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2013年12月25日 新人看護職員研修ガイドラインの見直しに関する検討会 第2回議事録
医政局看護課看護サービス推進室
○日時
平成25年12月25日(水)16:00~18:00
○場所
厚生労働省専用第23会議室(6階)
○出席者
青柳 裕子 (平成立石病院副院長・看護部長) |
石垣 靖子 (北海道医療大学看護福祉学部客員教授) |
川本 利恵子 (日本看護協会常任理事) |
熊谷 雅美 (済生会横浜市東部病院副院長・看護部長) |
佐々木 幾美 (日本赤十字看護大学教授) |
佐藤 真紀 (広島県健康福祉局医務課専門員) |
清水 貴子 (聖隷浜松病院副院長・人材育成センター長) |
西澤 寛俊 (全日本病院協会会長) |
藤川 謙二 (日本医師会常任理事) |
山岸 紀子 (諏訪中央病院副看護部長) |
山口 育子 (NPO法人ささえあい医療人権センターコムル理事長) |
○議題
1)新人看護職員研修ガイドラインの見直しについて
2)その他
○議事
○島田室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第2回「新人看護職員研修ガイドラインの見直しに関する検討会」を開催いたします。
構成員の先生方におかれましては、御多用のところを検討会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。
まず、本日の出席状況でございますけれども、上泉構成員より御欠席との御連絡をいただいております。清水構成員におかれましては、少し遅れるとの御連絡をいただいておりまして、5分、10分ほどで御到着かと思います。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
お手元、議事次第の下に座席表をお配りしております。その下からが資料になります。
資料1「到達目標の見直し等に関する作業班の検討結果」。こちらには別添1~4をおつけしております。
別添1「新人看護職員研修ガイドライン到達目標修正案」。
別添2「到達目標の細項目作成プロセスの例示について」。
別添3「新人看護職員研修ガイドライン『到達目標の細項目作成プロセスの例示』掲載イメージ」。
別添4「評価時期・評価方法に関する修正案」でございます。
資料2といたしまして「広島県新人看護職員研修事業推進のための仕組み」でございまして、こちらは佐藤構成員からの資料になっております。
そして、参考資料といたしまして1~3をおつけしておりまして、参考資料1「到達目標に関する調査分析結果(データ編)」。A3の大きい資料でございます。
参考資料2「第1回新人看護職員研修ガイドラインの見直しに関する検討会における主なご意見」。
参考資料3といたしまして「看護師等養成所の運営に関する手引き」から、看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標と、その下に看護師教育の技術項目と卒業時の到達度を参考資料としておつけしているところでございます。
不足などございましたら、途中でも結構でございますので、事務局にお申しつけくださいませ。
それでは、座長、以降の進行をよろしくお願いいたします。
○石垣座長 こんにちは。今日はクリスマスなのに御参加くださいましてありがとうございました。今日も活発な御議論をどうぞよろしくお願いいたします。
早速議題に入りたいと思いますが、議題1は「新人看護職員研修ガイドラインの見直しについて」です。
第1回の検討会の後、3名の構成員の方々に具体的な見直しの作業を行っていただきました。熊谷構成員、青柳構成員、山岸構成員、大変お忙しい中を3回にわたって御議論くださいましてありがとうございました。
まず、事務局から、この検討結果について御説明をお願いできますか。
○島田室長 それでは、資料1と別添1~4につきまして説明をさせていただきます。
不足などございましたら、後ほど構成員の先生から補足をお願いできればと存じます。
まず、資料1でございます。
資料1は、今、座長からお話がございました3名の構成員の方々に御検討いただきました結果の概要をおまとめしたものでございます。
それぞれ御検討いただいた結果についての詳細が別添1~4におつけした資料になっておりますので、それぞれ併せてご覧いただきながら御説明をお聞きいただければと存じます。
まず、資料1、おめくりいただいて2ページでございます。「見直しの具体的方法」ということで上のほうに書いてございますものから順に御説明いたします。
第1回検討会における御意見を踏まえまして、ガイドラインの到達目標の見直し等につきまして、3回にわたって御検討いただきました。
検討に際しましては、各項目の表現や内容、到達の目安は、施設の規模や機能にかかわらず、新人看護職員が到達することが望ましいと考えられる標準的なものとすることを前提として御検討いただきました。
作業事項といたしまして、到達目標の各目安につきまして御検討いただきました。
それから(2)「一年以内に経験し習得を目指す項目」につきまして御検討いただきました。
そして、各項目の表現や内容について御検討いただきました。
さらに2でございますが、到達目標の項目の細項目作成プロセスの例示の追加について御検討いただきました。
作業方針でございますけれども、各到達目標の見直しにつきましては、到達目標の到達状況、実施頻度、妥当性、妥当でない理由。これは前回佐々木構成員のほうから御紹介いただきましたもの、本日詳細なデータを参考資料1でおつけしているものでございますけれども、そちらをご覧いただきながら御検討いただきました。
そして、各項目の表現や内容につきまして、新人看護職員に求める内容として適切か、具体的内容となっているかなどの観点から検討いただきました。
各項目の表現や内容、到達の目安につきまして、前後の関連する項目などとの整合性も御検討いただきました。
各項目の順序性が適切かについても御検討いただきました。
そして、本日参考資料の3をおつけしておりますけれども、看護基礎教育、免許取得前の教育におきまして、卒業時の到達目標というものを通知でお示ししているところでございますが、それとの整合性についても検討いただいたところでございます。
細項目作成プロセスの例示につきましては、到達目標を各施設で設定していただく際に考慮すべき具体的内容と、その到達目標の設定手順について御提示いただく内容を検討いただきました。
その他といたしまして、前回の検討会で御意見をいただきました評価方法について御検討いただきましたのと、ガイドラインの記載箇所の検討についても行っていただいたところでございます。
3ページでございますが、検討結果(案)の概要でございます。
まず、到達目標の各項目についてでございます。
概要といたしましては(1)~(4)にお示しをしておりますけれども、到達の目安の変更について、2から1に変更しておりますのが9項目。3から2に変更しておりますのが4項目。「1年以内に経験し習得を目指す項目」の見直しを4項目。到達目標の表現の変更を7項目。そして、死亡時のケアに関する技術項目の追加をしているところでございます。
詳細につきまして、別添1をご覧ください。
別添1の資料が、今回御検討いただきました到達目標の修正案になります。各項目の中の、色がついておりますコマの部分が修正箇所でございまして、修正部分にはアンダーラインを引いております。
まず、左側に便宜上連番を付しておりまして、6番でございますが「患者・家族が納得できる説明を行い、同意を得る」というのが従前の項目でございましたけれども、右のほうに修正の理由が書いてございますが「わかりやすい説明によって納得と同意は得られる」ということで、行動を表現する文言としまして「わかりやすい説明」と修正を行っております。
続きまして、10番ですが「病院及び看護部の理念を理解し行動する」でございますけれども、こちらについては到達の目安を2から1に修正しておりまして、組織の一員として、理念を理解して職務を担うことは社会人として必要であるため、これは「できる」という到達の目安に修正をしております。
13番「同僚や他の医療従事者と安定した適切なコミュニケーションをとる」という項目でございますが、安定していることも含めて適切と評価すべきものであり、『安定した』は不要と判断いたしまして「安定した」という文言を削除しております。
おめくりいただきまして、2ページでございます。
20番でございますが「食事介助」につきましては、修正の理由のところに書いてありますように「嚥下状態の確認や誤嚥予防に関する観察や技術の習得は医療安全の観点からも新人看護職員でも必要」ということで、到達の目安を2から1にしております。
「経管栄養法」でございますが、最近の現場では点滴による栄養から、経口・経腸栄養への切りかえが早期に行われ、経管栄養法が多くなっているという実情を踏まえまして、到達の目安を2から1に修正をしております。
続きまして、その下の「排泄援助技術」につきましてですが、こちらについては幾つかの項目、入れかえをしております。
と申しますのは、従前の項目の並びが排尿と排便が入り組んだ並びになっておりましたので、排尿のほうを前半に、排便関係を後半にということで項目の入れかえを行っております。
その中で3でございますが「膀胱内留置カテーテルの挿入と管理」につきましては、膀胱内留置カテーテルを留置した患者の看護を行う場面は多く、安全な挿入と管理は重要である一方、施設の実情によりましてはこういった患者さんがいらっしゃらないところもありますので、★をつけずに到達の目安を2から1に修正するという修正内容でございます。
3ページの28番でございます。「体位変換」ですが、修正の理由に書いてございますように、どのような療養の場でも必要となる基本的な技術であり、新人看護職員でもできることが求められることから1ということで、これはどのような療養の場でも必要ということで、★をつけたまま2から1に修正としております。
その下、30番の「入眠・睡眠への援助」でございますが、こちらのほうは右のほう、根拠となるデータの欄に卒業時の到達目標を記載しておりますけれども「入眠・睡眠を意識した日中の活動の援助ができる」というものを卒業時の到達目標として設定しておりまして、到達の目安としましては「1:できる」というところを目指すということが卒前の目標になっております。
これとの対応関係を御検討いただきましたところ、現場で働く新人看護職員は、学生と違って日中だけの援助ということではなく、24時間を見据えた援助を行うということでございますので、若干難易度は高いだろうということで、到達の目安としては「指導の下できる」という2のままとするということですが、やはりどのような療養の場でもこういった援助は必要と考えられますので、1年以内に習得を目指していただくということで★をつけるという修正をしております。
その下の項目「体動、移動に注意が必要な患者への援助」でございますけれども、こちらについては、どの療養の場においても高齢者・認知症患者といった方々は増加していますので、必要性が高いということで★をつけるという修正を行っております。
