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2013年12月19日 第35回独立行政法人評価委員会総会

○日時

平成25年12月19日(木)16:00~17:57


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

山口委員長、永井委員長代理、五十嵐委員、今村委員、内山委員、亀岡委員、酒井委員、坂井委員、柴田委員、清水委員、高瀬委員、高田委員、竹原委員、田極委員、平井委員、藤川委員、松尾委員、真野委員、丸山委員、安浪委員

○議題

(以下、議事録)

○山口委員長
 ただいまから第35回独立行政法人評価委員会総会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、年末のお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、石渡委員、尾崎委員、金倉委員、川北委員、祖父江委員、田宮委員、福井委員、古米委員、三田委員、宮崎委員が御欠席です。平井委員が少し遅れて到着されると承っています。また、永井委員長代理は別の会議があり中座される予定です。
 初めに、事務局から本日の議事についての説明をお願いします。

○政策評価官
 本日の議事を説明いたします。お手元に配布している議事次第のとおりですが、まず、参考資料1を御覧ください。本日の議題は、中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについてです。独立行政法人の組織・業務全般の見直しについては、独立行政法人通則法第35条の規定を根拠とし、「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについて」(平成15年8月1日閣議決定)に基づき、主務大臣が所管する個々の独立行政法人の中期目標期間終了時において、当該法人の業務を継続させる必要性や組織の在り方その他組織・業務全般にわたる検討を行い、その結果に基づき所要の措置を講ずるとされているものです。厚生労働大臣がこの検討を行うに当たっては、同法第35条第2項の規定により、独立行政法人評価委員会の意見を聴くこととされており、本年度が中期目標期間の最終年度となる、国立病院機構、労働者健康福祉機構、年金・健康保険福祉施設整理機構、医薬品医療機器総合機構の4法人について、本委員会において御審議いただくこととなっております。
 既に委員の皆様方には、本年8月28日に開催しました第34回総会において、参考資料2として本日配付しております、見直し対象となる4法人の「見直し当初案」を一度御審議いただいておりますが、この「見直し当初案」については、本委員会での審議後、厚生労働大臣から総務省政策評価・独立行政法人評価委員会に提出しており、その後、総務省政・独委の数回にわたる審議等を経て、12月16日に「独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性 」が総務省政・独委から厚生労働大臣に示されたところでございます。
 本日の審議は、総務省政・独委が示した「勧告の方向性」を踏まえ、厚生労働大臣が「見直し内容」を再検討し、「組織・業務全般の見直し案」を作成したため、再度、本委員会において御審議いただくものとなります。
 なお、見直し対象の4法人の所属部会における御意見等は、本年においては、12月16日に「勧告の方向性」が総務省政・独委において決定・通知されたことに伴い、時間の制約が生じたため、持ち回りにより御意見を賜る形に変えております。関係委員の方々におかれましては、大変短い期間での意見の提出等をお願いいたしましたが、結果として貴重な御意見等を賜りましたことに心より感謝申し上げます。

○山口委員長
 議事に入ります。最初に、国立病院機構の組織・業務全般の見直し案について審議いたします。まず、法人所管課から御説明いただき、その後、松尾部会長から、国立病院部会における委員からの意見等について御報告をお願いいたします。それでは、法人所管課より10分程度で説明をお願いいたします。

○医政局国立病院課長
 国立病院課です。お手元に資料1-1~1-5を配布していますが、時間の制約がありますので、資料1-1と1-2に基づいて説明いたします。
 順序が前後して恐縮ですが、資料1-2「独立行政法人国立病院機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性【概要】」を御覧ください。政・独委からは、主として4点の指摘がありました。まず、「第1 事務及び事業の見直し」についてです。医療計画で求められる役割を積極的に果たし、地域における課題の解決に貢献するとともに、各病院の貢献度について業務実績報告書において明らかにする。次期中期目標等の策定に当たっては、法人の病院の医療の質や機能を更に向上させるために、法人が有する臨床評価指標等を活用する、という御指摘です。
 機構においては、これまでも国の政策医療として担うべき医療である5疾病・5事業など、医療計画で求められる地域での役割を果たしてきており、その点については、政・独委においても、従来から地域医療に貢献してきたと評価を頂いています。引き続き、更なる取組を促していきたいと考えています。また、次期中期目標等の策定に当たっての臨床評価指標等の活用については、どのような指標が目標や計画になじむのかという点も含め、機構と相談しながら進めていきたいと考えています。
 「第2 業務実施体制の見直し」についてです。次期中期目標期間においては、効率的な運用を図る観点から、管理業務を本部等へ集約化するなどし、法人全体として管理部門をスリム化することについて検討する、という勧告を頂いています。
 機構においては、これまでも資金調達や共同入札を本部において実施するなど、業務を集約する取組を行っています。また、本部への集約が難しい業務については、システムを全国統一することで制度改正への対応を本部が一元的に行うなど、病院が行う業務が必要最低限になるように取り組んできました。143病院、職員数が多いなど、法人の施設の規模から見て、管理業務を集約することで業務の効率化が見込める、という御指摘です。こうしたことを踏まえ、次期中期目標期間においても引き続き効率的な見直しができないか検討を促していきたいと考えています。
 「第3 非公務員化の再検討」です。法人職員の非公務員化について再検討する、とされています。政府の行政改革推進会議の下に設けられた「独立行政法人改革等に関する分科会」において、現在、報告書の取りまとめに向けて調整されていると承知しています。また、12月3日には自民党の行政改革推進本部独立行政法人・特別会計委員会から非公務員化すべきという報告が出されています。非公務員化については、例えば短時間勤務の正規職員などの人材確保の観点などからはメリットがあるということで考えています。いずれにしましても、政府与党の行革の考え方を踏まえて検討したいと考えています。
 「第4 経営ノウハウの活用」です。各病院における経営改善の具体的な事例を通じて得た経験やノウハウを整理し、蓄積するとともに、厚生労働省においてもこれらを活用し、国立病院機構以外の病院の経営改善に資する、ということです。政・独委からは、機構の各病院において実施している様々な施策の具体的な事例は機構以外のほかの病院にとっても参考になるもの、という評価を頂いています。
 機構においては、これまでも、業務運営の見直しや効率化による収支改善について毎年度「事業報告書」としてホームページに掲載するなど、他の病院経営の関係者にも参考にしていただけるよう取り組んでいます。引き続き、機構が得た経験やノウハウを整理・蓄積していただいて、他の病院が参考にできるような情報提供の更なる充実をお願いしたいと考えています。
 続いて、資料1-1を御覧ください。これは、8月に御審議いただいた見直し当初案を基に、政・独委の勧告の方向性を踏まえて作成した見直し案の概要です。例えば、【1 診療事業】を御覧ください。5疾病・5事業、在宅医療における地域連携、セーフティネット分野の医療、災害医療など国の危機管理、このような必要な医療を引き続き提供することを求めています。これは8月の見直し当初案段階で盛り込まれていた内容です。これら見直し当初案に記載していた内容については、政・独委から特段の御指摘はありませんでしたので、その内容をそのまま記載しています。それに加えて、先ほどの勧告の方向性で指摘された内容を併せて盛り込み、見直し案としています。以上です。

○山口委員長
 続いて、松尾部会長から、国立病院部会における委員からの意見等について御報告をお願いいたします。

○松尾委員
 報告いたします。まず、経緯を簡単に申し上げます。12月16日に総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から示された「勧告の方向性」における指摘事項を踏まえ、厚生労働省が見直し内容を再検討し、「独立行政法人国立病院機構の組織・業務全般の見直し案」が作成されました。これに対して、国立病院部会では、12月17日までに書面により部会所属委員の意見を聴取しています。その主な意見を紹介します。
 資料1-1を御覧ください。【1 診療事業】の(3)に老朽化した建物の建替等を計画的に進めることにより、患者の診療環境を改善し、サービスの向上を図るとあります。この点に関して、この問題は非常に深刻で、老朽化した建物の数は多く、しかも、近年、建設費が高騰し、一方で耐震化への要請等が重なっていて、これはしっかりやらないと重大な問題になる。大きな覚悟を持って取り組む必要がある。また、早急な取組が必要である、という意見が出ています。
 2つ目は、資料1-3の4ページを御覧ください。「第5 業務全般に関する見直し」の1に「具体的かつ定量的な目標設定」という項があります。これについて、患者や地域住民、国民に対する説明責任を果たし、なおかつ、職員の行動規範となるよう適切な目標を設定するとともに、できる限りこの目標をアウトカム指標とする。しかも、その目標水準も、現状から見て適切な水準を設定することが望まれる、という意見が出ています。
 そのほか意見は幾つかありましたが、いずれも文章の表現に関する意見でした。部会所属の各委員からの原案に対する特段の修正意見はありませんでしたので、原案のとおり了承されています。以上です。

