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2013年11月28日 第2回医療法人の事業展開等に関する検討会 議事録

○日時

平成25年11月28日(木)16:00~18:00


○場所

全国都市会館 大ホール


○出席者

委員

猪熊 律子 (読売新聞東京本社社会保障部次長)
今村 定臣 (公益社団法人日本医師会常任理事)
大道 道大 (一般社団法人日本病院会副会長)
梶川 融 (日本公認会計士協会副会長)
川原 丈貴 (株式会社川原経営総合センター代表取締役社長)
田中 滋 (慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)
鶴田 憲一 (静岡県理事)
西澤 寛俊 (公益社団法人全日本病院協会会長)
長谷川 友紀 (東邦大学医学部教授)
日野 頌三 (一般社団法人日本医療法人協会会長)
松井 秀征 (立教大学法学部教授)
山崎 學 (公益社団法人日本精神科病院協会会長)

参考人

青木 佳之 (医療法人 青木内科小児科医院理事長)
福井 貴弘 (岡山市 保健福祉局 新病院・保健福祉政策推進課 保健・医療・福祉連携担当課長)

○議題

1 医療機関による健康増進・予防や生活支援の推進について
2 その他

○議事

○田中座長 では、定刻になりましたので、ただいまより「第2回医療法人の事業展開等に関する検討会」を開催させていただきます。お忙しい中、委員の皆様、お集まりいただきましてありがとうございました。

 初めに、事務局より資料の確認をお願いします。

○伊藤指導課長補佐 資料の確認の前に、本日の委員の御出席状況について御報告させていただきます。

 本日は、橋本委員と松原委員については御欠席の御連絡をいただいております。また、長谷川委員、山崎委員については遅れて来られるという状況でございます。

 それでは、資料の確認のほうをさせていただきます。お手元の資料を御確認ください。

 本日の資料は、資料1「医療機関による健康増進・予防や生活支援の推進について」、

 資料2「医療の国際展開に関する議論のまとめ等について」、

 参考資料1「第2回医療法人の事業展開等に関する検討会参考人名簿」、

 参考資料2「岡山市提出資料」でございます。

 資料に不備等がございましたら、事務局までお知らせください。

 また、資料2につきましては、事前に各委員に御確認いただいておりますので、その旨御報告させていただきます。

○田中座長 ありがとうございました。

 なお、本日の議題に関連して参考人をお招きしております。事務局より初めに御紹介ください。

○伊藤指導課長補佐 それでは、御紹介させていただきます。

 岡山市新病院・保健福祉政策推進課保健・医療・福祉連携担当課長福井貴弘参考人です。

○福井参考人 よろしくお願いいたします。

○伊藤指導課長補佐 医療法人青木内科小児科医院理事長青木佳之参考人です。

○青木参考人 よろしくお願いします。

○田中座長 後ほどよろしくお願いいたします。

 では、議事に入ります。

 本日の議題は「医療機関による健康増進・予防や生活支援の推進について」であります。

 初めに、事務局より資料の説明をお願いします。

○伊藤指導課長補佐 それでは、資料1に沿って御説明させていただきます。

 まず、1ページ目をご覧ください。ここについては、第1回の資料にもございましたとおり、日本再興戦略等において指摘されている点について御紹介させていただいております。

 次に2ページ目、日本再興戦略において、運動指導や生活支援、特に配食などを担う市場・産業を戦略分野として創出・育成するとの指摘があります。

 次に3ページ目、健康・医療戦略においても同様の指摘が記載されております。

 次に4ページ目、医療法人の附帯業務に関して、今回は主として配食サービスについて、新たに医療法人の附帯業務として認めるかどうかということが論点となっておりますので、その前に医療法人の附帯業務について御説明させていただきます。

 次に5ページ目、まず医療法人は、その開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の業務に支障のない限り、定款等に定めるところにより、附帯業務の全部又は一部を行うことができることとなっております。なお、附帯業務を委託することや、本来業務を行わず附帯業務のみを行うことについては、医療法人の運営として不適当であるとの運用をしているところです。

 この資料の下の部分が、今、認められている医療法人の附帯業務でございます。具体的には、医療法第42条に定めがあります。

 第1号においては、看護師等の養成など医療関係の養成又は再教育に係る事業といった。

 第2号は、医学又は歯学に関する研究所の設置。

 第3号は、医療法39条第1項に規定する診療所以外の診療所の開設。

 第4号は、疾病予防のために有酸素運動を行わせる施設の設置。

 次のページをご覧ください。

 第5号は、疾病予防のために温泉を利用させる施設であって、有酸素運動を行う場所を有し、かつ、その職員、設備及び運営方法が厚生労働大臣が定める基準に適合しているものの設置。

 第6号は、保健衛生に関する業務で、ここでさまざまな業務が認められています。

 1つ目は、薬局とか衛生検査所など。

 次のページをごらんください。次は、介護保険の関係のサービス。

 8ページ目をごらんください。サービス付き高齢者向け住宅の運営。

 9ページ目をごらんください。15で、障害福祉サービスについても行うことができるとされています。

 その他、18にありますように、保育所といったものについても運営できることとなっています。

 このように附帯業務については、医療法人が地域に求められている役割等を踏まえつつ、また医療に関連するものを中心に認められている状況であり、11ページ目をご覧ください。附帯業務については、法改正や制度の見直し、または自治体から要望を踏まえて、その範囲については柔軟に見直している状況でございます。

 次に、13ページ目です。今回、日本再興戦略においては、配食サービスを新たに認めるかどうかという論点のほかに、医療法人が運動指導等を行うことについても認めてはどうかという宿題がございます。これにつきましては、このページにありますように、医師が、病院等の業務として、生活習慣病の患者等に対して運動指導や食事指導を行うことは、当然ながら、これは医療法人の本来業務に当たりますので、現行の医療法人制度においても問題はないという整理になっております。

 次のページです。今回、ポイントとなってくるのが配食サービスでございます。これについて現行法の整理をしたのが14ページ目でございます。

 医療法人が、病院等における給食施設等を活用して、地域の高齢者等に対して配食を行うことについては、現在、医療法人の収益業務に当たるということで認められていません。ただ、介護保険上の介護予防事業として行う場合については、例外的に認められている状況です。具体的には、今の規定の立て付け上は、下の※等に規定がございます。医療法で、附帯業務として保健衛生に関する業務が認められております。さらに、先ほど申し上げましたように、介護保険のサービスについても附帯業務の保健衛生に関する業務として認められており、その中の地域支援事業、さらには地域支援事業の中の介護予防事業。

 次のページをご覧ください。さらに、介護予防事業の中の訪問型介護予防事業という中に、特定高齢者であって、心身の状況等により通所形態による事業への参加が困難なものを対象に、栄養改善プログラムの一貫として配食の支援を実施するということで、こういう形であれば配食が今のところ可能となっています。

次のページです。

 一般的には、「医療法Q&A」に書いてありますように、病院で調理された食事を介助者のいない寝たきり老人に給食しようと考えていますが、法的に問題ありませんかという問いに対して、病院がこのような営業を行うことは医療法に規定する病院の目的に反するものであり、有料でこのような営業を行えば、医療法で定める営利を目的としないという規定に抵触するおそれもあるので認めませんということとなっており、今の整理としては、医療法人が配食サービスを行うことは、認めていないという状況になっています。

 したがって、今回、岡山市のほうから、実際のニーズとかをお聞きしながら、ここの解釈についてどうするかというのが1つ大きな論点となってくると思います。

 次に18ページ目です。以上のような説明を踏まえた上で、論点としましては、医療法人が、通院している患者や入院又は通院していた患者等に対して配食を行う業務を、医療法第42条に規定する、病院等の業務に支障がない限り行うことができる附帯業務に位置づけてはどうかということで、論点を設定しております。

 以上で事務局からの資料の説明は終わらせていただきます。

○田中座長 ありがとうございました。

 続いて、ヒアリングを始めます。15分をめどに御説明をお願いいたします。

○福井参考人 失礼いたします。改めまして、岡山市の保健・医療・福祉連携担当課長の福井と申します。本日は、検討会の場でこのような発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 岡山市のほうから、医療法人による配食サービスの実施について説明させていただきます。参考資料2のほうになります。