下のほう、41番「4体温調整」でございますが、こちらは右のほうに書いております卒業時の到達目標をご覧いただきますと「患者の自覚症状に配慮しながら体温調節の援助ができる」という項目が卒前で「1:できる」というところを目指すということになっております。これとの対応を見ますと、卒業後、新人では当然1でありますし、どのような場でもこういった援助は必要ということで、★をつけて1とするという修正を行っております。
4ページでございます。
45番「褥瘡の予防」でございますが、こちらは、先ほど「体位変換」を★ありの1という修正を行っておりますが、それとの整合性を踏まえ、そして、褥瘡の予防という観点ではどのような場でも必要であり、新人看護職員でもみずから実施すべきということで、★のある2から1に修正という提案でございます。
その下「静脈内注射、点滴静脈内注射」でございますけれども、こちらについては、実施することが必要な場におきましては、実施者には安全かつ確実に実施することが求められる行為という一方で、どなたが静脈内注射をやるかということは施設によって分担が異なりますので一律に求めることは難しいだろうということで、到達の目安を2から1にするという修正を行っております。
その下「輸液ポンプの準備と管理」でございますけれども、こちらについては、輸液ポンプを使用する場ではシリンジポンプも多用するということで「輸液ポンプ・シリンジポンプの準備と管理」という項目名に修正を行っております。
そして、先ほどの静脈内注射と同じように、これを実施することが必要な場におきましては、新人でも一人でできるようになるというところを目指していただくことが必要だろうということで1。ただし、実施する場は全てではないということもありますので、★はつけずに1とするという修正を行っております。
続きまして、5ページでございます。
「救急救命処置技術」の中で、現行の到達の目安を3にしておりますものにつきまして、2に修正を行っております。
修正の理由といたしましては、一次救命に必要な技術であるということと、シミュレーションによる演習などが多用されておりますので「指導の下にできる」というところを目指していただくことが必要だろうとうことで、3から2に修正を行っております。
その下の「6外傷性の止血」でございますけれども、現行の項目では「止血」とだけされておりましたが、前回の検討会でも御議論が少しあったかと思いますけれども、どの部位からの出血に対する止血なのかということがわかるようにしたほうがいいということでございましたので、明確になるよう「外傷性の止血」としております。
その下の「身体計測」でございますが、こちらは、卒業時の到達目標では、正確に身体計測ができるという項目が「1:できる」を目指すということになっておりますので、それとの対応関係を見ますと、卒業後も1、さらにはどのような場でも新人でも到達していただくことが必要だろうということで、★をつける1に修正するという提案でございます。
その下の2つの項目「リラクゼーション」と「精神的安寧を保つための看護ケア」でございますけれども、どのような内容を示すのかわかりにくく評価もしにくいといった御指摘がございましたので、教科書などを3人の先生方にご覧いただきながら標準的なものを追加しておりまして「リラクゼーション技法」。例といたしまして「呼吸法・自律訓練法など」としております。
その下は「精神的安寧を保つための看護ケア」。例としまして「患者の嗜好や習慣などを取り入れたケアを行うなど」という例を追加をしております。
6ページでございます。
80番ですが、今までの項目ですと、針刺し事故に対応ということで書いておりましたけれども、針刺し事故防止のみでなく、医療安全上、空気感染や粘膜暴露などの防止対策を含める必要があるということで「針刺し切創、粘膜暴露等による職業感染防止対策と事故後の対応」という項目名に修正を行っております。
84番「転倒転落防止策の実施」ですが、転倒転落は高齢者のアクシデントとして最も多く、防止は重要ということと、どのような場でも必要性が高いということで、★をつけたままで2から1に到達の目安を修正しております。
その下でございますが「死亡時のケアに関する技術」という項目を新たに起こしまして、項目といたしましては「死後のケア」という項目を追加をしておりまして、到達の目安としましては3としております。超高齢化社会を迎え、新人看護職員研修においても実施すべき項目であるということと、各施設の状況を考慮して★のない3とするという修正理由となっております。
7ページは、管理的側面についての到達目標でございますけれども、こちらにつきましては、一通り御検討いただきました結果、修正は特になしということで今回の修正案となっております。
先ほどの資料1にお戻りいただきまして、到達目標の設定手順が2番目に御検討いただいた内容になっております。こちらにつきましては、別添2と3をご覧いただければと思いますけれども、まず別添2と3の資料の構成を御紹介いたしますと、別添2が今回おつくりいただいた内容になっておりまして、それをガイドラインに実際に盛り込んだ場合の挿入イメージが別添3になっております。
詳細につきましては、先生方に事前にご覧いただいていますので、御説明は省略をさせていただきますけれども、別添2をご覧いただければと思いますが、到達目標の細項目作成プロセスの例示といたしまして、今までは文章で施設の規模や看護部の理念といったものを勘案して、到達目標をそれぞれの施設で作成していただくということを文章のみで記載しておりましたところですが、具体的にはどういった項目を勘案した上でそれぞれの施設で御検討いただくとよいのかといったそれぞれの考慮すべき内容の例というものを抽出していただいて、掲載していただいております。
そして、その下でございますが、例えばこういった病院を例にとった場合には、こういった検討プロセスを経て到達目標の設定を行っていただくという流れを例示していただいております。
おめくりいただいて、別添2の2ページでございますが、2ページ以降につきましては、別添3の4ページに実際にガイドラインに掲載する際の例をおつけしておりますけれども、今までのガイドラインですと「車椅子による移送」という項目を取り上げまして、各施設における項目設定、詳細さや難易度、到達時期の設定というものを、こういった考え方で設定していただくことができるのではないかという例を示していましたが、今回「チームメンバーへの応援要請」という項目を例にとりまして、同じように到達目標、それから詳細さの設定ですとか、到達時期の設定というものを例示として挙げていただいております。
今、新たに御検討いただきましたプロセスの例示ですとか、到達目標の項目の設定例でございますけれども、実際にガイドラインに盛り込みます場合には、別添3をおめくりいただいて2ページと書いておりますところは今までのガイドラインと同じ内容のところでございますが、今までは、2ページの下のほうに「2)到達目標」と書いてございます文章がございますけれども、この到達目標の説明文の後に到達目標の各項目の例一覧を載せていたところでございますが、そうしますと、なかなかその先の設定手順のところまで読み込んでいただくことが難しいのではないかということで、到達目標の説明の後に、今、ご覧いただいております3ページ、4ページ、5ページにありますように到達目標の設定手順を先に盛り込みまして、その後に、別添3で申しますと6ページ以降になりますけれども、到達目標の一覧を挿入するというような並び順の変更をしてはどうかという御提案をいただいております。
続きまして、評価についての御検討結果を説明させていただきます。別添4でございます。
評価につきましては、前回、検討会で各項目の評価時期も目安として設定してはどうかという御意見をいただいたところでございますが、御検討いただきました結果、到達目標自体もやはり各医療機関が目的等に応じて個々、個別具体的に設定していただくということになりますので、別添4の修正案の「2)評価時期」というところがございますけれども、そこにアンダーラインを引いた修正をお示ししておりますが、各医療機関が目的等に応じて具体的に設定していただくということがわかりますように文言を追加しております。
さらには、評価時期をどのような考え方で設定するのかというようなことの考え方をお示ししたほうがよいであろうということで「評価時期についても、各医療機関の目的や状況に応じて設定する。例えば、以下のような考え方に基づき評価時期を設定することが考えられる」ということで、例といたしまして、就職後1カ月後の評価としてはこういった考え方、3カ月後、6カ月後、1年後についてはそれぞれこういう考え方で評価時期を設定してはどうかという考え方をお示しするという修正案になっております。
おめくりいただいて次のページでございますが、評価者につきまして、前回、他職種あるいは患者さんからの評価といったことも考えられるのではないかという御指摘をいただいたところでございまして、これまでのガイドラインですと、評価者につきましては「3)評価方法」の1で「自己評価に加え実地指導者や教育担当者による他者評価を取り入れる」となっておりましたが、そこに「他職種や患者など看護職員以外の評価を取り入れることも考えられる」という視点を追加してはどうかということで修正をしております。
以上が、作業班の先生方に御検討いただいた結果でございます。
補足がございましたら、3人の構成員の先生方、御説明をよろしくお願いいたします。
○石垣座長 補足はございますか。よろしいですか。
ありがとうございました。
ただいま、作業班で検討した到達目標の各項目、設定手順、評価について説明していただきました。この検討結果に基づいて、ガイドラインの見直し案について項目ごとに議論を進めさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
項目ごとはまた後からいたしますけれども、全体的に何か御質問はありますか。
お願いします。
○清水構成員 ありがとうございます。
私の不勉強なのかもしれませんが、どこを見てもよくわからなかったので教えていただきたいのですけれども、これは基本的に卒業後1年間で到達すべき目標が書かれていると思うのです。したがって、★の1というのは理解できるのですけれども、★の2と3というのがちょっと理解できなくて、1年以内に経験して習得を目指す項目であるのに「指導の下でできる」ということの整合性がよくわからなかったので、その理解を教えていただけるとありがたいと思います。
○石垣座長 お願いします。
○島田室長 御指摘のように、若干文言の整理が必要なのかもわからないのですけれども、習得といっても、自分でできるというところまでの習得なのか、指導のもとにできるというところの習得なのかという、それぞれのレベルに応じた習得を目指していただくという意味で、ここで1年以内に習得を目指していただくということを記載しております。ですので「2:指導の下でできる」という到達の目安で★がついているものは、指導のもとでできるというところまでを1年以内に目指していただくという趣旨でこの目標を示しているという内容になっております。
○清水構成員 ありがとうございます。
そうすると、習得の意味が御自分で完璧にできるということを目指しているわけではないということでよろしいですか。達成度合いと考えればよろしいでしょうか。
