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2013年12月13日 第4回労働市場政策における職業能力評価制度のあり方に関する研究会議事録

職業能力開発局能力評価課

○日時

平成25年12月13日(金)10:00~12:30


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第14会議室(22階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○出席者

参集者

今野参集者(座長)
阿部参集者
大久保参集者
黒澤参集者
笹井参集者
谷口参集者
内藤参集者
松浦参集者

事務局

杉浦職業能力開発局長
尾形総務課長
伊藤能力評価課長
篠嵜主任技能検定官
小野能力評価課企画調整専門官
鈴木職業安定局派遣・有期労働対策部企画課長

○議題

1 職業能力評価等の国際的動向に関わる有識者からのヒアリングについて

2 その他

○議事

○今野座長 ただいまから、「第4回労働市場政策における職業能力評価制度のあり方に関する研究会」を開会いたします。本日は職業能力評価等の国際的動向に関わる有識者からのヒアリングを行います。その後、事務局からの追加資料を説明いただき、残りの時間で本日のヒアリング等を踏まえて、検定等の在り方について議論を頂きたいと思っております。

 それでは、事務局から委員の出欠状況と資料について説明をお願いします。

○小野専門官 本日、北浦委員は欠席との御連絡を頂いております。また、笹井委員は遅れて到着される見込みです。

 続いて、配布資料の確認をいたします。本日は大きく分けてヒアリング関係資料と、事務局提出資料の2種類となります。ヒアリング関係は説明順に、資料1として、独立行政法人労働政策研究・研修機構国際研究部提出資料です。資料2は、本研究会の委員でもあります、谷口先生の提出資料となっております。資料310については、後ほど事務局から説明させていただきますが、資料3は前回の議論の概要です。資料4は、「これまでの議論を踏まえた主要な論点と整理の方向性」です。資料5「現行職業能力開発促進法の能力評価制度の体系」です。資料6「検定等がマッチング場面で用いられない要因と対応()等」の資料です。資料7「技能士数の推計」に関わる資料です。資料8「職業能力評価基準のカバレッジについて」の資料です。資料9「職業訓練サービスガイドライン」の資料です。資料10は事務局で追加のヒアリングをいたしました日本添乗サービス協会及び東京テクニカルカレッジの資料です。

 参考資料として、前回提出資料と職業能力評価に関わる最近の動向の資料を付けております。また、後ほど説明いただくことになりますが、資料11は大久保委員からの提出資料です。以上です。

○今野座長 それでは、資料の順番に従って進めたいと思います。まず、ヒアリングの対象者の方々から、それぞれ15分ぐらいずつで短くて申し訳ありませんが、お話いただいて、一括して話をしていただき、最後に30分ぐらいでまとめて議論をさせていただきたいと思います。

 それでは、最初に労働政策研究・研修機構国際研究部の天瀬次長と樋口調査員からヒアリングを開始いたします。簡単に自己紹介してからお話をしていただきます。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 今、御紹介いただきました、JILPTの国際研究部の天瀬と樋口でございます。

 本日、提出させていただいた資料は「イギリスにおける職業能力評価制度の概要」という、資料13ページ以降になっておりますが、これは一昨年度、2012年度に行った諸外国の能力評価制度調査をイギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、中国、韓国及びEUを対象に調査しましたが、本日は、この調査の中のイギリス部分を御報告させていただくことになっております。よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、資料14ページ目からになります。まず、NVQについてですが、ここにおられる方々は恐らく御説明不要のことかと思いますが、そもそもNVQというのがどういうものであったのかということですが、業種ごとにばらばらに形成されていた能力評価制度を標準化したものと言われております。ここに書かれているように、能力開発政策推進によって、国際競争力の回復を志向するためにつくられた制度であるという位置付けです。

 ただ、中身が、よく一般的な資格のようなものとして認識されがちなのですが、実は、職業に必要な技能を証明する、いわゆる資格とは異なって、職場で何ができるのかという作業実行能力を標準化したものと考えるほうが適当かと思います。つまり、その特徴として、コンピテンシーを重視したもので、これがNVQです。NVQに教育資格を付けなければいけないという議論がその後に起こり、1997年に各レベルで対応付けた、職業資格に教育資格を対応付けたNQFというものができます。これは、National Qualification Frameworkというものですが、ここで職業資格に教育資格が対応付けられたということがありました。これが1997年です。

 この後、QCFに移行するわけですが、なぜNVQQCFに移行しなければならなかったかということですが、NVQは、ある一定の時間を経ないと資格が取れない。基本的には最低でも1年掛っていたことがあり、したがって、途中でドロップアウトした場合には、それまで訓練に費やした時間が無駄になってしまう問題があったといわれております。それを解消するために、各資格を、より小さい単位、「ユニット」「クレジット」と呼ばれておりますが、つまり、資格を小分けにして、それを再編成し、段階的かつ柔軟な取得を可能にしたものがQCFといわれているものです。

 このQCFの特徴は、クレジットの数によって、資格取得に要する期間を明確に示しており、利用者が容易に把握できるような作りになっています。また、資格取得を中断しても、取得したユニット、クレジットはその後も維持される特徴をもっております。資格間で共通のユニットがある場合には、一旦履習すれば、ほかの資格を取得する際にもそのユニットが有効であるという特徴ももっています。

 ここで取得されたユニット、クレジットは、学習記録サービス、これは公的機関ですが、こういう機関によって取得者ごとに貯蓄される仕組みです。

5ページについてです。職業能力と教育資格を対応付けた表です。1レベル~8レベルまでありますが、従来のNVQ5段階であったのを、QCFになったときに8段階に延ばしています。これに教育資格を対応付けたのが、この表です。右側の教育資格のGCSEは、義務教育が終了した時点で、学習到達能力を測る試験ですが、つまり、QCF1レベルと2レベルが義務教育レベルと位置付けられています。レベルが上になるにしたがって、教育資格も高くなるという対応表です。

6ページについてです。これがQCFの構成内容となっており、左の18レベルまでがChallengeといわれている難易度を表すレベルです。右側ですが、横軸がSizeを表すような作りになっています。レベルは8レベルまでで、SizeAwardCertificateDiploma3つに区分されていて、それぞれSizeはクレジットの大きさを表していて、Award12creditsまで、Certificate36creditsまで、Diploma37credits以上と設定されています。それぞれの1creditの平均到達時間がだいたい10時間と言われており、これが長くなればより高い資格が取れるような作りです。

 例えば、環境衛生協会が授与する食品衛生資格というものがあるのですが、割と簡単に取れる資格ですが、これはAwardレベル2に位置付けられており、つまり、1クレジット1日のトレーニングコースで取得が可能となっており、対して、Diplomaでは、最低でも37credits以上ですので、370時間以上の学習時間が必要になります。

7ページについてです。これはQCFの能力要件を更に細かく表したものです。余り細かく御説明する時間がないのですが、大きく言えることは、レベル3までとレベル4以上では、かなり違った内容をもっています。4以上のレベルは専門資格として扱われており、主に産業促進競争力強化の問題として位置付けられています。

 他方、3以下のレベルについては、基本的な職業スキルということで、ここに多くの雇用対策上の力が注入されていることが言えるかと思います。

 次ページについてです。これがなかなか複雑なのですが、イギリスのQCF、職業能力評価制度の全体の推進体制です。この中で最も重要な組織は、真ん中の右下にある資格試験規制局、Ofqualという機関です。ここは上のビジネス・イノベーション・技能省と教育省の全体の政策の策定を受けて、QCFの資格を認可しています。また、職業能力評価制度の全体の運営を監視しているということが言えるかと思います。

 資格については、左側のUKCESという英国雇用・技能委員会がありますが、ここで技能基準の目標を作成し、その下のSSCsという業種別技能委員会に下ろします。ここで産業別の能力評価基準をつくります。これがNOSと呼ばれるもので、産業別にできるので、それを右側の資格授与機関のAOに渡します。ここで実際の資格をつくることになります。AOの資格授与機関が直接一番下の事業主、あるいは従業員に対して、資格のQCFの認定を行う運用体制になっています。

9ページについてです。こういったQCFが一体、市場でどのように運用されているかですが、まず、資格取得件数から見たいと思いますが、レベル3がグレーの網掛けの所ですが、ほとんどこれ以下というのがお分かりになれると思います。取得者のうち、82%がレベル2以下、レベル316%となっており、それ以上のレベル48までは濃い黒で表しています。ここの部分で使われているところは非常に少ないと言えるかと思います。資格レベルが相対的に高いのは一番右側の、経営・管理事務・法律分野ということが言えるかと思います。

10ページについてです。外部市場での利用状況ですが、実は、この能力評価制度が外部市場でどのぐらい利用されているのかは、まだ把握できていません。これについては今年度、厚労省からいただいている要請テーマでして、どの程度市場の中で、こういった能力評価制度が使われているかというのを現在調査しています。今年度の終わりに調査実態をまとめたいと思っておりますが、現在、概観していることは必ずしも保有資格は要件というよりも、考慮の対象の場合が多く、むしろ職務経験を要件として強調することが多いということで、実際に求人票などの中に、QCFの言及があるところは少ないということが言えるかと思います。

 他方、アプレンティスシップについては評価が高いと。このQCFを非常に多く利用しているような報告があります。このアプレンティスシップの中にQCFの資格が義務付けられていることもあり、この中で非常に、うまく使われているのではないかということが現段階で分かっています。私からは以上でございます。

○今野座長 ありがとうございました。次に谷口さん、お願いします。

○職業能力開発総合大学校(谷口) 私からはドイツのDQRとアメリカのスキルスタンダードについて簡単に御紹介させていただきたいと思います。アメリカのほうは恐らく、時間の都合でほんの付け足し程度になると思いますが、御勘弁いただきたいと思います。ドイツにつきましては、たくさんアルファベットの略称が出てくるのですが、本日は英語読みでさせていただきたいと思います。

 まず、通しナンバーの13ページを御覧ください。ドイツに関する職業能力評価の資格枠組みが載っています。DQRは御存じのとおりEQFとのリンクということで取組が始まったわけです。ドイツとしては、2012年までにそのリンクを完成させるという目標で作業を続けてきたわけです。

13ページの中ほど、2.DQR策定・導入のための組織立てです。まずはコーディネートグループということで御覧の4つの関係機関となります。実際、策定の作業はコーディネートグループによって招集された作業部会によって行ったわけです。この招集が20076月に行われ、作業グループに関わった関係機関、ステークホルダーと言うことにしましょう。そのステークホルダーがそこに囲んだ中のおよそ16の機関です。

 記憶に留めていただきたいのは四角の枠の下から2行目、KMK(各州教育大臣常設会議)、これはちょっと記憶に留めてください。実はDQRを策定する経過に当たり、KMKとその他のステークホルダーとが意見対立するという葛藤があったわけです。そのことについては後ほど触れます。

 続きまして、3.DQRの目的です。ざっと8つほど挙げられております。ドイツの資格制度における透明性を高める。資格の等価・差異の可視性を高める。信頼度、透過性及び質保証を促進する。ドイツと他の欧州諸国の間及びドイツ国内の学習者及び労働者の移動性を支援する。欧州労働市場におけるドイツ市民の機会を高める。資格の能力志向を強め、学習成果へのシフトを促進する。ノンフォーマル・インフォーマルな学習の有効性のための機会を改善する。生涯学習を強化する。こういったものです。

 通しナンバーの14ページをお開きください。御存じのとおりEQFでは枠組みの構造、能力要件の構造を示しておりますが、その下に簡単に書きましたけれども、それに対してドイツのDQRでは若干異なる点があります。知識・技能に関しては、ドイツではDQRでは専門的な能力(コンピテンス)ということで、その下に知識・技能を位置付けています。その専門的な能力に対し、個人的な能力ということで枠を作ってその下で社会的な能力、更に自己の力量という能力要件を整理しているわけです。イギリスでも出てきたのですが、コンピテンスということで、資格の枠組みを策定する上では重要な概念になっております。実際的な仕事を前提とした能力という意味合いでいいかと思いますが、その辺、ドイツではなかなかなじめないところがあります。