○山口委員長
 ありがとうございました。ただいま説明がありました国立病院機構の組織・業務全般の見直し案について、委員の皆様から御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。

○亀岡委員
 意見ではありませんが、教えてください。資料1-5に、「勧告の方向性」と「見直し案」が左と右になっています。勧告の方向性では、独立行政法人国立病院機構を「本法人」としていますが、見直し案では「機構」と略称されています。もちろん、ここに書かれていますので読み間違うことはありませんが、同じようなときに出てくるもので略称の仕方を変えているのは、何か少し。深い意味はありませんが、質問です。

○山口委員長
 何か特別な意図があるかということですね。

○医政局国立病院課国立病院機構管理室長
 言葉が違っていますが、同じものを指しています。

○亀岡委員
 同じものを指していることは分かりました。

○山口委員長
 よろしいですか。ほかに、御意見等ございますか。

○真野委員
 経営ノウハウの活用ということが資料に幾つか出てきましたが、これは具体的にはどのようなことを指して言われているのでしょうか。

○医政局国立病院課長
 国病機構には143の病院がありまして、いろいろなデータ、経験値を持っておられますので、それを臨床評価指標という形でノウハウを公表されています。それを他の病院などが自分たちの取組と比較して活用できるようにするということで、公表するという努力は既にされています。そうしたものを活用していただく。その公表の仕方を更に工夫していただく中で、今まで以上に地域の病院にも役に立つような情報を出していただくことも1つの考え方だとして、こういう話が入っています。

○真野委員
 そうすると、モデル事業と言うと大げさですが、国立病院機構が模範を示すという、そういう意味合いでしょうか。

○医政局国立病院課長
 現在、実際に機構が取り組んでいる医療の成果と言いますか、こういう形で取り組んでいるというものを、できる限り参考にしていただけるよう、お出しいただいています。

○山口委員長
 ほかにございますか。

○今村委員
 資料1-1の、見直し案概要の一番最後の行について、用語がよく分からないので教えてください。「また、特定行為を行う看護師など、高度な専門性の下に多職種による連携・協働ができる専門職種の育成・研修」とある、この「専門職種」というのは、どういうスキルを持っているということでしょうか。もう少し具体的に教えていただきたいと思います。

○医政局国立病院課国立病院機構管理室長
 お答えいたします。これについては、医療従事者を指しますが、例えば看護師であれば前段にあります「特定行為を行う看護師」ということで、現在、医政局の中でも議論をしています。今後、法案等で整理されることになりますが、高度な専門性とはそのスキルを指しています。現在、一定の看護師が一定の医師の指示の下で技術等を習得した上で特定の行為をするということが制度化されてきていますので、そこを指しています。内容については今後の制度改正の中で整理されていくことになります。

○山口委員長
 ほかに御意見はございますか。

○清水委員
 先ほど説明された老朽化した建物等の建て替えについては、どのぐらいのインターバルで、どのぐらいの期間を掛けて更新していくか、計画等は作られているのですか。

○国立病院機構企画経営部長
 老朽化建物は、今後5年ぐらいの間に耐用年数の39年を超えるものが、病棟で約4割、外来棟で6割あります。これは耐震上の問題としても大変深刻な状況なので、できる限りこれを早急に建て替えるという方向で現在検討を進めています。そういう意味で、計画的に進めていきたいと考えています。

○清水委員
 これまで、中期計画の中で建て替えなどを進めた病院はある程度ありますね。どんどん増えていくということについて、今までとの関係、連続性が知りたいのです。急に悪くなるわけではないと思います。

○国立病院機構企画経営部長
 これまでも、中期目標・中期計画の中で建て替えを進めるということで、一定量を計画的に進めてまいりました。建物については建築年次がそれぞれ異なりますので、これから特にそういう老朽化建物が多くなるということが1つの事情としてあります。また、国立病院機構の場合は、経営的には経営改善努力を進めて一定の収益を上げていますが、過去の、国時代の債務があり、その返済を優先してきたこともありまして、なかなか全ての建物を建て替えられなかったという事情があります。現在、経営の改善が進んだ中で、今後、建て替えに重点的に投資していきたいと考えている次第です。

○国立病院機構理事長
 補足してよろしいですか。国立病院機構の病院は常に同じ速度で建てられたのではなくて、ある時期にかなりまとまって建てたものが、ちょうど耐用年数の時期を迎えているという事情があります。それから、御存じとは思いますが、国立病院機構の建物は1つの大きな建物を全部更新するというやり方とは違って、重症心身障害の病棟、一般病棟、外来などが別棟になっていて、それがそれぞれ建て替えの時期を迎えるということで、常に100件ぐらいの案件が、計画や建築のいろいろなフェーズで同時進行しているという状況です。

○清水委員
 国立病院機構の場合、各施設単位の採算管理がされていたと思いますが、そういう中で、国からの借入れの返済はどのぐらい進んだのでしょうか。今後の建て替えには影響ないような減り方をしていると考えてよろしいのですか。

○国立病院機構企画経営部長
 これまで国からの債務は、独法移行時には約7,600億円ありましたが、現在それを約4,600億円まで縮減しています。これは約定どおり返済しています。ただ、今後ともこの借金を返すこともありますが、これからの投資需要を満たして建て替えていくためには、診療収益で上げている利益を十分に投資しなければ資金的には足りない状況です。今後、それに重点的に投資を行っていきたいと考えています。

○清水委員
 是非、頑張っていただきたいと思います。

○山口委員長
 ほかに、御意見等はよろしいでしょうか。御質問はありましたが、修正意見ではなかったと理解しています。国立病院機構の組織・業務全般の見直し案については、当委員会として了承したいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については、私に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○山口委員長
 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。最後に、法人所管課及び法人の理事長から一言、頂きたいと思います。

○医政局国立病院課長
 本日は御審議いただきまして誠にありがとうございました。今後、次期中期目標の策定に向けまして、政策医療を国立病院機構が引き続き着実に果たされるよう、我々としても努力してまいりたいと思います。ありがとうございました。

○国立病院機構理事長
 本日は御審議いただきまして、どうもありがとうございました。我々は、平成26年度から新しい中期目標期間、3回目の中期目標期間ですが、この見直し案を踏まえまして、次期の計画の策定をすることになります。次期の中期計画期間中におきましては、我々の元々のミッションであります医療の提供、これは地域医療に一層貢献していくこと、また、セーフティネット系の医療には我々がやらなければならない分野がたくさんありますので、これも強化していくことが重要であるということ、これはこれまでどおりですが、特に、今お話いただきましたように、老朽化した施設・設備の整備は喫緊の課題です。これは、松尾部会長がおっしゃったように、財務的にはかなりの努力を必要とする状況ですが、我々としては、クリーンで快適な療養環境を確保する方向で努力したいと思います。
 もう1つ、できれば是非やりたいと思っていることは、病院ネットワークを最大限に活用して、これまでやってきましたDPCデータを全病院から収集して分析し、それを公開しておりますが、さらに、電子カルテ情報の収集・分析を進めまして、臨床研究のIT基盤の充実を目指してまいりたいと考えております。
 最後になりますが、御審議いただきましてありがとうございました。

○山口委員長
 ありがとうございました。次の議題に入る前に、法人所管課及び法人の入れ替えを行いますので、皆様しばらくお待ちください。
(法人所管課及び法人入れ替え)

○山口委員長
 それでは議事を再開したいと思います。
 続いて、労働者健康福祉機構の組織・業務全般の見直し案について審議いたします。
 まず、法人所管課から御説明いただき、その後、今村部会長から、労働部会における委員からの意見等についての御報告をお願いいたします。
 最初に、法人所管課より10分程度で説明をお願いいたします。

