ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会献血推進調査会)> 平成25年度第2回血液事業部会献血推進調査会(議事録)(2013年11月26日)




2013年11月26日 平成25年度第2回血液事業部会献血推進調査会(議事録)

医薬食品局血液対策課

○日時

平成25年11月26日(火)
16:00~18:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(6階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

【出席委員】 五十音順、敬称略

◎衞藤 隆、小山 信彌、竹下 明裕、寺田 義和、中沢 明紀、村井 伸子、室井 一男、花井 十伍、山本 シュウ

※ 欠席委員(敬称略) (宇都木 伸、大平 勝美、小山 龍太郎、鈴木 邦彦、田中 里沙)

※ ◎は座長

【行政機関】

浅沼 一成(血液対策課長)、野村 由美子(血液対策企画官)  他

【日本赤十字社】

血液事業本部(2名)

○議題

1.平成26年度献血推進計画(案)の策定について
2.その他

○議事

○信沢課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから平成25年度第2回「血液事業部会献血推進調査会」を開催します。

 なお、本調査会は公開で行うこととしておりますが、カメラ撮りは議事に入るまでとなっておりますので、マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。

 本日の委員の出欠状況ですが、宇都木委員、大平委員、小山龍太郎、鈴木委員、田中委員から欠席との御連絡をいただいております。

 また、花井委員におかれましては、少しおくれて出席される予定になっております。

 現在、委員14名中8名の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告します。

 また、本日は、日本赤十字社血液事業本部より、西田副本部長、井上献血推進課長にお越しいただいております。

 それでは、以降の進行につきましては、衞藤座長にお願い申し上げます。

○衞藤座長 皆さん、こんにちは。それでは、早速、議事に入りたいと思います。

 初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。

○信沢課長補佐 資料の確認をさせていただきます。

 お手元にお配りの資料ですが、一番上から、本日の議事次第、座席表、委員名簿。

 資料1-1といたしまして「平成26年度の献血の推進に関する計画」。

 資料1-2「平成26年度の献血の推進に関する計画 新旧対照文」。

 資料2「献血推進調査会設置要綱(改正案)」となっております。

 不足等ございましたら、挙手にてお願いします。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 それでは、議題1に入りたいと思います。「平成26年度献血推進計画(案)の策定について」です。

 事務局より説明をお願いいたします。

○信沢課長補佐 それでは、資料1-1、資料1-2について御説明いたしたいと思います。

 これは、もう御承知のとおり、国が策定する「献血の推進に関する計画(案)」、いわゆる献血推進計画であり、資料1-1は平成25年度の計画を基に修正箇所を反映いたしましたもの、資料1-2が修正箇所と現在の25年度分の新旧対照表となっております。わかりやすいので、資料1-2の新旧対照表を用いて改正点を御説明したいと思います。

 上段が26年度の計画案、下段が25年度の計画になっております。なお、今回の改正案は、前回の献血推進調査会での御意見等を踏まえた変更となっております。

 まず、1ページ目冒頭の「平成26年度に献血により確保すべき血液の目標量」についてです。数値はまだ入っておりませんが、現在、都道府県に血液必要量調査を依頼中であり、年明けに確定値を記載することになります。

 次に3ページの後半の下線部分ですが、現行の「対象を明確にした効果的な活動」から「対象世代を明確にし、各世代にあわせた効果的な活動」と変更しております。これは、例えば企業や複数回献血者といっても、さまざまな年代の方がいらっしゃいますので、各世代に合わせた普及啓発活動を推進していくことで献血への理解がより得られるのではないかということで変更しております。

 次に、4ページの2行目の下線部分です。「インターネット等を含む様々な広報手段」というところを「SNS等インターネットを含む様々な広報手段」と変更しました。これは、ホームページを利用した告知などは多いのですが、若い世代は、国、自治体、日赤等のホームページをみずから率先して見るという機会が多いとは考えられないため、10代、20代の若年層の方の多くが利用しているSNS、例えばツイッターとかフェイスブックとかラインといったものを利用することで、若年層の興味を引き、献血の普及啓発につながるのではないかということから変更しました。

 同じく4ページの中ほどの下線部分「次世代の献血者を育てていくために」を追加したのと、次の下線部分では「親子が献血に触れ合う機会」の後に「利用しやすい環境」を追加しました。この内容自体は25年度計画にも記載はありましたが、採血所に託児所等を確保し、20歳代、30歳代のファミリー層が利用しやすい環境整備をより一層進められればということで追加しました。

 なお、採血所の託児施設の整備ですが、厚生労働省に寄せられる国民の声の中でも要望があり、望んでいる方が実際には多いのではないかと考えております。

 続きまして、同じく4ページの後半の下線部分ですが、「関係省庁」という語を追加しました。関係省庁も、厳密に言うと「国」というくくりになりますが、国同士の省庁間の連携の記載がありませんでしたので、今回「関係省庁」を追加させていただきました。

 最後、7ページに飛びます。最初の部分の下線ですが、「献血者に配慮した献血受入時間帯の設定」の後に「子育て世代に対応した託児設備」を追加しました。こちらは、先ほど御説明した4ページの追加と同様に、託児施設の充実という観点から追加しております。

 以上で終わります。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明いただきました件に関しまして、委員の皆様から御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 竹下委員、お願いいたします。

○竹下委員 3ページのところです。左のほうの「普及啓発の対象世代を明確にし」というのは「対象や世代」ではないのでしょうか。企業や各世代ということでそこを変えたと理解いたしますが、いかがでしょうか。「対象世代」と申しますと、ターゲットとする世代と聞こえてしまうような気がいたします。