○石垣座長 ガイドラインでは、「段階的、計画的、個別的」がキーワードでございまして、いきなり1年目で全部修得するというのは無理ですが、段階的に進めていくために1年以内では、先ほど事務局が申し上げましたように、演習でできる、指導のもとでできるというように次のステップに進めるということを含めております。ですから、完全にできることを目指したものは1だけであります。
よろしいですか。
○清水構成員 ありがとうございます。
○石垣座長 ありがとうございます。
それでは、別添1でございますけれども、到達目標の各項目について何か御意見、御質問をお願いいたします。
到達目標の修正案でございますが、先ほど色がついたところを検討して修正していただいたと説明がありましたが、そのほか全体的にでも。
藤川構成員、お願いいたします。
○藤川構成員 今、説明をしていただいたのですけれども、施設によっては必要でない行為、対象とならない看護行為、診療の補助行為というものはあると思うので、目安は2にしても1にしても1年以内に修得する必要がない。必要であれば研修をするということで、小さい医療機関でも大きい医療機関でも使えるように配慮していただいているということを感じました。
○石垣座長 ありがとうございます。
西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 全般的にですが、今回見直しにおいて到達目標が少しずつレベルアップしているということでは、この研修が始まって現場もなれてきて、いい方向に向かっていると総論的に感じます。
あと一つだけですが、別添1の6番目ですけれども「納得できる説明」を「わかりやすい説明」と変えています。今回の案としてはこれで賛成します。ただ、個人的には「納得」という言葉に思い入れがありまして、例えば修正のほうにありますけれども「行動を表現する文言として『わかりやすい説明』」。これはある意味で技術的なことだからやりやすいのですが、例えば患者さんなり家族なりに説明したときに、言っていることはわかりました、理解できますということと、患者さんが受けている医療行為とかサービスの内容について納得するというのは別問題だと思うのです。実は納得のほうがより難しいと思うのです。だとすれば、逆に新人のところは「わかりやすい説明」のほうがいいかと思います。
ただ、修正のほうに「わかりやすい説明によって納得も得られる」と書いてあるのですが、私個人の考えとしては、納得を得るのはもっと難しいのではないかと思うので、そのあたりをちょっと考えていただければと思います。はっきり言いますと、納得できる説明というのはかなり経験を持たないとできないのではないかと思いますので、そのあたりをちょっと変えたらいかがかと思いました。
以上です。
○石垣座長 ありがとうございました。
川本構成員、どうぞ。
○川本構成員 確認ということで御質問させていただきます。
先ほど、到達の目安の話が出ておりましたけれども、★がついているものが1年以内に経験し習得を目指すということで、ついていないものは1年を超えてもよいという理解でよろしいのですか。確認です。
○石垣座長 事務局のほうでお願いします。
○島田室長 ★がついている項目といない項目は、施設で実施頻度ですとかそういったものもかなり異なるであろうということでつけておりますので、2年目、3年目ですとかを目指していただくというような項目になろうかと思います。
ただ、その場でそれを目指せる環境にあるかどうかということも含めて、最終的には各施設で御吟味いただいて設定していいただくことになるかとは考えております。
○川本構成員 ありがとうございました。
○石垣座長 ありがとうございます。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 先ほどの「納得」の部分は多分私が申し上げたと思うのですけれども、確かに納得のほうが難しくて、納得したかどうかを判断できるのは患者しかいないのではないかとお話ししたように記憶しております。
それに加えて、先ほど清水構成員から、1年以内に経験・習得を目指すということがちょっとわかりにくいというお話をされていましたが、私も「経験をして習得」と書いてあると、やはりできるというイメージになってしまうのではないかと思いました。例えば、これは到達の目安なので「1年以内に到達を目指す項目」という表現にしたほうがわかりやすいのではないかという気がしますけれども、いかがでしょうか。
○石垣座長 「到達を目指す項目」というふうに変えたほうがいいという御意見ですか。
○山口構成員 はい。「1年以内に一人でできるところまで到達する」あるいは「指導のもとでできるまでに到達する」というふうに読めたほうが、新人の方が読んだときにも「1年以内に経験し習得を目指す」と書かれると、やはり自分でできるという読みぶりになるのではないかという気がしましたので、上に「1年以内に到達を目指す項目」とあって「1:できる」「2:指導の下にできる」とあると、ここは指導のもとでできるようになればいいのだということが文言としてわかりやすいのではないかと思いました。
○石垣座長 これについてほかの構成員の皆様、あるいは事務局として御意見ありますか。
藤川構成員、お願いします。
○藤川構成員 「できる」といったときに、一人でできるということですね。自分一人で患者さんのところに行って、一人で全てをできるということになると、1に「一人でできる」という「一人」というのを入れないと理解できません。「できる」と「指導の下でもできる」はどちらもできます。やはり、現場において具体的指示をして、こうしなさい、ああしなさいと言われてできる人と、具体的に指示してもできない人もやはりいるわけです。そう考えると、1は「一人でできる」という表現のほうがわかりやすいかもしれないと思います。
○石垣座長 ありがとうございます。
到達の目安についての文言、表現の仕方について今、御意見をいただいております。
熊谷構成員、どうぞ。
○熊谷構成員 今、構成員の先生方からいただいた御意見の中で「習得」というほうがいいのか「到達」のほうがいいのかは、日本語の解釈をよく調べないと。「習得」はかなりレベルが高いという感じを受けるので、もう一度ちょっと検討したほうがいいかと思うのです。
ただ、ここで、これは21年の検討会の中で決められたことなのですが、要は「到達」にしろ「習得」にしろ、そのレベルを下であらわしているということだけは読み取らないといけないことなので「習得」か「到達」については少し考えたほうがいいのかと私も思いました。
○石垣座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
お三人の構成員の方がかなり精力的に検討していただきました。
佐藤構成員。
○佐藤構成員 項目についてのことなのですけれども、修正をしていただいたところに関しては賛成の意見なのですが、3ページの39番の「吸引」についてなのですが、気管内と口腔内、鼻腔内が並列に技術としては挙がっていまして、気管内が多分技術的にすごく難しいし、無菌操作を伴ったりとか危険も伴ったりしますので、それと口腔内、鼻腔内の吸引が同じ中に入って到達を目指すというところでいいのかという意見です。
○石垣座長 ありがとうございます。
いかがですか。
熊谷構成員、お願いします。
○熊谷構成員 おっしゃるとおりだと思います。まずは口の中、そして鼻腔、気管といくのだろうと思うのですが、それを全部分けるとほかも全部そうなのですね。例えば酸素療法もそうだと思うのです。最初はカニューレだとかマスク、人工呼吸器といってしまうので、ここは施設によって少しこの中を少し細かくしていただいたほうが、平準的なものをお示ししたほうがいいだろうというガイドラインの立ち位置だと思うのです。
ただ、今、おっしゃっていただいたようにせっかく見直しのチャンスなので、この順番を書きかえるだけでもすごく意味があるかと思うので、口腔、鼻腔、気管のような順で書くというのは重要なことかと思いました。
○石垣座長 ありがとうございます。
佐藤構成員、よろしゅうございますか。
○佐藤構成員 もう一つ、やはり気管内が一人で1年以内にできるかというのがちょっと私は気になっていまして、同じ到達目標の中に入っているというのも少し意見があるので、また検討いただければと思います。
○石垣座長 ありがとうございました。
清水構成員、何かありますか。
○清水構成員 また到達目標のほうに戻ってしまうのですけれども、もし「習得」というのをどうしてもお使いになるのでしたら、この「習」は多分技術的なことを指すことが多くて、最近は教育学では「修」を使うことが多いかなと思うので、もし「シュウトク」というふうにするとしても「修」のほうがいいのかと。
先ほど山口さんがおっしゃったのがとても私はわかりやすくて、やはりこれは見た学習者のほうがわかりやすいほうがいいのかなという気がするので、私が誤解したようにきっと学習者が誤解するかもしれませんから、やはりレベルに到達するという意味合いがわかるほうがいいのかと思いました。
ありがとうございます。
○石垣座長 ありがとうございます。
先ほど熊谷構成員が発言されたように「到達」とか「習得」あるいは「修得」の文字についても、もう少し意味をきちんと調べて統一してみたいと思います。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
○佐々木構成員 先ほどの到達の目安の★については、参考資料のほうで到達目標の妥当でない理由を集計する際にも、やはり★の3というものの意味がわかりにくいとか、2というものがよくわからないという意見が幾つかございましたので、実地指導者など教育担当者の皆さんでもなかなか理解しがたい表現なのかということは思いましたので、この時点でまた検討いただけるといいのかと思いました。あるいは、ちょっと解説があるといいのかとも思いました。
○石垣座長 ありがとうございます。
熊谷構成員、どうぞ。
○熊谷構成員 先ほどの吸引のことなのですけれども、気管内吸引というのはかなりレベルが高いというお話で、実はここを★1のままにしたのは、参考資料1で今回調査をかけていただきまして、これの4ページをご覧ください。
4ページの39番なのですが、確かにここは気管内全部一緒になって調査をかけているので詳細がわからないのですけれども、全体の割合が1のレベルで、73.1%が現行吸引できています、一人でできていると回答されていたので、今回あえて段階を落とす必要はないのではないかと班会議の中では検討いたしまして、そのまま現行★の1としたのです。
それで、一つは、ここでおっしゃるように、気管内吸引はどうですか、口腔内はというふうに聞いていないところが少し詳細にお答えできないことなのですが、理由としてはそういうことです。
○石垣座長 この項目についてもまた御意見を参考にさせていただきたいと思います。
お願いします。
○藤川構成員 気管内を吸引する場合、3種類あるのですね。気管切開している場合の気管内はそんなに難しくはないのですけれども、挿管していない場合に鼻から入れるというのはちょっと厳しい問題があります。逆に、挿管していても、ずっと奥に入れてやるというのは、清潔操作の問題もありますけれども、吸引しすぎると無気肺をつくってしまいます。3種類の気管内吸引の手段がありますから、各病院でやるときには少し説明をつけないとちょっと誤解を招くのかと思います。
