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2012年10月22日 第7回保育士養成課程等検討会の議事録

雇用均等・児童家庭局保育課

○日時

平成24年10月22日(月)15~17時


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

委員

汐見座長、大嶋委員、網野委員、上村委員、埋橋委員、田中委員、藤林委員、増田委員、矢藤委員、若盛委員、渡邉委員

事務局

石井雇用均等・児童家庭局長、鈴木大臣官房審議官、橋本保育課長、丸山保育指導専門官、鈴木課長補佐、今井在宅保育係長

○議題

(1) 幼稚園教諭免許を有する者の保育士資格取得について
(2) その他

○議事

○橋本保育課長

 定刻になりましたので、ただ今から「第 7 回保育士養成課程等検討会」を開催いたします。

 委員の皆さま方には、本日は大変お忙しいところを、また遠いところをご参集いただきまして誠にありがとうございます。私は、保育課長の橋本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 議事の進行につきましては座長にお願い申し上げますけれども、それに先立ちまして、雇用均等・児童家庭局長の石井より、ご挨拶申し上げたいと思います。

 

○石井雇用均等・児童家庭局長

 雇用均等・児童家庭局長の石井でございます。本日は、皆さま方大変お忙しいなかお集まりくださいまして、誠にありがとうございます。また、日ごろは保育行政の推進につきまして、さまざまなお立場で、さまざまな角度からご尽力いただいておりますことを厚く御礼申し上げます。

 先の国会では「子ども・子育て関連 3 法」が成立いたしました。それと前後しまして、子育て関係は非常に世の中の関心を集めてきておりまして、ある意味では私ども大変よい風に乗って政策を進めやすいと思っているところでございます。

 新しい「子ども・子育て関連 3 法」では、認定こども園制度を改善・充実していく。そして認定こども園・幼稚園・保育所を通じた共通の給付の創設などを行って質の高い幼児期の学校教育・保育を総合的に提供していく。保育の量的拡大を果たしていくといったような形で進めていくものでございます。やはり保育の質というものは、どの時代においても重要でございますが、今この時期にこの問題に大変関心が高まっていることを大変心強く思っている次第でございます。

 新たな「幼保連携型認定こども園」の職員でございますけれども、これは「保育教諭」が幼稚園教諭の免許状と保育士資格の両方の免許・資格を有していることを原則としておりますことから、この検討会におきましては幼稚園教諭の免許状を有する方の保育士資格の取得について検討を進めていただければと思っている次第でございます。

 そういうことでありますので、それぞれのお立場で研究されている専門家が大勢おられますので、保育士の資格に関して有意義、かつ、活発なご議論・ご検討をお願いできればと思っている次第でございます。簡単ではございますけれども、本検討会の開会に当たっての挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○橋本保育課長

 続きまして、委員の皆さま方をご紹介させていただきたいと思います。お手元の資料 1 「保育士養成課程等検討会 開催要綱」の裏面に名簿を付けさせていただいておりますので、ご参照いただきたいと思います。なお、役職につきましては、名簿に記載しておりますので、省略いたします。名簿順にご紹介させていただきます。

 汐見稔幸委員です。引き続き、座長をお願いしたいと思います。

 

○汐見座長

 よろしくお願いします。

 

○橋本保育課長

 続きまして、大嶋恭二委員です。引き続き、座長代理をお願いいたします。

 

○大嶋委員

 よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 続きまして、網野武博委員です。

 

○網野委員

 よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 上村初美委員です。

 

○上村委員

 よろしくお願いします。

 

○橋本保育課長

 埋橋玲子委員です。

 

○埋橋委員

 よろしくお願いします。

 

○橋本保育課長

 次の倉掛秀人委員でいらっしゃいますが、本日はご欠席でございます。

 続きまして、田中博章委員です。

 

○田中委員

 よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 田中委員におかれましては、山本前委員の人事異動に伴いまして、後任としてお願いいたしております。

 続きまして、藤林慶子委員です。

 

○藤林委員

 よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 増田まゆみ委員です。

 

○増田委員

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 矢藤誠慈郎委員です。

 

○矢藤委員

 よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 若盛正城委員です。

 

○若盛委員

 よろしくどうぞお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 渡邉英則委員です。

 

○渡邉委員

 渡邉です。よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 若盛委員と渡邉委員におかれましては、「幼保連携型認定こども園」の施設長をされています。本検討会の議題でございます「幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得に関する事項」につきまして、施設長をされているお立場から、幼稚園と保育所の両方に関わっておられる両委員のご意見をいただきたいということで、今回から本検討会に加わっていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、事務局を紹介させていただきます。先ほど挨拶いたしました雇用均等・児童家庭局長の石井でございます。

 

○石井雇用均等・児童家庭局長

 石井でございます。

 

○橋本保育課長

 その隣は、大臣官房審議官の鈴木でございます。

 

○鈴木審議官

 よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 保育課保育指導専門官の丸山でございます。

 

○丸山専門官

 よろしくお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 保育課長補佐の鈴木でございます。

 

○鈴木課長補佐

 鈴木です。よろしくお願いします。

 

○橋本保育課長

 在宅保育係長の今井でございます。

 

○今井在宅保育係長

 よろしくお願いします。

 

○橋本保育課長

 最後に、私は先ほどご挨拶いたしました保育課長の橋本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、資料の確認をしたいと思います。資料 1 は、先ほどご覧いただいたと思います。資料 2 は「保育士養成課程等検討会における検討項目」でございます。資料 3 は「子ども・子育て関連 3 法について」という分厚い資料でございます。資料 4 が「保育士養成課程等検討会の再開について」という資料、参考資料 1 は「保育士試験の実施について」という雇用均等・児童家庭局長の通知でございます。参考資料 2 は「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」という局長通知の抜粋でございます。参考資料 3 が「保育士試験科目と履修科目一覧」でございます。参考資料 4 は「保育所保育指針」でございます。参考資料 5 が「幼稚園教育要領」でございます。最後の参考資料 6 は「幼稚園教諭免許状と保育士資格に関する資格要件の比較」という資料でございます。以上、お手元にございますか。

 それでは、これより議事に入ります。議事の進行を汐見座長にお願いいたします。

 

○汐見座長

 それでは、議事に入りたいと思います。皆さま、ご無沙汰しております。どれぐらい経ったのかと先ほど計算したのですが、新指針に変わりまして、それに対応した養成課程のカリキュラムをこのメンバーが中心になって検討してまいりました。それが現在の養成校の現場で採用されているカリキュラムでありますが、併せて、いろいろな課題が残されていて、それは今後またこの会議の中でも少し話題になろうかと思いますが、その間、中断していましたのは、「子ども・子育て関連 3 法」の中身が政治のテーマになって、ある意味では戦後に保育のことがこれだけ集中して政治の場で議論されたということはなかったのではないかと思うぐらいの大事な議論の場であったのではないかと思います。

 今後は、例えば 1 兆円予算が増えるとなったその金をどう振り分けていくのかという辺りの議論が始まると思いますが、いずれにしても保育という営みの社会的な位置付けを上げていかなければ、日本の社会の広い意味での人材養成そのものが大変難しくなっている時代の中での取組だと思います。私どもに課せられているのは、それにふさわしい人材をどう養成できるのかということについての検討でございまして、そういう大きな流れの中ではつながっているのだということで議論を進めたいと思います。

 今日これからテーマが出されますが、石井雇用均等・児童家庭局長と鈴木審議官については、ご都合で議論の途中で退席されることがございますので、その辺はご了解いただきたいと思います。

 それでは、議題に入らせていただきます。まず、本日の検討会再開の趣旨と検討事項について、説明をお願いします。

 

○橋本保育課長

 それでは、資料 1 から順次お話しさせていただきます。資料 1 がこの検討会の開催要綱でございますが、こちらは平成 20 年の保育所保育指針の改定を踏まえまして、保育士養成課程等の見直しを行うとともに、今後の保育士養成制度の課題につきましてご議論いただくということで設置させていただいたものでございますが、今般、資料 1 3 「検討事項」の中に (3) として「幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得に関する事項」という項目を加えさせていただきました。下の※印に書いておりますように、平成 24 年度に本検討会を再開するに当たり、新たに加わる検討事項ということでございまして、今年 8 10 日に「子ども・子育て関連 3 法」が成立いたしまして、新たな「幼保連携型認定こども園」が創設されることになりました。この新たな「幼保連携型認定こども園」における「保育教諭」は、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方の資格・免許を有する必要があるということで、この「保育教諭」の人材確保が、円滑な「幼保連携型認定こども園」への移行につながるということで、幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得に関して、新たな検討事項として加えさせていただいたところでございます。

 具体的な検討事項を、より詳細に書いているものが資料 2 でございます。こちらに検討項目といたしまして「幼稚園教諭実務経験者の保育士資格取得について」ということで挙げさせていただいております。まず (1) といたしまして「実務経験の算定対象とする施設」をどうするか、また実務経験年数というときに、この年数をどうするかといったところが一つの検討事項でございます。それから、 (2) として、保育士試験科目のうち、幼稚園教諭実務経験者が受験を必要とする科目として、どのような科目を必要とするか。 (3) といたしまして、幼稚園教諭実務経験者に保育士試験の科目免除を行うことを想定いたしましたときに、そのために必要な履修内容としてどういったものが必要であるかといった点が本検討会の再開に当たりまして具体的に検討をお願いしたいと考えている事項でございます。

 続きまして、資料 3 「子ども・子育て関連 3 法について」という分厚い資料がございます。これの全体を説明いたしますと大変大部な資料でございますので、今回の検討項目に関連する点を中心に適宜、要点だけをお話しさせていただきたいと思います。まず、 3 ページに「子ども・子育て関連 3 法の趣旨と主なポイント」がございます。この中で主なポイントといたしまして、「認定こども園制度の改善」ということで、特に「幼保連携型認定こども園の改善等」というものがございます。この中で、幼保連携型認定こども園につきまして、現在は複雑な認可あるいは認定の仕組みになっておりますし、またそれぞれに応じた二重、三重の指導監督の体系になっておりますが、この認可・指導監督の一本化、そして学校及び児童福祉施設としての法的位置付けということを一つの認可に基づいて与えるといった制度改善がなされたところでございます。

