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2013年11月15日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第61回議事録

○日時

平成25年11月15日(金)11:06~12:10


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

印南一路部会長 関原健夫委員 森田朗委員 野口晴子委員
白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員 伊藤文郎委員
鈴木邦彦委員 長瀬輝誼委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
十河功二専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮鈴木医療課長 佐々木医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○イノベーションの評価方法等について

○議事

○印南部会長

 ただいまより第61回「保険医療材料専門部会」を開催いたします。

 まず委員の出欠状況について御報告します。本日は全員が出席です。

 次に保険医療材料専門部会に所属する委員については、中医協総会において、森田会長より指名されておりますが、委員の変更がありましたので、御報告いたします。

1030日に開催された中医協総会において、1026日付で退任された嘉山孝正委員の後任として、長瀬輝誼委員が、森清一専門委員の後任として、十河功二専門委員が指名されております。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 「○ イノベーションの評価方法等について」事務局より資料が提出されておりますので、御議論いただきたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 それでは、中医協材-1、1枚ものでございますが、これをごらんいただけますでしょうか。

 本日御議論いただきたい議題は、昨年11月に決めていただきました、今後の検討の進め方の中の「2.イノベーションの評価方法等について」でございまして、関連する資料を準備いたしております。

 続きまして、中医協材-2でございます。これは中医協材-2参考につけております、保険医療材料専門組織の松本委員長から御報告いただきました意見などを踏まえて、それに対する対応案ということで、作成しております。

 中医協材-2の2ページ目でございますが、保険医療材料専門組織から意見として、迅速な保険導入に係る評価について、前回改定を受け試行的に導入されているが、その影響を見極めるため、引き続き、試行的に継続してはどうかという提案でございます。

 実績といたしまして、迅速加算導入後、現在までに5製品7区分に加算を適用しております。

 適用製品例としましては、下に示しておりますが、胸部ステントグラフトでありますとか、先日、御承認いただきました、重度大動脈弁狭窄を有する患者に対する弁置換術の機器がございます。

 3ページ目、4ページ目には、そのほかの製品といたしまして、心筋焼灼術に用いる電極カテーテルから、先ほど御審議をいただきました、大腸のカプセル内視鏡まで、迅速評価を受けているところであります。

 5ページ目でございます。これも保険医療材料専門組織からの御意見でございますが、新規機能区分の基準材料価格設定の考え方でございます。類似機能区分比較方式における加算幅は、画期性加算の場合、50%から100%をつけるというルールになっております。一方、原価計算方式における加算幅の調整は、平均的な営業利益率の±50%となっております。原価計算方式におけるイノベーションの評価をより一層行うという観点から、平均的な営業利益率の上限を+100%までに引き上げてはどうかというものでございます。

 6ページにございますが、現状の原価計算方式の際に革新性の度合いをどのように評価しているかですが、四角く囲っています部分の営業利益を±50%という形で、評価をしておりますが、この上限を100%としてはどうかというものであります。

 7ページ目をお願いいたします。平成21年度から平成2510月までの原価計算方式による新規収載品67製品の加算状況でございます。100%を切るものは、21年度までにさかのぼってもございません。+40%から50%が、24年度1件、25年度1件ござおます。

 8ページ目でございます。これも同じく保険医療材料専門組織の意見でございますが、より革新性の高い画期性加算や有用性加算を受ける製品(原価計算方式で、同様の加算要件を満たすものも含む)については、イノベーションの適切な評価の観点から、一定の間、単独の機能区分を維持することとしてはどうか。また、希少疾患用医療機器として指定された製品についても、同様の取り扱いとしてはどうかという提案でございます。

 これに関しましては、過去に承認され、新しく機能区分をつくり、かつ画期性や有用性になっておる区分に他社製品がいつごろ収載されているかというデータでございます。

 これを見ていただきますと、改定1回目ではと、まだ他社製品が収載されてこいないのですが、改定を2回経過しますと47.6%、3回経過しますと8割、他社製品が収載されておりますので、こういった状況を踏まえて、一定の間につきましては、2回の改定を経たところまで維持することにしてはどうかという事務局の提案でございます。

 9ページ目は、単独機能区分維持の考え方を図示したものでございます。現状はABCという製品で、例えばAという製品はが新しい機能区分をつくった場合、後から申請する製品Bについては、Aの区分にそのまま入ってきまして、価格競争することになっておりますが、今回の提案というのは、Aが最初に区分をつくったことを評価し、2回の改定は単独の区分として維持し、BCについては、機能としては同じですけれども、区分としては別に立てて、後から出てくる製品を収載する区分をつくって、償還価格を決定していくということでございます。

