支援、子育て・生活支援の強化及び支援施策の周知」、三つ目は「父子家庭への支援の拡大」。これが三本柱でございます。
一つ目の柱である (1) 「ひとり親家庭への支援体制の強化」の話でございますけれども、1で書いておりますのが都道府県や市、福祉事務所設置町村におきまして、施策を計画的・積極的に実施してくださいということを規定するほか、インターネットの利用等も含めました周知の施策。また、支援者の連携・調整ということ。あるいは、関係機関の相互の連携というようなことを規定してはどうかと検討しております。2でございますけれども、名称の改正もまた後ほど説明いたしますが、母子・父子自立支援等の人材確保及び資質向上に努めなければいけないということ。あるいは、自立促進計画の策定に際して支援の対象になる人に意見を求めるなど地域の支援ニーズの勘案等に努めることを検討しております。3でございますけれども、 NPO 法人も母子・父子福祉団体として支援措置の対象とできるように規定を改正することを検討しております。
(2) は「就業支援、子育て・生活支援の強化及び支援施策の周知」ということでございます。1は、先ほど税制改正で説明いたしました件につきまして法律上の根拠、条文の整理をするということで、公課禁止、差押え禁止、不正利得徴収に係る規定を創設することを検討しております。2でございますけれども、現在の条文上にあります保育所の入所に関する特別の配慮に加えまして、放課後児童健全育成事業等の利用に関する特別の配慮についても規定を検討しております。3でございますが、現在は予算措置として講じられていて法律上の根拠がない子どもへの相談・学習支援、ひとり親同士の情報交換支援等に係る予算事業を「生活向上事業」 ( 仮称 ) として法律に書くということでございます。現在は日常生活支援・就業支援について条文がございますけれども、さらに生活向上支援についても法律に書くということでございまして、生活・就業、また子どもへの支援を含めました生活向上ということを三本柱で条文の中でやっていくということでございます。4でございますけれども、「就業支援事業」、「生活向上事業」の中に事業の中身として施策の周知ということも事業の中身の一部であるということを明記いたします。あとは委託できるということを明確化して、受託者の守秘義務を規定するということ。これによりまして、受託者に対してある程度、行政が持っている支援に必要であるような情報をお渡しして支援をしやすくしていただこうというものでございます。
(3) 「父子家庭への支援の拡大」の件でございますけれども、1で法律名を「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に変えるということで「父子」という言葉を入れる。また、父子家庭への福祉の措置に関する章を創設することを検討しております。2でございますが、母子福祉資金貸付等の支援施策の対象を父子家庭にも拡大するほか、母子自立支援員、母子福祉団体等の規定や基本方針、自立促進計画の規定に父子家庭も対象として追加し、名称を「母子・父子自立支援員」、「母子・父子福祉団体」等に変えることを検討しております。
2 の「児童扶養手当法関係の改正事項案」でございます。( 1 )が「公的年金等との併給制限の見直し」です。年金額が手当額を下回る場合は、その差額分の児童扶養手当を支給するということでございます。
(2) が「受給資格者に対する自立支援」ということでございます。現行の児童扶養手当法の中にも自立支援をしなければならないという規定がございますけれども、その支援の例示といたしまして就業のことだけが書いてありますが、就業だけではなくて母子・父子家庭の方々の生活を支えるための支援、また支援施策に関する情報の提供といったことも規定するということで条文の修正を検討しております。
3 の「施行期日」でございますが、 1 の母子及び寡婦福祉法に関する改正事項に関しましては本年 10 月を、 2 の児童扶養手当法関係につきましては本年 12 月の施行を考えておりますけれども、 4 月・ 8 月・ 12 月の児童扶養手当の払いのカウントからいきますと 12 月から新しい児童扶養手当のカウントが始まりまして、最初にこの改正に基づく給付がなされるのは来年 4 月ということで検討しているところでございます。
最後に、上の方にある*印の二つ目の件でございますけれども、法律改正につきまして次世代育成支援対策推進法の改正も私ども雇用均等・児童家庭局で今、考えているところでございますが、この次世代法の改正との一括の法律で改正することを現在、政府の中で検討しているところでございまして、報道等で法案の改正の話が出るときには次世代法の改正のような見出しで出ることもあるかもしれませんが、その中にはひとり親のことも含める方向で、一緒にやっていくということで検討しているところでございます。
私からの説明は、以上でございます。
○小杉委員長
ありがとうございました。それでは、ただ今の事務局からの報告に対して、ご質問・ご意見等を伺います。まず、委員からお願いいたします。今日は、ひとわたり皆さまからお聞きしたいと思っておりますので。
○大塩委員
大塩でございます。よろしくお願いいたします。「中間まとめ」案でまとめられたことに対して、非常に細かいところまで検討していただいて、制度を改正していただいたり、予算を付けていただきましたことに感謝申し上げたいと思います。一つの質問と一つの要望です。
まず、質問ですけれど、「中間まとめ」の 10 ページの「母子自立支援員の体制の強化と資質の向上」というところです。「相談・支援の中心となる母子自立支援員については、各市等において、その重要性について改めて認識し、十分な相談・支援が行えるよう体制を強化するとともに、母子自立支援員を安定的に雇用し、積極的に研修に参加させるなど」という書きぶりで、ここのところは非常に議論したところだったと思います。三つ目の丸のところでも「専門職として確立する必要があることから、国においてひとり親家庭への相談・支援に係る専門性とその確保方策を研究することについて検討する必要がある」と、ここまで書き込んであるのですが、母子自立支援員の待遇改善がどうなったのかというところが質問です。母子自立支援員が多様な仕事をこなしておられるので、大変なので新規に就業支援専門員を配置されるというのは、それはそれで大事なことだと思いますけれども、もともとの母子自立支援員の身分的な保証なり、資質の向上についてはどのような方策になっているのかというのが 1 点です。
二点目はお願いですけれど、資料 2 の裏側にあります「子育て・生活支援」のところに「母子生活支援施設の利用など」と書き込んでいただいています。どのひとり親施策の中にも母子生活支援施設という名称は載っておりますが、実際に今は DV 被害者でなければ入所できないとか、離婚当初に生活に困っておられても、なかなか入所できないということをお聞きしますので、 DV 被害者ももちろんですが、生活に困窮されている方、あるいは子育て支援を必要としておられる方など、幅広く母子生活支援施設への入所が選択できるような情報をきちんと相談窓口で発信していただきたいということがお願いです。以上です。
