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2013年9月24日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成25年9月24日(火)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、延東委員、尾崎委員、斉藤委員、佐藤委員、高橋委員、永山委員、根本委員、宮井委員、山内委員、由田委員、吉成委員、鰐淵委員

事務局

新村食品安全部長、長谷部基準審査課長、横田課長補佐、大田課長補佐、中西課長補佐、小川専門官、仲川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松専門官、 畜水産安全管理 山木専門官、林係長

○議題

○食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
 ・農薬及び飼料添加物エトキシキン
 ・動物用医薬品イリドウイルス病・ぶりビブリオ病・α溶血性レンサ
  球菌症・類結節症混合(多糖アジュバント加)不活化ワクチン
 ・動物用医薬品豚繁殖・呼吸障害症候群生ワクチン(豚繁殖・呼吸障
  害症候群ウイルスKKM-33株及びKCI-97137株)
 ・動物用医薬品牛伝染性鼻気管支炎・牛ウイルス性下痢-粘膜病・牛
  パラインフルエンザ・牛RSウイルス感染症・牛アデノウイルス(7
  型)感染症・ヒストフィルス・ソムニ感染症混合ワクチン
 ・動物用医薬品ジルパテロール
 ・動物用医薬品及び飼料添加物ナラシン
 ・動物用医薬品及び飼料添加物アピラマイシン
 ・農薬ジカンパ
 ・農薬ブプロフェジン
 ・農薬ペンチオピラド
 ・農薬ビフェナゼート
 ・農薬エトフメセート

○議事

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。
 本日は、石井委員より御欠席されるとの御連絡をいただいております。
 鰐渕委員は御出席の意向を伺っておりますが、まだ到着されておりませんけれども、本日の部会は成立しておりますので、始めさせていただきたいと思います。
 また、本日の部会において、新規の承認申請がなされた動物用医薬品の御審議をいただくこととしておりますので、申請者との利害関係について各委員に対し事前の確認を行ったところ、該当される委員はいらっしゃらなかったこともあわせて御報告をさせていただきます。
 それでは、以後の進行は大野部会長にお願いいたします。
○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 初めに事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日お配りしました資料は、まず議事次第と配付資料一覧、さらに委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけた資料がございます。
 その後ろに座席表がございます。
 そして、その後ろに本日御審議いただきます品目につきまして、それぞれ資料1-1、資料1-2というように報告書と食品安全委員会の評価書について、資料13まで配布させていただいております。
 その後に資料14として、暫定的に定められた対象外物質21品目の見直しについてがございます。
資料14別添1として、農薬・動物用医薬品部会報告書(案)。
資料14別添2としまして、食品安全委員会の評価書を配付しております。
さらに委員及び事務局のみに配付しております資料として、資料13の参考資料一部と食品衛生分科会における確認事項の横1枚の紙がございます。
不足している資料等がございましたら、事務局までお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、審議に入りたいと思います。本日は平成23年12月12日、24年12月13日、25年2月20日及び25年9月12日付で薬事・食品衛生審議会に諮問されました農薬について6剤、農薬及び飼料添加物について1剤、動物用医薬品4剤、動物用医薬品及び飼料添加物2剤について御審議をいただきます。
 なお、報告書(案)の作成に当たりましては、先生方にいろいろコメントをいただきまして、修正するとともに作成していったところでございます。お礼を申し上げます。
 それでは、議題(1)の食品中の残留農薬の基準値設定でございます。
農薬及び飼料添加物エトキシキンの審議をお願いいたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、エトキシキンについて説明させていただきます。資料1-1を御覧ください。
本剤は魚介類への基準値設定依頼が農林水産省からなされたこと及びポジティブリスト制度導入時に新たに設定した基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議をいただくものです。
「1.概要」です。本剤は抗酸化剤であり、飼料の品質維持を目的に、油脂や脂溶性ビタミン等の有効成分の酸化を防止し安定化させるために使用されます。
 動物用飼料や飼料作物に用いられるほか、農薬として、りんごやなしの焼け病防止のための使用されております。国内では抗酸化を目的とした飼料添加物として指定されております。
化学名、構造式及び物性については、その下に記載しているとおりです。
 2ページ「(5)適用方法及び用量」です。国内及び海外での使用方法を記載しております。国内・国外いずれも飼料1トン当たり150mg以下の添加が認められております。
「2.対象動物における残留試験」についてです。分析対象の化合物はエトキシキンです。
分析法の概要については、2に記載したとおりです。
(2)以降に、それぞれの家畜について実施された残留試験の結果を記載しております。
5ページ「3.ADIの評価」についてです。食品安全委員会においてイヌの2世代生殖毒性試験の最小毒性量2.5mg/kg体重/dayに安全係数300を除しまして、ADIが0.0083mg/kg体重/ dayと評価されております。
なお、エトキシキンを用いたin vitroの突然復帰変異試験及びDNA修復試験の結果はいずれの陰性でしたが、マウスリンフォーマTK試験で染色体切断誘発性の陽性結果が得られており、CHO細胞及びヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験の結果においても陽性という結果がございました。一方、in vivo試験では、幼若ラットの肝臓を用いた小核試験において、400mg/kg体重以上の投与群で、小核を有する肝細胞数の有意な増加が認められ、陽性の結果が得られましたが、マウスの骨髄を用いた小核試験は陰性であり、不定期DNA合成試験も陰性でした。
慢性毒性試験において、腎臓へのリポフスチン沈着が認められていることから、エトキシキン高濃度暴露によって脂質の過酸化促進が生じていると推察され、エトキシキンによる膀胱粘膜の増殖性病変は、親化合物ではなく、フルオキシダント作用を持つ代謝物の持続的刺激によって促進されている可能性が考えられました。このことから、エトキシキンについては遺伝子毒性により発がん性を示す物質とは考えられず、閾値の設定は可能であり、ADIの設定は可能であると評価されております。
失礼いたしました。今、読み上げましたところは食品安全委員会のところで、評価書(案)となっており、現在、食品安全委員会で評価書(案)が取りまとめられて、パブリック・コメント中でして、ここに記載した内容については食品安全委員会におけるパブリック・コメントの結果、変更が生じなければ、このままの記載とさせていただきます。
続きまして「4.諸外国における状況」です。JECFAにおいては評価はされておらず、国際基準も設定されておりません。
2005年にJMPRにおける毒性評価が行われ、ADIが設定されております。国際基準は日本なし及び西洋なしに設定されております。
飼料添加物として、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドについて調査した結果、米国において基準値が設定されております。
農薬としては、米国において、日本なし及び西洋なし、EUにおいて日本なし及び西洋なし、オーストラリアにおいてりんご、日本なし及び西洋なしに基準値が設定されております。
次に「5.基準値案」についてです。残留の規制対象をエトキシキンとする案としております。
 基準値案につきましては、8ページからの別紙1を御覧ください。
農作物につきましては9ページに記載しておりますが、国際基準が設定されている日本なし、西洋なしは3ppmのままとする案としておりますが、それ以外の農作物については基準値及び使用実態等を確認できなかったため、一律基準にする案としております。
10ページは畜産物の基準値になりますが、牛、豚、その他の陸生哺乳類については、アメリカの基準を参照して設定する案としております。豚の食用部分につきましては、国内データに基づく基準値案のほうが高くなりましたので、ここの部分だけ5ppmとする案としております。
鶏の基準につきましても、国内の試験データをもとに記載のとおりの基準値案としております。
魚介類につきましては、ぶりで試験が実施されており、それをもとに魚介類のすずき目魚類に1ppmを設定する案としております。それ以外の魚介類につきましても、このすずき目魚類の基準値を外挿して1ppmを設定する案としております。基準値設定依頼のありました魚介類(甲殻類に限る。)につきましては、えびの残留試験をもとに0.2ppm設定する案としております。
7ページに戻っていただきまして「(3)暴露評価」についてです。これらの基準値案により暴露評価を行った結果、一番高い幼小児でADI占有率が43.4%になっております。こちらはEDI試算の結果です。
(4)になりますけれども、本剤については、暫定基準見直しに伴い、暫定基準が削除されます。これまで一般の成分規格7に記載していた基準値につきましては、成分規格6に移行させることとなります。
一番最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、これは初回の審査でございます。暫定基準の見直しと拡大申請ということだそうです。
 まず、この化合物の化学名、構造のところはいかがでしょうか。
○吉成委員 1点、事前に訂正するのを気づかなかったところですが、IUPACの命名法の化学名で水素の「H」が通常だとイタリックで表記されていると思いますので、こちらもイタリックに修正してください。あとはいいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。皆さん、よろしいでしょうか。
 用途、薬理作用の辺についてはいかがでしょうか。尾崎先生、よろしいですか。
○尾崎委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 宮井先生、よろしいですか。
○宮井委員 よろしいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、体内動態、代謝物、その辺は今日の大きな問題の1つだと思います。吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 幾つか試験が行われていまして、規制対象は親化合物だけということになっているのですが、動物におきましては水酸化体と水酸基の二相抱合反応の代謝物が主ですので、特に問題はないかと思います。
事前にお尋ねされたところでもあるのですが、植物とサケで行われている試験で、このエトキシキンの二量体は結構な量ができるということで、ただ、試験ではそれらがはかられていないものがほとんどですので、この化合物を規制対象に含めるかどうかは少し議論が必要かと思います。
幾つか調べたのですけれども、二量体にも何種類かあるみたいですが、それらの体内動態であったり、あるいは安全性などはデータが見つかりませんでしたので、ほかの先生の御意見も伺って、そちらを含めるべきなのかどうかを議論していただければと思いました。
以上です。
○大野部会長 ありがとうございます。
 この点については山内先生から御意見があるのではないかと思いますけれども、お願いいたします。
○山内委員 現在、食品安全委員会でパブリック・コメント募集中ということでございますが、私の所属しております日本生活協同組合連合会のほうでも必要なときはパブリック・コメントを出しておりますが、今回のエトキシキンにつきましては、今、吉成先生がおっしゃいましたように、うちで調べた範囲でも2010年のノルウェーの報告の中で、さけの筋肉における主要な残留物が二量体であるというレポートが出ております。
食品安全委員会のほうの評価では、この二量体というものが全く考慮されておりませんので、魚介類における、お魚、甲殻類等における適切な残留基準値をつくる上におきまして、この二量体も検討すべきではないかと考えておりまして、食品安全委員会のパブリック・コメントに私どもの組織からも出しておりますが、ぜひ御審議をお願いしたいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 私も見ましたけれども、毒性学的なデータですね。論文となっている毒性試験を使って評価した結果は見当たらなかったんです。気になったのは、本体の作用が抗酸化剤として使われているわけで、抗酸化剤としての毒性という形の表現がいろいろなところで出ていたんです。このものも二量体も抗酸化作用があるのかどうかということについて、関係の人から御意見を伺いたいかなと思ったのですが、その辺はいかがでしょうか。
○吉成委員 このエトキシキンは2級アミンの部分が存在することに抗酸化作用を発揮するためには必要だと思いますので、出てくる二量体がN-Nの結合、あるいはC-Nの結合で、そこでふさがれてしまうような共有結合をしているものは、恐らく抵酸化作用がないのではないかということです。
先ほど言いそびれたんですけれども、調べた限りでは、動物などではこの二量体はほとんど検出されていません。逆に言うと、これが動物に入ったときにどのような体内動態をたどるのかも全く分かりませんので、アミノ基がブロックされた二量体になったものは、元のエトキシキンとは、推定ですけれども、分子もかなり大きくなって、イオン性というか、その物性もかなり変わりますので、親化合物エトキシキンそのものとはかなり違った体内動態をたどる可能性は高いのではないかとは思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
毒性学的な見地から鰐渕先生にも御意見を伺いたいのですけれども、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 今回、エトキシキン自身が抗酸化作用を働かすために添加しているのですが、抗酸化作用はたくさんあり過ぎるとプロオキシダントとしての作用が出てくるので、高用量で結構そういう作用が副作用として毒性試験でも出ている。それが今、吉成先生が言われたように、そこの部分がマスクされるような二量体になったときには、その作用は少なくとも出ないだろうとは考えられます。でも、それが二量体になったときにどういう毒性が出るかというのは、コメントのしようがないです。
○大野部会長 最終的には、これは食品安全委員会のほうで判断するマターですので、御意見を伺わないといけないと思います。ほかの先生はいかがでしょうか。
 それでは、議論がありましたら、後でもう一度お願いするとして、先に一とおり御検討をいただきたいと思います。
毒性学的なところですが、これについて気になったのは、in vivo試験で幼若ラットの肝臓を用いた小核試験でポジティブだったけれども、骨髄では陰性だったから問題ないと読めました。そういう判断を食品安全委員会がしていると思いますが、そういう判断はいかがでしょうか。鰐渕先生。
○鰐渕委員 この変異原性の試験の結果はなかなか難しいところですけれども、まずAmesがネガティブである。これが一番大きいところが押さえられていて、その後、仮にいろいろなことがあったとしても、骨髄小核はin vivoでするのですが、そこでポジティブになると結構重みがあるのですが、それは少なくともない。in vitroではあるのですが、リンパ球とか、あるいは肝臓を使ったときに少し高用量で増加が見られるというようなところがあるのですが、総合的に判断をした、あるいは物性学的なところを見ると、遺伝毒性はないだろうという判断になると毒性学者は判断するということです。
○大野部会長 ありがとうございます。
 総合的に判断して、直接的な遺伝毒性による発がん性ではないので、閾値の設定は可能であるということですね。
○鰐渕委員 そういうことです。言葉足らずで済みません。
○大野部会長 膀胱粘膜に増殖性病変が出ているということで、それは親化合物ではなくて、プロオキシダント作用を持つ代謝物の作用によるんだということなので、それを読むと、この活性化されたものが血中をぐるぐると回っているような、それで膀胱中に出てきて作用を表すように読めるのです。私も膀胱粘膜に対する作用が代謝物の影響だとしたら、同じようなものが骨髄にも暴露していると思うので、食品安全委員会の判断は問題ないかなと思ったのですが、それでよろしいですか。
○鰐渕委員 それで結構だと思います。2年間発がん性試験の非常に高用量で膀胱に腫瘍ができているのですが、非常に長い試験だと思いますが、それでいちいち出たりとかしているのですが、二段階の試験の長さであったりとか、あるいは単独の部分で比較的短ければ、それほどないというところなので、そんなに大きな問題はないと判断できると思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、二量体についてはまだ検討が残っていますけれども、二量体にかかわること以外のところで、先生方、今までのところで御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、二量体については測定しないという前提にしていますけれども、分析法、分析結果、そのあたりについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ここで二量体についてもう一度御議論をいただきたいと思います。先ほど申し上げましたけれども、二量体を含めた安全性についてはどうかということが食品安全委員会のほうにパブリック・コメントとして出ているということですので、それを含めた判断が食品安全委員会のほうでこれからなされると思います。それが出ないと、この部会としては何ともしようがないというところだと思います。それが出てから、まず判断するとせざるを得ないかと思っています。そういう手続が必要だというところはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。もし食品安全委員会のほうで二量体についても十分考慮した上で、食品安全委員会としての評価書の最終的な結果が、今までの評価と変わらない場合、また大きく変った場合、これについての対応を考えておかなければいけないかと思うのですが、二量体も含めて安全性評価をしても、特に今までの最終的な評価書エトキシンとしてのADIが0.0083という結論に変わらないとした場合、先生方にお聞きしたいのは、もう一度この会議を開いて御審議いただくか。それとも、そういう結果でしたら、事務局と私にお任せいただいて、今日の暫定的な結論を出しておいて、それでいくかどうか。もう一度、会議を開いて審議するか、任せていただくか。その辺についてはいかがでしょうか。