○労働基準局労災補償部労災管理課長
 労働基準局労災補償部労災管理課長です。よろしくお願いいたします。独立行政法人労働者健康福祉機構の組織・業務全般の見直し案について御説明いたします。
 夏の総会で見直し当初案について御了承いただいた後、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会で御議論いただき、今般、勧告の方向性が示されました。その勧告の方向性を踏まえた見直し案でございます。資料2-1は見直し案の概要、2-2は勧告の方向性の概要、2-3以降はそれぞれの本体やそれを並べたものですが、説明に当たっては資料2-1を用いまして、適宜、勧告の方向性の内容にも触れながら説明させていただきます。
 資料2-1の「第1 事務及び事業の見直し」です。「1 労災医療と地域医療における役割」で、ここは政策評価・独立行政法人評価委員会の勧告の方向性の内容を踏まえて見直し案を作成しております。前提として、労働者健康福祉機構が予防・治療・職場復帰支援を一貫して実施するという役割を担っているということを踏まえた上で、現実的に地域医療における役割が相対的に増していることから、勧告の方向性ではこの1に書いてあるようなことをしなさいという指摘を頂いております。
 その指摘を踏まえ、見直し案では、地域における役割や機能を分析した上で、各病院の特性を活かしつつ、地域の実情に応じた効果的かつ効率的な医療サービスを提供することにより、地域医療に貢献していくとしております。
 「2 経営改善に向けた取組」については、機構には繰越欠損金があり、勧告の方向性では、厚生年金基金について予定利率及び給付水準の引下げを含めた見直し等を進めた上で、繰越欠損金の解消計画の策定、個別病院単位の財務関係書類の作成、国立病院機構の事例を参考とした取組の実施について指摘をされました。これを踏まえ、「(1)繰越欠損金の解消計画の策定」、「(2)個別病院単位の財務関係書類の作成等」については、ほぼ勧告の方向性のとおりとしました。「(3)他法人の事例を参考とした取組等」については、2つ目のポツ(同機構を始めとする他法人との連携をより推進し、業務運営の効率化・財務内容の改善を図る。)を追加しております。
 夏の見直し当初案では、国立病院機構との連携の推進として、医薬品や医療機器の共同購入等を推進するとしておりましたが、この夏の総会の場で国立病院機構以外も含めてはどうかという御意見もいただきました。ここでは国立病院機構を始めとする他法人との連携をより推進し、業務運営の効率化・財務内容の改善を図るとしております。
 「(4)本部事務所の移転」は、勧告の方向性にはありませんが、見直し当初案に含まれていた内容をそのまま掲載しております。
 次のページの「3 次期中期目標における新たな目標設定等」では、夏の見直し当初案に含まれていた「すべての労働者が安心して働ける社会の実現」のため、産業保健・予防医療、労災医療、職場復帰支援・両立支援の各分野において、適切なサービスが提供できる体制を構築し、労働者の業務上疾病等に係る予防・治療・職場復帰支援を一貫して実施するということを押さえ、新たに目標設定する項目を示しております。
 「(1)業務運営の透明性の向上等」は、勧告の方向性で指摘された内容を取り入れたものです。1つ目は病院ごとの目標管理、病院ごとに設定可能な指標は目標管理を行い実績を明らかにすること。2つ目は治験の推進に係る具体的な取組目標を中期目標に明記するということ。3つ目は未払賃金立替払事業について立替払額や回収金額を明らかにするというものです。(2)から(5)は勧告の方向性にはありませんが、見直し当初案に含まれていた内容です。具体的には、「(2)両立支援・職場復帰支援/労働者の健康支援に係る研究の取組」、「(3)労災疾病等に係る研究開発の推進」、「(4)新潟県燕市の燕労災病院の再編」、「(5)労災リハビリテーション作業所の完全廃止」ということです。
 次のページの「第2 業務実施体制の見直し」です。「1 産業保健三事業の一元化」です。この一元化そのものについては、見直し当初案にも含まれておりましたが、勧告の方向性では事業拠点への集約化や管理業務の効率化の徹底、また、中期目標への成果目標の明記ということが指摘されており、それを取り入れております。夏の評価委員会では、今村部会長からも効率化への努力や、具体的・効果的な目標設定について言及を頂いており、その方向に沿った形になったと考えております。
 「2 管理業務の本部等への集約化」です。勧告の方向性の中で、管理業務を本部等に集約化するなどし、法人全体として管理部門をスリム化することについて検討せよとの指摘を頂いておりますので、それを取り入れております。
 「3 独立行政法人労働安全衛生総合研究所の業務との一体的実施」です。この件は夏の総会の場で、労働安全衛生総合研究所を例示して、シナジー効果という点で労働者健康福祉機構との間で調整できないかという御意見を頂いたところですが、勧告の方向性でもそのような指摘があり、今後取り組んでいくこととしております。
 「4 優秀な人材の確保、育成」について、これは勧告の方向性にはありませんでしたが、見直し当初案に含まれていた内容です。
 「第3 業務全般に関する見直し」です。これは政策評価・独立行政法人評価委員会から各独立行政法人共通に指摘があった内容です。
以上のとおり、夏の見直し当初案の内容は活かし、政策評価・独立行政法人評価委員会の勧告の方向性の内容を踏まえ、この見直し案を作成したものです。労働者健康福祉機構については、このような見直しを行う方向で検討を進めて、次期中期目標・中期計画を策定する段階で、より具体的なものとしていくことを考えております。
以上でございます。よろしくお願いします。

○山口委員長
 ありがとうございました。続いて、今村部会長から、労働部会における委員からの意見等について御報告をお願いいたします。

○今村委員
 報告いたします。12月16日に総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から示された「独立行政法人労働者健康福祉機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項を踏まえ、厚生労働省が見直し内容を再度検討し作成した「独立行政法人労働者健康福祉機構の組織・業務全般の見直し案」については、労働部会において、12月17日までに書面により部会所属委員の意見を聴取いたしました。部会所属の各委員から特段の意見はなく、原案どおり了承しております。以上でございます。

○山口委員長
 ありがとうございました。それではただ今御説明がございました労働者健康福祉機構の組織・業務全般の見直し案について、委員の皆様のほうから御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。はい、真野委員。

○真野委員
 地域医療に貢献という話が出てきたわけで、以前だと思いますがやはり労災病院なので労災医療のほうにフォーカスするという話もあったと思いますが、地域医療という話になると、普通の病院もされることだと思いますので、その辺のバランスといいますか、方向性を教えていただきたいと思います。

○労働基準局労災補償部労災管理課長
 今の説明の中でも若干申し上げましたが、勧告の方向性の中でも、労災病院は労災医療としての機能を果たしているが、もう一方では地域医療への貢献ということも求められているという指摘がなされております。これを踏まえて私どもとしましても、今、現に労働災害が減少しているとか、労災指定医療機関が充実してきたこともあり、労災病院にかかる労災患者の直接の割合という点では低下したかもしれませんが、労災病院の持つ機能についてはより強化し、それで各医療機関等にも研究成果を提供していく等の役割を果たしていく必要がある。行政への貢献等もしていく必要がある。そういったことをきちんと押さえた上で、現実問題として地域医療に対する一定の貢献というものもありますので、これも地域の中で求められる状況に応じ、それぞれの労災病院の特性に応じてやっていこう。そういう立場で考えております。
 この見直し案でもそういう前提を踏まえており、今後作成していく中期目標の中でも、よりその辺りを明確に表現していきたいと考えております。

○山口委員長
 ありがとうございました。はい、酒井委員。

○酒井委員
 「業務実施体制の見直し」の中で2点伺います。1点目は、「1 産業保健三事業の一元化」ということで、従来の産保センターとその他のものが一元化に当たるとのことで、この具体的なイメージというものがもうできていて、事業拠点の集約化について計画ができているのか。また、その拠点でどういう事業をされようとしているのかお聞きしたい。
 もう1つは、「3 独立行政法人労働安全衛生総合研究所との業務の一体的実施」、これは非常に結構なことと思います。来年度以降に向けて、既に話し合いというのは始まっているのかどうかを教えてください。

○労働基準局労災補償部労災管理課長
 では、労働安全衛生総合研究所の業務との一体的実施の関連について、私から説明申し上げます。産業保健三事業の一元化による具体的な状況については、これはまだ来年度予算に関わることで、具体的には説明できる状況ではありませんが、概ねこのようなことを考えているといったことを、労働者健康福祉機構のほうから御説明いただければと思います。
 独立行政法人改革の関係で、今、独立行政法人評価の動きと並行して、独立行政法人の在り方についても政府レベルでの検討が行われております。ここで私どもとして、労働安全衛生総合研究所との統合という方向も、それぞれの機能をより効果的に発揮し得る点で効果があるのではないかと説明をしてきております。そのような中で、業務についてもどういう連携が適当であるのか、どのような形で連携していき、より良いものにしていくことができるのかについて、統合の可能性ということも踏まえ検討していく必要があると思っております。現実に少しずつ進めていってはおりますが、その組織の在り方についての方向性がより明らかになった段階でより具体的に進めていくことになろうと、今のところ思っております。

○労働者健康福祉機構産業保健・賃金援護部長
 産業保健・賃金援護部長です。産業保健三事業一元化については、現在当機構が行っております都道府県産業保健推進センター事業、それと国の委託事業として行っております地域産業保健事業について、当機構には現在15ヶ所の産業保健推進センターという都道府県拠点がありますが、これは名称等も見直すことを考えておりますが、これを来年度以降、15センターから47の都道府県の拠点として位置付けをし、そこでもともと行っていた産業保健推進センター事業に加えて、地域産業保健事業及びメンタルヘルス対策支援事業をワンストップで提供していくという姿で今、検討しているということです。

