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2013年10月10日 第132回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成25年10月10日(木)10時00分~12時00分


○場所

中央労働委員会612会議室(6階)


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、武石委員、中窪委員

労働者代表委員

齊藤委員、南部委員(中島委員代理)、半沢委員、松田委員

使用者代表委員

加藤委員、中西委員、布山委員、渡辺委員

厚生労働省

石井雇用均等・児童家庭局長、定塚総務課長、成田雇用均等政策課長、
中井職業家庭両立課長、田中短時間・在宅労働課長、源河調査官、
飯野育児・介護休業推進室長

○議題

次世代育成支援対策推進法の施行状況等について

○配布資料

配付資料 資料1 次世代育成支援対策推進法の延長等の検討の背景
資料2 次世代育成支援対策推進法の施行状況について
資料3 今後の進め方について(案)
参考資料 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画及び認定制度に係る効果検証研究会報告書

○議事

○田島分科会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、「第 132 回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催いたします。本日は、奥田委員、権丈委員、山川委員、關委員、川崎委員がご欠席です。また、中窪委員、渡辺委員、松田委員が少し遅れてご出席とのご連絡を頂いています。なお、本日は、中島委員の代理として、日本労働組合総連合会副事務局長の南部様にご出席いただいております。

 それでは、議事に入ります。議題は「次世代育成支援対策推進法の施行状況等について」です。説明に先立ちまして、石井局長からご挨拶をいただきたいと思います。

 

○石井局長

 皆様、おはようございます。いつも大変お世話になっております雇用均等・児童家庭局長の石井でございます。次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画関連部分の延長等の検討に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 次世代法につきましては、平成 17 年度から平成 26 年度末までの 10 年間の時限立法となっているところでございます。この法律の終期が近づいてきておりますことから、日本再興戦略あるいは各種提言などで、同法の延長・強化を検討することが盛り込まれているところでございます。このため、 6 月から 8 月にかけまして、私どものほうで「次世代法に基づく一般事業主行動計画及び認定制度に係る効果検証研究会」を開催いたしまして、これまでの次世代法の効果そして課題について検証を行って、 9 20 日に取りまとめたところでございます。

 次世代法に基づく仕事と子育ての両立のための環境整備、これを進めるということにつきましては、現在の社会情勢を踏まえますと大変重要なこと、引き続き必要ではないかなと考えているところでございますが、この研究会での検証結果も参考としつつ、一般事業主行動計画の関連部分の在り方についてご審議、ご検討を賜ればと思っているところでございます。

 なお、この次世代法は、先ほど申し上げましたように時限立法でございまして、仮に延長するとした場合には次期通常国会への提出を目指す必要がございます。そうしましたところ、そこから計算しますと、年内に議論の集約をしていただく必要があるわけでございまして、大変短期間でご議論をお願いすることになっております。お忙しい委員の皆様方には大変ご迷惑をおかけいたしますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 最後に 1 点ちょっとお詫びを申し上げたいと思います。本日は、次世代法の検討の第 1 回の検討ということでありますけれども、私、急な国会関係の用務が入りました関係で、誠に申し訳ないのですが、途中で退席をさせていただく失礼をお許しいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○田島分科会長

 先日は、男女雇用機会均等対策について取りまとめを行ったところですが、本日からは、次世代育成支援対策推進法についてご議論いただきたいと思います。

 まず、事務局から、検討に当たっての背景のご説明をお願いします。

 

○中井職業家庭両立課長

 職業家庭両立課長です。どうぞよろしくお願いします。議論に先立ちまして、念のためお手元の資料をご確認ください。議事次第にも掲載していますが、配付資料として資料 1 「次世代育成支援対策推進法の延長等の検討の背景」、資料 2 「次世代育成支援対策推進法の施行状況について」、資料 3 「今後の進め方について ( ) 」です。また、参考資料として、先ほど石井局長からのご挨拶の中にありました「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画及び認定制度に係る効果検証研究会報告書」を付けています。また、正式な配付資料ではないのですが、関連のパンフレットも用意していますので、必要に応じてご参照ください。よろしくお願いします。

 それでは、まず、次世代育成支援対策推進法の延長等の検討についてご説明します。資料 1 もご覧になりながら聞いていただければと思います。

 次世代法は、平成 17 年度から平成 26 年度までの 10 年間に集中的かつ計画的に対策を実施するための時限法として制定され、同法に基づき関係者がこれまで対策に取り組んできたところです。そういった中で、資料 1 「次世代育成支援対策推進法の延長等の検討の背景」、これにも記載をしていますので、随時ご覧ください。

 政府の少子化対策は、子ども・子育て支援と仕事と家庭の両立支援を車の両輪として進めています。子ども・子育て支援については、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するための子ども・子育て関連 3 法が昨年成立して、早ければ平成 27 4 月から子ども・子育て新制度が施行されることとなりますが、職場における仕事と家庭の両立に向けた環境整備、あるいは、ワーク・ライフ・バランスに関しては、今後更なる取組が必要という指摘がなされており、この観点から、平成 26 年度をもって期限切れとなる次世代法について、様々なところから延長の検討が求められているところです。具体的には資料 1 にあるとおり、子ども・子育て支援法附則第 2 条において、「政府は平成 27 年度以降の次世代育成支援対策推進法の延長について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」旨規定され、また、平成 25 6 14 日に閣議決定された日本再興戦略あるいは 6 7 日に少子化社会対策会議で決定された少子化危機突破のための緊急対策等でも延長等の検討が求められています。また、今ご覧になっているページの真ん中辺りの、平成 25 10 1 日に日本経済再生本部で決定された「成長戦略の当面の実行方針」でも、次世代育成支援対策推進法の延長について労働政策審議会等で検討を行い、次期通常国会への次世代育成支援対策推進法改正案の提出を目指すこととされています。このため、今後、関係省庁で同法の延長の検討を行うこととしているところです。

 具体的な検討の場については、次世代法の関連部分のうち、地域行動計画関連部分については、厚生労働省、内閣府、文部科学省等関係省庁において検討、一般事業主行動計画関連部分については、労働政策審議会において検討、それから、特定事業主行動計画関連部分については、関係省庁において検討することとしています。なお、これについては先週 10 3 日に開催された子ども・子育て会議にも報告しています。

 したがいまして、一般事業主行動計画関連部分については、労働政策審議会において検討することとし、当分科会でご審議いただくよう、よろしくお願いいたします。私からの説明は以上です。

 

○田島分科会長

 ただいまの事務局からのご説明について、委員の皆様からご質問等がありましたらお願いします。よろしいでしょうか。

 

○布山委員

 冒頭の石井局長のご発言と今の中井課長のご発言について、確認です。この分科会で検討するのは、一般企業主行動計画、つまり民間企業の計画の部分と、それに付随している認定制度についてということでよろしいのでしょうか。

 

○石井局長

 はい。

 

○布山委員

 そうすると、次世代法そのもの、先ほどパーツに分かれてそれぞれが検討することも伺いましたが、次世代法全体のそれぞれのパーツで検討した内容を最終的にまとめるところはどういう仕組みになっているのでしょうか。

 