5.DQRの範囲。一定の限定を設けています。御覧のとおりの限定です。ここは省略させていただきます。

 通し番号15ページに移りまして、DQRの策定経過なのですが、まず出発点は200610月に始まります。作業部会が20076月に設置され、策定が具体的に始まるわけです。20092月に草案が作成されます。それに基づいて検証作業が行われたわけです。一応、代表的な4つの職業分野に対して検証作業を行う。それぞれの4分野に対し、16から20名の専門家が検証を行ったということです。

 草案の決議が20123月に行われるわけですが、その間にKMK、先ほど記憶に留めていただきたいと申しましたKMKの学校委員会の大学入学資格(アビトゥア)、この位置付けをアビトゥアと専門アビトゥアについてはレベル5、専門大学入学資格についてはレベル4にということを提案しているわけです。それに対し20116月、一応草案の決議が出たあとなのですが、BIBB(連邦職業教育研究所)の中央委員会が、KMKの学校委員会が出したアビトゥアの位置付け・格付けについて異議を出したわけです。アビトゥア、レベル5というのは高い位置付けではないか、これは受け入れられないということで異議を述べております。レベル4にすべきだということですね。

KMKの総会が201110月に開かれました。この時、KMKの学校委員会が先に出したアビトゥア、レベル5、専門大学入学資格レベル4という位置付けに対し、これを支持する形で満場一致で決議するわけです。それに対し、職業資格と深く関わる労働組合の組織、DGB(ドイツ労働組合総同盟)やドイツ手工業中央連盟がKMKの総会で決議したアビトゥアの位置付けについてやはり反論・反証を行っております。

 通しナンバー16ページに移ります。結局、ステークホルダーの中でKMKKMK以外というような形で意見が分かれたわけです。KMK以外のステークホルダーはアビトゥア、レベル4ということで、それに対応した職業資格のレベル付けなのですが、デュアル・システムを修了して職業資格を得ることになるわけです。デュアル・システムの訓練も多様性があります。1つのレベルというような位置付けではなく、2年タイプの訓練の職業資格についてはレベル3に、3年ないし3年半タイプの職業資格をレベル4にということで提案しているわけです。

 ところが、KMKのアビトゥアがレベル5に、専門大学入学資格がレベル4にというように対応関係から、職業資格をKMK以外から提案されているレベルよりも引き上げて、3年タイプないし3年半タイプをレベル5にというような主張をしているわけです。つまりアビトゥアのレベル付けを、KMKの主張を維持するために職業資格を並べて上げるようにということになる。やはり、KMKの主張というのは、ドイツのアビトゥアはほかの国と比べて大学入学資格は特別なものだという主張の論点があるわけです。

 そこで20121月、こういう葛藤があることで収拾をつけるため、教育研究省の大臣が収拾に乗り出すわけです。提案として、普通教育のレベル付けに関しては少し先延ばしにしようではないかという提案です。結果はその提案どおりに進んで、2012年の最初に定めた目標の時期に一応DQRの策定が出されます。

 結果的に16ページの下の表、12は省略してレベル3からレベル8まで、学校資格のほう、学士、修士、博士、これをレベル6からレベル8まで位置付ける。職業資格のほうは右側の形で各レベルに位置付ける。職業資格のレベル4、レベル3というのはKMK以外のステークホルダーたちの意見がそのまま通った形です。

 結局、この表を御覧いただきますと分かるように、とりあえず労働市場と接点を持つ所はレベル付けを一応決めたという形になります。ですから、普通教育のアビトゥア以下の部分は後ほどというのも、急ぐわけではないというような見方もできます。それは言い訳ですね。

 ということで、通しナンバー17ページ、DQRの策定・導入に関しての議論の特徴をまとめますとこういったことが言えるということです。あと、どれぐらい時間がございますか。

○今野座長 まだかまいません、大丈夫です。

○職業能力開発総合大学校(谷口) それでは、アメリカのスキルスタンダードに移ります。21ページを御覧いただきたいと思います。

 これは過ぎ去ったものという認識で構わないと思いますが、実は一部分、現在も走っているところがございます。そもそも、1994年にGoals20002000年の目標、アメリカ教育法というものが成立いたしまして、そこで全国的なスキルスタンダードを提案されたわけです。それを受けて早速、そのための実施機関として「全国スキルスタンダード委員会(NSSB)」を設置、その運用に関しての規則として全国スキルスタンダード法(NSSA)を成立させています。NSSB5年間の時限組織として、またスキルスタンダード法も5年間の時限立法ということで成立しています。

 しかし、当初の5年間がたちまして、余り思ったように進んでいないという認識だろうと思うのですが、39か月延長され、最終的にはNSSB20036月に、そして同時に法律も廃止されました。

Goals2000によりますと、全国スキルスタンダードを設ける背景は大きく3つ述べられています。「ニュー・エコノミー」の要求、スキルギャップ、そして不安定な職業準備といったことへの対応ですね。個人的には、この中でもスキルギャップが一番大きいのではないかという印象を持っています。

 ずっと省略をして、組織立てです。23ページを御覧ください。NSSを推進する仕組みなのですが、今申し上げましたようにNSSBを設立しまして、そこが具体的な策定の作業を進めていくということになります。

 何から何までこの機関が行うというわけではなくて、産業界でそれが活かされることが必要なわけです。そのために取った戦略が自主的パートナーシップ(Voluntary Partnership)というものを各産業ごとに設立して、ここがスタンダードを作っていくのだという考え方です。

NSSBは産業分野を15に区分して、それぞれに自主的パートナーシップの結成を促したわけです。実際、私がこれに関して調査を行った2002年、ほぼNSSBが役割を終えようとしている半年ぐらい前なのですが、その時点で自主的パートナーシップが結成されたのは23ページの下半分に挙げておりますがこの五つ、5分野ということになります。ですから、15分の15の産業区分のうち、五つの分野でしか実際には自主的パートナーシップが作れなかったのではないかという結論でいいかと思います。

NSSに関する考察とわが国へのインプリケーションということで、特に25ページの「わが国へのインプリケーション」にだけ触れさせていただきたいと思います。NSSのシステムの対象というのは、結果的にはなのですが、フロントラインワーカーとかエントリーレベルを対象とするようなことになっていたのではないかということです。というのは、そうした対象はハイスクール卒業レベルが中心ということになります。なぜ、そういうような対象に結局は落ち着いたのかというと、スキルスタンダードづくりに積極的な分野が製造業分野であったり、あるいは小売・サービス分野であったりということで、そうした分野で最も大きな課題領域として抱えていたのはやはり高卒エントリーレベルの教育・採用というところにあったのではないかと考えられます。

 いくつか省略し、コメントを加えさせていただきたいのは26ページの最後の2つです。幅広い産業分野を全米レベルでカバーするという当初の構想はあったのですが、このレポートのために若干調べてみたのですが、2013年現在、初期の自主的パートナーシップ(MSSC)、これは製造業の分野です。それから、小売・サービスの分野といったところはスキルスタンダードをそのまま維持して活用しているような感じです。これはホームページからだけの情報です。

 また、National Skill Standardのフォーマットというのは、地域のスキルスタンダードにも活かされているような事例があります。例えば、ワシントン州などでそうした事例を見つけることができました。

 全体的に考えてみますと、NSSBやそのための法律が時限組織であったり、時限立法とした政府の考え方というのは最初から全国的なスキルスタンダードに関する政府の役割を最小限に抑えるという考え方があったと考えられます。そのために産業界で自主的なパートナーシップを作って、その結果、職業能力評価を動かしていく。そのためのエンジンと言われるものが、スキルスタンダードのシステムを開発した枠組みのところと思います。それは政府が関与する、資金を出すということです。それとNSSBが約9年間活動したわけです。折角作った産業界のスキルスタンダードがきちんと動くためのエンジンのスターターの役割という見方ができると思います。

 当初、政府は5年間で動くだろう、継続的な動き方をするだろうと見込んだわけです。しかし、結果的には9年近くかけたわけです。それでも、全産業というわけにはいかなかったということです。いずれにしても、自主的な産業界の職業能力評価が動き始めたあとはもう政府は関与しない。口も出さないし、お金も出さないという考え方には間違いないだろうと思います。以上です。

○今野座長 それでは議論をしたいと思います。何でも結構ですのでお願いいたします。

○阿部参集者 お分かりになればで結構なのですが、イギリスのQCFの資格取得件数がありますが、これは労働者のどのぐらいの割合の方が資格を取得しているのかという点についてはいかがですか。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 全体でどのぐらいかということがまだ把握できておりません。一般資格といわれるものの中で、QCFの占める割合が69%というデータはあるのですが、全体の労働者がどのぐらいこのQCFを取っているかというデータはまだないです。

○今野座長 小さいことなのですけれども、資料の8ページにQCFの推進体制の図があります。この右下に「監査員2500人程度」と書いてあるのですが、これは何ですか。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) OFSTEDという所が、プロバイダーを監査することになっております。プロバイダーとして適正な基準できちんと運用しているかどかというのを監査するための人員です。

○今野座長 ちなみにイギリスの経済規模は日本の半分ぐらいですか、もっと下ですか。半分としたら、日本に引き直すと5,000人になるということですね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) そうです。

○今野座長 すごい人数ですね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 多いです。

○今野座長 これが、全部政府のお金でやっているわけですよね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 基本的にはそうだと思います。

○今野座長 すごいあれで、仕掛けとしては戦艦大和だね。この一端を見ただけでもすごい大掛かりな仕掛けですね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) プロバイダーの数が多いのと、学校も含んでおります。つまり、訓練コースを扱っている所は、全てプロバイダーとみなしてチェックするということです。

○今野座長 でも2,500人だものね、すごいですね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) そうですね。先生がおっしゃるとおり、イギリスは基準監督官なども必ずしも多くないという状況を考えると、ここにはかなり力を入れているのではないかと思います。

○黒澤参集者 今のに関連して、イギリスのケースでお伺いしたいのですけれども、教育訓練プロバイダーの構成というのは、大体どういう機関が多くやっているのか。それは、レベルによっても全然違うと思うのです。それから、アプレンティスシップのお話があって、そのアプレンティスシップの中でもこの資格を取ることが義務付けられているというお話でした。そのアプレンティスシップに参加する企業をどうやって誘導しているのか。

 それから、その場合にも同じクレジット、サイズも時間まで全てアプレンティスシップの場合でも、その座学の場合でも同じというか、アプレンティスシップの場合にこのQCFを取る場合というのは、そのアプレンティスシップの職場ではなくて、職場から離れて座学で違う教育機関で取得しなければいけないみたいになっているのでしょうか。

()労働政策研究・研修機構(樋口) 先にプロバイダーのほうだけですが、正確な数字は手元に持っていないので分からないのですが、プロバイダーの実施している実際の訓練で、およそ半分程度が継続教育カレッジと呼ばれる、職業教育を主にするような所が担っており、残りの半分のうち3割程度が民間のプロバイダーではなかったかと記憶しております。残りがもう少し細かい訓練機関です。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 読み・書き・計算あるいは、労働者の権利・責任・チームワークのような基礎的なスキルを全部盛り込まなければいけないというのが、アプレンティスシップの規定の中にあります。最低時間数が、中級で280時間、そのうちのoff-JTにかかる時間が100時間と規定されているようです。

○黒澤参集者 そのoff-JT100時間の中で、今おっしゃったような内容の学習をさせて、QCFをそのことによって取らせるということですね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 極めて基礎的な部分がほとんどだと思います。

