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2012年11月19日 第8回保育士養成課程等検討会の議事録

雇用均等・児童家庭局保育課

○日時

平成24年11月19日(月)17~19時


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

委員

汐見座長、大嶋委員、上村委員、埋橋委員、倉掛委員、田中委員、藤林委員、増田委員、矢藤委員、若盛委員、渡邉委員

事務局(厚生労働省)

橋本保育課長、北山幼保連携推進室長、鈴木課長補佐、丸山保育指導専門官、今井在宅保育係長

事務局(文部科学省)

茂里教員免許企画室長

○議題

 (1) 「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議(文部
    科学省)」について
 (2) 幼稚園教諭免許を有する者の保育士資格取得について
   ・実務経験の算定対象とする施設について
   ・実務経験年数について
   ・幼稚園教諭実務経験者が受験を必要とする科目、試験科目免除を行うために必要
    な履修内容について
 (3) その他

○議事

○汐見座長

 定刻になりましたので、ただ今から「第 8 回保育士養成課程等検討会」を開催いたします。委員の皆さま方には、お忙しい中をご参集いただきましてありがとうございます。

 議事に入ります前に、事務局より本日の資料の確認と委員の出席状況について、ご報告いただきます。

 

○橋本保育課長

 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。まず、議事次第がございます。それから、資料 1 「幼稚園教諭実務経験者の保育士資格取得の検討について」がございます。資料 2 は「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議 ( 1 ) における議論の論点」でございます。資料 3 は「第 7 回保育士養成課程等検討会での主な意見と論点」、資料 4 が「保育士試験の試験科目と試験科目免除に必要な履修科目」。参考資料 1 としまして、局長通知でございますが「保育士試験の実施について」、参考資料 2 といたしまして「幼稚園教諭免許状と保育士資格に関する資格要件の比較」という A3 の大きいものを配布させていただいています。参考資料 1 2 につきましては前回の検討会でお配りしたものでございますけれども、参考資料 2 につきましては、幼稚園教諭免許状」の欄に前回お示しした「1種」「2種」と並べまして今回は「専修」という欄を追加しております。

 それから、委員の出欠状況でございますけれども、本日は網野委員がご欠席でございます。田中委員、渡邉委員、若盛委員の 3 名が若干遅れてのご出席と聞いております。以上でございます。

 

○汐見座長

 後ほど議題の中にもございますが、現在、文部科学省で「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議」が開かれていますので、前回、その状況と併せて議論しようということになりましたので、今回は文部科学省から茂里教員免許企画室長に来ていただいております。

 

○茂里教員免許企画室長

 茂里でございます。よろしくお願いいたします。

 

○汐見座長

 それでは、議事に入りたいと思います。その前に確認しますが、資料は大丈夫でしょうか。前回に引き続き、「実務経験のある幼稚園教諭免許所有者の保育士資格取得の特例」がテーマであります。本会は、もともと保育士養成の全般に関わることについて検討する会ではありますが、現在そのことにテーマを絞らせていただいて、これについてなるべく早く結論を出して先に進みたいと思いますので、その辺りご協力のほど、お願いしたいと思います。

 前回の検討会で、その辺りの論点について説明をいただきましたけれども、議論を円滑にするために検討目的・検討内容について、もう一度説明をお願いします。

 

○橋本保育課長

 それでは、お手元の資料 1 について、これは確認のようなものでございますが、お話しさせていただきます。

 まず、検討の目的ということで、今回新たに制度改正で設けられました「保育教諭」の仕組みにつきまして、両方の免許・資格を有していることを原則としながら、一定の経過措置を講じ、また、持っていない方の免許・資格を取得することにつきまして特例を検討するということでございますので、保育所・幼稚園・認定こども園等における勤務経験を評価して、もう一方の免許・資格取得に必要な単位数等を軽減する特例につきましての適用基準等を検討するというのが検討の目的でございます。

 検討の方法ですが、現在は、幼稚園教諭免許状のみを持つ者につきましては、勤務経験を問わない形でございますが、試験科目を 3 科目免除されるという仕組みがございます。今回は、さらに一定の勤務経験がある幼稚園教諭免許状所有者に対しまして、現在行われている 3 科目免除に加えて、さらに試験科目を免除する特例について、ご検討いただきたいということでございます。この検討会におきましては、保育士資格につきましての特例措置でございますが、一方で幼稚園教諭免許取得の特例措置につきましては文部科学省の検討会で検討されるということでございます。

 それから、新しい「幼保連携型認定こども園」で行われます保育の中身につきましては、「幼保連携型認定こども園保育要領」と仮称で呼んでおりますが、その具体的な保育教諭の役割等につきましては、今後開催されます「子ども・子育て会議」あるいは現在の保育指針なり幼稚園教育要領との関わりということで考えますと社会保障審議会あるいは中央教育審議会といった関係の審議会等との関係も整理いたしまして、検討体制につきましては整えていきたいと考えているところです。

 具体的な検討内容ですが、まず [1] としまして「実務経験の算定対象とする施設、実務経験年数」をどうするかという辺りがまず 1 番目の点です。 [2] としまして「幼稚園教諭実務経験者における試験免除科目」。 [3] としましては試験免除科目等の関係でございますけれども「幼稚園教諭実務経験者における修得教科目」についてどうするかということでございます。

 なお、保育士資格取得の特例は法律上の取扱いとしまして、幼稚園教諭免許状の特例と同じ期間ということで考えておりますので、この法律の本格施行から 5 年間ということで考えているところでございます。まず、検討すべき事項についての確認を申し上げました。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。今の論点ないし検討目的について、もう一度確認しておきたいこと等がありますか。

 

○倉掛委員

 一つだけ確認をお願いします。履修科目や試験科目は科目という単位で、要するに一つの区切りで免除を検討するという前提になっていくのか。あるいは、試験を弾力的に運用する余地も考えるというところまで含めての免除なのかという点が一つ。これはこれから議論する点になるかもしれませんが。

 もう一つは、対象期間を今、 5 年間という話でしたけれども「政令で定める日から」と考えると、既に今も含めた 2 年間の中のどこかでスタートを切ることも可能なのかどうか。その辺りを教えていただければと思います。

 

○橋本保育課長

 まず、 1 点目でございますけれども、科目単位ということで考えていくのが基本だと思いますが、この検討会の今後の議論の中で、より詰めた議論としてきめ細かな配慮ということで、もう少し小さい単位で考えていった方が良いという議論が出てくれば、そこはまた、その段階でいろいろとご議論いただければと思っています。

 それから、 2 点目につきましては、先ほど始期のところの説明を申し上げませんでしたが、まさに本格施行は平成 27 4 月からを予定しておりますけれども、この中身が固まりまして省令・告示等が整備された段階からスタートさせていただきたいと思っておりますので、平成 27 4 月よりも早い時期からのスタートを念頭に置いております。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。今の件については、後ほど議論になると思いますが、後で出てきますけれども、「保育士試験を受けて」というコースと「科目等履修をして科目を取って」というコースがあって、保育士試験を受ける場合には科目単位をくずすことは難しいと思います。でも、科目等履修の場合は「この 2 科目を取らなければ」というのを 1 科目にするということは、議論の対象になるかもしれません。ですから、その辺りは念頭に置いて進めたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、そういう論点そのものもまた後で出していただきたいと思いますが、先へ進めたいと思います。前回、文部科学省の方の議論の進行となるべく合わせながら進めたいということでしたので、本日は文部科学省の方では今どのような議論が進められているかについて、ご報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○茂里教員免許企画室長

 文部科学省で教員免許企画室長をしております茂里です。よろしくお願いします。

 座長から、また橋本保育課長からもお話がありましたが、並行して文部科学省の方でも幼稚園教諭の普通免許状の特例に関する検討会議を行っているわけでございますが、第 1 回を 10 24 日に開催いたしました。第 2 回は来週を予定しております。

 少し前になりますけれども第 1 回での議論の様子を説明申し上げたいと思います。お手元に資料 2 を用意していただければと思います。大きく「総論」と「各論」がございますが、総論の部分で出ましたご意見について、いくつかご説明申し上げたいと思います。まず、満 3 歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児に対して学校教育が保障されることは重要であり、そのことを担保するためにどういう内容を学ぶべきか、ということを議論すべきであるという意見。また、保育教諭に求められる専門性は一体どのようなものなのか、それを見極めた上で、保育教諭の位置付けを小学校以上の教諭と同等の位置付けとして認識されることが必要ではないか。また、 5 年の特例期間が経過した後の資格の在り方について、将来的な見通しを持って検討することが必要ではないか。先ほどからお話が出ています厚生労働省の検討会議と文部科学省の検討会議が一体となって検討を行っていくことが必要ではないかというのが概ね総論で出されたご意見でございます。

 各論については、大きく 3 点ございます。一つは「最低在職年数」についてでございますが、現職の教員が隣接校種の免許状を取得する場合と同等の在職年数を求めることが適当ではないか、というご意見がございました。この場合の「隣接校種の免許状を取得する場合」というのが 3 年であり、同じ 3 年の在職年数とするのが適当ではないかという趣旨のご意見でございます。併せて、保育教諭の専門性の確保の観点から、研修の在り方についても考えていくことが必要ではないかとのご意見がございました。

2 点目のポイントは、「勤務経験を評価する施設の範囲」でございます。幼児教育に関する経験年数を原則としつつも、保育所保育指針に基づき保育を提供する施設における在職年数を加味していくことが適当ではないか。また、認可外ではありますが、保育所保育指針に基づいている保育所等について、できるだけ差別がないように線引きをすることが必要ではないかというご意見が出されております。

3 点目のポイントでございますが、「大学等で修得を要する内容及び単位数」についてのご意見がいくつかございました。一つは、幼稚園教育要領や幼小連携等を見越した学校教育としての体系、また、生徒指導等の在り方に関わる内容、教育公務員としての在り方などについて学ぶことが必須ではないか。幼稚園教育の核となる環境を通しての教育、遊びを通しての総合的指導の徹底という観点からの学修が適当ではないか。また、学校の教員としての自覚を持つための科目や、日本国憲法、情報機器の操作は学んでもらう必要があるのではないか。先般 8 月に教員の資質能力の向上に係る中教審答申が出されましたが、その内容は、生涯を通じて教員としてのスキルアップを図っていこうという理念でまとめられたものでありますが、その「学び続ける教員像」を踏まえた学びということを意識する必要があるのではないかというご意見が出されています。

