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2013年10月23日 第10回先進医療技術審査部会

(了)


第10回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成25年10月23日(水) 16:30~17:50

(2) 場 所:中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号TEL:03-5253-1111)

(3) 出席者:猿田座長、山口座長代理、一色構成員、伊藤構成員、
佐藤構成員、柴田構成員、関原構成員、竹内構成員、
大門構成員、田島構成員、直江構成員、藤原構成員、
山中構成員、山本構成員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 課長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐

議 題:
1.継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取り下げについて
5.先進医療Bとして実施された医療技術の総括報告書の評価
について
6.平成26 年度の先進医療の保険導入等及び施設基準の見直
しに係る検討方法等について(報告事項)
7.その他

議事録:以下次頁
○猿田座長
 時間になりましたので、第10回「先進医療技術審査部会」を始めます。委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、また天気の悪いところをお集まりいただきどうもありがとうございます。
 本日の構成員の出欠状況は、金子構成員、三上構成員が御欠席ということです。16名の構成員のうち、14名の構成員にお集まりいただきましたので、本会議が成立していることを申し添えます。
 それでは、配布資料と本日の審議案件の確認を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配布資料を確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿と続きます。次に、継続審議の「評価を受けた技術の再評価結果について」として、資料1-1~1-5があります。次に「試験実施計画の変更」として、資料2-1~2-3があります。次に「協力医療機関の追加」として、資料3-1、3-2があります。次に「先進医療Bの取り下げ」として、資料4があります。さらに「先進医療Bとして実施された医療技術の総括報告書の評価」として、資料5があります。次に「平成26年度の先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法等について」として、資料6があります。最後に参考資料1、2となります。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等がありましたら事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 それから、利益相反についてです。対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1、11ページに記載しております。医薬品医療機器情報を御覧ください。対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認をさせていただいております。一色構成員、猿田座長、大門構成員、藤原構成員からは利益相反の届出がございました。参考資料2、93ページにお付けしています、「先進医療会議における利益相反の対応について」等を適用し、一色構成員におかれましては、当該技術について検討、発言、意見の確認ができません。猿田座長におかれましては、御発言は可能でございますが、意見の確認に加わらないこととさせていただくところでございますが、申請医療機関との関係から、一色構成員と同様の取扱1いとさせていただきます。藤原構成員におかれましては、当該技術に関する検討に御参加いただきますが、議事の取りまとめには加わらないとさせていただきます。大門構成員におかれましては、議論に参加いただき、意見の確認に加わることとさせていただきます。
 なお、事前の届出以外にもし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしということでよろしいでしょうか。では、以上です。
○猿田座長
 では、早速議事に入ります。審議事項「継続審議の評価を受けた技術の再評価の結果について」、事務局から御説明いただきます。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局より御説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 資料1-1、11ページを御覧ください。今回先進医療Bとして、再評価をしていただくのは整理番号011「早期胃癌に対するセンチネルリンパ節を指標としたリンパ節転移診断と個別化手術の有用性に関する臨床試験」です。適応症は早期胃癌(術前診断T1N0、腫瘍長径4cm以下、単発性)となっております。申請医療機関は慶應義塾大学病院です。審査担当構成員としましては、主担当が山中構成員、副担当として山口座長代理、田島構成員となっております。利益相反の関係上、本技術の審議の進行を猿田座長から山口座長代理にお願いいたします。猿田座長と一色構成員におかれましては、一旦御退席をお願いします。事務局からは以上です。
(猿田座長、一色構成員退室)
○山口座長代理
 それでは、代理を務めさせていただきます。では、整理番号011の再評価結果につきまして、主担当の山中先生、御説明をお願いいたします。
○山中構成員
 主担当の山中です。前回の会議において審査をしまして、私を含めます構成員から幾つか指摘事項がありました。適切に回答いただいたと思うのですが、まず、山口先生、田島先生から御意見をいただいたあと、私のほうで総括を述べたいと思います。
○山口座長代理
 それでは、実施体制の評価を。
 コメントをお願いします。
○山中構成員
 実施体制につきましては、外部CROとの役割分担を明確にすること、資金源をどうするのかなど、そういったことをお尋ねしていたのですけれども、適切に御回答いただいたと思います。実施体制については慶應大学のクリニカルリサーチセンターのほうでバッアップするものだと思いますので、問題はないと考えております。
○山口座長代理
 それでは、資料1-2に基づきまして、御説明したいと思います。実施体制のところを私が評価させていただきました。前回も申し上げましたが、この研究は平成14年から始まっておりまして、既に厚労科研、研究会主催の研究、先進医療でも、500近い数が行われていまして、その中で慶應大学が中心的な役割でやっておられましたので、実施体制につきましては問題ないということで、全て「適」といたしました。
 続いて、田島先生のほうから倫理的な観点からの評価をお願いいたします。
○田島構成員
 同意説明文書の内容につきましては「適」、保障内容につきましても「適」ということで、患者相談等の対応も整備されているという評価です。
○山口座長代理
 ありがとうございました。引き続き、山中先生のほうから試験実施計画書等の評価をお願いします。
○山中構成員
 前回、一番問題となったというか議論になりましたのは、デザインの部分でした。プロトコールのシェーマを御覧になっていただきたいのですが、実施計画書をめくっていただいて、何ページかめくるとシェーマが出てきますので、それを見ていただくのが一番話をしやすいのですが、よろしいでしょうか。
