ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第14回議事録(2013年11月6日)




2013年11月6日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第14回議事録

○日時

平成25年11月6日(水)9:56~10:43


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

関原健夫部会長 印南一路部会長代理 西村万里子委員 森田朗委員
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井十伍委員
石山惠司委員 伊藤文郎委員
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 万代恭嗣委員 長瀬輝誼委員
堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
土屋裕専門委員 田村誠専門委員  昌子久仁子専門委員 加茂谷佳明専門委員
池田俊也参考人
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 議論の中間的な整理について(その2)
○ 今後検討が必要な項目及びその検討スケジュール等について(案)

○議事

○関原部会長
 それでは、皆さんおそろいになりましたので、ただいまより第14回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。
 まず委員の出席状況ですが、きょうは、田中委員、福田参考人、田倉参考人が御欠席です。
 費用対効果評価専門部会に所属する委員につきましては、中医協総会におきまして、森田会長より指名されておりますが、委員に変更があったので、御報告いたします。
 10月30日に開催されました中医協の総会で、10月26日付で退任された嘉山孝正委員の後任として、長瀬輝誼委員が指名されております。これを御報告させていただきます。
 それでは、前回に引き続きまして「○ 議論の中間的な整理について(その2)」を議題といたします。
 前回大分議論になりましたが、事務局よりこれを若干修正いただいた資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 中医協費-1をごらんいただけますでしょうか。これは、前回9月4日の本部会におきまして、御議論いただいたものに修正を加えたものでございます。本日は修正点を御説明させていただきたいと思います。
 1ページ目でございますが、下から5行目「以後計13回」と書いてありますが、前回は「12回」と書いてありました。本日14回目ですので「13回」としております。
 2ページ目、3ページ目は修正ございません。
 4ページ目をお願いいたします。「4.具体的な評価の運用方法について」の「(1)評価手法」の部分でございます。アンダーラインをしておりますが、「なお、諸外国においては、費用対効果評価における分析(assessment)の方法等について、ガイドラインを定め、標準化を図っていることが多いことから、我が国でも、分析(assessment)の透明性、再現性、科学的妥当性等を向上させるため、ガイドライン等によって標準的な手法を定めるべきという指摘があった」と追加しております。
 5ページ目でございます。「(ア)QALY(質調整生存年)について」で「v 長期的な予後の推計が必要になることがある」と追加しております。
 同じく「(イ)LY(生存年)について」も「iv 長期的な予後の推計が必要になることがある」を追加しております。
 6ページ目でございますが、問題点として「v.疾患の好発年齢による影響があるのではないか」を追加しております。
 少し飛びまして、10ページ目でございますが、中段ぐらいに、丸2ということで一文追加をしております。「丸2 結果活用の技術的なあり方の検討について」でございます。「増分費用効果比(ICER:incremental cost-effectiveness ratio)を用いた分析を行うことについては一定の合意があったが、質調整生存年(QALY)、生存年(LY)等を用いた場合の増分費用効果比の解釈のあり方や目安等について、および、臨床検査値、治癒率、重症度、発生率等を用いた場合の増分費用効果比の解釈の技術的なあり方について、更なる検討が必要であるという意見があった。また、検討に当たっては、質調整生存年(QALY)、生存年(LY)、臨床検査値、治癒率、重症度、発生率等のいずれにも応用可能である点から、ドイツにおいて検討されている効率性フロンティア法も参考になるのではないかという意見があった」です。
 同じく10ページの「方向性」の部分でございますが「我が国に当てはめた具体例を用いることも考慮しながら、既存制度との整合性も含めて引き続き検討する。なお、結果活用の技術的なあり方や結果活用の時期についても合わせて検討を行う」と修文しております。
 11ページは「2.終わりに」ではなく「5.まとめ」という形で修正をしております。