 特に食品安全委員会から報告書が来て、この会議は月に大体1度やっていますので、この部会を開いても、そんなに世の中の人を待たせることはないと思います。ただ、今回は結構急いでいるということもございますので、もし問題がなかった場合、結論が変わっていないような場合には、私にお任せていただいて、評価書をファイナライズするということをお許しいただければ、そうしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 山内先生、よろしいでしょうか。
○山内委員 はい。
○大野部会長 もし変わった場合は当然もう一度議論をして、残留基準の設定が問題ないかどうかを見直すということでよろしいでしょうか。
○山内委員 変わらなかったときも、メールで構いませんので一応回していただければ。
○大野部会長 分かりました。変わらなかった場合でも先生方にはメールで状況をお知らせして、問題ないということを確認した上で、なければ私と事務局にお任せいただいて結論を出すということにしたいと思います。
 繰り返しになりますけれども、数値だけではなくて、内容的にも大きく変わった場合には、もう一度審議していただくということにしたいと思います。
 それを前提に、この基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。EDI比で43.4%というお話だったかと思いますけれども、その二量体についてどう考えるか。数値も変わったりすると、このあたりも基準値の当てはめも変わってくると思います。とりあえず変わらないということを前提にした場合には、こういう基準値でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
それでは、そのほか全体を通して、今の段階でコメントはございますでしょうか。吉成先生、お願いします。
○吉成委員 細かいところですけれども、2ページ目の2の残留試験の(1)の2の文章の中に%の書き方で、「(w/v)」は通常、%の後ろに書くのではないかと思います。これは2カ所あります。
 もう一つ、これはわからなかったのですが、その下の(2)の表1で、下に「検出限界:0.1ppm」と書いてあって、300ppmの腎臓の当たりに0.05という値が出ているのですが、これは正しいのでしょうか。御確認をいただければと思います。
肝臓のところの0.4は、ほかの値が下2桁まで出ているのですが、ここは0.4となっているのが気になりましたので、数値を御確認いただければと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
分析の先生方は何か気がつきましたでしょうか。気がついていないようですので、事務局のほうで確認していただけますでしょうか。0.4については0.40か、有効数字の問題です。それから、0.05という検出限界以下のところで測定しているのも変ではないかということです。これだったら検出限界以下にすべきところだというところですね。
事務局だけでは、その方法については判断できないかもしれませんので、それについては明確でない場合は分析の先生に伺っていただけますでしょうか。
○事務局 承知いたしました。
 部会長、もう一点よろしいでしょうか。こちらの牛の試験結果の記載についてですけれども、提出された試験をそのまま転記しております。計算の方法が検出限界未満の場合はゼロという数値に換算して平均して計算しているため、一部、検出限界より低い値が記載されているということになっています。
○大野部会長 ゼロというのと1とか何かあると、2つを平均すると0.05になるという意味ですか。
○事務局 はい。
○鰐渕委員 関連して、その表で思ったのですが、添加量ゼロのところに値があるのはどういうことか。今の考え方で言いますと、0.1より小さいという値が脂肪で書いていますが、この値が出るときはどうやって平均したら、こういう値が出るんですか。検出限界以下が全部だと、この値が出るということでよろしいですか。
○大野部会長 これは報告書の中に書いてあったと思います。わざわざ添加しなくても、もともと牛のほかの餌の中にコンタミしていると書いてあったと思います。
○鰐渕委員 分かりました。
○大野部会長 これについてもう一度確認していただいて、お願いいたします。
○事務局 承知いたしました。
○大野部会長 これについては確認していただいて、それについては事務局が調べて、吉成先生と私が確認をするということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
 ほかに何かございますでしょうか。それでは、二量体についての食品安全委員会の判断を待ってファイナライズするということ。もし食品安全委員会の判断が既にいただいている案と内容的にも含めて変わりのない場合には、今の評価をもとにファイナライズする。その判断は私と事務局にお任せいただく。その段階で先生方にも、もちろん食品安全委員会の最終的な判断を送らせていただく。それで意見を求めた上で判断するということ。
 もし内容的に変わった場合には、部会をもう一度を開いて御議論をしていただいて、この報告書を見直すということでいきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目でございます。次は、動物用医薬品イリドウイルス病・ぶりビブリオ病・α溶血性レンサ球菌症・類結節症混合(多糖アジュバント加)不活化ワクチンについて御審議をお願いいたします。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料2-1に基づいて説明させていただきます。本剤の残留基準の検討については、製造販売の承認申請がなされたことに伴い御審議をいただくものでございます。
 概要について品目名、商品名については、以下のとおりとなってございます。
(2)の用途でございますが、ぶり属魚類のα溶血性レンサ球菌症、J-O-3型ビブリオ病及び類結節症並びにぶり属魚類のイリドウイルス病に対する予防となっております。
主剤は、不活化されたウイルス1株及び不活化された細菌3株となっております。本製剤1バイアル中に含まれる製造用株及び不活化前ウイルス量、または不活化前生菌数については、以下のとおりとなっております。
本製剤1バイアル中にアジュバントとしてのフコイダン、不活化剤としてのホルマリン及び溶剤としてリン酸緩衝食塩液が含まれております。
(3)の適用方法及び用量ですが、連続注射器を用いて、腹腔内に0.1mLを1回注射するものです。
諸外国における使用状況については、本製剤の承認及び使用実績はございません。
「2.食品健康影響評価」でございますが、食品安全基本法に基づきまして、食品安全委員会に食品健康影響評価について依頼し、以下のとおり評価されております。
魚類の感染症であるイリドウイルス病・ビブリオ病、α溶血性レンサ球菌症及び類結節症はいずれも人獣共通感染症とはみなされておりません。なお、本製剤の製造用株はいずれも不活化されており、感染性を有しない。
以上のことから本製剤の主剤である製造用株は、ヒトに対して病原性を示せないと考えられる。本製剤に使用される添加剤については、その使用状況、既存の毒性評価及び本製剤の用量・用法を考慮すると、本製剤の含有成分として摂取した場合のヒトへの健康影響は無視できると考えられます。
以上のことから、本製剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトへの健康に影響を与える可能性は無視できると考えられると結論づけられております。
それを踏まえて基準値の取扱いですが、残留基準を設定しないこととしたいと考えております。
最後の4ページになりますが、答申案となっております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 これについては、今、御説明がありましたように、不活化されているワクチンであるということです。食品安全委員会では本製剤の含有成分として摂取した場合のヒトへの健康影響は無視できることと考えられるということで、結論として規格を設定しないという結論でございます。それについて先生方は御意見がございますでしょうか。全体を通して何か御意見があれば、伺いたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、今日は品目が多いので、もし御意見がなければ、そういうことで結論を出したいと思います。この部会案をこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目です。動物用医薬品の豚繁殖・呼吸障害症候群生ワクチンについて御審議をお願いいたします。
 それでは、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料3-1に基づいて説明させていただきます。豚繁殖・呼吸障害症候群生ワクチン、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスKKM-33株及びKCI-97137株についてですが、本剤の残留基準の検討については、承認販売の承認申請がされたことに伴い御審議をいただくものでございます。
概要についてですが、品目名、商品名については、以下のとおりとなっております。
用途でございますが、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス感染による子豚の生産阻害の軽減です。主剤はアカゲザル胎児腎株化、細胞培養弱毒豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスKKM-33株及びKCI-97137株です。本製剤1バイアル中に当該ウイルス株が表1のとおり含まれております。また、本製剤の乾燥ワクチン1バイアル中に、安定剤としてラクトース一水和物及びポリビニルピロリドンK-90が含まれております。
本用途に関する記載ぶりについては、事前の資料送付後に委員の方から修正案が来ておりますので、最終的には修正して最終的に確認をお願いをすることになると思います。
「(3)適用方法と用量」についてですが、乾燥ワクチンに添付の溶解用液を加えて溶解し、その2mLを3~18週齢の豚の筋肉内に注射するものです。
「(4)諸外国における使用状況」ですが、海外では、本剤の承認及び使用実績はありません。
「2.食品健康影響評価」ですが、食品安全基本法に基づきまして意見を聴取したところ、以下のとおり回答を得ました。豚繁殖・呼吸障害症候群は、既に食品安全委員会の食品健康影響評価において人獣共通感染症とはみなされてないと評価されており、かつ、この評価に影響を与える新たな知見は得られていない。
また、保存剤等の添加剤は既に食品健康影響評価を受けた動物用医薬品の添加座と同一であり、含有量も同量以下であることから、添加剤の使用状況、既存の毒性評価及び本製剤の用法・用量を考慮すると、本製剤の含有成分として摂取した場合のヒトへの健康影響は無視できると考えられる。したがって、本剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトへの健康に影響を与える可能性は無視できると考えられる。
「3.基準値の取扱い」ですが、上記の食品安全委員会に対する意見聴取の結果を踏まえて、残留基準を設定しないこととしたいと考えております。
最後の4ページになりますが、答申案を示しております。
事務局からは以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。
○大野部会長 ありがとうございます。
 これについては生ワクチンですけれども、人畜共通の感染症ではないということ。そういうことで不活化はされていないようですけれども、問題ないのではないかというのが食品安全委員会の結論だと思います。御説明について先生方からコメントはございませんでしょうか。
 表現を修正するといったところは、どこですか。
○事務局 具体的には、「(2)用途」の説明ですけれども、2行目の「本製剤1バイアル(10頭分)」と書いてありますが、「本製剤の乾燥ワクチン1バイアル(10頭分)」ということで、2行目を3行目の記載に合わせる修正を考えております。
○大野部会長 それだけですか。
○事務局 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 そこを修正するということでございますけれども、先生方から全体を通して御意見はございますでしょうか。特にないようでしたら、食品安全委員会の判断を尊重して、特にヒトへの健康影響は無視できるということで、この部会としては食品規格を設定しないという結論にしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 そのほかの表現についても、先ほど修正がございましたけれども、その修正を行うということで、この案をこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目です。次は、動物用医薬品の牛伝染性鼻気管炎・牛ウイルス性下痢-粘膜病・牛パラインフルエンザほかの混合ワクチンについて御審議をお願いします。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料4-1に基づいて説明させていただきます。牛伝染性鼻気管炎・牛ウイルス性下痢-粘膜病・牛パラインフルエンザ・牛RSウイルス感染症・牛アデノウイルス(7型)感染症・ヒストフィルス・ソムニ感染症混合ワクチンについてですが、本剤の残留規準の検討については、製造販売の承認申請がなされたことに伴い御審議を行っていただくものです。
 品目名、商品名については、以下のとおりとなっております。
 (2)の用途ですが、牛伝染性鼻気管炎等の感染症及びヒストフィルス・ソムニ感染症の予防となっております。
乾燥生ワクチンの主剤は、豚精巣細胞培養弱毒牛ヘルペスウイルス1・No.758-43株、豚精巣細胞培養弱毒牛ウイルス性下痢ウイルス・No.12-43株、鶏胚細胞培養弱毒牛パラインフルエンザウイルス3・BN-CE株、ハムスター胚由来(HAL)細胞培養弱毒牛RSウイルス・rs-52株及びやぎ精巣細胞培養弱毒牛アデノウイルス(7型)・TS-GT株であります。本製剤1バイアル中に当該ウイルス株が表1のとおり含まれております。また、本製剤の乾燥ワクチン1バイアル中に、安定剤としてラクトース一水和物、ポリビニルピロリドンK-90、スクロース及びダイズ製ペプトンが含まれております。
また、液状不活化ワクチンの主剤は、ヒストフィルス・ソムニM-1Br/B株であり、本製剤の1バイアル中に、当該細菌が表1のとおり含まれております。また、本製剤の1バイアル中に、不活化剤としてホルマリン、アジュバントとして水酸化アルミニウムゲル及び希釈剤として0.85w/v%塩化ナトリウム液が含まれております。
(3)の適用方法と用量ですが、乾燥生ワクチンに液状不活化ワクチンの全量を加えて溶解し、その2mLを1カ月齢以上の牛の筋肉内に注射します。本ワクチン注射から4週間後に牛ヘモフィルスワクチン-Cを追加注射するというものでございます。
諸外国における使用状況についてですが、海外では本製剤の承認及び使用実績はありません。
「2.食品健康影響評価」でございますが、食品安全基本法に基づきまして、食品健康影響評価について依頼したところ、以下のとおり回答を得ました。牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢-粘膜病、牛パラインフルエンザ、牛RSウイルス感染症及び牛アデノウイルス(7型)感染症は、既に食品安全委員会の食品健康影響評価において人獣共通感染症とはみなされていないと評価されており、かつ、この評価に影響を与える新たな知見は得られていない。なお、主剤のうちヒストフィルス・ソムニは不活化されている。
また、保存剤の添加剤は既に食品健康影響評価を受けた動物用医薬品の添加剤と同一であり、含有量も同量以下であることから、添加剤の使用状況、既存の毒性評価及び本製剤の用法・用量を考慮すると、本製剤の含有成分として摂取した場合のヒトへの健康影響は無視できると考えられる。
したがって、本製剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトへの健康に影響を与える可能性は無視できると考えられる。
「3.基準値の取扱い」ですが、食品安全委員会に対する上記の意見聴取の結果を踏まえて、残留基準を設定しないこととしたいと考えております。
答申案については最後の4ページに示しております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。
 本剤もワクチンでございますけれども、いかがでしょうか。食品安全委員会の判断としては今までものものと同じで、人獣共通感染症とはみなされていないということ。一部のウイルスについては不活化されているということ。それ以外の添加剤については、今まで評価されているものと同じか同量以下しか含まれていないということで、ヒトへの健康影響は無視できるという結論でございます。その結論を踏まえて、この委員会としては食品規格を設定しないというような結論でございます。
 先ほど吉成先生からコメントがございましたけれども、%の書き方は同じように、%の後にw/vと修正していただけますでしょうか。
 それ以外に先生方から御意見、御質問はございますでしょうか。
 それでは、この部会として、今、御説明があったような結論でよろしいでしょうか。
○事務局 補足ですけれども、本剤の用途についての記載ぶりについても、先ほどの修正と同じように5行目の「本製剤1バイアル(10頭分)」と書いてありますが、「本製剤の乾燥ワクチン1バイアル中」ということで修正を加えさせていただきたいと思います。
○大野部会長 ほかに先生方、コメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、今、2点ほど修正がございましたけれども、この修正したものをこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。
 次の品目です。次は、動物用医薬品のジルパテロールについて御審議をお願いいたします。