 その他、一番ご意見があったのは「整合」という問題でございます。三つの整合という話でございまして、一つは厚生労働省のこの検討会と文部科学省の検討会の整合性をしっかりと確保すること。もう一つは、将来、一体化した資格制度ができるわけですけれども、時間軸をずらした将来との整合を図る必要があるのではないか。そして、保育や教育の質が低下しないよう、質をきちんと考える。質との整合を図ることが必要ではないかとのご意見がございました。

1 回だけの会議ではございますが、概ね以上のようなご意見が出されています。以上でございます。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。今日は報告を受けるだけですが、どうしても、こういうことだけは聞いておきたいということがありますか。よろしいでしょうか。引き続き、議論が進んだときにまた報告を受けるチャンスがあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、次の議題である「幼稚園教諭免許を有する者の保育士資格取得について」に移りたいと思います。三つの内容があるということで「実務経験の対象施設」、「実務経験の年数」、それから「実務経験者が受験あるいは履修を必要とする科目」。この三つの内容を、これから検討していかなければなりません。このことについて、もう少し詳しく事務局から説明をお願いしたいと思います。

 

○橋本保育課長

 それでは、お手元の資料 3 1 枚目をご覧いただきたいと思います。まず、施設の点につきまして、前回いただいたご意見を 4 項目ほど並べさせていただきました。幼稚園以外の実務経験として、 4 種類の認定こども園、認可の幼稚園ではないが幼児教育を行っている施設はどうするのか。

 二つ目といたしまして、小学校と幼稚園の教員が人事交流している自治体もある。小学校教諭の経験は、幼児の生活面での関連性も考慮し、実務経験として認めるかどうかという論点が出ていました。

 三つ目といたしまして、幼稚園教諭免許を持ち、保育所で補助的業務に就いていた人は、保育士資格はないが保育所で仕事をしていた人について、勤務経験を算定するかどうか。

 四つ目といたしまして、幼稚園教諭免許を有する者の特例なので、対象施設は幼稚園と認定こども園でよいのではないかといったご意見がありました。

 このようなご意見を踏まえて、具体的に「この施設ではどうか、あの施設ではどうか」といった形で整理をしていく議論の一つのたたき台といたしまして、「主な意見を踏まえた論点」ということで、八つほど施設名を並べてみました。幼稚園以外の施設等による実務経験をどこまで認めるかということで、逆に言いますと、幼稚園あるいは幼稚園としての認可がなされている幼保連携型認定こども園や幼稚園型認定こども園については前回、大体よいのではないかというご意見であったと思いますが、さらに [1] [8] に書いておりますが、 [1] 認定こども園の中でも保育所型ないしは地方裁量型、あと二つのタイプがございますが、こうした幼稚園としての機能の部分をどう考えるか。あるいは、 [2] 特別支援学校の幼稚部をどう考えるか。 [3] 幼稚園以外で幼児教育を行っている施設等をどう考えるか。 [4] 人事交流等によりまして小学校や放課後児童クラブというケースもあるかもしれません。 [5] 保育士資格は持っていない方であるけれども、保育所で働いていた。あるいは [6] 幼稚園型や地方裁量型の認定こども園の保育機能部分で働いていた。 [7] へき地保育所で働いていた。それから [8] 認可外保育施設で働いていた、といったケースも考えられるところでございますので、こういったものについて、さらに前回よりも深掘りした議論を今回いただければと思っているところでございます。

 「留意点」といたしまして、認可施設に対しては認可施設としての指導監督がございますし、それから認可外の施設に対しましても同様に認可外施設に対する指導監督基準を用いまして指導監督が行われております。また、そういった中では保育所保育指針に準じて保育をすることを求められているところでございますので、こういったところとの関係をどうしていくか。

 対象児童の年齢につきまして、小学校以上のところをどう扱うかというところもあるわけであります。

 施設等の規模ということでいきますと、認可施設の場合は今、認可保育所は 20 人以上というのが認可の最低ラインになっておりますが、この辺も含めてどう考えるのか。

 それから、その施設での職務ということで、仕事の中身につきまして、保育所ないしはそれに類する施設で働いていた経験をどう評価するかというところとの関連で、こういったところも論点になるかもしれません。

 とりあえず、算定対象とする施設についての論点についてのたたき台でございます。以上でございます。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。今、ご説明いただいた論点は前回、自由に意見を出していただいたものを整理していただきました。その整理に基づいて、こういう論点が立つのではないかということです。つまり、どこまで認めるかでもいくつかにグルーピングしていただいているわけですが、これに基づいて、これから議論いただきたいと思います。

 その前に、今日はご欠席ですが網野委員から「実務経験の算定対象とする施設について」という意見メモという形で文書が届いておりますので、読み上げるだけですけれども、先にご紹介いたします。

 「実務経験の算定対象とする施設について、以下の施設を検討の対象とし、 a b c による実務経験年数の算定基準を設定することが必要であると考えます。 a というのは幼稚園、幼保連携型認定こども園・幼稚園型認定こども園。この三つを a というジャンルにします。それから、 b は公立保育所、認可保育所、へき地保育所、他の認定こども園における保育補助業務。そして、 c は児童福祉法第 59 条の 2 の届出認可外保育所、小学校・放課後児童クラブ。このように三つにグループ分けして、それぞれによる算定基準を設定することが必要である。」というご意見をいただいています。

 今の「網野メモ」も含めて論点が既にいくつか出されていますので、少し自由な議論をしたいと思います。

 

○倉掛委員

 次の「実務経験年数」とも絡むかもしれないのですが、対象施設を考えるときの幼稚園の免許しか持っていない先生方の実務経験というものをイメージしたときに、現時点までの経験も含むのか。つまり、遡って経験してきたことも含むのか。それとも、今後の新しい幼保連携型認定こども園に向けてスタートを切っていくときに経験していくこと。概ね 5 年間の中の 3 年なり 4 年、 3 年ぐらいでしょうか。それを対象として経験として考えていくのか。

 なぜ、先にその話をお尋ねしているかと申しますと、マネージメントといいますか運用の仕方が今後変わる可能性があるのかというところと絡むのではないかと思います。具体的にいうと、これまでの認定こども園で実際にそういったことはなかったのでしょうし、ないのかもしれないのですが、保育士の資格がなくて乳幼児の経験のようなことが実際にあり得るのか。例えば最低基準はきちんと満たしている。それに常に加配するような形で経験を十分に積んでいる幼稚園教諭免許取得の先生がいたとしたら、それは、十分に経験の質としては本来の目的にかなったものになるのだろうと。ただ、それは多分ほとんど行われていないと考えるならよいのでしょうけれども、今後、認定こども園を増やしていく方向で運用面を考えたときに、新たにそこに就職したいと思っている幼稚園免許だけを持っている先生が、そういう経験を何年かしていくことを想定するならなりたいと思う人も増えるかもしれないし、本来の経験にふさわしい経験ができるなら、という条件ですけれども、そうなるのかというややこしい話をしてしまいましたが、その辺りとも絡むのではないかと思いました。少し変な質問かもしれませんが、この辺りは若盛委員、渡邉委員に実態のところをおたずねするのが一番よいのかもしれません。

 

○若盛委員

 それでは、ご指名をいただいたもので。前回もお話し申し上げましたが、実は私の園にも幼稚園教諭免許しか持っていない者がおります。当時、四大の場合には保育士の資格は取れていませんでしたので、小学校の教諭と幼稚園1種という資格だけだったと思っております。その職員が私どもにおります。ですから、実際には幼稚園の方で副園長をしておりまして、非常にリーダーシップもとっておりまして人格も識見も非常に高いという自画自賛でございますが、そんな立場におります。ただ、現実としてこれからのことを考えた場合には、いわゆる幼稚園教諭と保育士というものを一体にした認定こども園という大前提で考えたときには、保育士としての資格を取得しておいた方がよろしいのではないか。いわゆる保育教諭という名称には両面を持っているという大前提の下で取り組んでいくことがベストではないかと実際には思っております。

 

○渡邉委員

 実際の運営の中で考えるとすると、幼稚園教諭免許しか持っていない人間は多分幼稚園部分の 3 4 5 歳に関わることの方が多かったり、長時間のところは預かり保育的なところに関わります。私どもの園でパート的な保育者というのは例えば結構年齢が上の方たちは短大の養成校でも幼稚園教諭しか免許を出さない学校であったりします。その方には割と自由にパート的に動いてもらって、早朝の保育に行ってもらったり、保育士に急に休みが出たといったときに、乳児の方に行ってもらうという形で動いていただきます。園内では「お母さん先生」と言っていますが、そういう方が保育士資格を持っていればよいのにというときがあります。

 保育士資格を試験で取るのが難しいとすると、認定こども園のような保育時間が長くなる施設でどこにどのように人を割り当てていくかということになると、幼稚園教諭が幼稚園の部分だけというよりは乳児の方にも少し入れるとか、 2 歳の方に関わってもらったり、保育園部分の一時保育に関わってもらったりということがあり得ます。すると、幼稚園教諭免許しか持っていないけれども、この人たちに手伝ってもらいたいといったときに、保育士の資格を持っていただいていれば運営上はとてもよいだろうと思っています。また将来的なことを見越していくと、どうしても認定こども園になろうとするときに幼稚園教諭免許だけではなくて保育士資格を持っている人が必要かという話になったときに、幼稚園免許を持っているのはパート的な方たちが多い気がしますが、常勤もちろんそうですがパート的な方にもどう取ってもらうかということが、認定こども園だけではなくて幼稚園としてもとても必要になってくるのだろうという気はしています。

 

○倉掛委員

 そうしますと、いわゆる常勤の正規のといってもよいかもしれませんが、幼稚園教諭免許を持っている認定こども園で勤めている先生は、いわゆる幼児教育の部分に携わっているわけですから原則的に乳児の経験はないと考えてよろしいわけですね。