○山口座長代理
 12ページですかね。
○山中構成員
 通し番号で132ページなのですが。
○医政局研究開発振興課専門官
 会議資料とタブレットは別々になっていますので会議資料またはタブレットの何ページとご発言いただければとおもいます。
○山中構成員
 タブレットの中にある実施計画書本体です。
○山口座長代理
 治療計画のシェーマですね。
○山中構成員
 はい、治療計画のシェーマです。実施計画書の。
○山口座長代理
 12ページですね。
○保険局医療課専門官
 12ページと132ページは同じものですので、どちらでも構わないです。
○山口座長代理
 どちらか出ましたでしょうか。早いほうは12ページです。
○山中構成員
 132か12のいずれでも。
○山口座長代理
 なかなかこれ、慣れないのでそこに到達するのが大変なことになりますが。どうせ慣れなくてはいけないので、ゆっくりやってください。絵があったほうがやはり分かりやすいと思いますね。よろしいでしょうか。では、続きをお願いします。
○山中構成員
 この医療技術は、T1N0M0の早期胃癌を対象にしまして、術中センチネルリンパ節生検を行います。センチネルリンパ節SNの転移が陽性であれば、定型の胃切除D2郭清を行います。SN転移が陰性であれば、開腹してそのときの状況に応じて、A群の縮小胃手術を施行するか、あるいはB群の通常の手術を行うかに振り分けます。このA群B群、そしてC群全体で1つの治療アームと考えています。前回は、このA、B、Cからなる治療アームを標準治療と比較する非劣性試験が計画されていました。私を含む何人かの構成員から非劣性試験としなくてもいいのではないかという意見が出まして、再考をしていただきました。申請者からは、A群B群C群からなる1つのシングルアームからなる試験に変更しますという回答をいただいています。プロトコールも確認しましたが、シングルアームの試験として、適切にデザインされていると思いますので、有効性の評価につきましても、「適」と判断いたしました。以上のすべてを総合いたしまして、今回「適」と総合評価をしたいと思います。以上です。
○山口座長代理
 ただいまの御説明で何か御質問はございませんか。
○伊藤構成員
 前の記載が多分残っているのだと思うのですが、山中先生は見ていらっしゃるので、もしかしたら私の誤解かもしれませんが、18ページの「予定試験期間及び予定症例数の設定根拠」で「個別化手術群-従来手術群」とか、25ページも、「個別化手術群」とか「従来手術の成績を」とかという記載があって、この従来手術の成績が何を意味するのかもよく分からない状態になっているので、多分記載をもう少しきちんと整理をされたほうがいいのではないかなという気がいたします。25ページの概要の所の効果のすぐ上の所に、「Primary Endpointすなわち個別化手術の根治性・安全性の評価は『個別化手術群』と従来手術の成績を、Secondary Endpointのうち」とかという話で、Secondary Endpointはいいのですが、そういう記載があって、その従来手術の成績についての記載がないので、多分記載が整備されていない文章が残っているのか。若しくはあらかじめこの従来手術の成績は定義がされていて、これを上回るとかされないとかいうことになっているのか、ちょっとこのままではよく分からないと思ったので、御説明いただくのか、整備をされるのかどちらかされたらどうかなと思います。
○山中構成員
 従来手術の比較というのは、前回の申請のときに審議した標準治療群に相当するものだと思います。これの成績を閾値として設定して、それに対して、シングルアームとしての比較ではありますが比較を行う、というデザインということなのではないかなと思うのですが。
○山口座長代理
 そこをもっと明確に分かるように書いてもらったほうがいいということですか。
○山中構成員
 おっしゃるとおり、ちょっと誤解を招く可能性がありますので、修正は適切にしていただくようにお願いいたします。
○伊藤構成員
 シングルアームの視点だとすると、こういう中の外部比較の話になるのだろうと思いますので、そうであれば外部比較であるというような記載にされたほうがいいのではないかと思います。
○山口座長代理
 今、山中先生の御説明であったような群でよろしいのかということを確認して、それが分かるように記載してもらうということでよろしいですか。
○伊藤構成員
 はい。
○保険局医療課専門官
 事務局ですが、確認をさせていただきたいと思うのですが、技術的なところで、素人チックな質問で恐縮なのですが、前回デザインをされていたものというのは、2群に分けて、今日のシェーマで見るABC群ともう1つのアームが従来型の手術ということになっていたと思うのですが、今回シングルアームで設計されるのはこのABC群を一体として、ヒストリカルコントロールの従来型と比べるというのは、前回と何が変わっているのかがよく分からなくて、要するに比較対象が同じものではないのでしょうか。
○山中構成員
 それはインナーに、内的に比較対象があるか、外に置くかの違いです。内的にコントロール、対照群を置いたほうが、比較可能性という意味では一番ベストだとは思いますが、今回のいろいろな諸状況を考えますと、必ずしもインナーコントロールを置く必要はないのではないか、というのが前回の会議での意見だったと思います。
○保険局医療課専門官
 前回、なぜその2群の比較ではないようにしたほうがいいのではないかという、ここの議論がなされたかという私の認識なのですが、今回のシェーマでいう、A群B群C群とありましたが、B群というのは、縮小切除がそもそも不可。B群ですね。今日のシェーマでいうとB群というのは、胃自体の縮小切除はできない。だけれども、センチネルはネガティブ、だけれども、SN Basin切除+αというリンパ節郭清になっていて、確かD2に近い郭清範囲なので、そこのB群と従来手術群は余り違わないのではないかという指摘があったかと思うのです。このB群という所が多くなってしまうと、ABCを一体として従来手術と比較したときに、意味がなくなるというのが前回の指摘だったと思うのです。そうなると、このABCというデザインが前回と同じままで、従来型と比較するということが、内的なのか外的なのかという違いだけで、前回の指摘はクリアされるのか。されるのであれば、それはなぜなのかというのが分かりにくかったので教えていただきたいのです。
○山中構成員
 補足します。インナーコントロールを置くか置かないかという問題と、今おっしゃられたように、B群の割合に応じて非劣性が証明しやすくなってしまうので、必ずしもランダム化試験が適切ではないのかという御意見があったと思います。そういったことを今回考慮していただいて、シングルアームにしていただいて、ABCセットで1つの治療アームとしての成績を閾値と比較することになると思いますが、個別にA群だけの成績も見て判断する、ということになるのではないかと思っております。
○保険局医療課専門官
 要するに、前回との違いというのは、A群だけをコントロールと比較するというところが明確になっているというのが前回との違いということですか。
○山中構成員
 そうですね。前回のデザインでもA群だけを取りあえず評価するというのはできると思うのですが、今回は、シングルアームとして、インナーコントロールを置かずに、そこだけを見るようにしていただくことになると思います。
○保険局医療課専門官
 今回の御提案が、A群だけをヒストリカルとコントロールするということも1つ大きな要素だということを、どの辺りで読めば分かりますでしょうか。それはある程度明確に書いてあるということですか。
○山中構成員
 プロトコール全般から読み取れることではないかと思いますが。
○保険局医療課専門官