○石井局長

 ご案内のとおり、次世代法は厚生労働省が所管する法律です。その中で、この法律は 3 つの枠組みからなっている。そのうち特に労使の関係は、最初に法律を作ったときには労政審にかけていなかったのですが、やはり、今、この法律の延長・強化を求める声の中で、ワーク・ライフ・バランスのところをもう少し強化したほうがいいと、すべきだという意見があることを踏まえて、お諮りするものです。全体の取りまとめ自体は私ども厚生労働省ですので、関係省庁も関わる所があるので、そこの関係省庁で検討をしつつ、全体は私どもでコントロールをしていく考えです。

 

○布山委員

 ありがとうございます。

 

○田島分科会長

 ほかにご質問ありますか。

 それでは次に、「次世代育成支援対策推進法の施行状況について」、事務局からご説明をお願いします。

 

○中井職業家庭両立課長

 引き続き、ご説明をさせていただきます。資料 2 をご覧ください。

 まず、 1 ページは、この資料の構成です。 1 つ目として「仕事と家庭の両立支援を取り巻く現状」、 2 つ目として「次世代育成支援対策推進法の概要」、 3 つ目として「効果検証研究会報告書の概要」ということで整理しておりますので、施行状況の関連も含めて、一通りご説明をさせていただきます。

2 ページ以降です。最初に現在の両立支援を取り巻く現状について、統計指標なども見ながら進めていきたいと思います。

3 ページは、合計特殊出生率や出生数の推移です。これもご承知のとおり、出生率については、平成 17 年に過去最低の 1.26 まで低下したわけです。その後、反転した形になっておりまして、平成 24 年、昨年は 1.41 まで回復したということですが、全体的に見れば、まだ低い水準にあるというのはご存じのとおりです。

4 ページです。そういった背景の中で我々は次世代法ということで、後でご説明しますが、仕事と子育て等の両立支援という観点は重要だと思っています。その代表的な指標である育児休業の取得率は、女性についてはご存じのとおり、平成 24 年度で 83.6 %ということで 8 割を超える水準で推移しているということですが、男性については、過去から比較すると上昇傾向で推移しているものの、平成 24 年度では 1.89 %ということで、女性と比較しても大変低い水準になっているということです。

 また、 5 ページですが、末子が 6 歳未満の世帯の週全体の平均家事関連時間及び育児時間を見ますと、夫の家事関連、育児関連、それぞれ、左、右がありますが、妻を大幅に下回っているということです。右側の育児については、妻が 3 時間を超えているのに対して、夫については 0.42 時間ということで、 30 分にも満たないというような現状があるということです。

6 ページは女性の継続就業率を見たグラフで、関連の統計資料が 2 つあります。我々政府の目標として、継続就業率、 2020 年までに 55 %という目標も掲げて取り組んでいるわけですが、現状としましては、左のグラフで見ますと、 2005 年から 2009 年のところで出産後の継続就業率は 38.0 %、約 4 割、右側のグラフで見ても 2010 年で 45.8 %ということで、依然として 4 割強ぐらいの継続就業率にとどまっているということです。

 なお、 2 つの統計については、数字の取り方が違うということもあります。下の ( ) に書いてありますが、左のグラフは、妊娠判明時点と子どもの 1 歳到達時点において同じ職に就いていることを継続就業とみなしていること、右側については、出産半年後に育児休業中の方も含む仕事を持っている方という、期間のことも含めて違う面もあります。そういったことで若干、統計の違いがありますが、傾向としては、長い目で見ると継続就業率は上昇傾向にありますが、依然として 4 割程度にとどまっている状況にあるということです。

7 ページは、先ほどの 6 ページの左側のグラフについて正規職員とパート・派遣に分けて見たものです。これを見ますと、左側の<正規職員>については、継続就業率が直近で 52.9 %、 5 割を超えています。また、育児休業を利用した就業継続も大幅に上昇しており、 43.1 %にまで来ているということです。一方で、右側の<パート・派遣>ですが、育児休業を利用した就業継続は、 1990 1994 年を底に上昇傾向にあるものの直近でも 4.0 %にとどまっている。全体として就業継続がまだ 2 割に達していない。そういった状況があるので、正規職員とパート・派遣を比較するとその違いは明らかであるということです。

 そういった中、 8 ページですが、日本社会全体で、今、正規・非正規の問題で申し上げますと、非正規雇用者の数も増えて割合も上昇しています。昨年を見ますと 35.2 %ということで、雇用者の 3 分の 1 以上が今、非正規雇用者ということになります。先ほどの 7 ページのグラフと合わせて見ますと、全体として正規職員の継続就業が伸びている中で、パート・派遣などの非正規職員の継続就業がなかなか伸びない。それが非正規比率が高まることによって、加重平均をした場合にトータルとしての継続就業率がなかなか伸びていかない。そういった状況になっていると考えております。

 また、両立ということで言いますと、ワーク・ライフ・バランス、働き方、労働時間等は重要なわけですが、 9 ページ以降です。まず 9 ページは労働時間の推移ということで、総実労働時間あるいは所定内労働時間が折れ線グラフになっています。傾向としては、トータルでは減少傾向になっているということですが、こちらについても、 10 ページを見ますと、一般労働者の労働時間、パートタイム労働者の労働時間をそれぞれ分けて見たところ、一般労働者については、平成 21 年、リーマンショックがあった影響で労働時間が大幅に減った部分もありますが、その後増加していることも踏まえて、おおむね 2,000 時間以上で推移しているということで、トレンドとして必ずしも減少しているわけではないという状況があります。

 また、パートタイム労働者の労働時間が下のほうにありますが、こちらは 1,000 時間台から 1,100 時間台で推移しているということです。こちらについても、一般とパート、それぞれで見たときに動きに余り変化が見られない中で、パートタイム労働者比率が棒グラフになっておりますが、これが上昇していて、最新の平成 24 年では 28.8 %まで、 3 割近くになっています。これも加重平均をして、労働時間としては、トータルとしては減少しているけれども、それぞれに分けたときに必ずしもそうなってはいない。そういう状況にあろうかと思っています。

11 ページ、 12 ページをご覧ください。これは週 60 時間以上、長時間労働をしている雇用者の割合を見たものです。 11 ページは年齢計、 12 ページは働き盛りの 30 代で見たものです。これについては、平成 21 年にかけて割合が少しずつ下がってきておりますが、そこから横ばいで推移しているということ。そして、 12 ページ、特に 30 代男性においては直近でも 18.2 %ということで、そういった長時間労働をしている方が 2 割弱いらっしゃるということです。 30 代男性についてはそういう状況になっているということで、こちらも、ここ数年間においてはなかなか改善が見られていないという状況です。

13 ページは年次有給休暇の取得状況で、棒グラフは付与日数と取得日数、折れ線グラフは取得率です。こちらもリーマンショック直前までの期間、平成に入ってから、平成 4 5 年辺りは 50 %台後半になった時期もあったわけですが、それ以降、取得率は低下傾向で推移してきて、最近は少し上がってきてはいるのですが依然として 5 割を下回っている、そういう状況にあります。

14 ページですが、そういった現状の中で女性の労働力率の変化をここ 10 年で見たところ、いわゆる M 字カーブと言われている、 20 代から 40 代半ばにかけて凹みが見られるような状況が、この 10 年で改善は見られています。ただし、依然として M 字カーブが解消されていないという現状があるということです。これは継続就業も含めて、現状はこうなっているということです。

 以上が両立支援を取り巻く現状です。そういったことを念頭に、これから議論を進めていただければと思います。次に、 2 番目としまして 15 ページ以降、次世代育成支援対策推進法の概要ということでご説明いたします。