 

○渡邉委員

 私どもの場合でいったら、ないです。正規の職員をわざわざ乳児の方に持っていくということはないです。

 

○倉掛委員

 といいますのは、その辺りが実態として多分認める必要がないのだと思います。あえてそういう想像をする方が多いかと思いますので、私もそこは認めるべきではないと思っています。論点の 3 番目の幼稚園教諭免許を持ち、保育所で補助的に業務をしている人を認めるかというのは、私は個人的に認めない方が良いと思います。同じ論点だと思います。ただ、今後のことを考えたときに、認定こども園を増やしていくという方向性の中で、何らかの働き方の工夫の余地のようなものまで考える中で想定していった方が良いのかどうなのかということを思ったものですから、質問という意味で聞かせていただきました。

 

○汐見座長

 今のことと関わりますか。では、お願いします。

 

○上村委員

 まず、大前提として押さえていただきたいのは、両方の免許・資格は取りやすさのバランスを取ってほしいということです。それから、最初に課長が説明されたように、この検討は、時限措置についてであるということ。そして今後の一本化についてはしっかりと考えていただくことが必要かと思います。この検討会においては時限措置であるという大前提で意見を述べます。

 それから、また後からも出てくるのですが、前提として考えていかなければいけないこととして、学ぶべき内容(科目)の取得方法については、試験か科目等履修かという検討がありますが、免許の取りやすさということから考えると、すでに実務経験されている方たちのことを考えると、科目等履修の方向の方がよいのではないかと思います。また後ほど述べますが、私たちの会としては、そういう意見を持っております。

 それから、幼稚園教諭だけの方、保育士資格だけの方についてもお互いに乳幼児というところでは応用できる力を持っているのではないかと考えます。免許の取りやすさと、限られた期間に取らなければならないということを考えても、そのように思っております。ただ、本来であれば、前回の検討会でも申しあげていますように、最初に「新たな幼保連携型認定こども園」における教育や、保育の内容、保育とはどういうことかという議論がなされてから、資格の検討をすべきであると思います。ここをしっかりと見失わないように今後の課題として持っていただくということは大切ではなかろうかと思っております。保育教諭の専門性ということをまず押さえて進めないと進まないのではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 実務経験の算定対象の施設ということでは、私たちの会では幼稚園、それから先ほどから出ていますように幼稚園以外の施設でしたら認定こども園の幼稚園機能部分、特別支援学校幼稚部、これらを経験していらっしゃった方たち。それから小学校や放課後児童クラブというお話も出ておりましたが、こういったところではないかと考えております。以上です。

 

○汐見座長

 今のご意見ですが、 [1] [8] の中ではもう少し具体的に、なるべく詰めて、何番から何番まではよいと思いますが、これはどうなのかということがありますか。今の [1] [8] 全部を含むというご意見と理解してよろしいのですか。

 

○上村委員

 まだ、いろいろあるのですが、 [8] 認可外保育施設は、いろいろな施設があると思いますので、ここは皆さま方にも考えていただかなければいけないと思います。

 

○汐見座長

 では、あまり分散しないようにするために、今のご意見では [1] [7] は基本的には認めても良いという意見ですか。

 

○上村委員

 ただ、 [3] の「幼稚園以外の幼児教育を行う施設等」というのは、具体的にどういうものなのかが分からなかったのですが。

 

○汐見座長

 これは前回出た中では企業がやっているような、幼児教育をやっていますと謳っているけれども幼稚園ではないというところも入れるのですかという意見があって、私は個人的にはこういうものは省いてしまった方が良いと思っています。ややこしいです。

 

○上村委員

 私たちも、そのように思っています。

 

○汐見座長

 そうだとしたら、 [8] についてはもう少し細かく検討しなければいけないという意見ですか。

 

○上村委員

[1][2][4] は今の時点ではオーケーだと思っています。

 

○汐見座長

[5] の保育所についてはどうですか。保育所で働いていて、パート・アルバイトですね。

 

○上村委員

 それは、幼稚園教諭と保育士がお互い応用することができる力を有していると先ほど申しあげましたように、両方お互いに応用できるという部分では考慮してもよいのではないかと思います。

 

○汐見座長

 ここについても、もう少し細かく検討しなければいけないというご意見でしょうか。

 

○上村委員

[5][6] [7] の「へき地保育所」は、ほとんど公立ですか。そこでパートのようなことをするという意味ですか。

 

○汐見座長

 そうです。

 

○上村委員

 それでは [5][6][7] は認めて良いと思います。ただ、 [8] の認可外保育施設は先ほどの [3] とどう関わるのかというところが分からない。認可外保育施設にもいろいろあるのではないかと思っております。

 

○汐見座長

 この場合は、認可外の保育施設です。例えば保育ママも入っていると思います。

 

○上村委員

[3] は×であると考えます。

 

○汐見座長

[3] は×だけれども、 [8] については細かく検討しろと。 [4][5][6][7] については基本的にオーケーということでよろしいのですか。分かりました。

 

○矢藤委員

 そもそもこの検討の趣旨という基本的なことで申し訳ないのですが、保育教諭を置くに当たって幼稚園が幼保連携型認定こども園に移行する、あるいは幼保連携型で幼稚園免許だけで働いている人を保育教諭として移行させていくというような限定的な併有促進策なのか。もっと広く保育教諭となれる潜在的な人材をもっと大量に増やそうとしている促進策なのかによって検討が違ってくると思います。

 今申し上げた前者、つまり現行のものをなるべく幼保連携型認定こども園に移行させるということが基本的な趣旨であるならば、かなり限定的に捉えて、その上で広く人材を掘り起こしていくというのは、移行期間が数年ありますから、その間に十分な制度的な検討を重ねていけばカバーできることだと思います。ですから、限定的にやった方が良いという意見です。

 

○汐見座長

 先ほどの文部科学省の説明では、私の感想では逆に保育教諭はどうあるべきかという「べき論」といいますか、特に保育士に学校教諭としての自覚をどのように持ってもらうかという辺りは幼稚園教諭の養成課程のテーマだと感じました。だから、限定よりも、むしろこれから保育教諭はこうあるべきだということに少し広がっていった感じがします。保育教諭はどうあるべきか、ということについては必要な議論だと思います。ただ、今回は少なくとも 5 年間の間にどうしていくかということになると、少し絞った方が良いということですね。分かりました。

 

○上村委員

 文部科学省の会議について先ほど報告を受けたのですが、私たちとしては施設種別を問わずに保育士の経験を認めていただきたいと思っています。文部科学省の方にぜひそこは検討していただきたいと思っています。

 

○汐見座長

 それは分かりました。論点を絞りたいと思います。今、論点が整理されて出ていますが、八つのジャンルに分かれるのではないかと出されて、網野委員はそれをもう少しグルーピングして、それに軽重を付けたらどうかという感じですが、それについてご意見はありますか。

埋橋委員、お願いします。

 

○埋橋委員

 ここに出ているものをどこまで認めるかと、年数と時間的なことも含めるかということが明確。

 

○汐見座長

 それは次のテーマです。

 

○埋橋委員

 分かりました。ここで施設種別という話が出ていますが、今すぐにではないことだけれども保育教諭の位置付けというか従来の枠組みに沿っての両面があり、保育士資格がありという枠組みに沿っての保育教諭の位置付けです。でも、将来的に例えば社会的養護、乳児院、児童養護施設で保育教諭という、いわば就学前の部分に関わる養護と教育を一体的に提供することを職務とする専門職という位置付けでの保育教諭だということを今回ではないけれども、それを視野に置くことが必要ではないかと思います。以上です。

 

○汐見座長

 その場合に、それは文部科学省でも出ていましたが、将来との整合性という問題があります。その場合、今回なるべく議論しておかなければいけないのですが、そのようにして将来との整合性を考えた場合に、今回幼稚園以外の施設で働いていた幼稚園教諭免許取得者のどこまで実務経験の対象施設を限定できるかということ。その場合、その視点というのは何かつながっていきますか。

 

○埋橋委員

 今の [1] [8] というところでいきますと [3] は×。 [8] はグレーゾーンだと思います。

 

○汐見座長

 それは基本的に同じ意見ですね。分かりました。その辺を絞りつつ、今の埋橋委員の意見はこの後の議論に全部つながってくるのですが、今回は諮問されている内容に沿って限定したいと思います。

 

○大嶋委員

 私も今のお二人の委員の先生方に賛成で、 [3] は除いた方が良いと思いますし、 [8] については、いろいろなことで経験されている方がいる分野ですので、おっしゃるように [8] は保育ママなど個々に検討するということでよかろうと思います。

 対象の施設で働いたことによって試験なり何なりを通して取りやすくするということですので、先ほど倉掛委員がおっしゃったように乳児に携わっていないということであれば乳児に対する科目は学んでもらってから試験を受けるという方向にいけば。ですから、対象の施設はこのような形で限定してもよいと思います。

 

○倉掛委員

 議論を進めるために整理すると、対象とはいっても科目等履修などをどれぐらい勘案していくかというのは、また次になるわけです。ですから、そもそもこれは対象にならない。そもそも経験をいくら積んでも軽減する科目等履修のこういう部分は置き換えられるのではないかというのが 1 個でも該当するものがあれば対象にしてもよいのではないかという話です。

 

○汐見座長

 増田委員、お願いします。

 

○増田委員

 私も文部科学省の方でかなり将来を見据えての、そして保育教諭の在り方そのものを見据えての議論が進んでいるということを考えましたときに、前回この会でもそうでしたが、保育士の今後のあるべき姿、そして幼保連携型認定こども園がどれぐらい進んでいくのかということも見えにくいわけですが、質というものをしっかりと捉えた上で考えるという大前提を置きながら、かなり文部科学省の方でそのことを意識しているということはこちらで考えていくときにも絞り込んで結論を出すことが分かってはいるものの、将来を見据えて考えたいと思います。

