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2013年12月25日 第5回再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会・第3回体内埋植型医療機器患者登録システムの在り方に関する検討会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成25年12月25日(水)16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第14会議室(22階)


○議事

○事務局 「第 5 回再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会」と「第 3 回体内埋植型医療機器患者登録システムの在り方に関する検討会」の合同検討会を開催したいと思います。本日は、再生医療製品に係る検討会構成員 10 名中現在 7 名の先生方が出席されています。西田先生からは、 30 分ほど遅れて来られるとの御連絡をいただいております。また、埋植型医療機器に係る検討会構成員の先生方 6 名中 3 名の先生方が出席されており、両検討会とも半数以上の出席を満たしておりますので、検討会の開催要領に基づき会議が成立していることを報告いたします。

 以降は議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。では、以後の議事進行を座長にお願いしたいと思います。再生医療製品及び埋植型医療機器の両検討会の合同検討会ということでございまして、前々回及び前回に引き続きまして、全体の座長につきましては、再生医療製品に係る検討会の澤先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○澤座長 はい、それでは、せん越ではございますが、御指名ですので座長をさせていただきたいと思います。まず、事務局のほうから本日の配布資料について確認をお願いします。

○事務局 それでは、お手元の議事次第を御用意ください。真ん中から下、配布資料一覧が記載されております。議事次第の次が「座席表」、その後、資料 1 「薬事法等の一部を改正する法律の概要」、資料 2 「患者登録システムの在り方に関する論点整理 ( ) 」、以降、参考資料といたしまして、参考資料 1 「再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会構成員等名簿」、参考資料 2 「再生医療製品の検討会開催要領」参考資料 3 「体内埋植型医療機器患者登録システムの在り方に関する検討会構成員名簿」、参考資料 4 「体内埋植型医療機器の検討会開催要領」、参考資料 5 「前回の合同検討会の議事録」、参考資料 6 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律の概要」を御用意いたしております。以上でございます。

○澤座長 はい、よろしいでしょうか。それでは、議事に移りたいと思います。まず、最初の議題ですが、周辺動向について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、周辺動向といたしまして、先の臨時国会で成立した薬事法の改正法について御説明させていただきたいと思います。

 お手元の資料 1 を御用意ください。薬事法等の一部を改正する法律ですが、先の臨時国会で成立いたしまして、 11 27 日に公布されております。その法律の概要ですが、大きく柱が 3 つございまして、「医薬品医療機器等に係る安全対策の強化」「医療機器の特性を踏まえた規制の構築」「再生医療等製品の特性を踏まえた規制の構築」となっているところです。 11 27 日に公布されまして、公布の日から 1 年を超えない範囲内において政令で定める日ということで、これから 11 か月後ぐらいまでに法律が施行されるということになっております。

 法律の内容に入らせていただきます。 2 ページを御覧ください。まず安全対策の強化ということで、添付文書関係の改正がなされるというところです。本検討会で関係している部分につきましては、 2 の医療機器あるいは 3 の再生医療等製品のところに規定がありますので、そちらを御紹介させていただきます。 3 ページ、法律の名称についてですが、中段よりやや下の (2) のところで「薬事法」の名称について医療機器を明示するということで、略称としては医薬品医療機器等法ということでさせていただいております。 4 ページ、医療機器関係の改正で中段よりやや下、その他の改正事項の 7 番ですが、現行の再審査・再評価という制度がございますけれども、こちらを、医療機器につきましては使用成績評価という形で制度を改正するということになっております。厚生労働大臣が指定する医療機器について、製品の特性に応じて期間を設定し、当該期間中に使用成績に係る調査を行うということになっております。これまでは、再審査ということで新規性の高い医療機器、いわゆる新医療機器につきまして一律に 3 年とか 4 年、希少疾病用医療機器につきましては 7 年といった形で、一律に期間を設定して使用成績調査というものを義務付けていたところなのですが、医療機器の特性に応じ、必要なものに限り、必要な期間、調査期間を設定することができる形に改正がされるということになっております。本登録システムの対象となるものについても、この使用成績評価の対象となってくるような医療機器を想定しておりますので、本検討会にも関係する改正事項かと思います。

 続きまして、再生医療等製品の特性を踏まえた規制の構築の部分ですが、 5 ページにいっていただきまして、 (1) としては、医薬品とか医療機器とは別に「再生医療等製品」というものを新たに定義したということ。 (2) として条件及び期限付承認制度の導入ということで、有効性が推定され、安全性が確認されれば、条件及び期限付きで特別に早期に承認できる仕組みを導入するということになっております。一番下になりますけれども、条件及び期限につきましては、期間としては原則として 7 年を超えない範囲内の期限を想定しているということで、期限内に使用成績に関する資料等を添付して、再度承認申請を行うことが必要といったような規定になっているところです。続きまして 6 ページでは、 (4) 安全対策等の整備ということです。これまでの医薬品とか医療機器などと同様に、使用成績に関する調査というのが義務付けられる形になり、これまでの再審査制度と同様の形になっております。

 簡単ですが改正の内容については以上です。最後に再生医療等製品の条件・期限付承認のポンチ絵を記しておりますので、参考としていただければと思います。また、同時に国会のほうで審議されておりました「再生医療等の安全性の確保等に関する法律の概要」につきましては、参考資料 6 として添付させていただいております。こちらは、再生医療の検討会のほうで御説明をさせていただきまして、特段、内容等の変更はございませんので説明は割愛させていただきます。以上でございます。

○澤座長 はい、ありがとうございました。どなたか御質問ございますでしょうか。いかがでしょうか。現在、決まりました薬事法改正についての医療機器等、それから再生医療の部分を御紹介いただきましたが、よろしいですか。大和先生ないですか。

○大和構成員 大丈夫です。

○澤座長 大丈夫ですか。ちょっと 1 つだけ、 7 ページの再生医療等製品の早期の実用化に対応した承認制度です。新しいほうが「条件・期限を付して承認」と書いてありますが、言葉のあやじゃないけど、条件付承認とかいう言い方を余りしないで、承認は承認ではないのですか。ここはいろいろなニュアンスがあるのですかね。ちょっとこの辺りが。

○事務局 薬事法ではなくなりますけれども、承認は承認という形にはなります。

○澤座長 承認は承認で、前は括弧が付いているだけですね。「例えば」みたいなのですか、「条件・期限を付して」という辺りは。ここが承認なんですね。基本は、「条件付承認」というのは言葉でするんじゃなくて、承認なんですかね。ここはまだ考え方がいろいろあるのですか。

○事務局 「承認」ということは「承認」ということなんですけど。

○澤座長 お聞きするところが、すみません。

○安全使用推進室長 恐らく、施行までにはきちんと考え方は整理されると思います。承認は承認でも、この後ろにありますように期限が付いておりますので、その期限までは有効といいますか、そういう形になるのかなと思います。

○澤座長 そういう意味での承認ということですね。

○安全使用推進室長 併せて多分、何かすることというような条件とか、そのようなものも付くのだと思います。ですので、期限までにきちんと有効性のデータを集めて申請して本承認をとらないと、恐らく、期限が来たときに承認自体は効果がなくなってしまうのではないかと。

○澤座長 再生の場合は、そういう形を基本的に取るというニュアンスですね。それを条件付承認という形にはしないのですよね。何となくイメージが、言葉なんですけど。

○安全使用推進室長 そこはちょっと、言葉のイメージになってしまうのかも知れませんが。

○澤座長 承認は承認だと、「ただし」ということですね。

○安全使用推進室長 ただ、いわゆる通常の承認とは違う感じにはなると思います。

○澤座長 すみません、ちょっと確認だったものですから。ほかはいかがですか。その辺りちょっと微妙なというか、大事なところかなと思いました。企業の方々よろしいですかね。鮫島さん何かないですか。特にないですか。

 それでは、次に移りたいと思います。次は「患者登録システムの在り方について」、議題 2 です。事務局のほうから、御説明よろしくお願いします。

○事務局 資料 2 につきましては、既に前回の合同検討会で御議論を始めていただいている論点項目の 1-1 から 1-3 も含めて記載しております。 1 ページから 2 ページにかけては、前回の 11 8 日の合同検討会で御議論いただき、その際の御議論等を反映して、追記しているのが下線部分です。既に説明しております部分は省略いたしまして、その下線部分を中心に御説明いたします。

 まず、法律の名称につきまして、薬事法の名称から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、略称としては「医薬品医療機器等法」となりましたので、この資料2でも記載をそのように修正しております。

2 ページ、データの収集に関連して、収集されたデータの処理・提供の迅速性 ( 即時性 ) も考慮する必要があるとの御指摘を頂きましたので追記しています。検討のポイントの一番最後、予後のデータの収集に関して、製品が施用されてから比較的短期の予後と長期にわたる予後についての性質の違いを明確に認識した上で、データの収集の目的や範囲を考える必要があるとの御指摘を頂きましたので、追記しました。

