ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第265回議事録(2013年12月13日)
2013年12月13日 中央社会保険医療協議会 総会 第265回議事録
○日時
平成25年12月13日(金)8:58~10:39
○場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
○出席者
森田朗会長 印南一路委員 関原健夫委員 牛丸聡委員 西村万里子委員 野口晴子委員 |
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井圭子委員 花井十伍委員 石山惠司委員 |
田中伸一委員 伊藤文郎委員 |
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 中川俊男委員 万代恭嗣委員 |
長瀬輝諠委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員 |
丹沢秀樹専門委員 宮島喜文専門委員 福井トシ子専門委員 |
DPC評価分科会 小山信彌分科会長 |
<事務局> |
宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官 |
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他 |
○議題
○診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」からの報告について
○議事
○森田会長
おはようございます。おそろいになりましたので、ただいまより第256回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず委員の出席状況について御報告いたします。本日は藤原専門委員が御欠席です。
なお、局長、審議官は、公務のため欠席と聞いております。
それでは、早速ですが、議事に入らせていただきます。
まず初めに「○診療報酬調査専門組織『DPC評価分科会』からの報告について」を議題といたします。
本日はDPC評価分科会の小山分科会長にお越しいただいております。小山分科会長より御報告をいただきまして、その後、事務局から補足があれば、補足の説明と、引き続き関連する資料について、御説明をお願いしたいと思います。
それでは、小山分科会長、よろしくお願いいたします。
○小山分科会長
分科会長の小山であります。
分科会の御報告をさせていただきますので、よろしくお願いします。
平成24年度診療報酬改定附帯意見に基づきまして、今後3回の改定を目途に、継続する段階的な調整係数の置きかえを計画的に実施することとされておりまして、DPC評価分科会においては、これにかかわる見直しを行ってまいりました。
次回の診療報酬改定では、現在の調整係数の25%置きかえから、50%置きかえという予定になっております。
次回の診療報酬改定に向けて、DPC制度の対応については、平成25年10月16日、本会におきまして、了承された検討事項とスケジュールに基づきまして、評価分科会を4回開催いたしまして、取りまとめを行いましたので、それを御報告させていただきます。
それでは、お手元の資料、中医協総-1-1をごらんください。
「I.概要」でありますけれども、上のほうに書いてあります1~4、基礎係数の件、機能評価件数I・II、算定ルール、退院患者調査、この4点について御報告をさせていただきますので、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
「II.検討結果の概要」でありますけれども、1.の基礎係数に関しては、前回お認めいただいたところに追加して、今回は外保連試案の新しい8.2版が出ましたので、これをベースに医療機関群のII群の要件のうち、実績要件3に使用したいということであります。
2ページ目をおめくりください。医療機関群のあり方については、今後の各医療機関の診療実態や医療提供体制のあり方に関する全体の論議を踏まえつつ、次回改定以降も引き続き検討していくこととしてはどうでしょうかということであります。
3ページ目以降、別表になっておりますけれども、これがII群の実績要件です。御存じのとおり、4つ実績要件があるんですけれども、今回、御報告させていただくのは、実績要件3の赤字で書いてあります、外保連試案8.2版を使うというところが、変更点であります。
引き続きまして、5ページ目をごらんください。5ページ目は、機能評価係数IとIIについての変更点であります。
Iについては、出来高体系のものを係数にするということで、議論が進んでおりますけれども、今回もこれをそのまま継続するという方向でお願いしたいと考えております。
6ページ目には、機能評価係数Iの一覧がありますので、ごらんください。
最も時間を要したのが7ページ目であります。2-2、機能評価係数IIの見直しであります。
(1)の表を見ていただきますと、機能評価係数は、現在6つあるわけですけれども、赤字のとおり、○1○5○6の見直しを行い、さらに○7の新設を行いたいということであります。これについて、御説明をさせていただきます。
(2)見直し内容であります。
データ提出指数については、見直しの概要が5点書いてあります。名称、不明コードのこと、質の評価、傷病名の件、適切な保険診療の普及のためということで、5点について提案をさせていただきます。
2つ目の点囲いですけれども、名称・指数の考え方であります。
考え方の○の3行目ぐらいから書いてありますけれども、適切な保険診療の一部であることを踏まえ、データ提出指数は適切なDPC調査への参加データの提出も含めた、適切な保険診療の実施や推進を評価する指数に概念を拡大していきたいということで、この名称をデータ提出指数から保険診療指数という形に変更したいということであります。
8ページをごらんください。次の点の部位不明コードにつきましては、20%以上が減点の対象になるわけですけれども、これはそのまま継続したいということであります。
引き続きまして、8ページ目の下の点線の囲いであります。DPCデータの質を評価する新たな評価方法ということで、様式間の記載矛盾があるデータの割合が1%以上ある場合は、当該医療機関の指数を一定程度減じる評価方法を導入したいという提案でございます。このことは、今回、新たに質を問うということでもって、このような提案をさせていただきました。
9ページ目、適切な病名を用いたレセプトによる請求ということなんですけれども、未コード化傷病名の割合が20%以上である医療機関の指数を評価したいということですが、この考え方は、下の2つ目の○に書いてありますけれども、ICD-10コードの部位不明・詳細不明コードの使用割合の基準をクリアするために、あえて未コード化傷病名を用いて病名を入力する事例が存在することが指摘されていることから、適切なICDコーディングを推進する上でも、未コード化傷病名の使用割合による評価方法を導入したいということであります。
10ページ目の参考の一番上の資料を見ていただきますと、一番端は15病院でありますけれども、驚くことに50%以上が未コード化傷病名を使っている病院ということで、今回はこのような提案をさせていただきたいと考えております。ただ、問題は、未コード化傷病名の使用割合については、DPCデータだけでは算出することはできませんので、ナショナルデータベースを使用したいということであります。
10ページの真ん中よりちょっと上をごらんください。適切な保険診療の普及のための取り組みの評価でありますけれども、この考え方は、考え方の真ん中の○であります。過去3年間の特定共同指導及び共同指導における主な指摘の件数群別に比較した結果、I群病院は研修医数が多く、教育的機能が期待されているにもかかわらず、指摘事項が比較的多いということです。
これは11ページ目の真ん中の図をごらんください。I群とII+III群とありますけれども、共同指導の指摘事項が多いということが記載されております。
このことでもって、I群病院において、規定の手順どおり、指導医療官を一定期間派遣、出向させた場合、指数を一定程度加算する評価方法を導入することはどうだろうかということであります。
12ページ目をごらんください。同じI群で、保険指導医を出している病院と出していない病院を比べると、このような差があるということで、保険指導医療官を出すことは、非常に意義があるということで、評価したいということであります。
なお、この評価の方法というのは、これをやると増点されるということではなくて、決められた枠の中で、これをとらないと、評価が低くなってしまうという減算の形になりますので、そのように御理解をしていただければと思います。
引き続きまして、12ページをごらんください。前回、副傷病名のことをお話したんですけれども、その後、分科会で検討した結果、副傷病名の数がやたらふえるのはよくない、質を担保する必要があるだろうということで、質を担保するような副傷病名の記載の仕方を考慮してから、これを提案したいということになりまして、今回、副傷病名については、なるべく書いていただきたいという文面で終わりにしたいと考えております。
13ページ目をごらんください。救急医療指数であります。ここに書いてありますとおり、救急医療指数のヒアリングを行ったんですけれども、その結果、救急医療指数の評価の対象となるような重症例をより公平に評価するため、レセプト審査との整合性を高めることを目的として、評価対象患者の選定において、現行の様式1の救急医療入院の有無に加えて、重症な患者が算定すると考えられる入院料、A2025、A300を入院初日から算定していることを追加するということです。ヒアリングの中で、入院の75%が救急入院という病院があらわれまして、ヒアリングをした結果、少しハードルを上げる必要があるだろうという形で、このような提案をさせていただきました。