 現状の案では、2回改定を経た後、つまり3回目の改定のときには、ABCを合わせた価格をもとに機能区分を設定することでどうかということでございます。こうした運用についても、改定ごとに御審議いただきながら、取り扱いを決めていくということではどうかということでございます。

10ページ目は、類似機能区分比較方式の算定状況です。今回は、画期性加算、有用性加算のものについて、単独の機能区分という提案ですので、24年度以降の実績を踏まえますと、その時点から適用しておれば、11の区分について、そのような取り扱いになっておるということでございます。

11ページをお願いいたします。11ページも保険医療材料専門組織の意見でございますが、類似機能区分比較方式にて、新たな機能区分を設ける際、当該製品の外国平均価格比が著しく低い場合、0.5倍以下については、原価計算方式によっても申請できることとしてはどうかという提案でございます。

24年度以降の実績として、4製品が0.5倍を下回っておりまして、これについて原価計算方式を認めてはどうかということでございます。

 なお、事務局提案といたしましては、外国価格比1.0倍を上限としてはどうかということも含まれてございます。

12ページでございますが、これは補正加算の要件の追加でございます。人その他生物に由来するものを原料または材料として用いた既収載品に比して、全ての生物由来原料等を除いた場合で、かつ同等の機能を有することが客観的に示された場合について、改良加算の要件に追加してはどうかというものであります。

 製品の原料や材料に人や植物以外の生物に由来するものを使用する場合には、未知の感染症等のリスクがございます。これに対応するため、生物由来原料等を除いて、保険収載を希望しても、現状の改良加算の要件では読めない状況です。

 具体例としては、マツダイトという製品につきまして、保険医療材料専門組織で議論して、評価をしてはどうかいう意見が出たわけですが、その際には今回提案の観点が改良加算の要件になかったために、B区分、つまり既存品と同じ取り扱いになったということがありました。。

13ページをお願いいたします。原価計算方式における原料費の透明性の確保であります。類似機能区分比較方式だけでなく、原価計算方式で算定された場合においても、外国平均価格調整の対象とされておりますが、国内で一貫して製造が行われている場合、原価計算方式による算定は、製品の輸入に比べてより詳細に積算されており、製造工程を把握した上で、製造に必要な経費が積み上げられているケースが多い。ついては、より詳細に原料費が積み上げられた資料が提出された場合については、外国平均価格を用いた価格調整の対象から除外してはどうかというものでございます。

14ページもあわせてごらんをいただきたいのですが、これは既存の資料をもとにモデル的につくったものですが、輸入製品の場合、製品そのものの値段が輸入原価でありまして、中身といいますか、原材料等の情報提供がない状況でありますが、例えば国内で製品化するケースの中では、ここにありますとおり、原料を細かく積算しておりまして、この内容について、事務局で中身の精査もできますし、保険医療材料専門組織の意見交換の中でも、様々な御指摘等もいただけるということで、より精緻な価格の積み上げが可能なケースがございます。

 そうした積み上げを行った場合、正当な原価を積み上げているとみなされるものもあり得ることから、外国平均価格調整の対象外として、透明性を確保していることを評価するという取り組みにしてはどうかというものでございます。

15ページをお願いいたします。今後の課題でございますけれども、費用対効果の観点を入れた評価ということで、革新的な新規医療材料やその材料を用いる新規技術の保険適用の評価に際し、費用対効果の観点を導入することや、導入する場合の考え方について、費用対効果評価専門部会の議論の推移を見つつ、具体的な評価の方法等について検討することとしてはどうかということです。

 最後16ページでございますが、その他の論点としまして、診療報酬改定にあわせて行っている機能区分の合理化・細分化がございます。合理化というのは、複数の機能区分を1つの区分にするということであります。細分化というのは、1つの機能区分を複数に分けるということでありますが、これは引き続き実施すべきではなかということです。

 それから、今回、業界からも御提案をいただいておりますものですけれども、同一機能区分内に複数の価格設定を行うことが妥当な区分があるかどうか。これは実際に医療材料の実勢価格の調査等を踏まえないと、どう取り扱うかという結論は出せないかもしれませんが、検討させていただいて、該当するものがあれば、部会でご審議いただくということで、いかがかというのが1つ目でございます。

 2つ目として、新規医療材料については、申請時における予測販売数と市販後の実販売数が異なる場合もございまして、予測数の設定根拠を含め、より詳細なデータを提出するよう、申請様式を改めてはどうかということでございます。