 まず、資料の1ページ目でございますが、現状といたしまして、現行の医療法において、附帯業務が医療法第42条各号で規定されているところなのですが、配食サービスについては、先ほども説明ありましたとおり、市町村から地域支援事業として委託するか、あるいは医療法人全体のわずか0.4%程度にすぎない社会医療法人でしか実施できないという状況に今なっておりまして、実際には大半を占めております通常の医療法人のほうでは、自主的な配食サービスができないことになっております。

 続きまして、資料の2ページですけれども、規制緩和の必要性についてですが、今後、高齢化がますます進みまして、当然医療ニーズも高まっていくのですが、例えば退院後の在宅療養とか在宅医療を続けて生活していく高齢者の方に対しまして、その利用者の個人個人、一人一人の状態に合わせた献立での食事の提供を行うことは、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすためには重要であり、かつ必要なサービスであると思っておりまして、こうした栄養・食事の管理が必要な患者さんに対して治療の効果を高めることにもつながると思われますし、通常の医療法人へもその対象というものを広げていいのではないかと考えておりまして、医療法の別表通知の附帯業務に追加してはどうかと考えております。

 続いて、資料の3ページ目でございます。

 対象者の要件ですけれども、医療法人が開設する病院や診療所に入院もしくは通院している者ということになろうかと思います。医師の栄養管理を必要とする患者さんということになろうかと思います。

 実施主体としては、病院あるいは入院設備を有している有床診療所、また介護老人保健施設等を運営する医療法人とし、施設として、医師または管理栄養士と連携ができ、当然のことですが、調理室を備えている施設ということになろうかと思っております。

 また、事業の効果としましては、先ほどの必要性にも関連いたしますが、治療の効果が高められることのほか、長期入院から在宅への移行が進められることで、在宅医療の推進にもつながりまして、結果、入院のときより医療費の抑制への効果ということも期待できるのではないかと思っております。

 また、こうした配食サービスが地域単位で提供可能ということになると、地域包括ケアの観点からも、その構築には寄与できるのではないかと思っております。

 続きまして、資料の4ページでございます。では、実際の現場からの声がどうかということでございます。全て岡山市内の有床診療所あるいは病院からの代表的な意見を書かせていただいております。

 一番上が、外来患者からのニーズがふえてきているという声なのですが、このことにつきましては、本日、御同行してもらっております病院長のほうから説明させていただきます。

 真ん中の医療法人B病院からの声としまして、B病院においては、高血圧、糖尿病疾患の高齢患者が増加しておりまして、退院後、特に男性の患者はコンビニ弁当等で済ませてしまっており、その結果、栄養不足が生じていることから、需要というものは十分にあるものと思っているということです。まずは、そういった中で退院患者とか外来の栄養指導が必要な対象者、あるいはデイケア、ナイトケア等の利用者に昼食や夕食を提供することから始めたいと言われております。

 また、一方で、これは病院内の話ではあるのですが、両親等の看護や介護のためにやめていく看護職員等もふえているということで、そうした離職率を減らすことにも、こういったことができるようになればつながるのではないかという期待も言われていました。

 それから、一番下の医療法人C病院のほうでございます。こちらの病院については、透析患者を280人ほど持っているような病院で、透析以外の日も含めた食事の提供を求めるニーズが高いのですけれども、現状としては、そういった食事の提供ができないということから断ってきているということです。現状においてどうしているかというと、民間の配食サービスを利用することもあるのですけれども、単価が高いこととか、個人単位で一人一人のきめ細かい調整までは、幾ら病状に配慮した食事と言ってもできないということで、結果として、そういった患者さんが栄養摂取が不十分になって、再び病院に来られるケースがあるということで、ぜひこうしたことができることを望みたいという声でございました。

 先ほど申し上げましたように、本日、その現場のお一人であります青木内科小児科医院の青木院長に同席してもらっておりますので、引き続きA内科小児科医院としての声ということを直接具体的に説明させていただきたいと思います。

 資料の残り、5ページ、6ページは参考で、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○青木参考人 15分ぐらいですか。

○田中座長 時間は多少ルーズに。全体で15分と考えておりますが、ぴったり15分でなくてもよろしいです。

○青木参考人 私の法人は、有床診療所でスタッフは250人ぐらいで、今までの附帯業務を見てみますと、病児保育とかヘルパー養成講座、健康増進42条とか、いろいろな附帯業務をやっている診療所になります。

 今回の配食サービスが、医療法人の附帯業務になることを期待いたします。私の法人は管理栄養士が20名、普通の栄養士が5名いて、食べることに結構力を入れております。入院、通所、それから特に在宅においての配食なり栄養管理の必要性はあると思います。その必要性の声は、利用者の方、家族からよく聞いています。20年前、老健ができたときに老健で配食サービスのことを一時試行していたことがありますが、法律的にどうなのかと調べたところ、医療法人はできないということで、やめた経過があります。

 今回、検討会に出席するに当たって、通所利用者の方に要望を聞いてみました。もし、配食サービスが可能になったら利用するかという意向調査を行いました。その結果、通所利用者の2割から3割の方が、そういう配食サービスがあったらサービスを受けたいということでした。現場における利用者からの配食サービスの要望というのは、強く多くあると思います。

 当法人は、生活に根ざした医療活動としてプライマリ・ヘルス・ケアの理念のもとに在宅にシフトした形でいろいろな医療・介護活動をしています。食べることと、また栄養管理ということは、医療・介護の活動の中では非常に重要なことだと思っています。生活の中で、健康を維持するために特に食事ができることが利用者の方、家族にとっても非常に重要な行為だと思います。医療法人では、入院の方、通所の方を対象に管理栄養士が食事を介して栄養管理の指導をしながら給食をしています。従ってその医療・介護活動の延長線上で在宅の栄養管理は理論的に必要なことと思います。

 ただ、現在法律上はそういう形でできておりませんので、ぜひともこれを制度化していただき附帯業務に挙げていただければ、現場の利用者や家族は非常に喜ぶと思います。配食サービスが認められれば、特に私のところは19床の診療所です地域包括ケアとか生活に身近な医療の仕組みをつくるときにおいて非常に大事な業務になっているかと思います。そういう意味で、規制緩和され、また医療法人の附帯業務になり、社会的ニーズを含めて、人的にも、特に栄養士、医者のもとで行う事は、従来ある配食弁当よりも質の高いもので、しかも、疾病管理ができ、さらには、予防も含めた形でできるだろうということなので、有用なサービス提供ができるだろうと思います。ぜひとも御審議いただいて制度改正を附帯業務の中に入れていただければ、現場として感謝歓迎すると思います。

○田中座長 ありがとうございました。

 では、ただいまのヒアリング及び事務局の説明に対して、御質問や御意見があればお願いいたします。長谷川委員、どうぞ

○長谷川委員 遅くなって申しわけございません。

 事務局から御説明いただいたかもしれませんが、参考資料2の3ページに対象者要件として、医療法人が開設する病院または診療所に入院していた者若しくは通院している者とありますが、この通院している者には在宅医療を受診中の方が含まれるという理解でよろしいのでしょうか。

○田中座長 事務局、お答えください。

○伊藤指導課長補佐 事務局の最後の論点を見ていただきたいと思うのですが、そこで書いているのは、入院又は通院していた患者ということで明示してあります。今、長谷川委員がおっしゃったように、在宅医療を受けている者というのを明確に書くべきじゃないか、という御質問だと思いますが。

○長谷川委員 含まれているという理解であれば、そのことを明記していただいた方がよいと思います。

○伊藤指導課長補佐 「等」というところに、それに類する方も想定して入れていますので、そこはもし明示して書いたほうがいいとか、御指摘があるようであれば考えたいと思います。

○長谷川委員 明示していただいたほうが、よろしいかと思います。

○福井参考人 私どもとしても、在宅医療の方も含めてと思っております。

○田中座長 日野委員、どうぞ。

○日野委員 余り最初に聞くべきことじゃないのかもわかりませんが、コストが幾らかかっていて、サービスを利用される方の支払いは幾らぐらいになっておられるのか。入院の患者さんに対しても、管理栄養士がつくった食事は余りおいしくないというのは一般的に言われることであって、何とかそれを改善しようという取り組みもしておられますか。