○石垣座長 ありがとうございました。
山岸構成員、お願いします。
○山岸構成員 私も、吸引については施設内の部署ごとでも経験の頻度は違い、ICUなどでは呼吸器を管理しますので、気管内吸引の習得することを目指します。全く吸引がない部署もありますので、ガイドラインはそれぞれの施設で読み込むほうがいいのかと思いました。
○石垣座長 ありがとうございます。
ガイドラインをつくるときに、また、この見直しの作業をするときも、皆さん方の御意見を踏まえて標準的なものというところを大事にしましたので、各項目については施設や、部署、診療科によってもかなり修得の度合いや目標が違ってくるかもわかりません。どこを標準化するかというところを考えながらこれをつくったわけですが。今、皆さん方からいただいた御意見をまた考えてみたいとも思います。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
清水構成員、どうぞ。
○清水構成員 4点ほどございますが、全部一緒に言ってしまってもよろしいですか。
○石垣座長 お願いします。
○清水構成員 53番の「抗生物質」という言葉ですけれども、多分今は「抗菌薬」と言うと思うので、言葉を変えたほうがいいのかというのが一つでございます。抗生物質と抗菌薬とはちょっと違う意味合いですけれども。
2つ目が、59番の「人工呼吸」ですが、これの人工呼吸の意味合いが、例えば右側に一次救命と書いてあるので、BLSでいうバッグマスクの程度のことをおっしゃっているのでしょうか。人工呼吸というと、挿管による人工呼吸器というのも全部入ってしまうと思うので、それが少しわかるような定義づけか、もしくは言葉の変更が必要かと思いました。
それから、65番目の「身体計測」ですけれども、これも身長・体重ぐらいを指すのか、例えば診療科によっては腹囲とか、腹囲も臍高部とか最高位のところとかといろいろあるのかもしれないのですけれども全部含まれるのかどうか。例えば赤ちゃんの計測も要求される職場もあると思うので、そういうことも全部含まれるのかどうかもちょっとわかりにくいのかと思いました。
あとは、漢字の問題なのですけれども、73番目。これは何と読んでいいのか、私ちょっと分かりかねたのですが。
○石垣座長 あんぽう。
○清水構成員 あんぽうというのですか。これは看護師さんでは当たり前の言葉なのかもしれませんが、医師は使わないので意味合いがわからないですね。温める方法なのですか。
○石垣座長 罨法というのは使わないですか。
○清水構成員 冷罨法とかは言いますけれども、看護師さんは見たらわかるのでしょうか。必ずわかる方法ですか。では結構です。
自律訓練法もちょっと何を指しているのかわかりにくいかと思います。それぐらいでしょうか。罨法というのは医学用語なのですね。医学事典に入っていなかったのでもし皆さんが通常使われていて、どなたでもおわかりになるのであればいいかもしれません。
○石垣座長 「罨法」という項目はあります。
○清水構成員 そうですか。では、私の不勉強でした。
○石垣座長 今、抗生物質と抗菌薬の表現のことについて御意見がありました。それから、人工呼吸。
この救命救急のところはみんな含めて考えてくださったと思いますけれども、これについていかがですか。
○熊谷構成員 今、御指摘いただいたように、BLSレベルというふうに考えますので、ちょっと表現の仕方を。
それからもう一つ、65番の「身体計測」なのですが、先ほどから出ているように細かくしてしまうと。やはりここは病院で、各施設でお考えいただいていいことかと思うのです。それから病棟によっても、赤ちゃんのところであると、産科では全く違うので、そういう意味でこういうふうに大きく出した次第です。
「罨法」については看護学事典の中に入っておりまして、看護学の中では使うのです。ただ、余り一般的でないということは了解をいたしました。
自律訓練法は、精神科の教科書等にも出ていることなので、そこから出してきたものですので、医師の本にも出ておりましたので。
○清水構成員 自律訓練法で申し上げたかったのは、自律訓練法というのにもいっぱいあるのです。リラクゼーションのためだけに使っているのではない言葉だと思ったので、わかりにくいかと。済みません。
○石垣座長 ガイドライン作成時の作業時にはかなり具体的にということを考えたつもりではいたのです。それから、基礎教育の到達目標を参考にしながらというようなこともあります。例えば「身体計測」のところなどはそうなのです。
そういうことで、抗菌薬と抗生物質のことも少し考えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
まだ御意見はたくさんあろうかと思いますけれども、今、皆様方にいただいた御意見は事務局に整理していただいて、また考えたいと思います。
次に、別添2と3にあります到達目標の設定手順や掲載のイメージについて御意見や御質問をいただきたいのですが、よろしくお願いいたします。
今回、ガイドラインで説明していたことを、かなり考えやすいように項目を考えてくださったのですけれども、いかがでしょうか。
以前のガイドラインに比べるとかなり考えやすくしていただいたように思います。それから、前回の御意見にありましたチームメンバーへの応援要請ということで、詳細さをどのように設定するかということも例示していただきました。各施設で自施設に合ったものをつくるときの考えるプロセスというか、どんなことを考えながらこれを決めていったらいいかということが具体的に表示されるようになったと思います。
佐藤構成員、よろしくお願いします。
○佐藤構成員 別添2は、とても具体的でわかりやすくなりまして、今、まだ取り組んでいない施設にも説明しやすいかと思って、ありがとうございます。
一つ内容の確認なのですけれども、下側のほうのY病院の例で、右側の「影響を与える要素」というところで大きく3つの項目、看護職員の構成と、支援する体制、時間・予算のところが影響を与える要素になっていて、ほかの部分は上と比較しますと全て考慮する項目となっているのですけれども、影響を与える要素と考慮する項目との関係性といいますか、この表示をされた理由というか、説明をもう少しお願いしたいと思います。
○石垣座長 Y病院の例のことをお話されているのですね。これについていかがでしょうか。
熊谷構成員、よろしくお願いします。
○熊谷構成員 「考慮すべき内容の例」を列挙していったときに、右側は考えるフローとして考えたのです。それで、上の各ファクターがどこにひっかかってくるのかということを、全部上のものを使って書きあらわしてみたのです。病院の機能や理念があって、看護部のビジョンがあって、そしてどういう看護師を育てたいかといったときに、要はそれだけではできませんので、そこの上から、その次に到達目標を設定していくときに、もう一つはどういう人を育てたいかだけではなくて、上に出してきたもののうちのこのことも考えていかないと教育計画が組めないということでお出しをしたつもりです。
○佐藤構成員 見方はわかるのですけれども、項目の中で、項目そのもののものと、影響を与える要素というのが2種類あるのかというのが少し気になったのです。
○熊谷構成員 ありがとうございます。
そこが2つ、テーマが変わってしまうということですね。それについては考えていきたいと思います。ありがとうございます。
○石垣座長 ありがとうございました。
ほかの構成員もそれでよろしいですか。
佐々木構成員、どうぞ。
○佐々木構成員 今回、図の3を入れていただいたというのは、具体的には非常にわかりやすくなっていると思ったのですけれども、主に病床数とか急性期病院などのほうがガイドラインに沿って研修を進めているという状況がある中では、むしろ高度急性期医療を担う病院の例とともに、そうでない病院の例が一つあると、ガイドラインとしては普及にかなり貢献するのではないかと思って。具体的な案としては出せないのですけれども、ちょっとその辺が。この例と、もう一つそうではないケースがあるとわかりやすいかと思いました。こういうのはむしろ大体導入されてきているところではないかというような印象があったものですから、お願いします。
○石垣座長 例えば中小規模の病院とか、あるいは単科。
○佐々木構成員 そうですね。中小規模の単科とか、療養型とか回復期リハビリとか、そういったところを持っているところが、そのものではなくてもいいのですけれども、ちょっとそういうところの病棟、病院が確認して、うちもこんなふうにすればいいかと考えられるものがあると本当はいいと思いながら、でも具体的なことは非常に難しいかと思いながら。
○石垣座長 ありがとうございました。
これの例示は、あくまでも考えてつくるプロセスを例示したものですので、例示として、急性期病院よりはむしろ慢性期の病院のほうを挙げたほうがいいという御意見でございましょうか。
○佐々木構成員 これをしなくてもいいということではなくて、急性期は急性期であったほうがいいのではないかとは思うのですが、それとともにもう一つ、図の3-1とか2という、ページ数がもし許せばそういう形で入るのはどうだろうかという提案ではあります。
○石垣座長 ありがとうございます。
ただ、到達も、考慮する項目と影響を与える要素というものをそれぞれの施設で考えながらこのステップで考えていってくださいという一つの例示としては、これはこれでいい。ですが、もう一つそういうのをつくったほうがいいという御意見でしょうか。あるいは、急性期はできているので、急性期よりは慢性期とか中小の病院の例示をしたほうがいいという御意見でしょうか。
○佐々木構成員 私自身は、急性期の病院でも、今回の妥当でないとかいう意見を見たときに、うちは2では間に合わなくて1にしてもらわないと困るというような御意見もたくさん見ておりますので、急性期のほうもその点で悩んでいるのだということはあったので、このそのものは急性期病院があっていいと思ってはいるのですが、そうすると、今度はもう少し違った病院のところではどうするのだという意見が出そうかと思った関係でということになります。
○石垣座長 ありがとうございました。
また今後考えさせていただきたいと思いますが、先ほども言いましたように、あくまでも考慮すべき項目と影響を与える要素、それから、そういうことを考えて、例えばこういうふうに考えられますよということをお示ししているということは御理解いただきたいと思います。
そのほかにいかがですか。
藤川構成員、どうぞ。
○藤川構成員 今の発言に関連して、Y病院という表現をされていますけれども、大病院ないしは急性期、超急性期の病院の場合の例とした方がよいと思います。そして、慢性期の病院や、有床診療所、中小病院でも参考にできるよう、やはり私は2、3種類例があったほうがいいと思います。どこまですればいいのかとか、問い合わせが来ると思うのですよ。
やはり必要がない項目を、教える人間もいないところではもうお手上げになってしまうのです。そういう点では、各医療機関の判断で、例えば小児科のNICUで、保育器などを使っているというようであればそこは上げるとか、そこはモディファイでされていいと思うのですけれども、少し、2、3例を出さないと非常に使い勝手が悪いといいますか、問い合わせが厚労省に来る可能性があるので、やはり読んで十分理解できるようには表示しておいたほうがいいかと思います。
