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2014年1月24日 第13回先進医療技術審査部会

(了)


第13回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成26年1月24日(金)16:30~17:45

(2) 場 所:航空会館B101会議室(地下1階)
(東京都港区新橋1-18-1 TEL:03-3501-1272)

(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、伊藤構成員、柴田構成員、
竹内構成員、田島構成員、直江構成員、藤原構成員、
山中構成員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐

議 題:
1.新規申請技術の評価結果について
2.協力医療機関の追加について
3.平成25年度の定期報告について
4.その他

○猿田座長
 定刻となりましたので、第13回「先進医療技術審査部会」を始めます。本日は、ちょうどいろいろな会と重なって、年度末も近付いたせいか、出席者の方が少ないのですが、まず、構成員の欠席状況は、一色構成員 、佐藤構成員、関原構成員、大門構成員、石川構成員、山本構成員。今日、御出席予定だった金子構成員も急遽御欠席ということです。16名中9名の構成員にお集まりいただいたということで、本会議は成立はしております。非常に人数は少なくなっておりますが、よろしくお願いします。
 それでは、配布資料について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配布資料について確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿です。新規申請技術の評価結果として、資料1-1から資料1-16があります。協力医療機関の追加として、資料2-1と資料2-2があります。平成25年度の定期報告として、資料3-1と資料3-2があります。最後に、参考資料1、2となります。また構成員の先生におかれましては、クリップ留めで机上資料を配布しております。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等ありましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 利益相反について、申請医療機関との関係や、対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1、11ページに記載している申請医療機関、医薬品・医療機器情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認させていただいております。藤原構成員、山口座長代理、山中構成員からは利益相反の届出がありました。
 参考資料1、67ページの「先進医療会議における利益相反の対応について」を適用します。いずれの構成員、座長代理におかれましては、議論に参加いただき、意見の確認にも加わることとさせていただきます。なお、事前の届出以外にもし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いします。「なし」ということで、よろしいですね。
 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、またはタブレットの何ページとあらかじめ御発言いただくと、議事の進行上助かりますので、御協力をよろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長
 それでは早速議事に入ります。まず、新規申請技術の評価結果について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局より御説明いたします。なお、撮影されている傍聴者の方は、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 資料1-1、11ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして評価していただく1つ目の技術は、整理番号023、腹膜播種を伴う胃がんに対する一次治療としてのS-1/オキサリプラチン+パクリタキセル腹腔内投与併用療法です。適応症は、腹膜播種を伴う胃がんとなっております。申請医療機関は、東京大学医学部附属病院です。審査担当構成員としては、主担当が山中構成員、副担当として金子構成員、佐藤構成員、本日御欠席の高橋技術委員にも御評価を頂きました。
 資料1-7の25ページを御覧ください。審議に先立ちまして、先進医療実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明させていただきます。
 25ページの「実施責任医師の要件」として、診療科は外科又は内科を必要とし、外科専門医又は内科認定医の資格が必要。当該診療科の経験年数は10年以上とし、当該技術の経験年数は不要ではありますが、「その他」でレジメンを問わない抗がん剤腹腔内投与の経験が1例以上必要としております。
 「医療機関の要件」は、診療科は外科又は内科が必要で、実施診療科の医師数は、経験年数10年以上の医師が3名以上という条件が必要です。他診療科の医師数は、麻酔科の常勤医師が1名以上必要。その他の医療従事者としては、薬剤師が必要。その他、当直体制が必要、緊急手術の実施体制も必要。24時間実施体制の院内検査が必要ということです。
 実施体制の要件については以上です。御審議をお願いします。
○猿田座長
 早速ですが、整理番号023の評価結果については、主担当が山中先生、よろしくお願いいたします。
○山中構成員
 主担当の山中です。この医療技術は、腹膜播種を伴う胃がんに対して、一次治療、ファーストラインとして、S-1、オキサリプラチン、パクリタキセルの3剤併用療法を行おうとするものです。腹膜播種の胃がんというのはよく知られているように、非常に生存予後が不良です。この医療技術の中で、オキサリプラチンが適応外使用、パクリタキセルについては静注ivでの適応は取れているのですが、今回、申請されている腹腔内の投与に関しては適応外です。パクリタキセルは、腹膜播種に対して非常に効果が高いことが示唆されております。それならば、直接腹腔内投与ipを行って、腹水におけるパクリタキセルの濃度を上昇させて、より高い治療効果をねらうことが考えられます。