事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料5-1に基づいて説明させていただきます。ジルパテロールについてはIT申請がなされたものであることから御審議をいただくものでございます。概要ですが、品目名はジルパテロール、用途は牛の増体量、飼料効率及び枝肉成績の改善であります。
 ジルパテロールは、β2-アドレナリン作動薬であり、脂肪蓄積の抑制、脂質代謝回転の亢進、グリコーゲン分解及びタンパク質合成を介した筋肉増大作用により、牛の飼育成績の改善及び枝肉組成に影響を及ぼす栄養再分配剤です。
 ジルパテロール塩酸塩を有効成分とする動物用医薬品としては、牛の飼料添加剤が海外で承認を受けております。1995年にメキシコ及び南アメリカ共和国で初めて承認を受け、次いでラテンアメリカ諸国(コスタリカ、ドミニカ共和国、コロンビア、エクアドル、ホンジュラス、ニカラグア及びパナマ)で承認されております。その後、2006年に米国、2009年にカナダで承認されております。国内ではジルパテロールを含有する動物用医薬品は承認されておりません。また、ヒト用医薬品としても使用されておりません。
ここでも資料を印刷にかけてしまってから、委員の方から、ラテンアメリカ諸国について括弧内で列挙しておりますが、その中にグアテマラを加えるようにという修正意見が出ております。この括弧内の国名は現在、食品安全委員会の評価書に基づいて列挙をしておりまして、食品安全委員会の評価書にはグアテマラが含まれていないので、そこについてはメーカーと関係者に確認をとって、グアテマラを追加できるかどうかということは、また確認をしたいと思います。
化学名については、以下のとおりとなっております。参考までにジルパテロール塩酸塩についても構造式及び物性について記載しております。
2ページ、適用方法及び用量ですが、ジルパテロール(ジルパテロール塩酸塩として)の使用対象動物及び使用法については以下のとおりとなっております。
「2.対象動物における残留試験」についてです。分析の概要で分析対象の化合物としてジルパテロール、代謝物の1つであるデイソプロピルジルパテロール、そのほかの代謝物となっております。
分析方法の概要です。ここについても資料で反映できていない修正が入ったので、この前に今から読み上げる文を追記したいと考えております。
「14C標識ジルパテロール塩酸塩を経口投与した牛の組織を試料として放射性活性については試料を酸化剤により燃焼させ、放射性活性のあるCO2を液体シンチレーション計測法で定量する」としたいと思います。以下については、資料のとおりとなっております。
「(2)残留試験結果」ですが、牛に14C標識ジルパテロール塩酸塩を12日間強制経口投与し、最終投与12、24、48、96時間後の組織中残留が調べられました。また、同様に15日間強制経口投与して、最終投与12時間後の組織中残留を調べたものを同じ表にまとめているのが以下になります。この表を見ていただくと、特に48時間、96時間になるにつれて、全ての組織において残留量が少なくなっていること。また、肝臓について、ほかの臓器と比べると残留が高いということが分かると思います。
「3.ADIの評価」です。食品安全基本法に基づいて食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼したところ、ADIとしてジルパテロール塩酸塩のADIとして0.83μg/kg体重/dayという結果が得られております。
「4.諸外国における状況」ですが、JECFAにおいて評価されておらず、国際基準も設定されておりません。米国等5カ国について調査した結果、米国については基準値が設定されておりまして、カナダについては現在、暫定基準が設定されております。
「5.基準値案」ですが、残留規制対象としてジルパテロールと考えております。ジルパテロール塩酸塩を用いた薬物動態及び残留試験の結果、肝臓中の総残留が最も高く、未変化体のジルパテロールが主要残留物であり、米国においては未変化体のジルパテロールが主要残留物であったことから、未変化体のジルパテロールが指標残留とされております。そのことを踏まえて、残留の規制対象はジルパテロールのみとするということと考えております。
基準値案については、別紙1のとおりです。
「(3)暴露評価」です。国民栄養調査結果における各食品の平均摂取量に基づき試算される1日当たりの摂取するジルパテロールの量のADIに対する比は、以下のとおりです。一番高い幼小児でも73.5%で、国内のADIの許容範囲に収まっております。
暴露評価には、ジルパテロール塩酸塩のADIに0.88をかけ、ジルパテロールに換算した値を用いております。また、先ほどの残留試験でもありましたが、そのほか薬理活性を持つデイソプロピルジルパテロールという代謝物も含まれるということなので、食品中に残留するジルパテロール由来の残留物の全てがジルパテロールと同程度の毒性を持つと仮定して試算を行っております。総残留に占めるジルパテロールの割合は11.26%として計算しております。
8ページ、最後のページに答申案をお示ししております。
事務局からは以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは、順を追って御審議をお願いいたします。
まず、化学名、化学構造、そのあたりについては吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 よろしいです。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、この用途と薬理作用、そのあたりについてはいかがでしょうか。尾崎先生。
○尾崎委員 よろしいです。
○大野部会長 宮井先生、よろしいですか。
○宮井委員 はい。
○大野部会長 では、グアテマラを入れるかどうかについては、後でチェックをして、入れるべきだったら入れるということだそうです。
 それでは、代謝物、毒性対象物質、そのあたりについて吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 幾つか代謝を受けますけれども、説明がありましたとおり、ここで残留試験に測定されているデイソプロビルジルパテロールがメインの代謝物になりますが、親化合物は実際には多いということで、規制対象はジルパテロールということで問題ないのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 私も同様に考えます。表1で書いてありますように、残留するのは親化合物がほとんどであるということで、親化合物のみをフォローするということでよろしいかと思います。細かいことですけれども、構造式のところでジルパテロールのところでOHのつく位置はくさびで書いてありますが、イソプロピルアミンがついているところは点線で書いてありますね。これはまだいいのですが、2ページのほうだと点線のくさびで書いてあります。吉成先生、いかがでしょうか。これはわざわざ修正する必要はないかどうか。
○吉成委員 科学的にはどちらを使っても問題ないと思いますけれども、統一感がないと言えば、統一感がないというだけですので、このままでいいと思います。
○大野部会長 細かいところで申しわけないのですが、表1の肝臓の48時間のところは22.9と書いてありますが、もとの報告だと22.8とたしか書いてあったと思います。確認していただけますでしょうか。
○事務局 確認して修正します。
○大野部会長 食品安全委員会のほうも22.9になっているのですが、もとの報告書を確認してください。
安全性のところではいかがでしょうか。
○鰐渕委員 動物を使った毒性学的な試験では、基本的には遺伝毒性に関した全てネガティブであったということと、それ以外の毒性試験をいろいろやられているのですが、ヒトに対して、ヒトボランティアで使った試験は一番重たいのですが、その試験でのNOAELが一番低かったということで、それを用いているということで、ヒトですので安全係数は10という形でとっているということです。これで結構だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。ここの場合、安全係数が10ということで、ヒトで単回投与でやっているので、その辺について先生に確認しなくてはと思ったのですが、よろしいでしょうか。
○鰐渕委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 今までのところで先生方、御意見はございますでしょうか。
○佐藤委員 細かいことですけれども、2ページの分析法のところでRadiomatic Flo One A515とあるのですが、これは多分、検出器の商品名だと思いますので、削除したほうがいいと思います。
○大野部会長 分析関係の専門の先生、よろしいでしょうか。では、これを削除してくださるようお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。それでは、分析法の御意見がありましたが、それも含めて、分析法、分析結果、そのあたりについては先生方、いかがでしょうか。
 斉藤先生、お願いします。
○斉藤委員 直接分析というわけではないのですけれども、1ページに出ていた(4)の構造式のところですが、これはジルパテロール塩酸塩のほうは、及び鏡像異性体と入っていますが、これは要するに全部という意味でしょうか。RR、RS、SR、SS。
○大野部会長 いかがでしょうか。今回の対象物質は化学名でプラスマイナスで最初についていますね
○斉藤委員 (4)のところに(R,R)-formと書いてございますけれども、その脇に「及び鏡像異性体」と入っていたので、全ての鏡像異性体をここでは言っているのかどうかということだけが気になったんです。
 というのは、ADIの評価のところはジルパテロール塩酸塩としてとなっているので、ジルパテロールだけだったら、ここに書いてある左側のジルパテロールの(R,R)-formだけでいいかと思いますが、塩酸塩のほうは鏡像異性体も含むみたいな表記になっていたので、そこを明確にしておいたほうがいいかなと思った次第です。
○大野部会長 いかがでしょうか。
○事務局 食品安全委員会の評価書においても一応ジルパテロール塩酸塩の構造式として、「及び鏡像異性体」としているので、食品安全委員会がジルパテロール塩酸塩のADIを評価する時は全てを対象としたと思います。
○大野部会長 これは斉藤先生に伺いたいのですが、ジルパテロール塩酸塩ということで(R,R)-formと及び鏡像異性体ということになると、全部4種類を含めたものという読み方になるのですか。
○斉藤委員 それがどう読み取るのかなというのが不明確なので、普通はこう書いてあると全てと読めますし、その一部だけを指すのか、そこが明確でなかったので、明確にしておいたほうがよろしいかなということで申し上げた次第です。
○大野部会長 毒性試験のときに、及び鏡像異性体と4種類全部を含めたものについて毒性試験をやっていると、その活性化体がジルパテロールそのものだけだとすると、場合によっては毒性は半分に見積もってしまう可能性がありますね。問題かとは思いますけれども、吉成先生、どうぞ。
○吉成委員 これは多分ここでの表記の問題というよりは、剤の製品規格の問題でもあると思います。定義はしていないので、恐らくこれは4つ区別をせずに製造使用されているのかなと思いまして、記載ぶりですが、私も気づきませんでしたけれども、この塩酸塩を参考に追加しますという話でしたか。最初の案のときはもともと塩塩酸でしたね。それを左側のジルパテロールを出すということだったので、こちらも恐らく製品として区別していないような気がしますので、その場合は左側にも「及び鏡像異性体」という言葉を入れたほうがいいのではないかと思います。これは輸入企業なのか分かりませんが、製造元に確認したほうがいいのかなと思います。
○大野部会長 そうですね。毒性試験をやったのがどれかも確認しないといけないですね。これはTMDI比で幼小児で73.5%ということなので、場合によっては数値が変わってくる可能性はあるかと思います。大きな問題なので毒性試験をやったときの検体。
○鰐渕委員 多くの毒性試験は塩酸塩でやっていると思います。
○大野部会長 ヒトでやったのがどちらかですね。製品でやったのかもしれない。その辺は確認をしていただけますでしょうか。
○事務局 分かりました。
○大野部会長 全体としての整合性を保つということで、全部このジルパテロールとして、これが使うものの立体構造と、安全性評価をしたときのヒトではジルパテロール塩酸塩としてこういうものが同一であったら、そのままの数字でよろしいかと思いますが、場合によっては違うものだということになると、このADI比とかがみんな変わってきてしまいますので、確認していただきたいと思います。
 そのほかのところで何かございますでしょうか。分析値と分析結果、国際的整合性、そういったところでいかがでしょうか。ほかに御意見はございますでしょうか。
 細かいことですけれども、用途のところでジルパテロールは「β2-アドレナリン作動薬」の下つきにしてください。
 それでは、ADIを評価したときのヒトでの試験をやった検体と、今回のものとが立体構造的に見ても同じものだという場合には、評価書案そのままでいってよろしいと思いますけれども、その場合には確認をしていただいた上で、この部会案をこの部会の報告とさせていただいて、違うものだということになった場合には数値が入れ替わりますので、それについてはもう一度部会を開いて御審議をいただくということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 その判断は事務局と私と斉藤先生にも確認していただいて、いきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 それでは、そういうことでいきたいと思います。
もう一度繰り返しますけれども、特に同じもので安全性評価をされているということの場合には、確認して修正するところがありましが、それを修正したものをこの部会の答申とさせていただくということでよろしいでしょうか。違う場合には、もう一度審議いただくということにしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次は、飼料添加物のナラシンについて御審議をお願いいたします。
 事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、ナラシンについて説明させていただきます。資料6-1を御覧ください。
 まず最初に、9ページのこれまでの経緯についてごらんいただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。
本剤については、平成25年2月20日付で薬事・食品衛生審議会へ諮問させていただいております。しかしながら、諮問した後に、平成25年8月19日に食品安全委員会について評価依頼を行っているという経緯がございます。これにつきましては、基準値が当初、暫定基準の見直しをするために評価依頼を行っていたのですが、手続上の問題でコーデックス基準を採用して基準値を設定する必要がございました。
これについてはこれまで基準値を設定していなかった品目について基準値を設定する必要があり、これについては暫定基準の見直しとは別という扱いになりましたので、改めて食品安全委員会に評価依頼を行ったという経緯がございます。
それでは、ナラシンについて説明させていただきます。1ページ目を御覧ください。
ナラシンはStreptomyces aureofaciens NRRL 8092株が産生するポリエーテル系のイオノフォア抗生物質で、カリウムイオン、ナトリウムイオンなどと脂溶性複合物を形成し、これら金属イオンの細胞膜の通過を容易にします。ナラシンは、ナラシンA、ナラシンB、ナラシンD及びナラシンIで構成され、ナラシンAが主要な活性を有するとされています。
海外では、鶏のコクシジウム症の予防を目的として、飼料に添加して使用されており、肉用鶏の壊死性腸炎予防にも用いられております。牛では成長促進剤として使用されております。
日本では、動物用医薬品としては承認されておらず、鶏を対象とした飼料添加物が指定されております。
ヒト用医薬品としての使用はされておりません。
化学名については以下のとおりです。
構造及び物性につきましては、2ページ目の上段に記載しております。
「(5)適用方法及び用量」についてです。国内及び海外における使用方法を以下の表のとおり記載しております。
国内の使用方法ですけれども、飼料添加物としての使用方法は鶏及びブロイダーのみですが、このほかにうずらに対しても飼料添加物の使用が認められております。
3ページ「2.代謝動物における残留試験」についてです。分析対象の化合物はナラシンA、分析法の概要につきましては、その下に記載しております。
「(2)残留試験結果」についてです。
 1.牛の残留試験についてです。こちらは14C標識ナラシンが飼料中濃度として13ppmに相当する量を含有するゼラチンカプセルを5日間摂取させた結果を記載しております。
2につきましては、ナラシンを140日間混合給餌させた後、バイオオートグラフ法により残留量を測定しております。表はございませんが、残留は脂肪及び肝臓で最終投与後48時間まで見られましたが、筋肉では最終投与後0時間後に0.005mg/kg未満で、最終投与後24時間後には残留が見られませんでした。腎臓においては、どの時点においても残留は認められませんでした。
3の豚における残留試験ですが、ナラシンを14日間投与後、12及び24時間後の組織中の残留についてHPLCにより測定しましたが、どの地点においても定量限界以上の残留は認められませんでした。
4の肉用鶏の残留試験についてですが、ナラシンを5日間混餌投与し、最終投与後0、6、12、24時間後の組織中残留についてHPLCにより測定した結果を表2に記載しております。
ADIの評価についてですが、まず最初に毒性学的ADIについては、イヌの1年間慢性毒性試験の無毒性量をもとにADIを0.005mg/kg体重/dayと評価されております。
2の微生物学的ADIにつきましては、ナラシンについては微生物学的ADIを設定する必要はないという結論になっております。
以上のことからADIにつきましては、毒生物学的ADIの0.005mg/kg体重/dayを設定することが適当と評価されております。
「3.諸外国における状況」です。JECFAにおいて毒性評価がなされており、ADIとして0.05mg/kg体重/dayが設定され、国際基準が設定されております。米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドを調査した結果、いずれの国においても基準値が設定されております。
4の「(1)残留の規制対象」ですが、ナラシンAと設定しております。牛の肝臓における代謝試験の結果、総残留に占める未変化体の割合が5%と低かったのですが、全ての組織で同様の代謝を示しており、さらに代謝物については微生物学的活性がほとんどないことを踏まえ、国際基準においても指標残留をナラシンAと設定しております。