○石垣座長 ありがとうございました。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 患者の立場から看護の質を考えますと、たくさん電話相談やさまざまな医療機関に伺っている経験では、かなり看護の質のレベルが二極化してきているような印象を私は持っています。
規模だけではなかなか言えない部分だと思うのですけれども、やはりこういうガイドラインを本当に使ってほしい医療機関に、こういうことだったらうちの病院でもできるのだと思えるような工夫をしていただくことが必要ではないでしょうか。恐らく急性期病院では既にガイドラインを使っていらして、こういう手法にしても持っている方がたくさんいらっしゃると思うのです。まだそういうことを取り入れたばかりとか、なかなかやり方がわからないというところが積極的に使えるような、そういう例示があったほうがいいのではないかと私も思いました。
○石垣座長 ありがとうございます。
標準的というのが非常に難しくて、たまたまこういうのを一つの考え方として標準として例示いたしましたけれども、本当に多様性がありますので。
○山口構成員 標準というよりは、もっとこういう医療機関に使ってもらいたいというところに焦点を当てたような例があってもいいのではないか。使ってほしいのだけれども使い切れていないところというのがもし具体的に何か示せるのであればという意味です。
○石垣座長 いただいた御意見はまた事務局のほうで整理させていただきたいと思います。
次に進んでもよろしいでしょうか。
また何かありましたらいただきたいと思いますが、次に、別添4になりますが、評価についてはいかがでございましょうか。裏表になっております。
川本構成員、お願いします。
○川本構成員 評価の時期につきまして具体例を挙げていただきまして、わかりやすくなったかと思います。
先ほど確認させていただきましたけれども、到達目標、★がついていない1年以内を過ぎても構わない項目があるわけですので、修正案の2)の1で「到達目標は1年間で到達するものとするが」としますと、表は全部到達目標になっておりますので、誤解を生ずるのではないかなと思います。もしこれを残すならば「到達目標の中の★のものは1年以内とするが」としないと混乱するのではないかなと思います。それか「到達目標は1年間で到達するものとするが」という文そのものを削除するか、どちらかをされたほうがいいかと思います。
○石垣座長 ありがとうございます。
それも先ほど御意見の出た「修得」とか「到達」ということにもかかわると思いますけれども、御意見としてお伺いしておいてよろしいでしょうか。
山口構成員、お願いします。
○山口構成員 2ページの「3)評価方法」の1のところに「他職種や患者など看護職員以外の評価を取り入れることも考えられる」と書いていただいていて、私も看護師の教育に患者がかかわるべきというか、育てるのは患者でもあるのではないかと思ってはおります。
ただ、ここに「評価」という表現をしますと、患者からの評価を得ないといけないと思ってしまう医療機関が出てくるのではないかということと、評価するという視点になってしまうと、患者側の視点として適切な表現ではない気がします。できれば「評価」と一くくりにしていただくよりも、例えば「指導者が口頭で患者の感想を求める」とか少しマイルドな形にしていただいたほうがいろいろな誤解につながらないのではないかと思いましたので、そこはもし表記していただくのであれば、少し分けていただけたらと思います。
○石垣座長 今、山口構成員がおっしゃったような意味合いを持って、患者さんに一人一人評価するというかそういうことは到底不可能でありますから、多分後者のことを意味合い含めていると思うのですけれども、それがもっとわかりやすいような表現にしたほうがいいということですね。ありがとうございます。
藤川構成員、どうぞ。
○藤川構成員 2つあるのです。1つは、患者さんから評価を受けるというのは、アンケートを実施し、言葉遣いが悪いとか気配りが足らなかったとか、何でも書いてもらいます。ミーティングなどで特に個人名を出さずにフィードバックします。余り採点するように評価をするとなると、常に患者さんの目を気にしてよく評価されようと、新人が行動しにくくなる可能性もあるし、もう一つは変にこびを売るような感じではいけません。やはり評価されようがされまいが、自然体で看護をすることが大事です。患者さんの退院するときにいい看護をしていただきました、看護師さんたちには感謝しますという言葉をいただくときに我々は満足するわけです。ここのところは、最後にマイルドに書かれたほうがいいかなというのが1つ。
それと、1カ月後の評価の「リアリティーショック」というのは、余り日ごろ使わないキーワードかと私は思ったのですけれども、看護界ではよく使うのですか。
○石垣座長 ありがとうございます。
最初の患者評価のことですけれども、これは前回の検討会で患者等の御意見も伺ったほうがいいということが出ましたので「取り入れることも考えられる」というふうにかなりやわらかく表現させていただいたつもりですので、また考えたいと思います。「リアリティーショック」というのは、ガイドラインそのものにもこの言葉を使っていまして、今や新人教育に対しては一般化した表現だと思います。ガイドラインのそのものにも「リアリティーショック」という言葉は書かれております。
○藤川構成員 西澤先生、御存じですか。
○西澤構成員 いいえ。
○藤川構成員 ドクター同士では使わないでしょう。「リアリティーショック」というのは使いますか。
○清水構成員 最近は使うと思います。
○石垣座長 もしかして医師もあるかもしれないけれども、そこまではお書きにならないということもかもしれない。
○藤川構成員 常にショックは受けますけれどもね。
○石垣座長 ガイドラインでは、基礎教育と臨床の場の乖離がすごく大きいので新人がリアリティーショックを起こす。そういうことに対してどう対応したらいいかということが書かれているのです。
○藤川構成員 新人の看護師が受けるわけですね。
○石垣座長 リアリティーショックを体験する。余りにも乖離があるので、そういうことはガイドラインにも盛り込みました。
御意見ありがとうございます。
○藤川構成員 勉強になりました。
○石垣座長 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 今、2ページの評価方法のことの意見が出ていたと思うのですけれども、やはり評価方法で重要なのは、自己評価の力をつけていくということが、到達目標を自分で意識をして振り返り、次の課題を見つけるという自己評価の力もつけていくという狙いがあるのかと思っているので、他職種とか患者さんの評価というのは、それを踏まえて自分の評価を、自己評価をきちっとしなさいよと。自分がただできていたか、できていなかったかではなくて、そのときの患者さんの反応とか、他職種だったら実際に自分から聞いてみるとか、そういうふうなことで評価をしましょうという方向にうまくこの他者評価というものが入れられたらいいのかと思いました。意見です。
○石垣座長 山岸構成員、どうぞ。
○山岸構成員 その評価のことですけれども、評価の考え方が3の1)にあるので、他職種や患者さんも交えながらも「評価者は、新人看護職員と一緒に考え、励ます姿勢で評価を行う」という文のように、どのような評価をするかは指導者が考えることかと思うのです。なので、この評価の考え方が1)にあって、その下は、その評価をどのように行うかを読み取ることでいいのかと思いました。
○石垣座長 ありがとうございます。
はい、清水構成員。
○清水構成員 ありがとうございます。
例えばSPさんなどで模擬患者さんなどに評価をいただくときは「フィードバック」という言葉を使うのです。評価の一つなのですけれども、いわゆる形成的評価の言葉を「フィードバック」と言ったりもするので、この場合「他職種からの評価と患者さんからのフィードバック」などのような言葉にするともうちょっと和やかになるのかなという気がするのと、他職種の「た」は多いほうだと思うので、「他」というと他を排除してしまう他になるから「多い」のほうの漢字のほうがいいかなと思います。
それで、ここでは「シュウトク」の「シュウ」は「修」を使っていただいているので。先ほど気がつきました。ありがとうございます。
○石垣座長 またそれも統一するようにさせていただきます。
前回このガイドラインをつくったときに、評価のことは大変時間をかけて検討いたしました。それで、現在行われている評価というのは、例えば技術だとチェックリストでできた、できないとチェックするような、そういう評価は評価とは言えない。もっと次のステップにつなぐようなポジティブな評価をしなければいけない。そのようなことを基本において、新人が少しずつ能力を獲得していくために手助けをするものと位置づけておりましたものですから、今、皆さん方にいただいた御意見もまた考えてみたいと思います。
そのほかにいかがでございましょうか。
川本構成員、どうぞ。
○川本構成員 先ほどの評価の時期につきましての補足です。なぜ「1年間で到達するものとする」という一文にこだわったかと申しますと、研修実施施設が、表を見てそのまま到達しなければいけないと捉えた場合、到達目標の表が1年で全て到達しなければいけないチェックリストみたいになって、それに基づいてスケジュールを1年間組み立ててしまうおそれがありますので、誤解をされないようにぜひその点のところの文言を気をつけていただければありがたいと思います。
どの項目に★がついているかをきちんとよく見て、これとこれをとしないで、やはりあの表をそのまま使ってチェックリストにされる可能性もございますので、ぜひ御検討のほどよろしくお願いいたします。
○石垣座長 ありがとうございます。
この3年間やったことでは、評価の1、2、3というのはかなり皆さん考え方が浸透していると思うのです。でも、皆さん方からきょう御意見をいただきましたので、また改めて表現の仕方も含めて考えてみたいと思います。
○川本構成員 済みません。もう一つ追加ですが、1年以降も到達しなければいけない項目が残っているわけなので、各施設で1年後以降の教育の検討をしていただきたいというようなこともつけ加えていくと、ずっと教育とは継続してつながるのだということが残るのではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○石垣座長 それもまたガイドラインの中には含まれていると思います。
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
推進に関することもありますので、評価についてはよろしいでしょうか。どうしてもとおっしゃる方はぜひ。
西澤先生、どうぞ。
○西澤構成員 最初にこれをつくったときに、座長が先ほど言ったように、評価というのは決して厳しく甲乙をつけるのではなくて、ステップ・バイ・ステップでやっていくと。だから、この文章の最初の評価方法の中に「評価者は、新人看護職員と一緒に考え、励ます姿勢で評価を行う」というあたりですね。ただ、日本語にするとやはり「評価」という言葉以外に何があるのかというと、本当にないということで使わざるを得ない。だから、もうちょっとこのあたりを、どこか前文等に書き込んで「評価」とは書いているがこういうものですよというようにしたほうがいいのかと思います。