○黒澤参集者 その基礎的な分野については、9ページの分野・レベル別の取得件数というのがあるのですけれども、生活・職業への準備みたいなのはここに入るということですね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) QCFの取得件数の中では、ここが一番多い所です。

○黒澤参集者 大体何時間やるということはもちろん必要条件なのだけれども、それと同時にその単限、単限で試験みたいなものが行われて、それにパスしないと資格は得られないという仕組みになっているわけですね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) はい、そうです。

○黒澤参集者 ということは、この時間というのは最小限ということですか。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) そうです、最低限この時間を終えた後に、その資格が発生する。その資格を得る資格が発生すると。

○松浦参集者 貴重なお話をありがとうございました。谷口先生に御意見で結構ですのでお伺いします。1つは、ドイツのDQRについてです。最初のQCFに関するご報告で、こういう資格が考慮されることがあっても、求人の内容にまで盛り込まれることは少ないというお話がありましたが、DQRは、当初の目的の一つである労働者の移動や就業機会の向上にどの程度寄与できているのでしょうか。まだ新しい制度なので効果を測ることは難しいかもしれませんが、どのようにお考えですか。 もう1つは、アメリカのNSSについてです。資格の枠組みを産業区分で作ろうとしたのはなぜでしょうか。日本の場合は業界団体が発達しているので産業区分が

選択される傾向にあると思うのですが、アメリカの場合は職種別という発想がなかったのかどうかについてお伺いします。

○職業能力開発総合大学校 どちらもお答えするにはとても不勉強なのですが、結局ドイツがDQRを策定することのメリットですが、これは基本的にはEUが定めたEQRと足並みをそろえるという、どちらかというとドイツの内から起こった問題ではないわけです。そういうところでは、どちらかというと余り前向きではないのではないかという感想を持っています。ですから、ドイツ自身は、そういう意味でDQRを作ることによる具体的なメリットが労働市場だとか、職業資格といった側面では余り重要性を感じていないのではないかと思います。

 ただ、EUの一員として、EQRに対してリンクさせるということは、ドイツとしての役割として果たさなければいけないという、そこの1点がまず大きかったのではないかという気がいたします。そのために、DQRを作成するに当たっての範囲といいますか、限定を設けているわけです。既存の仕組みについては余りいじらないというような形でこれは読み取れます。それで、イギリスのようにEQRに対して大々的にQCFといった仕組みを大きく変えていこうという感じはドイツにはなさそうです。

 アメリカの産業区分は15分野に分けたということです。アメリカも、大変たくさんの資格が社会に満ちあふれていて、これは収拾がつかないと言っていいぐらいにあるわけです。特定の職種を前提に政府が音頭を取ってということは、とてもではないけれども手に負えない話だろうと思います。どうしても産業界の力を借りなければいけないということです。基本的には市場が必要とするもの、というような考え方が基本にあると思うのです。取りあえずは区分を分けたけれども、そこでもって市場が求めるものということでお任せしたというような理解でいいのではないかと思うのです。

○内藤参集者 谷口先生に、ドイツについて質問させていただきます。ドイツというと、伝統的なマイスター制といいますか、そういう形での職業訓練がなされてきたと聞いております。それが、こういうDQRを策定することによってどのように変容したのか、あるいはしなかったのか、現在の状況をお伺いします。

 第2点は、例えばDGBなどの、ドイツ労働総同盟といったいわば産別組合というか、巨大組合があります。そういう労働組合側、労働者側はどのような形で関与し、またどのような意見、あるいはスタンスを取ったかを教えてください。

○職業能力開発総合大学校 DQRの最終段階のものが示されて、それが具体的にどうこう動いているという段階ではないので、現時点でどのようにそれに対して職業資格が変容したかというのは、まだまだ何とも言えないところではあると思います。私の研究仲間の意見を参考にすると、どうもその職業資格に関しては、これまでドイツが伝統的に作り上げてきたデュアル・システムが基本にあるわけです。これを大きくいじるとか、職業資格をDQRによって大きく変える意思はなさそうだという見方なのです。ただ単にDQRの枠組みの中にそういう職業資格がどのようにレベルとして位置付けられるのかを示したということです。

 労働者側も大きく評価している点は、DQRによってこれまで教育資格と完全に隔絶する形で職業資格が発達してきたわけです。そういうドイツの伝統がある中で、ようやくDQRによって教育資格と職業資格が対応するといいますか、同一のテーブルに置かれたことについてはどうも評価しているようです。

○今野座長 乱暴な話なのですが、ここでこれまでの議論で職業資格を考えるときに、非正社員の人たちが大切だよなという話になっていることを前提にして、しかもその非正社員の人たちが労働市場でちゃんと就職できるようにということを前提にしてきました。ドイツはデュアル・システムで、普通デュアル・システムのメインは訓練期間3年ぐらいが中心だからレベル4です。日本でいうと、基幹的労働者の一人前の一番最初ぐらいで最初から入って、ドイツはそれ以下の資格設定は興味がない。

 イギリスの場合は、比較的レベル1、レベル2ですから日本でいうと、いわゆる正社員の下の人たちに興味があるけれども、これは労働市場から見ると横断的に使えない。ということはヨーロッパは、我々の問題意識からすると使えないということになる。

○職業能力開発総合大学校 ドイツの場合は、既存の300何十種類かある職業資格は取りあえず位置付けたと。そこから漏れる職業資格を持たない人たちも当然いるわけです。それから問題になっているイギリスで、下のほうのレベルに光を当てる。ここの所がドイツでも課題として残されているのです。インフォーマルな形で習得したコンピテンスをどのように評価するかとか、どういうレベルに位置付けるか。いわゆる公式の学校ではない所での学習の成果をどのように処理するか。これは、まだ全然解決されていないのです。それは、どうも本気でないのかもしれないという気がします。

○今野座長 今おっしゃられた問題については、少なくともドイツは余り本気でやる気はないということですか。

○職業能力開発総合大学校 ドイツで言えば、我々が非正規と言うような立場の人は、職業資格を持たない非熟練の人たちです。ということは、インフォーマルな形での習得したコンピテンス、あるいはノンフォーマルの教育成果をきちんと評価するというところが、全然本気でまだ取り組んでいないわけです。

○今野座長 今の点の関連で言うと、もしドイツがノンフォーマルなやり方で資格認定してしまうと、ドイツの基本的な資格認定の枠組みは必ず職業訓練とリンクさせるというのが基本ベースなので、そこを壊してしまうことになってしまうので余り行けないのではないか。少しはやったとしても、まだイギリスのほうが職業訓練と余りリンクしていないからそういう方向に行ける可能性はあるけれども、ドイツでやってしまうと根本から自分たちの仕組みを崩してしまうような気がするのです。

○職業能力開発総合大学校 そういう御意見も分かります。場合によってはデュアル・システムの結果得た職業資格が、取りあえずDQRではレベル3とかレベル4に位置付けていますから、そこと重複しない形でレベル1とかレベル2みたいなところで妥協するといいますか、その他残されたところです。

○今野座長 私の結論なのだけれども、日本で作ったら、世界初めてではないかという感じになる。先ほどの私の結論の延長からすると。

○職業能力開発総合大学校 何を作るのですか。

○今野座長 非正規の人たちが、ある程度労働市場を超えて何か評価できるような仕掛けをもし作ったとすると、ドイツにはない、イギリスにもない、多分フランスにもない。

○職業能力開発総合大学校 ということは。

○今野座長 知らないです、私は勝手にそう思ったのです。

○阿部参集者 私も詳しくはないのですけれども、ハルツ改革はこの辺りとどんな関係があったのですか。ハルツ改革と、職能資格制度の関係はどうなのですか、全くなかったのですか。

○職業能力開発総合大学校 すみません、ハルツ改革については全然勉強不足です。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 恐らく関連はないと思います。ハルツのほうが先ですので。

○阿部参集者 でも、そういう人たちの就業促進をやったわけですよね。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) はい。ハルツ改革では、長期失業者などの労働市場弱者の就業促進をやりました。

○阿部参集者 でも、連動は考えて。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) でも、そこでDQRを使って、市場に押し込んでいこうというようなことはやっていないと思います。

○阿部参集者 トレーニングとかは結構したと聞くことがあるのですけれども。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) トレーニングはもちろん重視されました。ハルツ改革で導入された失業扶助2というのがあるのですけれども、これはワークフェアの原則で、職業訓練も組み込んだ上での給付という形だったのです。

○阿部参集者 そうでしょう。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) ただ、DQR資格とリンクさせて使ってというのは、我々の調査からも把握できていないです。ハルツ改革では、職業クーポンなどのツールを使ってやったというのは出てきます。

 今野先生の、ヨーロッパのシステムは使えないのではないかというお話しですが、我々も一昨年度欧州全体を調査しての印象なのですが、先ほど谷口さんがおっしゃったように、ヨーロッパの資格制度は非常にきれいに作られています。例えば、EQF8段階で作られていますが、欧州委員会としてはEU域内の加盟国の労働者を水平に移動させやすいためにこれを整備し、旗振り役をやっているわけです。

 ところがそれぞれ各国には今まで積み上げてきた資格制度があって、ドイツにはドイツのデュアル・マイスターという制度があり、イギリスにもNVQが既にありました。ドイツは余りやる気がないとおっしゃったのですけれども、イギリスも欧州のEQFに合わせる気は実は余りないのです。NVQQCFにする段階で8段階に分けたわけですが、この8段階というのは、EQF8段階ですので、それに合うような形に一応は作られているのですが、中身は微妙に合っていません。実は、形式上欧州のスタンダードに合わせたという意味合いが大きいのではないのではないかというのが我々の感想です。

○今野座長 ということは、EQFというのはEUの人たちが机の上で夢想した。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) 最初は机上で作って、それが恐らくうまくいくだろうと。理想の形ではあると思うのですが、谷口さんもおっしゃったように、中核国でない周辺国がEUの中にはあるわけです。そういう国が自分たちの持っている職業資格を、EQFにあわせるときにそれをできるだけ上のレベルに位置付けたいという動機があるのです。従ってその調整はかなり難しくて難航していると聞いています。

○笹井参集者 突拍子もない質問かもしれませんが、例えばイギリスのQCFのアワードとか、サーティフィケートの認定というのは、基本的には教育訓練機関がやることになっているわけですね。そうすると、そういう基本設計の下で、例えば日本の検定みたいな形の、個人がある種の努力をして、いろいろなスキルとかコンピテンシーを身に付けて、QCFのアワードとか何かを取る、認定してもらうという、ある種例外的な仕組みはあるのですか。

 つまり、教育訓練機関が噛むことによって、職業能力の評価を訓練機関がやることになっているわけですよね。だから、職業訓練機関に任せていると私は理解したのです。個人そのものの持っている職業能力を、いきなり誰かが評価して、それでQCF上のアワードとかサーティフィケートとか、ディプロマとかに当たるように、そのようなことは可能なのでしょうか。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) イギリスの場合にQCFというのは、必ず訓練のある時間を経ないとというのが条件になっておりますので、おっしゃったのは訓練零時間で自分のスキルを位置付けられるかという意味だと、思いますが、それは今のところないと思います。

()労働政策研究・研修機構(樋口) 業種別の機関が促進しようとしているのは、企業の従業員が持っている、職場の中で蓄積されたスキルを、公式のQCFという物差しによって評価されることによってインセンティブにつなげる、といったことをプロモートしていることはあると思います。個人がいきなりというのは、何の枠組みにも準拠しない形になってしまいますので、ただしそれを認定することはやっていないと思います。