(2)基準値案につきましては、別紙1に記載したとおりです。
(3)暴露評価につきまして、TMDI試算を行った結果、一番高い幼小児で66.2%のADI占有率となりました。
なお、これにつきましては、総残留に占めるナラシンAの割合が5%と仮定して暴露評価を行っております。
(4)になりますが、本剤は抗生剤であるため、暫定基準の見直し後、基準値が設定のされていない食品につきましては、食品一般の成分規格の1に示す「食品は抗生物質又は化学合成品たる抗菌性物質を含有してはならない」が適用されることになります。
最後のページが答申案となります。事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは、先生方から御意見を伺いたいと思います。
化学名、化学構造について、吉成先生いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思ったのですが、1個だけ気づきました。名称の3行目の「2H」がありますが、これは先ほどと一緒でHはイタリック表記にしていただきたいと思います。あとは事前に確認したところ、たしか問題はなかったと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、用途、薬理作用、その辺のところについていかがでしょうか。尾崎先生、よろしいですか。
○尾崎委員 はい。
○大野部会長 宮井先生、よろしいですか。
○宮井委員 よろしいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 代謝とか分析対象物質、その辺はいかがでしょうか。
○吉成委員 先ほど化学名のところで「2H」のHをイタリックにしてくださいと言ったんですけれども、3行目だけではなくて1行目にもpyranの前にありますので、そちらも同じように訂正してください。
 もう一個、化学名で気づいたのですが、通常この部会のルールだったような気がするのですが、αで始まったときは最初のEthylのEは小文字だったような気がするので、小文字にしていただければと思います。本来は大文字だとは思うのですけれども、小文字で統一していただければと思います。
 代謝のほうですが、まず最初に混合物であることと、ナラシンAという主要な成分は動物体内で非常に多くの代謝を受けまして、親化合物がなかなか残らないのですが、先ほど説明がありましたように、代謝パターンがそれほど違わないということと、代謝物の活性が弱いということ。その他の代謝物、どれか主要というものがないということ。あとは個別に測定するのが非常に困難であるということから、薬理活性の持っている残留の見られる親化合物で、なおかつ主要成分であるナラシンAを規制対象にするというので問題ないのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 私も吉成先生がおっしゃったことと同じでございます。適用方法及び用量のところでいかがでしょうか。先生方からコメントはございますでしょうか。
気になったところは、日本では、産卵中の鶏またはうずら並びに食用を目的として、と殺する前7日間は使用してはならないという感じですが、海外では、特にEUでは1日でいいという大きな差があるのですが、この辺の差の考え方は事務局で分かりますでしょうか。もしわかったら教えていただくということでお願いします。
○事務局 調べて報告させていただきます。
○大野部会長 それでは、分析対象物質についても吉成先生が言われたことと同じように、ナラシンA、親化合物を測定するのが適当だと私も思いました。毒性学的ADI、微生物学的ADIについて、鰐渕先生、何か御意見はございますでしょうか。
○鰐渕委員 これは動物を使った試験等々においては遺伝毒性はネガティブで、発がん性も見られないということでADIの設定が可能であるということと、もう一つは異生物学的な影響に関して、ほとんど流れてしまってというと言葉が悪いのかわからないのですが、その細菌に対して影響を及ぼしていないということなので、微生物学的な影響は見なくていいという結論に達していますので、毒性学的なNOAELから設定したということで、これで結構だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ちょっと気になったのですが、微生物について詳しい人に教えていただきたいと思うのですが、これはほとんど腸内細菌に抗菌活性を示すということで調べてみたら、結構低い濃度で抗菌活性を示しているんです。MICが0.25μg/Mlで多いくらいですが、そのくらいで抗菌活性を示しているのに、大腸菌に関しては抗菌活性は見られないということなので、これはグラム陽性菌にだけで、グラム陰性菌にはそういう作用は示さないと考えてよろしいですか。どういうことかなと思ったんです。
 これは話の筋から行くと、それほど重要なところではないのですが、重要なところは結腸内のナラシン残留物の大部分は糞便に結合して生物学的には非活性な状態にあるということだと思いますが、私は微生物のことは見ても、どの辺が原因なのかわからなかったのですが、それはまた確認していただくということにしたいと思います。
 それでは、今までのところでよろしいでしょうか。
分析法、分析結果、それについて御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
永山先生、お願いします。
○永山委員 大変細かいところで恐縮ですけれども、「2.分析法の概要」の3行目で「バイオオートグラフィー法を用いて」とありますが、これはグラフィーにするかグラフ法にするか、どちらかにしていただいたほうがよろしいかと思います。
○大野部会長 どちらがいいですか。
○根本委員 グラフィーでいいのではないですか。
○大野部会長 それでは、バイオオートラジオグラフィーに変えるということでよろしいですか。
 そのほかにいかがでしょうか。斉藤先生、お願いします。
○斉藤委員 私も細かいところなので、あえて言わなくていいかなと思ったのですが、今の話が出たのであれですが、3ページの2の(2)の永山先生が御指摘くださったパイオオートグラフィーのところはグラフィーでいいと思うのですが、その後「用いて定量する」と入っていて、同じページの下から4行目は「バイオオートグラフにより測定した」となっています。本来、グラフィーは方法論ですから、これは方法により測定したがどちらかというと適していて、下のほうは装置ですから、装置を用いてというふうに本来は装置を意味したときには用いるとするのが適当かと思います。
細か過ぎるのであえて言わなかったのですが、その次のページを見ますと、4ページの上から2行目などは「HPLCにより測定」と、こちらはちゃんと正規な表現になっているので、やはり合わせたほうがいいのかなと思いまして、一言つけ加えさせていただきました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 (1)のバイオオートグラフィーと一番下のものと若干ニュアンスが違うということですね。いかがでしょうか。
○永山委員 統一するのでしたら、今、斉藤先生からもお話がありましたが、(1)の2をパイオオートグラフィーにより定量するにして、(2)の2はTLCが入っていますので、こちらもバイオオートグラフィーにより測定したとすれば、基本的な用語の統一は図れると思いますけれども、いかがでしょうか。
○大野部会長 斉藤先生、そういうふうに変更したらいかがでしょうか。
○斉藤委員 それでよろしいかと思います。ただ、さっき見たら、食品安全委員会のほうは全部バイオオートグラフに実はなっているので、その辺は何とも言いがたいところです。
○大野部会長 これは方法のところについてはグラフィーと表すのが原則ということなんですかね。
○永山委員 実は非常に細かいところであれですが、2の(1)の2のところで薄層クロマトグラフィーを使っているので、なかなか記述として難しくなってはいるのですが、最初にこれが出てきているものですから、これに従っていくと、グラフィーで統一したほうが統一性があるというだけの話です。
○斉藤委員 御指摘のとおりだと思います。食品安全委員会の資料の一番最後に略語一覧表が載っているのですが、そこを見ますとHPLCはクロマトグラフィーになっていますし、TLCも全てクロマトグラフィーになっているので、統一ということから言えば、多分それが一番正しいかなとは思います。
○大野部会長 この後の(1)の2の下のほうで「高速液体クロマトグラフを用いて定量する」はいかがですか。
○永山委員 こちらは機械なので「用いて定量する」でよろしいかと思います。
○大野部会長 分かりました。それでは、方法については全てグラフィーと統一するということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 測定結果についてはよろしいでしょうか。
 それでは、基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。全体でTMDI比で計算して、最大でも66.2%ですね。よろしいでしょうか。
 それでは、修正がございましたけれども、それをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですが、動物用医薬品及び飼料添加物のアビラマイシンについて御審議をお願いいたします。
 事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、アビラマイシンになります。資料7-1部会報告書(案)を御覧ください。
 アビラマイシンについては、昨年の2月に当部会で御審議をいただいたところですが、部会後の手続におきまして、企業より2009年に採択された国際基準を踏まえた規制対象より基準値の見直しについて要望があったため、御審議いただくものです。部会報告書(案)の主な内容については、既に御審議いただいておりますので、今回は追加変更箇所を中心に説明させていただきたいと思います。
 まず、特に変更はありませんが、概要について簡単に確認させていただきますと、アビラマイシンはオルソトマイシン系の動物専用の抗生物質であり、アビラマイシンA、アビラマイシンB及び14の微量因子からなる混合物です。海外では腸内細菌感染のコントロールを目的として使用されており、日本でも飼料添加物として指定されております。
 変更箇所のみ御説明しますが、適用の範囲及び用量について新たに海外における適用の範囲及び用量を追加しております。2ページの下になります。
 続きまして「2.対象動物における残留試験」ですが、分析対象の化合物としてアビラマイシン及びその代謝物である構造中にジクロロイソエバニニック酸を含む各種化合物について分析が行われております。
 また、分析法の概要としてアビラマイシン及びその化合物については、記載の方法により加水分解を行うことでDIAとして分析が行われています。なお、ここの記載につきまして、事前の確認で委員よりコメントをいただいております。コメントを踏まえて修正をしようと思っていますが、具体的に言いますと分析対象化合物にジクロロイソエバニニック酸(DIA)を追記すること。また、分析法の概要ですが、もう少し細かい内容としまして、アルミナカラムの精製の前に分解後の溶液を酸性にした後、酢酸エチルで転溶するという操作を追記しようと考えております。
 また、これらの試験法を用いた対象動物における残留試験の結果については、3ページの下以降に記載しております。
 なお、これらの試験成績については、冒頭でも紹介しました国際基準のもとになったJECFAの評価書を踏まえて試験成績を記載しております。
 続きまして、食品安全委員会におけるADIの評価ですが、こちらについては前回の部会で報告した内容から変更はございません。
続きまして、諸外国における状況、6ページの中ほどですが、こちらについても前回から変更はございません。
続きまして、「5.基準値案」になります。まず残留の規制対象についてですが、残留の規制対象については前々回及び前回の部会の審議内容からDIAについては、その毒性に関する情報が得られないこと等を踏まえて、生理活性物質である親化合物アビラマイシンAとすることを提案させていただいたところです。ただ、繰り返しになりますが、部会後の手続におきまして、国際基準であるコーデックスで設定される動物種においては、明らかな食品健康影響上のリスクがある場合を除き、同様の基準値を置くべきという意見が関連企業より提出されました。
そのため再度検討した結果、次のような理由から残留の規制対象については国際基準と同様に親化合物及び代謝物を加水分解することにより生じる共通の化合物であるDIAを指標残留として設定することを提案させていただきたいと思います。
簡単に理由を申し上げますと、豚及び鶏における薬物動態試験の結果から飼料添加物として経口投与された場合、アビラマイシンの多くは糞中または尿中へ排泄されるとともに、組織中におけるアビラマイシン由来の残留のほとんどは、その代謝物であること。また、DIAはアビラマイシンやその他の種々の代謝物に含まれる特異的な構造であり、加水分解により精製されることから、アビラマイシン由来の残留を測定する方法として有用であると考えられることであります。
そのような考え方を踏まえまして、基準値案については8ページの別紙1ということで提案させていただきたいと思います。対象動物における各種残留試験の結果から、豚、鶏等について国際基準を参照して基準値案を設定しているという形になっております。
これらの基準値案により暴露評価を行いましたのは、次のページの別紙2でございます。基準値案はジクロロイソエバニニック酸としての値ですので、アビラマイシンとジクロロイシエバニニック酸の分子量比5.6倍をかけてアビラマイシン投与に換算して暴露評価を行っております。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で0.2%のADI占有率となっております。
最後のページが答申案となります。DIAを今回、指標残留とするに当たりまして、基準においては表の脚注、米印の次に書いてありますが、アビラマイシンとはジクロロイソエバニニック酸を指標残留として分析したものを言うと追記しております。
また、これにあわせて事前の確認で委員から御指摘をいただいておりました別紙1のほうについても、アビラマイシンというもがどういうものかを明示すべきという御意見をいただきましたので、同様の文言を脚注に追記しようかと思っています。
事務局からの説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。
前回御審議をしたときには、今の時点だと原体そのものははかれるので、そちらではかったほうがいいのではないかということで親化合物のほうを指定したと思いますけれども、企業のコメントで国際的整合性を踏まえてDIAを測定対象物としたほうがいいのではないかというようなことで、そういう形で修正をして修正案が出されました。これについては御意見を伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
これは加水分解してアビラマイシンも全てジクロロイソエバニニックアシッドに変換したものを測定するということですね。
○事務局 はい。
○大野部会長 そういうふうに読めるんですか。11ページのところで「今回基準値を設定するアビラマイシンとは、ジクロロイソエバニニック酸を指標残留として分析したものをいう」は、こういう表現でよろしいですか。
○事務局 まず、ジクロロイソエバニニック酸自体は代謝物ではなくて、加水分解して初めて得られる化合物でございます。そのジクロロイソエバニニック酸自体を測定するということは、すなわちアビラマイシンとか、それに類する代謝物を含んだものということで、こういうふうに記載はさせていただいてはおります。
○大野部会長 もともとDIAそのものがそんなに含まれていないわけですね。DIAを特異的に測定したら非常にNON JECFAとなるわけですね。分析を示すなり加水分解した上で精製したDIAを指標残留と書けば、それはアビラマイシンの残留も含めて評価していることになりますが、11ページの一番下の行の表現は、そういうふうに読み取れるんですか。
○事務局 今回このような規定をするのに参考とした国際基準におきましても、基本的にはこのような表現です。要するにマーカーレジデューとしてのジクロロイソエバニニック酸ということで規制対象が定義されておりますので、基本はこの表現に倣って国際的に、日本語で伝わるのかどうかという問題は、この部会での御意見を踏まえて表現は考えたいと思いますけれども、まずの提案としてはこういう経緯がございます。
○大野部会長 先生方、いかがでしょうか。永山先生、お願いします。
○永山委員 今、大野先生からもございましたけれども、読み直してみるとジクロロイソエバニニック酸を指標残留としてとなっているので、何か残留物としてあるような印象も何となく感じてしまうと。
もう一つ、それとして分析したものを言うということは、結論として、これはアビラマイシンに換算して、それでの規制値になっているということなのか。それともジクロロイソエバニニック酸としての基準値なのか。その辺ももうちょっと一般的に分かりやすく記載したほうがよろしいのかなと、ちょっと個人的には思ったんです。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ほかの先生、いかがですか。吉成先生、お願いします。
○吉成委員 ほとんど同じ意見ですけれども、今まで加水分解等、分析の段階で変換してはかる場合は、変換して何々である代謝物を含む、みたいな書き方をしていたような気がするのですが、その表現のほうが見慣れたといいますか、聞き慣れた感じがして非常に分かりやすいと思います。
最初に大野先生が言われたように、DIAそのものはそのままですとほとんど検出されないと思いますので、DIA及び加水分解と書いていいのかちょっと分かりませんけれども、DIAに変換される代謝物を含む、になるのではないか。アビラマイシンに換算したものを言うとか、そういうような表現のほうが従来どおりで分かりやすいような気がいたしました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 内容としては事務局と違うところはないのですが、表現の仕方でそういうふうに分かりやすく表現をしたほうがいいのではないかということだと思いますけれども、そういう方向で事務局で考えていただいて、確認するということでよろしいでしょうか。
○事務局 はい。
○大野部会長 お願いします。