 以上が前回の中間的な整理からの変更点でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明は、前回の議論で出た指摘等をここに入れ込んだという修正でございます。
 これにつきまして、もう一度、皆さんから御意見等がございましたら、お願いいたします。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 イギリスの最初のころのやり方を強引に入れようとした議論の流れからすると、その後の十数回にわたる審議の結果、次第に柔軟かつ現実的な姿になってきていると評価したいと思います。
 その上で、幾つか意見がございます。まず3ページの「(3)用語の定義について」です。当初、我々は余り深い知識がないままに、広義の医療技術として、医薬品、医療材料、医療者等の技術ということで、議論をスタートさせたわけですが、その後、各国の状況を見ますと、ほとんどが医薬品、医療材料、医療機器が中心で、医療者の技術というのは、ほとんど行われていないことがわかりましたので、我々が検討するのは、医薬品また医療材料ということになるのではないかと思います。
 5ページでございますが「(ア)QALY(質調整生存年)について」は、イギリスの例も踏まえて、非常に問題がある指標であるということを私からお話させていただきました。その後、つい最近、9月24日に森田会長や福田参考人も出席された日英独仏のHTA医療技術評価の国際シンポジウムがあり、私も出席させていただきましたけれども、ドイツでは「QALYは死んだ」と言われているようです。法律で禁止されているという話もあり、そのぐらいQALYというのは、国によって、問題視されていることがあるということで、これは慎重に扱うことにしてよかったのではないかと改めて思いました。
 今話しているのは中医協費-1に関してということですね。
○関原部会長
 そうです。中間取りまとめについてです。
○鈴木委員
 それについて、そのような点を感じましたので、意見として、つけ加えさせていただきます。
 以上です。
○関原部会長
 今の3ページの対象の医療技術について、あるいは5ページのQALYの問題は、今後、検討することになっておりますので、御意見だと理解しておきます。
 ほかにございますか。白川委員、どうぞ。
○白川委員
 対象になる医療技術の範囲につきまして、鈴木先生から発言がありましたが、私も原則的には鈴木先生がおっしゃるとおり、薬と材料が中心ということでよろしいのではないかと思っております。ただ、医療技術の中でも、先進医療に位置づけられているものを保険収載する段階で、この考え方を適用する可能性があると思っております。原則は薬と材料で、必要に応じて、医療技術も対象にすると考えておいたほうがよろしいのではないかと思っておりますので、意見として申し上げます。
○関原部会長
 今の御意見は、鈴木委員の御意見プラス先進医療の保険適用云々、その辺りについて、今回の費用対効果を考えていこうという御意見だったかと思います。これも今後検討していきたいと思います。
 ほかにございますか。安達委員、どうぞ。
○安達委員
 鈴木委員も御意見があるんだと思いますけれども、今の白川委員の御発言はそれでいいのではないかと思います。例えば抗がん剤を使うときに、薬事法で承認されているのは週に1回で、体重当たり何グラムとか、そういうふうにして決まるわけですけれども、先進的な試みがされると、1週間のうちに2~3回、もう少し頻回にやって、1回の1週間当たりの使用量はトータルしたら少ない。そういう意味では、費用は少ないということになりますが、そのほうが結果がいいという論文が出てきて、それを使ったというケースは、私も審査上経験をいたしました。
 こういうものは、杓子定規に薬事法を使うと承認されないわけですけれども、現実に費用は安くて、そして、アウトカムがいいということになると、双方、治療を受ける患者さんにとっても、同時に支払いする個人及び保険組合においても歓迎のはずでありますので、そういうことが例外的には対象になる可能性は確かにあるんだと思います。
 そのようなケースは、京都で発生しましたけれども、やられた医療機関と保険者を審査委員会にお呼びをして、説明もしていただいた上で了承していただいて、それは支払いを受けるという処置にしておりますので、そういうことは日進月歩する医療の中で、同じ医薬品が適用症として決まったとしても、使い方などで、より高いアウトカムを得られる。費用はかえって安く済むということも、現実にはありましたから、そういうことが対象になるということが、場合によってはあり得るということは、そのとおりでいいかと私も思います。
○関原部会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 今、安達先生のお話がありましたが、白川先生もおっしゃったように、医療機器、薬がどの国でもメーンです。薬だけの国もあるかと思いますけれども、そこがメーンの対象だと思いますが、今、安達先生がお話になったような例外的なことがあれば、その都度、対象にするかどうかも含めて検討するということで、対応すればよろしいかと思います。
 以上です。
○関原部会長