16 ページをご覧ください。これが次世代育成支援対策推進法の全体像の概要です。冒頭の局長のご挨拶にもございましたとおり、平成 17 4 月から 10 年間の時限立法ということで、関係者に取り組んでいただいています。趣旨としては、地方公共団体及び事業主に対して次世代育成支援のための行動計画の策定を義務付けて、 10 年間の集中的、計画的な取組を推進していくということです。国において「行動計画策定指針」というものを作りまして、これを基に地方公共団体あるいは事業主が行動計画を参考にして作っていただいています。次世代法は、それぞれの行動主体あるいは計画の内容ということで幾つかに分かれているという性格の法律です。

 その中で、まず真ん中の右側、「事業主行動計画の策定・公表・周知」という所があります。これは1の一般事業主行動計画 ( 企業等 ) 、2の特定事業主行動計画 ( 国・地方公共団体等 ) は、それぞれの使用者責任としての事業主行動計画ということです。一般事業主行動計画につきましては、現在において大企業 (301 人以上 ) と中小企業 (101 人以上 ) に策定が義務化されているということです。一方で、 100 人以下の企業においては努力義務ということです。後でもう一度ご説明しますが、一定の基準を満たした企業については、「子育て応援企業」ということで「くるみん」マークの認定を取得できることになっております。

 左側の「地方公共団体行動計画の策定」です。これは、市町村と都道府県にそれぞれの行動計画を作っていただくことになっておりまして、それぞれの地域において地域住民の意見の反映、あるいは労使の参画の下、計画を作っていただいて、それを実施していただく。それについては、公表、評価・見直し、そういったこともやりながら進んでいくということになっております。それぞれ、事業主行動計画については、特に一般の所については、次世代育成支援対策推進センターを事業主団体に設置をして、そこで事業主に対する情報提供や行動計画の策定指針などの相談の実施というようなことを行っていただいております。また、地域においては次世代育成支援対策地域協議会を設置しまして、関係者がそこで連携して取り組む、そういう仕組みも作られています。

 その中で、一般事業主行動計画部分については 17 ページにあります。行動計画については、全体の流れを申し上げますと、企業で計画を策定し、その届出を都道府県労働局に行い、計画の公表、従業員への周知を行い、目標達成に向けてその計画に取り組む。その計画が終了して目標が達成された場合には、次世代法の有効期間において次期行動計画の策定・実施を行うこと、これを継続することになっております。それから、先ほど少し申し上げましたが、「子育て応援企業」ということでくるみんの認定マーク、その資料の下の真ん中にマークを掲載しておりますが、この認定を申請し、目標を達成して一定の基準を満たす企業は、くるみんマークを取得できるということで、そのマークについては、商品等に使ってイメージアップ等に活用できる、そういう仕組みになっております。

 この行動計画については、左側の下の枠内にありますが、「企業が、この次世代法に基づいて、従業員の仕事と子育ての両立を図るために策定する計画」ということになります。計画に定める事項は、計画期間、達成しようとする目的、目標達成のための対策及びその実施時期です。また、内容に関する事項ということで言えば、雇用環境の整備に関する事項、これは、育児をしている従業員を対象とする取組と育児をしていない従業員も含めて対象とする取組、そういったものに分類できます。また、その他の次世代育成支援対策ということで、対象を自社の従業員に限定しない雇用環境整備以外の取組というものもあります。これは地域貢献活動なども含まれているということです。

 右側のほうの枠をご覧ください。くるみんの認定基準を簡単に申し上げておきますと、計画期間は 2 年以上 5 年以下であること、行動計画を実施して目標を達成したこと、また、 3 歳から小学校に入学するまでの子を持つ労働者を対象とする「育児休業の制度または勤務時間短縮等の措置に準ずる措置」を講じていること、計画期間内に男性の育児休業等取得者がおり、かつ、女性の育児休業等取得率が 70 %以上ということが主な認定基準になっております。また、その認定企業に対する税制優遇制度も設けられています。

 ちなみに、 18 ページ、仕事と家庭の両立支援に係る経緯を少し整理しております。左側、次世代法については、平成 15 年に公布して平成 17 年に施行している。それから、大きな改正を平成 20 年に一度行っております。また、育児・介護休業法については、この間、平成 16 年、平成 21 年に改正を行っており、それぞれ、内容を拡充してきた経緯があります。最新の改正については、特に 3 歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度の義務化を行ったり、あるいは男性の育児参加促進ということで、いわゆる「パパ・ママ育休プラス」を設けたり、そういったことも行っております。昨年の 7 月からは、常時 100 人以下の労働者を雇用する事業主に対して、短時間勤務制度の整備の義務化と所定外労働の免除の制度化ということで完全実施ということになっております。併せて、雇用保険法に基づく育児休業給付もこの間、支給率を引き上げる。その期間については当面の間ということにしている、そういったことも行っています。

19 ページをご覧ください。くるみん税制、先ほど少し出てきましたが、概要はこちらです。税制優遇制度については、次世代法に基づく認定を受けてくるみんを取得した企業に対して、認定を受ける対象となった行動計画の計画策定開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了までの期間内に取得・新築・増改築をした建物等につきまして、その事業年度において、普通償却限度額の 32 %の割増償却が可能となっているという税制です。この税制の期間が平成 23 4 月から平成 26 3 31 日までの 3 年間、今年度までの措置ということで今、運用しています。

3 番目の「適用対象」です。これは、繰り返しになりますが、認定を受けた日を含む事業年度終了の日において、その期間において、事業主が所有して事業のために使用している建物及び付属施設ということ。それから、認定に係る行動計画の計画期間開始の日から、事業年度終了の日までの間において建設の後、事業のために使用されていないもの、又は当該期間内に新築・増改築をした建物等が対象となっています。具体的な例として一番下の※の所にいろいろ、事業所用建物である等々、事業所内保育施設も含めて例として挙げられています。これがくるみん税制の概要です。

 それから、この制度に基づく一般事業主行動計画の届出、くるみん認定企業の推移のグラフを 20 ページ、 21 ページに掲載しております。一般事業主行動計画についても全体的には増加傾向で推移してきているということで、特に義務化されている 101 人以上企業の、最近では 97.0 %の企業で提出していただいております。数としては、一番右側にありますとおり、 6 7,866 社になっております。なお、平成 22 年から平成 23 年の間に大幅に増加したというのは、ここで義務化された企業の範囲が拡大されたことによるものです。

21 ページ、くるみん認定企業数の推移です。こちらも増加を続けているということで、この 8 月末の数字では 1,651 社の企業でくるみん認定を取得しています。なお、この目標数値としては、平成 26 年度、今の次世代法の期間の末までに 2,000 社にするということを目標として定めて取り組んでいるということです。以上が制度の概要です。

 次に、 3 番目として 22 ページ以降から、この 9 20 日に公表させていただきました次世代法に基づく一般事業主行動計画及び認定制度に係る効果検証研究会の報告書の概要について簡単に説明させていただきます。

 全体の整理としては、 23 ページに効果、課題に分けて整理しております。また、この研究会の概要としては 24 ページに掲載しておりますが、短い期間でありましたが、当分科会の委員でもあられる武石先生をはじめとした学識経験者の方に取りまとめていただきました。その内容につきまして、この報告書の全体は参考資料として添付しておりますが、量が多いこともありまして、その中から主なものを幾つか抜き出して「参考 1 」という形で掲載しておりますので、時間の関係もありますが、簡単にデータを少し見ていきたいと思います。 26 ページからご覧ください。