○吉成委員 これを選定するところの6ページの基準値案の理由ですけれども、(1)のアビラマイシンは吸収されにくくというところで、以前に確認したときも確かに吸収されにくくて速やかに代謝されると。その次が御確認をいただきたいのですが、私も確認をした限りでは、ほとんど組織からは親化合物は検出されていなかったと思うのですが、この言葉が強くて組織中から検出されないことと書いてありますので、本当に全ての試験で全く検出されなかったということになってしまいますので、これは本当に全ての試験を確認して、全く出ていないことを確認されているのか。通常ですとほとんどとかそういう言葉で、一部の試験で出ていてもほとんどの試験では出ていないということで文章を書くと思うのですが。この言葉ですと全ての試験について検出されなかったという表記になってしまいますので、検出されている試験がないかどうかは確認されたほうがいいかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 たしか豚の肝臓でDIAが検出されていたのではないかと思いますが、分析法まで確認していないので、その辺は確認できないのですけれども。
○吉成委員 ここは親化合物ですね。親化合物が全く検出されない。
○大野部会長 そうですね。
○吉成委員 もう一つ、今の追加ですけれども、ここで「アビラマイシンは」と書いているのですが、定義の最初にアビラマイシンはAとBと14の微量因子の混合物と書いてありますので、恐らく分析はアビラマイシンAぐらいしかしていないのではないかと思います。Bとかその他の14の微量因子が本当に検出されていないかどうか。そもそも試験はされていないと思いますので、この文章の表現の「アビラマイシンは」と言ったときに、実際には測定しているのはアビラマイシンAぐらいではないかと思います。今すぐに書きぶりは思いつきませんけれども、そのことも踏まえて文章を構成したほうがよいのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、そこは確認していただいて、先ほどのところもそうですが、この部分については吉成先生にチェックをしていただくようにお願いしてください。
 ほかのところではいかがでしょうか。何しろ国際基準に合わせてDIAを測定対象物質にするということについてはいかがでしょうか。それでよろしいでしょうか。
 それでは、それについてはお認めいただいたということで、吉成先生、お願いします。
○吉成委員 今回そこだけだったので化学名を見てこなかったのですが、アビラマイシンBのほうの化学名で明らかに違うところを2カ所見つけましたので、修正をいただければと思います。
アビラマイシンBの3行目の真ん中あたりに「1,4」とあるのですが、それは「1´4」という上のアビラマイシンAと同じ表記になります。アビラマイシンAの3行目の後ろのほうにありますが、そこと同じ表記になると思います。
 アビラマイシンBの4行目の後ろのほうの「hexo-pyranosyl」と書いてあるのですが、これも間にハイフンは要りませんので、ハイフンをとっていただければと思います。
 以上、2点です。
○大野部会長 ありがとうございます。
 今、説明いただいた1´4とか1´3-4とか、そういうところはダッシュとその次の数字の間にカンマは要らないんですか。
○吉成委員 糖の表記の仕方で私も完全にはわからないのですが、化学の人に確認をしたところ、こういう表記でいいと言われました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、化学名について修正をお願いいたします。
 ほかのところでいかがでしょうか。それでは、基準値案のところの表記の仕方について吉成先生に修正を御確認いただく。
11ページのアビラマイシンの「今回基準値と設定するアビラマイシンとは、ジクロロイソエバニニック酸を指標残留として分析したものをいう」は、それほど皆様に御意見を頂くほどでもないと思いますので、私にお任せいただけますでしょうか。皆様の御意見を踏まえて適切な文章にいたしたいと思います。
それでは、若干修正がこれからございますけれども、それを踏まえたものをこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ジカンバについて御審議をお願いいたします。
 事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、続きまして、ジカンバになります。資料8-1部会報告書(案)を御覧ください。
 ジカンバにつきましては、いわゆる暫定基準の見直しと関連企業からインポートトレランスの設定要請がなされたことに伴う基準値設定について御審議をいただくものです。
 まず概要からですが、本剤は芳香族カルボン酸系の除草剤であり、オーキシン様の植物ホルモン作用により、雑草類を枯死させると考えられています。
 化学名、構造式等については記載のとおりです。
 今、説明した用途のところですが、ここにつきまして事前の確認で委員より表現ぶりの指摘がございまして、「ホルモン作用により」というところに続きまして、細胞分裂を阻害し雑草類を枯死させると考えられていると修正したいと考えております。
 2ページ「2.適用の範囲及び使用方法」ですが、本剤では国内の登録は飼料用作物に限定されておりまして、ここではインポートトレランス申請のあった米国での使用方法を記載しております。
ここの表の記載につきまして、委員より事前の指摘がございました。細かいところで恐縮ですが、使用量に書いてある「(ジカンバ換算値)」は削除します。脚注にジカンバ換算値と書いてあるのをあわせて英語の略で「3当量」と変更したいと思っております。
また、(2)の表の中の使用時期の「発芽前」という表現については、「出芽前」に変更したいと思っております。
次に「3.作物残留試験」ですが、ジカンバ、代謝物B、代謝物C及び代謝物Dを分析対象化合物として分析が行われております。
分析の方法については3ページに記載のとおりです。なお、提出された作物残留試験の結果については別紙1、8ページ、9ページに記載しております。
続いて「4.特産物への推定残留量」ですが、こちらについては分析法の概要として分析対象はジカンバ及び代謝物Bということで、3ページ記載の方法にて測定が行われております。
この分析法を用いて乳牛及び産卵鶏における残留試験が実施されておりまして、その結果得られた各組織の最大残留量を4ページの表1及び5ページの上の表2に記載しております。これらの結果と最大理論的飼料由来負荷MTDBにより推定した各組織の推定残留量を表3-1、表3-2に示しております。
続いて「5.ADIの評価」ですが、ウサギを用いた発生毒性試験の無毒性量は30mg/kg体重/dayを根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.3mg/kg体重/dayと設定されております。
6ページの上に行きまして、諸外国における状況ですが、2011年にJMPRにおいて毒性評価が行われ、ADIが設定されており、現在、アスパラガス、大麦等に国際基準が設定されております。
また、米国、カナダ、EU、オーストラリアにおいて、各種農産物において基準値が設定されております。
基準値案ですが、まず残留の規制対象については今回参照する国際基準を踏まえまして、農作物についてはジカンバ、畜産物についてはジカンバ及び代謝物Bと設定しております。ただし、ジカンバ耐性遺伝子組換え作物においては、代謝物Bが主に残留することから、農作物のうち大豆に限りまして、ジカンバ及び代謝物Bとする案としております。なお、代謝物Bについては代謝物Bの抱合体も含んでおります。
なお、食品安全委員会においては、農産物及び畜産物中の暴露評価対象物質として、ジカンバ及び代謝物Bを設定しております。
続いて、基準値案です。以上の考えに基づきまして、基準値案を別紙2の10ページに設定しております。これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが11ページの別紙3に示してございます。TMDI試算により一番高い幼小児で12.4%のADI占有率となっております。
最後のページが答申案となります。
事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは,初回ですので順々に御意見を伺いたいと思います。
 まず、化学名、化学構造、そのあたりについて、吉成先生いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、用途、薬理作用、そこのところで修正がございましたけれども、その修正を踏まえた上でいかがでしょうか。
○宮井委員 2ページの表の一番下の酸当量に直してもらったのですが、英語のほうですがacid equivalenceになっていますが、acid equivalentではないかと思うので、最後の「ce」を「t」に直したほうがよろしいかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかのところはよろしいですか。
 それでは、体内動態、代謝物、そのあたりについていかがでしょうか。
○吉成委員 農作物と動物では代謝パターンが若干違うのですけれども、今回測定されています代謝物Bが動物では出る。その後、抱合体になるのですが、そういうのが出るということで、そちらの規制対象は親化合物とB、あるいは関連する抱合体ということでよいのではないかと思います。
 農産物のほうも遺伝子組換え大豆の御説明がありましたけれども、そのとおりの残留試験の結果となっていますので、通常はジカンバだけ出て、耐性株に関してはBを含めるということでよろしいのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございました。
 私も同様で、農作物が耐性大豆にだけ多く代謝物Bに変換するような抱合体とか、そういったものが生じているというところで、本来だったら遺伝子組換え大豆だけでいいのですが、区別もできないから大豆については代謝物B及び代謝物Bの抱合体を含むということでよろしいかと思います。畜産物に関しても代謝物Bを含めてはかっておりますので、生じるということで、それを含めるということでよろしいと思います。
 安全性のところではいかがでしょうか。
○鰐渕委員 問題となる遺伝毒性等々はございませんし、安全性試験としてはこの書きぶりで結構かと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 5ページの表記の仕方ですけれども、試験の種類で発生毒性試験はいいのですが、2は要らないのではないかと思います。それは食品安全委員会のほうの表記なので、2は削除してください。
 今までのところで先生方から御意見はございますでしょうか。根本先生、お願いします。
○根本委員 平成19年5月31日の施行通知によりますと、このときのジカンバの定義といたしまして、ジカンバ、ジカンバイソプロピルアミン塩、ジカンバジメチルアミン塩、ジカンバカリウム塩及びジカンバナトリウム塩が含まれることという定義がされておりますが、今回ジカンバのみということでいろいろな塩があると思いますが、それはもういちいち逐一書かないというような取扱いと理解してよろしいでしょうか。
○事務局 そのようにしたいと思います。
○大野部会長 それも全部含むということですね。ありがとうございます。
 ほかの今までのところで御意見はございますでしょうか。根本先生、お願いします。
○根本委員 分析法では試料をいきなり加水分解しているということで、例えばエステルですとか何らかの抱合体があった場合には全部一緒になってしまうのですが、ただジカンバと言ってしまうと加水分解せずにジカンバだけをはかるということもありますし、前提として、まず加水分解をしてからと考えるのか。その辺が規制対象化合物の定義としては曖昧かなと思いました。動物もやはり加水分解してからはかるということになっていますので、いろいろなエステルなども含まれてしまうのではないかと思います。
○大野部会長 農作物の分析でもそういうなんことですか。
○根本委員 加水分解してからやっています。
○大野部会長 この分析法の概要は、この報告書に載っている試験結果について、それを測定した方法であって、実際に残留試験をやるときの試験法とは、それについては後で試験法を提示するということではなかったですか。
○事務局 こちらに書かせていただいているのは、あくまで残留試験で用いた試験法であって、今後その通知等をさせていただく試験法については、今回決まった規制対象を踏まえて、もちろんここに書いてある残留試験の試験法も参考にしつつ開発してということになります。基本的には既存のこういった残留試験の方法がある場合には、手順を参照して開発していくというのが一つの考えでありますので、根本先生がおっしゃるように、まず加水分解してという操作がまずは検討されることです。
そうした場合には、いろいろなエステルとかがもし混入していた場合、一緒にはかり込まれてしまうということがあるのですが、代謝とかのデータから親化合物とかのエステルとか、そういったものがほとんど確認できていないのかなと理解はしていたのですが、そうであれば実態としてはジカンバのみ測定するということと同じなのかなと理解はしておりまして、このように今回は記載をさせていただきました。
○大野部会長 いかがでしょうか。小麦とか普通の大豆に残留するものは、ほとんどが親化合物であって、代謝物で小麦の場合にはCというOH体ができていますが、そのほかのものはあまり多く存在しないということだと思いますので、加水分解しても親化合物に戻るような、そういったものはできないのではないか。カルボン酸のところはグルコン酸がくっつくと変わるということはあるかもしれないですが、若干あるということですけれども、過小評価にはならないだろうと。
○根本委員 試験法をつくるときに、加水分解でジカンバになるものを含めてはいけないと解釈をされてしまうと試験法をつくるときに困ってしまうものですから、お伺いした次第です。
○大野部会長 親化合物だけを特異的にはかる方法があったら、当然それでもいいということですね。そんなところでよろしいでしょうか。
○根本委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ほかの先生、分析法と分析結果を含めて御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、基準値と国際的整合性、その辺についてはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、これについては若干修正がございましたけれども、用途とところと、表のacid equivalenceがacid equivalentになるとか、換算値のところを酸当量に変える、ADIの評価のところで若干変えるというところがございましたが、それを修正したものをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、ボスカリドについて御審議をお願いいたします。
 では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、9剤目のボスカリドでございます。資料9-1を御覧ください。
 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、今回で4回目の審議となります。
 前回は平成21年8月に審議が行われております。
概要でございますが、本剤はアニリド系の殺菌剤であり、ミトコンドリア内膜のコハク酸脱水素酵素複合体の電子伝達を阻害することで作用すると考えられております。
化学名及び構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
2ページ「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。今回、適用拡大申請がなされた、さやいんげん、小麦、食用ぎく及び茶について、2~4ページにかけて四角で作物名を囲んで示しております。
6ページ「3.作物残留試験」でございます。分析対象の化合物としてボスカリドについて分析が行われております。分析方法については記載のとおりでございます。
結果につきましては11~13ページの別紙1-1及び別紙1-2に記載しております。
6ページ「4.畜産物への推定残留量」でございます。今回コーデックス基準を参照して畜産物に基準値を設定する案としておりますので、前回の報告書からJMPRの評価書に記載されている畜産物の残留試験、分析法及び推定残留量を追記しております。
分析法の概要につきましては7ページ、JMPRの残留試験につきましては8ページ、これら残留試験と最大理論的飼料由来負荷MTDBより推定いたしました各組織の推定残留量について9ページの表3に示しております。
「5.ADIの評価」でございます。ADIは0.004mg/kg体重/dayという評価となっております。この値は前回の部会で御審議いただいたときと変更はございません。
なお、9ページにお示ししておりますように、ラットを用いた2年間発がん性試験において甲状腺ろ胞細胞腺腫の増加傾向が認められたが、遺伝毒性試験が全て陰性であったことから、腫瘍の発生機序は遺伝毒性メカニズムとは考えがたく、本剤の評価にあたり閾値を設定することが可能であると考えられたと食品安全委員会において評価されております。
「6.諸外国における状況」でございます。2006年にJMPRでの評価がなされており、ADIが設定されております。国際基準はりんご等に設定されており、諸外国におきましても記載のとおり基準値が設定されております。
これらを踏まえまして「7.基準値案」でございます。残留の規制対象をボスカリドのみとする案としております。これまで畜産物については米国等の基準値を参照し、規制対象として代謝物Bを含めておりましたが、畜産物の残留試験では代謝物Bが肝臓、腎臓と一部の低投与群の試料で特異的に検出されておりますが、主要な畜産品である筋肉、脂肪、乳からは検出されておらず、親化合物のみとなっていること、また、今回基準値を参照する国際基準は、ボスカリド親化合物のみとしていることを踏まえ、畜産物の規制対象として、ボスカリドのみと変更する案としております。農産物につきましては、前回と変更はございません。
なお、食品安全委員会におきましても、農産物中の暴露評価対象物質をボスカリド親化合物のみとしております。
次に具体的な基準値案でございますが、14ページからの別紙2を御覧ください。今回、基準値設定要請がなされた作物のうち、14ページの真ん中あたりですが、小麦、その他のきく科野菜、15ページに移っていただきまして、未成熟いんげん、茶につきましては、提出された国内の作物残留試験データを基に基準値を設定しております。
そのほかの基準値を変更した食品につきましては、基準値案を太枠で囲ってお示ししておりますが、国際基準を参照して基準値を設定しております。
これらの基準値案及び残留試験データを用い暴露評価を行いましたものの詳細が17ページからの別紙3でございます。なお、畜産物の暴露評価につきましては、先ほども御説明しましたが、残留試験の試料の一部で親化合物に比べて代謝物Bが多く残留していること、国際基準の暴露評価は代謝物Bを含めていることを踏まえ、JMPRの評価と同様、代謝物Bを含めた値を用いて暴露評価し、ADIの範囲内に収まっていることを確認しております。