 申請されている研究グループに関しては、腹膜播種の胃がんに対して、パクリタキセル腹腔内投与の開発を非常に積極的に進められている研究グループです。今回はS-1+パクリタキセル+オキサリプラチンですが、既に高度医療評価制度を活用して、s-1+パクリタキセル腹腔内投与の第2相試験を終えており、さらに180例の第3相試験も終えており、来年度に第3相試験の結果が発表される状況です。第3相試験も終えているということで、評価できると思います。
 昨年度オキサリプラチンが胃がんに対して効果のあることが第3相治験で証明されて、この結果をうけて、オキサリプラチンに関しては、来年度から再来年度にかけて、胃がんで承認される予定と聞いております。既にS-1+パクリタキセルについて第3相試験まで終えて開発が進められている状況ですが、そうはいっても腹膜播種の胃がんですので、まだまだ生存成績に関しては開発の予地があるであろうということで、更なる効果の増強をねらって、S-1+パクリタキセルに更にオキサリプラチンを上乗せして、3剤の投与治療法の開発を今から着手しようというのが今回の申請です。
 審査については、私のほか金子先生、佐藤先生、高橋先生に評価を頂いております。ほかの先生方からの審査の結果を説明していただいてから、私の総括に入りたいと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。そういうことで、今日、実は金子先生も急遽来られなくなったということ。高橋先生、佐藤先生も来ないということで、すみませんが、事務局のほうから、コメントを頂いてあればお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 まず金子先生のコメント、実施体制の評価を御紹介します。資料の13ページを御覧ください。金子先生におかれましては、実施体制の評価として、1.実施責任医師等の体制。2.実施医療機関の体制。3.医療技術の有用性等について御評価を頂きました。いずれも「適」との御判断を頂いております。以上です。
○猿田座長
 続きまして、高橋先生のコメントをお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 高橋先生も本日御欠席ですので、意見書の提出がありますので、それを読み上げさせていただきます。
 資料1-6の23ページを御覧ください。高橋先生は023、次の審議技術もともに御審議いただきました。「B023、B024とも実施責任医師などの体制、ならびに実施医療機関の体制に問題を認めません。また医療技術上、腹膜播種を伴う難治性胃がんの新たな治療法を開発するというもので大変有用であると考えます。以上のことから、B023、B024を先進医療技術として認めることに差し支えはないものと判断しました」とのコメントです。13ページに戻って、高橋先生も、1番、2番、3番、実施責任医師等の体制、実施医療機関の体制、医療技術の有用性等、いずれも「適」となっており、コメント欄としては「臨床的に意義のある治療法で、治療効果が期待され、先進医療として特に問題点を認めません」とのコメントでした。以上です。
○猿田座長
 佐藤先生の意見書までいってしまってから。
○医政局研究開発振興課専門官
 佐藤先生の意見書も紹介させていただきます。資料1-5の21ページを御覧ください。「説明文書については、用いる医薬品が未承認であることの説明箇所を変更していただく(前に持ってきていただく)ように指摘し、それに従った改訂がなされました。補償は、病院の賠償責任保険を使うことになっています。治療性のある研究で、抗がん剤という特殊性もあり、やむを得ない対応かと思います。その他、患者相談などについては適切であろうと考えます。以上のことから、倫理的には本件を認めることに差し支えはないものと判断いたしました」とのコメントでした。
 それに伴って、評価結果が14ページに記載しております。佐藤先生の担当は、同意に係る手続、同意文書、「適」。補償内容についても「適」との御判断でした。「説明文書については指摘に従った改訂がなされた。患者相談等の対応も適切である。補償は、病院の賠償責任保険を使うことになっている」とのコメントを頂いております。以上です。
○猿田座長
 今、御説明を頂きましたように、今日、金子先生はいらっしゃいませんが、金子先生のほうも特に問題はないと。高橋先生、技術委員としての判断も問題ないと。佐藤先生に関しては、こちらからの質問に対して、きちんと答えていただいて問題はないということで、一応、金子先生、高橋先生、佐藤先生のほうは、全て良いということです。山中先生からもう1回総括的にお話を頂いて、それから議論をさせていただきます。
○山中構成員
 プロトコールについて審査させていただきましたが、幾つか私から質問をさせていただいて回答を頂いております。机上配布の資料の5ページの「先進医療B023に対する指摘事項」を御覧ください。まず、一次治療の初回治療の患者さんを対象とはしているのですが、前化学療法が入った患者さんに対しても、その開始日から2か月以内ならば登録が可能となっております。つまり、実質的に二次治療のような形でも、登録可能ということにはなっているので、この条件を省いて化学療法未施行例の症例に限定されてはいかがですかという指摘をして、その点に関しては、「修正が必要とこの会議で判断した場合には修正を行う」という回答を頂いております。
 なぜこの条件が引っ掛かったかというと、やはり、化学療法を前に施行していますと、今回のS-1+パクリタキセル+オキサリプラチンに対する反応性が多分異なってくるでしょうし、さらに、今回の試験対象集団は、生存時間中央値10数か月の単位の集団で評価をしようとしていますので、初回治療の開始から2か月経過した症例の割合いかんによっては、結果に影響が出てくるのではないかと思いまして、この条件は省かれてはどうかと申し上げた次第です。
 また、パクリタキセルは先発品がありますが、先発品について記載がなく、後発品2剤の記載のみがされておりましたので、この点に関して、なぜか?という照会をさせていただきました。先発品も追加されるとの回答を頂いております。
 旧高度医療評価制度を使って行われているパクリタキセルの腹腔内投与の第3相試験については、登録を終えて、来年度結果が発表されることになっています。第24回の高度医療評価会議の資料を見ますと、この結果をもってパクリタキセル腹腔内投与の公知申請を行うことになっています。この点について、規制当局、厚生労働省を交えた検討が、現在どうなっているのかということについて御説明してくださいと申し上げました。総じて、プロトコールに関しては、テクニカルな問題で、修正を頂けるものと思います。
 総合評価については、先進医療を使って開発を進めており、期待の持てる結果も第2相試験で得られていますので、切れ目なくこういった治療が評価できる体制を作っておくことが重要だと思いますので、指摘照会事項に関して適切に回答がなされるという条件で、「条件付き適」と判断しました。以上です。