 配食サービスというのは実に必要なサービスだとも思いますし、言葉は適当かどうかわかりませんけれども、マーケットにさらすことによって評価が得られてフィードバックがかかるという意味で、先生のところの展開から何か今後について示唆をいただければありがたいかなと思います。

○青木参考人 フランスの哲学者で、デカルトは、「我思う、ゆえに我あり」という有名な言葉を残しています。人間の存在は、そのようなものと思っていたのですが、最近、「我食べるゆえに我あり」と主張している本が出ているのですね。「食べること」というのは、人間にとって非常に基本的な行為ですし、そこに専門家がかかわることが非常に大事だと思います。

 一方、成人病とか介護の対象者というのは、生活習慣病なり日常の食生活から起こってくる介護状態が多いことから考えると、国も自治体も専門職も食事を中心にして、もう一度、その重要さを考え直す時期だろうと思っております。今、給食は経営的、個人的には外注したり、委託するほうが楽なのですけれども、当法人ではあえて自分のところで職員を採用しています。大学と連携して学生実習の場になっており、入所、通所、在宅における栄養指導の教育を栄養士さんがかかわりながら、実践し養成とその後の教育にかかわっています。

 その中で、配食は在宅だけで食事を考えているのではなくて、入院とか通所とか、その人全体の生活の中で位置づけて考えてやっていることだろうと思います。そういう意味で、配食サービスがないことで一番ネックになる在宅のところが抜けているのは、どうもおかしいのではないかと思います。今回、岡山市が特区を申請していただいたので、医療法人で実験的にやりながら、これは効果があれば、制度改正を含めた形でぜひとも展開していったら、病気のこと、介護問題のこと、今で言ったら地産地消の問題とか、多くの解決する問題があるだろうと思っています。

○日野委員 済みません、立ち入ったことまでお伺いしたいと思っていたのですが、お話をお伺いすると、給食サービスというのはほとんどの病院が外注していると思うのですね。管理ができないのです。先生のところでは御自分で管理もやられているということで、何とか採算ベースに乗るのかなと、斜に構えたことを。

○青木参考人 私は、管理栄養士の給料は安過ぎると思うのです。と言いますのが、4年生の大学出で、しかも場合によっては修士課程を出た管理栄養士が適切なところへ就職しないで、結構安い給与体系で仕事をしています。私の個人的な意見では、4年制大学を出た人で医療法人に勤める中では一番安いと思います。といいますのは、当法人では管理栄養士を各通所関係に全て配置しており、入院と老健もフロアごとに配置しています。場合によっては、さらにケアマネジャーになったり、非常に有能な人が多く活躍しています。

 もう一つは、大学と連携していることで、その中で実習に毎年、川崎医大とか岡山県内の四、五カ所の大学から来てくれるので、その中で非常に優秀な学生がおられますので、そういう人が自分たちの社会的あるいは地域的役割の中で教育することによって、医療関係、福祉関係、介護関係に就職してくれます。場合によっては、行政の方にも配置をぜひともお願いしたいなと思っています。経営的には非常に難しいですけれども、ほかのスタッフ、しかも4年制の大学で卒業したPTOTや看護師さんと比較すると、経営的にはずっと安いと思っています。

○日野委員 ありがとうございます。

○田中座長 今村委員、どうぞ。

○今村委員 参考資料2の3ページですけれども、岡山市の考えとして、事業効果の中に「長期入院が減り、在宅療養者が増加し、医療費抑制効果が期待できる」とありますけれども、これはしっかりしたデータがあるのですか。

○福井参考人 直接計算したデータはございません。ただ、実際の病院からの声、ニーズから考えまして、患者さんの声とかも間接的にお伺いする限り、在宅での引き続きの栄養管理が可能になるということで、再び入院したり、また通院に関してもかなり重点的にやらなきゃいけないことが減ってくると考えております。

○今村委員 配食サービスについて要件を緩和するという方向は、私は賛成です。ただし、医療費の抑制効果というのは、必ずしもはっきりしたものではないし、こういうものがあろうとなかろうと、緩和するという方向で考えていいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○福井参考人 在宅が、イコール医療費がかからないというのは、確かに一概に言えないと思います。介護も同様かと思っています。したがって、委員さんおっしゃるとおり、こういった抑制効果というのも一部かもわかりませんが、それが目的でということではなく、あくまで患者さんの栄養管理ということを第1に考えた中で、この附帯業務が追加されることを期待したいと思っておりますし、参考までに申し上げますと、今、病院が56カ所、岡山市内にあるのですが、約6割は直営で給食を実施しております。4割ぐらいが委託に出している状況でございます。

 以上です。

○田中座長 どうぞ。

○青木参考人 今の社会情勢の中で経済あるいは医療費の問題では、1つは、確かに配食なり在宅のところで栄養的なことができれば、入院期間は短くなるだろうと思います。といいますのは、入院していて胃ろうをつくったり、嚥下障害とか肺炎という事象は食べるところから問題が起こってきていますし、家族、本人からすると、家でこういうことができれば早く退院できるのにと思います。

 特に誤嚥性肺炎というのは、食事中に嚥下障害から発症します。介護保険制度の中ではサービス提供時ケアマネジメントサイクルを回しています。最近では制度改正があって栄養ケアマネジメントということで、意識的にマネジメントサイクルを回しております。そうすると、非常に早く、その人の栄養状態、健康状態、誤嚥等を含めて、多くの栄養マネジメントを回すことによるメリットというのがあるかと思います。そういう意味で、入院、通所、在宅という形で栄養ケアマネジメントサイクルを私のところは既に回しておりますから、できればそういうサイクルを回すような仕組みの中で位置づければ、費用対効果というのは目に見えてデータがとれると思っております。

○田中座長 長谷川委員。

○長谷川委員 参考人にお聞きしたいのですが、私自身はこういった配食サービスを医療機関が行うことには基本的には賛成です。ただ、ちょっと考えないといけないのは、医療機関側からすると経営の自由度が高くなる。しかも優秀な人材、例えば管理栄養士とかが御活躍できる道が開ける。これは非常にいいことだと思いますし、そういった方々が関与することで治療効果も高くなるだろう。片や、そういった方々の人件費等を考えると、コスト的には結構厳しいかもしれない。

 逆に、地域で既にこういった配食サービスをやっておられる業者からすると、ある意味では患者誘導ができるような強い影響力を持った組織が参入してくるわけですね。なおかつ、利用者の立場からすると単価的にはひょっとしたら高いかもしれない。公正な競争環境からいくと、かなり大きな驚異になり得る話だと思います。このあたりのバランスについては、何か御意見はおありなのでしょうか。

○青木参考人 私の知っている大きな会社は配食サービスを全国展開しようとしていて、恐らくはセンター方式の調理場を持ちながら実施すると思うのですが、この配食サービス、食事というのは非常にリスクの高い事業で、例えばそこで食中毒とか、いろいろなことが起こった場合は、1カ所でつくっているところは、入院とか在宅、全てストップいたします。そういう意味では、小型のところで、私の発想では、200ベッド以下のところで地域と密着した医療法人がすることによって、もし何かあったとしても最小限にリスクが回避できるのではないかと思います。

 それから、今、先生が仰った患者誘導という点では、運営する上においては、疾病とか、そのときの栄養状態とか、少なくとも私は個人的には、主治医として行っている患者や介護者が対象で、または介護保険の中で主治医の意見書を書いている人を対象として想定しています。そういう面で、細かい配慮のもとで衛生管理・指導というものを、ちゃんと医学的視点からやることが具体化する上で大事だろうなと思っています。そういう意味で、余り規模が大き過ぎると、する側からすると非常にリスクの高い事業だと思っています。

○長谷川委員 そうしますと、医療法人のほうで、おのずからむやみやたらと規模拡大しようとしたりしないような、ある種の自己抑制が働くとお考えなのですか。

○青木参考人 その通りです。ある程度自分の患者さんの範囲だと病態や栄養状態がよくわかっています。それを広げるような形でいくと、非常にリスクの大きい事業になってくると思うのです。