このADI試算によりまして、一番高い幼少児で65.6%のADI占有率となっております。
最後のページが答申案となります。事務局からの説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 先ほど説明にございましたように、4回目の審議ということで大きな変更があったところと、先生方から御意見があったところについて御審議をしていただきたいと思います。
大きなところは、測定対象物質について今まで代謝物Bを入れていましたが、国際的なものとあわせてBを削除するという大きな変更が提案されましたが、それについて、まず御審議をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
先ほど御説明にございましたように、乳牛の肝臓と腎臓において代謝物Bが親化合物より多く含まれているということでございます。ただ、18ページのところでいいますと、陸生哺乳類の肉類で、肉類では幼少児での暴露量が2.1という値だったのが、陸生哺乳類のそれ以外の食用部分、陸類以外のところは0.1ということで、全体の暴露量に占める肝臓、腎臓の割合はかなり少ないということ。そういうことからBを測定対象物質に入れなくても大きな影響はない。
また、この計算での暴露評価では、代謝物Bを含めて暴露評価をしていて、その結果でもADI比で見たところで65.6%ということでADIの80%に行っていないということで、こういう形でもいいのではないかという御提案だと思います。そのBを削除するというところについて御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、それについては、特によろしいと判断してよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
 それ以外のところですね。拡大申請があったわけですが、それとコーデックスに基づいて追加をしたところ。その辺についてはいかがでしょうか。特に使用方法とか、そういったところで特に問題はございませんでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、ほかに全体を通して御意見はございますでしょうか。特によろしいですか。
 これについては特に修正の御意見がございませんでしたので、事務局案をそのままこの部会の答申とさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、ブプロフェジンについて御審議をお願いいたします。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料10-1を御覧ください。ブプロフェジンについて御説明をさせていただきます。
 ブプロフェジンは今回2回目の審議となります。農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴い残留基準の設定について御審議をお願いするものでございます。
 まず、概要です。ブプロフェジンはチアジアジン環を有する殺虫剤で、脱皮異常による殺幼虫作用及び成虫における産卵数の抑制、産下卵の不孵化により防除効果を示すものと考えられています。
化学名、構造式及び物性はごらんのとおりです。
化学名につきまして、本物質のtert-ブチル基はZ配剤に限定され、E体は存在しないということが明らかになりましたので、前回の報告書から化学名の値にZ体を示すZを入れさせていただいております。
2ページ「2.適用の範囲及び使用方法」です。今回、申請のありました、うめ、おうとう、とうがらし類などの使用時期または作物名を四角で囲っております。
6ページ「3.作物残留試験」では、分析対象化合物をブプロフェジンとし、分析法の概要は記載のとおりです。作物残留試験結果につきましては、10ページからの別紙1に記載しております。網かけの部分が今回新たに提出された試験結果でございます。
別紙1-2の海外の作物残留試験結果には変更はございません。
6ページに戻っていただきまして、本剤については魚介類への残留が想定されることから、魚介類に基準設定が行われています。これについては前回の審議内容と変更がないため、説明を省略させていただきます。
7ページの「5.畜産物への推定残留量」でございますが、乳牛の飼養試験の結果としまして、次ページの表1に組織中のブプロフェジンの残留量を示しています。この結果と飼料中のMTDBを乳牛において20 ppm、肉牛において17ppmとして推定残留量を算出し、表2に示しております。
8ページのADIの評価についてでございます。ラットを用いた2年間の慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量を用いまして、ADIを0.009mg/kg体重/dayと食品安全委員会で評価をいただいております。
in vivoの小核試験の1試験において小核の誘発が認められておりますが、ブプロフェジンに発がん性もないことから、生体において問題となる遺伝毒性はないものと評価されております。これは前回の部会報告から特に変更はございません。
「7.諸外国における状況」については、1991年にJMPRにおいて毒性評価がなされておりまして、ADIが設定されています。
また、アメリカ、EU等の5カ国地域について調査した結果、カナダを除きまして、ここに記載しておりますように、さまざまな食品に基準値が設定されております。
「8.基準値案」においては、規制対象をブプロフェジンとしております。
基準値案は20ページの別紙2を御覧ください。今回は適用拡大申請による基準設定のほかに、コーデックス基準の採用による基準値設定を農産物について行っております。
1点修正ですけれども、20ページの上から8個目「その他のなす科野菜」について黒枠で基準値案を囲っておりますが、こちらは国内の作物残留試験データに基づく基準ですので、この黒枠を削除したいと思います。
これらの基準値案により暴露評価を行い、結果、22ページの別紙3に示しております。EDI試算によりまして、最も高い幼少児のADI比は68.6%になっております。
24ページが答申案となります。
事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 これは2回目ということで、拡大申請ということでございます。今日は時間があまりないので修正したところを主に御意見を伺いたいと思います。
 拡大したところについての使用方法とか、その辺で何か問題はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そのほかに全体を通して御意見はございますでしょうか。ADI比で幼少児で、EDI比で68.6%というところで若干接近しておりますので、問題ないかどうかチェックしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 全体を通していかがでしょうか。新たに修正すべきところとか、今までの記述についても何か気がついたところがあったら御指摘をいただきたいと思いますが、特によろしいでしょうか。
 それでは、これについては特に修正の御意見はございませんでしたけれども、事務局案をもってこの部会の答申とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目は、農薬ペンチオピラドについて御審議をお願いいたします。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料11-1を御覧ください。ペンチオピラドについて説明させていただきます。
 今回の残留基準の検討については、関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴い基準値案を当部会で御審議いただくものです。部会としては3回目で、前回は昨年7月に報告しております。
 概要です。ペンチオピラドはピラゾール系の殺菌剤です。作用機構としてはミトコンドリア電子伝達系複合体IIの阻害作用により、ATP合成を阻害するものと考えられております。
化学名、構造式及び物性は記載のとおりでございます。
2ページ「2.適用病害虫の範囲及び使用方法」です。
(1)が国内での使用方法で、5ページからが今回企業が申請してきた海外での使用方法でございます。
 ここで少し修正がございます。5~10ページにかけてですが、例えば5ページの作物名の下から2つ目の小麦、ライ麦、オート麦、そば等にある適用病害虫がうどんこ病、赤かび病の抑制という記載になっていますが、ここは適用病害虫名なので「の抑制」という記載は削除させていただきます。
 また、別の箇所も同じような記載のところに英文併記で、Suppression ofという記載があるのですが、これも修正させていただきます。
 11ページ「3.作物残留試験結果」でございます。
分析法の対象化合物をペンチオピラド親化合物のみとし、国内と海外でごらんのとおりの分析法で残留試験を行っております。これらに基づいて作物残留試験成績が別紙1-1が14ページの国内のもの、海外で実施されたものが15~21ページの別紙1-2となっております。網かけされているものは新しいデータでございます。
「4.ADIの評価」です。食品安全委員会は0.081mg/kg体重/dayと報告しており、これは前回と同じ値でございます。発がん性試験において雄ラットで甲状腺ろ胞細胞腺腫、雄マウスで肝細胞腺腫の発生頻度の増加が認められたものの発生機序は遺伝毒性メカニズムとは考えがたく、本試験評価に当たり閾値を設定することは可能であると考えられたと結論づけています。
「5.諸外国における状況」です。2011年にJMPRにおける毒性評価が行われ、ADIが0.1mg/kg体重/dayと設定しています。国際基準については、きゅうりやぶどうに設定されております。
主用5カ国地域について調査した結果は、米国において、ばれいしょ、トマト等、カナダにおいて落花生、ほうれんそう等、EUにおいて、りんご、おうとう等に基準値が設定されております。
「6.基準値案」です。残留の規制対象を親化合物ペンチオピラドとする案としております。こちらも前回と同様です。
「(2)基準値案」は22ページからの別紙2でございます。
登録の有無のところにITと書いてあるものがありますが、今回少し多いのですが、これが今回申請がなされたものです。あとはコーデックス基準を採用したところは、基準値案のところを太枠で囲ってございます。
これらを踏まえて暴露評価を行いましたのが、24ページと25ページの別紙3でございます。EDI試算において一番高い幼少児で20.5%の占有率となっております。ちなみに前回はTMDIで国民平均から順に言っていきますと11.7%、22.6%、9.2%、11.3%の占有率でした。
最後のページが答申でございます。
事務局からの説明は以上です。御審議をよろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 これについても3回目ということで、修正点を中心に御審議していただきたいと思います。
 それでは、いかがでしょうか。これについてはインポートトレランスについて新たにつけ加えたところですが、それについて使用方法とか残留値とか、その辺で何か御意見はございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
全体の暴露評価でEDI比で20.5%でございますけれども、それについては御意見はございますでしょうか。
 全体を通して、お気づきになられたところはございますでしょうか。
 それでは、5ページ以降について、今の御説明で若干修正がありましたが、それを修正したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、ビフェナゼートについて御審議をお願いいたします。
 では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、ビフェナゼートについて説明させていただきます。資料12-1を御覧ください。
 本剤につきましては、平成25年6月26日の当部会にて御審議いただき、基準値案について御了承いただいたところですが、その際にコーデックス基準がLegume Vegetablesというさやつき豆について設定されているのですが、暴露評価を行ったところADIの8割に収めることができなかったので、その他の野菜についてはコーデックス基準を採用しない案として御了承いただいていたところです。
 しかしながら、7月の部会でご説明させていだきました暴露評価の緻密化。これにつきましては、参照した食品の残留試験結果を代表値として暴露評価を行うということで説明させていただきましたが、この方法によりその他の野菜についてもLegume Vegetables、コーデックスの基準を採用してもADIの8割に収まることが確認できたため、今回コーデックス基準を採用することとして再度、部会で審議していただく剤になります。
 変更点につきましては、前回部会報告書から下線を引いておりますので、そこを中心に説明させていただきます。
 7ページ、今回その他の野菜についてコーデックス基準を採用したことと、7月部会における暴露評価方法の緻密化によりADI比が変更になったため、そこを修正しております。
 10ページの別紙2ですが、その他の野菜について7ppmの基準値を設定する案としております。
 12ページの別紙3ですが、ここにもその他の野菜7ppmで、暴露評価に用いる数字としてはえだまめ、未成熟いんげん、未成熟えんどうと同様に1.5ppmで暴露評価を行う案としております。
14ページに本日の部会の日付を記載しております。
最後のページ、答申案につきましても、その他の野菜ということで追記させていただきました。
コーデックス基準の採用ということで新しく作物残留試験結果等はないのですが、事務局からの説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 前回の暴露評価の精緻化に関して皆様の御意見をいただいて、同意していただいたことに基づいて修正したということですね。
○事務局 はい。
○大野部会長 修正されてやった結果、コーデックス基準をそのまま採用してもEDI比で80%以内に収まったということでございます。これについては、まだ告示されていなかったですね。
○事務局 そうです。
○大野部会長 10ページに載っている基準値現行というのは、6月に審議したより前の値ですね。
○事務局 そうです。
○大野部会長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。基本的なやり方については前回御了承をいただいたということでございますけれども、それ以外について御意見、気がついたところとか、そういうものはございますでしょうか。
 それでは、特にないようでしたら、今回6月の審議以降に変更したところがいろいろございますけれども、この変更したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、最後の品目ですけれども、エトフメセートについて御審議をお願いいたします。
事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、13剤目エトフメセートでございます。今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく農薬登録申請がなされたことに伴う基準設定及び暫定基準の見直しということで、当該報告につきまして、既に平成24年12月に一度御審議をいただいております。こちらは御審議の途中で代謝物でM2として測定される対象が変換された代謝物M3になるものがあるのですが、何が実際に測定されているかについての情報が不足しておったため、持ち帰りにて再検討を行っておりました。実際に測定されている物質が何であるかによって規制対象が変更される可能性があるとの趣旨でございました。
 今回、申請者の方から関連資料をいただきまして、この点について整理をさせていただきましたので、御報告させていただくとともに再審議をお願いするものでございます。審議済みの詳細事項につきましては、割愛させていただきたいと思います。
 資料の3ページ目の下段の1から分析法が始まっておりますが、ここまでは特段変更はございません。
 試験法ですけれども、大きく分けまして4つの試験法がございまして、まず1つ目が本邦及びEUで用いられている試験法。4ページ目の上段から米国及びEUで用いられている試験法。3つ目がこちらの下の部分、EUのみで用いられている試験法及び畜産物について用いられている分析法がございます。
 これらの試験法につきまして、少々複雑なものもございましたので、資料13を参考という形で皆様に机上配付させていただいた参考資料がございます。
一応フローチャートの形にしまして、一番上のページから表がありまして、その次に構造式を一覧表にしたものがございます。
その次にクリップどめで見えなくなっている可能性がございますが、左上に日本、EUと書かれているのが本邦及びEUでの試験法。その次が米国、EUでの試験法。3つ目のEUのみで用いられている試験法は単純な系でしたので、フローチャートは割愛いたしまして、最後はオーストラリアの畜産物について用いられている試験法でございます。各試験法について何が測定されているかという点につきまして説明させていただきます。
報告書案の3ページ目の下部でございます。こちらは操作の手順といたしましては、最初に試料から酢酸エチル・ヘキサン抽出によってエトフメセート及び代謝物M2が抽出画分に分離され、こちらを抽出液Aとします。その後、最初の抽出の際に抽出画分に回収されなかったものが熱酸処理されて再度抽出された後に抽出物B。こちらは抽出物Aと合わせまして精製した後にエトフメセート、M2の定量を行っております。
M2として定量される物質ですけれども、M3及びM3抱合体も熱酸処理によって変換されてM2となることがわかっております。最初の抽出の際にこちらの抽出物Aまたは抽出物BのどちらにM3及び抱合体が含まれているかは不明なのですけれども、残留物の画分にある程度の量のM3が含まれていると考えられております。
以上から日本及びEUの測定方法では、親及び熱酸処理によってM2に変換される物質が測定されていると考えられます。
なお、EUの規制対象は親及びM2となっております。
次に2つ目の試験法、報告書案の4ページ目の上部に記されているものについて御説明いたします。こちらも一応フローチャートはつけさせていただいておりますが、抽出や精製を行った後に全て画分を集めさせていただきまして、熱酸処理を行っていることから測定されている物質は親、M1、M2のほかにM3及びM3抱合体もM2に変換されて検出されております。