26 ページは、一般事業主行動計画をきっかけに新設又は拡充した両立支援制度ということで、育児休業制度や短時間勤務制度をきっかけに社内で制度を作った、あるいは拡充した企業がどれぐらいあるかを見たものです。育児休業制度については、おおむね 3 割以上、短時間勤務制度についても、 300 人以上では 4 割近く、 100 299 人でも 4 分の 1 ぐらいの企業がこれをきっかけに制度を作った、拡充した、そういう取組をされているという状況です。

27 ページは、企業の人事担当者に行動計画を策定・推進したことによる効果を尋ねた調査結果ですが、一番多かったのが「出産・育児を理由とした退職者の減少」で、 38.8 %になっています。また、「女性従業員の制度利用促進」が 33.2 %、「労働時間や時間制約に対する意識の向上」が 27.9 %、等々の効果が人事労務担当者に認識されています。

28 ページは、従業員 300 人以上の企業における、早くから取り組んでいる企業ですが、行動計画策定による効果を人事担当者に聞いたものです。これを見ますと、行動計画策定回数を重ねることによって仕事と子育ての両立に対する理解が深まったとか、育児休業取得者が増えたとか、そういったところに対する評価が高まっている。全体として、取組が進めば進むほど効果が高まるという状況があります。ただし、気になるデータとしては、「所定外労働時間の削減が進んだ」、あるいは有休の取得とか、そういった働き方に関するようなところについては、効果が策定回数に対して伸びが余り大きくない、そういった状況も見られているということです。

29 ページは、一般事業主行動計画に盛り込んだ取組です。行動計画は、企業がそれぞれの実情に応じて自主的に決めて取り組んでいただくという性格のものですので、内容についてはバリエーションがいろいろある状況の中で、どういったことが盛り込まれたかを見たものです。それを見ますと、「所定外労働削減の取組」「年次有給休暇の取得促進」「両立支援制度の周知」、そういったものの割合が全体的に高まっているということ。それから、行動計画策定の回数を重ねることで両立支援制度の利用促進等に取り組む企業の割合が上昇しているという傾向もあります。

30 ページは、くるみん認定の有無別に次世代法の効果を企業の人事担当者に聞いたものです。全体的に見ると、くるみん認定を取得している企業のほうが人事担当者は各種効果を認識しているという結果になっています。特に「出産・育児を理由とした退職者の減少」「従業員の制度認知度の向上」「女性・男性従業員の制度利用促進」「イメージアップ」などで両者の差が大きくなっています。ただ、ここも、「所定外労働の削減」等の項目については、認定による効果が余り大きくない、小さいという状況になっています。

31 ページは、認定の取得予定有無別。実は、行動計画を策定したときにくるみん認定取得予定の有無も併せて届け出ていただくことで運用しているわけですが、その違いで行動計画を実行したことによる評価ということで言いますと、くるみん認定取得を予定して、より積極的に取り組んだ企業のほうが、「男性の育児休業取得者が増えた」とか、「育児休業以外の諸制度の利用が進んだ」とか、そうしたところを認識している企業の割合が高くなっているという結果になっています。

32 ページは、行動計画の策定認定の有無別に男性の育児休業取得者を人数で見たものです。くるみん認定のためにはその大原則、男性の育児休業取得者が 1 名以上という基準があります、中小企業に対しては特例が設けられているわけですが。そういった中でくるみん認定の有無別に見たときに、行動計画を作っていないとか、作ったけれども認定を受けていないとか、そういったところは男性の育児休業取得者がゼロという所が大半ということですが、右から 2 番目、認定を受けた企業においては、 1 名以上が基準ではありますが、複数取得している企業の割合が高くなっているということで、こういった取組によって男性の育児休業取得者が増えるという環境も少しずつ広がっているのではないかということを示すデータだと考えています。

33 ページは、行動計画の策定・認定の有無別に一般従業員 ( 女性・子どもあり ) の企業の両立支援の取組に対する評価を見たものです。全体的に、認定を取得している企業のほうが評価として高くなっています。特に「女性が結婚・出産後も辞めずに働ける環境にあると思う」「育児休業がとりやすい環境にあると思う」、そういったところが高くなっているということです。

34 ページは、次世代法の施行前と施行後において「 CSR 企業総覧」のデータを使って、従業員 301 人以上の企業において、男性の離職率・女性の離職率について、行動計画を積極的に実行して、くるみん認定を受けた企業と認定を受けていない企業の離職率を比較する分析を今回、研究会の中で行ったものを公表しております。それを見ますと、女性において、認定を受けた企業が受けていない企業と比較して、離職率が 2.7 %ポイント低下するという有意な結果が得られたということです。男性については、有意な結果はなかったわけですが、女性については有意な結果が得られたということです。イメージとしては、くるみん認定を取得していない企業が、女性の離職率が 10 %なのに対して、くるみん認定を取得した企業においては、 2.7 %ポイント低下して 7.3 %にとどまっているということです。そういったデータになっているということで、認定取得は、女性の離職率の低下にも寄与していることが分析で明らかになっていると考えております。

35 ページは、認定の有無別に、現在取り組んでいる両立支援や雇用均等推進の取組といったものを見たものです。全体的に、認定を受けている企業のほうが取組の各種割合が高くなっています。傾向としては、それぞれ、高い、低いがありますが、そういった傾向は全体的に見られるのではないかと考えています。

36 ページは、企業規模別に一般事業主行動計画 ( 一期目 ) を策定・推進する過程での課題や苦労で、策定において企業として悩んだことです。これを見ますと、従業員 301 人以上の企業では、これは下から 5 番目ですが、「既に法定以上の制度を整備、これ以上の整備が難しい」という割合がかなり高くなっているという状況があります。また、従業員 101 300 人企業では、「目標の設定が難しい」という割合が高くなっている。ほかのところでも同様の傾向が見られますが、そういった策定上の苦労がこういった形で見られているということです。

37 ページは、行動計画の回数別に盛り込んだ数値目標です。これを見ますと、女性、男性の育児休業取得率はその中でも割と高くなっているわけですが、有給休暇の取得率あるいは取得日数又は所定外労働時間の削減に関する目標数値は、育児休業取得の関係に比べて設定が低くなっている。全体的には、そういった所定外労働時間や有給休暇取得促進という形で取り組んでいる状況の中で、目標数値まで設けて取り組んで割合がそれほど高くないという現状もあるということです。

38 ページは、くるみん認定を受けたことがない理由としてどういったところが高くなっているかということです。「自社で取り組むメリットを感じない」「書類整備等の実務的負担が大きい」「受けられる自信がない」、そういった順番で割合が高くなっています。

 この資料の最後ですが 39 ページ、行動計画策定や認定に関わる課題・要望で、「計画策定や認定の具体的なメリットを増やしてほしい」「手続の負担軽減を図ってほしい」、そういった課題・要望を挙げている人事担当者の割合が相対的に高くなっている、そういった結果がありました。