 ある程度明確化できるのであれば、明確化することも可能ですか。
○山中構成員
 具体的におっしゃいますと。
○保険局医療課専門官
 デザインとしてはABCを一体として、従来型手術のヒストリカルと比較するという形になっているのですが、それだと前回の指摘を受けた状態と同じ状態なのかなというのが、私の受けた印象なのですが。
○山中構成員
 それはB群の割合に応じて、また非劣性が証明されやすくなる、ということですか。
○保険局医療課専門官
 そうです、おっしゃるとおりです。という状態は変わらないと思うのかなと思うので、A群だけをヒストリカルと比べるということであれば、前回の指摘を踏まえた形になるかと思うので、それがどこからか読み取れると違うということはよく分かるのですが。
○山中構成員
 例えば端的に言えばA群だけを評価対象とすることを主解析するというデザインですか。
○保険局医療課専門官
 主ではなくてもいいのかもしれませんが、解析として行うということは。
○山中構成員
 それは、副次解析ですけれども、A群だけの解析は当然行うと思います。それを主解析にすべきかどうかというのが、今おっしゃっていることでしょうか。
○保険局医療課専門官
 それは是非この場で御検討いただければと思うのですが、それに関連してなのですが。
○山口座長代理
 ちょっと補足させてもらいますが、最初みたときにはAとCだけでいいのではないかと理解したのですけれども、実はこの縮小手術というのは、切除範囲のことが主なのです。つまり胃の出口を残す手術、帯状に切る手術、胃の出口寄りを残す手術、この3つです。臨床の現場では出口を残す手術はできると思っても、開腹してみると思ったよりも出口に寄っているために、出口を残すことが難しいという事例はごくまれにあります。その場合にどうしようか、そのまま強行するのかということが心配されたのですが、実際にB群に該当する例というのは極めて少ないのではないかということです。ですから実質的にはAとの比較になるのではないかと思います。
○保険局医療課専門官
 確認させていただきたいのですが、今座長代理がおっしゃったのは、あらかじめ縮小手術が不可と考えられる方は、そもそもこのスタディに入ってこないようなプロトコールになっている場合はそうだと思うのですが、あらかじめ縮小手術で不可が想定される方もこのスタディに入ってくるのであれば違ってくる。
○山口座長代理
 縮小という意味が、リンパ節を郭清するということと、切除範囲が小さいということでちょっと意味が違うと思います。
○保険局医療課専門官
 胃の切除範囲の話ですが、胃の切除範囲がそもそも不可かどうかというのは、術前に分かることもあるわけですよね。
○山口座長代理
 胃の切除範囲は術前に一応判定しますが、特に幽門輪を残すような手術というのは、往々にして。
○保険局医療課専門官
 分からない。
○山口座長代理
 そうです。100%ではないのです。半分以上ということはありませんが、10%なり、そこは近いのでやめておこうというのがあるわけです。ただ、それはどうしてかというと、近いとリンパ節への転移があるのではないかということを恐れるわけですが、このスタディでは、センチネルがネガティブということが確認されていますから、そこではもちろん信頼してやるというところは本当はやるべきなので、中にはどうしても技術的に難しいと。つまり幽門輪から1.5cmから3cm残すわけですが、それを残すとリンパ節ではなくて、断端が近くなると。つまり切った端が残るということを恐れるところがあるので、この案も残したのではないかと思います。
○保険局医療課専門官
 確認をさせていただきたいのですが、術前から定型胃切除になりそうだ、縮小胃切除ができないという方というのは、センチネルが陰性だとしてもAに入ることはないわけですよね、このプロトコールですと。
○山口座長代理
 それは必ずしもそうではないのです。
○保険局医療課専門官
 術前には切除範囲が決められないから。
○山口座長代理
 その場合には出口も取るけれども、リンパ節の郭清の範囲が少ないという意味でそうなると思います。
○保険局医療課専門官
 それはB群のことでよろしいですか。
○山口座長代理
 そうです。
○保険局医療課専門官
 ということですよね。ということは、あらかじめ術前から定型胃切除になりそうだというような方というのは、BかCにしかいかないわけですよね。
○山口座長代理
 それはそうではないのではないでしょうかね。
○保険局医療課専門官
 要するに術前から明らかに定型胃切除になりそうだという方が、このスタディに入ってくるとすると、B群がすごく多くなることはあると思うのですが、あらかじめこれは定型胃切除になりそうだ、確定だという人が、入らないのであればB群にいく人は少なくなると思うのですが、そこはどちらなのかよく分からなかったので。あらかじめ噴門にあって、これは縮小切除では無理だという方がこの手術に入ってくるのであれば、B群が多くなるという恐れが残るのですが。
○山口座長代理
 この記載では入らないと思いますが。というのは実施は3つしかないですから。
○保険局医療課専門官
 分かりました。ではこの前提というのは、あらかじめ定型胃切除が予想されるような方は、このスタディには入ってこないという御認識ということですね。
○山口座長代理
 そういう理解でよろしいかと思いますが。
○山中構成員
 そう思っていたのですが。
○保険局医療課専門官
 分かりました。ありがとうございます。
○山口座長代理
 ほかに何かございませんか。それでは、山中先生、まとめていただけますか。
○山中構成員
 前回いろいろ指摘事項がありましたが、適切に修正がなされて、今回再申請されたと思います。胃癌におけるセンチネルリンパ節理論の薬事承認を目指す重要な臨床試験として位置づけられると思いますので、速やかに実施、遂行されることを期待したいと思います。総合評価「適」と判断します。以上です。
○山口座長代理
 それでは、私の進行はここまでとしまして、猿田先生にこれからの進行をお願いしたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 山口座長代理、確認ですが、伊藤構成員から御指摘のあった、前回の記載が一部残っているというところの指摘について、申請者に確認して修正していただくと。
○山中構成員
 残っているというわけではなくて、紛らわしい書き方になっているので、そこはきちんと明確にしていただくように、ということだと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 それと、1点訂正なのですが、今日の会議資料の13ページに、「医療技術の概要」というところがありますが、これが前回の記述がそのまま残ったままになっておりまして、「2群にランダム割付を行い」という所が、前回の記述が残っておりまして、改訂がなされていない資料でした。ホームページにアップする際は、ここの技術の概要はアップデートされたものを掲載させていただきたいと思います。この場を借りてお詫び申し上げます。
○山口座長代理
 なお15ページを見ていただきたいのですが、15ページに縮小手術の規定が書いてあります。L領域の所で、幽門を取る場合でも小さい範囲で取る幽門洞切除というのは、胃の下の部分を取るときには、小範囲切除、いわゆる3分の2以上切除する標準的なものでなくて、縮小したものが入っております。私が誤解していたので訂正させていただきます。
 それでは猿田先生お願いします。
(猿田座長、一色構成員入室)
○医政局研究開発振興課専門官