 取りまとめの方向性の事務局案に対して頂いている御指摘として、 2 つ目の●で、再審査期間又はそれに準ずる期間における断面的な評価を主眼とするか、あるいは更に長期に渡った評価を主眼とするか等、患者登録の対象とする製品のタイプに応じたデータの項目、フォローの仕組みを考慮して、登録システムを構築する必要があるのではないかという御指摘を頂きましたので、追記しています。方向性 ( ) の一番下、システムの運営開始に際して、説明を含めた周知のための広報が必要ではないかとの御指摘も頂いたので追記しました。以上が論点 1-1 の関連です。

 続いて論点 1-2 3 ページ、論点 1-3 4 ページですが、取りまとめの方向性として事務局から提示している部分を中心に説明いたします。まず、論点 1-2 の取りまとめの方向性 ( ) として、本検討会で取り扱う患者登録システムの対象範囲としては、医薬品医療機器等法に基づく「再生医療等製品」及び「埋植型医療機器」が施用された患者とするのが適当ではないかということ。再生医療等製品については、「条件・期限付き承認」の段階から登録対象とするのが適当ではないかということ。埋植型医療機器については、既存医療機器と新規性の高い医療機器に分けて検討し、学会等で運営されている既存の登録システムの活用を検討すべきではないかということ。新規性の高い医療機器については、承認された際に、次のような観点から、登録システムの対象とすべきか否か総合的に判断するのが適切ではないかということで、その観点としては 3 つ掲げており、医薬品医療機器等法に基づく「使用成績評価」の対象となるもの。生命維持の目的で使用されるようなリスクの高い医療機器。国内に初めて導入される医療機器であり、使用経験が少ないもの、といった観点から総合的に判断するとしてはどうかということです。 3 ページの一番下、登録を継続する期間として当面は、再審査期間又はそれに準ずる期間を念頭に置くということで、それ以降、更に長期にわたって登録という場合については、その意義、目的が変わってくることが考えられますので、改めてまた別途の検討を行うということです。

4 ページ、論点 1-3 、登録するデータの種類、システムの機能です。事務局から提示しております取りまとめの方向性 ( ) では、登録データの項目について、システムの肥大化・複雑化を回避するため、必須項目と任意項目を設けた上で、必要最小限の項目に絞るべきではないかということです。前回の合同検討会で御指摘いただいた点としまして、登録データの項目は、全ての製品に共通の基本項目と製品や製品群、診療領域ごとに特有の項目とに分けて設定するべきではないかということ。また、検討のポイントで、国際的な整合性についても考慮する必要があるということで、海外において類似の登録システムが運用されている場合等、同様なデータ項目・内容を設定することを検討すべきであるということ。取りまとめの方向性 ( ) 4 点目で、新たに承認された製品を対象とするため、既存の登録システムに追加していくことを想定した場合、入力項目の追加設定などフレキシブルに改修が行えるよう、拡張性を考慮したシステム設計の構築が必要ではないかということ。データセンターの機能としては、入力データの品質を確保するため、入力エラーの検出等入力のサポート機能の他、参加施設への監査機能を備える必要があるのではないかということ。また、入力されたデータの項目・内容の検索・抽出、さらには入力されたデータの集計、その結果の公開が求められるのではないかということを事務局から提示しております。

5 ページからは、論点項目の後半、患者登録システムの運営、登録管理、利活用に関してです。まず、検討のポイントとしまして、 J-MACS のように、 PMDA が運営主体となっている登録システムは存在するものの、現状としては、国内の登録システム ( レジストリ ) は、その多くが関係学会等で運営されている状況にあるということ。運営主体は、単に診療データを集めるだけではなく、データの質の確保のためのチェックや監査機能、データの公表や提供に関する機能を備える必要があるということ。再生医療等製品などについて、新たに登録システムを構築する場合、公的基盤の整備として、基本的には厚生労働省が費用を負担することを前提とし、また、再生医療等製品は、 1 つの製品が施用される診療領域が多岐にわたる可能性、保険外診療において施用される場合も考慮する必要があるということ。新たに承認された製品について、既存の登録システムを活用する場合、そのための改修費用は、基本的にはその製品の企業が負担することが考えられますが、それ以外に、ステークホルダーにメリットがもたらされることを前提に、運営費用については応分の負担を検討する必要があるということです。最後の検討のポイントとして、登録システムの運営主体には、事務局機能を設け、データ入力のサポート等ヘルプデスクを設ける必要があるということです。

 取りまとめの方向性 ( ) として事務局から提示しておりますのが、 5 ページから 6 ページにかけて 6 点ほど記載してあります。まず、再生医療等製品について当面は、運営に係る費用も含め厚生労働省が負担することとして、運営主体としては PMDA に構築するのが適当ではないか。その上で、製品の企業に義務付けられた使用成績調査等への利用等に応じて、その企業に運営の部分に関する費用の一部を負担してもらう仕組みが適当ではないか、ということで示しております。 2 点目、埋植型医療機器については、対象とする医療機器の関係学会が設置している「登録データベース事務局」を運営主体とすることとしてはどうかと。例えば、既存の医療機器としては、人工関節について、日本人工関節学会が運営する日本人工関節登録制度等を想定しています。

3 点目、新規性の高い医療機器については、関係学会で運営又は関与することを念頭に、新たに登録システムを構築する、あるいは既存のシステムを活用することとしてはどうか。 4 点目、新規性の高い医療機器については、その機器の企業が登録システムの構築、主には既存のものを改修していくことを想定していますが、それに要する費用の負担を求めることを基本としてはどうか。埋植型医療機器については、対象となる医療機器の企業及び関係学会が運営費用を負担することを基本としてはどうか。最後に、ヘルプデスクは運営事務局に置いて、データ入力に関するサポート等を行うこととしてはどうか。データ利用に関する問合せに関して、本日、この後の論点 2-3 で出てきますが、窓口などもここで行うこととしてはどうかということです。

 続いて論点 2-2 、登録システムの品質確保です。検討のポイントとして 5 点ほど掲げております。収集されたデータの分析・評価を意義のあるものとするため、登録率を高める必要があるということ。患者データについては、匿名化して登録することが前提ですが、あらかじめ患者側に対して、登録によるメリットを説明するとともに、その活用の目的や方法、公開方法等を明示し、了承を得ていく必要があるのではないかということ。データの入力及び送信については、その入力者の負担を最小限に抑える利便性の高いものとする必要があることも示しております。収集されたデータの分析結果を意義のあるものとするため、入力されるデータそのものの質を高める必要があるという点も挙げております。最後に 5 点目として、企業に課せられる「使用成績調査」に活用できるようにするためには、その信頼性の要件を満たす必要があるという点も挙げております。

 以上の検討のポイントを踏まえて、事務局から提示しております取りまとめの方向性 ( ) として、 7 ページにかけて 11 項目ほど記載してあります。まず、データ入力について、原則的には製品を使った医療機関側で行うことを基本としてはどうか。それを前提に、製品情報の部分に関して、簡易な方法で行えるようにする、あるいは企業側で入力できるような形も考えられるのではないかというのが 2 点目です。

3 点目、登録率を確保するため、入力者に対してのインセンティブ、一定の拘束力を設ける必要があるのではないかということで、そのインセンティブとしましては、学会の認定医・専門医制度・研修施設要件との連動、集積されたデータを入力していただいた方が利活用できるようにするというようなことが考えられるのではないか。一定の拘束力としましては、承認条件が付される製品に関して、施設要件としてデータの登録を課す。即ち、企業が、当該要件を満たす医療機関に対してのみ製品を納入するようにすることなどが考えられるのではないかとしております。 6 点目、患者側の了承を得ていく方法としては、手術などで使われるものについては、手術の同意書等に記載して、個々に説明・了承を得るやり方が考えられますし、もし外来で使われるような場合があったとしても、施設内の掲示等によるやり方も考えられるのではないか、と示しております。

7 点目、万一、患者側から了承が得られない場合等、データ入力が困難なことが生じた場合にあっても、施用症例としてカウントすることはできるよう、最小限の登録を求める必要があるのではないかということも挙げております。データ入力に関しては、必要な安全管理措置を講じた上で、 web 上で行えるような仕組みがよいのではないかということが次の点で、その入力されたデータの品質を確保するためのチェックは運営主体の役割とし、参加施設への監査機能を備える必要があるのではないか。あるいはデータ登録を行う施設の要件として、そうした監査を受け入れることを含めてはどうかという点。企業による使用成績調査等の信頼性を確保するための基準 (GPSP 省令 ) との整合性については、別途検討することでよいのではないかとしております。データ入力者に対するガイダンス・教育に関して、データ登録を行う施設の要件とするほかに、運営主体において定期的な情報発信、チュートリアル等を行う機会を設けることとしてはどうかということで示しております。