 少し長くなって恐縮ですが、以上のようなデータ等の分析に基づいて整理したものが、戻って 23 ページということです。

 かいつまんでここを申し上げますと、効果については、全体的に出産・育児を理由とした退職者の減少、女性・男性従業員の制度利用促進、従業員の制度の認知度の向上、イメージアップ、継続的に取り組んだほうが効果が上がっている、そういったことが挙げられようかと思います。また、それは行動計画策定をするということで一定の効果があるが、くるみん認定取得をすることで更に効果がある、そういった状況になっているかと思います。全体的には、策定が義務付けられていない企業でも自主的に行動計画を作っている。それは、先ほどの行動計画の策定状況でも努力義務の規模の企業においても一定程度策定しているということも含めてですが、企業における取組の底上げに寄与したのではないかと思っています。また、全体的に、制度利用とか、社会全体の取組に対する意識の向上とか、そういったものが見られたのではないか、そういう評価をこの報告書の中でしていただいているということです。

 一方で課題です。マクロ的に見た状況で言えば、最初にご説明したデータも含めてですが、女性正規社員の継続就業率は上昇したけれども、非正規については、継続就業率は微増にとどまって正規社員の半分以下であるとか、男性の育児休業取得率については絶対水準としてまだ低いとか、多くの企業が所定外労働の削減や年休取得率の向上を計画に盛り込んでいますが、データ上余り変化が見られていないとか、そういった状況があろうかと思っています。

 また、運営も含めてですが、次世代法の状況ですが、継続して取り組んでいる企業と取組を始めてまだ期間が短い企業の差が、それぞれ、取組度合いによって、取組や効果に差があるというような状況もあるとか、くるみん認定のためのインセンティブの仕組みが弱い、先行企業には、インセンティブも含めてですが、段階的に評価する仕組みが必要との意見も頂いたりしているので、概要に盛り込ませていただいています。また、先行企業の中には、女性の活躍推進等に取り組んでいる企業があるというお話も、報告書の中では整理しております。中小企業等では、育児休業の対象となる男性がおらず認定取得のネックになっている場合もあるというお話もありましたので、これも全体の中で整理させていただいています。

 全体としては、先ほど申し上げたようなことを中心に効果はあったということですが、課題も各種見られている、そういったことで取りまとめをしております。

 なお、資料の ( 参考 2) 40 ページ以降は各種施策の概要についてです。必要に応じて参照していただければと思いますが、時間の都合でご説明は割愛させていただきます。資料 2 の説明は以上です。よろしくお願いいたします。

 

○田島分科会長

 ご説明ありがとうございました。本日はフリートーキングですが、次世代法に基づく一般事業主行動計画及び認定制度のこれまでの取組に係る効果と課題を、議論の切り口として議論したいと思います。議論にあたりましては、ただいま事務局からご説明のありました研究会の報告書も参考にしていただきたいと思います。それでは、まず、一般事業主行動計画及び認定制度の効果と課題のうち、効果のほうについてご議論をお願いいたします。ご質問・ご意見等がおありでしたら、順次、ご発言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○渡辺委員

 確認させていただきたいのですが、この次世代育成支援対策推進法の目的は、「少子化対策」ということだったと思いますけれども、ご説明いただいた今までの取組や効果を拝聴する限りでは、「両立支援」というような印象が少しありました。「両立支援」については、ほかの法律でも対応が可能であろうと思いますし、重なってしまうところもあるように思います。この法律の大きな目的は、やはり「少子化対策」であり、「出生率の向上を目指した取組みを行う」ということで、よろしいのでしょうか。

 

○中井職業家庭両立課長

 大きな枠組みとして、おっしゃるとおり少子化対策ということで取り組んでいる法律であることは間違いないです。そういった中で、この次世代法についても、それぞれ国、自治体、事業主に何に取り組んでいただくかについて、ある意味、それぞれの役割を考えたときに、資料の 17 ページにも少し書いていますけれども、左側の下の枠で、この行動計画とは、次世代法に基づいて従業員の仕事と子育ての両立を図るために策定する計画であるというのが意味合いです。少子化対策というのは、当然、いろいろな取組を行っていくわけで、その中には、冒頭にご説明した子ども・子育て支援法に基づく保育環境の整備も当然入ってきますし、全体として各種の法律制度が役割を果たして、それが相互補完的になって少子化対策を行うという趣旨で、その中での一般事業主行動計画の役割は何かということで言えば、両立支援に重点が置かれている面があるのはおっしゃるとおりです。

 その中で、ではなぜ、そういうことになっているかと言えば、先ほどのデータでも第一子出産を機に 6 割の方が辞めている。これは自身の選択として辞めている方もいますが、やむを得ず辞めている方も相当数いて、昔から古くて新しい話ですが、仕事か家庭・子育てかの二択で、どちらかしか選べない環境が少子化の 1 つの要因であるという分析も、これまでされてきたので、そこを継続就業することによって両立できると、それが少子化対策に有効であると、そういう流れが来ている中での一般事業主行動計画の主な役割だと考えています。

 当然、行動計画の中にはいろいろなことを盛り込めるわけですし、この法律というのはパッケージ的なものなので、育児・介護休業法であるとか、ほかに労働時間で言うと労働時間設定改善法という法律もありますが、そういったところに対する制度をうまく会社の中に取り込んで、会社の行動計画として作っていただく。そういう趣旨でやっているものなので、全体としては両立支援に重きを置きながら、全体として少子化対策に取り組んでいただくことになろうかと考えています。

 

○田島分科会長

 ほかにございますか。

 

○布山委員

 効果ということではなく、資料 2 の質問したいのですが、よろしいですか。 8 ページの正規雇用と非正規雇用の労働者の推移で、正規雇用は、通常は正社員のことを言っていると思うので 15 60 歳の方が入っていると思いますが、非正規の方々もその年齢に合わせた調査内容ということで、よろしいですか。

 

○中井職業家庭両立課長

 年齢ですね。これは正規・非正規ですけれども、もともと労働力調査に基づくものなので、 15 歳以上の方で役員を除いていますけれども、その全ての年齢層ということになります。

 

○布山委員

 そうすると、今回の次世代法のターゲットとして、特に子育て世代ということになると、この非正規の伸びのところは確かに増えているのでしょうけれども、一方で、高齢法に基づいて 60 歳以降の方々、これは定年延長よりもほとんどは再雇用になると思うので、その方はほとんど有期になると思います。そうすると今後、非正規の方というのは必然的に増えてくると思うので、議論するのであればそういうことも必要なのかなと思ったのが 1 つです。

 

○中井職業家庭両立課長

 ご指摘のとおり、全体的に増えているという話もありますし、各ターゲット層がどうなっているかという話も重要だと思います。そういう意味で今回、資料としてお付けしていないものでも、例えば 25 34 歳の女性を見たときに、非正規割合が 2012 年で 40.9 %という数字があり、むしろ全体よりも高くなっています。 1990 年が 28.2 %だったので、この 20 年余りの間に 10 %以上増えて、相対的にむしろ高い層になっているということもありますから、そういったものは今後、しっかりデータとしてお示ししたいと思います。

 

○布山委員

 何点か質問があるのですが、一遍に言ってしまってよろしいですか。 13 ページの「労働者 1 人平均年次有給休暇の付与日数、取得日数、取得率」のところで、年次有給休暇は、それぞれ最低のところから、上限、法定でも 20 日まで取れるようになっているので、それ全体を見たときの最新の取得率が 49.3 %ですね。

 

○中井職業家庭両立課長

 はい、全体です。

 

○布山委員

 分かりました。あと 2 つあります。 29 ページの「一般事業主行動計画に盛り込んだ次世代育成に関わる環境整備等の取組」のところで、先ほどおっしゃったように、所定外労働時間削減が取組として多いと伺ったのですが、この環境整備等の取組というのは、次世代法で言う大きい 1 の雇用管理のところが、全体的に一番多かったということですか。次世代法の一般事業主の計画は、雇用環境の整備に関する事項と、その他次世代育成支援対策、先ほどご説明があったとおり大きく 2 つに分かれますよね。