あと非常に思うのは、看護職の方々というのは非常に真面目で、何でも物をかたく考え過ぎるのではないかなと思うぐらいで、もうちょっとそのあたりを柔軟性を持ってしたほうがいいのかと聞いていて思いました。
○石垣座長 ありがとうございます。
この基本的な考え方をもう少しほかの部分にも入れながら表現をそのようにすると、そうしたほうがいいということですね。
○西澤構成員 精神をいろいろなところに入れながらいって理解していただくほうがいいと思います。
○石垣座長 ありがとうございます。大事なことだと思います。
それでは、次の議題に進みたいと思いますが。
どうぞ。
○藤川構成員 題名が「新人看護職員」ですね。私は地域医療では准看護師も頭に入れているのです。准看護師と看護師の比率は中小医療機関でさまざまで、大きな病院は100%看護師ですけれども、看護師だけではなくて准看護師が多くいる医療機関もあります。准看護師を、可能な限り看護師のほうにモチベーションを持たせて進学をさせていかなくてはいけないわけです。日本医師会でもこのガイドラインに基づいて、准看護師の場合は一部の項目は到達目標を1ではなくて2でいいのではないかと考えております。特に1年目の場合です。
医師会立の場合は、2年間准看護学校へ行って免許を取った後に、次の2年課程の定時制に行くと、3年間実務をしながら定時制で実習しますので、実務をやるときに准看護師のガイドラインを使えばいいと考えています。准看護師もやはり到達目標は高く持っておかなくてはいけないので3つかぐらいしか違わないのですが。ただ、それが1年で絶対できるかどうかというのは、確かにやっとできる人とうまくできる人で「できる」でもやはり温度差があります。准看護師の場合は3年間かけて上手に、一人でできるまで行けば、卒業して国家試験を受けた段階では、全日制を出てきた看護師よりもできるようになるわけです。そうすると、この中にスムーズに入っていけて、いわゆる「できる」の中でも上手にできる、うまくできるというふうになって、医療安全が高まると思うのです。
まだ、検討中ですけれども、9割できていますので、間に合えば2月までに提示できると思っています。
○石垣座長 ありがとうございます。
そういうふうに准看護師の場合も、これは施設の特徴ということもあると思いますので、できたらぜひ施設でそれを参考にしながら、自分のところでどうしたらいいかということにしていければいいと思います。
次に進んでよろしいですか。
それでは、前回の検討会でほかの施設の研修に出やすい環境の整備とか、地域における研修体制づくりも課題として挙げられておりました。そこで、きょうは佐藤構成員から、広島県における状況について資料をもとに説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○佐藤構成員 資料2をご覧ください。
パワーポイントの資料を作成しておりますので、これに沿って広島県の実情をお話ししたいと思っております。
まず、1ページ目をご覧ください。
これが広島県で行っています新人看護職員研修事業推進のための仕組みについてです。この図は、その仕組みを図式化してあらわしております。
広島県の事業の推進に当たり大切にしていることは、常に医療現場のまずニーズを原点としておりまして、県がそのニーズを把握して事業内容を提案し、それを看護分野以外の関係団体の方も含むワーキングというもので議論、内容決定をしていき、実施・評価をしながらまた医療現場に戻すというこのサイクルがとても重要だと感じております。
これの利点としましては、やはりそれぞれ医療機関、関係団体、県が事業の目的を共有できますので、それぞれの立場でみずからできる行動をとられるというメリットがあると思っております。
次の2ページ目をお願いします。
地域連携体制の構築の経緯について、平成22年から約4年間の取り組みについて、流れに沿って説明をいたします。
まず、初めに行ったことは、新人看護職員研修ワーキンググループの設置でございます。設置の目的としましては、新人看護職員研修を推進するための課題を検討することであり、メンバーとしましては、資料に提示していますように、関係団体として医師会、看護協会、病院協会、有識者としては大学の准教授、県立の看護学校長をメンバーといたしまして、また、7つの二次医療圏域ごとに1名の看護部長、計12名で構成をしております。
検討内容としましては、パワーポイントに示しておりますが、まず大きな課題だったのは、広島県としての新人看護職員研修事業の目標の設定についてでございます。これまで、新人看護職員の教育というのは自分の施設と外部の集合研修でやっていることが主流でありまして、地域で連携して新人を育てるという風土がなかったということで、このあたりが受け入れられるのだろうかという形でこのグループの中で意見をいただきました。
メンバーの中の御意見としましては、特に中小規模の医療機関などでは、やはり自分の施設で研修体制を整備しにくいという意見だとか、講師の確保も難しいので、ぜひ地域でやっていただければ効率もいいのではないかという御意見だったり、また、自分の施設ではなかなか体験できなかった技術等がほかの施設に行くことで体験できるということで、看護の質も高まっていくのではないかとか、特に新人の入職の人数が少ないところなどは、他の医療機関の新人に会えることでいろいろ刺激になるのではないかということで、地域連携に対して前向きな御意見が多かったということが進めていけたポイントと考えております。
次に、3ページをお願いします。
まず、先ほどのワーキングの中で、新人看護職員研修の地域連携ということを含めて合意が出ましたので、平成25年までの4年間の計画として示したものがこの概念図でございます。
具体的には、研修事業の目標をパワーポイントの一番右のところに示しまして、その目標に向けて各年度のキーワードや、どの事業を拡大したり縮小していくのかというものを図で示して、これを作成いたしました。
キーワードに関しては、パワーポイントの下の矢印の図の中に書いてある文言がその年度のポイントという形で皆さんにわかるように示しております。広島県では、先ほど言いましたように、地域で新人を育てるという意識は薄かったということがありまして、まずは自施設での研修体制を整えることを最優先にしていただいて、余力のある医療機関から徐々に受入研修等をふやし、まずは医療機関同士の連携を進めながら、それを地域全体に広めたいという考えで説明をしております。
そのためにはやはり受入研修が重要になると考えまして、まず受入研修を実施してもらう施設の確保と、参加したことで効果を実感することが重要であると考えまして、受入研修の推進に取り組んでおります。
次の4ページをご覧ください。
これは、平成22年度の新人看護職員研修の状況を示したものでございます。2つ表がありますが、左のほうが7つの二次医療圏域別に整理したもので、右の表が病床数別に整理したものでございます。
左の表をご覧ください。縦軸に二次医療圏域を示しまして、横軸に新人看護職員研修事業に係るいろいろな数を示しております。
まず、その説明をいたしますと、県内病院数というのは、県内にある全ての病院数を示しております。
その隣の新人看護職員がいる病院数というのは、広島県の独自調査により数を把握しておりますので、ガイドラインに沿った研修の有無にかかわらず新人の入職があった病院数を示しております。ただし、調査に回答があった施設のみの数ですので、全数ではございません。
その横の補助金申請数というのは、新人看護職員研修事業のOJT補助金の申請があった病院数で、その横の新人看護職員数は、補助金申請があった病院の新人の数でございます。
表の一番下に示しておりますのは、県内に就業した新人看護職員数のうち、補助金の申請があった病院でガイドラインに沿った研修を受けている新人の数と割合を示したものでございます。この県内新人看護職員数というのは、県外からの養成所を卒業して広島県に入られた方の数も入っております。
これを見ますと、新人看護職員がいる病院数106施設のうち補助金申請のある病院数は52でして、約49%の施設がガイドラインに沿った研修を実施しておりました。県内に就業した看護職員数のうち、ガイドラインに沿った研修を受けている新人が約60%でした。
右の表でございますが、病床数別に見てみますと、新人看護職員がいる病院数のうち、400床未満の病院ではやはり補助金の申請の割合が少ない状況でございます。
次に、左の表に戻っていただきまして、受入研修の状況でございますが、受入研修の可能施設のところを見ていただきますと、呉というところと広島中央という2圏域が最初は受入研修可能施設が0ということで空白地域があり、参加施設も同時に全圏域を通して少ない状況で始まっております。
次の5ページをご覧ください。
平成22年度に現場のニーズ調査ということで、まずは医療機関が自分の施設以外の研修としてどのような研修を希望されているのかということを把握いたしました。この時点で受入研修への参加を希望した施設は、そこに書いてありますが、わずか32施設からの回答でございました。
希望として最も多かった内容としましては、表に示しておりますが、ガイドラインの区分ではやはり技術的な側面が多く、具体的な内容としては、酸素吸入や吸引などの呼吸管理に関する技術。また、麻薬や輸血に関する与薬に関する技術。意識レベルの把握や人工呼吸、救急処置に関する技術の希望が多くありました。
さらに、輸血や救急処置については技術的側面だけでなく、管理的側面の研修も含めて希望を示している施設もあります。自施設では余り経験できない内容だったり、自施設で講師や教材など準備ができない施設からの希望が多いように感じました。
6ページをご覧ください。
同じく平成22年度のニーズ調査としまして、平成22年度は13施設の方に受入研修を実施していただきましたので、実際に受入研修をしていただいた13施設に対して、より効果的な研修を行うための自由意見ということで伺っております。
表は圏域ごとに整理をしておりますが、共通して多くの意見がありましたのは、やはり初年度ということもあり広報不足ということがとても多く、効果的な広報についての意見がありました。詳細については表を後でご覧ください。
また、受入研修を効果的に実施するための意見としまして、参加施設の全体の新人研修の計画内容だとか、受講者のレディネスを把握し、他施設との連携をとって進めるという意見がありました。
このことから、受入研修というのは、単に受入研修の広報だけをして参加を促すのではなく、双方の新人看護職員研修の内容や新人の状況についての十分な情報交換をした上で進めていく必要があるということがここでわかりました。
次の7ページをご覧ください。
そこで、受入研修をさらに活性化していただくために、医療機関、関係団体等に活性化のイメージということでこの図を示して説明をしております。具体的には、先ほどの調査で意見があったようなものを全病院に情報提供し、広報の具体的な内容、時期、方法についても示し、より受入研修を活性化するための受入研修のパターンということで、パワーポイントの上のほうのAパターン、Bパターン、Cパターンというふうな、1つのやり方ではないよというようなものを示しまして、さらに関係団体の協力体制も明確に示しております。