○小杉委員長
では、これは質問がありますので、お答えいただけますか。
○小野家庭福祉課長
母子自立支援員の待遇改善の話でございますけれども、まず、身分についてでございますけれど、今は期限を付けて採用して、期限付きでやっていらっしゃる方が多いということで、そこを正規といいますか常に雇うような形に変えた方が良いのではないかというご指摘もいただきました。今の法律の中ではそのような形ではなくて基本的に「非常勤とする」となっています。その非常勤規定についてですけれども、今のところ改正をすることは考えておりません。なぜかといいますと、今、非常勤規定を変えてしまうと、今、現場でやっていらっしゃる方の雇用の問題が出てきかねないということで、現時点における支援の質に関する懸念があったということがございます。また、正規職員ということになりますと、一般の自治体の職員ですと数年でいろいろなポストを渡り歩くのが通常の人事となっておりまして、そういった人事管理の関係もございまして、そこの規定に関しては今、改正は考えていないところでございます。
一方で、資質の向上の件につきましては、今回は「母子・父子自立支援員」となるわけですけれども、研修事業につきましては、引き続きやってまいりたいと思っているところでございます。
ご要望につきましては、この「中間まとめ」の中でも書きましたように、母子生活支援施設について必要な方に積極的に使っていただきたいと私どもも思っております。今後、 2 月・ 3 月に自治体の関係の方にお話しする機会もありますので、そういったところでも周知してまいりたいと考えております。
○小杉委員長
大塩委員、よろしいですか。
○大塩委員
母子自立支援員がひとり親家庭の方々にとっての最初の相談窓口で、砦になられますので、ぜひそこのところは、将来的に研究等をしていただきまして、母子自立支援員の資質の向上、身分の安定を図っていただきたいということを要望したいと思います。以上です。
○小杉委員長
ありがとうございます。では、他の方からのご質問・ご意見等を伺いたいと思います。では、新保委員から順番にということにいたしましょう。
○新保委員
先ほどの大塩委員の発言については、私も同意見であります。待遇改善ということをイメージしながら資質の向上を図っていただきたいと、まず思います。
その上で、公的年金との併給とか税制改正などについて積極的に進めていただいたことについて、とてもありがたく感じております。
そして、質問ですが、この資料の中にあちこちにありますが、例えば先ほどの資料 2 の裏面に「保育所の優先入所」という表現があります。これは保育所についてだけではなくて、放課後児童についても対応させていただくということで、かなり進んだと思いますが、一方で「認定こども園」という言葉がイメージされていないように思います。これはこれからの子育て支援ということを考えるとすると認定こども園について特別に配慮するということも本来必要ではないかと思います。これは別の省庁から出てくる案件なのか。保育所という表現で自動的に読み替えることができる案件なのか私はよく分かりませんが、これからのことを考えれば認定こども園についても「特別な配慮」という表現があれば良いと思います。これは、できれば質問事項として検討していただければと思います。以上です。
○小杉委員長
ありがとうございました。この質問にはお答えいただけますか。
○小野家庭福祉課長
今、条文を見て確認しておりますので、後ほど別のご質問と一緒に答えたいと思います。
○小杉委員長
新保委員、よろしいですか。
○新保委員
はい。ありがとうございます。
○小杉委員長
続きまして、順番で申し訳ございませんが、島崎委員お願いいたします。
○島崎委員
一通りご説明を伺いました。他の委員や当事者の方からすれば、これもあれもというご要望があるのではないかと思いますが、全体として見ますと、昨年 8 月に取りまとめられた「中間まとめ」を踏まえ、いろいろ目配りされた内容ではないかと思います。これが感想です。
私の質問は、非常に形式的なことで申し訳ないのですが、法律改正として、次世代育成支援対策推進法の改正との一括法の形式で行うとのご説明でしたし、資料にもそうあります。これは予算関連法案ですか、それとも非関連法案ですか。
○小野家庭福祉課長
今のこの一括法に関しましては、予算関連法案を考えております。
○島崎委員
今の国会スケジュールをよく知らないのですが、そうすると、まさに法案の作成の真っ最中という状況だということでしょうか。
○小野家庭福祉課長
そのとおりでございます。
先ほど新保委員からお話がありました認定こども園の話でございますけれども、認定こども園の優先利用についても含めるような形で今、検討しているところです。
○小杉委員長
続きまして、三木委員お願いいたします。
○三木委員
一般市として参加させていただきまして、いろいろなデータに基づいて施策が練られ、全体的に盛り込んでいただいたというのが感想としてあります。さまざまな支援策がありながらもその周知が図られていないといったご指摘もありましたし、各自治体によってバラバラのような施策につきまして国の方できちんとモデル事業等、また支援体制強化を図っていただく中で市町村にもいろいろな情報を入れていただけるということで、それに基づいて各自治体で施策展開ができるのではないかという期待も込めて、また自分たちもやらなくてはいけないということを感じたところです。
学習支援事業等につきましても身近な事業ですので、本市としても取り入れていきたいということと、一つ質問ですが、母子家庭・父子家庭ということで父子家庭をかなり盛り込んでいるのですが、小さい事業で申し訳ないのですが、母子家庭等日常生活支援事業については、そのままの名称なのかどうかということを一つお伺いしたいと思います。
それから、消費税引上げに伴いまして子育て世帯臨時特例給付金という事務も各市町村でこれから実施していくことになっていますので、ひとり親支援策にも引き続き力を入れつつ、そういった事業にも併せて対応していく。また、一般の子育て支援策についても充実していかなくてはいけないというのは自分自身として感じたところです。以上です。
○小杉委員長
ありがとうございます。これも質問がありましたので、お願いします。
○小野家庭福祉課長
名称につきまして、今のところ母子支援・父子支援という形で変えていく方向でございます。
○小杉委員長
三木委員、よろしいですか。
それでは、兼子委員お願いいたします。
○兼子委員
浜松市の兼子です。よろしくお願いします。全体を通しまして、各自治体が柔軟に対応できるというところで、いろいろと盛り込んでいただいてよかったと思っています。ありがとうございます。特に、法律名称の改称で父子家庭の部分を出していただけたということは、父子家庭に対する意識や認知度が上がって支援を行う私たち現場のところでも行政担当者の意識も変わるのではないかと思っています。ありがとうございます。
それから、母子自立支援員のところで「総合的な支援」という部分があるのですが、行政の窓口にありますと常勤化というのは現実の中では難しいと思っています。浜松市の場合には、職員の再任用の中で今回新たに取り組んでいこうということを出しています。それも、これまで保育現場に関わった保育士等を再教育すれば、それなりに対応できるのではないかと思っておりますので、そういう関わりの中で窓口の部分を市としても強化していきたいと思っています。