 最後に論点 2-3 、アウトプットとしての利活用です。アウトプットとしては、運営主体が定期的に公表するデータの集績の概況やデータ入力者やその他の研究者の求めに応じてデータの提供を行っていくことが考えられます。企業にとっては自社の製品に関して、データということで使用成績調査、あるいは次の製品開発などへの活用が想定されます。入力者からの求めに応じて提供されるデータとしては、範囲、処理の有無などの取扱いを整理する必要があることも、検討のポイントとしております。

 取りまとめの方向性 ( ) として 2 点ほど掲げております。登録されたデータについて、運営主体において分析・評価を行って、その結果を定期的に公表していくこととしてはどうか。そういったデータを利用したいという希望があった場合には、申請方式とし、運営主体においてその適否を評価・決定することとしてはどうか。詳細な利用ルールについては、それぞれの運営主体において定めていってはどうかということです。以上、少し駆け足になりましたが、資料 2 について御説明いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

○澤座長 資料 2 を全て御紹介いただきましたけれども、議論は 1 つずつ進めたいと思います。論点 1-1 は、前回も議論がありましたが、修正箇所に下線を引いて今回加えていただいています。 1-1 で気付かれた点はありますか。これは、前回議論させていただいた範囲ですが、大体よろしいでしょうか。この前の議論を反映していただいているかと思いますが、よろしいでしょうか。よろしければ、論点 1-2 に進みます。 1-2 は、登録の対象範囲ということですが、これについてはいかがですか。 3 ページで何か御議論はありませんか。

○大須賀構成員 取りまとめの方向性について、 1 ポツに書いてある再生医療等製品に関しては、別途、リスクに応じた提供の手続のうんぬんというのがあって、これを読むと、基本的には承認された製品のみをこの対象とすると書いてあります。これはすごく重要な話で、承認された製品を対象とするとなると、承認された製品は、基本的には全数市販後調査をやることになるので、後の項目とか、その前の項目に全部はねてくるぐらい重要な話なのです。あえて再生医療等製品に関しては、承認された製品のみにするとすべきではないかという根拠はどういうところでしょうか。

○事務局 本検討会において検討していく患者登録システムの対象範囲ということで、事務局からは医薬品医療機器等法に基づく再生医療等製品、すなわち条件・期限付き承認なり、あるいはその以降の承認された製品というところでお示しさせていただいているわけです。もちろんその条件・期限付き承認の場合、基本的には全数の使用成績調査が求められていくことが想定されるわけですが、それであっても登録システムということで、患者登録をしていただくことで、そうした調査がより円滑に進むとか、あるいはその調査が、最終的に本承認の申請が上がってくるまでの段階においても、なるべく即時性を持って集積状況等が公表されるといったメリットもあるのではないかと考えております。

○澤座長 大須賀さん、それでいいですか。

○大須賀構成員 私が聞きたかったのは、再生医療等製品の承認されたものが対象というのは分かるのですけれども、それ以外のものを外す理由というのがよく分からないのです。というのは、ここに「別途、リスクに応じた提供の手続の検討等と併せて検討されるべきではないか」と書いてあるのですけれども、参考資料 6 3 ページを見ると、これは皆さんよく御存じの「リスクに応じた再生医療等提供の手続」というので、リスクの高いものからリスクの低いものまで 3 つあります。既に承認されている再生医療等製品のジェイス、ジャックは、ここでいうとリスクの低いもの、体細胞を加工したものとなっていますので、これが全数市販後調査をやると、 7 年間全数市販後調査をやるというレベルであれば、推して知るべしで、他のものは全部そういう対象になるのだろうと考えると、承認を取っていない、要するに他の医師法の下でやっているもの、安全性がどこまで確認されているか、有効性がどこまで確認されているか等が分からないものに関して、このレジストリから外すというのは、別途、他の所でやるという話ですけれど、どうなのだろうかという気がするのですけれども、いかがでしょうか。

○事務局 本検討会は、医薬食品局で開催している検討会というところがあって、差し当っては、医薬品医療機器等法に基づく再生医療等製品ということで検討していただき、御指摘のような再生医療等の安全性確保法に基づく再生医療に関しての患者登録については、可能性としてそちらにも拡張していくということを排除している趣旨ではないです。まずは医薬品医療機器等法に基づく登録システムということで検討をここではさせていただいて、その上で、そちらのほうに今後拡張していく可能性については、医政局で場を改めて検討していただければというところです。

○澤座長 医政局のほうはどうですか。

○再生医療研究推進室長 再生医療の担当ですが、もちろん可能性としてはあり得るのだろうとは思っております。法律上は今御紹介いただきました参考資料 3 ページにありますように、リスクに応じてそれぞれの手続を定めることになっております。具体的には各医療機関で、その審査を受けた上でやることの計画を提出していただくということで、患者さんの情報などについては、その提供医療機関側に保存の義務、又は検体の保存の義務などがかかります。法律上は、そのデータを国として個人個人の情報まで集める立て付けにはなっておりません。もちろん製品との接続ということもありますし、薬事法の承認を取った製品となる前から臨床研究としては行われるわけですので、そこで同じようなデータを集めるべきではないかという議論はあり得ると思いますので、そこは御検討いただければと思います。

○澤座長 臨床研究のほうは、定期的な報告はありますよね、成果までいくかどうかはあれですけれども。

○再生医療研究推進室長 そうです。報告自体をどこまでさせるかというのも、先週の検討会で議論になりましたけれども、今のところは患者さん個人個人の情報まで集めるかというところまでは決まっていない状況です。

○秋山構成員 埋植型のほうに関してですけれども、「埋植型医療機器については、既存医療機器と新規性の高い医療機器に分けて検討する」と書いてあります。法律のほうは、「厚生労働大臣が指定する医療機器」になっています。これは実際問題として、もう認可されている機械なわけですから、いつ、誰が、これは登録しましょうということを決めるのでしょうか。認可されているものに関してと、これから認可されていくときに、認可されるときに我々が使ってもいいですよというときに、これはもう登録してくださいね、というような条件で下りてくるわけでしょうか。

○事務局 今おっしゃっていただいたのは、資料 1 の使用成績評価についての「大臣の指定する」といった所のお話かと思います。こちらの、厚生労働大臣が指定する医療機器というのは、新規性が高い低いは別にして、正に承認される際に指定されることになるかと思います。今回登録の対象とするものは、例えば人工関節については、これから新たに承認されるものというわけではなくて、既に承認されているものも、今現在学会のほうで対象としていただいているものを、そのまま引き続き対象とするというイメージを想定しております。

 それとは別に、他の医療機器において、今後新たに承認されてくるようなものは、先ほどの法律に出てきたように、今後承認される際に、その使用成績評価の対象となるかどうかは決まってきます。その際に、このレジストリ登録の対象とするかどうかということを一つ一つ判断していく形になるのだろうと思っております。

○澤座長 今のは、例えば既にあるもので、すごく改良されて新規性の高い新しいようなものは、しっかりこういうのをやっていくというようなイメージですか。既にあって、もう一般化して普及しているものは仕方ないのだけれどもということで。全くない新しいものもあれば、従来ある中ですごく新しいものというのも出てくると思うのですけれども、新規性という辺りが、カテゴリーの新規と機能の新規で変わってきますよね。

○事務局 はい。今後新たに承認されてくるものについては、それぞれ製品ごとに登録して調査をする必要があるかどうかというのを一個一個判断していくのかと思っています。その判断基準等は今後整理していきたいとは思っています。

○澤座長 そうしたら、 PMS はもちろん全部あるのでしょうけれども、レジストリが、あとやるかやらないかはその辺りで決まっていくということですか。

○事務局 はい、そうです。 PMDA の審査、安全対策の部門、あとは学会などとの調整の中で、レジストリの対象とすべきというようなものについてはやっていくというイメージかと思っております。

○澤座長 今の件はよろしいですか。

○秋山構成員 はい。

○澤座長 先ほどの臨床研究の辺りはどうですか。途中で流れが変わってしまいましたけれども、永井先生お願いします。

○永井構成員 再生医療等の安全性の確保に関する法律の再生医療について、第一種から第三種まであるわけです。これについて今後どうするかという議論をしているところで、せめて予後とか効果について届出をしたほうがよろしいのではないか。一種、二種については自然にそうなると思いますけれども、三種についても、アウトカムというのは何らかの形で報告したほうがいいのではないかという議論がつい先日行われたところです。そうすると、これは場合によっては登録ということになりますので、全く野放しでいいのかということになるのではないかと思います。

○澤座長 非常に貴重な御意見ですし、他の安全性確保の委員会のほうで永井先生が議長をされている所との連動というのも、臨床研究の場合は大事ですので、その辺りは是非、今後議論を継続してやっていただけたらと私も思います。