○猿田座長
 一番最初の前治療の問題は科学的に見ればそうですね。ただ、それで落すと症例数がすごく少なくなってしまいます。その点では、大丈夫だろうということですか。そこで何か心配ですが。今日は山中先生だけですが、山中先生からのお話で、特に山口先生から何かありますか。
○山口座長代理
 おっしゃるとおりで、特にございません。
○猿田座長
 ほかに委員の先生方から御意見はありませんか。きちんと対応をしていただいてありますが、もう少し訂正していただくことで、「条件付き適」ということですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 今、山中構成員から御指摘のあった点について、配布資料の15ページを御覧ください。これについて、申請者から回答を得ていますので御紹介します。今日の配布資料の15ページの中段より下に、「条件付き適」の下の2ポツ目、山中先生のコメントで、「第24回高度医療評価会議の資料によれば、既に登録を終え、来年解析予定の第3相試験の結果をもとに、パクリタキセルの腹腔内投与の公知申請を行うことになっております。この点についての規制当局、厚生労働省を交えた検討が現在どのようなことになっているか」ということです。
 申請者に確認したところ、第24回の高度医療評価会議の第3相試験を御審議いただく前に、PMDAのに薬事戦略相談に行かれています。このときのお答えは「公知申請あるいは通常申請の両方の可能性を言及された」とのことでした。今回、このプロトコールを申請に上げる前に、PMDAに再度行っていただきました。これはタブレットの401ページを御覧いただくと、その会議の記録が掲載しております。PMDAで助言されたことについて紹介させていただきます。
 前回は、公知申請、通常申請の両方について言及されたのですが、今回は公知申請は少し難しいであろうというコメントを、事前相談で言及されています。また、現在実施中の第3相試験がGCP準拠であれば、通常の薬事承認申請が可能であるというのがPMDAからのコメントでした。今回も公知申請に該当するかどうかについて質問したところ、PMDAからは、第3相試験で2群の結果をもって薬事承認申請をするということですので、公知申請は難しいとの見解が出されております。以上です。
○猿田座長
 これは11月15日のときのですね。
○直江構成員
 関連しますが、結局、この試験の出口を考えますと、オキサリプラチンは多分、今年か来年に承認されるということで。パクリタキセルの腹腔内投与は、現在走っている先進の第3相試験で有意差が出れば、今の話だと公知申請という形にはならないということですか。つまり、GCP準拠ではやっていないわけですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね。それについては、資料が提出されたときに、恐らくPMDAのほうで適合性調査のようなものをなされると思うのですが、それによって判断されると理解しております。
○直江構成員
 それで認められれば、今の3つの治療法はそれぞれ全て承認ですから、後は保険診療内でできるということですが。そこで1つ気になったのですが、資料の研究計画書の293ページ、「本試験はGCPを準用するものとする」という言葉があって、GCPで行うか、GCP準拠か、準用というのはどういう意味合いなのかなと少し思ったのですが。これはどういうことですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 GCPでは監査が求められていますが、先進医療は必ずしも監査までは求めていないという差があります。ここの申請書類を見ますと、監査については、今パッと見る限りは監査の情報がありませんので。
○直江構成員
 このページを見る限りでは、研究組織の監査モニタリングに関しての組織というのはないのですね。ですから、準用というのは曖昧かなと思うのですが。細かいことですが、そこだけ。
○医政局研究開発振興課専門官
 その件については、このロードマップを見ますと、先進医療で第2相試験をやって、それで有用性が検出されたら第3相試験で検証試験を実施すると。このときPMDAがいつも言うのは、検証試験が少なくともGCPに準拠してほしいということですので、第2相試験をコンパクトにするという点では。
○直江構成員
 必ずしもGCPは求めないと。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね。参考にしていただいて、データの品質保証はお願いしたいところではありますが、モニタリングはこの体制でいかがかなと思いますが。
○猿田座長
 これでいけば条件付きということで、そこのところは確認ということで終わらせていただきます。ほかに御意見がなければ、今、山中先生の判定どおりで、条件付きということでよろしいでしょうか。それでは、「条件付き適」ということで認めさせていただきます。どうもありがとうございました。
 次に移ります。次の024に関して、事務局のほうから御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 2つ目の技術について、本日の会議資料の11ページを御覧ください。整理番号024、腹膜播種を伴う胃がんに対する二次治療としてのS-1+オキサリプラチン+パクリタキセル(Paclitaxel)腹腔内投与併用療法です。先ほどの整理番号023との違いは、一次治療と二次治療の違いです。適応症は、腹膜播種を伴う胃がんとなっています。申請医療機関は東京大学医学部附属病院です。審査担当構成員は先ほどの整理番号023の構成員と同様、山中先生、金子先生、佐藤先生、高橋先生にお願いしています。
 39ページの資料1-13を御覧ください。「先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるもの」について、申請医療機関は、先ほどの一次治療023と同様に、「実施責任医師の要件」「医療機関の要件」を求めると提示しています。以上です。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
 施設の要件は全て先ほどと同じということですね。恐れ入りますが、山中先生にまた御説明いただきます。ほかの方は皆欠席なのでコメントになってしまいますが、よろしくお願いいたします。
○山中構成員
 こちらも私が主担当を務めております。プロトコールの概要については、先ほどの一次治療の場合とほぼ同じですので、異なる点についてだけ説明いたします。
