ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会)> 第15回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録(2013年11月22日)




2013年11月22日 第15回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録

厚生労働省大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成25年11月22日(金)14:00~16:00


○場所

厚生労働省共用第9会議室


○出席者

菅野健太郎委員長、飯野靖彦委員長代理、岡野友宏委員、岡本真一郎委員、
落合和徳委員、柏井聡委員、嘉山孝正委員、神庭重信委員、木下博之委員、
玉岡晃委員、土屋了介委員、戸倉新樹委員、中田正委員、名越澄子委員、
馬場志郎委員、針谷正祥委員、肥塚直美委員、松本万夫委員、水沼英樹委員、
望月一男委員、森内浩幸委員、横田順一朗委員

○議題

(1)世界保健機関勧告によるICD-10の一部改正の日本への適用について
(2)WHO国際統計分類ネットワーク年次会議(北京)の報告について
(3)その他

○議事

○事務局

 それでは、定刻となりましたので、「第15回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を開催いたします。

 各委員の先生方におかれましては、お忙しいところ御出席賜りまして、まことにありがとうございます。

 本日、最初の進行を務めさせていただきます統計情報部国際分類情報管理室長の谷でございます。よろしくお願いいたします。

 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 まず、配布資料1「ICD-10一部改正にあたっての基本方針」でございます。

 資料2-1といたしまして、「統計法第28条第1項及び附則第3条の規定に基づく疾病、傷害及び死因に関する分類 疾病、傷害及び死因の統計分類 基本分類表・新旧対照表(案)」でございます。続きまして、同一の「疾病分類表・新旧対照表(案)」、ちょっと薄目のものでございます。次に、「死因分類表・新旧対照表(案)」、1枚のものでございます。

 資料3といたしまして、「疾病、傷害及び死因統計分類提要 担当者(案)」でございます。

 資料4といたしまして、「WHO国際統計分類ネットワーク年次会議(北京)の報告」になります。その前に別紙といたしまして、内容の修正の様式案が1枚挟まっているかと思います。

 次から参考資料となりますが、「疾病、傷害及び死因統計分類部会の再開について」。

 参考資料2として、「疾病、傷害及び死因分類部会運営要綱」。

 参考資料3として、「疾病、傷害及び死因分類部会委員名簿」でございます。

 参考資料4といたしまして、「第3回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会議事次第」でございます。

 参考資料5といたしまして、「疾病、傷害及び死因統計分類提要内容例示・新旧対照表(事務局仮訳)」でございます。ちょっと厚目の資料でございます。

 参考資料6といたしまして、「疾病、傷害及び死因統計分類提要総論・新旧対照表(事務局仮訳)」でございます。

 次に、参考資料7といたしまして、「疾病、傷害及び死因統計分類提要索引・新旧対照表(事務局仮訳)」でございます。

 最後に、参考資料8として、「厚生労働大臣諮問書」というセットになっております。

 以上、お手元の資料の過不足等ございましたら、事務局まで御一報いただければと思います。

 まず、事務局に変更がございましたので、事務局の御紹介をさせていただきます。

 統計情報部企画課長、本田でございます。

 

○本田企画課長

 本田でございます。よろしくお願いいたします。

 

○事務局

 統計情報部企画課国際分類情報管理室室長補佐の佐藤でございます。

 

○事務局

 佐藤でございます。よろしくお願いいたします。

 

○事務局

 統計情報部企画課国際分類情報管理室の及川分析官でございます。

 

○事務局

 及川でございます。よろしくお願いいたします。

 

○事務局

 私、先ほども申しましたとおり、谷でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、企画課長の本田より御挨拶を申し上げます。

 

○本田企画課長

 本年7月に統計情報部企画課長を拝命しました本田でございます。何とぞどうかよろしくお願いいたします。

 委員の皆様方におかれましては、本日、大変御多忙のところ、本委員会に御出席を賜りまして厚く御礼を申し上げます。

 本委員会につきましては、社会保障審議会の運営規則に基づきまして、平成18年に社会保障審議会統計分科会の中の専門委員会として設置され、以来、ICDに関する問題点、またその改善の方向について、WHOにおける審議や検討の過程を踏まえながら御審議いただいてきたところでございます。

 現在、我が国のICDにつきましては、御案内のとおり平成18年1月からICD-102003年版を適用しているところでございますが、このたび今月6日に社会保障審議会統計分科会の中の、ここは専門委員会でございますけれども、疾病、傷害及び死因分類部会のほうで2つのことが決定されております。1つ目が、WHOより2013年、ことし1月まで公表した勧告に基づいて適用の一部改正を行うということでございます。もう一点が、この一部改正の内容の精査については、本委員会、この専門委員会に付議するということが決定されたところでございます。したがいまして、本日の委員会では、部会からの依頼に基づきまして、ICDの一部改正内容について御審議いただきますことが主眼でございます。

 それから、資料でもちょっとございましたが、先月、北京において開催されたWHOの国際統計分類ネットワーク年次会議の結果につきましても御報告することとしております。

 委員の皆様方におかれましては、極めて御多忙の中、まことに恐縮ではございますけれども、本委員会の趣旨を十分に御理解いただきまして御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 よろしくお願いいたします。

 

○事務局

 本日の出席状況の御報告をいたします。

 本日御欠席は、清田委員、高橋委員、滝澤委員、中谷委員、根本委員、矢永委員、渡辺賢治委員、渡辺重行委員の9名でございます。神庭委員と玉岡委員、森内委員が少しおくれておりますが、出席の人数につきましては全委員数の3分の1を超えておりますので、会議が成立していることを御報告いたします。

 それでは、菅野委員長、議事の進行をよろしくお願いいたします。

 

○菅野委員長

 それでは、早速議事に入りたいと思います。先生方、お忙しいさなかにお集まりいただきましてありがとうございました。

 先ほど御説明にありましたように、世界保健機関によるICD-10の一部改正の日本への適用ということでございますが、これに関しましては事務局のほうから御説明をいただきたいと思います。

 

○事務局

 事務局でございます。現在、我が国で適用しておりますICD-10につきましては、平成18年1月から適用しているものでございます。既に7年がたっております。委員の先生方からも、一部改正適用の必要性については重ねて御指摘を賜ってきているところではございますが、ようやく今回、一部改正の手続に着手することとなった次第でございます。

ICDにつきましては、我が国では総務省告示として制定されており、告示改正のために総務省へ分類の改正版を送致するために、厚生労働大臣の社会保障審議会への諮問及び社会保障審議会からの答申を行うこととしております。参考資料8が今回出されました大臣の諮問書となっておりますので、御参照ください。

 この諮問を受けまして、社会保障審議会の審議を代行する機関といたしまして、統計分科会のもとに疾病、傷害及び死因分類部会を設置いたしました。なお、専門委員会につきましては、調査機関という性格の上で設置されていることから、親会、要するに統計分科会の議決を代行することができないこととなっております。このため、部会の設置が必要となり、部会の設置の運びとなったところでございます。

 今月6日に初回の部会を開催いたしまして、本件にかかる審議をお願いしたところでございます。本部会での決定事項ですが、まず1点目といたしまして、告示改正内容についての具体的、詳細な精査につきましては、本専門委員会へ依頼することとなりました。また、2点目といたしまして、一部改正の範囲につきましては、2013年1月、ことし1月にWHOが公表いたしました勧告までを適用することが決定しております。

 この改正の範囲でございますが、当初、事務局としては、WHOが書籍として刊行している2010年版を適用することとして作業を進めてまいりましたが、WHOにおいて電子版のみで公開されている内容というのは、何カ月間かは手直しが入るということが時折ございますことから、簡単に訂正されることのない書籍版を我が国における改正の根拠としてきたことが慣例としてあったためでございます。

 しかしながら、部会の議論におきまして、既に12月になっておりますので、手直しが入らないということよりも、いち早く臨床現場に合わせられるよう最新版を適用することを優先すべしという意見が出され、現段階で最新版となる2013年の公開版を適用することが決定された次第でございます。