○大須賀構成員  2 ポツに「『条件・期限付き承認』の段階から登録対象とするのが適当ではないか」とあるのですが、基本的に私がイメージしているのは、再生医療等製品で承認を受けたものが条件付き承認で市販後調査をやると。それであれば、その段階から登録対象とするのが適切だということで、再生医療等製品に関しては承認を受けたものに限定されるのであれば、できれば使用成績調査に有効に使えるようなシステムにしていただきたいと思います。それであれば、データを取るところからの登録が適当ではないかと思います。

 これは、どこでお話をしたらいいのか、更に話が踏み込んでしまうのですが、その取り方について、データの収集の仕方については、以前に弊社の薬事担当の者から提案させていただいたように、症例の数が多い少ないがあるので、 1 年がいいのか、例えば 100 症例、 200 症例という数がいいのかよく分からないのですけれども、それに関しては、とにかくひたすら全項目幅広くデータを取って、その予備調査を見て本格的な調査項目を決めるような 2 段階の検討をするといいのではないかと思うのです。これは、どこで発言したらいいのかよく分からなかったので、今、先に言わせていただきました。

○澤座長 細かい詳細な話かと思うのですけれども、また、どこかで議論はするのですか。

○事務局 恐らく使用成績調査の計画に関わるところだと思いますので、 PMDA で審査を行う段階で、その計画についても議論していただくことになるのかと思います。

○安全使用推進室長 それなので、恐らくこの検討会の場で、ありとあらゆる項目を最初から取りましょうという形でガチッと決めるというよりは、そこはベースとなる最小限必要な項目を決めつつ、あとはその拡張、要するに後で必要になった項目が取れるようなシステムを作るべきではないかという方向性を打ち出すことで、実際に必要な項目については、企業で行う調査とか、場合によっては、学会側でこういうことも調査したいということもあるかもしれません。そういうことが確保できるような仕組みにしていくのだろうと思います。それなので、今回の場で議論していただいてよいのだろうと思います。

○澤座長 ありがとうございます。

○本村構成員 澤先生がおっしゃられた、その対象範囲をもう一回確認させていただきます。これまで広く使われている、例えば人工弁、人工血管といったものは対象にならないと考えてよろしいのでしょうか。今後その運営部隊が誰になるか、誰がお金を出すかということにも関わってくると、どこまで範囲が広がるのかというのは今後大きく方向性として変わるかと思いますので、そこを確認させていただきます。

○事務局 埋植型医療機器についてということですけれども、既存の医療機器と、あとは新規性の高い医療機器に分けて検討するということで、事務局から御提案させていただいております。既存医療機器としては、事務局としては人工関節関係をまず想定し、そちらを御検討いただいてはどうかという御提案をさせていただいております。新規性の高い医療機器については、その他の分野も含めて新たに承認されてきたもので、その都度レジストリが必要かどうか検討していくということかと思っております。今申し上げたのは、飽くまで事務局の御提案ですので、既存の医療機器で人工関節以外でも、対象とすべきものがあるという御提案があれば、それも議論していただければいいかと思います。

○澤座長 本村先生が確認したかったのは人工弁で、既に従来の人工弁があるのですけれども、これからかなり変わろうとしています。スーチャレス・バルブというのが出てくると、もう縫わなくてもいいのです。ところが、それをもっと極端にしたのが TAVI で、カテーテルで入れます。そういう段階を追っていくときにどうなるかというイメージですよね。ちょっと既存ではないのですよね。

○本村構成員 ええ、それが今後どんどん出てくる。どんどん出てくるようなものは登録したらいいと思うのですけれども、既存のものをどこまで。既存のものはもういいのか、そこだけを聞きたかったのです。

○事務局 新しい医療機器として承認されてくるものに付随してといいますか、既存のデバイスとの比較が必要だということであれば、その都度そういうものも含めて登録していただくことも考えるのかとは思います。

○澤座長 よろしいでしょうか、よろしければ論点 1-3 に進みます。登録するデータの種類、システムの機能ということで 6 つの取りまとめの方向性を挙げておりますけれども、いかがでしょうか。

○西田構成員 このデータの登録の種類を決めるというのは極めて大事だろうと思うのです。先ほど、企業側に役立つようにという意見もありましたけれども、誰が最初にこのデータの種類を決めるのかというのが非常に重要かと思うのですが、これが書いてないのです。例えば学会主体にするのか、どこが主体になってこれを決めていくのか、この点が、後でデータを生かされるかどうかで非常に重要になります。負担が多すぎても駄目ですし、それが非常に重要になるので、ここの記載がないのですが、いかがでしょうか。

○安全使用推進室長 確かに難しいところではあります。西田先生からお話がありましたように、いろいろな項目があったほうがいいのですけれども、それだけ今度は入力する側の負担もありますし、そのシステムの管理に関する所でも負担がかかってきます。実際にはバーターといいますか、どこか落ち着くような所で落ち着けていかないと、実際のシステム自体が回らなくなってしまうのではないかと思います。御指摘は、どこがそういうことを決めていくのかを明示したほうがいいということかと思います。

○西田構成員 再生医療の運営自身は PMDA がやるということですね。

○安全使用推進室長 そうです。今の事務局の案としては、当面 PMDA を想定しております。

○西田構成員 項目を決める段階は、もっと広く意見を入れながら決めたほうがいいと思うのです。そこの主体を、ある程度明示していったほうがいいのではないかと思います。

○澤座長 例えば、 J-MACS はどのように決めたのですか。

○事務局  J-MACS の項目自体は、基本的に米国の INTERMACS の項目とそろえています。ただし、その項目を決める主体は、 J-MACS の運営委員会であり、関係する学会の先生方の中で検討の上、項目を決めていただきたいものです。

○澤座長 なるほど、ですから J-MACS の運営委員会を学会に組織していただいて、 PMDA も参加して決めていただいてというパターンが、前例もありますので、そんな方向でいくのかとは思うのです。

○西田構成員 そこに企業側も入ってということですね。

○澤座長 そうですよね、あれは企業が入っていますよね。

○事務局 企業も入っています。

○大和構成員 別に PMDA の人を疑うわけではないのですけれども、「学会が主体となって」というような文言をここに入れていただきたいというのが正直なところです。再生医療は始まったばかりで余り経験もないところで、最も経験者が集まっているのは学会です。もちろん企業も学会のメンバーですので、「学会主体で」というような文言を置いて残してくれると有り難いと思います。

○澤座長 「学会のメンバーが中心となる運営委員会が」みたいなイメージですか。企業も入ったほうがいいですよね。

○事務局 運営主体として、再生医療等製品については PMDA に、と提示させていただいております。 J-MACS のような例を見ても、 PMDA が運営主体となる場合であっても、御指摘のような運営委員会といった外部の有識者の方々の意見を反映する場や機会を、然るべく設けていくことは可能かと考えております。

○澤座長 よろしくお願いいたします。

○中村構成員 先ほどの対象の所にも話が絡んできますが、再生医療の一種、二種、三種、あるいはその機器にしても、新規性の高いものと一般的に使われているものとでは、やはり必要とするデータが変わってくると思うのです。今の議論でもあるように、例えば再生医療の一種、二種であれば、当然これはアカデミアの意見が重視されてくるべきだと思うのです。それによって必要なデータも変わってくるので、関連付けられるように、プラットフォームとして PMDA がコアな基本となるデータをしっかりと持って、それと紐付けるような形で、企業側が今後の市販後調査につなげるようなデータとしてこういうものが欲しいと。さらに、アカデミアが有効性だとか安全性を見るための必要なデータとして、それは期間も当然変わってきますから、 1 つのプラットフォームを PMDA が取って、その下に有識者会議というような形で企業側が必要なデータ、あるいはアカデミアが長期にわたって安全性・有効性を見るためのデータというように、データも種類が幾つか変わってくるというようなイメージで考えたのです。

 一般的に普及しているようなものに関しては、そこまで多くのデータは必要ないでしょうから、それは当然ランク付けがあって、一種、二種であれば、がっちりした全例になるでしょうし、三種であれば少し意味合いが変わってくる。一般的に使われている機器であれば、もっともっとコアなデータは少なくなってくると思うのです。正にここに書いてあるように、その医療機器、あるいは再生医療等製品によって段階が分かれていくようなイメージかと私は思ったのです。

○澤座長 そのようなイメージを皆さんお考えではないかと思います。

○本村構成員  4 ページの一番下のポツの「項目・内容の検索・抽出、更には集計と結果の公開」というのは、どの程度の公開といいますか、誰がどこまでを公開して、誰の責任で公開するのかというのは、これを読めば皆さん分かるのでしょうか。

○澤座長 公開のことですね。

○本村構成員 どこまで公開するのか。要するに、そのアウトプットが良いか悪いかとか、どんな合併症が多いか少ないかということは出てくると思うのです。それが、要因別に出るのかとか、消費者、国民というのはそういうところまで興味を持つと思うのです。それをどのようにこの中で方向性として入れていくのか、わざと入れないのか、その辺りを。

