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2013年11月18日 第11回先進医療技術審査部会

(了)


第11回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成25年11月18日(月) 16:30~18:05

(2) 場 所:中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号TEL:03-5253-1111)

(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、一色構成員、伊藤構成員、
柴田構成員、関原構成員、竹内構成員、大門構成員、
直江構成員、山中構成員、山本構成員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
保険局医療課 企画官
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐

議 題:
1.継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取り下げについて
5.先進医療制度の運用の見直しの具体的方法について等(報告事項)
6.その他

議事録:以下次頁

○猿田座長
 「第11回先進医療技術審査部会」を始めます。今日、国会の関係で事務局の方が遅れているということですので、その点、御了承いただきたいと思います。
 本日の委員の出欠状況ですが、佐藤構成員、田島構成員、藤原構成員、三上構成員からは欠席との連絡を承っています。16名の構成員のうち12名の構成員にお集まりいただいているということで、本会議が成立していることを申し添えます。
 それでは、配付資料の確認を、事務局からお願いします。
○研究開発振興課専門官
 配付資料の確認をさせていただきます。議事次第から始まりまして、座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿と続きます。次に【継続審議の評価を受けた技術の再評価について】として、資料1-1~資料1-15があります。次に【試験実施計画の変更】として、資料2-1、2-2があります。次に【協力医療機関の追加】として、資料3-1、3-2があります。次に【先進医療Bの取り下げ】として、資料4があります。次に先進医療制度の運用の見直しの具体的方法について等として、資料5があります。次に先進医療の外部評価の対象となる「医療上の必要性が高い抗がん剤」についてとして、資料6があります。次に先進医療技術審査部会において承認された既評価技術(先進医療B)の試験実施計画の変更に対する事前評価結果等についてとして、資料7があります。最後に、参考資料1、2となります。
 本日の資料は以上です。乱丁、落丁等がありましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いします。机上配付資料として、構成員の皆様方には、クリップ留めで滋賀医大関連資料が1件、ホチキス留めで埼玉国際大案件が1件、それぞれ机上に配付しています。
 それから、利益相反についてです。申請医療機関との関係や対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1の11ページに記載しています申請医療機関、医薬品、医療機器情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認をさせていただいています。山口座長代理、一色構成員、柴田構成員、直江構成員、竹内構成員からは利益相反の届出がありました。参考資料2、167ページにお付けしている「先進医療会議における利益相反の対応について」を適用いたします。
 整理番号010「進行胃癌に対する術中腹腔内温熱化学療法」について、一色構成員におかれましては、当該技術に関する検討に御参加いただきますが、議事のとりまとめには加わらないとさせていただきます。山口座長代理、直江構成員におかれましては、議論に参加いただき、意見の確認にも加わることとさせていただきます。整理番号012「初発中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する照射前大量メトトレキサート療法後のテモゾロミド併用放射線治療+テモゾロミド維持療法」について、柴田構成員におかれましては、当該技術について検討、発言、意見確認ができません。一色構成員、竹内構成員におかれましては、当該技術に関する検討に御参加いただきますが、議事のとりまとめには加わらないとさせていただきます。なお、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いします。
(確認)
○研究開発振興課専門官
 よろしいでしょうか。該当なしで取り扱わせていただきます。また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等については、タブレットから閲覧していただきます。会議資料等とタブレットの内容は異なっていますので、発言者の方は、どちらの資料であるかを明らかにするために、会議資料の何ページ、又はタブレットの何ページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いします。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。委員の先生方、よろしいでしょうか。もしよろしければ、早速、議事に入りたいと思います。
 お手元の議事次第の「継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について」、事務局から御説明をお願いします。
○研究開発振興課専門官
 事務局より御説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきます。御協力をお願いします。
 では、資料1-1の11ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして再評価をしていただく一つ目の技術は、整理番号010「進行胃癌に対する術中腹腔内温熱化学療法」です。適応症は、進行胃癌、腹膜播種性転移、癌性腹水となっています。申請医療機関は滋賀医科大学医学部附属病院です。審査担当構成員として、主担当が柴田構成員、副担当として山口座長代理、佐藤構成員となっています。以上でございます。
○猿田座長
 整理番号010の再評価結果について、主担当の柴田先生からお願いします。
○柴田構成員
 国がんの柴田です。こちらの主担当をしました。本申請については経緯がありますので、評価表の説明に入る前に簡単に説明します。
 本件は、2013年5月の先進医療技術審査部会で審議され、継続審議となったもので、そのときの議論としては、主として医療上の有用性に関わる問題点の解決が必要であるということであったかと存じます。部会後の照会事項とその回答が、先ほど御説明いただきましたお手元の配付資料1-3の耳が付いている部分と、あと机上配付資料として、黒のクリップ留めの資料の中に含まれています。
 黒のクリップ留めの資料は後ほど使いますので、めくっていただきまして、1枚目が「回答」と書いてあるもの、2枚目が「回答書」と書いてあるもの、3枚目を飛ばしまして、4枚目が「経過報告書」と書いてあるもの、5枚目が「研究結果報告書」と書いてあるものになります。それをずっとめくっていただきまして、最後、12枚目からになるのですが、「進行胃癌に対する」で始まるタイトルの(第1/2相臨床試験)」の「実施計画書(2009年10月20日第1版作)」という表紙のものの資料があります。以上の資料について、後ほど引用させていただくことになると思います。
 今、お話をしました資料も踏まえまして評価を行いました。お手元の資料の1-2と評価表をお開きください。【実施体制の評価】は山口先生に評価していただきましたが、「医療技術の有用性等」の項目については、前回、部会後の照会、回答のやり取りを経ても、「不適」との御判断を頂いています。詳細については、後ほど山口先生からコメントを頂きたいと思います。
 次に【倫理的観点からの評価】ですが、こちらは佐藤先生に御担当いただきました。評価はいずれも「適」としていただいています。本日、御欠席で、別途、書面を御提出していただいていますので、後ほど事務局の方に読み上げていただくことにしたいと思います。
 ページをめくっていただきまして、【試験実施計画書等の評価】です。こちらは現在提出されている資料に基づいて、医療上の有用性が認められるとのことでしたら、いずれも「適」としてよいと考えました。コメントとしては、いろいろ書いてありますが、ここで読み上げるのは省略させていただきたいと思います。
 最後のページに進んでいただけますでしょうか。【1~16の総評】ですが、本件については、医療技術等の有用性に関する問題の解決が必要であろうと考えます。この解決には少々時間を要すると考えられるために、本医療技術の意義を否定するものではありませんが、現時点では一旦、「不適」とすべきと判断しました。
 全体の評価は以上のとおりですが、少々細かな点になりますが、今後行き違いが生じるといけませんので、事実関係の確認をさせていただきたいと思います。
 前回、部会後の照会事項の1つ目ですが、資料1-3の耳を開いていただきまして、2013年9月10日付けの回答書として出していただいているものですが、こちらに学会抄録が提示されているけれども、それでは不十分であるので、研究計画書および研究結果報告書などを提出することというものがありました。