 ほかにございますか。
 それでは、御意見もございませんようですから、この中間整理につきまして、この後、開催されます中医協の総会に報告したいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○関原部会長
 それでは、そうさせていただきます。
 次の議題です。「○ 今後検討が必要な項目及びその検討スケジュール等について(案)」を議題といたします。これも前回一種の宿題として出たものでございます。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 中医協費-2の「今後検討が必要な項目及びその検討スケジュール等について(案)」でございます。
 今、部会長からお話がありましたとおり、前回の部会におきまして、今後検討が必要な項目、スケジュールの見通し等を示すようにということでございましたので、事務局で案を作成しております。
 「1.今後の検討項目(案)について」であります。
 「(1)評価手法、具体的な評価の活用手法」でございます。議論の中間的な整理におきましては、評価手法のうち、特に効果指標については、質調整生存年、生存年、臨床検査値、治癒率、重症度、発生率等を効果指標とする際の運用方法やそれらの組み合わせのあり方等を今後検討することとされております。また、具体的な評価の活用手法については、保険償還の可否の判断や保険償還価格の決定に医療技術の費用対効果評価の結果を活用することについて、我が国に当てはめた具体例を用いることも考慮しながら、今後検討することとされております。
 今後、我が国に当てはめた具体例を用いた検討を行う可能性があることも踏まえ、評価手法や具体的な評価の活用手法について、必要な検討を行うとしております。
 「(2)評価の実施体制等のあり方」でございます。諸外国においては、独自の公的な評価組織を設けていることが多く、その実施体制(規模等)については、さまざま(数名程度~50名程度)でありますが、費用及び効果データの分析・提出は、企業等が行い、それらに基づく評価や評価(appraisal)に係る調整事務等を公的な評価組織が行う方式が多く見られております。
 我が国でも、評価を実施する際には、その透明性、公平性、利益相反の管理の徹底等のため、データの分析・提出等のあり方や評価を実施する組織のあり方等について検討を行う必要があるという指摘があったことを踏まえまして、それらを含めた評価のあり方について、必要な検討を行うとしております。
 また、諸外国においては、医療技術の費用対効果は、医療技術評価と呼ばれる総体的な評価の一環として行われていることが多いことを勘案しつつ、日本の医療保険制度における費用対効果評価を実施する組織のあり方等を含めた必要な検討を行うとしております。
 次に裏面の「(3)ガイドライン等」でございます。諸外国においては、費用対効果評価における分析の方法等について、ガイドラインを定め、標準化を図っていることが多い。
 我が国においても、分析の透明性、再現性、科学的妥当性等を向上させるため、標準的な手法を定めるべきではないかという指摘があったことを踏まえ、分析の方法等について定めるガイドライン等の整備の必要性やその内容等について、必要に応じて検討を行うとしております。
 「(4)評価(appraisal)のあり方等」でございます。諸外国においては、分析の結果をもって一律に意思決定を行っているわけではなく、評価(appraisal)によって、より幅広い社会的側面も勘案していることが一般的であることから、我が国においても、評価のプロセスは非常に重要である。
 評価を実施する際には、幅広い観点を勘案するため、実施するたびに結果が異なる等の不整合が起こらないよう、実施する際の基準・方法等について一定の考え方をまとめておくべきではないかという指摘があったことを踏まえて、評価のあり方等について、必要に応じて検討を行うとしております。
 「(5)その他」でございますが、我が国の医療保険制度における医療技術の費用対効果評価の導入のあり方の検討を行う際には、現在の各医療技術の算定や保険導入の方法等との整合性について一定の考え方をまとめておくべきではないかという指摘があったことを踏まえ、これらについて、必要に応じ検討を行う。
 現在、検討している分析手法については、いずれも増分費用効果比を用いるものであることから、増分費用効果比を解釈する際の考え方について一定の考え方をまとめておくべきではないかという指摘があったことを踏まえ、これらについて、必要に応じて検討を行うとしております。
 「2.今後のスケジュールについて(案)」でございますが、本日の議論の中間的な整理を中医協へ報告していただくということで決まっておりますが、今後、我が国に当てはめた場合の具体例を用いた検討などを議論いたしまして、年内を目途に中医協総会へ再度検討結果を報告するというスケジュールです。これは短期的なスケジュールでございますけれども、ひとまず、こういう形で進めてはどうかというものでございます。