○澤座長 データが一人走りしないようにということですよね。

○本村構成員 そうです。

○澤座長 悪用されないようにというか。

○本村構成員 運営事務局がどこまで絡むことができるのかとか、そういうことも含めてです。

○事務局 事務局から提示させていただいている案としましては、運営主体において集計・分析、あるいはその公開等をしていくということです。基本的には製品ベースでのデータの集計・分析を考えていて、使った施設ごとの分析までは現時点では想定していません。それについても、先ほどの項目と同様に、運営主体において、学会の有識者の方々とか、企業の方々とかの外部の意見も踏まえて、どういう集計・公開のやり方がいいのかというような検討も、それぞれの製品ごとに進めていくということもあり得るかと思います。

○本村構成員 運営主体となる所が、正しく主体となって、こういうことの判断をしていってよいというイメージでよろしいのですか。

○事務局 補足させていただきます。最後の論点の 2-3 になりますけれども、こちらでアウトプットとしての利活用について記載しております。取りまとめの方向性の案の一番最後になりますけれども、そのデータの活用・利用については詳細なルールは運営主体、再生医療等製品であれば PMDA を想定していますし、その他医療機器のほうでは学会関係を想定していますが、運営主体のほうで、利用ルールの詳細なところを定めていただくことを想定しております。

○澤座長 また後ほどの議論に出てきますけれども、今は J-MACS ではかなりうまく運営されているように思いますので、そのことが例になるのかと思います。

○高橋構成員  1 つ質問なのですが、下から 2 つ目のポツの「データセンターの入力データの品質を確保するため、チェックなどが必要である」と書いてあります。その運営母体、学会によって無茶苦茶たくさんのデータを要求したりバラつきが出たりすると、この費用とか労力はすごくまちまちになってしまいます。恐らくこの最低範囲までをカバーします、ということはこの会で決めておくほうがよいのかと思います。

○澤座長 そうですね、この辺りも、考え方としてはある程度リーズナブルな範囲でということですよね。

○事務局 全ての製品に共通の基本項目に関しては、この検討会の場で、なるべくその項目についての考え方とか、できればその具体的な項目まで挙げていただければと思います。それ以外の領域ごとの特有の項目についても、その判断をしていくに当たっての考え方みたいなところも、あらかじめこの場で御議論いただけると有り難いと存じます。

○澤座長 ですから、今の高橋先生のお話のような、過度にならないようなということですね。

○高橋構成員 バランスが大事だということです。

○澤座長 バランスが大事だということで、そういうことで一言入れておいていただいて。

○西田構成員 今のに関係しているのですけれども、これは臨床研究ではなくなるので、ここからは承認されて市販ですよね。施設数がものすごくたくさんになって、これは監査機能、モニタリングの機能が本当に果たせるのか。具体的に本当にそこをどうするのか。臨床研究の場合は数が限られますから、ある程度ちゃんといけますけれども、これはかなり数がたくさんになりますので、具体的に、ここは慎重に考えていったほうがいいと思います。実際にやり出したらできないということもありますね。

○高橋構成員 医療のその後のデータに使えるというと、すごい莫大な費用のチェックになってしまうかと思います。

○澤座長 多分、現状の PMS をこうすることで、改善される方向にあるのかと私は理解しています。

○事務局 ここで記載させていただいている参加施設への監査については、前々回本村先生から御紹介いただいたような JACVSD のやり方なども参考にさせていただきながら、全ての参加施設について網羅的に監査に行くのはなかなか難しいことだろうと思いますので、その手法についてもいろいろと参考にさせていただきながら検討する必要があるかと思っております。

GPSP 省令、その使用成績調査のデータの信頼性の確保については、別途検討するという形を取らせていただいておりますけれども、こちらのほうでも、その省令とレジストリのデータの信頼性のところは、ちょっと並行して検討させていただきたいと思っております。

○澤座長 よろしいでしょうか、次は論点 2-1 の患者登録システムの運営の在り方について御議論いただければと思います。運営主体とか、どのように行っていくか、サービスの提供等、費用負担の辺りですが、いかがでしょうか。

○秋山構成員 最初に 1 つお聞きしたいのですが、厚生労働大臣が、例えば人工関節を書いていただいているので言うと、人工関節をここに含めましょうということになると、人工関節全部で、年間どこもかしこも入れたら 20 万例はいっています。今、学会で登録しているものの総数でも股関節と膝だけで 12 万例になります。それに人工骨頭を入れると 17 万例ぐらいになります。これを、もし本当にペナルティが付き、この法律で決められたものを、 100 %登録をとにかくするとなると、人だけでも、登録する方と、登録のデータをダブルチェックして品質管理するのと、あとは施設を回ってチェックするだけで最低 20 人ぐらいはかかります。 20 人ぐらいの人件費と、場所代などをいろいろすると数千万円は要ります。

 人工関節の登録は、来年の 4 月から企業の何社にも寄付していただきますし、日本整形外科学会も少しお金を入れてくれますし、日本人工関節学会も入れますけれども、それでも 2,000 万円いかないです。学会の運営費用と企業だけで全ての運営費用をといっても、再生医療の方もそうですけれども、これから数が多くなってきたときに、とても学会の費用では賄えないレベルになってしまっているのです。それを学会と企業だけでやろうというのは、基本的に無理だと思います。コンプライアンスを下げてしまえばいいのですけれども、コンプライアンスを下げてしまうと、この登録のレジストリをする意味がなくなってしまいますので、やはり 100 %の登録をということになると、企業と学会だけではとてもではないですけれども、ある程度一定の数以上になってくると、多分運営は滞ってしまうのが現状だと思います。

○一色構成員 私がお話をしたかったことと全く同じことを、秋山先生からおっしゃっていただきました。ちょっとだけ補足ですが、企業にお願いするとなると、例えば PMS では PMS の項目に必要なものだけデータを取って、それに対する費用だけシビアに計算して計上してデータを取っていると思うのです。先ほどの項目を何にするかということでいろいろなディスカッションがありましたが、そういう項目が例えば増えてきたときに、そこまではとても会社としては面倒見切れないから、どのようにそういう費用配分をするのか。そういう意味も含めて結構敷居の高い話にならないかという危惧をいたしましたので、それだけ追加させていただきます。

○澤座長 この辺りもいろいろな考え方なり、製品によって、物によって変わってくるかと思います。

○永井構成員 これまでにも議論があったと思うのですが、断面調査でできるだけしっ皆性を求めていくのと、予後調査のようにあえてしっ皆性は求めず、もっと焦点を絞って少数例でフォローアップするというのでは、随分登録の仕方も違うと思うのです。その辺をどう配慮するかということが大事だと思うのです。

 この方向性を見ると、再生は国が責任を持つけれども埋植型はそれぞれでやってくれという感じで、ちょっと冷たいのではないかと思うのです。全面的にとはとても言えないまでも、プラットフォームを作るようなシステムについては、やはり何らかの研究費で補助するとか、もうちょっと国の関与が見えてもいいように思います。

○澤座長 その辺について、事務局はいかがですか。

○安全使用推進室長 現状こういう案になっているのは、実態的にも、再生の方は今まで全くものがなかった中で、今度は製品が出てきて、企業においてデータ取りなどもしていただいているところがあります。そこは、厚生労働省のほうで、 PMDA を当面運営主体としてということもできるのではないかという話です。もう一方の学会のほうは、既に既存の枠組みの中で取り組んでいただいているものもありましたので、そういうものを活用するという意識といいますか、そのような背景があってこういう書きぶりにはなっています。そこをどうしていくのかについては、また検討が必要なのだろうと思います。

○永井構成員 それは断面調査的なものはあると思うのです。でも、それは時間軸でつながらないわけですから、やはり、これから予後だとか費用対効果を言うのであれば、全く別のシステムが必要になってくる。それは埋植でも新しい話なのだとお考えいただいたほうがいいと思います。

○澤座長 これが同じ文章の中に並んでいるのは、皆さんちょっと違和感があるかもしれません。特に人工関節の 20 万例うんぬんという話ですけれども、それを全部登録してというと、そのレジストリともまたちょっと違います。

○永井構成員 人工関節も予後は見ていないと思うのです。半年、数年後とか、それはフォローアップされているのですか。

○秋山構成員 人工関節の場合は、体からトラブルがあって抜くという、再置換術を行いますので、それがアウトプットになります。

○永井構成員 それは、数年間フォローするということですか。

○秋山構成員 そうです、抜くのがいつか分かりませんので、その累計を取っていくと、外国の製品で悪いのは 3 年ぐらいでも明らかに分かってくることになります。

○朝比奈構成員 ここで議論すべき内容ではないかもしれませんけれども、前回どなたかがおっしゃっていたのですが、これから出てくる製品、ほとんどが製品に関して調査をしようということですよね。先ほど大須賀先生が、違うのもやったほうがいいのではないかとおっしゃいましたが、製品になったのであれば、その調査費用を例えば償還価格の中に初めから含める。例えば 10 万個売れて、 1 製品について 1,000 円取れば 1 億円です。そういう仕組みは作れないのですか。