3つ目の試験方法は報告書案の4ページ目の中段でございます。抽出後に熱酸処理等が行われておらず、精製され、定量されておりますので、こちらの試験法は親及びM2を測定しており、M2にM3やM3抱合体から由来したものは含まれていないと考えられます。
最後に報告書案の5ページ目の下段から始まっております畜産物についての試験法です。こちらもお手持ちの資料にフローチャートをつけさせていただきました。操作の途中で水層と有機層に分ける過程がございます。水層には恐らくM3、M3抱合体が含まれていると推察されまして、こちらは熱酸処理が行われております。
一方、有機層には恐らくエトフメセートの親化合物と化合物M2が含まれていると考えられておりますので、測定されている物質は親にM1及びM2と、M2に熱酸処理が行われて変換された代謝物が含まれていると考えられます。
なお、先ほど飛ばしてしまいましたが、米国の規制対象は、親、M1、M2、M3であり、こちらの畜産物の測定法が引用されたオーストラリアは、親のみが規制対象となっております。
試験法についての説明は以上でして、報告書の順番どおりに沿わせていただきますと、7ページの「5.ADIの評価」と「6.諸外国における状況」につきましては、変更を行っておりません。
「7.基準値案」は以上の情報を加味いたしまして、M3及び抱合体からM2への返還については試験法によってばらつきがあることがわかっておるのですが、各国の規制はばらばらでございますが、各国で酸加水分解により抱合体をM2に変換して測定していることを勘案し、規制対象をエトフメセート及び代謝物M2として、熱酸処理によって代謝物M2に変換される化合物を含むとした案にて御審議をお願いいたします。
なお、EUでは親プラスM2の規制としておりますが、規制対象の見直しを行うという旨が近年、キャラウェイやタイムに係る基準値を設定した際のレポートにて明記されております。
また、親化合物は基本的に少量過ぎて検出されないということが考えられまして、親のみを対象とした場合には、適正使用の確認をすることが困難であると考えられております。国内での本剤の適用対象はてんさいのみとなります。
規制の基準値案につきましては、報告書案13ページの別紙2のとおりとなっております。前回から1点だけ変更をさせていただきましたのが、てんさいの基準値案でございまして、こちらは先ほど御報告させていただいた内容からEUの0.5ppmをもともと参照しておったのですが、さまざまな試験法がいろいろ入ってしまっておりまして、明らかに大きく検出対象がぶれている可能性があることも勘案しまして、本邦の国内試験で得られた試験結果をもとにして0.3ppmと算出し、こちらを基準値といたしました。
こちらをもとにして暴露評価対象を行ったのが、次のページの別紙3でございます。一番多い暴露量で幼少児4.8%となっております。
最後のページが答申案でございます。
事務局からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 以前、評価していただいて、問題になったところは代謝物の取扱いについて、よくわからないところがあるというところで、それについてを中心に今日は説明していただきました。今日の御説明といただいた資料によりますと、M3についても塩酸酸性で加熱して処理することによってM2に変化する。
そういうステップがいずれの試験法についても入っているということでございますが、このM3からM2にどのくらい変わるかということですね。100%ぐらい変わるのか、それともせいぜい半分ぐらいとか、その辺の感覚について私はわからないので、もし定量的にM2に変わるのだったら、どこの基準でもM3を含めて基準値を設定してあると判断できるのですが、特に分析の先生方に御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
御指名して申しわけないですけれども、斉藤先生、いかがですか。
○斉藤委員 添加回収試験のデータでもあれば、はっきり申し上げられるのですが、それがない以上、推測で考えるしかないかなと思います。
○大野部会長 こういった構造のもので酸性で加熱して処理するということですが、推測ではどうですか。
○斉藤委員 理屈で言えば、確かに抱合体は塩酸で切っていますので、このようなフローチャートの流れで来るかなとは一応は考えられると思います。
○大野部会長 今までの方法でもM3も含めて、いろいろとはかっていたというようなことでよろしいですかね。
○斉藤委員 結構だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ほかの先生はいかがでしょうか。根本先生、お願いします。
○根本委員 資料の13ページ、参考として事務局のほうで一覧表としてまとめていただいた中で、米国について代謝物M3の添加回収実験結果から回収率が72.2~113%の範囲にありということで、M3を用いた添加回収実験が行われているようですが、それでよろしいでしょうか。
○事務局 そういった資料はいただいております。
○根本委員 このM3での添加回収実験はあるということですか。インデペンデント・ラボラトリー・バリデーション・レポートがあるというような説明が書いてあります。
○事務局 一応事前にお送りさせていただいたものではあったのですけれども。
○根本委員 データがあるので定量するのには問題ないということだとは思います。
○事務局 ある程度の量が回収されているということは申請者の方からも御説明をしていただいているのですけれども、試験法によってどれくらい変換されるかということが、ばらつくということも同時に受けておりまして、今の御質問の趣旨というのはEUの試験法を外した内容が定量性があるなら、ばらついていないから問題はないというお話でよろしいですか。もしそうであれば、ばらつきについては否めないということを申したかったんです。
○根本委員 斉藤先生のお話だと、添加回収試験のデータがないとおっしゃっていたのですが、事務局のまとめた資料にあるというようなことが書かれているので、資料が行き渡っていないのかなと思いました。
○事務局 この数字で結果が得られている資料のほうはいただいております。
○大野部会長 日本でやられている方法については、回収率の確認を行っていないということですね。
○事務局 おっしゃるとおりです。一応こちらのレポートですけれども、米国の試験法について、M3の回収率についてのデータになります。
○大野部会長 根本先生、そういうことでよろしいですか。
○根本委員 恐らくはM3も定量的に回収されているので、この実験法で問題ないだろうなと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 M3がてんさいとかライグラスとかきゃべつで、10%以上が検出されていたということがありますので、それを含めて測定するということについては、特に問題がないかと思いました。
 ほかの先生方はいかがでしょうか。
それでは、今回の測定対象物質としてエフメトセート、熱酸処理によって代謝物M2に変換される代謝物を含むというようなことでいきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○農林水産省 農林水産省から質問をさせていただいてもよろしいでしょうか。
 このエトフメセートについて、先ほど別の剤で根本先生から一番最初に酸分解するのかという御質問があったと思いますけれども、EUと日本の方法は画分に分けてから酸分解しており、アメリカはまとめてしたりしておりまして、M3、M3の抱合体が実際にそもそもどれくらいその酸処理を受けているかというあたりから違っております。
先ほどM3については添加回収試験があるというお話はあったのですが、M3については構造が特定されておりまして、アメリカの方法でのみ添加回収試験を実施しているようです。これは、最初極性画分に何かあるということが植物代謝試験でわかっておりまして、後からこれはM3だろうということで試験を追加で実施したようですが、M3の抱合体と言われているものはどういうものか構造もわかっておりませんで、実際に添加回収試験をすることもできませんので、どれくらいの回収率で分析されているかというのは、分析法に依存してしまうものかと考えています。
日本のほうでは先ほどお話したように、M3、M3の抱合体と言われているものについてどれくらい回収されているかということがわかっておりませんので、どこまで規制の対象に含まれるかによって、日本の登録申請に用いた試験が評価に耐え得るものかどうかということが大きく影響してきます。
もしアメリカの方法のようにM3もある程度回収される方法のベースに考えますと、抱合体は添加回収試験を通常の試験はできませんので何とも言えませんけれども、そうなった場合、日本とEUのほうは先に1回分けて、残渣にだけ酸処理をしていますので、その残渣にM3が大分行っていればいいのですが、もしそうでない場合、これは日本の数字は大分低く見積もってしまうことになりますので、この試験では十分ではないという可能性があるのですが、この代謝物M3とM3の抱合体を含むというのは、どの方法で分析した場合のこと、もしくはどの範囲、どういう化合物についてというのが明確でないと、我々も今回の御審議の結果を受けて、日本のデータはこのままでいいのかというのを申請者とも協議していかないといけないのですが、そのあたりが明確でないと対応が難しくなりますので、御教示いただけるとありがたいと思いまして、今、御質問をさせていただきました。
○大野部会長 根本先生、いかがでしょうか。
○根本委員 3ページの本邦及びEUの方法では残留物に加熱還流してM2に変換して、これはその前に抽出した抽出液とあわせてはかっているように読めるのですが、別々に有機層とその残留物をはかっているのではなくて、あわせてしまっているように読めたのですけれども。
○農林水産省 おっしゃるとおり、ここのM3が残留物に行っているかどうかがわからないということで、ここにあると思われると書いてあるだけで、どちらに行っているかというのがはっきりわかっていないと。
○根本委員 この極性でしたら水層に恐らくM3は移行しているのだろうとは思います。この残留物が固形物だけではなくて、酢酸エチル・ヘキサンで抽出した残りの全ての部分を含むということであれば、そこにはM3も抱合体も含まれているのだと思います。そうすると、この分析値にはこのまま一緒にはかっているのであれば、M2としてM3もはかり込まれているのではないかなと思ったのです。
○農林水産省 相手は固形物だと思います。てんさいをつぶして、そこに有機溶媒を入れて抽出して液体分を全部取り出したのが抽出液で、残りはいもをすりつぶしたものですね。我々としては、対象物をM3抱合体まで含むとなれば、それが十分にはかれているということを当然、申請者に追加データが必要であれば要求して確認をしていくことになるのですが、例えば日本とEUの方法で、もし多少なり抽出液のほうに移行しているとすると、アメリカの方法より回収率が下がってしまうわけですが、この方法ではかれる対象ということになるのかということも、アメリカの方法と少しやり方が違いますので、これは回収率が一緒かどうかよくわかっておりませんので、どちらを念頭に置いて我々は今後検討していけばいいのかということが少しわからなかったです。
ここの移行をしているというのは想像で書いてありまして、別に何かデータがあって、ここにこれが移行していると、エトフメセート親とM2については添加回収試験をしているので、トータルとしては分析されているというのは分かるのですが、それ以外のものについては実はデータがありませんで、あくまでこうかなと、理論的にはこうだろうかなと書いてあるものについて実は裏づけがありませんので、そこが何とも悩ましいところです。
○大野部会長 私はよくフォローできていないのですが、残留物の中にM3が入っているかどうかがわからないということですか。でも、後で塩酸と水を入れて過熱還流をしても、それがもし入っていれば、それで回収されるわけですね。
○農林水産省 この数字が回収された上での残留値であれば構わないのですが、もしこれは抽出液のほうに入っていると、要は先ほど根本先生のジカンバのときの話に似ておりますが、最初に試料を酸分解した場合と、アメリカのほうはM3がしっかり回収されていると仮定してお話をしますと、その方法でこのサンプルをはかった場合と、日本の方法でサンプルをはかった場合で大分数値が変わってくる。
今回問題になっているのは、量が少ない代謝物であれば構わないのですが、植物代謝試験からすると、どうもこのM3の抱合体と言われている、構造はわからないので本当に抱合体かどうかが、極性画分に来るものの量が多いということですので、もしこれが万が一、日本の方法で十分回収されていなければ、後からそれを十分回収できる方法で規制の分析法をつくってしまうと、想定以上に残留しているという結果になってしまいますので、我々としてはこのまま登録していいのかなという疑念が出てきてしまいますので、そのあたりは範囲を明確にして、対象を明確にして、このデータでよいかということを改めて精査したいなと考えております。
○佐藤委員 日本の方法は抽出溶媒にヘキサンが入っていますので、恐らく水は含まないだろうと思います。てんさいですので残留物といっても試料の重量が半分以上の水を含んでいるであろうということと、あとはM3のlogPowがたしかマイナスですね。かなり水溶性が高いということで、恐らくM3とM3の抱合体はこの残留物と称する画分に残っているのだろうという推測で、こういう規制対象となったと思います。
○農林水産省 今の御説明はすごくよくわかったんですけれども、推測で我々もこれを登録していいかどうかという判断がなかなかできませんので、今後、今日の御審議を踏まえて、これで登録していいかどうか。要はこれでM3とM3抱合体が回収できているかどうかという判断を今後していかなくてはいけませんので、我々はこのデータではM3までは読めないと。添加回収試験等をされていませんし十分読めないということで、当初は対象に考えておりませんでしたので、それも含まれるということであれば、それを含めて登録していいかと。
この基準でよいかという再検討を我々のほうでさせていただく際の参考として、この分析でも入っていればいいのですが、この分析法でどれくらい入っているか、M3の抱合体が来ているかというのがそもそもわかっていませんので、この方法の対象ということであれば、今の数字で間違いないのだと思いますけれども、裏づけがなくてもそうなるのかもしれないですが、アメリカの方法のようにと言われてしまうと、我々もそれでいいのかどうか。理論的には今、佐藤委員がおっしゃったとおりなのだと思いますけれども、それだけではなかなか判断がつきかねるところもありますので、範囲を御教授いただけないかと思って御質問をさせていただきました。
○大野部会長 永山先生、お願いします。
○永山委員 最初のほうに戻ってしまうかもしれないですが、私も今、混乱していてよくわからないところがあるのですが、そもそも基準値としてM3を入れる基準値を設定するという前提で、それなのにもかかわらず、作残の試験の中でM3がどちらに行っているかはっきりしないという理解でよろしいでしょうか。
 それとも、基準値としては本来M2までにしておきたいのだけれども、その作残データとしてM3をはかっているかどうかがはっきりしないので、そこをはっきりさせたいということなのか。私自身がその辺が混乱しているんです。
○農林水産省 このエトフメセートは非常に開発が古い剤でして、ヨーロッパやアメリカなどで極性の代謝物のようなものがあるときに、相手はわからないけれども、酸分解で出てくるものがあるというときに、その分析法とセットで、この分析法で出てくるこの作残の数値をもとに基準値をつくるということで、こういうふうな分析をしていた時期があります。
 どうも聞いていると、最初のころは何か極性のものがあると。植物代謝試験を見ていただくとそうなんですが、酸分解で出てくるものがあるということで、そういう分析法をとって、どうもM2の関連物質だと考えていたようで、親とM2とヨーロッパでもアメリカでも最初はそのように評価していた。
 ただ、科学が進んで、どうもM2の関連物質だと言っていたのが、以前御指摘があったようにM2の抱合体というのはおかしいのではないかと。探していくとM3というものがあって、それの抱合体がどうもあるのではないかと。酸分解の過程でもう一度環を巻いてM2になるのではないかということがわかってきたというのが後からわかってきたものです。そもそも分析の開発時点でM3は頭に入っていなかったので、それがすっぽり落ちている。
アメリカの方法については、M3については構造がわかって標準品があるということで、検討してみたところ、どうも回収されているようだということで、これはM3は入っていた数字だねと。さらに行ったM3の抱合体と言われているものはまだ構造もわかっていないので、どれぐらい入っているかがわからないけれども、分析法とセットであれば、問題なく運用できるということで運用されているということですので、このような場合は分析法とある程度、数字がリンクをどうしてもしてしまいますので、日本やEUのほうはM3を頭に入れていなくてM2までの考えで、添加回収もM2まででしか行っておりませんので、試験を実施したときの頭は、規制対象は親のみか親とM2というのが、そもそもの考え方でやられた試験になります。
○永山委員 そうしますと、今回その基準値案として出されているのが、7ページの残留の規制対象としてエトフメセートと代謝物M2。ただし、そこには熱酸処理によって代謝物M2に変換される代謝物を含むという形で基準値案が出されているわけですが、この熱酸処理によって代謝物M2に変換される代謝物がどれくらいあるかがわからないので、それを含めた形の、要するにもともとその代謝物として、そういうものがあると。それも何らかかの影響が出る、あるいは大量に残っていれば、それを含めなくてはいけないということで、それを含めた形の規制対象として提案されているのかなとも思うのですが、そもそも論として、もしその熱酸処理しなければ、先ほどから日本やEUで行われている古い剤かもしれませんが、エトフメセートと代謝物M2のデータはあるわけですね。
○農林水産省 完全にM2だけと言い切れるデータというのが、先ほど厚労省さんのほうから御説明があったEUのタイムとキャラウェイのみです。EUが親とM2を対象にしますと言った後に恐らくされた試験ではないかと思います。ほかの試験はEUの試験も日本の試験もM3がどちらに行くかがはっきりわからないので、先ほど佐藤委員からお話があったように、残留物にある程度入っているのではないかということで、ある程度は入っていると思います。
 ただ、どれぐらい残留物に残っているのか。その後の塩酸の処理でどれくらいの率で返還が起こっているのかというのは全くわからない。M2と言われる数字の中にある程度は入っている可能性はあります。これが試験法によって、ずれが出てきている。標準品があるM3ですらも見られているのはアメリカの方法だけですので、どちらにどれくらい入っているかと言われると分かりません。M2だけかもしれませんし、残っているのがM3のさらに抱合体のほうが残っているという話ですので、抱合体がどれくらい切れてくるかとか、それになると全くわからないというような状態です。