○福井参考人 補足させていただきます。今、岡山市では、地域支援事業で委託している配食サービスというのはございます。ただ、それは65歳以上の方で、例えば高齢者のみの世帯とか、少し障害を持った方といった限られた方に、別に通院云々とか関係なく配食しているものであるのですが、どうしても治療食といいますか、病状に合った食事ではございませんので、ちょっとした低カロリー食といいますか、どなたにも同じ材料、同じメニューで配られている形です。

 今回の事業というのは、先ほどの話とちょっと重複するかもわかりませんが、そこの医師あるいは管理栄養士の方が、献立においても栄養管理で入ってこられた患者さんに対してということになりますので、必ずしもその市場を奪ってしまうというか、そこで完全な競争が起こるとは思っておりません。

○田中座長 西澤委員、お願いします。

○西澤委員 私がこれから質問しようとすることの幾つかは、すでに答えはいただいていると思いますが、改めて聞きたいのは、どうして医療法人でするのかということをもう一度詳しくお願いします。というのは、場合によっては関連の法人、株式会社、有限会社等をつくって、そこでする方法もあると思います。どうしてそちらを選択しないかをもう少しわかりやすく。

 もう一つ、医療法人ですると、今回は業務ですが、事業ということでは、ある程度収益がないと継続できないのですが、今回に関しては、恐らくほかの収入で補うので、単体では黒字にならないのではないかと予想しておりますが、そのあたりはどのように考えているかも、あわせて答えていただければと思います。青木先生にお願いします。

○福井参考人 よろしいでしょうか。後の質問が先になるかもわかりませんが、幾つか声を聞いた中で、これだけで単体でもうけようということは余り考えられていない感じです。それより、むしろ入院患者もその後も通院されているケースが多い中で、ニーズというものが非常にある。事業としてというのであれば、社会貢献事業的な感じで医療機関としては考えたいという声を聞いております。したがって、青木医師も申し上げたように、広げていって、どんどん通院以外の患者までやっていこうということまでを、各医療機関は思われていないみたいです。

 それから、なぜ医療法人かということに関しても、現実、岡山市という場所柄もあるかもわかりませんが、医療機関はかなり充実しているエリアだと思っています。それだけに、医療にかかわっている方、患者さん、高齢者は特に多いわけで、その方々のこれから先の高齢化を考えていく中で、全ての医療法人がこの業務を積極的にやられるかといったら、それはそうではないと思っておりますが、それだけ地域のいろいろなエリアに応じて医療機関がございますので、きめ細かくそうしたことがそれぞれの地域で展開できるのが一番のメリットかなと思っております。

 入院患者が引き続き通院するということも、当然の流れとしてございますので、そこをまず入り口から対応できるのが医療機関になるかなと思っております。

○青木参考人 先ほどの医療法人でなくてもできるのではないかという発想に対して、まず1つが、岡山市内にも自分のところでセンター方式でやっていたり、そこは飛行機の機内食までしているようなところがあるのです。その場合は、結構広い範囲で別の会社をつくってやっているところは既にあります。医療法人でやる意味は、医師、栄養士、歯科医師、看護師、リハビリ職などの多職種でチームケア、病気の継続性、介護の必要という視点からの、医療上及び介護上の必要に応じて行うというところがちょっと違うかなと思いますし、量的なものも、我々が今、想定しているのは、生活圏域なり、あるいはその周辺ということで、ある程度限られたエリアになるかと思っています。

○西澤委員 今回の医療法人の附帯業務に関しては、別に反対していませんが、例えば青木先生が別会社をつくって、スタッフも共有できると思いますから、そういう形でしたほうがいい面もあると思います。というのは、今回、附帯と認めても、対象となるのは患者さんだけです。家族の人にはできません。もし会社をつくってすれば、そういう方々にも同時にできるということで、そのほうがメリットもあるのではないかという気がしております。そういうことでは、医療法人では、非常に狭くて、逆にやりづらいという気もして、申し上げました。

 それと、一方、社会医療法人は収益事業でできるわけですね。岡山でも社会医療法人が何件かあると思いますが、そういう医療機関がこれを収益事業として、患者だけじゃなくて、一般も含めて事業として展開した場合に、そういうところとの競争という面では勝てるのかなという気もしております。そういうこともあわせて、いろいろ考えてみたほうがよろしいかと考えております。

○田中座長 今村委員、どうぞ。

○今村委員 2ページに配食サービス事業と書いてございますけれども、実は今、西澤委員、言われたように、赤字を出さないやり方というのは、相当しんどいのではないかと思います。だから、本来事業というよりは、まさに附帯業務という形で、しかし、それでも医療のためにやりたいという強い意欲があるということであれば、この対象者要件をきちんと守った上でやる分には緩和してよろしいのではないか。ただし、相当厳しいと思います。

○田中座長 事務局の案では、あくまで業務の拡大ということですね。

○伊藤指導課長補佐 そうです。附帯業務の拡大ということです。

○田中座長 猪熊委員、お願いします。

○猪熊委員 全国で、高齢化はどこも進んでいると思うのですけれども、配食サービスは、地方と都市部とかなり状況が違うことがあると思うのです。事務局にお尋ねしたいのですが、もし医療法人が配食サービスをやってもいいと改めた場合に、ニーズといいますか、どれぐらいそれをやりたいというところがあるのでしょうか。

○伊藤指導課長補佐 正確に全国で何件あるというのは把握していないのですが、この配食の件については、実は随分前から業務として認めてほしいとの要望はありましたが、それについては、今まで収益業務ということでずっと断ってきたという経緯があります。したがって、そのような過去の経緯がありますので、そもそもできないものであると皆の頭ができており、配食を始めたいという発想が現時点ではすぐには出てこない面があると思われます。また過去から要望があるということは、潜在的なニーズはあるものと想定されますので、今回、岡山市だけがやるというわけではなくて、全国的に幾つか出てくるのではないかと予想されます。

 また、今回、附帯業務を拡大した場合には、1年後なり2年後なり、もう一回状況を確認した上で、そこについては、適宜必要であれば公表なりしていきたいと思っています。

○田中座長 大道委員。

○大道委員 2点、御質問がございます。

 1つが、医療法人が行うとなると、当然、現在ある調理場を使うことになると思います。そうなると、何食という上限ができてくると思うのですけれども、それは何食ぐらいを想定していらっしゃるのかというのが1点と。

 先ほど、配食サービスによる効果を見たいとおっしゃいました。その効果をどのようにして見られるのか。例えば、我々栄養管理というのは、病院の中では施設内ということを想定してやっているわけです。通院の方、外来の方は栄養指導という形でやっております。こういう配食サービスをすることによって効果判定をするとなると、例えば残食の調査はどうされるのか、あるいは食事以外の間食とか、あるいはデータをどのようにしてとって、それで評価されるのかという、この2点をお聞きしたいと思います。

○青木参考人 私のところは、3カ所で厨房があって、特に考えているのは、99床の老健で厨房職員がつくっているのですけれども、設計する段階で300食ぐらいまでは行けるだろうと思っているのです。それで、本格的にやるとすれば、改修のときにそれを想定した広さなり、いろいろなことを考えていかなければならないと思っています。今の段階では、その一番大きくできる所で、まず試行してみることから始めたいと思っています。

 もう一つは、栄養指導の問題等の残食等に関しては、配食サービス単独で物事を考えるのではなくて、通所との関係とか訪問介護とか訪問看護、それからリハという、従来自分のところで持っているサービスと連携しながらフォローする。今、居宅管理栄養指導の中で栄養士が行って、冷蔵庫の中を見てもらったり、いろいろなことをしているのですけれども、今から危惧するのは、配食してもそれをいつ食べるかということが、まだ十分確立していないから、できるだけ食べた後、ちゃんと食べているか、あるいは翌日まで残していないかどうか、食中毒の管理というものは自分たちで規制していかないといけないだろうと思っています。

 そういう意味で、ただ弁当を配食して、それを食べてもらうだけじゃなくて、周りの附帯業務といいますか、ほかのサービスと連携することによってチェックしていけるかなと思っています。