 なお、この2013年1月にWHOが公表しました勧告につきましては、2014年施行の小改正部分と、あと2016年施行の大改正の一部が含まれて発表されております。これらの改正部分の取り扱いにつきましては、部会で判断する予定となっておりますことを申し添えます。

 では、資料1をごらんください。資料1につきましては、本専門委員会におきましてICD-10、平成21年3月23日総務省告示第176号の一部改正に当たっての基本方針(案)でございます。

 世界保健機関(WHO)が勧告しておりますICD-10の一部改正に関する告示改正に当たりましては、基本方針は、まず1として、原則として、WHOの勧告どおりとし分類構造の変更等は行わないことにします。

 2といたしまして、2013年1月にWHOより公表されている勧告内容を基準として作業を行う。

 3.分類名、病名等の和訳にあたって使用する病名及び字体につきましては、日本医学会が取り決めている病名及び字体を基本とする。

 4.3によるもののほかは、疾病、傷害及び死因に関する分類の告示の分類名及び病名並びに字体を踏襲することになっております。

 5.分類名、病名等の変更による社会的影響が大きいと考えられる場合には、個別に判断するとしております。

 まず、3でございますが、日本医学会のほうから医学用語が刊行されており、その中である程度の言葉が医学現場では使われていることとなっておりますので、医学会の決めた基本用語集を基礎とするとしております。ただ、実はICDの中には、医学用語集の中に載っていない言葉が幾つかございますので、この部分につきましては、今までと同様にICDの中で使っていた言葉を使うとします。

 5でございますが、具体的な例として1つ挙げるといたしますと、「悪性新生物等」で使われております「新生物」につきましては、医学会の取り決めに準じますと「腫瘍」という言葉を用いることになりますが、社会的な用語の普及の状況をかんがみますと、「新生物」と「腫瘍」を併記する形をとる案という対応が必要になってくるかと思います。

 これにつきましては、資料1の裏側をごらんください。WHOにおいては、日本版と本編とは差があるのですが、( )の場合には、その修飾語の有無にかかわらずコードを選択するという仕様が決まっております。それに対して、下の[ ]と〈 〉が同時並行で載っているのは、日本版のほうでは〈 〉のほうを使っておりますが、英語表記につきましては[ ]を使っているということで、両論併記させていただいております。

 この内容につきましては、読み替えが可能になる言葉を中に入れているということでございます。ですので、下の例にあるように「活性Cたんぱく」の「たんぱく」は平仮名になっておりますが、漢字で「蛋白」と書かれた場合も読み替えて規定していいという取り扱いになっているということで、今回、腫瘍につきましては、例えば「悪性腫瘍<悪性新生物>」という仕様によって両方併記することによって、現場で現在使っている用語と、今後変更になった後の用語の橋渡しをしていくような表記にしていただければと思っております。

 続きまして、資料2-1をごらんください。これは告示の本体になります。

 まず、書きぶりでございますが、「現行」と書いてありますところが、現在総務省から告示されております内容でございます。それの原文と、それに告示内容で、「改正案(事務局仮訳)」と書いてあるところにつきまして、今回御確認いただくところでございます。これについては、まずWHOが発表しております原文に対して、事務局で僣越ながら仮訳をつけさせていただいた部分がその後についておりますので、この部分を日本で用いるに当たって、より適切な用語に変えていただきたいというのが今回の具体的な内容になります。改正理由としては、どういった改正が行われたのかということを書いております。

 次に、資料2-2をごらんください。疾病分類表としております。こちらにつきましては、告示内容に含まれておりますが、WHOにはない分類でございまして、日本オリジナルの分類になります。これは、死因分類についても同様でございます。

 こちらにつきましても、表の中をごらんいただくとわかりますが、「基本分類コード」「当該コード内の追加・削除」ということで、今回の改正内容で分類が基本分類の中で変更されたものが、この中に反映される必要があるということでございますので、その追加コード、削除コードのところも御確認いただきたいのが1点。

 あと、「a-0204」というのが上から3つ目にありますが、この中にも「悪性新生物」という用語が使われておりますので、こういったところにつきましてもあわせて御確認いただきたいと思っております。

 これにつきましては、資料2-3の死因分類表の新旧対照表についても同様でございまして、「腸管感染症」というところであれば、基本コードとして「A00-A09」までとして、追加・削除については「A09.0,A09.9」という形で記載させていただいておりますので、この内容についての御確認をいただくことになります。

 続きまして、担当別でございます。

 

○菅野委員長

 早口で御説明いただいたのですが、参考資料3にあります部会から依頼を受けて、この専門委員会がサブコミッティとしてさまざまな作業を担うということが、最初に御説明があったとおりでございます。しかしながら、こちらからは答申はしますけれども、ここで決定するわけではないという御説明でございます。

 それから、既に作業を事務局のほうでかなり進めていただいておりまして、これらのチェックを各専門の学会等を通じて、この専門委員の先生方にお願いして分担していただくというところに、今、入ろうとしているところでございますが、先ほどの説明で御質問等がございますれば、お伺いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 ないようでしたら、進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○事務局

 済みません、もう少しゆっくりしゃべるようにいたします。

 今の仮訳につきましては、皆さんで全て見ていただくのは非常に負担が多うございますので、内容の精査について、それぞれ事務局のほうで少し推薦学会等のバックグラウンドを踏まえながら、担当別を作成してみました。それが資料3でございます。

 全体統括から、1章から第22章までの担当を載せております。この中で全体統括というのは、全体を俯瞰していただいた上でどうかというチェックの体制でございますが、ここには菅野委員長と、分科会の委員でもある土屋委員にお入りいただければと思っています。

 総論のほうには、中田委員、中谷委員、根本委員、松本委員、渡辺委員の5人体制でごらんいただく。こちらのほうは、参考資料の6が総論になります。今回、告示といたしましては分類のところにございますが、総論部分については人口動態統計とかの統計において、実際に原死因選択に当たってのルールのところが書かれておりますので、個別の項目以上に統計結果に対して影響を持つところということでございますので、5人体制としております。

 内容につきましては、1章から22章まで、このような分けをさせていただきました。嘉山委員につきましては、脳外科学会からの推薦ということもありますので、大変御負担かと思いますが、神経系の疾患部分と循環系の疾患のところを、それぞれ脳領域のところでごらんいただければと思っております。

 あと、それぞれ2名入っているところにつきましては、WHOの小分類のところは大きいくくりになっておりますので、それぞれの分担で見ていただくと考えております。

 以上でございますが、一度切ったほうがよろしいですか。

 

○菅野委員長

 それでは、嘉山先生、お忙しいのに2つありますけれども、よろしくお願いします。

 例えば、消化器は歯科と消化器と、別々のTAGあるいはワーキンググループが担当しておりますので、このようになっております。それぞれ先生方の御担当のところの間違い、その他お気づきの点、ございますでしょうか。

 

○中田委員

 1点です。配付資料は字が小さいので、もう少し大きな字で、手を入れるとした場合に直しやすいような形で、お示しいただければと思います。

 

○菅野委員長

 これは、電子ファイルで媒体として提供されるのですね。ですから、先生、それは御自由にできると思います。

 そのほか、ございますでしょうか。どうぞ。

 

○水沼委員

 ちょっと確認なのですけれども、どうしても複数の科が関与しなければならない病態があると思います。この辺はどういうふうにしたらよろしいですか。例えば産婦人科ですと、私の担当は妊娠、分娩、産じょくとなっているのですけれども、産婦人科の場合には妊娠等に関係ない疾患も結構入っているのです。それは、腫瘍の場合には落合先生が多分担当になるのだと思うのですけれども、それ以外に内分泌系の問題とか、産じょくとなった場合には母体の異常とか、中を細かく見ていないのですけれども、これは産婦人科が見るのですか。それとも周産期に発生した病態となりますと、森内先生がごらんになっていただけるのか。この辺、すり合わせが必要だと思うのです。