 この照会に対する【回答】を拝見しますと、「研究計画書については、すでに提出しています『試験実施計画書』を御覧ください」との回答でした。しかし、2013年5月の部会で審査した際の先進医療実施届出書によると、今回申請されている臨床試験は、3つある臨床試験登録システム、ユはーミン、ジャビック、日本医師会治験促進センターのいずれにも登録されておらず、ユーミンへの登録も予定とされています。つまり、これから行おうとしている臨床試験であるということです。
 ですので、過去の先行研究のデータに関する試験実施計画書を求めているのに、今回、これから行おうとしている試験実施計画書が参照されるのはおかしな話ですので、勘違いではないかということで、再度照会が掛けられています。
 その結果提出されたのが、詳細は省略しますが、先ほど机上配付資料としてクリップ留めのものの最後についています「第1/2相試験(2009年10月20日第1版作)」と書かれた実施計画書になります。先行研究は、こちらの実施計画書に従って行われたものであるということが回答されています。
 この計画書と2009年11月から2011年9月までに実施された16例に対する成績をまとめた研究結果報告書が、この「実施計画書」の前に付いている資料になりますが、そちらを開いてみていただけますか。頭から数えて5枚目です。「研究結果報告書」です。こちらには、その先行研究での16例の結果がまとめてあるのですが、この研究結果報告書には、フェーズ1部分が9~12例、フェーズ2部分が40例の第1/2相試験として実施された臨床試験であるものですが、その中のうち2009年11月から2011年9月までに何例が登録されたのかが明確になっていません。通常、治験総括報告書とか臨床試験の報告書、臨床試験の論文などをお読みになっている先生方からされると、少し不自然な見慣れない書き方になっているとお考えになると思います。
 別途、ほかに症例が登録されたのか否かの問合せを掛けてありますし、なおかつ、予定しているフェーズ2部分の40例中16例では、試験の実施状況としては、50%にも到達していないのではないかという照会も掛けています。また、フェーズ1部分には、5-FUの用量が異なるレベル0からレベル3までの4用量について、各用量3例、合計12例が登録され、フェーズ2部分には、22例が16例とはほかに適格基準に合致していたものの、結果として、クリニカルにはpT3(SE)であった症例が、結果として手術の結果ではパソロジカルにはpT2(SS)とか。pT2(SS)などと漿膜浸潤していなかったとか、あるいは、肝転移や遠隔リンパ節転移があったとか、化学療法後に手術が施行された症例であったなどの理由から、症例の詳細が提示されていません。
各学内倫理委員会への「実施状況報告書」とには、先ほど見ていただきました、今、「研究結果報告書」を見ていただいていますが、それの1枚前、4枚目にある「経過報告書」という書類ですが、そちらには「現在の実施状況:95%」と書いてありまして、実際の症例数が40例中16例にしか過ぎないのに、齟齬があるのではないかという問合せも別途掛けてありますが、試験実施計画、実施症例としては、38例を追跡中であるので、「95%」と書いたと御説明がありました。
 通常であれば、このような症例も含めて登録された症例が実際にどのようなプロトコール治療を受けて、どのような評価結果であったかを示した上で、これから行う臨床試験に対する的確基準を満たしたサクグループ解析を提示するのが、一般的な臨床試験の結果の提示方法であろうと思います。
 また、前回の部会時には、学会抄録の件について言及されています。添付資料の中に14番、15番というナンバーで意見が付けられているのですが、それについては今回の回答の中では明確な情報を御提示いただけませんでした。学会抄録の症例と、今回、報告書が提出された先行研究の16例とは、これから申し述べる理由から重複していない症例であると考えられます。
 すなわち、文献14、15の学会抄録では、「それぞれ前向き試験である」と抄録に明記されていることと、実施時期が異なることです。そのために、この3つの研究は独立した別々の研究であると考えられます。文献14に示されているものは、ここでは詳細は省略しますが、2009年のASCOで報告されていますので、2009年11月から開始された先行研究とは独立していますし、もう1つ、文献15は2012年に報告されたものですが、試験期間は2002年1月~2010年12月となっています。早い時期から行われているものです。これも別の研究であると解釈するのが自然であろうと思います。
 文献15については、先ほど言及しました16例の研究期間と一部期間がかぶっています。2009年11月から2010年12月までかぶっていますが、その期間の間に2つの前向き研究に、どのように患者をリクルートして登録されたのかまでは把握できていませんが、提示された16例の先行研究の開始時期は2009年である以上、文献15の研究とは独立した研究であろうと解釈するのが自然だと思います。
 念のために申し添えておきますが、独立した複数の臨床研究に同一患者のデータが重複して提示されるとか、患者の数にちょっと出入りがあるのは不自然なことではありません。例えば観察カルテの情報を遡求的に調査する研究などであれば、その研究の基準に合致する患者として、同一患者は複数の研究に含まれることはあり得ます。けれども、前向きの臨床試験の場合は、事前に条件を満たす患者を登録して、プロトコールで定めた治寮を行うので、同じ治療法の臨床試験に複数の臨床試験に同一患者は重複して登録されることはあり得ないはずです。
 となると、現在提示されている16例以外にも、本来、この臨床研究でこれから調べようとしている医療技術の有用性を許可するに足るデータがまだあるはずで、なおかつ、それは申請されている医療機関の中のデータですので、そちらをまとめて出していただくことが必要であろうと思います。
 なお、机上配付資料には入っていないですが、別途、先ほどのフェーズ1部分の症例数については、精査しましたところ、おかしなことがありましたので、問合せを掛けています。
 「フェーズ1部分に4つの用量に3例ずつ12例が登録された」と説明されていますが、フェーズ1/2試験の実施計画書からは、最終的に選択された5-FAの用量がレベル3であるにもかかわらず、本来、採用されるはずがなかった、「患者が割り付けられるはずがなかったレベル0に3例登録されている」という御説明だったので、それはおかしいのではないかと確認したところ、「記載ミスであった」との回答を頂いています。レベル0は、レベル1が最大量になった場合に、予備的に用意された用量であったので、本来、患者が割り付けられるはずではなかった用量です。
 このように、まだデータを精査していただくべき部分が残っていると思います。ですので、先行研究に登録された16例以外の症例についても、実際どのようなことが行われたのかなどを確認する必要があると思いますので、その辺のところを詰めていただいてから出していただくのが必要であろうと思います。
 一方、臨床試験のデータではなく、症例報告レベルで有用性が評価できるということであるならば、それはそれでよいのではないかと思う部分もあるのですが、その点については、先ほど山口先生の御評価から、難しいであろうということでしたので、最終的に「不適」とさせていただきました。長くなりましたが、以上です。
○猿田座長
 非常に詳細に、クリアカットに説明いただきましたが、全体的な評価の前に、山口先生の御意見を伺ってよろしいですか。先生、よろしくお願いします。
○山口座長代理
 資料1-2を御覧ください。責任医師の体制とか、実施医療機関については特に問題はないと思うのですが、医療技術の有用性を認識するときに、先ほど柴田先生から御説明ありましたが、ある程度きちっとした、パーフェクトではないにしても、強いエビデンスが必要だと思うのですが、提示されたのはASCOの抄録だけなのです。
 それはいつ頃読んでも少しも何が行われたのか分からないということで、きちっとした結果報告書、つまり、これはきちっと滋賀医大で臨床試験を申請して、計画書も出て、それは終わったとおっしゃっているわけですから、きちっとした結果が出た上で先進医療に進もうというプロセスがあるはずで、それを要求したところ、実際に提出したものではなくて、取りまとめたものという形で出てきています。
 ですから、そもそもこの試験がまだフラットの期間も終了していませんし、そう拙速にやらずに、少なくとも2009年から2011年にかけて行われた、これはフェーズ1/2スタディーという形でやられていますから、そのフェーズ1の結果もきちっと示して、それを違いでのことをきちんとアプルーブしているという証拠がないと、どうも向こうで御返事が混乱しているのかもしれませんが、不可解な部分がたくさんあって、このままでは審査しても難しいのではないかということです。
 少なくとも2009年から2011年にかけて行われて、その一部がASCOに報告されたものがきちっとデータとして滋賀医大に報告された上で、もう一度検討して提出いただければいいのではないかと考えました。したがって、その点に関しては、「不適」とさせていただきました。
○猿田座長
 今、御指摘いただきましたように、お読みいただいて分かるとかおり、少しクリアでない所があります。先に、佐藤先生からのものが来ていませんか。それを先に。
○研究開発振興課専門官
 佐藤先生からのコメントを御紹介させていただきます。資料1-5、25ページを御覧ください。本日、欠席ですので、佐藤先生からの評価結果を読み上げさせていただきます。
 「4.同意に係る手続き、同意文書」「5.補償内容」について、全て「適」と判断いたしましたが、以下の点については、医学的な観点を踏まえての評価が必要であろうと思います。そのため、御議論をいただけましたらありがたく存じます」というコメントを頂いています。