 私も [3] は×にすべきだと思いますし、特に [8] のところなどが先ほど課長がお示しになった留意点の中の指導監督の仕組みの辺りとの関連を考えますと、かなり詳細に検討した上で結論を出すべきだろうと思います。

 

○汐見座長

 他に。田中委員は何か意見がございますか。

 

○田中委員

 私も基本的に各委員のご意見とほぼ同じですが、特に認可外については自治体が独自に認証しているような部分もございますので、個々に見ていただいて、実態は監督の関わり方も温度差がありますので、そういったところも十分加味していただければありがたいです。

 

○汐見座長

 それでは、後のテーマもありますので、今日のところは。それ以外に意見がございましたらまたお願いしたいのですが、今日論点として出されたどこを認めるかということで八つのジャンルで出されていますが、そのうちの [3] 「幼稚園以外の幼児教育を行う施設」というのが非常にはっきりしないということで、ここは省いてもよいのではないかということです。はっきり言って幼稚園であればよいのですが。

[8] の「認可外保育施設」というのは、あまりにも広いということです。留意点の中に出ています指導監督の仕組みの中で、どの程度指導監督が行き届いている施設なのか。それから、保育所保育指針に則ってやっていたところなのかどうか。そういうものがもう少し個別に検討された上で、ここは認める・認めないということ。実際にどういう施設がここにあるのかということも出さなければいけない。保育ママの中でも保育資格を持ってやっている人と最近の保育ママは簡単な講座でやっています。でも、あれも保育所保育指針に基づいてやることになっていますが、その辺りを実際的にやっていかないと、あまり一般的には言えないのではないかということで、これはもう 1 回検討させていただくということでよろしいですか。どういう例があるのかを出して検討したいと思います。

 他の六つについては、基本的にはここでやった実務経験は勘案してよろしいのではないかと今日のところはそういうご意見だということで進めたいと思います。ありがとうございました。

 次に、「実務経験年数」について、検討したいと思います。この点について説明をお願いします。

 

○橋本保育課長

 それでは、資料をめくっていただきまして 2 ページのところでございます。前回出された意見を 5 項目書いてございます。幼稚園教諭免許の種類ということで2種・1種・専修とあるわけですが、それに応じた実務経験年数を考えることも必要ではないかというご意見。それから、正規職員として働いていた年数と、パート的な仕事をしていた場合の年数を区別する必要があるかどうか。三つ目として、 20 年前に退職した保育士ということで考えたときに、それも退職前の勤務経験として認めるかどうか。四つ目として社会福祉士や介護福祉士のように、実務経験を 360 時間以上という時間数で判断して、正規・非正規で分けないというやり方が考えられるのではないかというご意見。それから、 1 年では短いけれども経過措置が 5 年間であるということを考えると 4 年は長い。 2 年か 3 年というところをどう考えるか。その上で、必要な科目はきちんと履修なり試験なりを受けてもらうという考え方で整理できないかといったご意見がございました。

 また、議論のためのたたき台ですが「論点」として、実務経験年数の基準として例えば 3 年とか 1 年間当たり 1,440 時間といたしまして 3 年で 4,320 時間。それから、 3 年ということをいわずに 4,320 時間という定め方。同じように 2 年、それから 2 年かつ 2,880 時間。それから 2,880 時間だけといったやり方があると思います。最初のご意見にございましたように、2種・1種・専修ということに応じてということで考えたときに、例えば免許の種類にかかわらず 3 年、免許の種にかかわらず 2 年ということで、 3 年か 2 年かということに加えて、例えば2種の免許の方の場合は 3 年、1種免許ないし専修免許の方の場合は 2 年といった区分けをするということもアイデアとしてはあり得ると思います。

 「参考」でございますけれども、保育士試験の受験資格の中で「高校卒業+児童福祉施設の実務経験 2 年」という受験資格の定め方がございます。この場合には 2 年以上、かつ総勤務時間が 2,880 時間以上を受験資格付与の要件としております。

 幼稚園教員の資格認定試験の受験資格でございますが、この場合は保育所等におきまして保育士として 3 年以上従事した者という取扱いがなされております。

 保育所運営費における民間施設給与等改善費の取扱いでございますが、「 1 6 時間以上かつ月 20 日以上勤務している者にあっては、これを常勤と見なして算定する」ということで職員の平均勤務日数を出すときに 1 6 時間以上かつ月 20 日以上という基準で切っております。既存のいろいろな取扱いの例ということで参考を掲げさせていただきましたので、またご議論いただければと思います。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。実務経験年数について、ただ今ご説明いただいた論点を踏まえて少し議論したいと思います。

 その前に、やはり網野委員からメモが届いていますので、それを先にご紹介した上で議論に入りたいと思います。網野委員は実務経験年数について、「実務経験年数は単一ではなく、上記の実務経験 a b c に分けて、よって以下のようなタイプに分けるのはいかがでしょうか。即応できる専門性を考えると、過去への遡及に一定の期限を設けることについても検討する必要があると思います。例えば、過去 5 年ないし 10 年です。ただし、保育士の資格は単一の仕組みになっている現状を考えると、幼稚園教諭免許の種類に応じて、実務経験年数の基準を分ける必要はないと考えます。」 a として例えば過去 5 年間に 2 年かつ 2,880 時間。 b 及び c の人。 a の人というのは先ほどで見ますと、幼稚園や幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園で働いていた人は 5 年以内に 2 年かつ 2,880 時間働いていればよい。それから、 b は公立保育所や認可保育所、その他の認定こども園。 c は届出認可外保育所ですが、こういうところで働いていた人は例えば過去 5 年間に 3 年かつ 4,320 時間を課してはどうか。基準としてはどうかということです。ご理解いただけましたでしょうか。網野委員のご提案は、「 a b c に分けて、 a は幼稚園、幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園で働いていた人ですがここで働いている人は 2,880 時間。それ以外のところの人は 4,320 時間。つまり、 2 年と 3 年をここで分ける。」というご提案です。そういう意見も届いているということを前提として、先ほどの論点を踏まえた議論をさせていただきたいと思います。どうぞご自由にお願いします。

 

○矢藤委員

 すっきりしないので、しつこいのですが、議論の前提を確認させていただきたいのですが、当面の併有促進策なのか、広く人材を掘り起こしていこうということなのか。そのことも確認したいのですが、一定の時限のあるものとして考えるべきものなのか。ここでつくってしまったら、それが要は恒久的に適用されていくようなものなのかということの確認がないと、このハードルの設定の仕方が変わってくるのではないかと思いますので、何度も申し訳ないのですがお願いします。

 

○汐見座長

5 年後にはこの基準はどうなるのかということです。

 

○橋本保育課長

5 年後の時点で、さらに併有の促進策として特例措置を継続すべきかどうかというところは、将来のその時点において議論すべきことだと思います。ただ、一方において 5 年の特例措置の期間に取った今は持っていない方の免許、特例措置に基づいて取った免許が例えば 5 年後に失効するという意味ではございません。

 

○汐見座長

 要するに、今のうちに取っておく方が特だということになってしまうのか。保育要領はきちんとしているということで、将来こういうものが求められだろうというイメージにするのか。結局どちらかだということです。どんどん増やしてしまって両方取らせよう。そのために楽にしようというイメージなのか。それとも、保育教諭というのは今までよりもきちんと勉強しなければいけない人たちなのだということをはっきりと打ち出すかという辺りの打ち出し方をはっきりしなければいけないということです。これも含めてですが。

 

○若盛委員

 私はあくまでも 5 年の特例期間という大前提でよいのではないかと思います。といいますのは、今後これは養成所の先生方、学校がどれだけ組み替えて新しいカリキュラムを立て直すのかというのは、かなりタイトな状況になっていくだろうと思っております。けれども、それは申し訳ございませんが養成所の先生に頑張っていただくしかないだろう。あくまでもこれは「急遽」という言い方をしているかもしれませんが、幼保連携型の園になってしまったという言い方がよろしいのでしょうか。なったことに対しての救済措置という解釈だけでよろしいような気がしております。

 

○上村委員

 先ほども申し上げたように、時限措置であることが大前提です。保育士としては質の担保という点から言いたいこともありますが、今回の場合は大前提で、両方の免許・資格の取りやすさのバランスを取ってほしいと言いました。今はその大前提に基づいて意見を述べています。でも、この検討会はそのように割り切らないと進まないのではないかと思い、その大前提に立ったうえでの発言ですが、よろしいでしょうか。

 

○橋本保育課長

 そのとおりでございます。

 

○汐見座長

 それは明記してはいけないと思いますが、私はそういうことを受け止めてやっています。実際はこういう制度をつくって、そこに移行していくということをやらなければ制度をつくった意味がないので。しかし、そういう資格のある人が特にいるわけではなくて、とにかく資格を取らせないと運営していけない。従って、勉強はしていただくけれども、高いハードルにし過ぎて、取るのが大変で認定こども園移行が大変だとなることは避けていただきたいというのが前提だと思います。

 ですから、実務経験を勘案して、それを配慮して一般の受験よりも多少取りやすくするということだけに限定するということですね。

 

○倉掛委員

 すみません。もう一つ、そのことと関連して冒頭の質問に戻ってしまうのですが、認定こども園で 2 3 割の人が資格を片方しか持っていない。そこが具体的な対象になるのだと思います。幼保連携が全体で 900 ぐらいで今は 500 ぐらい。それが例えば 5 年後にどれぐらいになっているか。そのときに、これぐらいのボリュームの先生たちが必要だというシミュレーションの中で考えたときに、どのようなことを考えるかという見通しのようなものがどこかにあると思います。私は基本的には質を担保するためにきちんと履修をしてもらうというのは原則だ。これはそれを変えるものでは一切ない。ただし、現実的に 5 年というタームの中で、そこでそれは無理でした、取れませんでしたというのが続出してしまって実際に保育教諭が不足するというような事態を避けねばならないという考えがあるのだと思います。そう考えると、もう一つは履修の仕方の方が実は大切なテーマで、働きながらこれだけの長時間のあるいは勤務の中でそれをどうクリアしていくかという方法論の方が大切なテーマのような気がします。実際に質を下げないということになれば、私の保育園の経験からしても今働いている先生たちも、もう一回履修してほしいぐらいですよね。それぐらい保育の質を上げていきたいということがあったときに、いくら 5 年間とはいえ「よかったね」「ラッキーだったね」といったことは絶対に避けていただきたいということは申し上げておきたいと思います。