 こちらは、一次治療に抵抗性になった後の二次治療です。適格条件には、タブレットの681ページのとおり、一次治療として、TS-1、かつ、パクリタキセルのiv/ipをやって腫瘍の増悪を認めた、つまり、それらの治療に対して抵抗性になった患者を対象としまして、改めてTS-1、パクリタキセルはip瘍法のみ、かつ、オキサリプラチンを投与しようという治療法です。少しややこしいのですが、そのような医療技術です。こちらに関しましてもシングルアームの2相試験として評価を行おうという計画です。こちらも、金子先生、佐藤先生、高橋先生から評価を頂いていますので、先生方のコメントを頂いた後に、私が総括をさせていただきたいと思います。
○猿田座長
 それでは、事務局から順にお話ください。まず、金子先生からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 まず、金子先生には、実施体制の評価として、1.実施責任医師等の体制、2.実施医療機関の体制、3.医療技術の有用性等について御評価を頂きました。いずれも「適」との御判断を頂きまして、コメント欄は特記事項なしとなっております。金子先生は以上です。
○猿田座長
 続いて、高橋先生の御意見もお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 高橋先生からは意見書が出ていますので、37ページの資料1-12を御覧ください。先ほども申し上げたとおり、整理番号023、024の両者に対してコメントを頂いています。「実施責任医師などの体制、ならびに実施医療機関の体制に問題を認めません。また医療技術上、腹膜播種を伴う難治性胃がんの新たな治療法を開発するというもので大変有用であると考えます。以上のことから、B023、B024を先進医療技術として認めることに差し支えはないものと判断いたしました」とのことです。
 27ページにお戻りいただきまして、1、2、3いずれも「適」との御判断を頂いています。コメント欄としては、「臨床的に意義のある治療法で、治療効果が期待され、先進医療として特に問題点を認めません」とのコメントでした。以上です。
○猿田座長
 続いて、佐藤先生からもお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 佐藤先生の意見書は35ページに記載されています。「説明文書については、用いる医薬品が未承認であることの説明箇所を変更していただく(前に持ってきていただく)ように指摘し、それに従った改訂がなされました。補償は、病院の賠償責任保険を使うことになっています。治療性のある研究で、抗がん剤という特殊性もあり、やむを得ない対応かと思います。その他、患者相談などについては適切であろうと考えます。以上のことから、倫理的には本件を認めることに差し支えはないものと判断いたしました」とのことです。
 会議資料の28ページにお戻りいただきますと、倫理的な観点、4、5ともに「適」との御判断を頂いています。コメント欄は先ほどのとおりですので、割愛いたします。以上です。
○猿田座長
 金子先生も全て「適」、高橋先生も一部修正で「適」、佐藤先生も「適」ということです。それでは、山中先生、総括的にお願いいたします。
○山中構成員
 28ページを御覧ください。プロトコールの評価について述べさせていただきます。二次治療のプロトコールの評価については、6.期待される適応症、効能及び効果、それから、8.被験者の適格基準について、「不適」としています。その理由は、この治療法は、先ほど申し上げたとおり、S-1、パクリタキセルiv/ip投与を一次治療で施行した患者が、それらの治療に抵抗性になった後、引き続きS-1、パクリタキセルip投与、オキサリプラチンを投与します。ある意味、S-1+パクリタキセルが増悪した後、引き続き、S-1+パクリタキセルを増悪後も継続して使用し、さらに、オキサリプラチンを上乗せするレジメンと考えることができます。S-1+パクリタキセルに対して抵抗性になった後も、引き続きそれらを二次治療で継続使用することの妥当性(rationale)が不明であると判断しました。旧高度医療評価制度の下で実施され、刊行されている論文等も読んだのですが、S-1+パクリタキセルの継続投与に関してはrationaleが定かではない。
 分子標的薬に関しましては、増悪後、治療抵抗性後も引き続き薬を投与し続けるという治療法はあり得ますが、こういったS-1やパクリタキセルのような細胞傷害性、Cytotoxicの
薬剤に関してはなかなか継続使用が一般的ではありません。つい先週のASCO-GIでも、進行胃癌に対するS-1の継続使用に関して第3相試験の結果が日本から発表されていましたが、継続使用ありなしの間に差はなかったという報告がなされています。Cytotoxic剤に対して、増悪後の継続使用が一般的でないことを考えますと、これらを二次治療で引き続き使用することのrationaleが得られませんので、パクリタキセル6コース投与の場合は21万円ということになりますが、これらを患者から徴収することの意義が見出せないと現時点では判断せざるを得ません。ですから、TS-1+パクリタキセルの継続使用に関して何らかのデータが得られなければ、今回の総合評価を「適」とすることは難しいと判断いたしました。以上です。
○猿田座長
 非常に重要な点だと思いますが、山口先生、いかがですか。
○山口座長代理
 山中先生のおっしゃるとおり、エビデンスがちょっとその辺りは少ないのではないでしょうか。使いたがる人が多いので、そういうことが加わったのではないかと思いますが、そこは変えていただいたほうが私もいいのではないかと思います。
○猿田座長
 どう変えるかですね。
○直江構成員
 これを見ると、オキサリプラチンに変えるというだけのように思いますね。そうすると、先ほど話が出ていますように、オキサリプラチンは近々承認される可能性が高いとしますと、これが先進医療承認可は2年間で50例となっているので、多分、こういう患者のニーズがあるのだろうと思うのです。要するに、やっていてもどんどん悪くなる、何かしなきゃいけない、ということがあると思います。その承認までの期間をどうするかということはともかく、このスタディとしては成り立つのだろうかと。つまり、途中でもうストップになる可能性も高いし、山中構成員からお話があったように、3剤のうち1剤だけ変えてやってどのぐらい期待できるかというのは、漠然とは心配ですね。
○猿田座長
 ですから、お話があったCytotoxicの面も、続けたことによってどれだけ。そのところははっきりしてこない。その点をどうするかを検討していただくと。山中先生の御意見は、そういったことで、1回そこをきちんと検討してもらいたいということですね。ほかに、先生方からございますか。藤原先生、何かございますか。○藤原構成員
 「何もありません。」
○猿田座長
 そうですね。いかがでしょうか。今の山中先生の御指摘で言われたことで、検討していただくということにしますと、継続審議という形ですが、山中先生はそれでよろしいですか。