 それから、先ほど西澤先生がおっしゃった話で、家族の問題もある。確かに今、老老介護とか家族も一緒にということで考えていかなきゃいけないことがたくさんあると思いますし、我々も少なくとも同じ家族の単位で必要とされるようなものがあれば、御夫婦程度あるいは親子関係でも、親近関係についてはしたほうがいいかなと思うところはあります。

○田中座長 はい。

○西澤委員 今回の附帯業務でやることは、私も反対はしません。ただ、今、言ったようになかなか厳しい。恐らく持ち出しの業務なのだろう。とすると、それ以外の業務で黒字が出ているからできるのであって、これからいろいろな面で厳しくなってくると、逆に余裕がなくなり、こちらをやめることになれば、せっかくの業務をやめることによって患者さんに迷惑をかけるということで、私はできるだけ継続してやることが大事だなと思っています。ですから、今回、附帯業務であって、継続性ということは考えていただきたい。

 それから、業務を始めるといろいろな問題が出てくると思います。今やっている訪問看護とか訪問介護などと連携しながらのサービス提供ですけれども、片方で配食となると、訪問看護師さんが行くとき一緒に持っていけば便利かもしれないのですが、それが法的にはだめかもしれないとか、いろいろな規制もあると思います。そのあたりでかなり難しい問題、これから法的にクリアしなきゃならないものも恐らく出てくるのではないかと思います。そういうことを全部含めて、厚労省には、今回のことは検討していただければと思います。

 以上です。

○田中座長 今の患者家族の点については、もう少し言っていただけますか。

○青木参考人 我々、医療というのが対人、疾病、障害を中心にした考え方で医療サービスを提供しています。配食サービスは、それを在宅や家族を対象にした、サービスの1つと考えています。特に高血圧とか糖尿病、肥満の問題とか、家族単位で管理、栄養指導等をしないといけないことがありますので、できれば同一の家族も一つのくくりで考えていただければ運用はしやすいなと思います。

 もう一つは、我々は今、何をしようとしているかというと、今までは在宅医療とか在宅を対象にした物事の考え方ですけれども、既にそれは限界に来ているということで、地域包括ケアあるいは地域包括支援センター等を含めて、「地域」というキーワード、コミュニティケアということをもう一度整理することによって、社会資源の有効な使い方と運用ができるかなと思います。

 それとあわせて、特に今回、介護保険制度が基礎自治体の役割、それから保険者としての機能というのが制度改正で強化されましたので、できれば岡山市が率先してそういう事業をしようとするのであり、特区でありますので、ぜひともそういう法的な裏づけをしていきながら、データをとりながらやっていただくことと思います。いろいろな一つ一つの事業では赤字であったとしても、トータル的には十分それが社会的寄与をしている、あるいは法人に寄与しているということかと思います。

 だから、例えば居宅介護事業者のことを考えると、単独では赤字で、皆さんきゅうきゅうやっておるのですけれども、トータル的にすれば、そこを何とかカバーしながら運営しているという状況なので、これについてもマネジメントサイクルを人あるいは家族で回すと同時に、さらに地域とのかかわりということですれば、十分やっていける可能性及び継続してやっていけるのではないかと思っております。

 当院も病児保育をやって、それも非常に経営的に大変です。ヘルパー養成講座も、他の法人は潰れたりやめたりは多いのですけれども、当院は非常にしつこくやっている。また、きょう、川原委員も来られていますけれども、お父さんの指導を得ながら経営的なものを考えてやっているという状況です。医療経営コンサルタントの講師をしていましたが、そういう点では、経営的なものを勘案しながら事業展開しているということかと思います。

○田中座長 梶川委員、どうぞ。

○梶川委員 よくわからなくて、基本的な質問なのですが、附帯事業となった場合に、最初の事務局の御説明は、附帯事業を委託することは不適当であるということがあると思うのですが、こういう意味で言うと、サービス全体のプログラムをつくり、給食をつくり、運ぶところまで全部医療法人さんが御自身でおやりになることをイメージされるのか、一部の部分について委託するということが可能なのかというところを、どんなふうに事業を考えたらいいか。

○伊藤指導課長補佐 附帯業務を委託してはならないという趣旨は、医療法人が附帯業務、例えばAという事業をやろうとした。しかし、Aという事業を丸々他の業者に委託するのであれば、医療法人がみずからやる意味がないということになりますので、そのような委託は駄目だということです。その趣旨からすると、老健とかの清掃みたいな、中核ではない一部の業務について委託することは、可能であると思います。したがって、委託しているかというのは、中核的な業務を委託しているか、していないかという判断になりますが、それは個々の事業について、全体がどうなって、医療法人がどう関わっていて、どの部分を委託するのかなど、個別事情から個々に判断していくことになると思います。

○梶川委員 そうすると、つくるところだけ一部委託するという可能性はあるわけでございますか。運ぶことだけだったら委託するとか、全体のプログラムをコーディネートするのが医療法人であればいいと。

○伊藤指導課長補佐 一般論で答えるのはなかなか難しいですが、例えばレシピだけ作って、あとは全部丸投げというのであれば問題になってくるでしょうし、それは個々の案件により判断させていただく形になると思います。

○梶川委員 コストのお話が先ほど出ていたりしたものですから、営利的なところで考えてしまうと、その辺がつい気になったりしたものですから。どうも済みません。

○川原委員 給食業者につくる部分を委託しているケースは非常に多いと思いますので、その部分についてどのように整理されるかというあたりは、事前に整理していただいたほうがいいのかなと思います。

○田中座長 日野委員、どうぞ。

○日野委員 時期的に迫ってまいりました消費税につきまして、これはぜひ事務局としてきちんとまとめていただきたいと思いますが、導入された場合、どういう影響を与えるかということにつきまして、営利企業といいますか、給食業といいますか、我々が外注しているところが利潤を上げている現実から見ますと、消費税はそこに乗ってくるのではないかと思えますが、医療法人がもしこの業務を許されるとしますと、介護保険上、ちょっとゆがんだ形になっていまして、給食に関しては消費税はかけられない、非課税という項目になっておりますね。そうすると、プラスマイナスで言いますと、経営上、プラスに働く要因になるのではないか。そこをきちんと検証しておいてほしいなと思います。

○田中座長 消費税の課税問題は、理解できますか、回答できますか。

○伊藤指導課長補佐 病院が給食を出すときに外部委託をしていて、その費用に消費税がかかるが、その消費税のアップが病院の運営に影響を与えるのではないかという御趣旨ですか。

○日野委員 それが1つと、もう一つ、医療法人が自分のところで給食サービスを行っている場合、給食に関しましては私費、保険の対象外で徴収しています。でも、それに対しては消費税はかけてはいけないという縛りがあるので、今回アップするときには現行の5%のままでいくことになるのではないか。

○伊藤指導課長補佐 問題意識はお聞かせいただいて、また担当と御相談させていただければと思います。とりあえず、今回は配食サービスを附帯業務に追加するかという議論ですので、それは別途お話を聞かせていただいて対応していきます。

○田中座長 院内の給食についてどうするかは、多分中医協のほうで話せばいいと思うのですけれども、配食業務についての消費税がどうなるかを聞かれているわけでしょう。

○伊藤指導課長補佐 今回、附帯業務で配食サービスをやるのであれば、それは当然ながら通常、消費税が取られる話ですので、そこは変わらないと思います。

○田中座長 一般の財と同じ消費税が係ると理解していいですね。

○伊藤指導課長補佐 はい。

○田中座長 それから、先ほど川原委員の言われた、院内の給食を委託している場合は、外部にはそれを配食できないという理解でいいのですね。

○伊藤指導課長補佐 そこについては、具体的に院内で外部委託をしているときに配食サービスをやりたいというのであれば、どういう仕組みでどう動かすのかも含めて総合的に考えないと難しい面はあります。そこは御意見としていただいて、一つの課題として今後考えていきたいと思います。

○田中座長 むしろ消費税問題も直接こっちに関係しますね。消費税は、この委員会の直接の討議対象ではないですが、院内委託している業者が病院とは無関係な場で個別の消費者と契約するのは、それは市場行為だからいい。けれども、院内委託している給食を病院、医療法人の配食だとすることについては、意見を伺うということですか。