○山口委員長
 ほかに。はい、藤川委員。

○藤川委員
 3ページ目第2の「2 管理業務の本部等への集約化」で、法人全体の管理部門をスリム化すると書いてあり、これは、国立病院機構と同じようにコストカットする上での当然の流れかと思うのですが、他方、1ページ目の第1の2の「(2)個別病院単位の財務関係書類の作成等」があり、これは今までやっていなかったのが問題だとは思いますが、これに関しては、マンパワーが増える方向なのかと思います。1つの中に、マンパワーを減らすことと、マンパワーを増やすことの両方が入ってしまっているような気がしましたが、その辺はどのように解釈すればよいか教えていただけますか。

○労働者健康福祉機構経営企画室長
 経営企画室長の佐藤と申します。今、御指摘がありました財務関係書類の作成については、本部でデータを取り寄せ、本部である程度作成できるような形にしたいと思っておりますので、病院にマンパワーを増やすというようなことは考えておりません。

○山口委員長
 ほかに。はい、高瀬委員。

○高瀬委員
 労災リハビリテーション作業所の完全廃止というところなのですが、これは今現在、利用されている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。結局、廃止するということは利用者が減っているということになるのでしょうか。

○労働者健康福祉機構産業保健・賃金援護部長
 現在、リハビリテーション作業所について、3つの作業所があります。宮城、長野、福岡の3ヶ所です。利用されている方は、在所者としては全部で現時点で4名の方ということで、かつては各施設に定員として確か50名という時期がありました。それが25名減らして現在はトータルで4名の方が残るのみという形になっております。ということで、完全廃止に向けて今、退所手続などのいろいろな準備をやっております。

○高瀬委員
 3施設で4名ですか。

○労働者健康福祉機構産業保健・賃金援護部長
 3施設で4名の方です。

○高瀬委員
 わかりました。

○山口委員長
 ほかに。はい、亀岡委員。

○亀岡委員
 1つ教えていただきたいのですが、「第1 事務及び事業の見直し」の2の「(3)他法人の事例を参考とした取組等」のところで、最初に国立病院機構の取組事例を積極的に取り入れるとありますので、具体的にどのようなことを考えられているのか。また、同機構を始めとする他法人との連携推進のところで、ここでいう他法人というのはどのような法人を想定されているのかをお聞きできればと思います。

○労働者健康福祉機構経営企画室長
 国立病院機構の取組事例を積極的に取り入れるということがありますが、今、共同購入の関係などに参加させていただいているという状況にあります。具体例を申しますと、KKRやその他の病院法人と医療材料などについても広げられないかということで検討を進めて参りたいと思っております。

○山口委員長
 ほかによろしいですか。それでは特に修正意見はなかったようですので、労働者健康福祉機構の組織・業務全般の見直し案については、当委員会として了承したいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については、先ほどと同様に私に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○山口委員長
 ありがとうございます。それではそのように進めてさせていただきたいと思います。最後に法人所管課及び法人の理事長のほうから一言いただければと思います。よろしくお願いします。

○労働基準局労災補償部労災管理課長
 まず私からお礼申し上げます。どうもありがとうございました。夏の評価委員会で、また、本日いただきました御意見も踏まえながら、労働者健康福祉機構がより機能を発揮できるように、これから中期目標の作成、中期計画の認可といった手続を進めていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。

○労働者健康福祉機構理事長
 理事長の武谷です。本日、私ども機構の業務全般の見直し案をいろいろ御検討、御審議いただきまして誠にありがとうございました。大変貴重な御意見を賜りまして、我々の今後の経営、運営方針に大いに役立つものと思っております。勧告の方向性あるいは、この見直し案を今後の次期中期計画等に盛り込んで、更に私たちに負託された使命を果たしていきたいと、このように思っております。これからも御指導のほどよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

○山口委員長
 ありがとうございました。次の議題に入る前に法人所管課及び法人の入れ替えを行いますので、皆様にはしばらくお待ちいただきたいと思います。
(法人所管課及び法人入れ替え)

○山口委員長
 それでは、議事を再開したいと思います。続きまして、年金・健康保険福祉施設整理機構の組織・業務全般の見直し案について審議いたします。まず、法人所管課から御説明いただき、その後、年金部会長を務めております私から年金部会における委員からの意見等について報告いたします。最初に、法人所管課より10分程度で説明をお願いいたします。

○年金局統括管理官
 年金・健康保険福祉施設整理機構について、説明をいたします。お手元の資料3-1で、概要を説明いたします。年金・健康保険福祉施設整理機構、略称RFOと申しておりますが、これは来年4月に大きく名称、それから業務内容を変革して改組させて、装いも新たにスタートをいたします。そこにありますように、来年4月1日からは名称も変わりまして、独立行政法人地域医療機能推進機構と改組をして、新たな再出発をすることになっております。私どもの略称ですが、JCHOとこの新組織の名称を略称して呼ぼうとしております。JCHOとは、Japan Community Healthcare Organizationということで、JCHOと略称しようと思っております。この独法で、57の病院、それから26の介護老人保健施設の設置・運営を行うということで、地域医療において必要とされる医療、介護を提供する機能を確保することをミッションとしたいと思っております。このミッションですが、具体的には2つあると思います。
 地域医療というのは、いろいろな医療機関で行っておりますが、1つは先般の社会保障改革国民会議のレポートにもありますように、病院完結型の医療から地域完結型に移行するということが言われているわけで、正に地域包括ケアを達成することが、厚生労働省における大きな政策の柱にもなっております。そこの地域の医療機関あるいは地域の介護施設と連携して、地域医療というものを地域へきちんと根付かせていく、地域包括ケアを達成していくことが、この法人の大きなミッションであると思っております。
 もう1つ、そういうことを達成するためには、それを担う人材をきちんと確保、養成していかなければなりませんので、正に我が国は高齢社会に入っており、現在では特に女性で見ますと入院患者の4分の3、75%は65歳以上の方です。そういう超高齢社会を迎えているわけですので、そういう多種多様な疾患を持った高齢者にもきちんと対応できる、安心できる医療を提供するという総合的な診療能力を持った医師を育成していくことも、これからの超高齢社会を迎えて非常に大切なことになってまいりますし、地域医療を達成していく上では非常に大きなことになってくると思います。そういう地域医療、地域包括ケアの達成、それからそれを担っていく人材をきちんと養成していくことを大きなミッションにしてスタートをしていくことにしております。
 そのために、この病院事業においては、地域の役割や機能や分析を立証、検証して、きちんと地域医療を達成していくことを担っていきたいと。そのために、来年4月に向けて、RFO、それから私ども業務を支援していく本省におきましても、全面的にバックアップして、来年4月を迎えたいと思っています。それが、現在の立ち位置です。
 それから、第1の2番に経営改善に向けた取組と書いてありますが、正に57の病院、26の老人保健施設を運営するということですので、きちんと各病院、施設の持つ医療資源等を分析・検証していくことからスタートしなければならないと思っております。当然病院ですと、地域にいろいろな病院があるわけですから、その中でどういうところを担っていく位置付け、地域の医療マッピングの中でどういう役割を担っていくのかをきちんと把握した上で、現在の足下の例えば平均患者数、入院患者数が1日当たり何人か、あるいは外来患者数が何人であるか、あるいは平均在院日数がどのぐらいであるのかという、足下のことをきちんと確保、実情を把握した上で、具体的な取組を定めた経営改善計画を各病院ごとに定めることを、次期中期目標に明記をするということで考えております。
 3番目の次期中期目標の計画、新たな目標設定等です。中期目標の中には、できるだけ具体的な形での数値的な目標も含めて提示をしたいと思っております。正に、地域医療を担っていく独立行政法人ですので、その指標となる地域用医療機関がどのぐらい連携しているかという1つの指標は、紹介率、地域の医療機関、診療所あるいは病院から患者をどのぐらい受け入れているか、あるいは診療した患者をどのぐらい地域に返しているかの逆紹介率は1つの指標になると思います。それから、いわゆる医療計画に位置付けられている5事業、救急医療、災害医療、へき地医療、周産期、小児の医療に対する取組、それから地域医療ですから、抜かしてはいけないのは正にリハビリテーションに関する具体的な指標を設けて、その目標達成に向けてやっていきたいと思っております。
 ただ、委員の皆さんからも御心配、御懸念があるかも分かりませんが、画一的にそういう全国統一の数値をもっていくのではなく、当然地域医療ですから、地域、地域においてそれぞれ特性がありますので、そういうことを十分踏まえながらそれに合った目標設定をしていくということで、十分留意をしていきたいと思っているところです。
 それから、特に国立病院機構等ですが、統一的な臨床評価指標があります。例えば、高齢者であれば褥瘡を新規に発生させるものはこれより低い数字がスタンダードである、あるいはできるだけ耐性菌を作られるために術後の抗菌剤の使用はできるだけ抑制的にするといった数値目標がありますので、そういう統一的な診療目標を掲げてそういうものを達成するとしていきたいと思っております。
 それから、3つ目のポツにありますように、治験の推進に係る具体的な取組、目標も、その治験業務に関わる人材であるCRC治験コーディネーター等の育成についても、きちんと対応していくというようなことで考えていきたいと思っております。
 第2に、業務実施体制の見直しですが、そのために不適切な財務運営や会計処理を防ぐということで、きちんと内部統制を行っていきたいと思っております。これまで、RFO時代、全社連や厚生団、生命保険会等を通じて病院の運営をしてきましたが、どちらかというと病院の独自性がかなり強い形の運営がありましたが、きちんと内部統制を図って新しいJCHOとしてきちんとしたガバナンスを効かせた運営をしていきたいと思っております。ただ、当然病院との十分なコミュニケーションは必要だと思っておりますので、各地域の医院長先生の代表の方には、時々として加わってもらい、定期的な会議の中で地域の意見も十分組み取りながら、その上でガバナンスを図っていくとしていきたいと思っております。
 それから、監事監査・内部監査の体制についても、社外監査体制も含めて、内部には業務監査室をきちんと設けて内部監査体制もきちんと進めていきたいと思いますし、2番にありますが、職員に対する教育研修もドクター、ナース、いろいろなメディカルのスタッフはもちろんですが、事務職における透明性の高い病院運営をするための研修もきちんとやっていきたいと考えております。
 それから、今までの業務委託をしていた3法人を、直接独立行政法人で直轄していくことになりますので、人事、給与、財務会計等のシステムについては統一をして、円滑な業務推進を行っていくことにしたいと考えております。併せて2番に書いておりますが、管理業務を本部と集約して、できるだけ法人全体としてスリムで効率的な運営を目指していきたいと考えているところです。
 第3の業務全般に関する見直しは、各法人統一かと思いますが、そこに1から4と書いてありますように、できるだけ具体的かつ定量的な目標設定をしていく、内部統制の充実・強化を図っていく、それから会計検査院の決算検査報告の指摘を踏まえた見直しをきちんと行っていく。それから、これまでの会計等に基づく取組を引き続き進めていきたいと考えております。簡単ですが、この法人における見直しの案について、概要を説明いたしました。どうもありがとうございました。