○信沢課長補佐 申しわけございません。一応、意図といたしましては、世代ごとに対象を絞るという意味合いでつくったつもりだったのですけれども、そこの文言は、先生がおっしゃったような形のほうがよろしいというのであれば、またこちらのほうで検討したいと思います。

○竹下委員 いや、少し意味不明なところがあるので、また考えていただければよろしいかと。

○信沢課長補佐 はい。

○衞藤座長 意味合いとしては、対象となる世代というようなことをこの「対象世代」という言葉に込めたようにも聞こえましたけれども、その辺、表現を少し検討していただくということにしたいと思います。

○信沢課長補佐 はい。

○衞藤座長 ほかにいかがでしょうか。

 花井委員、どうぞ。

○花井委員 書きぶりの問題かもしれませんが、6ページの後ろに「献血者の利便性の向上」というところがありまして、「献血者の安全に配慮しつつ、効率的に採血を行うため、立地条件等を考慮した採血所の設置、地域の実情に応じた移動採血車による計画的採血及び献血者に配慮した献血受入時間帯の設定」には2つのコンテンツがまじっているのですが、献血時間についてはちょっと議論もあって力を入れたいので、例えば「地域の実情に応じた移動採血車による計画的採血、夜間への対応等、献血者に配慮した献血受入時間帯の設定」というふうにちょっと力を込めた記述にすることはいかがでございましょうか。提案でございます。

○衞藤座長 事務局、これはいかがですか。

○信沢課長補佐 事務局としては構わないのですけれども、ほかに委員の先生や日本赤十字社から何か御意見があれば。

○衞藤座長 日本赤十字社の方からもし御意見があれば。今の点に関していかがでしょうか。

○井上献血推進課長 日本赤十字社の井上でございます。お世話になっております。

 この6ページ、7ページの部分の表現につきましては、昨年24年度の献血推進計画から、今年度は受け入れ時間帯の設定という形で変更が行われ、新たな表現にされたばかりであったことからいたしますと、花井先生がおっしゃったように、「夜間」という言葉を平成26年度の献血推進計画に再度変更されますのは、私ども、受け入れ時間帯の延長時にどれだけのニーズがあるかというのをまだ調査中のところもございまして、やや時期尚早かなというのが印象でございます。

○衞藤座長 花井委員、いかがですか。

○花井委員 何となく御趣旨はわかりました。表現としては、もしそういうことであれば結構でございますけれども、夜間というところにニーズというか、夜間に動く人たちの献血を今後広げていくという趣旨もありますので、ぜひそれを進めていただき、もしそういうことができまして方向性が見えました暁には、次からはもうちょっと踏み込んだ表現ができたらと思います。

 以上です。

○衞藤座長 では、本日のところは、そういう議論があったということでよろしいですか。

○花井委員 そうですね。

○衞藤座長 ほかにいかがでしょうか。

 小山委員、どうぞ。

○小山(信)委員 3ページの最初のところですけれども、この会議の中で何回か200L採血の議論が出ました。若年者に対する啓発事業として、200mLもとっていこうという話が出たと思うのです。ここでは感染症等のリスクを低減させる等の利点が400となっていますけれども、あの200は消えてしまうわけですね。入れないほうがいいですか。

○衞藤座長 日本赤十字社の方、いかがですか。

○西田副本部長 日本赤十字社の西田でございます。

 ただいま御指摘いた部分につきましては、7ページに「200ミリリットル全血採血の在り方について」という記載がございまして、ここの中でも、400ミリリットル全血採血をまず基本として行うということと、そこに絡めた200ミリリットルの全血採血の在り方というのを記載しているところでございますので、委員の御指摘の部分につきましては7ページの部分でカバーできているのかなとは考えます。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。

○小山(信)委員 はい。

○衞藤座長 ほかに御意見ございますか。

 どうぞ。

○山本委員 ちょっと確認です。

 これは多分踏まえているとは思うのですけれども、4ページです。要するに、昔に比べたら学校に献血バスが行きづらくなっている状況があるというのを伺っていて、ここで一から意識を高めるために「中学生を対象とした血液への理解を促すポスターを作成し」とか「若年層の献血への関心を高めるため、学校等において、ボランティア活動推進の観点を踏まえつつ献血や血液製剤についての情報提供を行うとともに、献血推進活動を行うボランティア組織との有機的な連携を確保する」、非常に具体的に力強い言葉だと思うのですけれども、要は、献血バスがもっと学校に行きやすくできるような文言になっているのですか。

 昔はバスが学校に来ていて、サボれるから行っていたという話を全国的に聞いた。でも、そのきっかけがあったから、後々、大人になっても習慣的に行くようになっている大人が多いように思うのです。それが、学校に行くバスがだんだん減ってきているという現状を踏まえて、私自身もガクケンというのをやって回っているのですけれども、日赤さんが非常に苦労している感じがするのです。なかなか学校側が受け入れてくれないというか、そういう状況があるみたいなので、もうちょっと強目に学校を促すようなことを。これでも十分入っているほうなのですか。

○衞藤座長 献血バスに関する御質問ですけれども、日本赤十字社の方からコメントをいただけますでしょうか。

○井上献血推進課長 高校献血につきましては、9月に行われました第1回の資料の中にも入れさせていただいておりますけれども、山本委員が御心配いただいているところについては、少しずつではありますけれども、高校献血というのも復活してきているというデータを前回お示しさせていただいております。献血セミナー等を通じまして、まず啓発活動を広げて、その先にまた高校献血をやっていただけるところがあれば1校ずつでもふやしていく。その中で10代の献血者増に向かっていければよいのかなと考えております。