 二つ目といたしまして認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付ということで「施設型給付」が創設され、また小規模保育等への給付ということで「地域型保育給付」が新たに創設されております。こういったもので全体を通じた共通の財政基盤、新たな給付のカテゴリーといったものが創設されたということでございます。

 三つ目といたしまして、地域の子ども・子育て支援の充実ということで利用者支援あるいは地域子育て支援拠点等をはじめとして 13 の事業がこの法律に基づく事業として位置付けられたということでございます。

 次の 4 ページには、この新しい制度を支える基礎構造といたしまして最初の○(マル)にございますように、基礎自治体である市町村が実施主体となって中心的にこの事業を進め、また計画としても事業計画を策定していくという位置付けになってまいります。そして、二つ目が「社会全体による費用負担」ということで今般の消費税率引上げによります追加財源によりまして国及び地方の恒久財源を確保しながら、質の改善と量的な拡充ということを並行して進めていくことになります。三つ目の「政府の推進体制」といたしましても、現在の厚生労働省と文部科学省に分かれましたばらばらな推進体制を、内閣府を中心に極力そこに集中いたしまして、 3 府省が連携を取れた形で推進していくということに改めるものでございます。四つ目といたしまして国・地方公共団体のそれぞれで「子ども・子育て会議の設置」がございます。国におきましては、こちらにございますような有識者、地方公共団体、あるいは事業主代表・労働者代表、子育て当事者、子育て支援当事者等といった方々に参画いただく新たな審議会を内閣府に設置いたしまして、ここで重要な事項について検討いただくことを予定しております。また、都道府県・市町村におきましても、こういった子ども・子育て会議の地方版の設置を努力義務という形で 3 党合意の中でより強化していただきましたので、そういったものを受けて設置していただきたいと考えているところでございます。

5 ページには「給付・事業の全体像」がございます。左側が「子ども・子育て支援給付」という、いわゆる個人給付の形のもので、右側が「地域子ども・子育て支援事業」という市町村事業という形態で行うものでございます。この中では、特に施設型給付が中心になるわけでございまして、こちらが認定こども園・幼稚園・保育所を通じた共通の給付という位置付づけになり、私立保育所については、※印にございますように市町村が保育所に委託費を支払い、利用者負担の徴収も市町村が行うという形が踏襲されたところでございます。

 今、見ていただいたところが全体像でございますが、今回の検討会のテーマに関わります認定こども園の制度について、 8 ページに「認定こども園法の改正について」という資料がございます。この中で、現在の認定こども園制度につきましては、左側のところに類型として幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型という四つのタイプがございます。現在は合計 911 の認定こども園がございますが、特にこの中で幼稚園としての認可を必要とし、また保育所としての認可も必要とし、さらにそれぞれの法体系に基づく指導監督あるいは、それぞれの財政措置という形で成り立っております幼保連携型につきまして、極めて複雑な仕組みということで事業をされている方にも大変ご苦労いただいているところでございますので、今般の改正の中で右側の「改正後」にございますように、改正後の幼保連携型認定こども園につきましては、単一の認可、指導監督も一本化、そして財政措置も施設型給付として一本化するということでございます。※印にございますように、 3 党合意による修正によりましてこのところにつきましては政府案では「総合こども園」という形で提案されていたものでございますけれども、認定こども園制度の改善という形で今後の改善を進めていくことになり、また設置主体につきましても国・自治体・学校法人・社会福祉法人という現在の幼保連携型の認定こども園と同じ設置主体ということで限定するという形で修正がなされたところでございます。

 それ以外のタイプの認定こども園につきましては、施設体系は現行どおりで、財政措置は「施設型給付」で一本化するという改善が加えられました。

 続きまして、 9 10 ページには、さらに幼保連携型認定こども園を中心に制度の説明がございます。特に 10 ページをご覧いただきますと、それぞれの項目に即して「新たな幼保連携型認定こども園の具体的制度設計」ということが書かれています。この中で、下から三つ目に「設置基準」がありますが、現行の幼保連携型認定こども園の基準を基礎として、学校としての基準と児童福祉施設としての基準を併せ持つ基準を適用し、質の高い学校教育・保育を保障する。また、職員配置の基準あるいは学級編成の基準の引上げ等を検討するということで、いわゆる質の改善を睨んだ形で設置基準を、現行のものをベースにしながら検討するということですが、特にここで配置される職員につきましては、その下の欄にございますように、園長、保育教諭、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、調理員につきましては必置という形で位置付けられております。今回検討いたします保育教諭につきましては、※印にございますように「保育教諭は、幼稚園教諭の免許状と保育士資格を併有することを原則とする」ことになっております。ただ、次の 11 ページの欄外に「主な経過措置等」とありまして、幼稚園教諭免許又は保育士資格のどちらか一方しか有していない者に対して、所要の経過措置を講ずることになっております。この点については、後ほど詳しく申し上げます。

 また、二つ下のポツでございますが、幼稚園教諭の免許及び保育士の資格について、一本化を含め、その在り方について検討するということで、今回の 3 党合意の中で、こういった資格の在り方につきましての合意がなされまして、それが検討規定という形で位置付けられているところでございます。

 さらに、こういった諸項目につきまして、どういったスケジュールで今後は準備を進めていくのかということで、恐縮ですが 33 ページをお開きいただきたいと思います。今後は、平成 25 年度からは国において「子ども・子育て会議」が設置されますので、その場においてさまざまな具体的な検討をしていただくということを予定しております。また、平成 26 年度からは消費税率が 8 %に引上げられるということを受けまして、保育緊急確保事業といったものに取り組んでいくことを予定しております。平成 27 年度 10 月からは消費税率 10 %に引上げということでございますので、この年度の区切りであります平成 27 4 月を一つの目途といたしまして今後の準備スケジュールを組んでいるところでございます。個々の中身については省略いたしますけれども、いずれにしましても来年度からさまざまな国で定める内容について、子ども・子育て会議でご議論いただきまして、来年度から再来年度にかけまして自治体の方でさらに具体的な準備に取りかかっていただく。大まかにいうとこのようなスケジュールで準備を進めていきたいと考えております。

 そこで、今度は資料 4 「保育士養成課程等検討会の再開について」ですが、先に開かれました社会保障審議会児童部会で説明させていただきました資料を、本日も出させていただいております。 1 ページ目にございますが、先ほど申し上げましたように幼保連携型こども園の制度が改正されたわけでございます。二つ目の○(マル)にございますように、新たな「幼保連携型認定こども園」の「保育教諭」につきましては両方の免許・資格を有していることが原則でございますが、三つ目の○(マル)にございますように、幼稚園・保育所で働く幼稚園教諭・保育士のうち 2 3 割は、いずれかの免許・資格しか有していません。そこで、新たな「幼保連携型認定こども園」への円滑な移行を進めるため、改正認定こども園法では、施行後 5 年間は、「幼稚園教諭免許状」または「保育士資格」のいずれかを有していれば「保育教諭」となることができるとする経過措置を設けています。それぞれの免許・資格の取得率は下に書いてあるとおりでございます。

2 ページの 2 「免許・資格の併有促進について」ですが、「幼稚園教諭免許状」または「保育士資格」のみを有する者が「保育教諭」として勤務することができる経過措置に併せて、経過措置期間となる 5 年間にそれらの者にもう一方の免許・資格を取得してもらうことが必要でございます。

 このため、幼稚園または保育所における勤務経験を評価することにより、もう一方の免許・資格取得に必要な単位数等を軽減する特例を設け、免許・資格の併有を促進するということでございます。この幼稚園教諭免許状のみを有する者の保育士資格の取得を推進することを厚生労働省で検討することになります。幼稚園における勤務経験を評価いたしまして、保育士資格の取得に必要な単位数等の特例を設ける方針とし、必要な単位数等を検討するということでございまして、告示や省令等の改正が必要になってくるということでございます。一方の保育士資格のみを有する者の幼稚園教諭免許状取得を促進することは文部科学省で進めることにいたしておりまして、保育所における勤務経験を評価し、幼稚園教諭許状の取得に必要な単位数等の特例を設けるということでございます。

 これにつきましては、法律上の所要の改正は既に行われておりますが、今後は省令改正を予定しているということでございます。厚生労働省・文部科学省それぞれにおきまして連携を取りながら今後の検討を進めていくということでございまして、厚生労働省サイドにおきましては、この検討会を再開していただきまして、年内を目途に結論を得るということで進めていきたいと思っております。

 次のページに「参考」ということで付けておりますが、この上の表にありますように現行の保育士資格の取得におきまして幼稚園教諭を持っている方々の場合には、実務経験を問わず上の二つの特例がございます。保育士試験の受験につきまして、一つは、筆記試験の 2 科目・実技試験が免除されるということで、 8 科目の筆記試験を受験していただく方法。二つ目といたしましては筆記試験の 8 科目に対応する単位を保育士養成施設で取得して、筆記試験の受験を免除するということで保育士資格を取得していただく。この二つの特例があるわけでございます。今回の検討におきましては、現在の特例では「実務経験を問わず」となっているわけでございますが、実務経験がある方々を前提としまして、一つは、筆記試験の受験につきまして実務経験者に配慮した試験をどうするのか。二つ目には、実務経験を評価して筆記試験免除に必要な履修単位としてはどういった特例を設けるといった点の検討をお願いしたいということになってまいります。

 以上が資料の関係ですが、参考資料につきまして簡単に触れさせていただきます。参考資料 1 は、現在行われております保育士試験の実施についての局長通知でございます。この中で、 3 ページ目をお開きいただきますと、別表ということで「幼稚園教諭免許を有する者における試験の免除科目・修得教科目対応表」がございます。先ほど申し上げました幼稚園教諭免許を持っている方についての現在ある特例につきまして対応関係を示したものでございます。