 ここからの進行は猿田座長にお願いいたします。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。すみませんでした。続きまして、資料2「試験実施計画の変更について」、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 今回は3つの試験から、試験実施計画の変更がありました。各試験について、試験の概要、主な変更点、変更理由についてまとめているのが、資料2、23ページ以降になります。1つずつ説明申し上げます。
 1つ目は、資料2-1、23ページ、大臣告示番号019、先進医療名は経カテーテル大動脈弁留置術です。少しおさらいをさせていただきますので、28ページをごらんください。(2)ですが、本技術は、重度大動脈弁狭窄症に対して、サピエンXTという商品名の経カテーテル弁を留置する技術について、先進医療と同時に治験が並行して実施されておりました。その治験のデータをもって薬事承認されたわけです。
 先進医療Bにおいて、未承認の医療機器について薬事承認があった場合の取扱いについてが28ページに書いてありますが、薬事承認があった場合は、この四角で囲んでありますように、「先進医療の告示から取り消すものとする」とされています。しかし、治験と先進の違いを29ページにイラストで書いてありますが、治験の対象患者は慢性維持透析患者が含まれておらず、先進医療では慢性維持透析患者が含まれておりました。そのことを勘案して、対応策として29ページの(1)先進医療として実施する際の適応症と薬事承認を得た適応症が必ずしも一致しないことから、当該先進医療については、当該技術が保険適用される時点では先進医療Bから取り消さないこととし、下記の評価を行うこととする、とされました。すなわち、マルの1、マルの2、マルの3を審議して承認された場合に、先進医療として再開が可能と。(2)にありますように、そのマルの1、マルの2、マルの3が評価されるまでの間は、先進医療の実施を行わないものとすることが9月6日の先進医療会議で了承されました。今回、申請医療機関から29ページの(1)マルの1の先進医療技術審査部会において、適応症を「慢性維持透析中の大動脈弁狭窄症」とした試験実施計画に変更し、先進医療Bとして継続することの技術的妥当性を評価することについて、申請医療機関から資料が提出されましたので、ここで紹介させていただきます。
 なお、この結果は未公開ということですので資料は机上配布のみになっております。傍聴者の皆様におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
 机上配布資料の結果を紹介いたします。この結果は3つの試験研究結果が盛り込まれています。1つ目ですが、慢性維持透析患者に対して、サピエンXTというデバイスを大動脈弁に留置して、透析患者と非透析患者、透析患者は7例、非透析患者は66例で、転帰を比較した結果が最初の結果です。
 3ページの患者背景ですが、透析患者と非透析患者の患者背景が示されております。非透析患者の大動脈弁狭窄症の特徴としては高齢女性が多いということで、非透析患者では年齢が高くて女性が多いという結果になっています。女性の多さを反映して、体表面積も少し小さいという結果が示されています。
 スライド番号4ですが、患者の全身状態を表すEuroSCORE、STS scoreは、高齢者、女性であることを反映して、非透析患者で少し点数が高く、全身状態は少し悪いという結果になっておりますが、統計学上の有意差はありません。
 そのような患者背景の下に、アウトカムが比較されました。スライド番号8、スライド番号9になりますが、全生存率について、非透析症例において若干、患者背景は若いなどの良好な患者背景なのですが、全生存率については1年の時点で1例も死亡がないということで、非透析患者に比べて予後が必ずしも悪くないという結果が示されています。また、心事故発生率についても、透析患者、非透析患者において有意な差は認めていないという結果が示されました。
 スライド番号12ですが、透析患者15例において、サピエンXTを留置した7例と、従来の開胸手術をした8例との間でアウトカムが比較検討された結果が示されています。これは無作為に割り付けられた結果ではありません。
 スライド番号13、患者背景をお示ししますが、TAVI群、サピエンXTを入れた群で高齢である、男性が多いなどの差異を認めました。これは開胸手術ができる人は手術に堪えられる人が対象になっていることを勘案して、従来の開胸手術8例の群は若干、若いという結果になっていると思われます。全身状態の指標、重症度を示すEuroSCORE、STS scoreは、それぞれ開胸手術群で若いことを反映して点数が低いのですが、有意差はないという結果でした。
 アウトカムをお示ししますが、スライド番号20、結果の5ですが、サピエンXTを入れたものをTAVIとして表しています。従来の開胸手術がAVRになっておりますが、6か月の時点での生存率に有意差はないという結果が示されています。
 スライド番号21、心事故発生率です。心事故発生率の定義は右下に書いてありますが、ペースメーカ植込みや心タンポナーデ、縦隔炎、脳卒中、感染などですが、それも両群で比較して、必ずしもサピエンXTで不良というわけではなく、有意差はないという結果が示されております。
 スライド番号22、有害事象回避率についても、サピエンと従来の開胸手術で予後は変わらないという結果が示されているということです。
 最後に、3つ目の試験結果が示されています。透析患者で生体弁を入れた患者、機械弁を入れた患者、これはいずれも従来の開胸手術で生体弁、機械弁との間で予後を比較した試験結果です。
 23ページに患者背景が載っておりますが、生体弁は若干、高齢になっている。これは機械弁を入れると抗凝固療法を施行しないといけないという背景を受けて、生体弁でワーファリン等の抗凝固療法が使えないということで、やや高齢になっているのだと思います。
 スライド番号24ですが、そういった患者背景の下で、累積生存率を比べると、機械弁と生体弁の間で有意差はないという結果が示されています。
 また、スライド25においては、主要弁関連事故として両群で比較されていますが、生体弁で予後が不良であるという結果は示されていないということでした。
 スライド26ですが、慢性透析患者において、生体弁は透析患者で傷みやすいという報告もあるのですが、人工弁劣化回避率も5年で89%と、10%の患者で再度、手術が必要になったのですが、それ以外は人工弁の劣化の回避が認められるということで、生体弁を入れたからといって傷みが激しいわけではないという結果が示されております。
  これらの結果を踏まえて、資料の23ページに戻っていただくと、「試験実施計画の変更について」が申請されました。
 26ページの「主な変更内容」ですが、サピエンXTが薬事承認された際、以下の理由から慢性透析患者は適用から除外されています。1)慢性透析患者は非透析患者に比べて全身状態だけではなく、心血管系への負担が大きく、透析患者への本医療機器のリスクはより高くなること、2)これまで透析患者には、生体弁の劣化が早いため機械弁が用いられてきたこと、が懸念されたために、薬事承認の際は慢性透析患者が除外されたのだという結果でした。申請医療機関から示された結果では、これらの26ページの1)、2)については必ずしも言えないのではないかということで、引き続き先進医療を通じて、サピエンXTを透析患者にも適用拡大したいという申請がありました。
 具体的な変更内容については、26のマルの1、マルの2、マルの3と書かれていますが、主な変更はマルの3の適応症及び被験者の適格基準及び選定方法として、「ただし、慢性透析患者に限る」という文言が追加されました。また、試験期間については、これまで5年とされていましたが、8年に延長されました。マルの5観察機関についても対象が慢性透析患者に限られるため、安全性評価には、更に長期の追跡調査期間が必要と判断したため、これまでの6か月から12か月に延長が申請されました。マルの6予定症例数も、これまでは53例としましたが、新たに慢性透析の大動脈弁狭窄症31例を登録するため、76例の変更に申請がなされました。これらが変更の申請です。