 今回ちょっと御提示できておりませんけれども、今年度の平成25年度におきましても、上半期の10代の献血者は前年の上半期に比べまして約1万人の増加ということで、ここ数年来の当調査会におきます先生方の御意見、お取り組みが全国的に反映されておりますので、高校生の献血者数を需要に応じて400ミリ、200ミリ、または成分献血というところで増えつつあるかと思われます。

 高校献血につきましては、校長会でありますとか、養護教諭の先生方、いわゆる行政の方々の今後さらなる連携というのが必要になってこようかと思いますので、日本赤十字社といたしましては、地元の行政と血液センターがさらなる連携を図っていくことによりまして、今、山本委員のおっしゃった部分につきましては、少しずつではございますが、改善されていくのではないかと考えております。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○山本委員 単純に、先生方のほうに、あるいは親側のほうに反対意見があるから、多分こういう御時世でどんどん減っていったと思うのです。子供たちに啓発も必要ですけれども、親の理解とか、学校側の先生の理解とか、そういうことに突っ込んでいっている情報を私は個人的には余り受けていなかったので、各自治体というか、地方の血液センターの方々が御苦労されているというのは肌で感じていたのです。命にかかわる授業にもなると思うので、先生たちとか親たちの理解を含めた推進がもうちょっとできたらと思うのです。

 この文言で大丈夫なら。大丈夫というか、そういう姿勢があるのかなと。

○井上献血推進課長 ありがとうございます。LOVE in Actionのプロジェクトリーダーの山本シュウ委員からそういったお言葉をいただけるのは、私どもにとっても大変心強いことでございます。今、ガクケンという新たな試みの中で、山本委員にもプロジェクトリーダーとして実際に高校のほうに一緒に出向いていただいて、セミナーに参加していただくという活動も行われております。そういった活動の裾野を広げていくということが継続的に行われていくことが今後も重要だと思っておりますので、引き続き御協力をお願いできたらと思います。

○山本委員 現状として先生たちに知っておいてほしいのは、私は全国いろいろなところを回って肌で感じているのですけれども、例えば、学献という活動で、有名タレントも連れて学校に行って必死に訴えると、子供たちには響くのですが、実際にどこの学校に行くとか、スケジュールの都合もあってなかなかブッキングしにくいというのが現実です。

 現実あった話として、一部といえば一部かもしれませんけれども、勘違いした親が、学校で勝手に我が子の血を抜かんといてやみたいな意見がある。もちろん、親御さんの了解を得てやってもらおうと私たちは思っているのですけれども、親の理解とか先生たちの理解。理解してくれている先生もたくさんいるけれども、200ミリリットル献血にもつながる話になると思うのですが、そういう意味では、親の意識改革というのも実は大切なのではないかということを私は全国を回っていて感じているという話です。なので、その辺は私のリクエストとして、この文言に入る入らないは関係なく、できるだけ意識して遠慮なくやっていくべきだと思っております。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 この中にも、親子とか、学校への情報提供とか、そのような言葉も入ってはおりますけれども、話が出ましたので、学校の立場として、村井委員、何か一言ございますでしょうか。

○村井委員 私は埼玉県の高等学校の養護教諭をしていますが、埼玉県は献血を推進している県だと思っています。実際、私は、高校での勤務が本校で4校目になるのですが、いずれの学校でも校内献血を実施しておりましたので、学校側の協力が得にくいという実感がないのです。

 また、保護者からの意見というお話がありましたが、高校生になると、学校や地域性の違いもあるとは思いますが、本人の意思が優先されます。本校でも保護者の承諾書はとっておりますが、実際は、保護者からきちんと許可をもらったというよりは、本人の意思で行っているというのが実態だと思います。でも、そのことに対して保護者からクレームがあったというようなことは私の経験からはないし、近隣の学校の先生からもそのような事例は伺ったことはないです。

  あとは、学校側の実情としては、教員側も献血はとても意義のあることだと思ってはいても、授業や行事優先の中で、日程調整が難しいということは実際に学校では起きているので、理想は、授業がなく、何らかの行事等に合わせて来ていただければ、学校としてはありがたいです。実は、授業をつぶさずに済む文化祭などは献血車に来ていただきたい時期なのですが、文化祭の時期はいろいろな学校で重なったり、地域の行事が重なったりで、そういう時期にはなかなか来ていただけなくて、冬の寒い時期は献血者が少ないから学校でやっていただければというような話をいただいたこともあります。

 

○衞藤座長 ありがとうございました。

 そのほか。

 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 ここの数年間の議論の中では、いかに高校生の献血の意識を上げていくかということで、山本委員もかなり御尽力されているのですけれども、先ほど山本委員がおっしゃられたセミナーということは、私も非常に重要な部分ではないかと思います。マテリアルとしては重要だろうと思います。ですから、ここの「理解を深めるための普及啓発を行う」というのはいかにも漠然とした表現でありますので、「セミナー等の」という言葉が入れば少し発展的な感もありますが、いかがでしょうか。

○衞藤座長 4ページの後ろから8行目の「献血や血液製剤に関する理解を深めるための普及啓発を行う」という部分に関しての御意見です。

 もし何かコメントがあれば。

 日本赤十字社さん、お願いいたします。

○井上献血推進課長 今回の改定のところで「関係省庁」という言葉もつけ加えていただいているわけですが、やはり2年続けて文科省のほうに「学校における献血に触れ合う機会の受入れについて」という通知文書を出していただいた関係で献血セミナーも増えているという実態がございます。そういった具体的な表現をうたっていただくことにより、啓発はより深まるものと思われますので、その言葉を入れていただけるのは大変ありがたいことかと考えます。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 ほかに御意見ございますか。