 以上でございます。御審議をお願いいたします。

○印南部会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの御説明について、御質問等がありましたら、お願いします。

 鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員

 わずかな資料で答えを出せと言われているような感じがして、基本的に非常に難しいと思います。

 ただ、何か言わないといけないと思いますので、意見を言わせていただきますが、2ページ目の迅速な保険導入は、もう試行的に導入されているわけですが、それを引き続き試行的に継続してはどうかということなので、これは単なる導入を続けるという意味ではないと受け取って、検証とか、そういったものをしっかりするということであれば、試行的に継続というのはやむを得ないという気がいたします。

 5ページ、新規の原価計算方式のイノベーションの評価を50%から+100%にという話は、薬価と同じ話だと思います。薬価のときの議論を聞いておりましても、なぜ100%なのか、根拠があるんですかとか、委員長が夢を買いたいというお話をされたのは、ここだと思いますが、そういう理由ではなかなか難しいと思います。

 最近の総会の議論を見ても、以前より変わった気がします。それは費用対効果の議論を十何回とみんなでしたので、導入はされていないんですけれども、そういう観点で判断する習慣がついているのではないかと思います。

 もしそういうことをお考えであれば、例えば今までの評価を単純に倍にするということではなかなか難しいと思いますので、+50%から100%までの部分の基準をどのようにつくっていくのかという話が必要だと思います。これは薬価の話と同じだと思いますので、きょうの時点で決めろと言われても、どちらが先になるかわかりませんが、まだ議論が途上だと思いますので、今日ここで判断というのは難しいと思います。

 8ページは2つに分かれていると思います。上はより革新性の高い画期性加算や有用性加算を受ける製品を一定の間単独の機能区分を維持することとしてはどうかということで、2番目は、希少疾病用医療機器として指定された製品についても、同様の取り扱いとしてはどうかということです。

 後半の希少疾病用医療機器に関しては、やむを得ないという気もいたしますが、上に関しては、こういったものが認められた途端にたくさん出てくるということで、歯止めが効かなくなることも考えられるので、現時点ではいかがなものかという気がいたします。

 改定を2回にしたらどうかということもついていますが、それはまだ判断できないのではないかと思います。

11ページ、類似機能区分比較方式で新たな機能区分を設ける際に、外国平均価格比が著しく低い0.5倍以下について、原価計算方式によっても申請できることにしてはどうかということなんですが、これに関しては、原価の求め方の計算が非常に難しいと思いますので、これも難しいのではないかという気がいたします。

12ページ、全ての生物由来原料等を除いた場合で、同等の機能を有する場合の改良加算の追加ですが、これに関しては、例を見ても納得できる部分がありますので、よろしいのではないかと思います。

13ページの話は、薬価と同じ話だと思います。国内で一貫して製造されていれば、なぜ除外していいのか。この理由はここに書いてあるお話、あるいは下の説明を見てもしっくりとこないと思います。確かに国内で一貫して製造されたものは、それなりの意味があるんだと思いますが、これだけ国際化が進んでいる中で、高くてもいいということはなかなか言いにくいと思います。これも薬価の議論も見ながら、どちらが先になるにしても、もう少し議論してからになるのではないかと思います。

15ページ、16ページも随分大ざっぱな書きぶりになっております。

15ページの話は、まさに費用対効果の話を導入するということですが、これはこの間取りまとめもしましたし、これから少しずつ進んでいく話ですので、よろしいということになっているのではないかと思います。

16ページについては2つということですが、3つだと思います。上は2つに分かれるのではないかと思います。

 1つ目のポツの上、診療報酬の改定にあわせて行っている機能区分の合理化・細分化については、引き続き実施すべきではないか。これはそれでよろしいかと思います。

 その後は、業界の方がお出しになった、同一区分機能内複数価格帯制度の話だと思うんですけれども、これに関しては、医療区分制度が入っていくことによって形骸化してしまうおそれもあるかと思いますので、賛成というのは、なかなか難しいと思います。この書きぶりが、検討してはどうかということになっておりますので、検討まで否定するのはなかなか難しいという気がいたします。

 最後の点でございますが、これはより詳細なデータを提出するということですので、これに関しては、よろしいのではないかと思います。現時点で判断を迫られた場合には、そのようにお答えをすることになると思います。

 以上でございます。

○印南部会長

 私から1点だけ、11ページについて、難しいのではないかとおっしゃったんですけれども、これは何が難しいんですか。データの問題なのか、審査が難しいのか、どちらですか。