 具体的には、「当該技術について、施療後にイレウスが生じることがあるようです。このイレウスが本技術から生じるもので、その蓋然性が予見できるとすると、(1)この健康被害の治療に健康保険を使い、一部負担金についても対象者負担とすることは妥当か。(2)説明文書には『腸管熱傷』という副作用の記載があるが、この説明は妥当か、という所の御議論をお願いしたい」ということでした。
○猿田座長
 今お話いただいたように、柴田先生にはもう1回再評価結果をおまとめいただきますが、柴田先生からの御指摘のあった点、それから山口先生からも少し症例に関する不備な所があるという御指摘です。佐藤先生のほうは、今の関連があるとおりです。
 柴田先生に入る前に、少し先生方の御意見を。どうでしょうか。委員の先生方から、何か御意見を頂けますか。読んでいただくと分かるように、症例が少し追っ駆けにくいという所が分かるかと思うのですが、そこをもう1回きちんと整理していただくことは非常に重要かと思いますが。そういったことで、山口先生、柴田先生からのほうは、もう1回整理をし直していただくことで、ここでは「不適」とさせていただくということです。
○関原構成員
 この回答を受け取った滋賀医大は、先進医療ではないけれども、今後も患者に説明をした上で実施を続けることになるはず。しかし、それも何となしにフェアな感じはしませんね、こういう会議の場ではっきりと意見を言われた後ですね。この同意文書では、「これは非常にいい効果があります」ということで書いてありますから。私は結論はこれでいいと思いますが、今日のような意見への対応も含めて、トータルとして、こういう場合はどう考えるのかはある程度整理しておかないと、では、これは何のために会議で議論しているのかという話になってしまう。
○猿田座長
 滋賀医大はきちんと倫理委員会に掛けられて、しっかりした態度でやっていらっしゃいます。ただ、症例に対する整理の所がすっきりしていない点があるのです。では、先生からまとめていただけますか。
○柴田構成員
 今、御指摘の点は、臨床試験に参加される患者側からすると、気になるところであろうと思います。実際、これの現状の問題点は、既に行われている研究があるのに、その結果がきちんと分かるように取りまとめられていないところです。一番早くには2002年1月から症例登録が始まった研究があるにもかかわらず、今回、それに対する詳細な報告書を出していただいたわけでもありませんし、そのように既にしかかった研究の結果が明確に整理されることなく、漫然と患者の数だけ増やすやり方を続けていては、この臨床試験もやる必要がないほど成績が良いとか、悪いとか、そういうものがあるにもかかわらず、漫然と臨床試験を続けることになってしまいます。
 ですので、申請者の先生方はまず既に3つ研究があると整理されているわけですから、それらについての結果をまとめた上で、今後どうするか。今、デザインされているフェーズ2試験を進めるのか、あるいはもう少し精査してみると確実なエビデンスがあると考えられるので、ランダム化比較試験に進むとか、あるいは、ネガティブであると解釈すべきなので、もう止めると判断すべきなのかを判断していただくのが、申請された医療機関側の中でのデータの精査と既存の臨床試験の結果の総括が、まず、一番最初になされるべきであろうと考えています。
○猿田座長
 非常に貴重なデータなものですから、それをよく整理してもらうことが大切だろうということです。山口先生、何かありますか。
○山口座長代理
 私が最初に感じましたのは、フォローアップの期間がすごく短いところで切っていますから、その期間ではとても有用とは言えないのが結論です。ですから、照会状を出すと、急にその後も何か月か調べたとか、そういうことが出てきたりしているけれども、それは一体、どこでどう報告されたのかよく分からないと。基本的な先行した試験のクオリティーの問題に関わってきて、少し誤解されているところがあるのではないかということで、有用性の評価以前の話ですが、その辺りをきちっと整理してもう一度提出されたほうが、我々も分かりやすいですし、滋賀医大にとってもいいことではないかと思います。
○山本構成員
 資料をきちんと読んだわけではないので、あくまでスペキレーションですが、滋賀医大がどうかではなくて、臨床医の多くがずっとゴールを余り見据えずにというか、とにかくこのやり方のほうがいいのではないかと思って、臨床試験を組んでやってみることを繰り返すことが、現場では多く行われていて、それをできる範囲のやり方で、できる範囲の患者数でやってみて、何となくいいような気がするから、少し組み換えた形でもう1回また違う臨床試験をやってみてということが、実際、現場でそういうことはよく行われてしまうのです。
 それは1つとしては、臨床医にはそれをきちんと保険診療に乗せるというゴールが、余りそのゴールを見据えてやっているわけではないと。本当はそこまで行かないといけない。それがゴールですが、どうしても目の前でこの患者にこれを使うとよく効くのではないかと、すごく目の前のゴールに、見かけのゴールに、つい捉われてしまって臨床試験をやることが多いのです。
 これはあくまでスペキュレーションですが、滋賀医大で臨床試験が幾つか繰り返し行われていったのも、ひょっとすると、そういうバックグラウンドでされていたのかもしれない。ただ、そこから次に先進医療に進もうと思われたのであれば、今まで取られたデータをバブリケーションがされていても、されていなくても、どちらでも、そのデータは患者から頂いているものだと思いますので、それを一度きちっと整理し直して、そのデータをもう一度きちんと見た上で、次の先進医療に掛けるのであれば、今までのデータの蓄積から出てくる試験デザインとか、患者数とか、そういうものをもう一度見直してくださいと、そういう意味ですよね。
 それを一度きちっと見直して、いまだしていらっしゃるデザインと症例数が一番いいのか、あるいはもう少し違うやり方でもできるのかというところを整理して、それがここの委員も合意できる内容にしていただいてということではないかと思うのですが。
○猿田座長
 山本先生にもそういう形でまとめていただきましたが、柴田先生、総括的に何かありますか。
○柴田構成員
 今、山本先生に補足していただいた点も、私は全く同感です。過去のデータ、既にあるものを精査することなしに漫然と新しい臨床試験を進めることは、このほうが本当にいい医療行為だったときに、世の中に広く広めるまでの期間を長くしてしまうことにつながりますので、ここは遠回りのように見えるかもしれませんが、一旦、既存のデータを先進医療機関の中で精査して、きちんとまとめていただくことが重要であろうと考えます。
○猿田座長
 山口先生、それでよろしいでしょうか。
○山口座長代理
 はい。
○猿田座長
 ほかの先生方、よろしいでしょうか。大体今お話していただいたとおりのことだと思うのです。貴重なデータですから、ともかく1回きちんと整理して出し直していただくということで、現時点においては、そういったことで一応「不適当」という形で、この件はそういう形で処理させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 続きまして、次の第2番目の技術です。整理番号012です。それでは、事務局からよろしくお願いします。
○研究開発課振興専門官
 資料1ー1、11ページを御覧ください。2つ目の技術は、整理番号012「初発中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する照射前大量メトトレキサート療法後のテモゾロミド併用放射線療法+テモゾロミド維持療法」です。適用症は、初発中枢神経系原発悪性リンパ腫となっています。申請医療機関は、埼玉医科大学国際医療センターです。審査担当構成員として、主担当が大門構成員、副担当として直江構成員、佐藤構成員となっています。本件は、柴田構成員におかれまして利益相反の届出がありましたので、一旦、御退席をお願い申し上げます。
○猿田座長
 柴田構成員、すみません。
(柴田構成員 退席)
○研究開発課振興専門官
 御審議に先立ちまして、前回のおさらいをさせていただきます。この技術は、第8回の先進医療技術審査部会におきまして、御審議いただきました。その際、2つの宿題が出されたと思います。1つは、申請医療機関に対して、もう1つは厚生労働省に対して。厚生労働省に対して出された宿題は、どのような場合に先行研究と同一疾患、同一プロトコールと見なせるかについては、結論までにまだ時間を要するために、本案件のみ、申請医療機関からの指摘事項に対する回答があった時点で審議させていただくことといたしました。以上です、御審議をお願いいたします。
○猿田座長
 御説明いただいたとおりです。主担当の大門先生からお願いします。
○大門構成員
 申請技術の名称は専門官の方から御説明いただいたとおりです。会議資料の43ページ、資料1ー9の概要図を御覧いただくとよいかと思います。復習になります。これは初発中枢神経系原発悪性リンパ腫の患者さんを対象としたもので、照射前大量メトトレキサート療法、テモゾロミド併用放射線療法+維持TMZ療法が、標準治療よりも優れていることを検証するランダム化比較試験となっています。ポイントは、前回もありましたが、先ほども説明していただきましたように、数例以上の臨床使用実績が、特にテモゾロミド、それから放射線併用時のテモゾロミドと維持療法の部分が同一と見なせるかどうかというところになります。