○永井構成員 含めるということですよね。そこは、上手に交渉していけばできないことはないと思います。

○澤座長 その辺りはまた後ほど、次の所にも出てくるのかと思うのです。最後のインセンティブの辺りで。 2-2 の品質確保の所に出てくるかもしれません。

○高橋構成員 先ほどの範囲で、どの範囲というのを決めないといけなくて、やはり 100 %長期にというのはベストですけれども、そんなに財源はないと思うのです。 90 %で、断面までは見るけれども、あとやりたい学会は上乗せでやってくださいみたいなのしかしようがないのではないですか。

○澤座長 例を挙げると、 TAVI などは本当に新しく出てきますので、これは作らなければいけないしという考え方というのは、再生医療が新しく始まると似ています。既存の人工血管とか人工弁というのは、今からデータベースを作ってということで議論するのとはまたちょっと違うように思っています。例えば、外科学会などでは、 120 万件のデータベースを毎年入れていっています。スタートして、 NCD ですけれども。心臓外科が 5 万~ 6 万例ですが、全部入っています。それは、また意味もちょっと違ってきています。ですから、新しい製品か、従来のを比べるかというのは、学会がオリエンテッドするか企業がオリエンテッドするか、そこは基本的にはどこかで仕切れそうです。ここで、並列的に人工関節が出てきたのは、ちょっと違和感がありますか。

○秋山構成員 そうですね。

○澤座長 人工関節の中でも、極めて新規なものが出てきたときには、また話が違う。

○秋山構成員 基本的に、人工関節ですけれども、外国のほうが先行して売られている場合が多くて、それで外国では良いからといって入ってきて、非常にえらいことになるというパターンになっています。基本的に、日本ではなかなか表に出てこないですけれども、アメリカでは集団訴訟になっているのもあります。

○澤座長 その時にアメリカのデータベースのやり方はどうなっているのですか。

○秋山構成員 アメリカは、人工関節はデータベースはないです。結局分かったのが、オーストラリアとイギリスのデータベースで、やはり最近、数が非常に多くなったのが分かりました。

○澤座長 その辺り、一色先生はどうですか。先ほどおっしゃっていた PCI をものすごくやっていますよと、 22 万件やっているという。

○一色構成員 そうですね。前回の会合でも申し上げましたが、 PCI も心臓外科のシステムと同じ形式での登録を始めることとなりました。現時点で年間の症例数が 20 万件を超えていますので、それを毎年積み上げていく作業になります。学会は全例登録を目指してはいますけれども、当面は努力目標になると思います。先ほど申し上げたように、企業の求めるデータと、 PMDA あるいは厚労省の欲しいデータと学会が必要とするデータ、例えば先ほど永井先生がおっしゃったような予後などですね、これらがそれぞれの立場で異なっているように思われますね。それで費用負担は学会でと言われると、それが本来あるべき形なのか、疑問に感ずるところが残りますね。

○澤座長 そのような議論の中で、この登録システムの運営の在り方をまとめていただけたらと思います。ヘルプデスクを設けるとか、この辺りはよろしいですか。ヘルプデスクは事務局の中に置くのですね。そこが、いろいろな対応窓口になると。ですから、ここをうまく管理しないと、そのデータが悪用というか、変に活用されても困るということです。

 次に論点 2-2 で、患者登録システムの品質確保です。ここでは、取りまとめの方向性がたくさんあります。ここも議論がたくさんあるかと思います。インセンティブとか、一定の拘束力という言葉がまとめに入っておりますが、いかがでしょうか。

○大須賀構成員 今の 1 つ前の 2-1 にも関係してくるのですが、例えば製品を使用した医療機関側で入力を行うというのは有り難いというか、良いと思うのです。そうだとすると、少なくとも使用成績調査等に 100 %使えないものだったとすると、企業は使用成績調査のために改めて先生の所に行く。先生はこれにも対応しなければいけないということで二重手間になります。データ入力は、使用した施設で入れる。そうだとすると、これは 100 %使用成績調査に使えるようにしないと、先生の負担が大きくなる。

 ちょっと話が飛びますが、入力するのに取捨選択の所と文章を入れなければいけない所とあるのですが、プラスして画像データが必要になる場合もあります。ジャックの場合は画像データが要ります。そうなると、今は電子カルテシステムがありますので、それを先生方が入力されるわけですから、電子カルテとの連動をして、 2 回も 3 回も入力されなくてもいいように、電子カルテに入れたら、そのデータがそのままこちらに使えるような一大システムを組まないと、データを入れる先生はちょっとしたインセンティブぐらいでは、たまったものではないと思います。そういう意味では全数、例えば 7 年間やるといったときに、ジャックなどではおそらく何千例と来るわけですから、少なくとも 150 200 の医療施設が皆さんやるとなったら、これは大変なことになってしまいます。ここは、電子カルテとの連動ということまで考えてやらないと、入力者の負担が大変だと思いますが、いかがでしょうか。

○事務局 御指摘のように、電子カルテのシステムもいろいろ幾つかのシステムが使われていると思います。その中でも広く使われているものからデータを抽出できるようなシステムが技術的に可能かどうかの検討もしていければと思います。

○永井構成員 実は、私たちはそういうのを作っています。私の最先端研究で、そういう調査用の電子カルテ、しかも普通のあらゆる電子カルテからリンクできる。ただ、 SS-MIX2 というのが間に必要で、これは全国立大学病院にもう入っています。あとは、ナショナルセンターとか地域の中核病院を中心に、まずは立ち上げる。目的によると思うのです。その場合にはしっ皆性はないわけですから、もっとフォーカスを絞った、画像まで取り込むようなフォローアップスタディをそれでやる。その一方で、もっとしっ皆性のためには別のシステムを作らなければいけない。いずれにしても、そういうプラットフォームに対する国の支援というのはやはり必要なのだと思うのです。

○澤座長 そのような既存の、既に進んでいるような取組をうまく入れて、できるだけ簡易な入力方法にしていただけるようにということは、どこかで検討すべきかと思います。そういうことも書き込めますかね、今の永井先生の御意見で。

○西田構成員 同じことなのですが、大阪大学の医療情報部でも、電子カルテから必要な情報を自動的に抽出する、そういうシステム開発が既に成功して、幾つかの疾患でなされています。それは、テンプレートを入れればできるので、電子カルテのベンダーにかかわらず入れることができます。ベンダー側が OK と言えばですが。そういう電子カルテそのものの開発が、こういうデータの収集に使える、自動抽出できるようなシステムに発展しつつあります。これは、厚労科研の指定研究に来年から選ばれているという話もされていましたので、そういう所とリンクして、連携してやるべきかなと。

 ただ、疾患が余りにもたくさんになると、なかなか一遍には難しくなるので、モデルケースとして何か 1 つ、 2 つの疾患で 1 回電子カルテとのリンクでやってみるというのが初めはいいのかと思います。

○高戸構成員 ここで「関連学会」という言葉が出てきますけれども、恐らく今回は製品に関して議論していると思うのです。前回も申し上げましたが、再生医療等製品は、ユーザーが歯科の先生であったり、形成外科の先生であったり、いろいろな関連学会の先生方が使われて、ユーザーが一定しない可能性があります。また、今は大学病院の話をメインにしていますが、今後の再生医療等製品の広がりを考えると、クリニックで製品が使われたときに、対応できなくなることも想定されます。例えば心筋シートというのは非常に限られた施設で使われますが、私たちが開発している再生軟骨などは、広く一般クリニックのユーザーも想定しています。電子カルテはいいと思うのですが、余り過剰なことが付加されると、再生医療等製品の広まりに対しても制限がかかるのではないかということを多少危惧します。

○秋山構成員 正に人工関節が今はそういう状態になっています。何千とある所で手術をされています。コンピューターシステムも UMIN を使って、 4 月には立ち上がります。全てのシステムが立ち上がって、自動的に抽出してもらうのはなかなか難しいですけれども、やはり、システムを作ってもコンプライアンスが上がらないのが現状です。自主性に任せるのは、数が多くなってくるとなかなか難しくなってしまうというのが現状だと思います。