県の役割としては、パワーポイントの資料に載せておりますが、各関係団体にまず協力を依頼し、医療機関に関しては研修開催に向けた相談や情報提供が確実にできるような体制を整備しております。具体的には、医療機関のそれぞれの受入研修の担当者を決めていただいて、その方と具体的なやりとりをするということをしております。
「活性化のカギとなるもの」というのを今、振り返ってみますと、2つ挙げておりますが、1つ目はやはり関係団体の理解や協力というのが大きいと感じております。メリットとしまして、やはり各団体の広報力というのがすごく必要なので、フルにそれが活用できるということと、所属長が医師の場合が多いと思いますので、その所属長の理解を得ることがこの研修の参加促進にもつながると考えております。
もう一つは、医療機関の取り組みを発表するということも重要だと思っております。やはり発表することで取り組みの成果を実感できますし、聞いたほうは自分の施設でそれが可能かどうかということを改めて検討する機会になるのではないかと感じております。
8ページをご覧ください。
平成23年度の新人看護職研修の状況です。表の項目としては22年度と同じですので、説明は省きます。
これを見ますと、新人看護職員がいる病院数が126のうち、補助金申請のある病院数は61施設、約48%の病院がガイドラインに沿った研修を実施しております。また、県内に就業した新人看護職員数のうち、ガイドラインに沿った研修を受けている新人の割合は約62.7%となりまして、わずかですが、2.7%ふえた状況です。
病床数別に見ますと、右の表でございますが、新人看護職員がいる病院数のうち、やはり400床未満の病院では補助金の申請の割合が少ない状況でしたが、平成22年度から比べると9施設ふえた状況です。
次に、受入研修についてですが、平成22年度では呉と広島中央の2圏域で受入研修可能施設の空白地域がありましたが、そこも解消されまして、受入研修の可能施設自体も6施設ふえております。課題としましては、受入研修の施設はふえてきましたが、やはり参加施設の伸びというのはなかなか見られておりません。
9ページをご覧ください。
という結果を踏まえまして、平成23年度のニーズ調査として2つのことをしております。
1つは、まず補助金の申請を希望するかどうかということと、新たな支援の活用を考えまして、それを希望するかどうかという調査をいたしました。
まず、補助金の申請の希望の有無ですが、希望しないと回答した施設が108施設中47施設あり、約44%の施設が希望していないということがわかりました。その理由としまして最も多かったのは、自施設では研修プログラムが作成できないということと、次いで申請手続が難しいという意見がありました。
また、新たな支援としましては、中小規模医療機関では研修のための講師の確保や教材の確保が困難ということを聞いておりましたので、アドバイザーの派遣と演習のためのシミュレーターの活用を考え、その希望を聞いたところ、アドバイザー派遣については、研修プログラムの作成について教えてほしいや、看護技術以外の患者の理解などに関する講師の派遣も希望しておりました。また、シミュレーターの活用では、フィジカルアセスメントや、どこの施設でも実施することが多い採血、注射などのモデルなのですけれども、シミュレーターの活用をしたいということが上位に挙がっております。
その結果を踏まえまして、シミュレーターの活用というのは具体的には貸し出しになります。シミュレーターの貸し出しをし、それとあわせて救急看護及び集中看護の認定看護師を講師として、アドバイザーとして派遣するという事業をしております。
研修プログラムの作成についての派遣も希望がありましたが、なかなか広島県でそういう方を確保するということが困難でしたので、自施設のプログラムの作成の参考になるようなものができればということで、事例集の作成をいたしました。事例集につきましては、掲載をしておりませんが、病床規模別の病院の取り組みだとか単科の病院の取り組みを冊子にまとめまして全病院に配布するとともに、発表の場も同時に設けております。
10ページをご覧ください。
平成24年度の新人看護職員研修の状況でございます。
これを見ますと、新人看護職員がいる病院数115施設のうち、補助金申請のある病院数が70で、約61%の病院がガイドラインに沿った研修を実施しております。
また、県内に就業した新人看護職員数のうち、ガイドラインに沿った研修を受けている新人は約66.5%と増加しておりまして、少し目標を達成できたかと考えております。
病床数別に見ますと、右の表になりますが、新人看護職員がいる病院数のうち、やはり400床未満の病院では、補助金の申請が9施設ふえましたが、大規模病院に比べると依然低い状況が続いております。
前回の委員会でも少し情報提供させていただきましたが、400床以上の病院で補助金の申請をしていない施設というのは、精神科の単科の病院と療養病棟が多い病院でございます。精神科単科の病院の新人教育の現状を伺いますと、ガイドラインに沿った研修よりも精神科特有の看護の内容の研修に力を注いでいるため、なかなかガイドラインを使った研修の必要性を感じていない状況がうかがえました。また、療養病棟が多い病院では、毎年新人看護職員が就業するということがないため、余り力を注げないという状況も伺いました。
次に、受入研修について見てみますと、受入研修可能施設・参加施設とも徐々にふえてきておりまして、実際に参加した新人の数も61人と徐々にふえております。
また、新たな支援としてのシミュレーターの貸し出しとアドバイザー派遣についても、100床台の病院に最も多く活用していただいていまして、中小規模の医療機関が自施設での研修を実施するのに効果があると評価をしております。
11ページをご覧ください。
そのような結果を受けまして、平成24年度のニーズ調査としまして、医療機関受入研修に参加した理由及び参加しなかった理由という調査をしております。参加した側の意見としては、やはり自施設では実施が困難な研修内容だったからという理由が多くありました。逆に参加しなかった理由を聞きますと、他施設で受講している間の自施設の人材確保が困難という意見があり、やはり看護職員の確保自体が先決の課題ということも伺いました。
次に、12ページをご覧ください。
受入研修の推進やガイドラインに沿った研修をさらに推進するためには、やはり一方的な情報提供だけではなく、どうしたらできるのかということを話し合える、地域の病院同士が直接話せる機会の提供が必要だと考え、まずは新人看護職員研修担当者会議という1に書いていますものを年に1回開催しました。ここでは、申請手続が難しいとの意見もありましたので、事務担当者レベルの参加も同時に促しております。また、具体的なプログラムの作成のヒントのための事例発表や、二次医療圏域ごとに小グループで意見交換ができる場を設けております。
具体的な意見を中に載せておりますが、やはり具体的に困っていらっしゃる課題がその中では挙がってきやすく、その場でまた解決策が見つかるということもありまして、このような病院同士、地域で課題を解決していける体制の整備をしていきたいと考えております。
また、2にありますのは、看護協会員である施設代表者のメンバーの中から、県看護協会の支部で施設代表者会議というのを2カ月に1回開催しているので、そこでこの新人研修に関しても話をしたらどうかという御意見が主体的に上がってきまして、今、そのあたりでも意見交換をしていただいております。
ただし、看護協会員以外の施設は話し合いに参加できておりませんので、そのあたりは課題と認識しております。そこで、注釈に書いてありますが、協会員がいない施設にも受入研修に関しての次年度の情報提供は必ずするようにしておりまして、参加の希望も募っております。
13ページをご覧ください。
今までの成果と課題ということで、ここに載せておりますのは医療機関受入研修の参加側の意見についてまとめたものでございます。
自由意見をまとまりで整理しますと、表のように3つの内容に大きく分かれました。
1つは、研修効果をやはり実感できたという御意見です。具体的には、表にありますが、日々の業務に生かせる内容でとてもよかったとか、他の職員にも伝達して活用できたとか、自分の対応に自信がついたという意見があります。また、2つ目は、希望する研修内容があり、それに参加できたという御意見と、3つ目は研修への期待についての御意見が多かったように思います。
このことから、参加を促進していくためには、やはり参加した人が研修効果を実感できるようなものにすることが必要で、さらに参加側がどのような研修内容を希望し、何を期待しているのかという把握が不可欠であると考えております。
これらの結果を受けまして、14ページでございますが、平成26年度の事業の方向性を整理しております。
大きく2つの目指す方向として「中小規模医療機関を中心とした研修体制の整備」と「指導者の指導力の強化」といたしました。
特に地域の連携強化としましては、事業内容にも書いておりますが、二次医療圏域ごとに新人看護職員研修体制の情報を共有化していく場の提供としまして、圏域別意見交換会(仮称)というようなもの開催する予定にしております。
また、ガイドラインに沿った研修の体制整備のさらなる支援としまして、ガイドラインの内容の周知や、研修体制整備のための個別相談に対応できる体制をつくりたいと考えております。
また、指導者の指導力の強化として、特に実地指導者の研修内容をより充実していきたいと考えております。
情報提供は以上でございます。ありがとうございました。
○石垣座長 大変御丁寧な説明をありがとうございました。
各年度ごとにきちんとまとめておられて参考になったと思いますけれども、今、御発表いただいたことに御質問や御意見がございますか。
藤川構成員、どうぞ。
○藤川構成員 すばらしい発表で感動しました。ほかの県もこのように立派にやられているのでしょうか。問題点は全国一緒でほとんど掘り起こされていますので、広島県を見習ってやれば、ほかの県も本当にいい研修ができるのだと感動して聞き入りました。
○石垣座長 本当ですね。ありがとうございます。
他県の状況についてはまだよくわかりませんが、いろいろな工夫はしていらっしゃると思います。
どうぞ。
○川本構成員 いろいろ丁寧な御発表をありがとうございました。
最初に、この制度ができてすぐこのようなことに取り組まれている状況を考えますと、何か広島県のほうではその辺、強力に進めていかなければいけないのかというような問題意識といいますか背景とかはございましたでしょうか。
特に、第1回の資料のときにいただきました資料4の全国的な研修の実施状況と比べて、やはり平均と少し異なるような感じなので、そこら辺の問題意識が何かあるのかと思いましたので御質問させていただきました。
○佐藤構成員 御質問ありがとうございます。
この取り組みに早くから取り組んだ理由としましては、やはり新人看護職員の離職率というのが高かったのです。これを始める前が12%ぐらい広島県の独自調査でありましたので、これはとても重要なというかとても大変なことだろうということで、この離職の原因には、基礎教育と現場とのギャップ等でやめていっているのではないかということを踏まえて、まずこの研修に取り組んで離職率の低下につなげたいというのが多分一番の思いでした。
○川本構成員 ありがとうございました。