 山本委員、どうぞ。

○山本委員 村井先生の埼玉のほうはすごく意識が高いと思います。地方に行くと逆の話をリアルに聞きますし、すごいなと思いました。

 私は学校現場へはしょっちゅう行っていますが、今、先生らはいろいろな意味で大変な状況で、学校を救えと私は訴えているのです。親御さんは、対面するのではなくて、子供たちのために先生たちを助けるという気持ちでやらなければいけないというのを訴えている人間として、学校現場で大変な現状は確かにあるのですけれども、私が一番心配しているのは、献血イコールボランティア、イコール、プライオリティーが下がっていくみたいな。私はそうではなくて、ある意味、献血することというのは、学校現場で物すごく重要な、プライオリティーの高い、命の勉強をするための、気づくためのチャンス。教育が何であるか、学校が何であるかといったら、生きる力をつけさせる、それだけです。なぜかといったら、社会に出たら幸せを奪われるようなことがいっぱい起こるからです。でも、それを引き戻すための力。

 その現場の中で一番大切なことというのは、助け合うとか、心を育てる、そういう助け合うことを教える。つまり、みんな、陰の存在によって私たちは命を救われているのだという「おかげさま」という意味を理解させるのに一番わかりやすい。そして、ワークショップ的に、血を抜いたときに感じる自然な行為というか、温かい気持ちになるとか、そういうことを伝えるためには、プライオリティーの高い国の事業だと思っているのですが、どうしても授業数の確保とかいろいろなものが先生たちにのしかかっているがゆえに、またこれで献血のこともやらなければいけないというふうな空気があるのも各地方に行って感じるのです。

 ただ、そこはちゃんと掘り下げて、現状を把握したほうがいいと思うのです。というのは、ひょっとしたら、私たちは現場にいない人間として、いやいや、1年に1回はできるでしょうというのがあるかもわからないです。なぜゼロなのだと。疑っているわけではないけれども、やり方を外側から考えてあげたほうが先生たちも楽なのではないか。先生に負担にならない方法というのを外側から提案するというのもあるのではないか。そのためには、先生たちの今の苦しい状況をちゃんと聞いてあげるべきだと思うのです。して、して、してばかり言ったらいけないと思うのです。

 私はここをしつこく発言したい理由は、昔は、強制的かもしれないけれども、学校に行っていたことで、数字を見てもわかるように、私たち40代、50代は上がっているわけです。自然に行っているわけです。その影響というのは、あのころの授業をサボってやった献血というのを大人たちからすごくよく聞くのです。なので、そこをもう一回見直す必要が大きな意味であるのではないかと感じています。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 そのほかに御意見ございますか。

 では、花井委員、どうぞ。

○花井委員 山本委員に聞きたいのは、先ほどブッキングが困難だというお話があったのですけれども、具体的にはどういう形でブッキングを。

 というのは、関連して、4ページの後ろから6行目に「都道府県及び市町村は」というのがありますね。これは主語が「都道府県及び市町村」と書いてあって「地域の実情に応じて」云々と書いてあるのですね。都道府県、市町村に何をやってほしいかというので、ブッキング等々で具体的にそういう何かがあるのであれば、ここにさらに「○○するなど」みたいに具体的な文言を入れるとよいかなと思ったのですが、何か御意見があれば。都道府県、市町村がうまくコーディネートするとこういうこともあり得るのでしょうか。

○山本委員 逆に言うと、だから私はここを心配しているのです。「地域の実情に応じて」と書くと、みんな実情は大変なのですと言って、できない状況がどんどん。やはり日赤さんは苦労しているのです。一生懸命アプローチしている。熱くアプローチしているのだけれども、それを受け入れるのが大変なのだみたいなものがある。大変なのはわかるけれども、大変で済ませる問題でもない献血の文化だと思うのです。命のことですから。全員かかわることですから。そのプライオリティーを下げられるというのも、遠慮がちに血をいただけますかと言い過ぎるのもおかしい。

 実際、大変だと思うのです。学校は年間スケジュールが決まっているし、それに、タレントも忙しい人ほど連れていきたいのですけれども、そういうのを合わせるのも大変なのです。ただ、大体難しいと言う。年間の中に、授業の妨害にならないように途中から入れていくというか、年度が始まってから入れていくのはやはり難しそうなのです。

○花井委員 なぜ申し上げたかというと、まさにおっしゃられた「地域の実情に応じて」というところが書いてあるので。逆に、地域の実情で、例えば埼玉県の市町村がその役割を果たしている部分があれば、それを具体的に書いて、いいところの例をちょっと入れ込めれば。

○山本委員 そうなのです。

○花井委員 それがあれば、具体的に文章に入れたらいかがかなと思ったのです。

○山本委員 はっきりいって、学校側の意識の高い人が、私たちも協力したい、だからこういう感じでやってくれたら全国の学校も協力しやすいのではないかとか、そういうのを聞けたらいいと思うのです。

○花井委員 何かうまい文言がないですか。

○山本委員 うまい方法。

○花井委員 ここに「地域の実情」と書いてしまっているので、それを指摘されているではないですか。「市町村は○○するなど」というふうに具体的に市町村ができることを提示してあげたほうが。「市町村が」という主語の文章はこういう文章でよくありがちなのですが、後で市町村がどのようにしたかというのを全部検証してどうだということにはならず、割と流れやすいのです。