 本申請技術の再評価は1度目の評価と同じく直江先生、佐藤先生、私が担当をしています。その評価結果ですが、お手元の会議資料の29ページの資料1ー7の評価表に各先生の評価結果が記述されています。御覧いただいてお分かりいただけますように、全て「適」の評価を頂戴しています。後ほど、佐藤先生からの意見書を事務局から読み上げていただくと思います。そして直江先生からコメントをいただきまして、そのあとで、私方のコメントとともに総評を述べたいと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。まず、最初に事務局から、佐藤先生の御意見を読んでいただきます。
○研究開発課専門官
 資料1ー7です。佐藤先生の評価結果は30ページになります。【倫理的観点からの評価】として、4番、5番についてそれぞれ評価を頂いています。いずれも「適」と評価頂いています。
 コメントですが、「説明文書は適切に改訂された。補償はないが、治療を伴うものであるため、やむを得ないと考えられる。患者相談等の対応もなされている」というような回答でした。このことは意見書としても、45ページで提出されておりまして、そのようなコメントが示されています。以上です。
○猿田座長
 45ページに書かれています、よろしいでしょうか。
 続きまして、直江先生のほうから、よろしくお願いいたします。
○直江構成員
 私の評価結果は29ページになります。【実施体制の評価】ということで、実施の責任医師等、それから実施医療機関の、3番目として医療技術の有用性等について、評価をいたしました。前回の議論で既に今、御説明がありましたけれども、申請機関において、当該の先進医療技術の使用実績があるかどうかということについていろいろ議論がありまして、これに対して今回の申請書では、申請書は23~26ページと随分長い説明があります。先ほどの説明がありました43ページを見ていただくと、この技術は、手術をしたあとに大量メトトレキサート療法でまずその腫瘍を叩くというフェーズがありまして、そのあとにテモゾロミド併用の放射線療法をやって、そのあとに維持療法があるということで、それぞれが随分時間のかかるコースで、特に維持療法は2年間行うということです。
 よくよく見ますと、これを一気通貫で全部やっているのではなくて、どうも部分、部分をやって、それを通して見ればやったと見なせるのかどうかという議論がありました。特に維持のテモゾロミドは、メトトレキサートのあとの効果が十分なくなったと考えられるときからやっているということで見ますと、ここまでやっている症例は確か、なかったかと。ということですが、そこをどのように解釈するのかがポイントでした。
 申請者などの意見は全く同じ技術ではないけれども、部分的、特に初回、初発、あるいは再発・治療抵抗性に対する維持のテモゾロミドとか、あるいは他の腫瘍(膠芽種に対するテモゾロミド併用放射線療法)については既に経験があるので、それぞれ安全性に問題がなかったということから、通しても、恐らく問題はないだろうと、そのようなことを述べています。
 評価者としましては、対象疾患が非常に希少性がある、それから予後が非常に不良であるということを考慮し、それからモニタリングとか監査を含むJCOGの実施体制というものができているということを評価すれば、実施体制とか医療技術には問題がないと考えていいのではないかというように判断をいたしました。
 ただ、26ページにそもそも先進医療通知というものを根拠に、これは要件を満たしているという記載がありましたので、ここだけが一人歩きをすると困るなと、何のために審査をやっているのかというのがありまして、ここはちょっとコメントをさせていただきました。
 判断としましては、前回の議論と同じですけれども、こういう疾患をいたずらに長く審査に時間がかかって、こういう医療の提供が遅れるとすれば、それはそれで問題ですので、私の判断としては、問題なしと考えてはどうだろうかと、そのような意見です。
○猿田座長
 ありがとうございました。症例も非常に珍しいですね。なりにくいということですね。それでは、もう一回、大門先生のほうからまとめてはいかがでしょうか。
○大門構成員
 まず、資料1ー7、30ページになります。私は前回同様、【実施計画書】について評価させていただきました。これはもう前回と変わらず、実施計画書は相当に洗練されたものであると考えております。全体としてこの評価表を見ますと、先般の会議でも議論をされたとおり、本試験そのものの実施体制、倫理的視点、試験計画などについては問題ないと考えられます。現行の数例以上の臨床使用実績のルールの本事例に対する捉え方については、これもまた先般の会議で構成員の先生方からいろいろな意見が出て、既にケンカツスイに提示されたと思います。
 また、お手元の資料33ページは、直江先生からも御説明がありましたように、資料1ー8の特に34ページ以降、数例実績について安全に実施できるという観点から、申請者からは丁寧に回答がなされていまして、その内容についても、おおよそ問題はないと考えられるように思います。これは私自身の見方ですが、当該医療技術、あるいは申請された医療技術個々に応じて、安全にかつ質の高い臨床試験を実施できるような体制が整えば、その観点から見れば、この先進医療技術が問題があるようには思いませんでした。
 したがいまして、再評価表中の各先生からの追加の指摘事項もマイナーなものですので、先方に適切に答えを頂けるものと考え、総評は「適」と判断させていただきました。
○猿田座長
 ありがとうございました。ただいまの御説明ですけれども、一番は症例のこともありますが、ほかの点では大きな問題はそれほどないだろうということです。委員の先生方から御意見を頂けますか。これは確か伊藤先生が前におっしゃっていましたか。
○伊藤構成員
 この件に関しては、安全性に問題があるわけではないと思います。ただ、外形的に基準が書いてあるとおりではないので、いかがなものかという話をさせていただいたと思います。皆さんからの御意見も含めて、とりわけ希少疾病であるということを前提にすれば、こういう認め方もあるだろうなとは思います。
○山中構成員
 今回、希少性とか、今までの利用可能なデータとか、そういったことを総合的に精査して妥当な判断だと思います。これにかかわらず、今回の件みたいに、いろいろ線引が難しいものというのは、多分いろいろ結構あって、倫理的に判断してしまうと、線の外にあるものは結構出てくると思います。ただ、それを全部弾いてしまうとそもそも先進医療Bの意義が薄れてしまうと思うのですね。
 一方で、かと言って全部線の中に入れてしまったら、それはそれこそ審査があまいという話になりますので、やはりこの専門家の会議で判断することが重要だと思いますので、今回はすごくいい議論ができたのではないかと思います。
○猿田座長
 ほかに御意見はありますか。山口先生、よろしいですか。
○山口座長代理
 特にありません。
○保険局医療課専門官
 ちょっと確認をさせていただきたいのですが。今、何人かの先生方に御指摘いただきましたけれども、「数例の実績」というのをルール上求めているわけで、これを免除されるケースというのは基本的には15病院臨床研究中核か、早期探索の場合のみということで、このルールは恐らく動かないというのは前回も確認したとおりだと思います。
 一方で、今回のケースにつきましては、必ずしも100%同一ではないけれども、いくつかの複数の先行しているプロトコールを総合的に勘案すれば、同一の試験を実施しているのと同じと見なして判断できるのではないかというのが前回の論点だったと思うのです。それが会議資料のほうからは必ずしも読み取れないというか、安全に実施できるということはあるけれども、これは同一と見なして差し支えないのではないかという意味でのロジックという意味では、余り一貫しないようにも感じるのですが、こちらの追加で配付しているほうの資料は恐らく机上なのかもしれませんが、4ページの図は従前から提示してあるものの再掲になるとは思うのですが、これの1、2、3、4行目がありまして、2行目が今回やりたい先進医療Bで、3行目が一番類似している先行している8例のプロトコールで、これの放射線治療のところに、テモゾロミドをやるというのが今回の新規性で、これに関して膠芽種のところでの実例と併せて、総合的に同一のプロトコールを先行し実施していると見なせるのではないかというのが施設側の主張で、これが妥当かどうかというのが本日の論点なのかなと思います。どちらかというと体制がというところでは、現実のルール上、読めないと思いますので、むしろこれだけの3つの先行研究がある中で、同一性というか、安全性の判断として、同一性と見なせますということなのかどうか、というのがポイントだと思います。そこは明確に確認をしたいというのが1点です。
 もう1点ですが、事務局で宿題を頂いていました、どういうときに同一だと見なしていいのかという基準については、誠に申し訳ないのですが、現時点では明確な基準を事務局からお示しすることはできません。
 これは提案ですけれども、今後、事務局で事前相談をしていく上で、100%同じプロトコールではないけれど、こういう事例があって、先行研究と見なせないかという相談が恐らくいくつかあると思いますので、いくつか集まった時点で、プロトコールを書き切ってから、ここに挙げて相談するのではなくて、あらかじめこの会議で審議を頂くとか判断を頂くみたいなことができないかということを考えております。以上の2点です。
○猿田座長
 特にあとのほうの問題は、非常に希な疾患の場合にどのくらい考えていいか、そこが一番ポイントだと思います。それからもう1つ、いわゆる施設に関して、これも重要ですね。
○山本構成員
 事務局に異論を唱えるわけではないですけれども、なぜルールを決めたのかという、そっちのほうがちょっと蔑ろになっているような気がしています。ルールを決めたのは患者さんの安全を守りつつ、少しでも早い段階で臨床試験をやりましょうというのがそもそもあって、そのためにルールを決めましょうという話だったのですよね。