 

○中井職業家庭両立課長

 はい。

 

○布山委員

 そのうちの雇用環境の整備に関する事項で、この所定外労働時間の取組が一番多かったということですか。

 

○中井職業家庭両立課長

 特に分けて聞いたわけではないのですが、分類で言えば、雇用環境の整備の中に育児をしていない従業員も含めて対象とする取組、これはそういった残業時間や年休も入っていますが、そういった取組としては一番高かったということです。

 

○布山委員

 育児休業や短時間制度など、子育てに関わるような制度の拡充ということよりも、こっちの取組のほうが多かったと。分かりました。以上です。

 

○中西委員

 資料 2 7 ページ目につきまして、質問をさせていただきます。「第一子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況」における「パート・派遣社員の継続就業率」について、これは「 1 年以上継続就業している」など、一定の基準を満たした「育児休業を取得できる方」を対象に調査された結果でしょうか。それともパート・派遣社員全体を対象に行ったものなのでしょうか。また、第一子出産前後のパート・派遣社員の方を対象とした離職理由について、調査したデータがありましたら、どのようなものが挙がっているのか、お聞かせいただければと思います。例えば、育児に専念したいなどの理由で自ら辞めた方、または就業継続を希望しているが、辞めざるを得なかった方は、どの程度いらっしゃるのでしょうか。以上、ご質問させていただきます。

 

○中井職業家庭両立課長

 まず、最初のご質問ですが、これは企業に聞いたものでなく個人に聞いたものですので、実際にそういった雇用形態で働いていた人全てを対象にしています。一定の要件を満たせば有期雇用者でも育児休業を取得できるわけですが、そこを個人に聞いたときに分けて聞いているわけではないデータであることは、ひとつの制約ではありますが、それが現状ということになります。

 それから、こういった方々が退職した理由ですが、別の調査があります。また次のときに資料を提出させていただければと思います。女性の非正社員に対して妊娠・出産前後に退職した理由について、これはちょっと古くて平成 20 年の委託調査ですが、三菱 UFJ リサーチ&コンサルティングに実際に調査していただいた結果があります。その中で理由として最も高かったのは、先ほども項目を挙げましたが、「家事・育児に専念するために自発的に辞めた」割合が 42.5 %あったということです。一方、「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」が 16.4 %、また、「解雇された、退職勧奨された」が 6.2 %です。主なものとしてはそういった形になっています。

 ちなみに、同じ調査で女性の正社員について聞いたものがあって、そちらは、「家事・育児に専念するために自発的に辞めた」は 39.0 %です。ちょっと非正社員よりも低いのですが 4 割近くにはなっています。一方、「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」は 26.1 %、「解雇された、退職勧奨された」は 9.0 %という形になり、若干、正社員・非正社員の差はありますが、自ら辞めた方が一番高い中で、やむを得ずという割合が相当程度あったということです。この資料については次回、また資料として提出させていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○中西委員

 ありがとうございます。

 

○田島分科会長

 南部委員代理、どうぞ。

 

○南部委員代理

 ありがとうございます。代理で参りました南部です。よろしくお願いいたします。今、次世代育成法の効果ということの議論になっているかと思いますが、この法律ができて 9 年になります。研究会報告も見まして本当に効果があったと思っていますが、例えば男性の育休取得が少なかったり、非正規の課題が逆に新たに出てきたと思っています。次世代法の効果について、一言言わせていただきたいと思います。

 資料 2 26 ページを見ていただくと、ここにも書いてありますように、「行動計画をきっかけに、概ね 3 割の企業が育児休業制度等を新設又は拡充」したとなっていて、 9 年間でこれだけの経営側の努力というのは、かなり評価できると私たちは思っています。ただ、まだまだ M 字カーブが解消されていないということもありますので、今後ともこれを注視していかなければならないと思っています。

 また、女性が働きやすい環境が整わないと、働き続けて子どもを生むことはなかなかできないと私たちは実感しています。子どもを生んだら辞めなければいけないとなると、今の時代はなかなか生活できません。

 そこで質問ですが、資料 2 28 ページに、「従業員 301 人以上の企業における、行動計画策定回数による効果 ( 企業人事担当者 ) 」を分析しています。「経営トップの仕事と子育ての両立に対する理解が深まった」、「管理職の仕事と子育ての両立に対する理解が深まった」、「一般社員の仕事と子育ての両立に対する理解が深まった」と 3 点書いていますが、この深まったことによって、どういった具体的効果があったかを、できれば分析していただければ、また今後につながるのではないかと思っていますので、今、現在、そういったことが分かれば教えていただきたいと思っています。以上です。

 

○中井職業家庭両立課長

 今のご質問は、理解が深まったことが、より取組にどういう影響を及ぼしたかということだろうと思いますけれども、それに対してダイレクトにお答えできるデータがまだ整理できていないので、そういう形でできるかどうか少し検討させていただければと思います。

 

○齊藤委員

 資料 2 について質問させていただきます。先ほどもありました資料 2 7 ページの第一子出産前後の妻の継続就業率について、正社員はある程度進んでいるということですが、パート・派遣については 2 割を切っていると。行動計画の対象には非正規労働者も入っていると認識していますが、行動計画策定やくるみん認定の効果の対象に、非正規労働者も含まれているのか確認させていただきたいというのが 1 点です。

 あと 2 点あって、 21 ページに「認定企業数の推移」ということで企業数が書いてあるのですが、私どもの組合の所属している企業についても、 100 人以下で認定を取得している企業がありますので、その 100 人以下の企業の数字が分かれば教えてほしいと思います。

 最後に、 29 ページの「一般事業主行動計画に盛り込んだ次世代育成に関わる環境整備等の取組」で、トップに挙げられているのは「所定外労働削減の取組」であり、次が「年次有給休暇の取得促進」です。やはり両立支援のためには労働時間の削減が欠かせないというのは、労働者も企業のほうも同じ意見だと考えていますが、その割にはあまり変化が見られないという結果が前のページに出ています。労働時間の削減に向けた行動計画の中でどういったものを出しているのか、例えば「ノー残業デー」という例を厚労働省で出していると思いますが、それぞれの企業でどういった計画を立てているのか分かれば教えていただきたいと思います。以上、 3 点の質問です。

 

○中井職業家庭両立課長

 最初のご質問ですが、認定について非正規の方も対象となっているのかどうかで申し上げると、ご参考に用意したパンフレットでも、例えば 7 ページに認定基準 5 6 というのがあって、そこは育児休業の取得で男性、女性に関わる項目になっているのですが、この対象として、期間雇用者のパート・派遣・契約社員など雇用期間の定めのある労働者を含みますと明確に書いてありますので、そういった方も当然対象として考えているものであるというのが 1 点目です。

2 点目の、くるみん認定で 100 人以下の企業の数字が分かるかについて、今、手元に数字がないので確認して、確認できれば次回以降、お示しさせていただければと思っています。