○山本委員 そうです。

○花井委員 「採血事業者は」という主語のところは、この場で毎年、じゃあ、日赤さん、どうですかと確認することができるのですけれども、「市町村」と割とざくっと書いてあると、市町村がどれだけ何をやったというのは必ずしも検証されていないので、何か具体的なものを入れておくと、少しは。全部の市町村は無理だと思うのですが、よくやるところは、何かきっかけになるようなことをできるかもしれないと思ったので今申し上げているのです。何か文言があれば。

○山本委員 それこそ、学校側の先生と日赤さんに聞くと出てくるかもわからない。

○花井委員 何かそれを。

○衞藤座長 よい事例に相当するグットプラクティスというのでしょうか、そういうものをここに例示するという方向の御意見で、その中身は何かありますかという質問です。

○山本委員 学校側からどうですか。こういう感じでやってもらえるとやりやすいみたいな。

○村井委員 難しいですね。

○山本委員 難しいでしょう。

○村井委員 はい。

○山本委員 難しいのです。

○村井委員 言葉にするということは。ただ、埼玉県は、教育委員会から校長会へ献血推進依頼があった後、献血を実施する学校が増えたということはありました。それをここの文言に加えることはできませんが。

○山本委員 私は、実は校長会で講演を何回かしているのです。

○村井委員 そうですか。

○山本委員 私の影響でした。だって、校長先生が好きな話をしますから。戦時中から命はみんなで支えてきたのだと。

 そうですね。「校長会」を入れますか。違う、違う。

 日赤さんからどうですか。苦労しているのは日赤さんだから。

○井上献血推進課長 「地域の実情に応じて」というのは、47都道府県、いろいろな実情というのがございまして、前回の本調査会資料でも、東日本は高校献血が多い、西日本は少しずつ復活してきてはいるというようなところでございまして、10代の献血者に跳ね返ってきている実態がございます。

 私ども日本赤十字社としては、その後の5ページに「『献血セミナー』や血液センター等での体験学習を積極的に行い」というところがございますので、先ほど竹下委員から御発言いただきました献血セミナーを増やしていくための部分であると理解しております。養護教員の先生方も、すぐに高校献血ではなく「献血セミナー」ということであると受け入れがしやすくなっているという実態がございますので、これは、地域の実情に応じてまずセミナーを増やしていく、そして、セミナーの次に高校献血が可能であればそれを受け入れていただくというステップを踏んでいくことが必要であるかと思います。

 都道府県によっては、セミナーではなく、ストレートに高校献血を増やそうという活動を行っている県もございます。ただ、その中で、現在の教育のカリキュラムとの関係でなかなか御理解が得られないところもあり、例えば教育委員会を通じてそういう通知があればもう少しふやせるとか、校長会の中で今後の方針がこうなるとかという方向性が出ればもう少し高校献血検討の余地もあるだろうというような意見もございますので、もし具体的に入れていただくということであれば、そういった「教育委員会」や「校長会等」とか、そのような文言であるのかなという感じがいたしますが、いかがでございましょうか。

○山本委員 より具体的でいいのではないですか。とにかく入れられるものは入れてほしい。

○花井委員 今のに関連してです。

 今、ちょうどセミナーの件が出ました。セミナーの件は、今おっしゃられたように、5ページにつながる1段落ちた「採血事業者は」という主語以降に「若年層へ献血の意義や血液製剤について分かりやすく説明する『献血セミナー』や」と書いてあって、逆に、この献血セミナーの初出を前倒しにして、前の段落の「情報提供を行うとともに、若年層へ献血の意義や血液製剤について分かりやすく説明する『献血セミナー』などを通して」と入れて、後ろでは献血セミナーは説明なしでいくという手もあるのではないですか。今の趣旨から言えば。つまり、献血セミナーなどをやることがいいのだよということを「都道府県」の主語のところに最初に入れ込んでしまって、採血事業者、日赤が主語の部分についてはさらっと「『献血セミナー』や血液センター等での体験学習を積極的に行い」とすれば、今言った趣旨が反映するように思うのです。

○山本委員 さすが直木賞作家候補。冗談言ってすみません。

○衞藤座長 その辺は、具体的な御提案はまた斟酌して文言を検討していただければと思うのです。

○山本委員 「地域の実情に応じて」とか、きれいな言葉だと前に進まないのです。応援するために何かもっと具体的に。とにかく大人の意識改革も必要だというのは身をもって感じるので、ぜひ具体的に。

○衞藤座長 ありがとうございました。

○山本委員 校長会でもどんどん入れてもらう。

○衞藤座長 信沢補佐、先ほど手を挙げておられましたが。

○信沢課長補佐 先ほどの日本赤十字社さんからの御意見ですけれども、いきなり「教育委員会」とか「校長会」と入れますと、本日、文科省の方が欠席で申しわけないのですが、文科省との調整の関係もございます。

 先ほどの竹下先生のときも、私、気づかないで大変失礼しましたが、先ほどのフレームのところ、「国は」から始まりまして、この辺に「献血セミナー」のことを入れたらどうかというお話がありましたが、主語が「国は」になっておりまして、そういった意味で、「献血セミナー」は、後に出てくる採血事業者のところに記載されております。また今回「関係省庁」と入れた趣旨は、関係省庁の中には文科省も入ってきますので、名指しというよりは、我々としては、全省庁に対して協力をお願いしている立場でございますので、文科省も含めた全ての省庁にという意味で「関係省庁」と入れてありますので、そこで読めるのではないかと考えております。

○山本委員 私が昔から言っているのは、具体的には、文科省と厚労省ががっぷり組んでアイデアを生み出してほしいなというのがあるのですけれども、文科省が協力している部分というのは大きくどういうところがあるのですか。