()労働政策研究・研修機構(天瀬) ただ、EUレベルで、ユーロパスというのが作られました。それぞれ持っている、今までに蓄積した職業経験とかをそのパスの中に書いて、それを証明してもらうという制度があります。例えば、3つの会社で経験があるとしたら、3つの事業主に証明してもらって、それをそのパスの中に書き込んで、例えば他の国に移動したときにそれを使う目的のために作られたユーロパスという制度があります。これは余り普及していないようです。

○大久保参集者 職業能力評価に関してはワークス研究所でも関心を持って情報収集しています。私なりの理解のお話をいたします。イギリスの制度なのですけれども、NVQはもともと最初の立ち上がりが、低学歴者の底上げとか、移民への対応というところから始まっています。従業員の底上げの訓練をやろうということです。それに派生して、その前段階における職業準備教育ともつながっていく。そういう目的から始まったものなのです。

 もともと労働市場において、転・就職の際にそれが使われるということは目的でもなかったし、実際にその促進もやってこなかったということだと思います。採用時にNVQが活用されているかどうか。これは、イギリスの雇用技能委員会が発表しているデータだと、事業主の38%が採用時に重視している、という回答をしています。つまり、一応それを見ているということです。

 見ているのだけれども、それは、採用時段階の判断材料の多くの中の1つでしかないので、いわゆる求人要件にするほどのものではないということなのです。私も、最近のイギリスの求人雑誌をめくってみたのですけれども、募集資格にNVQが出てくるのは看護師ぐらいなのです。それ以外の所ではほとんど見掛けないという状況です。

 もう1つは、同じ技能委員会が、昇給に使っているかと聞いたところ、32%が使っているということでした。昇進に使っているのは23%でした。本当に一番最初のエントリーレベルからちょっと昇給するとか、そういうレベルの所では使っているのではなかろうかという感じがします。

 前にここで、サービス業でその資格を取るとバッチがもらえて、それがお客様に対して信頼のもとになるという使われ方の話がありました。それをイギリスの事業主にうちの人間がヒアリングしたところ、NVQは相当下のレベルなので、とてもお客様にPRできるものではなくて、むしろそんなことを発表したらそのレベルなのかと言われてしまうような実態です。我々が日本において、今は大卒の進学率が高くて、専門学校も含めると相当の比率になります。そこの人たちのキャリアをどうするかと考えることとは、ちょっと対象が違うのだろうという感じがしています。

 もう1つは、イギリスだけではなくてフランスもそうだしアメリカもそうだし、全体的な職業能力評価の国際的な傾向だと思うのですが、個別の職域ごとに評価基準を作ってもそれを単独で運用していくというよりは、どちらかというとそれぞれ正規の学校教育機関の職業教育の充実を支援していって、そこの中でコース別に、そのコースを卒業するとそれなりの職業能力があるというように、事業主側も見て差し支えないという構造を作っていって、その中のカリキュラムの中に一部適用したいとか、導入したりする使われ方をしています。

 直接レベル幾つを取ったからというのではなくて、どこどこの学校のどのコースを卒業したという、その学業資格のほうを採用条件の場合には基本的に見る構造のほうに持っていっている感じがします。フランスもそういうやり方をしています。

 本日話題に出なかった所でいくと、フランスは当初、職業経験年数と経験内容を評価するというやり方をしていったのですが、すごい手間がかかるということで、なかなか運用しきれなかった。ただ、やり方のアプローチは多分正しかったところはあると思うのですが、それがうまく回らずに、だんだん学校のほうにつなげていって、どこの学校のどのコースという方向に、どちらかというと運用が向かっている。それは、フランスで最高レベルの所は、グランゼコールのどの大学の、どのグランゼコールのどのコースを出たかというのが、実質的には職業能力を見るための大きな基準になっているという感じかと思います。

 アメリカは、クリントン政権の時に一回ガーッと打ち上げたのですが、結構オペレーションにお金がかかるというので、政権が替わった瞬間にヒュンと予算が縮小になって、聞くところによると結果的に製造業の分野でしかほとんど稼働していないような感じなので、同じような推移をしているのかという認識を持っています。

○今野座長 予定の時間にはなっているのですけれども、よろしいでしょうか。勝手な質問をいろいろしました。お暇でしたら、終わっても聞いていってください。これから、我々は勝手な議論をしますので。これでヒアリングは終わります。ありがとうございました。谷口さんは帰っては駄目ですよ。

(労働政策研究・研修機構退室)

○今野座長 それでは、前回に引き続き議論をしたいと思います。事務局に資料を用意していただいたので、まずはその説明からお願いいたします。

○伊藤課長 私から資料310までと参考資料2について、一括して御報告申し上げたいと思います。資料3は、前回の前半の業界団体、企業ヒアリングを踏まえての御意見と、私どものほうからたたき台として提示した本研究会の検討の重点、必要性、有効性、実効性といった観点を示しましたが、こういったものを材料にして、委員の皆様からいただいた御意見のポイントをまとめたものです。

 資料4は最後に触れますので一旦飛ばしまして、資料5以下で今後の評価制度の在り方について、御議論いただくための幾つかの追加的な材料を準備しております。資料5は、現行の職業能力開発促進法の中で、能力評価制度がどのような位置付けや体系となっているかを概観できるような資料としてまとめたものです。一番上にありますように能力開発法の目的の中では、職業訓練と職業能力検定が二本柱として位置付けられています。右側が検定、左側が訓練の体系を概観したものです。

 職業能力検定に関しては右側にありますように、職業能力の評価に係る客観的・公正な基準の整備、試験、その他の方法の充実により、職業に必要な技能に関する知識についての評価が適切になされなければならない、といったこの検定の目的、対象が明確化されています。職業能力検定に係る具体的な制度としては、そのすぐ下にある技能検定の、職種・等級、試験方法の基本的な枠組み、名称独占という国家検定としての位置付けが、能開法の第5章の中で規定されています。ちなみに認定技能審査と認定社内検定制度は、それぞれ大臣告示に基づくものです。これらも能開法体系の中で、広い意味での検定制度の一環と言えるものです。これは雇対法の規定ですけれども、事業主団体その他の関係者の協力の下に、能力評価のための適正な基準設定に準拠して、能力の程度を検定する制度を確立することで、雇対法の中で評価基準というものが能力検定の基盤として位置付けられています。

 左側の職業訓練の詳しい説明は割愛いたしますが、職業訓練の体系があり、更に職業安定法や雇用保険法の規定により、職業訓練に雇用対策上の位置付けがなされ、両制度間のブリッジ、受検資格免除要件の活用といった形で橋が渡されています。こういった重層的な構造にあることを御確認いただければと思います。

 次が資料6です。前回の業界団体ヒアリングを踏まえて、大久保委員を初め各委員から、現状での業界検定等の活用実態について、左上にありますように、従業員の能力開発の目標、動機付け、企業内の教育訓練の成果向上、製品・サービスの質の代理指標としてのアピールといった点については、おおむね確認できる一方で、募集・採用選考、あるいは先ほど来議論の出ている非正規雇用労働者の正社員登用といった場面での活用は、まだまだ限定的ではないかということがありました。ちなみに、これは右側ですが、他の様々なデータからも、大体同じような確認されています。

 これは、この要因をどのように考えるべきかを、試案的に整理した資料です。検定そのものの内容価値に関わる課題と、検定等の資格が企業の人材ニーズをしっかり把握していない、狭いとか評価の精度が低い、あるいは社会的認知度や信頼度が低いために活用インセンティブが働きにくい、といった要因が考えられるのではないかと。受検機会に関しては、業界検定ですから業界や企業がスポンサーということで、そもそも受検機会がクローズあるいは半クローズ、アウトサイダーが受検できないために、当然それを使って中に入ることにはなりにくいと。また、募集活動上の合理性に関わる課題も、先ほど来の議論に出ているわけです。求人要件に明示してしまうと、資格を持っていない能力を備えた人材を排除するということで、企業行動上必ずしも合理的と言えない側面がある、あるいはジョブローテーションを前提とした募集採用の場合には、もともと特定の職務を対象とする検定等の資格の有用性が限定されると。こういった幾つかの要因が考えられるのではないかということです。

 こういった課題を克服するアプローチとしては右側にあるように、国による質保証、信頼性向上、学校等とも連携した普及・取得促進の取組、様々なサポートと、そのサポートを通じて企業従業員以外の者の受検機会を確保していくといった方策により、一番右下にあるキャリアラダーとしての有効活用を期すことが考えられないだろうか、そういう試案としての整理です。

 資料7以下がデータ編です。まず資料7です。第1回研究会で、技能検定制度の制度上のカバレッジ、職種別就業者数の積上げで33%といったデータを御紹介しましたが、その続編です。今度は制度的なカバレッジではなくて、現実に技能士が当該労働市場の中でどのぐらいのシェアを占めているかといったデータです。技能検定は登録更新という仕組みになっていないものですから、これまで制度上、真水の人数というのは把握し切れておりませんでした。それを今年度の委託調査の中でのサンプル調査により、重複等の度合について把握し、これを母集団に復元するという考え方です。

 指定試験機関方式を除いた都道府県方式の延べ技能士数は、中段の上にありますように320万人です。これは半世紀以上運用しておりますので、ここから既に亡くなっている方々を除きます。次に、先ほど申し上げたサンプル調査に基づき、同一の者が複数の職種、複数の等級、旋盤やボール盤やフライス盤といった、1つの職種の中に複数の作業が含まれているケースがありますので、こういった重複を除去する作業をします。更に、生存はしているけれどリタイアされている方もいるということで、就労中の者の比率に基づいて推計を行います。それらのプロセスを直列的に行うことにより、現在、都道府県方式の技能士のアクティブな真水の数を111万と推計いたしました。都道府県方式114職種の制度的なカバレッジは、水色にありますように1,300万です。それに対してという意味では8.5%ですから、結構あるという評価も、このぐらいなのかという評価も、両方あり得ようかと思います。

 資料8は、職業能力評価基準の制度的カバレッジのタイプの資料です。評価基準は現在、業種別では50業種をカバーしております。裏の表も併せて御覧いただければと思います。中段にある評価基準の策定業種といったくくりになっております。これにできるだけ対応する産業分類ということで、小分類のケースと中分類のケースの両方があります。それを対応付けて、ひも付けて、真ん中の右側にありますように、当該小分類又は中分類のセンサスに基づく従業員数を積み上げていきます。こういった方式により、能力評価基準のカバレッジを試算したものです。

 前のページに戻っていただきますと、全従業員数のちょうど半分、50.0%という数字が出ています。ただ、これは業種・業界という観点で試算をしたわけで、実際の評価基準の策定に関しては、当該業界の代表的な職業をピックアップして評価基準を策定しております。ですから、そこは評価基準ではカバーし切れていない部分です。第1回でもこういう表現を使わせていただきましたけれども、そういった要素でオーバーエスティメイトになっている可能性があるということにも、御留意いただければと思います。

 次の資料9ですが、メインテーブルの皆様方には資料9と、一枚紙で「委員限り別紙」というのをお配りしておりますので、併せて御覧いただければと思います。ISO規格の著作権プロテクトの関係で、いささか複雑な資料の構成になっているということで御理解いただければと思います。資料9の意図ですが、この間も研究会で縷々御議論いただいておりますように、教育訓練と能力評価はある意味で表裏一体、ワンパッケージのものです。そういう意味では能力評価の質保証を考えていく上で、教育訓練の質保証との関わりに留意する必要があるのではないかということで、教育訓練サービスそのものの質保証の取組と、その中で能力評価がどのような位置付けになっているのかを、確認的に整理させていただいた資料です。