 それから、行動計画の具体的な取組ということで申し上げると、先ほど「ノー残業デー」という話がありました。おっしゃるとおり、モデル行動計画というのを幾つか整理して公表し、それぞれの事業主の方に行動計画を策定するときの参考にしてくださいとやっているときに、実際に「ノー残業デー」を例に挙げていたりするので、そういった取組をしている所は多いと思います。今回の調査項目で言えば、項目に答えていただく形でどういう項目が多いのか整理したものであり、具体的にそこは踏み込んだ形でデータを持っていないので、調べて分かるものがあれば次回以降、これもお示ししたいと思いますが、現在の調査の範囲内で言うと今のが限界ということで、ご容赦いただけれはと思います。

 

○半沢委員

 今、効果ということでのご議論かと思っていますが、お示しいただいた資料で、妊娠・出産・育児と仕事の両立について資料 2 27 ページを拝見すると、「出産・育児を理由とした退職者の減少」、「女性従業員の制度利用促進」など、こういった効果が顕著に見られると思っています。こちらは行動計画策定の効果で、職場の理解や制度を利用しやすい職場風土の醸成が進んでいるのではないかと感じています。

 先の男女雇用機会均等法改正の審議においても、連合といたしましてはマタニティーハラスメント調査の資料を提出させていたただいたわけですが、育児というのは出産から始まるわけではなく、妊娠というところから始まっているもので、妊娠と仕事の両立というところも重要なものだと思っています。そういった意味においても、環境整備において例えば同じ資料 2 35 ページをご覧いただくと、くるみんの「認定あり」といった企業においては妊娠中における配慮の割合も非常に高くなっていて、この次世代法の効果が、マタニティーハラスメントという意味でも効果が出ているという気もいたします。全体的に見て、制度の利用、環境、風土の醸成といった意味での効果は、計画策定によってあったのではないかと考えています。

 ただ、一方、時間外労働につきましては、先ほど齊藤委員のお話にもありましたように、多くの企業で計画策定をしていただいているということで、それが育児の面において非常に重要であるという認識は高いと思っていますけれども、実際、その効果については少ない数字となっているという分析がされていて、企業の担当者の方々も、そういった面では、お悩みの面もあるのかなということが少し資料の中から見えてくると思っています。

 私がちょっと気になったのは資料の 12 ページで、 30 代の男性、正に子育ての世代に当たる男性が週 60 時間以上就業する割合が、ほかの世代と比べても 2 倍程度高いところです。この週 60 時間以上就業というのを考えてみますと、所定が 40 時間だと仮定して 20 時間が時間外労働です。週 5 日とすれば 1 4 時間ということで、例えば通勤時間なども合わせると帰って来るのは 10 時を過ぎて、深夜にもかかるような時間なのかなという想像もできるわけです。そうしますと、例えば妻が就業している若しくは無職であることにかかわらず、子育てになかなか男性は参加できないですし、お母さんのほうとしても、子育てのやりやすい気持の安定の面で影響が出てくるのではないかと感じたところです。そういった意味において、この部分についてはもう一工夫、何か次世代対策という意味において必要なのではないかと感じています。

 例えば、今は次世代対策という枠ですけれども、ワーク・ライフ・バランスの観点から、こういった時間外労働の影響といった労働時間に関する部分について、何か強化をした取組を行うとか、それについて取組が進めば、より評価される仕組みを取り入れるとか、そういった工夫も必要ではないかと考えます。全体を通じて効果は見られるけれども、労働時間などやや課題が残るのかな、工夫のしようがあるのかなと感じているところです。以上です。

 

○田島分科会長

 課題のほうにも及ぶご意見をいただきましたので、次に、一般事業主行動計画及び認定制度の課題のほうについて、ご意見・ご質問等がありましたらお願いします。

 

○松田委員

 今、半沢委員から男性の長時間労働の指摘があったわけですが、全体としてこの研究会報告の評価を見ますと、主に女性労働者に制度利用や就業継続などの効果がよく表れていると思いますが、男性労働者には顕著な効果が見えていないように思います。この点は、計画を立てたり認定を取得したことが、労働時間の見直しや働き方の見直しにつながっていないことによると思います。

 実は仕事と子育ての両立をしようと思ったときに、一番と言ってもいいくらい大きな問題は、パパが早く家に帰って来て育児、家事ができるかどうかが、妻からすると非常に大きな問題だと自分の経験から思っています。私の経験から両親がフルタイムで働いていたとしても、お父さんがそんなに残業をしないで家に帰って来て、 2 人で家事や育児ができる状況であれば、大抵のことは無理なくできると思っています。ですから、そういう労働時間の見直しや働き方の見直しにつなげていくところは課題だと思っています。

 質問ですが、男女への効果の表れ方について、この研究会で分析や評価をしているでしょうか。また今後、どのような検討が必要と指摘されているかについて、教えていただければと思います。

 

○中井職業家庭両立課長

 今回の研究会で男女ということで言えば、 23 ページです。概要などで、詳細は報告書の本文に記載していますが、効果のところでは、一般事業主行動計画策定の効果と、くるみん認定取得の効果のところで実は書き分けているところがあって、一般事業主では「女性従業員の制度利用促進」と書いてあり、くるみんのほうでは「男性・女性従業員の制度利用促進」と書いてあります。くるみんのほうでは男性の育児休業取得の推進というのも入っています。一般事業主のほうには入っていません。そういったところで男性の育児休業 1 人以上というのが、認定基準に入っているということですけれども、認定取得をしているかどうかで言えば、そういった違いが表れているのかなと思います。先ほどの認定取得の有無における育児休業取得者の数でも、認定取得をしていない場合はゼロが 7 割以上で大半を占めているというデータがあった中で、取得をしていれば 1 人のみならず 2 人、 3 人、もっと多くというのが、数として出てきている違いも見られますので、そういった面で認定基準を満たしていただく取組をすることが、男性の制度利用や育児休業の取得にもより効果があることを、今回の報告書の中で整理しています。

 

○田島分科会長

 ほかにご意見、ご質問はございますか。

 

○南部委員代理

 課題ということで先ほどからも出ていますけれども、まずは男性の育児時間の短さが大きな課題だと思っています。そして非正規労働者が増える中で、非正規雇用の方々が正規に比べて、この法律の成果、効果が出てきていないというのが、今の時代の現れだと思っています。先ほどもありました 30 代、子育て世代の男性の就業時間の長さが、いかに家庭に影響するかということも大きな課題です。

 資料 38 ページに、そういったことを踏まえて分析がされていると思いますが、やっている企業側にもいろいろ課題があると思うし、ここに書いてあるように、書類の実務的な負担が大きいということですが、具体的にどういったものが大きいか私には分からないので、また教えていただきたいと思います。それとメリットを感じないということが、この制度を進める大きな障害になっているのかなと思います。併せて、この制度そのものが認知されていないというか理解されていないし、一般の方々にもまだ知られていないのではないかと思っていますので、その辺についての対策が必要になってくると思います。

 

○布山委員

 課題ということで言えば、次世代法が制定されて、その当時から義務化されている企業の立場から言えば、また、この次世代法ができる前から想定されるものに取り組んできた企業にとっては、繰り返し継続的に取り組んできて、問題指摘にも入っていましたが、この先何をやっていいかも分からなくなっている。常に取り組むということについて非常に難しさが出ているというのは聞いているところです。ですから、その課題の中では全部同じに扱うのかも含めて考えないと、企業でやれることに限界がきているものもあるのではないかと思っています。冒頭、渡辺委員からもご質問がありましたが、次世代支援をする中で企業が何をするか、 1 つのパーツの話だと思うで、その観点も含めて議論することになると思っています。