○伊藤指導課長補佐 はい。

○田中座長 そういう問題もありますが、いかがでしょうか。意見はありますか。

○日野委員 現場でどう整理しているか、よくわかりませんけれども、いつだったですか、居住費及び食費は在宅であっても必要なものだから給付はしないということで、私費徴収になりましたね。

○田中座長 介護はそうです。

○日野委員 はい。それで、私費徴収のときに消費税を食事に関してはかけてはならないということで、非課税のままで来ているのです。それを引き続いてやるのであれば、近々10%になりますから、10%に消費税が上がったときにどういう影響が出るのか、ちょっと問題を整理しておいていただければありがたい。

○伊藤指導課長補佐 今の日野委員の御質問は、院内で入院する患者に対して給食を出した場合に、今のところの扱いとして消費税はかからない。これが10%になったときどうするのですかという御質問でしょうか。

○梶尾指導課長 じゃなくて、保険診療の一環として行われる食事。

○西澤委員 今、食事が保険から外出しになりましたので、患者さんから、食費は自費で取りなさいと。しかしながら、そこに消費税をかけてはいけないということで、こういう事態が発生しているわけですね。例えば、今、青木先生のクリニックの入院患者に関しての食費は幾らと決まっていて、それに消費税はかかっていないけれども、今回のこの附帯業務をする場合は、当然消費税はかかるという話になると思います。そうした場合に、同じところでつくる場合、仕入れだの、人件費だのの案分というすごくややこしい話が起きるので、そのあたりを懸念しての話だと思いますので、これは後で事務局で御議論いただければ。

○伊藤指導課長補佐 了解いたしました。そのことについては整理してやっていきたいと思います。

○田中座長 多段階付加価値税の最終段階の非課税だと、全ての事柄が本当に複雑になりますね。しかも、同じ法人が片や課税、片や非課税のお弁当を売っているとすると、すごく複雑になりますね。ほかの局とも連携して、ちょっと調べてください。きょうの本題である配食サービスを附帯業務として認めるか否かとは別に、押さえておかなくてはいけない課題です。

 ほかにいかがでしょうか。事務局からの問いかけは、資料1の一番後ろにありますように、附帯業務に位置づけてはどうか。今のところ反対と言っていらっしゃる方はいらっしゃいませんでしたが、消極的賛成の方も。

 課長、どうぞ。

○梶尾指導課長 先ほど座長からも確認的に御発言があったのでけれども、18ページの論点の「患者等」のところで、冒頭、在宅も入りますという話はあったのですけれども、あと、地域包括ケアといったものを考えた上で、老老介護などを考えると、家族もこの「患者等」に入り得ると考えていいかどうかということについては、考えていいのではないかということなのかどうかを確認的にいただければと思います。

○西澤委員 私は、そういう方に対してもしたほうがいいとは思いますが、そうすると家族をどこまで捉えるかとか、同居者はどうかとややこしくなるので、それはこれからの課題ということで、今回は患者さんだけにしたほうがよろしいのではないかと思います。

○田中座長 松井委員。

○松井委員 私も、基本的に配食サービスを附帯業務に入れるという方向性はあり得るのではないかと思っております。その関係で1点事務局にお伺いしたいのですが、ある業務を附帯業務に入れるという場合、本来業務と何らかの関連性があることが前提になるのだと思います。その場合、どのような関連性があれば附帯業務に入るのか、今までの先例なども引いてくださっておりますが、何か感触のようなものがあれば教えていただけませんでしょうか。たとえば今回であれば、通院している患者や通院していた患者、このような者を対象とするサービスであれば関連性があるのはわかりやすいのですけれども、その家族の場合には当然には関連性が見いだせないような気もします。ですので、ある業務を附帯業務に入れる際の関連性をどう捉えていらっしゃるのか、何かありますようでしたら教えていただきたいのです。

○伊藤指導課長補佐 事務局の資料の5ページ目をご覧ください。今の附帯業務の立て付けとしましては、まず医療法42条に根拠規定がございます。各号については、具体的にこういう業務と規定されておりますので、今後業務を追加するというのであれば、第6号の保健衛生に関する業務に当たるかということが1つ大きなポイントになってきます。ここの保健衛生に関する業務という考え方については、基本的には医療法人については医療に集中してやるべきだという考え方と、そうは言っても、医療法人は地域に求められる役割がある。その2点に沿うものかどうかという観点から、この保健衛生に関する業務に当たるかどうかも含めて議論されてきたところです。

 今回は、配食サービスについては医療に関連するものかどうかという点で言えば、今のところの御提案は入院していた患者とか通院している患者、通院していた患者ということで、関連性はあるだろう。また、今、参考人からお話を聞いたところによると、医療法人としてそういう役割が期待されていることを考えると、基本的に業務として認めていいのではないかと考えています。

 さらに、家族についてどう考えるかについては、今の考え方からすると少し関連性は薄くなりますが、先ほど話もあった老老介護みたいな社会的な要請等も考えた上で、西澤委員から、まずは医療に関連したことについて限定してやるべきだという意見もあるだろうし、老老看護とか地域の状況等も考えれば、そこを広げるという議論もあるだろう。そこは、判断としてはいろいろあるかと考えており、議論していただければと思います。

○山崎委員 私は今回の改定に家族も含めたほうがいいと思います。というのは、医療法は1回決めてしまうと、5年か10年変えないわけでしょう。その間にどんどん高齢化は進展していくし、老老介護はふえてくるので、「及びその配偶者」とか書けば、そこは弾力的に運用したほうがいいと思います。

○田中座長 今村委員、どうぞ。

○今村委員 私、要件の緩和に賛成であると申し上げたのは、対象者の要件で、こういうふうにきちんとしてあるから賛成だと申し上げたので、対象者の範囲を家族などに広げるということになってくると、これはまた話は別ということになります。

 それから、入院していた者をどういうふうに考えるか。3年前に入院していて、今はこの疾患とは全然関係ないけれども、配食サービスを希望するから、そのままやっていいのかというと、これは、私はまた違うと思います。こういう要件だから賛成ということを申し上げました。

○田中座長 要件をめぐっていかがですか。配食が欲しいから通院し始めた人はどうなのですか。

○伊藤指導課長補佐 基本的に配食が欲しいから通院したとしても、医療の必要がなければずっと通院を続けることはないと思いますので、想定としてはなかなか考えづらいのではないかと思います。

○田中座長 猪熊委員、どうぞ。

○猪熊委員 私も、医療法人がやるということは、配食の内容が高血圧とか糖尿病とか減塩とか、ちょっと気を使わなければいけない人向け、つまり、普通のお弁当とは違うものだという意味だと解釈していました。また、家族の件に関し、老老介護の話が出ていますけれども、実際に今、30代、40代の未婚の男性が親を介護しているケースもかなりあります。その場合、そういう方に配食が一緒に提供されるとなると、減塩というよりはエネルギーたっぷりの牛肉弁当みたいなものが必要という話にもなります。

 そうなると、家族の分も一緒にといっても、ちょっと違った部分が出てくるのかなという感じがします。だから、ある程度、医療的に配慮しなければいけない人の配食ということに絞ったほうがいいのかなと思っています。

○田中座長 どうもありがとうございます。医療的配慮が必要な人の給食と理解して議論を聞いてきた。

○猪熊委員 はい。質問ですが、実際に現場としてやっているほうとしては、家族などに、もうちょっと広げたいということなのでしょうか。

○青木参考人 我々は、医療保険で受けている方あるいは介護保険を受けている方を対象として考えたほうが、一つの枠組みができるかなと思います。そういう意味で、我々が栄養ケアマネジメントする場合、これは要支援にしろ、要介護の人にしろ、そういうマネジメントサイクルを回しますので、そういう意味では医療保険の適用されている人、あるいは介護保険を使われている人という一つの縛りの中で医療法人がすることが法律的にも妥当な線だろうと思いますし、枠組みがほかの民間の配食サービスと違うところだろうと思います。

○田中座長 ありがとうございました。

 日野委員、どうぞ。

○日野委員 余計なことばかり申し上げて、申しわけないです。

 医療サービスを受けている人、あるいは介護認定を受けている人という線引きというのは、今、新しく打ち出されている予防医学、介護では介護予防という考え方がありますね。そういう人々は対象外になるわけで、そういう人も含めるかどうかということをきちんと話を詰めておかないと、おかしなことになるのではないか。

