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2013年12月11日 第7回放課後児童クラブの基準に関する専門委員会 議事録

雇用均等・児童家庭局

○日時

平成25年12月11日(水) 14:00~16:00


○場所

経済産業省別館1031号会議室


○出席者

委員

柏女委員長 石崎委員 尾木委員
川綱委員 齋藤委員 笹川委員
中川委員 野中委員 堀内委員(増田代理)
吉原委員

事務局

石井雇用均等・児童家庭局長 為石育成環境課長 水畑少子化対策企画室長補佐
百瀬児童健全育成専門官

○議題

1.報告書(案)について
2.その他

○配布資料

資料1 報告書(案)
資料2 前回までの委員の主な意見
資料3 松村委員提出資料

○議事

○百瀬専門官

 定刻となりましたので、ただ今から「第 7 回放課後児童クラブの基準に関する専門委員会」を開催いたします。委員の皆さまにおかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日の委員の出欠状況でございますが、松村委員からは所用により欠席とのご連絡をいただいております。また、堀内委員におかれましては、所用により欠席でございますが、代理といたしまして静岡県健康福祉部こども未来局こども未来課の増田課長代理にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。柏女委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○柏女委員長

 それでは、第 7 回の専門委員会を開催したいと思います。年末の慌ただしい時期に、かなり無理をしてお集まりいただいているのではないかと思いますが、本当にありがとうございました。前回とは違って今回はかなり狭い所での実施ということになりますが、いわば放課後児童クラブの現状を表現しているということで、大規模クラブで寿司詰め状態におかれている職員と子どもたちのことを実感しながら、熱い議論を進めていきたいと思っております。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 はじめに、事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。

 

○百瀬専門官

 それでは、お手元に配付させていただいております資料の確認をさせていただければと思います。議事次第、その後に資料 1 といたしまして「放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書 ( ) 」、資料 2 といたしまして「前回までの委員の主な意見」、資料 3 といたしまして、本日ご欠席の松村委員から意見書が提出されています。資料の欠落等がございましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。

 

○柏女委員長

 よろしいでしょうか。皆さま、資料はございますでしょうか。

 それでは、今日の進め方でございますが、事務局からこれまでの議論等を踏まえて最終的な報告書の案という形で提出していただいております。これについて、事務局から説明をいただいた上で、報告書の取りまとめについて、具体的な記載の仕方等についてご意見を頂戴したいと思っております。

 これまでは省令基準等の方向性について議論を行ってまいりまして、方向性については一定の合意をみましたので、今回はそれを文章に書き起こしていただきました。その記載の仕方等についてのご意見を頂戴したいと思います。できれば、今日を最後の委員会とできればと思っております。議論を打ち切るつもりはございませんけれども、そのように考えておりますので、ご協力をお願いしたいと思います。

 それでは、事務局から報告書(案)の説明をお願いいたします。

 

○為石育成環境課長

 それでは、報告書 ( ) の説明をさせていただきます。

 その前に、前回の第 6 回専門委員会で、員数については職員を複数配置することを基本として、集団の規模についてはおおむね 40 人までを標準としつつも、員数との関係で問題となるのは一部の大規模クラブに限定されていることから、一定の経過措置を求めるという大きな方向性が示されたところでございます。これについての整理でございますが、 56 人以上の規模のクラブは全体の 2 割になります。このため、「おおむね 40 人を標準にしつつ」ということでございました。これにつきましては、省令では員数については「おおむね 40 人」の規模の標準クラブを念頭に複数配置を担保することを記載することといたしまして、大規模クラブについては、解釈通知等によりクラブの分割や児童の集団を分けて運営するよう努めるものとする旨を記載することが適当であろうと整理しております。

 なお、これに加えまして、クラブの分割や児童の集団を分けて運営することにつきましては、ガイドライン等でも周知していくことが重要だと考えています。そういった中で、国としても適切な支援をしていくということを前提にいたしまして、報告書 ( ) を整理させていただいているということであります。

 それでは、資料 1 の専門委員会の報告書 ( ) を説明させていただきます。 1 枚めくっていただきますと目次がございまして、大きく 1 番目に「基準の範囲・方向性について」、 2 番目に「具体的な基準の内容について」、 3 番目に「その他の論点」という形で整理しております。

 1 ページ目の「はじめに」につきましては、これまでの経緯についてまとめさせていただいております。 2 ページ目の頭で本委員会の経過について記載させていただいたところでございます。

 1 の「基準の範囲・方向性について」、 (1) の三つ目の丸までは現状についての説明になっております。四つ目の丸のところからでございますが、放課後児童クラブは、これまで多様な形態で運営されてきたことから、今後、新たな基準を策定する上で、現に事業を行っている放課後児童クラブが着実に質の改善に向けた努力を積み重ねていけるよう、全体的な質の底上げを図りつつも、一定の経過措置等の検討が必要である。最後の丸でございます。省令上の基準として定めるものとしては、職員の資格、員数、施設、開所日数・開所時間や集団の規模、また「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の総則に規定されている事項とすること。また、今後、新たにガイドライン等で示すべき主なものとしては以下のものがあるということで、 7 項目ほど列挙させていただいております。

 (2) 「放課後児童クラブの基本的な考え方」についてでございます。基準の検討に当たっては、「放課後児童クラブの提供すべきサービス・特性とは何か」という点について検討し、以下のように整理した。 1 点目につきましては、法律上の規定の引用でございます。 2 点目には運営の実態について記載しております。 3 点目でございますが、放課後児童クラブに求められる機能としては、児童と保護者が安心して利用できる居場所として相応しい環境を整備していくために安全面に配慮し、児童が自らの危険を回避できるよう自己管理能力を育てていくとともに、児童の発達段階に応じた主体的な生活や遊びが可能となるよう支援を行うことが適当である。また、放課後児童クラブにおける子どもの様子を家庭に伝え、日常的な情報交換を行うことにより子どもを見守る視点を家庭と放課後児童クラブで補い合うことで、保護者が安心して子育てと就労を両立できるよう支えることが適当である。こういった整理をさせていただいております。また、こうした機能・役割を明確に位置付けるべきであるとしております。最後のポツでございますけれども、放課後児童クラブの具体的な機能・役割については、新たに策定するガイドライン等により明確化することが適当である。

 2 の「具体的な基準の内容について」でございます。最初の丸で、放課後児童健全育成事業に従事する者及びその員数については厚生労働省令で定める基準に従い定めるもの ( 従うベき基準 ) とし、その他の基準については、厚生労働省令で定める基準を参酌するもの ( 参酌すべき基準 ) となっており、この整理に従って具体的な基準の検討を行った。

 (1) 「従事する者【従うべき基準】」のところでございますが、最初の丸は現状です。二つ目の丸のところで、放課後児童クラブに置くべき有資格者は、「児童の遊びを指導する者」の資格を基本とすることが適当である。そのページの最後の丸のところで、ただし、放課後児童クラブと児童厚生施設とでは、求められる知識や職務の内容が異なるため、基本的生活習慣の習得の援助、自立に向けた支援、家庭と連携した生活支援などに必要な知識・技能を補完するための研修を制度化することが適当である。 5 ページの最初の丸で、省令上の資格の水準は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第 38 条第 2 項各号のいずれかに該当する者(これは「児童の遊びを指導する者」のことでありますが)であって、研修を受講した者とすることが適当である。次の丸の最後のところにありますが、有資格者となるための研修については、原則として都道府県が実施することが適当である。なお、都道府県から委託を受けた者が実施することも可能とすべきである。次の丸でございます。研修科目の具体的な内容については別途検討が必要である。他の事業でも、科目の一部を免除することができるとされている研修があり、こうした方法も参考にしつつ、検討していく必要がある。次の丸でございます。有資格者となるための資格要件の一つとしては、「児童の遊びを指導する者」など、児童と継続的な関わりを持った経験のある者についても、要件の一つに加えることも考えられる。どのような者を認めていくか、引き続き検討が必要である。次の丸でございます。子ども・子育て支援新制度の施行後、全体の質の底上げを図りつつも、一定の経過措置等の検討が必要である。その次の丸でございます。地域の人材が放課後児童クラブの子どもと積極的に関わってもらうことが重要であるため、必ずしも業務に従事する者全員に資格を求める必要はないと考える。したがって、有資格者でない者も業務に従事することを可能とすることが適当である。その下の丸でございます。有資格者以外についても、最低限必要な知識等をもって職務に当たることが望ましいため、新たに策定するガイドライン等で着任時の研修の受講を推奨することが適当である。また、今後、現任研修についても体制を整備していくべきである。これらについては、実施体制も含めた検討が必要である。次の丸のところでございます。放課後児童クラブに従事する有資格者の名称については、実態に即したものとすることを検討すべきである。同様の趣旨から「児童の遊びを指導する者」の規定についても実態に即したものとすることが考えられる。

 (2) 「員数【従うべき基準】」でございます。一つ目の丸は現状を記しております。二つ目の丸でございますけれども、子どもの安全や育成・支援の質を確保する上で職員は 2 人以上配置することとし、うち 1 人以上は有資格者とすることが適当である。次の丸で、小規模クラブ( 20 人未満)についてでございます。職員は 2 人以上配置することを原則とするが、小規模のクラブにまで専任の職員の複数配置を求めることは困難を伴う。四つ目の丸です。このため、併設する施設の職員等が兼務可能な場合には、 1 人でも可とすることが適当である。ただし、この場合の専任の職員は有資格者であることが適当である。

 (3) 「児童の集団の規模【参酌すべき基準】」でございます。最初の丸につきましては、現状を記しております。次の 7 ページの最初の丸でございます。規模については「子どもの視点」が重要であり、児童が相互に関係性を構築したり、一つの集団としてまとまりをもって共に生活したり、職員が個々の児童と信頼関係を築いたりするという観点では、児童の集団の規模はおおむね 40 人までとすることが適当である。次の丸でございます。ただし、大規模クラブも少なからず存在している実態や利用児童数が増加傾向にあることに配慮すれば、これまで国の方針として取り組んできたとおり複数のクラブに分割して運営することや、分割して運営する方法に依り難い場合には、一つのクラブの中で、複数の児童の集団に分けて対応するよう努めることとし、国としてもおおむね 40 人規模のクラブヘの移行を支援していくことが必要である。次の丸でございます。「児童数」の考え方について、毎日利用する児童の人数に、一時的に利用する児童の平均利用人数を加えた数で捉えることが適当である。