 教育訓練サービスの質保証に関しては、この分野で初めてのISO規格、ISO299902010年に発行され、本邦における認証等の活動も開始されております。その構成がこのページの下の囲みの部分です。プロセス思考の質保証の項目立てがなされており、その中で能力評価に直接関わる部分としては、主に中段の「学習サービス提供のモニタリング」と、「学習サービス事業者によって行われる評価」の2項目です。その2項目に関わる具体的なISOの記述内容が別紙の部分です。特に学習の評価という部分では、能力評価を行うために、非常に概括的ではありますけれども、満たすべき要件の記述をされています。

 更に、このISO29990に準拠し、職業訓練分野の質を保証するためのガイドラインを、厚労省事業として開発しております。その全体の構成の中でも、「職業訓練サービスのモニタリング」「職業訓練サービスの評価」といった項目があります。その中で具体的な能力評価に関わる項目として、受検者の反応、理解状況、テストの記録、演習課題・実習課題の取組といった内容も、職業訓練の質を保証するという観点から位置付けがなされています。いずれも様々な分野の教育訓練サービスを対象とするということで、恐らくこれらの要件等については、抽象度が高いという印象を持たれているのではないかと思っております。

 これらの内容から言えることとして、教育訓練そのものの質保証という観点からも、能力評価というものが非常に重要な要素です。ただ当然のことながら、教育訓練サービスの質保証という観点から、Aさん、Bさんといった個人の受講者の評価は余り問にならないわけです。そういう意味では学習者グループ全体としての能力評価をしっかり行うことによって、教育訓練の質が保証されているか、という判断材料の1つに用いる考え方と言えようかと思います。

 資料10は、事務局で引き続き業界団体等、関係機関のヒアリングを実施しており、その第3弾ということで添付しております。最初のページの日本添乗サービス協会に関しては、添乗員派遣会社を構成員とする団体でして、能力評価基準の策定も行っておりますが、検定そのものは、いわゆる純粋民間業界検定として添乗員としての能力に関し、学科試験、小論文等々によって評価します。内容も拝見しましたが、非常に工夫のなされた検定内容になっております。

 もともとの意図としてはキャリアアップ、あるいは派遣会社としての派遣料等への反映を企図したものであるわけですけれども、この分野においても派遣料への観点とか、キャリアアップという観点では参照程度、十全に活用されているとはなかなか言いにくい状況ということで聞取りを行っております。

 また、教育訓練と能力評価の密接関連性という観点から、専門学校へのヒアリングを行っております。次のページですが、東京テクニカルカレッジという、IT分野や建築分野等を対象とした専修学校です。いろいろなパンフレットなどを拝見しますと、いわゆるベンダー資格の取得の実績とか、それを教育目的に位置付けているということもうたわれているわけですが、実際に聞取りを行う中では、そういった資格によって能力評価をするというより、中段に書きましたように、1コマごとのいわゆるスモールPDCAを繰り返すことによって、一つ一つの授業の教育目的が十全に達成されたかを小テスト等で確認します。それが満たされていない場合には、コマごとに補習を実施するという教育訓練プロセスそのものを通じて、学習者、学生の能力評価をし、それを企業に対しても売り込んでいくという発想の能力評価、その活用の仕方という発想と見て取ったところです。御参考にしていただければと思います。資料11は、後ほど大久保委員から御説明いただきます。

 参考資料1は、前回はクローズ型で運営しましたが、資料に関しては今後はオープン扱いにしたいということで、便宜的に全く同じ資料を付けております。

 参考資料2は、様々な会議において本研究会の活動を御紹介申し上げているということを、委員の皆様に御紹介したいということで準備した資料です。先般開催された職業能力開発分科会の中で、現行の第九次職業能力開発基本計画の中に、「教育訓練と連携した能力評価システムの整備」という項目があり、その進捗状況について分科会で御報告申し上げる中で、本研究会において厚労省政策における能力評価制度の在り方を御議論いただき、その議論も踏まえて、今後の評価制度体系の在り方を検討していきたいということを御報告しております。

 また、産業競争力会議雇用人材分科会において、「世界でトップレベルの雇用環境・働き方」の実現といった議論が進められ、関係省庁のヒアリングの中で、「個人の主体的な能力開発の支援・強化」、更にその中で「公的な能力評価制度の開発」というテーマ立てがなされています。私どもから今般概算要求に盛り込んでいる、業界検定スタートアップ支援の件と合わせ、本研究会においても今後の能力評価制度の体系の在り方について、御検討いただいております。その成果を踏まえ、順次取組における具体化を図っていきたいということも申し述べております。

 それ以外にも現在、職業安定局事務局として開催されている雇用政策研究会などでも、本研究会の議論に関わるような御指摘、御質問もしばしばなされております。事務局のほうから本研究会での活動状況などについても、随時口頭で報告を申し上げているという点についても付け加えさせていただきたいと思います。

 戻りますけれども、資料4を改めて開いていただければと思います。前回までに私ども事務局から、様々な御検討をいただく上での材料を御提示し、それも踏まえて非常に充実した御議論をいただいているわけです。私どもから御提示した材料について、いささか非体系的に未整理なままお示ししているものも多いので、前半ではこれまで私どものほうから御提示した資料、それからこの間の議論のエッセンスについて、少し構成を整理させていただいたものとお読み取りいただければと思っております。

 「はじめに」の部分は、日本再興戦略などで示された本研究会の議論の前提となる部分です。再興戦略を踏まえ、「多様な正社員」等へのキャリアアップ支援、円滑な労働移動支援といった労働政策上の観点から、業界検定等の能力評価の仕組みの整備、職業能力の「見える化」の促進、非正規雇用労働者等のキャリアアップの上での活用といった、本研究会開催の契機について確認的に示しております。

2番の「検討の基本的視点」に関しては、この間御提示してきた国内、あるいは諸外国の諸制度等の既存の資料に関して、目次的に整理したものです。

3番の「職業能力評価やその関連制度の現状・課題分析」も、既存の資料の目次的な整理という部分プラス、技能検定制度等の現行制度の位置付けです。3(1)にありますように、現行技能検定制度について、国による厳格な基準設定、適用は、ライセンスのような最高レベルの国の関与の強さではありませんけれども、それに次ぐ強い関与の仕組みがあるために、逆にサービス分野、その他対人要素の強い分野、あるいは職業能力の変化の程度が相対的に高い分野では親和性が低く、これらの分野ではマッチング等に活用できるような実践的な能力評価の仕組みが未確立ではないか、といったことについて触れさせていただいております。

 また、技能検定制度その他の職業能力検討制度については、先ほど法律上の位置付けを御説明申し上げましたが、カバレッジや制度設計など、そのポイントになるような事項について、確認的に次のページにかけてお示ししております。次のページの下の(5)の「国内職業資格制度等全体の俯瞰」は、率直に申し上げて私ども事務局としての考え方の整理も、まだまだ不十分と考えておりますけれども、この研究会では職業との関連で、資格その他の評価の仕組みを捉えるという立場です。

 この資格と能力評価の仕組みが、外部労働市場で活用される、また内部労働市場にもつながるものである必要があるのではないかといった点、様々な職業資格について、国の関与の強いものから非常に緩いものまで、様々な類型があるわけで、その根源的な軸と言いますか、その観点として資格そのものに関し、あるいは、その資格で評価しようとしている能力に関し、顧客の生命・安全確保等の観点から、質保証の必要性を裏付ける職業能力をより厳格に評価する必要があるのか、そうでないのか、求められる能力が制度技術との関わりで、明確かつ変化の度合が小さいのか、大きいのか、こういった点が資格制度に関わる国の関与の度合を規定しているという側面があるのではないかという考え方を、ここではお示ししております。

(6)は、本日の資料6でお示ししたような現状での様々な業界検定と能力評価の仕組みが、マッチング場面では必ずしも中心的な役割を担っていない、その要因について触れさせていただいております。

(7)の諸外国は当然のことながら、今日のヒアリングとその質疑を踏まえて、今後事務局でも少し整理をさせていただきたいと思っております。

 後半の2「今後の職業能力評価制度のあり方」の部分に関しては、次回、集中的に御議論いただければと考えております。それに向けてこれまでの議論を踏まえつつ、こういった点を中心に御議論いただければという、私ども事務局としての希望を、簡単に柱立てとして整理したものです。

(1)「今後の労働市場政策上の職業能力評価制度に期待される役割、これに応じた職業能力評価制度の体系、具体的手法、運用等のあり方のポイント」の部分については、既にこの間も御議論いただいております。再興戦略も踏まえた上で、能力評価制度の労働市場での役割について、どのように考え方を整理していくのか、これに応じた業界検定などの評価手法の基本的な属性として、どのような要素を満たすべきかといった、非常に基本になるような点が(1)でお示しした内容です。

 それも踏まえた上で(2)では、現行制度についての評価が必要ではないかということで、例えば技能検定制度についてですが、これは現行の能力開発法に基づく、唯一の職業能力検定制度ですけれども、このコア・コンピタンス、本質的な機能・役割をこの研究会の中でも御議論いただいた上で、今後の技能検定制度について見直すべき点として、どのような点があるのか。

 例えば、現行技能検定制度では都道府県方式と、民間業界団体や職能団体が指定する指定試験機関方式という方式が併存しております。指定試験機関方式はある種、業界検定に関わる国の関与の一類型とも言えるわけですけれども、技能検定制度の指定試験機関方式に関しては、技能検定の国の基準を全くそのまま援用して、プレイヤーだけが民間といった仕組みです。このような指定試験機関方式といった仕組みやコンセプトと、この研究会で御議論いただいている、非正規雇用労働者のキャリアアップ等に活用するという観点での業界検定の在り方は、重なる部分、違う部分、どういった部分があるのかといった点について、是非とも御議論いただければと思っております。そういった点も御確認いただいた上で、業界検定方式に期待される役割については、もう既にいろいろ御議論いただいておりますけれども、重点分野、また、制度設計運用上の留意点についても、是非御議論いただければと思っているところです。

 その際、業界検定の質の保証を図るという観点から、あるいは今日の米国の話にもありましたけれども、スタートアップ支援という観点で、国が投資する必要があるという考え方、あるいは前々回に黒澤委員から御指摘いただいたように、業界検定や社内検定には、外部性の問題というのがどうしても発生してきますから、それを補う幾つかの視点が在り得るかと思うのです。国の関与の必要性とその在り方を御議論いただくために、更に補充的な資料も事務局で準備したいと思っております。

 こういった国の関与の在り方、更には今日の前半のヒアリングでもいろいろ出てきておりますように、諸外国の実態や能力評価体系の活用の限界も踏まえた上で、能力評価基準自体が職業能力の物差しですが、その物差しの更に物差しとしての全体系、今日の前半で議論が出てきているようなレベルだったり、業界主体の検定について、その質を保証するための共通基準、職業能力評価の個別の業界検定の在り方だけではなくて、全体の体系の在り方についても、是非とも御議論いただきたいと思っております。

 また、繰り返し御議論いただいておりますように、能力評価と教育訓練は不分不離の関係です。この能力評価をキャリア形成支援、具体的なツールとしてのジョブ・カード、ハローワーク、民間人材ビジネスなどによるマッチングとどう結び付けていくのかというのも、大変重要な課題ではないかと思っております。例えば、教育訓練と能力評価のワンパッケージ型の開発・運用といった視点も含めて、能力評価と訓練の具体的な制度、運用上の関連付け、キャリア支援、ジョブ・カード等々との密接連携した活用促進策についても、様々な御意見をいただければ有り難いと思っております。

 その他、(6)に書いているような内部労働市場との横串問題もあります。先ほど監査員の話なども出てきましたけれども、能力評価全体の運用を担う人材の在り方、教育行政との連携の在り方、能力評価がどういう状態に立ち入ったら、うまくいっていると言えるのかといったモニター指標など、関連する課題は多岐にわたっていると思っております。できれば今申し上げたような論点に関わる御議論をいただくための材料を、更に次回に向けて準備をし、御議論いただければと思っております。今後、御議論いただくに当たって、着眼点としてこういった点が抜けている、こういった点が少しずれているのではないかといった点も含め、今日の残されたお時間の中で、委員の皆様方から御議論をいただければと思っております。私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○今野座長 もう1つ大久保委員から資料が出ておりますので、資料11になります。これについて御説明いただいてから議論をしたいと思いますので、お願いします。