子育て・生活支援のところの「保育所の優先入所」のご質問がありましたけれども、現状でいくと保育所の優先入所というところが行政とすると合っていると思っています。認定こども園の幼保連携型ということになりますと個別の契約ということになりますし、保育所であれば市の方でコントロールできる、調整できるということがありますので、入れていただくのは良いと思います。以上です。
○小杉委員長
ありがとうございます。ご意見ということで承りました。
それでは、杉澤委員お願いいたします。
○杉澤委員
山形県の杉澤です。特に資料 4 の法改正事項に関してですが、今、県でも予算編成作業が大詰めのところですが、財政当局的な見方をされますと国のメニューを活用させていただいて取り組むということについても、今年度取り組んでいる事業の継続についても理解を得るのが難しいという状況もありますので、ここの特に真ん中辺りにあります「予算事業の法定化」というのは、そういう意味では後押ししていただけるのではないかと思って、その材料として期待しております。
それから、その上の部分で都道府県等がすべき努力義務に関する法定化という点が幾つかありますが、これについても大体分かるのですが、その趣旨を簡単に。法定化のねらいといったところを教えていただければと思います。以上です。
○小杉委員長
最後の「法定化のねらい」ということでお願いします。
○小野家庭福祉課長
ありがとうございます。まさにご発言いただいたような形でございまして、法定化するということ、さまざまな事業について書くということ、また努力義務というものを書かせていただくということが実際に自治体の方でこの事業を推進していただく際に説明の根拠にしていただくとか、いろいろな方への説明の材料として、このようになったということもあるので、これをやるという理由の一つということで十分にご活用いただければありがたい。そういったことが考え方としては一番大きな部分でございます。
○小杉委員長
杉澤委員、よろしいですか。
では、次に海野委員、お願いいたします。
○海野委員
いろいろ母子自立支援員等の話も出てきましたけれども、必ずしも正規である必要はないと思います。結局内容的なもので制約をかけてほしいというのは、それぞれの市町村でこういう内容だけはクリアしてくださいという形の方が明確であって、雇えば何でも済んでしまうという考えは違うと思います。就業支援専門員を置くといっても、現在私たちは就業支援も一緒にやっております。取りあえず面接会も 2 月 7 日にやるのですが、 12 社が協力してくださいまして、就業支援をタウン誌の方たちが皆さん協力していただいてタウン誌に全部載せてくださって、どこでやりますという形で宣伝もしていただいて。その結果がどうなるかとは思っておりますけれども、実際問題自分たちが動かなければ何も始まらないということもあるので、母子自立支援員を雇っても何をしても、就業の場を向こうからくるのを待つのではなくて踏み込んでいかなければ絶対に仕事はないという感じがするのです。実際問題一生懸命パソコンで会計ソフトも全部勉強させているのですが、 12 社のうちに事務系統は 1 社もおりません。では、何をやるのか。私たちの就業先はヘルパーのような形しかないのか。そうではないのです。十人十色でそれぞれに個性があって、何でも手に職をつければやれる人たちなのです。でも、外から見ては理解していただけないのが現状だと思っております。それには積極的に、できるだけこういう場を何回も繰り返すしかないと思っております。自治体自体にある程度お任せして、地域性があって地域に合った施策を考えていかなければいけないのではないか。地方と都会は全く違う現状があるので、足並みというのはなかなか。ただ、内容の規制はすべきだと思います。これぐらいまではやってくださいと最低限の内容のクリアだけをしていただければよいのではないかと思っております。以上です。
○小杉委員長
ありがとうございました。基本的には今の方向を支持していただいたと理解しました。
○大塩委員
もう一度、失礼いたします。 2 点あります。一つはお願いです。資料 2 の囲みのところの「子どもへの支援の推進 ( ピア・サポート、学習支援 ) 」で 2.7 億円の予算を付けていただいております。非常にたくさんの予算を付けていただいてありがたいと思いますが、これは子どもに対する支援で、これだけ付けていただいている予算がどれだけ市町村に下りていくのかというところが非常に大きな課題だと思います。私が勤務している施設で 11 月からひとり親家庭の子どもに対する学習支援ボランティア事業を受託し、学習支援を始めているのですが、定員はたった 20 人ですが、子どもたちの抱えている課題も見え、子どもたちの勉強する環境を整えていくというとても良い事業だと実感しています。これだけの予算が付いているということはできるだけ多くの市町村が取り組むことができる予算だと思いますので、ぜひ、こういう事業を地域に対して PR していただいて「受けてみよう。受けたい」という事業にしていただきたいし、ひとり親家庭の支援をしている私たちも受け皿となれるよう努力しなければいけないと思っています。
もう 1 点は、少し疑問に思ったのですが、資料 4 の (2) の4ですけれども「就業支援事業」「生活向上事業」のところで、「委託できる旨を明確化し、受託者の守秘義務を規定」と書き込んでありますが、ここのところをもう一度説明していただけるとありがたいです。
○小野家庭福祉課長
説明が足りず、失礼いたしました。この守秘義務規定の創設がどういうことかといいますと、例えば支援が必要な母親がいらっしゃる。行政が何らかの形でその方が困っていらっしゃることを知ったときに、例えばいろいろな事業を委託している団体の方などに「あそこにこういう困っている方がいらっしゃる」という情報が今ですと受託する側、受ける団体の方に守秘義務規定がないので、そういうプライバシーに関わる情報が渡しにくいということになっています。そういったところで、もし受託されている団体の方に守秘義務がかかっていれば、困っている方がいらっしゃるという情報などもお示ししやすくなるという趣旨でこの守秘義務規定を新たに創設したところでございまして、基本的にはそのように行政と受託されて支援に当たっていらっしゃる民間の団体との協働関係を強化していこうという趣旨でございます。
○大塩委員
ありがとうございます。もちろん、それはとても大事なことなので、困っておられる方に対して支援策なり機関がきちんとつながっていくということがとても大事だと思いますが、気を付けていかなければならないと思いますのは、受託機関を紹介しても機関同士の連携がないと、当事者の方に対してきちんと伝わっていないと当事者の方たちは大変戸惑われると思います。当事者の方たちに対してまず行政側からこういう支援策があってこういう方たちが支援されます、ということをきちんと伝えていただいた上で、もう一つ丁寧に当事者の方たちに「その方から連絡があるかもしれません」と伝えておく。そこまでやらないと、情報が漏れているのではないかと心配されたり、その後の支援がうまくいかないと困りますので。こんな初歩的なことは大丈夫だと思いますが、少し気に掛かりましたので、お願いしたいと思います。