次に○6地域医療指数であります。地域医療指数に関しましては、見直しの概要として、そこに書いてありますが、要点は5つあります。1つは心筋梗塞と精神科の評価、がんについて2つ、インフルエンザについて、評価上のポイントの考え方、この5つの見直しを行いました。
体制評価指数の新規評価項目でありますけれども、1つは、急性心筋梗塞の24時間診療体制を評価したいと思っております。これは脳外科でもって、緊急の治療をすると、今、評価されておりますけれども、それと同じような意味合いと考えていただければと思います。
精神科身体合併症受け入れ体制については、4疾病・5事業から、5疾病・5事業になりましたことを受けまして、このような形にしたいと考えております。
14ページの真ん中辺に参考で四角く囲ってありますけれども、精神科病床がある施設とない施設を比べて見ますと、ある施設は精神科疾患を併存した患者さんの受け入れが非常に多いという実績がありまして、これを評価したいということで、提案をさせていただきたいと思います。
14ページ目の下、がんについて2つでありますけれども、1つは、小児がんの拠点病院が追加になりましたので、これをがんと同じような形で評価させていただきたいということであります。
もう一つは、27年度改定からの要望になるわけですけれども、地域がん診療病院、あるいは特定領域がん診療病院が平成26年度以降に設定されることになっておりますので、この点につきましても、27年度以降、評価することを検討したいということですので、御審議願いたいと思います。
15ページ目、新型インフルエンザにかかる指定地方公共機関についての評価であります。
これは24ページをごらんください。横の図なんですけれども、一番上、災害時における医療の評価の中で、現在は災害拠点病院だけなんですが、新型インフルエンザ等々、大変なことが起きると、それに対応するんだとしたら、それはちゃんと評価する必要があるだろうということで、新型インフルエンザ対策をこの中の項目に入れさせていただきたいと思っております。
評価上限ポイントの群別設置でありますけれども、これまでは10項目のうち7ポイントが100点満点という形ですが、今回は12項目になりましたので、15ページの考え方の下3行ぐらいのところに書いてありますけれども、地域において中核的な役割を果たすと考えられるI・II群病院については、III群より高い評価上限を設定することが妥当であるという考え方から、I・II群は12項目10ポイントが100点満点、III群では12項目中8ポイントが100点満点という形にしたいということであります。
全体を見ていただくためには、17ページをごらんください。見直しのイメージが書いてあります。現行と平成26年改定と書いてありますけれども、体制評価指数が12項目になって、さらに評価の仕方は群別に数値を変えるということです。
下では、急性心筋梗塞の24時間診療体制と精神科疾患が追加になったということであります。
18ページ目をごらんください。後発医薬品についてであります。前回、中医協の中で御報告させていただきまして、御了承を得たんですけれども、効率性指数の中に入れるのはやはり不適切ではないかということで、分科会におきましては、7項目目の新たな指標として導入したいと考えております。
対象となる薬剤でありますけれども、ヒアリング等を行いました結果、入院医療で使用される薬全体にしたいということであります。
その根拠は19ページの上の表をごらんください。包括部分の医薬品の使用割合が40%ぐらい、出来高の部分が30%ぐらいということで、10%ぐらいの差があるんですけれども、いずれも目標の60%に関しては、まだまだ低いということで、両方を評価していく必要があるだろうという考えであります。
評価のイメージが書いてありますけれども、60%を100点満点という考え方で、60%に満たない場合は減点になるという点数設定になりますので、御理解をいただきたいと思います。
少し飛びまして、25ページをごらんください。「3.算定ルール等の見直し」であります。これはこの前も御指摘があったとおり、3日以内がリセットに使われていて、どうも7日以内もリセットに使われているということが見えてまいりましたので、見直しを行いました。
1つ目の○でありますけれども、今までは6桁で同じ傷病名としていたんですが、いろいろ統計をとってみますと、2桁コードで十分であろうという結論で、2桁が一緒だったら同じ傷病名にしたいということであります。
2つ目の○は、前回入院時の医療資源を最も投入した傷病名と、再入院時の医療資源が最も投入した傷病名が一致するにもかかわらず、入院の契機となる病名を異なって出してくる医療機関がある。これはもしかすると、不適切ではないかということで、この場合には、その理由をちゃんと書いていただきたい。
3つ目の○でありますけれども、7日以内の同一病名の再入院は、一連として取り扱いたいということであります。今まで3日だったものを7日にしたいということであります。
4つ目の○でありますけれども、悪性腫瘍に関しては、7日以内の再入院は十分にあり得ますので、これはそこから除外をするという考え方であります。
5つ目の○、一連とみなされる再入院における退院期間の日数ですが、これは27ページ目の図をごらんください。ここに退院期間と書いてありますけれども、今まではこれが入院日数にカウントされていたんですが、28ページをごらんください。そこのところは抜いて、入院期間を計算したいという提案であります。
3日以内の再入院をリセットできないにしたときもそうだったんですけれども、今度は7日に延ばすわけですが、さらに8日以降についてどう考えるかということです。これもデータを見ながら、次回以降、退院患者調査等によって、重点的に検証していきたいということになりました。
29ページです。持参薬についてであります。考え方を見ていただきたいんですけれども、平成25年度特別調査の結果、以下の持参薬は、院内採用薬以外の治療を可能にする側面があり、例えば大学病院のように、総合的な診療体制が整っている医療機関においては、問題となりにくいんですが、専門病院では当該病院にない診療科の治療を入院中も継続する必要があるということで、持参薬が必要となる場合がありますということが、確認されました。
2つ目の○で、入院の契機と直接関係のない疾患に対する薬剤については、特に中小病院の場合、院内採用がされていないこと等により、持参薬が必要となる事例も多いと考えられますが、入院の契機となる疾患に対する薬剤については、通常は院内処方が可能であると考えられます。
そこから、院内処方が可能な薬剤を外来で処方すること等によって、患者に持参させることは、患者の負担を増加させ、また、そのような処方を行わない他のDPC病院と比較し、診療報酬上不平等になり、不適切であると考えられることから、DPCの制度上、好ましくないと考える。
上の点線の四角のところに戻っていただきたいんですけれども、線が引いてありますが、DPC対象病院においては、持参薬は原則として使用しない。最後に書いてありますけれども、特段の理由がある場合には、診療記録に記載をしていただくという形をとりたい。
一番下の○ですけれども、持参薬の使用に関する医療機関ごとの状況について、より正確に把握するために、退院患者調査の様式1によって調査することとして、必要に応じてナショナルデータベースのレセプト情報の活用を、今後、検討していきたいと考えております。
早口ですけれども、最後です。31ページ「4.退院患者調査の見直し」であります。ここでは何を言っているかというと、調査の様式を少し変更したいということであります。
(1)退院患者調査の各様式の見直し。現在、どういう様式が提出されているかというと、様式1、様式3、様式4、Dファイル、EF統合ファイル、外来EFファイルが提出されております。
様式1、いわゆる診療情報が出るところですけれども、ここでは下記のとおり見直しを行うということなんですが、内容として、1つは、入院経路について詳しく情報をいただきたい。入院するところは5つから選ぶ。
32ページをめくってください。退院時の場合は、大変細かいなんですけれども、0~9番まであります。これをやっていただきたいと考えております。
この根拠となるのは、31ページの考え方を見ていただきますとわかりますけれども、厚生労働省統計情報部が実施している患者調査と整合性をとって、入院経路をより精緻に調査したいということであります。
それから、手術情報が2つ、診療情報、NYHAを使うということですけれども、これは規定の路線であります。
下の新規項目では、患者さんが在宅医療をしているのか、33ページの上にあるとおり、認知症の指定を受けているのかどうか、あるいは褥瘡を持っているのかということを、追加項目として入れたいと考えております。
6の診療情報ですが、持参薬については、先ほどお話したとおり、こういう持参薬はどうなのかという調査を一緒にやりたいと考えております。
○2の様式3、施設情報であります。病床数の考え方でありますけれども、現在は届け出病床数だけでやっておりますが、実際には許可病床数があり、さらに休止病床があるということで、これも調査項目の中に入れていきたいと考えております。
34ページをごらんください。(2)退院患者調査の報告のあり方ですけれども、これは今までどおりで、特に変更点はありません。定例報告と追加報告、特別調査という形でもって、今後もやらせていただきたいと考えております。
35ページ目の上ですけれども、今、お話した調査様式1の調査項目に関する次回改定以降の対応でありますが、これをいじるということは、各病院の事務的な作業を非常にふやしてしまうということで、単なる学者の先生方の要望で入れるのではなくて、基本的な考え方をここでまとめておこうという形で、提案をさせていただきます。