 (4) は「施設・設備【参酌すべき基準】」についてでございます。1「専用室・専用スペース」について、一つ目の丸は現状でございます。二つ目の丸です。放課後児童クラブの専用室・専用スペースは児童の生活の場であるとともに、活動の拠点として様々な場所での活動へ広がっていくものであるため、専用室・専用スペースは、生活の場としての機能が十分に確保される場所であって、放課後児童クラブの児童が事業の実施時間帯を通じて専用で利用できる部屋又はスペースと捉えることが適当である。次の丸でございます。専用室・専用スペースを設ける際の面積については、現行の放課後児童クラブガイドラインと同様に「児童 1 人当たりおおむね 1.65 平方メートル以上」とすることが適当である。次の丸でございます。面積要件の算定の基礎となる「児童数」についても、「児童の集団の規模」と同様の数で捉えることが適当である。次の丸でございます。児童の生活の場として機能するためには、面積要件のみならず、例えば、安全性が確保されていること、児童が自らの生活の場として認識できること、整理整頓・清潔の維持などの基本的な生活の行為ができる環境であることなどが考えられる。次の丸です。専用室・専用スペースは、放課後児童クラブの対象となる児童が生活する上で支障を及ぼさない場所と考えることが適当である。ただし、放課後児童クラブを利用しない児童と共に遊びや生活の時間を過ごすことは、児童の健全な育成を図る観点からむしろ望ましい場合もあることから、各クラブの実情に応じ、そうした専用室・専用スペースの運用も可能とすることが考えられる。

 2「その他」のところでございます。最初の丸は、現状でございます。二つ目の丸のところで、体調が悪くなったときに休息できる場所は必要であるため、静養スペースを設けることが適当である。なお、静養スペースの設置の方法は、各クラブの実情に応じたものとすべきである。次の丸でございます。このほか、高学年の受け入れに当たっては、例えば、対象年齢に相応しい遊具、図書などの備品等についても適切に対応することが望ましい。

 (5) 「開所日数【参酌すべき基準】」でございます。一つ目、二つ目の丸は、現状の説明になっています。三つ目の丸でございますけれども、開所日数は、現状の実態や国庫補助基準等を参考に、おおむね平日の授業日に学校の長期休業日を加えた数である年間 250 日以上を原則とし、地域の実情や保護者の就労状況等を考慮して、事業を行う者が定めるものとすることが適当である。

 (6) 「開所時間【参酌すべき基準】」についてでございます。一つ目、二つ目の丸は現状についての記述でございます。三つ目の丸ですが、開所時間も開所日数と同様に、現状の実態や国庫補助基準等を参考に、平日は 1 3 時間以上、休日は 1 8 時間以上を原則とし、地域の実情や保護者の就労状況等を考慮して、事業を行う者が定めるものとすることが適当である。次の丸でございますけれども、開所時間については、いわゆる「小一の壁」の解消に向けて、今後の政府や企業等におけるワーク・ライフ・バランスのための取り組みを図りつつ、子ども・子育て支援新制度の計画作成に当たって市町村が把握する保護者の利用希望も勘案し、各クラブが地域の実情に応じて必要な開所時間を設定することが必要であり、国としても支援していくことが必要である。

 (7) 「その他の基準【参酌すべき基準】」でございます。これまでの (1) (6) の基準のほか、他の児童福祉事業等で定められている基準の内容等を参考とし、省令上の基準とすべき事項について検討が必要である。次の丸でございます。本委員会では、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の総則に規定されている事項などを踏まえ、「非常災害対策」、「虐待等の禁止」、「秘密の保持に関すること」、「保護者、小学校等との連携等」、「事故発生時の対応」などについて省令上に定めることが適当であると整理した。次の丸でございます。特に、子どもが安全に健やかに過ごすためには、職員の倫理に関する規定を遵守することが重要であり、基準上にも位置付けるべきである。次の丸でございます。このほか、安全管理、おやつ等によるアレルギー対策等の運用上の留意点などについて、今後、新たに策定するガイドライン等で示していくべきと考える。

 3 「その他の論点」の (1) は「放課後児童クラブの利用手続について」でございます。一つ目の丸は現状についての記述でございます。二つ目の丸のところで、実態を踏まえると、国が一律に利用手続の方法を示すのではなく、地域の実情に応じて市町村が適切に利用手続を定め、実施することが適当である。次の丸で、今般の児童福祉法の改正により、市町村は、必要な情報の収集を行うこととされ、情報の集約が求められることとなった。したがって、市町村は、各クラブの協力を得て、放課後児童クラブの利用を希望する保護者等に対し、必要な情報を提供することが適当である。

 1「あっせん・調整等について」でございます。最初の丸で、上記を踏まえ、市町村はクラブの定員や待機児童の状況等を一元的に把握し、必要に応じ、利用についてのあっせん・調整等を行っていく必要がある。二つ目の丸で、あっせん・調整等を行う場合としては、保護者に対し定員に達していないクラブを紹介する等の方法が考えられる。次の丸でございます。なお、児童が放課後を過ごす場としては、放課後児童クラブのほか、放課後子ども教室、児童館等多様な居場所があることに留意することが必要である。

 2「優先利用について」、一つ目の丸には、現状について触れております。二つ目の丸でございますけれども、優先的に受け入れるべき児童の考え方としては、例えば以下のような対象者が考えられるとして、 6 項目を列挙しております。詳細については、各地域における実情等も踏まえた上で、子ども・子育て支援新制度の施行までに整理し、国として例示を示すべきである。

 次のページにまいります。 (2) 「対象年齢の明確化について」、最初の丸で、児童福祉法の改正により、 6 年生まで事業の対象範囲であることが明確化されたが、児童が放課後を過ごす場としては放課後児童クラブのほか、放課後子ども教室、児童館等多様な居場所があることに留意することが必要である。二つ目の丸で、児童福祉法上の対象年齢は、「事業の対象範囲」を示すものであり、個々のクラブにおいて 6 年生までの受入れを義務化したものではないと整理されている。三つ目の丸でございます。ただし、子ども・子育て支援新制度では、市町村は、支援に係る利用希望を把握した上で事業計画を策定し、事業等を計画的に実施することとされており、市町村において整備を進めていくことが必要である。

 (3) 「放課後子ども教室、児童館との連携・一体的な事業の実施について」でございます。三つ目の丸までは現状の説明でございます。四つ目の丸で、これらの事業等と連携し・一体的に実施されている場合でも、放課後児童クラブが「適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る」事業であり、就労等により保護者が昼間家庭にいない児童の生活の場であることに鑑みた運用上の配慮が必要である。次の丸でございます。さらに、放課後の子どもの居場所であることから、所管している厚生労働省と文部科学省、または自治体における所管部局間等で放課後の子どもの時間の在り方について共通した認識を持ち、事業のより密接な連携等を推進することが望まれる。

 (4) 「放課後児童健全育成事業として行わない類似の事業について」、最初の丸で児童福祉法上の「放課後児童健全育成事業」として事業を実施する場合には、児童福祉法に基づく事前の届出を行い事業を実施することとなるが、児童福祉法上の「放課後児童健全育成事業」として事業を実施しない類似の事業については、児童福祉法上の規制にかかわらず運営することが可能となっている。次の丸です。ただし、放課後児童クラブの利用を希望する保護者が、児童福祉法上の「放課後児童健全育成事業」か、当該事業の類似の事業であるかを正確に理解した上で、適切に選択できるように、届出対象事業者の一覧を作成し、情報提供する等の運用上の工夫が必要である。

 (5) 「その他」でございます。最初に、障害児の関係の現状について触れております。二つ目の丸でございますが、障害のある児童も障害のない児童も日々の生活や遊びを通して共に育ち合うことが大切であるため、障害のある児童が安心して生活できる環境となるよう、障害児の受入体制の充実、強化を図っていくことが必要である。次の丸でございます。放課後児童クラブでは虐待の早期発見に努めることが必要である。このため、放課後児童クラブについても要保護児童対策地域協議会の構成員として継続的な関わりが持てるよう、今後検討していくべきである。

 最後に、「おわりに」で全体的なことについて触れておりまして、一つ目の丸で、本報告書は省令上の基準として定める事項のほか、ガイドライン等で示すべき事項、今後取り組んでいくことが期待される事項について取りまとめたものである。次の丸で、これらの基準により市町村が放課後児童クラブの質の改善を図るためには適切な財源の確保が必要である。最後のところで、厚生労働省には、本報告書を踏まえた省令の立案や運用面の改善など必要な対応を取ることにより、放課後児童クラブの質の確保・向上を求めるものであるといった整理になっております。

 もう 1 点、ご報告させていただきたいと思います。 11 11 日に行われました本専門委員会の検討資料を、子ども・子育て会議の基準検討部会の方に報告いたしました。その際にご意見があったことについて、ご報告させていただきたいと思います。

 「従事する者」に関しましては、指導員やプレイリーダーのような役割をもってもらうことが必要であると考えるが、まずは指導員に求められる役割を整理した上で、研修による資格付与の仕組みを検討すべきであるというご意見をいただいております。