○小杉委員長
事務局、どうぞ。
○小野家庭福祉課
その点につきましては、この説明をしていく段階できちんと丁寧に周知をしてまいりたいと思います。
○小杉委員長
ありがとうございます。それでは、中田委員お願いします。
○中田委員
母子自立支援員の中田です。これまで専門委員会でいろいろ要望してきたことなどが大変細かく実現されるという形で出てきておりますので、とても感謝しております。父子家庭に対する支援についても、名称のことなども含めてこれからは積極的に支援していける体制になっているように思いますので、とても良いと思います。
私たちの身分につきましては、先ほど大塩委員や新保委員からご意見がありまして、私もそのとおりですので、今後また研修の場を有効に生かされて将来的には身分が安定するようにしていただきたいと強く望みます。
これからのいろいろな支援の中に就業支援専門員の配置のことも書いてありまして、就業に関することを専門にしてくださる方と一緒にやっていけるということで、他の専門的な支援に関しても深く取り組んでいくことができるのではないかと期待しておりますが、現場としては例えばまた新しいよく似た名称の相談員が隣にいて、そのすみ分けだとか、ここからはあなたにとか、その辺の具体的なものが当分の間は混乱するのではないかということを考えておりますが、そこはせっかく配置される方と効果的にひとり親の方を支援していけるように知恵を絞って、なるべく早く軌道に乗せて両輪として支援が加速していけるように私たちも意見を述べたり工夫したり努力していきたいと思っております。以上です。
○小杉委員長
ありがとうございました。今後、好事例をつくっていくというところでやっていかれるのではないかと思います。
ひとわたり終わったところですが、委員の方で言い残したことなどございますか。
ないようでしたら、次に参加人の方々からのご意見を伺いたいと思います。それでは、皆さんご意見があると思いますので順番に、手前の新川参加人から。
○新川参加人
NPO 法人ウインクの新川です。よろしくお願いします。私も皆さんと同じで、内容的には非常に期待できることが盛り込まれていて、とても良いと思いました。意見がいろいろ出たので、重なるところは省いて私が要望として思ったこと 2 点ですが、一つは「広報啓発活動の強化」の部分ですが、私どもに寄せられる相談というのは離婚前の相談が非常に多いので、この会議の席でも母子自立支援員への相談が離婚前からできるという話も出ていたと思いますが、ぜひ就業支援に関しても、これから離婚したいので就業したいという意見というか、困っていらっしゃる母親も非常に多いと思いますので、そういった方々にも相談窓口が使えるという周知がしっかりとできるとよいのではないかと思いました。
もう一つは面会交流に関する部分で、養育費の支払いと両輪にあると思っているので、養育費の支払い率を上げていくためにも面会交流の実施をしっかりと考慮していかなければいけないと思っていて、この「面会交流支援の充実を検討するに当たって」という言葉が書いてあるのですが、私も 20 ページに書いてあるように、面会交流については基本的には子どもの立場からその実施が望ましいと思っています。ただ、事業を通して感じることは、非常に親の身勝手やエゴの部分で子どもが板挟みになって苦しんでいるような面会も多いと感じているので、そこは何か親向けの教育であったりマニュアルをきちんと作って離婚前からの教育として啓発活動ができると子どものためにも良いのではないかと思っています。以上、意見でした。
○小杉委員長
ありがとうございます。次に、赤石参加人からお願いします。
○赤石参加人
ありがとうございます。しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石です。「中間まとめ」までにいろいろな議論がされて、そこで出てきた課題を取り入れていただいていると思います。ただ、私の中でまだよく分かっていないところがあるのでお聞きしたいのですが、シングルマザー、一般市のひとり親の支援の図を皆さん思い出していただきたいのですが、母親がいらして保育所の係のところに行きます。児童扶養手当の係のところに行きます。就業支援センターに行きますというように母親から矢印がたくさん出ておりました。それだとワンストップになっていませんよねという話がここで出て、それを生かしていただいて今回、母子自立支援員は支援がなかなかできないので、そこに就業支援専門員も入れましょうという形で生かしていただいたのだと理解しております。ただ、ワンストップというのは何かということをもう少し教えていただきたいというか、私が今まで考えておりましたワンストップは、必要な施策がそこに行けばアクセスできる。つまり、保育所の入所手続きもそこでできる。あるいは子育てサービスのいろいろな施策も利用できる。ファミリー・サポート事業もそこで登録ができる。公営住宅の申込み等の情報もそこで得られる。児童扶養手当や児童手当の手続きもできる。医療費助成の手続きもできると思いますが、そこに行くといろいろなものにつながれるというイメージでワンストップを考えております。そうなりますと、今は割と手当と就業支援というところをワンストップとおっしゃっているような気がしますが、もう少し広がったイメージでないと母親としてはそこをワンストップとは認識できないと感じております。そこをこれから構築していかれるということだと思いますので、どのようにそこを伸ばしていけるのか。当事者の利用ということから見て、どのように評価できるのかを視点として研究していただきたいと思いました。
それから、母子自立支援員の身分や資質の向上はもちろん図っていただきたいと思います。母子自立支援員と話していると、たまに愚痴だと思いますが、今どきの母親はこのように駄目なのだという話が出てくる。確かに依存的であったり問題解決しようというよりもごちゃごちゃに混乱しておられる方もいらっしゃると思いますが、その方を支援するのが母子自立支援員だと思いますので、ぜひスキルアップをしていただきたいと思っております。新川参加人がおっしゃったように、プレひとり親の方というのは一番混乱しておられて、一番手間が掛かる。本当に大変だと思いますが、ぜひその方たちにもあり得る施策を案内していただきたいと思います。例えば就業支援でも求職者支援制度だと一般枠で使えます。母子の方への施策はまだ使えないわけですので、そういうことを練っていただけたらよいと思います。
それから、シングルファーザーの方が行ったときに所得制限その他で利用できるものがなかったという声をよく聞くので、少なくともこれだけは利用できますよと言ってあげないと、シングルファーザーの方がとてもがっかりされてしまうと思います。これから構築されていくということだと思いますが、本当に多様なニーズができるワンストップになっていただきたいと思います。