 続きまして、参考資料 2 でございますけれども、これは「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」の通知を抜粋した資料でございます。 1 ページ目から順次、それぞれ養成施設における履修科目名と、それに対応する履修内容が記載された資料になっております。

 それから、参考資料 3 でございますけれども、先ほど見ていただきました参考資料 1 2 に記載されております試験科目と履修科目の内容を対照表の形式で整理した資料でございます。左側に幼稚園教諭免許を持っている方が受験しなければならない試験科目と出題範囲が書いてありまして、右側には、左側に記載された科目の受験を免除するために必要な履修科目・履修内容を整理して記載しているものでございます。

 参考資料 4 は保育所保育指針で、参考資料 5 は幼稚園教育要領でございます。いずれも全文をそのまま掲載したものでございますので、説明は省略いたします。最後の参考資料 6 は、幼稚園教諭養成課程と保育士の養成課程を単位数等につきまして比較できるようにした資料でございます。以上、配布しました資料と検討事項あるいは参考資料につきましての簡単な説明をさせていただきました。よろしくお願いいたします。

 

○汐見座長

 どうもありがとうございました。ただ今のご説明について、ご質問あるいはご意見がございましたら、お願いいたします。

 

○若盛委員

 若盛でございます。資料 4 「保育士養成課程等検討会の再開について」の中で、 2 ページ目の併有促進についての真ん中辺りに「幼稚園教諭免許状のみ有する者の保育士資格取得を推進」と括弧の中にありますが、これは「幼保連携型認定こども園」になる前提の下でという解釈でよろしいですね。

 

○橋本保育課長

 「保育教諭」という形で規定された者が、「幼保連携型認定こども園」に置かれる職員として規定されておりますので、これはあくまでも既存の施設体系のところから「幼保連携型認定こども園」に移行する、あるいは既存の幼保連携型認定こども園として認定されているところから移行するといったケースを想定したものです。

 

○汐見座長

 他に、どうぞ。今回は原則、幼保連携型を充実するというのが法案の趣旨で、幼保連携型の職員は両方の免許を持っていなければいけなくて、その名称も多分「保育教諭」という形で広がっていくのでしょう。その「保育教諭」になるために、両方の免許を先々は保育教諭資格というのを出すことになるかもしれませんが、今のところ保育士免許と幼稚園免許の両方を別々に出しているので、両方を取らせるしかないということです。その両方を取るために、今は片方しか持っていない人で幼保連携型認定こども園に勤める人に、両方を取らせるための措置を検討していただきたいというのが趣旨になります。幼稚園型と保育型等の認定こども園についてどうするかは今回の検討事項には入っていないとご理解ください。

 急に資料をいただいたということで、まだ何を質問すればよいか分からない方がいらっしゃるかもしれませんが、表その他の見方についても質問くださって結構です。

 

○埋橋委員

 埋橋です。今、若盛委員がお示しくださったページに「保育士資格のみを有する者の幼稚園教諭免許状取得を促進」とありますが、逆のパターンとも言えるわけですが、こちらの方は具体的にどうなのかというところをお教えいただければと思います。この文言だと幼稚園教諭と保育士を変えただけという形ですが、実際のところは具体的にどうなのかということをお願いします。

 

○橋本保育課長

 実は厚生労働省と文部科学省で、厚生労働省では保育士資格の在り方について、文部科学省では幼稚園教諭免許状の在り方についてということで、それぞれ併有促進するための検討を同時並行で進めることにいたしております。従いまして、文部科学省でも近日中に保育士資格のみを有している方の幼稚園教諭免許状の取得を促進するための検討を、こういった形の検討会を設けて具体的に検討を開始されると聞いております。

 具体的な内容については、まさに今後ご検討ということになります。

 

○汐見座長

 何か、その辺で。

 

○埋橋委員

 言い方は悪いのですが、双方の情報交換といいますか、それがないままに検討を行うのか。今でも何らかあったと思いますが、その辺りが不明ですので質問しました。

 

○橋本保育課長

 当然、私ども事務方同士では常に情報交換をしております。また、文部科学省での検討会での検討の状況等につきましては、今後、開催していく中で委員の皆さま方にも私どもからご報告させていただこうと思います。

 もう一つ申し上げますと、今回、若盛委員と渡邉委員に新たに委員に加わっていただきましたが、このお二人の委員におかれましては、文部科学省で設置されます検討会におきましても同じように委員になっていただく予定とお聞きしております。ある意味、幼保連携型認定こども園を現在設置運営されているお立場で双方の検討課題に目配りしながら、検討に加わっていただいています。そういう趣旨で私どもからもお願いをさせていただいたところでございまして、ぜひそういった面からも連携のとれた形で検討を進めさせていただきたいと思います。

 

○汐見座長

 よろしいですか。

矢藤委員、お願いします。

 

○矢藤委員

 参考資料 6 について、教育実習と保育実習は別物だと思いますが、これが対応するかのように表には書かれているので、その辺りの説明をお願いできればと思います。

 

○汐見座長

 参考資料 6 ですか。お願いします。

 

○今井係長

 参考資料 6 を説明させていただきます。これは右側と左側が対応するという表ではございませんので、縦に並べていると性質上はここに入れているというところもあります。それから、類似しているものを入れているというところで、左側と右側の内容が一致するといった位置付けの表ではございませんので、一部左側と右側で内容がかなり違うのではないかというものもございますが、その部分は参考として見ていただければと思います。

 

○汐見座長

 この辺は今回の議論の対象になりますが、特に幼稚園教諭の免許状の必修科目等については、我々も共通に理解しておかないといけませんので、もし何かございましたらご質問をお願いします。

網野委員、お願いします。

 

○網野委員

 今回の検討会の趣旨の意味は非常によく分かりましたが、一つ私自身もはっきりしない点があります。 5 年間に既に幼保連携型認定こども園の保育教諭、あるいは新設される幼保連携型認定こども園の保育教諭になる人が、どちらか一方の資格か免許状しか持っていない場合でも 5 年間の間は保育教諭になることができる。その方に関しての検討は必要ないのでしょうか。つまり、 5 年経てば十分に経験したので 5 年経ったときにといっても今度は経過措置が終わりますから、一方だけでは非常に問題だということを含めて考えますと、ここで検討するのは幼稚園での勤務経験をどれだけ検討し評価するかという部分があると思いますが、幼保連携型認定こども園で一方の資格あるいは免許状を持った方についての検討は、何か別に行われるのでしょうか。

 

○橋本保育課長

 経過措置を講じているのは、もう片方をお持ちでない方の免許資格の取得がご本人にとっては間に合っていない状態であったとしても、施設において幼保連携型認定こども園に移行するということも問題なくできるということを可能にするための措置でもございますし、また幼保連携型認定こども園に移行した施設において、その方が引き続き働いていただけるということを可能にするという面もあります。

 今、網野委員がおっしゃったように、その方々については 5 年間は片方の資格免許だけで仕事ができるのだから、別に問題はないのかということになりますと、経過措置はあくまでも 5 年間の経過措置でございますので、本格施行から 6 年以降の時期を考えますと、そういった方々についても経過措置がなくなった後を考えますと、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つことが「保育教諭」であるという原則が生きてくるということになってまいりますので、まさにこの経過措置が講じられている間を利用して、持っていない方の免許・資格を取得していただく。それによって、経過措置が切れた後も問題なく引き続き保育教諭として働いていただけるということが理想的な姿だろうと思っております。

 

○網野委員

 この趣旨はこの資料でも確かに読み取れますが、そうしますと例えば幼保連携型認定こども園で勤務した方については、幼稚園だけの勤務経験とはまた別の部分、もしかするとそれだけ実務経験の中に両方の専門性をどんどん活用しながら、あるいは学びながらという部分があると思いますが、幼稚園における勤務経験とともに幼保連携型認定こども園の勤務経験についても、もう少しこの中で、例えば年数や免除の内容も検討するという趣旨は含まれてますでしょうか。検討する必要があると思いますが、その点で、もし何か考え方がありましたらお願いします。

 

○橋本保育課長

 その点につきましては、先ほど資料 2 でご説明しました検討項目の中で実務経験の算定対象とする施設をどうするかという面におきまして、幼稚園での実務経験をどう評価するかということもございますように、網野委員がおっしゃったような幼保連携型認定こども園での実務経験をまた別の形で評価をするという形にするのか。その辺を議論の論点としてご議論いただければと思います。

 

○汐見座長

 はじめから検討すること自体がテーマに含まれているとご理解いただければと思います。

若盛委員、お願いします。

 

○若盛委員

 実は私どもは実際に幼保連携型でございますが、現実には幼稚園教諭免許状しか持っていない教諭もいます。当たり前の話ですが、昔は四年制大学ですと小学校教諭と幼稚園教諭の免許が取れますが、保育士の免許は取れませんでした。私どもにも勤務年数の長い者がいまして片免だけで副園長をしております。認定こども園になりまして実際には保育園の子どもたちとも生活をしているわけでございますから、逆に保育士で一体になっていますから幼稚園の子どもたちとの関わりもしています。これが実情でございますので、今回のこの検討会で、ぜひ早いうちに優遇措置としての配慮をしていただけると大変ありがたいと思っている一人でございます。

 園の中では一体として保育課程も含めて両方の保育士・幼稚園教諭を集めて園独自の一本化した資料は作って実際に保育をしてきていますが、免許という形でいえばまだ両免でないところがございます。そういう園が相当あるのではないかと思います。

 そういう意味で、厚生労働省でも文部科学省でも当然ながらその話を取り上げていきながら平成 27 年度までにということだと思っていますので、ぜひこれは早いうちに優遇措置を、この中で言うならば施設のことであるとか年数であるとか、できるだけ優遇措置を考えていただいて、幼稚園教諭の場合は更新手続きがございますから、それぞれ自分のお金で旅費や研修費も払って更新しています。それと同じようになるのかどうかということも当然出てくると思います。できるだけ不利益にならないような取り組み方を考えていただければ大変ありがたいと思っています。以上でございます。