 

○事務局

 そこを踏まえて、ちょっと御相談したいところでございます。

 まず、それぞれでこの分野を代表して見ていただくのですが、それぞれの分野として専門以外のところが入りますので、そこは専門委員会の中で連携しながらと考えております。それ以外のところ、ここには各学会から推薦いただいております委員でございますが、日本医学会の専門分科会として118学会がございますので、そういったところにつきましては、日本医学会のほうに依頼を出しながら、それぞれの学会からの意見も我々で集約しつつ、先生方に提供することで対応していこうかと思っておりますが、いかがでございましょうか。

 

○水沼委員

 ということは、例えば産婦人科に関連するものがほかの領域にあったとしても、我々は待っていればよろしいということですね。担当の先生のほうから、これは産婦人科のほうで見てもらいたいという依頼があるという発想でよろしいですね。

 

○事務局

 はい。あと、ほかの先生も、分担になったところ以外は見るなというものではなくて、全体的に目を通していただけるようであれば、見ていただいた上で、意見をそれぞれ担当に集めていただくほうが、よりチェック機構が多重にかかりますので安全かと思います。まずは、医学会にも聞きますし、先生としても気になっているところが多分多々あるかと思います。そういったところを重点的にチェックするのとあわせて、各分野の先生方についても、他分野であったとしても、関係ありそうなところはぜひ見ていただければと思っておりますが、よろしいでしょうか。

 

○菅野委員長

 水沼先生の担当のところは、先生が主体的に他学会とかかわっていただいて、取りまとめをしていただくと、ありがたいと存じます。全体取りまとめが土屋先生と私なのですが、とても全部わかりませんので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。

 ほかに御質問、ございますでしょうか。後で追加の質問があるようでしたら、直接事務局のほうにお尋ねいただけたらと思っております。よろしいでしょうか。

 期限、その他、まだいろいろおっしゃりたいことがあるのだと思います。事務局のほうに戻したいと思います。

 

○事務局

 続きまして、別紙というのが1枚入っておりますが、こちらのほうが実際、先生方に御提供させていただく電子ファイルの様式になります。電子ファイルにつきましては、こちらで配付いたしました資料とほぼ同じような構成にしておるところですが、当然、「修正提案」「提案理由」「調整要否」「備考」という欄を加えたファイルをそれぞれの先生にお送りさせていただきますので、その内容を確認の上で、こちらのほうに御記載いただければと思っております。

 

○菅野委員長

 「修正提案」「提案理由」「調整要否」というところが、先ほど水沼先生がおっしゃったような部分と解釈すればよろしいでしょうか。

 

○事務局

 そうでございます。

 

○菅野委員長

 小さいですけれども、コンピューター上では拡大できるということでございます。

 ここで、「WHO勧告(原文)」で消されているというのは、もう既にここを修正したということでよろしいわけですね。WHOの英文のほうでございます。

 言わなかったのですけれども、既に提出期日が書いてありますけれども、結構タイトなスケジュールとなっています。事務局からも確認していただいたらと思います。

 

○事務局

 事務局でございますが、非常にタイトなお願いをせざるを得ないところではございます。もう一度こちらで先生方の御意見をいただいた上で調整、あと、再度の専門委員会での検討を経た上で部会に提供したいと思っておりますので、その日付を考えると、2回目の部会を年度内にもう一度開いて、できれば早い段階で答申までということを考えております。部会におきましては、来年6月までに答申を出すという方向でやっておりますので、少しタイトではございますが、1月31日、年明けの1カ月後ということですが、お願いしたいと思っております。その前に、医学会等からの意見につきましては、また御提供するように事務局も努めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 また、資料が大量となったのと、2010年版を基準に作業を進めたところでございますが、部会のほうで2013年までということで、少し内容がふえております。参考資料5の8ページ目をごらんください。

 まず、現行の告示に対しまして、2010年の段階で1回改正がございます。それに対して、再度、2013年のバージョンでもう一つ改正を行っている箇所がございます。この内容につきましては、2段階で変わっているということと、部会において、どちらを最終的に選択するかということを決めていただくことになりますので、大変恐縮ではございますが、まず2010年版と2013年版の双方について、こちらの提要の中身につきましても御検討いただきたいと思っております。こういった形で網をかけたところにつきましては、全てそういったもので記載しているところでございますので、2つ同じもののコードがあることは、おかしいと最初、思われるかもしれませんが、これは2010年と2013年の内容ということでございます。

 内容が非常に大量になってしまったのと、11月6日の部会から今回の22日までの間に2013年分を全て織り込んだということで、一部、削除になっているのだけれども、まだ書かれていない、ここに反映できていなかったものとか落丁とかがあると思いますので、先生方にお送りするバージョンにつきましては、最新の誤植の訂正を含めたものをお送りさせていただきたいと思います。そこは大変申しわけないと思っておりますが、御了解いただければと思います。

 

○菅野委員長

 よろしいでしょうか。2010年と書いて、その下にまた2013年と下に矢印がついておりますが、これは先ほどの部会で、せっかく出すのであれば、なるべく新しいものにしたほうがよろしいという意見が出ました。と申しますのは、これから作業して、出るのは2015年とかですか。2014年に発行ということには多分ならないですね。

 

○事務局

 総務省に送致して、総務省のほうで統計委員会というもう一つの委員会がございますので、そこに諮った上で総務省からの告示ということで官報掲載の手続が入ります。ですので、我々は部会を含めて、6月までには答申を出して総務省に送致をするとしても、その後しばらく時間がかかった上で告示になるかと思います。ですので、約1年から1年半、2年はかからないと思いますが、その程度は時間的にはかかってしまうと思います。

 

○菅野委員長

 そのような事情がありますので、2010年版としますと56年のタイムラグが生じるわけです。現在使われておりますのは2003年版のアップデートに基づいておりますけれども、あのときの作業に御参加になった先生は覚えていらっしゃると思いますが、2006年ぐらいでしたか、のものまで取り入れた形で和訳しました。それが現在、日本で法令で公布されて使われている、あのグリーンの本の内容でございますので、それから見ましても、実際に出るのは10年近くたってから出る形になりますから、なるべくならば既に改正されている部分については、あるいは修正されている部分については取り入れよう。そのほうがいいというのが部会での多くの方々の意見でございまして、事務局は少し大変だったようでございますが、それを取り入れていただくことになりました。よろしいでしょうか。

 では、こういったものを取りまとめた資料といいますか、修正のファイルはいつごろ送られてくるのでしょうか。

 

○事務局

 おおむね1週間程度でお送りできるかと思います。お手元のほうにメールでお送りいたしますので、もし届いていないようであれば御連絡いただけるように、その辺はメールでまた配慮させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○菅野委員長

 よろしいでしょうか。各学会それぞれ、既に委員会を設けておられるところが多いと思いますので、そういったところに分担していただくということも必要かと思います。とりあえず作業にかかってくださいという御要請でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 続いて、次の議題に移っていただいてよろしいでしょうか。ないようでしたら、また戻っていただいても結構ですが、議事2に移らせていただいてよろしいでしょうか。追加、ございますか。

 

○事務局

 済みません、追加でございます。現状、提要という本の形で、我々、皆様のお手元に届くようにさせていただいておりますが、日本の本の構成のほうが、まず第1巻が総論、第2巻が内容例示、第3巻が索引となっております。一般的に医学書で言うと、総論があって、各論があって、インデックスという並びに合わせたものでございますが、実はWHOの刊行につきましては、まず内容例示が1巻にあり、その次に総論の部分があって、最後にインデックスである索引が続く並びになっておりますので、今回、この並びに変更して、WHOと合わせるということを考えております。御了解いただければと思いますが、いかがでございましょうか。

 