出てこなかったのですが、ということは母子就業・自立支援センターの役割というのはどうなのですか。自治体によって軽くなっていくこともあり得るのか。その辺は質問として今後どうなっていくのか。私はどちらかに集中できるような、自治体によって選択ができる方がよろしいのではないかという気持ちもありまして、母子就業・自立支援センターは一生懸命やっておられて、かなり良いと思うところもありますので、川崎市の海野さんのところもそうだと思いますが、選択の余地があると良いと思って、二つあるということで母親はもっと混乱されるのではないかと思います。
就業支援専門員というのは就業支援をされるのでキャリアコンサルタント、産業カウンセラーという資格を考えられるのかもしれないと思いますが、 DV 被害を受けている、あるいは離婚によるメンタルなケアも必要な方がいるということも含めて、ジェンダーの研修あるいは DV に関する研修も併せてやっていただかないと、ひとり親の支援ということではなかなか難しいのではないかと思いました。
もう 1 点。税制の改正もいろいろ盛り込んでいただいてありがとうございます。ぜひ知っていただきたいということでご報告しておきますが、委員会で申し上げました寡婦控除が婚姻歴のない母親に適用されない問題で、各自治体でみなし寡婦控除を実施するという動きがこの委員会が開かれない間に広がってきております。都内では 10 区市町村といっておりますが、さらに検討中のところが 10 市町村ぐらいあります。埼玉県内もありますし、茨木県内・栃木県内、埼玉県戸田市もおやりになるのですね。そういうことで鳥取市、群馬県太田市、福島県内 22 市町村、大きいところでは大阪市・名古屋市、沖縄県内はかなりの自治体がおやりになります。新しいニュースでは石川県白山市・岩手県花巻市と、非常に進んでおります。ですので、身近な自治体がひとり親のこうした婚姻歴のない母親に寡婦控除をみなし適用する必要性を認識しておられるということだと思いますので、ぜひこのことをこの委員会でも認識し、保育課・総務省あるいは税制改正までの必要性を再度認識していただけたらと思います。予算措置としては 20 万人程度の自治体でも 100 万円程度の予算でございますので、そんなに負担が大きいわけではないということも併せて申し上げておきます。
それから、「中間まとめ」にありました児童扶養手当のことでございます。児童扶養手当の 5 年間受給後の一部支給停止に関わる調査を「中間まとめ」に入れていただきました。これの実施の予定について、お伺いしたいと思います。
いろいろ申し上げましたが、この委員会の議論を生かしながら本当に少ない予算の中で工夫していただいていると思いますが、幾つか質問させていただきます。よろしくお願いします。
○小杉委員長
ありがとうございます。質問としてはワンストップということの具体的な内容ですね。それから、最後の一つははっきりした質問で 5 年後の調査はどうなっているか、質問はこの二つですね。では、事務局にお願いいたします。
○小野家庭福祉課長
まず、 5 年後の調査の方からですが、現時点で何か具体的に調査するということは、実施の予定はございませんで、今後まさにご指摘いただいたことをしっかり念頭に置いて調査についても検討してまいりたいと思っております。現時点では具体的な予定はないということでございます。
ワンストップのお話の質問でございましたけれども、そこはまさにご指摘のとおりだとお伺いしておりまして、今これですと、いわゆる生活支援の部分と就業の部分がワンストップでということで、ひとり親関係のことだけでワンストップということを完結するような形で絵では描いてございますが、ひとり親の母親の方たちにとって必要なのはそれだけではなくて、ひとり親ではない方々と共通した保育のニーズや児童手当のことなど、さまざまなことがあると思います。自治体の現場の事務所におかれまして、どのように窓口をつくるのが一番効率的かということをお考えになって、いろいろ運用されていると思いますが、それぞれのメニューごとに必要とされる方々も違う。では、そういった制限の中でどういう工夫ができるだろうかということを我々も考えていかなければいけないと思いますし、今回予算措置を使って窓口を充実していただく自治体の方でもいろいろな工夫をされて、なるべく負担のない形でさまざまな行政のリソースが使えるように考えられると思いますので、我々としてはそういった現場の工夫というものをしっかり勉強して、普及していくということに注力していきたいと思っております。以上です。
○小杉委員長
質問がもう一つありましたか。
○赤石参加人
母子就業・自立支援センターの役割は。
○小野家庭福祉課長
失礼いたしました。母子就業・自立支援センターの役割ということでございますが、これは今まさにおっしゃったように、それぞれの県でやっていただいている取組、こういったことをやるというのはさまざまだと思います。どこに力を入れているかということもさまざまです。いろいろな我々の施策の事業は、いわゆるメニュー事業というものでございまして、積極的にやっていただきたいということもある一方で、必ずしも全部やらなければならないと書いているわけでもないというところでございます。まさに、その地域ごとに最も効率的で最も母親・父親の方々に使いやすい形でやっていただくのが本筋だと思っておりますので、そのような体制の整備ということに関しても、我々は好事例などがあれば収集した上でいろいろな形で還元していくということもやってまいりたいと考えております。
○赤石参加人
最初の調査というのは、まだ予定がないとおっしゃったのですね。
○小野家庭福祉課長
はい。申し上げました。
○赤石参加人
それはいつごろまでというのは。
○小野家庭福祉課長
申し訳ございません。今いつごろまでということは申し上げられませんが、必要に応じてやってまいりたいと思います。
○赤石参加人
気になるところですので、書き込まれておりますし、やっていただけたらと思います。
○小杉委員長
よろしいですか。それでは続いて、片山参加人お願いいたします。
○片山参加人
全国父子家庭支援連絡会の片山です。父子家庭支援ですとか貸付の拡充の予定をしていただきまして、本当にありがとうございます。
2 点あります。 1 点目が資料 2 の「総合的な支援の枠組みの構築【新規】」の二つ目の丸の「支援施策に関する広報啓発活動の強化」で見直しがあって、さまざまなサービスを受けやすくなったとか新しい支援になったということがあるのですが、これを広く隅々まで父子家庭や母子家庭やその周りの人たちに広報啓発して理解して浸透させていかなければいけないのですが、自治体によっては広報の活動、自治体の体力、財政状況によってとても隔たりがあるのですが、強化というところで、この丸三つの中で 2.9 億円とあるのですが、広報啓発活動の強化というのは具体的にはどのようなことを考えておられるのかというのが 1 点です。