○信沢課長補佐 今ですと、昨年、一昨年と、厚労省から文科省に依頼をして、文科省から各都道府県の教育委員会等に、献血セミナー等を受け入れやすい環境をつくってくださいという協力依頼通知を出していただいています。

○山本委員 なるほど。

○信沢課長補佐 それはこれからも毎年続けていきたいと考えてます。

○山本委員 あと、献血の授業をほしい的な、あれも入りましたね。

○信沢課長補佐 そうですね。保健体育の学習指導要領の解説に入りました。これは文科省さんとはちょっと別ですけれども、それを受けて厚生労働省でも予算をとりまして、今回教科書で教えるようになりましたので、そういった献血に関する養護教員むけの研修会を各都道府県でやっていただくようにと。全部の都道府県ができるような体制にはなっていないのですけれども、今年は数県ですが、そういう取り組みをしております。

○山本委員 徐々に、徐々にでございます。

○花井委員 今の話で整理すると、霞ヶ関文学の文法でいくと、「国は」の主語に入れられないというのはそうだろうと。今の話からすると、「都道府県」の段落には献血セミナーを出しても大丈夫そうですか。通知がいっていて、都道府県についてそれはやっているのだから。それを活用してくださいよということを明示しても多分いいのかなと思うので、さっきの意見の繰り返しなのですけれども、ちょっと検討してください。

○信沢課長補佐 はい。花井委員の御意見は検討したいと思います。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。ほかに御意見ございますか。

 どうぞ。

○室井委員 細かいのですが、7ページの1行目の「子育て世代に対応した託児設備等」の「託児設備」という言葉に違和感を感じるのですね。要は、もっと易しく言うと、託児にかかわる施設の整備なのですか。これだけ読んでみると、「託児設備」という熟語というか言葉に違和感を感じるのです。要は、託児にかかわる施設を整備することという意味なのですか。

○衞藤座長 「託児設備」という用語がもともと定義されていないならば、丁寧に表現したほうがいいのではないかということですね。

○室井委員 センターさんのプレイルームだとか、そういうものをちゃんとしましょうということなのですか。ちゃんと書いたらわかりやすいのではないかと見て思ったのですけれども、いかがでしょうか。

○衞藤座長 事務局から御説明お願いします。

○信沢課長補佐 先生方、特に異論がなければ、事務局のほうで検討したいと思います。

○衞藤座長 では、そこは修文していただくということになろうかと思います。

 そのほか。

 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 さっきのところをもう一回、私自身がわかりにくかったものですから質問させていただきたい。

 「セミナー等の」というところは、「国及び都道府県」のところには入らずに「採血事業者」のところだけに入るということなのでしょうか。それとも、調整していただいて、その2つのほうにも入れる機会を考えていっていただけるという御内容なのでしょうか。

○信沢課長補佐 済みません。説明もちょっとあやふやな言い方をしましたので。

 先ほど竹下先生からは、「国は」から始まるフレームの中に「セミナー等」を入れたらどうかという御指摘がございましたが、そこは主語が「国」ですので、セミナーを実施しているのが日本赤十字社さんのほうですので、ここのフレームには入れられないかなというお話です。

 その後、花井委員から、「都道府県及び市町村は」というフレームのところでもっと具体的なことを記載したらどうかというのに、この「献血セミナー等の活用」を入れたらどうかというお話があったので、そちらのほうは事務局で検討したいという意味です。

○衞藤座長 そのほかはいかがですか。

 よろしいようでしたら、事務局におかれましては、ただいま出たいろいろな御意見等を踏まえまして献血推進計画を修正していただきたいと思います。最終的な文言等については座長の私のほうにお預かりさせていただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○衞藤座長 ありがとうございます。

 それでは、事務局において修正したものを血液事業部会のほうに上程していただきたいと思います。

○信沢課長補佐 ありがとうございます。

○衞藤座長 次は「その他」になりますが、事務局から何かありますでしょうか。

○信沢課長補佐 「その他」の事項ですが、資料2について御説明いたしたいと思います。

 これはこの調査会の設置要綱ですが、前回の調査会で衞藤座長が急に御出席できなくなった際に、資料2の下線が引いてある「4.座長の選任」という項目がこの設置要綱になかったために、次回までに整備させていただくということをお約束したかと思います。血液対策課の血液事業部会にはほかの調査会があるのですけれども、そちらの設置要綱には4と同様の記載がありまして、献血推進調査会だけ設置要綱の中に4のような記載がなかったのは、事務局のほうの不手際で大変申しわけないことかと思いますが、今回入れさせていただきます。

 それから、その上の「3.調査会の組織」のところですけれども、本調査会に毎回御出席いただいております日本赤十字社につきましては、参考人ではなく、参考人とは別であるということを明確にするために、今回「日本赤十字社」というように追加させていただいております。

 以上です。

○衞藤座長 いかがでしょうか。前回は、私事で恐縮ですけれども、急なことで大変失礼申し上げました。ただいまの御提案に関しまして何か御意見ございますでしょうか。

 特にないようでしたら、この改正案をお認めいただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

 

○衞藤座長 ありがとうございます。

 引き続き「その他」になりますけれども、事務局からほかに何かございますでしょうか。

○信沢課長補佐 それでは、連絡事項になります。

 まず、先般、御協力いただきました平成26年「はたちの献血」キャンペーンの標語が決定いたしました。応募総数は約800点程度ございまして、前年より100点ぐらいふえていました。その中から、高校生の方から応募いただきました「はたちのあなたに救える命」という標語に決定いたしました。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、標語の審査をいただきまして厚く御礼申し上げます。決定した標語をもとに、現在、ポスター作成の準備中であって、来年1月からのキャンペーンで効果的に活用していきたいと考えております。