 議論をよろしくお願いいたします。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、どうぞ。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 今の中医協費-2のスケジュール等についてでございますが、これも現実的かつ具体的な方向性を示すものとして、基本的にはよろしいのではないかと思います。
 その中で、1ページ目の「(2)評価の実施体制等のあり方」ですが、これまでいろいろ話を伺った外国の例を見ても、ほとんどの国が独自の公的な評価組織を設けていることが明らかになっておりますので、我が国でもそういった組織をつくることについての検討が必要ではないかと思いますが、その際には、ここにもありますけれども、独立性、公平性、透明性を担保していく必要性があります。また、メンバーの利益相反の管理とか、あるいは全体的に客観性をどう担保していくかということが必要になってくると思いますので、そういった議論も進めていく必要があると思います。
 また、費用対効果データの分析・提出は、企業等が行うということになっております。確かに外国でもそういうことが行われていることはわかりましたが、ただ、企業が出すデータというものは、当然その企業に有利なデータを出してくる可能性もあるわけですから、それをどのように検証するかという仕組みも同時につくらないと、一方的に偏ったデータが出て、それに基づいた議論を行うことになってしまいかねないので、そういったこともしっかり決めておく必要があるのではないかと思います。
 以上でございます。
○関原部会長
 ほかに御意見はございますか。花井委員、どうぞ。
○花井十伍委員
 今、鈴木委員から御指摘があったように、1ページ目の(2)、例えばデータの提出などは、企業だけではなく、独自のリサーチを行い、かつその下に○が2つありますけれども、こういうことを検討して、極論をすれば、日本版NICEをつくるべきだという議論があると思います。理想を考えると、いろいろと頭に浮かぶんですけれども、そうなると、ここの論点は重厚な論点で、論点として存在しているのかもわからないんですが、これを入り口にもってきて、どの程度の規模の組織が必要かということをやっていると、(2)の一番最後の年内を目途に総会へ検討結果を報告というアジェンダからいうと、これは難しいのではないか。
 ずっと議論しているんですが、具体的にどういうことなんだというと、例えば2ページ目「(4)評価(appraisal)のあり方等」についても、プロセスが重要とか、あり方が重要というのはそうなんですけれども、実際それがどういう感じなのかということについても、重要と言ってもわかりにくいところがあると思うので、その前の議論で、基本的に薬と材料が入りやすいのではないか、それが中心だろうということでは、ある程度、1号、2号とも合意があったようなので、例えば今ある薬価算定組織を頭に置きながら、具体的な医薬品を持ってきて、データもメーカーが出したらバイアスがかかると思います。そういう論文も出ていますけれども、実際にメーカーがデータを集めて出して、それはどういうものなのかということを検討するほうが、ある種、現実的だと思います。
 私の意見としては、これらの重厚な論点は議論すべきであるけれども、アジェンダからすると、具体的にメーカーからどんなデータを出すのかということを出していただき、実際のものを出して、それをアセスメントして、アプレイザルをするということだ。こういう場合に、ここにバイアスがあるのではないかとか、そういうことが具体的に見えてくるので、そういう進め方のほうがよいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○関原部会長
 私が発言するもどうかですが、これはもともと来年的から試行的に導入するということですので、完全に固まって初めてこのやり方でやるんだということではなくて、試行過程の中で、よりよい日本に合ったものをつくっていこうというのが、整理のまとめ方です。その辺も含めて、きょう挙がった項目について、御異論がなければ、12月というのは、あと2カ月弱なものですから、相当ハイピッチで事務局に頑張っていただいて、とにかく出していただくということではないかと、私は理解しています。
 石山委員、どうぞ。
○石山委員
 今の花井委員の意見に近いんですけれども、前々から申し上げているとおり、具体的な行動に移らないとわからないところが多いんです。先ほどの中医協費-1のほうでも、先生方がおっしゃったように、お医者様が介在したりする場合は除くと、医薬品だとか、医療材料だとか、こういう分野が対象になりますね。これらの中から具体的なテーマをある程度決めて、具体的な作業に早く入っていただきたい。特に医薬品の場合には、厚労省でも原価計算方式等において、費用等に関する分析もされているので、試行する場合でもこうしたなじみやすい分野に入っていただけるとありがたいし、そのほうが議論しやすい。体制については、そのときに一緒に同時並行で考えればいいのではないかと思います。最初から重厚長大な組織をつくるより、最初はきちっとした具体的なケースで検討しながら、その際にどういう組織をつくったらいいのかということについて、同時並行で考えたらよろしいのではないかと思っております。
 以上です。