○鈴木委員

 原価の計算が実際に困難ではないかと思いますので、こういったことを認めるのは、難しいのではないかと思います。

○印南部会長

 ほかにございますか。堀委員、お願いします。

○堀委員

 5ページのイノベーションの件は、先ほど鈴木先生が言われたとおり、薬価と同じ議論でありまして、あのときも、定性的、定量的という根拠の話が出まして、何で100なのか、何で80なのかということがありました。医薬品と医療材料が違うことは承知をしておりますが、そこはしっかりと出さないと、議論が難しいと思っております。

12ページの生物由来原料については、これでよろしいのではないかという印象を持っております。

13ページの内外価格差で、国内のものについては、精査ができるので、原価計算で積み上げていくというのは、それはそれで納得できるんですが、もう一つ、参照する外国平均価格の制度はどうなのかという論点が出てくるのではないか。国内が高ければ、それを認める。逆に安いときには、平均価格となる外国の材料、輸入材料がどういうものかという議論も少しやらないと、ここだけを切り抜いて話をするのは難しいのではないかと思っております。

 費用対効果のことにつきましては、先ほど鈴木先生が言われたとおり、費用対効果評価専門部会でも、その方向で少しずつ見ていこうという話になっておりますので、これはこれでよろしいのではないかと思っております。

 以上です。

○印南部会長

 ほかにございますか。白川委員、どうぞ。

○白川委員

 鈴木先生が全件についてコメントされたので、私も、全件についてコメントさせていただきます。

 一部は薬価専門部会で議論されたものと同等の扱いということで出されておりますが、薬価専門部会では、改定の理由がはっきりしないという指摘が多かったと記憶しております。

 今回の提案を見ますと、1つは、日本再興戦略の中で、日本の医療関連企業を育成しよう、あるいは成長させようという意図がございます。安倍内閣としては、そうした戦略を組んでおりますので、それに応えようという部分の改定があると思います。

 それから、再生医療等の高度医療に対応した準備をしておこうという意図が、改定の底にあると推察しておりますが、その辺につきましては、事務局でどういうお考えなのか、後ほど聞かせていただきたいと思っております。

 順番にまいりますと、2ページ目の迅速加算の話でございます。2年間で10製品程度適用された。確かに最近のC区分の提案を見ていても、これを適用した例が増えているようでございまして、全体としてはいい方向だと思います。

 我々が気にしておりますのは、デバイスラグが、このことによってどれぐらい短縮できたのかということです。まだ2年ぐらいですから、そんなに効果は出ていないかもしれませんが、どこかの機会で、デバイスラグの解消にどれぐらい貢献したかということを、事務局から説明いただければと思っております。

 方向としては、試行を継続でよろしいのではないかと思っております。

 次に5ページ目でございます。これは先ほど申し上げた再生医療を意識して、準備しておこうという意図かと思いますが、これも薬価あるいは鈴木先生がおっしゃっていたとおり、定性的な加算要件は納得が得られないと思います。どこまでやれるかは別にして、定量性を持たせた基準もあわせて提案いただいて、そのうえで上限をどうしますかという提案の仕方のほうが、我々としては議論しやすいと思っておりますので、事務局で工夫をしていただくことを、お願いいたします。

 次に8ページ目でございます。画期性加算とか、有用性加算を受ける製品を別のボックスにしましょうという提案でございます。私もこの必要性はあると思っております。画期性加算は当然だと思いますが、有用性加算は5%から30%とかなり広い枠でございますし、最近の保険収載の提案を見ても、かなり有用性加算がございます。改良加算もそうですが、有用性加算の件数が増えていると思います。したがって、簡単にいうと、5%、10%のものまで別枠にする必要があるのかというのが、率直な感想でございます。したがって、有用性加算でもかなり上のランクを対象とするなど範囲を限定する形で始めてみてはいかがかというのが、私の意見でございます。

 それから、一定の間というのは、2回の改定を経るまでという提案でございますが、確かに資料を見ましても、2回が適正だと考えております。

11ページ目でございます。これは日本のこういう医療産業を育成したいという意図が裏にはあると想像しますが、4製品が該当となっております。ただ、これがなぜこういうことになったのかという要因が理解できておりません。したがいまして、いい悪いを言う前に、この4製品の外国平均価格比が著しく低い理由を説明いただければ、議論の材料になると思っております。

12ページ、生物由来原料を用いずに、同等の機能を有した場合は、改良加算の要件に追加するというのは、このとおりだと思いますので、賛成いたします。

13ページでございますが、これも薬価のときに問題になりましたが、日本の産業を育成したいという意図かと思います。そのときにも申し上げましたが、このことによって、価格が上がる可能性が高いと思いますが、そうすると、今までやってきた外国価格調整は何なのかと言わざるを得ない部分もございますし、例えば海外からの製品であっても、原価が100%把握されれば、そのままの金額で認めるのかということも懸念されます。その辺はどういうお考えなのかということをお聞かせいただきたい。