 本技術については、申請時に御評価いただきました山本構成員、山口座長代理、一色構成員、佐藤構成員には事前の確認をいただいております。以上です。先進医療Bとして継続することの技術的妥当性について、御議論をお願いしたいと思います。
○猿田座長
 ちょっと複雑な形ですが、最終的にまとめていただいたように、先進医療として継続していくためには、変更のことをお話いただきましたが、この形でやっていくということで、症例数、そのほかに関しても私は全て妥当ではないかと思うのです。先生方から御意見をいただければと思います。特に山本先生、何かありますでしょうか。
○一色構成員
 先ほどの御説明で1ヶ所修正が必要です。スライド5ですが、これまでに透析患者に使用されたものは全て旧タイプのものでサピエンXTは使用されていませんので、この点ご指摘しておきます。
○猿田座長
 これは問題になりますか。
○一色構成員
 いいえ、新しいプロトコールで使用するのはサピエンXTとのことですので問題ないと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。そういうことですが、よろしいですか。山本先生どうぞ。
○山本構成員
 これはとにかく経緯から少しややこしいことがあって、最初に旧タイプのTAVIのカテーテルの機器で大阪大学から申請がなされたのですが、この先進医療の承認の後に企業治験が新タイプで走り始めたので、結果的に旧タイプの先進医療と新タイプの治験が並行して走るようになってしまったというのが1つです。そして、企業治験は順調に進みまして、結局、新タイプ、改良型で今回承認が得られたのですが、当然と言えば当然ですが、治験では慢性透析患者、少なくとも腎障害のある方はみんな省かれていたと思います。これは医療機器の治験では当たり前の話で、特にそこを狙いに行かない限りは、成績の足を引っ張るような形になるような、ハイリスクの患者をできるだけ避けようとするところはあると思います。そこを、要は慢性透析患者が1例も入らない形の治験データが出来上がったと。
 医薬品であれば、そういう透析患者も入れる可能性があれば、例えばそれについてはオープン試験で安全性を見るとかいうことはすると思いますが、医療機器の治験はそういうことは普通しないので、そのままの承認資料になってしまい、さらに、これが特に慢性透析患者で、理論的に安全性の懸念があるということから、積極的に適用範囲から除外された形で承認が下りてしまったと。
 そういう幾つかの条件が重なりましたので、結局、現場の需要としては、本当は慢性透析患者に使いたいという需要はあるけれども、承認の範囲からは、逆に明確に禁忌として省かれてしまったということで、最初にやり始めた先進医療が今度は改良型の医療機器の禁忌の所を外すためのデータ収集という、目的が当初始めたところから少し変わってはいると思います。先進医療の出始めるときから慢性透析患者にも需要があるということで、そこをむしろ省かないで先進医療のプロトコールは発しておりました。それと先進医療が始まるときには、一応、国内には存在しなかった改良型が出てきて、更にそういう禁忌の所が付いてしまっているということですので、技術的にはほぼ同じものですから、今回、改良型に変更して、特に慢性透析患者のデータも集めるのではなくて、そこに特化して患者のデータを収集することになったということです。本来の最初走っていた先進医療からのいろいろな経緯はありますが、その中の目的の一部であると考えております。そういう意味で、私はこの変更については妥当と判断しました。
○猿田座長
 非常にクリアになったかと思いますが、結局プロトコール上で外してしまったのですかね。
○山本構成員
 確かそうだったと思います。
○猿田座長
 ということですね。それから、逆に今、事務局にお話いただいたように、透析患者におけるいろいろな状況が全部、整理されて、かえってはっきりしたということだと思うのですが、ほかにどなたか御質問はありますでしょうか。
○藤原構成員
 2-1の4ページ目に書いてありますが、最終的に先進医療でやった試験結果をもって、適用追加か禁忌外しの薬事承認の申請をエドワーズさんがやってくれると。ただ、それは医師の治験でやるとか、企業治験でやらせると、余りにも酷だから先進医療でやりましょうという理解でいいのですよね。
○医政局研究開発振興課専門官
 申請医療機関からは、そのように伺っております。
○猿田座長
 でも、一応これだけの例数は要るわけですね。結構、例数が多くなっています。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね。一応、彼らのサンプルサイズの算出については、現在、非透析例で先進の下で37例が実施されていると。慢性透析例は7例。非透析例は、これから先進医療では登録されませんので、透析患者と非透析患者との間で転帰を同人数、すなわち37対37で比較するには31例が必要だろうということで、31例が申請されたということです。
○一色構成員
 前回もコメントを差し上げたのですが、できるだけ早く進めるためには、治験に参加された施設などを含め可能な限り多数の施設が参加できるようにされたほうがいいと思います。○山本構成員
 これは変更をかなり急いでおられまして、今回に何とか間に合わせて出していただいているので、恐らく規制当局との相談などはやっている暇がなかったと思うのです。ですので、今回、一応、今後31例でやることになっていますが、それが8年かかるということですので、期間の短縮のために、1つは一色先生のおっしゃる多施設、今後、施設追加を検討していただきたいということです。もう1つはエドワーズですね。最終的に個々の適用の拡大を取りに行かなければならない企業と、できたら一緒に規制当局と少し相談をして、症例数を少し圧縮することができるかどうかとか、その辺りも今後検討していただいて、適宜、施設の追加、あるいは症例数の変更をまた申請していただければいいのではないかと思います。
○猿田座長
 ですから、今日、議論させていただいたことを申請施設に戻して、そういう形でお願いして下さい。分かりやすくなったと思いますから、よろしくお願いします。
○柴田構成員
 技術的なところにコメントです。この計画の変更自体は問題ないと思うのです。問題ないというか、これでいいと思うのですが、比較対照の話は少し整理しておいたほうがいいと思います。今回、透析患者に対してこれを使って、安全であるか、あるいはちゃんと有効であるかを調べられるわけですが、その際の比較対照は必ずしも非透析患者ではないはずなのです。つまり、非透析患者と比べて透析患者でリスクが上がっていないという結果であれば、それは安心して使えることになりますが、仮にリスクが上がっていたとしても、その透析患者に対する現在適用可能なベストな治療と、この新しい医療行為との比較に基づいて、この新しい医療行為が受け入れられるかどうかが決まるはずです。
 そこのところを誤解されたままにされてしまうと、仮に透析患者で非透析患者よりリスクが高いという結果が出た、そのことのみをもってこれを否定することになってしまうと、臨床現場での御判断と齟齬が出てしまいます。なので、飽くまで比較をされるのは構わないですが、非透析患者に比べてリスクが上がったとしても、透析患者に対する新しい技術を使うことの意義、リスクベネフィットがきちんと受け入れられるものであるかどうかを判断するのが主目的であることを、申請者の先生方に理解いただいておくほうが、後々これを捨ててしまうリスクをきちんと防ぐことにつながると思いました。念のためにコメントさせていただきました。