 今はそれが逆転していて、ルールを守るためにこのように仕分けをしましょうという話になりかけているので、あくまでそのルールを決めた理由は何だったのかというところを考えながら、一個一個丁寧に議論をすべきではないかなと。そうでないと、部会でこれだけ専門家が集まって一々議論をする意味が余りないような気がいたしましたので、一応ちょっと。
○猿田座長
 確かに先生がおっしゃったことは非常に重要です。以前のの高度先進医療のときには、特定機能病院であることが施設条件であったと思います。その特定機能病院を、全国的に見たときにそのレベルにある所とそうでない所とがありますので、特定機能病院でも数例の実績が必要であるとされ、、今度は早期探索的拠点とか臨床研究中核病院などの事業が始まり、そのような拠点ではしっかりした開発ができますので、実績があまりいらないということが決定しているということですね。
 最初の頃は全部特定機能病院でなければ駄目だということであったのですが、これでは余り広まらないということで施設の条件をゆるやかにし、特定機能病院に準じる病院であればよいとして、先進医療、高度医療をやってきて、また施設条件が少し変わるということですね。
○保険局医療課専門官
 正に今、座長から御指摘いただいたのは、平成16年に先進医療を見直しましょうという大きな声があって、そのときにいくつかの改めるものがあるところで、座長がおっしゃったのは、施設をもっと広く取って、幅広くできるようにしましょうという話です。
 これは先進医療Bもそうですけれども、より先進医療A側で顕著というか、実際にやるような施設は10倍ぐらいになりましたので、非常に効果があったところだと思いますが、同じ見直しの時期に未承認薬、適用外薬をきっちり使うような仕組を作りましょうということで、治験ではない形で、GCPとは関係ない、関係ないとは言わないですけれども、ではないところで未承認、適用外薬を使う、医療機器もですが、使っていくというときに、ルールを定めていただいたのだと思います。
 ファーストインヒューマンだけに限らず、このルールを最初は適用したわけですから、今、山本先生がおっしゃったように、時期を見て、見直しをしていくことは必要なことだと思いますが、現時点では、まずは15病院で実績というのは緩和していきましょうというような話をしていますので、次にどのようにルールを変えていくのかということは、むしろこの場、及び先進医療会議の場で考えていって、あとは中医協とのバランスの中でルールを変えていくというようなことだと思います。現時点であるルールについて、変えるほうがいいのであればむしろ変えるという提案をしていくというようなことのほうが大事で、書いてあることに対して、前提条件がいいからとかといって、解釈が余り大幅に動いてしまうのもちょっとまずいのかなという感じはします。
○猿田座長
 非常に難しいのだと思います。
○直江構成員
 難しいと思いますし、これが前例になると、だらだらになるといけないということも非常によく分かるのですね。だから恐らく今回の場合になぜ認めたのかというところの議論を、先ほどいい議論ができたとおっしゃったし、私もそのとおりだと思います。やはりこれは研究事務局、データセンターが国立がんセンターの中におかれて、モニタリングもやるというようにきちんと謳われているということ、私はそう思いました。
 それから2つ目は、要するに多施設共同の場合です。中核だとか、早期探索が単独でやれば多分問題はなかったのでしょうけれど、多施設共同でいろいろな手術が入るという中で、どこら辺まで担保できるのか。さっき言った事務局とモニタリングのところでどうなのだろうと。それから非常に患者さんが少ない、非常に少ない症例であるということなので、この研究が中核だけでできるかというと、なかなかこれは難しいだろうという。そういうこともあると、こういう判断にならざるを得ないのかなと。そこにこそ意義があるとおっしゃった先生もいらっしゃるので、今回の議論を踏まえて、今後出てくるものにどのように対応するのかという話ではないかという気がします。
○猿田座長
 特に、安全性の面を非常に重視しなければいけないと思います。非常に難しい問題ですけれども、この案件に関しては申請した施設、その他に対しては、今、御意見があったとおり、確かに認めていいだろうと思うのですが、そのときにちゃんとその条件をはっきり示しておかなければいけない、なぜこうだったという、そこは非常に重要なポイントです。この委員会としては、先ほど大門先生がおっしゃったとおり、そういったことを前面 に出してやっていくか。そうでないと、進んでいかないこともありますので、そこはどうしたらいいですか。事務局から、何か御意見がありましたら。
○保険局医療課専門官
 先進医療については、頻繁にルールの見直しをしていると思うのです。ルールの見直しをするタイミングはこれからもチャンスはあると思いますし、むしろ先生方が審議をしていく中での御意見であるとか、むしろ審査を受ける側の申請医療機関の先生方の御意見を踏まえながら、適宜変更していくということでいいのではないかと思います。
○山中構成員
 後半のほうに言われた、「どういうときに同じプロトコールと見なせるか」の、ルール決めというのは難しいのではないかと思います。各医療技術が抱える背景とか、アメットメディカルニーズの状態にも依存すると思いますので、それも含めてこの専門家会議で判断する、それがこの専門家会議の役割の1つでもあると思いますので、ちょっとルール決めは難しいと思います。
○研究開発課治験推進室長
 前回の議論も踏まえた話になろうかと思いますが、安全性に関して最低限確保しなければならないということは、この案件に限らずどの案件もきっとそうだと思うのです。恐らく医療課のほうで気にしているのは、安全性が確保されて、なおかつ希少性があれば、全ての案件を認め得るのかということを考えたときに、恐らく差別化ができなくて、難しいのではないかというところだと思います。
 そういう意味で、今回追加資料の4ページに示すとおり、これだけの実績がある中で、果たして、全く同じものを前例としてやらないと今回は前例として見なせないのか、というところを正にこの技術部会のほうで求められているわけです。恐らくPMDAにおいても、例えば第二相試験に入るときに、第一相試験として全く同じプロトコールがなければ第二相に入れないのかというと、そこまで求めていないのと同じように、これが前例として同等の安全性なり有効性なりを確認できるものとして、この技術部会で判断ができるのであれば、なおかつ、この案件の安全性と実施体制をよく考えたときに、これは先進医療Bとして認め得るのではないかという議論になると思います。
 先ほど、医療課の方からも指摘があったとおり、最終的に部会として判断しなければいけないのは、「前例とほぼ同等である」というような判断が技術的にできるのですか、というところのお答えを求められていると思うので、もしこの場で更に御議論が必要であれば、そのような議論をお願いしたいですし、もう少し何か必要な資料なり、提供する必要が事務局にあるということであれば、それを御指示いただければありがたいと思います。
○猿田座長
 私としては、資料がこれだけ整っているということで、これまでやってきた議論で済むと思うのですが、大門先生、どうですか。
○大門構成員
 私も猿田先生がおっしゃるとおりで、ある意味、根拠となるものは出尽くしていると思います。恐らくこれ以上要請したとしても、同じものが出てきて、これらは同一だと判断されると思います。
○猿田座長
 直江先生、どうですか、よろしいでしょうか。
○直江構成員
 はい。
○猿田座長
 そうすると、委員の先生方はそういう形で、ここで新しい形ですけれども、認めるということで御了解頂けますでしょうか。
                  (了承)
○猿田座長
 それでは、認めさせていただくことにいたします。
○保険局医療課専門官
 先ほど中山先生にも御指摘いただいたとおり、部会で、もし判断をするということであれば、私が先ほど御提案しましたけれども、試験計画を書き切ってから、新たな実績がというような話をするよりは、あらかじめ事前相談のときに、これが症例の実績かどうか分からないというものについては、適宜こちらの部会にお諮りをする等、早く決められるような工夫ができないかというのを検討したいと思います。
○猿田座長
 分かりました、ありがとうございます。これはこの委員会が特に重要ですので。
 ほかに御意見がなければ、この案件は認めていただいたということで処理させていただきます。
 それでは、柴田先生にお入りいただきます。
                (柴田構成員 着席)
○猿田座長
 それでは、3つ目の技術に入ります。3つ目の技術は整理番号013です。これも事務局からよろしくお願いします。
○研究開発振興課専門官
 3つ目の技術は整理番号013、11ページを御覧ください。整理番号013、「標準的治療に抵抗性または標準的治療が確立されてない腹部・骨盤部腫瘍に対する経皮的凍結治療」です。適応症は「組織あるいは臨床経過と画像所見により診断された、腹部・骨盤部の最大径1センチメートル以上かつ4センチメートル以下の、腎腫瘍を除く腫瘍性病変」となっております。申請医療機関は国立がん研究センター中央病院です。審査担当構成員としては、主担当が伊藤構成員、副担当として竹内構成員、田島構成員となっております。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは013に関して、まず伊藤先生から説明をお願いします。
○伊藤構成員
 医療技術の概要ですが、標準的治療に抵抗性または標準的治療が確立されていない腹部・骨盤部の最大径1センチメートル以上が4センチメートル以下の、腎腫瘍を除く腫瘍性病変を対象に、画像誘導下に経皮的に標的病変全体に対して、「凍結から解凍」のフローズンサイクルを2サイクルを実施する治療ということです。