○大久保参集者 では資料1125ページから見ていただきたいと思います。

1つは、ワークス研究所が調査している「ワーキングパーソン調査」のデータですが、これは個人1万人ぐらいに聞いているものです。特定の専門分野、領域をいかしたスペシャリスト的な働き方をしているのか(A)、それとも分野を限定しないジェネラリスト的な働き方をしているのか(B)。そうすると、「Aに近い」と、「ややAに近い」が合わせて、6割ちょっといるわけです。ある種、特定の専門領域を持っている人でないと業界検定になじまないのだろうと思うので、そこを引っ張り出してきて、その人たちに今度は、現在の仕事に資格や免許は必要かということを聞いているのですが、資格や免許がないと仕事に従事できない。これは業務独占型のものであって、既に資格化されているのであろう。ここの領域はもう終わっていると。

 一方で、「資格・免許は全く必要ない」というのをスペシャリストに入れたのは、実は極めて企業特殊的能力を求められて仕事をしている人たちなのだろう。これは資格化のしようがないと。

 真ん中のところに、「資格や免許を取ることを強く推奨されている」とか、「資格・免許はないよりあったほうが良い程度である」。何となく機能しているのか機能してないのか分からない、ぼんやりとしたこの真ん中辺のところですね。それを具体的な職種が取り出したのが、一番下の表です。

 次の26ページから30ページまで続いているデータは、実際に手をつけるに当たっては、やはり活発に求人がされている領域でなければエネルギーをかけてもそれほど価値がないのではなかろうかということで、私の会社でやっておりますリクナビNEXTという中途採用の求人誌、主に正社員を中心とした求人メディアですが、そこに載っている求人がどういう職種の分類体系で、どのぐらいのウエイトで求人が載っているのかを示すものです。以前にハローワークの職種別のものがこの場で提示されたと思いますが、多分民間のものもあって、両方合わせて見たほうが全体像が見えると思いましたので、提供させていただきました。以上です。

○今野座長 ありがとうございました。それでは事務局と大久保さんから資料いただきましたので、まずそれについて御質問をしていただいて、あとは議論したいと思います。

 それで、もうお聞き及びと思いますが、今日の予定は12時半までですので、時間はゆっくりありますので、遠慮なく御質問いただければと思います。まず、資料について御質問ありますか。あるいは切り分けてもしょうがないので、何でも結構ですから、事務局からの資料と、今日のヒアリングの内容と、あと大久保さんの話。全体を踏まえて、何でも結構ですので御意見をいただければと思います。

 では私から口火を切って。事務局から提示していただいた資料4ですが、構成の問題でお聞きしたいのです。既存の資格についての現状については、4ページとか5ページで整理するという形ですよね。その現状の資格のパフォーマンスは、つまり評価はここでやるという感じですか。

○伊藤課長 現行制度の評価をする場合に、この構成でもそういう発想になっているのですが、私ども能開局の研究会ということで、能開局で直接制度設計の運用しているものの塊として、この整理で見ますと、3(1)(4)までありますと。ただ、厚生労働省全体で捉えた場合にはそこだけ見てもしょうがないので、それ以外の様々な各省庁、あるいは民間が主体となっている資格制度。その全体像の俯瞰も必要ですよねということで、ちょっと視点を変えて(5)と、こういう整理をしているのです。

 私どものイメージとしては、今のような切り分けをした上で、この整理でいうと3に対応するところで、客観的な事実、パフォーマンス、そこから見えてくる課題。もちろんデータに関しては私どもが直接所管しているものについては、今日も追加資料を出しておりますし、いろいろな分析可能ですが、それ以外のものについてはデータともおのずと制約はされてくることにはなるのですが、可能な限りの整理はこの辺りでできればというイメージで今考えているということです。

○今野座長 そのパフォーマンスについて書くというのは、余り(4)(5)では明示されてなかったので、目次上。

○伊藤課長 そこは可能な限りトライはしたいと。いろいろ足らざる部分について、委員の皆様からも、こういうデータがあるよ、こういう文献があるよ、こういう分析もできるのではないかということをいただいて、それをできるだけ肉付けをしていきたいというイメージです。

○今野座長 一般論で言うと、資料がありますが、業界がやっている資格制度については、こういう良い所と悪いところがあると。今日ちゃんと1枚表が出ましたよね。

○伊藤課長 はい。

○今野座長 こういう課題、つまり問題点などがあるので、したがって、こういう対応をやる。そうすると、業界検定についてそういうフレームになっているのだから、国のもやはりそういうフレームになっていないと、おかしいですよね。

○伊藤課長 そうですね、分かりました。そういうイメージで更に整理を試みたいと思います。

○今野座長 何でもいいですよ、質問でも御意見でも。

○阿部参集者 まず1点目、資料4の続き番号で7ページの一番下の(6)、上から2つ目の丸印、「職業能力評価に関わる役割を担う専門人材」とあったと思いますが、これは一体何なのかをお聞きしたいと思います。トレーニングをする方たちのことですか、それともこういうトレーニングをしなさいと言っている人たち、それも含めて全部なのでしょうか。そこの「専門人材」がよく分からなかったのですが。

○伊藤課長 これもイメージということで。ここで非常に概括的に書いたので具体のイメージが分かりにくい表現で、恐縮でございます。私ども、今イメージしているものとして3つぐらいあるのです。1つは、職業能力評価、その職業能力の見える化、それがゴールではなくてそれをキャリアアップに使っていく、いわば能力評価の結果を活用してキャリアアップを支援する人材という類型がまず1つあるであろう。今の仕組みでいうと、キャリアコンサルタントなどがそれに相当するものであろうと。

2つ目の類型としては、教育訓練を教えることを通じて教えた成果を評価する、正に阿部委員からお話ございましたような教員であったり、私どもが直接持っている制度であれば職業訓練指導員、こういった指導者が職業能力評価という観点での専門性も併せ持ち、そのパフォーマンス発揮をしていくという観点があるのではないか。

 もう1つの類型としては、今日の前半の英国事例報告にかかわって座長からも御質問がありましたが、教育訓練の質を保証するために客観的な評価を行う人材、これに関しては現状の日本では直接相当する専門家はおりません。強いていえば、先ほど説明しましたISO29990のスキームの中で、ISOの運用の観点からの監査員の人材養成などに関係団体が着手しつつあるところです。こういった客観性を持った教育訓練とか、あるいは教育訓練の成果としての評価、その検定が適正に運用されているかどうかということを、監査という言い方が正しいのかどうか分かりませんが、評価を、いわば評価するような人材。大まかにいうと、その3つぐらいの人材像をイメージをしているところです。

○今野座長 もう1つぐらいあるのではなかったですか。

○阿部参集者 あるのですが、いいかなと。これは意見なのですが、この研究会のタイトルが「労働市場政策における職業能力評価制度のあり方に関する研究会」ということになっています。そうすると、「労働市場政策における」ですから、その労働市場政策が今後どのように展開されていくのかというのはちょっと書いておく必要はあるかなと。これまでの労働市場政策というのが一体何だったかというのは必ずしもここでお話できるか分かりませんが、やはり内部労働市場を中心として、雇用の安定というのも、その企業の中でずっとキャリア形成をしていくというようなイメージであったように思うのですが、もし違っていたら御指摘ください。ただ、それが今後そのままでいくのか、いかないのかとか、あるいは今、日本再興戦略の中では、どちらかというと「失業なき労働移動」というような言葉も出てきています。そういうような観点からいくと、やはりそういうところを見ながら、現状の職業能力評価制度と今後の評価制度の違いも少し見ていく必要があるのかなと。

 それは多分「はじめに」のところか、その辺りなのでしょうかね。あるいは2で少し書くのか、その辺りは御検討いただければというのが、私の気持です。

○伊藤課長 これも私どものイメージとしては、今、御指摘の件に関して、12のそれぞれ最初で触れるような性格のことかと思っておりますので、今の委員の御指摘も踏まえて、少し考えてみたいと思います。

○今野座長 ほかにいかがでしょうか。

○黒澤参集者 ちょっと突拍子もない意見かもしれないのですが、資料4の案を拝見して、メインターゲットが非正社員というか、若年ということなのですが、今日のヒアリングからも、いわゆるイギリスの1.とか2.の、1.の本当に簡易なレベルですよね。その辺りというと、求職者支援制度の、例えば訓練の内容の資格化という辺りも含んだ形での資格化を議論しているのかがちょっと、そこはすごく落とされている感じです。でも、それを落とす必要はあえてないのではないかと思ったのですが、その辺りについてはいかがでしょうか。

○伊藤課長 これもまた今日はイメージという言葉ばかり使っているのですが、今日御提出している資料4でいいますと、黒澤委員がおっしゃったことは、最後のページの(5)に相当する文です。ここでは非常に抽象的に、「能力評価と職業訓練の関連づけ強化」と記載しております。想定されるアプローチとしては、黒澤委員からお話がありましたような、求職者支援訓練といった公的な職業訓練とワンパッケージの、あるいはその成果確認の手法としての性格を併せ持つ検定等の能力評価活用・運用。あるいはもうちょっと上のレベルになってきますと、今、別の場で議論されておりますような、学び直しといった将来のキャリアアップを見据えての自発的な教育訓練受講に対するサポートの仕組みと、議論いただいている検定などの能力評価の結びつき、あるいは認定職業訓練とのタイアップ。そういった私どもが持っております様々な教育訓練にかかわる資源と、今議論いただいている検定等の能力評価の仕組みをできるだけ有機的に結びつけていきたいという発想アプローチです。ですから、そういう意味では黒澤委員から例示的にお話がございました求職者支援制度のタイアップということも、当然その選択肢の1つに含まれているという、私どもの問題意識です。

○黒澤参集者 そうすると、いわゆる業界スペシフィックなキャリアアップにつながる在職者を主に中心としたような資格と、そういった非常にジェネラルなところと、また性格が違っていて。先ほどのイギリスの話にもあったような、アメリカでもそうですが、いかにして訓練プログラムの内容が市場ニーズにマッチしているかについて議論をする機関、大体は労使、そして教育機関の人たちの代表者を持ったような機関があり、そこで認定してとか、そこら辺の組織的なフレームワークが必要となっていて。現実、例えば神奈川県ではそういった組織的な取組をなさっているところもあるわけですね。そういった部分も、どこかに議論ができる余地があるということですか。

○伊藤課長 職業訓練そのものに関しては御案内の方も多いかと思いますが、人材ニーズに即した訓練コースの設定を行うという観点から、労使、その他の関係者の参画をした中央及び都道府県の職業訓練協議会といった場がありまして、そういった場で労使、その他のステークホルダー当事者の意見を吸い上げながら、それを職業訓練プログラムの具体的なプランニングとか、配分に反映をするといった仕組みがございます。

 先ほど申し上げましたように、今回のこの議論を通じて、訓練と評価というものをしっかり結びつけていきたいという考え方です。したがいまして、今ある職業訓練協議会的な場を、その能力評価にかかわる方針決定とか、あるいは具体的なプランの策定にも使っていくという考え方もあり得ましょうし、訓練における協議会の評価版みたいなものを作っていくことも、両方あり得るかと思います。いずれにしても、この能力評価の仕組みについてニーズを反映をした仕組みに、常にメンテナンスをしていくために労使、その他のステークホルダーの意見を反映する場は大変重要だと思います。ですから、そういう意味では、そこはちょっとこのペーパー上なかなか読み取りにくいところでもございます。論点整理の中へ工夫はしてみたいと。そこも議論の射程には当然含まれ得るということです。