様式1の基本的な考え方で、○1○2○3と書いてありますけれども、基本的な情報に関する項目であること、機能や役割の分析のために必要であること、さらに困難な傷病名の診断群分類を検討するための調査項目、この3つの原則としたものは、様式1に追加してもいいですけれども、それ以外のことは、やらないようにしていきましょうという話であります。
(4)外来EFファイルの提出については、現在、I・II群が義務づけられておりまして、III群は任意です。
考え方の真ん中の○に書いてありますとおり、III群のうち、92%の病院が提出しておりますので、I・II・III群全て提出を必須化したいという御提案でございます。
36ページは、分科会から中医協への提言であります。考え方の3つ目の○に書いてあるとおり、現在、DPCフォーマットデータの提出は、A245データ提出加算として、診療報酬で評価されており、また、DPC/PDPSに係る調査への適切な参加は、DPC対象病院・準備病院の施設基準となっていることから、これは単なる協力ということではなくて、診療報酬体系において、明確に位置づけていただければと考えております。
以上、早口でお話をさせていただきましたけれども、前回改定以降、DPC評価分科会において議論を重ねてまいりまして、次期診療報酬改定におけるDPC制度の今後の方向性について取りまとめを行いました。以後、本報告における調査結果や方向性を踏まえつつ、DPC制度の充実が図られるよう、中医協において審議を進められることを希望いたします。
報告は以上であります。ありがとうございました。
○森田会長
どうもありがとうございました。
それでは、事務局、お願いいたします。企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
中医協総-1-1の関係で補足が1点ございまして、30ページでございますが、前回、中医協総会に提案させていただいた検討項目のうち、特定入院期間を過ぎるまで行われなかった高額な材料・薬剤を用いる検査の取扱いについてでございますが、これに関しましては、DPC分科会で御議論していただいた結果、今回、一定のルールをつくることについては、困難であるということになりました。引き続き、動向を注視して、必要に応じ御審議いただくという形で整理をしております。
中医協総-1-1参考○1、参考○2につきましては、先ほど分科会長から御報告いただいたものの参考資料でございます。参考○2は、ヒアリングの結果でございます。
続きまして、中医協総-1-2をお願いいたします。26年改定に向けたDPC制度に係る今後の対応案でございます。
26年改定で使用する退院患者調査データの期間等についてでございます。DPC/PDPSに係る診療報酬改定につきましては、退院患者調査の集計結果、各医療機関が都道府県から受ける指定、地方厚生(支)局への施設基準の届出状況等に基づいて、行っているところでございます。
現在、通年でDPCデータを集めておりますが、医療機関からデータ提出を受けた後、データ・クリーニングや集計等の統計処理を行って、データベースを構築し、その後、告示事務処理等に一定期間を要することもございます。そこで、前回改定と同様に、26年改定においても10月1日から9月末、今回であれば、平成24年10月1日から平成25年9月末までの退院患者分のデータを使わせていただき、都道府県の指定等に関しましては、平成25年10月1日時点のデータを使いたいということで、いかがかということが1点目でございます。
2点目、今後のスケジュールといたしましては、DPC評価分科会がもう一回ございまして、その検討結果を中医協総会に報告させていただき、そこまでに決定した事項を踏まえまして、1月に全体の状況をお知らせするというスケジュールで考えているところでございます。
中医協総-1-3でございます。DPC病院の合併・分割への対応案でございます。
DPC制度導入後10年以上経っておりまして、参加病院がふえてきております。さらに病院の統廃合という動きも近年進んできておることから、DPC病院に係る合併例が実際にございますし、今後もふえてくるという予想をしております。
従来のものについては、DPC病院の数がふえるというケースではなかったものですから、データ等を計算しまして、事務局のほうで、告示で対応させていただいておりましたが、病院が分割するという相談事例がきており、DPC病院がふえるというケースも考えられ、事務局で判断することが困難となってきております。そのため、今後、合併・分割に関しましては、ルールを決めまして、中医協で御審議をいただくという形でどうかというものでございます。
対応案のところでございますが、合併・分割をする医療機関であって、DPC制度への継続参加を希望する医療機関は、様式に記載をして、医療課へ届けていただくということでございます。
合併・分割後の病院のDPC制度における取り扱いに関しましては、今、DPC退出審査会というものがございます。後ほど御審議いただきますけれども、DPC退出等審査会におきまして、非公開で審査し、その結果を中医協の総会に報告する形にしたいと思います。
非公開とする理由は、当該医療機関の機微な情報を取り扱うためということと、公平、中立な審議に支障を及ぼすおそれがあることからでございます。
審査に観点としましては、合併・分割前の病院と後の病院で、入院している患者、勤務している職員等の引き継ぎ等、一定の連続性が認められること。
それから、DPC病院として満たすべき基準が○1~○4までございますけれども、これが満たすことが期待されるということが要件です。
2ページ目にいっていただきまして、合併・分割に係る基準としましては、合併前の主たる病院がDPC病院であること。
合併・分割前に、直近1年以上にわたり継続してDPCデータが提出されていること。これはDPC準備病院、出来高算定病院ともにそういう取り扱いでございます。
また、合併・分割前のDPC対象病院が、合併・分割前の直近の1年間のデータ/病床比が1カ月当たり0.875以上ということにさせていただきました。
判定の基準としましては、DPC調査への適切な参加です。6カ月分、データが遅延なく提出される。
それから、データ/病床比が、6カ月分、0.875以上であること。
これを6カ月間見させていただいて、それを満たしていた場合は、そのままDPC病院とする。ただし、当該基準を満たさない場合は、退出とさせていただければということでございます。
既にお話申し上げたとおり、退出以外の機能も審査いただきますので、DPC退出審査会は、DPC退出等審査会とさせていただくということです。
この考え方については、DPC準備病院に係る合併・分割等についても、同様の取り扱いとさせていただければと思います。
3ページ目でございますが、医療機関別係数の取り扱いとしては、合併事例につきましては、合併後の病院が満たす施設基準に応じて適用するでありますとか、それ以前のデータを計算して適用する等々の取り扱いがございます。
分割についても、分割後の病院が満たすと申請が出ている施設基準等々を考慮しながら、設定をしていくということで、考えているところでございます。
様式につきましては、4ページ以降についておりますけれども、以上のような取り扱いで、今後、合併・分割についても、取り扱いできればと考えておりますので、あわせて御審議をお願いいたします。
事務局からの補足は以上でございます。
○森田会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。
鈴木委員からどうぞ。
○鈴木委員
中医協総-1-1でございます。詳しくは万代先生からお話があるかと思いますが、私も月曜日の分科会を傍聴させていただいておりましたので、そのときに議論になったことを中心に、何点かお話させていただきたいと思います。
10ページでございますが、I群の病院から指導医療官を派遣する話でございます。これは分科会でも議論になっておりましたが、私は保険担当の役員として、特定共同指導という大学病院の指導にも立ち会うことがあるのですが、大学病院においては、新しい研修医の先生がどんどん入ってくることもあって、基本的な事項が十分に理解されていないことを目にするのは事実でございます。
また、大学から現在も派遣されている指導医療官の方がいらっしゃるのですが、そうした方が非常に優秀であることも実感しておりますので、指導医療官の不足への対応もあって、そういった理由で、こういう提案がなされたと思います。
現状を考えれば、やむを得ないのではないかと思いますが、ただ、分科会を聞いていましても、専門家の中からも疑義が出ておりましたので、これは薬でいえば、適応外使用みたいな形だと思います。あくまでも例外ということで、こういった形を乱用することは控えるべきと思います。
15ページでございます。○5の災害時における医療のところでございますが、これは災害時の派遣や新型インフルエンザ等の対策に対する評価でございます。これはこれでよろしいとは思うのですが、実際にこういうところに派遣なり動員されますと、現場の病棟の看護師等の人員が減少することになります。その場合、派遣や動員に協力して、人数が少なくなったためによる減算とかは避けるべきだろうと思いますし、また、前もって、そういう指定を受けるわけですから、そのために増員している場合には、それを評価することも同時に進めないと、現場にさらに負担を強いることになると思います。