 この技術そのものは、腎腫瘍に対しては、保険適用が既にされているということです。それ以外にも、海外などでは子宮筋腫とか、前立腺がんとか、そういったものにも適用されている技術です。
 前回、そういったものとの、先進医療のターゲットにする疾患群をもう少し明確にしていただけないかということについて問合せをしたところです。その結果、組織医学的に腹部・骨盤部に悪性腫瘍と診断される1つ以上の標的病変を有する。原発巣か転移巣かを問わない。なお、臨床経過と画像評価より再発性悪性腫瘍と診断しうる場合は組織学的評価を実施しないという形での回答を得ましたので、その医療技術の有用性については、「適」とさせていただいたところです。
 同意説明文書、一部竹内先生から御指摘を頂いている点が残っておりますので、その評価を頂いた上で、最終的な形で回答させていただきたいと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。その前に田島先生からコメントが来てますか。
○研究開発振興課専門官
 田島先生のコメントについては50ページを御覧ください。田島先生は【倫理的観点からの評価】を頂きました。「4.同意に係る手続き、同意文書」「5.補償内容」、いずれも「適」との御判断を頂いております。
 コメント欄については、患者相談等の対応も整備されているということで、4番、5番については「適」と御判断を頂きました。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは、竹内先生から御説明をお願いします。
○竹内構成員
 私のほうは、試験実施計画書を審査させていただきました。全て「適」ですが、1つ「不適」になっている、どこに付けていいか私自身分からなかったのですが、プロトコールを発見させていただいて、前回指摘の所は直ってありまして、そこの所はマーカーで引いてあります。そのマーカーで引いてある所が義務化施設と対立化施設がどうも逆になっているような記載部分がありましたので、そこの答えを変えてしまってはいるのですが、直していただければ、私としては一応プロトコールは少し統計医学的に書くのが大変だったのかなという気はして、そこさえ直していただければ、「適」としていただきたいと思います。
○猿田座長
 ありがとうございます。プロトコールの点ですが、そうすると、もう1回伊藤先生からまとめていただけますか。
○伊藤構成員
 この竹内先生からの御指摘の部分は、やり取りの時間が少しなかったせいもあるのですが、その部分を修正いただきたい。それから、1-14を御覧いただきたいのですが、59ページのポンチ絵が、最初に提出されたのが腎腫瘍を対象にしたポンチ絵が提出されておりました。
 今回、差し換えていただいたのが、RFAという技術がある肝腫瘍ですので、22例という症例数の少ない症例数で、この技術を認めているというのは肝腫瘍、肝表面の肝腫瘍ではないだろうという気もしますので、もう少し適切な画像に差し換えていただくことを条件にして、「条件付きの適」という形での評価をさせていただきたいと思います。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。今の点での御指摘ですが、竹内先生、そういうことでよろしいですね。それでは、委員の先生方からどなたか御意見はありますか。これも前からいろいろと議論してきましたが、山口先生に確めていただきたいと思います。
○山口座長代理
 やはり、これは絞込みは、例えば具体的にどういう腫瘍を想定しているのか、ということを質問したら、PMDAのほうで、「広くやりなさい」と言われたという回答が返ってきているのですが、そうではなくて、そもそもどういう疾患に対してやろうとしたのかということを伺っているわけです。
 例えば実に骨盤の中に多様な腫瘍があって、恐らく御存じだと思うのですが、それぞれを標準的と言われているものは違って、しかもそれが施設によって同じように認識されているかどうかです。ある施設では、これは取れないと思っているかもしれないし、ある施設では手術で根治できると思っているかもしれない。その辺りが多施設研究でやるときに、きちんとした対象をどことも齟齬のないように決めるというところが見えてこないわけです。単に悪性という診断が付けば何でもありというのは、これが何でそういうアドバイスされたのか、私は理解に苦しむので、むしろ、きちんとこういう臓器については、こういう治療法が有望なのだからということで、ある程度ターゲットを明確にしてやられたほうが、結果もきちんと出ます。
 これだと余りに、本当に多様な悪性度のものはたくさんありますから、なかなか抵抗性だの何だか訳の分からない言葉で、単にヒスソロジカルにレグナントだったら何でもやってもいいよというのは、多分、施設間によって違うのではないかと思います。もしやるのだったら、施設間できちんと1例1例、みんなで複数の目で見て、これは確かに抵抗性だとか、標準的な治療がないので妥当ということをやっていかないと、一部の施設が暴走する可能性があるので、私はそこのところが心配です。
○猿田座長
 これは腎臓が通っているのですから除かれますね。そうすると、どういう形のものが。
○山口座長代理
 多分、最初はきっと何かこういうものをやりたいと言って、恐らく言われていたのではないかと思います。しかし、PMDAのほうで、「もっと最初は広くやりなさい」と言われてしまったのでと思うのですが、その本当のところを実は聞きたかったのではないかと思います。
○研究開発振興課専門官
 対象疾患について、タブレットの953ページを御覧ください。
先進性の上から2行目ぐらいに、「一方」という所が始まると思います。彼らのイメージとしては、登録基準・除外基準の所には記載がないのですが、こういうのをターゲットにしているということです。すなわち、「腹部骨盤領域に発生する腫瘍には、肉腫や切除困難なリンパ節転移、副腎転移、筋転移など、軟部組織転移病変などを想定しております。肝表面のものも、RFAでは疼痛があるので、それもターゲットにしよう」と。
 PMDAとのやり取りについては、今日お配りした資料の54ページに記載があります。会議資料の54ページを御覧ください。
 上から5段目ぐらいに、去年の8月28日にPMDAと面談されました。「今回は対面助言を実施しないので、プロトコールの内容についての妥当性の判断は実施しない。対象臓器、疾患を極端に絞り込まずに先進医療Bとして、Pilot Studyを実施することは問題ないが、そのままでは承認申請はできない。この試験の結果に基づき、ある程度対象を絞り込んで企業治験を行い、この両者の試験結果を用いて承認申請に進む必要がある」ということが話し合われたようです。ここから絞り込むことになるかとは思います。
○山口座長代理
 私はやはりどんなものをやられるか、少し不安です。
○保険局医療課専門官
 前回も質問させていただいたのですが、非常に幅広い内容が含まれるプロトコールで、非特異的な所も多々あるのかなと思いますので、明確化するために確認をしたい所はあります。
 まず標準治療がある所とない所の両方のプロトコールが入っていますので、分けて質問させていただきます。まず、肝表面等を対象にするということがありますが、一応、肝表面であっても、RFAは適用にはなっているということで、標準治療としての確立がされているわけですが、凍結治療の肝臓に対する治療効果というのは、標準治療並みということは、先行研究で確認されているか、資料から読み取れなかったのですが、これは同等と言えそうなものなのでしょうかということを確認させていただきたいのですが。
○猿田座長
 難しいところですね。どうですか、どなたか。伊藤先生、ありますか。
○保険局医療課専門官
 結論として、何を申し上げたいかというと、RFAという標準治療があるにもかかわらず、こちらのほうにリクルートするのであれば、少なくとも同意承認、それが全く書かれてない内容ですので、標準治療があるにもかかわらず、未確定の治療を選ぶというリスクはあるということは、少なくとも同意書には書かなくてはならないのではないかということを確認させていただきたいということです。
○伊藤構成員
 すみません、評価をさせていただいたので、私は荒井先生の代弁をするわけではないのですが、この一番良いターゲットは、文献1と言われている骨転移があるとか、軟部組織にあるとか、ほかの治療ではちょっとやりにくいものを病変範囲を確認しながら、ある程度処理ができる。その27例のデータがあって、これと同じものであれば前回何にも問題なく行ったと思っております。
 ただ、それが少し幅広に文章的に書かれているので、もう少しきちんと絞っていただきたいということで、文章にすると、こういう絞り方になって、肝臓の腫瘍に関しては外れているのか、入っているのか分からない状態にはなっております。評価をさせていただいた者からの希望から言えば、文献1のような症例をターゲットにして、きちんとした適切な試験を実施していただきたい。ただ文章で絞るのはなかなか難しいと思います。
 技術から言うと、RFAも凍結治療も、ほぼ同じように有効ではないかと思います。疼痛が少なく、患者さんにとって、そういう意味での負担感が少ない治療法である可能性はあるとは思いますが、それは可能性であって、データがあるわけではないので、今後やってみないと分からない。そういう意味では、何とも評価のしようがないと思います。
 確実にメリットがあるのは、文献1のようなものをターゲットにすることに関しては、多分異存がない。それ以外の他の領域にまで広げて、ほかの標準治療があるのか、ないのか。それと同等のものがあるということについては、比較試験をやっていただかない限りは分からないのではないかと思います。
○猿田座長
 その辺りはどうですか。山口先生、絞って1に。
○山口座長代理