○黒澤参集者 分かりました。

○今野座長 今の黒澤さんの御意見は、資料47ページの(5)ですよね。

○伊藤課長 はい、そうですね。2(5)です。

○今野座長 これパッと見ると。

○伊藤課長 現時点で明記までしているということ。それ以上の意図は、ございません。

○今野座長 職業訓練とのリンケージが、少し全体としてはウエイトが低いように見えてしまうのですよね。先ほどのヒアリングの最後で大久保さんが言われたこともそうですし、あとイギリスとかドイツもそうですが、労働市場との関係はあるのですが、やはり訓練との関係というのは非常に重要なポイントではないかと思うのです。ここは何か膨らませたほうがいいのではないかと思います。

 もう1つは、先ほどのイギリスの例で、全体的には使われていないが、アプレンティスは評判がいいと。ドイツは結局デュアルが評判がいいのは、一種のアプレンティスだからです。そのような雇用と訓練の結合型訓練というのと資格というのを上手につなぐというのは必要かと私は思っている。そうすると、もしその辺が極めて重要だったら、今回のはとてもよくできていて、体系的なのですが、何か上手に目玉を作ったほうがいいのです。そうすると、やはり訓練とのリンケージの問題とか、あるいは訓練でも、働きながら訓練とのリンケージとか、何かそういう目玉を作ることが重要なのではないですか。そうすると、求職者支援制度は違いますが、日本版デュアルとの関係とか、認定職業訓練との関係とかというのが出てきて、そこをもう少し政策的に強化をすると、資格と最後の就職とうまくいくみたいな、そういう何かプライオリティがあったほうがいいかなという感じがしました。

○大久保参集者 今野先生のところと重なるのですが、この資料5の図がとても大事だと思っています。職業能力開発というのは、職業能力検定と職業訓練が二本柱なのだと。それがつながった状態を作っていく。この基本的な考え方ですね。構図で、今回の問題を捉えたいと思っています。まだ十分にできてないところも相当にあります。その現状に対して、今回の業界検定というのはこの全体像をどういうふうに改善するものなのかという視点がきちんとあったほうがいいと思っています。要するに職業能力開発行政の根幹的なところの強化につながるという位置付けで説明してほしいという感じがしています。その業界検定というのは、本当に単なる検定なのか。それは職業訓練の視点から語るとどうなのかというところが、まだよく見えないところがあって、そういう意味でも、この図をうまくいかしながら、資料4の内容を語ってほしいなという感じがするのです。

○伊藤課長 今の両委員の御指摘、私どもも委員の皆様のこの間の御議論を通じ、評価と訓練の二本柱、両者の関係がこの場の議論のフレームワークとして大変重要という問題意識の下で、現行制度のおさらいということで、今回この資料を準備させていただいたところです。

 先ほど座長からお話がございましたように、より具体的な話に関していうと、今の訓練に係る仕組みとしては、大枠としては先ほど黒澤委員からも話ありました求職者支援訓練のような失業者・離職者を専ら対象としたもの、逆に、いわゆる雇用型訓練とか、認定職業訓練のように専ら在職者を対象者としたもの、それから教育訓練給付であったりとか、今議論されている学び直しのような、離職者、在職者に限定をしない自発的な教育訓練のサポート。大きくはその3つぐらいの仕組みがあり、これら職業訓練の形態によって能力評価との結びつけ方も、多分パターンが幾つか分かれてくるのだろうと思っております。その辺り、現行の訓練に係る仕組みの体系と、それから評価とのかかわり方について、できるだけ分かりやすくお示しをした資料なども次回に向けて工夫もしてみたいと思っております。

○松浦参集者 これまでの御意見とも若干重なるところがあるかもしれませんが、非正社員のマッチング、正社員の登用のための職業能力評価や検定が、この研究会の大きな目的の一つだとすると、その目的に照らして見たときに、現状において、できていることと、できていないことの整理が必要ではないかと思います。

 また、最初のほうの研究会で、この研究会の対象は基本的には業務スキルで、基礎スキルは対象ではないというようなお話があったと思うのですが、非正社員のマッチングや正社員登用を議論するときには、ジェネラルな基礎スキルというものがやはり重要だと思います。基礎スキルをこの研究会でどう取り扱うかについてのお考えを、念のため改めてお聞かせいただきたいと思います。

○伊藤課長 前半の話に関しましては、今後のこの研究会の議論を通じ、私ども整理を試みたいと思うのですが、狭い意味での能力評価ということに限定しなければ、今の労働省政策の中で非正規対策として機能している政策、事業というのは、当然一定ある。分かりやすい例でいうと、例えばトライアル雇用。私自身の認識としては、トライアル雇用に関しては、ここで主に議論いただいております教習職種、しかも企業スペシフィックではない能力が主体となる分野とは違う分野で機能しているということなのだと思います。逆にいうと、ここは機能しているけれども、そこはカバーしているのはこの対象層、ここは抜けてますねと。それをここで議論いただいている業界検定、あるいは業界検定と職業訓練の有効な組合わせによって対応していくという絵柄なのかと。そういったことが第三者の方にも分かりやすく御理解いただけるような整理を試みる必要があると思っております。

 後半に関しましては、これもこの場の議論に接し、私ども感じているところですが、非正規雇用労働者のキャリアアップを図る上で、ここで中心的に御議論いただいている業界検定だけで解決をするものではなく、あるいは企業の側が採用選考に当たって重視する能力として、業種・職種固有の専門能力だけではないということも、この場の議論を通じ明らかになってきていると思います。その点は施策の全体像としては必要なエレメントであることは間違いないと思っているのですが、私どものお願い申し上げている中心課題としては、業界検定的な業種・職種に帰属をする能力、能力評価の在り方、あるいはそれと訓練との結びつけを中心に御議論を。ただ、足らざる部分として、やはりここは必要という部分に関しては、いわば提言編の中で、皆様から御議論いただいたことを踏まえて盛り込んでいくことは可能であるし、また必要ではないかという認識を持っております。各論までの踏み込みはちょっと難しいかと思っております。

○今野座長 伊藤さん、今いろいろおっしゃいましたが、2番目の質問については、基礎スキルを外すなんて、決めた覚えはないのだけど、もともと。

○松浦参集者 最初のご説明のときには、議論の重点は基礎スキルではなくて、どちらかというと業務スキルというお話があったかと思います。

○伊藤課長 重点はですね。飽くまでも重点という。

○今野座長 ほかにいかがでしょうか。これ、雑談で聞いてください。今日はドイツだったので、ドイツのデュアル・システムがうまくいっている理由の1つは、私の認識では、「デュアル・システムで資格を取ってこないと、俺、採用しないぜ」という企業が、必ず採用政策を取るということですよね。したがって、あの資格を作るときにソーシャルパートナーが組んで、つまり労使が入って作って、できた作品については、使用者はコミットしますというリンケージなのです。日本はどうなるのだろうと思います。つまり、そうやって作っても、全然使用者が採る気はないと言われるとね。何かそういう今のところはニーズを聞くというのは、先ほど御質問があったけれど、そういう仕掛けはありますが、もう少し使用者の人がコミットして、使用者もハッピーになって、もちろん働いている人たちもハッピーになる。そんな仕掛けができないですかね。雑談です。ほかにありましたら、どうぞ。

○阿部参集者 今の雑談の続きを、コミットするかどうかということを仕掛けとして作るときに、求人票に資格要件を書いてくださいみたいなことをどこかやることはあるかなと思いますね。多分今までそういうのは余りなくて、使う企業は使うけれど、使わない企業は使わないとか。例えば、ハローワークでも、この検定とか職業資格要件とかを求めてないですよね、必ずしも。そういうところで、「例えばどうですか」みたいなやり取りがあると、徐々に使われる可能性もあるのではないかと思うのですけどね。そういう意味で、マッチングの場面ではどちらが鶏で、どちらが卵かというのは分からない。つまり、職業能力評価制度を昇化していって、とても良いものにしたから使われるかというと、必ずしもそうではなくて。使ってもらう、そのためにはコミットしてもらう。それを強制するわけにはいかないので、何かうまくそういうことをやる窓口指導みたいなものはあり得るかもしれません。ただ、それが本当にできるかどうかは分からないですけれど。

○伊藤課長 今の件に関してよろしゅうございますか。私、前職で、ハローワークの職業紹介事業を担当しておりましたので、当時からハローワークの職業紹介の制度のパフォーマンスを上げていくための1つの重要な視点として、職業能力という観点からのマッチング、その前提となる求人者、求職者双方からの資格も含めた能力に関わる情報の吸い上げ。それをマッチングに使うということは大変重要であるという取組には、今着手しつつあるところです。

 若干技術論についても付言させていただきますと、先ほどの別の資料でも説明申し上げておりますように、求人票に求人要件として明示をした場合にはプラスとマイナスのどうも両方の要素がありそうだと。とするならば、マッチング上の活用の仕方としては、求人票には明記はしないけれども、ハローワークをはじめ、職業紹介機関が、あったらいいねというレベルのものも含めて、評価をする資格についてしっかり聞き取りをして、いわば内部的なマッチング作業上にはそういう情報を積極的に活用し、あったらいいねという資格を持ち、かつ、ほかの要件も満たしている求職者、こういう人がいますね、という情報をハローワークから求人者に対して、マッチングに向けたサービスとして提供していくというアプローチは大いに考え得るものだと思っております。その辺りは、この場の議論も踏まえて、職業安定局ともよく話合いをさせていただきたいと思っております。

○大久保参集者 では、一人言の続きみたいな感じで。企業の人材育成は、経験7割、薫陶2割、研修1割という言い方をよくするのですけれど、飽くまでも中心は実践的な経験。それは研修や何かでそれを一般化して、また実務経験に戻って行ってと、ぐるぐる回りながら職業能力高めていく。こういうことで、やはり経験のウエイトがとても高い。

 一連の業界団体ヒアリングの中でも、採用するときに見るのは実務経験ですと、皆共通して言っているわけです。経験的に実際に出来てきたことを検定する場合に、そこを評価するのかどうかが、最終的にはその求人に使えるものになるかどうかの別れ目だろうと思っています。そこをどう考えるかというのは、大きなポイントなのかとは思います。

○黒澤参集者 何回も同じことを言って恐縮なのですが、やはりこの報告書とかでも、そもそも論というか、何で能力評価の策定に公的に関与するのというところは、能力評価基準をより有効に活用してもらって、マッチングを良くするためにはこういう策がありますよ、と入っていくよりも、公的に、どうして非正社員なのかというのをとても議論しましたね。それがまずあって、それでプラスアルファで、もちろん現状ではもっとこうしたらマッチングが良くなって、皆ハッピーになるではないかと。では、現状ではこういう所ではここが良くないけれども、こうなるよという、そういう流れはもちろんあるべきだけれど。まずは、最初に、あるべき論をしっかり押さえておいていただきたいというのが、お願いとしてあるのですね。