○関原部会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 私どもも重厚な組織の検討からやれと言っているわけではありませんが、例えば具体的な検討を始めるにしても、今、花井委員が薬価算定組織という具体的な名前を挙げましたけれども、そこがいいのかどうか。いわゆる独立性、透明性、公平性、客観性という観点から見ると、余り内部が見えないような組織ではないかという気もしますし、そういうところがいいのかどうかは、議論する必要があると思います。
 また、来年度からの試行というお話もありましたけれども、スケジュールについては、年内に中医協総会に検討結果を報告するという話でございますので、これからの検討も踏まえて、そういったことが可能かどうかも検討していくということで、具体的な検討を同時に進めながらということは、よろしいかと思います。
○関原部会長
 今の関連ですか。花井委員、どうぞ。
○花井十伍委員
 薬価算定組織がやるという趣旨ではないです。恐らくそこにレコメンドするような外部的なイメージ、そういうニュアンスです。しかも、それはニュアンスなので、そこは誤解されないようにお願いします。
○関原部会長
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 石山委員の御発言の意味もそういうことだと思うんですけれども、確かに花井委員が御指摘のように、2番はすごいことが書いてあります。だけれども、年内に報告するというのは、こういう組織をつくるときに、どういう組織であって、どういう検討が、どういう方面から何種類ぐらい必要で、それによって人数も決まる、人選も決まるということですから、まず具体的にやってみて、そこから何が浮き彫りになるのかということを、一応年内をめどに出そうというのが、事務局の提案だと私は理解しています。年内めどで本当にめどがつくのかどうかわからない。
 例えば医薬品にしても、医療材料にしても、1つか2つやってみたけれども、これはかなり特殊で、これはわかりやすいケースだけれども、本当はこうはいかないだろうというものも出てくる可能性があるので、一応年内をめどですけれども、まずは具体例をやってみて、その中から2番につながる、最後の問題点は何なのか、必要なことは何なのかということを年内に報告しようというのが、直近のスケジュールの書き方だと理解しています。ただ、何度も申し上げますけれども、年内でけりがつくかどうかは、必ずしも保証できない可能性があると思いますということをつけ加えておきます。
○関原部会長
 事務局、今、スケジュールの件も含めて、いろんな御意見が出ましたしたが、何かコメントございますか。企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 今、各委員の先生方から御指摘がありましたとおり、スケジュールに書いております具体例を用いた検討といいますのは、既存の医薬品、医療材料で収集可能なものを参考人の先生方と相談しまして、日本の点数、使用実態に基づくものにいたします。今までユーロとか、ポンドなどでやっていただいていましたので、若干試行的に議論の素材を出させていただく予定でございます。そういったものを踏まえまして、本日、検討課題として提示させていただいたものを、どういう形で今後御議論いただくかということも含めて、また提案させていただきたいと思っております。
○関原部会長
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 それで結構かと思いますが、1つだけ、老婆心ながら事務局にお願いをしておきますけれども、例えば医薬品を例にとるときに、私の理解が間違っていなければ、ヨーロッパの薬品の製剤値段を勘案するときは、それを調剤する調剤の費用も一緒に乗っているはずだと思います。だから、今、ここで決めている薬価、純然たる薬剤の価格とは違うと思いますから、そこのところで、また議論が錯綜すると時間がかかりますので、データをお出しいただくときは、その辺を注意していただいて、ヨーロッパのものをお出しいただくときは、そういうことも勘案した上で、データを出していただければと思います。それだけつけ加えておきます。
○関原部会長
 薬価プラス調剤料なり、調剤管理料も含めたトータルのコストということですね。
○安達委員
 ヨーロッパの集計はそうなっていると理解しているんですけれども、日本は違います。
○関原部会長
 管理官、お願いします。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 通常のヨーロッパのリストプライスには、マークアップ式みたいな形で多少入っている部分があるんですが、今、HTAという形でやっている特別な薬の評価はそういうものが入っていないので、そこも精査した上で、また御議論させていただきたいと思います。