 それから「員数」「集団規模」につきまして、安全上の問題から最低 2 人配するとしてよいが、運営実態を考慮し、地域の実情に応じた柔軟な対応が可能となるよう配慮すること。また、義務付けるなら案 1 が良いというご意見。それから、集団の規模は「おおむね 40 人」を徹底すべきというご意見。また、員数は 1 クラス 2 人とすべきというご意見をいただいております。施設・設備について、専用スペースは 1.65 平方メートル以上とすべきだというご意見もありました。開所時間については、夏休みなどは保護者の出勤時刻が 7 時台であるため、開所時間に配慮をお願いしたいというご意見もございました。その他、財源措置・処遇改善につきまして、保育所の 5 歳児と幼稚園で預かり保育を受けている子どものトータルがクラブを利用したいと考えている方々であり、これを 6 年間分引き受けるという計画になるわけであって、それに見合った財源措置をお願いしたい。補助金の充実・財源の確保をお願いしたい。職員の処遇改善・常勤化をお願いしたい。こういったご意見が基準検討部会から出ております。こういった意見も踏まえまして、ご議論いただければと思います。以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。「放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書 ( ) 」の内容について、かいつまんでポイントのご報告をいただき、かつ、基準検討部会でのご意見についてもご紹介いただきました。基準検討部会のご報告を今伺いましたけれども、私どもが議論してきたものを補強するご意見と、地域の実情に応じた柔軟な配慮をお願いしたいというご意見、我々が苦労しながら尾根道を歩んできたそれと同様のご意見を頂戴したのではないかと拝聴させていただきました。

 さて、それではこの報告書 ( ) について、委員の皆さま方からご意見を伺いたいと思いますが、一度に全部といっても議論があちこちすることになると思いますので、最初から順にページを追って区切りながら進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、そのような形にさせていただきたいと思います。今日は 2 時間の時間をとっておりますが、この方向でよいということで、もし時間が余りました場合は、今日が最後という形になりますので、この報告書をこの後どのように生かしてほしいのか、それらについて皆さま方お一人お一人から、この専門委員会にご参加されての感想も含めていただければと思っておりますので、ご承知おきいただければと思います。

 まず全体構成について、「目次」のところにそれがございます。関連資料なども含めてですが、何かございますでしょうか。

 

○野中委員

 内容の問題ではないのですが、今日のこれからの議論に係って、この報告書は最後に文章整理が必要なところが幾つかあるように思います。例えば「児童」と「子ども」の言葉の使い分けの問題、このことについてはどちらかに統一しなければならないということではないと思いますが、最低でも一つの項目の中に両方が使われているのは避けるべきだと思いますので、そういう整理や、第○回専門委員会という脚注が入っていますが、これは独立して発表される文書でありますから、その内容をそこで要点を表すなど、幾つか文字校正を含めて文章整理が必要だと思います。そのことには触れずに、内容についての議論ということでよろしいでしょうか。

 

○柏女委員長

 いかがでしょうか。それらもご指摘があった方がよいということであればそうしていきますけれども。ただ、一つ一つやっていると大変ですから。

 

○為石育成環境課長

 時間の都合もございますので、野中委員のご意見を伺わせていただいて整理させていただくようにいたします。

 

○柏女委員長

 分かりました。細かい点については別途ということでお願いしたいと思います。資料が後ろの方に入っていますので、これらの資料の是非等についても併せてご意見を頂戴できればと思います。

 なお、私の方で報告書 ( ) 1 枚目に表題をつけさせていただきました。表題が単なる報告書ではつまらないと思ったので、良い表題がなかったのですが、こうした表題も付けた方がよいのではないかという意見も出させていただいております。全体の構成については、よろしいでしょうか。

 それでは、 1 ページの「はじめに」です。 2 ページの最初の丸までについては、いかがでしょうか。ここはよろしいでしょうか。ご意見があれば随時ご発言をお願いしたいと思います。

 それでは、 2 ページの 1 「基準の範囲・方向性について」の中の (1) まで、つまり 3 ページの上段のところまでで何かございませんか。ここはよろしいでしょうか。脚注のところでも特に修正すべきことはないですね。 3 ページの (2) の上のところまでですけれど、よろしいでしょうか。

 よろしければ、次の (2) 「放課後児童クラブの基本的な考え方」。ここでは放課後児童クラブが一体何をするところなのか、その目的と機能を、省令には一部という形になろうかと思いますけれども、省令以降の局長通知・ガイドライン等も含めて、しっかりと書き込むべきだということが書かれておりますが、ここについてはいかがでしょうか。 4 ページの上から 6 行目までです。ここまでのところは特にございませんでしょうか。

 それでは、次に移りたいと思います。 4 ページの 2 「具体的な基準の内容について」、ここから本題に入っていく形になります。その中の (1) 「従事する者【従うべき基準】」については 6 ページの二つ目の丸のところまでになると思いますが、ここについてはいかがでしょうか。

 

○吉原委員

 吉原でございます。 5 ページの下から三つ目の丸について意見を述べたいと思います。 3 行目の「一定の経過措置等の検討が必要である」という記述です。これは 2 ページの下から二つ目の丸の中にも同様の表現があるわけですが、「一定の経過措置」といった場合に、どの程度の期間を想定しておくのか、イメージするのかという点ですが、例えば新制度の中で市町村の第 1 期事業計画の期間が終了する時期、平成 31 年度末を見越すというか想定するのかどうか。その辺りも記述がある程度必要ではないかという意見です。

 

○柏女委員長

 「一定の経過措置等の検討が必要である」。ここに期間を設けるか否かというご意見で、期間を入れておいた方がよいのではないかということですけれども、これについてはいかがでしょうか。事務局の方で何かお考えはありますか。

 

○為石育成環境課長

 具体的な期間についてまだ検討しておりませんが、現実には現状が優先されるところがありまして、子どもたちに与える影響を踏まえれば、その状態を見ながらということになるのではないかと考えています。

 

○柏女委員長

 他の委員の方々で、これに関連していかがでしょうか。私の実感ですが、子ども・子育て会議でも、さまざまな経過措置が検討されておりますが、それぞれの事業の特殊性に応じて、例えば 10 年としたり、あるいは数年という形になったりしていきます。ここは指導員全体の研修のことですので、この研修を受けるまでの期間をどうするか。あるいは、経験年数の把握をどうするかということですが、経験年数の把握についても、例えば週フルタイムで出ていて 2 年間なのか。週 3 日しか出ていない人は何年間なのかとゴタゴタしてくるような気がして、この中で議論をしていくよりは「経過措置等の検討が必要である」の中に、期間もそれぞれの実情に応じて考えていくことが必要だという意味を含めて、これは記載しないでもよいのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 

○吉原委員

 結構です。

 

○柏女委員長

 確かに、それが例えば「当分の間」といっても、児童福祉法ができて 65 年間当分の間のままというものもありますので、そうならないようにということはそのとおりだと思いますけれども、ここで例えば 5 年と切ってしまったりするのは個々によっては危険ではないかという感じもしますので、そういう含みでこの中には「適正な期間を審議してください」という意味が入っているという理解にさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。他は、いかがでしょうか。

 それでは、次の一番議論が集中した「員数」のところで切りたいと思います。 (2) について、何かございますでしょうか。

 

○尾木委員

 尾木でございます。今、柏女委員長がおっしゃったように、この「員数」のところでさまざまな意見が出たと思います。最終的には複数体制ということになっているわけですが、なぜ複数であることが必要なのかということについて二つ目の丸に書かれていると思いますが、少し短くまとめ過ぎていて、実際の議論ではかなり詳細になぜ必要なのかをお話しいただいたと思いますし、その話を聞いていた者としてはこういうことだと想像できるのですが、これだけを読んで、なぜ複数が必要なのかということを十分理解していただけるかどうかを考えてみますと、もう少し文章を長くする、あるいは幾つか理由を具体的に示した方が理解を得られやすいのではないかと思います。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。二番目の丸の次に具体的な理由を入れた方がよいというご意見です。

 

○野中委員

 今の尾木委員の発言に続く形で関連した発言をさせていただきます。「 2 人以上の職員を配置する」ことを基準とすることについての説明を簡潔に示すとしても、具体的な内容を少し含めた方がよいのではないかと私も思います。提案ですが、例えば、「放課後児童クラブは、第一に異年齢の子どもを同時に、かつ、継続的に育成支援するものであるなど「事業内容」の特性。第二に、ケガや子ども同士のいさかいへの対応など「安全管理」の必要性。そして、第三に放課後児童クラブが職員のみで運営されており、いわゆる管理者などが代替することができないという本事業の「運営特性」から、複数職員の配置は最低限必要とされる」というような文章を追加して、現行の配置の実態だけを理由とするのではなくて、子どもの最善の利益保障や事業特性から複数配置が求められることを明記しておくことが必要だと考えます。

 ここで、少しお時間をいただきまして「 2 人以上の職員を配置する」ことを基準とする必要について、その根拠を、これまでの放課後児童クラブの実態から抽出した「事業内容」「安全管理」「事業自体の運営特性」の面から例を挙げて説明させていただきます。

 「事業内容」の特性につきましては 3 点あります。 1 点目は、一人一人に直接関わることと子ども集団に関わることが同時あるいは並行して行われるということが挙げられます。実際の場面では、遊びや課業的な活動、宿題や清掃などさまざまありますが、そういうことと並行して個々の子ども、子ども同士の関わりへの直接的な対応が行われます。特に、 1 2 年生の低学年には、子どもからの訴えや遊び仲間とのトラブルの解決など、直接個別に関わる比率が高くなるということがあります。

 2 点目は、異年齢の子どもを同時に、かつ、継続的に育成支援をする必要があるということが挙げられます。下校時刻の違いから、放課後児童クラブに来る時刻も異なりますので、それぞれに対応する必要があることに加えて、 6 9 歳、今回は 12 歳までの異年齢ということになったわけですが、その子どもたちの生活を継続的に育成支援するためには、それぞれの子どもの発達や子ども集団の特性を把握した、変化に応じた関わりが必要になります。