もう一つが資料 4 になります。母子自立支援員が母子・父子自立支援員になるということで、とても分かりやすく父子家庭の方々も相談に行けるのだということが、今までもそうだったのですが、さらに父子家庭の方々が理解して頼ったり相談に行くと思います。ただ、名称を変更しただけで本当に父子家庭の男性の方が積極的に行くのかというところが疑問でありまして、先般の江東区の父子家庭の 4 人の子どもの事故・事件もあって、そのような方々はインターネットもやっていなかったり、本当に困窮する人には情報が行き届かない中で、そういうことをやっておられる自治体もあれば、手の届かないところにある自治体もあると思いますが、そういうことを民生委員や町内会長の方々と連携していただくということを文章にしていただくことは可能なのかということと、ひとり親の方々が一番市役所に足を向けるのは恐らく児童扶養手当の更新や現況を届けるときですが、その際、普通は市役所の子ども未来課ですとか子育て支援課の職員が対応すると思います。そのときに職員から「最近どうですか」とか、「何か困ったことはありますか」という声掛けは難しいと思いますので、ワンストップになった支援の枠組みで母子自立支援員や就業支援専門員がその場に常駐していて声掛けをしていれば、子育てに悩んでいるとか仕事に悩んでいるというのを拾い上げていけると思いましたので、そのような枠組みがあると良いのではないかと思います。質問が一つ、以上です。
○小杉委員長
ありがとうございました。質問ということで、お答えをお願いいたします。
○小野家庭福祉課長
広報強化の件でございますけれども、予算の使い方は広報の強化になれば何でもよいというわけではないのですが、いろいろなことが考えられると思います。インターネットメディアを使うやり方であるとか従来どおりパンフレットといった形で周知していく。また、さまざまな団体とコラボしながら何か PR していくとかポスターを作るなど、いろいろあると思います。具体的なよいアイデアといいますか趣旨に見合ったものであれば積極的にやっていただくようにお願いできればと思っております。
あと 2 点のご要望の件についても、機会があるときに周知するということで考えていきたいと思います。
○海野委員
川崎市ですが、児童扶養手当のときに私どもは母子自立支援員と生活相談員をそこの場所に派遣させていただくように交渉しまして、去年から実行しております。自治体で交渉すれば、そういう件は母子家庭が良くなるためのことなので理解していただけるのではないかと思っています。それは私たち団体が動かないと動いてもらえないので、行政との折衝はしっかりやっていけばやっていただけると思います。
○小杉委員長
ありがとうございます。そうした好事例をきちんと構築して知らせていくということが大事だとあらためて思いました。
最後になりまして申し訳ございません。佐藤参加人お願いいたします。
○佐藤参加人
ハンド・イン・ハンドの会の佐藤です。ありがとうございます。「中間まとめ」の後からいろいろと具体策を検討されて、さまざまな制度を新規に作られたり拡充されたということで大変なご尽力があったことと思います。一言御礼を申し上げたいと思います。
その中で何点かありまして、今、好事例の全国展開ということがあったと思います。せっかく寄せられた各相談が取りまとめられずに、その場で立ち消えになってしまうとなると、次の対策を立てるときの手立てが失われてしまうように思います。せっかくこれだけの相談体制を整備するというのであれば、好事例を発掘するだけではなくて、どこに問題点があるかというところを広く存在事例を系統分類するなどして次の手立て、次の手立てというように活用していただくというのが大事なことではないかと思います。好事例はもちろん大事で、各自治体に広くこういう事例で解決に至ったというのは大変良いことだと思いますが、そのようにできなかった事例というのも大変貴重な情報だと思います。なぜ、相談に来なくなってしまったのか。なぜ、就業がうまくいかなかったのか。その事例の方が実は問題点がたくさん含まれておりますので、そういった事例の共有化です。個人情報を出す必要はないと思いますし、各自治体で取りまとめたもの。あるいは、全国的に定期的に会議などをされて、それが表に出るような形にならないと、せっかくのメニューが無駄になってしまうと思いますので、その辺りをもう少し検討していただきたい。予算の中に盛り込んでいただくなり、ということです。
もう 1 点。資料 4 の 1(2) 2に「保育所入所に関する特別の配慮に加え」ということで、学童保育についても優先的にというところだと思いますが、学童保育の指導員も NPO に委託であったり非常勤で大変不安定な雇用で、母親が働いている両親が働いているという中で学童保育で生活しています。その中で、指導員の方に過度な負担が掛かるということがないように十分な研修、母子自立支援員や就業支援専門員についても研修が必要ですが、ひとり親家庭あるいは子育てをする全体に対してですが、十分な研修であるとか勉強会のようなものがなされないと、せっかく優先入所をしても、そこで不理解があって誤解が生じてしまうというのは大変不幸なことですので、関わりを持つところには分け隔てなく研修をするということが大事だと思いますので、要望を意見として申し上げたいと思います。
1 点質問ですが、同じ資料 4 の 1(2) 4の「就業支援事業」や「生活向上事業」に「情報提供業務を規定するほか」というところの「就業支援事業」には在宅就労支援が含まれているかどうかというところの確認だけさせていただきたいと思います。以上です。
○小杉委員長
最後の質問にお答えをお願いします。
○小野家庭福祉課長
この就業支援事業の中には現在、先ほど言いました母子就業・自立支援センターでやっている事業を意識しておりますので、そこでやっていらっしゃる在宅就労支援事業に関しては含まれております。
○佐藤参加人
ありがとうございます。
○小杉委員長
一通り、皆さまからご意見・ご質問を伺いましたが、関連してこの際、発言しておきたいということはございますでしょうか。島崎委員、お願いします。
○島崎委員
二つあるのですが、性格の違う質問と意見がありますので分けて行います。一つは、新川参加人からあった面会交流のことですが、資料 1 の一番下の方で「養育費確保支援を推進、経済的支援の機能を強化」という中に「養育費、面会交流に関する周知啓発、連携した相談体制」を予算措置との記述があります。これは確か低所得者の方に対する面会交流について補助していたと思いますが、それを拡充するのですか。この具体的な中身を教えていただきたいと思います。
○小野家庭福祉課長
面会交流の支援につきましては今、先生がおっしゃったような予算を組んでおりまして、それにつきましては大きな拡充ということではなくて、今もまだ私どもが期待しているほど多くの自治体で進めていただいていないので、やっていただく自治体を増やしてお願いしたいということで対応したいと思っております。
○島崎委員
もう一つは、新川参加人がおっしゃったことと関連しています。そちらの団体がお出しになっている養育費に関する本がありますが、その中の面会交流に関する自由記載のところを私は非常に興味深く拝見したのです。どういうことかというと、養育費と面会交流の関係について、これは両方とも重要な話で「車の両輪」だと思いますが、当事者からすると、必ずしもその両者の関係がストンと腹に落ちるわけではない。例えば養育費を払うのなら面会交流を認めてもよいという感情も一部には恐らくあるし、何のための面会交流かということを考えてみると、子どもにとって重要だというところがベースのはずですが、例えばその子どもが望んでいないという問題もある。誤解がないように申し上げれば、私は面会交流の意義は十分承知しておりますが、面会交流「当然ありき」というスタンスで臨むのが果たして良いのかどうかということも実は議論の対象になるように思います。