○山口委員長
 続いて、私から年金部会における委員からの意見等について報告いたします。
独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の組織・業務全般の見直し案について、報告いたします。年金部会において、持ち回りにて委員の意見聴取を行い、本見直し案について基本的に了承いたしました。なお、本法人は来年4月に病院等の運営を業務とし、地域医療の確保を主な目的とする独立行政法人地域医療機能推進機構に改組されることとなっております。これに伴い、新設の地域医療機能推進部会にて、今後の評価を行うことになりますが、その使命を果たすべく御尽力されることを期待しております。以上です。
 それでは、ただいま説明がありました年金・健康保険福祉施設整理機構の組織・業務全般の見直し案について、委員の皆様から御意見、御質問等ありましたら、お願いします。

○五十嵐委員
 資料3-3で、事務及び事業の見直しということで、先ほど説明がありましたように、地域医療推進という面でいくと、地域包括ケアの中で役割を果たしていくという話です。ここにありますように、直営の施設を当然自前で持っているわけで、この経営改善を図る観点から分析・検証して黒字化するいろいろな事業をやっていくことになると、その地域の中で例えば他の民間病院が採算いい中でやっている事業を競争して奪っていくような形になりかねないのではないかと懸念するわけです。その辺りの自前の施設の黒字化をしようという話と、地域全体の最適化のところが矛盾する方向にいかないように考える手立ては、何かあるのでしょうか。

○年金局統括管理官
 正に地域医療というのは、ほかの医療機関も行っているわけで、その兼役を担っていきたいと思っております。先ほどありましたが、地域の連携の1つの指標は、紹介率、逆紹介率ということで、自院で患者だけを取り込むということではなく、正に地域にもいろいろな特性をもった医療機関がありますので、そういう所から、この新JCHOにおける得意分野の患者を受け入れて、また地域に返していくというような、地域で全体を担っていくことが1つです。それから、医療機器の共同利用、それから地域医療を担う地域の医師、あるいは地域の住民に対する研修など、正に民間病院ではなく公的病院という立場から、そういう地域医療を地域できちんと定着させていくという機能を担っていくことが、この法人の使命であると思っておりますので、その地域の中でほかの医療機関の経営を余り適切でないような方向にもっていくということではなく、むしろ地域とともに全体として地域の医療を上げていく、地域での連携を上げていくと。正に、このような高齢社会の中では総動員、他職種もそうですし、他種類の機関がその持てる力を総動員して高齢社会を支えていくことになるかと思いますので、そういう視点で取り組んでいきたいと思っております。

○五十嵐委員
 そうしますと、自分の施設の経営改善といいますか、赤字の解消よりも、その地域の機能の最適化を優先すると。ですから、遮に無に黒字化するというような形で走っていくわけではないという理解でよろしいのでしょうか。

○年金局統括管理官
 そこは、少し私の説明がうまくなかったかもしれませんが、正にこの法人の特色は公費を入れないということが法律に書かれております。したがって、自分たちの努力でこの病院を運営していくことが制度上の根本精神になっております。そういう中で、正にそういう役割になった公的組織ではありますが、業務改善については先輩というかお手本として、国立病院機構等の経営改善の道のりがあり、私どもはそれが手本にできますので、先ほど申し上げましたいろいろな経営指標、患者の動向、日当というか1日当たりの患者診療費がどのぐらいになっているか、そのために費用がどのぐらいかかっているか、どうしたら診療報酬上の上位の点数が取れるか、当然経営上の努力をして黒字化を目指す。黒字化を目指さないと、外からの公費の自由ルートがない組織になっておりますので、そこはそういう地域貢献を併せながら、病院経営の安定の両面を担っていかなければならないという使命を負った立ち位置にある組織と、私どもは考えております。

○五十嵐委員
 なかなか難しいかと思いますが、いわゆる自分も競争しながら経営をやっていかなければいけない中で、更に地域への貢献ということで、民業圧迫といいますか、地域の他の医療機関がマイナスになるようなことにならないような運営をすることを期待いたします。

○内山委員
 すばらしい取組を聞かせていただき、ありがとうございました。実は、新潟県は、人口当たりの医師数が全国42位の県で、医師不足が続いています。その新潟県のなかでも、一番医師が少ない魚沼圏域に公設民営の病院を作っていて、そこを任されているもので、今のお話は参考になりました。
 スケールは小さいのですが、やはり地域医療、包括医療を目指しております。地域医療を全国で展開されるという計画は非常にすばらしいことなのですが、医師が少ない新潟県、青森県、岩手県、秋田県の中で、JCHO所管の病院が果たす役割についてお聞かせいただけますか。要するに、東北5県と新潟県です。

○年金局統括管理官
 新潟には、私どもJCHOの所管の病院はありません。青森にも、残念ながらないわけですが、ただ全国で57の病院を持っている、ある意味ではグループの組織になっておりますので、例えば先般の東日本大震災の際にも、仙台医療センターは震災直後、人工透析の患者を集中的に受け入れたり、あるいは全国の社会保険病院から支援に入るというような支援体制を組めることが、1つの強みであると思っております。それから、地域医療ですので、へき地医療に対する支援も、この法人の大きな使命、役割の1つだと思っております。そういう意味では、へき地医療に対する支援ということで、今でも医師のいない診療所に対して指定管理として社会保険病院が担っていることも実際行っておりますので、そういう形でへき地の医療に対しても一定の貢献を続けていくことにしたいと。それは、またこの新JCHOの大きな使命の1つであると考えております。

○内山委員
 ありがとうございました。地域医療、地域包括という私自身とても興味のある構想で、すばらしい計画でしたので、どの地域でやられるのかなとすごく興味があったものですから、質問させていただきました。今後の活躍を期待しております。また、医師不足の地域も助けてください。

○高田委員
 地域包括ケアというお話だったのですが、今の説明ですと医療部門の立て直し、強化の観点の説明が主だったのですが、介護やリハビリ関係の取組はどのようにお考えなのでしょうか。