 3 点目は、優先的に受け入れるべき児童には個別に、かつ、継続的な援助が必要になる場合が多くなってきているということです。この報告書 ( ) 13 ページ「その他」の 3 項目目に「児童の心身の状態、養育の状態について日々の生活の中から観察し」優先的に配慮の必要な子どもを受け入れるということについては文言があるわけです。児童クラブでは子ども一人一人と、子ども集団全体の生活内容を豊かにすることが求められるわけですが、特に優先的に受け入れるべき児童には個別に、かつ、継続的な援助が必要な場合が増えてきますので、そういうことへの配慮も全体で必要になってくるのではないかと思います。

 「安全管理」についても 2 点あります。 1 点目は、子どもの一斉誘導と個々の子どもへの対処を緊急時には同時に行う必要があるということです。災害時や火災発生時、防犯上の緊急時等、緊急に子どもたちの安全を守る必要が生じたときは、子どもたちへの一斉指示・誘導と同時に、子ども一人一人の安全確認と対処を同時に行う必要があります。

 2 点目は、日常のケガや子ども同士のいさかい等についても、当事者への対応とそれ以外の子どもへの対応を同時に分けて行うことが必要になります。例えば、ケガがあったときに二次被害が拡大するのを避けるために、子どもを離して他の子どもを落ち着いた状態にしながら緊急時の対応をするということが同時に必要になってきます。

 「事業自体の運営特性」につきましても 2 点ございます。 1 点目は、この事業自体が放課後児童指導員である職員だけによって維持されているところがほとんどで、その他に事業を支える職種の職員が配属されていないということが挙げられます。保育所等とは職場の構造が異なりますので、園長 ( 管理職 ) や事業を支える職種である事務職員や養護の職員等の配置はありませんので、必要な場合に管理者などが育成支援の業務を代行することができない状況があります。

 2 点目は、多くの放課後児童クラブが単体で運営されているということが挙げられます。他の公共施設に併設されている場合でも、そのほとんどは放課後児童クラブ単体の事業として運営されていますので、日常の育成支援の仕事は、そこの職員だけに委ねられているのが実情です。

 なお、同一の場所で複数の放課後児童クラブを運営する場合、これは大規模クラブを分割した場合に多いのですが、この場合にあっても、 3 点目の事業としての運営面では複数クラブを統括する職員を加配することによって一定程度サポートが可能になったとしても、そのことによって、先ほど挙げました大きな項目の 1 項目目・ 2 項目目のことがカバーできることにはなりませんので、日常のクラブごとの育成支援を 1 人の職員で行うことは困難だと思います。

 これらのことから、放課後児童クラブでは「 2 人以上の職員を配置する」ことを基準とすることは最低限の必要事項だと思いますので、ぜひ、以上の内容の要点を盛り込んだ報告書をお願いしたいと思います。以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。尾木委員のご発言を補足して、員数について 2 人以上配置する必要性について、 3 点のジャンルからご発言いただきました。一つは事業内容の特性から、二つ目が安全管理の必要性から、三つ目が運営特性から。これらの三つのことから、それぞれ幾つか論点を挙げていただきましたが、それらの理由によって 2 人以上の配置が必要なのだということで提起いただきました。これについて、三つ目の丸に文章を一文入れるということでよろしいでしょうか。これまでの方向性を変えるわけではございませんので、複数が必要な理由というものを、現状がこうなっているから 2 人が必要だということではなく、そもそも必要なのだということを明確化する意味でも、それを入れておくということでお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは事務局の方で、野中委員が文章化された案を出されましたので、それを議事録からとっていただいて、また野中委員からも聴取していただいた上で加筆をお願いしたいと思います。他にはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、今の (2) と連動してくるかもしれませんが (3) 「児童の集団の規模【参酌すべき基準】」、 7 ページの上段のところまでございます。これについては、いかがでしょうか。

 

○野中委員

 続けて、申し訳ございません。 7 ページの上から二つ目の丸「ただし、大規模クラブも少なからず」というところの文章で、「分割して運営する方法に依り難い場合には」の次に「児童の安全を確保できる体制の下に」という文章を入れていただきたいというお願いがあります。それは 19 ページをご覧いただきたいのですが、 19 ページの児童数の規模別にみた指導員数の割合ですが、一番上の 71 人以上いるクラブの 804 か所中 1.6 %が 1 人の体制という時間帯があるということが書かれています。これはこのとおり読めば 71 人以上いるところにたった 1 人の職員しかいない時間帯があるということです。これは単純に安全危機管理上からいって見過ごすことのできない緊急事態なわけです。こういうところが実際にこの調査で、これは母数が 1 1,000 ですから全数調査の数値ではありませんが、仮に全数調査で倍化した場合には、少なくとも十数か所にこういう事態があるということで、これは委員会としても見過ごすことができないのではないかと考えます。小規模クラブの場合の 1 人体制についての改善策はその項目で触れられていますので、大規模クラブについても、事務局の説明にありましたように大規模クラブを改善していく、解消していくという方向をここで示しているわけですから、そうした改善策の意味合いを含んでいることを示す意味で、「児童の安全を確保できる体制の下で」という文章があった方が良い。この表をどのように読み取るかという質問が起きたときに、文章上に答えがあるということは大事だと思いますので、そのことを提案したいと思います。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。とても大切なご指摘ではないかと思います。「ただし、大規模クラブも少なからず」の丸の 4 行目で、「依り難い場合には、児童の安全を確保できる体制の下で、一つのクラブの中で複数の複数の児童の集団に分けて対応するよう努めることとし」という形でという意見です。修文上で、もし何かありましたら事務局でご検討いただくことにして、趣旨はそういう意味ということでご理解いただいて、ここは加筆するということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。とても大切なご指摘をいただいたと思います。他には、いかがでしょうか。

 

○笹川委員

 笹川でございます。今、野中委員からお話がございましたけれども、加筆すべきと言われたその前の「分割して運営する方法に依り難い場合には」という表現については若干の違和感がございます。私どもは 1 つの小学校に 1 つの放課後児童クラブとして運営しておりまして、近隣市も大体そういう状況になっております。そうした場合に、小学校の余裕教室等を活用する、あるいは学校の敷地内にプレハブを設置するなどしてクラブを運営しておりますが、先ほど出ておりましたように、登録児童が増加し大規模となるクラブについては、一つの施設では運営しきれないということで、学校内の他の教室などを活用し運営をしているクラブが数多くございます。そういった中では、集団規模とクラブ運営を等しく考え一つの学校の中で複数のクラブを設置するという考え方ですと、子どもたちの過ごし方や運営上に大きな支障がある考えられます。イベントなどをやる場合にも一つの学校の中ですので、放課後児童クラブの児童も一つのまとまりとしてさまざまなお祭りや卒業に関するイベントの運営をしております。つまり「分割して運営する方法に依り難い」ということではなく、同じ学校に通う児童は一つのクラブとしてスペースを確保するために、集団の規模を二つに分けて運営することが妥当と考えております。これまでもクラスという表現があったと思いますが、そういう運営をしているところが数多くございますので、そういった市町村の実情を汲み入れて「地域の状況に応じて、一つのクラブの中で複数の児童の集団に分けて対応する」ということを認めていただければと思います。

 戻りまして、「員数」に関する意見となりますが、私どもは NPO 法人や社会福祉法人で運営しておりますから、その法人に管理者がおりますので、そういった運営形態の中で必要な場合にはそこからヘルプが入るといいますか、そういったことで複数配置を確保するような運営がなされていながらも、一時的には休暇の状況等でどうしても手当ができない場合、 2 か所でやっているときに 1 か所が 1 人になって、もう 1 か所が 2 人になり、 2 人のうち 1 人が二つの場所を行き来するといったような運営を、やむを得ず行っている場合もあります。この従うべき基準の中で、一時的にそういった状況を認めていただけるとありがたいということをこれまでも申し上げてきたところですので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。

 

○柏女委員長

 後者は修文上の問題ではないですね。前者については、二つ目の丸の 4 行目のところですが、「一つのクラブの中で、複数の児童の集団に分けて対応する」の前に「地域の実情の中で」あるいは「地域の実情に応じて」という文言を入れてはどうだろうかというご意見ですが、それについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。よろしければ「地域の実情に応じて」という形で文言を入れたいと思います。

 それでは、この点についてはよろしいでしょうか。

 

○川綱委員

 川綱でございます。児童数の考え方について確認ですが、報告書 ( ) では毎日利用する児童と週のうち何日か利用する児童との両方が考えられる事業であるという記載がございます。その中でも、各自治体であったり、地域によっては入室の基準がそれぞれ分かれていると思います。事前に週に何日通うということで入室の決定をするところもあるでしょうし、保護者の就労状況によって就労が大変なところの子どもから入るというところなど、いろいろと自治体によって入室の基準が変わってくると思います。そうした場合に、ある自治体では就労が大変な思いをしている方から入っていただく。そういう方だけでおおむね 40 人というところも出てくると思いますので、先ほどもありましたが地域の実情に応じて、そういったことも認めていただけるようにしていただければありがたいと思っています。以上です。

 

○柏女委員長

 具体的に修文は、今の文面でそういう意味も含むということでよろしいですか。具体的にどこかを修文するというご提案はありますでしょうか。

 

○川綱委員

 修文はないのですけれども、そういった一時利用を平均して数える方法を必ずしも全部のものに該当するのではなくて、毎日通う子どもだけでもおおむね 40 人になった場合は、それも認める。地域の実情に応じて入れるようにしてほしいということです。

 

○柏女委員長

 そこは 11 ページのところに、「優先的に利用を確保すべき子ども」の中で、フルタイム就労等は入っていませんが、そうした人たちを優先して入所していただくということを、それぞれ適用することを否定しているわけではないので、そういうことでよろしいでしょうか。

 

○川綱委員

 結構です。

 

○柏女委員長

 では、特に修文はせずにいきたいと思います。 (3) についてはよろしいでしょうか。

 では、 (4) 「施設・設備【参酌すべき基準】」についてですが、1「専用室・専用スペース」についてはいかがでしょうか。2「その他」も入れて (4) 全体で、何かあればお願いします。特によろしいでしょうか。