 最後に、今年度の調査会は本日で最後になりますが、1年間献血推進対策につきまして御指導、御鞭撻を賜りまして厚く御礼申し上げます。来年度は献血推進2014の最終年であり、次の中期目標の作成を検討していかなければいけない年となりますので、例年はこの調査会は2回ですけれども、開催数が1、2回ふえることも考えられます。引き続き御協力をよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございます。

 そのほか、全体を通じて何かここで御発言ございますか。

 日本赤十字社さんはここで何かありますか。

○井上献血推進課長 それでは、この場をおかりして1点だけ御報告をさせていただきたいと思います。

 この献血推進調査会を踏まえまして、血液対策課の方々にもいろいろと御相談させていただいておりますけれども、献血推進に係る関係団体をこの10月以降訪問させていただいておりますので、口頭ではございますが、御報告させていただきたいと思います。

 まず、血液対策課、それから村井先生からの御紹介等によりまして、10月1日に日本学校保健会を訪問させていただいております。また、1016日に全国養護教諭連絡協議会を訪問させていただいております。こちらの2団体につきましては、献血セミナーの実施への機会拡大を図らせていただきたいお願いのために御挨拶をさせていただいております。

 また、今月になりまして、寺田委員からは、企業団体でございます経済同友会の方々に献血への推進というものがさらに広くお願いできることを目標に、今後、国の血液対策課の方と一緒に御挨拶をさせていただきまして、どのような形で企業献血をより推進していったらいいか御相談を進めてまいりたいと思っております。

 また、国のほうからの御紹介がございまして、ある航空業界の献血団体が年度内に実施させていただく予定となっておりまして、各方面からのお力添えをいただいておりますことに感謝いたしております。この場をおかりいたしまして御礼申し上げたいと思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 そのほか、何かアナウンスすることは。

 どうぞ。

○山本委員 早く終われるのに済みません。

 会議の形で発言してはいけないのかもしれないですけれども、命にかかわることを私たちは日本代表でこうやって話しているので、きのうのニュースについてどういう状況にあるか、エイズの件は今どういう状況にあるか心配なので、調査中でも何でもいいのですけれども、今言えることを。

○衞藤座長 では、お願いいたします。

○血液対策課長 では、この場をおかりしまして、私のほうから今のお話につきまして御説明させていただきたいと思います。

 今日、14時半から血液事業部会の運営委員会を開催してきました。花井委員にも出席いただきましたけれども、そこで複数回献血をされた方のHIV検査が陽転した事例の説明をさせていただきました。

 概要ですけれども、今月11月初旬ですが、献血血液のHIVスクリーニング検査、いわゆるHIV抗体検査で陽転が確認されたということです。もちろん、この時の血液は製剤化されませんが、遡及調査で、前回の献血は今年の2月なので、この保管検体につきまして個別NATという検査を実施しました。3回実施したところ1回陽性だということでありましたので、微量なウイルスがあるのではないかと。この献血を原料にしてつくりました赤血球製剤と新鮮凍結血漿の2つの製剤があります。この2つの製剤は2つの医療機関で各々1名の患者さんに投与されていたということが確認されましたので、今、この患者さんの遡及調査を行っている状況でございます。

 ちなみに、この献血をされた方は、日赤が調査したところ、問診票にはHIVのリスク行動等に関する申告がない。後で確認したところ、どうやらそういった行動があったということまでは確認されています。

 きょう発表しましたけれども、残念ながら、このお2人の患者さんのうちのお1人の方、60歳代の男性の方が、輸血後、HIV抗体が陽性になっているということでございます。もう一人の方につきましては調査中ということでございます。

 献血者の方の状況ですけれども、40歳代の日本人の男性です。HIVのタイプとしますと、HIV-1のサブタイプBでありまして、特異的な変化は見られなかったウイルスなのですけれども、大変微量であったということであります。ただ、HIVは微量でも感染力はかなり強く、特に感染初期の場合は強いということもありまして、先ほどのような結果になってしまったのではないかと考えております。

 概要は以上のとおりでございます。

 今後ですけれども、花井委員を初め運営委員会委員の皆様からもいろいろな御意見をいただいております。例えば、献血時に問診をもう少し強化すべきではないか、あるいは、最初の方が血液を輸血した、3カ月後に医療機関でHIV検体検査をするのですけれども、それをされていなかったので、そこでされていれば2つ目の事例は防げたのではないかという話だとか、幾つかありました。

 今は20のプールのNATなのですが、これからはできれば個別NATに切りかえて、より感度を上げたい。20倍感度が上がるという話になりますけれども、幾ら検査の感度を上げても、ウインドウピリオド、ウインドウ期間というのがどうしても生じてしまいます。それについての対策は、検査目的で献血をされてしまうのはいけない、そこは、我々としてはどうしても避けて通れないところなので、その徹底を図っていくことが大事だということになります。

 諸外国でも虚偽の問診について罰則規定があったりすることもあるのですけれども、我が国の状況を考えますと、善意でお願いしています献血ですから、基本的には、そういったことで告発するようなことはなかなか難しいのかなと思います。日赤もその辺はわかっているので、何度も何度も、検査目的ではありませんね、検査目的ではありませんねと問診でも確認されますし、献血が終わった後にも匿名電話で、もしそういったおそれがあるのだったら連絡してくださいということでかなり周知はしているのです。それでも年間80から100、去年は68例でしたけれども、献血でHIVの感染が確認されているという状況です。これは、感染のリスクから考えると、一般で保健所等でやられている検査から比べるとまだかなり高い状況にあるということで、実態とすると、HIV検査目的で献血をされている方がいらっしゃるというような状況です。