 

○増田委員

 先ほどからの関連ですが、恐れ入ります。もう一度資料 4 2 ページで、課長からもいくつかお答えいただけましたが、その中の「保育士資格のみ有する者の幼稚園教諭免許状取得を促進」の説明の「整備法により、教育職員免許法について、所要の改正が行われた」この辺りのことをもう少し具体的に説明していただけますでしょうか。検討はこれからだということは分かりましたけれども、この資料に書かれている範囲のところで説明をお願いします。

 

○橋本保育課長

 ここでございます教育職員免許法の中での改正につきましては、具体的に何単位といった形で中身が書いてあるわけではありませんが、こういった保育士資格のみを有する方につきましての幼稚園教諭免許状を通常の形での取得の方法とは違った形での特例措置を講じるという趣旨が法律のレベルの中で書き込まれておりまして、具体的な中身は省令に委ねられているという形で規定されております。

 

○藤林委員

 よく分かっていないので教えていただきたいのですが、今後実務経験ありの人に対して保育士資格取得をしていく場合の実務経験というイメージが、例えば過去 20 年ぐらい前に産休に入って専業主婦になってという方も全部含めてのイメージなのか。それとも、ある程度の質を保つために一定程度の期間があるというイメージなのか。その辺を教えていただければと思います。

 

○橋本保育課長

 今、私ども事務局では、そこをどこまでの範囲にするかについて具体的なイメージを固めているわけではありませんので、その辺も今後、先生方にご議論いただければと思います。

 

○渡邉委員

 渡邉です。過去の話も踏まえることも必要ですが、私自身は認定こども園をやっていて、認定こども園といっても幼保連携型でいろいろなありようがあります。保育園は保育園だけ独立してやっていて、幼稚園は隣にあって、子どもは保育園に朝来て幼稚園に通い、また幼稚園から保育園へ帰るというところもあったりする。実情はこのような保育園と幼稚園を二つ並べているという幼保連携型も結構あります。これから認定こども園制度を新たにつくっていくとか、保育教諭という職種をつくっていくときのイメージですが、実際には若盛委員が言われたように幼稚園教諭免許では免許更新制度があったり、一種免許や二種免許がある。認定こども園の保育をどうするか、教育と保育という言い方をしていて、これは議論になると思いますが、どう考えても養護の部分が強くなる。長い時間生活する中で生活部分がとても大事になってくるような部分と、教育的な部分の色彩が強くなる部分が出てくる。要するに 9 時~ 14 時ぐらいまでの幼稚園的な子どももいて、その延長の時間に長時間の子どももいるというところで、どういう保育をするかを本来的にはある程度イメージしておく必要がある。この検討会では保育士のイメージで保育士の資格を考えていて、文部科学省へ行くと多分幼稚園の教員免許のイメージで話し合っていて、それぞれの資格をどうとれるようにするかは緊急の課題としては必要ではありますが、今この時代に子どものことを大事にしようとするときの乳幼児の保育はどうあるべきか、ある程度イメージしておかないと、結局は文部科学省と厚生労働省別々という話になると思います。

 先ほど、橋本課長から若盛と渡邉は二人とも両方出ますと言われましたが、両方へ来ると厚生労働省と文部科学省では、組織もちがえば、書類の形式からして違います。認定こども園はそれこそずっとこのような違いがある中でやっています。厚生労働省から来たもの文部科学省から来たもの、それが一緒になるとはどういうことなのかというときに、書類だけの問題ではなくて子どもの問題として、後ろにいる親の問題として乳幼児期の保育・教育という言葉の使い方も難しいのですが、そのことはどうあるべきかという話はどこかで視野に入れておかなければと思います。そうでないと、保育士資格をただ出せばよい、幼稚園教諭免許を取らせればよい、という形になりかねないという危惧があります。それをこの場でやれという話ではありませんが、どこかでそのようなことを視野に入れながら議論しておかないと、何となく幼稚園と保育園が別々の中で議論されていくというイメージが強くなるという思いを持っています。

 

○上村委員

 私も確かにそうだと思います。保育の定義がきちんとなされていない中でこういったことが出てきますので、現場の者としても困惑しています。保育士は 0 歳から就学前までの子どもの保育にあたっており、なぜ原点に立ち返るのかと考えたとき、現任の保育士にとって検討を要することなのかという疑問がございます。以上です。

 

○増田委員

 今の渡邉委員がおっしゃったことは本当に重要だと思います。例えば先ほど課長がご説明くださいました「子ども・子育て関連 3 法」の 10 ページで「新たな幼保連携型認定こども園の具体的制度設計」が示されておりますけれども、これは決まっていることですから、決まっていることをどうのこうのと言うことはできないにしても、例えば設置基準のところに「学校としての基準、学級担任制」といった表現があります。そしてまた配置職員のところでは保育教諭、副園長、教頭、主幹保育教諭、指導保育教諭。そして上の部分も学校医、学校歯科医と。もちろん学校なので、こういう名称が確定されたのだと思いますけれども、非常に教育の方に重みのいったこのような示し方があり、これは認定こども園ができる前の総合施設評価の検討会でもかなりこのことは論じられたのですが、文部科学省として幼稚園においては学級担任制であり、そして学級担任は幼稚園教諭免許状を有する者という流れがかなりあったと思います。ですから、保育・教育とは何なのか。特に教育とは何なのかということを、ある程度この場でも確認しながら進めることが重要であり、単に資格・免許を、とにかく早く取るということになって、子どもがまたどこかへいってしまうような気がします。この辺りの、設置基準は変えようがないと思いますが、この辺も関連付けながら今回のことはぜひ検討する必要があると思います。

 

○大嶋委員

 確認ですけれども、幼稚園での実務経験を何年でということですが、藤林委員の質問にもありましたけれども、あるいは網野委員が幼保連携型認定こども園の経験年数をどう捉えるかということを、いくつかのパターンをこの場で話し合ってみるという理解でよろしいのでしょうか。単なる幼稚園だけの実務ではなくて、あるいは何年前、何年から何年とか、あるいは網野委員のご指摘ですが幼保連携型で片方しか持っていない人の実務経験と、幼保連携型ではない幼稚園での経験ということを検討していくという形でよろしいのでしょうか。実務経験を何年として捉えるかというときに、今後の検討を進めていく上での一つの方向をお願いします。

 

○橋本保育課長

 その点について、私もこういう方向でというところを今は具体的に持っているわけではございませんので、そういった結論に仮になったときに、それを実際の免許・資格の実務の中でそういった形で区分けして運営することが可能であるということが前提になりますけれども、そういった方法もあえてそこは差を設けるべきだということであれば、そういったことでまとめていただくこともあり得るのではないかと思います。

 それから、基準の中身につきまして、そもそも新しい幼保連携型認定こども園は一体どういう場でどういう教育・保育をする場なのかという本質に関わるお話を何人かの委員の先生からいただいたと思います。まさに先ほど増田委員からご指摘いただきました資料 3 10 ページに書いてある具体的な制度設計の中身がまさに問題なわけであります。特にその中でここはどういうことをやる場なのかを規定しますのが 10 ページの真ん中辺りにあります「教育・保育内容の基準」にある「幼保連携型認定こども園保育要領 ( 仮称 ) 」をどうするかということに関わるわけであります。当然カバーする範囲としてみれば先ほどの参考資料で配布しております保育所保育指針と幼稚園教育要領がカバーしている範囲全体をカバーできる、範囲としてはそういうことになりますが、それを具体的にどこまで一体化した形で子どもたちに接する教育・保育をしていくのかというところは簡単な問題ではなかろうと思います。これは保育要領の中でどう書くかということも問題ですし、さらにそれを受けて現場でどのように実践していくかということは、さらに難しい問題だと思います。

 確かに「幼保連携型認定こども園保育要領 ( 仮称 ) 」を具体的に検討する場につきましては、別途関係 3 府省の中で相談しながら場立てをしていきたいと思いますが、さらにそれを具体化し、それをどのように肉付けしていくのかということと併せて、現場にはいろいろな形でいろいろな取組の実例などを紹介していただいたり、あるいはそれを他の施設の職員に対する研修等を通じて浸透させていったりといった不断の取組も必要になるだろうと思います。

 そういったことを前提として、現在この保育士資格を軽減された形で取得していただくに当たって、それをどう考えるのか。幼保連携型認定こども園をどういう場として考えるのかにつきましては、まだ保育要領が今の時点ではございませんので、そういう意味では今の保育指針なり幼稚園教育要領で、それに基づいて運営されている現在の幼保連携型認定こども園の実例というものをベースに、念頭に置いて、そういう場でやるとしたら、どういう資質が必要なのか。あるいは、そこで実務者としてはどういう実務経験をされているのかということを考えていただきながら議論を進めていただくということでお答えさせていただくしかないのではないかと、今の時点ではそのように思っております。

 

○汐見座長

 確認させてください。今日配布されました資料 2 をもう一度ご覧いただきたいのですが、検討項目という形で挙げられている資料です。検討項目の (1)(2)(3) とございまして、 (1) が実務経験の算定対象とする施設はどうするのか。それから、実務経験年数はそれと関連してどのようにここでカウントし差別化するかということになると思います。当初これを準備していただく段階で、算定対象とする施設の中には今出てきましたが、既に認定こども園で働いておられる方をどのように考えるかといった場合に 4 種類ございまして、幼保連携型で両方ともきちんと認可されたところで多分両方の仕事をしておられる方と、幼稚園型、保育所型、それから、地方裁量型を同じに論じるのか、差異化するのか。そういう問題があります。それから、幼稚園ではないけれども「幼稚園もどき」というものがある可能性があるということです。これは企業がやっているものであったり、何とかの幼児学校で勤めていましたというケースはどうするのか。つまり、認可の幼稚園ではないが、中身は幼児教育をやっていたというのはどうするのかということがあります。それ以外にも、これはどうするのかを挙げていただかなければいけない。これについては特段の配慮が必要ではないか。これについては今回は省こうではないかとか。そういうことをここで議論していただかなければいけない。