○山本構成員
 柴田先生の御指摘は、非常に正しいと思います。そこを含めて、どういうデータが出れば慢性透析患者を新しい承認された機器の適用範囲に入れることができるかというところを、規制当局と相談していただいて、その上でもう一度。今それをやるために数か月待たせるのは、私自身はそれはよろしくないと思うのです。実際にもう今、走っているものですので、変更は迅速にして、研究期間をできるだけ圧縮する必要はあると思います。症例数については、それこそ対象患者をどう考えるのか、どういうデータを使うのかも含めて、もう一度よく相談していただいて、その上で、できれば症例数を圧縮して変更申請していただけるといいなと思います。
○猿田座長
 そういうことで、透析患者は今、非常に多いし、この適応になる患者は実際かなりいると思います。
○保険局医療課専門官
 事務局でございます。教えていただきたいことがあって、もしなければないということでいいのですが、今、変更して、先進医療会議でOKが出れば早速やり始める。さらに、追加で今、山本先生や柴田先生が御指摘になったことを規制当局と詰めて、プロトコールを変更される可能性がある。その間、数か月のデータが無駄にならないようにするために、何か工夫の余地であるとか、気を付けたほうがいい留意点みたいなものがあったら、併せて申請者に伝えたいと思いますが。
○山本構成員
 それは恐らく特にないのではないかと思います。というのは、既に観察期間を12か月に延ばしておられますので、恐らく言われるとしたらそういうことになるのだと思いますが、12か月見るということで、そこは変更されています。あとは、どの程度のデータを出せばいいのか、あるいはもうちょっと技術的な詳細について詰めていただくことになると思います。
○猿田座長
 結局、ここで今日お認めいただきますと、これからもう1回、先進医療会議に掛けなければいけない。そこで、今、御質問していただいたものですから、そういった形で、よろしいですね。そういうことで、この会議ではお認めいただいたことにさせていただきたいと思います。これを先進医療会議にもっていきまして、社会的妥当性の評価を行って、先進医療Bとして継続するという形になると思います。そこを最終的に検討していただきます。そういう形で処理をさせていただきます。
 続きまして、2つ目の変更申請について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 2つ目は資料2-2、31ページになりますが、大臣告示番号047、先進医療名は食道がんの根治的治療がなされた後の難治性の良性食道狭窄に対する生分解性ステント留置術です。適応症は、31ページの中段に記載しているとおりです。申請医療機関は国立がん研究センター東病院です。本件は、藤原構成員におかれましては、利益相反の届出がありましたので、一旦、御退席をお願い申し上げます。
(藤原構成員退席)
○医政局研究開発振興課専門官
 変更の内容について説明申し上げます。32ページですが、主な変更内容は監査を追加したいという申請です。変更申請理由は、国立がん研究センターにおいて監査を行う体制が整ったことから、データの信頼性を担保するために監査を追加することとしたということです。本技術については、申請時に御評価いただきました大門構成員、山本構成員、田島構成員におかれましては、安全の確認をいただいております。以上です。
○猿田座長
 大門構成員からありますか。
○大門構成員
 より良い方向の変更になりますので、問題ないと考えております。
○猿田座長
 山本構成員、田島構成員、よろしいですか。ありがとうございました。そうしますと、この間、見ていただいた方々は全部、大丈夫だということですので、ほかにどなたか委員の方から御質問はありますでしょうか。先ほど大門構成員からお話があったような形で、更に細かくなっているということですから、よろしければお認めいただいたことにさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、3つ目の変更申請をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 33ページ、大臣告示番号052、先進医療名はインターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法です。適応症は中段に記載しているとおりです。申請医療機関は国立がん研究センター東病院です。本件は、柴田構成員、現在退席中の藤原構成員におかれましては、利益相反の届出がありましたので、一旦、御退席をお願いいたします。
(柴田構成員退席)
○直江構成員
 35ページを見ますと、私の当病院の名前が出ているのですが、これは利益相反になりますでしょうか。今、気が付いたのですが。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね。直江先生も併せて御退席をお願いいたします。御申告ありがとうございました。
(直江構成員退席)
○医政局研究開発振興課専門官
 試験の概要については、33ページに記載のとおり、ツーアームでインターフェロンαとジドブジンの経口投与の有用性を検討する試験デザインとなっております。34ページの下段に、主な変更内容が記載されております。マルの1~マルの11までありますが、一番大きな変更内容についてはマルの1に書いてある追加協力医療機関申請までの流れの変更となります。
 35ページに変更する理由が書いてありますが、当初この試験は先行研究がなかったもので、早期・探索的臨床試験拠点整備事業である国立がん研究センター東病院、国立がん研究センターの2病院で、先進医療制度下に患者登録を開始することとなっていました。しかし、臨床研究中核病院整備事業の対象病院が追加されたことを受けて、この2施設に加えて名古屋大学医学部附属病院、東北大学病院、群馬大学医学部附属病院、国立病院機構名古屋医療センターにおいても、対応可能な医療機関から速やかに医療機関としての申請を行うという変更申請がありました。これらはいずれも臨床研究中核病院、早期・探索病院ですので、先進医療制度下で症例の蓄積が可能ということで、プロトコール変更が申請されました。
 マルの2安全性情報の取扱いに関する記載の変更、これは36ページの上段に理由が記載されております。予期されるもので発生した場合も安全に対処可能な有害事象については、有害事象の報告対象外とすることにしました。ICH-GCPにおいても、プロトコールごとに有害事象報告対象外とする事象を設けることは認められており、本試験でもそれに倣った形としているということで、安全性情報の取扱いに関する記載が変更されました。
 マルの3Secondary Endpointとして、服薬コンプライアンスを追加するということでした。
 マルの4、5、6、7は記載のとおりで、マルの8主たる解析対象集団の変更として、当初は全適格例を対象患者としておりましたが、今回やはりITT解析が妥当ということで、全登録例へ変更したいという旨の変更申請がありました。
 その他、マルの9、マルの10、マルの11については記載のとおりです。本技術についても、申請時に御評価いただきました大門構成員、伊藤構成員、佐藤構成員には、事前の御確認をいただいております。変更申請について、御協議をお願いいたします。
○猿田座長
 今、御説明いただいたとおりですが、大門構成員、何かありますか。
○大門構成員
 数例実績のルールに関してもうまく対応されていますし、実施計画書の精度も上がるような方向で変更されていますので、私自身は特に異存はありません。
○猿田座長
 伊藤構成員、どうですか。
○伊藤構成員