○関原部会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 本日は検討項目を整理していただいたので、これはこれでよろしいと思いますが、最大の問題の1つは、いつから本格導入するのですかということです。ターゲットが決まらないまま議論だけ積み重ねているという印象が強いです。来年度から試行的にやろうという話もありまして、試行のやり方をどうするのだということをぜひ検討項目に加えていただきたい。試行してみないと、本格導入がいつかというのは、安易には決められないと思います。ここで議論されていることをまとめれば、教科書はできると思うのですが、それをいつからやるかということを明らかにするために、試行をどういうふうにやるのだということを、ぜひ検討項目に加えていただきたい。
 その中に具体例を検討するということも含まれると思うのですが、例えばの話でございますが、薬についていえば、新規に保険収載する際に、費用対効果がチェックできるような資料、データを同時に出していただくとか、そういったことも試行の段階では必要になってくると思います。これは1例でございますが、そういったことも含めて、試行で何をやるかということを、ぜひ議題にしていただきたいと思います。
 それから、この件に関連した質問でございますが、例えば医薬品とか材料を保険収載する際に、ヨーロッパで行われているような、費用対効果分析のためのデータを提出してもらうことは可能なのかどうかを、専門委員と事務局に質問させていただきたいと思います。
○関原部会長
 それでは、最初のほうは要望、御意見ですが、後のほう、データの提出の可否につきまして、専門委員と事務局への御質問なので、まず専門委員の方、特に薬のことが出ておりますので、土屋専門委員からお願いします。
○土屋専門委員
 どのような方法で評価するかということによる部分もございます。欧州では、例えば企業がそれぞれ異なる方法で分析をして、それを出す、当局が評価するということがあります。国によっては、例えば英国のような場合は、一元的にQALYを用いた評価にするというケースもございます。即答できない部分がありますが、欧米で経済性を出すのに必要なデータがそろっていないという指摘もありますので、その辺も含めて、一度、検討させていただきたいと思います。
○関原部会長
 事務局、いかがでしょうか。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 事務局の立場からいくと、新薬で収載するときに出てくるデータというのは、基本的にはPMDAで審査されるデータになりますので、医療経済学的な評価よりも、あくまでも承認するまでの中の有効性・安全性を示すデータしかないと思います。それとQALYなどを出すときのひもづけとか、そういうものはなかなか難しいかもしれませんので、あくまでも出るのはPMDAでの審査のデータまでしか出ないという認識を持っています。
○関原部会長
 企画官、どうぞ。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 昨年7月のこの部会で出させていただいておりますけれども、現在の費用対効果に関するデータというのは、任意でございますが、添付されている例もございます。例えば医療材料に関していえば、QALYを用いているものもありますし、QALYを用いていない独自のものもございます。そういうことで、現状も一定程度のものは、材料に関しては出ているものもございます。
○関原部会長
 土屋専門委員、どうぞ。
○土屋専門委員
 補足ですが、先ほど近澤管理官からございましたが、本当の意味で経済性をしっかり出そうと思いますと、治験のデザインの段階から、QOLを含めて、こういうデータをとっていく。費用もこのようなものを図っていくということを、当初から計画して、治験のプランに盛り込む必要がございますので、一旦終わったものをレトロスペクティブに簡単にできるかというと、そこは疑問がありますので、その辺も改めて確認して、御返事させていただきたいと思います。
○関原部会長
 田村専門委員、どうぞ。
○田村専門委員
 医療材料について申し上げますと、今、企画官が話されましたように、特定保険医療材料は新規収載のときには、財政影響を提出することが義務づけられていまして、何かしらの経済データは出しております。
 ただ、ここでも再三申し上げましたように、対照群を設けた比較研究のようなことは、医療材料でやっているケースは極めて稀ですので、今回ここで議論されているQALYのようなものを出せるデータ、例えばC1、C2で過去何年間か出ているもので、そういうものが推計できるというのは、極めて少ないのではないかと思われます。例外的に出ているのは、海外で既に導入をしていてデータがある、要するにデバイスラグがあるような製品については、出せるようなものも例外的にあるかもしれませんが、一般的には残念ながら、ここで議論されている費用対効果評価に使えるものは余り多くないと思います。
○関原部会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 今の話ですと、例えば薬でいえば、治験の段階から費用対効果、経済性を意識して、データをとっていかないと、有効なデータがまとまらないという話でございましたが、数年前に上市した薬で、その後、かなりデータが集まってきていると思いますが、そういうものを費用対効果の観点から分析することは可能でしょうか。今の田村専門委員の話ですと、材料のほうは難しいという発言でございましたが、薬のほうはいかがでございましょうか。