○菅野委員長

 よろしいでしょうか。WHOの原本は、日本版とは全然逆の形の配列になっておりますけれども、それに合わせたいということでございます。よろしいでしょうか。

 御質問がないようでしたら、そのように進めさせていただきたいと思います。

 では、続きまして、議事2でよろしいでしょうかね。それでは、WHO国際統計分類ネットワーク年次会議(北京)の報告について事務局のほうからよろしくお願いします。

 

○事務局

 資料4をお手元に御用意いただければと思います。

WHO国際統計分類(WHOFIC)ネットワーク年次会議、ことしは北京で開催されたものの報告でございます。

 主催につきましては、WHOと中国のWHO-FIC協力センターでございまして、期開は平成251012日(土)から平成251018日(金)までの1週間強でございます。実は、テーブルワークのようなものがこの前の2日間に開催され、10日を超えたような日程で実際には開催されております。会場としては、北京エンパーク・グランド・ホテルで、参加者はWHO、各国WHOFIC協力センター、各国の政府厚生・統計関係部局、NGO、オブザーバー等で、約100名の出席でございました。

 主な議論につきましては、各委員会からの報告として、分類改正改訂委員会(URC)からは、ICD分野について121件の提案が今年度はあったということでございます。それに対して、採択が90件。この内訳としては、大改正内容として26件。これは、現状では2016年のメジャーチェンジを予定しています。あと、小改正が64件。否決・取り下げといったものが12件ございます。継続審議のものが13件あり、ICD-11改訂まで保留というものが6件ございました。日本から提案させていただきました2項目、誤植がありまして申しわけありません。胸郭内子宮内膜症と非ST上昇型心筋梗塞でございます。申しわけありません。あと、包含用語として索引への追加については、ともに採択となっております。

 全体として、共な採択としては、デング熱に対する新規コードの作成、閉じ込め症候群に対する新規コードの作成、ブルガダ症候群の索引への追加というものがございました。

 本委員会とは別に専門委員会がございまして、ICFにつきましては65件の提案があり、会議中に46件の審議が行われております。採択については25件、うち、修正を加えての採択11件を含んでおります。あと、否決が15件、継続審議が25件となっております。

 死因分類グループ(MRG)と死因分類専門部会(mTAG)でございます。あと、疾病分類専門部会(mbTAG)の報告でございます。

MRG/mTAGにつきましては、死亡診断書の新しい国際様式についてということで、MRGでの議論は終了いたしまして、来年度のURCに提案されることになります。特にドイツが様式の導入を強く希望しておりまして、2016年の大改正に反映できるように早く進めたいとの意向を示しているということでございます。

ICD-10の原死因の選択ルール(提要・総論)について、現在HIVにより悪性新生物を発症したとされる場合、悪性新生物の形態・部位等に関わらずHIVを原死因としているところでございますが、これをHIVと因果関係の深い一部の悪性新生物に限定すること、結論は得られておりません。継続審議となっております。について、議論が行われております。

ICD-10の今後の改正についてということで、mTAGのほうからICD-11の死亡リストに関する初期評価の結果報告を受け、その完成度の問題から、今後ICD-102013年、2016年の大改正に加えて、2019年の大改正が必要となる可能性が指摘されております。日本からは、2019年の大改正を行うにしても、それがICD-11の作成を妨げないように留意すべきということで指摘をしたところでございます。

ICD-11原死因の選択ルールのマニュアル(総論)の作成についてということで、WHO事務局がウェブ上のプラットフォームを準備しており、共同議長のLarsさんを中心に、各国で協力して作業を進めることとなっております。

 、mTAG及びmbTAGの合同会合におきましては、ICD-11死亡リストにつきまして、mTAGによる死亡リストの初期評価結果として、構造上、分類上の問題が多く、このまま公表されればICDに対する借頼性に悪影響を及ぼしかねないとの報告を受けて、諮問会議(Council)に対して、死亡統針の専門家によるリストの再構築が必要との提言がなされております。なお、死因コーディングの観点からは、疾病と死亡で同一リストを使用すること等についても検討することとされております。死亡診断書に記載される病名につきましては、統計表章される原死因よりも幅が広いということが理由のようです。

ICD-11疾病リストにつきましては、mbTAGにつきましては、今後、疾病リストにおける中心的な項目をpre coordination、それ以外をpost coordinationとして選別して、Stem code、幹コードでございますが、診断に使用される論理的に必要な最小単位を割り当てる作業を行うとしております。各国作成の自国のリストを参考に、疾病リストのチェック作業計画が示されたという段階でございます。

 教育普及委員会(EIC)でございますが、普及データベース、lCD及びlCFになりますが、オランダの協力センターが新しいデータベースを作成しております。協力センターの幾つかが協力している状態で、WHO地域事務局の協力などを仰いで多くの情報を取り入れていく方針をとっております。

ICDICFともに、ICD-10のウェブ・トレーニングツールにつきましては、1日に5万件のアクセスがあり、既に7カ国語に翻訳、日不語は現在翻訳中でございます。新しい死亡診断書の国際様式に合わせたトレーニング作成を予定しております。インターネットの環境がなくても、CDなどで利用できるようにする方針になっております。

ICFにつきましても、同様に、現在、ドラフト版がウェブサイトに掲載されております。201311月にWHOの承認を得て、各協力センターにおいて12月以降、順次、翻訳を進めていくとなっております。9カ国語で翻訳される予定で、WHOでは2014年以降に新しいモジュール制作の着手を予定しているとアナウンスがありました。

ICD-11の支援作業でございますが、教育教材の作成を担当しております。作業はウェブ・プラットフォームで行う予定とし、総論のレビュー協力者にリタ・スクローネさんとキャシー・ジアナンジェロを選出したところまで決まっております。

 生活機能分類グループ(FDRG)のほうは、ICFの活用に関する取り組みに関して発表がございました。

lCFのガイドライン暫定版の出版の発表があったということで、当日、現場で幾つかICFのほうが配られたという状態でございます。

 国際統計分類拡張委員会(FDC)につきましては、ICHI、医学的な介入の分類でございますが、alpha版のバージョン2が出ております。ICHIalpha版バージョンが完成して、CD-ROMの形で配布されております。日本でも一部入手したところでございます。内容といたしましては、ICD-9CMを基礎にして医療介入を作成し、公衆衛生の介入、機能介入を追加したものとなっております。

 ただし、一部未解決の問題もございますので、今後、ontology活用可能性の摸索、コーディングルールの改善、公衆衛生の観点からの実用可能性の向上等について引き続き検討することとされております。

 その他といたしまして、WHO全体の共通テーマとなっているユニバーサル・ヘルス・カバレッジの視点から、稀少疾病や国際的な診断群分類等についてWHO-FICの関与等について議論が一部されております。こちらのほうにつきましては、担当官のウースタンさんの上司である方もいらっしゃって講演している状態です。

 全体会議、諮問会議(Council)でございますが、議長選挙と委員の委任が行われております。議長につきましては、ドイツセンターのステファニーさんが任期を迎えましたので、ノルウェーのLarsさんとオーストラリアのJennyさんも選出されたということで、ノルウェーとオーストラリアのほうがチェアとして、今後カウンシルのほうの議事を進めるとなっています。

 オーストラリアの方が諮問会議の共同議長に選出されたことによって空席ができたために、諮問会議の執行小委員会(SEGSmall Executive Group)、基本的にはコアメンバーで方針を決定している内部の小さい会議なのですが、中医協で言う基本問題小委みたいなところの委員会に、Patriciaさんに加えて、イタリアと南アフリカのLynさんも入っている状態です。

WHO国際統計分類ネットワーク運営に関する文書の草案についてということで、ドイツ協力センター長のStefanieさんから起草されましたWHO国際統計分類ネットワーク運営に関する文書草案について議論を行っております。今まで、カウンシルの投票等につきましては規定がない状態で、お互い暗黙の了解という形で行っておりました。これを明文化したということでございます。メンバーの議決権、謙長の任期などについて明文化した第1版として、今回承認されております。