○山中構成員
 はい。
○猿田座長
 ということですね。
○山口座長代理
 なるべく早く再検討していただいて、迅速にやって頂きたいと思います。患者のニーズが多いと思うので、ここをスピーディにやらないと、この委員会の意味がなくなってしまいます。
○猿田座長
 それは私どもも言われていますから、できるだけ。
○医政局研究開発振興課専門官
 本日も申請医療機関から申請者らが参加してくださっていますので、この後、打合せを進めたいと思います。迅速に対応させていただきます。
○猿田座長
 もし、この条件でいったときに、早急に対応を考えていただくということで。それから、直江先生がおっしゃったように、もうじき許可のこともありますから。それでは、山中先生が御指摘いただいた形で継続審議ということで判定してよろしいでしょうか。よろしければ、整理番号024は「継続審議」とさせていただきたいと思います。
 次に移ります。まず、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 では、3つ目の技術について紹介いたします。会議資料の11ページを御覧ください。整理番号025、根治切除可能な漿膜浸潤を伴う胃がんに対する周術期パクリタキセル腹腔内投与併用療法です。適応症は、根治切除可能な漿膜浸潤を伴う胃がんです。申請医療機関は近畿大学医学部附属病院です。審査担当構成員としては、主担当が山口座長代理、副担当として竹内構成員、田島構成員となっています。
 47ページ、資料1-16を御覧ください。本件についても、「先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件」について説明いたします。「実施責任医師の要件」として、診療科は外科、資格は外科専門医が必要。当該診療科の経験年数は10年以上。当該技術の経験年数は不要ですが、その他として、レジメンを問わない抗がん剤腹腔内投与の経験が1例以上必要としています。
 「医療機関の要件」として、診療科は外科、実施診療科の医師数は「要」で、経験年数10年以上の医師が3名以上。他診療科の医師数は、麻酔科の常勤医が1名以上、これはポートを挿入するためだと思います。その他の医療従事者の配置として、薬剤師。緊急手術の実施体制は「要」、院内検査も「要」です。以上です。
○猿田座長
 まず、山口先生から概要をお話いただきまして、それから各先生の御意見、また山口先生に戻るという順番でお願いします。
○山口座長代理
 41ページを御覧ください。これは前の2つの例と違いまして、肉眼的には腹膜播種のない条件の患者に対するもので、最終的には補助化学療法として手術的治療としてそれを適応しようという発想の下に行われているものです。既に腹膜播種のあるものについては、例えば肉眼的に腹膜播種があればほぼ100%、5生率がゼロという状況ですし、細胞診だけ陽性でも10%弱しか5年生存率はありませんので、ほぼ絶望的な病気であります。そこで、ある程度良い結果が得られたということで、少なくとも肉眼的には腹膜播種がなく、また、細胞診でもないような、つまり、根治手術ができたものについても更に成績を良くする可能性があるということで行われています。
 そもそも、そういうものは必要がないのではないかという御意見があるかもしれませんが、漿膜浸潤といって、腹膜播種がなくても胃がんががんの表面に出ていたら5年生存率が30~40%とガタッと落ちてしまいます。要するに、6~7割の方が再発して亡くなります。実はその多くが腹膜播種で再発しているので、手術したときには我々がないと思っていても、リンパ節を幾ら取っても、そのときにはもう我々が検知できない微小転移があると考えられます。それらに対してこういう治療法が有用ではないか。ある意味では、胃がんの外科をやっている者にとっては最終的なゴールです。現在一番予後を悪くしているものを、このような方法で治せないかということで行われた試験です。
 ただ、この試験は、術前に化学療法(ip・iv)、更に経口の抗がん剤もやって、しかも術後もやります。手術期にサンドイッチでやりますので、こういうことを患者が耐えられるかどうか、しかも安全にできるかということがとても大きなポイントです。非現実的な方法であれば普及しないということで、この研究の目的は、こういう治療が周術期に完遂できるかどうかということをプライマリーのエンドポイントにしています。当録症例は50例で、17の施設、多くは胃がんについてはかなり経験のある施設です。
 実施体制は私が見ましたが、体制については問題ないと判断いたしました。倫理的観点からの評価は田島先生にしていただきましたので、田島先生にお願いします。
○田島構成員
 同意に係る手続、同意文書の内容につきまして不十分な点がありましたので、「不適」と評価しています。補償内容については、補償はないのですが、抗がん剤治療ということでやむを得ないと判断しまして、この点は「適」と評価しました。
 同意文書の内容について「不適」とした理由は、主に、説明文書の第3項「あなたの病気とこの試験の目的について」の説明が不十分かつ不適切で、患者さんにはなかなか理解しにくいものであるということです。具体的には、被験者のがんの状態について、「既に胃の表面にがんが露出している」という説明がされていますが、次の4項の「漿膜への浸潤が認められる」といったような記述と異なる説明で、これが同じものであるかどうかが分かりにくくなっていました。
 標準治療について、「がんを手術で取り除き、術後に抗がん剤による治療を行う」と説明されている一方で、「本臨床試験については、手術の前後に飲み薬の抗がん剤と点滴ならびに腹腔内への抗がん剤の投与をあわせた治療」という説明がされています。このような説明ぶりでは、標準治療の場合の抗がん剤の処方に係る説明がないこと、臨床試験の飲用抗がん剤と点滴用抗がん剤の書き分けが不正確なこと、3種類の抗がん剤投与がいずれも手術の前後に行われるのかそうではないのかが不明確なこと、という問題点がありますので、標準治療と臨床試験との差異が正確に理解できないという点があります。
 本臨床試験の目的についても、余り知識のない患者さんが説明を読んでも、がんがどの部分に増殖するのか、胃の周囲とは何を指すのかといったことが分からず、治療方法と効果の関連性について説明が不足していると考えます。また、本臨床試験で用いる薬については、何が用いられるのかの説明も抜けていました。本臨床試験について、「S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法」と書かれている所は、「S-1」ではなく「TS-1」の間違いではないかと思います。それから、腹腔ポートの説明がないので、患者さんの理解に支障があると考えました。