15ページでございます。費用対効果については、このとおりだと思います。

16ページの最後に、より詳細なデータを提出する云々という記述がございますが、前回の費用対効果評価専門部会のときに、業界の方に確認したところ、QALYを算出できるような費用対効果のデータは、今までほとんど出していないという話でございました。したがいまして、16ページの最後のところ、詳細なデータというのは、費用対効果の計算に資する形で考えていただければと思っております。

 また、16ページで、その際、調査結果に基づきという部分でございますが、たしか1例だけ具体的な例がございましたが、指摘のとおり、妥当な区分があるかについても検討と書かれております。これに関しては実態がよくわかっていないものですから、何らかの資料をお出しいただいて、その上で議論させていただければと思っております。

○印南部会長

 どうもありがとうございました。

 今、御意見のほかに、質問等がありましたので、事務局、お答えください。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 1つ目のご質問は、2ページからの迅速な保険導入の評価についてでございます。引き続き、試行的に継続という提案をさせていただきました趣旨としましては、24年度から導入しておりますので、先ほど御指摘のあったデバイスラグへの貢献でありますとか、今、本加算を適用している範囲について、妥当かどうかということを検討するためのデータがございません。この加算については、次期改定も継続させていただき、その先は分析結果を踏まえて検討させていただきたいという意味でございます。

 5ページ、原価計算方式の際の営業利益率の上限を100%にするという提案の趣旨でございますけれども、5ページの四角囲いの中に書いてありますが、類似機能区分比較方式の画期性加算の評価が100%が上限になっており、その並びという観点と、7ページから平成21年度以降の実績をお示ししておりますが、既に現在の基準で50%のものと、40%から50%のものが24年度、25年度に1製品づつ出てきております。

 今後、例えばiPS細胞等を活用した医療材料を御審議いただくことがあり得ると考えますと、現状の製品の概念の中でも、既に上限のものがあるということからすると、さらに高い評価ができるような仕組みに見直しをしておく必要があるのではないかということでございます。

 なお、どういう形で適用していくかについての基準といいますか、考え方については、御指摘いただきましたので、事務局で検討して、御相談させていただきたいと思います。

 8ページからの単独区分の取り扱いでございますが、9ページの図を見ていただきますと、革新性の高い新規医療材料であっても、特定保険医療材料の償還制度では、機能区分という仕組みをとっておりますので、後から申請する製品との競争が早期の段階で始まるという特徴がございます。

 今回提案させていただきましたものは、画期性加算、有用性加算ということで、患者さんや実際にそれを使って医療を提供されている医療従事者の方々にとっても、利便性が高く、有益なものを開発したということについては、一定の期間、単独の区分を維持することによって、そういった製品の開発をより促進すべきではないかという観点での提案ございます。 また、事務局提案としては、画期性、有用性、または原価計算方式で同様の加算要件を満たすものということですが、実際の適用範囲につきましては、部会等で引き続き御審議いただければと思っております。

11ページの原価計算方式で、外国価格から見て安い場合の取り扱いのところでございますが、これは必要があれば、詳細な資料を出させていただこうと思いますが、例えば、10年以上古い製品があって、その製品を新しく改良をしたものが出た場合、類似機能区分方式をとりますと、古い製品なので、実勢価格が相当程度下落している場合には、加算を幾らつけても、実際にその製品の開発にかかった費用を評価することはできないという議論が、材料専門組織の中でありました。全ての製品が該当すると捉えるかどうかは、部会でまた御議論いただければと思います。専門組織で検討の結果、こういう取り扱いをしないと評価できないのではないかということについて、中医協に提案させていただくことをお認めいただくということでも、大分違うと思います。

12ページは特段ないと思います。

13ページの件でございます。これに関しましては、御指摘いただいた点を考えますと、14ページの図を見ていただきますと、輸入製品等につきましては、基本的に輸入販売をしている業者が幾らで輸入をするか。それが原価計算のもとになり、それから営業利益等々を加算していくという形式になります。

 ところが、国内で製品化する場合、生産、販売する業者がデータをみずから持っておりますので、かなり詳細なものが出てまいります。我々も営業利益の考え方であるとか、販売の経費等々を詳細にヒアリングして、中身をチェックすることが可能であります。ですので、実際の保険医療材料専門組織でも、こういった細かく内容を出してきている企業については、何らかの違った評価ができないだろうかということで、1つの試案として、外国平均価格調整は対象外という提案でございます。