 

○若盛委員

 私も倉掛委員と全く同じでございまして、質の高い教育・保育という言葉が明記されておりますので、安易に資格を取らせるためにだけに融通を利かせてしまうのは避けていくべきではないかと一つは思っております。おっしゃるとおりで、後で取得方法等も論議されてくるかもしれませんが、実際に幼稚園教諭免許の更新に関しましては、前回もお話し申し上げたかと思いますが、個人として更新していくことになりますから、現場で働いている先生方が休暇を取って行かざるを得ない。長期休暇の中でやったりすることもありますが、現場の保育を休んで行くということなどもあったりするわけです。その辺のことであるとか、それに関わるそれぞれの園の補填というのでしょうか、抜けた間を誰が担当していくかとか、いろいろな細かいことが出てくるわけです。できるだけその辺の時間のことであるとか取り方などについても後になってくるだろうと思いますが、きちんと考えながら取りやすい取り方、取らせ方というのでしょうか、そのことは必要だろうと思います。ただ、本当にこの機会だからこそ、もう一度きちんと科目を履修できるようにしていくべきではないかと思っております。安易にではいけないだろうと思います。

 

○上村委員

 もちろん、時限措置という前提の下で、質は必ず担保していただきたいと思います。ついでに言わせていただきますと、この制度は保育所についてもしっかりと研修する研修権も確保していただきたいと思います。幼保連携型認定こども園には移行せずに保育所として残る施設もありますので、保育所についても研修する権利というのもきちんと付与していただきたいと思っています。

 

○藤林委員

 今の話を聞いていまして、介護福祉士の方で、今いわゆる施設で働いている介護福祉士を持っていない人たちへの研修がとても時間数が強化されて、それをクリアするのが大変だけれども、そこを越えないと質が上がらないという議論からすると、今、皆さまがおっしゃっていた方向性でよいと思います。

 もう一つ質問ですが、実務経験年数のところで、文部科学省が 3 年を案として出している場合に、こちらが少ないと、こちらの方が簡単という印象になってしまうから、 3 年なら 3 年で両方の足並みを揃えた方が良いと思いますが、それはどうなのでしょうか。

 

○上村委員

 文部科学省の検討とバランスを取るという意味では大変大切だと思いますけれども、保育士のみ有する者が幼稚園教諭免許を取得するという本検討会とは逆の面を考えたときに、「 3 年かつ 4,320 時間」となるととても厳しいと思います。非常勤の方が取ることを考えると、両方の検討会において同じ基準を設けることというバランスを考えて、時間で「 4,320 時間」としていただいてはどうかと提案したいと思っています。

 

○藤林委員

 実務経験を認める場合に、根拠としていろいろなものがのってはいるのですが、皆さまの現場の感覚として資格を持っていなくても 2 年間あれば保育が分かるということがあるのかというのも、その 2 年という保育範囲ですよね。 1 年でも分かるかもしれないけれども 2 年というのは何かあるのでしょうか。

 

○埋橋委員

2 年働いたら保育のことが分かるのかといったら、絶対に分からないですし、そういう言い方は非常に心情的には言ってほしくなかったという感覚です。

 

○藤林委員

 そのように言ってはいけないのですね。

 

○汐見座長

 それは、保育士は怒ります。

 

○藤林委員

 逆に言えば、幼稚園教諭も 2 年間で幼稚園教諭はどうですかということになるのかと思ったものですから。

 

○埋橋委員

 世間の見方というか、そういうことをおっしゃったのかもしれませんが。

 上村委員に質問ですが、非常勤というのもさまざまです。ここに実務経験年数の基準がいろいろあります。結局、概ね 1 6 時間働いているかというのが基準ですが、先生がおっしゃっている非常勤というのは具体的にどういうものでしょうか。

 

○上村委員

 概ね 6 時間以上の方もいれば、 3 時間の方もいます。休んだ保育士の代替になる方もおり、月に換算できない部分もありますので、時間数かつ 3 年という基準を設定してしまったら、非常勤の方は取りにくくなると思います。大前提として、両方の免許・資格の取りやすさはバランスを取るべきであり、保育士資格のみ有する者が幼稚園教諭免許を取得することも考え、基準をそろえる意味でも時間数( 4,320 時間以上)とした方が良いと思っています。

 

○汐見座長

 今は保育士のことではなくて、幼稚園の教諭として働いた人の時間数を考えていますので、要するに上村委員のご意見では、 3 年ではなくて合計で 4,320 時間以上とすることで保育士とのバランスを取ってもらいたいというご意見ということで、よろしいでしょうか。

 

○上村委員

 はい。

 

○倉掛委員

 幼稚園とのバランスというのが大切かもしれませんが、パート勤務と常勤というのは保育園の私の経験からすると、全く違うという前提に立つべきだと思います。経験といっても時間の足し算では決してない。というのは、現在保育士で非常勤が増えてきています。それで本当に保育の質がという議論がなされて心配されている中で、それを加速するような判断は私としては持ち込みたくないと思います。

 

○汐見座長

 その前に、幼稚園でパートさんというのはたくさんいるのですか。

 

○渡邉委員

 障害児についていたり、私の幼稚園だとバスの添乗をやっていただいたり。割とフリーの立場にいる方たちが多いと思います。

 

○汐見座長

 その場合は、どう考えたらよろしいですか。

 

○渡邉委員

 私は「取ってもらう」という言い方をしたときの取り方といったときに、パートの方も認定こども園では保育教諭が必要だという話であるならば、取ってもらわなければその人たちは働けないという前提になり、そうであるならば取らなければいけないだろうと思っています。その方たちが多分ある程度きちんと確保されていなければ、常勤の人たちが例えば 3 年経験していて極端な話でいけば平成 27 年に就職した人が 3 年間勤務したら、あと 2 年間の間で何科目を何時間で取るかは分からないですけれども、試験で受かるか、それともその科目を全部履修せよといっているわけですね。幼稚園免許の更新の 30 時間を取るのも結構大変なのに、認定こども園や保育所のように勤務時間が長い中で何十時間も講義を受けないといけないのか。それも休みのときなのか、夜なのか。毎週決まった曜日の何時間目に出ていくような学校の授業をただ履修するようなわけにはいかないと思います。何かしらの取り方を考えなければいけないとなると、 3 年というよりは 2 年ぐらいでもいいから授業というか単位履修をきちんとするとか、試験にきちんと受かるということの方に重きを置かない限り、今のところの議論は 5 年の間に取らなかったら取れないという言い方ですよね。5年間だけはよいけれども、それで単位を取らないのなら、あなたは取れませんという言い方をされてしまうとするならば、窓口は割と軽くしておく。ただし、中身はきちんと押さえて科目数と時間数はある程度の時間の中で長期の中で行うようにする、それでも養成校がどれだけ授業を設けてくれるか、取りやすさがどれぐらいあるかによって実際上保育者の方が選べるというのはとても難しい部分があるような気もしないでもないので、その辺のところの中で取りやすくというところと 2 年と 3 年との兼ね合い、パートと常勤との兼ね合いが出てくるのではないかと思っています。

 

○増田委員

 まずは、本当に何度も出てきますけれども、一方で今の保育の状況からいって質の高い保育者が求められる。その中で、こういった対応をしなければならないという相矛盾した中で今、検討がなされていると思いますが、一つお聞きしたいのが、先ほど文部科学省のご説明のときに「最低在職年数について」のところで、隣接校種の免許状を取得する場合で 3 年というものが出ているというご説明がありましたけれども、この辺をもう少し詳しくお聞きしたいのと、保育士のみの資格で幼免を取るときに、これは幼稚園の方が 3 種類の免許がある中で 2 種免許を取得するということと解釈してよいのでしょうか。そこを確認したいのです。

 

○茂里教員免許企画室長

 先ほど隣接校種の免許状の取得の話をさせていただいたのですが、教員免許を取得する場合に大きく二つあると考えてください。一つは大学などで教職課程を履修して、学位に加え、教職課程の単位を修得する方法。もう一つは、例えば小学校の免許を持っていて中学校の免許に変えたいという、それを隣接校種の免許状の取得という言い方をしましたが、そのような場合があります。隣接校種の免許状の取得の場合、経験年数を全て 3 年でカウントします。カウントした上で、実際に習得する単位数を本来修得すべき単位から軽減するという工夫をしているところでございます。先ほどの説明に補足いたしますと、そういう考え方もあるという意見が出されたところであり、まだそれがオーソライズされているわけではなくて先ほど申し上げましたが 1 回目の議論の一つの意見でございます。恐らくこちらの議論の方が先行していると思いますが、次の 11 26 日月曜日に、まさに同じように、施設そして勤務実績、科目の内容などをご議論いただく予定でございます。当然、増田委員をはじめ、皆さまからいただいたご意見を逆の立場でご紹介させていただきながら進めたいと思っています。

 

○増田委員

 ありがとうございます。

 