少し戻りますが、14ページの地域医療指数の中の精神科救急医療体制に対するところでございます。これは精神病床を併設する病院の評価のみが述べられておりますが、中医協総-1-1参考○1の報告書の56ページ以降を見ますと、基本的には並列モデル、縦列モデルという言い方、あるいは精神医療機関と一般医療機関の連携強化と並行して総合病院精神科の役割の明確化とありますので、いわゆる総合病院精神科だけではなくて、精神科病院と一般医療機関が連携を強化して対応している場合も、実績に遜色がない場合には、同様に評価すべきではないかと思います。そうでないと、総合病院精神科が疲弊してしまうのではないかと考えられます。
25ページでございますが、算定ルール等の見直しのところで、○の4番目でございます。再入院時に悪性腫瘍に係る化学療法を実施する症例については、当該ルールの適用を除外することとするとありまして、悪性腫瘍の化学療法を例外的に扱うことが述べられております。
同様のことは30ページを見ましても、特定入院期間を過ぎるまでに行われなかった高額な材料・薬剤を用いる検査の取り扱いということで、ここでも真ん中辺りのところですが、悪性腫瘍患者に対する化学療法に適用されている現行の当該ルールについて、今回ルールの適用を見送ると、例外の扱いがされております。このように悪性腫瘍に対する化学療法というのは、非常に時間もかかりますし、金額も高くなることがあります。本日の話ではありませんが、特定除外の取り扱いについても、実際、現場では、特定除外の例で、月に数百万という抗がん剤の治療の継続が必要な場合もあるようでございますので、そういったものの扱いも同様に除外することが必要ではないかと思います。
29ページでございますが、分科会でも議論になりました持参薬でございます。線が引いてある文章を読みますと、当該入院の契機になった傷病を治療するために使用することを目的とする薬剤についてという前提がついておりますので、本来は治療のために使う薬剤を、同じ病院の外来等で前もって出すことを禁止するということだと思いますが、そうではない常用薬まで禁止することは、分科会の議論でも、慢性期の包括の病棟でも禁止されているからという話がありましたが、逆に現場の実態に合わせれば、慢性期の包括も含めた、現実的な対応が必要ではないかと思います。もちろん前もって出しておいた薬を使うというのは問題ですけれども、手持ちの薬がある場合、それを使い切るというのは、無駄の削減にもなると思います。
中医協総-1-1参考○2を見ましても、ある病院のヒアリングの結果、持参薬を禁止しているところは、持ち出しが年間8,000万あるということでした。そういう意味では、却ってそうした無駄にもつながっていると思いますので、現場の実態に合わせた無理のない見直しが必要ではないかと思います。
さらに根本となる薬が余るということに対する解決策は、長期投与の見直し、即ち制限であると思いますので、そういったことも含めて考える必要があると思います。
31ページからでございますが、退院患者調査の見直しということで、今後どんどん項目を追加することは抑制しようというお話もありましたが、すでにかなり詳細化しておりまして、現場の事務職員の負担も非常に重くなっていると思いますので、そういったものに対する評価もあわせて考えていくべきだろうと思います。
以上、意見でございます。
○森田会長
ありがとうございました。
中川委員、どうぞ。
○中川委員
質問です。7ページです。一番下に考え方が5行書いてあるのですが、5行の中に「適切な」という言葉が5回出てくるんです。これは真面目に書いているのですか。言い方はちょっと変ですけれども、これはどういう意味なのですか。日本語として「適切な」を5回、1行に1回必ず書くというのは異常です。
小山先生、これはどういうことですか。
○小山分科会長
そういうことだと思います。そうとしか答えようがないです。
○中川委員
真面目に聞いているのですから、真面目に答えてください。
○小山分科会長
事務局からお答えさせていただきます。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
DPCのデータ提出指数の議論をするときには、既に「適切な」という表現は、使っておりました。御指摘を受けて再度見しますと、省略すること等はできたかと思います。DPCの議論、特にデータ提出の議論のときには、「適切な」を記載することが多く、誤解を与えたかもしれません、失礼いたしました。
○森田会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
私が聞きたいのは「適切な保険診療」という言葉が2回出てきます。ということは、不適切な保険診療がかなり認められるということなんでしょうか。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
先ほど申し上げたことと同じでございますが、提出指数の考えでは「適切な」という場合には、きちんとしたデータを出していただくという意味で使っておりますので、このくだりで「適切な保険診療」と出てくる場合は、きちんとした保険診療をしていただいているというニュアンスでございます。
○森田会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
10ページの未コード化傷病名の割合20%以上のところが50医療機関あるんです。50医療機関のDPC対象病院と準備病院の割合を教えてください。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
すみません。今すぐにはわかりません。
○森田会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
先ほど小山分科会長が「驚くことに」とおっしゃいましたけれども、50%以上が15病院ある。これはモラルハザードに近いです。私は先ほどの7ページの「適切な保険診療」というところが、非常に引っかかるんですけれども、出来高病院に比べて、DPC病院はモラルハザードがかなり多く横行しているということを見聞きするのです。DPC分科会の見直しでは、そのことについて、全く触れられていない。これは不十分だと思います。機能係数を見直すとか、評価をどうするかということばかりに目が向いて、みずからを律するといいますか、モラルハザードを見直していくんだという思いが全く感じられない。小山先生、どうですか。
○小山分科会長
比較論だと思いますけれども、DPC制度の基本的な考え方は、出来高制度に比べて、どちらがモラルハザードが高いかという議論については、私としては、答えられませんけれども、ただ、私の個人的な見解といたしましては、どっちもどっちという感じがいたします。
出来高がずっと進んでまいりまして、過剰診療がうたわれまして、過剰診療を抑制する目的で、ある意味、DPC制度ができたと考えております。ようやく10年が経って、やっと形になってきたという印象であります。そういう不適切な医療が、DPC制度によって、非常にピンポイントに見えるようになってきた。それに対して、いろんな手だてを我々はしているつもりであります。
今回の手だての内容は、今、お話があったように、例えば再入院のルールの見直しとか、持参薬の考え方だとか、そういう形でもって、一生懸命不適切な医療ができないような形にしています。それから、先ほど御指摘のありました、抗がん剤につきましても、抗がん剤が二重に計算されるような制度だということがわかりましたので、そこを外すという形でもって、鋭意努力しているつもりであります。
○森田会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
今、小山分科会長が言われたのは、不適切なほうでも、軽いほうです。保険請求上のモラルハザード、例えばアップコーディングを含めたものは、分科会では議論の対象外だと思います。
事務局側にお願いですが、一体どういうことが起こっているのかということを、中医協の場に出してほしいと思います。これはずっとブラックボックスなんです。何が起こっているのか。
小山先生は、今、どっちもどっちとおっしゃいましたけれども、どっちもどっちという根拠は定かではないですね。個人的な印象を述べられたのだと思いますけれども、国の医療の根幹をなすDPCを推し進めていく場合には、常にそういう部分を見直しながら進めていかなければならないと思います。言ってみれば、格好のいいことばかりをどんどん進めていって、そういうこともちゃんとやらなければ、国民の理解は得られないのではないかと思います。ぜひ御検討ください。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
先ほど説明の中にも含まれておりましたけれども、退院患者調査のまとめを年に1回御報告させていただき、入院期間の状況など、さまざまなデータを出させていただいております。また、外来のEFファイルを出していただくことによりまして、外来で検査をする傾向があるかどうかなどについても、今後、検討できるような環境も整備しております。
今回提案させていただいた中にも、委員が御指摘のような、さまざまな課題について、DPC分科会で議論していたものを含んでおります。これにより完全に対応できるかどうかということはありますけれども、本日御審議いただく内容を一つ一つ対応させていただければ、より適切なものになっていくと思っております。
本日いただきました御指摘も踏まえまして、引き続き、適切な制度になるよう、分科会の先生方に御協力いただきながら、また中医協に御報告させていただきたいと思っております。
○森田会長
ほかにいかがでしょうか。万代委員、どうぞ。
○万代委員
意見と質問を取り混ぜてページ順に申し上げたいと思います。
2ページの一番上の四角の中ですけれども、今後、医療提供体制のあり方に関する全体の議論を踏まえつつとあります。これにつきましては、I群、II群、III群の各群の医療提供をどうするかということを考えていくことだろうと思います。