 御指摘がありましたとおり、外国価格平均が、保険収載のときの価格そのものを超えていいとか、押し上げる効果があるというのは、そのとおりかと思いますけれども、詳細に出してくることについての評価という面もございますので、内容の妥当性は、我々もヒアリングをいたしますし、あとは専門組織の議論、場合によっては中医協でも実際に御検討いただくことになると思います。

 実際に超える例がどれぐらい出てくるかということも、不明ではありますが、そういったものがある場合、超えた価格でもって、中医協で御審議をしていただけるというルールに見直していただくだけでも、それをそのまま認めるかどうかの判断は中医協に残ると思っております。そういうケースが出てきた場合、今ですと、御審議にも挙げられないということでございますから、そういったものをやらせていただけないかという趣旨の提案であります。

15ページの費用対効果評価専門部会ですが、連携を保って、また御審議をいただきたいと思っております。

16ページに関しても、1ポツ目の同一機能区分内複数価格について、検討してはどうかという書きぶりになっておりますのは、まさに御指摘いただきましたように、我々もデータを実際に見てみないと、該当する区分があるかどうかというのは、御議論いただくことができませんので、まずは検討をしてよろしいかどうかということです。それをそのまま制度として導入するかどうかについて、検討が必要ですが、計算作業はさせていただいて、それを提案して、御審議いただいてはどうかということでございます。

16ページの2つ目のポツにつきましては、販売実績等をきちっと出していただく、予測を出していただくのと、費用対効果評価専門部会の今後の議論とも関連してまいりますが、経過によっては、費用対効果のデータ等もあわせて御提出いただくかどうかということは、部会でも引き続き御審議いただければと思っております。

 以上でございます。

○印南部会長

 今のお答えでよろしいでしょうか。

 ちなみに、13ページの海外の既製品を輸入する場合、なおかつ詳細なデータ場合も外すのかということには、お答えしていただいていないと思います。

○佐々木医療課企画官

13ページ、14ページだと思いますが、お答えをしておりませんでした。済みません。考え方としては、詳細なデータを出していただいて、積み上げた場合、超えるかどうかという議論でございますので、これは国内、国外を問わず、もし詳細なデータを出していただけるのであれば、該当するということは、検討できると思っております。

○印南部会長

 ほかに御質問、御意見はございますか。石山委員、どうぞ。

○石山委員

 スライドの5のイノベーションの考え方を入れていくというのは、方向としては、結構だと思います。ただ、今まで各委員からお話が出ていたとおり、薬価でかなり定量の議論をやっているんです。ですから、その辺の議論をよく加味しながら、定量化への努力をしていただきたいと思います。えいやでやられても、何の意味もありませんので、スライド10にもあるように、こういうところの関係で、きちっとした定量化を図りつつ、説明していただきたいと思います。これは意見です。

 今、いろいろ議論になりましたけれども、スライド1314の関係で、14のスライドは意図的ではないかと思っています。同じ1万円なんです。これだったら、誰も文句を言いません。ですから、そういう点で見ましたら、今まで導入されてきた外国平均価格の制度の意義なり、今回新しく考えられているのであれば、価格設定の上限はどのような想定をされるのか。また、提出される原価計算の経費の妥当性というのは、誰が検証していくのかとか、妥当性の担保の問題はかなりあると思います。信用あるいは信頼しないわけではありませんけれども、その辺がきちっと詰まった上で、最終的に価格設定がどうなるのかということが具体的にないと、あれだと思います。

 はっきり申し上げて、これは下がったときは採用したいと思いますけれども、上がったときはかなり議論になると思います。ですから、その辺の具体性について、価格設定ができた際の上限値の想定化だとか、そういうことについて、事務局として御意見があるんだったら、お聞かせ願いたいと思います。

○印南部会長

 事務局、お願いします。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

14ページは、具体例が両方とも1万円と一緒になっておりますが、これは特に意図はございませんが、ご説明が不十分であり、済みません。

 また、基本的には原価計算で積み上げて、価格上限というのは、最近のケースでは、相当珍しいといいますか、ほとんど生じていないということでありますので、頻繁に中医協に御相談するということは、現状ではないと思っております。