 なければ、 9 ページの (5) 「開所日数【参酌すべき基準】」です。これまでも大きな議論はなかったところですが、よろしければ (6) 「開所時間」もあわせて議論したいと思います。どうぞお願いします。

 

○中川委員

 中川でございます。開所時間についてでございます。特にクラブの終わりの時間について最後の丸です。 10 ページの一番上の丸で、開所時間についてはいわゆる「小一の壁」の解消に向けてということで、ここでは保護者の利用希望であるとか地域の実情に応じて必要な開所時間を設定することが必要であると書かれておりますけれども、前回までの議論の中でも、子どもの健全育成上、子どもたちが例えば夜は何時ごろまで放課後児童クラブで過ごすことが妥当なのか、夜遅くなることが子どもの健全育成上どういう問題を含んでいるのか。そのことについても配慮すべきではないかという議論があったと記憶しております。実際に現場におりますと、子どもたちが 18 時半~ 19 時近くなってきますと、かなりソワソワした状況になってまいりますし、小学生ぐらいの自立度になってきますと、放課後のある一定の時間は自分たちが自由に使える時間であるということも必要になってくるのではないかと思っております。また後ほど出てきます類似事業と峻別していく意味でも、子どもの健全育成にとって開所時間、とりわけ、終わりの時間についても考えていくという姿勢がこの文章の中にあれば大変良いのではないかと思っております。いかがでございましょうか。

 

○柏女委員長

 子どもの健全育成上の観点からも、時間を特に書くというわけではないのですね。最終的には各クラブが地域の実情に応じて設定していくということ。それを国が支援するということは変わらないけれども、その判断の基準の一つとして子どもの健全育成の視点を配慮するべきだというご意見でよろしいでしょうか。

 

○野中委員

 情報提供です。実はこのことについて、改定版ガイドラインでも議論をしてまとめた内容がありますので、情報提供ということで報告いたします。「開所日、開所時間については子どもの放課後の時間帯、子ども自身の生活、地域の実情や保護者の就労状況等を考慮して設定することが必要である」としまして、そうした理由の中で、「保護者の就労状況は雇用形態や就業時間の多様化が進みつつあり、中には長時間労働の保護者も存在する。一方で、小学校の授業時間は保護者の就労状況にかかわりなく設定されている。このことから、保護者が長時間労働や夜間に及ぶ就労をしている場合には、保護者の就労実態を踏まえるとともに、子ども自身の生活を守る視点、発達を考慮した睡眠時間や基本的な生活の維持の必要等も加味して、放課後児童クラブの開所時間の設定に配慮することやファミリー・サポート・センター事業等との連携も考慮することなどが必要である」ということを付け加えてあります。ただ、基準を定めるときに以上の内容をどのように加味するかは難しいのですが、多分中川委員のおっしゃった意味はそういうことではないかと思い、関連する情報として提供させていただきました。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。保護者だけの視点ではなく、子ども自身の生活を保障するという視点からもこの開所時間は検討することが大事だということだと思いますが、一つの文章につなげてしまうととても長くなって読みにくくなることは承知の上で、入れることは可能ですね。子ども自身の生活を保障する観点を入れ込んでいただく。

 

○為石育成環境課長

 はい。入れる場所はまた検討いたします。

 

○柏女委員長

 そうですね。どこに入れるかはご相談していただいた上で入れていただけるとよいと思います。私も保護者の方から言われたことがありますが、いわば薄暮の時間帯ですね。これから夜になっていく目が慣れない時間帯、 17 18 時の時間帯に子どもを帰すということについての問題点がある。つまり、子どもが交通事故に遭いやすい時間帯に帰すことの問題点などもご意見をいただいたことがありますが、そうしたことなどもこの中には入ってくると思います。そうした視点も大事にしましょうということで、とても大切なご指摘だったと思います。ありがとうございました。他には、いかがでしょうか。

 

○齋藤委員

 二つございまして、今言われていたところは子ども視点からということを付記するということで結論としてはよろしいのですが、遅くまで預かる預からないということでは恒常的に遅くまで預けたいという方は多分あまりいらっしゃらなくて、スポット的に急な仕事が入ったり、こういう時期は預けないと無理だというニーズがございまして、私どもの方では学童クラブに時間延長加算のようなものを設けており、それは学童クラブの方の努力なわけです。従って、もしこの基準に、子どもの観点から預かり時間を短くすべきだと入れてしまうと、そういうクラブが逆に補助を受けられなくなってしまいますので、子どもの視点もきちんと考えて市町村が徹底すべしということのみお願いしたいと思います。

 二つ目は別の視点でございますが、今の開所時間のところで 2 行目から「今後の政府や企業等におけるワーク・ライフ・バランスのための取り組みを図りつつ」というくだりがございますが、例えばその前に例示として「育児休業制度や時短勤務制度の小学校低学年までの延長など」のようなものを入れていただけないかと思っています。というのは、これは非常に大事なことですが、実はそんなに長く預けたくないとか、低学年の間だけ預けられればよいという声が結構多いです。まだ取りまとまってはいないのですがニーズ調査を行いまして、預けたくないのかもしれないけれど仕方がないという方も多いのではないか。できれば子どもが小さいうちはそばにいたいという雰囲気も漂っている部分がございまして、小学校 1 年生の間だけでも時短勤務があればかなり助かる。あるいは、地方は分からないですけど、都心部では通勤時間が長いということもありまして、横浜から東京に勤める方は圧倒的に多いですけれども、 1 時間~ 1 時間半の電車に乗る時間を考えると、どうしても帰宅が遅くなってしまうということがありますので、その辺の柔軟性を企業等にも考えていただけたらという期待も込めて、ここに例示的な文章として「何々など」ということで時短勤務の検討なども入れていただいて、今後、政府や企業等に努力していただくということがもし可能であればお願いしたいと思います。無理にではございません。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。小学生以上になると、なかなか放課後児童クラブまで労働政策との整合性は議論しにくいところがあって、これまであまり取り上げられておりませんが、放課後児童クラブの専門委員会としてはそこも入れておきたいということだと思います。「育児休業制度や時短勤務制度の延長など」という形で、そこはどうしましょうか。時短勤務制度はあり得ると思います。

 

○為石育成環境課長

 どういう記載ができるかということもありますので、検討させていただければと思います。

 

○柏女委員長

 でも、趣旨はとてもよく分かりますし、この分野でも労働政策との整合性を確保することはとても大切なことだと思いますので、よろしくお願いします。この部分については、よろしいでしょうか。

 では、 (7) 「その他の基準」については、いかがでしょうか。大きく四つの丸があります。ここはよろしいでしょうか。

 それでは、 10 ページの下の 3 「その他の論点」の中の (1) 「放課後児童クラブの利用手続について」、何かございますでしょうか。これは 12 ページの 1 行目までがそこに当たります。この部分はよろしいでしょうか。特に修文上のご意見あるいは確認等はございませんでしょうか。なければ、後でまた気が付いたことがあれば戻っていただいても構いません。

 次に (2) 「対象年齢の明確化について」ですが、いかがでしょうか。ここは (2) だけに区切りたいと思います。

 

○中川委員

 最初の丸でございますけれども「児童福祉法の改正により、 6 年生まで事業の対象範囲であることが明確化されたが」のその後、本来ならば放課後児童クラブを 6 年生まで必要としている児童に対する環境整備が最初に謳われるべきではないかと思います。その後に、子どもたちが放課後を過ごす場としては、放課後児童クラブのほか、放課後子ども教室があるということに触れるならばよく分かりますが、まずは今回、事業の対象範囲が広がったわけですから、そのことに対して積極的に放課後児童クラブとしてどのような対応をしていくかということが最初に明記されることが望ましいのではないかと思います。

 

○柏女委員長

 そうすると、二つ目の丸とも連動してくる話にはなりますが、一つ目の丸の「明確化された」を踏まえ、本来クラブを必要としている子どもについては、その子どもたちが過ごすことのできる環境等を用意すべきであるということですね。それを最初の丸に書いて、二つ目に、「ただし、児童が放課後を過ごす場としては放課後児童クラブのほか、さまざまな多様な居場所があることにも留意すべき」ということでよろしいでしょうか。

 

○中川委員

 はい。

 

○柏女委員長

 そのようなご意見ですけれども、これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。クラブが必要な子どもがいることは事実ですし、現在でも 4 年生以上で全体の 1 割を占めているということですので、その子どもたちが他のところにやられてしまわないように、必要な子どもについてはしっかりと環境整備をした上で見ていくということが大事だということをしっかりと書いていくということです。よろしいでしょうか。

 

○野中委員

 並べ方だけ意見を申し上げます。

 

○柏女委員長

 並べ方はあるかもしれませんね。

 

○野中委員

 今の中川委員のお話からしますと、 1 番が改正によって対象範囲が 6 年生までであることが明確化されたことの文章で、 2 番が対象年齢は事業の範囲を示すものだということで、 3 番が高学年の場合は放課後を過ごす場所が多様にあるということも考慮すべきだという並べ順にすればスムーズではないかと思いました。

 

○柏女委員長

 今、野中委員から適切なアドバイスをいただきました。私も座りが悪いと思っていたものですから、適切なご意見をいただきましたので、それを基に順番を入れ直していただいた上で、中川委員の趣旨を生かしていただくことをしていただければと思います。 (2) についてはよろしいでしょうか。

 続いて、 (3) についてはいかがでしょうか。 13 ページの一番上から 3 行目までです。

 