 私はやはり納得できないです。悪性、良性と簡単に分けますが、非常に中間ぐらいのものもありますし、手術で手をつけてはいけないものもありますし、さっさと取ればいいものもありますし。単にそれを潰すだけという頭で悪性、良性を分けてやるというのはちょっと。がんセンターとかがん研とか、プロがたくさんいて、目が届く所だったらいいのですが、一部の施設ではそういうことを余りやっていない所もありますから、骨盤の肉腫の治療に関して、本当に適切な判断ができるのかどうか、少し不安を感じます。
○猿田座長
 どうしますかね。施設、これは難しいですね。
○山口座長代理
 そんなに欲張らなくてもよかったのではないかと思うのですが。何よりも、この数では有効性というものは出てこないと思うのです。良かったか、悪かったか。やはり安全性の確認ぐらいであって、それを見るだけであれば、私はいいのではないかと思います。ただ、やっぱり厳密に症例は選ばれないとまずいのではないかと思います。
○直江構成員
 これはなかなかクリックができなくて、最後のほうは読みにくいのですが。
 これは何施設でやることになっているのですか。多施設ですか。
○研究開発振興課専門官
 少しお待ちください。調べます。
○直江構成員
 今、これが一番重要なのは患者登録の所で、主治医が自らの判断で、これをやりたいがために、不要な患者さんをリクルートするというところの危険性をどういうふうに減らすかという問題があるので、データセンターなり、登録センターなりが、やはり1例1例、こういう基準で、これは的確、これは不的確という、今言ったように多種であって、標準的治療のある腫瘍もあるし、ない腫瘍もあるので、その辺の吟味が一番ポイントなんだろうと、今のお話を聞いて思いましたので、その体制がどういうふうに加味されているかではないかと思います。
○研究開発振興課専門官
 施設については、タブレットの939ページを御覧いただきますと、5施設の予定が見込まれています。札幌医療センター、群馬大学医学部附属病院(臨床研究中核病院)、東京慈恵会医科大学附属柏病院、三重大学、岡山大学(臨床研究中核病院)ということです。以上、今のところ、5施設が参加予定とされております。
○直江構成員
 この体制というのは、事務局はどこになるのですか。
○研究開発振興課専門官
 事務局は、データセンターはがん研究センター中央病院に設置することとなっているかと思います。
○猿田座長
 ここにありますが、大丈夫かな。これはよく分かります。
○直江構成員
 分かりました。読めました。
○猿田座長
 これはどうしましょうかね。
○直江構成員
 山口先生の懸念は分かるのですが、そうするとプロトコールの的確、除外基準にどのように書き込むか、これは随分書いてありますよね。これでは何がいけないのかということを示してあげないと。漠然としていると、向こうも困っちゃうのではないかと思うのです。
○山口座長代理
 私がもし提案するとしたら、これは放射線科が主にやっていますよね。そうではなくて、骨盤などの手術は婦人科もありますし、整形もありますし、血液科、消化器もありますので、複数の当該診療科の目が届くところで決めるというルールを作れば、変なことにはならないのではないかと思います。単独の診療科だけでやるのはまずいのではないかと。チーム医療ですね、そういう体制を担保してもらえば、こういう施設であれば大丈夫ではないでしょうか。こういう施設であれば実行できると思うのです。
○猿田座長
 診療科をどこまで広めますか。
○山口座長代理
 難しいところです。普通はちゃんとコンサルトして、これは本当に標準的な治療でないことを確認しますよね。いや、そんなことは関係なく、その診療科だけでやっていると、教科書にはそんなことは書いていないという話になって、議論をされないうちに、とにかくプロトコールのとおりやっているではないかと。悪性では出ているのだと、やってよいのだという話になってしまうとまずいのではないかと思います。
 そこに、例えば整形の腫瘍であれば、整形の先生が加われば妥当な回答は出るので、変なことは起きないのではないかと思います。単に今出ている文章だけから見ると、「何でもあり」と言っても仕方がない。
○猿田座長
 伊藤先生、この5つの施設はみんなしっかりしていますから、よいのでは。要するに、こちらから戻すときに、ちゃんとその辺りでしっかり戻してあげれば、どうですかね。
○山口座長代理
 体制の問題になるかもしれません。やはり、そういう腫瘍を扱っている診療科と連携をとってやることとか、そういう1文があればいいのではないでしょうか。
○伊藤構成員
 どうすればいいのでしょうね。難しいですが、多分、放射線科が元科になるケースはほとんどないはずだろうと思うので、原発巣と連携を取ってという話を書き込んで条件にするというのがある。もしそれで山口先生の御理解が得られるのでしたら、そういう話が一番簡単かなと思います。
○猿田座長
 竹内先生、どうですか。
○竹内構成員
 私が記憶しているところでは、初めの9例は全部がんセンターで行いまして、大丈夫だというところで多施設に回す。多施設に回す場合は、岡山大学とがんセンターで9例やって、多施設に回す場合は、必ずそこの先生が1例目の症例はがんセンターに来ていただいて、手術を1回してからやるという書き方にありましたので、私としては、これでうまく治療法は一貫しているのかなという理解にはなってしまったのですが。
○山口座長代理
 技術的なことはそれでいいと思うのですが、やはり、適応の問題ですよね。
○竹内構成員
 ターゲットポピュレーションをどうするかという。
○山口座長代理
 がん研でもめることは結構ありますし、そんなことをやってどうするのだという、ちゃんと話し合わなければ駄目ではないかということを、自分たちが良いと思っても、なるべく人の目の所に出るようにしないと、外科は切ることを優先、化学療法は化学療法優先みたいになってしまうとまずいので、いわゆるチーム医療が必要ではないかと思います。そのような似たようなことがあって、そこで必ず検討することとか、何かそういう仕組がある所だったら、そうやってやるのが一番フェアではないかと思います。
○伊藤構成員
 医療機関の要件の所に、検査ボードの設置を義務付けるという話で、そこに必ず症例については書けた上で実施すること、という条件にさせていただくのでよろしいですか。
○山口座長代理
 もちろん、結構です。
○猿田座長
 よろしいですか。そういう形で、そこの所だけしっかりする。そうしていただいて、提出先へ戻してあげるときに、きちんといって差し上げる、よろしいですか。
○研究開発振興課専門官
 今の御指摘事項を継続審議ではなくて、書面で提出していただいて、皆様に御確認いただいて、「条件付き適」を外すという作業でよろしいですか。
○猿田座長
 早く進めたほうがいいですので。それで、しっかり向こうの施設には分かっていただくように。
○研究開発振興課専門官
 ありがとうございました。
○猿田座長
 最初、もう1回来たときに、伊藤先生、山口先生のほうに見ていただいて。
○研究開発振興課専門官
 確認させていただきます。
○猿田座長
 よろしいですか。それでは、時間を取りましたが、そういう形で少しでも提出されている施設に分かるように説明させていただくということで進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
 次は資料2の「試験実施計画の変更について」、事務局からお願いします。
○研究開発振興課専門官
 資料2、63ページです。今回は2つの試験から試験実施計画の変更申請がありました。各試験について試験の概要、主な変更点、変更理由をまとめております。1つ目は資料2-1、63ページになります。大臣告示番号040、先進医療名はゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法です。本技術につきましては、申請時に評価いただきました柴田構成員、藤原構成員、田島構成員には事前の確認をいただいています。本日御欠席の田島先生から同意、説明文書について2つのコメントをいただいておりますので、読み上げさせていただきます。
 1点目、高度医療の記述が一部残存、先進医療に改定すること。2番目、評価日の許容範囲が±2週間とするとの記載があるが、何を基準にして±2週間であるかが明確でない。患者さんにも分かるように説明することとされております。
 主な変更内容をここで説明します。64ページを御覧ください。【主な変更内容】が一番下に書かれていますが、「試験実施期間の延長」、当初、「登録期間4年として、最終登録から1年間は追跡する」とありましたが、登録期間を2年延長してほしいということです。上段を見ますと、予定症例数が85例に対して、現在のところ登録は6例にとどまっているということで、延長申請がなされました。さらに登録の促進を推進するために多施設共同研究、慶応大学、順天堂大学がリストアップされておりますが、それらの変更申請をしたいという申請がありました。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。ただいまのような形での変更ということですが、どなたか御意見ございませんか。よろしいですね。
                 (了承)
○猿田座長
 それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。続きまして2つ目の変更申請のほう、事務局から。
○研究開発振興課専門官
 今の件は田島構成員のコメントを確認してOKとさせていただきます。ありがとうございます。