 東京大学で実施されている臨床試験に言及されている部分では、「この治療方法」という言葉を使っているために、「S-1+シスプラチン併用療法」と比較するということで、実施中のものとの異同が分からず、それぞれ何を指すかが明確でないという点がありました。東京大学で対象としている患者さんと、本臨床試験の対象患者さんの異同も明らかになっていません。また、第1相試験、第2相試験、第3相試験について、どういうものかの説明がないと、やはり患者さんには理解が難しいと思います。また、アメリカ国立がん研究所の推奨レジメンに言及されていますが、これについても用語の説明がないので難解ですし、本臨床試験との関連性が明確でないと考えました。
 次に、説明文書の4.2、治療方法についての記載は、図が2ページにまたがっているので非常に分かりにくい点が訂正されなければならない。それから、「3コース」という言い方では、患者さんにそれが63日間に及ぶことが明確にならないので、具体的に日にちを入れていただくほうがよかろうと考えました。
 それから、17項の知的財産権と利益相反についての記載の欄に、本臨床試験に用いられる薬剤が製薬会社から無償提供されていることを記載していただく必要があると考えます。19項では、この臨床試験の実施体制について、腹腔内化学療法研究会から資金が提供されているということですが、その提供元について確認する必要があると考えました。患者相談の対応は整備されています。以上の問題点が修正されれば、「適」と評価してよいと考えます。
 本日、席上配布されている資料の19ページ以降に、申請者から、指摘を踏まえて修正していただいた説明文書の案文があります。これについても、併せてここで意見を述べたいと思います。
 3項について、いろいろと問題があった箇所は、修正していただいた内容でおおむね分かりやすくなったと思いますが、この中で、本臨床試験の対象者である患者さんの胃がんの状況について、「胃の表面にがんが露出している」という記載はそれでよろしいのですが、まだ「漿膜浸潤」という文言が引き続き出てきます。漿膜浸潤と胃の表面にがんが露出している状態が同じことを意味するのだということを、どこかに記載していただくほうが、「漿膜浸潤」という言葉を理解しやすいと思います。
 22ページの第2パラグラフの2行目で、「手術の後にはパクリタキセルの腹腔内への投与」と書かれていますが、術前と同様に点滴と腹腔内投与の両方が考えられていると目されます。24ページの投与計画の図でも、手術前・手術後の両方に腹腔内投与と経静脈投与となっていますので、恐らく、22ページに点滴が抜けているのではないかと思います。
 それから、24ページの投与計画の図について、TS-1の所には毎日服用するということも記載していただくほうが、この図のみよりは分かりやすいと考えます。同じく24ページの、上下の図の間に、「治療を3コース(63日間)終了してから」と、63日間を付記していただいていますが、次の行の術後の3コースの所にも63日間を加えていただくほうがよろしいと思います。以上です、
○猿田座長
 御指摘いただいたように、書き方にもう少し統一が取れて、患者さんに分かりやすくしていただくことが一番の点だと思います。それはまた後ほど、山口先生のまとめのときに議論させていただきます。では、竹内先生、お願いします。
○竹内構成員
 私はプロトコールの評価をさせていただきました。プロトコールは非常に良く書けていると判断いたしました。ただし、被験者の適格基準と有効性に関して少し質問させていただいて、適格基準の所に漿膜浸潤胃がんの定義が載ってはいますが、その定義について、プロトコールの12ページでは「胃がん外科医の判断による」という記載がありましたが、この実施計画書は多施設で行うということなので、もう少し定義してほしいという要望書を出しました。そのお答えとして、今回の試験は屈指の胃がん外科医が存在する施設なので余り問題ないとは思いますが、やはり、試験開始前の関係者の会議において、写真を基にして基準の統一を図りますというお答えを頂いています。
 次に、評価項目です。このロードマップで、最終的に良い結果が出たときには第3相試験に行くという記載がありましたので、そうした場合、OSの主要評価項目にしていただいて、治療完遂率を副次評価項目としてはいかがでしょうかという質問を投げ掛けましたが、お答えはありません。本日、山口先生の冒頭の御説明では、最終的な治療法なので、前と後に化学療法をするため完遂率が低いのではないかというお話がありました。この点、私は分かりませんが、第3相試験でも治療完遂率でよいのかどうかというのは少し疑問です。ただ、非常にOSも悪いということがありましたので、OSもしっかり見ていただいて、第3相試験に反映していただきたいと考えています。
○猿田座長
 それでは、山口先生、今のことも含めて全体的にお願いします。
○山口座長代理
 まず、田島先生の評価について、1か所、2か所ではなく、スタンスとして患者目線で書かれていないというところが全体にあって、まだ不十分だと思うというのが1点です。
 もう1点は、これは3年間で50例を17施設で登録し、それから5年間フォローアップする。つまり、最短コースでも8年掛かって、この結果で、これは比較的安全に遂行率が十分であると判定するという試験は、エンドポイントとしてはやや長過ぎるのではないかということです。17施設が参加するのであれば、できれば1年ぐらいで、重篤な周術期の合併症がないというところに絞って、その時点で世の中を見たら、臨床試験、第3相がきちんと組める状況になっていれば、その時点で進めるという形にするほうがいいのではないかと思います。これはもう少しその辺りを継続審議させていただいて決めたほうがいいのではないかというのが私の意見です。
○猿田座長
 田島先生、今のお話いただいたとおり、もう少し分かりやすく書いていただくということでよろしいですか。
○田島構成員
 はい。
○猿田座長
 竹内先生も、よろしいですか。
○竹内構成員
 はい、大丈夫です。
○猿田座長
 山口先生にまとめていただきましたが、構成員の先生方から、どなたか御意見いただけますでしょうか。山口先生がおっしゃったように、50例、17施設ということで、もっと早くやっていただけないかということですが、少し時間が掛かり過ぎるのではないかと。大変なのですが。
○山口座長代理
 追加をもう1つ、よろしいですか。胃外科医がいるからきちんと判定できるというのは、やはりちょっと思い上がりというか、多分、大丈夫なのでしょうけれども。であれば、正診率をきちんと施設ごとに示すとか、そういうデータも要求したいと思います。
○猿田座長
 ほかに、どなたか御意見はありませんか。御指摘いただいたように、症例のことと、もう少し早く進めてもらいたいということ。それから、田島先生から御指摘があったように、実際に私どもがこれを読んでみると、少しわかりにくいところがあり、それを直していただく。