 それで、どういう拘束を付けるかというのは、ここに書いてある学会の専門医とかありますけれども、専門医制度は変わってしまいますし、なかなかそういうのに今から乗せるというのはちょっと難しいと思います。先ほども出ていましたけれども、やはり病院に打ち込んでいただくとか、病院に積極的にコンプライアンスを上げてもらう。医師もそうですけれども、やはり医療費に何か反映させるとか、そういう具体的なものがないと。実際には徐々に人工関節も上がっていますけれども、やはり全体的には 20 %程度で頭打ちになってしまっている。大きな病院とか、たくさん使っているユーザーの方は、いろいろ病院の宣伝とかもありますからやっていただけますけれども、数が少なくなればなるほど、参加していただけないという現状があります。たくさんの所が使い出すと、こういうやり方では難しいのではないかという気はしています。

○澤座長 それは、一定の拘束力というところをどうするかですよね。

○秋山構成員 はい。

○澤座長 ここに、「承認条件が付される製品に関して、施設要件としてデータの登録を課すなどが考えられる」という文言がありますけれども、これはどうですか。

○秋山構成員 例えば、非常に特殊なものに関しては、企業がある程度 3 年、 5 年はフォローアップします。それに関しては、例えば来年、肩の人工関節の特殊なものが出ますけれども、それは企業主体で、 15 施設でやるそうです。ただ、学会としては全例登録したいと言ってきています。ただ、肩関節学会のほうでも、そういうノウハウがないというのと、どうやってコンプライアンスを。本当に 100 %皆さんが使っているのか、集められるかというのは、やはり医者の自主性か、病院の自主性にかかっています。登録しなくても、何のペナルティもなければ、結局はしないことになります。 100 %の登録で、しっかりとそのインプラントが良いかどうかを見ようとすれば、それなりに何かインセンティブは持つというか、拘束力がないとコンプライアンスは上がらないです。

○澤座長 そうですね、インセンティブよりは拘束力という考え方ですかね。

○秋山構成員 そうです。

○澤座長 いろいろな考え方があると思いますが、いかがでしょうか。

○中谷構成員 症例数が少ないのですが、 J-MACS においては、全症例を登録することを施設認定に完全に絡ませています。施設認定の申請をするときに J-MACS に入ることを宣誓していることが求められます。もう 1 つはその施設に、 J-MACS のデータを用いて評価を施設認定の委員会で行い、重大な問題が指摘されれば然るべき措置がとられることに同意を求めています。今評価のやり方について最後の詰めをしているところです。

 本日の議論で、扱う症例数は少ないけれども、 J-MACS PMDA が主体で始まり、かつ新規性があって、かつ扱う機種も広がろうとしているので、本当にいろいろな意味で雛形的でモデルケースであります。ただ、これをずっと続けていくのにどうするかというのは大きな問題となってきています。

○西田構成員 拘束力は、市販されるときに使える施設を認定制度にするとか認定にして、そこの中に登録というミッションデューティーを加えておくぐらいしかないのではないかと思います。

○澤座長 例えば、保険支払いの連動とか。

○西田構成員 インセンティブであればね。

○澤座長 インセンティブではなくて、逆に使っても登録しなかったら保険から出ないというようなこと。かなりきついですけれども、それぐらいはやってもいいのかなと。

○中谷構成員 植込型補助人工心臓に関しては、保険償還において関連学会が認定した施設でないと保険が下りないとなっています。

○澤座長 そういうことですよね。そこまで行くと、かなり拘束力は高いのかと思います。それは、いろいろな機器によるのかもしれません。安全性を高く求められるものこそ、すみません、私が言ったらいけないですね。いつも言い過ぎます。

○中村構成員 おっしゃるとおりで、新規性が高くて、有効性・安全性をしっかり見ていかなければいけないものは、当然施設認定もそうですし、その施設認定のバックにあるのは、医師個人の経験とか技量とか、そこまで踏み込んで、その施設から人が替わってしまったら施設が変わるわけですから、そこまでの認定をしないと、それは登録もそうですし、やること自体がまだ安全性・有効性をしっかりと担保しなければいけないことを考えると、そういう施設認定が重要になってくる。ただ、既に一般的に普及しているものに関して同じような規定は絶対にあり得ないですから、それは区別するべきだと思います。

○澤座長 そうですね。そういう意味では、この「一定の拘束力」の文章の前に、「その辺りは新規性が高く、安全性を確認する必要のあるような製品においては」、再生医療などはそこに入るのかもしれませんけれども、「保険支払いとの連動も含めて」みたいなことを書いておいていただいたらどうかという御意見かと思います。

○大須賀構成員 企業として心配が 1 つあります。どちらかというと、私はこういうマストアイテムで承認条件とか、施設要件でやらなければいけないと言っていただくのは有り難いのです。ここにおられる先生方はかなり認識が高い、こういうことをやらなければいけないという先生方なので有り難いのです。しかし現場は必ずしもそうではないというのがあって、やはりインセンティブはかなり要ると思うのです。

 と申しますのは、条件付き承認等で、早々に患者数を集めなければいけないというものがあるとします。でも、今までも何らかの治療方法はあるわけで、他の所で症例数をこなした後でうちはやればいいという考え方が出てくるわけです。そうすると、なかなか普及が進まないことになります。認識の高い方から、後ろ向きの方までおられますので、インセンティブを何とかうまく付けて進めるようにしていただけると有り難いと思います。

 現状の市販後調査は、プロモーションコードがあって、 1 万~ 3 万円の、そういう調査に関する費用を企業がお支払いするような形でやっています。 J-TEC の市販後調査の内容を見ると、そんな額では全然合わないとよく言われるのですが、それでも協力はしていただいています。何らかのインセンティブは要ると思います。

○澤座長 ありがとうございます。その他、インセンティブも大事だということで。

○本村構成員 申し訳ありません、少し話題が変わるのですが。 6 ページのデータの匿名化とか患者さんからの了承に関するところは、断面的な調査だけであればイージーではあるのですが、永井先生もおっしゃったように、やはりフォローアップということになりますと、違うデータベースの種類と考えたほうがいいのではないかと思っております。その際にマイナンバーを使うとか、やはりそういったことも視野に置いた表現をしていただくといいのではないかと少し思ったのですが、いかがでしょうか。

○澤座長 事務局側はいかがですか。

○安全使用推進室長 将来的な視野としては入り得るのだと思いますが、余りまたそこを書き込んでしまうとマイナンバーの進捗自体もなかなか難しいというような状況とも伺っていますので、本当は、要するに、こういう社会的な合意が得られる中で患者さんのそれぞれの情報が、個人情報も含めて管理されて、それが有効性・安全性みたいなものを評価するのにうまく活用できるというようなことで、個人情報も含めた取扱いができると非常にいいとは思いますが、なかなか現状は難しいという実態もある中で、どこまで書き込めるのかというところだと思います。

○本村構成員 がん領域では法律の下に、ある程度個人情報も登録した上でフォローアップもやっていると思うのです。今回のお話もこの法律、今回の法律、名前は変わったのですが、法律の下にそのデバイスの安全性を長期に見ていくという観点でいけば、個人情報を取得していくというのもある程度許されるのではないかという気はしたのですが、余り書きすぎるとまずいというのも良く分かります。

○事務局 現在の個人情報保護法で定義されている個人情報は、特定の個人を識別できる情報となっています。特定の個人を識別し得ない、いわゆるパーソナルデータと言われているものに関しては、まだ個人情報の範囲には含まれていないという状況です。それについては現在、内閣府で議論されていると聞いています。御指摘のように、この登録システムに登録する際には匿名化した形で登録いただくということですが、もちろんそれぞれの登録されている施設においては、当然、カルテと連結可能なわけで、個々の患者さんの予後については、フォローされているものとは考えています。

○澤座長 ほかはよろしいですか。

○西田構成員 連結可能匿名化とか、そういう部分は少し記載していたほうがいいように思うのです。完全に匿名化、連結不可能匿名化と可能匿名化、扱いが全然違うようになってくるので、というのはどうですか。そこは後で議論するとしたらぼやかしておいてもいいのですが。

○事務局 匿名化の中には連結可能匿名化と連結不可能匿名化の 2 タイプがあり、取扱い上、随分変わってくるところでして、御指摘のとおりです。登録している医療機関側では当然カルテと連結可能ですが、登録システム上は連結不可能という形で、運営主体においていわゆる対応表は保有しないということを前提としています。

○澤座長 よろしいでしょうか。では最後。

○鮫島参考人 下から 3 つ目のポツの品質確保の所の監査の件ですが、再生医療等製品では運営主体が PMDA になるということなのですが、次の利活用を考えると監査はアカデミアのほうで学会が中心でやったほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。と申しますのは、 1 つは、監査といっても PMDA がいろいろな大学の監査を実際にできるのかというところもありますし、入力のチェック等を含めると、例えば年に 1 回まとめて学会で判断をするとか、あるいは、 PMDA と学会で確認していくというような方法が妥当なのではないかと思います。

○澤座長 ありがとうございます。監査の考え方も、弾力的にということかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは論点 2-3 、アウトプットとしての利活用です。先ほど公開のことで本村先生からも御意見がございましたが、この検討のポイント、取りまとめについて御意見はございますでしょうか。本村先生、どうですか、先ほどの御意見とともに。