その中で、例えばで申し上げれば、比較的簡単な急性期の医療を、I群のような特定機能病院が担当することが、本当に適切なのかどうかということは、従来から主張しているところでございます。
具体的に1つ例を申し上げれば、たんの摘出術を腹腔鏡で行うものについて、全ての高機能病院が担当することはいかがかと考えておりますので、そこのところもぜひお考えいただきながら、全体の議論をしていっていただきたいと考えております。
9ページの未コード化のところでございますが、考え方の○の2つ目の3行目に「事例が存在することも指摘されていることから」と書いてございます。これは質問です。具体的にどのように指摘されているかということを、教えていただきたいということでございます。
10ページの指導医療官ですが、鈴木委員との重複になりますので、簡単に申し上げますが、適切な保険診療を推し進めることは、非常に重要であることは間違えございません。ただ、方法論として、それを診療報酬上で見ることは、そぐわないと考えますので、この点については見直していただきたいと思っております。
12ページでございます。副傷病については、今回、評価を見送るということですけれども、1つ目の○の最後のところに「医療機関に副傷病名の適切な記載を周知していくことが妥当であると」記載されております。比較的総論的に書いてございます。ここが2つ目の質問でございますけれども、具体的には、分科会として、どのようなことを考えておられるのかということを教えていただきたいと思います。
19ページの参考に表が出てございます。一番上の表でございますけれども、包括部分と出来高部分の使用割合が出ております。これは新しい基準での使用割合だと思っておりますが、分科会として、数字を算出するに当たって、分母はどのようなデータベースに基づいて算出されたかということを、3つ目の質問として教えていただきたいと思います。
25ページでございます。算定ルールの見直しということで、従来から出されておりますように、次のページに何らかの操作があるのではないかということで、データを見れば、そのようなこともあると感じますので、そこのところを適正化することについては、賛成でございます。
ただし、25ページの四角の中の一番上の○で、DPCの2桁コードで一連とみなすということは、少し乱暴ではないかと思っております。
さらに3つ目の○で、今後、7日以内と絡んでくるという議論をしていただいているようでございますので、7日以内にDPC、MDCの2桁で入院される方が、本当に一連の病態で入院されているのか、あるいは全く別の病態で入院されているのかということは、十分に精査した上で導入していただきたいと思います。
これにつきましては、中医協総-1-1参考○1の33ページの上に書いてあるように、1~3日以内の再入院で病院が異なる症例のうち云々ということでございます。3日についてのデータはありますけれども、これを7日にしたときにどうなのかということを考えて、さらにその中で個々に病名が出ておりますが、そこのところを十分に精査していただく必要があろうかと思います。今回は中間取りまとめでございますので、最終の取りまとめに向けて、そんなことをも十分に議論していただきたいと思います。
例えばで申し上げますと、上から5番目です。DPC6桁のコードでいきますと、060035がございまして、大腸の悪性腫瘍です。
次に今回の入院契機となった病名が腸閉塞ということで、分科会での議論でもありましたので、それについては、繰り返しませんけれども、このようなことが件数としてはかなり多いということで、退院して3日以内で、腸閉塞で入院される方が、それほど多いかどうかはまた精査する必要があるだろうと思いますけれども、こういったことを同一病名としていいのか、一連とみなしていいのかということは、3日以内についても、あるいは7日以内についても、十分に検討いただきたいと思っております。一連としたからといって、医療機関が診療しないことは、多分あり得ないと思うんですけれども、それが変な形で歪められた診療にならないように、すなわち患者さんに迷惑がかからないように、そこのところは十分に検討いただきたいと思っております。
29ページの持参薬の件でございます。これについては、考え方の2つ目の1行目に、特に中小病院の場合云々と書いてございまして、その点を勘案いただいたということで、上の四角の中の下線部で、比較的限定的に持参薬については規制をかけるという方向で、これについては、これでよろしいと思います。
また、鈴木委員との重複にもなりますけれども、これ以上制限を加えることになりますと、いろんな規模の病院がございますし、特に中小病院については、医療が壊れてしまうのではないかという危惧も、全くなきにしもあらずと考えます。もしこれ以上の制限をかける場合でも、十分な精査の上でかけていただきたいと思いますし、現時点ではこれぐらいの制限が妥当だと考えております。
一番最後のページで、調査を明確に位置づけるという文言が載ってございます。データ提出加算ということで、診療報酬で評価されているということで、それと4つ目の○で明確に位置づけると書いてございますので、どういう位置づけの文言になるかは、今のところ明確にされておりません。例えば義務づける、施設基準に記載するだけではなくて、A245のところに、調査に対するデータの提出を義務づけるということが、1つ候補として考えられますけれども、これにつきましても、先ほど分科会長がおっしゃったように、あるいは鈴木委員もおっしゃったように、事務の負担はかなりのものがございます。ころころ変えると言うのは、言い過ぎかもしれませんけれども、改定のたびに項目が変わる。2025年に向けて、地域包括ケアも含めまして、医療提供体制を整えていくことについては、しなくてはならない。そのための調査であろうということは、一定程度理解いたしますが、事務負担が加わることは間違えございませんので、それについては、明確に位置づけるの中の文言で、強制的な位置づけは避けていただきたいと思っております。これも意見でございます。
以上、幾つかの質問について、お答えいただければと思います。
○森田会長
それでは、御質問について、お答えいただけますか。分科会長、どうぞ。
○小山分科会長
一番最初の質問、未コード化に関しましては、実際の事例が8ページ目の真ん中辺のグラフにありますけれども、ドット9コードを使っているところは少なくなってきているんですが、10ページ目の上を見ると、未コード化分類を使っているところが、まだこれだけあるということで、そういう事例が多く見渡されるということであります。詳しい内容については、事務局にもし情報があれば、いただきたいと思います。
後発医薬品の使用割合の分母のデータベースでありますけれども、基本的にはDPCのデータを使って、Eファイル、Fファイルから後発品のあれが全部出ていますので、そこから計算されたものです。これは事務局から追加報告をしていただければと思います。
最後の7日のところです。これは分科会でも瀬戸委員から出まして、もう少し調査をいたしました。具体的な数値がいろいろ出てまいりましたので、これは持ち帰りまして、来週行われます分科会におきまして、2桁で本当にいいのかどうかという内容については、もう一回、検討させていただきたいと思います。
あと、追加は事務局からお願いいたします。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
御質問のうち9ページ、具体的な事例が存在するのは、どういうパターンかということで、分科会長から御説明いただいたんですが、いわゆるドット9コードというものがありまして、未コード化傷病名というコードを選択しますと、ICDコードに自由に入力できるというルールになっております。そういうことから、先ほどの9ページと10ページのデータが出てきているということです。未コード化傷病のデータの割合についても、基準をつくらせていただくことによって、きちんと病名を記入していただくことにつながってくるということで、今回、導入をしたいというものでございます。
また、12ページの副傷病名について、具体的にどのような対策を考えているのかということですが、次回の中医協総会の御報告内容に入ってくる予定と思っておりますけれども、全国のDPCの医療機関向けに、今、コーディングに関する参考資料というものを考えております。、その中に、副傷病名の概念につきまして、きちっと明確化させていただいて、こういう副傷病名はきちんと記載してほしいんですということを、わかりやすく提示させていただく。まずそこから始めさせていただいて、病名をきちんと書いていただくという取り組みにつなげていきたいということで、詳しくは、次回、御報告をさせていただきます。
19ページの後発医薬品使用割合の計算方式につきましては、分科会長に御説明いただいたとおり、DPCデータを用いております。
最後の25ページの関係は、分科会長に御答弁いただきました。
事務局からは以上でございます。
○森田会長
どうぞ。
○万代委員
1つは、先ほどの同一病名とか、そのほかにつきまして、十分に検討いただけるというお答えをいただきましたので、ぜひよろしくお願いしたいということでございます。
先ほどの先発と後発のデータベースの件でございますけれども、後発医薬品のある先発の品目は、何に基づいて、幾つとしているのかということを、教えていただきたいと質問したつもりでございます。割合をどういうふうに算出したかという質問ではなかったつもりでございますけれども、その点については、いかがでしょうか。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
後発品のある先発品というのは、薬価基準上も明らかになっておりますし、そういうものを使いまして、確認できると理解しております。