○橋本保育課長

 誤解されるといけないので 1 点だけ。例えば今日お出しした中で「 3 年かつ 4,320 時間」、それと単に 4,320 時間。これが持つ意味ですが、一つはパート化を促進するとか、しないとか。そのような意図があるわけでもありませんし、これはあくまでも実態に合わせた中立的なものであるというところが一つの前提だろうと思っています。その上で、例えば 4,320 時間という時間ですけれども、これは 1 年当たり 1,440 時間で計算してあります。ですから、仮に週 40 時間働く常勤の方が 1 52 週間みっちり働いたとすると、 1 年間で 2,080 時間になりますし、超過勤務を相当されている方であれば、もしかすると 4,320 時間を 2 年ぐらいでクリアしてしまうかもしれない時間数です。ですから、例えば 4,320 時間だけを掲げる場合には、かなり長時間働いている方の場合は 3 年より短い年限でクリアする可能性がある。一方で、 3 年という形で掲げる場合には、常勤者の場合には大体 2,000 時間程度の経験を積みながら 2 3 年間ということが想定されますけれども、非常勤者の場合にはずっと少ない時間で 3 年経ってしまうということがあり得るわけです。ですから、間の 3 年かつ 4,320 時間というのは、常勤者の場合でも大体 3 年ぐらいの経験をしていただく。また、 4,320 時間というところが非常勤で働いている方でも相当程度の経験を積んでいただくことが前提ということを合わせ技でやっているということでございますので、例えば先ほど上村委員がおっしゃったように、非常勤の方が取るということを考えたときに、時間数だけでというお話がございました。取りやすさということだけで考えると非常勤の方の場合には 4,320 時間という要件がない方がむしろ取りやすくなるわけです。ですから、あくまでも質的な担保をする上で時間数ということも掲げているというのが二つ目の案ですし、そこのところは常勤者の場合は必ずしも 3 年というところが担保されなくなる可能性がありますけれども、時間数だけという考え方もあり得る。この案はそういう意味があるというところを議論の前提として考えています。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。

 

○増田委員

1 種なのか 2 種なのかということのお答えは、どうでしょうか。

 

○茂里教員免許企画室長

 そこは今ほとんど幼稚園教諭の場合は 2 種免許状所有者が 70 %を超える実態でございますので、基本的には 2 種免許を前提に考えるのが基本と思っています。

 

○汐見座長

 少し整理いたします。幼稚園と保育園は事情が違いまして、幼稚園はパートなどがたくさんいるわけではなくて、ある意味では厳しいのです。パートの方は今言ったように障害者加配とか、バスを回しているときにバスの中での保育をやっているということで、それ以外の人は基本的に午前中 4 時間プラス、最近は預かりをやっているので。預かりは正規の人がやる必要はないわけですから、そういう意味では雇っている人は幼稚園の場合は正規の人が多いです。保育園の場合は過半数が非正規というところが多いですから、その辺は大分状況が違いますので、幼稚園で働いている人のことを主に念頭に置いて話を進めていただきたいということで、この中のどれかにするか。それから、網野委員は幼稚園に勤めたり幼保連携型認定こども園に勤めている人については 2,880 時間でもよいのではないかという差別化を提案されています。網野委員の場合は 2 種・ 1 種・専修で区別する必要はないと書いておられます。その辺を絞って文部科学省と合わせるために 4,320 時間が一つの線ということで出ていますが、それにも三つあって 3 年、 3 年かつ 4,320 時間、 4,320 時間という三つの案が出ています。

 

○茂里教員免許企画室長

 すみません、補足です。先ほど規模の問題で 70 %以上が 2 種という話をしましたが、実際に授与を受ける場合は学位により、学士であれば 1 種ですし、短大卒であれば 2 種です。そこは今の制度と整合を取らせていただくような形で議論していただければと思います。

 

○汐見座長

 幼稚園教諭免許と保育士資格の違うところは、幼稚園の方は学士を持っていなければなれないというところがありますが、その辺を細かくやると大変です。

 増田委員、お願いします。

 

○増田委員

 今のお話の中で、もちろんこれは今討議することではありませんが、保育士が現状のどういう取り方をしても同じ保育士というところを今後いろいろ検討しなければならないというときに、一方で幼稚園の方は既に専修・ 1 種・ 2 種とある中で、将来を見据えて考えたときには、幼稚園の方の専修・ 2 種・ 1 種ということをある程度意識しながら違いを出す方が将来に向けてはよいであろうと考えるのですが。ただ、現状の中でそこをどれぐらい考慮というか違いを出せるのかということをここではかなり検討する必要があるのではないかと思います。先ほども申し上げたように、質の高い者が求められている中で、相矛盾したことをここで検討しているわけですが、この機会を将来に向けて少しでも良い方向に向かう一つの機会にすると考えれば、保育士のこれからのより専門性の高い保育士養成の在り方、あるいは先ほどから上村委員が度々おっしゃる研修です。研修も今回入口のところはある程度緩やかにするけれども、修めるべきものはしっかりと学んで保育士の資格を取るという基本姿勢に立ったときに、しかし全てを一時に修得することが難しいときに研修の在り方が問われ、ここである程度研修が認められるということは今後の保育士の研修が認められなかったところに一つの機会になると考えると、幼稚園教諭免許の 3 種類のことと研修の在り方等をかなり綿密にここで検討して先に向けていくということが大事だろうと思います。

 

○藤林委員

 私は素人ですが、イメージとして経過措置の年に短大出の 2 種免許の人と大学出の人がそれぞれが同時に働き始めて、そのときに 5 年間の経過措置の中で 2 ページ目にも意見がありますが、 2 年後にこの人にまず実務経験として認めるのか。 3 年で認めるのか。そのときに幼稚園の免許を持っている人が保育園にパートで入った場合に場所によって網野委員の意見のように年限を変えるのか。 1 種・ 2 種・専修と変えるのか。私が先ほどからイメージしているのは、新卒でぼんと幼稚園教諭が入ってきた場合を考えていました。それで、先ほどから 2 年でよいのですかという話を雰囲気として話をしていました。ただ、どこかで折れなければいけないので、そうすると場所で 2 年と 3 年が変わるのか。 1 種・ 2 種で 2 年と 3 年を変えた方がよいのか。一律に皆同じように働いているのだから、 2 年なり 3 年なりどちらかに統一しましょうというのがよいのか。

 

○倉掛委員

 すみません。質問になるのかもしれませんが、私は今混乱してしまったのですが、最初の質問にもなりますが要は過去のどこまで遡るのかが決まっていませんよね。これから例えば平成 27 4 月に新しい認定こども園ができて、その年度に他の施設に勤めても、それは今回検討している範囲の話ではないと考えてよいのですよね。認定こども園に勤めている人が過去の経験としてどれぐらい勘案しましょうかということになるのですか。

 

○藤林委員

 過去をずっと遡るのか。それとも新たに始めてというのがイメージとして私も。過去はいくらでも遡れるのです。いつまで遡るのかをまた検討しなければいけないと思いますが。

 

○橋本保育課長

 確かに今日の資料の 2 枚目にありますように、 20 年前に退職した方の 20 年前の経験を同じように評価するのかという議論は、即戦力として考えたときにどうなのかという観点からの一つのご議論だろうと思いますので、その点を否定するつもりはありません。ただ、基本的に免許・資格を取っていただく上での免除科目なり履修科目の関係を整理するためのものでございますので、その試験を受ける時点あるいは履修をしていただく時点までの経験ということで考えるということになってこようかと思います。基本的には過去のそういうものであり、将来に向けてということになると、今の時点からその方が試験を受けられる時点ないしは履修科目を終えられる時点までの、今の時点から見たときの将来までを含む期間とお考えいただければと思います。

 

○大嶋委員

 「 3 年かつ 4,320 時間」か「 2 年かつ 2,880 時間」のどちらかをということだろうと私は思っていますが、現行の保育士試験は高校を卒業した後で 2 年間の実務経験があると保育士試験の受験資格はできる。現行は 2 年間の実務経験をということで、今回は幼稚園の教員免許を持っておられる方が 3 年必要かどうかというと、一方で私たちは保育士試験を受ける受験資格は 2 年で実務経験として見ていますという形にしているところからすると 2 年でよいのではないかと思いながら、一方では幼稚園の方の文部科学省の検討では保育士の経験として 3 年なければいけませんといっているとすると、幼稚園教諭と保育士資格を同等にするためには 3 年というのが、両方の免許・資格を同等に位置付けていくためにも 3 年。そうすると、こちら側を「高校卒業+児童福祉施設の実務経験 2 年」で受験してもらうわけですが、そこを変えた方が良いのではないかと思いながら、いずれにしても「 3 年かつ」とか「 2 年かつ」、両方に「かつ」を入れた方が、どちらかで取りやすくする。両方に「かつ」を入れて時間と年数を入れた方が良いのではないかと思っています。ただ、 3 年にすると現場の先生方は難しいのではないかとおっしゃるので、 5 年の間にできるだけ取りやすくするということですが、ここで制度ができればずっといくのではないかと思います。ですから、とりあえずは 5 年の間にできるだけ保育教諭という形では取ってもらいましょうということです。でも、ここで制度ができてしまうと、これでずっといくと思いますので、そういう意味ではある程度ハードルを高くしておいてもよいのではないかという気もします。

 

○埋橋委員

 ここの「実務経験年数」の基準に六つあるのですけれども、ここで「 3 年または 4,320 時間」というケースは成立しないのですか。

 

○藤林委員

 「かつ」は、両方を満たさなければいけませんよね。

 

○橋本保育課長

 先ほどご説明しましたように、例えば「 3 年または 4,320 時間」という要件を設定する場合には、常勤で非常に長い時間働いている方の場合は「または」でくくられている場合に 4,320 時間の方をクリアすればここの特例を受けられますので、 3 年よりも短い期間で特例の対象になってくるケースが出てくるだろうと思います。それから、非常勤で非常に勤務時間が短い方を想定しますと「 3 年または」の「 3 年」の方に掛かってきますので、 4,320 時間に達しない勤務時間でも特例の対象に掛かってくるということが考えられます。

 

○汐見座長

 「または」にしますと、例えば幼稚園で朝の車の中で 1 2 時間働いている人がいます。年間 250 日として 500 時間。そうすると、 3 年で 1,500 時間しか働いていないのですが、それでもオーケーになります。だから、「 3 年または」としてしまいますと、そういう人たちが入ってきますので、ここでそうではなくて「 3 年かつ」あるいは、時間だけにするか。どちらかだと思います。

 

○埋橋委員

 よく分かりました。

 

○汐見座長

 もう一つテーマがあるので少し急ぎますが、今日のところは今、大嶋委員がおっしゃってくださいましたけれども、足並みも揃えるという点では 3 年かつ 4,320 時間、あるいは 4,320 時間のどちらかになると思います。ということで、二つに分けて差別化した方がよいという意見はあまり出なかったので、はっきり言ってこちらに引っ掛かっている、あちらに引っ掛かっているということでややこしくなりますので、今のところ二つに分けないで 1 種・ 2 種・専修ともどこの幼稚園に勤めているかにかかわらず、 3 4,320 時間。「かつ」にするのか 4,320 時間にするのかについては、もう一度詰めるという辺りで大体が落ち着いているということですね。そういうことで、先に進めさせていただいてよろしいですか。