 戦略ワークプランについてということで、委員会及びグループが最新の戦略ワークプランを諮問会議共同議長に送付を行って、諮問会議共同議長が最終版を作成するとなっております。

 全体会議、lCD改訂についての議論ということで行われまして、まず死因リストについてとして、WHOのヤコブさんからの報告がございました。各TAGが作成したICD-11から死因リストに残す項目を特定する作業を進めております。WHOの死因データベースを活用し、頻度の高い原死因の項目を残した他、頻度は低くても世界疾病負担に関わる項目やICD-10の特定製表用リスト項目等の重要な項目も残したとしております。

ICD-10ICD11で分類の仕方が異なることから生じている問題として、「リウマチ性僧帽弁疾患」を例示として説明しております。ICD-10では、リウマチ性(病因)-僧帽弁(弁)-奇形の順で分類されるが、ICD-11では僧帽弁(弁)-奇形-リウマチ性(病因)の順番で分類されるということでございますが、ICD-11につきましては、菅野委員長がTAGのチェアをされておりますが、内科TAGとか、その他の専門分野のTAGの動きと、それぞれの分類のところ。

WHOの内容がいまいちかみ合っていない状況がございまして、作業をWHOのほうは急いでいる部分もあり、比較的WHO先行型で決められているようなところが出てきています。そのために、TAGが提案している内容と結構大きいずれが出てきていたり、要するに希少疾患とか腫瘍と内科といったTAG間での調整が適切に行われていない部分もあって、なかなかまとまりがついていないのが現状でございます。

 疾病リストについても同様で、これはWHOのアメリカから来ているロビンソンさんからの報告ですが、疾病リストについては、pre coordinationpost coordinationを用いるが、その線引きの判断基準として、過去のICDとの継続性、科学的エビデンス、分類学的原則、コーディングの実際等を考慮する必要性がRSGで認められています。

 疾病リストは死因リストの全項目を包含することとするが、これについてはさらに議論が予定されている。

ICD-10からICD-11への各国における円滑な移行とICD-10からの継続性の確保のために疾病リストの安定性分析が既に行われている。その結果、64%の項目はICD-10ICD-11で共通であり、ICD-1021%の項自でICD-11において大きな変更があった。安定性分析について、ICD-10の各国版とも既に行っているとはしているのですが、実際出てきているものがどこまで安定しているかはちょっと疑問が残る部分です。

 これから実際にTAGの中身では作業に入るのですけれども、それぞれ査読、レビューについてもロビンソン氏からの報告がございます。レビューは定義と構造のレビューに分け、それぞれレビューア一による初期レビューと一般からの提案をレビューする継続レビューを行うとしています。

 レビュー及び提案については、WHOで「提案プラットフォーム」、iCATのレビュー版のようなものが当初、6月に立ち上がるという話だったのですが、9月になり、11月になり、現状、まだ立ち上がっておりませんが、プラットフォームが立ち上がり、「レビュー・ダッシュボード」という作業管理ソフトを使ってレビュープロセスを管理するのだと、当日発表がありました。

 定義のレビュー(初期レビュー)の流れとしては、レビューマネージャーが各案件を5名のレビューア一に割り当ててレビューを実施する。レビューマネージャーは、レビューの内容を要約してTAGに送付する。TAGはレビュー内容と要約を見て、提案プラットフォームでレビューの結果に対してコメントを行う。レビュー内容についてコンセンサスが得られない場合は、レビューマネージャーはRSGの裁定を仰ぐ。レビューマネージャーはレビューを完了し、必要に応じてレビュー結果をiCATに反映させるという経過が示されておりますが、作業がまだ全く進んでいないということと、具体的なマニュアル等が出ていないところもあり、ここはまだ不明確な部分が残っております。

 継続レビューの流れも基本的には同じという発表でした。

 構造のレビューも同様でございますが、分野横断TAGに章、ブロック、リスト単位のレビューを割り当て、分野横断TAG議長がTAG内の調整を行いながらレビューを実施するとしております。この分野横断TAGについて、各分野の、特に内科でしたらワーキングも下にありますので、そういったところで調整がどこまでできるのか、ちょっと怪しいかなという感じを私は持ちました。

 今後のスケジュールにつきましては、2013年の11月までに定義及び構造の初期レビューを開始する。11月とは言っているのですが、現状まだホームページはオープンにされております。継続レビューにつきましては、提案プラットフォームの一般公開後に開始するために、現段階では開始のめどは立っておりません。

 次に、フィールドトライアルでございますが、これもWHOの担当官からの説明があり、フィールドトライアルでは、死因分類、疾病分類等の用途におけるICD-11の適合性、ICD-10からの継続性について試験を行うとしております。

 実施体制としては、WHOを中心として、協力センターやその他の組織をフィールドトライアルセンターに指定を行い、また、病院等の現場でフィールドトライアルを実施する。フィールドトライアルにつきましては、主に基本調査と追加調査に分かれ、基本調査では実施が比較的容易な調査を行い、追加調査ではより複雑な問題を扱うとしております。

 基本調査につきましては、3種類の調査研究を実施するとしております。

 調査研究1につきましては、ICD-11の信頼性と実用性を試験するものでございまして、異なる評価者がICD-11を使って症例要約、実際の患者またはビデオ症例をコーディングして、評価者間の一致度を測定する。

 調査研究2は、ブリッジコーディングといたしまして、症例要約をICD-10ICD-11を使ってコーディングを行って、その一致度の測定を行う。実施する方法として、既にICD-10でコーディングされた症例をICD-11でコーディングする方法と、新たに症例をICD-10ICD-11を使ってコーディングする方法が考えられています。

 調査研究3としては、統計、医療、保険等の分野の国内関係者を対象に、ICD-11に関する問題について調査をするもので、第1段階で調査票を使っての調査、第2段階はコンセンサス会譲で関係者に議論してもらい、記述統計をとるということです。

 調査研究の規模については、フィールドトライアルセンターあたり調査研究1で500から1,000件、調査研究2で500件以上、調査研究3では30名以上の関係者と2回以上のコンセンサス会議を想定しているということで、結構なボリュームになります。

 追加研究としては、ICD-11の索引の構築、あと、ICD-11翻訳テストなどを実施する予定ということでございますが、実は担当者から個別に、全体会議では二者での相談が何カ国かと繰り広げられて、こういった場ではなくて、二者間で提案されている状態で、フィールドトライアルがどこまで実際に実施されて、どういう内容なのかの具体性については、まだちょっとわからない状態が多いということです。これだけの規模を世界レベルでやるとすると相当な期間がかかるので、現状の2015年という予定ではなかなか厳しいのではないかというのが、全体の会議としての協力センターのコメントでございます。

 あと、この部分の最後まで行きますが、ツールの開発についてということで、WHOのほうからは、lCD-11ブラウザーは、既に使用され、閲覧、検索、コメント、通知機能を持ち、印刷版や索引も作成できる。ブラウザーは毎日更新され、ユーザーは2,400人に達しているということです。これは延べなのか、2,400人なのか、わかりません。

 翻訳プラットフォームにつきましては、インターネット上で複数の翻訳者がICD-11を同時に翻訳するためのツールであり、翻訳メモリを使用することでICD-10の既存翻訳や、一度翻訳した用語を再利用できるとしています。

 あと、提案プラットフォームにつきましては、項目の追加・削除、内容の編集・追加・削除、分類構造の変更などの提案を行うためのツールということで、ツールはたくさんできているのですが、実際にこういった委員会で翻訳を先生方にお願いしているのは、各国の文化とか分野の分け、あと、その疾患に対して、どこの標榜科というか科目が対応するのかによって、概念が各国でまちまちになっております。こういった面で、自動翻訳がどこまで有効に機能するかというのはちょっと疑問が残る部分で、かつ翻訳ができたとしても、各国の中でそれがきちんと導入されて受け入れられるかというのも課題があるのですが、WHOのほうでは自動翻訳機をつくってやるということになっております。