○石垣座長 ほかにいかがでしょうか。
山口構成員、どうぞ、
○山口構成員 今の御回答の中で、結果、離職率はどうなったのか教えていただけますか。
○佐藤構成員 23年度までは8%ぐらいまで順調に下がったのです。このままどうなるかなと思いましたら、24年度は残念ながら、多分9%ぐらいに少し上がったというか横ばいでして、上がった理由としては、状況を見てみますと大きい500床以上ぐらいの規模の病院のほうが離職率が上がったのです。だから、全体の離職率はもちろん上がっているのですけれども、病床数別に内訳を細かく見てみるとどこの施設の離職率が上がったのかというと、今、申しましたように大規模の病院に入った新人のほうがよくやめているという状況がうかがえまして、またそのあたりの課題も見えてきております。
○石垣座長 それでも、始める前よりは随分下がったということですね。
○佐藤構成員 そうです。
○石垣座長 藤川構成員、どうぞ。
○藤川構成員 10ページを見ていただくと、病床別のところですが、平成24年で病院数と新人看護職員がいる病院数を見てみると、やはり新人が入っていないところが多いのです。本当に看護師長たちが苦労されて募集をされていても応募がない。こういう大きな病院でさえしかりですので、診療所などは全く来ないのです。ハローワークでも来ない、看護協会に頼んでも来ないという現実があります。このガイドラインをつくっても今年も来年も新人が来ないということで、やる気はあっても本当に教える対象になる新人看護職員が来ないということが、今のこの中に隠されている大きな問題だと実態として感じました。
毎年結婚、妊娠、出産でやめていく看護師はいます。病気をする場合もありますので、そこを何とかカバーするために少なくとも2、3人ずつ新人が欲しいとどの医療機関も思っていると思うのですけれども、それが充足できていないのだというのを実感として思いました。
○石垣座長 ありがとうございます。
今、おっしゃったことは全国的な課題でもあります。
ほかに御意見いかがですか。
清水構成員、どうぞ。
○清水構成員 すばらしい取り組みを御紹介いただきましてありがとうございます。
お聞きしたいことは、医療機関受入研修というのを実施している団体はどこで、例えばほかのところから人材、リソースはどうされているのか。人とお金をどうしているのかと思ってお聞きしたいのです。
○佐藤構成員 医療機関受入研修に関しては、まず、受入研修をしていただけるかという手挙げをした病院が担当になります。なので、受入研修をするのに特別に誰か講師を雇うだとかそういうことはなくて、その病院におられる教育の担当者の方が、自施設の新人を育てるのと一緒に他施設の新人も受け入れてやるという形なので、費用はそんなにはかかっていないのです。
ただ、この医療機関の受入研修を実施した場合は補助金の可算を受けることができますので、何名以上参加がきちっとあれば、それに対して使った物品だとかいろいろなものの新人研修にかかわる補助金の可算が一応メリットとしてはあります。
○清水構成員 そうしますと、例えばAという病院に就職するけれども、新人の1年間はBという病院に行くということもあるわけですね。その場合に、お給料はどちらから出るのでしょう。
○佐藤構成員 済みません。受入研修の多分イメージがあれなのですけれども、大体広島県でやっている医療機関の受入研修のイメージとしては、7ページの表を見ていただくとBパターンなのです。受け入れ病院がやっている研修に一部希望する研修項目だけ受講するということで、日数にしたら1年間で1週間もあるかないかぐらいの形がほとんどですので、今みたいに新人研修の中身を全て他の病院でやっていただくというパターンは今のところ存在していないので、給料だとかいうのは自分のところの施設からもらっているという状況です。
○石垣座長 清水構成員、よろしいですか。
○清水構成員 ありがとうございました。
ということでしたら、先ほどの問題になったような自施設で研修ができない場合に丸ごと、先ほどの例でいくとAというパターンみたいな格好でしようと思えばできるということですか。そこまではなかなか難しいですか。
○石垣座長 それはしようと思ったらできることだと思います。
○清水構成員 できるということですね。わかりました。ありがとうございました。
○佐藤構成員 ただ、一つこの研修をするのに懸念されていたことは、新人の方が受入研修のほかの施設に行っていい研修をたびたび受けて帰ってくると、そちらの病院に行きたくなるのではないかという懸念があったのです。なので、今の例えばAパターンなどのパターンでやってしまうと、自施設の研修はほとんどなくて他施設で全部育てていただくみたいな形をとってしまうとそういうおそれが出るのかというのは感じておりまして、やはりいくら受入研修で他施設にお願いするにしても、自施設としてはどういう新人を育てたいかとか教えたい内容は何かを示した上で、その一部はこちらの病院に行ってもらったほうがより効果的だという形で出していただいたほうが、そのような離職と言いましょうか病院をかわるということは起きないのではないかと今は考えております。
○石垣座長 ありがとうございました。
あともう少し時間があります。
川本構成員、どうぞ。
○川本構成員 今回、広島県の取り組みの御報告をいただきまして、担当者が関係性を築いていくということは非常に大切だということがよくわかりました。
今回このような発表を私たちにしていただいた状況ですけれども、事務局側としては、このような取り組みの実際を今後の推進に向かってどのように生かしていくかとか、そのような考えというか方向性というか何か決まっておりますでしょうか。今回こういう発表をぜひということで聞いていただいた趣旨みたいなところを御説明していただけるとありがたいです。
○石垣座長 事務局からお願いします。
○島田室長 この検討会の課題のもう一つ、ガイドライン見直しと、研修をどう推進していくかというところがございまして、前回も地域で連携体制を構築するということが有効なのではないかといった観点の御意見いただきましたので、広島県さんの例をとって御紹介いただきまして、地域でそういった体制を推進していくメリットですとか、さらなる課題ですとかここで御議論いただいたものを最終的にはこの検討会のおまとめをしていただくことになりますので、そこに盛り込むということで、先ほどお話ありました他県ですとか地域でそういった展開をしようとされるところの参考になればと事務局では考えております。
○石垣座長 山岸構成員、何かありますか。
○山岸構成員 12ページの、地域の病院同士が直接話せる機会の提供が非常にいいと思いました。長野県でも研修責任者研修などを行っていて、この間私も行ってまいりました。やはり私も病院で研修責任者をしているのですが、病院の中では研修責任者の私に意見を言ってくれる人は少ない現状ですね。でも、外に出ていくことでいろいろな施設の意見がもらえて、それを持ってきて自分の施設の研修に盛り込めるということができます。「研修担当者」と書いてありますが研修責任者ということですね。こういう方法はいいと思ったのと、私も補助金の申請の手続をいたしますが非常に難しくて、このような説明会があるのもいいことだと思いました。
このガイドラインを、今回、私も検討会に来るのにたくさん読み、ワーキンググループでの作業のときも読みました。やはりかなめは研修責任者ではないかなと思います。先ほどの評価のところも、「評価」という言葉一つに余りとらわれずに、自分のところではどういう評価をしていくのが一番いいのか考えプログラムを立てるのはやはり研修責任者だと思います。研修責任者や看護管理者がきちんと理解していて、ガイドラインを自分の施設の中で自分の施設に合った方法にしていかれるのではないかと思います。ご説明の方法がすごくいいと思いましたので感想を言わせていただきました。
○石垣座長 ありがとうございました。
研修推進に関するいろいろな課題の解決・対応するためにも、研修責任者とか施設の管理者がこういうことをもっと勉強する、研修するというのは非常に大事なことだということですね。ありがとうございます。
川本構成員、どうぞ。
○川本構成員 先ほど推進のための資料提供だということでございましたので、看護協会のほうでも研修責任者の方の研修等いろいろしておりまして、作成したガイドライン等ありますので、次回会議に資料として提供させていただきたいと思いますけれどもよろしいでしょうか。
○石垣座長 ありがとうございます。
○川本構成員 それと、ほかのヒアリングをした施設のがございまして、具体的には、他施設から来た研修生に対してプログラムを組んでいた際の資料もございますので、許可が得られましたらまたそれもこちらに提出させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○石垣座長 ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
どうぞ。
○藤川構成員 職員の需給見通しは大まかな数字は看護課のほうで出されますけれども、広島県のように、二次医療圏別に新人看護職員の数も入れ込んで、一番問題になっている看護師不足の問題を、全国的なデータとしてぜひ厚労省としても情報公開していただきたい。どこに足りないのか。看護大学が今、全国でできていますけれども、本当に必要なところにできているのか。十分あるところにできたら、結果的にそこには行くのだけれどもまた県外に行ってしまうということがくりかえされます。今回医学部を東北につくるのに条件を出しましたが、やはりそこに定着することが大切なことです。東京から行ってまた東京に戻ってきたのでは話になりません。できれば広島にならって全国のデータをぜひ厚労省として各県にお願いをしてつくっていただいて、それを各県にフィードバックしていただきたいと思います。ほかの県、隣の県と比較することで、自分の県の看護師不足の問題点はどこにあるのか。医療機関にあるのか、それともこういう研修制度をしっかりやらないから定着しないのかとか検討できると思います。いい機会ですので、できれば厚労省でこれを参考に数字を出していただいて、日医にも各団体にもフィードバックしていただければ幸いです。
○石垣座長 いろいろ御意見ありがとうございました。
いただいた御意見はまた事務局で整理していただきたいと思いますけれども、そろそろ時間になりましたので、次回もこの検討をする時間がありますので、きょうはこのくらいにしたいと思いますけれども、事務局からの連絡をお願いできますか。
○島田室長 座長からお話ありましたように、本日御議論いただきました御意見をまた整理いたしまして、次回以降検討いただけるように御提示したいと思っております
今後のスケジュールにつきましては、また改めて連絡をさせていただきます。
以上でございます。
○石垣座長 ありがとうございます。
本日も活発な御意見ありがとうございました。次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。
きょうはこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室
看護サービス推進室長補佐 平尾 (内線4174)
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