 もう一つ、イノベーションの評価という意味で、共通の御提案をさせていただいている趣旨は、先ほど申し上げましたとおり、原価計算でも現状の製品で、既に50%という上限をつけている製品が出ている中で、iPS細胞等のイノベーションを踏まえたときに、国内での細かい実績を積み上げた場合、現状の制度のままにしておきますと、全く評価ができないということにもなりかねないということがあります。まずは中医協にお諮りする体制を整える方向で見直しさせていただき、実際の取り扱いについては、個別の製品が出てきたときに御審議をいただくということでございます。

 以上でございます。

○印南部会長

 ほかにございますか。石山委員、お願いします。

○石山委員

 今の御回答ですと、具体的なケースがほとんどない。ただ、将来にわたっては想定されるということなんです。そのために準備をしておくというお考えでよろしいわけですね。

○佐々木医療課企画官

 そのとおりでございます。

○石山委員

 わかりました。

○印南部会長

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 5ページに関しては、iPS細胞と何回もおっしゃるんですけれども、確かにそういったものが出てくれば、高い評価になるんでしょうが、それを対象にした話ではないわけです。ほかのものも入ってくるわけですから、あれも、あれもということになったら、どうなるのかということです。

 これは今の時点で確認しておきたいんですけれども、5ページとか13ページのような薬価と同じような提案がなされている場合、結論が違っても構わないということなのか、同じ結論にしてほしいということなのか、事務局の見解を確認させていただきたいと思います。質問です。

○印南部会長

 事務局、お願いします。

○佐々木医療課企画官

 これは保険医療材料専門組織からの御意見で出てきていますけれども、部会でそこは御議論いただければと思います。最終的には中医協全体での御審議になるかと思いますけれども、先ほども少し触れさせていただきましたとおり、保険医療材料は機能区分で収載している等の特性もあります。

 薬価の取り扱いと材料の取り扱いは、必ず一致していなければならないかどうかも含めて、御審議いただきたいと思いますが、制度の違いからくる取り扱いの違いというのは、あり得るのではないかと思っております。

○印南部会長

 関原委員、お願いします。

○関原委員

 5ページの原価計算に対して意見です。先ほどの薬の場合、営業利益が18%あるわけです。一方材料は半分以下と利益率が全然違うわけです。

 それから、デバイスは、中小企業が相当リスクをとって開発し、お金も調達しにくい。デバイスはいろんな面で、大企業中心の製薬会社がやっている薬の開発と違うわけなので、イノベーションを掲げるのであれば、お薬のほうを減らしてでも、デバイスのほうをやっていただきたい。ウェートとしては、そういうことではないかと思います。

 前回もお伺いしましたが、営業利益の数字は、中小企業を含めもっと多くの会社が入った数字です。お薬のほうは、上場会社だけですから、相対的に利益が高くなっているわけです。だから、そういう意味では、デバイスについて100%にするというのは、それなりに意味があるのではないかと思います。

 最後の16ページは、市販後の市場拡大再算定みたいな話ですけれども、これは中医協でいつも出る議論ですが、欧米に比べて高い。例えばカテーテルだとか、ステントだとか、ペースメーカーというのは、予想より物すごく市場が拡大したと思います。そういう意味で、こういう考えをデバイスにもちゃんと入れていくことは、大事なことではないと思います。

 以上です。

○印南部会長

 ほかにございますか。三浦委員、お願いします。

○三浦委員

 今まで白川委員や鈴木委員から発言があったとおり、薬価の算定方法とオーバーラップして考えるんですが、今、最後にお話があった16ページの新規医療材料については、申請時における予測販売数と市販後の実販売数が異なる場合もあるということですけれども、これは、今、お話が出た市場拡大再算定と同じような考え方をとるという方向で書かれたのか、1つお尋ねしたいと思います。

11ページで、企画官から、類似機能区分方式で、後から出たものについて工夫を凝らしているというお話があったかと思います。薬の場合ですと、例えばジェネリック医薬品を新たに上市する場合、先発品と同じようなものだけではなくて、飲みやすくしたり、味をつけたり、錠剤を小さくしたりとか、そういう工夫はありますが、後発医薬品としての薬価は同じだということを含めて、ここはどうなのか。これは感想です。

 9ページなんですが、この図でいろいろお尋ねしたいんですけれども、革新性の高いAと、後から申請するBがあるという図になっています。薬の場合は特許期間があって、もし同じようなものであれば、Bは時間がかかるということなんですが、わからないので教えていただきたいんですが、保険医療材料のほうは、そこはどうなるのか。これもジェネリックとあわせて考えると、ジェネリックは、先発品に比べて最初から値段が下がって上市されるということがある。しかも、改定ごとにルールづけで下がっていくということをあわせて考えると、この図はどうなのかと思います。