○森田会長
万代委員、どうぞ。
○万代委員
理論上はそうなんですけれども、実際、個々の病院でそういったものを算出しようというときに、不明確な医薬品が出てくる可能性があるのではないか。それにつきましては、DPCの評価分科会で議論されているもとの数値を開示するなり、明らかにしていただいて、それを分母にしたほうが、個々の病院にとっても対応しやすいと思っておる次第ですけれども、その点については、いかがでしょうか。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
基本的に各病院の薬剤部で十分に対応していただけていると思うんですが、ちなみに、支払基金でもマスターを公開しておりますし、そういうものを各病院に使っていただいて、計算できると理解しております。
○森田会長
安達委員、どうぞ。
○安達委員
2つありますけれども、今の副傷病名の話は、事務局及び分科会長には御承知いただいていると思うんですが、現在、審査上どう扱っているかということになりますと、コーディングされた主病に対する治療以外に、レセプトに記されているさまざまな診療行為が出てくる。このことの保険審査上の適否を見るときに、例えば記載された入院時併存病名、あるいは入院後発症諸病名が2つとか3つしか書いてない。それでは、診療行為、治療行為が説明できないとすれば、これは査定なんです。つまりあと2つずつ書く余裕があるでしょう。にもかかわらず、書いていないんですから、これは挙げられた病名と診療行為が違うということで、査定なんです。
問題は4つずつ書いてある。フルに書いてある。だけれども、それぞれの4つでは、診療行為の必要性が説明できない場合があります。この場合、今はどうしているかというと、4つしか書いていないというケースですから、書かれていないだけで、診療行為をやった以上、対応する状態はあったということで、一応審査は合審ということにしているわけです。
今、ガイドラインを出すということをおっしゃいました。その視点は、主たる医療費の主にかかったものから順番にというガイドラインをお出しになるんでしょうけれども、同時に13ページにかけて書いてあるように、4つではなくて、個数をふやすことをしたほうがいい。現実的な対応で、短期入院ですから、10も20も欄が要るわけはないんですけれども、4ではなくて、6とか、多少個数をふやしたほうがいいと思います。審査をしているほうは、気持ちが悪いわけです。該当病名がわからない。わからないんだけれども、フルにこれ以上書けないから書いていない。だけれども、やったんだろうからということで、合審にするというのは、本当は審査をしていないことと同じになりますので、そこは工夫していただければと思います。
主たる質問は、何遍もしつこいんですけれども、10ページです。指導医療官の話なんですけれども、まずは考え方の誤りみたいな、現実と合っていないと思うことが1つあるので申し上げますが、2番目の○です。過去3年間の特定共同指導・共同指導における主な指摘の件数群別に比較した結果、I群病院は研修医数が多く教育的機能が期待されているにもかかわらず、指摘事項が多いと書かれています。かかわらずではないんです。研修医が多いから、指摘事項が多くなるんです。
私が申し上げている意味は、研修医が研修医になる前に、保険診療の実際、保険制度の実際について、一切、教育を受けていない研修医がそのまま卒業してきて、毎年出てくるんだから、必然的に多くなるんだということでありまして、ここのところは、現状と認識が違いますということは、御指摘をします。
その上で、これは事務局か分科会長か、どちらに御質問していいかわからないんですが、今回の御提案は、医療指導官を一定期間派遣した場合に加算をする。その根拠はというと、下の考え方の3つ目の○、保険指導医を派遣している医療機関のDPCデータの質が高い傾向があるということで、これが12ページのグラフです。これはどちらなんですか。
つまり私がお聞きするのは、保険指導医というのは非常勤です。指導医療官というのは常勤です。非常勤のデータをもとにして、常勤体制で加算するという御提案なんですか。
○森田会長
企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
指導医療官自体で分析するには、十分なデータがないことから、I群病院との関連ということで、保険指導医を使って分析をさせていただいたということでございます。
○安達委員
保険指導医のデータしかないわけですね。なのに、常勤の指導医療官を条件にするのはどういう意味ですか。これは物すごく違うと思います。大学病院のそれぞれの臨床講座において、一定の経験を積んだあるいは指導的地位にある教官を、一定期間、仮に指導医療官で出向させるということは、常勤ですから、その間は臨床にはタッチできないわけです。そのことは、それぞれの臨床医のキャリアパスにとっては、何のプラスにもならないわけです。非常勤で保険指導医であれば、それでも目的を達するなら、どうして常勤である指導医療官の提案になっているのかというのが、私の質問の趣旨です。
○森田会長
企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
非常勤の先生でこういうデータが出ているので、常勤の先生で十分に経験を積んでいただいて、大学にお戻りいただければ、より高い効果が得られるのではないかということを期待してのものでございます。
○安達委員
実際、分科会長はいかがですか。大学の御経験からいって、臨床の教室におられて、教室の講師、助手、あるいは教官が対象だと思うんですけれども、こういう方が現場を離れて、指導医療官として一定の期間出向させることは可能ですか。教室にとっては、診療体制に穴があくんですけれども、それでカバーできるのか。その方のキャリアパスはどうなるのかということについては、いかがですか。そういう意味では、常勤と非常勤は物すごく意味が違うと思います。
○小山分科会長
基本的には常勤で出すということを考えております。可能かどうかということは、今までこういう提案がなかったものですから、こういう形にはならなかったんですけれども、医療指導官のニーズが少ないという現状をかんがみまして、分科会でもいろいろな議論が出て、それは不適切だという話もあったんですが、現状を踏まえて、大学病院がそれに対して協力することは、決して悪いことではない、逆に積極的に参加すべきではないかという御意見をいただきました。
現実にどうかというと、非常に難しいと思います。私立医科大学協会の理事会と全国医学部長病院長会議の中でも、このことを報告させていただきまして、各大学からせめて1名ずつ、何とか出せるようにというお話をしましたけれども、結構好意的に、それは必要ですという理解は得られたと感じております。やっていくべきだと思います。
ただ、問題なのは、ここに加算すると書いておりますけれども、加算ではなくて、これが項目になりますので、これをとらないと、100点をとれないという話ですので、逆に大学としては、厳しい評価になると感じております。
以上です。
○安達委員
厳しい評価になるからこそなんですが、一挙両得みたいな、一石二鳥の効果を狙ったような提案なんですけれども、指導医療官の少ないことの原因は、全く別のところにあるわけであります。63歳以上は最初から認定されない。63歳以前で認定された場合は、定年になっても期間延長があるんですけれども、そういう中で、しかも、現在の医療の最前線がわかっておられないと、指導医療官はとても務まらない。63歳で現在の医療の最前線がわかっている方は、みんな病院勤務をしているわけです。それを辞めて、指導医療官になってくれと言ったときに、はっきりいって、経済的処遇が全く違う。ここのところに大きなギャップがあって、なかなかふえないわけで、出向した場合は、大学病院給与がそのまま出ることになるのかどうか。そうではないんですか。ということは、指導医療官の給与体系でいくということですか。そこにもまた問題が出てくると思います。
一定の効果があるなら、なぜ保険指導医ではだめなんですかということが疑問です。まずそこから始めてみる。それが普及してくれば、指導医療官ということも考えるという、段階を踏んだ処置ではいかがかと、率直に思わざるを得ない部分があるんですけれども、それはいかがでしょうか。
○森田会長
関連してでございますね。丹沢専門委員、どうぞ。
○丹沢専門委員
これは文章が出向とか、非常にわかりにくいので、交流人事をやったことがない方はわからないのです。指導官ではないですけれども、うちで交流人事をやったことがあります。結局、国立大学病院などの場合、国である厚労省に人を派遣する場合には、まず交流人事なので、1日以上身分を与えて出すのです。そこに1つポジションの問題が出るのです。中堅の医者が減るとか、キャリアで問題になることがありますけれども、2~3年ぐらいの交流が終わって、必ず帰ってきて引き取る、それで身分を与えるという保障を与えてやるものですから、2~3年後の人事上の保障を与えるというところに、物すごい問題が出るのです。非常に難しいのです。
先ほど聞いていて、一定程度加算する評価方法を導入するというのは、いいと思いました。それならば、努力するところもあると思ったのですけれども、やらないと減算されるという話になると、現場では物すごく痛手になるのではないかと思います。人事のやり方として、給料は厚生労働省から出ますけれども、身分を保障してあげることがすごく大変なことなのです。せっかくそういう経験を積んでも、大学に戻ってきたときに、籍がないから関連病院に出たという話になると、全く役に立たないわけですから、出す大学病院側が、それなりの覚悟をして出して、協力するわけです。点数評価ができないのであれば、少なくとも社会的に高く評価をしていただきたいと思います。
○森田会長