 今回、ここには載せていないのですけれども、カウンシルの議論の中では、最終日にWHOICDの担当官の上司の方がいらっしゃいまして、各協力センターから2015年の勧告についてどう思うか、現状のICD-11の改訂状況についてどうかということを踏まえて、意見どりをされております。結果は出ていないのですが、出席の協力センターの中のほとんどの意見としては、現状の出来ばえでは2015年に無理に勧告する必要はないのではないか。逆にクオリティーをきちんと高めた上で勧告すべきであって、時期ありきというのはおかしいということで、ほぼ全体の協力センターからは否定的な意見が並べられたということでございます。

 ボエマーさんが実際にウースタンの上司としていらっしゃっていたのですが、そのときは、11月ぐらいに結論を得たいということでWHOに持ち帰ったという状態です。現状、WHOの内部というか、WHO-FICの協力センター間での打ち合わせの中での資料では、1つ出ているのが、2017年に勧告するWHAの原案が提示されて、実際にWHO2017年の段階で提示するような案が少し見え隠れしておりますが、正式決定はまだされておりませんので、実際には当初の計画であった2015WHOというのが残っているということです。当初の予定でいきますと、来年のWHO-FICのフェース・ツー・フェースのミーティングには原案がかかっていかなきゃいけないのですが、もう既に1年を切った段階でフィールドトライアル、レビューというのがどこまでできるかというのは疑問であるということです。

WHOの考えとしては、フィールドトライアルについてはその後やるのだけれども、15に勧告するのだけれども、フィールドトライアルとレビューはその後も継続しながら、予定として出てきたのは2019年ぐらいまで毎年改訂をやるというプレゼンテーションが行われているので、それについては、ドイツセンターも含めて各国のほうから、毎年大改正を行われていたのでは対応が間に合わないというか、対応ができないことによって、逆にWHOICDの導入に距離感を持たれてしまう可能性があるので、そこはある程度の期間を置いてきちんとまとめるべきではないかということも、あわせてWHOのほうには提案しているところです。

 実際に、さっき出てきました死因のリストにつきましても、けさ菅野先生と防衛医科大学校の三浦先生のほうからも御意見いただいておりますが、TAGのほうで内容を精査したものとは相当違うものが出てきているということです。その内容についても、三浦先生から御意見をいただいているのですが、12月4日に一度、内部の電話会議というか、WHOのコラボレーションセンターの中の担当の会議があり、その後、フェース・ツー・フェースの会議が12月中旬ぐらいに開催予定されておりますので、そこが一つの意見出しのポイントかと思います。ですから、そういうところできちんとした意見出しを今後していく必要があるだろうという認識をしております。

 ただ、最終的にどこまで精緻なものができるのかというのと、各TAGの中身で求めているものとなるかということに関しては、複数のTAGが関連することから、一定の妥協点が出てくることはいたし方ないかもしれないと考えると、そこはウォッチしながらも意見を出し続けていくことが重要になりますし、その精度がどこまで上げられるかというのは関与度次第かなという感じがしております。

 最後に、ポスターセッションでございますが、日本から1名の口頭発表がございました。日本病院会日本診療情報管理学会高橋先生のほうから発表されております。

 関連会議の予定としては、4月1日~4日にフランスのリヨンのほうで死因分類グループ(MRG)、4月7日、8日でフランス・リヨンで同様にテーブルグループ会議がございます。あと、4月9日、10日でフランス・リヨンで教育普及委員会が行われて、5月には英国のロンドン、ICFのほうでFDRG。あと、6月にはマレーシアのクアラルンプールでFDCが開催されることになっております。ただ、分類改正改訂委員会(URC)と情報科学用語委員会(ITC)のほうについては、現状、開催の予定がない状況でございます。

 以上でございます。

 

○菅野委員長

 ありがとうございました。ところどころで専門用語が飛び交っておりましたので、おわかりにならない点もあろうかと思いますが、少し追っていきますと、(1)でございますけれども、ことしの委員会で採択90件、大改正26件、小改正64件と、さらに改正されたわけですが、先生方にお願いしたさきの案件では、これは含まれないということでよろしいわけですね。

 混同されないように、2013年版の改正でございますけれども、その前に発表されているものに基づいて行うということで、既にここで、ある意味では古いものを使うようになっております。これは、プリント媒体といいますか、向こうから整理されて発表されるのは来年になりますので、ここで改正された内容は先生方の作業には反映されないということは確認させていただきたいと思います。

 それから、昨日か一昨日、ICD-11のβバージョンが公開されているのは先生方、御存じだと思いますけれども、私がそこで見てみますと、どんでもない、我々がiCATに入れたものとは似ても似つかないものが、モビディティのリニアライゼーションとして出ております。これは、全部は見ていませんので消化器だけではないかもしれないのですが、消化器だけ見ても、誰がつくったのかよくわからないのですけれども、とんでもない状態になっています。ですから、iCATで入れたものが全く反映されていないと言ってもいい部分もございますので、各先生方におかれましては、誰でも登録できて閲覧できますので、もう一回御確認いただいたほうが無難かと思います。

 これを言い出したら討議の時間が尽きるぐらい、WHOは勝手なことをしておりますので、柏井先生などもぜひごらんいただきたいと思います。口腔領域などは割と精緻化されているように見受けましたけれども、ほかのところまでは、忙しくて目を通しておりませんが、先生方、ぜひごらんいただきたいと思います。

 それから、私のコメントを先に言いますと、先ほどのモビディティのグループは恐らくそれに関与しているのだろうと思いますけれども、レビューはiCATでするような考えですけれども、iCATのものがモビディティのリニアライゼーションに反映されないとすると、やっても意味がないみたいなことになってしまうので、これは重大な作業上の問題をWHOが今、起こしていると捉えざるを得ないわけですね。そういうわけで、勝手に変えるのではレビューしても意味がないわけでございますから、そのレビューをやる意味が本当にあるのかということ。

 それから、この作業の具体的な内容でございますけれども、レビューマネジャーというのは一体誰がやるのだということもあいまいですし、それをどう調整していくのか。つまり、モビディティのリニアライゼーションとiCATとの間にそごが生じるとすると、その調整は誰がするのだといった問題がすぐ浮かび上がるわけでございますが、現在のところ、レビューについては行動が起こされていないというか、具体的な作業内容が提示されておりませんし、実際のシステムもできていないようでございますから、それは置くとしましても、大問題が生じているということだけはお耳に入れておきたいと思います。

 もう一つは、先ほども事務局のほうから御説明がありましたが、ICD-112015年を目標にやっておりましたが、どうも怪しくなってきている。その意味では、今回、先生方にお願いしてICD-10の改正を日本でやるという意味は出てきたとは言えるかと思いますが、ICD-11は若干雲行きが怪しい。これは、前から怪しいと私は思っておりましたけれども、実際、そのとおりになりつつあるのかなと思っております。

 それでは、今の補足説明を含めて、御質問等あるいは御討議等、ございましたら、お伺いしたいと思います。

 

○松本委員

 死亡診断書の新国際様式ということが言われましたけれども、具体的な様式については提案があったのでしょうか。極めて重要な問題だと思いますので、お伺いできればと思います。

 

○事務局

TAGのほうからは一応提案されております。私のほうで見たところ、もともとの日本で現状使っているものとは、それほど差はない。当然中身については、ある程度あるのですけれども、そこは差がないかなと思いますが、死亡診断書の様式については、医政局医事課が所管になるので、そこに情報提供しながら進めていくことにしております。

 もともと現状の死亡診断書の様式の中でWHOが提示をしているところは、1欄、2欄の部分だけになっておりますので、その部分に対してほかの要因が入ってきているというものです。正式には、来年ぐらいのWHO-FICの中で実際に提案が出てくるものと思っておりますので、まだドラフトの段階ではございます。