 

○渡邉委員

 先ほど話したことと同じですけれど、履修科目がどれぐらいになって何十時間というところが見えてくると 2 年の方が良いのではないかという気持ちが出てくる可能性があります。

 

○汐見座長

 ここでは決めません。最後に総合判断いたします。それから、課長、例えば保育士会でも実際に試験を受けるよりは科目等履修といった場合に、実際に働きながら学ばなければいけない。通信教育となる可能性は高いですよね。実際に通信教育はそんなにされているわけではないので、養成校に通信課程をすぐにつくっていただきたいということも併せてやるという予定はあるのですか。

 

○橋本保育課長

 通信課程を設けていただいて、それを活用していただくということは非常に有力な手段だと思いますので、これは履修科目の中身あるいは免除科目の中身が固まった段階で養成施設の方々に対しましてはこういった特例が設けられたということはきちんと周知したいと思いますし、ぜひそういうコースも設けていただきたいということも要請したいと思います。

 

○汐見座長

 多分、それがセットにならないと進まないような気がします。

 

○若盛委員

 養成所の先生方は、その辺の対応は可能なのでしょうか。いつこのことが結審されるのか分かりませんけれども。

 

○汐見座長

 そこを議論しているとそれぞれ大変なので、やるとしたらそういうことも必要になってくるということで、この検討会で保育士養成協議会等に要請を出すということも必要になってくると思います。先に進めさせてください。

 では、最後になりますけれども実務経験者が受験または履修を必要とする科目の検討です。この点について、事務局から説明をお願いします。

 

○橋本保育課長

 それでは、先ほどの資料の続きで、 3 番でございます。前回出ましたご意見を 4 項目書いてございますが、幼稚園教諭の養成課程と、保育士の養成課程に共通している科目は何か。また、幼稚園養成課程独自のものと、保育士養成課程独自のものは何か。それらが整理された具体的な資料を基に検討し、どの部分がより強化されなければいけないのかといったことの検討が必要だということ。

 二つ目として、試験科目と履修科目につきまして「必ず学ばなければならない科目」「実務経験により知識・技術を身につけることで、軽減してもよいか検討できる科目」「各委員が、実務経験により軽減してもよいと考える科目」の三つに分けられるのではないか。

 三つ目として、幼稚園は保護者の相談に応じることが学校教育法で定められており、それを踏まえて幼稚園教諭が勤務しているということで、「相談援助」や「保育相談支援」、「家庭支援論」などが履修科目から外せるかという検討が必要ではないか。

 それから四つ目が、保育士資格を与える以上、実務経験があったとしても「乳児の保育」や「社会的養護」の部分については、試験または履修による修得が必要ではないかといったことが前回出ていたご議論です。

 これを踏まえてどう考えるかというところでございますが、先ほど具体的に出ていたご議論も一つの論点でございますし、今日もう一つ資料 4 をお配りしておりますので、ご覧いただきますと、現在は実務経験を問わない形で幼稚園教諭の免許をお持ちの方につきましての一定の免除措置を行っているわけでございます。その関係で幼稚園教諭免許を持っているということで「保育の心理学」と「教育原理」「実技試験」、この保育実習実技を免除した上で、資料 4 のところに出ておりますこの科目につきまして指定養成施設での科目履修によりまして個別に一部の試験科目を免除するという取扱いがなされています。そのときの指定保育士養成施設で履修していただく科目がどれであれば保育士試験の方のどれが免除されるのかという対応表がこの表です。この資料 4 をさらにめくっていただきますと、試験科目とそれに応じました履修科目の具体的な科目の内容を細かく列挙してある対照表がございます。これの全体をご参照いただきながら、具体的な科目につきましてのご検討をいただければと思います。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。それでは、今の資料をご覧いただきながら、このことについて議論を進めたいと思います。

 その前に、また網野委員からメモが届いています。この点についても網野委員のご意見をご紹介させていただきます。「幼稚園教諭実務経験者の筆記試験免除検討科目、履修単位特例科目の [1] 幼稚園教諭免許を取得していることを踏まえ、実務経験に配慮した場合、保育士資格に必要な科目のうち、「保育の心理学」は、幼稚園教諭免許状取得要件の「教育の基礎理論に含まれる科目」と深く重なる部分が多く、筆記試験免除とすることを検討してはいかがでしょうか。

 「子どもの保健」「子どもの食と栄養」に関しては受験が望まれますが、実務経験のあり方や実態を踏まえ、検討する余地があると考えます。

[2] 上記の趣旨から、履修科目のうち、「保育の心理学」は履修単位特例科目とする可能性があります。また、「子どもの保健1・2」「子どもの食と栄養」に関しては履修が望まれますが、実務経験のあり方や実態を踏まえ、検討する余地があると考えます。

[3] 履修科目のうち、「相談援助」は実務経験を重視し、履修単位特例科目とすることについて検討する余地があると考えます。しかし、「家庭支援論」「保育相談支援」は、近年特に保育士として極めて重要な専門的役割を修得するための必須科目であり、実務経験のみではカバーできない科目です。これらの科目は、特例としない方向が必要であると考えます。」というご意見です。

 そういうご意見もあるということを含めて、試験の場合と科目等履修の場合を分けて検討しなければいけませんけれども、この論点に沿って少しご意見をいただきたいと思います。

 

○埋橋委員

 具体的に一つ一つ見ていくことになると思いますが、「子どもの保健」は、網野委員は実務経験を考慮して検討の余地ということだったと思いますが、これはぜひ履修なり科目も取得が必要だと思います。現状の幼稚園教育、主に幼稚園を念頭に置いた場合に、衛生面やこちらの後の方の履修科目の内容に書いてあることは、生命の保持という観点から徹底が必要なことですので「子どもの保健」は履修にせよ科目受験にせよ、外すことはできないのではないかと思います。しかし、「子どもの食と栄養」については実務経験を適用してもよいのではないかと、この 2 科目については思います。次の「社会的養護」は保育教諭の将来像を考えてということが必要かと思います。それと「保育実習理論」ですが、内容・総論・演習・表現技術は、実務経験を考慮して本当は学び直してほしいという思いはとても強くありますが、過重負担を考えると「保育実習理論」及びこの 3 科目は実務経験として考慮できる範囲ではないかと思います。

 

○汐見座長

 受験科目として、これは試験ですよね。残す科目をもう一度言ってください。

 

○埋橋委員

 残す方ですね。「児童家庭福祉」「子どもの保健」、「乳児保育」が入っておりますので「保育原理」です。

 

○汐見座長

 この三つを受験させる。

 

○埋橋委員

 そういうことになります。かなりスマート過ぎるかもしれませんが、現場に勤めている人の負担ということを考えると、それと時限措置にぐっと比重を置くと今の科目と考えます。

 

○増田委員

 確かに大変なことだと思いますが、今日の資料で参考資料 2 A3 の表があるかと思います。幼稚園教諭の免許状の取得の示し方と保育士養成の具体的な科目が示されている。大きな違いがまずあると思います。従って養成校によってかなり幼稚園教諭養成課程の科目等も含めて違いがあることは現状の姿だろうと思います。そういう中で、どんなに過渡的な 5 年間の限定とはいえ、取得すれば保育士は保育士資格なのです。ということで、保育教諭用の保育士というわけではありません。そういう意味では、どんなに大変であっても、例えば集中講義型のものがあるとかいろいろ工夫は必要と思いますが、参考資料 2 の下の部分で、埋橋委員もおっしゃいましたが「児童家庭福祉」は欠くことのできないものだと思います。「相談援助」等については、左側の「教育相談 ( カウンセリングに関する基礎的な知識を含む。 ) 」このことが保育士養成課程を決めるときに読み替えができなかった科目であったと思いますが、類似といえば類似したものがあるということで「相談援助」は「教育相談」のところで学んでいると考えてもよいと思います。「子どもの保健」については埋橋委員と共通で、とにかく子どもの命を守るということについては幼稚園の方の科目ではこれに相当するようなものが見当たりませんし、根幹だと思いますので、欠くことができない。そして、全部やらなければならないという意見で申し訳ないのですが、食に関しては幼稚園は不十分だと思います。「子どもの食と栄養」も内容・方法は少し検討するにしても、必要なところであろうと思います。そして、「家庭支援」に関する科目も見当たりません。「乳児保育」も重要なところだと思いますので、欠くことはできないと思います。「障害児保育」は「特別支援教育」といったところで学んでいれば、そこに代わることができるだろうと思います。さらに「社会的養護」については必須のものとしてぜひ入れていただきたいと思います。かなり右側にある保育士養成施設のところに出ている独自のもの、特にここ最近の社会の変化の中で保育所保育指針に新たに含まれたものについては欠くことはできないものだと思います。

 

○汐見座長

 確認いたしますが、増田委員は保育士試験として受ける場合としては五つは受けていただきたいということになりますか。「児童家庭福祉」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育原理」「社会的養護」は受けていただきたいということになりますね。埋橋委員は「社会的養護」は受けなくてよろしいのですか。

 

○埋橋委員

 苦しいところですけれども、保育教諭という将来像を考えたときには断腸の思いで。

 

○汐見座長

 ともかく今回は、ということですね。 2 案が出ました。上村委員、お願いします。

 