安達委員、どうぞ。
○安達委員
追加しておきますけれども、私が申し上げているのは、この御提案は一定の評価をしているという前提で申し上げております。確かに大学病院が保険診療における認識が低いことは、全国特定共同指導などを見ていても、京都でも全部立ち合っておりますので、そうでありますので、そういうことも含めて、認識を深めるという点で、この方策は1つの方策であるということは、私も一定程度理解します。かつ指導医療官が少ないということもあるんだと思います。それも一定程度評価いたしますけれども、そこのところには別の問題があるということを指摘させていただきました。それについて、一遍にこうやるんですということを条件にして、それから指導医療官へという段階を踏んでやるんですか。その方法としては、どうなんですかということをお尋ねしております。
○森田会長
企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
今、さまざまな御指摘をいただきましたが、10ページにあります点線の中ですけれども、I群病院において、規定の手順により、指導医療官を一定期間ということで書いておりまして、規定の手順につきましては、今後、検討する予定でございますが、御指摘いただきましたような、人事交流元の大学との関係でございますとか、こちらでの勤務の状況でありますとか、いろんなことにつきまして、担当課室で検討して、その上で、体制を整えて、きちんとした対応になるようにということを検討する予定でございます。
また、この点の評価につきまして、一定程度加算するということの考え方でございますが、これを算定している大学病院につきましては、加算の対応になりますけれども、ほかの病院にとっては、その分、減算になるということで、そこら辺の関係でございますが、必ずしも一律に減算になるとか、一律にとれるとか、そういう関係ではないということでございます。
○森田会長
堀委員、どうぞ。
○堀委員
関連して発言をさせていただきますが、今の大学のお立場と出向される立場でのお話なんですが、1つは指導を受ける側の見解もございまして、きょうは監査室長も御出席ですから、現場のお考えをお聞きしたいんですが、指導医療官が不足していることはよく理解できましたが、例えば歯科におきましては、共同指導の現場で、2年ぐらい前までは、指導を担当する医療指導監査官が、数カ月単位で目まぐるしく交代しまして、現場がかなり混乱した時期がございました。臨床経験が乏しかったり、保険請求の知識が乏しい方が、出向あるいは異動で、つけ焼き刃という言葉は悪いですけれども、指導をすると、なかなか難しいところがあるということは、実感をいたしております。指導を担当されるには、臨床経験あるいは医療保険の知識等を含めて、一定の指導の経験などが重要だと思っておりますが、その辺は監査室としてはどう考えか、お聞きをしたいというのが1点です。
それから、今回のDPCの提案と逆なんですけれども、現在、指導を担当している指導医療監査官の先生方におきましても、定期的に、座学ではなくて、臨床研修等をしていただきたいというのは、前から言われているところでありまして、そういったところのお考えや対応はどうかという、この2点を監査室からお聞かせいただきたいと思います。
○森田会長
それでは、お答えいただけますか。
○渡辺医療指導監査室長
医療指導監査室長でございます。
2点のお話をいただきました。
1点目につきましては、先生がおっしゃるとおりだと思います。指導医療官の資質の向上というのは、非常に大切な話だと思ってございます。現在でも定期的な研修とか会議を通じまして、資質の向上を図っているところでございます。指導医療官の資質の向上については、非常に大切な話だと思いますので、今後も追加の研修等のさらなる取り組みができるかどうか、検討してまいりたいと思ってございます。
座学ではなくて、臨床研修を受けることも必要ではないかということに関しましては、御意見として承り、今後とも検討していきたいと思います。
以上です。
○森田会長
堀委員、どうぞ。
○堀委員
ありがとうございました。
今回の御提案を拝見しますと、指導現場で指揮がしっかりできるかどうかということも心配いたしますので、質の担保の視点も忘れないで、検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○森田会長
ありがとうございました。
白川委員、どうぞ。
○白川委員
小山先生、ありがとうございました。
DPCそのものは医療の標準化、効率化、あるいはそのデータを子細に分析することによって、医療の質を高めるということが、主な目的だと認識しておりますので、特に公平性を担保する、あるいは精緻なデータをとっていくという見直しの方向性については、私どもは支持するものでございます。
その中で、2つ意見と、1つ質問をさせていただければと思っております。
1つは、18ページに記載されている後発品の使用割合に基づく新たな評価指数についてですが、この件に関しまして、点線囲みの3つ目の○で評価上限は60%とされておりますが、確かに国の目標は60%でございますが、実績を見ても、既に超えていらっしゃる病院もありますから、評価上限はもっと高く設定してもよろしいのではないかという意見でございます。
もう一点、この件に関しまして、病院側にとっては、後発品を使いますと、当然単価が下がるわけで、経営的には得をする形になりますが、逆に患者側は何もメリットがない。そもそも後発品を使用するというのは、医療費の効率化が目的でございまして、目標を達成するということは、その分、医療費を下げる効果を狙うということだと思いますので、今すぐではございませんが、将来的に後発品の使用比率が高まった段階では、包括点数の見直しも検討しなければならないと考えております。将来の課題として、意見を申し上げておきたいと思います。
2つ目は、25ページの再入院の話でございます。これは万代先生も指摘されましたが、私も2桁コードでみることがよいのかどうかという感触を持っております。分科会長も再検討すると先ほどおっしゃいましたが、この件については、原則2桁コードとするなど弾力的にやったほうがいいという意見でございます。3日以内を7日以内にするという提案、入院の通算期間の話については、合理的な話でございますので、これについては賛成しているところでございます。
最後に事務局に質問でございますが、出来高病院に対してもデータの提出をお願いするということで、加算をつけてお願いしているわけでございますが、出来高病院とDPC病院の詳細な比較はどこかのタイミングで必要だと認識していますが、それはDPC分科会でやるのか、別の機関、あるいは事務局かもしれませんが、どういったところでやることを考えているのかという点について、質問させていただきたいと思います。
○森田会長
ありがとうございました。
企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
医療課企画官でございます。
出来高病院でも、既にDPCデータを出していただいている病院があるのですが、今回、退院患者調査報告の中でも、少しご報告させていただいたんですが、まだ病院数が大変少ないものですから、比較できるような段階ではございません。今後7対1病院については、DPCデータを提出していただくようなことで、議論が進んでおります。それを分析ということになりますと、どの分科会等でやるということは、最終的に中医協でお決めいただくということだと思いますが、1つの考え方として、DPC分科会であわせて議論させていただくということもあると思います。そこは、今後、御相談していければと思っております。
○森田会長
失礼いたしました。小山分科会長、手を挙げていらっしゃいました。
○小山分科会長
最初の御質問のジェネリックの使用の上限を高くするというお話ですけれども、その前に御理解をいただきまして、ありがとうございます。この指数の評価のイメージにありますように、60%を超えたところを100点満点としているわけです。今回、5年先の目標を60%と設定しておりますので、60という数字を使いました。60に満たない病院は、減算になるということです。60を超えれば100点満点をそのままもらえますということです。これをどんどん高くしていきますと、100%ジェネリックに変えないと、満点をもらえないという形になりますので、それとは理屈が合わないということで、目標値である60%を超えたら、よく努力いたしましたというところでもって、とりあえずの目標値をここに置いたということです。
それから、DPCでは患者さんのメリットがないというお話ですけれども、そこに書いてありますように、出来高部分というものがあるんです。出来高部分で特に大きいのは、手術中に使う薬剤と、結構大きいのが退院時処方なんです。退院時処方は出来高になりますので、これを後発品に使うことによって、患者さんの負担は非常に少なくなります。我々がジェネリックを使う一番目的は、患者さんの自己負担を軽減するということを第一の目的に置いておりますので、そういった視点でも、両方かなうと考えております。
2つ目の質問の2桁については、もう一回、分科会の中で議論させていただきます。
どうもありがとうございました。
○白川委員
了解いたしました。
○森田会長
長瀬委員、先に手を挙げていらっしゃいましたので、どうぞ。
○長瀬委員
今回、精神科の合併症を入れてくれたことに関しては、感謝いたします。特に総合病院の精神科が少なくなっていると、この間、お話しましたが、総合病院の評価もよろしくお願いいたします。