○年金局統括管理官
 病院の話が中心になりましたが、16の老人保健施設、訪問看護ステーション、それから地域包括ケアセンターを持っております。病院のほうからいいますと、例えば地域連携パスというようなことで、脳卒中の患者を地域に返していく、あるいはがんの患者の治療後に地域でターミナルを迎えていくというようなことをきちんと支援するために、JCHO、今のRFOの強みは、病院だけではなく、介護保健施設も持っているのが強いところです。これは、国立病院機構と大きく違っているところです。その強みを活かして、地域の医療機関あるいは地域の介護事業者等と地域連携パスをうまく作っていき、今でも導入が進んでおりますが、そういう形で患者方を場合によっては病院から老人保健施設、それから地域へ、場合によっては病院から地域へということもあると思いますが、そういう持てる事業、施設を最大限に有効に活用して、その人らしい生活を地域で送れることを目標にしたような取組が進んでいけるのではないかと考えております。

○松尾委員
 1つ期待として意見を言いたいと思います。この前に、2つの機構、国立病院と労災病院があり、それらの機構も地方の病院では、やはり地域医療の中心になっているということです。私は、縦割りはいけないと思いますので、折角この機構が地域包括ケアというアイディアの下に地域医療をやっていく上で、この機構の持つ病院だけではなく、ほかの機構、特に地域医療、恐らく地域にある病院ですと皆そういうことを果たしているので、そういった所にも目を配って、例えば介護施設なども共同して利用できるような、ほかの機構との連携を是非今後追求をして、その辺りでリーダーシップを取っていただきたいと思います。

○年金局統括管理官
 もちろん、そのような方向感で取り組んでいきたいとは思っておりますし、例えば開放病床として地域で共通の病床として利用していくというようなことも取り組んでおりますし、正に医療機器の共同利用で、当然国立病院機構あるいは労災病院も含めて十分な連携を図っていくということで取り組んでいきたいと思っております。

○真野委員
 今までの先生方の発言と似ているのですが、先ほどの国立病院やほかの所と少し違うなと思ったのは、電子カルテやDPCを含めてデータの話が余り出てこなかったので、そこをお聞かせいただきたいと思います。もう1つは、今回のRFOの病院の特徴は、結局非常に地域医療寄りであるという理解でよろしいのでしょうか。例えば、母体として保険者ではないのかもしれませんが、母体の特徴がありますね。ただ、母体の特徴が何か出てくるというものではなく、やはり地域医療に特徴があるという理解でよろしいのでしょうか。

○年金局統括管理官
 1つは、データとしては余り数値では入っておりませんが、これからの病院経営の在り方としては、1つはお手本となる病院機構等がありますが、そこでは毎週の役員会で全国のいろいろな病院の数値を見て、弱い病院には少しこういう形で支援をしていくというような取組をやりますので、そういうことを参考にして進めていきたいと思いますし、そのためのベースとなるデータ、ITシステムをどう構築していくかは、当然各医療機関のレンカル情報等をどう全体として構築していくかは、当然進めていかなければならないと思っておりますし、それは大きな課題であると思っております。
 それから、新しいJCHOですが、法人の名前にありますように、地域医療機能推進機構という看板を頂いておりますので、先ほど国立病院機構と労災病院の話があったというお話がありましたが、それぞれ国立病院機構であればいわゆるセーフティネット系の政策医療を行っていく。労災病院であれば、労災制度の枠組み、労働者災害補償保険法という枠組みの中での病院という位置付けがあります。そういう意味で、このJCHOの担っていくところは、正に地域となり、より住民に近い所で、なおかつ日本の今おかれている時代的な高齢社会に向かっていくところを踏まえた上での役割が、それぞれの独立行政法人の特色を担っていく役割でいえば、そういうところを中心に担っていく整理があるのだろうと思っております。

○丸山委員
 先ほどの地域包括ケアに関連することなのですが、今いろいろと説明をいただき、その結果地域に密着した包括ケアの事業についても積極的におやりになるという理解をいたしました。そうしますと、事務及び事業の見直しに書かれている3番目の次期中期目標における新たな目標設定等の所には、細かく書かれている資料3-5を拝見しましても、具体的に介護老人保健施設等に関連することと読み取れる言葉がないかと理解いたします。もう少し具体的に、社会的ニーズが非常に高まってきて、今後ますますここに対する国民のニーズが高いことと、必要性も高くなってくることだと思いますので、取り組まれるのであれば、それも明確に言葉を入れていただけると有り難いと思いましたが、いかがでしょうか。

○年金局統括管理官
 これからは、正に中期目標を定め、法人が中期計画を定めていく段取りになりますので、具体的には今その作業を進めておりますが、その中に今お話のありましたような地域医療あるいは地域包括ケアに対する取組を具体的に位置付けていくということで、取り組みたいと思っております。

○亀岡委員
 先ほどからいろいろと伺っていて、1つ伺いたいのですが、こちらは委託運営を行っていた体制から直接運営ということで、当時のいろいろな問題点を解決という点と同時に、不適切な財務運営や会計処理を防ぐための内部統制の構築、更には監事監査・内部監査の体制整備に関する取組と。これは、私も違う所でやったことがあるのですが、結構コストのかかる内容です。これと、そのあと本部をスリム化していくのだというようなことがあるのですが、この辺りの考え方についてお聞きしたいと思います。

○年金局統括管理官
 今お話いただきましたとおり、今は3つの民法法人に運営を委託していたものが、新JCHOにおける直営の形になりますので、実は今はRFOの職員は20数名ぐらいなのですが、来年4月からは2万人の職員を抱える大法人になります。したがって、そこのガバナンスをきちんとやっていく、それから会計処理についても適切なものにしていくということで、そのための執行部門においてもそういうことに明るい、強い役員体制を取ることになろうと思います。それから、中には業務監査室をきちんと位置付けて、内部的な業務監査もきちんとすると。それから、組織外の監査体制もきちんとして、組織外の主体による全病院のチェック、監査も進めていこうと思っておりますので、今年度において不適切な運営が報道されておりますし、それに対しては隣におります尾身理事長がJCHOの移行ということで、過去の不適切なものを全て洗い出し点検をするところから始まったものです。その中で出てきた結果ですので、生みの苦しみの中での総点検ということでやった作業ですので、来年4月以降の新体制においては、そういう経過に対して、執行体制もそうですし、外部監査のスタイルも含めて、終始やっていくための内部的な基準、規則をきちんと定めてやっていくということで進めていきたいと思っております。

○亀岡委員
 ということは、一時的にはかなりのコストを削いて整備をしていくと理解してよろしいでしょうか。

○年金局統括管理官
 もちろん、そのための必要な経費と、当然外部の監査を行っていく経費はかかると思いますが、それは必要なものだと思っております。

○山口委員長
 ほかにはよろしいでしょうか。それでは、修正意見はなかったと思いますので、年金・健康保険福祉施設整理機構の組織・業務全般の見直し案については、当委員会として了承したいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合は、先ほどと同様に私に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○山口委員長
 それでは、そのようにさせていただきます。最後に、法人所管課及び法人の理事長から一言いただければと思います。

○年金局統括管理官
 本日は、たくさんの御意見、御指摘をどうもありがとうございました。たくさんの御意見をいただいたことは、新JCHOに対する皆様方の期待の裏返しであると私どもも認識して、来年4月の発足、再スタートに向けて、最大限の取組を進めてまいりたいと思っております。本日は、どうもありがとうございました。引き続き、理事長からお願いします。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 本日は、新機構への立ち上げに向けて、大変貴重な御意見、御指示を本当にありがとうございます。準備を預っている私としては、新機構に求められることは幾つかあると思いますが、大きく分けて3つあるのではないかと思います。1つは、独法にふさわしい形で地域医療、地域包括ケアに積極的に貢献することです。それから、自立的な経営をすることです。もちろんこれは、先ほど五十嵐委員からありましたが、民業圧迫というよりは、むしろ医師会などと積極的に連携をして、現状では足りないことを集中して、そこにむしろ医師会などに対する後方サポートという形で、自立的な経営をやれればいいと思います。最後には、今まで全社連等の問題でいろいろな会計のバランス上の問題については、社会的説明責任をしっかり果たせるような形での組織ガバナンスの確立の3つだと思います。
 新機構の立ち上げに残された期間も4か月となりましたので、これから本日の委員の先生方の様々な貴重な御意見、サジェッションを踏まえて、最後の4か月、職員共々準備を加速をあげて頑張りたいと思います。これからも、御指導のほどお願いいたします。本日は、ありがとうございました。