なぜいまそういう質問をしたかというと、面会交流というのは養育費の支援の単純援助とは相当違って、これまでも何回か議論があったように、面会交流のスキルつまり相談を受ける側の専門性は相当高いものが要求される。しかも DV の問題などを考えますと、面会交流のスペースの問題であるとか身の安全の確保の問題なども、丁寧にやっていかなければいけません。言いたいことは、抽象的に「面会交流を進めていこう」ということだけではなくて、離婚当事者のみならず子どもも含めた深層心理がどういうことになっているのかという分析、あるいは、いろいろな民間団体が恐らく手を挙げているのでしょうが、どこの省庁がどういう役割分担の下で面会交流の問題を進めていけばよいのかということについて、きちんと考えていかなければいけないのではないかと思います。私はここでどこの省庁がやるべきだということについて申し上げるつもりはないのですが、互いに横を睨みながら一歩前に進まないのではなくて、横を睨みながらそれぞれの省庁がそれぞれの職分を全うすることが必要ではないかと思います。併せて、繰り返し申し上げますが、当事者が本当にどのように思っているのか。それから、子どもがどういうことで苦しんでいるのか、あるいは期待しているのかということを、もう少し丁寧に分析する必要があるのではないかと思います。これは意見です。
もう一つ、赤石参加人や佐藤参加人がおっしゃったワンストップサービスのことですが、私もこの場で相談機関というのは総合性・専門性・即時性が必要だということは何度も強調しました。ただ、これは難しい問題もある。たとえば、それぞれの施策の権限が県の所管なのか市町村の所管なのか、福祉事務所を設置している場合にはどうなっているのか。あるいは保健所が関わる場合についてはどうなのか。政令市や中核市の場合はどうなのか。つまり、所管の権限が複雑に分かれている。さらに言うと、厚生労働省以外のつまり司法の問題であるという話になると複雑であり、こうした行政・司法権限が施策ごとに分かれていることがうまくいかないことの要因の一つになっているのかもしれません。
そこで要望なのですが、ワンストップ相談窓口構築の予算を付けるときに、交付要綱の作成をはじめ運用上留意していただきたいことは、硬直的な取扱いではなくできるだけ柔軟に対応し、望ましい事例を奨励することを心がけていただきたいと思います。つまり、何を気にしているかというと、これはひとり親家庭の施策で予算を付けたものだから、それ以外は目的外使用に当たるとか、あるいは補助金の重複使用になるからこれはやめてほしいといったことではうまくいかないということです。今日出席している幹部の方はそのように思っていないと思いますが、末端にいくにつれ、どうしてもそのようなことが起こりがちになるきらいがあります。ワンストップサービスというのは「言うは易く行うは難し」なのですけれども、そこをどうやって乗り越え良いものをつくっていけるのか。予算テクニック上はなかなか難しいかもしれませんが、現場の創意工夫をぜひ奨励するような配慮をぜひ行っていただきたいと思います。
それから、比較的大きな市はそれでも対応しやすいのかもしれませんが、小規模の町村になりますと、人員を 1 人配置するのも至難というところも決して少なくないと思います。そういう場合、予算テクニック上難しいかもしれませんが、他と連携してどういうモデルをつくっていくのか。そういうことにも目配りをした予算執行をしていただきたいと思います。
○小杉委員長
ありがとうございました。他に、関連して何かご発言はございますか。先に、片山参加人からどうぞ。
○片山参加人
今のワンストップサービスというところで、現場ですとか当事者として感じたものとして、ひとり親というものがある中で、そこで DV であるならば結構男女共同参画センターで DV などを扱っていますし、例えばそれが自分の子どものことであれば教育委員会ですとか子育て支援課、自分の働き方でいえば労政雇用課や雇用開発課というところにまで及ぶと思います。ハローワークなど、そういう横断的なもので当事者からすると「たらい回し」になるような感じがもしないでもないのですが、ワンストップはそういうことで他の部局や課というところをまたいでいくというものが必要ではないか。そのようなガイドラインをひとり親支援という枠組みで作ることも必要で、島崎委員がおっしゃったように小さい市町村ですと男女共同参画というところが係でもなく担当が 1 人いるだけで何もできないというものがあったり。そのようなところで、どうサポートしていくかを大規模な都市、中核都市、小さい都市というのをひとり親支援の枠組みの中でつくっていっていただきたいと思いました。以上です。
○小杉委員長
他に、手が挙がっていたのは新保委員ですね。
○新保委員
ありがとうございます。先ほどの島崎委員からの面会交流について、私も同様の意見を持ちます。省をまたぐということについて、前に進むということをイメージしながらやっていかなければいけないと思いました。それ以外に二つ申し上げさせていただきたいと思います。
まず、妊娠中から出産に至るまでの期間のことです。この委員会はひとり親になった後のことを考えるということで、制度の特徴上そのようなことになると思いますが、我々が議論する課題について考えていくためには出産する前の段階から支援を考えておくことが必要ではないかと思います。特に、ひとり親になるということを自主的に選ぶのかどうなのかということ。ひとり親を選ぶとなったときに、どういう仕組みが活用できるのかということをイメージしながら妊娠中や出産の時期を過ごすことができるような形を私どもは考えていかなければいけないのではないかと思います。そのことは、並行して妊娠中から出産の時期にかけて自分がひとり親として育てるよりも親子分離をした方が良いのではないかという判断をされる方がもし仮にいたとしても、それをバックアップするような、その判断も支えていくような仕組み、親子分離をするという選択をするのか、ひとり親家庭として生きていくのかということを選択することができるような仕組みを私たちは用意しなければいけないのではないかと思います。我々は今回ひとり親家庭を選択した人たちに対する支援を考えてまいりましたが、親子分離をするということについても他の仕組み、例えば里親制度もしくは養子縁組の仕組みなどとの関係の中で考えていく必要があるのではないか。その支援というものを母子自立支援員が担当したり、もしくは NPO や児童相談所などが担当するということも意識しなければいけないのではないかと思います。これが 1 点目です。