 

○松田委員

 先ほどと関連した質問ですが、課題ということでは、くるみん認定を受けていない企業が、自社で取り組むメリットを感じていないと答えている割合が高いということで、この辺が課題かなと思います。都道府県や政令市の中には、次世代育成や両立支援優良企業表賞など、くるみん認定を 1 つの基準として、地域ブランド化するなど積極的に活用している自治体もあるということで、地域の中小企業の知名度の向上やイメージアップにつながっていると聞いています。質問ですが、自治体の公契約条例や総合入札制度などにおいて、くるみん認定企業を優遇する取組をしている自治体はあるのか伺いたいと思います。

 

○中井職業家庭両立課長

 正確に調査して集計を取っているわけではないので、どのくらいかというのは現時点で持ち合わせはないのですが、そういった取組をしている自治体があることは承知しています。そういった取組を自治体としても取り組んでいくことが、認知度あるいはメリットが高まることにつながるので、そういったことについても進めていただければと思いますし、次世代法の中には国と自治体の連携も言われていますので、そういったことについても、しっかり問題意識を持って取り組んでいく必要があると認識しています。

 

○布山委員

 今の松田委員のご発言との関係で、この 38 ページのくるみん認定を受けない理由のところですが、これは複数回答なので多分複数で答えていると思います。この「自社で取り組むメリットを感じない」と「書類準備等の実務的負担が大きい」は、ここまで負担して取るメリットがないと企業は感じているということです。その理由は、くるみん自体があまり認知されていないからです。このことは、くるみんの制度をどうするかの議論の中で必要な論点になると思っています。

 

○中西委員

 おふたりの委員の発言と関連していると思いますが、資料 2 17 ページの「一般事業主行動計画の届出状況」を見ますと、平成 25 8 月末時点で数値は 6 7,866 社とあります。一方、くるみん認定企業はわずか 1,651 社と大変少ないように思います。 300 人以下の企業への一般事業主行動計画の義務付けは、平成 23 年度から実施されていますので、現段階では計画を実行中で認定数は少ないと推測できますが。そこで質問させていただきたいのですが、認定を申請した企業数又は申請に対する認定率を教えていただければと思います。併せて、参考資料集の 31 ページ目の「くるみん認定を受けたことがない理由」について、「その他」が全体の中で高い割合を占めています。この「その他」とは、具体的にはどのような内容が挙げられているのでしょうか。それも教えていただければと思います。以上です。

 

○中井職業家庭両立課長

 最初の申請と認定率の関係で言いますと、申し訳ありません。今、手元に数字がないので確認いたします。ただ、基本的にくるみん認定を取得するかどうかについては、都道府県労働局雇用均等室に事前相談していただき、取得についてこういうことが必要だみたいなことを相談しながらやっていきますし、いきなり書類を出して認定、不認定という形には必ずしもなりませんから、申請したけれど認定率は低かったということにはなっていないはずです。そこは確認してまたお示ししたいと思います。

 それから、その他の理由についても、統計で「その他」を用意したら、そこがそれだけの割合が出てきたということで限界がありますが、調査によって個別記載項目みたいなもので拾える部分がありますので、そこを確認して分かれば次回以降、お示しさせていただければと思います。

 

○中西委員

 よろしくお願いします。

 

○田島分科会長

 そのほかにご意見はございませんか。もしご意見・ご質問がないようでしたら、今後の進め方について事務局から説明をお願いいたします。

 

○中井職業家庭両立課長

 資料 3 をご覧ください。今後の進め方について ( ) ということで、上から次世代育成支援対策推進法の施行状況等について、一般事業主行動計画について、認定制度について、その他と列挙した上で、最後に、本年末までに一定の結論を得ると記載しています。この本年末までに一定の結論を得るというのは、冒頭、石井局長のご挨拶にもありましたとおり、うまく整理ができて取りまとめることができれば法案の国会提出も考える必要がありますので、期限としてはそういうことでお願いできればということです。

 そういった中で「今後」と書いてあるのですが、本日においては次世代育成支援対策推進法の施行状況についてということで、いろいろご審議いただいたところですので、次回以降、それぞれ制度の内容についてということで、一般事業主行動計画について、認定制度についてを中心に、順次、ご議論いただければと思っています。そういった中で、いただいたご意見等を論点整理させていただき、順次、それについてご議論いただく。また、その他においてもいろいろな論点が出てきた場合に、そういったものも織り込んでご議論いただくことにしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

○田島分科会長

 ただいまの事務局からのご説明につきまして、委員の皆様からご質問・ご意見があればお願いいたします。どなたもございませんか。

 

○渡辺委員

 先ほどご意見にも出ましたが、企業のくるみんマークの認定申請がなかなか進まないのは、企業にとってメリットが見出しにくいということがあるからだと思います。企業メリットを拡充していくための予算やコストがどのくらい掛かるか。具体的に、税制優遇による国費の負担が今までどれぐらいあって、それをどの辺まで増やせるのかなど、数値的なデータをご提示いただけると、より議論がしやすいと思います。数値的な根拠なく議論を進めても、決断しかねますので、そのあたりのデータのご提示をいただければと思います。

 

○中井職業家庭両立課長

 今のご意見ですが、メリットの問題というのは、その要因として経済的なインセンティブの話もあると思いますし、認知度の話も先ほどからご指摘のとおりあると思っています。ただ、実際にくるみんを取っていただいた企業は、好事例などもたくさんあって、認知度が上がった、学生の評価が上がったということで喜んでいただいている企業も多いわけです。実はそういうふうなメリットがあることが理解されていない、あるいは知られていない面もあるということで、それも含めて周知の必要もあろうかと思っているわけです。そういったことをどう考えていくかは重要ですし、特に経済的なインセンティブについて財政的にどうなのかという話で申し上げると、税制については本日もご説明させていただいたとおり、本年度まで 3 か年ということです。それについては、少なくとも今の次世代法は来年度までもう 1 年実施されているわけですので、我々として引き続きメリットの 1 つとして、くるみん税制は何らかの形で延長できないか。これは財務当局に要望の形で、今後、調整なり査定を受けるのでどうなるか分かりませんが、そういうことはさせていただいています。

 そういった中で、どのくらいの負担が用意できるかについて、併せてそちらのほうとも調整しますけれども、税制ですので、一旦認められて対象企業が発生したときは、基本的に認めていただいているというのが税制の仕組みですから、そういった意味でも、どういうふうにご活用いだけるのか睨みながら考えていきたいと思います。数字について申し上げると、初年度の 23 年度で 10 億円単位の実績があったかと思いますが、これも改めて整理させていただいて、今後の議論に資する形にさせていただければと思っています。

 

○渡辺委員

 よろしくお願いします。

 

○布山委員

 今、中井課長からご説明があったと思いますが、そもそも、どのぐらいの認定企業が、このくるみん税制の適用を受けたのか、社数も一緒に教えてください。

 

○中井職業家庭両立課長

 そこも併せてお示ししたいと思います。

 

○田島分科会長

 ほかに、ご意見・ご質問はございませんか。ないようでしたら、本日の議事はこれで終了させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、最後に本日の署名委員につきまして、労働者代表は齊藤委員、使用者代表は中西委員にお願いいたします。本日の分科会はこれにて終了いたします。皆様、お忙しい中、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局
職業家庭両立課
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(雇用均等分科会)> 第132回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について(2013年10月10日)

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