○野中委員

 松村委員が文書で意見提出されていますことに関連してですが、白丸の内容についてのことではないのですが、タイトルの「放課後子ども教室、児童館との連携・一体的な事業の実施について」という表現についてです。実態を言いますと平成 19 年の「放課後子どもプラン」のときはこういう内容だったと思いますが、現在は文部科学省でも「放課後子ども教室」は教育支援事業のメニューの中に入っております(「学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業」で放課後子ども教室は放課後児童クラブと連携して実施とされている)し、この間 2011 年に児童館のガイドラインが発出されまして、この中では児童館の中における放課後児童クラブは、放課後児童クラブガイドラインによってやる、その上で、児童館に来る子どもとの連携なり一緒に過ごすことを大事にすると整理されています。それに対してここで放課後児童クラブの側からだけ、こういう「連携・一体的な事業の実施」という表現をすることが今の時点で妥当かどうか単純に疑問があります。この中の文章の 5 項目をそのまままとする形であれば、タイトルは「放課後子ども教室、児童館との連携等について」ということで書いて、その中の 4 点目の「これらの事業等と連携し、一体的に実施されている場合でも」という表現はそのままでよいと思いますが、タイトルに関してはそのようにした方が自然ではないかと考えますので、表題だけの訂正を提案したいと思います。

 

○柏女委員長

 児童館については、ガイドラインで一体的な事業の実施という形にはなっていないということですね。そういうことを踏まえると放課後子ども教室については、一体的ということはあるかもしれないけれども、児童館についてはないので、ここについては表題のところを「放課後子ども教室、児童館との連携等について」という形にしておいたらどうかということです。よろしいでしょうか。ありがとうございます。より趣旨を明確化するという点では大事な点だったと思います。その他はいかがでしょうか。

 

○吉原委員

 今の野中委員の意見と重なるわけですけれども、 12 ページの下から二つ目の丸の「これらの事業等と連携し・一体的に」という部分は、文章整理は別途ということになっていますので、その中で整理するべき記述であるのかと思います。ただ、それ以前に同じく松村委員の意見にありますように、こうした意見の取扱い、整理確認が必要だろうと思っています。現に、地域においては既に一体的に事業を実施されているところもあるわけですけれども、議論のある点でもありますので、そのことに関する整理確認も必要ではないかと思っています。以上です。

 

○柏女委員長

 趣旨はよく分かりました。具体的には何か修文案としてございますでしょうか。

 

○吉原委員

 松村委員の意見についての整理、この場での確認ということも必要ではないかという趣旨です。

 

○柏女委員長

 つまり「一体的」という表現について変更が必要だということですね。そうしますと、 12 ページの下から二つ目の丸は「これらの事業等と連携している場合でも」ということになりますでしょうか。「一体的」という表現は確かに曖昧なので私もこの研究をしたことがありますが、一体的というのはつまり全児童対策は放課後子ども教室ではないわけです。独自に加算をしているので、あれは放課後子ども教室ではないのですが、それを一体的だと捉えられてしまっている。だから、一体的にできるのだということになったりしている例があって、それらを除いてしまうと一体的に行われているのは本当に一部で、特に郡部といったら失礼かもしれませんが、ほとんど全ての子どもたちが日が暮れる前に帰ってしまう。そうしたところで小規模の学校で行われている例がほとんどだったということを記憶しておりますが、そういう意味で「一体的」という言葉は誤解を招きやすい言葉なので整理をしっかりすべきだというご意見だというように松村委員のご意見は感じるわけですが、いかがいたしましょうか。これは事務局の方で何かございますか。

 

○為石育成環境課長

 これは確かに平成 19 年の「放課後子どもプラン」のときの表現ということになります。その後にいろいろなところでこういった取組が進んでいるところがありまして、私どもとしてもそうした中でできるだけ良い事例を集めていきながら、そういった事業のやり方についても広めていけるのではないかという観点から事例収集を進めているところです。「一体的」がどこまでというのは確かに曖昧なところがあると思いますけれども、文部科学省とも連携しながら具体的な取組という形で、連携あるいは一体的という部分の整理も含めて進めていこうとしているところですから、言葉としては残していただけたらありがたいと思います。

 

○柏女委員長

 分かりました。吉原委員、いかがでしょうか。

 

○吉原委員

 事務局の整理でお願いします。

 

○柏女委員長

 私が調査したのも大分前ですので、そういう意味では今後それこそ「一体的」の定義をしっかりさせた上で一体的に運営されているもののメリット・デメリット等を精査していくためにも、あるいは好事例集をまとめていく中では一体的に実施するという事例もあり得るということなので、これを残しておく方が行政としては今後文部科学省等と議論をしていくことも含めてやりやすいということではないかと思いますが、よろしいでしょうか。ただ、今、松村委員や吉原委員がおっしゃったように、この「一体的」という用語については、かなり多義的に使われておりますので、ここはぜひ整理をしつつ好事例をまとめていくのであればそのようにしてほしいと思います。そういうことで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 

○野中委員

 タイトルは「等」でよいのですか。

 

○柏女委員長

 (3) のタイトルのところは「一体的」を削除という形にしたいと思います。つまり「放課後子ども教室、児童館との連携等について」ということにいたします。では、この部分はよろしいでしょうか。

 次に、 13 ページの (4) です。「放課後児童健全育成事業として行わない類似の事業について」はいかがでしょうか。

 

○齋藤委員

 (4) のところは児童福祉法上の「放課後児童健全育成事業」として実施しない事業について書いてあるのだと思いますが、条例等を定めて設備等の基準を満たせば届出が上がってくればこちらは受理するわけでして、そこで児童福祉事業になります。しかし類似の事業については、例えば先ほど員数といいますか集団の規模の議論がありましたが、大抵の場合留守家庭児童に特化しておらず、そういうところが届出をしてきた場合、どのように受け止めたらよいのでしょうか。解を持たなくて申し訳ないのですが、既に行われている学童的サービスを排除するのではなく受け止めるとしたらどうするのかということについて、例えば「引き続き検討が必要である」ということを一つ加えていただけないでしょうか。

 

○柏女委員長

 これは大切なご意見だと思いますが、いかがでしょうか。ここで結論を出す時間はないので、もう少し議論をしていかないといけません。

 

○齋藤委員

 届出をしない事業者についてこの項目は書いてあるわけですよね。そうしますと、届出をされてくる新たな類似サービスについて、例えば新しい企業形態・サービス形態が存在することから「引き続き研究が必要である」などを加えていただけないものでしょうか。省令に入れる入れないの話ではないと思いますけれども、今後研究するようなこともこの報告には付記してよいというお話だったような気がするので。あるいは最後に入れた方がよいのでしょうか。それとも、そういうことは今回とは関係がないので省くということなら、そういうことで理解します。

 

○柏女委員長

 ここは事業者側が届出をするかしないかで一つは分けています。届出をしていない類似の事業は当然ありますということで、それについては情報提供をしましょうというのが二つ目で、届出をした事業者について、この基準を守らないというと言い過ぎですがその基準を適用しにくい事業方法をとっている。つまり、共働きでない子どもたちも入っている。それについて、どのように指導したらよいかということでしょうか。

 

○齋藤委員

 サービス提供メニューとして付加的サービスですけれども、例えば恒常的に毎日遅くまで預かるメニューを持っているなど、そういうものを否定すべきではないのですが、それを児童福祉事業としてしまってよいのでしょうかという議論なのです。そこまで考えないで届出するしないという話でここはとどめた方がよいのでしょうか。企業活動としてのサービス事業に対してあまり縛りをかけるべきではないような気もしますが、そうかといって何でもありでよいのかというところが一つ気になっています。

 

○柏女委員長

 付加的なサービスが子どもの健全育成上好ましくない。あるいは、開所時間も好ましくないという場合には、届出をすれば第 2 種社会福祉事業ですので、第 2 種社会福祉事業の縛りは当然かかるという形になりますので、そこは対応がある程度は可能ではないかと思います。現場の実感、行政の実感がよく分からないので、私が気が付いていないだけかもしれませんが。

 

○齋藤委員

 必ず保護者ニーズに対応したサービスが生まれてくるのでそれを否定する必要もないと思いますが、様々な新サービスについて、児童福祉事業と言えるのかどうかを自治体が地域の実情で判断するということになるのでしょうか。今、あれは駄目でこれは丸ですということは言いきれませんし、どんどん新しいメニューも出てきます。行政がカバーしきれないサービスを民間の方がやってくれて、一般の市民がそれで生活が営めるのであれば、それは重要な話だと思いますので、地域の実情なり個別の状況に応じて児童福祉法の趣旨に鑑みて判断すればよいということでしょうね。

 

○柏女委員長

 今のところ私はそのように考えましたが、他の委員の方は、これについていかがですか。

 

○増田代理

 今、横浜市さんがおっしゃったのは、多分民間企業が類似の名称で、あちこちで放課後児童クラブとほぼ同じ内容で事業を展開している。そうしたものをどのように捉えていくかという一つの問題提起だと思います。二つ目の丸はそういうことを保護者の方が勘違いしないように市町村がしっかり管理しましょうということだと思いますが、今後民間の部分をどのように捉えていくかは一つ大きな検討課題ではないかという気もしますので、届出をするかしないかだけで扱いが違ってしまうのもいかがかと思いますので、この場というよりは、今後、厚生労働省の方でその辺を少し検討していくことも必要ではないかという気がします。もちろんこの場ではありません。

 

○柏女委員長

 分かりました。そうしますと、ここは放課後児童健全育成事業、つまり放課後児童クラブの基準を検討する専門委員会ですので、そこは原点に戻りまして、この放課後児童健全育成事業として届出をしてくださる事業者については第 2 種社会福祉事業や放課後児童クラブの基準はかかります。ただ、それに付加的なサービスを行ったりしていくことは当然あり得るけれども、それについては子どもの健全育成上の視点に立ったサービスだということを念頭に置いてお願いしますということ。それがどこまで認められるかというようなことについては今ここでは規定しない。それから、放課後児童健全育成事業の届出をしないクラブについては行政の方で情報を集めていただいて、利用者に情報提供を行っていただく。これをこの中に書いておくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。修文なしで、このままでいくということでお願いしたいと思います。

 (5) 「その他」についてはいかがでしょうか。

 