 それから、実務経験年数というのは今働いている人はよいのですが、先ほどありましたように 10 年前に辞めたけれども、その前に 20 年働いていた人はどうなるのかということもありますので、実務経験は単純な経験年数だけではなくて、休んでいる間をどうするかということもありますので、あまり複雑にするととてもややこしくなってくるということがあります。ですから、そういうことを配慮した上で、合理的な資格取得の方法を考え出さなければいけないということで、こういうものはどうですかとケースをいろいろ出していただいた上で、事務局で一生懸命に考えていただくという形になると思います。

 

○矢藤委員

 幼稚園教諭免許の場合はグレードがあります。二種・一種・専修とありまして、話を複雑にするかもしれませんが、これをカウントしていくのかということを考えないと同じ年に出た人の実務年数を考えるとグレードが高いのに実務年数が少ないということが起こるわけで、それをどのように考えていくのかということも検討していかなければいけないということで、備忘の意味も含めて発言させていただきました。

 

○汐見座長

 この辺は文部科学省の検討よりは明らかに複雑になりそうです。検討事項で、何かありますか。

 

○増田委員

 実務年数のところで、特にここ最近の流れですが、非正規の職員の比率が大変高まっている中で、この実務経験年数というのが短時間勤務の経験も含めて非常に課題が大きいと思いますので、かなり詳細にいろいろな状況資料を出して大枠を決めていくという作業が必要だろうと思います。

 

○汐見座長

 正規の職員として働いていた年数と、いわゆるパート的な仕事をしていた場合を区別する必要があるのではないかという、あまり細かくやると到底対応できませんので、その辺をどう整理するかというご意見です。

 

○網野委員

 確かに、この「対象とする施設」というのが、おっしゃったような先ほどの説明や今の座長のお話で非常に考慮しなければいけない部分があると思いますが、実は限られた自治体ですけれど、例えば小学校の先生と幼稚園の先生が人事交流をして非常に有効なことをやっているところがあります。あるいは幼小連携、保幼小連携ということがあります。また、養成校にしても幼稚園教諭の免許状を取りたい場合に小学校教諭の免許状も取れる。むしろ、そこを重視して取ろうとしている学生が非常に養成校を利用するということがあります。そうしますと、小学校教諭の経験が、特に生活面での部分がかなり関連性あるから、幼稚園の教諭と小学校の教諭を連動させて資格・免状を取ったり実務もということもありますので、「施設」というときに、そういうところまで入れるかどうかも検討する必要があるのでしょうか。

 

○汐見座長

 それは検討する必要があるという意見になればやりますけれども、それを議論していただくのが今回です。

 

○橋本保育課長

 確かに今おっしゃったような形で小学校の先生と幼稚園教諭との間でそういう人事的な交流をしているというものがあるとすれば、それを最初からそういうものは検討の視野の外に置くべきものではないという感じは正直いたします。

 

○大嶋委員

 ただ、今回は幼稚園の免許を持っている人ということですから、幼稚園か認定こども園でよいのではないかと私は思います。それ以外に、先ほど座長がおっしゃったようなところまで含めていくかというと、それは含めなくてもよいのではないか。認定こども園には 4 種類あって両方の機能を持っているわけですから、そこで幼稚園の免許を持っている人については考えていくという方向でよいのではないか、と私は思います。

 

○汐見座長

 そういうご意見を、ぜひ出していただきたいと思います。

 

○埋橋委員

 先ほど勤務形態ということで非常勤というか正規と非正規雇用とか中間のようなものもあるかもしれませんが、地方自治体ですと同じクラス担任でも正規雇用、正規雇用でないのにクラスを持たされている。「持たされている」という言い方も変ですが、そういうことも実際にあります。ですから、補助的な立場で幼稚園教諭をしていた人と、そういう責任あるというのも妙ですが、クラス担任を持っていた人という条件も出てくると思います。

 

○汐見座長

 細かくしていくと相当大変ですね。

 

○若盛委員

 現場にすると正規・非正規ということは、そこまでいってしまいますと何時間なのか、週何回なのかなど細かいことになっていくような感じがしますから、基本的には幼稚園教諭の免許一種・二種はともかく、教諭を持っていて認定こども園に働いているという前提を原則という考え方はどうなのかという気がします。

 

○藤林委員

 社会福祉士や介護福祉士の実務経験の場合は、 360 時間以上という時間数でやっていて、何年間ということではなくて正規・非正規は問わないという場合がある。それが一番妥当ではないか。そうしますと 6 年かけても 7 年かけても取れる人もいればという形になってくるので。ご参考までに、それが社会福祉士や介護福祉士の実務経験の取り方になります。

 

○汐見座長

 それは実労働時間ということですね。

 

○藤林委員

 そうです。実労働時間です。ただし、施設長の承認の紙がありますから、それをきちんと書いてもらわなければいけません。

 

○汐見座長

 正規・非正規というと大変ややこしくなるので、実労働時間で算定するという方法もあるのではないかというご意見ですね。

 先ほどの意見に戻っていただいて結構ですけれども、例えば幼保連携型認定こども園で既に働いて、 486 園あるわけで何年もやっておられるところもありまして、そういうところで働いている人は幼稚園のみで働いている人と区別する必要があるかどうか。多少優遇するということになるのかどうか。その辺りを個別の意見も含めて中身に関して少し意見を出していただければと思います。

 

○上村委員

 実際に保育所は乳児保育や、社会的養護や、地域の子育て支援を行っています。保育士の資格はそういうことを含んでいるので、そこはどのように考えられるのでしょうか。算定対象とする「施設」については、どのように考えればよいのだろうと思いました。優遇かどうかは分かりませんが、例えば障害児の保育は幼稚園では経験しない人たちもおり、そういうことをどのように考えていくべきかと思います。

 

○若盛委員

 上村委員がおっしゃったように今の施設でいきますと「算定対象」という言葉の「算定」の条件、範囲というものを明確にしておく必要があると思います。その辺が曖昧ですと絞り込めなくなってしまうような気がします。

 先ほど渡邉委員がおっしゃっていましたが、幼保連携型でもいろいろなタイプがありますので、施設というところの範囲をいくつかこんな施設もありますという具体的な例を出した上で、どうしていくかが必要だと思います。非常に抽象的な表現ですので、もし分かるようでしたら「算定対象」の内容にはどういうものが関わっているのかをお教えいただけると大変ありがたいと思います。

 

○増田委員

 今回の新たな「幼保連携型認定こども園」は、学校法人そして社会福祉法人というように今までの総合こども園と大きく変わったわけですね。それだけ質というものを考えての決定であったと思います。そうしますと、社会福祉法人や学校法人であっても新たな幼保連携型で条件とされていることをクリアしているところでないと、食い違いが生まれてくるということはないのでしょうか。

 また、質の確保は難しいと思います。認可施設であるから子どもの観点から保育が実施されているかというとクエスチョンマークが付くところもあれば、さまざまな状況があると思います。しかし今回の過渡的措置とはいえ、質の確保という点はどう考えたらよいのでしょうか。何か教えていただければ。お願いします。

 

○橋本保育課長

 確かに認可施設と一括りに言いましても、そこで行われている内容につきましては差もあろうかと思いますし、それはそれでいろいろな形での向上の取組はそれぞれの現場でしていただかなければいけないと思っておりますが、どうしても資格制度・免許制度の問題として考えますときに、ある程度の中身のばらつきはあるとしましても一定の外形的な基準をベースにしながら考えるということも一方では必要な部分があると思いますので、そこは中身の問題が重要であることは十分理解しながらも、ある程度制度体系ないしはそういう外形的な部分も十分ご考慮いただきながら議論していただければと思っています。

 

○大嶋委員

 少なくとも幼稚園教諭免許状を持っていて、どこかの幼稚園でも認定こども園でも、その他の施設でもよいのですが、どこかで働いたことをどう捉えるかということだと思います。そうすると、幼稚園の教諭免許を持って働ける施設に限定して、どれぐらいの経験があった人に対して考えていくという方向でよいのではないかと私は思います。

 

○橋本保育課長

 基本的には、先生に今おっしゃっていただいたようなことだと思います。

 

○汐見座長

 確認いたします。今回は既に幼稚園教諭免許状は持っている。 10 年間免許更新も当然受けておられる方もいらっしゃると思いますが、そういう方で保育士資格はまだ持っていない。幼稚園の教諭免許を持って働いていた場所を、まずここであればよいのではないかというところを特定しようということですね。当然すぐに分かるのは、認可の幼稚園はもちろんよいわけです。今、出てきたのは認可で認定こども園の場合です。この二つを区別するかということはありますが、ともかく幼稚園と認定こども園。それ以外にあり得るとして認可されない「幼稚園もどき」があります。これを入れるのかどうか。これを入れ始めると私は個人的にはきりがないと思っていますので今回は外した方がよいと思っています。今、出てきたのは、幼稚園教諭免許状を持っていて小学校で教育をしていた経験のある方がいます。こういう方を算定年数に入れるのかどうか。まだ出ていませんが、幼稚園教諭免許状を持っていて保育所で何かサブの仕事をしていた人は保育士の資格は持っていないけれども保育所で仕事をしていたという人たちが仮にいるとしたら、それは入れるのか入れないのか。正規ではなくてパート的にやっていた人もいますというややこしいパターンもありますが、そういうものを入れるかどうか。もっとすっきりと幼稚園と認定こども園という形にしてしまって分かりやすくするか。これを少し議論していただかなければいけません。

 