○永山委員 試験法からの可能性としては先ほど佐藤委員からもお話がありましたように、ここのところで塩酸を入れて水を添加していて、M3そのものがCO、HOを持っていますし、切れていればPOWも非常に小さいですし、水のほうに行っている可能性は非常に大きいです。
その中で熱の酸処理をすることによってできるものがあって、データとして、そこでもってM3が入ってくれば、原体といいますか、エトフメセートと代謝物M2だけの結果に比べれば、要するにプラスアルファで出ている結果があるということになります。
 そうすると、それで先ほどのどこまでを規制対象とするのかと言ったときに、M2まででいいのか。M2プラス抱合体で止まるのか。それとも、そこにM3とM3の抱合体も加えた形での基準値設定が必要なのか。そこでもって多分そのデータの取扱いが変わってくるのではないかということで、先ほどちょっとお聞きしたんです。
○農林水産省 まさにそのとおりでございまして、またここが悩ましいのが、方法が全部そろっていれば、横並びで数字を議論できて、基準値と方法がセットということでお話ができたのですが、今回の場合は古い開発だったせいもあるかもしれないですが、国ごとに規制対象が異なり、分析法も異なる。分析法に依存する数字が出てくるものなのに、分析法を変えてしまったということで、なかなか悩ましいところですので、アメリカの方法のように、ある程度少なくともM3は回収できる方法を日本でもされて、そこまでのM3とするのか。
 抱合体は標準品もないので、どうやって今後検討するかというのは別途考えなければいけないのですが、それともEUと日本のほうで例えばもう一度やってみて、そこまでのM3でいいのかとか、そのあたりで大分我々もどこまで試験やデータの追加が必要なのか。もしくは今のデータで読めるのかということが変わってきますので、そこを規制対象として並んだときに、それだけではない部分もあるかと思いますので、そこをはっきりさせておきたいなと思って質問をさせていただいています。
○永山委員 よろしいでしょうか。農水省さんの御質問はフローチャートを見たときに日本とEUの方法の右側のカラムの抽出液のほうは、その後に酸処理をしていないからということですね。
ですから、万一わずかでもM3もしくはM3の代謝物が行ってしまった場合には、M2の値が低くなるおそれがあるという。それに対してアメリカの方法では両方とも合わせてから加水分解しているから、どちらに移行していようが最終的にはM2になるから、だから間違いないということですね。
 ですから、日本の方法の場合にはM2を規制対象にした場合に、この方法だけだと低く見積もるおそれがあるということでよろしいですね。
○農林水産省 そのとおりです。残留量を低く見積もる可能性がある。このまま基準をつくって、このまま登録をしてしまうと、農家さんが適切に国が認めた手法どおり使ったとしても、残留基準超過を起こしてしまう可能性が通常より高くなってしまいますので、やはりその懸念はある程度打ち消してからでないと、使用するということは認められないだろうということは、我々の懸念の一つです。
○大野部会長 それはてんさいだけの問題ですね。
○農林水産省 現時点はてんさいしか申請がありませんので、今はそうですが、今後ふえていけば、ほかの作物も同じ規制対象になるかと思いますので、同じ分析法で試験をやっていただくことにはなると思います。
○大野部会長 そのときには当然M3の添加回収試験をやって、きちんとしたM3を測定できるような方法になるのではないですか。
○農林水産省 M3が規制の対象になっていれば、そういうことになろうかと思います。抱合体をどうするかというのは私も頭が痛いんですけれども、抱合体は構造体もわかっていないものなので、どのように分析のバリデーションをとるかというと難しいかなと思っています。
○永山委員 もう一点だけ。今のお話の中で、日本の分析の中でももちろん添加回収はやられているわけですね。この場合はやられていないんですか。
○農林水産省 親とM2についてやられていまして、逆に添加回収試験と妥当性の確認が分析についてされていないと、その作物残留試験は使えないということになります。なので、このデータはM3とその抱合体については使えないというのが我々の判断です。
○永山委員 ただ、M2についてはきちんとそこで添加回収もそれているということですね。ですから、先ほどの加水分解していないほうにどれだけM3が入っているかは分かりませんが、一応、添加回収上はそれなりのM2の数字はたたいているという理解でよろしいのでしょうか。
○農林水産省 ただ、M2を添加していますので、M2は途中で変わりませんので、M2が回収されたというのは証明できていますが、M3もしくは実際に残留したもの。親や代謝物が残留したもので回収をしたわけではありませんので、添加したものにしかわからないと。
○永山委員 そうすると、もともとの実サンプルといいますか、抽出や何かのところでどうなっているかまでははっきりしないので、ということでしょうか。
○農林水産省 M3の挙動もしくは変換について、理論的にはそうだと思いますし、アメリカの方法では確かにそうなんですけれども、日本とEUの方法についてはそこが、そもそも先にEUで開発されたのですが、それも親とM2をターゲットにしてつくられた方法でしたので、それ以上のことを申請者も考えておりませんでしたので、今の時点でそれ以上のデータがないということになっています。
○大野部会長 これについては、結局、測定方法については後で通知で示されるということですね。そのときに添加回収試験で少なくともM3については妥当性が確認されると思います。それで妥当な方法を示されるというはずだと思っているんです。それでいいのではないですか。それで、もしてんさいについて、その方法を使ってやってみたら、この0.3ppmというのが適正に使ってもこれを超えてしまうということになった場合には、それはまた次に申請してもらって修正をするということになるのではないですか。一度こう決めてしまうと、そういうことはできないんですか。
○事務局 一応そういった試験方法をもとにして再設定ということを考えてはいたんです。
○農林水産省 それも一つだと思うのですが、その場合はそもそも、今、てんさいの残留基準値は日本の申請のデータに基づいて設定となっているのですが、そこの担保ができないと、そもそも登録ということが難しいとなってしまうと、てんさいの基準の根拠そのものがなくなってしまいますので、我々のほうが今日の部会の結果を受けて申請者さんと相談して、短期的にこれは無理だとなってしまえば、そこがそもそもなくなってしまう可能性も含んでいます。
○大野部会長 今までの方法でもM3は当然はかられていると。この方法だとそちらに行くというお話だったと思うんです。かなり定量的に行くのだったら、そんなに食い違うことはないのではないかと思います。
○農林水産省 アメリカの方法ではM3までは確認されて、日本のほうはここに書いてはありますが、確認して書いたわけではなくて、多分そうだろうと書いてあるだけでして、その段階で先ほどもお話ししたように作残試験の分析は妥当性を確認したものを使うということにしておりますので、多分そうだろうというのでは登録制度のほかのところが崩れてしまいますので、それなりに根拠に裏づけをもって、このデータを使えるかを精査していく必要があるのかなと考えております。
○大野部会長 これは突き詰めていくと、M3も含めてはかるというのが、アメリカもそうやっているし、オーストラリアもそちらの方向で動いていると。実際に残留しているということになって、安全性について特に無害だという証明がないということになると、M3を入れざるを得ないわけです。そうしたら、M3をはかれるような方法をてんさいについて、きちんと確立して、それについてのデータをだしてもらわないと、ここでの審議ができないということになってしまいます。
○農林水産省 M3を含むということであれば、そのとおりかと思いますので、それについて我々のほうで申請者と協議をさせていただきたいと思います。M3の抱合体についてですけれども、抱合体は何かがよくわかっていないものでして、これについては通常の添加回収試験では証明が不可能になってしまいます。これに含むと書かれているのは、過去の試験法では恐らく含んでいるだろうということで、植物代謝試験で酸分解をするとM2のパーセントがふえるということで恐らくそうなっているのだろうと。
○大野部会長 でも、そこまで含めると、抱合体については、ほかのものについても添加回収試験をやっていないものが多いです。それをやらないとだめだということになると、その全部がひっくり返ってしまうことになると思います。それはできないと思います。
○農林水産省 多分その場合は今日のお話もあったと思いますけれども、通常は分析法が1系統しかないのだと思います。今回のようにいろいろな系統があるというのがそもそも悩ましいところで、分析法と数字が常に一対になっているので、横並びで数字が見れるということでしたので、細かい添加回収試験が当然ない場合、こういう場合があるわけです。
アメリカの場合はアメリカの基準とアメリカの分析法がセット、EUの場合はEUの基準値とEUの分析法がセットとなっていますので、そこはそこに矛盾が生じないのですけれども、逆に言うと、どちらの方向に進むかによってアメリカのような方法にするのか、日本やEUの方法にするのか、オーストラリアの方法にするのかによって、我々も検討の方向が分析法とセットにある程度なる数字ですので、そこもある程度精査して、今後検討しないといけないかと考えているところです。
○大野部会長 吉成先生、御意見があったようですけれども、お願いします。
○吉成委員 逆に聞きたかったのですけれども、日本の方法だと例えばM3を除いてM2にしたときに、M3の分がM2として過剰に入ってこないのですか。
○農林水産省 M2の数字を使えば、入ってくる可能性はあります。
○吉成委員 かなりあるのではないですか。
○農林水産省 それが今のデータでは何とも言えません。
○吉成委員 逆に言うと、だからM3を入れておかないと結局M2だけはかることができないのかなと私は思ったんです。あと、大野先生が言われたように、M3が何をしているかとか、どうなっているのかがわからないので、入れておいたほうがある程度出ますので、そもそも入れておいたほうがいいので、それをきちんと測れる方法であるべきだと思います。
同じことの繰り返しになるのですが、抱合体に関しては今までも例えば酸処理などで切れるものというので十分行われているような気がしますので、個別に添加回収試験のようなものをやる必要があるのかどうかというのは疑問を感じます。
○斉藤委員 結局その日本の方法だと抽出液、右側のほうが加水分解をしていないから問題だと思います。それをしていれば、どんな物質であろうがとにかく酸加水分解してM2になってしまうから、そこを無視して、どんな化合物だったかはその時点で言及しなくていいと思いますけれども、最初に加熱管理をしたときの抽出液のほうにどれだけ行っているかがわからず、なおかつ抽出液のほうは加水分解処理をしていないことが多分一番問題になっている争点だと思います。アメリカのほうは、それをクリアしているということだと思います。
○大野部会長 いかがでしょうか。基本的なところでの議論ですので、本来だったら、この部会に挙げてくる前にある程度、分析法をきちんと確認して、それで残留値をはかって、それに見合う基準をつくるということがあれですが、それが十分にできていないということになると、この審議は時期尚早だったかなという感じもするのですが、この辺は厚生労働省は厚生労働省の希望があって決めたのでしょうから、両方で御検討をしていただいて、その結果に基づいて、もう一度ここに上げていただくということでいかがですか。
○事務局 では、両省で調整の上、もう一度、御相談をさせていただくということで、そのようにさせていただきます。
○大野部会長 私は前から思っていたことですけれども、分析対象物質をあらかじめ決めていないと、それを後で、例えばA、B、Cが分析対象物質で私たちが適切だと思ったときに、A、Bだけではかっているときのデータを持ってきて、それでここの段階でCもはからなくてはいけないとなったときに、前の測定値がまるで全然違ってしまうこともあるわけです。極端なことを言うと、そういうときに全部残留試験をやり直せという可能性もあるわけです。それで若干矛盾もあるんです。
その辺も絡んだ議論だったかと思いますので、それはどうするかというのはなかなか難しい問題ですけれども、データがなければ決められないということがありますので、いずれにしても厚生労働省と農林水産省のほうで審議していただいて、対応を考えてくださるようお願いします。
○事務局 準備不足だった面もあるのかもしれません。申しわけございません。再度改めて相談させていただきます。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
○農林水産省 まとまりかけたところで横から声をかけてしまいまして、申しわけありませんでした。今、部会長から御指摘があったようなことは申請者のも当然しっかり伝えて、なぜこの分析法なのかという話はしておきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、今日御審議を予定したものは済みましたけれども、その他のところで事務局からございますでしょうか。
○事務局 1点、御報告をさせていただきたいと思います。資料14を御覧ください。
 「暫定的に定められた対象物質21品目(アスパラギン等)の見直しについて」でございますが、ポジティブリスト制度導入に伴い、食品衛生法第11条第3項の規定に基づき、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして、厚生労働大臣が定める物質、いわゆる対象外物質として65物質が暫定的に定められました。
 今般、対象外物質のうち、ビタミン、アミノ酸等の下記の21物質につきまして、食品安全委員会に対して食品健康影響評価を依頼しましたところ、通常使用される限りにおいて食品に残留することによりヒトの健康を損なうおそれのないことが明らかであるものであると考えられると評価結果がなされました。
 食品安全委員会の評価書は、資料14(別添2)として配付しております。この食品安全委員会における評価結果を踏まえまして、これら21物質につきましては、農薬等として通常の方法により使用され、食品中に残留をした場合であっても、その食品を摂取することによって、ヒトの健康を損なうおそれがあるとは考えにくいことから、食品衛生法第11条第3項の規定に基づく対象外物質として定めることとし、資料14(別添1)を配付しておりますが、こちらの報告書によりまして御報告いたします。
 御説明は以上となります。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ここに上がっているものはアミノ酸、生体内物質ということですけれども、先生方から何かこういった扱いについて質問なりコメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これについて御了承をいただいたということにいたします。
 先生から、ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、今日御審議していただいたものについての今後の扱いについて、食品衛生分科会での扱いについて御説明をいただけますでしょうか。
○事務局 平成22年3月3日に了解されました食品衛生分科会における確認事項に基づきまして、本日、部会で御審議いただきましたエトキシキン以外の農薬6剤、農薬及び飼料添加物1剤、動物用医薬品4剤、動物用医薬品及び飼料添加物2剤、ただいま報告をさせていただきました対象外物質21品目につきまして、食品衛生分科会での審議または報告の取扱いにつきまして、横1枚紙の原案を用意させていただきました。
 本日御審議をいただきました品目のうち、ジルパテロールにつきましては新たに残留基準を設定するものであることから、区分1といたします。
 アビラマイシン、エトフメセート、ジカンバ及びナラシンにつきましては、既に設定されています残留基準の一部改正に該当することから、区分3とする案といたしたいと思います。
エトキシキンについては御審議であったとおり、今回御提示しました報告書案が了承された場合には、区分3に該当すると考えております。
 ビフェナゼート、ブプロフェジン、ペンチオピラド及びボスカリドにつきましては、既に設定されている残留基準一部改正のうち、いずれも食品安全委員会での評価の結果に変更がないものに該当することから、区分4とする案としております。
 動物用医薬品イリドウイルス病・ぶりビブリオ病・α溶血性レンサ球菌症・類結節症混合(多糖アジュバント加)不活化ワクチン、動物用医薬品豚繁殖・呼吸障害症候群生ワクチン等のワクチンにつきましては、残留基準を設定しないこととする可否に該当することから、区分5といたしました。
 先ほど御報告させていただきました対象外物質21品目につきましては、法第11条第3項に規定するヒトの健康を損なうおそれのないことが明らかである物質の指定に関するものであることから、区分7とする案としております。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ただいまの分科会における扱いについてですけれども、よろしいでしょうか。
○事務局 済みません、エトフメセートは保留になります。
○大野部会長 食品安全委員会の報告を伺った上で、必要な場合には審議を行うということですね。
○事務局 済みません、1点だけ。エトキシキンですけれども、先ほど言っていなかったような気がするのですが、エトキシキンは食品安全委員会の健康影響評価の結果に修正がなかった場合、もしくは軽微で大丈夫だった場合には、そのまま区分3で進めさせていただくということでよろしいですか。
○大野部会長 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。先生方、よろしいでしょうか。
 それでは、次回の予定はいかがでしょうか。
○事務局 御説明させていただきます。次回の本部会の開催日程につきましては、平成25年10月21日月曜日の午後を予定しております。出欠につきましては、後日御連絡をさせていただきます。詳細につきましても追って御連絡を申し上げます。
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは、私の不手際で随分延びてしまいましたけれども、申しわけございませんでした。
これで、この部会を終了させていただきます。御協力をありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921

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