 2つ目は資料2-2、67ページです。先進医療名はコレステロール塞栓症に対する血液浄化療法です。申請医療機関は仙台社会保険病院です。予定登録症例には35例に対して、現在1例の登録がなされています。変更内容は主要評価項目の治療開始後の24週の検査実施期間を「24週±4日」から「25週±15日」へ変更してほしいとの記載です。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございます。これ、1例というのは始まったのは7月だからということですかね。
○研究開発振興課専門官
 そのとおりです。昨日確認しますと2例、もう1例増えた。これから冬にかけて増えることが期待されているという返事でした。
○猿田座長
 どなたか、御意見ございますでしょうか。そういう形で、最初はもっとやられていたと思っていたのですけどね。柴田先生、何かございませんか。
○柴田構成員
 特に重大な問題はないと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。田島先生もお分かりですね。それでは、そういう形でお認めいただくということでよろしいでしょうか。
                  (了承)
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは、そういう形で、お認めいただくということにさせていただきます。それでは、「協力機関の追加について」です。
○研究開発振興課専門官
 協力医療機関の追加についてです。69ページ、資料3-1です。これまでに大臣告示されております、4つの技術につきまして、協力医療機関の追加申請がありました。資料3-1に先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載しています。資料3-2、71~74ページです。事務局において協力医療機関として提出があった先進医療実施届出書等を確認した結果、先進医療を実施可能とする保健医療機関の要件、様式第9号ですが、それを満たしていることから協力医療機関の追加として了承いただきたいと存じます。特に御意見がなければ追加の手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。見ていただくと、ちゃんとした各施設で事務局のほうが当たってくださっていると思いますので、よろしいですね。
                  (了承)
○猿田座長
 ありがとうございました。これもお認めいただいたということにさせていただきます。それから「先進医療Bの取り下げについて」。
○研究開発振興課専門官
 資料4、75ページです。告示番号017、内視鏡下手術用ロボットを用いた冠動脈バイパス手術(一箇所のみを吻合するものに限る)です。適応症は虚血性心疾患です。申請医療機関は東京医科大学病院で、取り下げ理由としては、da Vinci Surgical System(Standard)の関連部品等の一部が2013年12月31日にて供給停止となり、試験の継続が困難となったためです。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。今のような理由で、da Vinci Surgical Systemの機器の供給停止ということで、これはやむを得ないかと思うのですけど、よろしいでしょうか。何かありますか。
○山中構成員
 ちょっとこれだけでは事情がよく分からないのですけれども。皆さん、そう思っておられると思うのですけど。
○猿田座長
 事務局のほうからもうちょっと。
○研究開発振興課専門官
 ちょっと乱暴な説明ですみません。もうちょっと補足させていただきます。実は東京医科大学が申請医療機関で、東京医科大学の担当の先生、申請してくださった先生が、今はもう異動でおられないというのも、もう1つの理由です。
 それと第一世代のda Vinciが使われていて、今、第二世代、第三世代、これらは薬事承認されているのですが、東京医科大学のほうは第一世代を使用しているということで、これを使った薬事承認というのは困難である。今後、もしこれで薬事承認する場合はプロトコール変更申請をして出し直すということでした。
○猿田座長
 よろしいでしょうか。
○山中構成員
 異動されたから、という理由はちょっとおかしくて、その先生に承認しているわけではなくて、施設に承認しているわけなので、それはおかしいですね。また、第一世代から第二世代の話は、申請する時点で読めなかったのかな、と思うのですよね、そもそも論では。すみません、コメントです。
○猿田座長
 山中先生がおっしゃるとおりのことなのですけど、実際にそういうことが起こってるのですね。これは最初許可したのは私だったものですからね。その後、実施者がいなくなってしまって、できなくなってしまったということと、ここの施設にはまた新しいda Vinciが入ってるので、そういうことになります。お認めください。ありがとうございます。
 それでは先進医療関係の、事務局から説明をお願いできますか。
○研究開発振興課専門官
 資料5、77ページです。先日の先進医療会議におきまして、先進医療制度の運用の見直しの具体的方法について審議され了承されましたので報告させていただきたいと思います。
 まず85ページを御覧いただきますと、さきの9月4日の中医協におきまして、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性の高い抗がん剤については、企業に開発要請を行ったり公募をしたりして、患者さんのもとに早くアクセスできるような仕組みが考えられています。日本再興戦略を踏まえ、この四角の枠で囲まれた領域が新たに外部機関による技術的評価により、迅速に先進医療として実施できないかという枠組みが議論されて了承されております。
 具体的には企業治験が始まる前に先進医療で取り組む際、どのようにしてデータを薬事承認に活用でき、さらに患者さんのアクセスが可能となるかということが検討された結果、78ページにありますように、(2)のマルの4、マルの5になるかと思いますが、「先進医療の実施を計画している保健医療機関が、円滑に開発要請を受けた企業と十分に連絡・調整を行うことができるよう、外部機関は事前相談等を行う際に連絡・調整の状況を確認するものとしてはどうか」。「また開発要請を受けた企業は、先進医療の実施を計画している保険医療機関から相談があった場合には、開発に係る情報提供を行うなど必要な対応を行うこととしてはどうか」。すなわち、スムーズに先進医療から治験に移行できるように連携を取りながらやってはどうかということが議論されて了承されました。以上でございます。
○猿田座長
 ありがとうございました。これに対してどなたか御意見。これ中医協からですよね。
○研究開発振興課専門官
 これから中医協に。
○猿田座長
 これから。
○研究開発振興課専門官
 はい、諮るものです。
○猿田座長
 そういうことだと、少しでも早く進めようという形ですね。よろしいでしょうか。そういったことを知っておいていただくということで、それで資料6も一緒に。
○研究開発振興課専門官
 最後、123ページです。資料7ですが、前回、この部会におきまして、「経カテーテル的大動脈弁植込み術について」、実施計画の変更を評価いただいて了承いただきました。これを先日の先進医療会議において再審議の結果、承認いただきましたので、ここで報告申し上げたいと思います。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございます。これ、この会議で議論して先進医療のほうに回って出されたということです。よろしいですね。ありがとうございました。
 少し時間を取ってしまいましたけれども、一応、今日議論することは以上です。ほかに事務局から何かございますか。
○研究開発振興課専門官
 先ほどの1個手前で、外部評価の対象になるところで申し洩れたことがあります。97ページの資料6です。先ほど治験の前に先進医療を挟んでということを図で示しましたが、現時点では、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いとされた抗がん剤であって、治験の実施又は薬事承認に係る公知申請がなされていないものは下記の通りとなっています。これらについて、先進医療の外部評価が可能であるか等について審議されました。
 一部の業界紙で、一番上の、これらが先進医療B実施と記事が発行されておりましたが、そうではなく、外部評価をするということが、入口に立つということが議論されて了承されたということですので、改めてここで御指摘したいと思います。以上です。
○猿田座長
 よろしいですか。この4つのうち下の3つの疾患は非常にまれなものですね。上のほうは適応外ということで、これから外部評価の形を取るということです。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 以上ですが、委員の先生方からどなたか何か御意見ございますでしょうか。今日はゴタゴタしましたが、それから宿題も少し残って、伊藤先生、申し訳ないですが、よろしくお願いいたします。それでは、次の予定だけお願いできますでしょうか。
○研究開発振興課専門官
 12月の開催は12日(木曜日)16時半からとさせていただきます。場所については、別途、御連絡させていただきます。また本日の議事録については作成次第先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、あわせてよろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御意見がなければ、これで会議を終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
ざいました。

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