○青木参考人 そのあたりは、必ず医師の指導のもとで管理栄養士に指示を出しますので、できればそこのところは医師の医療の判断に任せるとしていただければ、医療法人でする意味があると思っています。今、生活習慣病にしろ、いろいろな問題、もう少し我々が国民全体に対して、食べること、栄養の問題、食べ方をもう少し教育指導あるいは疾病との関係を明確に理解してもらうような活動が必要ではないかと思います。

○田中座長 鶴田委員、どうぞ。

○鶴田委員 少し事務局にお聞きしたいのですけれども、附帯業務第4号、第5号の疾病予防というのは、医療機関にかかっている人に対する疾病予防なのか、病院とは掛かっていない一般的な人に対する疾病予防を言っているのですか。それによってこの附帯業務が家族でも良いのか否かの判断する上である程度理解できるような気がするのですけれども。どういうふうに解釈したらいいのですか。対象者は病院・診療所にかかった人に対する疾病予防なのですね。

○伊藤指導課長補佐 ここは、普通に疾病予防のために有酸素運動を行わせる施設であって、診療所が附置され、かつ、その職員、設備及び運営方法が厚生労働大臣の定める基準に適合しているものですので。

○鶴田委員 対象は誰でもいいですか。

○伊藤指導課長補佐 この運営に関しては、そこは特に限定されていない。

○鶴田委員 配食業務を附帯業務とした場合に、疾病予防という概念で配食業務をするのであれば、家族等もいいとみなしてよいのでしょうか。

○伊藤指導課長補佐 そこは今回議論をいただいて、その範囲をどう限定するかというのを踏まえた上で、範囲を限定するのであれば、こういう方に対して行う配食サービスという形で限定して記載することとなります。

○田中座長 この委員会への問いかけとしては、範囲の限定をどうするかについても、ここで議論してほしいでしょうか。

○伊藤指導課長補佐 今のところ、青木参考人からは家族もという意見が出ていますので、対象に家族を入れるかどうかというのは大きな論点だと思いますので、各委員の御意見もいただければということです。

○田中座長 はい。

○梶尾指導課長 確認的にですけれども、御家族というのが医学的な必要性があるかどうか、ないしは老老介護とかで、そこの御家族も含めて見ていただいていれば、それは医療保険対象という話になるということだと思うので、当該医療法人が医療的な面から必要性があると判断されるということで、それは全然自分が診たこともないような家族だったら対象じゃないとか、そんなお話なのかなと思っているのですけれどもね。

○青木参考人 2つの面があって、1つは先ほどの予防的なこととか疾病との兼ね合いという視点でくくるということと、もう一つ、よく忘れがちなのは、リスク管理上、42条にある健康増進などもそうなのですけれども、この人がそういうことをやっていいかどうかというと、必ず医療法人でする場合にチェックしないと、もし何かあったときに医療法人は責任を問われますので、できればそういう医者が適当と認めるとか、そういう判断でやらないと難しいところがあるかなと思います。

 全員が必ずしもそういうことが必要ないよという方もいらっしゃると思うのですけれども、我々としては、配食する以上はその関連性があるかどうかということも含めて、少なくとも本人からは聞く必要があるかと思いますし、それが問診という形態なのか、検査というデータなのか、生活習慣をチェックするのか、少なくともそういう何らかの疾病予防、嚥下予防とか、そういう診断が必要だろうと思います。

 もう一つは、医療法人は全ての行為がそうなのですけれども、リスク管理ということをやらないと、医療法人というのはリスキーな業務が非常に多いですから、そこのところをカバーしないといけないだろうと思います。その2点でそういう範囲を決めていただきたいと思っています。

○田中座長 青木参考人の御意見は、事前に問診的なものを経た家族に限定するとの御意見でした。

○福井参考人 少し追加させてください。同じことになるかもわかりませんが、あくまで本日参考資料でお持ちさせていただいたとおり、対象は限定になるとは思っています。それが、もし家族の方になるとしても、何らかの形でそこの医療機関にかかわっているということが条件にはなります。そうなると、その必要性がある患者さんになるわけでして、たとえ家族の方であっても、引き続きその方が通院の患者さんの1人になるわけで、そこはただむやみに家族だから同じ食事を与えることにはならないでしょうし、我々も病院のほうでヒアリングした限りでは、そこまでは考えていないですので、あくまで限定した方へ引き続き自分のところの病院・医療機関にかかわった方に提供したいという御意見だったと思います。

 そこから始めて、保健衛生に関する業務の中で、あくまで位置づけていただきたいという話でございます。

○田中座長 鶴田委員、どうぞ。

○鶴田委員 ずっと聞いていて、配食というのは普通の食事を提供することと私は理解したのですが、リスク管理とか、糖尿病の予防とか言われると、配食される食事の内容は医療食とか、そういうカロリーをコントロールした配食という定義なのですか。

○青木参考人 今までの経験からすると、やはりそういうものを対象に考えています。国のほうは、例えば食事の問題が医療保険とか介護保険から外れてしまったのは個人的には不満なのですけれども、食べること、配食することは基本ですので、そういう意味では、我々としては疾病との兼ね合い、生活習慣病との兼ね合い、介護との兼ね合いということで、枠組みづくりはそういう意味だと思います。

○鶴田委員 普通食も含まれる、高カロリー食も含まれる、ここで対象とする配食が幅広く普通の食事の配食という理解でいいのかどうか、ちょっとよくわからないのですが。

○青木参考人 昔で言う治療食的な要素がある。ただ、今、配食なり食事の場合、保険の中で取れる範囲がすごく限られているのです。だから、もう少し幅広く捉えないといけないと思います。栄養指導しても、現在、医療保険上は診療報酬上認められるものと認められないものがあります。

○鶴田委員 治療食に限定なのか否かというのが、皆さんがお聞きしたいことだったのではないでしょうか。

○青木参考人 治療食ということになってくると非常に限定されたものになるのですけれども、私自身はもう少し幅の広い範囲を考えています。

○田中座長 松井委員。

○松井委員 完全な通常食と治療食の中間のような部分があって、医師が、その中間的なものが、必要だと考えた場合、その食事を配食しますというイメージでいらっしゃるわけですか。

○青木参考人 はい。

○松井委員 そうなりますと、家族かどうかという点は余り意味がありませんで、医師が診て、各人に必要な食事を与える仕組みをつくられるというイメージになりそうです。つまり家族でなくても、医師が診て、少し調整の必要な食事があったほうがいいという人にはそのような食事を与える。患者と一緒に家族が来ることが多いので、家族にそのような食事を提供することになるにしても、それはたまたま提供の対象が家族だっただけだということですね。もし、患者と一緒に来る人が家族ではない別の人だったとしても、その人を医師が診て中間的な食事を与える必要があれば、今のイメージではもちろんその対象に入ってくるということです。それとも、やはり家族という特殊な属性が必要な理由がございますでしょうか。

○青木参考人 今の段階では、少なくとも限定された本人とプラスその家族という発想でないと、かなり幅広く、特に検査すればするほど、全ての家は何らかの食事上の問題を抱えていて、栄養指導をしたほうがいいなということがたくさんあると思います。そうなってくると、とめどなく対象が広がりますので、とりあえず今の段階では限定された本人及びその家族としたほうが、運用と、データを出していろいろなことをするのはしやすいのではないかと思います。その方がトラブルも起こりにくいし、リスク管理もし易いと思います。

○田中座長 今村委員。

○今村委員 もう一遍確認ですが、対象者の要件として岡山市が出した参考資料では「食事の管理が必要と認める疾患患者であり」と書いてありますね。ということになると、今、お話されている周りの方々を含めた対象者の範囲を拡大するということとは、全然話が違うことになって、それはまさに医療法人がやるような附帯業務ではないことになるのではないですか。そこのところをきっちりしておかないと、どこまで広げるかという問題ではなくて、こういうことだからどうですかという話をしないと、ちょっと話が拡散してわからなくなってしまうので。