○齋藤委員

 (5) の三つ目の丸で、虐待の早期発見、要保護児童対策地域協議会の構成員としての関わり等の検討ということが謳われておりますけれども、 2 行目にある文言で「福祉的介入が必要と考えられるケース」がとても重要だと思っておりまして、虐待に限らず養育力のない家庭というものが存在します。経済的な困窮度とは関係なく劣悪な環境に置かれている子どももいて、学校給食と学童クラブのおやつしか食べられないような家庭もあるように聞いております。未就学までは個別給付ですので一定の判断の下にそういう子どもたちを保育園でお預かりしていますが、学齢期に入るとそのサービスがなくなりますので、親御さんの方に学童に入れるといった気持ちが働かない場合は放っておかれてしまうわけです。今の状況ですと、措置ではないのでこちらからどうこうは言えないのですが、虐待だけではなくて、「養育力のない家庭」という表現が正しいのかどうか分かりませんが「など」を入れていただくことは、虐待だけではない養育力のないご家庭等などもう少し幅広に入れていただけるのでとよいのではないかと思っていますが、いかがでしょうか。

 

○柏女委員長

 必要なこと、大事な点をご指摘いただいたと思います。虐待だけではないということで、「努めることが必要である」、その後ろに「その他養育力の乏しい、養育力の弱い家庭など福祉的な介入支援が必要と考えられるケースについては」というような形で一文を入れていくということでよろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきたいと思います。私が今言ったのは思いつきというか、まとめてこういう感じでどうかと言ったので、後で事務局の方で修文をお願いしたいと思います。ありがとうございました。その他はいかがでしょうか。

 なければ、「おわりに」のところですけれども、これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 関連資料の 15 16 ページで、委員の所属は、今年度出る形になると思いますので所属が変わるということはないと思いますけれども、もし間違い等がある場合には事務局にお知らせください。

 それから、 17 22 ページに本文で引用されている資料が添付されておりますけれども、これについても何かご意見がありましたらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、表紙に戻っていただいて、表題です。センスのない私ではこういうものしか思いつかなかったのですが、よろしいでしょうか。変えることについては厭いませんので、何か適切なものがあって後から思いついたら事務局の方にお寄せいただければと思います。ただ、表題が報告書だけでは芸がないと思ったので、大事な基準を決める初めてのものですから、恐らくこれから福祉六法や児童福祉六法などにも載っていく可能性もあると思いますので、報告書だけでは味がないと思って入れただけの話です。よろしければ、仮にこの表題にしておきたいと思います。

 その他、この報告書についての全体的なご意見はよろしいでしょうか。

これは私の提案ですけれども、以上の議論をもって、今回で本質的に方向性を変えるご意見は出ずに、今までの方向性を是認する、あるいは補強するご意見が中心でしたので、今日のご意見等についての具体的な書きぶりについては事務局と私とで調整させていただいて、後のまとめについては委員長にご一任いただくという形にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。それでは、一つ一つの修文について繰り返すことはいたしませんが、事務局の方でもメモをとってくださっていると思いますし、議事録も起こされますので、それを踏まえた上で修文案をお作りいただきます。最終的に委員の方々への報告はどのような形にさせていただいたらよろしいでしょうか。

 

○為石育成環境課長

 取りまとめにつきましては、委員長とご相談させていただきながら作業を進めさせていただきます。その後、今月中に公表させていただくようになりますので、それまでには委員の皆さまに発表日を含めてご連絡させていただきたいと考えております。

 

○柏女委員長

 分かりました。そうすると確認ですけれども、これは専門委員会としての報告書なので基準検討部会や子ども・子育て会議にかけて報告をしてご意見をいただくことはあるかと思いますが、それによって修文されることはないという理解でよろしいでしょうか。

 

○為石育成環境課長

 これはこの専門委員会での案のまとめになりますので、基準検討部会や子ども・子育て会議が今月 16 日にございますが、その場では一定の経過についてはご報告させていただきます。また、社会保障審議会児童部会の方へも親部会でございますので、また後日ご報告させていただくことになりますが、あくまでもここの委員会での結論という形でご報告させていただくということになります。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。そういう理解で一度私にご一任いただいて、その上で皆さま方に何らかの形でご報告させていただく。そして公表させていただくということでご了解いただいてよろしいでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたします。

 20 分ほど時間を残すことができました。今日は局長にずっと参加していただいておりますので、後ほどご挨拶はいただくことにしまして、今日が最後という形になりましたので皆さま方から今後に向けて、この委員会は基準の検討委員会ですので恐らく今日が最後になるだろうと思いますので、次に託す遺言の意味も込めて、議事録には残りますので、こうしてほしいといった思いを、ぜひ一言ずつでも結構ですので語っていただければありがたいのですが、よろしいでしょうか。名簿の順でよろしいでしょうか。石崎委員からお願いしたいと思います。

 

○石崎委員

 5 月から第 7 回まで議論を重ねて、ようやく結論めいた報告書ができたということであります。これが省令そしてガイドラインとなって、その後市町村で条例化するということになります。そうすることで、全国一律で同じような環境の中で子どもたちが生活することができるということになるわけです。私どもの実態を申し上げますと、放課後児童クラブは三つしかございません。今年辺りから私どもの場合も待機児童が出ているような状態でございます。来年は、そういうところが 3 か所のうち 2 か所あるので施設の環境も整備をしなければならないというところです。今、学校の空き部屋を探しておりますけれども、空いているところがないという状況で、平成 26 年度では 1 か所新たに建設する。平成 27 年度にも 1 か所。そういう方向でおりますけれども、財政的に非常に厳しい状況におかれています。現在の公費負担は国が 3 分の 1 、県が 3 分の 1 、市町村が 3 分の 1 です。建設に当たりましては今の基準額で 2,100 万円ほどでしょうか。従って県・国を合わせて 2,100 万円の 3 分の 2 1,400 万円ぐらいです。 40 人という一つのクラスの目安が出ましたけれども、私どもの場合も今までは 40 人で足りていたのですが、これからは 40 人を超えるという状況の中で新しい施設を建設していかなければならない。従って、 40 人入る部屋を二部屋作るということで相当の金額がかかります。坪 60 万円で 60 坪であれば 3,600 万円。しかし、国・県からは 1,400 万円しかこない。 2,000 万円からの負担がかかるということです。何を申し上げたいかといいますと、施設の規模に応じた支援の拡充をできればお願いしたいということでございます。それによって基準に合わせた形で全国の児童クラブが改修あるいは新たにつくられるということで、徐々にそういった方向に向いていくのではないかと考えています。以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。では、尾木委員お願いいたします。

 

○尾木委員

 今回の基準の検討を通じて、子どもにとって放課後の時間はどうあるべきかということを、子どもの立場からの視点で検討が進められたことが一つの成果だったのではないかと思っています。今後、具体的なガイドラインや研修内容等を検討する上でも、子どもが放課後をどう過ごすか、あるいは放課後児童クラブでどう過ごすかだけではなくて、 1 日の生活の中で放課後あるいは家庭生活の時間を確保するという意味でも子どもの視点ということ、子どもの立場を大切に検討を進めていただけたらと思っています。

 もう 1 点、基準検討の中では指導員の処遇にまでは至らなかったわけですが、そのことについては財源の問題が一番関係してくることなので、例えば常勤化というところまでは決められなかったわけですが、放課後児童指導員が長く継続して働くことができる。そして、長く働くことによって専門性を高めていける職種であるような在り方を、今後はもっと追及していく必要があるのではないかと思っています。この仕事だけでは経済的自立ができない状態で働いている方もたくさんいらっしゃると思いますので、処遇を変えていくことが専門性の向上にもつながるという視点も、ぜひ大切にしていただけたらと思っています。以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。消費税が具体的に上がって質の向上のための財源が確保される。そのときの次のステップとしてとても大切なテーマになると思います。ありがとうございました。

 では、川綱委員お願いいたします。

 

○川綱委員

 いろいろとお世話になりまして、ありがとうございました。私は現場の方で仕事をしており、子どもたちと接するときに職員の関わりがとても大事だと思っています。いろいろな職員がいて、新しく関わった職員はどうしたらよいのだろうという不安の中、勤務しています。それが年数を重ねていくうちに子どもたちにこのように接すればよいのだというのが徐々に分かっていくというのをすぐそばで見ています。今回出された研修の制度の部分については、そういった面で充実を図っていただければ専門性も高まりますし質の向上も図られるのではないかと思っています。また、研修の中で、子どもたちに対してもそうですが、保護者の方への支援と連携がとても必要であると日ごろから感じております。研修をより充実させていく中で、子どもと保護者の方と職員が連携しながら良い放課後の子どもたちの過ごしの場をつくっていければよいのではないかと思っています。以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。齋藤委員、お願いいたします。

 

○齋藤委員

 最初に申し上げたように、私はこの分野に携わるのは今年度からということで、そういう意味では皆さまに大変教えていただきましたとともに、足を引っ張ったのではないかと心配しています。また、横浜市の事情しか分からない中でお話しさせていただいて、他の皆さまのことに思い至ったかどうかという点も反省しておりますが、こういう形で報告書がまとめられて少しほっとしたような思いがしております。放課後児童クラブというものは基本の発想として、もともと家庭において女性が家にいるのが普通であった時代に端を発して、やむを得ず親が働いている場合という状況の時代から、知恵と工夫でやってきた部分もあったりする中で、今は親の就労支援であったり女性の活用などがいわれ、言うまでもなく皆が働いている中で子どもたちが置き去りにされてはいけないのではないかと思っています。保育・未就学児については本当にいろいろな制度があり、財源措置も厚く、それが小一になると途端になくなるということで個々人で困られている方もおられ、あるいは行政としてもつらい思いをしています。小学生になっても必要なものはあるでしょうし、子どもは社会の宝として育てるべきではないかというところで、財源確保については先ほど尾木委員も言われたとおり指導員の勤務体系も含め、ぜひ厚生労働省に頑張っていただけたらと思っています。