○山口委員長
 ありがとうございました。それでは、次の議題に入る前に、法人所管課及び法人の入れ替えを行いますので、委員の皆様はもうしばらくお待ちください。
(法人所管課及び法人入れ替え)

○山口委員長
 それでは、議事を再開いたします。
 続いて、本日最後の議事となりますが、医薬品医療機器総合機構の組織・業務全般の見直し案について審議いたします。まず、法人所管課から御説明いただき、その後、真野部会長から、医療・福祉部会における委員からの意見等について御報告をお願いいたします。
 最初に、法人所管課より10分程度で説明をお願いいたします。

○医薬食品局総務課長
 医薬食品局総務課の鎌田でございます。時間もありませんので御説明に入ります。まず、資料4-4総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が示された勧告の方向性です。これについては、第1、第2、第3という形で大きく分けております。
 まず、第1の「事務及び事業の見直し」については、1にあるように、新医薬品及び新医療機器の審査事務の迅速化、効率化を講じていただき、現状について、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグがありますので、これを早期に解消し、優れた新医薬品、新医療機器をより早く国民に提供するのが望まれているという問題を提起させていただきました。
 具体的なものについては、1ページの1ですが、日本再興戦略において、平成32年までに審査ラグの「0」を目指すという指摘を受け、それに向けて、医薬品や医療機器の特性を踏まえた取組を行って、一層の審査の迅速化を図るという御指摘を頂いております。そして、特に医療機器についてはデバイス・ラグがありますので、新医療機器に係る審査については標準的な審査期間の設定というような御指摘を頂きました。
 具体的な点の2ですが、治験相談、薬事戦略相談については、実績が計画数に及んでいないという御指摘を頂き、企業側のニーズを的確に把握し、相談業務の在り方について適時見直すという方向性を頂きました。
 3は、企業側の申請時期の遅れ、開発ラグについてですが、その開発ラグの解消のために、治験の推進、更に未承認になっている医薬品医療機器の積極的な支援という御指摘を頂いております。
 2ですが、新医薬品以外のその他の医薬品等、それから新医療機器以外のその他の医療機器に係る審査事務の迅速化については、(1)の中ほどの下ですが、申請件数が新医薬品や新医療機器よりも多く、かつ、現行の審査期間の目標値を達成していないという御指摘を頂き、具体的に1として、より短縮した数値目標を掲げ、審査期間の一層の短縮を図るということを頂いたほか、2の後半ですが、関係業界に対して積極的な治験相談利用を呼びかけて、3ページですが、申請者側機関の短縮につながる取組を行ってはどうかということを御指摘いただきました。
 (2)ですが、再審査及び再評価の迅速化については、迅速化及び透明化を図る観点から、標準的な審査期間を含む業務の具体的な内容を明記しなさいという御指摘を頂いています。
 3つ目が、医薬品副作用被害救済制度の周知ということがあります。1ですが、医療機関、医療関係者の認知度が必ずしも高くない状況から、今後は一般の国民の皆様に周知するに当たっても、医療関係者を通じた患者への周知対策について重点的に取り組めという御指摘を頂きました。
 2ですが、2行目に、積立金(利益剰余金)が毎年度増加しているという御指摘を頂き、積立金の積み立てるべき額についての考え方を公表しなさいという御指摘を頂きました。更に、2つある勘定のうちの感染救済勘定においては、企業からの拠出金率について、適切な水準になるよう見直しなさいという方向性を頂いています。
 大きな2番目が「第2業務実施体制の見直し」です。4ページですが、具体的に1として、審査部門や安全対策部門等あるわけですが、その部ごとに現状の業務プロセスや実施体制における課題を可能な限り定量的に分析・検証するものとしなさいと。更に2として、国からの現役出向者の具体的な削減方針などについて、見直し方針を定めて計画的に取り組めという方向性を頂きました。
 また、第3ですが、この「第3の業務全般に関する見直し」は1から5まで5つほどありますが、これらは、全ての独立行政法人に共通する事項ということで理解しております。
 それを受けて、それではPMDA、医薬品医療機器総合機構でどのように取り組むかということですが、夏に「見直し当初案」というものを御審議いただきましたが、それを踏まえて、具体的なものを資料4-3として見直し案を示しておりますが、時間の関係もありますので、概要を示した資料4-1を御覧ください。
 見直し案の概要ですが、「第1事務事業の見直し」ですが、1の審査業務については、総務省の方向性を頂き、(1)の1ですが、医薬品・医療機器の特性を踏まえた取組をすること。特に新医療機器の審査については各審査プロセスにおける標準的審査期間を設定する。2ですが、治験相談、薬事戦略相談について、企業ニーズの把握による相談業務の見直し。更に(2)その他の医薬品、新しいもの以外の医薬品や医療機器に関する審査事務の充実、迅速化。更に再審査及び再評価の迅速化など、先ほど御紹介した事項を盛り込んでおります。
 2の健康被害救済業務については、(3)に財源の透明性の確保・拠出金率の見直しというものを盛り込みました。
 安全対策業務については、これは見直しの勧告にはありませんでしたが、先般の臨時国会で薬事法を改正して、安全対策の一環として添付文書については、届出制にしなさいという改正でしたので、3の(3)にあるように、添付文書の届出制への対応等をしっかりするということを盛り込んでおります。
 2ページです。「第2業務実施体制の見直し」については、1部門ごとの課題解消のために業務プロセスに係る改善計画を立案し、2国からの現役出向者の削減方針などの見直し方針を策定することとしています。
 「第3業務全般に対する見直し」については、ここにあるように、1から6までありますが、特に5についてはPMDAの役割にふさわしい財政基盤の検討というものを盛り込んでおります。以上です。よろしくお願いいたします。

○山口委員長
 続いて、真野部会長から、医療・福祉部会における委員からの意見等について御報告をお願いいたします。

○真野委員
 12月16日に総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から示された「独立行政法人医薬品医療機器総合機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項を踏まえ、厚生労働省が見直し内容を再度検討し作成した「独立行政法人医薬品医療機器総合機構の組織・業務全般の見直し案」については、医療・福祉部会において、12月17日までに書面により部会所属委員の意見を聴取いたしました。部会所属の各委員から特段の意見はなく、原案どおり了承しております。以上です。

○山口委員長
 それでは、ただいま御説明がありました医薬品医療機器総合機構の組織・業務全般の見直し案について、委員の皆様から御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

○平井委員
 少しここでお尋ねしておきたいと思います。
PMDA関西支部が開設したということで、そのことがここに反映されているのかなと思うのですが、そこの内容が、私たち関西の地元の人間にとってもう一つ見えていないということがあります。宣伝をどんどんしていただいたらいいのではないかということです。
 もう1点は、副作用被害救済の充実ということなのですが、身近な人間が、今年になってスティーブンジョンソンで、かなり生死の境をさ迷ったということもあるのですが、なかなか保障というのはある程度限られていて、どこまでというのが、本人にしたら十分とは言えないというような話もしていましたので、その辺りも、個別に違うところがあると思うのですが、きめ細かい対応を更にしていただけると有り難いと思っております。

○医薬品医療機器総合機構理事(北條)
 御指摘ありがとうございます。前段のPMDA関西支部の関係でお答えします。今年の10月1日に梅田にPMDA関西支部ということで開設したところです。とりあえず業務としては、薬事戦略相談、また加えて、来年の4月にGMP査察ということで、開始する予定です。まだまだ支部を立ち上げたばかりですので、周知ができていないところではあるかもしれません。特に11月1日に基盤研の創薬支援センターとの業務の連携についての協定を結び、やっと立ち上がりの準備がスタートした段階です。周知については、特に関西地区の御要望も大きいので、いろいろな機会を使い、そういう制度というか、支部ができたことも含めて周知したいと思います。どうもありがとうございます。

○医薬品医療機器総合機構理事(重藤)
 救済制度については私からお答えします。救済制度については医薬品が正しい使い方をされ、なおかつ障害を受けられた方については、医療費についてこちらのほうから負担しております。また、障害をお持ちの方については、障害の各年金制度等を横並びで見ながら、その等級にふさわしい救済をしております。いろいろ御不満の点もあろうかと思いますが、私どもはいろいろお話を聞かせていただいて、より良い制度にするよう、今後とも進めていきたいと思っております。

○平井委員
 何でもかんでも要求すればいいというのではないというのは、私などもよく分かっているのですが、その辺りは一般の方にはなかなか分かりにくいところもあると思いますので、分かるように説明していただいたらいいのではないかと思います。

○酒井委員
 ただいまの御説明の中に、基盤研との連携というお話がありましたが、当然、皆さんの業務から見て、基盤研との連携というのはあり得るだろうなと思って伺ったのですが、ポイントはどういうところにあったか簡単に教えていただけますか。