もう一つ、持参薬ですが、退院の場合は持参薬が認められるんですが、中医協総-1-1参考○2のヒアリングの3ページの真ん中辺りに、医療機関の主な意見というところで、持参薬の使用が多いと考えられる医療機関というところの一番最後ですが、予定入院で他院から転院してくる患者については、特に精神科の薬は院内の薬局に置いていない場合があるため、持参してもらうようにしていると述べていますが転院の場合、転出元の保険請求は認められないんです。病院の持ち出しになるわけです。この点を何とかしていただきたいということであります。
以上です。
○森田会長
これについては、よろしいですか。事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
今の御意見は、DPCというよりは、総会で御審議いただく内容だと理解しております。
○森田会長
矢内委員、どうぞ。
○矢内委員
18ページの後発医薬品の使用割合のところ、先ほど白川委員からも意見があり、それに対しまして、小山先生の御説明もありましたが、私から若干意見、要望を述べさせていただきたいと思います。
後発医薬品の使用割合につきましては、先進国並みの実績を達成するということが、我々にとっても非常に大きな目標であるし、それに加速的に取り組んでいかなければいけないということだと思います。したがって、60%を評価の上限にするというのは、意味がないと思います。
先ほど60%になったら、そこで100%の評価をするので、それ以下は評価が低くなるという小山先生のお話がございましたが、むしろ現状を下限にして、60%を超えたところを高く評価するように、評価の方法を少し変更して評価の水準を上げることも考えられるのではないか。そういう評価をしていただいて、加速的に後発薬の使用割合を検討していただければと思います。
以上、意見として申し上げます。
○森田会長
小山分科会長、どうぞ。
○小山分科会長
御指摘ありがとうございます。
今、先進国並みというお話をいただきましたけれども、少し間違ったデータが世に流れているんです。間違ったデータというか、誤解です。一番最初、日本では20%、30%という数値が出ておりましたけれども、これは全医薬品に対しての後発品の使用割合ということなんです。アメリカの80%、90%という数字は、1つの処方箋の中に、1つでも後発品が入っていれば、これを1枚と考えて計算をするということで、80%、90%という形になるんです。
ところが、今回、我々が示しました、後発医薬品のある先発品を分母にして、その上に後発品を乗せますと、フランス辺りで50を超えて60ぐらい、ドイツは多いといっても70ぐらいということで、決して60%が先進国に比べて低い数字ではありません。現状その計算方法でしますと、全国平均がまだ40にいっていない、37%ぐらいということで、まずは到達できる目標を決めて、その目標に向かっていきましょうという話になりました。
確かにこのデータでお示ししたとおり、20%ぐらいの病院が既に60%を超えておりますけれども、中身を見ますと、出来高のところ、あるいは経口剤の後発品への変換率はそれほど高くないという現状がわかりましたので、とりあえず60を目標として、5年間のロードマップという形でもって、正式に公表されました。そのデータをベースにして、まずはそこまでいきたいと考えて、このように設定したので、そのように御理解をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○森田会長
事務局も手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。
○佐々木医療課企画官
後発医薬品指数のところにつきましては、今、分科会長から御説明いただいたとおりの内容でございますけれども、1号側の委員からの御意見も出ておりますので、先ほどの3日以内再入院の取り扱いも含めて、分科会で、再度議論させていただいた上で、改めて総会でご審議いただきたいと思っております。
○森田会長
福井専門委員、手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。
○福井専門委員
データの収集、項目について、2点お願いいたします。
31ページですが、入院経路について、5番目の介護施設・福祉施設に入所中とひとくくりになっているんですけれども、ここのデータは、老健、特養、福祉施設を区別してとるようにしたほうがいいのではないかと思います。それぞれの施設の機能が異なりますし、これから急性期の機能を把握するためには、ひとくくりではなくて、データをとっていくことが必要ではないかと思います。
医療機関の看護管理者にヒアリングをしましたが、それぞれの施設は、入院時の問診、既往歴を聴取するときに、データを収集可能ですので、事務部門との連携がうまくいけば、ひとくくりにしなくても、データが集められるのではないかと思います。
もう一つは、33ページですけれども、診療情報の入院時と退院時の褥瘡の深さですが、考え方のところには、発生率等に関する基礎データを収集するとありますが、提案では入院時に褥瘡の有無、退院時の褥瘡の有無ということになりますけれども、そうすると、入院期間に発生したものについては、データとしては集まらないことになるだろうと思います。どの期間のどういったものを発生率とするのか、データの集め方になるんだろうと思いますが、入院期間にどういう形で発生していっているのか、どういう機能を持つ病院に褥瘡の発生率が高いのかということを見ていく観点から、今回の改定ではなくていいんですけれども、発生日と多発発生した場合のことも考慮する必要があるので、収集する項目の中で、様式1の発生日や部位について、ご検討いただきたいと思います。
以上です。
○森田会長
分科会長、どうぞ。
○小山分科会長
最初の入院経路でありますけれども、これを細かくということで、退院のほうは、御指摘のとおり9項目に分かれておりますが、事務的な負担を考えたときに、入院経路はそれほど重要なのかということで、入院経路はこのぐらいでいいのではないかと考えました。そのかわり、退院ということは、これからいろんなことを考えたときに、ちょっと大変なんだけれども、時間をかければ、事務方でできるので、こういう形でいこうということになりました。もし入院時も同じようにしたほうがよろしいということであれば、また検討させていただきたいと思います。
褥瘡に関しては、事務局からお話をさせていただきます。よろしくお願いします。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
褥瘡に関しまして、福井専門委員の御意見は、今後また御議論させていただければと思います。
○森田会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
確認なんですが、25ページの算定ルール等の見直しの点線内の4つ目の○、化学療法を実施する場合、当該ルールの適用を除外することとする。これはどちらなのですか。3日以内を1週間以内に直したものを除外するのですか。どちらですか。直さないということですか。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
3日以内というのは、7日以内にした上で、化学療法をする場合は適用しないということでございます。
○中川委員
次の日でもいいということですか。
○森田会長
どうぞ。
○佐々木医療課企画官
理論上はそうです。
○中川委員
次の日、翌々日、2日後でも、いいという意味なんですね。
○森田会長
事務局、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
適切にやっていただいているのであれば、問題ないと思っています。
○中川委員
そうですか。しつこいようですけれども、不適切なことは公開して、話さなければだめです。DPCはブラックボックスです。それは何らかの機会にお願いします。医療課長、よろしくお願いします。
○小山分科会長
大変心強い御意見をありがとうございます。我々も不適切な行為が見えるものですから、これを指摘しながら、本体そのものを細かくいじりたくないというのが実情でありますけれども、いろいろな医療機関がありますので、苦慮しているところでありますが、大変心強い御意見をいただいたと思います。ありがとうございました。
○森田会長
ほかにいかがでしょうか。
特に御意見がないようでしたら、中医協総-1-1参考○2は、平成25年度特別調査ヒアリングの結果報告ということで、これは単なる報告事項ですが、その他の事項につきましては、今、いろいろ御意見があって、今後、検討していただくということを前提にしてですけれども、本日のところ、この事項については、御承認いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
ありがとうございました。それでは、ただいま説明のありました件につきましては、中医協として、承認することにいたします。
小山分科会長におかれましては、長い時間、どうもありがとうございました。
それでは、本件に関する議論は以上といたします。
総会における本日の議題は以上でございます。
それでは、次回の日程等について、事務局からお願いいたします。医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
医療課長でございます。
次回は12月下旬を予定してございます。決まり次第、御報告しますので、よろしくお願いいたします。
○森田会長
ありがとうございました。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。
なお、続きまして、保険医療材料専門部会は、5分ほどの休憩ですので、10時45分ぐらい、各委員が着席してから、開始するということでございます。
どうもありがとうございました。
<照会先>
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