2 点目は、今回の計画の中で出ている学習支援ボランティアに関することです。これからのひとり親家庭への支援ということを考えていくと、学習支援ボランティアを各地域で根付かせていくというのは、とても大事なことだろうと思います。この仕組みについては現在、中学生を対象にして行われる。中でも、中 3 からスタートすることが多いように思いますが、いろいろな実践の場面について学ばせていただきますと、もう少し前の時期から関わることを一般的な仕組みにしていく必要があるのではないかと思います。特に、我々は子どもの時代について扱うわけですから、もう少し前の時期、例えば小学校の半ばぐらいからこの学習支援に関わってもらう。それによって小学生の段階から学ぶということについての面白さを感じてもらいながら小学校や中学生時代を過ごすことができるという環境をつくりたいと思います。今回は予算的にもかなり付けていただいたと思いますが、実際の運用場面において、中学 3 年生からスタートするのではなくて小学生の半ばからスタートできるような形になっていけば、より効果が上がるのではないかと思います。以上、意見でございます。
○小杉委員長
どうもありがとうございました。
○海野委員
今の学習支援ですが、今の意見に賛成です。小学生で遅れた子どもを中学生で教えても、その分は取り返せないのです。できるだけ早いうちからフォローしていかないと、遅れた分は大きくなったから取り返せるものではないのです。基本ができていなければ、いくら教えても駄目ということがあるので、小学校 3 年生・ 4 年生ぐらいからやった方が良いというのは私どものところでも学習支援をやろうとしているので、それは基本的な意見です。
それから、養育権を結構母親が取るのですが、実際問題女の子は成長するに従って母親と住むのは嫌だという意見が出てきていることも確かです。そうすると、面会交流によって父親が「お母さんはこういう人だから、ちゃんとついていくんだよ」というようなことをやってくれるとうまくいくこともあるので、面会交流は徹底的にやっていった方が子どもの幸せなのです。二親の意見が違ったかもしれないけれども、子どもに対する愛情は同じなので面会交流はできるだけ促進してもらうような形でやっていただきたいと思っております。以上です。
○小杉委員長
そろそろ、よろしゅうございますか。では最後に、赤石委員。
○赤石参加人
赤石でございます。面会交流が裁判所で決まった後の支援は、もっとインフラ整備がないときちんと推進できないと思いますので、島崎委員の意見、新川参加人の意見に同意します。
それから、新保委員が出産する前からの支援ということをおっしゃったのですが、とても大事だと思います。そこでいろいろな情報があることによって生きていく自信を得ていく場合もあるし、また、子どもが子捨てにならないで、今は命も奪われておりますから、そういうことをきちんと子どもの命を救う立場で考えるべきこともあると思います。
学習支援ですが、低年齢の子どもにも支援というのはとても良いと思います。もう一つ申し上げたいのは、学習支援で来る子どもたちの親への支援ということです。一番困難を抱えている母親たちは窓口に来ません。行政には縁がない方が多く、非常に捨てられた状態になっております。でも、子どもは学習支援に行かせたりすることがあります。そこから一番困難を抱えている母親たちとつながることによって支援が包括的になるということがあると思いますので、実は学習支援ということが一つの可能性を秘めているということをお伝えしたいと思います。イギリスの子どもの貧困対策の中でも、そういった視点で親支援が行われていると思います。ぜひ、そのような視点もつなげていただければと思います。
○小杉委員長
それでは、兼子委員どうぞ。
○兼子委員
いろいろなご意見を聞いていて、各市町がしっかりと母子保健計画から始まって自立促進計画への位置付けをしていかなければいけないと思いました。特に、それぞれの計画が横出しの連携をとるような形を各市町が意識して行っていかなければならないと思いました。
一つ質問ですが、片山参加人が先ほど父子の相談のことをおっしゃっていたのですが、本市の場合には年 1 回の現況調査のときにアンケートを入れて、その中に何か質問や心配事がないかということで提出したときに相談対応をするようにするのですが、ある父親が女性の職員、相談員には相談できないということをおっしゃっていました。総合相談窓口をこれから構築していく中で、難しいのですが相談員を男性にしなければいけないと思っています。先ほどのご発言もある中で、どうでしょうか。
○小杉委員長
これは片山参加人に、ですね。
○片山参加人
相談員ですよね。私もそう思います。私は一度、大阪府の母子自立支援員の講座に伺ったことがあります。大阪府の母子自立支援員さんたちが集まってお話を聞いてくださったのですが、結構男性もいます。 4 割ぐらい男性がいたという印象で、それは市役所の職員が混じったのかどうか分からないのですが、父子家庭の方もたまに見えます。恐らく父子家庭の人は「何か相談したいことがありますか」と聞いても、みんな「いいえ」と書くのです。相談しても解決しないから、しないというところなので、その辺を堀り起こすのは男性が良いのではないかとも思います。大変だと思いますが。
○小杉委員長
ということで、これは意見を聞けば、それでよろしかったですね。本日の議論はここまでとしてよろしいでしょうか。いろいろご意見や、ご示唆に富むご発言がございましたけれども、今後留意しなければならないことを大変多く教えていただいたのではないかと思います。基本的に事務局からの報告について、内容は概ねご了解いただいたということでよろしいでしょうか。専門委員会として了解するということで、確認をこの場でさせていただきたいと思いますが、委員の皆さまよろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
○小杉委員長
ありがとうございます。それでは、事務局におきましては、引き続き本専門委員会でのこれまでの議論を踏まえて取組を進めていただきたいと思います。
それでは、事務局から、今後の予定などについてお願いいたします。
○小野家庭福祉課長
ありがとうございました。委員長からおっしゃっていただきましたとおり、私どもとしましては今後この「中間まとめ」に沿いまして法律改正等の取組を進めてまいりたいと思いますし、法律や予算の運用に関してさまざまな留意点などのご意見もいただきました。それもしっかり踏まえまして、今後ひとり親家庭の皆さまへの支援施策を強力に進めてまいりたいと思っております。
今後の予定としましては、 22 日明後日ですが社会保障審議会児童部会を開催させていただきます。そこで、この「中間まとめ」及び本日の資料につきまして、事務局より報告させていただく予定でございます。以上でございます。
○小杉委員長
ありがとうございました。
では、本日の専門委員会はこれにて閉会にしたいと思います。ご出席の皆さま、どうもありがとうございました。
<照会先>
雇用均等・児童家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室
代表:03-5253-1111(内線7892)
直通:03-3595-3112
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会)> 第7回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録(2014年1月20日)