○渡邉委員

 どこで何年やったという話がどこまでというのは微妙なところがあって、私は横浜市幼稚園協会で幼稚園教諭の免許更新をやって、 10 15 年やった方たちが幼児教育を分かっているという前提はあまりありません。この人はまずいのではないかという人たちもいます。どういう形でやるか分かりませんが、ある程度すぱっと切ったときに、幼稚園教諭の免許更新と同じように保育士の講習を受けてある程度のところで何時間、今は幼稚園や小学校の教員は 30 時間やったら試験を受けて取れるというように取り方は (2)(3) のところはもちろんありますが、 (1) のある程度の幼稚園経験や認定こども園での経験、認定こども園も先ほどから幼稚園教諭免許しか持っていない人は幼稚園のことしかやっていません。乳児のことは話は入ってくるけれども、そんなに知らないし 0 2 歳児も実際は知りません。そういうところでいくと、何らかの形でこうやって研修を受けてどれぐらいかで取れる。基本的なことが分かるという取り方を今でいうと文部科学省でやっている免許更新のような形で取れていく人たちと (2)(3) という形で取る人たちという何かしらのハードルを設けるときの経験年数はどうかとしていった方が分かりやすいという思いを持っています。それはどういう形で取るかという取り方を議論しておかないと、本当に経験年数だけを全部カウントしたところで取れるようにするのかどうかというところでいうと、例えば年長児だけしか担任していなかった人たちが、保育士でもそういう人たちがいるかもしれませんが、乳児とか長時間であったり養護的な社会養護施設のようなところで経験もないというところで、その辺の中でも幼稚園にそういう子どもたちが入ってきたり障害児も入ってきたりして経験しますが、一人一人の経験をいちいち聞いているのも大変だとすると、何らかのペーパーのようなところで経験を見ながら、この人はやっていけそうかやっていけないか。ハードルの決め方がどこかであるというのは悪くないと思います。これは私の個人的な意見です。

 

○汐見座長

 一応今回の検討事項の中に、保育士資格を取るためには基本的には保育士試験を受けるというのが今の制度です。それから、養成校で所定の単位を取るということで、そのどちらかでやっていただきたいという中身になっています。それ以外に、どこかで講習会を開いて、その講習会を受けて試験をパスすれば取ったことにするということは今のところ考えられていません。ですから、この既成の枠の中でやろうと考えているところです。それがどうしても必要だという強い意見が出たら、もう一回元に戻さなければいけませんが、そこは今のところ考えていません。多分、文部科学省も考えていません。

 

○橋本保育課長

 講習会のような形が想定されているわけではありませんが、試験免除の必要とするような履修内容について、その経験に応じて段階をつける。経験に応じた形で区分をつけるということはあり得ないことではないだろうと思います。

 

○渡邉委員

 どこかで何かしらの整理をするときの整理の仕方というところで、その人がどういう経験を持っているかということをある程度どこかで把握できると、この人はこれぐらいの試験、科目の履修でという形になり得ますが、一般論にしてしまうと 5 年勤めていたらそれでよいと言ってよいのかどうかというのは気にはなります。例えば乳児の経験のない幼稚園の先生たちがぽんと保育士として入ってよいかどうかという話になると、乳児のことを知らない怖さを感じます。、そういう話になったとき科目よって違ったりしますが、どういう科目をどのように履修するかというのはこれから議論されるのでしょうが、その方たちの経験年数だけでいろいろなことを議論してよいのかというとき、経験の内容の度合いをどこかでチェックする。どちらかというとそういうところがあれば資格を出しやすいという感じを受けます。

 

○田中委員

 現場で保育所等を指導している感覚で申しますと、今、渡邉委員がおっしゃったように、幼稚園の経験しかない方で 0 2 歳児を、単純に経験年数で見ていくのは非常に私どもとすると「大丈夫かな」という気がいたします。そういう意味では、今回の議論は幼稚園教諭の免許を取得している方にどの範囲で受験負担の軽減をするかということだと思います。そういう意味でいえば幼稚園教諭としてみる年齢層ではない部分の施設については単純に対象にしてしまってよいのかという疑問は正直あります。代替の方法は何らか考えるということはあり得るかもしれませんが、基本的にコアな部分は 3 5 歳の未就学児というところの経験と履修の内容によって考えるところが大きい。大嶋委員が言われたように、小学校部分については、保育士は 18 歳までの対象となりますので、そういった重なる部分についてはそういった評価もできるのではないかと考えます。

 

○矢藤委員

 今のことに関連してですが、今までの議論をかっこにくくるような形で申し訳ないのですが、幼稚園等の実務の何が今の養成課程と保育士試験のどれを軽減したり免除したりできるものなのかという方面からのアプローチも必要だと思います。

 もう 1 点は、保育士資格をこのことによって取れたとして、幼稚園教諭の免許を持って幼稚園に勤めていたけれども、児童養護施設に行きたいという人が転職で保育士は取りやすいということで利用するというケースもレアだと思いますが想定しておかないと、併有促進で多くの科目が免除されるということがあって、養成校で保育実習に行かないように指導して、その後保育士試験で全部取らせるといったようなことが、悪用というと言い過ぎかもしれませんが、そういうことが起こるということも踏まえて検討する必要があるのではないかと思います。

 

○藤林委員

 今のことで、児童養護に行く場合は幼稚園教諭で四年制大学だったら児童指導員任用資格を持っているので児童養護施設へは四年制大学卒業の幼稚園教諭免許だけ持っている人は就職できます。今の矢藤委員の前半のお話で、資料 4 3 ページに出てくるいくつか免除という方向の中の「筆記免除により合格」というのは、実技はやるという意味なのか。でも、幼稚園教諭免許を持っている人にこの実技をしてどうなるのか。そういう意味なのかと思いました。

 

○橋本保育課長

 その点につきましては、筆記試験はもちろんですが実技試験もしないという前提です。

 

○藤林委員

 そうですか。「筆記試験免除により合格」というのは、試験免除のようなことですね。

 

○網野委員

 先ほどの渡邉委員の話と関連する部分ですが、ここで議論することは、あくまでも保育士試験科目で免除するものということを実務経験の内容、質を考えて、これは軽減してもいいでしょうというのが議論の中心になることは間違いないと思いますが、今までも科目履修生で幼稚園教諭の免許状を持っている人が保育士の資格を取りたいということで科目等履修生などいろいろな形で養成課程の中を活用しながらというのはこの中でも相当議論してよい部分だと思います。その場合に、試験科目で軽減していく部分と科目履修のときに軽減していける部分も考えると両方の免除資格を併有することを促進するという大事な部分で重なると思います。

 あらためて質問させていただきたいのですが、この議論の中では養成課程が絡んでもよいということですよね。

 

○大嶋委員

 今の制度もそうですよね。養成課程の科目等履修で軽減される。

 

○橋本保育課長

 資料 4 の付属資料で矢印の付いている絵があると思います。今、幼稚園教諭免許をお持ちの方について試験科目を削減する形で一部免除して受けていただくという方法と、今おっしゃっていただいたような科目履修という形で筆記試験、実技試験もそうですが、それを免除して保育士登録をしていただく。ですから、一定の科目履修をしていただくことで、もう片方の免許を取ってもらうというやり方の両方のルートを持っていますが、両方のルートがあるという前提で、さらにそこにもう一段実務経験ということを加味して、さらにもう一段軽減するとしたら、どういう軽減の仕方があるのか。そういった形で先ほど見ていただいたこの資料についてはご理解いただければと思います。

 

○網野委員

 もう一度、確認させていただきます。つまり、 3 ページでは何となく試験のことが頭にあったのですが、つまり今でも行っている科目等履修制などで養成の中で科目が取れれば、当然保育士の資格は取れるようにだんだんなってきます。その中にも軽減するような方向、取りやすい方向を促進するというのをここで入れてもよい。つまり、経験年数、これだけ経験していれば、この科目は履修しなくてもよいですということまで考えてよいということですね。

 

○橋本保育課長

 はい。このページの絵でいけば網野委員が今おっしゃった話はこの一番下のルートといいますか「科目履修による筆記試験免除」ということで、まさに実務経験を評価して筆記試験免除に必要な履修単位の特例ということで、ここをまさに考えていただくということでご検討いただければと思います。

 

○汐見座長

 それははじめからの提案なのですが。いろいろな意見を自由に出していただいた方が大体どこに問題があるかが見えてきてよろしいと思いますが、確認いたしますが渡邉委員がおっしゃった中で、何かのために開講することは今は考えていないのですが、養成校で既に科目等履修という形で専門学校や保育士免許を出している学校の中で特定の科目だけを受講して単位を取ることは今でも可能です。夜間などをやっているととてもよいのですが土曜日にやっているところもあります。それで少しずつ単位を取って試験はなしで時間はかかりますが、それで資格を取れるということになります。

 確認させていただきたいのですが、先ほどおっしゃったように認定こども園と幼稚園とで何か差別化するかどうかがテーマになっていますが、渡邉委員が先ほど認定こども園といっても幼稚園教諭免許しか持っていない人は原則として 0 1 2 歳児は担当できないわけですから、乳児の保育については経験があると見なくてもよいのではないかとおっしゃいました。もし、そうだとすると認定こども園も幼稚園も基本的にはあまり差をつけないで年数だけで評価してもよいのではないかというご意見だと思って聞きましたが、そういうことでよいのですか。

 

○渡邉委員

 いろいろな情報が入ってきます。長時間の保育は幼稚園的なところでも預かり保育として取り組んでいて、今横浜市がやっている横浜型預かり保育のような制度では、 18 時半・ 19 時半まで保育をやっているところは、養護的な観点がすでにあると思います。そうだとすると幼稚園でやってきたというところでは認定こども園でも幼稚園でも同じような形で保育士資格が取れるという形をやった方がよいような気がします。少なくとも横浜市の状況は、この会の委員に田中部長もいらっしゃいますが、横浜市のように横浜型預かり保育という固有の形態で預かり保育やっているところは、あくまでも幼稚園なのです。それは認定こども園ではありません。そういう園が認定こども園になっていく。多分平成 27 4 月にすぐになっていこうというときに、その先生たちが保育士がほしいという話になれば、そこであまり差をつけるというよりは、すっきりさせてしまった方がよいような気がします。

 