○福井参考人 ありがとうございます。あくまで岡山市が今回説明させていただいているのは、患者さん一人一人の状態に合わせた献立という、医師、管理栄養士の方が栄養管理等をした、指導した上での食事提供ということですから、そういう意味では相当限られたものを提案しているつもりです。青木医師からいろいろ御希望といいますか、思いとかも述べさせてもらったのですが、当然、実施していった中で、家族の問題、さらには通院されて実際に検査してみたら、この方も必要だと、いろいろ広がっていくケースはあるかと思うのです。

 そこは、実施していく中で、全ての医療機関がそこまで思っている医療機関ばかりじゃないというか、むしろ限定されているからうちはやりたいという声を挙げている医療機関のほうが多いですので、そこはあくまで収益事業にはまずならないという意識も皆さん、持っているみたいですし、社会貢献的にやっていくという中で、治療食として限定してやっていくところからスタートできたらと思っています。

○田中座長 スタート段階の話はそこに限る。将来、また検討するかもしれない。

 事務局、どうぞ。

○伊藤指導課長補佐 今村委員がおっしゃったように、とりあえずの整理としては、岡山市のほうからも話がありましたように、今回は、参考資料2の3ページ目の対象者要件に書いてありますとおり、「医師が栄養・食事の管理が必要と認める疾患患者であり、医療法人が開設する病院または診療所に入院していた者若しくは通院している者」に対する配食ということで、もしよろしければそういう形で附帯業務を今回追加するということで認めてはどうかということで、事務局から整理として申し上げますが、いかがでしょうか。

○西澤委員 今の事務局の整理でいいと思います。これは附帯業務という中でどう考えるかだと思います。私が家族と言ってしまったのですが、あのときの私の言い方は、恐らく家族等にもしたいのであれば、関連法人をつくればできるので、あえて医療法人でやるのはどういう意味かと聞きました。即ちそのあたりの縛りがあるなしの違いをどう考えるかということも、あわせて聞いたつもりです。附帯業務ということになれば、患者以外は入るべきじゃないと思います。

 ただ、家族の方が何らかの疾病を持っていれば、それはできるわけですから、それは別に何ら今の考え方の中では問題ないのではないかと思います。

○伊藤指導課長補佐 今、私は、入院していた者若しくは通院している者と申し上げましたが、長谷川委員から在宅医療を受けている者も入れるべきというのは最初に御指摘いただいていますので、そこは入院していた者若しくは通院していた者、または在宅医療を受けている者ということで、そこは修正が必要かと思います。

 以上です。

○松井委員 私も、附帯業務の趣旨からその範囲をどこまで広げられるか、あるいは実際に運用するときにどう線引きをするか等については、ある程度明確でないと運用に困ると思います。ですので、岡山市から出してくださった資料の3ページにございますように、限定的な方向をとったほうが附帯業務としての説明もしやすいだろうし、運用上も最初はやりやすいのではないでしょうか。先も申しましたように、家族かどうかというのは附帯業務の範囲を画定する上では余り決め手にならなくて、かえって範囲が不相当に広がってしまうという問題があるのではないかと思います。従いまして、私も事務局が御提案くださったような限定を設けることでよいのではないかと思います。

○田中座長 ありがとうございます。

 何となくまとまっているようですね。限定ならよいのではないか、がこの検討会のまとめでよろしいのではないでしょうか。2人そろって高血圧なら、別に家族じゃなくても、本人としての扱いになりますね。

 どうぞ、猪熊委員。

○猪熊委員 個人単位で考えればいいと思います。その病院に来ているおじいさんが配食サービスを受けて、その奥さんも低栄養とか減塩などで配慮が必要となったら、その奥さん個人に必要と考えればいいと思います。

○田中座長 それは2人の本人がいるということですね。それなら問題ないでしょう。

 この点について、特区の扱いと附帯業務、医療法42条の話というのは、どういう。その2つの位置づけを説明してください。

○伊藤指導課長補佐 もともと岡山市は特区という形を通じてこういうことができないかということの話がありましたが、今回、検討会では全国展開というよりは、医療法人を附帯業務として位置づけたらどうかということで御議論いただいております。もしよろしければ、医療法に定める附帯業務の中に、今、申し上げた、「医師が栄養・食事の管理が必要と認める疾患患者であり、医療法人が開設する病院または診療所に入院していた者若しくは通院していた者、在宅医療を受けている者」を対象とした事業を、附帯業務に追加し、全国どこでもできる形に整理したいということです。

○田中座長 そのスピード感は一緒ですか。特区のほうが早いことはないですか。

○伊藤指導課長補佐 これが認められるのであれば、特区でということは考えていないということですね。

○田中座長 よろしいですか。医療法改正を待たずに、特区の申請が通れば、それは先にあり得る。

○伊藤指導課長補佐 岡山市も、今回の御議論で附帯業務に今、申し上げたような業務が追加されるのであれば、もうそれでオーケーで、特区の議論はもうないということでよろしいですか。

○福井参考人 私ども、総合特区の中でこの提案もさせていただいていたのですが、こうしたオールジャパンの議論の中でさせていただける形になりましたので、もちろんこちらで。そうなると、特区も結局岡山市限定でやるよりは、こういった形で全国展開できるほうをもちろん望んでおります。

○田中座長 わかりました。全体が進めるなら、そちらでよろしい。特区にはこだわらない。

○福井参考人 はい。

○田中座長 ありがとうございます。

 議論したおかげで大分理解が深まったと思いますが、ほかによろしゅうございますか。どうぞ、日野委員。

○日野委員 かなり話題が透明性を高めてきたような気がするのですが、ちょっと考えてみると、今の話は医療にかかわる話という枠組みでのことで、青木先生にお伺いしたいのですが、むしろ介護保険にかかわるような障害があって食べられない人用の配食サービスも同時に考えるのか、それは次の段階で考えるのかによって、考え方の違いが生じてくると思います。食事の内容につきましても、病気に対する食事のいろいろな栄養の気の配り方というのと、一時言われましたアルブミン値の非常に低い要介護者がいて、食べてもらうように働きかけたらよくなったという時代がありました。介護保険と医療保険をどう切り分けるか、またややこしい問題になってしまいますが、どんなぐあいといいますか。

○青木参考人 こういうときによく話をするのですが、地域包括ケアあるいは地域包括ケアのシステムづくりという過程の中で、当初訴えていた広島県の山口先生は、かなり広い意味での提案ですけれども、制度改正ではいろいろな意味で介護保険の中で位置づけされ、特に地域包括支援センターの運営マニュアルの中で位置づけされていますけれども、少なくとも医政局のほうもそういう関連性まで広げた、介護保険制度だけの枠組みではできないということで、少なくとも医療制度の枠組みまで地域包括ケアという考えが出てきています。そういうことから考えると、障害者の問題、口腔ケアあるいは嚥下障害の方も含めた形での取り組みというものも、今後検討しないといけないし、我々としては既にそういうことも考えております。

 そのときには、歯科の先生とか歯科衛生士の問題ということで、今のところ栄養ということであれば、管理栄養士が主体になって栄養ケアマネジメントサイクルを回すのですけれども、歯科の先生あるいは口腔ケアも含めた形になってくると、障害者の中でそのために食べられない人となってくると、現在、我々は流動食とか経管栄養ということも含めた形でやっていますので、そういう問題も出てくると思います。できなければ、障害者まで含めた形、いわゆる医療との兼ね合い、それから介護保険との兼ね合いというものの枠組みをつくりながら考えていっています。それでよろしいでしょうか。

○日野委員 介護保険と医療保険の問題というのは、別の問題でもあるわけで、境界をどうするかということを念頭に置いておく必要があるのかどうか。ある程度のところへ来ると、むしろそういう線引きをしないほうが現実的ではないかという話もある。今回の話題ではないと思いますが。

○田中座長 ほかに発言はおありですか。よろしゅうございますか。議論している間に、お互いによくわからなかった点はかなり消えたと思うし、基本的に前向きな結論が出たと思います。ありがとうございます。

 本日行われた議論については、各委員に御確認いただいた上で事務局でまとめてください。お願いします。

 では、次回の案内をお願いします。

○伊藤指導課長補佐 本日は、ありがとうございました。

 次回は、124日水曜日16時より予定しております。

○田中座長 では、本日の第2回の会合はここまでといたします。お忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

 


(了)

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