○直江構成員
 よろしいですか。
○猿田座長
 どうぞ。
○直江構成員
 確かに、目的の症例数の設定は生存率で計算しているのですね。ですから、山口先生が言われたとおりだと思います。素人なので教えてほしいのですが、完遂率をエンドポイントにすると、どのぐらい以上だと成功と言えるのですか。
○山口座長代理
 難しいですね。
○直江構成員
 それを決めておかないと。
○山口座長代理
 そうですね。
○直江構成員
 この試験が妥当である、やってもいいと判断するかどうかは、最初に決めておかないといけないわけですね。
○山口座長代理
 外科医としては、やはり90%以上ないと駄目だと思います。
○直江構成員
 そこも含めて検討していただけますか。
○山口座長代理
 というのは、治癒手術ができる患者ということですから、それがそんなことでもたもたするようでは、とても患者には迷惑が掛かる可能性があるので。90%とか95%というレベルだと、これは私の勝手な、これこそ外科医のフィーリングですが、そう思います。
○竹内構成員
 これは第2相試験ですので、第3相試験にいくときに、第2相試験の結果で完遂率がこのぐらいあったので、臨床的には最低このぐらいなければいけないという点が、第3相で何例ということは出てくると思います。
○直江構成員
 エンドポイントにこだわりますけれども、そうすると、やはり生存率がエンドポイントで、副次項目が完遂率。
○竹内構成員
 そうかなと私は思ったのですが。
○直江構成員
 そのほうが何となくフィットするような感じがしますね。
○竹内構成員
 ただ、山口先生がおっしゃったように、非常に完遂率が悪いかもしれないというのも、このプロトコールの中にはもう既に第3相試験が走っていて、そこでもうOSが出るだろうから、自分たちはOSは見ずに完遂率にするという書き方がしてありましたので。
○直江構成員
 それなら、もし中間評価で、あるところで完遂率が悪ければストップする、良ければそのままゴーにして、生存率をエンドポイントにするというやり方もあるのではないかと、今、聞いていて思いました。
○猿田座長
 その場合、この例数でいいのですか。
○山口座長代理
 いや、多分少ないと思います。
○竹内構成員
 この場合は、どのぐらい完遂率があるかということと、5年は長いですが、既に走っている試験では大体OSがどのぐらいあるかをある程度推定した上で、次にいくという試験ではないかという位置に私は見たのですが。
○猿田座長
 ほかに御意見ございますか。山口先生に御指摘いただいた点ですね、症例数の問題、理念の問題、それから、田島先生の問題点。その辺りで継続審議ということでよろしいでしょうか。では、整理番号025は「継続審議」と決定させていただきたいと思います。本日は、最初のものは条件付き適で、後の2つが継続審議ということになります。
 続いて、事務局から、先進医療Bの協力機関の追加について説明してください。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料2-1の49、50ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている6つの技術について、協力医療機関の追加申請がございました。資料2-1に先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載しております。
 資料2-2の51~56ページには、事務局において、協力医療機関として提出のありました先進医療実施届出書等を確認した結果、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件(様式9号)を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただければと存じます。特に御意見がなければ追加の手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 今お話がありました施設に関して、特によろしいですか。特になければそういう形でよろしくお願いいたします。
 続いて資料3、平成25年度定期報告です。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局より資料3-1の57ページで、「平成25年度の定期報告について」御報告いたします。これは平成25年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告として、先進医療会議で報告された資料です。調査期間は、平成24年7月1日から平成25年6月30日までです。中央左のコラムが先進医療A、右のコラムが先進医療B、一番右のコラムが両者の合計です。平成25年6月30日現在、先進医療Bで実施している技術数は42種類、224医療機関、966人の症例に実施しております。マルの6の先進医療の総額は、大体約4億円。入院全医療費にかかる先進医療の割合は22.7%でした。
 次のページで経年変化を示しております。一番下が今回調査をした金額、症例数です。右から2つ目の先進医療の総額を御覧いただくと、経年的に増加していることがうかがえるかと思います。
 次の59~61ページは、先進医療Aにかかる年次報告で、この会議では省略させていただきます。先進医療Bは、62~63ページになります。各案件ごとの先進医療の金額と年間実施件数を表に示しております。一番右のコラムの「年間実施件数」を御覧いただくと、バーになっている所が年間の実施件数がゼロ件を示します。すなわち6番、8番、30番、31番。63ページで34番、42番、47番、48番がそれぞれゼロ件になっております。このゼロ件となっている案件については、65ページにその理由と対策を各医療機関に問合せをしております。その理由と対策を紹介いたします。
 6番、8番、16番については、試験が終了であったためにゼロ件です。更にこれは既に削除されております。今後、総括報告書の提出を待ちたいと思います。30番については、登録基準に該当する症例がなかったためとされております。これについては第8回のこの部会において、登録症例のプロトコール変更が承認されました。具体的には、当初は心停止ドナーからの膵島移植でしたが、脳死ドナーも加えて登録拡大を図るようなプロトコールに変更が承認されております。31番は、試験中止のために12月1日で告示削除していたためにゼロ件でした。
 次の66ページの34番もゼロ件で、その理由は試験が終了していたためです。今後については取下届出を提出いただいて、総活報告書の提出を待ちたいと思います。42番については、協力医療機関を追加してから同時に試験を開始することとしていたため、ゼロ件であったと理由が説明されております。現在、6月30日で締めましたが、6月30日以降7月1日から本日までで3例の症例が登録されているようですので、登録は順調ではないかと考えております。