○関原部会長
 土屋専門委員、どうぞ。
○土屋専門委員
 審査段階の試験とは別に、例えば市販後で幾つかの研究を行って、それをあわせて経済性を出すことは可能でありますし、そういう例もあると思いますが、それほど多くは知りませんので、改めて確認が必要だと思います。
○関原部会長
 最後にどうぞ。
○白川委員
 そういう意味からいうと、先ほどの私の意見の繰り返しになりますが、具体例を検討するためには、準備としてデータを集めて整理する必要があると思います。具体例をやる、あるいは試行をやる場合に、どういうことが必要なのかという具体的な検討をしなければいけないと思っておりますので、ぜひそれを検討課題に入れていただくように、重ねてお願いをいたします。
○関原部会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 今、業界の方々から消極的な御意見が出たような気がしますが、ここを乗り越えないと、我が国のデータを用いた具体的な検討を行うということは、できないことになりますので、そこをどうするかということを検討する必要があると思います。
 また、外国の例を見ますと、上市されて間もないころということで、何年も経ってからというのは、なかったような気がします。ドイツが1年ぐらい経ってからということがありましたけれども、そういう国際的な標準にあわせていくのでしたら、臨床研究の段階からの検討が必要だと思いますし、我が国はその分野がおくれていると言われておりますので、そういったものの改善とか充実が、それこそイノベーションなどの評価にもつながっていくと思います。そのベースを、もともと我が国には土台がないと、私は当初から申し上げておりましたが、人材育成とかの手当を開始しておかないと、本格的な議論は、我が国においては難しくなると思いますので、そういった検討もしていくべきだと思います。
 1つ質問なのですが、今、薬食審の段階で、薬や医療機器の場合、任意での提出が可能になっているということなのですが、実際どのぐらいの割合でそういったデータが出されているのか、数字がありましたら、次回で結構ですが、薬と医療機器について、教えていただきたいと思います。
○関原部会長
 これは以前も1回出たかと思うんですけれども、事務局、お答えいただけますか。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 また関係する資料を準備させていただきます。
○関原部会長
 万代委員、どうぞ。
○万代委員
 簡単に申します。申し上げようと思っていたことは、今、鈴木委員がおっしゃられたので、そのとおりですけれども、具体的な項目を挙げて検討していこうという議論の中で、日本の現状、あるいは1ページの(2)の3つ目の○にありますように、アジアを見ましても、HTAをどのように取り入れるかということをかんがみますと、日本はおくれている。そんな中で、日本の医療提供体制にとって、費用対効果の考え方というのは、これまで部分的にはあったと思いますけれども、全体として取り入れようという形に方向性としてはなっていくんだろうと思います。そうしますと、これまでの医療提供体制をかなり大きく変えることになろうかと思っています。
 具体的に費用対効果あるいは医療提供を受ける当事者というのは、もちろん1号側の方もおられると思いますけれども、どちらかというと、診療側であるとか、あるいは医療技術を受ける患者さんに対して、どういう影響があるか。逆にいいますと、こういったことが議論されているんだということを広く知らしめていかないと、鈴木委員がおっしゃるように、これまで素地がございませんので、突然降って湧いたということになりかねないとも懸念します。もちろん具体例を個々に検討しつつ、その中から総論的な部分、花井委員がおっしゃったように、非常に大きな実施体制のあり方も踏まえつつ、それをどういうふうに、医療を受ける側にわかりやすく説明していくかという視点も必要なのではないかと考えております。
 以上です。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、提出されました資料の今後検討していく事項に、きょう出た意見を若干つけ加えて、項目を再整理した上で、具体的に12月までに詰めていくということで、皆さんよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○関原部会長
 それでは、そういうことで進めさせていただきたいと思います。
 きょうの議題は、この2つでございますので、今後の日程について、事務局からございますか。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 次回は未定ですが、年内目途ですので、年内には開催させていただきます。
○関原部会長
 それでは、きょうの費用対効果評価専門部会はこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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