○矢藤委員

 先ほど汐見座長からあったように、新たに特別に講習のようなものを設定することは当面想定されていないかもしれませんが、併有促進という趣旨からすると直近で経験のある方々に保育資格を取っていただこうとすると科目履修のような形をとると、授業を受けに行くのは結構大変ではないかと思います。そうでなくて時間があって経験がない、あるいは経験から離れている人の方がむしろ取りやすくなりますので、趣旨と違うような意図せざる結果になりかねないと思います。特別に養成校が設定するといったようなことも考えなければいけないのではないかと思います。

 

○橋本保育課長

 今おっしゃった点は非常に大事な点だと思います。実際に現場で働き続けながら、もう片方の資格免許を取っていただくということになりますので、そういった方々を想定したときに、こんな時間数の授業を受けろと言っても無理だという中身を設定しても併有促進策にならない。実際上はそうなると思いますので、通信教育も活用できるような形で、できる限りスクーリングの部分が少なくて済むような中身も現実的な養成としては考えるべきではないかと思っております。

 

○増田委員

 今のことに関連して、確かに促進するためには今までのままではいかない。これは現場が保育士不足に悩み、どんなにいろいろな手立てをしても、そういった研修に参加しない潜在保育士が多くいるというのが一昨年の調査等でも明らかになっています。その中で、促進ということを考えるのであれば、何らかの新たな方策を考える。ただし、そのときに中身を薄くすることなく受講時間の工夫等があるにしても、保育士の専門性がより求められ、保育士自ら専門性を高めようと努力しているにもかかわらず、養成資格を取る段階で薄めてしまう。非常に相矛盾した状況が生まれていると思います。一方で促進がある。新たな方策を考える。しかし、中身についてはできるだけ今の養成の質を落とさない形で。では何があるのかと問われても、今すぐには出ませんが、例えば集中型であるとか、これはますます養成校に大変な状況をつくり出すかもしれませんけれども、工夫しつつ質のことを決して忘れないようにしたいと思います。

 

○上村委員

 本当にそのとおりだと思います。先ほどからずっと出ているように、保育の現場に毎日いる中で、絶対に質が下がらないものにしていただきたいと思います。資格を取りやすくするというのは分かります。しかし、その質についても考えていただきたい。乳児保育や、長時間保育、とりわけ、家庭支援は重要になっています。そういう内容がきちんと担保できるよう、しっかりと検討していただきたいと思います。

 

○渡邉委員

 また戻すような話で申し訳ありませんが、しっかりするという話の中でいけば、幼稚園の免許更新を養成校がやってくださったり、横浜市の場合だと横浜市幼稚園協会が全日(全日本私立幼稚園幼児教育研究機構)を使ってやっています。そこに幼稚園教諭の免許しか持っていない人たちが、例えば単位を取るのに 20 時間程度、本当は90分 15 コマでしょうけれども、これだけの講義をやる。その単位が取れれば資格が得られる。もちろんどう取るかはいろいろあると思います。 1 6 時間講義をやりながら、という形でも、その科目さえ取れば、全部で何科目か分かりませんが、それはこれから出てくるでしょうけれども、保育士が取れますという機会にする。養成校とかで幼稚園側でやっている免許更新の講習のように保育士を取るためにはこういう科目があり、その内容をきちんと作ってそこを勉強するという機会をつくる。ただ、その科目がどんな科目でどういう内容なのかはここできちんと議論する必要があると思います。そういう取り方をしていく方が現実的だと思います。科目数がどれになるのか、経験年数が何年目だったらどれぐらい免除されるのかということを議論するという中身に関しても、きちんとここで議論されるべきだと思います。

 

○矢藤委員

 どんな制度になっても、子どもの最善の利益を保障するということから考えると、実質的に保育者の質がどうであるかが重要だと思います。養成校のカリキュラムをきちんと履修していれば保育者としての専門性が必ず担保されているかというリアルな問題については、無視できないと思います。形式的には単位が取れたとしても、実態としてさまざまな養成校がある中で、一定の実務経験を継続して 3 歳以上の子どもたちと関わってきた経験値を積んでいる人たちの実務経験を過小に評価すべきではないと感じました。

 

○増田委員

 また元へ戻るような感じになるかもしれませんが、今は促進していくために、そしてある程度条件を緩和するということをもし進めるにしても、保育士資格で最大のネックとなっているのは幼稚園教諭免許と保育士資格が養成年限によって一方の幼稚園は 3 種類あり、保育士はどれで取得しようと同一の保育士であるということが長年続いていて、この検討会でも中間まとめの中でそのことを今後の大きな課題として提示しているわけです。今日いろいろと話が出てくる中で、例えば今回は幼稚園教諭免許のみを持っている方に付与する保育士資格は一番基本的な条件をクリアしているものです。さらに養成校で四年制やがて大学院の保育士養成課程も考えなければいけませんが、そういった保育士資格そのものの在り方をこの検討のときに併せ行っていかないと、条件を緩和して保育士の専門性の低さ等が問題となるという状態を避けていかないと、専門性と今、大変厳しくなっている保育士の社会的評価の低さは、その中で苦しんでいる現場の方たちに保育へ向ける意欲の低下に繋がってしまうと思います。今回ここで決めていくことが新たな質の高い認定こども園を構築していくためにも寄与するし、基本的な保育士の在り方をぜひこの検討とともに行っていただきたいという思いを強くしております。

 

○藤林委員

 先ほどからお話を伺っていますと、保育の専門ではない私が今ちょうど介護福祉士が国家資格の試験を、全員受験するためと現場にいる介護福祉士のある程度の四百何十時間の教育の部分で議論されているところと、社会福祉士が質の向上のために認定社会福祉士をつくっていくのと同じようなことの議論がベースとしてなされているようなので、あくまでも保育教諭で幼保連携型認定子ども園のための促進をある程度していかなければいけない面で行っていく、あくまでも暫定的な経過措置に限定して考えるのと、恒久的に考えなければいけないことの二つがあると思います。今はあくまでも暫定的にというレベルの範囲をある程度やっていかなければいけないとすると、あまり負担にならないようにしながらも取りやすいというのが一番よいのでしょうね。なおかつ、単位数などがきちんとしていて研修会・講習会も全部含めて質は全然落としていませんというレベルのものを作られることが望ましいと皆さまのご議論を聞いていて思いました。

 

○若盛委員

 私も現場にいて本当に思いますのは、誰でもが取れるものであってほしいのですが、質を非常に危惧します。今の子どもたちが 20 歳になったときに本当に誇れる日本人になっていけるのかどうか。非常に抽象的な言い方ですが、私たちの責任において社会性や倫理観、もっと言うなら幼稚園教諭免許状の中に一般教養で日本国憲法と書いてあります。保育士の教科の中にはそういう教科があるのかどうか分かりませんが、私はどこの養成所でも語弊があるかもしれませんが「日本人は誇らしい日本人でなければいけない。国の財産でなければいけない」ということは特に保育教諭になる人たちの最低の倫理観として持っていなければいけないものではないかと思います。それがあって初めて資格の問題になってくるだろう。それが現実にはばらばらな状態になってしまっている。一つには経営者の問題もあると思います。経営者というか設置者、行政も含めてだと思っていますが、やはり自慢できる日本人を育てていかなければいけないという大前提の下で、この資格の位置付けがなされなければいけないと思っています。そういう意味でいくと、もう一度見直しをしていくことと質も大きいものでなければいけない。質を絶対に下げてはいけないということだけは私の願いであります。少し抽象的な話になってしまいますが、今出ておりましたが取りやすくしながらも質を落とさないということは皆さま共通だと思っています。

 

○大嶋委員

 今でも科目等履修で試験の科目が免除されるという方法がありまして、今回考えなければいけないのは、そこにどういう実務、こういうことをやっていたら今試験を受けなければいけない。あるいは科目等履修に行かなければいけないという、どこが軽減できるか。具体的に実際に幼稚園で働いて親御さんに接しているのであれば、親御さんに接しているような経験をどれぐらい加味したら試験科目のどの部分あるいは試験の科目を免除するために養成校等へ行って科目等履修をしなければいけませんが、そのどこの部分をという形の具体的な話を進めていった方が、今日出されている (2) (3) の内容も実際に幼保連携型のこども園で 2 年とか 3 年、これが今問題になっていますが何年働いたか。この経験であれば保育士試験のあるいは科目等履修のこの部分。例えば親御さんの相談に応じなけばいけないということが学校教育法の第 24 条で決められていますが、それを踏まえてやっているとすると保育士養成課程の相談援助や保育相談支援、家庭支援論ということが果たして科目等履修から外せるのかどうかという具体的な検討をした方が、限られた回数の中で結論を出していかなければいけないとすると現実的ではないかと感じました。

 

○増田委員

 その限られた中で検討する際に、今日ご提示いただきました参考資料 6 に幼稚園教諭免許状と保育士資格の資格要件の比較がございます。ここのところをもう少し具体的に、幼稚園教諭免許取得に当たって、保育士資格取得に当たって共通しているものはどういう教科目であるのか。また、幼稚園独自のものと保育士養成独自のもの。しかも、それらが実際の養成校でどのような教科目として展開されているのかということを、ある程度次回辺りで具体的な資料を基に検討することによって、どの部分がより強化されなくてはいけないのか。そして、今日いろいろ出ました実務経験というものをどの程度そこに考慮できるものとして考えられるのかを明らかにするために、この表は非常に重要なものだと思います。

 

○網野委員

 まさにその議論ということになりますと、今まで議論した中で言いますと、どんなに実務経験を積んでも、この試験科目、養成科目は必ずしっかりと学ばなければならないというものが一つあると思います。その次が、実務経験を通じて知識や技術やマインドを身につけていくことによって、この部分はどうか。クエスチョンマーク付きだけれども実務経験を重視してもよいのではないかという科目があると思います。もう一つは、それぞれの委員の考え方の中に実務経験を積むことによって、この科目はかなり軽減してもよいのではないか。大体この三つの要素が非常に複雑に絡んでいると思います。