 また、一方で親の就労支援の話に傾き過ぎていて、確かに子どもの立場からの議論が急速になくなってきているのではないかという反省もあります。横浜市の待機児童対策は進んでおりまして保育の方について本当に頑張っていて感謝もされていると思いますが、一方で保育の質が問われ始めておりますし、この波が 3 年後ぐらいには多分放課後児童クラブの私の部署に押し寄せてくるだろうと思っておりまして、そういう意味でも保育とは桁違いに少ない予算なのです。 3 桁ぐらい違う予算なものですから、そういう意味でもぜひお願いしたいことが一つあって、報告書の先ほど財源確保のところがページの切れ目にかかっていて目立たないので、ページのトップに財源確保がくるように、ぜひ改行をよろしくお願いしたいと思います。以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。続いて、笹川委員お願いいたします。

 

○笹川委員

 どうもありがとうございました。私どもも苦しい中で待機児童を出さないように面積を確保するのに四苦八苦している状況の中で、今、齋藤委員からもお話がありましたように待機児童加速化プランで 1,000 人近い定員増をここ数年間で図ろうとしています。それが数年後に放課後児童クラブに上がってくるということからすると、大変厳しい状況が目に見える中で、本来こうあるべきではないかと思いながらも、それで大丈夫かなという視点も持ちながら、いろいろな意見を言わせていただいたところもございましたが、子どもの視点を大切にして本来こうあるべきだろうということで皆さまがご発言されたことについて非常に私どもも感銘するところがございましたし、この基準が子どもたちの良い環境に結びつけばよいと思っております。齋藤委員からもございましたけれども、財源が非常に厳しいと思いますが一つよろしくお願いします。以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。中川委員、お願いいたします。

 

○中川委員

 私どもは、団体の名称が示すとおり自治体と大変深い関係がある団体でございまして、今回この専門委員会の委員を拝命するに当たりまして、地元自治体の状況・自治体の課題を踏まえながら、しかしそれに拘泥することなく、いかに全国的な基準を作るかということについて、どうすべきかということが私自身非常に個人的に課題でございました。その意味では、思いが揺れる場面もあったりしましたが、私どもの自治体もそうですけれども、どの自治体にとっても今回のこの基準は今後の私たちの国の未来を担う子どもたちにとって必要な基準であるという観点から、自治体の立場をある意味で越えて、しっかりと基準の在り方について議論すべきだと思って臨んできたつもりでございます。今後は来年度以降、各自治体にこの基準が下されるものと思っております。私は地元自治体に戻りましてしっかりとこの基準の実現のために働いてまいりたいと思っております。本当にありがとうございました。

 

○柏女委員長

 では野中委員、お願いいたします。

 

○野中委員

 私もこの委員会に参加させていただいて、最初に制度を作ってそれを当てはめる作業と異なりまして、多様な実態があって長年の積み重ねがあってその中で一定のものを整理して、さらに方向を示すという作業の難しさを感じながら参加させていただきました。そういう意味で、委員長の柏女先生と事務局をされていた厚生労働省には大変なご苦労・ご心労があったのではないかと思いますが、そこをこういう形でまとめられたことに関してあらためて委員としてお礼を申し上げたいと思います。

 実際の基準はさまざまな評価やいろいろな立場からの意見がおありだと思いますが、基準自体は尾木委員もおっしゃいましたけれども、国として子どもにとってどうあるべきかという視点に立って、将来につながる方向性を示すことができたということは大きな成果ではないかと思います。これをベースにして改善すべきものは改善する。そういう方向に取り組む足場をしっかりと作ることができたのではないかと思います。そういう仕事に関わらせていただいたことにあらためてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

○柏女委員長

 では、堀内委員の代理である増田様、何かありましたらお願いいたします。

 

○増田代理

 7 回のうち 2 回に代理ということで出席させていただきました。ありがとうございます。都道府県は、新制度が始まりますと今日議論になりました人材確保ということで研修を担当していくことになります。ここでの議論を参考に、その中身を充実させていきたいと考えます。

 それから、本日の議論をお聞きしまして、「子どもの視点」あるいは「児童の最善の利益」といった発言がありました。子どもの視点が大事だということを考えました。ちょうど来年が児童の権利条約批准 20 年という節目で、こうした基準が市町村の方を通じてできてくるということは非常に意義あることではないかと思っております。どうもいろいろありがとうございました。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。では吉原委員、お願いいたします。

 

○吉原委員

 今は新制度を考えるスタートラインについたのではないかという思いでおります。先ほど他の委員からもお話がありましたように、スタンダードでしかも全国規模のものを考えていくという難しさを感じたところです。ただ、子どもにとっての豊かな環境づくりという基盤・視点さえぶれないように、今後さらに具体的な、例えば研修の体系化・制度化・具体化という点についても、まさにサブタイトルにありますように「質の確保・向上」の上で極めて重要なポイントだと思っていますので、そうした議論をさらに深め、心を砕いていきたいと思っています。以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。最後に、私からも一言言わせていただければと思います。 6 7 年前からこの放課後児童クラブの基準の問題に関わりを持つことになりました。当初の研究等は野中委員とともに尾木委員にも関わっていただきながら始めたわけですが、そのときは多様性を包み込む政策がずっと続いてきたということもあって、省令基準を作るということは、なかなか難しい。そこまでの推進力が当時は働いていなかったわけで、局長通知という望ましい方向に導いていくためのガイドラインという形で作らせていただきました。

 しかし、もはやクラブの多様性というものを「子どもの最善の利益」といった視点から放置できなくなってきているということで、今回、省令基準をしっかり作るべきだということになったのだと考えています。この審議の中では、委員からお話がありましたように、「子どもの最善の利益」を保障するための質の確保・向上という点、それから、地域の実情に応じた多様性に対する配慮。この両方に意を用いて、この二つの谷の間の細い尾根道を歩くかのような、割と厳しい道を歩んできました。時に、そうした二つの論点がぶつかって厳しい議論もあったかと思います。そのような中で、ようやく一定の基準について提言できたことについては、とてもうれしく思っています。

 報告書は省令基準についての提言が中心になっていますけれども、それ以外のいわばガイドライン等の在り方についても一部提言を行っています。こうしたガイドラインや研修の在り方等については、今後、本報告に基づいて詳細な検討がなされていくことを望みたいと思います。政府においては、「子どもの最善の利益」を念頭に置いたこの報告書に基づいて省令基準、ガイドライン、研修カリキュラム等を策定していただくことを強く願いたいと思います。

 また、石崎委員からもお話がありましたように、今後は地方自治体において省令基準に基づいて条例が作られていくことになりますけれども、その条例の中の「従うべき基準」はもとより、「参酌すべき基準」について、地域主権改革一括法の参酌基準というのは、自治体がそれを自由にしてよいということでは決してないわけでありまして、十分に参酌することが求められる基準なので、それを変更する場合には、その説明責任は当該自治体に求められることになるわけです。そういう意味でも、この報告書に提示した基準、参酌基準も含めてこれをしっかりと、それこそ条文どおり参酌していただいて、この報告書の趣旨を尊重した条例作りをしていただければと思っています。

 何人かの委員からもございましたが、義務教育とか就学前教育・保育の基準に比べて放課後児童クラブの基準は、子どもの過ごす時間の長さに鑑みて、著しく貧弱だといわざるを得ません。この基準作りをきっかけにして子どもたちの放課後生活が、より豊かに展開されていく社会がつくられていくことが今後は望まれるし、それが子ども・子育て支援新制度の大きな眼目になっていくだろうと思います。

 多くの方々にも傍聴していただきました。この傍聴していただいた方々にも感謝申し上げたいと思いますし、また、率直なご意見、時に厳しい対立もあって、私の方で言い過ぎたところもあったかもしれませんけれども、こうしてまとめることができたということに鑑みてお許しを賜りたいと思いますし、心より感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

 それでは、この辺りで議事を終了させていただきますが、最後に委員から何か補足などはございませんか。

 では、今後の予定等について、事務局からご連絡をお願いしたいと思います。

 

○百瀬専門官

 それでは、今後の予定でございます。先ほど課長からもお伝えさせていただきましたけれども、この報告書 ( ) に関しましては、今月中に取りまとめ、公表といったことで考えております。その際には、各委員の皆さまには事前にお知らせする等で、またご協力いただければと思っております。

 さらに、来週でございますが 12 16 日には子ども・子育て会議、基準検討部会等で本日の報告書 ( ) について報告させていただきますとともに、日時は未定でございますが社会保障審議会児童部会でも報告させていただく予定でございます。以上です。

 

○柏女委員長

 ということで、ご確認をお願いしたいと思います。

 それでは、専門委員会の終了に際しまして、石井雇用均等・児童家庭局長にずっとご臨席いただいておりますので、一言ご挨拶いただければと思います。お願いいたします。

 

○石井雇用均等・児童家庭局長

 委員の皆さまにおかれましては、今年の 5 月からでございましたが、大変精力的に、かつ、建設的な議論を積み重ねてくださいましたことに、まず御礼申し上げたいと思います。

 本日でちょうど 7 回目ということで、私は最初の会と本日しか出席できなくて、大変申し訳なく思っておりますが、最初の会におきまして、これほど実態に差があるのかと、あらためて難しさ、取りまとめは大変だということを予感したわけでございますが、皆さま方の粘り強い、とりわけ委員長の素晴らしいリーダーシップのおかげで見事、本日まとめ上げてくださいましたことに御礼申し上げたいと思います。もちろん、若干まだ文言等の修正が残っておりますが、これは本当に文言で知恵を出せば、より良い、質の高い報告にすることができるものでございます。そこは私どもも委員長、また他の委員の皆さまとも相談しながら、良い形で仕上げていきたいと思っております。

 後に残しております宿題は、やはり省令に作り上げていくということだと思います。また、ガイドラインあるいは研修等と幾つか残っているものはございますが、最後に各委員が共通におっしゃっておられました「子どもの最善の利益」を考えるという精神を軸に置いて、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。以上、お礼の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。

 

○柏女委員長

 それでは、この専門委員会、今日はこれで終了とさせていただきます。各委員におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして本当にありがとうございました。


(了)

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