 

○菅野委員長

 ほかにございますでしょうか。はい。

 

○中田委員

 死亡統計の関係なのですが、今お話を伺っていますと、原死因の選択ルールについてマニュアルをつくるということをおっしゃっています。ということは、これからも死亡統計としては原死因という考え方を踏襲するということなのでしょうか。そして、それは決定事項なのですか、それとも決定事項でもないのですか。

 

○事務局

 原死因選択のやり方についてはちょっと考えると言っていますが、原死因選択をやめるとは言っていませんので、原死因選択は今後もWHOとしては残っていくものと思います。

 

○中田委員

 原死因選択については、現在は、アメリカのACMEというシステムがある意味では世界標準といいますか、デファクトスタンダードになっていると理解していますけれども、逆に言えば、アメリカがそこのシステムを更新しないと、死亡統計ができない国が幾つか出てきてしまうことになろうかと思うのですが、その辺について何か議論というか、話題があったのでしょうか。

 

○事務局

WHOのほうとしては、ドイツの協力センターのDIMDIが中心になってIRISという新しい原死因選択のシステムを今、構築しようとしているところです。現状、もう公開されている状態で、フリーでダウンロードできるということで、日本センターにおいても担当官を何人か派遣しながら、IRISの検討の中にはちょっとコミットしようとしている段階です。

 

○中田委員

 日本でもそれを使おうと考えられているのですか。

 

○事務局

 そこはまだ。

 

○中田委員

 ありがとうございます。

 

○菅野委員長

 先日の部会で、死因の精緻化といいますか、その辺について議論されて、死因統計における原死因選択についてもう少しきちんとしましょうという話がありました。もうちょっときちんとしないと日本の根幹が揺らぐこともあり得ますので、この辺はきちんとしましょうというお話でございます。

 ほかにございますでしょうか。

 インフォメーションTAGがもうほとんど機能しないという状態になっているとうかがえます。ですから、いろいろなことを当初やろうとしたわけですが、串刺し方式とか、いろいろなことは、タイムリミットを考えますと、今のところ全くできないと考えてよろしいわけですね。そうすると、ICD-11も従来型のリニアライゼーションのようなパターンになっていくと、考えられるわけですけれども、それについての質疑はあったのですか。

 

○事務局

 実は、日本センターは内科TAGや漢方のTAGとの連携から、ICD-11の改訂については、ある程度事前の知識を持った状態で中に挑んでいます。ただ、他国のセンターについては、ICD-11の改訂がどうなっているかということについては、知らないセンターがほとんどです。このため、改訂のどこまで進んでいるのかとか、どういう課題が出るか、まさにTAG間でのオーバーラップの調整が行われていなかったり、WHO側がiCATの中で運用しているので、閉じてしまって勝手にいじっている内容についても、実際にはほとんど把握されていない状態です。

 ですので、今回の議論について、各国からボエマーさんに意見を出したというのは、中身を知らない状態で変更の内容を俯瞰したときの意見を出しているものであって、日本センターが主張している内容、オーバーラップをどうするのであるとか、今回の死亡リストについての、そもそもリニアライゼーションはどこまでできるのだとか、SNOMEDとの連携についてはとか、ICDの各項目の中にどういう疾患が入っているか、SNOMEDからフィッシングのように取り出して、そこからICD-10プラスになり、αをつくってβ化していくという当初のスキームについても知らないという状態です。ですから、情報の相当な非対称の中での会議ということになりますので、各国からの意見というのはそんなに深いところでの議論は出されなかったというのが実態かと思います。

 

○菅野委員長

 ありがとうございます。

 ほか、よろしいでしょうか。柏井先生、何かございますか。

 

○柏井委員

 ちょうど今週月曜日にニューオリンズでの眼科の学会のときにロバート・ヤコブさんと話したのですけれども、現在、iCATICDのカテゴリーのウインドウが完全にフリーズしているのです。本来、我々はエデティングできないけれども、中を閲覧することはできるし、SNOMEDとのリンクも以前は見られたのですけれども、今は完全に最初のヘディングのところだけで全くあけられなくなってしまった。

 そうすると、今、菅野先生がおっしゃったように、βだけが公開で、一般の人、みんなが中身を見られるようになっているのですけれども、すごくいい部分と悪い部分と大きな差がある。我々の場合でも、当初文句を言っていた部分がきれいになっているところがあるのですけれども、ゾンビのように、先生おっしゃるように古い名前がやたら出てきていて、非常に混乱した状態になっている現状です。我々はエデティングできないけれども、最低、中身は見られるようにしてほしいということを、この間、ヤコブさんに言ったのです。iCATは非常に混乱した状態なので、今どうも閉じられている感じです。

 

○菅野委員長

 ありがとうございました。iCATでサイエンティフィックにやったところが見えなくなって、今、古いものと入れ子になった、わけのわからない分類が一般に公開されている状態で、それに対して意見出しをしろみたいなプラットフォームになっていますね。なので、とんでもない、あんなものがひとり歩きされたら、レビューそのものが成り立たないので、これはWHOにきちんと申し入れをしないと、今後の作業ができない、あるいはもう協力できないということになるのではないかと危惧しております。

 

○事務局

 まず、先生方には、今回の提案様式というか、チェック用のファイルをお送りするところに、そちらの構造を示しているところのURLをあわせてメールでお送りいたしますので、それでごらんいただければと思います。

 もう一点、実は内科TAGとしてマネージングエディターが2名おります。そちらのほうから、実際にはWHOについての全体を見ていただいてというのは、死因リストと疾病リストについては、今回初めて公開されたところがあるので、マネージングエディターとして全体を見ていただいて、それでどうなのかという意見を今、まとめてもらおうとしているところです。

 実は、12月4日に電話会議がございますので、非常に短い期間でございますが、もしごらんいただけて、その上で意見をお出しいただければ、そういったものをそちらのほうに還元していこうと思っております。また、12月4日以降もキックオフでございますので、その後も継続して変更はききます。ですので、そこはもし気づいた点がございましたら、事務局までお申しつけいただければ、そちらのほうをまたWHOに返していくという作業をしていきたいと思っておりますが、一番最初にある程度きちんとした方向性を提示しておかないと、今、混乱傾向があるのは事実でございます。

 かつ、担当官のほうも、しっかりとやっていただいているのですけれども、相当人数が少なく、ほとんど1人で切り盛りしているのが実態のようでございます。そこで、調整がどうしてもきちんとできないといったものもあるのかもしれないと思っております。

 

○菅野委員長

 ということで、せっかくこのICD-10の改正の件で、資料をお送りいただくのであれば、ICD-11のβバージョンのモビディティのリニアライゼーションについても、ちょっと御検討いただくために参考資料としてお送りいただくとありがたいと思うのですが、大丈夫でしょうか。

 

○事務局

URLのほうからダウンロードできるようにはなっておりますので、URLをメールの本文のほうにつけてお送りしようと思っております。

 

○菅野委員長

 先生方、御登録にならないとダウンロードできないのですけれども、簡単に登録できますので、ごらんになっていただくと、いかに変なものになっているかというのがおわかりいただけると思います。では、そういうことでよろしいしょうか。

 ほかに御質問等、どうぞ。

 

○横田委員

 改めて確認させていただきたいのですけれども、きょうの前半部分の私どもに充てられた業務というのは、ICD-102013年に合わせて追加あるいは変更になった訳が適切かどうかというところだけをチェックしろということですか。まず1つ目のお話ですけれどもね。

 