 もう一つ、先ほどメーカーの話が出ましたけれども、薬のメーカーとか、品目数というのは大体わかるんですけれども、保険医療材料をつくっているメーカーというのは、一体何社ぐらいあって、その品目数はどのぐらいあるのか教えていただきたいと思います。

 以上です。

○印南部会長

 幾つか質問がありましたので、事務局からお願いします。

○佐々木医療課企画官

 お答えをいたします。

 今の御質問は、8ページからの単独機能区分のお話だと思うんですが、医薬品の場合は特許がございまして、特許期間は後発品が出てこないということでございますけれども、医療材料の場合、基本的に特許は取らないで販売されておりますので、理論的には新しい製品が出て、すぐにでも別のメーカーが同じ機能区分の中に入ってくるということであります。さらに、どんどん新しく製品が入ってくるということからすると、当初から価格競争を強いられるという仕組みになっております。ですので、医療機器については、こういった取り扱いの検討をしてはどうかいう内容になっております。

11ページにつきましても、製品自体がどういうものかということを実際に見ていただいて、御議論いただかないと、イメージが湧かないと思います。具体的に保険医療材料組織で議論になりました製品については、必要に応じ、御紹介させていただきたいと思います。今回の提案は、後発品や単なる改良ではなく、画期性、有用性加算をつくような製品を対象とするということです。

16ページでございますが、その他の2ポツ目のところは、本日の中医協材-1の「2.イノベーション評価方法等について」の「(3)市販後の再評価について」ということで、御議論いただくことになっております。まずは実態をきちっと把握するために、きちんとしたデータを出していただく。材料の場合、精緻なデータを出していただくというルールになっておりませんので、まずそれを提出いただいて、その後、取り扱いについて御議論をいただいてはどうかという提案にしております。

 以上でございます。

○印南部会長

 田村専門委員、お願いいたします。

○田村専門委員

 三浦委員が御質問になりました、スライド9ページのABCについて、少し御説明させていただければと思います。

 医薬品で言う、Aは先発品で、BCが後発品というものとは異なりまして、ABCは特許が重なっている場合もありますが、そういう場合、特許のやりとりをしたり、特許に抵触しないように微妙にずらしたりして、全く異なる製品でございまして、場合によっては、AよりもBCのほうが有効性、安全性が高いことすらあります。ですから、これはいわゆる医薬品で言う先発品と後発品との関係とは異なりますので、そこについて、御理解いただければと思います。

 以上でございます。

○印南部会長

 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員

 先ほど最後に質問したメーカー数と品目数というのは、どうでしょうか。

○印南部会長

 メーカー数と品目数について、昌子専門委員、お願いします。

○昌子専門委員

 メーカー数は、正確に把握できておりませんので、後日、報告したいと思います。

 製品数については、我々の調べでは1万5,000製品数ぐらいだと思います。品目数と製品数は少し考え方が違いますが、製品数ということであれば、1万5,000ぐらいです。

○印南部会長

 堀委員、お願いします。

○堀委員

 先ほど関原委員がおっしゃった利益率が、薬品の業界と材料で違うというのは、本当にそうだと思っておりまして、だから、事情が違うことを配慮すべきだと申し上げたんですが、ただ、資料のつくりが、薬価専門部会と同じようなつくりになっておりますので、できればそういった違うところのデータもあわせてお示しいただいて、議論させていただきたいということを、意見として1つ申し上げたいと思います。

 あと、御質問なんですけれども、企画官が、再三、専門組織から現在は提案もできない状態なので、少なくとも提案だけはできるようにして欲しいということの趣旨は理解できるんですが、現在も専門組織からの提案をこの部会で審議しているわけですが、それとは違うような仕組みの提案を言われているんでしょうか。

○印南部会長

 企画官、お願いします。

○佐々木医療課企画官

 簡潔に申し上げますと、材料専門組織が具体的な製品の取り扱いについて提案をするためには、総会で御審議いただく際のルールをつくっておかなければ、できませんので、試行でも構わないと思いますが、制度で組み込んでいないと、見直してくださいという意見出ししかできなくて、具体的な個別の相談ができないということでございます。

○印南部会長

 ほかに御意見、御質問等はございませんでしょうか。

 そうしましたら、本日頂戴しました御意見や御提案等を踏まえ、平成26年度の保険医療材料制度の改革に関する議論を進めていきたいと思います。

 次回の日程について、事務局から何かありますでしょうか。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 次回の日程は未定でございます。また、御案内申し上げます。

○印南部会長

 それでは、本日の保険医療材料専門部会はこれにて閉会といたします。


(了)
<照会先>

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