○医薬品医療機器総合機構理事(北條)
 業務の連携あるいは仕分という点で、基盤研では、企業やアカデミアで作られたシーズなどを選定していただき、開発の方向性なども指導していただくということです。私どもの役割はその実用化です。承認を得て市場に出す、そこまでの開発のプロセスについて、薬事戦略相談や治験相談という機会を使って助言を申し上げるという流れです。

○酒井委員
 ありがとうございます。

○松尾委員
 私の理解している限りでは、PMDAは随分努力をされて、諸指標が大幅に改善したと理解をしているわけです。しかし一方で、米国などに比べると、まだまだ人材の数、質ともにまだこれから追い付け、追い越せと。追い越すところまで行くかどうか分かりませんが。それで、本日出していただいた資料4-1の裏の「業務実施体制の見直し」の所で、人材の確保というか、あるいは待遇改善のことが書いてあるのですが、今はどの分野でもそうなのですが、新しい職種というか、こういったところのキャリアパスや待遇の問題があって、なかなかこういった所に人が集まってこないという現状があり、そういう問題意識でこれは書かれていると思うのですが、具体的に、雇用条件の見直しや年俸制のことも書かれているのですが、どういう施策というか雇用方針で進めようとしているのか、その辺りを教えていただきたいと思います。

○医薬品医療機器総合機構理事(北條)
 御指摘ありがとうございます。2つの点についての御質問なのですが、1つ目のキャリアパスについては、2年少し前になりますが、PMDA職員の、特に技術系の職員のキャリアパスについては内部で取りまとめております。人事面では、現在、その我々が作成したキャリアパスに従って人事などを行っています。
 後段のほうの処遇の問題なのですが、これについても現在、私どもの職員の給与については、国家公務員の時限的な引き下げに伴い、やはり下げている状況にあり、その結果かも分かりませんが、内定の取消しなどの数も結構多いということで、特にこの処遇問題については、やはりかなりの改善を図る必要があると認識しているところです。したがって、給与の在り方といったところの見直しも、これから具体的に詰めていかなければならないとも思っているところです。
 それから、私どもの組織の特徴として、女性の職員が非常に多いこともあります。これは今の内閣でも女性の活用ということが言われていますが、特に育児などのサポート面の強化も進めていこうということで、これも具体的な案が幾つかありますが、実施に向けてこれから検討していくという段階です。

○松尾委員
 多分、PMDAはこれからますます非常に重要性を増すと思いますので、魅力のある職場になるように、是非よろしくお願いしたいと思います。

○藤川委員
 高度専門医療研究部会に所属しているのですが、夏の高度専門医療研究部会において、所掌する法人からPMDAの方々との間で、人事交流を密に行って、非常に良い機器を開発するヒントを得られたり、そういうことが有意義だったというようなことが出てきたのですが、片想いなのかもしれませんが、そちらサイドの観点からも、人材交流みたいなところがあってもよいのではないかと思いました。行間を読めばあるのかもしれませんが、その辺りを計画には織り込んでいただけたらと思いましたので、よろしくお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構理事(北條)
 委員が御指摘のように、特に私ども審査官等の職員のレベルアップにもつながるという観点で、特にアカデミア等との人事交流については、実用化促進事業などを通じて、現在も進めておりますし、第三期の計画において、いわゆるレギュラトリーサイエンスの向上という観点からも、人材交流は更に進めてまいりたいと思っております。

○山口委員長
 よろしいでしょうか。修正意見はないようですので、医薬品医療機器総合機構の組織・業務全般の見直し案については、当委員会として了承したいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については、私に御一任いただけますでしょうか。
(各委員了承)

○山口委員長
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 最後に、法人所管課及び法人の理事長から一言頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。まず、法人所管課のほうからお願いします。

○医薬食品局総務課長
 本日は御指摘ありがとうございました。本日頂いたこと、人材の件、あるいは、もっと宣伝したほうがいいのではないか、更に分かるように説明してもらったらいいのではないか、更に関係機関の連携などは、見直し案に含んでいる、あるいは御指摘があったように行間を読めば分かるということかと思いますが、総務省の「勧告の方向性」、あるいは皆様の御意見を踏まえて、それをいかに中期計画に具体的に盛り込み、そして実績を出すことが大事かと思っております。是非、引き続き皆様の御指導、御鞭撻を頂きながら努力してまいりたいと思います。それでは、続いて、理事長からお願いします。

○医薬品医療機器総合機構理事長
 PMDAは審査と安全と救済と3つの業務をやっております。それぞれしっかりやっていかなければなりませんし、それは国民に対する負託であろうと思って、常に心づけているところです。レギュラトリーサイエンスと申しまして、つまり普通の科学とは違う倫理的な科学ということで、これによって多くのことが解決すると思っております。今後とも世界の中で皆様方の御期待に沿えるように、しっかりとした組織運営を行っていきたいと思いますので、引き続き皆様方の叱咤勉励を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日はお忙しい中ありがとうございました。

○山口委員長
 どうもありがとうございました。それでは、本日の議事は以上となります。最後に事務局から今後の予定等についての連絡をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、まず、今後の予定について御連絡いたします。本日御審議いただいた4法人の組織・業務全般の見直し案については、この後、厚生労働大臣が本委員会の意見を踏まえ、見直し内容を決定し、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会へ提出します。決定された見直し内容については、後日、委員の皆様にお送りいたします。
 また、決定した見直し内容に基づき、厚生労働大臣が次期中期目標案を、法人が当該目標案を達成するための次期中期計画案を作成し、来年2月下旬から3月中旬にかけて、各法人の所属部会において御審議いただく予定となっております。
 このうち、年金・健康保険福祉施設整理機構を改組し、来年4月に設立される地域医療機能推進機構の中期目標、中期計画に係る審議については、本年7月の総会で新たに設置された地域医療機能推進部会のほうで御審議いただくこととなります。
 なお、年金・健康保険福祉施設整理機構の平成25年度の業務実績評価、平成17年度から平成25年度までの第一期中期目標期間全体の業務実績評価、平成25年度財務諸表の承認等に係る審議については、来年7月と8月に、引き続き年金部会のほうで御審議いただく予定としております。
 続いて、報告事項が2点あります。まず、12月16日に決定・通知された「勧告の方向性」に併せ、同日付けで、本年夏に委員の皆様に御評価いただいた法人の平成24年度業務実績評価結果に対して、総務省政・独委のほうから意見が示されております。参考資料3として配布しておりますが、こちらの5ページ以降に、国立健康・栄養研究所、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園、医薬基盤研究所、年金・健康保険福祉施設整理機構の4法人の評価結果について個別に意見が付されていますので、御参照いただければと思います。こちらについては、来年夏に年度の実績評価を行う際に、各法人の所属部会のほうで改めて御説明させていただきたいと思います。
 続いて、現在、政府・与党において検討がなされている独立行政法人の制度・組織の見直しの検討状況についてです。参考資料4として配布しておりますが、12月3日に自由民主党の行政改革推進本部独立行政法人・特別会計委員会のほうで、独立行政法人の制度・組織の見直しに係る報告書が取りまとめられており、政府に提言がなされています。今後、この報告書を踏まえて、政府のほうで独立行政法人の制度・組織の見直しに係る改革案が年内をめどに取りまとめられる状況にあります。こちらについては、具体的な決定がなされましたら、皆様に情報提供したいと考えております。事務局からは以上です。
 最後に、本委員会の閉会に当たりまして、政策評価審議官の山沖のほうから御挨拶させていただきたいと思います。審議官、よろしくお願いします。

○政策評価審議官
 独立行政法人評価委員会の終了に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。本年も、残すところあと2週間という忙しい時期、また、本日は雨が降り、大変寒い時期にもかかわらずお集まりいただきましてありがとうございます。本日はいろいろと貴重な御意見を賜りまして、重ねて御礼申し上げます。
 今回は、総務省政・独委のほうから、「勧告の方向性」が示されたのが12月16日と、3日前ということもあり、部会を開くことができず、持ち回りの部会ということになりましたが、次回は、本日御審議いただいた見直し案に基づいて、次期の中期目標、また、次期の中期計画というものを御審議いただきます。これについては、来年2月下旬から3月上旬にかけて、4法人のそれぞれの所属部会において御審議いただきますので、その際は、所属部会の委員の皆様方には是非とも御出席いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。
 最後に、皆様には本年6月に、当委員会の委員をお引き受けいただいたということで、ちょうど半年が経過したところです。今後とも引き続き、当委員会の運営に御協力いただきますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

○山口委員長
 それでは、本日の委員会はこれで終了とさせていただきます。熱心な御審議を頂きましてありがとうございました。

(了)

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