○本村構成員 運営主体がある程度責任を持って行うということであれば、その構成メンバーにもよるかとは思いますが、それはやはり正しい方向性ではないかとは思っております。

○澤座長 ありがとうございます。ほかはいかがですか。結局、一番いいパターンは出たデータが国民に公開されて、安心してもらえるというか、それがまた逆にフィードバックされてある程度抑制もかかるような、そういう良い形に運用されればということを期待しているということですよね。そういう意味では、従来の PMS よりはレジストリ型のほうが国民目線から見てより分かりやすいのではないかというようなことだと思います。ほかはいかがですか。

○大須賀構成員 「登録されたデータについて、運営主体において分析・評価を行い、当該分析・評価」と書いてあるのですが、再生医療等製品においては PMDA が運営主体だとすると、 PMDA がデータベースの分析・評価を行うということであれば使用成績調査は非常に有り難いと思うのですが、分析・評価をやっていただいて、我々企業、学会の先生が参加して三者でそのデータについての検討を行って、ということになると考えてよろしいのでしょうか。今まではその分析・評価等を企業が行って出していたのですが、 PMDA で分析・評価を行っていただけるということでしょうか。

○事務局 企業が使用成績調査のデータに活用できるという部分と、ここで記載している運営主体による定期的な分析・評価の結果の公表は、内容的に一部重なることも考えられますが、基本的には別々のものと考えております。と申しますのはここでは、製品ごとの分析・評価もありますが、複数の製品を横断的に分析・評価ということもあり得ますので、そうしたところは、企業が自社製品について行う使用成績調査には含まれませんので、必ずしも重ならないところがあるということです。

○西田構成員 この部分、利活用とか公表については、そのデータの信頼性がものすごく重要になってきて、信頼性あるいは登録のパーセントを公表した上でこれを公表するというようなことでないと、ここだけが公表をして、信頼性が余り高くなければ、結果だけが一人歩きするというようなことになりますので、必ずそのデータの監査とか、その部分をどの程度行うのかということを十分考えて、この公表の仕方を考えていただかないと駄目かなとは思います。

○澤座長 大変重要なポイントかと思います。

○中村構成員 文言になるのですが、ここに書いてある運営主体というのは、例えば再生医療製品であれば PMDA ということですか、私はイメージとしては違うと思っているのですが。要するに、 PMDA において有識者を含む、例えばそれはアカデミア、学会であったり、あるいは企業からの、そういったメンバーで構成する所で検討して評価を行う。それが例えば市販後調査であれば企業側に落とし込んでいくだろうし、アカデミアが必要な有効性・安全性であればそっちに落とし込むかなというイメージだったのですが、ここに関わる文言としての運営主体というところは少し要検討かなと思ったのです。

○中谷構成員  J-MACS PMDA が運営主体という書き方をしていて、ここが一人歩きをしているように思うのです。実際、 J-MACS の運営主体として PMDA が事務局を持っていますし、予算面でも大きく関与していますが、どういう方針で活動するかとかに関しては運営委員会、業務委員会がきちんと関与しています。 PMDA が運営主体とはいいながら、そこには学会、研究会及び企業の代表者がきちんと入った状態になっています。だからここの「 PMDA が運営主体となっている」ということの定義をきちんとしておかないと非常に問題になると思うのです。ここの運営主体というのは、 PMDA だけではなくて J-MACS で行われているような運営委員会、業務委員会がきちんと入った形ということ、それをイメージするのだったら余り問題はないと思うのです。

○澤座長 表現の仕方というか、運営主体などと書いていますが、最終的に製品に対していろいろものを言えるのは PMDA ですよね。ですからそこは PMDA ですが、その議論にはいろいろな先生方が入ってというイメージですかね。その辺りは運営主体という書き方でしょうけれども、表現としては余り詳しくも書けないのですよね。

○事務局 趣旨としては、今、御議論いただいた内容ですので、誤解のないように工夫したいと思います。

○澤座長 そうですね、その辺りはまた。 J-MACS のようにみたいなイメージを、ちょっと入れていただけたらいいかなと思います。ほかはいかがですか。全般を通じて、まだ御質問や御意見などがございましたら、挙げていただけたらと思います。

○高戸構成員 2点ほど質問ですが、 1 点目は、ジャックは施設認定をするという話も聞いていますが、今後、その施設認定が、再生医療等製品の使用においてどれぐらい実現性があるのかということです。もう 1 点は、乳房バッグは一時使用禁止になりましたが、がん患者に対しては、登録により保険適用がなされるようになったと理解しています。一方、美容目的の乳房バッグというのもあり得るので、再生医療等製品は、自由診療で使われる可能性も多々あると思うのです。そうした場合に、レジストリのシステムを同等に使うのが、少し難しいのではないかという感じもするのですが、いかがでしょうか。

○澤座長 前半はあれでしたか。

○高戸構成員 施設認定に関してです。

○澤座長 再生医療で施設認定がどこまでされていくかということですね。具体的には、施設認定は条件付きの中にかなり入るかどうかとか、そういうことではないですか。

○事務局 条件付承認の、その条件の中に認定施設の要件が課されていく場合には、保険診療であろうが自由診療であろうが関係なく、認定施設において使うということが要件になろうかと思います。

○安全使用推進室長 これも実際に、どんな製品が出てくるかによってとか使われ方によって大分変わってくるところかと思います。いろいろ想定しながら作り込んでいかないとと思っています。現時点で、こうすればすっきり整理できるという案を持っている状況ではないと。

○高戸構成員 経済産業省などの考え方では、恐らく広く使われる再生医療等製品を目指されていると思います。一方で、施設を限定して、例えば関節だったら、一定数以上の症例があり、ドクターが何人いる施設でないと駄目だというように、レジストリを限定していくという方向性もあると思うのです。いろいろな方向性があるということを御理解いただいて、このシステムを構築していただければと思います。細胞を送って、再生医療等製品を作ってもらって、患者に戻して入れるということですので、施設認定自体はそんなに厳しくないほうがいいと個人的には思っています。その辺も、よろしくお願いしたいと思います。

○澤座長 ほか、全般を通じていかがでしょうか。何かまだ議論、積み残しとか気付かれた点などはございますでしょうか。よろしいでしょうか。永井先生、大体よろしいですか。

 そうしましたら、今日は議論していただくべき点につきまして、特に再生医療製品と埋植型医療機器についての患者登録システムは、少なからず、共通部分についてはおおむね議論していただいて論点整理ができたかと思っておりますので、今日頂きました御意見を踏まえて、事務局でもう一度修正等をしていただいて、次回の検討会に資料として提出していただきたいと思っております。次回以降は再生医療製品と埋植型医療機器それぞれの検討会で、更に各論点について、特有の問題点について、引き続き議論していただくことになっているということです。それでは最後、議題 3 の「その他」ですが、何かございますでしょうか。

○事務局 本日は、「その他」として事務局で御用意しているものは特にございません。

○澤座長 構成員の先生方からも御意見がないようでしたら、これで本日の議論を終了したいと思います。最後に事務局から。

○事務局 本日は年末の大変お忙しいところを御参集いただき、また活発な御議論を頂き、ありがとうございました。本日の検討会の速記録につきましては、出来上がり次第、構成員の皆様にお送りいたしまして、確認、修正を経まして、厚生労働省のホームページに掲載していく予定となっております。先ほど澤座長から御案内がありました次回以降の予定につきまして、年度内は、再生医療製品、埋植型医療機器、それぞれの検討会で検討、御議論を頂くということで、 2 月と 3 月にそれぞれ予定しております。正式な開催の御案内や出欠の確認につきましては、また追って事務局から連絡させていただければと思っております。

○澤座長 では、共通にやるものはもうないということですね。またあるのですか、次年度ですか。

○事務局 すみません、年度が改まりましてから、本検討会の検討結果の取りまとめという段に入りまして、4月以降にまた合同で開催させていただく予定です。

○澤座長  4 月以降、次年度でその議論をさせていただくと。

○事務局 はい、開催させていただければと考えております。

○澤座長 実際の、もう少しスケジュール的に、この患者登録システムが走りだすのは、イメージで結構ですが。

○事務局 私どもでは、平成 26 年度の予算要求では、システムの設計の予算を計上させていただいているところでして、次年度 4 月、 5 月辺りで本検討会での取りまとめを頂けましたら、それに基づいて、システムの設計についてシステム開発会社と作業を進めていければと思います。さらに、その設計に基づいて平成 27 年度に、実際のシステム構築に入れればというところを考えております。

○澤座長 ありがとうございます。一応そのようなスケジュールで今後、進めていきたいということです。それでは、これでこの会議を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局安全対策課
(代表電話)03-5253-1111

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