 そうしますと、試験科目でも養成課程の科目でも今増田委員がおっしゃったような参考資料 6 を確かめる中で、かなり委員の方々一人一人が見えてきている部分があるのではないかと思います。そうすると、どんな施設で何年経験するかということと、あるいは実働をどれぐらいの時間でということも含めて検討した場合のおおよその概念の構図が出来上がってくると思います。今日はそこまでの議論には至らないと思いますが、既にそういうお話が出ていますので、次回は大いにそういうことですすめていければよいと思います。そうすると、そもそも論も振り返りながら出てくると思います。

 

○矢藤委員

 そういう議論を進めていく上で、暫定的か恒久的かというお話がありましたが、今は暫定的にと作ったものが結局そのまま恒久的になっていくということで、保育士という資格の内実についての危惧があると思います。ですから、今回検討していく中で、新しく法令等によって併有促進の策をするとして年限を区切って、新法施行後何年という時限の法律にして、例えば恒久的なことについて併せて検討するということを、それもスケジュールをはっきりさせて検討していくことを担保しておけば、現実的な議論が進むのではないかと思います。その辺りは、いかがでしょうか。

 

○橋本保育課長

 今お話しいただきましたように、今回お願いした一連の話で検討を急いでやらなければいけないところが何なのかということについて、私の説明が拙くて議論が混乱してしまったところがあったかもしれません。今日いただいたご議論も踏まえて、次回の検討に向けて検討の前提として何をまず置いて、その上で具体的にどういう課題について詰めていただく必要があるのか。それぞれ論点ごとにブレークダウンしていって、どういう深堀をしていけばよいのかということについて、座長とご相談させていただきながら次回にはもう少し明快な形でお示しさせていただければと思います。

 

○汐見座長

 今日は全然意見が出てこなかったのが、実務経験何年ぐらいまで例えば 1 年でもするのか、最低 3 年ぐらいはとか。その辺りのご意見は全然ありませんか。総労働時間いくらとありますが一応概算で、です。

 

○藤林委員

 介護福祉士は、確か実務経験 5 年が一つの目安になっていたと思います。

 

○大嶋委員

 今はとりあえず両方が取れるのは 5 年の期間ですよね。 1 年は絶対に短いと思いますので、 2 年か 3 年というところを皆さまでどういうことが考えられるかという形で合意すれば 2 年か 3 年。ただ、どうしても乳児の保育や社会的養護の部分は試験であろうが科目等履修であろうが保育士の資格を与えるに限りにおいてはきちんと取ってもらわなければいけない。そういう科目は履修なり試験なりをきちんとやるという形で、それは 2 年でも 3 年でもやってもらわなければいけないと思いますが、年数に関して藤林委員の意見も一つ参考にして、何年かかっても積み重ねで取れるというケースもないわけではないので、それも含めて 4 年は長い。そうすると 2 年か 3 年ぐらいがよいと私は思います。

 

○埋橋委員

 もう一回戻すようですが、私が最初に質問申し上げた保育士資格を持って幼稚園教諭免許を取る方法が現行でも行われていて、記憶が非常に曖昧ですが 3 年間なりを取ってその後検定を受ければ、保育士資格があって幼稚園教諭免許を取れるということがあると思います。そこについての正確な現行の情報を知りたいということです。

 

○今井係長

 今おっしゃった保育士で 3 年間実務経験があった場合の幼稚園教員認定試験という制度がございまして、明確な情報というのはどの辺りのことですか。

 

○埋橋委員

3 年というのは。

 

○今井係長

 そこは 3 年です。

 

○汐見座長

 それは 3 年だったと思います。 3 年ぐらいが妥当なところではないかという一応の腹案がありました。いろいろな角度からご意見を出していただいて、大体どういうことを議論しなければいけないのか少し見えてきましたが、もともとの根本から議論するのか。それとも、とにかく 5 年後までに、経過措置が終わりますから、そこで法的に決められているわけで、そのときに保育教諭としてきちんとスタートできなければいけない。そういう意味では、要請が来ているので対応していただきたいというのが率直なところだと思います。ですから、根本的に保育士養成制度をこの機会に見直していこうということはできないということは私たちは一応心に置いておかなければいけないという気がします。ただ、議論の中で出てきた論点は必ず引き継いで保育士養成の在り方に発展させていかなければいけない。その合意はここでもつくりたいと思います。

 例えば保育士試験を実際に受けてどの程度受かっているかというと、 20 %程度ですから、相当難しい試験になっています。これは科目を一つ二つ減らすとしても幼稚園で実践の経験のある人がその試験はやさしくしてもらえるかというと、そうではないわけで。そういう意味では相当難しい試験を受けなければいけないということになります。その点は緩むことはないと思います。

 ただ、保育士試験を受けた人で実習経験のない人が現場に来たときにどうなのかという問題は相変わらず残るわけで、今回はそういうことまで解決することはできない。ただ、保育教諭は免許更新の対象になりますよね。

 

○橋本保育課長

 幼稚園教諭免許状についての更新手続きは必要になります。

 

○汐見座長

 そのときは幼稚園教諭免許状の部分だけということになりますか。まだ分からないのですか。それとも。

 

○橋本保育課長

 更新制度があるのはまさに教職員としての免許状の部分についてありますので、それについての更新手続きが必要になります。

 

○汐見座長

 そこに例えば乳児保育についても更新内容に入れていただきたいということを要請していくとか、保育教諭の免許更新を考えていただくという形で引き継いでキャリアアップの紙をそういう形で引き継いでいくということを、こちらで要請を出すことは不可能ではないと思います。

 

○若盛委員

 この場でそれは論議してもよいものですか。

 

○汐見座長

 この場は比較的自由で。ただ、結論を出すときは責任を持って出さなければいけませんが、議論は自由にできます。今回はスケジュールがある程度決まっていますので、それに基づいて根本的にこれでとはならない。いろいろ課題は残すと思いますが、これでいきたいというものを皆さまに工夫して出していただきたい。そのときの論点となることが幾つか今日出てきましたので、これをもう少し整理していただいて、次回には例えばこういうことはどうかということを提案していただく。この科目とこの科目をと突き合わせを次回に必ずやりたいと思いますので、今日いただいた参考資料 6 などに目を通していただければと思います。よろしくお願いします。

 それでは、何か追加の議論がありますか。

 

○若盛委員

 度々すみません。できるなら次回テーマが絞り込めるようであれば、この点について検討していきたいのでというものを事前に出していただけると心積もりがありますが、あまり大きいテーマですと難しいのですが、考えて資料等いろいろな情報を私も大きな団体の役をいただいておりますから、各地区それぞれでいろいろなタイプの幼保連携型があります。そこでそれなりに努力もしています。その中でのいろいろな不都合なことであるとか努力をしている状況であることが入ってきておりますので、できるならテーマがもし絞り込めるようでしたら、事前に教えていただければ大変ありがたいというのが一つ。

 それから、戻ってしまうので橋本課長に大変申し訳ないと思いながらあえて申し上げますが、幼保連携推進室が 3 省合同で取り組んでいると思っています。非常によい方向で進んでおりまして安心しておりますが、この会も最初におっしゃいましたが、幼稚園、保育所、そして内閣府という国を挙げて 3 党合意も含めて 3 省合同でこれからの子育ての方向を検討している最中だと思います。私と渡邉委員は、明後日はまた文部科学省から呼ばれております。私たちはラッキーというかプラスに考えれば両方いただけるのですが、私は、できれば 3 省という前提で、できるものがあれば次回とは申し上げませんが、やはりオープンにして今日も傍聴の方がたくさんいらっしゃいますけれども、国を挙げてこのことについてはものすごく関心を持ってきているはずです。現場としては、やはりせっかくのチャンスですから、できるだけオープンにしていただけると大変ありがたいという考えだけ申し上げさせていただきました。

 

○上村委員

 今、若盛委員がおっしゃったことは私も大賛成ですし、文部科学省側のことが私たちには全くわかりませんので、ぜひよろしくお願いしたい。

 それから、先ほど幼稚園教諭の人が保育士試験の合格率は約 20 %と伺いました。幼稚園教諭免許を保育士が取る幼稚園教員資格認定試験を合格するのは、同様に大変です。両方の免許・資格の取りやすさについてはバランスをとっていただけるというのが大前提だと思います。保育士だけしか持っていない人たちは、なかなか幼稚園教諭免許をという一方の意見もございますので、そのバランスはきちんととっていただきたいということは最初からしっかりと申し上げたいと思っています。

 

○橋本保育課長

 先ほどお話しいただきました、資料を事前にという点につきましては、この場での議論を効率的にしていただく上でも、私どもとしては、なるべく早く委員の皆さま方に次回の資料をお配りできるように努力させていただきたいと思いますので、その点はよろしくお願い申し上げます。

 それから、両省でそれぞれ、どうしても別々の資格制度・免許制度のものでございますので、別々に検討会を設けざるを得ないということはご理解いただきたいと思いますが、先ほどから出ておりますように、それぞれの方でどういった形での議論がなされているのかといった点につきましては、委員の皆さま方にもお伝えさせていただきたいと思いますし、今日も文部科学省から人が来ておりますけれども当然、文部科学省で行われる検討につきましては私どもも参加させていただきます。そういった形で、連携の漏れがないようにしていきたいと思っております。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。次回に、この参考資料 6 の辺りを睨みながら、受験を、これはどうしても受けていただかなければいけないという辺りはきちんと策定したいと思いますので、今、若盛委員におっしゃっていただいたようなことで現場の声を聞くことも、この辺りを少し詰めていただければと思います。

 それでは、時間もまいりましたので、事務局から、次回の日程その他について、お願いいたします。

 

○橋本保育課長

 今日は、本当にありがとうございました。次回の日程でございますが、追って事務局か日程調整の連絡をさせていただきたいと思いますので、お忙しいところを大変恐縮でございますが、また次回もぜひご出席いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。


(了)

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