○上村委員

 本当は私たち自身も国家試験を受けたい、受けなければいけないということも会としては念頭に置いております。非常に大切な仕事だと誇りを持っておりますので、その責任も持っております。ただ、今回は時限措置であるという大前提に立ち、また、両方の免許・資格の取りやすさのバランスも考慮して意見を述べます。まず 1 番に「乳児保育」が必要です。これは幼稚園教諭では接しないところです。そして、「乳児保育」には必ず保健と栄養の内容も含んでほしいと思っています。顔色一つ見て子どもの状況が分かるということや、先ほどからお話がありますように命を預かるというところという点から、「乳児保育」のところは保健と栄養を含んだものとして整理していただきたいと考えています。発達の連続性、生活の連続性や保護者への子育て支援、 0 2 歳への参入促進ということを考えた際に必須であると考えます。  2 番目に「家庭支援」。これは地域における子育て支援の内容も含んでほしいと考えています。私たちの保育士資格には、保護者への支援という大切な責務があります。「家庭支援」は保護者に対する子育て支援を行うことを目的にしていますので、ここはぜひ入れていただきたい。

 それから「社会福祉」。これは、保育相談支援の内容も含んで「社会福祉」としてほしいと考えています。今回の新たな幼保連携型になっても児童福祉施設としての法的位置付けがありますので「社会福祉」は大切だと思っております。

 もう一つ 4 番目に外せないのが「社会的養護」です。先ほどから申していますように新たな幼保連携型認定こども園は児童福祉施設であること、また、児童相談所において親子分離をする子どもは 1 割程度で、 9 割が地域のなかで課題を抱えながら保護者と生活しているという状況があります。これは、虐待の子どもたちの例ですが、そういうことも勘案すると「社会的養護」というのは絶対に外せないと思っていますので、ぜひこれは科目として入れていただきたいと考えます。ただ、時限措置ということと、働きながら取得することを考えると、試験となると非常に難しいので、最初に申し上げましたように科目等履修の方向性ということでお願いしたいと思っていますし、研修を受けに行ける時間の確保もしていただきたいと思っているところです。以上です。

 

○汐見座長

 今のご意見を反映させますと、試験科目としては何を絶対に残すことになりますか。「社会福祉」が入ることになりますね。「児童家庭福祉」も入る。家庭支援が中身に入っていますから。「子どもの保健」も入りますね。

 

○上村委員

 「乳児保育」も含んでほしい。

 

○汐見座長

 試験科目の中に何が入るかが決められていますので、「乳児保育」はどこに入るかは実をいうとあまり細かく書いていないのです。資料 4 の表の「保育原理」の中で扱う。それに対応させてあるということで「乳児保育」という科目を養成校で取れば、この四つを取らなければいけませんが「保育原理」は免除されることになっています。ですから、こちらは科目の方ですが、もう 1 回いきます。「社会福祉」「児童家庭福祉」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」も入るわけですね。「保育原理」も入って「社会的養護」も入ると「保育実習理論」を外すだけということになりますね。これは厳しい。

 

○藤林委員

 幼稚園教諭免許で取らなければいけない参考資料 2 と比較してみますと、※ 2 のところに「これら科目に含まれる内容を合わせた内容に係る科目その他これら科目に準ずる内容」の中で、幼稚園教育要領に「健康」という項目が入っていますが、「保健」はとても重要だとおっしゃっていますが、これは「保健」と読み替えることはできないのですか。なるべく負担を少なくしてあげるのであれば幼稚園教諭で取っていた科目として認めてあげた方が、既に幼稚園教諭を持っている人だからよいわけですよね。

 

○埋橋委員

 それは「子どもの保健」ということに関して。

 

○藤林委員

 「健康」というのが、それに該当するのかどうか分からなかったので。該当するのであれば「子どもの保健」と読み替えてはどうかと思ったのです。

 

○埋橋委員

 実態などを考えると、読み替えられないと思います。

 

○藤林委員

 幼稚園教育の「健康」とは全然内容が違うと。

 

○埋橋委員

 もし、「健康」と重ねるという表現も妙ですが、そうすると試験科目でいえば「子どもの保健」「子どもの食と栄養」が「健康」に入ってくると思いますが、そのうち「子どもの保健」の部分に対しては、実務面といいますか具体的な保育方法を含めて、これを外すことはできないと思います。しかし、「子どもの食と栄養」については「健康」にも入っているし、食育については増進法もありますし、科目からは外してもよいのではないかと思っています。

 

○汐見座長

 「保健」というのは、かなり医学的な内容なのです。例えば伝染病にどう対応するかとか相当専門的な内容でして、領域が「健康」とは少し違いますので、それで埋橋委員はそう言われたのだと思います。矢藤委員、お願いします。

 

○矢藤委員

 「実務経験を加味する」ということの意味を少し考えた方がよいと思います。だから、カリキュラム上のことや内容だけではなくて、例えばさまざまな養成校がある中で一応単位を取っているといって、ぽんと現場に出る人たちがいます。多様な質の人たちがいて、一方で 2 年なり 3 年実際に幼稚園教育の現場で子どもたちと関わりながら伝染病などさまざまなことに対応しながら、あるいは子どものたちのお弁当のことも含めて食についての教育もしながらという実務経験を考えたときに、完全に外してよいかどうかは別として例えば履修の時間を軽減するといったような技術的な調整があり得るのではないかといったようなことも検討していけるのではないかと思いました。

 

○大嶋委員

 私も今の矢藤委員と全く同意見で、保育士試験の科目が一番左側に「社会福祉」から「保育実習理論」までありますが、実務の経験を加味して減らしてよいもの。例えば「社会福祉」と「児童家庭福祉」。「社会福祉」の中でも「相談援助」という科目は外して。というのは、 2 3 年なりで父親母親に相談に応じていることがないとはいえないと思います。そういったことを勘案したときに「社会福祉」からは「相談援助」の部分は取らなくてもよいと考えていけば、例えば「児童家庭福祉」も「児童家庭福祉」の中にもう一つ「家庭支援論」がありますが、これは経験からやっていることではないかということで外してもよい。あるいは、「子どもの保健」は1と2がありますが、どちららも必要なのか、どちらかとして考える必要があると思いますし、逆に「子どもの食と栄養」は必要ではないかと思います。「保育原理」も必要ですが「保育原理」と「保育相談支援」と「障害児保育」は外してやって、「乳児保育」は科目等履修で「保育原理」という科目を免除してもらうためには「乳児保育」だけはここの中では受けていただく。「社会的養護」は保育士の資格を与えるわけですから、保育教諭を辞めた後で別の養護施設、乳児院、障害児のための施設へ行かれる可能性もいくらでもあるわけで、それは保育士資格として行かせるわけですから、保育士資格をあげる限りは「社会的養護」は必要だろう。「保育実習理論」は先ほどから話があるように、免除してもよいと思います。ですから、「社会福祉」と「児童家庭福祉」のどちらかでもと思いながら、両方とも試験科目としては残して右側の「相談援助」と「家庭支援論」を外してもよいのではないかと思っています。

 

○汐見座長

 今のご意見は、試験ではなくて科目等履修の方ですが、今のままでは 15 科目も取らなければいけなくなっていますが、それを実務経験を考慮するということで、実務経験してもここはあまり経験できないだろうし、必要だろうというところだけ残していくということで、「社会福祉」と「児童家庭福祉」「子どもの保健」のうちどちらか。「子どもの食と栄養」「乳児保育」「社会的養護」の養護内容を両方やるかどうかがありますが、 15 科目のうち最低 6 科目を取れば、取る人はこちらの方が試験を受けるよりも取りやすいとなる可能性はあります。そのようことで、どうかというご意見です。

 

○上村委員

 もし、私たちの会としての主張を、この意味付けということで出させていただけるようでしたら、帰りに置いて帰りますが、ペーパーにこういう意味で「乳児保育」が必要だというようにまとめておりますので、参考にしてください。

 

○汐見座長

 それは出してください。ただ、「乳児保育」は今のところ全員が受験させなければいけないということになっています。増田委員。

 

○増田委員

 軽減するというのは、今の中で 6 科目まで減らしてしまうのは保育士として必要な学びができないと思います。ただ、現状のままの分量を課すかどうかは別として、それから、かなり演習的な要素のものもありますから、演習的な要素のところは実務を生かすということで、もう少しまだ結論を出さずに検討して極端に減らす方向にはならない方が良いと思います。

 

○汐見座長

 例えばこれは残した方が良いというのはございますか。

 

○増田委員

 先ほど申し上げたものを残すべきだと思います。

 

○汐見座長

 科目等履修の場合です。

 

○増田委員

 科目等履修の場合には、例えば「子どもの保健1・2」は恐らく1は必ずやって2の演習的なところはもしかしたら軽減してもよいかもしれません。

 

○汐見座長

 多分、皆さまもそれは変わらないと思います。これは保育士としてはどうしても必要なものですから。 19 時を回ってしまったので今日はまとめなければいけないのですが、どうしても言い残したので言っておきたいということがございましたら今、出していただきたいのですが。

 

○倉掛委員

 今までの議論と少し違う角度になるかもしれませんが、私は大切にしていますが実務経験といっても、その経験している子どもの経験の質をどれぐらい理解しているか、読み取っているか。あらためて経験していることが学び直す意義・意味といったことのための履修なりというのが極めて大切で、試験に通ってもその部分が飛んでしまえば意味がないと思います。ですから、そういったことがきちんと学び直せるような形で内容を充実する考え方や攻略をぜひ検討していただきたいと思います。

 

○汐見座長

 私は個人的には科目等履修を丁寧にした方が良いかもしれないと思って、自分で勝手に勉強するよりはこちらの方が、あらためて何年かやってみたけれどももう 1 回きちんと勉強してみたら、そうだったのかという学び直しがあるような科目をうまく選んでしていただくということが実は大事だろうと思います。その視点でもう 1 回ここのところを残すべきだとか、ここはあまり増やすのはということで次回にやりたいと思います。

 今日は 3 科目案から 6 科目案まで出ましたし、科目等履修では残すべきだというものをいくつか出していただきまして、大分詰まったような感じがします。今日の意見を整理していただいて、次回にもう一度論点を出していただきながら詰めたいと思います。どうもありがとうございました。事務局から、お願いします。

 

○橋本保育課長

 具体的なご議論をいただきまして、ありがとうございました。また、座長と論点を整理させていただきだきたいと思っています。

 次回の日程につきましては、追って事務局からご連絡させていただきます。お忙しい中、大変恐縮でございますが、次回もぜひよろしくお願いいたします。本当に今日はありがとうございました。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。


(了)

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