 そこでの議論で、ちょっと思い出してみると、何で非正社員なのと言ったときに、つまり、能力開発を自分たちでできない人たちなわけですよね。先ほどの阿部委員からのお話であったように、これまでの職業能力の開発というものがほとんどが企業によってなされてきたところが、それがそうではなくなってきていると。その非正社員の人たちは、どうしてできないのと言ったら、それ自分たちが何か身につけたとしても、それが評価されてないからなのだと。つまり、人的投資が非効率的に過小になってしまうということの要因の最たるものが、この能力評価が見える化されてないということなのですね。ということは、つまり先ほど今野先生がおっしゃったように、やはり訓練、その人的投資とそれの帰結としての評価ということのリンクがなされてないことが問題だ。だとするならば、やはり「訓練」と「評価」というものがうまくいってないというのが最大の問題でしょうというのが、一番大事です。だから、ミドルの能力評価、それも見える化も大事だよねと言ったけれども、ミドルの方については、もうある程度人的投資がなされていて。その技能はあって、それをどうやって市場に分かってもらえるかという、言語変換の問題なのだと、以前阿部先生がおっしゃったと思う。だから、その言語変換の問題が、今回の資料を読んだ後、とても前面に出ているように見えてしまって。そうではないんだよというところがまずあって、それについては、ではどういうふうにしていかなくてはいけないのかというのがあって、それで言語変換をもっとうまくできればいいねというところももちろんあっていいのだけれど。そこを何かはき違えると、いろいろなところに行ってしまって、よく分からなくなるような気がしています。

○伊藤課長 前提をちゃんと丁寧、正確にということですね。それから先ほど大久保委員からお話がございました、経験をどう見るかという点ですが、一応私どもなりにアプローチとしては2つあるかと思っております。1つは、現行技能検定制度のように、今の技能検定制度ですと、受検要件としてグレードごとに実務経験年数要件を付している。非常に複雑なマトリックスです。1級だと7年とか、そういった要件設定をしております。そういうふうに検定そのものの中に、経験年数、その他経験要素をビルトインするというようなアプローチと、それから検定そのものとしては実務経験、あるいは年数はビルトインしないで、純粋に今の到達点だけで見るけれど、実際の企業の採用選考等における評価としては当然それだけでは見ないということ。いわば、外出し型で、求人企業等が検定等で評価をされたある時点での知識・技能の到達点と、それから経験要素をうまくバランスよく、分かりやすく評価できるような仕組みを別途作っていく。大枠としてはその2つぐらいのアプローチがあるのかと思っております。そういった設計の考え方、選択肢みたいな部分も、今後是非御議論いただければと思います。

○阿部参集者 黒澤さんの発言に触発されてですが、付言するのかもしれませんが、先ほど黒澤さんは、その訓練、人的資本投資と評価の関係で、訓練が過小になりがちな非正規雇用者の話をされましたが、もう1つあって、非正規雇用者の訓練ではなくて、マッチングにもやはり非常に大事なことなのだろうと思っています。いずれにしても、過小な訓練を受けている人たち、なぜそれが過小になるかというと、やはり外部労働市場で働いていて、企業も余り投資するインセンティブを持たない。労働者も、これに投資していいのかどうか分かっていないところから過小になるわけです。その結果、社会全体では、過小な投資の人材が増えているという、ある種、合成の誤謬みたいなのが起こっていて、そこをどう調整するかというのは、やはり公的部門の役割の1つだろうと思います。

 それからマッチングの場面では、やはり情報の流通をどう円滑に進めるかという観点からも、労働市場の整備を誰がやるのか。そうすると、民間企業がやるかといったら、多分空気のような存在の情報なので、なかなか手を出さないのではないかと思います。例えば、民間職業紹介でも、ある特定と言ったら変ですが、やれる所とやれない所というのは必ずあると思います。そういうやれない所をどうやって援助していくというか、補完していくかというのが、やはり公的機関の役割であると思います。そういう意味で黒澤さんが、何で公的機関がやるのか、国がやるのかと言ったところは、私は言えるのではないかなと思っています。

○大久保参集者 さっきの言ったことの続きなのですが、例えば非正規で長い間働いている、5年非正規やっていますとか、7年非正規やっていますという。その人が会社を離れて、実際就職しようと思うと、パッと見た感じは、フリーター7年やってるのね、という話になってしまうのですね。ところが実際、非正規の経験というのは、経験質が相当幅広い。非正規に期待している役割は余りにも大きくなってしまったので、実はすごいレベルの人が非正規の中にいることになるのです。非正規5年と言ってしまうのではなくて、その5年間の中にも相当中身の濃い経験を積んで、一定の高いレベルの職業能力を保有しているのであれば、それをきちんと見えるようにしてあげることは、とても大事ではないかと思っています。

 それが業界検定のような形で個別の評価だけではなくて、市場価値のような考え方で評価されると、要するにその会社を含むいろいろな会社での正社員登用につながっていくというような感じがあるのではないかと思っています。その辺が私はずっと気になっているところです。

○伊藤課長 このためにジョブ・カードの在り方などにもかかってくる議論かと思っております。

○今野座長 今お話聞いていると、ちょっと整理してほしい。こちらは、非正規は能力が上がらない前提で喋っていて、こちらは上がるケースもあると考えているのでね。

○黒澤参集者 そこに外部性の議論があってきて。正に大久保委員おっしゃったように、あと以前阿部先生もおっしゃったと思いますが、非正社員の場合、いくら非正社員としてのキャリアを積んでも、それがキャリアアップにつながらないという、その実態がある。だから、その非正社員にはそんなに訓練は、正社員に比べればなされてないかもしれないけれど、外に漏れる部分というのは非常に多い。しかも漏れていて、それが認識されてないというのは、これ、外部性なわけですね。そういう意味でとても大きいのだと思いますね、非正社員。だから、そこの部分を救ってあげるというのは大変重要です。

 私が先ほど言ったことと同時に、阿部さん、大久保さんがおっしゃったようなマッチングの部分というのは、とても重要になってくる。その見える化をするということのためだけの、でも、意義が非常に大きいということになると思います。公的に介入する。その2つ、とても大きいのではないかと。

○今野座長 そうすると、非正社員の問題についても、訓練の過小性の問題と、訓練は実質OJTで行われているのだけど、それが市場で評価されないという、2つの問題があるということね。

○伊藤課長 2段階の問題ですね。

○今野座長 それ、整理してもらわないと、何かごちゃごちゃしてきてしまう。

○伊藤課長 はい、分かりました。

○今野座長 そうすると、政策が違うということだ。

○伊藤課長 そうですね、政策手段も変わってきます。

○今野座長 そうすると後者のほうは、先ほど黒澤さんが言われたミドルの問題と同じではないか。要するに、能力要件をどうするかという問題だということですよね。

○黒澤参集者 ただ、そこのNVQというか、そこからいうと、レベルが非正社員というと、どちらかというと、もちろん素晴らしい人もいるけれども、下からこう。

○今野座長 下のほうから。

○伊藤課長 分布としてはですね。

○黒澤参集者 分布としてはですね。

○伊藤課長 例外は、委員おっしゃるように、あると。

○今野座長 ところで、先ほどからお二人が言っている、訓練の過小というのは何で起こるのですか。

○黒澤参集者 効率的な訓練というのは、それが行われるためには自分がやった訓練のコストを負担した人たちが、丸々その訓練の収益をもらわないといけないのですね。そういう状況がないと、いけないわけです。

○阿部参集者 だから、企業がやるためにはその従業員がずっと残ってくれれば、回収できるというのがある。一方、労働者が自己負担でやる場合には、その仕事にずっと続けていられれば回収できる可能性はある。そこが見えなくなると、投資するのをあきらめるという、ホールドアップ問題みたいなことが起こるという意味でしょう。

○今野座長 そうすると、それに対して何かいい手はないかということですね。先ほど私が抽象的に言いましたが、使用者もちょっとコミットする仕掛けってないの、というのは、この問題ですね、言ってみると。だから、それを今の制度でいうと、例としては余り良くないですが、認定訓練というのは完全コミットしているのですよね。最初、雇用しちゃっているからということもあるのだけれども。だから、何か0.5コミットとか、そういう仕掛けがあると、お互いに投資してもいいよということで。

○黒澤参集者 デュアルでは、ある程度そこが機能している部分もあるわけですよね。

○今野座長 もし、そこがある程度機能していて、今のところ規模は小さいけれど、行けるのだったら、そこを膨らませる書き方というのはありますよね。

 そのときの原因形は、訓練過小状況にあるので、そこを改善したい。だから、さっきの表示問題とは違う。

 そういう意味で、過小を解決するためにあると思ったら、見えやすいほうがお互いに投資しやすいから、見えやすいように資格を使えばいい。そういう今度は資格の機能があるのでしょうね。だから、訓練パフォーマンスを表現する道具というのかな。

○伊藤課長 別の問題であると同時に、全く独立ではなくて。表示されることによって、その1点目のインセンティブ上の問題の解決にも資するという、そういう関係ですね。

○黒澤参集者 そうです。政策手段が若干違うのですけれど、結局見える化をより有効的なものにするというのは同じなのです。それは絶対必要なのです。

○伊藤課長 そうですね、見える化は必要ですよね。

○黒澤参集者 ただ、前者の部分の過小ということについて言うなら、それは訓練と、その見える化ということのリンクがとても大事になってくるということですよね。

○今野座長 そのときに、見える化の問題を考えるときに、大久保さんが言われたことは大切で、訓練の7割は経験だと。抽象的にいうと、off-JTでやったものはほんの一部だと。この問題に対して答えないと、いけないということですかね。

○笹井参集者 非正規雇用にしても、その雇用者側の評価が不十分だからという、そういう問題もあると思う。ミスマッチングの問題も同じようなものがあると思います。評価行為そのものに限界があるのではないかと思っていて。それは見える化の問題にすぐに結びついていると思うのですよね。つまり、仮にスペシフィックなスキル、もっとそういうことを言うと、汎用的なジェネリックなスキルで、更にその根底をなすコンピテンシーみたいなものがあったときに、どこまでそれを職業能力と評価できるのかというのがあって。ミスマッチングの、企業の方に聞くと、むしろジェネリックスキルとか、コンピテンシーのほうに着目して評価していて、余りスペシフィックなスキルは後でやればいいみたいな意見はとても多いというのは、評価の難しさをとても表わしているのではないかなと思っています。

 資格枠組みの先ほどの議論というのは、実はジェネリックスキルとかコンピテンシーより踏み込んで、それを社会的に明示しているというところで、とても大きな意味があるのだろうと思うのです。その辺のインプリケーションみたいなもののところに入るといいなと思っています。以上です。

○黒澤参集者 今おっしゃったことは本当にそうで、欧州での流れというのは、アメリカでも聞いたことがあるのですが、どこの企業でやっているとしても、やはり競争的な生産性を高くする要件というのは大体同じなのよという考えが、とても優勢になってきているような気がしています。欧州だったら、どの国だって大体こういう業界で働きたいのだったら、こういうことできなくては駄目なのよと。だから、それを資格にしてしまえばいいのだという考えはとても、こう。それが行き過ぎている部分がとてもあるのだけれど、逆に日本はそれが余りに有用ではないと皆さん思い込んでいる節があるような気がして。だから、その辺りをもうちょっと資格化訓練とか、そこら辺でパッケージ化することによってマッチングの改善ですとか、いろいろな訓練投資の過小化の改善につながる余地は随分あるのではないかと思いますけれど。

○今野座長 ということで、時間になりましたので、いろいろ皆さんから意見をいただいて、またそれに基づいて、特に資料4ですが、その立て方について御検討いただければと思います。

 それでは今日はこれで終わりですね。次回の開催について、事務局からお願いします。

○小野専門官 次回、第5回については年明け117日、金曜日の10時から12時の開催を予程しております。場所等、正式な案内は、追ってさせていただきます。以上です。

○今野座長 何かありますか。

○伊藤課長 恐らく第4四半期になってまいりますと、特に大学に所属されている委員の皆様方、入試関係なども含めて、いろいろな意味で多忙かつ、日程が不透明な方もいらっしゃるかと思いますが、第1回でも御説明しましたが、当初の計画としては年明け、あと3回ほどの開催、この後ちょっと座長と日程の御相談もした上で、次次回以降の日程もまた早目に委員の皆様と御相談したいと思っております。よろしくお願いいたします。

○今野座長 それでは終わります。ありがとうございました。


(了)

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