 来週12月1日は世界エイズデーでございます。山本委員もいろいろと御活躍いただいているところですけれども、人権保護やHIVに偏見を持たないという姿勢も大事なことです。何か心配があったらHIVの検査は保健所等で匿名・無料でやっていますし、夜間検査もあったり、今ですと迅速検査もあったり、即日検査もありますから、そういったものを活用していただくように、また広く関係部局と連携しながら、そちらの広報も進めていきたいと思います。

○山本委員 後で調べればわかるのですけれども、質問したのは、ここもみんなで聞きたかった話だったので。何より私が質問したいのは、私自身がすごい責任を感じている。そういう活動を代表でやらせてもらっているがゆえにずっと言い続けてきたことなので。はっきりいうと、街のうわさでは、献血に行ったらエイズ検査できるのと違うのかみたいなのはあります。これは広告代理店の話、あるいは人間心理学の話かもしれませんけれども、そこをもっとはっきりと打ち出さなければいけなかったのではないかとすごく後悔している。要するに、絶対にエイズ検査目的で献血をしないでほしい、それをもっとはっきり言ったほうがよかったのか、それとも言ったほうが助長することになるのか、すごく迷うところです。

 私は、もちろん現代の医療においては、日本赤十字社は相当高い精度でチェック機能をやっていると信じているのです。

 ただ、こんなに早くそういうことが報道に出たときに、やはりすり抜けていたのだと私は物すごいショックだというのと、このピンチをチャンスにしたいと思っていて、報道に注目してほしいなと思っている。ピンチをチャンスにするべく、注目されているときにすぐ出せるものというのはないのかなと思ったり、この報道を受けて、LOVE in Actionも、厚生労働省と一緒に8年やっているレッドリボンも、東京でのレッドリボンはおとといで終わってしまいましたけれども、やるべきことがあったのではないかとすごく責任を感じているのです。なので、その会議がどういう話になったかは後で聞かせてもらいたいと思うのですけれども、すごく残念で、すごくショックで、1人だという数ではなくて、こんなに献血はすばらしい、献血はすばらしいのだと言っている私としては、そこはどうなんだと言われたときにすごく責任を感じるので、よろしくお願いします。

○衞藤座長 花井委員、どうぞ。

○花井委員 この件について、実はここと重要な関係性があって、つまり、どんどん献血に来てほしい、それは愛の行為だということと、リスクのある人は来ないでほしいという話は、一見相反しているのですけれども、実は献血システムというのは共同体に対するある種のリスペクトが基本になっているのです。今の検査の陽性率の話をすると、明確に検査をしたら結果を教えていますよという国でも、日本より感染者当たりの陽性率は低かったりするわけです。ということは、献血をすれば検査をしてもらえるとわかっている国でもそれをあえてしないという行動につながっている。

 ということは、1つは、献血の構造改革ということもあるし、献血者の意識という意味で言えば、その共同体へのリスペクトという意味は、ボランタリーな行為をするとともに、それに責任も生じる。つまり、善意と責任が両方あってそれが成立しているということが、必ずしも我が国の献血ではうまく伝えられていないのではないかということをかねがね思っています。今回こういうことがあったので、確かに献血推進の中にこういうネガティブな話は出しにくくはあるのだけれども、実は本質的には、先ほど山本委員がおっしゃられたように命の話であって、それは善意と責任が両方あるということなのだと思うのです。今後そういうことを踏まえて、献血推進の中に、ある種、責任という言葉を言うとちょっとあれかもしれないけれども、入れ込んでいくということは重要かなと思いました。

 以上です。

○山本委員 そういうことですよね。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 献血推進にかかわる大変重要な視点を御提示いただいたと思います。

 そのほか御意見ございますか。

○山本委員 あと、託児施設は、今のところどれぐらい入っているのか。何パーセントぐらい入っているのか。これからどんな勢いで整備されていくのか。

○衞藤座長 では、お願いします。

○井上献血推進課長 日本赤十字社では2010年9月に全国の血液センターに献血ルームの設備ガイドラインというのを通知いたしまして、その後、およそ30の新しい献血ルームができております。このガイドラインの中には、キッズコーナー、キッズスペースを設けるようにとうたっておりまして、新しくなりました献血ルームについてはこのキッズスペースを整備しつつございます。毎年、全国で10カ所ずつぐらい今後もリニューアルを図っていくことで考えておりますので、この設備を整備していくことには引き続き努力してまいりたいと思っています。

○衞藤座長 少しずつふえているというような現状だということですね。

 よろしいでしょうか。

 それでは、本日、大変活発な御議論をありがとうございました。

○中沢委員 済みません。最後になって申しわけないのですけれども、今回の計画の見直しで、毎年度つくっている計画ということですが、例えば先ほどの検査のところに関しての書きぶりはそのままでいいのかどうか。

 もう一つは、前回話題になった30代が減っているというところになると、例えば企業献血をどうするか、26年度はともかく、その後も含めて企業献血をふやして30代の献血をふやすとか、新旧対照表だとここは省かれてしまっているのですけれども、もう少し強く書く必要があるかどうか内部で検討していただければと思います。

 以上です。

○衞藤座長 追加の御意見だったと思いますので、またその検討の内容に含めていただければと思います。

 それでは、終わりにしてよろしいでしょうか。

 本日は、大変活発な御議論をありがとうございました。本日の議題は以上で終了いたします。

 本日は、御多忙のところ、まことにありがとうございました。

 


(了)
<照会先:厚生労働省血液対策課 信沢(内線2909)>

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