 特にございません。円滑に症例が集積していただければいいなと思います。
○猿田座長
 佐藤構成員、どうですか。
○佐藤構成員
 変更に伴いまして、説明文書も適切に御修正いただいたと思いますので、特に私からコメントはありません。
○猿田座長
 ほかの構成員の方、よろしいですね。それでは、この形でお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
(藤原構成員、柴田構成員、直江構成員着席)
○猿田座長
 続きまして、協力医療機関の追加について、これも事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-1、39ページです。これまで大臣告示されている6つの技術について協力医療機関の追加申請がありました。資料3-1に先進医療名、適応症、申請医療機関、協力医療機関が記載してあります。資料3-2、41~46ページ、事務局において協力医療機関として提出のあった先進医療実施届書等を確認した結果、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式9号を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと思います。特に御意見がなければ追加の手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 よろしいですね。お手元の39ページに追加協力機関が書いてありますが、今お話いただいたようにきちんと事務局で調べていただいておりますので、全てよろしいですね。それではこれもお認めいただいたことにいたします。ありがとうございました。次は、先進医療の取り下げです。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料4、47ページです。先進医療Bの取り下げについてです。告示番号009、内視鏡下甲状腺切除術です。適応症は甲状腺乳頭癌です。申請医療機関は筑波大学附属病院です。取り下げの理由は、試験が終了し、本術式における治療の有効性、安全性を確保できることを確認したためです。以上です。
○猿田座長
 よろしいですね。それではお認めいただいたことにいたします。続いて先進医療Bとして実施されている医療技術の総括報告書の評価について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料5、49ページです。「先進医療Bとして実施された医療技術の総括報告書の評価について」、説明します。まず、1.概要です。先進医療技術審査部会は、先進医療Bとして実施された医療技術について、総括報告書を基に薬事承認申請の効率化に資するかどうか等について技術的な評価を行い、必要な助言等を行うとされています。これは薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術です。また保険収載の可否の評価に必要な結果が得られているか等について、技術的な評価を行う。上記以外の医療技術についてはこのようにすることとし、その評価結果については、先進医療会議へ報告することが第1回先進医療技術審査部会で了承されております。今般、先進医療技術審査部会における総括報告書の具体的な評価方法について、下記のとおり提案したいと存じます。
 まず、評価の流れです。(1)申請医療機関が事務局に総括報告書を提出していただきます。この総括報告書のテンプレートは、57ページ以降の総括報告書を用いて申請医療機関から事務局に総括報告書を提出していただきます。事務局が、総括報告書の記載に不備等がないかを確認し、座長が担当構成員(原則として主担当1名、副担当1名)及び必要に応じて技術委員を選任し、事務局が、担当構成員及び技術委員に総括報告書、評価表等を送付いたします。受け取った担当構成員及び技術委員は総括報告書の事前評価を行います。さらに担当構成員及び技術委員は、事務局に事前評価の結果を送付し、先進医療技術審査部会において、総括報告書や事前評価の結果等により審議を行い、当該医療技術の技術的評価等を確定いたします。その結果をもって座長が、先進医療会議に先進医療技術審査部会の評価結果を報告することとしたいと思います。
 事前評価の方法は、評価表を次の51~53ページまでのようにしたいと思います。評価表は別紙の先進医療B総括報告書に関する評価表のとおりとします。(2)事前評価の期間は、主担当はおおむね3週間、副担当及び技術委員はおおむね2週間とします。主担当又は副担当構成員及び技術委員は、事前評価について、有効性、安全性、技術的成熟度の観点から評価を行います。主担当が総括を行い、議論が一致しない場合は先進医療技術審査部会において審議し、総括結果を確定させます。技術評価に際し、有効性、安全性、技術的成熟度については、それぞれ該当する区分に○印を付け、その理由などをコメント欄に記載します。主担当は当該医療技術の技術的評価の総括を総合的なコメント欄に記載し、主担当は薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等について助言欄に記載していただくことといたします。
 最後に、事務局は、担当構成員及び技術委員から総括報告書の内容について、指摘や照会があった場合は、申請医療機関に指摘事項を照会し、作成された回答を担当構成員及び技術委員に送付するということで、総括報告書にしたいと考えています。以上です。御議論をお願いします。
○猿田座長
 これはこれからまた先生方にやっていただくことになりますが、今のお話のように特に書類としては、51ページからの形でやっていくということで、最終的にこれをしていただいた後にこの委員会で最終的な評価をしていただくことになります。見ていただけば大きな問題ではないと思います。主担当と副担当、技術委員の方にもお願いしようということです。何か御意見ございますか。
○関原構成員
 最後65ページの評価票の案です。マルの5普及性とマルの6効率性ですが、普及性というのは先進医療で新たに申請するわけですね。これは普及しているというのはどういう意味ですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 説明足らずで申し訳ございません。補足させていただきます。先進医療Bで終了した技術については、この部会において御審議いただくのはこの65ページのマルの1マルの2マルの3になります。即ち、このページのマルの4~マルの8については先進医療会議において、保険局が事務局となって、総括報告に対して保険導入の観点からこの辺りを議論、審議いただく形になっています。ですから65ページの資料はこの部会では使用せずに、先進医療会議にこのマルの1~マルの3を報告することになっております。
○関原構成員
 分かりました。
○猿田座長
 こちらもいけなくて、先進医療会議で保険にもっていくときは全部こう出すのですが、今言った形でここの会議としては、特に大切なのは技術的なことですので、今のお話のように有効性、安全性、技術的な成熟度になると思います。ほかにどなたか御質問ございますか。それではこういう形で評価をしていただくことになります。一応この形でお認めいただいたということでよろしいでしょうか。
○山口座長代理