 47番は、登録基準に該当する症例がなかったため。具体的には、告示が前年の5月1日で調査期間が2か月しかなかったためゼロ件であった。7月1日以降の実施件数は今5件の症例が登録されておりますので、これも試験が順調に進んでいるのではないかと思います。48番については、これも告示から1か月しか調査期間がありませんでしたので、登録基準に該当する症例がいませのでした。現在ヒト幹指針でプロトコールの延長申請を出しております。それが承認されたら、またここで、先進医療技術審査会で試験期間の延長申請が上がってくるかと思います。御審議をお願いしたいと思います。
 以上のことから、ゼロ件である理由の背景に、申請者が異動して登録患者がいたにもかかわらず、登録がなかったという案件はなかったということを報告させていただきたいと思います。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。この件はこの前も出ましたが、各施設でなかなか出てこないのがどういう理由かで、全部確認させていただこうということで事務局のほうから各施設に当たっていただき、その理由をこういう形で調べていただきましたが、これに関して御質問はありますか。
 もちろん通ってから直ぐというのもありますが、一番長いのは膵島移植、なかなか入らないのがずいぶん長くなっております。条件を変えて脳死の状態でもやってもらおうとありましたが、なかなか適格な症例がないということです。それから、AとBの進め具合は、先ほど話があったようにBのほうはなかなか大変ですが、まあまあこの程度実施されていればということではないかと。非常に難しいのですが、この点でよいのではないかと思います。御意見はございませんか。こういうことで御理解いただいたということでよろしいですか。もし特にないようでしたら、今日議論していただくところはこれだけです。次回の日程を、事務局のほうから。
○医政局研究開発振興課専門官
 次回は2月20日(木)16時30分から18時30分とさせていただきます。場所については別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので併せてよろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。委員の先生方、何か特別にありますか。
○柴田構成員
 今回の審議案件のことではなかったので、コメントを言いませんでしたが、先ほどICH-GCP準拠レベルであれば通常の薬事承認申請が可能であるとPMDAとの話があった、とのことについて確認したいことがあるので、発言させていただきます。
 GCP準拠レベルの判断には一定の幅があるのは不自然なことではないのが、外国の状況を見てもそのようになっているところです。例えば米国では、ICH-GCPで求められるレベルよりも連邦規則で求められるレベルのほうが厳しい状況がありますが、それでも実際の運用はICH-GCPレベルで緩く運用されているケース等があります。
 そういうことがありますので、例えばICH-GCPに準拠するというレベルに一定の幅をもたせて考えていただけるのは不自然ではないと感じますが、一方で通常の薬事承認申請の資料とするためには、薬事法から連なる一連の規則に従った治験をやる必要があり、例えば治験届を提出することは、薬事法の80条の2の2に求められていることです。GCP準拠のレベルの話はいいですが、そのような薬事法の治験届を出してないものを、通常の薬事承認申請の資料として使えるというのは、にわかに信じがたい話で、もしそういうことがきちんと整理されているのであればいいと思いますが、そこのところが整理されていないのであれば、こういう曖昧な回答をされるのは誤解を招くのではないかと思うところです。
 今日、ご回答を求めるものではないですが、そういう話がやはり現状のルールの中でできるとおっしゃっていただけるのであれば、それはとてもウエルカムだと思います。臨床現場の方々もハッピーだと思います。ですが、もしそこが曖昧な判断をそのまま出されているのであれば、将来禍根を残すことになるのではないかと思います。
○猿田座長
 おっしゃるとおりです。それが今一番問題のところで、原則とすれば薬事法に基づいてしっかりやるべきだと思います。これは当たり前のことですが、どうしても今の日本では希少疾患に関するものをあまり開発したがらないので、アカデミアでの臨床研究ということで曖昧になってきたのです。ですから原則はできるだけ薬事法に従ってきちんとやってもらいたいということですね。できれば治験として開発してもらいたいです。
 私たちが苦慮しているのは、こういった先進医療からの出口を、どうやっていくのがよいかです。そこは厚生労働省にお願いして、出口のところをもう少しすっきりできないか検討していただきたいと思っています。ちょうど今変わるときですので、先生のおっしゃることは重要なことで。そこは事務局のほうで対応していただきたいと思っています。
○柴田構成員
 特に先ほど先生がおっしゃったように、希少疾患等に関して現行の制度である公知申請制度が使えないとすれば、それはなぜ使えないのかということも逆に整理していただく必要があると思います。非常に少ないところに対して開発がされている場合、現行の制度の中にもそれに対応できる仕組みが既にあります。ですが、法律上難しいであろうことを表に出されて、逆に現状の制度の中でできることに対してはノーと言われている。それはあべこべではないかと感じるので、もし整理されているのであれば。
○猿田座長
 先生、御存じの難病でレプチンがありましたね。あれはすぐに治験へいって、うまく保険にいきました。ああいうのもあります。その辺りはこの委員会として非常に重要なところなものですので、もう1回よく検討する必要があると思います。ありがとうございました。他に御意見ございますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 今の点を十分に厚労省として検討させていただき、近いうちに守備範囲といいましょうか
○猿田座長
 皆さんから言われることは、先進医療に出してそれがどういう形で出口にいくか、保険にもっていくかどうかです。非常に重要な点であります。
○医政局研究開発振興課専門官
 整理させていただきます。ありがとうございました。
○猿田座長
 もし他に御意見がなければ、これで終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。

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