○事務局

 1つずつ回答してよろしいですか。そのとおりでございます。訳が正確かというよりも、直訳に近い状態で訳をかけておりますので、その訳を実際に日本国内で用いる場合には、ちょっと通らない場合もあるかと思います。そうすると、そこは日本にきちんとマッチした形での用語がもしあれば、そちらに変えていただく。ですから、直訳とはちょっと意味が違う内容であったとしても、メンテをかけながら日本できちんと使える内容にしていくことが重要かと思っておりますので、訳だけでいいということであれば、先生方にこんな煩わしい作業をお願いする必要はないのですが、日本の医学文化に応じた訳ということを見ていくためには、先生方のお力が必要ということでございます。

 

○横田委員

 その意味で、現行使っている医学用語として、ちょっと古いといいますか、余り日常使われないようなものがところどころあって、それも変えていいのかどうか。要するに、英語版に線が引かれていて、これが追加されました、削除されました、その訳はこうですというのはわかるのですけれども、現行の用語がそのまま残っていくと、新たに追加したり削除したりするものがちょっとおかしいことになります。現行、こんな言葉だけれども、この用語は現在はこういうふうに使われていますよというのにも手をつけていいのでしょうかという質問です。

 

○事務局

 今回は、ある程度そこも含めて御意見をいただければと思います。というのは、実は今回は一部改正でございますので、全部の項目をいじるわけじゃないというのが一番厳しいところで、あるところでは古い用語。今回、変更がかかっていないところは、現状維持のまま残ります。それに対して、新しいところについては新しくなるというと、同じものなのに2つの用語が出てくることが危惧されますので、そこはある程度の判断が必要なのですが、変えるに当たって、どう変えるのかというのは、原案がないと我々も判断できない状況でございますので、可能であればそういったものも含めてお出しいただければ、対応も幅が出てくるかなと思っております。

 

○横田委員

 もう一点、よろしいですか。その作業について、分担としては2名もしくは複数名充てられておりますけれども、これは意見を出すときに、その項目、章については、2人あるいは3名で調整した上で出せということになるのか、それぞれの委員のほうから個別に出して結構ということなのか、そこもちょっと教えてください。

 

○事務局

 そこは、実はどちらでもいいかなという無責任なことは言いませんが、領域が広くてある程度の線引きがきく場合には、それぞれ役割分担をしていただいて御意見を同時並行的に出していただいていいと思います。完全にオーバーラップするような場合ということであれば、ちょっと御相談いただいた上でお出しいただいてもいいかと思いますが、多分、ある程度の線引きがつくかなと思いまして、今回の分担を決めたところでございます。どうしてもオーバーラップ部分が出てきますので、そこについてはちょっと御相談いただければ、我々も判断しやすい。右と左の両方が出てきたときには一番困りますので、その部分については御相談いただければと思います。

 

○横田委員

 ということで、ICD-10の今回の改正部分についての我々の役割はわかったのですけれども、私自身、長いこと、この委員会に入っていて、そもそもICD-11への改訂に焦点を当て、学会の取りまとめ的なことをやってきました。先ほど委員長も言われていることですけれども、ICD-11のβ版のホームページをのぞきますと、私が関与してきた19章、20章、特に19章は今では20章になっています。実は1カ月ごと程度の短い期間に修正が行われていまして、なくなったのもあれば、急に追加されたものもあり、一体どうなっているのだというのが本音でして、我々の学会の委員会では、委員の人たちが取り組んできた意見が真面目に取り入れられていないような状況がうかがえます。

 2つ目の私の質問は、ICD-11改訂について、私たちはあとどういうふうな関与の仕方をしていけばいいのかという、ちょっとお教えいただきたいというのが本音です。

 

○事務局

 言葉に窮しますね。

 

○菅野委員長

 これは、大問題をはらむというのは、今、申しましたとおりでございまして、こっちでせっかく議論して詰めて、サイエンティフィックなエビデンスに基づいて勧告したものが、勝手に変えられて、しかもこちらに知らされない。先生おっしゃるとおりで、もうつき合えませんよという話になるのは当然なのですね。ですから、これはちゃんと日本側からWHO側に申し入れて、少なくともそういったことがないようにしないといけませんし、iCATとの整合性が今、とれていませんから、それは一体どうなるのかという話もありますし、非常に大きな問題で、多分答えられないと思うのです。ですから、これは電話会議等で詰めていった上でお答えすることになるのではないかと思います。

 それから、昔から2003年の日本語版の適用にかかわられた先生は覚えていらっしゃると思いますが、名前ですね。これは、御提案いただければ変更可能でございます。例えば、私のところの領域ですと、「ディスペプシア」というのは「消化不良」と、以前の版では訳されていました。消化不良はおかしいので、消化が悪いわけじゃないので、それで適当な訳がないので、今はカタカナで「ディスペプシア」と。つまり、これは症状をあらわすものですから、そういうふうに変わっておりますし、「クロストリジウム・ディフシレー」と昔はなっていたのですが、学会のほうは「ディフシル」になっておりまして、これも変えました。これらは用語が変わりますと国家試験などもそれに沿って変わりますので、学会の最新の標準というものを適用していただくようにお願いできればと思っております。

 それでは、この件につきましては、厚労省、コラボレーションセンターのほうからWHOと十分話し合いをしていただくということと、内科のエディトリアルマネジャーとも話をしないと、この次に進めないぐらいの大きな問題が生じているという理解だと思いますので、谷さんのほうでまた調整していただいて、よろしくお願いしたいと思います。そうでないと、次に行かないですね。レビューとかをやろうにも、変わるのでは意味がないですからね。それで反映されないレビューになってしまっては困るわけでありますので、まずはそれを確認した上で先生のほうにもお答えをお戻しするということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

 

○菅野委員長

 では、時間もございますので、次の議事に行かせていただきたいと思います。議事の3.その他でございますけれども、よろしくお願いします。

 

○事務局

 議事3でございますが、ICD-102014年一部改正について、これは2014年提案でございます。について、WHOURC、改正改訂委員会の意見提出についてでございますが、現在、日本医学会を通じまして、各学会から御提案いただいた内容を取りまとめているところでございます。この内容につきましては、来年3月、WHOのほうに提案を出すことになりますので、こちらの提案を出している間に、もう既に次の2015年版の変更内容については、医学会経由でまたお願いを出すような形をとり始めると思いますので、そこは御協力をお願いしたいということでございます。

 また、追って、御提案内容の一覧につきましては、先生方にお送りしたいと思っておりますので、お送りさせていただいた折には御確認をお願いしたいと思います。

 次回の専門委員会の際に、日本提出の提案としていかがかという観点から御意見を、先生方に一度チェックしていただこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○菅野委員長

 この件は、定例という形でございまして、日本がきちんとして意見を出すようになった最近10年ぐらいのことで、一部は採用されてきているという理解でございます。

 よろしいでしょうか。御依頼がまた行くので、よろしくお取り計らいいただくようにお願いします。

 時間がちょっと早いのでございますけれども、谷さんが駆け足で説明して、みんな頭がいいから全てわかったということで、会議が早く終わるのは結構なことでございますが、ちょっと大変な問題が持ち上がっているということだけは御認識いただいて、各自、チェックを入れていただきますようにお願い申し上げたいと思います。

 それでは、ほかにないようでございましたら、これで。はい。

 

○事務局

 済みません、次回、第16回の専門委員会について御連絡させていただきます。先生方からの今回のICD-102013年版の意見を取りまとめた上で調整させていただきますが、2月中旬ごろに開催したいと思っております。年度末、お忙しい時期かと思いますが、後日、早目に日程調整の連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 あと、意見の締め切りを1月31日としておりますが、それに先立って御提出いただく分につきましては、こちらとしてもお受けしますし、作業のほうが円滑に進みますので、余りさみだれになられると困りますが、随時出していただければ大変助かりますので、よろしくお願いいたします。

 

○菅野委員長

 それでは、少し時間が早いですけれども、これで本日の会議を終えたいと思います。御協力、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

統計情報部企画課国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係: 03-5253-1111 内線7493

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会)> 第15回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録(2013年11月22日)

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