 52ページの技術的成熟度の所、A、B、Cと分かれていますが、当該分野の専門、若しくは経験を積んだ医師、それから当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師、かなりの経験を積んだ、この基準では判断に困ることが。このCは、指導の下のは駄目という意味でよろしいのですか。その医師しかやってはいけないという意味でしょうか。そこが違いなのでしょうか。言い回しが少しずつ違っていて、指導の下であれば実施できるなど、体制を取っていないと実施できないなどと書いてあるので、そういう意味に取ってよろしいのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 ここについては非常に難しいと思います。1つは山口座長代理がおっしゃるように、そういった観点からの評価であっていいかと思います。ただ、これは医療機器の場合はそれが言えるかもしれませんが、医薬品の場合は該当しない場合がありますので、個々のケースに応じて御対応いただければと思います。医薬品の場合に必ずしもこの技術的成熟度が該当しない場合は、コメント欄に医薬品のため、Dにその他と付けていただき、医薬品であるため該当せず等のコメントをいただければと考えます。
○猿田座長
 表現が先生がおっしゃったように、分かりにくいところがあるかもしれません。それでどうしても難しければ、最終的にはここの委員会で検討することになりますね。ほかにございますでしょうか。一応こういう方式でやることを御理解いただくことが大切かと思います。
○柴田構成員
 57ページ以降に報告書の様式案が付いていますが、こちらは基本的には57~64ページまでの範囲の事項が公開資料になるという解釈ですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 今のところこれは、アカデミアの先生のお立場を配慮して公開しない方向で考えています。
○柴田構成員
 例えば、57~59ページぐらいまでのサマリーぐらいであれば、公開しても差し支えないのではないかと思う部分もありますが。
○医政局研究開発振興課専門官
 できるだけ公開が原則だと思うのですが、これは私からの質問で恐縮ですが、終わった技術について総括報告書が先に公開されてしまうことで、例えば、学会発表よりも先に公開されてしまうことが、私としては少し懸念しますので、それを勘案するとどのタイミングで総括報告書が出てくるのか、なかなか難しいところがあります。できるだけ学会、論文等で報告した後に、総括報告書が厚労省として公開するのはいいかと思うのですが、先に厚労省からこういうデータが公表されてしまうのは、申請医療機関に対する配慮という点で問題かと思っており、公開には今のところ私は躊躇というか、ここは置いておきたいと考えています。
○柴田構成員
 ここは2つ論点があり、1つは公表のタイミングの話で、確かにジャーナルに投稿したときに問われます。けれども最近よく問題になるのは、ランダム化比較試験で中間解析をして、早期に中止しましたという場合に、企業であったり研究者であったりがプレスリリースを出すことがあります。そのプレスリリースを出したことが外部で公表していることになるので投稿規定に反するのではないか、という懸念を持たれる方もいらっしゃいますし、実際にジャーナルに投稿されたときに、そういうコメントがくることも事実としてあるそうです。けれどもそれについてはきちんと説明をすれば通るという話は事例としては伺っています。
 具体的に『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に載った日本から投稿されているランダム化比較試験については、投稿前にプレスリリースを出していますが、ニューイングランドにきちんと載っていますので、例えば、厚労省などが公的な目的で出しているというのは、説明できるのではないかなと思うところがあります。
 ただし、もしそこに問題があるということであれば、まだ未発表であるために現時点では非公開であるという形で世に出しておく、未発表であったために非公開になっているということが確認できる形で、その評価のときの情報の出し方を工夫する手はあるかと思います。昔、医薬品医療機器総合機構の審査報告書などで、一部マスクをしてあるけれども、公表していないためにここの部分がマスクされているということが、マスクの理由として書いてある審査報告書などもありましたので、そういう形のやり方もあるかなと思いました。
○猿田座長
 非常に重要な点です。そこのところをもう一回確認していただき、確かにパブリケーションとの問題は重要です。
○医政局研究開発振興課専門官
 本会議は原則公開ですので、なるべくその方向で進め、事情を柴田構成員がおっしゃるように、未公表のためにということでマスクするなどの理由を記載の上、公表するというやり方がよいと思いますので、その辺りを事務局で相談して、そのような対応させていただきたいと思います。
○猿田座長
 よろしくお願いします。ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。よろしければ、そういう形で一応評価をしていただくということでお願いします。それでは最後になりますが、平成26年度の先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法等について(報告事項)、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 報告事項として御報告します。資料6は67ページからで、71ページです。平成26年度診療報酬改定時における先進医療の保険導入の検討等及び施設基準の見直しに向けた今後の予定等について、これは平成25年10月17日に先進医療会議で資料が提出されました。平成26年の診療報酬改定に向けて、先進医療Aでは65の技術が診療報酬改定で保険導入に係るか否かについて審議されます。それに基づいて71ページの一番下に書いてあるように、「なお、保険導入に係る作業を円滑に実施するために、平成25年11月、12月及び平成26年1月受付分の新規届出技術(先進医療Bについては、先進医療技術審査部会において「適」とされた技術)については、平成26年3月の先進医療会議で審議することとする」。即ち平成26年1月及び2月の先進医療会議では新規届出技術の審議は行わないということが了承されました。「ただし、新規届出技術の受理後の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けは従来どおり実施する」とされ、先進医療会議においては11月、12月、1月分の新規届出技術については審議されませんということです。
 一方、この先進医療技術審査部会については、引続き申請案件については審議をお願いしたいと考えます。以上です。
○猿田座長
 来年が診療報酬の改定の年ですので、そのときにこの委員会としても、特にこの場合には、先進医療Aのほうが保険にいくのが多いのですが、そこをこれから審議していくということで、今のような形を取っているということです。どなたか御質問ございますでしょうか。そういうことを一応知っておいていただきたいということです。もしよろしければこれも報告事項として話をさせていただいたということです。今日、議論いただくことは以上ですが、全体として委員の先生方から何かございますでしょうか。特にございませんでしたら、次の会の予定をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 次回の日程についてお知らせします。次回の開催は11月18日(月)16時半~18時半です。場所については別途、御連絡いたします。また本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開いたしますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長
 それでは、これで第10回先進医療技術審査部会を終了します。どうも御協力ありがとうございました。

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